1.会議の経過
午前10時00分 開議
◯議長(稲垣 修君) ただいまの出席議員は19名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問、一般質問)
◯議長(稲垣 修君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第49号から議案第78号まで、平成23年度砺波市一般会計補正予算(第4号)外29件についてを議題といたします。
これより、市政全般に対する代表質問、並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
19番 堀田信一君。
〔19番 堀田信一君 登壇〕
◯19番(堀田信一君) おはようございます。
思い返せば3月定例会本会議、一般質問の2日目、3月11日、午後2時46分に発生した地震で、砺波市の本庁もかなりの揺れがありましたが、忘れることができない思い出となっております。
東日本一帯を襲ったマグニチュード8.8、国内最大の地震により、想定外の、また、十数メーターの高波、津波で約2万人弱の死者、行方不明者を出す一方、翌日に東京電力福島原子力発電所第1号機、そして、その後の第3号機の爆発等によって、放射能を含む甚大な被害をもたらしたのであります。お亡くなりになられました方々、また、発見されていない方々、被災を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
あれから早いもので9カ月を経過いたしたのでありますが、早期の復興を願うものであります。
菅政権から野田政権が発足、臨時国会では2名の大臣の問責決議が参議院で可決いたしましたが、法的拘束力がないことで居座ることに、沖縄県民のみならず、全国民の心を踏みにじる状況下ではないのでしょうか。
野田総理は、年末にまとめる次年度の社会保障と税の一体改革大綱素案に消費税の引き上げ幅を明記するように指示を出したとのことでありますが、長引く不況の中で、また、民主党は総選挙の際、マニフェストに消費税値上げを一切盛り込まなかったのであります。国会議員定数の削減や国家公務員の総人件費20%削減を公約しておりましたが、全く手につかず、国会では継続審議というようなことになっているのであります。
第3次補正予算12兆1,025億円が可決、復興対策費として9兆2,438億円を計上、円高対策に約2兆円が盛り込まれたのでありますが、そういうような状況下の中で、2012年度の税制改革大綱がまとまったとの中で、私は自由民主党砺波市議会議員会を代表し、上田市長に質問と要望をいたしたいと思います。
初めに、砺波市の未来成長を見据えた来年度の予算編成方針や行政改革への取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。
厳しい行財政運営の中とは存じますが、今こそ地方主権時代に向かって、守りから果敢に市政発展に取り組んでいただくようお願いをいたしたいと思います。
さて、平成23年度も第4・四半期に入るに当たり、現状での財政運営状況、そして、実質公債費比率について詳しく状況下をお聞かせいただきたいと思います。
総務省は、10月14日、東日本大震災で被災した自治体を除く全国1,737市区町村の2010年度決算における財政健全化指数速報値を発表いたしました。指標のうち、借金返済負担の重さを示す実質公債費比率で市区町村を順位づけたのであります。
2009年4月より施行された地方公共団体財政健全化法で整備された、財政健全化指標、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の4指標の一つであり、一般会計等が負担する地方債の返済額の大きさ、一部事務組合、公営事業に対する負担分を含むを標準財政規模で割った実質公債費比率、つまり借金返済の比率ですが、気になる順位は、全国1,737市区町村の中で、これはワーストのランキングでありますが、砺波市は第61位、比率は20.3%と、毎日新聞社が、あなたのまちのギリシャ度として借金ランキングを『週刊エコノミスト』に特集として公表いたしたのであります。大変厳しいランキングであります。
合併特例債の発行期限が、東日本大震災の被災地は20年に、以外の砺波市等は15年に延びることについてや、後期総合計画との関連も視野に入れ、上田市長のお考えをお伺いいたしたいと思います。また、合併し7年を経過し、行財政の効率と行政組織の改革、並行して職員のスキルアップを考える人事評価システムの実施が求められています。
組織について、提案として、上・下水道課の統合のみならず、砺波市は統括と企画というハード面、そして、民間専門組織、例えば管工事組合等に指定管理者として運営ソフト面を託すと、このようなコスト、スピード、専門性を発揮する手法を検討できないものか。また、観光面では、チューリップフェアの企画、運営等について、観光振興戦略室、商工観光課、このたび発足した砺波市観光協会と重なり合う部分を一般目線で、市民目線で縦割りを廃止、シンプルな組織に、また、農業振興課と農地林務課などについて、一般市民から非常にわかりにくいことについてをどのようにお考えになるのかをお伺いしたいと思います。
次に、市財政の大きなウエートを占める人件費に関する職員数についてお伺いをいたします。
現在、砺波市の職員は、正規が457名、これは広域圏等に派遣も含んでおります。嘱託で120名、臨時で262名、計839名、総合病院では、医師、看護師、医療技術、事務で629名、嘱託33名、臨時115名、計777名、総計で1,616名、それぞれ勤務をいただいております。中には幼稚園、保育園等の臨時等ももちろん理解をしております。
嘱託、臨時等について定数条例に入っていないと私は思っておりますが、採用するときの採用の期間、適正人数、給与等についてや採用の意思決定はだれがしているのか、そのようなプロセスはどのように進むというような運営マニュアルはあるのか、また、財政が厳しいときです。抑制の考えはあるのかについてお伺いをいたしたいと思います。
未来成長を見据える施策について、新しい取り組みについてもお伺いをいたしたいと思います。
11月18日の砺波市行政改革委員会の中で、砺波平野の水資源を利用した小水力発電についての質疑の中で、来年度は可能性調査を実施、研究したいとのことでありました。私は、地球温暖化対策で環境再生クリーンエネルギー対策は、強力に、スピーディーに取り組むべきと考えますが、上田市長の所見をお伺いいたしたいと思います。
11月19日、第2回全国小水力発電サミットが黒部市宇奈月で開催されました。事例発表など充実したサミットであり、私どもの自民会の議員も参加いたしましたが、来年は中津川市で決定が内定していると聞いております。
再生エネルギー買い取り法案が成立し、光が見えてきました。コストや落差などさまざまな課題がありますが、チューリップ公園の五連水車等、そして、また、このたび県でも庄川右岸での小水力の発電ができたわけですが、また、らせん水車は砺波の元井式の発祥の砺波市が第4回の全国小水力発電サミットを誘致する、そういうようなことを提案するということについて、上田市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。このことも市民に関心を持ってもらい、交流観光人口の増につながると思うのであります。
未来づくりに関し、区画整理事業が市の人口増につながったことは言うまでもありません。12月22日に出町東部第2土地区画整理事業が竣工の運びとなり、砺波市並びに関係当局、地域社会の皆さん方に感謝を申し上げたいと思います。引き続き砺波警察署付近を含めた道路交通体系を含む出町第3地区の整備が望まれます。
先般の質問では、市では地元町内での盛り上がりがないと取り組まないと、こういうように聞こえるような答弁をいただきましたが、もちろん一体感の醸成をつくることは大事でございますが、今までの砺波市は、地元に提案、サジェストをしてきたのであります。これは砺波市の事業だと、砺波市がしっかりやらないといけないということで、表に立ったり裏に立ったりしながら進めてきたのでありますが、この件について積極的な取り組みを期待いたしております。
以上等の点も踏まえて、平成24年度の予算編成方針や新施策方針についてをお伺いいたしたいと思います。
次に、平成23年度自民会が上田市長初め三役、部長に示した12の最重点事項、40の重点事項要望についてお伺いをいたしますが、教育・学校関係の耐震化や総合病院の財政健全化、地元産業の育成等について、私どもの意向を酌み入れて努力をいただいており、感謝を申し上げます。
また、県道砺波福光線の一部で、高いハードルで進むことができませんでしたが、県、市、当局、自民党県連の支援もあり、測量調査の見通しがつき、大変うれしく思っております。現地は歩道もなく、子どもたち、高齢者の通行が危険な県道であります。この上は事業の進展にぜひとも御努力を引き続きお願いいたしたいと思うのでございます。
私ども自民会は、市内各地の要望を取りまとめ、精査の上、要望しております。その取り組みについての進捗状況等についてお尋ねをいたしたいと思います。
次に、砺波市で発生する事件の取り組みについてお伺いをいたしたいと思います。
4月に発生した焼肉えびす集団食中毒事件、14歳の誕生祝いで食べたユッケが少年の命を奪ったり、砺波市民、そして、他の市町村ほか、犠牲者の方、重症患者等が発生、全国ニュースで毎日、焼肉えびす砺波店がテレビでアップされて報道され、痛ましい気持ちのほかに、経営陣に許せない思いを持った市民も多かったと思います。
この件は厚生省所管で、富山県厚生部が食肉検査や安全管理を実施する責任を担っているところでありますが、昼、夕刻からの営業にもかかわらず、日中の検査では閉店中で、実際の安全検査が一度も実施されなかったことが浮かび上がったことであります。
厚労省自身も、食肉の、生食がこれだけ普及していたにもかかわらず、安全基準を設定していないことが判明いたしました。上田市長には、石井知事に要望し、知事はそれを受け、厚労省に改善を申し入れ、今日に至っております。
また、8月8日に砺波市庄川町金屋地内の、私どもの母なる川庄川に、事もあろうか重油が流出、翌日、砺波消防署がオイル吸着マットを設置、午後は富山河川国道管理事務所がオイルフェンスを、吸着マットを設置、8月12日に水質汚濁対策連絡協議会庄川支部を開催し対応確認、10日後の8月18日、油の種類をA重油と特定したと、8月23日には、付近の旅館から地下埋設配管に直径1ミリの穴を確認した後、10月5日、6メーター上流から流出、10月7日には12メーター上流からも流出、11月14日には12メーター上流からにじみ出ているA重油は、1リットル当たり35ミリから、10日の25ミリに比べ増加したとの報道もありました。特定された旅館からの経過説明や謝罪もなく4カ月を経たことに、私ども砺波市民初め、県民は憤りを隠せないのが実情と感じております。
幸いにも、河川国道事務所では、12月5日の採水での結果で、8日に国、県から成る協議会で収束宣言をするとの報道もございました。とは言いながら、10月27日には、高岡蓮花寺のセメント会社、高岡レディコンから希硫酸約14リッターが流出し、アユが大量に死んでいるのを確認したとの報道もございましたが、会社側は大変多大な迷惑をかけたという陳謝をいたしておるところでございます。私は、この2つの事件とともにクリーンな砺波市のイメージを損なうことになったと深く心を痛めておりました。
所管は県、国交省と存じますが、発生地はいずれも砺波市内であります。市民の安全・安心を守る砺波市がいち早く情報収集して意思決定し、砺波市独自の対策本部を設置し、スピーディーに担当部、担当課、担当係を決定し、事に当たるのが執行機関の責務と考えます。
縦割り行政、事なかれ主義で市民の信頼を得られません。今後もどのような事件、事故が発生するか未知でありますが、今後についてはどのように対応をしていかれるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
次に、安全・安心の砺波の医療圏づくりについてお伺いをいたします。
砺波地方の先人は、時代の先を見て行政事件と時流の変化を考察し、大きな英断をもって住民の安全・安心、福祉の向上に尽力していただいてまいりました。1市5町4村で取り組んだ砺波広域圏事業で、水、ごみ、消防、福祉、情報通信等は大臣表彰もいただいたのであります。
今年春からは、砺波広域圏消防に小矢部を加えて砺波地域消防組合を設立、消防力、救急の緊急出動に対し、富山県下で誇れる体制が整ったのであり、上田市長に心から感謝を申し上げたいと思います。
富山県民の行政ニーズのアンケート結果が、つい最近富山県から発表されました。1位に景気回復を望む、2位に雇用の確保、3位に医療、そして、福祉の充実を願っているのであります。
私は、平成21年3月の代表質問で、小矢部市、南砺市、砺波市で砺波地域の医療を考えていくことが重要と訴えさせていただきました後、砺波地域医療圏、地域医療検討会議が発足、事務局を砺波市の福祉市民部に設置、診療所と病院とで砺波医療圏のさまざまな問題について議論をいただいてきたのであります。
平成17年の地方独立行政法人法施行や、平成18年9月からの指定管理者制度、平成21年4月には地方公共団体の財政の健全化に関する法律の全部施行に伴い、総務省は公立病院改革ガイドラインを策定、砺波総合病院も改革プランを策定し、経営効率に努力され、平成21年、平成22年度決算は黒字となったのであり、御努力に対し、敬意を表したいと思っております。ただ、民主党等は、政府は指標等について、ポイントについて、このままでは東北支援の財政力がないということで上げようというような動きもあるのであります。
私は、そのような背景がある中で会議録を拝見させていただき、今後の方向性は、砺波の地域住民の安全・安心と地域医療の向上は上田市長の大きな政治力と決断で、南砺市と砺波市の自治体病院が砺波広域圏事務組合で経営する手法の調査検討に入る時期が来たと思うのでございます。
3つの病院がそれぞれ機能分担し、高度急性期医療を行う病院、一般的な手術や在宅医療に取り組む病院、診療、療養型の病院と役割を分け、人事交流、コスト、医療の向上を目指し、職員全体のスキルアップを目指す構想であります。
全国に自治体が経営する病院事業で1,278病院のうち、一部事務組合は77組合100病院となっております。中でも、地方公営企業法の規定の全部適用している一部事務組合が10事業21病院であります。
私ども砺波市議会では、自治体病院の経営損益が黒字を続ける香川県観音寺市と三豊市で構成する三豊総合病院を何度も現地視察してまいりました。全部適用病院であります。
一方で、南砺市病院改革プラン策定委員会では、南砺市民、公立南砺中央の2病院を存続させ、必要な医師の増員取り組みや経営形態見直しでは、地方独立行政法人化を検討するとの新聞報道がされています。
なお、小矢部市の北陸中央は公立学校共済病院で、教職員を主に住民の医療を担うという経営形態が違うわけであります。
両市がしっかりと連携し、砺波野の安心・安全医療、福祉が充実していく、高齢者福祉を指しておりますが、住民の幸福度向上につながり、ひいては若手研修医の確保につながっていくと確信するものであります。
裏には出身大学医学部、うちは金沢、うちは富山など、歴史、課題はたくさんあるわけでありますが、目的は、高齢化社会に対応する砺波地域の安全・安心医療と人材スキルアップ育成、さらなる高度医療化であります。砺波地域のリーダーである上田市長の所見をお伺いしたいと思います。
最後に、夢と希望がわく未来に向けての人づくりについてお伺いをいたします。
昨年9月定例議会で、平成15年、JAXA宇宙航空研究開発機構が3億キロのかなたの太陽の小惑星イトカワに到着し、表面の観測を行った後、サンプルを採取、燃料漏れや姿勢制御装置の故障、通信が途絶えるなど、重なるアクシデントを乗り越え、平成22年6月、オーストラリアの砂漠に帰還した「はやぶさ」のカプセル展示を提案したところ、速やかにリサーチし、応募、見事に決定、第60回チューリップフェアの展示で、県内外から砺波市美術館を訪れ、感動していただいたこと、中でも前日に市内、小中高校生全員が見学、その後、小学生では「はやぶさ」の模型を製作したことや、中学生で宇宙に興味が芽生えたことや、日本人のコンピューターロボット技術に感動と誇りに思えたとの話を聞き、取り組んでいただいた上田市長初め、教育委員会、関係者の方々に心から感謝を申し上げます。
ただし、これで終わったのではありません。子どもたちを豆博士にする企画が11月1日、JAXAのホームページで発表されました。平成24年、来年でありますが、6月ころから国際宇宙ステーションISSに約6カ月間長期滞在する星出宇宙飛行士、第32次、第33次、ISSクルーとの交信イベントの公募であります。交信にかかる音声回線費用、NASAテレビ受信用テレビの調達経費などは応募者の負担となり、応募募集締め切りが平成24年、来年の1月6日となっております。多少の経費が必要でありますが、子どもたちに科学を、豆博士にと強く願うものであります。公募に対してどのように対処されるのか、お聞かせいただきたいと思います。
同じく、自然動植物の環境をつくり学ぶ、ビオトープをチューリップ公園にて設置する構想についてお伺いいたしたいと思います。
我々の戦後生まれは、小川に入り、魚やカニをとったり、田んぼで相撲を取ったり、トンボを追いかけたり、今思えば実に楽しい毎日でありましたが、今の子どもには、三方コンクリの川や神社や田んぼで遊ぶ習慣がなくなった一方、出町小学校や林地区のビオトープでは、子どもたちが生き生きとメダカの成長を観察したり、とてもよい自然とのふれあいの場となっています。
今年の夏、砺波市観光協会では、チューリップ公園で蛍の鑑賞会が企画され、蛍の舞に感動したとの声を聞いております。園芸試験場から市民開放され、第60回チューリップフェアを終え、充実してきた公園であります。ちょうど中ほどに小川、池があり、水草や水生植物、小さな魚、昆虫の幼虫などが生態系への観察、体験につながり、蛍の生態を学ぶことができます。ここでも豆博士をつくっていくことができるのはないでしょうか。
発想転換が子どもたちも大人も楽しめ、ひいては全国に情報発信することでマグネットになり、交流人口の拡大にもなればと思うのであります。
また、数々の古文書や多くの資料が保管されている郷土資料館と、田園空間ミュージアムの融合が、今、必要ではないでしょうか。大いに活性化に取り組む歴史文化の発信で、活性化を期待したいものであります。ここにも、子どもたちが豆博士になって郷土歴史を育んでいく手法も取り組んでもらい、解放感のあふれる施設に変身していく努力が求められております。
私は何を申し上げたいかと申しますと、この郷土資料館には本当にすばらしい資料がたくさんあるのでありますが、もっとオープンにしていかなければ、これを上手に観光にも使えたり、歴史文化にも郷土資料の勉強にも使えると、このように思うのでありますし、聞くところによると、大矢四郎兵衛先生のすばらしいいろんな資料もこの中に眠っていると聞いております。
以上、所見を求め、私の質問を終わります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 堀田議員の自由民主党砺波市議会議員会を代表しての御質問にお答えをいたします。
まず、1項目めの砺波市の未来成長戦略を見据えた来年度予算編成、新事業方針についての御質問のうち、1点目、現状の財政運営状況、実質公債費比率についてでございますが、初めに、これまでの財政運営状況についてお答えをいたします。
平成23年度におけるこれまでの財政運営につきましては、平成23年3月に発生いたしました東日本大震災、原子力災害、そして、その後の欧州の債務危機、タイの洪水などの影響により、日本経済だけではなく、地方自治体を取り巻く環境につきましても、引き続き大変厳しい状況に続いておると、このように思っております。
国の数度にわたる補正予算等に積極的に対応し、鋭意、経済・雇用対策等に取り組んできたところであり、今のところ、ほぼ順調に推移してきているものと総括をいたしております。
そこで、具体的な財政状況でありますが、一般会計の歳入につきましては、その多くを占める市税及び普通交付税とも当初予算を確保できる見込みであり、また、平成22年度からの繰越金につきましても相当額を確保できたことなどから、歳入予算につきましては総額を確保できるものと見込んでおります。
また、歳出につきましては、砺波北部小学校耐震改修事業の年度内完成を見込むとともに、出町中学校耐震改修事業につきましても、国の予算の前倒しを受け、本定例会に補正予算を計上するなど、それぞれ順調に事業は進捗しており、その他の事務事業につきましても、概ね順調に事業執行してきているところであります。
こうした中で、平成23年度の一般会計につきましては、黒字決算を見込んでいるところであります。また、その他の特別会計、企業会計につきましても、概ね当初予算計上のとおり執行しているところであります。
次に、実質公債費比率についてお答えをいたします。
この指標は当該年度及びその前、2カ年の3カ年平均で算出するものであり、平成22年度決算における実質公債費比率は20.3%と、平成21年度の22.2%に比べ、1.9ポイント低くなったものの、依然やや高い水準にあります。
これは、平成19年度に市債償還のピークがあり、それ以降は順次減少してきているものの、平成22年度の単年度での実質公債費比率が22.3%、平成21年度が20.1%、そして、平成22年度は18.5%、やや高い水準の中でその率が年々低下をしてきていることによるものであります。
なお、今のところ、平成23年度の実質公債費比率は18%を切る見込みであり、また、3カ年平均では19%以下になるものと考えておりますが、引き続き財政の健全化に努めてまいりたいと、このように考えております。
次に、2点目の合併特例債5年延長に伴う後期総合計画についてでございますが、合併特例債の発行期限が延長される見込みであることについての私の所見をお尋ねでございます。
過日、合併特例債の発行期限を延長する法案が閣議決定され、東日本大震災の被災地以外についても、合併後10年から15年に延長される見込みとなったものであり、大変ありがたいと考えております。
なお、この改正が実施されれば、現在、総合計画後期計画の中でも合併特例債を活用して実施する予定としている事業や、5年の延長期間で予定される事業を含め、他の有利な財源と調整を図りつつ、合併特例債の最も有利な充当事業について、今後の総合計画実施計画策定の中で検討してまいりたいと考えております。
次に、3点目の行政改革に伴う組織人事評価の取り組みについてでございますが、人事評価制度は、職員個々の業務目標を示させた上で、評価者にはその業務上の実績や職務遂行の過程において発揮される能力等を把握し、的確な評価を行うことが必要とされるものであり、目標として、人材の育成を図り、全体の組織力が効果的に発揮されることを目指すものと考えております。
当市におきましては、平成19年度から新たな人事評価制度を施行し、評価シートや評価マニュアルについて改善を重ねており、今年度におきましても、評価レベルの公平性、均一化を向上させるため、評価者、管理者研修を実施するとともに、前期評価の結果を受け、庁内幹部職員による評価結果審査会議を開催し、評価シートの簡素化、評価結果の反映方法などを検討し、改善を進めております。
今後とも、先進自治体のすぐれたところなども研究し、よりよい人事評価制度の構築を目指してまいりたいと考えております。
最大の行政改革と言われる平成16年の市町村合併を経て、簡素で効率的な組織運営が継続的な課題となっております。
今年度も砺波市行政改革推進委員会で検討を重ねており、この中に上水道課と下水道課の統合、農業振興課と農地林務課との統合の検討が含まれております。行政改革推進本部の決定方針を受け、最終的にはその実施を判断したいと考えております。
なお、観光面について申し上げますと、観光振興戦略室においては、観光振興戦略プランを作成し、今年度は観光振興戦略アクションプランを策定しておるところでございます。
現状におきましては、このプランの実践を含む観光振興をどう進めていくか重要な時期と考えておりますので、となみチューリップフェアの業務運営等も含め、今後とも、効率的な組織体制のあり方を検討してまいりたいと考えております。
次に、職員数の御質問にお答えをいたします。
現在、砺波市の職員数の状況につきましては、議員御発言のとおりでございまして、任用期間につきましては、嘱託職員は1年以内、臨時職員は6カ月を超えない範囲内となっておりまして、砺波市職員定数条例の定める定数には含まれていない任用方法となっております。
次に、任用方法は、賃金、その他就業に関する遵守事項につきましては、嘱託職員は砺波市嘱託職員の任用等に関する要綱に、臨時職員は砺波市臨時職員の任用等に関する要綱により、それぞれ定めておりまして、任用方法といたしましては、主にハローワークを通じた求人活動などを通じて、面接等により適正に判断するもので、賃金等では、他の自治体の雇用条件等も判断して予算措置をしており、任用後は一般職に準ずる執務基準が原則として適用されております。
次に、嘱託・臨時職員の適正数の考え方についてでございますが、当市における実態といたしましては、福祉・介護関係、小中学校の教育支援・用務関係、保育所、幼稚園の保育士や調理・用務関係がその大半を占めておりまして、少子高齢化に伴う行政ニーズを見極め、関係職員を適切に確保することが必要となっているもので、このような嘱託・臨時職員の削減は住民サービスの水準に影響を与えることに御理解を賜りたいと考えておりますが、引き続き行政需要を見極め、職員数の総数管理に意を用いてまいりたいと、このように考えております。
次に、4点目の未来成長を見据えた小水力発電、区画整理事業の取り組みについてでございますが、まず、平成24年度予算編成に当たっての基本方針といたしましては、基本的には、これまで同様、計画性と安定性、そして、地域の特色を生かしたまちづくりを施策の中心に予算編成に当たってまいりたいと考えております。特に、長引く厳しい経済情勢の中にあっては、限られた財源を効率的に活用し、身の丈に合った計画的な市政運営がより重要になっており、今回新たに策定いたしました砺波市総合計画後期計画に基づく実施計画を着実に実行するとともに、砺波市の特徴を生かした観光施策や景観保全事業などにより、にぎわいづくり、特色あるまちづくりに進めてまいりたいと考えております。
