1.会議の経過
午前10時02分 開議
◯議長(石田君) これより本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。
◯議長(石田君) 日程第1 決算審査特別委員会の設置についてを議題といたします。
お諮りいたします。平成14年度に属する砺波市各会計の決算を審査するため、10名の委員をもって構成する決算審査特別委員会を設置することにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(石田君) 御異議なしと認めます。よって、10名の委員をもって構成する決算審査特別委員会を設置することに決しました。
続いて、委員の選任についてお諮りいたします。
ただいま設置することに決定されました決算審査特別委員会委員の選任につきましては、委員会条例第6条第1項の規定により、指名いたしたいと思います。
1番 飯 田 修 平 君
3番 柴 田 智 君
5番 寺 島 良 三 君
7番 松 本 昇 君
9番 私 石 田 隆 紀
10番 高 田 隼 水 君
14番 西 尾 英 宣 君
16番 柴 田 豊 明 君
18番 吉 澤 邦 麿 君
20番 梶 谷 公 美 君
以上、10名を指名いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(石田君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました10名の諸君が決算審査特別委員会委員に選任されました。
◯議長(石田君) 日程第2 市政一般に対する質問、並びに議案第57号から議案第62号まで、平成15年度富山県砺波市一般会計補正予算(第2号)外5件についてを議題といたします。
これより、市政一般に対する質問、並びにただいま議題となっています案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
12番 堀田信一君。
〔12番 堀田信一君 登壇〕
◯12番(堀田君) それでは私の方から、通告に従いまして、5項目にわたり安念市長、堀田教育長、津田民生部長に質問と要望、提案をさせていただきたいと、このように思います。
さて、市町村合併でありますが、砺波市と庄川町の両首長が手を組んで、合併協議会を初め、各諸団体も合併に向けて一生懸命日夜精力的に努力をしていただいております。安念市長初め市当局の皆様方、それからまた関係の市民の皆様に心から敬意を表したいなと、このように思うわけでございます。
また、先般、8月31日に「新市まちづくりシンポジウム」が砺波市文化会館で行われました。テーマは「いい花咲かせよう!個性を活かしたまちづくり」といたしまして、松野幸信瑞穂市長から「瑞穂市誕生のあれこれ」ということで大変含蓄のあるかなめのきいた御講演を賜り、私ども議員も全員が出席し、非常にいい勉強にもなりました。また、両市町の諸団体代表の6名の方々がそれぞれの立場から、これからの新市に向けての考えや提案を賜りました。聞いています私どもも含めまして、すばらしい新市をつくるために一生懸命努力をしていかなければならないと、このように思ったわけでございます。
さて、合併につきましては、期日といろいろな取り決めを決めて今日まで臨んでいただいております。また、市当局も細部にわたりまして、それぞれがその分野の取り決め等協議をしていただいておりますし、また一つ一つ成果の上がる詰めもしていただいていることを大変うれしく思いますが、その中で、新しい砺波市のイメージづくり戦略ということも大変大事ではないかなと、このように思うわけでございます。
私どももいろいろと調査をしてまいりましたが、合併をされた新市では、合併記念にこういうことをしようじゃないか、ああいうことをしようじゃないかとか、いろいろな記念行事をなさっておられます。インターネットでもホームページ等にも載せていらっしゃるわけですが、これからの時代につきましてはハードからソフトということが私は大変大事ではないかなと、このように思っている一人でございます。
その中で、市町村合併は、人間社会に例えますと結婚と同じでありまして、合併の記念として後世に伝えるモニュメントを設置してはどうかと、このように思います。合併後の新市は順調に進展し、幸せな市民の暮らしに満ちているということを象徴するものでなければならないと、このように思うわけでございます。そのモニュメントは、例えば出会った2人の幸せをかなえる象徴ともなるであろうし、多くの人々が全国から訪れる名所となれば大変いいものになると、このように思うわけでございます。
