1.会議の経過
午前10時00分 開議
◯議長(林 忠男君) ただいまの出席議員は22名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)
◯議長(林 忠男君) これより日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第68号から議案第91号まで、平成20年度砺波市一般会計補正予算(第4号)外23件について、及び報告第13号から報告第14号まで、専決処分の承認を求めることについて外1件についてを議題といたします。
これより、市政全般に対する代表質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
22番 池田守正君。
〔22番 池田守正君 登壇〕
◯22番(池田守正君) お許しを得ましたので、私は、平成自民会を代表いたしまして、上田新市長に若干の質問と提案を申し上げたいと思います。
まずもって、上田新市長には、その穏やかで親しみの持てる人柄ゆえ、広く市民の支持を得られ、意義深い無競争当選という栄誉をおさめられましたことに、会派一同、心からお喜びを申し上げます。
上田市長におかれましては、市議4期15年、さらには県議会議員として、同じく議長の要職を経験され6期22年、通算しますと37年間もの長きにわたり、政治経験を積み重ねてこられました。無類の輝かしい政治経歴の持ち主であり、我々自民会はもちろんのこと、市民の信頼は限りなく広くて深いものと推測をいたしております。
つきましては、市民の幸せ、砺波市発展のため、一層の力を発揮されますようお願いを申し上げる次第であります。
しかしながら、目を転じますと、今や金融不安の嵐が全世界を駆けめぐり、我が国も混迷のきわみに達しております。加えて、地方財政も引き続き大変厳しい事情にある中、新たな船出をされる上田市長には大変悩ましいことと推察をいたしております。そのような中で過日の所信表明をお聞きし、その真摯な姿勢に大いに共感を覚え、最大会派の与党として最大かつ最善の支援をしてまいりたいと心に誓ったところであります。
上田市長には就任後、間もないところであり、御苦労をおかけいたしますが、要点を絞りまして、2項目についてお尋ねをいたします。
まず1点目は、市政運営に関する基本姿勢についてであります。
上田市長はこのたびの立候補に当たり、市政運営の基本姿勢として、市民が参画、市民と協働の市政など3点について示され、「人が輝く活力あふれる砺波」として6項目の政策展開を掲げられております。いずれも、まちづくりの根幹をなすものであり、その目標としてまことに時宜を得た的確なものとして、賛意を感じております。
つきましては、その実現に向けての決意と手法についてお尋ねいたします。
まず、新年度の予算編成についてどのように考えておられるのか、お聞きいたします。
地方財政が引き続き大変厳しい中、加えまして、100年に1度あるかないかとも言われている世界恐慌の中で、比較的堅調に推移をしておりました当市の税収も減収となるのではないかと推測をしております。加えまして、三位一体の改革で削減されました地方交付税におきましても、原資となる税源の縮減に伴いまして、さらに減収となるおそれがあるのではないかと危惧をいたしております。今年度の減収分につきましては、地方重視の麻生政権のもとで国が全額補てんをし、さらに、新年度からは追加措置を行うとの考えを耳にいたしておりますが、不透明感が強く、心配をいたしております。
さらには、財政健全化法によりまして、実質公債費比率など財政指標の縛りを受けることも念頭に置かなければなりません。
一方、まちづくりの羅針盤とも言えます、新市建設計画に基づき策定されました新総合計画との整合についても意を配していただきたいと思っております。したがいまして、このような大きな制約のもとで、大変窮屈な作業を余儀なくされるものと想像をいたしております。また、従前より国を挙げて、地方分権が叫ばれておりまして、明治維新と戦後改革に次ぐ第3の改革として、極めて大きな期待を集めて進められてきましたが、結果としまして、その趣旨とはほど遠く、地域格差の拡大など新たな課題も生じております。
上田市長には、先に地方6団体の構成メンバーとして、国との折衝にも当たってこられた貴重な経験をお持ちでありますので、地方分権の現状をどのように認識され、今後どのように対応されていかれるのか、お聞かせ願いたいと思います。
今や、政治、経済ともに世界的な混迷期に差しかかっております。一国や一自治体での対処療法では、解決が困難な状況にあると思われます。このような大事に当たりますときには、人類的、国民的な視点で対処すべきと考えますが、大言壮語していても仕方がありませんので、我々の立場といたしましては、自治体の主人公たる住民の皆さんと心と力を合わせて、この難局を乗り切らなければならないと感じております。
つきましては、上田市長の基本姿勢でもあり、そして、所信表明にもありましたとおり、文字どおり市民と行政との協働が大変重要なことではないかと考えられます。
そこで、まちづくりの基礎的な単位となります各地区の各種団体、あるいは企業関係者との対話集会などを積極的に展開され、現状を共通認識し、課題を共有することが問題解決の糸口になるのではないかと思います。物理的に困難はあろうかと思いますが、多忙な日程を調整していただきまして、計画的に順次展開していただければ幸いに思うところであります。
また、上田市長の基本姿勢にもありますとおり、筋肉質の市政が求められていると認識しております。そのためには行財政改革を不断に推進する必要があると思います。地方財政の悪化は、決して地方の財政運営にのみ、その責があるとは思えませんが、時代背景からいたしまして、置き去りにできない事実でありますので、市民の感性に立って、経常経費の節減はもちろんのこと、行政組織の見直しや地球環境にやさしいコストの縮減など、広く御検討を願いたいと思います。
なおまた、医療に対する問題が全国的に大きな課題として取り上げられておりますが、公的病院を抱えております当市といたしましても、重要な政策課題の一つであろうかと存じます。
つきましては、この機会に、市立砺波総合病院の経営健全化についてどのような考えをお持ちなのか、お尋ねいたします。
公立病院の財務事情については、市長も十分御存じのとおりでありまして、今さら私から申し上げる必要はないと思っておりますが、肝要なのは、診療報酬の適正化と医師の確保ではないかと思っております。いずれも国の責任において措置されるべきことではありますが、当市では、診療を休診するような事態にまで至ってはいないものの、決して医師が充足している状況ではありません。院長を初め、スタッフの皆さんの懸命な頑張りで、何とか総合病院として、そしてまた、中核病院としての責を果たしていただいておりますが、疲弊感は増すばかりと聞いております。
つきましては、医師確保に向け、市長自ら御足労をいただき、あわせまして医師や看護師等の処遇改善の手だて等について検討を加えるべきではないかと思います。特効薬は簡単には見つからないとは思いますが、トップリーダーとしての力量を発揮していただきますようお願いを申し上げます。
一言では、あらわしにくいと思いますし、すぐに実施できること、あるいは検討を要し、少し時間のかかることなど一様ではないと思いますが、現時点でのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
なお、及ばずながら、議会といたしましても、協力できる余地がないか調査検討をいたしているところであります。
次に、金融不安や原油高騰に対する支援策についてお尋ねをいたします。
冒頭にも申しましたとおり、世界規模での金融不安が巻き起こり、政府が11月に発表いたしました月例経済報告によりますと、「世界経済が一段と減速する中で、下押し圧力が急速に高まっている」との文言を加え、2カ月連続で下方修正を行っております。このような中で、政府では平成20年度第1次補正予算に引き続き、生活支援も含めた追加経済対策として、第2次補正予算について検討がなされております。
こうした対応が地方での景気浮揚につながりますよう期待をいたしておりますが、当市でも、輸出関連産業を中心に円高の影響が発生しているようでありまして、資金の手当てに頭を痛めている方も少なくないのではないかと推測いたしております。
なおまた、原油価格につきましては、ここに来て値下がり傾向を示してはおりますが、先の暴騰期に農業経営者も大きな打撃を受けております。加えまして、生活物資も急激に高騰いたしておりまして、市民生活も大変厳しい状況にさらされております。つきましては、係る対応につきまして、国の制度を活用するなどしながら、積極的に取り組んでいただきたいと願っております。
そこで、過日の市長の提案理由の中で、速やかな緊急措置を講じられたことを賜り、まことに時宜を得た対応で、大いに評価をし、感謝を申し上げたいと思います。
なお、今回の当市での緊急的な融資対策は、ひとまず今年度中の措置とお聞きをしましたが、今回の金融不安は1世紀に1度あるかないかとも言われているほどの大事件でありまして、回復には相当の期間を要するとも指摘されております。
抜本的な対策は、国の責任において適時適切な有効策を講じるべきものと存じますが、当市におきましても、引き続き状況を注視していただきまして、必要とあらば適用期限の延長につきまして、配意を願いたいと思います。
なおまた、今国会では、国民の生活支援といたしまして給付金の交付など、幾つかの議論がなされておりますが、方法論などをめぐりまして、いまだ明確となっておりません。つきましては、この際、当市として実施され、または実施されようとしております支援対策の内容や、今後の予定、見込みなどにつきましてお示しをいただきたいと思います。
以上、地方行政には、新たな問題も含め課題が山積いたしておりますが、豊富な政治経験をお持ちの上田市長の御健闘に御期待を申し上げまして、私からの代表質問を終わります。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) ただいま池田議員から、平成自民会を代表して、私の市長就任に対する御丁重な祝意と温かい御支援の言葉をいただき、大変ありがたく、本当に心強く存じております。ありがとうございました。
さて、市政運営に関する基本姿勢についてのお尋ねでありますが、私はこのたびの市長選挙に立候補するに当たり、池田議員にも御理解をいただいた「人が輝く活力あふれる砺波」の理念のもと、3つの市政運営の基本姿勢と6つの柱を掲げました。その内容については、先日の施政方針及び提案理由の説明の中で所信表明として申し上げたとおりですが、お尋ねの政策実現に向けての決意を少し述べたいと思います。
これまで、安念市政におかれましては、1市1町の合併により誕生した新砺波市の基礎を形づくっていかれたわけですが、2期目を受け継いだ私の使命は、合併の効果がしっかりあらわれるように努力することであり、さらに、砺波の魅力を高めることにあると考えております。
諸施策については、第1次砺波市総合計画に基づき実施するつもりですが、時代の変化、特に財政環境の悪化は極めて厳しいものがありますので、限られた財源の中で何を優先すべきかについて、状況をよく見極め、適宜見直しを図りながら進めたいと思っております。
特に、砺波市として持続可能な行政運営を持続するためには、不断の行財政改革を推進し、スリムで筋肉質な行政体にしていく必要があります。市が行うさまざまな行政サービスについても、行革市民会議などの御意見を聞きながら、サービスの低下を招かないように見直しを図ることとし、指定管理者制度など一層活用していくべきと考えております。
一方、市民が参画し、市民と協働して魅力ある砺波市のまちづくりを目指すため、市民一人一人が、ぜひ自分でできる分野にボランティア参加を今まで以上にいただきたいと思っております。今後、市役所の機構に市民と協働するまちづくりの一環として、ボランティア活動に関する総合的窓口を設け、広く活動の啓発や誘導を促し、NPO法人や一般ボランティア活動者への相談、円滑な運営を助言するなど多様な働きかけをしてまいりたいと考えております。
また、東海北陸自動車道の全線開通効果を生かして、東海地方からの誘客や企業情報の収集を図るため、名古屋方面に出先機関を設けたいと思っております。これには、近隣市との連携により相乗効果を高めるとともに、私自らトップセールスを売り込んで、砺波の魅力発信する努力をしたいと思っております。
いずれにいたしましても、砺波市が、一人一人が生き生きとした、心豊かな生活文化都市となるように、全力を傾注して邁進する決意でありますので、議員各位や市民の皆様の格段の御協力をお願いしたいと思います。
次に、新年度予算編成方針の骨格についてのお尋ねでございますが、予算編成に当たりましては、まず、その前提として、留意すべきこととして、昨今の経済情勢や国、県の動向がございます。
先に閣議決定されました国の平成21年度予算編成の基本方針におきましては、世界的な金融危機を受け、我が国経済は既に景気後退局面に入っており、地域経済については厳しい状況が一層広がっているところであります。
また、国の新年度予算の考え方としては、7月の平成21年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針についてを維持しつつも、状況に応じて果断な対応を機動的かつ弾力的に行うとされ、特別枠で歳出を拡大する方針が盛り込まれております。
一方、地方財政は、三位一体改革により税源移譲による税収増があったものの、補助金、地方交付税等が削減されたことにより、結果として、税源移譲前に比べ、財源総額は確実に減少してきております。
県においても、法人関係税を中心に大幅な県税収入の減少が見込まれ、厳しい財政状況であることから、引き続きマイナスシーリングを設定した財政健全化に努めるとともに、元気とやま創造計画の政策目標を着実に推進することとされております。
このような状況の中で、当市におきましても、池田議員の御指摘のとおり、現在の経済情勢から企業収益が落ち込んでおり、個人所得の伸びも期待できないことに加え、固定資産の評価替えなどにより、新年度は市税の減収が見込まれることから、今年度以上に財源確保が困難となることは必至であります。さらに、国の予算編成に伴い、いろいろな経済政策を打ち出されておりますが、いまだ確定されておらず、それに伴い、地方財政計画なども未確定な段階にあることから、これらの動向に注意し、所要の対応を行っていかなければなりません。
このように財源的に非常に厳しく、未確定要素が多い中での新年度予算編成になりますが、市が目指す都市像「庄川と散居に広がる健康フラワー都市」の推進に向けて、市総合計画に盛り込まれた諸施策を初め、時代の変化と市民ニーズに的確に対応し、当面する政策課題を効率的、効果的に実施していきたいと存じております。
ハード面では、合併特例債事業として、今年度から継続事業としております(仮称)出町子供歌舞伎曳山会館建設事業、現在、実施設計を行っております般若中学校大規模改造事業、斎場増築事業を進めていくほか、区画整理事業や道路事業も引き続き進めてまいります。また、市民が参画し、市民と協働の市政を基本とし、安全で安心な教育環境づくりや福祉のまちづくり、産業の振興、快適な居住環境の整備などにも引き続き、意を用いてまいりたいと考えております。
しかしながら、財政的には大変厳しいことから、事業の選択もやむを得ない状況でございますので、予算編成並びに事業執行に当たりましては、議員各位を初め、市民の皆様方の御理解と御協力をお願いしたいと存じます。
次に、地方分権につきましては、平成5年に、衆参両院で憲政史上初の地方分権の推進に関する決議がなされたことに端を発しています。
その骨子は、東京一極集中の排除と国土の均衡ある発展、国から地方への税源移譲、地方税源の充実強化などによる地方公共団体の自主性、自立強化にあったわけですが、分権改革はいまだ道半ばであります。国から地方への業務の権限移譲に伴い、事務量が増大する一方で、三位一体の改革のもとに税源移譲はあったものの、同時に全国ベースで5兆円以上の地方交付税が削減されて今日に至っており、そのことが地方自治体の財政悪化を招いております。
そこで、私は、全国市長会等を通じて、地方税財政体系の構築として、地方交付税の財源調整、財源保障機能の充実、国と地方の税源配分5対5の実現と顕在性の少ない安定的な地方税体系の構築、地方の意見反映の仕組みとして、地方行財政会議の法律による設置を強く働きかけていく所存であります。
次に、池田議員のおっしゃるとおり、幾多の行政課題が存在する激動の今日的状況下の中、まちづくりが市民と行政の協働なくしてはなし得ないことであると私も思っております。広く市民の意見を聞き、市民総合計画を着実に展開していくためには、21地区の自治振興会単位のタウンミーティングや各種団体との意見交換会を逐次実施したいと考えております。
次に、行政改革について申し上げます。
現下の地方財政は大変厳しく、一方、行政事業は今後も増えていくことを考えますときに、行政改革の役割は極めて大きなものがございます。
そこで、御指摘の経常経費の縮減として、まず、人件費が挙げられると存じますが、職員数につきましては、引き続き事務事業の見直し、業務の効率化などにより定員適正化計画を前倒しつつ、職員の削減を加速させてまいります。また、職員給与につきましては、平成18年の給与引き下げ改定により、以降、実質的な昇給はほぼ停止の状態になっております。さらに、管理職手当につきましても、今年度から実施した定額化とあわせて、引き続き削減を進めるなど、多角的に人件費の縮減を図ってまいりたいと存じます。
なお、このことに関連して私の思いを申し上げますが、市の特別職の報酬につきましては、平成17年12月に引き下げ改定が行われております。しかしながら、今日なお、池田議員御指摘のとおり、厳しい財政環境にあることから、特別職の報酬の引き下げについては今後、検討してまいりたいと考えております。
そのほか、より大胆な行政改革を推し進めるため、市民を初め、有識者の皆様の御意見をお聞きしながら、市の機構改革を検討し、行政組織のスリム化や業務の民営化など、できることから少しでも取り組んでまいりたいと存じております。
一方、地球環境にやさしく、さらにコスト縮減を図るという点から、砺波市行政改革推進計画や地球温暖化防止砺波市役所実行計画におきまして、いろいろな取り組みを進めておりますが、その中で公用車について申し上げますと、車の一元管理の推進や更新時の低公害車の導入についての規定がございます。具体的には、普通車両についても各種の共同利用をさらに進めて、台数の削減を図るとともに、更新時には、主に軽四車両の公用車に転換するほか、一部環境にやさしいハイブリッド車両を導入し、維持費を縮減するなど、地球環境に配慮した取り組みを進めてまいります。ちなみに、老朽化に伴い、更新時期を迎えております市長車につきましては、グレードを落とした上でハイブリッド化したいと考えております。
