平成17年12月 本会議 定例会(第2号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

◯議長(江守俊光君) ただいまの出席議員は21名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
 これより本日の日程に入ります。

                  日程第1
    市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)

◯議長(江守俊光君) 日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第83号から議案第121号まで、平成17年度砺波市一般会計補正予算(第4号)外38件についてを議題といたします。
 これより、市政全般に対する代表質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 20番 山岸銀七君。
  〔20番 山岸銀七君 登壇〕

◯20番(山岸銀七君) お許しをいだだきましたので、自由民主党砺波市議会議員会を代表いたしまして、通告に従い、安念市長に幾つかの質問と要望を申し上げます。
 昨年11月28日に新安念市政が誕生して以来、1年余りの時が流れましたが、国、地方ともに財政事情が悪化する中で、急激に進んだのが平成の大合併であります。合併特例法の適用期限となっております来年3月31日には、全国の市町村数が1,821団体となり、特例法が延長された平成7年当時と比べますと、数にして1,413、割合にして4割を超える市町村が減少することになります。
 一方、県内の状況を見ましても、昨年10月末現在では35市町村であり、福井県と並んで全国で最も少ない市町村数でありましたが、来年の3月末には15市町村となり、6割も減少し、富山県は全国で最も少ない市町村数となることが確実になっております。このように市町村の絶対数が激減しますと、いよいよ都道府県の存在意義が問われる状況になるかと思います。また、急速な合併劇の中で、全国的には幾つかの問題も発生していると拝聞いたしております。
 そのような中で、「互いの顔が見え、心が通い、住民負担の軽減を図りながら行財政改革を行う」という理想的な合併を遂げられました安念市長の御英断に対し、改めて深く敬意を表するものであります。つきましては、輝かしい新砺波市の初代市長として、この1年を振り返り、その感慨と、あわせて将来に向かっての抱負をお聞かせ願いたいと存じます。
 次に、平成18年度当初予算編成の基本方針についてお伺いいたします。
 平成18年度の当初予算は、新砺波市の市長として2回目の予算であり、合併後の砺波市政運営を円滑に軌道に乗せるための基礎となる予算であります。
 我が国の経済は、企業収益が漸次回復し、景気回復も徐々に進んでいるようでありますが、その好調さが地方や家計部門へ十分に及んでいるとは言いがたい状況にあります。さらに、最近の原油高が各方面に影響を及ぼし、国民の生活にも悪影響を及ぼし始めております。加えまして、小泉内閣が進めております三位一体の改革に伴う地方への3兆円規模の税源移譲も決着がついたところでありますが、補助金の削減や各種制度の見直しは、地方の行財政運営に対しては決して満足のいくものではなく、大変厳しい方向に向かっているように思います。
 また、新聞報道によりますと、県の予算編成におきましても、投資的経費のうち、土木、農林における一般単独事業や地方特定事業のシーリングを今年度の倍となる20%減に、さらに一般行政経費も20%減に切り詰めるなど、過去最大のマイナスシーリングとするとのことであります。
 そのような中で作業が行われる来年度の予算編成には、今までにも増して大きな困難が伴うであろうと推察いたしておりますが、今後本格化する予算編成作業において、市長はどのような基本方針をもって臨まれるのか。また、歳入歳出それぞれの面における特徴的な点について、さらに将来の都市像である「庄川と散居に広がる 健康フラワー都市」の実現に向けて、どのような事業展開を図っていこうとされるのか、あわせてお伺いいたします。
 次に、幼稚園、保育所の定員と入園希望者との不均衡是正についてお伺いいたします。
 2004年の我が国の合計特殊出生率、いわゆる1人の女性が一生に生む子どもの数でありますが、1.29となり、史上最低を更新したことは皆さんの記憶に新しいところだと存じます。このような少子化社会にありながら、幸いにも当市では毎年500名前後の出生数をみておりまして、人口が自然増となる元気な市であります。
 そこで、市内の幼児教育を受け持っているのは、幼稚園と保育所であります。内訳は、幼稚園が10園(市立9園、私立1園)、保育所が12カ所(市立11カ所、私立1カ所)でありまして、22施設のうち20施設が公設公営となっております。こういう形態で運営している市町村は、県内では砺波市だけではないかと思います。お隣の高岡市では幼稚園は全部私立ですし、富山市では保育所を一部民間に委託しております。これを見ましても、安念市長の子育て支援に対する主体性の強さが感じられ、全国に先駆けて、県内初の幼保一体化施設を北部、太田地区につくられ、内外から高く評価をされておりますのは周知のとおりであります。
 しかしながら、本年11月現在の幼稚園と保育所の入所状況を見てみますと、幼稚園の定員が850人に対して65%の560人、保育所定数1,210人に対して106%の1,278人となっておりまして、幼稚園と保育所の入園児童のアンバランスが生じております。そのため、保育所では保育士が多人数の子どもを見なければならないことから、一人一人に行き届いた保育ができないなどの問題が出ています。また、幼稚園では1学級の人数が少ないため、子ども同士のふれあいが少なく、行事を行うにも支障を来していると聞いております。
 一方、それぞれの教育と保育内容を見ると、幼稚園では保育が、保育所では教育が取り入れられるようになり、両者の垣根がなくなってきております。実際、保護者の間からも、幼稚園と保育所の内容の違いについてはほとんど見受けられないとの声が多く聞かれます。中央教育審議会でも、「学校施設である幼稚園と児童福祉施設である保育所では、目的や機能において違いはあるが、両施設とも小学校入学前の幼児を対象に保育を行う施設であることから、少子化の進行、保育ニーズの多様化などを踏まえ、連携を進める必要がある」としております。
 こうした現状を踏まえまして、数年前から国では、特区により幼保の垣根のない総合施設を認めており、来年度からは制度化され、本格実施されると聞いております。県内でも、旧福岡町で本年度において幼保一元化施設を2カ所開園しております。
 先ほども申し上げましたが、当市では、幼保一体化施設として北部・太田のこども園には子育て支援センターも設置していることから、多くの保護者の皆さんから好評を得ており、子どもたちの入園希望は定員をオーバーしている状況であります。しかしながら、0歳から2歳までは保育所、3歳から5歳までは幼稚園であることから、保育に欠ける子どもさんは3歳になったときに園を変わらなければならないなどの問題も出ているようであります。また、市内の幼稚園では本年度から午後6時まで預かり保育を行っていますが、朝の開園時間や夏休みなどの問題もあり、なかなか幼稚園の入園数が増えていないのが実態であります。
 このようなことから、幼稚園と保育所の定員と希望者の不均衡是正に向けた新たな対策を講じられるお考えがあるのかお伺いいたします。
 次に、青少年健全育成という観点から、小中学校における生徒指導についてお伺いいたします。
 この件につきましては、先の議会において同僚議員からも質問がありまして、教育長からは、「社会規範を訓育する」ということから、幼保小中が一貫して砺波市全体で取り組める内容を「みんなで育てよう砺波っ子」としてまとめるというふうに答弁されておりますが、現在の状況について教育長にお伺いいたします。
 また、文部科学省は食育基本法を制定し、「早寝・早起き・朝食」を合言葉として「知育・徳育・体育」に「食育」も含め、健全な児童生徒育成キャンペーンを展開しようとしております。これに呼応し、砺波市PTA連絡協議会は、本年度の重点目標として「愛の一声をかけよう運動」と「リズムある生活を送ろう」を掲げ、積極的に運動を展開しております。
 しかしながら、昨今の砺波市の児童生徒を取り巻く社会環境は、大型店の進出や遊興施設の建設が相次ぐなど著しく変化しており、そのため、万引きなどの軽犯罪が増えてきていると聞いております。また、砺波市は砺波平野の中心という地理的条件にも恵まれ、周辺からも児童生徒が集まりやすく、また、広域的な移動も可能なことから、他校との接触の機会も増えております。このことにより、保護者や教師が把握できない中でトラブルが起こることも懸念され、広域的な連携が必要かと思います。
 市長も、常日ごろ「家庭、学校、地域が一体となってこそ、健全な砺波っ子が育つ」と言っておられますし、先の議会で、日常的な関係機関とのネットワークづくりのため、そのパイプ役として、人材を配置する組織を検討しているとの答弁もありました。
 このような中で、市として新年度において青少年の健全育成のための具体的に新たな施策を講じられる考えがあるのかお伺いいたします。
 「子どもたちは家庭で育て、学校が鍛え、地域が磨く」という家庭、学校、地域の連携がますます重要になってきており、行政の果たす役割は大きいものがあると存じますので、有効な手段を講じていただきますよう、市長の積極的な取り組みに期待をいたしております。
 次に、合併後へゆだねられた課題についてお伺いいたします。
 合併時には2,000項目以上の事務事業について調整作業が行われ、その中で、新市において速やかに調整するとされておりました「市民憲章」や「各種宣言」などにつきましては、順調に決定されたところであります。また、各種の計画づくりにつきましても、既に作成されたもの、あるいは鋭意作業中のものなど、概ね順調に推移しているものと推察しております。
 そのような中で、限られてはいますが、1市2制度となっているものが幾つかあり、市民生活に最も密接なライフラインであります上下水道料金がその一つであります。
 合併協議会では、長い歴史的な背景を考慮の上、「5年後を目途に料金の均一化の検討を進める」とされたわけでありますが、この1市2制度となっております上下水道料金につきまして、調整作業の今後のスケジュールと調整の手法についてお伺いいたします。
 なお、この料金格差については、住民の共通認識と理解を得るために、この際、歴史的な背景等についても、あわせて御説明をいただきたいと存じます。
 次に、砺波広域圏事務組合の消防組織の再編成についてお伺いいたします。
 今般の合併によりまして、砺波広域圏事務組合の構成自治体が砺波市と南砺市の2市に集約されました。当組合では、組織体制も抜本的に見直され、幾つかの処理事務についても見直されておりますが、住民の生命と財産を守る最も基礎的な組織である消防組織の再編成についてお伺いいたします。安念市長は当組合の管理者でもありますが、当組合の構成団体たる砺波市の首長としてのお立場でお答え願いたいと存じます。
 消防組織の再編を検討するに際しては、まず応益の状況を分析し、現状の消防力の供給が両市においてどのような実態にあるのか、共通認識することが最優先と考えます。比較検討の指標は幾つかあろうかと思いますが、例を挙げるならば、消防署など施設の配置、あるいは消防車などの台数や配置人員等がその例であります。そして、まずこの応益の実態と費用負担を適正なものにすることが肝要であると思います。これらの調査結果等を総合的に検討の上、消防組織の再編成が行われるべきものと存じます。
 つきましては、消防力の供給に関して、当市と南砺市の応益の実態と、現行の分担金の負担割合についてお伺いいたします。
 また、この見直し作業の中で、防備が手薄となっております庄東地域を対象とした消防施設及び救急体制の整備について御検討いただきたいと存じます。現在、庄東地域には人口6,710人、世帯数1,789世帯の人々が居住生活しております。この地域は、幸いにも火災件数も少なく、喜ばしいことと思っているところであります。しかしながら、救急出動は毎年約5%増加していると聞き及んでおり、この庄東地域も同様と考えております。
 救急では、心停止から5分が蘇生の限界であり、火災は、発生から8分が初期消火の目安とされております。また、新潟県中越地震で山古志村が孤立したことを思いますと、当地域は市の中心域からは一級河川庄川に隔てられ、さらに山間部を抱えるなど、孤立する要素が多々あります。具体的には、庄川にかかる橋の倒落、山崩れによる道路の寸断などであります。この地域は、最寄りの砺波消防署より、距離にして最短でも8キロメートル、最長では約15キロメートル、時間にして約15分から20分程度を要します。しかし、これは片道計算でありますので、救急対応の場合にはさらに所要時間が長くなるわけであります。
 つきましては、庄東地域に居住する市民約7,000人の安全・安心を確保するために、火災・救急出動時の迅速化及び災害時の拠点として、常備消防施設の整備が必要と存じますので、砺波広域圏事務組合常備消防の見直し計画にぜひとも盛り込んでいただきたいと思うのであります。砺波市長としての御所見をお伺いいたします。
 次に、高齢者福祉施設の整備についてお伺いいたします。
 今定例会にも関係議案が提案されておりますが、このたび北部地域での老人福祉施設が整備されますと、市内全域がカバーされることになり、大変喜ばしい限りであります。福祉に対する安念市長の積極的な姿勢につきまして、市民からも高い評価をされており、深く敬意を表するものであります。
 安念市長の御尽力によりまして、当市では各ブロックに福祉施設が順次整備され、福祉事業展開の核となって機能しているところでありますが、一方では、一部施設におきまして老朽化も進んでおります。ちなみに、庄東地区にあります庄東センターは、砺波市社会福祉協議会の施設として昭和53年4月にオープンし、その後30年近く経過しております。庄東センターでは、老朽化が進み、傷んできた箇所については、これまで部分的に補修を行い、機能の維持に努めてきているようでありますが、財政的な問題から小規模改修しか実施されていないようであります。
 庄東地区は市内でも高齢化率の高い地域であり、当センターは地域住民の交流の場として、とりわけ高齢者には安らぎと生きがいの場としてよく利用され、親しまれております。また、来年度からは介護予防事業を行う拠点施設の一つとして位置づけられると聞いております。
 しかしながら、老朽化が著しく進んでおり、小規模な改修では機能を維持するにも限度があると思います。つきましては、この庄東地区の福祉拠点施設として引き続き機能を果たすことができますように、当センターの大規模改修について、次期の総合計画に盛り込んでいただきますよう御検討をお願いするものであります。
 最後に、市立砺波総合病院の医療スタッフの現状に関して、市長にお伺いいたします。
 今年度に入ってから相次いでおります医師の退職や転勤による医師不足の心配であります。特に、内科医は医療スタッフの中でも中枢的な役割を担っていると思いますが、辞められた後の医師の補充が順調に進まず、他の医師への過重労働のしわ寄せや、受診患者の診療待ちの長時間化等が現実の問題としてたびたび耳にしております。さらに、市内の開業医からの紹介患者の受け入れにも支障が出るのではないかと懸念する声も聞いております。
 また、先日開会いたしました病院事業特別委員会におきまして、本年度上期の収入状況について報告がありましたが、総じて収入減とのことでありました。そして、ここで注目すべきは、医師が不補充となっている診療科での減収が大きく、とりわけ不足絶対数の大きい内科での影響が顕著であることから、医師不足は直ちに病院経営に著しく影響を及ぼしているものと考えます。このことから、今後予定されております診療報酬の改定や多額な企業債の償還など、病院経営を取り巻く状況が一層厳しさを増す中で、大変危惧するものであります。
 したがいまして、必要な医師を途切れることなく確保し、優秀な医師を充足させることは病院経営の根幹だと思いますが、現状を見ますと不安を感じざるを得ません。医師の絶対数の不足、とりわけ貢献度の高い医師の相次ぐ途中退職は、ここまで立派になった当病院の診療体制に大きな影響を与えるものと思います。
 また、臨床研修医をつなぎとめるためにも、指導力のある医師の確保が不可欠だと思います。大きな投資で施設が立派なものになったのですから、当面の最大の課題は医師不足の解消であります。そのためには、医師の派遣たる大学の医局との人脈等、良好な連携を保つ努力が必要かと存じます。
 いずれにいたしましても、今日まで築き上げてきた、すぐれて尊い実績を崩すことのないように、そして、市民はもちろん開業医の皆様にも安心して御利用いただけるため、総合病院の安全で信頼できる医療の提供について、安念市長の持ち前の強い指導力を発揮されますよう期待いたしております。
 以上、質問と要望を申し上げ、自由民主党砺波市議会議員会を代表いたしまして、私の質問を終わります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 山岸議員の自民会を代表しての質問にお答えをいたします。
 冒頭、評価をいただきまして恐縮いたしておる次第でございます。
 旧砺波市と旧庄川町が合併いたしまして、はや1年が経過したところでございます。この間、議員各位を初め、市民の皆様方から御支援をいただいて今日に至っておることにつきまして、深く感謝を申し上げたいと思います。
 提案理由の中でも申し上げましたが、市政の発展の一つのバロメーターは人口であろうかと思います。今回の国勢調査で4万9,429人を数え、前回に比べ、増加数では県内最大となりました。したがいまして、合併も順調にその後推移いたしておるものと思っておるところでございます。これもひとえに市民の皆様の住みよい地域づくりに対するお力添えによるものと、このように感謝を申し上げたいと思っております。
 私は、市長の就任に当たりまして、「公平、公正、清潔、そして市民参画」を政治信条といたしまして、市民の目線に立って、それぞれ課題をとらえてまいったところでございます。そして、一体感とこれを醸成するために、市民とともに、いわゆる協働するという方向を目指すために、常に愛と融和を掲げて皆さんにお願いをしてきたところでございます。
 今日まで、新市まちづくり計画を尊重しながら施策を展開してまいりました。合併後の新市一体化に向けて、今は、市民プラザあるいは北部総合施設整備、さらには子どもたちが安心して学べる小学校の増改築など、合併特例債事業を着実に実行するとともに、少子化に対する次世代育成支援行動計画の実行や、砺波野の大地を保全・継承する拠点施設として、田園空間整備事業など重点的に事業を進めてきたところでございます。
 これからは、我々地方自治体も、合併はいたしましたが、地方分権という時代を迎えました。したがいまして、自治の能力を発揮しなければなりません。当市におきましても、この合併効果を生かしながら、職員とともに効率的な市政運営に努めてまいりたいと思っております。
 ここで、現在策定を進めております総合計画に関しまして、少し触れてみたいと思います。
 まず人口の件でございますが、日本は平成18年の1億2,774万人をピークとして、順次人口減少だと言われております。富山県においては、既に平成10年の112万6,000人をピークといたしまして、平成11年から人口減少に転じておるところでございます。
 当市は、おかげさまで現在のところ流入人口も引き続き多くなっております。なおまた、出生率もそれほど低下していない、そのように順調に推移いたしておりますので、このこともこれからの計画のベースになりますので、考慮してまいりたいと。ただ、人口の構成年齢の中で高齢化が進んでおります。したがいまして、私どもとしてはでき得れば生産人口を確保する、そういうことが施策としては必要だと思います。特に、若者が定住しやすい環境づくり、ついては優良企業の誘致を初めとして、今一生懸命やっておりますけれども、都市の基盤整備、そのようにやることによって民間企業も張りついていただけるのではないかと、このように思って努力をさせていただいておるところでございます。
 先ほども申し上げましたが、今日は地方分権、三位一体、いろいろの改革がございます。特に、この改革によりまして地方財政も随分厳しくなってくるわけでございます。補助金の削減、交付税の改革ということで、まだ本年度は決まっていないようでございますが、恐らく小泉さんですからカットしてくるんではないかと、そのように想定をいたしております。地方自治体も、この改革で痛み合うわけでございますけれども、そうかといって希望を持てる砺波市にしなければならない。そういう総合計画を位置づけてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
 いずれにしましても、合併時に作成をいたしました新市まちづくり計画をベースとして、総合計画をつくり上げてまいりたい、このまちづくり計画が基本になると、このように思っております。ただ、まちづくり計画の中で内容的にはもう少し充実しなければいけません。また、さらにカバーしなければいけない問題もございます。そんなことなど、今いろいろ議論をいたしております。このことにつきましても、ぜひ皆さん方の御協力をいただきたいと、このように思っております。つきましては、平成19年度に、この計画を実施させていただきたいと、このように思っておるところでございます。
 したがいまして、これらにつきまして、私の考え方を若干述べましたが、議員各位からもいろいろ御指摘をいただければありがたいと、このように思っておるところでございます。
 これまでの1年を振り返っての感想と、今後の市政運営に対する抱負の一端を述べたところでございます。よろしくお願いを申し上げます。
 次に、新年度の予算編成についてお答えをいたします。
 現在、地方経済は山岸議員も述べられておるように、企業においても個人消費の面においても、底がたさはございますけれども、好況感というのは感じられない。そういう状況ではないかと思っております。こうしたことから、地方財政も自主財源の収入増ができない状況であります。景気浮揚で皆さんが頑張っていただくならば、市税も上向きになるんですが、このような地方における好況感がない状態では市税も増加をしないという、そのような状況を考えなければならないと、このように思っております。
 なおまた、先ほども申し上げましたが、国の一方的な財政削減、そして借金を地方に回すという一面がございます。したがいまして、地方自治体の財政運営はますます困難になるのではないかと、このように存じております。
 そのような中で、私は新年度の予算編成に当たりましては、合併時の初心を忘れることなく、旧市町の一体的な発展と住民との融和を常に念頭に置いてこの予算編成を図ってまいりたいと、このように思っております。したがいまして、財政の関係で皆さん方に十分というような感がないかもしれませんが、そういう基本で編成をさせていただきたいと、こう思っております。
 新年度予算の、いわゆる基本となりますこの新市まちづくりにつきましては、国、県の状況、今新聞報道でありますけれども、随分厳しいものが発表されております。対前年度比概ね10%のマイナスシーリング、引き続き抑制するとともに、当分の間、新市の一体化を図るための投資的事業につきましては、合併特例債を充当して、合併協議を最大限尊重して事業の展開を図りたいと、このように思っております。
 まずは、一般的経費等につきましては10%の削減をせざるを得ないと、このように思っておりますが、しかし、合併協議で定めましたそれらの事業につきましては、予算編成の中に織り込んでいきたいと、こう思っておるところでございます。
 次に、歳入歳出の特徴点についてお尋ねでございます。歳入の基本であります市税収入につきましては、明年は固定資産税の評価替えでございます。御存じのように、地価が下落をいたしております。そうしますと減収になると、このように見込んでおります。市民税等については、おかげさまで他の市町村に比してほぼ横ばいで推移するんではないかと、このように思っております。できれば、好況感があって、それぞれいい決算が出て、各個人も潤ってくるならば税収も増えるでしょうけれども、なかなかそうはいかないのが今の現状でございます。
 それから、今見込みの立ちにくいのは、実は地方交付税でございます。これから、年末にかけて国の予算編成が行われるということでございますが、そのことによってどう左右するのか、その動向を注視していかなければならないと、このように思っております。
 それから、歳出につきましては、先ほども申し上げましたように、一般的には抑制を図りますけれども、新市の一体化で皆さんにお決めいただいたまちづくり等々の基本を大事にして、それぞれ着手しておるものについては立ち上げてまいりたいと思っております。具体的には、健康づくりの拠点でございます市民プラザの竣工、高齢者を主体とした北部地区総合福祉施設の建設促進、また未来を担う子どもたちのための砺波東部小学校の増改築事業を進めさせていただきたい。なお、長らくお待たせをしておりました般若幼稚園の建設に着手したいと、このように思っておるところでございます。
 また、魅力ある都市づくりのためには、杉木地区やあるいは出町東部地区の区画整理事業、街路整備事業等々、市街地、庄川区域を結ぶ市道の整備や、市営バス、交通手段の確保に努めたいと考えておるところでございます。
 公共事業については随分批判がございます。国も県も大変厳しい折ではございますが、都市の基盤をつくるといういう立場から、我々も創意工夫をして、この建設事業などについても重点的に配置をしていきたいと、このように思っておるところでございます。
 さらに、高齢者や障害者、子どもたちが安全で安心して住むことのできる「健康と福祉のまちづくり」が、住みよい町、住みたい町につながることから、これらの諸施策を総合的に進めてまいりたいと存じております。
 その他、産業の振興を初め、課題は大変大きいわけでございますが、事務事業の取捨選択が必要となってまいります。予算編成と執行に当たりましては、議員各位は無論のこと、市民の皆さんの格別の御理解と御協力をお願いしたいと存じております。
 今、当面思っていることを申し上げたわけでございます。ぜひこのような考え方で、この後予算編成等、あるいは査定等を進めさせていただきたいと、このように存じておる次第でございます。
 次に、幼稚園、保育所の定員と入園希望者の不均衡是正について申し上げます。
 山岸議員御指摘のとおり、幼稚園と保育所の入園児童数の大きな不均衡が生じておることについては認識をいたしております。このように、保育所で年々入所児童数が増えております、その要因といたしましては、女性の社会進出、それから就業形態の多様化、朝夕を含め長時間にわたり保育を希望する保護者が増えてきていること、また核家族化により、ゼロ歳児から低年齢児の保育希望が増えてきていることが考えられます。
 一方、幼稚園では、通常の教育時間終了の午後2時から2時間ないし3時間の預かり保育を平成13年度より実施し、本年からは全園で午後6時まで延長実施するとともに、夏期休業中は2カ所の幼稚園を拠点として預かり保育を実施してまいりました。しかしながら、入園児が増加しないのが現状でございます。このことについて、園児募集時のPRが行き届かなかった点もあろうかと思いますが、拠点以外の長期休業中の預かりが行われていないこと等もあると思っております。来年度からは、北部・太田幼稚園のほかに、五鹿谷と東野尻幼稚園においても、夏期等長期休業中の預かり保育を実施する検討をいたしております。一部保育所の定員増を少しでも解消し、幼稚園の施行を増やしてまいりたいと、このように思っております。
 私は、幼児教育の重要性から、幼稚園を完全に保育所化すること、あるいは質問の中にもございましたが、民営化する、そのことについてはあまり賛成はしておりません。保護者に対して幼児教育の重要性を再認識してほしいと、このように思っております。幼児教育、小さいときの教育というのは大切だという意味で幼稚園があるわけですから、そのことをよく理解していただいて、なお、さらに延長保育等をやっておりますので、そのことを保護者に理解をしていただければありがたいと、このように思っておるところでございます。
 これからも、この教育、保育という形態をどうするのか。もう少し議論をさせていただきたいと思いますし、そのサービス内容等々につきましても、よく保護者の意見も聞きながら対処してまいりたいと思います。そして、少子化時代に対応する一つの施策として、今後、十分検討していきたいと、このように思っておりますので、この点御理解をいただきたいと、このように思っておるところでございます。
 次に、青少年の健全育成について申し上げます。
 砺波市の、子どもたちを取り巻く社会環境は激変をしておると思っております。青少年の反社会的行為が、今あちこちで散見をしておるところでございます。なおまた、大人の中でも、非社会的な悲惨な事件を起こすことも毎日のように報道されて、大変困惑いたしておるところでございます。
 先般、砺波市内の防犯パトロール出発式がございました。その折にも、青少年軽犯罪等の多くなったことが報告されておりまして、大変憂慮にたえないところでございます。これらの青少年は、保護者や教師が把握できないところで結びついておるようでございます。生徒指導で、学校が大変苦慮をされております。この隘路を絶つことは、なかなか問題もあるようでございます。そのことは、皆さんで十分御理解をいただきたいと思います。学校もそれなりに一生懸命努力をされておるようでございますが、私は、まず何よりも学校、家庭、社会が一体となって対処することだと、このように思っておるところでございます。つきましては、その連絡調整として、その体制づくりにつきまして、教育委員会に今お願いをいたしておるところでございます。このことにつきましては、教育長からも支援内容等についてお答えをいたします。
 次に、上下水道の調整について申し上げます。このことについては、少し長くなりますが、まず歴史的なことを申し上げたいと思います。
 旧砺波市の水道事業は、北陸初の近代水道として、大正14年から通水を開始し、既に80年を経過いたしております。この間、市政の発展とともに、9次にわたり拡張を進め、庄川町種田地区を含む市内全域に上水道の整備を進めてまいりました。給水人口の増加に伴い、既存水源では不足するようになり、安定供給を図るため、昭和51年から砺波広域水道事業所により受水し、その受水費が給水原価を引き上げております。水道料金が少し高くなった要因もあると存じておるわけでございます。
 一方、旧庄川町の水道事業は、昭和39年に創設して以来、簡易水道事業の統合など4次にわたる拡張を経て現在に至っておるところでございます。旧庄川町の水道は、その大半が地下水などの自己水源で賄われており、砺波広域水道事業所からの受水量が少ないことや、企業への供給量が大きな割合を占めることなどから、水道料金は比較的安く設定されたと存じております。
 現在、旧砺波市の給水区域では従量料金制を採用して、一般家庭の平均使用水量である1カ月当たり20トンで3,202円となっております。また、旧庄川町の給水区域では基本料金制を採用し、同じく20トン使用で2,478円となっているところでございます。
 一方、公共下水道事業においては、砺波市は昭和59年に事業に着手し、平成3年から一部供用を開始し、旧庄川町は昭和60年に事業に着手し、平成4年に供用を開始されているところでございます。また、農村下水道事業では、旧砺波市において、東般若地区が平成4年に事業に着手して、平成8年から供用開始しているところでありまして、般若地区は平成6年に着手し、平成10年から供用開始し、栴檀野地区は平成9年に着手し、平成13年から供用開始されているところであります。旧庄川町においては、雄神地区は昭和57年に着手し、昭和63年から供用開始されているところでございます。下水道料金につきましては、維持管理費と資本費をもとに算定し、砺波地域の近隣市町村の料金体系を参考にして設定されたものでございます。現在、旧砺波市の配水区域では、基本料金が従量料金制を採用し、家庭用20トン使用1カ月当たり3,150円となっております。旧庄川町の配水区域では同様の料金制を採用し、同じく20トン使用で2,847円となっております。
 合併協議会では、上下水道料金について「新市において漸次調整するものとする」と、このようにされたところでございます。1つの公共団体において上下水道料金が異なることは、負担の公平の原則からも、早急に料金の調整を進めなければならないと考えるのは当然のことと思います。このことは合併協議会で定められたことでございます。議員各位もこのことは十分御承知だと思っておりますが、山岸議員さんは、合併協議会の委員でもあったこと、あるいは議員としての経験も豊かな方でございますが、あんまり杓子定規なことを申し上げていただくのもどうかと、私はそう思っております。先般お決めになったのは一つの憲法だと思っておりますので、もうしばらくお待ち願いたいと、このように思っております。
 料金の調整につきましては、いずれ何かしなければなりません。お互いの独立採算制のこともございます。そして安定して供給し、ライフラインでもございますので、そのような観点に立って進めたいと、こう思っております。
 この合併協議の指示に基づきまして、私は、上水道料金等につきましては、広域水道事業所の料金がこれからもう少し安くできると思っております。この値下げの際には、多くの原水をもらってきておるわけですから、それが下がります。その際に見直しが考えられると、私はそのように思っております。いずれにしても、それぞれ独立採算制でございますので、安定経営を見た上で料金設定の改定を図りたいと、このように思っておるところでございます。
 いずれにしましても、この上下水道というのはライフラインでございます。市民生活に少なからず影響があることが予想されます。今後、議会ともよく相談をさせていただいて、改定等の作業を進めさせていただきたいと、このように思うところでございます。
 次に、広域圏の担当しております常備消防・組織等についてであります。
 この常備消防等につきましての現在の負担金、負担の割合、応益について申し上げたいと思います。
 まず、現行の分担金につきましては、共通分担金として、経常的経費や施設整備費と起債償還費用が対象となりますが、それぞれ基準財政需要額で80%、人口割で20%として算定されております。算定後の両市の分担金の割合は、砺波市が約40%、南砺市が約60%となっております。これに対する応益の状況でございます。受益となる人口は砺波市が約5万人弱、南砺市が6万人弱と相なるわけでありますが、署などの施設につきましては、砺波市には1本部1署、南砺市には4署1出張所がございます。また、実践力であります消防署の配置人員、本部職員を除きますが、砺波市内の職員数は39人で31.7%、南砺市内の職員数は84人で68.3%となっております。さらに、消防・救急活動用車両数で見ますと、砺波市には7台25%、南砺市には21台75%の配置という数字となっておるところでございます。
 基本としては、そのような分担と応益の体制となっておりますが、私は今、分担金の算定、組織の再編等について提案中でございます。いろいろ議論のあるところでございますが、いずれにしても、この1市1署体制というのはどこもまかり通っておるようでございますので、ちょっと南砺市には厳しいかもしれませんが、そのような提案をさせていただいておるわけでございます。
 新しい行政単位ができましたので、今私が申し上げましたような消防組織の再編成が必要だと、こう思っておりますので、この業務について進めさせていただきたいと、このように思っておるところでございます。
 いずれにしても、消防は広域的でございます。両市の行政とも連携をともにしながら、この非常備消防力や市民との協働によりまして、安全で安心なまちづくりの形成のために重要な課題だと思っておりますので、その点御理解をいただきたいと、このように思っておるところでございます。
 続いて、庄東地域への常備消防施設の配置及び救急体制の整備について、要望にお答えをいたします。
 まず、消防力の指針におきましては、火災の延焼防止を優先するため、議員御指摘のとおり、消防活動においては出動から放水開始までの所要時間として、放水準備時間の平均2分を含め約6分を超えると急激に延焼率が高まるとされております。また、救急活動においても、時間的対応が求められることから、市民の安全・安心を守るために、鋭意体制整備を努めなければならないと考えております。
 なお、国の指針によりますと、署は人口1万人程度の市街地を擁する地域に配置するものとされております。また、救急車は本年6月に指針が改正されまして、概ね3万人ごとに1台が目安とされ、現在、砺波消防署では2台が配置されている状況でございます。このような指針に基づきますと、市としても何とか対応できるという状況だと、私はそう認識いたしております。
 庄東地域における、砺波消防署からは、確かにおっしゃるように時間もかかりますし、それから災害時における道路の寸断等を考えるときに、孤立することも想定しなければならない。おっしゃる気持ちはよく理解をしておるところでございます。そこで、新たな常備消防を配置するということにつきましては、旧砺波市議会でもいろいろ議論のあったところでございますし、要望もあったところでございます。砺波広域事務組合における合併後の常備消防力の再編中でございます。先ほど申し上げましたように、署の縮小を今提案をいたしておるところであります。
 したがいまして、この再編をまず片づけさせていただきたいと思います。なおまた、情報化時代ですから、情報を十分利活用するということでございまして、あまり屯所や詰め所という時代ではないんではないかと。これはものすごく運営費がかかるんです。人件費を含めて運営費もかかります。それは全部市税にかかってくるわけですから、この点も総合的に考えなければいけないと、私はそう思っております。
 何度も申し上げますが、今、全体の常備消防の再編を計画して提案をしておりますから、これを一つ片づけさせていただきたい。今新しくこう言いますと、これは広域圏業務でありますから、広域圏で恐らく議論が伯仲して、大事な再編もできなくなると思いますので、山岸議員、ベテランの議員ですから、あまりわあわあ言わないでほしいと、このように思っておるところでございます。
 次に、庄東センターが建設されましてから27年が経過して、大改修をしなさいと、こういう要望でございます。建設いたしましてから、この間、屋根の修理をいたしましたり、内装の改修をしたり、あるいは給湯設備などを更新して、必要な時期には必要な改修を行ってまいりました。なおまた、明年は、要望もございまして浴槽の補修も予定をいたしておるところでございます。
 そこで、議員からの大規模改修ということでございますが、今のところ大々的な改修を必要とするような不都合なことが特にないという状況でございます。いろいろ指摘があったところでございますが、担当者からもそのように聞いております。
 今後とも、利用者の安全面に配意しながら、庄東地区の福祉の拠点として、多くの市民の皆さんに利用いただけるような、適時適切な維持管理に努めてまいりたいと思います。高齢化時代を迎えての大事な要望事項だと思いますが、いましばらく検討させていただきたいと、このように思います。
 次に、総合病院の医療スタッフの確保等についての御質問に、私から総括的にお答えをいたします。
 医療スタッフの確保についてでございますけれども、医師不足につきましては、当院だけではないようでありまして、新聞を見ますと、あちこちでも診療科を閉鎖するような事態が発生しており、全国的な問題であるというふうに聞いておりますし、非常に憂慮しているところでございます。
 厚生労働省も、放置できないことから、いろいろ検討を行っているところでございますが、去る7月に医師の需給に関する検討会の中間報告がございました。その報告の中では、医師は年間4,000人も増加しているようであります。それにもかかわらず、依然として医師不足が生じておると言われております。これらについての原因はいろいろあろうかと思いますが、病院長も、今一生懸命努力をされております。私は、病院内全体でこれらについての対応をすべきものと、このように思っております。この医療界といいますか、特別な世界でございますので、なかなか私どもが直接お願いするというような立場でも、立場といいますか、立場はあるんですが、入り込めない、そういう面では困惑をいたしておるところでございます。
 なおまた、医療制度の改悪で、いわゆる人材も経営も、随分厳しい時代を迎えると思います。先般は、自治体病院協議会でこの制度改正について要望をしたところでございます。なかなかいい返事が得られないのが実態でございます。
 細部等につきましては、病院長からお答えをして、答弁を終わりたいと思います。
 終わります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 教育長 堀田良男君。
  〔教育長 堀田良男君 登壇〕

