平成16年12月定例会(第3号) 本文

1.会議の経過
 午前10時02分 開議

◯議長(松本恒美君) ただいまの出席議員は29名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。

                  日程第1
     市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑(一般質問)

◯議長(松本恒美君) これより日程に入ります。
 日程第1 市政一般に対する質問並びに議案第2号から議案第12号まで、平成16年度富山県砺波市一般会計予算外10件を議題といたします。
 昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 6番 嶋村信之君。
  〔6番 嶋村信之君 登壇〕

◯6番(嶋村信之君) まず最初に、新砺波市初代市長に無投票当選されましたことを心よりお祝いを申し上げますとともに、市長が公約として掲げました政策の実現を目指し、全力で取り組みされますことを切望いたします。
 それでは、通告に従い、4項目について一般質問をさせていただきます。
 御存じのとおり、砺波地方の美しい散居景観は、我が国農村の原風景の一つとも言われ、市民共有の財産として保存・活用することが重要なことであります。県ととなみ野で2002年に散居景観保全事業を創設し、協定締結地区で行われる屋敷林の枝打ちなどの保全活動費用に対し支援しております。現在、となみ野では145地区、砺波市は50地区で協定が結ばれ、各種の保全活動が進められております。
 しかし、今回の台風によって、このすばらしい散居景観が危機存亡の状態ではないかと思われてなりません。いま一度、散居での暮らしに誇りを持ち、散居景観を次世代へ伝えていくため、県、市、地域住民が一体となって散居景観保全を推進すべきではないかと考え、質問いたします。
 1つ目は、今回の台風で被害を受けた樹木は、どちらかというと枝打ち等の管理が十分でなかったことが理由の一つに挙げております。そこで、カイニョの保全管理を各家庭で行うのは基本ではありますが、このすばらしい散居景観は、砺波市の財産でもあり、自然公園でもあります。また、遺産的な価値の高い景観でもあります。御存じのように遺産は1,000年の年月がかかります。この大事な散居景観を遺産として次世代に残すためにも、保全を各家庭でお任せするのではなく、それぞれの地区で保全管理していただく、例えば森林組合と市(地区)が協定を結び、総合的な取り組みの中でカイニョを保全していくことが大切であるかと思いますが、いかがでしょうか。
 2つ目には、今回、台風で倒木したカイニョの活用についてお尋ねいたします。
 現在、各自で伐採された倒木は、無用の長物として各家庭に保管され、処分に困っている方が多いわけであります。そこで、倒木した木を活用する意味から、各小中学校での工作の時間、総合的な学習の時間等で活用できないでしょうか。
 今回の台風で被害を受けた方々は、もうカイニョはこりごりだと思っています。しかし、子どもたちが倒木を活用した工作品を見ることにより、カイニョを育ててきた苦労の一端が報われるのではないでしょうか。その上、子どもたちにも機会教育を通して、カイニョを大切にする心が生まれてくることを期待できます。
 また、今回の教訓を生かし、各家庭にあるカイニョを一定の年数を経た樹木は伐採し、教材として各小中学校、生涯学習の講座等で活用できる資源循環型方式を導入できないでしょうか。
 何としても、このすばらしい散居景観を次世代に残さなければならない意味から、子どもたちの作文を紹介します。
 庄南小学校の新砺波新聞に6年生が、「まず僕が観光客に一番見せたいのは散居村です。その後、砺波で取れたお米を食べて、庄川のゆずがりをする」とつづっております。
 また、「新しい砺波市への思い」と題して、「もし自分が市長になったら、何よりもまず砺波市の環境をよくしたいです。自らボランティアをして緑を多くします。さらに、リサイクルの活動を進め、ごみを増やさないようにします」。
 また、「子ども富山県広報」にも砺波市の小学生が散居村のよさに誇りを持って寄稿しております。このように、子どもたちも散居景観に対しとても熱い思いを持っていることを付言しておきます。
 3つ目には、カイニョを診断する樹医の養成であります。樹医とは樹木のドクターであります。
 現在、砺波カイニョ倶楽部が中心になって散居保全を推進していただいております。となみ野の景観保全をさらに推進するためにも、現在計画されている田園空間整備事業等の一環として、樹医の養成に取り組みをすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 4つ目には、散居の景観保全をもっと根本から考える。すなわち、生態と自然との共生する観点から検討すべき課題と思いますが、校舎の一隅でのビオトープで事足りているのかどうか、お尋ねいたします。
 現代社会は、産業の発展に伴って、私たちは多くのすばらしい自然環境を失ってしまいました。今や、環境問題への対応は、法規制だけではなく、企業や地方自治体の社会的評価にかかり、真剣に取り組むべき問題となり、自然環境の保全や回復への関心が高まっています。
 次に迅速に対応できる災害対策についてお尋ねいたします。
 御存じのとおり、10月23日発生した新潟県中越地震は阪神・淡路大震災を上回るすさまじい地震でありました。砺波市も県の要請を受け、消防隊5名、救助隊3名が派遣され、災害復帰に協力し、関係者から感謝されております。
 当市の防火体制につきましては、砺波広域圏消防本部において平成11年に各消防署との消防緊急システムが一元化され、砺波消防署は万全な態勢になっております。また、消防分団につきましては23分団602名で構成され、すべての地区で初動態勢がとれるようになっております。しかし、防災対策を見ますと、必ずしも市民が安心できる状態とは言えないのではないでしょうか。
 そこで、今回の合併に伴い、防災に対し人事を強化したと伺っておりますが、果たして防災対策が安心できるのでしょうか。例えば、当市の場合、防災係は総務課行政係に位置づけされております。やはり名は体をあらわすと言います。なぜ防災係とせず、行政係となったのかお聞かせください。
 また、災害現場へ駆けつけ、救助や即時の対応、状況を判断するのは消防署員であります。緊急時の現場の的確な状況把握を行政係で十分対応できるでしょうか。そこで、各部局との連携強化で情報の一元化を図ることができる防災対策本部体制にしていただきたいことを強調しておきます。
 2つ目には、災害が発生すると高齢者の犠牲者が多くなるとともに、災害弱者救助が防災対策の重要課題となります。当市において、65歳以上の単身世帯数829、老年者のみの2人以上世帯数912、また、70歳以上の単身世帯数は667となっております。したがって、ひとり暮らしの高齢者に近隣のだれがどう情報を伝え、避難誘導するか等、救助ネットワークの整備がかぎとなります。
 そこで、災害弱者への災害時の災害防止への対策と、日常的な地域での居住把握の充実を図るため、支援体制づくりが課題となりますが、今後の対策についてお答えください。
 3つ目には、災害時の災害ボランティアセンターの体制整備と災害ボランティア登録の推進です。
 近年、ボランティア意識も高まり、砺波市ボランティア連絡協議会には、現在、旧砺波市は34団体、1,132名の会員、庄川町は78団体、878名の会員が登録されております。最近の自然災害の多さを考えると、いざというときに災害ボランティアを募集して、日常的な意識づけの研修や体制づくりが必要ではないでしょうか。今後の具体的な対応をお伺いいたします。
 4つ目には、地域防災の核となる地域に根差した自主防災組織がますます重要になってきました。自主防災組織のある集落は、旧砺波市は220集落のうち20集落、庄川町は31集落すべてにあると伺っております。行政としては機会あるたびに啓発されておりますが、災害対策のための自主防災組織の強化育成について、今後どのような取り組みをなされるのかお聞かせください。
 次に、健康と福祉及び行政サービスの向上についてお尋ねします。
 1つには、子育て支援について伺います。
 現在、市内11の保育所で、定員1,200名のところ1,228名の幼児が保育され、子育て支援がされております。しかし、一方では、居住区の保育所の定員オーバーのため、やむを得ず居住区外の保育所へ入所しなければならない子どもがいまます。このことは幼児期の子にとっては大変大きな問題であります。
 また、地区の保育所に受け入れができなかったために、やむを得ず幼稚園に入学した園児もいると伺っております。その上、幼保一体の通所太田こども園、北部こども園でも、幼稚園児になると延長保育や長い夏季休業中等の対応に保護者ができず、やむを得ず、他地区の保育所へ入所しているのが現状であります。このことは、兄弟姉妹でありながら他地区の保育所へ入所しなければならない問題が現実に起きております。これでは幼保一体の子育て支援とは必ずしも言えません。
 現在、市内の9幼稚園の定員820名に対し538名の園児で、すべての幼稚園で定員割れを起こし、入園率は65.6%であります。このように、保育所と幼稚園では非常にアンバランスになっております。現在、所管関係から保育所と幼稚園に分かれておりますが、指導内容はほとんど変わらないと私は認識いたしております。
 そこで、保護者のニーズを踏まえ、新年度から幼保一体及び幼稚園での子育て支援策を具体的にお聞かせください。
 2つ目には行政サービスについて伺います。
 過日、市長は、庄川町から市役所へ来た方が窓口がわからず、もたもたしていたのにだれも声をかけなかったことに対し、「愛が不足していた」とコメントしました。また、市長は昨日の一般質問の答弁で、「市民が主役であり、市民のために職員はサポートする」と強調しておりましたが、まさにそのとおりであります。
 そこで、職員にサービス精神を意識づけするために、例えば市民課を市民サービス課、社会福祉課を社会福祉サービス課、また生活環境課を生活環境サービス課とすることにより、職員が市民に対しサービスするとの意識が派生してくると思われますが、いかがでしょうか。
 また、現在の生活環境課は正面に隣接しており、総合案内窓口を担っていると伺っておりますが、必ずしもその機能を発揮しているとは思われません。総合案内窓口の機能を果たすのなら、まずオープンカウンター方式に改造し、市民に応対すべきではないでしょうか。
 関連して言いますが、JR砺波駅は橋上駅として全国的に見ても珍しい駅であります。現在の所管は、駅前広場は生活環境課、階段等は市道であるので土木課、市民コミュニティープラザは都市整備課となっておりますが、市民の目線で見ると、何で1つの施設なのに3つの課に分担しているのか疑問を持っているわけでありますが、せめて管理は一元化すべきではないでしょうか、お答えください。
 次に、子どもたちの教育環境の課題について質問いたします。
 1つには、幼児の視聴覚教育についてお尋ねいたします。
 新生砺波市を祝福するがごとく、庄西中学校のマーチングバンドが北陸大会で金賞を受賞。今月の18日、埼玉県で開催される全国大会に出場します。去る28日、全国大会を記念し、庄川体育センターで記念演奏会が行われましたが、大変すばらしい演奏会で、感動した一人であります。
 翻って、当市の保育園の発表会に参加した際、感じたことは、音響設備は移動式アンプが多く、ハウリングを起こすなど、子どもたちのせっかくの発表も芳しくありません。園児のはつらつとした豊かな表情で救われました。御存じのように、胎児は五感の中で耳が最も早く完成します。胎教を大切にする背景はそこにあります。したがって、幼児は音楽に対し大変敏感であります。このことから、幼児教育に音楽を重要視するわけであります。
 そこで、音色のよい音楽を聞くためにも、各園に段階的に音響を整備し、情緒豊かな子どもを育成するためにも音響機器の更新をする必要があると思いますが、対応についてお答えください。
 2つ目には、自閉症や学習障害、注意欠陥・多動性障害などへの支援を定めた発達支援法案が、去る12月3日、国会において成立し、来年4月1日に施行されます。
 御存じの方も多いと思いますが、発達障害者は人口の5%以上とされる頻度の高い障害ですが、発見が遅れることにより、不登校や引きこもりなどの2次障害を引き起こすケースが多いわけであります。しかし、知的障害を伴わない場合は障害と認められないため、必要な支援が遅れていたのであります。この法案は、発達障害の定義を、自閉症や学習障害などの脳機能の障害であり、症状が低年齢で発見するものと初めて明記されました。そこで、具体的な発達障害者の支援策として重要な早期発見に関しては、1歳6カ月児健診、3歳児健診、就学時の各健診で発達障害の早期発見に十分留意しなければならないとした上で、保護者に対し、相談、助言などを行うよう市町村に求めております。
 したがって、今回の法案に基づく発達障害者の人数を既に把握されているのか。また、今後の支援策及び具体的な対応があればお答えください。
 3つ目には公民館活動についてお尋ねいたします。
 公民館の目的は、社会教育法で、「実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もって住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする」と規定されておりますが、公民館の名称が起こったのは、公民教育の場として考えられているからであります。
 近年の国政選挙などでの低投票率は、公民意識が希薄になったあらわれと見ることができます。また、公徳心のある社会の一員としての自覚、そして、人間は家から一歩外に出たらパブリックな存在なのだとわきまえなければならないのであります。しかし、公道、公共交通機関などでの若者らの振る舞いを見ますと、社会で守らなければならない基本的なルールをおろそかにする傾向が進んでいると言わざるを得ないのが現状であります。
 そこで、本来の公民館活動を推進していくためにも、ふるさと教育や、さらに礼儀作法や道徳教育等を施し、地域に誇りを持った新しい市の担い手を育成するとともに、一方、現在、利用者は高齢化が進み、公民館に出入りする子どもが少なく、地域の子どもたちを公民館に呼び戻す工夫も大切であります。今後、公民館活動に対しどのような指標を持ち、取り組みをなされようとしているのかお答えください。
 なお、地域の教育力について筑波大学門脇教授は、「地域の大人たちが子どもたちと直接かかわり、活動することで、子どもたちを人間が好きな人間に育て、社会づくりに積極的にかかわる人間として形成していく作用」と述べていることを補足しておきます。
 なお、来る19日に竣工式を挙行する神島コミュニティー公民館を見学させていただきましたが、この公民館は、地元負担で小体育館を併設する先進的な機能を持った施設であります。建設委員の方の御意見をお聞きしますと、「子どもたちが日常的に自由に遊ぶことができるように工夫し、子どもたちが自然のうちに、地域で遊びながら学ぶことのできる公民館にした」と、誇りを持ってお話をされていたことを付言しておきます。
 以上で一般質問を終わりますが、4万9,000の市民のため、市当局におかれましては、今後一層の努力と創意工夫をお願いして終わります。ありがとうございました。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 嶋村議員にお答えいたします。
 お祝いと激励を賜りました。期待にこたえたいと存じております。
 まず、散居村の景観保全の取り組みについてでありますが、散居村の景観保全のために、地域におけるカイニョの推進を提唱されました。御意見のとおりだと、このように認識をいたしております。砺波平野のすばらしい景観につきましては全国的にも有名でございます。したがいまして、富山県、今の南砺市、これらと一緒になって景観保全事業を展開したわけでございます。その集約として田園空間整備事業をすることになったわけでございます。このことにつきましては、農林水産省もてこ入れをしていただいておりますことを申し上げておきたいと思います。
 さて、今回は、この大事な景観を損ねる被害が実はあったわけでございます。ついては、景観協定を結んで、それぞれに枝打ちをされる、その皆さんについても被害がありましたが、被害の状況からいきますと、枝打ち等をされたお方については、少なくて済んだような感じを持っております。
 実は私も大きい杉の木が2本倒れました。横におりました木もついでに斜めになりました。やっとこの間、つい先日、片づけを終わったわけでありますが、今となっては枝打ちをしておけばよかったなと、そんな感じをしております。ついては、従来あまり関心のなかったこのカイニョについて、今回の教訓が生かされていくものと私は逆に理解をして、推進を図りたいと思います。
 ただ、このことについて行政が中へ入って指導をする、強力にリーダーシップを発揮するというのはいかがなものかと。今、県が提唱しております、皆さんで協定をして、皆さんでその地域を守ろうと、このことが何より大切だと、このように思っております。指導という形ではございませんけれども、話し合いの場に入って、このすばらしいカイニョというものを十分理解をしていただく、そういう立場で私はいくべきではないかと、このように思っておるところでございます。そのことを、嶋村議員もよく御存じだと思いますけれども、そういう意味での横の連携をとるという、そういうサポートをすべきではないかと、このように私は理解をいたしておるところでございます。
 それから、倒れた木等々の教材等につきましては教育長から申し上げますし、それから樹医につきましては担当部長から申し上げます。
 若干触れられましたビオトープについて、私も若干関心がございますので、申し上げたいと思います。
 今や、環境に配慮することが何よりも大切だと言われておりますし、生態と自然との共生するこういう場を皆さんで考える。そのことが大切だという認識を持っておるところでございます。旧砺波市では、有識者の皆さんと一緒になって議論をして、砺波市環境基本計画というものをつくったわけでございます。その中には、多様な生物が安心して生活できる、そういう意味での生態系を守るということが言われておりまして、各小学校でもそういう認識をしていただいております。
 あるいは具体的には、小島地区であったり、私の太田地区であったり、そして今度、土地改良区事業でございますけれども、般若の土地改良区が排水をビオトープ計画でやりたいと、このように申請があって、後押しをしていよいよ仕事にかかるわけですが、結構、このことについては市民の皆さんも認識を深めてこられたのではないかと喜んでおるところでございます。
 いずれにしても、この仕事は市民運動の一環として広がりを持つべきではないかと、こんなことを実は思っております。といいますのは、私がヨーロッパを視察したときに、緑の憲章というのは随分厳しく制定されておりまして、区域設定をして、絶対に開発をしてはいかん、自然そのまま残しなさいという区域設定をしております。
 旧砺波市議会でもこの議論が実はあったわけでありますが、個々の財産権があるわけです。なかなか難しいんですね。国有財産であれば一発でそのことの立ち入り禁止や、開発行為をしない、そのまま残そうということができますけれども、今、中山間地を含めて全部個々の財産でございますので、なかなかそのような設定ができない。したがいまして、皆さんで意識を高めてビオトープの必要性を理解するならば、恐らく保存をし、保存のための施設整備等が行われるのではないか、こんなことを実は思っておるわけでございます。
 今述べられた趣旨等につきましては十分理解をいたしておるところでございます。せめて、私は農業振興地域というのが実はあります。今、だんだんむしばまれてきておりますけれども、でき得れば、この制度を守りたいという、そういう認識を一つ持っていただきたいこと。
 それから、中山間地の直接払いもあったわけです。中山間地をみんなで守ろう、コミュニティーで守ろうということで若干の整備はいたしますけれども、そのことによって里山は守られるということもございます。
 それから、中山間地域総合整備事業砺波山麓地区というのは、実は旧庄川町と砺波市でございまして、それなりの作業をして、ソフト事業も展開をしてきたわけですが、このことが実は線香花火みたいになっておりますが、できれば、その思想を生かして、この庄川地区の山であったり、砺波地区の山であったり、これらを自然そのままに生かしていくと。そのことが私たち生活する者にとっても私はプラスになるのではないかと、こんな認識を持っておるわけでございます。こういった制度がさらに復活するように期待をしておきたいと、このように思うわけでございます。
 さて、嶋村議員さんからバラエティに富んだ多くの質問がございました。また意見もございました。十分参考にしてまいりたいと思いますが、その他の質問につきましては助役、教育長、担当部長からそれぞれお答えを申し上げたいと思います。よろしくお願いします。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 助役 藤森栄次君。
  〔助役 藤森栄次君 登壇〕

