平成29年6月 本会議 定例会(第2号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

○議長(今藤久之君) ただいまの出席議員は18名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。

                  日程第1
     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)
○議長(今藤久之君) これより本日の日程に入ります。
 日程第1 市政一般に対する質問並びに議案第26号から議案第29号まで、平成29年度砺波市一般会計補正予算(第1号)外3件について、及び報告第4号から報告第7号まで、継続費の逓次繰越しについて外3件についてを議題といたします。
 これより、市政全般に対する代表質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 18番 山森文夫君。
 〔18番 山森文夫君 登壇〕
○18番(山森文夫君) おはようございます。
 私は、自由民主党砺波市議会議員会を代表いたしまして、市政一般について、提案と質問をいたします。
 質問に先立ち、一言述べさせていただきます。
 第68回植樹祭が、5月27日から3日間にわたって、天皇、皇后両陛下をお迎えし、魚津市を中心として開催されました。県下では、植樹祭は2回目の開催で、初めての開催は1969年、今から48年前、砺波市頼成の森において、昭和天皇、皇后両陛下をお迎えして、昭和天皇お手植えのマスヤマスギ、タテヤマスギ、ボカスギなどが植樹されました。当時、私は20歳でして、まだ顔の皮も柔らかい、紅顔の美少年でございました。当時、天皇、皇后両陛下がお越しになることは大変な国家行事でありまして、陛下がお通りになる富山市から城端町までの県道全線、約50キロにわたり砂利道からアスファルト舗装もされたものであります。それから48年経過していますが、砺波市にも何らかの機会と御縁により、陛下がチューリップフェアにお越しになるとすれば、どのようなことになるのかなと思いをはせ、質問に入ります。
 初めに、砺波市総合計画についてお伺いいたします。
 総合計画書の序論には、人口増を続けてきた本市においても、近年は人口減少の局面を迎えており、今後、市民生活や行政運営などに影響が生じることが懸念される。また、社会・経済情勢の変化や市民ニーズの多様化など、さまざまな課題に対応することが求められており、本市の特徴を生かしたまちづくりが必要としております。
 また、総合計画の策定と実践に向けて、ほぼ同一時期に2期目もスタートを切られました夏野市長の豊かな砺波、充実した暮らしを実現するための短期的、長期的な視点に立った、それぞれの視点から、総合計画における最も重要視する施策について伺います。
 次に、持続可能な自治経営について、意見を述べます。
 総合計画を着実に実施していくには、安定した財政基盤が最も必要であると考えます。本市は、これまでも定員適正化において、新市発足以来、組織の統廃合などにより、一般事務職において約100名を削減し、職員数の適正化と事務効率の向上に努めてこられました。心から敬意を表するものでございます。
 しかしながら、行政運営には、時としてマンパワーも必要であり、適正化を推し進めるには適正値もあるように考えます。そこで、効率的な行政運営をするための一策として、公共施設などの総合管理計画のもとに、各種施設を時代に即した見直しにより、行政経費の節減を図ることが重要と考えます。
 市民の皆様には、積極的な情報提供することにより、理解が得られるものと思います。そうした中で、市民への周知や理解をどのように求めていこうとお考えなのでしょうか。また、その取り組みと見直し結果の検証方法についても伺います。
 次に、とやま呉西圏域都市圏ビジョンについて伺います。
 本ビジョンは、構成する呉西地区6市が持つそれぞれの個性と特性を生かし、圏域の発展に向けた新たな取り組みにより、圏域全体の経済成長や住民サービスの向上に向け、中長期的な将来像を示す戦略としています。
 また、本市でも、総合計画に広域行政事業連携の推進としており、将来計画における方向性が合致するものです。
 既に呉西圏域中枢市圏における砺波市関連事業は打ち出されておりますが、今後、さらに広域的に連携することで効果的であることと考えられる事業にはどのような事業があるのか、また、とやま呉西圏域都市圏ビジョンと本市との関係と取り組みについて、市長はどのように考え、位置づけておられるかについて伺います。
 次に、豊かさを実感できる地域と行政の信頼あるかかわり合いについて申し述べます。
 本市では、人口が社会増して、にぎわいを創出できる地域と、そうではなく、社会現象として自然減が進み、人口が減少していく地域の区別が、同一地内において相反する現象として鮮明になってきております。
 そんな中、本市では、地区自治振興会連携推進員、いわゆるアンテナ隊制度を創設し、各地区の課題の的確な把握を基本として、行政と市民が情報を共有することにより、協働のまちづくりに取り組んでいるものでございます。
 また、「となみ創生地域交付金制度」を設け、地域が主体的に実施する地域創生事業を支援するなど、各自治振興会の独自の行動や地域力の向上を目指すものであり、本制度に大きな期待と評価をいたしております。
 しかしながら、人口規模に大小の格差があることなど、地域の抱える課題はさまざまです。こうした中で、市政の充実に欠かすことのできない地域と行政の信頼あるかかわりをさらに推し進める考えについてお尋ねをいたします。
 では、項目を変えまして、市立砺波総合病院の諸課題について意見を述べます。
 まず、市立砺波総合病院の経営体質についてお尋ねをいたします。
 市立砺波総合病院の経営状況につきましては、平成20年度に病院改革プランを作成され、職員が一丸となった経営改善に取り組み、平成21年度から平成25年度までの5年間、黒字が続いたものでございます。平成26年度からは赤字経営に転じております。赤字の理由としては、国の施策にあります地域包括ケアシステムの構築に向けて、開業医との地域医療連携の推進による外来患者の減少を初め、病院耐震化整備事業完成による減価償却費の増加等が原因で、要因であると考えます。
 伊東院長を初め、病院の幹部の方々は、日々大勢の患者の診療など、過酷な中で、日夜を問わず御精勤されていますことに心から敬意を表します。
 院長先生はあくまでも医療の専門家でありまして、決して病院経営の専門家ではないように思います。現在の市立砺波総合病院の経営形態は、地方公営企業法一部適用であり、市長が管理者として位置づけられた行政の内部機関であります。経営責任の範囲が不明確のほか、企業として独自性を発揮しにくいことから、地方公営企業法全部適用や地方独立行政法人化へかじを切り、独自性の発揮しやすい経営形態の見直しを検討される時期に来ているのではないでしょうか。また、病院の経営陣として、医療現場をよく熟知した病院経営の専門家を導入することも1つの方策と考えますが、市長の見解をお尋ねいたします。
 次に、恒常化している一般会計繰入金についてお伺いをいたします。
 病院改革プランがスタートした平成21年度から、毎年12億円という繰入金が恒常化しております。新砺波市が誕生した平成16年から累計すると、既に150億円もの市費が病院に投入されていることになります。
 平成29年度予算では、退職手当事務負担金の関係で、繰入金は2億円減額し10億円になっていますが、市は、毎年こうした高額な繰入金を投入し続けることになるのでしょうか。もちろん公立病院としての救急医療や僻地医療、周産期医療などの不採算部門に繰入金を投入する趣旨は十分理解しておりますが、病院経営の体制を見直し、より効果的、効率的に病院経営を行えば、多少なりとも繰入金を減らすことが可能になると考えます。
 また、本年度の繰入金10億円を適正とする積算根拠についてもお示しをいただきたく存じます。また、病院への繰り入れに対して、普通交付税や特別交付税による財政措置はどの程度あるのでしょうか。こうしたことも含めまして、繰入金の積算根拠と今後の病院への繰入見込みについてお尋ねをいたします。
 それでは、病院の累積欠損についてお伺いをいたします。
 平成27年度の病院事業会計決算では、当年度未収欠損金として、いわゆる累積赤字が37億5,000万円計上されております。平成21年度から平成25年度までの5年間の黒字決算によりまして、病院改革プラン策定前より多少は減ってきているものの、依然として40億円近くの累積欠損が残っております。
 今後も、病院耐震化整備事業の完成を初め、昨年更新された放射線治療装置・ライナックや今年度導入の内視鏡手術支援ロボット・ダヴィンチなどの高額医療機械購入による減価償却費の増加が見込まれる中、累積欠損は今後、病院経営にどのような影響を与えるのか、そして、累積欠損金改修のための具体策についてお尋ねをいたします。
 次に、高度な医療を確立するための医師の確保についてお尋ねをいたします。
 国が提唱しております地域包括ケアシステムの構築に向けて、砺波医療圏の医療供給体制を実現するため、昨年度、県において、富山県地域医療構想が策定されました。また、これを受けて、当市におきましてでも、砺波医療圏の中核病院として、急性期病床の維持並びに回復期、慢性期についての他の病院との連携を基本とした新病院改革プランを作成されたところであります。
 市立砺波総合病院では、医療連携を推進する急性期機能を中心とした新たな制度、地域医療支援病院の承認を平成30年度に目指すと伺っております。今後とも砺波医療圏の中核病院として、また、地域医療支援病院として、高度急性期医療を担うには、まずは優秀な医師や研修医の確保が第一と考えます。
 そこで、人材の確保に向けた、金沢大学や富山大学、金沢医科大学などの関係機関との連携についてお尋ねをいたします。
 それでは、市立砺波総合病院の日常的なことについて述べます。
 まずは、患者の待ち時間短縮についてお尋ねいたします。
 市立砺波総合病院では、毎年、患者満足度調査を実施されているほか、宝石箱という意見箱を設置するなど、日々患者の声に耳を傾け、改善に努力されていますことに敬意を表したいと思います。
 こうした患者の意見、要望の中で一番多いのは、外来の待ち時間短縮への要望であると聞いております。特に初診の場合には、開業医などの紹介状があれば診察が優先されますが、診察のほかに検査を受けるケースがほとんどであり、朝一番に来診しても、昼過ぎに帰宅できるという半日仕事となっております。
 現在、外来窓口では、検査に要する時間を事前に患者に説明したり、担当医師が緊急手術に呼び出されることによる診察開始時間の遅れについて、外来掲示板にその旨を表示するなど、患者への情報提供に努めておられますが、患者の待ち時間に対する精神的な苦痛や負担を少しでも軽減するために、検査等に要する診察の標準時間を設定表示するなどの工夫はいかがでしょうか。
 次に、自動精算機の導入について意見を述べます。
 市立砺波総合病院では、平成24年度から医療費の支払いにクレジットカード決済を導入され、現金の持ち合わせがなくても支払えるなど、患者からも好評を得ていることであります。しかしながら、クレジットカードの決済の導入も待ち時間短縮の決定打とはならず、時間帯によっては、依然として会計窓口が混雑している状況にあります。こうした会計時の混雑緩和、支払い待ち時間の短縮時間を図るため、都市部の病院を中心に自動精算機を導入する動きが増えてきております。
 自動精算機を導入することにより、会計時の時間対策のほか、現金の受け渡しが誤りなく正確に行われる点や、時間外でも支払いが可能となる点などがあり、医療費の未収金対策として効果があるのではないかと考えます。機械購入の初期経費はかさみますが、時代の流れとして、自動精算機の導入についてお考えを求めます。
 口幅ったく申し上げてきましたが、最後の質問になります。
 終末期医療についてお尋ねをいたします。
 終末期という言葉には、まだはっきりとした定義はないようですが、一般的には末期のがん疾患などにより、医療によって回復の見込みがないという診断が下され、それから数カ月間の後に亡くなるだろうと予期される期間をいうようです。
 また、厚生労働省は、平成27年に「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」を公表し、終末期医療を人生の最終段階における医療と改めております。人生の最終段階における医療とケアのあり方として、医師などから適正な説明がなされ、それに基づいて、患者が医療従事者と話し合い、患者本人による意思決定を基本として、医療行為の開始、不開始、医療内容の変更、中止などを医学的妥当性をもとに慎重に判断されるべきと規定しています。
 そうした中で、市立砺波総合病院では、主として末期のがん患者などの入院を対象とした緩和ケア病棟の設置や認定看護師の配置など体制整備はなされてはいますが、終末期医療に関する市立砺波総合病院としての基本指針は定めていらっしゃるのでしょうか。
 また、医療ケアチームによる患者や家族の精神的な援助も含めた総合的な医療とケアをどのように実践されているか伺い、自民会代表質問といたします。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) それでは、山森議員の自由民主党砺波市議会議員会を代表しての御質問にお答えいたします。
 山森議員から、先ほど植樹祭の話をされました。私は中学生でございました。小旗を振って、陛下の車を見に行った覚えがあります。どちらかというと見に行ったという感じでしたが、この間も、本当に陛下が来られるまでは小雨模様だったんですが、晴れまして、関係者、本当に喜んでおられましたし、また、プレイベントも頼成の森でやらせていただきました。そういった意味で、これから植樹祭を契機に、一層の林業ですとか、山、それから、緑化等に富山県民が関心を持つことができればなというふうに私も思うところでございます。
 初めに、1項目めの第2次砺波市総合計画についてのうち、1点目の総合計画の中で重要としている、豊かな砺波、それから、充実した暮らしの具体的な施策についてお答えをいたします。
 第2次砺波市総合計画では、将来像である「~庄川と散居が織りなす花と緑のまち~もっと元気 ほっと安心 ずっと幸せ“やっぱり砺波”」を実現するため、長期的には、教育の充実や芸術、文化、スポーツの振興などの人づくり、それから、健康、医療、介護、福祉の充実や切れ目のない子育て支援などの安心づくり、景観や自然環境の保全、農業や産業の振興などのまちづくりの3つの基本方針と、市民協働によりますまちづくりや持続可能な自治体経営を進めていく協働と持続可能な自治体経営を共通方針として、施策を推進することとしております。
 短期的には、今後5年間で特に重点的かつ優先的に実施すべき事業として、10WAVEプロジェクトを設定しておりまして、とりわけ今年度は、人口減少対策や防災対策、情報発信などに力を入れてまいりたいと考えております。
 具体的な施策を申し上げますと、人口減少対策につきましては、三世代同居・近居住宅支援事業など三世代同居の推進ですとか、北部こども園及び太田こども園の認定こども園化に向けた取り組みなどが挙げられます。
 また、防災対策につきましては、現庁舎における防災対策事業や女性防災士の育成、砺波市防災デーと位置づけた砺波市総合防災訓練などに取り組んで、市民の防災意識の高揚に努めてまいりたいと思います。
 さらに、情報発信につきましては、市の魅力発信と移住・定住を応援する団体Team1073(チームとなみ)が結成されたところでありまして、その活動を支援していきますとともに、本市の魅力や情報をソーシャル・ネットワーキング・サービスやホームページなどを活用して積極的に情報発信し、本市のさらなるイメージアップを図ってまいりたいと考えております。
 このほかにも新砺波図書館整備事業や砺波駅前広場イメージアップ事業、デマンドタクシー導入実証運行調査事業なども実施してまいりたいと思っております。
 ただいま述べました事業を重点といたしまして、総合計画に掲げました事業を幅広く実行していくことで、本市の豊かさ、暮らしやすさにさらに磨きをかけられるよう努めてまいりますので、議員各位を初め、市民の皆様方には、今後とも一層の御理解と力強い御支援をお願い申し上げます。
 次に、2点目の総合計画の共通方針を協働と持続可能な自治体経営としておりますが、持続可能な自治体経営の推進に当たっての市民への周知、理解をどのように求めていくのか、また、その取り組み方と見直し結果の検証方法についての御質問にお答えいたします。
 まず、市民への周知、理解をどのように努めていくかについてお答えいたします。
 砺波市は、合併後、これまで行政の効率化と市民サービスの向上を目指しまして、指定管理者制度の積極的な活用や施設使用料の見直しや類似施設の統廃合を進めるとともに、議員も述べられましたが、職員数の削減を図るなど、さまざまな行財政改革の取り組みを進めてまいりました。
 しかしながら、人口減少による経済の縮小や少子高齢化の急激な進行によりまして、一層厳しくなる財政状況のほか、多様化、高度化いたします市民ニーズへの対応など、本市を取り巻く環境が大きく変化していく中で、現在の公共施設などをこれまでどおり維持していくことは大変厳しい状況であります。引き続き将来にわたって安定した行政サービスを提供していくためには、より一層の行財政改革が求められるというところであります。
 このことを踏まえまして、本市の公共施設等の全体状況を把握いたしまして、中長期的な視点を持って、更新、統廃合、長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担の軽減及び平準化を図り、持続可能な公共サービスを提供することを目的といたしまして、昨年の11月でありますが、公共施設等総合管理計画を策定いたしました。
 この公共施設等総合管理計画の中では、公共施設の現状や課題、それから、人口の動向、将来の更新費用のシミュレーションなどの基本的な指標をもとに、公共施設の保有総量の縮減目標を概ね20%としたところであります。
 この計画は、現在、市のホームページにおいて掲載しておりますが、現状のまま公共施設等を維持し続けることは財政的に困難であることから、広報を初め、あらゆる機会を捉え、この状況を積極的に情報提供することによりまして、市民の皆さんに、こういった状況にあるんだという点について御理解いただきたいと考えております。
 次に、その取り組み方と見直し結果の検証方法についての御質問にお答えいたします。
