1.会議の経過
午前10時00分 開議
◯議長(飯田修平君) ただいまの出席議員は19名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)
◯議長(飯田修平君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第2号から議案第31号まで、平成24年度砺波市国民健康保険事業特別会計補正予算(第3号)外29件について、及び報告第1号 専決処分の報告についてを議題といたします。
これより、市政一般に対する代表質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
18番 江守俊光君。
〔18番 江守俊光君 登壇〕
◯18番(江守俊光君) 皆さん、おはようございます。
きょう3月11日で、多くの犠牲者を出した東日本大震災の発生から丸2年が経過いたしました。巨大な地震と大津波、さらには、東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射能漏れ、そしてまた、犠牲者が2万人、そして、いまだ2,694人の行方不明者と長引く仮設住宅での生活。被災地での復興の道筋がまだ遠く、見えないのが現状であります。
2年前のきょうも、議会の質問日でした。災害の記憶がいつまでも風化せず、国を挙げて復興が速やかに行われ、被災者の方々が安心して生活できる日が一日も早く訪れることを心から望むものであります。
それでは、我々にとりまして今任期中の最後となる定例会に当たり、自由民主党平成議員会を代表し、夏野市長及び関係当局に対し、提出されました平成25年度一般会計予算案を初め、現下の政治動向、さらには、市民生活に深くかかわる幾つかの課題に絞って質問をいたします。
まず、夏野市長には、昨年11月に就任され、先の定例会で、市政運営に携わる基本的な姿勢について表明されたところでありますが、コンパクトで都市基盤が充実し、暮らしやすい都市として内外から高い評価を受けている砺波市に対して、さらに、もう一歩、ステップアップを促す「もうひとつ上の“となみ”」の方針を掲げ、今後の市政運営に向け、力強い未来志向の表明をいただいたところであります。
私たちは、夏野市長を支援したことが正しかったと確信を持っている次第であります。いよいよ将来を見据えた砺波市の成長戦略にしっかりと取り組んでいただくことを強く希望するものであります。
さて、国政においては、昨年末、第46回衆議院議員総選挙において、自由民主党が圧勝し、3年4カ月ぶりに政権に返り咲き、第2次安倍政権が誕生いたしました。
この政権は、我が国の長期にわたるデフレ経済による国民生活の停滞、そしてまた、雇用の悪化などから脱却するために、財政出動、金融緩和、成長戦略の3つの柱を3本の矢と見立て、経済政策、アベノミクスを進め、名目経済成長率3%を目指すとしております。こうした政策への期待感から、円安が進み、株価が上昇し、国内的に好感を持って迎えられ、内閣支持率も70%近くまで伸び、高い支持率を維持しております。多くの国民が望んでいた、政治の安定につながるものと期待をしております。
このような中、機動的な財政出動を実現するものとし、政府は、景気対策となる10兆円規模の公共投資を含む、歳出総額13兆円余りに上がる過去最大の規模の大型補正予算を組んでおります。
砺波市としても、国に呼応し、公共事業費等を含む約17億円余りの平成24年度一般会計補正予算を計上し、議会としても、迅速なる発注による切れ目ない公共事業を行うことから、議会初日に先議し、可決したところであります。市民経済、市民生活に直結し、生活が上向きになることを期待するものであります。
さて、国では、15カ月予算として、平成25年度予算案を92兆6,000億円余り、先の補正予算と合わせて105兆円に上る規模とし、今国会に提出されているこの予算は、国土強靭化を強力に推進することとして、公共事業を前年度対比15.6%と、4年ぶりに増加させております。また、当市で関心の高い農林業関係費で見ても、前年度比5.7%増加しており、中でも、基盤整備などの土地改良費が大幅に確保されております。これまでに地方にとって事業の先延ばしが見られた中、多いに期待感を抱かせるところであり、評価するものであります。
一方、民主党政権における、いわゆるばらまき政権の施策の整理がつかず、新規国債の大量発行が余儀なくされており、苦心の跡が見られております。
一方、地方の羅針盤と言える地方財政計画においては、財政規模が81兆9,100億円程度で、昨年度と比べれば横ばいであり、これに対応する一般財源の確保も、0.2%増しの横ばいであります。
しかしながら、問題となっているのは地方交付税であります。
17兆円と、前年度比2.2%減となっており、この主な要因としては、地方公務員給与を国家公務員給与に準じ削減することになっていますが、昨今の財源の交付税化、これまで大量発行してきた臨時財政対策債の償還などが増加している中で、出口ベースでの削減は、地方財政に大きな影響を及ぼすものと危惧しております。
それでは、まずお伺いします。
これまでの国の予算編成の方針、地方に対する姿勢について、また、加えて先般の安倍首相の訪米時のTPP参加表明など、当市への影響が懸念されますが、それらに対する市長の見解をお聞かせください。
次に、平成25年度砺波市一般会計予算案を中心に幾つかの質問をいたします。
会計別には、一般会計は205億3,000万円、対前年度比2%増し、特別会計は74億9,320万円、6%増し、企業会計は158億8,642万円で7.6%増となり、全体としては4.7%の大幅な伸びとなっています。
中でも、一般会計では、就任時からの短期間でさまざまな分野に目配りをした積極的な予算となっております。これも持ち前の前向き現場主義と豊かな行政経験により培われたものと高く評価しております。
個別の事業に対する質問は、この後、同僚議員に委ねるといたしまして、私からは、基本的な視点から幾つかの質問をいたします。
まず、1点目、砺波市の財政基盤に対する評価についてお伺いをいたします。
冒頭申し上げたとおり、国の財政状況は、近年のリーマン・ショック、東日本大震災などを経て、深刻な状況となっています。
一方、砺波市の財政状況も、これと連動し、歳入の根幹である市税収入が減少する中、今日的な優先施策である学校耐震化などの大型事業、少子高齢化の進展に伴う社会保障関係費など、歳出は、年を追うごとに増加が見込まれております。平成27年度からの地方交付税の一本化による減額も目の前に迫っております。こうした中で、一般会計予算は、基金の取り崩し、市債の発行などによる財源措置がなされております。
市長には、県で、市町村の担当をされた期間も長く、市町村財政の指標も十分了知されていると思いますが、健全財政を維持し、持続可能な財政計画運営を図り、さらなる成長戦略に基づくまちづくりを進める上で、まずもって、就任に当たり、砺波市の財政基盤の状況、財政の弾力性など、県内の他市町村に比べてどのように評価されているのかをお伺いいたします。
2点目として、就任以来、初の予算編成の基本的な姿勢についてお伺いいたします。
今回の予算編成では、財政出動を切れ目なく行い、即効性の高い公共事業に重点を置いたいわゆる国の15カ月予算への対応が、言うまでもなく先決であったと思います。その上で、市長には砺波市を牽引する力量が重要であります。2年後に開業を迎える北陸新幹線への戦略や少子化への対応など、夏野市政がいかなる点に重点を置き、踏み出そうとしているのか、また、その方向性にかなったものになっているのかをお伺いいたします。
次に、3点目として、選挙期間中の公約として、3つのキーワードで約束された具体的な項目に対し、その思いを取り組むことができたのでしょうか。あわせて、昨年末提出いたしました自由民主党砺波市議会議員団の要望の中で、安全で安心、快適な環境整備、明日を拓く人づくり、北陸新幹線開業を見据えた観光振興、さらには、農林業の6次産業化などの具体的な提言も踏まえた内容について、どのように予算化されているかをお伺いします。
次に、4点目として、総合計画の後期計画との関連についてお伺いいたします。
本市の第1次総合計画前期計画を終了し、平成25年度は、後期計画の2年次目となります。総合計画については、中期的な視野に基づいた市の姿を定め、その目標を達成するため、市政全般にわたる施策を網羅し、計画的な行財政運営を行うものとして策定されております。
庄川と散居に広がる健康フラワー都市を基本理念に市政運営の根幹をなす計画であります。この2年次目の事業計画額は208億7,500万円余りであります。新年度予算額では、計画を3億円余り下回っていますが、その整合性についてお伺いをいたします。
なお、この事情については、今回の予算が13カ月予算だったことに起因していると思いますが、このような国の財政出動がいつまで続くかは不透明であり、総合計画を早回る進捗度で事業を進め、計画と乖離した場合、その先を見据えた新たな計画策定を前倒しで行うかどうかをお伺いいたします。
次に、5点目として、攻めのまちづくり姿勢についてをお伺いいたします。
今回の予算の特徴として、特別枠の拡大に合わせ、芽出しとされる各種検討委員会などの予算が計上されております。
個別の検討会に対する議論は別として、この芽出し事業は、将来の砺波市を方向づけるものであり、また、市長が提唱されている「もうひとつ上の“となみ”」の視点を大きくアピールするものだと思っています。
ここに住む者として、砺波市民であることに誇りを感じることができる、すばらしい原石に磨きをかけることが重要であります。また、このまちで住みたい、働きたい、買い物をしたいと実感ができる、魅力あるまちづくりを目指していく姿勢が大切であります。
そこで、そういった意味で、投資すべき事業に積極的に投資する。まさにこのことが新たな雇用、新たな税収に結びつくのであり、この芽出し事業の選定をどのように考えて行われたのかをお伺いいたします。
6点目として、市民協働の仕組みについてお伺いをいたします。
行政ニーズが多様化し、増大する今日において、市役所だけで、全てを解決できるものではありません。市職員と市民、企業などが連携し、新たな発想や意欲を最大限に引き出し、それぞれの立場で力を発揮していただくことが、これから地域づくりの鍵となります。
市長は、地区自治振興会を中心とした自治会などの活動と連携するため、地区への職員の派遣を考えておられるようですが、仕組みと、どうして必要だと思いますか。上田前市長は一人一ボランティアを手法の一つとされていましたが、防災、空き家対策、高齢化など、自助、共助の広がりが最も求められるところでありますが、協働社会に対する姿勢と考え方をお伺いいたします。
次に、7点目として、市役所の組織の見直しについてお伺いをいたします。
行政改革の視点から、組織の統廃合は絶えず検討されなければなりません。しかしながら、政策の迅速化、情報の共有の円滑化などから、時代のニーズに合った組織づくりも検討しなければならないものであります。
そこで、先ほど申し上げた、地域の特性に合ったまちづくりを市民協働で進めるため、自治振興会、町内会、自治会などの対応を初め、さまざまな組織や団体、NPOから企業まで、多様な活動が行われる地域の連携、ネットワーク化を支援し、また、NPO法人などの立ち上げを支援する専門組織が必要ではないかと思います。
ついては、新年度に向けて、組織の改編についてお伺いをいたします。
以上、当初予算案を受けての質問といたしまして、次に、市政全般の課題から若干の質問を行います。
私は、平成8年の初当選以来、議員生活17年を通じて、笑顔があふれる安心できるまちづくり、散居を守り活力あるまちづくり、人を育て夢のあるまちづくりを3つの柱として、市政の発展に微力ながら活動してまいりました。
この3つの柱を踏まえ、特に北部地区に関係が深く、あわせて全市的な課題について3項目、質問をいたします。
まず1項目めは、安心できるまちづくりから、地域医療に果たす、行政、総合病院の役割についてお伺いいたします。
先月末、高波診療所の広野先生が79歳で亡くなられました。かつて高波地区の先人は、村に医師が必要だとの強い信念から、医師の誘致に奔走され、苦心の上に、高波診療所を立ち上げられました。以来、市町村合併を経て、個人所有の診療所となり、後を継いだ広野先生は、立派な施設を建設され、地域の人々の身近な診療所として、また、学校医として、最近では、高齢者のかかりつけの医師として頑張っていただきました。心から御冥福をお祈り申し上げます。今後、高波診療所としての存続は難しく、周辺部を含め地域医療をどのように確保するか、大変憂慮しております。
我々を取り巻く医療環境は、最近の医療制度改革により大きく変貌しており、地方の医師不足、医療ニーズの増大、在院日数の短縮などにより、県の新たな医療計画では、在宅医療の構築が引き続き課題となっております。今後、安心できる医療環境を整備することが非常に重要であります。砺波市には、2.5次機能を担う総合病院を核として、多くの診療所があります。この恵まれた環境を生かすことにより、安心できる地域医療の体制が可能となってきます。
しかしながら、それぞれの機能を利用する方々が理解せず、コンビニ受診や総合病院の救急の集中という課題も残っています。
こうした中で、現在、取り組まれている広域圏地域医療連携システムの稼働は、大きな期待を寄せるものであります。進捗中の南棟耐震化建替工事に伴う課題についても、取り組みが必要と明示されています。砺波市医療の地域連携室のあり方、さらには、(仮称)砺波市医療連携協議会の設置など、今後の課題について取り組みが明示されています。
そこで、開設者である市長の方針や当事者である病院長には、今後、どのような展望、方針を持たれているのか、それぞれの立場でお聞きいたします。
それと、先般、出前講座で、医療がありました。そのときに、院長さんが我が地区へ来て、出前講座をやっていただきました。さすがは院長さん、市民の健康を大事にしていらっしゃるなということをつくづく感じた次第であります。
次に、2項目めの活力あるまちづくりから、今後の下水道整備についてお伺いいたします。
下水道は、市民の快適な生活を支えるとともに、環境保全等に対する大切な役割を持っております。まちづくりの基本施策の一つであります。
本市の普及率は、公共下水道ベースで60%台となっており、散居村が広がる地域を抱えることから、県全体の80%台を大幅に下回っております。
県の小矢部川流域下水道事業と並行し、昭和59年の事業着手以来、平成23年度までに260億円を投じて整備を進めたことについては高く評価したいと考えております。
しかしながら、農業集落排水事業により整備した地区もありますが、それ以外の地区では、いつになっても整備されることがわからず、この地域間格差には諦めに似た雰囲気があります。このような中、上田前市長の熱意や県当局の理解により、県の全県域下水道化構想により、全ての下水道による汚水処理人口普及率を、平成22年度末の94%から平成33年度末までに98%とする目標が示されております。
新たな整備が始まることになっております。市内においても、高岡砺波幹線の着工を前に、関係する北部4地区において、既に要望があった地域には住民説明会が実施されており、長年の念願が実現の方向に向かっていることに期待感が湧いております。
そこで、幾つかの要望について申します。
下水道の整備規模、受益面積の見込みについて、どのようにお考えでしょうか。
国の財政出動の動向を受け、地区と十分協議いただき、早期に具体的な計画を示していただきたいと思います。地域間格差はできるだけ速やかに解消されるべきと考えています。また、下水道認可区域となると、下水道の敷設が進まなくとも、合併浄化槽補助金が受けられなくなることがあります。財政状況を踏まえながら、できるところまでまとめて、早期の推進を図るべきだと思いますが、前市長の思いをどのように引き継がれたか、この事業に当たられた市長の考えをお聞かせください。
最後に、人を育て夢のあるまちづくりから、昨年の議会でも要望いたしました、幼稚園の保育環境の機会均等についてその後の対応をお尋ねいたします。
国において議論されています子ども・子育て新システムは、昨年8月に、いわゆる子ども・子育て関連3法が成立し、現在、子ども・子育て支援新制度と言われ、子どもを産み、育てやすい環境を目指すとして前進しております。その目指すところは3つとされています。
1つは、質の高い幼児教育、1つは、保育の量的確保、1つは、地域の子育て支援の充実であります。砺波に生まれてよかった、育ってよかったと市民が等しく思えるために、保育所と幼稚園、幼稚園と幼稚園の間でいまだ施設間の格差があることは、残念の一言であります。
上田前市長から、幼稚園の保育機能には一定の園児数が確保され、その効果を見込まれた場合には、その対応について検討するとの回答を得ています。現在、どのように検討されているのか、その結果をお伺いいたします。
なお、次世代育成支援行動計画後期計画は、平成21年度に策定され、改定時期を迎えております。また、(仮称)保育所・幼稚園整備計画検討委員会では、国の目指す、子ども・子育て支援新制度の3つの視点から、施設並びにサービス内容の両面を論議されると思いますが、どのような観点から論議されるのか、また、委員構成などはどのように考えられているのか、現段階でのお考えをお聞かせ願います。
以上、質問とさせていただきます。
今後、市政運営に対する夏野市長の手腕に大きく期待し、私ども平成議員会として、よりよき砺波市を目指していただきますようお願いするものであります。市長と一緒に、市政の発展に全力を尽くしたいと思います。これで私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) おはようございます。
江守議員の平成議員会を代表しての御質問にお答えいたします。
まず、1項目めの国政の動向、地方に対する姿勢についての御質問にお答えいたします。
国の平成25年度予算につきましては、復興・防災対策、成長による富の創出、暮らしの安心、地域活性化に重点を置いた予算としておりまして、社会保障関係費、公共事業関係費、エネルギー対策費などが増額となっております。
この予算の方向性につきましては、社会保障費やエネルギー対策費の増額は当然のことと考えられ、また、公共事業関係費の使い道が、インフラの老朽対策や防災対策ということに重点を置いている点など、今必要な事業に予算を配分している姿勢がうかがえまして、一定の評価ができるものと考えております。
しかし、地方に対する姿勢については、きちんとした議論もなく、地方公務員の給与削減と引きかえに、地方固有の財源であります地方交付税の削減を一方的に行いますことは、財政力の格差を調整し、財源調整を行うという地方交付税の本来の主旨を逸脱するものでありまして、また、結果として交付税を必要とする財政力の弱い自治体にとって影響が大きいことから、地域間格差の拡大を招くという点で、疑問を抱かざるを得ないものであります。
また、TPP交渉のあり方につきましては、農業を初めとして、医療・社会福祉、金融、保険のほか、あらゆる産業分野に影響が及ぶものと考えられ、地域経済とも不可分の課題であると考えております。
しかしながら、いまだ国において、米国との事前交渉が始まったばかりでありまして、総合的な判断を行う材料が余りにも乏しいと言わざるを得ません。まずは国民全体に向けて総合的で具体的な情報提供を行い、それをもとにした議論ができる基盤づくりが必要であるというふうに考えております。
協定参加の是非につきましては、交渉の進展や情報開示に基づく国民的な議論を経た上で、慎重な判断が必要と考えますので、例えば全国市長会を初めとするさまざまな場を通じて意見提出を行うなど、重大な関心を持ち続けたいというふうに考えております。
次に、2項目めの平成25年度一般会計予算案からの御質問にお答えいたします。
まず、1点目の市の財政基盤に対する評価の御質問につきましては、当市の財政基盤の状況を表します指数として財政力指数というものがございますが、平成23年度で、0.58となっております。県内市の中で上から7番目の位置ということでございまして、財政力は必ずしも強いとは言えません。
しかしながら、市税、地方交付税などの一般財源により、現在、基礎的財政収支いわゆるプライマリーバランスというものは黒字を堅持しておりまして、また、ここ数年は、財政調整基金からの取り崩しも回避できておりまして、現在の財政状況は、苦しいというものの、決して悪い状況にはないというふうに考えております。
また、財政の弾力性を示す指標として経常収支比率がございますが、平成23年度では82.9%となっておりまして、これは、県内市の中では上から2番目の位置ということでございます。
80%を超えますと、一般的には財政が硬直化しているというふうに考えられるわけでありますが、自主財源の確保努力ですとか経常経費の削減などによりまして、年々改善されてきております。引き続き努力してまいりたいというふうに考えております。
今後とも、これらの財政指数にも充分留意しながら、事業のめり張りをつけて、引き続き健全な財政運営に努めてまいりたいというふうに考えております。
次に、2点目の予算編成に対する基本的な姿勢についてにお答えいたします。
今回の予算は、私が市長に就任にして最初の予算でありまして、今後4年間のスタートの予算でもあります。
基本姿勢としては、私が公約として掲げております、「さらに質の高い“となみ”」、「活力がつながる“となみ”」、「健全で安心な“となみ”」の3つの実現に向けまして、諸施策を進めてまいります。
その中で、新年度では、国の緊急経済対策に呼応し、防災・安全対策や社会資本の整備を図るほか、子育て支援、観光事業の推進などを重点的に進めることといたしまして、予算総額は、前年度比2%増の205億3,000万円の積極的予算といたしたところでございます。
また、切れ目のない予算とするため、13カ月予算の考え方で、公共事業などを含む17億円余りの補正予算を提出いたしまして、先般、議員各位の御理解をいただき、可決をいただいたところであります。
中でも、小中学校の耐震化事業につきましては、当初の計画を1年前倒しし、平成26年度までに完了することといたします。それに伴いまして、要望の高い保育所、幼稚園の耐震化に早目に取りかかる道筋をつけたいと考えております。
また、空き家対策につきましても、適正管理と有効活用を2本の柱といたしました独自の条例を策定し、さまざまな支援策も予算計上しております。
一方、これからの将来を見据えまして、確固たる基盤を整えるために新たな取り組みへの芽出しといたしまして、課題となっています保育所、幼稚園や図書館の整備、チューリップ公園の再整備、さらには、北陸新幹線の開業に伴う城端線活性化に向けた検討会議などを設置いたしまして、「もうひとつ上の“となみ”」の実現に向け、積極的に事業を展開してまいりたいというふうに考えております。
次に、3点目の選挙公約等の反映についての御質問のうち、選挙公約として3つのキーワードで示した項目について、その思いを取り組むことができたのかということでございますが、今ほど予算編成に対する基本的な姿勢についてでお答えいたしましたとおり、市長1年目として、できる限り予算に組み込むことができたものというふうに考えておりまして、それらを着実に実行に移したいというふうに考えております。
次に、自由民主党砺波市議会議員団の要望についてどのように予算化されているのかでございますが、今ほど、小中学校の耐震化事業など平成25年度の重点事業を幾つか御説明させていただきましたが、これらの事業につきましては、自民党議員団から要望いただきました、安全で安心・快適な生活環境、道路網の整備、明日を拓く人づくりと教育環境の整備、観光振興の強化と具体的な取り組みなど、5項目にわたる要望項目についてもそれぞれ対応して予算化しており、いずれも今後の砺波市の基盤となる事業でございますことから、優先順位等を考慮しながら、しっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
なお、今年度実施いたしました各地区が独自に行う事業に対する支援につきましては、地域再生対策事業費ということで、引き続き平成25年度も実施することとしております。
次に、4点目の総合計画との整合性についての御質問にお答えいたします。
御承知のとおり、総合計画の実施計画は、基本計画におきます5つの基本方針に則した財政計画でございまして、最新の地方財政制度や国内外の財政事情などを勘案して、新年度予算編成作業に先立って策定し、いわば新年度予算編成の指標としているものでございます。
したがいまして、議員も御賢察のとおり、実施計画策定後の今回の政権交代に伴う大幅な国の財政出動ですとか、経済情勢の変化や他の事業の進捗度合などにつきましては、予算編成作業の中で対応するということとしておりますものであります。そこで変更された事業につきましては、翌年度に実施する総合計画実施計画のローリング作業で考慮するということになるものでございます。
