平成22年3月 本会議 定例会(第2号) 本文

.会議の経過
 午前10時00分 開議

◯議長(山田幸夫君) ただいまの出席議員は21名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
 これより本日の日程に入ります。

                  日程第1
            議案第15号から議案第22号まで

◯議長(山田幸夫君) 日程第1 議案第15号から議案第22号まで、平成21年度砺波市一般会計補正予算(第7号)外7件についてを議題といたします。

                (提案理由の説明)

◯議長(山田幸夫君) 提案理由の説明を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) ただいま追加して提出いたしました議案について御説明を申し上げます。
 議案第15号から議案第20号まで、平成21年度一般会計ほか、各会計の補正等を行うものであります。
 まず、一般会計につきましては、歳入歳出それぞれ4億3,092万8,000円を追加補正し、歳入歳出予算総額はそれぞれ212億6,526万4,000円となるところであります。
 歳出予算の増額補正の主なものとしては、
   園芸振興対策費          1億1,208万5,000円
   砺波北部小学校耐震改修事業費     8,704万8,000円
   病院事業会計費               1億5,000万円
などであり、このほか国の第2次補正予算による地域活性化・きめ細かな臨時交付金事業費等を精査の上、計上したものであります。
 これらの財源の主なものとしましては、
   国庫支出金            1億1,827万8,000円
   県支出金             1億4,489万2,000円
等を充てるものであります。また、留保しておりました繰越金及び交付額が確定いたしました普通地方交付税等を全額充当し、基金からの繰入金を7億3,869万7,000円減額するものであります。
 このほか継続費につきましては、砺波北部小学校耐震改修事業費に係る年割額の変更を行うものであります。
 繰越明許費につきましては、やむを得ず翌年度に繰り越すものであり、地方債につきましては、それぞれの事業の補正等に伴い、変更するものであります。
 次に、特別会計につきましては、国民健康保険事業特別会計など4会計について、所要の補正を行うものであります。
 まず、国民健康保険事業特別会計につきましては、医療費の増加に伴う療養給付費の増額補正等を行うものであり、老人保健医療事業特別会計につきましては、第三者行為求償事務費の増額補正を行うものであります。
 霊苑事業特別会計につきましては、歳入予算の組み替え等を行うものであります。
 また、下水道事業特別会計につきましては、受益者負担金前納報奨金の増額補正等を行うものであります。
 次に、企業会計につきましては、病院事業会計について、市の繰出金の追加等に伴う収入予算の補正を行うものであります。
 次に、議案第21号及び議案22号 工事請負契約の締結につきましては、砺波北部小学校耐震改修事業の工事に係るものであり、工事請負契約を締結するため、法令の定めるところにより、議会の議決を求めるものであります。
 以上をもちまして、本日提出いたしました議案の説明といたします。何とぞ慎重に御審議の上、可決賜りますようお願い申し上げます。

◯議長(山田幸夫君) この際、暫時休憩いたします。

 午前 10時05分 休憩

 午前 10時50分 再開

                  日程第2
     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)

◯議長(山田幸夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第2 市政一般に対する質問、並びに議案第1号から議案第22号まで、平成22年度砺波市一般会計予算外21件について、及び報告第1号から報告第2号まで、専決処分の承認を求めることについて外1件についてを議題といたします。
 これより、市政全般に対する代表質問、並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 20番 山森文夫君。
  〔20番 山森文夫君 登壇〕