◯助役(藤森栄次君) 嶋村議員さんの大きな3番目、健康と福祉及び行政サービスの推進についてのうちの子育て支援の充実をという件でございますが、御案内のように、現在、次世代育成支援行動計画の策定の中で子育て支援について検討をいただいておるところでございます。その中で、まだ中間報告ではございますが、多様化する保護者の就労形態に合わせ、保育所の延長保育、幼稚園の預かり保育時間の延長の実施について御意見をいただいておるところでございます。
 延長保育につきましては、来年度からは旧砺波市の7保育所において閉所時間を30分延長し、現行の午後6時30分から午後7時にすることで検討をいたしております。
 なお、旧庄川町では既に東山見と種田保育所において、朝晩各30分の延長保育を実施しているところでございます。
 一方、御指摘のある幼稚園と保育所の入園児のアンバランスにつきましては、核家族化や共働き夫婦が増える中で、幼稚園の帰り時間が早いことから保育所志向が高くなっていることが一番の原因と考えておるところでございます。
 現在、保育園では、北部、太田幼稚園で午後5時まで、その他の園では午後4時まで預かり保育を実施しておりますが、働いている保護者には迎えに来ることができる時間帯ではございませんので、時間延長について現在検討を進めているところでございます。ただし、子どもたちにとって親とのふれあいが最も大切であることから、延長保育や預かり保育を行う際には、家庭、特に両親の就労状態を見極めまして実施いたしたいと考えているところでございます。
 続きまして、窓口のサービス向上の推進をという件でございますが、例えば、市民課を市民サービス課、社会福祉課を社会福祉サービス課などとし、職員のサービス意識の喚起を図ればどうかという御提案でございますが、現在の砺波市の組織機構につきましては、御案内のとおり、砺波市庄川町合併協議会での協議の中で決定されたものでございまして、各課室等の名称につきましても、それぞれ両市町で確認の上決定されたものでございます。したがいまして、当面は現在の名称を継承してまいりたいと考えているところでございます。
 しかし、そもそも市の業務そのものがすべて市民へのサービスの提供を本旨としているものでございますので、改めて認識を新たにしてまいりたいと存じておるところでございます。
 また、現在、一般市民の来庁が多い税務課、社会福祉課、高齢児童課、市民課、生活環境課及び庄川支所市民福祉課の職員によりまして、自主的にサービスアップ会議を組織し、職員の接遇の向上や、スピーディーな対応等について調査研究、実践に努めているところでございます。さらに職員の意識改革に取り組み、市民が主役の市政推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。再び何度も訪れたいと思われるような役所としたいものと考えているところでございます。
 次に、総合窓口機能を有する生活環境課をカウンター方式にして開放すべきではないかという御意見でございますが、市といたしましても、これまでこのことについて検討したことがないわけではございませんが、1つ目には、オープンスペースになれば防犯上問題があること。2つ目には、庁舎の構造上、空調等の面において職場環境に問題が生じること。3つ目には、土曜、日曜日等の市の休日には日直室として利用していることから、防犯セキュリティー監視装置が設置されていることなどから、オープンスペースとしての利用が困難でございまして、少しでも開放的になればということでガラス張りとしているところでございます。
 また、JR砺波駅の駅前広場、階段等の通路及びコミュニティープラザ等を一括管理すべきでないかという御意見でございますが、御指摘のとおり、駐車場も兼ねた駅前広場及び公衆トイレにつきましては生活環境課が、階段、通路、エレベーター等につきましては土木課が、そしてコミュニティープラザにつきましては都市整備課がそれぞれ管理をしている状況でございます。これは基本的には、それぞれの施設の整備に係る経緯を引き継いでおり、議員御指摘のとおり、一見、必ずしも効率がよいとは見えない状況にございますが、各管理担当課別に見ますと、市内の駐車場、公衆トイレは生活環境課が、市道としての階段、通路部分等は道路管理の一環として土木課が、それぞれ一括管理いたしており、そのことが事務が統合かつ専門化され、維持管理が適切に実施されるというメリットもあるわけでございますので、御理解を賜りたいと存じます。
 私に与えられた回答は以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 教育長 堀田良男君。
  〔教育長 堀田良男君 登壇〕

◯教育長(堀田良男君) 嶋村議員の御質問にお答えいたします。
 散居村の景観保存のための取り組みのうちの、倒れたカイニョの活用促進の件でございますけれども、児童生徒が扱えるような教材にするには、今回倒れた原木は太い、かたいということで大変扱いにくうございます。細工が難しいと思われるので、困難だと思われます。
 それから、各家庭での樹林を伐採して教材としたらいかがかということでございますけれども、これにつきましても、持ち主の許可が必要であり、伐採にも屋敷の中から引き出してこなければならないという大変工事が難しゅうございますので、経費も必要と思われます。そういうことで、この件についても困難だと思います。
 しかし、今回倒れた木の中ですばらしい時間をかけて育った巨木が幾つかございます。それらの根株を、となみ野が立ち上がってきた、となみ野の生い立ちを理解する意味で、それらを加工して子どもたちに見せてあげる教材にするという工夫も必要かと存じております。
 次の教育環境の整備の問題で、幼児教育の視聴覚教育について充実を図れと、こういうことでございますが、幼稚園等の音響につきましては、新しい出町、北部、太田、中野、五鹿屋の園にはそれに相当するアンプが入っております。般若につきましては改修計画時に整備していく所存でございます。
 その他、それらを調整していくための経費につきましては、予算の状況を見ながら順次整備していきたいと思います。
 いずれにしましても、優秀な機械が入っていてでも、このアンプをその時々に合わせて調整する、そういう力も極めて大事だと思いますので、これについては職員研修をしていきたいと思っております。
 それから、発達障害を持っているお子さんに対する早期支援ということでございますが、自閉症、学習障害、多動性の障害などの発達障害のあるお子さんにつきましては、市の健康センターで実施しております健診で病状把握に努めておりますが、1歳6カ月から健診がありますので、そのときにすべてを把握することが大変難しゅうございます。そのために、その時点で異常を感じた場合には保健師がそのお子さんの追跡調査をして、専門医に受診をするように勧めております。また、3歳児になりますと、保育所、幼稚園に在籍されることから、保健師、保育士、幼稚園教師、この3者が一体となりながら症状の把握に努め、幼児にどのような指導が適切かということを専門医に指導を受けながら助言をしていくということに努めております。
 それから、その後になりまして、いよいよ小学校へ入学するということになりますと、5歳児の段階で入学指導委員会というものがありまして、そこで異常のあるお子さんに対しては一人一人専門の委員が状況を調査しまして、どの学校へ、どのようなクラスに入ればいいかということをある程度目安を立てまして、支援をしてきております。
 このようなことにつきましては、従来より進めております。今後とも保健師、保育士、幼稚園教師、学校の教師と連携をとりながら、全体把握に努めて、さらに、このお子さんの一番適正な指導を考えていきたいと思っております。
 続けて公民館問題でございますけれども、子どもたちの健全育成のために、公民館の活動の中にそれを大いに取り込めと、こういうことでございますが、公民館活動の大きな役割の1つには、地域社会におけるコミュニティーづくり、これが核でございます。そのために各公民館では多くの事業が展開されております。
 まず、各地域で行われております公民館祭り。今年も多くの場面で子どもたちの絵画や図工などが展覧される。そして活動の発表会なども行われました。
 さらに進んで、子どもたちも参加した「ふるさと再発見」という地域回りのプログラムも出てくる地域もございました。それが大きな動きでございます。
 さらに2つ目には、これも毎年行われております地区民体育大会があります。この地区民体育大会の中に、世代交流できる種目を取り入れます。おじいちゃん、おばあちゃんと子どもたちが一緒に種目をやるというのもあります。さらに、大会運営には、中学生になりますと、もう進行できますので、中学生を運動会運営の中に取り込んでいるというところもあります。
 3点目としましては、今年特に活発に見受けられたものは、第1回の庄東地区のサマーナイトフェスティバル、これは大変大きなイベントでございまして、庄東4地区の公民館が、地元の地区振興会の皆さん、そして小中両方のPTAの皆さんとも一緒になって夏の一夜を過ごした。
 このような事例に加えて、砺波市としましては、今年度から子どもの居場所づくりということで、文部科学省の支援も受けながら、子どもかがやき教室を展開していきます。この拠点としましては、学校だけではなく公民館も指定されております。
 以上のような事例から、子どもたちが公民館を軸として地域との結びつきを大切にしていく活動を的確に支援していきたいと思っております。
 以上について御答弁させていただきました。終わります。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 吉田俊和君。
  〔企画総務部長 吉田俊和君 登壇〕

◯企画総務部長(吉田俊和君) 私からは、災害対応のうち、2点について御答弁をさせていただきたいと存じます。
 先に発生いたしました新潟県中越地震につきましては、甚大かつ広域的な災害でございまして、発生直後から各方面からの災害支援が行われているところであります。当市からも、近県自治体といたしまして緊急消防援助隊の派遣はもとより、応急給水活動といたしまして上水道課職員、被災者の保健活動として健康センター職員を、それぞれ関係機関の要請に応じまして派遣をいたしたところでございます。
 そこでまず、市の防災組織面に対する御質問をいただいたわけでございます。防災と表記した課あるいは係が必要ではないかという御提案をいただいたわけでございます。
 御案内のとおり、限られた定数の中で、同規模の市におきましては1ないし2名の職員が専従あるいは兼務をして従事をしているのが実態でございます。
 そこで、災害が発生し、あるいは発生するおそれがある場合の初動活動、あるいは災害対策本部の設置となりますと、総務課が本部内の指揮中枢といたしまして本部長との連絡調整、各業務担当部の動員連絡、関係行政機関との調整連絡等の機能を果たすものであります。この組織の運用上、限られた人員に負荷が大きくなることを避けるために、トータル的な視点で行政係と位置づけまして対応をいたしているところでございます。
 また、災害規模に応じまして、職員の行動マニュアルにより、本部機能を充実させながら、各部局との連携の強化、そして御指摘の情報の一元管理に努めてまいりたいというふうに存じておるところでございます。
 なお、今回、消防本部との人事交流によりまして、初めて消防防災実務経験者を配置いたしまして、業務対応の強化を図ったところでございます。
 なおまた、今後の防災体制の推移によりましては、組織の見直しも含めて検討すべきものと考えているところでございます。
 続きまして、自主防災組織の育成強化について申し上げたいと存じます。
 今県議会の知事答弁によりますと、同組織の県内の組織率は本年4月時点で36.3%の水準、今後4年間で全国平均並みの60%に引き上げたいという御答弁があったようでございます。当市の現状につきましては、議員御指摘のとおり、旧庄川町区域では全地域で組織していただいております。ただ、旧砺波市内では御指摘のとおり1割弱にとどまっておりまして、低位の状況にあることは否めないところでございます。
 次期地域防災計画におきましては、防災関係機関が市民と協力しながら災害予防、災害応急対策、そして災害復旧等の災害対策を実施することを骨子に予定をいたしているところでございます。特に、新たな時代における暮らし方、そしてまた少子高齢化が進む地域社会の生活課題に配慮した対策が求められることから、地域防災の主力となるものとして地域連帯を図る自主防災組織の育成強化は極めて重要なものと認識をいたしているところでございます。
 このため、この結成単位といたしまして、地域の住民が自主的、積極的にその組織に参画をし、効果的な活動が行えるように、町内会あるいは自治会等の単位を基礎といたしまして、地域の実情に合った活動単位が望ましいというふうに言われております。そこで、地区自治振興会等を通じまして、これらの推進に努めてまいりたいというふうに存じているところでございます。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 小西竹文君。
  〔福祉市民部長 小西竹文君 登壇〕

◯福祉市民部長(小西竹文君) 嶋村議員の災害時における迅速な対応についての質問のうち、災害弱者の支援体制づくりと災害ボランティアセンターの体制整備、災害ボランティア登録の推進についてお答えいたします。
 まず、先の台風時における対応につきましては、旧砺波市、旧庄川町ともホームヘルパーが訪問しているひとり暮らしと、高齢者ふたり暮らしの方で体が不自由などの理由によりまして、災害時に対応できない方に対しまして、電話で安否確認をし、電話に出られない方につきましては訪問して安否確認を行いました。また、在宅介護支援センターや民生児童委員の方々に、それから旧庄川町のハローグループの方々により、ひとり暮らし高齢者の安否確認が行われたところであります。
 しかしながら、現段階では、砺波市、社会福祉協議会、民生児童委員など、それぞれのルートによりまして安否確認を行っておりますので、それらをすべて集約した確認システムとはなっていないのが現状であります。そのため、来年早々に関係者に集まってもらいまして、寝たきり、ひとり暮らし、75歳以上の高齢者ふたり世帯の情報を共有し、連携を強化するため、健康状態などの実態把握と、個人票の台帳化を実施していきたいと考えております。
 また、将来は地図情報とリンクし、災害時だけでなく、ふだんから実態調査に基づいた相談、支援体制の充実を図っていきたいと考えております。
 次に、災害ボランティアにつきましては、新潟県中越地震においても被災地の救援、復興活動に活躍され、大きな役割を担われたことは報道等で周知のとおりでございます。砺波市からも、社会福祉協議会の呼びかけにより、7人の皆さんが小千谷市を中心に災害ボランティアとして復興活動に参加され、被災者の要望調査や被災家屋の片づけなどを行っていただきました。また、事務局職員1名は、川口町ボランティアセンターでボランティア活動の調整連絡を行い、5日間にわたって活動を行ったところであります。
 現在、ボランティアの登録につきましては、社会福祉協議会のボランティアセンターで行っておりますが、災害時に看護師やヘルパー、それから重機の操作などができる人、いわゆる専門技術の資格を持っているボランティアの必要性が高いと言われております。
 今後は、市民の災害に対する意識の高揚を図り、社会福祉協議会のボランティアセンターに災害ボランティア窓口を設置し、市民、各種団体、企業などから広く専門ボランティアの募集、登録を行い、災害を想定した訓練に参加していただくなど、災害時に備えたいと存じております。
 また、市内で大きな災害が起きたときを想定した場合は、市内のボランティアは初動からの活動が困難なことから、広域的なボランティアの応援態勢を整えていきたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 堀 秋博君。
  〔商工農林部長 堀 秋博君 登壇〕

◯商工農林部長(堀 秋博君) 私の方からは、散居村の景観保全の取り組みについてのうち、樹医の育成取り組みについて御答弁を申し上げます。
 樹木医につきましては、現在、砺波市にも登録をされた方がおいでると伺っております。また、カイニョを診断するドクター役としては、旧砺波市では緑の相談員の方にその役割を担っていただいておりました。新市においても引き続きお願いをする予定でございます。
 また、現在進められております(仮称)散居村ミュージアムの中で屋敷林の維持保全を担う樹木医の人材を発掘、登録、育成し、組織づくりが行われる予定になっております。この取り組みの中で、議員御指摘の樹木医の育成が図られるものと考えております。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 14番 廣橋次弥君。
  〔14番 廣橋次弥君 登壇〕

