1.会議の経過
午前10時00分 開議
◯議長(山森文夫君) ただいまの出席議員は20名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
日程第1
決算特別委員会の設置について
◯議長(山森文夫君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 決算特別委員会の設置についてを議題といたします。
お諮りいたします。平成25年度に属する砺波市各会計の決算を審査するため、10名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置することにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(山森文夫君) 御異議なしと認めます。よって、10名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置することに決しました。
次に、お諮りいたします。ただいま設置することに決定いたしました決算特別委員会委員の選任につきましては、委員会条例第7条第1項の規定により、指名いたしたいと思います。
決算特別委員会委員に、
2番 桜 野 孝 也 君
4番 山 田 順 子 君
6番 堺 武 夫 君
8番 山 本 善 郎 君
10番 川 岸 勇 君
12番 今 藤 久 之 君
14番 稲 垣 修 君
16番 嶋 村 信 之 君
18番 林 忠 男 君
20番 山 森 文 夫
以上、10名を指名いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(山森文夫君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました10名の諸君を決算特別委員会委員に選任することに決しました。
日程第2
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
◯議長(山森文夫君) 次に、日程第2 市政一般に対する質問、並びに議案第56号から議案第64号まで、平成26年度砺波市一般会計補正予算(第2号)外8件について、認定第1号から認定第8号まで、平成25年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定について外7件について、及び報告第9号 専決処分の報告についてを議題といたします。
これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
16番 嶋村信之君。
〔16番 嶋村信之君 登壇〕
◯16番(嶋村信之君) それでは、通告に基づき、市政一般について提案並びに質問をします。
近年、異常気象から全国的に局地的な豪雨や突発的な豪雨が発生し、先月は、広島市などで土石流により多くの人命を奪うとともに、家屋が破壊される悲惨な出来事が報道されております。早急な復旧・復興を願うとともに、不幸にして亡くなられました方々に対し、衷心より哀悼の意を表したいと思います。
本市は、先人の皆様の御尽力により河川等が整備され、大きな災害もなく、安心して生活でき、感謝したいと思います。故事に備えあれば憂いなしとあります。今後、一層、災害に強いまちづくりの取り組みを願うものであります。
最初に、安心・安全なまちづくりについて、市長にお伺いいたします。
1点目、防災について。
1、地域強靭化計画について。
昨年12月4日、防災・減災等に資する国土強靭化基本法が成立して、巨大地震などの大規模災害が発生した場合、壊滅的な被害を免れるための政策大綱が決定され、防災・減災の取り組みが本格的にスタートいたしました。今年6月、その政策大綱、地域強靭化計画に基づき、都道府県、市町村への国土強靭化地域計画の策定支援が明示されました。また、先の基本法では、地方公共団体に対し、計画策定や施策について、その責務が明記されております。
市は、国の基本計画に沿って、地域ごとの計画を定めることとしています。地域においては、ソフト面の対策についても具体的な盛り込みが必要であると考えますが、先の地域防災計画と国土強靭化地域計画の相違点を具体的に示してください。
また、防災という観点から、この国土強靭化地域計画も大変重要です。本年6月、国土強靭化地域計画ガイドラインの通知を受けていますが、砺波市として、計画策定の時期やスケジュール、その主な内容についてどのように考えているのか、見解をお伺いいたします。
2、防災情報の伝達・周知について。
これまで防災情報の伝達手段として、防災行政無線、ホームページ、緊急メール等を活用し、さまざまな訓練の場でこれらの周知に努めてきたことは承知しております。しかし、昨年、住民への周知が義務化された特別警報について、どのように検討されているか、お尋ねいたします。
また、これまでの伝達手段、防災行政無線、ホームページ、緊急メールなどの手法も考えていくべきと思います。
昨年6月、災害対策基本法の一部改正により、高齢者、障害者、乳幼児への防災施策で、特に配慮を要する、すなわち要支援者名簿の作成を義務づけることを規定しております。また、この改定を受け、避難行動要支援者名簿の作成、活用に係る具体的な手順等を盛り込んだ避難行動要支援者の避難行動に関する組織指針も策定、公表されております。
そこで、災害時の避難行動要支援者への伝達、周知は急いで整備する必要があります。現在の手段以外にも、さまざまなメディアやツールの利用、検討が喫緊の課題と考えますが、現状の検討、状況についてお聞かせ願います。
また、市内の主な集客施設、例えばホテルや大型スーパー、商店街、公共交通機関などとの連携も必要であると考えます。防災情報を例えばスーパーや商店街の放送を使って、直接伝達できるのではないでしょうか。同時に、そうした集客施設と市との災害時における連絡協議会といったものを設ける必要があると考えますが、見解をお聞かせください。
3、避難行動要支援者への訓練について。
災害時の要支援者に対する避難訓練について、現在、どのように取り組まれているのでしょうか。先月実施されました市の秋季防災総合訓練で、一部の要支援者の方から、避難訓練を行ったと聞いております。何名の要支援者の訓練参加があったのか、お尋ねします。
今後、避難行動要支援者の名簿を地域で活用しようというとき、要支援者に対する避難訓練は、訓練全体の中で特に注目する必要があると考えますが、この点について見解をお聞かせください。特に地域ごとに実施している訓練には、要支援者の訓練参加、また、地域内にある医療、介護施設との合同訓練も進めていくべきと考えます。御見解をお示しください。
あわせて、要支援者に対する災害時の行動マニュアルについての検討状況もあわせてお聞かせください。
2点目、第24回全国消防操法大会の出場について。
既に御存じのとおり、本市庄下分団は、来る11月8日、東京において開催される第24回全国消防操法大会ポンプ車操法の部に初出場することになりました。全国大会において、砺波市消防団の心意気を示し、その成果を存分に発揮していただけるものと期待し、本市合併10周年を慶祝する出来事であります。本市を挙げて支援していかなければなりません。
今定例会において、補正予算に計上してあり、心から賛意を表する次第であります。
そこで、大会当日を含め、今後どのような支援計画をされているのか、市長の所見を賜りたいと思います。
先般開催されました消防団を中核とした地域防災力充実強化大会において、安倍首相は、地域防災体制の強化は喫緊の課題で、中核となる消防団への支援や加入促進、処遇改善、装備の充実に全力で取り組んでいくと挨拶しております。本市においても、国の動向を見据え、今後、一層消防団活動が充実する体制づくりを願うものであります。
3点目、7都市宣言について。
新市としてスタートした翌年、新生砺波市が誕生したことに伴い、旧砺波市の都市宣言をベースに、一層推進するため、フラワー都市宣言、交通安全都市宣言、環境都市宣言、非核平和都市宣言、男女共同参画都市宣言、健康都市宣言、青少年健全育成都市宣言の7つの都市宣言が議員提案により制定されました。
そこで、合併10周年に当たり、7つの都市宣言及び都市宣言文が総合計画にどのように反映されているのでしょうか。また、合併10周年記念事業として、いま一度、広報等で7つの都市宣言を市民に周知徹底され、砺波市の未来像、「庄川と散居に広がる健康フラワー都市」を目指しての意識啓発をしてはいかがでしょうか。考えをお聞かせください。
次に、「人」と「心」を育むまちづくりについて、教育長にお尋ねいたします。
1点目、青少年のインターネット依存対策について。
厚生労働省は、中高校生によるインターネット依存に関する調査を全国の中高校生を対象に実施し、中学生・約3万9,000人、高校生・約6万2,000人から回答を得、2013年8月に調査結果を発表いたしました。
調査では、問題や不安から逃れるためネットを使うかなど、8問中5問以上に当てはまると依存の疑いが強いと分類し、その割合は中学生の6%、高校生の9%で、中高校生全体では8%となり、全国の中高校生数では、計算すると約52万人と推計しております。また、男女別では、女子10%、男子6%で、女子の高い理由はチャットやメールを多く使うためとしております。日常生活や健康への影響は、睡眠の質が悪いが59%と、依存がない人の2倍近くとなり、午前中に調子が悪いは24%と、依存のない人の3倍近くとなっております。
ネット依存の問題点は、昼夜逆転などによる不登校や欠席、成績低下、ひきこもりなどばかりではなく、睡眠障害や鬱症状になるなど、精神面でのトラブルも引き起こすほか、視力の低下や長時間動かないことで、10代でも筋力低下や骨粗鬆症といった身体症状の悪化を招くおそれもあります。
このように生活に不可欠となったインターネットの利用が過度になると、健康や暮らしに悪影響が出ることがあり、現在は病気と定められておらず、このほど、国際的な診断基準として知られる世界保健機構(WHO)の国際疾病分類が2015年に改定され、その中に、ネット依存症が初めて盛り込まれる予定と伺っておりますが、現在では依存かどうか、診断基準は定まっていない状態であります。
国立病院機構・久里浜医療センターでは、全国初のネット依存専門外来を設置したようであります。2011年7月に専門外来を開設して以来、受診者は約160人、このうち半数が中高校生であり、大学生を含めると全体の7割に及んでおります。
我が国の少子化と人口減少が進行する中、インターネット依存傾向は青少年の健全な育成を妨げると考えられ、未来を担う若年層に対して適切な対策が必要であります。先般、全国学力テストの結果が公表され、富山県は、小中学校とも好成績をおさめ、学校現場からは、取り組みの成果が出たと安堵感が広がっております。しかし、学習状況調査では、家庭学習の時間に課題があるとともに、テスト結果と比べると、インターネット等の使用時間が長いほど、成績が低い傾向が浮き彫りになりました。
インターネット依存増加の傾向を防止するため、教育委員会として、今後、どのように取り組み、検討されるのか、考え方をお聞かせください。
参考に、福岡市のNPO・子どもとメディアは、文部科学省委託の生徒指導・進路指導総合推進事業として、2011年8月、4泊5日の合宿形式でワークショップを開催しました。絵画、音楽などの各種ワーク、特別教室を実施し、現実の世界での楽しみへの気づきからネット依存の克服を図るなど、取り組みが注目されていることを付言しておきます。
2点目、子ども・子育て支援新体制本格施行に向けて。
来年4月施行予定の子ども・子育て支援新制度は、我が国の全ての子育て家庭の支援を行うことによって、子ども一人一人の健やかな成長を支援するため、重要な施策であります。子どもや保護者が置かれている環境に応じ、保護者のニーズに基づき、幼稚園、保育所、認定こども園などの多様な施設事業者から、それぞれの特性を生かした良質かつ適切な教育、保育、子育て支援を総合的に提供することを目的としております。
他方、新制度については、いまだ不明確な点も多いため、幼児教育、保育の現場から不安や懸念の声が上がっております。
特に私立幼稚園は、新制度へ移行するか否かの厳しい経営判断が迫られております。これまで私立幼稚園は、私学助成を通じて都道府県とかかわりが深かったのですが、新制度のもとでは、実施主体である市町村とのかかわりを一から行う必要があるため、そのことが新制度へ移行するに当たり大きな障壁となっているようであります。そのため、内閣府、文部科学省、厚生労働省の3府省が、私立幼稚園の子ども・子育て支援新制度への円滑な移行等についての事務連絡を今年4月10日に出しております。
そこで、1、新制度においては、私立幼稚園に在籍する子どもに対する施設型給付は、当分の間、全国統一費用部分と地方単独費用部分を組み合わせて一体的に支給し、地方単独費用部分は、国の示す水準に基づき財政措置を行うとなっております。
新制度の目的である幼児教育の提供体制をしっかりと確保するため、本市においても、国の示す水準に基づく施設型給付をしっかりと支給できるようにしてはいかがでしょうか。
現在、全国のほとんどの私立幼稚園が私学助成の対象として預かり保育を実施し、私立幼稚園は、パートタイム者などの就労での子どもの受け入れ先としても重要な役割を果たしております。
新制度においては、私立幼稚園で実施しております預かり保育は、私学助成ではなく、市町村が幼稚園に委託して実施する一時預かり事業として実施されることとなります。新制度移行により、本市においては私立幼稚園の預かり保育の利用ができず、保護者の混乱を招くことのないよう、現在預かり保育を実施している私立幼稚園に対し、一時預かり事業を委託していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
2、認定こども園への移行について。
新制度では、認定こども園への移行を希望する幼稚園があれば、認定基準を満たす限り、都道府県が特例を設け、認可、認定を行うような仕組みが設けられております。一方、市町村においては、認定こども園への移行に伴い必要となる施設設備への財政支援や既存の保育所等への配慮から、幼稚園が認定こども園へ移行することについて消極的な対応をとっているところもあると伺っております。
認定こども園は、就労の有無にかかわらず施設の利用が可能であることから、保護者等の評価が高く、ニーズも多いと伺っております。
本市においては、認定こども園への移行を希望する幼稚園はあるのでしょうか。あれば、円滑に移行できるよう支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
3、本市の新制度への取り組み等について。
住民や保護者への周知、説明はどのように行っていく予定でしょうか。とりわけ、新制度に移行する幼稚園を利用する保護者には、新たに施設型給付を受けるため、市から認定を受ける等の手続が必要になります。今後、周知、説明はどのように行っていくのでしょうか。
結びに、待望の北陸新幹線の開業が来年3月14日と発表され、あと185日後には北陸の地に新幹線が走り、百年に一度のビッグチャンスと言われております。市長、教育長には、本市の未来が一層輝ける砺波市になる内容の答弁を期待し、終わります。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) おはようございます。
私からは、嶋村議員の御質問のうち、1項目めの安心・安全なまちづくりにつきましてお答えいたします。
まず、地域強靱化計画につきましては、地域防災計画と国土強靱化地域計画の相違点ということですが、地域防災計画は、地震や洪水などリスクを特定しまして、そのリスクに対する対応を取りまとめるというものであります。これに対しまして国土強靱化地域計画は、どのような災害が起きても、それを最悪の事態に陥らせないようにすると、強靱な行政機能ですとか地域社会、地域経済を事前につくり上げていくための計画というふうに考えておりまして、市におけますさまざまな分野の計画等の指針となるというふうに考えております。
本市の計画策定の時期やスケジュール、その主な内容につきましては、議員からもお話がありましたとおり、本年の6月に国土強靱化地域計画策定ガイドラインというものが国から示されたばかりといいますか、6月ですから、ばかりでございます。その内容につきまして、まだ確認をしておりますし、また、県の動き、県でも今研究をしております。それから、一部先進の自治体などの例につきまして情報収集を行うなど、今後、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
次に、防災情報の伝達・周知についてでありますが、昨年の8月から運用が開始されました特別警報につきましては、重大な災害が起こるおそれがあるときに発令されるというものでありますので、市町村から住民の皆さんへの周知が義務づけされまして、周知の強化が求められているところでございます。
そこで、本市では、既に昨年の10月から、Jアラートの自動起動装置というものによりまして、国から送信されました特別警報などの緊急情報を瞬時にホームページですとか緊急メール、エリアメール、ケーブルテレビなどに自動配信しておりまして、先般の7月20日のときも皆さんのところに届いたと思いますが、市民の皆さんへは、これらの情報伝達の方法につきまして、改めて広報やホームページなどでさらに周知していきたいというふうに考えております。
また、災害時の避難行動要支援者への伝達・周知につきましては、名簿を作成いたしますとともに、個別の支援計画を作成することとなっておりますので、その中で、避難のための情報を確実に伝達できますよう各種のメディアの活用について今後、さらに検討していきたいというふうに思っております。
また、スーパーや商店街の放送を使った防災情報の伝達ですとか、集客施設と市との連絡協議会の設置の御提案につきましては、スーパーなどの放送によりますお客さんへの情報の伝達は一定程度効果があるものとは考えますが、今後、どのような方法で円滑な伝達ができるのかなど、先進事例を調査研究してまいりたいと思っております。
ただ、連絡協議会の設置につきましては、それぞれの施設の形態がかなり違っておりますし、一様でないということ、それから、既に市内のスーパーなどと災害時におけます協定を締結しているという現状もございますので、当面は、個別の協定をしっかりやることについて進めていきたいというふうに考えております。
次に、避難行動要支援者の訓練についてでありますが、先月実施いたしました市の総合防災訓練につきましては、福祉避難所の設置、それから、受け入れ、その手順などを確認するということを主な目的に訓練を行ったものでございます。そういった意味から、要支援者の参加要請自体は、今回は行わなかったものでありますが、今後は、実際に要支援者の参加も含めたより実践的な訓練も必要であるというふうに考えておりますので、そのように進めていきたいというふうに思っております。
また、地域ごとの要支援者の訓練への参加や医療、介護施設との合同訓練、また、要支援者に対する災害時の行動マニュアルにつきましては、地域の自主防災会を初め、地域の支援者、それから、防災関係機関などとの連携を図ることが大変重要であるというふうに思っておりますので、今後、要支援者の個別計画の作成の折に具体的に検討していきたいというふうに思っております。
次に、2点目の第24回全国消防操法大会の出場についてに関してお答えいたします。
このたびの庄下分団の全国消防操法大会への出場、まことにおめでとうございます。改めて、この場を借りましてお祝いを申し上げたいと思います。また、全国大会での御活躍を本当に御期待申し上げております。
出場選手の御努力はもとよりでありますが、庄下地区を挙げての消防団と一体となった御支援も大きな力となったものではないかというふうに思いますので、これにつきましても改めて敬意を表したいというふうに思っております。
御質問の支援策につきましては、大会出場経費を本定例会の補正予算に計上したところでありまして、大会までの支援としましては、早朝及び夜間訓練での照明の設置など、成果に結びつくよう訓練環境の整備に取り組んでおります。また、大会では、ポンプ自動車の搬送や搬入、事前訓練及び総合リハーサルなど、大会役員との調整に係る随行員の配置などの支援も行ってまいります。
選手の皆さんには、既に大会に向けた訓練に入っておられるというふうにお聞きしております。大会まで、本当に長い期間にわたりまして操法技術に一層の磨きをかけていかれるということでございますが、健康には十分気をつけていただきまして、大会当日には、思う存分その成果を発揮されますよう御祈念申し上げますとともに、それこそ庄下地区の皆さんには、また献身的な御支援をお願いしたいというふうに思っております。幸い議員さんは2人おられますから、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
次に、3点目の7つの都市宣言についての御質問にお答えします。
7つの都市宣言が総合計画にどういうふうに反映されているのかということにつきましては、総合計画後期計画の冊子などにおきまして、5つの基本方針の冒頭に関連する都市宣言文をそれぞれ記載してあります。各施策体系の中に、関連する都市宣言の内容を踏まえた項目が盛り込んであるというふうに考えております。
次に、合併10周年に改めて周知してはどうかという御提案でございますが、合併10周年を記念して発行いたしました『砺波市10年のあゆみ』に、都市宣言についても記載してございます。
また、合併10周年記念事業として作成いたしました10年のあゆみのパネルを先日の福祉健康大会でも展示いたしましたし、今、市役所の1階にも展示してございますが、各種のイベント会場ですとか、小中学校などでこれからも展示する予定にしております。そういった意味で、市民の皆さんに広く周知できていくものというふうに思っております。お帰りに、またパネルを見ていただければと思っております。
さらに、これまでも市のホームページに都市宣言文を掲載しておりますし、今後とも議員の皆さんとともに、その宣言の精神を広く市民の皆さんにお伝えしてまいりたいというふうに考えております。
私からの答弁は以上でございます。その他につきましては、教育長からお答えをさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
教育長 山本仁史君。
〔教育長 山本仁史君 登壇〕
◯教育長(山本仁史君) おはようございます。
私からは、2項目めの「人」と「心」を育むまちづくりについて、1点目の青少年のインターネット依存対策についての御質問にお答えいたします。
社会の情報化の進展によりパソコンや携帯端末が急速に普及し、児童生徒も日常的にインターネットを利用するようになりました。