次に、病院事業の経営健全化についてお尋ねでございます。
国は、急速な少子高齢化の進展と疾病行動の変化などに踏まえ、良質な医療を効率的に提供するためや国民皆保険を堅持し、医療保険制度を維持する、持続することを目的として、さまざまな医療制度改革を行ってきております。これらを受け、国の医療機器総額の伸びを抑制する施策がとられ、結果として、平成14年度から診療報酬の引き下げが続いております。このことが全国の自治体病院の経営悪化に大きな影響を及ぼしていることは、池田議員の御指摘のとおり、国の医療費抑制策が一番の要因であると考えております。
その中で、総合病院は地域医療を守るために、医療の質、安全性の確保や療養環境の整備に努めてきたところであります。経営改善もできることは既にやってきており、早くて、安くて、質のよい医療はあり得ないのに、増大する医療経費を病院や自治体だけに負担させるような施策はいかがなものでしょうか。
また、新医師臨床研修制度の影響により、医師の都会偏在化が進み、地方の大学病院などに初期研修医がなかなか残らない、来ない状況となりました。必然、大学医局の医師不足から、医師派遣がなくなった自治体病院では、病院勤務医の負担が大きくなり、疲弊感が増大し、退職を招き、さらに疲弊するという悪循環に陥っています。
このように医師不足が叫ばれる中、総合病院では一部の診療科の勤務医不足がありますが、おかげさまで、医療に支障を来すような状況ではありません。本年10月から整形外科で医師1名が増員され、さらに来年度には、砺波総合病院を選んで、専門医を目指したいという初期研修医2名が就職する予定と聞きまして、まことにありがたいことで、関係診療科の先生方の御尽力に敬意を表したいと思っております。
池田議員の御質問の医師確保のための処遇改善につきましても、優秀な医師を確保するため金銭的な待遇も重要であり、来年度から、初期研修医以外の嘱託医師を正規職員として採用する予定にいたしております。なお、女性医師などに安心して勤務できるように、子育て支援のための院内保育所を他に先駆けて設置してありましたが、本年度はさらに増築し、充実を図ったところでありますし、救急業務による医師の疲弊を軽減するため、当直時間や勤務体制の見直しなどの改善策を検討するよう、事務局に指示したところであります。
また、池田議員から、医師確保のために私自身が動くべきだという御叱咤をいただきましたが、就任早々、病院長と一緒に金沢大学付属病院の内科教授を訪ね、病院改革プランの検討委員の委嘱依頼とあわせて、医師の派遣についてお願いしてきたところであります。なお、議会の皆様が病院事業の経営健全化に向けて良策を調査研究していただいていることに対しまして、感謝を申し上げる次第であります。
今後とも全国市長会などを通じまして、病院事業が健全な経営を維持するために必要な診療報酬点数の見直しを関係機関に積極的に要望してまいりたいと考えるものであります。
私からの答弁は以上といたしまして、その他の質問につきましては、関係部長によりお答えをいたします。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 藤沢まゆみ君。
〔福祉市民部長 藤沢まゆみ君 登壇〕
◯福祉市民部長(藤沢まゆみ君) 私からは、2、金融不安や原油高騰に対する支援策についての(2)、市民生活への支援についてお答えいたします。
今回の金融不安による景気後退の中で、中小企業や農業者に対する支援策については、後ほど商工農林部長が申し上げますが、私のほうからは、生活困窮者に対する支援策について申し上げます。
当市では、従来から生活困窮者の皆さんに対し、さまざまな支援策を行っています。一例を挙げますと、まず、母子世帯に対しては、10万円を限度とする貸付制度を設けています。また、障害者に対しては、障害程度により障害者福祉金を支給しています。また、生活保護世帯に対しては、冬場の燃料費など生活物資代としての冬期加算や年末年始の期末一時扶助費が支給されます。
一方、社会福祉協議会では、生活保護世帯や重度心身障害者、ひとり暮らし高齢者などの生活困窮者に対する支援策として、歳末慰問での慰問金の支給や生活福祉金貸付の相談、手続の支援を行っています。
なお、昨年度に灯油価格の高騰の中で、国の緊急支援対策に合わせ実施した福祉灯油券の支給については、灯油価格が高どまりしているものの、秋口から大幅に下落し、今後も下落傾向にあることから、本年度においては実施しないこととしております。
また、現在、国において支給が検討されています定額給付金につきましては、先般より関係課が集まり協議し、万全の態勢で取り組むよう、準備を進めているところでございます。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
商工農林部長 小幡和日出君。
〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕
◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、中小企業者や農業者に対する財政支援についてお答えいたします。
経済情勢につきましては、議員御指摘のとおり、現下の金融不安を背景に、地方金融機関の経営環境が厳しさを増し、中小企業の間では資金繰りの不安を訴える声が強まっております。さらには、今後、年末の資金需要が増える時期を控え、資金繰りを円滑にするなど、中小企業向けの支援拡充の必要性が高まっており、国においては、本年10月より従来の緊急保証制度の拡充を図るとともに、県においても経済変動対策融資の創設等の要件緩和を行い、中小企業の円滑な資金供給を図っているところであります。
また、市内経済団体からも何らかの対策を求めているところであり、市といたしましても緊急措置を講ずることとして、市が実施している制度融資、あるいは参画している県の制度融資について、12月1日から今年度末までの間、中小企業者が負担する保証料に係る補助を従来の50%から80%へ引き上げることとしたものであります。こうした支援が、地域を担う事業者の融資実行に当たっての負担軽減にある程度寄与できるものと考えております。
なお、保証料の助成につきましては、今後の経済情勢を踏まえ、必要とあれば、新年度においても継続する方法で検討いたしたいと存じております。
次に、農業経営についても、原油高騰や平成19年度の米価下落等により影響が出ていると考えております。
市といたしましては、国の原油高騰対策を担い手農家や営農組織に対して周知し、要望を取りまとめ、農業機械の導入や園芸施設の省エネルギー対応に対し、補助の実施をしているところであります。
また、農業経営基盤の支援から、融資についても、日本政策金融公庫や県、JAの制度の周知を図り、融資の活用を促し、基準内の利子補てんを実施しております。
今後とも関係機関と連携しながら、農業経営者の支援に取り組んでまいりたいと存じております。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 16番 高田隼水君。
〔16番 高田隼水君 登壇〕
◯16番(高田隼水君) 私は、となみ同志会を代表いたしまして、新しく御就任されました上田市長に心よりお祝い申し上げるものでございます。
砺波市が合併をいたしましてから4年余りが経過いたしましたが、市当局におかれましては、新砺波市総合計画を中心として、あるいはまた、我がとなみ同志会が随時御提案を申し上げました事柄についても耳を傾けていただき、新しいまちづくりを推進してこられました結果、新生砺波市は、砺波地方の中核都市として、また、コンパクトの活気のあふれる市として、順調な推移をしていると思う次第でございます。
このことは、経済専門誌が毎年発表いたしております都市データパック2008年の評価によっても明確でございます。すなわち、全国には806の市区がございますが、砺波市は、住みよさランキング8位、成長度ランキングは107位、民力度ランキングは20位でございます。いずれにしても、この上記のランキングは、富山県下では砺波市がトップでございます。
そして、上田市長は若くして市議会議員に御当選されまして、市議4期、引き続きまして県議会議員を6期、通算すると37年の長きにわたり、御活躍でございます。その間には、砺波市議会議長、富山県議会議長、全国都道府県議長会会長等を歴任され、極めて豊富な政治経験の持ち主でございます。市自体のランキングはここ数年来、上位定着でございます。その市を牽引していく上田市長の政治経験、そして、その豊富さ、これはまさに鬼に金棒であると、こういうふうに思う次第でございます。
つきましては、上田市長には豊富な政治経験、そして、その中から生じる多くの人脈等を最大に駆使していただき、すぐれた行政手腕を発揮していただき、さらなる砺波市の発展をこいねがうものであります。
さて、上田市長が立候補されましたときに、マニフェストとも言うべき市政運営の基本姿勢として、「市民が参画、市民と協働の市政」、「市民奉仕の精神に立った信頼される市政」、「新しいニーズにこたえられる筋肉質の市政」、さらに、その市政を具体的に6項目の政策として掲げられておりましたが、私は、市政運営の基本姿勢実現のための平成21年度の予算編成方針、また、6項目の政策を展開されておりますが、その各項目がたくさんございますが、時間的なこともございますので、特に私がお聞きしたいと思った具体的政策について若干の質問と提案を申し上げ、上田市長の御所見をお伺いするものでございます。
まず、平成21年度予算編成方針についてお伺いをいたします。
政府が実施してきた三位一体の改革では、税源移譲がなされたものの、国に権限を残したまま、負担金の負担割合の引き下げや、あるいは交付金化の単なるスリム化が行われるなど、地方の自主性の拡大と税制の充実には必ずしもつながらなかったのでないかと思っております。
そして、今や、アメリカの住宅問題より発生いたしました経済不況の波は、瞬く間にヨーロッパ、アジア等、全世界を巻き添えにし、当然我が日本もその渦中にある現状でございます。したがいまして、景気の後退により、市税や地方交付税のさらなる減退をも予想されるところであります。
一方、政府は12月3日、2009年度予算編成の基本方針を経済財政諮問会議で取りまとめ、臨時閣議で決定をいたしました。世界的な金融危機を受け、日本経済は既に景気後退の局面に入っていると厳しい認識を表明し、状況に応じて、果断な対応を機動的かつ弾力的に行うと明記をし、従来の歳出削減路線を転換いたしております。
基本方針の主なるものは、公共事業の前年度当初予算比3%削減など、9年度概算要求、シーリングは、原案では「堅持」を「維持」に表現を弱めておりますし、また、皆さん御存じのように、年金、医療など社会保障費の伸びを2,200億円抑制する方針の見直しを示唆いたしております。11年度には、非常に市の財政にとっても影響のあるところでございましたが、以前は、基礎財政収支の黒字化を確実に達成するとしておったのを、今回は、達成すべく努力すると表現を一歩後退させております。
以上の事柄などから、市の財政は大変に厳しいものが予想され、また一面、流動的な要素もある中で、新年度予算編成についてお伺いをいたします。
そこで、歳入についてお伺いいたします。
歳入の基幹となる市税は重要な財源であり、自主財源の確保が重要でございます。すなわち、個人市民税、法人市民税、固定資産税などでありますが、前に述べましたように、世界的不況、そういうものにより個人、法人両市民税とも減収が見込まれ、また、固定資産税は先ほどからもお話がございましたが、3年に1度の見直しの時期に当たり、これも減収の要素になるのではないかと思います。また、国、県からの地方交付税や各種補助金等のも多くは見込めないのが現状かと思います。
一方、歳出については、砺波市のまちづくりのシンボルとも言える新砺波市総合計画の推進が基本であるかと思いますが、そのうちでも、教育、福祉、環境等については、少なくとも現在の水準を維持することが望ましいかと思います。
しかしながら、それには扶助費として、子育て支援とか障害者自立支援、母子福祉対策、高齢化による介護サービスなどによる経費増加が見込まれます。また、現在、着手をいたしております合併特例債事業の継続もございます。したがいまして、それに対処するために、経費の節減が必要です。例えば先ほど来、市長からもお話もございましたが、人件費の抑制、施設の管理体制、運営委託費の見直し、あるいは高金利の起債の繰り上げ償還等々があるかと思いますが、いずれにしても、平成21年度予算編成は大変厳しいものと思いますが、市長の所信をお伺いするものでございます。
次に、6項目、市長がマニフェスト等などで展開されております政策についてお伺いいたします。
まず、活力ある産業と働く場の確保についてであります。
ここでは、中京方面から観光客の誘致、企業立地の促進についてお伺いをいたします。
市長は市政方針で、7月に全線開通した東海北陸自動車道を活用いたしまして、中京方面へ農産物の販路拡大や観光客の誘致、そして、若者に期待のできる企業誘致に積極的に取り組み、時には市長自ら要所に出向いて、セールスをしてまいりたいとのことでした。全く同感でございます。市のPRを体をもって、かけて行うことが最も、また大切であり、重要かと思います。
過日、国道156号線沿いのレストラン、それから、また、その観光記念品、観光品といいますか、そういうものを売っておるお店とかで、東海北陸自動車道開通前後に観光客の入りはどうでしょうかと、そういうことをお尋ねいたしました。すると、土曜、日曜は大体30%ぐらいはやっぱり増えたのでないかということでございましたが、平日はあまり変わらないと、こういうことでございました。
そして、増加したその観光客の内容というか、内訳は、個人の観光客はそう増えていないような気がすると。ほとんど団体の観光客が主であり、その観光客の多くの皆さんは富山、立山、あるいは黒四ダムとか、そして、また氷見方面、あるいは県外へは片山津、山代、加賀とか、そこら辺のほうへ向かっていかれるようだと。いわゆる砺波市は通過型の観光形態になっているのでないかというお話でございました。
観光形態としては、通年型、滞在型の観光形態が、これは一番望ましいと思いますが、そのためには、それに見合う観光資源がやはり重要かと思うわけでございます。
砺波市の観光資源としては、御存じのように、季節的にはチューリップフェア、それから、庄川のゆずまつり等がありますが、通年・滞在型観光資源、これも、これから砺波独自なものをつくり、あるいは見つけていかねばならないと思うわけでございます。例えばチューリップ公園、そして、美術館、それから、四季彩館、それから、足を延ばしまして、散居村展望台に行って、砺波平野の散居村を、眼下に広がる散居村を目で確かめ、そして、散居村ミュージアムに戻り、それから、庄川の水公園等、そしてまた、泊まるのは庄川温泉と、こういうようなコースもこれからPRしていかなきゃならないかと思います。
大変困難なことかと思いますが、先人たちが残してくれた緑の景観資源である散居村を、四季折々の観光資源として活用ができないものでしょうか。
また、全線開通した東海北陸自動車道の活用による中京方面からの観光客誘致、企業誘致等のため、砺波市の情報発信基地とするための名古屋市への職員派遣については新聞等で報じられたところでございますが、その内容について、例えば派遣職員の身分といいますか、身分、県との関係、それから、広域圏観光という意味では、広域圏組合議会とも何か関係が、どうでしょうかとか、時期など等々についてお伺いをいたします。
次に、暮らしに支える基盤づくりについてであります。
ここでは、市長のマニフェストといいます、政策展開の中で生活道路もいろいろお話がございました。その生活道路の1カ所についてお伺いしたいと思います。
主要地方道砺波福光線、苗加・九本杉から出町の広上町の間の整備についてお伺いをいたします。
上記路線は、苗加・九本杉から南砺市高儀の間は4車線が完了して、そこの車線では交通量も非常に増加をしております。市が、九本杉交差点で、過日車の交通量の調査がありましたが、九本杉交差点における1日の交通量は砺波福光線では、南砺方面から交差点に向かうのは、4車線で約1日1万3,000台、それから、小矢部市方面からは359を通っていくのが、やっぱり4車線で1万3,000台、今ほど未整備と言っておりました九本杉交差点より出町の方面に向かう間は1日に、これは2車線で1万台と、こういうふうになっており、この区間はどちらかといえば、運送業関係の大型トラックは少なく、自家用車が大変多く、市民の生活道路として重要な道路だと思っております。形状で例えるならば、あまりうまくではないかわかりませんが、ちょうど蛇が何か、大きなものを飲み込んだような、そういうような状態にあるのが現状でないかと思っています。
特に、九本杉から広上町間未整備の東側におきましては、あと100メートルぐらいで歩道が全部完成する状態です。この歩道は、出町中学、南部小学校の生徒、児童の通学路となっておりますし、また、道路改良事業としても一部区間が未完成であることは、道路機能も非常に低下すると思われるし、また、人身事故、死亡事故をも含み、そしてまた、接触物損事故をも多く発生いたしております。市だけでなく、県とのことでもございますが、何かと県とも御協議の上、推進方よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
次に、子どもたちは地域の宝についてでございます。
日本は、第二次世界大戦により壊滅的な打撃を受けました。それから、また世界にも誇るくらい素早く、今日の復興をなし遂げたわけでございます。現在では経済大国と言われておるわけでございますが、小さな島国日本では、天然資源がそう豊富にあるわけでもなし、やはり国民が団結して知恵を出し合って国づくりをしていくしかございません。
すなわち、それは教育という人為的な、人がつくり出す人為的な資源だと思っております。教育がよくないと、学力の低下は無論、学級崩壊、いじめの問題、家庭内暴力など、心の教育が非常に大切であり、また、社会問題となってまいります。
今日では毎日のように、親が子どもを殺害したとか、あるいはいじめたりとか、また反対に、子どもが親を殺害したとか、あるいはまた、自己中心的考えから無差別殺人事件発生等が報道されております。まことに憂慮すべき状態だと思います。
過日、ある雑誌を読んでおりましたら、大変興味ある記事が目にとまりました。
ある学校で給食のとき、「合掌」という号令というんでしょうか、合掌をしておりましたが、それが取りやめになった。理由としては、合掌は宗教式礼拝だから、信教の自由を保障した憲法と公立学校で特定宗教活動を禁止した教育基本法に反すると、そういうようなことだったということでした。
大変驚いた次第ですが、戦後、日本の民主主義は自由主義、平等、平和、権利等が非常に重視されまして、その裏にある義務、あるいは責任、人間としての理性等が軽視されてきたのではないかと思っております。人間として、いや、1人の人として道徳教育の基本とも言うべき、感謝をする気持ちを小さい子どものときから身につける必要があるのではないのでしょうか。