◯20番(山森文夫君) おはようございます。
 通告に従いまして、私は、自由民主党砺波市議会議員会を代表して、本定例会に上程されております平成22年度一般会計予算を初めとした諸案件、並びに当面の諸課題につきまして質問と若干の提案をいたします。
 質問に際しまして一言申し上げます。
 上田市長には、平成20年11月に砺波市長として御就任以来、砺波市の将来像である「庄川と散居に広がる 健康フラワー都市」の実現のため、市民参画によるまちづくり、そして、1人1ボランティアを推進されるなど、市民と行政の協働による新しい砺波市の創造に鋭意努力し、取り組まれておられますことに対し、衷心より敬意を表するものであります。
 また、本定例会には一般会計など9件の予算案が提案されており、上田市長として2度目の予算編成であり、厳しい行財政の中とは存じますが、いよいよ上田市政の本領を発揮されんことを御期待申し上げるものでございます。
 なお、昨年12月に、会派自民会として、砺波市のさらなる発展に必要な最重要事項11点、重要事項39点にわたり市御当局に申し入れを行ったものでございます。
 さて、御承知のとおり、昨年の衆議院議員総選挙の結果を経まして、民主党を中心とした3党連立政権が誕生いたしました。民主党政権は行政予算の無駄を省くために、新しい手法として事業仕分け作業などを国民に見える形で示しましたが、日本の国の将来を見据えた事業などへの理解度は低く、あまりにも性急な作業だったと言わざるを得ない思いがあります。
 また、鳩山首相においては、日本の首相として最も指導力が問われている日米間の安全保障、防衛や外交問題に最も影響が出るであろう沖縄県普天間基地の移設問題、住民の意思を無視した出口の見えない結論の先送り、党首及び幹事長、自らの政治とお金への潔白性から国民の信頼が得られず、内閣支持率の急激な低下が続いている現況であります。
 また、政権交代の原点となりました政党マニフェスト、景気の回復を図る政策の遅れ、子ども手当の支給、農家戸別所得補償などの財源確保との整合がとれず、国民の信頼は失われ、地方を混乱させるなど、迷走状態にあると言わざるを得ません。
 そこで、伺いますが、政権与党・民主党に対する安定性と信頼性、そして、不安部分について、地方自治体の首長として上田市長はどのように受けとめておられるのか、その見解をまずもって伺います。
 政府は、閣議決定した新年度予算案で、子ども手当の創設や公立高等学校の授業料の無料化、そして農家への戸別所得保障制度の導入など、家庭・家計へ直接給付する方策を重視し、コンクリートから人へを掲げ、公共事業については18.3%、1兆2,900億円も減とした5兆7,731億円といたしました。
 また、土地改良事業などの農業農村整備事業においては約60%をも削減するなど、これまで地域経済や雇用などを下支えしてきた建設業事業者にとっては大変厳しいものであり、地域経済活性化の面から懸念されるところでございます。
 そうした中で、税収が落ち込む地方自治体にとって、地域活性化・雇用等臨時特例債の加算により、地方交付税は地方自治体への配分額で1兆733億円、16兆8,935億円が措置される見通しとなりました。また、臨時財政特例債を含む実質的な地方交付税では3兆6,316億円増の24兆6,004億円が措置され、現政府が主張する地域主権のあらわれかと存じます。
 そこで、このような国の動向の中で編成されました平成22年度砺波市一般会計ほか、当初予算につきましてどのような方針で、どの分野に力点を置き、いわゆる上田カラーを発揮されたのか、新年度予算の特徴について伺います。
 次に、平成20年度決算では実質公債費比率が23.3%と県内では最も高く、新たな起債の発行が制限される基準の25%に極めて近いものでございます。今後は砺波市財政健全化計画を策定し、総合計画実施計画策定時、さらに予算編成時には起債発行計画、残高管理をしっかりと行うべきであります。そこで、新規の事業推進と財政健全化対策はもろ刃の剣ではございますが、これまでの合併特例債の起債状況及び今後の見込み、また、過去数年から今後5年後までの市債残高の推移、実質公債費比率の推移などを示されるとともに、今後の事業推進についてどのように対処されようとしておられるのか、その点についてでもお尋ねをいたします。
 次に、庄川左岸地区農地防災事業について質問をいたします。
 本事業は、農地や用排水路の溢水被害の防止とともに農業以外の住宅居住地の災害防止も目的にして、平成21年度より国営総合農地防災事業として着手されました。また、本年からは、国営に附帯して実施される県営農地防災事業庄川左岸1期地区が新規事業として着手されるようでございます。多くの関係者や地元住民が長らく待望し、期待している事業でございます。いよいよ庄川左岸、砺波平野全体の農地防災事業が始まるものでございます。
 事業の内容につきましては、国営事業では放水路や排水路の整備、約18キロメートル、洪水調整池が2カ所新設されるなど、事業費270億円、9カ年の歳月を要する大事業でございます。また、附帯県営事業でも用水路の工事が約40キロメートル、洪水調整池が7カ所新設されるなど、事業費が230億円となり、14年間をかけての大事業となります。
 そこで伺いますが、今般の政権交代により土地改良事業予算が60%も大幅に削減されており、今後の事業の進捗を大変心配するものであります。このことについていかがでしょうか、大丈夫でありましょうか。また、新年度の農地国営防災事業はどの地域の、どの場所から実施されるのか、具体的に説明していただくようお伺いをいたします。また、本年より実施される附帯県営事業は、庄川左岸第1期地区ということで、工事区域を定め、区域ごとに工事を実施されるようでありますが、どのような考えで区域割りをされたのか、そして、その着手される計画順番はどのようにあるかをお伺いいたします。
 2番目に、事業の円滑な推進を図るため、地元において、事業の協議調整を行う推進協議会といったような組織を設ける必要があると考えます。用排水路の上流、下流の協議や特に洪水調整池の平常時の利用にかかわる課題などについては、2つの自治振興会にまたがるものや複数の調整池が1つの自治振興会のエリアに新設されるようでございます。
 いずれにいたしましても、10年以上の歳月を要する大事業であり、地域において、時ごとに役職や人の交代があるにせよ、国と県、地方自治体、関係機関、そして、地域住民が一体となって取り組む組織体の設置が必要不可欠であることを申し上げ、意見を求めるものでございます。
 3番目は要望でございます。現下の厳しい経済状況において、巨額の費用を要する本事業に取り組むことは地域への経済波及効果を強く期待されるものであり、地方の企業にとりましてでも新たな技術を学ぶなど、さらに研さんを積むことができる大きなチャンスでもございます。市長におかれましては、既に御尽力されていることとは存じますが、工事や資材調達において地元業者のより優先的な活用について、引き続き関係機関に強く要望していただくことをお願い申し上げます。
 続いて、観光戦略についてお伺いをいたします。
 平成20年10月に、我が国におきまして観光庁が新設されました。これまで、我が国の観光に対する国や経済界の姿勢は、観光は個人の娯楽であり、国や経済界が真剣に取り組むべきものではないという認識が中心であり、観光が産業政策の中核として考えられることがありませんでした。現に砺波市におきましてでも、観光事業は行政が先頭に立って牽引するものではなく、民間の動きに花と緑の財団が並走すればよしという認識が強く感じられます。市長の感触はいかがでしょうか。
 さて、昨今の経済社会情勢の変化を受けて、観光が国の政策として重要かつ不可欠であり、経済界を巻き込んで、我が国の新たに取り組むべき期待の産業として注目されるようになりました。また、国内においてでも、観光は極めてすそ野の広い産業であり、交通、宿泊、飲食、輸送、旅行業などの諸産業を包含するものであり、地域の活性化にとって欠くことのできない総合産業でございます。
 そのような中で、富山県西部6市と岐阜県飛騨地方の市町村が連携して、観光客の連泊を図るために、観光庁に国内の観光圏としての現在申請中でございます。また、本市においても東海北陸自動車道が全線開通し、4年後の平成26年には、かねてからの念願の北陸新幹線、東京―金沢間の開業が間近に迫っております。また、来年は、開催から60回となるチューリップフェアを迎えるなど、砺波市を取り巻く観光の潮流は大きく変わろうといたしております。
 砺波市には、日本の農村の原風景である散居村や県の花であるチューリップの栽培のほか、母なる川、庄川がつくる庄川峡や心と体をいやす庄川温泉郷があります。さらに昨年、国史跡に指定された増山城跡など、まだまだ全国に誇れる観光資源が多くあります。これらの魅力をさらに他市に先駆けて活用し、市内の農業、商業、工業、そして市民が縦糸と横糸が織りなすように連携して、相乗効果を高めていくことが重要でございます。それには何よりも、このことを中心的に推進する人材の発掘、育成、登用が急務と考えます。こうした中で今年度、砺波市では観光振興を推進し、機動力を発揮させるため、観光にかかわる人、企業、団体において新しいネットワークを構築し、機構改革に取り組まれることは、まことに的を得た施策であると考えます。
 そこで、観光戦略室の設置の趣旨やこの組織に何を重点的に取り組ませようとされているのか、どのようなエキスパートの人材を確保し、育成、登用されるのか、市長の観光産業かける意気込みと施策について伺います。
 次に、景観計画策定事業と散居村景観保全へのスケジュールについて伺います。
 後世に残すべき文化的景観に散居村の風景などが、2005年に景観法が制定され、文化財として登録できるようになりました。私どもが住む砺波平野は日本の農業の原風景を醸し出す、日本を代表する散居村地域でございます。しかしながら、近年の農業政策により、農業を主として生活することは難しい時代になりました。集落営農組合を組織しても、兼業農家でなければ人並みの生活を営んでいくことは難しい時代であります。こうした農家が主たる食料である米や麦を生産して農業経営ができなければ、昔ながらの散居村風景を維持することは困難な時代に直面していることも現実でございます。
 そんな中で3カ年をかけて、散居村の風景の保全・活用について文化庁の補助を受けて調査事業を実施され、平成21年3月に調査報告書がまとめられました。そのアンケートの調査によりますと、約70%の方々が保護する区域やルールを定め、散居村の風景を後世に残すべきと答えておられます。また、散居村の形態が、団地化や農業政策により崩れていくことに対して危惧するとのことでもあります。
 ヨーロッパでは景観は公共のものであり、地域の資産として保全されています。日本でもいろいろな地域で町並みが昔ながらに保全され、地域の方々がその中で生き生きとして生活しておられます。神戸市の洋館建ての町並みも、お隣の高岡市の金屋町では千本格子のある町並みとして、そして、金沢市では眺望景観保全地域として、ひがし茶屋地域などを指定いたしております。
 本年、砺波市では、夢の平での展望台計画とともに景観計画策定事業が予算に計上されておりますが、夢の平からの眺めを眺望景観保全地域として検討されてはいかがでしょうか。こうした取り組みが、いよいよ散居村景観の保全に向けて具体的に動き出す第一歩であり、市民の期待にこたえることにもなります。
 そこで、伺いしますが、景観計画策定事業の取り組みの趣旨ついて、そして、散居村景観保全や保護について、どのような部署が共通の理解のもとに散居村景観保全条例の制定に向けて取り組まれるのか、そのスケジュールなどについてお伺いをするものでございます。
 次に、教育関係について何点か、お伺いをいたします。
 少子化の進行や子育て世代のライフスタイルの変化を受けて、国・地方を挙げて、その支援策が実施されております。保育施設での保護内容の充実、子どもの医療費の無償化、放課後保育の充実、子育て悩み相談など、きめ細かな取り組みがなされていると感じております。
 しかしながら、一方で、子育てに励むならまだしも、楽な子育てを求め、難しいことや面倒なことは専門的な知識を持った人に任せようといった、いわば親としての責任を放棄する、このことのような風潮があるとも聞きます。このようなことが、子どもを持つごく一部の若い世代に当たり前のようになるとすれば、大変危惧されることであります。行政の支援が結果として、子育ての手抜き、子どもを産み育てることを嫌う親を助長することになっているとすれば、社会的にも是正しなければなりません。
 このようなことにならないためにも親子のきずなの大切さを、夫婦そろって子どもを育てながら、子どもへの愛情を深め、地域社会とのつながりを築いて、地域のメンバーとなり、3世代が集う、明るい地域づくりとして活動する親と子の日なるものを制定し、市民運動として展開していくことを提唱するものでございます。また、地域の大人のすべてが、子どもたちの健やかな成長を願っていることは言うに及びません。子どもたちも自らが主体的に家族や地域とかかわり、前向きに日々の暮らしを送ることや、大人が子どもたちに望む事柄を子どもたちの目線に立って抽出し、子どもも大人も自主性を持って、活発に生き生きと暮らすことを目指す「となみっ子憲章」なるものを制定できないでしょうか、考えを伺います。
 2点目は、子どもたちのコミュニケーション能力の向上策についてでございます。
 最近の子どもは、あいさつをすることが苦手である。単語でしか話ができないということを耳にすることがあります。また、先生を対象に発刊している情報誌の中でアンケートした結果、子どもたちのコミュニケーション能力が低下しているとしております。自分の気持ちを言葉にできないのに、相手には自分の気持ちをわかってほしい。そんな行き違いから、知らず知らずのうちに相手を傷つけたり、相手がこう思っているだろうと自分勝手に思い込み、自己中心的な思いになるのではないでしょうか。
 そんな中で、市内の小中学校生のコミュニケーション力はどのような状況にあるとお考えでしょうか。
 コミュニケーション力は国語力と表現力にあると思います。私の質問は大文夫でしょうかね。学校では、朝の10分間に本を読む時間をとっているとも聞きました、読書は習慣化することが大切であると考えます。主語と述語、形容詞の活用などを理解して、想像力や読解力を高め、それが上手な会話へと成長し、会話が成り立つコミュニケーションが、ルールを守る意識や人間関係を構築することに発展させる重要な課題であると考えます。
 この地域の将来を担う子どもたちが明るく、楽しくコミュニケーションすることで、学校生活はさらにすばらしいものになると思います。その向上に向けて、教育長はどのように現状分析し、これからの学校教育に取り入れようとされているのか、その考えを伺うものでございます。
 3点目は、埋もれている文化的遺産についてお伺いをいたします。
 昨年、増山城跡が国史跡に指定されました。また、富山近代歴史遺産百選に小牧ダム、小牧発電所、そして、旧中越銀行本店など9カ所が選定され、砺波市の文化財が脚光を浴びております。また、砺波市内には国指定や登録文化財が4点、県指定文化財が9点、市指定文化財も数多くございます。それぞれが適切に保存され、地域の宝として愛されています。このほかにも、地域住民には心のよりどころとなっている貴重なものがまだまだ埋もれているのではないでしょうか。
 昨年6月にも一般質問で申し上げましたが、庄川の川筋が落ち着くとともに、高岡から大清水を経て、柳瀬、太田、中野、青島を通り、井波へ通じる中筋往来ができました。その往来の要所要所に地蔵様が建立され道案内するとともに、往来筋の信仰心厚い人々によって今日まで大切に守られてきました。川筋の変遷とともにある弁財天社や、川とともに生きてきた先人の営みを今に伝える出町の大ケヤキ、また、各用水の旧取り入れ口など、砺波市の歴史を語る上でなくてはならないものばかりで、これからの将来を担う子どもたちに伝えていかなければなりません。
 そこで、文化財とは、何を価値判断として文化的価値とするものでしょうか。文化財とは、地域の住民が、先人から大切に語り継がれてきた宝に文化財として価値を見出すもので、他のどれよりも古く、作者が名の知れた人であることが文化財の選定基準とされているとすれば、文化財と地域住民の心とはますますかけ離れていくのでないでしようか。
 全国的な知名度を求めるばかりでなく、地元砺波を知る上で、貴重ならば、後世に伝えなければなりません。地域のシンボルとして、また、ふるさとの文化財として価値を見出し、地域づくりを進める上にも大切なことであることを申し上げ、教育長の所見をお伺いいたします。
 最後に、提案として、子ども手当にかわる子育て支援について意見を申し述べさせていただきます。
 本定例会、本市の予算に子ども給付費として9億5,160万円が計上されております。これは、民主党が子どもの育成費を支援するための施策としてマニフェストに掲げ、このたびの政権交代の大きな要因となったものでありますが、その財源問題や所得制限、さらには地方負担のことなど、マニフェストとは異なる月額2万6,000円の支給を月額1万6,000円として、今国会に提案をいたしております。
 今の若い世代は、団塊の世代と言われた私どもとは異なり、低成長あるいは不況の中で育ち、給料の伸びもあまり期待できず、就職をするにもままならない世代でございます。こうした20代、30代の家庭を持つ皆さんに子ども手当として支給することは、これまでの高齢者重視の手厚い福祉施策が中心であった世代間の格差をなくす観点からは前進したと思います。しかしながら、現金給付の方法は先の定額給付金と同じで、もらっても、もらっても足りないことや使い道を特定しないため、必ずしも施策の目的に沿ってその効果が出るとは限りせん。そして、来年からは月額2万6,000円の給付となり、単純な試算によると国家予算は何と5兆5,000億円になるものでございます。
 そこで、現下の財政状況を考えた場合、毎年5兆5,000億円の財源を今後も継続して、確保できる保障などは全くございません。明らかに現政府の人気取り政策、党利党略、個利個略に走った、全くもって短絡的なばらまき政策であります。
 真に子育て支援を考え、少しでも少子化を食いとめるにはこうした現金給付よりも、女性の社会進出が進んでいる中で子育てをしながら勤めも継続できる、女性への就労支援を中心とした施策を進めることが得策であり、将来を見据えた国策と考えます。
 例えば、育児休業の取得をしやすくするために休業補償等を充実させる。育児休業取得率を見ますと、厚生労働省の調査では、平成19年度は約9割の方々が取得し、平成11年度の57%と比較して大きな伸びとなっております。しかし、この数字には出産を機に退職した女性を含まれず、官公庁や大企業などの労働条件のよい事業所での数値となっております。中小企業やさらにはパートなどで働いている方は含まれておりません。景気の後退による解雇や非正規雇用の増加など、厳しい状況下での現金給付よりも育児休業に対する補償の拡大により、乳幼児を持つ親、そして、そうした方を雇用する事業所などに対するさまざまな子育て支援策を進め、勤労意欲を維持しつつ、安心して産み育てることができる確かな制度を確立することが最も重要と考えます。
 このことから、両親と乳幼児がふれあいの時間の確保により、知らず知らずのうちに情が深まり、幼児虐待などに到底ならないのではないでしようか。また、小さいときに家庭で保育することにより、保育所での低年齢児の受け入れが少なくなり、年々増加傾向にある低年齢児の受け入れの解消にも結びつくと考えます。
 上田市長には、全国市長会などを通じて、今年度、子ども手当に使う約2兆4,000億円、来年度5兆5,000億円の熟慮について現政府への働きかけを強く要望するとともに、子ども手当にかわる真の子育て支援について見解を伺うものでございます。
 以上で、自由民主党砺波市議会議員会を代表しての質問を終わります。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 山森議員の自由民主党砺波市議会自民会を代表しての質問にお答えをいたします。
 まずもって、今ほどは私に対しまして温かい言葉を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 最初に、現政府に対する地方自治体の首長としての見解についてお尋ねでございますが、現民主党政権は、変化を求める国民の指示のもと、マニフェスト公約による新たな政策を掲げて発足し、現在は財源確保を含めた具体的に政策運営が求められ、徐々にその詳細が見えてきている段階でないかと存じております。
 その中で、地域主権を根幹に据えると同時に、地方の意見も尊重し、国の権限を地方に移譲するだけでなく、地方の税財源を充実して、自治体が主体的に地方自治の運営に当たることができるようにするという方針自体については一定の評価をできるものと考えています。
 ただし、そのためには、地方に影響を及ぼす国の施策の展開に際して自治体側と十分に協議を行うとともに、地方の実情を反映することが必要であり、この点については、全国市長会などを通じて強く要請を行ってきたところでございます。今国会において、ようやく国と地方の協議の場の設置法案が提出される運びと伝えられておりますが、今後は厳しい経済条件のもと、限られた財源の中でどのように経済危機を回復し、また、新政権が理想とする地域主権をいかに実現していくかが重要と考えております。
 これまでも事業仕分けが及ぼす地方への影響や戸別所得補償制度と生産調整方針、産地確立交付金の廃止に関する説明、あるいは子ども手当の支給方針などについては、その具体的な取り組み方針が早期に明確にされず、市の予算編成に際しても大きな困難を伴ったところであります。また、巨額な財源を必要とするものについては持続が可能であるのか、疑問を抱かざるを得ない中で施策がひとり歩きしているという印象も抱いております。今後、新政権は個別の政策の立案もさることながら、それらを系統立てて、国家としての大きな目線を掲げ、地方の疲弊を解消する処方せんを示していただくことが必要でないかと存じております。
 基礎自治体の運営を担う立場といたしまして、国と地方の協議の場が設置されましたならば、全国市長会や地方6団体と連携して、強くこのことを申し上げてまいりたいと考えておりますので、その際には、議会の後押しもいただくようお願いをするものでございます。
 次に、新年度予算の特徴についてでございますが、平成22年度の当初予算の編成方針と特徴についてお答えいたします。
 新年度の予算編成に当たりましては、昨年秋に策定いたしました新砺波市総合計画第4年次実施計画に基づき、市の将来像である「庄川と散居に広がる 健康フラワー都市」の実現に向け、総合計画の5つの基本方針に沿って、福祉、教育、産業振興などバランスのとれた編成に努めるとともに、予算規模につきましても限られた財源の中で自民会等の予算要望にも配慮しながら、一層の財政健全化に努めたところでございます。
 そこで、市長として2度目となる新年度予算の力点と特徴についてのお尋ねでございますが、今回の予算編成に当たりまして、特に、昨今の経済状況や合併後5年経過をした新市の今後を取り巻く、新市の今後のまちづくりを念頭に、当面する課題といたしまして、安全・安心、雇用、農業、中長期的なまちづくりの課題といたしまして、観光、環境、そして、今後のまちづくりの指針といたしまして、協働の6つのキーワードに特に意を配しながら予算編成に努めたところでございます。
 中でも、観光振興と市民との協働によるまちづくりにつきましては、今後の観光によるまちづくりに向け、商工農林部内に観光振興戦略室を、また、都市整備課内に景観まちづくり班を新設し、貴重な文化、観光資源の有機的な活用による交流人口の増大や滞在型観光の推進に積極的に取り組むとともに、まちづくり研究会や子育て支援に関する懇談会など、多くの市民の皆様の参画を賜りながら、私の政治理念であります、「人が輝く 活力あふれる砺波」を目指すことで、総合計画後期計画の策定に向けた準備の年にしたいと考えております。
 また、いま一つ大きな特徴といたしまして、財政の健全化に努めたところでございます。
 新年度の一般会計予算につきましては、おかげさまで、地方交付税や臨時財政対策債等の増額が見込まれることから、基金からの繰入金及び繰越金と合わせて、前年度予算対比にして3億4,000万円程度減額しており、なお、8億円程度の財源不足の形になりますが、基金の繰り入れを極力圧縮いたしまして、財政の健全化に努めたところであり、今後もと限られた財源を効率的かつ計画的に執行することで、一層の健全化に努めてまいりたいと考えているところであります。
 次に、合併特例債の起債状況等を市債残高等の推移、並びに今後の事業推進に当たっての対応方針につきましてお答えいたします。
 まず、合併特例債でございますが、御存じのとおり、合併特例債は合併後の自治体において、合併年度及びこれに続く10カ年に限り認められるもので、その元利償還金の約7割が普通交付税措置される有利な地方債であり、当市では、平成26年度までに98億1,350万円を限度に発行できるものでございます。
 そこで、これまでの実績でございますが、平成20年度までに既に45億3,000万円余を借り入れたところでございまして、これに今年度及び平成22年度の予定額を加算いたしますと55億4,000万円余となり、限度額に対し56.5%程度になるものと考えております。
 次に、市債残高でございますが、合併後の平成16年度末からの推移で申し上げますと、一般会計につきまして、平成18年度末の約264億円をピークに減少しており、平成22年度末には30億円減の234億円になるものと考えております。また、特別会計、企業会計を加えました市債総額では、平成16年度末には約612億円をピークに減少しており、平成22年末には53億円減の約559億円となるものと考えております。ちなみに、今年度末における市民1人当たりの市債残高につきましては、一般会計分では約50万円、総額では約116万円となるところでございます。
 次に、実質公債費率でございますが、この指標は当該年度及びその直前2カ年度の平均で示されるものでございまして、御指摘のとおり、平成18年度の21.3%から平成20年度の23.3%と徐々に上昇し、県内で最も高い水準にございます。
 ただ、単年度では、平成19年度の24.4%をピークに、平成20年度では22.3%に減少し、平成21年度決算ではさらに減少する見込みでございます。したがいまして、平成21年度の実質公債費率につきましては、今のところ22%台半ばまで減少できるものと考えております。
 そこで、合併特例債及び財政指標の今後の推移でございますが、それぞれ実施事業と事業量などにより強く影響を受けることから、総合計画後期計画によるところが大きく、今の段階での予測は予断を与えかねないことを御理解賜りたいと存じますが、引き続き財政健全化に向けて十分留意してまいりたいと、このように考えております。
 次に、今後の事業推進に向けての市の対応方針についてのお尋ねでございますが、議員御提言にもありましたが、総合計画後期計画の策定時はもちろん、毎年の実施計画策定や予算編成時において適切な起債計画に基づく財政健全化計画を策定しながら、財政の一層の健全化と安定的な運営に努めるとともに、一方では、公共事業が地域経済に及ぼす影響が大きいことにかんがみ、適正な事業量の確保に意を用いてまいりたいと、このように考えております。
 次に、国営及び附帯県営農地防災事業庄川左岸地区につきましてお答えいたします。
 本年度から着手されました農地防災事業庄川左岸地区は長年の懸案事項であり、市といたしましても、新政府の土地改良事業予算の大幅な削減に対して、緊急要望を行ったところであり、本地区への予算重点配分を強く期待しており、前年度以上の予算が割り当てされるものと思っております。しかしながら、今後も厳しい予算状況が続きますと、事業工期の延長も心配されることから、計画的な推進を図るための予算措置について引き続き関係機関へ働きかけたいと考えております。
 次に、事業の実施方針についてでございますが、国営事業につきましては本年度から着手されており、排水対策のため、下流からの工事が実施されております。平成22年度も引き続き下流域の高岡市及び小矢部市内の3カ所において、合計約800メートルの水路工事が予定されております。
 なお、砺波市内の施工につきましては、平成23年度から岸渡川排水路、平成26年度からは荒又排水路、平成27年度には庄川放水路において順次着工される予定となっております。
 また、附帯県営事業につきましては、議員御発言のとおり、分割採択による実施が予定されており、溢水被害が多発している緊急度の高い路線や他事業と関連する水路を優先的に1期地区として、平成22年度から着手される見通しであります。そのうち、平成22年度には北陸新幹線工事に関連する高岡市内の荒又口排水路、同じく中神土地区画整理事業と同時施工となる砺波市内の若林口用水路等において、合計約1キロメートルの水路改修工事が予定をされております。なお、附帯県営事業については、県の財政的な制約等から4期に分割され、緊急度の高い路線から順次採択される予定でございます。
 次に、地域協議会の設立につきましてお答えいたします。
 本事業は広範囲にわたる大規模、かつ防災施設として早急に整備する必要があることから、関係機関の意見等を速やかに計画内容へ反映することが肝要と考えております。現在、国営事業では、工事に入る前の実施設計段階において、適宜、地元説明会を開催し、その協議結果を受け設計の一部修正を行うなど、地元の意見を事業計画に反映している状況でございます。
 しかしながら、洪水調整池につきましては、市内の国営と附帯県営、合わせて6カ所の造成計画があり、効率的な維持管理や洪水時以外の活用方法等については、地域住民の意見を十分に聞き取る必要があると思っております。したがいまして、議員の御提案のように、地区代表者から構成される推進協議会等を設置し、事業主体との協議、調整の場として有意義な役割を担っていただくことが必要であると考えております。市といたしましては、事業主体である国及び県に協議の場を設けていただくように要望するとともに、関係自治会等へは、協議会の必要性について理解をいただくよう調整したいと考えております。
 終わりに、議員から御要望がありました本事業による経済波及効果について現状を述べさせていただきます。
 事業実施に当たりましては、地域経済の振興を図る観点から、国営事業における地元業者の活用につきましては、かねてから国等の関係機関へ要望してきたところであり、平成21年度から試行として入札制度が見直され、業者ランク別の対象工事費の拡大など、地元建設業者の受注機会の確保に努めていただいているところであります。また、県営事業につきましても、より一層地元業者の活用に努めていただくよう県へ働きかけるとともに、国営事業も含め、受注機会の拡大に図る適正な工区割りや工期の設定等についても配慮を願うよう要請してまいりたいと考えております。
 市といたしましては、本事業の早期効果の発現及び地域経済の発展につながるよう、引き続き強力に関係機関に要望してまいりたいと、このように思っております。
 次に、観光振興戦略室の設置の趣旨についてお答えいたします。
 議員御意見のとおり、東海北陸自動車道が全線開通した今日においては、観光産業は非常にすそ野が広がり、その地域経済に与える影響は大変大きいものであると考えており、平成26年度末の北陸新幹線金沢開業の際には、より大きな経済効果が期待できるものと考えております。
 そこで、いま一度足元を見つめ直してみますと、砺波市には全国に誇れるチューリップや散居景観を初め、多くの魅力的な観光資源があると考えており、それらを発掘し、有機的に結びつけながら、さらなる砺波市の魅力アップをPRしてまいりたいと考えております。加えまして、県西部を包含する広域観光推進することで交流人口の拡大、通年型及び滞在型の観光を積極的に推進する専門窓口として、新たに観光振興戦略室を設けるものでございます。
 観光振興戦略室には、市の観光事業に精通した職員を室長として配置し、あわせて係員1名も配置する考えであります。また、観光戦略を全庁的に推進するため、関連する担当課の職員が観光振興戦略推進担当として業務し、プロジェクトチームの中で観光支援やイベントに関する情報等を共有し、観光戦略事業について協議することといたしております。
 次に、景観計画策定事業の取り組みの趣旨についてお答えいたします。
 12月議会でお答えいたしましたように、平成18年度から3カ年間、散村景観保全活用調査を行い、砺波市の散村景観を考える市民懇話会を初め、広報となみやケーブルテレビを活用して、市民の皆さんに散居景観保全の必要性を御説明し、その保全の方策について議論を重ねてまいりました。
 散居景観の保全には、そこに暮らす市民の皆さんの十分な理解と合意が必要であり、今後とも散居景観の保全の必要性やその価値などについて十分な説明と議論を重ねることにより、これまで以上に市民の皆さんの認識を高めていただくことが必要であると、このように考えております。また、一方で、自然風土や歴史の過程で形成された貴重な財産である散居景観を保全するため、また、議員御提案の夢の平からの眺めを眺望景観保全地域として検討することを含め、2カ年間で景観計画を市民の皆さんの意見をいただきながら策定してまいりたいと、このように考えております。このための担当部署として、新たに都市整備課内に景観まちづくり班を設置することといたしております。また、快適な居住環境と散居を生かした景観計画の策定に当たりましては、関係課の職員からなるプロジェクトチームを設置し、意見調整を行いながら進めてまいりたいと考えております。
 また、次に、現政府の進める子ども手当にかわる子育て支援についてお答えいたします。
 政府が創設しようとしている子ども手当は、ゼロ歳から中学校終了までの子ども1人当たり月々2万6,000円を、22年度は半額の1万3,000円でございますが、所得制限を設けず、養育者に給付するものであります。
 山森議員の述べられた子育てにおける経済格差を少なくすることは、それなりに評価するものであります。厚生労働大臣は、今回の子ども手当の支給において、結果として、少子化の流れを変える、また、子どもの生活、教育の質を向上させる。そして、結果として、子どもの貧困率の改善につながるものと国会答弁をされております。しかし、子ども手当が大臣答弁のように機能するのか見守っていかなければならないと考えております。親と子のきずなは金銭のみならず、愛情がその核であり、子育てしやすく、働きやすい環境づくりこそ国等が行う施策であると、このように考えております。
 山森議員御提案の育児休業等に対する助成の拡大について、まことに私も同感とするところでございます。その拡大により、子どもとふれあう時間が確保され、家庭での養育が充実したものとなり、3歳未満児の保育が、保育要望が少なくなることが期待できます。育児休業等に対する助成の拡大について、今後とも関係機関を通じて国へ要望してまいる所存でございます。
 私からの答弁は以上といたしまして、教育施策につきましては教育長からお答えをいたします。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) それでは、山森議員御質問の教育施策について、最初の「親と子の日」の制定についてお答えをいたします。
 近年、少子化の進行や核家族化、地域の人間関係の希薄化に伴い、家庭の教育力の低下が指摘されてきております。このため、教育委員会といたしましても、健やかな砺波っ子を育てる家庭のつながりを大切にする、家族の子育ての輪という実践目標を定め、子どもの成長段階に応じた家庭教育講座を実施したり、親の役割や家庭での親のかかわり方について学ぶ機会を設けたりしているところでございます。
 子どもたちが健やかに育つためには、行政施策はあくまで支援でしかなく、本来、親や家庭の役割が最も大切なものであり、子どもの成長過程において、親とのきずなや地域とのかかわりを深めることが子どもの社会性を高めるために必要なことだと考えております。子どもの健全育成には、親育ちと地域の支えが不可欠であると考えております。
 富山県では、以前から、毎月第3日曜日をとやま県民家庭の日として推進運動が展開されております。議員御提案の「親と子の日」同様の趣旨で、県のとやま県民家庭の日の推進運動に合わせ、砺波市としまして、家庭の日において、ふれあい、語り合いを通して家族のきずなを深めるために、次の3つの実践を市民総ぐるみの運動として展開したいなというふうに考えております。
 具体的には、1番目としまして、家族で食事を楽しむ。家族が一緒に食事をつくったり、会食したりして語り合うこと。2番目に、家族で学びを楽しむ。砺波の散村の景観や国指定の増山城跡、そして、市内にあります美術館、郷土資料館、民芸館などを訪ねて、となみの自然や歴史、芸術、文化について学ぶこと。3番目、家族で活動を楽しむ。家族でスポーツや畑づくりなどの家の仕事、ボランティア活動に取り組むこと。これらの3つの実践につきまして、各家庭で毎月計画していただけるような啓発チラシを作成しまして、保育所、幼稚園、学校や砺波市広報を通じて配付するとともに、PTAや青少年育成市民会議、各地区の公民館等、あらゆる団体の皆さんの御協力を得ながら推進していきたいと、そのように考えております。
 次に、「となみっ子憲章」の制定についてお答えをいたします。
 議員御提案のように、地域の大人のすべてが子どもたちの健やかな成長を願い、子どもたち自らが主体的に家族や地域とかかわり、前向きに日々の生活を送ることを目指す「となみっ子憲章」の策定は意義のあることであるというふうに思います。また、その子ども憲章が大人から与えられたものではなく、子どもたちが自覚するものにするにはどのようにすればいいのかが課題であり、憲章の意義もそこにあると考えております。
 砺波市には、憲章ではありませんが、健やかな砺波っ子を育てる家族のつながりのための3つの目標、1つは、愛情豊かな家族、2つ目に、ひとり立ちを育む家族、3つ目に、つながりを深める家族を決めた家族の子育ての輪がございます。さらに、みんなで育てよう、砺波っ子の目標としまして五本指のめあてというのがあり、1つに、元気よくあいさつができる子、2つに、心やさしく、思いやりのある子、3つ目に、約束や決まりを守る子、4つ目として、正しい言葉づかいができる子、5つに、我慢し、終わりまでやりとげる子がございます。
 当面、この家族の子育ての輪や五本指のめあてを生かしながら、家庭の日の実践について各種団体の協力を得ながら、市民ぐるみで取り組んでまいりたいと考えており、子ども憲章の策定につきましては、少し時間をかけて研究してまいりたいというふうに考えております。
 次に、コミュニケーション能力の向上策についてお答えをいたします。
 山森議員が述べられているとおり、これからの時代を担う子どもたちにとりまして、コミュニケーション能力の向上は重要な課題であると考えます。また、自立の第1歩は、自分で考えて、自分の言葉で話すことだと言われております。
 しかし、子どもたちの家族構成や遊び等の環境が変化し、家庭での家族のかかわりや地域社会における子どもと大人とのかかわりが少なくなっている現状があると認識しております。これまで、砺波市内の小中学校では、学校内での学年縦割りの活動を展開したり、あいさつ運動を学校から地域に広げたり、地域の人を先生に迎えて授業を展開したり、地域での運動会や祭り等の行事に積極的に参加したりするなど、人とかかわる機会や場を設定し、児童生徒のコミュニケーション能力の育成に努めてきたところでございます。さらに、各学校におきましては、伝え合うや学び合うということを重視した実践研究主題を掲げて、日々の授業や学級、学年での活動で互いに意見や考えを伝え、かかわらせながら、ともに学ぶ楽しさや成就感を味わわせるように努めております。
 今回の新学習指導要領では、生きる力の育成を継続し、確かな学力として、知識、技能の習得と思考力、判断力、表現力の育成のバランスを重視するとともに、改訂のポイントといたしまして、言語活動の充実が挙げられております。言語活動につきましては、言語は知的活動やコミュニケーション、感性、情緒の基盤となるもの、学習の基盤であると位置づけており、国語科だけでなく、各教科等において言語活動を充実することと述べております。
 このことからも、これから各学校において、毎日の朝読書はもちろん、国語科や総合的な学習の時間等の授業において自分の考えをわかりやすく表現したり、グラフや資料をもとに説明したり、テーマや課題について討論したりするなどの学習活動を積み重ねながら、子どもたちのコミュニケーション能力の育成、向上に努めていきたいと考えております。
 次に、埋もれている地域文化財についての御質問にお答えをいたします。
 砺波市内には、山森議員御指摘のとおり、中筋往来の石仏群のように、指定文化財には指定されておりませんが、市や地域の歴史、文化等の理解のために欠くことのできないもので、将来の文化向上、発展の基礎をなす文化的な財産があると思っております。
 そこで、教育委員会では、このような地域の財産として親しまれ、大切にされている文化的な財産を保存活用し、後世に継承することを目的として、新たに砺波市ふるさと文化財登録要綱を制定しまして、4月1日より施行することとしております。このふるさと文化財の登録につきましては、施行される4月より順次手続を進め、登録されたものについて広報やインターネット等を利用して、市民に公表していきたいと考えているところでございます。
 今後とも市民の意識や生活の様式がどんどん変化していく中で、地域の宝として、文化的な財産を守り続けていくためには啓発活動が大切であり、住民と行政が一体となった保全活動に積極的に取り組んでまいりますので、御理解を賜りたいと、そのように存じております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) この際、暫時休憩いたします。

