平成20年3月 本会議 定例会(第2号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

◯議長(林 忠男君) ただいまの出席議員は22名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
 これより日程に入ります。

                  日程第1
        議案第36号から議案第39号まで(提案理由説明)

◯議長(林 忠男君) 日程第1 議案第36号から議案第39号まで、平成19年度砺波市一般会計補正予算(第5号)外3件についてを議題といたします。
 提案理由の説明を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) おはようございます。追加提案理由を申し上げます。
 ただいま追加して提案いたしました議案について御説明を申し上げます。
 議案第36号から議案第38号までは、一般会計及び特別会計の補正を行うものであります。
 まず一般会計歳出予算の増額補正の主なものといたしましては、
 障害福祉サービス費        1,304万9,000円
 保育実施委託運営費          507万5,000円
 国民健康保険事業会計費           1,400万円
 農業経営等構造対策費       2,406万5,000円
などであり、精査の上計上したものであります。
 これらの財源の主なものといたしましては、
 県支出金             2,424万7,000円
 諸収入                   2,662万円
などを充てるものであります。
 また、保留しておりました繰越金を全額充当し、
 繰入金を           4億3,530万2,000円
減額するものであります。
 このほか、繰越明許費につきましては、やむを得ず翌年度に繰り越すものであります。
 次に、国民健康保険事業特別会計につきましては、国民健康保険の電算システムの改修費並びに一般及び退職療養給付費等について増減が見込まれるため補正するものであります。
 次に、下水道事業特別会計につきましては、下水道受益者負担金、分担金の納付前の納付金額が大幅な増となったため、財政調整基金を積み立てするとともに、前納報奨金の不足分を増額補正するものであり、あわせて公共下水道事業と特定環境保全公共下水道事業の事業費を調整するものであります。
 次に、議案第39号 工事請負契約の締結につきましては、庄川中学校の耐震補強・改修事業に係る工事請負契約を締結するため、法令の定めるところにより議会の議決を求めるものであります。
 以上をもちまして、本日提出いたしました議案の説明といたします。何とぞ慎重に御審議の上、可決賜りますようお願いを申し上げます。

◯議長(林 忠男君) この際、暫時休憩いたします。

 午前 10時05分 休憩

 午前 10時51分 再開

◯議長(林 忠男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

                  日程第2
     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)

◯議長(林 忠男君) 日程第2 市政一般に対する質問、並びに議案第1号から議案第39号まで、平成20年度砺波市一般会計予算外38件について、及び報告第1号から報告2号まで、専決処分の報告について外1件についてを議題といたします。
 これより、市政全般に対する代表質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 22番 池田守正君。
  〔22番 池田守正君 登壇〕

◯22番(池田守正君) お許しを得ましたので、私は平成自民会を代表いたしまして、今定例会に提出されております新年度予算案などを中心に、市民生活に深くかかわりを持っている政治課題についてお尋ねをいたします。
 安念市長には、平成の大合併後の新砺波市の初代市長として1期目の最終年度を迎えられ、感慨無量のことと思います。この間、合併の最大の課題とも言えます旧市町の一体感の醸成のために、いち早く愛と融和の精神をうたい上げられ、合併協議を尊重の上、福祉・教育重視の安心・安全なまちづくりに心血を注いでこられました。
 そして、一方では、地域の経済活性化や将来のまちづくりを展望するための社会資本の整備として、区画整理事業や下水道整備事業、そしてまた合併関連の道路整備など、生活関連型の公共事業にも積極的に取り組まれ、同時に、極めて困難な社会情勢の中にありながら、企業誘致にも具体の成果を上げてこられました。民間の経済評論誌でも、全国住みよさランキング第2位という極めて高い評価がなされ、市民の満足度も大変に高いものと推察をいたしておりますし、我々平成自民会といたしましても高く評価をしているところであります。
 そして、また私どもが昨年末に提案をし、特に新年度において実現すべきものと熱い思いを込めて要望もいたしました児童の医療費無料化の拡大や後期高齢者医療制度の導入に係る健康診査受診料の公費負担、そして砺波消防署庄東出張所の早期建設の3項目について、重点的に予算配分がなされたことに対しましても高く評価をいたしているところであります。しかしながら、制度が激変し、予定が目まぐるしく変わる政治情勢の中にありますので、的確な見極めをしながら市民が幸せに暮らせますようにしっかりとしたかじ取りをなされますよう願っている次第であります。
 それでは、以下通告に従いまして順次質問をさせていただきます。
 まず、平成20年度当初予算の編成方針についてお尋ねをいたします。
 国の予算案は、若者があしたに希望を持ち、お年寄りが安心できる希望と安心の国の実現のため、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、一般歳出を厳しく抑制するとともに、新規国債発行額についても極力抑制し、公共事業関係費を3%削減することなど、行政のスリム化、効率化を一層徹底する方針により編成されたところであります。その結果、一般会計の規模は83兆613億円、前年度比1,525億円、0.2%増、一般歳出は47兆2,845億円、前年度比3,061億円、0.7%増であります。
 また、地方財政対策についても、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入の伸びが鈍化する中で、社会保障関係経費の自然増や公債費が高い水準で推移することなどにより、依然として大幅な財源不足が生ずるものと見込まれ、その対策として、特別加算や償還の繰り延べなどの措置により地方交付税総額を確保するとともに、臨時財政対策債の発行などが講じられているところであります。その結果、地方財政の規模は83兆3,900億円、前年度比2,600億円増で、一般歳出は65兆7,500億円、前年度比100億円増であり、国と同様にわずかに増加しております。
 これらのことを受けて、平成20年度の砺波市一般会計予算は195億2,000万円、前年度比マイナス4億9,000万円、2.4%減で、これに特別会計、企業会計を合わせた砺波市予算総額は432億1,610万円、前年度比26億8,900万円、5.9%減となっており、前年度より減額予算となったことは、合併直後に集中した合併特例債を活用した大型事業が一段落したことにより予算規模が縮小したものと認識しておりますが、一方では、市債残高や実質公債費比率が増嵩している中で、健全財政運営に配意した形での予算編成であろうかと推察するところであります。
 財政運営に関しましては、新たに地方財政健全化法の施行による財政判断指標の公表と新地方公会計制度の導入が求められてきており、これらは両輪となってさらに厳しく財政運営上の自治責任が求められてきているものであります。年々複雑多様化する住民ニーズにこたえながら、相反するような健全財政堅持のための厳しい財政運営を担われるわけですが、これらのことを含めて予算編成の基本的な考え方と健全な行財政運営にどのように意を配されたのか、御所見をお伺いいたします。
 次に、福祉行政の推進についてお尋ねをいたします。
 昨年の6月議会で説明のあった砺波市健康プラン21の見直しの中で、健康寿命の延伸と自殺予防対策の推進が上げられており、特に今回の見直しでは、事業所の事業主、従業員の健康管理の実態をアンケート調査されるとのことでありましたが、既に調査は終了しているのでしょうか。だとすれば、その結果はどうであったのか、そしてまた今後どのような健康づくりを推進されようと考えておられるのか、お聞かせ願います。
 あわせまして、母子保健の推進についてお伺いいたします。
 時々午後10時を過ぎても、市内のコンビニやビデオショップなどで乳幼児を抱えて買い物をしている家族の姿を見かけます。また、中には、夜中に帰った父親と入浴をして夕食を食べ、遊んでから寝るという家族もあるとお聞きしました。このような不規則な生活をしている家庭状況の中で、生活のリズムの乱れが大変心配になるところであります。生活リズムの乱れは、キレる子どもをつくると言い切る専門家もいるほどであります。
 このような状況の中、乳幼児の生活リズムの乱れや育児力の低下がさまざまなトラブルを生んでいることを踏まえ、関係者が共通した問題意識を持って乳幼児保育に取り組む必要があると考えますが、いかがお考えでしょうか。今回作成された砺波市の乳幼児保育指針でも、基本的な生活を支援し育てることを目指しており、乳幼児の支援にかかわる人たちはそれぞれの役割に応じて連携を深め、対応されることが必要と考えますが、具体策があればお聞かせください。
 次に、今年4月からスタートする後期高齢者医療制度につきましては、昨年の12月議会の代表質問で江森議員が質問されましたが、冒頭にも申し上げましたが、その際に健康診査受診料の公費負担を市長はいち早く講じる姿勢を見せられ、県内他市も追随しておりますことは大いに評価すべきことと思っているところであります。そこで、今回、私はあと1カ月を切ったこの制度の運用についてお尋ねしたいと思います。
 まず、後期高齢者医療制度が創設された大きな目的は、高齢者医療費の増大に歯どめをかけたいという国の大きな医療政策が背景にあるとは聞いておりますが、果たして現役を退き、年齢を重ねるとともに医療が必要となってくる高齢者にとって有益な制度と言えるのでしょうか。特に新たに後期高齢者医療保険料の負担が生じる問題がありますが、最近の報道によりますと、今まで健康保健や共済組合の被保険者の被扶養者であった方々については激変緩和措置がなされたと聞いておりますが、その内容についてお聞かせください。
 また、保険料の支払いの多くが年金から自動的に支払われると聞いておりますが、該当者はどれぐらいの割合になるのか、また、その他の方々の支払い方法はどのようになるのでしょうか。さらに、後期高齢者にとって受けられる医療の内容が制限されることはないのか、年齢とともに罹患率が高まり、入院や治療が長引く傾向があると考えますが、十分な医療の確保はされるのでしょうか。
 また、今まで老人保健事業として受けてきた基本健康診査等のサービスが、特定健診、特定保健指導に変わることで受けられないことにならないのか。国がかかりつけ医を持ち、病気の早期発見、早期治療を促し、生活習慣病の予防を強く掲げているこの制度を早期に円滑に推進していく必要があると考えますが、当市ではどのような方向で取り組もうとしておられるのか、お聞かせ願います。
 次に、産業の振興についてお尋ねをいたします。
 市の活性化を図る1つに、工業を初めとする産業が元気であり、しかも工業出荷額が多いことが活力ある砺波市を印象づける大きな要素であります。このたびの松下電器産業株式会社半導体社砺波工場新棟建設は砺波市の大きな話題であり、大いに歓迎をするところであります。同社は、平成6年に第1期工場を操業開始以来、漸次工場を拡張されてこられましたが、しかしながら、工場敷地が半分以上あいており、敷地全面に工場が建設されるのを心待ちにしておりました一人でもあります。今回の誘致に対しての努力をされました市長を初め関係各位に心から感謝を申し上げたいと存じます。
 そこで、お尋ねいたします。この機会に今回の誘致に至った経緯についてお示しを願いたいと思います。また、砺波工場の敷地は今回の新棟建設ですべて埋まってしまうのか。そうでないとすれば、引き続き今後の働きかけもお願いしたいと思います。なおまた、半導体の製造に関しましては、水が重要な要素でありますし、過去には地下水の問題で下流部からの問題提起もあったと聞いておりますが、今般はその対応についてどのように考えておられるのかもお聞かせ願います。
 そして、また今回の投資総額は940億円と言われておりますが、これが当市に及ぼす経済波及効果は相当なものと思います。例えますと、平成17年の魚津市における同社の新工場建設についての経済波及効果として、1,300億円の投資額に対しまして経済波及効果は559億円であったと報道されておりましたが、今回砺波市にどの程度の波及効果を見込んでおられるのか、お尋ねをいたします。また、今回、企業立地促進条例が提案されておりますが、同社の新棟建設に際しても適用されると思いますが、企業にとってのメリットについてもお示し願います。
 次に、税収面から今回の新棟建設により固定資産税等の増収が図られますが、反面、富山県が新たに設置しました要綱により砺波市も相当額の負担をしなければならないと思いますが、どの程度の税収が見込まれ、どれくらいの負担が新たに増えるのか、この点についてもあわせてお答えを願いたいと思います。
 次に、中小企業に対する支援策についてお聞きいたします。
 我が国経済の状況は、原油高、サブプライムローンの焦げつき問題、あるいはまた地球温暖化に伴う二酸化炭素の排出規制、中国製冷凍食品の薬物混入など、経済活動を取り巻く環境が劇的に変化をいたしておりますが、とりわけ中小企業を取り巻く状況は厳しさを増しております。
 これらの課題は大変大きな問題であり、グローバルな視点で世界各国が国家施策として取り組むべきではありましょうが、当市としましては、新年度における中小企業の支援についてどのような手法を講じられるのか、お聞かせ願いたいと思います。資金需要に対する小口事業資金等の各種貸付金制度など、少しでも利用者にとって有益な方策をお考えいただきたいと思います。
 次に、教育行政の拡充についてお尋ねをいたします。
 国においては、教育基本法の改正を初めとして、学校教育法など関係法令の改正が行われ、教育の理念や体制の見直しが行われようとしております。さらには、学習指導要領の改訂により、10年来進められてきたゆとり教育の見直しが行われ、授業時数の増と学習内容の拡充が行われようとしております。学力に関しましては、昨年度全国統一学力テストが約40年ぶりに実施され、新聞報道等によれば、富山県は全国でも最上位のクラスにランクされ、その中でも砺波市は良好な結果であったと聞いており、このテストの結果によって教育力を比較することはすべきではないとは思いますが、一定の評価はできるのではないかと思います。
 また、児童の生活面では、庄東小学校区を対象とする放課後児童クラブが開設され、市内全域で放課後の保育が困難な保護者の負担を軽減する体制が整備され、さらには、公民館を中心とした地域の皆さんの手で児童教室が開催されるなど、子どもの教育を学校だけに任せるのではなく、家庭、学校、地域が一体となって子育てが進められていることに敬意を表するものであります。
 また、平成19年度において、乳幼児の保育と教育の一元化を行うため、教育委員会にこども課が新設され、保育所と幼稚園が一体となって幼児教育の充実と子育て支援に努められていることは大変先進的な取り組みであり、高く評価するものであります。今後さらに一体化の効果が上がるように、体制の整備や職員の資質向上に努めていただきたいと思います。
 また、国道359号の整備に伴う埋蔵文化財の調査の結果、久泉遺跡や頼成徳万遺跡などで貴重な遺構や遺物が確認され、多くの市民が説明会に訪れ、当地方のいにしえの姿に思いをはせ、歴史や文化に対する関心が高まってきていると思います。
 以上何点か現状について述べましたように、教育行政の果たす役割が従前にも増して大きくなっており、取り組む課題も大変多いわけですが、市長はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
 次に、学校施設の整備についてお伺いいたします。
 5カ年にわたった東部小学校の増改築事業が無事完成したことは、我が会派といたしましてもまことに御同慶にたえない次第であり、今定例会に契約締結の議案が提案されております庄川中学校の耐震大規模改修工事につきましても着実な事業執行を要望するものであります。また、平成20年度予算では、般若中学校の耐震化及び大規模改修の設計業務、北部小学校の耐震診断に着手することになっておりますが、学校施設は子どもたちの安全を守るだけでなく、有事の際には地域の避難所となる施設であることから、市民の安全・安心の拠点として、施設設備に対する市長の基本的な考え方をお伺いいたします。
 次に、子育て支援の拡充についてお尋ねいたします。
 少子化が大きな社会問題となり、子育ては親だけでなく、地域の子どもとして皆で見守っていくという機運が生まれつつありますが、当市においては、県下でもいち早く幼児の医療費の無料化に取り組まれ、一方で、小児の夜間休日の救急診療体制が整備されており、全国的には、小児科医の不足で診療科の設置がままならないという状況に比べて大変恵まれた環境にあると思います。さらには、平成20年度では、小学校3年生までの入院医療費を無料とする予算が提案されておりますが、その考え方をお聞かせください。
 また、全国的な傾向として、ゆとり教育が学力の二極化をもたらしていること、学習意欲や粘り強く課題に取り組む力が弱いことから、読解力や記述力が低下していること、人間関係の形成が不得手であることが問題となっております。当市においても、人間関係の悩みから不登校となっている子どもや情緒不安から落ちついて授業を受けられない子どもが増加していると聞いておりますが、教育の基本理念は生きる力を育むことであり、市長が提案理由で述べられているとおり、豊かな心、確かな学力、健やかな体の調和のとれた育成はどの時代にあっても誤りのない基本方針であると思います。今定例会に提出された新年度予算案には、これらの課題を少しでも改善しようと、学校図書館の充実を図るため、図書館司書配置の拡充などの取り組みが盛り込まれておりますが、教育施策のねらい等についてお伺いをいたします。
 最後になりますが、東海北陸自動車道の全線開通に伴う対応についてお尋ねをいたします。
 待望久しかった東海北陸自動車道の全線開通が7月に実現の予定と聞いております。当初はこの3月に開通するとされており、チューリップフェアに間に合うものと期待をしておりましたが、飛騨トンネルの難工事のため遅れたとのことであります。大変残念に思いますが、この機会に現状の取り組み状況や今後の対策についてお示しをいただきたいと思います。
 一番の懸念は、全線開通いたしましても通過交通量が増えるだけで、効果の恩恵が生じないことであります。当市を初め砺波地域や呉西地区全体に向けて高速道路からおりていただける仕掛け、すなわち地域の魅力を発信しなければなりません。これまでも富山県観光連盟、あるいはまた呉西地区、砺波地区、そして飛越能地区などとの連携をとりながら滞在型観光を目指して取り組んでおられますが、このたびの全線開通を記念しての新たな取り組みについてお尋ねいたします。また、当市独自の試みとして、中京方面への対応はどのように考えておられるのかについてもお尋ねいたします。
 これまで私ども平成自民会といたしましても、砺波市と災害防災協定を締結している安城市と意識的に友好を深めてきたところであります。また、商工会議所も積極的に活動しておられると聞いております。このような状況の中で、市当局として安城市を初めとする交流等についてどのようにお考えなのか、あわせてお聞かせ願いたいと思います。
 以上で私の質問は終わりますが、安念市長には砺波市民に希望の持てる温かい御答弁を御期待申し上げまして、私からの代表質問を終わります。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 池田議員の代表質問にお答えをいたします。
 まず冒頭に、私に対して評価を賜り、まことに恐縮いたしております。政治課題もあり、感慨無量に浸っておるわけにはまいりませんが、5万市民の幸せのためにこれからも期待にこたえるべく努力をしてまいりたいと思っております。なお、平成自民会からの要望のあった事項等については、十分な対応はできなかったんですけれども、特別の評価をいただいて感謝を申し上げたいと存じております。
 それでは、質問の第1点目の平成20年度当初予算の編成方針についてお答えをいたします。
 合併から4年目となりました。おかげさまで、合併協議によりまして議論いたしました新市建設計画に基づきまして、各事業を順調に、着実に実施したと思っておるところでございます。
 さて、20年度予算につきましては、新市建設計画をベースにいたしまして砺波市総合計画を基本として編成したものでございます。引き続き砺波市の均衡のとれた発展のために、合併関連事業は確実に盛り込んでまいりたいと思います。特に福祉、健康、教育の面については重点を置きたいと思っておるところでございます。特にまた高齢者、障害者への福祉、健康施策、医療費助成の拡大など、子育て支援、健康診査の徹底など、市民の健康管理、児童生徒の学習の支援、環境整備、そういった面にも意を配したところでございます。
 なお、関連して行財政運営について申し上げますと、市税収入につきましては堅調に推移をいたしており、大変ありがたいと思っております。一方、地方交付税は地方再生対策費が盛り込まれたものの、復元措置が不十分なことから減少しつつあります。したがいまして、財政環境は依然として厳しい状況にあることを御理解いただきたいと思います。そのため、行政管理経費につきましては総点検をいたしまして、一層縮減を図るとともに、職員数につきまして定員適正化計画を上回る削減をしたわけでございます。
 また、将来の財政負担の軽減を図るため、特別会計を含め高利率の市債を繰り上げ償還するとともに、建設事業につきましては大型事業が終了したことから、一たん抑制しようとして市債の発行等については極力抑えさせていただきます。このことから、新年度予算はやや緊縮型になったのではないかと思っております。なお、財政健全化法の施行によりまして、19年度決算分から新たな財政指標の公表が義務づけられました。今後とも住民サービスを保ちながら、財政運営に十分留意し、健全財政を堅持してまいりたいと思っておるところでございます。20年度予算の編成についての所見といたします。
 次に、一般福祉行政等々についてのお尋ねでございますが、私からは後期高齢者医療制度が本当に高齢者にとって有益になっておるのかと、その質問に対して私の見解を申し上げたいと思います。
 平成18年6月に医療制度改革法が成立、その1つとして本年4月から後期高齢者医療制度がスタートいたしますが、私の個人的な意見でありますけれども、改悪と言わざるを得ないと、このように思っておるところでございます。
 医療制度の歴史を振り返ってみますと、老人医療費の無料化時代もあったんです。また、本人負担が9割給付、1割負担になりますけれども、そのように医療制度は目まぐるしく実は変わってまいりました。しかしながら、右肩上がりの医療費に加え少子高齢化など、医療費を取り巻く環境は大変厳しくなってきており、とりわけ団塊世代の大量の国保加入等がございます。したがいまして、国保は財政危機に直面することが予想されるということで改正されたと思います。この制度は医療費抑制のみにウエートを置いた法律で、反対された方もおられましたが、議会で議決をしたもので成立したものでございます。したがいまして、市町村としては受けざるを得ない、そんな状況でございます。
 私は、従来から日本のすばらしい家族制度があったと思う。今回は家族制度の崩壊ではないかと思います。例えば池田議員もおっしゃっておりましたが、共済制度、あるいは政府管掌保険制度、国保、それは家族ぐるみで加入をして保険証が1枚であった。今度は老人を分離するという保険証そのものがばらばらになります。私は一種の家族崩壊につながるのではないかと、こんなことを実は思っておりますので、このすばらしい家族制度も守られなくなったのではないか、そんな状況を感じるときに情けない感じが私はするわけであります。おじいちゃん、おばあちゃん、あんたは別ですよ、そんな形になることが本当にいいことなんでしょうか。そんなことを思って、実は批判をいたしておるわけでございます。
 被保険者の被扶養者が新しく保険料を納めることになります。急激な高齢化になって、高齢者の皆さんが、お父さんが支払っておられるのと別に払わなきゃいかんと。完全に分断であります。なおまた、75歳未満の若年者の皆さんにもこの制度をフォローアップしなきゃなりません。そうしますと、高齢者も負担、若年の皆さんにもフォローアップするということになると、医療費が増嵩しておりますから、このことについては高齢者も後押しする若年者も有益ではないと、私はそのように思います。
 政府の医療費の増嵩はわかりますけれども、それを避けて通る今の国政でありますので、批判をいたさなければならないと、こう思っております。もちろん国民皆保険を堅持していくことは大事だと思います。健康は国民全体で守る。そのベースはそれぞれ家庭にあると思う。そんなことを思うときに私は批判をしなければならないと、このように思っておるところでございます。
 次に、いろいろ細部につきまして質問がございましたので、私からはその激変緩和措置についての説明をいたしたいと思います。
 後期高齢者医療制度で新たな保険料を負担することになります。保険料の負担については、激変緩和措置というのがその後急激に出てまいりました。制度加入時から2年間は所得割は賦課せず、いずれ賦課するんですが、均等割も5割にする。そういう甘い軽減策をとっておりますけれども、このことはいつまで続くんでしょうか。その意味では、激変緩和の内容等についてはまだまだ問題があります。平成20年度に限り、4月から9月までの6カ月間にこれを凍結するということです。コンピューターもいつもかも変えなきゃいかん。そういう事務的な負担がございますし、10月から翌年の3月まで6カ月間でありますが、9割軽減をするとされているところであります。
 高齢者負担で問題が生ずることは、間違いなく私は生じてくると思う。そして、この窓口を担当する市町村にとっては随分混乱するおそれがあります。国の制度ですが、市町村が窓口ですから、市町村が悪いように恐らくおっしゃるのではないか。そんなことなどを心配しておりますし、先ほども申しましたように、激変緩和の中に2段階もある。コンピューターを常に変えなきゃいかん。さっきもどこかでコンピューターの話が出ましたが、このコンピューター費用も多大であります。
 それから、年金から天引きされることになりましたね。今、介護保険を年金から天引きしておりますので、その状態を見ますと約9割の方が該当すると思います。年金をもらわない先に引かれるわけです。残りの1割については口座振替、窓口納付ということになりますが、ただし皆さん、御存じのように、年金問題が今は随分クローズアップしております。その問題も実は絡んでまいりますので、市町村窓口としては慎重に対応しなければならないのではないかと、このように思っておるところでございます。激変緩和をされたことはありがたいんですが、それが2年であったり、6カ月であったり、常にふくそうしてまいりますので、お年寄りの皆さんに理解していただけるかどうか、この辺は十分PRをして理解を求めることが大切だと思っております。
 次に、心配の医療上の制限はないのかという質問でありますが、これまで老人保健制度で受けられておりました医療内容についても、同様に制限されることはないようでありますが、しかし今問題も起きております。かかりつけの医者は1人だと。しかも、金額は頭打ちだという議論も実はあるんですね。細部については、まだまだ要領によっては理解しにくい一面もございますけれども、今、一般的には、今の制度については制限されないと報じておりますが、しかし内部を見ますとそうでもないようであります。細部については、これからよく承知した上で対応していきたいと思います。
 もう一つ、現場で混乱するのは介護なのか医療なのか。今うまくいっているんですよ、今は何とか。ただし、その問題も実は現場では生じてくると思う。この辺をどのように整理していけばいいのか、ちょっと問題であろうと思います。
 それと、特に特定健診、保健指導の取り組みであります。これは高齢者の医療の確保に関する法律等が出ましたので、健診をしていただくということは大切だと思います。もちろん今度は義務づけられております。老人保健法のもとで基本健康診査をやらなきゃいけません。そういうことでの法律も出たわけでございます。我々当事者といいますか保険者、そのように実は義務づけられて、個人的にはそのPRを一生懸命しなきゃいけません。ただし、これは特定健診をやって保健指導をすることは大切なことだと思っております。そんなことで、この仕事は市町村が実は受けることになります。したがいまして、当初からその負担については市が負担をして、皆さんに受検をしてもらう。そのことを思って、実は皆さんにも今回予算の中で提案をいたしておりますので、御理解をいただきたいと思っております。
 特に生活習慣病、このことについて今問われておるわけであります。確かに、保健指導をすることによって、そのこともよくなるのではないか、治るのではないか、こんなことを思っております。この後、6月には受診券、6月から8月にかけてそれぞれの医療機関で受診をしていただく、そのPRは大切だと思いますので、努力をしていきたいと、このように思っております。
 なおまた、この相談業務が実は増えてくると思います。これまでも健康センターで対応しておりましたけれども、市町村の事務がその面では多くなります。相対で相談をしなきゃなりません。専門家の職員の負担にもなると思いますが、私は気持ち的にはこれから考えますけれども、8時半から5時だけじゃなくて、少し時間の余裕なんかも考えなきゃいかんと思います。というのは、そのような課題がありますと若い人に送ってもらうことになります。そうすると、時間外がいいのではないかと思いますので、そんなことも私どもとしては考えなきゃいかんと思いますし、私自身はその予防ということは大切だと、そういう認識の上に立って、時間的にも配慮して健康相談のしやすいような体制づくりをしていきたいと思っております。
 いずれにしましても、事務が少しふくそうしますので、十分職員もよく了知した上で対応して市民サービスの強化に当たりたいと、このように思っておるところでございます。なお、一般的な福祉等々につきましては、担当からお答えをいたします。
 次に、産業の振興について申し上げます。
 今回の松下電器産業半導体社砺波工場における新棟建設につきましては、池田議員も述べられましたが、私も用地買収にかかわった一人として、敷地の半分近くがあいていたことにつきましては心を痛め、一日も早く新しい工場の建設を願っておったところでございます。今回の立地の経緯につきましては、県知事の支援を初め、かねてから議長さん等にも同伴をしていただき、あるいは砺波工場からも同行していただいて、半導体本社にも出向いて粘り強く要望したところでございます。なお、先般、立地の報道があったわけですが、今、イメージセンサーと言われる半導体が世界的に需要拡大という市場環境も1つあるようでございます。そして、なおまた共同会見でもございましたが、砺波地方の勤勉で協調性のある土地柄、なおまた地元の皆さんの理解も十分得られる、協力もいただけると、そういうことも実はあったわけであります。
 この誘致に当たりましては、内々打診が実はあったのであります。しかし、特に秘密を守ってほしいということでございましたから、私は一切口にしませんでした。このことについては、砺波の優位性についていろいろ課題もございますけれども、粘り強く担当者が説明をしてくれたことでございますので、担当者を褒めてやっていただきたいと思います。
 ついては、議会から何度も企業誘致について質問もあり、おしかりもいただいておりましたが、私はここまで出ておりましたけれども、そのことは申し上げることができませんでした。この際に秘密という立場で進んできたことを御理解いただいて、そのことを申し添えておきたいと思います。
 今回新棟の建築面積につきましては、会社から発表されました1万7,000平米を使用されることになりました。なおまた、工場敷地にはまだ若干の余裕があると思いますので、今後ともこれらの空き地を活用していただきたいと、このように念じておるところでございます。
 なお、質問にございました水についても申し上げたいと思いますが、半導体は御存じのように高品質な水が不可欠であります。現在工場では、環境の負荷を軽減するために、使用した水をリサイクルし、そして水の節減に努められております。16年の砺波工場増築の際には、砺波工業用水道事業を創設いたしまして、日最大給水量9,500トンを経済産業省に届け出いたして認可をいただいております。なお、現在は日量2,000トンを供給いたしております。したがいまして、十分に余裕がございます。
 なお、これらにつきましては、設備投資をしたいと思っておりますが、このたびの増設に伴いまして正式な給水申し出があり次第、安定した供給に万全を図ってまいりたいと思います。なお、工業用水道事業では、このことについて予算化をいたしておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 なお、下流から従来建設に当たって地下水の問題、排水の問題、何か文句を言われておったんですが、今はそこまでになくて、私どもは地下水調査をずっと続けておりますし、それも高岡にも県庁にも公表しております。今のところ何の支障もございません。したがいまして、地下水の影響調査ということでこれからも続けてまいりますが、私は下流からのクレームはないものと思っておりまして、その点では、速やかに内容等を聞きまして対処してまいりたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。なお、新棟建設に当たりましての経済波及効果等々については副市長からお答えをいたします。
 次に、教育行政の拡充について申し上げます。
 私は、日ごろから教育行政の重要性を強く認識しているところでございますが、未来を担う子どもたちが互いに思いやり心を持ちながら伸び伸びとたくましく育つことや、市民のだれもが地域の歴史や文化にふれあい学ぶことによって、地域を愛し豊かな心を育む生涯学習の推進などを積極的に行ってまいりたいと思っております。
 常々申し上げておりますが、三つ子の魂百までと言われることから、乳幼児期における環境の大切さ、このことを考えまして皆さんとも協議いたしましたが、先駆けてこども園を設置することとしたことで進めておるところでございます。また、今年度から保育所を教育委員会、一種の教育と私は考えて、乳幼児期の教育を保育所と一体的に行うことが大切だと思って大英断を下したわけであります。そのことが子育ての支援体制に着実に前進をしておると、このように思っておるところでございます。
 また、学校教育、社会教育を問わず、その地域固有の文化や伝統を学ぶ、このことも重要だと思っておりまして、散居村の成り立ちを知り、そのよさを啓発したり、遺跡も発見されておりますので、古代にさかのぼる歴史を知る活動も進めてまいりたいと思っております。要は郷土をよく知る、それは子どもも大人もそのことを大切にする、そういう教育手段が必要だろうと思っております。そんなことから、新年度においては生涯学習課に、仮称でありますが、文化財室を設置してまいりたいと思っております。今、散居村の景観について議論をしておりますし、各地域にも出向いて相談をしております。中には保存すべきだと、いや、そうでない、いいかげんに売りたいんだという人もおられますけども、日本一すばらしいこの散居景観、これはどうしても残すべきだと、こう思っております。その保護活動の啓発も必要だと思っておりますし、なおまた、前々から議論のあります増山城跡についても国の指定文化財に申請してまいりたい。これも今、一生懸命署名、押印をお願いいたしておりますし、結構多くの地主の皆さんがおられますので、説明と理解を求めて1つの拠点づくりをしたいと、このようにも思っております。
 なおまた、359号線における頼成徳万遺跡の発掘も今進めなければなりません。なおまた、庄川民芸館、実はもらったままでありますが、何とかこれを活用すべきだと、そんなことも実は思ってこの整備を促進したいと、このように思っております。これらは観光にも通じるのではないか。史跡や文化財の位置づけをしっかりしていくことがこれからの観光にも位置づけになると、このように思っておりますので、このような部屋を独立させて頑張ってもらいたいと、こう思っております。
 なお、この後申し上げますが、学校整備、急がなければなりませんが、教育委員会が所管する業務の範囲が十分大きくなってまいります。これに伴いまして予算も多額になります。所属する職員も、実は一般職で240、指導員、嘱託職員、その他の職員等を含めますと約450名、実は教育委員会が抱えることになるわけであります。そんなこともございまして、事務局には部長相当職等、管理職もしっかり配置をして、融合と円満な事業執行のために対応してまいりたいと思いますので、この点も御理解をいただきたいと思っております。
 次に、学校施設の整備についてお答えいたします。
 先ほども申し上げましたが、教育環境の整備を行政施策の柱といたしております。合併後、東部小学校、おかげさまで新築落成をさせていただきました。庄川中学校の耐震化については、今、議案として提案をいたしておりますが、精力的に進めていきたいと、このように思っておるところであります。言うまでもなく、学校施設は地域にあっては公民館とともに地域活動の拠点でございます。学校施設の整備は、安心して安全な地域づくりの施設でもあると思っております。残る6校についても、できる限り早く取り組む必要があると思います。どの事業も大切でありますが、学校整備は我々に課せられた1つの任務だろうと、私はそう理解しております。
 なおまた、地域でお集まりになられます公民館、集会所等もございます。これは実は災害のときには避難所にもなっておるわけです。これが災害でつぶれてしまったら、学校のない地域についてはちょっと困るわけであります。でき得れば、これも順次耐震調査をして、補強できるものは補強し、なおまた地区のそれぞれの財産でありますから、地区とも十分相談をしながら進めなければなりませんが、いずれにしても、耐震調査をすべきではないか、そんなことを今思っております。いずれこのことについては進めさせていただきたいと、このように考えておるわけでございます。
 なお、昭和60年代以降については問題ないと思いますけれども、以前のものについては全部チェックしなきゃいかん。そんなことを思っております。これは行政の1つの任務ではないかと、こう思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 なお、これらの整備につきましては相当の経費がかかります。合併特例債を活用したいと思いますが、10年内ですからそのことを活用するときには急激にやらなきゃいけません。そんなことなども考えて、厳しい財政の状況でございますけれども、優先的な課題として総合計画に取り組んでまいりたいと、このように思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 それから、教育行政に関連して子育て支援の拡充についてであります。
 お子さんの入院は保護者の付き添いが必要でございます。家庭では、経済的、精神的な負担にもなるわけでございますので、この際、養育者の負担軽減をするために、小学校3年生まで入院に係る医療費を単独で助成しようとするものでございます。私の見解は4月からと思っておりましたが、所得制限の関係があって10月でなければできんということで担当から言われておりますが、やむを得ないかなと、このように実は思っておるところでございます。なおまた、先般から新聞を見ておりましたら、小学校6年生まで単独で医療負担する自治体も出てきたようでございます。隣接いたします高岡、南砺市、それらと歩調を合わせて対応していきたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 その他、子育て支援等々について幾つかの質問がございましたが、教育長及び担当部課長からお答えいたします。
 代表質問には多くの質問と提案もありました。温かい答弁を期待するということでございましたが、温かかったかどうか、その辺御理解をいただいて答弁を終わりたいと思います。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 副市長 吉田俊和君。
  〔副市長 吉田俊和君 登壇〕

