平成25年12月 本会議 定例会(第3号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

◯議長(山森文夫君) ただいまの出席議員は20名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。

                  日程第1
     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)

◯議長(山森文夫君) これより本日の日程に入ります。
 日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第63号から議案第91号まで、平成25年度砺波市一般会計補正予算(第3号)外28件についてを議題といたします。
 昨日に引き続き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 7番 川辺一彦君。
  〔7番 川辺一彦君 登壇〕

◯7番(川辺一彦君) 皆さん、おはようございます。
 とうとう砺波市も雪景色になりました。1月生まれの私にとっては大変うれしい季節となりましたが、皆様はいかがでございましょうか。
 それでは、議長のお許しを得ましたので、通告に従い、大きく3項目の質問をさせていただきます。
 初めの項目として、合併20年へ向けた砺波市についてお伺いいたします。
 平成16年11月1日に発足した新砺波市は、先月で合併10年目に入りました。十年一昔と言われるとおり、世の中の変化が激しくて、わずか10年のことでも昔のことと感じられるというように、砺波市も時勢の流れを見極めながら、来るべき将来の姿に照準を合わせ、現在まで発展してきたと感じておりますし、今後とも発展し続けるよう、不断の努力を重ねていかなければなりません。
 そこで、私は10年たった今を起点とした行政改革における組織機構の適正配置についてお聞きしたいと思います。
 市では、平成23年度から5年間の砺波市行政改革大綱を定め、その項目の一つとして、定員管理と組織機構の適正化を掲げております。これまでも、大綱に基づく行政改革専門部会や推進委員会などによって議論、検討されてきた内容には、定員適正化計画により100名近く削減された職員数や、課、係の統廃合など、既に実行されているものも多くあり、その成果は着実に上がっていると評価しています。しかし、組織機構の細部には行政の目は行き届いているものの、大枠のくくりには触れられておりません。
 そこで、合併10年の節目としてお聞きするのですが、当初、市民に対して新砺波市のまちづくりと題した説明書の第8章に、新市の庁舎については、現砺波市役所庁舎を本庁に、庄川町役場庁舎を支所として必要な機能やシステムの充実を図りながら、窓口サービスの低下を招かないように十分配慮すると記載されてありました。このことは市民への行政サービス向上を目的とした重要事項と認識しておりますが、本体の教育委員会は庄川支所にあり、その組織であるこども課は本庁にあることには少々不合理を感じております。窓口を広くすることで市民サービスにつなげているのでしょうが、手続などに二度手間が発生したりして、市民サービスの低下や事務の不効率につながっているように思えます。
 業務のスリム化や効率化を考えたとき、本庁か支所かのどちらかに教育委員会機能が集約されることも一つではないでしょうか。組織機構の適正配置について、市長の御所見をお聞かせください。
 続いて、次の節目となる20年から30年を目指した新庁舎構想を描くことが必要であると思います。人口は5万人、市内全域から中心市街地まで遠くても20分ほどで到達できるコンパクトシティー、砺波市です。その行政事務所は1カ所に集約することが望ましいと考えます。新しい場所で市民への行政サービスがより充実できる、そんな目的を持って基金を創設し、新庁舎取得へ向けて動き出す、そんな計画を望むものですが、市長の御所見をお聞かせ願います。
 次の項目として、市立砺波総合病院についての専従医と研修医確保の継続、及び看護師の充足についてお伺いいたします。
 10月末に医学生の希望に基づき、来春からの臨床研修病院を決めるマッチングの結果が発表されました。市立砺波総合病院はここ数年の募集定員を6名とし、平成23年は2人、平成24年は0、そして、今年は5人の研修医が確保されました。県全体の平均充足率が54.5%の中、当病院は83.8%となったものであり、大変うれしい結果となりました。
 また、9月定例会での今藤議員質問の答弁では、救急専従医の招聘にも見込みがついたとありました。これらの明るい話題は、市立砺波総合病院の将来展望を切り開く兆しと思えるものであり、専従医の確保や研修医のマッチングには、病院長を初め、担当医師の大変な努力があったものと思います。
 しかしながら、これで満ち足りたものではなく、専従医では呼吸器内科、呼吸器外科、そして、神経内科などの充足がさらに必要と伺っておりますし、研修医にしても、先輩研修医の思いが後輩たちを導く効果もあることから、今後も途切れることなく継続していくことが必要なことと考えます。
 そこで、このたびの専従医と研修医確保の勝因、及び今後の継続について、病院長のお考えをお伺いいたします。
 また、医師だけで病院事業は動きません。現在も看護師不足を耳にしており、看護師たちが疲弊しているとも聞こえてきました。総合病院であることから、診療科を休止したり、病棟を閉鎖したりするわけにはいかないのでしょうが、病院スタッフの笑顔を見て立ち直られる患者もおいでですので、看護師の充足に向けた対応についてもお聞かせください。
 次に、平成21年度からスタートし、今年が最終年度となる病院改革プランの前期計画と、平成26年度からの後期計画についてお伺いいたします。
 前期計画では、平成21、22年度の経常損益は赤字を見込み、平成23年度で黒字化する内容となっておりましたが、今までの4年間全てを黒字化されました。この要因には、国が定める地方公営企業繰り出し基準に基づいた一般会計からの繰り入れや診療報酬の改定はあるものの、病院スタッフ一丸となった経営努力があったからこそと評価するものです。
 そこで、前期計画の最終年度となる平成25年度の経営状況及び年度末決算見込みをお聞かせ願います。
 また、平成26年度からは後期計画の初年度となりますが、お聞きするところによりますと、診療報酬の改定や地方公営企業会計制度の見直しに加え、現在、建設中の南棟取得により生じる減価償却費もあるようです。計画策定にはやはり医業収入をいかに上げるかが重要だと考えますので、病院改革プラン長期計画の見直しも含めた後期計画の策定見込みについてもお聞かせください。
 次に、地域の中核病院として市民や病院スタッフに魅力ある病院事業ビジョンについてお伺いいたします。
 先般、私が所属する民生病院常任委員会で青森県八戸市立市民病院を、私の同期議員で兵庫県公立豊岡病院を視察してきました。双方の病院の共通点は、充実した救命救急センターに加え、ドクターヘリ及びドクターカーの運用病院であったことです。中でもドクターヘリについては、現在全国で41機が運行されており、ヘリの出動要請から15分で50キロ先の現場付近まで到達し、医師による治療を開始できると聞きました。交通事故などによる大量出血の場合ですと、救急車による病院搬送平均時間35分間では70%となる死亡率が、20分以内の処置であれば10%に抑制できるという劇的救命が実施されておりました。
 八戸市立市民病院の救命救急センター長である今ドクターは、その救える命を救うため、一刻も早く救急現場へをモットーとされ、治療開始時間の短縮、後遺症の軽減、救命率の向上に効果を発揮していますと述べられているのが印象的でした。
 ちなみに、運航経費は年間2億1,000万円であり、その約9割は国が、残りの約1割は県が負担することとなっており、ヘリ運航基地病院の地元自治体では、ヘリ格納庫や病院施設に係る経費などが必要となるそうです。いまだ北陸3県には導入されておりませんが、どちらの病院も所属している救急ヘリ病院ネットワークでは、理想として全国に80機が必要だと言っておられました。
 私は視察を通して、この基地病院が所在する広域住民も病院スタッフも、この病院事業に魅力を感じておいでであることに気がつきました。平成24年度のデータですが、病床利用率については、八戸市立市民病院では89.5%、公立豊岡病院では86.2%であるのに対し、市立砺波総合病院では76.6%であり、臨床研修医数についても、八戸市立市民病院48名、公立豊岡病院15名に対し、当病院では0となっています。また、公立豊岡病院の近隣医療圏内にある京都府京丹後市の市民からは、豊岡のドクターヘリ、頑張っているぞと生の声もお聞きしました。このことからも、市民から頼りがいや医師スタッフにはやりがいの持てる、魅力ある病院事業が必要ではないかと感じたところです。
 そこで、すぐにドクターヘリとは言いませんが、先ほどの救急専従医の招聘の見通しや来年度以降の研修医確保に加え、今月初めから試験運用が始まった県西部5市での消防指令共同運用による医療圏の拡張も視野に入れ、今後、砺波医療圏の地域中核病院として3次救急にも対応できる救命救急センターの確立に向けた取り組みはできないものか、また、これを契機とした市立砺波総合病院の病院事業ビジョンはどのようにお考えなのかを伊東病院長にお伺いいたします。
 加えて、当病院は、改革プランにもある急性期医療拠点病院として定着していくためにも、一病院完結型医療ではなく、地域完結型医療を目指していかなければならないと考えます。地域医療連携室では病病連携や病診連携を実施されていると伺っておりますが、連携現状は、どのように推移しているのでしょうか。また、市立砺波総合病院と砺波医師会及び各事業施設との砺波市医療連携協議会を設立されましたが、その進捗状況はいかがでしょうか。急性期医療拠点病院に向けた取り組みについてもお聞かせください。
 最後の項目として、農政の大転換を迎える砺波市の農業についての中の農地保全への取り組み、及び園芸作物などの基盤強化と支援策についてお伺いいたします。
 国では、概ね半世紀にわたり日本の農業政策として続いてきた米の生産調整、減反政策が、5年後をめどとし廃止の方向で決定されました。市内の生産現場でも、このまま廃止が実行されると、過去にない大きな影響が出てくるものと思われます。
 砺波市は、富山県の中でも生粋の穀倉地域として、水稲作付を中心とした農業生産により栄えてきたところです。また、実直で誠実な砺波市民は、行政、JA、地域代表、農業者代表などの構成メンバーによる水田農業推進協議会を通じ、減反政策を忠実に守り、全地域の農業生産の調和と農地の保全に努めてきたところです。
 農林業センサスによると、平成22年の砺波市では、経営面積30アール以上で年間50万円以上の農産物販売農家が1,642戸ある中で、農外所得を主とする兼業農家は約83%の1,362戸もあるのです。これらの兼業農家の多くは、未対策のままでいきますと、農業経営から離れられ、国が意図する中核農家や営農組合の設立により、農地の集約化に移っていくものと思われますが、どの経営体にしても、受け入れ状況には限界が生じるものと思われます。
 加えて、大規模化した農業経営体は今後自由に作物を生産できることから、生産コストの削減と作業の効率化を進められ、効率性の悪い中山間地や散居村特有の宅地周辺に発生している不整形田、ひこ田などの作付は行われなくなり、結局不耕起田の発生につながっていくことが懸念されるのです。そのことは現在策定中である景観まちづくり計画において保全していこうとしている散居景観の構成要素、農地が損なわれることにもなりかねません。
 また、なかなか作業効率を上げられない砺波市の特産物であるチューリップ、タマネギ、ユズ、ふく福柿、里芋、白ネギなどの園芸作物や果樹などの生産が衰退していくことも懸念されます。特に近年、国、県、市からの補助を受けて特産化を進めているタマネギには、砺波市の持ち出し分約3,000万円余りを含めた補助金約4億円を合わせ、砺波市の受益者割合で約12億円もの投資がなされており、まだ5年間しか経過していない取り組みを10年そこそこで衰退させるわけにはいかないものと考えます。
 そこで、減反廃止までの5年間で国はどのような施策を出してくるかはわかりませんが、砺波市の農地を守り、砺波市特有の特産物をしっかり定着させていくためには、行政が中心となった、仮称ですけれども、農地保全管理協議会なるものを設置するとともに、市全域の農地利用状況や特産物の拡張、強化を目指した、仮称ですが生産指導員などを配置していくことが望ましいと考えるのですが、今後の農地保全への取り組みについて、市長のお考えをお聞かせください。
 そして、現在、JAも園芸作物の生産規模拡大と生産意欲向上の策として農機具購入や園芸種子及び苗の購入支援をしておりますが、ぜひとも市としても支援策を整えていただき、来る生産調整廃止に向けた対応をとってもらいたいと考えますので、園芸作物などの基盤強化と支援策についてのお考えもあわせてお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
  〔市長 夏野 修君 登壇〕

◯市長(夏野 修君) 川辺議員の御質問にお答えいたします。
 まず、1項目めの御質問のうち、1点目の行政改革における組織機構の適正配置についてお答えいたします。
 議員からは、組織機構の適正配置についての御提案をいただきました。現在の行政組織は、合併協議会におきまして住民の声を適正に反映できる組織機構、また、住民にわかりやすく利用しやすい組織機構、指揮命令系統を簡素化し、責任の所在が明確な組織機構などの整備方針により調整されまして、旧庄川町に庄川支所を設置し、行政委員会の独立性なども考慮して教育委員会を支所に置くということにされたものであります。
 一方、本市では合併から10年の間に定員の適正化を計画的に進めてまいりましたところでありまして、組織につきましても、より機能的、効率的に運営できますよう見直しを図り、現在に至っているところであります。
 また、合併当時の高齢児童課を高齢介護課とこども課に分離するなど、市民にとってわかりやすく、また、より専門性を高めた行政サービスが提供できるような組織の見直しもあわせて図ってきたというところであります。
 そこで、教育委員会の一体的設置に関する御提案でありましたが、こども課は、全国に先駆けて教育部門と福祉部門に共通いたします子ども・子育て支援の窓口を一本化した上で、幼保小の連携が重要なことから、教育委員会の所管ということで設置したものであります。
 また、転入、それから出生に伴います手続やその他の窓口サービスとの連携も考慮しまして、本庁で各種の手続がワンストップで行えるように、福祉市民部の所管であります市民課や社会福祉課のありますフロアに教育委員会所管のこども課を配置したというものであります。これに加えて小中学校への転入、転校手続ですとか、児童手当の請求手続などを本庁及び支所のどちらでもできるようにというふうに体制を整えております。ということで、市民に向かった体制を優先しておりまして、窓口サービスという点では、二度手間というケースはまずないのではないかというふうに思っております。
 しかし、反面、当然ながら職務執行上、職員が本庁と支所との間を行き来するという必要が生じております。電話、もしくは庁内LANなどの情報ネットワークを活用するようにして、できる限り最小限にとどめるようには努めております。ただ、それでも同一庁舎内と全く同様というわけにはいかないのが現状でありまして、不都合がないということではございませんが、庁舎自身の問題もありますので、当分の間は現行の体制を維持することとなるというふうに考えております。
 次に、2点目の新庁舎構想への取り組みについての御質問にお答えいたします。
 合併10周年を迎えまして、本庁舎、支所の体制で行ってきました行政事務につきましては、今ほど申し上げたとおりの経緯がございまして、順調に進んできたというふうには思っております。議員の御指摘のとおり、20年、30年を見据えた場合、本庁舎の老朽化、また、耐震化の必要性などから、いずれは庁舎の数や改築の場所など基本的な構想を作成する必要があると思っております。
 しかしながら、今のところ学校の耐震化事業、その他、新図書館の建設など引き続き大型事業が続きますことから、庁舎につきましては、耐震化など改築の必要は十分感じておるわけでございますが、時期については少し先にならざるを得ないのかなというふうに思っております。
 なお、議員の御提案のとおり庁舎建設となりますと多額の財源が必要となります。事前に基金に積み立てるということが当然必要だというふうに思います。今のところ庁舎建設専用の特定目的の基金はございませんが、平成23年度に創設いたしました合併振興基金の13億7,000万円というものがありまして、これは将来の庁舎建設にも活用できるものというふうにしております。この活用も含めまして、専用の基金につきましては、庁舎の基本構想みたいなものが出るときに合わせまして検討していくということになると思っております。
 次に、3項目めの農政の大転換を迎える砺波市の農業についての御質問にお答えいたします。
 まず、農地保全への取り組みにつきましては、国は経営所得安定対策を見直して日本型直接支払制度を創設するという一方、米政策の見直しでは、需要に応じた米の生産を推進するため、5年後をめどに行政によります生産数量目標の配分に頼らずとも国が策定する需給見通し等を踏まえつつ、生産者等が中心となって円滑に需要に応じた生産が行われるよう、行政、生産者団体、現場が一体となって取り組むという方向が示されたところであります。
 また、食料自給率、自給力の向上に向けました水田フル活用を図るため、地域の裁量で活用可能な交付金、いわゆる産地交付金には地域の作物振興の設計図となる水田フル活用ビジョンに基づきまして、地域の特色ある産地づくりに向けた支援策も盛り込まれているということであります。
 5年後をめどにして米政策の見直しや水田フル活用ビジョンの策定ということでございますが、今後、詳細な内容が示されてまいりますれば、農業者はもちろん、関係団体の皆さん等と一緒にしっかりと取り組んでいかなければならないというふうに思っておりますし、先ほど話にございましたように、真面目に取り組んでまいりました砺波のような地域にとって不利にならないようにしなくてはいけないというふうに強く思っております。
 議員から御提案のありました仮称の農地保全管理協議会ですとか、同じく仮称の生産指導員等の配置につきましては、国の制度の見直しによります新たな水田フル活用ビジョン自体の詳細な内容が示されていないということもありますので、仮定の中でお答えすることはいかがかなというふうに思いますが、これまで生産者主体で地域農業の維持発展に重要な役割を果たしてまいりました水田農業推進協議会など、いわゆる水田協などの既存の組織ですとか、普及指導員、営農指導員が新たな役割を担うということになっていくのではないか、そういった中でも対応することが可能ではないかというふうにも思っております。
 今後も引き続き水稲を中心にタマネギ、それから、チューリップなど砺波平野の特徴を生かしました地域特産物の生産振興を図ることで、散居景観の構成要素であります農地の保全にもしっかり努めてまいりたいと思います。
 次に、園芸作物等の基盤強化と支援策につきましては、米価格の低迷、米消費の減少の中で、米に特化した本市の農業におきましては、経営の複合化、それから多角化、園芸作物の導入というものは喫緊の課題というふうに思っております。また、女性が積極的に農業にかかわるという観点からも、大きな意義があるのではないかというふうに思います。
 本市ではこれまでも、頑張る意欲のある園芸生産者につきましては専用の農業機械やハウスなどの施設整備に県事業などを活用して積極的に支援をしてきております。また、3年前からは直売所やインショップ等への生産出荷を促すための市独自の支援事業を設けまして、県事業の採択要件に満たないような水稲育苗ハウスなどを活用した取り組みにも支援しております。徐々に成果が見え始めているのではないかというふうにも思っております。
 今年度におきましては、園芸作物の生産を促進させる地産地消推進戦略の策定ですとか、学校給食の地場産食材の使用拡大に向けた新たな支援制度を設けるなど、園芸生産者の確保、それから育成に努めておりまして、今後も引き続き園芸生産の基盤強化と動機づけとなるような事業を県ですとかJAなどとも連携して積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
 私からの答弁は以上でございます。その他につきましては、病院長、それから担当局長からお答えをさせていただきます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 病院長 伊東正太郎君。
  〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕

◯病院長(伊東正太郎君) 私からは、川辺議員の2項目めの市立砺波総合病院についての御質問のうち、まず1点目の専従医と研修医の確保の継続、及び看護師の充足についてお答えいたします。
 まず、救急専従医の確保につきましては、4年前に不在となって以来、救急における体制整備を喫緊の課題として医師の確保に努めてきたところでございますが、県内在住の救急専門医の方々といろいろな場面で当院の状況や今後のビジョンについて議論を重ねたところ、共感を得た専従医の先生の招聘にめどが立ったものであります。
 次に、研修医の確保についてでありますが、研修プログラムの自由度が高い、救急医療の研修が充実していることなどが研修医確保のために評価を受けているとのことでありました。そこで、当院においても医学生を勧誘する場であるレジデントナビに参加することや、県内外の重症救急患者の救命率向上に寄与している日本医科大学千葉北総病院での救急医療研修をプログラムに組み入れるなどの取り組みを通して積極的に医学生に対する勧誘を行ってきたところであります。
 この成果がやっと結実し、医学生が臨床研修を受ける病院を選ぶマッチングの結果ですが、本年10月24日に公表され、当院は前年度のマッチ者なしから研修医5人に急増しました。今後はこの研修医の確保が毎年続くことが最も重要なことと考えており、そのためには来年4月から研修を開始する研修医の満足度をいかに高めていけるかがキーポイントになると考えているところであります。
 次に、看護師の充足の御質問についてお答えいたします。
 当院は、看護師の研修教育体制の整った病院として看護師の間では評価をされており、また、7対1看護体制により昼夜を問わず手厚い看護となるように職員を配置し、安全で満足できる看護が提供されているという評価を受けております。このような良好な評価により看護師の確保を図ってきたところであります。
 しかし、医療の現場は、患者の高齢化や重症化、医療の高度化で年々厳しさを増す労働環境の中、看護師は多忙感を感じているのが現状であると考えております。また、現在、当院はかつてない数の産休や育児休暇をとる看護師が増加傾向にあり、現場がゆとりを持って十分な看護体制をとることが難しくなっている現状があります。そのため、今後の職員採用においてはこれらのことに留意し、看護師を充足していくことが必要と考えております。
 次に、3点目の地域中核病院として魅力ある病院事業ビジョンについてお答えいたします。
 議員が述べられたとおり、交通事故による大量出血の場合、救急車による病院搬送平均時間の35分では死亡率が70%ですが、医師がドクターヘリやドクターカーで事故現場に直接出動して20分以内に治療を開始することができれば、死亡率が10%にまで減少できると報告されております。救急車とドクターヘリやドクターカーとの最大の相違点は、医師が病院で患者到着を待っているのか、それとも医師が現場に直接出動して治療を開始するかの点にあります。
 このように救急医療は治療開始をいかに早くできるかにかかっていますので、医師を現場に投入することのメリットははかり知れないものがあります。初期治療を少しでも早く開始できる体制を構築できれば、おのずと救命率の向上、さらには社会復帰率の向上にもつながりますので、今後の課題として重要であると考えております。
 つきましては、当院では、このほど待望の救急専従医の招聘がかない、来年4月から当院に着任しますので、現場に医師を派遣できる体制づくりも視野に入れて、砺波医療圏の救急医療をさらに充実させることができるものと期待しております。
 また、医学生が臨床研修先として病院に求める要件としましては、症例が多く、多様な臨床経験を積めることなどを挙げています。そして、充実した救急医療を提供しているか否かも大きな選択要件になっています。このため、今後も当院が臨床研修先に選んでもらえるためにも、また、地域住民の安心・安全に寄与するためにも救急医療の充実に向けて真剣に取り組んでいきたいと考えております。
 しかしながら、当院が3次救急にも対応できるような救命救急センターとしての施設要件を満たすには、議員御指摘のごとく呼吸器外科や呼吸器内科などの医師を多数招聘しなければならず、今のところ実現は困難と言わざるを得ない状況であります。
 次に、4点目の急性期医療拠点病院に向けた取り組みについてお答えいたします。
 現在の当院と診療所の医療連携の状況は、前方連携としての紹介率は近年若干上昇しているものの25%程度となっており、また、後方連携としての逆紹介率は20%を切る状況であり、まだまだ連携が進んでいる状況とは言えないものであります。しかしながら、患者の病気の状態に応じて適切な医療を受けるためには、この地域の医療資源を効果的に利用する連携を今以上に強化していく必要があると思っております。
 また、砺波医療圏脳卒中地域連携パスの運用のように、急性期病院から回復期病院を経て早期に自宅に帰れるような診療計画を作成し、治療を受ける地域連携クリティカルパスを地域の医療機関と構築し連携を強め、医療連携体制に基づく地域完結型医療を具体的に実現することを目指しております。この地域完結型医療の推進のため、今年度、砺波市医療連携協議会を設置いたしておりますが、市内医療機関がお互い顔の見える関係で話し合うことで連携を深め、流れをスムーズにすることを主眼に、これまで数回の会議を重ねてきたところであります。
 今後とも、協議を通して患者の治療の状態に合わせた各医療機関とのスムーズな流れを構築し、一層の連携強化を図っていきたいと考えているところであります。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 病院事務局長 神島英弘君。
  〔病院事務局長 神島英弘君 登壇〕

◯病院事務局長(神島英弘君) 私からは、川辺議員の御質問の2項目めの御質問のうち、2点目、病院改革プランの前期計画と後期計画についてお答えいたします。
 最初に、平成25年度の経営状況及び決算見込みについて申し上げます。
 本年度10月末までの経営状況を前年同期と比較しますと、入院収益で実績が36億6,100万円で、対前年度比5,000万円、1.4%の増となっております。これは、診療単価が若干減少したものの、一日平均患者数が389人と、対前年度より2.1%増加したことが要因となっております。外来収益では、実績が17億5,300万円で、対前年度比5,400万円、3.2%の増となっております。一日平均患者数が1,009人と対前年度比0.4%減少したものの、診療単価で3.6%増加したことが要因となっております。入院、外来等を合わせた収益全体では、実績が62億4,400万円となっており、対前年度比1億1,800万円、1.9%の増となっております。
 一方、費用については、抗がん剤等の注射薬の使用が増加したことなどに伴う薬品費や診療材料費等が増加し、材料費の実績が13億7,000万円、対前年度比1億600万円、8.4%の大幅な増となっております。給与費につきましては、国に準じた臨時的な職員給与の減額措置等により、対前年度比6,300万円、2.0%の減となっております。費用全体の実績は59億6,200万円、対前年度比2,500万円、0.4%の増となっております。
 この結果、10月末では、前年同期に比べ9,300万円収支が改善しております。しかしながら、昨年度は10月下旬からの患者数の伸びが大変大きくなっておりましたが、今年度はそれほどの伸びは見られず、また、病院耐震化整備事業に伴う固定資産除却費3億2,500万円余りを特別損失に計上することとしています。この特別損失を除く経常収支で黒字の確保を目指したいと考えておりますが、純損益では赤字決算となる見込みであります。今後とも、病院事業収益の確保のため、経営改善に対する各科行動計画に基づく検証など、市立砺波総合病院全体での取り組みを実施し、引き続き収入の確保及び経費の節減に努めてまいりたいと考えております。
 次に、市立砺波総合病院経営に係る計画についてでありますが、来年度からの消費税率引き上げに伴う損税の影響が大きいこと、また、現在建設中の南棟に係る減価償却が平成27年度から始まることなど、経費の増高が見込まれます。一方、平成26年4月の診療報酬改定の内容は明確ではありませんが、プラス改定は見込めない状況であり、来年度以降、厳しい経営状況が想定されます。このため、計画年度を来年度から平成30年度の5年間とする病院中長期計画(後期計画)を、去る11月12日に開催しました病院改革プラン検討委員会においてお示しし、御意見をいただいたところであります。
 この病院中長期計画の中で、今ほども述べました南棟建設が終了することにより、市立砺波総合病院の耐震化整備事業が終了すること、これまでの建設や高額医療器械購入に伴う起債の元利償還額や減価償却のピークを平成27年、28年に迎えることなどの状況や、続けて電子カルテシステムや高額医療器械の更新が続くこと、また、診療報酬の改定による増収がなかなか見込めないことなどから、今後も厳しい経営が続くと予想しているところであります。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 2番 桜野孝也君。
  〔2番 桜野孝也君 登壇〕

◯2番(桜野孝也君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして市政一般に対する質問をさせていただきます。
 まず、1項目めとしまして、本市のスポーツの振興についてお伺いします。
 さて、今年は9月に行われた2020年夏季オリンピック開催都市を決める国際オリンピック委員会の総会において、感動的なプレゼンテーションを行った東京が56年ぶり、2度目の開催地に決まり、日本中が歓喜に包まれました。また、プロ野球では東北楽天イーグルスが球団創設9年目にして初の日本一になり、震災復興に向けて頑張っておられる東北の皆さんに大きな感動と希望を与えました。
 このようにスポーツには、人に夢や感動を与える力や人を元気にする力があります。私は、このスポーツの力を活用して砺波市をより元気で活力のあるまちにすることができないかと思うのです。特に地元の子どもたちに夢や希望を与えることは重要だと考えています。
 私は、そのためには地元から国内のトップレベルで活躍できるような、そういった人材を育成することが重要なことだと思います。難しいことだということはわかっているのですが、そのくらいの意気込みで実際に取り組むことが大切なことではないかと思うのです。例えば地元出身のオリンピック選手やプロスポーツ選手がいたら市民の皆さんの自慢や誇りになりますし、何より子どもたちの目標になり、オリンピックに出たい、プロのスポーツ選手になりたいという夢を持つ子どもが増えると思うのです。
 もともと子どもというのはみんな夢を持っています。しかし、歳が進むにつれて諦めるようになります。これは仕方のないことかもしれませんが、ただ、周りの環境を変えてあげることで、頑張ればオリンピック選手になれるかもしれない、プロのスポーツ選手になれるかもしれないという希望が持てるようになるのではないかと思うのです。
 また、砺波市にとっても、いい人材が育てば、いずれその人たちが現役を引退したときに、地元に戻ってきて指導者や本市のスポーツの振興等に携わってくれる可能性も大きいと思います。
 そこで、1点目の優秀な選手、団体の支援と育成についてお聞きいたします。
 本市では、平成24年3月にとなみスポーツプランを策定しており、その中には競技スポーツ、チャンピオンスポーツの推進と書かれてあります。競技水準の向上を図るため、講習会の開催や県外大会出場に対しての助成などの支援を行っていることは存じておりますが、さらに上を目指して砺波市からオリンピック選手を誕生させるということを目標に掲げ、優秀な選手や団体の支援と育成に力を入れるということは考えられないでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。
 次に、2点目は指導者の育成についてであります。指導者の皆様には、日ごろから子どもたちに愛情を持って接するとともに、自分の時間や、ときには家族や家庭を少なからず犠牲にしながら指導に当たっておられますことに心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 私は、スポーツ指導者の役割として大事なことは、子どもたちに挨拶などの礼儀、フェアプレーの精神、互いに協力し、思いやる心、コミュニケーション能力などの人間性を育て、スポーツが楽しい、もっとうまくなりたいと思ってもらうことだと思います。本市の指導者の方々もそういう思いで指導されていることだと思います。ほとんどの指導者の方は仕事を持ちながらされており、子どもたちの多感な時期に技術だけでなく、人間性も育て、保護者の方とも協力しながらチームを運営していくのは大変なことだと思います。
 指導はしたいと思っても、仕事の都合などでできないという方も中にはいらっしゃると思います。私が聞いたあるスポーツ少年団の話なのですが、決まった監督がいなくて、毎年最上級生の保護者の中から競技経験のある人が監督をしていたそうです。もし教える人がいなくなれば、チームとしての存続は難しくなります。
 私は、地域の子どもは地域で守り育てるという観点からも、子どもたちを受け入れる団体、特に保護者の方にとって身近に子どもに競技スポーツを経験させることのできるスポーツ少年団はなくてはならないものだと思っております。ですから、地域の青少年の健全育成にとって大きな役割を担っているスポーツ指導者の育成はとても重要なことであります。となみスポーツプランにもスポーツ指導者の育成として人材の確保と育成するための仕組みを整えると書いてあります。
 そこで、本市のスポーツ少年団の指導者の実態と今後の育成への取り組みについてどう考えておられるのか、お聞かせください。
 次に、2項目めとして元気なまちづくりについてお伺いします。
 1点目は、中小企業の支援についてであります。中小企業とは、日本の企業数の99.7%を占め、全従業者数の約7割が中小企業で働いています。また、大企業の製品の大半が下請中小企業の部品で構成されており、日本製品の信頼は、中小企業が支えていると言っても過言ではありません。また、地域の経済は多岐にわたる分野での中小企業の活動によって支えられており、中小企業が地域経済の活性化と雇用機会の創出の役割を担っています。
 砺波市においてもほとんどが中小企業、小規模事業者でありますので、元気な中小企業を増やすことが元気なまちづくりにつながるということは、言うまでもありません。元気な中小企業が増えるということは、雇用の維持、創出や所得の向上につながります。また、経営者や後継者の方の中には、地元をよくしたい、もっと盛り上げたいと思っている方が大勢いらっしゃいます。そういった方々がどんどんまちづくりに参画していただけると考えます。砺波市にとっても税収が増えますので、大変よいことだと思います。
 私は、その中でも、これからの砺波市を考える上で重要になってくるのは雇用の維持、創出だと思います。県内の他市町村の多くが人口減少傾向にある中、今の砺波市は、少しずつですが人口は増えております。しかし、10年、20年先はどうでしょうか。国立社会保障・人口問題研究所が推計した砺波市の将来人口は、2025年には4万6,693人、2035年には4万3,741人であります。いずれ間違いなく減少します。それも高齢化を伴いながら減少していきます。
 先日、ある勉強会に参加したときに講師の先生が、その地域の未来は結婚や出産の期待ができる20代、30代の人口である程度決まってくるので、いかにして若い人たちの心を捉え、出ていくのを防ぐか、あるいは外から呼び込むかということがとても大事であると言っておられました。そういうことから考えると、砺波市は民間経済誌の住みよさランキングでも常に上位にランクされることから、住環境は大変よいところであります。あとは魅力ある産業や、やりがいの持てる働く場があれば、若い人たちの心を捉えることができるのではないかと思うのです。
 雇用の創出には企業誘致も大事なことですが、撤退したときのリスクも常に考えておかなければなりません。そういうことから考えても、中小企業の支援は大変重要な課題であると思います。
 先日、あるテレビ番組で砺波市の新光硝子工業さんのことが放送されていました。来年度末に開業予定の北陸新幹線のフロントガラスを製作している様子が放送されており、私は、曲げガラスの技術が今から50年も前に開発されていたということに驚きました。また、工場長が、仕事とは、やるじゃなく、やり抜くことと言っておられたのが印象に残りました。その放送を見た市民の方はきっと誇らしく思ったに違いありません。
 砺波市から新光硝子工業さんのようなオンリーワン企業が1社でも多く生まれるように、融資等の金融支援はもちろんですが、活性化等の支援も今後粘り強く行っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。
 次に、2点目のコミュニティービジネスの育成についてお伺いします。
 コミュニティービジネスとは、地域の課題を地域住民が主体的にビジネスの手法を用いて解決する取り組みのことで、営利目的ではなく、地域の利益を増大させることを目的としています。活動分野としては、まちづくり、環境、介護、福祉、スポーツ、IT、観光、地域資源活用、農業、就業支援などさまざまです。活動形態は、NPO、個人、会社、組合などがありますが、その中でも、比較的多くを占めているのはNPOであります。
 そこで、県が把握している呉西地区のNPO法人数を調べてみますと、多い順に、高岡市37法人、射水市34法人、南砺市23法人、氷見市15法人、砺波市と小矢部市がそれぞれ12法人でありました。数は多ければいいというものではないと思いますが、これから住民が主体となって地域の課題や環境づくりやまちづくりに取り組んでいくことも大切なことでありますので、コミュニティービジネスやNPO法人というものを1人でも多くの市民の方に知っていただき、理解をしてもらう努力をしていかなければならないと思います。
 新たなコミュニティービジネススタイルを確立していくために、定期的な勉強会や意見交換会などを開催していくことで、意欲のある方や興味のある方を発掘することができ、今後につながっていくと思うのですが、いかがでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。
 次に、3項目めといたしまして、地域を学ぶ機会の充実についてお伺いします。
 先月の2日に行われた庄川軌道再発見てくてく&ゆらり旅という庄川町の舟戸公園から小牧ダムまでの軌道を歩く体験ツアーに子どもと2人で参加してきました。下は保育園児から、上は88歳のおばあちゃんまで、定員は20名だったそうですが、当日は何と約40名の方が参加されていました。途中、説明を聞きながらゆっくりと歩き、最後は庄川遊覧船でのクルーズでした。
 この体験ツアーに参加して印象に残ったことは、高齢者の方たちがその当時を思い出しているようで、とても楽しそうに見えたことです。世代間の交流ができ、地域の歴史や文化も学ぶことができて、とてもいい企画だったと思います。
 私はこの企画のように子どもから高齢者の方まで一緒に体験できるような企画をもっと増やせばいいのではないかと思います。それは、新たに増やすだけでなく、現在行われている企画なども見直していって、子どもを連れていきたくなるような、また、子どもに体験させてあげたくなるような、そんな企画を考えていくことが大事だと思います。
 そこで、今後の地域を学ぶ体験ツアーについて当局のお考えをお聞かせください。
 以上で私の質問を終わります。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
  〔市長 夏野 修君 登壇〕

