平成16年9月定例会(第3号) 本文

1.会議の経過
 午前10時01分 開議

◯副議長(江守君) これより本日の会議を開き、直ちに本日の日程に入ります。

◯副議長(江守君) 日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第50号から議案第72号まで、平成16年度富山県砺波市一般会計補正予算(第2号)外22件、及び報告第11号 専決処分の承認を求めることについてを議題といたします。
 通告に基づき、順次発言を許します。
 1番 瘧師富士夫君。
  〔1番 瘧師富士夫君 登壇〕

◯1番(瘧師君) それでは、お許しをいただきましたので、通告に基づき、質問と若干の要望、提案をさせていただきます。
 まず第1に、男女共同参画の取り組みについてお聞きいたします。
 平成11年に公布された男女共同参画社会基本法によれば、男女共同参画社会とは「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意志によって社会のあらゆる活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、ともに責任を担うべき社会」とあります。そして、その前文には、この社会の実現を21世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置づけ、社会のあらゆる分野において、実現に向けての施策の推進を図っていくことが重要であると明記されております。
 私なりに解釈しますと、これからの社会を支えるウエートの高くなるであろう女性の社会進出を促すために、まず男女平等の権利を確保すること。そして地方分権、国際化、情報化、少子高齢化が進行する社会環境に対応し、生きがいのある、豊かで安心した生活ができるように、仕事、育児、家事、介護、地域活動にと、男女が助け合い、責任も分かち合い、自ら主体性を持って新しい社会システムづくりを構築していくことが我が国の重要な課題であるということであり、したがって、住民と行政が一体となって取り組むべき課題であり、いわば自立する地方自治体が、今後、住民本位の地域づくりを進めていく上で乗り越えなくてはならない大きなテーマであると思うのでございます。
 砺波市では、国や県との整合性を保ちながら、実行計画の策定がなされ、約1年半にわたり、多くの市民の皆さんの努力をもって、平成12年3月に「となみ男女共同参画プラン」としてまとめられました。このプランでは「男女共同参画社会の実現で住みよい砺波を」をメインテーマに、詳細な課題と具体的な施策目標、数値目標が掲げられております。
 さらに平成13年9月の市議会定例会で、議員提出議案として提案されていた男女共同参画都市宣言が議決されました。県内では富山市に次ぐ2番目の都市宣言でございました。平成14年11月には都市宣言記念大会が盛大に開催されたのは、記憶に新しいところでございます。
 現在は、市内17地区から選出された推進委員で構成される砺波市男女共同参画推進連絡会が研修会を開くなど、自らの自己啓発を重ね、広報の発行、フォーラム等の開催で市民への意識改革を促し、さらに、それぞれの地区で地区集会を実施することで地区民への浸透を図る御尽力をしていただいております。
 知り合いの推進委員数名の方にお話をお聞きしますと、自分自身の勉強にはなるけれども、なかなか地区に浸透させることが難しいという返事が返ってまいります。その理由は、まず、推進委員の皆様自身に温度差があるということでございます。市街地、住宅地、農村地、山間地といった地域的な違い、それから、大家族、核家族など家族形態による違い、また年齢による世代間の格差など、男女共同参画の理解度に足並みがそろわない点を挙げられておりました。
 そして砺波市には、いわゆるジェンダーと呼ばれる根強い性別役割分業意識や慣習、しきたりがあり、男女がともに意識の切りかえをするのが思うに任せない。また、回復の兆しはあるとは言え、依然として高い失業率にあえぐ厳しい環境のもとでは、雇用を確保していくことが精いっぱいで、男女がともにゆとりを持って仕事や家庭や地域社会で両立した活動のできる条件にないのではないか。年1回の地区啓発活動では、参画の理解がなかなか得られないなど、その理由を挙げられておりました。それでも異口同音に、推進委員の地道な活動がこれからも必要であると認識されておりますので、ただただ頭が下がるばかりでございます。
 先日、推進委員の皆さんで企画された「男女共同参画推進のつどい」に私も出席させていただきました。市役所3階の大ホールに大勢お集まりでございましたが、圧倒的に女性が多かったようでございます。夫婦で参加いただいた方が、より理解が深まるのではないでしょうか。共同体の最小単位は家庭であります。男女共同参画のできた理想の家庭・夫婦が、周りに連鎖する効果が期待できるかもしれません。
 砺波市が男女共同参画推進をするに当たり、その基本計画として作成された「となみ男女共同参画プラン」は、計画期間が本年平成16年度までとなっており、新市発足に伴い、計画の見直しを図る時期に来ております。生意気にもそれぞれの重点目標を私なりに分析してみますと、平等観に立った学校教育、健康づくりの推進、福祉の向上など、行政が主導で行った環境整備については、安全で安心で健康なまちづくりを進める砺波市の取り組みと歩調を合わせるように、基本的課題は概ねクリアされてきたと思います。しかし、家庭・地域社会における男女平等の推進と啓発については、前述した推進員の方のお話にあったように、まだまだ市民に浸透させるには気の長い話であるようです。
 そして、社会活動における政策・方針決定の場への女性の参画について言えば、本日、女性がお一人もいらっしゃらない、この市議会の議場をごらんいただければおわかりだと思います。女性が議会の場に不在である。すなわち自己決定能力を備えた1人の力が別の力となり、女性全体のステージを押し上げていく、いわゆるエンパワーメントに期待できない状況は、砺波市が男女共同参画を推進しにくい環境であることを何よりも雄弁に語っていると思います。
 市政運営に女性が参画できる機運を高める前段として、自治会、町内会、各種審議会に女性の登用を促すよう求めていくべきであります。同プランの具体的施策によれば、審議会等に女性委員を登用させる数値目標として登用率25%を掲げられておりますが、現在のところ、どの程度の登用率なのでしょうか。
 また、砺波市行政側では女性職員の管理部門への登用、能力開発が進んでいるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 男女共同参画は全国的な取り組みではありますが、砺波市には今まで策定委員、推進委員さんらが積み上げてきました財産がございます。例えば、どこかの空き施設に男女共同推進の拠点を設け、砺波市内外から有能なエキスパートを登用し、推進員の協力もいただいてリーダーシップを発揮してもらうのはいかがでございましょうか。今後の展望について市長の御所見もお聞きしたいところでございます。
 続いて、女性の人権侵害の対応についてお聞きします。
 前述したように、男女共同参画社会とは、女性と男性が性別による固定的な役割分担にとらわれず、職場で学校で地域で家庭で、それぞれの個性と能力を発揮できる社会のことを言います。しかし、依然として男女平等や女性の人権を省みない行為がなくならないのが現状でございます。それは私たちのごく身近な家庭の中で起きていることなのです。もう耳慣れた言葉とは思いますが、配偶者による暴力をドメスティック・バイオレンス、略称でDVといいます。暴力は夫婦間のことであっても犯罪であり、被害者は多くの場合、女性でございます。DVにおける「暴力」とは、殴る、ける、物を投げつけるなど、身体的な暴力はもちろん、言葉による精神的な暴力も含まれます。これはどこの家庭でも見られるささいな夫婦げんかのことではありません。御安心ください。暴力が繰り返され、どんどん頻繁に過激さを増していく状態を言うのでございます。夫、恋人から暴力を受けている女性の割合を内閣府が調査したところ、約5人に1人が暴力を受け、実に20人に1人の割合で「命の危険を感じるくらいの暴行を受けた」と結果が出ました。平成13年10月、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、DV防止法が施行されてから、県内では富山地裁に51件の夫から引き離してほしいという申し立てがあり、37件の保護命令が出されました。このうち、接近禁止命令、退去命令は14件、接近禁止命令のみは23件となっています。
 県女性相談センターに寄せられた昨年度のDV相談は354人、延べ1,372件に上り、最近は夫対象の相談だけでなく、交際中の相手や、元の夫からの暴力など多様化し、また30代、40代からの相談が最も多く、中でも子供連れの被害者が増えているのが特徴であるとのことです。
 同センターには、加害者から逃れるために、約20人が収容できる一時保護施設が併設され、利用者が日常生活に必要なものはすべて完備されています。相談員は、利用者に関する外部からの問い合わせには答えないということになっているそうです。それでもストーカーまがいにつけ回し、連れ戻そうとし、さらなる暴力の危険性がある場合に裁判所へ保護命令の申し立てを行うのです。
 同センターの所長さんの話によれば、加害者のタイプが特定できない。年齢、職業、学歴に関して一定の共通点がない。人物の地位、ステータスに全く関係がないということでした。聞いて驚くような職業の方がいらっしゃいました。警察でも、DV法施行後、被害者の立場に立った積極的な対応がされているようでございます。
 ただいまお話ししたのは、被害の表面化した部分であります。「法は家庭に入らず」といいますが、外から見えにくい家庭という隔離された環境の中で起きることから、世間体や経済的な理由で女性が耐えることで表にあらわれないケースが多くあるように思います。また、単に夫婦間の問題にとどまらず、子供に及ぼす悪影響は推して知るべしでございます。いずれにしても、女性に対する暴力は、女性の人権を著しく侵害する行為であり、男女共同参画社会を実現する上で克服すべき重要な課題であります。
 DV改正案がこの5月国会で成立し、12月に施行されます。都道府県のほか、市町村においても支援センターの業務を実施することができるようにすることなど、被害者の自立支援を自治体の責務としたことが改正の柱となっております。改正法により、被害者の問題解決の選択肢が広がったのでございます。県及び市町村、警察のより連携強化が必要と思われます。この点について、砺波市として今後どのように対応されるのか、当局の答弁を求めます。
 続いて、少子化対策としての子育て支援サービスについてお聞きいたします。
 砺波市は、企業誘致、土地区画整理事業など、先輩方の心血を注ぐ努力により、今日、人口約4万2,000人となりました。これは平成に入り約5,000人の増加であり、県内の市では出色の増加率であります。この人口増加は、出生が上回る自然増加よりも、転入者が転出者を上回る社会増加によるものであり、人口の伸び率より世帯数の伸び率が大きく上回っていることから、地域格差はありますが、より核家族化、幾つかの地区では都市化に向かって進んでいると言えます。1世帯当たりの人数についても、平成元年の4.1人から、現在3.5人に推移していることから、家族形態の変化がうかがえます。
 このような変化の中で、砺波市は、安心して子供を産み育てる環境づくりや、親子の健康を維持して、子供の健全な成長発達ができる環境づくりなど、子育て支援サービスの充実を進めてまいりました。特に乳幼児の保育については、少子化の進行を意識した、特徴のある事業を展開してこられたと思います。幼稚園に保育所を併設した幼保一体化は、県内初の試みでありました。また、子育て支援センターが併設され、これにより、育児不安に対する相談、情報提供の場、保護者同士の情報交換の場になっております。
 本年4月にオープンした健康センターには、母子及び乳幼児の保健活動、栄養指導も実施されております。また、乳幼児の医療費については通院費助成の拡大が図られ、子育てに要する経済的負担を軽減させました。
 このように地方が知恵を出し、汗をかく努力をしても、現在の日本には光明が見えてこないのであります。厚生労働省が公表した平成15年人口動態統計によれば、1人の女性が一生の間に産む子供の平均数が全国で1.29、富山県で1.35という、いずれも過去最低の数値を示しました。予想を超える急速な少子化の進行は、年金を初め社会保障政策の変更を迫り、ひいては日本の将来を危うくする要因となります。
 さらに懸念されるのは、過去最低水準にまで低下した婚姻率と、初婚年齢の急激な上昇です。晩婚化からさらに非婚へと事態は進行しております。結婚せずに親にいつまでも依存して同居している「パラサイトシングル」の増加は、消費経済を停滞させる一因でもあります。
 全国に推定400万人にも及ぶ定職につかないフリーターの存在、最近では働く意欲がなく、家でぶらぶらしている「ニート」と呼ばれる若者の出現。これらの社会現象は、労働力の低下を招くことはもとより、社会経済の根幹を揺るがす極めて重大な問題であります。
 前述したさまざまな子育て支援サービスは、少子化に対応する施策としては大変有効であると思いますが、制度を生かし、次への希望を見出す家族もあれば、一方では、制度に甘んじ、その段階でとどまってしまう家族もあるのではないかと思います。その前の段階で、人間教育といいますか、人間の精神的な部分を何とかしなければ、根本的な少子化に歯どめをかける対策とはなりにくいのではないかと思います。背後に若者の雇用の安定という問題はありますが、家族がぬくもりを持ち、子供を産み育てることに喜びを実感し、苦しいことはあっても、親として子供に生きる力を示していく、生命を育む家族再生が根底に必要ではないかと思うのであります。
 前回、6月定例会の一般質問で取り上げられました次世代育成支援対策砺波市行動計画の策定に当たり、この「家族再生」をキーワードの1つとして取り入れていただくよう御提案し、市長の御意見をちょうだいいただければと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。