そこで、平成24年度の予算規模でありますが、総合計画等に基づき税収や普通交付税については今年度当初予算並みに見積もる一方、社会保障関連予算等の伸びに対応するため、基金の取り崩しを見込むとともに、その他の施策を厳選することで、一般会計の予算総額につきましては、総合計画実施計画に示されたとおり201億円となるものと見込んでおります。
次に、平成24年度予算において、特に重点的に取り組んでまいりました施策につきまして申し上げます。
まず、建設事業では、小中学校の耐震改修事業への取り組みをさらにスピード感をもって進めてまいりたいと考えております。現在施工中の砺波北部小学校につきましては、今年度中にすべての工事を終える予定であり、新たに4カ年の継続事業として、出町中学校耐震改修事業の円滑な進捗に努めるとともに、庄川小学校の耐震改修事業の実施設計を行います。また、下水道事業の認可拡大も含め、道路区画整理事業、住宅整備、農業用排水路など、都市基盤の整備等に係る多くの継続事業につきましても鋭意取り組んでまいります。
観光につきましては、平成26年度の北陸新幹線開業をにらみながら、観光振興戦略アクションプランに基づき、魅力ある観光資源のネットワーク化や、交流人口の増加を図るなど、観光資源の有効活用によるにぎわいづくりに重点的に取り組んでまいります。
また、現在小学校6年生までとしている入院に係る医療費の無料化を中学3年生までに拡大するとともに、子育て支援や健康づくり事業を拡充することや、小水力発電調査、増山城跡の整備、友好都市中国盤錦市との中学生相互交流などについて取り組んでまいります。あわせて、特別会計、企業会計の経営の健全化につきましても鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
なお、昨年に続き、総合計画にとらわれない自由な発想による新しい事業を創出するため、総額2,000万円の特別枠を設けたところであり、砺波市の魅力を引き出し、積極的にアピールすることで、人が輝く、活力あふれるまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
以上、新年度予算編成の概要について申し上げましたが、次に、小水力発電並びに区画整理事業への取り組みについての個別の御質問にお答えをいたします。
環境クリーンエネルギーの取り組みにつきましては、平成22年度より住宅用太陽光発電システムの設置補助を再開し、また、本庁庁舎の南側入り口に太陽光発電システムを設置して、太陽光発電の普及啓発に努めてきたところであります。
今後の取り組みにつきましては、これまでの議会におきましてもお答えしましたが、当市といたしましては、まず、小水力発電の調査研究を行ってまいりたいと考えております。市では、11月に開催されました第2回全国小水力発電サミットin黒部に職員を派遣し、基調講演を初め、パネルディスカッション、事例報告、分科会などについても聴講し、早速調査に着手したところであり、引き続き新年度におきましても調査研究を進めてまいりたいと思っております。
次に、第4回全国小水力発電サミットの誘致につきましてお答えいたします。
当市には清流庄川を育む豊富な水が流れており、チューリップ公園には五連水車やらせん水車があります。また、庄川の合口堰堤と、安川、示野には小水力発電所があり、現在庄地区においても発電所の建設中であります。さらに、当市はらせん水車発明の地でもあることから、らせん水車を活用した発電をしてはどうかと考えており、サミットを誘致するには十分な材料があると思っております。
しかしながら、サミットが富山県内に開催されたばかりであり、その中で当市に所在する小水力発電の紹介もされたところであります。また、当市としましても、調査研究を始めて間もない状況にありますので、今後、調査研究を進める中で、当市の小水力発電に関する方針を明らかにした上でサミット誘致について検討してまいりたいと考えております。
次に、出町東部地区のまちづくりにつきましては、区域を3地区に分けて取り組んでおり、第1区は県施行の街路事業、第2地区におきましては、土地区画整理事業により整備が進められております。残る砺波警察署付近の第3地区につきましては、街路事業や土地区画整理事業などの手法を中心に地元町内会に説明し、勉強会を実施しているところであります。新年度においてもこれをさらに推進いたしまして、地元住民を交えて都市基盤を整備する具体的な事業手法とまちづくりの方向性を検討してまいりたいと考えております。
次に、2項目めの平成23年度自民党議員会の重要要望に対する進捗状況についての御質問のうち、最重点12項目、重点40項目の取り組み状況についてでございますが、本要望は、昨年12月22日に提出いただき、いずれも市政運営の課題として御提言をいただいたものであり、平成23年度予算編成並びに事業執行に当たり尊重させていただいたものであります。
以下、中でも特に要望する事項として掲げられておりました事項を中心に取り組み状況等を申し上げます。
まず、学校施設の耐震化対策につきましては、市の最重点課題として取り組んでおり、平成23年度には、砺波北部小学校の耐震化を完了し、出町中学校と庄川小学校の実施設計等を進めていることから、平成24年4月における学校施設耐震化率は78.1%となる見込みであります。また、当初は平成24年度から工事着手する予定でありました出町中学校につきましては、今年度事業として前倒しして施工することとしているものであります。
次に、市立砺波総合病院の経営改善につきましては、病院改革プランに基づきまして、各科の行動計画により、成果の検証を行ったことなどから、平成21年度に引き続き、平成22年度も黒字決算になったところであり、今年度も引き続き経営の健全化を図っているところであります。
また、地元産業の育成では、まず確固たる産地化を目指して生産振興を進めておりますタマネギにつきまして、本年は過去3年の経験を踏まえた栽培技術をもとに既に植え込みを終えているところであり、年内生育は順調となっております。
また、常設直売所としては、市内で初めてJAが開設されたとなみ野の郷では、本年4月オープン以来、購買者のニーズにこたえた新鮮な地元野菜を取りそろえてにぎわっており、地産地消の一役を担っているものであります。
さらに、中小企業の融資対策においては、保証料に対する助成を90%にかさ上げする措置をとるとともに、市内企業等の展示会や商談会へ参加する際の出展経費の支援や、となみ伝承やぐら大祭を初めとする各種イベントに対する助成などにより、地元産業の育成とまちのにぎわいづくりを支援しているものであります。
特に中小企業融資対策につきましては、緊急融資支援措置といたしまして、今月1日から保証料の助成の補給率を90%から100%にかさ上げするとともに、小規模事業者経営改善資金(マル経融資)の利子助成において、最初の2年間の利子の半額を助成する措置を緊急的に追加し、地元産業の底支えを図ることとしたところであります。
このほか大変多くの要望をいただいておりますが、いずれも行政施策として重要なものであると考えておりまして、財政状況が厳しさを増す中ではありますが、それぞれ取り組みを進めているところであります。
次に、3項目めの砺波市で発生する重大事件の取り組みについての御質問のうち、1点目の焼き肉えびす集団食中毒の事件についてでございますが、4月に発生した食中毒事件に関しては、一義的には県厚生センターが所管する事務でございましたが、市といたしましても、その重大性を考慮し、再発防止のために、5月には県に、6月には国に対しまして、生食用食肉の衛生基準の見直しや食品衛生監視体制の巡視等を強く要請してまいりました。
特にこの食中毒事件は衛生基準に強制力がなく、食肉の処理の各段階において安全性が確保されなかったことや、事業者の生食用食肉を提供することの危険性を軽視し、基準を十分に順守しなかったことが大きな要因であったことから、当市は県の要請を受ける形で罰則を伴う強制力のある規格表示基準が定められ、10月1日に施行されたところであります。
この基準の一部の開始を受けて、10月末に砺波厚生センターでは事業者に対する研修会を開催し、新たな基準や生食用食肉の取り扱いの留意事項について周知されるとともに、事業所すべての立ち入り検査による食品指導開始が実施され、特に年末食品の一斉取り締まりでは、肉類を取り扱う店を重点的に調査されているところであります。
また、空気が乾燥する冬期間にはノロウイルスによる食中毒も危惧されることから、今後市といたしましては、広報及びホームページや出前講座等の健康教育を通じまして、食中毒予防の情報提供を行うなど、市民の皆さんと食品関連業者並びに行政がおのおのの立場で食の安全に関する注意を払い、二度と食中毒による悲惨な事件が起きないように関係機関と連携を密にして取り組んでまいります。
次に、2点目の庄川A重油流出事件対策についてでございますが、8月に発生しました庄川上流の油流出事故につきましては、管理者は国土交通省富山河川国道事務所であり、水質汚濁防止法の監督官庁は富山県でありますが、市といたしましては、その影響の拡大を懸念し、事故発生の連絡を受けた後、速やかに周辺の排水調査や井戸調査を実施するなど、被害拡大の防止と原因調査に努力したところであります。
その後も油流出状況の確認と周辺の地下水の監視を続けてまいりましたが、このたび12月8日に管理者である富山河川国道事務所により、事故の収束が宣言されたものであります。
なお、市といたしましても、宣言を行った後も富山河川国道事務所が油吸着フェンスを設置して本流への流出を防止することを確認いたしております。
水質汚濁事故に関する今後の対応につきましては、従来からマニュアル化されており、情報の通報、連絡を含めて行政機関との対応についても明記されていることから、今後とも、消防、警察、富山県、関係市、公共用水域管理者との連絡を密にし、迅速に対応してまいります。
次に、3点目の今後発生することに対する姿勢についてでございますが、今回の事案のように、一義的には市が行う事務でない場合につきましても、市で起きる各種の事件については、市として積極的に情報収集に当たりまして、市民の安全と安心確保のために最大限努力を払う必要があると考えております。
したがいまして、この事案の性質によりますが、市において直接的に事務を執行する所管課が明確でなくても、対応が必要と考える場合には、砺波市行政規則第2節の各条項に基づきまして、意思決定協議の場である庁議を招集し、その所管の部や課を決定し、対応してまいります。
社会が成熟し、複雑化する現代におきましては、議員御指摘のとおり、既存の執行体制が必ずしも十分でない事態も想定されますので、必要に応じて全庁的な対応体制が緊急プロジェクトチームの設置なども含め、事案に照らし、その都度柔軟に対応してまいりたいと考えているところであります。
次に、4項目めの安全・安心の砺波医療圏づくりについての御質問の2点についてお答えをいたします。
最初に、現在の状況と、その中で課題等について御説明をいたします。
現在御指摘のとおり、砺波医療圏は砺波市、南砺市、小矢部市の3市で構成され、その中には4つの公的病院があります。その中で、市立砺波総合病院は中核病院としての役割を担い、急性期医療を中心とした2次及び2.5次救急医療体制が確立されていますが、他の公的病院では医師不足により診療科が限定されるため、市立砺波総合病院への慢性期や回復期の患者さんも多く訪れ、医師の疲弊につながるなどの問題が起きております。
そのため、こうした課題を協議するため、平成21年10月に砺波医療圏地域医療検討会を設置し、昨年1月には緊急医療体制のあり方についての中間報告を受け、砺波医療圏での救急搬送体制のルールを策定したところであります。また、現在は10年後のビジョンの中で各委員の皆さんから提言をいただき、公的4病院と3市医師会相互の機能分担について取りまとめが行われております。
一方、全国の多くの自治体病院は、新医師臨床研修医制度の導入による医師の都市部への集中や、産科医、小児科医の不足などによる医師の偏在化が進み、医師の確保が困難な状況が続いていることや、国の長年にわたる医療費の削減施策によりまして、診療報酬の引き下げの影響で経営成績や財政状態の悪化を招いており、極めて厳しい運営状況にあります。
そのため市立砺波総合病院と南砺市では、それぞれの病院改革プランを策定し、経営の効率化や病院間の機能分担について検討が進められております。
そうした中で、砺波市と南砺市の3つの公的病院を砺波広域圏事務組合で経営してはどうかとの御提案でございますが、現在それぞれの市で方向性を検討されている段階であり、各市の事情が大きく違うことなど、砺波医療圏には小矢部市も含まれていること、高齢化率に差がある中、砺波市の財政負担がどのようになるかが不透明なことなどから、直ちに協議することは大変難しいことがあろうかと思っております。
一方、医学、医療の進歩と幅広い医療ニーズに対応をし、限られた医療資源の中で市民が満足できる安全で質の高い医療を提供していくこと、医師の確保や財源面において、一医療機関には限界もあり、なかなか困難な時代になってきたものと考えております。
そこで、議員が述べられているように、砺波医療圏の砺波市、南砺市、小矢部市の枠組みの中で民間医療機関も含めまして、各医療機関の役割分担と連携促進による地域医療を検討していくことが必要なことと考えております。そのため、現在、医療情報の共有化を図るため、医療情報連携システムの構築を3市で進めているところであります。
一方、自治体病院の機能再編を行うことには、近隣の自治体病院の医療機能が縮小したり、診療所になったりすることにつながる可能性があり、このことは住民の皆さんの不安を増すことや、遠方の医療機関への受診を余儀なくされ、通院手段や時間、経費の増加や地域の中核病院への患者集中も予想されることから、慎重に検討する必要があると考えており、今後とも、住民の皆さんの医療ニーズに即したものにしていくことは課題になると考えております。
今後、砺波医療圏内の地域医療のあり方につきましては、現在設置しています砺波医療圏地域医療検討会で協議を行いながら住民の皆さんの理解を得た上で進めてまいりたいとこのように考えております。
次に、5項目めの「はやぶさ」の展示から宇宙ステーション、星出飛行士との交信プログラムについての御質問のうち、1点目、「はやぶさ」展示から宇宙ステーション、星出飛行士との交信プログラムについてお答えをいたします。
今年の第60回チューリップフェア期間に「はやぶさ」の展示会を開催し、2万人を超える入館者を迎えました。特に初日には、市内の小中学校、高等学校、特別支援学校の児童生徒を招待したことにより、宇宙に関する科学技術に関心を寄せる絶好の機会となったものと考えております。
また、先月11月22日には、国際宇宙ステーションに5カ月半、長期間にわたり滞在し、任務を終えられました宇宙飛行士、古川聡さんらが宇宙船ソユーズで地球に帰還され、大きなニュースとして世界中に報道されたところであります。
お尋ねのありましたこのたびのJAXAの募集は、平成24年6月から11月末までの期間で、国際宇宙ステーションに滞在する日本人宇宙飛行士、星出彰彦さんと、日本の児童生徒や先生方がリアルタイムで交信し、宇宙ステーション「きぼう」を教室として、地上との違いを実演するなど、宇宙環境を効果的に利用した教育を行うというものであります。
全国で4件程度しか許可されないという難関でありますが、砺波市としては、小・中学生の宇宙開発への関心を高めるよい機会ととらえ、このイベント応募にチャレンジしたいと考えておりますので、御支援をお願いしたいと思います。
次に、2点目のチューリップ公園のビオトープ化構想で豆博士づくりについてでございますが、チューリップ公園は、野外ステージや池がある新又口用水の西側の区域5.4ヘクタールは昭和61年に完成し、その後、東側に拡張し、現在四季を通じて市民が憩い、楽しめる公園として整備してまいりました。
整備してから20年余り経過し、現在は樹木や植物も成長し、植生も落ちつき、周辺環境にもなじんだことで、議員も触れられたとおり、蛍の鑑賞会も行われ、子どもたちの自然学習の場となっております。
御質問のビオトープ化構想につきましては、砺波都市公園整備計画に基づき整備されたものでありますので、基本的な考え方は踏襲しながら、公園全体の修景を考慮の上、今後必要とする修理、修景等を行う際には、子どもたちの科学する心が育めるよう親水性のある水辺空間の整備に努めてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
次に、3点目の郷土資料館と田園空間ミュージアムとの融合でございますが、歴史文化の豆博士づくり、情報発信についてでございますが、郷土資料館と田園空間ミュージアムが融合すればいいのではないかという意見でありますが、となみ散居村ミュージアムは、農林水産省の田園空間整備事業の補助金を受けて整備された施設でございます。また、施設の事業につきましては、県、砺波市、南砺市とで協定を結び、となみ野田園空間博物館推進協議会で企画、運営をしておりますので、関係機関と調整を図りながら協議を進め、今後指定管理への移行とあわせて施設運営のあり方について検討していきたいと考えております。
なお、現在、郷土資料館及び砺波散村地域研究所がとなみ散居村ミュージアムと連携を行っている歴史文化の情報発信などの取り組みは3つございます。1つには、郷土資料館に収蔵している古文書を改正する古文書講座の散居村ミュージアムでの開催、2つ目には、市内小学6年生の郷土学習として来館したふるさと探訪において、民具館へ展示している砺波の民具について郷土資料館の学芸員による解説、3つ目には、砺波高校1年生が実施し、郷土の歴史を学習するふるさと学習巡検において、砺波散村地域研究所から講師を派遣して、散村の成り立ちについての講義を行うといった、いずれも郷土と歴史と文化を親しみ、学ぶことで好評を得たところでございます。
引き続き、議員御提案の歴史と文化の情報発信については、子どもたちが砺波の歴史、文化の豆博士として育つように、ふるさと学習を含めた郷土の歴史や文化について学ぶ講座等を連携して企画、実施し、広報となみ、市ホームページ、ケーブルテレビなどを通じて、市民の皆さんにその内容やよさをPRしてまいりたいと存じます。
以上、堀田議員の御質問の答弁といたします。
◯議長(稲垣 修君) 再質問につきましては、答弁漏れについてのみ許可をいたします。
19番 堀田信一君。
〔19番 堀田信一君 登壇〕
◯19番(堀田信一君) 上田市長には、懇切丁寧に御答弁をいただきましてありがとうございました。また、宇宙ステーション等のことについても御答弁いただき、大変子どもたちもうれしく思うのではないかと思います。
私のお話ししたことで少しお願いしたいのは、例えば、まず、小水力の問題もあるんですが、確かにいろいろ、いや、難しいのではないかなということもございましたが、実は、私自身もまだまだ調査中ですが、一番小水力を研究しているのは富山県だと、このように学者も言っております。富山県立大学にも相当の情報もありますし、国際大学も持っていらっしゃいますので、ぜひひとつ今後研究していただきたいという気持ちがあります。
それから、人事評価の件についてなんですが、かねがね、一生懸命やった人も、普通にやった人も、手を抜いた人もみんな一緒でいいのか。民間はどうしていますでしょう。上田市長も民間の御経験もございますが、その中でやはり職員のスキルアップ、緊張感を持って、そして、市民のために頑張る、そういうようなエネルギーが出るような評価の仕方をちゃんと取り入れている市町村もございます。
これは100点を望むことは絶対にまず難しいと思います。いろんな感情もあるかもわかりませんが、これは、私も調べていますが、平成19年からしっかり職員も各市に出かけて資料をとってきています。私もどのような調査をされたかもその市からも聞いておりますが、もう熟してきた時期ではないかなと。財政が大変なときに、やはりすばらしい職員をつくっていく、そして、また、すぐれた職員にはそれなりのポイントを加算する、こういうようなシステムをぜひ早くやっていただかないとだめではないかなと思っております。
もう一点、庄川のA重油流出事件でございますが、私も1つ申し上げましたのは、原因をつくった人、原因をつくった宿泊旅館というものが、何の陳謝もない、何の説明もない、記者会見もしていない、これでいいんでしょうか。
私は、砺波市がかかわっているのなら、砺波市の企業であるのなら、やはり企業の倫理性、こういうものをちゃんと訴えていって、諭していって、ぜひひとつ早く、そういうものはどういう原因でどうなって、それをどう対処したのか、やはり私は企業たるものはそういうようなことをするのが、私は当然ではないかと。今、そういう法令順守を含め、企業のモラルが問われているのであり、その点をぜひひとつ進めていただきたいし、この点について御答弁をお願いしたいと思いますし、もう一点、ちょっと申し上げておきますのは、砺波医療圏関係のことを申し上げました。
実は、私、若手の医師、診療所の医師、いろんな方々にも、実は3市の医師にも聞きました。堀田さん、なかなかそれ、難しいかもわからんけど、早く私たち、賛成ですねと、やっぱり役割分担をしていく、それから、高齢化社会にどうしていくか。
確かに上田市長が言われたいろんな問題もあると思うんですが、これ、調査研究を私はぜひ進めていく時期が来たのではないかなと、これを私、要望で申し上げまして、再質問といたします。
◯議長(稲垣 修君) ただいまの再質問4点につきまして答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 第1点目の小水力発電につきましては、御案内のとおり、安川にある小水力発電は、県下に先駆けてつくられたことはよく御存じであると思います。なお、また、今2カ所やっておるわけでございますし、砺波市というのは、そういう意味で一番小水力発電の立地の数が多いのではないかと、このように思っておるところでございます。
そういう面で可能性も私は多分にあるんだろうと、このように思っていますが、先ほど答弁をいたしましたとおり、今調査の段階でございまして、明確な形で見えてこないのに、全国大会を開催することは極めてまだその時期じゃないということと、先ほど申しましたとおり、黒部で今年あったので、全国から希望しておる中で富山県だけというのもいかがなものかなと。もっと機が熟したときに手を挙げて、しっかりした全国大会を開催したほうが望ましいんじゃなかろうかな、このように思っておりますが、その点御理解をお願いしたいと思います。
それから、人事評価制度でございますが、御指摘のとおり市民の皆さんの目から見れば、市役所の職員は何をやっておるんだと、どうしておるんだというような陰の声も私も事実聞いておるんですが、しかし、それだけ、心して職員の人事評価をしっかりやっていただいておると思っております。
もちろんその報告書も私もいただいておりますが、しかし、人が人を評価するというのは極めて難しい問題であると思います。こういう点は十分に公正に公平に扱わないといけない問題でございますし、仕事の難易の問題があると、大変難しい問題にかかわれば、なかなかその成果が見えてこないという面でもあります。
なかなかそういう面で私、大変難しい問題であると、このように考えておるわけでございますが、いずれにしろ先ほども答弁いたしましたとおり、ほかの市町村の取り組み方を見て、その上でいいところを学び、より公平に人事評価ができ、その目的は職員がやる気を起こさせることである、このことに尽きるんじゃないかと、このように思っておりますので、この点を御理解お願いいたしたいと思います。
それから、次の庄川の油の流出事故でございますが、国の富山県国道河川事務所の見解は、原因がはっきりしないというような判断を下されました。まさにそのことは、我々とすれば、当事者に追及の余地がないと、このように判断したわけでございまして、その点はひとつ御理解をお願いしたいと思います。
そういう面で、二度とこういうことの再発が起きないように、いろいろと関係機関と協議しながら再発防止に努めてまいりたいと、このように思っておりますので、その点御理解をお願いしたいと思います。
それから、砺波の総合病院の広域圏で病院経営をやったらどうかという御質問でございますが、消防のたぐいと若干違うということだけは御理解をお願いしたいと思います。極めて命にかかわる問題であるということと、やはり医療というのは今は大変な疲弊をしてまいっておりますし、なかなか難しい問題もありますし、高度な医療を要求される場合もございます。
さまざまな状況の中でどうやっていくかというのは大変頭の難しい課題でございますが、今取り組んでおる3市で公立病院と、それと医師会と、そして厚生センターにも入っていただいて、行政も入って、どういう形が砺波医療圏の、14万人の命を守るというのはどういう体制が一番いいのか十分に協議しながら、よりよい形に取り組んでいくことが当面する大きな課題であろうと思います。
そういう中において、各市において、また、いろいろ持ち帰っていただいて、御検討願うことが一番最上の策であると、このように思っておるわけでございまして、ただ、やっぱり救急医療というのは大変十分責務のある仕事でございますので、その体制を砺波総合病院で担っていかなきゃならないという、大変そういう課題もございます。それだけに私ども、小児科の問題もございます、産科の問題もございます、そういうものは一手に砺波総合病院が引き受けていかなければならんという責務があるわけでございまして、砺波の総合病院の責任は極めて大きな責任がついて回っておるということだけは我々は心しておかなければならないのかなと、このように思っておりますので、今後の課題として、また参考にさせていただきますが、当面は3市で十分に協議してまいりたいと、このように思っております。
以上です。
◯議長(稲垣 修君) これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
7番 今藤久之君。
〔7番 今藤久之君 登壇〕
◯7番(今藤久之君) 発言の許可をいただきましたので、市政一般に関する質問と若干の意見を述べさせていただきます。
最初に、水道事業についてお尋ねいたします。
過日の新聞報道によりますと、砺波市では来年度から上水道課と下水道課を統合する方向で検討に入ったとあります。これは行財政改革の一環として考えられているものと感じております。国も地方自治体も組織と機能の改革を推進して行うことは必然であり、当市におきましても、さまざまな行革手法が取り入れられているところであります。このこと自体に異を唱えるものではありませんし、当然のことながらスピード感を伴って断行されるべきであると考えるものであります。