ちなみに今回の予算編成におきまして、総合計画と異なる計上となったもののうち超過分の主なものといたしましては、新たな財政負担となります消防指令事務共同運用事業負担金ですとか、国の経済対策に呼応するものとして、重点分野雇用創出事業・災害等緊急雇用対応事業及び庄東小学校の耐震改修事業の前倒しによります増額変更等がございます。
一方、減額となりました主なものは、庄川小学校の耐震改修事業、庄川水辺プラザ整備事業など、主に国の補正に対応いたしまして13カ月予算を編成して、平成24年度補正予算に前倒ししたという影響によるものでございまして、結果的に3億4,000万円の減となったものでございます。
ただ、これらの事業は、国県支出金や地方債のウエートが高い事業でございますので、一般財源ベースでは、計画数値とほぼ同水準となっております。
なお、計画を早回る進捗度で事業が進んだ場合には、先ほど申し上げましたが、毎年行っておりますローリングによりまして、前倒し等も含めて見直しを行うこととしております。
次に、5点目の攻めのまちづくりの姿勢につきましての御質問にお答えいたします。
芽出し事業はどのような考えで行ったかということでございますけれども、新年度におきまして、芽出しとして挙げております事業は概ね7事業ございます。それぞれの事業は現在、課題となっており、また、将来に向けて、市民の皆さんとともに方向性をしっかり決定しなければならない事業ということでございます。
そのため、私が市長に就任して実質、初年度となる平成25年度の予算編成におきまして直ちに取り組みを始めることとしたものでございまして、各種検討会などの経費を計上しております。これにより取り組みの方向性や内容が決定したものから、財政の状況を勘案しながら、計画的に実行に移してまいりたいというふうに考えております。
次に、6点目の市民協働の仕組みについての御質問にお答えいたします。
本市が目指します協働社会に対する姿勢と考え方につきましては、地方自治の主体であります市民と行政とが、地域の課題に対しまして、ともに考え、協力しながら取り組み、その取り組みをできる限り多くの施策に広げていくことではないかというふうに考えております。
また、議員御発言のとおり、行政に対する市民ニーズが多様化する中、市民と行政が互いに持つ資源を出し合って、市民と連携した行政サービスを提供していくことが地域づくりの鍵となるものというふうに考えております。
それには市民と行政とが対等な立場で、それぞれの持つ特性ですとか、強みを生かしながら、課題の改善や解決に当たるという市民協働の視点は大変重要であるというふうに考えております。
私は、市長選の際の公約の一つに、市役所のあり方に関しまして、地域に求められ、信頼される職員の育成ということを掲げましたが、その一環として、新年度において、各地区自治振興会へ市職員を派遣することを予定しております。
これは、各地区におけるさまざまな課題や情報を市民の皆さんと市が共有することによりまして、協働のまちづくりの推進を図ろうとするものでございます。具体的には、各地区に2名程度の基本的には若手の市職員を配置いたしまして、自治振興会の会議等に出席し、地区の課題や要望について現場で把握いたしまして、地区代表職員を通じて報告させますとともに、市の施策や情報を地区へお伝えするなどの業務を考えております。各地区と市の連携をより密にして、また、市職員の資質向上に向けての研修の場ともしたいと考えておりますので、議員各位にも御理解を賜りたいというふうに考えております。
次に、7点目の市組織の見直しについての御質問にお答えいたします。
議員の御質問のとおり、長引く景気低迷や少子高齢化の進展など厳しい財政状況の中で、簡素で効率的な行政運営を行っていくため、定員の削減ですとか課の統廃合等を進めてきておりますが、一方では、多様化する市民の行政ニーズに対応した組織の見直しも進めていかなければならないというふうに考えております。
そのため、新年度におきましては、組織簡素化の観点から、職業能力開発センターと働く婦人の家を統合しまして、砺波まなび交流館とする一方、新たな行政ニーズであります空き家対策や防災対策への対応として、総務課の中に危機管理係を設置することとしております。
また、自治振興会等との連携につきましては、従来から総務課が所管し、円滑な実施に努めているところでございますが、さらに新年度からは、地区自治振興会に職員を派遣し、支援、連携を深めてまいりたいというふうに考えております。
また、市民協働やNPO法人などの立ち上げ支援につきましては、市役所全体の事業との連携なども必要という観点から、引き続き企画調整課において、ネットワークセンター的な機能も意識しながら、対応してまいりたいというふうに考えております。
次に、大きな3項目めの地域医療の充実に果たす役割についての御質問にお答えいたします。
まず最初に、御紹介もありましたが、高波診療所の広野医師には、御高齢に至る晩年まで、信頼の厚い地域のかかりつけ医として、また、さらには学校医として御活躍いただきましたことに対しまして、心から感謝を申し上げまして、また弔意も表したいというふうに考えております。
議員の御発言のとおり、地域に寄り添う診療所が失われるということはまことに残念ではありますが、砺波市には、県内有数の医療機能を有します市立砺波総合病院を初め、他の同規模の都市にはない、多様なまた数多くの診療機関が開設されており、市といたしましては、市民の皆さんがこれらを上手に利用していただくことで、安心な地域医療の確保を図ってまいりたいと考えております。
現在、高齢化の進行によります医療ニーズの拡大、医療制度改革の影響によります特に病院の医師不足、保険制度運営に係る在院日数の縮減方針、また、救急機能の偏在に伴います総合病院の疲弊など、医療環境には今後とも厳しい課題があると認識しております。
このような中で持続可能な医療体制を確立し、多くの市民、県民が望む、住みなれた地域における医療環境の整備を目指し、現在、県の医療計画の改定が進められているところでございます。
この計画の基本方針といたしましては、質の高い医療の提供と医療、保健、福祉の総合的な取り組みの推進の2つの柱が掲げられておりまして、具体的には、症状に応じて適切な医療を受けることができるよう医療機関相互の機能分担と連携、在宅医療等の提供体制の整備に努めるとともに、医療の枠に加え、保健、介護、福祉が一体となった総合的かつ効果的な提供体制の構築が重要であると位置づけられております。
本市といたしましても、この方向性に基づいて、そのツールとして、この春から砺波医療圏医療情報連携システムを稼働させることとしております。
また、このようなシステムに加えまして、医療圏内の基幹病院として、総合病院の一層の機能強化が望ましいと考えておりまして、医療関係者間でしっかりと話し合いができる場、病院利用者に対するさらなる安心機能の検討をお願いしているところでございます。
なお、この詳細につきましては、後ほど病院長から答弁がございます。
また、一方で市といたしましては、市民に対して、いわゆるコンビニ受診、コンビニ救急の自粛、あるいは多くの方が住みなれた地域、家庭で暮らしたいと望む中、在宅医療のあり方などを考える講座を提供いたしますなど、医療、福祉環境の醸成にも努めてまいりたいと存じます。
次に、4項目めの下水道の整備につきましての御質問にお答えいたします。
本市の下水道整備につきましては、砺波市下水道整備基本計画に基づき進めているものでございまして、昨年12月末での公共下水道の普及率は60.3%となっております。
今回の北部地区での整備につきましては、この基本計画に基づきまして、効率的かつ計画的に進めております。流域幹線につきましては、富山県のほうで、高波地区から鷹栖地区まで延長約6.6キロメートルが整備され、枝線管渠につきましては、市が、その流域沿線の約50キロメートルを整備するというものであります。これまで関係地区において、事業説明会を行ってきたところでございます。
今後、関係区域の地元の皆さんと協議を進めながら、計画区域等の設定を平成25年度末までにまとめることとしております。工事期間につきましては、平成27年度から平成31年度の5年間を目途としておりまして、受益面積が約103ヘクタール、事業費約30億円をかけ実施することとしております。事業の進め方としては、今のところ市の総合計画に沿って、若干の増減はありますが、年間6億円、枝線管渠の施工延長約10キロメートルのペースで整備を進めてまいりたいと考えております。また、議員御指摘のとおり、下水道整備による地域格差が生じないよう、地元の御意見も伺いながら順次、計画的に事業を推進してまいりたいというふうに考えております。
なお、今後も国、県への事業促進要望の働きかけにつきましては、議員各位の御協力も賜りたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、5項目めの人を育てるまちづくりからの幼稚園の保育環境の機会均等についての御質問にお答えいたします。
昨年の9月定例会でも議員の御質問にお答えしているということでございますが、本市におきましては、早くから市内一円に保育所、幼稚園を設置いたしまして、保育サービスと幼児教育の提供に努めてまいったところでございます。
保育所と幼稚園、それから、幼稚園と幼稚園の間で施設間の格差があるという御指摘についてでございますが、これまでも保育時間に対する住民ニーズにできる限りお応えするため、幼稚園におきましても、毎日午後6時までの預かり保育の実施ですとか、夏休みなどの長期休業中の拠点保育の拡充など、限られた予算と人員の中で、保育所との均衡、幼稚園間での平準化に努めてきたところでございます。
このような中、夏季休業中の預かり保育の状況について、今年度、幼稚園現場で意見交換を行いました。保育中の園児の様子や保護者からの要望、職員の受け入れ体制などについて検討を行ってきたところでございます。
その中で、今年度、新たに2園で拠点保育を開始いたしました。全幼稚園での預かり保育を利用された総数が、新たに始めたにもかかわらず、前年度に比較して増えておりませんことですとか、また、新たに拠点といたしました幼稚園の保護者の利用数につきましても大幅な増加は認められず、一定の状況になっているのではないかというふうに考えられます。
したがいまして、今しばらくは、現行の体制で状況を見守りながら、今後、保護者の希望なども調査してまいりたいというふうに考えております。
次に、(仮称)保育所・幼稚園整備計画検討委員会につきましてでございますが、この委員会は、本市が独自で定めるものでございまして、これまでも課題でありました保育所と幼稚園との今後のあり方と施設整備方針などを検討いただく場として設置するものでございます。
議論の内容につきましては、平成22年度の砺波市保育所・幼稚園のあり方懇談会におきまして提言いただきました御意見なども受けまして、老朽化しております施設の改築や耐震化診断、さらには国の動向も注視しながら、幼保連携型のこども園を含め、保育所と幼稚園の再編などについて具体的な議論を行い、整備計画に盛り込んでまいりたいと考えております。
検討委員会の委員構成につきましては、行政や学識経験者だけではなく、実際に教育や保育、子育て支援にかかわっていらっしゃる方々や保護者など、広く御意見をいただきたいというふうに考えております。
なお、国が目指します子ども・子育て支援新制度のサービス内容等の議論につきましては、4月に、国において設置されます子ども・子育て会議が定めます基本指針に基づいて、砺波市版の子ども・子育て会議を立ち上げ、新たな子ども・子育てシステムについて議論してまいりたいと考えております。この設置時期につきましては、国の方針の状況を見ながらでございますが、新年度の早い時期に設置してまいりたいというふうに考えております。
私からの答弁は以上とさせていただきまして、3項目めの地域医療の関係につきまして、病院長からお答えを申し上げます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
病院長 伊東正太郎君。
〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
◯病院長(伊東正太郎君) 私からは、江守議員御質問の3項目めの地域医療の充実に果たす役割についての御質問にお答えいたします。
少子高齢化社会が急速に進む時代を迎え、限られた医療資源を有効に活用し、質の高い医療を効率的に提供するためには、一病院完結型医療には限界があります。
地域の医療機能の適切な分化、連携を進め、急性期医療から回復期、慢性期医療を経て、在宅療養への切れ目のない地域完結型医療への転換が必要となっています。
このことを具現化するため、市立砺波総合病院と砺波医師会及び市内医療関連機関等の関係者が会し、お互い顔の見える関係でいろいろな思いを出し合うことで、他市に比べても、さまざまな専門診療科を有する診療所が多数存在する砺波市内の医療機関との連携を深め、総合病院との前方連携、後方連携の流れをスムーズに運用することが大切と考えております。
そこで、新年度早々に、(仮称)砺波市医療連携協議会を設置し、一層の連携強化を図ることを考えております。
また、新南棟建設に伴いまして、総合病院正面入り口付近に、現在の地域医療連携室の機能を移設強化しまして、(仮称)地域医療センターを開設し、患者さんや地域医療機関に対して、入院診療計画、退院計画に基づく、シームレスなサービスの提供をすることを考えているところでございます。
私からは以上でございます。
◯議長(飯田修平君) 7番 今藤久之君。
〔7番 今藤久之君 登壇〕
◯7番(今藤久之君) 皆さん、おはようございます。
冒頭に、未曽有の大災害となった東日本大震災で犠牲になられました方々に、追悼の念を述べさせていただきます。また、今なお避難生活を余儀なくされておられます方々を初めとする多くの被災者の皆様には、一日も早く、平穏な日常を取り戻されますことをお祈り申し上げます。
それでは、議長より発言の許可をいただきましたので、私は、真政会を代表いたしまして、市民生活にかかわる事柄についての質問をいたします。前回の定例会では、市長の負担軽減等の観点から質問を控えさせていただきましたが、今回は、質問通告に従い、特に市長を中心に、以下、質問をさせていただきます。
昨年10月28日に、砺波市長選が執行されました。市長の後援会活動を通じて、私の耳に残ったものは数多くあるのですが、その中でも、私は砺波市の母の実家で生まれました。体の中には砺波生まれの血が流れているので、よそ者という意識は全くありません。むしろ、砺波に住んでいなかったことを私の強みとして捉え、市町村関係の行政に携わってきた経験とノウハウを生かし、新しい視点で挑みますという言葉がありました。結果として、その言葉どおりに、県職員であった時代のさまざまな経験や手腕を買われての見事な当選となりました。
夏野市長におかれましては、それ以前から砺波市民として住民登録もなされており、文字どおり砺波市民としての生活を送ってこられたところです。そこで、市長就任後3カ月経過し、実際に住んでみて、実際に市政を担当し、砺波市や砺波市民に対して、どのように感じておられるのかをまずお聞かせいただきたいと思います。
次に、新年度予算について幾つかお尋ねいたします。
平成24年後半においては、従前からの円高進行や世界景気の減速等があり、輸出が落ち込み、日本経済は弱含みの景気動向でした。また、長期にわたるデフレ傾向がさらに日本経済へ暗い影を落としていました。昨年末に第2次安倍内閣が発足して以来、景気回復の期待感から、円安傾向が定着し、それを受け、株価も上昇傾向となっています。新政権誕生以来、2カ月間連続しての内閣支持率の上昇もある中、緊急経済対策が閣議決定されました。これは3本の矢と呼ばれるもので、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略で、長引く円高・デフレ不況から脱却し、雇用や所得の拡大を目指すとされています。
この緊急経済対策を受け、砺波市では、大型の補正予算を計上しており、新年度予算も、今年度と比較して増大しているところでありますが、どのような事業に力点を置いた予算編成となっているのかをお尋ねいたします。
続いて、将来に向けての芽出し事業についてお尋ねいたします。
平成25年度砺波市当初予算案の中で、今回、市長自ら説明をなさった中で目を引いたものに、新たな取り組みのための芽出し事業がありました。この取り組みは、将来に向けての事業の芽出しをするためのものであるとお聞きいたしました。夏野市政となり、今後、新局面を予感するものですが、具体的にどのような事業を考えておられ、どのような展開を狙っておられるのか、その位置づけと内容について御答弁をお願いいたします。
新年度予算についての最後の質問になりますが、防災、減災についてお尋ねいたします。
総務省の資料によりますと、平成25年度の地方公務員給与費の臨時特例に対応し、緊急に防災・減災事業に取り組むため、緊急防災・減災事業費を地方単独事業として、4,550億円計上とあります。対象事業は、地域の防災力を強化するための施設整備や災害に強いまちづくりのための事業、さらには、災害に迅速に対応するための情報網の構築が挙げられています。
今回の予算の中では、防災行政無線の計画や小学校の耐震化計画を1年前倒しするなど、防災に対する事業展開を素早く推進することとしていますが、防災、減災に対する基本的な考え方と今後、将来の防災、減災に対する取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
次に、空き家条例の特徴と実効性、活用方法についてお尋ねいたします。
空き家問題を最初に本会議で質問させていただいたのは今から2年前、平成23年の6月定例会でした。その後も同年12月定例会において、空き家条例制定の提案をさせていただき、昨年の6月定例会でも、所有者責任を明確にし、砺波市の地域性を勘案した条例制定をと訴え続けてまいりました。この問題についての本会議での質問は、これで都合4回目となります。しかし、今回は、今までとは異なった質問内容となります。なぜなら、今定例会では、砺波市空き家等の適正管理及び有効活用に関する条例の制定についての議案が上程されているからです。本年1月の全員協議会では、その骨子についての説明も受け、意見も述べさせていただいたところです。
そこで、この制定を予定している条例について、どのような特徴があるのか、また、廃屋に対してどれだけの実効性があると考えておられるのか、空き家の有効活用法としてどのような活用を考えておられるのか、詳しくお聞かせいただきたいと思います。今回の条例制定については大いに期待をしているものです。
次に、雇用対策についてお尋ねいたします。
先月の新聞報道によりますと、砺波市庄川町にある自動車部品製造工場が9月末で閉鎖を決め、正規社員74人、派遣社員、パート従業員23人の計97人は、宮崎市などへ配置転換し、希望退職も募るとあります。それを受け、市では、緊急雇用対策会議を開かれ、離職者の再就職支援に万全を期することを確認し、各機関と再就職支援で連携することとし、それぞれ相談窓口を設けることを決めたとのことです。従業員のほとんどが県内出身者であることから、多くの方々が早期退職か宮崎への転勤を迫られることになるものと思われます。また、協力工場も2社あるとのことで、地域経済に対する悪影響も懸念されるものです。
さて、今回の事例も含め、今定例会初日の施政方針にもありましたように、今後の企業は統廃合を含め、集約や移転が増えてくるのではないかと思われます。砺波市の元気の源となるのは、何と言っても、人口増にかかっていると考えます。昨年11月の市長選において、夏野市長は、人口5万人を目指す旨の積極的な発言も行ってこられました。また、前定例会での川辺議員の質問に対しても、特効薬という施策はございませんし、さまざまな施策が連携した、総合的な政策によってのみ可能になるものと考えておりますとの答弁でありました。端的な言い方をすれば、魅力あるまちづくり、住みたくなるまちづくりを実現することで、自然とそのことが可能になってくるのではないかと私は思っております。幾つもの大切な要素がありますが、安定的な雇用の確保もまた、その大切な要素の一つと考えます。
そこで、今回の事例に対する砺波市の対応も含め、あわせて今後の雇用対策に対する取り組みについてお聞かせください。
最後に、いじめと体罰について、教育長にお尋ねいたします。
とうとい命と言います。かけがえのないものと表現されることもあります。そんな大切なものを自らが絶ってしまうという悲しい事件がありました。追い詰められ、行き場を失い、ほかに方法が見出せなかったのでしょう。このような痛ましい事件が繰り返されることは絶対にあってはならないとの立場から質問をするものです。
平成23年10月に、滋賀県大津市で、いじめを受けた中学校2年生の男子生徒が飛び降り自殺をしました。当初、いじめの存在そのものを否定していた学校側でありましたが、その後、徐々に調査が進み、自殺練習や葬式ごっこと報道されるようないじめの実態が明らかになってまいりました。先月26日には、同校校長が、男子生徒へのいじめに対し、適切な対応をするための体制づくりを怠ったなどとして懲戒処分を受け、同日付で依願退職をしたとあります。
また、大阪市の高校では、バスケットボール部の顧問教諭が、練習試合等で主将を務める男子生徒を平手打ちし、2軍チームへの降格も示唆したことを苦に、男子生徒は自宅で首をつって自殺をしたとの報道がありました。その後、本年になって、大阪市教育委員会が自殺と体罰を公表するに至りました。この問題は、教育現場だけではなく、スポーツ界においては、ロンドン五輪の柔道日本女子代表ら15選手が、指導陣による暴力やパワーハラスメントを告発するという出来事もありました。オリンピックと言えば、スポーツ界において最高のレベルと思われるのですが、このようなレベルでもと思うと、驚きを禁じ得ません。
さて、全国の法務局が、昨年1年間に、いじめに関する相談を受け、調査を行った件数は3,988件に上り、前年と比較して682件、21%増え、統計をとり始めた平成13年以降、最も多くなったとのことです。また、体罰に関する調査件数は370件で、前年と比較して91件、33%の増、こちらも平成13年以降、最も多くなったとのことです。法務省では、いじめや体罰が社会問題になってきており、これまで潜在していたケースが表面化してきているのではないかとしています。
いじめとは、何でしょう。文部科学省のホームページによれば、これまでの定義は、自分より弱い者に対して一方的に、身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているものであり、起こった場所は学校の内外を問わないとのことでしたが、新しい定義では、「『いじめ』とは、当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」とあります。また、体罰とは、1948年の法務長官通達、「懲戒の程度」によりますと、身体に対する侵害、被罰者に肉体的苦痛を与えるような懲戒のこととされているそうです。いじめや体罰、虐待というものは、あってはならないものに間違いありません。
去る2月21日の全員協議会では、教育長から、学校教育基本法第11条、「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。」を引用され、市内での2件の事例報告がなされました。そのときに、一番大切なことは、先生と子どもの信頼関係の構築ですと言及されました。私も、全くそのとおりだと深く共感をするものです。
しかしながら、「言うはやすく行うはかたし」であります。最近では、子どもが体罰やいじめを逆手にとり、教師を挑発する事例もあると聞いております。この困難な状況下において、市内の2つの事例に対する個々の対応ではなく、大きな意味で、砺波市教育委員会としてのいじめと体罰に対する考え方と対応について、改めてしっかりとお聞かせいただきたいと申し上げ、今回の質問を終えさせていただきます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 今藤議員の真政会を代表しての御質問にお答えいたします。また、12月議会では、武士の情けをいただいたようでございまして、まことにありがとうございました。
まず、第1項目めの市長就任後3カ月経過しての砺波市や砺波市民への感想についての御質問にお答えいたします。
砺波市に関する私の印象につきましては、昨年の12月議会でも申し上げましたとおりでございまして、それは、実際に既に半年住んでいるわけでございますが、砺波に住んでみましても、基本的には変わっておりません。
すなわち砺波市は、先人、先達の不断の努力によりまして、農、商、工のバランスがとれ、地方都市としては着実に発展を遂げてきた住みよいまちでありまして、それを支える多くの市民の皆さんも、非常に堅実な考え方に立脚されて、一言で申し上げますと、大変真面目に、将来を見据えたまちづくりと暮らしを行っていらっしゃるという印象でございます。
