平成22年9月 本会議 定例会(第2号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

◯議長(井上五三男君) ただいまの出席議員は21名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
 これより本日の日程に入ります。

                  日程第1
            決算特別委員会の設置について

◯議長(井上五三男君) 日程第1 決算特別委員会の設置についてを議題といたします。
 お諮りいたします。平成21年度に属する砺波市各会計の決算を審査するため、10名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置することにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(井上五三男君) 御異議なしと認めます。よって、10名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置することに決しました。
 次に、お諮りいたします。ただいま設置することに決定いたしました決算特別委員会委員の選任につきましては、委員会条例第7条第1項の規定により、議長において指名いたしたいと思います。
 決算特別委員会委員に、
 1番 多 田 裕 計 君
 3番 山 本 善 郎 君
 5番 川 岸   勇 君
 7番 今 藤 久 之 君
 9番 岡 本 晃 一 君
13番 井 上 五三男
15番 飯 田 修 平 君
17番 林   忠 男 君
19番 堀 田 信 一 君
21番 前 田 喜代志 君
 以上、10名を指名いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(井上五三男君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました10名の諸君を、決算特別委員会委員に選任することに決しました。

                  日程第2
    市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)

◯議長(井上五三男君) 日程第2 市政一般に対する質問、並びに議案第30号から議案第36号まで、平成22年度砺波市一般会計補正予算(第3号)外6件について、認定第1号から認定第10号まで、平成21年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定について外9件について、及び報告第12号から報告第13号まで、専決処分の承認を求めることについて外1件についてを議題といたします。
 これより、市政全般に対する代表質問、並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 19番 堀田信一君。
  〔19番 堀田信一君 登壇〕

◯19番(堀田信一君) おはようございます。
 きょうは、午後から日本の総理大臣につながる民主党の代表選挙が行われようとしております。昨年夏の総選挙で政権交代がなされたわけでございますが、ここにいらっしゃる議員の皆さん初め、皆さん方はどうお考えかわかりませんが、国民に受ける、国民の耳に非常に聞こえのよいような迎合主義と申しますか、本当に日本の将来のために大事な政策だったのかどうか。そのようなマニフェストを持って、御存じのとおり、子ども手当の問題や高速無料化、暫定税率の問題等、普天間の問題、総理大臣が少なくとも県外というような話。それから、金といろいろな問題、お金の問題等も説明責任が本当になされているのかどうか。秘書が逮捕された。それに対しての説明責任は、私は、無罪で本当にいいのかどうか。日本人としての道義的な責任はどうなのか、大変あいまいなところできょう進めていかれるわけでございますが、どのようになるか注目をしていきたいことと、それと、私どももしっかりと是は是、非は非で臨んでいきたいなと、このように思っているところでございます。
 私は、自由民主党砺波市議会議員会を代表して、上田市長並びに当局に質問をさせていただきます。
 本題に入る前でございますが、上田市長も施政方針でも述べていただきましたが、8月10日、県立砺波工業高等学校ナインは初の甲子園に出場しまして、対戦相手は近畿代表、強豪の報徳学園。予想を覆す好ゲームの連続、一時は逆転したが、追い越され、9回の攻撃はツーアウト満塁、一打逆転にまで食い下がる熱戦にアルプススタンドは総立ちになり、結果は2対3の惜敗となりました。砺波市民のみならず、全国の高校野球ファンに感動を与えてくれたのであります。
 私はこの感動を多くの市民に伝えたいと、地元の鷹栖公民館、そして、苗加苑、今は北部苑にも行っているかもわかりませんが、早速展示コーナー等を設置された。私どもの天守閣の砺波市の玄関はどうなっているのか。どのような考え方を今後持っていらっしゃるのか、お聞きしたいなと思っているのでございます。9月の広報の1面の写真はすばらしいものでした。都合で甲子園、あるいは出張でテレビ観戦できなかった市民、ファンにぜひ感動を伝える展示コーナーを砺波市役所の正面ロビーや庄川支所のロビーに設置することが私は大切なことではないかなと、このように思っておりますが、ぜひ検討をお願いしたいなと思っております。
 最初に、砺波市の成長戦略、イメージづくりについて上田市長にお尋ねをしたいと思います。
 上田市長には、厳しい財政の中、概ね順調に市政運営に誠実に御努力をいただいておりまして、高く評価をいたしているところでございます。まず最初に、砺波市の成長戦略をどのように描いていらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思います。
 上田市長には、総合計画の実施に向け、7月26日、猛暑の中、砺波市の中央陳情として、国交省、農水省、経済産業省、文科省に対し11項目を精力的に陳情されたのでありますが、総合計画自体の実現は重要なことでありますが、砺波市の将来の繁栄、そしてまた、元気と希望、活力を生む成長戦略がぜひとも必要と思います。上田市長のお考えをお聞かせいただきたいと、このように思っております。
 私はかねがね申し上げてきましたが、私は何としても、かなめは行政の皆さん方の行政マンがプロでありますから、この皆さん方がどのような意識改革をして、市民のために臨んでいるか、これがすごく私は大切なことではないかと思っているのであります。特に都市間・地域間競争の中で職員の政策立案能力の進歩、進化が最も私は重要視していますが、昨年は17件しか上がってこなかったと、このようなことでありますが、これで本当にいいのかどうか。私は、一人一人の職員の皆さんが優秀な職員が多いと思っておりますが、新たな人材育成策がなければ発想転換につながらないと、このように思っております。
 1つの例ですが、政策方針の選択に上田市長が直接かかわっていらっしゃるのかどうか、または、若手職員が直接市長にメール等で提案できるシステムになっているのかどうか。と申しますのは、積み上げ方式で取捨選択となると、前例なきことはやらない、事なかれ主義で終わってしまう。こういうおそれがあります。
 富山市のライトレール、コンパクトシティ構想も、若手職員が市長にダイレクトに提案をしたのであります。このような裏話を私は伺っております。また、南砺市では毎日、広報担当が氷見市と、ライバルを氷見市と思っておられるんだと思います。氷見市と南砺市の新聞記事を市長に提出していると伺っています。これは、市を構成する組織や市民がどのような物事に取り組んでいるかをつかみ、励ましていくことで、お金のかからない広報活動になっているのではないかなと思っております。
 テレビ、ラジオ、新聞、ネットを使ったパブリシティーの活用に全力を傾注してもらうよう要望いたしたいと思いますが、所見をお聞かせいただきたいと思います。
 あわせて現代の情報発信、収集、日常的に行われるところでは、ホームページ等から情報を国内、海外の皆さんがとっているわけですが、私はかねがね、砺波市も相当前から国際交流に臨んでまいりました。そういう中で、砺波市のホームページが国際対応になっているのかどうか、これについてお伺いをしたいと思います。少なくとも英語、中国語、韓国語になされていないなら、観光戦略に取り組む姿勢が疑われることになるのではないかと心配をしております。
 また、まちづくりは人づくりであり、市民に、とりわけ子どもたちに夢と感動を与えることが大事と考えます。それは沈滞した、自信喪失気味の日本と日本人に久しぶりの興奮と感動、自信を与えてくれたのは、はやぶさの帰還劇ではなかったでしょうか。日本、世界中を驚かせたのは、宇宙航空研究開発機構とNECなどが、2003年5月9日13時29分に鹿児島から打ち上げた小惑星探査人工衛星・はやぶさは、2年半後の2005年9月に地球から3億キロ離れた小惑星・イトカワに着陸した後、燃料漏れや通信の途絶、故障続きのエンジンを動かし続け、資料、サンプルを持ち帰るという世界初のミッションに挑戦いたしましたが、地球帰還が迫った2009年11月、あまりの長旅で4エンジンの寿命が尽き、停止してしまいました。しかし、運用チームはあきらめず、4つあったエンジンの中で壊れていないエンジン機能部分を一つ一つ取り出して、それを組み合わせて、遠隔操作ですよ、これは。1台のエンジンとして動かすクロス運転を実現したのであります。
 大宇宙の中、管制官の指示で自分一人でエンジンを直し、制御機能をもとに戻すなど、孤独の作業を続けて帰ってきた姿に、日本と日本人にやればできるという感動とあきらめない勇気のすばらしさ、日本人の誇りを思い起こさせてくれたと言えるのではないでしょうか。2010年6月13日に地球に無事帰還。航空距離は何と60億キロ、予想より3年遅れの帰還でありました。
 現在カプセルの中から取り出した微粒子を分析中で、その結果が期待される中、この偉業をなし遂げたはやぶさの展示会の公募が実は始まりました。この公募は民間企業はだめなんです。地方自治体とかそういうところの皆さんが、ぜひ手を挙げてくださいということを言っています。かつての都道府県の県庁所在地の皆さんにお願いしますとか、こういうやり方では活性化がしないということを言っているのです。関心のある子どもたちに、夢を与えていきたい地方都市が手を挙げてほしいということを言っているのであります。そういう意味で、ぜひここは砺波市としてエントリーしていただきたく。強く要望したいと思っているのであります。その実現が、北陸から砺波市に見学者が訪れることになり、1つの観光戦略につながると思うからであります。セキュリティーの問題や運搬費用等、経費も必要です。しかし、小中学生、高校生等に感動を経験してもらう。大人の私たちかもわかりませんが、そういう夢を、明るい夢をつくるこの取り組みについて所見をお聞かせいただきたいなと思っているのであります。
 また、この成長戦略の中で、申し上げておきたいのは、公共事業の大切さであります。何か無駄なダムやとか無駄な箱物とか、何か公共事業が悪のように新聞報道でされているようにも思いますが、しかし、私はそれだけではないと思います。高齢化社会を含めて、安全・安心の地域社会づくりのためにしっかりとした公共事業を推進していくことが大事ではないかと思っているのであります。
 その1つは、例えば出町東部区画整理の問題であります。いわゆる公園線から中心を向けるために、第2東部を先に建設をされ、曳山会館等が建設をされてまいりました。また、中心市街地の中を拡幅する第1では、県による街路事業が順調に調査が進められ、今後、工事に入っていくと思われております。今後は残る第3であります。砺波警察署を中心としたあのブロックをどのように取り組んでいくか。もちろん街路事業となれば、公共団体の主導で行うということになりますが、私は、あの面についてはできれば地域住民の皆さんのパワーももって、面整備がふさわしいのではないかなと思うのでございます。
 それは、砺波警察署付近に住んでいらっしゃる住民の皆さん方が、交通安全的に大変危険な箇所であると。特に権正寺線からの城端線を渡っての県道へのT字路と、この辺が非常に危険だという話もございます。そのためには、砺波総合病院からの都市計画道路等を権正寺線につなぐような発想も私は公共事業としても大変大事ではないかなと。その際は、老朽化した砺波警察署の移転ということも必要ではないかと思います。富山県内での警察署は、幹線道路にないのは砺波市だけであります。本当に果たして迅速な、スピードある警察業務ができるのかどうか、この辺も私は危惧をしておるのでございます。
 さて、砺波医療圏のビジョンについてお聞きしたいと思います。
 安全・安心の砺波医療圏づくりについてお伺いしたいと思います。
 私は、昨年の3月定例会の代表質問で、砺波総合病院の経営状況を背景に、砺波市、小矢部市、南砺市がそれぞれの問題、課題に取り組むことが必要と提案し、その後に、砺波医療圏地域医療検討会が発足、高橋寿山会理事長が会長に、富山県医師会、3市の医師会長、4公的病院長、救急担当者、副市長も構成メンバーに加わり、3回の会議が開催されたと伺っておりますが、浮かんできた主たる問題、課題は何なのか、お伺いをするとともに、今後はどのような取り組みの方針をお考えなのか、これについてお聞かせをいただきたいと思います。
 私の頭の中にありますのは、3市が病院の共通認識をし、それぞれが役割分担を目指し、高齢化がさらに進む状況の中、医師、看護師の充実も含め、長年の政治キャリアをお持ちの上田市長の政治主導で改革、改善に取り組んでいただくことがベストと考えているからでございます。特に砺波、南砺、それぞれの行政立の病院は患者数、医師確保の面から経営に窮している状態であり、加えて急患センターは砺波総合病院に隣接し、事実上の運営は砺波市、人的には砺波医師会、砺波総合病院の医師にゆだねられているのであります。
 私が提案しますのは、砺波広域圏を開設者として、砺波市、南砺市の3病院をグループ化し、経営思想を統一し、役割を特化した上でこれからのニーズに対応することが望ましいと思うのであります。これは、どの病院もどの医師も新しいCTスキャンが欲しいです。高額なものを欲しいと思います。それでは、本当に砺波広域圏の医療が本当によくなるのか、私はそういうところを危惧しているのであります。そういう意味で、ここは急性期の高度医療です。ここは療養型です。ここは、もしかしたら特養も入れてもいいんじゃないかとか、そういうように役割分担をするというようなことを取り組んでいかなければならないのではないかなと私は思っているのであります。
 経営母体の違う北陸中央を加えた形で砺波医療圏の役割を特化した施策を練る必要はありますが、砺波広域圏医療局と小矢部北陸中央病院で砺波医療圏病院群協議会を創設し、急患センターの運営、急患搬送の調整、電子カルテの共同利用に取り組むことが必要ではないかと考えますが、上田市長の率直なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、砺波市のプロポーザル導入についてお伺いをしたいと思います。
 私ども自民会は、入札に関し、金額が安い、高いかのみならず、地域社会の貢献度も含めた総合評価方式の導入等を提案するとともに、市内業者の育成を図ることが大切な視点と申し上げてまいりましたが、上田市長には、この方針を取り入れていただいて転換していただきましたことに大変心から御礼を申し上げます。また、一方で、設計者の選定、これは創造性や質を競うプロポーザルの導入を私は総務委員会等も含めて、何度も取り組むことが大切ではないかと申し上げてまいりました。
 旧砺波市政時代に、出町小学校の改築にプロポーザルの導入を強く私は申し上げ、導入していただきました。教室の広さとかルクスとか、こういうものを満たすのは文科省の基準がありますが、そういうものだけで終わらずに、私たちはPTA関係者や学校関係者とともに多数の学校建設現場を視察した結果、設計会社を選ぶというより、担当する人の考えを選ぶことの大切さを知りました。ハードからソフトです。理論、コンセプトから選ぶ。これがプロポーザルであり、その手法で幅広く地域社会の声を生かしたビオトープづくりやオープン教室、コンサートもできるランチルームづくりや子どもたちもその施工にも、建設にも参加してくれました。愛校心を育んでくれた学校ができたのであります。何よりも自分たちでつくった、自分たちのアイデアも入った学校校舎をきれいに保とうと美化運動の取り組みや工事にかかわったさまざまな工事関係者の皆さんと、みんなで一緒に年1回、学校校舎維持管理委員会が開かれ、保守管理をみんなで取り組むことが今日に至っているのであります。
 これから、耐震化工事を取り組む出町中学校、庄川小学校などを含め、一定規模の物件にプロポーザル方式を導入するとき、基準、規模、審査職員の育成、導入時期や対象物件等についてどのような方針をお持ちなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
 次に、市民と充実した協働する砺波市まちづくりについてお伺いしたいと思います。
 上田市長には長年の地方行政キャリアから「市民が主役に、行政とともに」を掲げ、諸施策に取り組んでいただいていることに大いに私どもは賛同しているのでございます。特に多様化した今日、例えば砺波市の広報等もいろんな形で市民の皆さんがお配りしていますが、都会へ行ったら、新聞でチラシのような形で配達をしているのであります。本当にそこに地域社会が、行政がみんなに協力を求められるのかどうか。私は安易な方法をとってしまうと、砺波市もいつかそのようなまちになってしまうと思います。そうではない、市民とともにやろうという上田市長の考え方、そしてまた、今日の砺波市の本当にすばらしい地域社会が築かれてきました。
 私、本当にそういう意味では、多様化する社会変化を砺波市内の地区自治振興会が本当に行政の指導をもとに、防災、防犯、高齢化社会の福祉対応や保健、健康を保つ予防や地域の振興に並々ならぬ尽力をいただいてまいりました。ほとんどボランティアであります。会長一人でできるものではありません。副会長さん、町内会長さんや各種の皆さん方が協力をしていただいているのであります。砺波市から振興会への補助は均等割の86万4,000円と世帯割の550円が加算されて今日に至っておりますが、地域社会を守る振興会にさらに増額をすることが必要不可欠と私どもは思っておりますが、上田市長には温かい答弁を期待したいのであります。ぜひ市当局の皆さん方にも真摯にこの問題を考えていただきたい。
 「そんなもの当たり前やないか。」と、ときと場合によっては「わらっちゃは、お前な、市の、お前、下請か。」と、このようなきつい言葉をおっしゃる振興会長もいらっしゃいます。これは特に「いつも申し上げとるがいけど。市の職員、何も聞いてくれん。」と、こういうこともあり得ますが、どうかひとつぜひ考えていただきたいと思うわけでございます。
 次に、高齢化社会、多様化する福祉社会を担う民生委員、児童委員のなり手がないことに私ども議員も大変危機感を抱いております。業務の多さ、担当範囲の広さ、特に個人情報保護法からの情報収集、手続等で疲弊感を持つ委員が大変増えていることを御承知とは思いますが、要はなり手がいらっしゃらないのではないか。
 そこで、私は、砺波市職員も同じかもわかりませんが、地方公務員、教員の先生方や国家公務員の方々も定年になられたら、地域社会に貢献していただくような流れをつくっていただくことが私は必要ではないかなと思っております。ぜひこの辺も、私は、上田市長からぜひ協力をお願いしていただきたいなと思っております。お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 また、富山県内でも導入されていないことでありますが、活動された日数に砺波市独自の費用弁償制度を導入することも必要と考えますが、何もかもボランティアでというので本当にいいのか。夜の夜中も対応されたりもします、早朝にもされます。本当にそれでいいのかどうか、この辺についてもお考えをいただきたいと思うのでございます。
 最後に、砺波市と安城市との総合防災訓練についてお伺いをしてみたいと思います。
 8月29日、砺波市防災訓練が、南般若地区を対象に東部小学校グラウンド周辺で開催されたところでありますが、私ども自民会では、日本三大・安城七夕まつり前日の8月5日に安城市市議会を友好訪問し、意見交換を行ってまいりました。もちろん観光や青少年の育成や幅広い意見交換をしてまいりました。特に、その中で実際に災害が発生したことを想定し、両市の総合防災訓練に互いに車両の派遣を行い、訓練することが本当の真の取り組みになるのではとの意見があり、両市議会が、定例議会にそれぞれ当局をただすことにしようということでわかれたのでございます。私は、このことは実践的訓練につながる有効な取り組みと考えますが、前向きな答弁を期待し、質問を終わります。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 自由民主党砺波市議員会を代表されまして堀田議員の質問のうち、砺波市の成長戦略、砺波医療圏のビジョン、充実した協働まちづくりへ及び安城市と総合防災訓練に関する御質問にお答えをいたします。
 まず、代表質問の答弁に入る前に、砺波工業高校野球部の甲子園での活躍を市庁舎内で写真を紹介するなどをしてはどうかという御提案でございます。
 今さら申すまでもなく、先般、夏の甲子園における砺波工業高校の試合は砺波市民のみならず、多くの県民の中にも勇気と感動を与えたものであると、このように思いまして、あの戦いに改めて称賛をするとともに、活躍を大変うれしく思った次第でございます。
 そのような中にありまして、写真展示をしたらどうかという御質問でございますが、御案内のとおり、夏の甲子園につきましては高野連と朝日新聞社が主催しておりまして、この大会は主催者が入場料を徴収して運営しているものであります。そこで撮影された写真には財産的な価値があるということでございまして、2次利用を目的とした写真撮影を行う場合には主催者の許可が必要であり、写真の使用も制限されているものと、このように伺っております。取材により撮影した写真を市広報等に掲載する際にも当然に制限がございまして、許可が要るものとされているため、広報9月号に掲載した写真は事前に許可の得たものであります。また、主催者に無断で展示会などにこれらの写真を展示することができないこととされており、この場合は許可なく展示会を開けば、信義に反することになるので、行政としては、許可を得ずしてできないものと考えております。
 そのような中ですが、今後、主催の許可を得てできるだけ早い時期に、市内で開催されるイベントなど、多くの市民が集まる機会をとらえて、そこに展示コーナーを設けて、球児の活躍ぶりを紹介してまいりたいと、このように考えております。
 次に、砺波市の成長戦略に関する御質問にお答えいたします。
 市では、これまで施策や事業を説明する際に「成長戦略」という文言を使っておりませんが、現在の総合計画に定めております5つの基本方針に沿って重要施策を合計23に設け、また、その下に53の施策区分を定めております。これらのうち、市の活性化、成長に直接関連する施策で重要なものをいわゆる成長戦略とみなしてよいのではないかと、このように考えております。
 その代表的な施策としては、観光振興、企業誘致、雇用支援、農業振興、土地区画整理などによるまちづくり、環境対策、市民との協働などがあろうかと思っております。その施策の一つ一つにつきまして主要事業の内容を説明することは省略いたしますが、とりわけ観光振興につきましては、交流人口の拡大を図る上では極めて重要な施策であり、高速道路の整備や北陸新幹線の開業などを控えていることから、この分野においてはこれから大きく伸びる余地があろうかと思っております。
 これらをビッグチャンスととらえまして、本年4月に設置しました観光振興戦略室で現在練り上げております。観光振興戦略プランに掲げられた計画を推進し、都市間競争に勝ち抜きたいと考えております。
 もう一つ紹介しますと、環境の分野においても大きく発展する要素があろうかと思っております。市の財産であります散居景観を保全することにより、観光資源としても活用し、観光産業の振興に役立てようと考えております。これらにつきましても、景観まちづくり班を設置いたしまして計画策定に取り組んでいるところであります。
 現在、総合計画の見直しを進めているところでありますが、今ほど申し上げました砺波市版の成長戦略を計画に盛り込んで、市の活性化を図り、元気な砺波市をつくるために重点的に進めてまいりたいと、このように考えております。
 次に、職員の政策立案能力についてに関する御質問にお答えいたします。
 堀田議員からは、かねがね地域主権時代に的確に対応していくためには、自治体職員の政策立案能力のより一層の向上を図ることが重要であると御指摘されており、私もそのように存じております。政策立案能力としては固定概念にとらわれず、自由な発想のもと、自由闊達に議論を深め、社会の変化や市民のニーズを的確に把握し、今何が求められているのかを目標を定め、施策として具体化する能力とあわせて実行するための説明責任能力が重要であると、このように考えております。
 なお、施策方針の選択に私がかかわっているかとのことですが、施策方針は、あくまで市長である私が決定するものであることを申すまでもないことであろうかと、このように思っております。
 そこで、職員が私に直接に提案する手段として、制度化されたものはございませんが、毎年度、行政改革を推進していく上で職員提案が提出されており、疑問に思うことや改革・改善などに関する事項につきましては柔軟な発想のもとでさまざまな視点からの提案となっており、今後とも随時提案を受け付けてまいりたいと、このように考えております。なお、現在の提案件数は、新採職員から提出されたものを含め39件あります。提案のうち、実施可能なものについては速やかに実施するなど、職員の積極的な提案にこたえるべく検討を進めております。
 さらに現在、総合計画後期計画基本計画を策定するため、市民の皆様45名と職員24名によるまちづくり研究会を設置し、課題ごとに自由に意見を述べる機会を設けているところでございます。今後は職員と昼食をともにしながら、お互いに職責を離れ、砺波市の将来、夢などについて大いに語り合い、職員同士、また私自身も大いに刺激し合う場を検討してまいりたいと、このように考えております。
 次に、情報発信についてに関する御質問にお答えいたします。
 まず、私の情報提供についてでありますが、当市においても市内の情報や県内の有用な新聞情報につきまして、職員が整理して、私も含め職員が情報共有を図れるようにいたしております。
 さて、テレビ、新聞、ラジオなどを活用して情報発信に努めてほしいとの御意見であります。御存じのとおり、市の情報発信につきましては広報誌のほか、ホームページ、ケーブルテレビ、FM放送、報道機関への情報提供など、各媒体を活用して行っているところでありまして、積極的に情報発信に努めているところであります。
 パブリシティーの積極的な活用ということに関しましては、新聞等に情報掲載されることは多くの方がごらんになることから、大変に有効な情報伝達の手段であると考えております。観光情報や行政情報を初め、各種団体が行っております行事などの情報発信を定例記者会見や資料提供を通じて行っているところであります。また、日ごろより報道記者との懇談により、市政の状況など情報発信に努めているところでございます。市では、引き続きこれらの情報が少しでも多く報道されるよう情報発信、情報提供に努め、パブリシティーを推進して、市民満足度を高めていきたいと考えておりますので御理解をいただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、ホームページが国際対応になっているかの御質問でありますが、現在のホームページでは日本語対応のみとなっているところであります。ホームページの外国語対応につきましては、現在予定しておりますホームページシステムの更新の中で、来年のチューリップフェアを開催までに数カ国の外国語に対応できるシステムに改修したいと考えおります。御理解をいただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、小惑星探査機・はやぶさ展示の公募エントリーについての御質問にお答えをいたします。
 御質問にございましたように、はやぶさは幾多のトラブルを乗り越えて、打ち上げてから7年の月日を経て、小惑星・イトカワから帰還するという世界初の偉業をなし遂げました。このことは議員も御指摘のように、子どもたちに夢と希望を与え、日本の技術に対する誇りを再確認することができた画期的なことであると考えております。
 このたび、宇宙航空研究開発機構がはやぶさカプセル等の展示を公募されることとなり、砺波市として公募にエントリーすればどうかという御提案でございますが、経費について試算いたしましたところ、はやぶさの宇宙航空研究開発機構指定の輸送費に200万円、その他、展示期間の警備や展示経費等を含めると合計350万円ほどの試算となります。はやぶさを展示することで小中高校生に感動を与える教育的価値については十分に理解するものであり、観光戦略の観点から来年の60周年を迎えるチューリップフェアの期間に合わせて展示できれば、砺波市をよりアピールすることになろうと思っております。今後、エントリーについて検討してまいりたいと思っているところでございます。
 次に、砺波医療圏のビジョンに関する御質問にお答えをいたします。
 まず、砺波医療圏地域医療検討会の現状の課題と今後の取り組み方針について私の考えをお話しいたします。
 議員御指摘のとおり、砺波医療圏地域医療検討会は平成21年4月の公立南砺中央病院の2次救急医療体制から離脱をきっかけに、救急医療の分野にとどまらず、南砺市、小矢部市、砺波市で構成する砺波医療圏の地域医療体制の課題を明確化し、その課題の具体的解決策を検討することを目的に設置をされました。
 昨年度は、砺波医療圏の救急医療体制の理解を進め、救急医療体制に関する報告書がまとめられ、その中では、救急医療現場の意見を反映した砺波医療圏独自の救急搬送ルールの策定、住民に対する啓発普及活動の実施、富山県地域医療再生計画に基づく病院と診療所、病院と病院の連携ネットワークの検討・調整、砺波医療圏の再編とネットワーク構築に向けた具体的な解決策などの提言が掲げられています。
 一方、今年度のさきの報告書を受け、診療報酬制度の改定に伴う医療体制への影響、救急搬送する患者の様態により搬送先をルール化する、砺波医療圏独自の救急搬送ルールの答申・検討、地域医療再生計画に基づく医療情報連携ネットワークの基本計画案の検討。さらには、10年後の砺波医療圏のあるべき姿について各委員から提言をいただき、その提言をもとに、砺波医療圏の再編、ネットワーク化に向けて具体的な議論を行われております。
 このような状況の中で、それぞれの議題はありますが、行政、公的病院、医師会、消防、広域圏事務組合が一堂に会し、地域医療のあり方について話し合う場が設けられたこと大きな前進であったと、このように考えております。これまでは、どうしても砺波総合病院を初め、砺波医療圏の4つの公的病院はそれぞれに高度医療、急性期医療、回復期医療、在宅医療など、すべてが自前の病院で賄おうとするいわゆる自己完結型医療を目指してきており、この自己完結型医療の推進が医療資源の分散化を招き、近年の医師不足に拍車をかけ、地域医療の崩壊一歩手前という状況を生み出してきたと考えております。こうした状況の中で、自己完結型医療から砺波医療圏の病院、診療所、消防など、関係機関がそれぞれの機能を明確にネットワーク化して、地域完結型医療への変換は必要と考えております。そのために、今後は関係機関が共通理解を深めながら、地域医療再生計画に基づく医療情報連携ネットワーク基本計画案を策定するとともに、行政域の壁、経営主体の壁、制度の壁を越えた10年後の砺波医療圏のあるべき姿の検討を進めていきたいと、このように考えております。
 私といたしましては、こうした砺波医療圏の公的病院の再編ネットワーク化を具体的に進めることは今までの経緯もあり、極めて難しい課題でありますが、砺波医療圏の将来を考える上で避けては通れない問題であり、議論を重ねながら共通理解を得、進めていきたいと、このように考えております。
 また、議員御提案の砺波広域圏を開設者として、砺波市、南砺市の3病院の再編や小矢部市北陸中央病院を交えた協議会等の組織の創設、及び急患センターの運営などにつきましては1つの検討材料とさせていただきたいと思います。
 次に、充実した協働のまちづくりについてのうち、民生委員、児童委員に公務員退職者の登用に関する御質問にお答えをいたします。
 民生委員、児童委員の皆さんには地域における要援護者の方々の支援や児童の健全育成など、地域福祉の向上に大きな役割を担っていただいているところであり、心から感謝を申し上げる次第でございます。
 任用に当たりましては、市の推薦会を経て、県へ推薦、国の厚生労働大臣が委嘱することとなっており、身分は特別職の公務員の扱いであり、現在、当市においては102名の民生委員、児童委員の方々がおられます。今年は全国一斉の改選時期であり、本年11月をもって3カ年の任期を満了することから、7月に各自治振興会へ推薦依頼を行い、8月末に市の推薦会を行ったところであります。
 議員御指摘のとおり、公務員退職者の登用につきましては、定年後は地域社会の貢献していただくことが大変大事であると、このように思っております。当市では、民生委員、児童委員の候補者を地域からの推薦にゆだねているところでありますが、一方で、市職員に対しては、在職中、退職後にかかわらず、行政経験を生かし、地域と密着にかかわっていくように指導してまいりたいと、このように考えております。ちなみに今回の改選によりまして、10名の市の職員の退職者が民生委員、児童委員として活動される予定であります。
 次に、市独自の費用弁償制度についてに関する御質問にお答えをいたします。
 民生委員、児童委員は、法の規定によりまして給与は支給できないこととなっております。活動への費用弁償という形で支給されております。なお、費用弁償については全国一律の額が決められており、そのすべてが国庫で賄われております。現在、当市としては、市独自で上乗せした費用弁償は支給しておりませんが、他市町の実態などを調査しながら、以前に比べ活動が多岐にわたることから支援を検討してまいりたいと、このように考えております。
 次に、安城市との防災訓練に関して、実際の災害を想定し、車両等の派遣を行ってはいかがとの御提案につきましてお答えいたします。
 安城市とは、平成18年に災害時総合応援協定を結んでおり、災害時の被災者の救出、医療、防疫、施設の応急復旧などに必要な物資、機材及び車両の提供などについて協力することといたしております。この締結を実効性あるものにするためには、日ごろから情報交換はもとより、防災担当者の打ち合わせ、さらには砺波市総合防災訓練の際に、砺波市から応援要請を行う通信訓練を実施しているところであります。そして、この協定締結を契機に、議員の皆さん、自治振興会協議会や消防団を初めとした市民の皆さん方がお互いに訪問し、交流を深めておられますことは大変意義深いものであると、このように思っております。
 今回、安城市におきましても、市議会において同様の質問があったと伺っておりますが、総合訓練について大変前向きであるものの、まずは、お互いの受け入れに関する体制づくりや業務手順等の整備について協議を進め、お互いに実践的な訓練の必要性が出てきた段階で実施するとの答弁をされたようであります。
 つきましては、議員より御提案のありました車両や人を派遣する実動訓練につきましては、派遣先の防災担当者や職員とお互いに顔が見える関係ができること、派遣先の状況を学べるということ、派遣先の市民へ砺波市をアピールできるというよい面があると思われますので、まずは防災担当職員が相互の防災訓練を視察するなどして、お互いに訓練の状況を把握して、よりよい訓練内容に取り入れることなどの対応が望ましいと考えております。
 また、出町の東部地区のまちづくりの未整備区域の問題につきまして、今後の区域の整備についてどのように考えているのかという御質問にお答えをいたします。
 出町の東部地域における今後のまちづくりに関する御質問にお答えいたします。
 出町市街地及びその周辺地域については、住みよいまちづくりを推進するため、従来から区画整理事業などにより整備を進めてまいりました。しかしながら、出町東部第2区画整理事業の区域の周辺の地域は、市街地でありながら整備が遅れております。議員のおっしゃられるとおり、まちづくりを進めることは、まちの活性化にもつながることから大変重要であると、このように考えております。今後、これらの地域の事業化への熱意や熟度を見極めながら、どのようなまちづくりがふさわしいか、また、どのような手法が考えられるかということについて調査研究をしてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
 私からの答弁は以上といたしまして、その他の質問につきましては副市長並びに企画総務部長からお答えをいたします。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、堀田議員の御質問のうちプロポーザル方式の導入についてに関する御質問にお答えいたします。
 砺波市では、これまでも大規模で高度な技術力が求められる建築工事の設計等につきましては、プロポーザル方式を採用してきたところであります。堀田議員にも御尽力いただきました出町小学校建設事業を初め、砺波総合病院の増改築事業などで実績がございます。
 また昨今、改めて、公共施設は市民共有の財産として質の高さが求められるところとなりまして、設計者の創造性、技術力、経験等を適正に審査することにより、その設計業務の内容に最も適した設計者を選定するプロポーザル方式等の導入が進んでまいりました。そこで、砺波市におきましても、特に建築設計を対象に砺波市建築設計業務受託者選定要領を制定いたしまして、設計競技やプロポーザル方式等により良質な市有建築物を整備することにいたしまして、過日、要領を公表したところでありますので、今後の建築設計業務を対象に適用してまいりたいと考えております。
 そこで、要領で定めるプロポーザル方式選定の基準や規模でございますが、新増改築工事の基本設計業務につきましては、比較的規模の大きな建築物、または芸術性、創造性、象徴性等が求められる建築物としております。また、実施設計業務につきましては、高度な技術力が求められる比較的規模の大きな建築物の新増改築工事としております。なお、具体的な規模につきましては、今のところ工事床面積で5,000平方メートル以上、または事業費で10億円以上を想定いたしております。
 次に、審査職員の育成についてでございます。
 要領では、公募型プロポーザルの審査委員は市の関係部局の職員及び学識経験者等で構成し、指名型のプロポーザルの審査委員は副市長ほか関係部局の職員、建築士の資格を有する職員等で構成することとしておりまして、一部有識者にも参加いただくことといたしております。特に建築士の資格を有する職員の育成につきましては、学識経験者の意見聴取や県などに相談する中から資質の向上を図るとともに、プロポーザル方式の審査経験を積むこと等により育成してまいりたいというふうに考えております。
 次に、今後予定されるプロポーザル方式の対象物件でございますが、出町中学校の耐震改修事業に係る基本設計や庄川小学校の耐震改修事業などを想定しております。
 私からは以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 戸田 保君。
  〔企画総務部市長 戸田 保君 登壇〕

◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、4、充実した協働のまちづくりへのうち、1の事業の増える自治振興会への補助の拡大についての御質問にお答えをいたします。
 各自治振興会に交付いたしております砺波市地区振興育成交付金につきましては、地域の連帯感の醸成等を目的として交付されているものでございます。この算定基準につきましては、合併前の市町で異なっていた算定方法を統一するものとし、合併後に地区自治振興会協議会とも意見交換を重ねながら定めたものでございます。平成17年度から現在に至っております。
 議員が述べられました算定方法につきまして詳しく申し上げますと、世帯割につきましては、地域の連帯感の醸成や市民の納税意識の高揚等に500円と自主防災組織の育成費等に50円を合わせた550円となっております。また、均等割につきましては、自治振興会の連絡員設置にかかる経費に68万4,000円、事務所にかかる経費等に18万円とし、1地区当たり年額86万4,000円を交付いたしいているものでございます。議員御指摘のとおり、多様化する社会状況から自治振興会の担う役割は大きくなってきていることは十分認識をいたしておるところでございます。
 また、8月に開催されました地区自治振興会協議会全体会の場においても、交付金の増額要望があったところでございますが、現在の厳しい財政状況の折でありますことから、交付金の増額につきましては世帯割、均等割のいずれを増額すればいいのか、また、どの部分を増額することが交付金の目的にとって有効であるかなど、数値的な根拠に基づき精査する必要があると考えており、現在、担当課においてその作業を進めているところでございます。今後、地区自治振興会協議会とも意見交換を重ねまして、算定方法を決定してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 19番 堀田信一君。
  〔19番 堀田信一君 登壇〕

◯19番(堀田信一君) ただいまは前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 ただ、砺波工業高校のPRの件では、ここに瘧師議員もいらっしゃいますが、鷹栖の地元の公民館でもやっているし、これは公的な機関であります。また、社会福祉協議会が運営をしております施設でもなさっていると。私も現場へ行ってまいりました。ここにいらっしゃる市の職員の皆さん、何人行かれましたか。何人、見てこられましたか。現場に行ってきましたか。私はそれ以上言いませんが、やはり現場へ行って、どうなのか。確かに朝日新聞との問題があるでしょう。しかし、それは誠意を持って話をすれば通じることじゃないでしょうか。何と何が展示されているかということもわからないようでは私はどうかなと。私は、上田市長に文句を言っているのではありません。もっと現場の担当課長を初め、現場主義になっていただきたい。これを強く申し上げたいのでございます。
 それから、もう一点でございますが、先ほど言いましたはやぶさの件等の情報も、これも私のいろいろな友人の方から情報をいただきました。今、インターネット上では、これ以外のいろんなさまざまな情報があるわけです。1人1台のパソコンが提供されているんですよ。本当にどういうような専門として情報収集されているのかどうか、この辺がこれからの大事な職員の質の問題ではないかなと、こういうことを強く訴えておきたいと。
 それと、もう一点でございますが、はやぶさの件ですが、経費が350万円必要なんだと。これが何かネックだというようなお話かもわかりませんが、それだけかかるということで、それは私も調べてみたんです。ただ、大人の方は有料で取れるんです。先ほど言いましたように、砺波市民だけではございません。もし砺波市でできたら、北陸、福井からも来たよと、岐阜からも来ていただけるかもわかりません。いろんなことをここで戦略・戦術を考えなきゃいけないということが私は大事ではないかなと。この有料もできるということをひとつ申し添えたいと思いまして、登壇いたしました。
 以上であります。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 堀田議員の再質問にお答えをいたします。
 砺波工業高校の件につきましては、おっしゃるとおり、民間的な、民間じゃないんですけれども、そういうたぐいのものは開催できるようでございますが、公式で市でやるということになれば、それなりの責任ある対応が必要であるということで御理解を願いたいと、このように思っておりますし、でき得れば、もちろん市役所の入り口のロビーで写真を張ることも大変大事なことかと思いますが、しかし、なるべくならば、今予定いたしておりますイベント等もありますので、例えば文化会館等での大きなイベントもございます。そういうところへ工業高校の野球部の選手の活躍ぶりを飾るのがいいのかなと思ったり、また、許されるものであれば、砺波工業高校にある優勝旗等を、これはどうなるかわかりませんが、御了解を得られるならば飾るほうがいいのだろうと。もちろんそれには、もしものことがあればいけませんので、しっかり守っていかなきゃならんと思っておりますが。そういうことも考えながら、やるからには多くの市民に見ていただけるような場所で飾ることが野球部ナインのために、また、砺波工業高校のために、そしてまた、市民のためにも大変すばらしいことでないかと、このように思っておりますので、時期を見てやるように計画をいたしてまいりたいと、このように思っております。
 また、はやぶさの件につきましては、正直な話、そういう情報もあったのだろうか、私は知りませんでしたが。
 しかし、チューリップフェアは砺波一大イベントであると、このように思っておりますので、フェアに多くの皆さん方にお越しいただいて、その機会に多くの来場された皆さん方に見ていただくのも一つのチューリップフェア60回の記念すべきフェアになるんじゃなかろうかなと、このようなことを思っておりまして、できるだけ理解が得られるように努力をしてまいりまして、その時期にやったらどうだろうかなと、このような思いをいたしておりますが、まだ、正式には発表できる段階でないこともお断りしながら、その時期をとらえて考えてみたいと、このように思っておりますし、予算がどうだからという話であるようでございますが、そのような気持ちはございませんで、そのことによって市民や多くの皆さん方が砺波へお越しいただけるならば、これも一つの砺波市のイメージアップにつながると、このように思っておりますので、どうか御理解をお願いしたいと思います。
 以上でございます。

    市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)

◯議長(井上五三男君) これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 14番 嶋村信之君。
  〔14番 嶋村信之君 登壇〕

