平成19年3月 本会議 定例会(第3号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

◯議長(江守俊光君) ただいまの出席議員は21名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。

                  日程第1
     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)

◯議長(江守俊光君) これより日程に入ります。
 日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第5号から議案第36号まで、平成19年度砺波市一般会計予算外31件について、及び報告第1号専決処分の報告についてを議題といたします。
 昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 4番 岡本晃一君。
  〔4番 岡本晃一君 登壇〕

◯4番(岡本晃一君) 私は、砺波市において、今後の入札に関することについて質問をいたします。
 砺波市の砺波市請負工事等指名業者選定基準がありますが、その運用をもっと厳しくすべきだと考えております。例えば、工事成績評点が55点未満を65点未満に高く改定し、指名停止基準も停止期間を1年を2年に、6カ月を1年に改定して運用すべきだと考えております。このような厳しい運用によってこそ、砺波市の公共工事の品質や納期が守られ、砺波市にとってもプラスになり、請負業者の育成にも役立つものと考えております。
 昨年の砺波市の公共工事において、道路工事で1カ月も納期遅れが出たり、校舎の配管から水があふれて教室などが水浸しになったりと、請負業者の真摯な態度が私には全然見受けられません。また、入札時に、入札書に印鑑を押し忘れて失格になったりと、これは受験生が受験票を忘れて試験を受けに行くようなものであります。このような事態が発生するのは、業者間で談合が行われ、仕方なしに入札に参加しているからだと疑われてもいたし方ないと思います。
 市当局が、地元産業の育成のため、地元業者を指名されるのはある程度理解できます。この温情ある計らいの間に、一日も早く健全な企業体質になるよう業者は努力すべきであります。そして、工事の品質や納期の面で、中堅、大手の業者にも負けないノウハウの蓄積を持つべきでありました。しかし、現実は、ただいたずらにぬるま湯の中で怠惰に推移したとしか思われません。
 今、日本の産業を牽引している自動車工業について、感じたことを述べたいと思います。
 戦後、日本の自動車は、アメリカやヨーロッパの自動車に比べたらとても比較できるものではありませんでした。日本政府は、国内産業の育成と経済の発展のため、輸入車に高い関税をかけ、輸入台数まで制限して、国内メーカーの保護に努めていました。そのかいがあって、自動車メーカーの真剣な努力と国民の所得向上により自動車ブームを迎え、生産規模も大きくなり、順調に発展してきました。しかし、国内需要だけを頼りにして推移していたら、例えばトヨタが生産台数でGMを抜くというような画期的な発展はなかったと思います。そのような発展を遂げたかぎは何か。それは、自動車王国アメリカに自動車の輸出を始めたことだと思います。そして、アメリカにおいて、徹底的に自社の車の悪いところをたたかれ、それを乗り切ることで今日を迎えたと言えます。
 市当局は、地元業者の育成のため、請負工事等指名業者選定基準をもっともっと厳しく運用すべきだと思います。そのことが、本当の意味で地元業者の育成と地域経済の振興に寄与するものと考えています。請負工事等指名業者選定基準をもっと厳しく改定される考えがあるのか、お伺いします。
 請負業者が、指名停止中、下請として契約しないことを入札指名委員会等で明文化されたのでしょうか。あわせてお伺いします。
 砺波市の予定価格を発表する方式はいい方式だと思っています。今までこの予定価格を入手するために、いろいろ不祥事が起きたりしていました。入札する業者にとっても、目標がはっきりし、時間的ロスも防がれていいと思います。
 次に、砺波市の入札において、予定価格に対する落札率ですが、平成18年で94.85%であり、設計金額に対する落札率は90.28%でした。長野県において、原則として全工事を一般競争入札で実施しており、平成17年度で落札率が75%まで下がっています。時代の流れとして、砺波市においても、一段の落札率の下げや談合防止のため、一般競争入札制度を導入すべき時期が来ていると思います。
 現職知事の逮捕につながった談合事件が全国で相次いだことや、また、名古屋市の地下鉄談合事件を受け、貴重な税金のむだ遣いを防ぐため、総務省、国土交通省は、地方自治体発注の公共工事に関する談合防止策として、透明性の高い一般競争入札の普及と工事の質の確保に向けて、次の5つの素案を出してきました。1.工事の履行能力が低い建設会社を排除する仕組みを整えるため、損害保険会社などの金融機関が建設会社の財務状況を審査し、落札した場合の契約履行を保証する制度、いわゆる入札ボンド制度を導入する。財務内容や信用力の審査に合格しなければ入札に参加できないため、不良業者の排除につながる効果があると言われています。
 2.市区町村の事業については、参入基準を明示する。参入基準は、価格だけでなく、技術力でも落札者を決める総合評価方式をとり、具体的には、過去に手がけた工事の受注額の累計や、自治体が採点した過去の工事成績などを点数化し、さらに、土木施工管理技士などの技術資格を持っている社員数なども点数化して、建設会社の能力を判断する。
 3.入札参加停止業者の情報を自治体間で共有する通報制度を導入する。
 4.電子入札未実施の自治体は、速やかに導入する。
 5.これから導入する新しい仕組みは、価格以外の要素をどう評価するのか、どの程度重視するのかという点で発注者の恣意が入る余地があります。工事の質を重視する余り価格競争が制限されれば、高コスト体質を温存しかねません。不透明な裁量がないか、チェックする第三者機関として、入札監視委員会を置いていない自治体は早急に設置しなさい等々といろいろ導入を求めてくるものと思われますが、どのように対処されるのでしょうか、お伺いします。
 以上で、質問を終わります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 岡本議員にお答えをいたします。
 岡本議員の入札に関する質問でございますが、前回も入札に関する質問がございました。随分入札に熱心な質問を常々行っていただいて、感謝を申し上げたいと思っております。
 昨今の国、地方を問わず、公共事業に対する談合事件、それぞれ摘発をされております。この防止や法令遵守が今、強く求められておるところでございます。入札行為に当たっては、公正取引違反事件などは、私は、法律遵守、コンプライアンス、モラルの低下にあると思っております。私ども指名した皆さんには、このことをよく申し上げておるわけでございますので、その点では十分気をつけてまいりたいと思っております。これは業者もそうですが、市の方も、そういうコンプライアンスというのは十分承知していかなければいけないと思っておるところであります。
 岡本議員もおっしゃいましたように、予定価格の公表は県下で初めてやったわけでございますが、そして、なお、また工事検査体制も充実しておると思います。入札の透明性というものも積極的に行ってまいったところでございますし、結果については、全部広報でお知らせをいたしております。そういう意味で、現時点では、私は、妥当な入札行為ではないかと、このように思っておるところでございます。
 なお、業者選定に当たっていろいろ申されました。確かに、受注に対する積極性、あるいは工事に対する取り組み、その他については、遺憾な点が幾つかあったんです、それは、間違いなく、おっしゃるとおり。そのことについては、私ども、今後、部分的には指名しない、そんなことを思っておりますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
 また、岡本議員から、市内業者を優先することはかえって競争力の低下であったり、生ぬるいのではないかという、もっと細かい話もありましたが、そのようにおっしゃいました。その面では、考えなければいけない問題もございますけれども、もし悪質な点があったら指名停止をしてまいりたいと思っております。業者に対する要請もあったわけですが、そのことは参考にさせていただきたいと。私が答える立場ではないと思っております。
 それから、請負業者が指名停止中、下請として契約しない。それは、前にも岡本議員からおっしゃいましたので、指名業者選定基準にはそのことを盛り上げてありますから、幾つかの提案については参考にさせていただいて、それなりに選定基準にも盛り込んでおりますので、御了解をいただきたいと思っております。
 なお、また、今後の取り組みについて、岡本議員から、国の入札制度、今、言われております都道府県、指定都市等については一般競争入札が原則だと、このように言われております。ただし、そのことは各地域においての判断であろうと思います。それが地方分権であります。国がそうだからという、そのような、私は、私自身も保守的かもしれん。ただし、地方の業者というのは、私ども税金もちょうだいしているんです。地域の経済の活性化にもなっています。そのことをやっぱり岡本さん、考えなきゃいかんと。一般競争入札がいいだとか、どこかの県で随分よかったということですが、地元の業者が全部あふれますよ。いいですか。そのことを考えないと、地方の活性化にならない。ただし、悪いことをしたら、それは指名停止しますよ。ただし、地域で根を張って、一生懸命頑張って地域の皆さんとともに仕事をするという、そういう業者等については、私は指名するのは正しいと思う。皆さん、どうでしょうか。
 今、一般競争入札、電子入札、おっしゃいました。混乱します、絶対に。いいですか。一般競争入札は、全国どこからでもオールジャパンですよ。それは、都道府県や指定都市はいいかもしれません。ただし、地方の経済を潤す、そして、仕事をしてもらって、地元ですから、後のメンテナンスも要るわけですよ。それを一概に、一般競争入札ならどこからでも安いのができます。ただし、そのときに気をつけなきゃいかんのは、あんまり実績から何から我々はわかっておりません。低かったらそれで契約せないかんわけ。
 今、地方の業者で電子入札に対応できる業者は何人おられますか。簡単に岡本さん、そうはおっしゃいますけれども、行政を執行する私としては、私は保守的かもしれませんよ。そのことをひとつ考えていただくことが大切ではないかと思います。もしやるとすれば、議会の皆さんと十分、岡本さんの意見だけじゃないです。皆さんの意見も聞きたい。あるいは、関係する商工工業団体の皆さんの意見も聞かなきゃ、私は執行できないと思う。皆さん、いかがでしょう。そのことを今申し上げておきたいと思っております。
 それから、今、国から県からいろいろ指導もございます、問題が起きてから。総合評価方式をやりなさい、これはいいと思うんです、評価するんですから。もう一つ、私は考えたいのは、地域貢献度、地域に対してその業者がどれだけどう貢献しておるか。今、一般競争入札で例えば他の府県から入ってもらうと、地域貢献度というのは全然ないんですよ。そんなことも含めて、これから私は考えていくべきではないかと思います。
 提案のあったことについては参考にいたしますけれども、私が反発するようでありますけれども、岡本さんの考え方に全部共鳴できません。そのことを理解していただきたい。しかし、この入札制度については、あちこちで問題が起きておりますので、私どもとしてはよく勉強して、先進地の事例なども参考にして取り組んでいきたいと思っております。
 それから、岡本さんに申し上げます。これだけ熱心に入札制度を勉強されて言われるんだったら、入札場へ来てくださいよ。あなた自身もこの間言ったでしょう。私は、情報公開だから入札をやっておる現場を見てください。その現場で傍聴していただいて、また具体的な意見が出るんじゃないですか。入札現場へどうぞ。情報公開し、議員バッジをつけておられるんですから、傍聴していただいて、そして具体的な提案をしていただくことが大切ではないですかね。机上で考えられるのではなくて、現場を見てもらう。入札の現場を見てもらって参考意見を出していただければありがたいと。
 以上であります。