 まず、議員も御提言になりましたが、持続可能な自治体経営の取り組みには、この公共施設等総合管理計画の推進が不可欠だというものでありまして、今後は、市民の皆さんや関係団体などと協議を重ねながら、市民ニーズや施設の多機能集約化による効率化など、さまざまな方向から検討して、個別具体的な施設ごとの対応を判断するとともに、各省が示しますマニュアルやガイドラインなども参考に、個別施設計画の策定にも取り組んでまいりたいと考えております。
 さらに、公共施設等の適正化以外では、今年度から新地方公会計を導入することとしておりまして、さらにわかりやすい財務情報の見える化に努めるほか、総合計画に掲げましたとおり、各種施策の不断の見直しや職員の育成、広域行政及び事業連携の推進を図るなど、さらに効率的で効果的な行政運営に努めてまいります。
 また、その見直しの結果の検証方法につきましては、公共施設等総合管理計画の進捗状況や課題、今後の方策について、市議会はもちろんでありますが、総合計画審議会ですとか、行政改革市民会議などの外部有識者を交えた会議においても御意見をいただいて、進めてまいりたいと考えております。
 次に、3点目のとやま呉西圏域都市圏ビジョンについての御質問にお答えいたします。
 昨年の10月に、県西部6市で、とやま呉西圏域連携中枢都市圏形成に係る連携協約を締結するとともに、とやま呉西圏域都市圏ビジョンを作成し、そのビジョンに基づき、公共交通や児童医療費、定住促進など、スケールメリットを生かした32の連携事業に取り組んでおります。
 その中でも、今後、さらに広域的に連携することで高い効果が見込まれる事業といたしましては、広域的な観光連携の強化ですとか、現行の処理体制の枠組みを越えたごみ処理事業の広域化、庄川左岸地区農地防災事業に係る連携体制構築による洪水対策の強化など、既存の事業をベースといたしまして、さらなるサービスの拡充や事業の効率化、財源の確保が期待できる取り組みが挙げられます。これらビジョンに掲げました32の事業につきましては、まずは着実に推進し、事業成果を上げることが重要であると現段階では考えております。
 また、御承知のとおり、本都市圏ビジョンは、連携する6市が持つそれぞれの個性、特性を生かし、圏域の発展に向けた新たな取り組みや、これまで進めてきた連携をさらに深めることによって、圏域全体の経済成長や住民サービスの向上につなげることを目指すものであります。
 砺波市といたしましては、都市間連携による行政サービスのシームレス化によって、市民生活の利便性の向上を図ることは最も大切、重要であると考えておりまして、本市の強みであります住みよさを生かしながら、圏域全体の魅力向上につながるよう連携を進めていくことが大切であると考えております。
 次に、4点目になりますが、市政の充実に欠かすことができない地域と行政の信頼あるかかわり合いについての御質問にお答えをいたします。
 今日の全国的な人口減少時代の中で、平成27年の国勢調査におきます本市の人口は4万9,000人と、平成22年の国勢調査に比べ、410人、0.8%の減少にとどまったところでありますが、市内の地域ごとの人口の増減を見ますと、地域によっては減少率の高いところも見られます。
 そのような中、本市では、議員が述べられましたとおり、平成25年度から地域アンテナ隊派遣事業を実施しており、自治振興会の御理解と御協力により、各地区に定着し、一定の成果を上げているものと考えております。
 また、昨年10月に、人口減少の克服、地域経済の発展や活力ある地域社会の形成を目指して“となみ創生”まちづくり総合戦略を策定し、その“となみ創生”の実現に向けた取り組みの一つとして「となみ創生地域交付金制度」を新たに創設いたしました。
 各自治振興会におかれましては、本制度を活用し、それぞれの地域の課題解決のため、自ら考え、さまざまな事業を実施されているところであり、さらなる地域コミュニティーの充実と地域活性化の推進が図られるものと期待しているところであります。
 これまでも折に触れ申し上げておりますように、各自治振興会は、旧町村単位での地縁をもとに構成されている地域コミュニティーであり、本市行政にとりまして、地域と協働して質の高い、魅力あるまちづくりを推進するための大切なパートナーとして考えております。
 そこで、まずは、それぞれの地域が、地域の課題を、これまで培ってこられました地域の力によって解決に向けた取り組みをしっかり進めていただき、一方で、行政は、行政でしかできないことを、その役割をしっかり果たすことで、第2次砺波市総合計画に掲げました諸施策を着実に推進してまいりたいと考えております。
 今後とも、もうひとつ上の地域との関係を目指し、引き続き砺波市地区自治振興会協議会ですとか、各地区の実情や課題を把握しております各自治振興会などの皆さんとの意見交換や要望活動等も通じまして、さらなる情報共有に努めながら、各地域の特徴を生かした協働のまちづくりに向けた連携の強化に努めてまいりたいと考えております。
 次に、大きな2項目めの市立砺波総合病院についての御質問にお答えをいたします。
 まず、1点目の市立砺波総合病院の諸課題のうち、市立砺波総合病院の経営体制についてお答えをいたします。
 平成26年度以降の病院事業会計の赤字につきましては、平成26年4月に実施されました消費税率の引き上げによります控除対象外消費税、いわゆる損税の増加ですとか、これに伴います診療報酬の実質マイナス改定によりまして医業収益が減少したこと、さらに、病院耐震化整備事業等の減価償却費の増加などによりまして費用が増加したことが主な原因であると考えております。
 この状況を解消する対策といたしましては、療養上の医学的な指導を行うなど、より質の高い医療を積極的に提供することや地域医療支援病院の承認を目指すことによって、収益の改善を図り、あわせて全国の病院の薬剤や診療材料の納入価格を調査し、調査で得た資料をもとに納入業者と価格交渉を行い、材料費を節減するなど費用の削減に取り組んできているところであります。
 市といたしましては、このような取り組みを引き続き継続し、経営改善を図りながら、市立砺波総合病院が、砺波地域の中核病院としての役割を果たし、また、市民の命と健康を守るための不採算部門を含め、安全で安心な地域医療を確保していくべきものと考えております。
 このようなことから、昨年度策定いたしました市立砺波総合病院新改革プランでは、経営形態の見直しについて、経営健全化の目標達成状況を検証し、現状の経営形態での経営効率化が厳しいと予想される場合に、地方公営企業法の全部適用等について調査、検討することとしたところでありまして、現在は、日常の取り組みの成果を検証している段階でありまして、直ちに経営形態を見直すということは考えてはおりません。
 次に、議員御提言の病院経営の専門家を導入することにつきましては、今年度におきまして、医療現場を熟知いたしました外部コンサルティングを導入することとしておりまして、今月中に契約を締結する予定としております。
 その中で、今年度は、病院の各部門での経営戦略を企画し、その実現に向けたアクションプランを策定、実行することによって病院新改革プランの目標達成を目指すほか、脳神経外科など3つの診療科において、診療に係る分析、改善を行い、収益の確保、費用の削減を図るものであります。同規模の病院の実績では、これらのことによりまして、入院収益の1%から2%程度の改善が見られたと聞いておりまして、本院でも、しっかりと取り組み、成果を上げたいと考えております。
 なお、この取り組みは、コンサルタントの持つ幅広い情報をもとに病院職員が自主的に進めるものでありまして、経営の健全化とともに人材育成も図ってまいりたいと考えております。
 次に、毎年のように恒常化している繰入金についての御質問についてお答えいたします。
 病院事業会計における一般会計からの繰入金につきましては、議員が御指摘のように、不採算部門について、一般会計からその一部を負担することとされておりまして、毎年、国が定める地方公営企業の繰り出し基準に基づきまして算出し、その財源は、主に普通交付税や特別交付税で措置されているものでございます。
 これは、市立砺波総合病院を初めとする自治体病院につきましては、医療法の定めるところによりまして、救急、周産期、小児などの地域医療対策の実施が求められておりまして、その多くは採算を確保することが困難なことから、これらに要する経費の一部について財政措置がされているというものであります。
 この繰入額につきましては、毎年、地方公営企業繰り出し基準に基づき算出いたしまして、市の財政状況を鑑みた上で、これまでは12億円としてきたところでありますが、このうち交付税措置される額につきましては、平成28年度の例でありますが、9億9,000万円余りとなっております。
 今年度の予算におけます繰入金につきましては、先ほど議員から御紹介もありましたが、職員の退職手当に係る富山県市町村総合事務組合へ支払う一般負担金が約4億円減額調整されたこともありまして、2億円を減額した10億円としております。
 ですから、繰入金はなくなるということはないわけでして、基本的には不採算部門で一般会計が負担するという原則については、これからも続くということでございます。当面、医療法で定めます地域医療対策の大幅な見直しというものは想定されておりませんので、繰り出し基準自体は今後も同程度で推移すると考えられますが、先ほど申し上げました外部コンサルティングの導入なども活用しながら、経営改善を一層進めることによりまして、適正な繰入額となるように努めてまいりたいと考えております。
 次に、累積欠損金の解消についての御質問についてお答えをいたします。
 平成28年度の病院事業会計の決算につきましては、前年度に比べ、医業収益が2億円余りの増加となるものの、入院患者数の増加に伴う材料費の増加ですとか、給与改定などによる給与費の伸びなどによりまして費用も増加したことから、純損失を計上する見込みであり、累積欠損金が1億円余り増加する見込みとなっております。
 なお、累積欠損金には、減価償却費など現金の支出を伴わない費用も含まれておりますので、必ずしも直ちに資金不足などにつながるということはありませんで、病院経営に深刻な影響を与えるのものではございません。
 市立砺波総合病院といたしましては、これまでも収益の改善と費用の削減に取り組んできたところでありますが、質の高い医療を提供するためには、医療機器の導入ですとか、新しい医療技術の取得も不可欠であります。そういったことから、常に健全な資金計画を立てながら、経営改善を一層進め、累積欠損額の解消に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。その他につきましては、病院長、それから、病院の事務局長のほうからお答えをさせていただきます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 病院長 伊東正太郎君。
 〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
○病院長(伊東正太郎君) 私からは、まず、2項目め、市立砺波総合病院の諸課題についての1点目のうち、高度な医療を確立するための医師の確保について問うの御質問にお答えいたします。
 当院は、地域の中核病院として、高度急性期機能及び急性期機能を中心とした医療提供体制を維持するとともに、自治体病院として、がん、救急、災害、僻地、周産期など、地域で求められている医療提供体制の確保に努めているところであります。
 こうした体制を維持するためには、議員御指摘のとおり、医師の確保は最も重要な課題であり、そのため、院長である私が、定期的にそれぞれの大学の各医局へ足を運び、医師の派遣について継続して働きかけているところであります。
 また、従来から、総合的な診療ができる自治医科大学卒業の医師の派遣を県に要望してきたところであり、平成26年度から毎年度1名の医師が派遣されております。
 あわせて、医師免許取得後、一定期間を県内で診療に従事することを条件として、県が修学資金貸与を行う特別枠の富山大学及び金沢大学の卒業医師の配置についても配慮していただくよう要望しており、平成28年度及び平成29年度においては、各1名が研修医として当院に配置されているところであります。
 医師の確保につきましては、病院長である私や行政の取り組みだけでは解決しがたい課題ではありますが、今後とも、このように地道な活動を継続して、医師確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、2項目めの2点目、患者の待ち時間短縮についてのうち、病名や検査内容による診察の標準時間の設定と表示についての御質問にお答えいたします。
 待ち時間の問題につきましては、検査結果が得られるまでの時間が長い、あるいは救急患者の対応を優先せざるを得ないことなどのほか、疾患の種類や患者さんのその時々の状況によって診察に要する時間が変化するなど、さまざまな要因があり、時には相当な待ち時間が発生して、御迷惑をおかけしている場合もあると考えております。
 待ち時間対策といたしましては、議員が述べられたとおり、検査に要する時間を医師などが事前に説明するなど、患者さんとのコミュニケーションを図り、待っていただくことへの御理解をいただくようにしております。
 また、次回の診察時の日程調整など事務的なことにつきましては、これまでは医師が診察室で行う場合が多々ありましたが、最近は、医師が行う事務処理を軽減するため、診察室以外の場所で事務職員が調整を行うなど、診察時間そのものを短縮する取り組みを進めております。
 さらに現在は、紹介・逆紹介によるかかりつけ医との連携を推進していることで、病院外来の患者数は、今年度の4月、5月につきましては、前年度同時期に比べ1日平均で45人以上の減少となっております。その分、かかりつけ医での診療が増えているものと考えられ、病院外来の混雑緩和と待ち時間の短縮が図られているものと考えております。
 次に、3項目めの市立砺波総合病院の終末期医療と終末期に対する市民対応について、市立砺波総合病院としての見解を問うの御質問にお答えいたします。
 まず、終末期医療のあり方につきましては、厚生労働省が作成した「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」をもとに、基本方針の素案を作成したところであり、今後、外部委員を交えた当院の倫理委員会において審議を行い、決定してまいりたいと考えております。
 次に、患者さんや御家族に対する支援などにつきましては、医師、認定看護師、臨床心理士などで構成するケアチームが、心や体、生活のつらさを和らげて、その人らしい生活を送ることができるよう支えております。
 また、当院では、終末期の方のみならず、患者さんや御高齢の方を対象として、その方の話を聞き、その話し言葉を文章にし1冊の本にしてお渡しする「聞き書き」と呼ばれる活動を、看護部と当院のボランティアが中心となって行っております。
 これは、心のケアの一つとして、県内でも当院が先駆けて行ったもので、楽しかったこと、うれしかったこと、つらかったこと、悲しかったこと、それらを思い出して話してもらうことにより、それがその方の生きてきたあかしになるとともに、尊厳を高めることにつながっております。それが冊子として残ることにより、御本人や御家族の方からはよい思い出になるとの声を多くいただいております。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 病院事務局長 愛場誠一君。
 〔病院事務局長 愛場誠一君 登壇〕
○病院事務局長(愛場誠一君) おはようございます。
 私からは、2項目めの2点目、患者の待ち時間短縮についてのうち、自動精算機の導入についての御質問にお答えいたします。
 自動精算機導入のメリットにつきましては、議員御指摘のとおり、待ち時間の短縮などに一定の効果が期待できるものと考えております。
 しかし、自動精算機を導入するためには、現在使用している医事会計システムと連携させるためにプログラムを修正する必要があり、費用も発生することから、直ちに導入することは困難と考えております。
 また、一般的にはATM、現金自動預払機等が普及しているとはいえ、機械操作に不なれな方々は皆無ではなく、そうした方々への対応並びにシステム障害時の対応等も課題の一つと考えております。
 今のところ、自動精算機につきましては、議員も述べられた時代の流れからか、県内の主な病院でも少しずつ導入が始まっていることも考慮して、当院といたしましても、二、三年後に想定される電子カルテや各部門システムの更新時期等を捉えて、その費用対効果を考慮した上で、導入について検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
○議長(今藤久之君) 9番 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) 議長の許可をいただきましたので、質問をさせてもらいますが、その前に一言述べさせていただきます。
 このたび、私は、多くの市民の皆様からの御支援によりまして、砺波市議会議員3期目となる登壇の機会をお与えいただきました。心より感謝を申し上げます。
 また、砺波市議会では、議会改革の一環として、市民の皆様に、より議論の内容がわかりやすくなるようにと、この6月議会から一問一答方式が採用されることになりました。早速使わせていただきたいと思います。
 では、質問に入ります。
 それでは、初めに、上水道事業の進展についてお伺いいたします。
 その1つ目として、砺波市水道ビジョンの計画目標に向けた取り組み状況についてお聞きしたいと思います。
 まず、老朽施設の更新や管路の耐震化の進捗状況についてお伺いいたします。
 砺波市の上水道事業は、平成21年度に策定された「砺波市水道ビジョン」によって進められており、この計画は、その将来目標である政策課題に、安心、安定、持続、環境と掲げ、平成30年度を目標年次としてあります。
 その政策課題の中の安定では、水道は、地域住民の生活になくてならないインフラであることから、地震などの災害に対する十分な備えは必要であること、また、持続では、将来に向けた少子化の進行や伸び悩む水需要、そして、現在の水道施設が一斉に更新時期を迎えていることから、効率的かつ低コストな事業の構築は必要であるとされていました。こうしたことから、今までに老朽施設の更新や管路の耐震化、安川、上中野配水池の更新など、政策課題の安定と持続に対応する事業を展開されてきたものと思います。
 そこで、今期の水道ビジョンも残すところ1年半となったのですが、今までの計画の中にある老朽施設の更新や平成23年度以降、毎年1億円を計画されている管路の耐震化では、全域の管路の延長に対して、どのくらいの対応がなされていたのかなど、まずは進捗状況をお聞かせください。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 喜田真二君。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 老朽施設の更新や管路の耐震化の進捗状況についての御質問にお答えいたします。