◯市長(夏野 修君) 桜野議員の御質問のうち、2項目めの元気なまちづくりについての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の中小企業の支援につきましては、議員の御指摘のとおり、市内の企業のほとんどを占める中小企業に対する支援を行うことによりまして雇用の維持、また、創出を図ることが極めて重要であるということは全く同感でございます。
 こうした中、市内の中小企業の中には御紹介のありました新光硝子工業株式会社などのようなトップシェアの商品をつくる元気な企業も幾つかございます。こうした企業をわかりやすく市民の皆さんや子どもたちに知ってもらうため、今年度から市の広報やホームページで積極的に紹介しているところでありまして、将来的には一冊にまとめて教材などに使えないかというふうにも考えております。こうしたことによりまして地元企業に関心や愛着が生まれ、地域を誇れる気持ちが育まれるのではないかというふうに思っております。
 そこで、中小企業の皆さんに対してさらに元気を出していただき、足腰を強くするための支援につきましては、まず、金融支援として年末などの資金繰り対応としての制度融資ですとか、創業者支援資金などにおきまして企業が保証協会に支払う保証料についての全額助成ですとか、小規模経営改善資金、マル経融資ですが、の利子助成につきまして、今後もしっかりと継続してまいりたいと考えております。
 また、活性化支援といたしまして、ビジネスマッチング機会の情報提供ですとか、展示会に参加される場合の小間料などの助成につきましてもしっかりとやっていきたいというふうに思います。
 あわせて、市内企業への訪問の際や商工団体などからの要望などを通じまして、場合によってはそれぞれの企業に対してオーダーメード的な形での支援策も含めて、効果的な施策について検討していきたいというふうに考えております。
 今後は先般発表のございました国の経済対策なども活用できますよう、県ですとか商工関係団体との連携を図りながら中小企業支援をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目のコミュニティービジネスの育成についての御質問にお答えいたします。
 市では、本年3月に策定いたしました砺波市商工業振興計画に基づきまして、地域資源を生かした新商品の開発ですとか、農商工連携におきますビジネスの創出に努めて、地域の人材やノウハウを活用することによりまして、地域における新たな創業や雇用の拡大に努めているというところであります。
 議員御提案の勉強会ですとか意見交換会につきましては、今年度は芽出し事業といたしまして農商工連携推進会議を設置いたしまして、新商品開発などについて若手農業者や企業経営者などが新たなビジネスの方策について意見交換を行なっているところであります。既に幾つか企画も出ているようであります。
 また、代表質問でも申し上げましたが、現在、取り組んでおります商店街若手後継者サポート支援事業につきましては、商店街店舗の後継者とまちづくりに取り組む若者8名の方が月1回の研究会を通じて、また、ヒアリングなどを通じて商店街の空き店舗の活用策等について意見交換をされております。
 さらに、市内の若手の経営者の中には農業者との勉強会を行いながら異業種間交流を進めている事例もあるというふうに聞いておりまして、こういった自主的な取り組みが少しずつではありますが、増えてきているという状況にもあります。
 このほかにも、前のコーセル相談役の飴久晴先生に講師となっていただきまして実施しております地域経営者人材育成事業、通称、飴塾と言っているのですが、名前は飴ですが、参加される方は大変厳しいカリキュラムであります、につきましては、受講者自身のスキルの向上ですとか異業種の受講者同士の連携などによりまして、新たなコミュニティービジネスにつながるのではないかというふうに期待しております。
 地域住民が主体となって地域課題の解消をビジネスの手法で取り組むということは、御指摘のとおり大変重要なことでありまして、市といたしましても、地域の皆さんが行う地域資源を活用した自主的なコミュニティービジネス活動に対しまして、いろんな制度を活用しながら支援してまいりたいというふうに思っております。
 私からの答弁は以上でございます。残りにつきましては教育長のほうからお答えさせていただきます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 教育長、舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 私からは、1項目めのスポーツの振興についての御質問にお答えをいたします。
 初めに、1点目の優秀な選手、団体の支援と育成についてでございますけれども、議員御提言のオリンピック選手の育成に特化した競技力向上に対する施策につきましては、今のところ考えてはおりませんけれども、議員が述べられましたとおり、スポーツには、人に夢や感動を与える力や人を元気にする力があることはもちろんですけれども、トップレベルの選手を輩出することが当市の知名度を高め、市民に元気と活力をもたらすことにもつながるものというふうに考えております。
 市では、競技力の向上につきましては、となみスポーツプランに基づきまして、公益財団法人砺波市体育協会を初め、各競技協会やスポーツ少年団、学校、総合型地域スポーツクラブ等とも連携を図り、全国レベルの大会に出場できる選手の育成に努めているところでございます。
 今年度におきましても、これまでに15競技におきまして19団体、延べ87人の市内の小中高校生が全国大会等に出場を果たしており、次第にその成果があらわれてきているものというふうに考えております。
 今後とも、このような取り組みにつきまして、さらに関係団体等との連携を強化することにより、全国はもとより、国際大会で活躍できる選手が1人でも多く育ち、できればその中から2020年開催の東京オリンピックに出場できる選手が誕生してくれることを期待したいというふうに思っております。子どもたちもオリンピックに出場できるということで頑張れる、そういう夢を持つことにまた学校としても力を入れていきたいというふうにも思っております。市といたしましては、引き続き選手の人材発掘と競技力の向上を基本にしまして、優秀選手と競技団体等の育成、支援に努めてまいりたいというふうに考えております。
 次に、2点目の指導者の育成についての御質問にお答えをいたします。
 議員お尋ねのスポーツ少年団の指導者の実態につきましては、本年度当初の各単位団からの申請により登録された指導者数は218名であり、前年度に比べ19名の増加となっております。また、登録指導者のうち、スポーツ少年団の運営や指導に関する所定の講習を受けた認定指導者につきましては、本年度当初では94名が登録されており、これも前年度に比べまして9名の増加となっております。また、現在、砺波市スポーツ少年団には各小学校単位の8団体のほか、柔道やラグビーなどの個別競技による5団体の計13団体が加入しており、そのうち、小学校単位団の全てにおいて指導者が増加しております。
 このような状況から見ますと、公益財団法人砺波市体育協会や関係する競技協会の協力を得ながら、これまで実施してまいりました指導者の発掘や育成のための施策に一定の成果があらわれているものと考えております。
 また、小学校を単位とするスポーツ少年団においては、地域とのかかわりが大変重要であり、そのような中で、多くの単位団において認定指導者が増加していることにつきましても、それぞれの団体や関係競技協会の皆さんが指導者の確保にしっかり取り組んでいただいているあらわれであり、大変心強く感謝している次第でございます。
 なお、スポーツ少年団指導者の養成につきましては、市スポーツ少年団本部が中心となって行っておりますが、市といたしましても、引き続き市体育協会や関係競技協会、各小学校とも連携を図り、地域のスポーツ少年団指導者となり得る人材確保と育成に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、3項目めの地域を学ぶ機会の充実についての御質問にお答えをいたします。
 議員が述べられましたとおり、子どもから高齢者までが一緒に参加できる体験ツアーを通しまして、世代間交流をしながら地域の歴史や文化を学ぶことができることは、特に子どもたちにとりまして、郷土の歴史や昔ながらの遊びなど、多くのことを学ぶよい機会であり、子どもたちの郷土愛を育む上でも大きな役割を果たしているものというふうに考えております。
 そこで、当市における世代間交流事業につきましては、主に公民館が主体となって市が委託している公民館活性化事業や放課後子ども教室推進事業の中で、地域の特色を生かした体験学習事業として地域探訪や地域めぐり、納涼夏祭り、親子キャンプ、稲刈りなどのさまざまな企画を積極的に実施していただいているところであります。
 また、本年8月にはチューリップ公園におきまして隣接する文化会館、チューリップ四季彩館、砺波市美術館、郷土資料館が連携いたしまして夏の子どもまつりを開催したところであり、砺波散村地域研究所では夏休み期間を利用した庄川流域見学会や散村地域見学会など、親子で参加できる体験ツアーを実施しているところでございます。
 議員御提言の子どもから高齢者の方まで一緒に体験できるような企画をもっと増やせばいいのではないかということでございますが、各世代が一堂に集いやすいのは、やはり今まで生まれ育った地域だというふうに考えており、今後とも市と公民館、あるいは学校等とさらに連携を図りながら、世代間交流も取り入れたさまざまな体験学習の機会の拡充に努めてまいりたいというふうに考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 9番 島崎清孝君。
  〔9番 島崎清孝君 登壇〕

◯9番(島崎清孝君) それでは、通告に従いまして、大きくは3項目の質問をいたします。
 まず初めに、本市の人口減少対策についてお伺いをいたします。
 人口は、都市の活力をはかる上で重要な要素の一つであります。しかし、本年3月、非常にショッキングな数字が示されました。国立社会保障・人口問題研究所が発表した2040年の将来推計人口であります。これによりますと、日本の総人口は約2,000万人減少し、1億727万人と、率にして16.2%減少、全都道府県で人口は減少し、減少率が最も大きいのは秋田県の35.6%、次いで青森県の32.1%、逆に、最も小さいのは沖縄県で1.7%、次いで東京都の6.5%であります。富山県の人口も2010年に比べ25万2,000人少ない84万1,000人、率にして23.0%減少し、65歳以上の高齢化率は、2010年の26.2%を12.2ポイント上回る38.4%にまで一気に高まります。
 また、市区町村別では、2割以上人口が減少する自治体は全体の約7割、その結果、全国で人口5万人未満の自治体数は73.7%にも達します。年齢別では、0歳から14歳の年少人口割合が10%未満の自治体が全体の5割を超える一方、75歳以上の人口割合が25%以上を占める自治体も同じく5割を超えるなど、高齢者が占める割合は大きく上昇いたします。
 年少人口や生産年齢人口は減少に歯どめがかからず、税収や社会保険料は減少する一方、高齢者関連の費用が増え、国や自治体の財政運営は今まで以上に苦しくなることは十分予想されることから、社会保障制度の再設計やインフラの見直しなどが急がれます。
 さて、砺波市の人口減少率は14.8%と、富山県下10市の中では最も小さいものの、2040年の人口は2010年に比べて7,337人少ない4万2,073人にまで減少いたします。
 そこで、当局は今回の推計結果をどのように受けとめておられるのか、まず、お尋ねをいたします。また、現在、市が取り組む対策の現状と評価、並びに今後の強化策をお伺いいたします。
 現在、国では国土強靭化が議論されており、強靭化を考える上でも将来の人口減少を想定することは重要であります。限りある資金を有効に活用するため、将来の維持管理経費を想定した事業の推進などが求められます。
 また、人口減少により財政基盤が弱体化する一方で、市民サービスを提供するための行政コストは大きく上昇いたします。こうした課題解決には行政サービスのさらなる効率化、そのためのまちづくりのコンパクト化が必要かと存じます。
 そこで、市として今後どのような方針でまちづくりを進めていこうとお考えなのか、取り組みのポイントをお尋ねいたします。
 さて、人口に占める働く人の割合が低下する現象を人口オーナスと申します。今後、さらに発展性の低い地域から発展性の高い地域に人口は移動し、その結果、発展性の低い地域における人口オーナスの度合いが一層強くなることは論を待たないところであります。人口オーナスの悪循環を避けるためにも、持続的な雇用機会を拡大し、人口の流出を避けなければなりません。
 そこで、人口減少に歯どめをかけ、将来の活力を生み出すためにも、総合計画の計画期間を超えた、中長期的な視点を持つ成長戦略がぜひとも必要ではないでしょうか。砺波版成長戦略の必要性、取り組みにつきましては、これまでも何度かこの場で提起をしてきたところではありますけれども、人口減少が勢いを増し、社会が大きく変化をしようとする中、改めて当局の見解をお尋ねいたします。
 さて、交流人口を増やすためには市民の御当地愛を高めること、この数値が高ければ高いほど、観光等の入り込み客数が増えるといった考え方のもと、株式会社リクルートが調査した全国御当地愛ランキングがネット上に公開されています。これによりますと、御当地愛が高い都道府県の上位は、沖縄県の65.0%、次いで北海道の62.6%、京都府の57.4%であります。この結果は、ブランド総合研究所が実施した地域ブランド調査2012において最も魅力のある都道府県上位ベストスリーとも重なっており、説得力のある考え方だと思います。
 つまり、この3道府県は自分たちのまちに誇りと愛着を持ち、ぜひ皆さんに訪れてほしいと願っておりますし、一方、全国の人たちはこの3道府県に魅力を感じ、ぜひ訪れてみたいと考えています。決してこの調査結果が全てではありませんけれども、少なくとも御当地愛を向上させることが、ひいては住民自らが地元のよさを外に向けてアピールすることにもつながり、まちの知名度や好感度を上げることにより、必ずや交流人口の増加、さらには定住促進に結びつくものと考えます。
 こうした取り組みについては、現在、国が支援し、小学校、中学校の教員を対象に児童生徒とともに地域のよさを学び、まちづくりを考え、地域のきずなを形づけることを目的とした観光まちづくり教育等が実施されています。こうした教育は自分たちの地域のすばらしさを知り、御当地愛を高めるよい機会になると考えます。当局の所見をお伺いいたします。
 また、生涯学習として、行政の特徴や自慢も含めて地域の魅力や立ち位置をPRする教育等を全市全階層に広げるべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。所見をお伺いいたします。
 次に、大きな項目の2点目、本市のがん対策について質問をいたします。
 国においては、平成19年にがん対策基本法が施行され、それに基づくがん対策推進計画が策定をされました。富山県では、昭和54年にがんによる年間死亡者数が1,816人と、死因の第1位を占めて以来、平成14年には3,000人を超え、昨年の年間死亡者数は3,493人と、これまでの最高を更新、死亡者総数の3割に達する勢いで今も増え続けています。
 富山県では、がんの克服を疾病対策の重要課題として位置づけ、平成20年3月に富山県第1次がん対策推進計画を策定、本年4月から新たに第2次計画がスタートしています。
 重点的に取り組む課題として、1、予防の強化と早期発見の推進、2、質の高い医療の確保、3、患者支援体制の充実等が挙げられています。この計画は、富山県のがん対策を推進する基本計画であると同時に、市町村、医療機関など関係機関のがん対策に対する取り組みの方向性を示す基本指針でもあります。
 そこで、まず、第2次計画のスタートに当たり、平成24年度で終了した第1次計画目標の進捗状況並びにこれまでの成果と課題をお尋ねいたします。
 また、富山県では早くから全国がん医療推進のモデルとも言われる富山型がん診療体制を構築し、がん対策先進県と言われています。そこで、その特徴と市立砺波総合病院のかかわりについて現状をお尋ねいたします。
 さて、第1次計画ではがん検診の受診率50%を目標としてまいりましたが、達成は困難ということであります。しかし、厚生労働省が調査した肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんに関する2010年の検診受診率を県下10市で比較をしますと、本市の受診率は唯一全ての項目で上位ベストスリーに入っています。データの上からも担当される部門の真摯な取り組み姿勢を読み取ることができます。しかし、さらに受診率を向上させ、早期発見、早期治療により、1人でも救える命を救わなければなりません。
 そこで、さらなる検診受診率の向上、そのための受診促進の具体的な取り組みを伺うとともに、本市のがん対策で、今後、特に目指すべき方向性は何なのかをお尋ねいたします。
 次に、がんの中でも罹患率が高いとされる胃がんについてお伺いいたします。
 国が昨年6月に見直したがん対策推進基本計画では、ウイルスや細菌への感染は、がんの原因としての寄与が高い因子とされており、その一つとして、ヘリコバクター・ピロリも胃がんと関連する細菌として挙げられています。世界の中でも日本人は特に胃がんの発生率が高いとされており、50歳代以上の約7割から8割はピロリ菌感染者であり、胃がんの人のほとんどが感染者とも言われています。
 ピロリ菌に感染する人の多くは子どものころに感染し、感染経路は身近にいる肉親や井戸水などが挙げられており、一旦感染すると胃の粘膜に延々とすみつき、長い年月をかけて一部が胃潰瘍や胃がんに変化すると考えられています。
 そこで、まず、ピロリ菌と胃がん発生の因果関係、除菌の有効性について当院の見解をお伺いいたします。
 さて、本年2月、今までは重症でなければ保険を使ってピロリ菌の除菌治療を受けられなかったものが、軽度の症状でも可能となり、胃がんの早期予防に大きな効果を見込めることになりました。自分自身がピロリ菌の保菌者であるかどうかを知っておくことは大変意味のあることだと思います。
 私自身40代前半で、職場の上司の勧めから、市内のクリニックでピロリ菌の除去治療を受けました。それまでは、仕事で徹夜が二、三日続いたり、あるいは深酒などをしますとたちまち胃が痛くなって胃カメラを飲んでおりましたが、除去治療以来、今まで胃が痛むことは全くありません。高校生のころから幾度となく苦しい思いをして胃カメラを飲んできたのは一体何だったのか、除菌治療の効果は絶大なものがあります。
 そこで、自治体によっては全額自己負担ではありますが、特定健康診査にオプションとして新たにピロリ菌検査を項目に加え、胃がん予防に向けた取り組みを開始しているところもあります。ピロリ菌検査の実施に対する当局のお考えをお聞かせください。
 大きな項目の最後に国民健康保険事業についてお尋ねいたします。
 政府は、去る10月15日の閣議で、医療や介護など社会保障制度改革を実施する行程を明記したプログラム法案を決定しました。これによりますと、医療改革の柱となる国民健康保険については、その運営を2017年度までに市町村から都道府県へ移すため、健康保険法などの改正案を来春以降の通常国会に提出する運びとしています。しかし、現在の国民健康保険制度には加入者の年齢構成が高く、医療費水準も高いこと、また、所得水準が低いことに加え、保険料の確保が困難であることなど構造的な問題を抱え、実質的な赤字状態が続いています。
 このため、財政が苦しい市町村になればなるほど、保険料は高くなり、厚生労働省が行った調査では、2010年度で全国一県内格差が小さいと言われる富山県内においても、市町村間で約1.2倍の格差があります。国民健康保険の運営を県に移管されたとしても、こうした構造的な問題を解決しなければ、単に財政的、事務的負担を県に移すだけのことにしかならず、加入者にとっても全くメリットがないのではないかとの懸念があります。
 また、高齢者が病気にならないよう、区市町村が行っている健康づくりを推進し、一方、医療費が過度に増えないようにという、つまり、受益と負担の観点からどういう国保の主体がいいのかといったことも重要なポイントであります。こうした課題には、制度設計者である国が責任を持って抜本的な解決策を講じることを最優先に進めていくべきであり、そうしたことも含めて議論すべきだと考えます。
 そこで、まず、国民健康保険の広域化に対する当局の所見をお伺いいたします。
 さて、本市の国民健康保険税につきましては、あまり先々を見込んだ過度な改定は行わないという基本の考え方から、これまで概ね2年サイクルで税率を改定しています。前回改定時の論理からしますと、来年度、平成26年度に改定の時期が来るわけであります。
 そこで、最後に、現時点における今年度の収支見通し、並びに来年度の税率改正に対する当局の見解をお尋ねして、私の質問を終わります。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
  〔市長 夏野 修君 登壇〕