インターネットは、適切に利用すれば、情報収集、伝達の手段としての有用性が高く、学校においては、授業にパソコンを用いて、子どもたちが大量の情報を取捨選択したり、情報を結びつけ、問題の解決や新しい価値の創造につなげていく能力を身につけるよう指導しているところでございます。
一方、家庭におきましては、児童生徒が自宅のパソコンや携帯端末を用いて比較的自由にインターネットを利用できる環境にあり、ネット詐欺の被害、ネット上でのいじめ、有害サイトによる心と体への影響が大変危惧されております。
さらに、インターネットの利用が過度な場合には、インターネット依存の状態となり、議員が指摘されましたように、視力の低下、睡眠不足による生活のリズムの乱れ、屋外で活動する時間が減少することによる骨格や筋肉の機能低下、その他肥満、姿勢の悪化などの身体的な悪影響を招くことになります。
また、インターネット上に氾濫するさまざまな有害情報に繰り返し触れることにより、子どもたちの価値観やモラルが著しくゆがめられ、健全な心の発達が阻害されるといった心理的な悪影響も懸念されています。
教育委員会といたしましては、コンピューターやインターネットの過度な利用が心身に及ぼす悪影響について、まずは児童生徒にしっかり理解させることが重要であると考えております。
児童生徒には、発達段階に応じて、インターネットの楽しさの影に潜む危険性を理解させ、自分の健康は自分で守るという意識をしっかり身につけさせる必要があります。そのため、学校では引き続き情報教育の学習の時間や学級活動、学年集会などさまざまな機会を捉え、インターネットの過度な利用の悪影響について児童生徒が自ら考え、話し合い、理解できるよう指導してまいります。
なお、実際には学校での使用よりも家庭での利用が多いと思います。そのため、保護者による見守りや指導が大切であり、学級懇談会やPTA活動、学校だよりなどを通じて、過度な利用による悪影響や適切な見守りの必要について引き続き啓発してまいりたいと思います。
次に、2点目の子ども・子育て支援新制度本格施行に向けての御質問にお答えいたします。
初めに、私立幼稚園の一時預かり事業についての御提案ですが、新制度による私立幼稚園の施設型給付は、議員御指摘のとおり、まずは国が幼稚園の運営に当たり通常要する費用として想定する公定価格を定め、そこから国庫負担額及び保護者負担額を差し引いた額を地方単独費用部分として県及び市が負担することになります。
そこで、現在、砺波市内には私立幼稚園が1施設設置されているところであります。その対応につきましては、今のところ、これまでの私学助成制度に基づく国や県による負担等も勘案しながら、適正な対応をしていかなければならないと考えております。
次に、現在、私立幼稚園で実施している預かり保育事業につきましては、議員お話しのとおり、新制度である地域子ども・子育て支援事業により、一時預かり事業に移行されることとなります。
しかしながら、この移行は国の財政措置の変更に伴うものであり、現在実施されている事業につきましては、仮に市が一時預かり事業として委託しない場合であっても、国において同様の財政措置が検討されていることから、現在の幼稚園在園児の預かり保育は基本的には継続されるものと認識しております。
いずれにいたしましても、預かり保育を利用する保護者の皆さんが混乱されることのないよう配慮してまいりたいと考えております。
次に、認定こども園への移行についてお答えします。
認定こども園は、保護者の就労の有無にかかわらず、教育・保育を一体的に提供する機能を有しており、4つの類型が規定されております。
1つ目が、幼保連携型で、新制度においては、認定こども園として単一の認可を受けた幼稚園と保育所の両方の機能を備えたものでございます。
2つ目が、幼稚園型で、認可幼稚園が、保育の必要な子どものための保育時間を確保するなど、保育所的な機能も備えて認定こども園としての機能を果たすものです。
3つ目が、保育所型で、認可保育所が、保育の必要な子ども以外の子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たすものでございます。
4つ目が、地方裁量型で、幼稚園、保育所いずれの認可もない地域の保育施設が、認定こども園として必要な機能を果たすものであります。
そこで、認定こども園への移行を希望する私立幼稚園があるかとのお尋ねでございますが、市内に設置されている唯一の私立幼稚園である出町青葉幼稚園は、既に調理室等の施設設備が整っていることなどから、今のところ、幼稚園型認定こども園への移行を希望していらっしゃるとのことであり、市といたしましては、その意向を尊重してまいりたいと考えております。
次に、本市の新制度への取り組み等についてお答えをいたします。
新制度において、保育所や幼稚園などの施設を利用するためには、全ての保護者が、市に対し、保育の必要性などの認定を受けるため、申請を行うことが必要となります。
そこで、この申請につきましては、国が示す手順等に基づき、広報となみ10月号及びホームページに掲載し、周知を図りたいと考えております。
また、現在保育所、幼稚園に入所している園児の保護者には、10月以降にそれぞれの保育所、幼稚園から、また、新たに4月から利用を希望される保護者には、各保育所、幼稚園またはこども課において関係書類をお渡しし、認定申請等の手続を周知、徹底してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 5番 雨池弘之君。
〔5番 雨池弘之君 登壇〕
◯5番(雨池弘之君) 議長からお許しをいただきましたので、通告に従い、質問と若干の要望並びに提案をさせていただきます。
まず、人口減少化に対応した人口増対策についてお伺いします。
有識者でつくる日本創成会議の分科会の試算によると、このまま地方から大都市への人口流出が現在のペースで続けば、30年間で20~30代の女性が半分以下に減る自治体が全国で896市町村に上り、過疎地を中心に全自治体の5割に当たり、自治体の運営が難しくなり、将来、消滅する市町村が発生する可能性があると、地方崩壊の危機が指摘されています。
人口の減少は、もはや避けられない状況であります。あまり人口の減少が急激に進むと、さまざまなところにひずみが生じ、市町村が住民にサービスを提供するにはある程度の人口が保たれていることが必要であると言われています。人口減少が進むことにより、地域コミュニティー機能が低下するばかりか、医療や教育といった暮らしに欠かすことができないサービスを維持することができなくなると思います。
人口が減少する要因として、第1には、20~30代の女性の減少によるものです。全国の合計特殊出生率は2005年、1.26だった数値が、2012年には1.41に上昇しているにもかかわらず、生まれてくる子どもの数は減少傾向にあります。これは、第2次ベビーブームの世代が40歳を迎えていること、また、若年女性が減っているからであります。このままの出生率が続けば2060年には、全国の人口は、現在の3分の2に当たる約8,700万人になると推計されています。
2つ目の要因は、都市圏、特に東京への人口一極集中であり、地方から都市への人口流出が続くと、少子化と相まって、若い女性が地方で減少することにさらに拍車がかかり、先ほど申し上げたように、2040年までに半数以上も減少する市町村が全体の約50%になると推計されています。
若年女性が半分以下に減るという現実にあって、出生率を上げるためいくら努力しても人口の回復は難しく、加えて、東京の合計特殊出生率が1.09で、全国最低で、日本全体の人口を急激に減らす要因となっております。
出生率が低いと、必然的に若者が少なくなり、人口が集中する東京では、2040年には、20~30代が現在の40%に減り、一方では、75歳以上の後期高齢者が1.7~1.8倍となり、医療、介護の人材が大幅に不足することが見込まれるのに対し、地方は、高齢者の減少で、医療、介護関係の職を失う人が増えてくると言われています。
ところで、富山県内では、2040年には、舟橋村を除き14市町で減る試算となっており、朝日町では65.8%、隣の南砺市では61%の減、そのため、この2市町では危機感を持ち、人口増対策に本腰を入れ、各種施策に取り組んでおられます。また、推計対象の1,800市町村のうち若年女性人口が増加すると予想されたのは、舟橋村を含む15カ所であり、中でも隣の石川県川北町は、増加率15.8%で、全国1位にランクされています。人口が増えている大きな要因としては、早くから住民の暮らしを手厚くサポートするさまざまな施策を実施されていることであります。
砺波市総合計画後期計画の中で、目標人口を5万人と掲げておられますが、平成26年6月末現在の人口は4万9,526人であります。日本創成会議の試算によりますと、2040年には4万1,243人、また、若年女性は3,714人と、2010年に対し33.5%の減で、他市町から見れば比較的減少率は幸い低いものの、減少していくことには変わりがなく、人口増対策を早急に検討すべきと思います。
国では、日本創成会議が発表した全国の半数の自治体が将来消滅する可能性があるとの試算を受け、急激に進む人口減少を克服するため、また、地域経済の活性化を目指すとして、首相を本部長とする地方創生本部を立ち上げ、まち・ひと・しごと創生本部の名称で専任の担当大臣を任命し、長期戦略を策定されようとしております。
全国知事会が、人口減少問題を国家の基盤を危うくする重大な岐路として少子化非常事態宣言をまとめられ、宣言では、人口流出が続けば、近い将来、地方の多くが消滅、その流れが都市部にも波及するとし、若い世代の子育て環境を整備するため、国と地方が総力を挙げて、思い切った施策を展開すべきとされています。
富山県でも、人口減少対策を強化するため、子ども政策・人口減少対策本部を立ち上げ、下部組織として子育て支援・少子化対策検討チームを設置し、対策チームでは、子育て支援や結婚支援、企業誘致、UターンやIターン、定住・半定住の促進など幅広い施策について検討していくとされています。
過日、東洋経済新報社の住みよさランキング2014が公表され、富山県から上位50位に8市がランクインしました。砺波市は、前年の9位から順位は下がったものの13位で、県内トップでありました。この知名度を生かし、早急に人口増対策等に取り組むべきであると思います。
6月議会で早速、県の補助を受け、若者婚育事業を予算化され、また、砺波市婚活支援協議会、となみおせっ会にも支援をされましたが、この組織を頼みとして甘んじることなく、今ほど申し上げましたように、国、県の対応を受け、人口減少化を分析しつつ、その歯どめ策を講じ、定住人口の増加に向けた全庁体制の対策本部を組織し取り組むべきと思いますが、市当局の考えをお伺いします。
今ほど提案したことも含め、まちづくりの基礎となる地域コミュニティーの基盤を固める上でも、人口増対策を推進する民間組織等と市組織の見通し、立ち上げやそれとの連携に取り組むべきと思いますが、市当局の考えをお伺いします。
次に、人口増対策として、婚活支援や子育て支援、企業誘致、UターンやIターン、定住化の促進など幅広い施策が考えられます。いずれにしても、若者が結婚し、子どもを産み育てやすい環境をつくるための施策を集中的に実施すべきと思います。
そこで、合併前の庄川町では、人口増対策として、各種定住促進奨励金交付事業に取り組まれていた経緯を参考に申し上げますと、1つ目として、新婚カップルに結婚祝い金・1組3万円、ただし、町に1年以上定住していた者同士の場合は1組10万円。2つ目として、第3子出産奨励金、第3子以降を出産し定住する者に、第3子以降、1人につき3万円。3つ目として、第3子育児奨励金、第3子以降を養育し定住する者に、月額1万円。4つ目として、定住促進奨励金、Uターン・Iターン定住者、転入定住者のうち満15歳以上45歳以下の者で、学卒就業者は10万円、Uターン・Iターンは10万円、ただし、家族の場合は20万円、転入定住者は5万円。このほかにも住宅奨励金、就学奨励金など各種の奨励金制度を設け、人口増対策に取り組んでおられました。
現在のところ、砺波市は、県内他市町村に比較して人口の減少は少ないようですが、魅力ある地域づくりや就職先の拡大につながる地方経済の活性化など、人口流出を食いとめるためにも各種施策を展開されてはいかがでしょうか。その対策は早ければ早いほど効果があると思います。市当局の考えをお伺いします。
なお、砺波市では、結婚支援として、縁結び相談や仲人養成講座の開設、また、晩婚化対策として、となみパルピテーションカレッジの講座、子育て支援として、中学3年生まで医療費の無料化や第3子以降の保育料の軽減に取り組んでおられますが、全国的には人口増対策、子育て支援として手厚い施策を展開されています。また、国では、幼稚園や保育所に通う3歳児から5歳児の幼児教育の無料化も検討されており、砺波市においても、こうした国や県の取り組みを踏まえて、散居村ならではの子育て支援策に取り組むべきと思いますが、市当局の考えをお伺いします。
次に、砺波市では、子ども・子育て会議条例を制定し、子ども・子育て事業に取り組んでおられますが、このニーズ調査結果では、小学校低学年では放課後児童クラブを利用しているのは40.8%、また、高学年でも放課後児童クラブの利用希望が24.6%もあり、家庭に帰っても一人っ子だったりして、困っている家庭があると聞きます。
行政改革会議で、平成26年度以降に公共施設の他への転用、または統合、もしくは廃止を検討する施設として、東山見児童館、青島児童館、種田児童館が上がっております。
そこで、今年度、鷹栖保育所、東山見保育所の耐震診断が実施されることになっておりますが、その事業の進捗状況についてお伺いします。これを受けて保育所の耐震工事が実施されると思いますが、その年次計画についてもお伺いします。
次に、今後、園児数が減少すると考えられますが、そこで、提案でありますが、東山見保育所の耐震工事に当たり、児童館を併設されてはいかがでしょうか。そもそも児童館機能は、放課後児童クラブと異なり、子どもに、遊びと体験を通じ、友達の輪を広げる目的で設置されている施設であり、登録の必要や会費もなく、また、児童館を運営するには有資格者が必要と思いますが、その資格は保育士にもあり、保育士の人材確保にも効果的であると思います。児童館を併設することで、働く保護者のニーズに応えることに、また、子育て支援につながることと思います。放課後児童対策についてもいろいろと検討されていると思いますが、市当局の考えをお伺いしたいと思います。
次に、祝日「山の日」の制定に伴う牛岳登山等についてお伺いします。
このたび祝日法が改正され、2016年から、8月11日が山の日として祝日となることになりました。北アルプスの名峰を多く抱える富山県内の関係者からは、山をPRする好機、新幹線の開業を2015年3月に迎え、観光面で追い風になると歓迎する声が上がっております。長年の懸案だった富山のPRにもなる、自然に感謝する日として定着させたい、日ごろ山に関心のない人を呼ぶチャンス、安全登山の啓発にも取り組んでほしいと期待が寄せられております。
富山県自然保護課は、山の日の成立を受け、2016年に向けた取り組みはこれからである。登山者の安全を確保するため行ってきた登山道整備や入山指導に一層力を入れていくとされており、また、観光課では、立山・黒部アルペンルートは県の観光の目玉、通過するだけでなく、入り込み客にゆっくりと山々に親しんでもらえるよう仕掛けを整えていきたいとされています。
そこで、2012年度に、県内で立山へ集団登山した小学校は、過去10年で最も多い96校もあり、我が砺波市を見ても、8小学校全てにおいて立山登山が実施されております。
さて、砺波市には最高峰987メートルの牛岳があります。この標高は上高地や美女平とほぼ同じで、その頂上は砺波市と富山市、南砺市の3市の境界でもあります。頂上に立つと、晴れた日の360度の大パノラマは大変すばらしく、東から立山連峰の峰々、そして、南へ目を移すと、岐阜や五箇山の山々、その後方には白山が、西には福光の医王山、そして、北には万葉の二上山が、また、能登半島や新港大橋を望む富山湾や朝日海岸まで見ることができます。もちろんのこと、庄川の流れとともに砺波平野の散居村風景は特別なものであり、四季を問わず、登山者に人気が高く、県内外から季節ごとに登山をされる方もいると聞いております。
牛岳は、砺波市内はもちろん、富山市内や高岡市、南砺市からも、その山容を望めるため、自分の位置を知るには重要な役割を担っているものと思います。
今回の祝日制定を受け、3市合同で、毎年6月6日の牛嶽大明神の例大祭に合わせて牛岳の山開きを実施することを検討されてはいかがでしょうか、市当局の考えをお伺いします。
さて、日本では富士山が、富山県と言えば、やっぱり立山であって、砺波市は牛岳であると思います。先ほど申し上げましたが、砺波市内のほとんどの小学校で立山登山が実施されております。
ところで、富山市山田に富山市野外教育活動センター・子ども村があり、そのプログラムの中で、牛岳登山が設定されており、平成25年度では、65校の小学校が利用し、そのうち51校が牛岳登山を実施され、また、平成26年度では、既に28校の申し込みがあり、そのうち21校が牛岳登山を実施する予定と聞いております。その中には、砺波南部小学校も含まれております。
砺波市内の小学校では、立山登山には理解があるものの、市内の山への登山には関心が薄いと思います。
そこで、山の日の制定を契機に、ふるさと学習や体力づくりの一環として、砺波市内の小中学校でも、ふるさと歩道、ヒュッテ登山道を活用した牛岳登山を希望するものですが、熊などの有害鳥獣の出没の危険性等を考えると、登山コースは、舟戸橋から市道舟戸隠尾線を利用し、隠尾神社からは市道長峰線を二本杉まで行って、頂上を目指すコースが、安全で見晴らしがよいと思います。ぜひ牛岳登山を検討されてはいかがでしょうか。過去には庄川小学校で牛岳登山を実施されていた経緯もあり、教育長にお伺いするものであります。
次に、湯谷川の上流、牛岳中腹に富山の滝として選定されている、高さ20メートルの三段の滝があります。また、湯山の県道との分岐点から、その三段の滝の下流を通り、旧八尾町へ至る幅員5メートル、延長21キロメートルの広域基幹林道牛岳線があり、途中、湯谷橋を渡ると、1、145メートルの牛岳トンネルがあります。
この広域基幹林道が、昨年9月の台風18号による集中豪雨により、側溝に土砂等が埋まったままになっており、早急に整備すべきと思います。市当局の改修計画についてお伺いします。
また、この広域基幹林道から登る登山道も荒廃が著しく、登山者に対する安全性に配慮が欠けているのではないかと思います。市では、合併後、牛岳登山道に対する考え方や位置づけをどのように考えてこられたのか、また、どのようなスタンスで臨んでおられるのか、市当局の考えをお伺いいたします。
次に、山の日の制定に伴い、ふなれな登山者も多数訪れると思いますが、安全登山対策や自然環境保全対策が必要と考えますが、市当局ではどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
以上をもちまして、私の一般質問を終えさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 雨池議員の御質問にお答えいたします。
まず、1項目めの人口減少化に対応した人口増対策についての御質問にお答えいたします。
議員の御指摘のとおり、人口増対策としては、子育て支援や婚活支援、また、雇用対策、移住・定住の促進など、幅広い施策を連携して総合的に展開していくことが必要であるということでございます。そういった点から、まずは関係課によります連絡会議等を開催いたしまして、対策について横断的に議論してまいりたいと考えております。
なお、御提言の対策本部の立ち上げにつきましては、今後、国や県の具体的な施策が明らかになった段階で、本部を設置することがその施策の展開にとってより効果的であるということになれば、その時点で対応してまいりたいと考えております。
次に、2点目の民間組織等と市組織との連携についてでございますが、特に人口増対策のうち婚活事業につきましては、現在活動しておられます砺波市婚活支援協議会、先ほどもありましたが、となみおせっ会ですとか砺波商工会議所、JAとなみ野などと連携して取り組んでいるところでございます。
また、先ほど申し上げましたとおり、人口増対策にはさまざまな施策の展開が必要でございまして、これが1つ決まれば当たるというものではないというふうに思っていまして、行政はもちろん、自治振興会、それから、公民館、商工関係団体、NPO法人など幅広い方々との連携をさらに強化して、地域の方々とも一緒に取り組んでいかなければならないというふうに考えておりまして、今後とも、そのように進めてまいりたいと考えております。
次に、3点目の各種奨励金制度の創設についてでございますが、旧庄川町で実施されておりました、議員の御発言にありましたような各種の補助制度は当時、一定の成果があったのではないかというふうに思っております。
しかしながら、他の制度との重複支給ですとか、適用除外者の増加などもありまして、その効果について再検討された結果、合併の際に廃止となったという経緯がございます。
人口増対策にはさまざまな施策を連携していくことが大切でありまして、本市の豊かさですとか、暮らしやすさを高めることがまずは重要であるというふうに考えております。
そういった中で、個人に対します補助制度自体を全く排除するものではございませんが、当面は、移住・定住者などの個人に対する補助制度を新設するのではなくて、都市基盤整備ですとか雇用対策、子育て支援など、住みやすく、働きやすく、育てやすい環境づくりというものを行うための砺波らしい支援策について研究してまいりたいと考えております。その研究の中で、個人に対する補助制度が砺波らしい施策として有効な効果が出るのではないかということになれば、将来的には導入をしていくこともやぶさかではないというふうに思っておりますが、現段階で、個人給付を進めるということは考えておりません。
次に、子育て支援策の質問にお答えいたします。
議員もおっしゃいましたとおり、本市では、これまでも各種施設の整備などハードの事業ですとか、健診ですとか、相談などのソフト事業、さらには、経済的な支援などのさまざまな子育て支援にも取り組んでまいりました。
その一例といたしましては、例えばハード面では、11の市立の保育所、9つの市立の幼稚園、5つの市立の子育て支援センター、また、5つの児童センター、児童館など、点在する本市の住宅事情に合わせまして、多くの施設を整備して、職員も配置しているところでございます。
