平成29年9月 本会議 定例会(第3号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

○副議長(山本善郎君) 皆さん、どうもおはようございます。
 今藤議長所用のため、私、副議長がその職務を行います。
 ただいまの出席議員は17名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。

                  日程第1
       市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
○副議長(山本善郎君) これより本日の日程に入ります。
 日程第1 市政一般に対する質問並びに議案第49号から議案第54号まで、平成29年度砺波市一般会計補正予算(第2号)外5件について、認定第1号から認定第8号まで、平成28年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定について外7件について、及び報告第8号、専決処分の報告についてを議題といたします。
 昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 9番 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) 皆様、おはようございます。
 きょうは、傍聴席が大変大勢の女性団体の皆様にお越しいただいておりまして、本当に日ごろ殺風景な議場が大変華やかになっております。皆様の傍聴を飽きさせないよう、トップバッターとして頑張らせていただきます。
 それでは、議長のお許しを得ましたので、今回も、前回に引き続きまして、一問一答にて質問をさせていただきます。
 大項目の1つ目として、教育行政体制の充実についてお伺いいたします。
 その中の新教育委員会制度となった教育行政体制についての1つ目として、市の教育行政における市長と教育委員会のあり方についてお伺いいたします。
 平成27年4月から、改正地方教育行政法が施行されたことで、平成28年12月より、旧教育委員長と旧教育長の職責をあわせ持つ新教育長が市長より任命されました。
 新教育長は、教育委員会の会議を主宰するとともに、教育委員会を代表する立場となられたことで、従前に比べ、迅速な教育委員会運営が可能になったものと思います。また、改正法では、市長が主宰する総合教育会議を設置することになり、市長と新教育長との間で、教育の課題やあるべき姿の共有を初め、いじめ問題など、緊急事態の発生時にも的確に対応することとなりました。
 このことは、従来からも市長が教育委員会の予算編成や執行、事務局人事に重要な権限を持たれていたことを思うと、さらに市長の権限が強くなったのではないかと思えるのですが、新たな教育委員会制度となった今日、市長と教育委員会の間には、教育行政における独立性の確保のほか、例えば意思疎通の機会が多くなったなどの変化はあるのでしょうか。
 加えまして、市長と教育委員会が十分な意思疎通を図る点において、本庁舎と庄川支所の距離感はどのようにお感じでしょうか、山本教育長にお伺いいたします。
○副議長(山本善郎君) 教育長 山本仁史君。
 〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) 市長と教育委員会のあり方についてお答えいたします。
 新教育委員会制度では、議員御発言のとおり、従来の教育委員長と教育長を一本化した新教育長が設置されました。
 これは、市長が教育長を任命することにより、教育行政における責任体制が明確になるとともに、今まで以上に市長と教育委員会との連携が強化されたと考えております。
 さらに、新制度において、総合教育会議の設置や教育に関する大綱を市長が策定することとされました。昨年度は、定例の教育委員会のほか、市長と教育委員会による総合教育会議を3回開催し、教育の目標や施策の根本的な方針となる教育大綱の策定や教育予算の内容について、意見を交わし、今年度の教育行政に生かされていると考えております。
 このように、教育委員会の会議に加えて総合教育会議が開催されることで、市長と教育委員会、とりわけ教育委員との意思疎通が図られ、市長と教育委員会の距離が一層近くなったと考えております。
 今年度も、総合教育会議につきましては2回の開催を予定しておりますが、引き続き教育の条件整備など、重点的に講ずべき施策について協議してまいりたいと考えております。
 また、本庁舎と教育委員会のある庄川支所の距離感につきましては、現在のところ、意思の疎通を初め、業務に大きな支障を来すものではないと考えておりますが、会議等に時間的なロスが生じる不都合さは若干感じております。
 また、緊急時での対応について支障を来すのではないかと危惧している面もございます。
○副議長(山本善郎君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) 市長と教育委員会の、教育委員の方が一層近くなったというようなことは大変喜ばしいことだと思っております。
 次に、幼、保、小、中とつながる育ちのリレー環境の充実についてお伺いいたします。
 私は、小4の壁や中1ギャップなどを子どもたちが克服していくための育ちのリレーというフレーズが、とても砺波市らしい表現であり、児童や生徒たちを地域で支え、地域で育てるという情景を教育委員会の施策としてうまくあらわし、実行されてきたものだと感心しておりました。
 しかし、このフレーズは、第2次砺波市総合計画には使ってあったものの、平成29年度の学校教育の現状の冊子にはありませんでした。私たちの時代には、多少気になる子がいても、みんなで協力しながら乗り切っていたことなのですが、今は、いじめや不登校など、学校からはじき出されてしまいます。だからこそ必要な育ちのリレーだと解釈していたのですが、この言葉がなくなったのは、新教育委員会制度のもとで、方針が変わったからなのでしょうか。
 また、子どもたちが壁を乗り越えていくこの環境づくりには、保育士や学校の先生方の支援や指導が大変重要になるのですが、その環境の創出には、こども課と教育総務課との連携体制が整っていてこそなせるものだと思います。そのためには、保育所、幼稚園を所管するこども課と小中学校を所管する教育総務課との間には電話やメールなどだけでは対応し切れない感覚や実際の距離以上の距離感があるのではないでしょうか。
 そこで、教育委員会の事務として、保育所、幼稚園、小中学校の連携状況と今後の育ちのリレー環境の充実について、山本教育長にお伺いいたします。
○副議長(山本善郎君) 教育長 山本仁史君。
 〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) 幼、保、小、中とつながる育ちのリレー環境の充実についてお答えいたします。
 議員が述べられたとおり、保育所、幼稚園と小学校、中学校における子どもたちの生活や学習の連続性を表す言葉、育ちのリレーは、平成29年度学校教育の現状には表記はしておりませんが、実質的に保育所、幼稚園、認定こども園、小学校、中学校が連携を密にし、各校種間の円滑な接続を推進しており、内容の変更を伴うものではありません。
 具体的には、市教育センターが中心になり、保育所、幼稚園、認定こども園、小学校、中学校の合同研修会やそれぞれの若手リーダー研修会の開催を通じて、関係者の日々の課題や対応策などについて話し合い、連携を深めております。
 また、教員、保育士、幼稚園教諭などが、学校訪問を初め、機会を捉えて、関係の学校等を相互に訪問することで、園児や児童生徒の状況を観察するとともに、子どもたちの情報を共有し、幼児期から中学生期まで、一人一人の発達に応じた継続的な支援や指導に努めております。
 さらに、小中学校間においては、教員の人事交流を行うなど、小中学校の連携強化に努めているところであります。
 これらの取り組みを通じて、保育所、幼稚園、認定こども園、小学校、中学校間の連携をさらに強化し、議員が述べられました育ちのリレーの精神を生かした教育に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、保育所、幼稚園、認定こども園と小学校、中学校が連携を図っているほか、所管するこども課と教育総務課との間においても、画像を送るなど情報機器を活用したり、実際に会議を行ったりし、距離感の縮小に努め、横のつながりを強化してまいります。
○副議長(山本善郎君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) 事務方の皆様も大変御努力をしていらっしゃることがよくわかりました。
 それでは、次に、教育委員会の市民対応等における課題についてお伺いいたします。
 市における教育行政の機構や配置、そして、各課の業務分担からすると、保育所や幼稚園、認定こども園といった幼児期に利用されている施設を所管するこども課が、市民にとって身近に感じられる部署になるものと思います。
 平成25年12月定例会での市長答弁では、こども課の配置について、教育部門と福祉部門に共通した子ども・子育て支援の窓口を一本化し、教育委員会の所管としたことや、市民の転入や出生に伴う手続などもワンストップで対応できるように市民課や社会福祉課のあるフロアにしたことなど、市民の利便性を優先しているとのことでした。
 市民にやさしく、利用しやすい体制となっていることは大変うれしく思うのですが、一方で、保育所、幼稚園、こども園と小中学校の連携確保には、教育委員会としての課題もあると思います。
 そこで、現行体制における教育委員会の事務局として、所管が離れている保育所、幼稚園、子ども園、そして、小学校、中学校と、それぞれに関係する市民対応も含め、守るべき部分と改善する余地などの課題について、三部教育委員会事務局長にお伺いいたします。
○副議長(山本善郎君) 三部教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 三部隆雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(三部隆雄君) 教育委員会の市民対応等における課題についてお答えをいたします。
 現在、教育委員会の事務局は、こども課と教育総務課など、子どもに係る教育委員会の部署が本庁舎と庄川支所にそれぞれ分かれておりますが、できるだけ互いの業務に精通して、連携して業務ができるように努めているところでございます。
 例えば奨学資金の申し込みなど学校関係の手続が必要な場合は、こども課の職員の中で、教育総務課の業務を兼務する職員が、申請書類の預かりや取り次ぎを行っているところでございます。
 しかしながら、近年、乳幼児から中学生まで、継続した子どもの支援の充実が求められてきており、障害や貧困など多岐にわたって、より専門化する業務に対応していかなければならない。こういったような課題にも直面しているところで、件数、相談件数等も増えてきているところでございます。
 このようなことを考えますと、教育委員会全体としての業務に現在のところは大きな支障はございませんが、今後、1カ所で完結できるワンストップの体制を構築することが、市民対応の面からも、市民の利便性のより一層の向上の面からも大事ではないかというふうに考えているところでございます。
○副議長(山本善郎君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) 事務局長に再質問させていただきます。
 いろいろな形で努力されているのは大変よくわかりますし、それから、本当に教育に対する親御さんたちの思いを思うと、今ほど言われましたワンストップという対応というのは大変大切なことだと思うんです。
 そちらのワンストップに対しての今、現時点、もう少し踏み込んだお考えはあるのでしょうか、お聞かせいただければ幸いです。
○副議長(山本善郎君) 三部教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 三部隆雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(三部隆雄君) 現時点で、ワンストップ体制をと、どのように考えているかというような御質問でございますが、現在のところは、ワンストップについては具体的な考えはないものでございます。
 今後、こういったようなワンストップの体制をどのようにしたら構築できるか、そういったようなことをこれからいろいろなケース、いろいろな事例等検証しながら、考えてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○副議長(山本善郎君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) よくわかりました。ありがとうございます。
 それでは、教育行政体制の充実についての最後に、教育行政の機構と配置についてお伺いをいたします。
 先ほどからもいろいろお聞かせいただきましたが、少子化に伴う現在の教育行政は、大切な地域の宝である児童生徒たちに、より多くの学びを提供し、子どもたちを見守り、育てていく使命があるものと考えます。
 改正地方教育行政法が施行され、砺波市の教育行政も新たな制度に移行したことにより、機構や配置も変えていかなければならないと思うのです。できれば教育委員会の全機能が市長部局と同敷地にあることが大変望ましいと思うのですが、命のリレー環境だけを考えると、本庁舎のこども課に関係する最小限必要な新教育長と教育総務課を本庁舎へ位置させることはできないものでしょうか。
 そこで、本庁舎の老朽化に伴う耐震化や新庁舎建設に合わせて検討したいとの回答も、答弁もいただいてはおりますが、再度御検討をいただきたく思いますので、教育行政の機構と配置につきまして、齊藤副市長の御所見をお聞かせください。
○副議長(山本善郎君) 副市長 齊藤一夫君。
 〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 私からは、教育行政の機構と部署の配置についてお答えを申し上げます。
 これまでもお答えしてきたとおり、現在の行政組織は、合併協議会において、住民にわかりやすく、利用しやすい組織機構とすることなどの整備方針により調整され、教育委員会の独立性なども考慮して、教育委員会事務局を庄川支所に置くことにしたものであります。
 また、合併後も、幼、保、小、中の連携が重要なことから、保育所と幼稚園を一元管理するこども課を教育委員会内に設置し、市民の皆さんにわかりやすく、専門性を高めた行政サービスが提供できるような組織の見直しを行うことで、利便性や行政サービスの向上を図ってきたところであります。
 その一方で、市長部局と教育委員会事務局が地理的に離れていることで、会議や打ち合わせなどに移動が伴うこと、また、市民の皆さんにとりまして、用件が1カ所で済ませることができない場合など、非効率的な面もあります。
 その中で、今ほど議員も述べられましたが、こども課においては、市民課、社会福祉課などとの連携を行い、ワンストップサービスを提供するため、本庁舎に配置をしております。
 また、議員の御発言にありましたように、法律改正により、これまで以上に市長と教育委員会との密接な連携が求められております。
 議員からは、市長部局と教育委員会との一層の連携を図るため、少なくとも教育長と教育総務課は本庁舎に配置すべきとの御提案ですが、教育行政を取り巻く環境の変化を踏まえ、より機能的、効率的な行政運営が可能となるように、さらには、より一層の危機管理の充実を図る観点から、一部の機能だけではなく、教育委員会事務局全体を本庁舎と同一敷地内に集約することが望ましいと考えております。
 しかしながら、今後必要となる本庁舎の老朽化対策や耐震化への対応に加え、東別館に置かれております一部事務組合の事務所などの代替場所の調整や、本庁舎における会議室不足などの課題を整理しながら、教育委員会事務局の本庁舎の移転について、庄川地域の皆さんを初め、市民の皆さんの御理解をいただきながら進めてまいりたいと考えております。
○副議長(山本善郎君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) 副市長、またよろしくお願いします、今後とも。
 それでは、大項目の2つ目として、農業振興の充実についてお伺いをいたします。
 初めに、地域農業と環境保全に貢献する集落営農組織や兼業農家の存続についての中で、企業の65歳定年制度導入による営農組織構成員等の確保についてお伺いいたします。
 市内では、農地の流動化が進展する中で、集落営農組織や兼業農家の存在は地域の田園環境や景観の保全にとって、多大な貢献をいただいております。しかし、それらの存在に課題とされる農業後継者や若手構成組合員の確保に苦慮されている要因の一つとして、企業の65歳定年制度があります。
 現在、市内における集落営農組織は、法人も含め42組織あり、個人名義で農産物を出荷されている自己完結型の兼業農家数も約1,000戸は存在していると伺っておりますが、組織では、中核となる人材に60歳で定年された方を確保したいと思っておいでですし、一般の作業労働力としては、構成組合員の若手に頼られているのが現状となっています。
 このように、企業等を引退した方や、ある程度時間的に融通のきく企業等に勤務している若手構成員によって、集落営農組織や兼業農家は経営されているのですが、日ごろから若い方々と農業に関する話をしている感触からすると、このことを理解し、農業に携わってもらえる若手構成員も、あと15年程度で誰もいなくなってしまうのではと思えるのです。
 そこで、何とか企業等にもこの現状を理解してもらわなければ、砺波市の農業の、農地の保全はもちろんのこと、ひいては環境や景観の保全にも必ず影響が出てくるものと思われるのですが、企業の65歳定年制度導入による農業組織の構成員等の確保について、この現状を当局はどのように分析されておいでなのか、加藤商工農林部長にお伺いいたします。
○副議長(山本善郎君) 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 企業の65歳定年制度導入に関する御質問にお答えいたします。
 本市では、兼業農家率が高いことなどから、地域農業の担い手として、集落営農組織の育成に取り組み、さらには集落営農組織が安定的に経営を継続し、経営の効率化と収益性の向上に推進していくため、法人化に向けての支援に努めてきたところでございます。
 また、環境の保全や集落全体の活性化を図るためにも、集落ぐるみの取り組みは最も有効であるというふうに考えております。
 しかしながら、近年、設立後長時間を経過して、構成員の高齢化や集落内での若手後継者の育成、確保が難しいなどの課題も生じてきております。
 議員が述べられましたとおり、今後、企業の65歳定年制度導入により、団塊世代後の世代では、オペレーターなどの主たる労働力の確保に影響が出ることも考えられます。
 また一方では、今後は、水稲、麦、大豆、タマネギなどの水田フル活用により、集落営農組織の構成員からの労働力確保が困難になることも想定されることから、一定の給与を確保できる専従者の設置や冬場、冬期の仕事の確保が課題となってくるものと考えております。
 このため、県や市、関係機関では、集落営農組織が意欲を持って農業に取り組めるよう生産性と収益性を高め、後継者を確保できる経営基盤の構築に向け、経営規模の拡大や複合化などを進めることが最も重要と考え、中小規模の合併・再編による経営規模の拡大や高収益作物の導入等の経営の複合化、6次産業化に支援することとしております。
 今後も本市の農業を維持、発展させるため、引き続き県や農協などの関係機関と連携し、担い手や農業後継者の確保と育成に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(山本善郎君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) 何とか自分たちの地域は自分たちで守るという意識は残していきたいものと思っております。
 次に、JA青年部等の団体育成や若者の農業関与策についてお伺いをいたします。
 現在、砺波市では、婦人会組織を初めとする結束力の強い団体が、会員の減少などから、継続の危機に直面しております。JA青年部もそのような傾向であることがわかり、若者の農業に対する価値観が希薄化しているあらわれなのでしょうが、このことも対策を講じていく必要があるのではないでしょうか。
 市内の若者は、自宅が兼業農家であったり、周辺が圃場という環境で育っていることから、農業を体験してもらうことに違和感はないと思われますが、身近にあり過ぎて、敬遠したいとの思いが強いのではないかと思います。
 また、子どもを農業に触れさせたくないという親の思いを感じるときもあります。
 農業は、自然を読み、汗をかき、収穫の喜びを肌で感じてこそ、やりがいが深まるなりわいだと思います。
 そこで、JA青年部を初め、若者が関係する団体等に対し、農作業体験をしてもらう事業を創設し、支援する方策はないものでしょうか。また、団体からは外れますが、兼業農家を対象とした三世代同居世帯への農業後継者育成支援は考えられないものでしょうか。JA青年部等の団体育成や若者の農業関与策についての当局のお考えを加藤商工農林部長にお伺いいたします。
