平成23年9月 本会議 定例会(第2号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

◯副議長(飯田修平君) 稲垣議長所用のため、私が議長を務めます。ただいまの出席議員は19名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。

                  日程第1
             決算特別委員会の設置について

◯副議長(飯田修平君) これより本日の日程に入ります。
 日程第1 決算特別委員会の設置についてを議題といたします。
 お諮りいたします。平成22年度に属する砺波市各会計の決算を審査するため、9名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置することにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯副議長(飯田修平君) 御異議なしと認めます。よって、9名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置することに決しました。
 次に、お諮りいたします。ただいま設置することに決定いたしました決算特別委員会委員の選任につきましては、委員会条例第7条第1項の規定により、指名いたしたいと思います。
 決算特別委員会委員に、
 2番 川 辺 一 彦 君
 4番 島 崎 清 孝 君
 6番 大 楠 匡 子 君
 8番 村 岡 修 一 君
12番 稲 垣   修 君
14番 嶋 村 信 之 君
18番 江 守 俊 光 君
20番 山 森 文 夫 君
22番 池 田 守 正 君
 以上、9名を指名いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯副議長(飯田修平君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました9名の諸君を決算特別委員会員に選任することに決しました。

                  日程第2
     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)

◯副議長(飯田修平君) 日程第2 市政一般に対する質問、並びに議案第36号から議案第45号まで、平成23年度砺波市一般会計補正予算(第3号)外9件について、認定第1号から認定第9号まで、平成22年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定について外8件について、及び報告第12号から報告第13号まで、専決処分の承認を求めることについて外1件についてを議題といたします。
 これより、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 7番 今藤久之君。
  〔7番 今藤久之君 登壇〕

◯7番(今藤久之君) 皆さん、おはようございます。発言の許可をいただきましたので、市政一般に対する質問と提案をさせていただきます。
 まず、市立砺波総合病院についてお尋ねいたします。
 全国の公的な病院を取り巻く環境が決してよいとは言えない時代が近年、続いてまいりました。それは、平成13年度以降続いてきた診療報酬のマイナス改定や病院勤務医の負担軽減措置の立ち遅れ、さらには、ハイリスク医療や救急医療などへの配慮不足等々、さまざまな要因がそこにあったからであります。
 そのような流れの中、平成22年度の診療報酬改定は、薬価の引き下げはあったものの、実質改定率は0.19%と10年ぶりのプラス改定となりました。また、改定では、病院勤務医の負担軽減に役立てる診療項目についても、従前からの総合入院体制加算、ハイリスク分娩管理加算、医師事務作業補助体制加算に加え、急性期看護補助体制加算、栄養サポートチーム加算、呼吸ケアチーム加算、小児入院医療管理料、救命救急、入院料などについても対象とすることとなったところであります。まだまだ十分とは言えない措置なのでしょうが、少なくとも病院にとっては、追い風の要素であることは間違いありません。
 さて、平成22年度砺波市病院事業会計決算書によりますと、平成22年度収益的収支は、平成21年度に引き続き黒字決算であったとのことであります。
 具体的には、収益的収支において、収入決算額が114億7,504万5,322円に対し、支出決算額109億713万223円で、収支差し引き額5億6,791万5,099円の黒字でありました。また、一般会計からの繰入金につきましても、3条分、4条文を合計した一般会計繰入金合計額は、平成21年度が、発熱外来の整備費を含めて12億3,000万円、平成22年度が12億円であり、このことからも純粋に病院の経営努力が大きかったものと感じております。
 そのほかの細かな数字につきましては、決算特別委員会の審査にお任せすることといたしますが、まずは、平成22年度収支大幅改善となった要因(努力)についてお聞かせいただきたいと思います。
 さて、収支の大幅な改善は大いに評価をすべきですし、喜ぶべきことに違いがありませんが、一方で、当院が現在抱えている負の要素も忘れてはならないと考えます。
 具体的には、病院建設にかかわる減価償却費や企業債の償還金、大型医療機器の更新費用、さらには、多額の累積欠損金の存在も肝に銘じておくべきであります。経営状況が好調であればあるほど、さらなる経費節減や効率化の追求といったことに腐心する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 そこで、今後のさらなる改善方針についてお聞かせいただきたいと思います。
 次に、病院改革プランについてお尋ねいたします。
 平成21年3月に、総務省の指導を受ける形で策定された、市立砺波総合病院改革プランですが、経営の効率化が3年、再編ネットワーク化と経営形態の見直しについては5年という期限を設け、数値目標の達成が困難と認められる場合は、プランの全面改定を求めるといったものでありました。先ほど申し上げましたとおり、経営効率化に関しては、改革プランの年度計画と比較して、平成21年度、平成22年度と、ともに収支の面では計画を上回る良好な結果となりました。
 そこで、気になるのは、経営効率化の最終年度に当たる平成23年度の収支見込みであります。今年度も上半期をやがて終えようとしているこの時期、いささか時期尚早ではありますが、病院改革プランの達成見込みについてお聞かせいただきたいと思います。また、この改革プラン策定時には、当然のことながら平成22年度の診療報酬プラス改定が織り込まれておりません。少し厳しい言い方になるのかもしれませんが、平成23年度下半期を迎えるに当たり、より一層の経営健全化と経営効率向上を目指すためにも、新たに高い目標を設定し、プランの見直しを検討してはどうかと考えるものですが、いかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。
 この項目の最後になりますが、TQM大会についてお尋ねいたします。
 7月9日に、総合病院講堂におきまして、TQM大会が開かれました。その節には、お招きをいただき、また、貴重な体験をさせていただきましたことをあわせて感謝申し上げます。
 大会は、「病院全体の医療サービスの質の向上を目指して」というスローガンが併記してあるとおり、10組のグループがそれぞれのテーマを持ち、さまざまな課題の解決を試みた体験発表の場でありました。施策実行型、問題解決型、課題達成型と内容もアプローチ方法も千差万別で、どの発表にも関心を持って聞き入らせていただきました。職員一人一人の改善意識がしっかりと伝わってまいりました。今後とも、ぜひ継続をされ、病院の医療サービスと質の向上に励んでいただけますようお願いいたします。
 さて、今回で数えること11回目とお聞きいたしておりますが、この間、恐らくは実にさまざまな発表があったであろうことは容易に想像がつきます。そこで、今までの発表の主なものと、それが現在、どのように生かされているのかをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、小水力発電の取り組みについてお尋ねいたします。
 本年3月11日に発生した東日本大震災による大津波が引き金となった福島第一原子力発電所の重大事故以降、世界中で発電のあり方や電力使用について大いに議論されるようになりました。
 例えば6月には、ドイツで2022年までにすべての原子力発電所を閉鎖し、再生可能エネルギーを中心とした電力への転換を目指す政策を閣議決定したとの報道もあったところです。
 どのようなエネルギー政策をとることができるのかは、それぞれに事情や状況があることで一概には言えないと考えられますが、少なくともクリーンなエネルギーを否定する人はないのではないかと思われます。
 さて、環境・防災対策特別委員会では、8月5日に、再生可能エネルギーの利用をテーマに、小矢部市の風力発電施設、南砺市の太陽光発電施設、砺波市の小水力発電施設の視察研修を行いました。再生可能エネルギーによる発電方法としては、そのほかにも地熱の利用やバイオマスなども現在行われているところであります。
 再生可能エネルギーの共通した大きな利点としては、恒久的な利用が可能なことやCO2の発生を伴わず、環境にやさしいことなどが挙げられます。一方、欠点としては、コストが高い、自然条件に左右されるため、安定性に欠けることなどが挙げられます。
 幾つかの再生可能エネルギーの中でも、小水力発電は砺波市にとっても、富山県にとっても魅力のあるものと考えられます。どの程度の発電が可能かという推定量のことを包蔵水力というのですが、富山県の包蔵水力は、岐阜県に次いで全国第2位とのことです。また、風力発電や太陽光発電とは異なり、気候や時間帯に制約を受けることなく発電を行え、発電効率も高く、しかも水力発電の技術はほぼ確立されているために、技術的な問題もほとんどないとのことであります。
 くしくも本日は、庄川町庄地内において、庄川右岸幹線用水路の未利用落差を利用して発電を行う(仮称)庄発電所建設の起工式が行われたとのことであります。砺波市には、清流庄川に代表される豊富で良質な水資源がありますが、これを砺波市の恒久的な資産と位置づけ、今まで以上に積極的な利用を考えてはと思います。
 小水力発電は、水を汚すものではありません。水を使って、減らすものでもありません。その位置エネルギーだけを有効に利用するものです。市当局の御見解をお聞かせください。
 続いて、規制緩和についてお尋ねいたします。
 先ほど申し上げました環境・防災対策特別委員会の視察では、庄川沿岸用水土地改良区連合の常務理事にお話を伺いました。
 小水力発電の課題としては、送電や売電単価など幾つかあるのですが、最大の課題は、発電用水利権の取得手続の煩雑さと売電収益充当範囲の狭さだとお聞きいたしました。例えば、どんな小さな出力の発電を行う場合でも、ダム建設を行うのと同等に、膨大で複雑な書類を準備した上に、事前協議と許可で2年弱の時間が必要になるとのことでした。
 水に関して少し思いをめぐらせてみましても、河川を管理するのは国土交通省、農業用水は農林水産省、発電と工業用水は経済産業省、上水道は厚生労働省と監督官庁が分かれていることからも、事の複雑さは十分に想像できるものであります。
 さて、過日の新聞報道によりますと、石井県知事が農林水産省に対して、小水力発電推進に向け、発電用水利権の取得手続の簡素化や売電収益の充当範囲の拡大などの規制緩和を求めたとあります。これは、富山県の立地条件や時代背景を考えたときに、実に的を射ていると、賛同いたします。
 砺波市としても、同様に小水力発電に関しては、水利権の対象から外すという施策と同時に、売電収益の縛りを解くなど、規制の緩和を求めていくべきだと思われます。方法としては、構造改革特別区域、いわゆる特区という構想もあってよいのではないかと考えます。砺波市単独では荷が重いようであれば、前例としてもある富山型デイサービス推進特区のように、他市町村や県との申請という手段もあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 小水力発電の取り組みについては、過去にも本会議で質疑応答のあったところでありますが、要約すれば、関係機関への積極的な支援や国、県への積極的な働きかけを行っていきたいとの答弁でありました。このことについて、より具体的、かつ積極的な御答弁をお願いいたします。
 大項目の3点目として、市営バスの運営について確認と質問をさせていただきます。
 6月定例会で条例の一部改正のあった市営バスの運行が、いよいよ10月1日から始まります。
 これは、これまで運行されていた市営バス、福祉バス、ふれあいバスを一本化し、コミュニティーバスとして生まれ変わるというもので、運行経路や運賃も含め、さま変わりする大規模な変更となります。期待される効果としては、できる限り交通空白区域を解消し、重複するバス路線を見直すことで、効率的な運営が行えることや通勤、通学、通院、買い物など、市民の足としての利便性の向上が図られることなどがあります。
 私自身も、6月定例会以降、地域の敬老会や納涼祭などでは、あいさつの折に利用率向上を願い、御案内とPRを行ってまいりました。砺波市も、広報8月号に大きな特集記事を掲載し、市民の皆さんに案内を差し上げ、ホームページなどを利用して告知もしておられます。最新9月号の市広報紙には、別紙でA2版という大判裏表の運行路線図、時刻表も折り込まれてありました。
 大幅な運行変更を控え、あと半月程度となったこの時期ですが、周知は万全なのでしょうか。また、大きな変更の後には、得てして新たな課題が出てきたりもするのではないかと感じております。6月定例会の審査においても、今回の見直しがすべてではなく、実績として踏まえた上で、路線やデマンド方式なども含めた運行形式などのさらなる見直しを総合的に判断していきたいと答弁のあったところであります。
 そこで、確認の意味も込めさせていただき、利用促進のための方策と今後の運営について、現時点でのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 最後に、自由乗降と安全の確保についてお尋ねいたします。
 今回の変更の一つに、自由乗降制の採用があります。
 これについては、前定例会でも、砺波警察署や富山運輸支局と協議中であるとのことでありました。13路線の中には、人家や商店の密集地もあれば、そうでないところもあります。また、道路幅や交通状況も決して一律ではありません。安全確保が最優先であることは当然でしょうが、このことに関して結論は出たのでしょうか。自由乗降制について、どのように考えておられるのかをお尋ねいたしまして、今回の質問を終えさせていただきます。

◯副議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) まず、冒頭に申し上げます。
 ただいま、市長には、市内庄川町内で小水力発電所の起工式に出席いたしております。終了次第、本会に出席となりますので、御了承をお願いいたします。
 それでは、今藤議員の再生可能エネルギー、小水力発電の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 まず、砺波市の水資源を恒久的資産として利用することについてでございます。
 御指摘のとおり、再生可能エネルギーは、1、自然の力で、絶えず資源が補充され、枯渇することのないエネルギーとして、地球温暖化対策、エネルギーの自給率向上、エネルギー源の多様化などの観点から注目されております。再生可能エネルギーには、太陽光、水力、風力、地熱、バイオマスなどがありますが、太陽光発電につきましては、既に住宅の太陽光発電システムの設置補助を行い、普及啓発に努めているところでございます。
 議員が推奨されます小水力発電につきましては、6月議会の質疑においても市長からお答えいたしましたが、水資源の豊富な当市におきましては、大変有効なエネルギー利用であると考えております。御指摘のとおり、開発可能な発電水力資源の量をあらわす包蔵水力は、富山県は全国第2位であり、その80%以上が既に開発されていると言われておりますが、まだまだ開発の余地があると考えております。
 市といたしましては、来る11月に、黒部市で開催されます第2回全国小水力発電サミットに関係職員を参加させ、先進事例等を十分に参考にするなどいたしまして、今後、積極的に調査研究を進めてまいりたいと考えております。
 次に、規制緩和と特区構想についてお答えいたします。
 農業用水を利用した小水力発電を行う場合でも、水利権取得の手続の煩雑さと売電収益充当範囲の狭さが最大の課題であるのは、議員御指摘のとおりでございます。特に土地改良区は、非課税団体ということで税制上優遇されているため、土地改良施設の電力料金や発電関連施設の管理運営費など、充当範囲が極めて限定されております。
 一方、水利権の取得につきましては、農業用水としての水利権が取得済みであっても、発電事業はその目的外とみなされ、新たな水利権の取得が必要であり、その手続には相当の時間と手間が必要であります。このため、水利権を管理する国土交通省では、平成17年に、かんがい用水等の運用に完全従属、すなわち農業用水利権の範囲以内で行われる発電事業であれば、手続書類の一部簡素化を打ち出しておりますが、なかなか実効性のある緩和にはなっていないようでございます。
 このような中、県におきましては、国への重点要望といたしまして、農業用水を利用した小水力発電の推進を掲げており、その中で、水利権の取得手続の簡素化や売電収益の充当範囲の拡充など、現行制度の緩和を求めております。また、先の参議院農林水産委員会では、土地改良区の売電収益の充当範囲の拡大について前向きに答弁されているところであります。
 議員御提案の特区構想につきましても、包蔵水力全国第1位の岐阜県と第2位の富山県とが連携し、国に対し、規制緩和、あるいは特区構想を求めようとの動きもありますので、あわせて注視してまいりたいと考えております。
 今後、市内では、庄西用水土地改良区管内において、水路改修と合わせて新たな小水力発電の可能性について検討がなされております。建設期間の短縮や用排水路の維持管理等に対する農家負担などの軽減など、大いに期待されるところであります。規制緩和につきましては、市長会等を通じ、国に強く要望してまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては病院長並びに担当部局長からお答えをいたします。

◯副議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
 病院長 杉本立甫君。
  〔病院長 杉本立甫君 登壇〕

◯病院長(杉本立甫君) 私からは、今藤議員御質問の市立砺波総合病院についてのうち、4、TQM大会の功績についての御質問にお答えいたします。
 まず、去る7月9日、当院におきまして開催いたしました第11回TQM大会の際には、今藤議員さんには審査員をお願いしたほか、多くの議員さんにも参加を賜りましたことに、この場をお借りしましてお礼を申し上げます。
 さて、TQMとは、トータル・クオリティ・マネジメントの略で、総合的品質管理、あるいは総合質管理と略されます。当院では、病院全体の医療サービスの質の向上を目指して、平成14年度より、職員提案に基づくQC活動の実践と、その成果の発表の場であるTQM大会を年1回ないしは年2回のサイクルで開催しているものであり、今年度で、第11回大会を数えることとなりました。
 今年度の第11回大会においては、「患者様にも職員にもやさしい病院にするためには」という院長方針に基づき、看護部及び医療技術部の代表が、昨年秋から活動を開始し、能率の向上及び医療の質の向上の2つのテーマに分かれ、現状把握から目標の設定、さらには対策の立案、効果の確認に至る一連の活動内容について10サークルが発表を行ったところです。
 これまでのTQM活動の成果としましては、まず、能率の向上の分野では、可燃ごみの減量化や節電の徹底、診療材料の在庫の見直しなどを継続して実施してきた結果、平成20年度に策定しました病院改革プランにおける経費の節減に寄与し、収支の改善に大きく貢献したものと思っております。
 また、医療の質の向上の分野では、2010年、国際モダンホスピタルショウの看護のアイデアde賞部門において準グランプリを獲得し、また、多くの民間の会社などが加盟するQCサークル、JHS富山大会で、特別招待事例発表「トイレでの患者転倒防止マットの設置やつえ置場の設置」につきましては、つえを利用されている患者さんが実際に転倒防止につながったこと等、患者さんの立場に立った医療の質の向上に対する提案、実践に努めているところであり、病院の業務改善の向上に貢献しているものであります。
 このような活動は、県内では唯一当院が実践しているものであり、今後とも「病院全体の医療サービスの質の向上を目指して」というスローガンにもありますとおり、TQM活動を病院、職員一体となって継続実施していくことにより、患者さんに安心・安全、良質な医療を提供していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 私からは以上です。

◯副議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 齊藤一夫君。
  〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕

◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、今藤議員御質問のうち、項目3、市営バスの運営についてお答えをいたします。
 最初に、利用促進のための方策と今後の運営についてのお尋ねでありますが、今回行う10月1日からの市営バスのダイヤ改正は、議員がおっしゃるように、従来の市営バス、福祉バス、ふれあいバスと民間バスの一部を市営バスに統一する大幅な改正であり、利用者の中には、高齢者の皆さんも多く、戸惑いもあることから、事前に広くお知らせするため、広報8月号では特集記事を掲載し、9月号では各家庭に運行路線図と時刻表を配布いたしました。また、8月下旬には、市内の各福祉センターで説明会を行い、広く周知してまいりました。
 一方、今後の予定といたしましては、安全運行祈念とPRを行うため、出発式を、10月1日には庄東センターと庄川支所で、10月3日には北部苑で実施することといたしております。また、バス試乗キャンペーンとして、10月1日から7日までの1週間を試乗期間とし、市民の皆様には、新しい市営バスを無料体験していただこうと思っております。
 しかしながら、議員御指摘のとおり、今回の改正が大幅なものであることから、新たな課題が出ることも考えられますので、新ダイヤでの実績を踏まえながら、利用者の皆さんの御意見を広くお聞きし、より一層利便性の高い市営バスとなるよう努めてまいりたいと考えております。
 なお、市営バスを今後も継続して運行していくには、市民の皆さんに広く利用していただき、支えていただくことが最も必要であると考えておりますので、ぜひ多くの皆さんに御利用をいただきたいというふうに思っております。
 次に、自由乗降と安全の確保についての御質問にお答えをいたします。
 市営バスを利用される方には、高齢者の方が多く、また、散居村という地理的環境からも、市営バスを気軽に利用していただくには、できるだけ自由乗降区間を設けたいと思っております。しかしながら、御存じのとおり、今年度に入り、市内で死亡事故が多発し、中でも高齢者の死亡が半数を占め、既に2回の緊急対策会議を開催したところであります。
 そのため、自由乗降につきましては、砺波警察署とも協議し、新たな路線も多いことから、利用者及び交通の安全確保を第一と考え、当初は、交通量が少なく、安全に乗降できるところから始めたいと考えております。それ以降におきましては、利用者の皆さんに新路線が定着した状況を見ながら、段階的に自由乗降できる場所を追加し、実施してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。

◯副議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
 病院事務局長 永森耕治君。
  〔病院事務局長 永森耕治君 登壇〕