◯14番(嶋村信之君) 通告に基づき、市政一般について提案並びに質問いたします。
 今議会に提出されました平成21年度の一般会計決算、特別会計、企業会計は内外の経済、政治状況の厳しい中、すべて黒字決算となりました。しかし、監査審査の意見書にあるとおり、限られた財源の中、今後の市政運営に当たっては優先度、必要性、事業効果を十分考慮し、施策事業を厳選するとともに、組織・機構のスリム化や民間活力の導入などについても検討し、地方分権型社会にふさわしい簡素で、効率的な行政運営に一層努めるよう期待するものであります。
 さて、上田市長は就任後、平成20年12月の初議会で、「庄川と散居に広がる 健康フラワー都市」を未来像にし、市政運営に関する基本姿勢について「人が輝く活力あふれる砺波」の理念のもと、3つの市政運営の基本姿勢と6つの柱を掲げ、所信を表明されました。
 そこで、1点目、人が輝く活力ある砺波の理念のもと市政を担当してこられましたが、この2年間を市長自身どのように評価されますか、御所見を賜りたいと思います。
 2点目、市民が参加し、市民と協働の市政について、市長は市民が参画し、市民と協働の市政の実行に当たって市政への意見を開くため、タウンミーティングを平成21年5月に油田地区からスタートして、今年7月の南般若地区まで計17回開催されました。
 そこで、1、タウンミーティングの市民の意見のうち、今日までで市政に反映されたものは多々あったかと思いますが、いかがでしょうか。
 2、タウンミーティングの参加の市民から、質問への答弁内容に新鮮味がなく、形骸化しているとの声が聞こえてまいります。市長はどう受けとめておりますか。
 3点目、市民奉仕の精神に立った信頼される市政について。
 私は、議員になり6年経過いたしました。その間、私の市民相談件数はほぼ1,000件を超え、相談内容も多岐にわたります。残念ながら、行政当局に対して感謝の言葉は少なく、行政の対応のまずさが圧倒的に多いのであります。その上、仕事が遅い、お願いしても回答がない、不親切、あいさつができない、えらぶっているなど、市民の声には主観の違いがありましょうが、やらないでもよい理由を挙げる。つまり責任逃れ、責任回避である。不作為による場合や行政責任は、結果的には何もしないということでしょうか。さらに「お役所仕事だから仕方ない。」など、あきらめに近い声さえ聞こえてまいります。
 例を挙げますと、40代の独居男性で5年前から糖尿病を患い、治療を受けておりましたが、2年前から定職につくことができず、国保に加入いたしました。御存じのとおり、1年間国保の保険料を滞納しますと資格証が発行されますが、病院の窓口での支払いは10割負担になります。その10割負担ができず、この1年以上通院されなかったため糖尿病が進行、視力も0.1以下になり、失明寸前の状態になりました。結果的には、短期保険証を給付していただきましたが、その対応の仕方がまことに不十分であり、不親切であります。
 なぜこのような状態になっているのか、行政担当者にお聞きましたところ、窓口に相談に来られたらいくらでも対応しますとのこと。その間の対応については、保険料の督促状を出しましたとのこと。普通の方の心理として、滞納している方は行政の窓口に足が向かないのが当たり前のことであります。もちろん、悪質な方もいるかもしれませんが、なぜ個別対応ができないのか、甚だ残念であります。
 2例目、77歳の独居老人の方です。この方は砺波市に転入され、53年から市内で居住している方であります。昨年、パート先で転倒、その折足を骨折、5万円余の年金では生活ができなくなり、年金を担保にして年金機構から10万円を借り入れされました。毎月、年金から5,000円を天引きされることになりました。5万円弱の年金では生活することができず、昨年8月から1万6,000円余の生活扶助を受けられました。ここまではよかったのですが、問題は、この方はパート先から傷病手当が支給されたため、残金を短期間で返済してしまったのであります。
 ある日突然、市の担当者から「通帳を見せてください。」と言われ、結果は、生活扶助費5万5,530円の過払いになっているので、次回から過払い分を返済するように言われました。8月10日、猛暑の中、担当者から返済通知書を市役所に取りに来るようにと言われ、市役所に徒歩で来庁、担当者から追い打ちをかけるように「お葬式はどうするんですか、お骨はどうするんです。」と不安をあおられ、悲しみに輪をかけるような中、帰宅の際、あまりにも衝撃的な言葉に落胆と猛暑が重なり、途中でめまいを起こし転倒、現在治療中であります。その方は「77年間生きてきました。その間、両親や兄弟の死去にも遭いましたが、このたびのこんなに悲しい思いをしたことはありません。砺波市はあまりにも薄情で、人情味のないところですね。」と涙ながらに私に訴えられました。翌日、北海道室蘭にいるたった1人の姉から電話が入りました。内容は、自分の夫ががんを患い、あと数カ月の余命であると宣告され、経済的に苦しいが、砺波市の非情な仕打ちを聞いていると、砺波市に妹を置いておくわけにはいかないから、9月には室蘭へ帰してくださいとの抗議の電話でありました。
 今述べたことを担当課長にお尋ねしたところ、職員に研修を受けさせているとのこと。大事なことは研修を受けた事後、どうのように業務に反映されているのか、フィードバック機能をどのよう活用されているのでしょうか。
 市長は、市民に喜ばれ、信頼される市政を運営していかなければならない。このため、市職員の資質をさらに高めるほか、市民の視点に立った、市民に身近な、市民に信頼される市役所の実現を目指しますと所信を述べておられますが、職員の資質の向上、市民に信頼される市役所にするために、具体的にどのように指示を出し実践されているのか、お答えください。
 上田市政が船出して2年経過しました。職員の資質や意識が向上したのでしょうか。就任直後の12月定例議会の一般質問で「職員の意識が変わるのは、首長が変わったときであります。」と期待した答弁を求めましたが、明確な答弁はありませんでした。結果的には、残念ながら職員の意識は旧態依然であります。そこで、年齢にかかわらず、能力のある職員を登用する手法をとるべきと思いますが、どうお考えなのか、お答えください。
 4、社会的弱者の方が来庁されるのは、親族、兄弟にも相談しても、なおかつ、どうしても解決の糸口が見出せない場合、市役所に相談に来るわけであります。したがって、市役所は、ある意味においては最後のとりでであります。それが十分な対応ができておりません。職員研修にカウンセリングを取り入れてはいかがでしょうか。
 5、地方自治法第2条3項に、地方自治体として市町村が出ておりますが、市役所の名称はないとの認識でおります。したがって、砺波市役所ではなく、砺波市庁、または砺波市民行政サービスセンターへ変更されたらどうか。
 6、故事に「初心忘るべからず」とあります。市長は就任の際、「選挙を通しまして、市民の皆様からさまざまな激励や貴重な御意見を賜り、市政に対する期待の大きさと職責の重さに身の引き締まる思いをいたしております。この上は、市民の皆様方の信頼と期待にこたえるため、新たな決意と情熱を持って、砺波市政の発展と市民生活の向上に全身全霊を挙げて取り組んでまいる所存であります。」と、大変恐縮ですが、今もそのお気持ちで市長職を務めていると思いますが、市長の思いは職員に伝わっているのでしょうか。忌憚のない御意見を賜りたいと思います。
 4点目、新しいニーズにこたえられる筋肉質の市政について。
 市長は、価値観や生活スタイルの変化に伴い、既存の組織や制度では対応できないほど解決すべき課題やニーズは年々多様化し、高度化していると言っておられます。また、国の構造改革、財政改革のもと、本市の財政事情は極めて厳しい状況となっております。こうした時代の変化に柔軟かつ迅速に対応するため、固定観念にとらわれない新たな発想が求められております。このため、民間の活力を生かすなど新たな枠組みを考えながら、適切な行財政改革を推し進め、行政事務の執行に当たってはコスト意識を持ち、効率的で質の高い行政サービスの提供に努めてまいりますとも。
 そこで、民間活力をどのような形で導入されているのでしょうか。
 職員に対しコスト意識を持たせ、効率的で質の高い行政サービスの提供に努めようとしておりますが、具体的な手法についてお聞かせください。
 次に、ボランティアについてお尋ねいたします。
 最初に、基本的なことからお話しします。御存じのとおり、ボランティアとは、ボランティア活動に携わる人のことであります。ボランティア活動は、古典的な定義では自発性、無償性、利他性に基づく活動とされますが、今日ではこれらに先駆性を加えた4つをボランティア活動の柱とする場合が一般的となっております。
 日本では、古くより五人組、町内会、自治会、消防団など地縁・血縁によって強固に結びついた相互扶助の慣習があったため、外部からのボランティアを広く呼びかけて受け入れる仕組み、その必要性は少なかった。また、地域では、民生委員などが無給で社会奉仕活動を行う制度が以前から構築されてまいりました。しかし、財政の悪化から行政コストの一層の低減が叫ばれ、一方では、都市化、核家族化、流動化が起きているため、有事の対応が迅速かつ的確に行える仕組みを維持することが困難になってまいりました。ボランティアは、このような状況を改善する新たな相互扶助の仕組みとして注目され、国も急速な超高齢化社会への対応のため、ボランティア活動に支援することになりました。
 本市においても、市長が提唱されている1市民1ボランティアのあり方及び、まずは隗より始めよについての見解、市職員のボランティアの取り組みについてお答えください。
 念のため、憲法第15条では「すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」、また、地公法第30条では「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」とありますが、改めて、職員が全体への奉仕者であるとの姿勢について市長の御所見を賜りたいと思います。
 次に、自治体における、国・県との業務負担や権限のあり方、さらに行財政改革の視点について。
 最初に、地方分権についてであります。
 地方分権に論及するとき、分権改革の今日までの経過を若干述べさせていただきたいと思います。平成に入って約20年の分権改革推進の動向の経過の中、並行して合併特例法により、全国の市町村でいわゆる平成の大合併が行われ、広域的な大規模自治体の誕生になったのであります。
 そこで、この12年間の全国の市町村数の推移を総務省統計で見ますと、平成10年では市町村数3,232で、そのうち市は670、町は1,994、村は568でしたが、12年後の本年の3月2日時点では、市は114増えた一方で、町は1,210、村は381が吸収合併し、これにより市町村数は約半数の1,755に激減いたしたのであります。富山県でも35市町村から15市町村になり、広域行政機構の形態に進みつつある現状であります。このような小規模単位の自治体の地方分権改革が合併を推し進め、行政体系を再編成し、行政規模を基礎自治体として位置づけたのであります。
 こうした合併によって、この役割を担ってきた特徴的なことは、議会の議員数の減少であります。総務省の資料から見ますと、平成10年の市町村議員実数は5万9,314人が、10年後の平成20年には、約57%たる3万4,259人となり、この間、2万5,055人が大幅に減少したのであります。このことは、結果的には行政事務の効率化に寄与するとともに、一方では、議員の年金制度のあり方の論及につながったのであります。
 一般的に従来の地方分権改革の討議の焦点は、国の権限と財源を地方に移行させることに対し、地域主権は権限と財源を分離して考え、その結果として、地方に自己決定権を付与させ、責任共有の地域コミュニティーづくりであります。その発展と対策を保障しているものと考えるのであります。
 政府は、これらの制度的構築を法令上の観点と助言の立場から制度設計し、地域主権戦略会議を設置いたしました。より共助を目指すこれからの自治体のまちづくりについては、刮目すべき重要なテーマと思うのであります。
 そこで、市長に伺います。
 政権交代によって、地方分権を一歩進めて、地域自治体の拡大である地域主権を法的に担保しようと地域主権基本法の立法化を提唱しております。地方自治の長として、どのような見解を持っているのか、お尋ねをいたします。
 2点目、地方分権改革推進委員会の答申内容について。
 昨年の11月に、98回目となる会議で第4次勧告を政府に提出いたしました。この内容は当面の課題として、新年度予算に反映させる地方財政の問題や中長期的課題を提言しております。中でも大きなテーマである権限や財源移譲がありますが、中長期的な課題として、地方共有税構想を挙げております。2年半にわたる活発な議論の結果の集大成というべき勧告内容でありますが、これらの提言に対して、現実に国の新年度予算に反映されたのは一部であります。結局は、各省庁間の縦割り行政の省益に相変わらず阻まれているのが現状であります。この勧告について市長の見解を問うものであります。
 3点目、基礎自治体について。
 社会のあるべき姿として、政府は、国、道州、基礎自治体の3層構造からなる地域主権型道州制への移行を目指すとしております。ここで言う基礎自治体とは、地域で支える協働型福祉社会を持続可能なものにするために必要な権限と財源を持ち、行政サービスの拠点となるものを想定しております。
 そこで、地域で支える協働型福祉社会を実現するために、公助を最大限に強化するとともに、民間非営利団体など共助を担う市民活動団体を支援し、大幅な増加を目指すとのようであります。公助の強化では、福祉や雇用のセーフティーネットから漏れた貧困層や無年金の人たちの支援に取り組み、人間が人間らしく生きていくために必要なナショナルミニマム・最低限の給与水準をつくることが必要であります。さらに、NPOなどへの支援策としては、これまでの支援税制での認定要件緩和や寄附金控除制度の充実などが重要であると考えられます。
 そこで、将来を展望した際、基礎自治体のあり方について市長の御高見を賜りたいと思います。
 以上、誠意のある答弁を求め、終わります。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 嶋村議員の御質問にお答えいたします。
 嶋村議員の質問の中におきまして、市政運営につきましていろいろと御指導、御助言をいただきまして大変ありがとうございました。常々、市民に信頼される市政を遂行するように今後とも努力を続けてまいりたいと、このように思っておるところでございまして、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 さて、私がまず掲げます「人が輝く活力あふれる砺波」の理念による市政をどのように評価するかのお尋ねでございますが、市長に就任以来、100年に一度と称される世界的経済不況が地方に特に大きなマイナスの影響を落とすほか、国による数度の経済危機対策もその効果の実感もわかず、また、政権交代に伴い大きな施策転換が行われ、この2年間は激動と変革の期間であったと、このように思っております。これらの政治、経済状況により、地方行財政は一層厳しさを増していることから、将来、重要施策が着実に推進できるかどうか、その不安はぬぐい切れないものの、市として取り組むべき諸課題に関しましては十分とは言えませんが、全体として見れば、どうにか一定の進捗を見ることができており、市政は概ね良好に推移をしていると、このように考えております。
 一方、将来を展望してみますと、新政権が掲げる地域主権政策がいかなるものか、いまだに全体像が判然としないことから、市の行財政運営を円滑に進めるためには、交付税や税収などの一般財源の安定的確保が重要であると考えております。そのためには、まず地方を取り巻く経済環境が回復することが何よりも肝要であると、このように思っております。今後とも県や他市とも連携し、全国市長会などを通じまして、経済、雇用対策の推進と地方財政に対する支援などについて要望していきたいと、このように考えております。
 また、市といたしましても、観光の推進、雇用機会の提供・支援、にぎわいのある商店街づくりなど、地域経済活性化のための諸施策を展開し、活力あるまちづくりを進めていきたいと、このように考えております。
 次に、市民が参画し、市民と協働の市政と題して御質問のありましたタウンミーティングについてお答えをいたします。
 私は、市長に就任させていただいてから、市民との協働のまちづくりを進めるために、皆様とひざを交えて意見交換するこのタウンミーティングを地区ごとに行っており、本年7月まで17地区で開催をいたしました。住民との直接対話により率直な御意見をお聞きし、市政に反映するとともに、地区の要望の場というだけでなく、市民が抱える課題につきましても皆さんに説明と提案を行う、いわば行政と市民の相互理解の場として位置づけをしており、意義のあるものと考えております。
 御質問のとおり、このタウンミーティングで話題となった項目のうち、市政に反映されたものも多々ありますが、ここで、その一部を紹介させていただきたいと思います。1つ目は、道路改良として、市道十年明千保線の測量設計に今年度から着手する予定にいたしています。2つ目は、居住専用住宅等に設置する太陽光発電システムの設置に要する経費の補助制度を本年4月に創設をいたしました。3つ目には、チューリップ公園への導入部に当たる道の駅周辺の整備を図るため、JAとなみ野が事業主体となって建設する農産物直売所の整備に向け、支援する予定といたしております。4つ目には、今後、幼児・保育の施設などのあり方を検討するため、学識経験者を交えた砺波市保育所・幼稚園あり方懇談会を設置したこと。5つ目には、運転免許証を返上した70歳以上の高齢者に対する市営バスの定期利用券等の交付制度を設けたこと。6つ目には、タマネギの一貫生産地に向け、県と連携して集出荷、乾燥、調整施設の建設に対し補助したこと。7つ目には、高速道路ののり面の雑草対策として、地元の声を「ネクスコ中日本」に届け、十分とは言えないまでも除草作業が行われたこと。8つ目には、市役所本庁舎及び庄川支所前の来客用駐車場にマタニティマークを設置したことなど、申し上げたとおり、幾つもございます。このように対応が可能なものについては速やかに市政に反映して、実施に移しているところであります。
 次に、タウンミーティングにおける質問の答弁内容に新鮮味がなく、形骸化しているとの御意見についてお答えをいたします。
 答弁内容に新鮮味がないとの御意見ですが、皆様からちょうだいした御要望について検討する場合、その事業の緊急度や優先度、地区の均衡性の考慮、市域と隣接市との関係、そして、国の施策方針などを十分に踏まえるとともに、肝心の財源の確保が必要であることから、実現にはある程度の時間がかかることを御理解願いたいと、このように思います。また、形骸化しているとの御批判につきましては、2時間という限られた時間を有効に活用し、かつ回答漏れ等が生じないよう事前に10件程度の御質問をいただき、それについて回答するという方式をとっており、ある意味で形式が形骸化しているような印象を受けられるのではないかと推察をいたしております。事前にいただいた御質問以外にフリートーキング等の時間を終盤に設けておりますが、この場合、前段の質疑応答が長引いて、フリートーキングに十分な時間が確保できないこともあり、また、詳しい資料を持ち合わせておらず明確な答弁ができないこともあって、このような御意見になったものと、このように思っております。
 このほか、タウンミーティングの2時間で伝え切れなかった分については、行政の出前講座や市長への手紙などの手段もありますので、これを有効に御活用いただきたいと考えております。
 次に、市民の奉仕に立った信頼される市政についてのうち、私の就任時の思いは職員に伝わっているのか、職員の資質向上、信頼される市役所の実現のため、具体的な指示と実践に関する御質問にお答えをいたします。
 私自身は市長就任時に決意として申し上げた「市民の皆様方の信頼と期待にこたえるため、新たな決意と情熱を持って、砺波市政の発展と市民生活の向上に全身全霊を捧げて取り組んでまいる」という覚悟にいささかの揺らぎはないことは、この場を借りて改めて明言をしておきます。また、市長就任時に申し上げた、すべての職員が市民奉仕の精神に徹して仕事をすることを初めとする5つの市職員に期待することについては、職員に対し折に触れ訓示するとともに、全職員のパソコンの画面上に掲示し、職務に対する取り組みを姿勢として日々周知をいたしております。そして、具体的な諸課題に明確な方針を示すとともに、市民の立場に立った視点での取り組みを指示しているところであります。私の思いは職員には十分理解されているものと考えておりますが、今後とも信頼される市役所を目指し、職員を指導してまいりたいと、このように思っております。
 次に、新しいニーズにこたえられる筋肉質の市政について関する御質問にお答えいたします。
 まず、まず第1点目は、民間活力の導入についてでありますが、これまで市民サービスの向上や施設運営の効率化を図るため、指定管理者制度の導入を図ってきたところであり、現在、市の施設125カ所のうち導入施設は72カ所となっております。また、本年度より出町子供歌舞伎曳山会館に指定管理者制度を導入しており、今後もサービスや管理運営効率の向上を図ることができると判断される施設につきましては、逐次導入の検討を行うことといたしております。
 さらに、昨年度、砺波市行政改革検討委員会において、学校給食センターの業務委託について検討し、平成23年度から調理等の業務の民間委託を行うよう検討を進めるという報告がなされました。この報告を受けて、当該業務の民間委託を実施するよう作業を進めているところでございます。
 いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり、時代の変化に柔軟かつ迅速に対応するよう、市が執行するより、民間の経営能力が生かされた事業において民間活力の導入を検討するもので、行政運営の効率化を一層図ってまいりたいと考えております。
 次に、第2点目の職員に対するコスト意識についてでありますが、本市の平成21年度の各会計においてすべて黒字となっておりますが、依然とし厳しい財政状況にあります。このため、職員に対しまして財務研修会あるいは予算の執行通知により、総合計画に掲げた事務事業を着実に推進するために、その優先度や必要性を十分に検証して、最小限の経費で最大限の事業効果を発揮できるよう随時徹底しているところでございます。また、具体的な手法といたしましては、平成20年度から行政評価を実施いたしております。この行政評価につきましては、市民の視点に立った効果的で効率的な市政を推進し、市民に対する行政の説明責任を果たすとともに、職員の意識改革を図ることも目的としたものであり、一つ一つの事業の必要性、優先性、妥当性、成果の検証を行っているものであります。
 本年度から事業所管課の1次評価に加え、より評価の客観性を高めるために2次評価制を導入し、所管課以外の職員を加え、全庁的な事務事業の評価を行っているところであります。現在は各事務事業の2次評価ヒアリングを終了しており、今後はその評価結果を事業所管課にフィードバックして、総合計画の実施計画及び次年度予算編成への反映、事業の改善等を図るとともに、その結果を市民の皆さんに公表することといたしております。
 現下の厳しい行財政環境において、職員が常にコスト意識を持ち、効率的で質の高い行政サービスを提供することは極めて重要であり、より一層職員の資質向上に努めてまいりたいと存じております。
 次に、ボランティアについてに関する御質問にお答えをいたします。
 現在、社会福祉協議会に事務局があるボランティアセンターには、108団体と個人の合計で4,500人を超える市民の方々が登録され、各分野で活動いただいており、心から感謝を申し上げます。その内容を見ますと、福祉、教育、子育て、健康、防犯、芸能、社会学習など、さまざまな分野で活動をされておられます。また、ボランティアを最も広い意味でとらえるならば、自治会活動、公民館活動、体育振興会活動、消防団活動などもボランティア活動の一つでないかと思っております。近年、少子高齢化、価値観の多様化、人間関係の希薄化が進み、地域力が急激に低下していることから、これまでの地域力である程度処理できた地域社会の問題が、解決できなくなってきております。その一方で、行政のきめ細かな対応にも限界があります。このようなことから、地域力の担い手となるボランティアの活動範囲は拡大する一方であり、その重要性は今後ますます高まるものと考えております。市民1人1ボランティアを提唱する理由はこのようなところにあります。ボランティアに一番肝心なのは、自分が住んでいる地域や砺波を愛する心だと思っております。市民憲章にもありますように、一人一人のボランティア精神が、互いに助け合う温かいまちづくりにつながっていくものと考えております。
 次に、市職員のボランティアの取り組みについてお答えいたします。
 市職員が率先して活動に参加することは極めて重要であります。市職員のボランティアの取り組みにつきましては、従来から地元での活動、例えば資源ごみの分別収集やごみゼロ運動、江ざらいなどに進んで参加しております。また、自治会を初め、公民館、体育振興会、自主防災組織、あるいはPTAの活動や農地・水・環境保全向上対策などの活動にも自発的に参加しているところでございます。
 昨年8月に、市職員にボランティアへの積極的な参加について呼びかけを行うとともに、活動の参加状況についてアンケートを実施いたしました。この結果を見ますと、約95%の職員が参加しているとの結果が出ております。今後もより積極的に参加するように職員の意識啓発に努めてまいります。なお、今月25日に開催される砺波市ボランティアフェステイバルにおいて、職員研修の一環として、昨年度と今年度に砺波市に採用された職員11名を、ボランティアスタッフとして参加させる予定であります。職員にとってはボランティア活動体験の場であり、活動に参加している市民と交流を図ることができる貴重な機会であると考えており、今後も職員に対してこのようなボランティア精神の普及啓発のために取り組みを実施してまいります。
 次に、自治体における国・県との業務分担や権限等のあり方についてに関する御質問にお答えいたします。
 地域のことは地域に住む住民が決め、活気に満ちた地域社会をつくるためには、基礎自治体である市町村を重視した地域主権改革を推進するとともに、国と地方の関係を対等の立場で対話できる関係へと転換を図っていく必要があるという考えは、地方自治に携わる者にとっては共通であろうと、このように思っております。
 政府は、このような考えのもとに、本年6月22日に地域主権戦略大綱を閣議決定いたしましたが、今後、地域主権を強力に推進していくとの姿勢を明確に示したものとして、私も一定の評価をいたしております。この上で今後、具体的な目標、工程表などの策定や各分野の制度設計を行う際、国と地方の協議の場で十分に協議して、我々の意見を最大限反映するように真摯な取り組みを国に強く要望するものであります。
 地域主権に対する私の思いや国へ要望についてはこれくらいにいたしまして、お尋ねのありました地域主権基本法の立法化など3つの項目に対する考え方については副市長が、また、市民の奉仕に立った、信頼される市政についてのそのほかの部分は企画総務部長がお答えをいたします。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、嶋村議員御質問のうち、自治体における国・県との業務分担や権限等のあり方についての3つの御質問にお答えいたします。
 まず、地域主権基本法の立法化についての御質問でございます。
 御案内のとおり、昨年誕生いたしました新政権は地域主権改革を標榜しておりますが、この改革は、住民に身近な行政は、地方公共団体が自主的かつ総合的に広く担うようにするとともに、地域住民が自らの判断と責任において地域の諸課題に取り組むようにするための改革であります。
 御質問の地域主権基本法につきましては、この地域主権の理念やその実現への具体的な手順、スケジュールを定めるものであります。政府もこの基本法については、国と地方のあり方を根本的に変えるため、理念を明確にする必要があるという観点から、国と地方のあり方はどうあるべきなのか、基本法を検討したいとしているところでございます。地域主権の理念を実現するために基本法を制定して、地域主権改革を強力に推し進めることについては多いに賛同するところでございます。
 また、これに関連して、本年6月に閣議決定されました地域主権戦略大綱が早い時期に国と地方の協議の場で議題に取り上げられたことは、新しい国づくりを進めようという政府の積極的な方針が示されたものとして、全国市長会など地方6団体でも高く評価をしております。地域主権改革を進めるためには、まずは地域分権改革推進委員会の勧告を実現することが大事であると考えております。
 次に、地方分権改革推進委員会の勧告のうち、地方共有税構想についての御質問でございます。
 地方共有税構想につきましては、過去に地方6団体が設置いたしました新地方分権構想検討委員会が地方財政自立のための7つの提言をまとめ、分権型社会のビジョンとして発表したものでありまして、この中には、地方交付税への批判に対する地方側の主張が盛り込まれているものであります。地方交付税は地域社会の存立基盤を維持し、国で定めた一定水準の行政サービスを、国民が全国どこで生活しても享受できるようにするためのものであり、法律上、国税という形で徴収されているものの一定割合が充てられることとなっておりますが、本来は地方の固有財源であり、また、自治体全体で共有している財源であることは論をまたないところであります。さらに、地方交付税は人口構成の差、地理的条件、その他の社会経済条件等の違いを考慮して、自治体間の公平性を確保するための財源調整機能の制度でもありますので、国が政策誘導的に交付するべきものはなく、また、人口、面積といった単純な指標のみによって算定されるべきものでもないと、こういうふうに考えております。
 御質問のありました地方共有税構想は、地方交付税の名称を地方共有税と改めまして、地方固有の財源であることを明確にするものであります。また、その原資につきましては国の一般会計を通さずに、交付税特別会計に直接繰り入れを行おうというものであります。また、この構想は交付税の総額を確保するため、法定率の引き上げも念頭に置いているものでございます。
 この構想の実現は全市町村の共通の願いでありますが、それに向けての国レベルでの議論は現在進んでおらないことから、今後も全国市長会での議論を深めつつ、地方6団体で歩調を合わせて国に要望してまいりたいと考えております。
 次に、地域主権改革を進めるため、基礎自治体として位置づけられる市町村のあり方についての御質問でございます。
 地域主権戦略大綱の中では、国と地方が対等なパートナーシップの関係にあることを踏まえて、基礎自治体の項を特別に設け、地域の自主的判断を尊重しながら、国と地方が協働して国の形をつくること。また、補完性の原則に基づき、住民に身近な行政は、できる限り地方公共団体にゆだねることを基本とすること。さらには、その中でも、住民に身近な基礎自治体である市町村を重視することなどを掲げております。
 住民に最も身近な市町村を基礎自治体と位置づけることについては、自主的かつ総合的な行政主体としての役割を市町村が担えるようにするためのものであり、当然のことと考えております。その上で、基礎自治体への権限移譲については、地方分権改革推進委員会の第1次勧告で示された移譲項目を完全実施するように、一層見直しを進めていただきたいと考えているところであります。また、円滑な権限移譲を実現するためには、財政措置、人的支援、自治体間連携の仕組みなどの推進方策を設けることが不可欠でありまして、これについて早急に検討するとともに、その行程を明らかにするよう申し入れたいと考えております。
 いずれにいたしましても、この基礎自治体への権限移譲の推進に際しましては、国と地方の協議の場で十分な協議を行うよう、全国市長会を通じて要望してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 戸田 保君。
  〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕

◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、1の「庄川と散居に広がる健康フラワー都市」についての(3)市民の奉仕に立った信頼される市政についてのうち、市長答弁以外の御質問にお答えをいたします。
 先ほどは、嶋村議員に御相談のありましたケースを例に挙げての御質問でございましたが、市民お一人お一人に個別の事情があることは承知をいたしておりますが、基本的には、個々の法令等に基づいた公平で公正な対応こそが市民全体の奉仕者である市職員のとるべき姿勢であると考えているところでございます。
 まず、御指摘の40代の男性の事例につきましては、災害、その他特別な事情がないにもかかわらず、国民健康保険税を1年以上滞納されたため、悪質滞納者として、被保険者間の負担の公平を図る観点から、平成19年2月に資格証明書を発行したものでございます。その後再三の督促、納税相談の案内にもかかわらず、特別な事情の申し立てもなく、また、職員が自宅を訪問しても応答がなく、また、何とか連絡がとれまして、相談の上、納税の約束をされても守らない状況が3年間続いておりました。本年2月4日になりまして、医療機関に対する10割の支払いが困難であるという相談がございまして、緊急的な個別対応として短期被保険者証を発行する措置を講じたものでございます。
 次に、77歳の独居老人の事例につきましては、生活保護制度に従い、過払いとなった部分について返還を求めたものであること。また、御本人から北海道移住の経費補助につきまして相談を受けたことから、市から扶助できる費用等について県とも確認の上、御本人に提示するなど、御本人の意向を尊重した対応をしてきたものであり、事実関係に誤解があるのではないかというふうに思われます。
 なお、生活保護制度は、最低生活を保障することのほかに、本人の自立を促すことを目的としており、正常な日常生活を回復するために、市といたしましては生活態度に対して苦言を呈することもあり、このことが職員の態度が横柄であると誤解を招くことになったのではないかというふうに考えておるものでございます。
 そこで、職員研修の業務への反映、検証についてお答えをいたします。
 生活保護に関しましては、県の厚生センターや市職員で富山県ケースワーク研究会を設置し、困難な事例の検討等を行い、職員の資質向上を図るとともに、その研修の成果を課全体の職員が共有するため、検討内容について常に課内で話し合いをしながら、相談者の意向を尊重し、相談者自身の力で生活ができるよう対応しているものでございます。
 次に、能力のある職員を登用する手法の導入につきましては、職員一人一人の職務能力を把握し、人材育成、適正配置等を行うため、平成19年度から総合病院の医療職員を除く全職員を対象に、能力評価と業績評価からなる人事評価制度を試行的に実施いたしており、現在は、職員の昇任・昇格及び異動に関する人事の検討資料の一部として活用しているところでございます。
 次に、議員御提案のカウンセリングの研修につきましては、福祉の専門職を対象とした相談業務に関する研修に積極的に参加をいたしておりますし、また、一般的な窓口対応という面では接遇研修ということで、それぞれの研修を行っております。今後とも研修内容を充実してまいりたいと考えているところでございます。
 最後に、砺波市役所という名称よりも、砺波市庁あるいは砺波市民行政サービスセンターに改めればいかがかとの御提案でございますが、現段階では、市役所という、これまで市民の皆様がなれ親しまれた名称のほうがふさわしいのではと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。

◯議長(井上五三男君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時58分 休憩

 午後 1時00分 再開

◯副議長(稲垣 修君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 7番 今藤久之君。
  〔7番 今藤久之君 登壇〕

◯7番(今藤久之君) 質問通告書に従い、質問と若干の提案をさせていただきます。
 最初に、市民・民間主体の都市交流についてお尋ねいたします。
 全国各地のほとんどの自治体では、友好都市や姉妹都市の提携をしています。我が砺波市においても、トルコ共和国ヤロバ市、中華人民共和国盤錦市、オランダ王国リッセ市、国内では、北海道勇払郡むかわ町と姉妹都市提携を交わしています。また、そのほかにもフラワー都市交流や防災協定締結市、散居村サミットの市町村などもあり、交流を重ねているところです。
 しかし、これらはその性格上、どうしても行政主導となることが否めず、幾つかの事例はあるにせよ、市民同士の交流であるとか民間レベルの交流という観点から見て、もう一段のステップアップができないものかという思いを以前から私は持っておりました。市民や民間の交流が主体で、行政がそれを側面から支えるといった交流はできはしないか。そのことにより情報や文化の交流といった社会的な効果が期待できるのではないか、あるいは、地場産業の活性化や創出といった経済的な効果も期待できるのではないか、さらには観光などの交流人口も拡大できるのではないか、そのような思いでした。
 さて、平成20年7月に東海北陸自動車道が全線開通をして、早いもので2年余りが経過いたしました。開通以前と以後では、中京圏に対しての距離感が随分と異なって感じられるのは私だけではないと思います。砺波―名古屋間が3時間程度となり、ちょっとした用事であれば、さほど無理をせずに日帰りが可能になりました。私自身も何度か利用しましたが、中京圏は本当に近くなったものだと思います。
 また、今後のことではありますが、北陸新幹線の開業が平成26年度に予定されています。このこともまた、現在私たちの持つ関東圏への距離感が一変するものであろうと思われます。このような背景を持つ現在、この機会をとらえ、中京圏や関東圏に市民交流の拠点となる都市を設定し、交流人口を図るべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。上田市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 本日、午前中の代表質問でありましたように、自由民主党砺波市議会議員会では、8月5日に、行政視察の一環として安城更生病院の調査研究、安城七夕まつりの事前準備視察、安城市議会市政クラブとの意見交換会を行ってまいりました。
 その意見交換会席上での神谷安城市長のあいさつの中で、今年の安城七夕まつりに砺波市から約100名という多くの方々に来ていただいているというお礼に続いて、両市の市民レベルでの交流についての考えについて述べられました。
 その一部を要約いたしますと、日本経済新聞の特集によると、ゴールデンウイークに行きたい花の名所ランキングで、西日本ランキングの第1位に砺波市のチューリップフェアが選ばれており、したがって、チューリップフェアに向けて、安城市民が砺波市を訪れる企画が一番いいのではないかと思っている。現在、安城市では安城市民保養事業を行っており、市民が遠出をするときに1人、1泊につき1,500円の補助金を出す制度がある。行き先については指定されているが、災害時相互応援協定を結んで以来、砺波市も対象にしている。残念ながら、砺波市へは年間90人程度と少ないが、今後いかにアピールをしていくかがポイントになる。砺波市との市民交流をもっと盛んにしていきたいと私もいろいろと考えている。例えば安城市のマーチングバンドや吹奏楽は全国でもトップレベルなので、彼らが砺波市へ出かけ、学生同士の交流をやればどうか。その際に子どもの費用は市が負担をし、付き添いの親や祖父母は保養事業を活用する。そのような市民交流もあるのかなと思うと、このようなものでありました。
 さて、安城市と当市は、平成18年5月に災害時相互応援協定を締結以来、視察やイベント交流を初め、これまでもさまざまな交流を行ってまいりました。今後さらに文化やスポーツ、観光等の市民交流の輪を広げることを目的として、市民交流都市的な協定を締結してはいかがでしょうかと提案いたします。このことに関して上田市長の御見解をいただきたいと思います。
 次に、大きい項目の2点目、土地区画整理事業についてお尋ねいたします。
 都市計画業務は、大きく分けて土地利用、都市施設の整備、市街地開発事業の3つに大別されると言われています。
 土地区画整理事業はその市街地開発事業の一部分に当たり、道路、水路、公園等の公共施設を整備、改善し、土地の区画を整えて宅地利用の増進を図るものです。現在、市内では杉木、中神、出町東部第2の土地区画整理事業が進捗中ですが、今回は杉木、中神の2つの事業についてお尋ねしたいと思います。
 両事業は、過去に砺波市内で行われてきた土地区画整理事業の多くがそうであったように、施行者が組合となっています。これは、一定の区域を施行地域と定め、その区域内の土地に対して所有権または借地権を有する者が土地区画整理組合を組織して施行するもので、住民参加型方式であるために、3分の2以上の住民同意が必要であるが、後々問題が残りにくいというメリットがあるとお聞きしています。いずれにせよ、権利者の数がそれぞれ約二、三百人もおられるので、合意や公平性の担保は大変であろうと想像されます。
 さて、杉木土地区画整理事業では、平成12年度から平成24年度までと13年間、一方の中神土地区画整理事業は、平成20年度から平成29年度までと10年間に及ぶ長期の事業ですが、まず、それぞれの事業の進捗状況についてお聞かせください。
 次に、保留地の処分状況についてお尋ねいたします。
 杉木土地区画整理事業では、平成23年から平成24年は清算、換地処分の期間になっております。事業が終息段階になってきますと、残事業に対する資金が少なくなり、事業のやりくりが困難になると思われます。そのため、資金計画の見通しをしっかりとする必要があるわけです。そこで気になるのが保留地の処分状況です。保留地の処分状況はどのようになっており、どの程度残っているのでしょうか。また、今後どのように処分していくのでしょうか、御答弁をお願いいたします。
 土地区画整理事業は、一言で言えば、まちづくりであろうと思います。道路、公園、下水道、消雪など施設整備をし、宅地の再配置を行い、安全で快適な新たなまちをつくる。時間のかかる長いスパンの事業です。だからこそ、長期にわたってぶれのない考え方が必要であろうと思います。どのようなコンセプトを持ってこの事業に取り組んでおられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 大項目の3点目、消防組織の新たな広域合併についてお尋ねいたします。
 平成18年7月、市町村の消防の広域化に関する基本指針が消防庁から発表されました。それによりますと、広域化は概ね30万人以上の規模を1つの目標とすることが適当であるが、地理的条件、広域行政、日常生活圏、人口動態等の地域の事情に充分な考慮が必要であるとのことで、広域化対象市町村においては、都道府県の推進計画策定後5年以内をめどに広域化を実現することが求められています。
 このことを受け、富山県では平成20年3月に推進計画を策定し、砺波地域では、砺波地域広域消防運営協議会を本年4月に立ち上げられた経緯があります。今回の広域化については、砺波広域圏に小矢部市が加わるのではなく、小矢部市、南砺市、砺波市の3市が新たな広域圏組合を立ち上げるとお聞きしています。砺波地域広域消防運営協議会では広域化目標年月を平成23年4月とし、そのために何度も会議を行ってきております。現在、この時期において決定していること、していないこともあるとは思われますが、幾つかの点についてお聞かせいただきたいと思います。
 新たな組合となることで、まず気になることは経費の分担です。3市がそれぞれに、どのような基準で経費負担を行うのか。経常的経費、臨時的経費はそれぞれどうなるのか、また、起債償還経費の扱いはどうするのか。合併前の借り入れ分、合併後の借り入れ分の取り扱いについてもお聞かせいただきたいと思います。
 広域合併推進の背景には、そのスケールメリットを生かし、消防体制の充実強化が図られることが挙げられると思います。小規模な組織では困難であった大規模災害に対する消防力の強化が図られること、高度な車両、資機材の整備が可能になること、柔軟性のある人員配置が見込めることなど、期待される面も多くある一方で、効率化が優先されることにより、消防本来の役割である住民の安心・安全の確保がなおざりになってしまうのではないかという危惧があります。火災出動や救急出動の現場への到着時間が、広域化以前よりもかかってしまったりすることはないのか。例えば人員配置の偏りなどが生じ、救急出動中に火災の対応ができなくなってしまうなど、住民サービスの低下が生じたりすることはないのか。住民サービスの担保についてお聞かせいただきたいと思います。
 最後に、関係機関との連携についてお尋ねいたします。
 交通事故などによるけが人や急病者を緊急に医療施設まで搬送する役割を持つ救急業務ですが、これは消防組合だけで完結する業務ではありません。当然のことながら、搬送先の医療機関との連携が必要となるものです。広域化に伴い、砺波の救急車両がこれまで活動区域外への病院搬送機会も増えることでしょうし、逆に、これまではなじみの薄かった小矢部市の救急車両が、砺波総合病院などへ傷病者の搬送をする機会が増すのではないかと思われます。このような事態が想定される中、消防と医療機関の連携確保のため、話し合いや取り組みはあったのでしょうか。さらには、広域化以降に予定されている具体的な変更点などはあるのでしょうか。
 また、消防団についてはどうでしょうか。
 消防団は、地域に密着した消防組織であるために、消防の広域化の対象とはなっていません。しかし、火災などの災害時においては常備消防と連携を取り合い、大きな役割を担う組織であります。特に市境の分団などは今後、今まで以上に他市の消防組織との連携が求められるのではないでしょうか。新たに組織される砺波地域消防組合とその関係機関との連携についてお尋ねをして、今回の質問を終えさせていただきます。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 今藤議員の御質問のうち、市民・民間主体の都市交流についてに関する御質問にお答えいたします。
 関東圏、中京圏の交流人口拡大につきましては、観光戦略を策定する上で大変重要な課題であると考えております。交流人口の拡大は、地場産業の創出や活性化などの経済的な面ばかりでなく、情報や文化の交流が図られるなど、社会的な効果が期待されるもので、砺波市の活性化に向け積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 中京圏との交流につきましては、東海北陸自動車道の開通で近い存在になったことから、観光PRや物産展などの機会が増え、市民交流も活発になってきています。また、関東圏につきましては、平成26年度の北陸新幹線の開業で、東京へは2時間余りで圏内となり、市民の行き来が飛躍的な伸びを示すものと思われます。
 関東圏には日本の人口の4分の1に当たる約3,000万人の方が居住され、北陸の魅力ある食べ物や史跡・名勝、多くの方の目が向けられるものと期待をいたしておりますが、観光における地域間競争も年々激化してきております。このような中、全国に誇れる散居村やチューリップ、庄川のほか、市特有の歴史、文化、産業を早急に磨き上げ、大都市圏に情報を発信し、観光交流、滞在人口の拡大を図ってまいりたいと考えています。
 中京圏や関東圏につきましては、北陸の多くの都市が誘客のターゲットにしておりますので、今藤議員が提案されている市民交流の拠点となる都市の設定については、目標先を絞って交流先を設定することで、都市間の親近感や市民の関心なども高まることが期待できることから有効な施策であり、前向きに検討していまいりたいと、このように思っております。
 次に、安城市につきましては、平成18年5月に災害時相互応援協定を締結し、市民交流の推進に努めているところであります。
 最近の主な交流としては、安城市の少年少女合唱団ととなみミュージカルキッズの互いの発表会に出演されていることや本年7月に行われた散居村民泊モニターツアーに、安城市の皆さんが参加されています。また8月には、庄川町商工会青年部や水まつり実行委員会の皆さんが、安城市の七夕会場において流木乗り大会や観光PRを実施されたところであります。
 安城市と市民交流都市的な協定締結につきましては、できれば、従来の災害時相互応援協定をベースに市民交流を一層広げることができないか、安城市の意向を踏まえながら、その可能性を探ってまいりたいと、このように考えております。互いに顔の見える市民交流は相互の理解が深まり、災害時の応援体制が一層強化されるものと存じます。また、このことによりまして市民交流や観光交流が盛んになれば、文化やスポーツの振興を図れることや観光施設等への入場者の増加、さらには特産品の販路拡大等が期待をされます。
 砺波市は、チューリップなどを介した国際交流を初め、国内の姉妹都市やフラワー都市などと交流を重ねておりますが、これらの交流を一層深めるとともに、高速交通網の整備等に伴い、都市圏との観光交流を促進させ、市民・民間主体の市民交流を推進してまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては企画総務部長並びに建設水道部長からお答えをいたします。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 戸田 保君。
  〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕

◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、3、消防組織の新たな広域合併についての御質問にお答えをいたします。
 第1点目の消防広域化後の3市の経費負担についてでございますが、広域消防運営計画の中では、次のとおり調整し、承認をされております。
 まず、経常経費につきましては、共通経費として当面、前年度の消防費基準財政需要額割により3市が分担金として負担することとなっております。
 次に、臨時的経費でございますが、消防署及び出張所の庁舎建設経費等につきまして、用地の確保は当該市の負担とし、建物等は建物所在市が特別分担金として負担することとなっております。ただし、担当区域が2市以上に該当する場合は、当該市の協議により庁舎建設経費等を特別分担金として負担することとなっております。
 次に、起債償還経費でございますが、消防広域化前の砺波広域圏事務組合、及び小矢部市の起債のうち消防にかかる分につきましては、砺波地域消防組合がその債務を継承し、小矢部市分は小矢部市が全額を、砺波広域圏事務組合分は砺波市及び南砺市が前年度の消防費基準財政需要額割により特別分担金として負担することとなっております。また、消防広域化後の砺波地域消防組合における車両等購入における起債償還経費につきましては、前年度の消防費基準財政需要額割により3市が分担金として負担することとなっております。
 第2点目の住民サービスの担保についてでございますが、広域化により消防活動がより機能的になることから、署所の担当区域の調整により、基本的には現場への到着時間を短縮できると考えております。また、第2次出動態勢が充実するとともに、統一的な指揮下、迅速で効果的な災害対応が可能となり、全体として住民サービスが向上すると考えております。
 第3点目の関係機関との連携についてでございますが、まず、救急業務についてお答えをいたします。
 砺波市、小矢部市及び南砺市におきましては、大規模災害や集団救急に対応することを目的に砺波救急医療・消防連携協議会を、また、実務者レベルにおいて救急隊員の技術向上を図ることを目的として砺波メディカルコントロール部会を組織し、救急業務の高度化及び医療と消防の連携を図っております。
 議員御懸念の医療機関との救急業務の連携確保につきましては、これまでの組織の活動をもとに連携をより一層強化することで、住民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、消防団についてお答えをいたします。
 消防団は、地域に密着した消防防災活動を行うことから、消防広域化の対象とはされておりませんが、消防広域化後も構成市の消防団との連携は大変重要であると考えており、次の対応を図ることといたしております。
 1つには、情報の共有化及び連携の強化であり、消防団、消防本部、署所の職員等で構成する連絡会を設置し、定例的に情報交換を行うというものであります。
 2つ目には、各消防団の訓練等及び幼年・少年消防クラブ及び婦人防火クラブ等につきましては、それぞれの署所が担当するというものであります。
 また、市境における他市の消防団との連携につきましては、現在本市と隣接するすべての市と消防団応援協定を締結しておりますが、消防広域化により小矢部市との関係はさらに強固なものになるものと考えております。市民の皆さんの安心・安全のため、消防団と消防本部、署所はさまざまな連携を強化することにより、より充実した消防活動が推進されるものと考えております。
 私からは以上でございます。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 前野 久君。
  〔建設水道部長 前野 久君 登壇〕