また、ソフト事業としては、他市よりも充実いたしました5名の家庭児童相談員によります毎月1回の各保育所、幼稚園の巡回ですとか、親同士も交流できます親子ふれ愛塾、子育て支援をしていただく方を養成いたします子育てサポーターリーダー養成講座の開催など、多くの子育て支援に関する事業を展開してきているところでございます。
また、経済的な支援といたしましては、例えば医療費の助成といたしまして、子育て支援医療費の助成については、この10月から、中学校3年生までの通院・入院に係る医療費を無償化するとともに、子育て支援医療費及び妊産婦医療費に係ります所得制限を廃止するなどの取り組みも行っております。
また、保育料につきましても、従来から軽減に努めておりまして、本県内でも低いレベルにございます。
加えて、今年度からは、他に先駆けまして市民税の非課税世帯の保育所、幼稚園の保育料及び授業料を無償化いたしまして、所得が低いということのためだけで、お子さんを産むことをためらっていらっしゃる若い世代に対しまして、第1子はもとより、第2子、第3子を産み育てやすい環境の整備などにも積極的に努めているところでございます。
御質問にもありましたとおり、現在、国におきましては、新たな子育て支援策が検討されておりますが、本市におきましては、今ほども申し上げましたように、ほとんどの分野で既に国の基準を上回る取り組みを実施してきているところでございます。この点につきましては、雨池議員にも十分御理解いただいているというふうに思いますが、引き続き国の動向も注視しながら、砺波の実情に即した一層の子育て支援の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
私からの答弁は以上でございます。その他につきましては、副市長、教育長及び担当部局長からお答えをさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
◯副市長(齊藤一夫君) 私からは、雨池議員の2項目めの祝日「山の日」制定に伴う牛岳登山等についてのうち、1点目の牛岳山開きの実施についてお答えをいたします。
まず、これまでの経緯といたしましては、従来は、例大祭の前に旧庄川町と旧山田村が合同で山開きを実施しておりましたが、平成20年に広域基幹林道牛岳線の土砂災害によって通行どめを余儀なくされ、その後、富山市山田総合行政センターと協議した結果、市としては、毎年6月6日に行われる例大祭の祭事をもって山開きにかえてきたものであります。
また、地元奉賛会では、昨年度より、この例大祭を山開きとして位置づけられております。
こうしたことから、市としては、別に山開きを行うのではなく、この例大祭の祭事を山開きと考えております。
なお、議員御提案の3市合同の開催につきましては、南砺市については、旧利賀村時代に協議したところ、利賀村側からの登山道が整備されていないことなどから賛同を得られなかったという経緯があり、また、富山市とは、先ほど申し上げた経緯があることから、3市合同での山開きは困難であると考えております。
なお、今後は、より多くの皆さんに牛岳の魅力に触れていただくことは意義のあることであることから、市としては、情報発信等に協力してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
教育長 山本仁史君。
〔教育長 山本仁史君 登壇〕
◯教育長(山本仁史君) 私からは、1項目めのうち、7点目の保育所と併用した児童館の設置及び放課後児童対策についての御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、児童館は、児童福祉法第40条に規定する児童厚生施設の一つで、地域において、児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、または情操を豊かにすることを目的とする施設であり、子どもたちは遊びを通して、考え、決断し、行動し、責任を持つという自主性、社会性を身につけることになります。
そこで、現在の東山見児童館でございますが、平成11年度に大規模な改修がなされ、資格を有する指導員のもと、地域の児童やスクールバスを待つ児童などに利用されております。
また、この児童館では、ドッジボールなどの運動や宿題をしたり、時には、近接している東山見保育所の遊具で遊んだりと活発な遊びの場として利用されております。
一方、東山見保育所では、十分に養護の行き届いた環境のもとに、くつろいだ雰囲気の中で子どもたちのさまざまな欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図るなどを目的として保育を行っております。
また、保育所には、感染に弱い3歳未満児も入所していることから、ゼロ、1歳児の部屋に入室する際には消毒を徹底しており、また、午後1時から午後3時までは午睡などの時間に充てるなど、日常の状態の観察を十分に行うとともに保健的な対応を行っております。
このように児童館と保育所ではその目的が大きく異なっていることから、玄関を別々にするなど、児童館と保育所を明確に仕切った、それぞれ独立のエリアで子どもの活動が展開されるような環境が担保されなければ、併設は難しいのではないかと考えております。
なお、同地区の放課後児童対策としては、児童館のほか、地域の皆様の協力により運営されております庄川小学校区放課後児童クラブやスポーツ少年団などの活動が行われており、保護者の就労状況や子どもの興味、関心などを考慮した上で選択されるものと考えております。
続きまして、2項目め、祝日「山の日」制定に伴う牛岳登山等についてのうち、2点目の牛岳登山の実施についての御質問にお答えいたします。
牛岳登山につきましては、本年7月30日、砺波南部小学校の5年生が宿泊学習において、富山市山田の富山市野外教育活動センターを利用して実施しております。
また、庄川小学校では、平成10年ごろまで、児童の体力強化と自然にふれあうことの大切さを目的に庄川町側からの牛岳登山を実施しておりました。しかし、緊急時に児童を避難させる場所が確保できないことや連絡体制が保てないこと等から実施されなくなりました。
この庄川町側からの牛岳登山の実施につきましては、県教育委員会からの学校における安全な集団登山の実施についての通知にある、コースの設定及び時間配分が適切に保てるかや、危険箇所での安全確保ができるか等の留意事項について、十分に検討する必要があると考えております。
教育委員会といたしましては、現在実施しております立山登山などにつきましては、引き続き事故のないよう指導、助言していくとともに、登山に親しむために家庭や地域での取り組みもお願いしたいと思っております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
商工農林部長 八田俊伸君。
〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕
◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、2項目めの祝日「山の日」制定に伴う牛岳登山等についての御質問にお答えいたします。
まず、3点目の広域基幹林道牛岳線の改修計画についての御質問につきましては、昨年の9月16日の台風18号において3カ所被災した林道牛岳線は、国、県の支援を受け、順次、災害復旧工事を進めているところでございます。
一番規模の大きい排水路の崩落につきましては、昨年の初冬に国の災害査定を受け、工事を発注したことから、雪解けの大型連休後から工事を進め、本年7月に完了したところでございます。
そのほか2つの被災箇所につきましては、本年8月に県事業の箇所づけがなされたところから、順次工事を発注し、積雪前までの竣工を予定しております。
また、議員御指摘の側溝の土砂につきましては、全てを一気にというわけにはいきませんが、順次、廃土処理を進めているところでございます。
次に、4点目の牛岳登山道に対する考え方、位置づけについて及び5点目の牛岳登山対策や自然環境保全対策についての御質問にお答えいたします。
牛岳山頂への登山道となる牛岳遊歩道は、近年、カシナガキクイムシ等の影響による立ち枯れの木が多く、根も枯れていることなどから、台風や雪崩による倒木が多く、登山道の荒廃が進んでおります。
市では、毎年、雪解け後、速やかに破損箇所を確認し、補修等を行っているところでございますが、昨年の台風ではのり面の崩壊や倒木による被害が特に多かったことに加え、現場までの道幅が狭いことや急勾配のため重機が入らないことから、手作業により、本年6月中旬に遊歩道を復旧したところでございます。
また、登山の安全対策や自然環境保全対策については、これまでも登山道の登り口や途中には登山道全体を示す案内板や誘導表示などを設置し、登山者の安全対策を講じているところでございますが、議員が述べられましたとおり、山の日の制定に伴い、ふなれな登山者も増えるものと思われますことや林道横住奥山線整備事業の完成など状況の変化もありますので、登山ルートの見直しなどを検討し、より一層、登山者の安全対策や自然環境保全対策を進めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局長 横山忠司君。
〔教育委員会事務局長 横山忠司君 登壇〕
◯教育委員会事務局長(横山忠司君) 私からは、1項目めのうち、5点目の保育所耐震診断の進捗状況について、並びに6点目の耐震工事の年次計画についての御質問にお答えいたします。
初めに、保育所耐震診断の進捗状況についてでございますが、御質問にもありましたとおり、市では、鷹栖保育所及び東山見保育所の耐震改修工事の施工に向けまして、今年度において耐震診断を行うこととしております。既に両施設とも、去る6月に耐震診断の業務委託をいたしまして、9月7日に、県の耐震診断評定委員会の審査を受けたところでございます。
したがいまして、今のところ、特に指摘事項がなければ、今月末ごろまでには評定書の交付を受け、耐震診断業務が完了するものと考えております。
そこで、これらの耐震工事の年次計画についてでございますが、今ほどもお答えいたしました耐震診断の結果を受けまして、今後、補強計画を作成し、実施設計、耐震工事施工と進めていくこととなりますが、今のところ、総合計画に基づき、両施設とも平成27年度に補強計画及び実施設計を行い、平成28年度には耐震工事を施工する予定としているところでございます。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 11番 大楠匡子君。
〔11番 大楠匡子君 登壇〕
◯11番(大楠匡子君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、質問と提案をさせていただきます。
大きい項目の1つ目として、市立砺波総合病院の充実についてお伺いします。
まず、患者総合支援センターの活用についてお伺いします。
先ごろ、南棟の耐震改修工事が完了し、化学療法室やがん等の相談部門のほか、災害時に多目的に利用できる会議室、外来アメニティーゾーンが整備され、入院・外来患者や見舞客などに、明るくて、開放的なイメージが好印象を持たれているようです。この南棟完成に伴い、正面総合案内受付の右奥の場所があき、そこに患者総合支援センターを開設されることとなりました。
在宅介護へのシフトが進み、地域完結型医療へと変わろうとしている中、開設される患者総合支援センターでは、かかりつけ医との連携、入退院の支援や相談業務などをセンターに一元化して、地域医療機関等との連携を強化するとともに、地域住民がより適切な医療を受けられるよう支援するとしています。
また、患者、家族の立場に立ち、入院から退院、そして、地域まで、安全で安心な切れ目のない医療を提供するとともに、総合病院地域包括支援センターと連携し、医療と介護サービスの切れ目のない提供を図るとしています。
患者総合支援センターの4つの機能、1、地域医療連携、2、入退院支援、3、総合相談、4、病床管理、それぞれの機能が十分発揮されることにより、患者が持つ不安や悩みを軽くし、安心して通院や入退院することが期待でき、すばらしいセンターになることと思います。
そこで、開設に向け危惧される幾つかの点について、当局のお考えをお伺いしたいと思います。
1、地域医療の連携として、1つ目、かかりつけ医とのカルテ共有の課題について、2つ目、市内の開業医との病診連携状況について、3つ目、オープンベッド、開放型病床の現状と今後の見込みについて。
2、入退院支援として、入退院に係る業務を一元化することによるメリット・デメリットについて。
3、総合相談室として、1つ目、看護外来充実も含め、認定看護師の養成について、2つ目、福祉相談充実のための社会福祉士の配置について。
4、病床管理室として、混合病棟の課題とその対策について。
5、看護師も含めた職員の増員見込みとその影響について。
最後に、開設される場所ですが、開口部が少なく、開放的な場所ではありません。患者の皆さんが利用しやすいセンターとなるよう、入り口等の工夫が必要です。また、患者総合支援センターのほかに地域包括支援センターも設置されるとなると、少々手狭なようにも思います。対応についてお考えをお聞かせください。
次に、総合病院地域包括支援センター、訪問看護ステーションと患者総合支援センターとの連携についてお伺いします。
医療と介護の連携に対応するため、地域包括支援センターのサブセンター、総合病院地域包括支援センターを患者総合支援センターに新たに併設され、砺波型の地域包括ケアの体制を推進されます。
市立砺波総合病院内には、地域包括ケア病棟も新設され、その連携を大変期待するものです。
また、訪問看護ステーションは、病院北側にある現在の仮設棟での開設となるようです。病院に移管されても、設置場所が離れており、十分な連携ができるのか、危惧されます。これからますますニーズの拡大が予想される訪問看護ステーションが十分機能するような連携を望むものです。お考えをお聞かせください。
次に、地域包括ケア病棟新設による課題と対策についてお伺いします。
今年8月から院内に新設された地域包括ケア病棟ですが、急性期の治療を終えた患者が在宅復帰まで療養する病床となります。
これまでの方針からの転換ということで、患者側にとってはありがたいことであると思いますが、患者の在宅復帰率7割以上という要件があるようにも聞いております。病床を48床と定められた根拠とその見込みも含め、地域包括ケア病棟の課題と対策についてお聞かせいただきたいと思います。
大きい項目の2つ目として、医療保険制度についてお伺いします。
6月から進められていた特定健康診査が8月末で終了しました。私も、最終日の8月29日に慌てて病院に駆け込んだ始末ですが、私のように駆け込みの受診者が三、四人ほどおられました。この特定健康診査の受診率はここ数年58.5%と伸び悩んでいます。また、特定保健指導についても26.3%と、約4分の1にとどまっています。国民健康保険加入者の1人当たりの医療費は、平成24年で27万4,382円と、全国平均と比較すると低い状況にはありますが、平成18年以降、年々増加しています。
ある大学の教授は、医療費の80%は20%の患者のために使われており、そこに着目すれば、大幅な医療費コストの削減になる。そのために国民健康保険の保険者である市町村がレセプトデータを丁寧に調べれば、重篤な状態になる直前の状況にある人を抽出でき、そうした重篤患者予備軍の人たちに集中的に対応することで、この人たちの病状の悪化を防ぐことができ、それは患者の人たちにとって大切なことであるばかりでなく、地域の医療費を削減することにもつながると話されています。
今年度より、国保データベースシステムを活用し、医療、健診、介護等の各種情報を分析することにより、地域の健康増進を進める際の課題等を明らかにし、効率的な保険事業を推進する取り組みが進められています。右肩上がりで上昇している国保の医療費を抑えるためにも、このデータの活用は重要であると思います。しっかり活用していただきたいと要望するものです。ついては、活用現状と今後の見込みについてお聞かせいただきたいと思います。
また、レセプトや検診情報等を活用したデータ分析を行い、通院回数や投薬量が多い患者を抽出し、保健師が訪問指導するというように保健事業の効果が高い対象者の抽出を行い、保健師による健康指導につなげるような取り組みについても早急に取り組んでいただきたいと望むものです。お考えをお聞かせください。
国は、全ての健康保険組合等に対し、レセプト等のデータの分析、それに基づく加入者の健康保持増進のための事業計画として、データヘルス計画の作成、公表、事業実施、評価などの取り組みを推進しています。データの分析を効果的・効率的に保健事業に生かし、病気の重症化を回避するため、また、医療費を抑えるため、データヘルス計画を早急に策定していただきたいと思います。データヘルス計画策定の見込みについてお聞かせください。
さて、重要なのは、一連の予防活動を誰が中心となって担うかということです。もちろん病院や医師との連携は重要ですが、この活動の主体は保険者である自治体や企業健保であり、そして、生活習慣を指導する看護師や家族であるということです。地域全体が住民の健康維持のための活動を強化することなしには大きな成果は上げられません。住民一人一人が健康維持の自覚を持つとともに、地域全体として、住民の健康を守るような活動を進めていかなければなりません。急速な高齢化の中で、医療費が日本の財政を破綻に導く危険が指摘されていますが、財政破綻を恐れて、医療費が削減されるのも困ります。国民の健康を向上させる方向で医療費を抑制することが喫緊の課題となっています。地域の健康活動は、日本の医療制度維持の鍵を握っているという学者もいます。
そこで、砺波市における地域全体での健康維持活動の推進についてお伺いします。
先進事例の中には、介護予防の地域住民リーダーを育成し、その活用に成功している事例があります。住民が介護予防事業の担い手としてかかわることで、自らの介護予防、生きがいづくりになっているようでもあります。砺波市でも、地域介護予防活動支援事業を展開されていますが、その現状と今後の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
次に、ジェネリック医薬品の使用推進についてお伺いします。
平成24年から、ジェネリック医薬品を使用することで医療費の負担が少なくなると思われる国保加入者にはがきで案内するジェネリック医薬品の差額通知事業を実施し、使用勧奨をされています。その効果と今後の見込みについてお聞かせください。
大きい項目の3つ目として、介護予防のための施策についてお伺いします。
平成25年3月に策定された砺波市健康プラン21の中で、砺波市における高齢化の進展及び疾病構造の変化を踏まえ、働く世代の生活習慣病予防や社会環境の整備等により、1つに、健康寿命の延伸、2つに、生活の質の向上を実現しますと定めています。
基本目標の一つ、健康寿命の延伸は、単に平均寿命の延びを重視するだけでなく、介護を要しない状態で生活できる期間、健康寿命の延伸を目指しています。砺波市の健康寿命は、古い数字ではありますが、平成22年では男性78.87歳、女性82.14歳であり、平成14年に比べて、男性で2.82歳、女性で1.83歳の延びとなっています。
平均寿命は、平成22年で、男性で81.48歳、女性で86.97歳であり、平成14年に比べ、男性で3.31歳、女性で2.45歳の延びとなっており、平均寿命の延びに比べて、健康寿命の延びは低い状況にあります。
一方、平成25年度の砺波地方介護保険組合介護保険事業特別会計の歳出合計額は128億4,133万8,000円で、単年度収支で7,917万1,000円の赤字となっています。歳出の96%を占める保険給付費は123億2,413万8,000円で、前年度比4.9%の増となっています。平成18年度以降、毎年、約4~5%の伸びとなっているのです。こうした現状を踏まえ、砺波市における介護予防のための施策はより一層の充実を求められています。
砺波市総合計画後期計画において、介護予防の推進のため、1、介護に頼らない自立した生活が送れるよう、おのおのの健康状態に応じた運動の機会を提供したり、栄養指導を行ったりして介護予防を推進します。2、地域支援事業や予防給付、保健事業などの取り組みが一貫して実施されるよう、医療、保健、福祉の各種サービスの総合的な提供体制を確立します。3、高齢者の健康保持や介護予防に向け、地域包括支援センターや健康センター、庄川健康プラザが連携をとり、福祉センターなどを活用しながら事業を展開しますと定めています。それぞれの事業は進められていますが、総合的な介護予防システムはまだ確立していないようです。
例えば保健事業計画を見ましても、健康センターが主体となる介護予防事業と地域包括支援センター、庄川健康プラザが主体となる事業がそれぞれ別々に位置づけられています。
また、2次予防事業の利用者は約4分の1にとどまっています。
平成25年では、2次予防事業候補者が1,704人おられ、その中から医師がハイリスク対象者643人を抽出されました。その643人の方たちを対象に2次予防事業が進められるのですが、主な予防事業であるいきいき元気教室やはつらつ元気アップ教室などへの参加者数は174人と、約27%となっているのです。これらの教室への送迎はタクシー送迎がついており、約半数の人が利用されていて、この利用状況なのです。
庄川健康プラザでは、ウオーキングプールや機能訓練室などを活用したさまざまな介護予防事業が進められています。年間の利用者総数も年々増加しているようです。水の中での運動は負荷が少ないので、高齢者にとっては効果的ですので、介護予防のための庄川のウオーキングプールをもっと活用されるような取り組みが必要ではないかと考えます。
昨年度の第1次、第2次予防事業の利用者は、延べ人数で329人ですが、1回当たりの参加者数は10人前後と予想されますので、利用者増を図る必要があります。
また、平成11年に建設された高齢者能力活用センターでの教室は、現在3教室だけの開催となっています。せっかくの施設があまり活用されていません。
そこで、介護予防事業が効果的に進められることを期待し、1、総合的な介護予防システムの確立について、2、介護予防事業への参加を促すための工夫について、会場の問題、交通手段の問題、教室の内容の問題、3、庄川健康プラザの活用について、4、高齢者能力活用センターの活用について、当局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
以上で、私の質問を終わります。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 大楠議員の御質問にお答えいたします。
私からは、2項目めの医療保険制度についての御質問に関しまして、総括的なお答えをさせていただきまして、詳細につきましては担当部長からお答えをさせていただきます。