◯教育長(堀田良男君) 山岸議員の御質問にお答えいたします。
 青少年の健全育成の中の「みんなで育てよう砺波っ子」の取りまとめ状況でございますけれども、先の議会でも答弁申し上げましたが、「みんなで育てよう砺波っ子」の作成状況は、10月中に市内の有識者423名の皆さんにアンケートをお願いしました。そのうち402名の皆さんから回答を得ました。その分析を進めております。その結果、非常に貴重な御意見を賜りましたので、この席をかりましてお礼を申し上げるものでございます。
 その調査等をもとに、社会規範の訓育の柱となる目標を定め、子どもたちの発達状況に応じながら、その具体的な状況をまとめて、全市で取り組めるまちづくり運動として行動を開始したいと、その準備を進めております。
 次に、青少年の健全育成のための具体的な施策についてでございますが、市長からも一部答弁がございましたけれども、学校・家庭・地域が一体となって、関係機関と連携した非行防止活動の体制づくりとしまして、新年度から市内の小中学校と関係機関とのパイプ役として、教育センターに生徒指導連絡調整員を配置できないか。その具体的な活動内容はどうすべきかも含めて、検討を進めているところでございます。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 病院長 小杉光世君。
  〔病院長 小杉光世君 登壇〕

◯病院長(小杉光世君) 山岸議員御質問の、医療スタッフの確保についてお答えいたします。
 医師不足につきましては、当院のみならず全国的な問題でありまして、非常に憂慮している状況であります。
 先ほど安念市長からもありましたけれども、厚生労働省も、放置できないことから、いろいろな検討を行っているところであります。今年の7月に、医師の需給に関する検討会の中間報告がありました。その報告の中では、先ほど安念市長が言いましたとおり、医師は年間約4,000名増加しています。医学部卒業生は約7,700名でございます。ただし、医師も引退しますし、亡くなられる方もありますので、差し引き4,000名ぐらいが増加しているというふうに御理解いただければいいかなと思います。ただし、4,000名増加しているにもかかわらず、依然として医師不足というふうなものが日本全国で感じられておりますし、私たちもそのように考えております。医師過剰の予測をもとに、1993年から医学部定員が削減されました。7.7%であります。その継続が1997年閣議決定され、今日に至っております。しかし、その予測をはるかに超えた医療事情の変化が、ここ10年間で起きたと考えられます。
 それについて若干説明させていただきます。
 その変化の理由として、需要側の変化と、供給側の大きな変化が挙げられるのではないかとしています。まず、需要側の変化として、1つ、インフォームドコンセントの普及を初めとして、患者と医師の関係が変容している。治療方針の内容やその危険性について、患者さんに十分説明することが求められておりまして、患者1人当たりの診療時間が実質上延びております。高齢化に伴い、医療が対象とする疾病構造が、従来の感染症中心から、現在はがんや脳卒中、心疾患を中心に変化してきております。これらは、感染症に比べ、継続的な経過観察、治療を必要とするケースが多く、実質診療時間の延長となっております。さらに、医療が高度化、専門化、細分化していることに伴い、1人の患者に対する複数の専門分野の医師がチームで医療を行うことが求められております。患者さんの側にも専門医志向が強くなっておりまして、初期段階から専門分野の医師による診療を求める傾向が強いことは御存じのとおりでございます。以上より、医療需要が大きく増加してきました。
 一方、供給側の変化として、医師の専門化が進み、結果として1人の医師が対応できる患者や疾病の範囲が縮小しております。また、最近の傾向としまして、医学部の医学生に女性の入学が非常に増えておりまして、その結果、女性医師の数が平成に入って対前年で約10%以上の伸びを示しております。全医師数に占める割合も年々増加し、近年ではほぼ拮抗するような形になっております。
 誤解のないようにちょっと言いますけれども、女性医師は男性医師に比べ、出産とか育児における労働の一時的な中断や短縮がありまして、平均した生涯労働時間は男性に比べ少ないことは当然のことでございます。そういった女性医師の比率の増加が、結果として医師数の増加に見合った診療量の増加をもたらしていないことが考えられます。これらは供給側の人的資源量の減少を意味しております。
 次に、医師供給体制の激変があります。臨床研修にマッチングシステムが2年前から導入されまして、研修医が出身大学にとらわれず、研修施設や研修プログラムの内容に基づいて選択することが可能になったことにより、研修医の流動化が起こりました。さらに、医師の供給源であった大学の独立行政法人化(独法化)によりまして、大学が指導医の確保に動いたため、大学から関連病院への流れが逆になりまして、いわゆる逆転減少が起こっております。さらに、医療機関、診療科、地域などによって、医師の偏在があるのではないかと考えられます。例えば、当直などで長時間労働が余儀なくされる勤務医を避け、相対的に拘束時間の短い診療所を志向して開業する医師が増え、病院の勤務医から開業医へというような医師のシフトが起こっています。特に、平日の日中のみ診療を行う診療所が増加し、その結果、夜間救急の対応が求められる病院勤務医の負担の増加を招いています。これが当院にとりましても大きな課題であることを申し添えておきます。
 昨年度から、国立大学が法人化しまして、それによる医師引き上げは先ほど説明しましたが、さらに、労働基準法が厳密に適用されつつあることで、医師の選択権の権利が実行されることになりまして、地域別格差が拡大していると認識しております。地域医療を守っている医師の多くは引退年齢に差しかかっておりますし、地域によって代替する医師が確保できず、地域別格差がさらに拡大しております。
 医師の間に、特定の診療科や地域に行くことを避ける傾向が高まっていることも問題であります。具体的には、病院における産婦人科や小児科を含む救急医療のような長時間の過重労働を強いられる診療分野に継続して従事する医師が減少するなど、診療科別格差も拡大していることなどの提言が中間報告でございます。今後は、さらに産婦人科医、皆さん方は御存じないかもしれませんけれども、外科医の入局者が地方大学で激減すると予測されております。
 そこで、当院におきましては、先ほどから述べておりますように、全国的な流れのある中で、病院全体としては医師の確保については善戦しているのではないかと考えております。議員のおっしゃるとおり、病院の中枢である内科問題は、一部の問題でございませんで、当院医師確保に関する正しい診断と治療対策が必要と考えております。
 現在のところ、開業された医師のうち、内科の一部以外は充足できる見込みであり、さらに内科を含めた他の診療科の医師の確保のため、現在、大学あるいは大学の医局や知人を通じて、医師派遣や情報を収集しているところであります。
 また、昨年度から義務化されました臨床医師研修医制度、当院では今年2年目を終わる予定の医師が4名おりますが、4名のうち、当院の後期研修医として2名勤務する予定になっておりまして、医師確保に向けての新しい流れができつつあるのではないかと思っております。
 いずれにしましても、議員指摘のとおり、優秀な指導医師と部長を確保して、若手医師が集まり、またそれによって患者さんに安心して来ていただけるマグネット病院、マグネットホスピタルづくりに邁進したいと考えております。
 以上で答弁を終わります。