◯病院事務局長(永森耕治君) 私からは、今藤議員御質問の市立砺波総合病院についての御質問のうち、1の収支大幅改善となった要因(努力)についてから、3の病院改革プランの達成見込みとプランの見直しについての3項目についてお答えします。
 最初に、収支大幅改善となった要因(努力)についての質問にお答えします。
 病院事業の経営状況につきましては、議員が述べられたとおり、平成21年度に引き続き、黒字決算となったところでございます。その要因としまして、収入の面では、前年度と比較いたしまして、入院患者数が7,372人、外来患者数が8,839人とそれぞれ大幅に増加したことと、10年ぶりに実質プラス改定とされた平成22年度の診療報酬の改定により、議員も述べられていますが、当院の提供してきた医療体制への再評価や急性期看護補助体制加算などの新たな施設基準取得に努めたことから、入院診療単価が1,243円、外来診療単価が182円と上昇したことが主な要因として挙げられます。
 このことにより、前年度に比較して、収益全体では約7億円の増収、6.5%の伸びとなりましたが、そのうち入院、外来収益を合わせた診療収入では、約6億5,000万、7.1%と大きな増収、伸び率を示しています。
 一方、費用の面では、患者数の増加に伴う材料費や経費の増加があるものの、その伸びは経費の節減等により、材料費で約9,800万、4.0%、経費では約3,500万、2.8%と、診療収入の伸びを下回ったものでございます。給与費につきましては、人勧に基づく給与の引き下げがありましたが、医師の待遇改善のために、地域手当及び特殊勤務手当を増やしたことや臨床研修医の増、公的負担金の増などにより、約7,400万、1.3%の伸びとなったものでございます。また、増改築時に整備いたしました医療機器の償却の終了等により、減価償却費では約5,700万の減、高金利の起債の借りかえ等により、企業債利息で約1,600万円の減となり、費用全体では約1億5,000万円の増、1.4%の伸びにとどまったものであります。
 これら収入増や経費の節減は、病院改革プランに基づき、経営の効率化に向けて設定した各科行動計画等の目標に対する実績について、四半期ごとに点検、評価を行うなど、計画の達成に向けて、病院経営に対する危機意識から、病院職員一体となって取り組んできたことも大きな要因と考えております。
 次に、2番目の今後のさらなる改善方針についての御質問にお答えいたします。
 今ほど答弁いたしましたように、平成22年度決算につきましては、大幅な黒字になったところでございますが、議員も御指摘されているとおり、病院増改築に係る減価償却費や企業債償還金の影響は依然として大きく、さらには、今年度に更新いたします電子カルテシステムや更新の迫っております高額医療機器等、今後の経費の増嵩が見込まれることから、当分の間は、厳しい経営が続くことが予想されております。
 また、累積欠損金が44億円余りあることから、一層の収入の確保と経費の節減に努め、安定した経営のもとで、安心・安全、良質な医療を継続的に提供してまいりたいと考えております。そのためには、常に10年程度の見通した中長期収支計画により、計画的に設備更新等を図ってまいりたいと考えております。
 このほか、市民病院として、救急医療などの行政として確保する医療や僻地医療や高度医療、特殊医療など、採算を確保することが困難な医療も担っていく必要があることから、国が定める地方公営企業繰り出し基準に基づき、一般会計から繰り入れを受けるとともに、職員が目的意識を持って、収益の確保及び経費の節減に取り組んでいくことが重要と考えております。
 また、診療収入を確保するためには、医療従事者の確保がかなめであり、特に医師確保が重要なことから、医師の事務作業軽減のため、医師事務作業補助者を7月より増やすなど、医師の勤務環境の改善に努めてきたところでございます。今後とも医師、看護師などの人材確保を図ってまいりたいと考えております。
 最後に、病院改革プランの達成見込みとプランの見直しについての質問にお答えいたします。
 病院改革プランは、病院経営の健全化を目指し、3つの柱であります、経営効率化、再編ネットワーク化、経営形態の見直しの各計画に基づき、目標達成に向けた取り組みと実施時期を定めているものでございます。
 当院の平成23年度を目標年度とする経営効率化計画においては、最終の平成23年度に経常収支を黒字とすることを目標としておりましたが、おかげさまで、平成21年度、平成22年度も経常収支は黒字となり、平成23年度につきましても、入院患者数が計画に達していないことから、収益は計画を下回る見込みではございますが、経費節減等により費用も計画を収益以上に下回る見込みであり、このままの状況で推移すれば、平成23年度の経常収支を黒字化するという目標は達成できると見込んでいるところでございます。
 なお、議員が御指摘されています改革プランの見直しについては、状況として、計画と実績に乖離が見られますが、経営効率化計画の目標年度が今年度ということでありますので、改革プランの見直しということではなく、計画と実績の乖離について検証することとし、平成24年度以降の収支計画等に反映させてまいりたいと考えております。
 また、再編ネットワーク化、経営形態の見直しの各計画につきましては、計画策定後、特段の状況の変化は見られず、また、黒字決算を計上していることもあり、現在のところ見直しは予定していないものでございます。
 私からは以上でございます。

◯副議長(飯田修平君) しばらくお待ちください。
  〔市長 上田信雅君 入室〕

◯副議長(飯田修平君) それでは、質疑を続けます。
 14番 嶋村信之君。
  〔14番 嶋村信之君 登壇〕

◯14番(嶋村信之君) 通告に基づき、市政一般について質問、並びに提案をさせていただきます。
 今、我が国は、東日本大震災、津波被害、原発被害、その上、円高、デフレなど、今まで経験したことのない大変厳しい状況下にあります。一般庶民の生活や中小零細企業の経営は大変厳しい上、銀行からの融資がなかなか受けることができないとの相談も寄せられております。さらに、雇用状況はよくありません。現状をしっかり受けとめ、安心・安全で、活力ある市政に取り組むことが喫緊の課題であります。
 最初に、「庄川と散居に広がる 健康フラワー都市」についてお尋ねいたします。
 1点目、地方自治法改正に伴う地域の自主性発揮について。
 地方自治の拡大を目指す法案が審議され、去る8月26日、参議院本会議で、民主、自民、公明各党などの賛成多数で可決、成立いたしました。この法案は、国と地方の関係を上下から対等の関係に変えた、2000年4月施行の地方分権一括法で生まれた、新しい地方自治を基礎としたものであります。本年4月には、国が地方を縛ってきた義務づけ、枠づけの緩和を定めた第1次一括法が成立しており、今回の法案は、第2次一括法により、義務づけ、枠づけの見直しのほか、都道府県の権限を基礎自治体である市町村に移譲し、さらに条例制定の拡大を目指すものであります。
 法案の正式名は、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図る関係法整備法案とあるとおり、地域の自主性発揮がテーマであります。
 先の第1次一括法の成立時には、地方議会定数の上限撤廃などを定めた改正地方自治法、地方に影響を与える国の施策については、全国知事会など地方六団体の代表と国が話し合うことを定めた、国と地方の協議の場に関する法律も同時に成立いたしました。この両方は、地方自治体の政策決定にかかわる自主性発揮を確保する内容であります。
 1990年代以後の地方自治議論は、国から地方への権限移譲が主な内容であり、いわば行財政改革の議論であります。しかし、近年には、地方の主体性確保を目指す地方自治の改革論に注目が集まり、地方自治改革の中で手に入れた権限を生かし、どう地方自治を再生し、地方の時代を開けるか。地方自治体、とりわけ住民と最も身近な基礎自治体のできがわかることになります。
 第2次一括法案では、騒音、悪臭に関する規制、地域の指定や理容・美容所の衛生措置基準の決定の権限が都道府県から市に移譲されております。さらに、財政状況が良好な自治体が、民間資金を調達するために、地方債を発行する場合に限り、総務省などとの協議をなくし、事前の届け出で済ます仕組みを設けることも可能になりました。
 こうした政策決定は、住民の生命、財産に直接かかわるため、権限を行使する地方自治体の責任はより重くなります。基準の設定には、問題の実情や住民のニーズを詳細に把握する必要があり、同時に、地方自治体の権限行使、住民の目線で監視する地方議会の役割も重要になり、議会改革についても取り組む必要があります。
 そこで、次のことについて市長にお尋ねいたします。
 1、地域の自主性を目指す一括法案の改正の意味をどのようにとらえておられるのでしょうか。
 2、基礎自治体としての力量をどのようにつくり上げ、住民にこたえていくのか、具体的な取り組みについて。
 3、今回の法改正の上から、このたび誕生した野田新政権をどのようにとらえていらっしゃるのか。
 2点目、砺波総合計画基本計画について。
 去る8月11日、市議会より答申を受け、8月末まで、パブリックコメントを実施されたと伺っております。
 そこで、1、総合計画後期基本計画の作成に当たり、総合計画前期基本計画を検証されたと思いますが、目標に対して、どの程度達成されているのか、また、課題は何であったのか。
 2、市議会で、特に協議、議論なされた内容について。
 3、作成に当たり、砺波らしさを生かしていると伺っておりますが、その内容について。
 4、今回の地方自治法改正に伴い、議会の議決が不要になり、行政の責任で検証し、遂行することになると思いますが、今後の市政運営について御所見をお聞かせください。
 3点目、砺波市総合計画後期実施計画について。
 本年11月には、砺波市総合計画後期基本計画に基づき、実施計画が作成されると伺っております。実施計画には、財政的な裏づけがなければなりません。
 特に東日本大震災による復興債には、約30兆円の財政出動が必要であり、地方交付税も見直しされると仄聞しております。その上、将来の日本の人口の推移を見ますと、2050年には、約3,000万人減少し、平均寿命も女性は95歳、男性は89歳、その上、3人に1人が高齢者になると推定されております。特に人口の減少は、都会では低く、地方の減少が多いと思われます。したがって、税収の減収も当然考えなければなりません。
 そこで、将来を見据えた計画が肝要であります。本市の財政の見通しと概要について市長の御所見をお聞かせください。
 4点目、企業誘致の推進について。
 魅力ある産業が発展するまちづくりについて、キーワードとして、交通の要衝にある特徴を生かした中京・関東圏都市との経済連携等5点を挙げております。しかし、現在、本市が誘致した企業の支援も大切であります。
 富山市は、本年7月から、誘致企業を訪問し、立地条件の意見や市への要望の聞き取りを始め、本年度、100社の訪問を目指すと発表。背景には、人口減少時代を見据え、工場などの立地条件や県外から転入した従業員の感想、市への要望・意見を、経営環境などとあわせて聞き取り調査を始めました。富山市は、企業などからの声を反映させるため、副市長をトップに各部局長による企業立地推進本部を設立、造成地があるだけでは企業誘致はできません。面倒見がよい市というイメージを定着させたいと報道されました。市長の企業誘致に対する御構想をお聞かせください。
 次に、笑顔があふれる福祉のまちづくりについてお尋ねいたします。
 1点目、改正障害者基本法を受け、本市の福祉施策の推進について伺います。
 障害者支援の基本原則などを定めた改正障害者基本法が今国会で成立し、先月施行されました。障害者施策の憲法と言われる障害者基本法の改正は、国連障害者権利条約の批准に向けた、国内法整備の一環として進められてまいりました。
 障害当事者らが多数を占める障がい者制度改革推進会議が30回超の議論を重ねて、その素案をまとめ、それを踏まえて、政府が法案を作成いたしましたが、その過程で、省庁間の調整に難航、条文には「可能な限り」との文言が6カ所含まれ、推進会議の人たちからは、望んでいたものとはレベルが違うと大きく落胆いたしました。
 そこで、修正協議が行われました。障害者の定義に発達障害者を明記されたことにより、発達障害に対する理解と施策の普及啓発が進み、支援サービスが受けやすくなります。また、障害のない児童・生徒とともに学べるよう、地域で学べる環境の整備や手話を言語として認め、手話通訳などの確保を進めるように定めました。さらには、東日本大震災で、障害者への情報伝達や支援がうまくいかなかったことを踏まえ、国や地方自治体に防災・防犯対策を講じることも義務づけ、ほかにも、消費者としての障害者の保護、障害児が社会的に自立するための訓練などを行う療育の促進、障害者の自立と社会参加に必要な相談体制の整備や意思決定の支援への配慮も明記されました。
 今後も障害者差別禁止法の制定などに取り組み、共生社会への流れを大きく前進させなければなりません。全日本手をつなぐ育成会の北原守理事長は、今回の改正で、1、共生社会の実現、2、社会モデルの反映、3、意思決定への支援の配慮の3項目が盛り込まれたことは大変うれしく思っています。中でも、意思決定への支援については、知的障害のある人は、自分で物事を決めるのは不得手なので、その人をよく知っている人が集まり、意思決定を手助けすることが必要だからです。今後、具体的な支援システムが研究開発されることを期待しております。現実に困っている障害者の対策を前進させていただきたいと思いますと語っております。
 そこで、同法案の改正を受け、本市の今後の福祉施策について、以下のことについてお答えください。
 1、発達障害者・児に対する理解と施策の普及啓発について。
 2、新サービス推進のための支援システムの導入について。
 3、社会的に自立するための訓練などを行う療育の促進について。
 4、就労支援及び雇用率の向上について。
 5、災害時の障害者への対応について。
 2点目、福祉便利手帳についてお尋ねいたします。
 介護保険サービスや高齢者福祉サービスは、必須事業だけではなく、任意事業や自治体独自のサービスなど、さまざまあります。そのために自分の住む地域で、どんなサービスがあり、どんなサービスを受けられるかわからないといった声が多く聞かれます。
 そこで、多くの自治体では、ホームページでの情報提供はもちろんですが、ホームページを見られる環境にない方へも配慮し、市民サービス全般を網羅した、暮らしの便利帳や福祉便利帳などの冊子を発行し、情報をわかりやすく紹介する。また、新しく住民になった方や、新たに対象となった方がサービスを利用しやすいよう取り組みを行っております。
 当市においても、介護保険事業計画の概要版があります。しかし、この概要版では、その目的が違うため、サービスの名称や見込み料が掲載されているもので、そのサービスの内容まではわかりません。そこで、介護保険サービスや高齢者福祉サービスを紹介した福祉便利手帳を発行するべきと考えますが、当局の御見解をお尋ねいたします。
 3点目、認知症サービス、養成の取り組みについて。
 厚労省は、2005年から養成を進めてきた認知症サポーターの起用を推進し、地域の人に認知症への理解を深めてもらい、認知症の人と家族を応援するねらいでスタートしております。
 介護認定を受けている方の認知症の比率を見ますと、全国は6%、富山県は11%と、認知症の確率が高いと思われます。富山県の認知症サポートの普及率は、全国第6位で、全国に比べて高いのであります。
 そこで、本市の状況についてお尋ねをいたします。
 1、認知症サポーター養成講座の開設状況について。
 2、本市の認知症サポーター数は。
 3、認知症サポーターの有効利用は。
 4、本市及び認知症対応のグループホームでの普及の取り組みについて。
 4点目、ポイント制度によるボランティア活動の推進について。
 市長は就任以来、市民一人一ボランティアを提唱され、現在、福祉ボランティアを中心に、多くの団体や個人が登録されており、さまざまなボランティア活動を通し、地域社会に貢献されております。その上、「レッツ!ボランティアとなみ」をスローガンとして、ポイント制も導入いたしました。しかし、将来の超高齢化社会を支えるためには、もう一歩、踏み込んだ取り組みをしなければなりません。
 厚労省は、介護保険制度における地域支援事業として、市町村の裁量により、介護支援ボランティア活動を推進する事業を行うことが平成19年5月から可能になりました。
 これは、東京都稲城市が、高齢者による介護支援ボランティア活動を介護保険で評価する仕組みを創設したいとの構造改革特区要望を平成18年に提出したことを契機に、介護保険制度を活用したボランティア活動支援の仕組みが検討された結果、地域支援事業交付金を活用して、取り組みが始まったものであります。
 具体的には、介護支援ボランティアの活動実績に応じて、ポイントを交付。ポイントは、介護保険料や介護サービス利用料に充てることができ、実質的には保険料負担軽減にもつながります。
 それだけではありません。高齢者が活動を通じて、社会参加、地域貢献ができ、自身の健康増進を図ることにもつながり、いわゆる介護予防にも役立つわけであります。
 この制度は、稲城市が平成19年9月から全国で初めて実施し、その後、事業開始の予定、導入予定を含めますと、30近い市町村に取り組みが広がっております。本市においても、関係者にお聞きすると、高齢者の方のボランティア活動への参加意識が高いことがわかります。ただ、きっかけがない。参加の仕組みがわからなといった声も聞かれます。稲城市の取り組みは、そのような方々にボランティア活動を促すことができ、さらに、受け入れる事業者にとって、職員の負担軽減につながる。この制度の導入メリットは大変大きいと考えます。
 そこで、次のことについてお尋ねをいたします。
 1、稲城市のボランティア活動の取り組みについて。
 2、本市でのポイント制度での介護支援ボランティア活動の導入について。
 3、まず、隗より始めよですが、市長は公務繁多でなかなかボランティア活動はできないと思います。本市は、病院等を含むと1,000名余の職員がいますが、職員への具体的働きかけについて。
 4、職員のボランティア活動の実態について。
 以上、4点について、市長の答弁を求めます。
 終わりに、最も大事なことは、市政に人の心をのせることであります。人の痛みを共有すること、特に政治のリーダーは人気を追い求めることではなく、身命を賭して国民に尽くすのが本来の政治家であります。
 東日本大震災から半年が経過いたしましたが、いまだに復興支援は見えてこないのであります。議論、審議も大切ですが、いかに即決して行動することが大事か求められております。本市は災害発生の少ない地域でありますが、災害は忘れたころにやってくると言われております。今回の東日本大震災を「他山の石とせず」と受けとめなければなりません。市長を初め、当局の答弁が市民の心に届くことを期待して、終わります。