我が国は、国民皆保険制度のもと、誰もが安心して医療を受けられる社会を実現しておりますが、とりわけ市町村が運営いたします国民健康保険などは、他の被用者保険などと比べまして高齢者加入率が高く、今後の医療費の急増が懸念される中、保険財政運営が一層厳しくなるというふうに見込まれております。このような状況におきまして、引き続き医療費の伸びをいかにして抑制していくかが保険者、または被保険者に求められているところでございます。
砺波市といたしましては、これまでも疾病あるいは介護対策に関しましては、予防、早期発見・早期治療に向けた事業を展開してきておりまして、健康センター、高齢介護課など所管部署では、特定健診の結果などによります健康相談、訪問指導、また、一般健康診査、各種がん検診、生活機能評価、介護予防教室などをいろいろと実施してきております。
このような中でございますが、情報化の進展により蓄積されましたレセプト、健診データなどを最大限に利用しまして、地域の受診動向ですとか、医療費の傾向などを多角的に分析できますシステムの活用を図ることができますれば、保険所管部署と事業実施部署が情報を共有することによりまして、ポイントを絞った事業化ですとか、新たな視点での保健事業の実施などが効果的に進められるのではないかというふうに考えております。
また一方で、被保険者はもとより、市民の皆さんに対しましては、生活習慣病が医療費の主要な要因となっている中、データを日ごろの食生活の改善や運動習慣を身につけていただくための啓発事業に生かすことなども検討しておりまして、この点についての効果も期待できるのではないかと考えております。
このような基本的な考え方をもとに、それぞれ今後、必要な対策をとっていくこととしておりまして、関係者やまた市民の方の御理解と御協力もお願いしたいというふうに考えております。
私からの答弁は以上でございます。その他の御質問につきましては、病院長、担当部長から個別にお答えをさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
病院長 伊東正太郎君。
〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
◯病院長(伊東正太郎君) 私からは、大楠議員の1項目め、市立砺波総合病院の充実についてのうち、まず、1点目の患者総合支援センターの活用についての御質問にお答えいたします。
議員が述べられたとおり、10月1日に開設いたします患者総合支援センターおあしすでは、1、地域医療連携、2、入退院支援、3、総合相談、4、病床管理を行い、地域の医療機関や介護、その他の施設との連携を強化し、患者さんの紹介率、逆紹介率の向上を図ってまいります。
また、かかりつけ医とのカルテ共有については、となみ野メディカルネットに加入している砺波医療圏の4公的病院と医療圏内の29診療所で、公的病院が持っている患者情報を共有しており、7月末現在で登録患者は912名と聞いております。今後も地域医療連携室において、登録患者に対応し、他の医療機関との情報共有を図りたいと考えております。
次に、市内開業医との病診連携状況については、現在、市内の開業医と当院医師との間で定期的に学術研修会を開催しておりますが、今後も継続して医療技術の向上に努めてまいります。
また現在、当院では入院患者や外来患者の紹介率や逆紹介率が低いことから、かかりつけ医との連携を強化し、紹介率や逆紹介率の向上を図ってまいります。
次に、オープンベッド、開放型病床のことでございますが、オープンベッドの現状と今後の見通しについて申し上げます。現在5床ありますオープンベッドの平成25年度の利用は1医療機関のみで、利用率も約16%と低い状況にありますが、今後とも開業医のニーズに合わせて受け入れてまいりたいと考えております。
また、入退院に係る業務を一元化することによるメリット・デメリットについてお答えいたします。
まず、メリットですが、従来、外来や病棟で行っておりました入院、手術、検査などの説明や書類作成を1つの場所で一括して行うことで、待ち時間の短縮が図られ、入院後速やかに治療が開始できるようになります。また、入院中から患者とその家族の立場に立ち、在宅療養に向けて支援できるようになります。
次に、デメリットについて申し上げます。利用者として、入院患者が1日当たり25人程度、退院患者も同程度利用することが予想され、また、検査説明も1日当たり50人に達しそうなことから、来院時間によっては、対応する職員や相談スペースの確保が問題になるかと懸念しておりますが、病院全体で柔軟に対応することで問題を解消してまいりたいと考えております。
次に、総合相談室で行っております看護外来の充実についてお答えいたします。
現在、南棟2階で、栄養・嚥下ケア外来など7つの看護外来を開設しており、それぞれ認定看護師や専門看護師が相談に当たっております。今後も積極的に認定看護師や専門看護師を育成し、看護外来の充実を図ってまいりたいと考えております。
また、福祉相談充実のための社会福祉士の配置については、患者総合支援センターに社会福祉士を3名配置し、各種の福祉相談に当たってまいります。
次に、病床管理室が担う混合病棟の課題とその対策については、今回の診療報酬改定で、7対1入院基本料の算定が厳格化されたことから、患者の重症度や医療・看護必要度と在院日数を勘案し、効率的な病床管理に努めてまいります。
しかしながら、診療科によっては、入院患者が複数の病棟に分散することになり、担当医師の負担が増すことになりますので、より効率的な調整を行ってまいりたいと考えております。
また、看護師を含めた職員の増員見込みとその影響については、10月に看護師6人を中途採用し、中途退職者の補充や患者総合支援センターの看護師に充てることにしており、患者総合支援センターには、看護師や事務職員など5人を増員するとともに、薬剤師も交替制ながら、1人常駐する体制を予定しております。
最後に、患者総合支援センターの入り口につきましては、内照式のLEDのセンター案内板を設置し、入り口ドアをガラス張り框戸にするとともに、入り口部分の天井照明を増設いたします。床カーペットも一部張りかえ、患者さんにわかりやすくする予定であります。
また、相談室もセンター内に3カ所、南棟2階に2カ所設置し、対応してまいります。センター入り口前の総合案内には2人の人員を配置し、各窓口に誘導するとともに、中央受付に患者相談の窓口を1カ所設け、患者さんの利便性の向上を図ってまいります。
次に、総合病院地域包括支援センター、訪問看護ステーションとの連携についての御質問にお答えいたします。
患者総合支援センターの開設に合わせて地域包括支援センターのサブセンターが院内に併設されることにより、医療と介護の連携がより緊密になり、当院での治療を終えられた患者さんが安心して在宅療養を受けられるようになると考えております。
また、訪問看護ステーションが来年4月から病院の組織として移管されることで、院内のスタッフを必要に応じて増強することが可能となります。これによりまして、患者さんが今以上に安心・安全な在宅療養を継続していただくことになると思っております。
そこで、御指摘の訪問看護ステーションの設置場所が現在の仮設棟の場所に予定されていることから、患者総合支援センターとの連携がとれるのかという御懸念でございますが、訪問看護は、院内医師や市内の開業医の先生方の指示により患者さん宅に訪問することが主業務ですので、患者総合支援センターに隣接する必要は必ずしもなく、また、在宅訪問する際には、すぐに車で出ていくことが必要でございますので、現在の仮設棟の場所が適切と考えております。
また、訪問看護ステーションは、病院の組織として現在の地域医療部・患者総合支援センターの中に位置する予定であり、統括する地域医療部長が同じでありますので、連携についての問題は生じないものと考えております。
次に、2点目の地域包括ケア病棟新設による課題と対策についての御質問にお答えいたします。
地域包括ケア病棟は、今年度の診療報酬改定において新設されたもので、その役割として、1、急性期病床からの患者受け入れ、2、在宅等にいる患者の緊急時の受け入れ、3、在宅への復帰支援の3つの機能が挙げられます。
当院では、この8月から東棟4階を地域包括ケア病棟として算定しておりますが、対象患者数の見込みや看護師の配置可能数や理学療法士や作業療法士などのリハビリスタッフの配置可能数から、病床数を48床としたものであります。また、介護入浴装置などの設備も完備していることから、東棟4階を地域包括ケア病棟としたものであります。
また、地域包括ケア病棟入院料の算定基準は、在宅復帰率が70%以上であることやリハビリテーションを必要とする患者について、リハビリテーションを1日平均2単位、1単位20分でございますので、40分以上のリハビリが必要になります、2単位以上提供していることが主な要件となっております。このことから、一定数の理学療法士などを確保することが課題となっております。また、入院期間が60日を限度として算定されるため、60日を超えると診療報酬上の点数が大きく減額されます。このため、早期の在宅復帰に向けた取り組みも必要となります。
これらの課題を克服するために、来年4月に向けて理学療法士や作業療法士を増員し、地域包括ケア病棟に配置して、積極的にリハビリテーションを行い、在宅復帰を支援してまいりたいと考えております。
現在の地域包括ケア病棟の病床利用率はいまだ50%程度でありますが、砺波医療圏の医師会を初め、地域の医療機関や介護施設などにも周知を図り、病床利用率の向上に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 川原國昭君。
〔福祉市民部長 川原國昭君 登壇〕
◯福祉市民部長(川原國昭君) 私からは、まず、2項目の医療保険制度についての御質問について、詳細なところをお答えいたします。
まず、1点目のデータヘルス計画の策定についてでございますが、データヘルス計画は、保険者として、特定健康診査の結果やレセプト等の電子データの分析を行うことにより、取り組むべき課題を明確化し、目標値を設定するなど、地域の特性に応じて効果的かつ効率的な保健事業を実施するための計画となっております。
これにより、より有効な保健事業を展開し、市民一人一人の自主的な健康増進及び疾病予防の取り組みを促し、医療費の適正化、ひいては国保財政の基盤強化を図ろうとするものであります。
このような国の方針を受け、本年6月から国保データベースシステムの運用が始まったものであり、県厚生センター、健康センターなど関係機関と連携をとりながら、既存の特定健康診査等実施計画の見直しを含め、本年度中にデータヘルス計画を策定したいと考えております。
次に、2点目の国保データベースシステムの活用についての御質問にお答えいたします。
国保データベースシステムにつきましては、昨年度に、県国保連合会とつなぐ端末機器を市民課と健康センターに設置しております。
なお、この活用を図る職員の基礎研修が本年6月下旬にようやく行われたところであり、引き続きこの8月から来年2月まで実践者育成研修が実施されており、関係職員を受講させている段階であります。
個人の健診履歴、国保の受診履歴などが提供されておりますので、このデータの分析や統計情報等により、保健センターなどの健康部門及び保険部門の市民課などの関係部署が連携を図りながら、適切な保健指導や検診事業の実施などに早期に活用できるよう努めたいと考えております。
次に、3点目の地域全体での健康維持活動の推進についての御質問にお答えします。
市民がライフステージに応じて、健やかで、心豊かに生活できる社会の実現を目指し、昨年度、第2次の砺波市健康プラン21を策定しておりますが、今回のプランでは、市民一人一人が自身の問題として生活習慣を考え、実践する意識づけを行うとともに、地域ぐるみの健康づくりの推進を強調するものとなっております。
特にがんなどの検診受診率の向上、特定健診、特定保健指導受診率の向上、望ましい生活習慣づくりの普及などにおきまして、家庭、地域、事業者の力をいかに取り込むかを課題としております。
地域ぐるみの健康づくりにつきましては、関係機関と連携しながら、家庭、地域、学校、職場など、さまざまな場において健康づくりに取り組むことと考えておりますが、これまでもヘルスボランテイア、食生活改善推進員、母子保健推進員などの活動を展開していただいており、議員御指摘のとおり、さらに地域住民リーダーの育成は重要であると考えております。
市といたしましては、地域活動につながる、いきいきサロン事業や老人クラブ活動の支援を初め、サポーターなどが参加する認知症予防事業を実施しておりますが、元気な高齢者の方々にもこれまでの経験を生かして活動していただくなど、今後の介護保険制度の新たな予防事業の実施などを見据え、地域の健康環境づくりを推進していく具体策を拡大してまいりたいと考えております。
次に、4点目のジェネリック医薬品の使用推進についての御質問にお答えします。
高齢化と高度先進医療の進展などにより、医療費は右肩上がりの増加傾向にあります。
本市の国保財政も厳しい状況にあることから、ジェネリック医薬品の利用促進は保険財政の健全化につながるばかりでなく、患者負担の軽減につながる重要な要素と考えております。
本市では、平成24年度から継続してジェネリック医薬品の差額通知事業を実施しております。昨年度は、40歳以上で、自己負担額が500円以上軽減できる方を対象として、差額通知はがきを作成し、6月には338名、11月には270名に発送したものです。
効果といたしましては、昨年度のデータから4月分を抽出して計算したところ、切りかえされた方は約6%でありましたが、該当者の医薬品の保険者負担額は約30%の減額となりました。
今後とも被保険者証の更新時にジェネリック医薬品希望シールの配付を行うとともに、関係機関と連携して普及啓発の取り組みを実施してまいります。
次に、3項目めの介護予防のための施策についての御質問にお答えをいたします。
介護予防につきましては、将来にわたって介護に頼らない、自立した生活を送るために2つの柱を考えております。
1つは、介護につながらない疾病予防が大切であり、特に40歳から64歳までの生活習慣病の予防行動が重要と考えております。
また、もう一つは、老化等に伴い介護が必要になった場合も、できるだけ早期に介護予防の行動を始め、重度化の防止につなげることが重要と考えております。
このような介護予防事業につきましては、介護保険制度の見直しにより、より身近な地域において、その実情に即して行う事業が拡大する方向となっておりますので、その方向性の中で全市的なシステムの確立が重要になると考えております。
まず、御質問の1点目の総合的な介護予防システムの確立についてでございますが、介護予防は、要介護者に対する予防給付事業と地域支援事業の2つの柱で実施しております。
介護予防教室などの事業は、地域支援事業の中で実施しており、運動機能の向上、栄養改善、口腔機能の向上を柱としており、本市では、地域包括支援センター、健康センター及び庄川健康プラザなどで、元気な高齢者や身体機能が低下した高齢者を対象にプールを使った教室、口腔機能向上のための教室など各部署の機能を生かした事業を展開しており、いずれの教室も参加者は増加傾向にございます。
介護予防教室の主体が別々であり、総合的な介護予防システムは確立していないのではとの御指摘でございますが、地域包括支援センターを中心として、各部署の持つ機能や特色を生かした事業を実施し、一体感を保ち、円滑かつ効果的に実施するため、月に1回、関係部署による調整会議を開催し、情報共有を行い、事業内容を検討するなど連携を図っておりますので、御理解いただきたいと思います。
次に、2点目の介護予防事業への参加を促すための工夫についてお答えいたします。
御指摘のとおり、身体機能の低下が見られる高齢者を対象とした2次予防事業の参加者は643名で、対象者の3割弱にとどまっております。
このため、地道な案内活動に力を入れるほか、昨年度から、いきいき元気教室を3会場から4会場に増やすほか、交通手段のない方や体の都合が悪い方には自宅付近まで送迎するなど利便性の向上に努めております。その結果、若干ではございますが、利用者の増加傾向にはつなげております。今後も引き続き参加してみたくなる教室づくりを進めてまいりますが、家族、地域の皆様などからの参加呼びかけなど、身近な行動も期待したいと考えております。
次に、御質問の3点目の庄川健康プラザの活用について、及び高齢者能力活用センターの活用について一括してお答えいたします。
庄川健康プラザの利用状況につきましては、年間2万9,936人となっており、このうちウオーキングプールの利用者は1万9,413名となっております。
2次予防事業対象者などのウオーキングプールの利用が329名と少ないという御指摘でございますが、今年度から、庄川健康プラザの保健師が各地区のいきいき元気教室や出前講座などに出向き、プール利用の効果や教室のお知らせなど周知を図っております。このほか11月から、第3クールの募集に合わせ、新たに庄川健康プラザだよりを発刊するなど広報活動を強化し、利用者の増加につなげようと考えております。
また、市役所本庁舎敷地に隣接しております高齢者能力活用センターにつきましては、平成25年度実績で、介護予防事業で3教室の利用を行い、年間93回、1,091人の利用となっております。砺波地方介護保険組合の業務利用もございますが、施設的にはやや余裕があることから、昨年度から新たな介護予防教室を開催するなど、引き続き利用促進を図ってまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) この際、暫時休憩といたします。
午後 0時03分 休憩
午後 0時59分 再開
◯議長(山森文夫君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
6番 堺 武夫君。
〔6番 堺 武夫君 登壇〕
◯6番(堺 武夫君) 今回も、郷土砺波の未来を切り開く基盤づくりのためにはどのようにしていくべきかという観点で質問をします。
まず、合併砺波市の評価、総括と次の10年に向けての指針について質問をします。
来る11月1日には、合併砺波市が10年を経過します。また、10年記念事業はこれまで順調に実施されております。そして、何より「まつりごと」の市政や「いきおい」の市勢は概ね堅実に進展しています。
そこで、今の砺波市の合併は、これでよかったのかどうか、10年という節目に当たって評価をし、総括をしておくことは大切です。そして、次の10年へ進むべきであると考えます。
平成の大合併議論が活発であったころ、私は富山県職員でした。当時、県庁内では、砺波地方10市町村の大合併ということで、知事以下、いろいろとその実現に向けて努力されておりました。しかし、当時の砺波市長は、信念を持って今日の2市町合併を選択され、2市町の議会も合併議決をしました。当時、私は大合併について資料で検討したことはありませんでした。ただ、10市町村の大合併をすると重い荷物を背負うことになるだろうということは予想していましたが、なぜ仲よく10市町村で合併しないのだろう、広域圏として事務を共同処理している間柄ではないか、習俗や文化の面で共通する同じ砺波ではないかというような漠然とした思いしかありませんでした。私ははたから見ていて、砺波市に対して、大合併で助け合ってくれというような雰囲気が県庁中枢にはありました。
今の私には、市域というものには適正規模というものがあるように思います。また、2市町住民には、一番大事な一体感の醸成もできてきており、これでよかったと思います。
そこで、もう一つ上の砺波市の実現を目指していくためには、今の合併砺波市についての評価をし、総括をどのようにしておられるのか。その上で、平成52年には我が市の人口4万1,243人との推計もある中で、人口減少が進むのを食いとめるとともに、砺波地方の中核都市として、市域の均衡ある発展を図り、いかに住民福祉の維持、向上を図ろうとしておられるのか。次の10年に向けて、どのような指針を持って砺波市を導こうとされるのか。夏野市長の忌憚のない思いをお尋ねします。
次に、防災について幾つか取り上げます。
第1は、住宅の耐震化について質問をします。
9月1日は防災の日でした。我が砺波市でも、綿密に検討された実施細目のもとに8月24日に総合防災訓練が実施されたところです。
さて、昨年、災害対策基本法の一部改正によって、地区居住者等が市町村防災会議に対し、地区防災計画を市町村防災計画に定めることを提案することができる仕組みが創設され、本年3月、地区防災計画ガイドラインが内閣府から示されました。
砺波市では、あまり大きな地震被害はなかったこともあり、住民にいかにして継続して、地震に対する意識啓発をしていくかが課題です。そして、防災・減災についての認識、理解には各地区によって差があるようです。また、自然災害には大きな不確定要素があることから、想定やシナリオには一定の限界があります。
そんなことから、富山県では、県民一斉防災訓練~シェイクアウトとやま~「富山が揺れても、心は動じない!」ということで、地震発生直後の身を守るための安全行動を身につけるため、「みんなで・一斉に、『しゃがんで』『隠れて』『じっとして』身を守るための正しい行動を体で覚えましょう!」という訓練が行われました。9月1日月曜日午前に、学校、職場等において、放送等の合図で、地震による揺れを感じたという想定で、まず低く頭を守り、動かない行動を1分間するものでした。13万6,518人もの参加があり、我が砺波市職員も訓練されたと聞きました。大いに普及していただきたいものです。
ところで、平成7年1月の阪神・淡路大震災では、神戸市内での死者数の86.6%が自宅です。その原因では、83.3%が建物の倒壊や家具の転倒を原因とする窒息死や圧死、頭部や内臓などの損傷です。次が焼死・12.2%で、合わせると95ないし96%が家の倒壊が原因で火事が起こったり、家の倒壊によって避難できなかったりと、多かれ少なかれ、家の倒壊が原因だったそうです。また、監察医のデータによれば、現場で亡くなった人々の約92%が地震発生後の14分以内で命を失っていたのです。大地震で倒壊した家のほとんどは、地震が起きて、わずか5ないし10秒で倒壊したと言われており、犠牲者のほとんどが、地震発生直後に家が倒壊し、すぐに亡くなっていたのです。さらに、突然地震が起こると、多くの人はほとんど何もできないというデータもあるようです。
そこで、まずはどんな大地震が来ても倒壊しない住宅にすることが全ての基本で、住宅の耐震化率を100%にすると、死者数は90%減るそうです。