上田市長には、知、徳、体のバランスのとれた教育として、心の教育の推進を提案しておられますが、全くそのとおりだと思います。心の教育の推進のための方針等、お聞かせいただけたらと思っております。
次に、伝統と文化が映える美しいまち砺波についてでございます。
ここでは、散居村の保全についてお伺いいたします。
散居村は屋敷林の集合体であり、また、屋敷林を広い面でとらえたものでございます。その意味で広範囲の地域を指定することが必要があるかと思いますが、一方で、屋敷林は個人の財産なので非常に難しいこともありましょうが、文化的景観調査の結果も踏まえて、どのような方針なのか、お伺いいたします。
最後に、笑顔あふれる健康、福祉のまちづくりについてお尋ねいたします。
ここでは、医師の確保について提案をしてみたいと思います。
現在、砺波総合病院では、常勤専門医師の不足と研修医の問題もございます。研修医は、平成19年度は医師が6名、歯科医師が1名、計7名でございました。平成20年度は医師がゼロで、歯科医師が1名でございました。研修医は研修後、引き続き研修をした病院に勤務してもらえるということも期待できるので、研修医の確保も医師の確保の一つの方法かと思います。また、ある面では、病院のPRにもつながるのではないかと思います。
研修医確保の方法の一つとして、砺波出身で医学部に在籍をしておられる学生さんの情報、氏名と学校名、あるいは住所等を収集し積極的に活用してはいかがでしょうか。そして、その情報収集には市職員や我々議員等の力も結集して当たったらどうでしょうか。その情報により、学生さんあてに「市長からの手紙」等を発送し、郷里の病院でひとつ研修をしてみないか、していただけないかというようなことを提案したらいかがでしょうか。
以上、提案も含めて若干の質問をいたしましたが、これで質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) ただいま、となみ同志会を代表して、高田議員からも私に対しまして、市長の就任のお祝いと激励のお言葉をいただき、大変ありがたく、本当にうれしく存じております。ありがとうございました。
そして、この場をおかりいたしまして、議員各位に改めまして御礼と感謝を申し上げ、以下、各位に対するお礼のごあいさつは省略させていただき、答弁に入りますので、御了解を願いたいと思います。
それでは、新年度予算編成に向けて、私の所信をお尋ねでございますが、先ほど池田議員へお答えした内容と重複する部分が多々ございますが、御了承いただきたいと存じます。
国内外の経済情勢の急激な変化に伴いまして、国の新年度予算編成の動向が変わってきておりますことにつきましては、議員から御説明のあったとおりでございます。それを踏まえての砺波市の新年度予算編成ということになりますが、現在、担当課で編成中でございますので、概略となりますが申し上げたいと存じます。
まず、歳入予算の根幹であります市税につきましては、議員御指摘のとおり、現在の経済情勢から企業収益が落ち込んでおり、法人市民税の減収は必至であります。個人所得の伸びも期待できないことに加え、安定した税収である固定資産税も評価替えにより減収となりますので、市税は減額を見込まざるを得ないと考えております。
また、地方交付税につきましては、8月時点での来年度の地方財政収支の仮試算においては3.9%減とされておりましたが、その後、100年に1度とも言われる世界的な金融危機により、経済情勢が急速に悪化し、国税収入が法人税を中心に落ち込み、来年度はさらに落ち込むことが想定されております。
交付税は法人税を初め、国税5税の3割程度を原資としておりますので、この定率分が減ることにより、交付税全体が減ることになり、大変危惧をしているところであります。
国においては、経済対策をいろいろ検討されておりますが、交付税の上積みを期待するとともに、あらゆる機会を通じて、地方財政の実態を強く訴えておりますので、議員各位の御支援、お力添えもあわせてお願いを申し上げます。
その他、道路特定財源の一般財源化を初め、いろいろと本格化に向けて議論をされておりますが、いまだ確定されたものはなく、それに伴い地方財政計画等も未確定な段階でございますので、こうした動向を注視しながら予算編成に当たっていきたいと考えております。
次に、歳出についてでございますが、こちらも議員が発言されましたとおり、市の総合計画を基本として、時代の変化と市民ニーズに的確に対応した諸施策を初めとした、当面する政策課題を効率的、効果的に実施していきたいと存じております。
特に、今年度より拡大いたしました児童の医療費助成制度の継続や下水道事業、病院事業への繰り出し金、経年による施設維持、修繕費の増加など、経常的経費は増加の一途をたどっております。投資的経費についても、合併特例債事業の実施や喫緊の課題であります小中学校の耐震大規模改修など、大型事業が続くことから、その他の投資的経費や経常的経費が大きく削減しなければ、歳出総額の増加は避けられない状況になります。
そのため、これまで以上に事業の重点化や実施時期の見直し、さらには、物件費の圧縮や定員適正化計画に基づく人件費の抑制、加えまして平成19年度より実施しております高利率の起債の繰り上げ償還、指定管理料の見直しなどを行いながら、歳出の抑制を図ってまいる所存でございます。
いずれにいたしましても、今年度以上に財源確保が困難になる情勢は確実であり、市債や地方交付税、基金に頼っての財政運営も限界に来ておりますことから、予算規模については今年度を下回らざるを得ないものと考えております。
このように、国の動きが不透明な上に、非常に厳しい財政状況下での新年度予算編成になりますが、議員各位を初め、市民の皆様方の御理解と御協力をお願いしたいと存じております。
次に、中京方面からの観光客誘致等のための職員派遣に関する御質問についてお答えいたします。
東海北陸自動車道が全線開通し、中京方面との結びつきが深まる中で、当市は観光面を初め、地域資源にかかわる情報発信がまだまだ不足していると考えております。
そこで、今回、全線開通を契機に、砺波市、さらには砺波広域圏を中京方面へ強くPRし、観光面での誘客増と地域間交流を積極的に進める必要があることから、情報発信基地の名古屋での拠点開設を構想しており、一昨日には、県の名古屋事務所を訪問し、状況を調査してまいりました。なお、開設の時期、人員等の詳細につきましては、今、富山県や砺波広域圏など関係機関と協議を進めているところでございます。
以上、私からの答弁は以上でございます。その他の質問につきましては教育長並びに関係部長よりお答えをいたします。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田良男君) 高田議員の御質問のうち、私からは、心の教育の推進のための方針、それから、現状等についてお答えをいたします。
議員の御発言にもございましたように、今日の社会、そして、毎日そこで起きる社会現象の中で、子どもたちが置かれている環境というのは決してよいとは申せません。とりわけ、少子化、核家族化による家庭や地域の教育力の低下は、子どもたちの心に少なからぬ悪影響を及ぼしております。これはまさに憂慮すべきことでございます。
このような現状を受けまして、市では、小中学校にそれぞれ心の教育研究指定校を設け、公開授業や研究発表などの実践を通して、教職員の資質向上に努めております。さらに、心の教育相談員、スタディメイト、学校図書館司書、生徒指導推進協力員、生徒指導連絡調整員等々、砺波市単独の職員を配置しております。そして、豊かな心を持ち、たくましく生きるための支援をしております。これからも、この心の教育の推進に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
また、すぐれた芸術や文化にふれる機会、これはまさに情操教育の原点でございますが、さらに、学校が合同で行う連合運動会や連合音楽会などのような助成を通して、子どもたちが大きくて、心豊かな人に育つよう努めてまいります。
一方、幼稚園、保育所、小学校、中学校におきましては、PTAや地域との一層の連携を図りながら、学校を立体的に守っていくという体制を努めております。このためには地域ぐるみ、そして、保護者、そういうことがみんな、自由に物が言えるような雰囲気をつくっていきたいと思っております。これまでも「みんなで育てよう砺波っ子・五本指のめあて」、これは徳目でございます。5つの徳目があるのでございますが、それの推奨や、それから、PTA連絡協議会は長年にわたって「愛のひと声運動」ということをテーマを変えずにずっと続けられております。おかげさまで、このような取り組みが次第に成果を上げつつあるとは考えております。
しかし、教育は一朝一夕にはできるものではございません。今後とも、たゆまぬ努力を進めていく必要があると考えております。いじめ、不登校、非行などの今日的な課題に対応しながら、地域の大切な宝である子どもたちを安全に見守っていきたいと考えております。
そのためには、学校はもとより家庭、地域、それらの総合的な教育力の向上が不可欠でございます。今後とも、これらの施策を継続して実施するとともに、関係団体の連絡をさらに密に進めていきたいと思います。先ほどの御質問にもございましたが、市長の市政執行の教育の大きな核ともなっております知、徳、体のバランスのとれた子どもの育成に努力をしていきます。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
商工農林部長 小幡和日出君。
〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕
◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、2番目の市長の市政運営の政策についてのうち、中京方面からの観光客誘客に伴う観光資源に関する御質問についてお答えいたします。
東海北陸自動車道が7月に全線開通し、市内への観光客は昨年よりやや増加している状況でありますが、議員の御指摘のとおり、通過型の観光形態となりつつあることが懸念されるところであり、今春には、砺波市観光まちづくり戦略会議からの提言からも、滞在型・通年型観光への取り組みが必要不可欠であると存じております。
そのため、庄川温泉郷を中心とした宿泊施設の充実による滞在型観光への取り組みとともに、通年型観光への取り組みとして、市内観光施設をめぐる観光コースや四季を通じた散居村観光とともに、既存の古刹や石仏、庄川峡、食などテーマ別に観光資源を整理し、情報提供を行う必要があります。現在も観光パンフレットで、目的別周遊コースや地域別観光コースをPRしておりますが、今後はジャンルを増やすことなどにより、PRの充実に努めてまいります。
また、散居村は砺波市の貴重な観光資源であり、グリーンツーリズムの推進と合わせ、散居村ミュージアムと連携を図りながら、通年型、滞在型の観光資源としてPRしてまいりたいと存じております。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
建設水道部長 安念 茂君。
〔建設水道部長 安念 茂君 登壇〕
◯建設水道部長(安念 茂君) 私からは、主要地方道砺波福光線の整備についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、主要地方道砺波福光線は、南砺市高儀地内から砺波市苗加・九本杉地内まで4車線で整備済みであり、交通量も増加しております。
現在、九本杉から苗加用水間について、県単独事業で、現道への取りつけ工事が実施されておりますが、地権者お一人の協力が得られないため、整備が中断をしております。このため、前後の歩道が接続していないことから、児童生徒を初めとした交通弱者が危険にさらされているものであります。
この地権者との交渉につきましては、地元及び市土木課、並びに砺波土木センターにより、平成13年以来、事業の進捗状況並びに危険な状況を説明し、協力をお願いしてきたところであります。高田議員には第1回目から常に御同行いただき、大変ありがたく存じております。議員もよく御承知のことと思いますが、いまだ理解を得られない状況にあります。今後とも地権者には協力をいただけるよう交渉を重ねてまいりますが、整備促進を図るため、反対側の広上町側から九本杉方向へ4車線、幅22メートルの都市計画決定に基づく公共事業に着手されるよう、県に要望しているところであります。今後とも整備促進に向け、地元の御支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
病院事務局長 五嶋親秀君。
〔病院事務局長 五嶋親秀君 登壇〕
◯病院事務局長(五嶋親秀君) 私からは、高田議員御質問の医師の確保についてお答え申し上げます。
医師の確保には、常勤医と研修医の2つを充実することが肝要なことと考えております。
医師の臨床研修医制度につきましては、第4次医療法の改正によりまして、医師の全人的な診察能力の取得を目的として、医師の卒業後の臨床研修が必修化され、平成15年度からマッチングが開始されたところであります。
当院におきましては、平成16年度から平成19年度までの4カ年で、医師が21名、歯科医師3名の研修医が当院で初期研修を受けていただき、そのほとんどの医師が大学病院等にお戻りになり、その中で1名の医師が残っていただき、現在、当院で常勤医として勤務いただいております。
しかしながら、平成20年度においては、歯科医師1名のみのマッチングとなり、富山大学、それから、金沢大学に出向きまして、医学生に対しまして、当院の研修内容の説明を行うとともに、また、名古屋、それから、大阪、金沢で行われました初期臨床研修医の合同説明会に参加いたしまして、当院のPRに努めてきたところであります。
また、研修医が応募する臨床研修病院としては、充実した研修の受けることのできる病院機能や立地条件、給与等の待遇を重要視していることから、さらなる病院機能の充実と各種媒体を活用し、活発な広報活動を行っていく必要があると考えております。
こういったことから、議員御提案の砺波市出身者の医学生に直接手紙を送り、当院での研修をお願いすることにつきましては、議員の皆様方から情報をいただくことは大変ありがたいというふうに存じますが、個人情報保護の関係がありますので、各高等学校に出向きまして、研修医師確保についての趣旨を御説明いたしまして、御理解が得られれば、実施に向けて検討してまいりたいと存じております。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局長 戸田 保君。
〔教育委員会事務局長 戸田 保君 登壇〕
◯教育委員会事務局長(戸田 保君) 私からは、散居村景観の保全についての御質問にお答えをいたします。
緑豊かな屋敷林が水田のまにまに点在する散居村の景観は、先人たちが母なる川庄川の恵みの中で住居を構え、農地を耕し、400年以上の長きにわたって、営々としてつくり上げてきた砺波地方独特の文化遺産であり、私たちの世代で消滅させるわけにはいかない貴重なものでございます。また、屋敷林は過去においては、建築材や燃料として利用できるほか、風や雪、そしてまた、夏の暑さから私たちの生活を守ってくれる貴重な役割を担ってまいりました。
しかしながら、現在は生活様式の変化もあり、平成19年度に行いました調査、話し合いの中では、屋敷林を管理されている市民の皆さんからは、木の葉の処理や枝打ち等の負担が大きく、維持することが困難であると述べておられます。
市におきましては、この屋敷林の保全のために、従来から各種施策を実施いたしてまいりましたが、アンケート調査等の結果を見ますと、まず、散居村の歴史的な意義や現在の環境問題の解消にもつながる屋敷林の効用について、いろいろな機会を通して啓発活動を行い、それによって散居村に住む市民一人一人が、散居村のすばらしさに誇りを持っていただくことが重要であると考えております。
また、今年度組織いたしました砺波市散村景観を考える市民懇話会を初めといたしまして、市民の皆様に、平成18年度から実施してまいりました文化的景観調査事業の結果をもとに、散居村を後世に引き継ぐ必要性や保全の方法につきまして議論を重ねていただき、幅広くいろいろな立場の皆様の合意を得ながら、今後の施策を進めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
◯議長(林 忠男君) これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
2番、今藤久之君。
〔2番 今藤久之君 登壇〕
◯2番(今藤久之君) 質問に先立ちまして、上田新市長の御就任を心よりお喜び申し上げます。
これを機に、私もまた思いを新たに議会議員としての職責に励みたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは通告に従いまして、質問をさせていただきます。
まず、行政で使う用語、行政用語についてです。
昔は、役所から受け取る郵便物などの敬称は「殿」でした。今、私が市役所から受け取るあて名の敬称は「様」で、違和感もなく親しみを覚え、よいことだと思います。
以前、私の住む地域である説明会が行われ、終了後に雑談となりました。そのときに、役所の人の使う言葉はよくわからないとおっしゃる方がおられました。「アクションプランを策定し」と説明されたが、アクションプランとは一体何であるのかとのことでありました。私は、それは行動計画という意味だと思いますと答えましたが、その方は、最初からそのように言ってくれればわかりやすいのに、なぜ横文字を使うのかと、釈然としない様子でした。説明をしていたのは当市の職員ではありませんでしたが、私自身、思い当たる節がありました。
議員になりたてのころでありましたが、専門用語というのでしょうか、あるいは業界用語とでもいうのでしょうか。市役所で使われている言い回しや用語がわかりにくいと感じたのを思い出したからです。行政そのものに対する知識も乏しかったこともあるのでしょうが、それ以上に用語の意味がわからなかったのでありました。例えば携帯電話の使用説明書が、言語は確かに日本語で書いてあるのに、何度読み返してみても意味がよく飲み込めないといったぐあいだったと思います。
さて、行政用語の問題点についてですが、私は2つに分類できるのではないかと考えております。
まず1点目は、難解なものです。
片仮名言葉や専門用語、略語に類するものです。先ほどのアクションプランもそうでしたが、アウトソーシング、減免、DV、PFIなどが例として挙げられます。また、福祉の用語としてよく使われる言葉に、ケアマネジャー、グループホーム、デイサービスなどがありますが、実際に介護支援などを受けられる方々は高齢者が多く、恐らくはあまり意味がわからなく、戸惑いを覚えておられるのではないでしょうか。
2点目は、適正さに欠ける用語です。