さて、上水道課と下水道課の統合は、恐らく業務の合理化と職員の適正配置、削減などを目的として、組織論からの発想がその出発点となっているのではないかと思われます。しかしながら、例えば会計一つにしましても、水道事業は公営企業会計であり、一方の下水道事業は特別会計と異なっております。事の順序を考えた場合、会計の統一を先に、あるいは組織統合と同時進行すべきではないかと考えるものですが、いかがでしょうか。
そこで、まず、このことも含めまして、どのような統合をお考えなのか、その基本的な考え方とメリットについて、砺波市行政改革推進委員会委員長である副市長に御答弁いただきたいと思います。
次に、平成24年度から予定されている水道料金の統一についてお尋ねいたします。
水道料金に関しては、平成16年11月の旧庄川町と旧砺波市の合併以来、1市2制度解消のため、これまでも段階的に調整を行ってまいりました。料金体系そのものが異なっていたことからも、ここに至るまでの道のりは平たんなものではなかったと思われます。
このたび、平成24年度6月検針分から水道料金の統一が図られるとのことですが、使用者負担の公平化の観点からも、実に喜ばしいことであります。過去に段階的な調整を行ってきた経緯もあり、心配は無用であるのかもしれませんが、上水道料金統一に伴う準備は整っているのでしょうか。電算機のソフトウエア変更なども含め、市民の皆様への告知についてもあわせてお聞かせいただきたいと思います。
次に、上中野配水池についてお尋ねいたします。
ちょうど1年前になりますが、私は、昨年の12月定例会でこのことについて質問をさせていただきました。要約いたしますと、砺波市水道ビジョンによれば、上中野配水池更新時期は、平成25年度から26年度となってはいるが、平成23年度に安川配水池が更新を終えることを受け、更新計画を1年前倒ししてはどうかというものでした。
それについての市長答弁は、砺波市水道ビジョンによれば、平成25年度、平成26年度の2カ年で築造する予定であるが、既に40年以上も経過をしており、容量を増やすとともに、耐震性能を有した配水池とする必要があり、内部保留金と起債を有効活用し、1年前倒しをし、平成24年、平成25年度の継続事業としたいとのことでありました。
上中野配水池は市内の主要配水池でありますし、安心・安全、安定、継続の見地からも、答弁にありましたとおり、平成24年度からの前倒しでこの事業を推進していただきたいと願うところであります。
現在、平成24年度の予算編成作業が進められていると思われますし、今定例会初日にありました市長提案理由説明の中でも、更新・実施設計業務が完了しているとのことであります。そこで、このことに関しての進捗状況と今後の予定についての詳しい御答弁をお願いいたします。
この項目の最後に、休日等の対応についてお尋ねいたします。
言うまでもなく、水道は市民にとって最も重要なインフラの一つであり、生活に欠くことのできないライフラインであります。それはとりもなおさず年間を通しての安定した供給が求められるということにつながるわけであります。万一の事故が発生したときには、迅速な復旧が求められるものでありますが、土曜日、日曜日、祝日、また、夜間や年末年始等の休庁期間における対応は現在どのようになっておられるのか、お聞かせください。
次に、大きい項目の2点目、福祉と介護についてお尋ねいたします。
高齢化、核家族化という傾向もあり、結果としてひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯が増加しております。統計によりますと、日本の高齢化率は、1935年の4.7%が過去最低であり、その後、1950年から1979年までの出生率低下によって、日本社会の高齢化に拍車がかかったと言われております。また、それ以降も医療技術の発達等による死亡率の低下や少子化等の要因が複合的に絡み合い、現在も高齢化率は上昇し、2010年には23.1%となっております。
一方、砺波市の高齢化率は24.1%であり、4人に1人が高齢者となっています。これは、砺波市民が4人いれば、1人は65歳以上ということであります。
また、地域のつながり、家族のつながり、職場のつながりなどがそれぞれ希薄になってきており、地縁、血縁、社縁の崩壊から無縁社会とまで比喩される時代となってきております。わずか二、三十年前には日本全国どこにでもあった、困ったときはお互いさまという隣近所の助け合いの心や、いたずらをした子どもがこっぴどくしかられる近所のおじさんの存在等々、日本の社会と日本人が持っていた結という考え方、ある意味これを美徳と言えば言い過ぎなのでしょうか。
さて、最近では人と人との支え合いや地域での支え合いが薄れ、自己中心的になってきているとか、地域コミュニティーが薄れてきているなどとよく言われます。しかしながら、本年3月に起きた東日本大震災での大きな教訓の一つに、地域におけるきずなの大切さの再認識が挙げられます。比較的良好なコミュニティーが維持されていると感じられる砺波市ですが、市としては、今後地域福祉をどのように推進されていかれるのかをお聞かせいただきたいと思います。
また、砺波市では社会福祉協議会とともに8月末から10月の約2カ月間にわたり、市内全地区で地区懇談会を開催し、地区の意見を聞かれましたが、どのような意見が出され、今後、それをどのように具体化されるのかについても、あわせて御答弁願います。
次に、介護の推移と認知症についてお尋ねいたします。
日本の高齢化は世界に類のないスピードで進んでいると言われております。そのためほかに参考とする国がなく、自らが考えながら進んでいくことが求められるわけであります。介護はもともと家族介護が中心でありましたが、介護保険制度以降は社会全体で見る社会的介護が登場いたしました。この制度を端的に説明しますと、40歳以上の全員から介護保険料を徴収し、原則65歳以上で要介護状態になった場合、介護保険サービスを1割の自己負担で受けることができる仕組みと言えるのであります。
平成12年にスタートした介護保険制度の利用者は、平成12年度では10人に1人の認定を受け、実際には12人に1人の割合で使われていました。これが10年を経過した平成22年度では、6人に1人が認定を受け、7人に1人が実際に利用されております。このことは利用される家庭でも、制度当初は世間から親不孝と言われないかなどと後ろめたい気持ちが強かったが、制度そのものが社会的に認知されることにより、そのような気持ちが徐々に薄れてきたことのあらわれであろうと思われます。
現在、砺波市でもサービス事業所が増加し、市民の介護保険利用に対しての抵抗感も少なくなり、年々利用者が増加していますが、現状はどうなのでしょうか。また、今後さらに高齢化が進むことは避けられませんが、どのようなサービスが求められ、不足しているサービスは何であるのか、それに対し、今後どのように対応していかれるのでしょうか。
介護療養型医療病床の廃止が6年間延長となり、現行の介護施設は当面維持できることとなりましたが、介護施設の飛躍的増加が見込めない中、今後さらに進む高齢化にどのように対処していかれるのでしょうか。また、在宅で介護している場合、介護のみならず、医療や福祉との連携は不可欠と考えますが、砺波市で設置された地域医療・福祉を考える会では、どのような議論がなされているのかをお聞かせいただきたいと思います。
次に、認知症についてお尋ねいたします。
食べたメニューを思い出せないのは物忘れで、食べたこと自体を覚えていないとなれば認知症の疑いがあると言われております。だれもが最後まで自分らしくありたいと望んではいるのですが、この願いを無情に妨げ、超高齢社会を迎えるに当たり、大変深刻な問題となっているのが認知症であります。日本全体では認知症患者は約200万人いると言われており、65歳以上の高齢者の六、七%は認知症とのことであります。砺波市においては、65歳以上の高齢者の1割は認知症であり、全国平均よりも高くなっているとお聞きしております。
現在、この認知症に対しての対応はどのようになさっているのでしょうか。徘回などの認知症も多くなってきているとのことですが、地域で支える体制づくりが必要ではないでしょうか。その体制づくりには個人情報の問題も出てくることが予想されますが、どのように考えておられるのかもあわせて御答弁願います。
続きまして、大きい項目の3点目、空き家対策についてお尋ねいたします。
本格的な少子高齢化時代を迎え、進学や就職での若者の流出が拍車をかけることにより、砺波市では今後ますます空き家が増加するのではないかと私は懸念しております。管理の行き届かない空き家の増加は環境面での悪影響だけではなく、不審者が出入りすることや不審火の発生など防犯上の問題、あるいは災害時の危険や地域コミュニティーの崩壊、さらには現在砺波市が力を注いでいる景観や観光面にも大きな影を落とすこととなります。
市でもこれを重要な課題ととらえられ、多くの市民にこの課題についての共通認識を醸成していただき、今後の方策を考えることなどを目的として、先月12日にとなみ散居村ミュージアムにおいて空き家利活用シンポジウムを開催されたと理解しております。
このような中、現在、自治振興会とNPO法人土蔵の会で空き家実態調査が行われているとお聞きしています。私の住む柳瀬地区でも想像を超える戸数があったとも聞き及んでおります。その調査内容については、単純に戸数だけではなく、建物そのものの情報や空き家所有者の意向なども含まれているとのことですが、この調査の結果は出たのでしょうか。また、この調査結果からどのようなことが考察されるのかをお聞かせいただきたいと思います。
私は、この問題における最大のかなめは所有者の意識であると考えております。所有者の多くは遠隔地に居住しており、空き家で放置しておくことに何の不便も感じず、空き家のある地域の心配や迷惑を認識していないというのがその理由であります。市としてもさまざまな施策を試みておられ、一定の成果は期待できると思いますが、現在ある空き家と今後さらに増加するであろう空き家の多くを網羅するには限界があるのではないでしょうか。
報道によりますと、昨年7月に全国で初の条例を制定した埼玉県所沢市では、管理不十分な所有者に必要な措置を指導、命令し、応じない場合には所有者名を公表するとしたところ、条例施行前は年に一、二件だった自主撤去が14件に増えるなどの効果があったとのことです。また、行政代執行費を所有者に支払わせる条例制定をしているところや、その上、さらに過料を徴収する条例を定めているところもありますし、条例制定を検討している地方自治体も多くあるとのことです。
本来であれば、国が指針を示し、法制化することが望まれる事例なのでしょうが、ここに及んでは個人情報や財産権の保護というハードルを乗り越え、砺波市でも地域柄に応じた条例の制定を検討すべきではないでしょうか。市長の見解をお聞かせください。
最後に、スポーツ少年団活動について質問いたします。
先日、夜の9時を過ぎた時間にコンビニエンスストアへ買い物に行きました。小学生のお子さんを連れた知り合いの親御さんがおられたので声をかけたところ、スポーツ少年団の練習帰りとのことでした。こんな遅い時間まで練習や送迎は大変ですねと言い、帰宅したのですが、大きな疑問を持ちました。
早速小学校で活動状況をお聞きしたところ、放課時間については、夏場は4時半ごろで、冬場は4時ごろとのことでした。しかし、指導者の仕事の関係から、実際のスポーツ少年団の活動は5時半ごろから開始し、7時半とか8時とかに終了しているところが多いとのことで、例外的に6時ごろから始まり、9時ごろまでの練習を行っているところもあるとのことでした。
さまざまな考え方はあるのでしょうが、私は、小学生のスポーツはスポーツの入り口で、楽しさや礼儀、あるいは団体競技であればチームワークなどを学ぶ機会ではないかと考えております。体も成長過程で、厳しい練習は無理があるとも思っております。しかし、実際のところは勝利至上主義の指導者がおられたり、熱心過ぎる御父兄の協力があったりで、いつの間にかこのような状況になってきているのだと思われます。
各小学校の教頭先生と指導者との語る会もあるとのことですし、指導者の研修会もあるようですが、学校側も指導者の方々がボランティアでなさっていることから、腰が引けているようにも感じました。いずれにしましても、小学生本来の正しい生活習慣や生活時間帯からは外れているのではないかと感じるものであります。
私が今ほど申し上げた事例はほんの一部のことであるのかもしれませんし、これは直接学校の行っている活動ではありません。しかし、児童の生活全般にかかわることであり、市の所有するグラウンドや体育館等の施設で行われる活動でもあり、スポーツ少年団が改善の自浄力を持ち合わせていないのであれば、補助助成も行っている教育委員会が実情の把握をして、その活動の指針を示し、指導を行うべきだと考えるものであります。教育長の御所見をお聞かせくださるように申し上げまして、今回の質問を終えさせていただきます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 今藤議員の空き家対策についての御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の空き家実態調査の結果と考察についてでございますが、空き家実態調査は、NPO法人砺波土蔵の会とまちづくり協働事業で実施した空き家調査の結果をもとに、今年度砺波地区自治振興協議会に御協力を賜り、市内全地区の空き家の所在地、家屋の所有者、管理者の連絡先、家屋の形状、現状などについて詳しく調査を行っていただいたところでございます。調査の御協力に対しまして深く感謝を申し上げる次第でございます。
そして、空き家実態調査により判明した所有者または管理者の方に、現在、建物の概要、空き家、土地所有者の考え、管理で困っている内容などのアンケート調査を行っているところでございます。
現時点での空き家実態調査、アンケート調査の結果概要につきましては、市内21地区のうち、20地区から調査表が提出されまして、299軒の空き家の存在が確認をされました。そのうち、住所が確定した所有者233軒にアンケート調査表を送付し、現在133軒回答があったところでございます。
空き家実態調査では、良好な空き家が109軒、アズマダチやマエナガレなど伝統家屋の空き家の存在が100軒余り報告をされております。また、アンケート調査では、平成に入ってからの空き家が90軒余り、月数回または年数回管理されている空き家が70軒余り、築年数30年以上の空き家が90軒余り、売却または貸し付けを希望されている空き家も47軒確認をされております。土地や家屋管理で困ることは、除草、家屋修繕が多く、90軒余りの回答が報告をされております。
この空き家実態調査及びアンケート調査から推察されることは、比較的良好に管理されている空き家も多く存在し、売却または貸し付けを希望される方も多数いらっしゃるということであります。
この調査結果をもとに、空き家利活用調査研究委員会において有効な空き家の利活用策として検討された空き家の流通組織を図り、移住、定住につながる空き家情報バンクの運営に向けて検討を進めているところでございます。
当市に移住、定住を希望される方に地域情報や生活情報等も含めた空き家の情報の提供と、砺波野暮らし体験の支援を図ることにより、移住・定住者が増え、地域の活性化に結びつく有効な空き家利用策を考えているところでございます。
次に、2点目の空き家条例制定についてでございますが、まず、例示をいただきました所沢市の空き家対策の条例は、一言で申し上げますと、老朽化や自然災害などによる倒壊や建築材の飛散等による危険、あるいは不特定者の侵入などによる火災、犯罪の誘発のおそれがある状態を管理不全な状態と定義した上で、空き家所有者に適正な管理を義務づけるものであり、市はその状態に応じ、必要な措置について助言指導を行う指導及び勧告を行い、それでも問題解決を見ないときは措置命令の手続を経て、その事実を公表することを可能とするものであります。
また、本年9月に松江市は、この趣旨に加え、管理不全な状態を明示するとともに、行政代執行や措置命令の不履行に過料を科す規定を盛り込んだ条例を制定し、市域の空き家を生かしたまちづくりや中心市街地におけるにぎわいづくりにも目指すものと聞いております。したがいまして、これらは管理不全な状態の空き家の問題の解決に主眼を置き、あわせて良好なまちづくりを行うという空き家対策の一つであると考えております。
これまで空き家に関する議会答弁の中で何度か述べてまいりましたが、空き家が近隣に迷惑をかけるような状態となったときに、その解決で最も期待できるのは、まずは身近な地縁を生かした対応ではないかと思っております。
自治振興会などを中心とした地域の自治組織がしっかりとした運営組織を持ち、活発に活動しておられる本市の地域力は、他の地域ではなかなか見られない特徴であり、砺波らしさの一つとしてとらえております。
そこで、あまり性急な強権的な行政手法によって解決を目指すのではなく、まずは地域の方々から働きかけを行っていただくほうが、空き家所有者への合意も得られやすく、解決に向かう場合が多いのではなかろうかと感じているところでございます。
しかし、地域コミュニティーのありさまはさまざまであります。地域の皆さんがそのような地域力で解決できないことも多いとなれば、御提案のような対応も考慮しなければなりませんので、御提案の事例につきましてはよく研究をさせていただきまして、砺波市においてはどのような理念を中心に据え、市と市民が担う役割はどのようなことで、いかにすれば効果的に取り組むことができるかなど、さらに検討を深めてまいりたいと考えております。
また、一方で、地域の活性化につながる空き家対策としては、所有者の合意を前提に、新たな管理者としての使用者を発掘することも重要でないかと考えております。市民協働事業として実施している空き家調査の結果をもとに、まずは所有者と利用希望者のニーズを取り持つ新たな空き家情報バンクの運営について具体化を進め、新年度において実行に移してまいりたいと考えているところでありますので、各位の御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては副市長並びに教育長並びに担当部長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
副市長 柴田敏秋君。
〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕
◯副市長(柴田敏秋君) 今藤議員の水道事業についての御質問のうち、上水道課、下水道課の統合についてお答えいたします。
まず、平成16年の砺波市庄川町の合併を経まして、行政改革の中核を占めるテーマであります職員数の適正化につきましては、ほぼ計画どおりに進捗しておりますし、組織機構の見直しにつきましても、市の業務内容の変動等を見極めながら、その都度組織の見直しを進めております。
御質問の上水道課と下水道課の統合につきましては、御指摘のとおり、砺波市行政改革大綱に掲げております業務の合理化及び職員の適正配置等を目的とした組織機構の見直しの観点から、砺波市行政改革推進委員会において検討を重ねているものであります。
これまでの検討では、統合のメリットとして、まず、管理部門や窓口業務を一本化することにより、事務経費の節減や料金収納事務の効率化が図られるほか、市民の皆様からの届け出や相談などについても、迅速かつ利便性の高いサービスの提供が可能になると考えております。
また、工事手続におきましても、関連する工事現場の緊密な連絡が可能になり、業務の軽減や工期の短縮が見込めること、専用申請などにおいて、関係機関との調整が容易になること、施設管理等の現場対応においても、効率化が図られることなどが期待されると考えております。
さらに、上水道と下水道はともに市民生活に直結したライフラインでありますので、危機管理の観点からも、上水道、下水道に関する迅速で一体的な情報収集と災害対応などが期待できると考えております。
そこで、会計の統一を先に、あるいは組織の統合と同時進行すべきではないかとの御指摘でございます。議員の御質問のとおり、水道事業と工業用水道事業については公営企業会計、下水道事業については特別会計と、会計処理の方法が異なっております。
しかしながら、下水道事業についても、事業の計画性や透明性の確保、使用料で賄うべき経費と公費で賄うべき経費との明確化などの観点からは、企業会計方式による財務諸表等の作成が有効でありますので、近年、下水道普及率の向上とともに、特別会計から企業会計へ移行する自治体が徐々に出てきております。
当市におきましても、今後、普及率の推移を見ながら、下水道特別会計の企業会計への移行を検討することも視野に入れておりますので、課の統合により両会計を1つの課で処理することは、より円滑な移行にもつながるものと考えております。
このように、より効率的、効果的な業務運営や市民サービスの向上につなげようとするものでありますので、今後の方向性に御理解を賜りたいと存じます。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
教育長 舘 俊博君。
〔教育長 舘 俊博君 登壇〕
◯教育長(舘 俊博君) 今藤議員御質問の項目4、小学校のスポーツ少年団活動についてお答えをいたします。
まず、1点目は、実情の把握についてでありますが、現在市内には13の単位スポーツ少年団があります。各団の活動は、平日について見ますと、午後4時30分から午後9時までの時間帯に行われており、活動時間は1時間30分から2時間の練習時間となっております。練習日も週2日ないし3日であり、日本スポーツ少年団が活動のあり方の中で、単位団活動の目安としては1日2時間から3時間程度、1週間に2日から3日が無理のない活動であるという見解を示しており、当市の活動状況は、量的に申しまして過重な練習とはなっていないものと考えております。
しかし、議員御指摘のとおり、スポーツ少年団の活動は小学生としての生活のリズムを崩さないように配慮して行うことは大変重要であると理解をしております。
また、指導者の皆さんの善意のボランティアに依存しているという実態から、指導者の仕事の関係で活動時間帯にはやむを得ないところもあり、スポーツ少年団本部では、保護者の理解のもと、子どもたちの安全確保のため、基本的に保護者による送迎をお願いしているものであります。
次に、2点目の活動指針を設けることについてでありますが、スポーツ少年団のあり方としましては、地域、学校、保護者等の協力を得ながらスポーツ活動を展開し、子どもたちの心と体の健康を保持し、体力の向上や社会性を身につけ、生涯にわたりスポーツをする習慣を養うことを目指しているというふうに考えております。
したがって、議員御指摘のとおり、スポーツ少年団活動を通して社会生活の中で必要となる礼儀や団体活動におけるチームワークを身につけることや、スポーツの楽しさや努力の結果としての勝利の喜び、反対に、一歩及ばなかった敗北の悔しさの体験の中から、相手や仲間の気持ちを思いやる心を育むことも重要な役割であると考えております。
勝利至上主義に陥ることなく、子どもたち本人の考え、健康、そして、学業などを考慮に入れ、無理なく幅広い活動を体験させるようにしてほしいと願っております。
スポーツ少年団本部や各単位団の指導者の皆さんは、研修会等で自己の資質向上や団の運営にも努力をされているところであり、数多くの制約がある中で最善の方法を模索されていると考えております。
そこで、スポーツ少年団の活動支援につきましては、日本スポーツ団の活動のあり方を基本とし、それぞれのスポーツ少年団において、団員の実態等を踏まえ、指導者と父母の会の皆さんが十分に協議され、検討することが望ましいと考えておりますので、今後、スポーツ少年団本部を通して働きかけていきたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、今藤議員の御質問のうち、項目2、福祉と介護についての2項目についてお答えをいたします。
最初に、地域福祉の進め方についてお答えをいたします。
議員御指摘のとおり、高齢化、核家族化が進み、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯が増え、一方では、互いに干渉しない自己中心的な社会となる中で、地域の支え合いは薄れ、最近では無縁社会とまで言われるようになっております。
当市においても、高齢者の方の約1,300人がひとり暮らしで、そのうち約500人の方は地域での見守りが必要となっております。一方、全国では、だれにもみとられずに亡くなる高齢者は年間1万5,000人を超えると言われております。
こうした中、当市では、比較的良好なコミュニティーがまだ維持されていることから、砺波市社会福祉協議会が中心となって全地区でケアネット事業を展開しており、隣近所の要支援者に対して地域の方がボランティア精神で支え合い、まさに向こう三軒両隣の支援を通して、だれもが安心して暮らせる地域づくりを目指しております。
しかしながら、まだ地域全体で支え合うという状況には必ずしもなっておらず、地区の福祉課題等については、地区福祉推進協議会の主なメンバーである民生児童委員や地区福祉推進員等の方に任されており、地域全体の問題として、地域の方々に共有されていないのが現状であります。
そのため、今後は福祉、介護等の問題を福祉関係者にだけ任せるのではなく、振興会などの自治会等の連携を強化して、地域福祉の課題や福祉情報を地域全体で共有できる体制を推進していくことが必要であると考えております。
次に、8月末から10月までの約2カ月間にわたり、社会福祉協議会と共同で実施した市内全地区での地区懇談会での意見と、意見を受けての今後の具体策についてお答えをいたします。
まず、今回いただいた意見の主なものといたしましては、認知症の相談や介護方法などの支援体制の強化を図るべきである、地域での情報の共有化を進め、体制づくりが必要である、自治組織と連携し、福祉情報を民生児童委員などと共有することが必要である、地区社会福祉協議会の役割を明確にする必要があるなど、約300件余りの意見が出されました。
こうした意見を受け、今後は地区の中で福祉を担う組織の位置づけを明確にし、地区の自治組織との連携を深めながら地域福祉をさらに進めるため、各地区に地域福祉コーディネーターのような役割を担う人材の設置を検討したいと考えております。
また、福祉推進員の研修会の開催や、現在庄東地区で実施しております地域医療・福祉市民リーダー養成研修会を他の地区でも実施し、地域のリーダーを養成するとともに、一人でも多くの方に福祉に対する理解を深めていただきたいと考えております。
次に、2項目めの介護の推移と認知症についてお答えをいたします。