一方で、いろいろ新しいことですとか、従来とは違ったアプローチに対しては何となく抵抗感があるのかなと感じることもないわけではありませんが、それはそれとして理解もできないわけではございませんので、自分なりに意を尽くして対応していきたいというふうに考えております。
そういった中で、新年度予算につきましては、その住みよさに磨きをかけるため、私が公約として掲げました、「さらに質の高い“となみ”」、「活力がつながる“となみ”」、「健全で安心な“となみ”」の視点から編成を行ったものでございまして、もう一つ上の砺波づくりを着実に進めてまいりたいというふうに思っております。
また、政策立案におきましては、市の組織を挙げて、例えば、砺波はいつも何か考えているぞ、砺波は常に好機をうかがっているぞと評されるよう、現状をさらに高める体質づくりを進めてまいりたいというふうに考えておりますので、議員各位の御協力もこの際お願い申し上げる次第でございます。
次に、2項目めの国の緊急経済対策下の大型補正予算と新年度予算に対する力点事業についての御質問にお答えいたします。
国は、平成24年度補正予算と平成25年度予算を一体的なものといたしました15カ月予算の考え方から成ります緊急経済対策を決定し、公共事業を牽引役にして、大規模な財政出動で日本経済の再生を図ろうとしております。
この事業は、主に防災・老朽化対策が柱となっておりまして、自治体管理の道路や橋などのインフラの点検・補修支援、通学路の交通安全、学校の耐震化など、自治体が住民の安全確保を目的に行う事業に対して幅広く対応できるものとなっております。
本市におきましても、この対策に呼応した一般会計補正予算案を提出いたしまして、先般、議員各位の御理解をいただき可決をいただいたところであります。
この補正予算と合わせた平成25年度の予算は、13カ月予算としたものでございまして、主な事業といたしましては、老朽化した社会インフラ対策として、道路、橋梁の点検、緊急補修を進めるほか、現在着工しております出町中学校、庄川小学校の耐震改修事業の早期完了、また、庄南小学校、庄東小学校などの学校耐震化事業の前倒しなど、防災の強化に重点を置いたものとしております。
また、このような国の緊急経済対策に呼応した事業のほか、定住促進空き家利活用、老朽危険空き家対策などの空き家対策、放課後児童対策ですとか未熟児訪問指導などの子育て環境整備、となみブランドの推進、誘客・交流促進や観光PRなどの観光事業、各種芽出し事業、そして、もうひとつ上の砺波づくり事業の特別枠でございますが、ソフト事業などにも重点を置いた予算としたところでございます。
次に、3項目めの将来に向けての芽出し事業についての御質問にお答えいたします。
先ほど江守議員にもお答えいたしましたが、芽出し事業につきましては、選挙の公約にも掲げております「もうひとつ上の“となみ”」を実現する幾つかの施策の中で、現在課題となり、将来に向け方向性を決定すべき事業について芽出しをしていくものであります。
芽出し事業の幾つかを御紹介しますと、砺波市の観光拠点となっておりますチューリップ公園について、チューリップフェア期間中だけではなく、通年で利用者が足を運ぶ、魅力ある公園とするにはどのような対応が必要なのかを検討していくなど、チューリップ公園の再整備を検討することを予定しております。
また、財政的にも合併特例期間中に実施していくことが適当と考えられます新図書館建設につきましては、今後の検討にとって基礎的な資料となります、先進図書館などの情報収集を行うものでございます。
また、保育所、幼稚園の中長期的な整備計画策定のための協議の場、それから、北陸新幹線開通に向け、城端線の活性化に向けた駅周辺の環境整備の方法や、利用者のマイレール意識の向上につなげる方法などにつきまして検討する会議も設置して、広く議論を求めていくというものでございます。その上で、今後の事業展開につきましては、それぞれの検討委員会などでの提言を受け、財政状況にも勘案しながら計画的に進めてまいりたいと考えております。
次に、4項目めの防災、減災に対する基本的な考え方と今後の取り組みにつきましての御質問にお答えいたします。
まず、議員からは、防災、減災について基本的にどのように考えているのかという御質問でございます。市民の安心と安全を早期に確保するためにも、学校の耐震化や情報網の整備などを早く進める必要があるというふうに考えております。
しかしながら、具体的な施策の実行につきましては、多額の財政支出を伴うところでございまして、やはり国等の有利な補助や交付税措置のある起債などを活用して、できるだけ将来にわたり市民に多くの負担を残さない方法で、整備を図っていかなければならないというふうに考えております。
このことから、今年度の国の補正予算を活用いたしまして、消防庁からの災害や国民保護事案の情報を迅速に住民に伝えますJアラート、これは全国瞬時警報システムでございますが、それの自動起動装置を導入することとしたところでございます。また、平成25年度の地方公務員給与費の臨時特例に伴います、御紹介もありましたが、緊急防災・減災事業につきましても、防災行政無線等の情報網の整備に活用することができますことから、また、さらに有利な財政措置も認められるということでもありますので、今後の情報を充分注視しながら、必要な準備を進めてまいりたいというふうに考えております。
また、今後の防災、減災の取り組みについてでございますが、現在、修正を行っております地域防災計画では、減災に対する取り組みを重要視しております。
計画では、防災体制の整備や道路、水道等の生活インフラを含む公共施設の減災対策などの施策に加えまして、市が直接行う災害対策には、人的にも限りがありますことから、個人や地域の防災・減災活動に力点を置いて進めてまいりたいというふうに考えております。
具体的には個人の減災活動では、住宅の耐震化、家具類の転倒防止、個人備蓄の推進、災害時における家族間の約束の推進などを、また、地域の減災活動では、自主防災組織を中心に要援護者の把握に努め、その避難支援をあらかじめ取り決めることや災害情報の速やかな伝達、避難所における活動の円滑化の推進などが挙げられると思います。
市では、これらの地域の防災・減災活動の中心となっていただくための人材育成といたしまして防災士を養成しているところでございまして、地域と行政の防災のつなぎ役として、また、地域の防災活動の中心としての防災士の活躍に大いに期待をかけているところでございます。
また、平成25年度の特別枠予算といたしまして、75歳以上のひとり暮らし高齢者宅の寝室や居室の家具に、地区防災会、民生委員、児童委員、市職員で構成いたします高齢者支え隊というものが、転倒防止器具を設置するという災害時家具転倒防止器具設置事業を実施することとして計上したところでございます。このような地道な活動を通しまして、住民の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
今後とも、地域防災計画を基本といたしまして、市民、地域、事業所、そして、行政が一体となって、災害に強い砺波市をつくり上げてまいりたいと考えているところでございますので、議員各位にも御理解と御協力をお願いするものでございます。
次に、5項目めの空き家条例の特徴と実効性、また、活用方法などについての御質問にお答えいたします。
まず、空き家等の適正管理及び有効活用に関する条例の作成に当たりましては、今までも議員各位並びに各地区自治振興会長の皆さんなど、多くの方々から御助言や御提案をいただきましたことにつきまして、改めて感謝申し上げます。
おかげをもちまして、県内他市に先駆けて今議会に条例案を上程することができましたので、議決をいただいた後は、速やかに空き家の適正管理及び有効活用に取り組んでまいりたいと考えております。
この条例の特徴でございますが、2点申し上げたいと思います。
まず1点目は、全国の先行自治体におきましては、適正管理についてのみを定めた条例が多い中で、本市の条例は、適正管理と有効活用を2本の柱として空き家対策に取り組むことを基本としております。
空き家を有効活用することによりまして空き家の発生の抑制につながることを期待し、また、所有者の責務として、空き家の適正管理に加え、自ら利用する見込みのない空き家につきましては、空き家情報バンクに登録し、賃貸や譲渡などの有効活用に努めることとしたところでございます。
次に、2点目は、市、所有者、地域の責務を明確にいたしまして、それぞれの役割を理解しながら、3者が連携、協力を図り、空き家対策に取り組むことを基本理念としたところでございます。
この点でも、先行自治体では、市と所有者の2者の関係を定めたものがほとんどでありますが、従来からの本市の空き家対策、これは地域住民の方々の声かけなど地域力により支えられてきたこともございますことから、今後も、それらを生かしていくために市、所有者、地域の3者の連携、協力を明示しております。
次に、廃屋についてどれくらい実効性があるのかということでございますが、空き家になりました状況にはさまざまな経緯がありますことや、空き家とはいえ個人の財産であるということから、条例の制定によって、空き家の問題が全て解決されるというものではないというふうには考えております。しかしながら、指導、勧告、命令などの行政権限の発動を可能とすることによりまして、所有者によります廃屋の自主的な適正管理、または取り壊しを促すことになるのではないかというふうに考えております。
また、市、所有者、それから、地域の自治会等の間で合意が得られた場合には、例えばですが、市がその土地や家屋を、寄附を受けまして、その廃屋を取り壊し、また、その跡地を自治会が活用する協働事業も創設することにしておりますことから、この条例と連携させることで荒廃空き家の放置抑制には効果があるのではないかというふうに考えております。
また、次に、空き家の有効活用法でありますが、これまで空き家の活用を希望される方からは、移住、定住の受け皿となる住宅はもとより、デイサービスなどの福祉施設、それから、起業家のシェアハウス、芸術活動の工房、さらには自治会管理によるコミュニティー施設などとしての活用策を伺っております。
つきましては、このような空き家の有効活用を支援するため、空き家情報バンクに登録された物件を例えば購入された場合ですとか、富山型デイサービスなど福祉施設に活用される場合、さらには自治会がコミュニティー施設などに活用される場合には、改修費の一部に対して補助をする制度を新設いたします。
加えて、空き家情報バンクに登録された空き家の所有者と利用者の間で賃貸契約が成立する場合には、所有者が行う改修や片づけ費用の一部に対して補助をする制度も新設いたしたいと思います。
実際にやはり空き家を借りるとなりますと、そういう点での障害が案外大きいものだということを実感しましたので、このようなことを新設したという次第でございます。
市といたしましては、これらの制度のPRに努めまして、まずは民間の方々による取り組みを支援しながら、空き家の有効活用に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
6項目めの雇用対策についての御質問にお答えいたします。
市内の自動車部品製造工場の閉鎖につきましては、会社のほうから市への報告の後、直ちに緊急雇用対策会議を開催いたしまして、相談窓口の設置や関係機関が情報を共有して、連携してしっかり対応することを確認したところでございます。
また、会社に対しては、工場の存続、閉鎖期日の延長、跡地の有効活用、離職者に対する再就職支援についての要請書を提出したところであり、現在のところ、会社側も誠実に対応しているところでございます。今後とも適宜情報収集を行いまして、適切な対応に努めてまいりたいというふうに考えております。
なお、市におきます今後の雇用対策一般につきましては、引き続き国の緊急雇用創出基金事業を継続して実施することや、ハローワーク砺波と連携して行います合同面接会、これは地域ふれあい説明会というわけでございますが、これを積極的に開催してまいりたいと考えております。
また、市の来年度予算におきまして、非正規雇用から正職員への転換を促進するため雇用安定化助成金を新たに創設いたしまして、正規雇用者として一定期間、雇用継続した事業主に対する助成金を計上いたしております。
このほか、毎年実施しております砺波工業高校を対象といたしました企業訪問事業を実施して、高校生の就労意欲の向上と市内企業の人材確保にもつなげてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上とさせていただきまして、いじめ、体罰に関する考え方と対応につきましては、教育長からお答えをさせていただきます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
教育長 舘 俊博君。
〔教育長 舘 俊博君 登壇〕
◯教育長(舘 俊博君) 私からは、7項目めのいじめ、体罰に対する考え方と対応についての御質問にお答えをいたします。
まず、いじめにつきましては、どの子どもにも、どの学校においても起こり得るものであるということを教職員が十分認識して対応すること、そして、いじめは、人間として絶対に許されない、ひきょうで、恥ずべき行為であることを児童生徒が自覚することが何よりも大切であるというふうに考えております。
これまで、いじめ防止のために、各学校では、命の大切さといじめは絶対にいけないこと、相手を思いやる気持ちを大切にすることなどにつきまして、道徳の時間等を活用して指導してきたところでございますけれども、これらを地道に継続していくことが大切であるというふうに考えております。
児童生徒が発する小さなサインも見逃さないよう、教職員のアンテナを張りめぐらし、定期的なアンケート調査を実施するとともに、保護者からの情報収集にも努めるなど、いじめの早期発見に努めること、教職員一人一人が共通認識のもとに、学校全体で早期に対応することが重要であり、砺波市としてのいじめ対策要綱といじめ防止の手引を校長会と協力して作成し、砺波市の全ての学校で、いじめのない学校づくりに努めていきたいと考えております。
また、学校、家庭、地域が一体となって子どもたちを見守り、育てることも大変重要であり、平成25年度には、次年度予算の特別枠を活用しまして、砺波市独自に、健やかな砺波っ子を育む学校、家庭、地域連携事業に取り組みたいと考えております。
具体的には市内各小中学校におきまして、家庭、地域の参加も視野に入れた、いのちの教育講演会を開催するほか、いじめ問題を子どもたち自身の問題として、自ら考える主体的な取り組みとしまして、平成25年度の砺波市中学生生徒活動研修会のテーマとして取り上げるとともに、同じ中学校区の小学校の子どもたちとの意見交換を行いまして、小中学校の児童会や生徒会活動を通して自主的な取り組みを行っていきたいというふうに考えております。
また、家族の子育ての輪リーフレットを改定いたしまして、市内全戸に配布しまして、学校、家庭、地域が一体となった取り組みを推進していきたいと考えております。
次に、体罰についてですけれども、学校現場においては、いかなる状況にあっても、体罰をもって指導することは許されないことであると考えております。
学校におけるいじめや問題行動への毅然とした対応は大切でありますが、体罰をもって指導することは、児童の人権や心を著しく傷つけることになるものというふうに考えております。
また、部活動指導におきましても、勝利至上主義に陥った過度な指導とならないよう、あくまで学校教育の一環として、スポーツや文化等に親しみ、主体的な取り組み意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであるということを徹底していく必要があると考えております。
学校では、日常的な指導の中で、子どもたち一人一人の把握と理解を深めながら、教職員と子ども、保護者との信頼関係を築いていくことが最も大切なことであり、今後とも、校長会や職員研修等の機会を通じまして、いじめや体罰のない学校運営に向けて指導してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(飯田修平君) この際、暫時休憩いたします。
午前11時37分 休憩
午後 1時00分 再開
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
◯議長(飯田修平君) 会議に入るに先立ち、申し上げます。
多くのとうとい命が一どきに失われ、広範な国土に甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から2年がたちました。
これより、犠牲となられた方々の御冥福を祈り、哀悼の意を表し、黙祷をささげたいと思います。
御起立、お願いいたします。
〔全員起立〕
◯議長(飯田修平君) 黙祷。
〔黙 祷〕
◯議長(飯田修平君) 黙祷を終わります。着席願います。
引き続き会議を開き、これより、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
5番 川岸 勇君。
〔5番 川岸 勇君 登壇〕
◯5番(川岸 勇君) 通告に従い、市政一般について質問をいたします。
最初に、財政に関する指針等について尋ねるものです。
2008年のリーマン・ショック以来、日本経済は、デフレ経済から脱却できない状況が続いてきました。昨年の政権交代により、現政権による思い切った財政、金融政策の出動、あわせてデフレ、円高からの脱却、名目3%の成長を目指すとするアベノミクス効果か、日本経済に光明が差してきた感がありますが、予断を許さない状況にもあります。
このような状況下、新年度予算は、新図書館建設に向けた調査研究費の計上や幼保施設対策、中心市街地活性化対策、防災無線整備等に係る安心・安全対策、そして、庄東丘陵・庄川峡観光応援事業を初めとする観光推進等々にも予算措置がなされ、市の将来、方向性を決める積極的な予算となっていることを評価するものであります。
しかしながら、今後の市政、財政運営に当たっては幾つかの課題があると思います。その1つとして、財源対策です。
昨年度、決算においては、歳入に占める自主財源の割合は、市税等の落ち込みにより41.4%までに低下しています。また、一般会計、特別会計においては、市税の滞納額が増加し、また、市税収納率が低下する傾向が見られ、自主財源の確保や負担公平性の確保の観点からも、その対策が求められています。特に地方交付税の削減問題を控え、自主財源の根幹をなす市税等、自主財源等の確保向上に向けた対策が一層求められていると考えます。
そこで、第1点目の質問として、市税収納対策を初めとする財源対策の現況、見通しについて、市長の見解を尋ねるものです。
2点目の質問は、民生、衛生、教育に関する予算についてであります。
新年度予算において、民生、衛生に関する予算は、前年度予算を1億6,400万円上回る80億3,300万円となり、予算全体の4割を占めるなど、年々増加する傾向にあります。また、教育に関する予算も、前年度予算から3億1,600万円増の28億1,300万円が計上されております。それらを合わせた予算額は、歳出予算に占める割合が53%にもなっています。
少子高齢化を迎え、笑顔があふれる福祉のまちづくり、人と心を育むまちづくり事業を推進する上でも、最も重要な予算であります。年々膨らむ予算、後期計画の最終年度をにらみ、これらの予算に対する指針、重点施策について尋ねるものであります。
3点目は、合併特例債の活用方針、財政諸指標、各基金の見通しについてお尋ねいたします。
本市の合併特例債発行限度額は98億円。合併特例債の発行期限延長を受けて、平成31年度まで起債発行が可能となり、昨年度末までの発行額は60億円余となっています。
合併特例債の活用については、先の議会質問においても、他の有利な財源と調整を図りつつ、合併特例債の最も有利な該当事業について検討してまいりたいとの答弁をいただいたところでありますが、今後の合併特例債の活用方針、今後、どのような事業に具体的に活用されるかを問うものです。
また、地方公共団体の財政運営に当たっては、より一層の健全性が求められています。あわせて、生活環境の整備や福祉の向上のため、最小限の経費で最大限の効果を上げ、財政運営に当たることが求められています。
そこで、当市の財政諸指標、財政力指数、一般財源比率、経常収支比率、公債費比率、実質公債費比率の見通しと市の貯金に当たる財政調整基金の見通しについても尋ねるものであります。
次に、教育事業について、以下、3点について質問をいたします。
大津市、大阪市でのいじめ・体罰問題は、児童生徒の貴重な命を奪うという悲しむべき事態を招き、世論の大きな関心事となっています。そればかりか、問題は、学校にとどまらず、神聖なる国際スポーツ競技の世界まで影を落とすという、悲しむべき状況にあります。特に体罰については、いつの時代でも、加える側は、本人のために心を鬼にしてやったという、自分を正当化する傾向があります。事実、体罰を一定の範囲で認めてもよいとする人が42%、男性に限っては54%と過半数にも上るという世論結果もあります。
去る2月21日、議員全員協議会において、市内小中学校のいじめ、体罰の実態が報告されたところでありますが、市民の心情は穏やかならざるものがあると思われます。
市内小中学校に奉職する教員数は292名、うち女性教員は181名と、教員数の6割強を占めています。先ほども述べたように、男性には体罰を容認する傾向がありますので、男女共同参画の時代、女性教員をクラブ活動、生徒指導者に積極的に登用されてはいかがか。各学校にあっては、教員、生徒、父兄等が簡単に共有できる倫理規定を作成するなど、道徳教育の充実やロープレ教育の導入を図ってみることも、いじめ、体罰、心の教育の問題解決の一策となるのではないかと思うものです。
いじめ、体罰問題、心の教育等関連事項は、砺波市の次代を担う青少年の健全育成の根幹をなすものであります。新年度、いのちの教育充実のための健やかな砺波っ子を育む、学校、家庭、地域連携事業が計画されています。この事業を含め、これらの事項に対する当局の対応指針について尋ねるものであります。
2点目は、政府が検討している学校週6日制の導入についてお伺いいたします。
このことについては、3日前の3月8日の県議会でも質疑されたところでありますが、市当局の率直な考えを求めるものです。
現在の学校週5日制は、平成14年4月、学校教育法施行規則を改正し、完全実施されたものです。週休2日制が社会に定着し、また、生徒たちにあっては、土曜日を学校行事、地域でのスポーツ活動等に費やすという土曜日の暮らし方が定着した現在、今、なぜ学校週6日制なのか、戸惑うものです。
一方、土曜日授業復活を求める声もあります。6日制になれば、平日に集中している授業時間を分散できる。また、現状の時間割詰め込み緩和ができ、放課後の特別活動の時間もできる。特に担当教師と児童生徒が接する時間ができ、今、問題となっているいじめ対策にも効果があるとする教育関係者、学識経験者や父兄の方々の意見であります。
東京、大阪の公立中学校では、土曜日授業が実施されており、他県においても実施に踏み切る動きがあります。授業時間を増やした新学習要領が市内小中学校で実施されたばかりでもあります。週5日制、6時間授業となっている現状も踏まえ、学校週6日制の導入について、どのような考えをお持ちなのかを尋ねるものであります。
3点目は、幼保施設対策についてお伺いいたします。
市内には、幼稚園10カ所、保育所13カ所の幼保施設があります。幼稚園は、教員数60名、園児数518名、保育所は、教員数215名、園児数は1,230名となっています。定員充足率は、前者55%に対し、後者は87%となっている現状にあります。
私は、幼稚園は、年齢に応じた指導内容や地域との連携面からも、極めて大切な要件を備えた幼児施設であると思っていますが、年々、幼保施設利用の格差が顕著となっている現状を踏まえると、思案するばかりでございます。市民の皆さんからは、当地区には幼稚園があるものの、保育所がない。幼稚園の園児数が減り、幼稚園施設がなくなるのではないかという声も寄せられています。
この対策を講ずるべく、新年度にあっては、保育所・幼稚園整備計画検討委員会設置が計画されています。2月6日開催の行政改革・公共交通対策特別委員会では、当検討委員会では、保育所、幼稚園の統廃合を含め、そのあり方についても検討するとの報告がなされたと認識しているところであります。
保育所・幼稚園整備計画検討委員会での検討内容、指針について、改めて説明を求めるものであります。特にその構成メンバー編成に当たっては、専門家や有識者ばかりでなく、地域の多くの方々に御参加いただき、地域の声を反映した計画となるように申し添えします。
大項目の3点目の質問は、安全・安心なまちづくり事業について尋ねるものであります。