◯議長(江守俊光君) 9番 嶋村信之君。
  〔9番 嶋村信之君 登壇〕

◯9番(嶋村信之君) 通告のとおり、市政一般について提案並びに質問いたします。
 市長は、新砺波市総合計画の中で、市民の意識や価値観が多様化し、多岐にわたる行政需要の中で、市民と協働で進める行政運営が必要不可欠。さらに、地方分権や三位一体の改革などにより、社会システムの変革が進行しており、地方では、より一層市民生活に密着した地域の個性が光る施策の推進が求められていると述べておられます。
 本市は、東洋経済新報社による住みよさランキングでは、全国802市区の中、第5位にランクされるなど、高い評価を受けております。しかし、内容を見ますと、安心度、利便性、快適度、富裕度、居住水準充実度のハード面の指標が中心で、他人に対する思いやり、やさしさなどは評価されていないのであります。確かに、本市は、道路アクセスなどの利便性により人口増になるとともに、市税も堅調であります。しかし、反面、青少年による刑法犯が増加し、また、粗暴犯も増加しております。市民にとって一番大切な安心感や信頼感がだんだん失われているのではないでしょうか。
 市長は、平成16年の庄川町との合併のスタートに当たり、愛と融和を掲げられ、市民本位の目線で市政を運営していることについては敬意を表するものであります。しかし、5万市民のリーダーとしての市長職は、市民への目線のみならず、職員が仕事をしやすくするために、時としては、国や県の意向に配慮をしなきゃならない場合もあると思うのであります。また、議会で上程された議案が満場一致で可決するとは限らず、一部反対の場合も出てくるのは当然であります。それを他の会合などで、市長は、関係議員に対し、あのとき法案に反対していたではないかと言ったとか、言わなかったとか、仄聞することがありますが、まことに大人げがなく、残念に思う次第であります。
 私は、以前、先輩から、政治とは忍耐と寛容と誠実さが大切であると諭され、以来、及ばずながら自戒することにいたしております。以前に市長は、稲穂が実れば自然に頭が下がる。もっと腰を低くするように先輩からたしなめられたとお聞きしております。市長職として10年目を迎えられ、初心忘れるべからずとありますが、今後における市政運営の将来展望について、忌憚のない御意見を披瀝してください。
 最初に、人と心を育むまちづくりについてお尋ねいたします。
 1つ目には、教育改革と教育行政のあり方についてお尋ねいたします。
 政府の教育再生会議は、1月24日、学力低下やいじめ対策などを盛り込んだ第1次報告をまとめ、安陪晋三首相に提出。これを受け、今国会の教育関連3法案の提出に向けた作業も進められております。
 同報告のポイントを見ますと、「社会総がかりで教育再生を─公教育再生への第一歩」と題する教育再生会議の第1次報告は、学力低下や高校の必修科目の未履修、いじめ、不登校問題などを踏まえ、教育の現状を公教育の機能不全と指摘。その再生の第一歩として、義務教育を中心とする初等中等教育に焦点を絞って、7つの提言と4つの緊急対応を示しております。提言では、まず子どもたちの学力向上を図るため、ゆとり教育の見直しを明記、具体策として、学習指導要領を早期に改訂し、1.授業時間数の10%増加、2.基礎・基本の反復徹底と応用力の推進、3.薄過ぎる教科書の改善、4.土曜日補習の実施などを上げております。
 ゆとり教育は、近年の学習指導要領の改訂で導入され、かつての詰め込み教育の反省から実施されたものであり、その結果、学習内容や授業時間を大きく削減されました。現場からも、その弊害がかねてから指摘されて、提言でも国民に学力低下の不安が広がっていると、指導要領の改訂を早急に求めております。
 いじめ対策では、いじめ相談体制の抜本的充実や暴力行為を繰り返す子どもに対する出席停止制度の活用、教員が毅然とした指導ができるよう体罰の規定の見直しなどを上げております。また、不適格教員を排除するための教員免許法を改正し、教員免許の更新制度を導入するよう提言。廃止論も出ていた教育委員会についても、教育委員会での議論や学校における問題の情報公開の徹底、住民、議会による検証、権限の見直しなどの改革案が示され、当面の取り組みとして、第三者による教育委員会の外部評価制度の導入などが上げられております。
 学力世界一のフィンランドでは、詰め込み教育は行われていないとのことであります。同国は世界一の読書国であり、また、家族団らんを楽しめる働き方、地域全体で子どもを見守るなど、総合的な教育環境を整えております。現場の教師の多くは、学力が伸びる子どもの共通点は、家庭で生活の基本がしっかりしつけられ、保護者や大人の愛情が十分に注がれ、情緒が安定していることが肝要の指摘とあります。教育が目指す人間力の向上、真の学力向上のために何をなすべきか、あわせて御所見をお聞かせください。
 今日、子どもたちの生活習慣の改善は、単に家庭で指導してくださいだけでは済まないのであります。ある意味では、教育の基軸に社会のあり方を再構築していくことにつながります。すなわち、家庭の問題だけではなく、社会の問題としてとらえていけるかどうか、それだけ社会総がかりでの取り組みが必要となってきております。この大事な部分が欠落したまま、教員免許更新制や教育委員会の改革など、制度の転換で終わってしまうならば、対症療法になってしまうわけであります。若干、私見を交えて意見を述べさせていただきましたが、幸い新教育長は学校教育の経験豊かな方でございますので、御高見を拝聴させていただきます。
 次に、教育長にお尋ねいたします。
 1つ目には、全国学力テストの実施についてお尋ねいたします。
 文部科学省は、40年ぶりに本年4月24日に平成19年度学力・学習状況調査を行います。対象は小学6学年と中学3学年の2学年、教科は国語と算数、数学の2教科とし、抽出ではなく240万人全員対象であります。
 今回の学力テストの実施上のポイントは2つあります。1つは、出題される問題内容、もう一つは結果公表の方法であります。この全国学力テストでどのような学力をはかるかはとても重要なことであります。ペーパーテストでは、見える学力ははかれても、見えにくい学力をはかることは難しく、テスト作成にかなり工夫が必要であります。テスト問題を見やすい知識、理解の内容に限定すると、学力の一部のみの把握になって、授業改善や確かな学力形成に結びつかないことも予測されます。いわゆる学習到達度調査の問題を盛り込むことが検討されております。
 心配なのは、テスト結果のみで学力水準を比較し、学校間に過度の競争を起こさせることです。国語と算数、数学の指導だけに力が入り、他の教科の指導がおろそかになることが懸念されるからであります。また、テスト結果の扱いを誤りますと、学力の表面的な比較から、あの地域の学力が低いと地域を評価してしまうことになりかねません。御所見をお聞かせください。
 2つ目には、教育委員会に新年度から新設されるこども課についてお尋ねいたします。
 以前から種々要望の強かったこども課が、いよいよ本年4月からスタートすることになりました。そこで、新設されるこども課の具体的な業務内容、人的配置、場所及び予算については、従前とは所管等の違いがありますので、それぞれ社会福祉関係機関との連携のあり方を含めて具体的にお答えください。
 3つ目に、生命を大切にする教育についてお尋ねいたします。
 本年に入り、耳を覆いたくなるような事件が相次ぎました。こうした事件の報道を聞くたびに、生命を大切にする教育の大切さを痛感したのは私一人ではありません。今、IT化が進み、メールや携帯電話でのコミュニケーションが多くなってきております。最近の事件を見ると、その背景には、少子化の中、子どもたちには直接人と接する機会が少なくなっていることがあると思います。私は、教育では、さまざまな分野での直接体験を重視することが必要だと考えております。
 では、生命を大切にする教育のためにはどのような体験が必要なのでしょうか。その1つ、きっかけになると思われるのが学校における動物飼育です。小動物とのふれあいということで、私には忘れられない思い出があります。かつて教育現場にいた折、男の子が学校で飼育していたウサギを抱いたときの言葉です。すごく温かいんだという言葉です。この言葉には、生命と生命がふれ合ったときの新鮮な感動、そして驚きがあります。こうした感動や驚きこそが、生命を大切にする教育に必要なのではないでしょうか。動物は子どもの心を育てる、これは過日行われた全国学校飼育動物研究会全国大会での報告の結論であります。
 研究会の席上、動物飼育が子どもたちの心にどう影響を与えているのかの発表がありました。学校で1年間動物を飼育した子どもは、しなかった子どもに比べとても思いやりのある子どもになったとのこと。本市の幼小中学校の動物飼育実態を見ますと、少ないのではないかと思います。このような動物飼育が子どもの心、生命を大切にする教育にとって大きな力を持つとしたら、学校で小動物を飼育していくことがとても大事です。御所見をお聞かせください。
 4つ目に、特別支援教育の取り組みについてお尋ねいたします。
 障害のある児童生徒の一人一人に適応した支援をするとした特別支援教育が、本年4月からすべての小中学校で始まります。特別支援教育の特徴は、特殊教育の対象にLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、高機能自閉症など、軽度発達障害を新たに加えた点であります。新たな対象となる児童生徒を加えると、全体の数は約5倍になると文部科学省は推定いたしておりますが、本市においてはどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
 支援を必要とする子どもが増えることから、中教審は校内体制の整備を提言しております。そのポイントは、1.校内委員会の設置、2.特別支援教育コーディネーターの指名、3.個別の教育支援計画の策定であります。本市の各小中学校における整備状況についてお聞かせください。
 特別支援教育は、いわゆる学級崩壊の一因とも考えられ、軽度発達障害児の支援や、学校全体で障害児教育に当たるとする点で、評価する声がある一方で不安の声もあります。新年度から、特別支援教育体制推進事業として支援員を配置することになっておりますが、その具体策についてお聞かせください。
 また、各学校に特別支援教育コーディネーターを1人置くことになっておりますが、実情を考えますと現在の特殊学級担任の兼務が予測されます。そうなりますと、これまでの特殊教育の対象であった障害児の支援が置き去りになるのではないかと懸念されます。一方、新たな支援対象となった子どもが特別支援教室に通級するのではなく、通常の教室で複数の教師が担当することが可能なのかどうか。4月から完全実施されます特別支援教育について取り組みをお聞かせください。
 次に、笑顔あふれる福祉のまちづくりについて、福祉市民部長にお尋ねいたします。
 1つ目には、障害者負担金の軽減についてお尋ねいたします。
 本年4月からスタートした障害者自立支援法の施行に伴い、障害者が福祉サービスを利用する際の自己負担額が原則1割になったことから、障害者の負担増につながりました。そこで、激変緩和策として、低所得者に対する自己負担額軽減措置の追加、障害者施設への補助の増額など、今国会で補正予算が通過し、障害者の負担が軽減されるようになります。そこで、障害者が具体的にどのように軽減されるのか、お答えください。
 また、平成19年度の一般会計当初予算では、障害者自立支援法の施行に伴い、従前のように3障害別に予算が組まれておりませんが、平成18年度予算と比較して差異があるのかどうか。また、本市独自の施策についてお答えください。
 2つ目には、障害程度区分の認定と支給決定についてお尋ねいたします。
 今回、新たに行われます障害程度区分の認定は、障害福祉サービスの必要性を明らかにするため、障害者の心身の状態を総合的に示すものとして初めて導入されました。1次判定、要介護認定基準の調査項目と同じ79項目と行動障害やコミュニケーション、精神面に関する27項目、計106項目で実施されます。2次判定においては、106項目の認定調査結果、特記事項、医師意見書をもとに支援に要する時間を推計し、区分1から6の6段階に区分されます。知的・精神障害者の主たる特性である行動障害等については、市町村の審査会にゆだねるところが大きいと言えます。
 本市では、今後調査状況を検証し、適切な判断が現場でできるよう対応策をお聞かせください。また、市町村の障害程度区分の判定結果に不服がある場合には、都道府県における不服審査会に審査請求を行うことが可能であり、市町村における適正な判断が担保されることになっておりますが、本市の状況は障害区分の判定に当たり変更等があるのか、あわせてお聞かせください。
 3つ目には、視覚障害者のための情報バリアフリー(公的窓口に活字文書読み上げ装置の設置)推進についてお尋ねいたします。
 プライバシー情報や生活情報は自立した生活と社会参加に欠かせない情報源ですが、活字文書のままだと視覚障害者の方々が入手することはなかなか困難であります。そのため、こうした生活情報を視覚障害者の方々に提供する手段として、音声コードと活字文書読み上げ装置による方法があります。活字読み上げ装置は、厚生労働省の日常生活用具の対象器具、書面に書かれた文字情報を切手大の記号に変換したものを音声コードといい、それを書面の片隅に添付。その音声コードを読み上げ装置に当てると、音声で文字情報を読み上げるという仕組みであります。最近、自治体の印刷物などに添付され始め、徐々に普及し始めております。
 先に成立いたしました平成18年度補正予算は、障害者自立支援対策臨時特例交付金事業960億円が盛り込まれております。この事業の対象として、自治体や公立病院等の公的機関における窓口業務の円滑かつ適正実施に必要な情報支援機器やソフトウエア等の整備を目的とした視覚障害者等情報支援緊急基盤整備事業が入っております。つまり、自治体など、公的窓口に活字文書読み上げ装置を導入することに対して助成が行われます。助成割合は10分の10、全額補助であり、自治体負担はゼロであります。
 以上で終わりますが、どうか質問に対し、答弁される方の個性が光る内容を期待し、終わります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 嶋村議員にお答えをいたします。
 しっかりしっかり答弁せいということでございますので、申し上げたいと思います。ただし、簡潔に申し上げたいと思いますが、冒頭、褒められたのか批判されたのかよくわかりませんが、市政運営についての考え方を申し上げたいと思います。提案理由でも随分述べましたが、集約して申し上げます。
 実はこの1年間で1,800人の移動人口があるんですよね。10市の中で多い方なんです。それと、650人の外国人がおられますね。ただ、こういう情勢ですから、自治振興会あたりでは意思があんまり通らない、希薄化している、そんな意見も実は聞いておるところであります。いわゆる連帯感をやっぱり求めても、なかなか一緒になれないという状況もあるようであります。振興会の役員の皆さん、随分苦労をしておられます。その意味で、私は、愛と融和を訴えておるわけであります。もともとの市民も、おいでになった市民も、おかげさまでたくさん来られるんですよ。ありがたいんですが、皆さんに愛と融和を掲げておるということを、簡単に言うとそのような気持ちでございますので、その点御理解をいただきたいと思います。
 なお、また、砺波市も高齢化がずっと進んでおります。今、22.5ぐらいになったんでしょうかね。もうぐんぐん進んでおります。そうしますと、元気な方はいいんですよ。ひとり暮らし、老夫婦というのが実は点在しておるわけです、多く。その意味で、福祉ネットワークをやりたいと思いますが、やるについては皆さん、情を持ってくださいよ、情けを持ってくださいよというのが私の趣旨でございますので、お互いに心の通い合ったそういう厚い情を、皆さんとともに協働して福祉の町をつくりたいと、このように実は思っておるわけです。そのことにつきましては、市民憲章をベースにして都市づくりをしたいと思っております。
 一方、今、地方分権が叫ばれております。そのとおりだと思う。なかなか法律は通りませんが、そういう時代を迎えておると思います。そうしますと、市民と職員が対話をすることだと思う。それが、私は、市民の目線に立って仕事をしなさいよ、対話することによっていろんな意見も吸収できる、具体的な施策も私は生まれると思う。だから、職員に常に市民と対話しなさい、それは市民の目線に立って仕事をすることだと、このように申し上げておりますので、そのことについては御理解をいただきたいと思っておるところでございます。
 それから、今、県や国は昔は上意下達であったわけで、こうしなさいよ。今、教育基本法が変わって新しくやるらしいですけれども、何か上意下達、まだまだ国の方はありますよね。ただし、私は、そんな時代ではもうないので、職員もそのことを対応するために勉強しなさい、研さんしなさい、そういう気持ちでいきたいと思っております。
 ついては、ちょっと指摘があったんですけれども、県との話し合いの中に市町村の要求することと違うことがございますよ。意見の相違点があります。ただし、私は、市民の立場に立って物を申していきたい。だから、たまに始まりますよ、これは。これはやむを得ないと思う。ただし、もう地方分権の時代ですから、その気持ちに立って、同じ地方自治団体ですので、そういう意味で意見の相違はあると思う。先ほどもお話があった福祉行政についても、随分細かい点では、従来、都道府県が生活保護以下、福祉についてやってきたんですが、全部今、丸投げ。そうすると、我々のところでも問題がありますから、そのことの課題を持ち上げて議論する。あんまり言うもんだからちょっと憎まれておりますけれども、それはそれでいいんじゃないですか。少しぐらいトラブルがあっても、私は市民の立場で申し上げているんですから、そういう面でも御理解をいただければありがたいと思っております。
 その意味で、議会との相違もあると思う。トラブルがあると思う。特別指摘のありました反対する者に対して、おまえ何か言うたろ、そのとおり、事実認めます。嶋村さんは反対されなかったから、私は言わなかったんですね。あなたは私の提案について賛成していただいたのでいいんですけれども、反対された皆さんに、そのことについて大人げがない、そのように批判を受けました。このことについては、少し嶋村さんに申し上げておきます。嶋村さん、賢明な方ですから理解をいただけると思いますが、整理して申し上げたいと思います。
 先般のこの問題については、村中議員が反対討論をされた。御承知だと思う。反対討論の中身は、議会の全員協議会で議員の政治倫理の申し合わせをしたと。それに異なるそういう結果が生まれたんです。議員間の申し合わせですから、市役所はあまり関係ないんですよ。いいですか。議員間の申し合わせに対して、それは、問題はモラルだと思うが、私どもと関係ない。私どもは、先ほど岡本さんが言われたように、入札も厳粛にやりましたし、いいですか、そのように私が提案したんです。入札をきちっとやったんですから。だから、申し合わせ事項と私の提案したことと、私の提案が、岡村さんがおっしゃるように不正行為があったり、あるいは筋が違ったり、警察ざたになったり、それはもちろん私も提案できませんよ、まず。粛々と入札をしてでき上がっておるんです。私が提案したんです。いいですか。
 だから、申し合わせと提案したこと、筋違いなんですよ。その筋違いを今度は反対をされましたから、私は人生の経験者であるし、皆さんよりも少し地方自治をよく知っていますので、この筋違いについての反対というのはいかがなものかと、そう思って申し上げたんです。だから、私は市長じゃなくて、人生の経験者として、逆に言えば先輩として、それこそ大人としての、私は反対者に対して意見を申し上げた。どうでしょう。それは違っておるでしょうか。嶋村さんは大人げないとおっしゃいましたが、私は大人になったつもりで、今後頑張っていただかなきゃいかん議員さんたちですから、そういう筋違いについて、だから、村中さんの反対の議事録はありますから、よく読んでください。そういうことで全然違うんですから、そうすると今後のためも考えて皆さんに申し上げたわけです。だから、うそも隠しもしません。申し上げました。そのことをこの際申し上げておきたいと思います。
 なお、また、反対されることについては、私は一々その他について申し上げません。これまでもありました。ありましたけれども、一々そんなことを申し上げておりません。ただし、今回の中身は違うんですね。いいですか。私の提案の中身が違っておるのに、反対してもらって、私の提案の中身は全然指摘されておりませんから、私に対する反対というのは場違いでないか。そのことを申し上げて理解を求めたところでございますので、その点、批判をされましたので、ちょっとくどくなりましたが、申し上げておきたいと思います。
 以上、私からの御答弁といたします。終わります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 教育委員長 山森一雄君。
  〔教育委員長 山森一雄君 登壇〕

◯教育委員長(山森一雄君) 嶋村議員さんにお答え申し上げます。
 教育改革と教育行政のあり方についてお尋ねでございました。
 教育再生会議の提言に関しましては、昨年発生した問題とか、あるいは今まで懸念されていた問題の解決を考えるときには結構だというふうに思いますが、中には全国都道府県教育長会、あるいは全国市町村教育長のアンケートなどを見ますときに、広く国民に理解を得られていないようなものもあると思います。例えば、国と地方の関係などは、地方分権の流れとは一致していないように思うところでございます。そのことが10日の中央教育審議会、いわゆる中教審のかつてない異例の両論併記の答申にあらわれていると思います。
 また、首都圏や都市部で発生している問題を砺波市で議論するということよりも、今、砺波市で学んでいる子どもたちの真の姿を見て、より一層充実した学校教育に努力していきたいものだと思っております。だからといって、予見される課題について勉強することは大切であると考えております。問題発生の予防、あるいは備えは重要でありますし、そのことについて十分考えていきたいと思っています。
 それから、御指摘の子どもの生活習慣の形成でありますが、そのとおりでございまして、家庭を中心に学校、地域が一体となって取り組むべきことだと思っています。その意味で、教育委員会は市民に働きかけて、地域社会挙げて努力する動きを考えております。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 教育長 堀田良男君。
  〔教育長 堀田良男君 登壇〕

◯教育長(堀田良男君) 私の方からは、学力調査について、4月24日に実施します全国学力及び学習調査の結果について、砺波市教育委員会では公表しないことにしております。稲垣議員さんにもお答えしましたように、とやま学び育成支援事業、県もこのことについて関心を高めておりますので、この内容と融合しながら対応していく所存でございます。
 それから、議員さんが心配されております学校間の過度の競争やテストの科目指導及び学校間の格差の助長など、そんなことにならないように職員の研修、それから人事、今、それに手がけております。及び評価などの機会を通じて配慮をしていきます。競い合いますけれども、争わない。中国の古語に「光あるが光らず」という言葉もございます。砺波市の教育というのは、そういうところで非常にやわらかくて温かい雰囲気をつくってきたわけでございますので、それを踏襲していきたいと考えております。
 それから、新設されるこども課についてでございますが、これは昨日助役が大まかなことを答弁しております。そこで、人的配置につきましては、現在の高齢児童課児童係職員を基本にしながら、生涯学習課から子育て支援を行っている嘱託職員を1名配置転換します。
 また、予算につきましては、従来どおり民生費、教育費に分けて支出しますが、北部、太田、この子ども園では、今までは光熱水費等を両方の予算に分けて支出をしておったんですが、それは今度は一括してやれることになります。
 次に、社会福祉諸団体との連携につきましては、所管は教育委員会とはなりますものの、現行どおり社会福祉課や民生児童委員の皆さんと引き続き連携をとってまいります。
 次に、命を大切にする教育についてでございますが、青少年の犯罪で聞くにたえない、見るに忍びないというような事件が続発していることにつきましては、我々大変危惧をしております。
 幼稚園や小学校での小動物の飼育に関しましては、学校敷地の校舎で形等に制約がありますので、飼育する小動物の種類や数は、学校長がその現場で判断をして実施をしております。
 この際、申し上げるとすれば、各学校、幼稚園ではそれぞれ畑を持っておって野菜づくりをしております。それから、田んぼがあって水稲をつくっております。花壇では、花をつくったりしております。さらに、ビオトープではきれいな水、あるいは小動物などとの出会いを通して命の尊さを体験させております。小動物の飼育や草木を観察する、このやさしい心がやはりこの後、議員さんおっしゃるように、生涯の心の糧になることは確かでございます。したがって、園長会や校長会などにその内容の充実を図るように働きかけていきます。
 それから、特別支援教育の取り組みでございますが、特別支援教育を必要とする児童が砺波市内でも増える傾向にあります。心配をしておりますが、一見普通のお子さんのように見えるんですけれども、よくよく観察すると少し異常があると、こういうお子さんが増えてきております。そこで、市内の各学校では、17年度から文部科学省が示した特別支援教育に取り組んでおって、校内委員会や特別支援教育コーディネーターを各学校に配置しております。それと呼応して、県の教育センターでは、特別支援コーディネーター養成講座を実施しておりまして、市内の各小中学校からその講座に出向いております。
 さらに、砺波市の教育センターでは、特別支援を進めるための手法についての研修会を独自に開催しておりまして、これは幼稚園、小学校、中学校の教員もろともに約300名が受講をしております。これらの指導助言をいただいたことによって、新年度から各学校ではその準備を着実に進めております。そうすると、学校には、特別支援コーディネーターというものを特設しなきゃならないことになっております。これを決めるのは教育委員会ではないので、学校長が決めます。もうそろそろ内々決めていると思います。
 そこで、特別支援が必要なお子さんについては、特別扱いすることがマイナス状態になりますので、特別に面倒を見なきゃならない場合と、普通教室に含めながら一括学習指導をしていかなきゃならないため、この兼ね合いが難しいと思います。そういうことで、特に配慮をして進めていきたいと思っております。
 以上です。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 小西竹文君。
  〔福祉市民部長 小西竹文君 登壇〕

◯福祉市民部長(小西竹文君) 嶋村議員の笑顔があふれる福祉都市のうち、障害者負担の軽減措置についてお答えいたします。
 国は、昨年12月に障害者自立支援法の着実な定着を図るため、平成20年度までの特別対策として、利用者負担の軽減策を発表いたしました。その内容は、障害福祉サービス利用料の原則1割負担を低所得者対策として、利用者負担の上限額を引き下げるというものであります。生活保護世帯を除く最も所得の低い世帯につきましては、月額限度額7,500円を3,750円に、次に低い世帯につきましては、月額限度額1万2,300円を6,150円に軽減するものであります。また、軽減の対象世帯につきましても、低所得世帯の区分を、市民税非課税世帯のみであったものを、市民税課税世帯で所得割額10万円未満まで引き上げ、低所得世帯から中間所得世帯まで軽減幅を拡大したものであります。
 障害福祉の前年度との比較につきましては、平成18年度予算では、身体障害者、知的障害者、精神障害者の事業ごとに予算を計上しておりました。平成19年度予算では、障害者自立支援法の施行により、3障害の福祉施策が一元化されたことから、1.国の給付事業である障害福祉サービス事業、2.市町村事業の地域生活支援事業、3.その他の障害福祉推進事業、このように事業別に再編いたしました。新年度の障害福祉費全体では6億267万5,000円で、対前年度比3,221万円、5.6%の増となっております。主な要因は、国庫支出金の歳入に伴う福祉作業所などへの訓練給付費の計上によるものであります。新年度の特徴は、障害者の在宅生活を支える観点から、就労支援の通所サービスに重点を置いた予算となっております。
 障害者の中には、在宅で生活したいと望みながら、その環境が整わないため、福祉施設に入所しているケースがあります。地域で安心して自立した生活ができるよう、在宅生活を支えるホームヘルパーの派遣や、就労支援のため福祉作業所などの通所施設やグループホームの整備を進めております。
 市独自の施策といたしましては、在宅のホームヘルプサービス、就労移行支援事業、就労継続支援事業などの利用者のうち、市民税非課税世帯の障害者に対する利用者負担金の2分の1を補助したいと考えております。また、市単独事業としては、在宅の重・中度障害者に対して、生活激励の意味で障害者福祉金を支給しておりますが、新年度から年間2,000円を引き上げる条例改正をお願いしているところでございます。
 次に、障害程度区分の認定と支給決定について申し上げます。
 障害程度区分の認定につきましては、介護保険の認定調査79項目に障害者の心身の行動特徴の認定に必要な27項目を加えた106項目から成っております。認定調査については、国の基準では、県が実施する障害程度区分認定の調査員研修を終えた者1名で当たることになっております。当市では、精神保健福祉士、または保健師の有資格者と市が委託する指定相談支援事業所の職員で、県が実施する調査員研修を終えた者との2名体制で調査を行い、公正、適正な認定となるよう配慮しております。
 審査会は、精神科医、内科医の医師のほか、身体、知的、精神分野の有資格者5名で組織されており、審査に当たりましては、障害者、家族、施設職員の意見を反映した特記事項やかかりつけ医の意見書を尊重して判定されております。当初の認定結果に比べまして、障害程度区分がより重い区分に変更されるケースも見受けられます。障害者の生活実態に即した福祉サービスが受けられるように配慮されております。なお、障害程度区分判定結果やサービスの支給量の決定についての不服申し立ては現在のところございません。
 次に、視覚障害者のための情報バリアフリーの促進について申し上げます。
 最初に申し上げましたとおり、障害者自立支援法への移行のため、緊急的な経過措置として、昨年暮れの国の平成18年度補正予算で960億円が計上され、障害者自立支援対策臨時特例交付金として県が11億8,000万円の基金を造成し、その基金をもとに市町村に補助金交付を行い、市町村は平成20年度までに視覚障害者の自立支援事業を実施することになっております。
 視聴覚情報支援緊急基盤整備事業は、地域における障害者の情報バリアフリー化を促進するため、自治体窓口に情報支援機器を整備し、視覚障害者への情報提供と自立を図るものであります。補助金は1種当たり100万円の定額で、10割補助という有利なものであり、当市では、活字読み上げ装置のほか、音声拡大で読書機や点字ラベルライターなど、市役所窓口、庄川支所、図書館に配置しようと計画しております。導入に当たりましては、視覚障害者団体と協議し、必要度の高い機器から導入してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 3番 村岡修一君。
  〔3番 村岡修一君 登壇〕