◯副市長(吉田俊和君) 私からは、産業の振興についてのうち、企業立地に関する条例の企業メリット、そして松下砺波工場の新棟建設に伴う経済波及効果等、加えまして中小企業の支援について申し上げたいと存じます。
 まず、本定例会に提案をさせていただいております企業立地関係の条例案についてでございます。うち固定資産税の課税免除関係条例につきましては、企業立地促進計画に基づき指定されました業種の事業者に対しまして、新たに投資した建物や構築物の一部に課せられる固定資産税が3年間に限って免除されるという制度でございます。このことによりまして、企業の経済コスト軽減につながるものということで期待がされているというふうに伺っております。なお、このことによりまして発生いたします当市での収入源に対しましては、国の制度によりまして交付税措置がなされるということでございます。
 また、敷地内の緑地率等、規制緩和関係条例につきましては、今般、乙種区域として区分されるケースで申し上げてみたいと存じます。緑地面積の割合が20%から10%に、あわせまして環境施設面積の割合が25%から15%にそれぞれ緩和されることになるわけでございます。このことによりまして、企業にとりましては従業員の駐車場の確保、あるいは構築物のレイアウトの自由度が増すなど、雇用確保や生産性の向上につながるというふうに期待をされてございます。
 次に、松下砺波工場の新棟建設に伴う経済波及効果等、固定資産税の増収についてお尋ねをいただきました。目下のところ、投資額が約940億円との情報だけでございまして、建設スケジュール、あるいはその内容、そしてまた雇用者数など、具体の数値が不明な段階でございまして、詳細推計を申し上げられる状況にはございませんので、御理解をちょうだいいたしたいと存じます。なお、魚津市の例をお示しいただきましたが、当市でも相当な規模の効果があるものというふうに期待をいたしているところでございます。なおまた、固定資産税につきましても、同様に御理解をちょうだいいたしたいと存じます。
 加えて、新たな負担についてのお尋ねをいただきました。このことにつきましても、現状では断定的なことは申し上げられないわけでありますが、参考までに本制度のマックスを申し上げてみますと、知事の特認事項に該当することを前提といたしまして、最高1,500億円の投資で100人以上の雇用となれば、県と市で最大50億円の助成を行うというシステムでございます。
 次に、中小企業の支援について申し上げたいと存じます。
 池田議員御指摘のとおり、原油高、サブプライムローンの焦げつき問題など、経済環境の変化が大変厳しいわけでございまして、とりわけ原油、原材料高等を製品価格に転嫁することが大変難しい中小企業にとりましては、資金繰りに非常に厳しい状況が続いているというふうに認識をいたしております。
 当市では、昨年4月に砺波市中小企業誘致等制度要綱を改正いたしまして、一部の資金について融資限度額を増額いたしたところでございます。その結果、昨年末では前年度の同期と比べまして、制度融資全体での融資実績は約1.2倍、特に限度額を改正いたしました中小企業振興資金につきましては約1.5倍の実績を見てございます。現在の中小企業を取り巻く環境と今後の経済見通しからも、資金需要がさらに増えることが見込まれますので、平成20年度予算では、前年度に比べまして融資枠を約1億円拡大しながら資金需要にこたえることにいたしているわけでございます。
 また、融資を受ける際に必要となります保証協会の保証料につきましては、その2分の1相当額を助成いたしまして事業者の負担軽減を図ることといたしております。このほか、本年2月には、債権譲渡に関する事務取扱要領を定めまして、市との工事、あるいは物品調達の契約につきましては、中小企業者が自ら保有する流動資産となります売り掛け債権を担保といたしまして、金融機関からの借り入れができるようにいたしたところでございます。また、政府系金融機関や県の資金融資制度等の情報も市広報紙やホームページで提供しておりまして、今後とも連携の上、その内容について周知を図っていきたいと考えております。
 なおまた、国の補助制度では、19年度から中小企業者が農林水産物や観光資源など、いわゆる地域産業資源を活用した新商品、新サービスの開発に向けた取り組みを支援する制度が創設されまして、新年度からは農林水産業と商工業の産業間連携、いわゆる農商工等連携強化を支援する制度が創設される予定となっておりますので、市の広報媒体や経済団体を窓口といたしまして制度の周知を図り、中小企業の活性化を支援していきたいと考えているところでございます。そして、御提言のとおり、利用者にとって有益な観点を念頭に置きながら執行してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(林 忠男君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 0時03分 休憩

 午後 1時00分 再開

◯議長(林 忠男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 答弁を求めます。
 教育長 堀田良男君。
  〔教育長 堀田良男君 登壇〕