◯副議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 嶋村議員の「庄川と散居に広がる 健康フラワー都市」について及び笑顔があふれる福祉のまちづくりについてのうち、ポイント制によるボランティア活動推進についてお答えをいたします。
 まず、地方自治法の改正に伴う地域の自主性発揮につきまして、3つの御質問のうち、1項目の地方分権一括法の意義についてお答えをいたします。
 御発言のとおり、これまで2度にわたりまして一括法が成立しており、その概要を成立順に申し上げますと、まず、本年の5月2日に公布された、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律、いわゆる第1次一括法は、平成21年に閣議決定のあった地方分権改革推進計画を踏まえ、政府の言う地域主権改革を総合的、かつ計画的に推進しようとするもので、国と地方の協議の場の法制化、地方公共団体に対する事務の処理、または、その方法の義務づけを緩和する41の関連法律の整備が行われ、時期を同じくして、地方自治法の一部改正の先取り部分も改正されております。
 次に、先月26日に、いわゆる第2次一括法が公布され、これは、昨年6月に閣議決定があった地域主権戦略大綱を踏まえ、第1次一括法の方向性に加え、議員が述べられたような、基礎自治体への権限移譲項目が盛り込まれており、188の関連法律の整備が行われたものであります。
 そこで、政府が掲げる地域主権改革とは、日本国憲法の理念のもとに、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的、かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民が自らの判断と責任において、地域の諸問題に取り組むことができるようにするための改革と掲げられておりますが、これまでの経過においては、国と地方の協議の場が機能しておらず、全体的に必ずしも地方6団体が掲げる要望とは一致しておらず、その理念の実現には、少なからず課題があると考えております。
 つきましては、政府においては、先日、第30次地方制度調査会を発足させ、引き続き地方制度改革の議論を深めようとしており、その場合において、前首相が述べられた「震災により、地方公共団体の果たす役割が再認識された。地域のことは、地域の住民が責任を持って決める社会の実現のための議論を行うことが重要である。」との方向性に期待をしているところであります。また今後、当会議において、先行議論される議会運営を含む地方自治法の大幅な改正議論については、必要に応じて、市長会等を通じて働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、2項目めの基礎自治体としての力量をどのようにつくり上げ、住民にこたえていくのか、具体的な取り組みについてでございますが、これまで一括法、あるいは地方自治法の改正の方向は、地方自治体にとりまして、自治体が質の高い仕事をしやすくなることで、住民が質の高い行政サービスを享受できる仕組みづくりを目指すものとなっていることは私もそのとおりだと思っております。
 このような中で、地方自治体にとりまして、移譲されました権限の責任が増すばかりではなく、行財政の運営の規制緩和が進むことにより、主体性のある政策判断がより行いやすくなることが必要と認識をいたしております。
 そこで、地方自治体としての力量を増す必要性に迫られることにつきましては、まず、市役所、市民一体となった人づくりと考えており、とりわけ市職員には、広い視野と行政能力の拡充が大切と考えております。このため、これまでに市民協働の時代を迎え、市職員や社会の変化や市民ニーズを的確に把握し、今、何が求められているのか、目標を定めた上の政策形成能力、説明責任能力、透明で公正な行財政、行政運営能力などの涵養を図っておりますが、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、3項目めの法改正の上から、野田政権をどのようにとらえるかでございますが、まず、野田新政権の前には、円高、デフレなどの経済対策、マニフェストの見直し、東日本大震災や東京電力福島第一原発事故からの復旧・復興、そして、社会保障と税の一体改革など、多くの解決しなければならない課題が山積していると存じますが、総理が人柄を前面に押し出し、有為な人材を活用し、この難局を乗り切っていただきたいと考えております。
 そこで、このたびの法改正の動向から、あえて申し上げるならば、権限移譲に関する部分の法施行は、来年4月1日であることから、国の所管省庁は、早急にその基準を地方に示していただき、地方自治体が十分に対応できる時間を与えていただきたいと思っております。また、権限移譲の議論では、計画的な人員削減を進めている地方自治体にとりまして、人的にも財政的にも負担が大きくなることから、目に見える財源移譲がなければ、絵にかいたもちとなりかねず、この面でしっかりした御配慮をいただきたいと思います。国と地方公共団体が新たな役割をきちっと果たせるよう、強く望むものであります。
 そして、先ほど申し上げました、地方自治法の大きな改正議論がこれから行われますが、地方6団体の意向を十分に踏まえるなど、地方の実情を酌み取った方向性が示されるよう、協調路線を標榜される野田新政権には、地方側に配慮を期待したいと考えております。
 次に、総合計画後期基本計画についてでございますが、まず、総合計画前期基本計画の検証結果と目標達成度、そして、課題について御質問にお答えをいたします。
 前期基本計画につきましては、5つの基本方針を掲げ、合併に際して策定いたしました新市まちづくり計画に定める事業との整合性に留意しながら、前期計画期間5カ年において、優先的に取り組むべき事業を定めたものであります。
 前期計画がスタートいたしました平成19年度以降、新市としての住民の一体感の醸成と地域の均衡ある発展を目指し、各種の事業に取り組んでまいりましたが、計画の達成状況について、5つの基本方針ごとに、合併特例事業の主要な事業を中心にお答えをいたします。
 まず、1つ目の基本方針の笑顔があふれる福祉のまちづくりにおきましては、庄川健康プラザや福祉センター、北部苑を建設し、福祉環境の充実に努めてきたところであります。
 次に、人と心を育むまちづくりでは、般若幼稚園の改築、砺波東部小学校の耐震改修事業などを実施するとともに、繰り返し発生した震災災害を教訓として、次代を担う子どもたちの命を守り、災害時には、住民避難の拠点となる小中学校校舎の耐震改修事業を優先課題として掲げ、現在も工事完成に向けて努力をしているところでございます。
 また、庄川と散居に広がる快適なまちづくりでは、新市としての公共交通の軸を確保するため、市営バス庄川線の開設や砺波駅南駐車場の増設によるパーク・アンド・ライドの推進、合併関連道路の整備、となみ散居村ミュージアム、民具館の開設、出町東部第2土地区画整理、子供歌舞伎曳山会館の建設を初めとするまちづくり交付金事業、砺波消防署庄東出張所の開設など、着実な都市基盤の整備を進めてきたところであります。
 さらに、魅力ある産業と発展するまちづくりでは、となみの米のブランド化やチューリップを初め、地域特産物の生産振興に努め、米乾燥調製施設となみライスセンターやタマネギ集出荷貯蔵施設、農産物直売所となみ野の郷などの整備を支援する一方、かわまちづくり事業で、庄川水辺プラザの建設や水記念公園など、観光関連施設の整備などを実施しております。
 そして、市民と行政が協働するまちづくりでは、第2次砺波市男女共同参画推進計画を策定し、男女共同参画社会の実現に努力するとともに、増山城戦国祭りを主催する増山自治会や栴檀山そば祭りを開催する栴檀山自治振興会などによる市民協働事業の展開、さらには、市内の若者たちが自ら企画し、自らの力でこれを実現することができる、地域を盛り上げる闘魂元気道場の支援などを行ってきたところであります。
 以上、大まかな事業の進捗について申し上げましたが、これらの結果、合併特例事業につきましては、平成23年度末の合併特例債借入額を全体の約62%と予定していることから、前期計画期間における事業につきましては、概ね順調に達成してきているものと考えております。
 また、後期計画の課題についてお尋ねでございますが、後期計画の基本構想につきましては時代の潮流と題し、当面の課題について列記をいたしております。
 その要旨といたしましては、少子高齢社会への対応や人口減少社会における交流人口の拡大による地域の活性化、先の東日本大震災や異常気象による自然災害の多発などを教訓とした防災・減災体制の強化などを明記するとともに、地方分権の推進により、今後は自らの判断と責任のもとで、地域の特性に合わせた行政の推進を進めるべきであり、市民参画、市民協働によるまちづくりの推進がますます重要であるといたしておるものであります。
 次に、砺波総合計画審議会での主な議論の内容についてでございますが、砺波市総合計画審議会では、各種の団体で御活躍の皆様や有識者などで構成されておりますので、大変幅広い分野にわたり、御意見をちょうだいいたしました。
 以下、幾つかの議論の内容について概要を申し上げます。
 まず、他の地域よりもすぐれた砺波らしさ、あるいは、砺波型の施策の明確化が必要であるとの御提言を複数の委員からちょうだいをいたしました。
 この提言を受けまして、基本構想において、砺波らしさを最大限に活かした施策の章を設け、個々の施策との関連を端的に記載したものであります。そのほか、教育の原点である人格の形成を基とした教育施策や散居景観の保全、庄川と散居に恵まれた農産環境の保全を目指した農業振興地域整備計画の推進、小水力発電に対する取り組み、積極的な企業誘致による地域振興、砺波型ブランドの確立による農業振興、国際感覚を育てるまちづくり、ほか個別事業の進捗などにつきましても多彩な御提言をいただき、計画案に反映してきたものであります。
 なお、あわせてお尋ねの砺波らしさを最大限に生かした施策でございますが、次の5項目を本市の特徴としてとらえ、施策を展開することにしております。
 具体的には、まず1つ目には、本市が持つ散居村や庄川など豊かな自然と地域資源を生かし、花と緑のまちづくりの推進とともに、散居景観の整備に関する施策や通年型・滞在型観光交流施策の実施、豊かな文化財や歴史資料の活用による、ふるさとへの愛着や郷土愛の醸成を図ることとしております。
 また、2つ目には、本市が砺波平野の中央部で交通の要衝にある地点を生かして、機能的な都市基盤の整備や中京、関東地域からの企業の誘致など、時代を先取る産業振興施策の充実を図ることとしております。
 3つ目には、本市が持つチューリップや種もみなどの豊富な地域特産品を生かし、確かな農業生産基盤づくりや地域特産品の付加価値向上と生産拡大を図るなど、風土を生かした新たな農林業施策の展開を図ることとしております。
 4つ目には、本市には、市立砺波総合病院を中心として、民間診療所が多く立地し、連携する医療環境を活かして、住みなれた地域で安心して暮らせるよう、生涯を通した心身の健康づくり施策の推進を図ることといたしております。
 そして、5つ目には、地区自治振興会を中心とした地域コミュニティーが活発である特徴を本市の個性としてとらえ、市民と一体となった行政の推進を図ることとしているものであります。
 次に、地方自治法の改正によりまして、総合計画策定の義務条項が削除された件に関する所見についてでございますが、去る8月1日、地方自治法の一部を改正する法律が施行され、従来、市町村において義務づけられていた、いわゆる総合計画基本構想の議会議決、及びこれに基づく行政運営に関する条項が条文から削除されたものであります。これは地方分権改革推進計画の実施に伴い、法による義務づけの見直しの一環として改正されたものであり、条文が削除されたことから、その計画の策定自体も、基本構想の議会議決も法的義務がなくなったものであります。
 しかし、総合計画は、市の行政運営における基本方針を示す、いわばまちづくにおける羅針盤であります。市政運営の基本方針につきましては、広く説明責任を果たす上で、大変重要なものと考えております。また、地方分権の推進や行財政改革の時代においては、自治体経営の視点が大切であると考えております。その時々の時代の背景と財政状況を的確にとらえながら、事業に優先順位をつけるなど、めり張りのある事業実施をしてまいりたいと考えております。
 そのような面から、後期計画で、砺波らしさを生かした施策として先ほど申し上げました施策は、いずれも着実に進めていくべきものとして考えておるものであります。今後とも、各位の御協力を賜りますようお願いをしたいと考えているところでございます。
 次に、実施計画策定に際して市の財政の見通しと概要についてでございますが、後期計画期間における実施計画については、現在、各部局から素案の提出を求め、取りまとめ作業を行っているところでございます。特に本年は、東日本大震災などの影響により、国の来年度の予算編成が例年に比べ1カ月遅いことなどから、現時点では、予見性に乏しいと言わざるを得ません。国においては、震災復興計画の概要や第3次補正の財源措置などとともに、市政に大きな影響をもたらす次年度予算の枠組みを早期に示されるよう、期待するものでございます。
 後期基本計画における一般会計の財政見通しにつきましては、これらの不透明な要素を含みながらも、現行の税財政制度を基本とせざるを得ない状況であり、大まかな見通しを申し上げますと、後期計画期間5カ年における一般会計の概算総額は約1,020億円と見込んだところでございます。
 歳入における主な財源の見通しについて申し上げますと、まず、市政については、納税義務者が減少をする一方、税制改革に伴う控除の廃止や法人市民税における微増を見込み、全体の31%程度の320億円を見込むとともに、地方交付税においては、近年の実績に基づき280億円、構成比にして約27%と見込んでおります。
 なお、普通交付税につきましては、合併から10年を経過した平成27年度からは、合併に伴う有利な算定方法が段階的に廃止されることから、減額を見込んでおります。
 国・県支出金につきましては、対象となる事業により増減するものでありますが、小中学校の耐震化事業などを積極的に行う予定としていることから、140億円、構成比で14%を見込んでおり、同様に、事業に応じて計上される起債については110億円、約11%と見込んでおります。
 次に、歳出の見通しについて申し上げます。
 歳出の傾向といたしましては、福祉関係における義務的経費が増加基調にあるのに加え、子ども手当の給付金や小中学校の耐震化事業などを見込んでいることから、前期計画額を上回ることとなるものであります。
 なお、基本計画における財政見通しは、あくまでも概算見積もりであり、経済状況や国の動向等により常に変化するものと想定しておりますので、具体的な予算規模につきましては、実施計画において算定しているものでありますが、いずれにいたしましても、健全財政を堅持しながら、市政運営に当たってまいりたいと、このように考えております。
 次に、企業誘致の推進についてでございますが、世界的な経済不況と国内の雇用情勢の悪化などにより、地域経済は極めて厳しい状況にあります。こうした中、地域経済の回復施策として、企業誘致により行政と民間企業の両方の力で、地域経済の回復を図る必要があると考えております。
 本市におきましては、本年4月から現在まで、市内の企業約30社を訪問し、経営状況や立地企業に関する情報収集を行っているところであります。また、現在、東海地方の企業580社及び市内事業所150社を対象とした企業アンケート調査を実施しているところであります。10月末までに取りまとめを行い、その結果を踏まえて、企業訪問実施や今後の施策の参考にしてまいりたいと、このように考えております。
 今後につきましては、10月に名古屋市で開催される富山企業立地セミナーや岐阜県各務原市で開催される、ものづくり岐阜テクノフェア2011に参加し、交通の利便性や自然災害の少ない本市の立地環境のよさを積極的にPRしてまいりたいと考えております。
 また、工業団地からの要望により、未利用地の環境対策も重要であることから、必要に応じて、工業団地内の排水路の対策等を実施してまいりたいと、このように考えております。
 なお、嶋村議員の御質問の企業立地推進本部につきましては、平成24年度の設立に向けて検討してまいりたいと考えております。また、東海地方に力点を置き、砺波地域情報センターを足がかりとして、企業誘致活動を推進してまいりたいと考えております。
 次に、笑顔があふれるまちづくりについての御質問のうち、ポイント制によるボランティア活動推進についてをお答えいたします。
 初めに、稲城市のボランティア活動の取り組みについてお答えいたします。
 稲城市の介護支援ボランティア制度は、高齢者が介護支援ボランティア活動を通じて、地域貢献することを積極的に勧奨、支援し、高齢者自身の参加活動を通じた介護予防を推進するために、平成19年9月から実施された制度であります。
 ボランティアの希望者は、社会福祉協議会で登録をし、ボランティアの受け入れ先の紹介を受け、介護支援活動を行います。活動が終わったら、活動した施設や主催者から、1時間程度の活動で1つのスタンプを押してもらい、集めたスタンプを申請して、評価ポイントにかえ、1,000ポイントで1,000円、年間5,000円を限度といたしまして、介護支援ボランティア評価ポイント転換交付金として現金化することができ、介護保険料の支払い等に活用いただくことができる仕組みとなっており、その財源は地域支援事業交付金が活用されております。
 これが稲城市の介護支援ボランティア制度の概要でありますが、そこで、当市の導入についてお尋ねですが、議員も御承知のとおり、7月からのボランティアポイント制の本格実施では、福祉関係のボランティア活動だけを対象とするものではなく、生涯学習や商工関係など、すべてのボランティア活動をポイント付与の対象としたところであります。
 また、老人クラブを初め、ボランティアセンターに登録しているグループに所属している多くの高齢者の方も、意欲的にボランティア活動に取り組んでおられ、十分、介護予防に資していると考えております。よって、ポイント制による介護支援ボランティア活動の導入については、当市のボランティアポイント制事業が市民に定着した時点で、必要があれば、研究していきたいと考えております。
 次に、職員への具体的な働きかけについてお答えいたします。
 市職員が率先してボランティア活動に参加することは、大変重要なことであると、このように考えております。職員のボランティアの取り組みにつきましては、地元での活動、例えば資源ごみの分別収集や公園や街路の清掃活動、江ざらいなどにも進んで参加をしております。また、機会があるごとに、自治会を初め、公民館、体育振興会、自主防災組織、PTA活動、婦人会活動や関係イベントにも、積極的に参加について呼びかけを行っているところでございます。
 最後に、職員のボランティア活動の実態につきましては、平成21年5月に、ボランティア活動の参加状況について、職員に対してアンケート調査を実施しております。この結果を見ますと、約95%の職員がボランティア活動に参加しているとの結果が出ており、具体的には、チューリップフェアのボランティアや祭りなどのイベント後の清掃活動、新採職員のボランティアフェスティバルへの参加などがあり、今後も積極的に参加するように、また、8月からは、職員全員が「レッツ!ボランティアとなみ」の缶バッジを胸につけて、意識啓発を努めているところでございます。
 私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては福祉市民部長からお答えをいたします。

◯副議長(飯田修平君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 齊藤一夫君。
  〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕

◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、嶋村議員御質問の笑顔があふれる福祉のまちづくりについてのうち、1から3までの3項目についてお答えをいたします。
 最初に、1項目めの、改正障害者基本法を受け、本市、福祉施策の推進についてのお尋ねですが、まず、発達障害者・障害児に対する理解と施策の普及啓発につきましては、砺波市、小矢部市、南砺市の3市で構成しています砺波地域障害者自立支援協議会では、早いうちからの保護者の発達障害への気づきや障害の受け入れを目的に、リーフレット子育て応援ナビを作成し、就学前の保護者に配布をいたしております。また、障害児と直接接する保育士、教育関係者などを対象とした研修会の開催も予定しており、早期に発達障害を発見し、支援できるよう普及啓発に努めております。
 次に、支援サービス推進のための支援システムの導入につきましては、現在、平成25年8月の新法制定に向けて、国の障がい者制度改革推進会議、総合福祉部会において議論がなされております。
 障害者支援の現状を見ると、知的、精神、発達障害の方など、十分な意思決定をすることが難しい方は、小さいときから、本人ではなく、ほとんど家族や本人の身近にいる支援者が代弁して、物事が決定をされております。しかしながら、障害者が地域で自立して生活するためには、本人が主体となって意思決定することが大切であり、総合福祉部会では、その意思決定支援についての新たな制度を創設するよう提言をしております。
 また、療育の促進につきましても、障害のある子どもが身近な場所で療育などの支援を受けることとしており、個別支援計画の制度化などが議論されており、今後は県や国の動向を見ながら、対応をしてまいりたいと考えております。
 次に、障害者の就労支援につきましては、砺波総合庁舎内にあるとなみ障害者就業・生活支援センターにおいて、障害者の就労と生活の両面からの相談支援を行っております。
 また、障害者の雇用率につきましては、常時56人以上雇用する事業主には、障害者雇用率1.8%の達成義務があり、砺波公共職業安定所管内では、平成22年6月1日現在で、障害者雇用率は1.8%となっておりますが、未達成企業の割合は31.9%と、全体の約3割の企業において障害者の雇用が進んでいないのが現状であります。そのため、砺波地域障害者自立支援協議会では、障害者雇用の制度を紹介した企業向けのパンフレットを作成し、配付するなどしており、関係機関と連携し、雇用率の向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、災害時の障害者への対応についてお答えをいたします。
 東日本大震災で、聴覚障害者が防災無線を聞けずに逃げ遅れるなど、障害者への情報伝達がうまくいかなかったケースを踏まえ、改正障害者基本法では、障害者に情報が確実に伝えられるようにするとともに、防災・防犯対策を義務づけております。当市におきましても、地域防災計画の見直しを行っておりますが、災害時の障害者等、要援護者に対して、安全に避難できるように、地域の支援体制の整備や福祉避難所の設置や拡大などを検討してまいります。また、防災訓練への障害者の積極的な参加につきましても呼びかけてまいりたいと考えております。
 次に、福祉便利帳についての御質問にお答えをいたします。
 当市では、従来から介護保険サービス、生活支援サービスなどの高齢者福祉サービスについて紹介した冊子を発行し、高齢介護課窓口で希望される方にお渡しするほか、市内の居宅介護支援事業所に配付し、ケアプラン作成時などの参考にしていただいております。
 また、新たに市民となられる方につきましては、市民課の窓口において、同様の内容を記載した暮らしの便利帳をお渡ししており、福祉便利帳として利用されております。今後は一層内容の充実を図りながら、利用者にとってよりわかりやすく、利用しやすくなるように努めてまいります。
 最後に、認知症サポーター養成の取り組みについての御質問にお答えいたします。
 認知症サポーター養成は、認知症について正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守り、支援する応援者の養成を目的に、全国的に取り組まれているものであります。
 当市でも、認知症の方は年々増加し、6月末現在で高齢者人口の11.4%となっており、潜在者を含めますと20%を超えるものと推測をしております。このような状況の中で、認知症になっても、住みなれた地域で、安心して暮らせるために、地域の方々が認知症を正しく理解され、支援していただくことが大変重要であることから、現在、婦人会、老人クラブ、企業などの研修の時間などを利用して、積極的に認知症サポーター養成講座を開催しております。
 これまでの開催状況ですが、平成18年度から平成22年度までの5年間に、92会場で開催し、2,736名の方が受講をされていらっしゃいます。認知症サポーターとなられた方々には、今後とも認知症の方を温かく見守っていただき、見守り等のケアネット体制の一助になって御活躍いただければと期待しているところであります。
 また、グループホームでの取り組みにつきましては、これまで事業所職員は養成講座の対象外でしたが、平成22年度から対象となったことから、今後は事業所との連携をしながら、普及に努めてまいりたいと考えております。
 一方、グループホームの中には、地域との交流の一環として、地域の各種団体を対象とした講座などを企画されている事業所も見受けられ、今後も市と連携をとりながら、サポーター養成を進めていただきたいと考えております。
 私からは以上であります。

◯副議長(飯田修平君) この際、暫時休憩いたします。

 午前 11時45分 休憩

 午後  1時00分 再開

◯議長(稲垣 修君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 4番 島崎清孝君。
  〔4番 島崎清孝君 登壇〕