     市政一般に対する質問並び提出案件に対する質疑(一般質問)

◯議長(江守俊光君) これより、市政一般に対する質問並びにただいま議題となっています提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 9番 嶋村信之君。
  〔9番 嶋村信之君 登壇〕

◯9番(嶋村信之君) 通告のとおり、市政一般について、提案並びに質問をいたします。
 定例会の冒頭、市長が提案理由説明の要旨で述べておられましたが、三位一体の改革による、国から地方への補助金削減と税源移譲、地方交付税改革の全体像が明らかになってまいりました。今後、地方財政の改革が一段と求められることは明白であります。また、本市における一般会計のうち、市税歳入の6割を占める固定資産税の評価替えが、平成18年度には見直しをされることになっております。他方、県でも一般公共事業費の歳出20%カットを打ち出すなど、財政状況は大変厳しいものがあります。
 さて、本市は「庄川と散居に広がる 健康フラワー都市」の実現に向けて、現在、平成18年度予算編成の準備段階となりますが、重点政策について、どのような構想を抱き、いかなる事業を推進しようとされているのか、予算編成方針をお伺いいたします。
 次に、本市の施策推進と、以下のことについて要望いたします。
 本年実施された国勢調査の予測では、人口減少社会に突入すると指摘されております。幸い本市は、県内において人口の伸びが1,337名と一番高いわけであります。一方、高齢化も急速に増加が予測される今日、最も重要な課題、それは少子化対策であります。少子化の進行は、経済を初め、財政、社会保障、教育、社会資本整備などあらゆる面に影響を与えます。本市でも、子ども優先の社会を考え、具体的な少子化対策を進めなければ、将来、豊かな5万都市は望めません。そこで幾つか質問いたします。
 まず、少子化対策は、福祉市民部のみならず、あらゆる担当部局、教育委員会など、縦割り行政を超えた取り組みが必要であることから、(仮称)次世代育成支援担当部などを設けて、横断的な連携、協力が円滑に行われるよう努力すべきと考えます。御所見をお聞かせください。
 次に、医療費助成についてお尋ねいたします。
 子育てアンケートの中で、最も多いのが「経済的支援を求める声」であります。特に、医療費助成制度については、自治体間での違いが出ることから、本市が子育て支援をどこまで優先課題としているのか。その評価を受けやすい施策の一つであります。本市は、国に先駆けて就学前までを助成しておりますが、今後、小学校3年生、小学校6年生までに対象年齢を引き上げた場合の試算と、今後の拡充策についてお聞かせください。
 次に、人づくりのための教育予算増の配分についてお尋ねいたします。
 イギリスのブレア首相に対して、マスコミが「重要な政策を3つ挙げてください」と質問したところ、首相は「1に教育、2に教育、3に教育」と答えたと仄聞しています。まちづくりの根本も、教育であり、人づくりであります。厳しい財政状況ではありますが、教育にはできる限りの予算配分をしていただきたい。もちろん、教育といえども改革すべき点があれば、見直すこともやぶさかではありません。さらに、教育する側の意欲を高め、教育を充実させるため、教育充実プランを募り、すぐれた企画には支援を行い、実施していただくことを要望いたします。
 次に、福祉に関してお尋ねいたします。
 我が国では、障害者のノーマライゼーションがなかなか進んでいないのが実態であります。障害者及びその家族の要望の中で多いのは、「仕事につきたい」「仕事をして自立し、生きていく支え、自信や誇りを持ちたい」など願いは切実であり、それに応えるため、真剣な努力をお願いいたします。その一環として、市当局が企業に働きかけ、福祉作業所のある企業を市内に誘致し、障害者が身近に働くことのできる場所をつくることに取り組んでいただきたく要望いたします。
 次に、市町村が運営する病院が患者に診療費を請求できる期間は診療後3年あるいは5年かで争われました訴訟の上告判決が、先月最高裁第二小法廷であり、同小法廷では「民間の病院と同じく3年とすべき」との初判断を示しました。民間病院では、民法で時効が3年とされております。
 一方、市町村立の病院では、公の施設一般の請求権などについて規定する地方自治法などに基づいて「5年」と運用が一般的でありました。それは、千葉県の松戸市立病院が、診療から3年を過ぎた分を含めて約913万円の診療費請求訴訟への判決であります。そこで、砺波市の平成16年度の病院事業会計決算書では、医業未収金の不納欠損処分額は390万5,000円であります。5年から3年に短縮した場合、不納欠損処分額はいかほどか。また、あわせて今後の対応についてお答えください。
 次に、納税者たる市民の立場から、以下を提案いたします。
 1つ目には、平成17度当初予算の市単独団体運営補助金は1億4,100万円余りとなっております。本市の各種補助金を見直す上で、各種補助金を全面的にリセットし、一定年度ごとにNPO支援など新たなニーズに対応できるよう、支給対象も新旧同一基準に立ち、明確な第三者評価に基づく支給制度を整えるよう提案いたします。
 2つ目には、各種委員会、審議会などの充実と見直しについて提案いたします。
 市民や有識者の声を聞くことは重要であります。本市独自の条例に基づいて設置したものと、委員会、審議会が発足した当初と異なり、環境も変化しております。必要度を再評価したり、他の方法で代替できるものについては代替したり、必要ならば構造改革特区申請を行うなど各種工夫をして、活性化と見直しを並行して行われるよう提案いたします。
 3つ目には、市の収入増対策として、民間広告の拡大を提案いたします。
 他の自治体では、既に市のホームページへのバナー広告、ごみ分別のパンフレット、案内標識、公共施設、市営バスの車体全体にラッピング広告、ごみ収集車などに広告を掲載しております。また、例えば本市のホームページの子育て支援のサイトを見ると、ベビー用品店等の広告があれば、広告効果も大きく、掲載希望もあると思われます。このように、大は公共施設から、小は市の広報、母子手帳、パンフレットに至るまで、小さな本市といえども、広告収入を拡大する余地が大いにあり、公共性や品格を損なわないことを条件に、拡大されるよう提案します。以上、市長の答弁を求めます。
 次に、市民サービスの向上について、以下の諸事項を提案しますので、助役の答弁を求めます。
 1つ目には、平成18年度には、政府は住民票の写しや戸籍謄本などの6種類の証明書を発行する地方自治体の窓口業務を民間参入としております。市民の利便性の高い部門に限定した市役所の土日開庁については、共働き世帯も増えており、ニーズは多いと思われます。既にかなりの自治体で市民の要請に応えて開庁しており、その多くは保険、年金、市民窓口、税務課などに限っております。本市における土日開庁は、職員配置の問題もありますので、午前中だけの開庁など、本市に可能な最適な方法で早期に実施していただくよう要望いたします。
 2つ目には、ネットサービスの啓発・拡大と、さらに見やすいホームページの推進についてであります。
 本市でも、各種申請書などがネットで取り出せるようになっています。そして、担当者の努力により、当初に比べ種類が拡大され、市民の利便が増したことに対し感謝しております。その他、スポーツ施設予約、図書館蔵書検索、メールによる問い合わせなどサービスが拡大していますので、適宜市民にホームページだけでなく広報でもお知らせをし、市のサイト訪問者を増やし、建設的な意見をいただき、パブリックコメントの実も上がるよう図っていただきたい。
 ネットサービスの拡大やホームページの充実は、さらに今後多様なネットサービスが提供され、電子認証によるカードを利用したさまざまなサービスが行われる電子自治体が実現されるよう視野に置いた質問であります。また、市民からの「市長への手紙」なども公開し、より一層パブリックコメントを推進していただくよう提案いたします。
 3つ目には、安心・安全なまちづくりの推進の観点から、郵便局の職員の協力を得て、道路や付属設備にかかわる危険箇所や、破損箇所の報告、その他市民生活に関して注意すべき事項の報告を郵便局からインプットする体制づくりを提案します。
 次に、教育改革について教育委員長にお尋ねいたします。
 過日発表されました中央教育審議会の答申「新しい時代の義務教育を創造する」には、国が目標の設定、基盤整備と教育結果の検証を行うとともに、市町村と学校の権限と責任を拡大し、義務教育の質を保証するという大きな改革の方向を示しております。また、今回の見直しにあわせて提言されたように、教職員人事権の移譲など市区町村、学校現場の権限と責任の拡大も図られております。
 一方、教育課程審議会では、今回の教育課程基準の改善に当たり、教育改革が進む中、子どもたちの健全育成に向けた地域社会のあり方が問われております。地域社会の信託に応えられる学校づくり、地域社会が子どもとかかわり、見守り、支え、応援していく家庭・学校・地域社会の連携づくりが大きな課題となっております。そのためには、家庭や地域社会の教育力の回復・充実を図り、学校と家庭・地域社会の連携を一層進め、学校がその特色を生かし、創意工夫を凝らした教育活動を充実するとともに、地域を挙げて子どもの成長を支援していく取り組みを展開していくことが求められております。
 そこで、1つには、今述べましたとおり、今改めて問われている地域の教育力についてお答えください。
 2つ目には、多彩で多様な教育活動、地域に育まれる特色ある教育活動についてお尋ねいたします。
 生きる力を育むためには、児童生徒の自主性と主体性を図り、自己責任の重さを学ばさせ、自分の将来を切り開くのは自分自身であり、未来の自分に会えるかどうか、夢に描いた自分になれるかどうか、その責任は自分自身にあることを自覚させることが、家庭教育における親の、地域社会における大人の大事な務めであり、未来を託す次の世代への責任でもあります。「地域に愛され、地域に育まれる学校」をつくるには、学校もまた地域社会への貢献が求められる時代へと変わってきております。学校として、地域社会を巻き込んだ、教育活動の創造に責任を持たなければならない時代になってまいりました。
 これからは、それぞれの学校が、特色ある学校づくり、特色ある教育活動を、保護者や地域社会の願いや声を聞き、地域社会と一緒につくっていくことが大事であります。その結果が学校の伝統として学校や地域社会に受け継がれ、大事に育まれていくものと思います。さらに、地域社会が学校とかかわってこそ、子どもの学習活動は豊かになり、地域社会が子どもを見守ってこそ子どもの安全が確保され、地域社会が子どもを支えてこそ子どもの健全な成長が期待できます。
 教育改革が求められている現在、教育委員会の使命と責任の重要性の立場から、御所見を伺います。
 次に、教育長にお尋ねいたします。
 1つに、子どもたちの登下校時の安全対策についてお尋ねいたします。
 昨今、子どもをねらった犯罪が多発しており、先日も、広島県、栃木県で小学校1年生の女児が下校時に相次いで犠牲になるという痛ましい事件が起こってしまいました。本市におきましても、路上での不審者情報が発生いたしております。このような状況から、子どもたちを守るために何ができるのかを真剣に検討していく必要があるのではないでしょうか。
 本市におきましても、学校で要望されることは、ボランティアや地域の協力員によるパトロール体制の整備とスクールガードの配置であります。また、学校内施設の防犯設備の強化を図る必要から、教職員に常時携帯できる無線端末機を配備し、緊急時には端末機から直接校内放送ができる緊急警報システムの導入などが望まれますが、これらに対するお考えを伺います。
 さらに、学校から保護者への携帯メール等を利用した情報配信システムについて提案させていただきます。
 現在、何か起きたとき、家庭に知らせるプリント方式では、保護者の手元に届くまで数日が経過しております。このような状態では、子どもたちに注意の言葉もかけられないのが現実であります。他県では、児童生徒の安全にかかわる緊急情報を迅速かつ的確に伝達するため、学校から保護者の携帯電話等にメール配信をする事業を、小中学校で実施をしております。このシステムは、危機管理対策室から入る事件・災害の発生情報や各学校のさまざまな連絡を、保護者に対して迅速かつ漏れのないメール配信で行うことにより、注意喚起を促し、地域の安全性を高めるために大変有効であると考えられます。本市におきましてもぜひ実施すべきと考えますので、御答弁を期待しています。また、各学校の安全マップの作成状況について、あわせてお答えください。
 2つ目に、「自動体外式除細動器」AEDの設置についてお尋ねいたします。
 現在、心臓突然死は年間4万人とも言われております。この突然死の中で最も多いのが心室細動であり、この心室細動が起きた心臓を元に戻すには、電気ショックを与えるしかありません。それを可能にするのが、「自動体外式除細動器」いわゆるAEDであります。
 以前、AEDの使用は医療行為とされ、医師にしか認められませんでした。しかし、処置が1分遅れるごとに生存率が10%ずつ下がる「心室細動」では、一刻も早い電気ショックが必要になります。このため厚生労働省では、昨年7月から救命の場に居合わせた一般人の使用も認められることになりました。AEDは音声ガイドに従って使う仕組みになっており、だれにでも使用が可能であると言われております。県医務課によりますと、現在、AEDは県庁、県民会館などホール、スポーツ施設を中心に35の県立施設に配置されております。
 過日新聞で報道されましたが、学校関係では、11月に入善町が県内で初めて全小中学校9校に配置。また、小矢部市も来年4月に導入することを決定しております。少子化を迎えている中、子どもの安全を守るとともに、教育現場で児童生徒一人一人の生命の大切さを教える上からも、ぜひAEDを配置することを強く要望いたします。
 3つ目には、教室の天井高についてお尋ねいたします。
 政府は11月1日の閣議で、建築基準法施行令を改正し、教室の天井高を3メートル以上とする規制の廃止を決め、今後、天井高は地方自治体など設置者の裁量にゆだねられ、オフィスビルなどで一般的な2.7メートル程度にできるようになりました。
 規制撤廃のきっかけは、埼玉県草加市が昨年6月に行った構造改革特区申請。同市は、校舎建設コストの節約などを理由に、天井高の規制緩和を求めておりました。また、学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議は、今年9月8日「天井高さ3メートルの最低基準は廃止することが適当」とした報告書を文部科学省に提出。これを受け、文部科学、国土交通の両省が規制撤廃の方針を固めました。
 報告書では、教室の天井高について、1.児童生徒に与える影響、2.諸外国の事例、3.建設コストの分析などの観点から検討。教室の天井高と各階の階段の高さを30センチメートル下げると約5%の総工事費を削減できるとの試算が示されたほか、実測調査をもとに、児童生徒の心身の健康に与える影響については、天井高3メートルと2.7メートルでは大きな差は見られないとしております。
 そこで、現在、砺波東部小学校の教室棟が平成18年度から建設されるわけですが、財政厳しい状況の中の建設でありますので、早急に御検討してくださいますよう、よろしくお願いいたします。
 実りのある答弁を期待し、以上で一般質問を終わらせていただきます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 嶋村議員にお答えをいたします。
 最初に、平成18年度の重点施策と予算編成方針についてであります。
 先ほど、自民会の代表質問にもお答えをいたしました。重点施策につきましては、新市の一体的な発展、それから市民と融和を第一にする新市まちづくり計画を初め、これには5本の柱がございますけれども、この柱に沿って進めさせていただきたいと思っております。
 嶋村議員の御意見にもございましたように、大変厳しい財政状況でございます。市民各位やあるいは各種協議会等々においても厳しくなると思いますが、一律10%のマイナスシーリングをいたしておりますので、何とぞ御協力をいただきたいと、こう思っております。
 政策・投資的事業につきましては、先ほども申し上げましたが、合併時で十分議論をしてきた、そのことも県を通じて総務省へも提案をしておりますので、それを主体にして編成したいことを再度申し上げておきたいと思います。
 ただし、人口増になりました。高齢者も増えました。あるいは、介護等の制度も変わったわけでございます。法的に変わったことについても、対処しなければならない。自然増も実はあるわけであります。これらを十分精査をしていかなければならない。一方的に10%カットするんじゃなくて、自然増もございます。どうしても医療費、福祉がいるわけですから、その分がそこへ行くという理解をしていただいて、頭から全部ちょん切るという意味ではございませんので、おかげさまで人口増もあった。あるいはそのことによっての福祉各措置費が必要であるという理解をお願いをいたしたいと。頭から10%という、そのことをまず念頭に置いていただきたいんですが、片一方、その分をカバーしなきゃいけないということで、今編成に当たっていることを御理解をいただきたいと思います。
 次に、少子化に対する提案であります。
 おっしゃるとおり、子どもにつきましては、保育所については社会福祉事務所、母子家庭等々の問題については、これも社会福祉事務所ですが、社会福祉課で担当をいたしております。幼稚園につきましては教育委員会で担当し、母子保健等々につきましては健康センターで担当しております。おっしゃるように、あちこちでやっておれば統一的ではないんではないかという疑問もあるわけでございます。
 このことについては、行政組織を超えて総合的に施策を展開すべきではないかという職員からの提案もございます。今、そのことについて検討いたしております。なお、このことは、従来とも議論のあったところでございまして、確かに議会でも提案のあったところでございます。特に、子ども課をつくったらどうかという提案もございます。そのことについては、いろいろ議論をしてまいりました。一本化することも一つの改革としてはいいことだと思う。思うけれども、ただし、国も県も縦割りというのはまだ残っております。したがいまして、難しい一面も実はあるわけであります。そういうことで、子ども課ができなかった原因もあるわけでございます。そのことを踏まえまして、今の縦割り、そのことについては、嶋村議員は特区でという話もあるかもしれませんが、どうしても縦割りというのはやはり専門性がいろいろあるわけですね。そこから指導も来るわけです。こっちからもものを言って解決をしてもらうということに、私はなると思う。特に子どもの福祉関係については、やっぱり専門性がないといけないと、このようなことなどございます。
 なお、御提案でございますので、今、砺波市行政改革推進委員会を開催しております。この専門部会においてもさらに検討をしてまいりたいと、このように思っておる次第でございます。
 次に、人づくりのために教育予算を多くしようという御提案です。確かに、まちづくりの根幹は人づくりであり、教育が基本であると、この気持ちはよく理解をいたしておるところでございます。限りある一般財源でございまして、これを有効に活用して、めり張りのある施策を進めてまいりたいと思っております。
 今、教育費は大きいんです。それはハード事業でございまして、砺波東部小学校の増改築事業に相当の予算を持ち込まなければいけません。したがいまして、嶋村議員の気持ちはわかるんですが、幾つかめり張りをつけて、特徴ある教育を進めたいと思っておりますので、その点では、予算編成の骨子ができましたら申し上げていただきたいと思います。その趣旨についてはよく理解しておりますけれども、全体的には大型経費が、片一方に教育費としてありますよという認識をしていただきたいと、このように思っております。そのお気持ちだけ酌ませていただきたいと、こう思っております。
 次に、障害者のための福祉事業所を市内に誘致してほしいということでございます。
 先の国会で、障害者自立支援法が成立をいたしました。この法律は、障害者のノーマライゼーションを基本に、身体、知的、精神の3つの障害に関する障害者の自立支援、就業支援を目的といたしております。大事な法律だと思います。逆に、法律の制定が遅いくらいであると、私は認識しております。
 ついては、障害者のための福祉事業所、このことの誘致が重要になるわけでございます。ただ、今こんな時代でございます。なかなかそこまで手が伸びる企業の進出はございません。よっぽど理解のある起業者がおられなければいけないと思っております。ぜひこれは、嶋村議員を初め、議員の皆さんも我々も一緒になって、このような授産施設を設けたり、福祉の皆さんに作業をしていただける、そういう企業をみんなで呼び込まなければいけないと思います。これは行政だけではなかなか今難しい時代でございます。その点は、嶋村議員もよく御存じだと思いますが、このことは皆さんで協力し合って、そういう企業をお願いしていこうと、こう思っております。
 そうでないと、障害者自立支援法というのは、法律はあっても実益はないといいますか、いずれにしても、もう少し経済産業省あたりと話をして、このような施設については補助金はどうあろうと、しっかりした安い融資をするとか、あるいは支援の補助を出すとか、そうしてやらないと、これはなかなか普通の経営の皆さんではできないと思います。相当のスペースが要りますし、こういう障害者の皆さんですから、それなりの器具もいろいろありますし、作業内容も限度があると思います。いずれにしても、そういうような施設づくりというのは大変難しいんではないかと。今、現実的に砺波福祉作業所、それから庄川福祉作業所では施設長が苦労をしております。それなりに努力をされておりますが、私はそういう作業所も必要ですが、企業にタッチをしてもらわなきゃいかんと、このように思っております。皆さんとともに、この趣旨をよくPRをして、御理解をいただきたいと、このように思っておるところでございます。
 それから次に、各種補助金と委員会、審議会の見直しをしなさいと。予算編成に当たりましての御意見、大変ありがたいと思っております。嶋村議員もおっしゃいましたように、大変厳しい財政環境でございます。つきましては、人件費も削減をさせていただいております。なおまた、維持管理等についても節減をしなければいけないということでございます。
 その意味で、第三者機関を設けて評価をしたらという一つの提案でございます。これは、それぞれ利害関係がありまして、何も関係ない人が集まって議論すると、これは専門性がないんです。ある程度知った人がやりますと誘導します。だから、必ずしもおっしゃるような第三者機関を使って「この審議会やめろ、この補助金やめろ」という議論というのは、ちょっと難しいんではないか。それよりも、我々市の職員がずっと経験・キャリアがございますし、やってきた経緯もございますから、そこで議論をすると。そして、平等性のある形で「この補助金はカットしよう。この補助金は遠慮してもらおう」という形でないといけないと思う。専門性のない人たちに議論をしてもらいますと、趣旨がわかりませんので、よく理解しないままカット、カット、カットといきますといけませんし、よく知った人になりますと、自分の団体、自分のボランティアに関する関係、いろいろありますから、知った人になりますと、今度利害が誘導的な形になりますので、ちょっとこの辺は、提案の趣旨はわかりますけれども、難しいような気がいたします。
 いずれにしましても、私どもはスクラップ・アンド・ビルドで、新しい物を入れるときには、どこかをなくさなければ、それは財政持ちませんので、そういう精神でいきます。そして、このことが今の時代に合っているのかどうか。従来ともずっと惰性的にきたものについては、これはやっぱり評価をして、精査をして、そして補助金のカットをしなければいけないと思っております。
 それから、委員会等々につきましては、必要なものはやっぱり必要なんでございまして、これはどうしても法律でつくらなければならない委員会もございます。あるいは、皆さんが議決をしていただいた条例によるものもございますので、これはむやみに切るわけにはいきませんで、私の今感じているところについては、かえって私がつくった審議会、委員会が多くあるぐらいで、このカット、あるいは不要というものは見当たらないんではないかと。もしあったら、嶋村議員から指摘をしていただきたいと思います。
 しかし、私はこの委員会、審議会制度等につきましては、公募制をとっておりますので、その公募の皆さんにそれぞれお出ましいただいて、いろんな議論をしていただいて、将来の砺波市のあり方等について議論をしてもらう。これは重要なことだと思っておりますので、あえて各種委員会や審議会、今、総合計画でまちづくり委員会というのをまた新しく立てております。これらも含めまして、不要なものについては、それは切りますけれども、今私は、不要な委員会、審議会はないんではないかと、このように思っておりますので、その点御理解をいただきたいと思っております。
 次に、収入の増収対策として、民間広告を導入しなさいということです。
 このことについては、先の議会でも実は提案がありました。嶋村議員も御承知だと思います。その後、このことについて検討いたしました。民間の広告をいわゆる公共団体に申し込むわけですから、これらの規則、要項、要領を定めなければなりません。地方自治法による問題もございます。したがいまして、この要項等を考えました。ただし、これは随分複雑になります。審査するのにいろいろかかります。これも1人で審査できません。この場合にこそ、今おっしゃった第三者も入れてやるということでなければいけない。だから審査委員会が余計1つ増えるわけです。この申し込み広告はいいのか悪いのかという議論をしますから、それは市だけの対応じゃなくて、第三者の意見も聞かなきゃいかん。そういう複雑な問題が一つあります。それと、この広告料、高いの安いのと言われることになるわけです。私どもとして、もし入れるとしたら相当の経費をもらわなきゃいけません。1万何千世帯ありまして、そこへ広告を入れるわけですから、相当の金を入れなきゃいかんと。聞いてみますと、「そんな高いものなら」という話になります。なかなかそういう面で複雑さがございますし、お金の問題がございます。希望者に聞いてみると、「そんなもの出せるか」と、こういう話になるわけでございます。
 もう一ついやなことは、広告を出したら「砺波市役所のだれと癒着しとるがや。市長はお前と仲いいがないがか」という話で、この人に物品を納入されますと、もう大変なことになるんですよ。議論があるんです。それは、やったところについていろいろ聞いています。ただし、公共的団体のものについては、それは構わないと思いますが、商業スペースでいきますと「あいつは市長と癒着して広告出して、仕事をでかいともろとる」と。だから、建設業者とは絶対それはだめなんですね。もし入れたらだめなんです。そうすると枠が縮まってしまう。そんな複雑なことで、わずかの収入を得るために苦労しなきゃいかんのか。あるいはそういう審査委員会を設けて、そういう課を設けてやるほどのものではないと。これはいろいろ提案があったから調査させたんです。そのことが、どこでも若干トラブルが発生しておるんでございまして、何か今161団体がやっておるんです。全国的に見ますと5.5%。それも問題が発生しておるということです。そんな問題が発生するもんなら、私は公的団体、広報に、あるいは車にすることが正しいのかどうか。そのことを今思っておるわけでございますので、ぜひその点、安易におっしゃいまして、提案としては大変すばらしいが、当事者としては大変苦しまなきゃいかん。そんなことだったらすっきりとやめたほうがいい。こんなことを実は思っておりますので、いずれにしても、特別提案がございますので、さらに調査研究をさせていただくということで、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 後は、担当部長等からお答えいたします。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 助役 藤森栄次君。
  〔助役 藤森栄次君 登壇〕

