1.会議の経過
午前10時00分 開議
◯議長(林 忠男君) ただいまの出席議員は22名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
◯議長(林 忠男君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第53号から議案第64号まで、平成19年度砺波市一般会計補正予算(第3号)外11件についてを議題といたします。
昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
2番 今藤久之君。
〔2番 今藤久之君 登壇〕
◯2番(今藤久之君) おはようございます。
まず第1項目め、市立砺波総合病院についてお尋ねいたします。
私の所属しております総務病院常任委員会では、10月16日から18日にかけ、主に自治体病院の健全な経営について学ぶために、香川県の三豊総合病院、岐阜県の大垣市民病院などを視察してまいりました。また、11月19日には、砺波総合病院にて協議会を行いました。
それらの機会を通して感じたことは、砺波総合病院も本当に頑張っているのだということでありました。例えば平均在院日数を見ましても、全国500床以上の黒字病院の平均値よりも低く、また、患者さん1人1日当たりの外来収入は高くなっております。しかし、より一層の努力がないと、健全な経営まではなかなかたどり着けないことも同時に痛感いたしました。減価償却費など避けようのない問題もありますが、研究、改善の余地のある事柄に関しては積極的に取り組み、経営改善を図っていきたいものであります。
さて、砺波市病院事業会計決算書によりますと、平成17年度医業収益が99億1,079万8,009円、平成18年度が99億2,295万1,000円で、それに対する支払利息は、平成17年度が3億6,238万1,699円、平成18年度が3億4,710万3,849円となっております。医業収益に対する費用比率、この場合は支払利息の比率ですが、平成17年度が約3.66%、平成18年度が約3.50%となっております。
砺波総合病院においては、この比率が平成13年度以降3%を超え続けております。借入利息の高いものは借りかえできないものかと考えておりましたところ、今定例会で補正予算を組み、高金利企業債の繰り上げ償還の運びとなったようであります。
そこで、確認の意味も込めましてお尋ねいたします。
この借りかえの規模はどの程度の金額であるのか。試算では支払利息はどの程度減額できるのか。その内容と今後の趨勢について詳しくお答えいただきたいと思います。
次に、繰出金についてお尋ねいたします。
先ほど申し上げました先月19日の総務病院常任委員会の協議会において、平成19年度の市立砺波総合病院に対する一般会計繰り出し状況の資料をいただきました。その市財政当局の資料によりますと、病院側の要求額12億1,215万9,000円に対して市の繰出金は8億314万9,000円でありました。病院側の要求額に対して4億901万円の不足となるわけであります。
どの部分に開きがあるのかと申しますと、病院の建設改良に要する経費では、病院側の要求額8億6,264万2,000円に対して市繰出金が5億4,087万2,000円、差額が3億2,177万円、また、精神病院の運営に要する費用が、病院側の要求額8,724万円に対して市繰出金がゼロ査定となっており、8,724万円の差額となっておりました。その後、本定例会の歳出予算の増額補正1億1,499万3,000円があり、議案可決後は病院の要求額との差額は2億9,401万7,000円となる運びであります。
地方公営企業年鑑によりますと、全国500床以上の黒字病院では、他会計繰入金対医業収益比率は平成14年度から平成17年度で10%台から12%台となっております。一方、砺波総合病院では、同じく平成14年度から平成17年度で4%台から5%台となっており、平成18年度においても4.3%でありました。このことは病院経営にとって大きな問題であろうと思います。市長として、また病院管理者として大変頭の痛い問題でしょうが、この繰出金についてどのような思いを持っておられるのか、安念市長の御所見をいただきたいと思います。
続いて、薬品費についてお尋ねいたします。
行政視察で訪れました三豊総合病院にて、砺波総合病院との両病院の医業収益に対する費用比率の比較を勉強しておりましたところ、両病院とも医療材料費の比率が高いのではないかとの御指摘を受けました。特に医薬品に対する御指摘であったろうと思います。医薬材料に限らず、物品の購入は大量仕入れをすることでそのスケールメリットを生かし、単価を下げるというのが流通機構の原則であろうと思います。現在、砺波総合病院はほかの自治体病院などと医薬品の共同購入は行っているのでしょうか。行っているとすれば、そのグループの輪をさらに拡大することはできないのでしょうか。また、医療材料費に関しては、院内処方と院外処方の割合によっても異なってくると考えられます。現在その割合はどうなっているのか。今後はどのように誘導していくのがよいとお考えであるのかをお尋ねいたします。
関連してですが、先月11月10日の新聞報道によりますと、厚生労働省は後発医薬品の使用促進策として、医師の出す処方せんの様式を原則として後発薬に変更できるように見直す方針を固めたとあります。2008年度の診療報酬改定に盛り込むともあります。これは現状17%程度の後発薬の数量シェアを2012年までに30%まで引き上げる目標達成のための促進策で、処方せんの医師署名欄で後発薬に変更可の場合にサインする様式を逆にして、後発薬に変更すべきでないと判断した場合のみ変更不可にサインするように見直すとのことであります。現在とは逆に銘柄指定が例外的な扱いとなるわけであります。同時に、後発薬分の調剤が30から40%など、一定の割合を超えた薬局に報酬を加算する一方、後発薬を含んだ処方せんへの現行の加算を廃止する方針とのことであります。
また、以前から、総務病院常任委員会などで後発薬に対する現場医師の慎重な姿勢をお聞きいたしております。主成分が同じでも、添加物などが異なることや薬効の微妙な違い、副作用への危惧、あるいは薬品の安定供給の問題などがその理由であるようですが、これらのことは当病院においてどのように影響するのか。そして、薬品費にどんな反映をするとお考えなのかをお聞きいたします。
次に、7対1看護配置についてお聞きいたします。
砺波総合病院においては、本年10月1日から回復リハビリ病棟、精神病棟を除く一般病床427床を対象とした病床稼働率84.3%、360床を上限に7対1看護配置を試行しているとお聞きいたしております。試行段階であるので、病棟で不足する看護師や臨床研修看護師を外来部門、手術室、地域連携室、健診センターから臨時的に病棟配置することで対応しているとのことであります。診療報酬体系のもとで平均在院日数は3カ月単位で評価されることになっていますが、最高レベルの7対1入院基本料を算定するためには平均在院日数が19日以内でなければならないとされております。
病院概要によりますと、平成18年度の当病院の平均在院日数は16.6日となっておりますので、要件を満たしております。10対1入院基本料で1,269点、7対1入院基本料で1,555点の算定が可能なわけであります。7対1看護配置体制を無理なく実施するためには、新たに何人の看護師を確保しなくてはならないのでしょうか。そして、その看護師確保の見込みはどうなっているのでしょうか。また、10対1看護配置から7対1看護配置に移行することで、年間どの程度の診療報酬の増額が見込めるのかをお尋ねいたします。
続いて、病院の運営形態についてお伺いいたします。
昨年の12月定例会において、地方公営企業法全部適用についての同僚議員の質問に対して、安念市長は「院長に全部適用の気持ちで仕事をしてくださいと申し上げている。私はしばらくは全適をしない考えである」と御答弁なさいました。現在、砺波総合病院は地方公営企業法一部適用という運営状況であります。
一部適用の課題としては、医師、職員の採用や人事、給与などについても市の規定での制約があり、優秀な医師であっても実績に見合った処遇がしにくいこと、予算の要求や確定に時間のかかること、単年度予算が基本のために中長期の戦略的な運営が難しいことなどが上げられます。これらの事柄は病院経営にとって大きな足かせになっているのではないかと思います。
病院の運営形態の1つに地方独立行政法人があります。利点として、人事、給与面での弾力的な運営が可能であること、法人の裁量による迅速な意思決定や弾力的な病院運営が可能になること、条例に規制されることなく、診療時間や職員配置を行うことが可能になるなどが上げられます。地方独立行政法人化することにも課題が多くあることは承知しておりますし、それだけで病院経営が黒字になり、何もかもうまくいくという夢のようなことがあるとは思っておりませんが、研究、検討をする価値はあるのではないかと考えております。砺波総合病院の地方独立行政法人化について、安念市長の御所見をお願いいたします。
次に、2項目め、総合評価方式の試行についてお尋ねいたします。
新聞報道によりますと、砺波市行政改革市民会議が先月30日に本年度2回目の会合を市役所で開き、市側が行政改革と事務改善について、本年度の実施状況や来年度の予定などを説明し、本年度の取り組みについて公共工事の入札で総合評価方式を試行することなどを説明したとあります。県内では、現在かけかえ工事が進んでいる富山大橋の上部工事でも、来年早々この方式で一般競争入札が行われるとのことであります。
調べてみましたところ、総合評価方式とは、入札価格が予定価格の制限範囲内にあるもののうち、価格と品質を数値化した評価値が最も高いものを落札者とすることにより、予定価格の範囲内で最も品質のよい施工業者を選定する入札方式とありました。新しい落札方式でありますので、全体的な概要がつかみづらいのでありますが、具体的にどのように進めていかれるのか。その手法について詳しい御答弁をお願いいたします。また、今年度中に試行するとのことでありますが、試行予定の案件についてもあわせて御答弁いただけるようお願いいたしまして、質問を終えさせていただきます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念鉄夫君) 今藤議員にお答えをいたします。
病院経営について、御心配の余りいろいろ調査をされての質問だと思っております。冒頭に病院も一生懸命やっておるという評価もいただきました。しかし、問題もあるぞということでございます。その問題について幾つか提案があったわけでございますが、まず私から繰出金について申し上げます。
繰り出し等については調査をされて、さも砺波市がけちって病院へやっていないようなそんな意味の話もございましたが、決してそうではございません。御理解をいただきたいと思います。病院はもともと企業会計であります。企業会計というのは原則赤字を出さない、そういう趣旨から実は出ておるわけでございます。いずれにしましても、独立採算性でありますが、今、厳しい状況であります。一番悪いのは、厚生労働省の医療費が高くなるということで診療報酬をばっさり切ったんですよ。院長も一生懸命やっています。100億円を水揚げしておって、3%削られた3億削られますよ。それが第1段階であります。それをよく理解してください。
病院は一生懸命やっておるという評価がありました。そのとおりなんです。ただし、第三者からのそういう圧があるわけですね。もう一つは、今話がありました7対1体制、病院の医師確保、いい医師は独立します。それは給与よりもいいでしょう、病院、医者は。だから、自分で病院経営をやるわけです。診療所経営をやるわけですから、そうしますとあと手当てができない。病院長は一生懸命苦労しているんですよ。人脈を通じて、先輩、後輩を通じて、私もそれを聞いています。涙ぐましい努力をしておってもドクターがいないんですよ。それを理解してほしいと思います。