◯副議長(江守君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 瘧師議員にお答えをいたします。
 それぞれすばらしい御意見をいただきました。それぞれ御意見につきましては、参考にさせていただきたいと思います。
 まず、砺波市の男女共同参画の取り組みについてお答えをいたします。
 市が御委嘱を申し上げております男女共同参画推進員の皆さんが連絡会を構成されて、それぞれ地区にも出向かれて懇談会をされる、あるいはフォーラムの開催、そして先般は大勢の皆さんが参加されて、集いの会があったわけでございます。熱心に寸劇などをしていただいて、具体的に男女共同参画の必要性を訴えておられました。瘧師議員も出席されておったわけでございますが、随分皆さんに御足労をかけておることを、まずもって感謝を申し上げたいと、このように思っておるところでございます。
 いろいろ分析をされたわけでございますが、これらの分析につきまして、私どももさらに勉強していかなければならない一面があると、このように理解をいたしております。
 お尋ねの市の審議会等への女性の登用率でございますが、平成16年3月31日現在で23.9%であります。お話にございましたように、25%、クォーターにまで達しておりませんが、一歩一歩前進をしております。
 平成12年に男女共同参画プランを立てた、その時期には8.9%でした。したがいまして、15ポイントほど増になっておりますが、計画以下になっておるということは残念でございますけれども、いずれにしても増加をしておるということについて御理解をいただきたいと、このように存じておる次第でございます。
 それから、審議委員等につきましては、専門性の高いものもございますし、その意味で関係団体の長の皆さんに審議委員になっていただいております。なお、私はできるだけ公募ということで進めておりますが、なかなか女性の皆さんは応募していただけないという一面もございます。これからも目的達成のために、プランづくりは絵に描いたもちではございませんので、そのように働きかけをしていきたいと思います。
 なお、このような形で若干伸びてきた経緯につきましては、議会の皆さんの御理解もあって伸びてきたものと、このように思っておりますので、これからもこの点については御支援をいただきたいと、こう思っておる次第でございます。
 なお、自治会とか町内会とか、女性の登用等については、行政から口を挟んで申し上げることはなかなか難しいわけでございますが、その意味で、地域で懇談をしていただいておる、そのことで機運を盛り上げていただければ大変ありがたい、いや、根強く啓発活動をしていただければありがたいと、このように思っておるところでございます。
 それから、次は、女性職員の管理部門への登用でございます。内閣府の調査に基づきますと、全国市町村の一般行政職における管理職に占める女性の割合は、平成16年の4月1日現在で全国では5.2%になっております。砺波市は11.4%となっておりますので、この面では倍ほどですが、これからも能力開発をしていただいて、登用しているという、そういうことが大切ではないかと思います。いずれにしても、県内各市と比較してみましても、登用率は高い方だと、こう思っておりますが、しかし、まだまだの感があるような気がいたしますので、職員研修を含めて能力開発をしなければならない、こんなことを実は思っております。
 もう1点は、そのようになかなか進まない。各地域にあっても登用が少ない。それから審議会もまだ25%になっていない。あるいは職員も、少しは他の市町村よりもいいけれども、もっと高めるというのは必要だと思います。
 昨年、一昨年、ヨーロッパに行ってまいりました。主要なポストで幾つか女性が占めておられて、我々に対してスピーチをしてくれました。違うなということ。それは私は宗教的な問題や、歴史的な問題や、従来の慣行というものが日本にまだまだあるのかなという感じをしております。そういう社会背景を少し変えるという、そういう運動、根からそのことを変える、これこそ改革をしなければいけないなという感じをします。
 先日はまた盤錦市へ行ってまいりました。盤錦市でも人民政府、つまり、市役所でありますけれども、副主任クラス、あるいは人民大会、いわゆる共産党本部でありますが、女性がちゃんとその地位についておられまして、それぞれパーティーに来てスピーチをされるという状況でございます。少し中国とは制度が異なりますけれども、学ぶべき点があるのではないか、こんなことを実は思ってまいりました。その意味では、推進員の皆さんを初め、我々ももっともっとこのことを認識を高めていくべきではないか、このように思っております。
 なお、男女共同参画プランにつきましては平成16年でございますが、もう1つは、条例をつくろうということで提案をしております。これにつきましては、新市となる関係もございますので、新市における条例制定に向けて取り組んでいただきたいと、こんなことを思っておるところでございますので、御理解をいただきたい、このように思います。
 なお、適任者がおられたら拠点づくりをして採用したらどうかということであります。これも前向きに検討していきたい。高岡市はそういう意味で採用されたようでありますが、適任の方がおられるとすれば、少しそういう土壌づくりという意味で前向きに検討していきたいと、このように思っております。いずれにしても、提案がございましたように、これからのいい社会をつくるためにも、ぜひ女性の登用、女性の参画をぜひお願いしたいものだと、このように思っておる次第でございます。
 次に、少子化対策と子育ての支援サービスであります。これらにつきましては、随分現在の状況を分析されて、御意見をいただいたわけでございます。十分そのことを拝聴していただきまして、これからの子育て支援等についての活力にさせていただきたいと、こう思っております。
 議員が御指摘のとおり、今後も少子化がこのまま進行しますと、国の社会問題だと、私はそう思っています。社会、経済全体に影響を及ぼすことになると、このように認識をしております。そのことについては同感であります。そのためには、国もあるいは地方公共団体、そして民間の企業の皆さんも一体となってこのことを認識しなければいけないのではないかと、このように思っております。
 今、企業でも働く人を募集しても、就職問題いろいろございますけれども、どちらかといいますと、なかなか3Kといいますか、そういう仕事に来ないということで、今、ブラジル、中国から随分来ておりますね。そのことが本当に正しいのかどうか。もっと地域の皆さんが地域で働くという、そういう体制づくりをしないといけないし、少子化ですから、どんどん少なくなる。そうすると、どんどん中国、ブラジルからも入ってこられるのではないか。国際化の時代ですから、それも必要でありますけれども、将来の日本を考えるときに、実際にはそのことがいいことなのかどうか。本当に考えさせられるところが私はあると思います。
 これから、話にもございましたように、次世代育成計画、次世代育成支援行動計画をつくりたいと思っております。つきましては、提案理由でも申し上げましたが、庄川町と一緒になってつくろうということで、まだ合併しておりませんけれども、一緒になってこの計画をつくろうということで、合意をいたしまして進めておるわけでございます。
 庁内には、ワーキンググループとして子育て部会、事業所部会をそれぞれ設けております。そして、子育ての部門につきましては、4つの重点検討項目を設けて、いわゆる親、家庭、地域が支える子育ての支援の方法、提案にもございました家族再生、まず、基本的には家いわゆる家庭での議論、それが大切だと思います。また、家庭がベースでございますから、家庭の再生という言葉が本当に正しいのかどうかわかりませんよ。わかりませんが、家庭が私はベースだと思う。家庭の温かみがあれば、子育てというのはそれでほとんど80%、90%終わると思う。あと、社会がどうかかわるかということになるんではないかと思う。したがいまして、提案されました家族再生という、そういう言葉は別として、ベースは家庭にあるという認識を高めていくということが、これから教育の部門、福祉の部門でも訴えていきたい、私はそのように思っております。
 それで、4つの部門と申し上げましたのは、保育所、幼稚園での支援の方法、それから親、基本的に教育の親権は親にありますから、親、それを取り巻く家庭、もう1つは地域、これらの支援策、いろいろ分析しながらどう対応するかということだと、このように思っております。
 なおまた、近ごろ発生しております虐待の問題もございますので、この原因と防止をどうするかという具体論も考えなきゃいけないと、こう思っております。
 それから、近ごろよく言われております食の問題。食が犯罪を犯す原因になっているんではないかという専門家の意見などもありますので、それが正しいかどうか私もよくわかりませんよ。わかりませんが、食育等については十分対処しなきゃいけないんじゃないか。学校でも今、この食育を取り上げていただいておりますが、これらの4つの項目でそれぞれ分析しながら対処していくということでございます。そんなことなどを今思っておるところでございます。
 瘧師議員から幾つかの提案がございましたが、この提案を大事にしていきたいと、こう思っております。
 いずれにしましても、今日の社会背景がございます。いいも悪いもない社会背景というものが1つございますので、この少子化に対する考え方、これは本当に国も考えなきゃいけませんし、地方自治体も考えなきゃいけませんし、民間企業でも考えていただきたいと、このように思っております。いずれにしても、私は大きい政治課題ではないかと、このように思っております。
 先般、竹村健一さんの講演を聞きました。郵政の改革の以前に、いわゆる次世代の対策を進めるのが大切ではないか。私も同感でございました。ぜひ国の大きい課題として、このことを改革の一環に入れてやるべきではないかと、このように思います。いずれにしても、地方自治団体もこのことを十分考えて、私は先取りして、こども園をつくったり、支援センターをつくったり、相当金もかかるわけでありますけれども、進めておることを御理解をいただきたいと、このように存じておる次第でございます。
 女性の人権等については、総務部長からお答えします。
 以上でございます。

◯副議長(江守君) 答弁を求めます。
 総務部長 吉田俊和君。
  〔総務部長 吉田俊和君 登壇〕

◯総務部長(吉田君) それでは私から、女性の人権侵害への対応についてお答えを申し上げたいと存じます。
 議員がおっしゃいましたとおり、本年6月の配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の改正によりまして、従来、都道府県が行うとしておりました配偶者暴力相談支援センターの業務が、本年の12月から市町村でも行うことができるとされたわけであります。加えまして、被害者の自立支援について明確化がなされるということでございます。そこで、配偶者暴力相談支援センターの設置につきましては、対応の要員でございますとか、あるいは財政措置等、課題が大変大きなものがあるというふうに認識をいたしております。つきましては、今後十分検討を加えさせていただきたいというふうに存じております。
 また、被害者の自立支援や適切な保護を図るために、社会福祉事務所を初めといたしまして、県の女性相談センター、警察等の関係機関とも十分密接な連携をとりながら、随時対応してまいりたいというふうにも存じております。
 なお、被害者が潜在している可能性もありますので、配偶者間であっても暴力行為については犯罪であると、そういったふうなことについて被害者の一時保護等の救済制度、あるいは相談窓口等についての制度的なありようについて、機会を積極的にとらえまして、広報紙等を活用しながら周知を図ってまいりたいというふうに存じております。
 以上でございます。

◯副議長(江守君) 6番 嶋村信之君。
  〔6番 嶋村信之君 登壇〕

◯6番(嶋村君) 本日より47日後の11月1日には新市としてスタートするわけでありますが、昨日の宮木議員の代表質問を受け、市長は「御支援をいただけば命をかけて市民奉仕に尽力していきたい」と、11月に行われる市長選に力強い出馬表明をされたことに対し、心から歓迎する一人でございます。
 それでは、通告に従い、4項目について質問させていただきます。
 まず最初に、新市へ向けてのビジョンについて質問いたします。
 1つには、今、三位一体の構造改革の中で、地方分権がクローズアップされてきていることは周知のとおりでございます。そこで、何のための地方分権なのか、また、従来の公平性、均一性、平等性の強調は中央政権的な発想から来ており、これでは地域に元気が生まれてこないのであります。また、職員の誇りと自信にもつながりません。「かけがえのないもの、オンリーワン、とっておきの行政マン」、このような言葉に象徴されることが、新市のための仕事、また、職員が目指すべき姿ではないでしょうか。
 行政サービスの機関として市民のために柔軟な施策を打ち出すためには、何といっても生きた情報が欠かせないのであります。地域の中にどんな問題があるのか、どんなユニークな人材がいるのか、住民の望むことは何なのか。そういった情報が、当然必要になってくるわけであります。そのためには、デスクでの仕事もありますが、もっと職員が外に出る。現場を知る。問題意識を磨く。自分自身がネットワークの中心になる。そういった仕事の仕方こそが地方分権型の新職員像と思いますが、新市のスタートに当たり、市長の所見をお聞かせください。
 2つには、今問題になっております市税滞納の件であります。
 税務課から、平成16年5月末日まで催告書を出した市税滞納額は4億7,797万2,000円、市税の滞納件数は1,180件と聞いております。市行政改革市民会議でも問題提起されましたが、正直者が報われるためにも、税の滞納者をなくするためにも、今後の具体的な取り組みについてお答えください。市税を納めたいが納められない方もおりますので、その点は十分配慮していただくよう付言しておきます。
 なお、富山市、高岡市等では、市税滞納整理の強化策として、対策本部を設置し、休日窓口を開いておりますが、本市でも対策本部を設置してはどうでしょうか、伺います。
 3つ目には、新市のまちづくりの施策で「民間等の資金を活用した住民参加型公募地方債等の検討を進めます」とあります。そこで、市民参加の1つの方法として、住民参加型公募地方債等を発行されるのか。また、発行するとすれば、公募地方債額はどの程度お考えなのかお答えください。
 4つ目には、新市へ向けての基本方針、主要施策は、「新市まちづくり計画」に詳しく述べております。しかし、砺波市経営方針は具体的に見えてきません。昨日、井上議員から群馬県清水太田市政の紹介がありましたが、太田市経営方針は、1.市民の目線で考えます。2.質の高い行政サービスを目指します。3.経営資源を有効に活用します。4.成果を検証し、改善をします。と具体的に示し、大変市民にわかりやすい表現であります。特に4の「成果を検証し、改善をします」とあります。国は、3年前に国民に公表する政策評価制度を法制化しました。これは、予算のむだ遣いをなくし、効率的で質の高い行政を実現するためにできたものであります。したがって、自治体が、民間企業並みのコスト意識と経営感覚を持ち、必要最小限の費用で、質の高い行政サービスを実施する時代に入っているわけであります。そこで、政策評価制度を導入し、砺波市経営方針として取り入れてはどうか、市長にお考えを伺います。
 次に、子供たちの教育環境の充実について質問いたします。
 教育現場では、教職員が一丸となって、日々一生懸命子供一人ひとりの成長のため、御苦労をされておりますことを存じております。しかし、教師には限られた時間、そして、子供たちにかかわれる内容も限界があります。教育現場は大変忙しく、教師にゆとりがないのであります。7月の行事を見ても、教師は、成績の処理、学級事務、校務分掌の仕事、保護者会等の準備、保護者会等がございます。
 本来、夏季休業へ向けての一番大事なことは、児童生徒への個別指導、生徒指導や夏季休業中の児童生徒一人ひとりの課題学習の相談等が、多忙なために十分できていないのが現状ではないかと思われます。
 そこで、1つは、子供の学習評価をもう少し長いスパンで見ることができないのか。すなわち、2学期制へ移行される考え方を持っているのか。近年、全国的に見ても各自治体で既に2学期制の導入、検討をしております。お隣の金沢市は平成15年度から導入し、小矢部市では2学期制導入への検討会を始めたと聞いております。
 また、過日、新聞等で報道されておりますとおり、学区制の撤廃や、小中学校一貫教育等が浮上しております。その背景には、小学校から中学校への移行によって生じる心理的負担を軽減した、ゆとりのある安定した生活や、子供の多様な資質や能力を伸ばす系統的、継続的な学習、心の教育や生活指導と関連づけた生き方の指導等々が求められています。その上、本県においてもいじめは7年ぶりの増加となり、前年度比50件増の170件、小中学生の不登校数も12件増の987件になりました。特に小学校のいじめは、前年度より22件増え、全体の増加数の半数近くを占めております。関係者は、少子化や核家族化の進行で「低学年を中心に、良好な人間関係を築けない児童が増えつつある」と分析いたしております。
 教育も今、将来を見据えた発想の転換が求められており、2学期制の導入を検討してはどうでしょうか。ちなみに2学期制の導入により、10日間程度の授業日数が確保されます。教育長の答弁を求めます。
 2つには、各学校での習熟度別学習の取り組みについてお尋ねいたします。
 手元の資料にありますが、小中学校では、算数科については、現在、7校すべての小学校で習熟度別学習を取り入れられ、それなりの成果を上げております。国語科の習熟度別学習は1校しか実施しておりません。できない背景には、教員の不足があります。近年、青少年の凶悪な犯罪はともあれ、先ほど、いじめの問題で少し述べておりましたが、1つは、友達同士でコミュニケーションがうまくとれない子、すなわち、自分の思いが相手に上手に伝えられない子が確実に増えてきております。そのために、キレたり、刃物等で傷をつけてしまう衝動的な行動に出てしまうといわれております。
 そこで、国語科の習熟度別学習をぜひ取り入れていただき、さらに、生きる力を育む豊かな人間教育をしていただきたいと思います。導入について教育長に伺います。
 次に、健康で安心して暮らせるまちづくりについてお尋ねいたします。
 日本は今、超高齢社会へ歩みつつあります。高齢者の増加を厄介なことと考える向きが多いですが、私は、目指すべき社会を、元気な高齢者が多い社会、健康寿命を延ばす社会、すなわち、高齢者生き生き社会にしていきたいと考えております。そのためには、高齢社会を支える大きな柱であります介護保険制度について、介護予防に力点を置くという視点が、今後極めて重要になると考えております。
 砺波市の介護認定者数の推移を見ますと、介護保険がスタートした平成12年には821名で、65歳以上の受給率は9.6%でしたが、平成16年には介護認定者数1,440名となり、受給率も16.3%となっております。
 また、介護保険の市負担金の推移を見ましても、平成12年には2億397万8,000円から、平成16年には3億6,239万2,000円となり、伸び率も1.78倍となっております。平成17年には介護保険制度が見直しをされるわけでありますが、このままの推移でいきますと、砺波市の介護認定数は5人に対し1人の割合になるのも、そんなに遠い先ではありません。
 介護予防につきましては国レベルでも検討を始めておりますが、砺波市といたしましても、私は早急に介護予防戦略が必要であると認識いたしております。
 そこで、次のことについて提案いたします。
 1.市に「介護予防連絡協議会」を設置し、医療機関、介護事業所、社会福祉協議会や民生委員、教育、スポーツ関係者、地域の自治組織等の関係者との連携と、介護予防事業計画への市民の参画を図る。2.介護保険制度における要支援や要介護1の方、要介護状態になるおそれのある虚弱の方々を対象に、新たな介護予防サービスを創設をする。3.各地区に地域体育館が整備されておりますので、地区体育館を介護予防サービス拠点とする。4.筋トレなど効果のある介護予防及びリハビリプログラムの開発をするとともに、トレーニング機器等を配備する。あわせて、一人ひとりの高齢者の特性に合わせた、予防介護の取り組みをサポートする人材の配置を行う。5.その他として、高齢者の様態に応じたリハビリテーションプログラムが実施できるような各種専門職の育成。また、痴呆性高齢者のグループホームを初め、痴呆性高齢者サービスの拠点をつくるとともに、痴呆の早期発見、相談、診断体制の整備等が早急に取り組みをしなければならないと思いますが、これらの点への対応をお聞きいたします。
 2つ目には、平成17年度、新市の65歳以上の人口割合は22.3%の1万1,195人ですが、10年後の平成27年には25.8%の1万3,764名であり、4人に1人が高齢者になるのであります。これでは、いかに健康寿命を延ばしても、介護保険制度にも限界があると思われます。
 そこで、元気なうちに介護等のボランティア活動をし、自分が介護の必要なときにはしていただく。言いかえれば、ボランティア貯金であります。幸い、砺波市ボランティア連絡協議会には30団体、956名の会員が登録されており、その上、市ヘルスボランティア連絡協議会等もあります。この基盤を生かし、1市民1ボランティア運動を推進してはどうでしょうか。また、ボランティアにかかわる相談、NPO設立等の支援のために、ボランティアセンターを本格的に取り組みをすることが、住民と行政が協働する都市の一つと思われます。そこで、行政が協働する都市づくりの推進をするため、専任の職員を配置することを提案いたしますので、お答えください。
 9月1日現在では、県内のNPO法人も100団体となり、砺波市においても6団体が法人認証数です。今後、福祉分野が中心だった活動も、まちづくりや教育、国際協力、文化、スポーツ振興へと広がりを見せていくものと期待しております。また、最近話題になっておりますフリーターや若い無業者の就業対策にもつながっていくものと期待をいたしております。
 3つ目には、2003年5月に施行されました健康増進法25条によって、受動喫煙の防止が設置管理者に義務づけられました。また、健康増進法の施行を受け、「職場における喫煙対策のためのガイドライン」が3点について改正されました。
 1点は、非喫煙所にたばこの煙が漏れない喫煙室を設置すること。2点は、たばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出すること。3点は、喫煙室等に向かう風速が毎秒0.2メートルであること。以上のことを踏まえ、健康増進法25条の受動喫煙の防止、また、健康増進の促進、疾病予防の啓発のためにも、庁内を全面禁煙の方法をとられるのか。または今の不十分な分煙方法を改め、個室型の分煙方法にされるのか、当局の方針を示してください。
 次には、市の土地区画整理事業についてお尋ねいたします。
 現在、杉木地区土地区画整理事業が実施され、事業計画では平成22年度に完成すると伺っております。現在、杉木地区土地区画整理事業は、計画の約4割が完成いたしております。実際、現場に足を運び、状況を見ましたが、道路も舗装され、生活道路として利用されております。ところが、その道路で交通事故が発生しております。それは、交差点に「止まれ」の交通標識が設置されていないためであります。道路の管理は土地区画整理事業組合であり、市道へ移管されない限り、県公安委員会から道路標識の許可が出ないことは理解しております。完成する平成22年までの6年間も放置しておくことは、事故の増加につながります。そこで、完成した道路から市道への移管ができないものか、お尋ねいたします。
 また、過日、市長提案理由説明の中で、交通安全対策について触れられておりましたが、9月21日から秋の全国交通安全運動が始まります。砺波市は、関係各位の努力にもかかわらず、交通事故の発生状況は、前年と比較すると人身事故数、負傷者数、物損事故数、すべてが増加いたしております。
 現在、ところどころの交通標識等が、台風等の影響もあり、破損いたしております。この機会に、交通事故防止に万全を期するためにも、交通標識等の総点検を実施してはどうか。対応予定を伺います。
 以上で私の質問を終わらせていただきますが、本年の新春対談で、市長は「元気な砺波市をさらに住みよいまちにしたい」との熱い思いを込め、「改革するものは改革をし、市民サービスの増強を図ることが一番大事ではないかと思っております」と述べておられますが、同感であります。新市のスタートに当たり、市長初め職員の皆さん、市勢発展と市民へのサービス向上のために一層の御尽力をいただきますようお願い申し上げ、終わります。