◯教育長(堀田良男君) 池田守正議員の代表質問の福祉行政の推進のうちで乳幼児保育の面についてお答えをいたします。
 乳幼児は親との愛着形成によって育っていきます。すなわちしつけ、それは親との密着時間が長いことによって形成されるものだと思っております。子育て支援は、親の就労支援のみならず、親と子どもが長くかかわる時間をつくってあげたいと、こういう面で支援をしているわけでございます。
 ところで、こども課では、幼稚園、保育所の保護者に砺波市の乳幼児保育指針の研修を図り共通理解を進めております傍ら、新年度からは「健やかなとなみっ子を育てましょう」という家庭教育講座を幼稚園、保育所の保護者会で開催して研修を行っていきたいと思っております。また、家庭児童相談員の体制の充実、さらには市内6カ所目となる子育て支援センターの開設委託などを予定しております。関係機関と連携しながら子育て支援に努めていきたいと考えております。
 さらに、砺波市PTA連絡協議会では、3年前から「家族みんなのめあて」を目途に運動を展開され、家庭での基本的な生活習慣の定着に努めておられ、今後とも活動の継続をお願いしているところでございます。
 続いて、教育行政の拡充の面の平成20年度予算の教育施設について申し上げます。
 新年度予算では、教育施設にきめ細やかに配慮したつもりでございます。まず、子どもたちにできるだけたくさんの本を読んで親しんでいただきたいという思いから、学校図書館司書の体制を充実して整備してまいりたいと思っております。また、学校になかなかなじめず、不登校になっている子どもたちのために適応指導教室を開設したり、指導員を充実し、多様な内容を持っている子どもたちに対応してまいります。
 さらに、放課後の子どもたちの面倒を見られない親たちがだんだん増えてまいりましたので、地域の皆さんの力をおかりして、すべての小学校で放課後児童クラブを設置し、支援の一環としてまいりたいと思っております。
 7番目には、保育所や幼稚園においては低年齢の乳幼児が増えております。このことから嘱託の保母や教諭を採用しておりますが、幼児教育にたけた優秀な人材を確保するとともに、質の高い保育保障のために、平成20年度からこの職員に対して期末手当を支給することにしております。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 吉田孝夫君。
  〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕

◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、東海北陸自動車道の開通に伴う中京方面への対応につきましてお答えいたします。
 安城市とは、平成18年5月の災害時相互応援協定をきっかけに交流が始まりました。その後、平成18年7月には、砺波市地区自治振興会協議会の皆さんが訪問されて、市の防災担当や地元自治振興会との地域防災の現状や災害時要援護者支援体制の整備などについて意見交換を行ったり、あるいはまた議会の皆さんによる産業視察などの相互訪問も実施されておるわけでございます。また、昨年4月には、砺波市内の宿泊施設が安城市市民保養事業の指定を受けまして、本年2月末までに市内宿泊数が延べ70泊を超えるなど、市民レベルでの交流も進んでいることは池田議員が述べられたとおりでございます。
 さらに、最近も安城市防災担当者が来庁されまして、災害時応援体制や防災訓練に関する意見交換を行ったり、地域振興の立場からまちづくりに関する話題、あるいは市民が自発的に交流できるような方策などにつきまして話し合うなど、相互に活発な情報交換を展開いたしております。今後とも、良好な交流を発展させたいと考えているところでございます。
 東海北陸自動車道の全線開通は、確かに大きなインパクトを与えるものでございまして、観光や商工振興の面におきましてはいろいろな交流を計画してまいるわけでございますが、さらに広域的かつ長期的な意味合いでの交流を展開していく必要があろうと考えております。
 例えば、中京圏域には、フラワー都市交流として親交がございます岐阜県の大野町や、昨年6月に発足いたしました青年団出身の市町村長による全国組織の政経フォーラム、これらを介しまして安城市の南隣に位置いたします西尾市とも交流を進めていきたいというふうに考えているわけでございます。また、岐阜県と飛騨市、高山市、あるいは白川村といった飛騨地域と私どもの自治体が加盟しております日本の心のふるさとを守り育てる飛越協議会というふうな組織、あるいはまた東海富山県人会の中に砺波地域にゆかりのある中京圏の活躍企業もございます。こうした組織の皆さんと多様な分野におきましてつながりを深めながら、長期的に継続可能な中に人的、あるいは産業活動などの経済的な交流につなげてまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 藤沢まゆみ君。
  〔福祉市民部長 藤沢まゆみ君 登壇〕

◯福祉市民部長(藤沢まゆみ君) 私からは、2、福祉行政の推進についてのうち、1番、健康づくりの充実についてお答えいたします。
 まず、アンケート調査結果についてでございます。昨年7月から8月にかけて、従業員10人以上50人未満の事業所を対象に、中小企業事業所従業員の健康管理の実態調査を実施いたしました。回答があったものは、市内196事業所のうち127事業所、64.8%、従業員2,015人、49.7%からであります。
 アンケート結果の主なものは、まず事業主を対象とした定期健康診断については、1、定期健康診断を実施している事業所は88.9%であり、健診受診率は80%でありました。2、健診結果については、82.7%の事業所が従業員に通知しており、40.2%が保健指導を実施しておりました。3、保健事業や保健事業の共有、連携が必要だと思っている事業所は63%でありました。また、従業員を対象としたストレス状況評価では、高ストレスであったものは男性で40.4%、女性で48.7%であり、高ストレス者は職場環境において仕事の量的要求が高い割には仕事の自由裁量が少ないという状況でありました。
 次に、今後の健康づくりの推進について申し上げます。
 健康プランの見直しも終盤に差しかかっており、今後5年間の推進目標を1、メタボリックシンドローム関連疾患の重複発症の予防、2、自殺予防対策として、ストレスを感じる人の減少と考えているところでございます。
 特に2の自殺予防の推進につきましては、自殺の原因の1つであるうつ病予防対策に取り組みます。厚生センターと協力し、心の健康づくりに関する相談会や学習会、健康フォーラムを通じて、市民や中小企業、事業所へもうつ病についての理解を深めます。また、地域での相談者である民生児童委員の方々への学習会を開催し、自殺の現状やうつ病についての理解を深めます。さらに、相談窓口開設機関などの連絡会を定期的に開催し、相談で困っていることや支援方法、困難事例など、相談者の資質の向上と連携にも努めてまいります。うつ病の発症予防として、ストレス解消ができる生活習慣を広く市民の皆さんに啓発し、ストレスを感じる人が減少するよう、健康づくりの推進に努めたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 小幡和日出君。
  〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕

◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、東海北陸自動車道全線開通に伴う対応についてのうち、隣接地域と連携した新たな取り組みについてお答えいたします。
 現在、東海北陸自動車道の全線開通は今年7月ごろと見られ、工事も順調に進んでいるものと存じております。高速道路の全線開通後は中京方面とのさまざまな交流が盛んになると思われますが、議員御心配のとおり、ストロー現象による通過交通が増え、全線開通がもたらす効果は必ずしもプラス面ばかりではないと思われます。このことに対しましては、少しでも多くの車に砺波地区や県西部地区の高速インターを利用していただき、観光交流人口の拡大を図るためにも、砺波市の魅力を中京方面へ積極的に発信することが必要と思われます。
 観光面におきましては、従来から近隣市と広域連携を図りながら観光事業の推進に努めているところであり、新年度、県観光連盟砺波地区会では、全線開通に合わせて中京方面への出向宣伝やこの地域の方々を対象としたモニターツアー等を検討しているところであります。また、飛越能懇談会では、現在飛越能のキャッチフレーズを公募により選定しているところであり、キャッチフレーズが決定後、中京方面への広告宣伝や中京圏からのバスツアーを企画するなど、関係市が連携し、中京方面からの誘客拡大に向けた取り組みを実施する予定であります。
 加えて、今後計画される富山県の取り組みに対しましても積極的に参画し、隣接自治体と連携を図りながら砺波市の魅力を十分にPRしたいと考えております。なお、市独自の取り組みといたしましては、4月20日に予定されている高速バス名古屋便の運行開始に合わせ、バス事業者の協力を得て、近隣市とともに高速バスの後ろ面のガラス部に砺波市の広告を掲載する予定にしております。また、高速バス運行初日には、第1便に乗り込み、名古屋市内においてチューリップフェアPRとあわせた出向宣伝を検討しております。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 10番 飯田修平君。
  〔10番 飯田修平君 登壇〕