「障害者」という言葉があります。「害」という漢字には、損なうとか災いという漢字の持つ意味、字義があります。害悪とか害虫とか、悪い意味を持った使われ方がほとんどです。当事者や関係者にとっては決して快い表記ではありません。私は差別的な意味合いさえあるのではないかと考えています。そのような観点から、自分で「障がい者」と書くときは「害」の文字を平仮名表記にしています。
障害者自立支援法という法律があります。残念なことに、これはすべて漢字表記です。正式な法律の名称であるので、これを「害」の文字だけ平仮名表記にするわけにはいきませんが、書きかえが可能なときには、「障がい」とか「障がい者」と表記する場合には、「害」の文字を平仮名表記にすべきだと私は思っています。
同様に授産、保護、指導、更生などの用語についても検討の余地があるのではないかと考えています。例えとして、主に福祉分野のものを中心に挙げてみましたが、市政全般においては、そのほかにもたくさんあると思います。
また、単語一つ一つだけではなく、回りくどい表現や文語体、漢語体、あるいは必要以上の敬語表現などについても一考すべきではないかと思います。市役所職員や関係者同士がやりとりをするのであれば、行政用語を使うことのほうが効率的な場合もあるでしょう。しかし、我々が何げなくふだんから使っている用語や言い回しも、人によっては難解であったり、不愉快であったりするのではないでしょうか。
市役所が発行する書類に使う用語や窓口対応、地元説明会などで使う用語の見直しをされてはいかがでしょうかと御提案いたします。市民が主役のまちづくり推進のためにも、高齢者や子どもたちにもわかりやすくて、親しみの持てる言いかえや言い回しにしていくべきだと思います。
このことに関して御答弁をお願いいたします。
次に、耕作放棄地についてお尋ねいたします。
報道によりますと、県では本年11月末ごろに、耕作放棄地を農地か非農地かを分類する作業を終える予定であり、各市町村と農業委員会はそれを受けて、今年度中にすべての耕作放棄地を実態調査する義務があり、耕作が可能な農地か、森林化や耕作者不在などの理由で、復元不可能な非農地かを分類する必要があるとのことであります。
私が昨年の定例議会で、本市における耕作放棄地発生の危惧と現状についてお伺いいたした際の答弁では、本市においては中山間地域において若干見込まれるものの、中山間地域直接支払制度の対象地については、集落の共同活動により、何とか保全管理されている。中山間地域における耕作放棄地については、圃場区画が小さく、用排水が悪い農地が放棄されているとのことでありましたが、その後、時間の経過もあり、変化も出てきているのではないかと思われます。
そこで、現在の本市における耕作放棄地の現状についてお聞かせください。
また、耕作可能な農地と判断すれば、耕作放棄地の解消計画を来年1月までに策定しなければならないとお聞きしていますが、その取り組みや判定の手法はどのように行うのでしょうか。さらに、その課題についてもあわせて御答弁いただきたいと思います。
一たん荒れてしまった農地は、並大抵の努力では復元することはできません。だからこそ、耕作放棄地をつくらないことこそが一番肝心であろうと思われます。そのような意味合いからお聞きいたしますが、当市としての耕作放棄地解消対策はどのような施策を検討されているのでしょうか。御答弁をお願いいたします。
続いて、中小企業支援策についてお尋ねいたします。
アメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界規模の金融危機や景気後退は深刻な影を落としています。民間調査会社がまとめた本年1月から10月の企業倒産状況によりますと、倒産件数は1万3,007件で、そのほとんどが中小企業であるそうです。原因別では、販売不振が前年同期比10.4%増の8,471件で最も多いのですが、増加率では、運転資金の欠乏が最も高くなっており、不況型倒産の典型的なものとなっています。
最大手の自動車メーカーでさえ、2009年3月期の連結営業利益を1兆円も下方修正し、その後、さらに業績予想を再度下方修正、営業赤字を計上する見通しとなる時世ですので、中小企業の大変さは容易に推しはかることができると思います。
そういった中、本年10月31日から中小企業庁の原材料価格高騰対応等緊急保証制度が開始されました。対象業種が545から618業種に拡大され、緊急保証枠も6兆円から20兆円となりました。通常の保証制度では融資先の中小企業が倒産すると、融資を行った金融機関が信用保証協会から受け取れる弁済金額は、責任共有制度の実施のため債権の80%であり、残りの20%は返ってこないのに比べ、緊急保証制度の場合は、信用保証協会が100%弁済することになっており、金融機関がリスク負担なしで融資を行えるために、貸し渋りの解消につながるのではないかという特筆すべき点があり、期待されるものです。
さて、私は前定例会の質問において、中小企業に対する融資制度と題し、信用保証料補助増額についての質問をいたしました。その時点での答弁では、政府の安心実現のための緊急総合対策の中に、中小企業等活力向上対策という項目もあることから、この詳細を把握、情報収集の上、どのような支援が可能なのか、関係機関、団体とも協議の上、検討してまいりますとのことでした。
経済産業省中部経済産業局の本年11月11日発表の管内総合経済動向の中では、企業倒産件数は3カ月ぶりに前年を上回ったとあり、同じく12月10日発表分では、企業倒産件数は2カ月連続で、前年を上回ったとあります。前定例会から、わずか3カ月の間でさらに深刻な状況となってきているわけです。
年末を控え、市内の中小企業者の資金繰りは、その厳しさを増すものと考えられます。今定例会初日に、市長の施政方針及び提案理由説明がありましたが、その中で、金融危機のあおりにより不景気風が吹く中、市民生活の厳しさが増大し、早急な対応が求められていることから、今月から、中小企業融資における緊急措置を実施いたしたところでありますとのことでした。その具体的な内容や措置期限などについて詳しい御答弁をお願いいたしまして、今回の質問を終えさせていただきます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
企画総務部長 吉田孝夫君。
〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕
◯企画総務部長(吉田孝夫君) 今藤議員の御質問にお答えをいたします。
私からは、行政用語の見直しについて申し上げます。
市民と行政の意思疎通に用いる文書や会話で使う言葉、用語につきましては、正確に伝わることが最も重要でございます。しかしながら、行政が用いる言葉や用語につきましては、単に誤りがないというだけでは十分とは言えず、いわゆるお役所言葉と言われるとおり、わかりやすさ、あるいは親しみやすさに欠けているという御意見があることは承知いたしております。
こうした用い方を改めていくため、当市では、文書事務、あるいは応接につきまして、職員研修などを通じて、次の2点について指導いたしております。
1点目は、市民にわかりやすい表現とすることでございます。
具体的には、初めに結論を述べること、主語と述語がわかりやすい表現とすること、回りくどい、あいまいな表現を避けること、片仮名語や普及している言葉、これを用いること、専門用語はわかりやすい言葉に言いかえる、また、説明をつけ加えるなどが挙げられます。
2点目は、市民に親しみやすい表現とすることでございます。
具体的には、です・ます調にすること、肯定的で前向きな表現にすること、敬語の表現は適切で、簡潔にすること、文書では見やすいレイアウトにすることなどが挙げられます。
なお、公の機関が使う言葉や用語につきましては、冒頭に申し上げましたとおり、正確さを優先する上から、わかりにくいことも時にはございます。しかしながら、法令用語などにつきましては、定められた経緯や意味を有しております。また、社会的に浸透している背景もございます。したがいまして、条例などの法規文書は言うまでもなく、法令などに基づく通知はかた苦しい面もございますが、正しい用語を用いることは行政運営上、必要なことと思います。
一方、一般的な文書、パンフレットなどの広報活動、窓口対応などの場合はできるだけ、わかりやすい言葉を用いることや説明をつけ加えたりいたしまして、いろいろ工夫をしているところであります。
今回、御意見をいただきましたことをよく受けとめまして、これまで以上に気を配るように努めてまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
商工農林部長 小幡和日出君。
〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕
◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、耕作放棄地についてお答えをいたします。
市内の耕作放棄地の現況につきましては、農業委員会事務局より、平成20年11月末現在、53ヘクタールと報告を受けております。その内訳は、人力、農業機械等で手を加えれば、耕作可能な農地として区分する土地が概ね36ヘクタール、森林の様相を呈しているなど、農地に復元することが著しく困難な非農地として区分する土地が概ね17ヘクタールとなっております。
次に、耕作放棄地の計画策定の手法と課題につきましては、この耕作放棄地解消計画策定に当たり、農業委員会では、委員各自の地区ごとの農地について平成19年度から2カ年にわたり、全筆調査を実施されたところであります。この調査に基づき、農地法第2条の判断基準により、農地を緑、非農地を赤と区分した指摘図により、所有者を検索し、非農地とした土地については農地、非農地の判断のため、再度農業委員等により現地調査を実施し、区分されたところであります。
この区分された土地については、耕作放棄地解消対策協議会が中心となり、所有者に対し、作付の意思の確認を実施するなど実態把握に努めるとともに、地域における今後の農業への取り組みや意見を取りまとめたいと存じております。
課題といたしましては、高齢化、担い手不足、収益性など、農業収入の見込みがない中で解消計画を策定することは、大変難しいものがあると存じております。
次に、耕作放棄地の解消対策につきましては、農業所得や担い手問題、そして、中山間地における地主の不在化などがあることから、中山間地の農業支援や農産物価格支援を国に要望するとともに、市といたしましては、地域の方々と今後の農業のあり方や担い手対策について検討しながら、地域の特産物振興等に向け、関係機関と連携を図り、耕作放棄地の解消に向け取り組んでまいりたいと存じております。
次に、中小企業の支援策についてお答えいたします。
中小企業を取り巻く情勢は、景気の低迷により厳しい状況下に置かれており、富山県内における今年度上半期の倒産件数のうち、建設業の倒産が前年同期を倍増するなど、全体でも前年水準を上回る状況となっております。
こうした状況の中で、国においては、本年8月に、安心実現のための緊急総合対策を発表し、加え本年10月には、新たな経済対策に関する生活対策として、現下の経済情勢への対応として、緊急保証制度が創設され、対象となる指定業種を618業種に拡大されたところであります。さらに年末の資金繰り対応を踏まえ、12月10日には80業者を追加指定し、全体698業種となっております。
国の制度の特徴といたしましては、議員御指摘のとおり、基準内に合致し、認定された融資事案につきましては、責任共有制度対象外として保証協会の100%保証を受けることができることから、必要事業資金を円滑に調達できるようになったことであります。
県におきましても、昨年12月から実施している原油等の高騰に対する緊急融資を拡充し、業種を限定せずに、中小企業への資金面での影響に対応できるよう、貸出利率を0.25%引き下げ、1.65%とするなど、経済変動対策緊急融資を実施しているところであります。
これら国、県の制度につきましては、売上高及び利益率が一定以上減収することが対象要件となっており、これが市長が審査し、認定することとなっていることから、迅速かつ適正に対応してまいりたいと思っております。
市が行う中小企業融資における緊急措置につきましては、先ほど、池田議員の代表質問に答弁いたしましたとおりに、9月議会において今藤議員が提案をいただいた後、急速に景気が後退したものであり、こうした状況下において、市が実施している制度融資、あるいは参画している県の制度融資について、12月11日から今年度末までの間、中小企業が負担する保証料に係る補助を従来の50%から80%に引き上げることとしたものであります。
また、この保障制度の助成につきましては、必要とあれば、新年度もあわせて継続的に検討するということで考えておるところであります。こうした支援が、資金繰りの円滑化に役立つものと思うものであります。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) この際、暫時休憩いたします。
午前11時59分 休憩
午後 1時00分 再開
◯議長(林 忠男君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
通告により、発言を許します。
9番 嶋村信之君。
〔9番 嶋村信之君 登壇〕
◯9番(嶋村信之君) まず、新市長の当選、おめでとうございます。衷心よりお祝いとお喜びを申し上げます。今後、市長としての御活躍に大いなる期待をいたします。
市長職は大変な激務であります。初登庁された折、市長いすに腰かけられた際、「市長職の重さを感じます。」が第一声であったと仄聞しております。どうか健康にくれぐれも御留意され、市民へのリーダーシップを発揮していただきますよう、心からお願いを申す次第であります。今後、市民の安心・安全を守り、福祉の向上を目指して、先頭に立って御努力くださいますよう、お願いいたします。
それでは、市長の施政方針を受け、通告に基づき市政一般について質問並びに提案をさせていただきます。
最初に、砺波市のビジョンと市政運営の基本姿勢について。
近年、社会経済情勢は国際化の進展、高度情報化社会の到来、地球環境保全に対する意識の高まり、地方分権の一層の進展など、大きく変化しております。その上、急速な少子高齢化は人口構成の変化をもたらし、地方分権の進展、グローバル化に伴う世界的な都市間競争の激化など、一地方である砺波市においても、今後の課題は多様かつ大であります。
平成16年11月1日、本市は合併後、新総合計画を作成し「庄川と散居に広がる健康フラワー都市となみ」を未来像として、4年経過いたしました。市長は施策方針の中で、第1次砺波市総合計画を継承していく前提で、「人が輝く活力あふれる砺波」を指標とすることを述べられております。
この際、砺波市の将来の構想と「人が輝く活力あふれる砺波」を目指す方向、地域別の機能を生かしたビジョンが必要と思われます。市長の御所見を具体的にお聞かせください。
以下、市政の基本姿勢(1)から(5)についてお尋ねいたします。
(1)市民が参画、市民と協働の市政について。
市長の基本姿勢であります市民との協働を柱の1つとする考え方に、同感であります。市民との協働は市民とともに考え、行動することであり、その基本となるのが情報の共有と相互理解にあると認識しております。従来、市の施策の企画、立案、実施はほとんど行政の職員が担ってまいりました。しかし、近年、市の施策、とりわけ、まちづくりに直接かかわろうという意欲が市民に高まりつつあることや、市民ニーズが複雑、多様化する中で、財政的な制限等により、こうした多様な要望のすべてにこたえることができなくなってきております。
これらのことを背景に、市民自らが市の施策に計画段階から参画し、事業の選択に直接かかわることにより、まちづくりの主体者としての自覚と責任を持ちつつ、市民と行政が協働して取り組むパブリックコメントが大変重要になってきていると思われます。
そこで、市民協働を推進するための部局横断的な組織として、仮称でありますが、市民公益活動促進本部を庁内に設置し、市長自ら本部長になり、行政でなければできない事業以外はすべて市民協働の事業とする。そのためには、協働可能事業の情報公開が必要になります。市長の御所見、本市のパブリックコメントの現況についてお答えをください。
以上の考えを前進させるため、市民、NPO事業者など多様な主体が公共サービスを担い、必要なサービスを的確、かつ効率的に提供する新たな体勢をつくり上げていく取り組みを推進する必要があると思います。また、市民公益活動促進補助金の創設、行政パートナーとしてのフロアマネジャーや市民窓口スタッフの配置、あるいは自治基本条例の制定に向け、その過程において公募市民に参画していただき、市民との協働の事業の推進を図る必要があると考えます。市長の御所見をお聞かせください。
(2)市民奉仕の精神に立った信頼される市政について。
市長は初訓示の際、職員に対し、市民奉仕の精神で仕事をと呼びかけられました。私は市民奉仕の精神とは、1、わかりやすいこと、2、市民第一、現場第一であること、3、常に生活者の感覚がわかる感性があること、4、スピードある対応をすることと思います。その上で住民福祉の向上、さらなる市民への奉仕こそ、行政の原点であると思います。
そこで、市長の市民奉仕の精神についての考え方を具体的にお聞かせください。
また、これからの行政キーワードは自立と公民協力、広域連携の3点が肝要であり、職員の意識改革とあわせて、市民の意識改革も大きな課題であります。そのためには、職員の意識改革にはしっかりとしたコスト感覚を持ちながら、自己決定、自己責任のもとで職務遂行に当たるとともに、市民と一体となった行政運営を目指す必要があると考えられます。
一方、市民の意識改革については、市民が自分たちの地域やまちづくりに、これまで以上に関心を高め、自らが市政の発展を図るという意識が必要であると思われます。さらに自治体の環境が厳しさを増す中、選択と集中の理念のもとで施策を展開し、限られた予算で最大の効果を得るためには、市民と行政が共通の価値観を持つことが第一でなければなりません。
ついで、公民が一定のルールで役割を分担しながら、ともに汗を流せる体制づくりが必要になると認識しております。したがって、今後、市民と行政が対話する機会を継続しながら、価値観の共有に努めるとともにタウンミーティングの開催、ワーキンググループの活動などが必要と思われます。また、(仮称)まちづくり協働条例など、まちづくりに寄与しようとする市民の意欲を行政につなげるシステムの構築が必要と思われますが、市長の御所見をお聞かせください。あわせて、砺波広域圏のあり方とその将来の展望もお聞かせください。
(3)新しいニーズにこたえられる筋肉質の市政について。
もはや今日までの体験、発想、前例にとらわれた財政運営ではなく、身の丈にあった独自のあり方について、明確な方向性を示さない限り、市民の理解は得られない時代に入ってきていると考えられます。
本市では、砺波市行政改革推進計画に基づき、行政改革を推進するとともに、市民参加の砺波市行政改革市民会議を開催し、相当の成果を上げていると認識をいたしております。しかし、本市の新総合計画による財政状況は、大変厳しいものがあります。