そこで、繰り出しに戻りますが、公営企業につきましては独立採算性をするというそういう趣旨がまずございます。ついては、基盤整備もしなきゃいけないと、このように思うわけでございます。それで、病院の繰り出しというのは、一応総務省から認められております。原則は収入をもって充てることのできないと認められる相当額、それを一般会計から繰り出すことができるということです。一般の収入、それで採算がうまくできない。ただし、別の部分があると思う。それを出していただいて、それを繰り出しするという、それは総務省の通達がありますから、それに基づいてやっているわけです。
今藤さんは、市長はけちだから病院が赤字なのは当たり前みたいな話ですが、そうではないんですよ。私どもは繰り出しを今8億、9億出しているんです。これは全部市税ですよ、皆さん。だから、しっかり基盤を充実して、これまでも黒字の時代はあったんですよ。杉本院長も内科におって頑張っておってくれて黒字、黒字になったから市役所へ黒字をくれ、そんなことは言いませんよ、ちゃんと積み立てをさせておりますから。ただ、情勢がそういう情勢になった。
そこで、今、繰り出しの要求が病院からあったとすれば、それをはい、わかりましたと出せるわけがないんですよ。市税ですよ。そのほかに幾つかの外郭団体を持っていますので、これらについても要求だけはいはいと言うわけにまいりません。いいですか。福祉法人も持っています。これからこのことについて、この事業をやるから、これをするから、人が足らんから、ああだから、いろいろ理由があるんですよ。そのことをはい、わかりましたと言ったら、我がほうの扶助費であったり、事業費であったり、人件費を削減しなきゃいけません。そんなわけにはいきません。
市政は、やっぱり基本はここにあっての市民福祉の事業をしなきゃいけません。医療は医療行為で収入を上げるということだから、そこで努力してほしいと、こういうことなんですから、いろいろおっしゃいましたけれども、そのことについては、私どももよく院長と協議して今日補正予算も出したわけです。これだけの赤字が出ましたので、問題は金繰りがどうなるかということです。どこへ行っても企業会計は恐らく金を持っているんですね。赤字と言いながら従来のあれがある。ただし、その金繰りがうまく運営しておるかどうか。ドクターが70人もおるんです。看護師は300人もおる。そのほかに病理であったり、事務屋であったり、たくさんの人を抱えております。そのことを含めて、そのことの合理化をひとつ進めてほしいというのが私の願いであります。
さて、病院は、何度も申し上げますが、黒字にしようと思ったら簡単にできます。それは院長とも話している。内科、外科、整形外科、これをやっておればもうかりますよ。ただし、市民病院がそんなわけにはいかんでしょう。今、問題の産婦人科、小児科、幾つかの科がございますね。これがやっぱり市民全体として持つべきものなんです。それで総合病院と言っているわけです。
この病院も昭和30年代、農協の組織から市役所が受けまして、代々皆さんが努力して今日まで積み上げて立派な病院になった。そういう歴史的な問題も実はある。その間、赤字のときもひどかったですよ。大変だったんです。ただし、途中また黒字になって、こんないいことがあるといって改築をやって、それからまたさらに今度の新しい増改築をやったわけです。その辺のところは歴史的にも苦労していただいて今日の病院があるわけですから、はい、赤字だから黒字部門だけやりましょう、そんなことはできません、私としては。ぜひそのことを理解していただいて、皆さんの意見を聞いていただいて頑張りたいと、このように思っておるところでございますので、冒頭ちょっと申し上げたが、その理解をまずしていただきたいと思っております。
そこで、繰出金の中身は今藤さんから申されましたが、具体的には3条予算、収益的収支、これについての繰出基準分についてはほぼ全額負担を行っております。必要なものについては、3条予算としてはそのように話し合いをしながら出しております。なお、4条のいわゆる建設投資をした、そういう資本的収支等のものにつきましては2分の1相当、出資金として出しておるわけであります。ところが、これを出すことによって、先般から財政健全化法が出てきた。その分実はおまえのところでかい借金がある。公債比率でなくて、制限比率というのが出てきたんです。これは全部カウントされるんです、出せば出すほど。いいですか。そのことも理解をしていただかないといけないと私は思っておるわけでございます。
しかしながら、今年度末には経営状況がさらに厳しくなると、そう判断した。したがいまして、3条予算の収支分について追加をして、補正予算を提出して皆さんに理解を今求めておるところでございますので、ぜひ可決をしてやっていただきたいと。特に今藤さんがそのようにおっしゃるんだから大賛成をしてほしいと、こう思っております。反対をしないでほしいと、このように理解をしておるところでございます。
いずれにしましても、5万人の規模でこれだけの病院を運営しておるのはあまり例がないんです。500ベッドもあるわけですから、そして総合診療をやっているでしょう。もう放射線科も頑張っていただいて新しい機械も入れておりますよ。1台入れたら1億円かかる。もう万全の体制をとっております。ただし、それで収支が上がるかといったらそうでない。ただし、これは地域住民の皆さん、特に市民の皆さんに健康について安心してもらうための設備投資をしておりますので、御理解をいただきたいと思っておるわけでございます。いずれにしても、砺波市全体でこれを支えていくということであろうと思います。
蛇足でございますが、この間の新聞を読みますと、診療報酬も少し上げたいという、そういう提案があります。ぜひそのことを国で決めてほしい。あの人たちは勝手に下げた。この間からも病院を持っておる市町村がわあわあ、もう私も行ってきましたよ、厚生労働省へ。こんなむちゃな診療報酬体制を築いたのはおかしいという説明もしてまいりまして、今度診療報酬体制は、わずかでありますが、今、引き上げの検討をされておるところでありますが、私は期待をしておるところでございます。
それから、次に病院の経営形態について、これは何度も実は説明をしております。今藤さんはまだよくわかっておられんかしれませんが、同じ回答しかできませんね。あんたも見てきたというんだから、そんなによかったですかね、全適で。もしいいものだったら全国一斉に全適をやりますよ。富山県に全適が1つあったんです。新聞に出ておるでしょう。全適から今度は指定管理者、今藤さんは独立法人と話しましたが、指定管理者です。他の病院に請け負ってもらう。これは、私は失敗すると思う。問題はドクターの問題だと思う。院長に聞きますと、いろいろドクターの流れがあるんですよね。3つぐらいあるんです。
もう一つは、市民病院だからドクターが来てくれん。身分安定だから、責任を持って、市が責任を持ちますから、辞令を私が出すんですから、そうした身分安定、金が少ないかもしれません。身分が安定してきちっとしますから、福祉につきましては共済組合へちゃんと入れますので、それはカウントされますよ。退職金も何年かおられてもちゃんとあたるようなシステムになっています。その身分安定が現実的にどうなるかというと、その辺は大学の皆さんが心配しております。若い間は勉強して身分安定で仕事をしたいという、そういう流れが実はあるんですね。だから、指定管理者で、今おっしゃるように、いいやつはいいやつで給料を上げる。じゃ、ほかのドクターは給料を上げないというわけにはいかないでしょう。それは民間サイドなら最初からそれをやりますよ。そんなわけにちょっといかないんですよ。
もうドクターというのは敏感に来ますからね。だから、そういう意味での全適、その他についていろいろ問題がありますので、その点は今藤さんにもう一遍理解をしてもらうために私から申し上げたいと思う。地方公営企業は営利を目的とするものでございません。企業活動の主な財源は診療報酬と皆さん方からの一部負担であります。それを収入として安定的な経営をするというのが地方公営企業の趣旨でございます。言ってみれば、独立採算制というのが本当は大切なんですが、そういうわけにはいきません。もうからない診療科がたくさんございますので、それは皆さん御理解をいただきたいと思います。
それで、何度も言いますが、全部適用については、部分的に身分とか、給料とか、そういうものが柔軟に対応できます。管理者が決めるんですから、顔を見て、あんた年収2,000万、あんたは年収1,500万、そんな形でとれるんですが、それはやれますけれども、この辺のバランスが私は難しいと思うよ。それは院長とも議論をしているんですが、到底そんなことはできない、そうおっしゃっておりますから、全部適用して管理者がそんなことをやれるかどうか。前の小杉院長にもその勉強をしていただいて、先ほど言いました三豊病院へ勉強しに行ってもらいました。帰ってきた結果難しい。これはそういう判断をしているので、私もそういう判断で全部適用できない。そのことを思っておるわけでございます。
ただし、そのことについての方向性、いろいろ勉強しておいてもいいよという指示は出してございます。もしよかったら、県内全部でやっています。県内で1つあったのが破産したんですよ。その二の舞になってはいけません。もう何度も何度もこの体制について質問がありますが、あえて私は強く申し上げておきたいと思っておるところでございます。私は破産をさせるわけにはまいりません。全適で物すごい波状がある。内部的な波状も多分にあったということを聞いております。そして、ドクターの身分安定が不安であるから常に動く。そのことも聞いておりますので、この全適というのは、私は前にお答えしたとおり適用しない、そういうことでいきたいと思っておるところでございます。
改めて、さらに地方独立行政法人化という意見もございました。新しい法律ですよね。大学がそれをやったわけですよ。民間にできることは民間という、そういう総理大臣がおりました。そのときにできたんです。大学の独立法人、私は成功すると思わない。これは、独立法人をつくらなかったら補助金はやらないという小泉さんの思想だからみんなつくったんです。そこで、独立行政法人を維持するというのは、国からも金が来ますけれども、あとは自分たちでもうけてこいというわけでしょう。民間から集めてそして研究機関で使用しなさいと、こういうことでしょう。大学の研究機関が民間から、恐らく工学部とか医学部は、私は薬屋さんとか、そういうところはいいと思うが、文学部あたりはどこから金をくれるんですかね。そんなことがあっていいかね。本当に民間でできることは民間で、そういう大学、独立行政法人になったんですね。研究所がそうなりました。研究所はいろんなところが協議をしてお金をもらって、研究費の維持をやればいいんでしょうけれども、ただしそれは小さな研究所では金になりませんよ。あれは福祉法人もありますね。ただし、強制的にできた大学は別として、そんなにどんどんできていきますかね。
病院を調べさせたら幾つかできたようでありますね。ただし、これも市と契約を結んでやるんですが、その計画書を出してもらって、その結果、計画書についてオーケーサインを出して、ただしそのときの収入、民間からもらわなきゃいかんわけで、診療報酬や一部負担だけじゃない。そこをどうするかという問題が1つあるんですね。そのときには、市税はあまり出さんでもいいかもしれない。計画書があるんですから、うちから出すものは出して、今度みたいに追加補正予算なんていうのは出す必要はないかもしれん。独立行政法人だから、自分たちでやりましょうという計画書を出しているんだから、ただし中身はよそからお金をもらわないと、事業費であったり人件費であったり賄えるかどうか。私は疑問に思うし、今、調べさせたら一、二スタートしたようでございますし、そのことが本当にいいのかどうか。私は、市立総合病院には当てはまらないと。せっかく勉強されて提案されましたけれども、全適以上であります。