 まず、老朽施設の更新につきましては、砺波市水道施設更新計画に基づき、老朽施設として、平成23年度に安川配水場、平成26年度に上中野配水場をそれぞれ更新し、耐震化に取り組んできたところであり、平成30年度には上中野PC配水池の更新を計画しており、その詳細設計業務委託をこの6月に発注したところでございます。
 また、管路の耐震化の進捗状況につきましては、水道ビジョン策定時の平成20年度末の管路延長約404キロメートルに対し、耐震管延長は約74キロメートルで、耐震化率にしますと約18%でありましたが、平成28年度末時点では、管路延長約444キロメートルに対し、耐震管延長は約129キロメートルで、耐震化率にしますと約29%となり、平成20年度と比較しますと、耐震化延長が約55キロメートル延伸しており、耐震化率においては約11ポイントの伸びを見ているところでございます。
○議長(今藤久之君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) ありがとうございました。
 それでは、次に、今ほどお聞かせいただいた管路の耐震化の完了予定時期と今後想定される耐震化などを予定する施設についてお聞きしたいと思います。
 現在市で管理されている送水管や配水管の延長は、平成28年度で、今ほど答弁いただきました約444キロと伺っておりますけれども、現在計画されている事業費で進めていくと、必要とする管路全体の耐震化が完了するまでは何年ほど見込まれているのでしょうか。
 また、先ほどの答弁にもありました上中野PC配水池のように、耐震化や更新などを実施しなければならないと想定される施設は、当初の計画に上がっていない施設はまだ存在するのでしょうか、お聞かせください。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 喜田真二君。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 管路耐震化の完了予定時期と今後の耐震化や更新を予定する施設についての御質問にお答えいたします。
 まず、管路耐震化の完了予定時期につきましては、現時点では明確にお示しすることはできませんが、今年度において、砺波市配水管更新計画の検討を進める中で、完了予定時期を試算できるものと考えているところでございます。
 また、今後の耐震化や更新を予定する水道施設につきましては、平成30年度に、上中野PC配水池の耐震化の更新工事を計画しているところでございますが、現在の水道ビジョンの計画におきましては、今のところ、それ以外に主要な施設の更新など、計画している施設はないものと考えておるところでございます。
○議長(今藤久之君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) わかりました。
 やはりまだ二十数%の耐震化率ということでありますので、先は長いものと思っております。
 それでは、次に、配水管などのループ化についてお伺いいたします。
 政策課題の安心に当てはまるのでしょうが、安全で、快適な給水の確保には、水をとめないための対応も必要なことと思います。大規模災害は別としても、道路工事などによる不慮の漏水等で断水した場合、配水管をループ化しておくことで、どちら側からでも水が回るようにしておくことが大変重要なことだと思います。
 また、このループ化によって配水管の管路は伸びますが、水道使用者の給水管設備が短縮し、安定した水量の提供にもつながり、ひいては使用量の増加につながる可能性もありますので、使用者にとっても、三世代同居を推進する砺波市にとっても、うれしいことではないでしょうか。配水管のループ化とその考え方をお聞かせください。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 喜田真二君。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 配水管等のループ化と考え方についての御質問にお答えいたします。
 議員御提言の配水管のループ化につきましては、漏水修理工事などによる断水範囲の縮小や日常の安定した水量の供給につながるなどの利点が考えられるところでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、現在策定中の砺波市配水管更新計画におきまして、供給する水量や水圧の安定を図るため、管路の耐震化とあわせまして、ループ化の検討を行うこととしております。
○議長(今藤久之君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) ありがとうございました。
 まだ、もっと進めていかなければならない途中の段階というふうに確認をさせていただいたところであります。
 それでは、次に、2つ目の中項目として、震災等の災害時における給水対策についてお伺いをいたします。
 まず、市によって備蓄されている飲料水についてお伺いをいたします。
 砺波市では、富山県地域防災計画の罹災者率に基づいて算出された災害救援物資を備蓄されております。その備蓄品には、非常食はもとより、毛布を初めとする生活用品や医療セット、懐中電灯や発電機など多岐にわたっておりますが、飲料水の備蓄はどれぐらいあるのでしょうか、まずお聞かせください。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 今井 潔君。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 災害時における飲料水の備蓄状況についての御質問にお答えいたします。
 議員が述べられましたとおり、本市における非常食などの災害救援物資につきましては、富山県地域防災計画の罹災者率5.2%に基づいて算定しており、本年4月における人口による備蓄対象人員を2,500人余として、必要な数量を備蓄している状況でございます。
 なお、飲料水の供給につきましては、砺波市地域防災計画におきまして、給水タンク及び応急給水用資機材の活用を図って確保することとしておりまして、お尋ねの飲料水の備蓄につきましては、災害対策本部の3日分、延べ360人分の飲料水を、その水量1,080リットルを備蓄している状況にございます。
 具体的な給水対策といたしましては、上中野配水場の貯水タンクや、その配水場内にあります第1井戸及び隣接の第2、第3井戸を利用するとともに、本市と災害時における物資供給や支援協力に関する協定を締結している複数の市内大型店舗等の事業所ですとか、災害時相互応援協定を締結しています自治体からの提供によりまして飲料水を確保してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) ありがとうございました。
 飲料水の数からすると、数量からすると、やはり備蓄数からすれば、少ないと。あとは、水がどこにあるのかというようなことになるかと思っております。
 それでは、災害時における貯水池、先ほども申されましたけど、貯水池の飲料水確保についてお聞きいたします。
 今ほど御答弁いただきましたように、飲料水の備蓄数は限られているのが現状とお見受けしております。あくまでも想定ではありますが、震災等による災害時には、電気、水道、ガスなどのインフラ類の使用はできなくなるものと考えておかなければなりません。非常食などの食料はあっても、水がないという状況にどのように対処されていこうとお考えなのでしょうか。先ほどもありましたコンビニやスーパーマーケットが近くにあっても、備蓄のための商品ではありませんし、在庫数量や距離からしても、遠方の被災者には届かないかもしれません。
 そこで、水を確保するという観点からですが、安川や上中野などの貯水施設には、震災等の災害時に管路の漏水などから水を守り、貯水を確保するための自動遮断弁などは設置してあるのでしょうか。震災時に漏水が発生すると、自動遮断、閉まる場合には、時間の経過とともに、貯水池のため水はなくなってしまいますし、そのようなことにならないためにも自動遮断弁等の設備が必要なものと考えます。
 先ほどの御答弁にもあったかと思いますが、また、その設備がない場合は、どのように水を確保しようとお考えだったのでしょうか、あわせてお聞かせください。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 喜田真二君。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 貯水施設の自動遮断弁等による飲料水の確保についての御質問にお答えいたします。
 現在、本市の水道施設に自動遮断弁を設置しておりますのは、金屋第二配水池の1カ所だけでございまして、議員御質問の安川配水場や上中野配水場には設置していない状況でございます。
 しかし、各配水場には、手動により開閉できる遮断弁を設置しており、非常時の際には、職員によって、手動ではありますが、操作する体制として、万全の備えを図っているところでございます。
 なお、現在、施設更新の詳細設計を進めております上中野PC配水池につきましては、議員御提言の災害時の飲料水確保等の対応として自動遮断弁等を設置する計画としており、他の主要な貯水施設についても、今後、設置に向け、積極的に検討してまいりたいと考えております。
○議長(今藤久之君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) 前向きな御答弁、ありがとうございました。
 本当に何があるかわからないという世界でありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次に移ります。
 災害時の住民の避難先である指定避難所における給水設備についてお伺いしたいと思います。
 市内には、主要避難所は21カ所ありますが、今まで、全国で発生した大震災時の対応状況からすると、避難所へ救援物資が届くのに1週間ほどかかっているケースもありました。そんなときのためにも、避難所施設周辺には、災害対応用の緊急貯水槽を設置されることが望ましいと考えるものであります。
 それも、既製品の大型貯水タンクを設置するのではなく、避難所の施設周辺には、敷設されている配水管の一部を大口径の水道管に変えることで、震災時には、その前後を自動遮断弁でふさぎ、そのたまり水をくみ上げることによって、数日分の飲料水を確保することができると考えるのです。配水管の耐震化も重要なことですが、震災等の発生時に飲料水が確保されていることのほうが重要なのではないでしょうか。避難所周辺での災害時供給設備の設置についてのお考えをお聞かせください。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 喜田真二君。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 指定避難所での給水設備についての御質問にお答えいたします。
 災害時の飲料水の確保につきましては、現在策定しております砺波市配水管更新計画の中で、避難施設への配水管について、耐震化の優先順位を最上位に位置づけて整備することとしており、災害時における確実な配水及び給水の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 また、議員御提言の大口径の水道管を利用した飲料水の確保につきましては、例えば水道管内の確実な水の確保方法や水圧や電源がない中での給水方法など、実用面での技術的課題も多く、整備費用も含めた十分な検討が必要であり、現段階では難しいものと考えているところでございます。
○9番(川辺一彦君) 電気もない世界でありますので、手動でくみ上げるしかないというふうに私は思っております。
 では、上水道事業の進展についての最後に、災害に強く、生活基盤の充実に向けた次期砺波市水道ビジョンの策定について、夏野市長にお伺いいたします。
 砺波市水道ビジョンは、砺波広域圏事務組合の水道用水供給事業と砺波市、南砺市の両水道事業が相互の整合を図りながら策定されるものと思っています。今までのビジョンでは、大型施設の更新や耐震化を主とした整備に取り組まれ、安定した事業運営を進められてきていると評価しております。
 しかし、いまだに管路の末端地域では、水量、水圧不足の状況に改善が見られなかったり、老朽化した施設による漏水等で、有収率の低下が発生したりしています。
 そこで、今後とも水道利用者の全てが、いつでも、安心して飲める水の確保を基本とされ、夏野市長が信条とされている「健全で安心な“となみ”」は、今年度から取り組まれている防災強化プロジェクトの強化策として、災害は必ずやってくるを前提とした次期砺波市水道ビジョンの策定を強く望んでおりますので、夏野市長の御所見をお聞かせください。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 水道ビジョンの御質問にお答えいたします。
 現状等につきましては部長等からお答えしたところでございますが、砺波市におきましては、将来的な人口の減少が避けられないという中で、また加えて、水道関係では、近年、節水型機器というものの普及もありまして、今後、水の量的な需要は、どうしても減少していくんじゃないかなというふうに思っております。
 ただ、その一方で、議員もおっしゃいましたが、安心して飲める水の確保といった安全性などのいわば質的な要求、要素が年々増えてきておりまして、使用者が水道事業者に求めますサービスの内容や水準も変わってきているということでございます。
 これらを踏まえまして、将来にわたって安全かつ良質な水道水を安定的に供給し、使用者の期待に応え続けることができますよう、将来に向けての事業経営の方向性を明らかにすることを目的といたしまして、来年度におきまして、平成31年度から平成40年度までの10年間を見据えた、新たな砺波市水道ビジョンを策定することとしております。
 この新水道ビジョンの策定に当たりましては、当然でございますが、第2次の砺波市総合計画や防災対策プロジェクトとの整合性を図りますほか、災害や防災対策に関する取り組みとして、主要避難所等への確実な給水を行うため基幹管路の耐震化を具体的に盛り込みますとともに、市民生活に欠かせない重要なライフラインとして、老朽管の計画的な更新や水質管理の徹底を図るなど、安全・安心な、また、おいしい水道水を安定して供給できるといったような点を柱にいたしまして将来ビジョンを策定してまいりたいと考えております。
○議長(今藤久之君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) ありがとうございました。
 それでは、次に、大きい項目の2つ目として、今度は、下水道事業における公共下水道の進展についてお伺いをいたします。
 その1項目め、公共下水道事業の取り組みと展望についての初めに、下水道事業の進捗状況と普及見込みについてお聞きいたします。
 砺波市の庄川左岸地区における特定環境保全公共下水道を含む公共下水道事業は、当初、昭和59年度に事業認可を受け、旧砺波市では平成3年から、旧庄川町では平成4年から、双方とも一部地域での供用は開始されました。それから約30年経過する平成33年度には、県が担っている小矢部川流域下水道高岡砺波幹線工事と連携した市の事業の北部1期、北部2期工事が完工する見通しであると伺っております。
 まず、この工事計画の進捗状況、そして、完工時に想定できる処理人口や普及率などの普及見込みをお聞かせください。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 喜田真二君。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 下水道事業の進捗状況と普及見込みについての御質問にお答えいたします。
 現在、本市の公共下水道事業につきましては、砺波公共下水道事業計画に基づき、未整備地域の早期普及を図るため、平成26年度から県の小矢部川流域下水道事業の幹線整備と連携し、これまで林、高波地区において鋭意整備を進めており、年内には、高波地区において計画している全ての枝線管渠工事が完了する予定でございまして、北部地区全体の枝線管渠整備率は約35%になる見込みでございます。
 今後、さらに出町地区北部から鷹栖地区の枝線管渠整備を進めることとし、平成33年度の概成を目指していることころでございます。
 なお、北部地区完了後における市内の公共下水道整備区域内全体の処理人口は約2万9,500人、処理面積は約1,350ヘクタール、普及率といたしましては約84%となる見込みでございます。
○議長(今藤久之君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) ありがとうございました。
 今の御答弁からすると、事業計画外となっている下水道の未整備地域は、市全体の16%ほどになるということになります。
 では、次に、この残された未整備地域への今後の取り組みについてお伺いいたします。
 平成32年度からは公営企業会計制度の導入も予定されているとお聞きしておりますが、市の予算は、国からの交付金など近年同様に推移するものとし、地域の理解度もあるものとして試算した場合、残された未整備地域、約16%が全部完工するまでに何年ほどかかるとお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 喜田真二君。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 未整備地区全域の今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 砺波公共下水道事業計画に定めていない未整備地域の取り組みにつきましては、現在の整備事業の進捗状況からしますと、23年後の平成52年度に、未整備地域の全ての公共下水道により整備事業を完了する見込みとしているところでございます。
 しかしながら、平成32年度からの公営企業会計への移行や市の財政運営状況など諸課題もあることから、平成52年度の完了予定が遅れることも考えられるところでございます。
○議長(今藤久之君) 9番 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) ありがとうございました。
 やはりかなり年月がかかるというようなところだったと思います。