◯市長(夏野 修君) それでは、島崎議員の御質問のうち、1項目め、本市の人口減少対策についての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の2040年の将来推計人口についての御質問につきましては、少子高齢化、人口減少の時代において、県内の都市の中で本市が最も人口減少率が低い推計となったということはありがたいことだというふうには感じております。これもやはり先人がたゆまぬ努力により、農・商・工のバランスのとれた住みよい砺波市を築いてこられた成果であるというふうに思いますし、これまでまちづくりにかかわってこられました皆さんに対して、改めて心から敬意と感謝を表したいというふうに思います。
 ただ、人口の減少率が低いといいましても、人口が減少する方向であることは、ほかの市と全く同様でありまして、砺波市の人口が14.8%減少し、また、65歳以上の人口比率が24.6%から36.7%に上昇するという推計を考えた場合には、議員が述べられましたとおり、今後、社会福祉費等の増加により大変厳しい財政運営が予想されるということから、しっかりと将来を見据えてこれからの諸施策に取り組まなくてはならないというふうに考えております。
 急速に進みます少子化の中で、人口減少社会に入りました我が国におきまして、人口増を図るという特効薬というものはなかなか見当たらないとは思いますが、結局ふだんから申し上げていましたとおり、さまざまな施策を連携して総合的に展開していくということが必要だというふうに考えております。
 次に、2点目の現在市が講じている人口対策と評価、また、今後の強化策についての御質問につきましては、人口増加施策としては、以前から申し上げておりますとおり、砺波に住んでいること自体がブランド化して住んでみたいまちをつくるということであるというふうに思います。本市の豊かさ、また、暮らしやすさにさらに一層の磨きをかける事業を展開していきたいというふうに思います。
 例えば1つ目には、北陸新幹線の開業や北陸自動車道のスマートインターチェンジの開設を初めとした交通網の整備など、都市基盤の整備をしっかりと進めていきたいというふうに思います。
 2つ目には、小中学校の耐震化や放課後児童教室の整備などによります子育て環境の充実ということによりまして、若者や子育て世代が住みやすいまちづくりに取り組んでいきたいと思います。
 3つ目には、移住や定住を推進するために、産業の振興によります雇用の確保と観光振興によります交流人口の拡大にも努めていきたいと思います。
 これらの施策につきましては、議員各位や市民の皆さんの御協力もいただきながら進めてきているところでありますけれども、何度も申し上げますように、直ちに結果に結びつくものではないということから、引き続き事業を継続して実施し、魅力あるまち、住んでみたくなるまちというものの実現を目指したいと思います。
 今後の強化策といたしましては、砺波市総合計画の後期計画では、将来的な人口減少や超高齢社会の到来というものを、中長期的な課題として既に十分見据えた上で策定しております。本計画を基本として、時代の趨勢を見極めながら、必要なローリングの見直しも行いながら各種施策を着実に進めていこうと考えております。
 次に、3点目の今後のまちづくりの方向性についての御質問にお答えいたします。
 御指摘のとおり、人口減少によります住民税や地方交付税などの歳入が減少するという半面、高齢化の進行によりまして社会福祉費や医療費などに係る経費が増大することが予想されるわけでございます。
 そこで、今後のまちづくりのポイントとして、先ほども申し上げましたが、1つ目には都市基盤の整備、2つ目には子育て環境の充実、3つ目には移住定住の推進といった人口対策を中心として、現在の総合計画の後期計画に基づいて各種施策を進めていきたいと考えております。
 また、まちづくりのコンパクト化が必要という御意見でございました。日本の農村の原風景とも言われます砺波市特有の散居景観を保全しながらも、都市計画決定されております用途地域内の住居地域に開発誘導するということも少し進めまして、どのようなコンパクト化が図れるのかにつきましては、さまざまな角度から研究しつつ進めてまいりたいと考えております。
 4点目の砺波版成長戦略の必要性についての御質問でございます。
 現在の総合計画につきましては、基本構想の計画期間を10年として策定しております。これは、本市の施策を決定する上において、国とか県の施策や方針等とも一定の整合性を図る必要があるということ、また、県の総合計画につきましても、概ね10年間を計画期間として策定されているということなどが背景にあるというふうに考えております。
 その上で、本市ではより時代に合うようにということもありまして、前半の5年間を前期基本計画、後半の5年間を後期基本計画として分けておりまして、前期の基本計画期間が終了する時点で後期の基本計画の内容をその時代に合うよう適時適切に見直しをして、ローリングをしているということでございます。
 また、長期間にわたって実施しなければならない将来の活力を生み出す事業につきましても、単年度予算主義にとらわれることなく、芽出し事業の手法なども用いて今後とも積極的に取り組んでいこうというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、これだけ変化の激しい時代におきましては、総合計画の計画期間を超えた成長戦略を練るというのは実質的になかなか難しいかというふうに思いますし、また、他律的な要因の占める割合が非常に多い市町村の行政という中におきましては、一種のスローガンとしての役割はともかく、現実的なものになるかについては、やはりもう少し検討する必要があるんじゃないかというふうに思います。
 いわゆるアベノミクスの第三の矢とされます新たな成長戦略におきましても、失われた20年の後の再生の10年というふうに目指したことにされておりまして、本市としても、10年間を計画スパンとしている総合計画につきましてはそれなりに合理性もあるものかなと思いますし、これを適時適切に見直すということによりまして、そういう長期的な観点も入れながら活力ある砺波市を目指したいというふうに考えております。
 次に、大きな3項目めの国民健康保険事業につきましてでございます。
 まず、広域化についてどう考えるかという御質問につきまして、御指摘のとおり、国民健康保険は、高齢者、低所得者の加入割合が比較的高く、財政基盤が脆弱であるという一方で、高齢化や医療技術の進歩によりまして医療費が年々増大し、厳しい財政運営を強いられており、国として国保財政の広域化と安定化を検討されているところでございます。
 こうした中で、本市の平成23年度決算におきます1人当たり療養諸費の費用額は32万532円と、県内市町村では3番目に低く、1人当たり保険税の調定額は8万9,826円と、県内6番目に低いということになっております。
 このように比較的格差がないと言われる中でも、保険税収入ですとか給付水準が市町村によって違っておりまして、議員の御指摘のとおり、収納率ですとか、また、保険事業の実施の差ですとか、いろいろ広域化に向けては、御指摘のとおり本当にさまざまな課題があるというふうに私も思います。
 しかしながら、その一方で、高齢化の進行に伴って国保の財政基盤の強化を図って持続可能な制度とするというためにも、保険者を県などとします広域化というものはある意味で避けて通れないものというふうに考えておりまして、その施行時期をしっかりと明確にして、市町村との適切な役割分担のもと、国保制度の再編、統合を行うという必要はあるのではないかと思います。より大きな財政基盤、言ってみれば大きな鍋で煮たほうが早く、やわらかいというか、そういう点については、流れとしては理解できるというふうには思っております。
 なお、この広域化を進めるに際しましては、やはり市町村の財政的な事務的負担を増加させないということがまず前提だと思います。それから、御指摘の先ほどいただきました課題の解決策も含めた被保険者などの意見も十分に反映していただきたいと思いますし、保険者が県になって、実質的な窓口は市町村という形になると思いますが、現場に混乱を招かぬようにということ、そのためには当然ながら十分な準備期間を設けることや、関係者の理解を得るための広報活動を行うなど配慮する必要がございます。全国市長会もいろいろな問題意識を持ちながら国にいろいろな意見を言っておりますし、今後も国の責任におきまして万全の対策をとってほしいと思います。御指摘のように、抜本的な対策というものについても見えておりませんので、この点につきましても、今後とも要望していきたいというふうに考えております。
 最後に、平成25年度の国保の収支見通しと税率改定についての御質問につきまして、まず、国保会計の歳入の面でございますが、今年度の現年分と滞納分を合わせました国民健康保険税の年度末の収入見込みは、ほぼ前年度並みの額を確保できるのではないかというふうに見込んでおります。
 一方で、歳出面では、今年度上半期の療養給付費、それから、療養費、高額療養費などを前年度の同期と比較いたしますと、全体としまして、前年度と比べましてですが、マイナス4.5%というふうになっておりまして、まだまだ極めて流動的な部分がございますが、昨年度に比べますと、高額療養費の減などの要因もありまして、今年度は当初の予算計上額をかなり下回るという見込みになっております。
 そういうことを考えますと、当初予算に計上いたしました財政調整基金の取り崩しを行わないとしても、今年度の国保会計においては、黒字決算ができるのではないかというふうに見込んでおります。
 このようなことを踏まえまして、来年度の国民健康保険税の税率の改定につきまして検討しておりますが、加入者の動向、急に増えたりとか、そういうことが、それから、繰越金がどれぐらい出るか、それから、財政調整基金の残高をどの程度持っていくのか、また、大幅な国の診療報酬の引き上げというのは今のところ見込まれないというふうに見ております。この後、大きな特別なことがない限り、来年度の税率改定は行わない方向で検討していきたいというふうに思っております。
 ただ、しかしながら、本市におきましても、先ほどから御指摘もあるとおり、高齢者人口と医療費の増加傾向というのは変わっておりません。そういうことで、平成27年度以降の税率改定の必要性については予断を許さないものであるということは、御理解いただきたいと思います。
 私からの答弁は以上でございます。その他につきましては、教育長、病院長、また、担当部長からお答えをさせていただきます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 私からは、1項目めの5点目の御当地愛を高める教育の推進についての御質問にお答えいたします。
 これまで教育委員会では、議員が言われております観光まちづくり教育としてではありませんけれども、ふるさと学習としまして郷土の歴史や伝統文化、ふるさとの食文化等について学ぶ活動を通して自分たちの住むまち、地域のすばらしさを知り、自分たちのまち、地域に誇りを持ち、郷土を愛する心を育む教育に取り組んできております。これらの教育活動は、子どもたちだけでなく、かかわる教師はもちろんですけれども、地域の皆さんにとりましても、地域のよさを捉え、いわゆる御当地愛を高める機会になっているものというふうに考えております。
 こうして子どもたちは自分たちの住む地域のすばらしさを学ぶだけではなく、地域の人とともに活動することによってさらに地域とのかかわりを深め、こんなまち、地域であってほしい、こんなまち、地域にしたいという思いや願いを持つのだろうというふうに思っております。そういう意味で、観光まちづくり教育につながるものというふうに考えております。
 また、郷土のすばらしさを知り、地域に愛着を感じる活動につきましては、生涯学習のさまざまな機会を通じまして、年齢等にとらわれない郷土愛を醸成していく活動を公民館等関係団体の御協力もいただきながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 これらの地道な取り組みによりまして、6年生の子どもたちがふるさと探訪授業で印象に残った場所の絵を書きまして、そのはがきを県内外に出している取り組みも私は一つの例であるというふうに思っておりますけれども、市民の皆さんが、自らが発見された砺波の魅力や自慢を砺波らしさとして発信することになり、ひいては交流人口の増加にもつながっていくものというふうに考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 病院長 伊東正太郎君。
  〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕

◯病院長(伊東正太郎君) 私からは、島崎議員御質問の2項目め、本市のがん対策についての御質問のうち、まず、2点目の富山型がん診療体制についてお答えいたします。
 富山型がん診療体制とは、本県の地理的な特徴の中で、国が指定するがん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院と県が指定するがん診療地域連携拠点病院がそれぞれ連携し、県全体としてがん医療の均てん化やがん医療水準の強化を図ることが特徴として挙げられております。このうち、当院のような地域がん診療連携拠点病院は、肺、胃、肝、大腸、乳がんの5大がんの治療に対応し、地域連携クリティカルパスの運用と相談支援センターの運営などの機能を持つこととなります。
 当院では、手術療法、放射線療法、化学療法やそれらを組み合わせた集学的治療とチーム医療を行っており、また、各種のがんの相談に応じるがん相談支援センターや、乳がん患者が気軽に立ち寄れるがんサロンを設置しております。今後は当院と各医師会等の研修会を通じ、地域連携クリティカルパスの運用を推進し、がん治療に対して安心・安全な取り組みを行ってまいります。
 次に、4点目のピロリ菌と胃がんの因果関係、除菌の有効性についてお答えいたします。
 まず、ピロリ菌と胃がん発生の因果関係についてお答えいたします。
 従来、胃には細菌を初めとする微生物は生存しないものと考えられていました。その理由は、胃の内腔は胃液中に含まれる塩酸によって強酸性環境にあるからであります。しかし、1983年、オーストラリアのウォレンとマーシャルが、胃粘膜からヘリコバクター・ピロリ菌を分離、培養することに成功し、胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍と深い関係があることを証明しました。
 ピロリ菌に感染しますと、この菌は胃粘膜に定着し慢性的に炎症を起こします。この炎症が持続した状態が慢性胃炎、萎縮性胃炎とも申しますが、これにより胃粘膜の防御機能が低下し、潰瘍や胃がんなどが発症しやすくなります。ただし、ほとんどの人がピロリ菌に感染しても無症状のまま慢性胃炎として経過すると言われています。日本では約6,000万人がピロリ菌に感染していると考えられていますが、胃、十二指腸潰瘍を発症するのはピロリ菌陽性者の2から3%前後、胃がんに至るのは約0.4%と推測されています。
 一方、胃、十二指腸潰瘍の患者さん側から見ますと、ピロリ菌陽性者が多く、潰瘍の発症や再発を繰り返すことにピロリ菌が関与していると言われております。このため、ピロリ菌は胃がんの発生リスクを3から6倍高めることになると報告されています。
 次にピロリ菌除菌の有効性についてお答えいたします。
 今ほどの答弁で述べましたように、ピロリ菌感染により引き起こされる慢性胃炎が、胃、十二指腸潰瘍だけでなく、胃がんなどの疾患の元凶であることが判明し、ピロリ菌を除菌すれば胃がんの発生を大幅に抑制できることがわかってきました。ピロリ菌除菌後は胃、十二指腸潰瘍の再発率が著明に低下しますので、除菌治療は、今まで潰瘍再発、再燃で苦しんできた患者さんには画期的な治療法と言えます。
 しかし、今までピロリ菌の除菌治療は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、早期胃がんの治療後など症状が進んだ状態でなければ保険は適用されず、大きな自己負担額が生じていました。その後、2013年2月にピロリ菌による慢性胃炎の方にも保険が適用されるようになり、今まで重症でなければ保険を使ってピロリ菌の除菌治療を受けられませんでしたが、軽度の症状でも可能になり、胃がんの予防に大きな効果を見込めることになりました。
 ただし、胃がんのリスク要因はピロリ菌だけではなく、漬物や塩魚をよく食べる北陸や東北地方などに多く発生し、塩分の過剰摂取がリスク因子ではないかとも言われております。このため、ピロリ菌の除菌だけではなく、塩分の過剰摂取や喫煙など生活習慣の改善に努めるのも重要と考えるところであります。
 私からは以上であります。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 川原國昭君。
  〔福祉市民部長 川原國昭君 登壇〕

◯福祉市民部長(川原國昭君) 私からは、まず、2項目めの本市のがん対策についてのうち、3点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目のこれまでの取り組みの成果と課題についての御質問につきましては、まず、がん検診の実施状況を申し上げますと、平成24年度の受診率は、大腸がん、乳がん、子宮がんは前年度の受診率を若干上回っているものの、胃がん、肺がんは前年度をやや下回っております。
 なお、肺がんの受診率で46.5%となるなど、目標値の50%には及びませんが、いずれの受診率も議員さんがおっしゃられたとおり、県内では上位水準となっております。
 このための取り組みといたしましては、がん検診の受診啓発事業として保健師等による健康教育、出前講座、県内で唯一行っておりますヘルスボランティアと保健師による広報車による街宣活動、各種イベント会場等での声かけ、チラシ配布活動、商工会議所及び商工会と連携した働く世代への働きかけを実施しております。
 また、個別の受診勧奨事業では対象者全員に案内通知を送付し、未受診者に対しては重点年齢を定め、はがきと電話で受診を勧奨しております。加えて、受診後の精密検査の対象者につきましては、結果通知が届き次第、電話とはがきで検査勧奨を徹底しております。
 このほか、がん予防関連事業といたしましては、がんのリスクを下げる生活習慣の改善を図るため、栄養士や食生活改善推進員による野菜一皿増やそう運動や、肺がんのリスクを下げるため、たばこ禁煙外来を勧めるなどの支援を行っております。
 今後の課題といたしましては、がん治療においては、早期発見が鍵であることから、本年度からの第2次砺波市健康プラン21の計画受診率に対して一層の推進を図るため、受診率の低い40歳代から60歳代を中心とする働く世代の受診率向上、あわせて団塊の世代を中心とする前期高齢者への同様の取り組みが必要と考えております。
 次に、3点目の検診受診率向上策とがん対策の今後目指すべき方向性についての御質問につきましては、重ねて申し上げますが、本年度よりの本県の第2次のがん対策推進計画の分野別施策に示されるようながんにかからない生活習慣の確立、がんの早期発見体制の強化を受けました本市の健康プラン21(第2次)で掲げている目標値を含めた各種の取り組みに努めてまいります。
 特に、厚生労働省のがん検診のあり方に関する検討会の提言に、個別受診勧奨、再勧奨の取り組みを実施することの重要性が指摘されていることから、働く世代を対象とした未受診者に対するはがき、電話での受診勧奨を強化し、働く職場やお住まいの地域と連携した受診勧奨の実施を図ってまいりたいと考えております。
 また、内閣府の世論調査では、がん検診を受けない理由の第1位には、受ける時間がないと回答した割合が47%を占めており、働く世代が受診しやすい環境を整備するため受診体制の見直しも必要と考えており、胃がん、肺がん検診の同時実施会場を増やしたり、日曜検診や受付時間の延長などを検討してまいりたいと考えております。
 今後とも、高齢化に伴いがんの罹患者数は増加していくことが見込まれる中、市民の皆さんもがんの原因や危険因子に関する正しい知識を持っていただくとともに、危険因子となるたばこ対策などへの理解を深め、定期的にがん検診を受け、早期発見に努めるなど、自らの健康を自ら守る取り組みを周知してまいりたいと存じます。
 次に、5点目のピロリ菌検査の導入についての御質問につきましては、県内の状況を申し上げますと、1つの町が利用者一部負担で実施しておりますが、国保会計の事業としてではなく、一般会計の検診事業として受診者の利便性を考慮し、特定健康診査と同時に実施されていると伺っております。
 ピロリ菌検査につきましては、今ほど病院長さんの御答弁にありましたように、慢性胃炎を繰り返している軽度の病状の方でも、医療機関に相談すれば保険診療として対応することができますし、また、人間ドックの受診の折りにも検査が可能となっております。
 今後とも、この検査の有効性を周知してまいりますので、特定健診の際のピロリ菌検査の導入につきましては現在のところ予定しておりませんので、御解賜りますようお願いします。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時58分 休憩