◯10番(飯田修平君) お許しをいただきましたので、私はとなみ同志会を代表いたしまして、今定例会に提出されました諸案件並びに当面する市政の諸問題について質問をいたします。
 質問に先立ちまして一言申し上げます。今月の8日、いよいよ春を感じさせるさわやかな天候のもと、砺波市立砺波東部小学校の落成式が盛大に挙行されました。全校生徒767人と大勢の地域の皆さん、来賓が見守る中、校名石の除幕式、アズマダチの児童玄関前でのテープカット、そして地元千保地区の勇壮な獅子舞が披露され、6年がかりの増改築事業で生まれ変わった、そして心待ちにしていた校舎の完成を皆さんで祝い、その喜びを分かち合うことができました。
 式典では、安念市長が式辞、林議長、綿貫衆議院議員の祝辞の後、全校児童による東部っ子宣言の読み上げが行われました。元気な声の中に、児童たちの喜びと感謝の気持ちがいっぱいに詰まった大変すばらしい内容で感動いたしました。今後は、この新校舎施設を活用する中で、子どもたちが心と体をしっかり鍛え、次の時代を担ってもらいたいと切に願っているところであります。
 さて、この砺波東部小学校増改築事業は、新砺波市の合併特例債事業として位置づけられ、完成に至る事業経過はまさに旧庄川町、旧砺波市の一体化に向けた安全・安心なまちづくりと軌を一にするものであります。そして、合併4年目を迎えるに至り、ちょうど新砺波市総合計画の第2年次実施計画が策定された中で、安念市長には、庄川と散居に広がる健康フラワー都市を目指して、今後も愛と融和の政治姿勢のもと、その確かなリーダーシップと卓越した政治手腕で市民に身近な市政、市民のための市政を引き続き遂行されますよう期待をするものであります。
 それでは、質問に入るわけでございますが、午前の池田議員の質問と重なる部分が多々ありますが、事前に御理解を賜りたいと思います。
 最初に、平成20年度予算編成の基本姿勢について伺います。
 平成20年度砺波市の一般会計予算案によりますと、一般会計予算総額は前年度当初予算比2.4%減の195億2,000万円、国民健康保険事業など6特別会計は24.7%減の84億7,620万円、病院事業など3企業会計は4%増の152億1,990万円、特別会計、企業会計を合わせた総額は5.9%減の432億1,610万円の予算が提案されたところであります。
 ここで歳入の主なものについてお伺いいたします。
 まず、自主財源として最も重要な市税についてであります。全体では、前年度比2.9%増の69億2,600万円と堅調であり、たばこ税とその他の税は減少するものの、法人市民税が5.4%増の5億5,968万円、個人市民税が4.8%増の24億358万円、固定資産税が2.1%増の35億5,966万円を見込んでおります。これは、人口がわずかながらも増えていることや税源移譲の一部が20年度にまたがること、また、土地区画整理事業や郊外での宅地開発が進んでいることなどの要因によるものと思われますが、市税の積算根拠についてお伺いしたいと思います。
 次に、地方交付税について伺います。
 地方交付税は、対前年度比1.2%減の47億7,000万円とやや軟調としております。平成20年度の地方財政計画の歳出面では、地方交付税の特別枠として地方再生対策費を創設、4,000億円が計上されております。この対策費は、地方交付税の算定を通じ市町村、特に財政状況の厳しい地域へ重点的に配分されるものとし、市町村へ2,500億円が配分されるとしております。総務省の試算では、人口5万人規模で1億3,000万円程度配分される見込みとしております。しかし、4,000億円程度で地方再生が果たせるかどうか、懸念を抱かざるを得ません。また、基準財政需要額で幾つか減額要因があるということでありますが、その要因は何なのか、これらを含めて算定根拠をお示し願いたいのであります。
 次に、繰入金について伺います。
 基金繰入金は前年度比11%減の10億4,000万円計上されており、内訳は、財政調整基金5億1,000万円、減債基金3億4,000万円、地域福祉基金1億9,000万円と聞いております。そこで、これらの基金の取り崩し額の根拠と執行方針についてお伺いしたいと思います。
 次に、市債について伺います。
 市債は、大型事業が減ったことから対前年度比14.6%減の15億3,960万円で、市債依存度も7.9%と前年度を下回っております。市債のうち、合併特例債の割合と市債発行残高の見込みについて伺いたいと思います。また、その他歳入予算事項で特徴的なものがあればお示し願いたいと思います。
 次に、一般会計歳出についてお伺いいたします。
 平成20年度一般会計歳出について、性質別に見ますと構成比で義務的経費が43.2%、投資的経費が11.6%、その他経費が45.2%となっています。また、義務的経費のうち、人件費が対前年度比1.9%減、公債費が0.7%減とそれぞれ削減しているのに対して扶助費が11%増と大きく伸びたことにより、義務的経費が1.1%増となっております。これについては、人員適正化計画による人件費の削減と繰り上げ償還による公債費の縮減を図るものの、扶助費の増加は避けることができないため、全体で増加したという予算であります。そこで、この義務的経費の見積もりの特徴と見通しについて伺いたいと思います。
 次に、投資的経費について伺います。
 投資的経費については、前年比22.6%減と19年度の28.8%に次ぐ大幅な減額であります。合併4年目を迎え、大型の合併特例債事業が完了したことや、財政悪化の要因となっている公債費の負担を縮減するため、投資的経費に充当する新たな起債を制限するという財政健全化計画の基本方針に沿った内容の予算と思いますが、元気な砺波市の起爆剤は公共事業だと日ごろから安念市長は申されております。今後の見通しについて伺いたいと思います。
 次に、その他経費について伺います。
 まず大きな構成比を占める物件費であります。対前年度比1.2%と前年に続き微増となっておりますが、その主な要因と今後の削減に向けた見通しについて伺います。
 次に、病院事業や下水道事業への繰出金が増加していることについてであります。
 繰出金の増加は一般会計を圧迫する要因となるわけですから、この縮減を図ることが財政運営上の課題となると思います。将来の負担軽減に向けて今後どのように取り組まれるのか伺います。
 最後に、歳出全体について、安念市長は「市民生活と直結する福祉や健康の増進、さらには教育施設の整備などの大型事業について、事業の優先度、緊急度、事業効果等を十分検討し、財源の重点的かつ効率的な配分に努めた」と提案理由で述べられました。私は、校舎の耐震化など学習環境の整備や子育て支援、高齢者福祉施策といったソフト事業の充実を打ち出すなど、積極型の予算編成と高く評価しているわけであります。そこで、予算編成に取り組まれた安念市長の熱い思いをお伺いしたいと思います。
 次に、地方の道路財源の確保といった立場から道路特定財源諸税の暫定税率の維持を求め質問をいたします。
 道路特定財源の暫定税率維持を求める富山県緊急決起大会が、県議や市町村長、市町村議ら約300人の参加のもと、去る2月12日に開催されました。本市からも多数の議員が参加し、特に安念市長が市長会代表として「道路は地域経済の活性化、住民生活の安全・安心のための最も基礎的な社会基盤であり、道路には多くの住民からも要望が寄せられている。暫定税率を維持し、廃止させてはならない」と力強く決意表明されたところであります。
 また、先の12月定例会において、中期計画の策定、道路特定財源諸税の暫定税率の延長等に関する意見書の提出についての議員提出議案を可決し、既に内閣総理大臣、財務大臣、国土交通大臣あてに提出をしております。
 御案内のとおり、道路特定財源とは、自動車を使う人が道路が整備されていることによって利益を得ているので、道路を整備するための費用を分担すべきだという受益者負担の考え方に基づいて、国や地方の道路整備の使途を限定している財源であります。具体的には、自動車の燃料にかかるガソリン税や自動車の保有などにかかる自動車重量税、道路整備によって恩恵を受ける自動車の使用者たちに応分の受益者負担を求めるものであります。
 昭和29年度に第1次道路整備5カ年計画が開始され、その財源とするため24年創設の揮発油税が29年に特定財源化されて以来、諸税が特定財源として創設されてきました。また、昭和48年開始の第7次5カ年計画の財源不足を補うため、相当する暫定税率を課すようになり、立ち遅れていた地方の道路整備が大幅に促進されてきたのであります。
 暫定税率の適用により、19年度の地方税収入額は2兆2,000億円に上り、国と地方の税収を合わせると5兆6,000億円にも及びます。そして、国の税収分の約3兆4,000億のうち、約7,000億円は地方道路整備臨時交付金として地方へ配分されるため、道路特定財源が地方のインフラを整備する上で果たす役割がいかに大きいか理解できると思います。もし暫定税率がなくなると、国と地方を合わせて2.6兆円の減収となり、全国の道路整備に大きな影響が生じます。
 また、富山県の道路関係予算362億円のうち274億円、76%が道路特定財源で占められております。もし暫定税率及び臨時交付金がなくなると、県では147億円、市町村で83億円、合わせて230億円の減収となってしまいます。このことは、県内の幹線道路の整備や交差点改良など交通事故対策、通学路における歩道の整備など交通安全対策などに支障を来すことは明白であります。さらには、危機的状況にある地方財政運営に深刻な影響を及ぼしかねません。
 当市においては、散居村という地理的特性に加え、山間地、豪雪地などの地理的制約を抱えており、また、7月の東海北陸道全通に伴う交通量の増加も想定されることなど、今後も必要な道路整備を進めていくことが重要課題であります。となみ同志会といたしましては、今後も道路特定財源の暫定税率維持を強く要望していく所存であります。現在の暫定税率は今月末日で期限が切れます。ねじれ国会のもと、国会審議の攻防は混迷の度合いを深めることが必至の状況となっております。暫定税率が撤廃となった場合、本市の財政がこうむる影響はどの程度のものになるのか、市長の御所見を伺いたいと思います。
 次に、松下電器産業の砺波工場増設関連の質問をさせていただきます。
 松下電器産業株式会社は、デジタルカメラなどの世界的な需要拡大で、半導体のイメージセンサーの生産体制の増強に向け、砺波工場に新棟を建設するとし、1月11日に県庁で同社と石井知事、安念市長の共同会見が行われたところであります。それによりますと、投資額は940億円で9月着工、来年8月の生産開始を目指し、新規雇用については新たに100人から200人を見込むとしております。
 増設地に砺波工場を選んだ理由については、半導体生産には不純物のまざっていない高品質の水が不可欠なことから、清浄で潤沢な地下水が確保できる点や、他県から移る従業員が安心して働ける富山のすぐれた環境を上げています。また、製造業はまじめでチームワークを大切にする人材が求められるとし、富山は人材の質が高いと、特に人のメリットを強調されたと聞いております。
 本市は、安念市長を先頭に、総合計画で魅力ある産業が発展するまちづくりを目指し、活力に満ちた元気なまちづくりをつくるために、企業の誘致や経済交流を積極的に進めているところであります。また、議会も企業誘致・経済振興対策特別委員会を中心に、行政とともに一丸となって積極的な企業誘致を展開しているところであります。そこに今回、増設の朗報をいただいたわけであります。このことは、正月早々のビッグニュースであり、大変喜ばしいことであります。
 さて、ここで増設にかかわる今後の課題等について伺います。
 まず、砺波工場増設について、安念市長の率直な抱負をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、増設による新規雇用への期待度について、また、工業用水道事業において、必要に応じた安定的な工業用水の供給整備が必要と考えますが、そのための対策について伺います。
 そして、高岡市と共同で取り組む北陸自動車道の庄川左岸の新インター研究事業の中で、スマートインターチェンジ構想の早期実現の可能性も高くなるのではないかと考えるところでありますが、いかがでしょうか。さらに、今回のような既存工場の増設や新規企業の立地に際しては、企業立地促進法に基づく措置として、新たに条例を制定し支援するとしておりますが、その内容についてあわせて伺います。
 次に、医療制度改革について質問します。
 まず、後期高齢者医療制度の対応について伺います。
 本年4月から、新たに75歳以上の方及び65歳以上で一定の障害のある方を対象とした後期高齢者医療制度が始まります。この制度は、今後さらに進展する超高齢化社会に対応し、高齢者の方がこれからも安心して医療を受けることのできる、持続可能な公平でわかりやすい制度とするために創設された医療制度として制度化されたものであるとしております。
 さて、この制度は、75歳以上の高齢者等は現在加入している国民健康保険や健康保険などから新設の後期高齢者だけの医療保険に組み入れられ、保険料を支払っていない被用者保険の被扶養者も含め、すべての高齢者が保険料を支払うことになります。また、その財源は、かかった医療費から医療機関等での窓口負担を除いた分を公費で5割、75歳以下の現役世代からの後期高齢者支援金で4割をそれぞれ負担し、残りの1割は後期高齢者の被保険者の保険料で賄われます。
 これまでの老人保健制度で問題点とされていた後期高齢者の医療負担の内訳が明確になる一方、多くの高齢者は負担が重くなることを心配しております。低所得者に対する保険料の軽減措置や激変緩和措置が講じられるとされておりますが、今後予想されます急激な高齢化の進行により、医療、介護を合わせた高齢者の負担はますます高くなることが予想されます。
 例えば保険料は2年ごとに見直しをされますが、医療費が増えたり、後期高齢者の人口に占める割合が増えると、保険料を上げるか、医療内容を貧しくするのかの選択を迫ることにもなりかねません。75歳以上の高齢者は老化により治療が長引き、複数の病気にかかっていたり、認知症の人が多いなど、心身の特性があるといいます。だからといって、今回の医療費抑制を目的にした医療制度改革が後期高齢者だけを棚上げにするような結果にしてはなりません。75歳以上の方だれもが適切な負担で安心して医療が受けられるよう、今後も後期高齢者の医療を守る立場から、この制度の持続を図らなければならないと考えているところであります。なお、この制度の保険者は富山県後期高齢者医療広域連合でありますが、保険料の徴収や受付業務などは市町村で行うことから、円滑に移行できるよう準備を進めていただいているところであります。
 そこで、お伺いしたいのであります。市内には約6,400人の対象者がいらっしゃるということですが、この制度の皆さんの理解度はどうでしょうか。制度スタートに向けた今後の対応と制度持続の課題についてお尋ねいたします。
 次に、砺波市特定健康診査等実施計画について伺います。
 「新たに、国民健康保険の保険者に義務づけられた40歳以上の被保険者の特定健康診査等については、後期高齢者医療制度と同様に全額を公費負担としたい」と安念市長は提案理由で述べられました。市民への健康診査への普及啓発は、予防対策を推進していく上で大切なことであり、今回の特定健診の無料化は受診率の向上に大きく寄与するよう期待するものであります。そこで、国の指針に即して特定健康診査等実施計画の概要案が示されたわけですが、この計画策定の趣旨と無料化による受診率の見込み、そして実施に向けたスケジュールについて伺いたいと思います。
 最後に、新たに児童の健康保持と福祉の増進を図るため、入院に係る医療費の助成を小学校3年生まで拡大するとしている施策について、安念市長の医療費助成への考え方をお伺いいたしまして、私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 飯田議員の代表質問にお答えをいたします。
 最初に、東部小学校の落成につきましてお祝いをいただきました。小学校につきましては、地域の皆さんの御意見もいただき、御支援もいただいてまいりました。おかげさまでその後、議員各位にもそれぞれバックアップをしていただいて竣工したものでございまして、深く感謝を申し上げたいと思います。なおまた、私に対しての激励もいただきまして、お礼を申し上げたいと思います。
 まず最初に、池田議員からも質問がございました平成20年度予算編成に対する基本姿勢でございます。詳細に尋ねられたわけですが、項目別には企画総務部長からお答えを申し上げたいと思います。私から、飯田議員も申されたように、私の思いを若干述べさせていただきたいと思います。
 砺波市民、庄川町民が期待をして合併したわけでありますが、早くも4年目を迎えました。おかげさまで順調に推移をいたしております。市民の皆さんに深く敬意を表したいと存じております。私の政治信条といたしまして愛と融和を掲げてきたわけでありますが、市民が安全で安心に暮らせる、明るく希望の持てる砺波市実現のために邁進してきたつもりでございます。
 さて、新年度の予算編成の思いでございますけれども、まず旧庄川町と旧砺波市とで議論をいたしまして新建設計画を立てたわけでありますが、それに基づき合併特例債事業も実は決めてまいりました。この事業につきましても、着実に実施してまいりました。それを補完するために市民の日々の生活に目を向けまして、ソフト事業にも意を用いたわけでございます。高齢者や障害者、温かい福祉施策をすることと同時に、次世代を担う子どもたちの医療費助成を初めとして子育て支援策、学習環境の整備そして市民が健康で明るく生活が送れるように、健康管理施策も徹底していきたいと思っております。不十分かもしれませんが福祉・健康・教育に意を配したつもりでございますので、思いの一端を述べたわけでございます。
 なお、地方は今格差が生じております。この格差解消は、飯田議員も述べられましたけれども、元気な地方をつくるときの特効薬は何よりも公共事業だと思っております。この20年度予算も公共事業を配置したいと思っておったんですけれども、御存じのように政府は公共事業抑制策で十分な予算化ができません。要望はたくさんしておりまして、皆さんにも陳情していただいておりますが、ほとんど要望どおりいかないのがどこの地方自治団体でもそうではないかと思っております。これは残念でありますけれども、本当は活性化をもたらす特効薬は公共事業だと今でも思っておりますが、今の政府施策に順応するためにはこれを逆に解消してほしいと、こんなことさえ思っております。
 おかげさまで、まちづくり事業で子ども曳山会館を大型事業として建設することになりました。なおまた、散居村ミュージアムでは、農林水産省のバックアップもございまして民具館もつくる計画を今、提案いたしておるわけでございます。これらのこともせめて取り入れたことについて御理解をいただきたいと思います。予算編成に当たりましての私の思いを一端申し上げたわけであります。
 なお、公共事業等々についてはこれからどうするのかという話でありますが、県全体では新幹線にほとんど全額取られるようであります。なかなかこちらへ回ってまいりませんが、しかし国営防災事業が明年から始まります。これは大きい公共事業になると思って期待をしておりますし、着実に進めていただけるものと思っております。御存じのように、農家負担がございませんが、県費負担、市費負担も出てまいりますが、大事な公共事業として対応してまいりたいと思っておるところでございます。
 なおまた、予算をつくるに当たって、飯田さんから上手の言葉で申されたんだと思いますが、高い評価をいただいたということでございますけれども、いささか心苦しいところもございますので、その気持ちの一端を述べさせていただきたいと思っております。
 次に、道路特定財源のことについて申し上げたいと思います。
 砺波市財政への影響はどうなのかということでございます。まず、譲与税、交付金関係につきましては、自動車重量譲与税、地方道路譲与税、自動車取得税交付金合わせまして、廃止になった場合には、当初の予算ベースでは2億890万円が減収となります。また、国庫支出金関係では、市道改良事業、まちづくり交付金、区画整理事業など、今、充当されております道路特定財源がなくなりますと半減いたします。そうしますと、2億7,300万、あるいはこれらの影響を考えますときに4億8,200万、そのように今、試算をいたしておるところでございます。
 このことは、市民福祉にも実は影響が出てくることでございます。先ほど申し上げました出町子供歌舞伎曳山会館建設を初めとするまちづくり交付金、国道359号東バイパス、そういった継続事業にも大きく影響してまいります。そして、縮小になりますと大変なことになると、私はそのように思っておるわけでございます。
 先日、それぞれ首長は陳情せよということでございましたので、綿貫先生に直接お会いして陳情を申し上げました。先生いわく、自由民主党はぐらぐらしておるから、といいますのは、道路財源といいながら中身を分析すると一般財源化も言っておるわけでしょう。はっきり言わないけれども、そう言っているんですよね。あるいは、配分の問題で、自分のところの財団やら自分のところの出稼ぎのそんなところへいっぱい行っているわけでしょう。それをはっきり地方へ持っていくんだからその財源だと、こう言ってぐらぐらしないでやったらすっきり通るんじゃないかと。あんなことを言っておるからつけ上げられるんだという話をしておりました。ところが、またそれらの道路財源による違法支出行為も幾つかあったんでしょう。そのことをきっちり謝ってしっかりやればいいんじゃないかと、こんなことをおっしゃっております。いずれにしても、暫定税率を頑張りたいということでございますので、私ども市民生活にも大きく影響いたしますので、私も頑張りますが、議会の皆様も後押しをしていただくようにお願いを申し上げたいと思っております。
 次に、松下電器産業半導体砺波工場における新棟建設につきましてでございます。
 池田議員にもお答えいたしましたが、新棟建設に関しましては16年の拡張以来しばらく時間がかかりましたが、かねてより議長さんともども半導体本社へ出向きまして、粘り強く要望してまいったところでございまして、そこで今回の建設につながったものと、このように思っております。大変うれしく存じておる次第でございます。
 今回の建設により何よりも期待されるのは、御意見にもありましたように、新規雇用の増だと思っております。ただし、雇用はすぐに大量の新規採用とは至らないと思っておりますし、御存じのように、工場での労働は専門職集団でございます。したがいまして、新規雇用というのはなかなか一挙に発生しないと思う。いずれ生産規模が拡大するとなれば徐々に期待できるのではないかと、このように思っておりますが、なかなか簡単なわけにはいかないと、このように思っております。私からは、直接議長も一緒に出向いたわけでございますが、地元からの雇用、または市内の定住を促進するようにお願いをして働きかけをしたところでございますので、その点御了解をいただきたいと思っております。
 次に、工業用水でありますが、このことについても池田議員にお答えしましたが、万全の体制で供給をしてまいりたいと、このように思っておるところでございます。今後、会社から正式な給水申し出があると思います。会社も私ども通産の認可をいただいておる工業用水道事業についても御承知をいただいておりますので、早速要望があり次第、供給をするよう施設整備をしてまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、松下と関連して新インター等についての質問でございます。北陸自動車道に新インター設置を目的として平成18年8月、高岡と道路連絡会を立ち上げて研究をしてまいりました。既存の高速道路に認可を追加する場合には、整備手法としては開発インターと地域活性化インター並びにETC専用のスマートインターチェンジの制度がございます。これらにつきまして、この3つの制度についてどちらが早くて安く上がるのか、そんなことも議論をしながら今進めておるところでございます。いずれこれは選択をして調整をしなければならない、このように思っております。
 なお、おっしゃるとおり、このインターにつきましては、松下さんの増設に伴いまして随分交通量の推計に大きな差が出てくると思いますし、そのように数字的にも伸びることが可能でありますので、1つの指標として私は随分プラスになるのではないかと、このように思っております。これから国土交通省、中日本高速道路株式会社などとも協議をし、進めさせていただきたいと思っておるところでございます。いよいよ決まりましたら、皆さん方にも内容を説明して御理解をいただきたいと思います。条例等につきましては、商工農林部長からお答えをいたします。
 次に、医療制度改革について申し上げます。このことについても池田議員に申し上げたところでございますが、少し視点を変えまして説明を申し上げたいと思います。
 後期高齢者医療制度につきましては、いわゆる市町村の広域連合1県1連合体で進めることになっております。特に御指摘のございましたように、十分周知していくのかどうかということであります。パンフレットなど窓口配付をしたり、あるいはいろんな新聞折り込みなどもやっておるわけですが、でき得れば出前講座もして各地区の老人クラブの皆さんに普及啓発をしてまいりたいと思っております。なお、個々には通知なり、あるいは概要説明等を配付するわけですが、おじいちゃん、おばあちゃん、パンフレットを本当に読んでくれるかどうか。しかも保険証が別々ですから、若い連中のサポートがないとなかなか浸透しないのではないか、そういう心配をしております。
 政府はこのことを、75歳の皆さんに活字で書いて、近ごろ英語の文言がたくさんあるんですよね。こんなものを出して本当に理解できるかどうか。先ほども池田議員に申し上げましたが、従来保険証1枚で、お父さんの名前でやってきましたから、そこへ出すと。そうすると、お父さんが承知をしておれば、じいちゃん、ばあちゃんは徹底できるんですよ。じいちゃん、ばあちゃんあての文書ですから、じいちゃん、ばあちゃんが難しい文言、恐らく行政用語なんていうのは理解できんと思う。こういうところが実は心配なんですけれども、でき得れば出前講座などをして、その辺時間をかけて御理解をいただけるようにしたいと私は思っておるわけでございます。
 さて、保険料のことであります。おっしゃるとおり、2年ごとに見直すことになっておりますが、さてどうでしょう。医療費の歯どめはかかりません。そのことを考えるときに、いわゆる被保険者、じいちゃん、ばあちゃんの保険料、ただし、じいちゃん、ばあちゃんはできませんので、若年の皆さんの応援を求める方針になっているんですね。ここへしわ寄せがいきますから、ここでも実は保険料の値上げというものが出てくるような気がします。
 先ほども説明申し上げましたが、飯田議員が心配されるとおりでありまして、国が勝手な悪法を決めたということです。この議案に賛成した議員さんたちを批判したいと思う。あまり議場で言うべき話ではございませんが、私ども当事者として本当に心配なんです。このことを理解しながら法案を通したのかどうか。私は見直してほしい、そんなことを思っておりますし、このことは医療費削減だけであって、保険料の問題、そしてそれを後押しする若年者の保険料も上がりますので、国だけが医療費削減のためにやったと言わざるを得ない。こういう悪法があっていいのかどうか、私はそのような所見を持っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 なお、この特定健康診査についても質問がございました。受診率はどうかということでございますので、1期5年が1つの節目になっております。その意味で目的を達成するようにという指導でありますが、私は健診率だけは守っていきたいと。これが悪法であろうと悪法でなかろうと、これだけはやっぱり十分PRする必要があるのではないか。だから、受診率向上のためにも職員と一体になって努力をしてまいりたい、このように思っておるところでございます。
 これもおじいちゃんとおばあちゃん、家族で別々でございますが、今、健康増進法等で40歳から全部そのようなことをやるわけですが、これこそ一体になって受診をしていただいて、相対でいろいろ生活機能評価問診票等が配られますので、それらのドクターの御意見も聞きながら対応する、そういうことに少し手間暇をかける必要があるのではないか、このように思っておるところでございますので、何とぞ御協力を賜りたいと思います。健診データが当市に送られますので、私のほうからは、保健指導該当者について把握をいたしまして、対象者に指導し、保健指導をしていくことだと思っております。これには万全を期したい、このように思っておるところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
 次に、子どもの医療費助成についてでございます。これも先にお答えいたしましたが、小学校3年生まで、これまでよりも私は一歩前進だと思っておりますけれども、どこかのほうで何かまだ競争して医療費を払うようなところもありますが、段階的に進めてもいいのではないかと、このように実は思っておりますので、市の単独事業として進めさせていただきたい、このように思っております。いずれにしましても、近隣市並みに今後考えていきたいと。もう少し時間を、今、新しい条例を出したばかりですから、ここで変えますというわけにはまいりませんので、その点を御理解いただきたいと思います。あとは担当部長から説明を申し上げます。
 以上であります。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 吉田孝夫君。
  〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕

◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、予算案の概要といたしまして、一般会計の歳入歳出の積算など、具体的なお尋ねについてお答えをいたします。
 歳入から申し上げます。まず、市税の積算根拠についてでございますが、見積もりに当たりましては、今年度の当初課税の実績、最近の経済情勢、雇用情勢、そのほか企業の業績予測などを勘案いたしまして、過去の収入実績を十分参酌して計上いたしたところであります。
 主なものを申し上げますと、個人市民税では、三位一体の改革による税源移譲の影響の一部が新年度にも反映されることから増収を見込んでおります。また、法人市民税では、最近の経済活動の進展や法人数の増加により、都市部ほどではないものの、やや増収を見込んでおります。
 固定資産税につきましては、土地は一定の宅地化の進展があったことからやや増を、また、家屋についても、昨年は非木造の建物を中心に新増築が堅調であったことから、同様にやや増を見込んだところであり、こうした動向に市政発展の一端がうかがえるところでございます。
 次に、地方交付税につきましては、今回創設された地方再生対策費につきましては地方と都市の共生という考え方のもと、地方税の偏在是正によって生じる財源を活用して、臨時的に普通交付税に特別枠が設けられたものであります。この特別枠総額4,000億円のうち、市町村分は2,500億円程度とされており、合併市町村については、合併前の旧市町村単位の算定額を合算して算出した砺波市の地方再生対策費、これにつきましては1億3,300万円を見込んでいるところでございます。
 一方、通常分につきましては、個別算定経費分の伸び率がマイナス1%、新型交付税として積算される包括算定経費分がマイナス2.5%と縮小している上、砺波市における特別な事情といたしまして、地域総合整備事業債などの償還が終了、または減少し、基準財政需要額は1億7,600万円が減額となると見込んでおるわけでございます。そこで平成19年度普通交付税の決定額に、この特別枠と通常分をプラスマイナスいたしまして40億4,000万円と見込み、前年対比で6,000万円が減少したものでございます。なお、特別交付税につきましては、19年度と同額を計上いたしたものでございます。
 次に、繰入金につきまして御説明いたします。
 議員述べられたとおり、3つの基金を取り崩し、繰り入れすることといたしております。これら基金の設置目的に基づき、財政調整基金は不足する一般財源として、減債基金は市債の償還財源として公債費に、そして地域福祉基金は民生費に、それぞれ必要額を充てたものであり、基金残高を見ながら、将来にわたり健全な財政運営に資するため、必要に応じ活用するものでございます。しかしながら、行政は突発的な災害や少子高齢化の進行などに備えて基金を保持することが必要でありますので、基金の積み立てにも最大限の努力を払うことが極めて重要でございます。
 次に、市債につきましては、総額15億3,960万円のうち、合併特例債8億3,030万円を予定しておりますので、割合にいたしますと54%となります。また、20年度末の市債の発行残高は19年度末より9億2,400万円減少し、255億4,100万円になる見込みでございます。その他歳入予算の特徴としては、新たな制度として所得税から住民税への税源移譲が行われたことにより、所得税で控除し切れない住宅借入金等特別税額控除を住民税から控除することになりました。このことによりまして、減収となる住民税分を補てんするため、減収補てん特例交付金を2,940万円見込んでいるところでございます。
 次に、歳出予算の御質問についてお答えいたします。
 まず、義務的経費の見積もりの特徴と見通しについてのお尋ねでございますが、人件費は効率的な行政運営と定員適正化計画に基づき職員を減員いたしております。しかし、一方では、退職手当負担金の掛け金率が引き上げられますので、トータルでは減額となるものでございます。
 扶助費は、福祉などの関係法令に基づく給付や市単独の各種扶助などのほか、民間保育所開設に伴う保育委託料の増加や保育所の嘱託、あるいは臨時職員の賃金について一定額を計上したことなどによりまして前年度より増加しているものでございます。
 公債費は、通常の償還分は元金、利子ともに大きく減りますが、繰り上げ償還を1億3,200万円実施いたしますので、トータルでやや減となるものでございます。
 義務的経費の今後の見通しにつきましては、引き続き定員適正化計画に基づき人件費の抑制に努めますけれども、子ども医療費などの助成や高齢化の進行などにより扶助費の増加が見込まれます。また、公債費につきましては、21年度まで繰り上げ償還を行いますので、同程度で推移し、その後も合併特例債の元金償還が始まりますので、この程度の状況が引き続くものと思っておるわけでございます。
 次に、投資的経費の今後の見通しにつきましては、合併時の大型事業は一段落いたしますが、総合計画に位置づけた合併関連事業は着実に実施してまいりたいと考えております。しかしながら、厳しい財政状況の中にあって財務指標の公表を踏まえますと、昨年策定いたしました財政健全化計画などに基づき、年度間の公債費負担が過度とならないように総合計画をローリングしながら進めてまいります。
 次に、その他の経費の物件費の見通しにつきましては、予算計上に当たっては実績見込みによって計上いたしましたので減少いたしますが、産休や育児休業などに伴い、臨時職員等の雇用が増える関係から賃金が増加いたしますので、トータルではやや増となったものであります。
 次に、病院事業や下水道事業への繰出金の増加に対する負担軽減についてでありますが、2つの会計とも経営健全化計画に基づき高利率の市債の繰り上げ償還を実施いたします。また、病院事業につきましては、7対1看護を実施し、入院患者への看護サービスをより充実するとともに、経費については極力節減をして、早期健全経営ができるよう努めているところであります。なお、下水道事業につきましては、事業費を3億円圧縮し、繰出金の抑制を図ったほか、受益者分担金の前納が進んだことから、予定しておりました基金を取り崩さずに基金の積み増しを行うなど、安定経営に意を配しているところでございます。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 小幡和日出君。
  〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕

◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、企業立地促進法に基づく支援につきまして、本定例会において固定資産税の一部課税免除と工場敷地内の緑地率等規制緩和の2つの条例制定議案を提案しておりますが、この答弁に対しまして池田議員の代表質問の中で副市長が答弁しておりますので、私からは工場敷地内の緑地率等規制緩和に関する条例について補足して答弁をさせていただきます。
 工場立地法では、一定規模以上の製造工場等で敷地に占める池や広場などの環境施設面積率が25%以上、そのうち樹木や芝などの緑地面積率が20%と規定されております。今回、企業立地促進法に基づき、それぞれの地方の環境に合わせて、この緑地率等を市町村の条例で定め緩和することが可能になったものであり、砺波市では乙種地域ということで、環境施設面積率については15%以上、緑地面積率については10%以上に緩和するというものであります。
 この甲乙種区域とは、都市計画上の工業地域、準工業地域及び市の造成した工業団地並びに同程度と考える区域で、区域内に住宅密集がしていない地域ということで、今回具体的な地区名を上げて提案をさせていただいているものであります。なお、この条例案については、県内のほとんどの市町村において昨年の12月、または今3月の議会に上程されております。
 以上でございます。