◯4番(島崎清孝君) それでは、通告に従い、砺波市総合計画後期基本計画に関連して、以下、質問をいたします。
 初めに、本市を取り巻く行政課題についてお尋ねをいたします。
 今、私たちを取り巻く時代環境は大きな転換に向け、流れを加速するとともに、国と地方のあり方そのものが問われています。経済のグローバル化に伴う課題や地球規模での対策が必要な環境、エネルギー、食料といった資源制約に対する今後の対応など、国は、本来、国家としての果たすべき役割をより重点的に見直すことが求められています。一方、国内では、本格的な少子高齢化、人口減少時代を迎え、地域経済や雇用、税制や社会保障制度の将来に大きな影響を与えています。
 昨年6月、閣議決定された地域主権戦略大綱では、地域主権改革が目指す国の形として、地方公共団体は、住民に身近な行政を自主的かつ総合的に広く担うとともに、これまでの依存と分配の仕組みを、自立と創造の仕組みへと転換をしなければならないとするなど、国と地方の関係は急速な変革の過程にあります。
 経済の停滞に加え、先行きに対する不透明感から、市民の生活不安はかつてなく増大しており、市が昨年の8月に実施した市民アンケート調査の結果では、市民が当局に期待する37の施策のうち、保健・医療体制の充実に対する期待が最も高く、次いで、社会保障の充実、高齢者福祉の充実、児童福祉の充実と続き、5番目に、安定した雇用、職業訓練の充実が期待されるなど、上位5項目が生活不安を裏づける政策課題で占められています。中でも、高齢者福祉の充実を除く4項目に対する期待度は、平成15年度の前回調査時に比べ2倍以上も高くなっており、市民生活を守るためにも、増大する市民の不安解消に向けた着実な対応が求められています。
 また、本市の平成21年の合計特殊出生率は、前年を0.21ポイント下回る1.36と急激に低下し、近年では、初めて国や県の平均値をも下回る結果となり、安心して子どもを産み、育てるための環境づくりの推進が喫緊の課題として浮上しています。
 また、本市の財政構造自体も少子高齢化社会の進展に連動し、高齢者人口の増加に伴い扶助費が増加する一方、生産年齢人口の低下により、個人市民税が減少するなど、歳入の根幹である税収自体が今後は大きく伸びない時代を迎えています。
 こうした厳しい時代環境や行政に対する市民の期待、さらには喫緊の行政課題等を踏まえ、市長は、どのように今後のまちづくり、砺波市の確かな未来づくりに取り組んでいくお考えなのか、まずお伺いをいたします。
 また、砺波市総合計画後期基本計画の策定に当たり、前期基本計画の5つの重点目標に対する達成状況及び評価、並びに後期基本計画に向けての課題をお尋ねいたします。
 次に、後期基本計画の重点政策についてお尋ねいたします。
 前述のとおり、今後、本市を取り巻く環境はより不透明感を増すなど、依然として厳しい状況が予想をされます。市民アンケート調査の結果からも、保健・医療、福祉、雇用の分野に対する市民の期待度が最も高く、市民が身近な暮らしの安心、充実を望んでいる姿がはっきりと浮かび上がってまいります。
 初めに、後期基本計画の達成の見直しの視点並びに重点政策は何なのか、基本計画策定のポイントをお尋ねいたします。
 さて、市民ニーズの多様化に伴い、今後取り組むべき課題は数多くあります。しかし、生産年齢人口が減少する中にあって、将来に過度な負担を残さないためにも、起債残高を着実に減らしていく必要性があるなど、厳しい財政環境のもとでは、選択と集中により必要な政策を見定め、着実かつ大胆に取り組んでいくことが重要であります。まずは、市民の暮らしを重視し、子育てや身近な暮らしの安心、充実など、市民生活に広がる不安に対応していくことが後期基本計画における優先すべき課題だと存じます。
 したがって、1、東日本大震災を教訓とした自然災害対策、2、喫緊の課題である、安心して子どもを産み、育てる取り組み、3、市民ニーズが最も高い、身近な暮らしの安心、充実に向けた取り組み、4、安定した雇用環境を生み出すための市経済の活性化に向けた取り組み、これら4つの課題に対し、本市の経営資源を集中させ、スピード感を持って取り組むことが今、最も求められている政策課題だと存じます。当局の見解をお尋ねいたします。
 次に、これらの政策課題について、3点、お尋ねをいたします。
 初めに、現在、平成27年度末完了予定で小中学校の耐震化事業が進められております。以降の公共施設に対する耐震化事業につきましては、耐震化調査や優先順位など、いつから具体的な検討がなされ、着手していくお考えなのか。地域防災対策強化の観点から、あるいは災害時、市民の避難所ともなる公共施設の耐震化事業に対する後期5カ年の取り組み計画をお尋ねいたします。
 また、一般木造住宅の耐震化率につきましては、平成19年度末の実績62%を、平成27年度末には85%以上を目標に計画されています。耐震化率向上のための詳細をお尋ねいたします。
 2つ目に、本市の喫緊の課題として、国や県の平均値をも下回る急激な出生率の低下が挙げられます。出生率低下の主な要因と今後の予測はどうなのか、また、出生率低下に歯どめをかける、後期計画の具体的な取り組み内容をお尋ねいたします。
 また、この対策につきましては、単に所管部門の取り組みにゆだねるだけでは実効性に乏しく、限界があると存じます。組織の枠を超えた部門間連携、課題を共有する全庁的な取り組みなど、総合力の発揮がぜひ必要かと存じます。推進体制に対する当局の見解をお尋ねいたします。
 3つ目に、身近な暮らしの安心、充実に向けた取り組みについてお尋ねいたします。
 今回の調査では、保健・医療、福祉の充実を中心に、暮らしの安心を守る制度づくりや対策が整い、安心して暮らせるまちづくりの推進など、市民が最も行政に期待を寄せる政策課題であります。
 まず、後期5カ年の取り組みのポイントをお尋ねいたします。
 また、大変すそ野が広い分野でもあります。したがって、例えば市民意識調査の実施による市民目線に立ったターゲットの絞り込みや今、必要とされている施策について市長直轄プロジェクトを立ち上げて、検討し、スピード感を持って実現を目指すなど、一段の工夫が必要かと存じます。当局の見解をお尋ねいたします。
 次に、計画のあり方についてお尋ねいたします。
 先の市民アンケートの調査結果では、施策への期待度が37あるすべての項目において、前回調査結果を大幅に上回っています。この背景には、当局も懸命に頑張っているけれども、それ以上に市民の期待が高いといった判断もあるでしょう。しかし、一般的には、当局の取り組みによる成果が市民にはわかりづらい、成果が実感されにくいという結果を物語っていると考えるのが妥当ではないでしょうか。市民にとってわかりやすく、成果が実感できる目標、指標の設定がまず必要だと存じます。
 後期基本計画では、新たに成果指標による数値目標がそれぞれ設定されており、大いに評価をいたします。しかし、内容を見る限りにおいては、どのようなサービスを提供するのかといった点を重視した目標設定が多く、何のために、そのサービスを提供するのかといった視点からの目標設定が少ないように思われます。市民ニーズの変化を肌で感じる所管部門が柔軟に、動きやすい計画とするためにも、量や頻度を重視する指標から成果や効果を重視する、成果が実感できる指標への転換が必要ではないでしょうか。今回掲げたそれぞれの目標を達成することで、本当に市民がその成果を実感できるのか、ぜひこの観点からの見直しを要望いたします。
 いま一つの課題は、スピード感であります。世の中の変化や市民ニーズに追随するためには、何といってもスピードが最も重要であります。いくらその時点において的を射る計画であっても、取り組みの成果が市民ニーズの変化に追いついていなければ、結果として、市民の実感にはつながりません。もちろん内容によっては異なりますけれども、民間企業がつくる中期計画では、少なくとも年率5%以上、5年間では3割以上をターゲットとした目標値を設定するのが一般的であります。この程度のスピードで改善を進めないと、企業間競争には勝ち残れないということであります。
 これまで当局の皆さんが、やります、推進しますと言っていらっしゃった日本語表現を、今回、具体的な数値に置きかえた結果、何だ、この程度のことかとならないためにも、いま一度、個々の目標値を見直し、明らかに低いもの、スピード感に欠けるものについては、短期間でやり遂げ、計画の前倒しを行うとともに、目標値の再設定を要望したいと思います。今回の目標値設定の考え方及び市民が成果を実感できる計画のあり方について、当局の見解をお尋ねいたします。
 また、計画的な市政運営のためには、実際の事業効果や課題を検証し、次の計画につなげていくことが必要であります。総合計画は平成19年度を初年度とし、まちづくりの基本方針を示す基本構想は、平成28年度までの10年間と定められています。また、基本計画は前期5カ年、後期5カ年で計画されており、実施計画は毎年、向こう3年間を見直すローリング方式により策定されています。
 しかし、本来ローリング方式は、計画、実行、分析、評価、計画の修正といった一連のサイクルを回すことで初めて、その意味があると思います。しかし、今回の後期基本計画や平成23年度の第5年次実施計画を見ても、当局の取り組みに対する分析や評価の結果が我々には見えてきません。計画的な市政運営のためには、過去5年間、あるいは1年間の取り組みに対し、何ができて、何ができなかったかを実際の事業効果や課題で検証し、次の計画につなげていくことが必要ではないでしょうか。また、実施計画と行政評価システムとは、計画、策定のタイミングも含め、完全リンクさせるべきと存じますが、あわせて当局の見解をお尋ねいたします。
 次に、今後の総合計画のあり方についてお尋ねいたします。
 今回の後期基本計画の見直しでは、砺波市の将来像を、「人が輝く活力あふれる砺波」を理想の姿としています。砺波市は時代の不透明さやさまざまな制約下にあっても、地域資源の活用や独自性を発揮しながら、多くの人に定住や経済、文化活動の場として選ばれる都市、ここに住む人や働く人、訪れる人々が生き生きと輝いて活動し、暮らしを充実させていく魅力的な土地づくりを実現させなければなりません。制約条件が多い中、砺波市の将来像実現に向け、今後どのように進めていくお考えなのか、お尋ねをいたします。
 一方、市民アンケートでは、さまざまな行政課題のうち、安心を実感する取り組みが最優先することを市当局に求めています。したがって、選択と集中の物差しで判断をすれば、常に将来よりも現在が優先されてしまいます。つまり、現在の安心と将来の活力とを同一テーブルで進めること自体に無理があり、二兎を追うものは一兎をも得ずとのことわざのとおり、結果、市民から、成果が実感できないとの評価を受けざるを得ない状況に陥っているのが現状ではないでしょうか。
 したがって、本市が、将来にわたって輝き続けるために必要な政策、つまり長期的な基本構想につながる政策、将来の活力につながる政策については、成長戦略として位置づけてはどうでしょうか。時代が目まぐるしく変化する中、中期的な課題は基本計画で、一方、長期的な課題に対しては成長戦略で対応するという位置づけ、この2本立てで運用を推進することが市民にとっても大変わかりやすのではないかと思います。
 また、成長戦略の推進体制は、例えばシティプロモーションの推進による交流人口、あるいは定住人口の拡大や産業が発展するまちづくり、あるいは子ども未来戦略や環境先進都市戦略など、これらを具体的に進めるためには、現在の縦割り組織の中ではなかなか前には進まないと思います。関連部門との連携が大前提となることから、部長級をチームリーダーとし、部門間の垣根を越えたプロジェクト運営としてはどうでしょうか。
 また、実施時期につきましては、時代の変化に追従するため、全国的には基本計画の期間が従来の5カ年から4年、3年と短縮化傾向にあることなどを踏まえ、2年から3年後のスタートを目標としても問題はないと思います。要はより実効性を高めるために、現状のやり方を改めることを優先すべきではないでしょうか。
 「人が輝く活力あふれる砺波」。このことを実現するためには、現在の安心と将来の活力、この2つの課題をより機能的に、同時進行が可能な仕組みをつくり、しっかりと対応していくことが重要かと存じます。本提案に対する当局の見解をお尋ねいたします。
 最後に、厳しい財政状況を踏まえつつ、いかに計画の実効性を確保し、それぞれの施策を推進していくのかが問われるところであります。市役所の自己変革の取り組みもまさに求められるところであります。徹底した市民視点とリスクの排除、挑戦心、自発性など、職員一人一人が自己変革を行うとともに、職員の持つ力を最大限に発揮し、その力を全庁的なチームワークで最大化し、厳しい環境下にあっても、市民とともに進化し続ける強固な市に、上田ジャパンをどう育成・強化されるのか、このことをお伺いして、私からの質問を終わります。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 島崎議員の砺波市総合計画後期基本計画についての御質問にお答えをいたします。
 まず、厳しさを増す行政環境の中で、今後どのようなまちづくりを進めるかとの御質問でございますが、私は、これまで、責任ある市政運営に当たっては、計画性と安定性、そして、何よりも地域の特色や地域資源を生かしたまちづくりが肝要であると繰り返し申し上げてまいりました。
 改めて申し上げるまでもなく、地方分権改革の本旨は、自己決定と自己責任、受益と負担の明確化が原則のもと、地方が総体として自立することであり、自治体運営から地域経営の視点に立って、限られた財源を効率的に活用するとともに、身の丈に合った計画的な市政運営を推進していくことが何よりも大切だと考えております。
 したがいまして、現下の厳しい行財政環境の状況のもとにありましても、砺波市の特徴や地域資源を十分に生かした新たな観光戦略の展開や景観保全事業の遂行、そして、これらを支える農業の振興に力を置き、他の地域よりもすぐれた個性豊かなまちづくりを積極的に推進し、あの苦しかった時代にもかかわらず、頑張っておいてよかった。あのとき、地域保全に力を注ぎ始めたからこそ、今があると評されるよう、将来につながる施策を着実に展開していきたいと思っております。
 なお、あわせて前期基本計画の達成状況、評価、後期計画に向けた課題についてもお尋ねでございますが、このことにつきましては、嶋村議員の御質問にお答えいたしましたので、ここではお許しをいただき、以下の答弁の中で、思いの一端を述べさせていただくことといたします。
 次に、後期基本計画の見直しの視点と重要施策と策定のポイントについてでございますが、後期基本計画の見直しの視点につきましては、基本構想の中で3項目を上げております。
 まず、1つの視点は、新たな市民ニーズや法制度の変革。そして、厳しい財政状況の制約など、さまざまな社会的要因により変化する、時代の要請に柔軟に対応した新たな施策設定をするという視点であります。
 2つ目の視点は、先ほども若干触れましたが、地方分権を推進する立場から、福祉の向上と行財政の効率化、行政コストの削減、地域資源の継承と活用などを実現するために、行政のみならず、市民や自治振興会、ボランティア、NPOなどの各種の団体など、多様な主体が自らの地域の運営に参画する地域経営の視点であります。
 そして、3つ目の視点では、従来は明示していなかった施策の達成度を具体的に説明する数値目標を設定し、施策の到達度をチェックするという視点であり、これらの視点を踏まえ、前期基本計画に引き続き、5つの基本方針のもとで各種の施策を展開することとしているものであります。
 次に、重点施策についてでございますが、先にもお答えしたとおり、今回の基本構想の見直しに際しては、砺波が持つ、他の地域よりすぐれた個性的な特徴を砺波らしさとしてとらえ、これを最大限生かした施策を遂行するものといたしております。
 具体的には、散居村や庄川など豊かな自然と地域資源を生かし、ふるさと学習の推進などによる郷土愛の醸成により、住民が地域に愛着を持って、来訪者を迎える観光振興体制の確立や砺波平野の中央部に位置し、交通の要衝にある利点を生かし、土地区画整理事業などによる都市基盤の整備を進める一方、中京、関東地域との経済連携や企業誘致を進め、交流人口の拡大による地域の活性化を目指すことといたしております。
 また、砺波平野の風土を生かした農林業の生産性を高めるため、農業生産基盤の整備と農業地の保全、森林環境の整備に努めるとともに、「となみ米」や水稲種子、チューリップや庄川ゆず、タマネギなどの地域特産物の付加価値の向上と生産拡大を図るものであります。
 さらには、砺波医療圏の中核病院である市立砺波総合病院を中心として、民間診療所が多く存在する利点を生かし、それらと健康センターや庄川健康プラザなどが有機的に連携し、医療、保健、福祉、介護が一体となったサービスの提供を行う健康都市づくりを掲げております。
 そして、市民一人一ボランティアの活動や確固たる自治振興会活動などを通じ、自主防災組織や地域における支え合い運動を広め、行政と市民とが協働するまちづくりの推進を掲げております。特に防災体制の推進につきましては、次の時代を担う子どもたちの安全と災害時における地域住民の一時避難所の確保の視点から、学校施設の耐震化工事については、優先的に取り組みたいと考えております。
 次に、島崎議員は、市民から求める4つの政策課題を挙げられましたが、いずれも大変重要な課題であると思います。
 まず、公共施設の耐震化と一般木造住宅の耐震化率の向上についてお答えいたします。
 公共施設の耐震化につきましては、現在、最優先で取り組んでおります小中学校の耐震化事業が平成27年度末に完了する予定であります。その他の公共施設、例えば保育所の耐震診断につきましては、財政状況等を勘案しながら、後期計画の実施計画において検討したいと考えております。
 また、一般住宅の耐震化率につきましては、砺波市耐震改修促進計画策定時からの建築等における家屋更新状況により推計しますと、平成23年度では69%となっておりますが、目標値と比較して、順調に進んでいるとは言えない状況であります。住宅改修は所有者個人が行うことになるために、県が支援しております耐震診断や県と砺波市が補助している耐震改修支援事業の制度について、今後とも広く周知をしてまいります。
 次に、子育て支援対策のうち、出生率の低下を防ぐ取り組みといたしましては、育児休業制度の拡充や事業所内保育施設の設置、子どもの病気、介護休暇制度の導入などについて、雇用主の理解が得られるようPRを継続してまいります。
 特に、乳幼児医療制度につきましては、本年10月から、小学校6年生までの入院、通院にかかる医療費の無料化を行うとともに、平成26年度をめどに、病児・病後児保育を実施したいと考えております。また、今後とも子育て支援センターの運営による子育て相談や不安の解消、乳幼児健診やこんにちは赤ちゃん事業による全戸訪問事業の推進、不妊治療支援の拡大、小児用肺炎球菌及びヒブワクチン接種に対する公費助成を実施するなど、きめ細かな事業を展開してまいります。
 なお、このように少子化対策に関する施策は、国においても内閣府の特命大臣が担当しているように、大変間口が広いことから、砺波市においても、男女共同参画担当や労働担当、教育委員会、健康センターなど、まさに議員の御提案のとおり、全庁的な施策への取り組みによって推進しているものでありますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、身近な暮らし、安心、充実に向けた取り組みについてお答えをいたします。
 御指摘のように、市民意識調査の結果では、保健・医療体制の充実を筆頭に、保健、医療、福祉分野での期待度は上位を占めておりますが、安心して暮らすことができるまちの構成要素として、これらが不可欠なことは言うまでもないことと考えております。行政が果たすべき一義的で、最大の役割が、市民が安全で、安心して日々の生活を送ることができることだと考えております。
 そこで、今年度から、保健、医療、福祉、介護の関係者が一堂に会する、「地域医療・福祉を考える会」を設置したところであり、今後、医療、福祉、介護が一体となったサービスの提供など、具体的な施策について提言をいただく予定にしております。
 続きまして、計画のあり方に関する御質問のうち、まず、成果が実感できる目標の設定についてお答えをいたします。
 前期基本計画におきましては、具体的な施策が効果的に実施されているかを判断する指標の目標値は示しておりませんでしたが、後期基本計画の策定に際しましては、施策目標の達成を具体的にイメージすることができる数値目標を設定し、施策の達成度を図る指標といたしました。指標の設定に際しましては、まず、現状と課題を分析し、その課題解決に向けた主な政策内容を掲げた後、施策の柱を概ねあらわす項目、または、施策の柱を象徴的に示す項目の選定に努め、市民の皆様にも、具体的に政策成果を理解していただけるように留意をいたしたものであります。
 したがいまして、結果的に、施設や社会資本整備水準の向上や各種サービスの水準向上、あるいは市民による利用や参画の増といった目標値といたしているものであり、必要に応じて、指標の設定については説明を付記いたしております。
 成果の到達年につきましては、必ずしも後期基本計画の最終年次にこだわるものではなく、前倒し達成を妨げるものではありませんので、この点につきましても御理解をお願いいたします。
 また、御指摘の何のために、そのサービスを提供するかについての説明は、単に指標を提示する欄だけではなく、現状と課題の分析と課題解決に向けた施策の記載とをあわせてごらんいただければ、御理解いただけるものと考えております。
 なお、成果の実感につきましては、これらの到達目標として掲げた指標の達成に伴い生ずるものと考えておりますが、今後、個別の施策展開に際しましては、必要に応じてタウンミーティングを実施するなど、さまざまな御意見の聴取に努めてまいりたいと考えております。
 次に、取り組みの結果に対する分析、評価でございますが、実施計画は、総合計画の基本計画において、体系化した施策や事業の実効性を担保するために策定するもので、財政計画、事業計画及びその資金計画から構成をしております。ローリング方式により毎年度見直しを行うこととしております。ここで言うローリング方式とは、さまざまな環境の変化から生ずる現実と計画のずれを修正するために、定期的に施策や事業の見直しや部分的な修正を行うものであり、実施計画の見直しに際して広く用いられる手法を指しております。
 そこで、議員の御指摘にもあるとおり、計画的な市政運営の手法として、平成21年度から行政評価システムを導入し、一つ一つの事業の必要性、優先性、妥当性、成果の検証を行い、その結果を実施計画に反映させるようにしたところであります。
 なお、今年度におきましては、283の事業に対して1次評価を行い、所管課以外の職員を加えた全庁的な2次評価では、対象事業を絞り込んで行い、現在、改善を要する事業については、所管課からの改善策の報告を受けたところであります。この結果につきましては、次年度に向けた総合計画実施計画や予算編成に反映してまいりたいと考えております。
 今後は、行政改革委員会にも公表し、周りの組織からの意見を反映するなど、一層効果的な評価システムの検討につなげていきたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。
 次に、今後の総合計画のあり方についての御質問にお答えいたします。
 まず、「人が輝く活力あふれる砺波」の実現に向けた考えについてでございますが、御提案の地域資源の活用や独自性の発揮により、住む人や働く人、訪れる人が生き生きと輝いて活動し、暮らしを充実させるという点は、まさに現在進めている各種の重点施策、例えば農業振興施策や観光振興戦略、散居景観保全対策などの根幹をなす考え方であり、目指すべきまちづくりについては、私とは異なる表現で御提案いただいたものと理解して、全く同感であります。これらの進め方につきましては、今までいろいろな角度から述べさせていただきましたが、一義的に、その計画の後期計画を着実に進めることに尽きると考えているところであります。
 また、成長戦略と中長期的な課題の2本立てによる推進につきましては、成長戦略という言葉は用いておりませんが、基本構想において、施策の大綱を定め、基本計画において、各分野の施策を体系化するという手法により、その機能を持たせることとしているものであり、議員の御提案のお考えと大きく異なるものではないと理解をいたしております。
 したがいまして、あわせて御提案をいただきました現在の安心と将来の活力の両立という課題につきましては、今後とも市政運営に当たり、十分に留意をさせていただきたいと考えております。
 次に、部門を超えた課題の解決でございますが、従来から、適時に機構改革を行うことで迅速に対応するほか、行政改革推進計画の推進や観光振興戦略プラン、あるいは景観まちづくり計画の策定・実施など多くの事例がございますように、部局や課の組織を越えた専門的なチームを編成して課題解決に当たるなど、縦割りの組織形態にとらわれることなく、柔軟に対応しているものであります。
 私からの答弁は以上とさせていただき、組織自己改革につきましては副市長からお答えをいたします。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、島崎議員御質問のうち、組織の自己変革についての御質問にお答えいたします。
 御意見のとおり、市役所は、文字どおり、マンパワーによる組織力の発揮によって市民福祉の向上を目的とするものでありまして、常に時代の要請にこたえた自己変革が求められております。
 特に地方自治の現状を見ますと、少子化、高齢化、地域活性化、安全・安心社会の実現、住民ニーズの多様化など、政策課題の複合化が進む中で、厳しい財政状況においても着実に施策を前進させることが求められております。かねがね、上田市長が職員に求めている5つの柱の一つに、常に創意工夫を発揮して、積極的に仕事に取り組むことというのがありますが、個々の職員のこのような姿勢とあわせて、組織の目指すべき方向性を明確に示すことが大事であり、そのことにより職員にやる気が生まれ、職員の持つ力を最大限に発揮させ、その力を全庁的なチームワークで、最大化するチーム力が生まれると考えております。
 そこで、職員の育成・強化にどのように取り組んでいるかという点でございます。
 基本的には、本市の人材育成基本方針に掲げておりますように、市民の立場から職務の課題を的確にとらえ、施策を遂行するために、必要な能力と意欲を持って、果敢に挑戦するチャレンジ精神を持つ職員、これを目指すべき職員像として取り組んでおります。
 つきましては、各種実務研修の機会をより充実させるとともに、個々の職員に求められる能力を見極め、さまざまな専門研修の機会を与える一方で、職場内研修を重視し、日常的に実務能力の養成はもとより、対人折衝能力、リーダーシップ、組織適応力、あるいは人間性を高めていく取り組みを進めております。
 組織を動かすのは人でありますので、今後とも人が育つ職場環境づくりを進めていくこととあわせまして、人材育成、人材登用のあり方などについても幅広く検討を行ってまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) 2番 川辺一彦君。
  〔2番 川辺一彦君 登壇〕