 午後 1時00分 再開

◯議長(山森文夫君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 1番 山本篤史君。
  〔1番 山本篤史君 登壇〕

◯1番(山本篤史君) 議長から発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問いたします。
 昨晩もブリ起こしが発生し、本日も午前中に今年度初の大雪注意報が出るなど、いよいよ本格的な冬に突入しました。新潟地方気象台が11月25日に発表した北陸地方の3カ月予報によりますと、この期間の平均気温は平年並み、または低い確率ともに40%、降水量は平年並み、または多い確率ともに40%、そして、降雪量は平年並み、または多い確率ともに40%と出ています。いずれも平年より降雪量が多くなることが予想されています。特に1月と2月は平年より降水、降雪量ともに多くなるとのことで、例年に比べて多く雪が降ることが想定されています。今期の除雪も予算がかさみそうです。
 そこで、私は2006年から地区の除雪オペレーターをしていますので、現場の観点から冬季の除雪について何点か質問いたします。
 昨年の除雪でも、明らかに雪が降るのは予想されているのに、出動命令が遅く、明け方になってからの出動が何回かありました。日中よりも夜のほうが危険性が高いというイメージがありますが、除雪車を運転する側としては、明るくなってからのほうが雪の白さの影響もあってか、一般車両に警告灯が見えにくく、交差点などではあわやぶつかりそうになるなど、危険度が高いのです。
 出動命令の時間が遅い場合は、各家庭で所有しておられる除雪機やトラクターなどを活用して除雪しておられ、そのようなところに除雪車で行った場合に、オペレーターとしては遅くなって申しわけないなという気持ちになります。通勤時間帯までに何としても皆さんに支障なく道路状況を改善することを心がけたいと思って努力しています。
 市発行の道路除雪実施計画書によりますと、除雪出動基準は、新降雪深が10センチを超えた場合とありますが、現場サイドからは非常に疑問を感じる場合があります。市内も広く、さまざまな地域がありますが、具体的にどのような手順を踏み出動命令を下しておられるのかをお聞かせください。
 また、道路に面した家の場合、道路敷に樹木の枝が出ている場合があります。時と場合によりますが、道路幅員の確保のためには、枝にぶつかりながらも除雪車を前進させていかざるを得ない場合があります。当局としてどのような目線で普段の巡回や指導をしておられますでしょうか。
 また、道路除雪よりも歩道除雪車が早く通るために、車道の雪をやむを得ず歩道側に排雪することになり、せっかく歩道部の通行を確保したところに、結果として、また雪を堆積させてしまうというケースがたまにあります。このような状況を踏まえますと、ただ除雪するだけではなく、道路除雪と歩道除雪の連携を図るべきだと思います。市当局のお考えをお聞かせください。
 多くの市町村は業者が除雪しているのに対して、砺波市は地区単位で除雪車を保管しており、それに伴いオペレーターも各地区から輩出して冬季の地区の道路環境を整える努力をしておられます。ただ、オペレーターの高齢化が進み、多くの地区で担い手が不足しています。オペレーターを増やそうと思っても、オペレーターになるには、まず、大型特殊の免許の取得から始まるわけでして、誰もがすぐになれるわけでもなく、初期投資が必要になってきます。それでいて、会社員の方は、夜間除雪の担当になったときには明け方まで作業されて、そのまま会社に行くことになります。日中の出動命令の場合は、自営業者もしくは定年退職された方の協力が必要となってきますが、お年を召された方は体力の面もありまして、なかなか協力していただける方が増えないのが現状です。それによって一部のオペレーターの体力的な負担が多くなっています。
 オペレーターの人数はある程度確保されたとしても、結果的に日中の除雪など臨機応変に対応できる方はごく一部に限られているのが現状です。市当局として、このような状況は各地区の方々から聞いて大よそ把握しておられるとは思いますが、今後のオペレーターの育成についてどのような考えをお持ちであるかお聞かせください。
 手前みそではありますが、私も地区のオペレーターの中で主戦力の一人であります。今までと同様に除雪を通じて地区への貢献を継続していきたいと思っていますので、御理解をお願いいたします。
 皆様におかれましては、市内各所で除雪車を見かけられた際には軽くクラクションを鳴らしていただくなど温かい目で見守っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 2点目は、高岡砺波スマートインターチェンジについてであります。
 庄川左岸スマートインターチェンジの名称が正式に高岡砺波スマートインターチェンジに決定し、平成26年度末の供用開始に向けて着々と工事が進んでいます。その一方、今後は利活用のあり方が課題となってきます。スマートインターはつくることがゴールではなく、つくってからがスタートであります。
 6月議会では企業誘致の推進についての質問があり、それに対しての市長の答弁は、市内で操業されている企業はしっかりサポートし、市外への流出や事業の縮小の防止に努めるとのことでした。また、スマートインター周辺の企業立地の方策については、その優位性をしっかりと生かしながら、さまざまな可能性を視野に入れてしっかりと取り組んでいきたいという回答でした。
 既存企業に対して、この地で根を張れるようにサポートしていただくのは非常に重要なことでありますが、一方で、攻撃は最大の防御なりという言葉にあるように、日本全体の人口が減っている中では、攻め続けることこそが最大の解決方法と思います。
 砺波市総合計画によりますと、立地企業数を平成22年の2社から平成28年までに10社との目標値を掲げておられます。これはもちろん砺波市全体での計画ではありますが、新しいスマートインターを生かした企業誘致を今まで以上に積極的にさらに行うべきだと思います。
 開通まであと1年半と迫っているこの状況の中、このチャンスを最大限に生かすためにも、今後、砺波市として具体的にどのような策を講じてスマートインター開業に伴う周辺地域の企業誘致をしていく計画をお持ちであるのかをお聞かせください。
 また、スマートインター開通に向けて現在は工事が急ピッチで行われており、中田橋左岸側の高岡市道戸出石代川原線、通称、堤防道路でありますが、その路線は富山戸出小矢部線の下を交差し、第1堤防に取りつくように、堤防道路の改良と第2堤防と第1堤防をつなぐ橋の建設が行われております。
 スマートインターは堤防道路からもアクセスできるようになっており、非常に交通量が増えることが容易に予測できます。堤防道路の制限速度は50キロであり、スマートインター入り口からさらに上流方向に走っていきますと一直線なのですが、高速道路をくぐる手前で半径20メートルという非常に急激なカーブになり、それでいて、かつ、勾配も急に下がり、非常に見通しが悪い状況です。道路構造令では最低でも半径80メートル以上の曲線にするように定義されています。よって、センターラインをはみ出さないと走行できないような状況です。そして、高速道路をくぐり抜けて再び堤防に上がる地点も同じような状況になっております。
 この桜づつみ線は、もともとは砂利道で、それを単純に舗装したものであり、車の走行はもともと想定されていなかったのではないかなと思います。しかしながら、今後、急激に車両の通行が増え、事故も想定される道路構造である以上、縦断線形、中心線線形を緩和するなど、何らかの対策を講ずるべきだと思うのですが、当局の見解はいかがでしょうか。
 いずれにせよ、高岡と砺波にとって念願のスマートインターの完成を目前としているこのときにこそ、しっかりとした対応をとっていただきたいと思います。
 また、私の6月の一般質問では砺波大橋の歩道についてお尋ねさせていただきました。市政報告会でその件をお話ししていますと、左岸側堤防交差点で事故が多発し、また、通勤時間帯には事故や渋滞が非常に多く発生しているとのことで、市民から、非常に困っているという意見が多数上がってまいりましたので質問いたします。
 市道桜づつみ線から砺波大橋左岸交差点に進入する場合、どうしてもトラスが視界を遮り、事故が起きています。朝夕の時間帯には、砺波大橋を西に進み、スマートインターチェンジ側に右折したい車が交差点でとまっているため渋滞が発生しています。
 近隣ですと、大門大橋左岸橋詰で右折レーンをつくり、渋滞を緩和した例があります。しかし、大門大橋はトラスではないので拡幅できましたが、砺波大橋はトラスを取り外す、イコール橋のつけかえとなり、莫大な費用がかかり、現実的には不可能だと思われます。そういった現状の中、事故が起こらないようにする施策や計画がないものか、当局にお尋ねします。
 以上にて私の質問を終わらせていただきます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 八田俊伸君。
  〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕

◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、2項目めのうち、1点目の企業誘致についての御質問にお答えいたします。
 市の企業誘致につきましては、本年3月に策定いたしました砺波市商工業振興計画に基づき、中京圏、首都圏などの企業3,000社に対して企業立地に関するアンケート調査を実施し、本市に関心を示された企業を中心に訪問活動を行っているほか、名古屋市にございます砺波地域情報センターを情報の受信、発信基地として活用するなど、企業誘致に努めているところでございます。
 高岡砺波スマートインター周辺への企業誘致につきましては、市商工業振興計画におきまして、新たな企業誘致のいわば大きな目玉の候補地として位置づけております。この候補地は、交通の便はもとより、工業用水や強固な地盤などにも恵まれておりますので、団地造成の可能性に関する調査を通じて、市の優位性を生かした工業団地のあり方を研究してまいりたいと考えております。
 議員が述べられましたとおり、スマートインターが開業するこの大きなチャンスを最大限に生かし、企業誘致を積極的に展開することが重要でございます。市ではこの機会を捉え、市の立地環境のよさを積極的かつ効率的に情報発信するとともに、トップセールスや産業展示会などあらゆる機会を捉えながら情報収集に努め、より積極的に企業誘致を推進してまいりたいと考えております。
 ただし、御存じのとおり、企業誘致は、過去の華やかなりしときとは時代は明らかに変わってきておりますので、事前に企業団地を造成することにつきましては、慎重な対応が必要になるかと存じます。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 齊藤和芳君。
  〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕

◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、最初に1項目めの冬季の除雪についてお答えいたします。
 まず、1項目めの1点目、出動命令の基準につきましてですが、車道においては、新たな降雪深が10センチメートルを超えるとき、さらに降雪が予想されると見込まれると判断したときに出動命令を出すことになっております。具体的には、市役所の除雪対策本部におきまして、職員が市内各所をパトロールし、積雪状況を把握すると、もう一つは、気象庁や気象会社からの予報を考慮するということで、総合的に判断して出動の指示を出しております。
 出動の命令の時間につきましては、常にオペレーターの作業を念頭になるべく早く指示を出すようにしておりますが、気象予報と異なり、深夜や明け方になってから基準を超えて降った場合など、議員が述べられたように、地区委員会への連絡が遅くなって、十分な除雪対応がとれない場合も多々ございます。
 また、山間部では地区委員会等で基準に応じて出動しておりますが、平地においては、一晩の降雪量に差がある場合は、各地区の均衡なども考慮して市内一円に出動命令を出さないこともございますので、その辺は御理解を願いたいと存じます。
 2点目の道路敷にはみ出た樹木の管理につきましては、現状では除雪をされる地元に精通した地区委員会等に支障樹木を確認いただき、剪定の要請などの対応をしていただいております。なお、民法上、道路管理者が所有者に対して道路にはみ出た枝の剪定を要請することはできますが、強制的に剪定を行うことはできないことから、地区の方の協力をお願いしているというのが現状でございます。
 3点目の歩道の除雪につきましては、基準が積雪20センチメートルをめどに行うこととしておりますが、車道除雪をした場合に歩道に雪が入ることから、概ね車道の除雪に合わせて歩道の除雪を行うこととしております。
 歩道の早朝除雪は基本的には車道を除雪してから歩道を除雪することになっておりますが、地区境においては、除雪時間帯の調整が必要となりますので、今後、御指摘のあった状態にならないよう、該当区間においては関係地区委員会と連絡をとりながら調整してまいりたいと考えております。
 4点目のオペレーターの育成につきましては、除雪に係る機械オペレーターなど、技術職員の不足は建設業界でも起こっている全国的な問題であり、根本的には国や県とともに対策を研究していく必要があると考えております。
 市といたしましては、今後、国や建設機械施工協会などで開催される除雪オペレーター講習会のあっせんや、免許取得に対する費用の支援などについて検討してまいりたいと考えております。
 次に、2項目めの高岡砺波スマートインターについてのうち、2点目、3点目の開通に伴う周辺道路の整備についてまとめてお答えします。
 現在、高岡砺波スマートインターチェンジへのアクセスにつきましては、主として主要地方道高岡庄川線から、現在工事をしております高岡市道高岡砺波インター線を経由することとしており、砺波市側では主要地方道坪野小矢部線からアクセスする市道久泉東開発線の整備を進めているところでございます。
 そこで、議員御指摘の市道桜づつみ線の諸課題につきましては、この経緯としましては、高岡市においてインター出入り口に向かう高岡砺波インター線を堤防道路と接続させるということで、当初計画になかったのですが、途中の追加の整備計画が示されて、こういうようなことが生じております。
 それによりまして、砺波市においても当然でございますけれど、将来の交通量の変化に備え、桜づつみ線と高速道路が交差するアンダー部分及び主要地方道坪野小矢部線との交差点等についても安全性を向上させるための検討を行っております。
 御指摘の高速道路アンダー部分につきましては、水路を暗渠化し、2車線分の車道幅員を確保する計画を今検討しておりますけれども、道路線形を含め、今後、堤防を管理されている国土交通省と協議をしてまいる所存でございます。
 次に、主要地方道坪野小矢部線と市道桜づつみ線との交差点につきましては、現状においても砺波大橋のトラスが交差点付近での視界の妨げになっているということで、視距、前方を見通せる距離ですけれども、視距の改善や渋滞緩和対策としては、当面は交通規制標識等での対応となるものと考えております。
 なお、今後、この整備につきましては県道の改良も伴うことから、県とも協議しながら交差点全体を現状よりも西側へ移動するという、そういうようなことも今現在検討を進めているところでございまして、スマートインター供用後の交通状況を見ながら対処してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 8番 山本善郎君。
  〔8番 山本善郎君 登壇〕

◯8番(山本善郎君) それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、市政一般について質問をいたしたいというふうに思います。
 まず最初に、下水道事業についてお尋ねいたします。
 砺波市下水道計画検討委員会が平成22年度に砺波市下水道整備基本計画の見直しに係る意見書を作成し、その内容は、庄川左岸の下水道未整備地域の整備については、現計画を踏まえて特定環境保全公共下水道事業として整備することが望ましいと、こうしたところでございます。
 さらに、下水道事業が見込めない地域においては、公共用水域の水質保全を図るため、合併処理浄化槽設置もやむを得ないとの意見でございました。結果、現在は高岡砺波幹線の整備が順調に行われているところでございますが、早々に整備を完了していただきたいというふうに考えます。
 さて、その供用区域の色塗りを見ると、その該当区域内においても、整備、未整備の住居が散見されるのは少々不自然ではないかというふうに考えます。この計画の整備区域にありながら、該当住居ではないとすれば、いつ整備の対象になるのだろうかと、さらに、この計画においては、砺波市の未整備地区が全体的に包括されたわけでないことから、それ以外の地域の今後の整備方針を尋ねたいというふうに思います。
 そこで、1、高岡砺波下水道幹線の進捗状況について、2つ目は、高岡砺波下水道幹線区域以外の整備計画についてをお尋ねいたします。
 次に、砺波市教育委員会の教育現場に携わる心構えについてお尋ねいたします。
 レジの現金に100万円札が混入していたとの報道が一部報道されていたところですが、この附箋の混入経路がはっきりと特定できなかったとのことですが、印刷技術も発達し、その弊害とも考えられるが、今後こういったことが起こらないようにしていただきたいというふうに考えます。
 さて、その附箋もさることながら、他市においては、元教育委員長が回数券を偽造し、高速バスを利用するというような事件が発生しているわけでありますが、本人は今まで数え切れないくらい使ったと話し、もとをただせば、離職しているとはいえ、もとは教育現場を監督指揮してきた者としての罪の重さをさらさら感じていないことに不快感を感じたところでございます。
 また、最近には当市においても教員が飲酒運転の末、事故を起こすケースや、さらには、学校給食に異物が混入しているケース等々、日を置かずしての再発、幸いにも発見が早く、子どもたちへの健康被害がないということに安堵しているところでございますが、どのケースにおいても、あってはならないことの認識が薄れているのではないかというふうに考えます。子どもたちへの安心・安全を確保するためにも、早期の原因究明と再発防止に取り組んでいただきたいものだというふうに思います。
 昨今、教育委員会に関する懸案事項が非常に多いのではないかというふうに思います。教育委員会は地方自治法により学校教育機関を管理し、教育課程の取り扱い事務や社会教育に関する事務を行い、これを執行していかなければならないという責務を負っているはずであります。しかしながら、残念なことに、前に述べたことは概ね本人自身の行動に大きな問題があるように思います。いずれも教育者という立場であったはずであり、ましてや子どもたちの手本となるべき者が、こういった失態を呈するということはいかがなものかというふうに考えます。子どもたちに教育を行う者の教育は一体どうなっているのか、また、どのように管理されているのかをお尋ねしたいというふうに思います。
 今、教育委員会制度は形骸化が指摘され、活性化論と縮小論が真っ向から対立し、まさに論議が展開されているところです。今後も前向きな教育姿勢をとり続けていただき、発揮され、よりよい学校教育に努めていただきたいものだというふうに考えます。
 そこで、1番目、学校教育者全体のモラル向上策について、2番目につきましては、事件、事故再発防止策についてをお尋ねしたいというふうに思います。
 最後に、農業施策についてお尋ねいたします。
 さて、数年後には減反政策を見直し、廃止するといった論議に本当だろうかと目を疑ったところでありますが、米価の安定維持確保を目的としてきたこの長きにわたる国策が大きく転換され、なくなるものとは考えもしなかったことであります。
 その背景を想像するに、米の需要が減り続ける中、主食用米の生産だけにこだわっていては、今後の米政策の維持が困難であるとのことですが、消費減退に加え、人口減も今後予測され、将来を見据え水田を維持していくために非主食用米の生産を増大し、所得を確保する仕組みを構築することが指摘されているようであります。将来を見通すと、作付面積比率が減り続け、他作物の作付比率が多くなり、逆転するといった事態も指摘されています。
 そこで、今の制度の中で直接支払交付金単価を1万5,000円から7,500円に半減させ、5年後には廃止させる方向で調整されているということでございます。また、需要量が年間約8万トン減っていくということは、面積に換算すると約1万5,000ヘクタールに相当するとすれば、砺波市の栽培面積の約3倍の面積に相当するようでございます。また、この交付金削減には他制度へ振り分けるための財源確保をするため、現行1,600億円の財源が半減し、飼料米への支援拡大策に振り向けるとのことであります。
 このように、農政の転換、見直しを行うのであれば、全く全体像を示し、説明を行い、さらなる所得確保向上に向けた仕組みづくりを示してもらいたいところであります。そうしないと、生産現場は将来計画が立たず、不安と不快感に一層拍車をかけることになると考えられます。
 ところで、今そもそも、なぜ減反政策の見直しを行い、制度を大きく転換し、かじを切らなければならないのか、大きな疑問が湧いてくるところでありますが、当市においても、生産調整には長い年月をかけ、一定の理解を得て協力してもらってきた経緯があり、そして、今新たな作物を育成、支援し、一定の方向が定まりつつあるところであります。今後も水田農業を維持発展させるためにも希望のある農業を支援するべきだと考えます。
 そこで、1つは、新制度施策の具体的内容について、2つ目につきましては、その新制度改正による砺波市農業の影響についてをお尋ねしたいというふうに思います。
 最後でございますが、次に、産米等級比率アップ支援についてお尋ねいたします。
 最近の8月後半の暑さというものは、異常と言えるくらい暑い日が続くわけであります。これも地球温暖化の影響なのか、夏場の夜温が下がり、寒暖差が大きくないと、良質米が生産できないと言われますが、どうもその辺に一因がありそうであります。それに加え、収穫時の長雨やゲリラ豪雨などが困難度を一層助長しているようにも思えます。
 さて、今年もこのような状況のもと、収穫を終え、ほっとしているところでありますが、結果、産米の品質成績がどうも芳しくないとの様子でございます。
 県産の10月末1等比率は、前年同期に比べ5ポイント減の68.2%で、田植え時期を繰り下げる方向で指導を始めて10年となるわけでありますが、その間の2番目に低い値となったようであります。県内地域ごとに見ても、比較的、呉東よりも呉西地区のほうが低く、結果、各地域間の比率の差が大きくあらわれたものと推測されます。
 原因は、主に米質、特に白濁の影響が大きかったのではないかと述べられています。1年間をかけて産米生産に携わってきた結果がこのようであれば、生産意欲も減退するのではないかと非常に懸念するところであります。
 そこで、速やかに原因究明と次年度対策、支援策が必要だというふうに考えます。そして、産米のイメージアップ、販売力強化に向けていただきたいというところであります。
 そこで、3つ目には、今年度の1等米比率の低下の原因について、4つ目には、イメージアップ、販売力アップの支援策についてお尋ねして、私の質問を終わります。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 教育委員長 河西 求君。
  〔教育委員長 河西 求君 登壇〕