議員がおっしゃいましたとおり、介護保険制度が始まって12年目を迎え、要介護認定者は、今年の11月末には2,232人と、平成12年度末の2倍になるなど、今日の社会において欠くことのできない制度として定着しており、それと同時に、サービスを受けることへの抵抗感が薄れ、広く利用されるようになっているものと考えております。また、一方で、制度の普及に伴い介護給付費、保険料などの負担増が問題となってきております。
介護サービスの利用状況ですが、平成12年度の1年間の延べ利用者は1万4,563人、介護給付費は16億9,237万4,000円でありましたが、平成22年度には、1年間の延べ利用者は2万900人、介護給付費は34億3,891万6,000円となり、それぞれ1.4倍、2倍の伸びとなっております。中でもデイサービスが特に大きく伸びており、そのほかショートステイ、グループホーム、デイケアなども2倍を超える伸びとなっております。
今日の施設介護から在宅介護への流れや介護給付費の負担、保険料への影響を考えますと、介護施設を増やすことは極めて難しい状況であり、より一層の在宅サービスの充実が必要となってきます。
その中で、現在、市民の皆さんからの要望が高く、不足していると思われるサービスといたしましては、緊急時や介護者の負担軽減を図るためのショートステイサービス、今後増加が見込まれる認知症高齢者のグループホームの整備などがあります。現在、在宅介護を進める上で、来年度から新たに実施される要介護度の高い利用者に対する24時間対応型訪問介護・看護サービスも早急に整備する必要があると考えております。
これらのサービスにつきましては、砺波地方介護保険組合で策定中の第5期介護保険事業計画において、早期の整備について調整を進めているところであります。
また、議員御指摘のとおり、在宅介護における医療、福祉、介護の連携は、在宅介護を円滑に行うために不可欠であり、この連携をより一層推進する目的で、本年度において地域医療・福祉を考える会を設置し、これまで代表者会議を1回、実務者会議を3回開催し、協議を行っております。
実務者会議では、これまで病院と診療所の連携、在宅介護の体制づくり、認知症の方への対応について議論を行っております。今後はこれまでの議論をまとめ、砺波市の医療、福祉、介護の連携強化について具体的な施策を検討し、地域包括ケア体制を進めてまいりたいと考えております。
次に、認知症の対応についてお答えをいたします。
当市では本年10月末現在で、介護認定者2,232人のうち、1,385人の方に認知症状が認められており、65歳以上の高齢者の11.6%となっております。
現在、市では市内5つの日常圏域ごとに各2カ所のグループホームの整備を進めており、現在整備したグループホームは6カ所となっております。また、認知症の方の介護は、徘徊などの問題行動や高齢者虐待につながる事例が多いことなどから、地域包括支援センターへの相談も年々増加しており、事例ごとに訪問、実態調査など個別的に対応し、介護サービスへつなぐようにしております。
認知症の方の徘回につきましては、今後ますます増加が見込まれる中で、地域での支え合いが不可欠であり、現在各地区で行われているケアネット体制を活用するほか、新たに市内の協力事業者による見守り支援体制の整備を進めてまいりたいと考えております。
また、家族の方の中には近所の人に知られたくないと思っている方も多く、個人情報の取り扱いなど難しい面もありますが、特に徘回された場合には、事故を未然に防ぐためにも地域での見守りが必要であり、家族の方の御理解をいただいた上で、ケアマネジャー等、介護サービス事業者等と連携を図りながら、新年度においては新たに徘回高齢者登録制度を実施し、見守り体制を進めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
建設水道部長 齊藤和芳君。
〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕
◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、水道事業についてのうち、2の平成24年度からの水道料金の統一、3の前倒し予定の上中野配水池、4の休日等の対応についてお答えします。
まず、平成24年度からの上水道料金の統一についてでございますが、上水道料金の統一につきましては、平成21年9月の市議会で市の給水条例の改正を行い、その後、広報となみ、市のホームページ、窓口対応及び検針ごとのお知らせ等を活用させ、機会あるごとに広く市民の皆さんへ御理解と御協力を周知したところでございます。
現在までに平成22年、平成23年のおのおの6月1日に料金統一に向けた改定を実施し、来年6月1日の改定ですべてが統一されることになります。初回の平成22年6月の改定では、旧庄川町給水区域について、用途別料金体系から現在の口径別料金体系に変更したものであり、現在は適用する単価改定のみが残っております。
なお、初回の改定時には、旧砺波市と旧庄川町間の料金計算のシステム改修はすべて完了しております。
来年の料金の最終改定につきましても、これまでと同様に、広報、市のホームページ及び検針のお知らせ等を広く活用させていただき、市民の皆様に周知、徹底するよう努めてまいります。
次に、上中野配水場の今後の予定についてお答えします。
上中野配水場につきましては、平成21年度に策定いたしました砺波市水道ビジョンにおいて、平成25年度、平成26年度の2カ年で計画しておりましたが、上中野配水場は既に40年以上が経過し、老朽化が進んでいることから、財源等を精査し、計画より1年前倒しをして、来年度からの2カ年継続事業として進めることにしております。
事業概要につきましては、上中野地内の現有敷地内の更新を計画しており、先に完成しました安川配水場と同様の施工方法をとり、既存施設を使用しながら順次更新工事を進めていくことになります。
また、水道施設の備えるべき耐震性基準に示されている過去からの将来にわたって当該地点で考えられる最大級の強さを持つ地震動に対応する対レベル2地震動で機能保持が可能な施設設計としております。あわせて、施設築造地の地盤改良も実施し、場内配管はすべて耐震化に布設がえを行います。
施工手順としては、平成24年度に場内北側の現在あります鉄筋コンクリート製の配水池1基及び隣にあります原水の流量調整等を行う着水井を撤去し、その後新たにステンレス製の配水池、容量1,924立米1基及び着水井を築造し、あわせて場内配管のダクタイル鋳鉄管487メートルの布設がえ及び送水ポンプ等の更新を予定しております。
平成25年度には、残っております場内南側にあります鉄筋コンクリート製配水池2基を撤去し、新たにステンレス製配水池、容量2,513立米2基を築造し、場内配管としてのダクタイル鋳鉄管344メートルの布設がえを予定しております。完成は平成26年3月末を目指すものでございます。
これにより、市の水道事業の基幹施設である上中野配水場の配水池容量は、現在の8,600立米から1万2,420立米増えることとなり、不足していました有効容量は水道施設設計指針に定められている12時間分が確保され、あわせて耐震性も備えた施設となります。
次に、4の休日等の対応についてお答えします。
現在、土曜日、日曜日の休日、祝日及び年末年始の閉庁時における漏水等の上水道の事故対応につきましては、速やかに対応できるよう、上水道課職員による当番制をとっております。また、事故発生により現場での復旧作業に当たるため、修理につきましても、砺波管工事業協同組合の御協力をいただき、職員同様に各組合員の管工事業の皆様にも当番制をしいていただいており、不測の事態に備えております。
したがいまして、もし休日などに漏水事故等が発生した場合は、通報等の連絡が市役所へ届き、その後、宿・日直職員が上水道課当番職員に連絡をとり、状況により当番職員が現地へ急行いたします。そして、漏水等の事故状況を確認した後、必要により、閉栓等の応急対応をするとともに、先ほどの当番事業者への作業の手配をし、復旧処理等を速やかに行う手はずとなっておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 再質問を許します。
7番 今藤久之君。
〔7番 今藤久之君 登壇〕
◯7番(今藤久之君) 今ほどはどなたも御答弁ありがとうございました。ちょっと議論がかみ合っていないのかなというのか、舌足らずな質問であったのかもわかりませんが、教育長さんに2点ほどもう一度確認を込めまして質問させていただきます。
スポーツ少年団の活動について、それなりの考え方があることは理解しました。1日2時間程度、週三、四回程度というようなことであったかと思います。
私が申し上げたいのは、届け出されているそういった時間帯だけではなしに、実態に調査をされているのか、本当に調査されているのかということを確認したかったわけであります。ぜひ実態の調査をお願いします。
それから、2点目なんですけれども、確認なんですけれども、スポーツ少年団本部のほうで指針を設ける検討をするとおっしゃったのでしょうか。その点についても確認をさせていただきたいと思います。
以上で再質問を終えさせていただきます。
◯議長(稲垣 修君) 2点の再質問につきまして答弁を求めます。
教育長 舘 俊博君。
〔教育長 舘 俊博君 登壇〕
◯教育長(舘 俊博君) 御質問の、まず、スポーツ少年団の実態把握をしているのかということでございますけれども、一応の把握はした上で、きょう、お答えしたつもりでございます。
ただ、大会の前とか、いろんなそういう実態はかなり違っているのかもしれません。そういう意味で改めて調査しまして、確認はしたいなというふうに思います。
それから、2点目ですけれども、指針は砺波市全体としてこういう指針でやりなさいということは、私はあまりそぐわないのかなというふうに思っています。というのは、それぞれ実態が違いますので、そこでそれぞれの単位スポーツ少年団において、保護者の皆さんと十分に相談をしていただいて、その中でどういうあり方が望ましいのか、特に団員の実態が一番よくわかるのはそれぞれの単位スポーツ少年団であろうかというふうに思いますので、そういうところでしっかり実態を踏まえてつくっていただく、基本的な考え方をつくっていただくというのがいいのではないかなというふうに思いますので、そういうことをスポーツ少年団本部のほうへ働きかけていきたいなというふうに思っております。
以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) この際、暫時休憩いたします。
午後 0時19分 休憩
午後 1時00分 再開
◯議長(稲垣 修君) 休憩前に引き続き会議を開き、一般市政に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
14番 嶋村信之君。
〔14番 嶋村信之君 登壇〕
◯14番(嶋村信之君) 通告に基づき、市政一般について質問並びに提案をいたします。
我が国は、3月11日、発生した東日本大震災による大津波、原発事故は絶対起きないと言われてきた安全神話の崩壊。1000年に一度といわれる未曾有の災害に対し、国は総力を挙げ、東北の復旧・復興にようやく歯車は回転しようとしております。
震災復興には12兆円余の3次補正予算が組まれ、さらに第4次補正予算も今国会に上程されましたが、来年の通常国会で審議されることになりました。
今年の人事院勧告は3年連続国家公務員給与の0.23%給与引き下げの勧告、さらに国は大災害の復興財源確保のため、国家公務員給与削減特例法案、平均7.8%引き下げが議論されており、このことは地方公務員にも波及をしかねません。
総務省が先月発表した完全失業率は0.4ポイント上昇し、4.5%と悪化、厚労省も同日発表した10月の有効求人倍率は0.67倍と大変厳しくなっており、特に新卒者の就職内定率も60%台とも言われており、看過できない社会問題となっております。
背景には円高や欧州の財政危機、タイの洪水などを受け、多くの企業が景気の先行きを定めようと採用に慎重になっていることが悪化につながっております。
平成24年度予算編成方針等についてお伺いいたします。
本市の新年度財政見通しは、先述べたとおり、景気低迷による法人市民税の減少が見込まれる一方、個人市民税は特定扶養家族の控除廃止により増加が見込まれますが、市税全体では地方交付税など国の動向も不透明な状況にあり、歳入面における財政環境は極めて厳しいと考えられます。
また、歳出では、国保保険料、扶助費や特別会計に対する繰出金の増加が見込まれ、本市の重点課題である学校耐震化大規模改修、農業農村整備事業、農地防災事業、一般国道主要地方道路の整備事業を初めとする都市基盤整備、さらには北陸新幹線開通に伴う並行在来線も運行する第三セクターへの出資など、財政需要は今後も増大するものと予測されます。
市長は先の定例記者会見で、来年度予算について、中学3年生までの入院医療費の無料化、散居村の空き家利活用に対する取り組みを本格化させるなど、発表されております。本市は児童生徒の生命を守るため、学校耐震化工事の推進をしなければなりません。
先の砺波市総合計画後期計画の報告を見ると、1年次実施計画では本年度並みの2億円余となっております。一方、国が地方自治体の仕事をさまざまな基準で細かく縛る、義務づけ、枠づけの見直しや、都道府県から市町村への権限移譲を進めるための地域主権一括法、第1次、第2次一括法としてそれぞれの先の通常国会で成立したことにより、636項目見直しが、来年の4月までに大部分が施行されることとなっております。同法により、地域の実情に沿った施設の運用や運営が可能になる反面、条例の審議・成立する役割は重くなってきております。
そこで1点目、市長の任期最後の予算編成になりますが、マニフェスト実現のためにどのような姿勢で取り組まれるのか、また、3カ年の達成度について、2点目、新年度予算編成方針について、3点目、歳入について、4点目、歳出について、5点目、国は合併特例債を5カ年延長する方向で検討しておりますが、その対応と学校教育施設等整備事業債への活用について、6点目、監査等の指摘事項、指定管理者制度の検証、補助金の総額抑制などの現在の取り組み状況と今後の方針について、7点目、地域主権一括法の推進及び対応について、以上、市長の御所見をお伺いいたします。
次に、安心・安全なまちづくりについてお尋ねをいたします。
東日本大震災が発生して以来9カ月が経過し、その復旧・復興の様子が徐々に見えてきました。総務文教常任委員会として10月に宮城県名取市へ行政視察させていただいた折、市当局、被災された市民の方から被災時の教訓、対応について享受いただき、また、災害の状況については、報道等により理解をしていたつもりでありますが、現場を見ることにより、改めて悲惨な状況を実感いたしました。
また、消防庁によると、3月の災害で防潮堤の水門操作や住民の避難誘導中に消防団員、職員計280名が死亡、行方不明となり、多くの方が犠牲となりました。
名取市民からも当時の様子を伺いましたが、団員の方は自らの命を顧みず、市民の命を守るため、避難を誘導している姿は生涯忘れません。その上、現団員は行方不明者捜索のため、昼夜をたがわず活動している姿にただ頭が下がる思いでしたと涙ぐんで語っていた姿は脳裏を離れることはできません。
そこで、次のことについてお答えください。
1点目、災害時に遠隔地の自治体にホームページを代理掲載してもらう仕組みについて。
東日本大震災をきっかけに災害情報の発信機能の確保が重要なテーマとなっております。市役所が甚大な被害を受けた際に、ホームページの更新用サーバーが使用不能になることもあり、非常時に住民への情報発信手段が絶たれることを防ぐ有効な手段として今注目されているのが、災害時に遠隔地の自治体にホームページを掲載してもらう仕組みであります。
実際に今年の3月11日の際、甚大な被害を被った岩手県、宮城県、福島県の各市町村のウエブサイトが発生直後からサーバー通信機器、通信回路の損壊やアクセス急増などの影響で閲覧できない状況が続きました。
そのような状況の中、被災地の一つであります宮城県大崎市では、平成12年に姉妹都市の締結を結んだ北海道当別町との連携、協力により、震災当日から当別町のウエブサイトに大崎市災害対策本部のページを開設してもらい、災害の状況、避難所の情報、ライフラインに関する情報を途絶えることなく毎日発信することができました。
現在、多くの自治体では、周辺の市町村が同じシステムを共有したり、同じ施設を共同で用いたり、相互に連携する体制を講じておりますが、東日本大震災のように被災地域が広域になると、近隣自治体間ではお互いに助け合える状況でなく、的確な情報発信が困難になりかねません。大規模災害では、むしろ離れた自治体のほうが頼りになる可能性が高く、姉妹都市、友好都市など、遠隔地でありながら定期的に人が行き来して、交流を深めている自治体と災害時の協定を調えていくことが重要であることは、今回の震災で得た教訓の一つであります。
本市でも安城市と災害協定を結んでおりますが、支援物資が中心であります。いま一度、災害時の協力体制を見直す機会ととらえ、本市の今後の対応についてお答えをください。
2点目、地域防災計画の見直しについて。砺波市地域防災計画は、災害対策基本法に基づき、市防災会議において作成し、検討を加え、必要に応じて修正をしております。この計画は住民の生命と身体及び財産を災害から保護することを目的とし、災害予防、災害応急対策、災害復旧に関する事項、その他必要な事項について、市防災関係機関、市民、事業所との果たすべき責務や役割を定めております。
砺波市地域防災計画は災害対策計画編と資料編の2編で構成しております。最近では、平成22年8月に修正が行われております。今までの災害の想定規模を大きく上回った今般の東日本大震災を受け、砺波市地域防災計画の見直しの方向性をどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
ところで、今回の東日本大震災の状況を見たとき、だれもが復旧から復興へ順調に向かうものと思っておりました。しかし、復旧はもとより、復興はほど遠いのが現状であります。
今回の東日本大震災を教訓として、平時の今、震災対策復興基本条例を策定し、いざというとき、1日も早い復旧・復興をしていけるように、市民のだれもが安心していつでも砺波に住み続けられるよう、平時に取り組んでおくことが大切ではないでしょうか。住民の生命と身体及び財産を災害から保護するための処置をすることが市役所の責務・公助であります。見解をお伺いいたします。
3点目、消防団員の報酬の見直しについて。先に述べましたが、いざ災害が発生すれば、イの一番に現場に向かい、市民の避難誘導、救助に駆けつけるのは消防団であります。団員の年間報酬は1万9,000円であります。その代価としては、報酬が低いと思うのであります。
市長は四十数年間にわたり消防団活動をされた方であります。実情はよく理解していると思います。市長の所見をお聞かせください。
4点目、総合病院における災害対策と課題について。東日本大震災と同程度の被害を受けた際、本市でも計画停電が実施され、燃料不足や品物不足等の社会状況が深刻な状態となります。災害医療拠点病院として資機材の備蓄、自家発電機など、患者への治療はもとより、入院患者の安全・安心確保は可能なのでしょうか。その際、市内の高齢者や障害者の施設や各診療所との連携を含め、災害医療拠点病院としてどのような対応をされ、課題として問題点はどのようなことが想定されるのでしょうか。
幸い総合病院は免震構造で建築されておりますので、地震の揺れに対し、患者や機器にやさしい構造になっております。見解をお伺いいたします。
5点目、エビデンスに基づく医療について。エビデンスというのは、今まで経験したことなどを確かめた上で医療行為を行いなさいということで、EBMという概念が現在主流に組み入れていると伺っております。このエビデンスは医療の問題だけにとどまることなく、すべての面にも活用できると伺っております。そこで、病院長の所見をお伺いしたいと思います。
6点目、DMAT災害派遣医療チームの取り組みについて。DMATとは、災害急性期に活動できる、機動性を持ったトレーニングを受けた医療チームと定義されております。医師、看護師、業務調整員で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故の現場に急性期、概ね48時間以内に活動できる機動性を持った専門的な訓練を受けた医療チームであります。
1995年1月17日、戦中戦後を通じて最大の自然災害である阪神・淡路大震災が起こりました。この阪神・淡路大震災について、初期医療体制の遅れが考えられ、平時の救急医療レベルの医療が提供されておれば、救命できたと考えられる避けられた災害死が500名存在した可能性があったと後に報告されました。
この阪神・淡路大震災で、災害医療について多くの課題が浮き彫りとなり、この教訓を生かし、各行政機関、消防、警察、自衛隊と連携しながら救助活動と並行し、医師が災害現場で医療を行う必要性が認識されるようになりました。
一人でも多くの命を助けようと厚生労働省により災害医療チーム、派遣チーム、日本DMATが平成17年4月に発足いたしました。DMATに指定されれば、より専門的な訓練を受けたスタッフがいることが、より災害における対応力の強化、安心にもつながると考えますが、病院長の考えをお聞かせください。
7点目、通学路の安全確保について。本市は小学校8校、中学校4校、児童生徒数4,513名が毎日通学しておりますが、市長が管理責任者である市道における歩道が十分整備されているとは言えません。児童生徒の登下校は、学校管理下の指導のもとに、地域の実情に応じ、通学路変更と多様な対応がされております。
しかし、自動車の交通量の増加傾向にあるところでは、縁石のない路側帯をもって歩道として供用されているところがあります。特に冬期間の積雪時には、歩道の用をなしません。いつ何時交通事故が発生してもおかしくないのが現状であります。現在、一部のボランティアの方が朝夕、交差点等で交通整理されていることで、その場をしのいでいると思われてなりません。
児童生徒は毎日登下校するために通学路を利用しなければなりません。したがって、児童生徒の安全確保が喫緊の課題と思うのであります。
砺波市総合計画後期計画では、児童生徒の通学路の安全確保のため整備しますと明記されておりますが、現状をどう認識しておられるのでしょうか。また、今後の歩道整備等の計画についてお答えください。
8点目、安全教育について。道路交通法の改正により、傘差し運転はだめとか、携帯電話の使用はだめ、また、横断歩道はおりて渡りなさいとか、さまざまな改正が行われてきましたが、果たして自転車を使っている方が道路交通法を、そもそもだれがどれだけわかっていて自転車に乗っているのでしょうか。また、この改正自体もどこまで理解した上で自転車に乗っているのかと、子どものみならず、大人にも非常に疑問に思えるのであります。
学校では、小・中学生のために警察官等関係者に来校してもらい、安全教育がされていることは十分承知をいたしております。しかし、この種の安全教育では、いま一歩踏み込んだしっかりしたルール、いわゆる道路交通法という法規を学ぶことを踏まえた上で、さらにモラル、意識の向上が必要でないかと思います。教育長の所感をお聞かせください。
昨日、今年1年の世相をあらわす今年の漢字が京都の清水寺で発表され、選ばれたのは「絆」でした。森 清範貫主は、このきずなをもって、皆で一つの心になって、日本のこれから力づけていきたいという思いで書かせていただきましたと述べております。私たちは市政を担う一員として市行政と市民との信頼関係を深め、さらに市民一人一人の安心・安全なまちづくりに努めなければなりません。
今回多岐にわたる質問となりましたが、市長初め市幹部の熱い思いが市民の心に届くよう答弁を期待して、質問を終わります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 嶋村議員の新年度予算編成等についてのうち、地域主権一括法案の推進及び対応についてを除く御質問及び安全・安心なまちづくりについてのうち、消防団員の報酬の見直しについての御質問にお答えをいたします。
まず、1項目めの新年度予算編成等についての御質問のうち、1点目のマニフェスト達成度などについてでございますが、マニフェストという言葉が適当かどうかわかりませんが、私が市長就任に当たりまして市政運営の基本姿勢といたしまして、まず第1に、市民が参画、市民と協働の市政、2つ目には、市民奉仕の精神に立った信頼される市政、3つ目には、新しいニーズにこたえられる筋肉質の市政、この3点について言及をしてまいりました。これらのことにつきましては、私見になりますが、次第に市政に反映できているものと考えております。
特に、市民が参画、市民と協働の市政の取り組みにつきましては、市民が主役のまちづくりを進めるために、多くの市民の皆さんや企業の方々がまちづくりに参加できる開かれた市政を推進したいとの思いから、タウンミーティングを初め、男女共同参画の啓発、一人一ボランティアの普及、女性議会、各種委員会等への市民参加など、多くの市民の皆さんが参画を得ることができたと考えております。また、市民協働事業や闘魂元気道場、市民参画型直営事業に対する原材料費交付事業などの事業において、市民と行政による協働事業で立ち上げることができたものと考えております。
市長就任の4年目に入ったところでありますが、引き続き多くの市民の皆さんとともに人が輝く、活力あふれるまちづくりに努めてまいりたいと、このように考えております。
次、2点目の新年度予算編成についてでございますが、当市の予算編成につきましては、新たに策定いたしました砺波総合計画後期計画の実施計画に定められた各事業費を基準とし、現在財政課において編成作業を進めております。
御質問の予算編成方針等につきましては、先に堀田議員の御質問の中でお答えしたとおりでございますが、学校耐震改修事業の推進、北陸新幹線の開業も見込んだ観光資源の整備とネットワーク化、中学3年生までの入院医療費無料化、さらにはチューリップなどの特産品の振興、景観保全対策など重点的に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
次に、3点目の歳入でございますが、国においては、地方財政について中期財政フレームと基調を合わせて、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について平成23年度水準を下回らないよう確保し、特に地方交付税については、本来の地方財政の財源調整機能と財源保障機能が適正に発揮されるよう確保するとの方針で予算要求がなされているところであり、今後の動向について注視しているところでございます。