◯助役(藤森栄次君) 嶋村議員の大きな2番目、市民サービスの向上について、3点ございますが、お答えをいたします。
 まず1番目、市民の利便の高い部門に限定した市役所の土日曜開庁について申し上げます。
 市民サービスの向上を図るため、市民ニーズの高い戸籍謄・抄本や住民票の写し、並びに印鑑登録証明書の交付につきましては、生活様式の多様化や生活圏の拡大に対応するため、県内におきましては、富山広域窓口サービスの実施に加えまして、休日明けの月曜日または火曜日には午後7時まで時間延長を行い、さらには電話予約による住民票の写しの時間外交付等を行っているところでございます。また、税証明の発行業務に加え、福祉相談や納税相談業務につきましても、時間外対応として取り組んでいるところでございます。特に、月曜日または火曜日の窓口時間の延長には、多くの市民に御利用いただいておりますことから、ひとまず所期の目的を達しているものと考えておりますが、今後とも市民ニーズを注視しながら、行政改革推進委員会等で調査研究を行い、検討してまいりたいと考えているところでございます。
 次に2番目、ネットサービスの啓発拡大等について申し上げます。
 新市のホームページを作成してから1年余り経過いたしましたが、その間、見やすさ、使いやすさを重視しながら、インターネットによる予約施設数の拡大やライブカメラの設置に加えまして、ホームページから市のコミュニティー番組が見られるなど、機能の充実を図っているところでございます。
 おかげさまで、1日当たり600件、多いときで1,000件近くのアクセスをいただくなど、かなり市民に浸透してきているところでございますが、さらにPRに努めまして、市民の意見や情報を伺っていきたいと考えておるところでございます。また、新しく携帯電話との連携を検討するなど、電子自治体の機能推進を視野に入れまして、ネットサービスの拡大やホームページの充実に努めてまいりたいと存じております。
 なお、市長への手紙につきましては、その要旨を年度末の広報で公開する予定にいたしております。
 次に、3番目の郵便局職員の協力による安心・安全性の確保につきましてですが、現在、市といたしましては、直接郵便局職員の協力による安全・安心の確保に関する施策につきまして、平成10年7月、道路情報等の協力に関する協定書により、道路の破損、その他市民に危険が及ぶ事項の情報提供を受ける方法により、砺波市内の安全確保に関する協力体制を確保いたしております。
 市といたしましては、郵便局を含め、関係機関と緊密な連携体制を保持し、常に道路や市有施設の危険箇所、破損箇所及び市民生活に関する情報交換を行い、問題が発生した場合、早急に対応する体制をとっているところでございます。
 以上、助役からの答弁といたします。

◯議長(江守俊光君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 0時02分 休憩

 午後 1時00分 再開

◯議長(江守俊光君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 答弁を求めます。
 教育委員長 田上 弘君。
  〔教育委員長 田上 弘君 登壇〕

◯教育委員長(田上 弘君) 議員お尋ねの2点について答弁させていただきます。
 1点目の地域の教育力についてでございますけども、平成14年度から小中学校に導入されました総合学習によりまして、郷土理解、あるいは地域理解の学習時間が増え、地域とかかわる機会も格段に増してきております。このことにより、保護者や地域の方々も学校運営に参画、協力されるようになりまして、学校側も、教育方針として地域社会に根差し開かれた学校づくりを掲げ、前向きに努力しているところでございます。
 この結果、従来から見られました学校と地域、あるいは学校と家庭との垣根が、徐々にではありますけども、取り除かれつつあることを実感しております。生徒指導上の諸問題も、この3者の連携と相互理解が欠けることから生ずるケースが多いと理解しております。今後とも、本日の代表質問、あるいは市長答弁で力説されましたように、この3者の連携を一層深め、いわば教育のバリアフリー化を図ることが、地域の教育力を高めることに資すると考えております。
 2点目の特色ある教育活動についてでございますが、砺波市教育委員会の学校教育重点目標の中に、家庭、地域の信頼を基礎に、特色ある教育、特色ある学校づくりに努めることが挙げられております。幸い、砺波市内にはそれぞれの校区に特有の歴史と風土に育まれた人的ないし物的資源が豊富に存在しております。これらを発掘し活用することにより、教育活動の特色化を図ることは、極めて意義あることと思っております。今後とも、地域の人的ないし物的資源を生かした特色ある教育活動を展開し、郷土を愛する児童生徒の育成に努めてまいる所存であります。
 また、議員の御質問に、教育委員会の使命と責任について言及されておりました。教育委員会の使命の一つは、地域住民の意向を幅広く受けとめ、それを教育行政に反映させることにあると思っております。そのことから、できるだけ多くの市民と交流し、砺波市の教育のあり方について事務局と相談し、連携を深めてまいりたいと考えております。
 以上であります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 教育長 堀田良男君。
  〔教育長 堀田良男君 登壇〕

◯教育長(堀田良男君) 嶋村議員の御質問にお答えいたします。
 まず最初に、子どもの教育環境の整備についてであります。その中の、子どもたちの登下校時の安全対策でございます。
 下校中の子どもの命をねらった犯罪が相次いで発生しております。沈痛な思いです。急激に都市化している砺波市においても、そのような悪質なことが起きはしないかと心配している者の一人でございます。
 そこで、学校の登下校時の安全対策につきましては、何といっても、発達に応じた自衛力、自分で自分を守る、その力だと思います。そこで、学校ではそのことを具体におろすために、「行かない、乗らない、大声を出す、すぐに逃げる、知らせる」、この頭文字を寄せますと「いかのおすし」となるということでございまして、子どもにはわかりやすくこの「いかのおすし」を励行しましょうと、こういう話を徹底して進めているところでございます。
 下校時には教師の街頭指導や、定期的な通学路のパトロールも行っております。きのうもA校の先生が、あの吹雪の中、その子どもの家まで到達して子どもと一緒に「ただいま」と言って入っていかれたのを目撃しました。そこで、8小学校では各学校に子どもを守る1人1役運動として、PTAを中心に防犯組合及び地域ボランティアの協力を得て子ども見守り隊が組織され、現在のところ総勢1,200人の市民が、児童生徒の登下校時の安全対策に活躍されております。また、庄西中学校区では、学校が得た県下の不審者情報を、PTAや地域のボランティアの方々へ即提供して、安全に結びつくよう努めております。このような市民ボランティアによるセーフティーネットの御協力によりまして、今のところ凶悪な状態は発生しておりません。このことについて、教育委員会としては感謝を申し上げているところでございます。
 また、校内における緊急時の安全対策のことでございます。
 庄川小学校では、もう既に携帯無線を以前から準備しております。本年度は、砺波北部小学校では、事があったときに校内一斉放送ができるよう校内電話を整備しました。この校内電話の一斉放送は非常に効果があるということでございますので、この後の更新時にはこの内容を取り入れていきたいと思っております。
 御提案されている情報配信システムは、保護者の費用負担等の問題もありますので、家庭への情報の連絡は、現在のプリント方式が親子の会話のもとにもなっております。そういうことで、学校も適時タイムリーな情報提供を行っておりますので、現況のまま進めていきたいと思っております。
 さらに、各学校の校区の安全マップのことでございますが、市内12小学校では既に作成済みであります。道路の新設、それから用水の改良等の地理的変化、並びに季節ごとの気象状況、きのうのような大雪のときには、特に中山間地におきましてはきめ細かい指示が出ております。ということで、学校と地域が一体となって行っているものであります。
 次に、小中学校にAED(自動体外式除細動器)の配備についてでございます。
 子どもの心室細動が起こったときの対応についてですけれども、自動体外式除細動器、すなわちAEDの設置は、学校における安全教育について非常に大切なものであります。そこで、砺波市の場合は小学校入学時に心電図検査を行っております。そして、保護者に連絡をし、その後、問題所見のあった児童につきましては、追跡検診も定期的に行っております。AEDの学校への配備につきましては、砺波市には学校保健会というお医者さんを入れた一つの組織があります。そこらと相談をしながら検討する所存であります。
 次に、校舎建築基準の改正とコストの削減の件でございますけれども、議員御指摘のとおり、本年の11月に法改正によりまして3メートル以上の天井高としてきた規制が撤廃されまして、学校設置者の配慮にゆだねられたということですが、そこで、砺波東部小学校の建築事業につきましては、全体計画がもう既にでき上がっており工事が着工しております。新校舎の天井高については、3メートルで計画をしております。
 この中で、残す校舎が2棟あります。米原の工場側のあそこに2棟を残します。その2棟の既にある校舎の床高と現在あるものと合わせなきゃならないと、そういう問題がありまして、現在既に体育館を新築しております。その体育館の新築の工事の過程において、これからつくろうとする校舎の床ももう既に工事が始まっておるわけです。したがって、新校舎の床高を上げるということは、既存施設との競合の問題から、大変困難であると考えております。
 そこで、議員御指摘のいわゆる経費を削減できないかということが後ろにあると思います。それで、学校建設等を中心にしまして、現場、学校とも相談しまして、この財政難の折に少しでも有効な予算執行ができないかということで、実施設計を再度確認をしております。そして、事業費のコスト削減につなげるものがないか鋭意検討しておりますので、御理解いただきたいと思います。
 以上です。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 小西竹文君。
  〔福祉市民部長 小西竹文君 登壇〕

◯福祉市民部長(小西竹文君) 嶋村議員の平成18年度重点施策の推進のうち、乳幼児、児童の医療費の助成についてお答えいたします。
 現在、乳幼児、児童の医療費の自己負担につきましては、3歳未満児までは2割、3歳以上児は3割負担になっております。しかし、未就学児までは、県、市の助成によりまして無料となっているところであります。
 3割の自己負担比率に基づき積算いたしますと、市負担は、3年生まで拡大した場合、入院と通院を含め約3,000万円、6年生まで拡大しますと約4,850万円になると積算しているわけであります。一方、小学6年生まで医療費負担がすべて無料になった場合、軽い症状でも無料であることから、医師にかかる割合が上昇いたしまして、医療費の増大につながることが予想されるわけであります。このことは、現在、未就学児に対して医療費を無料としている現状からも推察されるところであります。
 今後の対応につきましては、現在、県では、乳幼児の医療費助成における所得制限、一部自己負担の導入、支給方法の変更について懇談会を設けて検討が進められております。当市におきましても、それらの動向を見守りながら対処したいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 病院事務局長 島田正広君。
  〔病院事務局長 島田正広君 登壇〕

◯病院事務局長(島田正広君) 嶋村議員の御質問のうち、時効による医業未収金の対応についてお答えします。
 去る11月の21日、最高裁は、公立病院と私立病院の診療に本質的な差異はなく、債権の消滅時効期間は地方自治法による5年ではなく、民法の規定により3年にすべきとの判断を示しました。当院では現在、遅くとも5年間で未収金を回収すべく対応しておりますが、これからはその消滅時効期間が3年となりますと、従来に比してより早期に督促状の発送や電話催告、あるいは自宅訪問などを行う必要になっております。さらには、現在も取りかかっておりますが、悪質の未納者に対しましては、裁判所名による支払い督促を機敏に行うなど、短期に回収業務を行える体制を整えたいと考えております。
 未収金は、一たん生じますとその回収の労力は多大であることから、未収金を生じさせないことが最良の方法であるわけであります。したがいまして、当院といたしましては、できるだけ患者さんには診療費の支払いを済ませた後、退院していただくようお願いするところでございます。
 また、不納欠損額のお尋ねですが、診療費の請求は民法上3年で時効となりますが、消滅時効の3年が過ぎていても患者さんから診療費の支払いがあれば、病院としてその診療費を受け取ることができますので、当院といたしましては、時効が短くなったからといって、一気に不納欠損処分をするのではなく、3年の時効期間のほかにさらに2年程度の整理期間を加えた5年程度の期間を考えております。したがいまして、不納欠損処分は現状どおり5年を超えた分を毎年行いたいと考えております。なお、未収金はできるだけ回収に努めておりますが、それでも不納欠損額は数百万円単位になるかと思います。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 12番 山田幸夫君。
  〔12番 山田幸夫君 登壇〕