◯教育委員長(河西 求君) 私からは、2項目めの第1点目の学校教育者全体のモラル向上についての御質問にお答えいたします。
 議員が述べられましたように、昨今、子どもたちの模範となり、尊敬すべき教職員が起こした事故が非常に目立つことに対して、そして、また、本市におきましても、そのようないろいろなことが起きているわけでありまして、このことに対して本当に遺憾であり、残念なことだと思っております。
 教職員のことについてお話ししますと、教職員にまずなるには、しかるべき教員免許取得の研修はもちろんでございますが、その中には憲法もあり、いろいろな形で民法も勉強しなくちゃ教員にはなれない、こういうことでございます。昨今は教員の採用のほうもちょっと楽になったような、それだけにまた資質向上に対して気になるところもあるわけでございますが、それでも厳しい検査の中で、たくさんの検査員の中で通過した人でありますので、私どもは尊敬し、育てていかなくちゃならない使命があると心得ております。
 就職してからも教員は独特の研修義務があります。勉強しなくちゃならない義務があります。教え方はもちろんでございますが、いろんな対応、学級指導とか、あるいは保護者への対応とか、そういったものはやはりいろんな形で学ばねばならないことがたくさんあります。免許が取れた、技術がとれただけでは、先生は務まりません。
 議員の言われるように、モラル、徳性、あるいは公民として当然世間に通ずる一般的な常識というふうに捉えたとすれば、教員としての専門的資質につきまして、その技量につきましては、今ほど言いましたように、教職についてからも日々の授業はもちろんのことでありますが、児童生徒への対応、問題行動をとる子どもたちへの対応はもちろんでありますが、保護者への対応、こういったものについても先輩教諭からいろんな形で叱られたり、それではだめだとかというふうな指導を受けながら日々を過ごしているわけであります。
 余りにも多様な時代の変化とともにいろいろな問題が出てきて、ちょっと気になる、鬱になったりする先生方も、前から見れば増えたなということが心に本当に響いているところでございます。
 このように、子どもたちも、かつては2%ぐらいのものでありましたが、今年になりまして、私は6%ぐらいと考えていたのですが、さらに増えて7%、学校によっては10%ほどのいろいろな子どもたちの、気になる子どもがおるというようなことを聞いて、本当に憂いているわけであります。
 県としましても、スタディ・メイトとかいろいろな形で昔以上に手厚い先生の配置をいただいているわけでありますが、今ほどの言ったようなことで、なかなか思うようにはいかないのも現実であります。
 徳性ということになりますと、その辺いろいろな中で徳性を磨く、モラルを磨く、そういう常識を磨くというようなことでしているわけであります。近年、子どもたちの中に、これではだめだということで、教育再生会議のほうで道徳の授業時間の教科化するというような動きもあるくらいに、徳性ということに対しては、社会全体がそういうことで関心を持っていただけることは、一方ではありがたいことだなというふうに思っているわけであります。
 まさに、よく学ぶよき教師、あるいは子どもに知的好奇心のともしびをともすとか、冒険心も含めて、よし、やろうという、そういう先生を育てるには、やはりそういう常日ごろからの先輩教諭、そして、また、支えていただく地域の方々からの励みによってそういう先生が育つものじゃなかろうかと、こういうふうに思っております。
 まさに厳しい管理や競争原理だけでは、モラルの向上は見られないばかりでなく、学校が楽しくなくなり、そして、教職員のやる気、士気といいましょうか、いわゆるモラール、モラルじゃなくてモラール、やる気のほうです、こういったものは、それだけでは育つものでないというふうに心得ております。
 砺波市の学校管理下においても心配になるような課題は幾つもあるわけでございますが、学校給食センターにおきましてもいろいろな混入事件もございましたが、一昨年の全国学校給食甲子園大会で準優勝の成績を出しております。引き続き、昨年におきましても、地産地消給食等メニューコンテストで文部科学大臣表彰を受賞するなど非常に数々のすばらしい成績を出しております。これもやはり、私は信じております。
 また、子どもたちにおきましても、県を代表するような、文化面、スポーツ面におきましても、具体的な数字は先ほど教育長の答弁の中にもありましたように、かなりの努力をし、精いっぱい頑張っておるような子がほとんどでございます。そういったことで我々は砺波市民として、本当に子どもたちから感動や勇気をいただいているという面もあるわけでございます。
 それだけではもちろん、先生方のモラル向上、こういったものはできないわけでございますが、今まででもそうでございましたけれども、私ども教育委員会が目指す道徳性といいましょうか、徳性、心づくりには、根底にはやっぱりそういう、特に心づくり、モラルづくりと読みかえてもいいかもしれませんが、知、徳、体とあっても、学校教育ではやはり徳のほうが優先しているわけでございます。
 そういったことは、いつも私どもはいろんな形で指導しているわけでございますが、委員会としましては、幼稚園訪問、私もどの園にも行かせていただいております。小学校はもちろん、中学校も行かせていただいております。そういった研修の場で必ず挨拶をすることになっておりますが、そういった中でも、褒めることが7割、そして、また、気になることが3割ぐらいというようなことで、必ずその学校、学校に合わせた指導をしているつもりであります。それと、また、多種研修会、中教研、小教研、あるいは学校保健会等、幸いにしていろんな機会に出させていただく機会もございますが、その都度、そういう心の面から、あるいは体の面から心を支えるという面も含めながら指導しているつもりでございますが、今後ともさらに、そういう形でモラルの向上に努めていきたいと、このように思っております。
 私のほうからは以上でございますが、教育長さんとかいろんな方からいろんな面で御指導いただけたらなというふうに思っています。
 私のほうからは以上でございます。失礼いたします。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 私からは、2項目めのうち、2点目の事故・事件再発防止策についての御質問にお答えをいたします。
 まず初めに、市内における教員の飲酒後の車の運転による事故、学校給食への異物混入事案につきまして、議員を初め、市民の皆様に多大な御心配と御迷惑をおかけいたしました。改めて心からおわびを申し上げます。
 教育委員会では、今回の事故を受けまして臨時校長会を開催し、飲酒運転防止の徹底につきまして、各学校で具体的な取り組みとその徹底について改めて指示いたしました。
 各学校では、1つとして、飲酒を伴う懇親会等がある前日または当日におきまして、事前に管理職が飲酒に関する指導を行う、2つ目としまして、管理職は事前に飲酒者名、帰宅方法等を記録し、懇親会終了後再度確認し、翌日に結果を確認記録するなど具体的な取り組みを実施しているところでございます。
 教職員は教育を通じて全体の奉仕者としての教育公務員の原点に立ち返り、教育公務員として自覚ある行動に努めることが大切であり、今後とも市民の教育に対する信頼を回復するよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、学校給食への異物混入事案につきましては、異物混入発生後、給食センターでは調理室内の全調理機材及び食材の搬入経路等の調査を行い、異常のないことを確認しておりますが、さらに、1つとして、異物混入の有無の目視点検の徹底、2つとしまして、毎日の調理機器のねじ等、調理前、調理後の点検記録、そして報告、3つ目といたしまして、すくい網、ひしゃく等のねじ固定式からねじのない一体型へ順次変更するなど、異物混入防止に取り組むだけでなく、児童生徒への食の安全に関する指導や給食への感謝の気持ちを育む指導に取り組んでいるところであります。
 また、厚生センター、PTA代表、小学校、中学校の校長会長さん、給食センター等関係者で構成いたします砺波市学校給食異物混入対策委員会を設置したところであり、本年中に学校給食異物混入危機管理マニュアルを作成しまして、再発防止策として取りまとめていくことにしております。
 今後とも、安全・安心な学校給食の提供に努めてまいりたいと考えておりますので、議員の皆様の御理解と御協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 八田俊伸君。
  〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕

◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、3項目めの農業問題についてお答えいたします。
 まず、1点目の新制度施策の具体的内容については、国から詳細な情報や説明がまだなされておりませんので、内閣に設置されております農林水産業・地域の活力創造本部の資料に基づいて申し上げます。
 米の直接支払交付金につきましては、経過措置として平成26年産米から現行の単価10アール当たり1万5,000円を7,500円に削減した上で、平成29年産までの時限措置とし、30年産からは廃止すること、また、日本型直接支払制度の創設につきましては、農業、農村の有する多面的機能の維持、発揮を図るため、地域内の農業者が共同で取り組む地域活動を支援するほか、畑作物の直接支払交付金につきましては、認定農業者、集落営農、認定就農者に対して実施することになっております。このほか、食料自給率等の向上につきましては、飼料用米や麦大豆など戦略作物の本作化を進め、水田のフル活用を図ることや、地域の裁量で活用が可能な産地交付金を充実すること、また、米政策の見直しについては、5年後をめどに生産者などが自らの判断で需要に応じた生産が行われるよう環境整備を推進するほか、米価変動補填交付金は平成26年産米から廃止することなどとなっております。今後、国や県から詳細な内容が示され次第、速やかに関係団体へ情報提供してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の新制度改正による砺波市農業の影響につきましては、国や県からこれも詳細な内容が示されていない状況下で申し上げるのはいかがなものかと思いますが、現在知り得た情報の中であえて申し上げますと、米の直接支払交付金は、経過措置はあるものの、削減、廃止になれば農家にとって大きな収入減となります。
 また、米政策の見直しによって生産調整が適切に行われなくなり、米価が下落すれば、経営所得安定対策に加入できない農家にとって米価変動補填交付金の削減は、米に特化する当市にあっては、農家の所得に大きな影響があるものと考えております。また、飼料用米に数量払い制度が導入されようとしておりますが、保管場所や流通経費などの課題が指摘されております。いずれにせよ、日本型直接支払制度の詳細な事業内容が示されていませんので、本市農業への影響は明確にお答えできませんが、大変憂慮いたしております。
 次に、3点目の1等米比率の低下原因については、主力であるコシヒカリでは、出穂後20日間の平均気温がかなり高く、また、日照時間が長かったことから、白未熟粒の発生が等級格下げの主な要因となったと考えられています。
 今年のような高温多照のもとでは穂揃期に葉色を高めるほか、成熟期までしっかり活力維持できるよう水管理や土づくりなどを的確に行うことが必要であると、県農林振興センター等で分析されております。また、早生品種のてんたかくの等級格下げ要因は、大半がカメムシによる斑点米被害によるもので、圃場周辺の適切な雑草管理と防除が必要であるとのことでありました。
 次年度に向けては、関係機関でこれらの品質低下に対する対応策をしっかり確立していただくなど、1等米比率の向上に万全を期して取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、4点目のイメージアップ、販売力アップへの支援策については、これまでもとなみ野農協が主体となって取り組む栽培技術の向上に向けた営農指導事業や米作改良対策本部事業のほか、となみ野米の販路拡大や販売強化に向けた取り組み等に対し、市として支援しており、今後も引き続きしっかり支援してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 齊藤和芳君。
  〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕

◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、1項目めの下水道事業についてのまず1点目、高岡砺波幹線の整備進捗状況についてお答えいたします。
 現在、県の施行により、高岡市内における3.6キロメートルの幹線工事のうち、本年度末には第7工区までの1.4キロメートルの整備が完了する予定でございます。残りの2.2キロメートルにつきましては、平成26度中に完了するということを聞いております。
 また、砺波市内での幹線工事となる6.6キロメートルにつきましては、平成27年度からの工事着手に向け、現在、測量、地質調査の業務を終え、高岡市境より4.7キロメートルの区間において実施設計を進めております。残る1.9キロメートルについても本年度中に実施設計の発注をされると伺っております。
 次に、2点目の高岡砺波幹線以外の整備計画についてお答えします。
 最初に、今回計画している北部地域について若干申し上げますと、高岡砺波幹線の事業効果が早期にあらわれる103ヘクタールの区域内については、市の施行による下水道枝線管渠の整備の完成を平成31年度を目途に進めております。
 整備手法としては、事業効果を高めるために区域を2つに分け、本年度末までに北側部分の受益面積49ヘクタールの北部I期区域を設定し、事業を実施する予定としております。続けて、その事業の進捗に合わせて残り南側の54ヘクタールの北部II期区域の拡大を予定しているというところでございます。
 そこで、この幹線流域内でございますが、今回の事業実施予定区域以外の高波地区の北部、林、油田、鷹栖地区の一部、並びにJR城端線より北側に位置する東野尻地区の一部につきましては、先の北部地域の完成後に、平成22年度に策定しております砺波市下水道事業中期経営計画に基づくとともに、市の財政状況も踏まえ、関係地区の皆様の御意見を伺いながら、順次、事業実施区域の拡大をして進めていくという予定でございます。
 一方、今回の高岡砺波幹線に流下できない岸渡川の西部に位置する若林地区及び高波、林、出町地区のそれぞれ一部の地域については、県施行による新たな流域幹線となる(仮称)小矢部砺波幹線の施行が必要になります。このため、関係地区及び幹線の下流域となる小矢部市との協議も必要でございますし、高岡砺波幹線区域の整備にある程度のめどが立った時点で、国、県に対して、実施に向けての要望等を行う必要になるものと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 暫時休憩いたします。

 午後 1時56分 休憩

 午後 2時13分 再開

◯議長(山森文夫君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 12番 今藤久之君。
  〔12番 今藤久之君 登壇〕