◯建設水道部長(前野 久君) 私からは、2番目の土地区画整理事業についての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の進捗状況と保留地処分についてでございますが、杉木地区の推進状況につきましては、本年度が補助事業の最終年度であり、工事は順調に進んでおります。市役所から西側へまっすぐ伸びます都市計画道路栄町苗加線の区域内の残っておりました工事は、砺波総合病院北側の県道北高木新富町線と交差するまでの区間、延長500メートルの整備が12月末までに完了する予定でございます。これによりまして、市役所前からこの県道までの延長約1,200メートルの4車線道路が供用開始となり、都市基盤の主な整備は完了することになります。
 一方、中神地区につきましては、昨年度に仮換地指定を行い、工事に着手したところでありますが、今後は現在のジャスコ周辺の商業ゾーンの都市計画道路や区画道路の築造と換地移転先の造成工事等を行い、今年度末での進捗率は17%と見込んでおります。
 次に、杉木地区の保留地の処分状況でございますが、現時点で保留地面積の約62%が売却済みとなっております。残りは38%となりますが、面積では約1万6,800平方メートル、予定価格では約6億8,000万円余となっておりますので、この処分状況によっては、今後の単独事業の整備水準に影響することとなり、議員御指摘のとおりでありますので、市としては大変危惧しているところでございます。処分が進まない要因は、長引く不況によって地価の下落が続いておりますが、簡単に保留地価格を下げることもできず、近傍価格から見れば、保留地価格が高どまりになっていることによるものでございます。
 この杉木地区の事業完了予定年度は平成24年度となっておりますので、次年度からは道路消雪装置や公園などの最終仕上げに向け、事業を進める計画となっております。しかしながら、今ほど申し上げましたとおり、今後の保留地の売却状況次第では、その整備水準を見直しせざるを得ず、最低限必要な残事業を見極めながら、事業資金を確保するため、保留地の単価を調整するなどして売却処分に最大限努力する必要があると考えております。
 次に、2点目の事業取り組みのコンセプトにつきましては、平成2年度に完了した太郎丸中央地区の組合施行による区画整理事業は、短期間に整然としたまちづくりが形成できるという成功事例となりまして、組合土地区画整理事業による面的整備の引き金になったものと思っております。その後、順次各地域の皆様の御理解と御協力を得ながら、組合と市が一体となりまして土地区画整理事業が推進されてきたところでございます。このことから、先ほどから御説明いたしました2つの地区も含めまして、市街地の約7割近くが土地区画整理事業により整備することになります。
 住民の総意で、都市計画の母と呼ばれている土地区画整理事業により良好な市街地の形成や土地利用の増進、さらには、活力あるまちづくりにつながる結果となったことは大変意義がある事業だと考えております。さらに、この成果は他の自治体から砺波市の都市計画が高く評価されていることや、全国住みやすさランキングにおいても毎年上位にランクされているあらわれだと思っており、担当する者としては大変うれしく、誇りに感じているところでございます。今後とも残る組合事業が順調に推進し、完成して、円滑に組合が解散の日を迎えられますよう、引き続き事業に対する技術援助や推進についての助言を行ってまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯副議長(稲垣 修君) 2番 川辺一彦君。
  〔2番 川辺一彦君 登壇〕

◯2番(川辺一彦君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従いまして、市政一般について4項目の質問をさせていただきます。
 まずは、行政運営における個人情報保護法の取り扱いについてお伺いいたします。
 東京都で111歳・男性のミイラ遺体事件に端を発した消えた老人問題は、現在、100歳以上の所在不明高齢者問題として全国で取り上げられております。また、厚生労働省は平成20年4月から、児童の安全確保を強化する目的で、児童相談所に対し家庭への強制的な立ち入りを認めたにもかかわらず、今もなお、児童虐待が相次いで発覚している痛ましい現状でもあります。
 これらの出来事は砺波市でも決して例外ではなく、先ごろの新聞には、戸籍上存在する100歳以上の高齢者が81名、そのうち所在不明者数は61人と報道されていましたし、児童虐待にしても生死にかかわるような事例はないにせよ、昨年は十数件の相談があったと伺っております。
 所在不明高齢者問題の要因としては、核家族などによる家族縁者の希薄化や地域での煩わしい人づき合いを避けようとする社会的な現象に加え、役所の担当課が十数年前から住所が存在しないことを把握しながらも、今まで放置していたり、死亡届は出ていたが住民基本台帳に反映されていなかったなど、行政の怠慢も1つの要因として挙げられております。
 また、児童虐待では貧困、そして、核家族化や近所づき合いの減少などにより、主に母親が孤立化し、心理的に追い込まれ、育児に不安があっても周りに相談できないことがストレスとなり、発症する場合が多いと聞いております。
 地域において人々の絆が必要とされるこのような場面には、住民と行政の橋渡し役として活躍されている民生委員、児童委員の存在は欠かすことができません。けれども、民生委員、児童委員の皆さんは無報酬に近い条件の中で、高齢の方や障害を持つ方など、支援を必要とされる方々への訪問、相談、助言などや児童虐待、引きこもり家庭と専門機関との連携役など、求められる役割は多種多様で広範囲に及んでいるのが現状です。さらには、平成17年4月より施行された個人情報保護法によって、市民個人のプライバシーを尊重する傾向が強まり、情報収集が難しくなったことや行政からも住民情報が提供されなくなったことなどにより、民生委員、児童委員の仕事をやりにくくしている実態もあるのです。
 行政は必要とされる情報を提供すべきところですが、行政の皆さんはあまりにも個人情報保護法に過敏となり過ぎているのではないかと感じますし、この法令を盾に職務を控えているのではないかとさえ思えることがあるのです。
 そこでお尋ねいたします。
 職員の皆さんには民生委員、児童委員の方々が活動しやすいように、また、少しでも負担を軽減させるために必要な情報を十分に見極めた提供とともに、職務上で市民に異変が察知できたときには、適切に行動を起こす。例えば実際に会って確認するなどの丁重さが大切ではないかと思われますが、いかがでしょうか。そして、法令に基づく職員の職務指導の内容には、取り扱い方によって職員や行政自体の行動が萎縮してしまうような説明や市民が活動しづらくなるような表現をされていることはないでしょうか。また、砺波市の各種委員会や委員がしっかりと活動していくために必要な情報提供において、必要以上に情報の保護をしている事実はありませんか。
 もう一点、個人情報保護法では人の生命、身体及び財産の保護のため、個人の同意を得ることが困難であるときや緊急かつやむを得ないと認められるときなどは、保護法の適用外であることを職員にしっかり伝えてあるのでしょうか。職員においては、法令等の遵守は当然のことでありますが、市民の皆様に対しては機転をきかせた対応が必要な場面もありますので、この法律について誤解がないよう、また、過剰な反応とならないよう取り計らうことが大切と思われますので、以上のことに関して当局のお考えをお伺いいたします。
 加えまして、先ほどお伝えした砺波市で戸籍上存在する100歳以上の高齢者81人と、そのうちの所在不明者61人に関する調査状況、及び今後このような事態が発生しないための対応方針など、お聞かせください。
 続きまして、女性特有がん検診とその予防ワクチンについてお伺いいたします。
 女性特有の病気である子宮がんには、赤ちゃんが育つ子宮内部にできる子宮体がんと子宮の入り口付近にできる子宮頸がんの2種類があります。
 子宮体がんは50代から60代の女性が多いのに対し、子宮頸がんは20代から30代の女性に発症する率が非常に高く、女性特有のがんの中では乳がんに次いで第2位を占めており、20代から30代の女性においては、発症するすべてのがんの中で第1位となっています。また、全世界では子宮頸がんによって毎年約27万人の女性が命を失っていますし、日本でも毎年約1万6,000人の女性が発症し、約2,500人の命が失われていると報告されております。
 このがんが進行すると、20歳から30歳の若さで子宮のすべてを摘出する手術が必要な場合もあり、妊娠や出産の可能性を失うことは女性にとって心身ともに大きな負担となり、この現代の社会で重要視されている少子化に拍車をかけることにもなってしまいます。
 砺波市では、平成21年度から厚生労働省の普及啓発事業である女性特有がん検診クーポン事業を実施されており、この事業の中で早期に発見できれば幸いなのですが、現代のうら若き乙女たちが定期的検診を確実に受診してくれることは期待できないように思えます。されども、このがんは定期的な検診によって発見できる病気でもありますが、予防できるがんでもあるのです。
 子宮頸がんの原因は、ほぼ100%が性行動によって感染するヒトパピローマウイルスであることが昭和58年に明らかとなり、以後の研究から平成21年に予防ワクチンが開発され、日本国内でもこの年の12月より接種可能となりました。今、全国では、ウイルスに感染する前の10代前半の女性に対し予防接種を実施することが期待されているのです。この予防ワクチンは、半年の間に3回接種し、最長で6.4年間ウイルスの感染を防ぐとされており、この予防接種費用には約5万円かかるとされております。このたび、厚生労働省は、来年度予算の特別枠に子宮頸がん予防ワクチン接種助成事業費150億円を盛り込むことで方針づけされました。また、7月23日現在の報道では、全国で126市町村が助成制度を設けており、中でも山梨県では、県の後押しのもと県内の27市町村すべてに、ほぼ全額公費負担とする方針が固められました。
 残念なことに、富山県内では現時点で助成制度を持っている市町村はありません。県も、この助成制度について国の検討状況と県内市町村の取り組み動向を踏まえながら対応するとのことですが、砺波市としては県内トップを切って動き出す時期に来ているのではないでしょうか。子どもを産み育てる環境づくりが大切とされる中、市民の後継者を1人でも多く授かってもらうための少子化対策の一つとして取り組むべき事業と思いますので、当局の見解をお伺いたします。
 加えて、平成21年度から実施されている女性特有がん検診クーポン利用状況を年齢別に報告いただくとことと、20代から30代までの受診分析、そして、今後の検診普及方針などをあわせてお聞かせください。
 次に、職業訓練センターの継続についてお伺いいたします。
 昨年秋の事業仕分けによって、厚生労働省は独立行政法人雇用・能力開発機構を廃止するとされました。御存じのとおり、富山県には富山、魚津、砺波と3つの地域職業訓練センターがあり、現在もそれぞれの市において、県を交え、センターの存在について議論されている最中であります。
 ここ砺波地域職業訓練センターは、職業訓練、技能習得及び生涯学習教室の場として活用されており、その訓練や教室における平成21年度の利用者数は2万3,274人であり、内訳として砺波市民が約38%、後の約62%は小矢部市、南砺市、高岡市からの利用となっているそうです。
 私は、このセンターを砺波市に譲渡していただき、ものづくりの県・富山の砺波地域の核として、今後とも大いに活用していくべきと考えております。また、この建物は昭和60年建築の耐震構造となっていることから、将来的には、耐震構造となっていない勤労青少年ホームやとなみ野サロンとあわせた職業訓練センターの共有利用も考えるべきではないでしょうか。さらに、現在も多くの市外利用者があることから利用料などを見直され、運営費の確保も図られるべきと考えます。
 このたび、国からの施設無償譲渡の方針が出たことを受け、今後の活用が期待できる施設であると思いますので、市長の御見解をお伺いいたします。
 最後に、砺波総合病院の効率運営と診療体制についてお伺いいたします。
 先ほどからも先輩議員よりお話があったように、先月、砺波市議会自民会の議員17名で、砺波市との防災協定締結市・安城市にある安城更生病院を視察してきました。
 この病院は砺波総合病院と比べ、病床数で約1.3倍、職員数で約1.9倍、1日の外来患者数では約1.8倍とかなり大きな病院であり、地域医療の支援病院としての役割を果たすため、人口17万人を超える安城市にあって、人口100万人の西三河南部医療圏最大の地域中核病院として、地域医療を守り発展させるため努力されておられました。
 過去に、この地域では病院の閉鎖や診療科の停止などによって地域医療が機能低下し、安城更生病院では患者の集中と医療資源の限界に達したことがあったそうです。そこでとられた方針は、地域医療機関の機能分担と役割の明確化であり、安城更生病院のあるべき姿を院内外に周知されたと伺いました。その折には、院長自らが地域開業医を回り、理解を求められたそうです。
 機能分担は、地域における第一線の医療機関・かかりつけ医に第1次救急を含む、初期疾患の診察や病気の予防、日常の健康管理などを担当してもらい、更生病院では、第2次救急と第3次救急を担当することとされたのです。そして、かかりつけ医にはそこで対応しかねる患者さんを更生病院へ紹介してもらうこと並びに病院の設備、機器類の共同使用、さらには、逆紹介をしっかり行う支援体制を築かれたのであります。加えて二、三年に一度、医師同士の顔の見える連体を合い言葉に、医療圏内開業医の先生方と病院医師が一堂に会する研修会を開き、情報を交換する場をつくっておられることが地域医療の強化に結びついていると感じました。
 その中で、次の事例がありました。
 かかりつけ医より紹介された患者さんは一般外来の患者さんと区別され、事前に連絡を受けた更生病院では、診察カードや診察調書をあらかじめつくっておくことで、紹介された患者さんはスムーズに診療に入れるシステムとなっているそうです。このようなことも市民に理解される一因であると感じましたし、現在この病院の紹介率が60.3%、逆紹介率で42.7%という実績が裏づいていると思いました。
 そこで、1点目の質問です。
 昨年から上田市長の働きかけにより設置された地域連携推進室では、今後の砺波医療圏の体制づくりを検討されておられますが、それと並行して、砺波市における医療機関の機能分担と医療の十分な活用も必要なことではないでしょうか。第1次救急・当日帰宅できる軽症患者対応、第2次救急・一般病棟への入院が必要な中等症患者対応、第3次救急・ICUや重症病棟への入院が必要な重症患者対応の意味を市民はどこまで理解されているでしょうか。
 市内開業医の先生方には互いに連携することの大切さを十分理解していただくこと、市民には砺波総合病院のあるべき姿を十分理解していただくことによって、今年3月に答弁された紹介率約20%の向上に、また、約13%である逆紹介率の向上にとつながっていくものと思うのです。病院の先生方と開業医の先生方による情報交換も含め、検討されるべき事項は多いと思いますが、院長はどのようにお考えか、お伺いをいたします。
 2点目は、医師不足の対応についてですが、広域圏における各病院の担当業務割によっては専門医の方々も異動されることになるかと思いますが、それによって医師不足問題もある程度解消できないものかをお伺いいたします。
 3点目として、今もなお外来患者の苦情の中に患者への対応が挙がっています。
 院長は過去の議会答弁で、手術を控えている場合や1人の医者が診られる1日の患者数をはるかに超える状況になることで接遇が悪くなることに対して、医者も人間ですから、時々腹も立てると思いますと現場第一線に立っておられる先生方の思いを代弁されていましたが、そのようなときにこそ、そのセクションの看護師や事務職員によって患者さんをフォローするなど、それぞれの部署における医師、看護師、事務職員の連携プレーが大切であると思うのです。各医局の外来部署に対する接遇指導はどのようにされているのでしょうか、お伺いいたします。
 4点目として、院外処方の現状をお伺いいたします。
 特に高齢者の方に多いかと思われますが、院内処方を希望しても、院外処方へ回されるそうです。病院としての方針ですと先生に言われましたと漏らされた方もいらっしゃいました。院外処方の導入は、処方せんの説明義務が複雑になった結果によるものだと伺っておりますが、院外処方の効果と患者の声など検証すべきと思われますので、杉本院長の御見解をお伺いいたします。
 以上で私の質問を終えさせていただきます。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 川辺議員の御質問のうち、行政運営における個人情報の取り扱いについて及び職業訓練の継続についてに関する御質問にお答えをいたします。
 最初に、行政運営における個人情報の取り扱いについての御質問にお答えをいたします。
 御承知のとおり、情報化社会の進展によりまして、個人情報の流失により個人の利益が損なわれるおそれがあることから、国の個人情報の保護法令及び自治体条例が整備されたものであります。しかしながら、この法令等の運用におきまして、プライバシーの保護という意識が強調され、高齢者の支援や災害・緊急時の対応、地域社会の連帯、教育現場などに懸念が生じている状況につきましてはまことに残念なことと考えております。
 なお、この法令等におきましては、人の命、身体または財産の保護のために緊急の必要があるときなどは情報提供できることなどを定めており、法の範囲内で弾力的に運用することが重要であるのではないかと思っております。また、昨今の高齢者行方不明問題も踏まえますと、国における当該法令の適切な見直しも必要ではないかと考える次第であります。
 次に、職業訓練センターの継続についてをお答えいたします。
 職業訓練センターは、独立行政法人雇用・能力開発機構が設置し、地方自治体への委託により運営されているものであります。砺波地域職業訓練センターにおいては、砺波地域の事業所で働く人々や地域住民の方々のために、職業訓練、パソコン講座を初め、各種職業教育講座を行うなど、当地域における職業能力開発の拠点施設として、地域に開かれた能力開発を行っております。
 議員の発言がありましたように、雇用・能力開発機構が平成22年度末をもって廃止され、職業訓練センターの建物の譲渡を希望する地方自治体には、これを譲渡することとされておりました。8月に入りまして、譲渡価格は無償であり、譲渡先は原則として土地所有者である地方自治体とするなど、県を通じて通知があったところであります。
 私は、職業訓練は本来、国及び県の責務であり、今回の譲渡の件に関しましては、まだ残されている課題もありますので、今後、県及び関係団体と協議を続け、職業訓練センターの譲渡及び運営方針などについて検討していきたいと、このように思っております。
 次に、勤労青少年ホームなどと共有利用等を考えるべきではないかとの点につきましては、現在の課題が調整された後、議員御指摘のことも参考にしながら検討していきたいと、このように思っております。
 私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては病院長、企画総務部長、福祉市民部長からお答えをいたします。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 病院長 杉本立甫君。
  〔病院長 杉本立甫君 登壇〕

◯病院長(杉本立甫君) 川辺議員御質問の項目4、砺波総合病院の効率運営と診察体制の4点についてお答えします。
 最初に、地域医療支援病院を目指す取り組みと、それに伴う市民理解度の向上についての質問にお答えします。
 患者の大病院・専門医志向により、2次、3次救急病院への患者の集中が全国的に指摘されていますが、砺波医療圏も例外でなく、狭い診療分野の専門医、慢性的な医師不足と相まって、2次救急病院の勤務医の負担が増大していることが心配されます。
 また、生活習慣病などの慢性疾患により長期の療養を必要とする患者が増加していることと、病院勤務医が不足の傾向にあることから、医療圏におけるかかりつけ医と病院との病診連携を一層推進する必要があります。また、患者の高齢化に伴い、急性期病院での治療後、亜急性期、回復期、老人保健施設などでの治療、介護を必要とする患者数が増加しており、患者の状態に合った適切な医療機関などへの円滑な受診、転院の推進が必要になっています。このような医療情勢から、議員御指摘のとおり、地域医療機関の機能分担と役割の明確化と市民の理解は大変重要な課題であります。
 当院でも従前から地域医療連携室を設置し、患者の紹介、逆紹介の管理はもとより、高額医療機器の共同利用、連携医療機関への診療情報の提供、開放型病床の管理、入院患者の退院支援、調整などを行ってきておりますが、これまで以上に連絡を密にとり、ネットワーク化による紹介、逆紹介患者に関する情報等の共有化を積極的に進め、効率的な医療提供を目指すために、スタッフの充実も検討してまいりたいと考えています。
 また、入院治療からリハビリ、在宅復帰まで、医療圏の医療機関が連携して医療提供を行う医療連携クリニカルパスの導入が始まっており、それぞれの疾患に係る症例検討会に取り組むことにより、切れ目のない医療を提供できる体制が構築されつつあります。
 また、救急のコンビニ受診の抑制や疾病症状に対応した医療機関のかかり方など、県、市町村、医療機関等が連携し、住民に対して適切な医療機関受診を啓発する施策の展開が必要と考えております。
 当院の今年度4月から7月の紹介率は22.2%、逆紹介率は15.8%となっております。若干向上しましたものの承認要件の数値とは大きな開きがありますが、地域医療支援病院の役割は医療圏における地域完結型医療を目指すものであり、当院の目標と変わるものでないと思っておりますので、今後とも地域医療連携室を中心として、関係医療機関とも地域医療の連携強化を推進してまいりたいと思っています。また、市民がみんなで地域医療を守るための選択肢については、8月末の砺波市福祉健康大会やタウンミーティングでもお話ししておりますが、さらに院内掲示やホームページなども充実を図りながら、市民への啓発に努めてまいりたいと考えています。
 次に、医師不足解消を視野に入れた砺波広域医療体制の構築についての質問にお答えします。
 地域医療機関の機能分担と役割の明確化が推進された折には、偏在していた医師もおのずと集約されることにより、医師不足がある程度解消されるのでないかとのお尋ねでございますが、基本的にはそのとおりかと思っています。しかしながら、医療圏内の病院の同じ診療科でも、医師の派遣先──大学の医局ですが──がそれぞれ違うことから、交流がないという現実もありますので、なかなか難しいものと考えております。
 なお、市長が述べられましたが、砺波医療圏の砺波市、小矢部市、南砺市、3市の行政当局が主体となって、平成21年度に立ち上げられた砺波医療圏地域医療検討会では、救急医療体制の課題の洗い出しやその具体的な解決策を協議検討され、報告書がまとめられています。このように行政、公的病院、医師会、消防、広域圏事務組合が一堂に会して話し合う場が設けられ、成果報告に結びつくまで前進しておりますので、今後とも砺波医療圏における医師不足などの医療体制の課題を洗い出し、その具体的な対応策を協働して協議検討することが必要であると考えています。
 次に、院内医師の共通認識堅持と医師、看護師、事務員との外来診察連携業務の向上についての質問にお答えします。
 当院では、接遇に限らず、患者の満足度調査を平成18年から毎年実施しており、施設面、環境面、接遇面、診療面などの各個別評価項目について、当院の総合評価点との相関関係と当院と調査病院平均との満足度差を比較し、重視度が高いにもかかわらず、評価の低い項目が重点改善を要する内容となります。満足度調査結果については、院長、副院長初め、各所属長へ配付し、満足度の低い項目の改善を図ることを共通認識とするために、職員全員に周知徹底しているところであります。
 また、議員御指摘の接遇面に関しましては、毎年、新規採用職員や全職員を対象とした接遇研修会を実施し、改善に努めておりますが、医師向けの接遇研修会も平成20年12月に実施し、共通認識を図ったところであります。また、医師業務の軽減化につきましても昨年から医師事務作業の軽減化を推進してきていますが、本年4月には、医師等業務改善委員会を設置しまして、医師とそのほか医療職員の役割分担を明確化して、外来患者の診察がスムーズに行われるために、看護師による問診、バイタルチェック、服薬確認や医師の指示による検査説明や療養生活、食事指導など、医師が本来の診療に専念できるよう業務の軽減化に努めているところであり、医師に対する接遇満足度も年々アップしているところであります。
 いずれにいたしましても、接遇面の評価は職員一人一人の対応が反映しやすいところから、均一な接遇を共通認識するため、今後も研修などを通じまして指導に努めてまいりたいと考えております。
 次に、院外処方の現状についての御質問にお答えします。
 当院の院外処方率の現状は60%前後で推移していますが、県内の400床以上の公立病院の現状は、ほとんど70から90%で推移しています。医療法施行規則の一部改正で、薬をお渡しする際、薬とその説明文書を患者と薬剤師双方で確認し合うことが義務づけられました。そのため、投薬窓口ではこれまで以上の時間待ちや混雑が想定されるようになっています。
 一方、病院薬剤師は、外来の処方調剤から病棟薬剤師として、入院を機に大きく変わる治療方針の変更に対応するため、直接入院患者と面談して、薬剤管理指導や持参薬の管理を徹底するように取り組むことが必要となってきます。また、注射薬の無菌調整、抗がん剤の配合調整、医師、看護師に対しての処方の疑義紹介やDI活動、医薬品情報の収集、整理、管理業務ですが、それから医薬品管理など、非常に重要な業務を担っており、これらの業務が病院薬剤師にシフトされたことから、医師、看護師が安心して治療や看護に専念できるようになってきております。
 院外処方のデメリットは、病院で診察を受け、保険薬局で薬をもらうため二重手間となることや自己負担が多少増えることがありますが、メリットとしましては、複数の疾患・病状を持つ高齢者で複数医療機関の受診が増加していることから、それぞれの薬歴管理を1カ所で行えることが重要で、かかりつけ薬局を決めておきますと、薬の詳しい説明を受けることや薬の重複投与、飲み合わせ、副作用を未然に防止するなど、より安全に服用することができます。また、ファクスで処方内容を送信しますので、都合のよい時間に薬を受け取りに行くこともできます。
 現在も当院では、体の都合の悪い方などにお手間をおかけしないよう院内処方を行っておりますし、今後も同様でありますが、病院薬剤師とかかりつけ薬局の機能分担の必要性も御理解いただきたいと思います。
 私からは以上です。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 戸田 保君。
  〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕

◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、1、行政運営における個人情報保護法の取り扱いについての御質問のうち、個人情報保護に対する職員への指導内容などについてお答えをいたします。
 砺波市が保有する個人情報につきましては、個人情報保護法に基づく砺波市個人情報保護条例におきまして、自治体としての適正な取り扱いに関し、必要な事項を定めております。職員へは、個人情報保護事務の手引の配付によりまして、条例の趣旨、解釈及び運用について具体的に示すとともに、研修会や通知においてその取り扱いの徹底を図っているところでございます。
 つきましては、市がその業務上保有する個人情報は、法令に基づく場合や本人以外の者に個人情報を提供することが明らかに本人の利益になるとき、もしくは情報公開個人情報保護審査会の意見を聞いた上で、公益上相当な理由があると認められたときなどは、その情報の利用及び提供が可能となっております。
 具体的に申し上げますと、災害時要援護者の個人情報の提供につきましては、当該審査会の意見を聞き、各自主防災会等への情報提供を行っているところでございます。また、人の生命、身体及びまたは財産の保護のため、緊急の必要があるときは情報提供できることを定めており、災害や事故等の場合において個々の事案により客観的視点で判断することができることになっております。このようなことから、各種委員会及びその委員への情報の提供につきましても、必要に応じまして情報の内容、利用目的等から個々に判断をいたしまして、法令等に基づき対応しておりますが、今後とも個人情報の取り扱いについて適切に運用されるよう、職員に徹底してまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 齊藤一夫君。
  〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕

◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは川辺議員御質問のうち、1項目目の行政運営における個人情報保護法の取り扱いについての(1)職員に対する個人情報保護法の取り扱いに関する指導内容について、(4)砺波市での所在不明者61人に対する調査及び対応状況について、それと、2項目目の女性特有がん検診とその予防ワクチンについてお答えいたします。
 最初に、行政運営における個人情報保護法の取り扱いについての御質問に対し、私のほうからは、民生児童委員の皆さんへの個人情報の提供状況とその考え方についてお答えいたします。
 民生児童委員の皆さんには、日ごろから市担当地域内の高齢者を初め、最近は児童虐待など、さまざまな方面での見守りや相談に対し助言、援助をいただいております。しかしながら、議員御指摘のとおり、個人情報保護法の施行により、さまざまな機関が情報提供に対し過敏に反応し、情報が集まらないといった苦情が出てきました。そのため、当市では、民生児童委員の皆さんには数年前から年1回、今年からは年2回、担当地区のひとり暮らし高齢者と高齢者のみの世帯の方の名簿をお渡しして、現在自分が把握している方、新たに該当する方を確認していただき、ひとり暮らし高齢者の登録や見守りに活用いただいております。
 また、月1回開催される民生児童委員ブロック別定例会の際には、社会福祉課、地域包括支援センター、社会福祉協議会の職員が同席し情報交換を行っているほか、日ごろからは民生児童委員の皆さんと情報交換を行っており、異変があった場合には、その方の自宅へ同行し、専門機関に避難的に収容するなど、必要に応じた行動で対応しております。
 なお、民生児童委員の皆さんは民生委員法に定められた委員であり、非常勤の特別職の地方公務員に該当することから、守秘義務が課せられており、個人情報の取得は可能であることから、今後は情報提供をより一層進め、連携を図ってまいりたいと考えております。
 次に、(4)砺波市での所在不明者61人に対する調査及び対応状況についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、高齢者の所在確認については連日のようにマスコミに取り上げられ、関心が高まっているところであります。
 まず、不明者の中には戸籍上の生存が不明の高齢者と住民基本台帳上の不明高齢者がいらっしゃいます。戸籍は、出生、死亡、結婚などの日本人の身分事項を証明する唯一の公簿であり、一方、住民票は、住所の異動や世帯の構成など、住民に関するさまざまな行政の基礎となるものであります。いずれも住民の皆さんからの届け出に基づき、正確な記載と記載の修正がなされなければならないものと考えております。
 なお現在、当市におきましては、住民基本台帳上で100歳以上の高齢者の方は17名いらっしゃいますが、全員御存命であるとは確認されております。
 そこで、お尋ねの戸籍上存在する100歳以上の高齢者のうち所在不明の61人の調査状況でありますが、ほとんどの方はかつて海外に居住の方か市外に住所があった方と考えております。今後の調査につきましては、先日、法務省から120歳以上の方の戸籍の取り扱いについては、従前より簡便な方法で職権消除できるとの通知がありましたが、その他の方についても個人情報に十分配慮し、管轄局である法務局と連携をとりながら、適正に対処してまいりたいと考えております。
 なお、今後の対策につきましては、市役所内の関係部署間の連携の強化や各種届け出等に基づく確実な記載とチェック体制の継続、さらには、住民の皆さんへ改めて制度と届け出の周知を図ってまいりたいと考えております。
 次に、女性特有がん検診とその予防ワクチンについての御質問にお答えいたします。
 最初に、子宮頸がん予防ワクチン接種費用の公費助成制度の取り組みについてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、子宮頸がんは、ほとんどが性交渉によるヒトパピローマウイルスの持続感染であることが解明され、日本においても昨年末、予防のワクチンが承認されたところでございます。また、ワクチン接種につきましては、費用が3回接種で5万円と高額で、家計への負担が大きいことや少子化対策としても有効であることから、厚生労働省の来年度予算概算要求特別枠として、子宮頸がん予防対策強化事業が盛り込まれております。
 特に子宮頸がんは日本人に多く、中でも20代から30代の女性に増加しており、性交渉開始年齢が低下していることと考え合わせると、早期からのワクチン接種は、子宮がんの発生や死亡の減少に大きな効果があると期待されております。しかしながら、現在のワクチンは、発がん性の高い2種類のウイルスに対するものであり、子宮頸がんに対する予防効果は六、七割と言われており、100%大丈夫というものではないことから、がん検診とあわせて接種されることが必要だと考えております。
 また、お尋ねの当市での公費助成につきましては、国の制度に合わせ、次年度に向けて取り組みの準備を整えてまいりたいと考えております。今後は1人でも多くの方が罹患されないように、ワクチン接種とがん検診の両面からの取り組みを行い、10代にはワクチン接種を、20代からは、少なくとも2年に一度のがん検診を受けるという一貫性のある子宮頸がん予防対策の取り組みを進めていきたいと考えております。
 次に、女性特有がんの検診クーポン利用頻度と子宮頸がんの認知度についてお答えいたします。
 まず、平成21年度に実施いたしました女性特有のがん検診のクーポンの利用状況について申し上げます。
 子宮頸がん検診では、対象者1,513人のうち、利用者は286人で、利用率は18.9%でありました。年齢別利用率は4月1日現在の年齢で、20歳は8.8%、25歳は16.0%、30歳は17.5%、35歳は25.6%、40歳は22.3%となっております。一方、乳がん検診では、対象者1,726人のうち、利用者は454人で、利用率は26.3%でありました。年齢別利用率は、40歳は23.7%、45歳は22.0%、50歳は17.3%、55歳は26.5%、60歳は36.6%と、子宮頸がん検診と同様に年齢が上がるにつれて利用率は高くなっております。
 次に、20代から30代までの受診分析と今後の方針ですが、子宮がん検診の受診率を見ると、全体受診率が22.5%の中で、20代では18.0%、30代では31.0%の方が受診されています。また、クーポンの利用率は20代では12.4%、30代では21.7%と全体から見ると低くなっておりますが、クーポン券の発行により、これまで検診を受けたことのない人が新たに受診されるきっかけづくりとなっており、新規受診者は少しずつですが、増加してきております。
 現在、健康センターでは、休日検診や施設検診の実施、予約制による検診時間の短縮など、受診しやすい体制づくりに努めており、今後は、がんは早期に検診を受け、早期に治療すれば、死亡する病気ではないことをあらゆる機会をとらえ啓発し、多くの人が受診されるように努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。

◯副議長(稲垣 修君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 2時22分 休憩

 午後 2時35分 再開

◯副議長(稲垣 修君) 休憩前に引き続き会議を開きます。市政一般に対する質問を続行いたします。
 3番 山本善郎君。
  〔3番 山本善郎君 登壇〕

◯3番(山本善郎君) それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い市政一般についてお尋ねいたします。
 まず最初に、平成21年度の決算内容における総合評価についてお尋ねいたします。
 今年の3月の定例議会において、市長の施政方針並びに提案理由説明を初めとして開会したわけですが、そのときの内容は、国の基本的態度を皮切りに、まず失業率が高水準で推移し、大変に厳しいとの認識を示されました。と同時に、景気は穏やかに回復し、日本経済は回復基調にあると見込まれました。一方、地方においても同じことが言え、本市においても厳しい行財政を強いられるとのコメントでありました。これを受けて、当局は緊急雇用対策を初め、国の施策に呼応し、限られた財政の中において積極的な対策を実施、展開することにより、市民生活の向上に取り組むとのことでした。昨年8月には政権交代劇があり、要望等についてもままならない状況の中でも積極的に陳情を重ねられ、市政を展開されたものと察しいたします。当市においては、市総合計画の第4次実施計画に基づき執行され、その中で経済情勢が回復しないまま、市税等の減収の見込み、一方、固定資産税の堅調な推移により、全体では1%増を見込まれていたところです。
 さて、昨年の3月定例会において、冒頭、政府が発表した月例報告を引用され、自治体においては、引き続き厳しい財政状況が続くとも述べられ、予算編成については地方財政計画を勘案しながら編成し、経済状況の悪化において市民税の減収や評価替えによる固定資産税の減収を予測しながら、前年対比4%の減を見越すと説明され、市民の皆様に理解と協力を求められます。その成果、並びに今年度は期中での対応となりますが、この決算内容を受け、どのように総合評価され、今年度に対していかに反映させようと考えられているのかを尋ねるものです。
 次に、平成21年度決算を迎えるに当たり、不納欠損金の内容並びに理由について尋ねるものです。
 平成20年度の決算委員会でこの件についてただしたところ、市長より善処するとのことでした。その結果、市税の中では約1,837万円、平成20年度には3,339万円、平成19年度には4,443万円と年々減少し、数値圧縮に向け平易努力されたものと思いますが、不納欠損額は依然として大きく、市民の納税義務の不公平感をなくするためにも、その内容や理由を含め今後の対応について尋ねるものです。
 次に、国勢調査についてお尋ねいたします。
 国勢調査という言葉を聞いたのは久々であり、前回は一体いつごろだったのかと考えていたところ、先日、それに関するパンフレットが1枚届きました。開いてみると、それには見出しに、我が国の人口が減少社会となって実施する最初の国勢調査とうたい、10月1日現在で全国一斉に行います。また、法律に基づくものであり、記入内容は厳重に守られますともありました。しかし、これはよく考えてみますと当たり前のことで、この目的がどこにあり、市民の皆様にどのようなスケールメリットが提供され、市民生活に役立つのか全く読み取ることはできなかったのであります。法律に基づいて実施されることは構いませんが、このような状況の中で、果たして市民の皆様に理解と協力がいただけるのかどうか甚だ疑問であります。
 さて、この基本的な国勢調査の目的は、国内の人口・世帯数の実態把握であり、行政施策の基礎資料に供し、さらに公的な目標にとどまらず、民間企業の経営判断や研究活動のもととなり、幅広く活用されるものと察します。ゆえに1つには、公的な目的の基礎となる統計数値を得ること、2つ目には、教育現場において研究部門での利用、3つ目には、さまざまな統計を作成するための基礎となるデータ収集であり、時代の変化が如実に読み取ることができる公的統計として大変重要なものであると考えます。法律に基づくとは、統計法の中に「総務大臣は全数調査を行い、これに基づいて統計を作成しなければならない」と明記され、また、久々と思えたのは10年ごとに大規模調査を行い、5年ごとに簡易調査を行うこととし、西暦の末尾がゼロの年は大規模調査で、5の年は簡易調査となるわけです。これまで実施されたときの課題は多く、とりわけ一番重要な課題は、そもそも何のために調査を行うのかを皆さんに知らされていないということです。
 そこで、市民の皆様に御迷惑のかからないように、その旨御理解と御協力を求めなければならないとすれば、もう少しアピールが欲しいと思います。そこで、この調査に係る大きな目的や理解を求める方法、また、実施方法等について尋ねるものです。
 次に、今年度産米の生育状況についてお尋ねいたします。
 暑い夏も終わったところですが、秋に入っても、この暑さは一向におさまる気配を見せていません。しかし、市内の圃場では稲刈りの最盛期を迎えています。前回6月の一般質問の折、田植えが終わり緑一色になり、当時は長雨にたたられ、このような暑い夏をだれもが予測できただろうか、また、猛暑・酷暑とこのように長く続くことをだれが予測し得ただろうか。さらに、近年には珍しく午前中は晴れているが、午後になると局地的なゲリラ雨や夕立が癖になってしまったことなど、おまけに、今年は台風の到来が近年になく少なく、稲の生育には幸いしています。
 さて、この暑さは植物の世界でも同じで、水稲も大変暑かったと思います。日中は暑くても、夜半は涼しくなることが生育条件として大事なことですが、今年の場合はどちらも暑く、呼吸作用が疲弊し、今年度産米に何らかの影響が出るものと思われます。大変心配しています。
 しかし、この富山県は、特に本市において用排水整備が進み、庄川水源よりの水の供給が豊富であり、絶えず切れ間なく水田に水を引くことができるのです。米づくりにはこの水のファクターが大変大きく作用し、となみ野米の品質向上に大きくかかわっていることは承知のことと思います。しかしながら、この水もただあるわけではなく、あるだけでは何の役には立ちません。先人たちの努力によって本川より支川にわたり整備された結果であり、この大切な用排水が今は老朽化が進み、改修しなければならないという時期に来ているのに、国は、この関連予算を大幅に減額するという政策を掲げてきましたが、改めて予算化を促し、速やかに改修願いたいものです。
 さて、このような条件下においても、農業者は米づくりをし、出費を限りなく少なくする方法として、集落営農という営農形態を構築してきたところですが、労賃や賃金をも減らしても費用の削減はもう限界に近く、固定化が進み、大変な台所事情であります。生産現場では、もはや米づくりが、単に国土保全と産米を供給するといったボランティアに近づいていると言っても過言ではありません。そう言いつつ、今年の水稲作柄は国内全体では平年並みとなり、富山県を含む4県はやや良と発表されましたが、米の過剰懸念はますます深まるばかりです。差し当たって、今年の生育状況並びに現状はいかがなものかを尋ねるものです。
 次に、平成22年産米の米価予測とその背景について尋ねるものです。
 さて、今年の米価の概算金はいかほどになるか大変期待をし、楽しみにしてまいりました。ところが、8月19日に全農県本部が概算金を公表したところ、何と60キロ当たり1万1,000円と、昨年より2,000円の下げとなりました。ええっと耳を疑ったものです。これは近年になく低い水準で、平成16年から平成19年ごろまでは1万2,000円台をキープし、平成20年、平成21年は1万3,000円台と回復してきた矢先で、何と急激な下落幅なのでしょうか。私は、6月の一般質問の中で、今は緑一色ですが、これが秋になると黄金色になりますが、経営は真っ赤になると豪語してまいりましたが、まさにそのとおりとなりつつあります。一体、価格の基準となる概算金がこのように低く設定される背景には何があるのか、尋ねるものです。
 平成21年産在庫の持ち越しや作柄による過剰供給により市場が反発し、販売価格に期待ができないということからなのでしょうか。また、本年度より米農家にモデル対策としてスタートする戸別所得補償制度の中で、一律1万5,000円の底上げ感によるものか、はたまた価格が下落したときの所得を補償するシステムも大きな要因となり得るのかどうか。しかし、この制度は、見込みを超えた以上に価格の下落があるときの財源は不透明であり、危機感が募るものです。最大1,200円の予算化が組まれているようですが、それ以上の下落になった場合は大丈夫なのか、大変危惧するところです。
 春先より売り上げを上げようとして、明るい農業を目指して頑張ってまいりましたが、最終生産価格の上がることを期待することとし、米価格の動向予測及び背景、並びに現制度との兼ね合いを尋ねるものです。米戸別所得補償制度によって価格の変動幅が大きくなっても担保されるのかどうか、また、改めて国が米の買い取りを保証し、安心して米づくりに専念できるのか、重ねて尋ねるものです。
 次に、今年の暑さ対策について尋ねるものです。
 とにかく今年の夏は暑かった。人と顔を合わせるたびに暑いとか、いつまで続くのかを合い言葉のように、少しでも日陰の涼を求める毎日でした。富山気象台はこの8月の天候について、月平均気温が高岡では28.8度で、年平均は26.3度と昭和17年度よりの観測以来過去最高値で、記録的にも大変厳しい夏と位置づけました。猛暑日は5日間、また、真夏日は8月14日を除く毎日とし、9月中旬まで30度を超える日が続き、秋雨シーズンの到来がどうもずれ込む様子との見方をしています。まさに、この暑さは災害と言えるのではないでしょうか。いや、まさに災害です。
 さて、この暑さの影響はいろいろなところに波及しています。夏物商戦ではエアコンの売り上げ、スポーツ飲料や冷めんの売れ行きが好調と聞きます。夏休みの期間中の子どもたちは、元気でプールへ出向く足が大幅に増え、農作物には日焼けの害、水不足の害による生育不良により出荷量が落ち込み、品薄感が見られたとも聞きます。
 一方、身近では、この暑さのために体調を崩す人が多くなり、熱中症と見られる症状で救急搬送される人が過去最高となり、それによる死者も全国にはあるという大変な事態となっているとのことであります。また、交通事故も単純なうっかりミスでの事故も多いと聞きます。このような報道が毎日のように紙面を駆け抜け、大変残念なことと思います。
 しかしながら、このような報道は多く目にしたのですが、その予防対策については、行政側とすれば全く触れない状況にあったのではないでしようか。
 テレビでは、天気予報の合間に、暑くなるから水分補給を小まめにするようにとつけ加えていましたが、唯一活字になったのが、富山市の介護予防推進連絡協議会の協力のもと、水飲み運動を提唱しているという記事でした。1日に1.3リットルの水分を摂取するようにとの運動を地域包括センターが6月から開始し、効果を上げているとのことでした。
 さて、当市においてでも、市民の皆様の安全、健康面での予防を図るための方策を何らかの方法で喚起を促す必要があったのではないでしょうか。この点が少し足りないようにも思いますが、この後も暑さが続くとすれば、今日まで搬送の実態、災害とも思えるこの暑さ対策に対して当局の対応について尋ねるものです。
 次に、児童に対する暑さ対策についても尋ねるものです。
 この暑さ対策は高齢者に対する以外にも学生、児童にも必要ではないでしょうか。2学期が始まり、元気な顔を見せましたが、この暑さは、いかに児童といえども体力の消耗、抵抗力の低下は否めません。
 しかるに、そのような状態の中で病気が発生すると、集団感染に発展のおそれが予想されます。世界保健機構が新型インフルエンザの終息宣言をしたと過日耳にいたしましたが、そういったことのないように予防に全力を注いでいただきたいが、子どもたちにはどのような影響があり、教育現場での対策はどのようなことが考えられるのかを尋ねるものです。
 最後に、薬物乱用防止策についてお尋ねいたします。
 この薬物乱用という言葉自体、ふだんより耳なれしない、無縁の言葉であると思っています。しかしながら、メディアではたびたび取り上げ、内心、同じことを繰り返すだろうと思っています。さて、7月に県警と高岡署が、県西部の県立高校に通う女子生徒を薬物使用で逮捕したと報道があり、驚かされているところです。経過詳細については触れませんが、大変に残念なことと思います。
 では、この一連の事件より発せられたメッセージは大変多くあり、1つは、このような薬物とは全く無縁と考えることができなくなったこと、2つ目には、若年齢層に広がろうとする汚染速度の速さや入手が容易になってきたこと、3つ目は、それに対する本人の罪悪感や認識度の低下等が考えられます。厚生労働省や県においては「ダメ、ゼッタイ。」にと「断る勇気を持とう」をスローガンに、そういった薬物乱用防止に力を入れている矢先の出来事であり、全く他人事ではないような気がいたします。
 さて、この薬物乱用とは、遊びや快感を求めるためにそういった違法薬物を使用することであり、たった1回の使用でも薬物乱用に値するとのことです。一度使用すると神経細胞がもとに戻ることができなくなり、身体とも犯され、再びフラッシュバックを引き起こし、精神的にも大きなダメージを与えることになります。当然ながらこういった行為は法律で厳しく取り締まられ、さらに重い罰則を受けることになります。絶対にしてはいけないことであり、まず、興味を持たず、近寄らないことが必要ではないでしょうか、本市での実態を尋ねるものです。
 この事件の後、県と県教育委員会は、薬物乱用防止に向け、中高校に薬物乱用防止教室を100%開催することを目標にして開催を通知されたところでありますが、開催率は、一昨年は59%、昨年は62.2%と、開催に至らない学校もあると聞きます。当市ではどのよう啓蒙し、推進されるのかを重ねて尋ねるものです。
 以上、明確な答弁を期待し、質問を終わります。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 山本議員の健全な財政運営についての御質問のうち、平成21年度決算についての総合評価とどのように今年度反映させていくのかの御質問にお答えいたします。
 初めに、平成21年度の決算の大枠についての私なりの評価でございますが、御質問でもありましたとおり、厳しい経済雇用状況が続く中、個人所得や企業収益が減収となる一方、少子高齢化の進展による社会保障関係費の増加などにより、地方財政は極めて厳しいものがあり、当市もその例外ではございません。このような中で、今回、認定をお願いしております一般会計ほか、6つの特別会計並びに3つの企業会計につきましては、おかげさまで全会計で黒字決算となったところであります。中でも一般会計につきましては、実質単年度収支で2億円余の黒字であった昨年度決算より、さらに4億1,000万円余多い6億1,000万円余の黒字決算となり、また、病院事業会計につきましても、昨年度は8億5,000万円を超える大きな赤字決算であった収益的収支が、病院改革プランの成果などにより1,500万円余ではございますが、黒字決算になるなど、総じて良好な結果になったものと考えております。また、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく財政健全化判断比率につきましても、実質公債費比率は23.3%から22.2%に、将来負担比率174.6%から150.5%にと、それぞれ1.1ポイント及び24.1ポイント改善をしております。計画的かつ堅実な行政運営により、財政は確実に健全化の方向に向かっており、その点につきましても、概ね良好な状況にあるものと考えております。
 ただ、一般会計の歳入のうち、市税につきましては、法人市民税が、対前年比18.8%の大幅な減になるなど、軽自動車税を除くすべての税目で減収となり、その結果、市税総額は69億円余で、前年度に比べ2億9,000万円余、4.1%の大きな減収となっており、地方経済の置かれている状況が色濃くあらわれた結果となっております。
 また、経済対策を目的とした国の数度にわたる補正予算による国庫支出金の増や地域雇用創出推進費の創設などによる地方交付税の増、さらには、第2の交付税とも言われる臨時財政対策債の増などにより、所要の歳入は確保できましたが、結果として、自主財源のウエートが7.8ポイント減少し、その分、依存財源が大きくなっております。
 そこで、これらの結果を今年度どのように反映させていくかでございますが、一般会計につきましては、国において、引き続き地方交付税や臨時財政対策債の増額措置が行われたことなどにより、今のところ、必要な予算総額は確保できるものと考えておりますが、景気の緩やかな回復基調により法人市民税はやや好転しているものの、御案内のとおり、個人市民税は前年度所得に対し課税されることから、さらに厳しい状況にあります。したがいまして、市単独での大型事業、とりわけ経済雇用対策等は困難な状況にあると考えておりまして、今後とも国や県が実施する経済対策等を積極的に活用するとともに、引き続き国等に対し継続的な地域経済の活性化対策を講じられるよう、関係機関を通じ強く働きかけてまいりたいと考えております。
 なお、黒字決算となりましたその他の会計につきましても、それぞれ一様に厳しい状況に置かれておりますが、下水道特別会計並びに病院会計を中心に、引き続き独立採算を基本に―層の財政健全化に努めることで、経営の安定化を図ってまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては教育長、企画総務部長、福祉市民部長並びに商工農林部長からお答えをいたします。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 私からは、山本議員御質問の3、居住環境の安心・安全についてのうち、2番目の児童に対する暑さ対策についてお答えをいたします。
 この夏の猛暑は、全国各地でこれまでの記録を更新するニュースが連日報道されましたが、台風の到来とともに猛暑も和らぎ始めており、学校等も一息ついているところであります。
 この暑さ対策としまして、1学期の梅雨明けの後の7月には保育所、幼稚園と各小中学校へ熱中症の予防対策について通知し、2学期の始まる前、8月の小中校長会において、児童生徒や教職員の健康管理という観点から、熱中症の予防策としまして水分を十分にとるとともに、気分が悪いとか疲れている場合には塩あめやスポーツドリンクの利用について指導してまいりました。各学校ではエアコンの入っている部屋で授業をしたり、扇風機を設置したり、また、中学校の運動会練習ではスポーツドリンクや塩あめの提供など工夫してもらいました。おかげさまで、今のところ熱中症の診断を受けたという報告がないので、大変喜んでいるところでございます。
 なお、耐震改修工事を行っている砺波北部小学校では、一部仮設校舎で授業をしていることから、当初各教室4台の扇風機の設置に加えまして、6月中旬から消雪用に利用している地下水を仮設校舎の屋根までポンプアップし散水して、暑さ対策を講じており、さらに2学期が始まり、猛暑が続いたことから、その散水した水を打ち水として利用したり、あるいは教室への直射日光を和らげる遮光ネットを一部試験的に設置したりしております。なお、今年の猛暑を踏まえまして、夏休みのない保育所では、子どもたちの体温調節のため、プール利用時間の工夫や昼食と昼寝の時間には、すべての幼児がエアコンのある部屋で過ごせるように対応しております。このエアコンの設置につきましては、これまでも計画的に順次、各保育所に設置してきましたが、今後、四、五歳時の部屋への設置について段階的に検討してまいりたいと考えております。
 また、8月27日、厚生労働省は、新型インフルエンザについて緊急的、総合的に対処すべき事態は終息しつつあると判断し、通常の感染症対策として対応する体制に切りかえることとする旨発表しましたが、今後ともインフルエンザ等の集団感染を予防するために、各学校では児童生徒のうがいや手洗いの励行を徹底していきたいと考えております。
 これから秋らしくなるにつれ、猛暑による疲れ等が出てくることも考えられますので、児童生徒の健康観察を徹底するとともに、夜更かしをせずに十分な睡眠と栄養をとり、規則正しい生活習慣を保つように児童生徒を指導するなど、その都度、健康管理に気をつけるように学校等に対して指導してまいりたいと考えております。
 次に、3番目の薬物乱用防止等撲滅運動についてお答えをいたします。
 まず、本市における小中学生の薬物使用の実態につきましては、現在のところありません。去る7月中旬に、県から薬物乱用防止教育の一層の徹底についての通知があり、8月の小中校長会におきまして、富山県薬物乱用防止指導員協議会の協力を得るなどして、薬物乱用防止教室の開催等を通じて、薬物乱用防止教育を推進するように要請したところであります。市内4中学校全校におきまして薬物乱用防止教室の開催を計画しており、既に7月に実施した学校を初め、年内には残り中学校3校で、砺波警察署等から講師を招いて薬物乱用防止教室を開催いたします。さらに、小学校においてもこの薬物乱用防止教室の開催を計画している小学校もあることから、市の教育委員会としましても、県教育委員会を初め、地元警察署など関係機関とも連携をとりながら、薬物乱用防止教室の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 戸田 保君。
  〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕

◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、1、健全な財政運営についてのうち、まず、不納欠損金の処理についての御質問にお答えをいたします。
 初めに、不納欠損の制度について申し上げます。
 地方税法では、不納欠損処分を行う要件について、滞納処分の停止と消滅時効の2通りを定めております。1つ目の滞納処分の停止につきましては、地方税法第15条の7において、滞納者の状況が、1、滞納処分をすることができる財産がないとき、2、滞納処分をすることによって、その生活を著しく窮迫するおそれがあるとき、3、その所在及び滞納処分をすることができる財産がともに不明であるときの一つに該当する場合に、滞納処分の執行を停止することができることが規定されております。この条項では、滞納処分の執行停止が3年間継続したときに消滅することとなっておりますが、徴収金を全く徴収できないことが明白であるときは、その納税義務を即時消滅させることができる旨も定めております。2つ目の消滅時効につきましては、地方税法第18条において、地方団体の徴収金に係る消滅時効は5年とすること、また、第18条の2では、消滅時効の中断及び停止を定めております。
 そこで、平成21年度決算における市税の不納欠損額は延べ282件、1,838万円であり、その理由は、外国人で出国した者や派遣労働者、及び破産等で行方不明者が延べ151件、滞納処分をする財産がない者が延べ74件、滞納処分をすることによって、生活を著しく窮迫するおそれがある者が延べ57件、計282件となっております。このことから、執行停止後3年経過に係るものが237万2,000円、即時消滅に係るものは464万円、消滅時効に係るものが1,136万8,000円となっております。
 税務課におきましては、逐次、納税者の居所確認と収入や財産の状況等に関し詳細な実態調査を行っており、その実態調査の内容について、地方税法で定めている滞納処分の停止及び消滅時効の要件をもとに適正、厳格に判定し、やむを得ず不納欠損処理したものでございます。今後とも不納欠損処分を実施する場合には、納税の公平に考慮し、十分な実態調査を行い、地方税法に基づき判定してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、国勢調査についての御質問にお答えをいたします。
 国勢調査につきましては、御承知のとおり、10月1日を調査期日として、全国一斉に9月下旬より調査が開始されます。この調査は、日本に居住するすべての人を対象に、世帯人員の就業状況などについて行われます。そして、調査で得られたデ―夕は衆議院小選挙区の区割りや地方交付税の算定など、法律で利用することを規定されているものが多数ございます。
 また、国や地方公共団体における各種の計画や行政施策の策定などにも幅広く用いられております。このように、国勢調査は、我が国の行政運営の基礎をなす情報基盤としての役割を果たしているところでございます。
 今回の国勢調査では、砺波市では、211名と大変多くの調査員により調査が実施されます。また、調査の特徴といたしまして、調査票を封筒に入れて提出すること、調査票の提出方法として調査員に提出するか、郵送での提出かを選択できるようになりました。
 統計調査につきましては、個人情報の保護意識の高まりから調査環境が年々厳しくなってきている状況にあり、山本議員が御指摘されましたように、国勢調査の目的や調査結果の利用についてPRすることは、市民の皆さんに国勢調査への御理解、御協力をいただくためには大変重要なことと考えております。
 そこで、国が行うテレビ、新聞などでの広報、チラシの回覧のほか、砺波市では市独自のPRとして、6月初めからは市のホームページでのお知らせを開始し、広報9月号でのお知らせ、また、ケーブルテレビでは、コミュニティー放送の中で6月に1週間、9月に2週間、国勢調査の5分間番組を1日9回放送し、少しでも国勢調査に御理解いただけるようPRに努めているところでございます。また、調査員が、調査票を配布する際にも、調査の目的などの御質問にお答えできるよう調査員説明会で説明をいたしているところでございますので、国勢調査への御理解、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 私からは以上でございます。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 齊藤一夫君。
  〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕

◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、山本議員御質問のうち、3、居住環境の安心・安全についての(1)今年の猛暑対策についてお答えいたします。
 砺波広域圏消防本部によりますと、5月31日から9月7日までの砺波市の熱中症、救急搬送数は20件あり、傷病程度別では、歩行可能な軽症者は14人で全体の70%を占め、入院が必要な中等症者は6名で、意識がない重傷者の搬入者はありませんでした。また、年齢別では65歳未満が8人、65歳以上は12人、75歳以上が9人で全体の45%を占めており、高齢者が多いという状況が報告されております。
 市としての暑さ対策への取り組みにつきましては、社会福祉課、高齢介護課、包括支援センター、健康センターなど、それぞれ個別に対応したところであります。具体的には、地域包括支援センターでは、75歳以上で生活機能評価事業未受診者宅への訪問により、健康把握とともに脱水や熱中症に対する注意喚起や、市内の介護サービス機関が集まる地域ケア会議や民生児童委員さんの会合におきましても、熱中症対策について確認したところでございます。
 また、市のヘルパーステーションや居宅介護支援事業所では、通常の訪問活動の中で、特に水分の補給、衣類の調節、窓の開放や冷房確認など、きめ細かな指導を行っております。また、健康センターでは、主に高齢者が集まるいきいきサロンや高齢者学級、及び育児相談、乳幼児健診等で具体的な脱水症予防について指導を行いました。
 今後はこうした個別活動に合わせ、ケーブルテレビやホームページ等を通じて、市民全体を対象とした健康管理の啓発に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 小幡和日出君。
  〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕

◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、山本議員御質問2の特色ある農業についてお答えをいたします。
 まず、平成22年産米の生育状況について申し上げます。
 今年の水稲の生育状況につきましては、富山農政事務所が公表した資料によりますと、田植え以降、低温、日照不足が続いたことから初期生育は抑制され、その後、6月中下旬は降水量が多く、高温で経過したことから生育は急速に進みました。7月も引き続き高温で経過し、気温、日照時間ともに平年を上回ったことから、生育は回復し、出穂は前年に比べ2日早くなりました。8月15日現在、全もみ数が平年並み、登熟がやや良から、水稲の作柄はやや良と発表されております。なお、コシヒカリも出穂後、記録的な高温で推移していることから、刈り遅れ等による胴割れ米等の発生が予想され、上位等級比率の確保に向け、砺波農林振興センター、となみ野農業協同組合普及指導員、営農指導員が中心になって指導に当たっております。
 次に、平成22年産米の米価予測とその背景についてお答えをいたします。
 米価の概算金につきましては、山本議員もよく御存じのとおりであり、農協に販売を委託した米農家に対し農協が支払う概算金であり、農協において決められるものであります。全農富山県本部の分析によりますと、平成21年産米の価格は、平成20年産米の持ち越しや平成21年産米の供給過剰、米の消費減退で、昨年収穫時に比べ約1割下落したことや、平成21年産米の在庫持ち越しや豊作による供給過剰で販売価格の下落が見込まれることから、平成22年産米の概算金については、今述べられたとおり、近年にない低水準となっております。
 次に、本年度から始まりました米戸別所得補償モデル事業のうち、変動部分の交付単価につきましては、当年産の販売価格が標準的な販売価格の過去3年平均を下回った場合に、その差額をもとに変動部分の10アール当りの交付単価が算定されると伺っております。米価格の変動幅が大きくなっても、安心して米づくりができるかとのお尋ねでありますが、変動部分の交付単価は、平成22年産米の出回りから来年の1月までの全銘柄平均の相対取引価格を使用して国で算出されることから、現段階では申し上げることはできませんが、去る8月28日における農林水産省の副大臣記者会見によりますと、「まだ平成22年産米価も調査していない段階で言うことはできないが、変動部分としての予算上は措置されていることから、今後の米価を注視するとともに、米モデル事業への加入面積が当初予想していた132万ヘクタールから108万ヘクタールと24万ヘクタール減ったため、変動部分の交付単価は60キロ当たり1,200円以上の単価になると見込んでいる。また、米価が下がり、変動部分に予算措置が必要とあれば、政府として、制度上の本質の問題として考える。」と発言をいたしております。
 このようなことから、砺波市といたしましては、この戸別所得補償制度により、自給調整が縮まり、農家が安心して米づくりに取り組めるよう国の動向を注視するとともに、当市は、米の単作地帯であることから農家経済に大きな影響が出ないよう、農家が意欲を持って米づくりに取り組めるよう、全国市長会等の機関を通じて国に働きかけてまいりたいと思っております。
 私からは以上でございます。