◯3番(村岡修一君) ただいま議長さんよりお許しをいただきましたので、通告書に従い、市政一般について質問、要望をさせていただきます。
 最初に、農業問題、有機農業政策と環境保全型農業政策についてお尋ねをいたします。
 農業政策は、平成19年度より農政の大改革として、品目横断的経営安定対策や担い手経営安定対策、農地・水・環境保全向上対策などあります。こうした中で、昨年12月に施行された有機農業推進法は、これまでの伝統的な日本の農業を大きく変えるものであります。有機農業については、化学肥料や農薬を使用せず、遺伝子組みかえ技術を利用しないことを基本とし、環境への負荷をできる限り低減した農業と定義されております。別名オーガニック農法とも呼ばれています。
 我が国では、政府が指定した認証機関が認めた農産物や加工食品だけを有機と表示できる日本農林規格(JAS)制度が2001年に始まっています。農水省では、このほど農薬を使わずに野菜や果物を生産する農家を後押しすることや、有機農業を新たに始める人への相談窓口設置など、市町村レベルでの取り組みを促し、害虫駆除などの研究の強化に取り組んでいます。ただ、有機農産物の生産量や耕作面積など、国の具体的な数値目標は明示しない方向で、食の安全・安心を求める消費者の期待どおりに生産量がどこまで拡大するか、未知数であるとも言われています。
 有機農業は、家畜のふん尿を発酵させてつくった堆肥を田や畑に入れて土壌養分を補給し、栽培された作物の一部を家畜に食べさせて養分を循環させる方法が始まりとも言われております。しかし、有機農業という言葉が広まるにつれて、その意味に混乱が起きてきたのも事実であります。例えば、有機質肥料を使っていれば、農薬使用の有無を問わず有機農産物と呼んだり、農薬を使わないだけで有機と表示したり、現状では、有機農業という言葉を農薬や化学肥料の使用を減らした農業として使用している人が多いと言われています。
 そのため、農水省では、減農薬減化学肥料農業を環境保全型農業という言葉で集約し、その中で農薬と化学肥料の一定期間以上使っていない農法による農作物が有機農産物と定めています。有機農業の基本は、合成化学物質を使わず、自然の資源循環を利用することであります。方法として、化学肥料は使わない、また、農薬に頼らない害虫駆除、また、生物を使って殺虫肥料などが上げられます。その結果、有機農法のメリットとして、食品の安全性が第一に上げられます。自然環境、消費者、農家との間で、それぞれの相乗効果を図りながら、安全でおいしさや生産物を高く売れる持続的生産が確立されています。
 反面、有機農業にも問題点が幾つかあります。環境と調和した持続性ある農業を推進する中で、家畜排せつ物の利用を促進する法律など、環境三法を施行しています。一方、環境保全型農業の推進としては、土づくり、効率的な防除、適正な肥料、地域の有機物資源のリサイクル利用など、4つの方策を上げております。幸い、当地区で事業開始が予定されている資源リサイクル環境整備事業、養豚経営においても、家畜排せつ物の利用を促進するなど、おいしいとなみ米を目指して身近で取り組みが計画されており、その成果が注目されます。大きく変わろうとしている日本の農業は、人の手と自然の恵みから化学肥料中心となり、質から量へ、多少割高でも安全な食品を求めたいとする消費者ニーズの高まりがあることも現実ではないでしょうか。
 そこで、次の点についてお尋ねをいたします。
 1.市内において、有機農業栽培や環境保全型農業栽培について取り組み事例はあるのでしょうか。また、これらに対する市当局としての考え方、今後の指導方針についてお聞かせください。
 次に、水と緑の森づくり税についてお尋ねをいたします。
 県土の約3分の2を占める富山の森は、水源の涵養、土砂災害の防止、森林レクリエーションの場の提供など、私たちの暮らしに欠くことのできない大切な働きを持っています。別名、森林の公共的機能とも呼ばれております。富山県では、森林をすべての県民の財産として県民全体で支え、次の世代へ引き継ぐ事業として、今年度より新しく導入することにいたしました。具体的な税の概要については課税方式とし、県が本年3月から5年間、富山の森づくりプランとして、納税者を対象に、個人の場合は年間500円を徴収する。法人の場合は、資本金に応じて年間1,000円から4万円を、均等割額の5%を徴収するものであります。砺波市の場合は、納税義務者を対象に市民2万6,500人を対象に、年間1,325万円を予定しております。
 これらの資金を活用した事業方針としては、森林の整備及び保全を中心に健全な森林資源を維持造成し、県産材の公共事業等での活用の推進を図ることを目的に、初めての試みでもあります。富山県の基本方針に基づく考え方では、天然林では里山林と保全林、また、人工林では生産林と混交林の4つで区分されており、砺波市では、里山林整備地区として頼成、三谷など8カ所、75ヘクタールを候補地として確保し、富山県は混交林整備地区として増山、庄など5カ所、35ヘクタールを確保していると伺っております。また、砺波市独自の森プラン事業も計画されているとのことですが、その事業概要と初年度の取り組み対象地域等についてお尋ねをいたします。
 次に、砺波総合病院事業についてお尋ねをいたします。
 私は、常任委員会所属委員として、これまで数回質問をさせていただきました。最初に、砺波総合病院が今年1月、厚生労働省から地域がん診療連携拠点病院に指定をされました。今後は、先端技術習得に向けた医療スタッフの研修や、各病院が特定臓器のがんなどの得意分野によって役割を分担し、レベルの向上を目指すものであるとお聞きしております。現在、総合病院でのがん治療は、外来で抗がん剤治療を行うがん化学療法科は現在4床で実施されており、これを7床程度に拡充する計画が予定されています。
 現代病と言われているがん治療に大きな一歩を踏み出したわけですが、富山県が今年11月のオープンを目指すPETセンター開設に向けた平成18年度出資金総額は、14市町村と企業21社から計10億円が出資されました。しかし、砺波市では、県が推進するPETセンターへの参画は見送られており、事情があってのことと存じますが、大変残念に思います。このような状況の中で、指定病院としてどのような連携をされ、そして、今後、高度な手術、最先端の抗がん剤治療など先進的な医療提供であるがん治療へどのように対応をされているのか、お尋ねいたします。
 次に、病院経営についてお尋ねをいたします。
 先の議案説明会でも報告のあったように、県内の公的病院経営は先の医療費改定や医師不足、開業医の進出などで大変厳しい経営状況下にあると伺っております。平成19年度予算では、一般会計から経営健全化を図るために1億2,400万円を補助金として繰り出していますが、今年度収支見通しでは約12億円の大幅赤字が予想されています。原因としてはいろいろありますが、一番大きな原因である増改築事業の完了に伴う減価償却費増が病院経営を一層圧迫している原因ではないでしょうか。時期的には少し遅過ぎる感じもしますが、早急に第三者による経営診断など、大胆な経営改革も必要ではないかと思います。これまで課題となっていた医師不足は、小児科と産婦人科で医師確保がされ、総合病院の目指す良質で満足度の高い医療サービスはわかりますが、安定した病院経営実現にはまだ相当の時間が必要と思われます。
 また、依然として医療費未払い問題や外来患者数の減少による医業費収入減など、緊急な課題と思われます。院長さん初め病院スタッフの献身的な努力に対し敬意を表するものですが、経営が赤字では社会から信用が得られないのが厳しい現実でもあります。具体的な解決策として、未収金回収を強化するための人員増や、年間患者数、外来患者数、1日当たりの平均患者数の増加対策など、緊急課題と思われます。
 そこで、以下の3点についてお尋ねをいたします。
 第1点目は、外来患者数の増加に向け、どのような取り組みが検討されているのか。
 2点目として、医療費収入の向上策について、具体的にどのような対策を検討されているのか。
 第3点目として、昨年来体制が完備され、連休明けの本年5月より開始予定の女性患者を対象とした骨盤底再建センターについて、具体的な内容についてお聞かせください。
 最後に、国道359号砺波東バイパス事業について要望をしたいと思います。
 昨年12月定例会でも質問をさせていただきましたが、平成4年の都市計画決定で決定された国道359号砺波東バイパス事業の新庄線から芹谷橋までの河岸段丘通過工法について、高架案となってからはや15年が経過いたしました。平成14年7月に開催した庄東振興協議会では、懸案の河岸段丘通過工法、上か下かについて協議を開始し、約4年数カ月の歳月を経て、平成17年8月、熟慮の末、ようやく共同用水路の下を通す協議会としての折衷案で合意に至りました。
 その後、一貫して協議会案を基本に、県や両県議、国土交通省、県選出の国会議員の先生方へ要望活動を展開してまいりました。しかし、何度も足を運び、切実な思いで協議会案を受け入れていただくよう要望してきましたけれども、ハードルは高く、安全性、維持管理費が高い、予算確保が厳しいなど、平行線の状況下が続く中で、先般、国土交通省から高架案でいきたい、変更の余地は全くないとの厳しい回答があり、状況は急変をいたしました。
 理由として、協議会案の共同用水路の下を通す考え方では、高架案に比べ工事費が2倍の100億円かかるとのことから難色を示してきました。しかし、協議会として何とか工事費を低額し、上下で平面交差を可能とする妥協案の提示を強く迫りましたが、共同用水路の安全性を理由にこれらの課題を払拭することはできず、期待を寄せた昨年12月18日の国土交通省からの回答は納得できる内容とはほど遠く、重大な局面を迎えました。
 今年に入り、これまでの活動経過と今後の方向を見つけ出すため、地元として誠心誠意、住民説明会などを開催し、住民の意見を求めたところ、状況については理解できるが、活動経過やこれまでの市政に対する疑問視など多くの声があり、これらを真摯に受けとめ、協議会として断腸の思いで共同用水路の下を通す協議会案を断念したところでございます。しかし、22年3月、新庄線までの部分供用開始では問題点も多く、一気に芹谷橋までの全線供用開始を強く求めるところでございます。
 そこで、市長として、また、期成同盟会の会長としての安念市長さんの御所見をお聞かせください。あわせて、早期全線供用開始に向け、議員各位の御理解と御支援を切にお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 村岡議員にお答えをいたします。
 私からは、末尾にございました国道359号線砺波東バイパス事業についてであります。
 今、おかげさまで久泉地区の築造が進んでおります。なお、また、庄川にかかる橋梁の下部工も終わったようでありますし、上部工についても発注されたようでございます。逐次進捗をいたしておりまして、喜んでおる次第でございます。359号線は金沢と富山を結ぶ最短距離でございます。その意味で、早く築造されることが市民の願いでもあるし、県民の私は願いだろうと思っておるところでございます。
 さて、今、お話がございましたように、359号線の東バイパスのいわゆる庄東ですね、芹谷野河岸段丘をどう通すかということでいろいろ議論があったんですね。前の計画は上を通すと、こうなっておる。私は、昨年の雪を見て、これでいいのかというのは、私は率直な疑問を持ちました。あの大雪であります。ついては、庄東協議会で何度も何度も議論をしていただいて、結論としてはトンネル案があったわけですね。
 その要望をしたトンネル案、国土交通省はまだいいんですけれども、県庁がかたくなに反対した。反対の理由は、今、公共事業がたたかれておるでということ、もう一つは、お金がないということ。県も負担せないかんわけですからね。いわゆるトンネル案と上から行く。本当かどうか知りませんが、倍ほど違うという話でありますけれども、私は倍までいかんと思いますけれども、そんな話があって、なかなからちが明かなかった。県会議員の先生方も、しまいには嫌になって、どうでもせいと、こんな話。私一人、地元で決めたことについては、私はその方針に従いますよというのは私の原則であったわけであります。
 ただし、いろいろ言っておっても、進行が遅れてはよろしくない。そんな話もありまして、早期に竣工することを期待して、地元の皆さんもそれこそいろいろ議論をして進められてきて、今、それでは高架案にするかというところへ来たわけです。並々ならぬ努力に対して感謝を申し上げたいと思いますし、そのような高架案について納得したということを聞きましたので、その意向に沿ってこれから私も対応してまいりたいと思っておる次第でございます。いずれにしても、その間、御足労をいただいた皆さんに感謝を申し上げたいと思いますし、地元の皆さんにおわびを申し上げなきゃいかんかなと、こんなことを思っておるところでございます。
 なお、高架案にいたしましても、新湊庄川線、般若を縦断しておるわけですが、あそこまでやりますと、あそこで一遍とまりますと大変になるんですね。安川へ回ろうと思っても、大型トラックは回りません。それから、北へおりてでもいい方法がないわけですね。それと、もう一つは、あそこに住宅が点在していますから、お年寄りの皆さん、子どもたちのこと、いろいろ考えておられまして、これをどうクリアするか。今、いろいろ提案をされております。
 高架案になって、あと側道をつけるという話もございますので、そういった混雑をどう解消して、どうして皆さんに理解をしていただいてということになろうかと思いますが、それらの調整については、なお、また、地元の皆さんで協議をしていただく。方針が決まれば、私はそれに沿って対応をしてまいりたいと、このように思っておるところでございます。いずれにしてでも、今、あそこまで進捗しました。早く芹谷橋までと思っております。これからも皆さんに御協力をいただいて、速やかに進捗するように対応したいと思います。
 この間からも議論がございましたように、東海北陸自動車道がもう開通するわけです。そして、我が地元で359号線が途絶えておってもいけませんので、そのことを視野に入れて庄東振興会の皆さんは決断されたと思う。つきましては、条件がありますので、情勢を受けとめて、みんなでいい方向で解決するように努力したいと思いますので、議会の皆さんも応援をしていただくようにお願いを申し上げまして、私からの答弁といたします。ありがとうございました。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 病院長 杉本立甫君。
  〔病院長 杉本立甫君 登壇〕

◯病院長(杉本立甫君) 村岡議員御質問の診療連携拠点病院についての連携についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、今年1月に当院を初め県内7病院が厚生労働省から地域がん診療連携拠点病院に指定されました。このがん診療連携拠点病院は、地域におけるがん診療連携を推進し、質の高いがん医療を受けることができる体制を確保することを目的で創設された制度です。
 さて、富山県では、県内各医療機関のこれまでのがん医療の歴史やその特性を踏まえたがん診療連携拠点病院を中心とする新たな富山型がん診療体制を構築するため、去る2月9日、県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院、富山医療健康センター、富山県医師会、富山県厚生部健康課などで富山県がん診療連携協議会を立ち上げ、さらに詳細な検討を行う3つの作業部会、研修部会、がん登録部会、相談支援部会を設置し、事業の進め方について実務的な検討が始まったところです。
 議員お尋ねのPETセンターとの連携については、富山型がん診療体制としての取り組みの中で先駆的な機能を担う項目として明記されております。それは、行政と民間が協力し、共同利用方式のPETセンターを平成19年度中に開設することとしており、このPETセンターとがん診療連携拠点病院が連携して診断を行う体制を構築することや、将来的にはこれらの病院とネットワークで結び、常時画像が見られる体制づくりも検討されております。なお、当院にはPET─CTがありませんので、現在は金沢の病院と契約を結び、PET─CTを撮ってもらっておりますが、将来的には、患者さんの希望されるところで検査を行えるようにしたいと考えております。
 また、がん治療の対応でありますが、既に当院には、県内でも数少ない放射線治療医師が専従でおり、4月には、がん化学療法室の拡充、人員強化により医療の質を上げ、さらに、先にも述べました富山県がん診療連携協議会の研修作業部会を活用して必要な職員の研修を行い、がん治療に対応していきたいと考えています。
 次に、外来患者数の増加策と収益向上策についてお答えします。
 御指摘のとおり、当院での外来患者数は年々減少傾向にあり、懸念しているところでもあります。平成12年度以降、国の施策により入院を中心とする病院と外来を中心とする診療所に機能分化を推進するよう、診療報酬の改定が行われてきたことから、平成12年度の1日平均外来患者数は1,400人を超えておりましたが、薬の長期投与や医師の開業、医療費の個人負担増により、平成17年度には1,200人を切り、今年度は1,100人を割り込みそうな状況であります。なお、外来収益は昨年同期を下回っていますが、入院収益は現在、昨年同期を上回っております。まず、外来患者確保には医師の確保が不可欠で、今年の4月には現在数人の医師増加が見込まれております。今後とも、この医師確保には取り組んでいく予定にしております。
 さて、国の施策もありますが、当院では、外来患者のみならず、入院患者の確保のため、医療機能の向上と地域連携の充実強化と健診センターの充実を目標に取り組んでいるところです。特に高度特殊医療及び専門外来の充実、具体的には、女性骨盤底再建センターの設置、地域がん診療連携拠点病院指定に伴うがん化学療法室の整備、他の専門医の意見を聞くセカンドオピニオン外来の設置、健診センターの機能向上と連携強化、在宅医療での診療所、訪問看護ステーションとのより緊密な関係構築など、病診連携、病病連携の促進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、骨盤底再建センターの活動についてお答えします。
 女性骨盤底再建センターは、出産を経験した比較的高齢の女性に多い骨盤臓器脱を、メッシュを用いた特殊な手術で治療を行います。再建手術を行えるのは、北陸地域では当院だけであり、現在まで昨年から14件行われ、患者さんは、砺波市内はもちろんのこと、市外からも来院されております。現在は専用のスペースがなく、泌尿器科、産婦人科、大腸肛門科でそれぞれ対応してきました。新年度の早い段階から同センター専用の診察室を設置し、本格的に診療を開始する予定です。センターの診療日は週2回を予定し、予約制で行います。担当は、泌尿器科の医師によって、必要に応じて他の2科の医師が診察する形となります。
 以上です。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 堀 秋博君。
  〔商工農林部長 堀 秋博君 登壇〕