 午前 11時59分 休憩

 午後  1時00分 再開

    市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)

◯議長(山田幸夫君) これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告に基づき、順次発言を許します。
 14番 嶋村信之君。
  〔14番 嶋村信之君 登壇〕

◯14番(嶋村信之君) 通告に基づき、市政一般について提案並びに質問をします。
 最初に、新しい公共・新しい市民像についてお尋ねいたします。
 1月の通常国会における施政方針演説で、鳩山総理は、市民やNPOが教育や子育て、まちづくり、介護や福祉など身近な課題に触れ、人を支える、人の役に立つ、それ自体を喜び、生きがい、こうした人々の力を私は新しい公共と呼ぶと述べ、これを地域再生、官のスリム化につなげたいと表明されました。また、新政権下で発足した障がい者制度改革推進会議は24名のメンバーのうち、14名が障害である当事者です。目の見えない人が司会をすると、○○さんが手を挙げていますよと隣の人がささやき、聞こえない人には手話通訳、盲聾の人には指点字、車いすの人、知的障害の人、障害者は何のために生きるかを語っています。今まで厚労省に陳情のデモや座り込みをしていた人が会議をし、当事者が本質的な議論をしております。政権交代の結果であろうかと思います。これまで障害のある方々が、私たち抜きで物事を決めないでほしいと言い続けてきました。このことの現実が新しい公共ではないかと思うのであります。
 NPOフローレンスの駒崎代表は、子どもが発熱したときに、保育所にかわって預かる社会的企業を立ち上げ、人には稼ぎと務めがあると語っております。従来、公共とはお上のことと思ってきた。そうじゃない、これまで、市民ができることをアウトソーシングしていたんじゃないかと思うのであります。強い者が勝つ市場原理主義でもなく、所得移転の社会民主主義でもありません。一人一人が社会の主体者となり、生きがいを持って生きる、共生の時代であることを痛感するのであります。
 そこで、市長にお尋ねいたしますが、市長として目指す新しい公共・新しい市民像がどのようなものか、所見を伺います。
 昨年12月定例会で、市長は、施政方針で、「人が輝く 活力あふれる砺波」の理念のもと、市民奉仕の精神に立った信頼される市政を構築したい。そのために、職員の資質をさらに高め、市民の視点に立った、市民に身近な、市民に信頼される市役所の実現を目指したいと述べております。
 そこで、先月、一市民から相談を受けたことについてお尋ねいたします。
 相談内容は、3年前、糖尿病になり失業しているわけですから、収入がなく、国保料を滞納し、保険証が使用できず、視力も0.03に低下、まさに失明寸前の状況下の相談でありました。国保税を納めていないわけですから、市としては、資格証明書を発行し、その証明書では病院の窓口で10割負担となります。その支払いができず、通院されていなかったのであります。残念に思うのは、この方がなぜ国保税を滞納しているか、そのあたりを調査されなかったこと。もちろん、納税は国民の義務でありますし、個々人で事情が違いますのでやむを得ないものももっともであります。
 また、お年寄りの中には、命の次に大事なものはお金だと言われる方もあるようです。何ゆえでしょうか。言うまでもなく、だれも親身になって相談できる方が少なくなってきているからであります。いざとなれば、市役所に相談すれば、大丈夫だという安心感・信頼感が得られるようでなければなりません。しかし、残念ながら、市民に対し、心の通う行政サービスがされているとは言えましょうか。その上、自殺者も増えております。もっと人に対する温かい心が通い合う、思いやりのある行政にしていただきたいのであります。
 一方、中小企業は仕事の確保や従業員の賃金支払いのために、経営者自ら懸命に働いております。また、空前の経済不況により失業者が続出しており、有効求人倍率も近年にない高水準で、働き場所がなく、砺波市にもホームレスの方が現実にいるのであります。100年に一度と言われる大変な経済不況であります。ある意味では、非常事態であります。
 失礼な言い方かもしれませんが、市長の登庁時間は、職員の勤務時間に対応して登庁されますが、果たして旧態依然の対応でよろしいんでしょうか。市長自ら意識改革されてこそ、職員の意識も変わるのではないでしょうか。
 以上のことを前提にして、市長として、市民の安心・安全のため、セーフティーネットをどう構築されようとしているのか、忌憚のない御意見をいただきたいと思います。
 次に、新年度予算案に伴う諸政策についてお尋ねいたします。
 1点目、散居村の展望台の新設よりも、子どもたちに未来の展望を。
 新年度予算に散居村展望台整備事業1,000万円が計上、次年度には新規の展望台が新設される計画と思われますが、この計画はいかがなものか。財政が逼迫している折から、新年度に組織機構を改編し、新たに観光振興戦略室が設置されます。当市単独だけではなく、広域観光戦略を考えていかなければならないのではないでしょうか。
 市長も御存じのとおり、昭和40年、岩川毅氏は北陸新幹線の建設を求めていたのであります。当時、東海道新幹線が開通してわずか1年足らずして、北陸新幹線の構想が発表され、その上、砺波への大学誘致を熱心に語っておられた45年前のことを思い出されます。
 当市は、散居とチューリップが市のキャッチフレーズであります。ところが現在、球根生産者、球根出荷数とも減少、その上、後継者がなく、高齢化が進んできております。新政権は「コンクリートから人へ」がキャッチフレーズですが、今日、当市においても少子高齢化は加速しております。したがって、旧来型の経済拡大ではなく、どのような市政をつくるかが大きな課題であります。今こそ教育に力を注ぎ、先人が培ってきた散居村とチューリップを継承するために、農業大学系の分校、研究所を誘致したらどうでしょうか。幸いに、当市にはチューリップ四季彩館、富山県花総合センター、富山県農林水産総合技術センター園芸研究所があります。散居村の展望台よりも、子どもたちに希望と夢を与えることこそ未来の展望ではないでしょうか。市長の所見をお聞かせください。
 一方、散居村の景観保全が徐々に難しくなってきております。背景には、土地開発に伴う宅地造成があります。以前にも都市計画法の見直しについて質問をしましたが、市独自の条例をつくることも大切ではないでしょうか、あわせてお答えください。
 2点目、市民と協働するまちづくりの推進について。
 今回、市民参加型直営事業に対する原材料費交付事業として100万円が計上され、市長の信念である1市民1ボランティアの推進上でも、時宜を得たものと思います。お尋ねしますが、ときに、市職員は当然市長の信念に基づいて、1ボランティアを実行しているものと確信しますが、実態はいかがでしょうか。
 もともと地域では、住民の皆さんが道路の整備や校舎の修繕など労力を惜しむことなく、今流で言うならば、ボランティア活動を率先して行ってきました。背景には、他人のために汗をかく人、学ぶべき人がいて、感謝の念、郷土愛が生まれていたのでありましょう。今、時代の変遷とともに物質的に恵まれた時代を迎え、職員の情が喪失したのであります。また、飽食の時代とも言われ、自ら汗を流すことを嫌うようになり、少しの時間と労力があればできるのに、公共が行うものという考え方に変ってしまったのでしょうか。いま一度、公で行うこと、市民でなすべきことを市長自ら、具体的に市民に対するメッセージとして述べていただきたいのであります。
 3点目、有識者による行政改革委員会の取り組みについて。
 今、地方公共団体は、従来にも増して地域の実情に即した施策を形成し、自らの責任において実施することが求められていると考えられます。市民要望の多様化、高度化、市税収入の減少等により厳しさが続く財政状況、少子高齢化の進展、人口減少時代の到来を初めとして、本市を取り巻く状況は大きく変化しようとしております。
 当市は、このような状況の変化に的確に対応し、かつ将来にわたって持続可能な行財政運営を実現するため、行政サービスの民間委託、民営化、事務的事業の簡素、効率化、市民との協働推進、職員数の適正化等を推し進めるため、有識者による行政改革委員会が設置されたものと認識をいたしております。
 そこで、本年度3回の行政改革委員会、行政改革推進委員会専門部会での検討及び今後の計画についてお聞かせください。また、市民に対する行財政改革の進捗状況の定期的な情報の提供、開示の実施についてもあわせてお答えください。
 次に、「人」と「心」が育むまちづくりについて、教育長にお尋ねいたします。
 1点目、全国学力調査の今後の対応について。
 文科省は、昨年末、本年4月20日に行う全国学力テストの実施要項を決め、都道府県教育委員会などを通じて、各学校に通知されました。それによると、調査結果の集計は参加した学校や市町村単位では行われず、都道府県単位のみとする方針を転換しました。その上で、結果の公表は従来どおり、各学校や市町村教育委員会の判断にゆだねることとし、その際、序列化や過度の競争につながらないようにするなどの配慮を求めております。都道府県は、市町村のデータの公表ができなくなりました。新政権の方針を受けて、調査が全学校を対象とした悉皆方式から、全体の3分の2が対象の抽出方式に変わりました。したがって、対象とならなかった学校には、希望すれば問題を提供し、利用できる措置を講じることになっておりますが、本市の対応はどうされるのか、また、文科省は、希望して利用した学校の採点には関与しないと聞き及んでいますが、どこで、だれが、また、経費についてあわせてお答えください。
 2点目、地域と教育の再生について。
 教育の目標は、子どもたちが社会で自立して生きる力を身につけることです。かつて、それを担ってきたのは家庭と地域と学校でした。その中で、特に学校は子どもたちが社会に適応するための知識、学力の向上、進学、就職支援を主要な教育目標として担ってまいりました。しかしながら、家庭や地域の教育力が乏しくなる一方で、子どもの教育の大部分を、しかも、それぞれの子どもに適応した学校教育が担うことを求められるようになりました。その結果、教師がオーバーワークとなり、他方では、追いつかない特別支援や学習遅滞児などが指摘されております。
 どうやって教育を再生、再構築していくかが、まさに喫緊の課題ですが、こういう文脈で登場したのが杉並区和田中学校でした。藤原前校長は、教師がオーバーワークになっているのを改善するには、学校支援本部を設立し、その担い手を地域から学校に呼ぶことに成功しました。この取り組みについてどう思われるのか、また、学校を核とした地域ネットワークの再構築は、多くの地域ボランティアと活力を取り戻した先生に支えられ、子どもと学校と地域を再生する基点になるに違いありません。地域にはやる気も善意もあります。それを結集して、まずは学校教育の再生の地方モデルに取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。教育長の御高見をお聞かせください。
 次に、笑顔があふれる福祉のまちづくりについてお尋ねいたします。
 1点目、健康増進法の推進について。
 過去3回にわたり、定例会で健康増進法の受動喫煙の防止について一般質問させていただきました。
 先月25日、厚労省は、健康増進法の施行から5年経過したが、分煙対策の徹底が進まない状況から、国の方針として、全面禁煙を明確に打ち出したのであります。飲食店やホテルなど不特定多数の人が利用するため、公共的空間は、原則として全面禁煙にするよう通知を都道府県など自治体に出しました。内容は、受動喫煙による健康被害の防止を目的とした措置で、自治体を通じて関係施設へ周知を図るように求めております。対象となるのは飲食店やホテルのほか、増進法が定める官公庁や駅、病院、百貨店、美術館、娯楽施設などの室内、このほか、屋外でも子どもが利用する公園などでは、受動喫煙防止対策の配慮が必要であります。
 当市において、がんによる死亡率が一番高く、そのうち、がん死亡者数は平成20年度は119名、肺がんによる死亡者数が最も高く、17名となっております。
 受動喫煙の防止、または市民への健康増進の促進、疾病予防の啓発のためにも本庁舎、出先機関等において全面禁煙すべきと思いますが、いかがでしょうか。その上で、不特定多数が利用する公共的な空間を含め、全面的に禁煙の取り組みをすべきかと思いますが、今後の対応を含め、市長の答弁を求めます。
 2点目、介護総点検を踏まえて。
 日本の介護保険制度も今年で10年目を迎え、制度的にもさまざまな課題があります。公明党は昨年11月から12月にかけて、私を含め、全国3,000有余名の地方議員で介護総点検を行いました。これは、1、街頭アンケート、2、関係者への聞き取り調査、3、議員への事例相談の集約、4、自治体の先進的、独自の取り組み事例のリストアップで実施いたしました。
 時間の都合上、介護総点検の一部になりますが、当市の介護保険事業について伺います。
 最初に、介護保険事業計画の推進状況の確認と推進について。
 1、特別養護老人ホームなど、介護施設の待機者の実態把握はきちんとなされているか、また、その待機者解消策に向けて、実効性のある実施計画が策定されているのか。
 2、特養ホームへの入所希望者が多いが、中でも利用料の負担が少ない多床室や老老介護や老障介護に対応できる2床室の要望もある。介護施設の整備を行う上で、今後配慮すべき点があるが、見解と取り組みについてお伺いいたします。
 3、有料老人ホーム、ケアハウスなどの特定施設の施設整備状況とともに、当該施設利用者の経済的負担の実態把握とその負担軽減策はどうなっているのか。
 4、介護施設の中で老朽化しているところも見受けられます。また、冷暖房等の整備に関して非効率的な状況になっているところもあります。施設設備の改修についてルール化が必要ですが、公的支援に向けた基準づくりと具体的な取り組みはどうでしょうか。
 次に、要介護認定のあり方について。
 1、介護保険申請から認定までの期間が長いため、早急にサービスを利用したい方が困っている現状があります。当市においては調査、認定までにどれくらい時間がかかっているのか、また、その時間短縮のためにどのような手だてを講じているのか。
 2、法の精神から言うと、申請申し込み時点からサービスを受けられることになっておりますが、現状は、何日後から介護サービスを受けられるようになっているのか。市として、ケアマネジャーによる聞き取り調査による仮認定でのサービス提供についてどのように考えているのか。
 3、介護保険適用までの事務が煩雑で、時間がかかり過ぎております。事務を簡素化して、スピーディーにし、すぐ使える制度に改善すべきですが、実態と改善に向けた取り組みはどうなっているのでしょうか。
 以上、市長初め、市当局に5万市民の心耳、心と耳に届くような答弁を求め、一般質問を終わります。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 嶋村議員の御質問のうち、新年度の施政方針等についての新しい公共・新しい市民像について、並びに新年度予算に伴う諸施策に関する御質問にお答えをいたします。
 私が目指す市政の基本的な考え方は、いつも述べておりますとおり、行政と市民が一体となって、市民とともに歩むまちづくりであり、市民奉仕の精神に立った信頼される市政であります。
 職員に対しましても、常日ごろから、市民奉仕の精神に徹して仕事をすること。仕事に創意工夫をし、市民に親切に対応すること。市民奉仕の活動に積極的に参加することなどを訓示しており、今後も職員研修等を通して、職員の意識改革に努めてまいる所存であります。具体的には、後ほど述べます新年度予算の諸施策の市民と協働するまちづくりの中にお答えをいたします。
 次に、新年度予算に伴う諸施策のうち、散居村展望台についてお答えをいたします。
 砺波市は、これまでチューリップフェアや庄川観光祭など、イベントを中心とした誘客が基本戦略でありましたが、より誘客数を高めるためには、季節を問わずに訪れていただく滞在型観光地を目指してまいりたいと、このように考えております。観光施策としては、当市の大きな観光資源である散居村や庄川峡、温泉などを連携させることや受け入れ態勢を整えることが肝要であり、順次施設整備を進めてまいりたいと、このように考えております。
 大学等の誘致につきましては、学生数の減少により既存の大学の経営環境の大変厳しいにあろうかと、このように思っております。現実的な課題ではなく、市としては、現実的に取り組める課題に傾聴すべきであると、このように考えております。
 そういう意味で、現在の鉢伏山の展望台は昭和63年に建てたものでありますが、観光バスの受け入れる駐車スペースやトイレがないことから、今回条件に見合う適地を調査するものでありますが、鉢伏山から散居村はもとより富山湾や立山連峰等、広大なパノラマが広がり、感動を覚えた方も多いと存じます。新展望台には、庄川峡や庄川温泉郷などを連携させ、通年観光、滞在型観光を推進させることや市民の憩いの場として、また、中山間地の活性化を図るために整備を進めてまいりたいと、このように考えております。財源につきましては、国の有利な補助金や起債を活用し、地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。
 次に、広域観光戦略につきましては、県西部と飛騨地方を連携した越中・飛騨観光圏協議会が本年3月3日に設立され、国の支援を得るために認可申請を行っているところでございます。本協議会では、富山県西部6市と高山市、飛騨市、白川村を組織され、県境を越えた魅力ある観光ルートを形成させ、国内外に向け、その魅力を発信していくものであり、当市の観光資源の魅力をさらに高め、他市との連携で滞在型観光を推進させてまいりたいと、このように考えております。
 次に、景観条例の制定についての御質問にお答えいたします。
 砺波地域の自然や歴史の過程で形成されてきた市民の貴重な財産であります散村景観を良好な状態で保全し、後世に残していくため、平成20年度に公募を含め、市内の各種団体からの委員によります砺波市散村景観を考える市民懇話会を設置し、今日まで7回にわたって協議を重ねたところであります。
 これまでの会議の中で、散村の景観のすばらしさや屋敷林の有効性などについて、市民自らが認識することが必要であるという御意見でございます。散村の景観の保全のためには、実現可能な基準の設定も必要であること、そして、行政が主導的に推進役となり、ある程度の規制を含めた計画的なまちづくりが必要であるとの御意見がございました。
 そこで、この景観を後世に残すために、新たに景観まちづくり班を都市整備課内に設け、まちづくりの観点で景観の保全を進めるため、砺波市全域を対象にした景観計画を策定し、その景観条例について検討を進めていきたいと考えているところであり、議員各位には今後とも御指導をお願いいたしたいと、このように思っております。
 次に、市民と協働するまちづくりについて御質問にお答えをいたします。
 私は、就任以来、「人が輝く 活力ある砺波」のまちづくりを提唱してまいりました。このことは、市民一人一人が協働の精神でまちづくりに参加していただくことを本意とするもので、その取り組みの一つとして、新年度より、市民参加による導水路等の維持修繕事業の試みを始めることとしたものでございます。その内容は、町内会等が住民自らの活動によって、直接行われる道路、水路などの維持修繕に要する材料費を交付するものであります。これは、市民と行政の協働により公共施設の維持や地域環境の整備に手をお借りすることで、地域のコミュニケーションが深まり、地域力が高まってくるものであると思うのであります。
 近年は行政需要が多様化する半面、厳しい税財政環境により、さまざまな地域の課題や問題を行政だけで解決しようとすることは大変難しい時代になってきていると感じております。そうした中、既に今年度から取り組んでおります砺波市まちづくり協働事業や若者の元気道場まちづくり塾、そして、今回の試み等を通じて、行政と市民の皆さんが協働で地域の課題を考え、自分たちのまちは自分たちでつくるという気概や風土を定着すれば、地域力が高まり、活性化につながるものと考えております。
 私の登庁についても触れられておりますが、常日ごろより、市民と直接対話に努めたいと考えておりますので、今後とも夜間や休日においても各地の機会に積極的に活用し、市民の声をくみ上げるよう配しているところでございます。
 今後とも市民と行政が一緒に汗を流しながら、住んでよかったと思えるまちづくりを目指していきたいと思っておりますので、市民の皆さんの御協力を賜りますとともに、有意義な御提案がございましたら、ぜひお聞かせ願えればと思っております。
 私からの答弁は以上といたしまして、その他の質問につきましては副市長並びに教育長、並びに担当部長からお答えをいたします。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、新年度の施政方針等についてのうち、行政改革委員会の取り組みについてと健康増進法の推進についての御質問にお答えいたします。
 まず、行政改革委員会、行政改革推進委員会専門部会での検討内容及び今後の計画についてのお尋ねでございます。
 砺波市行政改革委員会は、行財政制度及びその運営について見直しを行い、簡素で効率的な市政運営を図るため、市民とともに、市民以外の学識経験者にも委員に御就任をお願いし、幅広い視野から砺波市の将来を見据えた提言などをいただき、市の行政改革に反映させる目的で設置しているものでございます。
 今年度は、学校給食センター業務委託と公共施設適正配置の2つのテーマについて、まず前段階として、それぞれ専門の委員で構成する行政改革検討委員会を設け、検討いただきました。その検討結果について、検討委員会の委員の皆さんとは異なる立場、視点から改めて行政改革委員会で御審議いただき、御意見をいただいたところでございます。
 行政改革委員会の意見集約でございますが、学校給食センター業務委託につきましては、平成23年度から調理関係業務のみを業務委託し、食材の調達、献立の作成及び食育はこれまでどおり直営とするものでございます。
 また、公共施設適正配置につきましては、施設の有効活用及び将来的な施設の統廃合を進めることとし、今後、類似機能を持つ施設については統廃合を進め、施設の管理一元化を図るとともに、受益と負担の観点から施設使用料や減免規定の見直しを行おうというものでございます。
 次に、職員で構成する専門部会でございます。
 行政組織の見直し、定員適正化計画、事務事業の見直し、外郭団体の見直し、事務改善、この5つのテーマについて検討いたしました。
 主なものでは、行政組織の見直しとして、新年度から一部組織の統合を行いまして、組織のスリム化を進めてまいります。また、後期の定員適正化計画を策定いたしまして、平成27年4月までに、職員を40人削減することといたしております。
 一方、今後の検討事項といたしまして、新年度では、市営バスや福祉バス、民間バスなど一部ふくそうするバス運行がございますので、これにつきまして効率的な運行を行うために総合的に検討を進めることといたしております。また、新年度におきましては、現在の行政改革大綱が平成22年度までの5カ年計画でありますので、新たに平成23年度から平成27年度までの行政改革大綱を策定するほか、子育て支援に関する懇談会を設置することといたしております。
 次に、行政改革の進捗状況の定期的な情報提供でございます。
 これにつきましては、それぞれの会議をすべて公開するとともに、会議録につきましても速やかにホームページで公開しております。また、情報公開窓口においても開示を行っているところでございます。
 次に、受動喫煙防止に関するお尋ねにお答えいたします。
 市では、健康増進法の趣旨にのっとりまして、受動喫煙防止のため、公共施設では分煙とするなど、逐次、禁煙・分煙対策に取り組んできたところでございます。特に総合病院や庄川健康プラザ、教育委員会所管の幼稚園、保育所などは全面禁煙となっておりますし、新年度からは、小中学校においても全面禁煙とする予定であります。
 そこで、本庁も含めたその他の施設の今後の取り組み方針でございますが、去る2月25日の厚生労働省健康局長通知の趣旨も踏まえまして、喫煙者の健康面や受動喫煙の防止といった観点から、これまでの分煙の推進の取り組みをさらに進めまして、建物内禁煙推進への取り組みについて検討してまいりたいと考えております。また、たばこの健康への悪影響について今まで以上に普及啓発し、地域、職域、家庭などにおいて禁煙を促す具体的な方法や機運を健康教育の一環として広めていくことが大事であると考えておりまして、今後、砺波厚生センターの地域・職域連携推進協議会を構成する行政、医師会、商工団体など、関係者の連携のもとで情報の発信や多数が利用する施設を含めた禁煙への取り組みが積極的に展開されますよう働きかけてまいりたいというふうに考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) それでは、嶋村議員御質問の「人」と「心」を育むまちづくりにつきまして、1点目、全国学力調査の今後の対応につきましてお答えをいたします。
 平成22年度の全国学力学習状況調査におきます砺波市内の小中学校の抽出校の割合は全国平均の32%より高い抽出率となっており、抽出校とならなかった学校につきましては、校長会と相談の上、すべての学校で調査を実施することとしております。
 抽出校でない学校では、調査・採点につきましてそれぞれの学校の先生が行うこととなります。テスト直後の採点ができること、指導した先生が個々の児童生徒の採点ができることなどから、結果の活用を図りやすいというメリットがあると考えております。また、結果の分析につきましては、先生の負担にならないように時間的余裕を持って、結果のデータを県教育委員会から配付されます分析ソフトシステムに入力してもらい、市の教育センターにおいて集約、分析し、授業や指導法の改善につなげていきたいと考えております。
 したがいまして、希望実施する学校の問題用紙は文部科学省から無償で配付されますし、採点等に係る経費につきましてもかからないということになると思います。
 次に、嶋村議員御質問の2点目、地域と教育の再生についてお答えをいたします。
 御質問にありました杉並区立和田中学校は、平成15年に東京都内公立中学校初の民間人校長として藤原和博氏が赴任され、当時話題になった中学校でございます。
 この学校の特色としまして、学校の教育活動を支援するための機関として学校支援本部を設置しまして、登録されました地域住民の方や元PTAのメンバーの皆さん、あるいは学校の卒業生や教育学部の学生などがマンパワーとして、学校支援のボランティア活動をしていることが挙げられております。この活動は、子どもたちを地域社会とかかわりながら育てよう。子どもを社会化するという言葉が使われておりますけれども、そういう考え方に基づいており、大変重要な視点であるかというふうに考えております。
 御存じのとおり、富山県におきましても、例えば、社会に学ぶ14歳の挑戦事業や学校支援派遣事業、あるいは大学生による学びのアシスト推進事業、あるいはスポーツエキスパート派遣事業などが実施されているところでございます。
 また、砺波市の小中学校におきましても、授業や学校行事等の多くの教育活動が地域の皆さんの支援や協力のもとに展開されております。例えば米づくりや野菜づくり、あるいは昔の遊びや読み聞かせなど、また、中学校におきましては、先輩の話を聞く会とか、お年寄りとの交流会など多様な活動が工夫され、学校支援ボランティアとしての活動をしていただいているところでございます。
 平成22年度に、小中学校各1校ずつで提案型の研究実践事業に取り組むための予算化をしておりますけれども、例えば、それぞれの学校にかかわり、学校の応援団となってくださる地域の学校支援ボランティアの皆さんの組織づくりとか、あるいは連携のあり方について研究実践していただければとこう期待しているところでございます。
 今後とも学校と家庭、そして、地域との連携を一層密にしまして、砺波のよさであります地域のネットワークを生かして、子どもたちを見守り、育てる教育を推進していきたいと、そのように考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 老松邦雄君。
  〔福祉市民部長 老松邦雄君 登壇〕