○副議長(山本善郎君) 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) JA青年部等の団体育成や若者の農業関与策についての御質問にお答えします。
 まず、JA青年部を初め、若者が関係する団体に対し、農作業をしてもらう事業を創設し、支援する方策はないかとのお尋ねでございますが、JAとなみ野青年部におきましては、農村青年の協同意識の高揚を図り、生産技術の改善、生活文化の向上を図ることを目的に、現在、市内11支部、約350名が活動されていると伺っております。
 ほとんどの組織の活動は庭木防除で、一部の組織は、タマネギやサツマイモを栽培し、地域の方々とともに、収穫の喜びや農業の楽しさを体験する取り組みがなされております。
 JA青年部の団体育成につきましては、となみ野農協職員が事務局を担うとともに、となみ野農協が、市内11の組織に対し、活動助成金を交付していると伺っております。
 現在、となみ野農協では、農業従事者の減少や組織化率の低下などの現状を踏まえ、兼業農家の後継者だけでは活動が厳しい状況となっていることから、各地域のJA青年部が農家、非農家を問わず、地域に住んでいる若者に対し、積極的に加入促進を図っていると伺っております。今後とも、となみ野農協が行うJA青年部への継続的な支援に期待しているところでございます。
 そこで、農作業を体験する事業につきましては、現在、市内の小中学校において、学校田での米づくりや野菜の栽培体験を通して、農業に対する理解と興味を醸成する取り組みがなされております。
 また、県や市、農協などで構成する砺波市担い手育成総合支援協議会では、市内の農業高校生を対象に青年農業者との交流会を開催し、頑張る青年農業者から経験談を聞いたり、農作業を体験するなど、就農啓発活動を実施しております。
 次に、兼業農家を対象とした三世代同居世帯への農業後継者育成支援の御提案につきましては、企業的経営体への集積が進んでいることから、子どもたちが学校に通っている間に大型農業機械で農作業が既に終わっている状況や、オペレーターにとって予測ができない子どもの動きは大変危険なことから、大型農業機械に触れ合うことさえもないのが現状でございます。
 できれば各地域において、幼児期からの自然体験や農作業を通じて、地域の農業者から農業について学び、最新の大型農業機械による効率的で快適な農作業など、楽しい農業を教えていくことが農業後継者の確保と育成に結びつくのではと考えております。
 今後とも、農業を魅力ある産業とし、若者が関心を持ち、携わっていただけるよう、とやま農業未来カレッジの活用など、関係機関と連携し、就農を希望する者への支援をすることで、農業後継者の確保と育成に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(山本善郎君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) 快適な農業を教える、これはいいことですね。再質問にはなりませんでしたが、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、農業振興の充実についての2つ目として、後継者育成につなげる生産基盤の整備についての中の大規模圃場モデル地域の設置についてお伺いいたします。
 農地の集積によって、十分な管理が行き届かなくなる地域には、集落営農組織や兼業農家の存在は大変重要であり、これからも期待しなければならないことからすると、90%を目指した、さらなる農地の集積には多少の疑問が残るものの、土地改良区事業等の進展からすると、集積率も必要なことと理解はしております。
 だからこそ、課題となる後継者育成なのですが、まずは効率化を進め、若手に魅力ある農業を目指さなければならないと考えるものであります。
 例えば担い手農家に就農する若手後継者に、今後あるべき農業経営の姿を見せるためにも、農地の集積が進み、担い手農家が元気で、合意が得られる地域であれば、大規模圃場モデル地域として整備することも1つの方策ではないでしょうか。
 そこで、国の農地耕作条件改良事業等を積極的に活用した大規模圃場モデル地域の設置について、当局のお考えを加藤商工農林部長にお伺いいたします。
○副議長(山本善郎君) 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 大規模圃場モデル地域の設置についてお答えをいたします。
 本市では、昭和30年代後半から県営圃場整備事業や団体営圃場整備事業により、生産基盤が整備され、良質米の生産のほか、近年では、タマネギ等の高収益作物の生産を行い、さらには、担い手への農地利用集積を積極的に推進しているところでございます。
 国においては、農業競争力の強化を図るため、農地の大区画化・汎用化等の基盤整備を行い、担い手への農地集積や高収益作物への転換に取り組むための農地耕作条件改善事業を推進しているところであります。
 本市におきましても、これまで区画拡大や暗渠排水などの整備など、定額助成の制度である農地耕作条件改善事業に平成25年度から取り組んできたところであります。
 そうした中で、議員御提案の大規模圃場の設置につきましては、本市においては、散居村特有の農家が点在していることから、大区画化の適地が少ないことや連続して整備できる箇所が限られることなどから、結果として、一部の圃場を大区画化しても、効率はさほど上がらないのでないかというふうに考えております。
 また、これまで取り組んできた経営体育成基盤整備事業の東野尻地区や東般若地区、高波地区等においても、今のところ、農業者から大区画化の要望は聞いておりません。
 一方、となみ野農協では、大区画化についての研究がなされていると伺っており、これらを踏まえ、新たな投資が必要であり、地権者や耕作者の理解を得ることが必要となることから、今後は、農業者やとなみ野農協などから御意見を聞いてまいりたいというふうに考えております。
○副議長(山本善郎君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) そうなんです。モデル事業、なかなか大区画化にならないんです。この散居村、本当につらいところです。頑張りましょう。
 次に、ICTを活用した農業機械の環境整備についてお伺いいたします。
 国は、2023年を目途として、みちびき7基体制による日本独自の位置情報サービス、GPSの構築に向け、先月、みちびき3号機を打ち上げました。そして、10月ごろには、みちびき4号機を打ち上げる予定であり、より精度の高い位置情報の提供体制が構築されようとしております。
 今や全世界では、位置データなしでの産業や文化の発展はあり得ない時代となっており、農業分野での活用も急速に研究が進んでいます。中でもトラクターやコンバイン、田植え機などの農業機械では、圃場の面積や形状、位置などを正確に測定し、そのデータから示された走行ラインに沿って作業が行えたり、近年、急速に開発が進む農業用ドローンの農薬・肥料散布における実用化も近くなっています。
 そこで、このように作業の効率化や簡素化、そして、高度化を図った農業は、現代の若者にとって魅力ある分野だと思うのですが、砺波市の農業におけるICTを活用した農業機械の環境整備についての進捗状況はいかがなものでしょうか、加藤商工農林部長にお伺いいたします。
○副議長(山本善郎君) 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) ICTを活用した農業機械の環境整備についてお答えをいたします。
 農業のICT化は、作業の合理化等による生産性の向上や自動化による省力化、資材の効率的な利用等による低コスト化が可能となり、収益の改善につながることが期待されております。
 国では、ロボットやICTを活用した超省力・高品質生産を実現するスマート農業の推進を進めております。革新的技術開発・緊急展開事業などにより、ロボット技術への開発等に支援をしております。
 本市におきましては、チューリップ球根ネット栽培機械や現在開発中の小型・軽量化のチューリップ球根ネット栽培機械には、GPS機能や車速連動システムなど、ロボットやICT技術が導入されております。
 さらに圃場マッピングシステムなどの搭載により、操作性や作業精度の向上、作業の大幅な省力化と低コスト化などの生産性が図られることから、今後、大きな期待を寄せているところでございます。
 また、市内の企業的経営体では、土壌の肥沃度を自動測定し、施肥量を自動制御する可変施肥田植え機の導入や食味計を搭載したコンバインの導入がなされております。
 今後、ICT化のモデル実証事業として、種田地区では、水田の水位を確認できる水田センサーの導入なども計画されており、市内においても、ロボット技術やICTを活用したスマート農業の普及が着実に進展している状況でございます。
○副議長(山本善郎君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) それでは、農業振興の充実についての最後に、地域農業と環境保全に貢献している砺波型農業のあり方についてお伺いいたします。
 砺波市の農業は、砺波平野の田園に家屋が点在する散居村という独特の農村形態の中で行われてきました。その圃場は、昭和30年代から圃場整備事業によって整地され、整形田による効率的な農作業ができるようになりましたが、半面、宅地が点在することから、三角形などの不整形田や10アールに満たない小区画田が多くあらわれました。このような状況でも農地の流動化は進展しており、現在では、約70%が担い手農家などに集積され、農業生産の維持、継続がされております。
 そのような中、皆さんも気づかれていると思いますが、水稲や大豆などの圃場の中には、その作物に負けないくらいの雑穀類や雑草など生い茂った圃場が目につきます。もちろんそれらは全域の一部にしかすぎませんが、それだけ担い手農家への作業負担が大きくなっていることの裏づけではないかと考えるのです。農地の流動化が進めば進むほど、一担い手農家当たりに集積される圃場面積も増加することになり、取り扱う不整形田数も増えることになります。そうなると、農業に時間がかかる農地には手をつけず、整形田だけ耕作するようになったり、作業工程が乱雑になったりと、生産圃場が荒れていく可能性が増大します。
 そこで、中山間地も含め、散居村における砺波型農業を守っていくには、農業後継者の育成にも取り組まなければなりませんが、市が掲げている担い手が農用地の利用に閉める集積率の90%を80%程度に見直し、集落営農組織や兼業農家をもっと支援することも重要なことになっているのではないでしょうか。地域農業と環境保全に貢献している砺波型農業のあり方について、夏野市長の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終えさせていただきます。
○副議長(山本善郎君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 地域農業と環境保全に貢献する砺波型農業のあり方についての御質問でございます。
 企業的経営体が農用地の利用に占めるシェア、いわゆる集積率につきましては、まず、国のほうでは、平成35年度まで、認定農業者ですとか、集落営農組織など、効率的かつ安定的な農業経営を行う経営体である担い手が、農用地の利用に占めるシェアを、集積率を8割と、オールジャパンですが、日本として掲げまして、農地中間管理事業を活用した効率的で、安定した農業に向けた施策が展開されているというところでございます。
 また、富山県でも、農業経営基盤の強化の促進に関する基本方針ということで、担い手が農用地の利用に占めるシェアの目標は90%、国は80ですけれど、富山県は90だということで掲げておりまして、砺波市におきましても、圃場整備率が非常に高いということ、それから、これまでの機械施設整備に支援してきたということもありまして、90%の目標を目指して、農地の集積を引き続き進めているという状況であります。
 こういった中、先ほど紹介もありましたが、砺波市の現状につきましては、本年3月末現在の状況ですけれども、本市の担い手が農用地の利用に占める集積率は、県平均が大体57%ぐらいですが、それをはるかに超えておりまして、70%を超えております。富山県内でも、砺波平野ですとか、射水、それから、黒部扇状地あたりは高くて、中新川あたりは低いところもありますが、そういった中で、砺波は高いほうであるというふうに思っております。
 今後のこの流れとして、国の施策が、担い手によります農業経営の推進へ完全にシフトしているということであります。それから、大型機械による効率的な農業ですとか、タマネギ、砺波でいいますとタマネギのような高収益作物への転換など、個人農家では農業を続けることが難しくなっていくというふうに考えられるわけです。
 もちろん自分でしっかり頑張りたいという方がいらっしゃることは十分承知している上で申し上げているんですが、国の政策として、じゃ、そっち側のほうではなくて、担い手がしっかりしてもらって、そこに支援していくと。まさに、先ほど川辺さんがおっしゃったような形態とか、そういうところにしっかり支援すればということで、これからも認定農業者ですとか、それから、地域ぐるみの集落営農組織、特に砺波市はこれが多いわけですが、それから、6次産業化なんかに取り組んでいる、取り組みをしている農業者などにめり張りをつけた農業施策を展開して、地域の実情に応じた、いろんな形の担い手がもちろんあるんですが、やはり地域で、営農体制がしっかり図られるようにということを進めているということでございます。
 これは、国際情勢を見ても、現在の、先ほどからお話がありました担い手不足を考えても、やはりそういう手を打っていかないと、例えば先ほどの雑穀の話をしても、確かにしっかりやっておられるところはあります。でも、それ、あと10年大丈夫ですかというと、正直やはりそれよりも、大きな経営体の中で、いろんな労働力を集めて守っていくというほうが可能性としては高いのではないかということでないかと思います。
 そういったことで、砺波市の目標値90%というものは、決して高いものではなくて、やはり引き続き80ではなくて、90でいきたいなというふうに思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 砺波市だけじゃなくて、この砺波平野の将来を考えたときに、やはり地域の実情ですとか、環境保全活動など、どうあるべきかということは総合的に考えなくちゃいけない、散居景観も含めてですが、今後とも、関係の機関と連携して、企業的経営体、それから、地域ぐるみで生産性の高い営農を行う集落営農組織、それを中心とした砺波型農業を、新しいタイプの砺波型農業かもしれませんが、展開していくことが、産業としての農業を保護するということにもつながりますし、また、結局はそれが地域を守っていくということにつながるのではないかというふうに思っておりますので、その点、まさに川辺さんが一生懸命農業しておられることはよく知っておりますが、川辺さんの体も永遠不滅ではございませんので、そこら辺またよく考えていただいて、集落営農とか、また、大規模経営体とのいろんな関係も築いていただければなというふうに思います。
 以上でございます。
○副議長(山本善郎君) 川辺一彦君。
 〔9番 川辺一彦君 登壇〕
○9番(川辺一彦君) 決して再質問というところではなかったのかもしれませんが、1つ、確認だけさせてください。
 90%という集積率なんですが、確かに県が、富山県が一生懸命推進をしている数字なんですよね。多分、営農組織、集落営農組織も当然その中に入ってくる数字だと思います、90%の中には。ですから、集落営農というものがもっと進めば進むほど、細かいところにも手が届く感触はあるんです。
 ただ、その数字だけをぼっていくがために、まだもう少しやろうと思っておった人たちが、また、そろそろ組織の中へ入れよというふうに、強制的という言い方は悪いんですが、そういう形になってくることが恐ろしいことと、それから、先ほども言いました、やはり細かいところへ手が届く体制を残していきながら、砺波の農業を進展させていくべきではないかと思ったところの数字が80%という数字をあらわしたところであります。
 でありますので、今すぐ90の考えを転換せえとは毛頭申し上げませんけれども、そういう含みを持たせた80%をどう思われるか、もう一度お答えを願いたいと思います。
○副議長(山本善郎君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 川辺議員も、集積率の中には集落営農も入っているということを御理解いただいていると思います。
 私もいろいろと、私も農業をやっているわけじゃないのですが、いろいろ農業者の方に聞きますと、集落営農の中でも、個人で頑張る人たちのやる気、もしくは自分が管理しているところについて、ほかの人よりも強く関与するような仕組みをつくっている営農組織もあるというふうに聞いております。そういった形でしっかりと守っていただくということも大切かなというふうに思います。
 それから、強制的にやめさせるということはないわけでして、ただ、一方で、じゃ、そういう人たちに、集積をして努力している人たちと同じ支援をしろというのは、これはちょっと無理じゃないですかということでありまして、そういう流れが1つあるということです。
 それから、例の中間管理機構も、最近は、いろんな基盤整備をするに当たっても、非常に集積率を上げないと支援をしないという、そういうメニューが多くなりました。
 そういった点で、砺波のように集積率がもともと高いところについては、ある意味不利じゃないかと。そりゃ、全然集積していなかったところが上げるのは、簡単とは言いませんが、やりやすいかもしれない。ある程度いろんな事情があって、集積できる範囲の限界に近いところに来ているところに、まだ上げろと言われても、そうじゃないと支援しないと言われても困るよということは、これ、いろんな機会を通じて、農水省本省にも伝えてあります。その結果、例えば経営体育成なんかでも、少し条件を緩和されたこともありますし、今後は、中間管理機構以外のものも何とか配慮してほしいというふうにお願いしていたんですが、どうも国は、ますます中間管理ありきになってきている状況で、そういう点では非常に私どもも不満といいますか、持っています。
 中間管理機構は、実はそういう集積の部分と、もう一つ、例えば担い手がなかなか見つけられない中山間地の農地も管理しようという目標があったはずですが、ほとんど聞こえてこないですね、現実的には。現実的には、結局受け手がないわけだから、それをある程度公的なものが抱えているということで、地方自治体の役割も最近言われるようになりました。
 ただ、現実的に、じゃ、市役所が実際機械を動かすわけじゃありませんから、どこかでやっぱり担い手を持ってこなくちゃいけない。そういった中の支援策を考えたときに、やはりある程度の集積、集約をしていかなくちゃいけないというふうに思っております。
 それから、今、私がいろいろお願いしているのは、集積率が高いんだけど、案外集約率といいますか、確かに一担い手が持っているシェアはでかいんだけど、飛んでいると。そうすると、トラクターはこっちへやって、またあっちへ持っていかんならん。これをできるだけ近くに合わせられないかというような話をするときに、それに対する支援ちゃないものかと。集積率は割と数字が出やすいんですが、近くなったからどうかという、その基準がないもので、これを今、何とか工夫できないかと知恵を絞っているところですけれども、そういうことにすることによって、効率性を上げる。
 今まで、土地を耕作してもらうためには、何らかのつながりがあったと思うんですね。あそこの、例えば川辺さんのところにつくってもらうとか、そういうことがあって、いろんな経緯があって、そこの方になっているんだと思うんですが、それをもう一回、効率性から考えて集約ということに着目して、それが例えば今の新しい経営体強化の財源になればなというふうに思っているんですが、砺波というか、富山県は非常に進んでいるので、国のほうが追いついていないという感じですね。
 ですから、ぜひ川辺さんも、農協チャンネルを通じて、強くまた訴えていただきたいと思いますし、私どもも、そういう点、砺波が非常に今まで努力してきたことについての評価がされるような農政をやっていただくように、これからもお願いをしていきたいと思いますので、またよろしくお願いしたいと思います。
○副議長(山本善郎君) 13番 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 傍聴席がたくさんの女性でにぎわっている中、私も元気に質問したいと思います。
 それでは、議長のお許しを得ましたので、通告に従い、質問と提案をさせていただきます。
 大きい項目の1つ目として、砺波市健康プラン21(第2次)の推進についてお伺いします。
 健康プラン21の第1章に、働く世代の生活習慣病の発症予防と重症化予防を掲げ、がん検診の受診率向上を重点目標に明記されています。
 平成26年度に砺波市でがんにより亡くなられた方は、男性81名、女性51名、総数132名となっており、年々増加しています。がんは、死因の25.8%を占め、第1位です。
 女性では、結腸がんが一番多く11人、子宮がん、乳がんはそれぞれ5人となっています。