◯12番(山田幸夫君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い質問をさせていただきます。
 平成19年には、長く待っていた東海北陸自動車道がいよいよ開通することになりました。東海・北陸地方のみならず、東名・名神自動車道にも接続し、日本各地の方々と交流が盛んになることと思われます。交流が盛んになるということは、それだけ地域間競争が厳しくなるということで、チャンスとなるかピンチとなるか、その地域の努力次第ということになります。
 グローバル化の時代、少子高齢化の時代を迎え、工業などの大きな成長が望めない今日、各自治体は地域の活力を維持、高めていくために、観光産業に力を入れていくと思われます。一般的に観光客の使うお金の4倍くらいの経済波及効果があるとされており、各自治体の熱意と政策によって各自治体の将来の優劣が決まってくるものと思われます。幾つかの提案を申し述べ、当局の御意見をお伺いいたします。
 まず、通年型観光を考える時期に来ているのではないでしょうか。4月のチューリップフェアから10月のコスモスウォッチング、11月のゆずまつりまで、春、夏、秋のイベントはありますが、冬季観光イベントがほとんどありません。一年を通じて観光客があるということは、観光施設の経営も安定し、従業員のサービスレベルも向上すると思われます。
 次に、旧庄川町は庄川温泉郷として日本観光百選にも選ばれたすばらしいところであります。しかし、近年、どの観光地も観光客を減らしていますが、庄川温泉郷の最近の観光客入り込み数は10年前の約半数となってきております。これでは経営が苦しくなるのも当然であり、近年は廃業する施設も増加してきております。まことに寂しい限りであります。しかし、今回の砺波市との合併により、旧砺波市の方々の御利用が増えているとも聞いております。大変喜ばしいことであります。
 観光旅行も、これまでの団体から、癒しを目的とした個人旅行が多くなってきていると聞いております。新しい旅館施設の建設も厳しい時節柄、長期滞在型観光を目指すには、中山間地の民家でも、散居村のあずまやの民家でも、すばらしい観光施設となると思います。散居村ミュージアムのリフォーム棟なども利用されたらどうでしょうか。豊かな自然環境の中で、地域の伝統、文化に接しながら時を豊かに過ごすことは大変よいことだと思います。少しのマナーや食事についてのアドバイスをすれば、立派なリゾート地となります。グリーンツーリズムを目指すためにも、意欲のある方々と行政が一体となって考えてみてはどうでしょうか。
 次に、私は砺波市で一番すばらしい観光スポットは鉢伏山だと思っております。砺波平野の四季とすばらしい散居村の風景、そして射水平野、富山平野、日本海まで見える雄大な景観は、まさに日本一と思っております。人々の多くの手を加えた立派な公園も日本全国にたくさんございますが、鉢伏山からの景観はそれ以上だと思っております。そこに住んでいる私たち自身が、雄大な大自然のすばらしさを再認識しているところであります。砺波市がそのすばらしい自然を観光資源として活用しない方法はないと考えています。ただ、交通の便がもう少し便利になれば、たくさんの人々が来られるのではないでしょうか。いろいろな方法があると思いますが、道路の整備、あるいはほかの輸送手段もあると思います。何とか知恵を出し合って、すばらしい観光スポットにしていただきたいと思っております。まだまだ観光振興策はたくさんの問題があると思いますが、当局の御所見をお伺いいたします。
 次に、高齢者世帯における雪おろしなどの除雪作業など、冬期の支援対策についてお伺いいたします。
 ここ近年、暖冬傾向が続き、積雪量がかなり少なくなってきておりますが、主要な生活道路におきましては融雪装置が普及していることから、冬期期間中でありましても、日常生活に不都合を感じることは、以前と比べてもかなり少なくなっていると思われます。
 しかし、たとえ暖冬の年であっても、各戸における除雪作業は大なり小なり必要ですし、大変な労働です。地域による違いもありますが、中でも中山間地では平野部に比べて積雪量が多く、たとえ暖冬の年であっても除雪作業の負担は大変大きいものです。特に、要介護者の方、また高齢者世帯の方は、玄関先の除雪だけでも大変ですし、屋根の雪おろしは困難で、また大変危険でもあります。
 このような理由から、高齢者世帯の方の中には、雪が降っても屋根雪をおろせないという方もおられます。そのような方々は、冬になるたび、積雪量が多くなってきて屋根が壊れたり、あるいは家がつぶれるんではないかと大変心配されている方も少なからずおられます。このような方々は、主に体力的な理由から、自分たちでは雪おろしはできません。雪おろしが必要になればだれかに頼まなくてはなりません。しかし、どこへ頼めばいいのか。また、こういったことについて市役所の窓口はどこになるのか、御存じない方もいらっしゃるようです。
 しかし、幸いなことに、砺波市では高齢児童課が窓口になった高齢者軽度生活援助制度という制度が設けられています。これは、旧庄川町から引き継がれた制度でありますが、この事業が提供するサービスは、家周りの草むしりや手入れ、クリーニングや洗濯の搬出入、家屋の軽微な補修などに加え、雪おろしなどの除雪作業も含まれております。利用回数及び利用時間には一定の限度があるものの、基本的には1時間につき80円の負担で、雪おろしについては1回につき1万1,920円の補助が行われることになっています。
 この高齢者軽度生活援助事業は、特に高齢者世帯にとって大変よい制度だと思います。雪おろし中の不幸や事故や災害を未然に防ぐことができ、高齢者世帯であっても安心して冬期の生活を送っていただけるからであります。
 また、要介護の方には、付き添いの人がこの制度を利用する手続を行うこともあるようです。しかし、大変残念なことに、一般の世帯ではこの制度について御存じない方も少なからずおられるようです。特に旧砺波市地域の方は、この制度が合併後に実施されたこともあり、御存じない世帯も多いのではないかと思われます。旧砺波市内にも高齢者世帯は多く、また積雪量が多い中山間地域も含まれています。この制度を利用するに当たって、冬期であってもより安全で安心できる生活を送ることができるようになる世帯は多いと思われます。
 この制度を砺波市全体の皆さんに広く利用していただくため、積極的な広報を行い、特に高齢者世帯には案内のチラシを配布するなどして制度の周知を図ることが必要ではないでしょうか。
 そこで、この制度の利用状況と今後の見通し、また今後の拡充の予定などについてお尋ねいたします。
 以上であります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 小西竹文君。
  〔福祉市民部長 小西竹文君 登壇〕

◯福祉市民部長(小西竹文君) 山田議員の高齢者世帯の冬期支援対策につきましてお答えいたします。
 高齢者にとりまして、軽易な日常生活上の作業も負担となることがございます。そのため、市では、高齢者軽度生活援助事業といたしまして、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯を対象に、草むしりや家屋内の整理整とんなど軽易な作業につきまして援助を行ってきております。
 議員御指摘の玄関先の除雪等につきましては、この制度で支援できるものでございます。また、屋根の雪おろしにつきましては、旧庄川町で実施しておりました制度を継続して、昨年度は2件のサービスを提供したところでございます。きのうから県内は大雪になっておりますので、この冬はさらに利用があるものと予想しているわけでございます。特に積雪の多い山間地を中心に、新たに建設業者と契約いたしまして、その経費の一部を支援するよう準備しているところでございます。
 屋根の雪おろし事業は、旧庄川町のみで行われていた事業でございました。旧砺波市の皆さんは御存じない方も多いと存じますので、今後の周知につきましては、広報や関係機関を通して広くPRに努めてまいりたいと存じております。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 堀 秋博君。
  〔商工農林部長 堀 秋博君 登壇〕

◯商工農林部長(堀 秋博君) 山田議員の観光振興策についてお答えをいたします。
 21世紀の我が国は人口減少時代と言われております。交流人口の拡大により地域の活性化を図っていくことが大変重要であります。中でも、交流人口拡大の中核を担うとされる観光産業に大きな役割が期待されております。
 観光産業は、宿泊業や運輸業だけにとどまらず、農林水産業や商工業など幅広い分野に影響を及ぼす、すそ野の広い産業であります。高い経済波及効果が期待できることは、議員御指摘のとおりでございます。
 また、平成19年度に東海北陸自動車道が全線開通する予定であり、交通基盤の整備により東海・中京方面からの集客が期待される一方、ストロー現象により観光客が著名な観光地に吸い取られることも懸念されるところであります。
 当市におきましては、このような課題に対応するために、市内に点在する観光資源等を連携活用しながら、滞在型観光を進めるため、現在、市民の皆様等の御意見を踏まえながら、砺波市観光まちづくり計画の策定を進めております。議員御質問の件につきましては、その計画策定における意見などをもとにお答えをしたいと存じます。
 まず1番目の、冬期間にイベントを行い、通年型観光により集客を図ればということでありますが、現在は、厄払い鯉の放流、もちもち遊楽、夢の平スノーフェスティバルなどが開催されており、そのPRに努めているところであります。また、寒い時期に心身を暖めることのできる庄川温泉郷、四季折々の風景を持つ庄川峡、家族で楽しめる夢の平スキー場など既存の観光資源も豊富であります。新たなイベントに頼ることなく、今あるものを効果的に宣伝することで集客に努めてまいりたいと存じております。
 次に、2番目の農村地域において、その自然、文化、人々の交流を楽しむ滞在型の余暇活動、グリーンツーリズムの推進についてであります。
 同様の御提案は、観光まちづくり計画策定においても意見として出されたところであります。農家、民宿の受け入れにつきましては、旅館業法等の規制もあり大変厳しいのが現状であります。そこで、平成18年に散居村ミュージアムが完成することから、この施設を都市の農村の交流の拠点施設として利活用を図ってまいりたいと考えております。また、栴檀山地区にはコスモス荘があることから、この施設を活用しながら交流を進めていくことも重要であると考えております。
 さらに、農業公社が実施している県外の方々を対象としたコシヒカリオーナー制度や農業体験ツアー、また検討いたしておりますチューリップオーナー制度を活用して、都市と農村の交流活性化事業を進めていきたいと考えております。
 今後は、散居村ミュージアムや農業公社の活動を通じてさらなる交流を進めながら、グリーンツーリズムを推進していけるよう、関係の皆様と一体となって協議をしてまいりたいと存じております。
 最後に、鉢伏山を活用した観光施策についてでありますが、春はスイセン、秋はコスモスが咲き誇り、冬はスキー場として多くの方々が夢の平レクリエーション地帯を訪れ、散居景観を楽しんでいただいております。
 さて、鉢伏山までの道路整備をしたらどうかという御意見でございますが、この豊かな大地や自然環境の保全という考えから、現在、山頂までをつないでいるペアリフトの有効活用を進めるよう、今議会に提出いたしております指定管理者となる団体に対して働きかけをしてまいりたいと考えております。
 また、散居村展望台からもすばらしい景観を眺めることができます。最近樹木が大きくなり、見晴らしをさえぎっておるところもございますので、少し樹木の除伐を行い、観光スポットの整備に努めてまいりたいと存じます。
 観光施策を推進するに当たりましては、地域特性を生かした観光資源の充実を図るとともに、官民の効率的かつ効果的な連携が重要であります。今後とも観光関係団体との協調、協力体制で進めてまいりたいと考えております。
 以上であります。

◯議長(江守俊光君) 11番 寺井武彦君。
  〔11番 寺井武彦君 登壇〕

◯11番(寺井武彦君) ただいま議長のお許しを得ましたので、先に通告してある事項について質問いたします。
 まず初めに、国際標準化機構の環境管理システム等に関する国際規格ISO14000シリーズの認証取得についてお尋ねいたします。
 地球の温暖化や最近の異常気象を肌身で感じるのは、私一人ではないと思います。地球全体の気温が2度上昇すれば、海面が現在より90センチ以上高くなると言われており、大変なことになります。また最近、台風やハリケーンが多く発生し、地球全体に多くの被害をもたらしていることは、皆様御存じのとおりであります。台風やハリケーンが多く発生するようになったのは、地球の温暖化に伴うオゾン層の破壊によるエルニーニョ現象によるものではないかと言われていますが、詳しいことはいまだわからない状態であります。
 一方、開発途上国では、工業化や都市化への進展により、大気汚染や水質汚濁、環境資源の不適切な管理による森林減少などの環境問題が深刻化しております。大量消費、大量破棄から、環境にやさしいライフスタイルへの転換、すなわち自治体や民間企業がISO14001の認証取得であります。私も過去民間企業に勤務し、ISO14001認証取得に向け多くの資料を準備し、現状を把握し、目標を設定し、目標値に対し努力をしてまいりました。私は、次に掲げる4つの事項が大切だと思います。
 1つ、資源は有限であることを認識し、省エネルギー、省資源と資源のリサイクルを促進するとともに、廃棄物等の減少と適切な処理に努めることであります。
 2点目、大気汚染及び水質汚濁など汚染の未然防止と関連に関する環境の規制、及びその他の要求事項を遵守し、環境管理レベルの向上に努めることであります。
 3点目は、市職員に環境教育を行い、環境保全の大切さを周知させ環境意識の高揚を図ることであります。
 4番目といたしまして、環境方針を市民に公開し、地域住民の安全と衛生の向上に努めることであります。
 私は、現在、富山県内でISO14001取得市町村は、旧市町村単位で8カ所と聞いております。大きなところでは富山県庁、富山市、高岡市、黒部市、また町では八尾町、立山町、上市町、入善町であります。先日、立山町ではこの春より住民環境課に「環境ISO推進もったいない係」を新設し、ごみの減量だけではなく環境にいい暮らしづくりという町民の意識改革に取り組んでおります。
 家庭版ISOは、35項目ある取り組みの中の5項目以上を宣言して実践する、例えばテレビや照明は小まめに消す、冷蔵庫や洗濯機は入れ過ぎない、車を停止する場合はエンジンを切る、コピー用紙の再利用など、少しの努力で実践できることであり、そのことが電気、ガス、水道の使用料を安くし、ガソリンの消費を少なくすることにつながる、このことが「もったいない」の精神であります。
 先日ある新聞を読んでおりましたら、次のようなことが載っておりました。女性の地位向上を目指し、ニューヨークの国連本部で開会中の女性の地位委員会閣僚級会合で、ノーベル平和賞受賞者でケニアの副環境相のワンガリ・マータイ氏が、2月に日本を訪問し覚えた言葉が「もったいない」であり、そのことを強調し、環境保護や平和の推進に女性が果たす役割の大切さを訴えております。
 マータイさんは、最近訪れた日本では、消費削減(リデュース)、再使用(リユース)、資源再使用(リサイクル)、修理(リペア)の4つの「R」を「もったいない」という一言であらわせる、この言葉を世界的に広げたいと述べております。
 また、マータイさんは、次世代のために自然環境の重要性を考えるべきだとし、「資源を持続的、効果的に使い、平和を享受できるように公平に分かち合うべきだ。戦争の大半は資源をめぐる争い。あなた方に『もったいない』という言葉、精神を贈りたい」と語ったとのことであります。
 大切な子どもたちを育てていく上で、お金を与え、欲しいものを買って与える、そのことがそれでよいのでしょうか。子どもたちに物の大切さやお金のありがたさ、時には我慢をすることの大切さを教えていく必要があります。この「もったいない」の精神により多くのことを学ぶことができ、市当局にも生活環境課の中に「もったいない係」を新設してはと思いますが、御所見をお伺いいたします。
 また、先日、南砺市や富山市では、給食用に使用された廃食用油を回収し、軽油代替燃料に再生する事業があると聞きました。当砺波市でも、幼稚園や保育所、小中学校、病院などで給食用に使用された廃食用油を回収し軽油代替燃料にしてはと思いますが、市当局の御所見をお伺いいたします。
 また、現在、砺波市において、民間企業で従業員が約50名以上の企業が何社あるのか。その中で、現時点、環境管理システムに関する国際規格ISO14001を取得している企業が何社あるのか。取得していない企業に対し指導していく考えがあるのか、あわせてお聞かせ願います。
 次に、作業改善提案委員会設置についてお尋ねいたします。
 市が行う事業や各イベントなどについて、今までやってきた従来のやり方や、昨年同様のやり方で行っていくことも大切と思いますが、今までよりもより安く、よりよい方法で行い、市民の皆さんの考え方を聞き入れ対応し、今まで以上に創意工夫、新しいアイデアが必要だと思われます。そのためには、市職員全体で作業改善提案委員会を設置する必要があると思います。
 民間企業では、職場ごとにアイデアを出し合い、現在行っているやり方を見直し、少しでも安く、早く、よりよい品質の製品をつくり、どうすれば利益を上げることができるのか。そのためにどのように改善すればよいのか。よいものについては即座に実施し、半年か1年に1回、提案のあった案件を委員会で審査し、よりよいものには報酬を出す制度があります。このアイデアの中でよりよいものは、実用新案や特許として登録するシステムとなっております。富山県でも、実用新案や特許に対し報償制度があると聞いております。市職員の資質の向上のためにも、ぜひ作業改善提案委員会を設置し、今までの固定観念にとらわれることなく、やわらかなアイデアで物事に当たっていただくことが大切だと思います。御所見をお伺いし、私の質問を終わります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 寺井議員にお答えをいたします。
 まず、ISO14000シリーズの環境政策についてであります。
 ISOの精神からもったいないということについて、詳細に、科学的に、論理的に述べられましたことにつきまして、拝受をしておきたいと、このように思っておるところでございます。趣旨については同感でございます。
 市では、もったいないの精神につきましては、現在実施中の紙、プラスチック、分別収集等において、これは資源になるよというお話をしていただきまして、分別収集に努力をしていただいておるわけでございます。なお、小中学校におきましても、環境についての勉強があるようでございます。生活環境課から説明に行っております。
 特に我々昭和20年代、30年代に育った者からしますと、物資の不足というのはよく知っておるわけですが、しかし、今の若い人たちはさほどに感じていないのが現状であります。私もおばあちゃん子でございまして、ちょっと御飯粒を落とすとしかられたもんでありまして、「ばちがあたる」ということを徹底的に教えられました。我が家へ入ってまいりますと、孫が大きくなってこぼすと、「こら、もったいない。ひろとこ」と言うたら、嫁はんが「O-157になるぞ」と、こういうことで驚かされますから、どっちが正しいのかどうなのか、近ごろどうもやりにくい時代になりまして、ただし、おっしゃるようなもったいない精神については、私は家庭においても大変重要だと思う。おっしゃるように、リサイクルを初めとしての4Rの精神もみんなに訴えていくことが大変重要だと、このように思っております。
 さて、寺井議員から提案のISOの取得についてお話もございました。環境基本計画でも取得を目指すとなっております。ただし、これの費用対効果、実用性、本当に継続性があるのかどうか。なおまた、旧砺波市でも提案がございました。したがいまして、ISO取得について検討いたしましたし、担当者をあちこち派遣をいたしました。結論的に申し上げますと、認証する業者がたくさんおられます。どれが正しいのか、どれが不都合なのか、どれがあいまいなのか、よくわかりませんが、皆さん立派な看板を立てて、うちの方で取ってくれという話になるんですね。そして値段を聞きますと、1,000万円から300万円と段差があります。やることの内容についても千差万別でありまして、これは当面対応すべきではないというのが最後の結論でございましたので、この精神はわかります。したがいまして、幾つかの認証業者の意見等については幾つも冊子がございます。この精神を大事にして対処しようということでございます。
 したがいまして、ISOを取得する、しないだけではなくて、今、寺井さんがおっしゃった精神を大事にして、環境保全等々の観点から、あるいは財政面でもそうでありますけれども、コピー用紙の両面を使うとか、あるいは昼休みの時間は電気を消すとか、あるいは冷暖房の温度調節をするとか、例えばそういうこと等について気を張っていくべきだろうと、このように思っておるところでございます。
 なお、来年度からではございますけれども、「地球温暖化防止砺波市役所実行計画」を作成してまいりたいと思います。市役所における温室効果ガス、その排出等の抑制、それから職員の環境への意識を高め、自ら範を示す、そのことが地域社会にも普及するんではないかということで、実行委員会を立ち上げてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
 それから次に、「もったいない係」をつくったらどうかと、ユニークな提案でありまして、これも拝聴しておったわけでございます。資源を有効に活用することは当然のことでございます。そういう意味での「もったいない係」を新設するということでございますが、今、生活環境課には環境保全係、それから生活交通係の2係の体制をとっておりまして、そのほかに消費生活のことにつきましての事務の担当もいたしておるところでございます。今、お話しございましたその考え方を前面に出しまして、そういう趣旨をも十分含めて、改めて「もったいない係」という看板を立てるんじゃなくて、環境保全の中に、今、寺井さんがおっしゃった趣旨を十分踏まえて行政対応をしてまいりたいと、その意味で、市役所自ら範を示そうと思って実行計画をつくろうと思っておりますので、その点御理解をいただきたいと思います。
 なおまた、自然保護、公害対策、し尿処理の問題等々、環境保全係で抱えております。その意味で、「もったいない係」を設置するときには、各課全部網羅しなきゃいけない。先ほどの子育ての問題と一緒だと思います。連携プレーをしなきゃいけません。そこで、先ほど言いました実行計画の中に、各庶務的担当の皆さんも入っていただいて、その精神を注入して、意識啓発をしてまいりたい、このように思っておるところでございます。
 なおまた、先般、庄川小学校へ行きまして、一緒にお昼を食べる機会がございました。先生方も随分そのことに意を用いられて、食育教育の基本はそこにあるんではないか。給食調理のおばさん、あるいは栄養士の皆さん、校長先生を初め、「もったいないがやぞ」ということで残すなと。むちゃくちゃに食えとは言いません。大きいものは逆に区分してこい。それから男の子たちはたくさん食べますから、それはちゃんと分けてやるというような、そういう好ましい状況を見てまいりまして、これは重要なことでいいことだなと思っておりました。教育委員会にもこういったことを申し上げて、小さいときから「もったいない」という心を植えつけることが何よりも大切ではないかと。近ごろは少しこのことについては欠けておるという理解をいたします。職員ともどもその精神を大事にして、おっしゃった気持ちをこれから市民にも啓発をしていきたい、そんなことを思っておる次第でございます。
 その他、具体的な質問等については、担当部長からお答えをいたします。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 吉田俊和君。
  〔企画総務部長 吉田俊和君 登壇〕