    市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)

◯議長(林 忠男君) これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告に基づき順次発言を許します。
 8番 井上五三男君。
  〔8番 井上五三男君 登壇〕

◯8番(井上五三男君) お許しをいただきましたので、市政一般について質問をさせていただきます。
 最初に、我が国の経済は、自動車、IT産業を初めとして、輸出が好調なおかげで国内産業の生産動向にも回復の兆しが見られていましたが、昨年半ばから原油価格の高騰、アメリカのサブプライムローン問題等により株価は下がり、そして経済成長にも減速傾向が見られ、特に原油価格の高騰はいろんな産業に悪影響を与え、そして物価上昇を招き、また、住宅関連産業も、改正建築基準法施行に伴う混乱で、住宅着工が40年ぶりの低水準などで個人消費にも陰りが見え始めております。
 そこに追い打ちをかけるように、2月から4月にかけて原材料価格の高騰に伴う値上げラッシュが続きますので、個人消費の足かせになるのは必至で、光熱費やガソリン、灯油、食料などの支出の違いにより家庭負担増額は地域間格差拡大の動きを助長しそうで、今後動向を見守る必要があると思います。
 また、我々が生活していく大事な食の中でも、国内のいろんな食品メーカーの賞味期限、生産者、生産地の偽装問題などが発覚し、それから年が明けると今度は中国産ギョーザによる中毒問題が発生して、今現在はっきりした原因がわからず、食の安全・安心への信頼が大きく揺らいでいるのが現状ではないかと思います。しかしながら、中国に対する食材の依存度が年々高くなってきていて、農林水産物の2006年の輸入額は8兆859億円で、前年比5.6%と伸び、中国はアメリカに次いで第2位で、15.1%のシェアで年々増加傾向にあります。
 中国が伸びているのは、外食や加工食品産業が望む安くて大量の食材が安定的に輸入できるのが背景にあると思います。また、輸入された冷凍野菜のうち46%が中国産で、焼き鳥などの調整品は56%を中国に頼っているのが現状であります。現在、コスト面で利点が大きい中国の食料品をなくして、日本の食が成り立たなくなるとまで言われております。今後は、現地での検査体制を強化して、日中協働で一日も早い原因究明と再発防止策の徹底を図り、日本へ安全・安心な食品の輸入をしていただくことが重要でないかと思います。その一方で、食の安全・安心から考えてみると、食材の宝庫である北陸に住む我々とすれば、この問題を機に改めて安全な地のもののよさと食料自給率と地産地消の大切さを認識する必要があります。
 そこで、世界の主要先進国と比較すると、我が国の食料自給率の低さは際立っていまして、先進国の中では最低の水準39%まで落ち込んでいます。それは食の欧風化が進み、自給可能な米の消費が減る一方で、輸入依存度が高い穀類、肉類などの消費が増えたためだと思います。ちなみに、日本の主食の米の消費量は1人当たり年間で1962年度(昭和37年度)の118キログラムをピークに、2006年度では61キログラムとほぼ半減しているのが現状であります。そして、農業が衰退したのは消費者のニーズの変化に対応ができなかった面もあったのではないかと思います。
 そんな中で、政府は2006年度で39%だった食料自給率を2015年度に45%まで上げる目標を掲げていますが、特に麦、大豆、果実、肉類らの自給率は10%前後しかありませんので、ハードルはかなり高いのではないかと思います。それはなぜかというと、食料供給力のかぎを握る耕地面積は、1961年(昭和36年度)のピーク時608万ヘクタールから2007年度には465万ヘクタールにまで減少していて、あわせて農業従事者の高齢化に伴い担い手不足も深刻で、2007年の農業就業人口はピーク時1960年(昭和35年)の約4分の1以下の312万人まで落ち込んでいるのが現状で、極端な言い方をしますと、総人口の2.6%(312万人)で日本の食料自給率39%を担っていると言っても過言ではないと思います。
 この10年だけで2割減り、そして65歳以上の農業従事者の割合は59%と12ポイントも上がって、日本の食の担い手不足は深刻であり、それに作付を行っていない全国の耕作放棄地は埼玉県1県分の面積に匹敵する39万ヘクタールにまで及んでいるのが現状です。また、地球上では、人口が増え続け65億人に達し、食料輸入先でも近年の地球温暖化の影響で農産物の収穫が減っていることがわかり、不安がますます大きくなってきております。
 そんな中でも、日本の米の面積当たりの収穫は100年かけて2.4倍にもなっており、これは日本の高い技術力と農家、農業従事者の日々の努力のたまものであると思います。しかしながら、地産地消が叫ばれている中で、全国都道府県別野菜産出額では、富山県は全国最下位意の47位で、大型スーパー、量販店から当てにされないところまで来ているのではないかと思います。
 そこで、安全・安心でお手ごろな単価の食料品を求める市民のために、耕作地、農家、農業従事者の協力をいただき、そして食べる人、消費者自身も意識改革が必要であると思うし、食料の備蓄等も考慮する必要があるかと思いますが、そこで砺波型複合農業の展開等、食料自給率アップを図るために、市当局として指導支援施策をどのようにお考えなのかお聞きいたします。
 次に、平成19年度から新たな米政策が始まり、これまでのようなすべての農業者を一律的に対象として、個々の品目ごとに講じてきた施策を見直し、意欲と能力のある担い手に対象を限定し、その経営の安定を図る品目横断的経営安定対策への戦後最大の農業構造改革、いわゆる農政転換が行われました。
 それで、平成19年度現在で、砺波市農業の中心的な担い手である農業経営改善計画の認定を受けた農業者の内訳は認定農業者数が117で、そのうち農業法人は26、個人は91人で、うち女性4人です。そして、集落営農組織は44組織で、水田農業ビジョンに位置づけられた担い手は160人となっていまして、担い手による経営面積割合は全体の64%を占めております。そんな中で新しい取り組みが始まりましたが、生産現場ではさまざまな問題が浮き彫りになってきました。
 そこで、2007年度産の米価は、作況指数が99でありながら大幅に下落した。また、県内の作況指数は96のやや不良となりましたが、砺波管内農業者にとりましては、農業経営では収穫で約11%減、そして価格で約14%減のダブルパンチを受けて大変に厳しい農業経営になっております。30ヘクタール規模の集落営農組織では、減収、米価下落で、18年度と比較しますと約380万円の収入減となり、これは大方年間の作業労賃額に匹敵いたします。やっとの思いで集落営農を立ち上げて、いきなり難しい経営体制を強いられておられるのが現状ではないかと思います。そこで、支出の項目を見ましても、ほとんどが必要経費で、いわゆる固定費でありまして、収穫減、米価下落が即収入減につながりまして、いろんな助成金を充当してもかなり厳しい経営となり、作業労賃にどうしてもしわ寄せがいかざるを得ないのであります。
 そこで、政府は、昨年の参議院選挙の結果を受けて農業政策の見直しを進められ、それとあわせて米の生産調整が十分に機能せず、2007年産の米価は作況指数が99でありながら大幅に下落したことを受けて、全国の農業者、JA全中、ほか関係者の皆さんが政策転換を求められたところ、昨年の12月に米政策と品目横断的経営安定対策の見直しと関連予算が閣議決定された。その中で、米の生産調整では、東北のある県では過剰作付が約1万3,400ヘクタールと全国のワーストワンでしたが、今年は、県、市町村、農業者、JAと関係者を挙げて米の計画生産に挑戦するとのことであります。
 そこで、政府は平成19年度補正予算で措置する地域水田農業活性化緊急対策を活用して未実施者への働きを強めるとのことであります。そこで、地域全体として生産調整目標を達成するため、地域農業水田推進協議会との間で生産調整の拡大を図るために締結した農業者に対し、踏切料として長期生産調整実施者緊急一時金を交付することになっていますが、これはどのような制度なのか。また、この制度を、地域農業水田推進協議会や担い手に対して市当局としてどのような指導、支援をされていかれるのかお聞きいたします。
 次に、福田首相が本年1月18日の第169回通常国会本会議の施政方針で、今年は生活者や消費者が主役となる社会へのスタートの年と位置づけ、制度を見直すとの発言がありました。その中で、農業について、意欲のある担い手を支援し、農地の集積や有効利用を進める農地政策改革の具体化を進める。また、小規模、高齢の農家が安心できるよう集落営農を立ち上げやすくなるなど、きめ細かな対応に努めるということでありましたが、特に弱者農業者への支援、救済は農地放棄田の拡大を防ぐためにもぜひ必要と思います。それで、今度はこれまでの品目横断的経営安定対策から水田経営所得安定対策と名称変更になりました。そこで、市当局にこの水田農業所得安定対策の制度内容がどのように見直されたのか、ポイントについて具体的にお聞きいたします。
 次に、話は変わりますが、ふるさとへの寄附についてお伺いいたします。
 これは、以前にふるさと納税という構想で、1980年代に都市社会学者である磯村英一東洋大学学長が提唱されていたものであります。この考えは、地方から都会に出て暮らす人が、自分が今、納めている個人住民税の一部を自らの生まれ育ったふるさとの地方自治体に回すことにより、財政的に応援をして都市と地方との財政の格差是正を図ろうという発想から生まれたものと存じております。
 そこで、昨年、総務大臣の問題提起から総務省に設置されたふるさと納税研究会では、国民が財政貢献を可能にする制度の調査研究が行われ、このほど報告書がまとめられました。これによれば、個人住民税の一部をふるさとの地方自治体に直接回すのではなく、控除対象寄附金の拡大など寄附金税制の改正を行い、ふるさとへの寄附金が行いやすい環境を整えるという考え方で制度設計が行われ、税金ではなく寄附金でふるさとを応援しようという考え方にまとまったとお聞きいたしております。
 そして、2008年税制改正案もこの報告書を踏まえて作成され、その内容は、1つ、寄附先の地方自治体は出身地などに限定せず、すべての都道府県、市町村から選択することができること。2つ、地方自治体に寄附した場合、これまでは10万円を超える寄附でなければ個人住民税の控除対象となりませんが、その下限額を5,000円に引き下げること。3つ、寄附控除方式は所得控除ではなく税額控除とし、控除対象となる額の上限は個人住民税額の1割とする。4、社会福祉法人や認定NPOに対する寄附金も、市町村の寄附金条例に規定すれば住民税の寄附金控除の対象になることなどが主なポイントではないかと思います。
 確かに、地方自治体への寄附だけでは、都市と地方の自治体間の財政格差解消には大きく貢献できるものではなく、また、安定した収入として期待もできませんが、寄附金税制の改正によって国民の間で寄附しようという機運が高まることは十分に予想され、そういう意味では画期的な制度ではないかと思います。この税額控除という寄附者が、利用しやすい制度によって地方自治体がそれぞれ活性化を目指し、税収増を目的に知恵と工夫を凝らし合うことになれば、地方自治体間の競争が加速され、都市と地方の格差是正に好影響を及ぼすのではないかと期待をいたしておる一人であります。
 また、この導入に対し、財源の乏しい地方自治体と住民税の一部を地方に奪われかねない東京、神奈川、愛知、大阪の4都府県との間で相当の議論があったことは御存じのとおりであります。そして、この一、二年の間に三位一体改革、地方分権改革等の影響で都市と地方間の格差問題が大きくクローズアップされてきており、そんな中で特に地方自治体を取り巻く環境は、危機的財政状況のもと少子高齢化社会の到来、経済活動のグローバル化、地域間競争が激化する中で、地域産業の衰退等により地域間格差が拡大するなど、一段と厳しさが増しているのが現状であります。
 ここで、単純に2007年度の個人住民税の税収見込み額は約12兆円と言われております。仮に、そのうちの1割がふるさとへの寄附で地方自治体に寄附されたとして1兆2,000億円となります。これは、地方自治体の財源保障として、国から地方に配分される地方交付税総額の約8%ですが、都市と地方間の格差是正にどれだけ効果があるかわかりませんが、この制度は今の厳しい財政状況下で地方自治体では常に経営改善努力が求められ、また地域資源を生かした魅力、特徴を全国に発信して努力されており、ぜひ地方自治体の健全な取り組みとして大いに推奨されるべきであると思います。それで地方自治体に何らかの貢献をしたいという納税者、寄附する人の志にこたえるためにも、ふるさとへの寄附に対する寄附金税制の改正を地方自治体では歓迎すべきことであると思います。
 そこで、ふるさとへの寄附の推進について3点お伺いいたします。
 1つ、寄附金の控除方式について、税制改正により地方自治体への寄附に対する寄附金控除の方式として、所得控除から税額控除に変わるようであるが、税額控除のほうが納税者の負担が軽くなるのか。
 2つ目、地方交付税への影響について、砺波市への寄附金が増えた場合、当市の地方交付税収入にどのような影響があるのか。
 3、最後になりますが、寄附金条例の制定などの取り組みの検討について、寄附金を増やすため、また社会福祉法人や認定NPOへの寄附金についても寄附金控除の対象とするため、市当局として、寄附金条例の制定を含めた取り組みについてどのように検討されているのかお聞きいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 副市長 吉田俊和君。
  〔副市長 吉田俊和君 登壇〕

◯副市長(吉田俊和君) 私からは、ふるさとへの寄附について申し上げたいと存じます。
 井上議員御発言のとおり、目下開会中の国会におきまして地方税法の改正案が審議されております。そして、その中に地方公共団体への寄附に係る個人住民税の寄附金控除の制度改正が含まれているわけでございます。
 そこで、まずお尋ねの寄附金の控除方式について申し上げたいと存じます。現行の制度におきましては、地方公共団体へ寄附をした場合における個人住民税の寄附金控除につきましては、おっしゃいましたとおり下限額が10万円でありまして、それを超える額の寄附金でなければ寄附金控除の対象とはならないわけであります。また、控除の方法につきましても、税額控除ではなく所得からの控除であります。寄附金のうち10万円を超える部分について、所得段階ごとに税率に応じて個人住民税が軽減されることになっております。
 それがこのたびの制度改正によりまして、寄附金控除適用の下限額が10万円から5,000円に大幅に引き下げになるわけでございます。また、控除の方式につきましても、御指摘のとおり所得控除から税額控除に改められることになります。したがいまして、納税者にとりましては二重に利点が生じるということに相なるわけでございます。なおかつ、少額の寄附者にとっても税控除の恩典が生じるというメリットがあるかというふうに認識をいたしております。
 口頭の説明ではわかりにくいかと思いますが、その仕組みについて1つ例を挙げて申し上げてみたいと存じますが、所得税率が10%の方、この方が仮に3万円をふるさとの地方公共団体に寄附をしたと仮定をいたします。現行制度では、先ほど申し上げましたとおり、所得税申告の際に3万円から5,000円を引いた2万5,000円の10%、すなわち2,500円の所得税が軽減をされるという現状で、個人住民税の軽減の適用はないわけであります。それがこのたびの改正では、2,500円の所得税の軽減に加えまして個人住民税が新たに2万2,500円軽減をされると。都合、所得税と住民税の軽減額の合計は2万5,000円になるわけであります。結果比較をいたしますと、3万円を寄附した場合、新制度では2万5,000円の税控除が発生をいたします。現行制度の控除額2,500円と比べますと、控除額が格段に大きくなるわけであります。
 ただ、手続について、御存じだと思いますが、ふるさとの自治体へ寄附の手続がやや面倒なこと、受け取った領収証をもちまして改めて最寄りの税務署で確定申告をしなければ税控除の適用が受けられない仕組みに相なるわけで、手続の煩雑さが障害になるというふうに指摘をされております。
 それと、もう一つ、地方交付税についてのお尋ねをいただきました。寄附金の額につきましては、基準財政収入額に算入されませんので、地方交付税の収入には影響がないというふうに認識をいたしております。本制度につきましては、井上議員も御指摘のとおり、地域間格差を少しでも是正できないかということで検討をされたと伺っております。ただ、疲弊した現下の地方財政を健全化する手だてといたしましては、本来自治体間の財政調整機能を持つ地方交付税の復元こそが最も重要な視点ではないかというふうに考えられております。
 そして、今ほど申しましたとおり、本制度は手続がやや煩雑で、あるいは井上議員も御指摘のとおり、財源確保が限定的であることなどから、過日の新聞報道にもありましたとおり、効果を疑問視する声も一部上がっているところでございます。しかしながら、限定的とはいえ、財源確保の一助としてせっかく制度が創設されましたので、当市におきましては、東京砺波会、あるいは近畿砺波会、これら当市となじみの深い方々への働きかけ、そしてホームページでの掲載など、効果的なPR対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
 なおまた、御提言のとおり、新たに寄附対象団体としてNPO等が加わることになるわけでございますが、要件といたしましては、寄附対象となるNPO団体等について、県、または市が条例で指定することが必要になるわけでございます。どのような団体を公益的、あるいは住民の福祉増進に寄与する団体として指定をするのかなど、課題もあるやに承っております。加えて、県民税を賦課する富山県との関連も当然生じてまいりますので、今後相互で協議をしながら検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 小幡和日出君。
  〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕

◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、食料自給率について御答弁申し上げます。
 今、農業を取り巻く情勢は大変厳しい状況であり、議員述べられたとおりであります。砺波市の基幹産業は農業であり、従来より稲作を中心に取り組んできました。大正7年には、庄下の水野氏がチューリップ栽培を始め、チューリップの産地という地位を築きました。しかし、経済の自由化に伴い、昭和63年ごろから安いオランダ産球根に押され、収入が減少し、生産農家は苦慮しています。また、米においても、消費量の減少から今後も年間9万トン減ると試算されており、消費拡大も大きな課題であります。
 井上議員お尋ねの砺波型農業の展開には、まず売れる米づくりとして、特別栽培米等付加価値を高めるとともに、米以外の農産物として、消費者のニーズがある野菜の契約栽培等、複合経営による所得の確保が求められております。また、施策として、認定農業者等に農地を集積する規模拡大や集落営農組織の育成など、低コスト化を図る効率的な生産体制づくりの支援や指導をしてまいりたいと存じます。
 食料自給率向上でありますが、生産者ばかりでなく消費者の意識を変える取り組みも最も重要であり、食育食農教育、学校教育との連携が必要不可欠であります。現在作成中であります新たな農業農村基本計画に盛り込み、施策を講じてまいります。特に地産地消は安全・安心な地元の農産物を消費者に単に供給するばかりでなく、農業が元気になり、農村が持続でき、農産物の輸送距離が短くなることから環境にもやさしい取り組みであり、今後ともインショップや直売所活動を支援するとともに、となみ野農協が取り組む野菜出荷協議会の推進を図ります。このような取り組みにより、砺波市内での自給率が向上するものと期待しているものであります。
 次に、品目横断的経営安定対策の農政転換のうち、地域水田農業活性化緊急対策について申し上げます。
 国が19年度の補正予算で実施する地域水田農業活性化緊急対策、いわゆる緊急一時金について申し上げます。米価の下落の原因は、生産調整が実施されず、過剰作付されていることが最大の要因であります。19年産米における全国の生産調整の達成状況につきましては、31の府県が未達成で、富山県を含む16の都道県が達成している状況であります。生産調整の実効性を確保し、自給の均衡を確実に図ることを目的として緊急一時金が交付されます。交付要件は、生産調整未達成府県等に対し水稲以外の大麦、大豆、飼料作物等を作付した場合は10アール当たり3万円を交付し、本県のような達成県では、19年度から20年度において生産調整を拡大する部分に10アール当たり5万円が交付されます。
 具体的には、生産調整増加分を5年間契約することにより、踏切料として長期生産調整実施者緊急一時金として交付される仕組みとなっております。この事業実施に当たりましては、砺波市水田農業推進協議会やとなみ野農業協同組合、各地区の水田農業推進協議会に対し十分に協議し、緊急対策が確実に実施されるよう事業の周知を図ってまいります。なお、砺波市水田農業推進協議会の試算によりますと、生産調整拡大面積は約50ヘクタールになると見込まれております。さらに、この事業が単なる達成県でなされないように、国・県に対して強く要望を行ってまいりたいと存じます。
 次に、水田経営所得安定対策の制度内容について申し上げます。
 19年度から実施された品目横断的経営安定対策につきましては、水稲、大麦、大豆等の土地利用型作物の体質強化を進めるため、地域農業を担い手が中心となって食料供給の安定確保を図ることを基調とした制度となっておりますが、対策の実施に伴い地域の取り組みの段階において、事業の内容における面積要件と所得要件に誤解が生じる点があったこと、従来の県知事特認制度では地域の実情が反映されず、全国で取り組みが皆無であったこと、集落営農組織における5年後の法人化義務の不安から加入申請が進まなかったことなどから、国においては、本年2月の制度一部見直しを行い、名称を水田経営所得安定対策と変更して実施することになったものであります。
 具体的には、産地づくり交付金の受け取りは品目横断加入者だけではなくても対象になること、小規模農家を対象とした米価下落対策として、担い手以外の方に交付される稲作構造改革交付金に加入することができること、集落営農組織については5年後の法人化の義務づけが緩和されたこと、加入者の拡大に向けた面積要件の見直しとして、市町村特認制度が創設されたことが主な見直しポイントであります。こうした制度の見直しを踏まえ、水田農業所得安定対策加入者及びいまだ加入のない農家に対しても関係機関が連携し、制度の周知徹底を図ってまいります。また、今回創設されました市町村特認制度につきましては、砺波市水田農業ビジョンに位置づけられた地域の担い手が要件となっております。この特認制度につきましては農業経営者として頑張る意欲のある方を支援することが大切かと考えますので、関係機関と協議いたしまして一定の方向を定めたいと存じております。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) この際、10分間の休憩をいたします。