◯商工農林部長(堀 秋博君) 私からは、新たな農業政策についてと、水と緑の森づくり事業についてお答えをいたします。
 最初に、新たな農業政策についての有機農業や環境保全型農業の取り組み事例について申し上げます。
 国が平成11年に定めました持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律の施行により、環境にやさしい農業の推進や安全・安心な農産物の生産などを主体とする環境と調和のとれた農業生産の確保を図る取り組みが本格化してきたところであります。
 議員御質問の本市におきます平成18年度産米の有機農業栽培と環境保全型農業栽培の取り組みにつきましては、日本農林規格制度、いわゆるJAS法の認証登録の認定を受けた有機栽培農家は、1農家で3品種、9.3ヘクタールの栽培が行われております。
 また、環境保全型農業として取り決めのある特別栽培の栽培条件につきましては、有機質を主体とするコシヒカリの栽培では33経営体で、約51ヘクタールとなっており、有機質資材にかわって海草を使用した海草アルギットコシヒカリ栽培では、21経営体で43ヘクタールとなっております。また、最近環境にやさしい地場産野菜生産の取り組みとしては、アルギットニラの栽培が盛んであり、砺波の農協管内に組織されるJAとなみ野アルギットニラ生産組合において、64経営体で約6ヘクタールの栽培を行っております。
 次に、有機農業等に対する考え方と今後の指導方針、取り組みについて申し上げます。
 市といたしましては、消費者が求める安全・安心な農産物の生産を重視した有機栽培米や特別栽培米の生産拡大や地場産野菜の生産振興を行う必要があると思われ、となみ野農協を初めとする関係機関との協議を行い、有機質資材の確保や栽培マニュアルの整備を行っていきたいと存じております。また、平成19年度から始まります農地・水・環境保全向上対策において、減農薬、減化学肥料の活動について11地区、160ヘクタールの要望がなされていることから、これらの地区の支援を関係機関とともに行ってまいりたいと思っております。
 一方、県におきましても、減農薬、減化学肥料など、環境にやさしい農業に取り組む農業者をエコファーマーとして認定し、その育成を図ることとしております。こうした取り組みが、農産物の付加価値を高めるとともに、安全・安心な農産物の供給によってとなみ野米のブランド化を推進し、売れる米づくり、消費者ニーズに合った農産物の生産につながるものと考えております。
 次に、水と緑の森づくり事業の事業概要と初年度の取り組みについてお答えをいたします。
 最初に、この事業の目的につきましては、議員も述べられておりますように、森林は大切な県民の財産であり、次世代に引き継ぐ必要があります。このことから、森林の持つ公益的な機能を持続的に発揮させるために、長期的な展望に立って、多様な生態系に配慮しつつ、地域の特性に応じた森づくりを推進するものであります。
 そこで、砺波市の森づくりプラン策定につきましては、県の指導のもと昨年の10月に砺波市森林整備計画策定協働会議を立ち上げ、中山間地区での説明会や協働会議での現地視察を行い、策定をしてまいりました。このプランの内容につきましては、これまでの砺波市森林整備計画及び砺波市庄川町森林整備計画の冠として位置づけし、新たに森林整備の基本方針として、適正な森林施業の実施や健全な森林資源の維持造成を推進し、森林の有する多面的機能を高度に発揮させるとともに、県産材の公共事業等での活用の推進を図ることとしています。
 具体的には、森林整備の方針としては、地域ニーズに対応した多様な里山の再生を目指す里山林、原則自然の推移にゆだね保全保護する保全林、持続的な木材生産に重点を置く生産林、長期的な木材資源の確保と公益的機能の維持、向上の両立を図る混交林の4つに区分し、整備を進めるものであります。
 平成19年度から導入されます水と緑の森づくり税につきましては、県民参加の森づくりのための財源であることから、この中の里山林及び混交林の整備に活用されます。このうち、里山林の再生整備については、市が事業主体となって行うもので、人家や耕地周辺での里山林、カシノナガキクイムシ被害跡地などで、生物多様性の保全や野生動物とのすみ分け、生活関連施設の保全、森林環境教育の場の提供など、地域や生活に密着した里山再生整備を進めるものであります。整備箇所といたしましては、頼成、三谷、名ケ原、前山、寺尾、栃上、東別所、増山等を掲げています。なお、整備に当たっては、地域の合意形成が図られている森林を対象としています。
 また、県が事業主体となる緑の森再生事業では、風雪被害を受けた人工林や過密となった人工林などについて、早急に整備が必要と認められる人工林を対象に、杉と広葉樹との混交林へと誘導し、公益的機能の確保や景観の保全を図るもので、増山、庄、寺尾、加羅谷、隠尾等の箇所を掲げております。また、富山の森を支える人づくりなどの促進にもこの財源が活用されることになっており、住民参加の森づくりを進めるため、住民やボランティアによる整備活動を、富山の森づくりサポートセンターとの連携により推進をしてまいります。
 次に、初年度における取り組みにつきましては、砺波市森づくりプランで具体的な位置を定めている箇所につき、早急に整備を必要とする、また、地域の合意形成が得られる箇所から順次整備を進めてまいりたいと思っております。
 まず、市が事業主体となって実施する里山再生整備事業では、寺尾地区と庄川町三谷地区を予定いたしております。また、県が事業主体となって実施する緑の森再生事業では、寺尾地区と隠尾地区、加羅谷地区を予定いたしております。詳細な場所につきましては、実施前に森林所有者や地域の皆さんと協議しながら進めてまいりたいと存じております。
 以上であります。

◯議長(江守俊光君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時55分 休憩

 午後 1時00分 再開

◯議長(江守俊光君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 20番 山岸銀七君。
  〔20番 山岸銀七君 登壇〕

◯20番(山岸銀七君) お許しを得ましたので、私は、2点について、安念市長に質問と要望をさせていただきます。
 平成16年11月、旧砺波市と旧庄川町が合併し、新砺波市が誕生し、安念市長の豊富な行政経験を礎に、力強いかじ取りにより、新市まちづくり計画に基づく合併関連の大型事業も順調に進み、昨年は、今後成長期を迎える新砺波市の第1次総合計画が策定されました。安念市長には、愛と融和の精神のもと、この総合計画に基づく庄川と散居に広がる健康フラワー都市の実現を目指し、なお一層、その卓越した指導力を発揮していただき、市政を牽引していただきたいと思っている次第であります。
 市長は、新砺波市総合計画の中でも、まちづくりの基本方針として5つの基本方針を掲げておられますが、私もどれも大変重要なことであると考えております。中でもその第1に、笑顔があふれる福祉のまちづくりを上げ、生涯を通して心身ともに健康で明るく豊かな生活を送ることは、市民一人一人にとってもまことに大事なことであると思います。病気になって初めて健康のありがたさがわかるとだれもが言いますが、日ごろから自分の健康は自分で守ることの習慣をつけることは、超高齢化社会になった今ではますます重要になってまいります。
 そこで、今回、私がお尋ねしたいのは、県PETセンターへの対応についてであります。
 昨年の6月議会で村中議員の質問に対しまして、市長は、砺波総合病院においては、既に石川県下の病院とうまく連携して実施しており、市民の皆様には迷惑をかけていない。そして、県のPETセンターへの出資については、現段階では、経営計画の内容について不明な点が多く、議会の皆様に説明ができないうちは予算化はできないと答えておられました。一方、県PETセンターについては、本年2月18日付の新聞によりますと、11月オープンに向け起工式が行われたと報道されておりました。そこで、PETセンターへの対応について、その後、どのような協議が行われたのか、今日までの経過をお伺いいたしたいと思います。
 市長が日ごろから言っておられるように、健康対策については確かにボーダーレスで行われるべきであり、垣根はないとは思いますが、今般、地域がん診療連携拠点病院に指定されるなど、市長の熱い思いによりまして砺波総合病院のがん治療体制がさらに充実されれば、より多くの患者さんが砺波総合病院に来院されることが予想されます。つきましては、PETの有効性に対する疑問点などもあるようですが、市民の方が1人でも多くがんから身を守る手段として、この際、県のPETセンターの利活用も視野に入れるころ合いではないかと感じております。市長の現在のお気持ちをお聞かせください。
 次に、一般国道359号砺波東バイパス事業についてお伺いいたします。
 午前中の村岡議員の質問と重複しますが、改めて質問と要望をさせていただきます。
 市長には、日ごろより一般国道359号砺波東バイパスの整備について、大変御尽力を賜り、深く感謝いたしているところであります。
 さて、この道路は富山市と金沢市をつなぐ大動脈でもあり、さらに庄東地域の将来を大きく左右するグランドデザインでもあります。工事につきましては、現在、庄川の左岸側におきまして橋脚の工事がこの3月末に完成する予定とお聞きしているところであり、さらに現在発注済みの上部工につきましては、平成20年3月の完成に向け工事が進んでいると伺っております。
 このような状況の中で、長年の懸案事項でありました庄東段丘への通過方法につきましては、国土交通省と私ども地元とは高架を基本として協議がまとまったところであります。なお、国の計画によりますと、平成22年3月には主要地方道新湊庄川線までの部分供用開始をするとのことであります。そうなりますと、接続する関連道路が未整備なため、周辺の交通環境が極めて悪化し、近隣に庄東小学校、般若中学校を初めJA庄東支店、公民館などへ向かう交通弱者に対する安全性を危惧するものであります。
 つきましては、地域住民の安全で安心な交通環境の構築のため、各種迂回路などや側道などのバイパス機能を有する道路の整備について、私どもも地元庄東振興協議会で十分協議し、国・県に対し強く強く要望しているところでありますが、市におかれましても強く働きかけていただきたく、お願い申し上げるものであります。
 また、先般、国土交通省から完成予想のコンピューターグラフィック、いわゆるCGによる説明を受けたところであります。今後はこれをもとに、地域の皆さんと計画面での協議を重ね、御理解を得たいと考えております。この上は、残る主要地方道、新湊庄川線から国道359号芹谷橋区間の事業認可を早期に受けていただくように、国に働きかけるとともに、交通渋滞を避けるためにも、庄東振興協議会は一日も早い全線開通に向けて努力してまいりますので、市長におかれましても、一般国道359号改修促進期成同盟会長としての立場で、ともに関係機関への働きかけをお願い申し上げまして、私の質問といたします。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 山岸議員にお答えをいたします。
 質問に先立ちまして、私の姿勢について高い評価をいただきましたが、この後、はしごをとられてすとんと落ちるのではないか思ったりもしていますが、またよろしくお願いいたします。
 まずPETセンターでありますが、今後の取り組みなど聞きたいということでございます。昨年の6月、村中議員から質問がありましたこのPETセンターの組織、それから事業計画、資金計画、経営計画、まだその時点ではもらっておりませんでした。したがいまして、市の公金を使うわけですから、議会の皆さんにも十分説明ができないということを申し上げたところでございます。その後、県の厚生部から書類など、趣意書なども持参されました。
 これは厚生部が動くというのは間違いだと思う。会社設立ですから、会社の発起人が来られるのが趣旨かと思います。厚生部というのはいわゆる役所ですね。役所が会社を立ち上げるという趣旨は間違っているんじゃないかという、まずそこでぶつかったんですよ。いわゆる県知事が頭から言うのはおかしい。設立を趣意する皆さん、会社ですからね、会社の皆さんがお越しになったらどうですかということで、後から事務局に採用されました方もお越しでございますが、そんなこともあって十分な意思を伝えてこられないというのが現状であります。私は、その辺は筋を通したいというのが1つあったわけであります。
 なお、県の幹部につきましては、PETセンターは応援するよ。だから、相談窓口はあけておりますから、いわゆる会社からお越しになったらどうですかという話をしてありまして、かたくなに断っておるわけではございません。実際運営する会社の皆さんが来ていただくことが大切ではないかと、そのように思っておるところでございます。そのことは県の担当者もよく知っておりまして、いずれ、いずれといっても今日まで来ておりますが、議会中ですから今は来ないと思いますが、そのうち第2期の募集等があるようであります。そんなことも考慮に入れております。
 砺波総合病院については、御承知のようにがん拠点病院になりました。病院長ともよくこのことをお話ししました。先ほど村岡議員に対して説明もあったわけであります。この拠点病院は砺波広域圏全体で1つだけですね。みんなは、やっぱり圏域内の皆さん、そういう意味で安心感があると思う。そこで、院長の得意な肝臓がん、これが専門病院になったわけでありますから、今後この拠点病院を県中とも連携をしながら、がんに対する対応をしていくことも大切なことだと思っております。そんなこともございますし、近ごろ御存じのように、当市の死亡率はがんが一番多いんですね。そういう意味では、がんに対する対応は行政も避けて通れません。
 それで、議員さんもおっしゃいましたが、今は金沢の病院と石川県の病院と良好な関係もございます。これを断ち切るわけにはまいりません。この良好な関係もひとつ大事にして、そしてPETセンター、ここは先ほど院長が言いましたように、患者の希望によって進めたいと思います。その意味では、患者さんに対するサービスの面から言いますと、出資金の少しぐらいは出して応援することも大事ではないかと思っております。
 ただ、これまで検査体制、今は石川県でやっていますが、検査をしてちゃんと連絡が来るわけですね。それで、向こうも採算性の関係があって、最初は検査だけは受けませんよという話だったんです。これはけしからんと。検査して治療しないと、やっぱり医療機関ですからもうからないわけですね。そのことはわかったということで、検査だけも受けますよと少し変わったんですね。経営計画も少し変わってくると思いますが、そのように回答もいただいております。
 そこで、少しでも早くがんを見つけて、そして、がんで死なないように、いわゆる私は患者の立場に立って、行政責任者として対応する気持ちは十分に持っております。いずれ出資する時期が来ると思いますので、その機会を見て対応したいと思います。もちろん予算を組まなきゃいけませんので、議会の皆さんとも協議をしてまいりたいと、このように思いますので、御了解をいただきたいと思っております。
 それから、次は359号線の問題であります。
 村岡議員にもお答えをいたしましたが、長い間、庄東協議会で御足労をいただいたことをまず感謝申し上げたいと思います。そこで、庄東協議会では、このたび国土交通省案、いわゆる高架ですね。このことについて同意をしたということであります。中にはまだくすぶっておる問題もございますが、一致した結論として、私はそれを尊重してまいりたい、このように思っておるところでございます。
 山岸議員からもおっしゃいましたように、県道新湊庄川線まで21年度内に完成をしたいということで、そうしますと、あそこでとまりますと迂回路の問題であったり、いわゆる交通について支障が出るではないかという御心配をされておるわけで、そのとおりだと思います。市といたしましては、関係機関にも十分そのことを話しして、安全で安心な交通確保をすることも重要だと思います。このことについては、庄東振興協議会でも一番現状をよく知っておられますから、それらに対する具体的な意見を出していただいて、地元の皆さんのための道路であるという、そういう認識で対応をしていただければありがたいと思います。
 なお、また、この道路につきましては、般若はもとより、東般若、栴檀野、栴檀山、みんなアクセスするわけですね。そういった考えもございますから、そういう意味での要望をこれからしていかなきゃいけません。ぜひそのことについて、意見をこれからも集約をしていただいて、私も、皆さんが御意見をまとめていただいたものについては要望してまいりたいと、このように思っております。
 終わりになりますが、この地域のまとめ役をしていただきました山岸議員さんに感謝を申し上げて、私の答弁といたします。終わります。