 下水道の事業に関しましては、近年の市議会でも、平成27年度、平成28年度と川岸議員、堺 武夫議員から3回にわたり質問されており、その論点は、今ほども申された下水道事業の公営企業会計制度への移行にかかわる内容が主でありました。企業会計制度導入による下水道事業会計の健全経営は市全体の健全経営にもつながることですし、母体がしっかりしているからこそ、各種の事業が進展するものと理解しております。
 しかし、現在、下水道事業の計画は未定となっている約16%の地域住民にとっては、今後の方針さえ伝わっていない状況であり、もし伝えたとしても、この先数十年も待てるのかというと、市民感情からして、何とも言いがたいものがあると思うところであります。
 そこで、今後、少しでも未整備地域の下水道設備を進展させていくために、隣接する整備済みの出町市街地区や五鹿屋地区、または南砺市、小矢部市の隣接地へつなぐことで、事業期間を短縮することはできないのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 喜田真二君。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 近隣整備地区や近隣市への接続による期間短縮についての御質問にお答えいたします。
 下水道の未整備地域において、下水道が整備されている隣接、出町市街地や近隣市に接している地域につきましては、流下先の処理能力の検証や受け入れする近隣市との協議を行い、県や市の事業計画を見直すなど、所定の手続を行うことで接続することは可能でございます。
 既に市内の花島、苗加、野村島、示野の一部の世帯において、近隣市への下水道に接続しているところでございます。
 議員御提言の隣接整備地区や近隣市への接続は、事業期間の短縮につながるものと考えておりますが、これまでの下水道整備では、地区単位を中心に話し合いを行い、計画を進めてきたこと、また、既設管への接続には高さや流入量などさまざまな条件、課題があることから、今後の接続につきましては、それぞれの理解と調査、検討が十分必要であると考えておるところでございます。
○議長(今藤久之君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) ありがとうございました。
 では、市民の公平性という観点でお聞きいたします。
 公平性には、生活環境の標準化もありますが、特定環境保全を含む公共下水道設備の整っている土地と、合併処理浄化槽設備だけの土地という土地評価の違いがあるものではと考えてしまいます。土地評価だけのことではありませんが、下水道の整備、未整備による市民の公平性はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 喜田真二君。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 市民の公平性についての御質問にお答えいたします。
 下水道が整備されますと生活環境がよくなることで、土地の利用価値が高まることなどから、議員が述べられましたとおり、一般的には土地の評価の違いがあるものと考えられるところでございます。
 したがいまして、下水道の整備、未整備による市民の公平性につきましては、下水道整備を計画的に進め、未整備地域の早期整備に努めるとともに、整備されるまでの間、将来、下水道を整備することを念頭に合併処理浄化槽を設置していただくこととし、その設置費用に対しましての一部を浄化槽設置整備事業補助金をもって対応させていただくことで、下水道等未整備による市民の公平性の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○議長(今藤久之君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) ありがとうございました。
 今までも一生懸命やっていらっしゃる内容がよくわかりました。
 それでは、最後に、今後の公共下水道事業における展望と考え方についてお伺いをいたします。
 今年度からスタートしている第2次砺波市総合計画では、下水道事業の安定運営を掲げられ、今後予定されている公営企業会計制度への移行、それに伴う経営基盤の強化と施設の資産管理や維持管理等を重視した内容となっております。また、下水道事業の進め方では、計画的で効率的な整備と未整備地域への配慮もうかがえました。
 平成22年8月に提出されました下水道整備基本計画の見直し意見書は、平成32年度までの10年間の整備のあり方を検討したものとされていることから、昨年12月議会での答弁にもありましたように、次の計画策定時期は平成31年度をめどとされていますので、その進展を見守りたいと思っております。
 そこで、残された未整備地域は、地理的にも、地理的条件による高コストや人口減少に伴う空き家の増加もあるとは思いますが、広い宅地面積を生かした多世代同居住居が多い地域でもあることから、市が推奨されている三世代同居の増加も期待できる地域でもあります。このような観点も考慮された今後の公共下水道事業における展望と考え方について、夏野市長の御所見をお聞かせください。
 以上をもちまして、砺波市議会で初めての一問一答方式による質問を終えさせていただきます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 今後の公共下水道事業におけます展望と考え方について、市長の考えはどうかということについての御質問にお答えをさせていただきます。
 砺波市の下水道事業の整備の指針となります砺波市公共下水道基本計画につきましては、これまでの議会での御質問にもお答えしておりましたとおり、平成31年度までの下水道事業中期経営計画ですとか、平成32年度に予定しております公営企業会計への移行などの諸課題を勘案いたしまして、現在整備を進めております北部地域の進捗状況を踏まえながら、今年度から基礎資料等の調査に着手いたしまして、計画を前倒しいたしまして、平成31年度を目途に見直すこととしております。
 なお、この見直しに当たりましては、人口の減少ですとか、経済情勢などの社会的な要因、それから、建設費や維持管理費など経営管理の面からも詳細な検討を行いますとともに、未整備地域の完了まで、先ほどもありましたが、まだ20年以上も要するということですとか、議員も御懸念されております市民の公平性とか、三世代同居の推進もできるんじゃないかということですとか、また、手法としましても、御提案にされました整備地域隣接地への接続などの手法の検討、また、過去の経緯等もたくさんございます。さまざまな観点から議論を深めまして、十分な検証を行った上で、今後の下水道事業の進め方について検討を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○議長(今藤久之君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時35分 休憩

 午後 1時00分 再開

○議長(今藤久之君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 通告により発言を許します。
 3番 山本篤史君。
 〔3番 山本篤史君 登壇〕
○3番(山本篤史君) 議長より発言の許可をいただきましたので、通告に基づき、40代の人生最初の質問をいたします。
 老化は25歳から始まり、40代から急速にスピードが上がると言われています。人生80歳でいえば、折り返し地点です。残りの半生をしっかり踏みしめて進みたいと思います。
 1項目めは、認知症対策についてお伺いします。
 年をとっても頭脳明晰でありたい、そう願う人が大半です。しかし、実際には認知症になり、社会生活はおろか、個人の生活も成り立たせることができなくなる人がたくさんいます。現代社会において、認知症の患者数は急増しています。内閣府の日本における認知症の高齢化人口の将来推計に関する研究によると、2012年には462万人いた認知症患者数が、いわゆる団塊の世代がピークを迎える2025年には700万人に増加すると見込まれており、社会問題と考えられています。
 平成28年度時点の当市における65歳以上の高齢者は1万3,962人であり、介護保険認定者2,643人、そのうち、認知症と判断されている65歳以上の高齢者は1,737人おられます。
 それでは、1点目に、徘徊SOS緊急ダイヤルシステムについてお伺いします。
 平成25年7月から運用を開始している当市の徘徊SOS緊急ダイヤルシステムは、市内に居住する徘回または徘回のおそれのある高齢者などで、事前に登録された方が対象となる制度です。手順としては、徘回が気になる家族が申請書を提出し、事前にシステムに登録し、いざ徘回が発生した場合は、家族が委託事業者に連絡した後、協力事業者へ協力要請のメールが配信され、捜査を開始するという流れになっています。登録は無料ですが、捜査活動には1回4,500円の利用料が必要です。
 そこで、登録者を増やすための取り組みについてお伺いします。
 平成25年度より昨年度までの登録者数は18名、36名、50名、37名と推移しており、民生・児童委員協議会、社会福祉協議会、広報となみやTSTを用いて説明や周知を行い、登録者を募っています。これは該当者のうちわずか5%以下しか登録していないことになり、まだまだ周知が必要だと思われます。
 よって、当事業者の利用登録者を増やすために、さらに周知をする取り組みが必要と思われますが、どのように考えておられるのか、お伺いします。
 続いて、協力事業所を増やすための取り組みについてお伺いします。
 平成25年度より昨年度までの登録事業者数は73名、96名、105名、111名と推移しており、当事業に理解をし、賛同していただける事業所が、徐々にではありますが増えています。協力事業所一覧表を担当課から閲覧させてもらいましたが、各地区の公民館の登録が10以下であることなどから、まだまだ呼びかければ登録してくれる事業所がたくさんあるのに、依頼を十分に行い切れていないのではないかと推測されます。
 いざという際には、多くの方の協力を得て、早期に発見するためにも協力事業所を増やす必要があると思いますが、どのように考えておられるのか、お伺いします。
 2点目は、徘回者発生時における地区の情報伝達体制についてお伺いします。
 徘徊SOS緊急ダイヤルシステムは、高齢者等の徘回が発生した場合に、市内の事業者等に速やかに情報を配信することで、早期に発見できる体制を構築することにより、高齢者の生命と安全を守り、高齢者やその家族を地域ぐるみで支援することを目的としておりますが、徘回者発生時の初期の捜索はやはり近所の住民となる可能性が高いです。自治振興会組織がしっかりしている当市のような地域では、自治振興会への連絡体制をしっかり構築し、より多くの有志を集めての捜索が早期発見に功を奏すのではないかと思われます。
 地域によっては、連絡体制の構築の仕方が若干異なるかもしれませんが、例えば当該家族から当該自治会長へ、当該自治会長から振興会長へと伝え、そこから地区内の自治会長や消防分団へ伝えていくなどのフローの例を示し、いざというときのための連絡網の構築を検討する必要があると思います。有志がすぐ集まれるような専用メールシステムの構築も1つの方法ではないでしょうか。
 また、捜索対象者の居住地が隣接市に近い場合は、今後、市を越えての捜索態勢を構築することも必要になってくると思われます。さまざまな状況が想定されますが、徘回者発生時における地区の情報伝達の構築についてどのような考えをお持ちか、お伺いします。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 齋藤幸二君。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 私からは、1項目めの認知症対策についての御質問にお答えをいたします。
 まず、1点目の徘徊SOS緊急ダイヤルシステム事業につきましてのうち、登録者を増やすための取り組みについての御質問にお答えをいたします。
 本事業は、認知症高齢者やその家族が安心して暮らせるために、地域の方々や事業所の皆さんの御理解や御協力のもと、徘回された高齢者などを見守る事業として重要なものと考えております。
 この事業は、平成25年7月から始められたものであり、本年3月末現在37名が登録されております。しかしながら、まだ自分は徘回者ではないと思ったり、世間体から家族が登録することに抵抗があったりと、なかなか登録までには理解が得られにくい状況でございます。
 今後とも地域の方々のネットワークを生かし、安心して暮らしていけるように、さらなる周知を図り、本事業への登録者の増加に努めてまいります。具体的には認知症サポーター養成講座を初めとして、ほっとなみ認知症カフェ、地域ケア会議、行政出前講座、月に9回の認知症相談日などを活用いたしまして、本事業に登録することで、本人はもとより、家族や地域の方々などの安心につながるということを伝え、登録者の増加につなげてまいります。
 次に、2点目の協力事業者を増やすための取り組みについての御質問にお答えいたします。
 現在の協力していただいている事業所の立地箇所を踏まえまして、今後必要となる地区や業種などを勘案し、未加入の事業所や店舗などに対しまして協力依頼をしてまいります。
 また、当初の協力依頼だけではなく、認知症に関する情報などを定期的に提供するなど、本事業に関して、継続的に関心を持っていただけるようPRに努めてまいります。
 次に、2点目の徘回者発生時における地区の情報伝達体制についての御質問にお答えをいたします。
 徘回者発生時の地区内での情報伝達につきましては、基本的には認知症の当事者及び家族の意向を中心に考えまして、対象者が住んでおられる地域のできる限り可能な範囲で、速やかな情報伝達の体制づくりが求められるものと考えております。
 そこで、情報伝達の体制につきましては、各地区にはさまざまな団体や事業者など地域の関係者がおられることなどから、徘回者発生時の一般的な伝達フローの例示につきまして検討してまいります。
 また、市を越えた捜索体制の構築につきましては、現在、県におきましても、認知症の人の広域見守り体制整備に係る会議が設置されておりまして、その会議において、見守り模擬訓練が計画されておりますので、市境における認知症高齢者などの徘回者発生時の対応につきましては、隣接する市町村間及び警察、消防などとの連絡体制について、県と連携しながら進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 山本篤史君。
 〔3番 山本篤史君 登壇〕
○3番(山本篤史君) 徘回は、時間がたつほど捜査範囲が広がり、多くの方の労力が必要となります。いざというときには早期に発見できる体制の構築を望み、次の質問に移ります。
 2項目めに、子どもたちが安心してのびのびと遊べる都市公園づくりについてお伺いします。
 当市には181カ所、延べ面積1,000平米もの公園があり、花と緑のまち砺波にふさわしい環境があり、公園長寿命化計画に基づき、適切な維持管理が行われているようです。
 砺波市公園長寿命化計画によりますと、計画対象公園を、街区公園として太郎丸西部1号から4号公園、鍋島4号と5号公園、豊町公園、地区公園として砺波向山健民公園と舟戸公園、総合公園として砺波チューリップ公園、運動公園として砺波総合運動公園の計11カ所としており、選定理由としては、比較的古い公園で、利用頻度が高いものを対象とし、対象施設となる公園施設を有しない公園は対象から削除したとのことです。
 本定例会における一般会計補正予算では、豊町公園の経年劣化した公園遊具の撤去更新工事費として3,200万円の予算を計上しています。
 それでは、1点目に、風の丘公園の維持、修繕についてお伺いします。
 風の丘公園は、西部体育センターの南側に立地し、特徴ある遊具が有名で、多くの人が集まる場となっています。我が子を連れて遊びに行く機会が頻繁にあるのですが、公園施設の劣化が非常に目立ち、心配されます。
 遊具の階段上り場は、遊具の階段の段差が約20センチに対して、地表面との差はおよそ40センチ弱と倍近く段差があり、著しい洗堀がうかがえますし、洗堀防止のマットの金具や木の根っこがむき出しになっており、子どもが転倒し、けがをするおそれもあります。また、そりの滑り場は、斜面底面の排水機能がないため、水がはけず、降雨時には水たまりができるなど、遊具として機能しておらず、ほぼ誰も遊んでいない状態になっています。
 当市の公園の顔という側面もありますので、安全性を確保するためにも早急に修繕が必要ではないかと思いますが、当局の考えをお伺いします。
 2点目に、大型遊具の設置についてお伺いします。
 県西部には、県民公園太閤山ランド、クロスランドおやべ、桜ヶ池県定公園など、大型遊具を複数設置し、子どもたちに長時間遊んでもらう環境があります。当市も、それに匹敵する規模の遊具がある施設があればいいなと思うのですが、いずれの公園もコンパクトにまとまっています。
 公園は、私たちに潤いと安らぎを与えてくれるばかりではなく、憩いの場として、また、スポーツ、レクリエーションの場として、健康の維持、増進をもたらしてくれます。子育て環境の充実の面からも、もっと多くの人が集い、長時間滞在し遊べるように、都市基幹公園に大型遊具を設置する必要があるのではと思いますが、当局の考えをお伺いします。
 3点目に、公園の周知についてお伺いします。
 先ほども述べましたが、当市には、コンパクトで、少数の遊具がある公園が散居村のように点在していますので、市民に魅力ある公園が幾つもあることを知ってもらい、利用する選択肢を伝達するのも1つではないかと思います。
 現在は、市のホームページ上に「公園へ出掛けませんか」というコーナーで、幾つかの公園を紹介していますが、さらに充足させてもいいのではと思います。また、子育てする親や祖父母には、さまざまな公園があることを周知してもらい、出かけるきっかけを提供すべきかと思いますが、広く市民に公園の周知をすることについてお伺いします。
 以上で終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 喜田真二君。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 私からは、2項目めの子どもたちが安心してのびのびと遊べる都市公園づくりについての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の風の丘公園の維持、修繕についての御質問につきましては、砺波総合運動公園内の一角に遊びの広場を設けて、(通称)風の丘公園として、多くの方々に親しまれ、利用されているところであり、その維持管理につきましては教育委員会の生涯学習・スポーツ課にお願いしているところでございます。