それ以上に、もう一つは、前には指定管理者制度も先日生まれましたね。そのことが本当に正しいかどうか。私は、重要なことは自治体病院であるという立場に立って病院側も考え、そして市民の意見も尊重して経営管理をするという、そういうことだと思います。何よりも独立法人や指定管理者になったら、もうけを中心にしましたから、恐らく救急で入ってきたら金と時間と相当かかるんですよ。それを嫌ということになるんじゃないですか。公立病院だったら、何を言っておるんだ、市立病院であるといったら市民に対応しての救急対応ができますよ。全適、独立行政法人、採算性が要りますから、夜の診断、診療をしませんよと私は思う。わかる。
都会へ行ったらみんな回されているんですよ。市民病院は絶対しません。それはもう院長と約束していますから、夜間診療を全部やりますし、救急病院をやりますし、そのほかに広域圏で救急医療体制をつくった、小児救急体制を。それは病院の先生方に協力していただいてつくってあるわけですよね。夜に大事故が起こった、うちで引き受けられません、恐らくそういうことになろうかと思う。それはもう経費を持ちませんから、看護師が7対1看護でおらんとか、あれとかという話になりますから、それは全適であったり独立行政法人だったら、赤字を抱えることになりますからやらないんじゃないですかね。私はそう思う。だから、その辺のところ、独立行政法人を勉強されたとすれば、さらに勉強していただきたいと思いますが、いずれにしても、市民を対象にして健康、医療に安心できるそういう病院づくりをするということになると思う。そのことを理解していただいて、今藤議員さんにみんな反対の回答になりますけれども、御理解をいただきたいと、このように思っておるところでございます。
その他の質問については関係部署からお答えいたします。
以上であります。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
企画総務部長 吉田孝夫君。
〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕
◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、総合評価方式に関する御質問にお答えをいたします。
公共工事におきます入札に関して総合評価方式がございますが、県は昨年度よりこの方式を試行しているところでございます。これを受けまして、市町村におきましても当市を含めまして13市町で今年度中に試行を予定しているところでございます。そこで、質問の具体的な手法につきましては、現在、指名審査委員会で試行に向けた評価項目、あるいは評価基準、試行要領などを検討いたしております。今月中に決定をしてまいりたいというふうに考えております。
総合評価方式とは、価格及びその他の条件が市にとって最も有利なものをもって申し込みをした者を落札者とするという方式でございます。具体的には、入札価格と技術的要素を一体として評価する方式でございまして、設計金額や工事の難易度や規模、あるいは技術的な工夫の余地などに応じまして、高度技術提案型、標準型、簡易型A、簡易型Bの4つの形式に区分をされております。
当市におきましては、トンネルやダム工事など、大きな工事は適用がございませんので、これを外しまして、標準型、簡易型A、簡易型B、この3つの形式に区分をすることとし、業者の対応の問題や県下の状況を踏まえまして、技術的な工夫の余地が少ない工事に適用する簡易型Bにおいて試行を考えております。
簡易型Bの具体的な評価項目につきましては、企業の施工能力として施工実績、工事成績、それから優良工事表彰、ISO認定の4項目を見ております。また、企業の地域性、社会性として、主たる営業所の所在地、災害協定、除雪協力、ボランティア活動、それから障害者雇用、消防団の育成、この6つの項目を考えております。これらの評価項目を技術加算点といたしまして、これに標準点100点を加えたものを入札価格で割った数値を評価値といたしまして、この評価値の最も高い入札者が落札者となるわけでございます。
また、総合評価方式は通常の入札とは違い、総合評価方式の適用の決定、評価項目及び評価基準の設定、落札者の選定においては、その案件ごとに学識経験を有する公共工事総合評価委員から意見を聞くことが必要となってまいります。
次に、試行予定の案件につきましては、簡易型Bに該当する設計金額2,000万円以上の下水道工事を対象に行いたいと考えております。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
病院事務局長 島田正広君。
〔病院事務局長 島田正広君 登壇〕
◯病院事務局長(島田正広君) 今藤議員御質問の支払利息についてお答えいたします。
今回の企業債の繰り上げ償還制度は、地方財政対策として公債費負担の軽減を図るため、平成19年度から平成21年度までの3カ年間、臨時的措置として創設されたものであります。対象となる企業債は借り入れ利率が5%以上のものとされておりまして、平成19年度におきましては7%以上の利率のもの、平成20年度は6%以上のもの、そして平成21年度は5%以上のものが繰り上げ償還の対象とされております。
そこで、当院で今年度繰り上げ償還の対象となります7%以上の企業債は2件あります。その未償還元金は合わせて10億1,800万円余りでございます。今議会にその繰り上げ償還金の支払いと、その財源として、民間金融機関からの借りかえ債の借り入れを補正予算として計上いたしております。
この借りかえによる支払いの軽減額でございますが、仮に2%の民間資金で借りかえた場合で試算いたしますと約1億6,500万円余りの負担が軽減されることになります。また、来年度以降対象となります利率6%以上の企業債は2件でありまして、その未償還元金の合計は4億7,400万円、それから利率5%以上の企業債は1件で、その未償還元金は9,800万円余りでございまして、これらも仮に利率2%の民間資金で借りかえて繰り上げ償還するとすれば、支払利息で約1億8,000万円余り軽減されることになります。したがいまして、全体では約3億4,500万円余りの利息軽減が図られるものと見込んでおります。
次に、医療材料についてお答えいたします。
医薬品の共同購入につきましては、平成15年度から当院と黒部市民病院とで、上位購入品目のうち銘柄や規格などが一致した医薬品について共同購入を開始いたしました。その後、規模や機能が同程度であります富山市民病院、そして高岡市民病院にも呼びかけて、現在では4病院の共同購入によりまして安価な購入に努めているところであります。当面はこの4病院で共同購入を続けていきたいと考えております。ただ、4病院間でも銘柄や規格の異なる医薬品が多いことから、今後は規格などの統一に向けて検討していきたいと考えております。
次に、院外処方のお尋ねでありますが、平成18年度の院外処方率は29.7%でありましたが、先月11月の院外処方率は49.3%となっており、昨年と比べまして約20ポイント増えております。これは医療法の改正によりまして、今年度から外来においても薬剤師による薬の内容説明が義務化されたということで、院内薬局での混雑が予想されたことから、今年8月から慢性疾患に対する長期投与患者さんを対象にいたしまして院外処方を実施したことによるものでございます。しかしながら、院外処方につきましては、医療法の改正もありましたが、今後も患者さんの意向を十分尊重しながら対応してまいりたいというふうに考えております。
それから、後発医薬品の御質問でありますが、当院では、先発医薬品であっても、後発医薬品であっても、院内で使用する医薬品はすべて院内にあります薬事委員会に諮りまして採用を決定しております。特に後発医薬品の採用に当たっては、先発医薬品と同等の効果があるのか、品質の保証や安全性が保たれるのか、あるいは安定供給や副作用情報の提供の有無などを慎重に検討した上で決定しております。ただ、一方で、後発医薬品は先発医薬品に比べまして安価であり、患者負担の軽減や医療費の削減が図られることから、現在院内の薬事委員会では、他病院の後発医薬品の使用情報も得ながら検討しているところでございます。
また、薬品費への影響でありますが、後発医薬品の採用により病院の薬品購入費は低くなりますが、同様に医業収益も減少することになります。
次に、7対1看護配置についてお答えいたします。
平成18年4月の診療報酬の改定で7対1の看護配置基準が設けられました。当院には一般病棟のほか回復期リハビリ病棟と精神病棟がありますが、そのうち一般病棟は現在427床ありまして、いずれも10対1の看護配置をしております。
そこで、過去1年間の入院患者数、病床稼働率の実績を調査いたしました結果、一般病棟に看護師を12名追加配置することによりまして7対1看護基準の算定が可能となりますことから、本年10月から外来部門や手術部門などから看護師を病棟に配置がえを行いました。そして、7対1看護配置を施行いたしました。そして、先月、富山社会保険事務局に、10月分の看護配置の実績をもとに7対1看護基準の届け出書を提出した結果、受理されましたので、今月12月から算定いたしております。
また、7対1看護をさらに充実させるため、来年4月からは看護師10名を追加採用する予定であります。収益面では、議員述べられましたとおり、10対1の看護配置では1,269点、7対1の看護配置では1,555点となっており、差し引き286点の増、すなわち1人1日当たり2,860円の増額となりますことから、年間では約2億円の増収が見込めるものと試算いたしております。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 1番 大楠匡子君。
〔1番 大楠匡子君 登壇〕
◯1番(大楠匡子君) 華やぐ傍聴席の元気をいただき、通告に従い質問と提案をさせていただきます。
先ごろ市民が一体となってまちづくりを進めるための1つのシンボルとして、新しい砺波市民の歌が制定されました。コミュニティーテレビでも毎日流され、市民に広く周知する取り組みがなされました。先月、出町小学校の合唱クラブと女性合唱団がジョイントコンサートを行われたときにもこの市民の歌が歌われていたようですが、市民に親しまれ、気軽に口ずさめる歌となるよう、市の行事などでは必ず歌うなど、市民の皆さんにどんどん歌い広めていただき、市民の歌を知らない人がいないようにしていただきたいと思うものです。
先ごろ庄南小学校では、9回目を迎える「地域に響け合唱の輪」という会が開かれました。校区内にある幼稚園、保育所の園児たちのかわいい合唱から始まり、小学校全児童による元気あふれる合唱と続き、地元の合唱団によるすてきなコーラス、そして地域合唱の会のほほ笑ましい合唱、最後には庄西中学校3年生のしっかりとした歌声が響き、最後に参加者全員で「もみじ」を合唱して、広い体育館はすばらしいハーモニーで包まれました。先ごろ富山県が内閣府と合同で開催した「子育てを支える家族・地域のきずなフォーラム」のテーマにもなった地域のきずなの深まりを感じさせられる会でありました。
砺波市では、長年にわたって他の市町村にはない小中学校連合音楽会を実施されておられます。私も小学校のときに歌った経験がありますが、小学校は3・4年生が中心となり、器楽合奏や合唱を、中学生はブラスバンド部の演奏と3年生の合唱を発表するのですが、心を1つにして真剣に歌う子どもたちの姿に大変すばらしい取り組みであることを改めて感じました。
歌は歌う人の気持ちを1つにまとめる力を持っています。一人一人が他の人の声を聞き合い、ハーモニーを感じながら自分の声を重ねていくことは人間関係をつくることに似ています。ハーモニーをつくるために一生懸命に練習する中から、温かい人間関係も育つのではないでしょうか。多感な中学生が合唱に取り組むことは必要なことであり、さらに市内の小学生、中学生が合同で合唱や演奏を発表する場を持つことは大変意義のあることと考えます。今後もこの砺波市小中学校連合音楽会が脈々と続き、砺波市が市民の歌を初めいろいろな歌声が響くまちとなることを願い、3点についてお伺いいたします。
1つ目に青少年の健全育成についてお伺いいたします。