 若い女性が乳がんで死亡するケースも多々見受けられる中、現在のがん検診では、子宮頸がん検診は20歳以上が対象なのに、乳がん検診は40歳以上しか対象になっていません。検診による被爆などのリスクを考えてのことのようですが、日本人女性が今最もかかりやすいがんは乳がんであり、生涯で約25人に1人がかかると言われています。しかも、日本人女性の場合、乳がんは比較的若い年齢で発症するのが特徴で、30歳代から増え始め、40歳代になると急激に増えていきます。ある医師は、30歳に入ったら、乳がん検診を定期的に受診することを意識したほうがよいとも言っています。
 弱年層にも多いがん、特に乳がんについては、対象年齢を引き下げて受診勧奨することが必要ではないかと考えます。齋藤福祉市民部長の見解をお聞かせください。
○副議長(山本善郎君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 乳がん検診等を40歳未満の女性にも受診勧奨することについてお答えいたします。
 がん検診は、健康増進法に基づく健康増進事業として市町村が実施するもので、厚生労働省のがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針において、乳がん検診の対象者は40歳以上と定められております。
 また、がん検診のあり方に関する検討会の中間報告書においては、乳がんの罹患の動向や検診による死亡減少効果、発見率などから判断し、40歳以上とすることが妥当であるとされています。
 今ほど議員さんも述べられましたとおり、30歳代後半から乳がんは増加いたしますが、40歳未満では乳腺が発達しているため、マンモグラフィー検査では、乳腺の異常がわかりにくい状況にございます。
 また、若い方のマンモグラフィー検診の偽陽性、これはマンモグラフィー検診ではがん疑いとされたものの、精密検査でがんではないと診断されることをいいます。それと、過剰診断、これは生命予後に関係のない乳がんの発見・治療のことをいいます。これらなどにより、検診を受けた場合の不利益も懸念されております。
 さらに、本市のがん検診は、死亡率の減少を目標として実施する対策型検診でございまして、40歳以上と定める国の指針どおりの実施が妥当であると市立砺波総合病院の乳がん専門医の先生方にも御意見をいただいております。
 このようなことから、引き続き国の指針に基づいた乳がん検診を行ってまいりたいというふうに考えております。
 なお、乳がんは、自己検診、セルフチェックができることから、早期発見のためにも、月に1度の自己検診の普及啓発に努めてまいります。
○副議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) がん予防のためには、生活習慣を身につけ、がん検診をきちんと受け、早期発見、早期診断、早期治療に努めることが重要です。
 最近では、テレビ等で活躍されている女性ががんと闘っている報道を見た女性のがん検診受診が増えているようです。一昨年から導入されたレディース検診の効果も出ているのだと思いますが、平成28年度の砺波市の乳がん検診の受診率は、40歳以上で50.6%と半数を超え、国の目標値をクリアしています。また、子宮がん検診についても46.6%と、平成27年度を1.1%上回る数字となっています。胃がん、肺がん、大腸がんの検診受診率が、ここ5年間伸び悩んでおり、平成27年度より軒並み下がったのと比べると、大幅な増と言えます。
 レディース検診は、1日で、女性がん検診のほかに胃がん、結核・肺がん、大腸がん検診も受診することができ、働く女性にとっては大変ありがたい取り組みであります。
 今年度も、10月15日に実施されるレディース検診の申込者は、昨年を上回る状況で、既に定員いっぱいで、断られた方もおられると聞いています。
 そこで、人気のレディース検診をもう一日設けていただき、がん検診の受診率アップを図っていただきたいと思います。あわせて、レディース検診や女性のがん検診の折には託児を設けるなど、受診しやすい環境の整備を望むものです。
 また、職域と連携した働く世代のがん検診普及対策や複数のがん検診の同時実施場所を増やすなどの取り組みが受診率向上につながると考えます。
 がん検診受診率をさらに高めるための手だてについて、齋藤福祉市民部長の答弁を求めます。
○副議長(山本善郎君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) レディース検診の日の拡充等についてお答えをいたします。
 レディース検診につきましては、県のモデル事業として平成27年度に開始して、今年度で3年目となります。
 女性限定の日曜検診でありまして、胃がん、結核・肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がんが1度に受診できることから、定員120名に対しまして、毎回、定員に達している状況でございます。
 大変好評でありますことから、検診日の増設につきましては、検診委託機関とも協議を行い、検討してまいります。
 また、託児につきましては、39歳以下健診におきまして、現在もスタッフがお預かりしていることから、お申し出がありましたら、これまでと同様に対応してまいりたいと考えております。
 次に、職域との連携につきましては、昨日の雨池議員への答弁でもお答えしましたが、既に協会けんぽと同時に実施しており、相互の受診率向上を図っております。
 また、日曜検診につきましては、11月に、婦人がん以外の胃がん、結核・肺がん、大腸がんと同時に検診を予定いたしております。
 さらには、各地区を巡回して実施している胃がん検診、結核・肺がん検診を同時に実施する地区につきましても、今年度から1地区増やしまして7地区とするなど、受診率の向上に努めております。
○副議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) さて、今年度、結核・肺がん検診体制の充実事業を実施する予算が計上されておりますが、この内容と見込まれる効果について、齋藤福祉市民部長にお伺いします。
○副議長(山本善郎君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 結核・肺がん検診体制充実事業についてお答えします。
 結核・肺がん検診につきましては、これまで胸部X線検査はアナログ撮影にて行っておりましたが、今年度からはデジタル撮影となりまして、検査精度の向上が図られたところであります。
 これまで、撮影は検診機関、読影は砺波厚生センターに分けて行い、結果の取り扱いが手作業であったことから、要精密の方のみに結果通知を送付しておりましたが、デジタル化に伴いまして、他のがん検診と同様に、結果のいかんを問わず、受診者全ての方に結果通知が送付できるようになっております。
 また、昨日の雨池議員の答弁にもお答えしましたが、今年度から、新たに結核・肺がん検診の案内をがん検診と合わせたA3判の一体型案内通知としたことで、受診される方には、未受診の把握が容易となり、受診率の向上につながるものと期待するところでございます。
○副議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) がん検診拡充のためのさまざまな取り組みに期待するものであります。
 さて、がんと並んで主要死因の大きな一角を占めている脳血管疾患や心疾患などの循環器疾患は、高血圧や脂質異常症、喫煙、糖尿病などが危険因子です。これらの危険因子については特定健康診査で発見することができ、特定健康診査の受診率を向上させることがこれらの疾病予防につながるものと考えられています。
 砺波市の特定健康診査の受診率は年々上がっており、平成27年では60.7%と、県内で2番目に高い受診率となっています。市町村国保の目標値である60%も超えており、市民課の職員の皆さんの受診勧奨の効果が出ているものと評価するものです。
 今年は、いつもの健診結果のほかに糖尿病検査の数値であるヘモグロビンA1C値をわかりやすく見える化した表もいただきました。1つの目安となる数値をわかりやすく示してあり、このような取り組みは、生活習慣病を予防することにつながると考えるものです。
 また、特定健康診査を受診することで、その結果によっては特定保健指導の対象者となり、動機づけ支援や積極的支援を受けることになります。この特定保健指導により生活習慣病を予防することができ、ひいてはがんなどの各種疾病に罹患するリスクを減らすことができるので、特定保健指導の利用率アップも重要になってきます。
 市では、この利用率アップに取り組んでおられ、平成23年には23.7%だった利用率を、平成27年度には60.5%と大幅に増やされ、県内で2番目に高くなっています。さまざまな取り組みの成果であると考えます。
 特定健康診査、特定保健指導の受診率を向上させるための今後の展開について、齋藤福祉市民部長にお伺いします。
○副議長(山本善郎君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 特定健康診査、特定保健指導の受診率向上についてにお答えをいたします。
 議員が述べられましたように、本市の特定健康診査の受診率及び特定保健指導の利用率のいずれも、近年は高い数値を維持しており、このことが生活習慣病の発症や重症化を予防し、結果として、医療費の適正化につながっているものと考えております。
 そこで、受診率向上に向けての今後の展開でありますが、特定健康診査につきましては、受診率の低い傾向にある40代、50代の年齢層の未受診者を中心に、毎年受診する習慣を身につけていただけるよう、引き続き受診勧奨を行ってまいります。
 また、新たな取り組みといたしましては、これも昨日の雨池議員の質問にお答えいたしましたが、受診の機会を増やすため、国保、協会けんぽ及び健康センターと協力して、11月に、がん検診に加えて、集団健診を予定しているところであります。
 次に、特定保健指導につきましては、平成26年度から実施している保健師の電話による利用勧奨が成果を上げておりますが、今年度は、新たに特定保健指導の未利用者に対し、1月に利用勧奨のハガキを送ることとしており、1人でも多く利用していただけるよう、引き続き利用勧奨に努め、受診率の向上を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 次に、子どもの健康という観点から、妊娠、出産、子育て期の切れ目のない支援体制についてお伺いします。
 子どもに健康な生活習慣を身につけさせるためには、妊娠前、妊娠中の心身の健康づくりとともに、産後の母親の健康がポイントになります。
 昨年から、産後の精神不安から母親を守るための産後もママ安心事業、産後ケア事業が進められています。育児などに困っているお母さんのサポート体制ができたわけですが、今月1日から、産後の健診を全産婦が2回まで無料で受診できることになりました。産後鬱の早期発見と予防を目指す国の補助を受けての実施のようですが、この産婦健康診断の診査の概要について、齋藤福祉市民部長にお伺いします。
○副議長(山本善郎君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 産後もママ安心事業の拡充と産婦健診の概要についてお答えいたします。
 まず、産後もママ安心事業でありますが、妊娠期から出産、子育て期にわたり切れ目のない支援をするためには、母親の体と心の健康が大切であることから、妊娠届け出時に、全ての妊婦に対し、保健師が面談を行っております。
 このとき、産後の子育てを支援してもらえる御家族などの状況を聞き取り、支援が必要な方には、昨年度から始めました産後もママ安心事業、産後ケア事業を紹介し、産後二、三カ月の見通しを御本人と一緒に考えております。
 さらに、医療的なサポートが必要な方には、本人の同意の上、出産予定の医療機関へつなぐとともに、産後には、生後1カ月以内に赤ちゃんとお母さんを訪問することとしております。
 次に、9月から県内で初めて実施いたしました産婦健康診査でありますが、これは、今ほどの産後もママ安心事業に組み合わせて、さらに手厚く支援をしてまいります。
 産婦健康診査は、核家族化等で悩み事を相談できず、1人で抱え込む母親が増えてきていることから、産後の母親の鬱予防と母体の機能回復、母子の健康管理のため、産後2週間と1カ月後に、出産された産科医療機関や助産院のほか、県内医療機関で検査を行います。
 検診の結果、産後鬱の兆候が見られたり、育児不安が強い方など支援が必要な方につきましては、産科医療機関や助産院から連絡を受け、健康センターの保健師が自宅を訪問しまして、産婦のニーズに合わせ、助産師による母乳相談や産後ケア事業などを行い、支援するものであります。
 今後も、お母さん方が安心して子どもを育てられるよう、乳幼児健診を実施し、必要に応じた訪問や育児相談、医療機関への受診支援など、切れ目のない支援を行ってまいります。
○副議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 切れ目のない支援の中で、今ほども福祉市民部長のほうより相談の体制のことが挙げられました。お母さんの不安をあおる1つの要因に、子どもの発育状況が挙げられます。
 最近では、携帯などで子育てに関する情報を集めて対応されているようでありますが、昨年配付されました「となみぃ~の子育て応援ファイル」は、大変内容の充実した冊子になっており、子育て中のお母さん方に喜ばれています。
 ですが、やはり育児における心配事は絶えないようで、健康センターでは、週1回、育児相談を実施されていますが、この相談者が年々増えている実態のようで、保健師さんもうれしい悲鳴を上げておられます。今後の育児相談の拡充について、齋藤福祉市民部長の見解をお聞かせください。
○副議長(山本善郎君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 育児相談の拡充についてお答えします。
 これまで、育児相談は、毎週水曜日の9時30分から11時までの1時間半でありましたが、相談者数が多く、4月からは、相談時間を9時から11時30分までの2時間半に延長したところであります。
 また、助産師による母乳相談につきましては、これまで、隔週の水曜日に実施いたしておりましたが、これを毎週水曜日に実施し、相談時間や相談日の拡充を図ったところであります。
 これらのことによりまして、ゆっくりとお母さんの相談を聞くことができ、支援の強化が図れたものと考えております。
 なお、ちなみに育児相談の今年度の利用状況につきましては、8月末現在で延べ334人となっているところでございます。
○副議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 砺波らしい健康づくり施策が進められておりますが、その指針として策定された砺波健康プラン21(第2次)は、今年、策定から5年目を迎えるということで、中間評価を行われることになっていますが、評価の観点と内容、また、この中間評価を、どのように来年度以降の取り組みに生かしていかれるのか、齋藤福祉市民部長にお伺いします。
○副議長(山本善郎君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 砺波市健康プラン21(第2次)の中間評価についてお答えします。
 砺波市健康プラン21(第2次)は、国の健康日本21(第2次)の地方計画であり、現在の計画は、平成25年度から平成34年度までの10年間を計画期間として策定したものであります。
 計画の基本目標を、健康寿命の延伸と生活の質の向上として掲げ、全ての市民が、ともに支え合いながら、希望や生きがいを持ち、ライフステージに応じた、健やかで、心豊かに生活できる社会の実現を目指して、健康づくりの取り組みを推進しているものであります。
 そこで、評価の観点といたしましては、策定時に掲げた目標値に対する現在の進捗状況の把握及び達成状況の評価を行い、今後の取り組み内容を検討するものであります。
 先月22日には、第1回砺波市健康づくり推進協議会を開催いたしまして、目標値に対する現時点での評価と取り組み状況をお示ししたところであります。
 一部を申し上げますと、妊婦歯科健診の受診率では、平成23年度の基準値に比べ、平成28年度では目標を10%上回って達成しており、これまでの妊婦への保健指導の成果があらわれたものと考えております。
 また、メタボリックシンドローム予備軍の割合は目標値に届かず、課題と考えており、今後は、特定健康診査などの結果を踏まえながら、このようなメタボリックシンドローム予備群の方へ、運動の習慣づけやカロリーを考えて食事をとることなどの指導を行い、特定保健指導の利用率を高めることで、数値の改善を図ってまいりたいと考えております。
 このほかにも改善が必要な項目について、今後2回の推進協議会を経て、各種団体、関係機関、医師会、歯科医師会の委員の皆様から御意見をいただきながら、来年度以降に取り組む内容を具体的に検討してまいりたいと考えております。
○副議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 大きい項目の2つ目として、小中学校の学校運営についてお伺いします。
 次期学習指導要領の重要な概念として、カリキュラム・マネジメントが位置づけられています。
 新しい学習指導要領では、各教科で育む知識、技能に加え、思考力、判断力、表現力等と、学びに向かう力、人間性等もバランスよく育むため、学力として育成を目指す資質、能力を再整理した資質、能力の体系を総則で示される予定です。
 そこで、各学校では、資質、能力の体系を示した学習指導要領をもとに、自校の教育目標や子どもの実態、地域の実情を踏まえて、学校全体で、教育課程、つまりカリキュラムを作成することになります。そして、それをもとに授業を行い、成果を評価し、カリキュラムの再構築や授業改善につなげ、新たな教育を築いていくことをカリキュラム・マネジメントと位置づけています。
 既に本市の学校教育でも行われていることであると思いますが、このカリキュラム・マネジメントの進め方、考え方について、教育長の御見解をお尋ねします。
○副議長(山本善郎君) 教育長 山本仁史君。
 〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) カリキュラム・マネジメントの考え方についてお答えいたします。
 現在、各小中学校では、学習指導要領に基づき、教育目標や子どもの実態、地域の実情を踏まえて、学校全体でカリキュラムを編成しておりますが、その中心は教科の学習内容であります。
 新たな学習指導要領におけるカリキュラム・マネジメントは、これまでの学習内容とともに、児童生徒の資質、能力をどのように育むのかということも含め、授業を行い、評価し、カリキュラムの再構成、授業改善につなげて、学習効果の最大化を図っていくということを考えております。
 カリキュラム・マネジメントを進める中で、重要な点は3点ございます。
 まず1点目は、学校の教育目標に沿って、教科横断的な視点で、カリキュラムを編成することであります。点で教えるのではなく、線としてつなげる工夫をするということでございます。
 例えば小学4年生は、算数科で折れ線グラフの学習を行いますが、理科でも、社会科でも、それぞれの教科でこういったグラフを用いております。このような場合、算数科と他の教科とを別の教科と考えるのではなく、子どもたちの学習効果を考慮し、複数の教科の学習内容を複合的に扱うということでございます。
 2点目は、子どもたちの実態や地域の実情に応じて、学校が創意工夫をして、特色ある教育を進めることと考えます。
 そのためには、まず学校のグランドデザインや学校教育目標具現化の構想図を作成し、学校教育目標や重点目標を出発点として、何を学ぶのか、どのように学ぶのかなどを具体化することが必要です。
 そこで、各学校では、教育計画や各教科の年間指導計画によって、学力向上への指導等、日々の教育活動に向けた具体化を図っております。
 3点目は、子どもに学びと社会のつながりを意識させるため、地域の資源を活用したカリキュラムを実現することであります。
 例えば砺波の豊かな自然の中で、地域の人々の協力を得て行っているふるさと教育をさらに充実、推進することが必要であると考えております。
 これらのことから、学校だけで教育を完結させることは難しいと考えられます。
 そこで、学校の教育活動を地域に示し、理解を得て、意識や方向性を地域の方々と共有していくことが大切であり、その連携の推進に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 小学校では、平成32年度から、中学年において外国語活動が、高学年において教科としての外国語科が導入されることになるため、これに伴い、3年生から6年生までの学年で、授業時数がそれぞれ年間35単位時間ずつ増加されることになります。各学校では、1時間目開始前の朝の時間や昼休み前後の時間、放課後の時間などを15分程度の教育課程内外の教育活動に充てる短時間学習の工夫等が展開されています。
 また、児童会活動、クラブ活動及び学校行事についても、適切な授業時数を充てることとされており、給食、休憩、休み時間については、各学校において工夫を加え、適切に定めるものとされています。
 こんな中、年間35単位時間を増やすために考えられる選択肢は4つあります。