また、市税につきましては、施政方針で申し上げましたとおり、一部特定扶養控除の廃止による個人市民税の増額があるものの、引き続き国内経済の低迷による給与所得の伸び悩み、固定資産税の評価替えによる減収等が見込まれ、市税全体での大きな好転は期待できないことから、歳入総額の確保のため、財政調整基金等から繰り入れを予定しているところでございます。
次に、4点目の歳出についてでございますが、総合計画後期計画の実施計画に基づきまして、先に申し上げました重点施策を中心に予算編成をしてまいりたいと考えております。
次に、5点目の合併特例債及び学校教育施設等整備事業債の活用についてでございますが、議員の御質問にもありますとおり、合併特例債の発行期限が東日本の大震災の被災地以外でも5カ年延長される旨の閣議決定がなされたところであります。
御存じのとおり、これまで小中学校の耐震改修事業に充てる市債には、最も有利であった合併特例債を優先的に充当してまいりましたが、その発行期限が5カ年延長されることになれば、将来より財源措置が乏しい事業の財源として合併特例債を確保しておくほうがより有利となる場合には、例えば合併特例債に比べ交付税措置率の低い市債であっても、将来負担を総合的に検討し、あえて活用していくことも検討していかなければならないものと考えております。
そういう観点から、学校教育施設等整備事業債につきましては、基本的な制度として60%の交付税措置があり、今後積極的に活用していくべきものと考えております。
次に、6点目の監査等の指摘等についてでございますが、この御質問につきましては、昨年もお答えいたしましたが、監査等の指摘事項、指定管理者制度の検証、補助金の総額抑制などについての取り組み状況につきましては、その都度各種通知や予算執行方針等に明記し、関係部課長へ周知し、その趣旨の徹底に努めているところでございます。
なお、特に補助金のうち、各種団体の運営を支援する目的で交付しているものにつきましては、当該団体の繰越金が相当多額な団体も見受けられることから、現在行政改革推進委員会等において、特に繰越金が多いと認める団体につきましては、交付する補助金の額を調整する制度を検討しているところでございます。
次に、2項目めの安心・安全なまちづくりについての御質問のうち、消防団員の報酬の見直しについてでございますが、私も昭和42年から平成20年までにわたり、消防団活動に従事をさせていただき、消防団員の皆さんが火災現場はもちろんのこと、地震、台風、大雨などによる河川の洪水など、自然災害に対する活動、行方不明者の捜索活動、防火活動など、日ごろから献身的な活動をいただいておりますことに心から感謝をいたしておるところでございます。
さて、団員の活動の代価としての報酬は低いのではないかとの御意見でございますが、消防団の報酬につきましては、県内各種の状況を見ますと、団員クラスの1年間は報酬で1万7,000円から2万6,000円までとなっており、当市は平均的な額と認識をいたしておりますが、砺波地域消防組合管内の他の2市に比べますと、若干低い設定となっております。
消防団員はそれぞれ本業の傍ら、地域の安全と安心を守るために、地域消防、防災力の向上において重要な役割を担っていただいており、東日本の大震災の活躍を見ましても、頭が下がる思いをいたしたところでございます。
また、消防団員の減少傾向が全国的に進んでおり、当市といたしても懸念をいたしているところでありまして、消防団員の待遇改善を図ることも対応策の一つでないかと思っております。近く招集する報酬等審議会の場におきまして、報酬の見直しを御協議いただきたいと考えております。
私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては、副市長並びに教育長、病院長並びに担当部局長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
副市長 柴田敏秋君。
〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕
◯副市長(柴田敏秋君) 嶋村議員の新年度予算編成等についての御質問のうちの、地域主権一括法案の推進及び対応について、安心・安全なまちづくりについての御質問のうちの災害時ホームページの代理掲載についてと、地域防災計画の見直しについての3つの御質問にお答えいたします。
まず、地域主権一括法案の推進及び対応についてでございます。9月定例会における議員の御質問にも市長からお答えいたしましたが、地域主権一括法の成立時からこれまでの経過を見ましても、その趣旨の実現には課題があると考えております。
このいわゆる地域主権改革につきまして、これまでの状況を申し上げますと、富山県においては、各市町村から権限移譲に関する要望を取りまとめ、予算要求時期を前に、10月後半から順次事務移譲についての説明会を開催する等の対応を進められているところであります。
しかしながら、国においては、権限移譲に関する基準を示し、地方自治体における条例化の作業を支援するとしておりますが、現在のところ、基準が示されていない項目も多く、また、権限移譲される事務の財源についても具体的には示されていない状況であります。また、移譲される権限内容につきましても、県道、市町村道の構造基準など、市町村単独で行うよりも広域的に統一して取り組むことが望ましいものや、そのほうが効率的、効果的であるものなどについては、自治体間の連携やネットワークの構築が必要となりますので、これらの調整にも時間を要すると考えております。
つきましては、この法律では現行制度を平成25年4月まで継続できる旨の経過措置が設けられておりますので、十分な情報収集を行いまして、市民にとって公平で適正な施策を形成することを基本に、県並びに関係自治体と連携した対応を行ってまいりたいと考えております。
次に、災害時ホームページの代理掲載についてでございます。市では、御承知のとおり、災害時応援協定の中で、応援の内容として、被災者の救出、医薬品や生活必需品などの物資の提供、職員の派遣などを定めているところでありますが、そのほか特に要請のあった事項についても、相互に応援することといたしております。
そこで、御提案の災害時ホームページの代理掲載につきましては、現在、災害時応援協定を結んでおります安城市と掲載方法や内容について打ち合わせをしているところでありまして、応援体制の一つとして取り組みたいと考えております。
また、その他の災害時情報発信の手段といたしまして、御承知のことと思いますが、現在実施しておりますツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスなどを利用して情報発信を行っていくことも一つの手段と考えております。
ツイッターはサーバーが市とは離れたところに置かれておりますので、災害により市のホームページシステムが被災した場合でも、ツイッターは利用できる可能性が高いと考えられますし、スマートフォンなどの携帯端末を利用して情報発信ができるものと考えております。どちらの手段も市民の皆さんに周知されていることが大事でありますので、市では先月からツイッターでの情報発信を始めているところであります。
今のところホームページの暮らしの情報に掲載されている新着情報をそのままツイッターでもごらんいただける仕組みとしておりますが、災害時を含め、必要に応じて直接ツイッターで発信することも行ってまいりたいと考えております。
なお、情報発信につきましては、いろいろな手段があったほうが市民への伝達がより確実になると思いますので、その他の方法についても研究してまいりたいと考えております。
次に、地域防災計画の見直しについてでございます。今回の想定を超える災害を受けまして、国及び富山県の防災指針や防災計画の見直しなどの情報収集に努めておりまして、今後、初動体制の充実や広域連携の確立などをメーンに、砺波市防災会議において、計画の見直しを進めたいと考えております。
そこで、国の現状でございますが、今後の地震・津波対策につきましては、中央防災会議の地震・津波対策に関する専門調査会がその方針を示しておりまして、これを受けまして、災害対策基本法等の改正案の作成や、大災害により自治体の機能が失われた場合の対応などについて議論が行われ、近く中央防災会議として防災基本計画の見直しを決定される見通しであります。
一方、原子力災害の対応につきましては、これとは別に原子力安全委員会の原子力施設等防災専門部会において防災指針検討ワーキンググループを設置し、防災指針の見直しについて議論されております。そこでは、新聞報道にありましたように、これまでのEPZにかえた見直しの考え方が示されましたが、防災指針の改正案の提示につきましては、いまだ時間を要するものと見込まれております。
次に、県の状況でございますが、県防災会議の地震対策部会及び原子力災害対策部会において、国の動向を踏まえながら防災計画の見直し作業を行っているところであり、市町村とも連携しながら、現在修正すべき点や追加すべき点について論点整理が行われております。
県では来年度のできるだけ早い時期に防災計画の震災編を決定したいとしておりますので、当市におきましても、国や県との計画の整合性を図りながら震災編の見直し作業を行いまして、来年度中には市の地域防災計画を修正したいと考えております。
一方、原子力災害に関しましては、富山県は原子力発電所から概ね30キロの圏域である緊急時防護措置を準備する地域、UPZ及び概ね50キロの圏域であるプルーム、放射能雲のことですが、この通過時の被曝を避けるための防護措置を実施する地域、PPAに一部の地域が含まれる見通しでありますので、原子力災害編が策定されるものと見込まれますが、若干時間を要するのではないかと考えております。
当市といたしましては、PPAの圏域に一部の地域が含まれる見通しでありますので、原子力災害編の作成を考慮しなければならないのではないかと考えております。
次に、全国に先駆けるような震災対策復興基本条例の制定の御提案をいただきましたが、災害からの復興につきましては、被災状況に応じて国と地方自治体がそれぞれの役割を連携して果たし、国などの財政的、人的な支援措置が適切に発動されることが早期の復旧・復興に結びつくものでありまして、御意見のとおり、民間事業者等も含めた平時からの復興に対する取り組みが重要と考えております。
このような中で地域防災計画に基づきまして、必要に応じて災害復興本部を編成し、国、県、民間事業者等と連携した総合的な復興体制を構築することで対応してまいりたいというふうに考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
教育長 舘 俊博君。
〔教育長 舘 俊博君 登壇〕
◯教育長(舘 俊博君) 嶋村議員御質問の項目2、安心・安全なまちづくりについての8番目、安全教育についてお答えをいたします。
市内の小中学校では、児童生徒の安全確保を図るため、毎年交通安全を含む安全指導につきまして、学校の教育計画に定めて実施をしております。交通安全指導につきましては、具体的には、実際に道路に出ての歩行、横断の仕方、正しい自転車の乗り方の指導等、警察署、地域の関係団体等の御協力を得ながら実施されているところでございます。
これらは、子どもたちの発達段階を考慮し、実地の指導が最も身につきやすいと考えて、各学校で実施されております。特に自転車による事故防止につきましては、ブレーキ点検、無灯火のチェック等を行うとともに、交通法規を取り入れた指導もほとんどの学校で実施されているところでございます。このような日々の指導によりまして、自転車利用時のヘルメットの着用につきましては、以前より徹底されてきているものと感じております。
しかし、残念ながら、交通安全ルールを守らなかったための事故も発生しており、嶋村議員御指摘の交通法規を学び、さらにモラルの向上を図っていく安全教育を積み重ねていくことが重要であると考えております。
そこで、今後は効果的に交通法規についても学ぶ機会を設けるなど、学校での継続的な指導とともに、保護者や地域、そして、関係機関・団体の皆様の御指導、見守りなどの御協力をいただきながら、さらに砺波市の子どもたちの交通安全意識やモラル、マナーの向上を図っていきたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
病院長 杉本立甫君。
〔病院長 杉本立甫君 登壇〕
◯病院長(杉本立甫君) 私からは、項目2、安心・安全なまちづくりについての御質問のうち、2点の御質問についてお答えいたします。
まず、エビデンスに基づく医療についての御質問にお答えします。
エビデンスという言葉は医療の現場ではよく使う言葉で、簡単に言うと根拠のことです。この根拠というのは科学的根拠を指しております。このエビデンスに基づいた医療は、臨床研究の結果を実際の意思決定に用いる方法であります。つまり、最も信頼できる根拠を把握した上で、一人一人の患者さんに特有の症状と価値観を考慮した医療を行うための行動指針なのであります。
このことは、単に多くの人に効果があったという情報だけでは、その治療にエビデンスがあるとは言えません。民間療法で多くの人に効果があったということをうたい文句にしているものがありますが、このようなデータだけではエビデンスがあるとは言えないのであります。
当院の医師は決して個人的な経験や勘に頼らず、たくさんの患者さんに実際に使って試す研究調査を行い、薬や治療方法がどのくらい効き目があるかを確かめており、このような幅広い調査研究に基づいて診療を行っているところであります。このことは議員の御指摘のとおり、医療の問題にとどまることなく、行政のあらゆる面で生かすことができると思っております。
当院は、平成22年度、平成23年度の主要事務事業の中でも、安全でやさしい医療の提供という中で、エビデンスに基づいた安心・安全な医療サービスの提供を標榜しておりますので、御理解をいただきたいと思います。
次に、DMATの取り組みについての御質問にお答えいたします。
DMATとは、議員の述べられているとおり、災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チームと定義されております。
今回の未曾有の災害となりました東日本大震災の際にも、各地から派遣されたDMATは、災害発生直後より災害への迅速な対応を行い、DMAT活動の通常想定される超急性期対応及び急性期対応を超えた亜急性期以降時点での活動については、臨機応変に対応し、活動したと聞いております。
当院も震災に当たりましては、日本医師会、県医師会、災害医療チーム、JMATや県の医療救護班等に参加し、現地での活動に当たったところであります。
そこで、御質問の当院のDMATへの取り組みでございますが、富山県DMAT設置運営要綱に基づき、当院もDMATの設置に向けて、医師、看護師、業務調整員等5名を1チームとする編成を行い、本年11月に兵庫県での日本DMAT研修を修了いたしました。今後、DMAT活動に必要な資機材を整備し、富山県DMAT指定病院の申請、指定書の受領、DMAT隊員登録、富山県DMATの派遣に関する協定の締結などの手続を経て、来年度早々に指定を受け、正式にDMATチームを発足させる予定です。
今後は当院において複数のチームの設置を図り、大規模災害時の要請に基づき派遣を行い、広域医療搬送、病院支援、域内搬送、現場活動などの活動をとる予定としておりますので、議員各位の御理解をお願いいたします。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
建設水道部長 齊藤和芳君。
〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕
◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、2の安心・安全なまちづくりについてのうち、7の通学路の安全確保についてお答えいたします。
現在、市では、歩行者の安全と安心を確保するため、通学路に指定されている路線を最重点として、県道を含め歩道整備を進めているところでございます。
現在の市道で申しますと、庄川中学校の通学路である示野上中野線、砺波北部小学校の通学路である小杉狐島線、鷹栖小学校の通学路である鷹栖高儀線の3路線で工事等を進めるとともに、平成24年度からの事業化に向け、砺波東部小学校の通学路である十年明千保線について、地元及び関係機関と調整等を行っているところでございます。
また、このうち小杉狐島線の一部については、議員の御指摘のとおり、縁石のない路側帯をもって歩道として供用している路線があり、今回の整備により新たな縁石を設置しますので、歩道と車道を分離し、歩行者の安全が図られるものと存じます。
今後の歩道整備につきましては、多くの要望が寄せられているところでございますが、総合計画の後期基本計画に沿って、5年間で5キロメートルの整備の延長の増を目標に、国の補助事業を受けて進めることといたしております。
これまでの国の道路整備は、スクラップ・アンド・ビルドを念頭に進められてきましたが、今後は地球環境と住民の生活環境に配慮しながら、一事業が完了したら次の箇所に着手するという国の考え方に基づき、当市としましても、出町文教ゾーン関連の進捗状況や通学路等の危険箇所を見極めながら最終的な路線を選定し、進捗を図ってまいる所存でございます。
いずれにしても、道路・歩道整備事業は、地権者の方を初め、関係者の方の御理解、御協力を得なければ進捗できない事業であり、今後も議員各位と力を合わせ、事業の進捗に努めてまいりたいと考えております。
また、御質問の冬期間の歩道の安全対策につきましては、今年度の除雪計画では、通学路や市街地を中心とした歩道除雪の延長を昨年度より8.9キロメートル増やし、82.3キロメートルにするとともに、早朝の除雪延長を約15キロメートル増やし、歩道除雪の充実を図ることといたしております。さらに、積雪状況等によっては、歩道以外にも交差点や路肩部分の除排雪をきめ細かく実施することとし、通勤、通学等の歩行者への安全対策に万全を期す所存でございます。
通学路の安全確保のためには、歩道の整備を初め、冬期間の歩道除雪も重要な要素でございますが、それだけでは安全を確保することはできません。通学路の児童生徒はもとより、自動車を運転する一人一人が交通安全を守ること、そして、議員も述べられましたように、交差点等で交通整理をされている見守り隊やPTAの皆さん、地域の方々のとうといボランティアの御協力により交通安全が守られており、この場をおかりして感謝を申し上げます。
今後とも、こうした交通安全ボランティアの輪が継続されるとともに、さらに大きな活動になることを御期待申し上げるとともに、市内の通学路の整備につきましては今後も計画的に取り組んでまいりたいと存じます。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
病院事務局長 永森耕治君。
〔病院事務局長 永森耕治君 登壇〕
◯病院事務局長(永森耕治君) 私からは、嶋村議員御質問の大項目2、安心・安全なまちづくりについてのうち、4点目の総合病院の災害対策についての御質問にお答えいたします。
地域災害拠点病院は県内で7病院が指定され、その目的として、地域の災害時の医療提供の中心的な役割を担うために求められている事項は、診療に必要な施設は耐震構造を持ち、被災時においても、電気、水、ガス等のライフラインが維持可能であり、医薬品、医療器材等を備蓄していること、また、多数の患者に対応可能な居室や簡易ベッド等を有していること、対応マニュアルの整備や研修、訓練等による人材の確保と育成などが条件として求められているところでございます。
現在、砺波総合病院は厚生労働省の災害拠点病院の整備基準にあります診療を行う施設については全棟、昭和56年建築以降の新耐震基準を満たす構造になっているところですが、国は、建物すべての耐震化が望ましいとされていることから、耐震化されていない南棟についても整備してまいりたいと考えているところでございます。
次に、計画停電時の電力の対応についてでございますが、病院の平常における電力会社との契約電力量は1,840キロワットであります。一方、災害時等に使用できる自家発電の電力量は、常用自家発電設備が850キロワットと非常用発電設備の960キロワットの計1,810キロワットを保有しております。電力供給可能な箇所は限られておりますが、災害拠点病院として求められている必要な設備に対して、被災の際に最低限3日間は稼働できる燃料を確保しております。
次に、水の供給については、免震フレームの上に耐震性の180トンの受水槽を設置しており、被災の際において、生活水は敷地内の井戸から給水可能と考えており、供給可能な日数については、災害拠点病院に求められている最低限必要な3日間は使用できると考えております。
次に、医薬品等の備蓄については、富山県からの預託されている外科セット1,000人分があり、その上で、医薬品、医療ガス、燃料等、資機材の備蓄等につきまして、各取引先と優先確保、供給の要請及び協定を締結していますが、今後とも、災害時の医療提供に支障を来すことのないよう努力してまいりたいと考えております。
また、課題でありましたDMATの整備につきましては、先の院長答弁のとおり整備される予定でございますが、今後とも、災害医療に関する人材の養成を図ってまいりたいと考えております。
そのほか、福祉施設、診療所との連携につきましては、富山市民病院、高岡市民病院、黒部市民病院と平成20年に自治体4病院災害時医療救護活動相互応援協定を締結し、大規模災害発生時には広域連携を図っていくことになっており、また、砺波医療圏においては、患者情報を共有化するとともに、地元医師会等との連絡を密に交わしながら、災害時に対して一層の安心・安全な医療提供の確保に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 4番 島崎清孝君。
〔4番 島崎清孝君 登壇〕
◯4番(島崎清孝君) それでは、通告に従いまして、以下、質問をいたします。
初めに、自治体財政健全化法に基づく評価と課題についてお尋ねいたします。
北海道夕張市の財政破綻を機に制定された自治体財政健全化法は、一般会計のみを対象とした実質赤字比率、特別会計、企業会計も含めた財政規模に対する赤字額の割合をあらわす連結実質赤字比率、さらには一部事務組合も含め加入する借金の返済ぶりを示す実質公債費比率など、資金フローに着目した3つの指標にプラス、土地開発公社や第三セクターをも含めた、将来財政を圧迫する可能性の度合いをあらわす将来負担比率、以上4つの財政指標を用いて財政健全化の判断基準としています。
4つの指標のうち一つでも基準値を上回れば、早期健全化団体に指定され、最悪の場合には、国の管理下で再生に取り組む財政再生団体に指定されます。また、そうならないためにも、必要に応じて早期是正措置を数値によって促し、黄信号が点滅した自治体が自主的に財政健全化に取り組む仕組みもつくられています。
さて、本市の平成22年度決算では、この4つの指標のうち、実質公債費比率は20.3%と、前年度に比べ1.9ポイント改善はしたものの、全国市区町村の速報平均値10.5%を大きく上回っています。この数値が高ければ高いほど、借金返済が財政を圧迫する度合いが高く、財源を他の行政サービスに回す余裕が少なくなることを意味します。
しかし、平成21年度の実質公債費比率の全国ランキングでは、全国786の市と東京23区を加えた800区の市区のうち、砺波市は792番目の位置に位置しており、黄色の信号機が点滅を繰り返す、大変に厳しい状況が続いています。
そこで、お尋ねいたします。
現在、市では、市債発行の抑制を最大の課題とする公債費負担適正化計画に基づき、日常の行政運営が行われておりますけれども、市民の皆さんにこうした市の財政事情や是正に向けての方向性等が正しく伝わっているでしょうか。現在自主財源確保の観点から、受益者負担の適正化、あるいは均一的な取り扱いの名のもとに、昨年度は体育館使用料の有料化、本年度においては、福祉バス料金の有料化、そして、この12月議会では、公共施設使用料の実質値上げ等が相次いで打ち出されています。こうした事象に市民は本当に理解を示すのでしょうか。
先のタウンミーティングにおいても、各地区から行政に期待し、数多くの意見、要望が出されておりましたけれども、行政サイドからは現状の財政課題に対する踏み込んだ説明が乏しく、結果として、参加した市民には当局の回答に対するフラストレーション、欲求不満と要望に対するあきらめしか残らないといった運営に終始したとの印象を持ちます。こうした実態こそが本市の行財政運営の課題解決を遅らせるものと大変懸念をいたします。
砺波市が本格化する少子高齢化を背景に、今後歳入の減少と、その一方では、行政需要の増大といった相反する環境変化に的確に対応していくためにも、市民にわかりやすく現在の財政課題の説明を尽くすとともに、財政健全化に向けた道筋を明快に示し、行政と市民が共通認識のもと、スピード感を持ってこの課題に対処すべきではないでしょうか。上田市長の所見をお伺いいたします。
次に、公債費負担適正化計画についてお尋ねいたします。
早期健全化団体の予備軍ともいえる実質公債費比率が18%を超える自治体は、地方債発行に知事の許可が必要となる起債許可団体と指定され、その是正を計画的に行うための公債費負担適正化計画を策定し、県知事に提出することとされています。
そこで、砺波市は、平成18年度末の実質公債費比率の実績が21.3%であったことから、平成19年度を初年度に、平成28年度までの10年間を計画期間とする公債費負担適正化計画を策定し、起債発行の同意基準である18%未満の達成を目指しています。
しかし、計画着手から既に5カ年を経過した現在もなお、全国平均値の10.5%を大きく上回る水準に高どまりをしている最大の原因は何なのか、18%未満の達成に10カ年もの歳月を要する理由はどこにあるのか、また、当初計画である平成28年度末、17.1%の数値目標は本当に達成可能な計画なのか、実質公債費比率の現状と課題、今後の対策と見通しについて、改めて当局の見解をお尋ねいたします。
次に、補償金免除繰上償還に係る財政健全化計画についてお尋ねいたします。
この制度は公債費負担軽減対策として財政健全化計画を策定し、行財政改革を行う地方公共団体を対象に、平成19年から平成21年度及び平成22年から平成24年度までの各3年間で公的資金の補助を補償金免除繰上償還を行い、将来の財政負担の軽減を図ることを目的としたものであります。
そこで、本計画の基本方針並びに本制度活用による効果についてお尋ねいたします。
本市においては、病院事業、下水道事業を中心に企業会計に対する一般会計からの繰出金の縮減が大きな課題であります。今後の繰出金の推移をお尋ねいたします。