12月号の広報となみに、砺波市の子育て支援に関する事業をまとめて案内してありましたが、こども課が新設されたことにより、子育て支援にかかわる窓口が一本化されたことで市民には大変便利になったようです。また、幼稚園と保育所に関する業務を一体化する中から、幼稚園と保育所が一緒に研修する機会も増え、相乗効果があらわれてきているようです。市では、幼保一体型施設も先進して開設されてきており、教育、保育を一体的にとらえた取り組みを進めてこられました。今年の10月には、幼稚園と保育所共通の保育指針をまとめられた乳幼児の保育指針を策定されていますので、その指針の内容や今後の進め方の概要についてお聞かせいただきたいと思います。
さて、広報で紹介されていますように、市内には子育て支援センターを初め各幼稚園でのあそびの広場、各保育所でのすくすくひろば、その他各地区での子育てサークル活動など、未就学の子どもたちを対象とした子育て相談の輪がたくさん準備されています。しかし、小学生や中学生の子どもさんを持つ親御さんが相談できる場は、毎週水曜日の子育てテレフォンサービスぐらいとなっています。子どもに関するいろいろな悩みは、基本的には学校で相談に乗ってもらえばいいのですが、気軽に相談できない場合もあるようです。こんなささいなことで相談していいのかと気が引けたり、学校へ行くのがためらわれたりするようです。
PTAでは、そんな保護者のために学級ごとに懇談会を持ったり、気軽に悩みなどを相談できる悩み相談室のような場を設けたりしていますが、今後は親同士のネットワークを広げる取り組みも必要となっています。市としても、学校以外で気軽に相談できる場の設置も含め、子育てテレフォンサービスが利用できる日を増やすなど、学齢期の子どもを持つ親が気軽に相談できる体制づくりを進めていただきたいと思うものです。家庭教育を支える意味からも、学齢期の子育ての相談体制をさらに充実していただくようお願いいたします。
次に、病後児保育の導入についてお尋ねいたします。
急な発熱などで体調を崩した園児らを預かる病児、病後児保育の導入が県内で進んでいます。保育所や医院に併設し、地域の子どもを預かるオープン型に加え、保育所自体が看護師を配置して、園内の子どもの急病に対応する自園型が本年度から制度化されたことも追い風になっているようです。県内では、富山、滑川、射水市の計17カ所の保育園で実施される見通しです。自園型は通いなれたふだんの保育園で対応するため、保護者がより安心して預けられる利点があります。今年からこの自園型が補助対象になったことにより、看護師配置の人件費の3分の1を国が、3分の1を県が負担することになりました。市の負担は3分の1で済みますので、砺波市においてもぜひ早期に導入されるよう再度お願いしたいと思います。
子どもが病気になったら仕事を休み、親が子どもを看病するのは望ましいことですが、熱は下がったけれども、集団保育にはまだ難しい場合などの病後児保育のニーズは、共働き世帯を中心に高くなっています。一、二日は仕事を休めても3日、4日と休むのは難しいためです。昨年の6月議会で質問した折、市としては拠点保育所での実施に向けて検討したいとのことでした。現在、太田と北部のこども園には看護師が配置されているようでもありますし、病後児保育を導入することは保育サービスの向上にもつながると思うのですが、当局のお考えをお聞かせください。
次に、子ども読書活動推進計画の作成についてお尋ねいたします。
平成13年に子どもの読書活動の推進に関する法律が施行されたことを受け、翌年平成14年8月に子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画が発表されました。子どもが自主的に読書活動を行うことができるよう、そのための環境の整備を推進する観点から、概ね5年間にわたる施策の基本的方向と具体的な方策を示しています。その内容は、家庭、地域、学校を通じた子どもが読書に親しむ機会の提供、図書資料の整備などの諸条件の整備充実、学校図書館などの関係機関、民間団体等が連携、協力した取り組みの推進、社会的機運醸成のための普及啓発などとなっています。
富山県ではこれを受け、平成15年12月、富山県子ども読書活動推進計画を策定され、県内の各市町村においても、法に基づき当該市町村における子どもの読書活動の推進状況などを踏まえた基本計画を策定するよう働きかけがあったものと思います。砺波市においては、新砺波市総合計画の人と心を育むまちづくりの中で子ども読書活動推進計画を策定、推進するとともに、子どもたちの人間形成に重要な役割を果たす読書活動の支援など、学校図書館との連携をより深めますと明記してあります。
砺波市では、学校司書の配置を早くから進めていただき、現在11小学校と4中学校に1人ずつ学校司書を配置いただいています。昨年度からは年間の勤務時間も延ばしていただいたようで、ありがたく思っています。このような学校司書さんなどの配置もあり、学校では朝読書や司書さんによる読み聞かせの時間など、いろいろな取り組みがなされているようです。また、図書館でも、図書館ボランティアによる市内の幼稚園、保育所へのお話パレットなどに取り組んでおられるわけですが、地域文庫の減少もあり、家庭での読書活動はなかなか浸透していません。
読書は語彙を豊かに、想像力をたくましく、思考力を育んでくれます。また、読書で身につけた表現力によって人間関係を円滑にし、人生を有意義なものとすることができます。先ごろ砺波図書館と庄川図書館の電算システムが統合され、利便性も向上しています。子どもたちの読書環境をさらに整えるため、家庭や地域、学校、図書館など、それぞれの役割などについて定めた子どもの読書活動推進計画を早期に策定していただきますようお願いいたします。
2つ目に、子育て支援についてお伺いいたします。
今ほどお話ししました子ども読書活動推進計画の中でもぜひ位置づけてほしい事業なのですが、子どもたちに読書の楽しさを知ってもらうためだけではなく、絵本を通して赤ちゃんと保護者が温かい時間を分かち合う子育て支援として、昨年の12月議会でも質問いたしましたブックスタート事業に砺波市でも取り組んでいただきたいと思い、再度御提案いたします。さまざまな社会問題が起きていますが、とりわけ子どもに関する問題の多くは家庭での親子関係がきちんとできていないことが原因のようです。絵本を媒体として、親御さんと赤ちゃんが肌でふれあい、温かい時間を持つことが大変必要な時代になってきています。
先日3カ月児の赤ちゃんを対象に行われている高岡市のブックスタート事業を見学してきました。3カ月児の赤ちゃんでも、絵本を食い入るように見、ボランティアの語りに声を出して笑ったり、むずがっていた赤ちゃんも絵本を見ると泣きやんだりする様子を実際に見て改めて驚きました。赤ちゃんをだっこしながらその様子を見ているお母さんも一緒にやさしい笑顔になり、とても温かい雰囲気となっていました。
活動を進めておられる方のお話では、この活動を始めたころは、健診が終わった後、早く帰りたがる親御さんは何人もいらっしゃったが、そこを何とか引きとめ、絵本に親子で触れていただくと逆に居心地がよくなり、さっきまで早く帰りたいと言っておられたはずなのに、ゆっくりボランティアの方とお話しされていかれます。最近では、口コミでこの絵本の読み聞かせ活動が広まり、無理に声をかけなくても、親御さんのほうから読み聞かせはどこですかと積極的に来ていただいていますということでした。
家庭教育の基礎となる親子のきずなを築く大事なきっかけをつくってくれる絵本の読み聞かせを啓発するためにも、厳しい財政状況ではありますが、ブックスタート事業を導入していただきますよう、子育て支援に特に力を入れていただいている安念市政のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
3つ目に、障害者の福祉についてお伺いいたします。
初めに、障害者週間についてお尋ねいたします。
平成16年6月の障害者基本法の改正により、国民の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化、その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めることを目的とし、毎年12月3日から9日を障害者週間とすると定めています。今年の障害者週間は先週終わりましたが、砺波市としては何らかの取り組みは行われたのでしょうか。
市では、障害者の福祉を進めるため、さまざまな施策を行っていただいているわけですが、障害者自立支援法によりかえって活動が狭められてきている障害者にいろいろな体験をしていただくという点から、この週間に行われている四季彩館での趣向を凝らしたクリスマスツリーの展示会や美術館に御招待するとか、冬のふれあい市に障害者を招き、ふれあいの場を設けるなどの取り組みを望むものです。また、障害者に対する関心と理解を深め、ボランティア活動に携わってくださる人が1人でも増えるよう、この障害者週間を活用されるとよいと思うのですが、当局のお考えをお聞かせください。
次に、障害者の相談窓口についてお尋ねいたします。
障害のある人は、障害の内容やその人が置かれている環境などによって抱えている悩みや問題も多種多様です。障害者が住みなれた地域で自立した生活を送り、社会参加を進めていくためには、支援費制度における相談を初めだれもがいつでも相談できる体制の充実が必要となっています。障害者自立支援法の施行により、相談支援事業が市町村事業となったことから、市では近隣の小矢部市、南砺市や障害者相談支援センターとの連携のため、10月に砺波地域障害者自立支援協議会を設けられ、砺波地域の関係団体、機関が広域的に連携し、障害者が安心して生活できる社会づくりを目指して活動されています。
現在の相談体制は、知的障害者の相談窓口は砺波市の障害者サポートセンターきらり、身体障害者は南砺市のマーシ園内にある砺波地方障害者生活支援センター、精神障害者の窓口は小矢部市の地域活動支援センターひまわりというように、障害ごとに3市で相談窓口を分担して設けておられると聞いています。もちろん、各市の社会福祉課の窓口でも常に障害者の相談には乗っていただいているのですが、相談窓口が広域的に設けられていることで不便を感じておられる障害者もいます。相談支援事業は市町村事業でもありますし、障害者の居場所づくりという点からも、砺波市に障害全般についての相談窓口となる障害者総合相談支援センターを設けていただけないかと思うものですが、当局のお考えをお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田良男君) 大楠議員の青少年の健全育成についての御質問のうちのまず第1点目、乳幼児の保育指針についてお答えをいたします。
健やかなお子さんを育てるには、安定した情緒、ハートですね。これを培って、その上に生きる力や感性などが育まれるものと考えております。幼稚園、保育所の内容を一元化するために、10月に砺波市乳幼児保育指針を策定しました。その目指す子どもの姿ですが、これは大人の言葉ですけれども、主体的に環境とかかわって友達と仲よく遊ぶ子ども、これを1つの主題としまして、これに迫るために4つの柱を立てました。
1つは、子どもの発達を踏まえた具体的なよい計画を立てようと。1つは、その内容は質の高いものにしよう。3つ目には、家庭と社会との連携、特に家庭の信頼をなし得るような保育、幼稚園にしようと。4点目は、こういうこども課設立の願いでもあります幼保小中のリレー、すなわち9カ年の義務教育プラスアルファの前倒し、この4点を骨子として、幼稚園、保育所の担当者、それから大学の先生などとも協議してこれをつくり上げております。
そこで、この砺波市の乳幼児保育指針の共通理解、どんな立派なものができても、保育士たち、教員たちがそれを理解していないのでは何にもなりませんので、それを理解するために今年の10月に研修会を開きまして、そして幼保小中の教職員の多くの参加を得てこれを進めております。それは全体的な研修でしたけれども、これをさらに細部的に進めていくために、幼稚園、保育所では、その細部について新年度から部分研修、勉強ですね。部分の勉強を始めることとしております。