◯企画総務部長(吉田俊和君) 私からは、作業改善提案委員会設置の御提案について申し上げたいと存じます。
 寺井議員御指摘のとおり、各種事務事業の執行に当たりましては、常に創意や工夫を凝らしまして、効率的で効果的な執行を図っていくべきというふうに考えております。市長からも常々意識改革の必要性について薫陶を得ているところでございます。
 つきましては、あらゆる分野において発想の転換を図り、従来の考え方や業務執行について不断に見直しを行うなど、行政改革や事務事業の改善を進めるため、毎年度の予算編成方針において全職員に周知をするとともに、助役を委員長とする行政改革推進委員会を設けております。そしてそこでは、3つの専門部会において、行政改革や事務事業の見直しについて調査研究を進めているところでございます。その際に、職員からの提案を募集いたしております。そして、すぐに実施するもの、中長期的に実施するもの、あるいは検討を要するものなどに分類をいたして検討を進めているところでございます。そしてその検討結果につきましては、行政改革推進委員会に報告をすることになってございます。また、窓口部門で構成をいたしますサービスアップ会議を別途設置をいたしているところでございます。これら行政改革推進委員会等を、議員御提案の作業改善提案委員会にかわるべきものとして活用をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、提案に対する報償制度についてでございますが、合併時に制定をいたしました砺波市職員表彰等規程の中で、「特に有益な調査研究、発明、発見又は工夫、考案をした者」に対しまして、優良職員表彰を行う旨の規程を設けているところでございます。なおまた、本年の人事院勧告によりまして、新たな昇給制度の導入を含めました給与構造の改革が勧告されておりますので、勤務評価等を通じまして職員の意識改革につなげてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 小西竹文君。
  〔福祉市民部長 小西竹文君 登壇〕

◯福祉市民部長(小西竹文君) 寺井議員のISO14000シリーズの環境施策についてのうち、給食用の食用廃油の活用など3項目につきましてお答えいたします。
 給食用の食用廃油の活用につきましては、南砺市では業者が回収して自社プラントで精製し、車の燃料として利用されております。富山市では、プラントの建設も含めてこれから考えていきたいということでございます。総合病院では食用廃油の量は少ないのですが、保管場所や衛生上の問題から、固形化して処分しております。学校給食センターでは、タンクに貯蔵した食用廃油を県外業者に回収させて再利用しております。
 いずれにいたしましても、食用廃油を有効に再利用することは大切なことでありますが、燃料化の実用化には、精製プラントや回収体制の整備など多額の費用が必要となってまいります。これらの状況を踏まえまして、資源再利用の観点から、その安全性、採算性、継続性を考慮しながら検討していきたいと考えております。
 次に、市内の民間企業の認証取得状況につきまして、現在、市内に従業員50名以上の事業所は約60社ございます。そのうち、ISO14001を取得している会社は4社でございます。
 次に、市内の民間企業に対する指導につきましては、ISOを取得することにより企業のランニングコスト削減、企業のイメージアップ、企業と地域住民との良好な関係維持などのメリットが考えられる反面、ISOの取得や更新にはそれなりの経費がかかります。各企業にはそのメリットを十分に認識していただき、自発的に取得していただくよう奨励してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 10番 飯田修平君。
  〔10番 飯田修平君 登壇〕

◯10番(飯田修平君) お許しをいただきましたので、通告に従い順次質問をさせていただきます。
 最初に、循環型社会の形成に向けて、今後の新たな取り組みについて伺います。
 第1点は、環境保全に向けた市民意識の向上策について質問いたします。
 これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄の社会システムは、自然の浄化能力を超え、地球温暖化、オゾン層の破壊、森林の破壊や、廃棄物、そして有害物問題等のさまざまな環境問題を深刻化させております。これらの解決には、まさに地球全体で取り組むべき問題であって、1自治体で取り上げる課題ではないかもしれません。しかし、砺波平野に広がる散居の風景、チューリップに代表される花と屋敷林の緑、歴史と風土によって培われてきた固有の生活様式など、こうしたすぐれた環境を今後も享受し住み続けるためには、市民一人一人が環境問題を意識的に考えなければならないと思います。
 本市では、平成16年に環境基本計画を策定いたしました。そこでは、望ましい環境像を、拡大・発展のまちづくりから、循環・共生のまちづくりへと設定し、良好な環境の保全と創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために、長期的な展望に立って目指すべき環境像と環境保全に向けた具体的な取り組みを示し、市民、事業者、行政がそれぞれ担うべき役割を明確にすることにより、事業活動や日常活動を実践することとしております。
 そのためには、事業者そして市民一人一人が環境保全を意識することによって、それぞれの役割を担っていくことは大変な重要なことであります。環境問題は大きな課題であり、その範囲は多岐にわたります。それだけに、環境保全に向けた取り組みの一層の推進を図るためには、それぞれの立場における目標なり成果を具体的に評価できるような仕掛けづくりも今後必要なのではないかと考えております。
 例えば、長野県飯田市では、電気、ガスなどエネルギーの消費量やリサイクルされないごみの排出量から二酸化炭素の排出量を簡単に計算できる「我が家の環境家計簿」を作成し、広報誌と一緒に全世帯に配布しているそうです。これは、社団法人環境情報科学センターがつくっている環境家計簿を配布、回収しやすいように独自につくり直したもので、裏には市役所の住所が印刷されており、三つ折りにして料金受取人払いで市役所に送れるようになっています。市役所では、送られてきた環境家計簿をまとめて環境情報センターに送り、センターでは全国の家庭と比較した診断結果を各家庭に返送するというものであります。そこで、先月より二酸化炭素の排出量を減らそうと各家庭で努力目標が立てられ、市民の意識改革にもつながるという事例であります。
 環境保全について、市民が評価しながら意識向上を図ることができるという、すばらしい一つの取り組み事例ではないかと思います。難しい課題も多々あると思います。市民、事業者、行政がそれぞれの意識を高めるという観点から、環境評価の仕組みづくりについて、お考えをお聞きしたいと思います。
 2点目に、バイオマスエネルギーの利活用への取り組み姿勢について伺います。
 バイオマスとは生物資源の量を示す概念で、「動植物から生まれた再生可能な有機性資源で、化石資源を除いたもの」とされています。平成14年12月に閣議決定されたバイオマス日本総合戦略によりますと、バイオマスは自然界の中で繰り返し生産され、尽きることがない特性と、もともと大気中のCO2を植物が光合成により固定したものなので、燃焼等によりCO2が発生しても、実質的に大気中のCO2を増加させないカーボンニュートラル資源という特性を持っております。このため、化石資源由来のエネルギーや製品をバイオマスで代替することにより、地球温暖化を引き起こす温室効果ガスの一つであるCO2の排出削減に大きく貢献することができるとしております。
 さらに、バイオマスは化石資源のようにエネルギーとしても製品としても利活用できることから、バイオマスを従来の食料、木材としての利用にとどまらず、新たな観点から、エネルギーまたは製品としての活用を推進していくことにより、持続的に発展可能な社会を目指すこと、これが今求められているとしております。
 また、バイオマスを最大限利用しようとするこの計画のメリットは、次の4つの点にまとめられています。1つは、二酸化炭素の発生を抑制できることから、地球温暖化防止のために重要であり、バイオマスの総合的な利活用は国際的な合意事項になっている点。2つ目は、廃棄物の発生を抑制し、限りある資源を有効活用できるなど循環型社会の形成に不可欠である点。3つ目に、バイオマスは関連産業を日本の戦略的産業として育成することにより、我が国の国際競争力を再構築していくことが可能となる点。4つ目は、農林漁業から発生するバイオマスを有効利用することにより、農林漁業の自然循環機能を維持し、その持続的な発展を図ることができる点であります。
 例えば、滋賀県東近江市では、菜種というバイオマスを利用して循環型社会の形成、地球温暖化の防止、地域の活性化を目指しています。
 これをもう少し具体的に紹介いたしますと、転作田に菜の花を植え菜種を収穫、搾油してできた菜種油を料理や学校給食に使い、搾油時に出た油かすは飼糧や肥料として使います。市民が協力して廃食用油を回収し、石けんへのリサイクルや試験的に自動車等の燃料にリサイクルしています。そして、大気中に排出された二酸化炭素は、菜の花を栽培することで吸収されるというように、菜の花エコプロジェクトの資源循環サイクルを目指そうという取り組みであります。
 また、京都市では、平成9年から市内825の拠点より年間13万リットルの廃食用油を回収、これをバイオディーゼル燃料化し、ごみ収集車や市バスの燃料として利用を開始いたしました。そして平成16年には、1日5,000リットルの国内最大級の廃食用油燃料化施設を整備したところであります。
 県内では、富山市においてバイオディーゼル燃料化事業の取り組みがありますし、また南砺市においても、市天ぷら油再生事業の実証実験に乗り出したと報じております。
 このように、県内を含め全国で地方自治体や企業によるバイオマスの利用が着々と広がっております。本市においても、環境基本計画の基本理念である「人と自然が共生し、環境への負荷が少ない循環型社会」を実現するため、行政自らが先進的な、そして率先的な取り組みを行うとともに、効率的に事業者や市民の取り組みを促すことが必要だと考えております。
 国の温室効果ガス抑制対策のための補助・委託事業を有効に活用しながら、再生可能燃料利用促進に向けての調査検討、そして具体的な取り組みを起こすべきと考えますが、先ほどの質問にもありましたが、この点について改めてお尋ねしたいと思います。
 3点目に、バイオマスと農業について伺います。
 国は、バイオマスの利活用は、農業にこれまでの食料供給の役割に加えて、エネルギーの供給という可能性を与えることであり、農業活性化の一つのかぎとなり得るとしております。また、全体的な流れの中では、廃棄物系バイオマスの有効利用という方向づけに偏りがちであるが、一方で、資源作物である農産物からエタノール等のエネルギーを製造する生産バイオマスエネルギーの開発も実証実験段階となっていることに注目しなければなりません。
 つまりここで私が言いたいのは、将来的に食料の自給や農地の保全の必要性を考えるならば、米作地帯でエタノール製造を展開できないかという点であります。ハイカロリーな米をエタノール化することで、他の作物に比較して高効率な点や、休耕田を利用した米栽培で生産コストを抑えながら農地の保全を確保する点、これらが最大の着眼点であります。急速な市場拡大は期待できないものの、確実な時流は存在すると考えられます。
 農業政策の行き詰まりが見られる今、バイオマスの利活用という一つの方向性が示されることで、農業全体が活性化し始める可能性を持つと考えるところですが、当局はいかがお考えか、お伺いいたします。
 次に、砺波総合病院の運営について伺います。
 先の病院事業特別委員会で、今年度上半期の経営状況について御報告をいただきました。代表質問の中でも一部ございましたが、その内容は、前年度上半期の実績に比べ、入院患者数で1.1%、そして外来患者数で4.6%とともに減少し、そのために入院と外来収益ともに3%余りの大きな減収となっているというものでした。
 一方、医業費用については、増改築工事の完了に伴い、建物等の減価償却費の増大や給与費、経費の増加もあり、大きく伸びております。このため、医業収支は大きな赤字となっております。今回のこの状況は、単年度の中間の決算であり、一過性の結果なのかもしれません。しかし、事態はもっと深刻なように見受けられます。
 赤字の原因である入院及び外来患者数の減少は、直接にはこの上半期の短期間に5名の医師が退職し、それぞれの診療科で医師が補充できなかったことが大きく影響しているとお聞きしました。総合病院を退職された医師の多くは市内で開業されておりますが、このことは、地域医療が充実し、身近な医療サービスの維持向上につながることであり、市民にとっては歓迎できることだと思います。外来患者も何割かは開業医へ流れるわけで、当然当病院の外来の数は減少します。
 しかし、ここで注目しなければならないのは、開業医からの患者紹介率が依然として低迷しているということであります。患者紹介率がなかなか増加しない原因はどこにあるのでしょうか。病診連携はお互いの信頼により成立するものだと思います。患者紹介率の低迷こそ、この信頼関係が十分でないことを示しているように思えるのですが、いかがでしょうか。
 小杉院長は常々、患者中心の納得されるよりよい医療提供で選択してもらえる病院を目指すために、医師、看護職員、患者を引きつける病院、いわゆるマグネットホスピタルをスローガンに頑張りたいと申されております。そのためには、砺波医療圏のみならず、より広い地域から患者が集まるような特徴を出す必要があり、内視鏡センター、口唇口蓋裂センター、東洋医学など、今後も当病院が誇るべき特徴ある医療を展開していくことが重要であるとのことであります。
 しかしながら、私ごとき門外漢が口幅ったい言い方をしますが、当病院の現状を見たとき、まずもって患者ニーズの高い内科について、医師の確保を含め速やかに充実を図ること、このことこそ先決問題ではないかと考えます。小杉院長は決してこの辺をないがしろにされているわけではないことは重々承知しておりますが、現状は本来の方向に向いていないように感じられてなりません。
 病院事業は、一般企業と異なって多数の特殊な免許や資格を持った職員を必要とし、患者を含めた人間関係が複雑であって、人事管理体制の確立が重要であります。病院事業が健全であるか否かは、「企業は人なり」の言葉どおり、有能な院長の手腕にかかっております。
 院長は、診療面の専門家にとどまらず、病院経営の最高責任者として、患者からの信頼感を高める識見と情熱が期待されております。病院経営で大切なことは、だれのためにという原点ではないでしょうか。「地域に開かれ、地域住民に親しまれ、信頼される病院」、市立砺波総合病院が目指そうとするこの理念を達成するために、小杉院長は今後、健全な運営にどう取り組まれるのか、小杉院長の所信を伺いたいと思います。
 以上、2項目について質問いたします。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 飯田議員にお答えをいたします。
 循環型社会の形成に向けてということでございます。このことにつきましては、地球全体で対応すべきものと思っておりますが、お話にもございましたように、この景観のすばらしい砺波市において、そのことについて大いに賛同し努力すべきものと認識をいたしておるところでございます。議員御指摘のとおり、環境活動の取り組み、その評価できる仕組みをつくることは、環境問題を推進する上で大変効力があると、このように認識をしております。案外この環境問題というのは、一般的にはなじまないかもしれませんが、もっともっと我々行政という立場でも、このことをPRをしていかなければいけないと、このように思っておるところでございます。
 砺波市といたしましては、今平成17年度でございますけれども、平成17年度末に各施設の電気使用量、冷暖房燃料使用量、温室効果ガス排出量を計測調査をいたします。それぞれメーターもございますし、金を支払った数字もございますので、そのような調査をしたいと思っております。
 したがいまして、その調査を基本にいたしまして、「地球温暖化防止砺波市役所実行計画」をつくりたいと思います。そして、つくるだけではいけませんので、その削減目標もこれから定めていきたいと思います。市役所のみならず、学校、幼稚園、保育園、各福祉施設も全部含めまして調査をして、その削減目標を皆さんに知ってもらいたいと、こう思っております。これは、一課長や係長ではできませんので、職員全体にこの趣旨を理解をしていただいて、炭酸ガスの削減のために取り組むということを説明をして、口ではわかっておっても、さほど痛みを感じませんから、そのこともよく申し上げて協力をしていただきたい、そんなことを思っておるところでございます。
 こんなちびったことするなという話もあるかもしれませんが、これは大事なことでございます。昔からよく言うでしょう、「隗より始めよ」。自らやらなきゃほかの皆さんもやりません。そういう名言があるわけですから、私はそういう意味で「隗より始めよ」ということで、皆さんの家庭でも削減してください、それから事業所においても地球温暖化を防止しようという、そういうことを知ってもらうためには、自らそのようにしなければいけないと、このように思っておるところでございます。環境問題と連動するのが地球温暖化でございます。地球温暖化になれば、どなたもおっしゃっておられるように、異常気象が発生するよ、この間のハリケーンもそうではないかと科学者もおっしゃっておられます。そうしますと、災害も起きます、あるいは農業生産も落ち込むと言われております。そうしますと、おのずから人間の生命にも影響するわけでございます。そのことをよく理解をしていただいて、個々に対応してまいりたいと、このように思っておるところでございます。
 先ほど申し上げましたように、自ら「隗より始めよ」で、地球温暖化防止のために砺波市も、平成17年度の結果を見て、18年度以降の削減計画を議論してやることが、今世界的にも議論されております京都議定書にも1歩でも2歩でも近づける、そうでないと、この異常気象は免れない、このように思っております。ぜひ皆さん方の御協力をいただきたい。おっしゃるように、循環型社会の構築に対してみんなで取り組むという姿勢が何よりも大切だと思っておるところでございます。
 その他の質問につきましては、助役、病院長からお答えをいたします。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 助役 藤森栄次君。
  〔助役 藤森栄次君 登壇〕

◯助役(藤森栄次君) 飯田議員さんの循環型社会の形成に向けての2番目、バイオマスエネルギーの活用について申し上げます。
 これまでの有限な資源から、商品を大量に生産しこれを大量に消費、廃棄する一方通行の社会システムを改め、廃棄物の発生を抑制し、限りある資源を有効活用する循環型社会の構築は、市環境基本計画においてもその重要性を指摘しているところであり、飯田議員御提案のバイオマスエネルギーの活用は、自然の恵みによりもたらされる持続的に再生可能な資源であるという観点から見ても、この循環型社会の形成に必要不可欠な要素の一つであると認識しているところでございます。
 ただ、このバイオマスの有効な利活用には、総合的なシステムの構築が必要でございまして、このためには、民間における市場原理に基づいた展開を基本として、市、バイオマス供給者、利用者等がそれぞれの役割に応じた取り組みを進めることが重要であると考えておるところでございます。
 また、廃油の燃料化につきましては、機械故障や油漏れ等トラブルの事例報告もあり、安全に営業する上でまだ不完全な要素も秘めていると理解をしているところでございます。
 今後は、他市町村のモデル事業を参考としながら、砺波市の地域特性から存在するバイオマスエネルギーの活用に向け調査研究を重ね、経済性、安全性、持続性も視野に入れた運用を慎重に検討していくべきというふうに考えておるところでございます。しかし、クリーンエネルギー利用としての小水力発電、いわゆるハイドロバレー計画につきまして、現在調査中であることを申し添えておきます。
 次に、3番目、バイオマスと農業振興について申し上げます。
 市における農業分野でのバイオマスの利活用方法として、家畜排せつ物を堆肥化し、農地へ還元したり、給食センターからの野菜、残渣を堆肥化し畑へ還元するなどして活用している状況でございます。
 飯田議員御提案のハイカロリーな米をエタノール化しバイオマスとして利用することについては、全国でも例がなく、サトウキビのような糖分の多く含まれるものには適しておりますが、米のように糖分がやや少ないものにつきましては、エタノールの製造には適していないということでございます。また、エタノールの製造にはコストがかかり過ぎるなどの問題があることから、普及は難しいものと思われるところでございます。良質な砺波米が生産される砺波市といたしましては、御提案の米をエネルギー化し利用するのではなくて、売れる米として生産し販売することが一番望ましいものと思われます。そのためにも、農地に堆肥等を散布するなどのバイオマスに取り組み、安全で安心な砺波米を生産することが重要でございまして、今後も関係機関と協力し、環境にやさしい循環型農業の推進を図っていきたいと考えているところでございます。
 私からの答弁は以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 病院長 小杉光世君。
  〔病院長 小杉光世君 登壇〕