 1つ目は、年間の授業時数を増加させて、時間割を編成するものです。例えば1日6こまを6日間実施する方法で、これらの日数は、長期休業期間の調整や土曜日の授業実施等によって確保することが考えられます。
 2つ目は、週当たりの授業時数を増加させて時間割を編成するものですが、45分授業のこまは増やさず、短時間や長時間等の授業を設定して、週当たり45分を確保する方法です。
 3つ目も、週当たりの授業時数を増加させて時間割を編成するものですが、45分授業のこまを週1つ増やして、確保するものです。例えば月曜日が5時限で終わらず、6時限までにする方法です。
 4つ目は、1つ目から3つ目のやり方を組み合わせて、年間35単位時間を確保するものです。
 これまでの学習指導要領の改訂により、特に小学校で教える内容が増えており、授業時数の確保が大変大きな課題となっていると聞いております。学校行事等も精選され、子どもたちにとって楽しい体験活動を確保する時間が少なくなっています。
 新しい時間割編成の考え方について、また、砺波市として独自の方法を導入されるのか、旧の砺波教育事務所管内で統一した対応をされるのか、あわせて、時間割編成のタイムスケジュールについて、山本教育長のお考えをお聞かせください。
○副議長(山本善郎君) 教育長 山本仁史君。
 〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) 平成32年度からの小学校における時間割編成の考え方と今後のタイムスケジュールについてお答えいたします。
 議員が述べられたとおり、教える内容が増える一方で、授業時数をどう確保するかは、学校現場における大きな課題の一つでございます。
 時間割編成の基本的な考え方としては、学習内容を標準的に履修できる授業時数を確保することでありますが、できれば教える側、教わる側、双方に無理のないよう計画したいと考えております。
 このため、小学校の授業時数増の対応につきましては、議員が述べられた2つ目の45分授業のこま数は増やさず、現在、朝読書などを行っている短時間を組み合わせる方法などについて、校長会ともども検討しております。
 また、旧砺波教育事務所管内で統一した対応をとることも選択肢の一つではありますが、他市も同様に検討中と伺っております。現在のところ、市単独で対応する方向で考えております。
 ただ、今後とも相互に情報交換を密に行い、できることから共通に実践することも検討しております。
 今後の時間割編成のタイムスケジュールにつきましては、今年度は新学習指導要領の周知期間となっており、平成30、31年度が移行期間として位置づけられております。
 来年度からの2年間の移行期間につきましては、新学習指導要領として先行実施される外国語活動を15時間単位増やし、増えた15時間単位については、市校長会を中心に内容について検討をしているところでございます。
 今後、その検討結果を踏まえ、2年間の試行期間中に、平成32年度からの新指導要領の全面実施に伴う35時間単位増の対応と学習活動の支援策について検討してまいります。
 そして、その結果に基づいて、教育委員会や総合教育会議において協議しながら、時間割の編成方針等を最終的に決定してまいりたいと考えております。
○副議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 学校教育に求められるものが多い中、砺波市の教育力をしっかり守り、進めていただきたいと思います。
 さて、砺波市においては、市の単独事業として、小学校に低学年学習支援員を、各小学校に、学校司書やスタディメイトを全小中学校に配置され、子どもたちの学習面での支援体制を強化されています。また、心のサポート員として、心の教室相談員も6つの小学校と全中学校に配置され、手厚く対応されています。
 最近では、全小中学校に学習支援ボランティアの活用事業も実施されており、放課後や長期休業中に、地域の学習支援ボランティアの方が生徒の質問に答えたり、相談に乗ったりする形で学習支援をされており、この事業についても高く評価するものです。
 そこで、発達障害を持つ子どもさんも増えている現状も踏まえ、心の教室相談員さんがまだ配置されていない2校への配置や学習支援員やスタディメイトなどの増員を、また、学習支援ボランティア活動事業についても、継続して実施していただくよう求めるものです。山本教育長のお考えをお聞かせください。
○副議長(山本善郎君) 教育長 山本仁史君。
 〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) 学習支援員等の増員と学習支援ボランティア活用事業の継続についてお答えいたします。
 発達障害を持つ子どもたちへの対応として、議員が述べられたとおり、スタディメイトにつきましては、既に市内の全小中学校に配置しているところであります。
 ただ、心の教室相談員につきましては、配置されていない学校が2校ございます。これは、基本的に学校規模にかかわらず、一律に学習支援員や相談員を配置するのではなく、校長等からまずヒアリングを行い、学校現場の状況を十分に確認した上で、必要な人数の配置をしているものでございます。
 今後とも適切な人数の支援員等の配置をし、きめ細やかな対応ができる支援体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
 また、学習支援ボランティア活用事業につきましては、市として、放課後や長期休業中に、地域の学習支援ボランティアの方に支援を行っていただいております。
 その結果、地域の教育力を生かした確かな学力の定着、さらには、ふるさと学習の推進などに成果が出ておると感じております。
 今後も、それぞれ学校の特色を生かし、地域の方々に協力をいただきながら、継続してまいりたいと考えております。
○副議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 大きい項目の3つ目として、砺波市空き家等対策計画についてお伺いします。
 砺波市では、平成25年3月に、空き家の適正管理及び有効活用に関する条例を制定するなど、県内でも早くから空き家等の対策を講じておられましたが、思うように増えない空き家情報バンクの登録件数に、利活用など、その対応の改善について、同僚議員からも何度か質問、提案が出されておりました。
 今回、この現状に風穴をあけ、より総合的かつ計画的に空き家等対策を推進するため、砺波市空き家対策計画が策定されました。
 空き家対策として、老朽危険空き家を増やさないような、先を読んだ具体的な取り組みや予防対策等が期待されるところです。
 この計画に基づいた具体的な施策とこの計画を市民に周知するための広報活動について、今井企画総務部長にお伺いします。
○副議長(山本善郎君) 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 砺波市空き家等対策計画に基づいた具体的な施策等についてお答えをいたします。
 本市では、いわゆる「空き家特措法」より早く条例を制定いたしまして、空き家情報連絡員の設置や各種補助事業など、他市に先駆けて空き家対策に力を注いでまいりました。
 このたび、空き家窓口を砺波暮らし推進班に一本化するなどの推進体制の強化を図ったこと、また、各地区の調査を踏まえた現地調査が完了したことなどから、より一層空き家対策を推進する目的で、本計画を策定することとしたところでございます。
 本計画では、空き家の背景、要因を分析いたしまして、5つの基本方針に基づき、対策に取り組むこととしております。
 その特徴的な施策を申し上げますと、本市の空き家対策の柱は、地域との連携でございます。地域事情に精通している自治振興会の皆さんが空き家調査を行い、空き家連絡員の方が所有者と市との連絡役として、空き家情報の提供や相談のほか、空き家バンクの登録の推進を図っていただいていることが挙げられます。
 また、管理不全空き家に対しましては、法的な措置を行うことは言うまでもなく、本市ではさらに踏み込んで、危険な状態が切迫し、その状態が回避できない場合に、市が最低限度の措置を行う緊急安全措置がございます。また、所有者が市に空き家を寄附し、空き地を自治会等が管理する場合に、市が空き家を除却いたします老朽危険空き家除却事業など、地域に密着した施策を設けていることが挙げられます。
 さらには、空き家を交流施設、福祉施設、商業施設などに活用する事業に支援制度を設けていることも本市の特徴でございまして、制度の活用を積極的に推進してまいります。
 また、住宅は、空き家となると急速に老朽化が進み、時間の経過により所有者意識の希薄化に加え、相続などが複雑化することから、管理不全の空き家とならないような予防対策や空き家の適正管理を促すように、広報活動も重要であると考えております。
 今回の計画の策定を機に、調査いたしました空き家情報のデータベースを整備し、ニーズに応じた空き家情報を提供できるようにすることや、時間経過に伴う老朽化や放置を防ぐように所有者に注意を促すなど、予防対策をしてまいりたいと考えております。
 また、これまでも固定資産税の納税通知に合わせて、空き家の適正管理や有効活用を促すチラシを所有者等に送付するなど、広報に努めているところでございますが、今後は、広報となみにおいて特集を組むことや相談者向けのガイドブックの作成、さらには出前講座などでも積極的にPRを行うなど、広報活動にも力を注いでまいりたいと考えております。
○副議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 空き家等対策計画が絵に描いた餅にならないよう、今後、具体的な施策をしっかり進めていかれることを期待します。
 今年から企画調整課内に設置された砺波暮らし推進班も、順調に動き始めているようで、空き家関係の相談窓口を一本化した砺波暮らし推進班には、4月からこれまでに、既に70数件の相談があったと聞いております。
 昨年1年間で56件の相談件数であったのに比べると、大幅な増加であり、一本化の効果があらわれているものと思いますが、砺波暮らし推進班は、市庁舎2階の企画調整課内にあるということで、来庁者には場所がわかりにくく、また、気軽に入りにくい雰囲気です。看板を出して明示するなどの対応が必要と考えます。
 また、空き家等の適正管理や利活用、問題のある空き家への対策などを効果的に進めるためには、専門的な相談にも応じられる体制を整えることが重要です。
 今後の相談体制の充実について、今井企画総務部長にお伺いします。
○副議長(山本善郎君) 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 砺波暮らし推進班の相談体制の充実についてお答えをいたします。
 本市の空き家対策の窓口は、これまで企画調整課、総務課、となみ散居村ミュージアムでの3つの部署で所管していた業務を、本年4月からは、砺波暮らし推進班に一本化いたしました。
 このことにより、空き家の相談件数が増えるとともに、利用者からも親身になって相談に応じてくれたと御意見もいただくなど、窓口の効果を、一本化の効果を感じているところでございます。
 さて、砺波暮らし推進班の設置に当たりまして、プライバシーを確保するため、事務所とは別に移住・定住・空き家相談室を設置いたしまして、入り口には入りやすい雰囲気の看板を設置するなど、工夫してきたところでございます。
 しかしながら、御指摘のとおり、相談室が2階にあることなどから、市民の方にわかりづらいとの御指摘でございますので、市民にさらにわかりやすく、また、気軽に入りやすい雰囲気を感じていただけるような表示を庁内に掲示するとともに、広報紙やガイドブック、固定資産税の納税通知書などでPRしてまいりたいと考えております。
 また、相談体制につきましては、本計画の策定に当たりましても、弁護士、司法書士、税理士、建築士などの専門的な知識を有する方々の御意見をいただいたところであり、今後もこれらの専門家の方々と連携いたしまして、より専門的で、実効的な相談体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 現在の空き家の利活用に関する課題の一つに、賃貸、売買の利活用可能な空き家の供給可能量が需要量を大きく下回っていることが挙げられます。空き家情報バンクへの登録数が少ないのです。他市の状況を調査しましたところ、同様に少ない状況であり、バンク登録が空き家対策の一つのポイントになるのではないかと考えます。
 この空き家バンクへの登録の橋渡し役など、空き家等の適正管理や有効活用の推進役となるのが各地区に配置されている空き家情報連絡員であり、この空き家情報連絡員の活動が重要であると考えます。
 今年の6月から、庄川町で変わった空き家活用が始まっています。平日は愛知県に住んでいる方が、週末だけ砺波市に帰ってきて、自宅を素泊まり施設として営業されておられるようです。このお宅は、市の補助金などの支援制度には当てはまらなかったようですが、このような形の空き家の利活用も今後期待されるものです。
 そこで、砺波市の最近の空き家バンクへの登録状況とバンクを活用した売買や賃貸などの成約状況がどのようになっているのか、また、空き家情報連絡員がどのような活動をされているのか、それぞれ現状をお尋ねするとともに、今回の素泊まり施設のような取り組みに対してどのような支援をされるのかも含め、今後の空き家の利活用の推進について、今井企画総務部長にお伺いします。
○副議長(山本善郎君) 今井総務、失礼しました、今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 空き家等の利活用の推進についてお答えをいたします。
 空き家情報バンクの登録に至らない背景には、相続がされていないこと、所有者や親戚・血縁者の意向がまとまらないこと、先祖代々のものであるという価値観や知らない人への賃貸、売買の抵抗感など、所有者の意識が壁となる場合が多く見られます。
 今年度は、新たな登録が5件増えたものの、延べ登録件数は14件で、8月末では登録数が10件となっております。
 しかしながら、このような中でも、本年度は、これまでに昨年実績を上回る賃貸、売買、それぞれ2件の成約実績を上げることができ、これも窓口の一本化の効果であると思っております。今後も、円滑なバンクの運営に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 このほか空き家調査によりますと、バンクでの成約を除き、空き家の所有者などにより売却や居住などをされたものが、これまでの5年間で84件に上っているとのことであり、今後も、民間での空き家の売買等の活性化が期待できるところでございます。
 次に、空き家情報連絡員につきましては、各地区1名、市内全体で21名に委嘱し、地区における身近な相談役として、新たな空き家の発見や物件の状況把握のほか、空き家利活用の相談や空き家情報バンクの紹介に当たっていただいております。
 この計画策定を契機に、市が管理している空き家データや空き家に係る支援制度の情報を共有し、より一層の空き家バンク登録への推進や空き家に係る支援制度について活用のアドバイスをしていただくなど、市と連携を強化して、空き家対策を推進してまいりたいと考えております。
 次に、このほど庄川町に空き家を利活用した市内初の民泊施設がオープンしたことにつきましては、都市における民泊施設を参考にされたもので、本市におきましても、モデル的なケースとなるものでございます。
 市といたしましても、オープンに際しては、報道機関へのPRやチーム1073(となみ)によるSNSの発信、お披露目会のお手伝いなどの支援を行ったところでございます。
 なお、今回のケースは対象事業に該当しないものでございましたが、市では、空き家の賃貸または購入する際の改修や、農家レストラン大門のような交流施設等の用途への改修などに対して、補助金を交付するなどの支援を行っているところでございます。
 今後も空き家利活用に関する各種補助制度をPRするとともに、補助事業に該当しない場合でございましても、側面的な支援などを積極的に行い、空き家等の利活用の推進に努めたいと考えております。
○副議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 砺波市内には、現在12件の老朽危険空き家が確認されています。放置しておくことは周囲の安全から考えてもよいことではありません。早急に対策を講じていただきたいと思うものですが、老朽危険空き家の解決に向けた取り組み状況について、今井企画総務部長の見解をお聞かせください。
○副議長(山本善郎君) 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 老朽危険空き家の解決に向けた取り組み状況についてお答えをいたします。
 老朽危険空き家、いわゆる「空き家特措法」における特定危険空き家等につきましては、国のガイドラインの判定に基づきまして、市内において、現在12件の存在を確認いたしております。
 これまで、本市では、このような空き家に対して、所有者等への除却を促すことに加えまして、所有者と地域と市のこの三者が連携、協力して行う老朽危険空き家除却事業によりまして3件の物件を除却し、地域のコミュニティーの場とするなど、跡地の利活用にも努めてきたところでございます。
 なお、現在残っている老朽危険空き家のほとんどが、相続が複雑化しておりまして、所有者が判明しない状況にあるものでございます。
 つきましては、今年度におきまして所有者の確認を行い、所有者が判明次第、所有者等に対して除却を促すとともに、法令に基づく助言、指導、勧告などの対応を講じたいと考えているところでございます。
 また、税上の老朽危険空き家の対策といたしまして、固定資産税の住宅用地特例の適用除外をすることがございますけれども、本市では、これらの空き家のうち、現在5件について適用除外を実施いたしております。今後も税務課と連携するなど、総合的な老朽危険空き家対策に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○副議長(山本善郎君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時53分 休憩

 午後 1時00分 再開

○議長(今藤久之君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 4番 桜野孝也君。
 〔4番 桜野孝也君 登壇〕
○4番(桜野孝也君) 議長のお許しを得ましたので、質問と提案をさせていただきます。
 なお、私の質問の中で、昨日の開田議員の質問と重複する部分がありますが、通告に従いまして、質問させていただきますので、御容赦いただきたいと思います。
 まず、1項目めは、美しいまちづくりについてお伺いします。
 先日行われました砺波市福祉健康大会で、NHKのど自慢の司会を12年間勤めてこられた宮川泰夫さんの講演を拝聴しました。
 宮川さんは、12年間で約600の市町村に行かれたそうですが、その中でも、富山県は最もいいところだと言ってくださいました。その理由として、富山県は、3,000メートル級の山々から、深さ1,000メートルの海があり、豊かな自然がある。そこでとれる作物や新鮮な魚、空気と水もおいしく、これら全てが一級品である。都会の人がどれだけお金を払っても買えないものが富山県には当たり前にそろっているということでありました。全国を飛び回っていた方に自分の住んでいる県をこれだけよく言ってもらえると、とてもうれしく、また、誇らしい気持ちになりました。
 それと同時に、富山県の中でも、住みよさランキングで常に全国上位の砺波市として、もっと全国に発信していかなくてはならないと感じました。また、この豊かな自然や住環境を守り、よりよいものにして、次世代に引き継いでいかなければならないと改めて強く思った次第であります。
 そこで、1点目の質問は、市が管理している道路の除草と街路樹の剪定についてお伺いします。
 砺波市には、まちづくりの基本理念として、砺波市民憲章があり、その1つ目には、「花や緑を愛し、美しいまちをつくります」とあります。また、本市の目指す将来像では、「~庄川と散居が織りなす花と緑のまち~もっと元気 ほっと安心 ずっと幸せ“やっぱり砺波”」とあります。このことからもわかるように、砺波市には花と緑は欠かせないものとなっております。
 現在、砺波市では、花と緑のまちづくり条例や第2次砺波市グリーンプランに基づいて、いろいろな緑花施策に取り組まれております。また、チューリップフェアを初め、コスモスウォッチングや桜まつりなど、季節ごとに花のイベントも開催されております。その結果、市外の方には、砺波市といえばチューリップ、そして、砺波市民の皆さんには、花と緑のまち砺波、このことが浸透してきているというふうに思っております。実際、車で市内を走っていましても、きれいな花壇が以前より増えたように感じます。
 しかし、その一方で、道路脇などの雑草や剪定されていない街路樹が目立つときも多くあります。花と緑のまち、美しいまちを目指す砺波市において、道路の除草や街路樹の剪定はおろそかにできないことだと思うのです。観光シーズンやイベント等で人が多く訪れるときに、手入れがされているのといないのとでは与える印象も変わるかもしれません。
 そこで、現在の本市における市道の除草と街路樹の剪定について、どのような計画で実施されているのか、その実施状況についてお聞かせください。
 次に、除草や剪定の要望の実態についてお伺いいたします。