そこで、以前にも補助金のことについて提案したことがありますが、いま一度、補助金の交付について、千葉県我孫子市の成功した例を紹介し、提案をしたいと思いまます。
我孫子市では、補助金の交付を公募制にして、すべてを自紙に戻し、より適正かつ効果的に交付するため、前例や既得権にこだわらず、原点に立ち返って見直しをしたそうであります。我孫子市では、審査員を市民と学識経験者で構成する市補助金等検討委員会、5名から成る委員に委嘱し、検討委員会で公募申請書と概要調書で応募団体の事業内容を検討し、1、現在の社会情勢に合致している、時代度、2、団体の目的や熱意、活動内容から見た実現、目的達成度、3、事業や活動の着目点、先見性、発展性から見た創造性度、4、我孫子市の自然、歴史、文化を生かした我孫子市らしさ度の4項目から成る審査判定基準に行っております。
時間の都合上、詳細については省略させていただきますが、新しい試みです。市長としての御所見を求めます。
(4)ボランティア活動の推進について。
市長は選挙期間中、市民に対し一市民一ボランティアを呼びかけておりますが、市民と協働の行政を推進する上で重要な取り組みであります。私も議員に立候補した際、一市民一ボランティアを提唱してきましたので、大賛成であります。
近年、多くの都市ではアダプトプログラム制度が導入されております。御承知のとおり、アダプトとは養子にするという意味で、道路や公園など一定区画で住民や企業によって、愛情と責任を持って清掃、美化されることから、アダプト、または里親に例えられ、アダプトプログラムと呼ばれております。
日本でも各地で取り組まれており、ボランティア団体のグループ、また大学、企業などが公園や道路にある一定の区域について、緑化や清掃美化活動を行う市民参加の制度として広がってきております。自治体側は、登録されたグループの方が安全に活動できるように、ボランティア保険への加入や、また、清掃用具等の貸与、活動内容を明示した看板の設置、また、集めたごみの回収などの支援を行うものであります。
そこで、市長が目指す一市民一ボランティアについての構想をお聞かせいただき、市民へのメッセージであると理解をさせていただきたいと思います。
(5)暮らしを支える基盤づくりについて。
砺波の散居村は全国に誇るすばらしい景観を擁し、将来、世界遺産に登録されるかもしれないと期待している一人であります。しかし、広範囲な地域のため、現在の市営バスは、市民の生活の足を確保することは難しいのが現状であります。
そこで、他市で取り組んでいるディマンドタクシーについて提案します。
四国中央市は、本年1月から市民の生活の足を確保しようと、自宅と目的地までを送迎する乗り合いのディマンドタクシーの運行をスタートさせ、交通手段のない高齢者などに大変喜ばれています。同タクシーの運行は、事前に登録した利用者が希望の時間の30分前までに予約すると、指定した場所から目的地まで送迎してくれる。利用者も増加しており、特に交通手段のないお年寄りで、病院や買い物など、生活の足として利用されているようであります。
近年、全国的にもディマンドタクシーの取り組みをする市町村が増加しております。本市においても、散居村である地域性からもディマンドタクシーの対応が必要と思いますが、いかがでしょうか。御意見を拝聴させていただきたい。
次に、「人」と「心」を育むまちづくりについて教育長にお尋ねいたします。
(1)教育改革と砺波の人づくり教育について。
過日、民生文教常任委員会として、犬山市教育委員会へ行政視察をしてまいりました。その折、担当者は、教育は地味な土台をつくる仕事の積み重ねであり、犬山の教育改革は、教育委員会として当然やるべきことをやってきた教育にすぎないと語っております。
私見でありますが、教育は子どもの知的能力の発達とともに、心と体を健全に育てることを目的とするものであり、社会全体でそれを支えなければなりません。教育の現場は、知識を植え込みがちだった「勉強」から、自ら考える力を養う「学び」と、学習指導の改革をする必要があります。
「学び」を実現するには、子どもの個性、発達段階に応じて教育課程を工夫し、指導方法を改善する必要があります。とりわけ総合的な学習を工夫する。さらには、チームティーチングや少人数指導授業の導入による利点を生かした授業改善を進める必要があります。
自ら生きることに喜びを感じない者には、他者を大切にする心を育てることは難しいのであります。今、子どもたちは、日々生きることに十分な喜びを感じているでしょうか。子どもたちのさまざまな生活場面がそれぞれ、より充実したものになるよう努力するとともに、子どもが「学び」を通じて生きる喜びを感じられるよう、自ら切り開く力と展望を獲得できるようにするのは、私たち大人が取り組むべき課題であります。その上で、1、学校に何ができるのか、何をしなければならないか。まず、学校の役割をはっきりさせること、2、魅力ある学習の場の提供には、何が問題か検証すること、3、世の中、改革ばやりです。市場原理の導入等いろいろな試みがなされております。しかし、忘れてはならないことは、改革は公教育の基本にのっとって、方向と手法であること、4、日本の教育改革は、制度と仕組みを変えるのに熱心です。しかし、教育現場が変わらなければ、改革はできません、5、教育議論は、ともすると学力をめぐって百花繚乱となりがちです。しかし、重要なのは、子どもの「学び」を保障する権限と責任はどこにあるか、明確にしておくこと。
以上の取り組みをするために、教育委員会が何ができるのか、何をなすべきかを問い直す必要があります。また、市町村が設置している学校は、市町村教育委員会が学校管理権を持っております。これは、子どもの学びを保障する責任が市町村教育委員会にあるということを意味しております。そのためには、1、主体性を持った教育委員会であること。しかし、市町村教育委員会が空洞化されているため、現制度の廃止を求める市さえ出てきております。主体性を持った教育委員会にしなければなりません。教育委員会の委員は、首長が議会の同意を得て任命する仕組みであります。まず、首長は、教育委員会にふさわしい委員を任命することは、これはまず首長の重要な責務であります。2、市町村教委会が、学校管理権についてきちっとした認識を持っていること、3、改革は制度にのっとり、システムとして機能させなければなりません。とりわけ重要なことは、学校現場と教育委員会が相互に機能することです。そのためには、事務局に市費でオーソライズされた職員を増員し、さらに外部から適切な協力を得て、両者の間に強いパイプを形成する必要があります。
先の教育基本法の改正に伴い、教育三法も改正され、教育委員会の使命と責任が明確になりましたが、本市の将来展望を踏まえ、教育改革と砺波の人づくりについて答弁を求めます。
(2)全国学力調査の考察と今後の対応について。
犬山市では、犬山の子は犬山で育てるという考えのもと、子どもの人格形成と学力保障を目指し、さまざまな教育改革に取り組んでいるようであります。犬山市の教育委員会は、教育現場の実践を踏まえ、国が進めようとしている国主導の教育改革に対し、さまざまな問題点を指摘しています。とりわけ全国学力・学習状況調査については、市の教育理念に合わないとの判断のもと、調査に参加しないことを決定し、これを機に教育のさらなる発展を目指し、「犬山の教育の重要施策2007 学びの学校づくり」を作成しております。
「不易流行」という先人の格言がありますが、教育における不易という理念について認識し、学びの学校づくりを推進しようとしております。教職員には、学校の自立を進めることにより、教師の自己改革を促し、子ども主体の授業づくりを目指すとともに、すべての子どもの「学び」を保障する。保護者や地域に対しては、学校現場での授業における子どもの具体的な姿を通して、教育について一層理解を得られる努力を続けています。
本市は、砺波の子は砺波で育てるという考えのもと、子どもの人格形成と学力保障をしなければなりません。
教育で最も大切なことは、1人の落伍者もつくらないことであります。義務教育では競争心をあおるのではなく、他人を思いやるやさしい心を育てることであります。その上で、自分の持っている能力を他者のために発揮することが本来の目指すところであり、とかく今日の社会風潮に見られる市場原理主義に同調するがごときは、全く誤りであると思います。
私は、早晩、全国学力・学習状況調査は廃止されるものと認識しておりますが、今回の学力調査についての考察、今後の学力調査のあり方を含めて率直な御意見をいただきたい。
以上、一般質問を終わりますが、実りのある答弁を期待しております。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 嶋村議員からは、まず、砺波市のビジョンについてのお尋ねであります。
このことにつきましては、池田議員の代表質問にもお答えしましたが、私は市長選に出馬するに当たって、「人が輝く活力あふれる砺波」の理念のもと、3つの市政運営の基本姿勢と6つの柱を掲げました。その内容につきましては、先日の施政方針及び提案理由の説明の中で、所信表明として申し上げたとおりであります。
基本的な砺波市の将来展望については、合併して以来4年が経過しましたが、2期目を受け継いだ私の使命は、合併の効果がしっかりとあらわれるように努力することであり、さらに、砺波の魅力を高めることであると考えております。
具体的な施策については、第1次砺波市総合計画に基づき、実施をいたしたいと思いますが、砺波市が、一人一人が生き生きとした心豊かな生活文化都市になるよう、全力を傾注して邁進いたしたいと考えておりますので、嶋村議員のいろいろの見識ある御発言に対しまして参考にさせていただきました。今後とも嶋村議員の御協力をぜひお願いいたしたいと、このように思っておる次第でございます。
私からの答弁は以上といたしまして、その他の質問につきましては、教育長並びに関係部長よりお答えをさせます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田良男君) 私からは、「人」と「心」を育むまちづくりについての御質問にお答えをいたします。
初めに、教育改革と砺波の人づくり教育の推進についてでございますが、国の教育改革はちょうど平成16年11月、我が新砺波市が誕生したころ盛んに議論されて、平成18年12月には教育基本法、そして、平成19年の6月には教育三法が改正されました。だから、新市のスタートと教育改革議論が行われていたというのは並行しておったわけですね。
この間、砺波市では、新市誕生によって教育機関の充実のための組織がえがありました。まず、小中学校が12校になりました。それから、幼稚園、保育所が20園になりました。それから、地区公民館が21館、それから、PTA、体育協会、文化協会、婦人会、さらに公的組織であります公民館も統合して、新たに教育基盤を形成して、市民融和につなげていこうとしたわけでございます。
また、新市では総合計画を策定して、教育分野では、御質問のように、「人」と「心」を育むまちづくり、これを掲げて生きる力を充実する教育を目指して、重点項目を幾つか挙げて、それに従って進めてまいりました。
その中でも、まず第一に挙げられるのは、こども課の新設だと思います。
これは、ゼロ歳から15歳までの成長期を一貫して教育委員会の所管となったこと。幼稚園、保育所、小中、この4つ、3つの組織がリレーされていく、そして、子どもを育てていくという、その一貫的な物の見方をするということ。部分じゃないんですね、一貫的な物の見方をしていくということ、そういうことを保育者にも教員にも、それから、保護者の方々にも意識を持っていただくということです。
また、心の教育の充実のために、地域で子どもを育てるため、今の公民館は大変多様な活動をしていただいております。さらに、子どもたちの体力の低下が叫ばれておりました。そのために体力の低下に歯どめをかけて、さらに、できることならば増強を目指す。このために幼稚園、保育所に出向いて、遊びの指導、それから、小中学校でのスポーツ・体育活動の振興、そういう活動も展開してまいりました。
また、幼いころからの感性を高めるために、砺波市には文化会館というすばらしいホールがございます。さらには2つの美術館があります。そういう感性を高めるためのすばらしい市の組織を生かして、子どもたちのひとみに感動がよみがえるような、感動が映るような教育を展開してまいりました。
このように、当市は国や県、それらの方針と調合しながら、砺波型の人づくり、そのための教育施策を推進してきたわけでございます。思うに、この4年間、それを支えていただいたのは、やはり砺波の豊かな自然と歴史、そういうものを育んできた人徳の厚い、心の美しい人情であると。子どものためなら、面倒を見ようというやさしい心がけ、それがまず第一だと思います。それがさらに、まじめで難題に挑む向学心旺盛な市民の姿勢、これは絶えることない伝統であります。
しかしながら、新砺波市は進化しつつあります。歴史的な人的財産やそれらの教育的資本の上に安住していたのでなく、新しい住民の方もおります。それから、若い人、それから、ベテラン、それから、男性、女性がそれぞれ、こういう友好を深めながら、これから来るであろう激しい波に乗り切っていかなきゃならないというふうに思っております。
さらに、現在の人や物の状況が非常に流れが激しゅうございます。そのためにも、育成した人材がよそへ流れないように、これを砺波に定着させるともにどのようにすればということが、この後の大きな課題であります。
次に、全国学力・学習状況調査の今後の対応等についてでございますが、本年度の学力、学習の調査の考察につきましては、各学校において、前年度を調査したものと対比しながら詳細に分析しております。さらに、そこへ砺波市教育センターが加わって、担当教師等による教育課題懇話会なるものを行いまして、12の学校の状況を情報交換しております。
なお。本年度の調査につきましては、学力調査・学習状況調査ともども、昨年とほぼ同じような傾向が見られます。したがって、砺波市における傾向がほぼ見定められたことから、各学校においても、それに対する具体的な施策をとっております。
次に、今後の調査への対応についてでございますが、現在の調査につきましては議員おっしゃったとおり、費用や労力等を勘案して、実施の是非が議論されていることは伺っております。しかしながら、一方で、この調査によって、各児童生徒の学習や学力調査、学習状況の個人の状況がわかるんですね。一人一人の子どもの状況がわかるので、それが今後の学習指導の状況に役立てることもできるので、国はどう出るか。そういうことなども勘案しながら、慎重に対処していきたいと思っております。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
企画総務部長 吉田孝夫君。
〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕
◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、まず、市民が参画し、市民と協働の市政を推進することについてお答えをいたします。
「市民奉仕の精神に立った信頼される市政」にも関連いたしますが、市職員の持つべき姿は市民全体の奉仕者であることを念頭に、市民本位に考えた公平で公正な対応でございます。そうした基本を踏まえながら、市民の目線に立って、市民と協働してまちづくりをなし遂げていくということが、私ども職員に課せられた使命であると認識しております。
ここで考えられる協働の形態といたしましては、行政からの委託、協力依頼、公募による協働、そして、市民発想で行政に企画提案する協働、それからまた、行政と市民が活動内容を話し合う対等参加型の協働という3つがございます。
公益のためという原則のもとに、市民と行政の資質や能力を持ち寄って、連携協力して、まちづくりを進めるというふうに考えております。なお、市民公益活動を促進する補助の創設などに触れられておりますが、今後そうした社会状況を迎えているのか、研究をしてまいりたいと思っております。
パブリックコメントの現況につきましては、今年度、砺波市耐震改修促進計画、砺波市子ども読書活動推進計画、砺波市都市計画マスタープラン、この策定について意見募集をしておりました。昨年度より取り組んだ新しい協働の形であるため、市民に対し、今後さらに市の広報などで趣旨のPRに努めてまいります。
もう一点の市民窓口スタッフの配置につきましては、代表質問の市長答弁にもありましたように、今後、市役所に市民と協働するまちづくりの一環として、総合的に窓口を設けて、多様な働きかけをしてまいりたいと考えております。
なお、嶋村議員から、新たな組織、あるいはシステムの設置等について御提言をいただいております。当市のようなコンパクトな行政体におきましては、プロジェクトチームなどが増えることによって、かえって行政執行の障害となるおそれがありますし、今日的には行政改革の流れからいたしましても、新たな組織の設置につきましては消極的に介しておりますので、御理解を願います。
次に、「市民奉仕の精神に立った信頼される市政」につきましては、先ほども申し上げましたが、市民の目線に立ち、市民に信頼をされて業務を遂行することにあります。奉仕と協働という面では、従来より職員は地元や地域での諸活動、例えば自治会、公民館、あるいは体育振興会、農地・水・環境保全、そして、また、資源ごみ分別収集など自発的に参加をしているところでございます。しかしながら、幾多の行政課題を抱えている今日、まちづくりは市民と行政の協働なくしてはなり得なくなっておりますので、職員も積極的に地域のまちづくりにかかわることにより、協働することの意義を広める、担い手となるように促してまいりたいと考えております。
また、広く市民の意見、ニーズを把握する必要があることから、市長が赴くタウンミーティングや各種団体との意見交換会を企画し、意見の把握に努めたいと存じます。
砺波広域圏事務組合のあり方にも触れられておりますが、御存じのとおり、一部事務を処理する組合でございまして、一行政では遂行が困難な業務を実施されているもので、今後もとスケールメリットを生かし、業務の推進に当たっていただくものであります。
次に、ボランティア活動について申し上げます。
市長が提唱されているボランティアの推進の趣旨は、市民一人一人が郷土に愛着と誇りを持ち、自分のできる分野でボランティアに参加いただき、魅力的なまちづくりを市民全体で取り組んでいきましょうという呼びかけであり、運動でございます。市民の皆さんへの参加しやすい環境づくりも今後、整えてまいりたいと考えております。
嶋村議員にも地域において、いろいろと御参加いただいていることを大変ありがたく思っているところでございます。
次に、「新しいニーズにこたえられる筋肉質の市政」について申し上げます。