◯2番(川辺一彦君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、市政一般について、大きく3項目の質問をさせていただきます。
 まず初めに、砺波市の土地利用方針と産業の活性化についてお伺いいたします。
 砺波市では、平成21年3月に、砺波市都市計画マスタープランを作成され、そこに示される都市計画には、土地や建物の用途に一定の制限を加え、最も適当で、最も経済的、効率的な用途に供されることを期して、指定する用途地域が設定されております。その用途地域は、住居地域、商業地域、準工業地域、工業地域の大きく4つに分類されており、これらに沿って、将来に向け、活性化していく砺波市をつくるものであります。
 さて、その中に指定されている砺波インター付近の工業地域と庄下地区に位置する準工業地域などですが、ここは、現在もかなり多くの優良農地が存在しています。区画整理や用排水の整備も施されており、砺波市の基幹産業である農業生産と土地利用の観点からすると、いささかもったいない地域であるという思いを持つのですが、この地域を工業地域と準工業地域として適地指定されている理由と今後の開発計画における活用方針はどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
 次に、市内には、先ほどの工業、準工業地域とされる用途地域以外で、既に工業団地が6カ所あり、そこには市や民間が保有する5区画の未利用地があります。また、用途地域を含む、工場適地として2カ所の用地もあります。おのおのの区画面積は、最小で約0.3ヘクタール、最大で4.3ヘクタールと大小さまざまで、飛び飛びに立地しており、さらに、現状が農地のままの部分もあることで、進出企業には魅力が欠けて映っているのではないかと思われるのです。
 また、当市の企業誘致施策として、オーダーメード方式を採用されておりますが、地震災害や原発事故、円高や日本政府の信用失墜など、企業としていち早く判断し、行動し始めなければならない時勢においては、開業までに時間がかかってしまうオーダーメード方式ではなく、富山市や高岡市のインター付近に造成されている企業団地のように、団地造成に着手しながら、誘致商談を進め、区画は企業の要望に合わせて整備するという方式をとっていく必要があるのではないでしょうか。
 そこで、当局は、先の定例会で、未利用地対策などの対応として、企業立地推進担当者を配置した旨の答弁がなされたものと理解しております。ある書籍に、企業誘致担当者の心構えを記述したものがありました。1つには、セールスマン精神を持て、2つ目には、訪問の繰り返しが必要不可欠とありました。ちなみにセールスマン精神とは、商品を売ることに情熱を持ち、喜びを感じること、商品知識が豊かなこと、購買者心理をつかんでいること、断られてもくじけず、粘り強さがあること、人に好かれ、信頼されること、サービス精神に富んでいることなどを指しています。
 私もセールスマンとして働いていたことがありますが、企業誘致担当者は、目星をつけた企業の訪問には、公務員としてではなく、セールスマンの心構えで訪問し、一度で終わることなく、定期的に粘り強く、砺波市の地域、そして、企業団地に興味を持ってもらうことを心がけなければなりません。企業誘致は、こちらから出向き、粘り強く働きかけないと、企業は振り向いてくれないのです。
 トップセールスの必要性は最もとして、それをサポートしていく砺波市の企業誘致セールスマン、実践活動への対応策と支援策、そして、造成から開業までに二、三年はかかるとされるオーダーメード方式以外の企業団地造成への取り組みについて、市長の御所見をお聞かせください。
 次に、都市計画区域内における開発許可を必要としない商業施設などの開発行為や現存する宅地内での再開発行為についてお伺いいたします。
 都市計画区域内において、敷地面積が3,000平方メートル以上の開発行為においては、無秩序な市街化の防止や公共施設、配水施設など、最低限必要な施設整備の義務づけを目的として、都道府県知事の開発許可を受けなければならないことになっております。さらに、その土地が農地の場合には、農地法に基づき、農振除外、農地転用許可の手続をとらなければなりません。これらの基準をクリアすることで、近隣地域への取りつけ道路の幅員確保や豪雨時の排水能力の確保などがなされているのです。
 そこで、問題なのは、敷地面積3,000平米未満で、開発許可を必要としない開発行為なのです。3,000平米未満の開発であっても、良識ある開発業者であれば、砺波市の景観に配慮し、緑地を整え、隣接地域の意見も取り入れて造成されるのですが、近ごろ、配慮に欠けた開発が多く見受けられており、砺波市において、最低限配慮してもらわなければならない基準を設ける必要があるのではないでしょうか。
 もう一つには、過去に開発許可を受けた土地での再開発行為には、開発許可が不要となっておりますが、その土地での取りつけ道路の確保、調整池の整備、公園、緑地帯、広場の確保など、ここ、砺波市の都市整備計画や自然と調和した良好な住環境を備えたまちづくりには、一定の基準設定も欠かせないことと考えられます。
 市内に商業施設や住居区が増えることは、人口が増加し、地域の活性化につながることと歓迎したいのですが、開発許可を必要としない開発につきまして、今ほど申し上げましたように、砺波市としてのルールづくりが必要不可欠と思われますので、お考えをお伺いいたします。
 大項目の2番目として、砺波地域消防組合の現状についてお伺いいたします。
 本年4月1日より砺波地域消防組合が発足し、半年が経過しようとしております。並行して、消防署、出張所の再編成に向けた協議も進められており、砺波市と小矢部市は1署1出張所の体制で落ち着きましたが、一番広大な面積をエリアとする南砺市では現在、再編成の議論が真っ盛りとなっているようです。
 南砺市は、南砺市としての事情もあるでしょうから、そこでの協議を進めてもらえばよいと考えておりますが、砺波市の中には、砺波消防署よりも南砺市の消防署に近いところでお住まいの市民もいらっしゃいます。その皆様方にも、今までと同様の安心感を持っていただかなければならないと思いますので、現在進められている南砺市消防署所の再編協議には、砺波市の意見や要望がどこまで反映されているのでしょうか。また、再編に関する情報は、管轄区域の消防団員にどの程度伝わっているのでしょうか。お伺いをいたします。
 次に、先般、富山県西部地区に位置する3つの消防指令共同運用への勉強会を開始すると報道されました。
 目的は、火災・救急通報である119番に対する指令事務の共同運用であり、指令業務コストの削減と大規模災害時の連携及び迅速な対応がねらいとされております。加えて、各消防本部での指令業務に携わっていた人員の3分の2は、ほかの業務につくことができるそうです。
 このように多くのメリットがある中で心配されるのは、指令の伝わり方です。例えば砺波地域消防組合管内の火災指令が入ってきた場合、最短で出動できる消防署、出張所へ直接伝わるものと思います。しかし、その出動に伴い、管轄消防団を含む、その本部全体の指揮系統も同時に立ち上げなければならないこととなり、結局、小規模ながらも、単位消防本部にはおのおの指令室を設けておく必要が出てくるのではないでしょうか。また、4月30日に当管内で発生した集団食中毒対応のときには、患者の転院搬送と管内出動とが重なり、約1時間にわたって、管内にある12台の救急車両のうち8台までが出払ったこともあったそうです。
 このことから、各消防本部の管轄域を超えた緊急車両の指令体系や、県西部地区の救急搬送病院の受け入れ体制もあわせて再整備する必要があると思われますので、この消防指令事務の共同運用に対する上田市長の御所見をお伺いいたします。
 次に、住宅用火災警報器の普及啓発活動状況についてお伺いいたします。
 砺波市では、新築住宅に対して、平成18年6月1日の改正消防法の施行時から、既存住宅には、それ以降の平成20年5月31日までとして、住宅用火災警報器の設置が義務づけられておりました。
 この警報器は、住宅火災による死亡者の6割が逃げ遅れであることや死亡者の過半数が65歳以上の高齢者であることに対応されたものであり、特に、就寝時における火災発生時に威力を発揮するものと認識しております。
 私も、現役消防団員であった平成16年ごろからこの普及啓発活動に携わり、警報器の必要性と義務化への説明、そして、設置世帯の調査などに取り組んできましたが、現在も、消防団において普及率の調査が続いているようです。先般、報道されました富山県の普及率調査では、県全体で74.4%、砺波地域消防組合は、県内最低の66.8%という結果になっておりました。その中の砺波消防署管内は71.01%とお聞きしましたので、平成20年2月の調査結果が約50%と記憶していることから、3年間で約20ポイント上がっていることになります。
 しかし、これからが大変なんです。地元消防団員でしても、住民に会えない家は本当にいつ行っても、会えない。会えても、住宅用火災警報器の必要性を理解してもらえない。購入しても取りつけていないなど、なかなか普及が進まないのが現状です。今後の普及率調査や設置の必要性に向けた啓発活動には、地元地域の各種団体を巻き込んだ体制で臨まないと、なかなか普及率100%の達成はできないものと思われます。
 そこで、当局が計画されている今後の対応策と目標達成の時期についてお考えをお聞かせください。
 最後に、砺波市地域防災計画の見直しについてお伺いをいたします。
 前回の6月定例会では、東日本大震災の教訓から、県内にある高清水断層の災害想定や志賀原発の事故想定などを視野に入れ、当市の地域防災計画見直しについて多くの質問がなされ、市長は、一つ一つ丁寧に答弁されておいででした。
 その答弁では、原子力事故対策も含め、国の防災指針の見直しに基づく富山県の地域防災計画の修正を踏まえて、砺波市防災会議において議論を進めていきたいとのことでありました。
 そこで、私は、現在進めているであろう砺波市地域防災計画見直し作業の中の市民に対する広報体制と避難体制の見直し、及び学校教育における防災教育の強化について提案を含め、質問をさせていただきます。
 まず、市民に対する広報体制では、気象庁が発信している緊急地震速報のように、市内に発生する気象予警報や火災警報などの緊急速報を市民や市内で勤務されている方々に随時、情報を提供することが必要であると考えます。方法としては、携帯電話へのメールが最良と思われ、それを利用できない市民には、広報車、行政無線、CATV、コミュニティーFMなどでカバーすべきと考えるものです。
 内閣府が消費動向調査で発表している全国の携帯電話普及率は、今年の3月末の契約数をもとにしたもので、94.7%、1世帯当たりの保有台数が2.27台、1世帯当たりの平均家族数が2.59人であることからすると、実に114人に100人の割合で携帯電話を保有していることになります。もちろん1人で複数台持っている方もあるでしょうし、このメールを利用するか否かは携帯電話保有者の意思にもよるのですが、携帯メールによる緊急情報の提供は、市民が常に住居周辺情報を確認でき、それが安心につながるものと確信しておりますので、当局の考えをお聞かせください。
 次に、避難体制の見直しについてですが、砺波市の防災活動体制は、各地区の自主防災会を中心とされており、避難場所や避難経路についても各地区ごとに設定されています。市内には、北陸高速道路など、土盛りされた高架道路によって二分されている地区が相当数あり、その道路を交差する道は、道路の高さを確保するため、交差する部分を掘り下げてある場所が非常に多いのです。地区によっては、増水による庄川堤防の決壊や集中豪雨による用水路からの冠水によって、指定された避難経路を通行できない場合も想定されることから、隣接する地区避難所への避難経路も考えておくべきではないでしょうか。そして、隣接地区との連携を確認しておくべきではないでしょうか。また、田んぼや道路などが一面に冠水し、どこが歩けるのか判断できないような場合には、川に流されることを避けるため、家から出ないという避難方法もあると思いますので、これら避難体制の見直しについて、当局の御意見をお聞かせください。
 次に、小中学校児童生徒たちへの防災教育の強化についてお尋ねいたします。
 このたびの東日本大震災で甚大な被害を受けた、人口約4万人の釜石市では、死者・行方不明者が約1,200人と伝えられておりますが、7年前から、子どもへの防災教育を徹底したことで、市立の小中学校にいた児童生徒約3,000人全員が津波から逃れることができたそうです。実践型で取り組んできた防災教育が、自らの判断で的確に避難し、自らの命を守った実例だとお聞きいたしました。さらに、子どもたちが真剣に高台を目指して逃げる姿を見て、どうせ津波は来ないだろうと過信していた大人たちも慌てて避難したと聞き、子どもが大人を動かしたんだと感銘したものです。
 ここ、砺波市への津波の到達はなかなか想定しにくいと考えるところですが、地震、風水害、火災、雪害時における避難経路の実践確認や増水などによる危険箇所の現地確認など、小学生のころから、体を通じて防災意識を身につけておくことが自助意識につながるものと考えさせられました。
 このように学校教育での防災教育は、ソフト面の対応だけで実施可能であり、すぐにでも充実や改善ができるものと思います。自らの身の安全は、自らが守る。これが防災の基本であることを小学生のころから身につけておくことの大切さをこの機会に検証されるべきと考えますので、現在の見直し作業とあわせ、当局の御意見などをお聞かせいただきまして、私の質問を終えさせていただきます。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 川辺議員の砺波市の土地利用方針と産業の活性化についての質問のうち、都市計画における工業地域、準工業地域の活用方針及びオーダーメード方式以外による企業誘致方策と企業誘致担当者の育成、並びに砺波地域の消防組合の現状についての御質問にお答えをいたします。
 まず、都市計画における工業地域、準工業地域の活用方針でありますが、砺波インター周辺の準工業地域は、昭和44年に指定し、その後、昭和48年の都市計画法の改正により用途地域の区域区分が変更されたことに伴い、その一部を工業地域としたものであります。当時は、北陸自動車道砺波インター(昭和48年10月に供用開始)の設置を見据え、周辺の乱開発を抑制するために既存の工場を含め、区域の用途を定めたものと考えております。
 現状は、議員御指摘のとおり、農地は存在しておりますが、砺波インター周辺にはホテル、大型入浴施設の立地やボーリング場の跡地利用地など、今後、立地する施設については周辺地域への悪影響を与えることも考えられますので、現在の指定を維持してまいりたいと、このように思っております。
 また、矢木地内の準工業地域につきましては、既存の工場があり、砺波インターに比較的近く、立地条件がよい地域ということで、昭和48年に指定したものであります。この地域につきましては、平成15年に新たな工場が立地し、現在は国道359号東バイパスに供用されており、周辺の環境も大きく変わっております。
 これらの用途地域内では、この区域ごとに建築できる建物の用途、規模等を制限することで、環境の悪化をもたらすおそれのない建築物の誘導が可能となることから、今後も引き続き、適切な立地が行われるように規制、誘導に努めてまいります。
 次に、オーダーメード方式以外の企業誘致方策と企業誘致担当者の育成の質問でございますが、市内の未利用地の利用の状況につきましては、議員の御指摘のとおり、現在、立地企業の誘致を積極的に進めているところであり、こうした未利用地のほか、工業地域、準工業地域においてもインフラの整備状況や隣接企業の立地状況も勘案し、企業立地の候補地として活用してまいりたいと考えております。
 本市は、交通の利便性もすぐれており、自然災害が少なく、水量は豊富で安定しているほか、県内でも有数の工業高校があるなど、企業の人材育成を図る上でも、企業立地に適した環境にあると思っております。また、市には、チューリップや庄川峡など多くの資源があることから、企業誘致を進める上で、まず、砺波市の魅力をよく知ってもらうことが重要ではないかと考えております。
 企業誘致担当者の育成につきましては、川辺議員の御指摘のとおりであり、実践活動への対応策につきましては、企業の訪問の実施のほか、中部経済産業局や富山県との定期的な打ち合わせを行い、情報収集に努めるとともに、商工会議所、商工会と立地企業に関する情報交換会を開催しているところであります。また、南砺市と合同で中京方面への企業訪問や工業団地の現地視察を行うなど、砺波地域情報センターとの連携を図りながら、企業誘致活動を進めているところであります。
 また、企業誘致のセールスマンとしての支援策につきましては、企業誘致先進地の視察研修や企業立地フォーラムへ参加するなど、企業誘致戦略について考える機会を設けるとともに、各種展示会への出展参加により、企業担当者と直接に面談する機会を通じて、セールスマン精神を培うことができるものと考えております。
 なお、新たな企業団地の造成につきましては、現在の経済情勢のもとにおいて、団地造成とその維持管理に巨額な費用を伴うリスクがあることや金融業界では、かつてない経済状況下であり、新規の企業進出は大変難しい状況であると言われており、財政負担を伴う企業団地の造成につきましては、慎重に検討を要するものではないかと考えております。
 今後、企業誘致推進対策本部の立ち上げを踏まえながら、協議を進めてまいりたいと考えております。また、議員各位におかれましては、立地企業の情報収集などに御協力をいただきますようにお願いを申し上げます。
 次に、砺波地域消防組合の現状について3つの御質問のうち、まず、消防組合管内署所再編についてでございますが、南砺市では、平野部の旧4町1村を管轄しております南砺消防署、城端出張所、福野出張所、井波庄川出張所の4署所を、当初は一署に再編することとしていた案を、2署所に再編する案を、南砺市当局が地域説明会でされましたことは新聞等で報道のとおりであります。
 この南砺市内の2署所再編案につきましては、砺波地域の常備消防における署所の位置、車両及び職員などの適正な配置について、財団法人消防科学総合センターに調査をさせた砺波地域消防組合適正配置調査報告書に基づいたもので、現在の常備消防力を最も効果的に運用できる体制であると聞いております。
 また、南砺市から正式な申し入れはありませんが、この再編案は主に庄川地域の皆さんが関係することから、消防本部から8月30日に、庄川地域の4つの自治振興会長さんを初め、各区長さんへ南砺市の再編案についての経過と砺波地域消防組合適正配置報告書による再編署所の位置、規模について、消防組合職員より説明があったところであります。
 市といたしましては、砺波地域消防組合適正配置調査報告書を軸に、砺波地域の署所再編を進めることが望ましいと考えておりますが、砺波地域の大局的見地からとらえ、南砺市内の署所再編案が、当市にとって消防力の低下につながるとなれば、申し入れも必要と思っております。また、南砺市から正式な申し入れがなされた折には、当市としての意見を取りまとめ、砺波地域消防組合議会において十分に議論をしていただくことになるものと存じております。
 次に、再編に関する情報は、管轄区域の消防団員にどの程度伝わっているかでございますが、消防団員の皆さんは、砺波消防署管轄下の災害を含め、すべての消防活動を行っていただいているところでございます。再編署所につきましては、南砺市消防団を管轄することから、署所の体制等については今のところまだ説明をいたしておりませんが、隣接消防団同士の連携もございますので、近々にこの再編案について経過説明等をいたしたいと考えております。
 次に、消防指令業務共同運用でございますが、消防指令業務共同運用につきましては、現在、高岡市、氷見市と砺波地域消防組合の3つの消防本部において勉強会を開催されているところであります。
 勉強会における内容につきましては、議員の御質問に関することを御説明申し上げますと、消防指令業務につきましては、消防隊の活動状況は、消防団を含む、出動から帰署まで、署へ帰ることですね、共同指令の指令センターで管理すること。また、火災現場においては、現場の上級者の指揮のもとに活動し、応援隊が必要な場合には、共同指令センターで応援を要請するなど、同センターとの連絡を密にし、延焼拡大を防ぐこととすることを検討されているものであります。
 さらに、消防本部と出場隊との指揮統率については、無線機により、それぞれ消防本部から災害現場への活動指示もとれる体制とすることなどを検討されているところでございます。
 次に、各消防本部の管轄を越えた緊急車両の指令体系と県西部地区の緊急搬送病院の受け入れ体制をあわせた再整備と指令事務の共同運用について所見をお伺いでありますので、私の思いを述べさせていただきます。
 この共同運用が実現できれば、多くのメリットがある中で、特に救急車や消防ポンプ車の出動については、出動指令が単位消防本部の指令から指令センター指令部に一本化されることから、例えば高岡市消防本部の管轄と砺波消防の管轄が隣接する地域では、災害地点から近い消防署所から緊急車両を出動させる相互乗り入れができるなど、隣接地域の消防サービスの向上が期待できるほか、大規模災害や集団緊急時においては、緊急車両の重点出動や初動体制の迅速化についても充実できるものでないかと期待をいたしておりますが、いずれにいたしましても、3つの消防本部で検討し、方向性が決まれば、議会へも御報告をいたします。
 また、救急搬送の病院受け入れ体制でございますが、本年4月1日に、富山県において、救急搬送における傷病者の受け入れ実施基準が施行され、県全体で救急搬送受け入れ体制が確立したところであります。
 県西部においては、各医療圏内に受け入れができない事案は、3次救急病院の厚生連高岡病院が搬送先病院を選定、もしくは受け入れすることとなっておりますことから、救急搬送については再整備がなされたものと認識をいたしております。
 次に、住宅用火災警報器の普及活動についてでございますが、議員御指摘のとおり、平成20年6月から、すべての住宅に設置が法令で義務づけられたところであり、家族と自分自身の命、そして、地域の安心と安全を守るために積極的に設置を進めているところでございます。
 現在も消防団員を初め、関係各位の御協力をいただき、住宅用火災警報器の周知を図りながら、普及率調査もあわせて行っているところでございまして、強化策といたしましては、10月には、消防団員による一般住宅防火診断を、11月の火災予防運動期間に民生委員、消防署員及び消防団員が共同して、ひとり暮らし高齢者宅及び高齢者のみの世帯を訪問して、住宅用火災警報器の設置効果をお知らせするなど、住宅用火災警報器の必要性を御理解いただきながら、設置普及を行うことといたしております。さらに、救急救命講習など出前講座や各地区や事業所において開催される各種訓練などの場などの機会を通じて、その効果について御理解をいただくなど、設置促進に努めてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、すべての住宅に火災警報器が設置され、住民が安全に暮らせる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては教育長、並びに担当部長からお答えをいたします。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 私からは、川辺議員御質問の3、砺波市地域防災計画の見直しについてのうち、(3)学校教育における防災教育の強化についてお答えをいたします。
 これまでも児童生徒と教職員の防災意識を高めるため、市内全小中学校におきまして、火災等を想定した避難訓練を実施してきております。特に、本年は3月の東日本大震災を教訓にいたしまして、各学校における危機管理マニュアルの中に、自然災害時のものを追加し、教職員への内容の周知を図るとともに、地震や水害を想定した避難訓練を全小中学校で実施する予定となっております。例えば庄川中学校では、6月に、大地震が発生し、合口ダムに亀裂が入ったために決壊のおそれありという想定で、初めて学校敷地外の庄川支所へ避難する訓練を実施いたしております。
 また、危機管理マニュアルで見直した点といたしましては、在校中、登下校中、学校外の諸活動中、勤務時間外の4場面での具体的な動きや保護者への児童生徒の引き渡しの具体的な対応が挙げられます。あわせて各学校では、避難経路を再確認し、避難に支障のあるものを撤去するなど対応しております。
 また、防災教育の一環といたしまして、新聞記事やビデオ等を活用し、今回の大震災の被害の大きさや津波の怖さを児童生徒にわかりやすく説明し、とっさの判断やその対応策について考える学級指導を行っております。
 今後とも市の地域防災計画の見直しを踏まえまして、議員御指摘のとおり、自らの身の安全は、自らが守るという防災教育の基本を大切にし、防災に関する知識を身につけるとともに、避難誘導訓練によって的確な判断と冷静な行動が身につくよう、防災教育のより一層の強化、充実に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 戸田 保君。
  〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕

◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、3の砺波市地域防災計画の見直しについての御質問のうち、まず、1の緊急情報メールによる広報体制についてお答えをいたします。
 議員が述べられましたとおり、携帯電話は、今や私たちの生活に欠かせない情報機器として普及いたしております。そのことから、災害時における多様な情報提供手段の一つして活用できるとの判断から、市では、緊急な避難情報や市民生活の安全を守る情報を提供するため、今年度から、緊急メールサービスを開始しております。しかしながら、現状といたしましては、登録件数の伸びが低調な状況にありますことから、コンテンツの充実が求められるとの御意見であり、気象予警報や火災警報等の配信について例示をいただいたところでございます。
 つきましては、この運用において、緊急メールに消防からの情報提供なども災害時等の有効な伝達手段と思われますので、導入方法等を検証いたしてまいりたいと考えております。
 このような緊急情報メールの配信サービスにつきましては、各機関で実施されておりまして、富山県では、富山県土砂災害警戒情報支援システムにおいて、土砂災害警戒情報や気象警報、注意報情報の配信を行っております。県内の他市町村の地域の情報取得設定が可能ですので、仕事先やお子さんの就学地情報の取得など幅広く活用できるものと思われます。なお、このような情報提供につきましては、携帯電話のパケット通信料等が必要となります。また、メール配信は、夜間、仕事中など時間を構わず配信されることから、状況によりましては頻繁にメールが配信されることになりますので、必要な情報を選択いただき、うまく活用いただければというふうに思っております。
 次に、2の避難体制の見直しと隣接防災会の連携についてでございますが、災害時に備え、各地区の自主防災会におかれては、避難場所や避難経路を事前に設定いただいていることは大変に重要なことであると認識をいたしております。
 このため、市といたしまして、避難を迅速、安全に実施するため、広報紙上の特集記事、またはハザードマップ等の配付、各地区で実施される避難訓練時の講座活動等により、避難場所や避難経路の選定に当たっての留意事項について注意を図っているものでございます。また、地震災害、洪水災害など、災害ごとに事前に安全な避難経路、避難場所をそれぞれの場合で御検討いただき、それぞれの危険箇所の認識を地区内で共有いただくようお願いをいたしております。
 そこで、議員御指摘のような、近年のゲリラ豪雨等の災害に際しましては、浸水が予想されるアンダーパスなどの危険箇所や、用排水路の溢水により冠水した道路を避けるなど避難経路の選定は極めて重要であり、また、災害の緊急度によっては、要支援高齢者などはひとまず自宅2階など、水害の及ばない身近な場所への避難も選択肢の一つと言えます。
 つきましては、市民の皆さんには、自主防災会などの訓練等の機会を通しまして、災害の種類に応じた避難経路の確認と、経路で発生する危険度などを事前に把握し備えていただければ、いざというときに的確な避難行動となると思われますので、よろしくお願いをいたしたいと存じます。
 また、隣接地区の連携を図るといった避難体制の見直しをしてはいかがかとの御提案でございますが、これも大変重要な御提案であると認識をいたしております。市といたしましても、このような連携を図るために、市総合防災訓練においては、近年では、校区ごとに訓練に参加していただくなど工夫をいたしておるところであり、今年度は中野地区を主会場とし、庄下地区、太田地区に御参加をいただいたところでございます。
 つきましては、広域的な避難経路の選定、あるいは災害状況に応じた弾力的な避難のあり方につきまして御認識をいただくため、行政出前講座の実施、近隣自主防災会との図上訓練の実施に対する支援などに努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 齊藤和芳君。
  〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕

◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、1の砺波市の土地利用方針と産業の活性化についてのうち、3の開発許可不要の開発行為と宅地の再開発によるルールづくりの御質問にお答えいたします。
 都市計画法に基づく開発行為は、3,000平米以上の場合は、砺波市開発指導要綱により、道路、公園、調整池等、指導基準を満たす公共施設の整備を指導し、県が許可することになっております。
 しかし、3,000平米未満の場合や、あるいは3,000平米以上の場合であっても、既存の宅地の再開発のときや単なる形式的な区画の統合や分割であれば、開発行為に該当しないこととなります。
 この結果、基準を充足しない施設が整備されることとなり、そのため、市道認定とならないことで除雪されないことや雨水の調整機能がなく、下流域での溢水被害が生じるなどの事例も出ており、周辺への影響やそこに住む住民が平等な行政サービスを受けらないことが生じております。特に問題となる場合は、開発業者に対して改善策を講じるよう協議していたところですが、法的に強制力がないため、整備後の施設の維持管理や過去の事例等を説明し、今後、できるだけ既存の指導基準を満たす施設の整備に御理解をいただけるよう努めているところでございます。
 そこで、議員御提案の3,000平米未満等の開発行為のルールづくりにつきましては、当市としても十分認識しており、他市の状況等も調査し、現在進めております景観計画の策定に合わせ、県とも協議をしながら見直しについて検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 2時28分 休憩

 午後 2時40分 再開

◯議長(稲垣 修君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 5番 川岸 勇君。
  〔5番 川岸 勇君 登壇〕

◯5番(川岸 勇君) 通告書に基づき、市政一般について、以下、4点についてお伺いいたします。
 まず最初に、文化財を初めとする伝統文化の継承についてお尋ねいたします。
 日本には、16点の世界遺産を初め多くの文化財があり、当市にあっては、国指定登録文化財2件を初めとする103件の文化財があります。文化財は、昭和25年に制定された文化財保護法、近年にあっては、歴史文化財基本構想により、保存・活用が図られてきました。特に国は、文化財は地域のアイデンティティーの核なるものであり、文化財や歴史、伝統を生かしたまちづくりは、地域の魅力増大、活力の増強に寄与するとし、各地方公共団体に、この基本構想の制定を提起してきました。
 当市にあっては、国の施策と相まって、砺波市文化保護条例等を制定する等、保存・活用に努められてきたところでありますが、国が示している歴史文化基本構想等を踏まえ、例えば地域の文化財の周辺環境も含め、総合的に保存・活用し、砺波市独自の歴史と文化の薫るまちづくり、地域づくりに資する構想を検討されたらどうか、提起するものであります。
 総合計画5カ年計画にあっては、文化財検証、保存管理、利用の大切さは述べられていますが、具体的施策が見えてきません。私の提案も含め、市当局の文化財保存の活用に当たってのこの指針について説明を求めるものであります。
 次に、平成21年7月、国指定史跡となりました増山城跡の保存・活用についてお尋ねいたします。
 増山城の保存管理については、私が平成21年6月、9月定例会で質問したところ、当時、当局からは、平成22年度、平成23年度にかけ、保存管理計画を策定する等の前向きな答えをいただいたところであります。その後のその進捗状況並びに後期計画期間内における駐車場、休憩所等々の環境整備を初め、どのような計画が検討されているのか、また、増山城戦国祭り等、地域住民とともに開催し、イベント等を全国的に情報発信することも計画されていますが、戦国祭りに対する今後の支援を含め、より具体的なお答えをお願いするものです。
 後期5カ年計画において、文化財の大切さを啓蒙するため、案内板、標柱の設置、文化財マップを作成するなど、広報となみ、ケーブルテレビ等で市民の皆さんに啓蒙されることは大変すばらしいことだと思います。
 一方、より多くの人の指定文化財、ふるさと文化財について理解を深めていただくための一環として、デジタルミュージアム構想が提起されていますが、具体的には、平成24年度までにデジタルミュージアムを完成させ、年間1万件のアクセスを目指すとする目標値も設定されていますが、その構想策定に至った経緯、事業内容、目標数値の根拠等について、市民にわかりやすく説明をお願いいたします。
 次に、地域防災基盤の整備指針についてお尋ねいたします。
 3月11日、14時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の東日本大震災が発生してから、はや半年が経過しました。その被害額は16兆円から25兆円、死者は1万5,700人、行方不明者4,000人、そして、今も避難、転居されている方は8万2,900人に上ると言われています。
 7月発行の自治会町内会情報誌『まち むら』において、日立市の住みよいまちをつくる会副会長、伊藤智毅さんは、今回の震災を経験して、まず第1点に、いち早い災害対策本部の立ち上げ。第2点目は、避難所運営と体制整備を図ること。3点目は、要援護者への対策についてどう図るかということであります。これが大事だとおっしゃっておられます。今後の防災・災害対策については、備えあれば憂いなしを肝に銘じ、市民自身が、自分たちでできることは自分たちで行うという自主防災を確立し、行政、市民とがあらゆることを想定した新たな災害対策、対応の仕組みや備蓄、訓練の実施など、万全の体制を速やかに整えることが大切だとも語られています。
 当市においても、地震発生率の高い高清水断層等が縦走していることから、自主防災組織を中心とした、地域住民一体となった防災訓練に取り組む必要があります。そこで、自主防災組織強化、活動支援策について何点か、お尋ねします。
 1点目は、自主防災強化の一環として、資材整備補助制度の継続を求めるものですが、来年度以降も継続する計画があるのかどうか。
 第2点目は、各自主防災訓練の資質向上を図るべく、自主防災訓練マニュアルの作成、各自主防災会を対象とした研修会を開催してはどうか。
 3点目は、各地区で防災訓練が実施されたときに、各自主防災組織と行政当局との間で情報連携訓練など、幅広い訓練を行うべきと考えますが、市当局として、各自主防災会組織強化に向けた取り組みについて、どのような指針をお持ちなのか、以上、3点についてお伺いいたします。
 伊藤さんは、次のことも指摘されています。避難所は、停電のため真っ暗、毛布もない、そして、寒い。食べ物もない状況の中で、今回の体験から、避難所には、複数の発電機、一定数量の毛布、飲料水、補助食料の備蓄は最低限必要と思いますと。また、今回、トイレを初め、衛生備品の整備、プロパンガス、ガスコンロの必要性も実感しましたし、さらに、市民に必要な情報が十分伝わらなかったことから、日ごろから、情報提供システムを互いに考えておくことが必要であるとも語られております。この体験談を踏まえ、以下、4点、質問をさせていただきます。
 1点目は、災害時の情報伝達手段、防災無線、公共放送利用等による市民への情報提供対策が十分講じられているのかどうか。
 2点目は、避難所や防災拠点施設の耐震化など、公共施設の整備はどうなっているのか。
 3点目は、非常食、毛布などの備蓄物、物資体制を初め、衛生備品の整備は万全か。
 4点目は、後期計画において、日ごろから地域一体となった防災活動、啓蒙活動に努め、特に国民保護施策の充実に取り組むとされていますが、どのような国民保護施策を具体的に推進されるのか、お伺いし、地域防災組織基盤整備に関する質問を終わります。
 次に、地域医療・地域福祉活動に関する質問をさせていただきます。
 我が国の人口形態は少子高齢化、人口減社会に突入したと言われています。国立社会保障人口問題研究所によると、2050年には1億人を割り込み、国民の40%が高齢者になると推定されています。
 一方、砺波市の平成28年度までの人口は、現在より若干落ち込むものの、4万9,500人となり、65歳以上の高齢者人口が増大し、総人口に占める割合が27%に上昇するという数値が報告されています。現在、その数値は24%でありますが、地域によっては30%を超しているところもあり、高齢化が進行し、今後、ますます医療ニーズが高まることが予想されます。けがをしたり、病気になった場合は、身近なところで受けられる医療体制、そして、かかりつけ医による健康診断、健康相談等を保健・医療サービス等の充実が今、求められています。市内には、病院1カ所、診療所40カ所、歯科診療所17の施設がありますが、施設が偏在し、個人診療所においては、医師の高齢化等により、医師のいなくなる地区も危惧されています。市民が安心して利用できる医療体制を構築するためにも、市当局として、どのような指針を持って、在宅医療を初めとする地域医療体制の整備・充実を図られるのか、まずお伺いするものであります。
 地域医療は、疾病等の予防、健康の増進、リハビリ、在宅養護のサポート等の幅広い活動になります。こうした活動は医師、医療機関が単独で行うのではなく、行政や地域組織が協力して進めていくことが肝要となります。太田診療所を初め、今年4月にできました、ものがたり診療所庄東は、砺波の地域医療のモデルとなるように市当局の積極的な支援をお願いするものであります。
 地域福祉活動は、振興会長、区長、民生児童委員、地区福祉推進員、ヘルスボランティア等で構成された市内21地区の社会福祉協議会を中心に、ケアネット等の各種事業が展開されています。しかしながら、民生児童委員や地域福祉推進員になろうという人は少なく、活動も停滞する傾向にあります。また、各地区の福祉協議会の取り組みにも差異が見られるとおり、地域福祉活動の立て直しが必要になっていると思われます。そのためにも、市当局が地区推進協議会等へ出向くなど、その活動の掌握、悩み等についても聞き、指導、相談等を行っていくべきと考えております。地域の方々にも、ケアネット事業の大切さ、高齢者を支える活動の大切さは理解されていますが、いざ参加になると、ちゅうちょされるのが現実です。
 後期計画に当たっては、その対策として、市当局は、地区福祉推進協議会の活動紹介を通し、地区福祉活動に対する市民の理解と市民の参加を促すとしていますが、具体的には、どのような市民参加型地域福祉活動を目指されるのか、お伺いいたします。
 最後に、観光戦略の推進についてお尋ねをいたします。
 先月25日、平成22年富山県観光客入り込み総数が発表されました。それによりますと、天候不順、大型イベントの終了、縮小等により、前年比4.9%の減、2,770万人となったことが報じられています。
 この数値は、県内15市町村の調査結果を県が集計し、公表したものと思われますが、砺波市の平成22年、また、平成23年の上半期における観光客入り込み総数はどのような状況であったのか、この数値を踏まえ、課題、問題点は何であったのか。それを今後の砺波の観光戦略にどう生かされるのか。観光客による富山県内での消費額は1,800億円とも言われていますが、砺波市の観光による経済効果を含め、お伺いするところでございます。
 平成22年10月に策定されました砺波市観光振興戦略プランの趣旨は、イベント中心による観光から、平成26年度、北陸新幹線の開業、スマートインターチェンジ、高速道路網の整備をにらみ、社会ニーズの変化に合わせた着地型観光を充実させ、そして、通年型、滞在型観光にぶつけるという観光戦略プランであろうというふうに認識しています。
 私は、砺波型観光を進める上で、近隣市と連携した広域観光や着地型観光を進めることが肝要と考えております。いざ、通年型観光を進めるとなると、各自治体はさまざまな悩みを抱えているのではないでしょうか。
 先月、私たち自民会1期生の島崎議員、それと山本議員、それと川辺議員、そして、私を含めた4人で、今年6月に世界遺産となりました、藤原三代で有名な中尊寺を有します平泉町を行政視察することができました。
 平泉町は、岩手県の南部に位置し、東北新幹線一ノ関駅から約20分、人口8,400人、基幹産業は農業、歴史と文化あふれるまちでも有名です。また、当町は、まちづくり景観条例を制定するなど、自然と歴史があふれるまちづくり、伝統文化の継承にも積極的に取り組んでおられます。今日では、観光客、入り込み客数は200万人以上に達し、その83%が県外客で占め、訪問日も駐車場は大型バス等で埋め尽くされるという盛況ぶりでございました。
 一方、まち当局からは、観光客が年々減少していることから、グリーン・ツー・リズムによる市民交流型観光をどう滞在型観光に結びつけるか、今後の課題となっていることの報告も受けました。観光誘致においては、商工会、観光協会で組織した平泉町観光実行委員会が一丸となり、大都市圏の旅行エージェントへの訪問、県外中学校の修学旅行誘致、県内市町村との広域観光連携、観光地をめぐる巡回バスの運行、レンタサイクルや広域的なフリー乗車券の購入による2次交通網の整備、ホスピタリティあふれる交流に向けた語り部タクシーの導入など、さまざまな取り組みがなされています。
 ところで、当市にあっては、砺波市観光振興戦略会議が設立され、アクションプランの見直し、検討が行われることになっていますが、観光戦略の実践に当たっては、どの組織が、どのような担当をされるかをお伺いするものであります。
 また、後期計画の施策の一つに、ホスピタリティあふれるもてなしの体制の整備が上げられています。この推進施策として、第1点に、二次交通の充実、第2点に、観光情報の提供、第3点に、市民によるボランティアバンクの設立、第4点に、ボランティア通訳の養成、第5点に、接遇研修を開催するなど、ホスピタリティあふれるまちづくりを進めると言っています。
 そこで、最後に、ホスピタリティあふれるまちづくりを進めるために、市として、市民にどのようなことを期待されるのか、お伺いし、私の一般質問を終わります。
 以上です。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 私からは、川岸議員御質問の1、伝統文化の継承策についてのうち、初めに、(1)文化財継承計画の有無についての御質問にお答えをいたします。
 砺波市では、昨年、県の補助を得て、歴史と文化が薫るまちづくり計画を作成し、この中で、市指定文化財を初め、歴史や伝統、文化的素材を観光に生かしていくことを目指しております。
 その中で、1つは、チューリップ公園を中心とした市街地エリア、2つには、増山城跡や千光寺等を含めた戦乱のエリア、そして、3つには、砺波平野の特色ある散居村エリアを設定いたしました。今回の計画では、3つのエリアに絞りましたが、歴史・文化的な財産は砺波市内の至るところにありますので、市指定文化財に加え、昨年度、ふるさと文化財制度を砺波市独自に創設し、歴史・文化資源を広く市民に周知して、先人の苦労やすばらしさを理解し、これからの私たちの生活に生かしながら、未来へ継承していくことが重要だと考えております。
 今後、後期総合計画の中にも文化財の継承、保存管理、利活用を図る内容を盛り込み、地道に市民への普及啓発活動を推進していきたいと考えております。
 次に、(2)増山城保存計画の実践策についての御質問にお答えをいたします。
 増山城跡の整備につきましては、本年度末までに保存管理計画を策定いたしますけれども、その後はこの計画に基づき、整備の基本構想、基本計画を立てて、基本設計、実施設計、そして、史跡整備へと、あらかじめ国で定められた国指定史跡での整備の流れに沿って進めることになると思っております。このように、砺波市としましては、国指定の区域内の整備を国の方針に従い、補助を受けて順次計画を進めていく予定にしております。
 一方、史跡の指定区域外では、県の補助事業である歴史と文化が薫るまちづくり事業により、駐車場の整備及びトイレを含めた観光交流施設の整備について、平成24年度、平成25年度に実施できないか、現在、県と協議しているところであります。その際には、地元との調整を図りながら進めたいと考えておりますので、ぜひ御協力をお願いしたいというふうに思っております。
 総合計画の後期計画におきましても、実施計画の中に、こうした流れに基づいた内容で調整していきたいと考えております。
 また、増山城戦国祭りを通じた全国への発信につきましては、市民協働での史跡の活用事例として文部科学省の冊子にも掲載されており、先進事例として知られていることは大変喜ばしいと思っております。議員御要望の今後の支援につきましては、引き続き市として地元と協力し、イベントを継続していくとともに、観光部門でのPRも強化していきたいと考えております。
 次に、(3)デジタルミュージアム構想についての御質問にお答えをいたします。
 デジタルミュージアムとは、まず第一に、資料をデジタル技術で保存する博物館であり、展示室で行う実際の展示と違い、インターネット経由での展示を行うウエブ上のミュージアムのことです。
 市では、昨年、県の補助を得て、歴史と文化が薫るまちづくり計画を策定しており、その事業の中で実施するものです。この技術を使いまして、砺波市内の指定文化財63件、平成22年度に登録しましたふるさと文化財54件を初め、散居村、遺跡、古文書、獅子舞や夜高祭りといった年中行事等の歴史・文化資源に関する情報を幅広くデータベース化するとともに、これまでにケーブルテレビで放送した番組を動画で公開したり、砺波市史等の書籍をデジタル化して掲載したりする予定にしております。これにより、これまで各施設で蓄積してまいりました歴史・文化資源に関する情報を統合し、一元的に管理することが可能となります。
 また、アクセス数の目標数値に関しましては、県内の博物館等における平均的な年間の入館者数である1万人を目標としておりますけれども、さらなるアクセス数の増加を目指して、サイトの充実を図りたいと考えているところでございます。
 私からは以上であります。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 戸田 保君。
  〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕

◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、自主防災基盤の整備についての御質問にお答えをいたします。
 まず、自主防災組織の強化に向けてでございますが、議員が述べられましたとおり、今回の大震災におきましては、自助・共助の段階で明暗を分けたケースが数多く報告されておりまして、自主防災組織を中心として、地域住民が一体となった防災の取り組みが重要であることを再認識いたしたところでございます。
 そこで、資機材整備補助制度の見通しについてお尋ねでございますが、平成22年度、平成23年度の2カ年にわたり、自主防災会の機能強化を図るために資機材整備等に対する支援を行っているところでございます。この実績につきましては、昨年度は20地区に対し、総額約630万円の補助を行っており、整備した備品といたしましては、救助工具、救命救急用品、災害活動被服などがあり、それぞれの自主防災組織の御要望により活用いただいているところでございます。
 災害時には、身近な地域住民による初期の防災活動が救命救助、安否確認に対して有効であることから、自主防災組織は、一義的には情報伝達、避難誘導、要援護者の補助等を担うものであると考えており、大がかりな資機材を駆使しての活動は想定をされていないものでございます。
 したがいまして、この2カ年事業により、自主防災組織に必要な最低限の資機材は整備していただけたものと考えるところであり、現在のところ制度継続を予定しておりませんので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、各自主防災会訓練の資質の向上を図るために、自主防災訓練マニュアルの作成と研修会の開催について御提案をいただきました。
 自主防災組織の資質向上を図ることは、災害時に適切な活動を行うとともに、自らの安全を守ることが期待できることから重要であると考えており、市といたしましては、自主防災組織の訓練や研修会などに講師の派遣等を行うほか、県の研修会への積極的な参加を働きかけており、昨年は18名の方に防災リーダー研修会を受講していただいております。
 また、来年4月、県において新しい消防学校が建設され、防災拠点施設等を併設する予定となっておりまして、そこで、消防団、自主防災組織等の訓練、体験活動の利用等を積極的に行うことにより、組織の資質向上を図ることができるものと期待いたしているところでございます。
 なお、各自主防災会によって、組織編成、活動様式等が異なりますことから、一律な訓練マニュアルを示しておりませんが、個別の訓練内容の御相談、あるいは研修会の開催には積極的に対応いたしているところでございます。
 次に、自主防災組織と市との情報連携訓練についてでございますが、災害時における双方向の情報伝達は最も重要であると認識いたしておりまして、先に行いました市の総合防災訓練では、庄下、中野及び太田地区、それぞれに市職員の地区連絡員を配置し、災害対策本部との情報伝達訓練を実施したところであります。今後も多様な情報伝達の手段を活用するなどの訓練を自主防災組織内、あるいは市との間で適切に実施するよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、災害時の対策に向けてについてお答えをいたします。
 まず、市民への情報提供対策についてでございますが、市では、防災行政無線を初め、インターネット、携帯電話による緊急メール、ケーブルテレビ、FMラジオ、衛星携帯電話等の現在活用でき得る媒体を通して、市民への多様な情報提供ができるようにいたしております。
 しかしながら、東日本大震災を振り返りましても、情報の有効な伝達手段として絶対的なものは存在しなかったことから、さまざまな情報提供の方法により、できるだけ多くの住民の皆さんに伝達できるよう、今後とも情報伝達設備等の更新やその運用について検討いたしてまいりたいと考えております。
 次に、避難所、防災拠点施設の耐震化などの公共施設の整備状況についてでございますが、市内には、学校、公民館を初めとする228カ所の避難所が指定されており、その耐震化率は72%となっております。そのうち、市内に21カ所ある学校、地区体育館などを各地区の主要避難所としており、その耐震化の状況といたしましては、今年度中に砺波北部小学校の耐震改修事業を完了し、残る庄川小学校及び庄南小学校につきましても、合併特例債を活用できる期間内に耐震改修事業を終えたいと考えております。
 しかしながら、庁舎施設を初め、すべての公共施設の耐震化を同時に行うことは時間的にも、財政的にも難しいことから、当分の間、市有施設におきましては、耐震化された施設の運用を工夫するなどして対応してまいりたいと考えております。
 次に、非常食、毛布などの備蓄物、物資体制を初め、衛生備品の整備につきましては、市の災害救助物資備蓄計画に基づき整備をしているところでございます。備蓄数量につきましては、富山県地域防災計画の罹災者率を採用し、災害発生から3日間の物資を保有することとしており、その後は、県、その他の支援を仰ぐものとしております。
 具体的な物資と計画数量は、毛布1,040枚、防水シート120枚、非常食糧9,280食であり、順次整備を行っているところでございます。その他、新型インフルエンザ対策で調達いたしましたマスク約2万7,000枚、若干の手指消毒液を保有いたしております。
 なお、富山県においても、砺波東部小学校及び庄東小学校に備蓄品を保管しており、砺波市が被災地域となった場合においては、優先的に備蓄物品が供給されることとなっております。
 このほかにも、市内の事業者との間に、災害時における応急物資等の調達に関する協定を締結しており、市の要請により、生活支援物資等の提供をいただくことになっているなど、今後とも備蓄体系の整備充実に努めてまいります。
 次に、国民保護施策の具体的推進についてお答えをいたします。
 まず、平成22年度におきましては、国の補助を受けまして、J―ALERT、全国瞬時警報システムを導入いたしております。
 このシステムは、緊急地震速報、津波警報、弾道ミサイル発射情報等、対処に時間的余裕のない事態におきまして、人工衛星を使って、国から県、市へ緊急情報を瞬時に伝達するシステムでございます。
 なお、国民保護施策の充実につきましては、災害に対する関心が増す一方、国民保護制度そのものについての認識がいまだ薄いと言えますことから、行政出前講座や自主防災会の研修会等の場を活用いたしまして、周知に努めてまいりたいと考えているものでございます。
 私からは以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 齊藤一夫君。
  〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕

◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、川岸議員御質問のうち、項目3、地域医療・地域福祉についてお答えをいたします。
 最初に、今後の地域医療のあり方、指針についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、当市の人口推計では、ますます少子高齢化が進み、それに伴い高齢者の増加と、その方々の病気による医療ニーズの高まりが予測されております。
 こうした社会状況に対して、市では、市立砺波総合病院を高度先進医療及び高度救急医療を提供する機関として位置づけ、地域医療連携室や総合診療科を設置し、砺波医師会の41の医療機関との前方連携により、病院と病院、病院と診療所の連携を実施しております。また、長期療養を必要とされる方々には、療養型病床群を初めとした施設との後方連携を行い、市立砺波総合病院退院後の支援に努めております。
 しかしながら、この後方連携につきましては、市立砺波総合病院を退院することになっても、療養型病床群などの施設が満床であり、直ちに受け入れられないことから、その連携に時間がかかり、そのことが総合病院での平均在院日数の増加となり、病院経営の大きな負担になっていることも否めません。また、高齢者の肺炎の症例など、開業医と市立砺波総合病院勤務医との治療に対する見解のずれが課題となるケースもあり、いわゆる急性期の症状に対する対応の難しさがあります。
 その中で、議員御質問の、市民が安心して利用できる医療体制の構築に対する市当局の方針といたしましては、地域医療に関係する機関が一堂に会し、課題を明確にし、市民を交えて、その課題を共有し、具体的な解決策を講じていくことが重要と考えております。そのため、本年4月より、医師会や総合病院などの医療機関と保健、福祉、介護サービス事業者との有機的連携、並びに砺波型の地域包括ケア体制を構築することを目指して、地域医療・福祉を考える会を設置し、7月には代表者会議、8月にはワーキンググループを開催し、協議を始めたところであります。
 その代表者会議の中で、課題として取り上げられたのは、市立砺波総合病院と診療所の連携、医療と介護の連携、予防の充実、認知症高齢者への対応などであります。また、ワーキンググループでは、この代表者会議の課題を受け、かかりつけ医と総合病院の主治医の違いについて、急性期高度先進医療を担う総合病院としての機能と開業医の後方支援を行う市民病院としての機能について、医療、介護サービスの充足による在宅ケア体制の強化について、歯科医師会の在宅ケアへの積極的参入について、単身高齢者の入院後の在宅体制について意見交換を行ったところであります。今後は、それぞれあと数回会議を開催し、具体的な方策について提言をいただくこととしております。
 一方、市民と協働しての医療体制づくりも重要なことであり、現在、庄東の4地区では、ものがたり診療所の佐藤医師に依頼し、今後の地域医療について研修会を開催しております。その中では、訪問診療を中心とした在宅での地域医療のあり方に多くの住民の方が関心を示されていらっしゃいます。ものがたり診療所には、砺波型の地域包括ケアを構築する上での1つのモデルとして今後、大きな役割を担っていただけるものと期待をしております。
 また、今後は、市民一人一人の個性に合わせたケア体制が構築できるよう、砺波市内の医療機関、福祉、介護サービス事業者との連携を進め、その社会資源を十分に活用してまいりたいと考えております。
 次に、今後の地域福祉のあり方、指針についてお答えをいたします。
 地域での福祉活動の中心となるのは、地区の自治会や民生児童委員の皆さんなどにより構成されている地区福祉推進協議会であり、ケアネット事業などを通じて、日ごろから、地域の見守り活動に御尽力をいただいているところであります。一方、高齢化や核家族化が進む中で、地域での地縁や家族での血縁が薄れてきており、当市においても、地域の福祉力が弱まっているのではないかと危惧をしております。
 このような中、本年3月に、市社会福祉協議会が中心となって策定した地域福祉活動計画を市民の皆さんへ周知し、計画を実施するため、9月から10月にかけて、市と協働して、市内全地区の福祉推進協議会を回り、懇談会を開催し、地区の課題の掘り起こしや現状についての意見交換を実施しているところであります。
 また、この懇談会の場では、地域住民の方々には、日ごろからの地域での支え合いや福祉への取り組みが、このたびの東日本大震災などの災害時に大きな支えになっていることを理解していただき、自分たちの地域は自分たちで守る、地域の住民がお互いに支え合っていくという意識を深めていただけるよう話し合いを進めております。
 市民の皆さんの中には、何から始めればいいのかわからないという方もおいでますので、有効な手だてとして、ボランティア活動への取り組みをお勧めし、まずは、地域の見守り活動や地域の美化活動など、身近なところで、できることから始められるボランティア活動に参加いただきたいと思っております。その上で、支え合う意識が地域の皆さんに広がり、一人一人が地域福祉の担い手となり、地域のきずながより深まっていくものと期待をしております。
 私からは以上であります。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 八田俊伸君。
  〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕

◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、川岸議員御質問の観光戦略についてお答えいたします。
 まず、砺波市の観光状況と今後の観光戦略についてでありますが、当市の平成22年観光入り込み客数は160万4,000人で、対前年比は1.4%減少しております。また、平成23年上半期につきましては88万9,000人で、対前年比は7.9%減少しております。
 減少理由といたしましては、平成22年は、主に天候不順によるイベント等の入り込み数の減少が原因と思われます。また、平成23年上半期は、3月11日の東日本大震災の影響で、チューリップフェアを初めとする各イベント及び観光施設、宿泊施設の入り込み数が大幅に減少したものと考えております。それぞれの入り込み客数につきましては、時間の経過とともに回復しつつありますが、現在も震災の影響が残っているものと思われます。
 このように、当市の観光入り込み客数が減少する課題を解消していくためには、基本テーマを通年型・滞在型観光交流を目指してと定めている砺波市観光振興戦略プランを確実に推進していくことが重要なことであり、観光に関するデータなどを分析しながら、観光戦略に生かしてまいりたいと考えております。
 また、観光客による市の経済効果につきましては、現在、その指標となり得る明確な数値的根拠がありませんので、昨年12月に観光庁から公表されました、県外からの観光宿泊客及び日帰り1人当たりの平均消費額の県別速報値を用いますと、富山県では、県外宿泊者は3万3,732円、日帰りは8,359円の消費単価となっておりますので、この単価を単純に砺波市の入り込み数に乗じますと、平成22年ではおよそ78億円が砺波市での消費額となります。しかし、この中には車の燃料代や高速道路料金なども含まれておりますので、これらを案分して、砺波市内での消費額や当市の経済効果を算出することは大変難しいことを御理解いただきたいと存じます。
 次に、ホスピタリティあふれる観光戦略とその具体策についてお答えいたします。
 昨年12月に策定いたしました砺波市観光振興戦略プランを、より具体的に推進するための観光振興戦略アクションプランを平成23年度に策定することとしており、現在、砺波観光振興戦略会議及び観光振興戦略ワーキング専門部会などの会議を順次開催し、策定準備を進めているところでございます。
 アクションプランでは、主要事業の推進行程や事業内容、それから、事業主体などを具体的に定めることとしており、おのおのの事業主体を含め、関係機関などとの連携を図りながら、今後の観光戦略を展開していくものと考えております。
 また、砺波市総合計画後期計画案の中では、施策内容の一つに、ホスピタリティあふれるもてなし体制の整備を上げており、推進策として、議員さんも述べられた内容が盛り込まれております。1、二次交通の充実では、北陸新幹線や城端線を結ぶ二次交通体系の充実。2、観光情報の提供では、道の駅や砺波駅のコミュニティプラザ、宿泊施設、飲食店などでの観光情報の発信。3、市民によるボランティアバンクの設立。4、ボランティア通訳の養成。5、接遇研修会の開催では、各種関係団体と連携しながら、施策を推進していくこととしております。
 市といたしましては、今申し上げました各種関係団体や観光に携わる関係者だけでなく、市民の皆様一人一人が地域資源への理解を深めていただき、地域への愛着と誇りを持って観光客をお迎えする、おもてなしの心がより広く深まりますことを期待するものでございます。
 このことは、今年度策定中の観光振興戦略アクションプランの中でも具体的な事業内容として盛り込まれる予定であり、あわせて市民の皆様の観光に対する意識の高揚と気運の醸成を図ってまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) 8番 村岡修一君。
  〔8番 村岡修一君 登壇〕