◯議長(江守俊光君) 1番 大楠匡子君。
  〔1番 大楠匡子君 登壇〕

◯1番(大楠匡子君) お許しを得ましたので、通告に従い質問と提案をさせていただきます。
 子どもたちが健やかに育つ社会となることを願い、3つの点からお尋ねいたします。
 まず初めに、環境保全対策、循環型社会の構築についてお尋ねいたします。
 今年に入り、アメリカ元副大統領アル・ゴアの映画「不都合な真実」が都市圏を中心に上映されています。ゴア氏は長年にわたって地球環境について語っています。今、起こっている温暖化の大部分は人間が起こしているものであり、私たちが直ちに行動をとらない限り、地球という私たちのふるさとにとって取り返しのつかない結果をもたらしてしまう。温暖化は科学だけの問題ではない、政治だけの問題でもない、これはモラルの問題なのであると。
 平成17年度の我が国の温暖化ガスの排出量は13億6,400万トンで、基準年の1990年と比べ8.1%の増加となっています。これは厳冬などによる影響もあるようですが、京都議定書では2012年までに平均で6%削減することを目標としており、目標達成の道のりは大変険しくなっています。
 さて、平成14年12月、農林水産省は関係府省と協力し、バイオマスの利活用推進に関する具体的取り組みや行動計画、バイオマス・ニッポン総合戦略を閣議決定しました。バイオマスとは、家畜排せつ物や生ごみ、木くずなどの動植物から生まれた再生可能な有機資源のことです。昨年の3月には、この戦略を見直し、国産バイオ燃料の本格的導入、林地残材などの未利用バイオマスの活用等によるバイオマスタウン構想を推進しています。バイオ燃料には、ガソリン代替えで利用されるバイオエタノールと軽油代替えで利用されるバイオディーゼル燃料などがありますが、資源の再利用と環境汚染防止という点からバイオディーゼル燃料の導入は重要なことだと思うものです。
 このバイオディーゼル燃料導入の取り組みが今、県内各地で進んでいます。バイオディーゼル燃料とは、植物油脂などの再生可能な資源からつくられる軽油代替え燃料で、てんぷら料理などで使った後の廃油が主に原料となります。バイオディーゼル燃料は、軽油に比べて排ガス中の黒煙が10分の1になることや、市販のディーゼル車に使用可能なこと、地球温暖化防止協定上の二酸化炭素排出量がゼロカウントされるなどの利点があります。
 また、湖沼や河川を汚染している台所からの廃食油、きのうの井上議員の下水道に関する質問にもありましたが、この廃食油が下水道に流されると、処理するのに膨大な量の水を使うことがわかっています。バイオディーゼル燃料は、この廃食油を利用するので環境汚染を防止することができます。このように、バイオディーゼル燃料は、エネルギー資源枯渇、地球温暖化及び大気汚染などの環境問題の解決に貢献する燃料として注目されています。まさに、循環型社会にうってつけの燃料なのです。
 昨年2月から、お隣の南砺市の民間業者が市の助成を受け、バイオディーゼル燃料の生産を始めています。富山市のエコタウンや魚津清掃公社などでも導入が始められています。また、入善町では、19年度から菜種油を栽培し、食用油として利用した後、その廃油を原料としてバイオディーゼル燃料を生産する事業を推進するようです。
 市では、昨年、地球温暖化防止砺波市役所計画を策定され、環境にやさしい循環型社会の形成に向けて全職員が目標を持ち、意識改革の徹底に取り組んでおられます。また、昨年策定された新砺波市総合計画にも、廃油や食用油の再利用を推進することが盛り込まれています。婦人会を中心とした廃油から石けんをつくる取り組みもありますが、それだけでは家庭内の廃油を処理できません。台所の流しに捨てる家庭がまだまだ多い現状もあります。固めて燃やす、紙に吸い取って燃やすなどの捨て方もいいのですが、資源の再利用から言うともったいない話です。また、精製されたバイオディーゼル燃料は、一般のディーゼル車に使用が可能ですので、ごみ収集車や公共バスなどに利用することができます。未来の子どもたちに美しい地球を残すために、ぜひ砺波市においてもバイオディーゼル燃料を導入されることを提案するものですが、市長のお考えをお聞かせください。
 環境問題に関連し、ごみの分別収集とマイバック運動の普及についてお伺いいたします。
 紙、プラスチックの分別収集が始まった平成17年度は成果があらわれ、燃えるごみの量は約1,000トン減少しましたが、残念ながら平成18年度は前年度比で64トン増加したと聞いています。また、紙、プラの収集量が伸び悩んでいるようでもあります。紙、プラの回収方法や回数等に問題はないのでしょうか。当局では、この状況をどのように分析されているのか、平成19年度はこの対策としてどのような手だてを考えておられるのか、お聞かせください。
 次に、マイバック運動についてお伺いします。
 昨年から東京や京都の一部スーパーで試行されているレジ袋有料化の可能性を探るため、県は4月に協議組織を発足させ、全国初の全県的な取り組みを目指し動き出しました。国内で年間に使われるレジ袋は約300億枚、原料の石油に換算すると56万キロリットルになります。県内でも年間約3億枚使用されているレジ袋有料化は、ごみを減らし、石油資源のむだ遣いをなくす地球温暖化対策のための1つの取り組みです。
 市の連合婦人会では、時代に先駆けてレジ袋を使わないマイバッグ運動を始められ、今日まで根気よく続けてこられています。また、4月に改正容器リサイクル法が施行されることもあってから、市内のスーパー等でマイバッグを持参する人が増えてきています。大変うれしいことだと思っています。過日の新聞にも、「マイバッグ売れています。県内でかごタイプ品切れも」という見出しが大きく出ていました。この機を逃さず、いま一度原点に立ち返り、なぜマイバッグ運動なのかということを皆さんに考えてほしいと思うものです。
 もったいない学会の会長をされている東京大学の石井吉徳名誉教授は、消費者の危機感がまだまだ薄いことをとらえ、クールビズなどは枝葉の議論。京都議定書の目標達成には、すべての人の意識改革が求められていると話しています。温暖化対策を意識した生活様式や製品選びなど、今、一人一人が行動することが問われています。暮らしのスタイルを少しだけ見直す努力で温暖化防止を実現できるのです。
 そこで、お伺いいたします。ごみの分別収集やマイバック運動などについての市民意識の高揚を図るため、マンネリ化しているごみゼロ運動の一環として、県の地球温暖化防止活動推進員さんから環境問題についての話を聞くセミナーを各地で開くなどの工夫をされてはいかがでしょうか。きのう市長さんからも、地球温暖化防止対策を広く市民に呼びかけたいという答弁があり、大変意を強くしているものですが、当局のお考えをお聞かせください。
 次に、学校教育の充実という点からお尋ねいたします。
 学校教育が揺れています。文部科学省は、ゆとり教育からの方向転換をしようと模索しています。これを受け、有識者でなる教育再生会議は、学校再生応援プラン、子どもと家族のための教育再生プラン、国際的視野に立った教育再生プランの作成を目標に掲げ、具体的対応策を協議しています。
 ゆとり教育は、学校現場で基礎学力を軽視する傾向を生み、家庭での学習習慣を揺るがしました。生きる力を重視する考え方が、一方で勉強はしなくてもいいという誤解を生んだ面があるようです。その結果、できる子とできない子の差を広げ、学力の二極化を生んだと言われています。しかし、ゆとり教育の成果も上がってはいるのですが、評価されていません。ゆとり教育の方向性は間違っていない。基礎学力をおろそかにしたことが問題だった。基礎学力という土台の上に自分で学び、自分で考える力が育つ、それが生きる力になるという現場の声もあります。知育、徳育、体育という教育の基本は変わらないはずです。教育において、変えるべきことと変えてはならないことがあると思うものです。教育現場の先生方には、揺るがない教育理念を持ち、子どもたちに接していただきたいと思うものですが、ついては、教育長の学校教育に対する教育理念をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、富山市などで先行的に進められている夏休みの短縮や通学区域弾力化、中学校の学校選択制についてお伺いします。
 夏休みの短縮については、私も部分的には賛成ではありますが、中学校の学校選択制については賛成しかねるものであります。自ら選ぶことで生徒の学校への愛着や就学意欲を高めることをメリットとしていますが、学校間の格差が生まれることや地域との関係が希薄になるなど、デメリットの方が大きいと考えるからです。また、問題になっている児童生徒の送迎問題にも拍車をかけることになります。自分の足で歩いて通える学校であることが基本であると思うのですが、夏休みの短縮と中学校の学校選択制について、教育長のお考えをお聞かせください。
 次に、少人数指導教員や体育などの専科の教員の加配についてお伺いいたします。
 幼い子どもたちに教育が与える影響ははかり知れないほど大きいものです。私自身も小学生のときに、体育専科の先生が小学校に赴任されて以来、嫌いだった体育が大好きになった経験を持ちます。過日の新聞に、般若中学校の1年2組の生徒がつくった学級応援歌が全国コンクールで3位に輝いたというニュースが出ていました。担任の先生は、プロ並みの歌唱力を持つ音楽の先生で、23人の生徒全員で好きな言葉などを出し合い、1つの歌詞につなぎ、それに先生が曲をつけ、学級応援歌ができたそうです。すばらしい取り組みだと感心いたしました。このように、先生方には御自身の得意分野にいかんなく力を発揮され、子どもたちに真正面からぶつかってほしいと思うものです。本物の心は必ず伝わるからです。このような貴重な体験を子どもたちに数多く味わわせてやりたいものですが、市では、一昨年から幼稚園、保育所に体育指導の先生を定期的に派遣されているようです。今後も、体育などの専科教員や少人数指導教員の加配をさらに進めていただきたいと思うものですが、教育長のお考えをお聞かせください。
 最後に、子育て支援という点からお尋ねいたします。
 子どもをめぐる久々の明るい話題として、厚生労働省の人口動態統計によりますと、2006年の出生数は前年より約3万2,000人増え、112万2,278人となっています。6年ぶりに増加に転じました。大変うれしい話です。昨年、過去最低を記録した合計特殊出生率も1.3台に回復する見込みです。人数の多い団塊ジュニア世代が出産年齢を迎えたことが背景にあるようですが、少子化の流れを多少とも変える好機と受けとめ、子育て支援を加速させたいものです。
 市では、平成19年度の予算概要に民間保育所建設費補助や東野尻幼稚園に支援センター開設などを盛り込んでおられます。また、保育料の階層区分の見直しを図り、より均等な負担割合となるよう試案されるなど、子育てをしやすいまちづくりを着々と進めていただき、うれしく思っています。
 そこで、さらに子育て支援を進めるためにお伺いいたします。
 厚生労働省は、先月、胎児や母親の健康状態を診断する妊婦健診をめぐり、市町村ごとに実施している無料健診の回数を現在の2回程度から5回程度に増やすことを提案しています。国の少子化対策の一環として、2007年度予算で自治体に配分される地方交付税のうち、少子化対策に充てる事業費が2006年度予算の約2倍の700億円に増額される方針であることを受けた措置で、診断の無料回数を増やして出産世帯の負担軽減を図ることをねらっています。
 出産までに受診することが望ましいとされる健診回数は、通常の場合で14回程度、1回の健診料は、本議会に提案されている改正により4月から4,000円になります。私も十数年前、この健診にかかる費用が高いので、健診の回数を減らそうかと思った経験を持ちます。異常がなければ問題ないのですが、この異常は健診で発見できるので、定期的な健診は欠かさないでほしいと思うものです。現在、砺波市では4回の無料健診を実施しておられるわけですが、さらに一、二回無料健診を増やしていただけないかと思うものです。当局のお考えをお聞かせください。
 さて、富山県の母乳育児率が昨年度1カ月児で95.6%、3カ月児で81.7%と全国トップクラスの高さだったことが県の調査でわかっています。母乳による子育ては大変効果があることを県内の各医療機関などで啓発されてきた成果であると思うものです。
 ある文献によりますと、母乳育児をしなかった母子の虐待率は、母乳育児をした母子の38倍になるという報告があります。また、母乳育児を行うことでオキシントンというホルモンが分泌されるのですが、このホルモンはストレスを早く解消させるなどの働きがあるようです。今年の7月には、日本母乳の会の母乳育児シンポジウムが富山市で開かれるようです。砺波市においても、母乳育児の推進に努めておられると聞いていますが、保育所に乳児期から預ける家庭が増えている傾向の中、砺波市の母乳育児率はどうなっているのか。また、母乳育児の啓発をどのように行っておられるのかについて、藤沢健康センター副所長さんにお伺いしたいと思います。
 以上で、私の質問を終わります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 大楠議員にお答えをいたします。
 この問題については、適当などなたかにと思っておりましたが、地球環境の問題、重要だと思いますし、皆さんも御承知のとおり、環境都市宣言を砺波市は行っております。そんなことから概括的にお答えしたらどうかなと、こう思って出てきたわけでございます。今、温暖化と言われ、きのう、おとといは雪が降ったんですけれども、このような状況というのは、やっぱり地球環境がおかしくなっているのではないかなという心配をしております。このことについては、婦人団体の皆さんも随分近ごろ意識をしていただいておりまして、深く感謝を申し上げたいと思っております。
 そこで、バイオディーゼルの燃料等の導入であります。このことにつきましては、重要な取り組みだと思っております。地球温暖化防止等につきまして、市役所実行計画を立てようということで、昨年から進めておるわけでございます。いわゆる排出ガス、温室効果ガス等々の6%の削減を目指して、今、庁内でそれぞれ対応いたしておるところでございます。議員御指摘のとおり、このバイオディーゼルエンジン燃料等については、各自治体でも幾つか成功例があるようであります。近年、廃食油の再生ルートなど、いわゆる廃油の収集コスト、再生燃料の品質として今進められておりました。まだまだ不足しておると思いますが、進めておられるということを聞いておるところでございます。
 当市におきましても、保育所に結構実は廃食油が出るわけですね。それをバイオディーゼル燃料に再生をして、一部でありますよ。ディーゼルですから、公用車において今試用をいたしております。一部ですが、試用をいたしております。それから、学校給食センターにおきましては、石けん等への再生ですね。そういった意味で回収をいたしておるところでございます。一般家庭から出る廃食油等々の収集等につきましては、これからもPRをして、隣の市にも業者ができたようでありますから、集めてもらう、そういうことも大事ではないかと思います。これを下水へどんと流してもらうと、さっきの御意見にもありましたように、随分費用もかかるわけでありまして、むだなことでありますから、そういうPRを皆さんに普及、PR、啓発をしてまいりたいと、こう思っておるところであります。
 ただ、バイオ燃料につきましては、安定的な供給が今できないんですね。一部使用といいますけれども、うちのディーゼルの機械なんですが、安定的な供給がまだできない。これを、安定的な供給ができるように今後なると思いますが、それから、これに適用した車両、この車両についてもエンジンの機能等、変える必要もありましょうし、これからも改良を重ねると思いますが、対応してまいりたいと思っております。しかし、大事な、再利用すると資源でございますから、先ほど申し上げましたように、皆さんにそのことを訴えていきたいと思っております。
 そして、議員からも御意見がございましたが、私は広く今後バイオマス、これはやっぱりやらなきゃいかんと思う。いわゆる自然の資源ですね。この資源を利用、活用するというのは、これは行政にとっても大事なことだと思う。その認識をみんなに持ってもらう。これからそういう自然的な資源を大事にして、それを利活用するというところへいくべきではないかと。そういう意味で議員さんもおっしゃったんですけれども、そのような啓発を進めるべきだと、私はそのように思っております。
 その他につきましては、関係部署からお答えをいたします。
 以上であります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 教育長 堀田良男君。
  〔教育長 堀田良男君 登壇〕

◯教育長(堀田良男君) 大楠議員の学校教育の充実について、そのうちのゆとり教育の見直しの中、基本的な教育理念を示しなさいと、こういうことでございます。
 議員さんが御質問になったとおり、教育現場の教職員にとって揺るぎない教育理念を持って子どもに接することは極めて大切でございます。そこで、砺波市では、新砺波市総合計画に示されているように、個性を伸ばし、豊かな感性を育む教育の充実という大命題を挙げております。そして、この目標に向けて、市内の学校の教職員一人一人は子どもを見詰め育てる指導に懸命に努力しているところでございます。
 そのためには、議員さんもちょっとお示しいただいたんですけれども、まず基礎的、基本的な知識、技能を徹底して身につけさせる。それを基盤として、だれからも律せられることなく、自ら学び、自ら考える、そういう確かな学力、ここまでがまず義務教育の仕事かと思います。そして、将来をたくましく生きるために、その義務教育で得たものを展開していくという、こういう基本的なストーリー、これはだれしもが考えることでございます。砺波もそのラインで進めております。
 文科省の方で毎日毎日話が変わったようなことが出ますけれども、私は市内の小中学校の教員に新市の教育目標というものを片方に置きながら、自分が教師になったときのその理念を突き通しなさいということを強く申し上げております。そこで、このようなことを実行するためには、生涯にわたって生きるために、それを支える基本的な生活習慣というものがあります。昨年は、この基本的な生活習慣の視点を5本指のめあてということでもって具体化しました。そして市内の幼保、小中学校でそれぞれ機会を見て、あるいは全校でこれを集団的に取り上げて展開をしてまいりました。今年は、この基本的な生活習慣を身につけるために、家庭でできること、家庭でやらなければならないことの内容をまとめます。ほとんど作業が進んでおります。
 その内容の中核は、家族の子育ての輪という家族そろってリンクになって子どもを育てていこうと。その姿、具体的な切り口は、子どもをかわいがる姿、子どものひとり立ちを育む姿、それから、家族が力を合わせて一丸となってつながっているということの姿、その3本の柱をもとにして今進めております。成案化しましたら、これを学校、家庭、地域と連携して生活指導の中心として位置づけて、市民の皆さん全体で行動に入っていきたいと考えております。このことは、午前中の嶋村議員の質問に山森委員長がお答えしましたが、そのことのちょっと具体的な話になります。そういうことで御了解いただきたいと思います。
 次に、2点目の夏休みの短縮導入のことでございますけれども、県内では、授業時間数を増やすために夏休みの短縮を考えている、実行している市もあるようですけれども、夏期休業の有効活用や夏休み中に子どもが大きく育っております。その心身ともに大きく育っていることの評価をきちんとしてやって、それを本人も理解し、保護者もその30日余りの時間に育ったそのたくましさを理解する必要があると思います。3日、4日あわてて学校へ集めて子どもの不満を募るよりも、あなたはこの暑い夏の間にこれだけ強くなった、これだけのことができたよということをきちっと評価してやることが大切だと思っております。
 しかし、時代の要請といいますか、時が流れておりますので、このことは砺波市だけではちょっと動きにくい面もあります。中学校なんかはほとんど砺波地区でスポーツ大会等々ということでございますので、砺波地区の校長会へ専門グループでもつくっていただいて、夏休み中の過ごし方、夏休みの効果的活動、その中に場合によっては学習も入ってくるかもしれませんが、そういうことなどの検討をしてもらいたいと思っております。
 その次に、中学校の学校選択制のことでございますけれども、学校はその地域を担う人材を育てる大事な場所であります。そして、その地域の伝承文化を初めとする地域の資源を学ぶところでもあります。そのためには、自分が住んでいる地域の中学校へ就学するのが最も望ましいのであります。また、学校教育にそうなった場合には、選択制を選んだ場合には、学校間の格差という問題が出てきます。これらのことから考えてみたときに、我が市におきましては、中学校の学校選択制の導入は差し控えたいと思っております。しかし、中学3年間というのは、生涯にとって極めて大切な時期であります。だから、その3年間の過ごし方というものにつきましては、より以上に慎重であって丁寧な対応が必要であると考えております。
 次に、3点目ですけれども、少人数指導や教科教員の配置等の件でございますが、体力づくり遊びを充実するために、2年前、平成16年度から市内の幼稚園や保育所へ1年間に9回、延べ225時間と聞いておりますけれども、相当量の時間をスポーツ指導員が活動しております。それに加えて、今年度からは小学校にまでそれを伸ばして、年間10回、体力づくりを進めるために派遣し、学校の活性化に努めたいと思っております。
 次に、小学校での教員の係制度の一環として、体育の専科教員を配置した時期もあったんですけれども、教職員の定数の制約や今問題の基礎、基本の定着が求められることから、その教員を算数や国語の少人数指導の方へと回していったということです。したがって、専科教員の指導というのは現在ありません。その分、少人数指導の教員がいるということです。
 そこで、今回議会に提案させていただいております市単独の少人数指導の講師、この手当を168万1,000円計上させていただいております。さらに、学習障害のあるお子さん、それから注意欠落多動性のあるお子さん、これらに対するスタディメイト、協力する方ですね。このために89万1,000円の予算を計上しております。このことも先ほどの嶋村議員の御質問と関連しております。そういうことでよろしく御理解いただきたいと思っております。
 また、新年度では、教育センターの職員、それから派遣スポーツ指導主事、派遣体育専門員等が現場で気楽に活動できるようなことを検討してまいります。このように、限られた予算でもって砺波市内の学校教育の充実を図っていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。終わります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 小西竹文君。
  〔福祉市民部長 小西竹文君 登壇〕

◯福祉市民部長(小西竹文君) 大楠議員のごみ分別収集の推進についてお答えいたします。
 平成17年度から、容器包装リサイクル法に基づきまして容器包装の分別収集を始めたところ、市民の皆様の御協力により、プラスチック容器包装約200トン、紙容器包装約120トン回収したところであります。平成18年度は、2月末でプラスチック177トン、紙100トンを回収しており、平成17年度と比べてプラスチックは微増で推移し、紙は若干の減少傾向にあります。しかし、容器包装に対する市民の分別意識は着実に浸透していると思っております。
 紙、プラスチックの分別を始めた平成17年度の大幅な減少は、スタートのときの可燃ごみの出し控えもあったのではないかなと思うわけでありますが、それに対するリバウンドが今年度の可燃ごみの増加の要因になったのではないかと考えております。それに加えまして、市内にワンルームマンションが増えまして、住民登録のない転入の方、その方に対しては市役所窓口で分別指導ができないものですから、そういうものが増えた原因ではないかと分析しているわけであります。今後は、マンション管理者への分別指導を徹底していきたい。そして、その住民票のない転入の方々にも分別意識の浸透を図ってまいりたいと思っております。
 議員御指摘の収集方法と回数の問題についてでありますが、他市町村の動向も踏まえながら検討を進めているところであります。収集コストにかかる財政的な問題や各自治会への負担などを考えると、当面は現行の体制で行わざるを得ませんが、将来は収集回数も視野に入れた排出しやすい体制を確立してまいりたいと考えております。
 次に、マイバック運動の推進について申し上げます。
 平成18年6月に成立した改正容器包装リサイクル法を受けまして、本年4月よりレジ袋の削減に向けた具体的な取り組みが始まろうとしております。これは、事業者に対するレジ袋の排出抑制措置の導入であり、具体的には、国がレジ袋を多く用いる小売り業者に対して使用量合理化のための目標設定、容器包装の有償化、排出の抑制に取り組むことを義務づけるものでございます。また、県は、平成19年4月に大手スーパー10社程度で構成するレジ袋有料化に関する協議組織を発足させ、レジ袋有料化の可能性を探る取り組みを行おうとしております。地球温暖化問題や資源の有効活用の観点から、今後はマイバックの推進の動きが加速するものと考えております。
 当市におきましても、婦人会の皆様の地道な活動が実を結び、着実にマイバックが浸透しつつあると理解しており、私もできるだけマイバックを使うようにしております。今後も、引き続き婦人会の取り組みや富山県が委嘱している地球温暖化防止活動推進員が市内に4名おられますので、その方々の協力も得ながら、各地区でのセミナーや出前講座を開催し、さらに普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 福祉市民部次長 藤沢まゆみ君。
  〔福祉市民部次長 藤沢まゆみ君 登壇〕