◯14番(廣橋次弥君) ただいま議長のお許しがありましたので、先に通告してある事項について質問させていただきたいと思います。
 今年は台風の上陸も多く、日本中にそのつめ跡を残している状況であり、また、地震などの災害も起こり、我々の住んでいるところはまさにプレートとプレートのはざまであることをいや応なしに思い出させられた一年でありました。このような中で砺波市と庄川町の合併がなされ、新たな砺波市として11月1日から出発した新たなまちづくりをしていく必要があるかと思います。
 そこでお伺いいたします。
 まず初めに、地震対策についてお尋ねいたします。
 10月23日17時56分、新潟県小千谷市で震度6.8を超える新潟県中越地震の発生があり、新幹線の橋脚、関越自動車道、国道、その他のインフラがずたずたに切断し、陸の孤島化し、3日も4日も食事さえも口にできない人がいたことは御承知のとおりであります。地震対策本部がしっかりしていなかったように思えます。庁舎自体が地震機能の不足のために、対策本部を設けることが困難な状態であります。寒さ対策、安全対策などの避難場所として、市民を安心させる施設がないためにナイロンテントでの生活を強いられている。家屋は倒壊し、余震のために生活必需品さえ取りに行くことがままならないということであります。
 テレビのコメントで地震研究家の話では、中越地震よりも常願寺川沿いの断層の方が危険度が高く、中越地震が発生すると、当然この断層に影響し、大きな地震を導くものと思っていたと話しておいでになりました。
 このような話を考えたときに、現市庁舎の耐震機能を疑問視するとともに、対策本部設置に不安を感じるものであります。本庁舎は耐震機能のすぐれた、強い耐震本庁舎の新設をお願いするものであります。恒産なき者は恒心なしといいます。本庁舎で対策本部ができることは大きなメリットであり、安心感が生まれます。対策本部がしっかりしていて初めて非常時の食料、衣料、暖をとるもの、給水、こんろ、ストーブなどの万全を期待するものであります。市長の所見をお伺いいたします。
 2番目に、水害対策についてお尋ねいたします。
 今年10月21日、台風23号が県全域に大きな災害を残しました。1つには散居村の多くの倒木により、民家の屋根や納屋などに損害を受けています。我が国は台風銀座といわれますように台風が非常に多いため、これらによって被害が考えられるところでありますが、最も心配なのは庄川のはんらんではないかと思われます。
 台風23号は雨風台風で、岐阜、愛知で降った雨が多く、御母衣ダムの放水量が1,070トン、最大1,323トンでございますが、富山県沿いに降った雨量は210ミリと少なかったために災害を逃れたと思われます。このとき、庄川に流れた水量は2,570トンといわれていますが、庄川中学校の横の堤防の上、1メートル手前まで水位が来ました。昭和9年の3,300トンの水量が来たとすれば、当然決壊したと思われます。砺波平野に対する被害は大変なことになったと思われます。
 そこでお尋ねいたします。
 庄川は霞堤になっていますが、舟戸橋、雄神橋の鉄骨部分はよいのですが、残りを土手で道路をつくっていて、霞堤の役割をしていない部分がありますが、この部分を橋脚にすれば、その働きをすると思います。川に水が大量に流れ、決壊したときに有効と思われます。また、市営庄川プール付近から舟戸公園の間、ふれあい花街道をもう少し高く、強い土手にすればと思われます。市長の御所見をお願いいたします。
 3番目に、治山事業対策についてお尋ねいたします。
 森林の持つ国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全等の公益的機能が果たす役割は極めて大きなものがあります。山地治山や水源地域整備、地すべり対策など、とりわけ治山事業は、森林の維持造成を通じて、山地に起因する災害から国民の生命、財産を守る極めて重要な事業であります。また、土砂災害を未然に防止し、住民の生命、財産を守り、安全な生活環境を確保するため、格段の御配慮を賜りますようお願いいたします。
 例えば金剛寺宮の急傾斜地は、陳情要項にも入っていますが、宮の下の右岸幹線水路に目いっぱい水が流れ、今年のように雨や地震が多いと、いつ傾斜地の土砂が崩れ、用水に入り、あふれた水で民家に被害が及ぶかと思われます。住民のためにも早期対策をお願いいたします。
 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 廣橋議員にお答えをいたします。
 先般の新潟県中越地震では、大きな災害が発生し、多くの皆さんが被災を受けられて今もまだ避難されておるようでございます。お見舞いを申し上げたいと思います。
 この砺波も、聞くところによりますと高清水断層というのが走っておると聞いております。したがいまして、うかうかするわけにまいりません。富山県につきましては、安政の大地震があったわけですが、それからさしたる地震もございませんが、案外、その点、のんびりしているのではないかという気がしておるわけでございます。いずれにしてでも、災害は忘れたころにやってくるわけでございますので、我々行政を預かる立場として、おっしゃるように対策本部等設置を常に念頭に置くべきだと、このように思っております。
 そこで、旧砺波市時代でございますけれども、この本庁舎の耐震調査をいたしました。それぞれ耐震審査をいたしますと、補強をしなければならない、耐震に耐えられない、そのような結果がございます。昭和39年に建てたわけですから、当時の建築確認では通ったんだろうと思いますけれども、今の状況では耐震に耐えられないという結果が出ております。
 なお、隣の働く婦人の家につきましては、昭和51年に建てております。耐震は確保されておるようですが、強度は低いという判定も下っておるわけでございます。
 なお、東側にございます東別館、電算棟等につきましては昭和56年の建築でございますので、耐震基準が改正されてからの建物でございますので、基準を満たしておると、このように言われておるわけでございます。
 さて、そこで議員提案の、そのような危ない建物で本部を設けるかと、ぜひ新しいのを建てたらどうかと、こういう提案で大変ありがたい提案でございます。しかし、行政需要も多うございまして、実は合併協議会の事務打ち合わせの中で藤森さんとよく協議をしたわけです。いずれにしてでも、そのことは大切だろうけれども、それよりも福祉、教育を優先すべきではないかという、そういう考え方がございまして、当分の間、建築をできないのではないか、財政の関係でできないのではないかと、このように思っております。
 せめて、支所だけでもいいがにしようということで、先般の予算を実は出しておりますので、支所の耐震化をまずやるということで御理解をいただきたい。いずれ総合計画を立てますので、その立てた段階でいろいろ議論をしていただいて、耐震改修の工法等を検討してまいりたいと、このように思っております。
 なお、昭和55年から建てました公共施設も幾つかございます。したがいまして、いざというときにはこれらの施設で対応し、本部設置をすべきだなと、このように実は思っておりますので、その点、いろいろ御議論のあるところでございますが、そのように対応をさせていただきたいと、このように思っておりますので、御理解を願いたいと思います。
 庄川支所等につきましては耐震をやりますので、しばらく市民の皆さんに御迷惑をかけると思いますが、ぜひその点、御理解をいただきたいと、このように思っておるところでございます。
 あとの水害対策、治山対策等につきましては助役からお答えをいたします。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 助役 藤森栄次君。
  〔助役 藤森栄次君 登壇〕

◯助役(藤森栄次君) 廣橋議員さんの2番目、水害対策についてでございますが、今回の台風23号による庄川の出水によりまして、昭和36年にできました御母衣ダムにおきましては、過去最大の放流量となる毎秒1,385立方メートルという膨大な放水がございました。また、小牧ダムにおきましても、最大放流量は、御指摘のとおり毎秒2,578立方メートルとなりまして、庄川は護岸決壊など多くの被害を受けたところでございます。当市では雄神橋付近から舟戸橋を経て合口ダムまでの間に左岸側で3カ所の被災が発生し、下流におきましても右岸、左岸で各1カ所の被災が発生したところでございますが、おかげさまで、その後、速やかに応急工事が施されているところでございます。
 被災箇所の復旧につきましては、11月18日に本省より災害現地査定が行われまして、市といたしまして強く現地で早期復旧の要望を行い、現在、本省段階で復旧工法や予算確保についての検討がなされているところでございます。
 また、国土交通省富山河川国道事務所に対しましても、12月2日に同趣旨の要望書を提出したところでございます。
 さて、御質問の霞堤の機能確保につきまして、まず、県道新湊庄川線の雄神橋付近に関しましては、県道高岡庄川線と市道庄川82号線の間には直径約5メートルの開口部が設けられており、また、82号線から弁財天の間にも2メートル角の開口部がございまして、通水機能を有しておりますので、これらは現在の県道を築造する際に協議がなされて設置されたものと存じているところでございます。
 一方、舟戸橋付近に関しましては、市道庄川14号線の下をアンダーパスする市道庄川82号線の部分で約4メートル角の開口部が設けられております。しかし、この下流には庄川中学校や体育館などの施設があり、どのようにこの施設を守るかも大きな課題となりますので、その整合性について国と相談いたしたいと考えているところでございます。
 また、県道新湊庄川線につきましては、現在、五ケ交差点から雄神橋までの区間で順次道路改良工事中でございまして、今後、河川管理者でございます国との協議の中で改めて構造の検討がなされるものと考えておるところでございます。
 市営庄川プールから舟戸公園の区間のふれあい花街道につきましては、現地を見ましても、導水路管が地下を通っており、容易に改築できる状況ではないと思われますので、どのようなことが可能か、国や県と相談してみる必要があると考えているところでございます。
 御案内のように、庄川の計画高水、計画最大流量は毎秒5,800立方メートルでございまして、その流量に耐え得る本堤防の補強、改築につきまして国に要望を重ねておりますが、今後は被災箇所の早期復旧はもとより、堅固で安心できる堤防の改築を国に強く要望してまいりたいと考えているところでございます。
 続きまして大きな3番目、治水対策についてのうち、危険地域の早期対策についてでございますが、廣橋議員御指摘のとおり、森林の持つ国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全など、公益的機能が果たす役割は極めて大きいと思われます。このことから、森林の保全対策を国民の生命、財産を守る観点から、今後とも積極的に推進する必要があると考えておるところでございます。
 一方、山地の地形に起因する土砂災害防止も重要でございまして、山腹崩壊危険地区、地すべり危険地区、崩壊土砂流出地区や急傾斜地の指定など、県におきまして順次指定をいただき、事業を進めていただいているところでございます。
 御指摘の金剛寺地区の背景には、庄川右岸幹線用水路が通り、山地が迫るところがございます。一部用水にはふたがかかっておりますが、危険なところが多々あるのは事実でございます。市といたしましては、旧庄川町時代より県へ強く要望を行っておりますけれども、引き続き県当局へ要望を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 物足りないかもしれませんが、以上で私の答弁といたします。

◯議長(松本恒美君) 10番 寺井武彦君。
  〔10番 寺井武彦君 登壇〕

◯10番(寺井武彦君) ただいま議長の指示がございましたので、通告次第に従い質問させていただきます。
 まず初めに、地域社会の活性化、元気な新砺波市の建設についてお伺いいたします。
 先に行われました新しいまちづくりのための住民意識調査で、新市のイメージを高めるものとして、チューリップフェアに関するものが最も多く、次に子供歌舞伎曳山、ゆず祭り、コスモスウォッチングと続いております。
 毎年行われますチューリップフェアには、全国より約30万人の人たちが砺波市を訪れていますが、市民参画によりさらに充実し、花と散居村を中心とした観光をPRし、チューリップフェアを見ごたえのあるものとし、さらにこの機会に、奥座敷である庄川温泉郷の観光をPRしてはと思います。
 また、チューリップ公園をさらに充実し、年間を通して親子でのふれあいの場として整備し、魅力ある公園としてはと思うわけであります。
 11月には新しく南砺市が誕生し、観光課もあり、8つの旧市町村が互いに手をつなぎ、いろいろなイベントを協力し合いながら、少しでも多くの観光客を集めることを考えていると聞いておりますが、新砺波市も南砺市との横のつながりを密にし、互いに観光PRを協力し、相乗効果を出していくことも大切と思います。
 一方、高速道路、砺波インターチェンジの車の出入りの状態を調査したところ、平成11年には約124万8,000台であったものが、平成14年には113万台と、11万8,000台も少なくなっております。その間に福光インターチェンジや、新しく能越道が整備されたことがあるかもしれません。
 また、2年後には東海自動車道も貫通し、名古屋から約2時間で砺波地方に来ることができ、今までよりも約1時間も短縮されます。
 先日、11月初旬、白川郷へ紅葉の散策に行ってきましたが、平日にもかかわらず多くの観光客が来ていて、まち全体が活気に満ちあふれておりました。新砺波市も通過型観光地にならぬよう対策が必要と思います。この際、東海地方との姉妹都市や友好都市等を視野に入れ、対応し、より多くの観光客に年間を通して来ていただき、活気あふれる市となるよう創意工夫が必要と思います。市長の御所見をお伺いいたします。
 次に、新市防災行政無線設置計画についてお尋ねいたします。
 10月20日の台風23号及び23日の新潟県中越地震に被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。少しでも早く復興し、元気に立ち直っていただくこと、心よりお祈りを申し上げます。
 この砺波平野東部にも地震の発生の可能性が非常に高いと言われています高清水断層があります。先日の新潟県中越地震において、道路が寸断され、電気、水道が止まり、各地区との連絡がとれない状態となり、大パニックになったと新聞が報道しております。安全で安心して住むため、防災行政無線の設置を早急にしていただくようにお願いするものであります。
 富山県旧35市町村の中で同報無線の設置を行っていないところは6カ所。砺波地方では、旧砺波市と旧城端町の2カ所であります。旧庄川町では昭和60年に設置し、毎日、朝、昼、晩に案内やいろいろな情報を耳にしておりますが、旧砺波市には同報無線の設置がなく、万一の災害に備え、安心して住んでいただくよう、早急に設置をお願いするものであります。
 また、移動無線につきましても、旧砺波市では27カ所、旧庄川町では24カ所、車等に設置されておりますが、旧砺波市と旧庄川町とでは交信が不可能と聞いております。早急に交信が可能となるように、またいつごろ可能となるのか、助役に御所見をお伺いいたします。
 次に、チャレンジデーの開催について教育長にお尋ねいたします。
 2000年とやま国体の開催を機に、市民の健康・スポーツに対する関心がこれまで以上に高まりつつあります。一方、2000年とやま国体の開催に向け、体育施設が整備されました。そこで、これらの体育施設を大いに利用して、年齢、性別を問わず、だれでも気軽に参加できる市民総参加のスポーツイベント「チャレンジデー」を開催してはどうでしょうか。
 チャレンジデーとは、毎年5月の最終水曜日に、人口規模がほぼ同じ市町村同士が午前零時から午後9時の間に、15分以上継続して何らかの運動やスポーツをした住民の参加率を競い合い、敗れた市町村は相手の市町村の旗を庁舎のメインポールに1週間掲揚するというユニークなスポーツイベントであります。すべての市民、事業所等が一つの目標に向かうことにより、仲間意識や連帯感が生まれ、地域住民の活性化につながり、対戦に勝つこと以上の喜びと感動を体験することができます。このことが市民の健康、スポーツに対する意識の高揚につながり、継続することで医療費の削減につながると思います。旧庄川町では昨年より取り組み、姉妹都市鵡川町と対戦し、1勝1敗でありました。新市21自治振興会での対戦とし、市民体育大会の一つとして取り組んでいただくことをお願いし、私の質問を終わります。ありがとうございました。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 寺井議員にお答えをいたします。
 まず、チューリップフェアのさらなる充実と庄川温泉郷のPRについてであります。
 まず、チューリップフェアを激励していただきまして、まことにありがとうございます。
 本市の観光施設につきましては、御存じのとおりチューリップを初めとして四季折々の花であったり、あるいは原風景でございます散居村であったり、いわゆる庄川のアユ、あるいは大門素麺、ユズ等がそれぞれございまして、味覚もございますし、体を癒やしてくれる温泉もございます。これらを十分活用、利用することが何より大切だと、このように認識をいたしております。
 中でもチューリップフェアにつきましては、地場産業の育成、地域の活性化、そして緑化の推進などを基本にして、毎年、大きいイベントとしてとらえておるところでございます。おかげさまで全国各地から定着したお客さんが来ていただいておるということでございます。
 なお、このことにつきましては、地域の皆さんのボランティアであったり、あるいは商工会議所の青年部や歌舞伎曳山の子どもさんたちも出演してくれて、皆さんに喜んでいただいております。これからもボランティアを中心として盛り上がりを期待いたしておるわけでございます。
 今年は合併を記念して4月22日から5月5日まで開催をいたしたいと、このように思っております。合併を記念いたしますので、ちょうど庄川木工祭りもあるようでございますから、これらの祭りも創出させるような、そういう仕掛けをしてまいりたいと、今知恵を絞っておるところでございます。そのようにして統一した形での盛り上がりを進めさせていただきたい。その意味で今宣伝活動もいたしております。大都市における旅行業者へのPR、庄川の観光協会やあるいは水記念公園の管理の管理協議会、そういった皆さんとエージェント等に今働きかけをいたしておるところでございますので、ぜひ応援をお願いを申し上げたいと思います。
 つきましては、先行して、フェアのパンフレットであったり、あるいは市内のそれぞれのパンフレット等、ポスター等も活用しながら進めさせていただきたいと、このように思っております。つきましては、おっしゃるように温泉、ホテルもございますので、でき得れば滞在型の観光地にしていけばと、このように思っておるところでございます。
 そこで、提案がございましたが、チューリップフェア公園のさらに整備充実ということでございます。このことにつきましては少し時間をいただいて、経過を述べさせていただきたいと思います。
 この公園につきましては、富山県の農業試験場砺波園芸分場が最初のスタートでございます。これが昭和20年代、30年代からこのように続けてまいりました。その後、園芸分場が移転することになりまして、園芸分場の跡地を全部買収いたしました。ついては、昭和51年に5.4ヘクタールの公園としたわけでございます。そのことが少し広がりを見せましたけれども、その後、昭和63年から平成4年までの間、水車園なども実はつくってまいりまして、その後、チューリップ四季彩館、美術館、文化会館、郷土資料館、道の駅なども建設をして、さらには1,500台収容する駐車場もつくってまいりまして、相当投資をしてきたわけでございます。
 そこで、これらにつきましては、さらに今検討を加えておりまして、バリアフリーの関係もございまして、少し見直したらどうかという意見もございますし、あるときには、あのタワーを壊して別のものをつくったらどうかという提案も幾つか有識者からあったんですが、ただ、私が見ている限り、子どもたちが遠足に来ますと、一番先に走っていくのが実はタワーでございますので、その面で、有識者から、本当に有識者ですよ、壊せという意見もあったんですが、なかなか壊せないということも一つございます。いずれにしても、もう少し耐震度があるようでございますから、あのまま置いていきたいなと、こう思っておるところでございますが、いずれ、少しさま変わりをして、皆さんに愛される公園化を進めたいと、このように思っております。
 なお、もう少し遊具等も入れたらという話もございますので、それも今検討しております。
 そこで、御提案のありました子ども向け等々につきましてもございました。年間を通してやるということになれば、子どもはターゲットだろうと、こう思っております。その意味で、フェア期間中には小中学生の写生大会、画用紙1枚持ってきましたら全部無料で入れるというようなこともやっておりますし、親子で参加するチューリップ踊りであったり、あるいは今球根の植え込み等に来ていただいております。そして、自分たちが植えた圃場ですよというて表示しておりまして、随分子どもたちも来て、きれいになったということで進めておりますし、あるいは夢花壇というのがございまして、親子ふれあいでそこへ植えてもらって、少しいいものについては表彰してあげるとか、いろいろ企画をしております。
 いずれにしてでも皆さんに楽しんでもらえる、喜んでもらえる、そういう公園づくりをしていけばいいと思いますし、おっしゃるように子どもを大切にしていく公園でもあろうかと、このように思っておるわけでございます。
 寺井議員さんがいろいろ提案もあると思いますので、何かと御教示いただければありがたいと、このように思っております。
 次に、南砺市などとの横のつながりについてでございます。
 今は広域圏で富山県観光連盟砺波地区会、広域圏観光団体がそれぞれ参加をして提携をいたしております。まだ十分ではないかもしれませんが、幸い、南砺市と砺波市が広域圏で2つの市ができたわけですから、話し合いもこれからスムーズにいくと思いますが、今おっしゃるような気持ちで今後対応してまいりたいと、このように思っております。したがいまして、両方で出向宣伝をするということが何より大切であろうと思います。
 さて、そこで提案といいますか、御意見にありましたように、東海北陸自動車道の兼ね合いであります。確かに東海との時間が短縮されますので、交流については一気に加速するような気もいたします。それに対応するような地域にしなければならないと思います。ぼやぼやしておると、逆に向こうへ引っ張られるというような状況も多分にあるのではないかと、このように心配をいたしております。つきましては、そういうベースづくりのために、関連する地域と友好都市を設けたらと。大変貴重な意見でございます。ありがたく、そのように考えておりますが、そういう地域がありましたら、十分話し合いながらいくことも必要であろうと、このように思っております。
 今、フラワー都市というのを11市町村で持っておりまして、それぞれ提携をしております。東海地区では岐阜のバラのまちでありますが、大野町と提携をいたしております。なお、このことも大事にしながら、あとは名古屋事務所だとか、あるいは近畿県人会等にも呼びかけながら、PR宣伝をしていくことが大切だと、このように思っておるところでございます。
 いずれにしましてでも、連携というのは大変重要なことだと、このように思っております。その連携のもう一段下がるというよりも、東海北陸というよりも、まず旧庄川町と旧砺波市の統一連携というのは重視をしてまいりたい。したがいまして、チューリップフェア期間中、できれば私はバスを往復させて、フェアも必要ですが、すばらしい水公園も見てこいと。見てこいという言い方は悪いんですけれども、どうぞ見てくださいと、こういう気持ちでバスを通わせたらどうかなと。今検討させておりますが、そういう一体感のあることが、広域圏の横の連絡等々よりも、まずそういうことで、いやあ、チューリップを見た、すばらしい、水公園も見てきた、こんな感じで皆さんにサービスすることが、今度はそれぞれ帰っていって、皆さんを誘って、そんな形になれば、こんなことを思って、今検討させておりますが、ぜひ、そういう形で、少し経費を使うかもしれませんが、御理解をいただきたいと、このように思っております。
 以上、私からのお答えといたします。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 助役 藤森栄次君。
  〔助役 藤森栄次君 登壇〕