また、病院関係につきましては、改革プランに基づき、関係する皆さんの努力も相まって、2年連続の黒字化を達成するなど非常に明るい材料もあります。しかし、下水道経営の安定化についてはどのように進めようとお考えなのか、あわせて平成24年度下水道事業経営健全化計画のポイントをお尋ねいたします。
3点目に、本市が今後とも持続的な発展をより確かなものとするための最大の経営課題は自主財源の確保であります。本市の自主財源比率は、近年では平成20年度、50.7%をピークに、平成22年度は43.1%と低下傾向にあります。自主財源確保に向けた平成24年度の主な取り組みをお尋ねいたします。
次に、国民健康保険事業についてお尋ねいたします。
本年2月、厚生労働省が発表した2009年度の国民健康保険の財政状況は、収納率が全国平均で前年度を0.34%下回る88.01%と、国民皆保険が開始されて以来、最低を更新し、実質収支も2,633億円の赤字となるなど、赤字額が年々増加する厳しい財政運営が続いています。本市においても、平成22年度の実質単年度収支は、前年を7,800万円下回る3,500万円の赤字決算となりました。
歳出の面では、保険給付費が26億7,700万円と、前年度に比べ1億4,400万円、率にして5.7%増加する一方、保険税の収入済額は9億2,400万円と、主には所得の減少により、前年を5,300万円、率にして5.4%下回る大変厳しい状況下にあります。一方、現年分の収納率は前年を0.35ポイント上回る95.34%と、都道府県別では全国2位を誇る富山県の収納率の平均値を約2ポイント上回っています。
そこで、本市では国民健康保険事業に対する一般会計からの繰入金は、平成20年度の1億4,900万円に対し、平成22年度の実績は1億6,400万円と約10%の増加となっています。今後、保険給付費の大幅な増加が予想される中、単に収納率の向上対策だけでは立ち行かない現実があります。一般会計からの繰入金のミニマム化及び国民健康保険事業の安定運営のためにどのように取り組んでいかれるのか、今後の基本方針並びに平成24年度の取り組みの特徴をお尋ねいたします。
関連して、ジェネリック医薬品の推進についてお尋ねいたします。
先発医薬品の特許満了後に、新薬と同じ有効成分で製造されるジェネリック医薬品は、数百億円とされる開発コストが不要となる分、価格も平均すると約半額に抑えることが可能と言われています。
政府は、2007年6月に閣議決定した経済財政改革の基本方針の中で、平成24年度までに後発医薬品の数量シェアを30%以上にするとの目標を示しています。また、厚生労働省も後発医薬品に変更可能とする医師の署名があれば、薬剤師が調剤できるよう処方せん様式を変更するなど、ジェネリック医薬品使用促進の方針も打ち出しています。
さて、現在、砺波総合病院では、他に先駆けジェネリック医薬品の活用に取り組まれ、先進事例として全国から多くの自治体病院関係者が視察に訪れていると聞きます。
そこで、病院長にお尋ねいたします。
当院における現在の数量シェアはどの程度なのか、あわせて厚生労働省が目標とする平成24年度30%の目標値に対しては、どのような方針で臨まれるお考えなのか、まず、この2点についてお尋ねいたします。
次に、新たな医薬品の採用にはさまざまな調整とプロセスが必要でありますし、採用責任も発生をいたします。また、採用決定後は安定的な供給が大前提になるなど、後発医薬品の採用には提供する側の負担やハードルも極めて高い現状にあると存じます。
そこで、当院におけるジェネリック医薬品の採用決定に至るプロセス、ジェネリック医薬品に対する医師や患者への理解の促進、また、安定供給に向けたリスク管理と対策など、後発医薬品に対する現状の進め方と課題をお伺いいたします。
次に、一般外来患者の中でも生活習慣病は長期間にわたり継続して医薬品を服用する場合が多く、費用の負担軽減からジェネリック医薬品に変更する効果が最も大きいとされております。
そこで、当院における生活習慣病患者からの直接的な依頼件数は全体の何割程度あるのか、現状の医療状況をお尋ねいたします。
さて、ジェネリック医薬品の利用は、患者負担の軽減や医療保険財政の健全化に資することから、国は全保険者に対し、使用促進について積極的な取り組みを求めると同時に、具体的な取り組みとしてジェネリック医薬品の周知、希望カードの配布、利用した場合の自己負担軽減の周知などが示されています。
その一方、患者が医師や薬剤師に対してジェネリック医薬品の処方、調剤を依頼しない理由としては、頼むタイミングがわからない、頼み方がわからない、あるいは医師や薬剤師に意見をするのは気が引けるといった意見も多いようであります。
ここで、先進事例として広島県呉市の取り組みを取り上げてみたいと思います。
広島県呉市は、市町村国保の中では全国で初めてジェネリック医薬品に係る差額通知事業を行った自治体として全国から注目を集めています。
呉市の人口は約22万4,000人、うち国民健康保険被保険者数は約5万7,000人であり、全人口の約25%を占めています。また、少子高齢化が著しく、高齢化率は実に28.3%ということから、呉市の1人当たりの医療費は全国平均の約1.5倍の水準にまで達しており、国民健康保険の支出を補うための一般会計からの繰入金が年々増大していくという、こういった状況でありました。
したがって、歳出のうちの約7割を占める保険給付費の適正化を図る目的から、全国に先駆けてジェネリック医薬品の普及促進に乗り出した経緯があります。
市長のリーダーシップにより、レセプトの電子データ化を行う健康管理増進システムが導入され、平成20年7月より医療費削減効果の大きい国民健康保険被保険者に対し、ジェネリック医薬品の使用促進通知サービスを開始、差額通知は、先発医薬品との差額が大きい患者を対象として、医師会と調整しながら4カ月に1回程度、同じ被保険者に通知されています。また、運営方法は民間事業への委託で行われており、質問や要望などはデータベース化して呉市にフィードバックする仕組みとなっています。
呉市ではさらなるジェネリック医薬品の使用促進に向け、平成21年7月には、ジェネリック医薬品希望カードを被保険者に配布するなどの積極的な取り組みを展開した結果、平成22年度における財政効果は、支出がレセプトデータの電子化及び郵送料金で約3,740万円、一方、費用削減効果額は1億1,130万円、この結果、費用対効果は年間約7,390万円と算出をしています。
平成22年度末の砺波市の人口に占める国民健康保険被保険者の比率は21%と、呉市に比べ低い水準にはあるものの、年々増加傾向にありますし、これに伴い一般会計からの繰入金も、後期総合計画では年を追うごとに増大する計画となっています。
今回取り上げました呉市の事例は、課題や対策も含めて日本全体の国保事業、その将来を先取りしたものであります。本市としても保険給付費の適正化を図ることを目的に、新たなシステム構築やジェネリック医薬品の活用などにより、より積極的な経営努力がぜひとも必要かと存じます。
最後に、当局の見解をお尋ねして、私からの質問を終わります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 島崎議員の財政健全化の道筋についての御質問のうち、後発医薬品に対する砺波総合病院の取り組みについてを除く御質問にお答えをいたします。
まず、今定例会に提案しています使用料の改正等の幾つかの条例案につきましては、新たに使用料を定めたものでありますが、基本的には公平な受益者負担並びに受益者負担の均一的な取り扱いの観点から条例改正を提案いたしたものであり、自主財源確保の観点からではないことを御理解いただきたいと思います。
それでは、初めに、市民にわかりやすく財政課題を示し、行政と市民の共通認識のもとで財政の健全化を進めるべきでないかとの御提言について、私の所見をお尋ねでございます。
地方自治行政を推進し、円滑に運営するには、市民各位の御理解と御協力が何よりも大切であり、その上で、できるだけ行政サービスを低下させないよう配慮しながら財政の健全性を維持することが肝要であると考えております。
そういう観点から、市では広報紙やホームページ、ケーブルテレビなどにより、当市の予算や財務状況等の公表に努めているところであり、特にホームページにおきましては、普通会計における貸借対照表など、財務指標や全国市町村の財政状況等と比較、分析できる財政比較分析表などを掲載し、財政の現状について公表し、説明を加えているところであります。
ただ、議員御指摘のとおり、これらが市民の皆さんにとってわかりやすいかどうか、また、公表する内容や媒体がこれでよいのかなど、さらに検討すべきところもあると思いますので、よく調査して研究した上で、市民の皆さんによりわかりやすく、また、より多くの機会に市の財政状況や課題について説明させていただくよう努めてまいりたいと考えております。
なお、市では、行政出前講座に市の財政事情というメニューも掲示いたしており、大いに御利用いただきたいと思います。
次に、公債費負担適正化計画について御質問の実質公債費比率の現状と課題、今後の対策と見通しについてでございますが、公債費負担適正化計画とは、市町村が地方債を発行する際に知事の許可が必要となる、実質公債費比率が18%以上の団体が、将来18%未満となるよう策定しておる計画であります。
御案内のとおり、砺波市では、平成18年度実質公債費比率が21.3%であったことから、平成19年度において、平成28年度まで10カ年をめどに策定したものであります。
そこで、計画着手から5カ年を経過しているのに高どまりしている最大の原因並びに18%未満を達成するに10年の歳月を要する理由でありますが、1つには、過去のまちづくりに伴う学校建設事業や下水道事業、そして、病院建設事業などにより借り入れている市債は、その借入期間が25年から30年と長く、長期にわたる影響があること、2つには、平成18年度、平成19年度、平成20年度の単年度の実質公債費比率がそれぞれ23.4%、24.4%、22.3%と特に高い値であり、3カ年平均で求める実質公債費比率にとって長い間その影響があり、大きな改善が見込めなかったことが挙げられます。
しかしながら、平成22年度実質公債費比率は、20.3%のうち総合病院に係る公債費負担が4.6ポイント占めており、これを除けば16%以下となりますので、比率が高目に推移することはやむを得ない面があると考えております。
次に、平成28年度末までに17%程度まで低下させることはできるのかのお尋ねでございますが、平成22年度の単年度実質公債費比率は18.5%となっており、既にかなり目標に近づいており、今後の対応次第では不可能ではないものと考えておりますが、これまで申し上げておりましたとおり、実質公債費比率は、まちづくりのための基盤整備や耐震改修事業などの施設整備などの公共事業費の多寡が左右されるものであり、ただ低下すればよいというものとは考えておりませんので、その点につきましても御理解をいただきたいと存じます。
次に、財政健全化計画についての御質問のうち、制度活用による財政効果についてでございますが、議員の御発言がありましたとおり、この計画は公債費負担の軽減対策として高金利で借り入れている市債については、繰上償還に必要な補償金の免除を受けて低金利の市債に借りかえることができる、自治体にとっては大変有利な制度であります。市では、この制度を活用して、平成19年度から平成21年度までの3カ年間で、金利5%以上の市債を対象に借りかえを行ったところであります。
そこで、お尋ねの財政健全化計画の基本方針並びにその効果でありますが、この計画は、基本的には補償金免除繰上償還によって生ずる財政効果を超える効果を行財政改革や経営改革により達成することが求められるものであり、その方針に沿って策定しているものであります。
なお、先の繰上償還によって生じた公債費の節減効果は、3カ年合わせて普通会計では7,080万5,000円、さらには、下水道、水道及び病院事業を合わせますと9億2,266万2,000円となっております。
次に、病院事業及び下水道事業に係る今後の繰出金の推移についてでありますが、両事業ともそれぞれに中長期の経営計画を立てて経営の健全化に努めているところであり、また、会計に対しましては、国において繰り出し基準が示されているところであります。
したがいまして、基本的にはその基準に基づき繰り出すことになりますが、市の厳しい財政状況も考慮し、総合計画実施計画において当面の繰出金を定めております。
そこで、今回策定いたしました平成26年度までの総合計画実施計画におきましては、病院事業会計に対してはこれまでの病院改革プランと同額の12億円を、下水道事業会計に対しましては平成23年度と同額の7億1,000万円を3カ年継続して繰り出す計画としているところでございます。
次に、下水道事業会計健全化計画でございますが、平成19年度から平成23年度を計画期間とした下水道事業経営健全化計画につきましては、平成19年度から平成21年度の3カ年にわたりまして公的資金の補償金免除繰上償還を実施し、公債費の軽減と適正化を図ってきたところであります。
下水道経営につきましては、現在、平成23年度から平成27年度を計画期間とした砺波市下水道事業中期経営計画に基づき安定化に取り組んでおり、一般会計からの繰り入れ水準を考慮し、適正規模の年間事業量と資本費平準化債の活用を事業経営の柱に据えて、健全で安定した経営に努めております。
平成24年度以降においても、引き続き本中期経営計画に沿って受益者負担金、使用料の徴収率や下水道の接続率の向上などに努め、経営基盤の強化、安定した下水道事業の経営に当たってまいりたいと存じます。
次に、自主財源の確保に向けた平成24年度の主な取り組みについての御質問にお答えいたします。
近年、当市の自主財源比率が低下傾向にあるのは、市税収入が減少傾向にある中で、一般財源でありますが、依存財源となります交付税、臨時財政対策債などが増額傾向にあったことによるものであります。
そこで、平成22年度の一般会計の歳入決算における自主財源の総額は93億4,000万円余で、そのうちの市税収入が68億5,000万円余で73.4%を占めており、その他繰越金が9億6,000万円余、使用料等収入が4億8,000万円余などとなっております。
このような中で、自主財源を確保するために市税収入の確保が大きなウエートを占めることになり、これは中長期的な課題となりますが、活力あふれるまちづくりによって市税収入を確保していくことが何よりも重要な課題であり、企業誘致やまちのにぎわいづくりなどに積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。
ただ、御案内のとおり、市税収入は社会情勢、経済状況等により大きく左右されるところであります。したがいまして、自主財源の確保のために、あわせて経常経費の徹底した削減などにより、各年度の余剰金により基金の積み増しや繰越金の確保、さらには適正な受益者負担などにより使用料等を確保していくことが重要であり、また、このことが常日ごろからの不断の取り組みが肝心で、平成24年度におきましても、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、国民健康保険事業の安定運営についての御質問のうち、事業の基本方針と平成24年度の取り組みについてでございますが、まず、国民健康保険事業特別会計への一般会計からの繰入金については、平成22年度実績では1億6,400万円余りとなっております。
この繰入金については、保険税の軽減に対する支援、被保険者の高齢化に対する支援、出産育児の一時金に対する支援と、一定のルールに従い、毎年国民健康保険事業特別会計に繰り入れているものであります。そのため、近年、景気低迷による所得の減少や非正規雇用の増大、さらには高齢化による高齢者の国保加入者の増大などにより、国民健康保険事業特別会計の一般会計からの繰り入れをミニマム化することが難しいのが実態であります。
次に、国民健康保険事業特別会計の状況でありますが、平成22年度決算では1億1,896万1,000円余の収支差額があり、平成23年度へ繰り越しましたが、単年度収支ではマイナス3,596万9,000円となっております。
その原因といたしましては、歳入では、国民健康保険税がマイナス5.4%、5,288万3,000円の減となり、歳出では、保険給付費のプラス5.7%、1億4,425万6,000円の増となったことによるものであります。
一方、平成23年度の概算財政見通しでは、歳入が40億1,195万7,000円、歳出が39億9,603万円、収支差額が1,592万7,000円を見込み、単年度実質収支ではマイナス1億303万4,000円を見込んでおります。そのため、平成24年度への繰越金が大幅に減少することから、基金1億5,083万8,000円を取り崩さざるを得ない状況であり、さらには団塊の世代の人たちが大量に前期高齢者に移行するなど、保険給付費の増加が見込まれることから、現在、国民健康保険税の税率見直しを検討いたしておるところでございます。
見直しの時期につきましては、現在、新年度からの実施を考えておりまして、3月定例会に税率改定の議案を提出する予定であります。
なお、現在の見込みでは、一定の税率改正が必要であることから、市民の皆様の負担増を緩和するため、2段階に分けて税率を改定することも検討しており、来年早々には具体案をお示ししたいと考えております。
一方、国保会計は高齢化がますます進む中、景気の好転が見込まれない限り歳入増は難しく、今後も財政的には厳しいことが予想されます。そのため、市では保険給付費の抑制を図るために予防の充実が最も肝要であると考えており、具体的には特定検診の実施率を上げ、生活習慣病等の早期発見、早期治療を進めてまいりたいと考えております。また、負担と給付の関係から、公平性を堅持するため、収納率の向上にも努めてまいります。
次に、呉市の事例と本市国保事業に対する後発医薬品の活用等についてでございますが、先発医薬品の特許期間が切れた後に、先発医薬品と成分や規格等が同一で、治療学的には同等であると承認された医薬品であり、開発費用が安く抑えられることから、先発医薬品と比べて薬価が低くなっております。
国では、平成24年度末までに、このジェネリック医薬品の数量シェアを30%以上とする目標を掲げており、患者負担の軽減や医療保険財政の改善につながることから、各医療保険者においても、ジェネリック医薬品の普及に向けた積極的な取り組みが求められております。
ジェネリック医薬品の利用促進につきましては、当市におきましても、平成22年度から国保被保険者証更新時にジェネリック医薬品希望カードを被保険者に配付し、窓口にて設置して、利用促進に努力をいたしております。今後も広報、ホームページ等で利用促進のPRをしてまいりたいと考えております。
また、議員御提案の差額通知につきましては、富山県国民健康保険団体連合会におきまして、平成24年度実施に向けて現在検討されているところでございます。新たなシステム構築につきましては、その費用対効果等を含め、調査研究をいたしたいと考えております。
いずれにいたしましても、国民健康保険事業特別会計の運営には非常に厳しいものがありますが、健全財政運営に今後とも努力してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上とさせていただき、後発医薬品に対する砺波総合病院の取り組みについての御質問につきましては病院長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
病院長 杉本立甫君。
〔病院長 杉本立甫君 登壇〕
◯病院長(杉本立甫君) 私からは、後発医薬品に対する砺波総合病院の取り組みについての御質問にお答えいたします。
まず、後発医薬品の数量シェアについての御質問にお答えします。
後発医薬品の採用につきましては、2008年より厚生労働省の指導もあり、順次採用しているところであり、現在の品目数でのシェアは14.5%となっているところであります。
この採用につきましては、厚生労働省は議員さんの述べられているとおり、平成24年度までに総量で30%の目標値を掲げているところであり、この数値は品目数での割合で20%をクリアすれば達成できることから、当院の医師、看護師、薬剤師等で構成する薬事委員会において副作用等の医療情報を加味しながら、1つの薬品を採用した場合、1つの薬品を削除する姿勢で厳正に審査し、また、自治体病院協議会等の情報をもとに後発医薬品の医療情報を収集し、後発医薬品の数を増していく方針であります。
次に、後発医薬品に対する現状の進め方と課題についての御質問にお答えいたします。
当院で使用するすべての医薬品は、今ほど答弁しましたとおり、院内の薬事委員会で厳密に審査した上で採用されることになっております。
後発医薬品の採用プロセスは、まず、先発医薬品と同等の効果が得られるのか、品質は保証されるのか、安全性は確保されるのか、もう一つ、安定供給されるのか、副作用情報を含めた医薬品情報が提供されるのかといった問題点を整理した上で資料を作成し、これを薬事委員会において検討、承認をした上で採用を決定しているところであります。
次に、後発医薬品に対する医師や患者さんの理解の促進は、今ほど述べましたように、薬事委員会で決定した後発医薬品について、医師に理解してもらった上で、患者さんに医師が後発医薬品の効果について先発医薬品と同等であることや、価格は安価に設定されており、患者さんの自己負担の軽減にもなることを理解していただいているところであります。
次に、安定供給に向けたリスク管理と対策等、後発医薬品に対する現状の進め方と課題については、後発医薬品の供給は、市場の規模や薬品メーカーの規模等により、安定した供給ができないものもあり、継続して採用が難しいことも考えられます。このことから、リスク管理として、いつでも先発薬の購入を可能としております。
また、後発医薬品は先発医薬品の20年から25年の特許期間が切れた後に発売されることから、すべての医薬品に対して後発医薬品が存在しないことも御理解いただきたいと存じます。
次に、生活習慣病患者の利用状況の御質問にお答えします。
一般に生活習慣病と言われます高血圧、高脂血症、糖尿病等につきましては、その病気の原因とされる要因が多岐にわたっており、また、診療の際に他の疾患が発見されたり、別の疾患により受診したら生活習慣病が発見されたりすることが多く、生活習慣病患者として投薬することが少なく、複数の病名の薬が処方されているのが現状であります。
このため生活習慣病患者の個人別、疾患別での後発医薬品の依頼件数や利用状況を把握することはできないのが現状ですので、御理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時40分 休憩
午後 2時50分 再開
◯議長(稲垣 修君) 休憩前に引き続き会議を開き、一般市政に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
6番 大楠匡子君。
〔6番 大楠匡子君 登壇〕
◯6番(大楠匡子君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、質問と提案をさせていただきます。
大きい項目の1つ目に、景観計画についてお伺いいたします。
平成16年に景観法が制定され、全国的にも景観に対する意識が高まっています。砺波平野の散居景観は日本を代表する農村の原風景であり、砺波市の貴重な財産です。昨年、砺波市で開催された全国屋敷林フォーラムでの発表を見ても、砺波市の散村が他に抜きん出てすばらしい景観であることがわかっています。このすばらしい散村形態を後世に残すことは、今を生きる私たちの大事な責務であると思います。そんな中、砺波市として景観計画の策定に取り組まれたことは意義のあることであります。
市では、平成18年から3カ年で砺波平野の散村文化的景観保護推進事業を実施し、平成21年3月に砺波市散村景観保全活用調査報告書をまとめられました。その中の市民意識調査では、約7割の方が散居景観を後世に引き継ぐべきと回答されました。そして、平成22年3月に砺波市散村景観を考える市民懇話会から市へ提出された提言書の中では、散居景観を保護するためには、ある程度の規制も必要という意見が出されるなど、散居景観保全に向けた市民の意識が高まってきました。
そこで、今年2月、景観計画の素案について市内全域で地区説明会を開催され、概要を説明し、広く市民の声をお聞きになりました。また、市民と行政が協働で景観に関するまちづくりを考える砺波市景観まちづくり研究会も並行して進められ、その研究会や地区説明会で意見の多かった形成基準や届け出行為の見直し、支援策等について検討され、大筋をまとめられました。
11月21日からはこれに基づき2回目の地区別説明会を始められていますが、このようにきちんと段階を追って進められていることで、市民の散居景観保全に対する意識は着実に高まっているようです。景観計画は市民の理解と協力がないと進めることのできない計画ですので、これまでの進め方は大変評価できると思うものです。
そこで、この景観計画がより実りのある計画になりますよう、幾つかの提案と質問をいたします。
1つ目は、広域での取り組みについてです。砺波平野の散居景観は砺波市だけではなく、広く砺波地域に広がっています。ですから、砺波市だけが景観計画を立てて、散居の保全に一生懸命取り組んでも、他の広域自治体での取り組みが進まなければ、散居景観の保全に大きな支障となります。散居景観の保全には砺波広域圏での取り組みが不可欠なのです。
そこで、お伺いします。
砺波広域圏の各自治体への働きかけはどうなっているのか、広域圏の住民の意識はどうなのか、今後どのように広域圏全体の計画として進めていかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。
カイニョに囲まれた散居で暮らすにはいろいろな不便さ、大変さもあり、この生活を維持していくためには、それらが少しでも解決されることが必要です。
そこで、2つ目の提案です。屋敷林に囲まれた散居で暮らしているおかみさんたちに集まってもらい、その苦労と問題点、そして、その対策について協議する散居村おかみさん会議なるものを仕掛けてはどうでしょうか。その活動を通して地域のネットワークやつながりを育てていくことができないでしょうか。お考えをお聞かせください。また、散居村に住んでいる人の悩みなどを相談できる窓口を設け、解決に向けて対策を講じる仕組みをつくれないでしょうか。
3つ目に、各種支援制度についてお伺いします。
景観計画の策定に合わせて各種支援制度が検討されていますが、県が先行して実施している補助事業の穴を埋めるような支援制度の策定を期待するものです。今、検討中ということではありますが、散居景観のモデル地域とはどのような地域を想定されているのか、モデル地域を選定される意図は何なのか、お聞かせいただきたいと思います。