◯副議長(江守君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 嶋村議員にお答えをいたします。
 まず、発言の冒頭に私に対する、昨日の発言について歓迎の弁をいただきました。まことにありがとうございます。よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 さて、新市へ向けてのビジョンについて、地方分権型の職員像についていろいろ御意見がございました。御意見のとおりだと、このように理解をいたしております。改めて私の考え方を申し上げたいと思います。
 平成12年4月に地方分権一括推進法が施行されました。地方自治体は自立と責任、その上に政策を競うという時代に入ったといわれております。そこで、国が定めた全国画一的な制度やルール、それに頼るものではないと。市民のニーズを受けて、地域がその実態に合ったルールづくりを進める、そういうことだと。簡単に言えば、地方分権というのはそんなものだと、私はそのように認識いたしております。したがいまして、地方自治体の職員は、いま少し風向きが多いわけでございますけれども、このことを認識した上で対応しなければならないと思います。したがいまして、御意見のとおり、市民に接して、市民のニーズを把握する。そして、常々申し上げております市民参画の中でいろいろ立案をするということになろうと私は思います。
 ついては、市民の事業を完結したら、それに対する評価、検証も必要でございますし、このことを情報公開しなきゃいかんと。そのことが意見として反映してくるわけですから、そのような気持ちで対処していきたい。私を含め、全職員がそんな気持ちで対応することが大切だと、このように思っております。
 なおまた、今求められている職員像ということは、1つには、自らが自己決定、決定したら自己責任、これをちゃんと胸に秘めなければいけないと、こう思っております。つきましては、自己決定する段階では、先ほど申しましたように、ニーズの把握を十分しなきゃいかん。したがいまして行動しなきゃいけません。そこで初めて企画能力も私は生まれると思います。そして、いろんな企画をしても、遂行する能力、これも育ってくると思います。そのように私は感じております。したがいまして、これからさらに、このことを皆さんと一緒に進めさせていただきたいと思います。
 また、議員も述べられましたが、市民の目線で的確な情報を収集する。そのとおりでございますので、そのためには、私どもは職員研修を十分やらなきゃいかんと思います。自己研修でしたら、好きなものだけ勉強します。だから、視野が広くならないと思う。自己研修も必要です。しかし、第三者を入れたり、地域へ出たりすることによって、随分視野が広まると思う。そのことが大切だと思いますので、私は出前講座、それから地元説明、今、どんどん行っております。そのことによって、実際的に市民との対話も生まれておりますので、このことをさらに進めさせていただきたいと、このように思っております。
 今、一種のボランティアでございますけれども、職員に申し上げておるわけですが、議会からもそのことを言われておったんですけれども、例えばコミュニティー活動。例えばごみの分別収集等については、朝、収集しておるわけですが、地元の振興会長さんを初め、区長さん方もお世話になっておりますが、せめて君たちも出なさいということで、当番制でそこへも行かせております。それから、それぞれ子供を持っております。PTA活動にも出なさいと、そのように言っておりますし、その他、生涯学習だとか、体育団体、あるいは地区の運動会等がございますが、出ないやつもおるらしいけれども、それは厳しく律して、世話役としてネットワークを張っておくことが行動力につながりますから、おっしゃるような、そういう体制づくりをこの地方分権型社会の中で進めさせていただきたいと思います。いろいろごもっともな御意見もございましたので、拝聴させていただきました。
 次に、地方自治体にも企業経営を求められておると。砺波の経営方針はいかんと、こういうことでございます。きのうも井上議員に申し上げましたが、清水市長につきましては、存じておりまして、研修にもやりまして、その結果等を聞きました。すばらしい方だなと、このように敬服をいたしております。
 清水市長は、経営方針ということで訴えられておりますが、私は、市長になってからも常に政治方針として市民の目線に立てと。どこにも表題としては書いてございませんよ。清水市長は随分本も書いて、私も1冊読みました。『市長のひとりごと』という本がございますが、読みましたが、そのようにアピールはされておりますが、私は内々的に、私の政治方針として、市民の目線に立てと。ついては、市民参画なんだと。そのことを忘れるなと。この政治姿勢という課題で私は常にそのように職員に申し上げております。
 もう一つは、公平で清潔な政治をしようと、そのことを訴えておるわけでございます。
 そして、今日的には、今おっしゃっております地方分権の時代ですから、地方分権は、今申しましたように、自己決定と自己責任のある時代。行政全体も自己決定と自己責任があるわけですから、もちろん、職員も自分で決めたら、自分でちゃんと責任を持ちなさいと。堂々と自分の視野を広めて、そのような行動をしてもらいたいということを申し上げておきたい。
 清水市長のようにアピールはしておりませんけれども、私の政治目標といいますか、そういう姿勢でおりますことを嶋村議員に申し上げておきたいと、このように思っておるところでございます。
 おっしゃるとおり、これからはさらに経営感覚というのはおっしゃるとおり必要であります。ただし、経営感覚だけでこの公務というものはできるのかどうか。カルロス・ゴーンに言わせると、日本人の経営感覚は甘い。3年で何兆円も回復したんですから。ただし、そのときのやり方は、大きい何万坪というところをばさっと売ってしまって、それでお金に換えて、いいところでもうかるところだけやるというのが経営方針です。それは外国人の考え方でしょう。日本人ではやれないと思う。ただし、あれが象徴的な経営方針であるとするならば、私ども地方自治体にとっては賛成できない。企業はそれでいい、黒字を残すんだから。そして中小企業だったら、現実的に御存じのようにもうからないときは切る。人員削減をやる、給料削減をやる。
 今、一般的に言われる経営方針というのは、そのようなことで来ておりますから、そこで国保あたり、全部シフトしてくるわけですね、聞いてみると。市町村はそんなわけにいかんと思う。そのことは十分嶋村議員も御存じだと思いますが、私は企業の経営方針、市役所の経営方針という言葉を使うとすれば、そのことを念頭に置かないと、福祉サービス、住民サービス、それを旨としております市役所としては、対応できないのではないか、このように認識しておりますが、そのことは、御批判があるかもしれませんが、そのように思っております。
 ただし、民間の企業の学ぶべきところは多分にあると思う。そこで、清水市長の提案されました、いわゆる貸借対照表、それは私ども採用したんです。これは経営感覚のバランスの問題ですから。ただ、中身は一般企業と違いますのは、財産をどう取り扱うか。仮に言うと、市道も財産です。学校も財産ですね。これをどう財産に評価するか。この辺のところを今、総務省も悩んでおります。確かに貸借対照表的な物の考え方で経営しなさいという理論は合っております。合っておりますけれども、それらの貸借を考えるときに、2つの理論がございまして、私どもは今、太田市がやっているような形のものをやっておりますけれども、いろいろ議論のあるところでございまして、本当に分析できるかどうかというのはいろいろ問題のあるところです。ただし、この地方の経営者の皆さんに学ぶ点は多分にありますから、そのようなものをこれからもどううまくつかんでやっていくか。
 もう一つは、そういう感覚を職員に植えつけなきゃいかんと思う。そんなことなどを私は考えております。いろいろ御批判もあると思いますが、いずれにしても、職員を初めとして、いわゆる経営感覚、プラスマイナスの感覚を持つということが大切だろうと、このように思っておりますが、あくまでも赤字、黒字という、そういうことにとらわれることが本当に正しいのかどうか。
 そして、サービス等については、どこへ貸借対照で載せるのか。人件費は出てきます。収入も出てきますよ。ただし、サービスという評価が実はなかなか出にくい一面があるわけですね。感覚を持たなきゃいけませんけれども、そういうような形で数字的にはあらわれないということも一つあるということで、御理解をいただければありがたいと思います。
 今は決算書によりましてバランスシートを書いて皆さんに広報として出していることを御理解をいただきたい。これからもそれらに基づきましてコストなども考えなきゃいかんと思う。あまりにもコスト、コストでコストを考えますと、私はどこかの会社のような形で、黒字を残すために削減するというものではないと、このように思っておりますので、その点は嶋村議員も御理解いただけると思いますが、私の考え方でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 なお、多くの提案や御意見がございました。いろいろ参考にさせていただきたい。言われる趣旨についてはよく理解できますが、おっしゃるような形でのものでは、行政サービスという一面から考えますと、市役所はそんなわけになかなかまいらないと、そのことを御理解をいただきたいと、このように思っているところでございます。
 その他の質問については、助役、教育長、担当部長からそれぞれお答えを申し上げますが、最後に、支援の弁もございました。合併してよかったなという合併をすることが私は大切だと思います。そのことで合併協議会の皆さんにもいろいろ議論していただいて、あのような建設計画を立てましたので、そしてこれを忠実に、わかりやすく施行していくということが大切ではないかと、最後にそのことをつけ加えて答弁といたします。ありがとうございました。

◯副議長(江守君) 答弁を求めます。
 助役 野村泰則君。
  〔助役 野村泰則君 登壇〕

◯助役(野村君) 嶋村議員御質問の健康で安心して暮らせるまちづくりの中で、5点ほど質問がございました。
 まず、第1点、介護予防連絡協議会を設置すればどうかということであります。
 現在、医師会と、あるいは社会福祉協議会、民生委員、自治振興会、老人クラブ、介護事業所等の皆さんで構成をいたしております在宅介護支援センター運営協議会というものがございます。この協議会では、介護予防や地域での支え合いについて御意見や御提言をいただいております。また、地域ケア会議におきましても、サービス事業所間の情報交換のほか、意見交換が行われているわけであります。
 そこで、介護予防連絡協議会を設置すればどうかという御提案でございますけれども、現在、この協議会が機能いたしておりますので、新たにこういう御提言のものを立ち上げるといたしますと、屋上屋になるという懸念がございますので、関係機関とさらにこの協議会を通じて連携をとりながら、介護予防の充実を図ってまいりたいというふうに思っておるわけであります。
 第2点といたしまして、要支援や介護度1の方への新たな介護予防サービスを創設すればどうかという御提言でございます。現在、2005年に見直す予定であります介護保険制度の中で、7月末の国の中間報告では、要支援、要介護1の軽度の支援者を対象とした新予防給付の創設が公表されておるわけであります。この中では、高齢者の状態に合った介護予防プランを策定いたしまして、サービスといたしましては、筋力向上トレーニング、転倒骨折予防、あるいは閉じこもり予防等の新たなサービス導入が検討されているところでございます。また、それに合わせまして、総合的な介護予防システムを確立いたしまして、市町村の老人保健事業や介護予防事業の見直しを図るということも検討されているところでございます。そのため、介護予防サービスにつきましては、国の介護保険制度の見直し内容を見ながら、今後のサービスの充実を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、第3点、各地区の地区体育館を介護予防のサービスの拠点とすればどうかという御提言でございます。学校体育館や社会体育館のない地区におきまして、地域体育館を整備をいたしております。この地域体育館を介護予防サービスの拠点にするという考え方につきましては、これを具体化をすることになりますと、その地域のコンセンサスというものを得るためには、いろいろクリアすべき課題が多くあると存じております。これを拠点サービスにするという位置づけをしなくても、その地域の皆さんにおきましては、この体育館を利用して、リハビリや軽運動など手軽にできるスポーツのメニューを充実して、このメニューを取り入れることにより、その機能が果たせるものではないかというふうに思っておるわけであります。
 第4点といたしまして、筋トレなどの介護予防、あるいはリハビリプログラムの開発、介護予防をサポートする人材を配置すればどうかという御提言でございます。
 近年、高齢者の転倒予防、それから生活機能の維持向上のために、筋力増強が重要視されているところでございます。中でも、御説のパワーリハビリといたしまして、短期的に効果の得られる各種機器を使った筋肉トレーニングが注目されておるわけであります。しかしながら、パワーリハビリは対応がマンツーマンでしなきゃならない。それから、機器が大変高価である。それと、限られた人数しか使用できないというデメリットがございますことから、砺波市では自分でできる筋力増強運動を中心とした転倒予防教室などの各種の予防教室を、老人クラブやいきいきふれあいサロンにおいて実施をいたしております。そのサロンにおきましては、総合病院のドクターや理学療法士とも連携をしながら、その機能をさせておるところでございます。
 それから、第5点といたしまして、リハビリプログラムが実施できる専門職の配置、あるいはグループホームの整備をすればどうかという御提言でございます。
 リハビリテーションのプログラムの作成には、理学療法士が当たっておるところでございます。先ほども言いましたように、今後の介護保険の見直しの中では、総合的な介護予防システムの内容に合わせまして、専門職の設置についても検討するということになっております。
 グループホームにつきましては、現在、市内に2カ所、合わせて26床ほどございます。今後の建設につきましては、第2期の砺波地方介護保険事業計画に基づいて行われることになっておりますけれども、現在のところ、平成19年度までの建設計画になっておる中で、平成17年度に見直しをされるわけでありますが、この中には市内の個人病院がさらに18床建設するということで位置づけられているところでございます。
 以上でございます。