◯副議長(稲垣 修君) 8番 村岡修一君。
  〔8番 村岡修一君 登壇〕

◯8番(村岡修一君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い市政一般について質問をいたします。
 最初に、里山再生整備事業についてお尋ねをいたします。
 富山県では、水と緑の森づくり事業として里山再生整備事業とみどりの森再生事業に取り組んできました。中でも山間地域を抱えている庄東地域では、里山再生整備事業は森林保全と地域環境の整備、保存に大きな役割を果たしています。この事業目的は、人家、耕地周辺等の里山林、孟宗竹林を含む、小規模な風雪被害林やカシノナガキクイムシの被害木の伐採跡地などで整備及び管理、または、利用について地域の合意形成が図られている森林を対象に、地域や生活に密着した事業の推進であります。
 事業推進4年目に入った中で、若干住民から問題も指摘されました。期待した事業ですからもう少し配慮があってもいいと思われるのですが、大変残念でなりません。それは、山林での作業内容にあります。樹木の枝や孟宗竹林を伐採し、集積したところに大量の害虫や蚊が発生し、問題になっております。もう少し気配りした作業ができないものか、伐採手法でもきめ細かな整理が施されていないため、地区住民から苦情も聞かれました。事業目的を生かし、自然の緑と森と環境を後世に引き継ぐためにも、今後の事業推進で、これらの諸課題を考慮しながら事業に着手していただきたいものです。
 そこで、お尋ねをします。
 これまでの事業推進での評価と反省について、また、今後の事業計画についてお聞かせください。
 次に、戸別所得補償制度についてお尋ねをいたします。
 昨年8月の政権交代で、日本の農業政策は大きく方向転換されました。これまでの方針は、農家に対し減反政策を堅持し、転作を奨励し、補助金制度で対応してきました。しかし、与党・民主党は、主食用の米については減反への参加を農家の判断に任せる選択制とし、販売価格と生産価格の差額を戸別に支払う、新しい戸別所得補償制度を導入いたしました。
 その内容は、一律、農家に対し10アール当たり1万5,000円を支給する内容となっています。目的は自給率向上のポイントとなる麦、大豆、米粉用米、食糧用米などについて助成体系のもとで生産拡大を促す対策と水田農業の経営安定を図るため、恒常的に赤字に陥っている米に対して補てんをするという制度であります。
 日本の農業問題へ新しく方向が示されたこの制度交付金は本年4月からスタートいたしますが、制度内容には課題や問題が積み残しとなったままです。こうした中で、昨年末から本年7月末まで制度加入申請への受け付けも始まり、全国で開始されたところであります。6月末現在の資料では、全国の戸別所得補償モデル対策の加入申請件数は経営形態別では、個人が130万6,000件で、そのうち法人が5,844件、集落営農では、農家戸数が22万535戸で、そのうち7,230件となっております。
 富山県では、加入申請件数が2万5,685件で、経営形態別では、個人は2万4,968件、法人では296件となっております。また、集落営農では、1万1,722戸のうち421戸であります。市内の加入申請者数は、砺波市水田農業推進協議会集約では1,800件となっているとの報告でありました。
 一方、事業別では加入申請件数が2万5,685件で、内訳は戸別所得補償モデル事業が2万4,722件、水田利活用自給力向上事業が1万6,200件となっています。また、面積別では、戸別所得補償モデル事業の主食用米が全国で約7万8,560ヘクタールのうち、富山県は3万7,337ヘクタールとなっています。
 また、水田利活用自給力向上事業では、大豆が全国で11万3,698ヘクタールで、そのうち富山県は4,844ヘクタール、麦が全国で15万6,757ヘクタールで、富山県は2,990ヘクタール、その他作物が全国では14万7,733ヘクタールのうち富山県は1,606ヘクタールとなっています。
 そこでお尋ねをいたします。
 市内の加入申請状況と面積について、また、未加入者に対する指導や個別ごとの支給額について詳しくお聞かせください。
 次に、砺波市立総合病院経営についてお尋ねをいたします。
 総合病院経営については、高齢化社会と医療ニーズへの要求度が年々厳しくなる中で、医療費の改定や医師不足、産婦人科の廃止問題等、病院経営を取り巻く環境は大変厳しくなってきています。こうした中で、総合病院経営は残念ながら昨年まで数億円の赤字経営が続き、その都度一般会計からの繰り出し金で今日まで経営を継続してきているところであります。このように、総合病院経営に限らず全国的に病院経営が困難な中、国では、ようやく診療報酬の改定や病院勤務医の負担軽減策が実施されました。総合病院でも独自の総合病院改革プランが作成され、この指針に基づき、経営改善に向け、病院職員一体で懸命に取り組んだ結果、平成21年度収支状況では、前年度8億6,000万円の赤字決算となりましたが、今年度の決算報告では黒字決算となり、収益的収入では約4億円弱の改善が図られたとのこと。具体的には、これまでの一般会計繰り出し金を収益的収支へ増額移行し、また、医療費改定による診療単価のアップが要因となったとのことであります。
 一方、収益的費用では、ジェネリック医薬品への切りかえや画像診断フィルムレス化、減価償却費や支払利息の減少、さらには、人事院勧告による人件費の削減などによる経費削減で約4億7,000万円の経費削減が図られた結果、今期収支は2004年以来、5年目にして約1,000万円の黒字決算となりました。
 これまで議会として毎年赤字続きの病院経営に対し、一時は民営化運営へ移行するなど、赤字体質から脱却を図るため大胆な経営方針を提起してきたところであります。しかしながら、総合病院は砺波医療圏での中核病院との位置づけから、経営改善を図るようたびたび行政当局に対し厳しい指摘をしてきたところでありますが、今回の経営改善に向け、献身的な努力で取り組んでいただいた病院スタッフに感謝すると同時に、引き続き中核病院として、市民の負託にこたえていただきたいと心から願うものであります。
 そこで、病院経営に全くの素人でありますが、率直な感じとして、単年度で数億円の赤字を一気に黒字化されたことには信じられないのが私の感想であります。なぜならば、先日開催した勉強会では、病院経営はベットの利活用で経営状況が決まると学びました。今回の黒字決算を礎に安堵することなく、一層気を引き締めて、さらなる経営努力に努めていただきたいと願うものであります。
 そこで、いま一度経営改善への具体的な内容について詳しく、どの項目がどのように改善され、効果が出たのか、何が問題であったのかなど、主要な点について答弁をいただきたいと思います。また、今回の黒字化を契機に、次年度以降、安定的な病院経営を継続するための中長期的な展望に立った総合病院の経営方針と経営戦略について病院長から答弁をいただきたいと思います。
 次に、新砺波市総合計画についてお尋ねをいたします。
 上田市長さんは、就任時に「庄川と散居に広がる健康フラワー都市」を目指した行政運営を柱に掲げられました。第1には「笑顔があふれる福祉のまちづくり」、第2には「「人」と「心」が育むまちづくり」、第3点には「庄川と散居に広がる快適なまちづくり」、第4には「魅力ある産業が発展するまちづくり」、第5には「市民と行政が協働するまちづくり」を行政運営の基本計画として、今日まで手腕を発揮されてこられました。その後、平成24年度から始まる総合計画後期基本計画について現在、当初計画と現状を点検し、市民にとってより身近な新砺波市総合計画にするための見直しが行われているとお聞きいたしました。確かに当初計画より現時点では人口問題や経済、社会環境が大きく変化してきている今日、より現実性に近づける上でも見直しは大変重要であると思います。
 そこで、当初計画と新総合計画案についての要点と課題についてお聞かせください。また、市民と行政が協働するまちづくりについて、行政運営に市民の声を反映したいとの思いで実施された市内21全地区対象のタウンミーティングでは、地区民から切実な要望にも「予算が大変厳しいので、何とか御理解を。」で終わっているのではないでしょうか。要望内容を慎重に精査して、大小にかかわらず、何か1つでも先が見える対応はできなかったでしょうか。数少ない要望事項に対する予算措置と事業計画について具体的にどのように反映されているのか、お聞かせください。また、今後の姉妹都市との友好関係をどのように継承されていかれるのか、お聞かせください。
 最後に、観光振興策についてお尋ねをいたします。
 来年は、4大花イベントであるとなみチューリップフェアが第60回の節目を迎えます。フェアに限らず、年間を通して観光客の増加対策が急務ではないでしょうか。幸い、東海北陸自動車道の全線開通以来、これまでの通過型観光から、庄川温泉郷を宿泊先とした観光交流人口の増大と通年、滞在型観光推進への強化が重要であります。
 具体的には、展望台の改修による散居村景観を観光資源として活用し、景観保全や夢の平スキー場からの眺望景観保全地域を検討するなど、取り組む課題は山積しているのではないでしょうか。
 このように、当市では、他市に負けない観光資源が豊富にあります。こうした中で現在、JAとなみ野が計画を進めている農産物直売所に対し、補正予算で建設補助金として1,000万円を計上されております。今後、建設に向けた具体的な設計協議については、砺波市としても積極的な提言をしていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、今年度新たに設置された観光戦略室を中心に、将来の観光都市・砺波に向け、真剣な議論に期待をしていきたいと思います。また、東海地方からの観光客増大を図るため、開設された名古屋事務所を積極的に活用した観光振興に取り組む姿勢は大いに歓迎するところであります。
 そこで、砺波市が目指す今後の観光戦略について現時点での進捗状況をお聞かせください。また、来年開催予定の第60回チューリップフェアについて、観光戦略室を中心に現在どのような企画、運営や公園周辺の隣接施設である美術館や四季彩館、文化会館との共催事業や、新たに管理運営されている花総合センター、エレガガーデンとの一体的な事業の開催などどのように検討されているのか、お聞かせください。
 なお、毎年開催しているとなみチューリップフェアを全国的にPRし、入場者数の増加を図っていくことが大変重要ではないでしょうか。幸い、昨年、フェア入場者数は30万5,000人でした。先日の報道では、今年は32万人を予定しているとのことでありますが、記念すべき60回は節目であり、市民一人一人に向けたきめ細かな工夫も大切ではないでしょうか。これまで、広報となみに入場券を印刷して市内全戸に配付されていますが、来年度は市内、県外と県外客からの入場者数を把握するために、入場券を識別するなど工夫をし、将来的に安定した観光振興を構築するため提案したいと思いますが、いかがでしようか。当局の考えをお聞かせください。
 以上で私の質問を終わります。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 村岡議員の御質問のうち、新砺波市総合計画についてに関する御質問にお答えをいたします。
 まず、総合計画の見直しに関する質問についてお答えいたしますが、御承知のとおり、総合計画の計画期間は、平成19年度から平成28年度までの10年間を基本構想期間とし、これを前後5カ年に分けて基本計画を策定するものであり、本年度見直しに着手した後期5カ年計画は、平成24年度を初年とする後期計画であります。現在、市民45名と市職員24名で構成するまちづくり研究会のワーキング作業により、市政に関する研究と施策の提言を行っており、今後、年度内をめどにまちづくりに関する提言の取りまとめを行う予定であります。
 計画の見直しに際しましては、現計画の5つの基本方針の構成を尊重しながら、当初策定後の経年によるさまざまな環境変化を考慮し、平成28年度までの5カ年間を見通す計画とするものであります。
 具体的な見直しの視点として想定しているものは、1つは、近年の経済不況や予想を上回る人口減少傾向の振興、新政権による施策の変更に代表される政治社会、経済情勢への変化への対応、地方分権の進展や一括交付金制度の導入などに代表されます地方行財政における環境変化への対応、公共サービスの提供や施策の展開に際し、今後とも、その関係を深めていくべき市民との協働関係に関する課題の整理などであります。
 また、今年度から新たな施策として取り組んでおります散居景観保全対策や観光振興戦略につきましても、その概要を取りまとめて反映するとともに、現在の市の総合計画が策定された後に閣議決定された国の国土形成計画や今年度から見直し作業に入っている富山県の元気とやま創造計画を初めとする上位計画、さらには、市の個別分野ごとに定める各種の実施計画との整合も図っていくこととしております。
 次に、タウンミーティングについて、市民の皆様方からいただいた要望の対応については、先ほど嶋村議員の一般質問の中で実現がかなった項目についてお答えしましたので、個々の例示は省略させていただきますが、総合計画における位置づけがなくとも、緊急に対応すべきもの、あるいは対応が可能なものについては、実施計画のローリングを経て随時実施してきているものであります。しかし、新たな施設や幹線道路の整備、教育施設の耐震改修、幼稚園・保育所の一体運営などの要望について検討する際は、その緊急度や優先度、地区の均衡性の考慮、市域と隣接市との関係、そして、国の施策方針などを十分に踏まえることが必要であります。
 このような要望に関しましては、可能な限りその実現に努めてまいりたいと考えているところでありますが、いずれにいたしましても、総合計画後期基本計画の策定の作業において、その財源措置も含めて十分に検討し、長期的な財政見通しも考慮して計画する必要があるものと考えておりますので御理解を賜りたいと、このように思います。
 次に、姉妹都市との関係についてお答えをいたします。
 砺波市と姉妹・友好都市の盟約を締結しておりますのは、御存じのとおり、トルコ・ヤロバ市、中国・盤錦市、オランダ・リッセ市、そして、北海道のむかわ町であります。まず、国際交流につきましては、3カ国それぞれの市とこれまで交流を行ってきており、最近では私が、昨年10月に盤錦市を、今年の4月にオランダ・リッセ市を訪問し、また、8月には、市内の中学生8名と引率者2名をリッセ市へ使節団として派遣いたしました。また、友好交流協会を中心に民間レベルでの交流活動も従来から活発に行われており、最近では、各協会の皆さんが昨年10月には盤錦市を、今年4月にはリッセ市を、同じく7月にはヤロバ市を友好訪問し、現地で市民の方と交流を深めてこられました。次に、国内交流では、北海道むかわ町と庄川ゆずまつりやししゃもあれとぴあinむかわの開催時に相互に出店するなど、住民レベルの交流へ広がりを見せているところであります。
 最初にヤロバ市と姉妹都市締結を行ってから22年が経過し、また、他の市とも20年近くの交流を重ねてきており、民間レベルでの交流の活発化も相まって、一定の友好関係が築かれているものと考えております。これまでの交流の歴史は市民の大きな財産であることやこのような活動を推進することは、国際親善の意識を啓発し、国際感覚を養う上で重要なものであると考えておりますことから、今後とも民間団体と連携を図って、交流を継続していきたいと考えております。
 なお、記念すべき来年の第60回のチューリップフェアのオープニングには、これらの姉妹・友好都市から御出席いただくよう招待いたしており、これを契機に、さらに交流を深めてまいる予定であります。
 私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては病院長、商工農林部長及び病院事務局長からお答えをいたします。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 病院長 杉本立甫君。
  〔病院長 杉本立甫君 登壇〕

◯病院長(杉本立甫君) 私からは、村岡議員御質問の項目3、市立砺波総合病院経営についてのうち、中長期的な展望に立った経営方針と経営戦略についてお答えします。
 病院経営の健全化を目指し、昨年3月に、計画期間を平成21年度から平成25年度までの5年間とする病院改革プランを策定したところですが、当院では、この改革プランを中期経営計画と位置づけているところです。
 当院の経営方針としましては、改革プランにおいて、公立病院として今後果たすべき役割に明記しているところですが、地域に開かれ、地域住民に親しまれ、信頼される病院を基本理念に、砺波医療圏の中核病院として安心・安全、良質な医療の提供及び健全経営を目指し、安定かつ継続的な経営改革への取り組み、この2点を重点目標に、時代の要請や市民のニーズに合った安全で質の高い病院を目指すとしています。
 次に、具体的な経営戦略としては、改革プランの3つの柱である経営効率化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しの各計画に基づき、目標達成に向けた取り組みと実施時期を定めているところです。当面の目的としましては、公設公営を堅持しつつ、平成23年度を目標年度とする経営効率化による計画を最優先課題とし、目標達成に向けた取り組みに挙げました、開かれた病院づくり、医療の質の向上、医療連携、情報化の推進と教育・研修の充実、収益の確保や費用の節減、人材確保と適正配置などの各施策に基づきながら、各科行動計画の検証や得意とする診療の積極的なPRを行うなど、患者数確保による収益の安定と経費の節減により経常収支の黒字化を図りつつ、急性期医療や高度先進医療の充実等、砺波市の基幹病院として、また、砺波医療圏の中核病院としての役割を果たしていかなければならないと考えています。
 また、患者の高齢化に伴い、急性期病院での治療後、亜急性期、回復期での医療ケアを必要とする患者が増加傾向にありますが、その役割を担う病院がない、あるいは不足することから、当院が目指す方向として、当院の一部に亜急性期病院の機能を持つことや地域連携パスによる医療提供並びに医療圏内での情報共有化など、機能連携を推進することにより、限りある医療資源を有効に活用し、地域完結型医療体制の構築を図っていきたいと考えています。
 私からは以上でございます。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 小幡和日出君。
  〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕

◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、まず、里山再生整備事業についてお答えをいたします。
 この里山再生整備事業は、平成19年4月に導入されました県税である水と緑の森づくり税を財源といたしまして、地域や生活に密着した里山の再生整備を県民協働で推進することを目的として始まった事業であります。
 市内でも平成19年度から17地区で取り組みが行われており、本年度においても新規3地区を含む15地区で事業が実施されております。事業の内容につきましては、事業期間が3年間となっておりまして、1年目は市が事業主体となり、森林組合に委託し、事業実施区域の確定測量や地元との打ち合わせ、広葉樹や竹林の伐採など基本整備を行い、2年目、3年目は地元が事業主体となり、1年目の基本整備を実施した地域に対し、県民参加の森づくり交付金を交付して、地域住民の手によって竹林等の伐採整備を行うものであります。
 なお、事業に取り組まれた地区からは、里山がきれいになった。地域住民の里山に対する関心が深まったなど、一定の評価もいただいているところであります。
 さて、議員御指摘の件につきましては、1年目の竹林等の伐採木の処理も原因の一つと考えられますが、現在の制度上、伐採した竹等の搬出についての費用が認められていないため、そのような意見が出たものと考えております。今後は県や委託しております富山県西部森林組合と協議して、改善策について検討してまいりたいと考えております。
 なお、事業の今後の計画につきましては、この税制自体が5年間の期限つきの制度となっており、今年度は制度が始まって4年目となり、県において、この税制度の効果や今後の取り組み等についてのアンケート調査が県下全域を対象に実施されております。その中で指摘された事項、課題等については改善策も含め、事業を推進するという方向で要望していきたいというふうに考えております。
 次に、戸別所得補償制度について申し上げます。
 戸別所得補償制度の加入申請事務につきましては、生産数量目標の配分や作付面積の取りまとめを行う砺波市水田農業推進協議会において、農業者の申請事務手続の軽減を図るため、確認程度で済むように書類を作成し、さらにはJAの営農指導員がその手続内容を各生産組合長へ指導するなど、関係機関が連携した結果、6月末の締め切りまで、市内では1,840件の加入申請がありました。内訳としては、個人経営体が1,779件、法人経営体が34件、協業組織が27件であります。米のモデル事業では3,237ヘクタール、自給力向上事業のうち、大麦が380ヘクタール、大豆が759ヘクタール、飼料作物や加工米等の戦略作物が120ヘクタール、チューリップやタマネギ等のその他の作物は102ヘクタール、さらに、戦略作物による二毛作は157ヘクタールでありました。
 交付金の対象面積は合計で4,597ヘクタールで、二毛作分を控除いたしますと、水田面積のおよそ92%が交付金の対象となっております。また、未加入者に対する加入申請につきましては、地区水田協の役員を初め、砺波市水田農業推進協議会事務局と市の農業振興課、となみ野農業協同組合の営農指導員が協力して未加入者宅を訪問し、制度内容の説明や疑問点の解消を行う加入指導に当たりました。その結果、未加入者は17件となったものであります。なお、当市における戸別所得補償モデル対策に加入された交付金支給総額は、米戸別所得モデル事業交付金では約4億6,000万円、水田利活用自給力向上事業交付金では約4億3,000万円を見込んでいるところであります。
 次に、砺波市の観光施策についてお答えをいたします。
 砺波市を取り巻く観光情勢は、東海北陸自動車道の開通や北陸新幹線の開業が迫るなど、大きく変わろうとしており、新たな対応が求められています。砺波市が目指す観光戦略の基本的な考えとしては、当市には、日本の農村の原風景とも言われている散居村のほか、チューリップや庄川、また、歴史や文化など、国内外に誇れる観光資源を有しており、これらを有効に活用し、積極的に外に向けて情報発信することが大切なことであると考えております。
 地域の皆様でこれらの資源を磨いていただき、それらを有効に結びつけ、魅力ある観光商品を地域から発信する着地型観光や市民交流を推進することにより、通年型、滞在型観光の振興に結びつけてまいりたいと考えております。このようなことから交流・滞在人口が拡大すれば、関連産業の振興や地場産産業の活性化のほか、郷土愛の醸成やコミュニティーの維持等、経済的効果や社会的効果が期待され、暮らしたい、訪れたいまちづくりにつながるものと考えております。
 観光戦略の進捗状況につきましては、現在、各種団体の代表者や大学教授などで構成する観光戦略会議の中で新たな観光戦略プランを策定しているところであり、年内には中間報告をいただきますので、これらをもとに具体的な観光戦略を作成してまいりたいと考えております。
 次に、JAとなみ野が計画を進めております農産物直売所については、砺波市の顔とも言うべきチューリップ公園の玄関口に位置するスタンド跡地に、道の駅の機能拡充を見込める施設として、安心・安全な地場産農産物を提供する直売所や地元特産物も提供できるレストランが建設されるものであります。このことにより、新鮮な野菜を買い求める市民の皆様はもとより、道の駅を訪れるお客様に砺波市の観光特産品のPR等に大いに貢献でき、にぎわいの創出につながる新たな施設であるというふうに思っております。民間主導で行われる取り組みではありますが、構想に当たりましては、市といたしましても積極的に提案、助言をいたしておるところであります。
 次に、チューリップフェアの戦略については、市民参加型のチューリップフェアを構築するとともに、イベントとチューリップ産業の振興を一体として推進し、砺波のチューリップブランドを確固たるものにしてまいりたいと考えております。
 そこで、第60回チューリップフェアにつきましては、チューリップフェア検討委員会の提言をもとに基本計画を定めております。この基本計画では、未来へ夢と希望を乗せて発展につなげるように、テーマは「チューリップでつなぐ未来への架け橋」と掲げています。会期につきましては、来年の4月22日から5月5日までの14日間とし、会場内にはオランダ公園のイメージをした花壇や大花壇、フラワーヒルなど、花の魅力をより演出する計画を盛り込み、目標入場者数を32万人に設定しております。
 また、今回はより多くの市民に御参加いただきたいと考えており、具体的には、各地域の花と緑の銀行活動を通してプランターづくりに御参加いただくことや催事などにも参加を呼びかけるなど、市民と協働のイベントづくりを進めてまいりたいと考えております。
 本年から管理運営をいたしております花総合センターにつきましては、チューリップ公園とは趣の異なったモデル花壇や立体花壇なども用いて、チューリップやスイセン、春の草花などで会場を演出したいと考えております。また、花総合センターとチューリップ公園とを結ぶフラワーロードにつきましては、市内の小学生によって植え込まれた各種チューリップ花壇がありますので、八重桜やハナミズキなどともに百花繚乱の花を楽しんでいただけるものと存じております。このほか、花総合センター近くでは、農家の大規模なチューリップ圃場を見せていただくなど、花の広がりを演出し、花のまち砺波をPRしてまいりたいと考えております。
 チューリップフェア時における美術館の企画としては、花の絵画の大作を集めた特別展・花と鳥を企画しており、他の隣接施設につきましては、60回のイベントにふさわしい企画を策定中であります。
 入場券を識別し、観光振興に役立てるという提案につきましては、現在、約3,000名のアンケート調査により入場者の動向を把握しておりますので、その内容をより充実させることで対応することとし、詳しく分析した結果を今後の観光戦略に生かしてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯副議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 病院事務局長 五嶋親秀君。
  〔病院事務局長 五嶋親秀君 登壇〕

◯病院事務局長(五嶋親秀君) 私からは、3の市立砺波総合病院経営についてのうち、経営改善の現状と具体的な改善策についてお答えいたします。
 初めに、病院改革プランのスタートの年であります平成21年度の経営状況につきましては、議案説明会で平成21年度病院事業決算について御説明いたしましたとおり、平成16年度以来、5年ぶりの黒字決算になったところであります。
 収益の面では、前年度と比較いたしまして入院患者数は減少したものの、外来患者数が増加したことやDPC・診断群分類包括評価適用病院への移行により、入院、外来とも診療単価がアップし、入院、外来収益合計では前年度を若干上回った収入を確保できたことや改革プランに基づき、不採算部門への一般会計からの繰り出し支援を資本的収支から収益的収支のほうへ増額移行したことから、収益全体では、前年度比約4億円弱の増収となりました。
 また、費用について項目ごとに申し上げますと、注射薬の一部について安価なジェネリック医薬品への切りかえや画像診断のフィルムレス化などにより、材料費で前年度に比べ1億9,000万円弱の減になったほか、燃料費や光熱水費などの節減により、経費で約3,300万円、減価償却費で約1億1,600万円、高金利の起債の借りかえなどにより、企業債利息で約3,700万円、さらには人事院勧告に基づく期末・勤勉手当などの削減により、給与費で8,000万円など、病院職員一体となって経費の節減に取り組んだ結果、費用全体では約4億7,000万円余りの改善が図られました。
 平成21年度の実績を踏まえた課題といたしましては、特に収益面では、入院患者数の減少の一因として、昨年4月からDPC導入に伴い、在院日数の短縮の影響が大きく考えられることから、患者の意向も十分に聞き入れながら、可能な範囲で在院日数を延ばすなどの調整を行い、入院患者の確保に努めているところであります。幸い、本年1月ごろから、入院患者数は回復傾向にあり、記録的な猛暑の影響もあってか、夏場に入ってからも病床利用率は上昇し、病院改革プラン計画の87%に迫る状況が続いており、本年度に入っての入院患者数の増加は、他の県内の公立病院においても同様の傾向にあると聞いておるところであります。
 こうした状況におきまして、病院改革プラン2年目に当たる平成22年度の第1四半期の経営状況につきましては、入院、外来患者数とも増加傾向にあることや診療報酬の10年ぶりのプラス改定の影響もあって、収益から費用を差し引いた経常収支では、病院改革プランの収支計画が約4,000万円の赤字を予定していましたが、約1億3,000万円弱の黒字というところで、現在のところはほぼ順調に推移しているところであります。
 私からは以上であります。

◯副議長(稲垣 修君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
 次回は、明9月15日午前10時から開会いたします。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 大変御苦労さまでございました。

 午後 4時06分 閉議