 午後 2時54分 休憩

 午後 3時05分 再開

◯議長(林 忠男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 市政一般に対する質問を続行いたします。
 7番 稲垣 修君。
  〔7番 稲垣 修君 登壇〕

◯7番(稲垣 修君) 最初に、去る2月24日の県東部沿岸を中心に発生いたしました高波による被害者の皆様に心よりお見舞いを申し上げ、通告に従い市政一般についての2項目の質問、あわせて若干の要望と意見を述べさせていただきます。
 まず、(仮称)出町子供歌舞伎曳山会館の建設に向けて、3点についての質問をさせていただきます。
 思えば関係者の長年にわたる念願でありました曳山会館の建設につきましては、まちづくりの核に、また出町の核となる施設にとの安念市長の基本的なお考えと御英断により、平成16年12月の定例本会議の一般質問に対する御答弁の中で、出町東部第2土地区画整理事業区域内での保留地を会館の用地にとの大変ありがたい御提案をいただき、以来、東部第2土地区画整理組合員の皆様の温かい御理解のもと、建設に向けて平成18年に曳山会館建設検討委員会が設置され、基本計画及び基本設計が整い、19年度には実施設計と3,000平方メートルにわたる用地を約2億1,400万円で取得され、いよいよ今年度本体工事がスタートするという現実的な段階にまで来ております。
 なお、厳しい財政状況のもと、20年度予算案の中では、21年度の継続費を含め、曳山会館建設事業費として5億3,873万2,000円という大型予算が計上されており、行政の意気込み、姿勢に対し子供歌舞伎曳山振興会を初め関係者一同深く感謝をいたしているところであります。
 そこで、地元といたしましては、一日も早い曳山会館の竣工、開館が待たれるところでありますが、先の議案説明会で概要はお聞きしたものの、改めて今後の建設、開館に向けてのスケジュールについてお聞かせ願います。あわせて、安念市長の提案理由の中で、曳山会館の緑地用地取得についての御説明がありました。周囲の環境整備、また調和を図る上でも必要であろうと存じます。どのような内容をお考えなのか、安念市長よりお聞かせを願います。
 次に、曳山会館の開館後の管理運営について、御検討中のこととは存じますが、現段階でどのようにお考えになっているのかお尋ねをいたします。
 曳山会館の地域における位置づけは、第1に市・県の指定文化財であり、また200年以上の歴史のある出町子供歌舞伎曳山の保護と振興のための展示、保管活動の拠点であり、第2に、市に伝わる芸能文化の継承と再興の拠点であり、第3に、歩けるまちづくり、すなわち中心市街地への観光客の回遊性を高め、中心市街地のにぎわい創出に寄与する回遊拠点であり、第4に、市民が自ら考え、参画するまちづくり活動の拠点でなければなりません。このように多くの拠点となる曳山会館の役割は大きく、そのための施設の管理運営は費用対効果も含め大変重要となってまいります。もちろん管理運営上、観光協会、商工会議所、各商工会、子供歌舞伎曳山振興会、各関係団体、また多くの市民のバックアップは不可欠でありますが、主体は行政であるということは今さら言うまでもありません。
 平成17年8月に、国内でも代表される1つの長浜市曳山博物館を期別議員で行政視察をいたしましたが、当時長浜市より地元の曳山文化協会が管理を委託され、市からの出向者3名を含む6名で管理運営に当たっておられ、年間の維持管理費が約1億円、うち5,000万円を市からの補助金と高校生以上600円、小中学生300円の約5万人の入館料収入約2,300万円の合計約7,300万円で運営されており、収支バランスマイナス約2,700万円は市からの補てんという厳しい状況でありました。
 また、先ごろお隣南砺市の城端曳山会館の管理運営状況につきまして館長よりお聞きをいたしましたが、開館以来、市の直営で、人員は館長を含め3名、うち2名が女性で、全員が嘱託、開館時間は9時から17時、また開館日は年末年始を除き年中無休で、年間入館者数約1万2,000名、入館料収入は約500万円、1人平均で420円、ちなみに入館料は大人500円、高校・大学生300円、中学生以下は無料、また障害者についても無料となっております。年間の管理運営費は1,800万円で、主たる経費は光熱費で約1,000万円、また人件費比率は約30%とのことでありますが、入館料収入を差し引いても1,300万円の維持管理費がかかっております。
 どのような運営方法にしろ、開館後に多額の維持管理費が必要となってくることは明らかであります。なお、運営方法につきましては、18年度より導入されました指定管理者制度も視野に入っていることとは存じますが、施設の性質上、年間予算の組み立ても大変重要なことであり、とりあえず開館後の一、二年間は市の直営で試行され、その後に指定管理者へ移行されるのも一考かと存じます。
 また、(仮称)砺波座及び研修室の使用料等は使用途別に料金設定を御検討されていることと存じますが、開館入館料の設定に当たっては、出町子供歌舞伎曳山自体が傘鉾、庵屋台から成る城端の飾り曳山とは根本的に異なるという観点も考慮されて設定いただきたく存じます。いろいろと申し上げましたが、曳山会館の管理運営について安念市長の御所見をお聞かせ願います。
 それでは、取り急ぎ第2の項目であります旧出町小学校跡地での文教ゾーンの総合整備計画についてお尋ねをいたします。
 この項目につきましては、過去数回にわたり質問をさせていただき、安念市長より、新総合計画の中で中期、後期になるかもしれないが、取り組んでいくとの御答弁をいただいておりますので、前置きは省略し、要点だけお尋ねをいたします。
 今年の1月11日、市連合婦人会の市長と語る会で、市長より新しい図書館を核とした生涯学習センター整備を平成24年、25年に着手したいとの新聞記事を拝見し、整備計画が2歩も3歩も前進したとの認識を持っておりますが、改めて着手の時期と、あわせてその他の施設を含めた基本構想について安念市長のお考えをお聞かせ願います。
 それでは、文教ゾーンの整備計画に関連し、今後の幼保連携型認定こども園の取り組みに向けて若干意見を述べさせていただきます。砺波市では、従来より他市町村に先駆け幼保一体施設の北部こども園、太田こども園を整備され、また昨年4月から教育委員会内にこども課を新設され、子育て支援サービスの一体的な提供、また幼稚園、保育所での一元的な保育を推進されており、高く評価をいたしているところであります。
 そもそも保護者が働いていれば保育所、働いていなければ幼稚園という短絡的な発想自体が、国の縦割り行政における弊害の1つではないかと私は思っております。今後、砺波市においても、就労の有無により施設が限定されるのではなく、就労環境の多様化に対応して、子どもたちに教育と保育を一体的に提供することを目指していくべきであると考えます。19年に砺波市の乳幼児保育指針を策定されたのも、そのあらわれの1つと私は思っております。
 そのような背景の中、文教ゾーン内には出町小学校の旧校舎を挟んで出町幼稚園と出町保育所が立地しており、特に出町保育所については、現保育棟、遊戯室とも35年を経過し老朽化が住んでおり、施設整備が必要な状況となっております。タイミング的には文教ゾーンの整備時期と思われますが、この際、現行2制度のもとで乗り越えなければならないハードル、また課題も多いこととは存じますが、時間は十分にあります。砺波市で最初となる幼保連携型認定こども園構想の取り組みについて御検討いただければと存じますが、堀田教育長の御所見をお伺いし、以上で私の質問を終わります。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 稲垣議員にお答えをいたします。
 仮称でありますが、出町子供歌舞伎曳山会館の建設についてお答えをいたします。
 まず、建設後の会館の管理運営について、答弁の都合上、先に申し上げたいと思います。出町子供歌舞伎曳山会館の管理につきましては、ただいま稲垣議員がよく調査をされて、その方法論も述べられたわけでございまして、敬服いたしております。私が申し上げるまでもなく、稲垣さん結論づけたような話があったように思うわけでございます。
 御意見の中にもございましたように、建設の目的は出町子供歌舞伎曳山の保存と振興が1つございます。また、唯一と言っていいぐらい、この地域のすばらしい文化芸能の継承をしなければならないと思っております。また、観光ネットワークの拠点施設でもあると考えておるわけで、そのことはまちづくりの核の施設であると、このように思うところでございます。
 このことにつきましては、曳山振興会から何度も陳情をいただきました。その構想等についてでも、振興会を中心として有識者で議論をしていただきました。幸い国土交通省のまちづくり事業に採択をしていただきました。なお、合併特例債というありがたい借金もあるわけで、ついては今日に至ったわけでございます。なお、その後の実施設計に当たりましても、地域の皆さんとよく相談をして、検討委員会を設けていただいて、その意向も酌んだわけでございます。私は、出町というよりも砺波の顔が1つ、新しい文化の顔が1つ生まれると、このように理解をしていただきたいと思っております。
 なおまた、これから東海北陸自動車道が全線開通するということになれば、いわゆる誇れるこのような文化施設、観光客も誘致をできると思っております。そして、ここは砺波の文化の中心地である、そのことが活性化につながる、このようにも思うわけでございます。チューリップフェア等でタピ・ドゥ・フルーを行っております。随分お金も実はかけておるわけでありますが、あまりにぎわいはございません。多くのお客さんをまちに誘導するときには、こういう施設もあってもいいのではないか。そのことがフェアのときだけではなくて、日常のにぎわいの施設にすべきだと、こう思っておるところでございます。
 さて、この曳山会館には3つの山がございます。そして、歴史的なすばらしい事象などもございますので、こういったものを展示するとか、あるいは町でそれぞれ題目が違うわけでありますが、それらの映像を紹介するコーナー、そこで鑑賞していただいて感動してもらいたい、そんなことも実は思っております。恐らく海外からの皆さんはこの映像を見ると、日本の文化というものをある程度理解していただけるのではないか、そういった意味で海外にも発信できるのではないか、そんなことを思っておるわけでございます。つきましては、この施設に幾つかの練習場であったり、鑑賞する場所であったり、会議室であったりしますが、砺波の観光のコーナーも設けて積極的にPRする場でもあろうかと、このように思っております。
 なおまた、このことについては提案もあったわけでございます。そこでオープン後の管理運営であります。今、率直な話、検討中であります。いずれ条例化する段階で皆さんにも協議をしてまいりたいと、このように思っております。今はその前段でいろいろ調査をさせております。その中でいい方法が、どのような方法があるのか、若い人の意見も聞きたいと思って調整をしておるところでございます。提案のありました指定管理者制度というものございましょう。その方法も1つの好ましい方法かと思いますが、最初からそのことができるかどうか、よく検討しなければならないと思います。特に子供歌舞伎曳山は専門的な事項もございますので、どこかの一般的な会館とは違うと思います。そういう専門事項もよく知った方が対処すべきではないか、このように思うわけでございます。
 稲垣議員も心配されております年間管理、相当かかると思います。そこで、曳山は一体だれのものか、市役所に任せるだけでいいのかどうか。この持ち主がしっかりしているわけですね。寄附をしてもらったわけでもないし、譲ってもらったわけでもないし、その意味で管理保管だけでいいのかどうかということですね。そのことをよく理解しておらないといけないと思います。この出町子供歌舞伎の曳山は、長年にわたって東町、中町、西町、それぞれ関係者の皆さんが連綿として大切に守り継承されてきたすばらしい貴重な財産だと私は思っております。つきましては、この機会にこの貴重な財産権をあいまいにしてはいけないと思っております。あまりあいまいにしますと大変失礼に当たると、こんなことも実は思っております。
 管理手法につきましては、振興会の皆さんともよく話をして、その自主性、主体性、そのことも考えていただいて、ついては金銭負担も含めて関係者と協議すべきではないかと、私はそう思っております。これは無理な話でしょうか。よく議論をしていただきたいと。ついては、稲垣議員さんに知恵と力を発揮してほしい。そのことをこの際私は申し上げておきたいと思います。そういうことで、これから整備しますが、ぜひ持ち主であることを十分理解していただいてひとつ知恵を発揮してもらいたいと、このように思っておるところでございます。
 次に、建設スケジュールでありますが、本体工事は大工事でございますので、2年継続といたしました。でき得れば年内早々に議会に提案をして、大きい事業ですから、どうしても契約条件が出てまいりますので、皆さんの議決をいただいて着工して、来年の5月ぐらいになろうかと思います。あれだけの事業でございますし、建てるだけではいけませんので、環境整備からいろいろしてまいります。そうしますと、来年の5月ごろに完了するのではないかと思います。
 ただ、衣装なども展示するという話もございますので、建物の養生期間が要るんですね。すぐというわけには絶対いきません。家が建ったらすぐ入るか、ただしまだ壁が干せておらん等々の問題がございますから、特にすばらしい文化財ですから、そんなわけにはまいらんと思う。十分風通しをして養生期間を考えると、来年の10月ごろになるのではないか。甘ったるいことを言うなということですが、そういうことなんです。実はそういうものを預かるときに、どこの蔵でも私はそうだと思う。貴重な蔵に保存するときにはそれなりの養生期間を置いて、しっかり乾燥させた上でないといけないのではないか。いずれにしてでも、そのようなスケジュールになることを御理解いただきたいと思います。
 次に、緑地用地でありますが、せっかくやるんだったらちゃちな砺波市の顔、そういうものをつくりたいと思うわけですから、でき得れば環境整備をしっかり、おかげさまで区画整理の中に公園用地も実はつけていただきました。これは皆さんが出し合ってくれた用地でありますけれども、その1号公園の横にもう一つやっぱり緑地小公園をつくっていきたいと思います。そして、皆さんに誇れる、せっかくやるんだったら誇れるものにしていきたい。曳山会館らしいものにするときに、そのようなことも考えまして、実はこの緑地等についての買収をしようということでございますので、この点も御理解をいただきたいと思います。
 なお、この小公園につきましては、まちのシンボルとして従来の町民からゆかりの深いいわゆる杉木村二郎兵衛さんの、ちょうど永原 廣さんが原型をつくってくれたのが実はあるんですね。その原型をもとにして、二郎兵衛さんのモニュメントをつくってもいいのではないか。出町の人はこの人が町立てをしてくれたと。ありがたいと、その横に曳山会館がある。そういう雰囲気づくりをしたほうがいいのではないか。このことも実は国土交通省にお諮りして、いわゆるまちづくりですから、皆さんで知恵とそういう工夫をするんだったらいいだろうということまで実はおっしゃっていただいております。そういう意味で、大変な投資になりますが、御理解をいただきたいと思います。これからもそういった配置につきましては、二郎兵衛さんについては専門家の皆さんや芸術家の皆さんとも今協議をいたしております。いずれにしても、ここの運営方法等については地元と精力的に話し合いをして進めさせていただきたいと、このように思っております。
 次は、文教ゾーンであります。これも稲垣議員から何度か質問されまして、今回も質問されて、何か言質をとったろうかなと、こんな気持ちではないかと思っておりますが、そう変わりません。総合計画につきましては載せておりますし、この計画に従っていきたいと思う。ただし、暫定税率等がなくなりますとそうはいかないと思いますが、順調にいけばそういう形でいきたいと思っておりますので、前期5カ年計画の中で今のところ平成23年度ぐらいに基本計画ができるのではないか。もともと地域の皆さんは話し合いで構想ができております。それがベースになると思いますので、そのように進めさせていただきたいと思っておるわけでございます。これも合併特例債を使うことにしておりますので、おたおたしておりましたら時間がたってしまいますので、そういう時期にはきちっと取り組むということでいきたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 基本構想等につきましては、生涯学習センターということでございますので、その基本は図書館を充実して、隣接して生涯学習にかかわる諸施設を考えようということでございますので、その構想についてはそう変わらないと思っておるわけでございます。なお、この際、あそこは文教ゾーンでございますので、文教にかかわるゾーニング、それについても十分考えていきたいと、こう思って、周辺整備につきましても考えてまいりたいと思います。
 ついては、花や緑を配置するような、そういう雰囲気の生涯学習センターであるべきだろうと、私はそのように思う次第でございます。そのことも含めまして、今回民具館へ1棟持っていくわけです。なお、2棟については、出町の皆さんが一生懸命使っていただいております。1棟持っていくわけでございますが、ぜひその跡地はいましばらく駐車場になると思いますが、これも整備しておきたいと思う。そうでないと、幼稚園、保育園の皆さんがあそこへ行くと実は混雑しておるわけで、私も聞いておるわけですが、幼稚園、保育園の皆さんのための、出町の人のためじゃないですよ。そのための整備をきちっとしてあげることも大事ではないか。いわゆる緑地を含めたそういう環境づくりをする前提として、この1棟の跡地についてはすっきりとして舗装もしてあげたいと、このように思っておるところでございます。
 以上、私から答弁といたします。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 教育長 堀田良男君。
  〔教育長 堀田良男君 登壇〕

◯教育長(堀田良男君) 稲垣議員の幼保一体認定こども園についての御質問にお答えをいたします。
 平成18年10月から認定こども園制度が実施されて、幼保一体化の保育施設が設置可能となったわけでございます。しかし、このこども園も保育所部分は厚生労働省所管、幼稚園部分は文部科学省所管という国の縦割りの弊害がここにも出ております。
 そこで、この制度が国から示された時点、平成18年の前半でございますけれども、庁内の関係者部局で、非常にユニークな制度でもありますので、慎重に議論をして具体策を練っておりました。結論は利用料金や定員の設定などで難しい問題があると、いま少し推移を見守りたいという慎重な意見が多うございました。それはこども課ができない先の問題ですね。こども課ができようとするその胎動の時期なんですね。だから、2つ一緒に議論をしておったわけでございます。
 そこで、子どもたちに一体的な保育を実施する施設として、認定こども園制度というのはもう少し改善の余地が見えないだろうか。そういうことで、こども課も先頭にしながら、市内の幼児教育の現況認識と国の制度改革というものについてもう少し見守っていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 以上です。