 私たち議員は、日ごろから地域の皆様より、いろいろな要望を承ります。私の場合でありますが、その中でも多いのが道路の補修や除草に関することであります。道路の補修については、所管の課の方から、自分たちも見回ってはいるが、それだけでは網羅できないので、見つけた方は知らせてほしいとのことでありますのでいいのですが、除草に関しては、毎年のことですので、市のほうでもわかっていることだと思うのです。市民の皆さんも、雑草が少し伸びたぐらいでは言われないと思いますし、見るに見かねてだと思います。
 そこで、このような除草や剪定に関する要望が、年間にいったいどのくらい市のほうに寄せられるのか、お聞かせください。
 次に、今後の取り組みについてであります。
 言うまでもなく、これからのまちづくりは、行政と市民が協働で進めていかなくてはなりません。今申し上げている除草等のことについて私が問題だと思うのは、行政と市民の間で意思の疎通が図られていないのではないかということであります。市民の皆さんは、市が管理しているんだから、きれいにして当たり前だと思う方がほとんどではないかと思います。一方、市のほうでは、市内全域を限られた予算の中で、同じような時期に伸びる雑草を同時に除去することは難しいと思います。
 私が話を聞いた方の中には、何も頻繁に草刈りをしてほしいと言っているのではなくて、年に何回、いつごろやってくれるのかわかれば、理解できると話してくださった方もいました。ですから、今後は、市道等の除草の計画を地域の皆さんにお伝えし、理解してもらうことが必要ではないかと考えます。
 それから、他の自治体では、除草など、まちの美化活動にアダプト・プログラムというものを導入しているところもあります。
 アダプト・プログラムとは、市民と行政が協働で進めるまち美化プログラムのことで、アダプトとは、英語で養子縁組をするという意味です。これは、一定区画の公共の場所を養子に見立て、市民が我が子のように愛情を持って面倒を見る、清掃・美化を行うということで、行政がこれを支援するというものであります。私は、こういう取り組みを試してみるのもいいのではないかと考えます。
 いずれにしましても、まずは現状の取り組みを市民の皆さんにお伝えするなどして、コミュニケーションを図ることが大事であると思います。訪れた方に、やっぱり砺波は、いつ行ってもきれいやねと言われるよう、また、市民の皆さんの地域に対する愛情を育むためにも、美しいまちづくりを進めていくには、緑花ももちろん大事でありますが、道路等の除草、雑草の除去や街路樹の剪定も大切なことだと思います。そのためにも市民と行政が信頼関係を築き、協働で取り組んでいかなければならないと考えます。
 そこで、市が管理している道路の除草や街路樹の剪定について、今後の取り組みをどのようにしていかれるのか、当局のお考えをお聞かせください。
 以上で1項目めの質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 私からは、1項目めの美しいまちづくりについての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の市が管理している道路の除草と街路樹の剪定についてのうち、実施状況についての御質問にお答えいたします。
 市道の除草実施の概要につきましては、昨日の開田議員の御質問にお答えしましたとおりでございますが、街路樹につきましては、市街地における都市計画事業で整備されたものから、特定の道路事業で整備されたもの、あるいは広域農道事業で整備されたものなどがあり、また、樹木の種類や生育度合いによっても、剪定の対象方法が異なってまいります。
 そこで、市といたしましては、樹種や周囲の状況など各路線ごとの特徴を勘案して、ケヤキやモミジバウフ、ヤマボウシなどについては、隔年ないしは3年、さほど育成が遅いハナミズキなどは5年の間に選定することを目安として、計画的に取り組んでいるところであります。
 そのほか降雪時期に除雪機械の通行の支障やカーブ部分や標識が確認できない部分など、危険で早急に対応を講じるべき箇所につきましては、適時対応しており、道路除草につきましても、同様の対応を行っているところでございます。
 また、フェアにつきましても、特別な期間でございますので、周辺についても、アクセス道路について特に除草をしているところでございます。
 次に、除草等の要望の実態についての御質問につきましては、その年の気候により植物の成長がそれぞれに異なりますが、本年につきましては、9月1日現在で、除草や街路樹及び隣接のり面から伸びる樹木の枝に関する御要望や御相談は15件程度伺っておりまして、順次その対応に当たっているところでございます。
 また、例年、樹木の生育するピークが過ぎる秋以降には、除雪対策に向けた街路樹の剪定の要望等を伺っておりますが、このような要望につきましては、各除雪対策委員会等を通じまして実施していただいているところであります。
 本市といたしましては、今後も、引き続き現場状況を確認しながら、適宜除草や剪定の対応に努めてまいります。
 次に、今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 これまでお答えしましたとおり、道路の除草や街路樹の剪定に際しましては、これまでの経験や一定の目安に基づき、計画的な管理を実施するとともに、安全確保の必要な箇所につきましては早急に対応してきているところであります。
 なお、作業実施に当たっては、今後、関係自治会等にお伝えするなど、地元とのコミュニケーションを図り、実施してまいりたいと考えております。
 また、議員御提言のアダプト・プログラムにつきましては、昨日の開田議員の御質問にお答えしましたとおり、本市の実情に応じた道路愛護ボランティア支援制度を設け、多くの市民の方々に登録いただくことで、行政と市民の協働により、今後も引き続き道路環境の適切な維持管理に努め、美しいまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 桜野孝也君。
 〔4番 桜野孝也君 登壇〕
○4番(桜野孝也君) ぜひとも地元とのコミュニケーションのほうをしっかりやっていただきたいというふうに思います。
 それでは、2項目めへ入らせていただきます。
 2項目めは、生活環境の充実についてお伺いいたします。
 1点目は、各地区要望の実態についてであります。
 砺波市には、毎年、各地区自治振興会から多くの要望が寄せられていると思います。その中には、新規のもの、継続のもの、緊急を要するものとそうでないもの、いろんな要望があると思われますが、いずれにしても、それは市民の皆さんが、自分たちの住んでいる地域の生活環境を少しでもよくするために、自分たちではどうすることもできないため、市のほうで何とかしてほしいという思いで要望しているものであります。そして、市のほうでは、全ての要望に応えることは難しいので、緊急度や必要度、また、市域全体のバランスというものも考えて、どの要望に対応するかを決められているのだと思いますが、地区の要望を取りまとめる会議に出ておりますと、何年も要望を出し続けているのに対応してもらえないとか、どうせ出しても無理やというような声をよく聞きます。
 そこで、各地区から市のほうに毎年どのくらい要望が出されるのか、また、それに対して応えられた事業は年間にどのくらいあるのか、その実態についてお伺いします。
 次に、要望に対する対応の情報公開についてであります。
 市民と行政がお互いに連携し、協働でまちづくりを進めていくには、お互いの理解と信頼を深めることがとても大切なことであります。私は、その1つの手段として、情報を公開することがあると思っております。
 このことについては、平成25年12月定例会において、山田順子議員が南砺市の取り組みを例に挙げて質問されており、それに対する答弁では、全ての要望と対応状況をホームページで情報公開するには、システムの構築や維持管理に多くの時間と費用、そして、労力が必要となるため、今後も要望に対しては迅速な対応に心がけ、その中でも多くの市民の皆さんに影響があると考えられるものはホームページで情報提供していくというものでありました。
 しかしながら、近年、情報公開の重要性は高まってきておりますし、また、市民の皆さんが自分たちの要望だけでなく、他の地区の要望もどんなふうに対応されているかわかるようになれば、行政の活動を理解することにつながると思うのです。
 市民と行政が一体となってまちづくりを進めるためにも、要望やその対応状況の情報公開は必要だと考えますが、いかがでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。
 続きまして、市街地における用排水路の老朽化への対応についてお伺いします。
 これまでも用排水路の老朽化対策については数多く質問されておりますが、それだけ重要な課題であるというふうに思っております。昭和30年代から昭和50年代に整備された用排水路は、老朽化が進み、漏水なども数多く見られ、このままではいけないということは多くの人が思っていることだと思います。
 そこで、砺波市では、これまでもさまざまな国や県の補助事業を導入され、計画的に改修、整備されているところであります。やはり農業を守っていくためにも、用排水路は大事な生産基盤でありますから、しっかりと取り組んでいかなくてはなりません。
 一方で、国や県の補助事業が使えない地域もあるわけであります。そういった地域の用排水路の老朽化に対し、今後、どのように対応していかれるのかということも大きな問題であると思っております。漏水によって地盤が沈下し、それが原因で家が傾くということもないとは言えません。何か起こってからではなく、今のうちから考えておかなければいけないと思います。
 用排水路は、私たちの生活の中において、農業のためだけでなく、洪水被害の防止や防火用水としての役割もありますし、また、雪国に暮らす私たちにとって、近くに雪を流す用排水路があるというのは本当にありがたいことだと思うのです。今年の7月2日から4日にかけての大雨のときには、市内で数カ所、河川や林道などで被害はあったものの、人や住宅、ライフラインの被害はなかったとの報告でありました。
 ここ数年、全国的に大雨による被害が起こりやすくなっている中で、砺波市が比較的被害を小さく抑えることができるのは、用排水路や調整池などの整備がしっかりなされているからだと思うのであります。こうした用排水路の多面的な機能の重要性を市民の皆さんに広く普及させていくことも大事なことだと考えます。
 そこで、今後、市街地などの国や県の補助事業が使えない用排水路の老朽化への対応についてどのように考えておられるのか、当局のお考えをお聞かせください。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 私からは、まず、1点目の各地区の要望の実態についてお答えをいたします。
 本市に対します地区及び地域からの要望につきましては、平成28年度で、提出された要望書は11件、案件数では123件でございました。
 いただきました要望に対しましては、担当部署において、内容を精査し、現地調査を早急に行うなど、できるだけ速やかにお応えできるよう、一つ一つに誠意を持って対応しているところでございます。
 また、要望の緊急度や財政事情など、それを考慮するとともに、事情によりすぐに対応できないものでありましても、十分に協議、検討を重ね、その旨も含めましてお答えをしているところでございます。
 議員からは、いただいた御要望に対して、どのくらい応えられているかとのお尋ねでございますが、要望の中には国、県など、市以外の機関に対する要望も多数含まれていることから、単純に数字であらわすことはできません。
 しかしながら、市が所管していない案件でありましても、市からも重ねて関係機関に要望を行うなど、働きかけをしているところでございます。
 なお、地区からの要望に対して、市がどのように対応しているかにつきましては、地区の皆さんにはもちろん、議員の皆さんにも、要望の実現は必ずしも容易でないことも含めまして、十分説明をさせていただいているところでございます。
 地域事情に精通されている議員におかれましても、要望内容を十分吟味して要望していただき、市といたしましても、要望の実現に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、2点目の要望に対する対応の情報公開についてでございますが、議員が述べられましたとおり、市民と行政とがお互いに信頼を深め、一体となってまちづくりを進めるためには、情報公開は大変重要であると考えております。しかしながら、以前にもお答えいたしましたとおり、要望事項をホームページで公開するためには、そのシステムを構築し、要望の一つ一つをデータ化して、データを維持管理するなど多くの時間と費用と労力が必要となるものでございます。
 本市では、地区からの要望に対しましては、誠実に回答しているところであり、御提案のような情報公開の方法は、今のところ考えていないものでございます。
 なお、市が行う施策や事業、工事などにつきましては、広報紙やホームページなどで逐次情報提供を行っているところでございますので、御確認いただければと存じます。
 市では、今後も全ての市民の皆さんが安心して、心豊かな暮らしが確保されるよう、全力で取り組む所存でございます。先ほど述べましたとおり、すぐに対応できない場合もございますので、地域の皆さんと連携し、協力し合って、課題解決に向け努力していくことが重要であると考えております。御理解と御協力をいただきますようお願い申し上げます。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 私からは、3点目の市街地における用排水路の老朽化への対応についての御質問にお答えいたします。
 市街地における用排水路につきましては、土地区画整理事業等による面的な整備がされていない限り、最初に整備された当時のままの用排水路となっており、今後、経年劣化等による老朽化対策が必要となる箇所は少なくないと推測されるところでございます。
 議員御指摘のとおり、これらの用排水路の改修には、今のところ国や県の補助制度等の対象とならないことなどから、例えば出町市街地では、自治会が中心となって出町市街地土木委員会を組織し、市が交付する定額の財政支援により、毎年、比較的軽微な用悪水路等の修繕を実施していただいているところでございます。
 市といたしましては、このような状況を受け、平成22年度において、市民と行政が協働し、公共施設の維持管理とともに、地域環境の整備を幅広く行っていただくため、道水路等維持修繕事業を創設いたしました。
 本事業では、必要となる原材料費、建設機械等の借り上げ料及び損害保険料を実施主体である自治会などの団体に交付し、住民の皆さんの自らの手で軽微な修繕を行っていただくものでございます。また、本支援によりまして、昨年度末までには30件余りの改修工事等への活用があったところであります。
 仮にですけれども、小規模程度の修繕及び改修でございましたら、まずは、本事業の活用を御検討いただきたいと考えているところでございます。
 なお、今後も、水路施設等の老朽化が見込まれますことから、市街地における用排水路の抜本的な修繕、改修支援策につきましては、関係機関とも協議し、必要な対策を検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 11番 島崎清孝君。
 〔11番 島崎清孝君 登壇〕
○11番(島崎清孝君) 通告に従い、一問一答方式により一般質問いたします。
 初めに、大項目の1点目、富山県地域医療構想を踏まえた本市の取り組みについてお伺いいたします。
 団塊の世代が後期高齢者に達する、いわゆる2025年問題が近づく中、地域のニーズに即した医療の提供が一層必要となります。とりわけ核家族化の進展に伴うひとり暮らしや老老世帯の増加に加え、認知症を有する高齢者人口も拡大傾向にあることなど、こうした社会構造の変化に対応するためにも、住みなれた地域で、良質かつ包括的な医療、介護サービスの提供が望まれます。
 県が本年3月末に策定した富山県地域医療構想は、2025年の医療需要と必要病床数を推計し、あるべき医療提供体制の姿を明らかにし、必要となる施策を示したものであります。具体的に、1つには、病床の機能分化・連携の促進、2つには、在宅医療等の充実、3つ目には、医療従事者の確保・養成であり、これら3つの主要施策を柱に具体的な方向性を示し、取り組んでいくこととしています。
 そこで、まず、地域医療構想の策定により、明らかとなった本市の課題について伺います。あわせて、策定に当たってのさまざまな調査結果を今後どのように生かされようとお考えなのか、夏野市長の所見をお伺いします。
 以上、壇上からの質問といたします。
○議長(今藤久之君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 地域医療構想で明らかとなった本市の課題等についての御質問にお答えをいたします。
 富山県の地域医療構想につきましては、医療法の規定に基づきます富山県医療計画の一部として位置づけられるものでありまして、本年3月に、富山県が策定し、県内の2次医療圏ごとに課題や施策の方向性が示されております。
 この地域医療構想の中では、議員が御紹介になられたとおりですが、3つの施策ごとに、砺波医療圏における課題等を次のように掲げております。各医療圏ごとに3つ示されているということですが。
 まず、1つ目の病床の機能分化・連携の促進におきましては、平成37年の必要病床数は、急性期及び慢性期機能の病床が過剰となり、一方で、高度急性期及び回復期機能の病床が不足するのではないかというふうに見込まれております。
 次に、2つ目の在宅医療等の充実では、今後の高齢化によって、医療需要が増大するわけでございますが、比較的医療の必要性が低く、容態の安定した方は在宅医療等での対応を促進するということでありまして、その充実が必要であります。
 一方で、在宅医療を担う訪問看護ステーションなどの数が少ないというような指摘もございます。
 さらに、3つ目の医療従事者の確保・養成につきましては、不足する医療従事者の確保・養成の取り組みが必要であり、あわせて限られた医療資源の中にあっても、質の高い、幅広いサービスができるよう多職種間連携による地域のチーム医療の推進が重要というふうに位置づけております。
 この砺波医療圏の課題というものは、砺波市におきましても若干の濃淡の差はありますが、まさに同様のことでございまして、これらの課題への取り組みにつきましては、医師会ですとか、他の医療機関、それから、介護施設等と連携しながら進めていくことがより一層重要になってくると考えております。
 また、この構想の策定に当たっての調査結果につきましては、既に市立砺波総合病院の新改革プランへ反映させているところでありますし、今後、医療需要の変化に対応するため、医師を含めた職員の配置計画や医療機能の提供計画に係る基礎資料として、かなりしっかりとまとめた資料ですので、有効に活用していきたいというふうに考えております。
○議長(今藤久之君) 島崎清孝君。
 〔11番 島崎清孝君 登壇〕
○11番(島崎清孝君) ただいまは、本市の課題等について、それぞれ御答弁をいただきました。
 これよりは順次、質問席から伺ってまいります。
 さて、富山県地域医療構想では、2015年に各医療機関から申告のあった病床機能の報告結果と2025年の必要病床数を県下4つの医療圏域ごとに公表をしております。
 これによりますと、ただいまの市長答弁にもありましたとおり、砺波医療圏の機能別病床数は、急性期病床と慢性期病床が過剰となる一方、高度急性期病床及び回復期病床については不足になるとの推計が出されています。
 そこで、市立砺波総合病院として、不足する必要病床の確保に向け、病床機能の転換をどのようにお考えなのか、また、平成26年4月から休床となっております北棟5階の43床に対する今後の方向性について、伊東病院長にお伺いいたします。
○議長(今藤久之君) 病院長 伊東正太郎君。
 〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
○病院長(伊東正太郎君) 市立砺波総合病院の病床機能の転換についてお答えいたします。
 砺波医療圏における平成27年の病床機能報告と平成37年、西暦で申しますと2025年の必要病床数との比較につきましては、今ほど議員が述べられたとおりですが、地域医療構想が策定された後の本年5月30日には、砺波地域医療構想調整会議が開催され、平成28年の病床機能報告との比較結果が示されました。
 それによりますと、この1年間において、高度急性期の59床の不足についての変化はありませんでしたが、404床が過剰であった急性期は269床の過剰に、137床が不足であった回復期は2床の不足に、545床が過剰であった慢性期は467床の過剰に、それぞれ過不足の差が縮まっておりました。
 当院は、従来より救急医療体制を備えていることから、高度急性期及び急性期の医療機能を担うこととし、この3月に策定いたしました病院新改革プランにおきましても、地域医療構想を踏まえた役割の明確化として位置づけております。
 このようなことから、当院は、地域医療計画に基づき、高度急性期機能の病床数を増加し、急性期機能の病床数は減少しなければならないことになりますが、地域医療計画における必要病床数は、平成37年における計画値を示したものであり、今のところの医療需要の状況を見ておりますと、直ちに病床数を変更したり、病床機能の転換を行う状況ではないものと考えております。