市の行財政改革につきましては、市町村合併を最大の行政改革の契機としてとらえ、また、抱える行政課題をまとめた砺波市行政改革大綱をもとに今日、進めてきたところでございます。その中で、議員が触れられたように、補助金制度につきまして、前例や既得権にとらわれず、原点に立ち返って見直しを行うという観点は大変重要であると思っております。
市としては、これまでもスクラップ&ビルド。これを原則として、補助制度そのものが時代に合っているのか、公益性が高いものなのか、そして、補助の効果が期待できるかなどについて検討を行いながら進めてきたところでありますが、平成21年度からは、補助金のみならず、すべての事務事業を対象に行政評価に取り組むこととしているところであります。行政評価とは、事業に要する経費やその成果はどのようなものであったのか、どのように改善をすれば、より効果が上がるのかなど、継続的な改善を次への取り組みにつなげていこうとするものでございます。
この行政評価の取り組みを推進することにより、補助金を初めとした事務事業の見直しを図ってまいりたいと存じますが、議員御提案の検討委員会という第三者評価に基づく制度につきましては、行政改革市民会議などでの御意見も参考にしながら、庁内で研究してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 藤沢まゆみ君。
〔福祉市民部長 藤沢まゆみ君 登壇〕
◯福祉市民部長(藤沢まゆみ君) 私からは、5)暮らしを支える基盤づくりについてお答えいたします。
現在運行している市営バスにつきましては、昭和53年に民間路線バス運行会社である加越能鉄道の赤字路線廃止に伴い、その代替路線として、まず、市営バス栴檀山線と高波線の運行を開始いたしました。現在の市営バスの路線につきましては、4台の車両により、栴檀山線、東般若線、高波線、庄川線の4路線を運行しており、平成19年度で年間約4万8,000人の市民の方に利用していただいております。その大半が高齢者及び小学生、児童であります。
なお、市内には、市営バスのほかに、庄川地区を運行するふれあいバスや社会福祉協議会の運行する福祉バスがあります。また、民間バス会社の加越能鉄道は、栴檀野線、加越線、砺波立野脇線、庄川経由五箇山線、庄川線、小牧堰堤線、戸出団地線、若林線の計8路線を砺波市内に運行させており、他の市町村から見ても、バス路線につきましては充実していると考えております。
平成7年当時、栴檀山線、高波線、東般若線の3路線の運行で6万4,000人の利用者がありましたが、その後減少し続け、平成18年に庄川線を追加した4路線の運行でも4万8,000人となってきております。
しかしながら、既存路線の維持は市民生活の安心・安全な生活を守る重要課題であり、このような状況から考えますと、ディマンドタクシーの導入はバス利用者の減少に追い打ちをかける状況にもなりかねません。今後、既存のバス路線の利用客のさらなる減少は、加越能鉄道の撤退を招くことにもなり、撤退路線を砺波市で補完しなければならない状況になります。
したがいまして、市民の足を確保していくことは大切なことであり、市営バスの利用者の減少や加越能鉄道の路線バスの撤退など、現在の交通手段の維持が困難となる状況になれば、市営バスやふれあいバス、福祉バス、スクールバスなどを総合的に見直し、効率的なバス運行を検討しなければならないと考えております。
市といたしましても、地球温暖化防止の観点から、市営バス、民間バス等の公共交通機関の利用を呼びかけてまいりますが、議員各位にも、市民の皆様に公共交通機関の利用を働きかけていただければと存じております。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 6番、福島洋一君。
6番 福島洋一君。
〔6番 福島洋一君 登壇〕
◯6番(福島洋一君) このたび、砺波市長に当選されました上田新市長に心からお祝いと感謝を申し上げます。
砺波市がさらなる発展するための牽引役として御活躍されんことを期待するとともに、微力ながら、そのためのお力添えができることであれば、こんなにうれしいことはございません。よろしくお願いいたします。
さて、安念前市長が先頭になり、骨を砕き、熱い思いで実現されました合併による新砺波市。すばらしい選択と市民の願いがかなった合併であったと理解するとともに、合併に対するハード面の整備が大体整ったのかなと思うものです。しかしながら、電車に例えるであれば、ようやくレールの下の地固めができ、レールが敷かれて、どうにか電車が通れる環境が整ったところであります。先ほど市長より、合併の効果がしっかりあらわすことが、合併2期目に期待される第一の仕事ととらえていると答弁がございました。上田市長のお力と議員も含め、全職員が一丸となって取り組み、就任式で訓示のありました仕事に対する姿勢5カ条を肝に命じ、この軌道に対する安全装置、信号整備、いろんなインフラ整備、財政上の問題が残っておりますが、一刻も早く安全に、そして、確実に砺波市号の電車が全線開通するよう願うものであります。
さて、就任早々でありますが、砺波市の新たな顔づくりの提案一本に絞り、質問しますので、よろしくお願いいたします。
砺波市には御存じのように、道の駅フラワーランドとなみが国道156号線沿いのチューリップ公園前に位置し、観光や砺波産業の情報発信基地として機能すべき役割で、平成5年4月15日オープンしました。道の駅としては早い開設であったためか、今となったら、なぜ国道に面していないのか、営業品目の貧弱さ、大型観光バスの入りづらそうな環境など、弱点ばかりが目につき、本当に観光、産業の情報発信基地としての機能をしているのか、疑わしく思うものです。このことが、今となっては非常に気になるところであります。
今年の8月7日、同僚の井上、稲垣、瘧師議員と期別の行政視察の折、今治市を訪れた感想でございます。地産地消を実行する都市、食と農のまちづくり今治のキャッチフレーズどおり、まさに行政が後押しし、農協が行動し、市民に働きかける、その姿を見てまいりました。
今治市は人口約18万人、松山市に次ぐ愛媛県第2の都市、瀬戸内海の観光、造船を軸とした海運都市としての将来が期待され、タオルの生産量も有名で、全国生産の約6割のシェアを誇るところであります。また早くから、地産地消の推進と食育の推進及び有機農業の振興を柱として、食と農のまちづくりを着実に実行しており、毎年多くの視察者を受け入れているところであります。
市農林振興課に設置されました地産地消推進室が、食育プログラムを学校教育に普及させており、学校給食の食育効果に期待を寄せております。また、今治市の学校給食の米は、100%地元生産の無農薬特別栽培米が使用されていると聞かされ、砺波市の学校給食に砺波産米「散居のかおり」のあまりにも少ない使用実態との差を聞いて、驚きました。もっとも、当局で差額の補てんをしてまでも、地元の米を使用する姿を見たときに、地元産業、農業を大切にする自治体の姿を感じました。砺波市もそうであってほしいなというふうに思うのであります。
また、今治市には、JA今治が経営する、JAが経営するとしては国内最大級の売り場面積約2,000平方メートルを誇ります店舗と大きな駐車場を整備した、国道196号線に面した道の駅さいさいきて屋──鮮やかな菜っぱと書きます──とネーミングした直売店があり、地産地消のにぎわいをつくり出しておりました。店内に掲げられました「農強」、農が強いという文字が大きく躍っていたのが印象的でありました。
この施設は今治市が交付金の申請をし、JAが運営し、平成19年7月オープンした施設であります。魚類、農産物、季節を飾る花、欲しいだけの分量を買えて、すぐ精米できる玄米売り場、地元のしゅんの野菜や果物、また、それを加工した加工食品など、生産者の顔が見える、新鮮で安全な農産物を豊富にそろえた直販店であり、隣接した彩菜食堂の入り口に、管内の新米をかまで炊くデモンストレーションをし、目に訴え、おいしさをアピールする憎らしいまでの見せ方に、いつも疑問に思っている砺波市内のレストランの砺波ブランド米の使用状況とPRの仕方が、ここに原点があるのかなというふうに感じました。
最近、産地偽装問題等が頻繁に発覚し、残念ながら、食べ物に対する安心感が持てない現代社会であります。富山県内でも、富山県農林振興センターが、野菜の出荷量日本ワースト1の汚名返上と地産地消の観点と農業の米だけの収入に頼らずに、もっと複合経営をし、より地場産の農産物消費拡大を願った「とやまてんこ盛りプロジェクト」がそれであります。そしてまた、スーパーには小規模ながら、インショップが動き始めております。いわゆる生産者の顔が見える安心食材、農産物直販システムであります。
ここで、上田新市長にお願いであります。
道の駅フラワーランドとなみの現在の姿を第三者的に見た場合、どうでしょうか。利用してもらうに一番大きな力は、観光バスが入ることであります。現在は非常に見づらい看板、スペースの余裕がなく見える駐車場、当時、南西の風、風雨に配慮されてのことかもしれませんが、国道に玄関口が向いていないなど、第一印象で入ろうかと思えない構造になっていると思われます。まして、バスは食事などの予約かよほどのインパクト、PRがない限り、まず入りませんし、一般客にしても同じであります。本当の意味の砺波市の情報発信の基地になり損ねております。
前に立ってみますと、現在スタンドが営業停止しております。他人の施設、土地を何やと思われずに聞いていただきたく存じます。スタンドの用地、施設を解体してしまえば、後ろに農協さんの駐車場、そして元スーパーの建物、現在の道の駅を後退させれば、駐車場を前にしたすばらしい空間ができてまいります。その空間こそ、今必要なお客さんを呼ぶ、バスを呼ぶ仕掛けを考えることのできる空間であろうと思います。思いが膨らむともっと大きな空間が必要になるかもしれません。
この空間を使い、砺波市のいろんな情報発信基地として活用し、地元の生産者の顔の見える安全・安心な砺波市内地場産の農産物、その加工品、観光情報の発信源、砺波市の産業、工業、文化など、そして、チューリップ公園、四季彩館、美術館、今度できます出町子供曳山会館とのネットワークの核になるように起因できるものができれば、これほどすばらしい施設はないと考えます。
もちろん第1次砺波市総合計画の中には具体化されてはおりません。しかし、第3章、4番、魅力ある産業が発展するまちづくりとあり、これらのための情報発信、行動する施設であると考えます。財政厳しいときであります。しかし、産業の情報は1社ごとの単独では世の中にアピールできませんし、集落営農組織も随分組織され、法人化の組織も増えてまいりました。みんなで考え、みんなで行動する、みんなで安全な農産物を供給する、地域の方は安心な地場産の農産物を食べていただき、農産加工物を買ってもらう。そして、砺波市のいろいろ頑張っている企業、産業の紹介、そして、観光客に砺波市の食材満載の食事をしてもらい、お土産に買っていただく。来てよかった、砺波市と思っていただき、また、知人に砺波市を紹介していただける。そんな核の施設の誕生を夢見て提案申し上げます。
新しく市長になられました最初の質問でありましたので、あえて訴え、提案申し上げます。
まず、行政、議会、商工会議所、農協、工場協会、営農組織等、関連する団体との検討委員会を立ち上げていただき、十分検討、議論し、方向性を出していただきたいというようにお願いするものです。前向きな御答弁を御期待申し上げ、質問といたします。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 福島議員の道の駅砺波の再整備構想に関する一般質問についてお答えいたします。
道の駅の本来の機能としては、道路利用者に対する休憩機能、または道路利用者や地域の方々への情報発信機能、そして、地域を結ぶ、地域連携機能の3つの機能があります。
議員御指摘のとおり、現在の道の駅砺波は、国道に面した大型バスの出入り口がなく、市道側からの進入のみとなっており、駐車スペースも十分とは言えないと思われます。また、施設につきましても平成5年に整備されたもので、既に15年が経過し、団体観光客の受け入れや情報発信地として、また、地域観光資源との連携においても、現在の利用者のニーズにこたえ切れていない面もありますが、現在の財政事情の中で、ハード面の見直し整備について大変厳しいものがあります。加えて、周辺施設の関係者との調整も必要であり、この問題は第三セクターであるフラワーランドとなみだけで具体化できるものではありません。
しかしながら、このエリアが東海北陸道自動車道の全通を機に、より交通の要衝の度を増している利点を生かすことが大切であり、道の駅砺波としての本来の機能を生かし、観光情報以外にも産業、文化などのさまざまな砺波市の情報発信基地として、一層の活性化が望まれているところであります。
今後は他の周辺施設の有効利用と再整備等について、フラワーランドとなみを初め、各種関係団体とも十分協議、検討を進め、必要があれば、総合計画の後期計画において反映したいと存じております。
以上で終わります。
◯議長(林 忠男君) 3番、村岡修一君。
3番 村岡修一君。
〔3番 村岡修一君 登壇〕
◯3番(村岡修一君) 議長からお許しをいただきましたので、通告書に従い、市政一般について質問いたします。
初めに、このたび新市長に就任されました上田市長さんには、まことにおめでとうございます。
去る11月28日の新市長就任式で、幹部職員を前に訓示された5項目の実行と監視と、人口5万人市民の安全・安心を守り、市政運営を理念とする「人が輝く活力あふれる砺波」を基本姿勢とし、「市民と協働の市政」、「市民奉仕の精神に立った信頼される市政」、「新しいニーズにこたえられる筋肉質の市政」を命題に、行政トップとして、今後のかじ取りに大いに期待をするものであります。
さて、本題に入り、質問させていただきます。
第1点目は、地域の活性と人口減少問題について市長さんにお伺いをいたします。
これまで、先輩の先生方も何度も質問をされておりますが、いま一度質問したいと思います。今回は、私の住んでいる庄東地区の現状をお話ししたいと思います。
市長さんもよく御存じでしょうが、庄東地区には、合併後、三谷・雄神地区を含め5地区となりました。しかし、少子高齢化が年々急速化する中で、地域に住みなれた若者たちは村を離れ、中心街に新たな生活の拠点を求める傾向が増加してきています。その結果、村には子どもたちの数も少なく、お年寄りの方々が先祖代々住みなれた家を守りながら、細々と日々暮らしています。残されたお年寄りの間では日常会話も少なくなり、今や昔気質で住みなれた村を離れる人はいない状況下で、過疎化が進行してきています。こうした状況は砺波市だけの問題ではなく、県内でも中山間地域を多く抱えた富山市なども同じ悩みを抱えております。
また、これまで繁盛してきた商業面でも、利用客の減少から年々閉店する店が増え、現在では食料品、あるいは鮮魚店が数えるほどしか存在しません。特に、現代車社会の中で大変重要なガソリンスタンドも、先ごろの原油高騰による影響から厳しい経営を強いられ、先月末で閉店されました。この結果、庄東地区に現在ガソリンスタンドは一軒もございません。これにより、これまでの利用者への影響もありますが、一番心配されることは、中高年齢者、老人のドライバーの方がこれまで身近で給油可能であったのが、今後、不可能となり、地域を離れ、中心市街地や遠地での給油となり、途中での交通事故増加など大変気になるところであります。
先般、一例ですが、東北地方の山間部で1戸当たり1万円を出資して株主となり、ガソリンスタンドを運営しているとの情報を耳にいたしました。
そこで、市長さんは、人口減少対策として、第一に、企業誘致を提唱されています。砺波市の人口も5万人を目前に一進一退を繰り返し、最近の調査では4万9,390人で、中でも15歳から64歳が60.7%を占め、64歳以上では24%となっており高齢化が深刻化を増しています。
そこで、第1点目として、地域の活性と人口減少対策について。
2点目として、中山間地域へ、特に庄東地域の対策について市長さんの考えをお聞かせください。
第2点目に、消防本部体制の見直しについてお尋ねをします。
先ごろ、第3回県消防広域化推進検討会議で、県側より、現在、県内に14ある消防本部を4から5に統合する推進計画が提示され、最終結論を平成21年3月までとしております。
内容は、小規模消防本部と非常勤消防の解消を前提に、管轄人口を概ね10万人規模とし、県内を東部と西部に分けた上で、それぞれ各3案が提示されました。
まず、東部第1案では、富山広域圏の5市町村と新川広域圏の4市町村、第2案として、富山市と同市以外の8市町村。第3案では、第1、第2案の中間案として、富山、立山、舟橋の3市町村と魚津、黒部、滑川、入善、朝日、上市の6市町としています。
一方、西部の第1案では、広域市町村圏を基本に、高岡広域圏の3市と砺波広域圏の2市、旧射水広域圏の射水市となっております。第2案では、二次医療圏を基本に、高岡医療圏の3市と砺波医療圏の3市で、第3案はこの中間案として、高岡、氷見の2市と砺波医療圏、射水市となっております。
検討委員会では以上の内容を基本に、今後、市町村や関係機関と協議、調整をし、絞り込みを図っていきたいとのことであります。一方、各市町村の対応として、来年度にそれぞれ組織を設置し、協議を進め、遅くとも2014年までには一定の方向を明らかにしたいとの考え方を示している市町村もございます。
こうした中で、近隣の小矢部市消防本部はいち早く、平成19年6月に組織を立ち上げ、本年2月4日に開催した市議会の総務常任委員会で、統合の枠組みは、砺波広域圏が望ましいとの方向性をまとめ、報告書を市長に提出したとのことであります。その後の経過については定かではありませんが、砺波広域圏議会の資料に目を通しますと、2月に小矢部市から広域合併の申し入れがあり、現在消防本部において、小矢部市消防本部との広域化にかかわる調査研究を行っているとの報告がされておりました。その後の広域圏議会や小矢部市との事務局レベルによる情報提供や調査など、事務作業の進捗状況も気になるところですが、消防活動は昼夜を問わず、いざというときには家庭や家族、職場を顧みず出動し、私たちの生命と財産を守ってくれます。
そこで、第1点目として、今回提示の組織見直しに対する砺波市としての見解についてお尋ねします。
第2点目として、小矢部市からの合併問題についてどのように考えておいでるのか。
第3点目に、先般、庄東出張所の建設の安全祈願祭が行われましたけれども、具体的な職員配置等の内容について。
以上、3点について、長年、消防行政に専念され、精通である市長さんにお尋ねをいたします。
最後に、平成の大合併、いわゆる市町村合併で発足した合併特例債についてお尋ねをします。