また、家庭教育の啓発として「健やかな砺波っ子を育てましょう」と題したダイジェスト版、これを今、各幼稚園、保育所の家庭に全部配ります。これはちょっと見やすいように、子どもたちの笑顔がぽっと集まって、その周りをおじいちゃんやおばあちゃん、お父さん、お母さんが取り囲んで、みんなで楽しくしているというようなイラストを真ん中に置いて、今お話をしました指針をばらまいております。見やすいようなものをひとつつくって近いうちに全部配りたいと思っております。
そこで、保育における新と真、同じシンですけれども、片一方は新しいということ、片一方はまことということ、そういう新と真という課題があります。1つは、新しいものを素早く取り入れてそれに乗っかっていくということ、もう一つは、絶対に揺るがしてはならない人間性の教育というもの、この2点をかみ合わせながら保育、幼稚園活動を進めていきたいと考えております。
次に、2点目の学齢期の子育ての相談体制でございます。
これにつきましては、現在こども課に家庭児童相談員が2名配置されております。これは保育所と幼稚園、小中学校、さらには子育て支援センターを訪問して、子育て支援に関する具体的な情報を取り入れたり相談に乗ったりして、いわゆる保護者、それからお子さんの心の安定に尽くしております。さらに、毎週水曜日には、子育て支援テレフォンサービスの相談も受けております。こういうふうに激しい世の中で、要保護児童や子育てに悩んでおられる家庭が年々増えております。学齢期の子どもの支援を充実するために、家庭児童相談員が親の悩みを聞いて学校との連携の糸口を見出し、いわゆる足がすくんでいるそういうお子さんや家庭について応援をしていくということ。このようなことは家庭児童相談員としては大変大事なことで、教育委員会でもこのことを、ちょっと目に見えないことなんですけど、また表ざたにしてはいけないことなんですけれども、これを充実していかなければならんと、そういうことを考えております。
次に、病後保育、保育所における病気になったお子さんに対してどうするかということですが、御質問の自園型、これにつきましては、国が定めている内容というのは、体調が不良になった場合や親御さんがお迎えに来られるまでの間処置をすると、こういうことなんですけれども、今、体調不良児が年間200人、だから相当大きな保育所ですね。年間200人ほど発生すると思われる保育所には看護師1人、そして2人ほどのお子さんを見られるこういう体制をつくるようにと。それに対しては国が補助金を出しておりまして、1カ所当たり312万5,000円という、そういう手当を出してくれます。これは厚生労働省の通知による予算補助であります。
そこで、市内では、先ほど御質問にありましたように、太田こども園では1日6時間、それから北部こども園では1日8時間勤務する看護師さんをそれぞれ嘱託職員として配置しております。この職員は、市内の保育所を巡回して、保育中の乳幼児を中心に養護指導をしております。いつも病気になったお子さんがあらわれるとは限りませんので、席を北部と太田に置きながら市内の保育所、幼稚園を巡回しております。
お尋ねの自園型を開設するには、事業内容と職員配置、施設の改修、当然保育所の中に保健室をつくらんならんことになりますね。そして、施設の改修等の大きな問題があります。財政上の問題もありますので、今後検討を必要としておりますけれども、大変難しい問題だと思っております。病後の子どもは非常に不安定です。家族が付き添うことがその両者の信頼を大切にするものだと、そういうものであると考えております。
1つ、前からも御質問のありました子ども読書プランの作成でございます。
これにつきましては、きのうから御説明しておりますように、全国学力調査の結果の中で読書に関して砺波市の子どもたちは非常にいい反応をしております。読書を深めたお子さんほど反応がよろしいという結果が出ております。そういうことで、子ども読書プランの作成につきましては、県内にも幾つか発生しておりますけれども、砺波市内ではこの子ども読書推進計画を平成19年度内に立ち上げたいと思っております。
そこで、その内容につきましては、お集まりいただく委員の方々は学識経験者、幼小中保の関係の方々、それから図書館の読み聞かせをしていただけるボランティアの皆さん、読書に関する専門の皆さんにお集まりをいただいて計画の基本的なもの、それからどのように子どもたちの読書推進を進めたらいいかというようなことについて御議論いただいて、平成20年度中にはそのマスタープランをつくりたいと思っております。
そして、お尋ねのブックスタートにつきましては、その包括的なものの中にブックスタートの議論はもちろん入ってきますので、その中で御議論をいただいて、その結果を尊重して前向きに検討していこうと思っております。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 藤沢まゆみ君。
〔福祉市民部長 藤沢まゆみ君 登壇〕
◯福祉市民部長(藤沢まゆみ君) 私からは3項目め、障害者の福祉についてお答えいたします。
まず初めに、障害者週間での砺波市の取り組みについてでございます。
議員御指摘のとおり、当市では、本年度の障害者週間において特段の行事等の取り組みは行っておりません。しかしながら、年間を通じて障害者自立支援法による地域生活支援事業の中で障害者の社会参加事業として、7月には障害者スポーツ大会の開催、また宿泊教室や音楽、書道、年賀状作成、フラワーアレンジメントなどの各種教室の開催、また南砺市、小矢部市との合同でハッピータイムと名づけられている障害者合同交流事業やサポネット事業などを行っており、障害者の皆さんのニーズに沿って事業を実施してきたところでございます。御指摘の障害者週間の活用については、障害者の皆さんの負担を考慮に入れながら、関係者の方々からの意見も聞き、今後検討してまいりたいと考えております。
次に、障害者全般についての相談窓口の設置についてお答えいたします。
相談支援事業については、障害者自立支援法の中で市町村事業となったことを受け、当市では、このたび策定した障害者福祉計画の中で大きな柱の1つとして位置づけております。現在、相談窓口については、広域連携を図ることから、身体、知的、精神の相談支援センターが3市にそれぞれ設置されています。また、本年10月には、砺波地域障害者自立支援協議会を設置し、より一層の連携を図りながらさまざまな課題について対応、解決していくこととしております。
一方、身近な相談窓口としては、社会福祉課にソーシャルワーカー、精神保健福祉士の資格もございますが、保健士をそれぞれ1名配置し、いつでも気軽に相談いただける体制をとっております。また、各地区には身体障害者相談員を配置し、作業所には知的障害者相談員の配置をしております。こうしたことから、改めて総合相談支援センターを設置するということは考えておりません。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 10番 飯田修平君。
〔10番 飯田修平君 登壇〕
◯10番(飯田修平君) 私は通告に従い、3点について質問をいたします。
最初に、民具展示館整備事業について質問をいたします。
この整備事業は、となみ散居村ミュージアムの収蔵、展示、研修室等の機能充実を図るための拡充計画であり、平成19年度において基本計画を策定したいと3月議会で安念市長が提案されたものであります。旧砺波市、旧庄川町にはたくさんの民具や農具があることから、砺波地方の歴史や文化を伝える教育の場として、旧出町小学校の校舎の1棟を散居村ミュージアムに移設し、そうしたものを整理し、子どもたちに実物を見て勉強してもらおうという計画であります。
もちろん、この民具展示館は散居景観をつくり上げた先人たちの歴史と文化に触れる絶好の場として、そして、またそれらをいつまでも守り伝えることのできる施設として整備されなければなりません。それによって、私は砺波地方の文化を学ぶという意味で大変大事な施設となるのではないかと思って期待をしております。移設については、さまざまな課題もあると思います。例えばアズマダチと学校建物の配置はミスマッチのように見えますが、外壁等を工夫することによってうまくマッチング可能だと思います。
しかし、ここで忘れてはならないのは、たくさんの卒業生を輩出した旧出町小学校の校舎がずっと残るということであります。いま一つの大きな意義はここにあります。今日まで検討委員会を組織していろいろ調査研究されたと伺っております。そこで、今回の基本計画に至る基本構想の内容と基本設計の進め方について伺いたいと思います。
次に、全国学力テストの結果と今後の対応について質問します。
文部科学省による全国一斉学力・学習状況調査の結果が公表されました。今年4月24日に実施された小学校6年生と中学校3年生を対象に実施した調査結果でありまして、児童生徒約230万人を対象に70億円余りを費やして進められたものであり、昭和36年10月に実施された調査に次ぐ戦後2度目の調査であると聞いております。結果の公表については、県内市町村では南砺、富山市の2市だけで、砺波市は公表をされておりません。先の3月議会で、教育長は公表しないと明言をされておりますが、規模の大きさからも注目を集めただけに説明責任が問われるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
次に、今回の全国学力テストから、例えば海や山、川で遊んだり、魚や昆虫をつかまえることなどの経験があるほうが好成績だったり、朝食の摂取率や家庭でのコミュニケーションなどと正答率との間には相関関係が見られるというふうにも分析をされております。そこで、学力と基本的生活習慣、家庭でのコミュニケーション、規範意識などとの相関関係についてはどのように分析されたのか。そして、その結果を家庭や地域との連携の中でどう生かしていくのか。このような視点から、全国学力テスト結果の読み取りと今後の対応の仕方について教育長の御所見をお伺いしたいと思います。
次に、自然と共生する快適なまちづくりについて質問をいたします。
今年は1月の降雪量が1972年の2センチに次ぐ5センチと観測開始以来2番目の少なさを記録しました。また、8月は猛暑日が14日と過去最多で、最高気温の平均も平年を3度上回る33.4度で、過去2番目という大変な猛暑でありました。このように近年頻発している異常気象は地球温暖化の影響によるものと思われますが、これら気象変動が原因となり、動植物の生態系に異変が少しずつあらわれているような気がいたします。
まず、今年も大発生したアメリカシロヒトリというガであります。この種は戦後進駐軍とともに日本に侵入してきたもので、瞬く間に街路樹の大害虫となり、分布を拡大したものであります。このガは枯れ葉の下にさなぎで冬を越しますので、近年の暖冬により越冬場所が多かったことが大発生の原因であります。被害を受けた街路樹などは非常に美観や成長を損ないますので、早期の駆除が大切であります。街路樹や桜堤等の緑を守るためのさらなる取り組み、体制づくりが必要と思われます。
さて、一方、最大の難敵は、3年前の南砺市の猛暑の山々に被害が発生、体長わずか5ミリ弱の虫が1,500本もの山の木を枯らしたカシノナガキクイムシでございます。温暖化の進行で生息域が次第に広がり、県東部にも大きな被害が確認をされています。カシナガは6月下旬から7月上旬にかけ、ドングリのなる大きなミズナラの木を好んでせん孔、つまり2ミリほどの穴をあけて入り込み、1本に何万匹も巣くい、寄ってたかって枯らしてしまいます。正確に言いますと、木を枯らすのはカシナガが木に持ち込むナラ菌で、カシナガは木の中でこの菌を栽培し食べています。ナラ菌は増殖とともに樹木内部の細胞を壊して水の流れを妨げます。そして、カシナガが入り込んでから約1カ月後に水切れ症状が出始め、高温の8月をピークに枯れ死に至るというものであります。