 また、地域医療構想で求めている必要病床数は、厚生労働省が定める全国統一の算定式に従って、レセプトデータ等で入院患者数を区分して集計したものであることから、県は、この必要病床数を機械的に当てはめて使用するものではないものと説明しております。
 しかしながら、今後、高齢者人口が増加する中で、総人口は減少し続け、これに伴って医療需要も変化していくことから、将来的には、その動向に応じて病床数の変更や病床機能の転換を行うことになると考えております。
 平成26年4月から休床しております北棟5階の43床につきましては、現在、コンサルタントの支援を得て経営戦略を策定していくこととしており、その結果も踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
○議長(今藤久之君) 島崎清孝君。
 〔11番 島崎清孝君 登壇〕
○11番(島崎清孝君) ありがとうございました。
 次に、慢性期病床であります。
 これにつきましては、全国的には、都市部を中心に大きく不足が見込まれる中、富山県に限れば、県下全体で2015年の実績病床数5,526床に対し、2025年の必要病床数は2,648床と、極端に少ない数字が示されています。同時に、砺波医療圏の慢性期病床についても、2015年の923床に対し、2025年は378床と、現在に比べ大幅に過剰となります。
 富山県の慢性期機能を有する療養病床については、人口当たりの病床数が全国でも9番目に多く、かつ病床利用率も高いと聞いております。しかし、仮に今後、療養病床が大幅に削減されるとした場合、その前提には、在宅医療の整備を初めとしたしっかりとした受け皿が必要であり、慎重な対応が求められます。
 そこで、昨今の国の動向等も踏まえ、慢性期機能を有する療養病床の今後の方向性について、齊藤副市長の所見をお伺いします。
○議長(今藤久之君) 副市長 齊藤一夫君。
 〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 私からは、大幅に過剰となる慢性期病床の今後の方向性についての御質問にお答えをいたします。
 慢性期病床である療養型病床につきましては、社会的入院を解消するため、平成18年に、6年後の平成23年度末までの廃止が決定されたものの、介護療養病床の老人保健施設への転換が進まなかったことなどから、期限を平成29年度末までの6年間延長することになりました。
 しかしながら、新たな受け皿の確保や今後、高齢化がますます進むことが予想される中で、直ちに廃止することは大きな混乱を招くことから、国は、平成30年4月から長期療養が必要な要介護者に医療、介護を一体的に提供するため、介護医療院を新設し、平成35年度末までの6年間の経過措置を設け、慢性期病床からの転換を図ることとしております。
 こうした中で、砺波医療圏を見ると、公的4病院の機能分担が明確に行われていないことから、今後は、速やかに高度急性期、急性期、回復期、慢性期などを中途半端な形ではなく、各病院の特徴に合わせ、機能を分化し、集約することにより、効率的な病院運営を行う必要があると考えております。
 一方、本市の療養病床数は、現在、医療療養病床が208床、介護療養病床が187床あり、国の方針では、介護療養病床については廃止の方向になると見られます。
 では、本市で、こうしたことが実際に始まると受け皿は確保されるのかといいますと、本市の人口ビジョンでは、2045年を高齢者数のピークとしており、そこまでは若干のでこぼこはありますが、高齢者は年々増加し、それに伴い、要介護者も増加することが予想されます。
 一方、市では、全市的に高齢者が住みなれた地域で、安心して暮らせるよう、医療、介護、住まい、生活支援などを一体的に受けられる地域包括ケアシステムの構築を目指しております。しかしながら、こうした地域包括ケアシステムが構築されたからといって、家族や地域の結びつきがますます弱くなる中で、在宅での受け入れが十分にできるのかというと、必ずしも簡単ではないと考えております。
 例えば家で介護している場合、入院が必要となり、1週間程度入院すると、家族の方は、介護の緊張感から解放され、自宅へ戻ってきてほしくないという感情にとらわれると言われております。
 また、これからますます核家族化が進み、さらには、高齢化や未婚化に伴いひとり暮らし高齢者が増える中で、誰が自宅で世話をするのか、1人だけで大丈夫なのか、また、介護サービス費用を負担することができるのかなど、さまざまな問題があります。
 これからは、在宅の限界をどのように決定するのか、これが課題となってきます。
 こうした中で、介護保険会計を圧迫する療養型病床の一定程度の削減は必要と思われますが、今後の第7期と第8期の介護保険事業計画の実績の推移を見極めながら、慎重に進めるべきだと考えております。
 いずれにいたしましても、今後、医療費、介護給付費が大幅に伸びることが予想される中で、負担と給付をどのようなバランスで行うか、これからの大きな課題と考えております。
○議長(今藤久之君) 島崎清孝君。
 〔11番 島崎清孝君 登壇〕
○11番(島崎清孝君) 次に、地域医療構想では、今後、在宅医療の需要が増加し、砺波医療圏における居宅等の対象者は、2025年で、1日当たり2,019人と推計しています。
 一方で、新たに在宅医療を始めるかかりつけ医は、負担も多く、なかなか増えない現状にあります。
 砺波医療圏全体で、在宅医療に従事する医師の数は、平成24年の38人に対し、平成27年は73人と増加傾向にはありますが、砺波市に限れば、実態はどうでしょうか。また、在宅医療は、医師や看護師に加え、薬剤師や介護士、リハビリなど多くの医療関係者との密接な連携も必要です。
 そこで、在宅医療における市立砺波総合病院の役割について、伊東病院長にお伺いします。
○議長(今藤久之君) 病院長 伊東正太郎君。
 〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
○病院長(伊東正太郎君) 在宅医療における市立砺波総合病院の役割についてお答えいたします。
 まず、議員お尋ねの本市における在宅医療に従事する医師数につきましては、富山県の調査によりますと、平成24年度が13人、平成27年度が28人と増加をしております。
 富山県地域医療構想におきましては、急増する在宅医療需要への対応のためには、医師、薬剤師、看護師、リハビリスタッフなどの多職種による連携強化を図る必要があると指摘されているところであります。
 そこで、当院におきましても、患者が安心して自宅での療養や生活を継続できるよう、医師、看護師、リハビリスタッフ及び患者総合支援センターおあしす内にある地域医療連携室の社会福祉士などが密接に連携し、退院後に必要な療養上の指導を行うなど、在宅医療への移行に向けた退院支援に努めております。
 また、患者の入院中の治療経過等についての情報をかかりつけ医と共有し、在宅においても継続した医療を提供できるようにするとともに、必要に応じて、かかりつけ医からの指示により、訪問看護ステーションの看護師やリハビリスタッフが在宅での看護や療養上の指導を行っております。
 さらには、今年度から、病院内に居宅介護支援事業所を設置し、ケアマネジャーを1名配置したところであり、退院される方のケアプランの作成や介護サービス事業者との調整がより円滑に行うことができるようになったほか、訪問看護サービスを必要とする場合の訪問看護ステーションとの連携も強化したところです。
 一方、容態が悪化して、在宅医療の継続が困難になった患者さんについては、在宅復帰支援機能を持つ地域包括ケア病棟の活用を図ってまいりたいと考えております。
○議長(今藤久之君) 島崎清孝君。
 〔11番 島崎清孝君 登壇〕
○11番(島崎清孝君) 富山県地域医療構想について、幾つかの視点から伺いました。
 砺波市における2025年の75歳以上の後期高齢者人口は、2015年の国勢調査時に比べ1,940人増の9,068人、率にして1.29倍の大きな伸びが見込まれております。
 したがって、今後、医療依存度の高い方々が増加することは、数字の上からも明らかであります。地域医療構想は、県主体の事業ではありますが、県との連携を密にされ、本市においても、効率的で質の高い医療提供体制の推進とともに、在宅医療や介護の充実など地域包括ケアシステムの推進、この2つが、スピード感を持って着実に行われ、一体的な提供体制が構築されることを要望し、大項目の1点目の質問を終了いたします。
 次に、大項目の2点目、市立砺波総合病院の経営改革についてお伺いいたします。
 平成27年3月、総務省は、新たな公立病院改革ガイドラインを示しました。旧ガイドラインとの比較では、医業収益に対する人件費割合が必須項目の指標から除外され、従前の財務指標にのみ焦点を当てるのではなく、医療の質的向上による収入確保の方向性が示されたことが最大の特徴点であります。
 当院においても、医療の質的確保と経営の安定化は両輪の関係と考え、必要な医療職を確保し、医療の質的向上を図ることで収益性を高めるという、こうした考え方が必要であります。
 そこで、富山県地域医療構想を踏まえ、新公立病院改革ガイドラインが求める経営と医療の質の確保について、伊東病院長の見解をお伺いします。
○議長(今藤久之君) 病院長 伊東正太郎君。
 〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
○病院長(伊東正太郎君) 富山県地域医療構想を踏まえた、新公立病院改革ガイドラインが求める経営と医療の質の確保についてお答えいたします。
 新公立病院改革ガイドラインでは、経営の効率化について、地域の医療提供体制を確保し、良質な医療を継続的に提供していくためには避けて通れないものと位置づけており、そのためには、経費節減と医療の質の向上等による収入確保に積極的に取り組むことが重要であるとしております。
 医療の質の向上につきましては、当院では、これまでも腹腔鏡下手術などの新しい医療技術や医療機器を導入しており、最近では、内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」や放射線治療システム「リニアック」が本年7月から稼働しているところであります。
 一方、最近の診療報酬は、例えばがん患者リハビリテーション料に見られるように、医師、看護師、理学療法士、社会福祉士などの多職種が共同してリハビリテーション計画を作成するなど、多職種の連携、いわゆるチーム医療によって医療の質を向上させるとともに、その結果、入院期間の短縮につながる取り組みに対して高い点数がつけられております。
 これは、国が限られた医療資源を有効に活用し、必要なサービスの確保を目的とした地域包括ケアシステムの構築のため、医療の機能分化、回復期等の医療サービスの充実による入院期間の短縮などといった環境整備を進めていることが背景にあります。
 当院では、医師、看護師を初めとして、薬剤師やリハビリスタッフなど19の職種にわたる有資格者が、それぞれ高い専門性を発揮し、従来からチーム医療を行っております。
 今後、このチーム医療をさらに推進することにより、議員の御指摘にもありましたとおり、医療の質を高めるとともに、収益も高め、地域に必要な医療の提供に努めてまいりたいと考えており、このために必要な職員を確保してまいります。
○議長(今藤久之君) 島崎清孝君。
 〔11番 島崎清孝君 登壇〕
○11番(島崎清孝君) 次に、国は、これまで一貫して公立病院の病床利用率の低下を懸念しています。
 前述のガイドラインでは、一般病床及び療養病床の病床利用率が概ね過去3年間連続して70%未満の病院については、抜本的な見直しを行うことを促していました。しかし、依然として70%未満の病院が相当数あることから、新ガイドラインでは、医療の提供体制を確保しつつ、病床数の削減や診療所化、さらには、再編・ネットワーク化や経営形態の見直しなどを求めています。
 昨年度富山県が実施した独自調査によりますと、県下公的病院の一般病床の稼働率は平均76%であることが明らかとなっています。
 また、収支改善が進まない病院の主な要因は、平均在院日数が減少する中、病床利用率の低下に対し、適切に対応し切れていないことにあるとの分析をしています。
 そこで、当院の病床利用率の現状をお尋ねするとともに、利用率向上に向けた取り組みについて、愛場病院事務局長にお伺いします。
○議長(今藤久之君) 愛場病院事務局長。
 〔病院事務局長 愛場誠一君 登壇〕
○病院事務局長(愛場誠一君) 病床利用率の現状と向上策についてお答えいたします。
 当院の病床利用率につきましては、許可病床数514床に対して、平成27年度が71.7%、平成28年度が74.5%、今年度は、7月末までの実績で75.0%と上昇をしてきております。
 病床利用率は、延べ入院患者数を延べ病床数で割った数値であらわします。この延べ入院患者数につきましては、1日当たりの新入院患者数に1人当たりの入院日数を乗じた数字であらわします。
 当院の病床利用率が上昇してきていることは、入院日数の短縮化が進む一方で、それ以上に新入院患者数が増加していることが要因と考えております。
 入院の診療報酬の算定方法であるDPC、診断群分類包括評価制度では、疾病ごとに定められた入院日数が全国平均を超えると、点数が大幅に引き下げられる仕組みとなっており、入院日数が全国平均を超えないようにすることが経営上も重要なこととなってまいります。
 したがいまして、入院日数の短縮を図りながら、病床利用率を維持、向上させるためには、ベットをあけることなく、新入院患者を受け入れる対策が必要であり、その面におきましても、かかりつけ医との連携強化が重要となってまいります。
 このような中、当院では、昨年から、伊東院長を初めとして地域医療連携室の職員が地域の診療所等を訪問し、意見交換などを行っており、このことにより新入院患者数は増加してきているものと考えております。
 今後とも、地道ではありますが、地域医療連携室を中心として、地域の医療機関との関係が密接なものになるよう努めてまいります。
○議長(今藤久之君) 島崎清孝君。
 〔11番 島崎清孝君 登壇〕
○11番(島崎清孝君) かかりつけ医とのさらなる連携の強化を図ることで、病床利用率向上につなげたいとのことであります。
 次に、医師を初めとする医療スタッフの課題についてお伺いします。
 地方の病院を中心に、依然として医師不足は深刻です。背景には、2004年からの新臨床研修制度により、若い医師の多くが都会の大病院を研修先に選ぶようになり、このことが要因で成長する病院と、医師不足により衰退する病院の二極化が進んだとも言われております。
 砺波医療圏の人口10万人当たりの医療従事者数は、理学療法士及び作業療法士は県平均を上回っており、看護職員数は県平均を若干下回ってはいるものの、全国平均を上回っております。
 一方、医師、歯科医師及び薬剤師の数は、県平均を下回っているのが現状です。
 医師の確保をめぐっては、富山県は、これまでも自治医科大学における医師の養成や富山大学、金沢大学医学部における定員の増、地域枠、特別枠の創設、小児科や産科、総合診療を志す医学生への修学資金の拡充等を進めるとともに、県外の医師が県内の病院への就職を希望した場合に、就職あっせんなどを行う地域医療支援センターを運営してきています。
 このようにさまざまな取り組みを重ねていますが、なかなか結果に結びつかないのが現状です。
 そこで、病院経営の根幹をなすのが医師の確保でありますが、改めて当院の医師及び医療スタッフの現状とこれまでの取り組みについて、伊東病院長にお伺いします。
○議長(今藤久之君) 病院長 伊東正太郎君。
 〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
○病院長(伊東正太郎君) 医師及び医療スタッフの現状とこれまでの取り組みについてお答えいたします。
 まず、医師の配置の現状につきましては、常勤配置ができていない呼吸器科医師の常勤配置が最重要課題であるほか、その他幾つかの診療科においても、常勤化や増員を行う必要があるところであります。
 医師の確保につきましては、院長である私が、定期的にそれぞれの大学の各医局へ足を運び、医師の派遣についての働きかけを継続して行っております。また、市といたしましても、自治医科大学の卒業医師を当院へ派遣していただくことや、県が就学支援貸与を行う特別枠の富山大学及び金沢大学の卒業医師を当院へ配置していただく御配慮について、重点事業として県に要望をしているところであり、病院との連携を図っているものでございます。
 次に、看護師の確保につきましては、看護部長を中心として、富山県、石川県及び新潟県の看護学校の就職担当者を訪問し、当院における看護師の育成方針や職場環境のよさなどを説明しております。また、看護学生の病院実習を積極的に受け入れているほか、当院へ就職していただくために、病院見学を実施することにより、看護学生などから選ばれる病院となるように努めております。
 こうした取り組みの結果、県内病院就職ガイダンスには数多くの看護学生が訪れ、採用試験においても、常に定員を上回る応募がある状況となっております。
 次に、薬剤師の状況につきましては、現在、全ての病棟への薬剤師の配置を目指しており、そのためには、少なくともあと2名の職員が必要であります。
 薬剤師確保のための活動としましましては、薬剤課長が富山県、石川県の大学の就職担当者を訪問し、当院における薬剤師の業務内容や薬剤科の取り組みなどを説明しているほか、当院へ就職をしていただくために、病院見学も積極的に実施しております。
 こうした取り組みにより、県病院薬剤師会や大学が主催する就職説明会には多くの学生が訪れておりますが、なかなか就職には結びついておりません。引き続き粘り強く募集活動を続けてまいります。
 なお、その他の医療職種につきましても、毎回、募集定員を上回る応募があります。このことは、当院が、地域の中核病院として、それぞれの職種に係る活動の実績があることから、学生等に選んでいただいているものと考えておりますが、こうした状況に安心することなく、今後も医療スタッフの確保に適切に努めてまいります。
○議長(今藤久之君) 島崎清孝君。
 〔11番 島崎清孝君 登壇〕
○11番(島崎清孝君) 医師につきましては、砺波医療圏の中核病院としては、決して満足のいく状況にはないということでございます。
 そこで、人材育成のためには、施設機能を十分発揮させながら、専門性を高める研修機能を充実させ、医療スタッフを集める、魅力的な病院にすることが求められると思います。
 言うまでもなく、研修力のない病院には、若手医師は勤務しませんし、また、育ちません。研修機能の充実や勤務環境の整備、職員採用の柔軟化などにも積極的に取り組むことが必要かと存じます。
 本年4月に自民会で視察をした新潟県魚沼基幹病院では、多様な分野の医師の集積を図るため、マグネットホスピタル、つまり医師や看護師を引きつける魅力的な病院づくりを目指し、他方面からの取り組みを進めているとのことであります。
 そこで、新公立病院改革プランでは、医師等、医療スタッフを確保するための取り組みを一層強化すべきとしておりますけれども、当院の取り組みについて、伊東病院長にお伺いします。
○議長(今藤久之君) 病院長 伊東正太郎君。
 〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
○病院長(伊東正太郎君) 確保に向けた今後の取り組みについてお答えいたします。
 医師等の医療スタッフの確保の取り組みのあり方につきましては、新公立病院改革ガイドラインでは、職員採用の柔軟化、勤務環境の整備、研修機能の充実などを挙げており、考え方等については議員の御指摘のとおりでございます。
 当院における取り組みのうち、まず、職員採用の柔軟化の面では、平成26年度において、薬剤師を除く医療職員の年齢要件を35歳から40歳に引き上げ、広く優秀な人材の確保に努めております。
 次に、勤務環境の整備の面では、女性医師の就労支援の取り組みを推進しており、現在、短時間勤務制度の適用、当直の免除のほか、院内保育所を設置して、子育てとの両立を支援しております。
 また、従来から医師の負担軽減として、診断書や紹介状等の文書作成や外来診察時の電子カルテの操作などについて、事務職員が医師の指示を受けて補助を行っているところであり、今後も対象業務の拡大を進めてまいります。
 次に、研修機能の充実の面では、医師、看護師、その他医療技術職員について、学会や研究会等への積極的な参加を支援することにより、自己啓発意識の高揚や資格取得を通じて、医療の質を高めてまいります。
 以上のことから、当院は、今後とも医師等の医療スタッフの確保のため、随時必要な取り組みを行ってまいりたいと考えております。
○議長(今藤久之君) 島崎清孝君。
 〔11番 島崎清孝君 登壇〕
○11番(島崎清孝君) 数の確保とともに、人材育成に向けての引き続き積極的な投資を行っていく旨の答弁であったと思います。
 次に、DPC制度への対応についてお伺いいたします。
 この包括医療費支払い制度、いわゆるDPCについては、平成15年度から大学病院など82病院の導入された、急性期入院医療を対象とする診療報酬の包括評価制度であります。