御承知のとおり、合併特例債事業は、合併市町村がまちづくり推進のため、市町村建設計画に基づき実施する事業や基金の積み立てに要する経費について、合併年度及びこれに続く10カ年度に限り、その財源として借り入れることができる地方債であります。したがって、この制度は合併旧法下のみの特別措置であり、合併新法では廃止となっております。特例債で充当できるのは対象事業の95%で、その元利償還金の70%について、地方交付税措置がある有利な起債であります。該当する事業としては、第1に、一体化の速やかな確立を図るために行う公共的施設の整備事業、道路や橋梁、トンネル、第2に、均衡ある発展に資するために行う事業、行政サービスで、サービス水準の均衡を図るための介護福祉施設などであります。第3に、合併市町村の建設に総合的かつ効果的に推進するため行う、公共的施設の統合整備事業であります。第4に、地域住民の連携の強化、また、合併関係市町村の区域であった、区域における地域振興等のために設けられる基金の積立金となっております。具体的にはイベントの開催、民間団体への助成や伝統文化の伝承等に関する事業の実施、自治会活動への助成、コミュニティー活動、商店街活性化対策などであります。
当市の特例債活用状況としては、庄川市民プラザの整備事業、北部苑の総合福祉施設整備、東部小学校建設、(仮称)子供曳山会館建設、庄川中学校の大規模改修などあります。こうした中で、本年1月14日開催された、安念前市長と砺波市連合婦人会との市長と語る会の席上で、安念前市長さんは旧出町小学校跡地活用として、図書館を核とした生涯学習センターを平成24年か平成25年ごろに整備着手したい旨の考えを明示されました。しかし、昨今、国からの地方交付金も年々削減され、本会議初日の決算特別委員会報告でも、病院事業や下水道事業など公営企業関係への繰り出し金が多くなっているとの指摘もあり、財政運営が大変厳しい現実の中で、県内自治体の14市町村では財政調整基金残高を取り崩し、運営を余儀なくされているのが実態であります。
こうした中で、先日、上田市長は、新年度から市長報酬を減額すると明言されるなど、行政トップの英断ある姿勢は尊敬し、市民に対する規範を示されたものであると思いますが、次の2点について市長さんの考えをお聞かせください。
第1点目として、合併特例債の活用状況と限度額について。
第2点目として、今後の特例債活用事業について。
以上、2点について考えをお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) まず、地域活性化対策についてお答えいたします。
御指摘のとおり、多くの自治体において人口減少に歯どめがかからず、大変苦慮をされております。
砺波市全体といたしましても、おかげさまで、何とか人口も維持傾向にありますが、年少人口もほぼ横ばいで推移しているなど、現在のところ、必ずしも悲観的な状況には至っていないと考えております。しかし、議員がおっしゃられるとおり、庄東地域の人口動態などは大変気にかかるところでございます。
人口対策、特に少子化対策につきましては、一義的には国家の責務において抜本的な対策がとられるべきと考えており、少子化担当大臣も配置されておりますが、なかなか効果的な対策が打ち出せないのが現状であると思います。
そのような中、市といたしましては、他の自治体に先駆けて、幼稚園と保育所の一元的な運営や子育て支援サービスの充実に取り組んでおり、こども課に児童窓口を一本化するほか、子どもの医療費無料化の拡大など、安心して子育てができる支援対策を展開しております。
次、中山間地域庄東地区については、今般のパナソニック砺波工場の大規模増設や国道359号砺波東バイパス整備などの社会資本の整備、社会資本の充実、そして、後ほど触れますが、消防力の向上を図る砺波消防署庄東出張所の開設など、庄東地区の潜在力を高め、コミュニティーをしっかり守る要素となるものであります。
庄東地区の自然豊かな丘陵地帯は、大きな地域資源でありますが、これを活用した中山間地直接支払制度や、また、集落住民と市町村との橋渡しを行う国の集落支援員制度も本年創設されたところであり、これらも視野に入れた地域振興を検討し、さらにまた、東海北陸自動車道の全線開通を機に、庄東地区の魅力を発信するよう努力してまいりたい、このように思っております。
次に、消防本部体制の見直しに関する質問にお答えいたします。
砺波広域圏消防本部は、平成10年に、阪神・淡路大震災の教訓を受け、小規模消防本部では災害発生時の対応に限界があるとして、当時の砺波市消防本部、福光町消防本部、南砺消防組合消防本部の3本部が広域合併し、人口10万人規模の消防本部として、今日に至っております。
そこで、お尋ねの砺波市が関係する県の広域化案につきまして、村岡議員の御指摘のとおり、砺波医療圏、砺波市、小矢部市、南砺市、人口14万人、現在の砺波広域圏、人口10万人、2つとなっております。富山県消防広域化推進計画では、概ね人口10万人規模の消防本部を目標としていることから、現在の砺波広域圏消防本部はその目標を達成しているところでありますが、同じ砺波平野の中に位置する隣接の小矢部市との連携も考慮する必要があるものと考えております。
そこで、小矢部市消防本部と砺波広域圏消防本部との広域化問題につきましてお答えいたします。
現在、砺波広域圏消防本部内に広域化検討委員会を設置し、小矢部市消防本部との広域化について、各種データなどをもとに調査、研究を進めているところでございます。今後はこの研究結果を踏まえて、関係市と関係機関と話し合いを進めながら、広域化問題について一定の結論を出してまいりたいと考えております。
なお、庄東出張所の職員配置、合併特例債事業につきましては、企画総務部長よりお答えをいたします。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
企画総務部長 吉田孝夫君。
〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕
◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、庄東出張所の職員配置について申し上げます。
(仮称)砺波広域圏砺波消防署庄東出張所につきましては、消防力の希薄な庄東地区に、現在の職員定数内で一定の常備消防力を整備することとして、広域圏事務組合で過日、工事に着手されたところでございます。
この出張所の出動区域は、柳瀬、般若、東般若、栴檀野、栴檀山地区の全域、そして、南般若、太田、雄神地区の一部で、区域内人口は約1万人となるものでございます。今回の整備により、出動区域における到着時間がこれまでの3分の1程度に短縮され、住民の安心・安全に大きく寄与するものと存じております。
そこで、職員等の配置でございますが、開所は平成21年10月を予定しており、職員は常時3名の勤務体制とし、消防車両は救急自動車、消防ポンプ自動車及び指令車、各1台が配備される予定と承知しております。
次に、合併特例事業についてお答えをいたします。
合併特例事業につきましては、新市一体感の醸成と安定した市民生活を確保するための施策として、砺波市・庄川町新市まちづくり計画に掲げた事業をもとに、新砺波市総合計画にこれらを計上して、計画的な執行に努めているところでございます。
現在施工中のものも含めまして、これまで、本制度の活用をして実施してまいりました主な事業を申し上げますと、先ほどとちょっとダブりますが、市民プラザの整備、そしてまた、北部地区総合福祉施設建設、砺波東部小学校増改築、(仮称)子供歌舞伎曳山会館建設、庄川中学校大規模改造、そして、砺波散居村ミュージアムの民具展示館整備、都市計画街路整備や出町東部第2土地区画整理などのまちづくり交付金事業、旧の市町連絡道の改良、これらを合わせまして、平成20年度末の合併特例債借入総額は46億1,000万円余りとなっております。国の合併支援対象となる全体事業費は103億3,000万円であり、これによる起債の借入限度額は98億1,000万円とされ、平成20年度末の限度額に対する合併特例債借入額の割合は47%となっております。
これから、本制度を活用する事業といたしましては、継続中の(仮称)砺波消防署庄東出張所建設、そして、市道の改良、庄川水辺プラザ整備、斎場待合室増改築など、法の趣旨に照らし、かつ優先度の高い事業を予定いたしております。
生涯学習複合施設の整備につきましても計画いたしておりますが、砺波市・庄川町新市まちづくり計画の策定以降、防災上の観点から、緊急に対策が必要となってまいりました小中学校校舎の耐震補強を先行して実施したいと考えており、このほかの予定事業につきましては、総合計画の実施計画により財政計画を立案した上で、実施年次を検討してまいりたいというふうに思っております。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 20番、山岸銀七君。
20番 山岸銀七君。
〔20番 山岸銀七君 登壇〕
◯20番(山岸銀七君) お許しをいただきましたので、私は市政一般につきまして、若干の質問と提案をさせていただきます。
先般施行されました市長選挙において、「人が輝く活力あふれる砺波」のキャッチフレーズのもと、見事御当選の栄誉に浴され、新砺波市の2代目の市長に御就任されました上田新市長に、衷心より敬意と祝意を表します。まことにおめでとうございます。
市民の大きな期待にこたえるため、これまでの経験を生かし、すぐれたリーダーシップを発揮され、大いに御活躍されますことを期待いたしております。
さて、新市長は今定例会の初日に、砺波市の将来像として、一人一人が生き生きとした、心豊かな生活文化都市の創造を掲げられ、新市のまちづくりに不退転の決意で取り組まれることを力強く所信表明なさいました。
そこで、市民との公約を実現するため、マニフェストに掲げられた幾つかの施策の所信と、市政を運営するに当たっての基本的な姿勢について質問いたします。
最初に、平成21年度の予算編成に向けての考え方であります。
来年度の国の地方財政対策はまだ公表されておりませんが、昨今の経済情勢を見ておりますと、法人関係の税収が大幅に減少することや、不景気による住民税への影響も懸念されるところであります。当市としての税収や交付税等の一般財源の見込みをどのように立てておられるのか、お伺いいたします。
その一方で、高齢化が進行し、医療費の増、民生費の増が予想され、新年度の予算編成は一段と厳しいものと思われます。市長として初めての予算編成に当たって、いかなる基本方針を持って臨まれるのか、御所見をお伺いいたします。
次に、東海北陸自動車道全線開通を契機とした観光客誘致、企業立地の促進、農作物の販路拡大についてお伺いいたします。
本年7月に、長年待望していた東海北陸自動車道が全線開通し、県内観光地においては観光客の増につながっているようであり、とても喜ばしいことであります。観光の面ではこのように早々と効果があらわれておりますが、これが一過性のものとならないような工夫がこれからは必要であります。
そこで、お伺いいたしますが、本年7月以降の市内の観光地への影響はどれほどのものなのか、また、今後の観光客誘致対策はどのようにお考えなのか。
また、富山県民は、その県民性からPRが不得意だと言われておりますが、恵まれた観光資源を十分に生かすにはPRが重要であります。多くの観光客を呼び込めるよう、積極的なPRの方策についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
さらに東海北陸自動車の開通については、中京地方の企業も関心を持っているようです。安価な土地、きれいな空気、水、また、勤勉な労働力は他地域に比べ、優位性が高く、そして何よりも中京地方からの移動距離の短縮が大きなメリットと加わりました。また、大きな企業ばかりではなく、中小の企業にも目を向けて、企業立地の促進を図るための努力をする必要があります。
また、地場産業振興のため、市内の企業においても設備投資の機会があれば、支援することも大切ではないかと考えます。若者が働く職場の確保は大変重要なものでありますので、これからの企業誘致対策についてお伺いいたします。
次に、安心・安全なまちづくりとして、消防力の強化と広域化についてお伺いいたします。
質問に入る前に、時には身の危険を冒して、住民の生命、身体及び財産を守るために、日ごろ御活躍をいただいております消防職員、消防団員の皆さんの御尽力に心から感謝申し上げますとともに、敬意を表するものであります。
さて、平成17年6月に改正された、消防庁が定める消防力の整備指針においては、この指針は、市町村が火災の予防、警戒及び鎮圧、救急業務、人命の救助、災害応急対策、その他の消防に関する事務を確実に遂行し、当該市町村の区域における消防の責任を十分に果たすために必要な施設及び人員について定めるものとなっております。
当市におきましては、目下、(仮称)庄東出張所の建設が進められており、関係住民からの期待は絶大なものがあります。
そこで、この消防力の指針についてどのように認識され、必要な施設及び人員の整備状況はどのようになっているか、お伺いいたします。
そこで、消防車などの資機材の整備状況、消防職員の充足状況はどの程度なのか、また、今後の対応については、広域圏に対して砺波市の体制をどのように位置づけるべきとお考えなのか、お伺いいします。
また、現在、消防の広域化が県から提起されていますので、広域化問題にも関連して質問したいと思います。
常備消防は、広域圏事務組合の所管でありますが、消防力の実質的な強化拡充など当面する諸問題の解決について、消防に関する見識が豊富な上田市長の見解をお伺いいたします。
次に、NPOなどのボランティア活動などについて質問いたします。
市長は今般の選挙を通じて、ボランティアの重要性について熱く語ってこられました。時宜を得たテーマであり、同感に存じております。
現在、当市においての福祉ボランティア活動の育成やその活動支援は、社会福協議会が運営しているボランティアセンターが行い、現在、登録団体は107団体で、加入者数は4,354名、また、個人の加入者は47名と、団体と個人の登録加入者数は、合計で4,401名と聞いております。
近年、団塊の世代が定年を迎えており、さまざまな技能を持った団塊の世代の人たちを地域社会の貴重な人材としてとらえ、これらの方々にボランティア活動に参加していただき、地域福祉の推進やコミュニティーづくりの担い手として、生涯現役で活躍していただくのも有効な方策かと考えます。
ただし、生活様式が多様化し、社会情勢も混迷を極める中で一朝一夕とはならないかと思いますが、市民一人一人ボランティアが何とか根づきますよう、期待をいたしております。
上田市長のボランティアに対するお考えをお伺いいたします。
次に、市政運営に係る3つの市政運営についてお伺いいたします。
まず、市民参画の市民の協働による市政運営についてであります。
市長の公約には、市民が主役のまちづくりを進めるため、多くの市民や企業、団体が参画できる開かれた市政を推進するとありますが、現在においても各種の審議会や協議会において、議員の公募制度を設けることや男女共同参画を進めるため、団体に推薦をお願いする場合、女性委員を推進していただけるように工夫がなされております。さらには市長への手紙、出前講座なども実施されております。
そこで、上田市長は、市民参画、市民の協働による市政運営を進めるため、どのような手法をお考えなのか、お伺いいたします。
次に、基本姿勢の2番目は、市民奉仕の精神に立った信頼される市政の精神であります。職員の能力発揮、資質の向上、人材育成に取り組むということでありますが、合併を経て定員適正化計画を策定し、計画に沿って職員の数が減ってきております。
そこで、提案ですが、職員の能力を高めるために、これまで行っている階層別の研修に加え、公募によるスキルアップのための研修や職場内研修、自己啓発研修などに力を入れてはどうでしょうか。もちろん、大きな経費のかかる研修をそう多く開くことはできませんが、他団体の研修に相乗りすることや3市で設置している職員研修協議会のメニューを多くすること、自主研修グループへの支援拡大、また、大学などの開放講座の参加者に支援することなど、工夫次第では多くの研修メニューを提供でき、かつ効率的な研修が実施できるのではないかと考えますが、御一考をお伺いいたします。
次に、基本姿勢の3番目ですが、新しいニーズにこたえる筋肉質の市政運営であります。
低コストで効率よく行政サービスを提供するため、民間活用などの行政改革の推進を進めていくとのことであります。行政改革は不断に行わなければならないものでありますが、財政状況が厳しい折、ともすれば、ある分野の歳出予算を削減して、行政需要の多い、ほかの分野に回すという発想にならざるを得ません。現下の地方財政は大変厳しく、この状況は一朝一夕では変えることができないものと思います。むしろ、さらに悪化することさえ予想すべき状況かと存じます。
また、複雑、多様化する行政需要は、今後ますます増えていくことが予想されます。そのような状況のもとで、どのような方法を用いて、低コストで効率的な行政サービスを提供しようとお考えなのか、お伺いいたします。
最後に、砺波市の将来と新たな総合計画への展望についてお伺いいたします。
御存じのように、世界的な金融危機を背景として、日本経済が急速に悪化しているという不況感を背景に、国は景気判断を2カ月連続で下方修正をいたしております。今後にいたしましても10月以降の円高と株安などの影響も出て、生産、雇用、さらに個人消費が年末にかけて悪化するものと予想される中、国、地方とも財政事情がさらに悪化するものと心配しております。しかし、こうしたときこそじっくりと足元を見、腰を据えて、未来ある砺波市をどの方向へ持っていくかという計画を練る機会と私は考えております。
これまで砺波市は、県内でもたぐいまれに見る土地区画整理事業の推進によって、市街地のまちの様子は大きく変貌し、目をみはるものがあります。
そして、このほど国道359号には、庄川に念願のとなみ野大橋が完成を見ることができました。このことは砺波市が、庄川という大河川で寸断されている庄西地区と庄東地区をより一体化する弾みとなるものと、私どもは大きな期待と希望をいだいております。
そこで、かつて砺波市が計画していた「丘の夢構想」がありました。
この構想は、昭和63年に、富山県と市町村合併前の関係市町村とが集まり、富山県中央部の開発を進めるための構想として策定されたものであります。この構想については、長きにわたる県議会議員や県議会議長、全国市町村議会議長を歴任された上田市長であれば十分に御理解していただいていることと思います。
そして、このたび砺波市長として着任されました上田市長におかれましては、この計画による砺波市への効果のほどは十分御理解していただいているものと考えております。
さて、この同構想においては、砺波市の庄東丘陵地帯が計画の対象エリアとなっており、夢の平レクリエーション地帯を中心とする夢の平県定公園及び増山城跡、上和田緑地公園を中心とする増山城跡県定公園の両県定公園と、県定公園頼成の森の3つのゾーンに大きく分けられ、さまざまな施策で行われ、これまで県や市でこれら3つのゾーンをそれぞれ整備を進めてきました。残念ながら、このゾーンを結ぶ相互の連絡事業の展開、また、ゾーンを関連させて付加価値を高める事業の展開、さらに互いに相乗効果を発揮するネットワーク機能の整備が十分に行われてきたとは言えないと思います。
そこで、御提案を含め御質問をさせていただきます。