1点目は、道路に関する指針についてであります。
道路は、地域間の交流を促進し、住民の生活を支える最も重要な施設であることから、道路整備に関する期待も極めて大きいものがあります。
昨年、内閣府が実施した道路に関する世論調査からも、そのことがうかがえます。その調査では、今後の道路整備については、大地震や大雨等の災害に備えた道路整備を図ってほしいとするものが66%にも上り、物資等の輸送を行うための幹線道路の整備、複数ルートを確保してほしいとする意見も寄せられています。
昨今、道路、橋の耐震化、寿命対策が話題になっています。県道、市道の傷みや劣化など、あわせて災害防除施設整備等の安全対策の遅れも見られることから、これらの対策が望まれます。また、継続事業の早期完成を初め、計画未整備路線の早期着工を望む市民の声も強まっています。道路網の整備は、後期総合計画の中でも重要な施策の一つとして位置づけられていますが、それに関する施策の進捗状況、住民等が要望してきた事項について、どのように対処されるのかを伺います。
1)として、高岡砺波スマートインターチェンジ関連事業、2)として、国道359号砺波東バイパス、県道坪野小矢部線を初めとする国道、県道整備事業、3)として、市道の整備と道路網の検討、4)として、橋梁長寿命化修繕計画に基づく、市道、橋梁などの維持管理事業について、前向きな答えを求めるものであります。
2点目は、通学路の安全対策と街路灯の整備計画について質問をいたします。
昨年4月に京都府亀岡市で発生した、登校中の児童等の列に自動車が突入する事故を初め、登下校中の児童などが死傷する事故が連続して発生したことは記憶に新しいところであります。
それを受けて、文部科学省、国土交通省、警察庁が連携し、全国の公立小学校及び特別支援学校小学部の通学路について、交通安全の確保に向けた緊急合同点検が昨年8月に実施されました。それに関する県の実施結果が昨年の11月にまとめられています。それによると、207校、点検箇所603カ所で実施され、対策必要箇所は513カ所あったとの報告もなされています。
砺波市にあっては、昨年の7月26日に、市教育委員会、砺波警察署、県と合同のもと、合同点検が実施されました。その折、参加者から、信号もなく、子どもたちが渡りづらい。高速道路トンネル内は暗く、非常に危険等々の意見が出されたとも伺っています。
そこで、そのときの調査結果内容について報告を求めるとともに、新年度特別予算枠として、通学路安心空間整備事業として600万円計上されていますが、その事業を踏まえ、今後、通学路安全対策をどのように講じられるのかを問うものです。
あわせて、街路灯の整備計画についてただすものです。
今、政府は、二酸化炭素の軽減と電力の低減化を狙いとし、街路灯等のLED化を図るため、地方公共団体にLED街路灯等導入促進事業を提起しています。当市にあっては、その事業に呼応し、国の採択を受けるべく、調査・計画策定費用として800万円が新年度予算に計上されています。市内の照明灯の数は、砺波市防犯灯設置要綱に基づく防犯灯だけでも3,400基強あります。また、市道に設置されている街路灯を含めると、4,000基弱にもなると言われています。防犯上、交通安全の見地に立てば全ての街路灯のLED化を望むものですが、国の事業採択に向け、当事業の計画指針等について説明を求めるものであります。
大項目の4点目の質問は、行政改革推進委員会における公共施設の統廃合検討事項、類似施設の統廃合等に対する指針についてお尋ねいたします。
公共施設の統廃合問題は、今後の財政事情等を考えると、避けて通れない当市の大きなテーマでもあります。平成21年度に設置された公共施設の適正配置に関する行政改革検討委員会からは、施設のあり方を含め、公共施設の配置について、統廃合を進めるべしとの提言もなされたところであります。
それを受けて、行政改革推進委員会第2専門部会では、類似施設の整理統合等について検討がなされてきました。その結果については、去る2月6日開催、行政改革・公共交通対策特別委員会で報告を受けたところであります。
そのとき、当局からは、今回の類似施設の統廃合の検討に当たっては、49施設を対象に施設評価、行政評価を行い、総合的に判断した結果、庄川民芸館を含む11施設は、今後、統合、廃止について検討を要する施設としたと説明されたと認識しているところであります。評価対象とした施設並びに評価基準について、再度、市民にわかりやすく説明願います。特に施設評価での取得点数が10点に達していない施設が今回の統廃合を要する施設となっていますが、この判断基準が、なぜ10点なのかについても説明を求めるものであります。
今回の行政改革・公共交通対策特別委員会で報告された内容が一部新聞報道されたところ、それを読んだ市民の方から、なぜ私たちの施設が廃止されるのか、廃止される施設は庄川地区にある施設ばかりではないかという不満の声があったと聞きます。施設統廃合に当たっては地域住民の理解が不可欠であります。公共施設の類似施設統廃合問題についてはどのように対処されるかをお伺いし、私の質問全てを終わります。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 川岸議員の御質問にお答えいたします。
まず、1項目めの1点目、財源対策についての御質問にお答えいたします。
基本的に自主財源比率は、もちろん高いほどよいわけではございますが、その年度の事業内容とその財源構成に左右されるということがございます。御質問のとおり、平成23年度決算におきます自主財源比率は41.4%でありまして、前年度より1.7ポイント低下しております。
これは、中学校耐震改修事業費及び合併振興基金積立金に有利な起債を充当したということによりまして、市債が前年度比15億9,800万円余り増額いたしまして、相対的に依存財源比率が高くなって、自主財源比率が低下したというものであります。つまり、補助事業によります国県支出金と地方債が増額したようなケースの場合は、相対的に地方税ですとか、地方交付税の比率が下がるということでございます。
ちなみに、その年度の市税収入額は69億5,700万円余りということで、前年度比としては、絶対値としては9,900万円余りの増額になっているところでございます。
次に、自主財源の確保、向上につきましては、特に滞納繰越額の圧縮という点について申し上げますと、わずかな額ではございますが、例えば多重債務等で相続放棄された固定資産につきまして、従来は所有者、納税義務者が不存在だということで、時効等の不納欠損処分という形になっていたわけですが、民法に基づく、相続財産管理人制度というのがございます。それを活用することによりまして、資産の整理を通して市税等を収納して、滞納繰越額の圧縮に努めているというケースもございます。
また、市税では、収納消し込みシステムによる台帳によりまして滞納管理をしていたわけでございますが、平成24年7月の基幹系システムの更新に合わせまして、滞納管理システムを導入いたしました。情報の共有化を図りまして早期に対応することで、滞納が深刻化する前に滞納額の抑制に活用して、迅速で、きめ細かな滞納対策を心がけております。
なお、この新システムの導入によりまして、固定資産税の現年度課税分の収納率が若干ですが、向上しているところでございます。
今後とも市税等の公正、公平を図りますため、効果のある法的手段も用いまして、的確な滞納対策を行ってまいる所存でございますし、このほか、各種施策の展開によりまして、自主財源の大勢をなします市税につきまして、その税源の涵養について努めてまいりたいというふうに考えております。
次に、2点目の民生、衛生、教育予算についての御質問についてお答えいたします。
一般会計におきます民生費及び教育費の予算は、議員御指摘のとおり、年々増加傾向にございまして、予算の多くを占めるような形になってきております。
国の予算におきましても、少子高齢化が進展する中で、持続可能な社会保障制度を構築するため、社会保障の安定的な財源を確保するということから社会保障関係費に重点的に予算が配分されて、また、市町村におきます社会保障関係費も年々大幅な自然増となることが見込まれますことから、地方財政計画の中でも歳出を増額計上して、対応する財源を確保しているというところでございます。
本市におきましても、社会的に弱い立場にあります市民が、社会保障制度を持続的に享受できますように予算の確保に努めますとともに、今後の国などの制度改正などの動向もしっかり注視して、適切な対応をしていきたいというふうに考えております。
また、教育費につきましては、国の予算で重点配分されております復興・防災対策を利用させていただきまして、小中学校の耐震化事業を計画より前倒しで実施することといたしまして、平成26年度までの完了を目途としております。
また、平成25年度におきましては、出町中学校、庄川小学校の耐震改修事業に加えまして、庄南小学校及び庄東小学校の耐震改修事業実施設計を予定しております。当面、これらの事業に伴う予算の確保に努めているところでございます。
次に、3点目の合併特例債の活用方針、それから、財政の諸指標、基金の見通しなどについての御質問にお答えいたします。
まず、合併特例債につきましては、特例法の改正によりまして5年間の発行期限が延長されましたことから、合併から15年ということで、平成31年度までということになっております。
この延長を受けまして、当初に計画しておりました、まちづくり計画の期間等の一部見直しの手続も必要になってくるわけでございます。また、当初に予定いたしました合併特例債事業につきましても、特例債以外に、合併特例債と同等程度の有利な起債を充当できるものなどを活用してきましたことから、発行額を予定よりも多く残すことができております。今後、小中学校耐震改修事業が終了した後の年度におきまして、新図書館の建設ですとか、保育所、幼稚園の耐震改修などの公共施設の耐震化事業等に、他の起債等の条件なども比較考慮しながら、最も適切な充当を検討していきたいというふうに考えております。
次に、財政諸指標の見通しについてお答えいたします。
まず、市の財政力の強さを指標化いたしました財政力指数につきましては、交付税で用います基準財政収入額を基準財政需要額で除した数値の3年間平均であらわしたものでございます。平成20年度の砺波市は、0.63ということでありましたが、徐々に低下傾向にございまして、平成23年度では、0.58ということになっております。この低下傾向の要因といたしましては、やはり税収の落ち込みによります基準財政収入額の減少が主なものであるというふうに考えております。
これにつきまして、国の経済対策等によりまして、景気上昇に伴う税収等が期待できれば、指数は上昇するということになりますけれども、新年度予算におきましても、市税を1億円の減額見込みとせざるを得なかったところでありまして、今後も直ちに税収増が見込めないという状況でありますことから、当面、指数は横ばいになるのではないかというふうに考えております。
次に、経常的な一般財源が標準財政規模に占める割合として算出されます経常一般財源比率につきましては、平成23年度決算では96.2%ということになっておりまして、これは年々低下傾向にございましたが、平成23年度は持ち直しをしております。
今後、直ちに税収増が見込みづらい状況であることから、比率を上昇させるということはなかなかちょっと困難ではなかろうかと思いますが、引き続き収入を安定的に確保させていただきまして、財政運営におけます自主性をより発揮できるように努めたいというふうに考えております。
次に、経常収支比率につきましては、平成23年度決算で82.9%となっておりまして、こちらは年々低下し、財政の弾力性が改善されてきております。
これは、定員適正化計画に基づきます人件費の削減、施設の指定管理者制度導入によります管理的経費の削減など、いわゆる経常的経費の着実な削減が大きな要因であるというふうに考えておりまして、今後も引き続き人件費ですとか、管理的経費などの経常的経費の縮減に努めまして、財政構造の弾力性についてはしっかり確保していきたいというふうに考えております。
次に、公債費比率につきましては、平成23年度決算で12.4%となりまして、これも年々改善してきておりまして、公債費の財政負担が軽減されてきているということでございます。
この比率は、市債の返済に充てられました一般財源の標準財政規模に対する割合ということでございますが、小中学校耐震改修事業以外の投資的経費の調整をしてきたこと、それから、過去に高金利で借り入れました市債の繰上償還などの実施によりまして、年々改善しているというふうに見ております。
次に、実質公債費比率につきましては、これは財政健全化法に基づきます財政健全化判断指標の一つでございまして、公債費比率に一般会計以外の下水道事業特別会計、病院事業会計など、ほかの会計の公債負担を連結した指標でございます。大体18%以下に抑えることが望ましいとされております。
実は砺波市は、平成20年度にこの3カ年平均で23.3%という、県内では非常に高い比率でございました。公債費負担適正化計画に基づきまして、有利な起債の活用ですとか繰上償還などによりまして、公債費の抑制に努めてきたことから、平成23年度には3カ年平均で18.5%まで下げておりまして、着実に改善してきているということでございます。
今後のこの比率の見込みにつきましては、国の経済対策等によります建設事業の大幅増に伴います市債の発行増を予定しておりますことから、比率の上昇が懸念されるところではございますけれども、今回の補正予算につきましてもそうでございますが、有利な起債の活用などに努めまして、平成24年度決算では18%を下回ることができるというふうに見込んでおります。
最後に、財政調整基金などの各基金の見通しについてお答えいたします。
主な基金のうち、財政調整基金につきましては、平成24年度末で26億9,000万円余りを予定しております。平成16年度末では9億8,000万円余りでございましたから、17億1,000万円余りの増額をしてきたということでございます。もともと多くなかったということでございます。
このうち平成25年度予算で不足いたします一般財源として、7億8,000万円余りを基金から繰り入れするという予定にしておりますが、そのとおりやりますと19億1,000万円余りというふうになることになります。
なお、財政調整基金の適正規模というのは、一般的に、標準財政規模の10%から15%程度というふうに言われておりまして、平成25年度末、今の形でいきますと14.1%ということになります。ほぼ適正な規模を確保できているのではなかろうかというふうに考えております。
なお、先ほどもちょっと申し上げましたが、近年、最終の決算では取り崩しを回避しているということですので、何となく現行の額を確保してきておりますわけですが、今後、市税の減収とか地方交付税も縮減されるということになりまして、一般財源の確保が厳しくなる状況が予想されますことから、基金の額が、これも減少していくということも懸念されているところでございます。
次に、減債基金でございますが、将来の償還財源の計画的な確保を図るということで計画的に積み立てを行っているものでございます。これは、平成24年度末で9億1,000万円余りを予定しておりまして、平成16年度末では4億5,000万円余りでございましたから、4億6,000万円ぐらいの増となっているというところでございます。
このうち平成25年度当初の予算では、4,000万円の繰り入れを行って、償還元金に充当していくということにしておりますので、平成25年度末では8億7,000万円余りとなる予定でございます。この基金につきましては、今後も公債費負担を的確に見通しながら、計画的に積み立てを行っていくということが必要だと思っておりますので、その方向で対応していきたいと思っております。
また、その他の基金といたしましては、基金の果実を運用しておりますものに、合併振興基金、これが13億7,000万円、地域福祉基金で2億2,000万円余りなどがございます。これらから生じます運用益金につきましては、それぞれの設置目的であります地域振興事業ですとか、社会福祉事業に充当しているものでございます。
私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては、教育長並びに担当部長などからお答えをさせていただきます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
教育長 舘 俊博君。
〔教育長 舘 俊博君 登壇〕
◯教育長(舘 俊博君) 私からは、2項目めの教育事業についての御質問にお答えをいたします。
まず、1点目のいじめ・体罰問題、心の教育に対する教育・指導体制についての御質問でございますが、いじめ・体罰問題に対する市の基本的な考え方や対応方針につきましては、今藤議員にお答えしたとおりでございますので、御理解を賜りたいと思います。
そこで、まず、女性教員をクラブ活動、生徒指導者に積極的に登用すればどうかとの御提案ですが、各学校での部活動や生徒指導主事の選任に当たりましては、専門性や経験等を踏まえまして、男女の区別をせずに適任者を選び、担当していただいているところであり、御理解を賜りたいと思っております。
次に、道徳教育の充実やロープレ教育の導入についての御提案につきましては、市内の各学校では、既に学級活動などで、人間関係づくりにつきまして、ロールプレイングやソーシャル・スキル・トレーニングの手法を用いた体験的な学習などを行っており、さらに、その充実に努めてまいりたいと考えております。
また、市では、これまでも研究指定事業といたしまして、心の教育の指定校を指定しまして、多様なかかわりを通して、自他のよさに気づくことができる活動や多様な価値観に気づくことができる道徳の時間の工夫などに早くから取り組み、この成果を生かし、各学校における道徳教育の充実に努めてきたところであり、今後も継続してまいりたいと考えております。
また、今後、砺波市としまして、いじめ対策要綱やいじめ防止の手引を作成し、いじめのない学校づくりに努めてまいりたいと考えております。
次に、健やかな砺波っ子を育む学校、家庭、地域連携事業につきましては、市内各小中学校におきまして、家庭、地域住民の参加も視野に入れました、いのちの教育講演会を開催するほか、いじめ問題を子どもたち自身の問題として考える中学生生徒活動研修会を実施するとともに、倫理規定的な内容が含まれているわけですけれども、家族の子育ての輪リーフレットを改訂いたしまして、市内の全戸に配布するなど、健やかな砺波っ子を育てるため、学校、家庭、地域が一体となった取り組みを一層推進していきたいと考えております。
次に、2点目の学校週6日制導入に対する当局の考えについての御質問にお答えをいたします。
当市では、いわゆるゆとり教育を見直しました新学習指導要領の実施による授業時間数の増加に対応するため、学校の夏季休業日を小学校では平成21年度から、中学校では平成23年度から、それぞれ4日間短縮し、授業時間数の確保に努めてきたところでございます。
学校週6日制は、授業時間数の確保がしやすくなり、学力の向上につながるという御意見もありますが、御質問にもありましたとおり、学校週5日制は既に社会に定着しており、子どもたちにとりましても、地域でのスポーツ、伝統文化の体験活動など、学校、家庭、地域が密接に連携し、土曜日を活用することが一般的になっていることなどを考えますと、学校週6日制の導入につきましては、これら学校行事、地域の行事のあり方や、教員増を含めました教職員の勤務体制等についての見直しが必要になるなど、多くの課題が生じてくるものと考えております。
したがいまして、現状では、学校週6日制の導入は難しいと考えており、今後、具体的な動きとして検討する場合には、教育現場が混乱しないよう、児童生徒の学校生活や保護者の理解等も踏まえた慎重な議論が必要になってくるものと考えております。
次に、3点目の幼保対策についての御質問にお答えをいたします。
議員も述べられているとおり、砺波市内には、公立と私立を合わせまして幼稚園が10施設、保育所が13施設あり、平成24年度におけるその充足率は、幼稚園は、定員950人に対し、園児数が518人で、55%、保育所は、定員1,420人に対し、園児数は1,230人で、87%となっております。
中でも、議員が憂慮されておりますとおり、幼稚園児数の推移を見ますと、平成18年度の612人をピークに年々減少傾向を示しており、今のところ、平成25年度の受け入れ予定数は501人となっております。一方、保育所につきましては、新年度の受け入れ予定数は1,286人と、ここ10年間の平均児童数1,271人とほぼ同じ規模となっております。
私は、個人的には、社会の宝と言われる子どもたちは、まずは家庭で、そして、地域で育まれることが望ましく、そういう意味では、3歳児以上の保育における幼稚園の果たす役割は大変重要であるというふうに考えております。
しかし、保育所への受け入れ人数が増加している現状は、核家族化の進展や共働き世帯が増えたことなどにより、3歳未満児の保育への要望が大変多くなってきたことからきているものというふうに考えております。
このような状況を踏まえまして、市としましては、平成25年度に、仮称ではありますけれども、保育所・幼稚園整備計画検討委員会を設置し、適正な保育サービスの提供等について検討していただくことにしております。
検討委員会では、平成22年度に開催しました砺波市保育所・幼稚園のあり方懇談会において、偏在する幼稚園と保育所の再編を指摘されたことや幾つかの施設において老朽化が進んでいることなどを踏まえまして、今後の幼稚園と保育所のバランスや施設整備方針、さらには、その運営形態などを広く検討しまして、あわせて、中期的な施設の年次整備計画についても御意見をいただきたいと考えております。
なお、新年度のできるだけ早い時期に検討委員会を立ち上げたいと考えており、その構成委員には行政や学識経験者だけでなく、子育てをされている保護者の方にも参加いただくなど、広く市民の皆さんの御意見を賜りたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
企画総務部長 齊藤一夫君。
〔企画総務部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯企画総務部長(齊藤一夫君) 私からは、川岸議員御質問のうち、4項目め、行政改革での類似施設の統廃合等に対する指針についてお答えをいたします。
市の財政収入の約3割を占める地方交付税は、合併後10年を経過すると、その自治体の規模に見合った金額に段階的に引き下げられます。本市では、平成27年度から減額され、平成32年度には、現在より約6億円の減額が見込まれます。また、少子高齢化により社会保障費が年々増加し、安心できる市民生活を確保するためにもこの費用を捻出していく必要があります。
このため、事業や施設等の必要性、有効性を見直し、重点化や質的充実を図ることで、将来に過大な負担をかけることのないように、足腰の強い行財政基盤を今から確立していく必要があります。
このことから、市では、公共施設の適正配置、施設の統廃合については避けられない課題として、平成21年度に市民や有識者で構成する行政改革検討委員会を設置し、その報告に基づき改革を進めてきたところであります。
これまでの改革につきましては、御承知のとおり、公共施設の使用料の見直しによる公平な受益者負担、類似事業の統合としては、職業能力開発センターと働く婦人の家の統合などを実施しております。
市では、さらに類似する施設の統廃合を進めるため、本年度において、部課長による職員レベルでの検討を進めてきたものであります。この検討を踏まえ、平成21年度と同様に、新年度において行政改革検討委員会を設置し、十分議論をいただくほか、議員の皆さんを初め、市民の皆さんからも御意見をお伺いし、慎重に検討してまいりたいと考えております。
そこで、御質問のありました検討対象とした施設でありますが、職員で構成する専門部会の検討では、福祉施設、学校、市営住宅などの生活基盤施設、地域体育館などの地域振興施設などを除く49の施設について評価を行ったところであります。
評価の方法につきましては、施設の公共性を判断した設置必要度、施設の重複あるいは他の施設の代用を判断した重複度、施設の老朽度など、客観的な評価を行うための10項目の判断基準を全国の先進事例を参考に設定したものであります。
評価では、1項目につき0点から4点の点数をつけ、40点満点として、10点未満の施設について行政評価を含め個別に精査を行い、平成25年度に、行政改革検討委員会において、他に転用または統合もしくは廃止を検討する施設、平成26年度以降に、他に転用または統合もしくは廃止を検討する施設、施設または運営方法を改善し継続する施設の3つの分類に当てはめたものであります。