散居景観の保全を一番に考えた景観まちづくり計画ではありますが、散居景観区域外においても、屋敷林の落ち葉の処理などに苦労されておられます。散居景観調和区域などの屋敷林を保全することも市の景観を守ることにつながると思いますので、支援制度の対象に加えるなどの対応をお願いしたいと思います。お考えをお聞かせください。
先月の6日と20日に庄川水記念公園では、昨年に引き続き落ち葉拾い隊ボランティアが活動されたようですが、このようなボランティアもおもしろい取り組みであると考えます。市内の公共施設の落ち葉拾いに広げていかれてもいいのではないでしょうか。
さて、空き家対策の担当ですが、今はとりあえず企画が担当しているようですが、これからこの空き家問題は砺波市にとって大きな問題となってくるのですから、きちんと担当課を決めて取り組んでいただきたいと思います。
午前中の今藤議員の質問に対する市長からの答弁にもありましたが、昨年から進められている空き家利活用の調査は、調査結果がまとまってきているようで、今後はその利活用をどのように進めていくかが課題となります。空き家バンクの創設や利活用、管理となると、民間だけではなかなか進められません。また、景観計画の中で対象となるのは、散居景観区域の中の空き家となりますが、空き家問題は、市街地、丘陵山間区域を含め、広く市内全域の広範的な問題となっていますので、空き家問題を担当する課を市の組織にきちんと位置づけ、本腰を入れた対応を進めていただきたいと思います。お考えをお聞かせください。
大きい項目の2つ目に、行革に伴う施設の統廃合と有料化についてお伺いします。
行政改革委員会からの答申により、施設の統廃合が検討されています。長年働く女性たちが生き生きと趣味などを楽しんでおられた旧働く婦人の家、となみ野サロンが改修された職業能力開発センターに統合される計画についてお伺いします。
となみ野サロンでは、教養教室としてイタリア料理や洋裁教室など9教室、自主教室として料理3教室やフラダンスなど54教室、短期講座におやつづくりや伝承料理など13教室、趣味の学級に和菓子づくりや心が喜ぶ食の講座など6学級と盛りだくさんの教室講座が開かれています。
利用者数は、平成22年度1年間に2万2,470人で、1日平均の利用者数は76.7人となっています。平成20年、平成21年には、1日平均89.5人が利用されていました。
となみ野サロンは、施設ができた経緯から女性を対象にしていることもあり、特に料理関係の講座がたくさんあります。となみ野サロンには立派な調理室が整備されていますので、どのような料理教室でも開くことができますが、職業能力開発センターに統合されると、調理室がなくなってしまい、料理関係の講座を開くことができなくなります。
となみ野サロンは働く婦人のみならず、定年後の女性の皆さんが趣味や特技を磨く格好の生涯学習の施設でした。似たような施設が多いので統合をという行政改革委員会からの答申ですが、施設の目的が違うものを無理に統合すると、やはり無理が生じてくると思います。
そこで、となみ野サロンの存続も含め、類似生涯学習施設の統合については慎重に進めていただきたいと思うものです。お考えをお聞かせください。
さて、今議会に多数の施設の条例の一部改正が提案されています。市有施設の使用料、利用料及び入館料、観覧料の見直しを提案されているわけですが、公平な受益者負担の観点から、今まで無料だった施設が有料になり、低額だった利用料が値上げされます。体育館の有料化に引き続いての有料化に、ある程度の受益者負担もやむを得ないと思いながらも疑問を感じる改正もあります。
施設利用料の算定基準としている1時間100円、150円、200円は何を基準に決められているのか、部屋の広さにより一律となっているのか、個人の入館料などには身体障害者等は無料という規定が定められますが、障害者が施設を利用する際には減免措置がないのかなどです。
ボランティアポイント制の導入、浸透により、ボランティア活動に参加する人は増えているようですが、ボランティア活動をするための打ち合わせをするときに施設使用料が発生するようになると、簡単に打ち合わせをすることもできなくなりそうです。
減免、還付の規定には、基準を規則委任するとしています。例えば勤労青少年ホーム条例では、教育委員会は公益上必要があると認めるときは、使用料の全部または一部を免除することができるとしていますが、公益上必要があると認める場合というのは、どんな場合なのでしょうか。
勤労青少年ホームは収入の少ない、もしくは就職できていない青少年たちのたまり場的な施設だったように思います。その施設が有料化されることにより、利用者数の減少が懸念されます。働きながら生活を楽しむことのできる社会のありさまがだんだん変化し、人生を楽しむことのできる社会ではなくなりつつあるように思います。若い人たちの小さな楽しみ、高齢者の方々のちょっとした生きがいを奪い去ることのない改正を望むものです。
今回の改正で、人が輝く、活力あふれる砺波市の実現は近くなるのか、遠くなるのか、有料化による利用者への影響について当局はどうお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
大きい項目の3つ目に、情報弱者などへの対応についてお伺いいたします。
今年7月24日に地上波テレビ放送がアナログ放送を終了し、デジタル放送に完全移行しました。これまでテレビからの情報に頼って生活していたひとり暮らしの高齢者の情報難民化が問題となっています。市では、民生委員などを中心に積極的に地デジへの移行を周知してこられたようですが、地デジ難民が発生し、地震や台風などの緊急情報が伝わらなくなっているケースがないか懸念されます。市としてどのように現状を把握されているのか、砺波市は100%の移行が完了しているのか、そうでなければ、どのような対策を講じられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
さて、2009年の通信利用動向調査によると、2008年に比べて60歳以上の世代でネット利用が大幅に伸びているという報告があります。特に65歳から69歳代では38%から58%に利用率が増えています。60歳以上のシニア世代にパソコンの使い方を覚えてもらうことも、これからの情報化社会では必要になってきているようです。
近年、各自治体ではホームページでの情報発信に力を入れています。砺波市においてもホームページを充実させ、情報発信を進めておられ、最近ではツイッターでの情報発信もされていますが、60代以上のシニア世代のアクセスはまだまだ少ないように思われます。
そこで、情報弱者とならないよう、シニア世代がパソコンと親しむ場の提供などに取り組まれてはどうでしょうか。ホームページの充実も大切ではありますが、これから高齢化社会を迎える砺波市として、情報弱者となる高齢者や障害者への情報伝達体制を確立しておかなければなりません。情報弱者をつくらないための体制をどのように進めていかれるのか、お聞かせください。
次に、聴覚障害者の情報保障についてお伺いいたします。
先ごろ富山県議会において、全国で2番目に手話通訳者が議場で手話通訳を行われ、傍聴に訪れられた聴覚障害者の方は、質問者や答弁者の内容がこれまで以上によくわかったと大変喜んでおられたということです。砺波市としても情報弱者である聴覚障害者の方々からの団体や個別の手話通訳派遣要請に対応されています。また、社会福祉大会などでは、手話通訳のほかに要約筆記なども配置され、情報保障に努めておられますが、大勢の人が集まる各種大会や講演会、例えば教育大会や成人式などにおいても手話通訳者を配置され、聴覚障害者のための情報保障を進めていただきたいと思うものです。お考えをお聞かせください。
最後に、過日、災害時要援護者台帳の整備について、県内各市町村の取り組み状況が報告されていました。国の災害時要援護者の避難に関する指針を受け、県内の自治体は2005年度から順次独自の基準や登録方法に基づき台帳を作成しています。砺波市が今年11月に行った調査では1,125人の登録が確認されていますが、台帳から漏れている要援護者は少なくないようです。プライバシーの問題も絡んできますが、台帳をしっかり整備することはもちろん、常に更新していくことが重要です。今後の取り組みについてお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 大楠議員の御質問のうち、景観計画について及び行革に伴う施設の統廃合と有料化についてお答えをいたします。
まず、1項目めの景観計画についての御質問のうち、1点目、広域圏での取り組みについてでございますが、景観計画策定における砺波広域圏での取り組みにつきましては、散居景観が砺波平野全体に展開していることから、南砺市や小矢部市など関係自治体との連携は必要不可欠であると認識をいたしております。
南砺市との連携においては、平成18年にとなみ野田園空間博物館推進協議会を組織し、水と緑と人が共生する田園空間の創造を目指す地域づくり活動を行っておりますが、本市が進めている景観計画など、散居景観保全の具体的な取り組みは行われておりません。
本市が策定を目指している景観法に基づく景観計画は、都道府県または市町村単位で定めるものと規定をされており、広域圏での対象は区域とできないことから、この計画を取りまとめた後に、周辺自治体に散居景観保全の取り組みを働きかけてまいりたいと考えております。
なお、近隣の高岡市では、平成25年に全国散居村サミットの開催が予定をされており、さらに住民の皆さんの関心が高まることと存じますので、意識の高揚を砺波平野全体に展開するよう努めてまいりたいと考えております。
このほか砺波広域圏内における住民意識のお尋ねでありますが、一体的な調査を実施していないために把握をしていないのが実情でありますので、今後、近隣市との連携の中で取り組んでまいりたいと思っております。
2点目の散居村おかみさん会議を持ってはでございますが、散居村おかみさん会議の仕掛けについて御提案いただきましたが、女性の皆さんに御理解いただくことは極めて重要なことと思っております。屋敷林の維持管理は御苦労があると承知しておりますので、地域で支え合いながら一体的になって管理に取り組むことが理想でありますので、一つの手法としてはよいアイデアであると思っております。
また、今回、まちづくり研究会では、散居景観が広がる地区から選出いただいた2名の中に女性1名が参画をされており、今後は機会を通して女性団体などに呼びかけるとともに、相談窓口の設置を検討してまいりたいと、このように考えております。
次に、3点目の各種支援制度についてでございますが、現在支援制度の検討を進めているところであり、その考えの一端を申し上げますと、散居景観は砺波平野に家が点在して成り立っていることは言うまでもございません。したがいまして、屋敷林に囲まれた個々の家を保全するだけではなく、一つの点にすぎないために集落単位をモデル地域に認定して保全を努めてまいりたいと考えております。
また、散居景観調和区域も対象エリアに加えられないかの御質問につきましては、これから制度設計を進めることとしておりますが、散居景観区域の広い範囲を効果的な面として保全することが重要であり、御質問の趣旨は理解しますが、財政状況も勘案しながら検討を進めてまいりたいと、このように思っております。
このほか、11月に実施されました庄川水記念公園の落ち葉拾い隊のボランティアにつきましては、本年で3年目となり、6日、20日の両日に延べ46人が参加され、ボランティア意識の高揚と、憩いの場である公園の美化活動に御協力をいただきました。このような取り組みは、市民一人一ボランティアの提唱をする私にとりましても感慨深いものであり、さらに拡大して実施されることを期待しているところでございます。
そこで、その他の公共施設において実施してはとの御意見でありますが、市民の皆様方に過度な負担や押しつけとならないよう十分に留意しながら検討してまいりたいと考えております。
次、4点目、空き家対策の担当課設置についてでございますが、まず、本年度行っております空き家関連事務といたしましては、宅地建物取引協会の協力を得た空き家情報提供ホームページの活用により行うほか、砺波市地区自治振興会協議会や市民協働事業として空き家調査を実施しているNPO法人砺波土蔵の会及び関係団体の方など17名から構成する空き家利活用調査研究委員会において、取り組むべき施策について御検討いただいているところであり、企画調整課ととなみ散居村ミュージアムが連携して取り組んでいるところでございます。
そこで、空き家情報の提供については、新年度において市外から移住や定住や空き家の多目的使用なども視野に入れ、所有者と活用希望者のニーズを的確にとらえて、互いの橋渡しをする空き家情報バンクの運営に向けて検討を進めているところであります。
また、市民協働事業である空き家調査の成果としては、所有者の御賛同により、伝統的家屋の利活用を進めることが可能である空き家も数軒ございますので、となみ野暮らし体験や散居村合宿などのモデル事業についてあわせて企画していきたいと考えております。
また、空き家の利活用については、利用者の希望によって衣食住の一般にわたる事項に始まり、商業、農業等の事業展開や就学などについての相談、さらに各地域における良好なコミュニティー関係の醸成など、あらゆる分野に関連するニーズが想定をされます。
申し上げるまでもなく、空き家対策には家屋の所有者はもちろん、自治振興会を中心とした地域コミュニティーのほか、NPO法人や住まいや不動産にかかわる事業者などといった幅広い分野の皆さんと行政機関とが密接に連携し、持続的な体制を構築することが肝要と考えております。
したがいまして、空き家対策の推進には多くの団体の参画もお願いしたいと考えておりますので、行政がかかわる分野も非常に広範囲にわたることとなるため、特定の課の業務としてすべてを担うことはなかなか困難であると考えております。
そこで、空き家に係る総合窓口と調整機能については、行政事務の総合調整を行う企画総務部の企画調整課が担うこととし、必要に応じて各分野と所管する部局との連携を図りながら、行政組織を横断した全庁的な取り組み体制をとることとしたいと考えているところであります。
つきましては、新年度におきまして、空き家情報バンクの設置などにより、まず、その基礎づくりを進めたいと考えているところでありますので、御理解をいただきますとともに、多方面から御支援を賜りますよう、お願いを申し上げます。
次に、2項目めの行革に伴う施設の統廃合と有料化についての御質問のうち、1点目のとなみ野サロンの存続についてでございますが、となみ野サロンでは、働く女性だけでなく、男女共同参画の時代を迎え、男性も含めた多くの市民に利用いただき、活発な生涯学習の活動を展開していただいております。
となみ野サロン事業につきましては、職業能力開発センターの施設改修を今年度に実施し、利用できる部屋数の増加など機能の充実を図った後、平成25年1月を目指し、改修後の施設で事業を継続していく予定としているところであります。
御心配いただいているとなみ野サロンの主催の料理教室については、平成24年12月まではとなみ野サロンの調理室を使用でき、その後は庄川いきいき館の調理室を使って実施し、友の会、サークルの利用については、文化会館、散居村ミュージアムなど調理施設を備えた公共施設もあることから、今年はそちらの施設もぜひ御利用いただきたいと思っております。また、類似生涯学習施設の統合につきましては、平成21年度の行政改革委員会の提言に基づき随時取り組んでおるところでございます。
現在は、極めて不透明な財政状況の中にありまして、耐震化の課題も踏まえたとき、今までの施設をそのまま維持していくことが極めて困難になっていることが予想されます。今後は、類似施設の事業の連携を進めるとともに、設置目的の検討を行い、利用者の理解を得ながら慎重に類似施設の統合を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解と御協力をいただきたいと思います。
次に、2点目の有料化することへの利用者の影響についてでございますが、まず、今回の使用料等の見直しの背景と経緯につきまして御説明いたしますと、市内には、市民サービスに提供する公の施設としては126施設がありますが、その半数以上にわたる太田公会堂など公民館に準ずる施設、自転車駐車場などの基盤施設は、地域や市民に活用いただく中で使用料等の設定になじまないものであり、また、地域体育館につきましては、先行して昨年度見直しを行ったところでございます。
つきましては、残る51施設におきまして、全体で眺めますと、これらの施設間において使用料の設定水準に大きな差異があり、附帯設備の利用などに条件が均一でないことが挙げられており、とりわけ類似施設同士でも有料と無料の施設が存在することが指摘されておりました。
このことから、平成21年度におきまして、行政改革推進本部内に市民及び有識者で構成する公共施設の適正配置に関する行政改革検討委員会を設置し、今後の方向性として受益者負担の原則から、すべての施設について類似施設との均衡を考慮しつつ、使用料及び減免基準を見直すとの報告を受けたものであります。
つきましては、庁内の行政改革推進委員会で公平な受益者負担と均一な取り扱いの方針のもと、ここ2年間にわたり、慎重に調査研究を行ったもので、具体的な改正内容につきましては、担当課、指定管理者、利用団体など協議を重ねております。
そして、市民、有識者で構成する行政改革委員会にもお示しし、行政改革推進本部における決定を経て、今回の提案となったものでございまして、この間、議員の皆様にも、全員協議会等を通じまして改正内容を説明し、御意見を伺ったものでございます。
その上で、大楠議員から御質問のあったものでありますが、まず、使用料等の設定につきましては、福祉施設や観光施設等の類似施設ごとに、その部屋の面積、用途、形状などで使用料等が大きく異ならないようにできるだけ均一化を行ったものであり、利用が阻害されないことにも配慮した有料化、料金見直しと考えております。
なお、公平な受益者負担の方針のもとでありますが、障害者の皆様には、福祉センター、プール利用などで減免規定を設定しており、御理解を賜りたいと存じます。
また、有料化による利用者への影響につきましては、御心配いただいておりますが、基本的には長年の利用者の皆様、ボランティア活動に供する施設利用など、個別の事由を考慮しますと、これが公平で均一な運用の方針を空洞化することにもなりかねないと考えます。その上で市民の皆さん方の御理解のもと、円滑な運用を図るために、特にやむを得ない事情に対し、限定的な対応も考慮しながら、今回の見直しにつきまして十分な周知を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。
私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては担当部長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、大楠議員御質問のうち、3、情報弱者などへの対応についての2項目についてお答えを申し上げます。
最初に、地上デジタル放送への移行の状況についてお尋ねですが、市では本年7月24日のデジタル放送への完全移行をめどに、広報紙やホームページ、また、高齢者世帯等へは民生児童委員の方などを通じ、デジタルへの移行についてお知らせしてきたところであります。また、国が実施した低所得者世帯へのデジタルチューナー支援についても周知を行ってきたところであります。
そのほか、ケーブルテレビ加入世帯は、平成27年3月までデジアナ変換により現在のアナログテレビが御利用いただけることから、デジタルへの移行方法の一つとしてケーブルテレビへの加入をお勧めしたところであります。
7月24日の移行直後は、市民の方からのデジタル移行に関してのお問い合わせは数件ございましたが、最近はなくなっております。
その中で、デジタル移行が100%なのかとの御質問ですが、ケーブルテレビ加入世帯は100%移行が完了しておりますが、アンテナでの受信世帯につきましては調査しておりませんので、加入率が100%かどうかは不明であり、諸事情によりデジタルへの移行をされなかった世帯もあると思っております。
市といたしましては、独自にデジタル移行を済ませていない世帯への支援は考えてはおりませんが、国がチューナー支援の期限が過ぎている方に対しては、今後も従来どおり、チューナー配送と工事手配の実施について相談に応じることとしていることから、引き続き問い合わせなどがあれば紹介していきたいと考えております。
次に、情報弱者とならないよう、シニア世代がパソコンと親しむ場の提供などに取り組まれてはどうかとの提案についてお答えをいたします。
近年テレビやスマートフォンなどでも手軽にインターネットができるようになり、パソコンがなくてもさまざまな情報に触れたり、また、情報発信ができるようになりました。そういったインフラ整備が進んでいることもあって、シニア世代にもパソコンの利用者が増えているのではないかと思っております。
そこで、御提案のパソコンと親しむ場の提供でありますが、民間でのパソコン教室はもちろん、市でも職業能力開発センターや社会福祉センターでパソコン教室が開催されており、入門コースなどもあることから、それらの教室への利用をお勧めしたいと考えております。
次に、情報弱者をつくらないための体制についてでありますが、御承知のように、当市では広報紙、ホームページ、ケーブルテレビ、FM放送、新聞等への情報提供を通じ、市の出来事、お知らせ、行政情報などの情報発信を行っております。
情報弱者となる高齢者や障害者の方への情報伝達体制としては、それぞれの障害により対応は異なりますが、全戸配布している広報紙が一番確実であり、引き続き読みやすい紙面づくりに努力してまいりたいと考えております。
なお、視覚障害の方や高齢で広報紙が読みにくい方に対しては、ボランティアグループ、らんぷの会において毎月広報紙を読み上げたものを録音し、CDにして福祉施設に配布されていますので、周知を図っていきたいと考えております。
次に、聴覚障害者の情報保障についての御質問にお答えをいたします。
当市では、聴覚障害者の方の意思疎通を円滑にし、聴覚障害者の方の自立と社会参加の促進を図ることを目的に、手話通訳者等の派遣事業を行っております。
この事業につきましては、富山県聴覚障害者協会に委託し、昨年度で延べ30人の方に御利用いただいております。今後は聴覚障害者の方の情報保障のためにも、福祉以外の部署での各種大会や講演会において手話通訳者等の派遣を検討していただくよう手話通訳者等派遣事業をPRし、連携しながらさらに利用を進めていきたいと考えております。
次に、災害時要援護者台帳の整備についての御質問にお答えをいたします。
国においては、災害時要援護者とは、必要な情報を迅速かつ的確に把握し、災害から自らを守るために安全な場所に避難するなどの災害時の一連の行動をとるのに支援を要する人々を言い、一般的に高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦、外国人等が挙げられるとされております。
当市では、高齢者のひとり暮らしや障害を持つなど日常的に見守りが必要な方を対象として、地区でのケアネット活動や民生児童委員さんの活動を通じて市へ登録していただき、整備しているものであり、災害時にも援護が必要な方の台帳であると認識しております。
登録されている方は、寝たきり状態や車いす利用で自力では避難が困難な方、認知症や障害により情報理解が困難な方、また、高齢により避難できない方などの区分で整理しており、登録情報については、民生児童委員さんへ情報の変化などを紹介した上で、毎月更新を行っているところであります。
議員が御指摘された当市での1,125名の登録者数につきましては、高齢者のひとり暮らしの世帯数や障害者手帳所持者の数と比べると決して多くはなく、潜在的にまだ援護が必要な方もいらっしゃるものと思われます。
しかし、一方で、個人情報の保護やプライバシーの観点から、台帳への登録を遠慮されている方もあるのではないかと思っております。この点につきましては、災害に備えることの必要性を伝えて、登録につながるよう関係団体とも意見調整を行いながら、窓口相談などで個別に説明をしていきたいと考えております。
今後もケアネット活動や民生児童委員の方の活動を通じて、地区での支援や見守りが必要な方の掘り起こしと周知を図っていき、台帳整備を行いながら、日常的な安否確認や災害時での必要な情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 2番 川辺一彦君。
〔2番 川辺一彦君 登壇〕
◯2番(川辺一彦君) 議長のお許しを得ましたので、市政一般について、大きく3項目の質問をさせていただきます。きょうのトリを務めさせていただきますので、頑張っていきたいと思います。
まずは、1項目めとして、あすにつながる農業振興についてお伺いいたします。
古くから米どころとして繁栄してきた砺波市の基幹産業である農業は、食品の多様化による食嗜好の変化や少子高齢化、米生産数量の配分と水田利活用所得補償制度などによって、生産者は複合経営への取り組みを余儀なくされ、ここ砺波市の優良な水田においても、徹底した排水対策が必要とされる畑作物の生産が推奨されてきました。また、砺波市では、主要作物の米、大麦、大豆以外に地域特産作物のブランド化を進めようと、チューリップ球根、白ネギ、里芋、タマネギ、ニラ、庄川ユズなどの生産拡大に向けて栽培技術の向上や施設整備などの支援にも取り組まれてきました。
しかし、全国一の生産量と言われてきたチューリップ球根は、今やその座も危うくなってきており、各種畑作物にしても、北陸特有の気象条件や全国的な生産物流通の影響などにより、収量の減少や価格が低迷し、作付面積の拡大どころか現状維持が精いっぱいであると見受けられるのです。
例えば、チューリップ球根の生産には卓越した栽培技術が求められ、田園の圃場の選定に始まり、北陸の天候を見極めた作業工程計画や作業に伴う人材の確保など、軽い気持ちで生産できるものではありませんが、その栽培技術を継承して生産力を高めていくには、作業工程の簡素化や価格補償制度など確立し、球根栽培にかける生産者の意欲を向上させることが必要であると考えるのです。
また、今年で3年目の収穫を終えたタマネギですが、天候の影響、労働時間の長さ、安定しない販売価格などの要因により収穫量は伸びず、販売単価も低迷してしまい、ここ北陸の農地における畑作物栽培の難しさを実感させられ、生産者の生産意欲が上がっていかない状況にあるのです。