◯議長(林 忠男君) 9番 嶋村信之君。
  〔9番 嶋村信之君 登壇〕

◯9番(嶋村信之君) 通告に基づき、市政一般について提案並びに質問いたします。
 先般、市長の施政方針を拝聴いたしました。ついては、次のことについてお尋ねいたします。
 私たちの将来に重くのしかかる重要課題は、地球温暖化、そして少子化と思われます。我が国将来の総人口は、平成18年の1億2,774万人をピークに減少に転じ、平成62年には1億60万人、さらに100年後の人口は4,400万人になると推定されております。
 本市人口の推移を見ても、平成16年11月の合併時には4万9,180人、平成18年12月には4万9,545人をピークに、本年2月末には4万9,442人となり、103名減少。また、出生数では、平成16年には499人、19年には442人となり、57名減少、その上、特殊合計出生率も、平成16年は1.58、18年には1.41と低下をしております。若い世代の9割が結婚したいと考えており、平均で2人以上の子どもを希望しているようであります。
 少子化対策はまさに未来への投資であります。そのためには、女性の仕事を支える保育サービスの充実や病気のとき預けることのできる病児デイケア、そして病気の際の経済的な支援こそ肝要と思われます。子育てしやすい環境をつくるには、企業の果たす役割も大きいのであります。雇用が安定し、将来の見通しが立たないと、結婚、出産になかなか結びつかないのが現状であります。少子化対策は、企業にとっても長い目で見れば働く女性や若い労働力を確保でき、その上、新たに生まれる子どもたちは将来の消費者となるのであります。
 そこで、本市において、少子化対策のために、市長をヘッドとして課長級以上で(仮称)砺波市少子化社会対策会議及び企業との少子化社会対策協議会を立ち上げていただきたいのであります。今、国会では、ガソリン税などの道路特定財源が焦点になっておりますが、我が国の将来を考えるとき、子ども特定財源こそが必要であると強く訴えるべきではないでしょうか。
 市長は、児童の健康保持と福祉の増進を図るため、入院に係る医療費の助成を小学校3年生まで拡大すると提案しており一歩前進ですが、隣接市の状況を見ていると、今3月議会で小矢部市、南砺市とも小学校6年生まで通院、入院とも医療費無料にする議案が提出されております。県下の市町村と比較しても、本市の少子化対策は十分とは言えません。市長におかれましては、任期最後の予算編成でありますので、庄川と散居に広がる健康フラワー都市の将来を踏まえ、少子化対策の将来の展望を見据え、しっかり答弁をお願いいたします。
 2点目に、総合評価落札方式について。
 福島、和歌山県での建設工事にまつわる談合事件を受け、国や自治体で総合評価落札方式の導入が加速されたようであります。国土交通省の調査によりますと、2006年度導入状況として、都道府県ではほぼ100%、政令市では67%に対し、市町村ではわずか2%となっております。導入の遅れている原因は、1つには、参加事業者を評価する体制の未整備、2つ目に、重要な技術者の派遣や事務経費の問題、3つ目には、技術が伴っていない事業者が多いことなどがあります。こうした状況から、国土交通省は今年度から自治体への財政援助をしていく方針のようであります。
 そこで伺います。この総合評価落札方式の内容と本市の導入見通しについてお尋ねをいたします。
 次に、人と心を育むまちづくりについてお尋ねいたします。
 1点目に、教育委員会の責務について。
 さて、教育基本法の改正に伴い、教育三法も一部改正されました。三法の中の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が本年4月1日から施行されます。改正の概要を見ますと、1、教育委員会の責任体制の明確化、2、教育委員会の充実、3、教育における地方分権の推進、4、教育における国の責務の果たし方などがあります。今回の改正は、教育委員会を構成する委員が自らの重要な責務を自覚するとともに、その職務遂行に必要な知識を得られるように、教育委員会がより高い使命感を持ってその責任を果たそうとするものと理解をいたしております。
 また、第17条では、「教育長は教育委員会の指揮監督のもとに、教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどる」とありますが、教育委員長はどのように現今の教育改革に臨まれようとしているのか、御所見を御披瀝ください。
 また、教育の地方分権化推進の見地から、教育委員に保護者の選任が義務化され、林委員が選任されました。今後、教育における地方分権の推進について、どのような御意見をお持ちなのか、あわせて御披瀝をいただきたいと思います。
 2点目に、第2回全国学力調査について。
 昨年に引き続き、本年4月22日、小学校6年生、中学校3年生を対象に学力調査が実施されます。国語、算数、数学について、それぞれ基礎的知識を問う問題と知識の活用を問う問題が出題されると伺っておりますが、昨年の出題傾向と相違があるのでしょうか。もとより私自身、試験が苦手だったことから、今回実施される学力調査は試験ではなく学力を調査されるわけですが、気になるところであります。現場の教師はもちろん、児童生徒の保護者の方々も気になります。その上、調査結果が学校評価や個人評価にならないよう願うものであります。
 また、学校の決まりを守っている、学校に行く前に持ち物を確認する、家の人と学校での出来事について話す、朝食を毎日食べるなど、日常生活がリズム正しく行われている児童生徒の正答率が高かったようですが、今後この点についてどのように対応されようとしているのか、御教示を賜りたいと思います。また、第2回全国学力調査実施後の結果の対応について見解を述べていただきたいと思います。
 3点目に、エコスクールについて。
 文部科学省、経済産業省、そして農林水産省が協力をして実施したエコスクールのパイロットモデル実施校、ここで学び育つ子どもたちは地球温暖化などの環境問題を身近な問題としてとらえ、行動していくことを期待されております。本市では、エコスクールのパイロットモデル校として出町小学校、過日落成式が挙行されました砺波東部小学校があります。
 教育委員会においては、未来に羽ばたくとなみっ子のため、東部小学校に公費約25億円の巨額の経費と5年間の年月をかけて建設されました。建設に当たっては、エコスクールのパイロットモデル校となるようあらゆる角度を検討し、知恵を出し取り組まれたものと敬意を表します。今後、全国から多くの教育関係者が学校視察に来校されるものと推察いたします。そこで、国指定のパイロットモデル校としてのハード面は整備されました。大切なことは、自分たち、私たちの学校をエコスクールとして育て上げようとの気概、行動が立派なエコスクールとなり、その心が母校、あるいは地元の学校を守り育てる愛着と誇りが生まれ、持続可能な教育環境として育まれていくものと確信するものであります。
 砺波の子どもは砺波で育てるのであるならば、砺波の環境は砺波から守る、私たちが守る、そんな気概と情熱を学校現場から醸成していただきたいのであります。そこで、未来を担う子どもたちの学校現場において、身近ないわゆる3R運動を推進するエコスクールを育て上げ、全国に誇れる3R推進モデル校を目指してはいかがでしょうか。御見解をお聞かせください。
 4点目に、教員のサポート及び学校支援地域本部の設置について。
 特別支援教育も始まりました。教室から出て行ってしまうような子どもたちも、マン・ツー・マンで対応しなきゃならない。それ以外にも、会議もある、資料づくりもある、部活動もある、保護者への対応もある等々、先ほど申し上げたとおり、授業以外にしなきゃならない仕事がまじめな教師ほど多いというのが現状であります。教師が対応に悪戦苦闘している状況がうかがえます。うつ状態の教員も増えているということがあります。
 そこで教員のサポートについて伺います。確かに、部活動の外部指導者の配置、学習サポーターとしての配置も非常に重要であると思います。しかし、あまり考えてこなかった点で重要だと思うのは、保護者からのクレームへの対応であります。本当に一生懸命やっている現場が求めているのは、この保護者のクレームというものが今いろんな形で増えてきております。教師の個人的なことが原因で起きたクレームだったら、その人の責任で対応すればいいかもしれませんが、そうでないような要求やクレームが非常に多いと伺っております。それに対する組織的なサポートの体制は重要ではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。
 一方、文部科学省は、現在国会で審議中の2008年度予算案に、学校支援地域本部事業を計上、地域ぐるみで小中学校の運営を支援する学校支援地域本部を全市町村に設け、定年退職教員による授業補助、スポーツ文化芸術経験者による部活動支援、自治会における登下校時の安全確保などのボランティア活動を後押しし、地域が持つ多様な教育力で教員を支援して、子どもと向き合える時間の拡充を図るよう計画されておると仄聞いたしております。背景には、子どもの凶悪犯罪や不登校が急増し、地域の教育力の低下などが考えられます。
 地域全体で学校を支援することで、教員が子どもと向き合える時間の拡充を図るとともに、教員の質の向上に取り組む。すなわち、社会総がかりの教育が学力向上のみならず、人間力向上に大きな効果が上がること、また、教師がよりよい教え方を身につけるため、そしてそれを後押しするため、地域全体で子どもの教育にかかわることこそが教育再生のためには不可欠と判断しているようであります。そこで、本市として、学校支援地域本部事業の今後の取り組みについてお答えください。
 5点目に、スクールソーシャルワーカーの導入について。
 県教委は20年度県予算案で、いじめや不登校などの低年齢化が進む中、これまで全中学校に加えて小学校にもスクールカウンセラーを配置し、相談機能を強化する方針を明示いたしました。スクールカウンセラーは、児童生徒の心に焦点を当て問題解決を図るわけですが、一方、深刻な問題を抱えている児童生徒やその家庭に対して専門的な対応で解決を目指すスクールソーシャルワーカーが注目を集めております。過日の報道によりますと、県内公立学校での18年度のいじめと認められる数は1,419件で、人口1,000人当たりの件数は全国平均を上回る12.3人、不登校の出現率は15年前に比べると小学校では2.5倍、中学校では3倍に達し、不登校児童は231人と過去最多となっております。
 平成17年6月定例会の一般質問で、スクールソーシャルワーカーの導入について質問した折、教育長は導入を考えていないとの答弁でしたが、県教委は市町村教委などと協議会の設置をする方向ですが、いま一度スクールソーシャルワーカーの導入についてお考えをお聞かせください。以上、教育長の答弁を求めます。
 次に、笑顔があふれる福祉のまちづくりについてお尋ねいたします。
 1点目に、地域医療について。
 過日、朝日新聞の「私の視点」で、井関氏は、今、全国で自治体病院の医療崩壊が続いている。北海道夕張市では、市立病院が39億円の借入金を抱えて破綻したことは周知のとおりであります。今、医療費抑制の国策のもと、民間病院の生き残りの厳しさも増しております。このことは当然自治体病院にも言えるわけです。しかし、自治体病院は意思決定が遅く、時代に追いついていけないのではないかと言われております。最近は、国の研修医制度変更により、医師不足による収入源が病院経営に与えていると述べております。
 このことは、本市の総合病院にも当てはまるわけであります。また、医療危機状態にある地域ほど、医師たちの立場や気持ちを考えない住民や行政の行動が目立つと言われております。井関氏は、さらに医師という医療資源は泉とよく似ている。行政や住民が自分勝手にくみ上げれば泉は枯れる。行政は、病院経営の質を上げ、住民は医療資源を浪費しない。この条件がそろわないと、自治体病院、そして地域医療の崩壊は防げないと明言をいたしております。
 そこで、地域病院の中核病院である病院長として、行政や住民に対する御高見を伺いたいと思います。なお、病院長には人事予算権がなく、病院管理者である市長にあるわけですから、物事を決める際、時間と労力を費やしていないかと推察いたします。そこで、病院長自らが病院管理者となった立場で答弁を求めたいと思います。
 2点目に、母子家庭の児童扶養手当について。
 2002年、国の法改正により、母子家庭の児童扶養手当は受給開始から5年後に一部削減されることが決まっておりましたが、一部削減の前提である就労支援が十分に実っていないことが重視され、一部削減の凍結と就労支援の本格的推進を進めるため協議されております。
 国は、2002年度に母子家庭支援施策を抜本的に見直し、児童扶養手当中心の経済的支援から、就業、自立に向けた総合的な評価へと転換。児童扶養手当の改正で、子どもが3歳になってから総合評価5年以上にわたり手当を受給している場合、2008年4月から最大で半額まで削減される方針を決定。あわせて、母子家庭の母親が資格を取得、企業が母親を正社員で雇うことなどを応援する就業支援策を相次いで打ち出しました。しかし、母子家庭の生活は依然として厳しい状況にあります。大事なことは、現場の声に一層真剣に耳に傾ける中で、効果的な支援策を提案し、母子家庭が自立をし、安定した生活を送れる社会を構築していくことが肝要であります。そこで、本市の母子家庭の支援状況と今後の自立に向けた支援策についてお答えください。
 大事な平成20年度予算審議の議会でありますので、実りのある答弁を期待して質問を終わります。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 嶋村議員にお答えをいたします。
 少子化対策については、貴重な御意見も賜りました。ありがとうございました。少子化対策の重要なことは、子育て支援サービスだと思います。これは保育園でやっておる子育て支援サービスだけでなくて、幼稚園、保育園、それが子育ての現場なんですね。保育園はゼロ歳児からです。そういう意味では、私は他の市に負けない、保育園、幼稚園は充実していると思います。それは基本的に申し上げたいと思うところでございます。
 なお、これらを一緒にして、保育所と幼稚園と一元化をすることでさらに充実できるのではないか。ついては、皆さんにもお諮りをしてこども課をつくり、教育委員会の所属としたわけでございますので、このことは他の市町村からも評価を受けております。自信を持って言えると思いますので、これからもそのような立場に立って、教育委員会と一緒になって対応することが少子化対策だと思っておるところでございます。
 嶋村議員から、砺波市少子化社会対策会議をつくったらどうかと。実は、この子育て等についてはいろんな指針を出しております。それは、一般の皆さん、父兄の皆さん、現場の職員、行政担当者、それぞれによりまして議論をして指針を実は出しておるわけでして、改めて少子化社会対策会議という提案がありましたが、実際やっておりますので、改めて表題を変えてやる必要はないと思います。
 政府は、御存じのように少子化担当大臣を設けられて、東京ではいろいろ議論されておると思いますが、実際具体的な指針というのは何も出てきておりません。格好だけ少子化担当大臣なんていうのは言われておりますけれども、厚生労働省とか、そこらの連中が足を引っ張っておるんですかね。やっぱり大臣ができたらそれなりの指針があって、市町村に対しての指導もあってもいいのではないかと思いますが、聞くところによるとあまり具体的な指針もないようでございます。いずれにしてでも、砺波市としては、この少子化対策は医療であったり、福祉であったり、教育という立場でそれぞれ携わっていきたい、そして支援をしていきたい、このように思っておるところでございます。
 なおまた、企業を含めた会議については、地方自治団体ではちょっと限界がございます。企業に呼びかけることはできますけれども、果たしてこのことについて賛同が得られて議論になるかどうか。私は国・県レベルで行うべきだと思いますが、今申しましたように、少子化担当大臣が出ても、それぞれの省庁の段差があってなかなかうまくいかない。それを企業までも市町村が呼び込んでというのはどうかと思います。
 ただし、私がもっと国にしっかりしてほしいのは、企業内における女性の雇用の問題だと思います。まだまだ私は十分でないと思う。近ごろ産前産後については、企業も、あるいは保育についても大企業等は進めておるようですが、中小ではほとんどそのことが見られない。子育ての休暇というのはとれることになっているんです。ただし、そうは問屋がおろしておらないというのが現実ではないかと思います。その意味では、嶋村さんがおっしゃるように、企業を含めて協議をしたらどうかという提案はありがたいと思いますが、ただし市町村ではなかなかそのことを中小企業の皆さんに言いつけるわけにはまいりません。
 いずれにしてでも、妊娠であったり、出産であったり、育児というのは1つのベースであります。そのことを中小企業も理解して、そのときには法的措置ですよ。罰則を含めてやるようなことでないと、おっしゃるようなことはなかなかできないのではないか。しばらく国の対応を見守りたいと思っておるわけであります。
 さて、医療費について、当市が一番悪いとおしかりを受けました。私は医療費だけが子育て支援でないと思う。今回の予算にしても、小学校の子どもたちの本を読んでくださいという意味での司書の充実であったり、あるいは不登校の生徒の指導員であったり、その他補佐体制については要求どおり全部予算づけしました。これも少子化対策、子育て支援の立場と思っておるわけでございます。なお、当市は小児救急医療をちゃんと確立しておりますよ。ほかの市町村に見られないこういう制度も、1つの子どもたちに対するサービスだと私は思っておるわけであります。医療費を上乗せする競争はいかがなものか。
 私どもはもっと前向きな意味で、スポーツ少年団を育成したり、今、子どもミュージカルをやっておりますが、そういったものを大いに応援してやったり、もっとそういう意味で展望の持てる子育て支援、少子化対策を考えるべきではないかと。その意味では、私はどの市町村よりもそういう意味でのソフト事業は頑張っておるつもりであります。医療費だけの競争ではないと、それで各社が新聞を書きたてて、あそこが安いここが高いと。だから、6年生までやったらそんなに子どもが増えますか。もっとそういう意味で展望の開ける前向きのソフト事業こそ、大切にすべきではないかと思います。何かおまえ任期終わりだから最後にやっておけばというような話になりましたが、そんなわけにはまいらないと思います。
 私から以上であります。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 教育委員長 砂田俊子君。
  〔教育委員長 砂田俊子君 登壇〕

◯教育委員長(砂田俊子君) 嶋村議員の御質問にお答えします。
 私は、教育の基本は、まず親が子どもを慈しみ愛する心から始まると思います。その観点から、特に人間形成の上で乳幼児期の保育は極めて重要であり、周囲の人たちが愛する心を持って接することによって情緒の安定が図られ、そのような中で生活の基礎を身につけさせることが大切であるとの思いを強くしております。このことが安定した義務教育に結びついていくものと思っておりますが、昨今は子どもたちの生活規範の乱れや学力の低下などについていろいろな議論がなされ、教育改革や教育再生という言葉が飛び交っている状況です。
 しかしながら、大切なのは、教える技術もさることながら、子どもたちの心に寄り添い、どんな場合も相手を思い、愛する心で対応することだと思います。そのことにより、子どもたちが健やかな心や確かな学力、そして健やかな体を自ら育んでいってくれるものと信じております。
 また、教育の地方分権についてお尋ねですが、教育は学校などの教育機関の力だけでできるものではなく、地域の皆さんの御協力がなければ成り立たないものと思っております。そうした意味で、それぞれの地域で地域の特性を生かした事業を展開したり、地域のいろいろな皆さんの教育力を発揮していただくことで魅力ある教育を進めることができるものと思います。幸い当地域は粘り強く勤勉で、思いやりにあふれる人間性が息づいており、教育に対する関心も高く、すばらしい教育環境にあると思いますので、皆さんの御支援を得て砺波市の教育の充実に微力ながら努めてまいりたいと存じます。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 教育長 堀田良男君。
  〔教育長 堀田良男君 登壇〕