議員からは、なぜ10点なのかとの御質問でありますが、10点未満の点数は各項目の平均点が1点に満たないということであり、いずれの評価も低い、または多くの評価が著しく低いということであり、一定の目安として設定したものであります。参考までに、評点が10点未満であった施設につきましては、施設利用度が低いこと、付近に類似施設が重複していること、特定の方の利用が多く、施設の公共性が低いなどの評価がなされております。
なお、廃止される施設が庄川地区にある施設ばかりだと不満の声があるとの御指摘でありますが、旧砺波市地区でも、働く婦人の家と職業能力開発センターを統合するなどしており、決して旧庄川町地区を意図して検討したものではなく、客観的基準に基づき、公平な判断を行ったものであることを御理解いただきたいと思います。
なお、検討委員会での協議では、地域住民の皆さんや利用者の御意見を伺うほか、統廃合することとした施設については、必ずしも撤去、解体するものではなく、例えば地域での利用を含め、さらなる活用を検討するなどし、住民の皆さんの御理解を得られるよう努めてまいりたいと考えております。
いずれにしましても、行政改革は喫緊の課題であり、避けることはできないものであります。そのため、今後も市民の皆さんへの十分な説明と理解のもと、行政改革を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解と御協力をお願い申し上げます。
私からは以上であります。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 川原國昭君。
〔福祉市民部長 川原國昭君 登壇〕
◯福祉市民部長(川原國昭君) 私からは、3項目めのうち、2点目の通学路安全対策と街路灯の整備計画についての御質問のうち、後段の所管部分についてお答えをいたします。
LED街路灯等導入促進事業につきましては、環境省が、街路灯等の屋外照明をLED化することにより、消費電力量を抑え、温室効果ガスの排出量の削減とともに、投資効果による地元経済の活性化を図ることを目的とし、人口15万人未満の地方公共団体を対象に公募されているものであります。
また、この事業は、国の全額補助となる調査事業を行った後、整備計画に基づき、電気代や修繕費の減額相当額を原資とし、リース方式でLED照明に更新、整備する費用を捻出するものとなっております。今回は、契約のスケールメリットを生かし、リースコストの軽減を図るため、南砺市、小矢部市、氷見市、射水市、魚津市及び立山町の県内6市町と砺波市の計7市町合同で取り組むことになっております。
そこで、この事業においては、設置が容易で、電気代の節減効果が大きい防犯灯が最も効果的なものと考えられますが、当市の場合、防犯灯が市の所有でないため、対象外になると示されております。
このため、当市におきましては、事業化に向けての調査事業の範囲としまして、設備投資に係る費用対効果を検討し、市民の安心・安全を守る事業効果及び省エネによる環境効果などの観点から、砺波駅などの周辺や小中学校、体育施設など周辺の屋外照明等を中心に事業内容を検討しているものであります。
私からは以上でございます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
建設水道部次長 三部隆雄君。
〔建設水道部次長 三部隆雄君 登壇〕
◯建設水道部次長(三部隆雄君) 私からは、3項目めの安全・安心なまちづくりの御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の後期計画に掲げる道路諸施策についてでありますが、道路網の整備は、総合計画の後期計画において主要な施策の一つと位置づけており、インフラ整備の着実な推進とともに、さらに質の高いとなみを目指して事業展開を図っている分野でございます。
まず、高岡砺波スマートインター事業につきましては、スマートインターの本体とアクセス道路となります高岡砺波インター線の起工式を昨日終えまして、今後、平成26年度末までの完成を目指して、地元対策委員会とも協議をいたしながら、事業を進めてまいります。
次に、国道359号砺波東バイパスについて申し上げます。
今回の国の大型補正で3億円余りの予算箇所づけがなされたと伺っており、今後の事業進捗に期待いたしますとともに、未整備区間の早期工事着手に向け、議員各位のより一層の御支援をお願いするものでございます。
進捗状況については、般若地区では、用地取得に向け、対策委員会を通じて、地権者の方々と地元調整が進められております。また栴檀野地区におきましては、地元説明会など対策委員会の協力を得ながら、用地取得に向けた準備を進めてまいっております。
次に、県道関係については、県道坪野小矢部線初め、市内11路線で改良工事などが概ね順調に進められており、工事延長の長い事業につきましては、それぞれ地元における推進団体に調整等のお世話をいただきながら、事業が進められております。
次に、市道の整備については、現在、後期総合計画に沿って、幹線や通学路を中心に財源を確保しながら、地元自治会等の協力を得て整備を進めております。
なお、将来の道路網計画については、現在整備を進めており、外環状線にも位置づけております鷹栖高儀線や十年明千保線の整備進捗、土地区画整理事業の進捗、さらには新スマートインターの開設など、今後の交通の流れ等を充分に見極めながら、数年先に検討する必要があると考えております。
次に、橋梁長寿命化修繕計画に基づく市道、橋梁などの維持管理事業につきましては、総合計画を勘案しつつ、長寿命化修繕計画に上げております長さ10メートル以上の橋、24橋につきまして、橋梁の予防保全型の保守管理を進めていく計画でございます。
なお、平成25年度は、この修繕計画の実施に先立ち、庄川町金屋地内におきまして、仮橋の架けかえに向けた調査設計を行う予定でございます。
そのほか市道の維持管理については、道路パトロールの点検に基づき、危険度合や劣化状況など優先順位をつけて対応しており、限られた財源の中で道路ストックの適正な維持管理に努めてまいります。
次に、2点目のうち、通学路の安全対策についてお答えいたします。
まず、合同点検の結果内容については、砺波市内において、歩道や横断歩道の設置、道路照明灯の設置、路側帯のカラー舗装化など、道路施設に関する通学路の要対策箇所が28カ所挙げられております。
次に、対策についてでございますが、道路管理者として市が対策を講ずるべき18カ所につきましては、歩道設置や道路照明灯設置など、できるものから順に対策に取りかかっております。
また、今回この緊急点検結果を踏まえ、特に緊急性のある出町小学校、庄東小学校周辺における路側帯を重点箇所として特別枠に位置づけまして、カラー舗装化を実施してまいります。
このほか、富山県公安委員会や富山県においても、横断歩道の設置や県道の路肩拡幅など対策工事が進められております。
なお、対象となりました箇所につきましては、財源の関係もございますが、できるだけ早い時期に対策を講じまして、通学路の安全確保に努めてまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(飯田修平君) 14番 嶋村信之君。
〔14番 嶋村信之君 登壇〕
◯14番(嶋村信之君) 戦後最悪の自然災害となった東日本大震災から2年、今なお31万人の方が避難生活をし、多くの行方不明者の捜索が続き、再建の途上にある被災地の方々に対し、本日、政府主催の追悼式が行われております。現政府は、被災された地方の復興のため、命、暮らし、仕事などを中心に全力で支援しており、一日も早い復興を願うものであります。
さて、平成25年2月定例会の施策方針で、市長は、就任して最初の予算であり、今後4年間を見据えたスタートの予算であり、そのため、新たな取り組みへの芽出しとして、課題となっている保育所、幼稚園や図書館、駅前広場の整備、チューリップ公園の再生や通年利用、さらには、平成26年度末に開通する北陸新幹線や(仮称)高岡砺波スマートインターチェンジの開設を見据え、城端線利用活性化や農、商、工の連携推進に向けた各種の検討会議を設置するなど、市民とともに、「もうひとつ上の“となみ”」の実現を目指す基礎づくりをすると述べていらっしゃいます。
この市長の発言を前提として、以下、市政一般について質問並びに若干の提案をさせていただきます。
最初に、庄川と散居に広がる健康フラワー都市となみについてお尋ねいたします。
1点目、庄川の利活用について。
砺波市庄川町は、古くから水と深くかかわってきた地域です。古くは縄文の昔から庄川の流れとともに歩んできた人々の生活文化や知恵があります。庄川水資料館の常設展示では、「流木に生きた先人たち 流木と庄川」というテーマで、昭和初期まで行われていた流木の作業を音響、映像、照明など、当時の様子さながらの演出で紹介されております。企画展示では、「川を治め、川を利す 庄川と生きる」をテーマに、庄川の歴史的資産を中心とする利水、治水に関する資料、さらに親水の未来をグラフィックパネルなどで展示、また、地元の流木にかかわった方々による手づくり模型など、なかなか見応えがあります。平成16年に旧庄川町が新砺波市になり、温泉郷と伝統工芸のまちとして、庄川峡が観光地としてクローズアップされております。しかし、市民は、必ずしも庄川を親水として受けとめていないのが実情です。
そこで、3点伺います。
1、合口ダム周辺を桜並木にする。
2、河川を整備し、子どもから大人まで楽しめるようにする。
3、観光祭などに対応できるよう、広場と駐車場を整備するなどが考えられます。
市長の観光戦略を含め、庄川をどのように受けとめ、利活用しようとしているのか、所見をお聞かせください。
2点目、空き家等適正管理及び有効活用に関する条例(案)について。
今定例会の空き家対策として、空き家の適正管理と有効活用を2本柱に、市、所有者、市民の責務を明確化する施策を進め、それを支援する施策について予算化されたことはまことに時宜を得たものと言えます。
本条例案は、本県15市町村の中の先鞭をつけたと言えます。
そこで、1、空き家等適正管理よりも有効活用の考え方を上位とする砺波型の有効活用は、どのように想定されているか。
2、補助金についての考え方。
3、同条例の周知と市民の協力など。
3点目、市民協働について。
1、市民福祉の向上と活力あふれる郷土づくりには、市民協働のまちづくりの推進なくしては実現できません。本市の後期総合計画においても、市民協働を大きな柱として掲げております。しかし、現状は、行政と市民との間に非常に距離感があるんじゃないかと感じられます。また、現下の不安定な経済状況のもとで、本市の財政は依然として厳しい状況が続くと思われます。現在取り組み中の行政改革推進及び市民協働のまちづくりの評価について、市長にお伺いいたします。
2、市民と行政の約束制度の導入について。
市民と行政の約束制度とは、行政サービスの内容を市民にわかりやすく説明、その成果を市民の皆さんに約束する制度です。市当局は、市民の皆様の苦情や要望を積極的に受けとめ、行政サービスの改善のきっかけとし、市民に十分な情報を提供し、わかりやすく説明する責務があります。このような考え方で行政サービスをする、処理時間や情報の提供、苦情、要望の処理など、具体的な内容を市民の皆様に約束するにはどうするのか、市長にお尋ねいたします。
なお、名張市の制度では、市の全ての行政サービスを対象とする共通の指針と直接サービスを提供する相談窓口、公共施設の管理運営などを対象として、サービスの水準や標準的な処理期限を定める部門別の指針の両面で構成され、部門別の指針は、全ての室、職員が守るべき事柄を定めた共通事項5項目と、部において共通の内容を定めた部の約束、室がそれぞれ担当する事務について定めた室の約束から成っていることを付言しておきます。
3、NPO、ボランティア団体への支援について。
今日、行政だけで支えることが難しい公共サービスを協働で担うため、NPOやボランティア団体への期待が高まっています。しかし、NPO、ボランティア団体は、慢性的な活動資金の不足により、活動の縮小や解散に追いやられる例も多いようであります。我が国では、NPOやボランティア団体の活動に対する評価が高い一方、ボランティアは無償で行うものという考え方が根強く、それらの団体に寄附などの支援をしようとする市民が少ないのが実態であります。
昨年10月、自分が納めた市民税の1%を自らが選んだNPOやボランティア団体の活動に対して支援する制度を利用し、大きな成果を挙げている千葉県市川市議会議員の皆様と懇談する機会がありました。支援希望団体を募集し、事業内容について公益性、公共性などの観点で審査して、その中から支援対象団体を選び、今年度は126団体であるとのことであります。そして、その団体や活動内容を広報紙やパンフレットで市民に広く紹介をする。各種団体から申請があった事業は、地域社会のニーズから出た創意工夫を凝らした取り組みが多く、支援の上限額はその事業費の2分の1以下、市民は、その団体の事業に市民税の1%を支援したいと思えば、所定の用紙にその団体名を3団体まで記入し申請し、その人が納めた市民税の1%が指定の団体に分配され、団体は、事業が終わると、事業報告を市に提出、市民に公開するということであります。
同じような市民税1%支援制度は、他に佐賀市、大分市などが採用しております。
効果としては、お金を渡すという財政的支援に加えて、各種団体が自らの活動や事業を市民へPRする機会が飛躍的に増え、また、事業内容の公開や市民への説明責任を通じて、団体メンバーの意識が変化し、その結果、市民の間に活動への理解が広がり、そして、市民との協働の推進につながったということであります。
本市は、まだまだNPO法人の数は少ないのが現状であります。NPO法人の育成とあわせて当局の考え方についてお伺いいたします。
4、ボランティア活動の根本である人材の育成について。
先ほど述べた市川市では、毎年、還暦式を行っております。還暦を迎えた男性、女性の方の人生の節目を祝福するとともに、これまで仕事一筋で生きてきた男性に、市川市のことや地域のことを知ってもらいたい。そして、地域活動や市民活動の情報を提供することで、定年退職後、なかなか地域デビューが困難な男性の背中を押して、新しい公共の担い手として頑張るきっかけをつくる場にするということであります。参加者は毎年1,000名を超えており、大変好評であると伺っております。
規約では、夫人が60歳でなくても、夫婦同伴で参加できる。多くの御夫人は、定年後に夫が家でぶらぶらされるのが嫌で、夫の地域デビューに熱心であるとも伺いました。会場の外には、市内のさまざまな市民団体やNPOのブースが出展され、さながら大学の入学式のクラブ勧誘のようだとも言われておりました。また、中には60歳を超えても第一線で働いている方もいらっしゃいます。その方には、何年か先に向けて予約勧誘すると言われておりました。
そこで、本市でもこうしたまだまだ元気で、60歳を迎えた市民がボランティア活動や市民活動、地域活動に参加できる環境づくりのために、還暦式のようなボランティア意識の啓発の場を持ってはどうでしょうか、当局の考え方をお聞かせください。
次に、笑顔があふれるまちづくりについてお尋ねいたします。
1点目、新しい福祉のあり方について。
福祉は、社会福祉法第1条の目的、第2条に見られるように、制度としては多数の法律にかかわっていて、実に複雑多岐な範囲で実施されております。
例えば生活保護法や児童福祉法に始まり、近年に成立している介護保険法や障害者自立支援法など、少なくとも20以上の法律があり、多面的、横断的に各省庁に機能し、福祉サービスとして国民に利益保護の役割を果たしております。さらに最近では、地域福祉の推進など共助の精神の強化も図られ、市民共同体の色合いを強めております。
さて、一方、経済や社会構造の変化に伴い、少子高齢化の避けがたい波の中で、施設福祉に比べて、在宅福祉に変化の兆しが見えております。すなわち障害認定もできず、本人たちや家族だけで苦しむ、いわゆる精神疾患の多発的傾向性のことであります。つまり、現在の福祉制度のはざまにある人々のことであります。
厚生労働省が発表した鬱病に関する患者調査報告によりますと、全国の患者数の統計数の推移として、16年前の1996年には約43万人であったのが、2010年までの14年間で2.8倍の200万人と急増し、さらに、この統計にあらわれない有病者数は約300万人とも推定されていて、人口の約2.5%であることから、深刻な実態と言えます。
病気によっては、引きこもり、不登校、更年期障害、自律神経の不調、さらには対人恐怖症や働きたくても働けない、外出もできないという不安感につながり、本人も家族も悩む状況になっております。また、発症する原因や病気の形態もさまざまで、かつ複雑であります。また、これらの精神治療には薬物療法が主軸のため、現代医学の治療でも限度があると言われております。もちろんこの病気を克服している人もいるわけでありますが、この病気の広がり傾向を見る限り、能力を持ちながらも、社会でそれが発揮できないのは人材の財産損失とも言わざるを得ないのであります。
こうした人たちに福祉の光を当てるのは、年金、医療、介護など従来の社会保障制度の枠組みとは異なる、もう一つの新たな福祉政策の展開が求められていると思うのであります。しかしながら、これは医療制度の1分野であり、今後、福祉面でのサポーターが必要です。そして、この病気に付随した社会的な心の病気では、DV被害や児童虐待被害、高齢者の孤独死や自殺の問題など、見えにくい心の病気への対応策が新しい福祉の視点として重要と考えます。
そこで、福祉の光が届きにくい人たちへの公助や共助を含めた、新しい福祉についての市長の見解をお聞かせください。
2点目、暮らしを支える基盤づくりについて。
砺波の散居村は、全国に誇るすばらしい景観を擁し、将来、世界遺産に登録されるかもしれないと期待している一人であります。しかし、広範囲な地域のため、現在の市営バス運行では、市民の生活の足を確保することは大変困難な状況であります。
そこで、他市で取り組んでいるデマンドタクシーについて提案いたします。
他市では、市民の生活の足を確保しようと、自宅と目的地までを送迎する乗り合いのデマンドタクシーの運行をスタートさせております。交通手段のない高齢者などに大変喜ばれております。同タクシーの運行は、事前に登録した利用者が、希望の時間の30分前までに予約すると、指定した場所から目的地まで送迎してくれ、利用者が増加し、特に交通手段のないお年寄りに病院や買い物などの生活の足として利用されているようであります。
近年、全国的にもデマンドタクシーの取り組みをする市町村が増加しております。本市は、特に散居村である地域性からも、デマンドタクシーの対応が重要と思いますが、いかがでしょうか、当局の御所見を賜りたいと思います。
3点目、救急医療情報キット(命のバトン)について。
救急医療情報キットの中には、救急受診のための情報として、氏名、血液型、生年月日、家族構成、緊急時の連絡先などの個人情報、かかりつけ医、病歴、アレルギーや薬の副作用などの医療情報を記入した用紙、本人の写真、健康保険証や診察券のコピーなどが入っております。災害時はもちろん、平時においても、緊急の状況が発生した場合、本人の病歴や服用している薬など情報が容易に入手でき、迅速な救急医療の提供につながります。
このキットは、事例集の中でも、要援護者自身の意識向上のための取り組みとして紹介をされております。このキットは冷蔵庫に保管し、いざというときに救急車が駆けつけた場合、救急隊員が冷蔵庫をあければ、キットがあり、その情報を早急に確実に得ることができることから、この救急医療情報キットは命のバトンとも呼ばれております。また、現場で救急隊員がキットの保管場所を探しやすいように、冷蔵庫にステッカーを張るようになっております。
そこで、本市でも、救急隊員が現場に駆けつけた際、速やかに対応するため、要援護者に緊急医療情報キットを配付すべきじゃないかと考えますが、当局のお考えをお聞かせください。
なお、救急隊員や社会福祉協議会が、救急医療情報キットを要望していることを付言しておきます。
市長が目指す、「もうひとつ上の“となみ”」の観点から、市民一人一人に希望と夢を抱かせる答弁を期待し、質問を終わります。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 嶋村議員の御質問にお答えいたします。
まず、御質問の1項目めの1点目、庄川の利活用についての御質問にお答えいたします。
砺波市観光振興戦略プランでは、庄川峡、庄川温泉郷の活性化を重要施策として位置づけておりまして、北陸新幹線の開業を2年後に控え、さらに磨きをかける必要があると考えております。
まず、合口ダム周辺を桜並木にすればどうかという御提案でございますが、庄川左岸の市道舟戸橋合口ダム線の堤防ですとか右岸のやまぶき荘合口ダム線につきましては、既に桜並木がございます。砺波嵐山の桜も含めまして、合口ダム周辺は既に県内でも有数の桜名所というふうになっております。
なお、昨年12月に庄川峡観光協同組合が発表されました庄川温泉郷活性化ビジョンの中では、庄川水記念公園の花木整備として、四季折々に楽しめる花や木を育てるという長期計画がございますことから、関係機関・団体とも協議を重ねて、水記念公園周辺の計画的な花木整備にも協力してまいりたいというふうに考えております。
次に、河川環境整備につきましては、現在進めております庄川水辺プラザ事業で、子どもから大人まで楽しめるようなパークゴルフ場のコース、18ホールを整備いたしますほか、水辺に親しめる広場や河川敷の動植物が観察できます、せせらぎ水路というものを設けることにしております。
また、広場と駐車場の整備につきましては、まず、自由広場につきましては、子どもの自転車乗り、それから、ラジコン、ローラースケートなど、さまざまなレクリエーションが楽しめる交流の場として使用することができます。また、駐車場につきましては、既存の駐車場を含め約130台分の駐車スペースを確保できるよう整備する予定でございます。
このように庄川を親水空間として、市民や来訪者にも魅力あるものとしていきたいというふうに考えております。
次に、2点目の空き家等適正管理及び有効活用に関する条例(案)についての御質問にお答えいたします。
まず、砺波型の有効活用についての御質問につきましては、先に今藤議員の代表質問にもお答えしたとおり、この条例は、空き家の適正管理のみならず、有効活用についても定めているところが特徴でございます。
砺波型の有効活用を推進するために、空き家の適正管理と同様に、市、所有者、地域の3者が連携、協力して取り組むことを定めております。
また、市では、空き家の有効活用を支援する補助事業ですとか、取り壊した空き家の跡地をコミュニティー施設等として自治会が活用する協働事業を新設するなど、空き家の有効活用に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、補助金についての御質問につきましても、これも今藤議員の代表質問にお答えしたとおりでございまして、空き家情報バンクに登録されました物件を購入された場合ですとか、富山型デイサービスなどの福祉施設に活用する場合などには、改修費の一部を補助するというものでございます。
次に、この条例の周知と市民の協力などについての御質問にお答えいたします。
本条例案の議決をいただければ、3カ月余りの周知期間を経まして、本年の7月1日から条例を施行するということを考えております。
そこで、議決から施行までの期間につきましては、広報となみ、それから、市ホームページ、出前講座などを活用しながら、条例及び補助制度の内容ですとか、空き家情報バンク制度を初めといたしました本市の空き家対策の全般につきまして、市民の皆さんへの周知に努めてまいりたいというふうに考えております。
また、自治会、その他の関係機関と連携しながら、所有者や市民の皆さんに対しても随時、意識啓発を図ってまいりたいというふうに考えております。
一方、地域におきます市民の協力につきましてでございますが、市民の皆さんには、従来どおり、地域の力を生かしました空き家の見回りですとか手入れ、さらには、管理不全の場合の所有者への連絡など、地域におきます空き家対策にも御協力いただきたいと考えております。また、危険老朽空き家を発見した場合には、市に対して情報提供をお願いいたしたいと思います。
このように条例の実効性を確保するためには、条例が市民全体に浸透し、市民の皆さんと市とが協働して空き家の適正管理及び有効活用に取り組むことが不可欠であるというふうに考えております。
次に、3点目の市民協働についての御質問にお答えいたします。
まず、行政改革の推進及び市民協働のまちづくりについての御質問につきましては、現在、国、地方を問わず厳しい財政状況でありますとともに、少子化、超高齢化の進行ですとか、加速される地域主権改革への対応など、かつて経験したことのない課題が山積みとなっております。
また、市民の皆さんからのニーズは多様化、高度化しておりまして、その要求に的確に、そしてまた、適正に応えていくためにも行政改革は避けて通ることのできないものであると考えております。