◯8番(村岡修一君) 通告に従い、市政一般について質問をいたします。
 最初に、後期総合計画基本計画について質問をいたします。
 平成16年、旧庄川町と合併して、はや7年の歳月が経過いたしました。市では、「庄川と散居に広がる 健康フラワー都市」を指針に、まちづくりの羅針盤となる新砺波市総合計画第一次総合計画を策定し、実施期間を平成19年から平成28年までの10年間といたしました。前期計画の5カ年が終了した現在、後期基本計画策定に向け、審議委員会の前田委員長を座長に、有識者などで構成する総合計画審議会を立ち上げ、慎重に協議、検討され、去る8月11日に、開催された審議会で、基本構想案と基本計画案について、基本的に了解とし、基本構想に、新たに砺波らしさを最大限に活かした施策として5項目の意見書が付記され、行政と議会の皆さんでしっかり取り組んでいただきたい旨、市長に答申をされました。
 答申を受け、市では、翌平成24年度から実施予定の後期基本計画の策定作業に入り、前期計画を振り返り、市長総括として、今日までの市政運営は、大変厳しい財政状況の中で、市民の理解と協力によって概ね順調に推移してきていると思うと述べられています。
 例えば人口問題について、当初計画では5万500人を想定し、基本計画が作成されました。人口減少化が進み、現状では4万9,500人台を維持するのも厳しくなってきているのではないかと思います。
 また、高速道路網の整備で、中京圏からの観光客増加を図ることを目的に設置された名古屋事務所では、発足当時、南砺市と隔年ごとに職員を配置し取り組むことが決定されており、今年度は市からの職員は派遣せず、コーナーを開設して、現在、南砺市の職員が常駐されています。計画も大事ですが、市民感覚として、現実味が感じる行政運営が求められているのではないでしょうか。
 そこで、後期基本計画の策定に当たり、第1にお尋ねをいたします。
 前期総合計画ではどのように検証されたのか、お聞かせください。
 第2に、後期基本計画策定での財源問題について、つまり、市税や交付金等の見通しについて。
 先ごろ発生した東日本大震災への復旧・復興が遅れている今日、加えて急激な円高、景気低迷の中で、経済情勢は厳しく、大幅な財源増は期待できない。中後期基本計画に与える影響は大きく、避けて通ることはできませんので、しっかりとした裏づけと精査が必要ではないでしょうか。当局の考えをお聞かせください。
 第3に、審議会から基本構想案について、砺波らしさを最大限創出する具体的な諸施策について5項目の意見が答申されました。大変的確な意見となっており、各項目ごとに気づいた点に関し、お尋ねをいたします。
 まず、第1項の散居村や庄川等、豊かな自然と地域資源を活かしてについて。
 暮らしたい、訪れたいをポイントに、個性的な施策を展開すると明記されていますが、文化と歴史、観光資源が施策となりますが、現在作成中の景観計画や東海、中京圏からの観光客増を図る目的で開設された名古屋事務所での今後の具体的な事業展開についてお聞かせください。
 次に、第2項目めの砺波平野の中央部で交通の要衝にある利点を活かしてについてであります。
 先の東海北陸自動車道の全線開通や(仮称)高岡砺波スマートインターチェンジ建設など、当市にとって将来的に大きな期待ができますが、当面の最大課題は、城端線の存続問題であります。乗客数の年々減少化が進む中で、沿線住民の足をいかに確保するかなど、厳しい状況下のもと、当市として、近隣市町村と今後どのように歩調を合わせていかれるのか、また、当市は、どのように対応されるのか、考えをお聞かせください。
 次に、第3項目めのチューリップや種もみ等、豊富な地域特産品を活かしてについてであります。
 特産品のチューリップ生産や特産のタマネギ栽培、庄川のゆずの生産では、農家の方々や地元の生産者の皆さんの協力で何とか伝統を今日まで維持してきましたが、市場での価格問題や高齢化による後継者不足、中山間地での人口減少による生産維持が厳しいことが予想されますので、これらの諸課題への対策について考えをお聞かせください。
 次に、第4項目、笑顔があふれる健康都市であることを活かしてについてであります。
 おかげさまで地域医療体制は徐々に確立される中で、今後一番心配されることは、少子高齢化社会での医療、福祉、介護が一体となったサービスをいかに提供できるか、また、重度患者の施設への待機問題や安心して、入居できるための施設の確保が急務となってきます。
 おかげさまで、総合病院の経営状況は2年連続で黒字となりましたが、年々増加する医療費対策も避けて通ることはできません。いま一度、強く要望させていただきますが、庄東センターの増改築問題について早期に施策に取り入れていただきたく、これらについての考えをお聞かせください。
 最後に、第5項目め、元気な地域コミュニティを活かしてについてであります。
 本年7月から、市民一人一ボランティア活動が本格的に導入されました。また、学校施設の耐震化や災害時での自主防災活動など、広く市民に定着しつつありますが、日常生活において身近な活動でもあり、今後について考えをお聞かせください。
 以上、先の答申から基本計画の策定期間はわずか2カ月であります。答申内容に反映された研究会や検討委員会での協議内容や貴重な御意見を反映できるよう、今こそ上田カラーを強く出していただきたく期待をするものですが、これまでの各議員の一般質問の答弁でもありましたが、いま一度、市長の考えをお聞かせください。
 次に、教育問題について、3点、お尋ねをいたします。
 最初に、小学校に導入された英語教育の現状と課題についてお尋ねをいたします。
 これまでの学習要領では、ゆとり教育でしたが、文部科学省では、先の学力結果などを踏まえ、日本の学力は低下してきていることを反省に、学習指導要綱の改定で、小学校では、週1時間、年間35時間増と夏休みが4日間短縮されることになりました。中学校では平成24年度からの実施となります。当市の教育方針は、新学習指導要綱に明示してあるように、確かな学力、豊かな心、健やかな体の育成であり、知・徳・体のバランスのとれた、生きる力のある子どもとふるさとを愛し、誇りに思う子どもの育成であるとされております。
 こうした中で、最近の子どもたちの学力向上として、各種塾通いの子どもたちが大変多くなってきています。子を持つ親にとって、少しでも学力が向上すればと思って後押ししているのが現実であります。
 そこで、本年4月から導入された小学校での英語教育について、半年が経過した今、子どもたちの姿勢や状況等、現況をお聞かせください。
 最近、耳にしたお話でありますが、英語力の向上を図るため、放課後教室では、大学生やOBの方を講師に迎え、教室を開設し、結果、学力向上に謙虚にあらわれているとのことで、広がり、それでは、地域でも教室を開設してはどうかとの声もお聞きしたので、教育長の考えをお聞かせください。
 次に、子ども・子育て新システムについてお尋ねをいたします。
 政府は7月に開催した、少子化・社会対策会議において、幼稚園と保育所を統合した幼保一体施設の本格度導入など、子育て施策を大きく見直す子ども・子育て新システムに関する中間を取りまとめ、平成23年度中に制度に必要な法制上の措置を講じ、早急に法改正を国会に提出するとの方針が出されました。
 2006年にスタートした認定こども園は、教育制度と保育制度を併存させて複雑な制度であったため、国民になかなか理解されなかった。新システムのポイントは、こども園創設と多様な保育サービスの提供、そして、実施体制の一元化が特徴となっていますが、当市では、公立保育所が11施設で、園児数が約1,100人、私立保育所が2施設で、約210名となっています。
 また、幼稚園では、公立施設が9施設で、約510名、私立が1施設で、40名程度の園児が通園されております。定例会ではその都度、幼稚園や保育所運営について適正配置、園児数のバランスや保育時間の延長問題等、社会のニーズに即した早期の対応を強く要請してきた観点からも今回の政府方針に対し、市として、今後どのように対応されていくのか、考えをお聞かせください。
 次に、市内小中学校でのいじめや不登校問題についてお尋ねをいたします。
 県内小中学校の昨年1年間の不登校者数は、3年連続で減少してきています。減少理由として、相談や支援体制が年々充実してきた結果でもあります。臨床心理士などの資格を持つスクールカウンセラーを県内2カ所の教育事務所と全中学校に配置し、小学校では、大規模校の20校に配置され、問題が発生した時点で早期に出向いて相談し、対応している結果、減少傾向になっていると思われます。
 また、生徒自身の問題ではなく、景気不安から、保護者の失業や家庭問題などが不登校の背景にあるのではないかと思われ、問題解決に学校と家庭、児童相談所との連携を強化し、問題解決に向け、スクールソーシャルワーカーを配置するなどして、支援体制に取り組んでいます。
 そこで、市内小中学校での不登校の状況についてお聞かせください。
 次に、庄川水辺プラザ整備事業、パークゴルフ場の進捗状況と起伏コースの設計、並びに今後の工事予定についてお尋ねをいたします。
 昨年9月の定例会の一般質問に対し、当局の回答は、平成21年5月に、国土交通省よりかわまちづくり事業計画の認可を受け、その後、実施計画を終えた。市として、客土や芝張り工事を中心に着手をしてきた。現在は芝の養生中であり、工事の時期については、庄川の出水期は9月末ごろとのことで、具体的には、秋ごろから順次工事に着手し、平成25年度完成予定であるとのことでありました。
 先日、機会があって、建設予定地を見てきました。現地を見て気づいた点は、河川敷の整地は完了し、一部芝張りも終わり養生中でしたが、その他の場所は、変化するかのように一面雑草で覆われていました。今後の工事内容でコースがどのように変化するのか不透明でありますが、現状を見る限り、コース内はほとんど起伏はなく、設計されたコースとなっていました。その間、県内市町村で完成しているコースにも何度か足を運びましたが、いずれ劣らぬ立派なコースとなっていました。せっかく市民の声を反映して建設するのですから、他に例を見ない起伏のある砺波市独自のコース設定を期待するものですが、当局の考えをお聞かせください。
 最後に、市内自主防災会組織への小型ポンプ配備についてお尋ねをいたします。
 近年、地球温暖化の影響によると見られる集中豪雨や自然災害が多く発生しております。先日も台風12号が本土に上陸して、各地に大きなつめ跡を残しました。当市は、おかげさまで被害もなく無事でしたが、備えあれば憂いなしの言葉のとおり、いざというときに備え、市内全地区の自主防災会を通して、火災や家屋の浸水の際での万一の事態に備えるため、各地区に小型ポンプの配備を早急に検討していただきたいと思いますが、現在の配備状況とあわせて、当局の考えをお聞かせください。
 以上で質問を終わります。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 村岡議員の後期総合計画基本計画案についての御質問のうち、前期総合計画の検証について及びまちづくり基本方針で、砺波らしさを最大限創出する具体的な諸施策についての御質問にお答えいたします。
 まず、総合計画前期基本計画の検証についてでございますが、先の嶋村議員の御質問にお答えしたところであり、重複する部分についてはお許しをいただきたいと思います。
 前期基本計画におきましては、数値を掲げた指標で設けておりませんが、5つの基本方針に基づき、新市としての住民の一体感の醸成と地域の均衡ある発展を目指し、各種施策を推進してきたところであります。中でも、市町村合併後の優先事業として位置づけて実施しております合併特例事業につきましては、平成23年度末の合併特例債の借入額が全体の約62%となる予定であることから、概ね順調に達成してきているところと考えております。
 また、まちづくり基本方針で、砺波らしさを最大限創出する具体的な諸施策についてでございますが、かねて申し上げておりますとおり、行政が果たすべき最大の役割は、市民が、安全で、安心して日々の生活を送ることができることこそと考えております。この考えに基づき、市長就任以来、市民一人一ボランティアを提唱し、市民一人一人が郷土に愛情と誇りを持ち、魅力的なまちづくりに積極的にかかわっていただきたいと申し上げてまいりました。
 また、地方分権改革が進む中、自治体運営から地域経営の視点に立った市政の運営、まちづくりへの市民の主体的な参加が求められていることから、平成21年度から、まちづくり協働事業を立ち上げ、市民と行政とが連携、協働して推進する新たな事業を実施しているところであります。さらには、地域産業を振興し、地域社会を活性化させるには、志の高い人材の育成が大切であることから、今年度において、農業、商工業、観光の各分野の若手リーダーを育成するためのとなみ人材育成塾を立ち上げたところであります。
 このように、市民参画、市民と協働のまちづくり、そして、人材育成など、私のカラーとして市政運営に当たってきたところであります。今回、総合計画後期基本計画の策定に当たり、砺波らしさを最大限に生かした施策を新たに計画に盛り込んでおります。
 その内容といたしましては、散居村や庄川など豊かな自然と地域資源を活かした施策、砺波平野の中央部で交通の要衝にある利点を活かした施策、チューリップや種もみなど豊富な地域特産品を活かした施策、笑顔があふれる健康都市であることを活かした施策、元気な地域コミュニティを活かした施策の5項目から構成する、本市のすぐれた特徴を生かした施策であります。
 つきましては、先の市政運営方針に加え、これらの施策を着実に推進し、他の地域とは異なる個性豊かなまちづくりを推進していくことが私のカラーであると考えておりますので、議員各位には、さらなる御支援、御協力をお願い申し上げます。
 続きましては、個々の施策ごとの御質問にお答えをいたします。
 まず、散居村や庄川など豊かな自然と地域資源を活かしていくことについては、砺波地域情報センターの今後の具体的な事業展開についての御質問でございますが、まず、観光施策につきましては、総合計画基本構想案のとおり、砺波らしさを最大に生かすことが重要と考えております。その基本的な目指す方向といたしましては、昨年度策定いたしました観光振興戦略プランに基づき、散居村と花、庄川など豊かな自然と地域資源を生かし、通年型・滞在型観光交流を目指すこととしております。
 村岡議員の御質問の砺波地域情報センターでの具体的な事業の取り組みにつきましては、当初の設置目的である、東海北陸自動車道を生かしながら、中京方面からの誘客や企業誘致を推進するとともに、交流人口の増大によって、となみ野地域の活性化につなげるため、砺波地域情報センターが窓口となって、より効果的な事業の展開が重要と考えております。
 その取り組みの一つといたしましては、スポーツ合宿や各種大会、修学旅行の開催など、コンベンション誘致活動について、となみ野地域の自然環境のよさや補助金制度の活用情報の発信など、砺波地域情報センターと連携をとりながら、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、今年の秋には、今年度、市民交流協定を締結した安城市のソフトボールチームが当市での交流試合のため、約70名の参加が予定されているほか、スポーツ交流や吹奏楽の交流、イベントの参加交流など、さまざまな組織や団体での市民交流事業を進めたいと考えております。また、昨年度、となみ散居村空き家利活用協議会で実施されました散居村での民泊ツアーは、非常に好評であったと聞いておりますので、今後とも関係者の御協力いただきながら、砺波平野の豊かな自然とすぐれた地域資源の魅力にふれあう機会をつくることで、砺波地域に暮らしたい、訪れたいと感じてもらえる、砺波ファンが増えるきっかけになるのではないかと考えております。
 こうした砺波らしさを全国に誇れる地域の資源の維持や活用を図っていくためには、市民自らが、砺波の自然に愛着や誇りを持ってもらうとともに、景観保全の計画など、みんなで守っていく意識の高揚が大切であると考えております。
 次に、砺波平野の中央部での交通の要衝にある利点を活かしてについてでは、城端線の存続問題の当市の対応についての御質問でございますが、御存じのとおり、今年の3月29日に、城端線・氷見線活性化推進協議会が、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく法定協議会となり、城端線、氷見線の地域公共交通連携計画を策定しているところであります。この計画は、城端線新駅及びその周辺整備、並びに城端線、氷見線の活性化について策定するものでありますが、高岡市、氷見市、南砺市及び砺波市が中心となり、県、JR、商工会議所、地域住民の代表の方々などとともに、今年度中の策定に向けて鋭意進めているところでございます。
 市といたしましては、砺波平野の交通の要衝である利点を生かし、商工会議所や観光協会などの関係機関や南砺市、氷見市、高岡市とも連携を図りながら、城端線の存続と活性化について検討し、JRと協議を行いながら、この協議を通じて、具体的な活性化策について進言していきたいと考えております。
 次に、笑顔あふれる健康都市であることを活かしてでは、庄東センターの増改築に関して御質問でございますが、医療、福祉、介護が一体となったサービスをいかに提供できるか、また、施設への待機問題や安心して入居できるための施設の確保、医療費対策などの課題につきましては現在、地域医療・福祉を考える会を設置し、ワーキングなどを通して議論をしており、今後、具体的な施策等につきましては提言をいただく予定にいたしております。また、庄東センターの大規模改修につきましては、耐震化も含めて、総合計画後期計画に盛り込んでいく方向で準備をいたしております。
 私からの答弁は以上とさせていただき、後期総合計画基本計画案についての御質問のうち、財政見通しについて、並びに砺波らしさを最大限生かした施策に関する5つの質問のうち、チューリップや種もみなど豊富な地域特産品を活かして、及び元気な地域コミュニティーを活かしてについては副市長から、その他の質問につきましては教育長、並びに担当部長からお答えをいたします。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、村岡議員御質問のうち、後期総合計画基本計画の財政見通しについて、砺波らしさを最大限に生かした施策に関する5つの御質問のうち、チューリップや種もみなど豊富な地域特産品を活かしてと元気な地域コミュニティを活かしての3つの御質問にお答えいたします。
 まず、後期基本計画期間における財政見通しにつきましては、不透明な要素を含みながらも、現行の税財政制度を基本として立てざるを得ないことから、今後の5カ年間の財政規模を見積もったものであります。
 まず、市税については、個人市民税の納税義務者が減少する一方、税制改革に伴う控除の廃止による増額を見込んでおり、法人市民税についても微増を見込んでおります。
 次に、固定資産税につきましては、計画期間中に2度の評価替えがあることによる減額を見込んでおりますが、流通センターの立地や大型ショッピングセンターの出店予定など、増額の要素も含んでおります。
 また、地方交付税につきましては、近年の実績に基づき見込んでおりますが、普通交付税につきましては、合併から10年を経過した平成27年度から、合併に伴う有利な算定方法が段階的に廃止されることから、このことによる減額を見込んでおります。
 なお、これらの財政見通しは、あくまで概算見積もりでありまして、経済状況や国、県の動向等によって常に変化するものでございます。つきましては、具体的な事業に関する計画でございます実施計画の策定段階において、議員御指摘のとおり、精査し、完成してまいりたいと考えております。
 次に、砺波らしさを最大限創出する具体的な諸施策のうち、チューリップや種もみなど豊富な地域特産品を生かして、地域特産品の価格や後継者不足など、生産維持への対策についての御質問でございます。
 チューリップや種もみなど特色ある地域特産物の生産維持には、ブランド化に加え、卓越した栽培技術の継承と機械化による省力化、新たな担い手の確保が何よりも大切であると思っております。例えばチューリップには、昨年設けました、新たに取り組む担い手と指導のたくみによる栽培指導への支援、ゆずには、ゆずまつりや苗木の育成に支援すること、新たな特産物であるタマネギには、確固たる産地の確立に向け、関係機関一丸となって、栽培技術の向上に取り組むことなどが特色ある地域特産物の生産維持につながるものと思っております。
 今年度、意欲ある若手農業者など28名で組織いたしました、これからの農業を考える会では、将来の砺波のあるべき農業について研究を進めておりますが、農業経営や技術向上に加え、これら若手農業者等の人材育成事業を通じまして、仲間の輪の拡大、仲間づくりによる連携、6次産業化にも取り組んでいただければ、将来にわたって、足腰の強い砺波型農業づくりにつながるものと期待をいたしております。
 次に、元気な地域コミュニティを活かして、地域コミュニティーの考え方についての御質問でございます。
 近年、少子高齢化や核家族化の進展、個人の価値観の多様化により、地域における人間関係が希薄になる傾向が指摘されておりますが、このような中におきましても、砺波地方の状況を眺めますと、地縁によるコミュニティー活動がこれまで良好に維持されております。
 この砺波らしさの一つと言える元気な地域のコミュニティーの力を生かすため、これを支援する施策が重要であると思っております。なお、議員がお住まいの庄東地域においても、地域コミュニティーの御努力により、福祉、医療環境が充実されていることもよい事例であると存じます。
 つきましては、市が、市民の視点に立った質の高い市政を推進し、魅力あるまちづくりによって発展を続けていくためには、交流を深め、思いやりのある地域社会と行政とのパートナーシップが強まることが望ましい姿であると考えております。したがいまして、今後ともボランティア活動、自主防災活動、地域福祉活動などにおきまして、それぞれの地域の特色を生かしながら、市の行政と協働のまちづくりを進めてまいりたいと思っておりますので、御協力をお願いしたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 私からは、村岡議員御質問の項目2、教育問題についてのうち、最初に、(1)小学校への英語教育導入後の現状と課題についてお答えをいたします。
 本年4月から、小学校では、新学習指導要領の全面実施により、5年生と6年生に外国語活動の時間が週1時間で、年間35時間の授業実数が取り入れられております。なお、このことにつきましては、砺波市では、平成21年度から前倒しで実施しているところでございます。
 1学期の現状についてですが、各小学校では、英語ノートや電子黒板を積極的、かつ有効に活用して授業を行っております。また、発音練習では、ALTのネイティブ(母国語)な発音を聞いて練習したり、外国の生活の様子や習慣について英語で紹介したり、一人一人の児童と会話練習をするなどの活動を行っております。
 児童の様子につきましては、担任とT・Tを組んで指導しているALTが、大変親しみやすく児童に接していることで、自分から英語にかかわり、学習を楽しみにしている児童が増えてきていることや英語を話したり、外国の人と話したりすることに抵抗感がなくなってきております。また、外国語活動で学習することにより、学級の友だちと進んでコミュニケーションをとるようにもなってきていると聞いております。
 なお、小学校では、話す、聞くを中心に学習しておりますけれども、中学校では、英語で文章を書いたり、会話や物語等を読んだりする学習が入ってきますので、小中学校の学習内容を小中教員相互が理解し、小学校から中学校へのつなぎがスムーズにできるよう研修の場が必要であるという課題も見えてきております。そこで、砺波市では、小中学校の教員がともに参加した外国語活動研修会を開催し、小学校外国語活動の有効な取り組みや改善点、指導の方法や小中連携のあり方について情報交換を行い、取り組んでいるところでございます。
 なお、地域で教室を開設してはどうかとの御意見につきましては、放課後子ども教室において英語教室を開設し、活動されているところもあります。この放課後子ども教室は、地域の皆さんの御協力により特色のある活動を実施し、子どもたちが地域社会の中で、心豊かで、健やかに育つための環境づくりを推進するものであり、地元の主体性を重視した運営が望ましいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、(2)子ども・子育て新システムの概要と幼保一体施設化に向けての課題についてお答えをいたします。
 政府は、昨年の9月より、子ども・子育て新システム検討会議において議論を重ね、本年7月29日に、中間取りまとめが発表され、新システムでは、総合施設の創設や実施体制の一元化などの方針が示されるなど、その議論も徐々に深まり、少しずつ方向性が見えてきていると思っております。現在、教育委員会内で地区別、年齢別の乳幼児数の推移や市内の保育所、幼稚園に入所する乳幼児数の推移、他市の保育所への入所状況、こども園における3歳以降の転所状況、3歳未満児の入所希望と各施設の受け入れ実態などを調査し、今後の砺波市としての幼保一体化をどのように進めるかについて検討しているところでございます。
 また、新たな総合施設としてのこども園に移行した場合、市町村が保育の必要性の有無について設定することとされていますので、すべての3歳未満児を受け入れることは困難であることから、砺波市として独自の受け入れ基準を設けることが必要であると考えております。今後も国の動向に注視しながら、砺波市として、多様な保育のニーズに対応できる体制を工夫していきたいと考えております。
 次に、(3)市内小中学校でのいじめや不登校の状況についてお答えをいたします。
 市内小中学校における平成22年度の不登校児童生徒数につきましては、小学校では前年度3人減の6人、中学校では1人増の26人でございました。また、いじめの認知件数は、小学校では前年度4件増の23件、中学校では11件増の22件でありました。
 このうち、いじめが解消されていないものが中学校に2件ありますけれども、よりよい友だち関係づくりに向けて、引き続き努力しているところでございます。なお、小学校のほうはすべて解消済みとなっております。
 また、平成23年度1学期末現在では、不登校が、小学校で6人、中学校は8人となっております。また、いじめの認知件数は、小学校3件、中学校7件となっております。
 不登校につきましては、何らかの心理的、情緒的、身体的、社会的要因、背景、そして、家庭の問題等さまざまな要因によりまして、あるいはこれらが複雑に絡み合い、登校できない状況になると考えております。市としましては、県教育委員会からスクールカウンセラーを市内4中学校及び小学校4校に、また、スクールソーシャルワーカーも中学校2校への配置を受けまして、教育相談体制の充実を図っているところでございます。さらに、心の教室相談員を市内4中学校、小学校2校に配置し、子どもたちの話し相手、あるいは相談相手となりまして、悩みを聞いたり、ストレスを和らげたりするのに効果を上げているところでございます。
 また、学校生活になじめず、登校できない児童生徒を対象に適応指導教室を開設し、個人及び小集団での活動を通して、自己開発、協調性、社会性を養い、集団生活への適応力を高めるため援助、指導を行い、学校生活への復帰を支援しているところでございます。これらによりまして、昨年度中では2名が学校に復帰しております。今後とも校長会と緊密に連携いたしまして、不登校、いじめのない学校づくりを目指していきたいと考えております。
 私からは以上であります。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 戸田 保君。
  〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕

◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、4の市内自主防災組織への小型ポンプの配備についての御質問にお答えをいたします。
 3月11日に発生いたしました東日本大震災を初めといたしまして、7月の新潟・福島豪雨、つい先日の台風12号による広範囲な豪雨災害など、日本列島全域におきまして、観測史上まれに見るような自然災害が連続しており、当市といたしましても、災害対応に万全を期すよう努めているところでございます。
 さて、御提案のありました小型ポンプの配備状況について御説明いたしますと、防災組織等が保有する小型ポンプは、市で配布しているものは、自主防災会では、種田自主防災会に1台のみであり、その他出町私設消防隊など、自治会単位などによる消防隊8隊にそれぞれ1台程度配備されている状況となっております。
 また、市といたしましては、過去に自主防災会の設立支援に自主防災組織設立補助金を計上しており、さらに、昨年度から2カ年度にわたり、設立後の自主防災会の資機材の充実を図るため、自主防災組織資機材整備補助金を予算化しているところでございます。
 つきましては、小型ポンプの配備に対する市の考え方でございますが、一義的には、災害時の想定におきましても、小型ポンプを所有する地元の消防団との連携を深めていただくことで現在のところ、対応をお願いしたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 齊藤和芳君。
  〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕

◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、3の庄川水辺プラザパークゴルフ場についての御質問にお答えします。
 まず、現在の進捗状況でございます。
 パークゴルフ場の進捗状況につきましては、庄川水辺プラザ整備事業として、平成21年5月に国土交通省より、かわまちづくり事業の計画認定を受け、国で施工されていた事業用地の基盤整備が平成22年度に完了したことで、市では、昨年秋から、庄川水辺プラザの下流のほうから順次、自然観察広場、ピクニック広場の客土と芝張りの工事を行ってきたところでございます。
 今年度は、中央部のパークゴルフ場予定地を除く、残りのピクニック広場の客土と芝張り、さらには、その東側にあるせせらぎ水路の水辺広場の整備を行う計画でございます。工事の時期につきましては、昨年度と同様に、河川区域内の中州でございますので、9月末までの出水期を終えた秋ごろから工事に着手することとしております。
 なお、昨年から芝張り工事を実施した箇所につきましては、先月中ごろに、雑草の除草と芝刈りを実施したところでございます。
 次に、2のパークゴルフ場の計画についての御質問でございますが、パークゴルフ場は、先にも述べましたが、造成地の中央部、約2ヘクタールを利用してコースを設定することにしており、パークゴルフ場本体の芝張り等の整備工事につきましては、平成24年度に施工する計画としております。施工に当たりましては、今後、パークゴルフ専門のコース認定員の指導、アドバイスを受けるなどして、コースづくりの計画を進めてまいりたいと考えております。
 次に、今後の工事予定につきましては、当初の計画のとおり、残りの附帯工事や周辺整備を行い、平成25年度末の完成を目指しております。しかしながら、国の予算が公共事業費の削減、あるいは東日本大震災を初め、集中豪雨や台風による災害が日本各地で発生していることから、平成24年度以降の予算はさらに厳しくなるものと予想されます。少しでも予算が確保できるよう、引き続き国や県に対して要望してまいる所存でございます。
 また、このパークゴルフ場や上流のパットゴルフ場、ラジコンカー広場など、庄川水辺プラザ周辺全体の維持管理につきましては、市の関係部内で協議を進めており、今後、庄川水辺プラザ整備事業を推進するための関係者で構成する協議会などの御意見をいただき、一体的な管理方法も検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) 以上をもって、本日の日程はすべて終了いたします。
 次回は、明9月14日、午前10時から開会いたします。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 どうも御苦労さまでした。

 午後 4時20分 閉議