◯副議長(江守君) 答弁を求めます。
 教育長 堀田良男君。
  〔教育長 堀田良男君 登壇〕

◯教育長(堀田君) 教育関係についていろいろ御提言、御質問がございましたが、その中で教育環境の取り組みについてのうちの2学期制の導入についてどう思うかということでございますが、富山県内では2学期制の導入は公立学校ではありません。しかし、従来の3学期制を改めて2学期制の導入が他県ではごく一部に実施されております。先ほど金沢市が取り込んだと、これは取り込まれました。金沢市の教育長からその事情を聞きました。それから、小矢部市が前向きに検討しているということもありましたけれども、2年ほど前までは相当検討しておりましたけれども、今、検討中止の状態です。それは後ほど御説明いたします。
 そこで、2学期制の導入につきましては、新教育課程のねらいである生きる力を育む教育を展開していく中で、子供たちの時間的なゆとり、それから精神的なゆとり、これを確保してやることが大変大切でございます。そのために2学期制がどうだという論が出てきたんだと思いますが、果たして2学期制を導入したことによって、今言いました児童生徒の時間的なゆとり、精神的なゆとりが取れるのかどうかということをしっかり検討、研究する必要があります。
 なお、2学期制の導入につきましては、制度上では自治体で2学期制、3学期制ということは決めることができるようになっております。そこで、砺波地区の砺波教育事務所管内の教育長連絡協議会等でこのことについて議論をいたしております。それが先ほどの小矢部市の問題でございます。
 いろいろ議論を重ねていくうちに、1市1町村だけでは学校教育は成り立っておりません。砺波地区、特に砺波地区という1つのブロックで連絡調整あるいは交流をしながら、教育活動が展開されておるわけですので、1市だけで2学期制を導入しても、あちこちで不都合が発生いたします。そのために、やるのならば砺波地区全部そろってやろうと。そういうことを条件にしながら検討をしております。
 ところが、砺波地区は、御案内のように町村合併が刻々と近づいております。その1つの大きな歴史の幕が開いてから、具体的な検討に入っていくということになると思われます。したがって、小矢部市も一服したというのは、その問題もありますし、いろいろ検討していった結果、結局、ブロックでやらないと都合悪くなってきたということにお気づきになったようでございます。
 このことを踏まえながら、各学校、保護者、地域では、先ほど言いましたように、2学期制の効果について十分議論をする必要がある。父兄も、学校の教職員はもちろん、地区の方もみんな入れて、本当に2学期制というのはどういういいことがあるんだろうということをもう少し議論をさせていただいて、最終的には学校の管理者であります校長等の意見も十分加味しながら、そしてまた、富山県内ではまだ公立学校は動いておりません。県教委もそのことについての強い指導もありません。そういうことで、県の動きなども考慮しながら検討していきたいと思っております。
 それから、2点目のコミュニケーション能力、これを高めるために、習熟度別の学習を国語の中にも取り入れたらどうかという、このお考え、まことに当を得ております。コミュニケーションがとれないために表現できない、自分の思いを果たせないためにとんでもない行為に出てしまうという、そういう現況があらわれていることは確かでございます。したがって、砺波市内の小学校では、そういう少人数指導による学習は算数科のみです。一部、国語をちょっと取り入れている学校もありますけど、算数科に主眼を置いております。
 なぜ算数科なのかといいますと、これは当然のように算数という勉強は、学習内容が系統的、順番にきちっと階段をしっかり踏んで上がっていかないと、1つ踏み外すと、次になかなか上れないという、そういう特徴を持った教科でございますので、少人数学級が一番適当だということで、市内の学校ではこれに取り組んでおるわけですが、これに取り組むためには、今までは担任が1人でやっておったのを、今度は2ないし3でやるわけですから、クラスの中に先生が3人入ってくる場合もあるし、2人入ってくる場合があるものですから、一体何を、だれが、どのようにしてやるのかということを、子供の前に出ない先にきちっとそのプログラムをつくっておかないと、子供の前へ出てからこうしよう、ああしようでは遅いわけですね。そういうために、習熟度学習というのは事前の準備が必要です。周到な準備が必要でございまして、その周到な準備をするためには、効果を上げるためには、それだけの時間とエネルギーが必要だということでしょう。
 それを国語科にどうだろうかということでございますが、算数科で手いっぱい。教職員の数も、習熟度別に教職員が配置されてくるわけですが、それが各学校に大体1人来ておるんです。それが国語科にそういうものをやるということになると、算数の方がおろそかになるか、あるいはもう一枚よこせということになってくることもあって、まず、教職員の数が少し足らないということ。
 それと、そういう習熟度学習というものがぐんぐん前に出ていきますと、クラス、学級というものは1つの仲間で成立しております。勉強の強い子もおれば、弱い子もおるわけです。力の強い子もおれば、そういうものが渾然一体となってクラスというものができておるわけです。1つの社会ができておるわけですから、その中での、助け合ったり、支え合ったりすることの、その学級の動きが、学級というスクラムで行くのじゃなくて、教科の勉強の力というものだけが先走っていって、クラスというものの構成に不安感が出てくるのではないかという問題もあります。
 だから、教員の問題、それから学級担任の活動の問題、そういうことを組み合わせていくうちに、時間割をどうするかという問題も出てくるわけですね。したがって、算数で今一生懸命やっていますので、もう少し内容が明確になってきて、教職員の配置もやや多くなってきた段階で、国語科へということが話題になってくると思います。
 しかし、時代は待っておれません。そのときが来るまでやらないということではないんです。やらなきゃならないんですね。そこで、各学校では、国語科での習熟度別をやらないんですが、国語科で身につけなければならない、今言いましたお話をする、お話を聞く、そういう伝え合う力を、国語だけでなしに、他の教科でもそういうことを積極的に取り入れるということ。特にクラス会やあるいは生徒会などではディスカッションをやるわけですが、そのときに意図的にコミュニケーションを高めるための手だてを工夫していきたいと。
 こういうことをやっているほかに、もう1つは、静かなコミュニケーションのとり方、これが読書です。今、市内のほとんどの学校では、朝10分から15分間、校内がしんとなって、全部読書をしている。一昨日、庄南小学校へ行ってきましたら、朝15分ほど学校に人がおらんようになったような感じです。それで聞いてみますと、静かに本を読んでいる。そのおかげで県内の読書の割合が、小学校の平均が1年間に大体4冊ほど読むそうです。それが庄南小学校ではここ2年ほどの間に8.5冊ぐらい読むようになった。それは環境をつくってやることによって子供は本に対して目を通すということ。それを支えるために、砺波市では図書館司書を市単独でつけております。もっとつけたいんですけども、今のところは大体1校0.5人つけております。
 このようにして、会話や読書で要旨をつかみ取る力、このことについては国語科だけでなく、他の教科も取り入れて丁寧に進めていきたいと、こう考えております。
 終わりに、学校運営や生徒指導等について、きょう全般に教育関係に随分御丁寧な御発言をいただきました。これを参考にしまして、やがて来る新しい市の教育環境をきちっと整備して、父兄に安心して学校へ子供たちをよこしていただけるようなことにしていきたいと思います。どうもありがとうございました。

◯副議長(江守君) 答弁を求めます。
 総務部長 吉田俊和君。
  〔総務部長 吉田俊和君 登壇〕

◯総務部長(吉田君) 私からは、3点についてお答えをさせていただきたいと存じます。
 まず、市税の滞納者対策についてでございます。
 お尋ねの具体的な滞納者対策についてまず申し上げますと、納期内に納付がなかった場合、まず、納期限後20日以内に督促状を発行いたしております。それでも納まらない場合は、催告書を発行することになります。そして、この催告でも納められない場合につきましては、休日、夜間も含めまして電話催告、あるいは臨戸訪問を行いまして、納税を促しているところでございます。なお、あわせまして、納税相談も随時行っているところでございます。
 そこで、議員御心配の生活困窮者の方々に対しましては、その担税力についても十分配慮いたしまして、分割納付の計画を立てるなど、配慮をさせていただいているところでございます。しかしながら、担税力が十分あるにもかかわらず、分割納付の約束を守っていただけない方、あるいは納税相談等にも応じていただけない方々につきましては、預貯金などの財産調査も実は実施をさせていただいております。その結果、財産の差し押さえも行うということで厳しく対応させていただいております。
 一方、滞納整理推進の具体的な方策といたしましては、人材の育成にも努めているところでございます。専門的な研修を受けまして、法律知識などを身につける努力もいたしているところであります。今後、より複雑な事案等も発生する時代背景もございますので、この研修にはもっと意を配してまいりたいというふうに思っております。
 なおまた、新市におきましては、若干の人員増を図りまして、滞納整理の体制を強化をしたいというふうにも思っております。あわせまして、目下、月曜日に行っております窓口時間の延長業務の一環といたしまして、市税の収納あるいは納税相談事務も加えてまいりたいというふうにも思っているところでございます。
 なお、近年、広域的な滞納整理機構が幾つかの県で設置されたというふうに聞いております。そこで一定の効果も上がったということでございますので、先日開催されました県の市長会におきまして、滞納整理機構の設置について県に要望することで採択がなされたところでございます。いずれにいたしましても、当市では歳入全体の3割を占めるということで、大変重要な財源でございます。今後とも市税の収入確保に意を配してまいりたいというふうに思っております。
 次に、公募地方債について申し上げたいと存じます。
 地方自治体が平成14年度から発行できることに相なったわけでございますが、住民参加型ミニ市場公募債のメリットといたしまして、幾つか述べさせていただきたいと思います。
 御存じのことと思いますが、まず、発行体といたしまして、すなわち、自治体といたしましては、資金調達手法の多様化が図られることがあります。そしてまた、住民の行政への参加意識が高揚するという点もあろうかと思います。一方、引き受け機関、すなわち金融機関にとりましては、自己の新たな顧客の獲得ができるというメリットもあろうかと思います。そして何より肝心な地域住民にとりましては、特に低金利時代におきましては、資金の運用対象が広がるということなどが考えられるものというふうに認識をいたしております。
 しかしながら、御存じだと思いますが、本件につきましては、市債の枠が特に拡大をされるというようなこともなく、あるいは一方では県の許可が必要になるということもございまして、特別有利な制度が付加されているものではないということをまず御理解をいただきたいと存じます。
 加えまして、これらを発行いたしますと、国が発行する債券よりも高い利回りを設定しているのが通例となっております。しかも、市債残高を増嵩させるという心配があるということ。それから償還方式につきましては、満期一括償還方式というルールが固定されているようでございます。したがいまして、繰上償還等の柔軟な対応がしにくいという面もあろうかと思います。つきましては、今後の財政状況に幾つか心配な点もあろうかなというふうに思っておりますので、慎重に検討を加えさせていただきたいというふうに思っております。
 最後に、受動喫煙防止策について申し上げたいと存じます。
 議員御指摘のとおり、昨年の5月1日に健康増進法が施行されたわけでございます。事務所その他、多数の利用者がいる施設の管理者に対しましては、受動喫煙防止対策を講ずることの努力義務が課せられたということでございます。そこで、市庁舎におきましては、平成13年11月に空気清浄機型の喫煙対策機器を2カ所設置をさせていただいております。そして受動喫煙対策を講じてきたわけでありますが、今申し上げました健康増進法の施行に伴いまして、分煙をより徹底するために、昨年6月から、一部の場所を除き、禁煙といたしながら、喫煙場所を外部への排気が可能な箇所2カ所で実施をしているということでございます。
 さらに、御案内のとおり、現在、11月の合併に向けまして、庁舎の改修を行っているところでございます。そこで、当面は空きスペースを利用いたしまして、隔離をされた喫煙室を設置いたしまして、受動喫煙の防止が図られるように計画をさせていただいているということでございます。
 以上でございます。

◯副議長(江守君) 答弁を求めます。
 民生部長 小西竹文君。
  〔民生部長 小西竹文君 登壇〕

◯民生部長(小西君) 嶋村議員の健康で安心して暮らせるまちづくりのうち、超高齢化社会を支援するため、1市民1ボランティア活動の推進についてお答えいたします。
 少子高齢化社会の進行に伴いまして、市民が安心して暮らせるまちづくりには、お互いに支え合うボランティア活動の推進がより一層必要となってまいりました。市ではボランティアのまち砺波を目指しまして、昭和54年に社会福祉協議会内にボランティアセンターを設置させていただきまして、ボランティア活動の普及と啓発を行ってきたところでございます。また、平成8年には、ボランティア団体連絡協議会を設置させていただきまして、ボランティア団体相互の情報交換を行うなど、ボランティア活動の基盤整備に努めてきたところでございます。
 御提案のボランティア貯金は、ボランティア活動の一層の推進には有効な手段の1つではないかと思います。ただし、ボランティアとは福祉活動に無料奉仕で参加、協力するということでございますので、その活動に貯金制度を取り入れるということは、慎重に考えていかなければならないことではないかと思います。したがいまして、御提案の制度につきましては、今後、実現の具体策につきまして研究させていただきたいと思っております。
 なお、社会福祉協議会内にありますボランティアセンターには、専任のボランティアコーディネーターを配置しております。市民団体やボランティアグループなどの活動支援に努めているところでございます。
 以上でございます。

◯副議長(江守君) 答弁を求めます。
 産業建設部長 藪田康男君。
  〔産業建設部長 藪田康男君 登壇〕

◯産業建設部長(藪田君) 嶋村議員さんの土地区画整理事業についての市道に移管されていない道路に対する交通事故防止のための道路標識設置についての御質問でございますが、土地区画整理区域内の「止まれ」などの道路規制標識につきましては、道路移管にかかわらず公安委員会が設置することになっております。したがいまして、杉木土地区画整理組合では、平成17年度に向け供用いたします道路の44カ所の標識につきましても、既に公安委員会と協議を行っているところでございます。
 それからまた、工事中の道路につきましても、住民への安全に対する啓発を促すとともに、危険な箇所につきましても、適切な対応をとられるよう、今後とも組合に対して指導をしてまいります。
 また、市道への移管につきましては、通常は換地処分の公告後でありますが、一定区域内の道路が完成した場合には、組合で道路台帳などの必要な書類を整えていただき、道路管理者と協議の上、管理を引き継ぐことができます。
 次に、交通標識など道路施設の補修に対する御指摘に関しましては、今回の台風により破損いたしました道路施設もあることから、現在も順次、道路パトロールを実施しており、破損箇所を確認し、速やかに関係機関と協議をいたしまして、交通事故防止に努めてまいります。
 以上でございます。

◯副議長(江守君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時41分 休憩

 午後 1時01分 再開

◯議長(松本君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問を続けます。
 8番 林 忠男君。
  〔8番 林 忠男君 登壇〕