特に今回、さきわい(幸)というような、鐘というような言葉も聞かせていただきましたが、いろいろなことを調べてみますと、古い言葉で「さきわい」という言葉が出てまいりましたが、祝詞等でも出てまいりますが、さきわい奉れとかいろいろ出てまいりますが、幸せになる、栄える、咲き合うとか、いろいろとこれからの私どもの新しい市のプラス思考のイメージが沸いてくるように思うわけでございます。
特に、記念撮影のフォトスポットとなることも重視した、例えばハート型におさまるチューリップのモチーフや、それからまた庄川町のカラーである水と木を考えてみるとか、こういうことも大変大事ではないかなと思いますし、最近とみに増えてきましたデジタルビデオやデジタルカメラでの動画撮りなどのためにも、鐘の音は重要な要素になるのではないかなと、このように提案をさせていただきたいと思うわけでございます。お考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に、新しい砺波型の、市民と行政で新しいまちづくり運動を広げていかなければならないのではないかなと、このように思うわけでございます。まちづくりも行政主導であってはいけませんし、また住民だけでやっていてもいけません。これからは市民、そしてまた企業市民、そして行政と三位一体になって新しいまちづくり運動の大きなエネルギーをつくっていかなければならないのではないかなと、このように思っているわけでございます。
例えて言うならば、ごみ、雑草等も、これまでごみゼロ運動等いろいろなイベントとか、そういう形では行ってきたわけですが、日常のごみや空き缶を拾うとか、例えば街路樹の下のごみを取っていくとか、こういうようなシステムも考えていかなければならないのではないかなと、このように思うわけでございます。こういうことが環境や景観を考えるというような一つの市民運動になってもらえばいいなと、このように私は提案をするわけでございまして、そういう新システムづくりについて安念市長のお考えをお聞かせいただきたいと、このように思います。
次に、2項目目でございますが、新市の建設計画についてお尋ねをいたします。
砺波市も、農業やいろんな問題で関係者の方々が大変な努力をしながら、今日まで進めてきていただいております。また、砺波の基幹産業であるチューリップの栽培農家の後継者問題、こういう問題につきましても大変頭の痛い難しい問題もあり、砺波市は安念市長のお考えで農業公社を設立しながら、各方面にわたっていろいろな展開もしていただいております。その辺は大変敬意を表するわけでありますが、砺波市も庄川町もやはり花や花卉、そういうような花と緑をしっかりと大切にして、そういうような農業関係の技術者の育成が必要であります。そのために、養成機関として花卉緑化大学または専門学校を誘致することも必要ではないかなと、このように思うわけであります。
そういうような学校機関は、遊休資産となっている農家や家屋を活用しまして建設コストの低減を図りまして、また講師陣等は、今までの地元の農業経験者等を先生に活用するなど、地元と密接な関係を持つ大学、専門学校等の機関を目指してはどうかと考えますが、安念市長のお考えを聞かせていただきたいなと、このように思うわけでございます。
なお、御存じのとおり、県内でも3つの国立大学が来年4月から、国の直轄から独立した法人にする、国立大学法人法のもと、いろいろと研究をなさってきておられますが、一方では、平成16年度で新たに18校の大学を設置する申請が出されております。それは、これからの時代の先取り型を目指した大学研究機関を設置しなければならないというようなこともあるのではないかなと思うわけでございます。
また、誘致に関しましては、109年の伝統を持つ東京農大の、例えば砺波キャンパスを設けていただくというのも一つの手ではないかなと、このように考えるところでございます。お考えをお聞かせいただきたいと、このように思います。
なお、大学関係も大変かもわかりませんが、政府も構造改革特区推進本部等ではいろいろな感覚で新たな挑戦もしておられるようでございますので、よろしくお願いしたいと思うわけでございます。