 議員御指摘のとおり、複合遊具を設置しておりまして、約15年が経過しておりますことから、定期的に安全点検を行い、その都度、緊急性があれば修繕を行っているところではございますが、今回、階段上り場の洗堀やそりの滑り場の水たまりが見受けられますことから、まずは、維持管理業務の中で近日中に対応するとのことであり、既に業者の手配もしているところでございます。今後も、引き続き安全性の確保を図ってまいりたいと思います。
 また、長期的な対応といたしましては、この複合遊具を公園長寿命化計画の対象施設として位置づけており、他の公園施設との危険度並びに優先順位などを考慮するなど、遊具の更新について検討してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の大型遊具の設置についての御質問にお答えいたします。
 市内の都市基幹公園は、総合運動公園としての「砺波チューリップ公園」と「夢の平公園」、運動公園としての「砺波総合運動公園」の3カ所の公園がございまして、このうちチューリップ公園と総合運動公園内には複合遊具を設置してございます。
 議員御提案の都市基幹公園への大型遊具の設置につきましては、広いスペースが必要なことや公園の敷地の中で既存遊具との安全領域を確保するなどの課題もあることから、今後、遊具の更新の際に市民の皆さんからの最新のニーズをお聞きしながら、大型遊具の設置について検討してまいりたいと考えております。
 次に、3点目の公園の周知についての御質問にお答えいたします。
 御質問の冒頭にもございましたとおり、市内には181カ所の公園が点在しており、そのほとんどが土地区画整理事業等で整備された公園でありまして、地域の公園として位置づけられているものでございます。
 議員御指摘の公園の周知につきましては、現在、複合遊具や多くの皆さんが楽しんでおられる公園を中心にホームページ上で紹介を行っているところでございます。
 また、教育委員会のこども課より新生児や転入された御家庭へ配付してございます子育て支援情報においても、各地区の主要な公園を掲載しており、今年度も情報を更新し、子育てされている御家族の方々にも周知を図っているところでございます。今後、公園遊具の更新を行った公園の情報などを追加するなど、幅広く市民に公園を御利用いただけるよう周知を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 1番 開田哲弘君。
 〔1番 開田哲弘君 登壇〕
○1番(開田哲弘君) 去る4月の市議会議員選挙で初当選し、5月より議員として活動しております。与えられた4年間をよりよい砺波市を築くために使いたいと思います。夏野市長、齊藤副市長及び職員の皆様方、そして、先輩議員の皆様方には、温かい御指導と御鞭撻を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
 議長より発言の許可をいただきましたので、質問通告書に従い、市政一般に関する質問と若干の意見を述べたいと思います。
 まず、大きい項目の1点目、鳥獣被害防止対策についてお伺いします。
 ここで言う鳥獣とは、農作物等に被害を与えるカラス、イノシシ、シカ等の鳥獣を指しており、イノシシやシカは中山間地及びその隣接するエリア、カラスは市内全域で活動を行っております。
 被害が発生するエリアでは、地区ごとに鳥獣被害防止対策協議会等の組織を設立し、地域ぐるみで、鳥獣の被害を未然に防ごうと活動しております。主な活動は、イノシシを対象にした電気柵の設置であり、平成24年度に栴檀山地区で設置したのを初め、その後、栴檀野地区、雄神地区、般若地区、東山見地区と、毎年1地区ずつ増えて、現在は5地区で設置されております。平成28年度までに設置された柵の総延長距離は103キロメートル弱で、そのうち栴檀山地区は58キロメートル、栴檀野地区は24キロメートル、雄神地区は12キロメートルと、山に隣接する田畑を多く持つ地域で大変な思いをされていることがうかがえます。
 私も般若地区で電気柵の設置に携わっており、春先には設置する箇所の除草、枝打ち、設置後は電気の線がたるんでいないか、草が伸びて電線に触れていないか、それらを点検し、そして、冬前に柵を撤去するという活動をしております。これらの一連の活動はなかなか面倒なところが多く、毎年、多くの人が協力して実施しているところであります。
 しかしながら、相手は動物で、餌を求めて活発に活動するため、柵の設置されていない箇所を通って畑等に侵入し、そこの農作物に被害を与えるということにつながっています。そうなれば、新たな電気柵の設置を考えなければいけなくなるという状況に陥ります。
 ここで、富山県イノシシ管理計画の第2期というのは平成29年4月1日から始まっており、その中で、地域ぐるみで侵入防止柵の設置場所を検討し、設置を推進する。県内各市町の被害防止計画に定める目標延長以上の新規設置を目指すとあります。
 そこで、1つ目の質問になりますけれども、先ほど述べましたとおり、現在の柵の延長距離は103キロメートル弱なんですけれども、農作物への被害を未然に防ぐという柵設置の観点からいきますと、その効果は出ているのでしょうか、また、未然に防ぐというその目的を達成するためには、あと、どれほどの距離の設置が必要になってくると考えておられるかをお聞かせください。
 次に、本年度、般若地区におきまして、赤坂霊苑周辺に新たに柵を設置することになっております。これは従来の電気柵ではなく、金網製のイノシシ用防護柵を設置するということになっています。これは、砺波市では初めての試みというふうになっています。この金網の設置には、電気柵以上の労力が必要となりますが、維持管理は電気柵よりも軽減される、そういう代物であります。
 ここで、2つ目の質問ですけれども、電気柵と金網製のイノシシ用防護柵とのこの2種類について、おのおののメリット、デメリット、そして、これを設置していく際の使い分けの基準があれば、お聞かせください。
 次に、イノシシは山に生息する動物です。先ほどから述べています電気柵、それは田畑に来ないでと、山に帰すための措置でございます。砺波市は、中山間地で、高岡市、射水市、富山市、南砺市と隣接しているため、イノシシの行き来があります。他市に砺波のイノシシを追いやったということではいけないので、これらの市と連携して、広域エリアとしてイノシシを捕獲し、個体数の削減、それを行う必要があると思います。捕獲の方法もおりやわなの設置、いろいろあると思いますし、また、捕獲したイノシシの処理も大変な作業になります。
 そこで、3つ目の質問になりますが、隣接する市、それらと何らかの連携がとれているのか、砺波市の捕獲目標数、捕獲したイノシシの処理対策についてお聞かせください。
 鳥獣被害防止対策についての質問は以上です。よろしくお願いします。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 加藤 孝君。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 開田議員の御質問にお答えをいたします。
 私からは、1項目め、鳥獣被害防止対策についての御質問のうち、まず、1点目の鳥獣被害防止対策の現状と効果についての御質問にお答えいたします。
 市内における電気柵の設置状況につきましては、先ほど議員が述べられましたとおり、平成28年度までに設置された総延長は約103キロメートルとなっております。
 また、捕獲おりにつきましては40基設置し、電気柵との連携による効率的な捕獲に努めた結果、平成28年度の捕獲頭数は159頭、イノシシによる農作物被害面積は約0.2ヘクタール、被害金額は約20万円でありました。
 被害が最も多かった平成26年度の被害面積は約2ヘクタール、被害金額は240万円の1割程度となり、大幅に被害は減少しており、柵の効果は十分にあらわれているものと考えております。
 電気柵整備の進捗率につきましては、電気柵の設置を当初予定していない箇所で新たな被害が発生し、急遽設置が必要となるケースが数多くあり、全体計画が定まらない面もありますが、般若地区及び雄神地区の山裾に設置する地区では、ほぼ整備が完了しており、栴檀野地区及び栴檀山地区においても、被害が想定される農用地面積の8割程度まで進捗しているものと見込んでおります。
 目的達成のためには、あと、どれだけほどの設置が必要かとの御質問につきましては、現段階では、地元から、あと約5キロメートル必要であるとお聞きしており、本年度に、残り全てを設置する計画とされておりますので、整備は完了するものと考えております。
 次に、2点目のフェンスの設置と期待される効果についての御質問にお答えいたします。
 まず、電気柵のメリットにつきましては、資材の経費が1メートル当たり約300円と安価な点や、軽量で設置が容易なことが挙げられます。一方、デメリットとしては、降雪前に撤去し、翌春に再設置する必要があることや、漏電を防ぐために定期的な草刈りをするなどの手間がかかることなどが挙げられます。
 一方、金網製イノシシ用防護柵につきましては、資材の経費が1メートル当たり約3,000円と高価な点や、電気柵に比べ重量が重く、設置に労力を要することがデメリットとして挙げられますが、一度設置すると、その後のメンテナンスが一定期間不要となるメリットがあり、近年、関心が高まっております。
 今後、設置していく際の電気柵と金網製イノシシ用防護柵との使い分け基準につきましては、基本的には安価な電気柵を使用していただきたいと考えておりますが、高齢化や人口減少などの理由により、電気柵の設置、維持管理が困難となっている地域やニホンジカなどのイノシシ以外の鳥獣の侵入も予想される箇所においては、金網製イノシシ用防護柵の設置も必要であると考えております。
 次に、3点目の隣接する市との連携についての御質問にお答えいたします。
 中山間地域の山々は連なっており、本市においても、富山市、高岡市、射水市、南砺市と接していることから、今後、電気柵の整備に伴い、イノシシが電気柵の設置されていない箇所へ移動することが予想されます。
 県においては、イノシシ被害の広域化を受けて、本年度、緊急イノシシ被害防止対策事業として、県全体の被害圃場や電気柵の設置状況などを地図にマッピングし、情報の共有化を図る取り組みが進められております。
 また、隣接する市町村との取り組みといたしましては、昨年度から呉西圏域の連携事業として、6市が連携し鳥獣被害対策の情報交換を進めており、今月末には、被害対策の専門講師を招いて、被害防止対策講習会をリレー方式で開催し、イノシシ等の行動特性と生息環境整備について理解を深め、今後の広域連携、被害防止対策の連携強化に取り組むこととしております。
 次に、本市のイノシシ捕獲目標頭数につきましては、平成27年度に向こう3年間の鳥獣被害防止計画を策定しており、過去の捕獲頭数や被害の状況を鑑み、本年度のイノシシ捕獲計画頭数を200頭としているところでございます。今後も、捕獲計画頭数の達成に向け、市鳥獣被害対策実施隊の捕獲技術向上研修や電気柵と捕獲おりの効果的な連係で、効率的な捕獲に努めてまいりたいと考えております。
 次に、捕獲したイノシシの処理対策につきましては、昨年度のイノシシ捕獲頭数159頭のうち、自家消費できず、埋設処分された頭数は49頭となっております。この埋設処分の頭数は近隣自治体と比べて少ない状況にありますが、環境問題などの面を踏まえ、今後の捕獲頭数の増加に備えて、他の処分方法を検討する必要があると考えております。
 本市では、平成27年10月から営業を開始した県西部の民間獣肉処理施設へ肉の売却を目的とした搬入等を試みておりますが、捕獲したイノシシの傷の状態や肉質、捕獲後の保全状態などが食用としての施設受け入れ要件に合わなかったことにより、まだ利用に至っていないところでございます。引き続き施設の受け入れ条件に合った捕獲方法等について実施隊に周知を図り、少しでも施設の利用が図られるよう、関係団体と連携強化につなげてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 開田哲弘君。
 〔1番 開田哲弘君 登壇〕
○1番(開田哲弘君) 次に、大きな項目の2つ目、屋敷林についてお伺いします。
 砺波市は、庄川と散居に広がる魅力あふれるまち、これをつくることを目標として、砺波市景観まちづくり条例と砺波市景観まちづくり計画に基づき、景観まちづくりを進めております。5つの景観形成区域を設定し、その区域に応じたまちづくりを進めています。この中の散居景観区域では、屋敷林に囲まれた家々が点在し、住宅、屋敷林、水田が一体となった散居の広がる景観区域とあります。屋敷林に囲まれた家々とありますが、屋敷林の保全、育成の砺波市の思いと屋敷林を保有する住民の思いは、同じベクトルを向いているのでしょうか。
 これは、インターネットで検索したところ、次のような記事がありました。平成16年の台風23号では、砺波市全域で1万4,778本の屋敷林が倒れ、平成24年4月の爆弾低気圧では1,091本が倒れました。砺波散居の多くは有効土層が薄く、扇状地表層の薄い砂質土壌の下のかたいれき層に阻まれて、根系が十分に伸長していないことが根本にある。中略しまして、さらに、散居・屋敷林研究家の新藤氏が、杉の単相林化が進んだことや倒木のほとんどが戦後に植えられ、枝葉が多く、徒長したボカスギ、そういったものだったことを指摘しています。
 こういった背景の中、砺波市では、風に強く、管理しやすい屋敷林づくりといったパンフレットを作成し、配付、枝打ち等の助成、散居景観モデル事業に対する補助と、さまざまなことを行って屋敷林の保全に努めております。それにもかかわらず、屋敷林は減っていっているように感じます。木を切る、こういったことは行い、屋敷林をなくすことは本当数日で完了してしまうんですけれども、屋敷林をつくるのには十数年かかります。これを残そうとする市の事業は大変重要な事業だと思っております。
 こういった状況の中で、1つ目の質問になりますが、砺波市では、屋敷林の保護と育成を目的にさまざまな助成を行っております。そもそも散居景観保全事業の対象地域内で、屋敷林を保有している戸数は現在、何戸あるか、これは砺波市では把握しているんでしょうか。年ごとにまた調査して、その推移というのを見ているのでしょうか。
 屋敷林で杉の倒木が多いのは、樹高に対して根の張り方が弱いからだと、これは造園屋さんに聞いた話なんですけれども、先ほど紹介した記事でも、そういうふうに書いてあります。そういったことから、樹高の高い木は伐採して、新たに植樹するといった行為は必要かと思います。
 提案なんですけれども、屋敷林を次世代にも残そうとするならば、砺波市内の屋敷林について、現地視察を実施し、適切な指導を行う体制が必要ではないでしょうか。徒長した木を切って、新たな木を育てていくこと、適切な枝打ち、これらは一般の人には判断はつかない内容です。
 ここで、2つ目の質問ですけれども、この屋敷林が風害の原因とならないよう、しっかりとしたものにするための個別指導というのは可能なことでしょうか、今後の保存のあり方とあわせてお聞かせ願えればと思います。
 屋敷林に対する質問は以上です。よろしくお願いします。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 加藤 孝君。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 私からは、2項目めの散居景観をつくる屋敷林についての御質問のうち、1点目の屋敷林を保有する家屋の件数についての御質問にお答えします。
 屋敷林の保有戸数につきましては、合併前の平成14年に実施した屋敷林調査では、未回答の地区を除き約2,200戸となっており、また、平成16年の台風23号により被害を受けた後の調査では、ここも未回答地区を除き約2,000戸余りであったことから、現在のところ、未回答の2地区分の約200戸と庄川地区分の約100戸を含めると、合計で2,300戸余りの保有戸数があるものと考えております。
 なお、本市全体の散居景観保全事業における地域協定125地区の協定戸数は、約4,000戸となっております。
 年ごとの調査をしているかとのお尋ねについてでございますが、その後、市全域を対象とした調査は実施しておりませんが、傾向としては、減少傾向にあるものと考えております。
 次に、2点目の減少傾向にある中、今後の保全についての御質問にお答えします。
 平成24年4月の爆弾低気圧による倒木被害を受け、本市におきましては、同年6月に、造園業者や専門家で構成する屋敷林保全管理検討会を設置し、屋敷林の適正な維持管理を行うための現地調査や管理方法のマニュアルを定め、倒れにくい屋敷林の植栽方法や管理方法の周知に努めてきたところであります。
 その後、屋敷林の維持管理についての相談を受ける窓口として、市内5つの地域に13名の地域相談員を配置し、市民の相談役として、個別にアドバイスが受けられる体制を整えたところであります。
 また、今後の保全の取り組みにつきましては、来年の3月に、花粉症対策のための県産の無花粉スギや広葉樹の苗木の配付を計画しており、あわせて植栽についての個別指導を行うこととしております。
 また、次世代の屋敷林保全に関する関心を高めるため、昨年度に引き続き今年度も、夏休み期間中に屋敷林親子バスツアーを開催し、屋敷林の見学や自然に触れ合う機会をつくり、親子で散居景観のよさと屋敷林の大切さを学ぶ機会を計画しております。
 さらに、今年度、新たに屋敷林の枝打ちを受け持つ施工業者を対象とした研修会を県と連携して開催することとしております。
 本市といたしましては、こうした各種事業を適切かつ着実に実施するとともに、屋敷林の調査や保全に関する取り組みなどについて、屋敷林保全管理検討会で引き続き調査研究をしてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 7番 雨池弘之君。
 〔7番 雨池弘之君 登壇〕
○7番(雨池弘之君) 2期目に当たり、改めて地域のことは地域で守る、また、運営していくことは、そこに住んでいる者の務めを信条に、初心を忘れることなく、全力で市政発展に努めてまいりたいと思います。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、質問と若干の要望並びに提案をさせていただきます。
 まず、第1項目めの2017となみチューリップフェアについてお伺いします。
 砺波で、チューリップの栽培が始まって100年目となる節目の年に「未来へ 彩りつなぐ 100年の花」をテーマに、2017となみチューリップフェアが4月21日から5月5日までの15日間にわたり開催されました。期間中は天候にも恵まれ、目標の30万人を上回る32万3,000人の来場者でにぎわったと。また、海外からの来場者も、過去最高となる1万200人を記録したとあります。これは、富山県や立山黒部貫光株式会社と連携し、誘客キャンペーンに力を入れてきた台湾、ASEAN等からの観光客が増え、誘客活動の効果があらわれたとあります。