砺波市耐震改修促進計画では、平成27年度末施策効果による目標耐震化率は85%以上です。5年ごとの住宅・土地統計調査によると、平成19年度末世帯数は約1万4,900世帯で、住宅の耐震化率は約67%、同じく平成20年度末、約1万5,100世帯で、約69%と推計され、平成25年度末数値は現在集計作業中とのことですが、本市の耐震化は必ずしも進んでいないようです。このため、市では、県や市の支援制度を活用して耐震化を図るよう市民に啓発しておられるところです。
そこで、我が市の住宅の耐震化が進まない事由は何か、どのように促進策を講じて、計画を達成されるのか、大浦建設水道部長にお尋ねをします。
第2は、防災訓練、避難訓練時の啓発について質問をします。
私は、地震対策の基本である住宅の耐震化の促進や、地震発生時に住民個々人がとるべき行動などを防災訓練時等に資料として個々人に配付して、住民に訴え、考えてもらうことが肝要であると考えます。訓練参加者は関心があると思われるし、参加者自身に関する情報は見てもらえると思います。また、訓練時に、その場で自分に関する情報を書き込むことも意義があると思います。
なお、ほっとなみ安心ポケット等を改めて見てもらうことにより、さらに効果が高まると思います。先の市総合防災訓練会場の鷹栖地区では、我が家の防災メモ、裏は救急救命メモの1枚物の資料配布を受けました。大変すばらしいと思いました。
そこで、各地区自主防災組織による防災訓練時等に、例えば地震の避難訓練の場合には、住宅の耐震化支援事業、家具等の転倒防止の有用性、当該地区の避難所、緊急避難場所、加えて、先に県が実施したシェイクアウト訓練、身を守る3つの動作、さらに、火をとめること、3日分の食料、飲料水の確保等、あとは当該地区自主防災組織の担当役員名などを1枚の啓発資料として配ることは有効であると考えます。
そこで、これらのいろいろな事例を参考として、各地区自主防災組織に対して、情報提供してみることを提言します。水落企画総務部長にお尋ねをします。
第3は、防災マップの作成について質問をします。
我が市には、洪水ハザードマップ、地震防災マップ(揺れやすさマップ)及び土砂災害ハザードマップの3種あります。これらのマップをもとに地区居住者等、地区自主防災組織が自分たちの地区を見て回るいわゆるまち歩きやワークショップ等によって、自分の地区の防災マップをつくることは大事なことと考えます。地区の安全な場所及び危険な場所を認識し、災害時に安全な場所に避難するための方法等の検討をすることは意義があります。
我が市の自主防災組織は、平成20年3月には全地区で設立を終えており、それから9年ないし6年を経過し、地区によっては非常に進んだ取り組みをされているところもあります。防災活動は地域づくり、地域力の向上には極めて有効で、地道な努力を継続的にしていくことは極めて重要と考えます。私は、地域力の維持、向上を図り、その総和としての我が市の実力を発揮することが砺波市の発展には何よりも大切であると考えます。
そこで、これら3つのマップをもとにして、地区自主防災組織に対して、まち歩きなどを実施して、それぞれの災害を想定した危険箇所を把握し、当該地区・地域の防災マップ作成の指導をすることを提言します。水落企画総務部長にお尋ねをします。
第4は、避難行動要支援者名簿の情報提供について質問をします。この質問については嶋村議員の質問と少し関係します。
昨年の災害対策基本法の一部改正によって、避難行動要支援者名簿の作成等が市町村長に義務づけされ、その名簿情報は地域防災計画の定めるところにより、一定の条件のもとで避難支援等関係者となる地区自主防災組織にも提供するものとすることとされました。ただし、市町村の条例で特別の定めがある場合を除き、名簿情報を提供することについて本人の同意が得られない場合は、この限りではありません。なお、災害が発生し、または発生するおそれがある場合において、避難行動要支援者の生命または身体を災害から保護するために特に必要があると認めるときは、避難支援等の実施に必要な限度で、避難支援等関係者その他の者に対し、各名簿情報を提供することができ、この場合は名簿情報を提供することについて本人の同意を得ることを要しないと定められております。
そこで、地区自主防災組織に対して、外国人をも含めた名簿情報の提供をどこまですることが可能なのか、その具体的な手続も含めて水落企画総務部長にお尋ねをします。
次に、国民の祝日に国旗を掲揚することについて質問をします。
我が家では、国民の祝日に国旗を掲げることは慣例になっております。また、地方公務員としての生活を送ってきたこともあり、国旗を掲げることは当然の責務と考えます。平成11年に国旗及び国歌に関する法律が制定され15年経過しております。最近の諸情勢や国際化の進展を思うとき、国民の祝日には何とか国旗の掲揚が各家庭でされるようになってもらいたいと思いますが、国旗を掲げる家庭はあまり多くありません。
改めて法律成立日、平成11年8月9日の内閣総理大臣談話を読んでみました。国旗である日章旗と国歌である君が代は既に慣習法として定着していたことや、国旗と国歌はいずれの国でも国家の象徴として大切に扱われているものであり、国家にとってなくてはならないものである。また、国旗と国歌は、国民の間に定着することを通じ、国民のアイデンティティーのあかしとして重要な役割を果たしているものと考えている。今回の法制化は、国旗と国歌に関し、国民に義務を課すものではないが、本法律の成立を契機として、日章旗の歴史や君が代の由来、歌詞などについてより理解を深めていただくことを願っております云々と述べられております。
国民の祝日は現在、年15日、平成28年からは、雨池議員が紹介されましたが、8月11日に山の日が追加されるので、6月を除き毎月あることになります。日本国民であることに誇りを持って国旗を掲げたいものです。これは、国を思う心を育み、すばらしい砺波実現の第一歩であると確信します。
そこで、私は、広報となみ一面の標題の下に日章旗を載せ、例えばその下に当月の国民の祝日の名称、月日等とともに、国民の祝日には国旗を掲げましょうぐらいの表記をして、啓発することを提言します。水落企画総務部長にお尋ねをします。
最後に、公職選挙の投票日の投票終了時刻繰り上げ等について質問をします。
昨年9月定例会、一般質問で、公職選挙に関するものが幾つかありました。私からは、公職選挙の投票日の投票終了時刻を少なくとも1時間は繰り上げることを基本とすることや投票所設置数等いろいろ見直ししてもよいと考えるということで、田邉選挙管理委員会委員長の見解を求めたところ、投票時刻の繰り上げについては、当市の投票の状況を踏まえ、他市の状況や県選挙管理委員会の見解などを参考に、選挙人の意見も伺うなどして、慎重に検討してまいりたいと考えております。また、投票所の設置数につきましては、既に1カ所について、地域と統合協議を進めておりますし、他の投票所につきましても選挙人の数、期日前投票所の投票率、投票所までの来場方法などこれまでのデータを踏まえ、地域の選挙人の御意見なども伺いながら検討してまいりたいと考えておりますと答弁がありました。
また、島崎議員からは期日前投票手続の簡素化について、特に高齢者や障害をお持ちの皆様方からの要望ということで、本市では、期日前投票に際し、投票所において宣誓書の記入が義務づけられているけれども、まずは要望の多い高齢者を中心に、市民の申し出により自宅で事前に宣誓書が記入できるような対策を講じていただきたい旨の質問に対し、事前記入については検討してまいりたいと考えておりますという答弁がありました。
昨年の9月定例会から1年経過します。そこで、これら3点について、当市の投票状況、他市の状況や県選挙管理委員会の見解はどうであったのかなど、具体的にどのように検討をされ、どのような結論を導かれたか、三部選挙管理委員会書記長にお尋ねをします。
以上、頑迷固陋を排して質問をしました。終わります。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 堺議員の御質問にお答えいたします。
私からは、1項目めの合併砺波市の評価、総括と次の10年に向けた指針についての御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の合併砺波市の評価、総括をどのようにしているかということにつきましては、これまでも類似の答弁でもお答えしておりますが、合併後は、さまざまな行政改革などを進めながら、効率的な行政運営に努めますとともに、各種の施策を通じまして旧2市町の融和と一体感の醸成を図ってまいりました。その結果、本市は、着実かつ堅実な発展を遂げてきたものと考えております。
また、新市の建設計画に基づき、合併前に計画されておりました施策のうち、かなりの施策が実現しているところでございまして、県内の他の合併事例と比較いたしましても、本市の一体感は醸成されていると思いますし、その存在感も増しているものと考えております。
次に、2点目の、その上で次の10年に向けて、どのような指針で砺波市を導くのかについてでありますが、まず、人口減少対策といたしましては、これまでも申し上げておりますが、やはり砺波に住んでいること自体がブランド化して、住んでみたいまちをつくるということが必要であるというふうに思っております。
幸い、先人の方々のさまざまな御尽力や市民の皆様のたゆまぬ努力によりまして、本市は、農・商・工のバランスのとれた田園都市として発展を遂げてきておりまして、住みよさランキングにおきましても常に上位に位置づけられております。また、来春には北陸新幹線が開業し、高岡砺波スマートインターチェンジも開設されるなど、交通環境もさらに充実してまいります。
これらのプラス要因を生かしながら、しっかりと交流人口の拡大ですとか、地域経済の活性化につなげていきたいというふうに考えておりますし、子育て支援などの少子化対策、移住・定住の促進、安全・安心なまちづくり、また、医療・介護の充実などさまざまな施策を総合的に展開しながら、一方で、人口減少時代でございますので、市民と行政との協働をしっかりと進めて、さまざまな施策を有機的に組み合わせまして、住んでみたいまちの創造に努めてまいりたいというふうに考えております。
また、若干スローガン的にはなるかもしれませんが、合併10周年を迎えております本年を新たなスタートの年として、これまでの本市の豊かさや暮らしやすさにさらに磨きをかけて、砺波地域のリーダーとして、市民の皆さんとともに「もうひとつ上の“となみ”」の実現を目指して、頑張りたいというふうに思います。
なお、堺議員からは、市の適正規模ということについての御発言がございました。おっしゃるとおり、かつては10、12という案もあったんですけれど、12とか10とかありました。どちらもあったと思いますし、また、現在の8と2という合併案もありました。現実的には2と8ができましたので、どうだったかという比較はできませんが、今ほど堺議員の評価にもありましたように、やはり2のほうも、8のほうもその範囲の中で精いっぱいのまちづくりを進めているんじゃないかなというふうに思いますし、いずれにしましても、このとなみ野におきましては、砺波市と周辺の自治体とは事務処理の共同化ですとか、施策の共通化といいますか、例えば城端線の活性化などは南砺市と砺波市が協力してやっております。そういうようなものも含めまして、いい関係で進めているというふうに思っております。
そういう点も含めまして、この砺波、庄川の合併をしっかり生かしながら、引き続きこの砺波地域のリーダーシップをしっかりとれるように市民の皆様と協力し、また、議員の皆様とも御理解と御支援をいただきながら進めていきたいというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。その他の答弁につきましては、担当部長、選挙管理委員会の書記長のほうからお答えをさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
企画総務部長 水落 仁君。
〔企画総務部長 水落 仁君 登壇〕
◯企画総務部長(水落 仁君) 私からは、2項目めの防災についてのうち、まず、2点目の防災訓練・避難訓練時の啓発についてお答えいたします。
阪神・淡路大震災や東日本大震災のような大規模な地震災害や広島市の例に見られる局地的な短時間豪雨のような災害の場合、市などの行政機関だけでは、即応した実効性のある対策に限界があるのではないかと考えられます。
このような災害から被害を少しでも軽減するためには、まず、住民一人一人が防災に対する意識を高め、ケース・バイ・ケースで自主的に避難行動をとるなど、自らの命と家族を守ることが1つの大きな要素となります。
また、地域で、住民同士が助け合いながら、行政とも連携できる各地区の自主防災組織を初め、災害時に積極的、主体的に地域を守る支援団体の対応力を日ごろから高めておくことも大切なことであろうと思われます。
議員御提案の自主防災組織に対する各種情報提供につきましては、例えば自助につきましては、先ほど申し上げました避難行動のほか、日ごろから自らが行うことができる食料や水の備蓄、それから、家具の転倒防止など、共助につきましては、地域の特性に応じ、実際の災害を想定して行う図上防災訓練のような実践的かつ効果的な訓練の紹介などが有効であると考えられます。
近々、防災手帳の改訂を予定しておりますが、そういったものも利用して、各地区自主防災組織等に対し、積極的に情報提供を行い、地域住民の方々の安心・安全の向上に努めてまいりたいと思います。
次に、3点目の防災マップの作成についてお答えいたします。
本市では、議員御発言のように、洪水については平成20年度、地震については平成22年度、土砂災害につきましては平成24年度に、それぞれのハザードマップを作成しております。これらのハザードマップにつきましては、できるだけ地区自主防災会を初め、地域の方々の目に触れるようにして活用いただければ、その役割を果たすことになるものと思っております。
議員御提案のように、これらマップを利用し、住民の皆さんが自ら地域内の危険箇所や避難場所、避難経路等を実際に目で確かめ、自分たちの防災マップをつくり上げることは、災害が発生したときに住民の方々が冷静に、素早く、そして、適切に対応する上で大変有効であると考えております。
そこで、自主防災会から要望がありましたら、出前講座などにおいて、地域に応じた災害の想定や地域回りのポイントなどのメニューを加えて、地域オリジナルの防災マップづくりに向けた支援を行い、地域防災力の向上につなげてまいりたいと思います。
次に、4点目の避難行動要支援者名簿の情報提供についてお答えいたします。
昨年の災害対策基本法の改正は、従来使用されておりました用語である災害時要援護者を避難行動要支援者と改め、議員御発言のとおり、法的にその名簿の作成を市町村長に義務づけたものであります。
本市では、この法改正を受けまして、名簿作成の具体的な方法、手順等について地域防災計画に定める必要があることから、今年3月に地域防災計画の改訂を行い、高齢者、障害者を初めとして、日本語を理解できない外国人など支援を必要とする方々の名簿登載範囲や個人情報の入手方法について定めたところであります。
お尋ねの名簿の情報提供の範囲につきましては、氏名、生年月日、性別、住所または居所、連絡方法、避難支援を必要とする事由を、災害時においては、全ての避難行動要支援者について、平常時におきましては、あらかじめ同意を得られました避難行動要支援者に限定して情報提供を行うことが可能となっております。
また、情報提供の具体的な手続につきましては、名簿作成時に民生委員児童委員や自主防災組織を対象として名簿の活用や保管などについて説明会を行う予定ですので、その際に区域を限定した名簿を提供してまいります。
また、定期的に名簿を更新した折にも、その都度、自主防災組織等へ情報提供を行ってまいりたいと考えております。
次に、3項目めの国民の祝日に国旗を掲揚することについての御質問にお答えいたします。
議員御発言のとおり、平成11年の法制定に際して、当時の小渕内閣総理大臣が、国旗と国歌に関し、国民に新たに義務を課すものではなく、日章旗の歴史や君が代の由来、歌詞などについて、より理解を深めていくことを願っていくという趣旨の談話を残されております。
祝日に国旗を掲げることは、国民がその日をお祝いし、感謝する意思表示で、かつ国を愛する気持ちの自然な表現であり、日本人としての自覚を持ち、自分たちの家族、ふるさと、伝統や文化に自信と誇りを持つための大切な機会であろうと考えております。
このようなことから、各家庭や事業所においては、この法律制定の趣旨を踏まえ、自発的に掲揚していただくことが望ましいと考えており、市といたしましては、市役所の本庁舎や支所などの公共施設において、引き続き国旗を掲揚していきたいと思っております。
なお、近年、家庭等で祝日に国旗をあまり掲げていない現状につきましては、いろいろ御議論のあるところとは思いますが、今日のライフスタイルや生活習慣の変化に伴うところも大きいと考えられるため、今後とも市民それぞれの意志表示としての掲揚を尊重してまいりたいと思います。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
建設水道部長 大浦正治君。
〔建設水道部長 大浦正治君 登壇〕
◯建設水道部長(大浦正治君) 私からは、2項目めの防災についてのうち、1点目の住宅の耐震化の進まない事由とその促進策についての御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、県や市の支援制度を活用して住宅の耐震化を図っていただくよう市民の皆さんに啓発しておりますが、平成21年度から平成25年度までの支援制度の活用実績につきましては、住宅の耐震診断は38件、耐震改修は6件と、あまり支援制度を活用されていない状況にあります。
住宅の耐震化が進まない事由といたしましては、一般的には住宅の耐震化に係る費用負担の問題、耐震改修に伴う一時的な引っ越しなどによる生活面の煩わしさ、そして、耐震改修工事の効果に対する信頼性が薄いこと、地震や耐震改修に関する情報が不足していることなどが挙げられます。
特に本市におきましては、過去に地震災害が少ないため、地震に対する防災意識が低いことや住宅面積が大きいため、耐震改修に多額の費用を要することが主な理由であると思われます。
そこで、計画達成のための促進策でございますが、まず、現在、県とともに耐震改修支援制度の要件緩和について検討を進めており、住宅の部分的な耐震改修工事も新たに補助対象とするなど活用しやすい制度改正を行い、住宅の耐震改修の促進を図ってまいりたいと考えております。
また、耐震化されていない住宅に住んでいると大変危険であることを認識してもらうように、さまざまな地震情報の提供、耐震化の必要性や耐震診断、耐震改修に対する支援制度の活用などについて、引き続き広報、啓発活動に努め、住宅の耐震化に対する市民の皆さんの意識を高めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
選挙管理委員会書記長 三部隆雄君。
〔選挙管理委員会書記長 三部隆雄君 登壇〕
◯選挙管理委員会書記長(三部隆雄君) 私からは、堺議員の御質問のうち、4項目めの公職選挙の投票日の投票時刻繰り上げ等についての御質問についてお答えをいたします。
まず、投票日の投票終了時刻の繰り上げにつきましては、昨年9月議会で田邉選挙管理委員会委員長から答弁しましたとおり、公職選挙法の規定によって、選挙人の投票の便宜のため必要があると認められる特別の事情のある場合、または選挙人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情のある場合に限られているところでございます。
また、昨年の参議院議員通常選挙における県内409投票所のうち、閉鎖時刻の繰り上げを実施したのは43投票所であり、その多くが開票会場までの距離が遠いことや従来から投票率が高く、夕方以降の投票者が非常に少ない山間地であることなどを理由に実施されております。
さらに、県選挙管理委員会は、投票時刻の繰り上げに関して、投票率の低下を来さないように努めることを初め、後日、選挙争訟の原因となることのないよう留意が必要であり、地域の実情を精査し十分な検討を行った上で、厳正に対応し、必要に応じて選挙人に対して十分に説明する必要があるとの見解を示しております。
これらのこともあわせて、本市で最も近くに行われました昨年7月の参議院議員通常選挙におきましては、午後7時半の報告から、最終の午後8時の報告までの間の投票者数が780名であったと。このような投票状況を踏まえますと、現在のところは、投票日の投票時刻を1時間繰り上げることは難しいものと考えておりますが、国が本年5月に設置しました、学識者らでつくる投票環境の向上方策等に関する研究会におきます投票率の向上のための検討結果を踏まえた今後の法改正の動向を注視しつつ、引き続き慎重に検討してまいりたいと考えております。
次に、投票所の設置数につきましては、現在市内21地区に23カ所の投票所を設置しておりまして、1地区に2カ所投票所がある2つの地区のうち、1つの地区については、地元との協議が進み、本年中をめどに当該投票所の統合を予定いたしております。また、残り1地区の投票所につきましては、当該地域の有権者数や投票率の推移などを踏まえ、住民の皆さんの御理解が得られるよう今後も引き続き協議、検討してまいりたいと考えております。
3つ目の期日前投票における投票手続の簡素化につきましては、他市で実施されている対策を調査の上、検討してきたところであります。
その結果、今後執行する選挙の期日前投票から、市のホームページ上に宣誓書様式を掲載するとともに、本庁舎、支所及び各地区集会施設に適宜、宣誓書用紙を配置することといたします。
これらを利用して宣誓書を事前に記入して持参することができることによりまして、投票者の利便性を高めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 7番 川辺一彦君。
〔7番 川辺一彦君 登壇〕
◯7番(川辺一彦君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、大きく2項目の質問をさせていただきます。
最初に、環境にやさしい循環型社会の形成についての中で、クリーンセンターとなみ等の老朽化に伴うごみ処理施設の方向性についてお伺いいたします。
砺波広域圏事務組合が運営しているクリーンセンターとなみの老朽化と南砺リサイクルセンターの稼働停止に伴う他の自治体へのごみ処理委託、そして、平成35年には満杯となる最終処分場などのことから、砺波市の一般廃棄物処理計画が見直しの時期となっていることは皆様、御承知のことと思います。