3番目でございますが、新しいまちづくりも含めまして、人づくりは大変重要なテーマではないかなと、このように思うわけでございます。特にこれからの中学生、小学校を終えて中学生たちが、自分たちの基本的なことが終わった後、ふるさとをしっかりと見直す、ふるさとの再発見、そしてまた新たな発見をするということも私は大変重要なテーマではないかなと、このように思うわけでございます。
この4中学によるサマーステイ事業の提案と申しますのは、砺波市内3中学と庄川中学を入れた4中学においてサマーステイをする。今日の教育問題は、そしてまた家庭教育問題もいろいろな分野からいろんなお話もございますが、とかく自分の子だけはいい学校へ入れて、いい大学へ入れて、いい就職先につかせたい、人のことより自分の子が大事だと、こういうような考え方もあるようであります。そうではなく、他人の子供も自分の子供と見て家庭教育をしてやる。そしてまたいろいろな中学生の悩みも聞いてやる。こういうことも私は大変重要ではないかなと、このように思うわけでございます。もちろん行政主導であってはいけないと思います。やはりPTAの皆さんや中学生諸君の皆さんとともに、市内の4中学が、新たなエリアになります砺波市と庄川町のふるさとのよさを発見していくというようなテーマで取り組みをされることはどうかなということを教育長に御提案をいたします。
次に、中学生のマイカー送迎の実態と改善策について御質問をさせていただきます。
平成12年に、これは3年ばかり前でございますが、市内の砺波市中学校PTA関係者で、あまりにも目立っておりますマイカーでの送迎実態を調査しようじゃないかということをPTAを中心にやってみました。これは小学校のときはほとんどマイカー送迎はございません。砺波北部小学校でも非常に遠いところもあります。庄東小学校でも遠いところがあります。その距離に応じて公的なバスの送り迎えもあるわけなんですが、中学校に入ってしまうと、どうしても塾へ行ったり、またクラブ活動等も含めまして、晴れた日であろうが雨の日であろうが、構わずマイカーで学校の校門前まで送るとか、いろんな実態があります。そういう中で、子供たちはどう考えておるのか、両親はどう考えているのか、こういうような考え方でアンケート調査をしてみました。
中学生の中には「送ってもらうというのはおかしいんではないか」「送ってもらって当然」。両親の中にも「うちはうち、一々そういうことにPTAが構うことはないだろう」と、こういうような意見もありますし、お母さん方には「学校がしっかりしていない」というようなアンケートの声もございました。
私もPTA関係のことをやってまいりましたが、これは砺波市内のみならず県下すべてでありました。また、全国のPTA関係のところへ行ってみましていろんな方々に意見を聞いてみましたところ、こういうことは全国で行われているんだなと、このように認識を新たにいたしました。「郷に入れば郷に従え」という言葉がございます。決まりを守る、そういうことも私は大変大事ではないかなと。ある方にそういうことを相談しましたら、「堀田君、富山大学の附属小中学校の校門へ君、朝行ってみたまえ。どうしているかを見て来たまえ」というようなアドバイスをいただいて、見てまいりました。4、5日あいをとって行ってまいりましたが、先生方が約5名出ておられまして、子供たちに「おはよう。いい顔をしているね。きのうはどうだった」と、こういうように声をかけて子供たちにあいさつをしておられました。周りを見ましたら、マイカーの送迎は一切ございませんでした。
私はこれも一つの手かなと思うんですが、先生だけに任すということもどうかと思いますが、まずこの実態を何か改善していかなければならないと、このように思うわけでございます。教育長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
4項目目に移りたいと思いますが、砺波市健康センターについてでございます。
砺波市健康センターにつきましては、全国に例のないこのことに、室長初め取り組んでいただいておりますことに大変うれしく思っている一人でございます。とかく健康な人は、「おれは大丈夫だ。だからいいんだ」という自信を持って、検診等をなさらない方が若く死に至る方もいらっしゃいます。
今回、健康センターでは、2階では、今まで市役所の中で行われておりました業務を向こうの方に移すということでございますが、3階では、新たに1次検診を行う検診センターが予定されておりますし、また、前の議会でも設備関係についても議決をしたところであります。