◯福祉市民部次長(藤沢まゆみ君) 私の方からは、大楠議員の3つ目、子育て支援についてお答えいたします。
 1番、妊婦に対する無料健診の拡大についてでございます。
 妊婦が受けるべき健康診査の回数については、平成8年11月に出された厚生省児童家庭局長通知により13回から14回程度が望ましいとされております。現在、当市では4回まで妊婦無料受診券を発行しておりますが、100%近くがこの受診券を利用されており、妊娠中の情報も把握することができます。一方、妊婦さん方の健診回数の調査では、ほとんどが13回から14回の受診をされております。しかし、中には、経済的理由などで受診回数の少ない妊婦さんもいることは事実でございます。最低限必要な妊婦健康診査の時期、内容については、少なくとも5回程度は受診してほしいと考えております。
 今回の国の通知を受け、他市町村の対応状況を把握し、妊婦健康診査の重要性や少子化対策を総合的に判断した結果、妊娠中の健診費用の負担軽減はこれからの健やかに産み育てるという母子保健対策上大変重要なことであると考え、砺波市といたしましても、国の指導基準に基づき5回無料受診券を発行していきたいと考えております。
 次に、2番、母乳育児の推進についてお答えいたします。
 母乳育児のすばらしさについては、大楠議員さんも述べておられますが、以下4点ほどあるかと思います。1.人間の赤ちゃんにとって最も自然な栄養法であるということ、2.赤ちゃんを病気から守る免疫抗体を多く含んでいるということ、3.母と子の肌のふれあいを通して母への信頼が生まれ、情緒が安定するということ、4.産後の母体の回復を早めるなどであります。
 このことを踏まえ、砺波市の母親教室の中では、昭和62年度より特に母乳への意識づけを強めるため、全妊婦に対して母乳おっぱい教室を組み入れ、産婦人科医や助産師さんによる妊娠中からの母乳の手当てや個別指導に取り組んでまいりました。その効果もあり、ここ近年の砺波市の母乳育児率は県平均を上回っており、平成18年における生後1カ月の栄養調査では、96%、3カ月児健診時には82.4%が母乳のみ、あるいは母乳プラスミルクという結果が出てきており、母乳育児は確実に浸透してきていると考えております。しかしながら、母乳育児の大切さはわかっていても、いろいろな事情で母乳を与えられないお母さんもいることから、たとえミルクで育てても温かい愛情と心の栄養があれば心配ないということも同時に指導いたしております。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 2番 今藤久之君。
  〔2番 今藤久之君 登壇〕

◯2番(今藤久之君) お許しをいただきましたので、質問通告書に基づき質問をさせていただきます。
 農林水産省の新たな食料・農業・農村基本計画による農業政策大転換により、これまで全農家を対象としていた保護、育成政策が、その対象を農業法人と一部の農家へと変わることとなりました。品目横断的経営安定化対策がいよいよこの平成19年度から始まるわけであります。砺波市の4割を超える面積は農地でありますが、その行く末に憂慮するのは私だけではないと思っております。
 現在、農業を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。例えば、WTOにおいては、日本の場合、米の自由化圧力が常にかかっており、ミニマムアクセスを余儀なくされております。長期的には、農産物の自由化は避けられない流れであると思われます。あらゆる産業がグローバル化する中、農業も決して例外ではなく、WTOの土俵に立ち、共通ルールのもとでやっていかねばならないのであります。
 ここ10年ほどの間に25%とも30%とも言われる米価の低下がありますが、本当に自由化が進むようなことになれば、さらなるコストダウンが迫られるわけであります。生産コストの削減のためにも、面積規模の拡大を確保しておき、来るべき輸入に備える必要があり、また、農業従事者の3分の2は60歳以上になっているという高齢化の問題などもあります。
 先日、私は、集落営農組織に参加しない考えを持っているある農家の人になぜ集落営農へ参加しないのかを尋ねてみました。そのわけは、集落営農への幾つかの不安があるからとのことでした。収入が減るのではないか、今までの設備投資がむだになるのではないか、自分の思いで稲作ができなくなるのではないか、農業以外に事務などの仕事の負担が増えるのではないか、人間関係などがわずらわしくなるのではないかなどとおっていました。担い手以外の農家のための対策は平成21年までの措置であり、しかも3年間の期間中に漸減することになっております。担い手になる意思がある農家は、その期間中に担い手になることが大切であると考えます。担当課によりますと、平成19年2月末現在で認定農業者数114人、集落営農組織45組織、農業生産法人25法人となっております。
 そこで、お伺いいたします。
 これらの数字をどのように考えておられるでしょうか。さらに、積み上げる目標があるのであれば、その育成にどう取り組まれるのかをお聞かせください。
 農業の持つ多面的機能としまして、国土の保全、食料の安全保障、水源の涵養、自然環境の保全、景観の保全、文化の継承、地域社会の維持、活性化などが上げられます。これは、農業が単なる経済活動、産業活動ではなく、環境面や安全面、文化面においても重要な役割を担っているということであります。このような観点から見ますと、農業をほかの産業同様にコスト至上主義や大量生産、大量流通、大規模化と考えるのはいかがなものかと思うのでありますが、国策で制度化された以上、対応していくしかないのが現実であります。
 さて、今まで専業農家の多くは、兼業農家から農地を借り受けることでその農地を広げ確保してまいりました。一方で、多くの兼業農家は自ら耕作できない農地を貸すことにより地代を受け取ってきましたが、集落営農は少しでも耕作面積を広げることでそのスケールメリットを生かし、収益性を高めた経営をするために、農地の返還を専業農家に求めるケースも出てきたとお聞きいたしております。この改革は、農地規模拡大のために行われるはずであったものが、このようなケースにおいては逆に農地規模を縮小することになってしまうのであります。担い手同士の農地をめぐった陣地とり合戦という構図が危惧されないのでしょうか。このような混乱は市内にあるのでしょうか。今はないとしても、今後、発生すればどのように解決していかれるのかをお聞かせください。
 続いて、耕作放棄地についてお尋ねいたします。
 全国農業会議所の調査によりますと、高齢化、労働力不足、土地条件が悪い、鳥獣被害が多い、農産物価格の低迷などの理由により、全国的な規模で見てみますと、かなりの面積で耕作放棄地があるとされております。それゆえに、耕作放棄地対策は農政の重要な課題の一つとなっております。私の知る範囲では、砺波市においては目立つようには思えませんが、実態はどうなのかを、掌握なさっている範囲でお答えいただきたいと思います。国においても、砺波市においても、基幹産業と言える農業であります。この急激な農業政策大転換の波にのまれ、農業そのものが衰退することのないよう所管の御尽力をお願いするものであります。
 次に、砺波市版レッドデータブック作成についてお尋ねいたします。
 新砺波市総合計画によりますと、市内に生息する蛍やメダカ、ドジョウ、カタカゴなどの動植物の生態系の実態調査を行った上で、砺波市版レッドデータブックを作成し、自然や動植物の保護に努めますとあります。絶滅危惧種の野生生物を実際に調査、確認をし、その原因を究明することは、環境問題を考える上においても1つの指標となり、大変有意義であろうと思います。
 砺波市は、平成16年3月に市、市民、事業者が担うべき役割を明確にした環境基本計画を策定いたしました。その中での基本目標に自然の保全があり、短期目標の中での具体的な取り組みとして、レッドデータブックの作成があるわけであります。平成17年12月の環境審議会において、平成18年度から作成委員会を設立し、調査していくことが決定されました。10名の作成委員会の方々は、市内在住者で地道に研究をしておられる方々であるということもお聞きいたしております。平成18年度から平成20年度までの3年間で調査を行い、平成21年度に編集を行うとのことでありますが、現時点での進捗状況はどのようになっているのでしょうか。そして、またこの取り組みは、編集が終わればそれで終了というものではないと私は考えております。何年かごとの改定も必要であろうと思います。完成後の活用方法として、どのように考えておられるのかをお尋ねいたしまして、私の質問を終えさせていただきます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 小西竹文君。
  〔福祉市民部長 小西竹文君 登壇〕

◯福祉市民部長(小西竹文君) 今藤議員の砺波市版レッドデータブックの作成についてお答えをいたします。
 平成16年3月策定の砺波市環境基本計画では、多様な生き物が安心して生息できるまちを掲げております。具体的な取り組みとして、砺波市版レッドデータブックの作成を短期目標にしております。平成17年12月の環境審議会で、平成18年度からのレッドデータブック作成が申し合わせられたところであります。市内の研究者10名を委員に委嘱し、平成18年8月に第1回作成委員会を開催したところであります。
 進捗状況につきましては、第1回委員会で動物部門、植物部門のそれぞれ5名のワーキンググループに分かれて調査、研究を進めることを確認しました。その後、グループ別に集まり、調査資料の収集、調査種類リストの作成などに努められ、平成18年12月に第2回委員会を開き、グループ別に報告し、今後の進め方などを話し合ったところであります。その結果、新年度早々から現地調査に入り、聞き取り、収集、捕獲などを実施し、市民の皆様の周りにもお伺いし、情報収集を行うこととしております。調査に当たりましては、委員とわかるように腕章をつけて活動をしますので、御理解、御協力をお願いしたいと存じます。
 編集後の活用方法については、砺波市における絶滅危惧種の現状と実態を調査、研究した結果を羅列するのではなく、自然との共生を目指し、環境に負荷の少ない循環型社会をつくるため、絶滅危惧種を保存するための具体的な改善方法などを提案する予定にしております。例えば、水辺の蛍など、小さな生物の生態系の維持を図りながら、また、小学校のビオトープでの環境学習に役立つような、市民活動にも生かせるものにしていきたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 堀 秋博君。
  〔商工農林部長 堀 秋博君 登壇〕

◯商工農林部長(堀 秋博君) 私からは、農業政策についてお答えをいたします。
 最初に品目横断的経営安定対策の支援対象農家などの目標値についてでございます。
 平成19年度から導入される品目横断的経営安定対策については、担い手農家を主体とする対策であり、本年4月から加入申請手続が行われることになっており、現在、その加入要件に向けた対応について、各関係機関が協力して進めているところであります。
 議員が御心配されている集落営農への参加を希望しない農家で、経営規模拡大の意向のある農業者については、市の農業公社で総合的な相談窓口を開いており、農地のあっせん業務を行っていることから、気軽に御相談いただければと存じております。
 そこで、お尋ねの担い手農家等の育成状況につきましては、平成19年2月末で認定農業者114人、集落営農組織45団体、農業生産法人25法人となっており、これらの経営体で市全体の水稲作付面積の50%、大麦作付面積の100%、大豆作付面積の95%程度の生産が見込まれるものであります。また、県全体の状況につきましては、水稲作付面積で40%、大麦作付面積で100%、大豆作付面積で80%程度が見込まれると聞いております。なお、農業生産法人につきましては、本年5月末に1法人の増加が見込まれるところであります。
 今後の見込みにつきましては、集落における担い手への農地の集積が推進されていくことが予想され、引き続き認定農業者の増加が見込まれるものと思われます。また、集落営農組織についても、協業化から法人への動きもある中、新たな協業組織の設立も進むものと思われます。市といたしましても、足腰の強い砺波型農業の確立を図るため、今後とも担い手農家の育成、集落営農の組織化について、関係機関とともに進めてまいりたいと考えているところであります。
 次に、農地確保をめぐる混乱回避について申し上げます。
 担い手農家の育成段階において、全国的にも農地の利用調整の問題が生じているケースがあり、農林水産省においては、こうした貸しはがしの問題について懸念していると聞いているところであります。特に集落営農組織の設立によって、農地の使用収益権が従来の専業農家から移行するといったケースが多いことから、各地区の水田農業推進協議会や関係機関に対しまして、集落営農の組織化の段階において地域の担い手農家との十分な話し合いがなされ、円滑に組織化へと進むよう指導しているところであります。市といたしましても、こうした問題について、農地の集積に関する情報を関係機関と協議して対応してまいりたいと思います。
 次に、耕作放棄地の実態について申し上げます。
 現在、本市においては、中山間地域において若干見込まれるものの、中山間地域直接支払制度の対象農地については、集落の共同活動により何とか保全管理されているのが実態であります。中山間地域における耕作放棄地については、圃場区画が小さく、用排水が悪い農地が放棄されているものであります。今後は、こうした悪条件の農地についても、水稲にかわる作物の栽培や保全管理を行うなどの対応が必要と思われます。また、中山間地域における農業に対して、企業が参入できる特定法人貸付事業の導入についても積極的に活用してまいりたいと思っております。
 なお、遊休農地につきましては、現在、その解消と発生を防ぐため、農業委員会において農地パトロールを実施されているところであります。市といたしましても、関係機関と連携をとりながら現状の把握に努めていきたいと考えております。
 以上であります。

◯議長(江守俊光君) この際、10分間休憩をいたします。

 午後 2時23分 休憩

 午後 2時35分 再開

◯議長(江守俊光君) 休憩前に続き会議を開きます。
 19番 山森文夫君。
  〔19番 山森文夫君 登壇〕

◯19番(山森文夫君) にぎわいのありました傍聴席ですが、わずかの方となりました。最後まで本当に傍聴ありがとうございます。元気よく参ります。
 私からは、一級河川庄川の生態系を守り、庄川本来の機能維持に対する提言をさせていただきます。
 初めに、庄川本流の水量の確保についてであります。
 水は、地域の自然や人々の生活、精神文化の形成に大きな役割を果たしていることは言うまでもありません。その川の持つ本質的な機能が少しずつ失われつつある中で、川からの恵みや健全な水循環の確保を求める声が高まっていると考えます。
 ここで一級河川庄川の歴史のおさらいをしてみますと、今から77年前に小牧ダムが完成し、鉄砲出しと言われる飛騨の山々からの木を切り出しいかだにして、庄川を運搬する流送作業の歴史に終わりを告げたわけでございます。その後、砺波平野のかんがい用の農業用水の源である庄川合口ダムが64年前に完成し、県西部の農業振興に大きな成果をもたらしました。
 また、県は、合口ダムからの取水による和田川総合開発計画を43年前に発表し、農工一体化を名目に射水平野の乾田化や工業用水、生活用水の確保にと、毎秒70トンの水利権の設定をいたしたものであります。その和田川総合開発の水利権の設定から31年の経過があり、射水平野の乾田化の進捗や農地の宅地化、また、工業団地の造成などといろいろとある中で、中でも農業政策による生産調整、いわゆる30%の減反による水利用に対する時代の変遷があるわけであります。
 そこで、私が申し上げたいのは、和田川総合開発計画は新しい時代を開く画期的な事業であったことは言うに及びませんが、社会の情勢や国の農業政策、生活様式の変化により、三十数年経過した現在、権利の運用は柔軟な姿勢で行うべきと考えます。そうした中で、県は2年前に見直しの機会があったにもかかわらず、水利権の変更がなされていないのは、庄東第1、第2発電所の発電があることや、水利権への権利確保が優先し、一級河川庄川の水不足による生態系変化の現状や砺波市や高岡市の地下水位の低下を十分把握していない結果であると考えます。
 また、同僚議員から、平成17年と平成18年の2回にわたり質問のありました庄東地域の河岸段丘における築43年経過した和田川共同用水路の安全性への信頼であります。和田川共同用水路は、場所によっては家屋が連檐し、集落の屋根の上を水が流れており、万が一にも決壊するようなことがあれば、それは大惨事になることは言うに及びません。また、地区の江ざらい時に擁壁の亀裂や盛り土部分の浸透水が発見され、県御当局に連絡をしたところ、地元説明会が開催され、県の説明では、決壊時の想定や毎年定期整備をしているとのことでありましたが、地域住民の不安や心配を一掃することができなかったとのことであります。それはそうであります。地域の方々の善意による自主的な江ざらい時の点検や心配をよそに、何一つ抜本的な具体策は講じてはありません。
 そこで、提案ですが、和田川の水利権を農地の状況や工業用水、生活用水の実態にあわせて見直すとともに、庄東地域の安全・安心を守るためにも、和田川用水路に水を満水に流すのではなく、安全に自信が持てる範囲で流し、住民が不安を感じないようにしていただき、その必要外の水を雄神発電所で発電した後に庄川本流に戻すことにより、庄川本来の生態系を取り戻し、水環境の保全に大きな効果をもたらすものと確信をいたしております。
 水利権というハードルの高い問題とは存じますが、地域住民の安全確保こそが県が積極的に推進すべき事業であります。また、今年の冬のように、異常な気象や地球の温暖化、環境破壊、そして、大震災の発生などを考えますと、目先の10年より百年の大計で、ぜひとも国や県、関係機関と協議、調整されまして、庄川本流の水量確保が正常な生態系の存続や地元の安全にもつながることを御認識いただきまして、安念市長の御見解を求めるものでございます。
 次に、河川内に堰堤の構築についてであります。
 昔の話で恐縮ではございますが、私の住居する庄川町三谷は庄川のすぐそばで、川まで5分というところに位置します。私の少年のころは、朝起きますと庄川へ行くのが仕事でありました。それは、前日に仕掛けておいた魚の仕掛けを見に行くことであります。それはそれはたくさんの魚をとることができ、食事の足しにもなったものであります。また、ふんどし一丁で川の中に潜り、ウナギやウグイ、カジカやナマズなどもたくさんとったものでございます。そのような状態を保つことができなくなったのも、何もかもなく庄川本流の水量不足に尽きるものと考えます。
 先日、川が好きで川に詳しい人の話を聞きました。中田橋の下流まで行くと、あの大きな庄川を長靴を履いて川を渡れるそうです。それほど川には水がないということであります。また、その人いわく、川にすむ魚には水利権がない、何ともやるせない気持ちであります。このことは、大河庄川としての本来の機能や自然環境、水循環の観点からしてもとても正常とは言いがたい状況でございます。
 そこで、私は、庄川の生態系を守り、河川本来の機能維持や災害防止の意味で、庄川の河川の中に堰を構築し、淀をつくり、今まで以上に自然に親しむ川をつくるべきと考えます。また、堰は多目的な効果を発揮し、砺波市や高岡市の地下水の涵養になり、地下水位の低下防止策にもつながるものであります。そして、堰は、庄川の河床低下に歯どめをかけ、庄川にかかるそれぞれの橋の橋脚を守り、社会資本を災害から守る働きもいたします。
 いろいろ申し上げ、砺波市の答弁範囲を逸脱した部分もあるかとは存じますが、該当する一市として、生態系の異変や地下水の涵養が末期にならないうちに今から声を上げていただき、県西部地域の問題として、高岡市や射水市とも連携し、国・県に対して意見具申していただくよう申し上げるものでございます。
 千里の道も一歩より、権利と権利のぶつかり合いでは到底できないことも、この大切でかけがえのない尊い人命や社会の財産である自然環境を守ることを目的とするならば必ず到達できると信じ、質問を終わります。安念市長の御見解を求めます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 山森議員にお答えをいたします。
 まず、庄川本流の水量確保についてであります。
 歴史的にもお話があったわけですが、この質問を聞いて私が感じたのは、高校の後輩で山田君が「爆流」という長編小説を書きました。あの庄川をめぐる多くの事件があったことを思っておりますし、その小説の中で、随分長編でありますけれども、どきどきとして読んだことを思っておるわけでございます。その意味では、今日の庄川町の皆さんも大変御苦労をされたのではないかと、このように認識をいたしております。
 庄川の義務放水量につきましては、今、話がございましたように、小牧ダムが完成をして小牧発電所を建設する際に、庄川沿岸の土地改良区の皆さんと電力会社の間で、かんがい地には必ず8.35トンを流す確約をしておられます。昭和14年に庄川合口ダムも完成したその折にも、この確約が守られておると聞いております。これが水利権だと言われておるわけであります。上流の御母衣ダムが昭和36年に建設されたときも、降水量が不足する場合は、御母衣・小牧が連携をとりながら降水量を確保することになっておるということを聞いておるところであります。
 庄川の水量については、議員から御指摘があったとおり、昭和40年代全般に比べて何か少ない感じも私はいたしております。私も庄川へ毎日のように行った覚えがございますが、そんな感じをしておるところであります。それは、洪水調整の名のもとにおいて、水道水、工業用水等々の関連であろうかと思います。それは、いわゆる和田川ダムで発電をするというようなこともあって、そちらの方へ実は行ったわけです。この面では、地元の政治家といいますか、私はちょっと弱かったのではないかなという気がしてならないわけであります。今はそんな批判をしても当たりませんけれども、そのように思うわけでございます。
 なお、水利権の見直しという話もございましたが、この水利権については、なかなか今の現時点で困難だと、ハードルが高いと、このように認識をいたしておるところでございます。いわゆる河川環境、それから地下水涵養ですね。その点からいってもおっしゃるとおり、もっと流してもらうということが私は大切だろうと思います。そこで、期待するのは、私は利賀川ダムではないかと思います。また、県の方でいろいろごたごたしておるようでありますけれども、いわゆるその点を調整する。そういうことができないものかなと、こう思っております。
 いずれにしましても、広域圏時代ずっとこの庄川の水量を確保するために陳情してまいりました。今でも続いておるわけでありますが、重要要望事項として新潟であったり、あるいは国土交通省であったり、持っていったら変な顔をして見ておられますけれども、地元の願いという形でその要望をしてきたわけでございますが、いずれにしてでも、利賀川ダムの竣工に期待をしたいと、このように私は感じております。
 なお、いわゆる水を和田川へ持っていったことで少なくなったこともございますが、この和田川共同水路についての安心感が本当にあるのかどうか。村岡議員からもこの問題について質問があったわけでありますが、当の県は強度はこれでいいんだということをおっしゃっております。本当に震度6とか7とかになりますと、この水路が本当に安心なのかどうか、私は危惧をいたしておるところでございます。
 そして、この共同水路の点検等につきましては、毎年のように減水をして江ざらいなどをされておるということを聞いておりますが、今おっしゃるように、満水でなくてある程度の水で我慢をしてもらって、今、電気は結構企業局はいいんですね。そんな関係でなかなか県も言うことをきかない。その意味では、県庁とあんまり仲よくないんですね。そのことを踏まえながら、今後とも要請をしたいと。いずれにしても、庄川本流の水量を確保するということは、自然環境の面から大変大切だと。砺波市にとってもそのことが大変大切だと、私はそのように認識をいたしておるところであります。
 それから、この庄川の本流に堰堤を構築したらどうだと、ユニークな提案だと思います。そして、そのことが生態系を守るということでございます。そのような意見があることも聞いておりますけれども、このことについて、私が答弁する立場ではございますが、思いだけを申し上げたいと思っておるところでございます。
 この庄川の中にこのような堰堤を設けて、そして、下流から魚が来てそこでとまるということでございます。昔は大きいどぶがあったんですね。今どぶはないんですが、私ども子どものときはどぶがあって、それが随分地下水を涵養したという。それはやっぱり、どぶというのはそこに水衝部があって、堤防にぶつかるとそこをえぐるんですね。えぐったらすばらしい深いどぶが、今は1つもございません。それを放置しておくと、いわゆる堤防が崩れるということで埋めてしまいましたが、私はあそこにたくさん魚がおったことを覚えておりますので、おっしゃる意味は私はわかるんです。堰堤があることによって、そこにえぐられた大きいどぶがある。どぶは地下水涵養になりますし、魚もおりました、間違いなく。そんなことを考えるときに、いいことだなとは思うんですけれども、ただし川のことですから、この間、太田で蛍の里をつくろうと。国土交通省と協議をして、実は川をつくっている、堀をつくっている。そして、蛍の里、1年もった。結構蛍が出てみんな喜んでおった。しかし、御存じのように、台風の雨で一遍に崩れてしまいました。
 だから、堰堤をつくるに当たっては、それはそんなに技術的な問題もあると思いますが、そんな形でボランティアでつくって皆さんが楽しんでやっておりましたけれども、あの大雨でどんとつぶれまして、大変悲しんでおるぐらいであります。そんなことで、なかなか堰堤というのは難しい面もあるのではないかとは思っております。おかげさまで、そのふれあいロードとか、いろんなものをつくってくれまして、なお、それにかかわる小公園的なものをつくって、あるいは昔の川倉をやったり、蛇籠であったり、いろいろやっぱり庄川に対する知恵があったわけですね。そんなものを少し並べていただければ、大変勉強になるのではないかと。そんなことを逆に、堰堤のアイデアもいいんですけれども、そんなことなど申し上げておきたいと思っております。
 いずれにしても、今は河床低下ということと、それと橋梁のいわゆるケアの保全といいますかね、そういうのをやっぱり考えていかなきゃいかんのではないかと、こんなことだと思って、いい御提案だと思って認識をいたしたわけでございます。
 以上、私からのお答えといたします。