砺波広域圏事務組合は、平成24年10月に、管内ごみ対策協議会において、管内に1カ所の処理施設を想定され、同じような焼却処理能力を持つ先進地域を視察するなど調査研究に着手されたとお聞きしてからはや2年が経過しようとしておりますが、その間に砺波市として、協議はどのように進んでいるのでしょうか。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)では、市町村は、一般廃棄物処理計画を定め、その計画に従って、その地域内における一般廃棄物を生活環境の保全上、支障が生じないうちに収集し、これを運搬し、及び処分しなければならないとあり、さらに、市町村が行うべき一般廃棄物の収集、運搬、処分を市町村以外の者に委託することもできるとなっております。
これにより南砺市の可燃ごみ処理の一部は現在、委託されているのだと理解しております。
この方法であれば、施設への多額な投資は要りませんし、また、砺波市や南砺市の地域環境を損なうこともなく、廃棄物処理はできるのかもしれません。しかし、地震や台風等によって被災した場合のように緊急性があるときならばともかくとして、私たちの地域で排出された廃棄物を日ごろから他行政区で処理してもらうことは、心情倫理からするといかがなものかと考えてしまうのです。自分たちが出したごみは自分たちで始末するという基本的な考え方からすると、自治体生活区域で発生したごみの処理はその自治体や負担金を出し合っている広域組合等で完結するほうが、市民にとっても、ごみ処理への関心を持ってもらえるとともに、納得が得られるのではないでしょうか。
昨年、民生病院常任委員会で、岩手県釜石市にある岩手沿岸南部クリーンセンターを視察いたしました。その施設は、東日本大震災が発生した1カ月後の平成23年4月11日より供用開始されたそうです。この施設の焼却炉は、一般的に普及しているストーカ炉ではなく、シャフト炉式ガス化溶融炉といい、釜石製鉄所の溶融炉のような高温溶融処理により可燃ごみ、粗大ごみ、破砕残渣など多種多様な廃棄物を安全かつ安定的に無害化することができ、排ガスの高度処理を初め、防音・防臭などの公害防止対策においても国の基準よりも厳しい条件に対応しているものでありました。また、最終段階で溶融炉から排出される溶融物もアスファルト合材となるスラグやカウンターウエイトに使われるメタルとして再資源化され、最後に残る溶融飛灰は従来方式の2分の1から3分の1に抑えられることから、最終処分場である埋立処分施設の運用期間を繰り延べすることにも役立つと思われますので、これらのことも参考とされまして、今後の計画づくりを進めていただければと考えております。
私といたしましては、今年6月に当会派自民会から市長へ提出しました提言書のとおり、地域環境を重視した循環型社会を構築していくことが求められている砺波市として、早期に今後の方向性を決めていただきたく願うものでありまして、残された期間が少ないクリーンセンターとなみなどの老朽化したごみ処理施設の方向性について、市長の御所見をお聞かせください。
続いて、環境にやさしい循環型社会の形成についての2項目めとして、てんぷら油や小型家電製品などによるリサイクル事業の促進についてお伺いいたします。
市では、再資源化・リサイクル事業の取り組みとして、平成17年に資源ごみの分別収集が始まりました。統計をとり始めた平成18年以降、ごみの全排出量にはさほど変化はないものの、可燃ごみは増加傾向で推移し、資源ごみは減少傾向になっていることから、結果、リサイクル率も年々低下しているものと思われるのですが、当局はこの要因をどのように分析され、対処しようと考えておいでなのか、まずもってお伺いいたします。
さて、平成22年には、食用油であるてんぷら油や小型家電製品の分別も始まりました。てんぷら油からはディーゼルエンジン用の燃料を再生するといった取り組みが実施され、これまで市の給食センター配送車に使用されたこともありましたが、今は、何らかの要因でそれが進んでいないとの報告もお聞きしております。しかし、現在もてんぷら油は分別回収されていることから、回収されたてんぷら油の処理や燃料への再生事業の現状と進展はどのようにお考えになっておいででしょうか。
また、小型家電製品からはレアメタルやベースメタル等の金属が再資源化できるということで分別回収されておりますが、回収された小型家電製品はどこで、どのように処理されているのか、また、回収量の推移動向やリサイクル率向上に役立っているのかなど、てんぷら油や小型家電製品等によるリサイクル事業の促進についてお考えをお聞かせください。
次に、環境にやさしい循環型社会の形成についての3項目めといたしまして、市内における不用品回収業者への対応についてお伺いいたします。
市内の数カ所では、国道、県道沿いの空き地を利用して、不用品回収業者が営業されているのが見受けられます。この土地は、土地所有者との借地契約がなされているものと思いますが、道路からすぐに目につく場所で、敷地境界塀もなく、管理人もいるのかいないのかわからない状態となっているのです。さらに、資源物なのか、不用品なのか区別しにくいものが乱雑に積み重なっている状態からも、心ない人ならば無断でその場所に廃棄物を置いていくことも十分可能性があると思われますし、その光景は周囲の景観を乱していると思われるのです。また、この回収場所には先ほども話題にいたしました小型家電製品や家電リサイクル法に抵触するような使用済み家電も集められていることから、市としても何らかの対処が必要ではないかと思われるのです。
平成24年3月に、環境省から各都道府県・各政令市廃棄物行政主管部(局)長へ、使用済家電製品の廃棄物該当性の判断についての通知が出されていることから、回収業者にもですが、市民の皆さんにも、家電リサイクル法やこれら通知に従った適切な不用品の回収、搬出の徹底を促すことが必要なのではないでしょうか。景観まちづくり計画による景観環境の保全のためにも、必要と思われる市民への適切な資源ごみ分別収集の周知とあわせて、市内における不用品回収業者への指導等の対応についてもお伺いいたします。
次に、2つ目の大きい項目であります自立と共生の人間形成を目指した学校教育の充実についての中の発達障害を持つ児童生徒への教育支援体制の充実と学校、保護者の相互連携強化についてお伺いいたします。
皆様も御存じのとおり、発達障害は、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症等の障害を指しておりますが、普通学級で学習できる程度の発達障害と診断された、あるいはそのように見込まれる児童生徒が現状では増える傾向となっているようです。
市内各小中学校には、スタディ・メイトや教育支援員等を配置し、発達障害のある児童生徒たちに対してきめ細かい対応をとっていると伺っておりますが、学校の規模によって、あるいは対象となる子どもたちの多い少ないなどが原因で、これら普通学級における教育支援体制については市全体のレベルが一様ではないように思えるのです。例えば普通学級の授業とは別に障害に応じた特別な指導や自立指導、教科の補充指導を行っている通級指導教室を開設している学校は市内の小中学校12校中4校だけとお聞きしていることからも、通級指導教室を開設していない学校に通う子どもたちは、どのように特別な指導や教科の補充指導等の支援を受けているのでしょうか。
また、通級指導教室が開設されていない学校では、先生方に負担がかかっているのではないかと思われますが、団塊世代の熟練した教員が退職され、若い教員が増えている中で、障害を持つ子どもたちへの教員の共通理解や指導力向上への取り組みは十分に実施されているのでしょうか。
そして、そのような障害を持つ児童生徒の保護者の皆さんは、学習の遅れや子どもの将来について悩んでおいでであるとともに、我が子の日々の学校生活状況がなかなか先生から伝わらないことに不安を抱かれていると伺っていることからも、先生は保護者との連絡を密にされ、学校と家庭のより一層の協力関係を築かれることが大切かと思われるのですが、現状はいかがでしょうか。
通級指導教室を含む発達障害を持つ児童生徒への教育支援体制の充実と学校、保護者の相互連携の強化について、教育長にお伺いいたします。
続いて、2項目めといたしまして、小4の壁と中1ギャップへの対応についてお伺いいたします。
小学生の成長過程の中で1つの関門的な意味で捉えられている小4の壁は、別名10歳の壁とも言うそうです。10年ぐらい前までは、精神的成長に伴う子どもの変化を指していたようですが、最近では、内面的成長に対するバランスの悪さに加え、学習指導要領の改訂等による学校教育カリキュラムの改編も影響していると言われております。
さらに、小学児童の1年生から3年生までは、放課後児童教室で放課後を集団活動する子どもたちが増えてきたことにより、4年生となったその子らの放課後は自宅へ帰らなければならなくなることも影響しているとお聞きするのですが、市内の小学校では、そのような小4の壁といった実態はあるのでしょうか。
私は、高学年児童が地域の低学年児童を指導しながら登校する集団登校や学年の縦割りグループによる学校生活活動等で解消されているのではと思うのですが、市内における小4の壁の現状と対応策についてお聞かせください。
また、一部の児童たちが小学校から中学校へ進学したとき、学習内容や生活リズムの変化についていけず、いじめの対象や不登校になったりする中1ギャップはどのように捉えておいででしょうか。
人間関係のふぐあいや勉強の難易度が上がることで心理的なストレスを抱える生徒たちへの対応、また、それを発症させない予防策など教育委員会の対応についてお聞かせください。
また、結果として不登校やひきこもりになった生徒たちに対応する適応指導教室については、その開設場所となっていた広い室内空間を持つ砺波市勤労青少年ホームの閉鎖によって、生徒たちへの環境も変わることになるのですが、その対応についてもあわせて教育長にお伺いいたします。
最後に、自立と共生の人間形成を目指した学校教育の充実についての3項目めとして、小学校児童に対する地域産業教育の充実についてお伺いいたします。
各市町村が人口減少社会を懸念している中におきまして、将来の砺波市を支えていく人材の確保には早くからの手当てが必要と考えます。まちづくりにより市の魅力を高めることも定住人口を増加させていく上で大切な方策なのですが、砺波市で生まれ育った子どもたちに、未来の砺波市を担ってもらえるような教育も大変重要なことと考えております。
現在、小学校では、ふるさと学習等を通じて、砺波市の自然、文化、特産物などを学習しておりますし、キャリア教育の中では、小学校の教科学習や特別活動を通じた体験学習により、地域での仕事や環境への関心、意欲を高めることを学んでいます。そして、中学校では、2学年の社会に学ぶ14歳の挑戦事業により、地域産業における勤労体験が実施されております。これらの学習は児童生徒たちが、自分たちの地域を通して仕事や産業への関心を深め、職業観や勤労観を育むものとしてとても重要なことだと思っております。
そこで、私は、それに加えまして、小学校課程で学習する産業の種類などを学ぶとき、おのおのの産業の例示として市内在住の企業や会社、団体等を具体的に取り入れることはできないかと考えるのです。市内には農業、林業などの第1次産業、製造業、建設業、工業生産及び加工業などの第2次産業、そして、金融業、運輸業、小売業、サービス業などの第3次産業のそれぞれに該当する企業や会社、団体等が業務を展開しているのですから、その業務内容や特色などを小学生の授業の中で生かしてもらいたいと思うのです。このような取り組みにより、中学校における14歳の挑戦事業では体験企業を選ぶきっかけになるでしょうし、大学など県外へ一度は出て行った子どもたちも、なじみ深い地元へ戻ろうとする意識づけになるのではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。
ここ砺波市には、先進的な技術や特色を持った企業や会社、そして、すばらしい産業が発展しております。山本教育長には、未来の砺波市を担ってくれるであろう小学校児童に対する地域産業教育の充実につきましてもお伺いいたしまして、私の質問を終えさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 川辺議員の御質問のうち、私からは、1項目めのうち、1点目のクリーンセンターとなみなどの老朽化に伴うごみ処理施設の方向性についての御質問にお答えをいたします。
本市と南砺市のごみ処理の方向性につきましては、昨年度の当初、砺波広域圏事務組合におきまして、ごみ処理施設建設準備班が設置され、ごみ処理施設建設方針の検討に先立ち、一般廃棄物処理基本計画が策定されたところでございます。
この計画は、排出ごみの減量化と資源化及び最終処分削減量の目標値といった廃棄物の減量化などの目的を定めるものでございまして、おおよその焼却処分量の見込みを推計しております。国が掲げます一般廃棄物の広域処理体制の構築と循環型社会にふさわしい処理体制を検討することも含めまして、基礎データとするものでございます。
しかしながら、一般廃棄物の処理方針を協議する上では、砺波広域圏内の人口が過去10年間で約5%減少しておりますし、今後も人口の減少が見込まれております。排出されるごみの量も、それに従いまして相当量減少していくのではないかという想定も十分に考慮すべきというふうに考えております。
そこで、議員が視察されましたごみ処理施設につきまして、高温溶融処理によります多様な廃棄物の処理、また、無害化、排ガスの高度処理、最終的に排出されます残渣物のリサイクルや焼却余熱の再利用など、国が進める循環型社会形成の推進施策に即しましたパッケージが事業化されておりまして、そういった面では参考になるところもございます。
ただ、このような施設の稼働に見合う焼却処分量が我が広域圏内で安定的に排出されるかどうかについては慎重な検討が必要ではないかというふうに考えております。
以上のようなことから、今後のごみ処理施設の整備の方向性を的確に見極めるためには、地域の安全・安心、事業の効率性、また、今後の技術革新の進歩などの変化も見込まれますことから、先ほどいろいろおっしゃいました、いろんな要因を考慮する必要もあるというふうに考えております。そういう面で、引き続き多角的な検討を継続、さまざまな幅広い選択肢について熟慮していくということが必要ではないかというふうに思っております。
今の広域圏の当初つくりましたものは、新施設の建設というものをイメージしておりましたが、それだけにこだわらず、例えば現在の施設の延命化ですとか、それから、委託、さっきありました委託の話もございます。そんなことも含めて多角的な、幅広い検討をもう少しやらせていただきたいというふうに考えておりますので、御理解をお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。その他につきましては、教育長、それから、担当部長からお答えをさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
教育長 山本仁史君。
〔教育長 山本仁史君 登壇〕
◯教育長(山本仁史君) 私からは、2項目めの自立と共生の人間形成を目指した学校教育の充実についての御質問にお答えいたします。
まず、1点目の発達障害を持つ児童生徒への教育支援体制の充実と学校、保護者の相互連携の強化についてお答えいたします。
初めに、通級指導教室は、通常の学級に在籍していて、学習障害または注意欠陥多動性障害などがあるため、特別な支援を必要とする児童生徒に指導を行うことを目的にしております。
現在、市内では自閉症・情緒障害通級指導教室、学習障害通級指導教室を小学校4校に開設し、県教育委員会から教員の派遣を受けて指導に当たっております。
なお、開設に当たっては、県教育委員会において、該当する児童が概ね10名程度で開設の可能性があると聞いております。
市といたしましては、引き続き開設の希望があれば、県に要望していくとともに、市町村教育長会等を通じて開設基準等の緩和を求めてまいりたいと考えております。
なお、開設されていない学校につきましては、今後とも、スタディ・メイトや学習支援員等を配置し、発達障害のある生徒に対し、きめ細やかな対応を行うなど、発達障害を持つ児童生徒への支援体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
また、障害を持つ子どもたちへの共通理解と教員の指導力向上の取り組みといたしまして、各学校においては、気になる児童への共通理解を図っているほか、県教育委員会が主催する研修会に参加し、特別支援教育に関する知識、技能についての研修を受け、実践的指導力の向上に努めております。
加えて、市教育センターにおきましても、同様の発達障害の基礎的な知識と特性に配慮した具体的な支援について研修会などを実施しております。
なお、発達障害を持つ児童生徒への指導に当たりましては、特にその保護者の皆さんとの相互協力が必要であり、各学校では、これまでも保護者とのよりよい関係を築き、相談しやすい体制づくりに努めてきたところでございます。今後とも学校、保護者の相互連携のより一層の強化に努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の小4の壁と中1ギャップへの対応についてお答えいたします。
小4の壁には3つの解釈があると言われております。
1つ目は、子どもの精神的成長に伴う変化を指すものでございます。従来、9歳前後で見られていた、徒党を組んで活動するいわゆるギャングエイジが、小学3年生(9歳)から小学4年生(10歳)にシフトし、一方、女子児童では、精神的な成長が早くなり、思春期のスタートが小学5年生(11歳)から小学4年生(10歳)にシフトする傾向にございます。
このことにより、小学校4年生の子どもたちが、これまでとは異なる育ちをしているため、それに戸惑う教師がいることも事実でございます。また、それによる学級崩壊もあると聞いております。
2つ目は、小学校4年生でのつまずき、小4ビハインドとも言われるものであり、勉強についていけなくなる児童が9歳、10歳、小学校4年生前後に顕著にあらわれたために小4の壁と言われるようになったものでございます。
3つ目は、母親が仕事と子育ての両立を諦めざるを得なくなる小4の壁でございます。それは、放課後児童保育の対象が小学校1年から3年であったために、小学校4年生となり学童保育に入れなくなった子どものために、母親が仕事を諦めざるを得なくなる小4の壁と言われております。
そこで、市内の小4の壁の現況と対応策について申し上げます。
1つ目の子どもの精神的成長に伴う変化につきましては、市内各小学校の教員も今までなかった状況を感じ取り、戸惑いを感じているようではございますが、いわゆる小4の壁を理由に学級崩壊にまで至った例はございません。
ただ、今後とも小学4年生に限らず、全学年を通して、人とよりよくかかわる力を伸ばすソーシャルスキルトレーニングの導入、学級活動を重視し、学級の問題を集団で解決していく経験の積み重ね、お互いのよいことを見つけ、自己肯定感を高める取り組みなどにより、子どもたちを指導してまいりたいと思っております。
2つ目の小4のつまずき、小4ビハインドにつきましては、学習指導要領の改正により教える内容等も増加しておりますが、特に本市においては、小4の壁の影響によると思われる顕著な事例は見受けられません。
3つ目の母親が仕事と子育ての両立を諦めざるを得なくなる小4の壁につきましては、スポーツ少年団活動への加入や学習塾や習いごとに通い始めること、さらには、近くの縁者に預かってもらうことなどで対応されているものと考えております。
また、中1ギャップにつきましては、小学校から中学校1年生になったことをきっかけとして、学習や生活の変化になじめずに不登校となったり、いじめが増加するという現象でございます。
その典型例として、コミュニケーションの苦手な生徒が小中学校の友人や教師の支えを失う喪失不安増大型、小学校でリーダーとして活躍していた生徒が中学校で自己有用感を感じられなくなってしまう自己発揮機会喪失ストレス蓄積型があると言われております。
そこで、それらを発症させない対策といたしまして、小学校から中学校に進学する際のつなぎが重要であると考えております。
従来からも小学校、中学校の教職員が互いに授業を見学したり、合同研修会等を実施したりすることで、中学校に進学する児童のそれぞれの個性に関しての情報交換をしたり、また、小学校と中学校の連携体制づくりを進めるなど相互に情報を共有することによりスムーズな進学を図ることで、中1ギャップにならないきめ細かな対応をしてきたところでございますが、今後とも、こうした小中学校間のより一層の連携に努めてまいりたいと考えております。
また、これまでも子どもたちに対しましては、規則正しい生活リズムを確立させることや困難を乗り越えていこうとする心の強さを育てるとともに、悩みを抱えたままにせず、相談する勇気を持たせるといった指導をしてきたところであり、引き続き実施してまいります。
なお、適応指導教室につきましては、今議会にも上程しておりますように、今年度末をもって砺波市勤労青少年ホームを廃止することから、現在、その移転先について幾つかの候補地を選定し、検討を進めているところでございます。
次に、3点目の小学校児童に対する地域産業教育の充実についての御質問にお答えいたします。
現在、市内の小中学校において、その教育計画の中にキャリア教育を位置づけるようにしております。
具体的には、まず中学校では、第1学年で身近な事業所の職場見学、2学年では社会に学ぶ14歳の挑戦事業による勤労体験活動、3学年では先輩に学ぶ講演会活動などを通して、自分が社会の中で果たす役割や自らの進路について深く考え、職業観や勤労観を育む学習を行っております。
また、小学校では、教科の学習、特に社会科でございます、総合的な学習の時間、特別活動等の中で、社会見学、勤労体験、ボランティア活動等の体験活動を通して、自他の存在の大切さに気づくとともに、今の自分の生活や将来に対しての夢や願いを持つことができるように、地域へ出て、地域の農業や工場、商店で働く人とかかわり、身の回りの仕事や環境への関心と意欲を高める学習を行っております。
そこで、議員御提案の小学校における地域産業教育についてでございますが、本市には、御指摘のとおり多種にわたる産業形態の事業所等が身近にあることから、地域の実態や学習内容に応じて見学や学習の機会を持つよう、校長会等を通じて働きかけてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 川原國昭君。
〔福祉市民部長 川原國昭君 登壇〕
◯福祉市民部長(川原國昭君) 私からは、1項目めのうち、まず、2点目のてんぷら油や小型家電製品等によるリサイクル事業の促進についての御質問にお答えします。