 現在、市立砺波総合病院を含む多くの急性期病院の入院費は、この方式を採用しており、全一般病床の約55%を占めております。入院医療費の計算方法については、機能評価係数Ⅰや機能評価係数Ⅱなどに基づき算定がされるため、これらの係数を高めることは、患者及び病院、双方にメリットがあり、病院経営においても大きな影響があります。
 そこで、現在、全国に約1,600余りあるDPC対象病院の中で、市立砺波総合病院の立ち位置はどのような状況にあるのか、平成27年度以降、直近の当院の機能評価係数Ⅱの数値及び対象病院間での順位を、愛場病院事務局長にお伺いします。
○議長(今藤久之君) 愛場病院事務局長。
 〔病院事務局長 愛場誠一君 登壇〕
○病院事務局長(愛場誠一君) 平成27年度以降の直近の機能評価係数Ⅱの数値及び対象病院間での順位についてお答えをいたします。
 DPCの機能評価係数Ⅱにつきましては、医療機関が担うべき役割や機能を評価したもので、保険診療、効率性、複雑性、カバー率、救急医療、地域医療、後発医薬品、重症度の8つの係数で構成され、診療報酬点数に、この係数を乗じて得た点数が上乗せされる仕組みとなっております。
 この係数の合計値につきましては、平成27年度が0.0567、平成28年度が0.0750、平成29年度が0.0764と年々伸びてきております。
 次に、DPC対象病院間での機能評価係数Ⅱの順位につきましてお答えをいたします。
 医療機関群の種類につきましては、Ⅰ群からⅢ群まであり、Ⅰ群は大学病院本院となっております。Ⅱ群につきましては高機能な病院とされており、県内では富山県立中央病院がこれに属しております。Ⅲ群につきましては、Ⅰ群及びⅡ群以外の病院であり、当院はここに属しているものであります。
 このDPC病院Ⅲ群対象病院において、当院は、平成27年度は1,406病院中309位、平成28年度は1,446病院中154位、平成29年度は1,442病院中123位と、係数Ⅱの数値とともに順位も上昇してきております。
○議長(今藤久之君) 島崎清孝君。
 〔11番 島崎清孝君 登壇〕
○11番(島崎清孝君) ただいまの結果から、市立砺波総合病院というのは、患者にとっての利点も含めて、社会的に求められる機能、役割、地域医療への貢献度などが、全国の同じくⅢ群同士の病院の中にあっても非常に高いレベルにあるということがわかります。
 ただ、一方で、同じくDPC対象病院Ⅲ群の中で厚生連高岡病院、ここは、平成28年度に数値を0.0314ポイント引き上げ、順位も、平成27年度の全国877位から、平成28年度は一気に96位と大きく改善が進んでおり、参考になる点も多々あるのではないかと思います。
 そこで、DPCデータを通して、市立砺波総合病院の強みと弱みをどのように認識されているのか、愛場病院事務局長に伺います。
○議長(今藤久之君) 愛場病院事務局長。
 〔病院事務局長 愛場誠一君 登壇〕
○病院事務局長(愛場誠一君) DPCデータから見る当院の強みと弱みの認識についてお答えをいたします。
 DPCの機能評価係数Ⅱは、8つの係数で構成されており、当院は、そのうちの地域医療係数が強みであると認識をしております。
 地域医療係数とは、へき地、中山間地域における医療提供、周産期医療及び地域がん診療連携拠点病院としての取り組み等を評価したものであり、当院は、偏差値が70を超える高評価を得ているものであります。
 一方で、機能評価係数Ⅱのうち、当院は、効率性係数が弱みであるというふうに考えております。
 効率性係数とは、入院日数の短縮の取り組みを評価したもので、当院の偏差値は50を下回っている状況にあります。効率性係数につきましては、全国的に症例数の多い疾病の入院日数を全国平均より短縮することによって向上するものであり、毎月、疾病ごとの分析を行い、早期の退院に向けた質の高い医療の提供や回復期機能を担う地域包括ケア病棟との連携によって改善を図っているところであります。
 当院は、今後とも機能評価係数Ⅱの向上に向けての調査研究に取り組み、経営の改善を図ってまいります。
○議長(今藤久之君) 島崎清孝君。
 〔11番 島崎清孝君 登壇〕
○11番(島崎清孝君) ありがとうございます。
 現在、県下のDPC対象病院Ⅲでは、黒部市民病院がトップを独走しております。今、御答弁をいただきました当院の弱みを補強し、強みにより磨きをかけて、まずは当面の目標として、ぜひ富山県ナンバーワンを目指していただきたいと思います。
 こうした目標を掲げ、達成することで、全職員のモチベーションが高まり、そのことがさらなる経営改善を促し、結果、若くて優秀な医師が当院を指名する。いわゆるマグネットホスピタルにつなげていくという、こうした成長のサイクルを回し続けていただけることが重要かなというふうに感じます。
 そこで、一昔前は、病院が経営戦略なのかと、こういった違和感を持たれる方もございました。しかし、病院の業態そのものが大きく変化を遂げる中、さらには、今回、新たに県が策定した地域医療構想の今後を踏まえますと、ますます重要になってくると思います。
 当院は、これまでも事務局各課が、あるいはTQCを通して、全職員がそれぞれの立場、分野で経営の効率化に努めてこられたことは、これはもう誰もが認めるところでございます。
 しかし、今後においては、病院経営そのものを多角的に分析し、中長期的な視点からの戦略を検討することが何よりも必要であり、そのためにも経営戦略を担う専門組織、部門、こういったものが必要ではないでしょうか。
 最後に、当院の経営戦略を担う組織のあり方について、伊東病院長のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 病院長 伊東正太郎君。
 〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
○病院長(伊東正太郎君) 経営戦略を担う組織のあり方についてお答えいたします。
 経営戦略を担う専門の組織等の必要性につきましては、議員御指摘のとおりであり、当院は、経営分析や戦略策定についての体制は、主に事務局と診療情報管理士が所属する医療情報管理室で行っております。
 一方、既に経営戦略部門を設置している病院の組織体制、担当業務、取り組みの成果などを訪問等によって調査したところ、組織体制の多くは、事務職員のみではなく医療職員も加わって構成されており、それぞれの職員は、本来業務と兼務しながら経営戦略の業務にも当たっておりました。こうした組織体制のあり方は、医療職員の有効活用につながり、医療の専門知識を経営に生かすとの観点から、望ましい組織のあり方の一つではないかと考えております。
 当院といたしましては、医療の質を高める取り組みを通じて、経営状況の改善を行うこととし、外部コンサルの導入に取り組んでおりますが、引き続き経営戦略を担う部門のあり方につきましても調査研究してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 2番 境 欣吾君。
 〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 議長の許可がありましたので、通告どおりの質問をさせていただきます。
 6月議会で質問した国民健康保険税の問題について、市長からいただいた答弁の中で看過できない点がありましたので、改めて質問をさせていただきます。
 まず、国民健康保険は、社会保障制度ではなく、相互扶助の保険制度であり、加入者の負担で運営されるのが原則であって、これ以上の公費の投入は適切でないとされた点についてでございます。
 戦前の1938年に制定された旧国民健康保険法第1条では、確かに相互共済の精神にのっとりと書かれていますが、1959年に施行された現行の保険法では、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民の健康の向上に寄与することを目的とすると明記されています。
 御承知のように、75歳未満で、組合健保や協会けんぽなどの職域保険に加入していない人は、全て国民健康保険に加入することが義務づけられています。被用者保険に加入していない75歳未満の人が全て国民健康保険に加入することによって、国民皆保険体制が成り立っているわけです。国保は、まさに最後のセーフティーネットであり、皆保険体制を下支えする役割を果たしているのです。
 ところが、国保には低所得の人が多く、しかも事業主負担がないのだから、公的な医療保険として運営するには、相当額の国庫負担が必要というのが本来の制度設計だったわけです。それにもかかわらず、政府は、1984年に国庫負担率を引き下げています。
 一方、年金生活者や派遣やパートなど、非正規雇用であることが多い、他の医療保険に入れない被用者、サラリーマンの方たちの国民健康保険への加入が年々増えています。加入者の貧困化が急速に進み、国保会計の財政事情が悪化しています。
 これに対し、国は、国庫負担率を下げたまま、もっぱら保険料の引き上げ、滞納者への制裁強化、前期高齢者交付金の導入などでの健保への負担転嫁ばかりを進め、国保の構造的な問題を深刻化させ、市町村も頭を抱えているのが現状ではないでしょうか。
 ちなみに厚生労働省の2015年の資料によれば、1人当たりの保険料の所得に対する割合、保険料負担率は、市町村国保が9.9%なのに対し、協会けんぽでは7.6%、組合健保では5.3%、共済組合では5.5%とあります。国保の被保険者は、平均でも協会けんぽの1.3倍、組合健保の1.8倍の高い保険料を払っているというのが国のデータです。
 仮に砺波市で生活する40代の方が、40代の配偶者と2人の子どもさんを扶養する、給与年収が380万円の家庭を想定いたしますと、その方が国保に加入していれば、保険料は39万6,400円、およそ40万円となるのに対し、その方が協会けんぽに加入していれば、21万9,800円、およそ22万円となります。国保の保険料が1.8倍ということになります。
 こういった格差をそのままにしておいたのでは、国民皆保険制度として、公的医療保険制度が機能しているとは言えないのではないでしょうか。だからこそ、今般の国保改革をめぐる国と地方の協議では、全国知事会が、協会けんぽ並みに引き下げるために、国庫負担の1兆円の増額を求めたのだと聞いています。
 来年度からの新制度への移行は、高過ぎる国保税の問題を解決し、国保を持続可能な制度とすることが本来の目的だったのだと思います。公費を投入して、市民の命と健康を守るというのが国保本来の設立趣旨であり、加入世帯の貧困化という現実に目を向けるなら、保険税の軽減のために、今こそ公費を投入すべきであり、国にもそのことを強く求めるべきだと思います。市長に求められる当然の姿勢だと思いますけれども、見解をお伺いします。
 来年度からの新制度に向けて、富山県国民健康保険運営方針の素案も示され、それに基づく試算も示されているのだと思います。しかし、富山県では、統一保険料率を実現するための具体的な話し合いはまだ行われていないと聞いています。国保事業費の納付金は納めなければなりませんけれども、その上で、それぞれの自治体が独自に行う施策については拘束がありません。例えば県内の市町村に比べ、砺波市の葬祭費は低くなっています。葬儀を行った喪主に対して、小矢部市や高岡市は2万円、南砺市では3万円が支給されていますが、砺波市では1万5,000円です。これをせめて他の市並みにするということはできないでしょうか。あるいは子育て支援の一環として、子どもさんに係る均等割部分を免除している自治体もありますが、そういう施策を実施して、協会けんぽ並みの負担に少しでも近づけるということはできないでしょうか、答弁をお願いいたします。
 次に、6月議会で、国保では被保険者の保険料負担は20%でしかないが、他の医療保険では大体、被保険者の保険料などで賄われていると述べられた市長の答弁についてです。
 御承知のとおり、被用者保険の保険料は、労使折半するものです。資金力のある組合健保では、事業主負担が6割としているところも少なくありません。それに対して、事業主負担のない国保は、その制度の性質から、相応の公費負担を伴うのは当然です。それでも、今のままでは、保険料負担率が国保では断然高くなっているということについては先ほど申し上げたとおりです。それなのに、国保の被保険者の負担は20%、他の医療保険の被保険者の負担はほぼ100%などと述べられるのは、印象操作と言われても仕方ないのではないでしょうか。高過ぎる国保の負担に苦しんでいる市民に心寄せた発言とは思われないので、指摘をさせていただき、見解を伺います。
 以上で1項目めの質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) それでは、私からは、国民健康保険の引き下げなどについてのうち、まず、1点目の公費の投入で、国保税の負担軽減を図ること、また、国にも働きかけることについての御質問にまずお答えします。
 まず、ただいまの境議員の御質問の中で、6月議会において、国民健康保険は、社会保障制度ではなく、相互扶助の保険制度であり、加入者の負担で運営されるのは原則であって、これ以上の公費投入は適切でないと私が答弁したと発言されました。
 私は、国民健康保険制度は、相互扶助の保険制度であるとしか言っておりません。社会保障制度でないなんてことは一言も言っておりません。ぜひ議事録を確認していただきたいと思います。あえて、このように言われることは不信感を抱かざるを得ません。
 また、なかなかこれも、前回の続きでありますが、理解をいただけないんですが、改めて申し上げますが、社会保障制度というものは、大きくは社会保険、それから、公的扶助、社会扶助ともいいます。そのほかに社会福祉と公衆衛生、この4つが社会保障制度なんです。これは公民の教科書にも書いてあることです。それで、その区分の中で、国民健康保険というのは、年金とか、介護保険とともに、保険料を支払った人に給付を行い、その保険を用いてリスクを分散する社会保険というものになります。例えば必要なので、生活困窮に陥った方への支給を行う生活保護などの公的扶助、社会扶助とは異なるということです。そういうことを申し上げたわけで、社会保険と公的扶助、それから、あと2つにより社会保障制度が成り立っているということを改めて御理解をいただきたいと思います。
 つまり社会保障制度の中で、国民健康保険などの社会保険は、加入者の相互扶助で成り立つことから、いわゆる共助のシステムであるという、それが根本であるということはまず御理解いただきたい。
 また、境議員におかれましては、公的な医療保険として運営するには相当額の国庫負担が必要というのが本来の制度設計であったということや、国民皆保険制度として、公的医療制度が機能しているとは言えないのではないかという疑問も呈しておられます。
 日本の国民健康保険制度は、国民皆保険を目指し、企業に雇用されている人が加入します職域保険を除いて、それ以外の自営業などの人たちが加入する地域保険という形でスタートしたということであります。そのため、国民健康保険は、同じ地域の住民、コミュニティーの仲間であるという連帯意識により支えられているという保険でもあります。したがって、公的医療制度だからといって、負担を少なくして、社会が全てを支えるという制度ではないということであります。
 しかしながら、境議員おっしゃっているとおりで、国民健康保険は、被保険者が高齢化率が高いとか、比較的所得の低い方が他の保険と比べて多い。また、高齢者が多いということによりますが、もともと医療費の数字がほかの保険と比べても高い。そういった中で、さらにそれが年々増加しているということもありますので、どこの国民健康保険会計も大変苦しい状況にあるということでございます。そのため、国や県、もちろん市からも公費による低所得者の人数に応じた繰出金の増額、また、健保組合などからの拠出金等により会計が維持されています。
 また、さらに、砺波市でもですが、ほかの市もやっていますが、ルールに基づいた繰り出しのほか、本市独自に特定健康診断・審査にかかる費用、それから、地方単独事業を実施することによる国庫負担金等の減額分を国保会計にも一般会計から繰り出しもしております。
 前回6月議会の質問にお答えしましたように、国保会計の当初予算のうち、国民健康保険税の占める割合は20%であります。また、加入者の方は、全て低所得者でもありません。
 一方、低所得者の中には、その状況に応じて7割、それから、5割、2割の国民健康保険税の軽減を行っておりまして、この財源は全て県とか、市の負担、要するに公費であるわけであります。皆保険を守るためには、一定の公費が投入されることは否定いたしませんし、国民健康保険の性質上、ある程度必要であるということは十分私も思いますし、それを踏まえて、それなりの公費も投入されているというふうに思っております。
 しかし、一方で、一般的な保険料の負担軽減のために、国民健康保険にだけ公費をさらに入れるということについては、医療保険間の不公平にもつながるということもありますから、慎重に行うべきというスタンスは基本的には変わりません。
 むしろ、各保険者、要するに、例えば砺波市ですとか、南砺市ですとか、そういう保険者ではなく、国民的なコンセンサスのもとで、保険制度全般の中で、そういったものについて、各保険とのバランスですとか、公費の投入ということを考えることについては、それはあってしかるべきかなということで、知事会もそういうお話をされたんじゃないかなというふうに思います。
 単純に各保険者が、カンフル注射みたいに、公費を入れていけばいいというものではないのではないか。まさに、国保の問題を根本的に考えられるのであれば、各保険者が入れるのではなくて、制度全体として考えるということが必要だろうというふうに思います。
 実際、医療費は年々超過していまして、増加していまして、日本では、毎年1兆円伸びるという試算もあるようです。
 そういったことで、特に私どもが今できることを、やるべきことは、例えば特定健康診査ですとか、特定保健指導、そういった面で、少しでも保険者の方に健康寿命を延伸していただく。また、後発医薬品などを活用して、少しでも経費も抑えると。そういったことによって、その結果として、医療費の伸びを抑え、持続可能な制度として保っていくということこそが大事じゃないでしょうか、そういうふうに私は思っております。
 次に、葬祭費の引き上げですとか、子どもの均等割の免除の話でございます。
 葬祭費の引き上げについては、もう現在、既に国保会計の、国保改革の中で、都道府県単位の単位化ということが進んでおりまして、富山県でも、富山県国保運営方針等連携会議、それから、その作業部会があるんですが、そこで運営方針を協議しておりまして、今月1日に中間報告案が出ました。その中で、県内どこに居住していても、同じ給付となるようにということで、葬祭費についても3万円に統一するということで、もう決めておりますので、そういう形になると思います。
 また、子どもの均等割の保険料の免除についてでございますが、所得の少ない世帯には、先ほども申し上げましたように、減免を、減額をしております。その所得に応じて、子どもに限らず、均等割保険料の軽減というものを既に行っておるということでありまして、また、これも都道府県の一本化に絡んでもあるんですが、知事会や市長会でも、国に対して、子育て世代の負担軽減を図るために、子どもに係る均等割の保険料を軽減してくれというふうな支援策が必要じゃないかというようなことも提言されているということも承知しております。
 いずれにしても、都道府県単位化になるときには、いろんな動きがあると思いますので、それをしっかり見守っていきたいというふうに思っています。
 3項目めの印象操作という話ですが、この言葉も、境議員の言葉を借りれば、看過できない発言だと思いますので申し上げますが、とにかくさっき言ったように、社会保障制度じゃないと言ったこともまず勘違いだと思いますし、それを引いていかれることもいかがなものかと思います。
 それから、社会保険は、原則的には被保険者の負担で賄われる制度でありますけれども、国保会計の当初予算のうち、被保険者の保険料は20%だということを、事実を言ったんですね。少なくとも、先ほど境さん言われたのを聞いたら、20%しかないと言ったと、しかなんて言っていません。ですから、そういうところが何となく少しずつ尾ひれがついていって、印象操作みたいなふうになっていくというのは非常に心外だと思いますしね、やっぱりそこらまで、お互い、そういうのはやめましょうよね。そういうのが1つあります。
 逆に私のほうから申し上げたいのは、6月定例会の質問の中に、私から申し上げました、覚えておられますか、選挙中のチラシの話です。この4年間で国保税が値上げされてというふうに書いてありました。実際に上げたのは、あのときは境議員もお認めになっていると思いますが、上限の限度額ですね。ですから、もちろんその限度額課税だった人は少しいらっしゃいますから、高額の方は、上った人はいるかもしれません。しかし、あの全体のチラシの流れからいって、そういうことを多分主張されているわけじゃないですよね。国保全体の、まるで国保が上がったみたいな言い方、あれはおかしいと思う。そのときには、境さんは、選挙で、国保税が連続引き上げられたという表現があったことに対して、正しくない記述があった場合は、それなりの手段で意見を表明したいとおっしゃっておりました。しかし、私の知る限り、その意見の表明というのはまだ行われていないんじゃないかと思います。全く違うことを市民の皆さんに誤って伝えられて、そうではないと思いますが、わかっていてやったとすればですね、それこそ印象操作じゃないですかね。