◯8番(林君) 本年11月、砺波市、庄川町との合併を間近に控え、今回、砺波市市議会最後となる定例議会におきまして質問の機会を与えていただき、ありがとうございます。それでは、通告に従いまして、2項目について質問をいたします。
 まず最初に、人間愛の尊重、人道、博愛の精神を育む教育の推進についてお伺いいたします。
 人間愛を尊重し、人道、博愛の精神活動を続けている世界に広がる赤十字。災害救護や奉仕団といった多彩な活動の中に青少年の豊かな心を育てることを目的として、学校単位で組織された青少年赤十字があり、80年の歴史を持ち、学校ごとにあいさつ運動や清掃・募金活動などを通じて児童生徒らは人の生命と尊厳を大切にする人道的な精神を育み、気づき、考え、実行する態度を養っています。
 このように多彩な活動をする青少年赤十字(JRC)は、青少年が赤十字精神に基づいて世界平和と人類の福祉に貢献できるよう、日常生活の中で望ましい人格と精神を自ら形成することを目指しています。
 国内では、1922年に学校を活動基盤として結成され、約1万校に235万人のメンバーがいます。県内では1923年に上滝尋常小学校で初めて少年赤十字団が結成され、平成15年では249校6万2,154名が参加しており、加盟率は63%でありました。ほかの青少年団体の活動と異なり、小中高校、幼稚園、保育所の中に組織され、各校の教諭や保育士が指導者となる点が特徴であり、全校で参加する学校もあれば、学年や学級単位、クラブ活動として取り入れる学校もあり、各校が自主的に活動内容を決めています。
 JRCでは、児童生徒の自主的で自立した生活態度を養うことや国際親善を目標とし、具体的な実践目標としての「奉仕」「健康・安全」「国際理解・親善」、この3つを実践目標に掲げ、生命と健康を大切にし、社会や人のために尽くす責任を自覚し、主体性を育むために、気づき、考え、実行するという3つの態度目標を掲げています。
 それに赤十字の7つの基本原理は、人道、公平、中立、独立、奉仕、単一、世界性の持つ意味を理解し、生活に生かすことや、人道の4つの問題、利己心、無関心、認識不足、想像力の欠如を克服するため、社会に関心を持ち、知識を深め、人を思いやる想像力と、新しいアイデアを生かすことを目指しています。
 態度目標は、平成14年度から導入されている新学習指導要領の基本方針である、自ら学び、自ら考える力の育成とも大きな関連を持っています。救急法の学習や、美化活動、国際交流などを行っています。県内でも各校ごとにあいさつ運動や清掃活動、地域奉仕団と連携したひとり暮らしのお年寄り宅の訪問、点字講習会などを行っています。
 こうした活動の中でも近年注目を集めているのが、戦争や内乱で荒廃した国や開発途上国への海外援助事業で、1円募金を主財源とした青少年赤十字教育等支援事業は、現地へ文房具やスポーツ用品を送ったり、アルバムの交換を通してメンバー同士の各学校での交流を図ったりしており、県内でも少しずつ取り組まれていると聞いております。
 子供たちの豊かな心、生きる力を育てるため、これからさまざまな形で理解促進を図り、当市でも教育的観点から効果があると感じますので、取り組みを積極的に考えていかなければならないのではないかと感じます。これをしなければならないといった義務のような考え方ではなく、地域や世界の人々の平和や福祉に貢献するような活動を学校の裁量で自由に行うことができる、大変よい仕組みであります。
 富山県内では、富山市立柳町小学校で取り組まれ、健康な体と豊かな知性を持ち、自主創造性に富む子供の育成をテーマに、目指す子供像、賢く、仲よく、元気よくの具現化に向けて、いかにしてJRC活動を取り入れるかに取り組まれています。
 また、富山市立四方小学校では、生き生きと学び、主体的に働きかけていく子供の育成に取り組まれています。
 また、全国でユニークな発想の取り組みでは、愛知県安城市立三河安城小学校の、豊かな感性と思いやりの心を持ち、自ら実践する児童の育成をテーマに、体験活動などを生かした道徳の時間の充実を通した活動や、京都府京都市立養徳小学校での着衣水泳教室や、奈良県桜井村立朝倉小学校の、認め合い、支え合い、仲間とともに伸びる子の育成を目指して、地域とのつながりを大切にしたすばらしい活動などがあります。
 当市での青少年赤十字活動に加盟されている小学校では、出町小学校、北部小学校、庄東小学校、鷹栖小学校で取り組まれています。また、中学校では出町中学校、庄西中学校が加盟校であります。現在、加盟されている各小中学校での青少年赤十字事業の活動は、どのようなテーマで、また、内容はどのような研究をされているのかをお尋ねいたします。
 県外の幼稚園、保育所でも活発な活動をされていると聞いております。当市での未加盟校の小中学校も含めて、学校教育をより効果的に行うため、また教育目標を達成するための機能として、取り組みへの啓発の考えはないのかをお尋ねいたします。
 次に、子育てアドバイザーについてお尋ねをいたします。
 子育てアドバイザーは、皆さんが安心して子育てができるように、さまざまな地域の施設で身近な相談や支援をしていただける先輩ママのことであります。かつては、同居している祖父母や隣近所の人たちがお互いに子育てをサポートしていましたが、現在においては核家族化、少子化の状況では、自分自身の子供に対して虐待をしているのではないかといった悩みを抱えて子育てをしている親が急増しているといわれております。いろいろな悩みについては、自分の子供に当てはまらないことも多くあるようで、このようなときに、何でも話せる友達のように、安心して頼れる母親のように、やさしく教えてくれる先生のような、親身になって相談に乗ってもらえるのが必要になってまいりました。それが子育てアドバイザーなのであります。
 現在、当市では子育てアドバイザーは北部、太田の両子育て支援センターに各2名のパートが配置され、8時間勤務と6時間勤務で対応がされており、子育ての悩みに対する相談や助言をしていただいております。豊富な子育て経験による育児の技術や知識を身につけてのお手伝いをしていただいていることを知り、大変すばらしい事業をもっと拡大して各保育所にも配置を考えていただきたいと思っております。ぜひ取り組みをお願いするものであります。
 一方、地域には、豊富な情報や経験をお持ちの民生委員、児童委員の先生方に、子育てに悩む保護者との定期的な交流をしていただくことや、子育ての講座の開設をすることにより、核家族化の親子をよく知る機会もでき、育児についての話や悩みの相談窓口となり、子育てアドバイザーになっていただくことを考えていただけないかと思います。
 今、各地でこのような取り組みができつつありますので、当局のお考えをお聞かせください。また、専門知識を有する方々も応援していただけるスペシャルアドバイザーもありますが、当局で取り組みを考えているのか、お尋ねをいたします。
 新市の将来への社会基盤整備につながっていく、真の安心して産み育てることができるまちづくりへの対応策として取り組みをお願いするものであります。当局の明快なる御答弁を御期待申し上げ、私の質問を終わります。

◯議長(松本君) 答弁を求めます。
 教育長 堀田良男君。
  〔教育長 堀田良男君 登壇〕

◯教育長(堀田君) 林忠男議員の人間愛の尊重、人道、博愛の精神を育む教育の推進について、多くの事例を挙げながらの御提言、お答えいたします。
 御指摘のとおり、砺波市内の小中学校では青少年赤十字に加盟している学校が多くあります。今ここで、加盟している学校のテーマや活動内容の一部を紹介してみます。
 出町小学校では、一人ひとりがかけがえのない存在として互いに尊敬するとともに、助け合い、学び合い、励まし合って、ともによりよく生きていこうという意欲を育てるということをテーマに掲げて、老人医療施設の訪問や、アルミ缶を集めたり、校舎の清掃活動、それから総合的な学習などに赤十字活動を取り入れております。3年生では郷土の文化、4年生では環境、5年生では健康と福祉、6年生では国際理解、それぞれ発達に応じてテーマを掲げて、ボランティア活動など、体を通して取り組んでおります。
 また、庄西中学校では、身近にできるボランティア活動を実践しようということを合い言葉にしながら、生徒会が中心となって校内や地域の美化、それから小さな親切運動などを、ボランティア手帳というものを持ちながら、それに実際にやったことを記入して、自分たちの行動を確かめ合っております。
 赤十字創設の精神である公平、中立、奉仕、先ほどおっしゃいましたが、7つの原則があります。その原則を根底とした教育理念のもとに赤十字活動が展開されるわけですが、そのことが、今学校で求められている生きる力を育成するということと密接な関係ができております。日々の教育活動において青少年赤十字の事業の目的と、現在の学校教育の目標とが合致する場面が多いということもありまして、80年の歴史を持つJRCの精神を体しながら、積み重ねているところでございます。
 まとめてみますと、青少年赤十字に加盟の有無にかかわらず、この指導理念を重視した教育活動を展開していくよう指導していくことが大切だと考えております。
 以上です。

◯議長(松本君) 答弁を求めます。
 民生部長 小西竹文君。
  〔民生部長 小西竹文君 登壇〕

◯民生部長(小西君) 林議員の子育てアドバイザーについてお答えいたします。
 日中、母子だけになって孤立しがちな家庭の育児を応援しようと、市では平成13年度から北部保育所で子育て支援センターを開設いたしました。現在、北部保育所、太田保育所、東般若保育園の3カ所があります。本年度は東般若保育園でセンターの建設が進められております。利用者数は、北部保育所では年間238日、1万3,948人、1日平均で58.6人の方が相談になります。それから太田保育所では年間233日で9,030人、1日平均38.8人となっております。年々、利用者が増えております。
 利用者からは、知り合いができるし、同年代の子供と遊べる。こういうところがあると安心である、そういう意見とか、それから子育ての悩みをスタッフに相談できるのがいいというふうに好評でございます。
 新たな子育て支援センターの設置につきましては、核家族化で家族のきずなが弱くなってきている今日でありますので、センターの役割はますます大きくなってきております。次世代育成支援行動計画の中で、ニーズ調査結果を参考にしながら検討していきたいと考えております。
 乳幼児期に周りの大人から愛され、人に対する信頼感を得た子供は、情緒が安定しまして、そこから自ら考え、行動に責任を持つようになってまいります。自分の気持ちをコントロールしながら他人を大切にする。人間と社会のため役立つことに誇りを持つようになります。それが次世代を育成する者の願いでもございます。その意味で、民生委員、児童委員の方々に子育てアドバイザーになっていただくことにつきましては、個人の問題であるから強制はできませんけれども、さまざまな角度から積極的に実際の体験に基づいた子育てアドバイスをお願いしたいと思っております。
 また、スペシャルアドバイザーにつきましては、制度としてではなく、各地区で専門知識を持っている方々の豊富な知識を生かしていただきたいと、そういうふうに考えております。
 以上でございます。