本市では、行政改革大綱を柱といたしまして、年次計画であります行政改革推進計画を策定し、スピード感を持って計画的に対応してきているところでございまして、これまでにもその効果があらわれてきているものと認識しております。簡素で効率的な行政運営を進めるためにも、あらゆる分野におきまして、従来の考え方や仕事の進め方の見直しを図ってまいりたいと考えており、引き続き行財政改革に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
次に、市民協働のまちづくりの評価についての御質問でありますが、これまで、上田前市長が市民一人一ボランティアを提唱され、ボランティアポイント制度、レッツ! ボランティアとなみを実施されたことにより、市民の皆さんにボランティアに対する意識が高まり、多くの皆さんが積極的にボランティア活動に参加していただいているというところでございます。このように市民の皆さんにボランティアの輪が広がることは、とりもなおさず、市民協働の精神がより一層醸成されてきているものというふうに考えております。
また、平成21年度から実施しておりますまちづくり協働事業につきましても、地域課題の解決のため、市民と行政との連携、協働のもとにこれまで6団体が事業に取り組まれたところでありまして、いずれの事業におきましても、例えばイベント実施ですとか、調査事業において一定の成果を上げていただいているというふうに考えております。今後とも、こうした事業を継承し、引き続き市民協働のまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
次に、市民と行政の約束制度の導入についての御質問でございますが、議員が述べられました名張市の取り組みにつきましては、行政サービスに関し、その処理時間や情報の提供、苦情、要望の処理について、市民と約束する形で事務処理の標準を定めた取り組みとのことでございます。
私といたしましては、市民の視点に立った行政の推進という点では大いに評価できる制度であるとは思いますが、窓口の業務、あるいはその他の事務一つ一つを取り上げましても、市民の応対には、必ずしも標準というものでは割り切れない対応も必要ではないかと思います。事務処理に要する時間に追われまして、例えば市民との対話をおろそかにしてはなりませんし、また、正確性や慎重性を期するものもございますので、私といたしましては、一つ一つの事案に正確で丁寧な対応とすることをまず第一とし、その上で、迅速な処理に努めることにしたいと思うところでございます。
市では、これまでにも担当窓口におきまして、概ね適正な対応を行っていると認識しておりますので、議員御提案の約束制度の導入については考えておりませんが、これからも一層適切な窓口対応や事務処理対応に努めていきたいというふうに考えております。
次に、御質問の2項目めのうち、1点目の新しい福祉のあり方についての御質問にお答えします。
議員の御指摘のとおり、鬱病に代表されます心の病気や児童虐待被害、DV被害など、全国的に深刻な問題となっており、整備された制度間のいわばはざまでさまざまな課題も指摘されているところでございます。
本市では、これまでもこころの健康相談などによりまして、心の不調に気づいたときの早期の相談や受診態勢の充実に努め、来所による相談や精神保健福祉士や保健師によります、引きこもり、アルコール依存、精神疾患の治療中断者などの訪問を行いまして、本人や家族の支援を行ってきているところでございます。
また、周りの人々が、心の病気に偏見を持たずに支援することが重要であるということから、心の健康や鬱病などの精神疾患に対する知識の普及、啓発にも努めているところでございます。
精神疾患を持ちながら障害認定まで至らないことから福祉サービスの対象外となる方々が地域社会に生まれ、その中で発生している例えば自殺、虐待などの課題につきましては、行政主導によります施策、いわゆる公助はもとより、例えばケアネット事業など、砺波らしい、地域のつながりを生かした見守り活動の、これは共助に当たると思いますが、充実など、さまざまなサービスを連携して、提供できるような体制の整備を、御指摘のとおり、新しい福祉的な考え方も考慮しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては、担当部長からお答えをさせていただきます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
企画総務部長 齊藤一夫君。
〔企画総務部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯企画総務部長(齊藤一夫君) 私からは、嶋村議員御質問のうち、3、市民協働についての2項目についてお答えをいたします。
最初に、NPO、ボランティア団体への支援についてお答えをいたします。
本市におけるNPO法人及びボランティア団体の数は、平成25年2月末現在で、合わせて100余りであり、そのうちNPO法人は11法人となっております。
NPO法人、ボランティア団体の自主的な活動は、子育て支援、環境保全、国際交流、まちづくりなど多種多様な分野において広がりを見せております。今後とも、NPO法人、ボランティア団体には、新たな地域社会づくりの主体となっていただき、新しい公共の担い手になっていただくことを期待しております。
市といたしましても、NPO法人の設立を希望される団体に対し、引き続き相談に応じるとともに、法人設立の際の申請窓口である県との橋渡しを行ってまいりたいと考えております。
なお、御提案のありましたNPO法人等への財政的な支援制度につきましては、本市の現状から課題が多いものと考えますが、今後、研究をしてまいりたいと考えております。
次に、ボランティア活動の人材確保についてお答えをいたします。
本市におきましては、自治会や地区自治振興会などの地域コミュニティーのつながりの中で、消防団活動や公民館活動、婦人会活動、老人クラブ活動のほか、伝統ある獅子舞などの祭礼行事に至るまで、地域に根差した活動が行われており、こうした取り組みに若いときからかかわり、地域とともに継続的に参加されている方が多いと思われます。
中でも60歳以上の方は、地域で老人クラブ活動を積極的に行っておられ、改めて定年後に地域活動や市民活動の情報を提供し、ボランティア意識を啓発する場を設ける必要性は少ないのではないかと考えております。
なお、社会福祉協議会に登録されているボランティア団体の情報や活動内容につきましては、現在、市の広報やホームページ等を通じて紹介しているところであり、今後とも関係機関と連携を図り、市民の皆さんに情報を提供してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 川原國昭君。
〔福祉市民部長 川原國昭君 登壇〕
◯福祉市民部長(川原國昭君) 私からは、2項目のうち、まず、2点目の暮らしを支える基盤づくりの御質問にお答えします。
御提案のデマンドタクシーにつきましては、自宅から目的地まで送迎するサービスを利用者が少ない負担で受けられるメリットがあります。また、近年の情報通信技術の発達により、デマンドタクシーを支えるシステムの維持管理コストは大幅に縮減され、システム機能も向上している状況にあります。
このような中、一方で、デマンドタクシーは、既存のバス運行と比較した場合に、システム導入費用やその維持管理費及びオペレーターの人件費が運行経費に上乗せされることや運行委託を受けていない同業種の交通事業者の理解を得ることが困難であるという課題がございます。
なお、デマンドタクシーの運賃例としましては、射水市が1回300円としているように、他の交通事業者への影響を考慮して、一般的にはバス運賃より高く、タクシー運賃より安く設定されています。このような運賃の設定においては、現在、市営バスを片道100円で御利用されている方にとっては負担増となりますし、タクシー事業者の運営に対しては損失支援が必要となります。
これらのことを踏まえまして、平成26年10月に行う予定としております次回の市営バスの改正に当たりまして、交通手段のない高齢者などの交通弱者の移動手段を可能な限り確保したいと考えております。
つきましては、現行の定時・定路運行と合わせて、デマンドタクシーを初めとするさまざまな運営形態についても研究してまいりたいと存じますが、市といたしましては、まず、バス運営の効率化に努めるとともに、市営バスの積極的な利用をお願いしてまいりたいと考えております。
次に、3点目の救急医療情報キット、いわゆる命のバトンについての御質問にお答えいたします。
救急医療情報キットにつきましては、ひとり暮らしの高齢者の方などが、緊急時に自宅で救急車を呼び、緊急受診の際、救急隊員や医療機関の迅速な救急対応に役立つというもので、近年、地域福祉団体などで設置の取り組みが進められているようであります。
そこで、昨年の3月議会でも嶋村議員の御質問にお答えいたしましたが、緊急時の救急搬送については、砺波消防署では、救急隊員が個人の各種情報がないことで搬送や治療等に支障が生じたことは、把握の範囲ではないと聞いております。
また、当市では、昨年度から、介護サービス利用者の方については、地域包括支援センターが配布しているすこやか連携ノートにより、緊急事態が発生した場合に対応できる情報を記載していただいております。
このような中で、市民の大切な生命を守るという観点からの御提案と思いますので、要援護者等に対する対応につきましては、他市での状況、その他の手法などについての調査研究、関係機関との協議などにつきまして今後とも進めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(飯田修平君) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時36分 休憩
午後 2時51分 再開
◯議長(飯田修平君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
6番 大楠匡子君。
〔6番 大楠匡子君 登壇〕
◯6番(大楠匡子君) それでは、議長のお許しを得ましたので、通告に従い、質問と提案をさせていただきます。
大きい項目の1つ目として、平成25年度予算編成についてお伺いします。
平成25年度の一般会計予算案を見ますと、前年度比4億1,000万円増の総額205億3,000万円の積極的な予算となっています。法人市民税や固定資産税の減額が見込まれるため、市税全体で1億円の減額になる一方、学校耐震化事業の国庫支出金において増額が見込まれることや、繰入金をアップさせての増額予算となっています。
市債も、昨年比1億7,430万円増となっています。
アベノミクスで経済効果が期待されるとはいうものの、一時的なもので、継続した景気対策が予測できない中、実質公債費比率の今後の動向が気になります。
砺波市の実質公債費比率は、昨年度18.5%と、前年比1.8ポイント低くなり、健全財政に近づいています。しかし、平成24、25年と2年連続の市債の増額による影響が気になります。今年度の実質公債費比率の見込みと今後の見通しについて、まずお聞かせください。
次に、新年度予算に関連して、具体的な事業運営についてお伺いしたいと思います。
まず、母子保健推進活動の中の乳幼児栄養相談の充実についてお伺いします。
市では、乳幼児栄養相談として、母乳育児推進の取り組みと6カ月もぐもぐ教室を実施されています。
まず、母乳育児の推進についてですが、各産院での取り組みや各種広報活動により啓発普及に努力されており、健康センターの資料によりますと、砺波市の母乳育児の比率は平成7年に43.6%だったのが、平成17年には51.1%、平成21年には62.2%と増加しましたが、平成22、23年は54.9%、59.0%と微減傾向にあります。また、県内平均約64%より低くなっています。
母乳育児は、人間の赤ちゃんにとって最も自然な栄養法であり、赤ちゃんを病気から守る免疫抗体を多く含んでいます。また、赤ちゃんとのスキンシップが図られ、赤ちゃんの情緒が安定するよさもありますので、母乳育児をもっと浸透させていただきたいと思います。3カ月児健診時の調査では、日中の主な保育者の割合は母親が98%台となっています。いろいろな事情で母乳を与えられないお母さんもおられるとは思いますが、可能な限り母乳で育てられることを御指導いただきたいと思います。現在、母親教室の中で年4回実施されているおっぱい教室の充実など、さらに母乳育児を推進する取り組みをしていただきたいと思います。
また、平成24年度から、8カ月児離乳食相談会が、6カ月もぐもぐ教室となりました。赤ちゃんの発達状況に応じて、離乳食を始める時期に早められたということですが、相談会に参加する人数は減っています。8カ月児のときの受診率は約80%前後の340人前後で推移していたのに、6カ月もぐもぐ教室になってから、参加人数が2月現在で147人となっています。
参加人数が減っている1つの要因として、乳幼児健診カレンダーへの記載内容の変更が考えられます。また、教室の指導内容も、計測などをやめ、離乳食の指導のみに絞った教室とされたことが関係しているようです。離乳食に関心のある人だけに来ていただければいいのでしょうか。母乳から離乳食へ転換するときは、いろいろな不安も多々あると思います。赤ちゃんの健やかな成長をサポートする場として、もっとたくさんの方に利用いただけるよう、適切な相談内容に見直しを提案するものです。お考えをお聞かせください。
次に、大学連携事業の成果と継続についてお伺いします。
昨年の特別枠で、大学連携事業が2つ計画されました。1つは、富山大学の芸術文化を学ぶ学生グループ等が、宿泊を通して、地域との交流で、砺波の暮らしの魅力を発信する散居村魅力発信事業、1つは、国際大学との連携による、提案型プレゼンテーションの実施により、県外交流人口、庄川温泉郷の滞在型宿泊人口の増加を目指す庄川峡魅力アップ事業ですが、その成果はいかがだったのでしょうか。
大学連携事業には難しい側面も多々あるのかもしれませんが、若い発想は、市の活性化に必要であると考えます。1年で簡単に結果が出るものではないと思いますので、次年度も継続して事業化されるとよいと思うものです。お考えをお聞かせください。
次に、小水力発電の積極的な取り組みについてお伺いします。
自然エネルギーへの関心が高まる中、砺波市の豊かな水を利用した小水力発電の開発が始まっています。昨年は、この小水力発電調査に220万円の予算が計上されていましたが、新年度予算では31万円に大幅減額となっています。
落差の少ないところでも、少ない水量でも発電できる小水力発電の開発が進む中、今後も、市として積極的に小水力発電開発に取り組んでいただきたいと思うものです。当局のお考えをお聞かせください。
次に、中学校教育振興費の中の研究指定校補助金についてお伺いします。
これからの学校運営には地域の力が必要になってきている中、地域の人を巻き込んだ学校支援ボランティアの活用についてはこれまでも取り組まれてきていますが、今回の予算に、地域と連携した学校支援ボランティアを考察した提案型の研究実践を行うということで予算化されています。この事業の目的と具体的な内容についてお聞かせいただきたいと思います。
最後に、予算をかけないで、砺波市の魅力アップを図る事業の予定についてもお聞かせいただきたいと思います。
現在も行われている市役所庁舎前のイルミネーションは、KIRAKIRAミッションで使用したものを再利用して行われています。このように職員の知恵と汗やおもてなしの心で、予算がなくても、砺波市の魅力アップを図ることはできます。予算がなくてもできる砺波市の魅力アップ事業の計画があれば、お答えいただきたいと思います。
大きい項目の2つ目として、公共施設の魅力アップについてお伺いします。
1つ目に、市内の公共施設の共通年間パスポートの発行を提案します。
市内に幾つかある公共施設の中で、四季彩館には年間パスポートがありますが、利用率は低迷しているようです。四季彩館の入場料は1回300円、年間パスポートにはチューリップフェア会場への入場が無料になる特典もついていますが、2,500円と高額で、お得感はあまりありません。65歳以上のシルバー世代は、入場料が1回240円と割引されていますが、年間パスポートには、シルバー世代を対象にしたものはありません。
市内には、四季彩館のほかに、砺波市美術館、庄川美術館、出町子供歌舞伎曳山会館、民具館などの公共施設で展示物を公開しています。それぞれの施設が趣向を凝らして企画展示をしておられるのをもっとたくさんの方に見ていただき、より砺波市を好きになってほしいと思うものです。砺波市を好きになっていただくことで、もう一つ上の砺波市につなげることができると考えます。
そこで、市民の皆さんに市内の公共施設をさらに利用していただく手だてとして、市民を対象として、市内の公共施設の共通年間パスポートを発行することを提案いたします。
共通年間パスポートを発行することで、相乗効果が出てくるため、入場者数が増加した例は他市にもあります。年間パスポートの料金はなるべく安価に抑え、シルバー世代のパスポートをつくるとか、女性を対象にしたパスポートをつくるなどの工夫で、市内の公共施設の入場数アップを図っていただきたいと思うものです。
また、四季彩館の展示のリニューアルを検討されているようですが、子どもたちが行きたくなるような魅力アップが図られる内容を期待するものです。お考えをお聞かせください。
次に、民具の活用と保管、展示についてお伺いします。
砺波市が誇る財産の一つである民具、約1万2,000点は、稲作業やそれ以外の農業、手工業、衣、食、住など9分野にきちんと分類され、1冊の本にもまとめられています。現在、旧出町小学校校舎、般若中学校旧寄宿舎、旧学校給食センターにばらばらに保管されているものを1つにまとめて保管されることとし、その保管場所として、耐震改修工事をされる庄東小学校の空き教室などを利用される予定のようですが、いい場所に保管できることになってよかったと思っています。
保管場所が決まったことで、これからの民具の活用や管理について提案をさせていただきたいと思います。
1つに、民具は、保管するだけでなく、見学が可能となるようにしていただきたいこと。2つに、高齢者施設に巡回展示などをして、活用すること。3つに、今後の民具の収集、保管について基準をしっかり決めることです。
1つ目については、庄東小学校内で、展示スペース等の整備を行う計画のようですので、期待するものですが、安全管理等に十分留意して取り組んでいただきたいと思います。
2つ目の高齢者施設での巡回展示というのは、高齢者の皆さんが、民具を見たり、さわったりすることで、昔のことを思い出し、話が弾み、生活に張りが出てくるという実例があることから、提案するものです。特別養護老人ホームや老人保健施設、デイサービスセンターなどに民具を巡回で展示することで、高齢者の精神的な健康を助長することが期待できます。高齢者施設における民具の巡回展示などについて御検討いただければと思います。
3つ目は、砺波市の民具は、その種類、数において、他に類を見ないものであることは承知していますが、よく似たような民具が複数もあることで、収納に苦心されてきたことも否めません。今後については、ある程度の保管基準を定め、新しい保管場所に見合うだけの保管数となるよう、きちんとした線引きを決められるとよいと思うものです。
以上、当局のお考えをお聞かせください。
大きい項目の3つ目として、人口増加対策としての婚活支援の取り組みについてお伺いします。
砺波市の人口は、平成19年の4万9,392人以降、微減で推移してきましたが、平成23年には、4万9,452人と前年比139人増となり、今年度に入ってからも外国人の人口が加えられ、525人増加したことなどもあり、今年1月現在で4万9,883人と、市長が目指す5万人の人口に限りなく近くなっています。しかし、増加の要因は社会増減によるものであり、平成21年から、自然増減はマイナスに転じ、平成23年もマイナス46人となっています。
ここ数年の出生数は減少しており、平成22年に437人、平成23年に416人となっています。また、婚姻数も平成21年の252組をピークに、平成22年、216組、平成23年、191組と減少傾向にあります。
婚活支援に行政が取り組むのはなじまないとよく言われます。確かにそうではありますが、では、なぜ他の自治体において、婚活支援活動が行われ始めているのでしょうか。それは、市が婚活に取り組むのはなじまないと言っていられる状況ではなくなっているからではないでしょうか。人口減少が深刻なお隣の南砺市や九州地方の自治体で、市を挙げての婚活支援活動が進められているのも、深刻な人口減少問題があるからだと思います。
砺波市は、おかげさまで各種の子育て支援施策が実を結び、人口減少は最小に抑えられていますので、人口増加対策は必要ないと考えておられるのかもしれませんが、深刻な事態に陥る前に取り組まなければ、間に合いません。最近、市内でも、商工会を中心とした婚活支援協議会が発足したようです。市は、その運営にかかわり、新年度予算で助成金も計上してありますが、どうも逼迫感が感じられません。もっと積極的な取り組みをお願いするものです。
隣接する南砺市や小矢部市など、婚活に力を入れている自治体と連携し、婚活イベントなどの情報提供を密にすることも必要になってきています。市としても、本腰を入れた積極的な対策をとっていただくために、婚活担当課の設置もしくは婚活支援チームなどが必要と考えるものです。当局のお考えをお聞かせください。
大きい項目の4つ目として、砺波市の表記についてお伺いします。
3月の広報となみに、間違って使われている砺波の「砺」についての対応を求める市長への手紙に対して、早速、各課に対して、「砺」の字の正しい字体の使用について留意するよう指示したと回答してありました。また、図書館の看板をつけかえるなど、早い対応をされましたことを高く評価したいと思っています。
この砺波市の「砺」の字の間違った表記は、公式文書などでもよく目にしてきました。中学校の卒業式や入学式などのしおりに間違った字が使われており、何度か正しくないことをお伝えしてきましたが、直されないままでありました。
例年どおりの資料作成作業の中で、気づかれずにそのまま使用されているケースは大変多いと思います。そもそもパソコンで「となみし」と打つと、この字も、この字も出てくるという、そういうところがあるために、市民を問わず、どちらも正しい砺波市の「砺」の字だと誤解をされてきたものだと思っています。
今回、市民の声を取り上げ、早急な対応をされた今、間違った砺波市の漢字がもう二度と使われないよう、砺波市の正しい表記を浸透させるため、さらに一歩進んだ対応を望みたいと思います。
1つ目として、夏野市長が目指す、もう一つ上の砺波市をつくり上げるために、砺波市という名前をブランド化し、砺波市という漢字を読めない人がいなくなるよう、あえて砺波という漢字を頻用することです。
砺波市の一大イベント、チューリップフェアも、「となみチューリップフェア」と読みやすいように平仮名表記となっていますが、これを、漢字を利用したものとし、ルビを振ることで、砺波という漢字のイメージの定着を図るとよいと思います。
2つ目としては、パソコンのソフト作成会社に、「となみし」の変換で、間違った砺波市の字が出てこないよう、正式に抗議するなどして認識を高めていただきたいと思うのです。
また、3つ目として、砺波市の「砺」の字はどうしてこの字でなければいけないのか、砺波市の名前の由来からさかのぼり、市民に周知することも必要であると思います。もちろん学校教育の現場でも、しっかり教えていただきたいと思います。夏野市長の見解をお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 大楠議員の御質問にお答えいたします。
まず、1項目めの1点目、実質公債費比率の見込みと今後の見通しについての御質問にお答えいたします。
先ほどの川岸議員の御質問の中でもお答えしたとおりでありますが、今回の国の補正予算により追加されます事業に充当される市債につきましては、通常より有利な補正予算債として、元利償還金の50%が後年度に交付税措置され、特に学校耐震化事業は、防災、減災のための事業として緊急防災・減災事業債が充当できることから、元利償還金の80%が後年度に交付税措置されるという有利な起債であります。
これらの起債によります市債の残高の増につきましては、市債の元金償還が始まります平成27年度までの実質公債費比率には影響を及ぼさないということになりますことから、平成24年度の実質公債費比率は、公債費負担適正化計画での当初計画より早期に18%未満の目標を達成できるというふうに見込んでおります。
なお、当然ながら、交付税措置がなされていない部分につきましては、実質公債費比率の算定に影響があるわけでして、元金償還が始まります平成27年度以降の実質公債費比率を1%弱上昇させるものと試算しております。18%を再び超えないように、市債発行に当たってこの点も留意していくこととしております。