◯助役(藤森栄次君) 続きまして、寺井議員さんへの答弁として、2番目、新市における防災行政無線の設置計画についてでございますが、安全・安心のためにどうしても必要であるというふうには認識しておりますけれども、庄川町に設置しております同報系の無線につきましては、寺井議員御指摘のとおり、昭和60年に整備をいたしたものでございます。既に耐用年限が来ておりますし、この機器を利用して旧砺波市の区域に拡張する場合は、基地局の出力の不足、老朽化等による今後の部品調達の不安、あるいは北陸総合通信局の指導に基づくデジタル化対応などの課題がございまして、新たな防災行政無線網の構想によるものでなければならないのではないかなというふうに考えております。
 一方、移動系無線についてでございますが、旧庄川町は、これも昭和60年に、そして旧砺波市は平成3年に整備されたものでございます。御案内のとおり、旧市町で整備された無線は、周波数の違いによりまして、現況ではお互いに交信できない状態にございます。そこで、無線の周波数を統合することにより、交信が可能になるわけでございますが、移動系無線につきましても、電波がアナログ式でございまして、機器の老朽化による部品調達の不安、合併によるエリア拡大による中継局の不足、電波のデジタル化等の問題がございますので、当面の対応について早急に検討してまいりたいと考えているところでございます。
 このような点から、防災行政無線の整備につきましては、全面的な再構築を行うために多額の経費を要する見通しとなっておりまして、計画的な整備が必要であり、新市建設計画に基づきまして、平成17年度に調査を行い、整備内容を検討の上、平成18年度以降の整備を計画いたしたいと考えているところでございます。
 以上、私の答弁といたします。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 教育長 堀田良男君。
  〔教育長 堀田良男君 登壇〕

◯教育長(堀田良男君) 寺井議員の3点目の御質問でありますチャレンジデーの開催でございますけれども、御提案のとおり、体育施設を有効に利用して、市民の皆さんが参加しやすいユニークなスポーツイベント「チャレンジデー」を開催することは、今、新砺波市が生まれて融和と調和、これを大切にしていく我が砺波市としましては極めて大切なことであり、前向きに検討させていただきたいと思います。
 それから、地域住民の活性化、健康・スポーツの意識の高揚と、もう一面、医療費の削減ということについての御意見でございますけれども、市民総参加のチャレンジデーを開催することによって、地域住民の活性化と健康意識が高まります。さらに、健康とスポーツが日常化することによって、一石二鳥の効果が期待されるものと歓迎して、検討していきたいと思っております。したがって、開催期日につきましては毎年5月最終水曜日となっていることから、市民や事業所、各種団体への周知や、実行委員会をつくりながら、やるからにはみんなが理解してやっていきたいと思いますので、少し準備の時間をいただきまして、平成18年度に開催したいというふうに思っております。
 なお、庄川町では、先ほどからお話がありましたように、平成15年度から開催して実績があるわけでございます。それで平成17年度は庄川スポーツクラブ「アユーズ」に地区民で取り組んでいただけるようお願いをしていきたいと思っております。
 また、市民体育大会の地区対抗としてこれを取り上げてはどうかということでございます。これも砺波市体育協会等と十分検討していきたいと思っております。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時44分 休憩

 午後 1時01分 再開

◯議長(松本恒美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 11番 松田吉孝君。
  〔11番 松田吉孝君 登壇〕

◯11番(松田吉孝君) ただいま、議長からお許しをいただきましたので、先に通告してございます項目に従いまして、質問させていただきます。
 まず初めに、今年度の農作物被害等に対する追加支援について申し上げます。
 今年度は台風18号による果樹への被害、また大豆においては一連の台風や収穫期の長雨等により、腐敗粒等から県下全域的に多発し、収量、品質とも著しく低下しました。加えて、台風23号による収穫間近の野菜や果樹、花卉並びに園芸施設に甚大な被害をもたらし、収穫皆無となる産地も見られました。
 このことから、県におきましては、たび重なる台風被害等で甚大な被害を受けた大豆や園芸作物の生産集団等に対し緊急に復旧対策を講じ、農家の生産意欲の確保と、次年度以降の生産安定を図るため、農作物の被害緊急対策事業を設け、該当する被害農家等へ支援されることになりました。
 そこで、この事業内容はそれぞれ異なりますが、大豆、露地野菜被害に対しては、県、市町村、農業協同組合、生産者等各々4分の1の補助負担割合となっております。また果樹、花卉・施設園芸被害は、県、市町村、出荷組合それぞれ3分の1の補助負担割合になっております。
 つきましては、さらに、生産等が次年度への生産意欲の増大並びに経営の安定に資するため、少しでも、わずかかもしれませんが、今回の支援の中の大豆に対する補助率を市の4分の1から3分の1に、生産者等の負担割合を4分の1から6分の1に変更し、上乗せができないか、お伺いするものでございます。
 また、近年、大豆、麦等の収穫時において、少しの雨でもすぐ腐敗粒等の発生で品質低下になっております。このことは、少しでも自然災害に強い強靭な作物をつくるためにも土づくりが基本と考えます。
 このことから、産地づくりの対策交付金の中で、土づくり対策として、麦、大豆、飼料作物、特産振興品目等に10アール当たり5,000円が交付されておりますが、これらの交付金に加え、砺波市単独の助成として水田農業の基幹作物としての位置づけをしております大豆、麦の作付に対し、来年度から土づくり資材の施用を実施した場合に10アール当たり2,000円の助成ができないか、あわせて市長にお伺いします。
 次に、地域防災計画の策定とその防災マニュアルの整備についてでございますが、今回、山岸議員、飯田議員ほか議員の皆さんから関連質問がございますし、重複するところがございますが、簡単に申し上げたいと思います。
 地域防災計画は、災害対策基本法第42条の規定により、各市町村において策定することを義務づけており、旧砺波市、庄川町においても同計画を策定されておりました。今回、新市建設計画においては、両市町の計画を見直し、新しい同計画を策定する予定になっているところでありますが、先ほど市長さんの答弁にもございましたが、「災害は忘れたころにやって来る」との言葉があるように、すべての災害に対応すべく、地域防災計画の策定及び防災マニュアルの整備について早急に取り組む必要があるものと考えますが、いつまでに、どのような体制で取り組まれるのか、企画総務部長さんに所見をお伺い申し上げます。
 なお、このことに施設等に不足、不備な点があれば、予算にも限度がありますが、計画的に進められるよう期待申し上げます。
 次に、職員の意識改革でございますが、合併し、1カ月余りしか過ぎておりませんが、市職員の行動、態度、業務等に感じることがありました。このことはすべての職員の皆さんに当てはまるものではありませんが、気にかかったことを4点について申し上げます。
 まず初めに、私は、まだ合併前の9月に砺波総合病院に、1週間ではありましたが、入院することになりました。とにかく入院は、私にとりましては高校生以来のことでありまして、非常に不安でございました。治療は8時間ごとの点滴だけで、他の入院患者さんから見れば大した治療ではありませんでしたので、看護師さんの患者に対する対応も何かしら無愛想で不安でありました。しかしこの間、優しく対応される看護師さんもあり、このときには気が落ちつくものでございました。また、看護師さんの勤務にも当然交代がありますが、引き継ぎが正確にされていない場面が見られました。これらのことは、看護師さんの患者に対する気配りと、治療ミスにつながるものであり、引き継ぎにはより慎重に対応してほしいと思われます。
 次に2点目でございますが、ある施設の管理者の方から、指導管理にも問題があるかもしれませんが、職員が使った後の部屋等の電気について、電灯をつけっ放しにしており、注意してもあまり言うことを聞かないと話しされました。このことは、自分の家庭であれば当然消すと思うが、親方日の丸という言葉があるように、コスト意識があまりないのではないか。細かいことかもしれませんが、経費節減の意味からも考えていただきたいと思います。
 次に3点目ですが、これはささいなことでございますが、11月1日の開庁式の当日でございますが、玄関の横のロビーの植木鉢の花木でございますが、枯れ枝があり、管理が行き届いていないのではないかなと。せっかく新生砺波市としてスタートした日でもあり、もっと気配りがあってもよいのではないかと思いました。
 最後の4点目でございますが、庁舎内における職員の態度、対応について、親切に対応される方もいらっしゃいますが、無愛想で、相談したくても相談しにくい雰囲気のところもあります。もっと明るく、親しみの持てる窓口や職場環境にしたらと思います。しかし、よい点も見受けられました。言葉遣いは丁寧で、最近、庁舎内に通路等においてはお花を生けるなど、フラワー都市にふさわしい明るい雰囲気になってきたと感じてまいりました。このようなことは、旧庄川町においても職員の態度等について常々気にされていたところでもあります。
 以上、気のついた点を申し上げましたが、私だけが感じたり思ったかもしれませんが、新しく新生砺波市として、大変住みよく、すばらしいまちにしようと誕生したところでありますし、もっと新市にふさわしい職員になっていただくためにも、それぞれの立場に立った職員の意識改革への気配りが必要と考えますが、当局の所見をお伺いしたいと思います。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 松田議員にお答えをいたします。
 まず、農作物被害に対する助成金を上乗せしたらという質問でございます。
 各市町村で、いろいろ今議論をいたしていると思いますが、統一的には県が制定いたしました制度に基づいて、同様の対応をしたらどうかという申し合わせを実はしておりますので、率直な話、上乗せというわけにはいかないのではないかと、このように思っております。せっかくの質問ですが、少し検討して上乗せしたいなというお答えをすればいいんですけれども、自然災害といいますか、災害等でございますので、別の意味で私どもは考えさせていただきたいと、このように思っております。
 といいますのは、今お話もございましたように、災害が発生した原因などをよく見ますと、いわゆる地力にあるようであります。災害があっても、地力があって根がしっかり張っておった場合には、そう被害も少ないのではないか。特に豆の場合は連作続きでございますので、ついては地力の問題があるようでございます。これは専門家の意見でございます。したがいまして、今お話もございましたように、地力増進について私どもも一考して、そういう体制をつくっていただいて、これに対する補助の強化をしていきたいと。旧砺波市ではそのような形をやっておりましたので、さらにこのことを大事にすることが農村のためにもなりますし、主要作物として定着したんですから、さらに強化をしていくことが大切ではないかと思います。
 今、3割の転作でございますから、仮に1町あるとすれば、3反歩ずついきますので、3年置きぐらいにやりますと、それはやっぱり地力低下になると思う。ぜひ土壌改良剤を含めて、堆肥も入れてもらう、そういう気持ちで今おるわけです。先般、農協に問い合わせておりましたら、今堆肥を生産しておりますけれども、随分需要が多くなったと。おかげさまで機械の導入もして、いい攪拌もできて、いい堆肥ができたと、こういうことでございます。もっと増産する体制を考えたらどうかと、このように言われております。
 そこで、今回の農作物被害緊急対策の中で、大豆の場合は翌年の種の問題があるんですね。この問題につきましては、新たに話し合いをしております震災対策の一環として予算的に今後盛り込んでまいりたいと、このように思います。
 それからもう1つは、農業共済があるわけです。随分金も大きくなります。ついては、年内支給を何とかということでしたが、それでは遅いと。仮に体制をつくるとすれば、速やかに調査をして、数量把握をして、現場検証ももちろんしておりますけれども、今、1筆と半相殺分については清算が終わりましたので、私の方で、本当は広域圏の議会にかけて予算化をすべきでありますが、それでは遅いものですから、専決をさせていただいて、速やかにとにかく支給すると。これがまず原則だろうということで、私の判断で専決をさせていただきます。本日、連合会の役員会もございますので、そこで決定をさせていただいて、即刻支払いをしていただく。支払いをするならば、即現金については支払いをするということで進めさせていただければよいのではないかと、このように今事務的に努力をさせていただいております。
 なお、お話がございましたような緊急対策等につきましては、県、市、農協、3者一体になってやるわけでございますが、その辺の連携を十分とりながらやりますし、なお、大豆が壊滅的になったわけでございまして、実は買われたコンバイン等の借金が払えないという実態があるわけですから、これらにつける融資なども低利に融資するという、そういうことでございます。それにつきましても市の方としては協力してまいりたいと、こんな方策を今考えておりますことを御理解いただきたいと思います。
 そこで、何度も申し上げますが、土壌改良等につきましては、従来とも改良剤をまいていただいて、それに対する補助をしてまいりました。この散布に対する経費、それぞれ3分の1等の負担をして、いい砺波米ができるように、米の場合もそうですし、麦、大豆等におきましてでも地力増進という形でやることが農村の基盤整備になると私は思います。土地改良区等では搬入客土もされております。そのことを認識されて、新しい土を入れるという作業もあるわけであります。そのことも私ども若干の負担をさせていただいておりますので、農村の大事な作物を育てる意味で、地力増進ということを避けて通れないと思いますし、行政としても応援をさせていただきたい、そのようにお答えを申し上げておきたいと思います。
 その他の事項につきましては企画総務部長、病院事務局長からお答えをいたします。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 吉田俊和君。
  〔企画総務部長 吉田俊和君 登壇〕

◯企画総務部長(吉田俊和君) 私からは、地域防災計画関係と職員の意識改革について申し上げたいと存じます。
 まず、防災計画及び防災マニュアルに対する策定手法、日程について申し上げたいと存じます。
 地域防災計画の骨子につきましては、近年の都市化の進展による災害の様態の変化、高齢化の進展による歩行障害のある方の増加等、新たな要素を反映いたしまして、より現実的で実効性のある内容が求められるものと考えております。
 また、行政の役割を基本としながらも、住民の自助、共助の精神を取り入れ、市民の防災に関する自覚と、災害時における自発的な協力を期待する考えを取り入れることも大切ではなかろうかと存じております。
 そこで、策定日程につきましては、昨日の山岸議員の代表質問でも触れられておりましたが、まず、計画編の素案を庁内関係課の策定委員会で調査研究、検討を行いまして、資料編につきましては災害対策本部の各部門の行動計画、関係資料を掲載することから、庁内関係課の資料提供により取りまとめ、この間、防災会議の御意見も承りたいというふうに存じております。そしてまた、県の地域防災計画との整合性を保つため、県のヒアリングを経まして、防災会議に諮り、最終的な案を作成するということで、平成17年度中の策定を目標にして進めてまいる予定でございます。
 なおまた、行動指標となります防災マニュアルにつきましても、あわせて取り組んでまいりたいというふうに存じております。
 続きまして、経費節減を含む庁舎管理並びに職員の執務姿勢の改善について御提案、御指摘がございました。具体に2、3御指摘をいただいたわけでございますが、まず、消灯を初めとする施設管理経費の節減につきましては、厳しい財政状況の中で、不必要な経費を削減するにとどまらず、地球温暖化防止にもつながる省エネルギー、省資源の観点からも大変重要な課題だというふうに認識をいたしております。
 つきましては、合併を機にいたしまして、過日、照明やOA機器の取り扱い等について、省エネルギーとともに経費節減に努めるよう、所属長を通じまして全職員に周知をいたしたところでございます。
 また、職員の職務執行に当たっての心構えにつきましては、これも合併前の両市町におきまして、機会あるごとに指示、提起されてきたところでございます。市長が就任に当たりまして、「愛と融和による市民が主役の市政推進」を大きな柱として掲げたところでございます。職員がその職務の執行に当たりましては、愛と融和の市政を常に心がけ、市民から信頼される職員となるよう、市長から就任後、直ちに幹部職員に指示がありました。これを受けまして、今月3日開催いたしました調整連絡会議におきまして、3項目について具体に周知を図ったところでございます。
 なおまた、先ほど嶋村議員への答弁の中で助役が申し上げましたとおり、一般市民の来庁が多いセクションの職員が中心となりまして、自主的にサービスアップ会議を組織いたしております。職員の接遇の向上、あるいは執務の迅速化等々について調査研究並びにその実践に努めているところでございます。
 なお、議員御指摘のとおり、職員への意識づけがまだまだ不十分な点もあるかというふうに存じております。今後とも「愛と融和の市政による市政推進」を念頭に、明るく親しみの持てる窓口や職場環境の実現に向けまして努力をしていきたいというふうに存じております。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 病院事務局長 島田正広君。
  〔病院事務局長 島田正広君 登壇〕