◯福祉市民部長(老松邦雄君) 私からは、まず、1の新年度の施政方針等についての御質問のうち、(2)のセーフティーネットの構築についてにお答えいたします。
 市長が本議会の施政方針でも述べておりますが、地方においてはまだまだ厳しい経済、雇用状況は続くものと予想され、特に職を失った方々やその家族に対し、社会保障の持つセーフティーネットを有効に機能させることが大切であると考えております。特に、自立した生活の経済的基盤の保障という観点から、雇用保険を含め、人々が就労できるようにする雇用施策と、生活に困窮した場合の最後のよりどころとなる生活保護などの福祉施策が重要になってまいります。
 また、福祉施策の展開に当たっては、市民が生活困難に直面した場合に、生活が破綻してしまわないうちに、再び自分の足で立ち上がれるように支援することが大切であると考えております。そのための施策として、社会福祉協議会での各種の生活福祉資金の貸付制度や市営住宅の申し込み情報の提供などを行っておりますし、新規の施策としては、ハローワークと連携を図りながら、離職者に対する住宅手当の緊急支援事業の活用など、さまざまな相談に対応しているところでございます。
 最近は、失業したら、すぐに生活保護制度を活用できるのではと相談に来られる方も増えておりますが、生活保護制度を利用するには、本人の資産、能力等、あらゆるものを活用しても、なお生活に困窮する場合に最低限度の生活を保障する制度であるということを詳細に御説明し、御理解をいただいているところであります。昨今は家族のつながりが薄れてきており、家族が近隣にいても放置されている事例が幾つか発生しております。行政としても公平な支援をするという観点から、本当に困惑しているのが実情でございます。
 いずれにしましても、今後も市の関係部局が一丸となって、信頼感の持たれるセーフティーネットの構築に向け、取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、3、笑顔があふれる福祉のまちづくりについてのうち、(2)の介護保険事業についての御質問にお答えいたします。
 初めに、砺波市の介護保険事業の状況と対応についての御質問にお答えします。
 まず、特別養護老人ホームなどの待機者の状況をお伺いでございますが、市の地域包括支援センターでは毎月、サービス事業者との連携を図る地域ケア会議を開催しておりまして、その際、待機者の状況などを把握しているところでございます。現在のところ、市内にある特養ホーム2カ所からは、おのおの施設定数の80名を上回る待機者、各施設80名を上回る待機者が報告され、老健並びに介護療養病床においては数名程度の待機状況と把握しているところでございます。
 この待機者の解消策でございますが、現状では、国の施設整備に関する方針として、施設の総定数に制限を設けたり、補助制度が縮小していることから、補助制度が有利な地域密着型の介護施設の整備を計画的に進めているところでございます。なお、運用面におきましては、重症度、家族の介護力などの要因により、必要度の高い方から弾力的に入所していただくよう配慮されているところでございます。
 次に、特養ホームの整備形態に対する御意見につきましては、国では住環境の向上、あるいはプライバシーの確保などの自在的要請に基づいて、個室対応のユニット型を推進しておりますが、このことでは利用者の負担感、あるいは共同生活による自立性の維持向上などへの期待などの観点から、改めて国で議論されることが重要かと考えております。
 次に、有料老人ホーム、ケアハウスなどの特定施設の状況については、介護保険組合管内には南砺市に2カ所、それから、小矢部市に1カ所の指定施設がございますが、市内にはございません。市外の施設を御利用の方がごく少数いらっしゃる程度でございます。なお、今月オープンしたJAの地域優良賃貸住宅高齢者型、いわゆるちゅーりっぷの郷は住宅と介護サービスがほぼ一体的に提供され得る仕組みで、特定施設に準じた機能となっており、御承知のとおり、入居者には所得に応じた家賃補助があるところでございます。
 次に、介護施設の老朽化に伴う支援措置でございますが、一般的には介護報酬には建設費に対応する償却費用も含まれており、長期的な経営の視点から、事業者において改修経費が捻出されることを原則としております。しかし、法改正などによる安全性の確保、あるいは大規模施設改修の負担軽減などの視点から、既存施設のスプリンクラー整備、あるいは大規模施設の改修に対し一定の助成があるところでございます。
 次に、2)の要援護認定のあり方にお答えいたします。
 介護認定の審査機関に関するお尋ねでございますが、審査期間には平均約1カ月程度を要しており、1カ月を超える事例も散見されております。この原因につきましては、利用者の事情により訪問調査の日程が遅延すること、介護認定審査会の開催日が限られていることなどが挙げられます。
 対応といたしましては、更新申請の場合は2カ月前から申請ができますので、早めの申請を呼びかけており、介護組合との事務的な連携をより迅速に図るなど、審査期間の短縮に向け、協議してまいりたいと考えております。
 なお、認定結果は申請日にさかのぼって有効となりますので、お急ぎの利用希望をお持ちの方など、その旨、市の申請窓口やケアマネジャーなどと御相談いただければ、認定結果を待たなくても、申請日からサービス提供が可能となります。
 また、制度運用の複雑さに関しましては、介護保険制度は全国一律の制度でありますので、事務手続など努めてわかりやすく御説明するとともに、議員御指摘のことにつきましては、公平かつ適切な運用を損なうことがないことを前提に厚生労働省で検討に入ると聞いております。私どもとしては実情に基づいて、県などを通じて提言してまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 7番 今藤久之君。
  〔7番 今藤久之君 登壇〕

◯7番(今藤久之君) 質問通告書に基づき、質問をいたします。
 最初は、雇用対策についてです。
 報道によりますと、今春卒業予定で、就職を希望する高校生の就職内定率が昨年12月末時点で前年同期を7.5%下回り、74.8%だったことが文部科学省の調査でわかったとのことであります。就職希望者の4人に一人が内定をしていないということであります。この数字は全国のものですが、同時期の比較としては過去最大の下げ幅となるそうです。
 富山県内では、高校生の就職内定率が91.0%で、全国1位となりましたが、富山労働局の調査によりますと、昨年7月から9月にかけて就職希望者が206人減るなど、就職難で、進学に進路変更したケースも多いとみられることから、額面どおりにこの数字を受け取るわけにはいかないのが現状であります。未就職卒業者の雇用でさえこのような状況ですので、失業者の再雇用に関しては大変厳しいことが容易に想像できるものであります。
 私は、昨年9月の定例会で、ふるさと雇用再生特別基金事業と緊急雇用創出事業について質問をさせていただきました。
 半年を経過した現在、雇用状況はますます深刻な状況になってきております。前回質問の際には、応募状況については、業種によっても異なるが、ハローワークの手続の後、早い段階での申し込みもあったとのことでした。これらの事業は継続とのことでありますが、2年目を迎えたこの事業の実態はどうなっているのでしょうか。変更点や新たな工夫、取り組みなどあれば、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
 さて、地域の雇用状況が厳しさを増す中、新規の施策として、重点分野雇用創造事業の創設がなされました。これは介護、医療、農林、環境等、成長分野として期待されているところで新たな雇用機会を創出するとともに、地域ニーズに応じた人材の育成をし、雇用に結びつけるための事業であり、地方公共団体は民間企業等に事業委託をし、受託者が求職者を新たに雇い入れることによる雇用創出とお聞きしています。
 そこで、この重点分野雇用創出事業と地域人材育成事業について概要と本市の取り組みについて、また、先ほど申し上げました未就職卒業者への雇用への配慮などもあわせて御答弁をお願いいたします。
 深刻な雇用状況に対して、このような国の事業を有効に活用されるようお願い申し上げます。
 続いて、市立総合病院についてお尋ねいたします。
 総務省により、公立病院改革ガイドラインが平成19年12月に公表されました。そのガイドラインによりますと、当該病院の果たすべき役割及び一般会計負担の考え方を明記した上で、1、経営の効率化、2、再編・ネットワーク化、3、経営形態の見直しという、3つの視点に立った改革を一体的に推進する必要性があるとされております。また、平成20年度内に公立病院改革プランを策定するよう求められました。そのことを受け、市立砺波総合病院では、昨年3月に、市立砺波総合病院改革プランを策定いたしました。
 公立病院として、今後果たすべき役割としては、1、砺波医療広域圏の中核病院として、安心・安全、良質な医療の提供、2、健全経営を目指し、安定かつ継続的な経営改革への取り組みという2点を重点目標に掲げ、一般会計負担の考え方についても、国の定める地方公営企業繰り出し基準に基づき、10項目からなる繰り出しの基準を定めました。
 3つの視点に立った改革のうち、再編・ネットワーク化と経営形態の見直しについては平成21年度から、概ね25年度までの5カ年の計画となっております。一方で、経営の効率化については対象期間が3年で、平成23年度を目標に数値を設定することになっており、当病院でも、23年度には経常収支比率100.1%の数値目標を設定したところであります。
 総務省のガイドラインによりますと、プランの実施状況の点検、評価、公表については、その実施状況を概ね年1回以上行うこととあります。現在、市立砺波総合病院改革プランが策定をされ、概ね1年が経過したところであります。そこで、年度末ですので見込みということになりますが、経営効率化に係る今年度の数値目標と取り組みに対する進捗状況について、そして、その評価についてお聞かせいただきたいと思います。
 さて、2年に一度改定をされている診療報酬ですが、今回は10年ぶりとなるプラス改定となったようであります。全体の改定率で0.19%増とのことで、主な改定点としては、救急、産科、小児科、外科などの加算項目が増えたこと、医療クラークの報酬加算の積み増しによる病院勤務医への対応、また、難易度の高い手術の報酬引き上げなどがあるようです。
 そこで、砺波総合病院では、この診療報酬の改定により、経営上どのような影響を受けると考えられるのか、お尋ねいたします。
 次に、本年10月16日から19日までの日程で開催が予定をされている第23回全国スポーツ・レクリエーション祭について質問いたします。
 昭和63年から、各都道府県持ち回りで毎年開催されているこの大会ですが、スポレクとやま2010のホームページによりますと、勝敗のみを競い合うものではなく、だれもが、いつでも、どこでも気軽にスポーツ・レクリエーション活動を楽しみ、交流を深める生涯スポーツの一大祭典であるそうです。また、広く国民にスポーツ・レクリエーション活動を全国的な規模で実践する場を提供することにより、国民一人一人のスポーツ・レクリエーション活動への参加意欲を喚起し、生涯を通じたスポーツ・レクリエーション活動の振興に資する目的を持っているとのことです。
 今回開催予定の大会では、県内15市町村がそれぞれ競技を受け持ち、我が砺波市においても、各都道府県の代表選手が参加する種目として、ターゲット・バードゴルフ競技の会場となっております。
 本定例会初日の市長提案理由説明でも、期間中に全国から参加される選手、役員の皆さんに満足いただけるよう、競技実施及び受け入れ態勢の整備に全力を注いでまいりますとあったところです。
 私も全く同感であります。また、予定されている会場が私の住んでいる地区でもあることから、単に関心を抱くだけではなく、地域の皆さんにも、受け入れ側としての意識を持っていただけるよう働きかけをしたいと思っております。
 多くの方々が全国各地からやって来られるこの大会で、砺波のよいところを十分に堪能してもらっていただきたいと、また、機会があれば重ねて訪ねたいと、そのようにも感じていただけたらと思うものであります。
 さて、開催までにあと200日余りとなったところですが、スポーツの振興という見地から、新年度予算案にも計上されておりますこの事業について具体的な取り組みについて御答弁をお願いいたします。
 最後に、市が所有している土地、市有地についてお尋ねいたします。
 北海道砂川市が、市有地を神社に無償で使用させていたのは違憲であるとの最高裁判所の判断があり、審理を札幌高等裁判所に差し戻したとの報道がありました。一方で、最高裁判所は、宗教的施設の性格や経過、一般人の評価などを考慮し、社会通念に照らして判断すべきと明確な判断基準を示していないことから、全国的に見ましても、その判断や対応に苦慮している自治体もあるようです。
 県内においても、魚津市では、公有地が神社に無償提供されていたことが判明をし、射水市でも土地台帳を調査した結果、複数箇所の市有地が神社や寺院になっている可能性があることがわかりました。これらの事例は、他山の石としたい事案であろうと思います。政教分離は、憲法に規定のあるところですが、行政執行に当たっての砺波市における政教分離をどのようにお考えなのかをお尋ねいたします。
 また、このような事態を受けて、砺波市では該当箇所の有無を点検なさったのでしょうか。さらには、その実態についてもあわせてお尋ねいたしまして、今回の質問を終えさせていただきます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 今藤議員の御質問のうち、無償提供市有地についてのうち、行政執行における政教分離の考え方に関する御質問にお答えをいたします。
 憲法第20条第1項では、宗教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。また、同条第3項では、国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならないと規定をされております。さらに、第89条では、公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならないと規定をしております。
 市といたしましては、これらの規定を含め、憲法を尊重し、法令にのっとり適正な行政執行に努めているところでございます。
 私からの答弁は以上といたしまして、その他の御質問につきましては担当部長からお答えをいたします。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 吉田孝夫君。
  〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕

◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、無償提供の市有地についての御質問のうち、神社などへの無償提供の実態につきましてお答えを申し上げます。
 今藤議員御質問のとおり、北海道におきまして、市有地を神社に無償で使用させる行為は、憲法第89条の禁止する公の財産の利用提供に当たり、ひいては憲法第20条の1項、後段の禁止する宗教団体に対する特権の付与、これに該当し、違憲とする最高裁の判断が示された事案であったところでございます。
 そこで、当市におきましても、宗教的施設に対する市有地の提供の有無について改めて調査をいたしましたところ、有償、無償を含めまして、行政財産、普通財産ともに宗教法人に提供しているものはございませんでした。
 なお、地蔵堂や忠魂碑などの施設敷地として自治振興会等が無償で使用している例が、市道などの路肩に設置されている地蔵堂などを除き10件ございましたが、地蔵堂や忠魂碑などの敷地を自治会や町内会が無償で使用されることにつきましては、最高裁の判例において、違憲ではないという判断が示されているところであり、今のところ問題はないというふうに考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 小幡和日出君。
  〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕

◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、1、雇用対策についてお答えをいたします。
 市が、緊急雇用対策として取り組んでおりますふるさと雇用再生特別基金事業・緊急雇用創出事業につきましては、平成21年度では55人の新規雇用を創出し、実施事業の約7割が22年度への継続事業であります。22年度につきましては、新たに観光ガイドの育成事業や生涯学習関連、ボランティア制度の普及事業などに取り組むことにいたしております。
 また、国では、緊急雇用創出事業において、地域求職者の雇用の確保を図る観点から、平成22年度より全業種の雇用期間を6カ月未満から、6カ月以内で1回更新可能というふうに変更するなど、改善が図られたところであります。
 次に、平成21年度の国の緊急経済対策で創設されました重点分野雇用創造事業につきましては、介護、環境、農林、観光など、成長が期待される分野における新たな雇用機会を創出することを目的としており、市においても、観光、農林分野において8事業を民間企業などに委託し、17名の雇用創出を図る計画となっております。
 また、地域人材育成事業につきましては、企業等が地域の失業者を新たに雇用した上で、就業に必要な研修を実施するための支援措置であることから、今後は、市内の事業所や企業に対して希望調査を行ってまいりたいと思います。
 また、市内の未就職卒業者に対する雇用につきましては、長年のフリーターや採用内定を取り消された学生等を雇用した場合に支給される正規雇用化特別奨励金や、就職先が未決定の新規学卒者を、体験雇用として受け入れる事業主の方に支給される新卒者体験雇用奨励金などの制度を周知してまいりたいと考えております。
 今後もこのような国の雇用対策事業を有効に活用するとともに、ハローワークとなみや商工団体などとも連携し、雇用の維持・確保に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 病院事務局長 五嶋親秀君。
  〔病院事務局長 五嶋親秀君 登壇〕