現在、市の教育委員会では、増山城を国史跡指定に向けて、いろいろとその条件整備に御尽力されているとお聞きしております。これらのさまざまな条件を整備される調査を早急に行われ、砺波市第1号の国指定史跡を目指されるようにお願いするものであります。この増山城がいつごろまでに国指定を受けることができるのか、現状と課題について御説明していただきたいと思います。
これが国指定を受けることは、県内の山城の中でも、中世から歴史ある施設であることの価値が認められ、砺波市では庄東丘陵地帯の文化的、さらに観光振興にもその核となるものと思います。
また、現在、鉢伏山や庄川町の三条山からは砺波平野を展望できる展望台がありますが、付近の樹木の成長が著しく、その視界が妨げられ、眺望がいい展望台という機能を果たしている施設とは言えないものであります。そこで、今後、増山城を初めとする歴史的な施設や史跡がより文化的な価値を高めることで、この地域にも新たな光が当たるものと考えられます。そのため、そうした地域の地の利を生かせる起爆的施設として、景観に配慮した展望台を設置することができないものでしょうか。
鉢伏山近辺から牛岳にかけての眺望のいいところは、たくさんあろうかと思います。できれば能登半島から富山湾まで、富山県を一望に眺望できるところに観光的な要素を含めた展望台を建設されることで、新たに「丘の夢構想」がさらに新しい一面を持つことになると思います。この構想の理念を、これらハード・ソフト事業を展開することで新しい砺波市の観光の目玉を構築できるものと考えますが、上田新市長の地域性を生かしたまちづくりに対する熱い思いと、まちづくり全般における実現性についてお伺いいたします。
以上、新市長のマニフェストに掲げられました項目のうち、幾つかの主要な課題に関する質問と市政運営に当たっての3つの基本的な政治姿勢及び砺波市の将来についてお伺いいたしました。
以上で私からの質問と提案を終わります。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 山岸議員の質問にお答えいたします。
質問の冒頭に、消防署員並びに消防団員に対しましていたわりと深い御理解のお言葉をいただき、大変ありがたく思っている次第でございます。今後とも市民の皆様方の消防に対するニーズに的確に対応してまいりたいと存じておりますので、よろしくお願い申し上げます。
まず、お尋ねの消防力の整備指針について、どのように認識しているかについてお答えいたします。
この整備指針は、消防本部を単位とした消防力を効果的に発揮していくために、今後の消防行政の方向性を示す極めて重要なものでありますから、この指針を整備目標といたしまして、地域の実情に即した取り組みが必要であると認識をしております。
また、必要な施設及び人員の整備状況でございますが、砺波市を管轄区域としている砺波消防署でございまして、消防の車両並びに消防署員は必要数を確保し、消防団とも連携を密にしながら、災害に対応しているところであります。
なお、村岡議員にお答えしたように、(仮称)庄東出張所が平成21年10月に開設されますと、出動エリアの到着時間が短縮されるなど、さらに消防力が充実するものでございます。
平成18年度の消防施設整備計画実態調査によりますと、砺波消防署の消防車両、資機材は整備すべき基準を100%満たしており、消防署員数につきましても概ね充足している状況となっております。
以上のことから、消防力全体として、出動に影響を及ぼすような不足は生じていないものと考えておりますが、災害の発生状況や人口の動態、また、社会情勢などの総合的に勘案しながら、整備の強化について砺波広域圏事務組合で検討してまいりたいと考えているところであります。
次に、今後の消防の広域化についてお尋ねでございます。
一般的に小規模な消防本部では、出動態勢や災害対応、専門要員の育成、高額な資器材の整備に限界があり、組織や財政面での課題を抱えていることから、広域化はこれによりスケールメリットを生かした消防力を強化拡充するねらいがあります。そうしたことから、当広域圏消防本部は、管轄人口10万人として、県内に先駆けて広域化を図ったところでありますが、市としては南砺市とも連携しながら、小矢部市との消防広域化について十分調査、検討して取り組んでまいりたいと思っております。
次に、砺波市の将来と新たな総合計画について関する御質問にお答えいたします。
議員は、初めに丘の夢構想について触れておられますので、私の所感を若干述べさせていただきます。
この構想は昭和63年3月、県中央部の開発を目標として策定されたもので、砺波市では、庄東丘陵地の整備が対象とされたものでございます。策定以降、市内でも数カ所について整備がなされてきましたが、これらを結ぶハード面のネットワーク整備は多大な経費を要することから、十分な進捗とは言えないものがあると存じております。また、策定後20年が過ぎ、新市合併後の4年を経過した今日、背景や状況は大きく変化していることを認識し、新たな視点で庄東丘陵地の整備、活用を図る必要があるのではないかと考えております。
このエリアは、旧庄川町も含めて平野部の扇頂から申しますと、庄川峡、小牧ダムなどダム群、展望台を含む夢の平レクリエーション地帯、千光寺、頼成の森、増山湖、増山城など、景観、産業遺産、古刹といったさまざまな地域資源に恵まれており、点的なハード整備に加えて、これらのネットワークをソフト面から有機的に構築し、砺波市へのお客様に御紹介できるようにすることが肝要であると存じております。
次に、増山城跡の国史跡指定に向けての取り組みなどについてお答えいたします。
議員御承知のとおり、増山城跡は越中三大山城に数えられ、富山県を代表する中世の山城であります。これまで、その価値は明らかにするため、増山城跡総合調査として、平成9年度より平成15年までの7カ年間をかけて、発掘測量を中心とした調査を行ってまいりました。長く越中守護代神保氏の主要な城として整備され、増山城は幾多の合戦が繰り広げられた戦乱の世にあって、越中西部のかなめとなる城だったと言えます。
発掘によって、長大な堀切やくるわと呼ばれる防御施設が計画的に達成されたことが判明し、まさに、越後の虎、上杉謙信が、増山城は堅牢強固な城であると恐れた姿が明らかとなりました。昨年度、その成果をまとめた報告書を刊行したところであります。
現在、増山城跡の国史跡指定につきましては、文化財保護法に基づき、指定を受けるための指定基準を適合するよう、関係する地権者の方々の同意を得るなど条件整備をしているところであります。
今後、国の文化審議会の諮問、答申を経て、平成21年度中に、文部科学大臣から国の史跡の指定が得られるよう取り組みを進めてまいります。なお、指定を受けた後は、増山城跡保存管理計画を策定いたしまして、増山城跡の保存及び活用を進めてまいりたいと存じます。
次に、景観を配慮した展望台の設置に関する御質問についてお答えいたします。
現在、市内には鉢伏山にある散居村展望台のほか、千光寺展望台や庄川町の三条山、牛岳林道など、眺望のよい場所に観光的要素を含めた展望台がありますが、いずれも標高の低さや植林の影響を受けているなど、最適な場所と言いがたいものはあります。
議員御提案のように、散居景観を含めた眺望のよい場所に新たな展望台を設置し、観光資源とすることは必要と考えており、より標高が高く、適切な場所を何カ所かあると伺っておりますので、今後、踏査、研究に入り、具体的な構想を固めたいと考えております。
なお、新たな施設整備に多大な費用がかかると予想されることから、国や県の補助事業制度の活用もあわせて検討してまいりたいと存じます。
私からの答弁は以上といたしまして、その他の質問につきましては関係部長よりお答えをいたします。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
企画総務部長 吉田孝夫君。
〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕
◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、まず、平成21年度の予算編成に向けての考え方についてお答えをいたします。
基本的なことにつきましては、きょう、池田議員及び高田議員からの代表質問に対しまして、市長が答弁申し上げたところでございますので、私からは具体的なことにつきまして、若干数字なども交えましてお答えをさせていただきたいというふうに思っております。
まず、市税についてでございますが、市民税につきましては、現下の厳しい経済状況下において、個人の給与所得や営業所得については減額を見込まざるを得ず、法人分につきましても、主要企業の聞き取り調査を実施し、積算をいたしておりますが、大幅な減額見込みとなり、個人、法人を合わせまして1億円強の減額を見込まざるを得ないというふうに考えております。
次に、固定資産税でございますが、本来であれば、安定した税でございます。3年に1度の評価替えの年に当たりますので、地価下落や家屋は経年による評価下落、償却資産につきましても、悪化した景気により投資が見込めない状況となっております。固定資産税全体といたしましては1億8,000万程度の減額となると見込んでおります。
以上のことから、その他の税を含めまして市税全体としては、前年度より3億円近い減額となり、総額で66億円程度の見込みを立てているところでございます。
次に地方交付税につきましては、景気後退により国税収入が減少しまして、8月時点の地方財政収支の仮試算の総額を大幅に下回る見込みとなっており、その分、国と地方が折半対象となる財源不足が拡大することになりますが、これを完全に補てん措置され、仮試算どおりになったといたしましても、3.9%減ずるというふうなことでございますので、これを当市に置きかえますと、普通特別交付税、総額で2億円近い減額となる見込みでございます。
国においては、首相の1兆円増額指示も聞こえておりますが、ぜひとも思い切った方策をとっていただき、国税減収分の影響が出ないように、総額の確保を強くお願いするものでございます。
その他、市税などの徴収率の向上、分担金、負担金及び使用料、手数料などの受益者負担の適正化、売却可能な公有資産の売却促進、可能な限り財源措置、財源確保に向けた努力を行っていく所存でございます。
一方、歳出でございますが、物件費を初めとする経常経費の徹底した圧縮、繰り出し金の見直し、定員適正化計画を前倒しした人件費の抑制、高利率の起債の借りかえ、指定管理料の見直し、さらには投資的事業の選択による先送りなど、徹底した財政改革により歳出の抑制に努めてまいります。
しかし、一方では、厳しい中からも、児童生徒が安全で安心して学べるよう、学校の耐震化事業は計画的に行うほか、福祉面の医療費補助の継続など、笑顔があふれる健康、福祉のまちづくりを目指した予算編成に努めてまいりたいと考えております。
なお、地方財政計画がいまだに決まらない。先行き不透明な中での予算編成であり、変動要素を多く含んでおりますので、歳入の見積もりを適切に行い、鋭意編成作業を進めてまいる所存でございます。
次に、ボランティア活動の推進についてお答えいたします。
議員も御承知のとおり、市内のボランティアの方は同支援センターの登録加入者数が4,400名余りとなり、全人口の9%というふうな方々が支え合いという、福祉を初め、各分野で活動いただいており、心から感謝を申し上げたいと存じます。
また、ボランティアをもっと広い意味でとらえるならば、市民が社会参加して行われる自治振興会活動、あるいは公民館活動、体育振興会活動、消防団活動などもまちづくりに貢献するという形のボランティア活動ではないかと思っております。そうした中、現在は行財政環境の悪化を初めとして、幾多の行政課題が存在する激動の時代でございますので、市長が提唱される、自分ができる分野にボランティア参加をこれまで以上にいただければ、ありがたいと思っております。そうした皆さんの日ごろの積み重ねが、魅力ある砺波市のまちづくりにつながっていくものと考えております。
次に、市民参画、市民との協働による市政運営に関しましては、代表質問に対する市長答弁にもありましたように、まず、市民の思い、ニーズをしっかりと把握する必要がありますので、市民から直接意見を聞く各地区でのタウンミーティング、あるいは各種団体との意見交換会の開催を積極的に進めてまいります。
また、市民協働の役割分担につきましては、行政ができること、地域ができること、家庭ができることなど、立場によっていろいろあると思っております。1つの例といたしましては、新砺波市総合計画を策定した際に、多くの市民の皆さんによる、まちづくり研究会を立ち上げて、計画づくりに意見を出し合い、市民の思いを込めた手づくりの総合計画をつくることができたことが思い起こされます。このほか、地域におきましても福祉や子育て、環境保全などに参加し、協働いただける分野は数多くあると思っております。
このため、市長からも申し上げておりましたが、市役所の中に、市民と協働するまちづくりの一助となる総合的窓口を設け、円滑に推進できる体制を整備してまいりたいというふうに考えております。
次に、市民奉仕精神の立場に立った信頼される市政の推進についてお答えいたします。
今日、市民の目線に立つという人づくりが大切であり、そのことに意を用いて研修を重ねております。
平成20年度の研修の現状といたしましては、富山県市町村職員研修機構において実施をされております階層別研修など、17講座に延べ87名が受講し、また、市町村アカデミーなどの専門研修として、4講座に4名の職員が参加しております。また、砺波地域の3市で設置している都市職員研修協議会では、行政研修を初めとして、これまで3講座に41名が参加いたしております。
一方、職場においては、市民課など窓口業務を中心に、職員自らサービスアップ会議というふうなものを設けまして、市民の方々に気持ちよく訪れていただけるよう、接遇を中心とした研修を持ち、また、自己啓発研修の一つといたしまして、職員互助会を通じて支援している財務諸表研修などの通信教育を8名の職員が受講いたしております。
議員御指摘のとおり、限られた人員で信頼される市民サービスを提供するためには、人財育成による職員の能力発揮、資質の向上が欠くことのできない要素であると存じております。
すべての職員が市民奉仕の精神に徹して仕事をすること、常に創意工夫を発揮して、積極的に仕事に取り組むことという市長訓示を受けまして、改めて職員が自ら研さんする環境づくりに向け、議員の御提案の事項を参考にいたしまして、研修機会の拡大や内容の充実など、より経済的で効率性のあるものにしてまいりたいと存じます。
こうした取り組みが市民奉仕の精神に立った信頼される市政の推進につながり、市民サービスの一層の向上に資するものと存じております。
次に、新しいニーズにこたえられる筋肉質の市政運営についてお答えいたします。
山岸議員御指摘のとおり、現下の地方財政及びそれを取り巻く環境は大変厳しいものがあると存じます。そこで、議員御指摘のように、限りある予算の中において、低コストで効率的な行政サービスを提供していくことは大変重要なことであり、指定管理の民間活用なども広めていくことが必要と考えております。
これまで、行財政改革の推進につきましては、平成18年に策定した行政改革大綱のもとで、市民からの御意見、御提言をいただきながら着実に取り組んできたところでございます。
しかしながら、今後の市の展望を思うときに、一段の改革のスピードを上げなければならない時期でもございますので、具体的な行政改革のテーマをはっきりさせ、どのように運ぶべきか、専門的見地から御意見をいただく場も設けてまいりたいと思っております。
さらに、平成21年度からは、すべての事務事業を対象に行政評価を実施し、事業の遂行に当たっての経費と成果について検証を行いながら、総合計画及び予算に反映させることにより、低コストで効率的な行政サービスを提供するように努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
商工農林部長 小幡和日出君。
〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕
◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、まず、東海北陸自動車道全線開通に伴う観光客誘致等に関する御質問についてお答えいたします。
東海北陸自動車道が7月に全線開通して約5カ月が過ぎ、ガソリンの高騰の影響などにより、全国的に交通量がやや減少している中で、東海北陸自動車道の利用者が増えるとともに、当市を訪れる観光客も昨年より増加している傾向にあります。
11月末現在で、市内の主要観光施設の入り込み状況を調査いたしたところ、道の駅砺波では来訪者が前年同月期の2倍増加しており、道の駅庄川でも大型バスの入り込み台数が2倍から3倍近く増加し、両道の駅とも売り上げが増加しております。また、チューリップ四季彩館や砺波散居村ミュージアム、庄川水記念公園などの観光施設についても前年を上回る来場者となっており、庄川温泉郷の宿泊客においても、中京方面からの観光客を中心に2割程度増えていると聞いております。
議員がお尋ねの今後の観光客誘致対策に関しましては、引き続き県や近隣自治体、観光関係団体との連携協力を図りつつ、中京方面から静岡県、三重県方面へエリアを拡大して積極的に取り組み、全線開通後初めてとなる、当市最大の観光イベントであるチューリップフェアのPRを中心に、マスメディアの活用や交流都市のつながりを生かし、全線開通の効果を持続させる努力をしてまいりたいと存じます。
次に、企業立地につきまして、富山県では、活力ある産業の集積、育成を図るため、昨年7月、企業立地促進法に基づく富山県企業立地推進計画を策定し、国から第1号と認定を受けたところであります。この計画により、一定規模の新たな企業立地や既存地場企業の新増設に対し、固定資産税の減免などの税制上の優遇措置や敷地内の緑地率の規制緩和など、企業が立地しやすい環境づくりに努めているところであります。
このような中、中京圏における企業立地活動としては、名古屋で開催された富山県立地環境説明会への参加や金融機関からの情報収集を行っているところであり、今後とも東海北陸自動車道の全通による中京圏との時間短縮を生かした企業立地活動を行い、新たな立地につなげたいと考えております。
さらに、市単独の中小企業に対する企業立地助成制度におきましても、一昨年に新規雇用要件の規制緩和措置を行ったところであり、本年度においても、既存地場企業の増設に対し支援を行っているところであります。
なお、先の市長答弁にもありましたように、県名古屋事務所を中京圏における観光、企業立地、販売拡大などのPRや情報収集の拠点として活用してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
次回は、明12月16日午前10時から開会いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
どうも御苦労さまでした。
午後3時11分 閉議