◯議長(江守俊光君) 21番 前田喜代志君。
  〔21番 前田喜代志君 登壇〕

◯21番(前田喜代志君) 私は、5点について質問いたしたいと思います。
 最初に、限界集落の支援制度についてお伺いいたします。
 聞きなれないこの限界集落とは一体何か。国土交通省は、住民の半数以上が65歳以上の高齢者などによって、冠婚葬祭であるとか、土地の管理であるとか、地域の共同体としてのまとまり、共同の活動が難しくなってしまった。このような集落はいずれ消滅に向かう。そして、共同体としての形を保つためには限界的な状態にあると、このように考えられているというわけです。非常にショッキングな説明がなされておりますけれども、これは都市部への人口の集中がもたらした結果であります。どこか遠くの片田舎のことではなくて、私たち砺波市の足元にある現実の姿でございます。
 お年寄りだけの生活、これではもう限界だと。5年先、10年先、とても集落を維持できない、こういういろいろ中山間地域の持つ最も深刻な悩みをずばり言い当てているわけです。国は、国土形成計画を立てて、これらの地域に対して自助努力による自立の道を促す方向である、このように言われているわけです。が、ここでも市場原理のなるがままというような姿勢を徹頭徹尾貫き通す、こんな答えが透けて見えております。耳を疑いたくなります。
 これらの地域や集落では、今までも地域総ぐるみで活性化策に取り組んできています。もちろん、さまざまな行政の手だてもあったわけです。しかし、それでも少子高齢化の傾向というのは、平場の地域から見れば倍速で進んでいるわけです。このままではいけない、何とかしたい、そういう切実な地域住民の声も市長に届いているかと思います。恵まれた自然のど真ん中で、実はあの砂漠と言われるような大都会にいる子や孫を、子や孫は大丈夫か、そういう生活を案じながら高齢者の皆さん、まだまだ現役、フルパワーで活躍しておられるわけです。こういう地域で何か集中的に取り組もうという機運をどう高めていくかということが活性化の大事なポイントになると思うんですが、活性化支援事業的な施策をぜひとも制度化していただきたい。
 自治体が、先を読んで集落を応援する姿勢でこれに立ち向かっている。呼び水になるような持続支援策を打ち出し始めた京都府の綾部市、持続可能な道を探り、住民と行政の協働の力でこの困難を切り開こうとしています。ソフト面、ハード面の総合的な支援制度を求めたいのであります。市長の御所見をお伺いいたします。
 第2点目は、公契約条例による入札制度の改革で公正労働基準の確立を図っていく道をぜひつくっていただきたい、そういう観点から市長にお伺いいたします。
 人はだれでも継続して仕事につくことができ、そして、生活できる賃金が得られなければ生きていけません。相次ぐ規制緩和の結果、今、国の調査でも、いつやめてくれと言われるかわからないというあすの雇用に不安を感じている人、あるいはこの賃金ではとても食べていけない、働いても働いても貧乏だと生活に不安を感じている人は年々増え続けてまいりました。今、公契約条例というような考え方が出てくる背景には、これらの不安定雇用の増大、非正規雇用の増大、こういう社会背景が現実としてあるからではないでしょうか。市の行う契約によって、市民の失業への不安や不安定雇用を生み出すことのないように努力し、改善できるものは改善していくための方策が必要になっております。
 御承知のとおり、市の契約は大方の場合、最小の経費で最大の効果、これを得るために、競争入札により予定価格内の最低価格を提示した者と締結をするという、これが原則になっております。しかし、この価格の高で決めていくと、こういう入札よりも契約を通して、政策課題全体に波及効果の生み出される政策入札に転換した方が絶対に自治体としては効果がプラスになると、そういう自治体が増えてまいりました。例えば、施設の清掃業務や警備の仕事、こういったものは100%人件費の契約です。これを競争入札して価格の高で決める。その結果、ストレートに労働者の賃金の頭はつりが始まる。こういうことでは耐えられないということが出てまいります。こういう労務提供型の人的委託契約などから実施に踏み切れないか、ぜひとも御検討いただきたい。
 政策入札という点では、福祉や環境や男女共同参画、あるいは申し上げたような公正労働基準の確保など、社会的価値の実現が前進するように、これまでは価格の評価を100%で入札を行ってきた。今度はこれを改めて、価格の評価では50ないし60しかとりません。あとは政策課題に対するその事業所の姿勢を見ますよと。それを40%なり50%なり評価の中に入れる。もちろん技術の評価もあっていいわけです。そして、それに加えて、福祉への配慮、環境への配慮、あるいは今、介護保険やそして育児の問題など、それぞれ休業制度、あるいはそういう休暇制度、こういうものを配慮して取り入れているかどうか。そして、公正な労働基準をちゃんと確保しているかどうか。そうしたことを評価しながら、おのおのの政策課題ごとに評価点を加点していく。こうして政策課題全体に1つの契約行為が十分に波及して効果を上げる、そういう仕方に転換する手法です。以上、公契約条例による入札制度の改革について、御所見を伺いたいと思います。
 第3に、介護の社会化が進んできたとはいえ、介護悲劇がなぜ続発しているか、このようなことについて御所見を賜りたいと思います。
 医療も介護も市民が前向きに生活できるようにと、非常に多くの皆さん方に心のこもったお世話をいただいておりますが、悲劇の続発はもう後を絶たない、そういう一面もまた現実でございます。
 昨年11月、足利市で起きました脳内出血で半身不随の母を息子が殺害したわけです。自らも自殺を図る事件がございました。息子さんは勤めていた会社が倒産して無職になった。新聞配達などのアルバイトをしながら18年間、母親の介護に当たってきた。疲労や睡眠不足などから自分も精神的に病んでしまった。病院に通う、そして事件に至った。裁判で見えてきたのは、社会的な支援を受けようにも受けられない実態でした。その前の年、病院に入院した母親が、こんなところにいたくない、死にたいと泣きながら息子に訴えた。それを見て、一緒に死のうと心中を息子さんが決意した。あるいは、犯行直前に自分の病気が治らなければ、これ以上面倒も見ていけない。母親を見るのは無理だと、こういう話を母親としているわけです。母親が目に涙をためて、思うようにしていいよと同意したと述べられている。
 こういう介護の社会化が進んできたにもかかわらず、なかなか社会の支援が受けられないこういう現実があるということです。1月にも2月にも全国の至るところでこうした事件が多発しておりました。年金暮らし、そして息子さんは無職になる、こういう環境です。根本にあるのは、お年寄りも現役世代も働けるうちは生きていけるけれども、働けなくなったら、病気やけがでもしたら、それこそどん底に突き落とされる。社会的な支援を受けようにも受けられないでいるそういう人々があるという現実です。このような現実をどのように考えておられますか。経済的にも精神的にも介護の負担はさらに重く家庭にのしかかってきているではありませんか。
 次に、地域密着型サービスの基盤の充実について伺います。
 地域密着型のサービス基盤は足りない。整備見通しはどうか、この件であります。介護保険制度が変わり、国は2011年までに介護用療養病床13万床を全廃する。医療用療養病床の10万床削減を決めているわけです。あわせて23万床、ベッド数の60%は廃止に向けて動き出しています。在宅介護のためとして新設され、地域密着型サービスの基盤はどれだけ整ってきましたか。いわゆるこの後は介護難民が続出する事態に至るのではないかという心配です。
 そこで、1カ所で泊まりで身の回りのお世話をいただける、あるいは訪問介護を提供していただける、そういう小規模多機能型居宅介護、砺波市でも整備が進んできておりますけれども、この全廃に向けてどれだけこういう施設で受け入れていくことが可能なのか。あるいは、認知症高齢者を対象にした日帰り介護の認知症対応型通所介護でどれだけ受け入れていけるのか。24時間いつでも介護を提供する夜間対応型の訪問介護はどれだけ体制がとられていくのかなど、2011年までの我が砺波市内における今後の基盤整備というのは、事業者の皆さんとどれだけコンタクトをおとりになって整備の見通しがついているのか、大変心配なわけです。御回答をお願いしたいと思います。
 次に、先ほど来質疑がございました学力テストの問題でございます。
 全国一斉学力テストについて、初等、中等教育を通じた人間形成の根本問題は何か。一人一人の子どもたちが自律的に生きる力を伸ばすことだと、こう言われて久しいわけです。そして、そのために、いろいろな知識、技術、これらの習得はもちろんですけれども、そのことだけから生まれるものではないというところにこの間着眼されてきたではありませんか。さまざまな資質や能力を統合する主体としての人格の形成、ここに焦点を当てて、この間、学校で努力されてきたと思います。当然に基礎的な学力だけではなしに、さまざまな社会性も身につける。創造的な課題の解決能力も身につけるというふうにして努力されてきたと思います。で、今なぜ全国一斉学力テストで、そのテストで一体何がわかるというのですか。
 教育長から、テストの結果は公表しないよとありました。ほっといたしました。過度な学校間の競争をあおってどうするんですかと思っておりましたから、本当にほっといたしました。教育長からは、競い合うが競争はしないと明言されました。文部科学省は、このテストをして、その結果を公表してランクづけして学校評価に使うんだという、こんなお話なんですけれども、私はもう一つ心配いたしております。
 富山県では、これまで小教研や中教研の学力テストに取り組まれてきた。1学期中にもその結果を分析して、夏休みの後半にはもう補習授業にその結果を活用されている。私の子どもたちも夏休みの後半、20日過ぎから補習授業を受けてきました。こうやって現場の教育に実践的に生かしておられる。この全国学力統一のテストというのは、2学期に行かなきゃ結果もわからん。全然授業に生かせるようなことをしていないわけですね。学校の評価に使うというんです。
 私は、そういうテストによって、子どもたちの間にできなかった、問題が解けなかった。答えを導き出せずに途中であきらめている子ども、ここにどう手を差し伸べていくか。こういう子どもたちをテストによって追い詰めるようなことにさえなるかもしれないなと。小教研や中教研のような実践的なテストは本当にありがたいと思うんですが、わかる授業、楽しい学校を目指すのに本当にプラスになるのかという疑問を持ちます。テスト実施後の対応について、山森教育委員長はどのように考えておられますか。
 最後に、砺波総合病院についてお尋ねいたします。
 医療費の未払いの実情と改善策をお伺いいたします。
 病院では未収金が増大してきましたが、その要因をどのように考えておられるか。私から見れば、この間の国の総医療費抑制策、ここに一番の要因があると思っております。全国の自治体病院でこういう医療費の未払いの増加傾向というのは顕著になっております。日本中で問題になっています。そんな中で、相次ぐ改悪が進んでいるではありませんか。本定例会には、債権の整理について、条例の一部改正の提案がありますけれども、砺波総合病院における未払いの実情と改善策についてお答えいただきたいと思います。
 そして、高看護基準導入の問題です。
 全国で地域の医師も足りない、看護師も足りない、こういう問題になっているのに、スタッフ確保も何の手だてもしないまま、新しい高看護基準を設けた国の責任は大変重大です。昨年4月の診療報酬の改訂で、これまで最高の看護基準であった患者10人に対し看護師ひとり、こういうランクの上に患者7人に対し看護師ひとりという高看護基準を新設したわけです。そして、高い看護報酬を払うというんです。
 昨年の末、中央社会保健医療協議会は、看護師の引き抜きでこれまでの看護基準も確保できなくなる病院が続出し、地域医療が崩壊すると問題になっております。手厚い看護基準を設けること自体はいいことに違いないのですが、その前に看護師確保が必要です。確保策もないまま、病院では病床数を減らしてでも看護報酬の高い高看護基準を新設した方が効率よく稼げると、自治体病院の本来の使命を忘れての議論が真剣に行われているところがあるように聞きます。本末転倒ではありませんか。病院長はこの点についてどのようにお考えなんですか。
 以上で質問を終わります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 前田議員にお答えをいたします。
 まず第1点目は、限界集落の支援についての御意見を賜りました。先日、山合いなど全国の過疎地域を調査されて、その集落が6万2,271集落あるようですが、そのうち400集落は10年の間に消滅するのではないかというショッキングなニュースがあったわけであります。ついては、砺波の限界集落もあるということでございまして、私も栴檀山地区につきましてはよく承知をいたしております。その面では、限界集落かもしれません。
 なお、庄川町の山合いの集落等については十分承知はしておりませんが、そういう方向にあるような集落もあると聞いておるところでございます。したがいまして、あんまりあってはならないことでございますが、今日の経済状況、家族の構成などを考えるときに、そのような方向に進むような気がしてならないわけでございます。行政としては、そのことについて、まず道路をつくったり、あるいは上下水道の整備をしたり、除雪機械の配置をしたり、携帯電話の問題も解消するように、今、また辺地等についての計画を皆さんにお示しをして、できる限り生活基盤を充実、利便性、そういったものをしてあげたいと思っておるところでございますし、このままやめるわけにはまいりませんので、皆さんの御協力をいただいて、この限界集落がさらに維持されるように期待をいたしたいと思います。
 なお、病院とか、福祉施設とか、そういうアクセスにつきましては十分ではございませんが、市営バスも走らせておるわけでございますし、なお、また、ケーブルテレビもそれぞれとれるようになっておるわけでございます。なお、農水省はいい政策型と言われるのは中山間地の直接払い、この制度が少し息を吹かせたのではないかと思っておりますが、なおこれからがずっと持続するように、そして、そこにやっぱり柿であったりソバであったり、あるいは森林対策など、それぞれ地元と話し合いをしながら振興策を考えることも大切ではないかと、私はそのように思っておるところでございます。
 なお、また、先般も栴檀山へ行く機会がございました。栴檀山でも幾つかの行事があるんですね。そのときにおかげさまで息子が来ていたと。息子が来なきゃ獅子も回せんと。まだ山のことを思ってくれるんかなといって喜んでおられました。つきましては、そういう雰囲気づくりをして、そして平地へ来ておられる息子さんたち、娘さんたちもやっぱり山へ行ってあげる、そういう、これは行政ではできませんが、その在所でいろいろ知恵を絞って息子たちが来るように、先般テレビでもやっておりましたが、そういう雰囲気づくりが私は大事ではないかと思っております。それはよかったなという話をしておりましたが、ただしそれは長続きしないと思う。孫の時代になると来るのか来んものか、それがやっぱり心配でありますし、そうなると限界集落ということにならざるを得ないだろうと思います。
 なお、また、栴檀山の皆さんにしてでも知恵を絞られて、別所の山菜祭りであったり、あるいはそばの店であったり、あるいは行政としてはコスモスウオッチングや、あるいはコスモス荘について地元にお任せをいたしております。これらをやっぱり活用しながら、この地域の今おっしゃるような集落がもう少し芽を吹くようなことが大切ではないかと思う。そして、あの集落の皆さんというのは大変いい人たちです。人間関係も随分すばらしいと思う。息子さんたちが平野へおりてくると、あんな人間関係ではないと思う。だから、その人間関係を大事にすることによって、望郷の精神といいますか、そういうものがあって、また力添えをしていただければいいのではないか。これは行政としてはちょっとできませんけれども、そのような雰囲気づくりを地元でもやってもらってほしいなと、こんなことを実は思っておるわけでございます。
 そうかといって、この中山間地は、御存じのようにどんどんひとり暮らし、老夫婦2人という実態がございます。これこそみんなでカバーをしてあげる、それが私の言う福祉ネットワークであります。ぜひそういう福祉ネットワークで声かけをしていただきたいと。その意味で、郵便局の廃止、本当に頭へ来るんです。集配でサービスがよかった。そういう地域こそ公的な人が行って声をかけ、郵便物を出し、あるいはもらう、あるいは言づけものがあったらやっていただいた。そういう公的な人がおってこそ文化も運ばれ、情も運ばれ、そしていい人間関係をつくったんですが、今の話のおっしゃるように、市場経済であんな形でつぶされた。残念でなりません。だから、限界集落も仮にはそんな形で私はつくり上げていくのではないかと、いささか遺憾に思うわけでございます。
 ぜひ、その意味では、今後ともみんなで支え合うということが大事ではないかと思います。そのことを、私の気持ちを申し上げて、この限界集落については、特段市の条例でどうのこうのということではなくて、今申し上げたいろんな仕事を考えて、そして連携をとるということではないだろうかと、こう思っておるところでございます。
 それから、次は公契約条例に基づく公正な労働基準等々の関係でございます。
 おっしゃるとおり御意見はよくわかります。入札をしますと、安いやつが通るということで、岡本議員からも言われましたけれども、そうしますと、いわゆる下請労働者というのはしわ寄せになると思います。したがいまして、何もかも安いのがどうかという意見も実はあるわけであります。そうかといって、地方自治法もございます。契約する段階では、そういうのはしっかり安い方をとって、市税をあまり使うなという精神がございますので、そうかといって高くてどうもならんというやつを出すわけにもまいりません。高くてようとった連中が本当に下請やそこらに温かいかといったら、逆にそうではないかもしれません。その辺は見極めながら進めさせていただきたいと思っておるところでございます。
 なお、入札参加資格等々につきましては、私は、岡本さんにも申し上げましたが、社会貢献度というのはあると思う。それをやらない人は、私はまぜてあげない、そんな気持ちに近いと思う。それは消防であったり、防災であったり、災害救助、あるいは福祉の面、先ほど質問がありましたように、自然環境や保全ですね。そういう集落に対する貢献度も私は考えてもいいのではないか。なお、また、ボランティアという形でいろんな仕事をされておるそういう会社もございますから、そのことを全部焦点に加えて加味をするということも大事ではないかと。そういう人たちに限ってそういう弱い者いじめをしないと思う。下請や、あるいは本当に人夫の皆さん、その人たちについてはそんな意地悪なことはしないと思いますので、ぜひそういう意味での社会貢献度というものを加味していくことが大切ではないかと、このように思っておるところでございますので、そんな気持ちで今後契約制度を進めさせていただきたい、こう思っております。
 次に、福祉問題であります。
 介護保険はこの間出たわけですね。医療制度が改革になった。随分厳しい、先ほども二、三答弁をしておりましたが、新しく介護保険制度ができまして、1つは予防重視型、大変格好のいい言い方です。ただし、新予防給付は、いいですか。介護ベッドや車いすの使用が制限されたんですよ。従来ちゃんと使っていったんですよ。それで、使用されるものについてまた1割取るんでしょう。そして、制限をしてきたんですよ。そんなことで、前田議員はでかい声を出して腹が立っているがやむを得んのです。国が決めたんですから、こういうことになりましたので、大変難しい。ただ、今日の新聞で、別の日かもしれんが、リハビリも長時間だめだと。今度延ばすような法改正といいますか、少しは、わあわあ言うもんですから変えるようであります。それにしてでも、全部制限をしたわけですね。これはやっぱり私は予防重視であるとするならば、いわゆる要支援1、2の皆さんが介護度1、2にならないためには、そういう器具を貸してやらなきゃいかん。何を考えておるのかということを申し上げておきたいと思っておるわけでございます。
 なお、また、この低給与者ですね。このことについても問題があると私は認識をしておるところでございます。せっかくのサービスも、今、家事介護はだめなんでしょう。従来よかったんですよ。何でだめなのかね。手足が動かないから介護をしてもらっておるんじゃないですか。それをなくしたわけですから、だから、一方の理屈では、介護度1、2の皆さん、ちょっとは歩けるやろうと。ちょっとは歩けるといったって、恐らく車いすを使ったり、つえをついたりしているんですが、その中に動かすことによって、元気を取り戻すためにそんなもの必要ないと、こんな理屈でしょう。それは東京で考える理論ですよ。その意味では、この法改正について不足だらけであります。残念ながら、そうせざるを得ないというのは今末端の市町村であります。
 仮に言いますと、年金世帯で生活の皆さんについてでも、私は経済的な負担が大きくなると思う。もう従来は少々持っておって、施設へ入ったら少々預けて、それで生活できたんです。今は1割負担させるでしょう。それで、国民年金で低い人は50万そこらでしょう。年間よ。そうすると、今度は息子さんに手当てをしてもらわんと、私は入っておれないと思う。これまで年金が少々あったら、ちゃんと生活できたんですよ。そのことも引きずる、いかに医療費が高くなった、介護度が高くなった、だからということなんでしょうけれども、本当に今好況の都市と地方と違うんですから、そのことをやっぱり認識してほしかったなと、このように思っておるところでございます。
 そうかといって、私どもとしては今、何度か申し上げましたが、訪問介護の本人負担分等については、1割負担分はありますが、少ない所得の人にとっては全額負担軽減をしたいと思っております。その予算も今組んでおりますので、あるいはおむつ支給であったり、幾つかのサービスについて、きめ細かいんですけれども、市町村、市民全体でカバーしてあげたいと、こう思っております。
 なお、また、地域包括支援センターというのは、私は相談場所だと、こう思っていただきたい。そこでいろんな相談をしていただいて、介護サービス等の話も聞いていただいて、そして、安心してやってもらいたいというのは包括支援センターの重要な任務だと思っております。北部にサブ施設をつくりますので、ただ問題は定数の問題等があってなかなか難しいんですが、これは全部マンパワーですよ。マンパワーですから、定数削減せいというのが市議会の皆さんの意見ですが、これらをカバーするときには人が要るんですね。その意味で、現場に対応するマンパワーの確保もこれから考えなきゃいけませんし、専門的な人も配置をする必要がこれから私は出てくると思っておるところであります。
 それから、密着型のサービスの基盤の充実をしなさいということでございます。このこともおっしゃったとおり、療養型病床分については6割削減するということが出てきたんですね。今、療養型におられる人がいずれ出なきゃいかんわけですよ。だれが受けるんです、これ。そんなむちゃな国の制度というのは私はないと思うよ。そういう削減が決定されましたので、この後、老人保健施設、その他へ移行しますけれども、全体が入れるわけではございません。そして、そうなると、前田さんおっしゃったように、介護難民というのは生まれてくる可能性も実はあるわけであります。それをどうするかということです。このことについては、今も昨年から市長会でがんがん言っております。どうなるかわかりませんけれども、そのことの療養型病床分についての削減があまりにもひどいのではないかという話を持ちかけておるわけであります。
 なお、また、地域密着型という形で夜間対応の介護訪問、あるいは認知症の通所介護、これはデイサービスですね。あるいはグループホーム、そんなことなど前田さんの方がよく勉強されて、私もまだ十分わかっていないんですけれども、そういう居宅介護などについては、高齢者保健福祉計画を昨年法改正があってどうするかという計画を立てております。そこで小規模多機能型の居宅介護、これらにつきましては、実は受け入れするときには泊まらにゃいかんわけですね。そして、それらについてどうするかというのは、今、福祉協議会などと協議をしてまいりたいと思いますが、なかなか採算が合わないようであります。採算が。それとまた、負担等の兼ね合いもあって、むちゃくちゃにお金が取れるわけではないですね。そこに実は問題がありまして、いずれにしてでも、来年度の話でありますから、これからひとつ協議をさせていただきたいと、このように思っておるところでございます。
 それから、認知症につきましても、今現在4施設がございます。北部デイサービスも10人これを受け入れたいと思います。何とかカバーできるのではないか。デイサービスですよ、認知症の、それを受けたいと思っておりますが、さらに定員の増、それも実は認可を向こうが持っているんですね。私がやりたくても認可は向こうが持っているんです。そういうものを地方でやらせておいて、地方で負担させておいて、認可権だけ持っておる。そんな県や国というのはおかしいじゃないですか。だから、よく私はけんかするんです。嶋村さん、あまりけんかするなという話がありましたが、そんなことなんですよ。認可は向こうが持っているんです。現実発生するのは地元です。地元でどうするかということです。ついては、この増員を認可する。増員を認可しないと、お金があたらんわけですからね。そういう意味で大変厳しい時代になったと。
 それから、夜間対応介護訪問というのがございますが、これは利用者も何百人単位ですよ。これからそうなりますよ。これも都市部でのサービスというのは言われておりますが、地方での対応、夜間対応、田舎をばかにして、田舎にこれを認めてくれないんだ、今。だって、夜間対応というのは、やっぱりひとり暮らしで介護を受けなきゃいかん。あるいは、これまででしたら施設へ入った。療養型へ入ったけど、療養型ベッドはない。うちへ帰れ。それじゃ、やっぱり夜間訪問しなきゃいかんわけでしょう。そして、このサービスの問題というのは切ってまいりましたから、私どもとしては、本当に実は当事者に対して気の毒だと、このように実は思っておるところでございます。それから、密着型サービスとして、新しく圏域内に2つのユニット、18床まででございますけれども、できますし、今度は油田にひとつ世話になるんですが、できることになりましたので、この設置方推進をしていきたいと思っておるところでございます。
 いずれにしましてでも、私どもは包括センターを中心にして、現場でいろいろお話を聞いて、そして家庭と一体になって孤立をさせないような福祉施策を進めなければいけないと、このように思っておりますので、その意味での体制づくりもしなきゃいかんと思います。ボランティアの皆さんにも協力をいただいて、行政としてはこれからもマンパワーを確保していかなきゃいかんと、こう思っております。
 以上、私の方から、ちょっと長くなりましたが、お答えといたします。その他関係部署からお答えをいたします。以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 教育委員長 山森一雄君。
  〔教育委員長 山森一雄君 登壇〕