◯病院事務局長(五嶋親秀君) 私からは、市立砺波総合病院についての御質問にお答えいたしたいと思います。
 最初に、病院改革プランの進捗についての御質問にお答えいたします。
 病院経営の健全化を目指しまして、昨年3月に、病院改革プランを策定したところですが、議員の御指摘のとおり、国は、改革プラン策定後においても、その実施状況について年1回以上点検、評価を行うこととし、有識者等で組織する改革プラン検討委員会を開催するなど、評価の客観性を確保するよう求めております。
 これを受けまして市立砺波総合病院では、検討委員会の下部組織に当たります事務レベルの幹事会を四半期ごとに開催し、改革プランの実施状況の検証を行うとともに、昨年11月には、有識者などによる改革プラン検討委員会を開催し、20年度の決算を初め、21年度上半期の収支計画と実績などについて点検、評価を実施いたしました。
 改革プランの点検、評価の結果といたしましては、本年4月から、DPCの導入に伴う平均在院日数の短縮や景気低迷による患者の受診控えなどの影響で、入院患者数が伸び悩んだことから、診療収入が計画を下回る一方、経費の節減に努めたことで、上半期の収支の状況としては、ほぼ計画どおりに推移しております。また、この点検評価の結果につきましては、本年度中に病院ホームページでその概要について公表をする予定といたしております。
 次に、改革プランの1月末現在での進捗状況について申し上げます。
 入院1日平均患者数が、計画では446人に対しまして、実績が407人、同じく外来患者数が、計画では1,020人に対しまして、実績が1,013人と、特に入院患者数が伸び悩んでいる状況ですが、本年の1月の1カ月間の実績を見てみますと、1日平均434人と、冬期間に入り、入院患者数は回復の傾向にあります。
 また、4月から1月までの収支の状況につきましては、患者数の減少に伴い、収益的収入では、計画に対しまして約4億5,000万円の減になっていますが、一方、費用につきましては、薬品費のうち、注射薬や一部のものにつきましてジェネリック医薬品に切りかえたことや、画像診断につきましてはフィルムレス化、また、人事院勧告に基づく期末勤勉手当の支給額の引き下げなど、経費の節減は順調に進んでおり、収益的収支では、計画に対しまして約6億1,000万円の減となっております。収益から費用を差し引きました経常収支では、計画に対しまして約1億6,000万円の改善となっており、21年度決算見込みといたしましては、最終的には計画を上回るものと見込んでおります。
 次に、診療報酬の改定による市立砺波総合病院への影響についての御質問にお答えいたします。
 議員の御質問のとおり、今回の診療報酬改定では、医師の技術料など診療報酬本体を1.55%引き上げる一方で、薬価などは1.36%の引き下げ、診療報酬では0.19%の引き上げとなっており、診療報酬全体としての引き上げは平成12年4月以来、10年ぶりの増額改定となっております。
 今回の改定に当たりまして、救急、産科、小児、外科などの医療の再建、病院勤務医の負担の軽減の2項目を重点課題として位置づけて、改定が行われております。
 重点課題への当院の対応といたしましては、2次救急医療機関の評価、ハイリスク妊産婦管理の評価、手術料の引き上げ、小児に対する手術評価の引き上げ、医師事務作業補助体制加算の評価の充実、他職種からなるチーム医療の評価などの各種項目にわたって新たな加算の新設や点数の引き上げ、算定要件の緩和などが行われております。
 現在のところ、詳細な算定要件が示されていないものもあり、当院での算定可能かどうか不明なものもあるため、当院での影響がどの程度になるかはっきりとはわかりませんが、急性期入院医療に重点的に配分されており、当院にとっては、診療報酬全体の引き上げ率0.19%を超える効果があると考えております。今後、算定要件などを分析し、新たな人員配置の必要なもの、職員の資格の研修が必要なものなどの算定要件が設けられているものもありますので、それにかかる費用や効果なども分析しながら、収益向上に向けて検討していきたいと考えております。
 しかしながら、今回の改定率では依然として、病院を取り巻く環境は大変厳しいものがありますが、地域医療の確保に引き続き努力してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 教育委員会事務局長 戸田 保君。
  〔教育委員会事務局長 戸田 保君 登壇〕

◯教育委員会事務局長(戸田 保君) 私からは、3の全国スポーツ・レクリエーション祭についての御質問にお答えをいたします。
 全国スポーツ・レクリエーション祭は、本年10月16日から19日に開催され、都道府県代表による18種目とフリー参加の11種目が県内各市町村を会場地として行われ、全国より選手、監督、約1万2,000人、役員や応援の方などを含めると約2万人が参加する国内最大規模のスポーツ・レクリエーション大会となります。
 本市で行いますターゲット・バードゴルフ競技は、約270名の選手、監督の参加が見込まれ、初日には歓迎レセプション、17日には個人の対抗戦、18日には2人組の対抗戦を総合運動公園を会場として行い、成績がよかった県代表チーム、個人及び2人組の順位表彰を行います。この大会に向け、昨年、市長を会長といたします砺波市実行委員会を組織し、諸準備を進めるとともに、市内各地区で行われるイベント等の機会に、大会のPRを行ってまいりました。
 大会では、ターゲット・バードゴルフ協会による協議運営はもとより、砺波市体育協会、体育振興会、体育指導員の方に運営補助していただくほか、公民館、婦人会及び食生活改善推進委員会の皆さんで、砺波の特産である大門素麺を参加選手及び来場者へ振る舞うなど、もてなしに努めたいと考えております。また、この機会に砺波の観光PRや特産品の販売、宣伝を行い、砺波のファンとなっていただくよう企画をいたしております。
 このほか、市内幼稚園、保育所の皆さんには、祭典マスコットであるきときと君の塗り絵を、中学生の皆さんには、各チームのプラカードや会場案内看板などを作成していただくなど、手づくりの温かさで歓迎いたしたいと考えております。
 また、この祭典開催を契機にいたしまして、市民1人1スポーツの実現を目指してまいりたいと考えておりますので、議員各位におかれましても、大会の成功に向けて御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 4番 島崎清孝君。
  〔4番 島崎清孝君 登壇〕

◯4番(島崎清孝君) 通告に従いまして、大きく3点質問をいたします。
 初めに、行財政運営の課題と行財政改革の推進について伺います。
 内閣府が発表した平成22年2月の月例経済報告では、我が国経済の基調判断を、景気は持ち直してきているものの、失業率が高水準にあり、依然として厳しい状況にあるとしております。我が国の2009年10月から12月期の実質GDPは、年率換算で対前期比4.6%と近年では高い数値を示しておりますけれども、その中の約3%は、経済新興国への輸出を中心とした押し上げ効果によるものであります。しかし、新興諸国の経済が減速をすれば、日本経済は再び牽引力を失う自律性に乏しい状況にあります。
 一方、所得の伸びを示す名目雇用者報酬は前年同期比でマイナスの4.5%と、5・四半期連続の減少であり、個人消費の先行きにも強い懸念が残るなど、内需拡大による経済効果は当面望めそうにもありません。こうした背景から、市民の間には依然として日常生活における閉塞感や先行き見通しへの不透明感があり、市の行政運営に対する注目度や期待感はかつてなく大きなものがあると存じます。
 初めに、上田市長に2点、お伺いをいたします。
 1点目に、上田市長は新年度の予算編成に際し、こうした市民の期待感といったものをどのように予算計画に反映できたとお考えなのか。また、午前の代表質問にもありましたけれども、予算全体を通して御自身の特徴はどのような点におありなのか、御所見をお伺いいたします。
 2点目に、平成22年度の一般会計歳出当初予算案では、支出が義務づけられている、いわゆる義務的経費が扶助費を中心に増加し、支出全体の46.4%を占めております。一方、地域の経済効果や市民の利便性を生む、いわゆる投資的経費につきましては支出全体の7.9%であります。
 今後、税収の伸びが危惧をされる中、社会保障関連費はますます増加が予想されることから、年を追うごとに予算の自由度は厳しくなり、財政の硬直化が一段と加速をするものと懸念をしております。厳しさを増す財政環境下で、財政規律を維持しながら、その一方では、市民の暮らしをしっかりと守っていかねばばらない。大変難しいかじ取りが迫られるわけでありますけれども、そこでお伺いいたします。
 中期的な市の財政構造のうち、経常収支比率につきましては、今後どのように推移をしていくととらえておられるのか、上田市長にお伺いをいたします。また、将来的な財政基盤の確立に向けた本市の経済成長戦略及び成長エンジンを何に求めようとお考えなのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、行政運営の課題について2点質問をいたします。
 1点目に、情報発信力の強化について伺います。
 本市では、市民と行政が協働するまちづくりを基本方針に、新規事業も含め、さまざまな活動が積極的に展開をされております。福祉サービスを初め、ごみ収集や環境問題、さらには地域のまちづくりの取り組みなど、今や市民、NPO、公益的団体、企業など、数多<の人々が公的サービスの担い手となり、行政を支えています。
 しかし、市民との協働を進める基本的前提は、行政からの積極的な情報提供や公開であり、それがなければ、市民と行政との相互信頼は望めなくなると存じます。求める情報はどこで、どうやって知ることができるのか、市民にとってはわかりにくいのが現状であります。また、一つ一つの行政サービスに一体どれだけのコストがかかっているのかなど、市民は行政運営にも強い関心を寄せ、さまざまな情報を求めております。
 情報発信のあり方を見直し、ユビキタス社会に対応する、いつでも、だれにでも、知りたい情報をわかりやすく知らせる。こういったコンセプトのもと、行政運営全般に対しましてもタイムリーで、鮮度の高い、より高品質な情報の提供や公開など、情報発信力の強化が望まれます。この点に対する当局の所見並びに22年度の主な取り組みをお尋ねいたします。
 2点目に、行政評価システムの進捗状況について伺います。
 財政が制約をされ、予算の自由度が窮屈になる中、市民ニーズの増大と多様化にこたえるためには、一つ一つの事業に対する市民の評価をもとにサービスのあり方を見直すことが必要だと存じます。
 そのための1つの手段として、本年度から本格導入されました行政評価システムがあります。このシステムのポイントは、当局が実施した個々の事務事業の評価結果を広く市民に公表し、市民からの意見を踏まえながら、サービスを改善するという点にあります。21年度、本市ではどの程度実施できたとお考えでしょうか。行政評価システムの21年度の積み残し課題並びに22年度の取り組みを伺います。
 次に、本市の行財政改革の取り組みにつきまして3点質問いたします。
 厳しい財政状況の中で、施策の点検による事業の重点化や持続可能な財政運営への取り組み、また、行政運営の効率化の実行など、自治体を1つの経営体として見る行政経営の力量が今、問われております。
 1点目に、市の行政改革検討委員会並びに専門部会の内容につきましては、先般説明がありましたけれども、資料を見る限りにおきましては、率直に申し上げまして、いま一つ取り組みに対する緊張感やスピード感が伝わって来ないといった印象を持ちました。
 行政改革の推進力は一人一人の職員であります。本庁職員の意識改革は本当に進んでいると言えるのでしょうか。何事にも失敗を恐れず、積極果敢に挑戦する庁内の風土づくり、筋肉質で、軽くて、早い組織づくり、そのための職員の意欲と実績にこたえる人事給与制度など、意識改革に向け、この3つをスピード感を持ってどう構築をしていくのか、副市長の御所見をお伺いいたします。
 2点目に、事業の選択と集中の観点から、今年度実施された行政評価による事務事業見直しの結果と削減効果についてお尋ねいたします。
 3点目に、経費削減に向けた全庁的な取り組み内容と新年度収支計画への具体的な反映数値をお尋ねいたします。
 次に、大きな項目の2点目として、消費者庁の創設による消費生活行政の変化点について質問いたします。
 近年、消費者を取り巻く環境が決して安全・安心とは言えない状況にあることは、多くの市民が実感をしているところであります。過去の事件、事故発生時の課題を教訓として、昨年の9月1日に消費者庁が誕生をいたしました。
 そこで、消費者庁創設に伴い、市の消費行政はどう変わるのか、以下、5点質問をいたします。
 1点目に、消費者庁の設置とともに、消費者安全法が施行されております。法律上、県と市町村とでは、消費生活センターにどのような違いがあるのか、また、市の生活環境課の相談窓口は、消費生活センターとしての要件を満たしているのかどうか、また、要件としては、具体的にはどのようなことが定められているのか、これらについてお尋ねいたします。
 2点目に、消費生活センター機能の拡充と被害情報を一元化する仕組みについてお尋ねいたします。
 3点目に、市では、県の地方消費者行政活性化基金を活用し、本年度から3カ年計画で、相談窓口や相談室の整備充実を計画されております。現時点での進捗状況と今後のスケジュールを伺います。また、本年1月から、全国共通ダイヤル・消費者ホットラインが運用されております。この仕組みと利用状況を伺います。
 4点目に、全国的には次から次へと新たな消費者被害が発生しており、相談内容も多岐にわたるとともに、より高度化、専門化している現状などから、相談体制の抜本的な強化策が求められると存じます。市の対応を伺います。
 最後に、再発防止に向けてのより積極的な展開が必要であると存じます。啓発活動や周知方法など、具体策をお尋ねいたします。
 次に、関連して多重債務の問題についてお伺いいたします。
 現在、消費者金融を利用している人の数は、全国で少なくとも1,000万人を超えると言われております。金融庁では、このうち消費者金融などからの借り入れが5件以上ある、いわゆる多重債務者数は昨年末現在79万8,000人にも上ると発表しております。
 多重債務は、突然のリストラや病気など不測の事態により、だれもが陥る可能性があり、膨らんだ数百万円の返済に苦しみ、命を落とす方も後を絶ちません。警察庁の資料によりますと、平成19年に多重債務を原因とする自殺者は全国で約2,000人にも上り、深刻な社会問題となっております。
 そこで、この多重債務問題に関し、以下、3点お伺いいたします。
 1点目は、本市の多重債務者の状況をお尋ねいたします。
 2点目は、多重債務に苦しむ人を1人でも多く救済するには、早い段階での相談ができ、専門家による適切なアドバイスが受けられる仕組みを整えることが重要であると存じます。当局の所見を伺います。
 最後に、ハローワークとなみ管内、昨年12月の有効求人倍率は0.36倍であり、低い水準で推移をしていることから、数字の上からも生活に困窮する人の増加がうかがえます。多重債務問題の解決には、債務整理とあわせて、こうした生活困窮者に対するセーフティーネットとしての機能を果たす低利の資金貸付制度の導入が必要かと存じます。当局の見解をお伺いいたします。
 次に、大きな項目の最後に、学校の情報セキュリティー確保について伺います。
 政府のIT新改革戦略に基づき、文部科学省が指導、推進する教員1人1台のパソコン配備が、本市におきましても間近に迫っております。
 初めに、今回のパソコン導入により期待される効果につきまして教育、公務の両面から、改めて教育長にお尋ねをいたします。また、これにより、学校公務は今後どの程度まで電子化が進むとお考えなのかもあわせてお伺いいたします。
 次に、教育現場の情報システム化がいよいよ本格化をするわけでありますが、一方では、セキュリティー事故の発生リスクも高まってまいります。全国的にもパソコンやUSBメモリーなど記録媒体の盗難や個人情報の外部流出など、セキュリティー事故が多発をしており、情報システムの安全・安心に向けての対策が強く求められております。一たん事故が発生いたしますと、学校の信頼性そのものが大きく損なわれてしまう、決して軽視できない新たな課題であると存じます。
 そこで、事故未然防止の観点から、教育現場のセキュリティー対策について、以下、質問いたします。
 1点目に、情報セキュリティーは、人と組織の信頼性に依存する部分が極めて大きいと存じます。特に、教育現場は庁内とは異なり、常に脆弱性と危険性にさらされやすい環境下にあり、技術的セキュリティーの確保とともに、教育現場独自の作業手順の整備やマニュアルの策定、また、セキュリティー意識の向上を目的とした研修会や学校間による定期的な相互監査の実施など、人的セキュリティー対策をどう講じるかが大きなポイントになると存じます。
 1点目に、教育現場における情報セキュリティー確保のためには方針や推進体制、また、取り組み内容や運用ルールなどを細かく定めた学校版情報セキュリティーポリシーの策定が必要不可欠であると存じます。教育長の御所見をお伺いいたします。
 2点目に、現在、市の教育委員会が検討されておりますセキュリティー対策の概要を伺います。
 3点目に、私物パソコンの学校への持ち込みや仕事を自宅へ持ち込んだ際のパソコンの利用など、どのようにお考えなのか、教員という仕事の特殊性も含めてお尋ねいたします。
 4点目に、USBメモリーなど記録媒体につきましては、管理ナンバー等を付与したものが学校から支給される仕組みなのかどうか、日常の管理方法もあわせ、具体的にお尋ねいたします。
 最後に、児童生徒や教職員に対するセキュリティー教育や啓発活動をお伺いして、私からの質問を終わります。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 島崎議員の行財政運営の課題と行財政改革の推進についてのうち、新年度予算並びに本市の成長戦略に関する御質問にお答えをいたします。
 初めに、行財政運営の課題と行財政改革の推進についての御質問のうち、市民の期待感をどう新年度予算に反映し、また、どのような点に市長としてのカラーを発揮したのかお尋ねでございますが、基本的には、山森議員の代表質問にお答えをさせていただきました。
 なお、新年度予算につきましては、総合計画の5つの基本方針に沿って、福祉、教育、産業振興などバランスとのとれた編成に努めたところでありますが、今回の予算編成に当たりましては、議員御懸念の閉塞感や不透明感なども念頭に、特に市民ニーズの強い当面する課題といたしまして、安全・安心、雇用、農業の3つを、また、今後のまちづくりの課題といたしまして、私の政治理念であります、「人が輝く 活力あふれる砺波」を目指し、観光、環境、そして協働の3つの、以上の6つのキーワードに重点的に予算編成に努めたところでございまして、これが私なりのカラーと考えているところでございます。
 そこで、このキーワードごとに幾つかの新規重点事業を申し上げますと、まず、安全・安心にいたしましては、各地区の自主防災組織の資機材の整備への支援や砺波北部小学校の耐震改修事業の推進のほか、出町中学校の耐震改修事業の基本設計に着手をいたします。
 次に、雇用といたしましては、緊急雇用対策を継続するとともに、資金借り入れ保証料に対する助成率のかさ上げ等の企業支援を拡充いたします。
 また、農業につきましては、タマネギの特産地化やその他、特産品の園芸ブランド化への支援のほか、新たにチューリップ球根生産に取り組まれる事業者への支援制度を創設いたします。
 次に、観光につきましては、観光振興戦略室を新設し、観光によるまちづくりに強力に推進するほか、大型観光バスが発着できる新たな散居村展望台設置に向けた適地調査やレンタルサイクルの整備事業に着手をいたします。
 また、環境といたしましては、新たに景観まちづくり班を設置し、2カ年かけて景観計画の策定に着手するほか、太陽光発電の普及啓発等を推進いたします。
 次に、協働といたしましては、平成23年度の総合計画後期計画策定に向け、市民参加によるまちづくり研究会や幼稚園、保育所、その他、子育て支援について協議する子育て支援に関する懇談会を設置するほか、まちづくりの協働事業やとなみもっと元気事業による市民提案事業の実践等を計画しております。
 なお、あわせて、増額が見込まれます地方交付税等を財源に3億円を超える繰入金及び繰越金を減額いたしたところでございまして、厳しい行財政状況の中にあって、財政の健全化に努めたことを申し添えておきます。
 次に、2点目の中期的な経常収支比率の推移に関する御質問にお答えをいたします。
 総務省発表の平成20年度市町村普通会計決算の概要によれば、全国の純計決算における経常収支比率は91.8%となっております。これに対し、砺波市のここ5カ年の経常収支比率は88%台から90%を推移し、平成20年度の決算においては89.3%となっており、全国の比率はやや下回っておりますが、財政の硬直化の傾向にあることを大変案じております。
 今後とも社会保障費としての扶助費など、経常経費の増が見込まれることや長引く景気の低迷から、市税や地方交付税などの経常一般財源が早期に回復するとは考えにくく、厳しい財政運営が強いられるものと考えております。したがって、引き続き行財政改革を進め、人件費、扶助費、物件費を初めとする経常経費につきましては、不断の見直しにより節減に努めてまいります。
 次に、経済成長戦略と成長エンジンについてお答えいたします。
 目下の経済状況下において、雇用と経済危機への対応はスピードが要求されており、即時性を持って対応していくことは重要でありますが、中長期的には、地域の活力を育て、若者の定住を図るため、まずは働く場の確保が必要であろうと思っております。市内には工場適地等が複数ございますので、名古屋に開設いたしました砺波地域情報センターや東海となみ野会などの連携を強化し、企業誘致や経済交流に鋭意努力してまいりたいと、このように思っております。
 また、日本の総人口が減少を続ける中、私は、現状を看過していると、地方が埋没してしまうのではないかとの危機感も抱いております。これまで、チューリップフェアなどについてはさまざまな取り組みを進めてきたものの、広義の意味での滞在型観光や交流人口の拡大という面では、まだまだこれからという感じではないかと思います。東海北陸自動車道が既に開通し、北陸新幹線の開業も平成26年に迫っている状況下にあって、砺波市として、観光をこれからの重要な産業と位置づけ、市民総ぐるみで戦略的に取り組み、経済振興や人的交流の拡大につなげていくべきでないかと考えております。
 そこで、新年度においては、観光振興を軸として交流人口の拡大を目指し、山森議員の代表質問に答弁を申し上げましたが、観光振興戦略室を設置し、先人より引き継いだ散居景観を最大の地域資源ととらえ、観光振興に活用することを考えてまいりたいと思っております。また、砺波市の特色を出して進めております市街地の土地区画整理事業につきましても、県西部における商業施設の集積と商圏の誘導、拡大につながるものでありますので着実に進めてまいりたいと、このように思っております。
 いずれにいたしましても、個々の振興政策につきましては、新年度において、総合計画後期計画を市民との協働により策定することになりますので、その作業の中で優先順位や財政見通し等を勘案して、具体化してまいりたいと考えております。議員各位におかれましても、いろいろ積極的に御提言を賜りますようお願い申します。
 私からの答弁は以上といたしまして、その他の質問につきましては副市長、教育長、並びに担当部長からお答えをいたします。
 以上です。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 私から、行財政改革の取り組みについて3つの御質問にお答えいたします。
 まず、第1番目、職員の意識改革について3つのテーマを挙げられ、それぞれの構築をどのように行っていくのかとの御質問でございました。
 1つ目の何事にも失敗を恐れず、積極果敢に挑戦する庁内風土づくりにつきましては、まちづくりは人づくりと言われますように、職員一人一人の資質の向上と能力開発を図り、自ら考え、実行する積極的な職員を育てることが重要でございます。
 そのためには、さまざまな研修や人との交流によって能力を高め、視野を広める一方、日常の職場を通じて、能力や人間性を高めることも大切でありまして、職場においても、上司は職員とのコミュニケーションを密にするなど、職員が意見を出しやすい雰囲気づくりや風通しのよい職場づくりに努めることが大事であると考えております。このことによりまして、職員の相互理解が深まり、積極的な自己啓発活動や仕事への積極的な姿勢につながるものと考えております。
 2つ目の筋肉質で、軽くて、早い組織づくりにつきましては、組織は職員一人一人の集合体でございますので、まず、その組織が目指すべき目標や方向性を的確にとらえ、社会情勢の変化に迅速かつ柔軟に対応し、常に最大限の力を発揮できる組織体制を築くことが重要であると考えております。
 一例でございますが、この4月からは主任を係付から課付にすることによりまして、課長による課内での職員の異動をスムーズにいたしまして、季節的な業務量の増減に柔軟に対応することにより、重点課題への対応や係間の業務量の平準化をやりやすくしたいというふうに考えております。
 また、現在、行政改革の専門部会は関係する担当課職員を兼務させるプロジェクトチームとすることで、最少の人数で最大の効果を発揮していると考えておりますので、4月から新たに設置いたします観光振興戦略室や景観まちづくり班におきましても、プロジェクトチームを設け、横断的に対応してまいりたいというふうに考えております。
 3つ目の職員の意欲と実績にこたえる人事給与制度につきましては、現在の人事評価制度は平成19年度から試行という形で実施いたしておりまして、職員の昇任・昇格や異動など、人事の検討資料として活用いたしております。また、人事評価に際しては、評価者と職員が面談いたしまして、コミュニケーションを図ることにより、本人が自覚していなかった問題点に気づかせ、自らを改善していこうとする気づきや動機づけを与える効果も果たしていると考えております。
 地方分権が進みまして、地域間競争が激しくなる中で、職員の資質向上は不可欠でありますので、職員のやる気を喚起し、頑張っている職員を評価するシステムは必要不可欠であると考えておりますが、こうした人事評価において公正で公平な評価ということが大前提となりますので、平成22年度においては評価の公平性を高めるため、評価者の研修を行い、評価レベルの統一性を図りながら、平成23年度からの導入に向け、準備を進めることといたしております。
 次に、第2番目、行政評価に結果についての御質問でございます。
 平成21年度の行政評価による事務事業の見直しにつきましては、総合計画実施計画に計上してあるすべての事業のうち、扶助費など義務的な経費や内部管理事務などを除く、290の事業を対象として実施いたしております。その結果、成果が上がっているが180事業、ほぼ成果が上がっているが103事業、成果が上がっていないが7事業となったところでございます。
 次に、第3点目、経費削減に向けた全庁的な取り組みなどについての御質問でございます。
 経費削減に向けた全庁的な取り組みにつきましては、職員に対し、日ごろからコスト意識を持つように働きかけておりまして、具体的には小まめな電気の消灯、ペーパーレス化による用紙の削減、不用紙の再利用、公用車のうち軽四自動車の共有などを進めております。
 また、事務事業につきましては、行政評価の結果をもとに、今後の事業展開に当たってどのように改善していくのか、あるいは廃止するかなどを検討しながら、行政サービスの充実に努めているところでございます。
 次に、行政評価や行政改革による削減額でございますが、市長を初めとする給与の減額、各種補助金の見直しや広報発行経費の節減、高金利の市債の一部について行いました保証金免除による繰り上げ償還での後年度負担分の軽減など、合わせて約2億3,000万円余の削減に取り組んだところでございます。また、歳入に関しましては、未利用の市有地等について売却処分を進め、5件、640万円余の売却額があったところでございます。なお、これら行政改革によりまして得られました財源は、福祉、教育、経済対策など、必要な行政サービスに充当されていくこととなるものでございます。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 私からは、島崎議員御質問の学校のICT化に伴う情報セキュリティー確保についてお答えをいたします。
 最初に、今回の学校ICT環境整備事業のパソコン導入による教育、公務の両面からの効果につきましては、教育の面からは、児童生徒のICTを活用した授業展開により、授業への興味・関心、意欲が高まり、より理解を深めること。公務の面からは、事務の効率化が図られることにより、児童生徒とのふれあう時間が増えることなどを期待しているところでございます。
 次に、学校公務が今後どの程度まで電子化が進むのかとの御質問ですけれども、今回の整備により、公務用パソコンをハード面では、全小中学校に配備したことで完了したことになります。また、ソフト面においても、すべての公務を電子化することは可能な状況になったということでございますけれども、教育的な配慮と個人情報保護の両面から、どこまで電子化を進めるのか、あるいは進めないのか、もう少し時間をかけて検討してまいりたいと、そういうふうに考えております。
 学校教育における情報セキュリティーポリシーの策定と推進については、教育センターが中心となった各学校の情報教育の担当教諭との協議の場で、その利用方法等とあわせて議論を重ねているところでございます。個人情報の取り扱いを含めた適切な情報管理が徹底され、効果的な運用がなされるようなセキュリティーポリシーであり、利用規約であるように作成していきたいと考えております。
 情報セキュリティーポリシーの内容につきましては、具体的な説明をしますとセキュリティーでなくなることもありますので、抽象的な説明になるかもしれませんが、お許しをいただきたいと存じます。
 私物パソコン、先生方個人所有のパソコン、それからUSB等、大量の記録媒体などの取り扱いにつきましては、その中で議論されているところでございますけれども、利用規約の中で規定するところでありますが、現在、私物パソコンの学校への持ち込みや記録媒体の学校外への持ち出しにつきましては原則禁止としたいと、そのように考えております。ただ、やむを得ない持ち帰り業務への対応につきましては、学校管理者の責任のもと、十分なセキュリティー対策を講じることを前提としまして対応していきたいなと、このように考えております。
 最後に、セキュリティー教育啓発につきましては、今回のこの事業を契機といたしまして、利用する教職員への研修等を計画しております。あわせまして、児童生徒への情報モラルの指導やセキュリティー啓発の取り組みを行っていきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 吉田孝夫君。
  〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕

◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、行政運営の課題についてお答えをいたします。
 まず、情報発信力の強化についてでございますが、議員が述べられたとおり、当市では、市民と協働するまちづくりを基本に諸施策を進めておるわけでございます。また、連帯感のある地域づくりにコミュニティー意識の醸成が欠かせないというふうなことから、さまざまな媒体を活用して情報提供に努めており、まちづくりに活用していただきたいと考えております。
 その情報発信の主なものとして、1つは、広報となみでございます。
 広報紙は、市民の方々にとって最も身近な市の情報提供の媒体として、見やすさ、読みやすさに配慮しながら、一層内容の充実を図り、市民の皆さんに興味や関心を持っていただけるような紙面づくりに細心の注意を払ってまいります。
 2つ目として、ケーブルテレビを利用したコミュニティー放送でございます。
 災害など、非常時に情報を提供する速報性のある重要な媒体でございます。テレビ放送を通じて、日ごろから、市民の皆さんに親しんでいただけるような行政情報を積極的に提供するとともに、市民参加型、あるいは市民手づくりの番組を充実してまいりたいというふうに考えております。ケーブルテレビの加入率向上につきましても、しっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 3つ目といたしまして、ホームページでございます。
 インターネット環境を保有している方も相当増加しており、今や欠かせない情報提供の手段でございます。ホームページは速報性が高く、双方向性も持ち合わせており、多様で詳細な情報や多くのデータが素早く一度に得られることから、広報紙を補完する媒体として積極的に活用し、情報の発信力の強化に努めてまいります。また、市民参加、市民と協働、市民とともにつくり上げる計画という意味で、パブリックコメントも随時実施してまいります。
 これら3つの媒体を通じまして、開かれた行政、市民参加型の行政運営を進めて、利便性や透明性の高い、良質な情報提供に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、行政評価システムの進捗状況についてお答えいたします。
 行政評価システムは、限られた財源、人材、これを有効に活用し、効率的な行政運営の実現、職員の意識改革、行政の説明責任の徹底、行政の透明性の向上、これらを目的として、21年度から本格的に実施したものでございます。
 21年度では、評価対象とする290の全事業について、22年度の総合計画実施計画に反映させるよう、総合計画のヒアリング時における資料として大いに活用したところでございます。また、その評価結果につきましては、職員にも周知するとともに、ホームページにも公表しているところでございます。
 課題といたしましては、これまでの評価は、担当課による自己評価にとどまっておるというふうな面がございます。担当課以外の第3者からの視点での評価が必要と考えておりまして、平成22年度においては、他の部署の部長及び課長も含めた審査のワーキンググループを設置いたしまして、各事業をより客観的な視点で評価することにいたしたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 老松邦雄君。
  〔福祉市民部長 老松邦雄君 登壇〕

◯福祉市民部長(老松邦雄君) 私からは、2の消費者行政についてのうち、まず、(1)の消費者庁の創設による消費生活行政の変化点についてにお答えいたします。
 初めに、消費生活センターについてお尋ねでございますが、消費者安全法で言う消費生活センターとは、次の3つの要件を満たしたものを言います。1つには、専門的な知識、経験を有する者が相談業務に従事していること、2つ目は、適切な電子情報処理組織などを備えていること、3つ目には、相談業務を週4日以上行うことができることであります。
 当市では、相談員の資格を持つ職員が開庁日に相談受付業務に当たっており、かつ全国消費生活情報ネットワークシステム、通称PIO―NET端末が配備されておりますので、当市の相談窓口は消費生活センターとしての要件を満たしております。
 県のセンターと市町村のセンターの違いに、要件の違いは基本的にはございませんが、県のセンターは、市町村の区域を越えた広域的見地を必要とする相談、あるいはあっせんに対応することとなっております。また、県にはセンターの設置義務があるのに対しまして、市町村には努力義務があるという違いもございます。
 次に、消費生活センター機能の充実や被害情報の一元化、あるいは地方消費者行政活性化基金の活用に関する御質問にお答えいたします。
 市では、県の地方消費者行政活性化基金を活用いたしまして、21年度より3カ年で、消費生活センターの機能の拡充を図ることとしております。相談窓口、相談室の整備として、平成21年度はコピー機や相談用のいすなどの事務用機器を整備し、22年度には教育用機器として、プロジェクター設備やパソコンの購入を予定しております。そして、23年度には、生活環境課横にございます相談室の環境を整備するため、防音内装工事を行う予定にしております。
 被害情報の一元化につきましては、先ほども述べましたPIO―NETが全国の市町村に普及することによって、全国の相談情報を国民生活センターに効率的に集約し、一元的に管理することができるようになります。当市でもPIO―NETが導入されたことにより、相談情報をタイムリーに活用し、相談業務に役立てることができるようになって、センター機能の拡充につながるものと期待しております。
 次に、相談体制の強化につきましては、相談員研修参加により職員のレベルアップを図るとともに、県の消費生活センターなどと連携を図り、新しい手口や被害について情報収集し、高度化・専門化する消費生活相談に対応してまいりたいと考えております。
 次に、消費者ホットラインについての御質問でございますが、消費者ホットラインとは、全国共通の電話番号、具体的には0570―064―370、0570、守ろうよ、みんなをとごろを読んでおるようでありますが、そこに電話をすれば、最寄りの相談窓口につながるシステムでございます。今年1月12日から実施されており、当市にも専用電話を設置しておりますが、今のところ、本日現在、利用状況はございません。
 消費者行政の最後に、被害の再発防止策についてお答えいたします。
 平成21年度には、振り込め詐欺・訪問販売撃退シールを全戸配付いたしたところでございます。そのほかにも消費生活講座を実施し、市民向けに消費者教育を行っておりますし、緊急的に注意喚起が必要な場合には、市の広報、ホームページ、新聞報道等により、市民に情報を発信しているところでございます。
 次に、(2)雇用環境の悪化に伴う多重債務問題についてにお答えいたします。
 まず、多重債務と自殺問題でございますが、砺波市の自殺者数は平成20年が11名、平成21年は19名と、前年より8人の増となっております。また、当市での多重債務相談受付件数は平成20年が4件、平成21年には15件と急増しております。自殺の原因が多重債務であるかどうかにつきましては、警察から情報の提供を受けておらず、把握しておりませんが、多重債務が自殺の動機になっている場合が多いというのは報道のとおりと思われます。このような状況から、市の関係部局が連携をとり、潜在的な多重債務者の掘り起こしを行い、早期に適切な相談を実施し、弁護士等の専門家につなげるなどの支援策を行う必要があると考えております。
 最後に、多重債務者に対する低利の貸付制度についてでございますが、社会福祉協議会では、生活が困窮されている方に対し、無利子の生活福祉資金貸付事業を行っています。しかし、この制度は借金の返済に利用できない、あるいは自己破産者には利用できない等の制約がございまして、多重債務者が利用するには十分とは言えない状況にあります。
 御提案のとおり、多重債務者の再生には低利な貸付制度が有効と考えられますが、貸付制度を市単独で運用するには長期の貸し付けが必要であり、財政的に大きな負担となりますし、返済の未納金の回収作業が発生するなどといった問題がございます。金融機関が運用するにしても、未回収が発生した場合に市からの資金拠出が避けられず、その場合、モラルハザードの問題など、さまざまなことが懸念されるところでございます。以上のことから、今後、県や他の市町村の動向を見ながら検討してまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 3時13分 休憩

 午後 3時25分 再開

◯議長(山田幸夫君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 3番 山本善郎君。
  〔3番 山本善郎君 登壇〕

◯3番(山本善郎君) それでは、お許しをいただきましたので、通告に従い、市政一般についてお尋ねいたします。
 まず最初に、上田市長に、この新政権下の時代において、砺波市の農業をどのように位置づけ、導かれるのかを、その構想を聞きたいと思います。
 政権が変わり、不透明な部分が多いと推測され、予算編成にも大変苦慮されたと思いますが、市長自らが、事業仕分け等の見直しが進められる中でいち早く砺波の農業の実態を国等に強く訴えられてきたことは、我々砺波の農業者にとっては大きな希望が持てる、さらなる励みになるものと確信しています。
 今国会での鳩山首相は代表質問の答弁の中で、担い手不足の地域では集落営農の組織化を後押しすると明言されましたが、大いに期待したいと思います。しかし、その一方では、政策の中で戸別所得補償制度により、競争力ある経営体を育成するとも発言されていますが、一体この競争力とはだれに対する競争力なのか、甚だ疑問です。国外なのか国内なのか、まことに論議を呼ぶ、問題ある発言だと思います。今はそういったことも必要ですが、その経営体自身の基盤を強化することが大事なときではないでしょうか。
 また、鳩山首相は、「コンクリートから人へ」のスローガンを掲げておいでですが、今の農村基盤整備・土地改良区事業は、国の予算がマイナス65.9%と大幅に削減され、水利施設は老朽化が進み、再整備は重要な課題で、更新等が非常に多く、公共事業でないと水田の維持さえもできなくなるのではないかと心配しています。
 そこで、まず最初に、上田市長に希望ある砺波市農業の構想をお聞きいたします。
 次に、農業問題について質問いたします。
 まず最初に、改正農地法についてお尋ねいたします。
 このたびの改正点で心配されるのは、企業などの参入において、農地の売買が進行することです。この改正法は、所有者に効率的かつ適正に利用することが責務として課せられて、それができないようであれば、人に貸すようにも求められています。このことにより、もし企業参入が始まれば、優良農地でなくなる違反転用など、目的以外の使用も考えられます。このことから市町村を初め、農業委員会等のチェック機能が問われ、その動向が注目されます。この点においてどのように進められるのかをお聞きします。
 2番目に、農水省は、2010年に改正農地法施行に伴い、農地の利用集積を目的とした仲介に対し、1反当たり2万円の助成する事業に着手いたします。この事業については評価できるものと考えます。
 改正農地法の目的は、まず、耕作者地位の保障と食料の安定供給を図るための重要な生産基盤である農地を確保することであり、農地の貸借に係る規制を見直し、農地の面的利用集積を図ることと、有効利用を促進させるためのものであります。さて、政策上では、各市町村は円滑化団体を設置し、利用集積を加速させることから、この設置場所や運営の仕方についてお聞きいたします。
 3番目に、そのための補助金の使い道は、地域の耕作者に対しての経費に充てることや貸し手や借り手にも配分することができること、また、その受けた農地の小規模な基盤整備も可能とし、費用の助成にも充当でき、さらには特定農業法人の農業資材の購入費にも支援でき、その上、専門家をおいて人件費にも助成が可能であります。この制度の運用方法等は、使い方次第では大変有意義な事業と考えますので、今後の進め方について当局の方針をお聞きいたします。
 4番目に、近年、担い手農家や集落営農の大型化が進む中で、そこより排出されますもみ殻等の扱いが問題になります。これは本来、有機資源として生産圃場に還元できれば一番いいわけでしょうが、何分大量であり、処分に困ることがあります。そこで、農水省は、この未利用のもみ殻を有資源としてバイオエタノールにし、燃料に転換するプロジェクトに取り組みます。新たなエネルギーとして、農村の活性化にも期待が持てるところですが、日本には現在4カ所の施設が竣工予定です。この動きに呼応するお考えはないでしょうか。ぜひとも検討をお願いするものです。
 次に、健全化財政及び職員育成についてお尋ねいたします。
 最初に、平成20年度の決算委員会でも説明があった滞納税額について、今年度において回収不能処理しなければならない不納欠損金が発生するとすれば、その見通しはどうなのでしょうか。委員会の席上、この件については検討するとのことでした。
 そこで、富山市では滞納金回収強化策として、今まで部署ごとに回収を図ってきたことを一元化し、債務管理対策課なる部署を平成22年度に新設されると聞いていますが、厳しい財政難の折、市民負担の公平性を目指していくためにも、当市としてどのような回収手段をとられるのか、お聞きいたします。
 2番目に、このたび、砺波市職員の勤務時間及び休暇等に関する条例の一部改正についての件ですが、地方公務員法の規定に基づくと、職員の勤務時間に関し必要な事項を定めた条例の中、任命権者は、月曜日から金曜日までの5日間において、1日につき8時間の勤務時間を割り振るものと定められています。
 そこで、今回、今までの8時間の勤務時間を7時間45分に改めるとのことですが、その意とするところはどこにあるのか、また、それにおいて住民サービスがどのように変化し、よくなるのかをお聞きいたします。
 次に、砺波市における土木事業のうち、市道整備についてお聞きいたします。
 まず最初に、新年度予算には、土木費として16億5,800万円計上されておりますが、その構成比が全体の8.6%、前年対比82.4%となっています。そのうち市道改良は、市道改良事業費として3億1,000万円で、市費及び補助事業で対応されますが、早期に発注され、よりよくしていただきたいと思います。
 また、富山市でのこの占める割合は全体の15.4%で、0.8%の減に、また、南砺市においては15%と、1.8%の増となっています。これは単純に比較はできないにしても、砺波市での枠組みの中では非常に少ない割合となっています。市内の各地には、まだまだ多くの道路の要整備を必要とする箇所が多くあると思います。そもそも、このシーリングはどのような思いが含まれ決められたのか、お聞きいたします。
 2番目に、昨年には地震防災マップ等が作成されました。これは、恐らく市民の安全を守るため必要性があると判断され、当局が積極的に制作されたものと思います。そこで、今回、道路についても危険箇所等を示すマップ等、市民に知らせることのできるものがあってもいいのではないかと思います。
 いろいろな場面での地区の要望なりを見ていますと、一番多いのは、市道、県道などの道路整備ではないでしょうか。当北部地区においても鷹栖や若林、しいては林地区、ほかの地区にも随所に交差点等に問題があると理解いたします。
 しかし、一向に事業が進まない状況に対し、今後の見通しがはっきりしないし、お互いにその改良の必要性自身も共通認識されているのかどうかもわからない状況です。もし、こういった危険箇所を示すことができれば、市民の皆さんも現地を通ることもあり、説明がなくても理解を得ることも可能だと思われます。それを見れば、優先順位なるものも理解に時間を要しないのではないでしょうか。市の計画が見えない上に、工事エリアには事前説明はありますが、そこを利用する者には説明不十分なところがあり、見えないことが不安を呼ぶわけでございますので、ぜひこの際、見通すことのできるマップ等の制作を考えてみればどうかと提案するものです。
 先般、主要地方道整備促進期成同盟会に参加させていただきました。この会の設立が今から22年前の設立ですが、この工事もまだ完成を見ることができないということです。時間がかかるのはよくわかりますが、その説明のためにも何らかの形の見える方法をお願いしたいというふうに思います。
 以上で、質問を終わります。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 山本議員の砺波市の農業の展望についてのうち、新年度における砺波市の農業の展望に関する御質問にお答えをいたします。
 砺波市の農業につきましては、これまで何度か御質問があったところですが、砺波平野は、議員も御存じのとおり、全国的にも珍しい散居でありまして、日本の農村の原型とも言われる田園風景を代表する景観であります。そしてまた、水田は水稲単作地帯として、時代に即した農業で、農村を守ってまいりました。このすばらしい散居景観を守るためにも、農業経営の安定を図る複合経営とコストの軽減や担い手対策としての認定農業者の育成や組織化の推進をこれからも進めてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
 また、昭和37年から圃場整備事業に取り組み、昭和60年に、整備可能な4,900ヘクタールを30アールから40アールの区画で整備し、組織化とコスト軽減推進をしてまいりました。しかし、農業施設の整備の早い地区では40年を経過し、現在、砺波市では、主に用排水路を再整備する経営体育成基盤整備事業が東野尻地区を初めとして、3地区が着手され、さらに要望地区が続いております。
 農業を継続するためには、土地改良事業は大変重要な基盤的事業であり、国の大幅削減に対しては大変危惧をしているところでございます。また、幸いにも、庄川左岸の国営農地防災事業及び附帯事業につきましては順次着手される予定となっておりますが、農業基盤整備事業や土地改良事業の予算削減については何度も国や県に働きかけてきたところであり、今後も国に強く要望してまいりたいと、このように思っておるところでございます。
 いずれにしろ、砺波市というのは、私は農業は基幹産業であると、このように思っておりますし、砺波市の農業をチューリップを初めとする、タマネギ等、複合経営を目指しながら、農業の経営の安定を図っていかにゃならんと、このように思っておりますし、今ほども申しましたが、担い手農家や集落営農等の育成を図ることは極めて大事であると、このように思っております。
 まさに国の農政は極めて不透明感がございまして、我々、農政というのは国の力に依存する面が大変大きいわけでございます。そういうことからすれば、いずれにしろ、砺波市の農業をしっかり守り、育てていくためには、国に対して強力に運動を展開していかにゃならんと、このように思っておりますので、議員各位の温かい御支援をお願い申し上げたいと、このように思っておる次第でございます。
 私からの答弁は以上といたしまして、その他の質問につきましては担当部長からお答えをいたします。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 吉田孝夫君。
  〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕

◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私から、まず、税の滞納に関しましてお答えをいたします。
 市税の滞納は、現年に収納できない分は、翌年度に持ち越すことにより発生いたしますので、先に前年の収納状況について若干説明させていただきます。
 ここ数年の現年における収納率は、合併直後の平成17年度の98.3%から、平成20年度には98.7%と着実に向上し、県下10市の平均98.3%を上回る良好な状態にありまして、市民の御理解に感謝をいたしておるわけでございます。
 市税の滞納につきましては、納期期限を過ぎますと、督促し、その上で文書や電話による催告、戸別の訪問により自主的な納付を促しておりますが、本人の実情を確認できれば、分納などの相談にも応じております。また、平成18年度から徴収嘱託員を設置いたしまして、きめの細かい収納にも努めているところでございます。
 なお、再三の催告にもかかわらず、納付の意思が認められないというふうな場合には、法に基づく財産調査を行って、徴収可能な財産を把握いたしまして、生活状況を判断の上、差し押さえ、滞納処分というふうになりますが、平成20年度からは、この押さえた動産をインターネット公売にかけるなど、滞納の整理に努めているわけでございます。
 不納欠損につきましては、住民票を置きながら、行方不明で財産も保有していない場合や本人が死亡していたり、生活保護を受けている場合は、徴収が事実上できませんので、法に基づき、滞納処分の執行を停止した上で、不納欠損として終結をさせているわけでございます。なお、本年度末の不納欠損状況は、企業倒産によるもの、離職などによる生活困窮者や行方不明者が増加していることなどもございまして、件数はやや増加しておりますが、金額ではここ数年並みに落ち着くものと見込んでおります。
 さて、砺波市では、税金に限らず、上下水道使用料、保育料、総合病院の医療費などに一部未収金の発生が見られるというふうなことから、賦課徴収の関係課によります市税金等未収金対策合同会議、これを開催いたしまして、収納の状況や滞納の実態調査による分析などについて協議し、共通理解を図っております。これからもこの会議を随時開催するとともに、毎月収納状況を取りまとめ、会議に報告いたしまして、滞納や未収納整理を徹底し、収納の向上につなげてまいりたいと考えております。
 次に、勤務時間に関する条例の改正についてお答えをいたします。
 勤務時間の短縮につきまして、国においては平成20年度人事院勧告におきまして、国家公務員の勤務時間を平成21年4月1日から、1日当たり7時間45分、1週間当たり38時間45分に短縮されたところであります。また、これを受け、富山県及び富山市においては、本年1月1日から国と同様の勤務時間の短縮をしているところであります。
 当市におきましては、国の人事院勧告及び平成20年11月の総務事務次官通知に基づき、地方公務員の勤務時間や休暇については国と権衡を図ることとされており、この3月定例会に、関係条例の一部改正案として上程いたしているところでございます。
 御質問の勤務時間短縮の意図するところでございますが、民間企業の所定労働時間との均衡を図るという観点から改定されたものであり、実施に当たりましては、これまでの行政サービスを維持し、かつ行政コストの増大を招かないことが基本であると認識いたしております。そのためには、市役所全体として公務能率の一層の向上に努めるほか、職員一人一人が仕事の進め方や働きを点検し、最大限の能力を発揮するよう努めていかなければならないというふうに考えております。
 次に、勤務時間の短縮に伴う行政サービスへの影響についてお尋ねですが、閉庁時間が17時30分から17時15分に繰り上がる。このことから、窓口利用の利便性に少し影響が出るものと考えております。
 この影響度を調べるため、昨年の11月と12月の2カ月間、17時15分から17時30分までの窓口利用者の数を調査いたしたところでございます。その結果、2カ月間の平均の窓口利用者数は、市民課の窓口で1月当たり14人、庄川支所市民福祉課の窓口では、同じく12人の利用がありましたが、その他の税務課、社会福祉課、こども課、それから、高齢介護課などの窓口ではわずか数名でございました。
 この結果を受けまして、市民の皆さんに直接影響があると考えられる市民課と庄川支所の市民福祉課の窓口におきましては、従来どおり17時30分まで開庁することとし、その他の部署につきましては閉庁時間を15分短縮して、17時15分にすることといたしております。なお、従来から行っております毎週月曜日の19時までの窓口延長につきましては、市民課はもとより、税務課、社会福祉課、こども課、高齢介護課、生活環境課、そして、上水道課において引き続き実施し、市民の皆さんにサービスの充実を図っていきたいと考えております。
 なお、実施時期につきましては、市民の皆さんに周知を図る必要がありますので、6月1日から実施したいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 小幡和日出君。
  〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕

◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、砺波市農業の展望についての御質問のうち、2の改正農地法施行に伴う利用集積事業運営方法についてと、3の新エネルギー事業参画についてお答えをいたします。
 まず、今回の農地法改正に伴いまして、地域によって農地の受け手がいない等の場合に、農地の適正利用を確保する観点から、一般法人にも解除条件つきで農業への参入が可能となったところであります。ただ、あくまでも貸借に限られていることを御理解いただきたいと思います。
 一般法人が農業に参入する場合には、いろいろな条件が課せられております。
 まず、解除条件つき貸借の許可を受けようとするものが農地を適正に利用していない場合に、貸借を解除する旨の条件が書面に付されていることとされております。2つ目に、地域の他の農業者との適切な役割分担のもとに、農業経営を継続的、安定的に行うことが見込まれることとされております。3つ目には、その法人の業務を執行する役員のうち、1人以上の者がその法人の行う耕作、または養畜の事業に常時従事すると認められることなどであります。
 法人からは、以上のような項目を記載した書面の提出を受け、確約書として、農業委員会と協定を結び、お互いに確認することとしております。また、許可を受けたものは、毎年、その農地利用状況について農業委員会へ報告をしなければならないことになっております。さらに、許可を受けたものが周辺地域の農業に支障を与えている場合などには、農業委員会として勧告するとともに、さらに従わない場合は、許可を取り消さなければならないことになっているところであります。
 いずれにいたしましても、議員が御心配されているような、企業参入に伴う弊害は極力避けられるものと存じております。
 次に、農地利用集積事業について申し上げます。
 国においては、経営体が農地を使いやすくなるよう、農地をまとめていく仕組みを創設し、農地の貸借を仲介する組織が行う調整活動を支援することとなりました。具体的には、農業経営基盤強化促進法に基づく基本構想に農地利用集積円滑化事業を行うものに関する事項を定め、事業主体が定めた事業規程を市が承認することの必要があります。その後、実施主体である農地利用集積円滑化団体が、集落座談会や意向調査、計画書の作成等の調整活動により6年以上の利用権設定が行われた場合に、10アール当たり2万円が交付されるほか、今ほど議員が述べられたとおり、小規模基盤整備費等に助成されるものと伺っております。
 まだ、要綱・要領が示されていないことから全容がつかめておりませんが、今後のスケジュールとしては、法施行後の3月上旬に県の基本方針が改正され、その後、6月に市町村の基本構想を改正し、9月に事業規程の承認を得ようと計画をいたしております。県の基本方針案が示され次第、円滑化団体となり得る市を初め、農協、市農業公社、土地改良区、担い手総合支援協議会等、関係機関が協議の上、実施主体を決めてまいりたいと思っております。なお、助成金の使用使途につきましては、要綱・要領が示された後、周知してまいりたいと存じます。
 次に、新たなエネルギー事業の参画について申し上げます。
 現在、米やてん菜を用いた大規模実証事業が北海道や新潟県において、ホクレンや全農、民間企業が事業主体となり、バイオエタノール燃料の製造に取り組んでおります。このほか、さとうきびや食品廃棄物などを用いた小規模な実証実験も全国7カ所で行われておりますが、実用的規模での取り組みはまだまだ始まったばかりであります。
 世界においては、ブラジルがさとうきびなどの糖質原料から、アメリカではとうもろこしから、でんぷん質原料からバイオエタノールを製造し、生産が行われております。
 議員御提案のもみ殻はセルロース系原料で、技術的にハードルが高く、実用化、低コスト化に向けたさらなる技術開発が必要不可欠であり、国においては、技術開発がなされれば2030年以降というふうに試算をいたしております。
 そこで、当市では、現在進められております国の実証実験の状況、技術開発の状況等、動向を注視してまいりたいと思っております。
 以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 前野 久君。
  〔建設水道部長 前野 久君 登壇〕

◯建設水道部長(前野 久君) 私からは、項目3番の市道等の道路整備事業に関する御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の道路の整備状況と今後の計画についてのお尋ねでございますが、予算の編成につきましては、これは土木費ばかりではなく、すべての項目についてでございますが、予算編成に先立ち策定されます総合計画実施計画に基づいたものとなっております。
 また、総合計画は、入るを量りて出ずるを為すと、こういった大原則のもと、市税、地方交付税などの歳入に見合った歳出になっているものでございます。当然ながら、各年度ごとの財源確保の状況や事業内容によりまして、予算総額は変わりますので、おのずから構成比も変わっていくということでございます。このようなことや自治体の規模、あるいは施策の違いなどもありますので、確かに他の自治体と比較する場合には、構成比は投資的経費のたかを見る場合の1つの目安にはなりますけれども、この率だけをもって云々ということについては若干無理があろうかと考えているところでございます。
 そこで、新年度の土木費の予算額につきましては、議員さんが述べられましたとおりでございますけれども、土木事業と都市計画事業を合わせました16億5,800万円余でありまして、予算総額に占める割合は8.6%でございます。これは、21年度予算額20億1,300万円余に対しまして3億5,500万円の減、率にいたしますと17.6%の減となっておりまして、構成比につきましても2%の減になりました。この大きな原因につきましては、都市計画事業で実施いたしました出町子供歌舞伎曳山会館の完成、公共下水道事業会計への繰り出し金の減額、それとJAの地域優良賃貸住宅整備事業の完了と、こういったこと等によりまして、これだけ足しても5億円余りの減となるということで、土木全体で下がっておるということでございます。
 このような中で、市道改良事業につきましては3億1,000万円ということで、これは21年度予算額2億6,800万円と比較いたしますと、4,200万円の増、率にいたしまして15%の増と、市道改良だけではそういうふうになってございます。
 財政状況が大変厳しい中ではありますけれども、国庫補助事業や合併特例債を活用するなど財源確保を図りながら、先ほども申し上げましたとおり、総合計画に基づきまして順次事業を推進してまいりたいと考えております。
 特に、交通弱者と言われております歩行者の安全・安心を確保するため、小中学校の通学路となる歩道の整備を重点的に進めているところでございまして、新年度では、継続4路線に加えまして、新規に1路線の調査着手を予定いたしております。
 このほか、合併関連道路や新インター関連、企業進出に伴う道路などの整備を予定しておりまして、市民の皆さんの期待に沿うよう、できるだけ早期の発注に努めてまいります。議員さんがおっしゃいますように、皆さんからの道路整備に関する要望は大変多いわけでございますが、限られた財源の中で交通実態等を調査しながら、優先路を見極め、今後とも計画的に整備を進めてまいりたいと存じます。
 なお、シーリングはどのように決められたかというお尋ねにつきましては、冒頭述べましたとおり、総合計画に基づいているということで御理解賜りたいと存じます。
 次に、2点目の道路の危険度マップの作成についての御質問にお答えいたします。
 市では、災害発生時における市民の安全を確保するため、昨年度は洪水ハザードマップを作成し、市内の全戸に配付いたしました。現在は地域防災マップを作成中でございます。失礼いたしました、現在は地震防災マップを作成中でございます。また、幼稚園、保育所では交通安全母の会を中心に、道路交通の危険箇所を記載したヒヤリマップが作成されておりまして、交通安全対策として啓発活動に取り組んでいただいております。
 さて、議員さん御提案の道路の危険度マップの作成につきましては、道路の危険度に関する指標としては道路の形態、構造、交通量、地域性など、さまざまなものがあります。市内全域を見て、危険度を比較するということは利用者それぞれの感覚的な問題もございます。そこで、さらにそこに整備の優先順位をつけると、そして、マップ化するということは大変難しいものと考えております。経済状況が厳しく、財政状況が先行き見えにくいこの中で、何年にどこどこを整備しますといったことを言えないということをどうか御理解賜りたいと存じます。
 危険と思われる箇所につきましては、道路を利用する皆様で十分注意していただくとともに、市といたしましては、市民の皆さんから御意見をいただいた場合には現地調査を行いまして、できるだけ早く危険箇所の改修に、改善に努力してまいりたいと考えております。
 今後とも小規模な修繕につきましては速やかに実施してまいりますけれども、期間を要する大規模な改良整備事業につきましては、補助事業に頼らざるを得ませんので、先ほども申し上げましたとおり、総合計画に基づきまして順次事業を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。
 なお、県道整備につきましては、引き続き市の重点要望事項として国、県へ要望してまいりますので、どうか議員の皆様方のお力添えも賜りますようお願い申し上げまして、私からの答弁とさせていただきます。