◯12番(今藤久之君) 発言の許可をいただきましたので、質問通告書に従い、市政一般に対する質問と提案を述べさせていただきます。
 最初は、老朽化するインフラについてです。
 1年前の12月2日、山梨県大月市の中央自動車道上り線笹子トンネルにおいて、天井板が約130メートルにわたり落下し、走行中の車両が巻き込まれ、9人のとうとい命が失われるという悲惨な事故がありました。また、本年2月には、静岡県浜松市の弁天橋において、ケーブル破断のためつり橋が大きく傾くとの事故もありました。先の中央自動車道笹子トンネルの事例では、3カ月前に点検をしていたにもかかわらず、ボルトの異常を見落としていたとのことでありましたし、浜松市のつり橋の事例では10カ月前に点検を行っていたが、ケーブルの異常に気づかずにいたとのことでありました。
 県内では富山市の八田橋の例があります。市街地にあり、1日2,100台も車両が通行するそうです。この橋はゲルバー橋と呼ばれるもので、橋桁に継ぎ目があり、橋桁そのものが継ぎ目に乗っているという特殊な構造のものでありました。残念なことに、富山市はこのような特殊な構造だとは認識しておらず、5年前、マニュアルに従い点検を行った折には、構造上、最重要部である継ぎ目が点検されておらず、緊急の対応は不必要とされておりました。
 しかしながら、別に行われた土木学会による解析によれば、このまま放置すれば継ぎ目の亀裂が進行し、最悪の場合、橋が落下することが判明し、富山市は一転して緊急の対策を迫られることになりました。
 なぜこのようなことが起こったのか。この事例では、建設当時の精密な図面や資料が残されていなかったのが一番大きな原因だと言われております。簡単な概略図だけでは本当に点検をしなければならない重要部分を認識できなかったということでありました。
 一般的に道路や橋梁は正確な図面等があれば構造上の重要な箇所も把握しやすく、外部からの目視や打音により、ある程度の点検は可能であろうと思われますが、困難なのはトンネルです。特に昭和55年ころまで一般的に行われていた工法は、掘削が終了した後、型枠をつくり、最上部からコンクリートを流し込むというものでありましたが、この工法ではどうしても上部に十分なコンクリートが充填できないことがあり、背面空洞と呼ばれる空洞ができてしまいます。この背面空洞があると、山側の圧力でコンクリートが変形し、強度が弱くなり、雨などで土砂が緩み、トンネル天井部の裏側に落下し、最悪の場合はトンネルの破壊に至るものです。トンネル天井部の裏側であり、目視もかなわず、打音による点検をすること自体が既に大変な作業であり、しかも、異常を見つけるのは困難を極めるであろうと考えられます。
 さて、前述しました土木学会の高木千太郎氏は、点数積算で行われる既存の点数評価方式の点数そのものにこだわるべきではない。また、点検はどこかに異常がないかではなく、異常があるはずだとの視点で行うべきと述べておられます。
 国は笹子トンネルの事故を受け、今年をメンテナンス元年と位置づけ、トンネルや橋梁だけではなく、全てのインフラ総点検を行うよう全国の自治体に求めています。幾つかの事例からもわかるように、点検を終えたものの中にさえ重大な事故を起こす可能性があることが判明したものですが、これらのことを踏まえ、まず、市が維持管理する道路、橋梁、トンネル等の点検評価方法とその結果についてお尋ねいたします。あわせて、老朽化する構造物の正確な図面や記録が現在残っているのかどうかについてもお聞かせください。
 次に、補修修繕工事における積算基準についてお尋ねいたします。
 私ごとですが、ふだん私は、なりわいとして木工業を営んでいます。日ごろから強く感じていることの一つに、補修作業の難しさが挙げられます。部品の段階であれば、取り回しが容易であっても、一旦完成した構造物では、作業を行いやすくするために位置や方向を動かすこともできず、複雑な構造であれば、部品にたどり着くことさえも困難であり、作業どころではないからです。場合によっては、新たにつくりかえたほうがよほど簡単と感じることも少なくありません。比較的構造が単純であり、サイズの小さい木製品の補修や修繕でさえ容易ではないことを考えますと、橋梁、トンネル、建築物といった複雑で大規模な構造物の補修や修繕の厄介さは想像にかたくありません。
 新たな構造物をつくるのであれば、当然のことながら原材料単価や作業基準単価等の積算で見積もりを出すことも容易でしょうが、既存の構造物の補修や修繕も同様では採算が合わず、受託者がいないとか、工事の不行き届きが懸念されると思われます。
 そこで、補修工事における積算基準について市当局の考えをお尋ねいたします。
 この項目の最後に、維持管理の推進と長寿命化対策についてお聞きいたします。
 全国どの自治体においても高度成長期前後に整備されたインフラの老朽化対策には苦慮しているところですが、砺波市も例外ではありません。市としても平成24年に砺波市橋梁長寿命化修繕計画を策定し、このことに取り組んでいることは承知しておりますが、安全を最優先として維持管理していく必要のある道路、融雪装置、橋梁、トンネル、建物などの構造物に対しては、最初に述べましたとおり、しっかりとした点検と調査を行い、老朽度や優先度を精査し、長寿命化計画を立て推進していく必要があります。
 現在、砺波市では市道延長が約750キロメートル、歩道、車道を含めた消雪管延長が約142キロメートル、橋長10メートル以上の橋梁が25橋、トンネルが2カ所と維持管理すべき対象が多くある中、修繕の対策はもちろん必要ですが、コスト低減のためにも予防措置にも重点を置き、有利な交付金、助成金の活用をするなど総合的な対応が望まれます。
 報道によりますと、過日、政府において、高度成長期に集中してつくられた社会インフラの長寿命化基本計画案が決定されたとあります。各省庁と自治体は遅くとも2016年までに全体的な維持管理体制や、中長期的なコストの見通しを示した行動計画を策定し、2020年ごろまでに施設ごと個別の計画を策定し、点検、修繕を進める。また、2030年には老朽化を原因とする重大事故をゼロにする目標を掲げたとあります。さらには、これまで認められていなかった地方債を発行して撤去費用を借金で賄うことも新たに認める方針であるそうです。
 時代の移りかわりにより不要となったインフラに関しては廃止することも視野に入れなければなりません。時代の要求から必要となる新たなインフラ整備を行う一方で、補修など維持管理をどのように進めていくのか、あわせてインフラ長寿命化への取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
 大きい項目の2点目、砺波市文化振興会と砺波市花と緑の財団の統合についてお尋ねいたします。
 文化振興会の設置目的が文化と芸術の振興により芸術文化活動と生涯学習支援を行い、市民の教養と文化を高め、心豊かなまちづくりに寄与することであり、花と緑の財団では、花と緑を振興することにより、花や緑を愛し、守り、育てていく活動を支援することで、緑豊かな環境づくりと心豊かなまちづくりに寄与することとなっております。
 文化芸術と花、緑という違いはあるものの、心豊かなまちづくりに寄与することが目的であるのは共通しております。また、両法人の事務所の所在地が近接していることもあり、統合についてはそれぞれの業務を尊重することで比較的なじめるものであろうと思われます。また、組織が統合することによるスケールメリットもあると考えられます。共通する経理事務等が1つで済むでしょうし、予算規模の拡大によるめり張りのきいた運営も可能になり、互いの業務の繁忙期や閑散期を調整することで、マンパワーの活用についても、これまではできなかった思い切った人員配置が考えられるとも思われます。せっかくの統合でありますので、このことを生かし、広域的に一体感を持った運営を望むものです。
 そこで、砺波市文化振興会と砺波市花と緑の財団の統合により、どのような展開を考えておられるのか、そのメリットにはどのようなものがあるのか、お聞かせいただきたいと思います。また、統合された新たな公益財団法人が来年4月1日に発足される予定ですが、具体的な推進方法と新たな取り組みについてもあわせてお答え願います。
 最後に、大きい項目の3点目、砺波市立砺波散村地域研究所の散居村ミュージアムへの移行について提案をさせていただきます。
 このことをお聞きしたとき最初に感じたのは、郷土資料館はどうするのであろうかということです。現在、砺波散村地域研究所は砺波市立砺波郷土資料館に併設されております。このことは研究所と蓄積された大量の資料が同居しているということであり、適切な配置であろうと思います。
 散村地域研究所と郷土資料館は、例えて言うならば1枚のコインの裏表ではないかと思います。理想を言えば、調査研究と資料の蓄積場所、できることなら発表の場が一堂であれば、それに越したことはないと考えます。この決定については十分な議論もなされたことと思いますし、その決定について異論を唱えるものではありません。
 また、今定例会初日に行われた全員協議会では、平成25年度砺波市行政改革中間報告の中で、散居村ミュージアムの将来的な指定管理化なども含め説明のあったところです。
 そこで、今後のあり方についての意見を述べたいと思います。
 散村地域研究所が散居村ミュージアムへ移行することにより、調査研究と発表の場が一緒になることはよいのですが、膨大な資料を検索や利用するたびに郷土資料館への往復があるのはどう考えても非効率であります。今すぐにではなくとも、将来的には資料館も含めての、この場合、資料館というのは蓄積された資料そのもののことですが、移行を行ってはどうでしょうか。
 現在、散居村ミュージアムには伝統館、交流館、情報館、民具館の施設があります。伝統館の屋外には納屋、廃小屋がありますが、蔵がありません。もし将来的に蔵を設置することができれば、砺波の散居としてのオールスターキャストが勢ぞろいしますし、散居村ミュージアム全体として一つの完成形と言えるのではないかと考えます。そこに資料を蓄積することで、調査研究の場と資料蓄積の場、さらには発表の場が同じ敷地内にある理想的な配置となります。
 一方、チューリップ公園内に残された資料館の建物は建築物として非常に価値のあるものでありながら、現在のところ、その利活用については十分とは言えません。しっかりと再整備を行えば、多くの人に見ていただける公園内の一つの目玉施設として、さまざまな利用方法とさらなる付加価値が見出せるものと考えます。このことに関し、夏野市長のもう一歩上の踏み込んだ御所見をお聞かせくださいますようお願い申し上げ、今回の質問を終えさせていただきます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
  〔市長 夏野 修君 登壇〕

◯市長(夏野 修君) 私から、今藤議員の2項目めの砺波市文化振興会と砺波市花と緑の財団の統合についての御質問にお答えいたします。
 現在、チューリップ公園周辺には公益財団法人砺波市文化振興会が運営いたします砺波市文化会館と砺波市美術館があり、同じエリアには公益財団法人砺波市花と緑の財団が運営するチューリップ四季彩館とチューリップ公園があります。それぞれの財団の設立目的に応じまして、指定管理者として管理運営を行っております。
 新たな財団への統合につきましては、両財団の役員の皆さんの立ち会いのもと、去る11月1日に両財団の合併調印式を行ったところであります。
 今回の統合は法に基づく事務手続の関係上、砺波市文化振興会を吸収合併存続法人とし、砺波市花と緑の財団を吸収合併消滅法人とする、形式的には吸収合併という統合方法によるものではございますが、両財団を対等に統合するという趣旨のもと、現在、来年4月1日の新財団発足を目指して準備を進めているところであります。
 今回、両財団が統合することによるメリットにつきましては、ハード面におきましては、チューリップ公園周辺の管理等の一元化を図って施設を一体的かつ効率的に維持管理できるということがあると思います。
 また、ソフト面におきましては、チューリップフェアを初めといたしましたイベント、催事等の企画、運営に関する連携をさらに深め、事業内容を充実させますとともに、人的協力体制ですとかPR等の相乗効果により、施設利用者や観光客へのサービス向上と施設利用の活性化に努めるものであります。
 さらに、財団の会計面におきましても、統合によりまして資金力が高まるということがありますので、安定した財団運営が可能になるということもございます。また、両財団が行っております共通した運営事務の軽減、合理化によりまして管理経費の節減を図るという効果もあると思います。
 次に、新たな財団におきましては、「もうひとつ上の“となみ”」を目指してチューリップ公園の通年利用と活性化ということに向けて取り組みが重要であるというふうに思っております。
 今回の財団統合におきまして、現在、新しい取り組みを検討しておりまして、1つ目は、各施設の休館日をなくしたいと考えております。現在、両財団が運営いたします各施設の休館日につきましては、年末年始の休館日のほかは、砺波市美術館が月曜日、砺波市文化会館が火曜日、チューリップ四季彩館が水曜日ということを基本に休館日としております。
 新財団におきましては、チューリップ公園周辺を魅力あるエリアとして、市民を初めとした施設利用者ですとか観光客の皆さんにできるだけいつでも施設を利用していただけるよう、新年度から原則年末年始、やむを得ない施設点検日はございますが、を除き、休館日をなくして利用者サービスを図るよう検討を進めております。
 2つ目は、各施設が連携しサービス向上に努めるということとして、例えばチューリップ四季彩館と砺波市美術館の共通割引入場券の発行ですとか、ホールメイト、それから、年間パスポートなどの特典内容の見直しの検討を行っております。
 このことは、各施設が連携して相乗効果を発揮することによりまして施設入場者の増加を図り、さらに魅力ある芸術と観光のゾーンとして周辺施設の利用促進、活性化に結びつけたいという趣旨でございます。
 3つ目は、チューリップフェアを初めといたしますチューリップ公園でのイベント時におけます、例えば今現在進めております文化会館屋上の展望広場の利用ですとか、イベント等開催時の文化会館の施設、会議室、それから、トイレ等の積極的な活用、また、砺波市美術館とチューリップ公園とが連携した企画など行催事の連携を進めまして、各施設が一体となった施設運営を図るということを考えておりますし、また、統合によります新しい視点での企画行事が行われるようにもしたいというふうに思っております。
 以上、現在予定しております3つの新たな取り組みを御紹介いたしましたけれども、既に夏の子どもまつりですとかKIRAKIRAミッションなどのイベントでは、両財団が連携したり、職員同士が協力したりする活動を行っております。このほかにも各施設がより活性化するため、今後さまざまな取り組みを検討していきたいと思っております。
 次に、3項目め砺波散村地域研究所の散居村ミュージアムへの移行についての御質問にお答えいたします。
 市といたしましては、現在、砺波郷土資料館に併設しております砺波散村地域研究所を来年4月からとなみ散居村ミュージアムに移行することといたしまして、砺波市が誇る散居村の調査研究、それと、その成果等の普及、活用等について一体的に所管したいというふうに考えて、その方向で今準備を進めております。
 今回の移行によりまして両施設の情報などを共有化しますとともに、相互の連携を図ることによって、より質の高い事業展開が期待でき、タイムリーな情報をより効果的に発信できるのではないかというふうに考えております。
 ただ、一方では、これまで散村地域研究所が蓄積してまいりました貴重な調査研究資料などが郷土資料館の収蔵庫等に保管してありますことから、多少なりとも不都合が生じてくるのは否めないものと考えております。
 そのような観点から、散居村ミュージアムに収蔵庫を兼ねた、議員のお言葉をかりますと蔵を設置して関係機関を集めればどうかという御提案につきましては、その必要性につきましては理解できますので、今後、関係の皆様とも調査研究を進めまして、どのような形がいいのか、蔵がいいのか倉庫がいいのか、一緒じゃないかという意見もあるかもしれませんが、そのような形も含めて検討してまいりたいと思います。
 また、あわせまして、歴史があります本当にすばらしい郷土資料館の建屋の活用方法につきましても、チューリップ公園内の一つの目玉となる施設にすればどうかという御提言につきましても、せっかくの郷土資料館がやはり公園の中で何となく人気がないような形になっているという点も理解できますので、あわせて郷土資料館の散居村ミュージアムへの移転に絡んで、その蔵も含めた提案の中であわせて検討する必要があるというふうに思っております。
 私からの答弁は以上でございます。その他につきましては担当部長のほうからお答えをさせていただきます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 齊藤和芳君。
  〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕

◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、1項目めの老朽化するインフラについてお答えします。
 まず、1点目の市が維持管理する道路、橋梁、トンネルの点検、評価方法と結果につきましては、現在、当市の長寿命化計画を策定し終えている橋梁を除く構造物につきましては、トンネル1カ所、のり面4カ所、道路附属物141カ所についての調査を業務委託しております。委託業者は、国から示されました点検要領に基づき、損傷箇所の劣化ぐあいを目視及び打音などにより、危険度や緊急度を評価しています。
 今後は今年度末に完了するこの点検結果に基づいて補修方法等の検討を行い、補修の場合は補助事業等の積極的な活用により対応してまいりたいと考えております。
 なお、重要構造物である橋につきまして、去る11月22日に国土交通省と近隣の4市の担当者が参加して、実際に舟戸橋を題材に現地で点検評価の研修を行い、職員自ら点検内容などについて見識を深めたところでございます。点検評価の結果につきましては、橋の状態はよいほうであり、路面排水の管理をしっかりと行っていくことが大切であるというような講評をいただいております。
 次に、2点目の老朽化する構造物の正確な図面や記録につきましては、重要構造物の橋梁では、長寿命化計画に載せている25橋の全橋に概要図が備わっておりますが、構造図等詳細がわかるものは、現在のところ、舟戸橋1橋でございます。また、現在供用している市道のトンネルにつきましては、平成4年に県から移管を受けた井栗谷地内の1カ所であり、概略図しか残っておりません。
 議員御指摘のとおり、まず、道路ストック総点検による点検調書から順次整理、データ記録の保管、蓄積を行い、効率的、効果的な維持管理に役立ててまいりたいと考えております。
 3点目の補修工事における新たな積算基準につきましては、通常の維持補修の場合、県の積算基準に基づき工事費を積算しており、また、特殊な工法を採用する場合などは工事業者の見積もりによって積算するなど、適正な価格で工事を発注していると考えております。
 なお、現場対応が必要な事例につきましては、その都度、変更等で適切に対応しており、工事現場に合った設計積算となるよう引き続き努めてまいります。
 次に、4点目の維持管理の推進と長寿命化対策の取り組みにつきましては、堺議員にもお答えしましたとおり、国のインフラ長寿命化基本計画の詳細な情報を待って、市道の長寿命化計画の策定に取り組むとともに、これまで以上に費用も必要になるかと予想されますが、コストや優先順位など総合的に判断し、維持管理に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 10番 川岸 勇君。
  〔10番 川岸 勇君 登壇〕