次に、予算をかけないで魅力アップを図る事業という点についてお答えいたします。
砺波市には、全国に誇りますチューリップですとか、四季折々の散居景観を初めとして、豊かな自然と多くの魅力的な観光資源がございます。また、住んでいる方々は少し控え目なところもございますが、地域のつながりがまだ残っておりまして、外から来た人へのおもてなしの心もあるというふうに考えております。
このように予算をかけないでも、自然や人情などの魅力を発信することにより、定住や交流人口が増え、住みたいまち、また、魅力あるまちとしての砺波の魅力アップにもつながっていくのではないかというふうに思います。
現在、市独自で行っている各種の事業の中で、全く予算をかけないで行っているものというものは基本的にはないわけでして、ただ、いろんなイベントがございます。例えば庄川の水まつりですとか、先ほども御紹介がありました、昨年初めて若者たちによって行われましたKIRAKIRAミッションなどの事業は、例えば材料費などの経費は市のほうで負担しますが、作業ですとか運営などにつきましては全て市民の方、ボランティアの方で行われるという形になっておりまして、このような市民と一体となった事業というものが今後ますます増えていくことによりまして、ある意味、予算をかけないでという部分につながるのかもしれません。
先ほどありましたように、また、市の職員がいろいろと知恵を出してくれることもあわせて期待しているところでございます。
それから、2項目めのうち、1点目の共通年間パスポートについての御質問にお答えいたします。
市内には四季彩館を初めとして、砺波市美術館などのさまざまな有料展示施設がございます。新たな共通年間パスポートの導入に当たっては、入場者の利便性の向上ですとか、入場料金の割安感など、多くの利点があるものと考えられます。
ただ、パスポートを実際に導入するためには、現状を踏まえた課題を整理する必要があります。
現在、各施設の入場料は、市直営ではなくて、それぞれの指定管理者の収入として料金収納されております。また、各施設で開催されます特別企画展の展示内容によりまして、入場料も大きく変わるということもございます。このようなことから、共通の年間パスポートを導入するには、料金の設定方法、例えば常設だけ入れますというふうにするとか、そういうような料金の設定方法ですとか、指定管理をしている団体への入場料の配分の割合ですとか、さらには入場料収入が減少した場合の指定管理料の補填的な考え方、また、当然ながら費用対効果などのさまざまな課題がございます。ただ、チューリップフェアの際の共通入場券のケースなどもあります。そういうようなことをベースに勘案できないかということ、それから、既に導入されております先進地のいろんなケースなどの調査も含めて、研究していきたいというふうに思っております。
次に、四季彩館のミュージアム部分のリニューアルにつきましては、四季彩館が平成8年にできまして17年が経過しているということから、展示内容の見直しが必要ではないかと考えられております。
そういうことから、新年度に、学識経験者、市民の代表者、それから、行政関係者も含めまして構成いたします、(仮称)四季彩館展示改装検討委員会というものを設置して、チューリップのまち砺波のミュージアムにふさわしい展示となるように鋭意協議していきたいというふうに考えております。
最後に、4項目めの砺波市の表記についての御質問にお答えいたします。
せっかくの機会でございますので、砺波市の「砺」の文字につきまして少し御紹介させていただきたいと思います。現在、一般的に使われております砺波市の「砺」の文字ですが、これは、昭和29年の合併で砺波市の市制が施行されたことにより、官報ですとか県報に掲載され、初めて使用されました。それまでは旧字体が使用されていたわけでございまして、東礪波郡、西礪波郡の、礪波郡の「礪」は、古い旧字体のままでありました。砺波市だけがこの字を使ったということでございます。
また、砺波市の「砺」の文字には、「研ぐ」とか「磨く」とか「励む」とかいう意味がございます。先般、台北駐大阪経済文化弁事処に行きまして、私が名刺を見せたところが、これは切磋琢磨するという字だからすごくいい字だと言われました。まさに、「ひとつ上の“となみ”」を目指すという点におきましても、誇らしく、大変ふさわしい文字ではなかろうかというふうに思います。
文字の右側の、先ほど申されました、間違いやすいと言われますつくりの部分でございますが、これは旧字体では「トグ」と読むそうでございまして、がんだれでございます。すなわち、漢字が持つ意味とか旧字体を考えましたら、当然、つくりの部分はがんだれということでございまして、がんだれの書き順は、左から右に「一」を書くことからスタートするわけです。右上から左下に向けての払いではなく、左から右に「一」の字を書くことから始まりますので、この機会に改めて市民の皆さんにも御理解をいただいて、少なくとも砺波市民として、誤った文字を書かないようにということについて留意いただきたいというふうに思います。
議員からも幾つか御提案もございました。
まず、チューリップフェアにつきましては、子どもから大人まで楽しめるイベントだということ、それから、柔らかい印象の平仮名の「となみ」を使用することが、砺波市のイメージアップにつながってきたという経緯もございます。また、正直申し上げまして、平仮名を使った文字が既に定着していることもありますので、当面は、現状どおりで行きたいというふうに思います。
しかし、チューリップフェアに限らず、各種のイベントや観光ポスター、パンフレット等におきまして、全国に、砺波市という漢字を発信する機会がございますので、ルビを付した漢字の使用について研究してまいりたいと思います。
逆に、私は、名刺にあえて振り仮名を振っておりません。これを見せることによって、これは何と読むのかと言われて、これは、「となみ」と読むんだというふうに言っていました。いろんなやり方があるのかなとも思います。
また、パソコンのソフト会社に対しても、抗議ということもありますが、正しい文字の使用について提案していきたいというふうに思っております。市民の皆さんにも、変換するときによくチェックしていただいて、パソコンソフトに入っている文字も間違ったほうを使わないように御留意いただきたいと思います。
市民への周知につきましては、各種の広報やホームページ、ケーブルテレビなどのさまざまな広報媒体を使用しながら、今後とも、機会を捉えて周知を図ってまいりたいというふうに思います。また、もとより市の事業においても、誤った文字を使わないよう、全庁的に周知を図りました。
また、市内の小中学校に対しても、児童生徒に対して正しい文字を理解してもらうために、教育委員会のほうから各学校へ改めて指導していただくようお願いしてまいりたいと思います。
私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては、教育長及び担当部長からお答えさせていただきます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
教育長 舘 俊博君。
〔教育長 舘 俊博君 登壇〕
◯教育長(舘 俊博君) 私からは、1項目めの2点目のうちの中学校教育振興費についての御質問にお答えをいたします。
お尋ねのありました、地域と連携した学校ボランティアを考察した提案型の研究実践事業につきましては、市単独の研究指定校事業として平成22年度からスタートしまして、市内の小中学校、各1校を2カ年継続指定して行っているものでございます。中学校では、平成24年度から般若中学校を指定しております。
この事業の狙いは、地域が持っております教育力や学校支援への思いを取り入れて、学校教育のさらなる充実に資することや地域の方との交流を通しまして、教育活動への理解を深めていただくことで、地域に開かれた学校づくりを推進しようとするものでございます。
具体的には、地域の方から学習サポーター等を募集し、自主学習時に生徒からの質問に対するアドバイスや相談等の支援を行ったり、また、地域の方を講師に招き、地域を学ぶ教室を開催したりするなど、地域の実態に即した学校独自の取り組みを行うものでございます。
ちなみに平成24年度の取り組みといたしましては、放課後や夏休み期間中に自主学習教室を開催しまして、予習、復習、各自が持参した学習教材、宿題等、自主学習中の生徒からの質問や相談等の学習支援を行っております。
次に、2項目めの公共施設の魅力アップについてのうち、2点目の民具の活用と保管、展示についてお答えをいたします。
御質問にありましたとおり、現在、市では約1万2,000点の民具等を収蔵しており、そのうち旧出町小学校校舎には、主に農耕具など約3,000点を、旧般若中学校寄宿舎には、日常生活品などを中心に約7,500点を保管しております。また、となみ散居村ミュージアム民具館では、約1,500点を展示しているところでございます。なお、これらの民具約12,000点のうち5,528点につきましては、貴重な民俗資料として、平成19年6月に市の有形民俗文化財に指定されております。
そこで、大楠議員からの3点の御提案のうち、まず1点目の民具を保管するだけでなく、見学も可能となるようにしてほしいとの御提案につきましては、庄東小学校の空き教室を3階フロアに集約いたしまして、そのフロア全体を収蔵保管スペースと展示スペースに区分した上で、職員を配置し、安全管理に配慮しながら、誰もが見学できるよう整備してまいりたいと考えております。
次に、2点目の高齢者施設への巡回展示の御提案でございますが、市の保管する民具等につきましては、これまでもとなみ散居村ミュージアム民具館を中心に、市役所の玄関フロアや庄川支所などにおいて展示に努めてきたところでございますが、御提案の高齢者施設への巡回展示につきましても、収蔵民具の積極的な活用の機会として、施設管理者の要望なども調査した上で、前向きに検討してまいりたいと考えております。
次に、3点目の今後の民具の収集、保管についての基準を設けることについての御提案でございますが、御存じのとおり、砺波郷土資料館は、昭和58年に開館して以来、その中心となって砺波地方の民具の収集と保存に努めてきたところでございます。たとえ同じ形式のものであっても、製作者によって工夫があったり、あるいは使用者の手で使いやすいように改良されていたりすることから、既に収蔵している民具と同種のものであっても積極的に収集してきた経緯がございます。
しかしながら、議員御提案のとおり、民具の保管スペースに限りがあることや良好な状態が保たれていないものもあることなどから、今回の民具移転を機にいたしまして、今後の民具等の収集、保管のあり方につきまして、文化財保護審議委員会の御意見も賜りながら検討してまいりたいというふうに考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
企画総務部長 齊藤一夫君。
〔企画総務部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯企画総務部長(齊藤一夫君) 私からは、大楠議員御質問のうち、平成25年度予算編成の中での小水力発電の積極的な取り組みについて、それと、婚活支援の取り組みについての2項目についてお答えをいたします。
最初に、小水力発電の積極的な取り組みについてお答えをいたします。
砺波市内における小水力発電につきましては、県営安川発電所が、昭和62年に全国に先駆けて運転開始したほか、最近では、庄川合口発電所や庄発電所のように、それぞれの目的や使途にあわせて、さまざま形で取り組みが行われております。
しかし、小水力発電とはいえ、このような100キロワットを超えるような比較的大規模なものは、初期投資も非常に大きく、維持管理にも相当の経費を要し、また、水利権の制限もなく、自由に使用できる自前の水利を持たない本市といたしましては、なかなか事業化が困難となっております。
したがいまして、幹線用水の水利を利用した小水力発電につきましては、今後におきましても用水土地改良区や県企業局で取り組まれるものと考えております。
そうした中で、市としての取り組みについては、例えば災害時での避難所において、多元的に電力が確保できるようなマイクロ発電とかピコ発電と呼ばれる小規模なもので、いわば電力の地産地消といったものが実践できないか、あるいは南般若地区において開発され、改良を重ねて全国に広まったとされるらせん水車を教育の一環として活用できないかなどについて、現在、検討をしているところであります。
具体的には、石川県立大学の瀧本准教授と連携し、本年度においては、市内の用水路のうち鷹栖口用水における包蔵水力調査を行い、小水力エネルギーの潜在能力を算定するとともに、利活用ポイントの調査を進めているところであります。
また、チューリップ公園の水車苑において、来訪者にマイクロ発電の実演をごらんいただき、再生可能エネルギーへの関心を持っていただくことができないかについても、専門業者のアドバイスを求めながら、検討を進めているところであります。
なお、平成24年度当初予算に計上した際は、比較的大規模な発電事業を想定していましたが、現状では大きな出力の発電は容易ではないことから、新年度予算では減額となったものであります。
一方で、耐震改修を進めている庄川小学校では、敷地内の落差水利を利用した教育目的の活用を検討しており、また、らせん水車ゆかりの地であります砺波東部小学校敷地に設置されているらせん水車についても、本年度中には、さらに水利権処理の手続が簡略されるとも伺っておりますので、教育目的での利活用を検討してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、現下のエネルギー事情を考慮しますと、再生可能エネルギーへの関心はますます高まってくると想定されますので、今後とも幅広い研究を深め、本市の豊かな水利の活用策を検討してまいります。
次に、婚活支援の取り組みについてお答えをいたします。
近年、少子高齢化が進んでおり、その一因として晩婚化、未婚化が挙げられております。
このような中、本市では、民間による婚活を支援する取り組みが進められており、独身男女に出会いの場を提供するとともに、地域の活性化を図るイベントが開催されております。
JAとなみ野では、本年1月19日に、県西部在住の男女約120人がチューリップ四季彩館に集まり、15組のカップルが誕生したと聞いております。また、2月17日には、砺波商工会議所によるまちコンが開催され、JR砺波駅周辺の飲食店35店を会場に、独身男女120人が参加し、大変好評であったと伺っております。さらには来る3月17日には、砺波広域圏事務組合による若者定住促進事業においても、同様に男女の出会いの場を提供するパーティーが開催されます。
このように、いろんな団体やグループがさまざまな婚活イベントを実施されることは大変喜ばしいことであり、市においてはそれぞれの事業に対し、所管する担当課において支援をいたしております。
また、このような中、一歩踏み出す形で、砺波商工会議所の主催による婚活応援組織となみおせっ会が設立されるとともに、その業務をサポートする砺波市婚活支援協議会が今月末に発足予定と伺っております。
市といたしましても、若者の定住化促進や後継者の育成を図る目的に賛同し、できる限りその活動に対し支援を行うとともに、協力をしてまいりたいと考えております。
そこで、御質問の婚活支援担当課の設置につきましては、当面は企画調整課を窓口として支援をしてまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
私からは以上であります。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 川原國昭君。
〔福祉市民部長 川原國昭君 登壇〕
◯福祉市民部長(川原國昭君) 私からは、1項目めのうち、2点目のアの乳幼児栄養相談の充実についての御質問にお答えをいたします。
母乳育児の重要性につきましては、議員御指摘のとおりでございます。
御指摘の数値で見ますと、確かに当市の母乳のみでの育児比率は、県よりも低いものでありますが、あわせて母乳と人工乳との混合での育児の比率を加えますと、県平均とも遜色なく、超えている状況となっております。
また、母乳と人工乳の混合栄養であっても、子どもの免疫獲得は可能でありますし、そのような育児であっても、母と子のスキンシップを図ることは十分可能と考えております。
御発言のとおり、母乳のみでの育児ができれば、それにこしたことはございませんが、個々の事情でできない方も考えられることから、今年度から、育児相談のメニューに母乳の相談日を設け、それぞれの母親に合った母乳育児を進めるよう支援していることなど、さらに積極的に広報してまいります。また、産科がある医院の協力も得ながら、母乳育児推進の取り組みを充実してまいりたいと存じます。
次に、離乳食相談会についてでございますが、まず、この事業の目的について申し上げますと、個人差がある離乳食の導入期について相談会を開催することで、保護者が安心して子どもの食事を進めることができ、今後の食事に見通しを持てることを目的としております。
このことから、昨年度まで対象者を8カ月児としていましたが、今年度から、より適切な時期対応を図るものとし、離乳食の開始に不安や悩みを抱えている満6カ月児とその保護者に変更したものであります。また、事業内容も、栄養に関する集団指導、離乳食の初期、中期、後期に応じた試食、個別相談とし、昨年度まで実施していた問診、計測については、その他の多くの乳幼児健診の機会を御利用いただくことで適切に対応するものとし、事業目的である離乳食相談にしっかり取り組めるものとしております。
議員御指摘のとおり、昨年度に比べ事業への参加率が減っておりますが、参加者からは、離乳食について詳しく聞けてよかった、離乳食の進み方がわかってよかったという意見を多くいただいていることから、事業方針については適切であると考えております。
その上で、平成25年度は、健康カレンダーのレイアウトで教室を案内するスペースをカレンダー中央に移動するなど、目のつきやすい工夫をしており、今後とも、より多くの方に情報提供ができるよう、新生児訪問や3カ月児健診等の機会も通じ、今まで以上にこの教室の周知を図って、参加者の増につなげていきたいと考えております。
なお、離乳食を初め、子どもの食事につきましては個別に対応する必要が多くあります。このため、毎週、健康センターで行っております育児相談でも、今年度より栄養士をスタッフとして配置する日も設けておりますので、この活用につきましても積極的に広報してまいりたいと存じます。
私からは以上でございます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
商工農林部長 八田俊伸君。
〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕
◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、1項目めの2点目のうち、大学連携事業の成果と継続についての御質問にお答えいたします。
まず、散居村魅力発信事業につきましては、富山大学芸術文化学部への委託事業であり、内容としては、砺波の建築、食、民具など、散居村の魅力を全国に発信するものであります。
具体的には、市内の空き家や郷土料理、収蔵民具などについて、NPO法人砺波土蔵の会や卯月の会などの地域の方々の協力のもと、調査研究していただいたところでございます。
富山大学からの10月の中間報告では、保存すべき価値のある空き家が存在することや民具を現代の生活用品として活用することなどについて調査研究を進められており、事業の成果として、提言を含めた報告書を提出していただくことになっております。
この報告書につきましては、砺波市空き家再生等推進協議会が主体となって現在進めております、散居村の魅力を活用した空き家利活用事業を展開する際の参考にしてまいりたいと考えております。
なお、今回の事業に参加した学生グループからは、今後も散居村の魅力について調査研究してみたいとの意欲ある言葉をお聞きしておりますので、引き続き情報の共有を図ってまいりたいと考えております。
次に、大学連携庄川峡魅力アップ事業については、砺波市観光振興戦略プランに基づき、庄川峡、庄川温泉郷の魅力を全国へ発信し、誘客及び交流人口の拡大を図ることを目的に富山国際大学と連携して実施したものでございます。
内容は、富山国際大学の学生36名が9班に分かれて、4月から7月にかけて現地調査及び観光体験などを行い、庄川峡観光協同組合との意見交換会を経て、昨年7月に、庄川温泉郷活性化計画として発表されたものでございます。
発表内容は、若者の視点から捉えた斬新な意見や観光企画などが提案されたところであり、庄川峡観光協同組合では、この提言をもとに、さらにブラッシュアップを行い、昨年12月に庄川温泉郷活性化ビジョンを発表され、今後の活性化の施策を示されたものでございます。
市といたしましては、平成25年度に、この活性化ビジョンに基づき実施される庄川流域観光ナビゲーションアプリの制作などに支援してまいりたいと考えております。
なお、本事業における今後の大学連携については、必要に応じまして意見交換や情報共有を図ってまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(飯田修平君) 4番 島崎清孝君。
〔4番 島崎清孝君 登壇〕
◯4番(島崎清孝君) 皆さん、お疲れさまでございます。きょうのトリでございます。もうちょっとお互いに頑張りましょう。
前回は、全ての答弁を夏野市長にお願いいたしましたが、今回は、各部門に回答をお願いしております。ぜひ、もう一つ上の、質の高い答弁をお願いしたいと思います。
それでは、通告に従いまして、以下、大きくは4項目の質問をいたします。
初めに、本市のごみ減量化の取り組みについてお尋ねをいたします。
クリーンセンターとなみにおける可燃ごみの焼却量は、近年、市内からの搬入量が増加傾向にあることに加え、昨年10月1日から、南砺リサイクルセンターの稼働停止に伴い、その一部を受け入れていることなどから、処理実績は1日当たり65トンにも上っています。
したがって、設備のフル稼働に伴う炉壁、排ガス設備の劣化がこれまで以上のスピードで進み、処理能力が半減するリスクが高まっています。
加えて、低位発熱量は平成3年度の実績を100とすると、平成22年度が134%、平成23年度が144%、平成24年度の現時点での実績が154%と、年を追うごとに高くなっております。
したがって、設計カロリーを大幅に上回っていることから、炉の負担軽減を図るためにも、設備の公称能力を大きく下回る処理スピードを余儀なくされ、作業効率が著しく低下をしています。また、可燃物の高カロリー化が進む主な要因として、ビニールや合成樹脂といった高分子系可燃ごみの組成比率が高く、紙類等の比率が思うように下がらない実態なども合わせまして、クリーンセンターとなみに搬入される可燃ごみの分別がまだまだ十分とは言えない実態にあります。こうしたことから、現状のまま放置をすれば、近い将来、深刻な時代をも招きかねません。場合によっては、ごみ減量非常事態宣言の発令をも視野に入れた、可燃ごみの半減に真剣な取り組みが必要かと存じます。
さて、環境省がまとめた平成22年度の一般廃棄物の排出及び処理状況の調査結果では、1人1日当たりのごみ総排出量は、全国平均で976グラム、また、富山県の平均は956グラムであります。これに対し、本市の実績は819グラムと、全国平均を157グラム、率にして16%下回っています。
しかし、平成23年度以降は、増加傾向にあることに加え、直接焼却量のウエートが高く、田園都市といった環境や人口規模を勘案しますと、ごみの発生自体を減らす政策への転換、いわゆるゼロ・ウェイストの実現に向け、さらなる燃やさない、埋め立てない取り組みが必要かと存じます。
全国の人口10万人以上50万人未満の都市の中で、1人1日当たりのごみ総排出量が643グラムと、リデュースナンバーワンを誇る静岡県掛川市では、3Rに、リフューズ(必要のないもの、無駄なものを断る)を加えた4つのRを合い言葉にして、ごみの減量に取り組むとともに、各家庭では、市が材料費を補助する市民手づくりの生ごみ処理機などを活用したごみ減量化に取り組んでいます。
また、第2位の東京都小金井市では、小金井市廃棄物減量等推進審議会を年5回開催し、直近のデータをもとにタイムリーな施策を展開。結果、1人1日当たりのごみの総排出量667.8グラムを達成するなど、それぞれ特徴ある取り組みを展開しています。
そこで、本市のリデュース、ごみ減量に対する今年度の取り組みの総括並びに平成25年度の数値目標及びそれを達成するための主な取り組み計画をお尋ねいたします。
さて、可燃ごみの分別が一定程度進んでいる都市では、家庭から出されている燃えるごみの50%以上が生ごみであり、その80%が水分であるとの分析結果が出ています。