最初に、資源ごみ回収量の減少につきましては、さまざまな要因があると思われますが、特徴的な傾向といたしましては、従来の瓶や缶類といった容器がペットボトルやプラスチックの容器などに置きかわっていることが挙げられると考えております。本市の平成25年度収集量におきましても、平成19年度との比較で瓶類は約56トン、スチール缶類が約21トン減少しております。また、これらにかわって排出されるペットボトル等につきましては、地区の資源回収ルートのほか、とやまエコ・ストア制度登録店の店頭回収ルートも利用されていると分析しております。
次に、使用済みてんぷら油につきましては、平成22年度から当市独自の事業として回収を開始し、民間業者により再生燃料化されているものであります。
開始当初は、市給食センターの配送車両の燃料として使用しておりましたが、結果的にその成分等が配送車両での使用に適さなかったことから、現在、再生燃料は業者が保管するとともに、一部は発電機や重機等の燃料としてリサイクルされております。そこで、市といたしましては、例えば屋外施設の管理用機器や草刈り機など混合油を使用する動力燃料への活用を検討しているところであります。
また、小型家電製品のリサイクルは、平成22年5月に県下で最初に回収を開始し、平成25年度の回収量は40.2トンであり、年々増加しております。
回収した製品は、使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律の認定を受けた県内業者がクリーンセンターとなみから買い受けたのち、分解、破砕、選別等の処理を経て、鉄や銅といったベースメタルや、希少金属であるレアメタル等に再資源化されております。引き続きこれらの回収対象品目につきましては、リサイクル率の向上に資するものと考えておりますので、わかりやすい周知、広報に努めてまいります。
次に、1項目めのうち、3点目の市内における不用品回収業者への対応についての御質問にお答えします。
空き地を利用した不用品回収業者は、廃棄物処理法に基づく一般廃棄物収集運搬業の許可や市からの委託を受けていないため、廃棄物として使用済家電製品を回収する行為は法令に違反するものと考えております。また、業者が再使用の名目で収集したとしても、実際には再使用に適さないものとして分解処分を目的とした流通ルートに乗るケースが多く、適正なリサイクルシステムを阻害しかねないと指摘されております。
御指摘のとおり、環境省の通知では、中古品として市場価値のないもの、または中古品としての扱いがなされていないものにつきましては、金銭の授受に関係なく、廃棄物と判断すべきとされていることから、これに該当する処分品につきましては廃棄物処理法や家電リサイクル法に基づく適正な収集と処理が必要となります。
本市といたしましては、毎年、県と連携して、警察官立ち会いのもとで市内の集積現場を立入調査し、収集品の収集方法や処理方法をただすとともに、環境省通知に基づく適切な対応がなされていない場合は、厳重に注意の上、書面による指導を行っております。
一方、安く処分できるから、あるいはリサイクル料金がかからないからとの理由で安易にこのような不用品回収業者を利用することのないよう、広く市民の理解をいただくよう今後とも広報、啓発に努めてまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) この際、暫時休憩といたします。
午後 2時19分 休憩
午後 2時34分 再開
◯議長(山森文夫君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
4番 山田順子君。
〔4番 山田順子君 登壇〕
◯4番(山田順子君) それでは、議長よりお許しをいただきましたので、大きく2項目について提言とお願いをさせていただきます。
まず最初に、項目1、元気な砺波っ子の健全育成と教育環境の整備について。
私たちは、未来を担う子どもたちが、互いに思いやりの心を持ちながら、伸び伸びとたくましく育つ教育環境を整えるとともに、学校と家庭と地域が連携ときずなを深めながら、より一層児童生徒の健全育成や安全確保に努めていく必要があります。子どもたちは地域の大切な宝です。その子どもたちが健やかに育つための教育環境の整備のより一層の推進をお願いするところでございます。
まず、項目1の1、命のとうとさ、大切さ、そして、はかなさを伝える教育の推進について提言させていただきます。
砺波市教育委員会発行の平成25年度社会教育の現状にもありますように、近年、経済的な豊かさの実現など社会が成熟化する一方で、少子高齢化や核家族化、情報化の進展等に伴い、家庭や地域の教育力の低下が指摘されています。また、子どもたちは、地域の大人や異年齢の子どもたちとのかかわりの中で、さまざまな能力が育まれ、精神的にも鍛えられますが、今は、このような機会は少なくなっています。今、子どもたちが大人や子ども同士交流する仕組みをつくりだすために、社会教育における取り組みがさまざまな形で求められていると思います。
砺波市では、市民が安心して笑顔で暮らし、誇りの持てる町となるよう総合計画の後期計画に掲げる諸施策を推進し、教育委員会では、豊かな人間力を高める人づくり、楽しく学び自らを高める生涯学習の推進等を目指し、社会教育、文化、芸術、社会体育に取り組んでおられると聞いております。
私は、今年2月議会に、命のとうとさ、大切さを育む教育についてお尋ねしたところ、細やかな配慮のもと、熱心に取り組んでいるとの答弁をいただき、本当に安心しておりました。
ところが、去る7月27日未明、長崎県佐世保市で起きた女子高生の同級生殺害という衝撃的なニュースが走りました。その殺害の経緯と動機についても、うっかり人を殺めましたではなく、人を殺してみたかったという、私たちの想像を超える本人の供述に、ただただ驚くばかりでした。いろいろな事情により生活が急変する等の家庭の複雑さもあったようですが、小学6年生のときにも、給食に洗剤を混入したという事実もあり、このときにでも心の中に抱えていた何かをわかってあげることはできなかったのかとやるせない気持ちでいっぱいになりました。
また、佐世保市では、平成16年にも、小学6年生の女児が同級生の女子児童からカッターナイフで切りつけられ、即死する衝撃的な事件も起こっており、再発防止の指導強化に努めておられたとのことですが、今回、このような事件が発生したことで、対策に頭を痛めておられることと思います。
しかし、これは決して人ごとではありません。県教育委員会は、早速8月5日に、命の教育講習会を開催されたとのこと。砺波市でも、このような恐ろしい事件が起こらないよう、命のとうとさ、大切さ、そして、加えてはかなさについて子どもたちに教えていただきますよう、より一層の指導と対策強化をお願いするものであります。
次に、項目1の2、小中学生への救急救命指導について提案いたします。
平成21年1月から平成25年12月までの5年間で、3時間コースの普通救命講習の砺波市在住の受講者は延べ1,053人でした。このうち高校生は、男性1名、女性66名の計67名となっております。
なお、1時間程度の救急講習は、管内の高校においても開催されているとのことでした。
小中学生の普通救命講習の受講はありませんが、中学生については、14歳の挑戦で1日コースの上級救命講習を開催しておられるとのこと。今、消防職についている3人の女性職員のうちの一人がこの講習に感じ入り、将来、消防職につきたいと決心されたと聞いています。きっとほかにも、このときの経験がきっかけで消防職員や消防団員に関心を持った生徒もいたのではないでしょうか。
そこで、提案ですが、一般救急講習については、授業のカリキュラムに組み込まれている学年もあるようですが、命の大切さを子どものときから知ってもらうために、1時間程度の一般救急講習を毎年1回でも、小中学校の子どもたち全員に教えてあげていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。命がいかにはかないものか、1分1秒を争う救命がいかに大切かを教えるとてもよい機会になると思うのですが、いかがでしょうか。また、受講後に終了証を交付したり、近年、AEDの設置数が増えてきていますが、その設置場所を教えることも大切なことではないかと思います。御所見をお伺いいたします。
次に、項目2、地産地消の取り組みの推進についてお願いいたします。
地産地消とは、地元で生産されたものを地元で消費するという意味です。近年、消費者の農産物に対する安全・安心志向の高まりや生産者の販売の多様化の取り組みが進む中で、消費者と生産者を結びつける地産地消への期待が高まってきています。
国は、本年3月に、地産地消を食料自給率の向上に向け、重点的に取り組むべき事項として食料・農業・農村基本計画の中に位置づけて、全国展開等を積極的に推進することとしています。国の基本計画では、地域で生産されたものを地域で消費するだけでなく、地域で生産された農産物を地域で消費しようとする活動を通じて、農業者と消費者を結びつける取り組みであり、これにより消費者が、生産者と顔が見え、話ができる関係で、地域の農産物、食品を購入する機会を提供するとともに、地域の農業と関連産業の活性化を図ることと位置づけています。
産地から消費するまでの距離は、昔で言う1里、約4キロ四方をいいますが、輸送コストや鮮度、地場農産物としてアピールする商品力、子どもが農業や農産物に親近感を感じる教育力、さらには、地域内の物質循環といった観点から見て、近ければ近いほど有利です。また、消費者と産地の物理的距離の短さは、両者の心理的な距離の短さにもなり、対面コミュニケーション効果もあって、消費者の地場農産物への愛着心や安心感が深まります。それが地場農産物の消費を拡大し、ひいては地元の農業を応援することになります。さらに、高齢者を含めて、地元農業者の営農意欲を高め、農地の荒廃や捨てづくりを防ぐことにもなるのではないでしょうか。
そこで、項目2の1、行政の方針と今後の具体的な取り組みについてお尋ねいたします。
砺波市では、地産地消の推進ととなみブランドを確立する観点から、消費者、生産者、事業者、関係機関団体、行政等が共通の認識を持ち、連携、協働しながら地産地消の取り組みを積極的に展開するために、昨年度、学識経験者を初めとする18名の委員と関係機関からの12名とで、5回にわたり地産地消推進会議を開催され、もっともっと地産地消推進戦略について検討されておりましたが、その成果と今後の取り組み方針についてお聞かせください。
続いて、2、学校給食の地場産食材の取り入れ状況についてお尋ねいたします。
先に述べました推進会議に給食センターからも出席しておられ、食育計画として、地場産食材の使用拡大、食の安全確保や食文化伝承の取り組みに尽力しておられるとのこと。牛乳は100%、野菜と果物も、金額ベースで平成25年度、30.9%を達成され、また、肉類は県内産を含む国内産のものを使用、市内産のものは流通の関係でなかなか手に入らないとのことでした。主食については、週4日はとなみ野米の御飯、週1日はパンで、このうち月に1回は米粉パンにされているとのことですが、これを毎回、となみ野米を使った米粉パンにしていただくわけにはいかないのでしょうか。
また、砺波市ならではの特産品や旬の食材、そして、昔の人が工夫を重ねられた伝承料理などを月に1回はメニューに取り入れられ、砺波の食文化として味わわせ、伝えていただきたいと思います。ぜひ御検討ください。
続いて、3、グリーンツーリズムの推進とサポートについてお尋ねいたします。
農村や山村などで自然や文化と親しむのがグリーンツーリズムです。自然派志向の家族の増加や、受け入れ側の民宿が自治体や農協や漁協などの協力を受けて、野菜の種まきや収穫などの体験メニューを充実されていることが人気の背景にあり、今後は、受け入れ側の充実で、高齢化が進む農村や山村では後継者づくりが課題となるほか、地域のすぐれた景観の保護や特産物づくりが欠かせません。国土交通省が推進し、新しい余暇活動の提案や新しいサービス産業の創出、地場産業の育成を狙いとしているものです。
今、JAとなみ野女性部では、豊かな緑、田舎のよさを伝えようと、夏休み期間中、小学4年生から6年生を対象に毎年、グリーンツーリズムを行っておられます。
自然豊かな富山の農家で、子どもたちに農村、農業体験を通じた食農教育を推進し、農村の交流、地域活性化へと展開し、農業、農村の持つ多面的機能の役割を広く推進することを目的に開催されているものです。タマネギ施設、球根組合や農園での作業体験、ウインナーづくりの加工作業、収穫した野菜を使ったカレーづくりや大自然で遊び、泊まる地域のイベント等にも参加するなど、盛りだくさんの内容で積極的に取り組んでおられます。子どもたちに命の大切さを教える機会にもなり、心や体の成長にもとてもよいことだと思います。
地産地消の取り組み推進の面からも大変よい活動だと思うのですが、近年、物価の上昇や消費税アップにより参加費も値上げせざるを得ないなど、大変な思いをされているようです。なるべく多くの子どもたちに参加してもらうために、助成金についてももう少し御配慮をいただきたく、また、参加者の募集についても小学校への呼びかけなど、市としてこの活動をどのように支援していかれるのか、今後の推進とサポートについてお聞かせください。
以上で、私からの発言を終えさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 山田議員の御質問のうち、2項目めの地産地消の取り組みの推進についてのうち、1点目の行政の方針と今後の具体的な取り組みについての御質問にお答えをいたします。
もっともっと地産地消推進戦略につきましては、生産・供給体制の強化と新たな流通チャンネルの開拓、地場産品の活用と購買気運の醸成、また、生産者と実需者、消費者との交流促進の3つの戦略を柱といたしまして、現在、その実践に取り組んでいるところでございます。
具体的には、学校給食で使用されます食材の地場産品の供給量を拡大するため、タマネギ、キャベツ、ジャガイモ、ニンジン、白菜など主要食材を安定的に供給することや端境期の需要に対応することを目的といたしまして、営農組織等に出荷をしていただく学校給食地場産食材利用拡大モデル事業を実施しております。
その結果、昨年度の学校給食におけます地場産野菜の使用割合が、金額ベースですが、前年度よりも1.9%増加いたしまして30.9%となり、県内でも高い使用割合となっております。
また、このモデル事業をきっかけに、水稲育苗用のハウスを活用されて、地域ぐるみでなばなや夏白菜の栽培にチャレンジするなど、野菜出荷の積極的な取り組みが行われております。このほか、主穀作の経営体ですとか集落営農組織等へ園芸作物の導入を推進するため、5月に野菜栽培マニュアルを希望農家へ配付いたしまして、一層の取り組みの推進を図っておりますほか、野菜生産農家と小売業者、また、飲食業関係者などとの交流促進を図る情報交換会を7月に開催したところでありまして、今後はこれを定期的に情報交換会や商談会の開催を行う予定にしております。
さらに、食品スーパーやホテル、旅館などの実需者に野菜のとれる時期をあらわしました野菜栽培カレンダーというものを配付することや、安全・安心な地元の野菜であるあかしといたしまして地場産の野菜シールというものを作成することとしておりまして、現在、関係機関等と具体的な協議を進めております。
このような活動を含め、今後とも農家の複合経営による園芸生産をさらに拡大推進し、直売や契約栽培など新たな流通・販売体制の構築と強化に向けまして、地産地消を積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。
私からは以上でございます。その他につきましては、教育長及び担当部局長からお答えをさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
教育長 山本仁史君。
〔教育長 山本仁史君 登壇〕
◯教育長(山本仁史君) 私からは、山田議員お尋ねの第1項目めの元気な砺波っ子の健全育成と教育環境の整備についての御質問にお答えいたします。
まず、1点目の命のとうとさ、大切さ、そして、はかなさを伝える教育の推進についての御質問につきましては、本年の2月定例会でもお答えしたとおり、学校では、これまでも命のとうとさ、大切さについて、医師等の専門家による指導を発達に応じて実施しております。また、道徳の授業、総合的な学習の時間などを活用して、子どもたちの理解を深めてきたところでございます。
さらに、昨年策定いたしました砺波市いじめ防止基本方針に基づき、学校、家庭、地域等全ての関係者が連携して、いじめの未然防止と早期発見、早期対応に努めましたところ、発生いたしましたいずれの案件も解決に向かっております。
したがいまして、教育委員会としては、今後とも校長会等と連携し、さまざまな機会を捉え、子どもたちが他を思いやり、頼り、頼られる、望ましい人間関係がつくられるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の小中学生への救急救命指導についての御質問にお答えいたします。
議員御提案の一般救急講習は、119番通報をしてから救急車が到着するまでの間にやるべきことを学ぶ講習でございます。その内容は、心臓や呼吸がとまった人に対する処置である心肺蘇生法とAEDの取り扱いが中心となっております。
現在、市内の学校では、それぞれ1台以上のAEDを設置し、万一に備えるとともに、教職員はもちろん、PTA総会の機会などを通じ、保護者にも操作説明会等を開催しております。
そこで、1時間程度の一般救急講習を毎年、小中学生全員に教えてはどうかとの御提案ではございますが、小学1年生から中学3年生までの全てとなりますと、年齢層が広く、体力や判断力にも違いがあることから、発達段階に応じた指導や講習が必要と考えております。
したがいまして、児童生徒にどのような救急講習がふさわしいのか、消防等の専門機関や学校現場とも調整しながら検討していく必要があると考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
商工農林部長 八田俊伸君。
〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕
◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、2項目めのうち、3点目のグリーンツーリズムの推進とサポートについての御質問にお答えいたします。
子どもたちの田舎暮らし、農業体験は、人生経験の中でも大変貴重なものであり、自然の中で農作物を育てることや食べることなど、さまざまな体験を通じて農業を理解し、学んでいただくよい機会であり、子どもたちの社会教育の場としても重要なことであると思います。
議員から御要望がありました助成金の対応につきましては、平成19年度から実施されているJAとなみ野女性グループ・グリーンツーリズムの活動に対しまして、実施当初から、砺波市農業公社より都市農村交流活性化支援として助成を行っているところでございます。
今後の支援につきましては、実施団体の運営状況や費用対効果等について調査検討させていただきたいと存じます。
また、子どもたちへの参加の呼びかけにつきましては、市といたしましても、市広報やホームページへの掲載、学校への周知等、関係者などと連携を図りながらPRに努めてまいりたいと存じます。
グリーンツーリズムについては、砺波ならではの自然と歴史、それから、農業と食文化などを多くの方々に知っていただく絶好の機会と存じますので、今後とも砺波市農業公社や関係団体と連携し、推進してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局長 横山忠司君。
〔教育委員会事務局長 横山忠司君 登壇〕
◯教育委員会事務局長(横山忠司君) 私からは、2項目めの2点目の学校給食の地場産食材の取り入れ状況についての御質問にお答えいたします。
現在、学校給食センターでは月に1回の米粉パン給食を実施しております。
ただ、1日の食数が5,000食余りと多く、一度に提供することはパン納入業者の供給能力を超えていることから、中学校と小学校、幼稚園とで実施日を分けて米粉パン給食を実施しているところでございます。
また、米粉につきましては、パンのほかに食材としても活用しており、主にシチューやクリーム煮において小麦粉の代用品として使用するなどの工夫もしているところでございます。価格につきましては、米飯と比較して1回につき14円から16円程度高くなります。
したがいまして、これらのことを考慮しながら、現行の給食費の範囲内において、今後とも地場産食材として米粉の利用拡大を検討してまいりたいと考えております。
なお、現在の米粉パンは、となみ野産米も含む富山県産米を利用しており、これらは県内を統一して製造しているところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
次に、伝承料理などのメニューに取り入れ、食文化として伝えてほしいとの御提案でございます。
議員御提案のとおり、子どものときから地域の伝承料理に触れ、体験していくことは食育の面からも大変重要であると考えております。
学校給食センターでは、既に毎月19日の食育の日を中心に「となみたっぷり献立」として、地場産の野菜等を多く取り入れた献立を実施しております。
また、7月には、市の特産品であるタマネギを使った「玉ねぎいっぱい給食の日」、11月には「学校給食となみの日」、1月には、全国学校給食週間において、生産者と児童生徒が会食を楽しむ機会を設けております。
いずれも献立には地場産の野菜、果物を中心に、いとこ煮や干しズイキ、干しナス、ユズなどを使った伝承料理を取り入れており、児童生徒は食事を味わいながら、生産者から栽培の工夫や苦労話を聞くなどによって、地場産物についての知識を深め、好き嫌いを改善するといった効果が出ているところでございます。
したがいまして、今後ともこれらの機会を継続、充実させることで、安全で、安心な地場産野菜等をできるだけ多く取り入れ、栄養バランスのとれた、おいしい給食の提供に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 1番 山本篤史君。
〔1番 山本篤史君 登壇〕
◯1番(山本篤史君) 議長より発言の許可をいただきましたので、通告に基づき、一般質問をします。
まず、1点目は、ふるさと納税についてです。
3月の一般質問で、ふるさと納税について質問しましたが、その後、新聞記事などでもさらにたびたび取り上げられるようになり、注目度が上がってきているのではないかなというふうに思います。
県市町村支援課による2013年度のふるさと納税制度による寄附状況は、県内市町村の寄附件数の合計、金額合計ともに過去最高になりましたが、当市においては、県内10市の中で、残念ながら最少件数の最少金額であり、まだまだ潜在的な寄附者を発掘できる可能性があるのではないかなというふうに思います。