 特に昨年よりスケールアップした花の大谷には、会期前半は白色の雪の壁を表現し、会期後半は色とりどりの春のイメージへと変化を創出したところ、連日、写真スポットとして、大変にぎわったとあります。
 一方、連携イベントの出町子供歌舞伎曳山祭りを初め、せんだん山水仙そばまつり、タピ・ドゥ・フルーとなみ、庄川木工まつりなど、全てのイベントにおいて、昨年以上の来場者でにぎわい、大変喜ばしいことであったと臨時会で夏野市長からの市政報告がありました。これを受けて、質問をしたいと思います。
 それでは、まず、シャトルバスの運行についてお伺いします。
 JR城端線の快速・べるもんたの土曜日運行や臨時列車のチューリップ号が5月3日から5日までの運行等に合わせ、JR砺波駅の利用者に向け、毎日、シャトルバスが運行され、延べ1万4,696人が利用されたほか、病院駐車場線、庄西中学校線、よってかれ号、木工まつり号の全路線で3万360人です。前年より約5,000人増の利用があったとあります。私も孫と一緒に5月4日の木工まつり号に乗車しましたが、行きも帰りも満席でありました。
 ところで、連携イベントの庄川遊覧船のフェア期間中の乗客数は2,025人で、そのうちチューリップフェアの入場券を提示し、2割引を受けた乗客は337名とありました。もっとフェアへの利用者に乗船してもらうために、期間中の土・日曜日に、チューリップフェア会場と庄川遊覧船間にシャトルバスを運行されてはいかがでしょうか。
 また、観光周遊バス・よってかれ号の拡大や高波チューリップ祭り会場は摘花作業前までは運行されていましたが、その後も、また、せんだん山水仙そばまつり会場にも運行することにより、相乗効果が上がると思いますが、市当局の考えをお伺いします。
 次に、高岡砺波スマートインターに大型看板等の設置についてお伺いします。
 砺波インターチェンジや高岡砺波スマートインターからの誘導対策として、駐車場への看板の設置や主要交差点における誘導を徹底し、中村駐車場や高坪駐車場へ優先して誘導、また、車両数が多いと見込まれる場合は、市立砺波総合病院駐車場や庄西中学校駐車場へ早目に誘導するとともに、シャトルバスの台数を柔軟に対応し、高速道路や周辺道路などの渋滞緩和に努めたとありますが、2年前のインターチェンジの利用台数は1万212台とありましたが、まず、今回の利用台数はどうであったか、お伺いします。
 砺波インターチェンジ入り口には、大型看板が設置され、各イベントのPRがされています。また、有志の方々により、国道156号線沿いにチューリップのプランターが設置され、フェアを盛り上げています。
 ところが、高岡砺波スマートインターには、会場や各駐車場への誘導看板はありますが、フェアを歓迎する看板等が見当たりません。そこで、看板や花壇を設置し、来場者を出迎えてはいかがでしょうか、市当局の考えをお伺いします。
 次に、次年度以降の開催に向けての改善策等についてお伺いします。
 まず、ここ数年、来場者を30万人とする目標を立て開催されていますが、平成33年に第70回となみチューリップフェアが開催されること、また、それに合わせ、チューリップ公園の再整備が実施されること、第2次砺波市総合計画の中で、観光客入込客数を、平成33年度の目標数値を、平成27年度より15万人増の200万人と定めておられます。
 そこで、チューリップ公園を整備し、第70回を迎えるわけでありますが、目標数値を引き上げ、取り組むべきと考えます。平成27年12月議会でも目標数値の設定について質問したところ、屋外におけるイベントは、天候に大きく左右されること、時代のニーズに対応した企画や運営の創意工夫をして、多くの皆さんにお越しいただけるよう努力しているが、容易に入場者数を増やすことができないところであり、目標数値を高く設定することは現実的ではないと答弁されていましたが、改めて市当局の考えをお伺いします。
 次に、チューリップフェアの公式ホームページが一時的にアクセスできない状況になったとありますが、それに対する今後の対応策についてお伺いします。
 先ほど申し上げたように5月4日に孫と入場しましたが、この日は、期間最大の4万3,000人の入場者があり、人気の花の大谷では大変混雑し、1時間待ちでありました。
 そこで、次年度以降、設置場所や入り口等について改善すべきと考えますが、市当局ではどのように考えておられるか、お伺いします。
 また、休憩スペースについては、北門、ステージ前、美術館、四季彩館等に設置されていますが、会場内には高齢者向けにちょっと一息するところが不足していたと思います。市内のショッピングセンター等では、高齢化に対応し、高齢者向けに館内至るところに休憩用椅子等が数多く設置されています。
 そこで、高齢者向けに、ところどころに椅子等を設置されてはいかがでしょうか、市当局の考えをお伺いし、第1項目めの質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 加藤 孝君。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 雨池議員の御質問にお答えします。
 私からは、1項目めの2017となみチューリップフェアについての御質問のうち、まず、1点目のシャトルバスの拡大についての御質問にお答えします。
 チューリップフェア期間中の無料シャトルバスにつきましては、これまで連携するイベントや公共施設に限定してシャトルバスを運行し、連携イベントとの相乗効果と連携施設相互の利用促進、入場者の利便性の向上に努めてきたところでございます。
 庄川遊覧船につきましては、運営する庄川遊覧船株式会社が、通常1日2便のところをフェア期間中は6便に増便されたこともあり、大変好評でございました。
 しかしながら、庄川遊覧船へのシャトルバスの運行につきましては、庄川遊覧船に向かわれる多くのお客様が車を利用されていることや民間事業者によりバスの定期運行がなされていることなどから、主催者においてシャトルバスを運行することは大変難しいものと考えております。
 また、せんだん山水仙そばまつりの会場へシャトルバスを運行することにつきましては、マイカーやレンタカーでの来場者が多く見受けられ、また、木工まつり会場の庄川水記念公園とは違い、そばまつり会場では、現在のところ駐車場に余裕があり、道路が渋滞する心配も少ないことから、シャトルバス運行の効果について十分に検証する必要がございます。
 なお、観光周遊バス・よってかれ号につきましては、これまでの利用状況を検証し、昨年より運行を縮小いたしたところでございます。
 このようなことを踏まえ、イベント主催者の意向やフェア期間中の他のイベントとの連携、利用者ニーズなどから費用対効果を十分に考慮した上で、めり張りのあるシャトルバスの運行について、今後開催されますチューリップフェア実施本部において検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の高岡砺波スマートインターに大型看板等の設置についてのうち、インターチェンジの利用台数についての御質問にお答えします。
 議員お尋ねの本年のフェア期間における1日平均利用台数につきましては、砺波インターチェンジで8,795台、高岡砺波スマートインターチェンジで2,511台の計1万1,306台となっており、平成26年の高岡砺波スマートインターの開通前と比べて約11%の増加となったところでございます。
 次に、看板や花壇の設置についての御質問にお答えします。
 高岡砺波スマートインターチェンジの大型看板等の設置につきましては、高岡砺波スマートインターを利用してフェアにお越しになる観光客は、主に富山方面からのお客様であり、既に北陸自動車道沿いの東般若地内に「チューリップと散居のまち となみ」と書いた歓迎看板を設置して、効果的な本市の印象づけと歓迎に努めているところでございます。
 御承知のとおり、高岡砺波スマートインターは、市街地近くに設置されている砺波インターとは違い、田園の中にあり、景観上の配慮が必要で、また、歓迎看板を設置するとすれば、その設置場所が高岡市であることなどから、関係機関との協議や費用負担も含め多くの課題があり、設置に向けては慎重な検討が必要になるものと考えております。
 したがいまして、フェア期間中におきましては、交通誘導看板を兼ねた仮設によるフェア歓迎看板の設置や花プランターの設置について今後、検討してまいりたいと考えております。
 次に、3点目の次年度以降の開催に向けての改善策等についての御質問にお答えします。
 まず、チューリップフェア来場者の目標数値の引き上げにつきましては、平成27年12月定例会で雨池議員の御質問にお答えしましたとおり、砺波チューリップ公園の再整備によりグレードアップが図られる部分もある一方で、今年度におきましても、1日の入場者が5,000人から4万3,000人まで大きく変わるように、天候や花の状態など、さまざまな変動要因に左右されることから、安易に数値を引き上げることは現実的ではないと考えております。
 このようなことから、来場者の目標数値は30万人を維持することとしておりますが、フェアの内容につきましては、引き続き時代のニーズを先取りし、他の観光地との連携をさらに強化するとともに、国内外に積極的に情報発信することで、多くの観光客に御来場いただけるよう努めてまいります。
 次に、チューリップフェアの公式ホームページの対策についての御質問にお答えします。
 本年のチューリップフェアにおける公式ホームページへアクセスできなくなったことにつきましては、期間中の4月30日、5月2日から4日までの計4日において、許容量を超えるアクセスがあったことから、一時的に利用できなくなったものでございます。関係者を初め、多くの観光客等の皆様方に御迷惑をおかけいたしましたことに対しまして、おわびを申し上げたいと存じます。
 こうした現象は、ウエブサイトを運営しているサーバー側に、観光客などからのアクセスが集中したため、大きく負荷がかかったことによるものであり、緊急的な対応として、簡易なホームページにつくりかえ、負荷の軽減により復旧に努めたところでございます。
 今後の対応につきましては、ウエブサイトを運営するサーバーの容量の増強やホームページの内容を見直すなどの方法が考えられますので、費用対効果を考慮した上で対応してまいりたいと考えております。
 次に、花の大谷の設置場所や入り口等の改善についての御質問にお答えします。
 昨年度からチューリップフェア会場に設置した花の大谷につきましては、昨年の延長20メートルから、今年は30メートルへと約1.5倍にスケールアップしたことや、その美しさや迫力から、来場者にとって一番の人気スポットとなり、主催者としてはありがたい反面、休日には長蛇の列ができたものでございます。
 このため、4万人を超える来場者があった日には、最長で1時間近くお待ちいただくこととなったことから、その対策として、花の大谷の途中で長くとまることのないように、あるいは出入り口を変更して一方通行としたことや入り口付近で呼びかけるなど、円滑な通行に努めたところでございます。
 このほかにも、待ち時間にスマートフォン向けの砺波市を紹介するエリア限定型サイト・potaVee(ポタビ)を積極的にPRするなど、来場者に御負担をおかけしないよう工夫を凝らしたところでございます。
 来年度の開催に向けましては、議員御提言のとおり、設置場所や誘導方法などを再検討することとしており、今後、来場者アンケートや職員からの意見などを踏まえ、チューリップフェア実施本部における研究会において議論を行い、その効果的な方策について取りまとめ、改善してまいりたいと考えております。
 次に、高齢者向けの一息するところの設置についての御質問にお答えいたします。
 議員御提言の椅子の設置につきましては、フェア会場において休憩スペースが少なく、特に晴天時は暑く、休むところがないとの御意見をいただいており、主催者として、十分承知しているところでございます。これまでにも、さまざまな空間を利用して休憩スペースを設けてきたところであり、今回も、新設された北門をチューリップリラックスコートとし、休憩所を増設して対応いたしたところでございます。
 このようなことから、高齢者に限らず、多くの来場者の皆様に木陰などを利用し休憩していただくため、議員御提言のとおり、ベンチを置くことが望ましいと考えており、魚津市で開催された全国植樹祭で使用されたベンチを提供いただけることから、これらを活用するなど、ベンチを増設してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 雨池弘之君。
 〔7番 雨池弘之君 登壇〕
○7番(雨池弘之君) 再質問ではございませんけれども、目標数値の案件でございます。せっかく70回が開催されるとか、チューリップ公園が再整備されるということでありますので、それに向けて努力をしていただきたいなと、このように思っておるわけであります。
 では、2点目のチューリップ公園の整備計画についてお伺いします。
 チューリップ公園の再整備計画については、平成27年3月に、安全・安心で、親しみやすく、心癒される公園として再整備を行い、公園利用者の満足度をさらに高め、通年利用やイベント利用の拡大を図ることを目的に策定されております。策定されております基本計画によりますと、第70回となみチューリップフェアの開催となる平成33年3月までに、再整備を概ね完了する予定となっております。
 今年のチューリップフェアでは、チケット販売ブースやトイレとして活用、また、屋根の下の空きスペースを休憩、体験コース等、多目的に利用され、来場者に大変好評であった北門でありますが、この再整備には、防災・安全交付金による都市公園緑地等事業費を充てておられますが、国では、インフラ長寿命化計画を踏まえた老朽化対策の推進を図る事業に重点配分するとありますが、当初計画では、平成27年度中に再整備する予定でありましたが、交付金の確保ができなく、完成まで2年がかりとなり、何とか今年のチューリップフェアに間に合ったところであります。
 基本企画では、今後の再整備の事業実施に当たっては、優先順位を見極め、年次計画、資金計画に基づき実施していくとあります。具体的には、チューリップ公園のシンボルであるチューリップタワーの建てかえについては、本年度、基本計画に取り組み、平成32年度末までに完成させたい。また、建てかえに当たり、現在の花をモチーフにした外観が広く親しまれていることから、新タワーでも花のデザインを概ね継承していき、ユニバーサルデザインに配慮したスロープを検討しているとあります。
 そこで、交付金の確保がなかなか難しい中、どのように実施されようとしているのか、お伺いします。
 既に砺波市文化会館屋上のパノラマテラスやチャンドラ号の移転等が実施されており、北門の整備に当たっては、当初見込みより遅れて完成した経緯もあり、財源確保が難しい中、今後のタワー以外の公園施設の整備計画について、あわせてお伺いし、2項目めの質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 喜田真二君。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 私からは、2項目めのチューリップ公園の整備計画についての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目のチューリップタワーの完成見込みについての御質問につきましては、現在、公園のシンボルであるチューリップタワーについて、市民を初め、多くの皆様から建てかえについての御意見やデザインイメージなどを募集しているところでございまして、今後、募集していただきました御意見を参考として、今年度中に基本設計を実施することとしております。
 また、平成30年度において、公園施設長寿命化計画に基づく都市公園の再整備を支援する国の防災・安全交付金事業を活用し、実施設計を行い、平成31年度からの2年間で建築工事を施工し、平成32年度末までに完成を予定しているところでございます。
 議員御指摘のとおり、北門整備に着手しました平成27年度当時は、防災・安全交付金事業の予算について、公園長寿命化計画策定調査を行った県内6市町と合同で1つの社会資本総合整備計画を策定し、国に予算要求をいたしましたが、要望額どおりの予算の確保が難しかったことから、昨年度から、新たに砺波市独自で社会資本総合整備計画を策定いたしまして、予算の確保を図り、事業の進捗に努めているところでございます。
 今後、新たなチューリップタワーを予定どおりに完成させるためには、引き続き国の支援が必要であることから、国に対しまして、いかに砺波チューリップ公園が、花をテーマにした全国でも特色ある公園であるかということ、また、災害時の指定緊急避難場所として大変重要な拠点施設であることなどを丁寧に説明し、今後の予算の確保に向け、強く要望してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の公園の今後の整備予定についての御質問にお答えいたします。
 チューリップタワー以外の施設、例えば園路や北門以外のトイレ等につきましても老朽化が見られることから、これらの整備においても、防災・安全交付金の確保について国へ強く要望し、老朽化の著しいものから計画的に再整備を進め、タワーの整備とあわせまして、第70回となみチューリップフェアの開催年となる平成33年3月までに、再整備を概ね完了できればと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 2時13分 休憩

 午後 2時20分 再開

○議長(今藤久之君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 6番 山田順子君。
 〔6番 山田順子君 登壇〕
○6番(山田順子君) それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告書のとおり、3項目について、質問と要望、提案をさせていただきます。
 まず、大きい項目の1、安全・安心なまちづくりの推進についてお伺いいたします。
 消防団は、私たちの生命、財産を守る、歴史と伝統あるすばらしい、大切な組織です。地道な消防精神にのっとり、火災や災害から地域を守り、かつ地域活性化の原動力でもある消防団員の活動は皆様も周知のとおりであります。昨今、就業形態の変化や自営業者の減少、高齢化等により男性団員数が減少傾向にある中、女性団員は活動の場を広げる等、団員数の増加にもつながり、砺波市でも、女性第1分団31名、ひまわり分団15名が活躍しておられます。