ドングリのなるブナ科のミズナラ、コナラ、クヌギなどの木は広葉樹林を形成します。広葉樹とその落ち葉は保水力が大きく、下流の洪水を防ぎ、豊富な地下水を供給してくれます。ドングリは山の小動物たちにとってなくてはならない実りの秋の収穫物であります。広葉樹が伐採され、針葉樹の人工林に取ってかわった山々に、さらにここで必要最低限のドングリが今絶滅の危機にさらされているというのが現状であります。
駆除方法といたしましては、ビニールシートにくるみ密封する従来の方法や、カシナガを温度零度で15日間さらすと生存率が10%以下になるというデータから、積雪による低温殺虫するという新たな手法も実行されているようであります。カシナガの被害拡大については、原因はさまざま議論されていますが、現時点では2つの仮説が言われております。1つは地球温暖化であり、いま一つは森林の放置であります。豊かな森林の保全のために、被害拡大を何としても食いとめなければなりません。一日も早い防除対策が求められております。
また、先日の新聞によりますと、県内の川釣り愛好者たちに人気の神通川流域で、在来魚の卵などを食い荒らし、生態系を乱す外来魚ブルーギルが大量繁殖している。一部の心ない釣り人が放流したと見られ、アユ漁への影響が懸念されると報じられました。ブルーギルは北アメリカ原産で、約50年前に日本に入り、全国のため池や流れの遅い下流域などに生息し、小魚や魚の卵を食い荒らし、日本固有の生態系を壊すことから、ブラックバスとともに特定外来生物被害防止法の特定外来生物に指定され、飼育や移動を罰則つきで禁止されている淡水魚であります。庄川流域には今のところ生息が見られないようですが、今後も予防対策を講じていく必要があると思います。
また、今年の秋の深まりつつある10月、11月に、散居の広がる砺波野に黄色い花をつけた草が道端、空き地、河川敷、あげくは休耕田など、ところ構わずあちこちに大繁殖しているのを皆さん見かけられたと思います。それは皆さんも御存じのセイタカアワダチソウであります。茎は50センチから人の背の高さ以上になる大型の多年草で、原産地は北アメリカ、明治時代に鑑賞用に移入されたものが分布を拡大したものであります。
さて、ここで問題なのは、セイタカの極めて侵略的、攻撃的な繁殖方法であります。種子繁殖のほかに横に走った根、地下茎から特殊な化学物質を分泌し、在来植物の発芽や成長を妨げる能力を持っているため、地域の自然性を脅かす危険性が指摘をされております。日本古来の秋の草花がこういう外来の植物に侵され続けたら、生態系に大きな影響を与えるのではないかと危惧する一人であります。当然、特定外来生物に指定されるべきと思います。しかし、植物で特定外来生物に指定されている12種類の中にこのセイタカアワダチソウはありません。
これについて、環境省の評価は、絶滅危惧種を含む在来植物との競合や駆逐のおそれが大きいとしながらも、現在では輸入、流通販売は行われていないので、規制による効果は小さいことや、既に広範囲に蔓延しているため指定の緊急性は低いとし、要注意外来生物としております。専門家によりますと、大繁殖後、自家中毒症で減少し、ある時期に再び大繁殖するなど遷移性があるということですが、しかし生態系にかかわる被害のおそれが大きいということですから、今のうちに積極的な駆除、または分布拡大の抑制策の検討をしなければならないと思います。
大阪府淀川で刈り取り回数と駆除効果を調べたところ、年2回で他種の生育が可能となり、年3回で草丈や河川優占状態が著しく低下することが示されたという例もあります。本市においても、隣接市と連携しながら、市民を挙げて刈り取りや抜き取りによる駆除を実施すべきと思うわけであります。
さて、次は市中心部で増え続けるカラスの対策についてであります。
今年のカラスの数は近年になく多く、農地や畑が一面真っ黒に覆い尽くされるような光景がよく見かけられました。また、出町市街地でも、夕方になると木々や電線がカラスに占拠されているさまをよく見かけました。こうしたカラスの大集団は農作物に少なからぬ被害を与えますし、ごみを散らかしたり、ふんが歩道上に白い跡を残すなど美観を損ねているのが実態であります。また、他の鳥の卵やヒナを襲うことで個体数の減少も危惧されます。
今年は記録的な暖冬で、えさの確保が容易だったことが増えた原因だとされておりますが、こうしたカラスの被害をなくするためには、今後、狩猟による捕獲も含めた駆除など、適時適切な対策を進めるべきと思います。
以上、まとまりのない質問になりましたが、自然と共生する快適なまちづくりを推進する観点から、これら環境保全について、当局の取り組みの現状と施策について伺います。以上、質問をいたします。御清聴ありがとうございました。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田良男君) 飯田議員の御質問にお答えいたします。
まず学力調査に関することでございますが、昨日も申し上げましたように、総括的には国・県に比べると良好な反応が出ております。中には、非常に反応がよかったものもあります。そこで、今回の学力調査の取り扱いにつきましては、当初から公表しないということを教育委員会として決定しておりました。その理由、3点を申し上げます。
1つは、この調査は国が全国の学力・学習状況を調査するための包括的な調査で、砺波市の教育活動の特色、あるいは砺波市の子どもたちの個性等を調査するものとは違っていますので、砺波市としては積極的にこの問題を公表するということはその必要がないというふうに考えました。2つ目には、この調査で測定できることは学力のほんの一部であって、学力の全体であるかのようなことがまかり通る危険があるということ。そして、3つ目には、この調査を公表することによって学校間の序列化がそういうことではっきり明確になったり、あるいは指導内容についての批判等々が出たりして、それが正常な教育を妨げることにはならないかと、そういうことであります。
この3つのことにつきましては、既に調査以前に全国の各地でこのような問題が発生をしていろいろ指摘されていたところであります。とはいいましても、指摘されましたように、この結果については真摯に受けとめて、今後の教育活動につなげていかなきゃなりません。そこで、教育懇談会というものを設置しておりました。それの中で議論をしております。今、中間的な報告まで行きましたけれども、その中間的な報告を教育委員会等で議論し、さらに校長会等にお話をして、今、各学校に渡っております。そして、各学校ではそれを核としまして、自分たちの学校の問題点を今洗っております。それが3学期から来年の初めにかけて次の学習指導の中に入り込んでいくものと思っております。
次に、この学力と生活習慣との関係の相関についての御質問がありましたが、これは全国の状況が報道されておりましたけれども、ほぼよく似ております。それでは、ちょっと説明をしますと、毎朝朝食を食べている、学校へ持っていくものをちゃんとチェックしている、それから身の回りのことは自分でやる、毎日同じ時刻に起きているなど、生活習慣の基本的なものが身についている児童生徒ほどその反応が良好でございます。それから、学校の決まりを守っている規範意識の高い児童ほど正答率も高いです。次は、砺波のお子さんの弱いところですけれども、海、山、川などで遊んだことがある、包丁やナイフなどで調理をしたことがあるなど、多様な経験をしている子どもほど正答率が高いです。それから、家の人と学校であったことなどを話ししているほど国語の正答率が高いというおもしろい結果も出ております。
このような特徴を総括してみますと、生活習慣、規範意識、それから豊かな体験、こういうことができた子どもさんほど知識の活用力や思考力のほうによい結果が出ているということでございます。だからといって、今すぐにこの内容を性急に子どもに制したのでは問題があると思いますので、スケジュールを考えながら順序よく対応していくべきだと考えております。
これが終わってみまして、このことは当市が3年前から始めております「五本ゆびのめあて」、それから、昨年始めました家庭の子育ての輪というような、いわゆる生活規範というものの定着がやはり大切だということが再確認できました。そういうことで、今後ともこの現況を大切にしながら、教育委員会等々で問題にしております「五本ゆびのめあて」、生活規範というようなことを、時間がかかりますけれども、定着に努力していきたいと思っております。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
商工農林部長 小幡和日出君。
〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕
◯商工農林部長(小幡和日出君) 私のほうからは、まず民具展示館整備事業についてお答えいたします。
民具展示館の整備につきましては、構想内容を検討していただくため、去る5月18日に(仮称)民具展示館建設構想検討委員会を設置し、10月23日にその報告をいただいたところであります。その内容は、建設目的として、1、市の民具展示の中核施設とする。2、地域に愛着のある旧出町小学校校舎をとなみ散居村ミュージアム敷地に移築、活用し、砺波地方に根づいた民具をわかりやすく展示、保管する施設とする。3、だれでもが気軽に訪ねることができ、暮らしの歴史を学び、民具に対する知識、理解を深めることができる施設とする。4、体験を通して楽しみながら学び、民具に対する見方、考え方を高めることができる施設とするなどであります。
また、施設概要として、建設場所は事務局棟南側敷地に南北方向に設置する散居村ミュージアムの施設と調和のとれたものとする。外観は学校をイメージしたものとし、西側中央に玄関を設置する。施設内には展示室、研修室、事務室等を配置する。その他管理運営において、砺波郷土史料館と連携協力のもとで行い、展示及び開設に当たる学芸員の配置が必要であるなどであります。
市では、検討委員会の報告をもとに基本設計を進めているところであります。基本設計では、形は旧校舎を基本にし、内部は展示施設にふさわしく使いやすいものとするという考えで進めております。また、ミュージアム施設の調和でありますが、色彩などにも配慮し、他の施設との調和を図る考えで進めております。
次に、自然と共生する快適なまちについて答弁いたします。
環境保全の取り組みについてのうち、アメリカシロヒトリ対策についてお答えいたします。
市内では、アメリカシロヒトリの発生が数年前から著しくなっております。議員御指摘のとおり、食害を受けた樹木は景観を損ねますし、多数の毛虫には気分さえ悪くなるものがあります。市の対策といたしましては、街路樹や公園の樹木については年2回から3回、発生状況に合わせた防除を造園業者及び町内会等に委託しております。それでも被害があるときはさらに追加し、防除に努めているところであります。
次に、カシノナガキクイムシの被害についてお答えいたします。
今年度、県の調査による市内のカシノナガキクイムシによるナラ木の被害件数は1,086本で、昨年度の306本より780本余り多く報告されております。原因につきましては、環境問題もありますが、ナラ木の管理放置にもあります。最適齢期の木を有効に活用し、伐採後の自然萌芽を望むことが理想的でありますが、老木化し抵抗力が弱くなり、被害を受けやすくなったからであります。
市の対策といたしまして、他の森林に及ぼす影響を考慮して、緊急性、危険性、利便性の高いところから、また景観上必要性の高いところから、森林所有者の同意を得て抜倒駆除を実施しております。本年度は五谷地区で計画し、発注済みであります。ただし、この方法は現場が急傾斜地であったり、人が入り込めない箇所もありますので、場所に限りのあることも御理解いただきたいと存じます。来年度以降におきましても、順次対策を実施してまいりたいと存じます。
次に、ブルーギル及びセイタカアワダチソウの繁殖問題についてお答えします。
ブルーギルの庄川における生息状況につきましては、レッドデータブック作成委員の方に確認いたしましたところ、庄川には捕獲事例がほとんどなく、10年前アユの網にブルーギルと思われる15センチ程度の魚がかかったことがあるとのことでありました。その後は確認されておらず、10年経過いたしましたが、すべて死滅しているとは考えにくく、やはり今でも庄川には生息していると考えられます。