安倍首相も、ふるさと納税と特産品を合わせるのはすばらしいやり方だと絶賛しておられ、その理由として、ふるさと納税は地方の自助努力を政府が後押しする典型例として、やる気のある自治体や地場産業を支え、経済活性化の牽引役となってもらいたいということです。
そして、政府も、2015年度から軽減される寄附の上限を2倍に引き上げたり、控除を受ける際の確定申告の手続の簡素化を進めるなど、制度の利用をさらに促す必要があるとの見解です。
また、石井知事も6月定例県議会で、制度を活性化して、受け付け増を目指すとのことで、寄附しやすい環境整備を進めることで、交流人口が増える北陸新幹線開業を見据え、富山ファンを増やすと答弁されておられます。
先日、1期の議員で、当市の姉妹都市である北海道むかわ町に視察に行ってきました。むかわ町もふるさと納税に力を入れている自治体の一つであり、寄附額1万円に対し、鵡川シシャモやほべつメロンなど、金額にしておよそ半額の5,000円相当のお返しをしており、寄附件数と金額の推移は、平成24年度は589件、619万円に対し、平成25年度は3,472件、4,502万円と、率にして前年度比727%の伸びとなり、今年度は、7月末時点で既に2,400件、3,929万円ということで、このままでいくと、今年度は1億円を超えるのではないかという話もしておられました。寄附者が殺到している状態で、9月に補正予算を組まなくてはいけないとのことで、特産物の生産者をバックアップする意味でも、非常にいい影響が出ているとのことでした。
この要因として、平成25年10月には電子申請を開始したそうで、その影響もあって、その後、わずか2カ月で2,400万円もの寄附となったとのことです。また、クレジット決済機能をつけることにより、寄附者のうち65%がインターネット経由で寄附するようになったとのことでした。
ふるさと納税の本来の趣旨からは大きく逸脱しているとの解釈もあるようですが、時がたてば考えは変わり、そして、それが今は国民に受け入れられているからこそ、注目が集まっているわけでもあり、今まで一方的に徴収してきた税に風穴をあけ、納税者に選択肢を与えることで、各自治体は、それぞれの魅力を今まで以上に積極的にアピールすることが必要とされているのではないでしょうか。その結果として、ふるさと納税したことをきっかけとして、何らかの思いとか、つながりができ、さまざまな交流が新たに始まるのではないかなというふうに思います。
国や県が今後さらに積極的に推進していく中で、砺波市も、これをきっかけに、ふるさと納税にさらに砺波市の特産物を初めとする砺波市全体の周知力アップを強化していく必要があると思うのですが、そこで、1つ目に、国や県の方針に対して、当市はどのような見解でおられるのか、また、2つ目に、2月定例会において、グレードの高いとなみブランドなどの採用については何か工夫ができないか、検討してまいりたいというふうに考えておりますとの答弁をいただきましたが、その後、どのような検討がなされたのか、当局の考えをお伺いしたいと思います。
2点目は、局地的豪雨に伴う災害対策等についてお尋ねいたします。
7月19日夜、もうそろそろ寝ようかなと思うころに、ふだんとは全く違う、ばりばりと空を引き裂くような雷が鳴り出しました。徐々に鳴り響く間隔が短くなり、日を越すころには、雨も降ってきました。10秒に1回くらいの間隔で、尋常ではない雷が鳴り響き、雨が屋根瓦をたたきつけるように降りしきるものですから、とてもうるさくて、寝られたものではありませんでした。
そして、午前1時前に、消防司令センターからのメールで、私の地元の地区で火事との連絡があり、慌てて現場に向かいました。現場は騒然としており、用水路が冠水し、付近は一面にくるぶし以上の水深があり、降りしきる雨が白くかすんだようになり、雷がいつ消防団員に落ちてもおかしくはない状況下で、本当に命がけの活動を目の当たりにしました。
早朝になり、被害の状況が明らかになってきました。県道新湊庄川線と市道徳万東保線のアンダーパスでは冠水し、2台の車が水没していました。分団員の話では、腰の位置ほどまで水位があったそうです。市内には、アンダーパスはおよそ30カ所あり、市道本町山王線の路面に水深がわかるように注意喚起表示がされたところです。
全国ニュースでも水位の表示があるにもかかわらず、水没した車を目にすることが多々ありますが、水位が判別できる表示をすることで、通行者に対して、現状を把握してもらい、被害を少なくすることが必要だと思いますが、特に車が通行する箇所における側面や路面への水深表示は今後、どのように計画しておられるのかお伺いします。
富山県が発表している雨量水位情報によると、和田川ダム観測所の7月20日午前2時の1時間の雨量が117ミリと観測されており、この値は、広島における土砂災害の地域の雨量とほぼ匹敵し、同時刻における東別所観測所の57ミリ、夢の平観測所の59ミリと比較しても、約2倍の雨量を観測していることを見ると、とてつもない大雨だったことがわかりますし、ちなみに、同時刻に砺波市五郎丸は10ミリですから、まさにこの雨量は、観測した地域に住む人にしかわからないすさまじさがあります。
その影響もあり、栴檀野地区では、市道、林道、田ののり面、用排水路、住宅付近の山腹崩壊等75カ所以上にも上る甚大な被害を受けております。特に個人が所有する田ののり面等を復旧したいと思っても、国の災害事業に適合しなかったり、仮に適合していたとしても、受益者個人が最大で事業費の50%を負担しなければいけないという仕組みです。
そうなると、ある所有者の意見ですが、おらのところは跡取りもおらんし、銭出して直すぐらいなら、この際に田んぼ、やめてしまおうかという意見もあり、このことによって耕作放棄地の拡大や農業環境が減少する方向につながることも危惧されます。
そのためにも災害復旧事業に対する国、県の補助を厚くするとか、市独自の災害復旧対策事業を起こすとか、また、他市の農地災害復旧事業に対する支援策を参考に、補助残に対する支援措置をするなど、さまざまな観点から災害支援策を検討するべきではないかなと思うわけですが、自然災害に対する市の復旧支援指針についてお伺いします。
また、国指定史跡増山城跡においては、15カ所以上の崩落が見られ、被害の状況がひどく、市長もいち早く現地を視察されたとのことですし、教育委員会も、教育長や事務局長が自らスコップを持ち、汗を流し、職員総出で力を結集し、復旧に尽力されたとのことです。
今年は、昨年より1カ月前倒しで9月末に開催を意気込んでいた戦国祭りを、やむなく中止にせざるを得ないのではという声も聞こえていたところ、逆境を逆手にとり、災害レスキューの陣と副題をつけ、市民とともに復旧へ向かうとのことですが、今回の豪雨が史跡増山城整備基本計画にどのような影響を及ぼし、どう修正をかけていく考えをお持ちなのかをお尋ねします。
あわせて、それに伴う周辺道路の修復に関しても、国指定史跡と隣接している箇所も多くありますが、どのように修繕を計画しておられるかをお伺いします。
気象庁は、8月10日の台風11号、その後の台風12号、そして、19日深夜から20日未明にかけ、広島を初めとする甚大な被害を平成26年8月豪雨と名づけましたが、特に多数の死者、行方不明者を出した広島市の土砂災害は、自治体の避難勧告と住民の避難行動の課題を改めて突きつけられ、防災の基本を再認識するよう迫っているようにも思われます。
政府は、今年4月、市町村が災害時に避難勧告や指示を出す際のガイドラインを見直し、各市町村に、勧告、指示の判断基準の策定や見直しを進めていると聞きます。今回の広島のような家屋の倒壊、流出、埋没の危険のある土砂災害は、新指針で示しているように早目の避難が第一です。
先月の16日から17日にかけ記録的な大雨が降った高山市では、170カ所で崖崩れが起きたにもかかわらず、民間の気象情報会社の情報を活用するなど、早期の避難勧告に努めたことから、人的被害が一件もなかったことが報道されています。また、ある地区にあっては、昼に防災無線で小学校に避難するように呼びかけ、その夜には土砂災害が発生し、民家1棟が全壊したにとどまった事例も報告されています。
さまざまな事例がありますが、そこで、本市の土砂災害に対する避難勧告のガイドラインについて、また、土砂災害ハザードマップ等を活用した住民への啓蒙、周知活動並びに住民等への情報連絡体系についてお伺いします。
最後に、近年、本市では自然災害による大きな被害は発生していなかったものの、今回の豪雨災害等を契機に、自然災害の脅威を身近に感じ、ますます防災の重要性が再認識されています。
市総面積の19%を占める山間地では、農地や山林の荒廃から土地の保水力が弱まり、土砂崩れや地すべりの危険度が増しています。また、市街地の拡大に伴い、集中豪雨時における下流地域の浸水被害が発生するなど、総合的な雨水排水対策が急務となっています。
その意味からも、砺波市総合計画に掲げている、安全で、安心して暮らせるまちづくりの推進、地域防災基盤の整備に向けて、当局のさらなる御尽力を切に願い、私の質問を終わらせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 山本篤史議員の質問のうち、私からは、まず、第1項目めのふるさと納税に関する御質問にお答えいたします。
まず、国や県の方針に対する当市の見解でございますけれども、本年2月の定例会でもお答えいたしましたように、本来、ふるさと納税制度につきましては、例えば成長して生まれ故郷を離れても、故郷に寄附することにより、その地域に貢献、恩返しをしたい、そういうことを受けるということの趣旨がございます。
また、そのときにも申し上げましたが、一面、行政サービスを受ける住民が税を負担する受益者負担の原則の観点から逸脱する。つまり、ふるさと納税を利用する人は、居住地への税負担が少なくなるということですから、利用しない人より少ない税負担で、居住地で同じサービスを安く受けることになります。住民税の趣旨といえば、いわば地元の会費みたいなものですから、ベースは、これはいかがなものかということもあるということでございます。
そういったことから、市町村が寄附額を増やす目的だけで、その手段を争うということは、やはり本来のふるさと納税の趣旨からは外れていくのではないかというふうに思います。
本市としましては、ふるさと寄附を通じて砺波市を応援してもらうということは大変ありがたいことだというふうに思っておりますが、御紹介のとおり、寄附額の増減で一喜一憂しないで、地道に砺波ファンを増やしていきたいというふうに考えております。
発言の中でも御紹介があったように、現在、ふるさと納税に関しましては、控除額の拡大ですとか、手続の簡素化などについて国での議論が高まっております。その一方で、寄附を受けた自治体が謝礼に特産品などを贈る動きの加熱ぶりというのも指摘されているところでありまして、制度拡充と過熱の防止について、今後、バランスをとって適切に調整されていくことが望ましいのではないかというふうに思います。
時がたてば考え方も変わるんだという御意見もありましたが、やはり住民税の本来の趣旨をもう一度考え直していただきたいというふうに思います。ですから、もともとのふるさと納税の趣旨から逸脱するような方向で拡大されるのはやはりいかがなものかなというふうに思いますし、一定の限度というものはおのずからあるべきだと思いますし、特に私ども砺波市は、住民税のウエート、そこそこいただいております。こういうものがどんどん行きますと、税の基本的な体系というものがおかしくなってくるのではないかと思いますので、一定の節度というか限度というものがあった上で、こういう制度、ふるさとに恩返しをしたいという思いは大変よくわかりますので、そういう点については上手に調整していただければなというふうに思っております。
そういったことも含めまして、グレードの高いとなみブランドについてはどうなったんだという話ですが、本市では、当初から1万円以上の寄附をされた方には2,000円程度の返礼品をお送りしてきたところであります。この返礼品の額というのは、いわゆる適応限度額を考慮して考えた額でありまして、今までいただいている寄附に対しての謝礼としては概ね妥当ではないかというふうに思っております。
ただ、御指摘もあったように、返礼品の内容につきましては、特産品のごく一部に限っていたということ、また、選ぶことができないということもありましたので、今年度からは、新たにとなみ野米を加えましたし、従来のチューリップ球根とか切り花とか、大門そうめんとか、タマネギ使用のレトルトカレーなどから、従来のものに加えまして、レトルトカレーなど、そういうものも含めて選んでいただけるように範囲を広げました。また、今後もいいものがあれば、適切に追加していきたいというふうに考えております。
それから、趣旨は趣旨として、やはり寄附しやすい環境づくりというのは大切だと思いますので、ホームページに改めて、ふるさと寄附のバナーを設けましたし、それから、検索をしやすいように、掲載内容の充実を図りました。
それから、むかわ町の話もありましたが、ネットでのクレジット納付、これについても、ふるさと納税のためというよりも、市税そのものに対してについても少しでも納付のしやすい方法として進めたいと思っておりまして、その流れの中で、当然ながらふるさと寄附についても、そのように対応できるようにしたいというふうに思っております。
ですから、環境の整備については攻めようと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
いずれにしても、現在そういう形で国の議論が進んでおります。まさに、賛否というほどでもありませんが、考え方についてはまだいろいろ御意見も出ると思いますので、そういうことも踏まえて、例えば控除額が大幅に増えるとか、そういうことになれば当然ながらそのお礼のほうも考えなくてはいけないと思いますので、その際には改めてグレードアップについても考えていきたいというふうに思っています。
特産品自身のアピールについては、例えばチューリップファン倶楽部とか、農業公社でいろいろやっております。そこらについてもあわせてPRしたいと思っていますし、山本議員もふるさと納税されたのかもしれませんが、確定申告せずに、砺波市に住民税をそのまま納めていただくように、お好きなものはまたネットショップで買っていただくようにお願いしたいと思います。
ちょっと脱線しましたが、ふるさと納税については、そういう形で金額に一喜一憂せずに、ただし、砺波をアピールできる部分はしっかりとやっていきたいというふうには思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、2項目めであります。
局地的豪雨に伴う災害のうち、自然災害に対する市の復旧の支援指針についてお答えいたします。
災害復旧事業の補助率につきましては、田畑等の農地災害の国の基本補助率は50%でありまして、水路や農道などの農業用施設災害の国の基本補助率は65%ということになっております。これに対しまして、市では独自に農業用施設災害には10%をプラスして補助しております。これらの国や市の補助残につきましては、実質的にはいわゆる地元負担、施設管理者や農家の負担となっていることが現状でございます。ただ、国の補助率については、例えば激甚災害の指定ですとか、耕作者の実数、それから、事業費の総額などによって基本補助率が増嵩するという制度になっています。動くわけですね。
具体例を言いますと、例えば昨年の本市におけます国庫補助率は、農地災害では、先ほど言いましたように本来50%ですが、76.4%に上がっております。農業用施設災害では65%が87.8%になっておりまして、地元負担がかなり軽減されているということでございます。ですから、先ほど申し上げましたように、農業用施設災害に市の負担10%を加えますと、施設災害でありますと97.8%の補助が来るということですから、2.2%の地元負担で済むという形になります。
ただ、農地のほうの災害については、そういう市の補助はございませんで、先ほど申しましたとおり、農地は76.4%の補助ですから、地元は23.6%の負担になるということでございます。
これまで市では、農業用施設には受益が複数にわたるということ、それから、施設ということで公益性も考えられるということで、先ほど言いました10%のプラスをしているわけですが、農地については、あくまでも被害を受けた土地の個人財産であるということもあって、なかなか支援制度というのは農地の所有者以外の方には理解してもらえないのではないかという考えもあって、砺波市はそういう制度はありませんでした。
そう言いながらも、昨今の災害もそうですし、先ほど紹介されたような例もあります。それから、水田だけでなくて、農地の多面的機能ということも考慮しなくてはいけないということですので、そういう点からも考えますと、今後、農地の復旧事業については、御紹介もあったように、近隣市の状況、それから、今後の発生状況もありますが、それも含めて新年度以降、何かできないか検討していきたいというふうに思っております。
私からは以上でございます。その他につきましては、担当部局長からお答えをさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
企画総務部長 水落 仁君。
〔企画総務部長 水落 仁君 登壇〕
◯企画総務部長(水落 仁君) 私からは、2項目めの局地的豪雨に伴う災害についてのうち、4点目の土砂災害時のガイドラインと情報連絡体系についてお答えいたします。
土砂災害に対する避難勧告のガイドラインについてでありますが、本市では、地域防災計画において、土砂災害により人的被害が発生するおそれが高まったときに発令する避難に関する発令の類型を初め、発令の基準、発令の区域を定めております。
避難に関する発令の類型は、高齢者など避難に時間のかかる方に早目の避難を促す避難準備情報、通常の避難行動ができる方に避難を促す避難勧告、早急な避難を促す避難指示の3類型で、気象状況等の基準によって段階的に発令することとなっております。
発令の基準につきましては、これまで降った雨量や今後の降水量予測を解析して発表される土砂災害警戒情報や落石など、土砂災害危険箇所の自然現象の発現等によって一定の基準を定めており、これら基準に照らし合わせて総合的に発令を判断することとなっております。
また、発令の区域は、県が指定している市内156カ所の土砂災害警戒区域を対象としております。
次に、土砂災害ハザードマップ等を活用した住民への啓蒙、周知活動並びに住民等への情報連絡体系についてでありますが、先般の広島市の土砂災害を受けまして、先月末に、関係課による土砂災害対策会議を開催したところであります。
その対策会議の中では、局地的な短時間雨量による土砂災害に迅速かつ的確な防災避難態勢がとれるよう連絡体制などについて点検、検討を行い、土砂災害警戒区域に指定されている地区へは出向いて、土砂災害指定区域の周知や個別の避難場所、避難経路の確認を初め、自助、共助、公助の連携による防災・減災の啓発を行うこととしたところであります。
情報連絡体系につきましては、現在の地域防災計画では、緊急メールやエリアメール、ケーブルテレビなどに加えて、地区自治振興会長、町内会長を通じて関係住民へ連絡する体制となっておりますが、夜間や休日の体制、あるいは地域の実情に応じた体制について検討を加え、情報がより確実に住民の方々に届くようにしてまいりたいと考えております。
また、今月4日に開催されました県内の防災及び土木担当者による市町村土砂災害対策推進会議では、避難勧告の早目の判断や住民の早期避難の周知徹底などについて確認されておりまして、引き続き国や県等の関係機関ともしっかりと連携をとりながら、これからの秋雨前線や台風の接近による災害への対応に万全を期してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
建設水道部長 大浦正治君。
〔建設水道部長 大浦正治君 登壇〕
◯建設水道部長(大浦正治君) 私からは、2項目めの1点目、道路の冠水対策についての御質問にお答えします。
洪水ハザードマップでは、アンダーパスと言われる鉄道や高速道路、国道等の下を通る道路や横断地下歩道が市内には33カ所あり、そのうち、市が管理する箇所が21カ所あります。そして、そのうち、自然流下ができずにポンプ排水しているところが10カ所ございます。
過去に大雨で冠水し、車が立ち往生したこともある箇所につきましては、日ごろからの注意喚起が極めて重要であり、今年度において、市道本町山王町線でJR城端線の下を通る路面に水深表示を実施したところであります。
明年度以降につきましても、ポンプ排水する路線において、交通量が多く、過去に車両の冠水があった箇所に水深表示を実施してまいりたいと考えております。
また、その他の箇所につきましては、ホームページ等で注意喚起を促すとともに、豪雨時にはより一層きめ細かなパトロールに努め、冠水時には迅速な対応を今後とも心がけてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局長 横山忠司君。
〔教育委員会事務局長 横山忠司君 登壇〕
◯教育委員会事務局長(横山忠司君) 私からは、2項目めのうち、3点目の増山城跡の今後についての御質問にお答えいたします。
初めに、昨年度策定いたしました史跡増山城跡整備基本計画への影響についてでございます。
御存じのとおり、増山城跡は、北陸地方における中世の覇権形成の役割を果たした山城でございます。増山城跡の地形そのものが遺構であることから、歴年の毀損箇所に加えまして、今回の豪雨災害による被災箇所が増えたこととなります。
また、その復旧方法につきましては、現代の土木的な工法は控え、今の増山城跡の景観を保つ手法を採用することで、できるだけ遺構に恒久的な影響を与えないこととしております。
したがいまして、今のところ基本計画の内容自体には大きな変更はないものと考えておりますが、このたびの災害におきましては、特に又兵衛清水や散策路への影響が大きかったことから、その事業費の増大が見込まれるものと考えております。
今後、基本計画に掲げます方針のもと、国、県と協議しながら、現状を踏まえた基本設計を作成した上で、総合的な整備を進めていくことになるものと考えております。
また、周辺道路の復旧でございますが、林道増山線及び林道増山城跡線につきましては、年内に崩落土砂の排土を行い、通行可能とした上で、県単独の森林整備事業の補助を受けて復旧工事を進めることとしているところでございます。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
次回は、明9月11日、午前10時から開会いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
午後 3時36分 閉議