◯病院事務局長(島田正広君) 松田議員御質問の総合病院看護師の対応についてお答えいたします。
 まず最初に、議員が今年の9月、当院に入院された折に、当院の看護師が何かしら無愛想であったとの御指摘に対し、おわび申し上げます。
 院内には、医師、看護師、薬剤師等の医療技術員や、事務職で構成する接遇環境部会があります。この部会では、年2回程度、外部の講師の方をお呼びいたしまして、職員を対象に、患者さんに対するあいさつの仕方や態度、さらには歩き方や上司に対する報告、連絡、相談の方法などの研修を行っております。その結果、最近では苦情も少なくなってきているとは思いますが、まだまだ全職員に周知徹底されている状況ではございませんので、さらに研修を進めるとともに、今後は特に年配職員を対象にした接遇研修を行いたいというふうに考えております。
 次に、病棟での引き継ぎが正確にされていないのではないかとの御指摘ですが、御承知のとおり、当院では3交代制をとっております。1日3回勤務交代がありますので、従来のような口頭での申し送りはやめて、現在は、看護記録や医師の指示簿などによって引き継ぎをしております。それは口頭での申し送りは、言い忘れあるいは聞き間違いなどが生じまして、場合によっては重大な事故につながるおそれがあるからであります。
 なお、重篤な患者さんにはベッドサイドへ看護師が赴き、確実に引き継ぎを行っております。
 しかしながら、議員が入院の際、引き継ぎが正確にされていない場面が見られたということですので、いま一度、引き継ぎシステムの検証を行い、改善すべきところは改善してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 26番 前田喜代志君。
  〔26番 前田喜代志君 登壇〕

◯26番(前田喜代志君) 私は5点につきまして質問したいと思います。
 第1は、屋敷林保全の支援策に一工夫をいただきたいという点でございます。
 今回提案の予算に屋敷林保全の支援策が盛り込まれました。大変大きな意義を感じております。台風23号で屋敷林が大きな被害をこうむったわけですが、住民の中にあきらめが広がってしまいはしないか。一たび保全への意欲がしぼみ込んでしまえば、これは簡単には住民の意欲を取り戻すことはできない。散村景観の主柱をなす屋敷林を守るには、今すぐ手を打たなかったらだめではないか、こういう思いでおりました。それだけに、この支援策は大変よかったと思いました。
 確かに大変よかったのですが、屋敷林を含む散村景観を大事にしようという集落協定を結んでいたところとこれから結ぼうとするところとの間に、支援策で差別を導入してしまった。このことは、結果として裏目に出たりはしないか、大変心配でございます。
 自然界の厳しさの中で、ピンチに立たされた屋敷林。救いの手をここで差し伸べるなら、その早い遅いで格差をつける。協定を早く結んでいた、これから結んでいく、この早い遅いで格差をつけてしまう。このことにどれだけの意味があるのか。どれだけの意義があるのか。この制度を組み立てをやられた方に本当に問いただしてみたいわけであります。今回のピンチをチャンスにしていこうという決意があるなら、これから立ち上がろうとするところにもひとしく手を差し伸べなくてはなりません。集落協定にいち早く取り組んで、台風の来る前に枝打ち作業を済ませていたところでは難を逃れることができた、こういう事例があるわけですから、このことこそ、これから腰を上げようとするところに大事な教訓として広げなければならない。今、県が示した方策というのはどうか。うがった見方をすれば、取り組みの遅れているところにペナルティーを科す、こういうことにもとれるわけであります。ペナルティーを科すようなやり方が本当にこのまま制度として残していいのか。私は本当に疑問に思うところであります。
 散村景観を大事にしよう。ここで地域力を引き出しながら屋敷林を守ろう。思い出のいっぱい詰まった鎮守の森や社寺林をよみがえらせようという、こういう決意であればあるほど、この目的達成のために一番よい方策に正していくということがどうしても必要だと思います。
 手直しができれば一番よいと思いますが、私は、補助率の格差分を何とか上乗せして、格差のないように、差別のないようにしなければならない、このように思います。この砺波市で、例えば景観保全をより加速していくために、合併特別記念事業というようなメニューを一つ加えていただいて、これから地域で景観保全をやっていこう、こういう意欲をかきたてていくような積極策をとっていただきたいと思います。市長、この点、いかがでございますか。
 第2番目は、交付税制度の根幹を守るために、ぜひこの削減に異議を唱えていただきたいという点でございます。
 三位一体改革で財務省は地方交付税抑制の提案をずっと行ってきました。地方側の強い反発、批判によって、2年間で7兆円、8兆円の削減をやる、こういう案は退けられましたが、国庫補助負担金の廃止・縮減と地方交付税削減の方向は明確に出されてしまいました。焦点になっていた義務教育費国庫負担金8,500億円の削減、国民健康保険に都道府県負担を導入、生活保護費の国庫負担率引き下げの検討など、教育と福祉に対する国の責任を大きく後退させる傾向がより強まったと言えます。
 とりわけ、地方交付税について2005年以降も削減方向が示されたことは、自治体の財政運営を一段と厳しくするものとなりました。地方自治体を兵糧攻めにしていく。兵糧攻めで地方を国の思いどおりに動かす。地方分権は名ばかりの感があります。ぜひ今後とも交付税制度の根幹を守るために、削減に異議を唱え続けていただきたいと思うのであります。
 一方で、国の税源移譲も、自主財源の確保において、どちらかといえば優位にあるような、そういう自治体ほど優遇されるようなやり方、これは交付税、この制度の根幹をねじ曲げていくような仕組みですね。もっと公平に、もっと地方に目を向けてくれ、こういう声がどうして届かないのか。地方6団体の多数の意思がなぜ中折れしてしまうのか。この間のてんまつについて市長のお考えを伺いたいと存じます。
 第3点は、労働諸条件の確保について、契約約款にぜひ明記をいただきたい。この点でございます。
 総務省が11月30日に発表いたしました労働力調査によりますと、10月の完全失業率は前月比で0.1ポイント上昇して4.7%、311万人となっております。雇用者に占めるパートなど非正規社員の割合も過去最大に上っておりまして、既に31.5%、こういう状況でございます。厳しい雇用情勢を市長はどのように受けとめておいででしょうか。
 非正規社員の比率の増加は、正規社員を低賃金で不安定な雇用のパートや派遣社員などにかえていく、この間のリストラの結果であります。この調査結果もそうですが、私たちの身近においても、若年退社の強要や、低賃金・長時間労働、あるいはパート、アルバイトをつなぎながら働いている。こういう食いつなぎの状況など、枚挙にいとまがありません。総務省の調査結果が示すこの数値、自殺者の増加、犯罪の増加していくこの社会背景、このような点にあるのではないでしょうか。
 競争が厳しい、採算性がとれない、そういって携帯電話のアンテナも建ててくれないような会社が、他方では巨額の設備投資をわずか1円で落札している。こんなでたらめがまかり通っていることに、皆さん、憤りを感じませんか。市長はどのような考えをお持ちですか。
 これも詰めて言えば政治の責任です。この間、「構造改革なくして成長なし」「規制緩和による企業の活性化」など、幾度も幾度も耳にしてまいりました。そして今は、国の方針に沿って地方ももっとやれというような流れが強まってまいりました。最後のしわ寄せを受けるのは、その企業活動の中で働いている労働者です。
 今、砺波市が民間との間に結んでいる多くの契約がございます。この契約についても、この同じような本質的な問題点を含んでおります。この点で改善を求めたいものがございます。
 市の支払うお金が、元請人を通じて、その仕事に汗した労働者に真っ当に支払われているかどうか。また、その労働者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されているかどうか。この点を受注者をして適正に履行していただくために、労働者賃金を初め、種々の労働条件が確保されるように、契約の約款に規定を設けている自治体が幾つもあります。どの企業も仕事を取るために虎視たんたん、やらなければなりません。入札の競争性を高めるという、このことはしっかりやらなければなりませんが、発注する側は、元請人においてその責任が果たされているのかどうか。その履行確保について特に意を用いなければ、結果として行政、市の行為によって雇用破壊の推進役を演じてしまうことになりかねないのであります。先進自治体の資料を参考に、ぜひとも改善をいただきたいのであります。
 第4点目は、総合病院でももっと後発の医薬品の活用を進めていただきたい。この点でございます。
 平成15年度の病院事業会計決算では、材料費の30%を占める薬品費、17億6,170万円、これだけが薬剤費に充てられておりまして、医業費用全体に対する薬品費の割合も18%に上っております。後発医薬品は購入額ベースで、現状どのくらいの割合になっているのか。例えば内用薬で品目数はどれだけあるのか。そのうち後発品への切りかえがどのくらい可能と思われる品目になっているのか。その品目数はどれだけあるのか。1カ月の医薬品の平均購入額は、平成15年度では1億4,700万円になります。このうち、幾品目かを後発品に切りかえていくことで、幾らほどの金額が購入額として減らしていくことが可能か。そして、医薬品の平成15年度の購入実績を試算してどういう結果になるのか、伺いたいと思います。
 また、利用者の何%が国保の被保険者になっているか。後発品に切りかえていくことで国保財政の安定にどの程度寄与できるのか。1回の処方せんの中にわずか1つでも後発医薬品が含まれておれば、保険点数を2点プラスできるなどの後発品使用促進策が、今とられております。これは収益面のプラス効果に加え、医薬品費の節約にもなると思います。後発薬の活用を増やすことで、病院経営でも有意義であり、患者負担も軽減され、国保財政にもプラス効果ができる。
 過日の北日本新聞に取り上げられた後発医薬品に関する記事。これは「くすりの富山」でなぜこうなっているのかを大変考えさせてくれました。県内の公的病院で、今後活用を増やす方向で検討していくとのことですが、当院はどのように対処をされるのか、伺いたいと思います。病院長、いかがですか。
 最後に、郵政民営化にぜひとも砺波市として異議を唱えていただきたい。この点でございます。
 「民」の強みは、利益追求を一義とする効率性とスピードにあると思います。しかしながら、採算、成果で割り切る「民」の流れというのは、どこかに経済合理性に合わない、そして地方とか弱者とか、とにかくもうからないところは知らないよと。地方とか弱者が切り捨てられていく。地域の中にある農協の支店統合が間近ではないか。そして、今議論されている郵政の民営化。全国一律の公平なサービスはどうなっていくのか。さらに地域の郵便局の存続は大丈夫か。
 散村形態をなす砺波地域において少子高齢化が進んでおりますけれども、私の集落では自動車で移動できない、こういう世帯が増えております。29戸の世帯。12世帯は自動車で移動できない。41.37%です。こういう一軒一軒を郵便局が訪ねてくれています。郵便局のサービスは暮らしの安全を、安心を支えてくれています。砺波市の散村地域の現状も、やがてうちの集落に近い状態の日を迎えることになるんではないですか。
 住民の大切な窓口が一つ一つむしり取られていく。それでも、よく考えておかなければならないことは、利益追求のみを最終目的としない公益の提供、このことはどの時代にも重要な役割があります。民営化の具体的なサービスイメージも全くなしに、先送りして、とにかく民営化ありきで進んでいる本末転倒の議論に対し、この地域のあしたのために、「郵政公社のままでいいじゃないか」、この声をしっかりと届けていただきたい。市長はどうお考えですか。
 以上お尋ねして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 前田議員にお答えをいたします。
 まず第1点は、屋敷林保全の一工夫をして、今示されております補助体系を見直したらどうかという件でございます。
 この台風によりまして屋敷林が倒木したことにつきまして、県に支援を要望したところでございます。前知事の中沖さんも何か考えてやろうということでお約束をしていただきました。そのことが今日、地域協定の皆さんには、今お話ございましたように温かい補助、今からつくるものについてはその半分ということであります。その点でのギャップがあるわけですから、言われる意見はよく私も承知をいたしております。できれば県議会でもう少しこのことを議論してほしいなと、このように思っておりますけれども、新聞ではあまり議論されていないようであります。
 砺波市も全体では30%ほどの協定があるわけであります。そのことで、あとから後発する協定の皆さんには大変お気の毒のような感じもするわけです。ただし、先発であろうと後発であろうと、屋敷林を守ろう、育てようという意欲があるわけですから、もともと私の公約は公平で公正であるべきだという思想がございます。したがいまして、県がお金をくれないんなら、その分はプラスしてもいいのではないか。決めておりません。このあと、庁議にかけて反対を受けるかもしれませんが、そのように提案して、少し議論してみたいと思います。
 議論して今決めたのは、屋敷林を再生する段階で必要な樹種については、幼木でございますけれども、これを配布しようと。これは決めました。したがいまして、早速申し込みをし、申請といいますか、申し込んでいただければ、それに対応して配布をしたい、そういうサービスをしたいということで、これは決めておりますので、進めさせていただきたいと思います。
 したがいまして、何度も申し上げますが、いずれにしても、すばらしい砺波のこの景観を守ろうという、そういう認識で協定をされるわけですから、その協定を結ばれて、今後とも維持をしていこう、今後とも大事にしていこう、今後とも風があっても倒れないようにしようという、そういう意味でございますから、私は同じような取り扱いをしたいと、このように思っておりますので、もう少し時間をかしていただきたいと、このように存じておる次第でございます。
 次に、交付税制度についてであります。
 三位一体で今揺れ動きました。ほぼ概略が決まったわけでありますが、今御意見にもございましたように、全部、全貌は明らかではございません。まだ一部くすぶっておるような状況でございます。そのくすぶりの第1点は、確実に交付税を出すという、そういう明言がないんです。おっしゃるとおり。そこで、地方6団体は、交付税は下げるべきではないというのが前提である。その次の前提は、地方への税源移譲をやります。あとは補助負担金についてはいいよという、こういうお約束なんです。ただし、はね返ってはきておりません。まだいろいろくすぶっておる状況でございますし、全貌が明らかでないということです。
 さて、交付税は、私は地方特有の大事な固定的な財源だと、このように理解をしておりますし、地方交付税の法律を見ましてでも、国税から上がってきたものについては、私どもが聞いておる段階では32%を地方へ回すんだと。地方へ回すときには、財政需要額と財政収入額を調べた上で、その差額が出ますので、地方の弱いところについてはそれだけの経費がいくはずですが、ところが、平成15年度、16年度と削減されてきました。その意味では大変懸念をしておるところでございます。
 いずれにしましても、地方の大事な財源をカットするという、そして国が、原則であります再配分をすることによって、国全体が元気が出るということの趣旨に反しておるわけでございます。特に財政力の弱いところにつきましては、私は存亡にかかわる問題であろうと、このように思っております。砺波市も少しは財政力は上がりましたが、まだまだ財政力維持とはいきません。つきましては、これをしっかり堅持していただかないといけないのではないかと、このように思っておるところでございます。
 なお、従来、景気浮揚策で、借金をしたら後から交付税で見てやるぞという約束があったんですね。それがどこへどう消えていったのか、定かではないんです。私は国はうそをつくとは思いませんけれども、従来、そのように経済活性化のために地方も借金して仕事をしなさい、あとは面倒を見ますという、そういう法律もあったんですけれども、そうしますと、全国的に一斉に経済の活力を出すために地方で仕事をしたわけ。それは全部借金が残っているわけ。その借金が交付税で半分みてやるとか、あるいは30%みてやるとかいう約束がありましたけれども、見えてこないのが現実でございまして、随分今厳しい状況にあることは皆さん御承知のとおりだと思いますが、この削減は絶対してはならない、そういう約束事でございますが、改革の名のもとにおいてばっさり切られたのは遺憾に思うところでございます。
 したがいまして、話の中には、地方6団体はもう中折れしたんではないかということですが、中折れはしておりません。これからさらにこのことについて頑張っていきたいと思います。
 昨日、市長会の会長から、もし約束が守られないと、地方6団体は一揆を起こすよと、そういう文書も実は回りまして、その一揆の内容も6項目について確認をとられておりますから、これらにつきましては、それぞれ今理解されつつあると思いますので、したがいまして、私は中折れはしていないし、このことは各市町村で頑張って要求をしてまいりたい。そのことが国土の発展になると私は思う。今、東京、神奈川の方、あるいはトヨタ町と言われるところだけが元気がいいわけですが、あとのところはみんなマイナス傾向なんです。ぜひそのことで6団体一丸となって要求、要望していきたい。市議会の皆さんにも、同じ6団体の一つでございますので、よろしくお願いを申し上げたいと、このように思っております。
 次に、パート等の問題、雇用情勢等の問題であります。
 先般、ハローワークへあいさつに行きました。おかげさまで砺波地域の雇用につきましては大変いいところに来ていると。ただし、中身が困りましたということでございます。といいますのは、いわゆる雇用の社員化という時代ではない。雇用のパート化が増えているんですね。人集めの段階で企業は、それは今話があった大企業だけではないんです。中小企業も、どう変化が来るかわからないものだから忙しい。忙しいときはパートという時代になっておるようでございます。したがいまして、このことについて市長、どう思うかというと、それはいかんと、それぐらいしか言えないので、本当の議論は県以上のレベルでないと私はお答えできないということでございます。いわゆる労働雇用というのは、地方にとっては大変厳しいということだけ申し上げておきますけれども、いずれにしてでもそういう状態のようでございます。
 ただ、所長は、従来の雇用率が少なかった点についての上向きになったので、その点では喜んでおりますけど、内容としてはパート化が進んでおるということでございます。パート化が進むということは、我々市町村にとっても、実は国保の方が上乗せになるわけでありまして、現実的には、社員化することによって健康保険にいってもらえば、いわゆる個人市民税も特別徴収でちょっと入ってくるんですが、パート化の場合はなかなかあまり賛成できないんですが、社会情勢はそのような情勢だと、このように言われておるわけでございます。率直な話、遺憾に思うところでございます。
 さて、これらに対して企業に横暴さが見えるのではないかと。これは横暴とはどうかわかりません。この辺は中小企業だと思う。もっと別の意味で、制度化は厚生労働省が頑張らなければいけないと思う。もっと労働条件、雇用条件というものについては国がしっかりしないと、県でも市でもなかなかこのことは言いづらい一面があると思います。その意味で、地方から出ておられる代議士の皆さんにもっと頑張っていただきたいなというのが私の本音であります。
 それで、市が発注する契約等について、あまりパートのやつに重きを置くなということなどが言われております。労働基本権を重視するような企業に契約をしなさいということでございます。今の契約約款の標準的なものについては、あえてこのことは書いてございません。少し研究せよということですから研究いたしますけれども、いずれにしてでも、私どもとしては下請に、あるとすればきっちりお金を払って、そして雇用保険もちゃんと払って、そのことだけは言えると思います。
 したがいまして、これらについては、契約約款の中にはなかなか入れられないと思いますが、私どもとしてはその点、注視をして指導してまいりたい。そして下請に対する安上がりの方法等についてはなるべく避けていただくということでいきたいと、このように思っております。
 なお、私どもとしては、現在のところ、1円で落ちたとか10円で落ちたというのはございません。ございませんけれども、正常に私どもは入札をしていただいて、正常に仕事をしていただくならば、前渡し金を出して、時によっては中間払いもして、そして下請に十分払うように、労働者に十分払うように、そのことの措置をしておるつもりでございます。もし御指摘があるとすれば、それは直してまいりたいと、このように今思っておるところでございますので、おっしゃるように、雇用者に対する差別等がないように、不当な労働行為がないように注視をしてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
 それから次に、郵政の民営化についての御質問でございます。
 率直な話、私はこの改革は反対であります。改革、民営化をすべきでないと、このように思っておるところでございます。今御意見もございましたように、郵便局の果たすべき役割、これは国という立場でそれぞれ保険なり貯金なりで集めておりますから、恐らく高齢者の皆さんはほとんど使っておられるのではないでしょうか。しかも、砺波市には簡易郵便局を含めて13の郵便局があります。それぞれ高齢者にとっての大事な金融機関だと思います。しかも、郵便局へ行くことによって郵便局長さんから、近ごろのおれおれ詐欺等の話もしていただいておるようでございます。それが民間になりますと、そんな話をしてくれるところはないと思う。例えば銀行やあるいは信用組合へ行って、時間をとって、「おばあちゃん、おばあちゃん、こんな時代だよ。孫やらいうて電話かかってきても、銭出すな」と、こういう話をしてくれるところは郵便局だろうと思う。
 その意味で、そういう場でもあるということを私は認識しておりますし、これからそのことを郵便局にお願いしたいと思う。いわゆる一種の国営ですから、そのようなサービスをしていただけるのは郵便局ではないかと。そのことを考えるときに、私はあえて民営化、企業化することについては不賛成であります。
 なおまた、子ども110番であったり、あるいはこの間の中越地震で郵便局の存在というのは被災者にとって最も評価されたという報道がございます。そのことを考えるときに、あえて民営化をすることが本当に正しいのかどうか、私は疑問に思うところでございます。
 なお、これまでも皆さん方の貯金や保険が我々の起債の原資になっておるわけです。そのことを考えるときに、このことがまた移行するわけですね。高い利息を払うておりますけれども、これが民営化することによって一体どうなるのか。その辺も定かでないんですね。我々は今簡保で借りておるわけです。そのことが今支払いをするときにはやっておりますけれども、そういう貴重な年寄りのお金を我々は公的に使っているわけですね。
 今度は、企業になります。企業に私どもがそんなにサービスせんなんかどうかというのは問題だろうと思う。年寄りの皆さん、近場の皆さんが貯金や保険をしたものを、我々が利用、活用させていただいて、そして施設づくりをしてきたわけです。今度は恐らくそんな形が本当にできるのかどうか。全然その点が見えてきません。市役所にとってでも不安のある、そういうところになってしまうんではないかと、こんなことを思う次第でございます。
 そのような気持ちで、議会等で、国が進めていることに反対するのはいかがかと思いますけれども、率直に私は民営化を反対をしたいと、このように思っておるところでございます。
 以上、私からのお答えといたします。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 病院長 小杉光世君。
  〔病院長 小杉光世君 登壇〕