市の対策といたしましては、砺波市漁業協同組合と連携し、捕獲した場合は再放流しないよう啓発に努め、庄川のアユを初めとする豊かな漁業資源、生態系を守ってまいりたいと存じます。
また、セイタカアワダチソウにつきましても、繁殖力が強いので遊休地等に多く繁茂している状況が見受けられます。対策といたしまして、市が推進しております農地・水・環境保全向上対策事業等により地域住民の皆様の御協力を得て、水田等への影響が出ないように努めてまいりたいと考えております。
なお、現在、レッドデータブック作成委員会の方々により、砺波市の自然環境を守るため、市内の動植物における絶滅危惧種の調査を行っております。その結果を踏まえ、貴重な在来種の保存に努め、人と自然が共生する快適な環境を保全してまいりたいと存じます。
次に、カラス対策について申し上げます。
砺波市におけるカラス対策については、農作物に被害をもたらす有害鳥獣として毎年砺波市有害鳥獣捕獲隊に委託し、市職員立ち会いのもと捕獲を実施している状況であります。本年につきましても、5月上旬から水田での苗の引き抜き等の被害があることから、高波地区や中野地区での捕獲を実施するとともに、6月以降に水田への被害対策として各地区において捕獲を行いました。また、市街地におけるカラス対策につきましても、砺波インター付近においてカラスの発生が多いことから、早朝より捕獲作業を行いました。
その結果、有害鳥獣として保護期間であります5月から10月いっぱいの間で鳥獣の保護及び捕獲の適正化に関する法律に従い、県の許可をとって例年より少な目の124羽を捕獲したところであります。捕獲が少なくなった原因として考えられることは、カラスが賢く、捕獲隊が近づくと逃げる傾向にあるということが上げられます。なお、毎年10月15日から翌年の4月15日までは捕獲期間であり、捕獲できる種類であることから、市民の皆様から要請があれば砺波市有害鳥獣捕獲隊に依頼してまいりたいと思います。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) この際、暫時休憩いたします。
午後 0時01分 休憩
午後 1時00分 再開
◯議長(林 忠男君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
通告により発言を許します。
21番 前田喜代志君。
〔21番 前田喜代志君 登壇〕
◯21番(前田喜代志君) 私は3点について質問いたします。
最初に、県立高校の再編成について伺いたいと思います。
質問通告書に県に対して具申してもらいたいというような趣旨を書いてございますが、市と県は対等の関係にございまして、上に対して物を申すという関係ではございませんので、訂正をお願いしたいと思います。
少子化傾向が続いてまいりました。中学校を修了する生徒数も年々減少を見てきました。県立高校の募集定員数は、昭和63年に1万3,914人であったものが平成19年の今年は7,274人にほぼ半減をしてきたと。そして、そのために県内の高等学校1校当たりの学級数、これも減少を見せて、3学級以下の高校が14校に上るなどして県立高校の小規模化が進んできた。その結果、生徒の学習環境の質の保証などの面において限界がある、こういう認識が示されております。
そして、それを解消していくためには、学校の規模、学級数というものの一定の確保が必要であると。したがって、統合再編はやむを得ない選択であると、このような結論に至っております。しかし、今、提出されている案はとても納得できないなと、こういう思いで質問させていただくわけです。といいますのは、卒業生、県立高校並びに私立高校それぞれに進んでいきますが、私立の高校は富山地区を初め高岡、新川地区にございますが、砺波地区にはありません。新川地区でも4学級程度の高校が1校ございます。そして、富山にも4校、高岡にも4校、こういう私立高校が地域に偏在している現状がございます。
現在検討されている再編計画では、全県で5件の統廃合、再編を進めたいと。そして、うち砺波地区でも1件、こういう内容になってございますが、県立高校の全県の配置状況だけを見て、エリアごとの生徒数から新川で1件、富山で1件、高岡で2件、砺波で1件、こういう案になっていると。全県下のバランスに配慮したように見えますけれども、私立高校のない砺波地区の生徒にとりましては大変不利な扱いになると存じます。県立と私立を合わせた総受け入れ母数が少ない以上、大変不公平なものになるからです。この際、私立高校の配置状況も加味した再編計画に見直していただくように県にお話しいただきたい。市長の御所見を伺いたいと思います。
第2点目は、庄川中学校の耐震改修に伴う学校給食の自校調理方式を存続いただきたい、この点でございます。
今定例会に提案されました一般会計補正予算のうち、庄川中学校の大規模改修に伴う厨房を取り壊して他の用途に使うという、こういう説明でございました。自校調理ができなくなるので、学校給食センターから給食を配送することに変更したい。実は旧砺波市と旧庄川町の合併の際に、自校調理方式による学校給食だけは続けてほしい、こういう強い要望がございました。慎重にも慎重を期さねばならない最重要事項のはずではないでしょうか。
当分の間、存続されるんだなと、このように住民の多くの皆さんは信じてこられたはずでした。でも、急遽大規模改修に取りかかるに当たって厨房を取り壊すということになった背景には、砺波市財政の厳しい現状があって、自治体経営のコストや効率が問題視されてきた中でのやむを得ない選択かなと。
そして、説明の中でもございましたが、いずれかの時点が来たら給食センターに移行せざるを得なくなるとすれば、大規模改修のこの機会にと結論を急がれたのかもしれません。永久に自校調理でやるがかと、教育長はそういうふうなニュアンスの説明でございました。しかし、可及的速やかにとなっていた幾つかの課題さえまだ残されているのに、当分の間は存続されると信じていたものが一挙に変更されたのでは、やはり約束が違うじゃないか、こうお思いになる住民の方がおられるのは当然のことです。
学校給食の実施方法のメリットを考えても、私は次のような点で自校調理方式は大変すぐれていると、このように思っております。従来給食センター方式で進めてきた市にあっても、そういう自校調理方式のすぐれた点を取り上げて、給食センターを大規模改修する機会に自校調理方式に改めていくと、こういう傾向が全国の幾つかで出ているわけですね。
1つは、児童生徒とのふれあいが増える。コミュニケーションが高まる。給食調理の苦労などが理解しやすく、食に対する感謝の気持ちを給食センターよりは育める。地元農家と協力して、児童生徒が育てた農作物を直接給食食材に活用することもできる。地産地消が容易にできやすい。配送時間が不要で、メニューのバリエーションも広がる。バイキング的メニューやセレクト給食が容易にできる。食物アレルギー児童の、あるいは生徒への個々対応が容易にできる。調理から食べるまでの時間が短いので適温で食べられるし、食中毒予防や温かさなどの食感についても問題がない。
万一の食中毒の発生にも被害が最小限に抑えられ、営業停止も1校のみで済む。配送費用やセンター長の人件費が全く要らない。機器更新も規模が小さいので、経費、期間が少なくて済む。食器変更や新しいメニューなど弾力的な運用もできる。学校給食に対する教職員の意識が、受けているという認識から実施者という理解と責任感の効用が図られて保護者の関心も高まる。調理員も児童生徒一人一人と一体感を持って働ける。学校栄養職員が学校に在籍するようになることで、緊密な教職員との連携が図られ、栄養、給食指導などの食指導が充実できる。災害時の給食提供が容易にできるなどなどたくさんあります。
例えば、南砺市へ異動された先生や南砺市から異動してこられた先生方からは、やっぱりセンター給食よりも自校調理方式は絶対にいいと一様に言っておられます。もちろんデメリットもあります。それでも、今申し上げたように、コスト論で片づけてはいけない自校調理方式の優位性があると思うからです。
ところで、先に審査をした今議会で認定した平成18年度決算ではどうであったか。砺波市の義務的経費の比率、これは36.68%でした。全国805都市のうち、東京23区を除いた782の都市の中で、この比率の低いほうから30番目に砺波市が入ってございます。県下では最も低い値です。義務的経費比率、あるいは人件費比率を見てみましても、砺波市は16.13%でございました。これも低いほうから全国では72番目、県下では南砺市に次いで2番目でございました。この間の行政改革の成果がはっきりとあらわれていると言えると思います。
そして、他方では、投資的経費比率、砺波市は24.68%を確保しております。比率の高いほうから全国で41番目、県下では1番でした。もっと投資的経費比率を増やして社会資本を充実すべきだ、例年にわたってこういう要望が議会の側から出されてきていたと思いますが、県下では1番、全国では41番目、これができるのも人件費比率を初め事務的経費比率が全国でもトップクラスで低いからであります。このように行政改革では、砺波市は220何番目だというきのうの質問もございましたが、行政改革で砺波市よりも先に行っている二百何十の都市はどうして砺波市よりも義務的経費比率が高いのか。どんな改革をしているのか、大変疑問なところですね。効果のあらわれていない、数字となってあらわれていないそういう現状があると思います。
でも、砺波市では、この間の改革で確実に効果が出ていると言えるのでないですか。このように低コスト体制では県下の先頭を走って、全国の都市の中でも10%に入るトップグループにつけていると。この低コスト体制は、全職員の41%が嘱託職員であり、臨時職員でありという非正規雇用の中でしのいでいる、こういう現実があります。庄川小学校、庄川中学校の両校でも、正規職員と臨時職員の方が厨房で働いておられます。決して高いと言われるほどの人件費はかかっておりません。このような現状を再考していただいて、今議会に上程されている庄川中学校の大規模改修に伴う厨房を取り壊して他の用途に使う、こういう考えを改めていただきたい。自校調理方式を存続いただきたい、この点について伺いたいのでございます。
最後に、限界集落について伺います。
年末を控えまして、農業収支の帳面の締めの日が近づいておりますけれども、山間地では今年は干ばつもございまして、軒並み減収という状況があります。そうした中で、来年からはもう農業共済の掛け金も掛けられんなと、こういう声さえ聞こえてまいります。
今、65歳以上の高齢者が住民の半数を超え、共同体機能が維持できなくなってきた限界集落、55歳以上の住民が半数を超えているところは準限界集落、こう定義されております。この集落の再生を目指して、全国146の市町村で新たな組織が立ち上がりました。全国水源の里連絡協議会、先月末です。活性化に取り組む市町村をサポートするために、水源の里再生交付金制度、こういう制度をぜひとも国に創設していただこう、こういう決議が上がりました。この全国水源の里連絡協議会と砺波市が連携して取り組んでいただけないかなと、このように思うところでございます。
当市には、ここに言う限界集落、あるいは準限界集落に該当するところはどれだけあるのか、その集落の高齢化率は今どうなっているのか。国も限界集落支援に本腰を入れるかのように報じられております。本当はどうでしょうか。限界集落については、国土交通省の調査結果が既に発表され、全国に7,800を超える集落があると。しかし、これは過疎地域などにおける集落の状況に関するアンケート調査という調査の結果でありまして、過疎対策特別措置法で指定する地域に限られた調査結果でございました。したがって、砺波市にある限界集落というのは初めから該当に入っていない。国土交通省の頭の中に、念頭にない、こういう状況なんですね。