◯議長(山田幸夫君) 2番 川辺一彦君。
  〔2番 川辺一彦君 登壇〕

◯2番(川辺一彦君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従いまして、市政一般について大きく3項目の質問をさせていただきます。時計の表示計が故障したようでありますので、それ相応にしゃべらせていただきます。
 まずは、砺波市観光戦略における散居村展望台周辺整備と道の駅・砺波の再整備についてでございます。
 今年の執務始めにおいて、上田市長は新聞記者から、今年はどんなことに重点を置いて、市政を進めるのかとの問いかけに、まずは観光と切り出されていた言葉がすごく印象的でしたし、そのことは、今期の議案の中に観光振興施策が多角的に織り込まれていることからしてもよくわかります。
 私は、その中から、先ほど嶋村議員からの質問にもありました散居村展望台整備事業についてお尋ねいたしたいと思います。
 この事業内容は、大型バスの乗り入れが可能な散居村展望台を整備するための適地調査と伺っておりますが、私は大いに賛成です。展望台は今すぐになくても、まずは、鉢伏山頂上付近まで大型バスが上がっていけることだけでも十分に価値のある事業だと思います。
 先日、私はスキーを履いて、夢の平スキー場の頂上である鉢伏山を起点として、散居村風景を望みながら、県道山田湯谷線を順次下ってみました。鉢伏山頂上は標高517メートルですが、風を肌で感じながら眺める散居村風景や富山湾、そして、立山連峰も視野に入る360度のパノラマを自分の目で見る光景は感動的であり、写真で見るものとの違いがよくわかる瞬間です。山頂からはスキー場のゲレンデの反対側へ、普通車が1台通れるくらいの山道があります。距離にして約150メートル、標高差で約40メートル下ったところに小高い丘があり、その下方、標高差約10メートルで県道山田湯谷線に出ることができます。私は、この丘周辺に大型バスの駐車及びUターンができるスペースを確保すれば、山頂へも徒歩で約15分という場所になると感じました。現在の展望台は山頂と約90メートルの標高差があることから、少しでも高いところに駐車場があればいいと思うものです。
 そこで、お尋ねいたします。
 上田市長御自身は、今回のこの事業費を適地調査に当てるとおっしゃいましたが、駐車場の規模や以後の新展望台建設など、どのような構想を描いていらっしゃるのか、また、将来的には庄川小牧ダム周辺への通り抜け構想はお持ちなのかどうか、お持ちであれば、どのような道筋なのかをお伺いいたします。
 次に、昨年6月定例会において、私が、上田市長にお尋ねいたしました道の駅・砺波の再整備計画について再度お伺いいたします。
 そのときもお伝えしましたとおり、現在の道の駅・砺波は国道156号線に対して背を向けた配置であることや看板が見えにくいこと、そして、市役所側から来た場合には、城端線の高架橋を下った時点で見逃すなど、他の地方から来られた観光客の方々からは目につきにくい場所に位置していると感じるのです。また、開設15年以上経過している施設であり、駐車場と離れて位置するトイレとその数の少なさや大型バス駐車スペースの少なさ、そして、何よりも情報発信基地としての機能が貧弱と思われ、利用者ニーズに十分こたえるまでに至っていないものと思います。
 先日、広報となみ3月号の市長への手紙には、大阪から観光で来た方が、砺波の町歩きマップの作成を依頼されていた投書が紹介されておりました。この方は、当市へどのような交通手段でお越しになられたのかはわかりません。もしお車であれば、道の駅さえお寄りいただければ十分入手できたと思うのですが、場所がわからなかったのかなと残念に思いました。質問に対する上田市長の回答には、今後の再整備について、民間活力を積極的に取り入れた新たな構想と経営理念を持って調査研究組織を立ち上げ、検討を進めたいとされておられましたが、その後の進捗度はいかがなものか、お尋ねいたします。
 来年には、となみチューリップフェアも第60回と大きな節目を迎えます。残された時間はあまりございませんが、国道156号線から砺波市文化会館及びチューリップ公園への進入路の拡幅改良も含めて、チューリップを核とした情報発信基地・道の駅の整備を検討されるべきと考えますので、あわせて御所見をお伺いいたします。
 次に、砺波市情報発信システムの充実による広報活動の再構築についてお伺いをいたします。
 砺波市の行政チャンネル・砺波コミュニティテレビの本放送が始まったのは、平成13年7月と伺っております。それから8年以上経過した現在の番組内容は、市民への行政情報に約30分、地域情報を伝える地区特派員だよりに約30分、合わせて1時間の構成となっていることは皆様も御存じのことと思います。
 番組の内容は年々充実してきていると感じますが、番組の構成にはあまり変化がないように思われます。よく言えば、視聴者が1時間番組のどのあたりに、どのようなことを放映しているかがあらかじめわかることかとも思いますが、反面、いつも同じパターンであることが視聴者の興味を損なう一因となっているのではないかと思うこともございます。
 ところで、毎週かわりがわり放映される地区だよりの作成には、地区特派員の皆様に大きな力添えをいただいております。いつも楽しく拝聴させてもらえるのも、地区特派員の方々のお陰であると思っております。今般、この地区特派員の皆様の活動にある変化が押し寄せていることを御存じでしょうか。
 まず、これまで地区特派員として活躍されていた方が御高齢などの理由で、後継者も見出せないまま、現在活動を停止している地区があること。2点目に、より美しい画像を求めて、撮影器材を更新している地区特派員に対して、依然として旧型のままの編集器材しか持ち合わせていない市との連携がとりづらくなってきていること。3点目には、来年から地上デジタル通信システムに切りかわることにより、ハイビジョンカメラによるデータの受け渡しや保存に支障が出てくる可能性があることなどが挙げられますが、これらの実情は把握しておいででしょうか、現状分析と今後の対応策についてお考えをお聞かせください。
 次に、砺波コミュニティテレビは、TST、となみ衛星通信テレビを通じて放映されておりますが、現在、砺波市のケーブルテレビ加入率は平成22年1月度で約53%と伺っており、この加入率を砺波市の同期全世帯数に当てはめますと約46%にしか行き届いていないこととなります。
 インターネット上でも配信されてはおりますが、この事業の発足当時計画されていた、全市民の皆さんと双方向で通信可能な行政チャンネルとしての体制づくりにはほど遠いものと感じております。せっかく特派員の皆さんが御苦労された地区特派員だよりを、せめて砺波市民の相当数が視聴できるような体制を構築していかなければならないのではないでしようか。砺波市の行政チャンネルが発足して8年以上経過した今、この計画に対する再検討を要する時期に至っているのではないかと思われますので、今までの成果の検証結果とそのことを踏まえた今後の方針をお聞かせください。
 次に、次年度予算案に計上されておりますひとり暮らし高齢者地上デジタル対応支援事業と砺波市ホームページの改修についてお伺いいたします。
 総務省では、現在のアナログ放送を平成23年7月24日から地上デジタル放送へ完全移行するとしており、目下、その移行に向け、全力を挙げて推進されていると聞いております。
 当市でも、篤志の方からの寄付をもって低所得者のひとり暮らしの高齢者に対し、地上デジタル放送へ変更する際の費用の一部を助成する事業が組み込まれております。支援いただいた篤志の方には、大変ありがたいことと感謝申し上げます。
 ところで、アナログ放送から地上デジタル放送への切りかえには、単にアンテナやチューナーの交換だけでは済まされないケースも多くあり、ひとり暮らしの高齢者宅では専門家への相談が不可欠となる場合が往々として発生するものと思われます。
 総務省は、全国に地デジサポーター、地デジ移行相談窓口を配備し対処しておりますが、完全移行まで、きょうであと500日となった今般でも、高齢者の皆さんには、地デジちゃ、何や。今の機能で十分だと思っておられるのが現状であります。移行時期が近づくにつれて、高齢者を狙った不当訪問販売業者があらわれるのではないかと一抹の不安を覚えます。
 今後、所管の総務省からは何らかの対策を示してくるのではないかと思われますが、低所得者やひとり暮らしの高齢者である生活弱者の方々が悪質商法に引っかからないよう、砺波市として一歩先んじた対応が必要ではないかと感じますので、当局のお考えをお伺いいたします。
 もう一点、花香り、水清く、風さわやかなまち砺波市のホームページには大変重宝しております。砺波市のいろんな情報が瞬時に入手することができますし、先ほどお話しした砺波コミュニティテレビも視聴することができます。
 現在、私が見る限りの砺波市ホームページは、富山県や近隣行政区のホームページと比較しても、表現の仕方や内容の構成にはあまり格差はないように見受けられます。今期予算計上されたことは、砺波市の独自性をもっとPRされた内容になるのではないかと期待しておりますが、どのように付加価値をつけられ改修されるのか、改修内容とあわせて、その考え方をお聞かせください。
 最後に、砺波広域消防のエリア拡大における砺波消防署管轄業務体制についてお伺いいたします。
 富山県は、平成18年に国が示した市町村の消防の広域化に関する基本方針を受け、平成20年3月に、富山県消防広域化推進計画を策定しております。その計画で示された消防の広域化案に沿った形で、砺波広域消防本部の砺波市、南砺市と小矢部消防本部の小矢部市が調整協議を行い、平成23年4月の新たな広域消防事務組合の設立に向け、協議会が発足されることになりました。
 この広域化は、消防署施設やはしご車、特殊工作車などの重機材に加えて、人員配置も効率的に配備でき、市町村の枠を超えた消防活動が可能となることから、火災現場などへの到着時間を短縮できるなど、地域住民へのサービス向上につながるものと期待されているところです。
 現在の砺波市は、さしたる災害もなく平穏に経過しておりますが、これも消防署や警察署の日々の活動のお陰であろうと、感謝しているところでございます。
 ここで、砺波市エリアを担当する砺波消防署の実情を見てみますと、消防本部及び庄東出張所で41名の専従署員が配属されており、砺波消防本部には日勤管理職を除いた29名、庄東出張所には10名の署員によって、1日24時間、年間で365日間にわたり、私たちの砺波市民が安全で安心して暮らせるように日夜業務されております。火災や事故等が発生したときには緊急車両が出動いたしますが、その出動時には最低3名の乗車が義務づけられており、夜間の出動には本部で9名、出張所では3名の当直署員が必要となっています。また、医師の指示を受けて救急救命処置を行うことができる救急救命士も常時1名乗車させることを目標とされておりますが、現状は、それだけの人員がそろっていないと聞いております。
 先にお伝えしたとおり、消防署は24時間、市民に安全と安心を届けるため、署員は交代番制となっていることで、平日に砺波消防本部を伺っても、用件は後日になるケースも見受けられます。そのほか、消防署の年間行事には署員全員を対象とした訓練や講習会、また、災害発生時や救助捜索時には非番員招集もかかることがあると思われます。これらのことから、現在の砺波消防署では、市民の皆様に対する防災予防訓練や救命講習会などの市民サービスを今以上実施しようとしても、署内のやりくりがなかなかつかない状況になっているものと考えます。
 これから1年間かけて取り組まれる協議会では、専門機関に消防力の適正配置調査を依頼されるようですが、安全・安心と地域間格差のない消防体制を目指されることは当然のことといたしまして、ここ砺波市の現状に応じた車両を含む重機材や職員の配置を考慮されるよう切に望むものでございます。
 そこで、現在の砺波消防署の専従署員数と救急救命士などの資格保持者数を含む消防力の現状、そして、統合に向けての砺波消防署管轄業務執行における署員数、及び目標とされる資格保持者確保数を含む機動力強化再編体制へのお考えをお聞かせください。
 続いて、拡大する広域消防とともに充実しなければならないのが消防団です。
 富山県の消防団員の平均年齢は少しずつ上昇し、現在約43歳。そして、サラリーマン団員の割合は74%を占めるようになりました。今までもそうでしたが、消防専従署員は広範囲における専門性の充実を図っていくことがより大切になることから、地域住民とのつながりは、その地区の消防団に託される度合いが増してくるものと思います。
 実際、平成10年4月に砺波広域消防本部が設立されてからは、地区住民にかかわる訓練の内容が濃くなっていますし、住宅用火災警報器の普及活動や設置状況調査など、これまでにない消防団活動業務が出てきているように聞いております。
 日ごろより、消防団には手厚く支援をいただいておりますが、団員確保など、消防団を取り巻く環境も厳しくなっていることから、分団応分の職務に配慮されますとともに、若者が消防団になじみやすい環境の構築に対しましてもより一層のお力添えをいただくことを含め、今後の広域化における砺波市消防団の位置づけとあるべき消防団像についてもあわせてお伺いします。
 以上をもちまして、私からの質問を終わらせていただきます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 川辺議員の御質問のうち、砺波市観光戦略における散居村展望台周辺整備と道の駅砺波の再整備について、並びに砺波広域圏消防のエリア拡大における砺波消防署を管轄業務の体制に関する御質問にお答えをいたします。
 最初に、散居村展望台の整備事業の候補地につきましては、散居村の眺望がよいことや県内を見渡すことができる鉢伏山頂上付近は、川辺議員が述べられたとおり、有力な候補地と考えております。
 新展望台の整備につきましては、山間地の地形とこれから調査をしないとわからないところもございますが、自然を生かした公園的な展望台ができないか、検討してまいりいと、このように思っております。また、駐車場につきましては、観光バスの受け入れ可能なスペースの確保とトイレの整備が必要と考えております。
 新展望台の構想につきましては、夢の平レクリエーション地帯の目玉として活用するものとし、ゲレンデのスイセン畑やコスモスウオッチングのほか、庄川峡や庄川温泉等を連携させ、通年観光、滞在型観光を推進させてまいりたいと、このように考えております。
 また、小牧ダムへの通り抜け構想につきましては、昨年、藤橋が完成いたしましたが、県道山田湯谷線については観光バスの通行が難しい箇所も何カ所かありますので、県に対して道路拡幅整備を要望してまいりたいと、このように考えております。
 次に、道の駅砺波の再整備につきましては、民間活力を積極的に導入した新たな発想と経営理念を持って整備運営を図るべきであろうと考えております。
 施設整備の構想につきましては、地元の食材を取り扱うレストランや農産物直売所を民間で行うことはできないか、検討を進めているところでございます。現在、これらの施設も含めた道の駅構想を検討いたしておりますので、この計画の中でフラワーランドが行っている観光情報の発信や特産品の販売等をより充実させることとし、できれば第60回のチューリップフェアの開催に間に合わせたいと考えております。
 また、チューリップ公園の進入路の拡幅改良につきましては、進入路南側の農協敷地内に送電線の鉄塔があることなどから、早急に整備することは難しく、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 砺波広域圏消防エリア拡大における砺波消防署の管轄業務の体制に関する御質問にお答えいたします。
 御質問の消防活動重機材の充実、並びに砺波消防署の署員適正配置と日常業務体制につきましては多くの面で重なる点がございますので、あわせてお答えをさせていただきます。
 消防の広域化の経緯につきましては、議員も御承知のことと存じますが、小矢部市長から、砺波市、南砺市に消防の広域化の申し入れがあり、これを受けて、医療圏、生活圏、歴史的背景等を考慮するとともに、大規模な災害発生時の対応、消防本部の充実強化を図るなど総合的な判断により、3市により消防広域化が望ましいとの結論に至った経緯があります。その後、去る2月1日に消防広域化3市長会議を開催し、主要調整項目を協議いたしましたところ、合意したところであります。この合意を受けて、22年4月に砺波地域消防広域化運営協議会を設立して、23年4月1日に統合を目標として、協議を調整してまいりたいと、このように考えております。
 さて、砺波地域広域消防に伴います砺波消防署の職員の適正配置、重機材を含む車両配置などの災害時出動態勢など、さらには災害予防体制の充実につきましては、運営協議会での広域消防運営計画の中で、管轄区域等を含め、協議検討を行う予定といたしましております。なお、砺波消防署の位置づけは当然ながら基幹消防署であり、これまで以上に充実強化をしていくものと考えております。
 また、御質問のありました救急救命士の職員数は現在、全体で28名、砺波消防署は6名が在籍、広域圏全体での救急出動時の救急救命士搭乗率は20年中の調査では93.1%であり、搭乗率100%を目標としているものであります。
 次に、砺波消防団の消防予防活動の適正配備についてお答えいたします。
 消防団の皆さんには、昼夜問わず、市民の安全・安心に努めていただいていることにつきまして、心より感謝を申し上げます。また、川辺議員におかれましては、分団長として、長きにわたり消防団員として御活躍いただき、心から感謝を申し上げる次第でございます。
 さて、砺波市における消防団員については、平均年齢が38歳で、消防団員に占めるサラリーマンの割合は78%となっております。この中で、最近の災害事情の変化などにより予防活動の充実強化を求められる現状から、消防団の皆様には、住宅用火災警報器の普及啓発、設置状況の調査などいろいろ御協力をいただきまして、深く感謝申し上げたいと思います。これからも消防団の役割を深く認識いたしまして、対応につきまして意を用いてまいりたいと存じております。
 なお、消防団は消防組織法上、自治体単位であり、消防団の広域合併は考えられないところでございますが、大規模災害等を想定した場合、常備消防と消防団の連携強化は当然であり、必要不可欠とされるところでございます。今後、3市の消防団とも協議を重ね、より緊密な連携ができるよう努めてまいりたいと思います。そして、あるべき消防団像として持っている地域密着性、要員動員力、即時対応力という得がたい特徴を有しており、消防団の存在は地域において極めて大きな宝であると、このように思っております。今後とも消防団員の確保のために、消防団の貢献度、消防団の認知度などを地域社会や経済団体へ積極的にお願いしていくことが肝要かと承知しており、確保に向けた対応を進めてまいりたいと、このように思っております。
 また、消防団と地域の自主防災組織、そして、各種団体等の防災ネットワーク的な構築も消防団をサポートする上で必要でないかと考えておりますので、地域の皆様方の御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。
 私からは答弁は以上といたしまして、その他の質問につきましては担当部長からお答えをいたします。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 吉田孝夫君。
  〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕

◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、砺波市情報発信システムの充実として、まず、地区特派員を取り巻く諸問題についてお答えをいたします。
 砺波市コミュニティ放送が開始されて8年余りが経過をし、一定の放送スタイルが定着しておるわけでございます。番組の内容につきましては、砺波市総合計画の5つの基本方針をテーマとした番組づくりを基本に、1年間のしゅんの話題を映像で紹介するとともに、市民に密着した生活やイベントなどの情報を提供いたしております。また、番組の編成と制作に当たっては、市民を交えた編成委員会、あるいは企画委員会、それから地区特派員との意見交換会、また、市民からの御意見を参考にした番組づくりを心がけておるわけでございます。
 特に、砺波コミュニティ番組では、市民とともにつくるコミュニティーテレビとして、その中心的役割を果たしている地区特派員だよりに市民の高い関心が寄せられ、その内容に親しみが持てると好評をいただいております。熱心な地区特派員の皆様方の日々の活動に深く感謝を申し上げますとともに、これからも地域の情報提供に御協力いただきたいと思っております。
 さて、議員には地区特派員の後継者不足や活動停止地区の御心配をいただいておりますが、新年度に向けまして、このほど市内21地区、すべてにおいて地区特派員の推薦書が提出をされました。各地区の自治振興会、公民館に御配慮賜ったことを深く、厚く御礼を申し上げます。
 また、撮影機材に関しまして、となみ衛星通信テレビは、今年度、ハイビジョン放送の設備を完了したところであります。現在、コミュニティー番組で一部試験放送が行われている状況にございます。これに対応するため、お持ちいただいた撮影データの受け渡しがスムーズに行える編集の方法を協議して、支障を来さないよう必要な機材を整えますので、特派員の皆さんには積極的に撮影データのお寄せをいただきたいというふうに思っております。
 次に、行政チャンネル・砺波コミュニティ放送の視聴率向上についてお答えいたします。
 ケーブルテレビ事業につきましては、砺波広域圏事務組合が公設民営化により、指定管理者のとなみ衛星通信テレビ株式会社に放送事業を委託し、同社が、砺波市の脚本によるコミュニティー番組の編集と配信を担当する放送体制になっております。
 こうした中で、砺波市民のケーブルテレビ加入状況につきましては、平成13年の放送開始以降、20年4月にようやく50%を超え、直近の本年1月現在では6,932世帯となり、53.1%の加入状況となっております。このことは約半数の世帯がケーブルテレビによる行政番組を視聴されており、反面、半数の世帯にはまだ必要な情報が届いていないというふうなことになります。
 こうしたことは、行政がせっかく大きな設備投資をいたしましても、有効に活用されないことになりますので、タウンミーティングの場をお借りするなどして、ケーブルテレビの加入促進を強く呼びかけてまいりました。また、昨年8月には、放送事業者の砺波広域圏事務組合を主体に、砺波市、南砺市、小矢部市が砺波地域ケーブルテレビ連絡協議会を設置しまして、どうしたら、加入促進ができるのだろうか、あるいは市民ニーズはどの辺にあるのだろうかというふうなことをいろいろ協議いたしてまいりました。
 この一環といたしまして、加入促進を図るに当たりまして、未加入者に対する意向を調査するアンケートを2月に行い、加入率の向上につなげる取り組みを進めているところでございます。調査の結果や分析、今後の対応につきましては現在取りまとめているところでありますが、市といたしましては、市民の皆さんへくまなく情報をお伝えすることが極めて重要でありますので、これを基本のスタンスにおいて、加入しやすい条件整備をとなみ衛星通信テレビにしっかり働きかけてまいりたいというふうに存じております。
 次に、ホームページの改修に当たっての考え方を申し上げます。
 現在の砺波市ホームページは旧砺波市、旧庄川町から引き継いだシステムとして、平成9年度に開設され、以降、部分改修を重ねて、観光の情報の充実、あるいは、平成14年度には公共施設の予約システム、そして、平成15年度には映像のライブシステム、それから、職員によるホームページ情報入力システム、こういったものを導入しておりますのが特徴としてございます。
 市のホームページはあらゆる行政情報、行政サービス、行政手続などを提供する総合的で、一元的な窓口となることが求められ、また、開かれた行政、市民参画型の行政運営を図るためにもアクセスの利便性と透明で、安全性の高い情報提供が必要でございます。また、近年、社会のあらゆる分野で情報化が進み、こうした中、地域の情報や四季折々の観光情報、有形・無形の文化財並びにイベント情報を全国にいち早く発信することも重要な役割でございます。
 こうしたことから、新年度にホームページの全面リニューアルを行うこととし、新設の観光振興戦略室など、関係各課と合同で情報の連携、共有による業務の効率化、あるいは高速化を図るとともに、新鮮で市民ニーズに即応した、知りたいことをわかりやすく伝える。これを念頭にホームページの改修を実施してまいります。
 なお、改修のポイントといたしましては、1つには、ページのデザインを統一いたします。改修時期の違いによるデザインのアンバランスを改善し、利用者が閲覧しやすくしたいと考えております。2つには、情報の連携でございます。ホームページ内の情報の相互連携を密にするとともに、広報紙、コミュニティテレビとの連携をいたしまして、どの媒体からも情報が知り得る形を考えております。3つには、情報発信の強化でございます。ホームページ情報入力システムの改良、CMSといいますが、これによりまして、いつも新鮮で、確かな情報発信を可能にいたしまして、行政情報のデータベースとしての位置づけにしたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 老松邦雄君。
  〔福祉市民部長 老松邦雄君 登壇〕

◯福祉市民部長(老松邦雄君) 私からは、2、砺波市情報発信システムの充実による広報活動の再構築についてのうち、(3)の高齢者独居住宅等の地上デジタル受信者支援施策の御質問にお答えいたします。
 国では、市町村などを通じまして、来年2011年7月のアナログ放送から、地上デジタル放送への完全移行に向け、鋭意推進されているところでございます。
 今回、当市の低所得者のひとり暮らし高齢者世帯への助成につきましては、地上デジタル放送への意向に要した経費の一部を助成するものでありまして、円滑な移行への環境整備とデジタル誘導支援の一環として実施するものでございます。
 御指摘の高齢者の皆様への不安についてでございますが、総務省富山県テレビ受信者支援センターが主体となりまして、市内では昨年4月から、自治会、社会福祉団体、介護保険施設などで計30回の説明会が実施されております。今後も地上デジタル放送の必要性や対応等について相談できる体制を整えているところであるとお聞きしているところでございます。
 市といたしましても、地上デジタル放送への移行も含め、高齢者を狙った悪質商法の被害に遭わないために、市老人クラブ連合会や民生児童委員の高齢者とかかわり合いのある関係機関と連携をとり、啓蒙活動を進めるとともに、ひとり暮らし高齢者地上デジタル対応支援事業の周知を図ってまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
 次回は、明3月12日午前10時から開会いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
 どうも御苦労さまでございました。

 午後 4時42分 閉議