◯病院長(小杉光世君) 初めに、新市の初議会に3議員から質問をいただきまして、砺波総合病院事業を知っていただく答弁の機会を与えていただきましたことに、院長としてありがたく感謝いたします。
 前田議員の御質問のうち、砺波総合病院でのもっと後発医薬品の活用についてお答えいたします。
 まず、当院では、使用医薬品の安全性、必要性などにつきましては、薬事委員会で厳密に審査をしています。平成16年4月現在で登録医薬品は約1,400品目であります。そのうち、質問にありました後発医薬品の内服薬は24品目、外用薬は27品目、注射薬24品目、合計75品目で全体の5.3%となっております。
 購入額では、平成15年度の後発医薬品の購入額は2,952万円で全体の1.6%となっています。
 議員質問の外来患者さんの国保被保険者率は約42%であります。1カ月の医薬品購入額は、議員さんのおっしゃられたとおり約1億5,000万円であります。安い後発医薬品の使用で国保薬剤料が軽減されることは言うまでもございませんが、一方、院外処方による国保財源の増加もあるということを御承知いただきたいと思います。
 なお、質問にありました後発医薬品への切りかえ試算に対する質問ですが、切りかえ率、薬剤の価格、後発医薬品が存在する処方内容や、個々人の処方薬剤数による算定点数が異なることや、当院採用薬品数が1,400に及ぶことなど、不定因子と条件が非常に複雑でありまして、購入削減額の試算はできないということになります。
 よい機会ですので、後発医薬品活用の問題点を若干説明させていただきます。
 御存じのとおり、国は医療費抑制政策として安価な後発医薬品使用促進策を打ち出し、院外処方の場合に保険点数2点プラスの利益誘導を行っていることは、議員さんの御存じのとおりでございます。現在、院外処方率は当院では約40%で、枚数は年間7万9,000枚でありますので、仮に当院の院外処方せんに一定比率、3.4%で処方されたと仮定しましても、年間5万4,000円程度の増収の試算となっております。
 採用率が低いことについて、当院の考え方を述べさせていただきたいと思います。
 以前、厚生省といわれた時代、包括建議方式の承認審査という時代がございまして、それによりまして導入されましたサリドマイドやキノホルムの薬害被害を私たちは忘れてはいけないと思っています。最近では血液製剤の薬害エイズ事件や、今回新聞報道にもありましたフィブリノゲンに見られるごとく、医薬品の安全性が大きくクローズアップされておりますが、信頼できる医療の提供、医療の安全を追求することは、当院の憲章でもあり、また当院の使命でもあると考えております。
 なお、当院の薬事委員会では、根拠に基づく医療―つまりEBMと呼ばれるものですが―の重要性を認識して、平成14年度から定期的にかつ全面的に、後発医薬品採用に関する検討を真摯に行ってまいりました。スタンスといたしましては、先発医薬品と同等であり、医薬品の安全性に関して十分な情報が提供され、かつ安定供給できるメーカーであること。また、剤形や名称などでも安全性に工夫のあるものなどを対象薬品として検討してまいりました。
 後発医薬品の切りかえの問題点が幾つかありますので、説明させていただきます。
 まず医師は、成分に関する後発メーカーの情報が極めて少ないため、後発医薬品に対する不安感があります。不安感のため安心して処方できない。例えば主成分が同一であったとしましても、その添加剤やカプセル等の違いにより、治療効果、消化時間、吸収場所の違い―この吸収場所というのは、具体的には内服薬ですと胃とか小腸あるいは小腸の末端という、そういう意味でございますが―吸収場所の違いが生じるのが現実でございまして、例えば後発品研究データでは、先発品と8倍もの品質格差がある薬剤も報告されております。
 次に、薬品情報提供の面からは、後発医薬品には法的に使用後の副作用報告義務が課せられていないことや、メーカーの薬品情報提供者の人数が極めて少ないことから、病院に詳しい情報が入らないなど、安全性の確認や採用判断に乏しいものが多々ございます。
 当院といたしましては、今後も後発医薬品に関する情報を収集し、薬事委員会に諮っていきたいと当然考えておりますが、従来から使用している医薬品を変更することに患者様が不安を抱くことや、また直接、変えられたことによって効かないといった訴えもあり、最終的には患者様の選択になります。
 まとめますと、多くの国民が多少誤解されているかと思いますが、後発医薬品は先発医薬品と全く同等品という保証が現時点ではないという点が重要だと御理解いただきたいと思います。
 最後に、患者様が医療費の個人負担軽減などのため、要するに、医療費をより安くしてほしいという希望があって、後発医薬品を強く望まれる場合には、先ほども申し上げましたように、院外処方により対応することは十分可能であります。当院としましては、目の前の利益よりも、むしろ処方、調剤、投薬の安全性を高めるために、採用薬品の絞り込みや投薬口での薬剤説明強化などの対策が、患者中心の医療提供の一環として優先課題と考えています。
 議員は、国保財政のことについても触れられましたが、その最大の解決法は、予防医学であり、先ほど寺井議員さんから提案ありましたように、例えばチャレンジデーでの活動や、当院の併設であります健康センターの活動を全面的に展開して、市民が病気にならない、市民が健康を確保することが最も肝要と考えています。
 社会正義にあふれる前田議員の意に沿わなかったかもしれませんが、ぜひ御理解いただきたいと思います。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 2番 境 欣吾君。
  〔2番 境 欣吾君 登壇〕