◯病院長(小杉光世君) 飯田議員御質問の砺波総合病院の運営についてお答えします。
 御指摘のとおり、今年度上半期(4月~9月)の病院経営状況につきましては、入院延べ患者数、外来延べ患者数とも、前年度上半期に比べて減少し、収益も減少しており、大変厳しい結果となっています。
 この要因につきましては、年度がわりに1名、年度途中で4名の医師が退職され、それぞれの診療科で医師が補充できなかったことがあります。また、急性期病院を目指す当院としまして、国が推進しております初期医療については、開業医にかかるよう誘導していることからも、外来患者数が減少しているものと考えています。
 そこで、開業医からの患者紹介率の低迷の原因が、信頼関係が十分でないのではないかとのお尋ねでございましたけれども、信頼関係不十分が原因とは基本的に考えておりません。
 まず、患者紹介率について少し御説明いたします。
 患者紹介率の算定は、大まかに、別の保健医療機関からの紹介状を持って来院された患者さんと、救急車で搬送された患者さんの合計を初診患者数で割りかえした数値でございます。当院の患者紹介率は、平成15年度は18.2%、平成16年度は19.8%、平成17年度は10月までの累計ですけども20.1%と、わずかでございますが、徐々に増加している傾向にあります。今年度目標は25%と設定しましたので、もう少しギャップがございますが、可及的早急に30%を達成したいと考えております。
 しかし、大きく増加しない原因として、1つは、砺波広域圏で運営されている小児急患センターからの紹介患者は、砺波総合病院の開設者と砺波広域圏の理事長が同じ砺波市長であることから、紹介状がありましても紹介患者の算定ができないこと。2つ目には、当院は総合病院であるために、1つの科の紹介状がありましても、複数科で受診された場合、紹介患者の算定ができないこと。さらに3つ目には、開業医の先生方の中には、高齢の先生方もたくさんおいでますので、当院の若い医師になかなか紹介状を書いていただけない状況もあります。しかし、最近開業された先生方からはたくさん紹介をいただいております。ただ、前述の理由により、紹介率に反映しない制度上の問題があると考えております。しかしながら、今後、地域医療を展開していくためには、病診連携は不可欠でありますし、日ごろから開業医の先生方と信頼を築くことが最も重要であると考え、いろんな機会を通じて積極的に連携を試みているところです。
 その一環として、当院出身医師や申し込みのあった医師と契約してアテンディングドクター制度、紹介状と同時に患者様を連れて病院で診療する医者でございますが、そういったアテンディングドクター制度を積極的に活用しています。
 病診の機能分担については、今まで以上に市民の協力をお願いし、議員方々の地域PRもぜひお願いしたく思います。
 次に、健全な運営の取り組みについてのお尋ねですが、病院のことを思い、厳しい御意見、ありがたく思います。院長初め看護職員が一丸となって、次のことを重点目標として取り組んでいきたいと思っています。
 飯田議員も触れられましたけれども、特に内科を重点的に各診療科の専門医師の確保を図ることが緊急の課題であります。また、看護課程が展開できる看護師を育成するため、当院で研修看護師制度を新たに導入し、看護師の確保を図ることも肝要と思っています。医療技術員の充実も同じでございます。
 また、特徴ある医療を展開するため、特徴的な診療科やセンターの充実とPRを行う必要があります。御意見の中にありましたように、東洋医学科、内視鏡センター、口唇口蓋裂センター、あるいは病棟では回復期リハビリセンターが既に軌道に乗っております。
 従来、砺波医療圏の中核病院として地域医療が主でありましたけれども、これからはさらに特徴ある医療を展開して、広い医療圏を対象に考えていくことが求められていると思います。その1つとして、新たに女性特有の病気に対応するため、産婦人科、泌尿器科、大腸肛門科の医師らで専門チームをつくり、骨盤底再建センターを立ち上げる予定であります。また、生活習慣病への取り組みを図ることが予防医学として極めて重要と求められていると思います。具体的には、健診センターの機能向上に取り組んでおります。院内では、TQM活動を展開し、効率的でかつ質の高い医療を目指していくことがございます。
 以上のような具体的な方策につきましてまとめますと、良質の医療提供を行える環境整備が健全経営であり、管理運営会議、あるいは企画会議などを軸に、全職員が協力して健全経営、健全運営をしていくことが重要と考えております。
 また、今年度、5月6日から稼働しております電子カルテシステムは、これを活用し、全職種参加のチーム医療による質の高い医療を提供することと位置づけております。今後は、今述べた重点目標を確実に実施し医療体制の強化を図り、患者紹介率の向上、病床利用率の向上と在院日数の短縮、高度医療、あるいは救急医療の充実などに引き続いて取り組むとともに、経費の削減にも当然取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) この際、暫時休憩をいたします。
 午後3時から再開いたします。

 午後 2時40分 休憩

 午後 2時59分 再開

◯議長(江守俊光君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 8番 井上五三男君。
  〔8番 井上五三男君 登壇〕

◯8番(井上五三男君) ただいまお許しを得ましたので、通告に従いまして、一般質問と若干の提案をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、高齢者虐待防止法についてお尋ねいたします。
 お年寄りへの虐待防止や発見者の通報義務を定めた高齢者虐待防止法が11月1日に参議院本会議で成立いたしました。平成18年4月1日より、施行される予定でございます。
 そこで虐待とは、65歳以上の高齢者に、家庭内または介護保険法に基づく居宅サービス事業を行う事業所及び介護保険施設において、介護者がその介護する高齢者に対して行う行為を言う。虐待の定義は、高齢者に対して1、身体に外傷が生じ、または生じる恐れのある暴力行為、2、衰弱を招くような行為、食事を与えない長時間の放置、3、暴言などで心理的外傷を与える行為、4、本人との合意がないわいせつ行為、5、財産を家族らが勝手に処分する行為、上記5点の行為と明記している。
 なお、重大な虐待を発見した場合や虐待のおそれがある場合は、発見した一般市民、家族や施設職員に市町村への通報を義務づけたのが、今度成立した高齢者虐待防止法であります。
 今、我々日本がここまで発展できたのは、戦後、あの荒廃した都市、そして食べる物もない中から、大変厳しい生活を強いられて我慢に我慢を重ねて、また努力に努力を積み、きょう今日の繁栄した日本を、そして世界でもトップの経済国家になったのも、先輩の皆さんの御苦労があったからこそと、感謝をしなければならないのではないでしょうか。
 その先輩が、今、高齢者の皆さんです。今こそ、高齢者の皆さんの御苦労に報いるためにも、安全で安心して暮らせるまち、地域づくりをもう一歩推し進める必要があると思いますがいかがでしょうか。
 そこで、国、県、市の高齢化率の推移を見ますと、5年前の平成12年10月、国が17.3%、県が20.7%、市が20.8%でありました。それが、5年後の本年10月、国が20.1%、県が22.5%、市が22.0%。この後、5年後の平成22年の予想では、国が22.0%、県が24.8%、市が23.0%。また、その後、5年後の平成27年には、市では25%台が予想されます。
 これからは、少子高齢化がもっと進み、核家族化もどんどん進行中であり、生活はお年寄り夫婦だけになり、場合によっては1人での生活も余儀なくされ、大変な時代になりますとともに、ますます生活が不安になります。
 そして、戦後の日本が還暦を迎えた今年は、平均寿命が男子で80歳、女子で90歳に迫る今、日本人は各年代で驚くほどに元気な人も多いが、また一方で、健康でない方、いわゆる寝たきり老人、手、足腰、目、耳等、体が不自由な方、認知症の方、病気持ちの方いわゆる虚弱老人、障害持ちの方々は、家庭での家族介護及び訪問による居宅サービス、または施設での介護サービス等を受けておられる方々が大変多いのであります。
 その中で、現在、市内でも、体にあざができている高齢者の事例が、ホームヘルパーやケアマネジャーにより報告されていると聞いております。
 全国では、虐待を受けている高齢者の年齢は、平均年齢81.6歳であります。年齢別では、75歳から85歳未満が43.3%で最も多く、次いで85歳から95歳未満が34.3%となっております。いわゆる、後期高齢者(75歳以上)で全体の80%以上を占めているのが現状でございます。かつ、介護度では、要介護3以上が過半数を占め、認知症では自立度2以上が60%に及んでおります。また、性別では男子23%、女子76.2%で、これも要介護3以上の方が51.4%を占めています。それから、虐待の加害者の30%は息子であり、ついで息子の嫁、そして配偶者がそれぞれ20%となっております。
 次に、介護者の虐待の状況を見ると、四六時中介護に従事している人が50%、これに夜間常時介護を加えると80%になります。また、介護協力者のいない人も80%あり、こういったことから、介護負担と虐待は相関関係にあると思います。
 このような状況を踏まえて、高齢者に対する虐待が高齢者の人権を侵害し、高齢者の健康または生命に重大な影響を及ぼすことから、高齢者虐待の早期発見及び高齢者虐待に対する対応の迅速化により、高齢者虐待の防止を図り、もって高齢者の福祉の増進を図るためにも、砺波市において、高齢者虐待防止条例を制定されてはいかがでしょうか。現在、全国では鳥取県の倉吉市が本年4月1日に施行されておりますが、市長の見解をお伺いいたします。
 次に、少年の非行対策で、重要な家庭教育、保護者の役割と学校教育、教職員との関係について、いま一度、現況を振り返ってみて、質問と提案をさせていただきます。
 6月定例会にて、青少年の非行問題について質問させていただきましたが、その後、私が危惧したことが市内の学校において発生し、校内暴力から外部へと波及していきました。その問題行動を起こした子どもたちは、他の教育機関で厳しい指導を受け、その行為を深く反省しているとお聞きしております。その後、学校は平静さを取り戻し、今までの学習の遅れを取り戻すために、先生と生徒が一丸となり、勉学、部活動に取り組んでおられ、我々先輩としても、ぜひ、頑張って成果を上げていただきたいものと思っております。
 そして、今回の問題行動で、市内外の小中学生に大変な不安と疑問をもたらしたのでないか。今後、将来のある青少年を立派に育て、社会に貢献していただくために、学校、保護者、地域が一体となって対応していかなければならないと思います。
 そこで、今後の問題に対処するためにも、ぜひ、教育委員会、学校にて、何でここまでになったのか、なぜ早期発見して早期対応ができなかったか、そして、取り組み方に問題はなかったのか、また、保護者と教職員、地域、警察との間の「報・連・相」がうまく機能していたのかどうか、原因をしっかりと突き詰めて報告していただきたいと思います。
 また、今年の犯罪白書の特集テーマは、「少年非行」であります。非行防止や非行少年の更生のために、保護者の役割に目を向け、その大切さを強調しておるのが特徴であります。そして少子化が進み、10歳から19歳までの少年人口は、1986年をピークに減少しておりますが、白書では「刑事対策上の最重要課題の1つ」と指摘するように、少年非行の深刻な状況が続いているのが実情であります。
 また、刑法犯で検挙・補導される少年の全少年人口に占める比率は、数字から見ても年々上昇傾向にあります。さらに、手口が凶悪で罪悪感もなく、何が動機なのか理解しがたいような少年事件も後を絶たないのが現状であります。
 最近でも、静岡県で高校1年の女子高生が、劇物のタリウムを使って、母親を殺害しようとして逮捕された事件。また、高校生による両親殺害事件や、中学生が銃を奪おうと駐在所の警察官を刃物で刺した事件もあったばかりです。
 少年非行は、学校や地域社会の問題も複雑に絡んで起きるが、家庭ほど少年の成育に影響を与えるものはないと思います。そして、家庭に問題がなかったのか、常識で考えられないような事件が起きるたびに、多くの人が疑問を抱くのであります。
 先日、調べていると、国の法務総合研究所が今年初め、少年院に入っている少年の父母の意識調査を実施したデータが載っておりました。
 子育てについて、半数以上の親が「子どもに口うるさかった」「好きなようにさせていた」と答えたといい、そのうち40%以上が「感情的に手を上げていた」ということでございます。また、非行の原因は何かと聞いたところ、「本人の問題」と「友人の問題」と答えた父母は90%もあったのに対し、「家庭の問題」という問いかけには、はるかに少ない数字の答えであって、担当者は大変驚いたということであります。それは、少年の非行を他に転嫁し、自らの責任と受けとめようとしない親が多いということでございます。
 また、少年院の教官の意識調査でも82%が「指導力に問題がある保護者が増えた」と答えておられます。保護者自身も生活や養育の態度を改めない限り、事態の改善ができないのではないかといわれているが、何にも増して、保護者が少年と正面から向き合い、きちんと社会生活が送れるよう、厳しさと愛情を持って導いていくことが大事であると締めております。
 そこで現在は、市内の小中学校において、スクールカウンセラー、心の相談員、そして生徒指導カウンセラー、この3点から生徒指導を進めているところとお聞きいたしておりましたが、今回起きた非行問題については、今の体制では十分な対応ができなかったのではないかと思います。
 通常、教員は学校では授業、クラブ活動、生徒指導、会議、行事、外部連絡等にて時間が費やされて、恐らく余裕の時間がないために、特別事態、特に、今回のような非行・暴力問題に即応できなかったのではないかと思いますがいかがでしょうか。
 また、最近の新聞で、全国の都道府県教育委員会や教員のアンケート調査の結果を発表しております。その中で、教員の指導力不足が増えたと載せていましたが、理由は、教育委員会では、「保護者や生徒の教員を見る目が厳しくなった」また、「教育内容が多様化し、従来の教育手法が通じない」がともに50%を超えておりました。
 また、教員では、「業務拡大、長時間勤務で研究・自己啓発の時間がとれない」が59%で最も多いと報告があり、現場での教育の厳しさが浮き彫りになったわけでございます。
 また一方、保護者では、「核家族化が進み、夫婦共稼ぎで少年たちの面倒が十分に見られないため、例えば朝食が満足でない、親としての愛情のある言葉をかけない、少年が相談しようにも話を聞けないため」、こういったことによって親子がばらばらになり、問題が起きているのではないかと思います。
 そんな多感な生徒たちの指導を学校教育だけで、それに上記3点の生徒指導法だけでは、現在の社会状況を勘案すると、教職員、保護者ともに限界にきているのではないでしょうか。
 そこで、市内の小中学校全体を見ていただける専門的な職員、例えば、現役警官か嘱託で警察のOBで非行関係経験者を配置して、学校(教員)、家庭(保護者、PTA)、そして地域、警察間の情報を密にして一体感のある体制をつくり、非行防止を図ってはどうか提案いたしますが、市長、教育長の見解をお聞きいたします。
 以上について、答弁をよろしくお願いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 井上議員にお答えいたします。
 提案されております高齢者虐待防止についてでございます。
 井上議員から御指摘のとおり、近年、介護家族の身体的、精神的、あるいは経済的な問題もあるのかもしれません。そのような原因から、高齢者虐待が増加をいたしておるようであります。
 市内でも、平成16年度で虐待と思われる事例が、実は7件報告をいただいておるわけでございます。私ども若い時代には、長老を敬う、それが正しい人事だということを教えられましたし、また、それが人の道だと言い聞かされておりましたが、このような時代の変化に対応して、そのような虐待があちこちで行われておる。なお、報告以外にもあるんではないかと、私は想像いたしておるわけでございます。
 なお、虐待の内訳といたしましては、この7件の報告の中で最も多いのが、身体的な虐待が4件、それから介護放棄が2件、その他、心理的虐待、経済的な複合的なケースも見られるわけでございます。
 今回、成立した高齢者虐待防止・養護者支援法は、発言でもございましたように、高齢者虐待の定義を、1つは身体的虐待、2つは介護放棄、3つは心理的虐待、4つは性的虐待、5つは高齢者の財産を処分する等の経済的虐待、これら5項目が基本となっておるところでございます。
 そして、この法律では国民の義務、国、地方公共団体の責務なども細かく規定されておるところでございます。高齢者虐待を発見した場合には、すぐ市町村長に通報をする義務を課せております。なお、施設職員が虐待について通報しても、守秘義務でなくて解雇の理由には当たらない、不利益を受けない、すぐ通報するようにということで、新しく法的措置がなされたわけでございます。市町村には、その届出窓口を設置することになりまして、このことをこれからも周知してまいりたいと、このように思っておるところでございます。
 また、虐待により、生命や身体に重大な危険が生じていると認められる場合、立ち入り調査、被害者をすぐ保護する、そのことを関係機関と連携して体制強化に当たらなければならないと、このようになっておるところでございます。
 井上議員提案の条例制定につきましては、今、申し上げましたとおり、高齢者虐待防止・養護者支援法は、市町村の責務を含めて規定されております。したがいまして、砺波市として、改めて同じようなことを制定するのがいいのかどうか。その辺、少し疑問があるところでございます。各市町村の動向も少し見たいと思いますが、二重三重、しかも条例でございますので、本当は市の条例では罰則等も入れたいんですけれども、それもままならないということになりますと、法律の方が上位でございますので、私どももそのことをよく知った上で、市民にもよく知らしめることが必要ではないかと、私はそのように思っております。
 平成18年度におきまして、高齢者虐待の早期発見に対応するために、新しく介護保険法が改正になりましたので、この新しい保険法に基づき創設いたします「地域包括支援センター」ができます。ここを総合窓口といたしたいと思っております。関係者及び関係機関との連携を図りまして、この総括支援センターが機動性を発揮する、そのような対応にしてまいりたいと、このように思っております。
 いずれにしても、それは受けて立つ話ですが、でき得ればそういうことのないように周知をするのが市町村の役割でないか。発生した段階で救済をするよりも、発生する前によく周知しておくことが大切だと思います。できれば、道徳をもう一遍考え直してもらう、モラルを考えてもらう。いわゆる、昔は「長幼の義」とか「長幼の礼」とかいうのがございましたが、そのことを徹底することが大切ではないかと、このように思っております。
 青少年健全育成関係につきましては、教育長からお答えいたします。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 教育長 堀田良男君。
  〔教育長 堀田良男君 登壇〕

◯教育長(堀田良男君) 井上議員の御質問、特に、生徒指導に関してあらゆる分野から分析いただいて、御意見、御提案をいただきましたことに敬意を表します。
 それで、御提言のあったことすべてに対して、この席でお答えすることはできませんけれども、今後の生徒指導に大いに生かしていきたいと思っております。
 それでは、主なものについてお答え申し上げます。
 まず、青少年健全育成の取り組みについての御質問のうちの、少年の非行対策で問題行動に対する原因究明でございます。
 少年の問題行動にはさまざまな要素があります。その原因究明は、容易なことではありませんが、現在のところ、教育委員会では次のようにまとめております。
 まず1点目、子どもの発達過程で学習の参加や社会参加に対して、一人一人の子どもの尊重、そしてきめの細かい温かな生徒指導に不足があっただろう。2点目、子どもの居場所や子どもの不安な状態をいち早く把握して、そして家庭と学校との連携がうまく流れるようにできなかった。この1と2は学校の問題です。そして、保護者との関係です。それがベースになって3点目、それに加えて犯罪歴のある外部の少年からの汚染があったこと。この3つが、重複的な行動となってあらわれ始め、それを初期の段階でしっかり指導することができなかった。このことについては、まことに遺憾に思っております。そして、問題行動のあったお子さんたちが一刻も早く社会復帰してくれることを願っているのであります。
 そこで、この3点の分析をもとに、今後の生徒指導に生かし、学校、家庭、地域、そして関係者が一体となってこの問題に対応するよう努めてまいります。具体的には、幼保小中の一貫した社会規範の訓育、すなわち「みんなで育てよう砺波っ子」であります。これは、先ほどの代表質問でも少しお答えしておきましたが、多くの方にアンケートをいただきました。それを集約していきますと、大体このようなことになります。元気がよくてあいさつができる、すなわち自分の存在を明確にできるお子さん。そして、やさしく思いやりがある。さらには、約束や決まりはきちんと守れる子、これは一番大事なことです。日本人として正しい言葉が使える子。やがては、最後までやり遂げることのできる粘り強い子。このような5点を核にしまして、砺波っ子を育むことを考えていきます。これらをすべて備えた子というのは大したものです。だけどもこれを目標にしながら行動を起こしていきたいと思います。
 現在は、この大きな目標ができましたものですから、これに対して、発達段階に応じながらどんな内容を与えればいいだろうかということを検討しております。もうしばらくで上がってきます。各団体とも連携をしながら、市民運動を展開できないかと考えております。
 次は、御質問にありました学校を見守る専門的な職員の配置についてでございます。
 6月中旬、市の単独事業として、生徒指導の推進員を1名、急遽、設置いたしました。その活動内容につきましては、多感な中学生の生徒指導について、特に学校の中で活動していただいております。幸い、人材にも恵まれまして、その効果を上げてきたと見ております。新年度には、先の代表質問でも御説明申し上げましたけれども、関係機関とのパイプ役である生徒指導連絡調整員を設置できないか検討しております。そして、議員が提案されている学校、家庭、地域及び関係機関が情報を密にして、一体感のある体制づくりをし、すなわち生徒指導推進員、生徒指導連絡調整員、これらが学校や家庭、地域と連携しながら青少年の健全育成に期していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 7番 稲垣 修君。
  〔7番 稲垣 修君 登壇〕