生ごみ処理容器を購入した場合、その購入費の一部を補助する砺波市生ごみ処理容器等購入費補助金制度がありますけれども、本市の助成金額の上限を全国と比較をしますと、決して高いレベルにあるとは言えません。核家族化が進展し、世帯数が増加している本市の特徴を踏まえ、家庭から排出される生ごみの減量化に対する具体的な施策展開をお尋ねいたします。
次に、リサイクルについてお尋ねいたします。
本市のリサイクル率は16.5%と、全国平均の20.8%、富山県の平均20.5%を4ポイントも下回る、全国812市区中557位と低いレベルにあります。リサイクル率ナンバーワンの岡山県倉敷市が47.8%、2位の神奈川県鎌倉市が46.5%、3位の東京都調布市が46.2%ですから、本市としては、まだまだ改善のスピードを上げなければなりません。
これらリサイクル率が上位にある都市に共通するのは、クリーンセンターにおける家庭ごみの組成調査を定期的に行い、その結果を市にフィードバックし、市は、いろんな機会、媒体を通して、市民に分別の徹底を呼びかけていること、また、最近の傾向としては、雑紙類を各家庭でしっかり分別して、可燃ごみとして出さないことの徹底や家庭で剪定された枝木をごみに出すことなく、堆肥化できるようチップ化する事業の展開など、徹底した資源化を推進しています。
本市のリサイクルの推進に対する取り組みの現状、並びにリサイクル率向上のための平成25年度の主な取り組み計画をお尋ねいたします。また、最近の家庭ごみの組成調査による本市の可燃ごみの特徴、課題等についてもお示しをいただきたいと存じます。
次に、事業系ごみの排出抑制についてであります。
平成22年度の調査結果では、本市の生活系ごみが8,696トン、59%、事業系ごみが4,767トン、32%、集団回収が1,310トン、9%となっており、全国平均との比較においては、事業系ごみの比率が6ポイント上回っています。
クリーンセンターとなみに持ち込む事業系可燃ごみに対する具体的な抑制策をお尋ねいたします。
次に、使用済み小型電子機器等の再資源化促進についてお伺いいたします。
環境省によれば、1年間に使用済みになる小型家電には、重量で約28.4万トン、金額にして874億円もの資源価値のある金属が含まれているとの試算をしています。しかし、その多くがリサイクルをされずに、廃棄・埋立処分をされ、家庭に眠ったままになっているというのが現状です。
昨年8月、国会において、使用済み小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律の施行令案が示されました。法律では、国の責務として、小型家電のリサイクル促進に必要な予算の確保や技術開発の推進を規定しており、回収業務を担う地方自治体には、国が認定するリサイクル業者に引き渡す努力義務を課すというものであります。
砺波市として、使用済み小型家電のリサイクル促進を今後どのように取り組んでいかれるお考えなのか、当局の見解をお尋ねいたします。
次に、大きな項目の2点目に、子ども・子育て新システムについてお尋ねをいたします。
子ども・子育て新システムにつきましては、急速に少子化が進行する中、出産前から小学校入学後まで、切れ目なく子どもと家庭を応援する社会の実現に向けての制度として構築されたものであります。
昨年8月に、子ども・子育て支援法として可決、成立したものであります。この新システムは、消費税率を10%にするとされている平成27年10月1日の翌年4月1日までに本格実施されるものであり、社会保障と税の一体改革における消費税引き上げ分の一部、約0.7兆円に税制抜本改革以外の財源も合わせて、計1兆円程度を原資とする制度改革であります。
具体的には、認定こども園、放課後児童クラブ、地域子育て支援拠点、児童養護施設等の量的拡充を図るなど、実施主体である各市町村が、国、都道府県等と連携をしながら、自由度を持って地域の実態に応じた制度設計を行うことが可能となることから、大きな効果が期待をされています。
そこで、誰もが子育てしやすい砺波の実現に向け、今後、どのように取り組みを行っていかれる予定であるのか、新システムへの対応スケジュール等もあわせて当局の考えをお尋ねいたします。
また、新システムでは、保育所などに入所するためには、保育の必要量が認定されなければなりません。
保育所必要量の認定は、長時間、短時間の2区分があり、それぞれ何時間の保育になるのかは今後、政省令等で決められるとのことであります。この保育必要量の認定に対し、保護者の皆さんは、新システムでは、子どもを預ける時間が短くなってしまい、これまで保障されていた朝から夕方まで、1週間を通しての保育が受けられなくなる。あるいは認定時間を超える保育の利用により、保育料の負担が大幅に増える。さらには、子どもの在園時間がばらばらになりかねず、生活のリズムが保てないばかりが、行事の準備など、集団保育が保障されなくなるといった懸念を抱いておられます。こうした課題に対する市の認識をお尋ねいたします。
次に、大きな項目の3点目、防災対策のうち、災害時医療体制についてお尋ねをいたします。
南海トラフを震源域とする巨大地震で、最大32万人もの方が亡くなる可能性が指摘をされています。富山県下においても、県が、一昨年6月に発表した呉羽山断層帯の調査結果では、予想されるマグニチュードは7.4。これによる建物の全壊が9万400棟、半壊が27万4,000棟、死者数4,300人余りを想定。これまでの調査結果に比べ、建物の全壊被害がおよそ2.6倍、死者の数においてはおよそ3倍に引き上がりました。本市にとって、最も被害が大きいとされる高清水断層の被害想定調査は実施をされてはいませんけれども、ほぼ同程度と伺っております。
したがって、減災により死者を1人でも減らす対策は急務でありますし、中でも負傷された方々に効率よく、最も効果的な医療を提供していくための体制づくりは極めて重要であると思います。
そこで、震災時、負傷者の重症度、緊急度に応じた診療体制を具体的にどのようにお考えなのか、当局の見解をお尋ねいたします。
また、震災時の医療体制は、日ごろから市民にとってわかりやすく、有事の際には、限られた医療機関や医療従事者の力が最大限、かつ効果的に発揮できるものでなければなりません。計画そのものが、本当に機能する、実践的なものでなくては何の意味もなさないということであります。より実践的な医療体制とするための今後の取り組みをお尋ねいたします。
質問の大きな項目の最後に、インフラクライシス、公共構造物の危機についてお尋ねいたします。
日本の社会資本ストック額は、既に2003年度で698兆円に達し、現在では700兆円を優に超え、国民1人当たり約600万円に相当する金額だと言われています。
1960年代の高度成長期に大量に建設された日本のインフラ、それから50年が過ぎ、老朽化は静かに、しかし、急速に進行をしています。
昨年12月2日に発生した中央自動車道笹子トンネルでの天井崩落事故は、9人の犠牲者を出す大惨事となるなど、リスクは高まるばかりであります。
各自治体では、アセットマネジメントの考え方を取り入れた予防保全型の維持管理に移行する。あるいは長寿命化修繕計画を立案し、これに従って、維持管理、更新を進めていくといった取り組みが増えているようであります。
本市においても、今後、耐用年数の到来とともに、維持管理や更新を必要とする時期を一斉に迎えることになり、人口減少や少子高齢化、厳しい財政事情の時代にあって、大きな課題となってきます。
そこで、本市が管理する主な公共設備について、老朽化の現状と問題点、適切な公共サービスを提供するための維持管理の基本となる考え方をお尋ねいたします。
質問の最後に、神奈川県の秦野市は、2009年10月に公表した秦野市公共施設白書におきまして、箱物の公共施設を総点検して、老朽化の現状を明らかにするとともに、市民に結果を公表し、今後、40年間の維持更新に係る財源を試算。その結果、公共施設全体の総床面積を40年かけて、全体の約31%を削減する方針を決定しています。
選択と集中で、将来にかけても市民の安全と良好なサービスを提供するために、公共施設再配置計画検討委員会を設置し、大胆な維持、更新を進めており、全国の注目を集めています。こうした秦野市の取り組みに対する御所見をお伺いするとともに、本市公共施設の維持、更新に対する基本の考え方をお尋ねして、私の質問を終わります。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 島崎議員の御質問にお答えいたします。
私からは、2項目めのうち、1点目の本市の子育て支援計画についての御質問にお答えいたします。
誰もが子育てしやすい砺波の実現に向けての子ども・子育て支援計画の策定スケジュールにつきましては、具体的には、国において、本年4月に設置されます、子ども・子育て会議で示される基本指針の内容を検討しながら、今後、現行の次世代育成支援行動計画の再評価を行うなど、新しい子ども・子育て支援事業計画の構成について検討していくことになります。
また一方で、国が示します、市町村子ども・子育て支援事業計画の策定に向けたニーズ調査票に検討を加えまして、年内に本市の状況について調査を実施いたしまして、その結果をもとに、教育、保育、地域子ども・子育て支援事業の量の見込みというものを算出することになります。
市では、これらの状況を踏まえまして、平成25年度中を目途に、保育の必要性の支給認定基準ですとか、地域子ども・子育て支援事業の基準などについて定めてまいりたいと考えております。
なお、平成26年度には、それらの基準を条例で定めることとされておりますことから、今のところ、早ければ平成26年の9月定例会までに、できれば提案してまいりたいと考えております。
このように短期間に多くのことを決めていく必要がございますので、市といたしましても、これらのことを検討する砺波市版の子ども・子育て会議を平成25年度の早い時期に設置して、広く市民の皆様の御意見をいただき、誰もが子育てしやすい砺波の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては、担当部局長からお答えをさせていただきます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
企画総務部長 齊藤一夫君。
〔企画総務部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯企画総務部長(齊藤一夫君) 私からは、もう一つ上の質の高い答弁になるかどうかはわかりませんが、島崎議員の御質問のうち、インフラクライシスについての2項目め、公共施設の維持、更新に対する基本の考え方についてお答えいたします。
本市の公共施設の維持、更新につきましては、建物の改修、改築が必要な場合、その都度、改修内容に応じた費用を計上し、総合計画5カ年実施計画に組み入れ、対応をしてきております。
公共施設全体の更新計画については、現在、策定をしておりません。
しかしながら、本市の公共施設も老朽化が進んでいるものが増えてきており、計画的に公共施設全体の整備や維持管理を行う計画の策定が必要と考えております。
その中で、神奈川県秦野市の取り組みにつきましては参考となる点もありますので、今後、公共施設の一元管理を行う営繕課の新設も含め、施設の維持、更新の方策について検討してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 川原國昭君。
〔福祉市民部長 川原國昭君 登壇〕
◯福祉市民部長(川原國昭君) 私からは、1項目めのごみ減量化の取り組みについての御質問、各点にお答えいたします。
まず、1点目のリデュースの推進についてでございますが、議員冒頭の御発言を踏まえましても、ごみの減量化に最も効果的であるのは、リデュース、ごみを減らすことでございます。
また、ゼロ・ウェイスト運動につきましても、近年の重要な視点であり、当市の状況であります人口の社会流入、世帯分離の傾向を考えますと、特に大量消費社会に育った世代以降のリデュース意識をいかに高めていくかが重要と考えております。
そこで、今年度の取り組みといたしましては、市広報、市ホームページ、出前講座等におきまして、ごみになるものを買わない、もらわない、分別の徹底、減量化、資源化の手法を紹介してきたところであります。
しかしながら、4月の暴風被害による廃材の処理、世帯数の増加、野焼きの減少などにより、今年度のごみの排出量は前年度対比6%増となり、1人1日当たり870グラムとなる見込みであります。
平成25年度の排出量の目標数値につきましては、一方で、新たにクリーンセンターとなみへ直接持ち込みできる木くずの大きさを、最大太さ10センチ以下かつ長さ2メートル以下と緩和することにしておりますことなど、引き続き増加要因があるものの、今年度の排出量以下となるよう、努めてまいりたいと考えております。
今後の取り組みにつきましては、まず、4月号の市広報に合わせ、家庭ごみの分け方と出し方について折り込みチラシを全戸配布し、これを掲示していただくことで、ごみの分別の徹底について理解いただき、一層の減量化につなげていきたいと考えております。
また、引き続き市のホームページ、ケーブルテレビ及び出前講座等でPRを行い、ゼロ・ウェイスト運動も取り込みながら、市民の方々に、ごみ減量化を啓発してまいりたいと考えております。
次に、生ごみの減量化についての御質問にお答えいたします。
議員御指摘のように、生ごみは家庭から出される燃えるごみの約半数を占めており、砺波市のごみの特徴と言え、水切りの徹底、資源化が重要であると考えております。
このため、当市では、生ごみ処理容器等購入費補助を導入し、生ごみの家庭ごみとして排出される量の減量化、あわせて資源化を図っているところであります。補助金の上限額につきましては1万円としておりますが、全国的な動向も調査しており、家庭ごみの排出量が少ない範疇に属しております当市にとりまして、適切な金額であると思っております。
なお、補助実績につきましては、平成22年度は13件、平成23年度は21件、今年度は2月末現在で43件と、年々増加しておりますことも御理解いただき、今後も事業のPRと生ごみの出し方のマナーの周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目のリサイクルの推進についての御質問にお答えをいたします。
ごみの資源化、リサイクルの推進を図る上で、分別の徹底が最も重要なことであると思っております。市では、これまでも分別の徹底を周知しており、ごみ排出量は他自治体に比べ、少ない状況にございます。
そこで、ごみの組成調査でありますが、ごみ袋を半透明とし、氏名の記入をお願いしていることから、責任の明確化とプライバシー保護を考慮し行わないこととしておりますが、今後、ごみの排出量が著しく増加した場合には何らかの手法も検討したいと思います。
当市のリサイクルの取り組みにつきましては、有価物回収に奨励金を交付し、新聞、雑誌等の資源化を推進しておりますが、今年度より、新たに江ざらい土砂の資源化を行い、リサイクル率のアップに努めたところであります。
なお、当市の家庭ごみの特徴としましては、剪定枝などが多いことであり、さらに剪定枝などの野焼きが減少し、燃えるごみとして出されるケースが増えております。市といたしましては、この剪定枝などの対処につきまして、今後、新しいごみ焼却施設の建設に当たり、資源化等について調査研究してまいりたいと考えております。
また、平成25年度の主な取り組みといたしましては、先にお答えいたしましたとおり、家庭ごみの分け方と出し方のチラシの配布などにより、リサイクルの推進をさらに徹底してまいりたいと考えております。
次に、事業系のごみの抑制策についての御質問にお答えいたします。
事業系ごみの割合が全国と比較して多いことにつきましては、当市の規模として、農、工、商の事業規模が拡大していることや、近年、大型商業施設やコンビニエンスストアが立地していることで、事業系ごみが増加傾向にあるものと考えております。
そこで、クリーンセンターとなみでは、これまでも事業者に対して、2年に1度行う事業系一般廃棄物の搬入届け出書の提出の際に、ごみ減量化について依頼しているところであります。
しかしながら、依然として、近年、事業系ごみが増加傾向にあることから、クリーンセンターとなみでは、この3月中に、全ての事業者に対して、事業系一般廃棄物の減量化についての通知を送致するとともに、排出量の多い事業所に直接依頼に出向くなど、一層の減量化を推進することといたしております。
最後に、3点目の使用済み小型電子機器類の再資源化促進についての御質問にお答えいたします。
御承知のとおり、当市では、県内でも先進的に取り組んできたわけでありまして、平成22年5月から、県下に先駆けて、使用済み小型家電の回収を行ったところであります。この回収作業には、各地区の皆様の御協力をいただいているもので、他の資源ごみの回収日に合わせて、資源ゴミステーションにおいて受け入れを行っており、また、クリーンセンターとなみにおいても受け入れを行っており、今後とも、この方式を継続してまいりたいと考えております。
なお、平成25年4月からは、新たに使用済み小型家電受け入れの大きさの要件を緩和するものとし、掃除機のように持ち手部分が長かったり、ストーブなどで一辺が50センチを超えるものなど、これまで回収されなかった使用済み小型家電も回収の対象とすることから、より多くの回収が進み、再資源化が促進されるものと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
病院事務局長 永森耕治君。
〔病院事務局長 永森耕治君 登壇〕
◯病院事務局長(永森耕治君) 私からは、島崎議員の3項目めの災害時医療体制についての御質問にお答えいたします。
まず、災害時、負傷者の重症度、緊急度に応じた診療体制についての御質問につきましては、市立砺波総合病院は、砺波医療圏の地域災害拠点病院としての役割や使命を認識し、病院機能を有する施設の耐震化、自家発電設備など施設、設備の整備や運営面においては、傷病者受け入れ時に最適の医療を提供することを目的とした救急・災害マニュアルを策定するなど、大規模災害発生時における十分な医療体制を確保しているものと考えています。
大規模災害時における多数の傷病者が一度に発生する特殊な状況下においては、現存する限られた医療資源、医療スタッフ、医薬品等の中で、傷病者を救命し、社会復帰へと結びつけるためにトリアージを行うことが必要となります。
トリアージとは、負傷者を重症度、緊急度などによって分類し、治療や搬送の優先順位を決めることであり、救助、応急処置、搬送、病院での治療の際に行うものであります。
具体的には、病院職員は、日ごろから救急災害に対する知識を習得し、災害時に必要となる物品の準備や災害発生時の情報収集、患者の受け入れ対応、トリアージ、緊急治療等、必要な実地訓練を定期的に行うことが大切であることは充分認識しています。
当院では、昨年の12月15日の土曜日に、大規模な地震発生時における災害を想定し、実践的な訓練を実施することにより、災害に関する知識や技術の向上、心構えの形成と意識高揚を図る目的で、参加者150人による災害訓練を実施し、トリアージセンターや災害対策本部など16の部門や班を編成して、受け入れ場所の設定から、実技訓練、役割など、一つ一つチェックしたところでございます。
次に、より実践的な医療体制とするための今後の取り組みにつきましては、来年度着手いたします新南棟が完成しますと、市立砺波総合病院の建物は全て耐震化されたことになり、安全性の向上や災害時における患者の多数発生時に対応可能なスペースも確保され、さらに医療体制の充実が図られることになります。
また、より実践的な医療体制を機能させるため、2チーム目の災害派遣医療チーム(DMAT)の養成や、今ほど述べました災害訓練を毎年実施し、災害発生時に習練された医療が発揮できるように医療体制の充実強化に努めてまいりたいと考えています。
また、広域的な災害につきましては、県内の公立病院であります富山市民病院、高岡市民病院、黒部市民病院とは、平成20年5月に、災害時に医療救護活動等を支援する災害時医療相互応援協定を締結し、さらに、砺波医療圏内の公的病院であります北陸中央病院、南砺市民病院、南砺中央病院、北陸病院とは、昨年11月に同様な協定を締結し、病院間の連携強化に努めてきたところでございます。
私からは以上でございます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局長 横山忠司君。
〔教育委員会事務局長 横山忠司君 登壇〕
◯教育委員会事務局長(横山忠司君) 私からは、2項目めの子ども・子育て新システムについての御質問のうち、2点目の保育必要量の認定についてお答えいたします。
まず、保育の必要量につきましては、先ほど市長が申し上げました、ニーズ調査の結果に基づいて、今後、市がその必要量を検討することになっております。
議員も述べられましたとおり、新たなシステムの内容につきましては、今後の国の動向を見なければその詳細がわからないことから、保育量の認定や負担のことにつきましてもまだ不明なところが多いのですが、市といたしましては、現行の保育量や負担水準を十分勘案しながら、引き続き良質な保育サービスが提供できるよう適切に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
建設水道部次長 三部隆雄君。
〔建設水道部次長 三部隆雄君 登壇〕
◯建設水道部次長(三部隆雄君) 私からは、4項目めのうち、1点目の本市が管理する主な公共施設の老朽化の現状についてお答えをいたします。
まず、道路については、現在、市道の延長が約740キロメートルあり、うち9割の約670キロメートルがアスファルト舗装になっております。また、安全施設といたしまして、道路照明灯が約400基、大型案内標識が約70基設置されており、これらを含めて適切に維持管理することが道路管理者に求められております。
市道については、定期的な道路パトロールによる目視点検や市民の方々からの連絡によって状況を把握し、舗装や安全施設などについて、その都度、損傷やふぐあいに対処いたしております。
当市の道路は、昭和50年代から急速に整備されてきており、舗装の損傷については、老朽化よりも交通量による影響が大きいと考えられ、また一方、安全施設の損傷につきましては、強風等の異常気象が原因と考えられます。
現在、その都度修繕工事等で対応しておりますが、今後、増加するものと危惧しており、今回の大型補正の活用によりまして専門的な劣化判定を行い、舗装では、幹線道路を中心に、安全施設では、他に被害が及ぶ可能性のある老朽施設について更新等を行ってまいりたいと考えております。
次に、市道にあるトンネルですが、現在供用しているのは、昭和20年代後半につくられました井栗谷トンネル1カ所であり、道路パトロールにおいて的確な目視点検を行うとともに、今回の補正による道路ストック点検によって専門的な診断を受け、必要に応じて対策を講じてまいりたいと考えております。
順番は前後いたしますが、次に、市道の橋梁につきましては、川岸議員にお答えしましたが、長さ10メートル以上の橋、24橋について、道路パトロールによる目視点検や長寿命化修繕計画に基づき順次、予防保全措置や修繕を進めてまいります。今後は、国において創設された防災・安全交付金を活用して、より効率的な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
次に、上水道では、水道ビジョンに基づき、老朽化の診断結果を踏まえて、基幹施設、管路の耐震化を進めており、老朽化施設についても、耐震化とあわせて計画的な更新を行っております。
一方、老朽管の更新については、材質や布設経過年数により計画的に進めておりまして、漏水調査の徹底とあわせて有収率の向上に努めてまいります。
次に、下水道については、供用開始の時期が最も早い施設で、農業集落排水事業では雄神地区が昭和63年、公共下水道事業では出町地区が平成3年となっており、いずれもそれほど経年していないことから、現在は通常の維持管理を専門業者に委託しまして、異常箇所が発見されれば、その都度対応している状況でございます。
今後の課題としては、下水道施設の老朽化に対し、ライフサイクルコストの縮減を図るため長寿命化計画を策定することになりますが、現段階では、当面は通常の維持管理で対応してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(飯田修平君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
次回は、明3月12日、午前10時から開会いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
どうも御苦労さまでございました。
午後 4時24分 閉議