特にタマネギは初期投資により施設整備も完備され、販売ルートも確立されつつあるときに、生産者自身が生産意欲をなくしては元も子もありません。せめて安定した生産量が確保できるようになるまでの10年程度は、農家の生産意欲をかき立てる仕向け、仕掛けが必要ではないかと思うのですが、地域特産振興作物の生産意欲向上に対する上田市長の御所見をお聞かせください。
次に、来年度の米生産についてお尋ねいたしますが、罰則規定が廃止された平成23年度米の富山県生産数量目標は19万5,840トンと、前年比5.2%の削減を迫られましたが、石井知事を初めとする県内市町の農水省に対する見直し要求により、備蓄米の優先枠が設けられ、全国平均と同じ2.2%の減となったことは、皆様も御存じのとおりかと思います。
先般、農水省は、平成24年産米の都道府県別生産数量目標を発表し、富山県は19万6,480トンと、前年比0.3%の微増とはなったのですが、その500トンの増量は、今年の備蓄米枠6,200トンの1割にもならず、石井県知事も国に対し、十分とは言えない、備蓄米などの配慮を求めるとされました。今年度限りとされていた備蓄米の特例枠が復活してくれることに期待を寄せておりますが、農家は、数カ月後に作業を開始しなければならない農作物の作付計画がいまだに組めず、苦慮しているのが現状です。
上田市長におかれましては、機会をとらえて県や国への働きかけをされていると伺っておりますが、平成24年産米の生産数量目標はどのように見込まれているのでしょうか。また、来年度の砺波市のあすにつながる農業振興策はどのようにとらえておいででしょうか、お伺いをいたします。
次に、大きい項目の2つ目として、伝統文化の継承についてお伺いをいたします。
となみ野田園空間博物館の拠点施設であるとなみ散居村ミュージアムの施設内で、平成21年6月に民具館がオープンいたしました。現在ここには約1,200点の民具が展示され、古くから砺波地方で使われてきた民具を、衣、食、住、農といった使用目的などに分けて展示し、その役割や生活背景など、わかりやすく紹介されています。
そして、この民具は砺波地方で生まれ、砺波の風土に育まれ、愛され、親しまれてきたものであり、砺波の文化や生活の知恵を伝える貴重な歴史的文化財となっております。
また、砺波郷土資料館では、平成19年に砺波市有形民俗文化財として指定された5,528点を含む約1万2,000点の民具が収蔵、管理されており、その収蔵数の多さは、砺波市の歴史を探るため欠くことのできない文化資料として、さまざまな分野ごとの研究や企画展などに活用され、その民具の一つ一つが使い手に合ったものに改良してあるなど、いかにこの地域の農業が栄え、生活様式がすぐれた稲作単作地帯であったかを裏づける文化遺産となっているのです。
そして、この民具は過去50年余にわたり、郷土資料館を中心として市民の皆さんの協力により収集されたもので、稲作業、それ以外の農林業、手工業、衣、食、住、社会生活などの9分野に分類されており、その一点一点には、分類、項目、品名、用途、写真、スケッチ、寸法などを調査した台帳によって戸籍をつけ、しっかり管理されておりました。
さて、このように長い年月をかけて収集整理されてきた民具は、その時代の変遷とともに保管場所を6から7カ所と移転しながら、現在は般若中学校旧宿舎、出町小学校旧校舎、そして、民具館の3カ所に保管してありますが、今年度末からの着工を予定されている出町中学校耐震化改修工事により、現在の出町小学校旧校舎は平成25年度中に取り壊されることとなっております。
教育委員会では、そこに保管されているトウミやラチ打ち機など、比較的大型の農機具類約3,000点の移転先を検討されているとお聞きしておりますが、今はまだ有望な移転先もなく、同じ種類の民具は1つにしてもいいのではとの声も出ていると伺っております。
後期総合計画には収蔵庫の建設案は盛り込まれておりませんが、過去にはこれらの民具を永久的に保管する収蔵庫の建設計画もあったそうですし、この日本一の散居村における屋敷林に囲まれた民家とともに、砺波市をここまで発展させてきた農業発展の歴史を端的に示す歴史的遺産、民具の保存と継承についてどのようにお考えなのか、緊急性を要している出町小学校旧校舎内の民具の移転先はどのようにされるのか、砺波郷土資料館の館長をお務めにもなった舘教育長の御所見をお伺いいたします。
次に、市役所では市民からの申請や届け出に関する業務も多くあり、その申請書や届け出書、添付書類などには貴重な歴史的資料となるものが数多く含まれているのではないかと思っております。
例えば、人は生を受けると戸籍に記載され、亡くなると除籍簿に移されます。この除籍簿の保管期間は、平成22年6月1日の戸籍法施行規則の改正で、以前までの80年から150年となりました。しかし、現在の砺波市には以前の規則に従い、昭和初期以前のものは破棄されており、残ってはおりません。
また、以前より、当市へは砺波市から北海道へ移住された子孫の方々が先祖のルーツ探しに訪れられたり、関係機関への問い合わせなどあるようなのですが、こちらでも記憶されている方も少なくなっておられ、お寺の過去帳やお墓の位牌などを調べなければならないこととなって、大変な労力と時間が必要となる場合も出てきているようです。
砺波市でも核家族化が進んでおり、親は子に先祖の情報を伝えようとしても、そのときはまだ子は親の話を聞く気になれず、子は親を亡くしてから自分のルーツを探ろうと目覚めますが、時既に遅しとなってしまいます。このようなことにならないよう、除籍簿は人々が生きてきたあかしとして永久保存するべきだと思うのです。
もう一つの例として、地下水の採取に関する届け出があります。この届け出には、井戸の深度調査表の添付が義務づけられておりますので、これを永久保存していくことにより、市内の地下を流れる水脈の分布状況をより正確に調査できることになるのではないでしょうか。
砺波市に限らず行政では、文書管理規定によって文書の保存期間を事細かく規定されておりますが、今ほど申し上げました市の業務に関している資料を後世に役立つものとすることも行政の重要な責務の一つであると考えますので、歴史・文化的価値を持つことになるかもしれない文書資料の永久保存についてのお考えをお聞かせください。
なお、砺波市文書管理規定の第40条には、「ただし、なお保存すべき必要があると認められるもの及び歴史的価値があると認められるものは、改めて保存期間を定めることができる。」とありますし、砺波市個人情報保護条例の第6条の3項には、「ただし、歴史的又は文化的な資料として保存されるものについては、この限りでない。」とうたってあることにつきましても、お答えの中で触れていただければと思います。
最後になりましたが、続きまして、大項目の3番目として、病院の医療体制と経営についてお伺いをいたします。
先月、平成24年度から2年間にわたり、臨床研修を受ける医学生と研修を実施する病院の組み合わせについて、富山県は過去最高となる62%の研修医充足率、マッチング率となったことが報道されました。
この医師臨床研修制度は、医学生が医療機関の提示する研修プログラムや待遇などを比べて研修先を選べることから、各医療機関は、若手医師の確保のため、研修生がそのまま定着するようにとの期待を持って、さまざまな研修内容や待遇措置を講じておいでのようです。
そこで、県内のマッチング状況を見ますと、県東部の県立中央病院が83.3%、富山大附属病院は72.7%、黒部市民病院が71.7%と高率であったのに対し、県西部では、砺波総合病院が33.3%、厚生連高岡病院は25%と低率になっておりました。
このように県東部と県西部にあらわれる研修医充足率の格差は、病院が示す研修プログラムや条件の違いなのか、地域の人口密度なのか、格差の要因と、さらには砺波総合病院のマッチング率をどのようにとらえておいでなのか、杉本院長の御所見をお伺いいたします。
また、砺波総合病院では、現在も医師不在の診療科があることや、全体的な医師不足が心配される中、現役で外来診察されている杉本院長も近く定年を迎えられると伺っております。優秀な先生方の引退にも対応した医師の確保、そして、砺波総合病院はもちろん、砺波医療圏における後継者の育成を十分にできるスタッフの確保が大切と考えるのですが、来年度からの研修医の確保と看護師の確保を含めた医療スタッフ確保の見通しはいかがなものでしょうか、現状と展望をお聞かせください。
次に、地域医療再生計画についてですが、この計画では砺波医療圏内における2次救急病院及び砺波医療圏急患センター間での地域連携型電子カルテシステムとインターネットを利用して、診療所などの患者さんの診療情報を閲覧できるシステムを構築するとなっており、患者情報の共有化や診療情報の閲覧によって迅速で的確な治療や、安全で安心できめ細かな医療が提供されるものと、システムの実現に期待しているところです。
この計画は、平成22年度から平成25年度にかけて実施するとされ、当初、平成22年度に約6億5,000万円の事業費で砺波総合病院の電子カルテシステム整備などを予定されていたものが、平成23年度へずれ込んだとお聞きしました。
そこで、この計画が動き始めてまだ1年余りではありますが、現在までの事業の進捗状況と全体の完成見通しはいかがなものか、お伺いいたします。
次に、政府は、ほぼ2年おきに改正されている診療報酬について、一部の反対もある中、平成24年度からの引き下げを視野に検討を始めたと報道がありました。
民主党が政権を担ってからの平成22年には、10年ぶりのプラス改定をしたにもかかわらず、引き下げが検討されるのは、日本経済の低迷が続き、デフレ脱却のめども立たない状況下で、医療機関だけの優遇に国民の理解が得られないことや、震災からの復興に巨額の費用が見込まれることなどの要因によるようです。
9月定例会で今藤議員より質問された、平成22年度の収支が大幅改善となった要因の答弁には、入院・外来患者の増加と、10年ぶりにプラス改定された診療報酬により、新たな施設基準取得に努めたことによる診療単価の上昇とありました。それからすると、診療報酬の引き下げは収入の悪化につながるとともに、先に述べました医療スタッフの確保や地域医療再生計画の進捗状況、減価償却費や企業債償還金、さらには高額医療機器の更新など、引き続き厳しい病院経営が想定されるものと思われます。
病院改革プランにおける経営効率化計画は、今年度が最終目標年度となっており、先般開催された検討委員会では、上半期においては計画を1億5,157万円上回る黒字であり、下半期も費用の節減を進め、3年連続の黒字を目指すと報告されておりましたが、地域連携型電子カルテシステム等の整備が平成23年度へずれ込んだことによる最終年度収支への影響はどのようにとらえておいでであるか、お伺いいたします。
そして、診療報酬の引き下げも想定される中で、平成24年度からの収支計画には、今までの病院改革プランを踏まえた形で目標を立てられるのか、それとも、新たな経営効率化計画で臨まれるのかなど、来年度からの経営方針もあわせてお伺いいたし、私からの質問を終えさせていただきます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 川辺議員のあすへのつながる農業振興についての御質問にお答えをいたします。
まず1点目、ブランド化、地域特産振興作物の生産意欲の向上策についてでございますが、砺波市の基幹産業であります農業は、圃場整備事業や農業機械の大型化、省力化が進みまして、農外収入の機会にも恵まれたことなどから、米に特化した農業構造が特徴的であります。
大規模経営体も育つ一方、集落営農組織化もなされ、生産調整は人手がかからず、機械化が容易な作物として麦や大豆の栽培に取り組まれてまいりました。
こうした中で、議員が述べられましたように、米価の低迷が続く中で、複合経営の取り組みとして地域特産物の生産意欲向上に資する施策は大変重要なことであると思っております。
県やとなみ野農協、県花卉球根組合など、関係機関と一体となった指導体制のもと、これまで歴史あるチューリップ球根を初め、白ネギ、里芋、リンゴ、ふく福柿、ユズなど、地域特産物振興作物の頑張る、意欲ある生産者の取り組みに支援を重ねてまいりました。
具体的には、チューリップでは施設整備や専用機械、品種更新、農業公社による専用機械の貸し出しなど、他の作物においても定植機や収穫機、管理機などの専用機械や必要な施設整備に支援することで産地化を図ってまいりました。
新たな特産物タマネギは、県と一体となって確固たる産地が形成されるよう、播種機や成型ロータリー、定植機、収穫機などの専用機械、集出荷貯蔵施設、育苗トレー、風乾燥施設などの施設整備に支援をしてまいりました。
また、園芸作物には栽培技術の普及、指導が最も大切なことから、県では普及指導員を増員し、きめ細やかな指導をいただいており、JAにおかれましても、目標の達成のため、さらなる栽培技術指導に力を注いでいただきたいと存じております。
今後とも、チューリップやタマネギなど地域特産振興作物が農業経営として成り立ち、産地として揺るぎない地位を継続できるよう頑張る、意欲ある取り組みを支援してまいりたいと、このように思っておる次第でございます。
いずれにしろ、私は技術指導は極めて大切であると、このように思っておりますので、県並びにJAに対しましてしっかり技術指導していただくように十分にお願いをしてまいりたいと、このように思っております。そのことが強いて言えばブランド化、産地化につながるわけでございまして、そのことを今後とも強く申し上げてまいりたいと、このように思っております。
次、2点目、平成24年産米生産数量目標の配分見込みと、来年度の農業振興策についてでございますが、まず、平成24年産米生産数量目標の配分見込みについてお答えいたします。
議員が述べられましたとおり、平成23年産米の都道府県生産数量目標は、これまでの生産調整達成県に対するメリット措置が廃止されまして、全国一律に配分されるようになりました。これに対しまして、県知事の迅速な対応で、備蓄米の優先入札枠の確保や、それに伴う産地資金の確保がなされたところであります。
今年においては、昨年のようなことがないように、早くから県知事を初め、私も機会あるごとに国に対しまして、まじめに生産調整する県に配慮することや、適地適作等の働きかけをしてきたところであります。
先月発表されました平成24年産米の都道府県別生産数量目標では、全国30府県で生産数量が減らされる中、富山県は500トンではありますが、微増となったところであります。このことは、都道府県配分に際し、県を初め、砺波市が申し入れしてきた生産調整達成への評価の主張に対して一定の配慮がなされたものと理解はできるものの、まだまだ不十分であると思っております。今後は県や農業関係団体とよく協議して、国に対してさらなる配慮を求めていく所存でございます。
次に、来年度農業振興策について申し上げます。
国は、さまざまな農業振興に関する施策が展開されておりますが、私は、農業に何よりも大切なことは、これから農業には考え方をしっかりと持つ人たちの仲間や連携できる人づくりではないかと思っております。
本年度において、将来の砺波市の農業を担う人材の排出と育成を目的に、若い農業者を中心にこれからの農業を考える会を立ち上げ、レベルの高い先進的な経営体の取り組みの視察や専門的知識と経験を有するアドバイザーからの講義などで、若い農業者が議論を重ねる勉強会を開催しております。
このような中、先月開催されました農林水産祭において、林中部営農組合が栄誉ある内閣総理大臣表彰を受賞いたしました。地元に根差した地域密着型の大規模経営体で効率的な経営、後継者育成や地域とのふれあいを大切にしていることが受賞の理由に挙げられております。
林中部営農組合はこれまでの取り組みが広く社会に認められたものであり、砺波市はもとより、富山県の農業関係者にとっても大変喜ばしいことであります。これらのことが若い農業者に刺激を与え、さらには新たな意識の醸成、地域農業の発展にもつながるものと期待をしております。ぜひ来年度もこれからの農業を考える会の取り組みを継続してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては教育長並びに病院長、担当部局長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
教育長 舘 俊博君。
〔教育長 舘 俊博君 登壇〕
◯教育長(舘 俊博君) 川辺議員御質問の項目2の伝統文化の継承についてのうちの1点目、歴史的遺産、民具の保存と継承についてと、2点目、出町小学校旧校舎内の民具の移転についてお答えをいたします。
まず、川辺議員の御質問にもありましたように、郷土資料館で収集した民具につきましては、市の指定文化財としての5,528点を含み、1万2,000点余りの民具が収蔵保管されており、現在、般若中学校寄宿舎、出町小学校旧校舎に収蔵され、散居村ミュージアムの民具館において一部展示されているものであります。
教育委員会としましても、現在収蔵している歴史的遺産、民具につきましては、大切に保存して、後世に継承できるようにしたいと考えております。
そこで、議員の御指摘にもあります出町小学校旧校舎は、出町中学校耐震改修工事により平成25年度に取り壊しが予定されておりますので、収蔵されている民具の取り扱いについて、郷土資料館等の関係機関と十分に調査し、検討していかなければならないと考えております。
とりわけ、民具の移転先が最重要課題となっております。新たな収蔵庫の建設は、現下の財政状況では困難と考えておりますけれども、公共施設の空きスペースの活用を含めまして、平成24年度中にはめどをつけたいと考えておりますので、議員の皆様には、これにかかわる情報提供など、御協力賜れば大変ありがたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
病院長 杉本立甫君。
〔病院長 杉本立甫君 登壇〕
◯病院長(杉本立甫君) 私からは、項目3、病院の医療体制と経営についての御質問のうち、1、研修医充足数の定率分析と医療スタッフ確保の見通しの御質問にお答えします。
議員が述べられているとおり、医師臨床研修制度は、医学生が医療機関の提示するプログラムや条件を踏まえ、研修先を選ぶ仕組みであり、生活環境や研修内容、待遇のよい都市部や民間病院に人材が集中するようになり、地方での医師不足を招く一因となったと指摘されています。
県内は12病院、100人の募集に対し62人となり、充足率は62%となったところであります。
議員の言われる病院間における差の理由として考えられるのは、規模の大きい県立中央病院や富山大学附属病院では、学生の大病院志向によるものと考えられ、また、黒部市民病院は、これまで長年の研修医獲得の成果によるものと考えられます。
各病院の持つ研修プログラムは、平成21年度の法改正によりプログラムの弾力化が図られたことで、病院間の格差はほとんどなくなっている状況です。また、給与面での待遇も、当院は県内の他の病院と比べても遜色ない状況と思っております。今後は救急医療等に特色を出していき、研修プログラムが学生に選ばれるようにしていきたいと考えております。
また、看護師の確保につきましては、おかげさまで当院は学生に選ばれる病院の一つとなっており、現在採用を予定しております看護師数は確保できるものと考えているところであります。
いずれにいたしましても、議員の述べられているとおり、医師等のスタッフの確保が病院経営の中で重要な位置を占めていることは確かであり、来年度の医師の確保の見通しとしまして、これは予定ですが、内科及び泌尿器の診療科において増員される予定であり、また、平成24年度からの臨床研修医は医科2名、歯科1名の3名が確保できることになっております。今後とも、大学の医局等に働きかけを行い、スタッフの確保に努めていきたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
企画総務部長 戸田 保君。
〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕
◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、2、伝統文化の継承についてのうち、歴史・文化的価値を持つ文書資料の永久保存についてお答えをいたします。
市が取り扱います公文書類は膨大な量がございまして、その全部を保存することは困難であることから、議員も述べられましたように、文書の種別により保存年限を定め、適切な管理を図っているものでございます。
国におきましては、平成21年に公文書等の管理に関する法律を制定し、行政文書等の適正な管理とともに、歴史公文書等の適切な保存及び利用について規定し、地方公共団体にも努力義務を課しているもので、当市におきましても、歴史的公文書の取り扱いにつきましては、法律の趣旨にのっとり、適切な運用、保存を図ってまいりたいと考えております。
そこで、当市の文書整理手法について申し上げますと、保存期限を経過した文書につきましては、毎年出納閉鎖後の7月から8月にかけまして、全庁的な文書整理期間を設定して、集中的な整理を行っております。そこで、多くの公文書は、その保存期限が経過したことで溶解または焼却の処分をしておりますが、議員が述べられました歴史的価値があると認められるものにつきましては、市の資料の保存を担当する郷土資料館や図書館などの判断を得て、文書管理規定第40条や個人情報保護条例第6条のただし書きの条項により、引き続き歴史資料として保存することになります。
なお、議員が例示されました除籍簿について申し上げますと、当市では戸籍法改正前においては、保存期間の80年を経過したものを順次廃棄決定していたことから、法改正前に廃棄決定したものの利用はできないものであります。
しかしながら、法改正後におきましては、保存年数が到達していないことから、現有の除籍簿につきましては、今後約70年間はこれまでどおり、現在のとおり運用されていくことになります。
なお、除籍簿を含めました戸籍簿等は、本来個人の身分関係を登録、公称、公に称するものであり、個人のプライバシーに係る重要事項であることから、これを歴史的資料として保存することにつきましては、戸籍法に基づく国の取り扱い指導もあり、慎重に対応してまいりたいと考えているものでございます。
また、地下水の採取に関する届け出につきましては、市の事務は、富山県条例に基づき県への届け出書類の進達を行うこととなっており、届け出の正本書類は県において、また、副本書類につきましては、市で永久保存されているものでございます。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
病院事務局長 永森耕治君。
〔病院事務局長 永森耕治君 登壇〕
◯病院事務局長(永森耕治君) 私からは、川辺議員御質問の大項目3、病院の医療体制と経営についてのうち、2点の御質問についてお答えいたします。
最初に、地域医療再生計画の進捗度についての御質問にお答えいたします。
富山県地域医療再生計画では、砺波医療圏の第2次救急医療体制の拡充を図るため、救急輪番制病院などによる病院相互の機能分担、連携強化のための基盤強化に対し、支援することが盛り込まれています。
具体的には、砺波医療圏内の第2次救急医療機関及び砺波医療圏急患センター間で救急患者の診療情報の共有を図るため、地域連携型電子カルテシステムを整備するとともに、セキュリティーに配慮したインターネットを利用し、診療所、クリニックなどから同意のあった患者さんの診療情報が閲覧できるシステムを構築するもので、患者さんの経過記録、病名、薬剤歴、検査結果、画像などの診療情報を共有することにより、救急患者さんなどに対して迅速で的確な治療が可能になるものと考えております。
現在の進捗状況は、医療情報連携システムの基盤となる第2次救急医療機関の地域連携型電子カルテシステムの整備を進めており、砺波医療圏の中核病院であります市立砺波総合病院では、電子カルテシステム等が平成23年2月に着手し、平成24年1月に稼働する予定でありますし、他の第2次救急医療機関につきましても、地域連携型電子カルテシステムの整備が順次進められているところでございます。
また、全体の完成見通しといたしましては、平成24年度には、医療情報連携システムの中核機能である砺波医療圏医療情報連携センターを砺波広域圏事務組合が整備する予定であり、計画の最終年度の平成25年度には、第2次救急医療機関等の診療情報が診療所、クリニックからも閲覧できるシステムを構築する計画であります。この医療情報連携システムが完成しますと、第2次救急医療機関等との連携が強化されるとともに、限りある医療資源の有効活用が図られ、砺波医療圏内の地域住民に対し、安全で安心な医療の提供に寄与できるものと考えております。
次に、病院改革プランの達成見込みと平成24年度収支計画及び経営方針についての御質問にお答えいたします。
病院改革プランの目標の一つであります経営効率化につきましては、平成23年度が最終目標達成年度とされており、平成21年度に引き続き、平成22年度も経常収支が黒字決算となりましたが、病院に対する医療情勢や資本投資などによる影響から、今後とも、厳しい経営状況が続くのではないかとの予測につきましては、川辺議員が述べられましたとおりでございます。
川辺議員御質問の地域連携型電子カルテシステム等の整備が平成23年度にずれ込んだことによる、平成23年度の経営状況への影響につきましては、電子カルテシステム等の整備に伴う減価償却費も翌年平成24年度にずれ込むことになりますので、平成23年度では、費用実績が減少することとなります。
したがって、形式的には費用実績の削減となりますが、平成23年10月現在の改革プラン収支計画と実績比較では、入院患者数が計画に達していないことから、収益実績は計画を下回ってはいますが、電子カルテシステム等の整備延期による減価償却費減少の影響を上回る経費節減等により、費用実績も計画を大きく下回っており、この後も収支計画どおり推移しますと、平成23年度の経常収支黒字化という改革プランの目標は達成できるものと見込んでいるところでございます。
また、今後の経営効率化計画につきましては、まだ総務省が新たな指針を示してはおりませんが、当面、議員が述べられていますように、現在の改革プランを踏まえた形で、改革プランに合わせて策定いたしました10年間の中長期計画の収支計画と経営方針の目標を実情に即して見直しながら臨んでまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
次回は、明12月14日、午前10時から開会いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
どうも御苦労さまでございました。
午後 4時16分 閉議