 そこで、まず、中項目の1点目、第24回全国女性消防操法大会出場の女性消防団員への支援についてお伺いいたします。
 昨年12月9日開催の富山県消防協会の役員会において、平成31年度の第24回女性消防操法大会に、砺波市の女性団員が富山県代表として出場することに決定いたしました。この大会は、2年に一度、隔年で開催され、女性消防隊の消防技術向上と士気の高揚を図り、もって地域における消防活動の充実に寄与することを目的としています。今年は、9月30日に第23回大会が秋田市で開催、黒部市の女性団員が出場となり、日々練習に励んでおられることに、御健闘を祈るものであります。
 そこで、小項目の1、今後の練習等に対する市としての支援体制についてお伺いいたします。
 砺波市にあっては、前回は、平成8年10月24日に横浜で開催された大会に出場いたしました。当時団員だった私も指揮者として出場させていただき、とても貴重な体験をし、実に感慨深いものがあり、今でも感謝でいっぱいです。それまで何気なく見ていた男性団員の操法大会がとても意義深いものであること、そして、一人一人のパートが誰もカバーできない、規律正しい、責任ある操作であること、信頼、きずなを結ぶチームプレーの大切さを学び、消防活動や捜索活動に携わる実部隊である男性団員への理解も深まりました。
 今、7月1日の市操法大会に向けて、各分団では、選手の皆さんが団員OBの御支援のもと練習に励んでおられることに、心より敬意を表する次第でございます。
 ところで、市内には女性分団は2団ありますが、選手の選考はどのようにされるのでしょうか。何といってもゼロからのスタートであり、男性と違い、家事の負担も大きく、仕事の都合等で日程の調整も大変だと思います。
 また、今年の全国大会や県大会における視察も大切であり、場なれすることも必要かと考えます。第24回大会の出場選手への今後の温かい支援体制等について御配慮いただくよう要望するものであり、お尋ねいたします。
 次に、小項目の2、練習環境の整備についてお伺いいたします。
 前回出場のときは、練習場所は、中村の砺波市多目的運動広場や砺波消防署のグラウンド、高波農村公園の通路等と、定まった練習場所はありませんでした。
 そこで、提案ですが、砺波消防署訓練塔の敷地内に、操法練習のレーンを整備していただくよう要望いたします。
 訓練塔が整備されて以来、署員の消防技術大会での成績は、昨年、平成28年にも2種目で優勝して、全国大会に出場、もう一種目も東近畿大会出場と、立派な成績を上げられています。そのほか訓練塔を使用した消火訓練も数多く実施されており、大変すばらしい成果が上がっていると思います。
 また、先日5月31日に、3年前に整備された砺波市陸上競技場で、第13回砺波市小学校連合運動会が、五、六年生918名の参加のもと盛大に開催されましたが、昨年は5種目、今年は4種目に大会新記録が出たとのこと、これもグラウンド整備のたまものとの話もありました。
 グラウンドは女性団員だけでなく、男性団員の操法練習や署員の訓練、指導のときにも使用されると思います。ぜひ足腰にやさしい材質の路面にして、よいタイムが出せるよう整備をしていただきたく、要望いたします。
 次に、中項目の2、子どもたちや市民への防火思想の普及啓発に向けたチャンドラ号の利用とPRの促進について提案いたします。
 チャンドラ号は、昭和3年5月、出町消防組が購入した消防ポンプ自動車で、当時、自走する消防ポンプ自動車は珍しい存在でありました。38年間の運用後、出町分団の倉庫に保管されていましたが、出町地区の有志により復元、修理し、昭和58年から30年間以上、砺波チューリップ公園内に展示されていました。
 昭和初期の消防車が現存するのは貴重であり、富山県教育委員会の富山近代歴史遺産100選にも選出され、砺波を守り、支えてきた車であり、後世に砺波市消防の遺産を受け継ぎ、市民に防火思想の普及啓発に役立てるため、平成27年8月から平成29年3月まで、車両の外観を約530万円かけてきちんと整備、修理し、新たに約760万円かけて建設した砺波消防署前の展示室で、防火のシンボルとして、夜もライトアップして展示してあります。
 そこで、このチャンドラ号を、子どもたちや市民への防火思想普及啓発に活用されてはいかがでしょうか。消防署には、消防自動車、はしご車、救急車、そして、チャンドラ号と、多くの子どもたちの興味を引く車があります。これらを活用して、年に1回でも、防火・防災教室などを開催されてはいかがでしょうか。火事の怖さや火の用心の大切さ、そして、命を守ることの大切さを学び、教えるよい機会になると思います。試乗体験もできますし、ぜひ御検討くださるよう提案いたします。
 また、せっかく多額の予算をかけて修復し、展示した啓発設備です。まだ展示を知らない市民も多くいると思いますので、ホームページ、広報にも掲載し、また、市政バスの運行コースにも入れたり、小学校や保育所等への防火訓練時にもPRするなどし、県内最古とされる自走消防車・チャンドラ号の周知を提案いたします。
 以上で、項目1の質問と要望、提案を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 今井 潔君。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 私からは、まず、1点目の第24回全国女性消防操法大会出場の女性消防団員への支援についての御質問にお答えいたします。
 初めに、今後の練習等に対する市としての支援体制についての御質問のうち、選手の選考につきましては、消防団において行うものであり、現在、消防団幹部及び女性2分団の分団長によりまして、慎重な選考、調整が行われると伺っているところでございます。
 また、今後の市の支援につきましては、他市の支援の状況なども参考にしながら、今後、検討してまいりたいと考えております。
 次に、練習環境の整備についての御質問にお答えをいたします。
 議員からは、砺波消防署訓練塔敷地内に足腰にやさしい材質の路面にして、よいタイムが出るような操法練習レーンの整備を御要望でございますけれども、消防署におけます訓練場といたしましては、災害は、どのような場所で、いつ発生するかわからないという観点から、あらゆる災害現場を想定した上で、消防職員が災害に備えた訓練を行うための施設として整備したものでございます。
 本市といたしましては、現在の訓練場のあり方ですとか、大会会場の状況も踏まえまして、練習環境の整備について検討してまいりたいと考えております。
 次に、2点目めの子どもたちや市民への防火思想普及啓発に向けたチャンドラ号の利用とPR促進についての御質問にお答えをいたします。
 チャンドラ号が購入されました昭和3年当時の消防ポンプは、手引きまたは馬引きによるものが主流でございまして、エンジンつき消防ポンプ自動車は、大変機動性に富んだことから、砺波地方を初め、県内での消火活動に大きく貢献してまいりました。
 そこで、本市では、他に先駆けて導入したこの先人の先見性をたたえ、防火思想の普及啓発を図る防火のシンボルといたしまして活用するために、車体をリフレッシュするとともに、砺波消防署横に展示室を整備いたしまして、ライトアップするなど工夫を凝らした保存展示としたところでございます。
 この展示室では、チャンドラ号が他市で発生した火災に出動した実績を記念パネルとして掲示しておりまして、チャンドラ号の性能の高さや周辺地域からの期待が高かったことに感心される方ですとか、防火の重要性を改めて感じたと言われる方など、5月末までに約600人の方に御見学をいただいて、所期の目的である防火思想の普及啓発が図られているものと考えているものでございます。
 そこで、議員御提言の子どもたちへの普及啓発につきましては、これまでも毎年、小学校の社会科の授業として、消防署へ施設見学に訪れていますが、今年度からは、チャンドラ号も紹介し、チャンドラ号の写真や説明文を記載いたしましたカードを記念品として手渡しており、児童が帰宅後に、記念品のカードをきっかけに家族と会話することで、さらなる防火思想の普及啓発効果が高まるものと期待しているところでございます。
 また、チャンドラ号などを利用いたしました防火・防災教室につきましては、現在は、消防クラブで実施しております夏季研修や火災予防研究発表会に向けての指導の中で、従来の消防車などを利用して実施しておりますが、今後は、このチャンドラ号も活用いたしまして、昔と現代の消防車の形や装備などを比較することで、防火や防災について、より一層興味を持って学べる教室の開催を検討してまいりたいと思います。
 なお、チャンドラ号の市民への周知につきましては、広報となみですとか、ホームページに掲載するほか、ケーブルテレビ、コミュニティFMで消防署が担当する番組内での紹介に加えまして、救急講習、避難訓練などへ消防職員が出向した際に、チャンドラ号をPRするなど、さらに多くの市民の皆さんが見学に来ていただくことで、防火思想の普及啓発につながるよう努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 山田順子君。
 〔6番 山田順子君 登壇〕
○6番(山田順子君) 次に、大きい項目の2、食品ロス削減対策の推進についてお伺いいたします。
 富山市を舞台に、資源の有効利用策や地球温暖化対策などを議論した先進7か国・G7環境相会合から1年、県内では、食品ロスの解消に向けた取り組みが本格的にスタートし、海洋を漂うマイクロプラスチックの削減を目標にした実態調査の準備も進んでいます。
 農業や漁業組合、婦人会、医師会、栄養士会、ホテル、旅館、商工会議所など、さまざまな分野の団体代表が、先月8日、県民会館に集まり、まだ食べられるのに捨てられる食品ロスなど、食品ごみの削減を目指すため県が新設した県民会議の初会合が開催されました。会議では、削減運動を全県的に進めるため、愛称や標語を募集することや、9月には、富山市内でシンポジウムを開くことが決められました。
 県民運動のきっかけは、G7環境相会合であり、ここで採択された富山物質循環フレームワークに、食品ごみの削減が盛り込まれました。水分を多く含む食品ごみは焼却処分に多くの化石燃料が必要で、環境負荷が大きいことから、世界的に危機感が強まっており、日本国内では、年間2,797万トンの食品ごみが発生し、そのうち食品ロスは632万トンを占めています。国民1人1日当たりの食品ロスの量は茶わん1杯分のごみに相当するとされ、環境相会合を受けて県がまとめた推計の速報値では、県内から年間に出る食品ごみは16.9万トンで、そのうち食品ロスは3.8万トンになるとのことであり、環境相会合をきっかけに、食品ごみの削減に向けた動きが県内で広がりを見せています。
 そこで、中項目の1、自治振興会や婦人会、学校等への食品ロス削減推進への呼びかけについて提案いたします。
 6月は環境月間です。美しい地球を次世代に引き継ぐため、マイバッグ持参を初め、資源物の回収など、私たちができることを進めるための必要があると考えます。また、これからは、1、食べ切れるだけの料理をつくる、2、必要なだけ買い物をする、3、外食では残さない量を注文するなどを推進強化する必要があると考えます。
 以前は、全地区に婦人会があり、マイバッグ運動も率先して実施し、全市に行き渡りましたが、今は8地区しかありません。県婦人会では、県外の先進地を視察し、消費者の視点に立った対策にも乗り出しており、健康寿命の延伸にもつながることから、家庭で何ができるか探りたいと意気込んでおられ、先日6月11日にも、砺波、小矢部、南砺3市の各連合婦人会が、砺波地区指導者研修会を開かれ、砺波市で開かれました。食品ロスの取り組みについて、研修を深められた次第でございます。砺波市でも、婦人会がある地区は率先して進めていかれるようです。
 しかし、婦人会がそろわなくなった今、全地区に組織のある自治振興会、食生活改善推進員協議会、ヘルスボランティア連絡会などの組織にも呼びかけ、推進する必要があると考えます。
 また、学校等でも、食育の中で、子どもたちが食べ物を残さないよう、福井県で実施されている、残さないで食べる、「おいしいふくい食べきり運動」を参考にするなど指導され、食の大切さの推進の呼びかけを提案いたします。
 続いて、中項目めの2、「30・10運動」の取り組み推進についてお尋ねいたします。
 富山環境財団は、この春、「30・10運動」を推進するよう経済団体に協力を呼びかけて、宴会で出される豪華な料理を無駄にしないため、冒頭の30分と最後の10分間は自席で食事を楽しもうという試みをされています。
 これは、先進的な取り組みをされている長野県松本市で進められているもので、今、県婦人会では、それに加えて、暮らしを考えようとチラシをつくり、30日、30は冷蔵庫の中身のチェック、10日、10は食材の使い切り、2、食べられる量だけつくり、食べ切るの食べ切り、これは健康寿命の延伸にもつながるとされています。3、生ごみを捨てる際は水切りをするの水切りの3きり運動を進められ、食品ロス削減に取り組んでおられます。いま一度、暮らしを見直し、もったいないの意識を高め、一人一人ができることから始めるための運動です。砺波市でも、ぜひ全市民に浸透するよう、婦人会と諸団体と連携して、全地区に呼びかけていただくよう提言いたします。
 続きまして、中項目の3、行政と市民、事業者が一体となり、フードバンク活動の推進の取り組みについてお伺いいたします。
 フードバンクとは、まだ安全に食べられるのに捨てられてしまう食品を無償で提供してもらい、食べ物に困っている人や福祉施設などに無料で届ける団体やシステムのことです。農林水産省は、14年の調査で、国内で活動する40の団体を把握、全国のフードバンク全体で11年は5,113.6トン、12年は6,443トン、13年は4,524.8トンの食品ロス対策につながり、農水省も、倉庫の借り入れなど側面から支援しています。
 フードバンクは、1960年代にアメリカで生まれ、日本では、2000年から取り組みが始まっています。活動の輪は広がり、昨年11月には、情報共有などを目的に全国フードバンク推進協議会も発足したそうです。フードバンクとやまはまだ参加していませんが、食べ物が必要な人に届く、環境にもやさしい取り組みであり、フードバンクを定着させ、行政と市民が協力する体制の必要性を考えます。
 県下でいち早く取り組んだマイバッグ運動のように、ぜひ前向きに調査研究し、砺波市からこの取り組みを発信していただくよう提案いたします。
 以上で、2項目めの質問と提案を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 齋藤幸二君。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 私からは、2項目めの食品ロス削減対策の推進についての御質問にお答えをいたします。
 まず、1点目の自治振興会や婦人会、学校などへの食品ロス削減推進への呼びかけについての御質問ですが、食品ロスの削減につきましては、食品の生産、製造、流通における食品関連事業者及び消費者が、食品ロス削減のための取り組みの重要性を認識し、これまでの事業活動や毎日の生活を見直し、食品ロス削減のための行動を行うことが必要であります。そのためには、市民一人一人が意識を変えて、もったいないを意識して行動するなど、食品ロス削減への呼びかけについて、市民の皆さんに対して幅広く周知、啓発を行うことが必要であると考えております。
 そこで、市といたしましては、県や関係機関などと連携を図りながら、自治振興会や婦人会、各種団体、学校などに対し、食品ロスの啓発用チラシの配付や出前講座などを実施してまいります。
 特に学校におきましては、議員御提案の残さないで食べる、「おいしいふくい食べきり運動」も参考とし、保護者を対象にした試食会や生産者を招いた給食会、地場産食材を使った学校給食などを通じて、家庭や地域と連携しながら、食の大切さを呼びかけてまいります。
 次に、2点目の「30・10運動」の取り組み推進についての御質問にお答えをいたします。
 食品ロス削減対策の一つとして挙げられております「30・10運動」は、食べ物への感謝の心を大切にし、残さず食べる、感謝の心を持つなど、各家庭や職場などで比較的簡単に取り組みができ、市民一人一人が食品ロスを考えるきっかけや意識づけを行う上で、大変効果がある対策であると考えております。
 「30・10運動」の周知につきましては、本市では、これまでホームページへの掲載を行うほか、県が作成いたしました啓発用パンフレットを活用して、市の環境美化対策委員会や現在、重点的に推進しておりますもっとリサイクルもっと資源化事業の各地区での説明会の機会などでも周知を行っているところであります。
 さらには、議員御紹介の県婦人会作成のチラシにあります、先ほども言われましたが、冷蔵庫の食材の使い切りや料理の食べ切り、生ごみの水きりなどの3きり運動など、食品ロス対策としては有効でありますので、30運動の周知とあわせまして、今後、婦人会を初め食生活改善推進協議会、ヘルスボランティアなどの団体の協力をいただきながら、市民の皆さんに浸透するよう積極的に啓発活動を行ってまいりたいと考えております。
 次に、3点目の行政と市民、事業者が一体となったフードバンク活動の推進体制の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 フードバンク活動につきましては、生活の基本となる食料が経済的な理由により十分に得られない生活困窮者にとりましては、大きな助けとなりますし、また、生活に困っている人を支援する団体にとりましても、フードバンクから無償で食料を調達できるという点で有利な取り組みでもあるということを認識いたしております。
 本市におきましても、例えば急に職を失った生活困窮者が、次の職を得るまでの期間や公的な扶助を実際に受け始めるまでの期間の食料確保に窮する場合など、フードバンクの活用が有効と考えられるケースが見受けられます。
 こうした中、市社会福祉協議会では、第3次砺波市地域福祉活動計画に基づきまして、生活困窮者自立支援事業の中で、フードバンクなどニーズに応じた福祉サービスについて検討を進めているところであります。現在、NPO法人が運営するフードバンクに協力を求めて、連携して取り組んでいく方針と聞いております。
 具体的なあり方につきましては、今後、さらに検討が必要ではありますが、本市といたしましては、運営ボランティアなど市民の善意に期待するところは大きく、議員御提案のように、行政と市民が協力する体制が不可欠であるということから、そのような取り組みを支援してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 山田順子君。
 〔6番 山田順子君 登壇〕
○6番(山田順子君) 最後に、大きい項目の3、子どもたちが健やかに育つための教育環境の整備についてお伺いいたします。