◯教育委員長(山森一雄君) 前田議員さんのお尋ねにお答えしたいと思います。
 まず最初に、全国学力学習調査の実施についてでございます。
 単に子どもや学校をランクづけするものならば、私は実施することはないと、実施しない方がよいと、このように思っておるところでございます。4月に実施する全国学力調査、あるいは学習状況調査は、あくまで子どもたちの学習の状況を調べ、以後の指導に役立てるという趣旨のものでございます。したがって、この調査は、議員さんが質問されていらっしゃるようないわゆる序列化とか、あるいは入学試験の資料だとか、あるいはふだんの学習成績等、そういうものとはつながらないというふうに理解しております。したがって、教育長が嶋村議員さんにお答えしたように、公開するものでもありません。
 それから、学力とは何であったか、今日に至るまでの経緯をどのように整理しているのかと。私の考えを何かお尋ねだというふうに思っております。
 私は、学力につきましては、すなわちあまり固定的にとらえるべきではなくて、フレキシブルなものとして考えていきたいと、このように思っています。すなわち、学力は学ぶ力と、それから学んだ力、この二面でとらえて考えてみたいというふうに思います。学ぶ力は、さまざまな事象に対して意欲的に取り組む姿であり、問題を解決していく力を学ぶ力として見たいと、このように思います。また、学んだ力というのはどういうことかというと、言葉のとおり学習してきたことがどの程度身についたか、あるいは理解の上に立った知識とか、あるいは技能がどの程度定着しているか。そして、またそれがどのように生かされていくかという力を学んだ力としてとらえてみたいなというふうに思うわけです。
 それなら、学校教育で求められる学力とはということになりますが、これは時代とか、あるいは社会の要請によって、その学力観はおのずと少しウエートが変わってくるんじゃないかなというふうに思います。例えば、戦後の日本はいわゆる欧米に追いつけ追い越せということを目指していた時代、どちらかというと学んだ力に力点があったのではないかと思います。いわゆる経済大国になったときには、よりオリジナルなもの、創造的なものを求めて、学ぶ力の方に力点が移っていったというふうに私は理解しております。
 もう一つの見方としては、個人の発達段階によって違う部分があるんじゃないかと。いわゆる幼児とか、あるいは小学校の低学年の子どもたちは何にでも興味を示し、いわゆる学ぶ力を主体的に育てながら、学んだ力を自然に身につくというような方向が望ましいのではないかなというふうに思います。さらに、それが小学校の高学年とか、あるいは中学生、高校生ぐらいになりますと、いわゆる何でも吸収し、知識の体系化とか、あるいは技能の系列化などが最もよくでき得る年代でありますので、学んだ力を鍛え、そしてそれを整理し、それをこれからの学ぶ力のベースとなっていくものではないかと、そういうふうに思うわけでございます。
 このように、学力というものを右か左かとか、あるいはイエスかノーかとかいう二進分類的な発想ではなく、その人間の発達、あるいは個人の特性によって学力を考えていけばよろしいのではないかと私は思っているところでございます。
 また、全国学力学習状況調査の実施後の対応につきましては、先ほど教育長が稲垣議員さんの質問でとやま学び育成支援事業に対応するということでございます。すなわち、これらの調査を、前田議員さんがおっしゃられるわかる授業、あるいは解決した喜びが味わえる授業につながるように努力していきたいと、このように思います。
 以上であります。終わります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 病院事務局長 島田正広君。
  〔病院事務局長 島田正広君 登壇〕

◯病院事務局長(島田正広君) 前田議員御質問の医療費未払いの実情と改善策についてお答えいたします。
 当院の未収金の状況でありますが、本年2月末現在、すなわち2月28日請求の分も含めまして約1億2,900万円ございます。このうち交通事故分が約3,900万円ありますので、これは概ね保険会社から支払いされますので、残りの約9,000万円が患者本人負担の滞納額であります。未収金の回収額につきましては、昨年より増えておりますが、一方で新たな未収金が発生しているため、本人負担分比較で申し上げますと、昨年より若干増加している状況であります。
 未収金の増加は全国的な傾向でありまして、この事態を重く見た日本病院会などで構成する4病院団体協議会では、増え続ける未収金に対して、患者さんが支払わない場合は、その医療費を保険者に請求できることを定めている健康保険法や国民健康保険法を根拠に、各病院は保険者に請求するよう全国的な展開を検討しているところであります。
 未収の原因といたしましては、1つには、議員御指摘のとおり、国の医療費抑制策によって自己負担が増え、その結果、医療費が多額となり、一度に全額が支払えない患者さんが増えたこと。2つ目には、長期にわたる景気低迷で低所得世帯が増加し、患者さんの中には医療費の負担が重くのしかかり、払いたくても払えない状況にあること。そして、また一番問題なのは、患者さん自身のモラルの低下であります。すなわち、支払い能力があっても、支払う意思のない悪質なケースが増えていることでございます。例えば、受診時に虚偽の住所を記載したり、督促電話では着信拒否をしたり、徴収員には居留守を使ったり、さらには、住所を移動して行方をくらませてしまうケースなどであります。
 当院では、昨年4月から未収金担当職員を配置し、毎日のように電話、訪問等の徴収強化を図っておりますが、今ほど申し上げましたような悪質なケースが増えており、その上、個人情報保護制度により、滞納者の情報収集が困難になっていることも未収金回収を難しくしている要因の一つであります。一方で、未納患者さんだからといって、診療拒否ができない医師法上の問題点もあります。
 このように、未収金の回収を図る決定的な対策がないのが現状でありますが、とにかくこれ以上未収金を発生させないように、退院時精算や救急での精算を徹底することが重要かと思います。また、一たん発生しますと、日がたてばたつほど徴収が難しくなることから、できるだけ早期に取り組むことが必要であります。なお、低所得世帯に対しましては、納付相談の上、分割納入を進めるなどして、少しずつでも収納確保を図っておりますし、悪質な滞納者については法的手段を検討しているところであります。
 次に、高看護基準の導入についてお答えします。
 昨年の診療報酬改定で10対1基準の上にさらに手厚い看護配置の7対1入院基本料が新設された結果、全国で看護師の争奪戦が行われております。特に独立行政法人化された大学病院では、数百人単位の看護師を募集、採用したことにより、地方の病院では看護師不足がより一層進み、医療現場は混乱の一途をたどっています。当院でも例外でなく、その影響を受けまして、平成19年度採用看護師の応募数が例年になく少なく、先日2次募集をしてようやく確保したところであります。
 全国的な混乱を受けまして、中央社会保険医療協議会は、去る1月に地域医療の混乱の要因となった7対1入院基本料の問題について、深い憂慮を示し、事態の打開を求める建議書を厚生労働大臣に提出いたしました。7対1入院基本料について、本来は急性期入院医療の実態に即した看護配置を評価する目的で導入されたものでありますが、実態はそうではなく、急性期以外の病院でも7対1入院基本料の届け出が多くなされているのが現状であります。このことから、建議書の内容は、7対1入院基本料の基準を見直し、急性期など手厚い看護の必要な患者が多い病院に限って届け出が可能とすることとなっています。また、2月には、主要病院団体で組織する日本病院団体協議会でも、今回の看護師不足に係る混乱は7対1入院基本料によるものであると厚生労働大臣に緊急是正要望を行っております。
 当院といたしましても、看護師不足に拍車をかけたこの7対1入院基本料の算定に当たっては、病院単位ではなく、病棟単位の看護師配置基準に変更するよう、北信越市長会などを通じて訴えていきたいと考えております。現在の基準のように、病院全体の適用であれば、当院の場合はさらに40名近い看護師が一度に必要となります。これが個々の病棟単位で認めていただくことによって、できる病棟から徐々に7対1看護を配置し、そして、時間をかけて病院全体が7対1看護配置になれば、現在のような厳しい看護師の争奪戦は避けられるはずであります。当院は急性期病院でありまして、平均在院日数も短く、医療密度や重症度も高いことから、ぜひこの病棟単位での算定を認めていただき、できる病棟から早期に看護師を厚く配置し、患者さんへの看護サービスの向上と医療安全確保に努めたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
 ほかに質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(江守俊光君) 質疑なしと認めます。
 これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。

               議案の常任委員会付託

◯議長(江守俊光君) ただいま議題となっております議案第5号から議案第36号まで、平成19年度砺波市一般会計予算外31件については、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれの所管の常任委員会に付託をいたします。

◯議長(江守俊光君) 以上をもって、本日の日程はすべて終了いたしました。
 お諮りいたします。明3月14日から3月21日までの8日間は、議案審査等のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(江守俊光君) 御異議なしと認めます。よって、明3月14日から3月21日までの8日間は議案審査等のため休会することに決しました。
 なお、次回の本会議は3月22日午後2時から開会いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
 どうも御苦労さまでした。

 午後 3時52分 閉議