過疎特措法というのは時限立法でございますので、もう時限が近づいてきたので、そろそろ期限切れ後の手だてを探り始めた、この程度の国の限界集落支援なのではないですか。もともと同法の指定を受けていなかった当市の農山村のこともしっかり念頭に置いていただけるように、ぜひこの機会に砺波市の次の施策展開につながるよう、国土交通省にぜひ働きかけていただきたい。
以上を申し上げ、質問を終わりたいと思います。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念鉄夫君) 前田議員にお答えをいたします。
1点目は、県立高校の再編についてでございます。
平成18年5月に少子化が進んで社会の変化が著しいと。ついては、生徒が少なくなって、全日制、定時制など県立高校のあり方について総合的に検討するということで、富山県県立学校教育振興計画策定委員会が設置されたわけであります。前田議員の述べられたとおりであります。県立学校教育振興計画の基本計画が取りまとめられまして、公表されたわけであります。
ついては、この計画案について、11月19日新川地区で実施され、11月21日には砺波市の文化会館でも説明会があって約150人出席されたと聞いております。計画案の大きなポイントは、学校の再編計画では、前期と後期に分けて段階的に進めるとなっております。前期の再編では、平成24年度までに5校を削減するという案でございます。そのうち1校が実は砺波地方で削減しようという、そういう提案でございます。
これにつきましては、今、前田議員もおっしゃいましたように、県立と私立を合わせた総受け入れ数というものについては、砺波地方としてはあまりほっこりしないということであります。砺波市は、威張るわけではございませんが、15歳以下の人口が7,000を超しているんですね。隣の町のことを申し上げて恐縮でありますが、人口は1万人も多いんですけれども、砺波市よりも実は少ないんですね、随分。小矢部に至っては私どもの半分以下ですね。そういう15歳人口を見た上で、私は入学のことを検討しております。
聞屋さんがおられるからあまりしたことは言えないんですが、実は内々砺波市のことについて話を聞く機会がありました。あんたのところはあまり心配せんでもよいぞということでございますので、前田さんが隣の市と合わせて大上段に振りかぶって要請せいということですが、あまり私がでかい声を出しますと、砺波工業高校や砺波高校を削減されるおそれもありますので、この際静かにしておりたいんです。ただし、溝口さんから協力してくれという、わかりましたよと。といいますのは、砺波から福野、井波、福光へ行っていますね。そんなこともございますので、協力しようという協力体制を実はとっております。
しかし、今申し上げましたように、あまり大上段に振りかぶると、じゃ、おまえのところの学級数を減らしてよそへ回そうかと、こう言われますと私も実は困るわけです。というのは、そのベースは15歳以下の人口、それを見てでも、私はどうしても砺波には今のままの体制でおってほしい。そんなことを実は思っておりますので、前田さんおっしゃるように、大上段に振りかぶってやるのもいかがかなと。ただ、溝口さんが協力してくれということですから、そのことについては協力をしてまいりたいと、このように思っておるわけでございます。
いずれにしても、砺波地区の子どもたちにも影響を及ぼすわけでございますので、このことにつきましては、関係する南砺市で今、教育懇話会というのをやっております。抵抗勢力はないですけど分析をして、この子どもたちをどう対処するかという議論だと思いますが、実は教育委員会からも行っていただいて参画はしているんです。それらの対応を承って行動を展開しようかなと、こう思っておりますので、その点ひとつ議員の皆さんに御理解いただきたいと。おまえちんとしておっておかしいやないかということでなくて、そういう背景もあるということで、いずれにしてでも、砺波に現存する高校については、内々ですよ、内々ですが、どうのこうのという話はございませんので、あまり首長が大きい声を出すのもどうかなと、こう思っておりますので、その点御理解いただきたいと思います。何か言いにくい話を申し上げましたが、御理解をいただきたいと思います。
それから、学校給食の問題ですが、提案があったときにまず私は子どもたちの意見、教員の意見、それから父兄の意見をよく聞いてくださいと、その話を教育委員会に申し上げております。そのとおり話し合いをしたし、現実的には給食も食べていただいたようで、1人の方から市長への手紙で反対の意見がございました、手紙で。理論的には、前田さんのおっしゃるようなそういう理論も1つございますが、ショックを受けたのは子どもが給食センターの食事はまずかったと。本当かどうかわかりませんよ。それが1つございました。
したがいまして、これからはしっかりしたいいメニューでおいしいものを食べさせる、そんなことで頑張りたいと思います。後ほど教育長から説明があると思いますが、私は概ね了解をいただいたと、こういうことでございますので、給食センター方式ということで御理解いただければありがたいと思います。経過等については教育長から申し上げますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田良男君) 前田議員の庄川中学校耐震改修に伴う学校給食方式の御質問についてお答えをいたします。
御指摘のとおり、全国では給食センター方式、それと自校方式、それぞれが地域の実情によっていろいろな選択が出されております。このような中で、砺波市では、合併協議の中で砺波市としての制度の一元化というものを原則にしながら、旧庄川町においては地元の関係団体、それから懇談会や議会の合併特別委員会等でいろいろ議論されて現在に至っております。
そこで、今年度に入り、庄川中学の耐震化と大規模改修を計画するに当たりまして、教育委員会では運営経費、衛生管理、それから市内の中学校との均衡などの総合的な観点から検討するとともに、6月以降、庄川地区の代表者の方々やPTAの皆さんと協議を行った結果、御理解をいただいたと考えて、給食センター方式に移行することにして保護者の方々にお知らせもし、全校生徒、教職員による試食も行いました。なおまた、庄川地区の食品等物資を納入されておられる業者の皆さんにも御説明を申し上げて了解をいただいたところであります。
また、議員御指摘の自校方式のメリット、これにつきましては、現在の学校給食センターでもそのことについては特段に配慮をしております。5年前にオープンをしました。それ以来、地産地消の推進、これにつきましては前田議員も十分御存じだと思います。それから特別給食、すなわち学校行事等に合わせてその学校だけに特別なメニューを配置する。さらには食育指導、このころちょうど小泉内閣が食育という言葉を持ち出してこられた時期でございました。その当時、そのために関係あって栄養職員がたびたび学校を回って食育指導をしております。その記録は研究録となって残っております。このように関係の皆さんの御協力を得ながら、センター方式は5年の歴史を持ちながら徐々に内容を深めてきたところでございます。
なお、全国的には、調理業務の民営化が急速に進んでおります。やはり自治体では直営をしていくというのが難しくなってきたんでしょうね。そういうことですが、我が砺波市においては今後とも直営による運営を進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
以上、事情を説明申し上げましたが、何といいましても庄川中学校の耐震大規模改修という大事業がありますので、そのことも含めて今後とも御支援を賜りたい、御理解を賜りたいと思い、そういうことを申し上げて答弁とさせていただきます。終わります。
◯議長(林 忠男君) 答弁を求めます。
企画総務部長 吉田孝夫君。
〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕
◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、限界集落につきましてお答えを申し上げます。
最初に、限界集落の数と高齢化について申し上げます。
いわゆる限界集落とは、過疎地域におきまして65歳以上の人口比が50%以上の集落を指すというものとされております。11月末の住民基本台帳における行政区ごとの集計で見てみますと、砺波市内の山間地においては砺波地区に1集落、庄川地区に2集落の計3集落がこれに類するのではないかと見ており、その65歳以上の人口比率は57%から77%となっているところでございます。なお、55歳以上の人口比が半数を超える準限界集落に類するものにつきましては、4地区に20集落ほど見受けられるようでございます。
こうして数字だけでとらえるとこのようなことになるわけでございますが、限界集落は人口減少が著しい過疎地域において自治や冠婚葬祭などの共同体としての機能が急速に衰えていくという集落を指しているもので、高齢化の進行だけでこれを判断するものではないというふうに思われます。
次に、集落再生を目指し、全国水源の里協議会と連携をした取り組みはできないかというお尋ねでございますが、全国水源の里連絡協議会は賛同する市町村で去る11月に結成されたもので、限界集落という語彙を水源の里というふうに命名をして、平成22年度の過疎地域自立促進特別措置法の見直しに合わせ、新たな交付金制度の創設など国の過疎対策の措置を求めていく、そういった活動を展開するというふうに聞いておるわけでございます。
砺波市は人口減少が著しい過疎地域自立促進特別措置法に基づく地域ではありませんが、辺地対策の対象地域となっておりますことから、連携を含めて同協議会の今後の活動を注視してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。また、限界集落に類する集落が砺波市にも見られるように、過疎対策の指定地域以外の山合いの集落にも相当数発生をし、全国的な問題というふうに考えられることから、こうした地域の活性化を図るための方策につきましては、全国市長会などでももっと研究すべきかというふうに考えております。
いずれにいたしましても、こうした地域の活性化は、社会基盤の整備も大切ではございますが、もっと大切なことはそこに住む人たちと周辺の人々が交流して、村おこしを図ろうとする地域を愛する気持ちが大切ではないでしょうか。その意味において、市内中山間地域では獅子舞やコスモスウオッチング、山菜まつり、そばや特産の店、そしてスキー場の運営、あるいはギャラリーの展示、それからまた花卉の産地化など、多彩な地域おこしを行っておられます。地域全体がそうして輝いております。これからもこうした活動が末永く続きますよう応援してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◯議長(林 忠男君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(林 忠男君) 質疑なしと認めます。
これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。
議案の常任委員会付託
◯議長(林 忠男君) ただいま議題となっております議案第53号から議案第64号まで、平成19年度砺波市一般会計補正予算(第3号)外11件については、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の各常任委員会に付託をいたします。
◯議長(林 忠男君) 以上もって、本日の日程はすべて終了いたしました。
お諮りいたします。明12月12日から12月18日までの7日間は、議案審査等のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(林 忠男君) 御異議なしと認めます。よって、明12月12日から12月18日までの7日間は議案審査等のため休会することに決しました。
なお、次回の本会議は12月19日午後2時から開会いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
どうも御苦労さまでございました。
午後 1時36分 閉議