◯議長(松本君) 2番 境 欣吾君。
  〔2番 境 欣吾君 登壇〕

◯2番(境君) お許しをいただきましたので質問をいたします。
 最初に、となみ野田園空間博物館事業に関連して質問と幾つかの提案をし、見解を伺いたいと思います。
 まず、散居村ミュージアムのコア施設の管理運営についてです。
 だれがどのように行っていくのかということで、県と話し合い中であると言われておりましたけれども、先ごろ、県も運営に参加をしていくとのことでした。この事業の持つ地域的な広がりから言っても、また事業の持つ意義や経過から言っても、中核を担う施設の運営が砺波市の単独責任になるというのは納得のいかないところでした。その意味では、あるべき方向に向かっているのかと思いますけれども、砺波市、南砺市が県とどういう役割の果たし方をして協力をしていくのか、具体的になっていることをお聞かせ願いたいと思います。
 ミュージアムの建設については、来年度で完了することになっています。しかし、もともとこの事業は将来にわたって田園空間を守り育てていくという壮大なものです。まさにこの事業はミュージアムの完成で終わるのではなくて、今から始まったのだと考えるべきだと思います。築いた拠点を足場にして、どのようにとなみ野の平野をつくっていくのか、砺波市としても大いに役割を果たしていくべきだと思います。
 言うまでもなく砺波平野は、一軒一軒の市民の皆さんのお宅や事業所、公の施設や工場、アパートや集合住宅、道路や水路などさまざまなものから成り立ち、しかも、それぞれが時の流れとともに変化をしていきます。私は田園空間を保全するということを考えるとき、単に今ある貴重な空間を守ろうということではなく、未来に向けて空間をつくり上げていく、そういう視点から考えることが大切でないかと思います。限られた一区画を昔ながらの典型的な散居の空間として頑固に守っていくというのではなく、従来から虫食いの要素とされてきたものをも柔軟に取り込んで、さらに創造的につくり上げていくイメージが必要でないかと思います。
 裸のアパートや工場、住宅団地が無計画に建ち並んでいったのでは空間は壊されます。しかし、これからの建造物をできるだけ伝統的なものにすべき、あるいは一軒一軒十分に距離を置いて建てるべき、こういうふうに言っても、市民の皆さんの理解が得られるか疑問です。現在の典型的な景観をつくっているお宅を守っていくための支援と同時に、毎日進んでいる新たな建設、これをどうしていくのかということも同時に考えるべきだと思います。
 その上で決定的に大切なのは、市民の皆さんの理解だと思います。今自分たちが手にしているすばらしい財産を元手にして、将来に向けてさらに美しい空間をみんなで力を合わせてつくり上げていこうじゃないか、そういう合意をどれだけ広く継続的に築いていけるか、このことが大切だと思います。
 率直に言いますと、私自身、自宅の周りには雑木が自然流で育っておりますけれども、その存在を長い間、快く思ってこなかった者の一人です。秋の落ち葉は半端ではありません。頻繁な雨どいの掃除が必要になります。冬には雪の重みで道路の上に枝が垂れ、他の方々の交通の妨げになったりもします。すっきりと整理をすればどんなに楽だろうかと思ったものです。しかし、カイニョ倶楽部の方から、1軒に5メートル以上の木が10本あれば、家族6人が発する二酸化炭素を十分吸収するというふうなこと、あるいはカイニョには乾燥、保湿、空気の浄化、香り、堆肥の源、憩い、防音、生物との共生など40以上もの効能があるのだと、こういうふうな話を聞いてからは、我が家のうっそうとした木立が美しく見えてきたものです。
 空気のありがたさは日常生活ではなかなか自覚できません。同じように、散居の中で生活する者は、示されないと、そのよさを自覚できないということもあるのではないでしょうか。カイニョのあるお宅で生活する者が、スンバの片づけを誇りを持って行えるように、改めてその意義を知る機会、これをつくることが大切だと思います。
 この事業を進めていくものとして、カイニョのお宅が枝打ちや植樹を行う際に補助をする散居景観保全事業があります。1市5町1村で取り組まれておりますけれども、協定を結んでいる地域の割合は、井波町が最高で75%を超えているのに対し、砺波市は最低で26%台だと伺っております。地域の数の違いなど一概に言えないところもあると思いますけれども、この事業への理解がなかなか浸透していない実態を示すものでもあると思います。この事業の促進を、市民の皆さんが一緒に考え、話し合う機会、これをつくることはできないでしょうか。地域協定を促進するために立派な冊子もつくられておりますけれども、私は、単に協定を結ぶ地域の数を実務的に増やすというだけではなくて、市民の皆さんがこれからの田園空間をどのようにつくっていくのか討論し、一緒に考える機会を設けることとセットで進めることができないかと思います。
 砺波の市町村合併についての住民への説明では、砺波市が独自に作成されました資料をプロジェクターで示すということもされておりましたけれども、例えばこういうことも地域ごとに取り組めないでしょうか。心ある民間の方々の協力を仰ぐことも大切だと思います。あるいは、日ごろから散居についての造詣の深い方や市民の方、あるいは工場などの事業を営んでおられる方、市内に生活しておられるさまざまな分野の方々に参加をしていただくシンポジウムを開く、こういったことなども提案したいと思います。
 広報で定期的に繰り返し、カイニョの効能やカイニョとのつき合い方について知らせていく、こういうことも大切だと思います。
 8月に「散居村ミュージアムを考える会」という、市民の皆さんによる集まりが設立されました。そこに参加をさせていただきましたけれども、そこでも貴重な意見が聞かれました。その中には、ジャスコの社長は、店舗の開店の際にはお客に苗木を配り、店舗の周囲を取り巻くように準備した地面に植えて帰ってもらうことをどこでもやっている。自分の植えた樹木の生育が気になってお客が店に足を運ぶんだと、こういうことです。ミュージアムの植林も、近隣の人たちに来てもらって植えてもらえばいいではないか。そして自分たちの植えた木の生育を確認してもらうときに、あわせて自宅のカイニョについての相談もする、そういうふうなことができないだろうかという意見がありました。大変大切な参考になる意見だと思います。
 あるいは、農業の振興と散居村の保全とは一体であるから、今はやりの特区を設けて転作を除外してもらうことはできないか、こういうふうな意見もございました。あるいは、子供のときから散居村の景観の大切さについて触れたり理解したりする機会が大切。教育のカリキュラムにも組み込むことを考えるべきでないか、こういうふうな御意見もありました。
 ミュージアムの建設に向けて御苦労いただいている企画準備委員会の皆さんからも、今後の空間づくりに多くの貴重な意見をいただいておりますけれども、この中でも子供たちに教育の場で伝えていくことについて触れられております。ぜひ検討していただきたいと思います。
 3ヘクタールもの美田をつぶし、公共投資の見直しが強調されるこのときに、巨額の血税を投じて行う建設です。施設の建設に当たる今から、その使い方、将来に向けた取り組みのビジョンについて、市民の皆さんが発言し、市民の皆さんが主体的に築いていくことのできる仕組みをつくり、むだでなかったと言える事業にぜひともしていただきたいと思います。
 県に対して提案していくべきこと、市で独自に展開できること、いろいろあると思います。市民が心をそろえてこの事業に臨もう、こういうふうになるまでには大変地道な努力の積み重ねが必要だと思います。しかし、このように地域的な広がりという点でも、息の長さという点でも、ほかの地域では絶対にまねのできない壮大な取り組みです。たくさんの人たちの努力の集積が少しずつ形になってあらわれてきたなら、どんなにすばらしいだろうと思います。そして、その努力が50年、100年と受け継がれていったら、どんな平野をつくることができるのだろうかと、心を躍らせて取り組みたいものだと思います。市民の皆さんからいただいた提案への回答も含め、今後の取り組みに対する考え方についてお聞かせ願いたいと思います。
 次に、国民健康保険についての見解を伺います。
 今議会の議案にも示されているように、平成15年度の国保会計は赤字決算となっており、基金を取り崩すことになりました。また、合併協議会のホームページを閲覧しますと、「国保会計の税率と運営状況について」という表題の表があり、会計の平成18年までのシミュレーションが示してあります。今年度以降、いずれも赤字となっており、基金で対応できるのかどうかということが心配される内容になっております。もちろん、不確定な中身の多いもとでの予測は、先日、担当課長さんにもお聞きしましたところ、例えば今年度は所得割の税が増加傾向にあるのだというふうな話でもございましたが、予測は難しいのかもしれませんが、しかし、何がしかの見通しのもとでシミュレーションされたのだと思います。現時点での会計に対して、どのように見ておられるのか、考えをお伺いしたいと思います。
 高齢人口が増えるというばかりではなく、リストラの影響や、若者のフリーター化など、社会的には必ずしも歓迎されない要因による国保の世帯数が増えているようです。お聞きしましたら、砺波市で平成13年度に5,399世帯であった国保世帯が、今年度では6,054世帯へと増えております。同時に、平成13年度では1,099世帯だった軽減措置を受ける世帯が、平成16年度では1,602世帯へと増えています。国保世帯に対する割合は20%そこそこから26.5%になっています。実に国保世帯の4分の1以上の世帯が軽減措置を受けておられる、こういうふうなことでございます。
 このことを反映して、世帯数が増えているにもかかわらず、国保税調定額は平成13年度で9億1,300万円であったものが、平成15年度では8億6,600万円に落ち込んでおります。納税者が増えても、それが税収の増加には直接結びつかないのが現状です。明らかに、この間の不況のつめ跡と思われます。
 一部で景気の持ち直しの兆しが喧伝されておりますが、毎日の生活との違和感を覚えるのは私だけではないと思います。懸念されるのは、国保会計の赤字を理由に、安易な税率の引き上げを行うことによって、先々の生活に不安を抱いておられる人たちを、さらに希望の持てない思いにさせてしまうことです。何かあったら大変だから保険証だけは確保しておかないとと、そういう必死の思いで国保税を納めておられる方がたくさんおられる状況です。そういったことは何としても避けたいと思います。
 市でも努力しておられるように、重症化してからの受診にならないように、検診を充実させる。あるいは健康教室、生活指導や、健康体操、筋肉トレーニングなどの普及、そういった予防的な事業を積極的に行うなど、健康に生活する人たちの人口を増やし、医療費の増大を抑える努力も必要だと思います。いずれにせよ、病気に苦しむときに安心して受診できるかどうかは決定的であり、市民にその条件を保障することは、行政の最も大切な仕事の一つでないかと思います。その遂行のために、一般会計からの繰り入れも考慮に入れるべきだと思います。見解を伺いたいと思います。
 次に、下水道計画について質問し、考えをお聞かせいただきたいと思います。
 当市においては、下水道事業が公共下水道事業のほかに、農業集落排水事業や特定地域生活排水処理事業で行われております。栴檀山地域は一軒一軒に合併処理浄化槽を備え、その維持管理を砺波市が行う特定生活排水処理事業での下水道事業が進められています。さらに現在、当面すぐに下水道整備が見込めない、主に国道156号線以西の地域では、合併浄化槽の整備に際し、補助をするという対応をしておられます。
 私は、栴檀山地域以外での合併浄化槽の整備を、市の下水道事業として取り組まれてはいかがかと提案したいと思います。当市では、先の砺波商工会議所50周年記念事業の一環として取り組まれた「となみパワー博」にも合併浄化槽の展示をされるなど、その普及に力を入れておられます。市民の皆さんが、どの地域で生活していても公平に快適な生活が保障される条件をつくる上でも、生活排水などによる環境への負荷を少しでも早く取り除くということからも、砺波のような散居村では合併浄化槽の普及が大変有効だと思います。その意味で、この普及をさらに進めていただきたいと思うのですが、私は、このようにして設置された浄化槽の維持管理も砺波市が行うべきでないかと提案したいと思います。
 平成14年の3月に国土交通省、環境省、農林水産省が共同で「生活排水処理施設整備計画策定マニュアル」というものをつくりました。縦割りの弊害が指摘される行政で、3省が共同でマニュアルを作成したというのは画期的で、その前書きに書いてある「公共事業の効率化が強く求められているが、生活排水処理施設整備についてもその例外でない。過大な投資を避け、効率的な整備を図ることが重要である」、そういった思いのあらわれと受け取れます。
 従来は、公営の合併浄化槽による下水道事業の可能な地域を、例えば水源の上流地域など特定の地域に限定していたのを、枠を取り払って、どこでも実施できるようになりました。マニュアルでは、合併浄化槽について、「今後の生活排水対策の重要な柱として計画的に整備推進を図っていくことが重要である」と述べ、「合併処理浄化槽の整備対象地域が、下水道などの集合処理以外の地域とするといったような消極的な位置づけにならぬように」と、わざわざ断りを入れているほどです。
 砺波市の現行のやり方の継続は、必ずしもこの提起に沿ったものではありません。最大の問題は、せっかく公の補助も行って整備された合併処理浄化槽の維持管理が個人任せにされていることです。浄化槽の保守点検、清掃、法定検査など、これらがきちんとなされてこそ生活排水対策と言えます。行政が責任を持ってやるべきことです。
 当市では、公共下水道工事の区域でも、本管から80メートル以上離れているお宅では合併浄化槽を備えるのだということですが、その根拠は、先のマニュアルに基づく計算だということです。しかし、このマニュアルでは、経済効果比較の結果示される家屋間限界距離というのは、管渠にしろ、合併処理浄化槽にしろ、その維持管理は行政が行うという前提のもとに計算されたものではないでしょうか。見解を伺いたいと思います。
 最後に、介護保険の見直しが来年行われると聞いています。その中では、要支援や要介護度1など、比較的介護度の低い人たちへのサービスの見直しが検討されていると聞いています。不要な介護は自立を妨げ、かえって介護度の高い方に誘導するものである、こういった乱暴な議論がされているようですが、これは現実を全く無視したものであり、増大するこの層でのサービス需要を意識して、単に財源対策として打ち出したのだというふうに言われても仕方がないと思います。
 不要な介護が提供されているのかどうかは、営利を追求して不適切なマネジメントが行われていないかどうかをチェックして正していくべきことだと思います。一律に介護度の低い人たちへのサービスを打ち切る口実にはなりません。砺波市が、取りざたされているようなこのような見直しについてどのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
 私は、日々の生活でヘルパーさんの訪問を心待ちにし、それが断たれると生活に著しい困難を抱える方々の切なる希望を、ぜひともつなぐようにしてほしいと思いますし、砺波市もそういう意向であるということを強く国に対して示してほしいと思います。
 以上で質問を終わります。

◯議長(松本君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 境議員にお答えをいたします。
 まず、田園空間整備事業(仮称)ミュージアムということでございますが、この管理運営についてどうなったのかということでございます。この議論につきましては、砺波市に任せたいということです。任せたいということは、県は負担せんというような、そういう状況であったわけですが、県が計画して、県がお建てになるのだったら、県でやるべきでないかと、こういう私の考え方でございます。しかも、田園空間整備というのは砺波だけの問題でございませんので、広く砺波地方の田園空間をどうするかという主導的な立場にあるわけですから、県が責任を持つべきだと、このようにお願いをしておりますし、西尾さんもそのことについて県とも随分やりとりをやられたようでございます。
 先般、このことについて役割分担といたしまして、県の責任において管理運営の受け皿となるNPO法人等の組織をつくりたいと、県は関係市町村と連携して運営に努力すると、こういうことになったわけでございますので、あくまでも県が主体的に管理運営をするということになろうかと思っております。
 県は応分の負担をするとともに、合併後、南砺市の負担についても協議するようであります。南砺市は了解されるかどうか知りません。知りませんが、責任を持って合意を得られるように努力すると、このようになっていますから、もし、合意が得られないとすれば、その分、県が担当すると思います。
 私は、砺波市内にありますから、幾ばくかのサポートをしましょうと。全部知らん顔というわけにまいらんと思いますので。というのは、地域とのつなぎ性もございますから、その面で主体を県がとってもらうとすれば、市としてもサポートして、合理的に進めるべきだと、こういう認識に変わりございませんので、このことを申し上げておきたいと、このように思います。
 次は、田園空間というのは、今だけの問題でないんだと。後世に向かってどういう施策をどう展開するのかということでございます。おっしゃるとおり、先般の飯田議員の質問に答えましたように、新しく景観法が出てまいりました。景観法の中身は、どちらかといいますと、砺波地方の散居形態、それにターゲットを絞っておったようでございますので、ついては、この砺波地方に課せられた法律ではないかと、そういう意味で理解をいたしておりますので、散居村全体の保全、それと同時に、情報発信をする、そういうことだろうと、このように思っております。
 したがいまして、田園空間を守り育てていくセンターだと、私はそう考えております。その意味で、景観法の持つ基本的理念をここから発信するということも大切ではないか。したがいまして、田園空間を後世に残すということは大切なことだと、このように認識しておりまして、その辺は意見も一致しておるわけです。
 何よりも、農業として今発展してきたわけですね。そのことを忘れてはいかんと私は思います。したがいまして、農業の振興、それが基本になると、このように思います。やっぱり生産地という考え方をしなきゃいかんわけです。景観だけで飯を食えませんから、そのベースになる農村の振興を大事にすることが、おのずからこの田園空間整備を守ることになるのではないか、こんな理解を持っております。
 したがいまして、言いかえれば、農業・農村の地域づくりセンターだと、このようにも理解をしてまいりたい。ぜひそういう意味での御協力を私は賜りたい、こういう認識でいきたいと思います。
 それから、さらに、この施設につきましては、確かに有識者の皆さんや地元の皆さんの意見もございます。いろいろ協議もされておりますので、全部が合意しているわけでございませんが、私はこの施設について理解を求めるためのいわゆるソフト事業、おっしゃるような提案もございます。有識者の皆さんもそのように活動したいとおっしゃっておられますから、十二分にそれを利用していただく。それから、市内やあるいは圏域の皆さんだけではなくて、県外からも、市外からも大いに来ていただいて、その行事に参加してもらう方策を考えなければいけないと思います。ついては、体験活動。一時、私はグリーンツーリズムの拠点という考え方をしておりましたが、そういう思想も持った方がどうだろうかと、こう思っております。ぜひそんなことで、有識者の皆さんや、いろいろ今、話し合いをされております。先般も私の方へ御意見を持ってこられた方もございますが、皆さんの活動の場になればありがたいと、このように思っておるところでございます。
 次に、散居景観を生かした地域づくりの協定のことでございます。枝打ち費用等の補助に対する散居景観保全事業でございますが、砺波市は締結率が少ないと、こういうことでございますが、数からいきますと一番多いんです。というのは、17地区ございます。仮に庄東4地区を除きましても、結構、地域の集落の数があるわけです。だから、そういうことを差しおいて評価をいたしますと、パーセンテージでいきますと、それは少ないかもしれません。ただし、数から言いますと、随分多いんですよ。そのことをひとつ理解をいただきたいと思います。
 締結が今43あります。指摘されました井波が18です。したがって、地区数そのものが小さいですから、締結率が75%という数字、それは合うとるんです。合うとりますけれども、数からいきますと、私どもは43もありますから、そんなに悲観された言い方をされないで、ますます頑張ってくれと、こういうことにひとつ切りかえていただきたいと、このように思うわけでございます。
 いずれにしましても、このことについてもよく理解を求めて、皆さんで提携する。そういう意味でのコミュニティーを大事にすること、おっしゃるとおりだと、このように認識しておりますので、これからも働きかけていきたいと、このように思っております。
 それから、せっかくつくる、どこか秋田かどこかの例をおっしゃいましたが、私もそのように思っております。カイニョは、絵が描いてあっていろいろありますが、これを業者に全部植えてもらうというのは、私は芸当が薄いと思う。でき得れば市民の皆さん相寄って、逆に言うと、募金して、おれは植えてやろうかという気持ちの皆さんにそれぞれ植えていただいて、そのことがその地域を守る、そのミュージアムを守ることに私はなると思うから、その辺のアイデアをお互いに出して、市民自ら植える、こんなことでいかがなものか。基本的設計は、いろんな樹木がございますから、いわゆるここの特徴であるような、そういう樹木をやって、そして、おれも協力してやろうかというような皆さんがおられるとすれば、それを植えてもらって、そしてでき得れば、全部管理までいかなくても、活着するときまでに水をやるとかしてもらった方が、一つの施設としてのまとまりもできますし、施設を大事にする思想も生まれると思う。
 ぜひそんなことで、今お話ありました点では、利活用も広くしてもらうという意味で、そのようなミュージアム建設をしていきたい。植樹は大変なことでございますが、ぜひそんなことなど進めさせていただきたいと。
 前々から申し上げておりますように、この施設は学校教育の関係にも私は重要な位置づけがあると思う。その意味では、教育委員会ともタイアップして、総合学習等で利活用してもらうということも大事でございます。その意味で、小学生用の散居村に係る副読本も作成をいたしておりますので、そのことによって子供たちにこの散居村を理解してもらうことが大変重要なことだろうと、このように思っております。幾つか提案がございましたが、参考にさせていただきたいと、このように思います。
 そこで、その地域については、転作を除外してもらうために特区を設けたらどうかと。農業振興と散居村の保全が一体であるから、特区を設けたらどうかという提案でございます。これは以前に柴田議員さんからもこのような提案がございましたが、いろいろ検討しておりますけれども、なかなか難しい面がございます。その地域の特性といいますか、作目等の関係もあるんですね。国は例えばチューリップを主要作物に指定してくれればいいんだけど、チューリップはなっていないでしょう。富山県と私どもは作目として認定をしてカバーをしておりますけれども、そういう作目の関係があって、特区というのは国が決めることですから、その面ではちょっと難しい面がある。
 だから、地域性のことと、それから作物の問題と、もう一つは、この特区を全部に波及することができるかどうか。確かに特異性はこの地域はあるんですよ。ただし、特区を発令しますと、そうではない人もおるわけです。その面が1つございますので、研究はしますが、なかなか困難なことだろうと、このように思っております。
 いずれにしましても、優良農地でございますので、ぜひそのことを広く含めて、ミュージアムを含め、田園空間全体を考えて対処していただきたいと、このように思っておるところでございます。
 先般もお話ししておりましたが、この平野につきましては文化庁からも重要な地域として選定をされておりますので、後世に残していくということも十分考えていきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、国保会計について申し上げます。
 国保会計の単年度収支は、平成13年から実はマイナスになっております。それは御承知のとおりであります。平成15年度には、これまでのありました繰越金もなくなりまして、財調を取り崩すというようなことでございますが、財調がおかげさまであるものですから、今のところ、収支の面では調整をさせていただいておるということでございます。
 そこで、境議員さんから会計についての分析があったわけです。意見にもございましたように、リストラや若者のフリーター、そんなこともあって、国保の被保険者はどんどん増えてきております。7月1日現在で、平成14年度では1万1,655人の被保険者、平成15年度は1万2,088人、平成16年度はまた増えまして1万2,461人。おおよその数字から言いますと、平成14年から800人の増、昔で言うと800人というと小さい村一村ですよね。その分がここへどっと押し寄せてきているわけですね。そんな関係もございまして、被保険者が増加しているということ。
 もう一つは、国保税の調定でありますが、細かい数字は別として、今、平成15年度は8億4,800万円、8億4,900万円になりましょうか。それで、平成16年度は8億7,800万円ですから、平成16年度は若干増えております。これは家族が増えた、人数が増えたということですが、しかし、被保険者が増えた比例に従って上がったかというと、上がっていないんですね。というのは、給料の少ない人等々が入ります。そんなこともございますから、比例して国保税は上がっていないというのが現況でございます。ついては、その意味では、厳しくなるわけでございます。
 そこで、国は国保会計が大変だということで、国も大変なものですから、御存じのように、国保の被保険者70歳以上75歳未満については、医療負担が国保会計に移ったわけです。だから、国保会計はそういう年齢の問題、国の制度改正もございまして、医療費負担が実は国保にのしかかってきたということであります。私は経済不況の一因と、国の制度改正が市町村の国保にしわ寄せをした。大変遺憾だと。市長会でもこれは議論しているんですけれども、そのような制度に対して、今、反発をいたしておるわけです。
 こんなことなどございますが、いずれにしても随分厳しい時代を迎えております。境議員がおっしゃるとおりでございます。
 そこで、国保会計が赤字になったら国保税を上げるのでないかという御心配でございますけれども、市といたしましても、決して引き上げするということは思っておりません。したがいまして、抑制策はやっぱり健康事業であると思う。早期発見、早期治療で、そのことを積極的に取り組む必要が私はあると思います。それしかないんではないかと。いずれにしましても、高齢化時代ですから、横滑りで毎年上がっていきますね。これまで国が面倒を見たのを見ないということですから、人間も増えますし、負担も増えてくるということであります。
 従来、70歳以上については国が面倒を見たんです。今度は75でなきゃ面倒を見んという、そういう制度改正があったもんですから、どうしても膨らむということになるわけでございます。私どもとしては、健康センターをつくらさせていただきました。従来、富山市にありました健康増進センターへ行っていただいて、一日ミニドックをやったわけでありますが、今年から健康センターにその機能を移しておりますので、先般のデータから言いますと、受診者数は8月までに昨年の2倍、受診をしておられます。その意味で、予防事業に随分効果があるということになっておると思いますが、この辺のところを力を入れていきたいと、このように思います。
 それから一方、よく前から、不足したら一般会計から金出してやりゃいいねかと安易に言われますと、税金の低いものについての計算する方法ですから、これは一般会計から入れます。ただし、赤字出たら一般会計から国保会計へ出せと、こういう意見も実はあったわけでありますが、国保会計へ繰り入れるとしますと、税金をもらった皆さんに、いわゆる国保に加入していない皆さんからの税金をもらっているわけです。だから、税金の二重取りみたいになるんですね。だから、その辺のところ、不公平感が生まれると思いますので、制度としては繰り入れは私は無理だと思う。
 もう一度申し上げますと、赤字になったら、安易に一般会計から国保会計へ入れなさいと、こういう意見は前々あるんですが、それは国保へ入っていない皆さんからも市税をもらうわけですね。そうすると、その分をこちらへ入れますと、国保会計の皆さんと段差ができるわけ。不公平感が。だから、それはなかなか、私は承知しておりますけれども、そういうこともございまして、繰り入れは私は困難ではないかなと、このように実は思っております。
 そして、御心配の国保税率の見直しでありますが、当面は予防事業等に力を入れてまいりますので、医療費の動向も見なきゃいけません。その推移を見守っていきたいと、このように思っております。ただ、今、合併をいたしますので、合併時の調整が1つございます。そのこともございますが、当面は私は税率を見直す考え方はございません。今そのように思っております。できるだけ、合併しても皆さん方に負担感を増大するようなことでは、皆さんは異論があろうと思います。できる限り頑張りまして、税率を見直すようなことは考えておりませんので、その点、御理解をいただきたいと、このように思っております。
 いずれにしましても、この国保につきましては、不況ということと、もう一つは、国の制度改正、それによって地方自治体がしわ寄せを受けておるわけでございますので、このことについては、私どもの責任で国保会計が赤字になったとは私は思いたくないんです。いわゆる国の今の経済不況という関連、少しずつ右肩上がりになりましたけれども、ぜひそういう方向に転換してもらう。だから、もう一遍、国は70歳まで戻してほしいというのが私の気持ちでございますので、その点、御理解をいただきたいと思います。
 それから、次に、介護保険の見直しであります。
 現在、2005年の介護保険制度見直しを行われております。7月末に国の中間報告が出ました。それは、要支援、要介護の軽度を対象にして、従来の介護給付を新たな新予防給付に移行するという、そういう方向で公表されました。今はまだ中間報告の段階でありますが、内容的にはまだ十分知らされていないんですけれども、軽度の皆さんの新介護給付を考えるということであります。
 確かに、今、軽度の皆さんが増えてきているんです。こういう軽度の皆さんが増加しておることもございまして、国はどうもこの軽度については抑制を図りたいということではないかなと。今はまだ中身がわかりませんので、どうもその文言から言うと、要支援、要介護1については軽度ですから、これらの数字を抑えたいという気持ちがあるのではないかと、こんなことを実は思って心配をしております。
 それで、確かに現実、砺波地方介護保険組合でも、軽度の皆さん、要支援、介護度1の皆さんについても増加しておりますし、これが給付費も実は増加をしている状況であります。そんなことなどを見ますときに、今度の改正はどうもそこに焦点があるような気がいたしておるわけでございます。
 ただ、私は、要支援と要介護1の軽度介護者、これにサービスしなかったら、必ず介護度2、3に進むと思う。そのことを国は理解しているかどうか。これは固定するものではないですよ。いずれ要支援の皆さんは要介護度1へ行くわけですよ。どうしても行きますよ。要介護1からサービスしないと、給付して安心感を持って、自立で頑張ってくれというのは、要介護1だとか要支援の皆さんなんです。これにある程度サービス給付をしないと、私は進捗すると思う。かえって増えてくるおそれがあるような気がします。だから、国は一体現実を知っておるのかどうか。恐らく元気な皆さんだけでの議論だと思う。大学の先生だとか、病院の先生だとか、いろいろそういう議論をしておると思いますが、私はドクターでないからわかりませんが、素人の目から見ても、要介護度1とか、あるいは要支援とかいう人たちは進むと、こう思っておるので、そのことの議論が私はないのではないかな。とにかく抑制をしたいという考え方のようでございます。
 私はその意味で、従来の介護サービスを維持することが大切ではないか、このように今思っておるわけでございます。いずれにしましても、このことが増えてまいりますと、また保険料の値上げになりますので、ぜひ今の制度を、要支援、要介護度1も支援をしていって、そして自立に向かっていく保険体制というのは私はつくるべきではないか、このように思っております。
 なおまた、これらにつきましてのケアプランの作成ですね。マネージャーの質なんかもしっかりしていかないと、不公平感が出てまいりますので、その意味での、逆にその辺の制度をきちっとしなきゃいかんと。何でもかんでも給付するんだということではなくて、その辺のところを現実、我々がやっておりますところを見ていただいて、改正されるものは改正させていただきたい。どうも私の見当では、要支援、要介護度1等については、現実、増えてきているんですけれども、使い過ぎだというような状況でございますので、これは抑制したいということなんですが、何度も申し上げますけれども、これをとめますと、かえって私は逆効果があるような気がいたしますので、そのような考え方を持っておりますことを申し上げておきたいと思います。
 あと、下水道等につきましては、水道部長からお答えします。
 以上でございます。