◯10番(川岸 勇君) 議長のお許しを得ましたので、通告書に従い、市政一般について質問と提案をさせていただきます。
 今年度予算の目玉として、新たな取り組みの事業としてのチューリップ公園再整備事業、先進図書館情報収集及び調査研究事業、砺波市保育所・幼稚園整備計画検討委員会の設置、砺波駅前広場イメージアップ整備検討委員会の設置、城端線利用活性化連絡会の設置、四季彩館展示改装検討委員会の設置、農商工連携会議の設置、以上7つの芽出し事業が提唱されています。私はこの事業は、「もうひとつ上の“となみ”」を目指す、本市が取り組むべき重要な事業であるというふうに認識しております。
 今定例会の初日において、これらの事業の取り組み経過については、市長から提案理由において説明がなされたところでありますが、これらの事業を総合計画など、並びに事業計画等に今後どのように反映され、具体的に推進されていくのか、その考えについて、まず最初に伺うものであります。
 また、これらの事業のうち、砺波駅前広場整備検討委員会、砺波市保育所・幼稚園整備計画検討委員会にあっては、さまざまな観点から検討がなされたことを意見書に取りまとめ、この10月と11月に市長に提出されています。
 そこで、その各意見書に関して質問をさせていただきます。
 まず最初に、砺波駅前広場イメージアップ整備検討委員会から提出された意見書に関してであります。当委員会に付託された事案は、将来にわたり砺波市の玄関口としてふさわしい景観、機能を備えた砺波駅前広場にするためにはどのような施策を講ずればよいのかというテーマでありました。
 それに対して委員会側からは、駅前通路、バス停留所、ポケットパーク等々の活用改善策について13項目にわたるイメージアップ方針が示されたところであります。
 そして、その意見書においては、次のようなことが書かれています。ちょっと読んでみます。
 市行政当局におかれましては、本委員会の意見を精査し、実現可能な方法を選択されるとともに、新幹線開業に伴い、早期に実施すべき課題や長期的な視野で検討していくべき課題を整理され、その実現についても検討され、今後の事業計画にこれらの提案を効果的に反映させた具体的な事業計画を望むものですと結ばれています。
 そこで、市長にお伺いいたします。
 当意見書で提案されている13のイメージアップ方針に対して、具体的にどのように取り組まれるのか、また、この事業にかける思いを伺うものであります。
 次に、砺波市保育所・幼稚園整備計画検討委員会の意見書に関してであります。
 当委員会が4回開催され、幼保施設の耐震化、老朽化対策、保育所機能を有する施設整備等々について検討がなされ、それを意見書として取りまとめられたと伺っております。そして、意見書では、出町保育所、油田保育所、鷹栖保育所、東山見保育所の各施設については、改修を図る方向で整理検討を進められるよう提言されております。私も、その方向で、それらの事業に着手、検討していただきたいものだと思うところであります。
 ところが、南部校区にある東野尻幼稚園と五鹿屋幼稚園につきましては、統合して新たな用地を確保し、保育所機能を有する施設に整備されるよう提起されています。この施設整備検討案ですと幼稚園廃止のみが先行し、地区民の反発を招くことになりかねないことからも、総合計画に反映するに当たっては、地区の皆様方の声、意見等を十分配慮した上での慎重なる対応を望むものであります。
 そこで、当意見書を踏まえ、市として幼保施設整備についてどのような指針を打ち出されるのか、今後、どのようなスケジュールで幼保施設整備に取り組まれるのかを問うものであります。
 あわせて、ここで一旦、砺波市保育所・幼稚園整備計画検討委員会は終了いたします。同委員会委員も、砺波市子ども・子育て会議に移管されることになっていますが、子ども・子育て会議では、どのような課題に取り組まれ、一定の取りまとめをいつまで行われるか、このスケジュール等も含め、説明を求めるものであります。
 大項目の2点目の質問は、市営バスの公共交通利便性向上に向けた取り組みについてであります。
 福祉バス、ふれあいバスを大幅に見直され、平成23年10月以降、今日まで、市営バス等の運行に当たっては、目的地への直通化、福祉施設利用者に配慮したダイヤ改正、バス停の増加等、効率性、利便性に向けた取り組みがなされています。そして、利用者も年々少しずつではあるが、改善するという状況にもあります。
 しかしながら、日中の時間帯にもよるのかもしれませんが、数名の乗員しか乗っていないバスも見受けられます。市民の皆さんからは、低料金で砺波まで行けると助かる、乗りかえなしで砺波まで行ける路線を開設し、便数をもっと増やしてほしい、目的地に行くのに時間がかかり過ぎるなどなどの意見、要望も寄せられています。
 市にあっては、バスの効率的運用やバス利用向上に向けて、毎年4月から7月にかけ、ダイヤ改正等に向けた要望調査が実施され、また、ダイヤ改正案ができた段階ではパブリックコメントなどを実施されています。
 ただ、それだけでは現在運行しているバス運行の効率性を求めることのみに終わっている感があります。利便性向上や将来を見据えた公共交通のあり方、例えば交通弱者対策や過疎地域における公共交通のあり方等にも目を向け、もっと議論し、検討していくことが必要ではないかと思うところであります。
 現在、当市にあっては、砺波市地域交通会議がありますが、その組織を活用することも一つの方法ですが、市域全体における地域交通のあり方や、将来の望ましい交通体系について調査する、研究する場として、仮称ではありますが、公共交通対策プロジェクトチームを庁内に設置してはどうか、提案するものであります。
 公共交通をめぐる環境は少子高齢化、社会情勢の変化により、日増しに厳しさを増すものと思われます。また、今日の市営バス等の利用実態等を踏まえると、財政に与える影響は年々厳しいものになると思われます。市当局として現時点から見て市営バスの利用者数、収支状況、これを今後どのように見込んでおられるのか、地域にとって不可欠な生活交通手段である市営バス等をこれからもどのように維持確保されていくのか、問うものであります。
 最後の質問は、消費税率改定に伴う公共料金等の取り扱いについてお尋ねします。
 国の財政状況や少子高齢化時代を迎える中にあって、今回の消費税引き上げは、社会保障の充実を図るためにはやむを得ない措置であったというふうに私は認識をしているところであります。しかしながら、この改正は地方自治体の一般会計予算等にも少なからず影響を与えることになることからも、その対応、対策を考えておくべきという立場で質問をさせていただきます。
 これに関する質問は、昨日の稲垣議員の代表質問でもあったところでありますが、私の考えも述べさせていただき、市当局のさらなる詳細な説明を求めるものであります。
 例えば公共施設使用料金における消費税の取り扱いについてであります。公共施設使用料金を初め、市営バスの公共料金は、税法上、消費税の課税対象となっています。地方自治法第225条によると、使用料は各地方公共団体が公共施設ごとに設置及び管理に関する条例等で定め、利用者から消費税を含んだ形で料金を徴収しています。今回の消費税法改正は、現在消費税率は5%でありますが、平成26年4月には8%、平成27年10月には10%に段階的に引き上げるというものであります。
 そこで、消費税率改定をにらみ、市が管理する公共施設使用料金を初め、公共料金についてどのように対応されるか。端的に言うならば、消費税率改定に合わせ、公共料金の見直しをされる考えであるのか、当面は現行料金を維持しつつ、さまざまな状況をしんしゃくし、その上で料金改定を行う考えなのか、その指標について尋ねるものであります。
 ところで、公共施設使用料金の見直しが2年前になされたところでもあり、また、バス料金についても、平成23年10月に改定されたところでもあります。私の考えは、消費税率が上がるからといって、その税率を直ちにその料金に転嫁すべきではないと思っています。
 また、消費税率がこの2年間のうちに矢継ぎ早に改定がなされます。消費税率事務の煩雑性を避けるためにも、他市町村の動向を見極めながらその対応に当たってもよいのではないかと私は思っているところであります。
 そこで、このたびの消費税率改定に伴う公共料金の取り扱いについてどのように対処されるのかをお伺いし、私の一般質問全てを終わります。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
  〔市長 夏野 修君 登壇〕

◯市長(夏野 修君) 川岸議員の御質問に、私からは1項目めの芽出し事業と整備検討委員会の意見書についての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の芽出し事業の今後の取り組み指針等についての御質問につきましては、昨日の稲垣議員の代表質問にもお答えいたしましたが、芽出し事業につきましては、事業ごとに検討委員会が設置され、それぞれの課題等について検討をいただいているところでございます。
 そのうち幾つかの事業では既に協議を終えられ、その結果を意見書として提出していただくなど、概ね順調に議論が進んでいるというふうに思っております。これらの意見書につきましては、それぞれの事業担当課において十分精査、吟味した上で、今後、具体的な事業計画として取りまとめていくことにしております。
 また、計画に基づく事業費等につきましては、総合計画実施計画のローリング作業を毎年度実施しておりますので、その中で総合計画に位置づけますとともに実施計画にも計上し、財源的、財政的裏づけもしながら、最終的には各実施年度での予算に計上して推進してまいるということになるというふうに考えております。
 次に、2点目の砺波駅前広場イメージアップ検討委員会意見書についての御質問にお答えいたします。
 今後の取り組みにつきましては、事業別につきましては、これも昨日、山田議員にお答えしたとおりでありますので御了解いただきたいと思いますが、費用を要するものは整備方針を定めていきますとともに、新幹線開業までに駅前環境を改善できるところは、既に着手したものもございますが、それを含め、速やかに対処してまいりたいと考えております。
 その上で、御質問の中にありました、この事業にかける市長の思いという点についてのお伺いでございますが、私も市長就任以前から毎年何回か、特に夜間でございますが、砺波駅を利用してまいりましたので、かねがねいわゆる来訪者としての意見は持っておりました。
 確かに昭和55年に駅周辺の土地区画整理事業に並行して完成いたしました砺波駅前広場は、当時、本当に熟慮の上、先進的な形で整備され、基本的には今でもある程度合理的な形状、利用環境にあるというふうに評価しております。
 しかしながら、時代の変遷に伴いまして、通学者が多数を占めます鉄道利用者の減少ですとか、駅前中心街の変貌、ひいては北陸新幹線の開業を平成27年春に控えまして、交流人口の誘導を図る玄関口としての期待など、周囲の環境が大きく変化している今こそ、当初の観念にとらわれず、砺波駅周辺をフレッシュアップするということが重要な視点だというふうに思っております。
 また、検討委員会での御意見につきましても、私自身の思いと重なるものも多くあります。将来を見据えた砺波市の玄関口としてふさわしいものとなるよう、今後さらに専門家の意見なども参考にしながら、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。
 次に3点目の砺波市保育所・幼稚園整備計画検討委員会の意見書についての御質問のうち、意見書を総合計画に反映するに当たり、地区の皆様の声、意見等に十分配慮して対応すること、さらに、今後、施設整備を進めるに当たっての指針についてお答えいたします。
 去る11月8日に検討委員会から提出いただきました意見書には、保育所、幼稚園の具体的な施設整備計画を示すとともに、その結びにおいて、計画の実施に当たっては、地域を初め、関係各位と十分調整して計画を実現するようというふうに要望をされております。
 なお、意見書には、議員が述べられましたような幼稚園の廃止を先行させるような御意見は一切ありません。地域の保育施設がより充実するようにとの御意見となっておりますので、誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
 市といたしましても、保育所、幼稚園は地域にとって大変重要な施設であると認識しておりまして、御指摘の砺波南部小学校区だけではなくて、意見書でいただきました改築や耐震化など全ての施設整備の提案につきまして、地元の皆さんとも十分な意見調整を行い、御理解を得た上で事業を進めてまいりたいと考えております。
 次に、保育所及び幼稚園の施設整備を進めるに当たっての指針についてでございますが、市といたしましては、検討委員会の意見書にも掲げられておりますとおり、地域の子どもは地域で育てる、幼児期から小学生期までのつながりを重視するとの基本理念のもと、小学校区を単位として保育施設を整備するということを基本原則として、まずは意見書で提案されました整備方針を尊重し、対応してまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上でございます。その他の質問につきましては、副市長、教育長、担当部長からお答えをさせていただきます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 副市長 齊藤一夫君。
  〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕

◯副市長(齊藤一夫君) 私からは、2項目めの今後の公共交通についての御質問にお答えをいたします。
 まず、公共交通全般について調査研究をするためのプロジェクトチームの設置につきましては、平成23年10月の抜本的な改正に際し、市営バスを所管する生活環境課が中心となり、庁内の関係部署、それと、福祉バス、ふれあいバスの運行主体であった社会福祉協議会によるプロジェクトチームを編成し、庁内公共交通関係等検討会を設置した経過がございます。
 その中では福祉バスとふれあいバスとの統合、重複運行の削減による効率化、バス運行の空白地域の解消を中心に見直しを行い、多くの利用がある通学、通勤者あるいは高齢者の医療機関及び福祉施設への利便性を高めることにより、新たな利用者の発掘に努めたところであります。
 その結果、買い物利用の高齢者や冬期間の中学生の新たな利用などもあり、それまで年間約1,200人程度減り続けていた利用状況が、ここ2年続けて増加傾向に転じており、今はまだこの効果の行方を見守る段階にあると考えております。
 こうした中で、来年10月には3年ごとの定期改正を予定しており、この春以来、各地区自治振興会などを通じて御意見を伺っております。その中では、利用の少ない運行便を見直せばどうかとの意見のほか、乗り継ぎを解消してほしい、便数を増やしてほしいなど利便性の向上を求める意見もあります。
 また、議員御指摘のとおり、今後ますます高齢化や人口減少化が進む中で、交通手段を持たない方々、いわゆる買物弱者の増加が見込まれることから、将来を見据えた公共交通体系を調査研究することは重要な課題と認識をしております。
 ただ、市営バスに関しましては、今も申し上げたとおり、今はまだ増加傾向にある効果の見極めの段階であることから、今回の改正に当たりましては、要望調査の結果を踏まえ、議員各位、庁内関係部署や関係機関との連携を密にしながら見直し作業を進めてまいりたいと考えております。
 なお、改正に当たりましては、福祉施設利用を主目的とした路線における運行範囲の拡大、沿線施設の要望に呼応したダイヤの編成により利便性を高めるとともに、冬期ダイヤを設けることにより、積雪時の中高校生の利用に配慮するほか、庄川地域においては、福祉施設、庄川支所及び商業施設への直通化など、利用増につなげる内容を検討しております。
 なお、市営バスの運行は市民生活を支える福祉事業であり、燃料費等の高騰を取り上げるまでもなく、一定の財政負担があり、区間や便ごとの利用実態を精査した効率的な運行を求められることから、市民の皆さんには今後も引き続き安定的な運行の維持と存続に御協力をいただきたいと考えております。
 私からは以上であります。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 私からは、3点目の砺波市保育所・幼稚園整備計画検討委員会意見書についての御質問のうち、意見書を踏まえての今後の施設整備のスケジュール、並びに子ども・子育て会議での課題とスケジュールについてお答えをいたします。
 初めに、保育所、幼稚園の施設整備に当たってのスケジュールでございますが、検討委員会では、出町保育所、油田保育所の2つの施設については改築する。また、五鹿屋幼稚園と東野尻幼稚園を統合して砺波南部小学校区に保育所機能を有する施設を整備することを基本として検討するとされ、あわせて、鷹栖保育所及び東山見保育所の2つの施設は耐震改修すべきと提案されております。したがいまして、まずは意見書の提案に基づき、鷹栖保育所と東山見保育所の耐震改修に着手するため、早急に両施設の耐震診断に着手したいと考えております。
 また、これら2施設の耐震改修事業に並行して改築すべきとされております出町保育所と油田保育所の2施設並びに砺波南部小学校区での保育施設の整備等につきましては、地域等との協議に入り、環境が整ったところから順次事業に着手することになるものというふうに考えております。
 次に、子ども・子育て会議での課題とスケジュールについてお答えをいたします。
 市が設置いたします子ども・子育て会議の役割は、子ども・子育て支援法に、具体的に次の4点が定められております。
 1つには、保育所や幼稚園などの利用定員の設定に関して意見を聞くこと、2つには、保育所や幼稚園など以外で実施する小規模保育などの利用定員の設定に関して意見を聞くこと、3つには、子ども・子育て支援事業計画の策定または変更に関して意見を聞くこと、4つには、市の子ども・子育て支援に関する施策の総合的かつ計画的な推進に関し必要な事項及び当該施策の実施状況を調査審議すること、以上の4点でございます。
 市といたしましては、まずは保育所や幼稚園などの利用定員や子ども・子育て支援事業計画に定めなければならない教育、保育、子ども・子育て支援事業の量の見込みなどを決める必要がありますので、近くニーズ調査を行いまして、小学生までの子を持つ保護者の皆さんの意向を把握してまいりたいというふうに考えております。
 その後、子ども・子育て会議におきまして、このニーズ調査の結果と、先に受けました保育所・幼稚園整備計画検討委員会の提言等を踏まえまして、今年度中に教育、保育、子ども・子育て支援事業の量の見込みを決める予定としております。
 また、新年度におきましては、その量の見込みに対応した教育、保育等施設の受け入れ体制や整備計画を定めた上で、9月末を目途に砺波市子ども・子育て支援事業計画の原案を作成してまいりたいと考えております。その後、パブリックコメントを行いまして、広く市民の皆様から御意見をいただきながら、来年度末までにこの計画を策定する予定としております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 水落 仁君。
  〔企画総務部長 水落 仁君 登壇〕

◯企画総務部長(水落 仁君) 私からは、3項目めの消費税引き上げに伴う公共料金等の見直しの有無についての御質問にお答えいたします。
 一部、昨日の稲垣議員の代表質問の際の市長答弁と重複する部分もありますが、お許しいただきたいと思います。
 来年4月から消費税率が5%から8%に引き上げられることに伴い、国では、消費税は、消費者が最終的な負担者となることが予定されている間接税であることから、適切な転嫁を行う必要があるとしております。具体的には、地方公共団体が行うサービスの提供の対価としての公共料金の改定等の措置を講ずること、また、指定管理者の収入として収受させている利用料金についても、料金の改定等の措置を講ずることとしているところであります。
 ただ、地方公共団体におきましては、企業会計、特別会計により事業を行っている場合は、使用料などに含まれる消費税納税額が発生しますが、一般会計での事業の場合は、納税額が発生しない制度となっていること、また、公共施設の使用料などは施設の維持経費の全てを使用料で賄えるだけの料金設定をしていないことがあることなどの課題があり、市としましては、そうしたことを前提として改定を検討しているところであります。
 つきましては、これらを踏まえ、企業会計、特別会計における水道料金、下水道使用料、並びに市立砺波総合病院の診療報酬以外の診断書発行手数料や差額ベッド代などにつきましては消費税率の引き上げ分を料金に転嫁すべきものと考えており、平成26年4月から料金改定を実施する方向で調整をしております。
 次に、条例で上限を定め、指定管理者の収入としている文化会館や美術館、体育施設などの利用料金等につきましては、先に述べましたとおり、原則的には消費税率の引き上げ分を転嫁すべきではありますが、議員御指摘のとおり、平成24年4月に公共施設の使用料などの見直しを全面的に実施したばかりであること、さらには消費税率の10%への引き上げも予定されており、料金改定の実施にも一定の経費がかかることなども考慮すると、引き続き検討し、議員が述べられましたように、県内の他市町村の動向を注視するとともに、消費税率の10%への引き上げの方針を見極め、使用料などへの転嫁を検討する方向で調整をしております。
 次に、市営駐車場使用料などの指定管理者制度以外の一般会計の公共施設の使用料につきましては、納税額が発生しないものではありますが、維持経費等には税率の引き上げの影響があることも考慮し、指定管理施設と同様、4月以降の対応として調整しているところであります。
 なお、議員が例示として挙げられました市営バス料金につきましては、来年10月に路線の見直しが控えていること、10円未満の値上げが制限されていることなどから、一般会計における他の使用料同様、来年4月以降の対応としたいと考えているところであります。
 私からは以上であります。

◯議長(山森文夫君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
 ほかに質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(山森文夫君) 質疑なしと認めます。これをもって、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。

               議案の常任委員会付託

◯議長(山森文夫君) ただいま議題となっております議案第63号から議案第91号まで、平成25年度砺波市一般会計補正予算(第3号)外28件については、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれの所管の各常任委員会に付託いたします。

◯議長(山森文夫君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。
 お諮りいたします。明12月13日から12月18日までの6日間は、議案審査等のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(山森文夫君) 御異議なしと認めます。よって、明12月13日から12月18日までの6日間は、議案審査等のため休会することに決しました。
 なお、次回の本会議は12月19日、午後2時から開会いたします。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 御苦労さまでした。

 午後 3時17分 閉議