◯7番(稲垣 修君) お許しをいただきましたので、通告に従い、山田議員の御質問とも関連いたしますが、砺波市の観光行政の将来につきまして、質問並びに若干の提案、要望を述べさせていただきます。
 皆様も御承知のとおり、去る11月27日に南砺市の城端伝統芸能会館「じょうはな座」で、北日本新聞社主催により「県西部広域ネットワーク会議、県西部をつなぐ地域間交流活性化フォーラム」が開催され、私も聴講させていただきました。
 堂故氷見市長はビデオでの参加でありましたが、高岡、小矢部、砺波、南砺市の4市長が一堂に会し、平成19年の東海北陸自動車道の全線開通、平成26年の北陸新幹線の長野・金沢間の開業を踏まえ、地域間交流の活性化の中でも、特に、今後の県西部における広域観光のネットワーク化をどのように推進していくかという内容で、時間的には正味1時間ぐらいの短い時間ではありましたが、それぞれの観光に対する姿勢や現状、また課題と展望について理解を深めることができ、初回としては、タイミング的にも大変有意義な会議ではなかったかと思います。
 さて、フォーラムも含めた私の率直な感想でありますが、県西部の広域観光もようやくスタートラインに立ったところであり、広域観光実現への環境が整いつつある段階と申し上げたいのであります。と申しますのも、11月の新高岡市、射水市の誕生により、ようやく県西部も6市に統合され、この数なら具体的な動きも十分可能になると思うからであります。
 思えば、2年ほど前までは県西部で20近い自治体があり、観光行政についても、当然、各自治体のスタンスには格差があったでしょうから、広域観光推進という総論では一致しても、足並みをそろえて、現実、まとまって何かをやるとなると、極めて難しかったのではないかと推察されます。その意味で、協議するにしても、協力するにしても6市となり、スピードも含めてかなり期待できる状況になってきたのではないかと考えます。
 しかし、今回のフォーラムを通じて、4市の観光行政に対する基本姿勢には、格差、温度差が感じられ、相互理解、意思疎通までには少々の時間がかかるのではないかと思うのであります。
 「観光振興を高岡再生の切り口にとの高岡市」「地域経済の中で観光産業の占めるウエートの高い南砺市」「歴史、ストーリー性を模索中の小矢部市」、私はそんな印象を受けました。
 そんな中で、対照的であったのは安念市長であります。自信、そして余裕すら感じられました。「砺波市の最大の観光資源は、大地である」との御発言は、観光行政そして観光政策は目先の小手先ではなく、じっくりと腰を据えて中長期的に取り組むべきとの趣旨と推察いたしました。
 「広域観光の推進、ネットワーク化」というスローガンばかりが先行する今日、安念市長が申されたとおり、まず、各自治体がそれぞれの文化や歴史、風土、また自然景観や名所旧跡、特産物をきちんと掘り起こし、観光資源として磨き上げ大切にしていかなければ、実りあるネットワーク構築など望むべくもありません。市長は、「小都市のルネサンス」と表現されましたが、私も全く同感であります。
 そこで、今後の広域観光の推進に向けて、私なりに申し上げておきたいことは、第1点目として、観光資源の見直しであります。特に、南砺市の場合、年間のまつりやイベント数が約80もあるそうですが、そこまでいかないにせよ、それぞれの市で地理的、季節的なバランスを考慮し、整理・再編のための絞り込みが必要であろうと考えます。
 第2点目は、都会から観光客を呼べないものは無価値だと端から切り捨てるような態度は慎むべきであります。県西部の連携が、うちそとの両面で機能することが必要であろうと考えます。何しろ、地元の方に無関心でいられるようでは話になりません。それこそ、チューリップフェアもいきなり全国区になったわけではありません。思うに、観光行政、そして政策にはステップアップの要素が不可欠であり、そのためにも、県西部の各市がそれぞれの観光資源を地道に育てていくことこそが、何よりも望ましい姿と考えます。
 いろいろと感想を申し上げましたが、広域観光を見据えた砺波市の観光行政の将来に向けて、現状並びに課題と展望につきまして、安念市長の御所見をお聞かせ願います。
 それでは引き続き、幾つかの具体的な質問に移らせていただきます。
 まず、今年9月に発足されました「砺波市観光まちづくり計画策定委員会」の現況についてお尋ねいたします。
 委員会メンバーは、行政と各関係団体の役員で構成され、年度内の観光計画策定に向けてイベント活性化部会、観光戦略部会の両部会で精力的に調査研究がなされていると伺っておりますが、現段階での進捗状況と、新聞で報道されておりましたが、去る11月28日の委員会での「休日の観光客に対応するための窓口組織づくり」、また「全国規模のスポーツ大会の誘致による滞在型観光の推進」との意見具申につきましては、私も全く同感であります。さらには、滞在型観光の推進策として、全国規模のコンベンションの誘致も積極的に展開すべきと存じますが、当局のお考えをお聞かせ願います。
 次に、来年度第55回チューリップフェアについてお尋ねいたします。
 砺波市の最大イベントであるチューリップフェアも、昨年は浜名湖花博、今年は愛知万博の影響により、観光客入込み数は30万人を割り込んだ状況となっております。もちろん、行政、そして関係者の皆様の日ごろの御努力は十二分に理解をいたしております。現に、来年のフェアに向け、PR用のDVDを新しく制作され、10月から精力的に全国の旅行代理店回りをされているということも承知いたしております。
 7日の安念市長の提案理由の中で、来年度フェアの事業基本計画をお聞きいたしましたが、花のボリュームアップ、また、庄川水記念公園との連携、そして、サービス向上のための入場料改定等、現段階で決まっている内容につきまして、当局より詳細をお聞かせ願います。
 なお、チューリップフェアへの提案でありますが、入込み数の向上と滞在型観光の推進策として、ライトアップによるナイター営業も一考かと思いますが、当局のお考えをお聞かせ願います。
 最後に、砺波市のさらなる観光推進への組織、体制づくりについてお尋ねいたします。
 まず、当面は市当局が主体となり、砺波商工会議所、庄川町商工会、砺波観光協会、庄川町観光協会を初めとする観光関係諸団体との一層のネットワークの構築が必要であろうと存じます。
 次のステップといたしましては、砺波観光協会と庄川町観光協会との統合が協議されてもよいのではないかと存じますが、当局のお考えをお伺いし、私の質問を終わります。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 稲垣議員にお答えいたします。
 観光行政と将来に向けて展望は開けないのかどうか、いろんな課題があるということでおっしゃいました。
 まず、現状を申し上げます。
 砺波市は、大きいイベントとしてはチューリップフェアがございますし、四季折々の花を飾る形で、四季彩館も頑張っておるところであります。なお、心身を癒す庄川温泉郷もございます。それから、歴史的には千光寺とか増山城とかいろいろございます。また、伝統工芸でございます庄川の挽物木地、あるいは、先般も行われましたゆずまつりなどございますし、私は何よりも、これまでこのことをPRしていなかったと思いますけれども、いわゆるカイニョに包まれた家々が点在する散居村風景、これを大事にし、ベースにすべきではないかと、今、あまりそのことを言われておりませんが、新しくできます散居村ミュージアム等を活用していくのも一つの方法かと思っております。現状としてとらえるならば、これらの行事を若干アレンジしながら、イベントを行っておるわけでございます。
 そこで、これから観光という面で、第三次産業でございますけれども、お客さんにこの砺波に来ていただく、そのときの仕掛けをどうするか、現状のいろんなイベント等々について、もう一遍分析し直さなければいけないと、私はこのように思っております。
 ついては観光協会もございますし、商工会議所、商工会等々でもいろいろPRをなさっておられるわけですが、もう一歩踏み込みが足らないような気もいたします。今、現実的に、観光客そのものは落ち込んでおります。そのような現状もデータとして出ております。
 さて、この落ち込みをどうするか。1つは、現状のイベントを含め、持っている資源を再活用、中身をよく調査して、それをクローズアップさせるということが大切ではないかと思います。先般、城端であった話し合いの中でもいろいろあったんですが、東海北陸自動車道が出てまいりますと、どちらかというとストロー現象になるのではないか。恐らく、皆さんに魅力があるのは能登観光だろうと言われております。したがいまして、この辺は通過型の観光ということになりはしないかなと、こう思っております。そこで、私はすばらしい散居景観を大々的に売り込まなければいけないと思っております。
 そのようなことを思うと同時に、もう1つは多くのイベントがございますが、このイベントをもう少し工夫をしなければいけないと思う。毎年毎年、チューリップフェア等につきましても、内容は球根の数を増やしたり、種類を変えたりといろいろやっておりますけれども、マンネリ化していると、このように一般的に言われております。そう言われる方は、本当に見に来たのかどうか疑問に思うわけですが、随分、中を変えているんですよ。品種も変え、毎年来られても、「ああ、今年の花は」ということで思っていただければいいんですが、市内の人が勝手にマンネリ化していると、このようにおっしゃっておられます。
 そこで、近頃は、花あるいは香り、もう1つは「食」にあると思う。したがいまして、大門素麺であったり、この間のゆずまつりを見ますと、随分、県外からもお越しのようでございます。そういう食に対して、ここは海岸縁でございませんので、いいお魚とかカニとかブリとかはございませんが、今、申し上げました大門素麺であったり、ゆずであったり、あるいはアユであったりというものを「食」としてPRすることが、皆さんに魅力を感じていただけるんではないかと、こう思っております。
 さて、そこで、稲垣議員からもおっしゃいましたように、県西部ネットワークの話し合いがございました。私は、まず何よりも「高岡市頑張ってくれ」ということであります。観光よりも、まず、氷見線、城端線をがっちり守ろうと。ついては、橘市長、あんた頑張ってくださいよと言っているわけです。観光に来られる皆さんは、確かに、車で来る人もおられるし、いわゆるのどかな田園風景を見て喜ぶ人もおると思う。ただし、これは永続的に頑張らなきゃいかんなと、このように申し上げました。そのほか、幾つか高岡が事務局を持っておられる西部観光協会とか、あるいは、能越経済観光懇談会とか、そういった意味での幾つかの連名協議会を持っておられる。実は会費だけ出しているんですけれども、そういう意味も含めて申し上げました。
 もう1つは、瑞泉寺を初めとして、あるいは、砺波市にもあるんですが、曳山を大々的にやってもらって、我がほうでもちょうどチューリップフェアをやっていますので、そういう意味での基点であると、私はそれに乗っかって考えてみたいと、こういう意味で若干クレームをつけて申し上げたわけでございます。
 そこで、稲垣議員もおっしゃいましたように、それをやるには今のイベントの内容をもう一遍見直して、そして皆さんに受けるような体制づくりをしなければいけないのではないかと思っておりますし、そこにでき得れば、においとか食とかいうものもぶつけるということで来てもらえるのではないか、こんなことなど、想像いたしておるわけです。
 そこでその際に地域の歴史、先ほど言いましたように、増山城や千光寺など古刹もあるわけであります。あるいは文化もあります。伝統的なものもございます。一例を申し上げますなら、子ども曳山もございます。これは熱心な人たちは、随分、興味を持っておられます。地元の皆さんはさほど熱心ではない。本当の出町の皆さんは熱心なんですけれども、近隣の皆さんは熱心でないんですけれども、これを理解をしてもらって「出町のまつりは楽しみだ」と待っておるくらいの形に仕向けなければいかんと思います。そういうイベントについては、これから十分に再発掘をするというのを申し上げたんです。それは「都市のルネサンス(文芸復興)」、もともと歴史的にありますものを軽く考えないで、掘り起こして、それを皆さんにぶつけるという意味で申し上げたわけでございます。なおまた、砺波市は庄川町と合併することによって、芸術家、美術家の宝庫であります。南砺市に次いでだと思う。南砺市に負けないと思う。そういう人たちをクローズアップする。その意味では美術館もしっかりしなければいけませんし、そういう人たちを活用していただいて、鑑賞の場を与える。「砺波に行けば、すばらしい彫刻が見られる」「すばらしい絵画が見られる」、そのことも一つの要因ではないか。そういうベースの上に立って議論をしていただいて、文芸復興して、そのことを位置づけておけばいいと、こう思っております。
 終わりになりますけれども、このすばらしい環境なればこそ、今日、日本一の種もみ産地になったわけですから、これらも今、あんまりPRしておりません。すばらしいところだから、いい種もみができるんだと、これは実証されておるわけですから、そのことを念頭に置いてPRするということが、私は大切ではないかと思います。
 理屈っぽい話になりましたが、この辺は皆さんの知恵もかりながら、ストロー現状にならないように、受け皿をしっかりしていくべきではないかと。その意味では、観光協会、それぞれございますけれども、できれば連携プレーをして、しっかりしてやりたいなと思うところでございます。何か1つ国宝的なものがあれば、大事なポイントになるんでしょうけれども、残念ながらそんなものはございません。ただし、県が指定しております文化財も各地にあるんですから、これらも活用し、先ほど言いました芸術家、美術家もおられるわけですから、その文化財も活用しながらいきたいと、このように思っております。
 この間から、国道359号で久泉の遺跡調査をしましたら、古いものが出てきたんです。古いから、あるいは、かけらだからと言わないで、歴史がちゃんと物語っております。それらも大事にして展示することによって、そういう勉強の好きな人たちは集まってくるような気がします。そういうものも大切にしていくべきではないかと、このように考えております。ぜひ、皆さん方のお知恵をかりて、いい観光行政を進めさせていただきたいと、このように思っております。
 あとは、担当部長から御説明を申し上げます。
 以上でございます。

◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 堀 秋博君。
  〔商工農林部長 堀 秋博君 登壇〕

◯商工農林部長(堀 秋博君) 稲垣議員の市の観光行政の将来に向けてのうち、観光まちづくり計画策定委員会についてのほか2件についてお答えいたします。
 まず、砺波市観光まちづくり計画策定委員会につきましては、市民公募による委員や、観光関係団体の代表者などを含め18名で構成され、去る9月20日に第1回委員会を開催いたしました。委員会では、本市の観光資源やイベント等の有機的な連携により、交流人口の拡大と滞在型観光を目指した観光まちづくり計画の策定について、調査研究及び審議を行うことといたしております。
 今日まで、3回の委員会が開催され、地域の特性を生かした観光振興策などの提案をいただいたところでございます。委員会では、市内の観光地視察も実施したところでありますが、名所旧跡の説明を聞くことで、さらに魅力ある観光資源として、新たな発見ができたことに参加者全員が感動されておられました。
 3回の委員会開催後、いただいた提案を掘り下げて検討するため部会を設置し、部会協力員として市の職員も交え、イベント活性化部会、観光戦略部会の2部会に分かれて協議がなされました。今後は、委員会、部会で出されました提案や具体的方策をもとに、現状課題や施策を整理し、来年3月中の策定を目指し計画書づくりを進めていく予定でございます。
 次に、委員会、部会での意見でありました休日に対応できる観光案内組織の設立、スポーツ大会の誘致による滞在型観光の推進、全国規模のコンベンションの誘致についてであります。
 まず、休日に対応できる観光案内組織の設立につきましては、観光案内を行っております砺波市商工観光課、それから、砺波観光協会、庄川町観光協会は、土・日・祝祭日は職員が勤務しておりませんので、観光客の皆さんには御不便をおかけしているのが現状であります。このことからも、常時、観光客に対応できる観光案内組織の設立は必要であると考えておりますが、当面は、特産品を宣伝、販売する「フラワーランドとなみ」や「庄川特産館」などを案内窓口として、協力依頼してまいりたいと考えております。
 また、滞在型観光推進のためスポーツ大会や、全国規模のコンベンションを誘致してはどうかということでありますが、市内には整備されました運動施設、文化施設、それから宿泊施設など多くを有することから、これらを大いに活用し、大会、会議を誘致することで結果として観光が目指すところの交流人口の拡大、滞在型観光、そして地域経済の活性化にもつながると思っております。そして、大会、会議に御参加いただいた方に、観光名所、食べ物、特産品などの砺波のよさをお伝えすることで、口コミなどによりさらなる集客が期待できると思われますので、今後、情報を収集するなど調査検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、来年度のチューリップフェアについてであります。
 「2006となみチューリップフェア」はテーマを「花と水」とし、翌年4月21日から5月7日までの17日間にわたり、チューリップ公園を主会場に開催いたします。目標入場者数は30万人を予定いたしておりまして、今回は、「チューリップフェア市民研究会」の提言を踏まえ、花のグレードやサービスをより向上させたいと考えております。また、宣伝活動につきましては、ポスターやパンフレットの印刷部数を増やすとともに、フェアの様子を短くまとめましたDVDを新たに制作し、全国の旅行代理店などに積極的にPRしているところであります。
 次に、まだ検討の余地も残されていると思いますが、現在、決定されている主な内容について申し上げます。
 まず、花につきましては、公園の花をボリュームアップするために単位面積当たりのチューリップ球根植え込み数を約3割増やしております。また、ムスカリやヒヤシンス等、他の球根も多く取り入れたことから、より充実した花壇をお見せできるものと存じております。その他、富山県野菜花き試験場の協力をいただき、今年9月に農林登録されました「紅ずきん」を初公開する予定でございます。また、好評であります花のスポットとして夢の平水仙畑を積極的に紹介し、「花のまちとなみ」をアピールしたいと考えております。
 次に、庄川水記念公園との連携につきましては、5月3日から5月5日に計画されております庄川木工まつり会場へのシャトルバスの運行や、フェア会場でのろくろ体験教室の実施に加え、フェア入場券で庄川美術館も入場できるようにしようとしております。これらのことで、庄川水記念公園一帯との連携をより強化させ、特産品などを全国の皆さんに御紹介いたしたいと考えております。
 次に、入場料金につきましては、花をより充実させることや庄川水記念公園との連携、また、シャトルバスを増便するため、9年ぶりに改定いたしました。料金につきましては、高校生以上の大人は100円増額の1,000円とし、逆に、小中学生は100円減額の300円に設定いたしました。また、新たに65歳以上のシルバー料金800円を設けるなど、家族連れや高齢者の方々にごらんいただきやすくいたしております。
 そのほかの主な変更といたしましては、費用対効果の面から閉園時間をこれまでより30分早め、5時半といたしたところでございます。
 次に、ナイター営業につきましては、過去に何回かレーザー光線等を使って大がかりに行ったこともありますが、公園内の照明だけでは入場者数はそれほど増えなかったのが現実でございました。よって今回は、大花壇やチューリップタワーのライトアップに加えまして、文化会館で子ども向けのキャラクターショーを試行的に2日間実施したいと考えておりますので、あわせてごらんいただきたいと存じます。
 最後に、観光推進への組織、体制づくりについて申し上げます。
 観光情報を発信する上で、情報の共有化、一元化ということは非常に重要なウエートを示しております。また、イベントの運営企画という面からも、商工観光団体が一体となって取り組むことで、魅力ある効果的な催し物になると期待されております。そのようなことから、観光関係団体のネットワークは必要であると考えます。先ほど申し上げました、観光まちづくり策定委員会を設置いたしましたが、この組織を端緒として、観光関係団体の連携を強化してまいりたいと存じております。
 観光協会の統合につきましては、観光事業の効率的な運営や効果的な宣伝活動を行うためにも、重要な課題であると認識いたしております。しかしながら、事務局体制、イベントの運営主体、支援体制など格差が大きく、これらを是正し、均衡を図ることが必要であります。観光まちづくり策定委員会の中では、情報を集約し発信することができる、スポーツ大会の誘致ができる、そして、収益活動ができるなどの民間組織の構築が提案されております。そのような組織を念頭に入れながら、平成19年度には、観光協会の統合が図れるよう関係機関との調整を進めてまいりたいと存じております。
 以上であります。

◯議長(江守俊光君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
 次回は明12月15日午前10時から開会いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
 どうも御苦労さまでございました。

 午後 4時04分 閉議