 さらに、あんまりこんなことばかり言っても仕方がないんですが、6月の質問の中で、私たちが実施した市民アンケートの回答には、生活の苦しさが訴えられていて、そして、国保の負担をぜひとも軽減してほしい。そういうふうな要望がたくさん寄せられていると書いてある。アンケートは、国保加入者のうちどれぐらい対象にされたのかなとか、どういった、例えば無作為抽出なのか、どんなんかなと興味を持っておりましたが、手元に、よくわからなかったんですが、改めて、当時配られたものが手に入りました。選挙のときに配られた文書には、市内の全戸1万6,000世帯にチラシとあわせてアンケートを配付されたと書いてあります。答えの分析の紙には200人からもらったと書いてありまして、先ほどの生活の苦しさが云々という文章もありました。確かに200通の回答の内容はそれだったんだと思います、そういう方も多かったと思います。でも、その書き方が、市内全世帯にビラ配布、市民アンケートに大反響。こういう表現というのは、選挙のときですからね、それはいろいろあるかもしれません。ただ、そういったその厳しい、大変だという意見に耳を傾けないと言っているわけじゃないです。それは確かにそういうことも大切だと思いますし、そのことについて否定するわけではないですが、印象操作でしこっているんです、実は。印象操作という言葉を使われてやっているには、あまりにも同じような話がありませんか。
 それから、最後にしますが、27億の財政調整基金のことについてもそうです。ため込んだ金だというふうに書いてありました。ため込んだというのは印象操作じゃないですかね。それこそ歴代の市長さんや職員や、多くの方たちが、厳しい財政の中で、やはり災害に対してやらなくちゃいけない。庁舎の問題やいろんなことも、大きな大型費用もある。そのときに何とか爪に火をともしてためた27億を、ため込んだという言葉で切り捨てられるのは、本当に我々、先輩にとってですね、先輩も多分悔しがっていると思います。
 やはりそこら辺は、印象操作だとか、そういうことを言わずに、事実にもとらえた議論をやるべきだというふうに思いますので、若干答弁から外れたところもありますが、お互い気をつけてやりたいと思いますので、よろしくお願いします。
○議長(今藤久之君) 2番 境 欣吾君。
 〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 質問時間が限られていて、今いただいた答弁についていろいろとお答えしたいわけですけれども、時間がないので大変残念ですが、今提起した問題で1つどうしても言いたいのは、国保が抱えている構造的な問題ですね。これに対して、砺波市が、本当に何とか少しでも手を差し伸べたいという、そういう思いをぜひ伝えてほしかった。おっしゃるように、各保険者、一人一人の力では、それは解決はできない。
 ですから、国に対して要望していかないと根本的な解決はできないというのは、私も本当にそのとおりだと思いますけれども、そういった思いに共感をしていただくというか、一緒に頑張っていこうというふうな答弁がぜひ欲しかったということを申し上げたいと思います。
 見解、いかがでしょうか。
○議長(今藤久之君) 今のは再質問ですか。
○2番(境 欣吾君) はい。
○議長(今藤久之君) 冒頭で再質問と言っていただかないと、時計は動きっぱなしになりますよ。
 市長、答弁なさいます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 答弁の中でも申し上げましたように、また、境議員も理解されている部分もありますが、ただ、1つだけ言うのは、安易にカンフル注射のように公費をどんどん突っ込んでいくことは解決にならないということです。
 ですから、全国知事会も市長会も、そういう思いで、特に今回の都道府県単位化のときに、しっかりせないかんという意味でやっていると思いますので、その点は御理解いただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
○議長(今藤久之君) 2番 境 欣吾君。
 〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 次の質問に移ります。
 核兵器禁止条約についての市長の見解を伺いたいと思います。
 本年7月7日に、人類史上初めて、核兵器を違法化する核兵器禁止条約が国連会議で採択されました。国連加盟国193カ国の3分の2に当たる122カ国の圧倒的多数の賛成での採択でした。条約の内容も、多くの国の代表や市民の英知を集めてできた大変すぐれたものであり、採択時には、核兵器廃絶のために自らの体験を語り続けて活動してこられた被爆者の方々や市民の皆さんも交えて、会場が大きな感動で包まれたと報告されています。
 条約の前文では、国連憲章、国際法、そして、国際人道法の上からも、核兵器が非人道的であり、違法のものだと断じました。核兵器に悪の烙印を押したのです。そして、第1条では、核兵器の開発、実験、生産、保有、使用を禁じるばかりでなく、使用の威嚇も禁止され、核抑止論のもとに核の傘に入り、援助、奨励、勧誘をすることによって、安全保障を図ろうとする行為も禁じるという、まさに抜け道のないものになっています。
 さらに、第4条では、核兵器を廃絶した上でこの条約の締結国となる方法もあれば、参加した上で廃棄する明確な道筋を示すという方法もあるとして、核保有国にも門戸をあけていることが大きな特徴です。
 ところが、核保有国やその同盟国は、核保有国の参加のないもとでの採択では、1発の核爆弾もなくすことができないなどと述べ、会議場の前でこの条約の反対をアピールするなどして、世界の世論に追い詰められている姿を露呈しました。
 そして、日本政府は、唯一の被爆国でありながら、この会議を欠席するという極めて残念な対応をしました。会議場の日本政府の机の上には、折り鶴と、あなた方がここにいてくれたらと記されたコメントが置かれていたそうですけれども、国際的な批判と失望の的になってしまいました。
 日本国内からも、多くの地方自治体からこの条約を批准するようにという声が上がり、先の広島、長崎の平和祈念式典では、広島市長がこの条約の重要な意味を強調し、長崎市長は会議に参加しなかった政府の行動を理解できないと、批准を迫りながら、批判しました。また、被爆者からは、式典でこの条約に言及さえせず、後ろ向きな安倍首相に対して、あなたはどこの国の総理ですかと怒りのコメントが述べられる場面もありました。
 今、北朝鮮によって、無法なミサイル発射や核実験による軍事挑発が繰り返されています。国連決議に明白に違反し、世界や地域の安定を脅かすものであり、断じて許されるものではありません。
 しかし、これを軍事的な威嚇で抑え込もうとすれば、危機がますます深まっていくというのは、この間の経過が示すとおりです。世界の連携した経済的な圧力と関係国による対話を通じた政治的な解決の道を模索する以外に解決の方法はありません。そして、最終的に、北朝鮮に核を放棄させる一番の現実的な道こそ、この核兵器禁止条約に核保有国も批准することだと思います。
 既に核を持つ国は、そのまま持ち続けてもよいが、新たにほかの国が核を持つことは許されないというルールでは、核をなくすことができない。そのことを広島、長崎に原爆が投下されてからの72年の歴史が示してきたのではないでしょうか。世界の世論がつくり上げたこの歴史的な条約を、一刻も早く圧倒的な国々が批准するように、機運を盛り上げていくことが求められています。
 先の6月議会では、市長から、砺波市が持つ非核平和都市宣言の中身は重要であり、尊重していく旨の答弁をいただきましたが、この歴史的な核兵器禁止条約を批准して、核廃絶の大きなうねりをつくるリーダーシップをとるように政府に強く働きかけていただきたいと思いますけれども、市長の見解をお伺いします。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 核兵器禁止条約を批准するよう、国に働きかけることについての御質問にお答えをいたします。
 まず、先の6月議会でも申し上げましたように、本市の非核平和都市宣言の趣旨を踏まえ、さらに活気あふれる平和なまちづくりを推進していきたいというふうには考えております。
 具体的には、砺波市では、小学校の高学年では国語の授業で、また、中学校3年生では広島への修学旅行で、平和教育を行っておりますほか、広島、長崎に原爆が投下された日や終戦記念日に黙?をささげる活動ですとか、市戦没者追悼式を主催するなど、それぞれ独自の平和行政も推進しているとともに、非核平和活動に対するサインなどもお示しをしているところであります。
 御提言の核兵器禁止条約を批准するように政府に働きかけることにつきましては、平成23年12月から本市が加盟しております核兵器の廃絶等による世界恒久平和の実現を目的とする平和首長会議では、8月10日に、核兵器禁止条約の早期発効を求める特別決議が採択されますとともに、8月23日には、核兵器廃絶に向けた取り組みの推進について、内閣総理大臣宛ての要請文を河野外務大臣に提出し、政府に対し、核兵器禁止条約を生かした核兵器廃絶に向けた取り組みを要望したというところでございます。
 今後とも、この平和首長会議も含めましてですが、本市の非核平和都市宣言を踏まえつつ、これまでの平和行政に関する取り組みを引き続き推進をしてまいりたいと考えております。
○議長(今藤久之君) 2番 境 欣吾君。
 〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) ありがとうございます。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 8月23日の砺波市議会全員協議会におきまして、市立砺波総合病院の労働基準法に基づく改善指導についての報告がありました。
 労働基準監督署によって行われた医師及び看護師の時間外労働に関する調査と指導内容、それに基づいて病院が行った調査結果と講じた対策についての説明でした。
 そのことにかかわって質問をしたいと思います。
 最初に質問したいのは、時間外労働として、看護師から申告された時間と実際の時間外労働との間に乖離が生じていたのに、そのことを労働基準監督署から指摘されるまで、なぜ把握できなかったのかという点についてです。
 全員協議会での説明では、電子カルテの記載時刻との照合などの結果、申告された時間と実際の時間とが違うことが明らかになったとのことでした。つまり、看護師本人の申告ではない別の記録が、実際の時間とのずれを証拠づける役割を果たしたということです。本人の申告だけによらずに、時間外労働を把握する仕組みを導入することが必要ではないでしょうか。
 今後、こういうことが生じないための対策として、労働時間の定義、管理者の役割責務、職員の役割責務についてのマニュアルを整備して、徹底を図るとのことでしたけれども、そのことが不十分だったことが今回の事態を招いたと考えておられるのだと思います。
 定められた時間の中で必要な職務が遂行されるよう、職員相互で協力し合いながら工夫や努力を重ねること。それでも時間外労働が発生した場合は、ありのままに報告すること、そういうことが当たり前になっていなければならないのは当然で、改めてその意味を確認するというのは大切なことだと思います。
 しかし、そういった意識だけに頼っていたのでは、再びこういうことが繰り返される可能性を否定できないのではないでしょうか。申告と実際が違っていることに気づける仕組みが必要ではないでしょうか、ぜひ検討していただきたいと思います。
 2つ目に質問したいのは、こういった問題が生じる背景には、しなければいけない仕事の量に対して、配置されている医師や看護師の数が足りないという問題があるのではないかということです。事務の職員の方も含めて、仕事量に対して、適正な人員が配置されているのかどうかということについて、検討してみることが必要ではないでしょうか。
 このことは、病院に限らず、砺波市の職員の皆さんの働き方一般についても検討すべきだと思います。
 先日、自治労富山県本部が実施しました2017年春闘・職場実態アンケートの結果を拝見しました。
 1年間の時間外勤務と不払い残業の実態について、市町村ごとの集計がしてあり、砺波市は、県内の市の中では一番時間外労働が多いということが示されています。労働組合に加盟している人の8割の回答によるものですけれども、多くの時間外労働が申告されておらず、回答結果をもとに計算すると、実際の時間外労働は、申告している時間の実に2.7倍になります。この回答の根拠は何で、どの程度正確なのかという問題はあると思いますけれども、毎年行われているアンケートでもあり、見過ごすことはできないものではないでしょうか。
 年間500時間以上の時間外勤務があると答えている方が30人近くおられ、700時間以上という方も8人もおられます。かなり深刻な状況です。職員の皆さんの実際の労働時間がどうなっているのか、どのように働いておられるのかを正しく知ることは、職員の皆さんに適切な職場環境で、健康に働いてもらうための前提だと思います。単に不払い労働への対価の問題だけではなく、持続的、意欲的に仕事をしてもらうために改善がどうしても必要だと思います。職員の皆さんの申告だけによらない、例えばタイムカードやICカードなど、出退勤管理システムを使って労働時間の把握ができないか、検討すべきではないでしょうか。
 また、職場の人員配置が適切なのかどうかを正確に把握する上でも、この問題の改善は重要です。昨今、仕事の量は随分増えてきたけれども、職員の数がそれに伴っていない、大変になってきた。そんなふうな声を聞きます。こういう事態の背景に、仕事に対して職員がふさわしく配置されていないということがあるのではないでしょうか。改めて検討してみることが必要と考えます。
 昨日の山本篤史議員の質問への答弁で、部署ごとに検討し、必要な人員を増やしていくとのことでしたけれども、英断をされたと思います。市民本位の行政サービスが安定的に行われていくために、ぜひともこの問題、解決していただきたいと要望いたします。
 以上で質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 愛場病院事務局長。
 〔病院事務局長 愛場誠一君 登壇〕
○病院事務局長(愛場誠一君) 私からは、3項目めの職員の時間外労働についてのうち、まず、1点目の市立砺波総合病院での時間外労働を把握する仕組みについての御質問にお答えいたします。
 議員が述べられたとおり、今回の労働基準監督署の指導につきましては、申告されていた時間外勤務時間と実際の勤務時間とに相違が見られたことから、正しく時間を把握した上で、時間外手当を支払うよう是正勧告を受けたものであります。
 申告と実際の勤務時間の相違について把握ができなかったことにつきましては、職員への聞き取り調査などの結果、次の2つの原因があることがわかりました。
 1つ目は、管理職は、職員に対して、時間外勤務は全て申告するよう指示し、サービス残業をしないよう周知をしておりましたが、時間外勤務の有無や終業時間についての把握を確実に行っていなかったことによります。
 2つ目は、職員は、時間外勤務を全て申告する旨の管理職からの指示を受けていたもの、記録業務などの短時間の時間外勤務につきましては申告しない場合があったことによります。
 当院は、以前からワーク・ライフ・バランスの推進に取り組んでおり、労務管理に関するマニュアルの整理、毎年の管理職研修メニューへの労務管理の組み込み、ワーク・ライフ・バランスについての全体研修や管理職会議での定期的な啓発などを行ってまいりました。
 しかし、先ほど申し上げました原因を防止することができなかったため、直ちに次の対策を始めたところであります。
 まず、労働時間の適切な管理につきましては、管理職と職員のそれぞれの役割と責務を明確にして、周知徹底を図っております。
 具体的には厚生労働省の労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインに基づき、管理職は、職場のリーダーと協力して、職員の勤務時間を確認し、時間外勤務の適切な把握に努めることとし、必要に応じて、パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録と申告に乖離があった場合には実態調査を行います。
 また、職員は、予定外の患者の入院などで業務が長引きそうになった場合は、リーダーに相談して、業務調整を行ってもらいます。その上で、時間外勤務を行うこととなった場合は、適正に申告を行うこととしております。
 当院は、今後も以上の対策によって、労働時間を適正に把握し、再発防止に努めてまいります。
 次に、2点目の市立砺波総合病院での適正な人員配置についての御質問にお答えいたします。
 現在、医師を除く職員の配置につきましては、毎年1月に、各所属の業務内容のヒアリングを実施して、業務量と必要人員の把握を行うとともに、退職者、産休や育児休業などを考慮して、職員の確保を行っております。
 医師につきましては、呼吸器科医師の常勤配置が最重要課題であると認識しておりますが、その他幾つかの診療科においても、常勤化や増員を行う必要があり、このため、伊東院長がそれぞれの大学の各医局に足を運び、医師の派遣についてのお願いを継続して行っております。
 また、行政サイドからは、自治医科大学の卒業医師の派遣や県の特別枠の卒業医師の配置への配慮について、毎年、市の重点事業として県に要望しているところであり、行政と病院が協力して、医師確保に努めております。
 今後とも、事務局職員を含めまして業務量の適正な把握と人員の適正化配置によって、職員が働く喜びと誇りを持てる職場づくりに努め、このことによって、安全で、信頼される病院であり続けたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 私からは、まず、3点目の砺波市職員の時間外労働を把握する仕組みについてお答えをいたします。
 職員の時間外勤務につきましては、公務のため、臨時または緊急の必要がある場合等において、所属長等の命令に従って行われるものであり、時間外勤務を命令する権限を有する者は、日ごろから職員の業務の進捗状況の把握に努め、職員の健康管理に十分留意し、深夜に及ぶ業務が連続することのないよう、課、係単位で業務に当たるよう指導するとともに、適切に、漏れることなく時間外勤務を命じるよう指導しているものでございます。
 また、職員に対しましても、事務量を把握し、必要な職員を適材適所に配置するために、時間外勤務手当の申請を漏れなく適切に行うよう、周知してきたところでございます。
 さて、議員御提案の労働時間の把握方法の検討についてでございますが、厚生労働省の労働時間の適正な把握のために使用者の講ずべき措置に関するガイドラインに基づきまして、管理職は、時間外勤務の適切な把握に努めることとし、必要に応じて、パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録と申告に乖離があった場合には実態調査を行ってまいる所存でございます。
 また、職員の労働時間の把握とともに、時間外労働の縮減効果も含めまして、8月21日から、これまで午後10時以降に退庁する職員へ義務づけておりました入退庁記録簿への記入、これを午後8時以降に早めたところであり、今後、時間外労働の縮減につなげてまいりたいと考えております。
 次に、4点目の砺波市職員の適正な職員配置につきましては、昨日、副市長が山本篤史議員の御質問にお答えいたしましたとおり、各課の業務量を的確に把握し、事務事業の効率化や職員の能力向上とあわせて、必要な人員を適材適所に配置をしてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
 ほかに質疑はありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(今藤久之君) 質疑なしと認めます。これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。

           議案の常任委員会付託
○議長(今藤久之君) ただいま議題となっております議案第49号から議案第54号まで、平成29年度砺波市一般会計補正予算(第2号)外5件について、認定第1号から認定第8号まで、平成28年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定について外7件については、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の各常任委員会並びに決算特別委員会に付託いたします。

○議長(今藤久之君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。
 お諮りいたします。明9月13日から9月19日までの7日間は、議案審査等のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(今藤久之君) 御異議なしと認めます。よって、明9月13日から9月19日までの7日間は、議案審査等のため休会することに決しました。
 なお、次回の本会議は、9月20日午後2時から再開いたします。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 どうも御苦労さまでした。

 午後 3時06分 閉議