◯2番(境 欣吾君) お許しを得ましたので、通告に従い質問を行います。
 今年の不順な天候や台風による被害は、過去に例を見ないものになっており、市民の生活や農業などに多大な影響を与えております。当市においては倒木の被害が著しいものでした。カイニョのあるお宅のほとんどが風の被害を受けていると言っても過言でない地域が幾つもありました。100本ほどあった杉のうち50本以上が被害を受け、処分せざるを得なかった、そういうお宅があります。ひとり暮らしの御婦人のお宅で十数本の木が倒れ、どう処理してよいのか途方に暮れておられた、そういうふうなお話も聞きました。倒木が建物を壊すことが比較的少なかったと言われておりますけれども、実際には母屋や車庫の屋根を直撃してしまったもの、墓石を破壊してしまったもの、隣の家の作業場を破損してしまったもの、神社の鳥居や本殿にもたれてつぶしてしまったものなど、建造物の被害に至った例も枚挙にいとまのないほどであり、このこともまた市民の心に大きなダメージを与えることになりました。懸念されることは、市民の多くの皆さんがこの機にカイニョを整理し、なくしてしまおうと思われ、そのように行動されることです。実際に倒れた木の始末をする際に、助かっていた木も一緒に切り倒したという先の議員の発言もありましたが、そういう例が幾つも生まれております。「風がまた吹いて倒れるのじゃないかと思うと恐ろしくてたまらないから」というふうに言っておられます。
 このようなときに、いち早く行政が市民の被害に手を差し伸べ、励まし、改めてカイニョを守り育てることを呼びかけることが大変大切でありました。田園空間整備事業の中核施設である散居村ミュージアムの建設に入る年だけに、そのことはとりわけ重要でした。現に「景観を守るための施設だというのなら、散居村ミュージアムに回すお金の一部を復興に使えないのか」、そういった声が市民の皆さんから数多く聞かれました。散居村とミュージアムを考える会などの市民の皆さんは、時代をかけて育んできた貴重な資源を守るために、市や県に倒木処理と植樹のための支援をぜひ行ってほしいという要望をしてこられました。
 このたびの県議会12月定例会で、砺波平野の屋敷林の再生を支援する、そういう補正予算が提案されております。個人所有の屋敷林を散居村の景観保全という公共的な観点からとらえ、その復旧への市民の皆さんの意欲を後押ししようとするもので、画期的なものだと思います。さらに、昨日の市長の答弁でも、市が独自にこの支援策を補強し、カイニョの再生に力を入れたい、こういうふうな答弁でございまして、大変心強く思いました。
 私はこれらの施策を、地域協定のさらなる締結の促進と結んで進め、カイニョを守り育てていくことの意義について、市民の皆さんが大いに論議をする機会とすべきではないかと提案したいと思います。その際、支援策に地域間の差がないようにしてほしい、こういうことについては、先に前田議員が述べられたとおりです。私もそう思います。
 今度の被害で、屋敷林はこりごり、そういうふうに思っておられる方も相当におられると思います。そしてその気持ちは無理からぬものだとも思います。それだけに、しっかりとした構えを備えてこの支援を実施しないと、生きた支援にならないのではないかというふうな心配があります。カイニョ倶楽部など民間の方の協力も得て、今度の被害で明らかになった教訓も踏まえ、屋敷林のすばらしい効能や、よりよい植林の方法を学び合う機会にできないでしょうか。
 昨日の市長の答弁で、苗木を配る、そういう計画について話をされました。大いに歓迎すべきものだと思います。例えば「となみ広報」などで連続的なキャンペーンを張るなどというふうなことと一体に進めれば、さらにその意図が浸透するのではないでしょうか、考えをお聞かせ願いたいと思います。
 さらに、鎮守の森の何百年もの樹齢を持つ杉があちこちで倒れました。地域の人たちが何代にもわたって親しんできたものがなくなってしまいました。ミュージアムの建設部材として、あるいは北部地域の総合福祉施設の部材として利用し、歴史的な被害の記録という意味も持たせて残していく方法がないか、検討をお願いしたいと思います。
 施設を訪れた市民が、「この木はうちの地区の神社で何百年もたっていたものだ」とか「戦争のときもぎりぎりまで供出せず助かった木なのに、あのときの台風で倒れたものだ」など、語られる場面が出てくるようにできないかということです。
 次に、介護保険の問題について質問いたします。
 保険制度の見直しが来年行われます。これに関して、検討されている見直しが必ずしも歓迎すべきものではなくて、おおむね利用料の増大につながるものであること、とりわけ需要が増大している要介護度の軽い層へのサービス内容において、予防型に変更するとして、従来の家族支援などのサービスを介護保険の対象から外す計画などは、財源の抑制のみをねらった許しがたいものであることは、旧砺波市の9月定例会で述べたところであり、安念市長も、「この層でのサービスの削減は介護度の重度化を促進するものであり、やるべきことではない」と答弁しておられます。
 私は、ホームヘルパーの派遣サービスについての市長の考えをお尋ねしたいと思います。
 当市では、民間の事業所からのホームヘルプサービスと並行して、砺波市が直接に行うホームヘルプサービスが行われています。私は、砺波市が直接にホームヘルプサービスを行うことは二重の意味で重要であり、ぜひとも続けていただきたいと考えています。
 その1つは、在宅で介護を受けておられる方々の暮らしぶりを市が直接つかむことができるということです。数字化できない市民の皆さんの生活の様子、どんなところで、どんな状況で生活しておられるのか、どんなときにどんな不都合を感じておられるのか、どういうことをありがたいと感じておられるのか、そういうことを具体的に直接つかむ手だてを持っていることは、市民の皆さんが本当に望んでおられる施策を行っていく上での貴重な財産です。ぜひとも確保しておきたいものです。
 もう1つの意義は、民間の採算ベースに乗らない条件の人でも、必要な人には必要なサービスを行うことができるということです。市が直接ホームヘルパーを派遣できるということは、市民にとってのこの分野での、いわば最後のとりでを築くことができる、こういうことだと思います。現に利用料の免除措置を受けておられる方は、民間ではなく、市のホームヘルプサービスを受けている人に圧倒的に多いと聞きました。平成15年7月現在では、市のサービス受給者のうち、減免措置を受けておられる方が90人なのに対し、民間では16人です。すべての市民の福祉を図るという自治体本来の役割からいって、当市のように洗練されたホームヘルパーの皆さんを直接派遣することができる仕組みを持っていることは誇れるものだと思います。今後ともこの仕組みを維持していただきたいと思うものですが、市長の考えを伺います。
 さらに来年から、このホームヘルプサービスの利用料の減免制度に対して国が補助しなくなるという話があります。それに伴って各自治体が、これまで利用料を払わなくてよかった低所得の方から利用料の1割負担をしてもらうのかどうかということが問われることになります。
 私はぜひとも、この利用料免除の制度を市独自の努力で維持していただきたいと思います。年金の受給額が下がり、介護保険料は上がっています。低所得の方々には随分と負担感があります。たとえわずかの額と思われても、この上の利用料の新たな徴収はサービス需要の抑制につながることは明らかです。そのことが、救える人をも見放して、一層の重度化を招くことになり、5年先、10年先の介護事情に、より大きな困難をもたらすことになるだろうということを真剣に考えるべきだと思います。
 国の補助がなくなっても、二百数十万円程度の負担をすれば現状のサービスを維持できると聞きました。今サービスを受けておられる方々に新たな負担をお願いしなくてもよいようにすべきだと思いますけれども、市長の考えをお聞かせ願いたいと思います。
 昨日の福島議員の質問で、農業経営の厳しい実態についての話がありました。今年の農業は、自然の営みの影響と人的な営みの影響によって大変大きな打撃を受けています。当地でも転作作物の一つとして奨励されている麦が、収穫前の低温と長雨のために品質、量とも例年を下回りました。
 米の収量は、昨年より若干よかったようですけれども、御承知のとおり1等比率は昨年をかなり下回り、となみ野農協管内で12月6日現在では69.6%ということでございました。当然これは収入減につながりますが、最大の問題は米価の下落です。コシヒカリ1等の仮渡し金が昨年は1万9,000円でしたが、今年は1万4,000円。5,000円も下がっているのです。先の議会での請願に対する賛成討論でも述べたように、昨年不作で、さらに今年も全国の作況指数が100を下回る98という状況下でのこの価格というのは明らかに異常です。とてつもなく古い備蓄米を、不作で予想される不足量以上に放出して、新たに補充すべきところを買い上げないという政府の政策と、ぼろもうけのために新米と超古米とを買いあさった一部米卸の思惑の結果ですが、大変深刻な影響を与えています。
 加えて、この大豆の大不作です。となみ野農協に聞きますと、大半が品物にならないくずだけど、せっかく収穫したものだから、少しでも合格するものを選ぼうということで調整作業が続けられていますが、12月に入ってようやく半分が終わったところだとの話でした。転作の奨励金の制度が変わり、大豆生産だと、交付金の支給額が最高でもらっても反当たり6万8,000円から4万5,000円へと2万3,000円も減った上に、この収穫の状況です。減収に対する共済金の支払いも2割ないしは3割の足切りで、場合によっては年内の支払いがないものもあります。これについては、先ほど市長の答弁の中で、専決で早く対応できるようにするというふうにありましたけれども、大変歓迎すべきことだと思います。
 例えば15町程度の耕作をしておられる方ですと、米作で例年と同じ量の収穫があっても、それだけで500万円ほどの減収になります。当然、転作も5町程度引き受けておられるわけですから、それがもし大豆だと、交付金の額で115万円の減、壊滅的な収穫の目減りでさらに減収。合わせれば七、八百万円近くも収入が減るということになります。かけている費用は例年と何も変わらないわけですから、大変な痛手になります。
 さらに恐ろしいことは、全国の作況が100を下回ったことが明らかになった現在もなお米価が下がり勾配であることが示すように、この厳しい状況が今年に限った特殊なものではなくて、今後も恒常的なものとなっていくことが予想されるということです。新たな米政策のしょっぱなでのこのような状況は、国の示した政策の方向が、今日の日本の農業を再生していく上では有効に機能しそうにもないことを、現実の姿で示しているのではないでしょうか。
 私はこのような状況の中で、砺波市の農業を本当に元気にし、再生させていくために何が必要なのかを真剣に考えるべきときだと思います。単純に国の示した方向を砺波市に当てはめて方針化するというのではなくて、となみ野の現状に合った活性化の方法をとなみ野の知恵で考え出さなければならないと思うのです。示されたガイドラインに基づいて地域水田農業ビジョンを策定して、その推進で事足れりとするのではなくて、となみ野でどんな作物をどれだけつくっていくのか、目標を持ったイメージをつくり上げていくべきだと思います。その際、市場に収穫したものをせっせと運ぶだけのイメージでは、確かに生産の高揚は困難だと思います。私は、だからこそ地産地消の発想、食の連関の発想を大いに具体化すべきだと思います。
 例えば、せっかくとなみ野で豚を飼っておられても、それを単なる豚肉として市場に放出したのでは、価格競争の波にのまれてしまいます。となみ野の風ととなみ野の水に育った豚だと明確に表示して、となみ野の皆さんにアピールをする。あるいはその豚からできたハムだとアピールをする。そういったことをいろんな農作物について考えてみる。
 既にとなみ野産の大豆から豆腐がつくられていますが、となみ野のトウモロコシからできたコーンスープ、となみ野産の小麦からできたパンやうどんや焼きそば、そういうふうなことは考えられないでしょうか。そのために、域内の加工業者の皆さんとも緊密に連絡をする。全体として多様な食品で構成されるとなみ野ブランドをつくっていく。当然その中には庄川地区のユズも大いに役割を発揮してもらう。例えばそのような長期ビジョンを描いていくことはできないでしょうか。その推進に行政がふさわしい役割を果たしていくことができるのではないかと思うのです。
 例えば、新たな生産には新たな設備が必要になります。補助制度の活用の相談が必要です。栽培の技術指導も欠かせません。地元での消費につなぐためのPRや、加工業者の皆さんや商店街の皆さんとのつなぎも必要だと思います。
 私は当面、現実的で、しかも夢の描ける農業ビジョンを作成するプロジェクトチームを立ち上げることを提案したいと思います。普及センターやJAの営農指導員の皆さん、中核農家や女性農業士の皆さん、有識者の皆さん、場合によっては加工業者や商店街の皆さん、消費者の皆さんも加えた集まりで話し合いをしていただく。既にそのような試みが始められている先進的な地域の例も参考にしながら、安心して食べ続け、そのために元気につくり続けられる地域を創造していく方向を検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。市長の思いをお聞かせ願いたいと思います。
 最後に、総合病院の医療事故の問題で伺います。
 去る11月13日の新聞で、砺波総合病院の医療事故のかかわりで7人の方が書類送検されたことが報道されました。報道によれば、この事故は昨年の10月30日に起こったもので、資格の必要な人工呼吸器の着脱という行為を、その資格のない家政婦が長年にわたって行っていたが、この日も、たんの吸引のために外したものをもとに戻し忘れたために患者が窒息死したというふうにあります。
 この報道のとおりであるなら、3年もの長きにわたり入院されていたということであり、私たちにはわからない事情がおありだったのかと思いますけれども、その間、家政婦がずっとついておられたというのは、完全看護を標榜する当病院のあり方としては納得のいかないことであります。当病院では、原則として付き添いは認めていないのだが、患者を癒す目的に限って許可しているとのことです。そしてこの家政婦も、そういったことでいることが許可をされていたというふうに聞いております。
 問題が2つあるのではないかと思います。1つは、付き添いの許可が容易になされてしまう傾向があるのではないかということです。家族が患者に付き添うことは例外的なことであり、原則として認めないということを、病院内部でも、患者の家族との間でもしっかり定着させる。その点で不十分さがあったのではないでしょうか。
 もう1つは、長きにわたって資格のない者が人工呼吸器の着脱を行っていたということを見過ごしてしまう内部の意思疎通の悪さ、患者本位の医療体制を築くために互いに指摘し合うことのない管理体制の甘さということです。教訓を深め、繰り返し間違いが起きないように努力されているものと思いますが、整理された問題点と、努力しておられる改善点についてお聞かせ願いたいと思います。
 先日、親しくしている方の御家族が子宮筋腫の手術をされました。当初は当病院で行ってもらうつもりでいたのだけれども、医療事故の報道が繰り返され、怖くなって別の病院にかえたというふうなことでございました。
 今年は病院の改築工事が完成しました。多額の税金を投入して、先端の設備を備えた病院になりました。相次ぐ医療単価の引き下げなど、経営のかじ取りは決して容易ではないと思いますけれども、名実ともに市民の信頼に耐える病院として機能していただきたい、このことを切望するものでございます。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 境議員にお答えいたします。
 台風による倒木被害の支援等について、昨日からお答えをしておりますが、改めて申し上げたいと思います。
 まずは、被害に遭われました各家庭につきましてお見舞いを申し上げたいと思っております。
 今回の特別補助等の支援制度の内容等につきましては十分PRをしてまいりたいと思います。協定をしておられる地域についてはもちろん連絡いたしますが、新しく協定を結びたいという皆さん方には十分PRをして、今後のカイニョ対策、田園空間、いわゆる景観の保護等について御尽力いただければ大変ありがたいと、このように思っておる次第でございます。
 なお、このカイニョを守る意味では、シンポジウムがあったようでありますが、十分議論をしていただいて、植林のあり方等についても、この際お互いにディスカッションをして、いい方向であるように期待をしております。ついては、先ほどもお話いたしましたが、格差のないようにと、このように私は思っております。同じカイニョを守るという立場ですから、平等の取り扱いをするのが原則だろうと。ここでギャップがあって差をつけるというのは、愛と融和の精神に反するような気がいたしますので、先ほど前田議員に申し上げたとおり、そのようなことでいきたい。
 なお、個々につきましては、植栽をしていただくという希望があるとすれば、大いに希望をとって、配布をして、それは自ら植えてもらって、自ら育ててもらう、そういうことが何より大切だろうと、このように思っておるところでございます。
 このような提案について、境議員から初めて褒めていただきましたので、お礼を申し上げておきたいと思います。
 次に、倒木は歴史を示す大事な木である。ついては、有効利用をされたらどうかと、こういうことです。私もそのように思っておるところでございます。特に散居村ミュージアムの建築に当たって活用したらどうかということでありますが、1つは既存棟でございます。今、従来あったものをそのまま残そうということですから、新しい材料を入れるというのは難しい話です。
 もう1つは歴史棟がございます。これも既存棟に若干の補強材は要ると思いますが、今それを使って、もう目の前に入札するというときに、今は生木でしょう。なかなか難しいんじゃないかなと。ただ、先ほど教育長も言いましたように、200年、300年の、お宮さんでしたら400年、500年の木があるわけです。これは一番歴史を知っておりますので、これの何か有効活用がないか、少し知恵を絞っていきたいと思いますし、そのような根も実は残っておるようでございます。でき得れば、どこかにそういう大きいものだけ残しておいて、郷土の勉強の材料にならないかなということを実は思っておるわけでございます。直接使用というのは、そういう意味ではちょっと今のところ難しいのではないかと、こう思います。
 したがいまして、でき得れば、すばらしい材料等があるわけでありますから、仮にお宮さんの遊具であったり、幼稚園の滑り台にでもなったり、あるいは少しうまくデザインして、特に庄川町は木工のところでございますから、その辺の知恵をかりて、何か利用する、活用するということぐらいあってもいいんではないか。私は地域の歴史的な産物であるという認識の上に立って、そんなことを思ったりしております。ベンチをつくることもいいでしょうし、あるいはよく言われる、材木でつくった遊びの道具ですね、トリムコースといいますか、そういうものなども考えてもいいんではないかと。ただし、それは私の方ではなかなか難しいので、できれば、そういう盛り上がりがあればよいなと、こんなことを実は思っております。そういう意味で、ぜひ境議員さんの知恵を拝借いたしたいと、こう思っておるところでございます。
 次に、ホームヘルパーの派遣サービス等について申し上げたいと思います。
 現在、砺波市には27人の嘱託と登録ヘルパーがおられます。1カ月の訪問の実人数は、11月末現在で186人となっているところでございます。議員が御指摘のホームヘルパーは直接家庭を訪問している。高齢者の在宅介護の実態をつぶさに把握をいたしております。さまざまな施策をした上で、私は大きい役割を担っておると思っております。手間のかかるケース等については、民間の事業者はやりません、全部。というのは、距離が遠かったり、いろんなことをしなきゃいけませんので、収入が上がらないというわけですね。そういう民間事業者はあまりやりません。それをカバーするのは市のヘルパーにほかならないと、このように思っておりますので、その意味から、このようなケースについては私どもは承りたいと、このように思っております。
 もちろん、砺波市も事業所でございます。御承知のように、その分では負担部分もあるわけです。ただし、採算がどうあろうと、私どもは引き続き直営で対処してまいりたいと、このように思っております。
 そして、利用料の減免措置継続についての要望はございましたが、このことについては、合併協議会では今の制度をそのまま引き継ぐと、このように大原則がございますから、制度が少し変わって国の補助金がなくなっても、そう大きい負担にはならないと思います。これは合併の大原則ですから、これは引き続き私ども進めさせていただくということで、現行どおりにいたしたいと、このように思っておりますので、御理解をいただきたいと、このように存じております。
 あとは病院長、商工農林部長からお答えをいたします。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 病院長 小杉光世君。
  〔病院長 小杉光世君 登壇〕

◯病院長(小杉光世君) まず最初に、このたびの医療事故に対しまして、亡くなられた患者様に哀悼の意をあらわすとともに、御遺族の方に対しましても深くおわび申し上げます。そして議員の皆様初め市民の皆様に大変御心配をおかけしたことを重ねておわび申し上げます。
 境議員御指摘のとおり、昨年10月30日に当院で発生しました医療事故は、当日、直ちに所轄の警察署はもとより、関係機関に事故報告し、昨年12月26日、事故発生に関しまして、私が当院で発表したとおりであります。
 今回の事件は、直接的には家政婦が吸たん行為のあと、人工呼吸器の管を気管切開カニューレに戻し忘れたことから発生しました。しかし、主要因は、戻し忘れを防ぐための人工呼吸器のアラーム装置がテスト肺によって作動しなかったことで、看護師による発見が遅れたと考えられる事故でありまして、純粋に医療者による実行ミスではない特殊なケースであります。
 その後、今年にかけまして、当院の職員に対する警察の事情聴取が数回以上行われ、去る11月12日に業務上過失致死と、保健師助産師看護師法違反の疑いで家政婦と当院の医師1名、当日当番の看護師3名を含む看護師5名、計7名が書類送検され、翌13日、新聞報道されましたとおりでございます。
 議員御指摘のごとく、ずさんな付き添い許可、無資格者の医療行為、職員間の意思疎通の悪さはまさに核心を突いたもので、境議員の炯眼に敬服いたします。しかし、若干誤解もあるかと思いますので、補足説明させていただきます。
 まず、看護ですが、当院では現在、病棟では2対1の看護基準をとっております。すなわち、患者様2人に対して看護師1名が配置されるという体制であります。これが2対1看護でございます。当院は我が国での最高の基準であります2対1基準看護でありますが、欧米先進国では1対1もしくは1対2が普通で、世界との格差が大きいことをまず御理解いただきたいと思います。
 なお、世界的にも我が国でも、完全看護というあいまいなワードは誤解を生むということで、現在死語となっておりますので、御承知おきください。
 基準看護を行うことから、当院では、以前より付き添いは原則的には認めておりません。ただし、主治医の判断のもと、許可をすることがありましたし、あります。その条件として、1つには、付き添いをつけることによって患者様の精神的安静が得られること。2つ目に、治療上有効であること。そして3つ目には、家族の強い付き添いという希望があった場合に、その対象疾患によりますけれども、2週間を限度に期間限定で認めることとなっております。これは、この事故以前には明確でございませんでしたので、事故直後から明確にして実施しております。
 この患者様の場合も、主治医の許可を得ていたわけですが、問題は、家族の肩書きで3年もの長い間、家政婦さんがついていたこと。しかも、医療法上違法である人工呼吸器の操作まで行っていたことは、御指摘のとおりであり、弁解の余地も全くございません。
 従来の診療及び管理体制に大きな問題がありましたので、家族の付き添いにつきましては厳格に許可をする体制にしたことは、先ほど申したとおりでございます。ただし、今回のケースは筋萎縮性側索硬化症で、一般に略してALSといわれる難病でありますが、国の方針として、また医療側でも、家族が吸たん行為を習得して在宅医療が可能となる疾患であります。このケースでもそういう時期があったということを御承知いただきたいと思います。実際、多くの人がこの筋萎縮性側索硬化症(ALS)の多くの人が在宅治療を受けていることをつけ加えさせていただきたいと思います。
 さらに、今回の事件に関しましては、まことに残念なことには、職員が家政婦の存在と、その行為に対して何らの疑問を感じなかったことに対して、ざんきにたえなく、私自身、ふんまんやる方ない思いであります。
 今回の医療事故は、特に組織のシステム上のミスが重要であり、それを教訓に対策を立ててきましたが、チーム医療重視のもと、職員間の関係、特に意思疎通を図り、管理の責任体制を明確化することに取り組んでいます。いずれ事件の全貌が明らかになった段階で、今回の事故の風土になりました、漫然とした管理風土をつくってきた関係職員の処分も行いたいと考えております。
 平成11年から5年の歳月にかけての病院増改築事業は、今年10月、立派に完成、竣工いたしましたが、このような医療事故を深く反省、完全に取り組んで一つ一つ課題を解決し、一日も早くシステム整備をしたいと考えています。
 評価をいただく患者様に選ばれる病院、信頼され、安心して受診いただける病院を目指して、職員一丸となって、失われた信用回復のため一層の努力をしていますので、御理解、御支援をいただきたいと思います。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 堀 秋博君。
  〔商工農林部長 堀 秋博君 登壇〕

◯商工農林部長(堀 秋博君) 私からは、農業を活性化させる施策についての市独自の農業ビジョンをつくるプロジェクトチームの立ち上げについて御答弁をいたします。
 議員御提案の現実的で夢の描けるとなみ野農業ビジョンの作成は、重要なことと考えております。旧砺波市では、本年4月からスタートしました米政策改革大綱の考えに基づき、農業者、農業団体が中心となり、地域の特色を十分に生かした売れる米づくりや、需要に応じた大豆、大麦生産の推進などを目指した砺波市水田農業ビジョンを本年4月に作成をいたしました。そしてその実現に向けて砺波市水田農業推進協議会を組織したところであります。
 現在、新市発足により、新ビジョンの作成作業に入っております。昨日の福島議員にもお答えいたしましたが、作成のポイントとしては、環境と調和した農業の展開や地産地消型産地の育成、花卉、ユズなどの取り組みを含めたビジョンづくりを進めているところでございます。
 この水田農業推進協議会は、農業者、農業団体を初め消費者団体などから組織されており、ビジョンの策定、実務及び点検並びに農業者別の生産目標数量等の検討や配分などの諸業務に取り組んでいるところでございます。こうした取り組みにおいて、議員御提案にもありましたが、旧砺波市では、各種団体からの自由な意見をお聞きするため、砺波市水田農業ビジョンの策定段階から、農業関係機関や農業者団体、女性農業士協議会、地区推進協議会のメンバーによるプロジェクトチーム「プロジェクトT」と申しておりますが、結成をされ、米づくりのあるべき姿の目標づくりに向けて協議が重ねられてきたところでございます。
 新市におきましてもメンバーの見直しが行われ、引き続き設置されることになっております。議員御提案の、加工業者や商店街のメンバーの皆さんの参画も検討をお願いしていきたいと存じております。
 また、市内21地区においても、地域の農業は地域で守り育てていくということを第1の目標に掲げ、特徴のある地域づくりに向け、地区水田農業ビジョンの検討に入っているところでございます。
 今後とも安全・安心、信頼を提供する農業の構築を推進するため、消費者ニーズに対応した売れる米づくりの推進とともに、地産地消型産地の育成を図り、農産物のとなみ野ブランド化の確立に向けて努力をしてまいりたいと存じております。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 27番 藤永 皋君。
  〔27番 藤永 皋君 登壇〕