◯教育長(堀田良男君) 嶋村議員の人と心を育むまちづくり、その御質問の中の第2回目の全国学力調査に関する御質問でございます。
 まず出題の傾向についてですが、恐らく1回目とよく似た傾向の問題が出されて、1回目と比較検討ができるのではないかと思われます。もう一点は、平成20年度に学習指導要領が改訂されます。そのために学習指導要領の考え方や、もう一つは、世界的に広がっておりますOECDが実施しているPISA型の学力判定に対応したものが出るのではないかと予測しております。
 そのPISAとは何だろうということになりますと、それは頭に入っている知識をどのように実生活で生かすのか。すなわち応用力ですね。応用力を試すそういう調査になると思われます。といいますのは、世界の動向は激しく動いております。したがって、新しい学力というのはPISA的、今言いましたPISAというのは応用力ですね。新しい学力というのは、PISA的であるという考え方がもう近い将来にやってくると思います。学力とは、基礎的なものを詰め込んだものだけでもってそれで学力があるというふうに考えるのはもう遅いということですね。それがどのように生かされて、実生活に間に合っているのかということが学力だというPISA的な考え方になるのがもう遠くはないと、こういうふうに考えております。
 もう一点、生活リズムに対する調査があるんですけれども、従来から砺波市では早寝、早起き、朝御飯、それから9時に寝て6時に起きるといういわゆる96運動、マージャンじゃありませんけれども、96運動に取り組んでおります。その積み重ねによって、最近は朝御飯を食べてくる子どもさんが多くなったようです。だから、お昼の時間までは元気にしているという、給食を待っているという状態になりましたね。給食がおいしくなる。朝御飯も食べてこないと給食がおかしくなってくるわけです。
 次に、今後とも家庭と学校が生活習慣に関しての意識を高め、連携して取り組んでいくことが極めて大事ですけれども、そのことについて、調査が終わった後で、市内の12の学校の幹部が集まりまして教育懇話会というのを数多く開いております。その中で、学力問題はもちろん情報交換するんですけれども、模範的な暮らしをしておる、いわゆる子どもらしい暮らしをしているというような情報を、A校、B校、C校の情報をみんな出し合って共有します。そして、それがそのまま幼・保・小・中、4つのPTAの連絡協議会があるんですね。その4つのPTAの連絡協議会でそれぞれが出し合い発表会がなされます。私はこれで3回ほどそこへ行ってきたんですが、非常に各学校の得意わざが出てきます。そういうところで自分の学校以外のいいところを学んで、また自分の学校でそれを実践するという方向に行くと思います。
 次に、調査実施後の対応の発表でございますが、結果の公表は第1回同様に公表いたしません。それは、公表することによって学校の序列化、そしてまた調査のための勉強をしたりして混乱を招くおそれがあります。それから、この調査はほんの一部であって、その生徒さんのすべてでないんですから、調査の結果がひとり歩きすることを懸念して公表はいたしません。
 しかし、児童生徒の反応については、真摯に受けとめて授業改善に生かしていかなきゃならないと。そのためには、専門的な教育センターというのがあります。それから、先ほど言いました各学校の幹部が集まった教育懇話会というのがあります。それらの中でいろいろ分析をし、さらに県のほうからはそういう研究室が1つ設けてありますので、そこからまた情報が入ってきます。それらのことを取りまとめて、事業の改善に間に合うように努めていきたいと思っております。
 次に、エコスクールの取り組みについてでございますが、議員御指摘のように、過日落成しました砺波東部小学校がエコスクールパイロットモデル指定校です。それから、出町小学校も新築時においてエコスクールパイロットモデル校の指定を受けて、環境を守り地球にやさしい学校のあり方を学習しております。その2校だけじゃないんです。市内のどの学校でも総合的な学習の時間に環境教育に取り組んでおり、子どもたちの身の回りの環境に気づいて大切なこと、空気のこと、ごみの問題、省エネのことなどの学習について子どもなりに進めております。
 さらに、今年度は目新しいことを1つやりたいと思っております。それは、砺波野の散居景観を守り育む学習、先ほどから市長も何としてもこの景観は守りたいんだと、こういうことをおっしゃっておるわけですけれども、それを教育現場では砺波野の散居景観を守り育む学習と称して、各学校でこれをそれなりの学年なりに、その学校なりに推進をしていきます。それが1つ。それに対して、今まで12年間も続けてきた砺波市単独の心の教育推進事業というのがあるんですね。その心の教育推進というのは、自分たちの住んでいる砺波野で生きるための心の教育を推進しようということで、その2つを融合させながらふるさと砺波のよさを知ることによって砺波を慈しみ、砺波の環境を守ろうと、こういう砺波市独特の活動を進めてまいりたいと思っております。
 次に、教員のサポート及び学校支援地域本部の設置についてでございますが、クレームに対する対応ですが、全国的にはモンスターペアレントというとても怖い保護者がおいでになるようですが、それは過剰な要求や的外れのことをおっしゃって学校当局を困らせるというようなことがあります。そのことについて、先ほども御提言があったんですけれども、当市においてはないとは言えません。ないとは言えないけれども、そういうモンスターペアレント的なものは今のところは聞いておりませんが、しかし油断はできません。
 そのために、そういう兆しが見えたときには三者対応ということにしております。学校当局はどうしても何とか自分で解決しようとしますが、それは努力は認めるけれども、すぐ教育委員会と相談しましょう。そして、またそれはすぐ地域の皆さんとも相談しましょうということで、三者で相談し合って事を進めていきます。
 しかし、プライベートについてはしっかり守ります。どこどこの坊やのお父さんがとんでもないことを言ってきたなんていうことは広げてはいけません。こういう問題があったがどうしましょうかと。この議員さんの中にも、そのことについて教育委員会や学校等に御協力いただいた方々が私の前には何人もおいでになります。ありがとうございます。そういうことで、三者で話をすれば大体方向が落ちつきます。そういうことで、三者でもって話し合っていくということは、やはり砺波市の教育に関する信頼のあり方といいますか、お互いに垣根を超えて話をしようという雰囲気があるからだと思っております。
 次に、学校地域支援本部の事業についてでございますが、これは国の平成20年度の新規の事業であって、事業内容についてはまだ明確に私たちのところまで届いておりませんが、事業の目的は地域住民が積極的に学校支援活動に入る。例えば、学習の支援、部活の支援、環境整備、登下校の安全確保、それから学校行事や合同行事などを行うことによって学校の教員を支援し、負担を軽くしてやると、こういうありがたいことでございます。そして、それをやることによって、その地域の方と子どもたちの交流が非常に深くなる。
 これらの取り組みにつきましては、当市では、既に地域の皆さんの力添えによりましてほとんどの学校校区でこれが実施されております。目新しいものではありませんが、国・県の対応がより明確になった段階で、申請事業として手を挙げるかどうかはもう少し検討させていただきたいと思っております。砺波市では、12の学校のエリアの中ではこのことがもう実行に移されております。
 次に、ソーシャルワーカーの導入についてでございます。
 議員御提案のソーシャルワーカーは、社会福祉制度や臨床心理士の専門家として、学校や行政機関と連携し問題解決に当たるということでございますが、そのような人材をどのように確保していくかということは現段階でも課題が多いと思っております。いわゆる資格のために人探しをしている間に事が進んでしまいます。そのために、当市においては、資格はともかく、家庭児童相談員として児童生徒のいろいろな問題に取り組んできた人材を、ソーシャルワーカー同様にいろんな機関と相談しながら問題解決に当たっております。
 今まではこども課に2人の相談員がおりまして、年間300から400の相談に入っております。これではもう2人が手いっぱいだということで、今回予算要求をしましたところ、市長は先ほども申しましたように、そういう要求については対応をしたと。今回は3名に増員しました。こうなりますと、各学校の表には出ない、保護者もやっぱり言い切れないこと、それらについてこの方が間へ入っていろいろ相談したり、あるいは意見を言って、こうしろああしろということまではいけないんですけれども、語りを聞く。学校にも、こういうことだよという間へ入って対応していただくことによって両者がうまく融合する場合が幾つもございます。それを今回は3名に増員しましたので、ソーシャルワーカー的活動はもう既に開始しております。御理解ください。よろしくお願いします。終わります。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 病院長 杉本立甫君。
  〔病院長 杉本立甫君 登壇〕

◯病院長(杉本立甫君) 私からは、地域医療についてお答えを申し上げます。
 現在、日本の医療崩壊が叫ばれております。その原因の1つには、国の医療費抑制政策に伴う毎回の診療報酬のマイナス改定により病院経営が非常に厳しくなっていることであります。
 2つ目には、臨床研修医制度により、医師が自由に病院を選べることになったことから医師が地方に残らなくなったことであります。その結果、病院での医師不足が生じ、閉科を余儀なくされる病院が続出してきていることであります。
 そして、3つ目には、患者さんのモラル不足によるものであります。医療はサービス業だと錯覚され、患者さんから病院や医師に対して自己中心的な要求が増えてきたことなどがあります。また、医師は医療ミスだと訴訟されることを恐れる余り、リスクを背負う診療を控えるようになり、さらにリスクの高い産婦人科、小児科、外科、脳外科を希望する医師は年々少なくなってきているのが現状であり、10年後には手術のできる病院がなくなるのではないかと憂慮しております。その上、最近コンビニ感覚で救急を受診する患者さんが増えており、医師からは軽症患者の診察に追われて重症患者に十分な対応ができないとの声が上がっております。時には、当直医ではなく、専門医の呼び出しを求めてくる患者さんもおられます。
 当院の医師に限らず、多くの勤務医はこれまで労働時間を無視して働き、貴重な生命を扱う重鎮に押しつぶされそうになりながら頑張ってきたものの、自分の命と生活を犠牲にして続けているそうした努力は、単に医師の義務という言葉で当たり前のように扱われており、多くの医師は当直、救急を含めた勤務の中でその意欲が次第に薄れて、ついに医師自らが病院を去っていくという最悪の事態が現実に起こっております。
 そのような事態を避けようと市民が立ち上がった例がありますので、御紹介いたします。兵庫県の丹波地域にあります県立柏原病院では、小児科医が年々減り、産科、小児科がなくなるおそれが出てきました。そんなことから、子育て中のお母さんらが中心となって柏原病院小児科を守る会が立ち上がりました。守る会は、コンビニ受診をやめよう、お医者さんを大切にしよう、そして本当に必要な人が必要なときに診てもらえるようにというスローガンを掲げて市民に訴えていったところ、市民運動に共感した神戸大学などから週に一、二回のペースで遠い柏原まで応援に来てもらえるようになったと報道されています。その当直医師は、軽症患者が少なく手をかけるべき子どもを十分に診ることができるので、こういう地域で働けたらいいというふうに語っています。
 このように地域医療としての良質で安全・安心な医療を継続して提供できる体制を守るためには、私は市民の皆さんの御理解と行動があって初めて機能するものであり、地域の医療を自ら守ろうとする協働の意識が病院医師の疲弊を和らげ、医師の使命感や勤労意欲を高めるものと思っています。
 一方で、医療圏内の医療を再編し、経営を民営化しようとする国の公立病院改革は、自治体病院の役割や地域の医療環境を考慮しないで、全国一律的な考え方を急激に推し進めようとするものであり、病院医療の質の低下と地域医療の崩壊を招くおそれがあり、十分な検討を要するものと考えております。
 最後に、自治体病院が生き残るためにはどうすればよいかという問いに対して、井関先生の答えは、お役所的体質から脱却し、現場の人たち、特に医師の意見を聞き、その地域に必要な医療を継続して提供することであると答えられております。私自身もそのように考え、対応したいと思っております。
 以上です。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 吉田孝夫君。
  〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕

◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、総合評価落札方式につきましての御質問にお答えをいたします。
 公共工事の発注に関しまして、平成17年4月より公共工事の品質確保の促進に関する法律が施行され、今までの価格だけをもとに落札者を決定し契約する方法から、価格と品質が総合的にすぐれた内容で契約することが契約の基本とされてきたものでございます。
 そこで、富山県では、18年度より総合評価方式の施行が行われ、19年度は市町村においても14の市と町において取り組まれております。具体的な手法につきましては、前回の12月定例会の答弁の中で御説明申し上げておりますので、ここでは省略させていただきますけれども、砺波市におきましては初の試みでございますので、指名審査委員会で慎重に検討を重ねてまいり、今年度は4つの形式があるうち、業者の対応の問題や県下の状況を踏まえて、技術的工夫の余地が比較的少ない簡易型Bの形式で施行することにしたものでございます。
 なお、実施に当たりましては、砺波市公共工事総合評価方式施行要領を定めまして、過日3月6日に下水道工事1件について滞りなく実施したところでございます。今後につきましては、この施行をもう少し積み重ねるなど、前向きに取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 藤沢まゆみ君。
  〔福祉市民部長 藤沢まゆみ君 登壇〕

◯福祉市民部長(藤沢まゆみ君) 私からは、母子家庭の児童扶養手当についてお答えいたします。
 現在、母子家庭321世帯のうち、父親の死亡、または重度障害により遺族年金や障害者年金を受給されている方を除き、児童扶養手当の受給資格のある母子家庭は276世帯であり、そのうち児童扶養手当を受給されている世帯は227世帯となっています。
 議員御指摘のとおり、国では母子家庭の自立を進めるため、子どもさんが3歳になってから5年以上にわたり受給している場合は、本年4月から最大半額まで削減されることとしています。しかしながら、本人が就労している場合や働く意欲がある場合、例えばハローワークに登録されている場合などには減額対象とはならないことになっており、多くの方については減額対象にはならないと考えております。
 次に、現在の当市の母子家庭の支援状況につきましては、母子家庭の悩み、相談に応じる母子自立支援員を1名配置しており、本年度の2月末現在の相談件数は約600件となっております。そのほか医療費助成については、本年10月からは所得制限を設けることとしていますが、県が設けている児童扶養手当の所得基準より高い児童手当の所得基準を設けることから、ほとんどの方が従来どおり医療費助成を受けられることになります。また、そのほかにも資格取得に対する助成や小口資金の貸し付けなどを行っており、今後も各家庭の状況を見ながら自立に向けた支援策を講じていきたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) この際、本日の会議時間は、議事の都合により会議終了まで延長いたします。
 4番 岡本晃一君。
  〔4番 岡本晃一君 登壇〕

◯4番(岡本晃一君) 私は、砺波市において国の三位一体改革により交付税が減額となり、苦しい財政運営を強いられて大変だと思っています。元来受け取られていた交付税額に復元されることと、大都市と地方の地域間格差の是正も一日も早く図られることを願っています。それに加え、地方にとってこれからもっともっと道路整備を進めていかねばならない時期に道路特定財源の行方も非常に心配です。このように厳しさが続く財政事情を背景に、小さいことかもしれませんが、入りにも目を向けていくべきだと考えています。税金や公共サービス料金の滞納対策として、徴収や督促に力を入れるべきと考えております。
 砺波市の18年度決算によりますと、一般会計に4億2,000万円、国民健康保険会計では1億6,700万円の滞納があります。また、上水道の使用料に関する未収金は平成19年9月末で1,500万円、下水道の使用料では、平成19年5月末で未収金額は3,600万円であるとのことであり、悪質な大口の滞納者もあるやに聞いております。このまま放置しておいてよいものでしょうか。
 滞納額が毎年毎年雪だるま式に増えていく現状は大変憂うべきものであります。これ以上滞納額を増やさないためにも、きっぱりとけじめをつけるべきだと考えますが、市長さんはどのように考えておられますか、お伺いします。
 このほかに保育料の未納、市営住宅家賃の未納、砺波総合病院の治療費の未納等々があります。これらの滞納対策をどのようにするのか、以前にも市議会において寺井議員から質問をされていました。
 滞納者は、大きく分けて生活困窮者と、初めから払う意思のない悪質者に区別されると思います。税源移譲によって住民税が増えるこの折に、各課に督促の係が1名ぐらい置いてあるのが現状ですが、私の提案ですが、新たに徴収課を設置して専門に徴収業務を行うこととし、市税、国保税、上下水道料の未納、保育料の未納、家賃の未納、治療費の未納等の徴収に当たる。毎月1回は徴収課、税務課を中心に、滞納を抱えている該当部署が集まって密接な連携をとり、滞納情報の共有化を図り、徴収課が滞納世帯の健康状態、暮らしぶりなどの実態調査に基づいて徴収方法を考える。
 国民健康保険の場合、滞納の発生から短期の保険証に切りかえをし、その後、全額負担の資格証明書に切りかえる。しかし、病気などの特別の事情がある場合は、病院に通院できるように救済の方法を考える。国民健康保険以外の場合でも、支払えないというのは特別の事情があるはずで、滞納者に対して分割納付など柔軟に対応して徴収の実を上げる。
 また、今までは下水道課の未払いの場合、担当者が未払い者宅を督促に行けるのは、せいぜい年に1回か、よくても2回ぐらいであると思っております。悪質な滞納者はこのときさえ過ぎれば、あと1年は督促に来ないとたかをくくり、支払い努力を怠るのが現状であります。督促や徴税の業務を徴収課にゆだねて、本来の業務に専念することができるこの方法が得策と思います。しかし、年に1回ぐらいは徴収課の職員と一緒に滞納者宅を訪問して実情を知っておくことも重要であります。税負担の公平性の確保という観点からも、悪質な滞納者には強い姿勢で臨むことが大切であります。当然家宅捜索、強制執行手続、財産の差し押さえ等に着手すべきであります。
 先日、テレビで賢い中古マンションの買い方という番組があり、マンションの窓、水回り、電気容量等々いろいろあるけれども、一番大切なことは管理面である。管理費や修繕積立金について、滞納者がいないかチェックすることが重要である。滞納者がいるマンションは連帯性が欠け、いずれ住みにくいマンションになっていくと指摘していました。
 新聞紙上で、昨年の暮れに、浜松市の鈴木康友市長は市税滞納者の自宅を自ら訪ねて納付を促しました。訪問先は、外国人宅2件を含め計6件、うち1件はその場で徴収、3件で年内納付の約束を取りつけた。また、川崎市の阿部孝夫市長は、保育園の保育料を1年以上滞納していた保護者18人と面会し、納付を促しました。阿部市長は不納欠損の判こを押すたびに本当に腹が立つと怒りを隠しませんでした。また、石川県は、今年1月23日から25日まで、県税滞納者から差し押さえた財産をインターネット上で競り売りするインターネット公売を初めて実施すると載っていました。
 このように他の自治体は滞納解消にいろいろな模索をしております。砺波市においても、徴収効率や能率を上げる観点から質問をいたしました。御一考ください。
 以上で質問を終わります。

◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
 副市長 吉田俊和君。
  〔副市長 吉田俊和君 登壇〕

◯副市長(吉田俊和君) 岡本議員お尋ねの滞納対策について申し上げたいと存じます。
 岡本議員には、収入確保の観点から細部にわたり御心配と御提案をいただきましたこと、御礼を申し上げたいと存じます。
 最初に、当市の市税の収納率について申し上げてみたいと思います。平成18年度の決算における市税の収納率は、おかげさまをもちまして現年度分で98.5%と前年度から0.2ポイント上昇をいたしまして、滞納額も前年度に比べ約2,000万円減少をいたしたところでございます。しかしながら、議員も御指摘のとおり、三位一体の改革によりまして税源移譲が今回から加わり、個人市民税の課税額が増えたことに相なります。つきましては、この分今後の市税の滞納が増えるのではないかと当方でも懸念をいたしているところでございます。なおまた、個人所得の低迷、あるいは住民意識の低下によりまして、今ほどおっしゃったように、病院の医療費や上下水道使用料などの滞納も残念ながら増える傾向にございます。
 そこで対応についてでございますが、市税の滞納が生じた場合におきましては、督促状や催告書の発送に加えまして、臨戸訪問や納税相談を通じて納税を促しております。さらに、分割納付の制約をしていただきまして納付を促すことが多いのでありますが、約束を守られない方、あるいは相談にも応じていただけない方、この方々につきましては法に基づいて財産の差し押さえの実施をいたしているところでございます。とりわけ、御指摘の大口滞納者につきましては、徹底した調査を行いまして厳格に対応を行っているところでございます。その結果、これまでの差し押さえによる効果が発生した件数は26件、金額にいたしまして1,100万円を超える状況にございます。
 その一方で、納税しやすい環境を整備するための手法も幾つか講じてきたところでございます。毎週月曜日に夜7時までの納税相談の窓口を設けていること、国民健康保険税の納付回数を平成17年度から4回から8回に増やしまして、1回当たりの負担を小さくしたこと、同じく18年4月から口座振替の手続の簡素化を図ったこと、もう一つは、18年8月から市税の徴収嘱託員を採用させていただいたことなどなど、滞納の縮小に努めてきたところでございます。さらに、新年度からは差し押さえた動産につきまして、御提案にもありましたインターネットのシステムを利用して公売にかけることを検討しております。御案内のとおり、新年度予算案に計上させていただいております。
 また、使用料など税以外の滞納者対策につきましては、市税の手法をそのまま持ち込むわけにはいきませんが、日常的に税務課と情報交換を行いながら滞納整理の強化に努めているところでございます。例えば、医療費の滞納者に対しましては、市税と同様の督促状の発送、電話による催告、分納誓約書の活用、県外徴収などを実際に行っておりまして、預金の差し押さえにも着手をいたしております。また、保育料では、電話催告や臨戸訪問に加えまして、先例のすぐれた例に学びながら今後の滞納者対策に役立ててまいりたいと考えております。
 また、上下水道料金につきましては、督促状や催告書はもちろんでございますが、個別相談を通じまして分納誓約書による納付を促しております。ここでも守られない場合、やむを得ず給水停止の手段も講じているところでございます。
 滞納整理の手法につきましては、御案内のとおり、根拠法令がそれぞれ異なるということで、手法も多種多様でございます。税の場合はもちろんのこと、使用料の場合も住民負担の公平性を確保するという観点から、個別の事情を十分に把握の上、悪質な場合は差し押さえなどの強制的な手段を講じることも念頭に置きながら、適切な対策を講じてまいりたいと考えております。
 次に、徴収課の設置についての御提案でございます。
 徴収専門の課を設けた場合の効果と課題について申し上げてみたいというふうに思います。効果的な面といたしましては、幾つか例もおっしゃいましたが、専門的かつ組織的に徴収事務に当たれること、あるいは滞納者の情報が一元管理できることから、状況把握や対策を進める上で利点が生じるであろうと考えております。ただ、一方で、滞納対策は滞納者から集金をするだけの知識にとどまらず、税であれば課税の仕組みを、使用料であればその事業の内容や賦課金の算定方法などの理解力も当然必要になるわけでございます。納税者から説明を求められた場合に十分に対応できないという懸念があるようでございます。
 また、先にも申しましたとおり、徴収する税や使用料を賦課する根拠となる法令が異なっておりまして、使用料の場合、国税徴収法に基づいて行う差し押さえなどの税と同じような対策がとれないということにもなるわけでございます。そこで、徴収のスタンスの違いから、一元化いたしましてもその効果があらわれにくく、組織の肥大化を招くのではないかと疑問視する向きもあるようでございます。したがいまして、県内には御存じのとおり徴収課は皆無でございます。そして、全国的にも例は極めて少ないというふうに承っております。
 つきましては、現状では専門的な徴収課を配置することに否定的に解しておりますが、せっかくの御提案でございますので、人口の規模、あるいは課題整理、そして人事管理、あるいはコスト面などについて今後資料収集など調査研究をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(林 忠男君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
 次回は、明3月13日午前10時から開会いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
 どうも御苦労さまでございました。

 午後 4時55分 閉議