 砺波市教育委員会では、自立と共生の人間形成を目指した学校教育の充実等に努められ、教育環境施設の整備にも御尽力されていることに敬意を表します。
 そこで、小学校普通教室の冷房装置の早期設置と今後の計画についてお尋ねいたします。
 昨年の夏は全国的に猛暑となり、気象庁の6~8月の天候まとめでは、1946年の統計開始以来、過去最高の暑さだったそうです。また、熱中症のニュースもほとんど毎日、数多くマスコミ報道されており、富山県内の消防局、消防本部によると、県内で8月に熱中症で搬送された人は153人で、一昨年の119人から34人も増加したとのことでした。
 そして、今年も、4月の終わりには、富山でも29.2度を記録し、5月には30度を超す日が何日かありました。5月30日の富山県内では、最高気温は、富山市で33.3度に達し、ほかの8観測地点でも30度を超える真夏日となり、5月としては過去最高とのことで、熱中症で搬送の報道もされていました。
 熱中症は、高温多湿な環境下で筋肉痛や大量の発汗、さらには吐き気や倦怠感などの症状があらわれ、重症になると意識障害などが起こります。気温が高い、湿度が高いなどの環境条件と、体調がよくない、暑さに体がなれていないなどの個人の体調による影響とが組み合わされることにより熱中症の発生が高まります。昨年は、エルニーニョ現象にかわってラニーニャ現象といった異常気象となり、予測しにくいのも特徴の一つでしたが、いずれにしろ、一時的な気象現象ではなく、地球温暖化によるものと考えられ、今後も、この傾向がずっと続くと考えられます。
 平成29年4月1日の県教育委員会の調べによりますと、小中学校の普通教室全部にエアコンを設置している市町村は、滑川市、小矢部市など7市町村となっており、前年度の5市町村より2町多くなっています。富山市でも、市民からの要望も多く、エアコン導入の調査に乗り出すとされています。
 室温が30度を超えると、学習効率も落ちるとされ、子どもたちのことを考えると、学習環境の整備は優先度が高いものと考えます。また、政府は、夏休みを1週間短くして、早く登校させ、その分を11月の上旬に持ってきて、第2の大型連休にすることを検討しているようです。
 さて、2017年から10年間の第2次砺波市総合計画に、小学校普通教室にエアコンを計画的に整備すると掲げられていますが、今後の具体的な設置計画についてはどのようになっているのでしょうか、お聞かせください。
 小学生は体力的に弱いので、守ってあげることは大変重要で、優先度も高いと考えます。耐震化工事も終了し、グラウンド改修事業も2小学校が10月末に完了予定の中、1年でも早く設置していただきたく要望いたしまして、私からの質問と提案を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 教育長 山本仁史君。
 〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) 私からは、3項目めの子どもたちが健やかに育つための教育環境の整備についての御質問にお答えいたします。
 小中学校の普通教室の冷房装置設置につきましては、昨年度に、全中学校の普通教室に冷房装置を設置したところであり、本年度からの第2次砺波市総合計画の前期計画の中で、小学校の普通教室における冷房装置の設置が位置づけられたところであります。
 ただ、小学校の普通教室は数も多く、多額の経費も必要となることから、国の交付金などの財源も考慮しながら、設置時期を検討してまいりたいと考えております。
 そこで、中学校の場合と同様に、本年度は、全小学校の普通教室内の室温、それから湿度を6月から9月末まで測定し、環境を調査するとともに、電気設備など設備環境の基礎的な調査を実施し、効果的かつ効率的な冷房装置の設置に向け調査研究することとしております。引き続きそれらの結果を踏まえて、具体的な設置計画を策定し、早期の設置を目指してまいりたいと感じております。
 私からは以上であります。
○議長(今藤久之君) 16番 嶋村信之君。
 〔16番 嶋村信之君 登壇〕
○16番(嶋村信之君) それでは、通告に基づき、市政一般について質問をいたします。
 これまで、高齢者施策における地域包括ケアシステムの構築、生活困窮者に対する生活困窮者自立支援制度の創設など、支援の包括化や地域連携、ネットワークづくりを推進されようとしております。今後、地域包括ケアシステムを着実に進めつつ、こうしたコンセプトの適用をさらに拡大し、多様なニーズをすくい取る、全世代・全対象型地域包括支援体制を構築していく必要があると考えられます。
 また、福祉ニーズの多様化、複雑化を踏まえ、単独の相談機関では十分に対応できない、いわゆる制度のはざまの課題の解決を図る観点から、総合的な課題を抱える者に対する包括的なケアシステムを構築するとともに、高齢者などのボランティアなどと協働し、地域に必要とされる社会資源を創出する取り組みが必要と考えられます。国は法律をつくりますが、運用するのは市町村です。したがって、地域包括システムは、それぞれの市町村で運用することになります。
 そこで、笑顔があふれるまちづくりの観点から、新しい地域包括ケアシステム構築支援体制に向けた取り組みについて伺います。
 地域包括ケアシステムの構築は、市長の熱い熱意のもと、適切な指示と組織体制の強化は重要であります。
 1点目、新しい地域包括支援体制の整備と多機関との協働による支援体制の効率について伺います。
 相談者が複数の機関に行かなくても、複合的な悩みを総合的にかつ円滑に相談できる体制が必要です。また、相談者本人が抱える課題のみにとどまらず、世帯全体が抱える課題もあります。
 そこで、新しい地域包括支援体制の整備についてお答えください。
 次に、多機関、多分野の関係者と話し合う会議等を開催するなど、その抱える課題に応じた支援が包括的に提供されるべきと考えますが、お答えください。
 以上、1点目の質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 嶋村議員、大項目。
○16番(嶋村信之君) 続けてやりますか。
○議長(今藤久之君) お願いできますか。
○16番(嶋村信之君) それでは、2点目、地域包括支援センターの機能強化取り組みについて、齋藤福祉市民部長にお尋ねいたします。
 最初に、高齢化の進展とともに、相談件数の増加に伴う業務量の増加及びセンターのチーム体制と、その役割はどうなっているか、また、地域包括支援センターの総合相談の実績について伺います。
 次に、地域包括支援センター運営協議会について伺います。
 地域包括支援センター運営協議会による評価、PDCA、すなわちPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)を充実し、継続的な評価、点検を強化する必要があります。PDCAの取り組みは、また、地域包括支援センターの取り組みに関する情報公開を行うことになっておりますが、現状と今後の対応についてお伺いいたします。
 3点目、認知症高齢者対策等の推進について、齋藤福祉市民部長にお尋ねをいたします。
 厚生労働省は、2015年1月に「認知症施策推進戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」を発表しました。この戦略の中では、認知症を患う人の数が、2025年には700万人を超えるとの推計が発表されております。これは、65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に罹患する計算になります。認知症高齢者の数は、2012年の時点では全国に462万人と推計されており、約10年で1.5倍にも増える見通しと言われております。
 そこで、認知症を発症しても、地域の中で安心して暮らせるよう、認知症の人やその家族がどのような支援を受けられるのか周知をするとともに、認知症予防の啓発や早期診断・早期対応にかかわる体制の整備及び地域における見守り体制の充実、強化に努めなければなりません。
 そこで、認知症初期集中支援チームの設置や認知症地域推進員の配置はどこまで進んでいるのか、また、認知症疾患医療センターなど、専門医療機関との連携は図られているのか、伺います。
 次に、認知症カフェなどの認知症ケア向上推進事業の取り組みの状況についてお答えください。
 次に、認知症サポーターやキャラバンメイトの養成の取り組みなど、住民のネットワークづくりの状況についてお伺いいたします。
 ニッポン1億総活躍プラン、平成28年6月2日に閣議決定したわけですが、地域包括支援センター、社会福祉協議会、地域に根差した活動を行うNPOなどが中心となって、小中学校区等の住民に身近な圏域で、住民が主体的に地域活動を把握して、解決を試みる体制づくりを支援し、2020年から2025年を目途に、全国に展開が図られます。その際、社会福祉法人の地域における広域的な活動との連携を図らなければなりません。また、共助の活動への多様な担い手の参画と活動の活発化のために、寄附文化の醸成に向けて、取り組みの推進は重要となります。
 市町村においては、育児、介護、障害、貧困、さらには育児と介護を同時に直面する家庭など、世代全体の複合化、複雑化した課題を受けとめる市町村における総合的な相談支援体制づくりを進め、2020年から2025年を目途に展開を図ることになっております。
 備えあれば憂いなしとありますが、さらに大切なことは、砺波市の将来を展望した施策を立案することが肝要と思われます。忘れてならないことは、行政改革、議会改革は何のために行うのか、それは、全て市民一人一人の行政サービス、福祉サービスの向上であります。その目線での答弁を期待し、終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 齋藤幸二君。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 私からは、1点目の新しい地域包括支援体制の整備と多機関との協働による支援体制の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 本市の地域包括支援センターでは、これまで、第6期砺波市高齢者保健福祉計画に基づき、高齢者を中心に福祉サービスを展開してきたところでございます。
 しかしながら、少子高齢化による核家族やひとり暮らし世帯の増加など家族形態が大きく変化し、また、地域社会では地域の連携が希薄化する中で、従来のように1つの支援だけではなく、問題が複雑化してきており、ダブルケアと言われるような、親の介護と子育てを同時にするような、複合した福祉サービスの提供が求められています。
 このような状況に対応するためには、制度を超えた横断的な対応が必要であり、市では、現在、地域包括支援センターを初め、社会福祉課の「ほっとなみ相談支援センター」、こども課・健康センターの「子育て世代包括支援センター」と、それぞれの分野の相談窓口がありますが、個別の相談に対しましても、その世帯内に包括的な生活支援が必要な場合には、相談を受けた部署が中心となり、関係課と連携し、総合的な支援を行っております。
 例えば親子2世代で、50代の子の入院により、80代の高齢者が自立して生活できなくなった場合には、市立砺波総合病院を初め、健康センター、社会福祉課、高齢介護課、地域包括支援センターなどが中心となり、サービス担当者会議を開催し、入院から退院、そして、退院後の生活支援に向けて、各部署の機能と役割を明確にしながら、その世帯全体への支援につなげております。
 本市では、庁舎などの物理的な環境から、いわゆるワンストップ型の総合的な相談窓口の設置は困難ではございますが、相談者が複数の窓口に出向かなくても、関係する職員が集まることで包括的な相談支援体制をつくり、連携したサービスに努めております。
 次に、多機関との協働による支援体制の構築につきましては、まず、介護保険事業者などとの協働では、定期的に地域ケア会議や個別支援会議、圏域会議、多職種連携会議を開催し、市内の介護保険事業者や居宅介護支援事業者が集まり、個別ケースの課題解決や地域の情報共有に努めております。
 また、医師会などとの連携につきましては、在宅医療・介護連携推進事業を医師会と連携して実施しており、医療と介護関係者の研修会として、介護サービス事業者に対し、医師からの糖尿病や認知症に対する研修や、薬剤師からは投薬について学ぶ機会などを持ち、高齢者の理解を深め、在宅医療と介護の連携を図っているところであります。
 これからもますます人口が減少し、労働力人口が減少する中で、誰もが支え、支えられる社会の実現を目指しながら、地域の実情に照らし、適切な福祉サービスの提供体制として新しい包括ケアシステムを構築することが、住みなれた地域で、誰もが安心して暮らせる共生社会の実現につながるものと考えております。
 次に、2点目の地域包括支援センターの機能強化の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 地域包括支援センターの機能強化につきましては、地域包括ケアシステムのさらなる推進を図るため、平成26年に介護保険法が改正され、人員体制、業務内容等の機能強化が図られたところでございます。
 まず、市内には、市役所高齢介護課内にあります地域包括支援センターを中核として、庄川支所や市立砺波総合病院にある「街なか包括」を含め、サブセンターが5カ所、在宅介護支援センターへの委託が3カ所、全部で9カ所ございます。
 次に、地域包括支援センターの総合相談の実績につきましては、昨年度実績で、延べ5,290件、3つの在宅介護支援センターを合わせた総数では7,008件と、相談件数は年々増加いたしております。
 特に平成26年10月から開設いたしました市立砺波総合病院の1階にあります「街なか包括」では、隣接する患者総合支援センター「おあしす」と連携し、入院から退院、退院後の在宅生活まで、切れ目のない支援を行い、市民の大きな安心につながっているものと考えております。
 次に、人員体制につきましては、現在、保健師6名、社会福祉士が3名、理学療法士1名、介護支援専門員2名の計12名となっており、先ほど申し上げました総合相談や介護予防ケアマネジメントの実施など、広く市民からの相談に対し、適正に対応できる体制であると考えております。
 また、その役割分担につきましては、高齢介護課内にあります地域包括支援センターでは、市内の高齢者施策に対する総合相談の基幹的な役割を担い、社会福祉法人に委託している3つの在宅介護支援センターでは、東部、北部、庄川の日常生活圏域ごとの総合相談に対応していただいており、身近な地域で相談しやすい体制づくりに努めております。
 次に、地域包括支援センター運営協議会につきましては、保険者であります砺波地方介護保険組合が設置し、保健・医療関係者を初め、福祉関係者、介護サービス事業者、経済・労働関係者、被保険者の代表者をメンバーとして構成されております。協議会では、組合管内構成3市の事業内容について、定期的に事業評価を行っており、協議会委員からの意見や提案を踏まえまして、次年度の計画につなげております。
 また、地域包括支援センターの情報公開につきましては、国が開発いたしました地域包括ケア「見える化」システムが平成27年度より始動され、このシステムに情報を公開することで、全国の地域包括支援センター間での比較が可能となるものであります。
 本市といたしましては、これからもこのシステムを活用し、地域包括支援センターの継続的な事業評価を図り、より充実した機能を果たしていくことで、相談者への安心と信頼につながるものと考えております。
 次に、3点目の認知症高齢者対策などの推進についての御質問にお答えいたします。
 本市では、今後増加が見込まれます認知症高齢者に適切に対応するため、認知症になっても、本人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域で暮らし続けることができるよう、各種の取り組みを推進いたしております。
 まず、認知症の相談支援体制につきましては、認知症の早期診断・早期対応に向けて、平成27年度から砺波医師会や市立砺波総合病院の協力のもと、認知症初期集中支援チームを設置し、認知症の方が受診を希望しない場合や受診の対応が遅れがちな方に対して、きちんと医療機関につなげられるよう支援をいたしております。
 なお、平成28年度のチームの実績といたしましては4件の支援を行ったところであります。
 また、チーム内での評価やケアマネジャーからの申し出により、専門的な認知症の診断、治療が必要な場合には、北陸病院などの認知症疾患医療センターなどへつなぐなど、連携を図っております。
 次に、認知症地域支援推進員につきましては、地域包括支援センターの職員が兼務いたしており、認知症の方や家族を、介護サービスや認知症カフェ事業などにつなぐ役割を果たしているものであります。現在は保健師1名と社会福祉士1名の2名を配置いたしておりますが、今後は、日常生活圏域に1名ずつの5名の配置を目指し、人材の育成を図ってまいりたいと考えております。
 次に、認知症カフェにつきましては、認知症の方や家族が集まって悩みを相談したり、介護の情報交換を目的に実施いたしているもので、本市では、ほっとなみカフェとして、昨年4月から開設をいたしております。
 今年度は、認知症カフェを市内3カ所から5カ所に増やし、臨床美術や音楽療法を取り入れるなど、脳の活性化を図り、より高い認知症の予防効果や維持、改善につなげられるよう実施したところであります。
 また、認知症サポーター、認知症キャラバンメイトにつきましては、認知症を正しく理解していただき、認知症の方や家族を温かく見守る地域づくりの一員となることを目的に、平成18年度から認知症サポーターを養成しており、その認知症サポーターを養成するための講師役としてキャラバンメイトの養成を行っております。これまでの登録者は、認知症サポーターは5,849人で、キャラバンメイトは91人となっており、これからも、認知症の正しい理解者である認知症サポーターを1人でも多く養成してまいりたいと考えております。
 今後も、さらに増加が予想される認知症の方をどのように地域で支えていくかを、市民にわかりやすく明示するとともに、認知症の正しい知識と理解に基づき、認知症の方や家族への支援を包括的、持続的に実施する体制の推進に努めてまいります。
 私からは以上であります。

○議長(今藤久之君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
 次回は、明6月16日午前10時から再開いたします。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 どうも御苦労さまでした。

 午後 3時17分 閉議