◯27番(藤永 皋君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いましてお伺いいたしたいと思います。
 1番目に、積雪時における消雪、機械除雪の対応についてお伺いいたします。
 12月1日に安念市長を本部長とする今年度の除雪対策本部が設置されました。合併後初めての除雪対策であります。今年度の除雪計画として機械除雪479.9キロメートル、消雪109キロメートル、歩道機械除雪60.8キロメートル、歩道の消雪6.1キロメートルと公表されましたが、除雪計画の充実と負担金の徴収についてお伺いいたしたいと思います。
 1つには、積雪時に十分に対応できる準備ができているのかということについてであります。
 庄川地域において、県道、市道における消雪装置の老朽化に伴う改修整備が実施されましたが、まだ未整備地域もあります。現在、冬期に向かって試運転が行われていますが、未整備地域も含め、その結果はどうだったのでしょうか。対策を講じなければならないところはなかったかどうかであります。
 昨年度の降雪時には、老朽化などのために消雪装置が十分に機能せず、通学児童や一般歩行者に多大な迷惑をかけるということがありました。その後、対策は十分に行われたのでしょうか、お伺いいたしたいと思います。
 次に、十分効果的な除雪が行われるよう計画ができているのか、お伺いいたしたいと思います。
 降り始めが夜中からの場合は計画どおり除雪が行われますが、例えば朝4時ごろから大量の降雪があった場合、除雪命令が出されず、通勤通学に支障を来すことがあります。朝から昼にかけての除雪が必要ですが、十分対応できる体制が計画されているのか、お聞きしたいと思います。
 除雪の仕方については、砺波地区と庄川地区とでは異なっております。今後、2つのやり方を1つにまとめていこうと考えておられるのか。それとも、それぞれの経緯を尊重し、これまでのやり方を継続していこうと考えておられるのか、お伺いいたしたいと思います。私は少なくとも庄川地区で築いてきたやり方をぜひ継続してほしいと思います。
 2つ目にお聞きいたしたいのは、金屋地内の中心部にある旧の新用水を含む、示野口、八ケ用水の施設の環境整備と老朽化対策について伺います。
 富山県は上水道の水源を、地下水の減少を防ぐため、河川水の60%を賄う計画で施策を進めてきました。御承知のとおり、昭和45年に砺波地区広域水道促進連絡会が結成され、昭和48年には広域水道企業団が発足しました。県営かん排事業による用水施設の新設改良にあわせ、合口ダムから浄水場への導水施設も共同施設として備えられました。
 二万石用水、新用水、示野口用水、八ケ用水に使う水、及び上水道に揚水する水を合口ダムから共同用水路として取り出し、途中、二万石用水を分岐した後、旧加越線軌道敷を利用し、旧井波町高瀬地区に設置した共同揚水場に導く、そこから3用水と上水道への分岐を行うという工事が行われました。その工事の完成とともに、それまで使われていた3用水の施設は、用水としての役割がなくなりました。現在は高台から流れる農業排水を受けていますが、多量の降雨時には市街地の災害対策用の施設としても大変重要な役割を果たしています。消雪の水を供給する施設としても利用されており、市民の生活を守るものとして重要な施設であります。
 平成4年に新用水土地改良区が、四ケ口江までを残し、用水路として用がなくなった施設の管理を旧庄川町に委託することが合意されました。川が汚れないためにも少量の水を流すことも約束されていると聞いています。
 現在、金屋地区市街地の中心部にある旧用水の施設は、道路の拡幅などのために大変多くの部分が暗渠化されてまいりました。そのために定期の点検が行われず、土砂上げもなされないために、水の流れが妨げられ、環境の悪化が進んでいます。市街地を水害から守るためにも、水の流れを清潔に保つためにも、日常の管理を行う対策をとっていただきたいと思います。また、施設が老朽化している部分の改修計画をつくり、早急に進めていただきたいと思います。当局の考えをお聞かせ願いたいと思います。
 3番目に、ひとり暮らしのお年寄りの健康を確認する施策と、悪徳商法から守るための支援策について伺いたいと思います。
 今日の社会では高齢化対策が大変重要なものになってきています。高齢化率が上がるのに合わせて、核家族化によるひとり世帯比率も高くなっています。市の調べによりますと、現在65歳以上の単身世帯人口は800人を超えています。病院や施設に入所しておられますが、多くの方が在宅で暮らしておられます。
 問題なのは、これらの方が体調が悪くなり、食事のとれない状態になっておられる、あるいは倒れてだれとも連絡をとれない状態になっておられるなどの際に、行政がちゃんと対応ができるのかということです。このような心配のある方の一部では、緊急通報システムによる安否確認を行っているということですが、暮らしぶりや体調の変動は人によってさまざまであり、一律のやり方ではできない面もあると思います。現状ではどのように取り組まれているのか、お伺いいたしたいと思います。
 次に、食事支援についてお伺いします。
 旧庄川町の地域では、民生委員の方々が、希望ある方に週1回弁当を届け、その際に安否の確認もしてくるということが行われています。このサービスをもう少し充実したものにできないかということであります。実際には介護の対象とはなっていないが、体調がすぐれず、調理をする気にもなれず、十分な栄養をとれないでいる方、あるいは調理の習慣がなかったために、ひとり暮らしになったときから栄養状態が悪くなったという方がおられます。経済的な理由からも、毎日の食事に不安を持っているという方もおられます。言うまでもなく、栄養をとることは生活の基本です。民生委員の皆さんの負担をさらにお願いするというのではないやり方で、このサービスを充実させることをぜひとも検討していただきたいと思うのであります。
 また、最近、電話や訪問による悪質な販売が増加いたしております。高齢化世帯でこのようなことが起こると、的確で迅速な対応が困難な場合が考えられます。特にひとり暮らしのお宅では心配であります。何度も電話がかかってきて大変不安だという声が寄せられています。帰ってみると、見知らぬ人が2階の屋根からはしご伝いにおりてきて、あちこち修理が必要なことを述べ、改修させるよう迫るのを断ると、点検料として1万円を請求されたとか、そういう話も聞きました。その方は、気丈にも警察に連絡すると言ったので事なきを得たということでしたが、ひとり暮らしのお年寄りのお宅では、一般家庭とは違った特別の対策が必要ではないでしょうか。対応策についてお伺いいたしたいと思います。答弁を求めるものであります。
 以上であります。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念鉄夫君) 藤永議員にお答えをいたします。
 第1点は、ひとり暮らしの高齢者健康確認についてであります。
 ひとり暮らしの高齢者の安否確認につきましては、先ほどもお話ございましたように、一つの方法としては緊急システムを導入いたしまして、旧砺波市では51台、旧庄川町では19台を設置いたしておるわけでございます。旧砺波市も旧庄川町も同一業者でございますので、その点では大変有利だと思っております。
 なお、万一の行動等について把握をするわけですが、委託業者の管理センターにおいては、それぞれ問いかけ等をなされておるわけでございます。それだけではございませんので、隣近所に近親者がおられますと、通報要員2名の確保をいたしておるわけであります。そして、高齢福祉推進員というのがおられまして、高齢者を見守っていただくという方、砺波の場合は82人、庄川町の場合には高齢福祉推進員というのが33名おられます。このような老人クラブ員による定期的な安否確認をしていただいております。それでは十分ではない一面もございますが、先般、新しく児童民生委員に委嘱をいたしました。その皆さんには高齢化時代、特に高齢者に対する皆さんに気を配っていただきたいと、このようにお願いをしたわけでございます。この後、恐らく民生児童委員会での研修会等もございますので、そのことをお願いをしておきたいと、このように思っておるわけでございます。
 なお、来年早々でありますが、このような関係者に集まっていただいて、趣旨徹底をして、連絡調整を図っておきたいと、このように思っておる次第でございます。
 次に、高齢者への食事支援につきまして、民生児童委員の皆さんが中心になりましてボランティア活動で週1回の配食をしておられます。砺波市では53食、庄川町では43食を提供いたしておるわけです。この際も安否確認をしていただくようにお願いをして、ありがたい行動をしていただいておるわけでございます。
 なお、民生児童委員の皆さんには、ボランティアでありながら随分御足労をかけておりますことについて、敬意を表したいと思います。
 なおまた、栄養面でのお話もございました。十分そのことも話し合いの中に入っていただいて、「おばあちゃん、しっかりご飯食べとるがけ」というような話をしたりして、補足の面があったら速やかに社会福祉事務所に連絡をしていただくというようなことで、今後対応してまいりたいと、このように思っておる次第でございます。
 次に、ひとり暮らしの悪徳商法に対する問題であります。
 藤永議員さんから今、実例も申されました。砺波市でも幾つかのケースがございます。これらの最近、悪徳商法というのは随分きめ細かくなって、対応としては、従来はドスをきかしてやってきたようですが、今はそうではないようであります。したがいまして、十分気をつけなければならない、このように今思っておるわけです。
 なお、近ごろは修繕商法とか、あるいは催眠商法とか、いろいろ店舗へ招きまして、お土産をあげて、そして取り囲んでやる商売があるようでございます。そこへついついおばあちゃんたちが、無料でいただく物品欲しさに行かれるということでございますが、十分注意を払っていただくようにPRしてまいりたい、このように思っておるところでございます。
 私どもとしては、老人クラブへの出前講座等がございます。その折にはそのことを申し上げますし、これからはケーブルテレビ等、これは全部徹底しませんけれども、そういうことも題材にして連絡をしておきたい、周知徹底を図りたい、このように思う次第でございます。
 いずれにしても、こういったものはネットワークを張ることが大事ではないかと思います。ぜひ議員の皆さんもこのことに意を配っていただいて、御協力をいただければありがたい。なおまた、早急に生活環境課に連絡をしていただきたいと思います。
 後から私は報告を聞いたんですが、随分不法行為をやる人がおったようであります。即刻消費センターへ連絡し、警察へ連絡して、何とか解約をして、普通でしたら解約できないんでしょうけれども、いわゆる不法な契約をしてやったものですから、なかなか難しかったんですが、そのような処置をとったということです。私ども市といたしましては、そのように消費生活センターあるいは警察に速やかに連絡をとって、そのような実態があるとすれば、厳しく対処してまいりたいと、このように思っております。
 旧砺波市には防犯組合というのがございました。警察に事務所を持って職員を抱えておるわけですが、先般、警察署の統廃合について説明をいただきました。1市1署ということになりましたので、今後、防犯組合、あるいは交通安全協会と一緒になって、このようなネットワークづくりをしてまいりたい。そして、お年寄りの被害がないようにしていきたいと、このように思っておるところでございます。
 市役所だけでは全部賄い切れない一面もございます。これこそみんなでこのことを認識をして、お互いに注意をし合う。先ほども申しましたが、ネットワークを張ることが何より大切ではないかと、このように思っておる次第でございます。
 その他の質問につきましては、助役、建設水道部長からお答えをいたします。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 助役 藤森栄次君。
  〔助役 藤森栄次君 登壇〕

◯助役(藤森栄次君) 藤永議員さんの大きな2番目、庄川町金屋地内を流れる3用水についての問題でございますが、当地区の用水路は、御案内のように山見八ケ用水、新用水、示野口用水がございます。いずれも勾配は全く緩く、暗渠化になっており、さらにその上に家が建っているという、大変複雑な状況になっております。
 また、当用水路は金屋用水路の排水を受けて流れておりまして、主に排水路として機能をいたしております。県営かんがい排水事業庄川地区の完成に伴い、新用水、示野口用水の一部維持管理を関係用水土地改良区から旧庄川町へ委託され、草刈りや土砂上げを行っているところであり、従来から管理委託されている部分については、従来どおり取り組んでいかなければならないと、市として考えているところでございます。
 しかしながら、財産は関係用水土地改良区にございますので、改修等につきましては現状を十分調査し、関係土地改良区と協議を行ってまいりたいと考えているところでございます。
 なお、合併以前から申し上げているとおりでございますけれども、関係住民がすべて公共下水道に接続された時点で、地元と協議の上、山見八ケ用水の廃止等に取り組みたいと考えておるところでございます。これは従前と何ら変わらない答弁でございます。よろしくお願い申します。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 藪田康男君。
  〔建設水道部長 藪田康男君 登壇〕

◯建設水道部長(藪田康男君) 藤永議員さんの1番の、積雪時における消雪並びに機械除雪の対応について答弁をいたします。
 今年度の道路除雪計画は、合併後初めての除雪計画であり、車道除雪延長は588.9キロメートルで、市道延長715.7キロメートルに対し、除雪率が82.3%となり、歩道除雪延長は66.9キロメートルで、歩道延長は94.7キロメートルに対しまして、除雪率は70.6%になります。
 また、除雪体制は市役所本庁に除雪対策本部を設置し、現場対応は、砺波地区は砺波地区実施部において、庄川地区につきましては庄川支所による庄川地区実施部で行い、相互に連携を図りながら、従来の作業方法により、適切な除排雪作業を実施したいと考えております。
 御質問の消雪施設の対応につきましては、老朽化施設について計画的にリフレッシ工事を行うとともに、部分的に不都合のある箇所につきましても、緊急性などを考慮し、随時、補修工事を実施したところであり、12月5日には砺波市内全域で消雪ノズルの点検調整作業を実施し、不良箇所等補修対応が必要な箇所につきましては、速やかに補修を依頼したところであります。
 なお、昨年度の不都合のありました庄川小学校付近や青島工業団地付近の消雪施設につきましては、配管のリフレッシュやポンプの補修など、必要な修繕を既に実施し、対応済みであり、今後も消雪装置の点検パトロールを随時実施し、不良箇所などが発見された場合は速やかに補修対応をいたします。
 次に、明け方からの降雪に対する除雪対応につきましては、昨年も実際にありましたが、今年度は雪氷対策情報を的確に把握するとともに、道路パトロールを実施し、速やかに除雪命令を出すものとして、委託先の各地区や業者と打ち合わせたところであり、迅速かつ効果的な除雪作業を行えるよう万全の対応で臨みたいと考えております。
 次に、除雪作業の体制につきましては、砺波地区は各地区が中心となった地域ぐるみによる地区除雪であり、庄川地区は業者委託により行っており、それぞれ方法が異なっております。合併時の調整におきましても、除雪対策につきましては、新市に移行後も当分の間、現行どおりとし、随時調整するということになっており、それぞれの体制は何年もの歳月をかけてつくられてきたものであり、新市においても、当面は現行の体制で継続しながら改善を重ねて、よりよい除雪体制を検討してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、これまでと同様に、冬期間の生活道路の確保につきまして、住民の皆さんの御理解と御協力を頼みながら、万全の態勢で取り組む所存でございます。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 再質問については、答弁漏れについてのみ質問を許可いたします。
 27番 藤永 皋君。

◯27番(藤永 皋君) 用水の問題について一言申し上げます。
 この問題については、先ほども申し上げましたように、この問題の計画は当然、今では30年を経過しておるわけであります。しかも、土地改良区との委託管理はもう10年以上経過しておる問題であります。しかも、老朽化の問題については、暗渠化の問題についてでも当然御承知おきだと思います。とうとう合併にまで至ったわけでありますけれども、私はあえてこのことを申し上げますと、実際、放置された用水の現状を申し上げますと、合口ダムが完成と同時に、あの用水路の一部が14年に改修されておるわけであります。しかし、その以前にできた用水も、現在そのまま使用されているわけであります。しかも、その問題については底が抜けて水の漏れる箇所も何カ所か出ているわけであります。このことも指摘してきたところであります。しかし、これは、そこに住宅が並んでおる以上、地下水の浸透によってどういう状況なのか、早急に対応することが求められているにもかかわらず、いまだにそのことについての現状が放置されたままであります。
 しかも、土地改良区との施設云々と言いますけれども、結果として今日に至ったことは、少なくとも10年以上管理委託を受けながら、今日、そういう答弁という形については私は納得いかないし、また今日、この起きた現状については、30年前に、当時、この件につきましてでも計画の際についてでも、かなり議論のあったところであります。しかも、その時点からも、最終的には廃川化されるんだということも確認されていたわけであります。このことを受けたときに、今さら土地改良区の問題については当然解決をすべきだし、土地改良区のものだからということでそのまま放置すべきものではないですし、今後ともその対策をしていただきたいと思います。
 暗渠化の問題については、当然、今後とも計画的に進めていただきたいし、緊急措置としては、先ほど申し上げましたように、できるだけ早急に、川底に穴があいている部分については補強の対応策をとっていただきたいと思います。
 以上であります。

◯議長(松本恒美君) 答弁を求めます。
 助役 藤森栄次君。

◯助役(藤森栄次君) 藤永議員さんの再質問でございますが、そのとおりでございまして、私も十分承知しているところでございます。ただ、用水が先か、家屋が先かといいますと、用水が先にあったわけでございまして、その上に許可をもらって家が建ったという事実でございます。家があって、その下に用水を通したわけではございません。許可を得て建っておるわけでございますが、長年の維持管理が非常に難しいということで、相当な土砂がたまっておるのは事実でございます。
 これを解消するには、私は物件移転よりも、すべて早く下水に入っていただいて、排水が要らないとなれば、縦排水で用水をみんな不要にすればどうかということを随分言ってまいりました。かなり下水の加入率も増えましたが、100%にならないと、実は廃止ができません。そのことを何遍も申し上げておるとおりでございまして、一刻も早く皆さんに周知徹底をして、公共下水に入っていただきたい。そのことが大きな改修につながると、こんなことを申し上げておるところでございます。ぜひとも御理解をいただいて、一刻も早くそのように進むようにお願いをしたいというのが私からの回答といいましょうか、私からもお願いをするという、そういう立場で回答させていただきたいというふうに思います。
 以上でございます。

◯議長(松本恒美君) 以上で通告による質問並びに質疑は終わりました。
 ほかに質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(松本恒美君) 質疑なしと認めます。
 これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたしました。

               議案の常任委員会付託

◯議長(松本恒美君) ただいま議題となっております議案第2号から議案第12号まで、平成16年度富山県砺波市一般会計予算外10件につきましては、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。

                  日程第2
            郵政民営化に関する請願書外1件

               請願の常任委員会付託

◯議長(松本恒美君) 次に日程第2 郵政民営化に関する請願書外1件については、お手元に配付してあります請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。

◯議長(松本恒美君) 以上をもって、本日の日程はすべて終了いたしました。
 お諮りいたします。明12月16日から21日までの6日間は、議案審査等のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(松本恒美君) 御異議なしと認めます。よって、明12月16日から21日までの6日間は、議案審査等のため休会することに決しました。
 なお、次回の本会議は12月22日午後2時から開会いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
 どうも御苦労さまでした。

 午後 3時20分 閉議