◯議長(松本君) 答弁を求めます。
 水道部長 宮井 正君。
  〔水道部長 宮井 正君 登壇〕

◯水道部長(宮井君) 境議員の下水道事業についての御質問、市営の合併浄化槽事業を全市で展開できないかについて答弁申し上げます。
 現在、当市が進めております下水道整備につきましては、平成11年度に作成した下水道整備基本計画に基づくものであり、庄東地区は農業集落排水事業による整備とし、山間地である栴檀山地区は個人処理を基本として、合併処理浄化槽での整備手法を選択するとしております。また、庄西地区(庄川の西側区域)につきましては、集合処理を基本として、特定環境保全公共下水道事業で整備することが明記されております。
 このような状況を踏まえて、栴檀山地区以外の合併浄化槽の整備を市の下水道事業として取り組んではどうかとの議員の御提案につきましては、現在、和田川の水源地である栴檀山地区については市の管理が必要と判断をしております。それ以外の合併浄化槽補助地域は、おっしゃるとおり、生活排水処理施設整備マニュアルに基づき、家屋間限界距離80メートル以上、あるいは下水道の整備計画が10年以上ない区域としての北部地区については、合併浄化槽の設置について補助区域としているところであり、現時点では個人の管理としているところであります。
 これを市が整理、管理をすればどうかということになるかと思いますが、基本的には特定環境保全公共下水道の整備区域であり、当市は現在も工場進出開発行為により、多くの住宅建設が予定されること、また住民の要望も集合処理での整備を多くの方が望んでいることもある中で、一度、合併処理浄化槽での整備区域とした場合には、将来、集合処理下水道事業での整備ができなくなるということになります。
 以上のことを踏まえまして、現行のまま整備を進めていくべきと考えております。
 また、個人設置の合併浄化槽の管理がしっかり行われないのではないかという御質問につきましては、県の浄化槽協会とタイアップして、浄化槽の検査受検の指導強化、徹底を図っております。しかしながら、現在、富山県の水質検査の受検率が低いと聞いておりますが、当市の補助した合併浄化槽については、受検率100%となっているところでございます。
 補助した以外の合併浄化槽が今後とも適正な維持管理がなされるよう、砺波厚生センターと連携し、受検依頼通知等により徹底してまいりたいと考えております。
 今後、浄化槽設置数の推移を把握しながら、適正な管理ができる仕組みを検討してまいりたいと考えております。
 なお、公共事業の見直しや補助金の大幅カットが年々強化される現状では、整備手法の見直しは避けては通れないものと考えております。その点では、議員の御提案をも含めて検討される時期が来るものと考えております。
 以上でございます。

◯議長(松本君) 19番 前田喜代志君。
  〔19番 前田喜代志君 登壇〕

◯19番(前田君) 9月定例会トリを務めさせていただきます。
 地域福祉のパワーアップについて、まずお尋ねしたいと思います。
 地域の福祉力はどのような現状にあるか。どこの地域に住んでいても、同じように支え合いのある生活ができているか。総体として地域の福祉力が向上しているとしても、そこに地域差があるとすれば、遅れているところをどう引き上げていくか、その方策が必要ではないか。
 また、国は精神医療にメスを入れて、病床数の削減を打ち出しております。通院患者を支援するサービス拠点の準備、これについてはどのように考えているのか。
 地域の共同意識や近隣のつながり、家族関係の変化など、次第に地域を取り巻く環境が変化してまいりました。福祉の相談支援活動においても、保健や介護、医療、教育など他の分野との連携が重要になっており、民生委員、児童委員、個人の力だけでの対応では解決の難しい事例が増加しているのではないか。地域福祉を中心的に担い、大きな役割を果たしておられる民生委員、児童委員の活動について、次の点を伺いたいと思います。
 地域住民の福祉ニーズを日常的に把握したり、抱えておられる問題の相談や支援、関係機関などとのパイプ役となって活動いただいておりますが、相談支援件数はどのくらいを推移しているか。最近の傾向はどうか。この12月には、3年ぶりの改選を迎えます。1人の活動日数などはどのくらいになっているのか。地域内の世帯数の増加などに対応した民生委員定数の増はないのか。
 そして最近は、先ほどからも述べられておりますように、子供の虐待が社会問題になってまいりました。これについても、保育所、あるいは児童の健全育成活動、学童保育事業などとの連携も必要になります。行政の対応がスムーズにいかないと、問題をずっと引きずった状態の生活が続くことになります。その間で立ち往生するような場面がしばしばございます。複雑多岐にわたる専門的な相談機能の充実強化と、個人おのおののケースに合った行政の臨機応変な対応を求めたいのであります。
 次に、環境に配慮した清掃業務についてお伺いいたします。
 石けんを使った安全な清掃業務をどう進めていくか。このことですが、清掃に使われている大方の洗浄剤や界面活性剤は、環境汚染源の一つになっております。下水処理場においても分解されないで、河川や海洋に放出され続けている化学物質を含んでおります。それによる水生生物への将来にわたる影響が心配されております。
 砺波市は環境基本条例や環境基本計画の精神を踏まえて、この環境に配慮した清掃業務のあり方、清掃業務へのそうした改善が今求められております。
 次の点についてお伺いいたします。
 市では、床などの清掃業務にどのような洗浄剤を使用しているか。除菌剤や防腐剤などの添加物が入っているのかどうか。これらの添加物の成分が蒸発し、空気中に飛散して、人の吸う空気を汚染し、子供たちなどアレルギー症状の悪化につながります。
 委託業者の使用している業務用洗剤の成分はどういうものなのか。品名はあっても、成分内容の表示がないのではないか。製造者責任が問われている時代に、業務用洗剤には内容表示を義務化していない、このこと自体も問題であります。まず、内容表示の義務化を国に働きかけていただきたいのであります。
 また、廃液の処理方法はどのようになされているか。廃液を中和している業者もありますが、PHの調整だけでは化学物質の有害性が除去されるわけではありません。したがって、環境汚染をより低めていくためには、清掃業務に使用される合成洗剤をやめて、もっと分解性の高い石けんを使用する方法に切りかえが必要ではないか。
 洗剤問題の第2点目は、合成洗剤を使わない、石けんによる環境に配慮した安全な清掃業務に改善するためには、市役所の本庁だけではなくて、出先機関を含む建物の清掃全部について、洗剤対策の推進方針をしっかりと確立する。なぜそういうことが必要かということですが、学校などでは、市の予算だけではなくて、PTAや後援会の予算も利用させていただいて薬剤を購入している事例もございます。市の財政の執行伝票だけでは確認できないというものが出てまいりますから、洗剤対策推進方針を立てて、市のすべての機関で徹底していくことが必要ではないか。
 清掃業務が業者委託である場合には、この洗剤対策推進方針を遵守するよう、契約時の仕様書にもしっかり明記するべきではないか。
 これらの点について、改善の方向をどう具体化していくか、市長の見解を伺います。
 財政問題についてですが、平成16年度の市税の状況はどうか。
 今議会の市長の提案理由説明で、国の地方財政運営で財源不足は必至である。市税収入の増収は見込まれない。行財政の効率化の推進で市勢発展に努めると説明がありました。平成16年度市税の状況は、対前年比ではどのように推移しているか。また、当初予算の見積もりに対してはどのように推移しているか。
 一方で国の三位一体改革は、地方自治体からの圧倒的な批判にもかかわらず、地方自治権の拡充といった方向への転換は見られておりません。こうした動向に対し、行財政の効率化の推進を挙げられた市長の真意はどこにあるのか。地方交付税や国庫補助金などの大幅削減を乗り越えていくためにやむを得ないとの判断がそこにあると思いますが、砺波市がこれからも市民生活を守り、自立した自治体として存続、発展していくために、住民も汗を流し、行財政の効率化の取り組みが同時に、砺波市に住むことに誇りと愛着を感じられるまちにしていくという点で、成果の上がるように、ともに手を携え、きのうも市長から繰り返し答弁ございましたように、住民との協働をどう強めていくか。その改革方向を含んだ行財政の効率化、これをどう一つ一つ具体化していくかということが、これからの大きな課題ではないか。この点、市長の御所見を伺いたいと思います。
 そして最後に、地方交付税と合併特例債についてでございます。
 合併特例債についての質問がきのうからもございました。合併後の市の財政計画が示されておりますけれども、実際問題として、その財政の見通しはどうか。歳出で公債費が伸びていく。しかし、他方では、国の圧縮予算の影響が年度ごとに出てこざるを得ない。したがって、基準財政需要額も下がっていくことが十分考えられる。
 補助金が削減されますと、当然、基準財政需要も低まるということが並行して出てまいります。地方交付税に合併特例債の元利償還額が算入されたとしても、交付税交付額は、そのようなことから頭打ちになってくる。合併の建設計画に挙げられたおのおのの事業を十分に精査をして、実施に当たっては事業費総額を極力抑制していかなければ、交付税を借金の返済に回したら、あとの多様なメニューに充てる余裕が全くなくなってしまいます。市長はどのように認識されておりますか。
 今日まで全体として今、人口減少期。もう人口増の分水嶺は越えたといわれておりまして、富山県も減少期に入っております。当砺波市では、わずかながら増え続けている世帯数や人口の伸び。ここには、住みやすさ、育てやすさ、働きやすさ、楽しみやすさなど、これらの総合力でほかの自治体を超えるものが、このまちにはあると言えるのではないか。このよさを無理な財政運営で後退させてはならない。こういう思いから、無理な予算執行にならないように、合併特例債の適用に当たっては十分慎重にお願いしたいと思い、ただすわけであります。
 以上、簡単でございますが、質問にかえさせていただきます。

◯議長(松本君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 前田議員にお答えいたします。
 まず、地域福祉のパワーアップについての御意見でございます。
 今は少子高齢化時代でございます。ついては、家庭のあり方もいろいろ変化をしておりまして、議論のあるところでございますが、住民の皆さんは、福祉に対するニーズも多くなっております。増大もしております。また多様化もしております。その意味で、地域福祉のパワーアップということでございます。そのとおりだと思います。
 なお、この間、新潟、福島の洪水の問題、新潟の洪水問題、いずれにしてもひとり暮らしや老人の皆さんが犠牲になっておるわけでございます。その意味で、地域福祉ということを十分考えないといけないと。口先だけで助け合い、支え合いということではいけないと思っております。ぜひこのことを強調してまいりたい。稲垣議員さんからも、防災についての御意見がございました。これの原点は、行政がいろんなマップをつくったり、計画を立てたりしておりましても、隣近所の支え合いがないと、私は十分に行動が展開できない、こんな気がしてならないわけでございます。
 従来、福祉は、家庭福祉であったわけです。家庭の中での支え合いで福祉があったわけです。それが困難なら、親戚での福祉をお互いにやったもんです。それもなかなか困難なら、いわゆる集落福祉、隣近所で支え合ったという原点があったわけでありますが、近ごろ、そうとは言うておられんもんですから、一般的に社会福祉と、こうなったんです。だから、原点は、今、核家族やその他の問題があるし、若い連中はあまり認識がないですから、せめて隣近所の集落福祉というのは考えなきゃいかんなと。もう一遍もとへ戻って考えてもらう。社会福祉、社会福祉と全部言われますと、みんな行政におんぶするわけですから、この辺のところを、おっしゃるような地域福祉のパワーアップということになるんではないか。
 ついては、これらを醸成する体制として、地域住民はもちろんですが、それに関心の深いボランティア、それから制度的に委員を発令しております民生・児童委員等々、中心になって構成をしていかなきゃならない。今、各地区に福祉協議会をつくっていただいております。大変ありがたいことでございますので、そこにはもう一度皆さんでしっかりやろまいかという体制づくりをしていただくことが、何より大切ではないか。それの指導援助を社会福祉協議会にお願いしておるわけです。各地区からも、理事さんも出ております。代議員さんもおられますから、その人たちが中心になって、この集落、地域におけるパワーアップをしてもらいたいと、私はそのように認識しておるわけでございます。
 民生・児童委員は名誉職ではございません。大変御苦労されております。市民との接点もあるわけですね。どうかすると、従来、おれは民生委員でという名誉職の感覚があったけど、今はそれは一切ないはずです。研修もやりまして、十分認識をしていただいております。
 私は常に申し上げておるのは、住民との接点をお願いしたいと。ついては、皆さんも研修してもらいたい。ボランティアですから、専門的な勉強をしていただくのは大変でしょうけれども、せめて研修会や協議会や研究会に出ていただいて、いろんなケースを勉強していただきたいと、そういうことを申し上げております。そのことによって、福祉制度の制度を生で精通することができるのではないかと、このように実は思っておるところでございます。ぜひそういう気持ちで今後とも対応していただきたいと思います。
 今冬の雪がどっと降りました。つきましては、民生委員さんに、ひとり暮らしであったり、あるいは老夫婦の家庭であったり、全部出向いていただいて報告を受けました。その意味では大変ありがたいと思いますが、民生委員さんだけの仕事でないと思います。それを支えるのは住民だと思う。民生委員さんも住民との接点を持つ。住民も、でき得れば、支え合い、集落福祉という意味で、ちょっと声かけをしていただいたり、戸をたたいていただいたりすることが、これから大変重要なことではないかと、このように思っておりますので、言われるパワーアップについての基本的な理念は、そのように考えておるところでございます。
 あと、民生の問題でお聞きの点については、民生部長からお答えいたします。
 次は、財政問題であります。
 まず、市税の見通し等については、先にも述べたとおりでございます。市税全体の見通しにつきましては、今、年度の半ばでございますので、正確には申し上げることはできませんけれども、恐らく平成15年度決算、今度、決算を皆さん方に認定をするために提案をしておるわけですが、減収は避けられないのではないかと思っております。残念ながら。
 少し細かくなりますが、本年度の当初予算と比較しますと、何とか当初予算、厳しく査定したこともございますけれども、健全財政を維持したいものですから、厳しく査定した面もございますが、その比較でいきますと、確保できるのではないか。平成15年度よりも少なくなるんですが、今度の当初予算は十分私は確保できると、このように確信をいたしております。いずれにしても赤字にならないようにしていかないと、赤字で合併したなんて言われると、議員さんも私どももしかられるわけですから、ぜひ赤字にならないように努めてまいりたいと、こう思っております。
 税目別に見ますと、個人市民税では前年度決算に比べまして5,000万円の減収になる状況であります。5,000万、大きいですよね。その理由といたしまして、所得の減でございます。依然として給与所得が上がりません。したがいまして、減少。上がるどころか、やめられた方というのは課税できんわけですから、従来、特別徴収でさっといただきましたが、そんなわけにもまいらなくなりました。その面で少なくなる。
 それから、次は固定資産税でありますが、固定資産税は税収のウエートも一番大きいわけですが、同額か、少し上回るかということです。これもこの前、説明いたしましたように、土地の値下がりがございまして、その調整をいたしました。したがいまして、相対的に下がるわけですね。ただ、今、おかげさまで開発行為等が出てまいっております。あるいは、区画整理等で整備をしていただきました。その上に、田から宅地になり、宅地から物が建つという、そういう状況でございますので、少し上回るのではないかと、このように存じております。それから、軽自動車税につきましては、ほとんど同額と思っております。
 これから決算期を迎えます企業等の動向も見なければなりませんが、この動向を見ておりますと、法人市民税も現段階では前年度並みか、でき得れば、今、右肩上がりと、このようにいわれておりますので、少し上回るかなと、こんな状況でございますので、少し細かくなりましたが、申し上げたわけでございます。
 そこで、おっしゃるとおり、行財政の効率化を図るようにということでございます。一般財源が重要なところでございますけれども、この税収そのものがそのように上がってまいりませんので、おっしゃるように行財政の効率化をしなければならない、このように思います。つきましては、これも御意見にございましたように、住民との協働、行政も住民との協働を進めていくということが大切であろうかと思います。市民もこの立派な郷土をみんなで守ろうという認識に立っていただければ幸いだと、このように思っております。
 合併に当たりましては、きのうも申し上げましたが、幾つかの柱をつくりました。この柱をつくるに当たりましては、それなりに進めなければなりませんが、でき得れば、皆さん方の御協力をいただいて、これも協働作業によるまちづくりというものを進めた方が、より一層効果が上がるし、利活用もしていただけるのではないか、このように思っております。
 御意見十分尊重いたしまして、施策に反映させていただきたいと、このように思う次第でございます。
 次に、地方交付税と合併特例債について申し上げます。
 新市財政計画では、歳入歳出の各項目を過去の砺波市と庄川町の実績や、今度提案しております平成15年度の決算等に基づきまして積算をいたしております。そして、健全な財政運営を基本として、10年間の計画を立てたわけでございます。10年間計画を立てましたが、新聞紙上、いろいろ議論されております経済財政運営、構造改革に関する基本2004、具体的には三位一体でありますが、この実現に向かって補助金等の削減はさらに強化されるのではないか。削減されてもいいんですけれども、税源移譲、明確ではないというのが現実でございます。したがいまして、このことがどう影響するのか。十分考えていかないと、難しい問題も発生するのではないか、このように実は思っておるわけでございます。
 それから、地方交付税制度につきましても、議員の御心配の点についてはよくわかります。財源保障と財源調整の2つの機能を持っておるわけですが、引き続き、両機能を国が本当に認識しているのかどうか。ぜひ従来の交付金制度の基本理念は守っていただきたい。ただし、頭から6%、今度も6%、そのことが本当にいいのかどうか。しかも、これまで、例えば地総債を使った場合には、その半分は元金も利子も見てやるという約束があるんですが、どこへ消えていったのかね。どうも国はうそつきみたいな気がしてならないわけですから、あんまり信じられませんが、ぜひそういうことを堅持してほしい。確かにその上には構造改革2004という、そういうものを閣議決定していますので、それでいくんでしょうけれども、前の約束がどうなったのか。いささか私どもとしては理解に苦しむところでございますので、市長会等でもこのことについて問題視をしておるわけですが、どうも十分な手当てをしていただけないのではないか、このように思っております。
 なお、今度の新市建設計画につきましては、県を通じて総務省に行っておるわけですね。それが全部コピーで流れまして、交付税課、あるいは地方債課、それぞれ全部、調整課を含めて出回っておりますので、理解をしていただいておると思いますが、どう動くかによっていろいろございますので、今、前田議員心配の点は多分に私も心配しております。そこで、特例債も地方債です。特別扱いのそこだけ赤いお金が回るわけではございません。同じ地方債です。ただ、理論としては、財源にもプラスしてやるよという、そういう特例法上の措置がございますけれども、いずれにしても借金でございますので、このことを十分念頭に置いて慎重にやらないといけないと、このように思っております。おっしゃるとおり、その点を認識をしていきたいと、こう思っております。
 おかげさまで、合併を目前にして、先日、平成15年度の一般会計の決算を認定してもらうことで提案しておりますが、良好な繰越金が出ております。このことは、平成16年度、そして新市スタートの予算にも影響いたします。そんなことから、厳しい折でございますけれども、余裕を持った財源として理解をしていただけるのではないか。恐らく決算認定をしていただけると思いますが、そのような繰越金を出したことで、ほっといたしておるわけでございます。議員各位の皆さんの今後の御協力をいただきたいと、このように思っております。
 平成16年度は、10月31日で切ります。その後は暫定予算でいきます。暫定予算も前もって決めておりましたことで、新しいものは一切入れません。暫定予算でございます。必要なものだけ予算化をして、そして11月以降の専決でもって処理をして、あと執行してまいります。そのことについては、特例事項で皆さん方議会で議決をしていただいて、執行するということになります。したがいまして、平成15年度の繰越というのは随分有利な財源になるわけです。そのことを含めて、そのあと、平成16年度の終わりの方の本予算を組むことになると思いますが、その点でまた御協力したいと思います。御指摘のありましたことにつきまして、十分配慮しながら執行してまいりたい。そのことをお約束を申し上げて、答弁といたします。
 あとの質問につきましては、助役、民生部長からお答えをいたします。

◯議長(松本君) 答弁を求めます。
 助役 野村泰則君。
  〔助役 野村泰則君 登壇〕

◯助役(野村君) 前田議員御質問のうち、環境に配慮した清掃業務について、5点ほど御指摘がございました。お答え申し上げます。
 現在、市が委託をしております清掃業者は3社でございます。それぞれ洗剤を使用しております。いずれもアルカリ洗剤で、無リンのものであり、防腐剤、除菌剤は含まれていないことを確認をいたしております。
 そこで、その成分を確認いたしましたところ、エタノール、非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、それから脂肪酸、金属イオン封鎖剤、染料、香料、水等でございます。御指摘のとおりに、洗浄剤の容器に成分の表示はありません。学校施設の清掃に関しては、製品安全データシートの提出を求めて、その洗剤成分の確認を行っております。議員御提案の業務用洗剤容器の内容成分表示につきましては、確かに必要なことだと存じております。これは砺波市だけの固有の問題ではなくて、これは全国的な問題でありますので、今後、提起をしてまいりたいというふうに存じております。
 また、清掃業務により発生した廃液は、布やモップでふき取り、そして下水道へ排出しておるのが現状でございます。これは産業廃棄物として分類されるべきものでないかというふうに存じております。これからはそういうふうに指導してまいりたいというふうに思っております。
 それから、分解性の高い洗浄剤への切りかえにつきましては、市販の製品であるのか、あるいは清掃の効果があるのかどうかということが今のところまだわかっておりませんけれども、切りかえが今の時点で可能であるかどうか。これは課題として次の契約時にそのあたりを研究して取り組んでみたいというふうに思っております。
 それから、洗剤の対策推進方針を確立すればどうかという御提言であります。当市の環境基本計画では、きれいな川、水辺の自然を守り育てるまちづくりを掲げておるということでございます。その中で農薬や合成洗剤使用量を削減して、地域ぐるみで河川美化を推進することを目指しておりますので、議員御提案の洗剤対策の推進を目指した手法について検討してまいりたいと考えております。
 今後の清掃業務委託で環境面、健康面に配慮した洗剤の使用を仕様書に明記いたしまして、契約の際には、使用する洗剤のデータをチェックして、その対応策を検討してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

◯議長(松本君) 答弁を求めます。
 民生部長 小西竹文君。
  〔民生部長 小西竹文君 登壇〕

◯民生部長(小西君) 前田議員の地域福祉のパワーアップについてのうち、民生委員、児童委員の人数や任期などの実態、それから活動内容についてお答えいたします。
 民生委員、児童委員は市町村の民生委員推薦会を経まして、都道府県知事が推薦し、厚生労働大臣が委嘱することになっております。委嘱期間は3年間でございまして、今年11月末が現委員の任期となり、新委員の推薦について、現在、手続中でございます。
 民生委員、児童委員の1人当たりの活動日数は、昨年度では平均110日となっております。民生委員、児童委員への相談支援件数は平成9年度が2,221件、委員1人当たり28.8件、平成12年度は1,780件、委員1人当たり23.1件、平成15年度が1,571件、委員1人当たり20.4件と、やや減少ぎみに推移しております。これは介護保険の導入に伴いまして、要援護高齢者の相談がケアマネジャーの方に移っていることによるものでございます。高齢化はもちろん、核家族化や地域連帯感が薄くなってきておりますので、民生委員の仕事はいわば福祉のデパートのようになってきております。介護以外のその他の相談件数ですが、支援件数とも増加傾向にございます。
 市内の民生委員、児童委員の定数は、区域を担当する民生委員、児童委員72名、主任児童委員が5名の合計77名となっております。区域を担当する民生委員、児童委員の配置基準でございますが、10万人未満の市では120世帯から280世帯まで。砺波市の現在の定数の平均担当世帯は168世帯でありますので、世帯数が増加しているとは言いますけれども、基準内であるということで、定数増とはならないものであります。
 ただし、近年、児童問題がいろんな面でクローズアップされておりますことから、主任児童委員は現在5名でございますが、次は10名に増える予定になっております。
 以上でございます。

◯議長(松本君) 以上で通告による質問並びに質疑は終わりました。
 ほかに質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(松本君) 質疑なしと認めます。
 これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。

◯議長(松本君) ただいま議題となっております議案第50号から議案第72号まで、平成16年度富山県砺波市一般会計補正予算(第2号)外22件及び報告第11号 専決処分の承認を求めることについては、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の各常任委員会並びに決算審査特別委員会に付託いたします。

◯議長(松本君) 次に、日程第2 政府米の買い入れと、備蓄を充実させる意見書提出を求める請願外3件については、お手元に配付してあります請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。

◯議長(松本君) これをもって、本日の日程はすべて終了いたしました。
 お諮りいたします。明9月16日から9月23日までの8日間は、委員会審査等のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(松本君) 御異議なしと認めます。よって、明9月16日から9月23日までの8日間は、休会することに決定いたしました。
 なお、次回の本会議は、9月24日午後2時から開会いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
 どうも御苦労さまでございました。

 午後 2時52分 閉議