この検診センターは何月何日から稼働されるのか。例えば来年度の4月1日からもう実施できるのか。また、人員配置はどのようになるのか、体制はどうなるのか、この辺についてもお聞かせいただきたいと思います。また、日帰りドック関係は砺波市民の方々は大体どれくらいの方々がお受けになっているのか。いろんな保険もありますので、その辺がもしお調べが済んでおられればお聞かせいただきたい。
また、今度の新しい健康センターでは、年間目標数をどれくらいと考えておられるのか。そして、学校週5日制になりましたから1日当たり何人ぐらいを予定されるのか、この辺もお聞かせいただきたいと思います。また、費用についてはどれくらいの費用がかかるのか。それから補助制度をお考えなのか、この辺もお聞かせいただきたいと思います。
それからPR対策はちゃんと考えていかれるのか。と申しますのは、私の考えですが、できれば砺波市民以外も受け入れていただければ、砺波総合病院との連携による保健、医療、福祉関係についても大変いい考え方が生まれるのではないか。また、新しいビジョン関係もお聞かせいただきたいと、このように思っております。
最後に、水についてお尋ねをいたします。
まず最初に、今後の水道料金についてお尋ねをするわけですが、水については、一部事務組合、砺波広域水道企業団で約30年前から取り組んできたわけでありますが、私もその関係議員の一人でございますが、企業長初め各理事の皆さん、そしてまた職員の皆さんも真剣に取り組んでいただきまして、供給料金が下がってきたということは大変喜ばしいことではないかなと思っております。平成12年度では供給料金は75円でございましたが、平成13年度、14年度、15年度と70円に落としていただいております。
また、先般の議会では、企業長を初め理事者の皆さん方の将来計画の中では、これからの返済関係も含め、もっとお安く供給ができるんではないかなというような形で話が出ておりました。50円というような声も聞きました。我々議会も一部心配もございますが、しかし、おいしくて新鮮な、安全な水を安く提供するということは大変大事なことではないかなと思うわけですが、砺波市の水道料金としては、来年度の予算関係もございますが、安念市長はどのように考えていらっしゃるのかもお聞かせいただきたいと思います。
最後に、庄川の恵みでございますが、地下水の商品化で新しい砺波市のブランドづくりに取り組んでいかれるのも一つの手ではないかなと、このように思うわけでございます。この水につきましては、環境庁が全国名水百選等も選んだり、県下では4カ所も名水があるわけでございまして、おいしい水の条件でもいろんな項目もございますが、富山の水自身がおいしいと言われております。そのような水を全国に発信するということを企業として取り組んでいくことも、私は、挑戦という意味で大変大事な取り組みではないかなと、このように思うわけでございまして、安念市長のお考えをお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。
◯議長(石田君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念君) 堀田議員にお答えをいたします。
まず、合併について敬意を表されました。大変恐縮しておりますが、本番はこれからではないかと、このように思っておりますので、アイデアに富む堀田議員のこれからの応援も、冒頭にお願いをしておきたいと思います。
さて第1番に、新市のイメージづくりについて御質問がございました。砺波市と庄川町の合併によりまして、両市町民が幸せな暮らしができるように願いを込めて、さきわいの鐘の設置など提案をされたわけであります。
合併は、市民、町民が協力し合ってまちづくりをするというのが大原則でございます。したがいまして、その記念となるべきモニュメントがあってもよいのではないかと、こういう提案でございます。現実的には、今は少子高齢化の時代でございますし、地方分権を確立しなければならない。そういう意味での行財政力を身につけるまず合併が必要だろうと、このように思っております。したがいまして、甘い夢ばかりを追うというのも、今日の現状から、私は厳しくとらえなければいけないということも胸に秘めておるわけでございます。
そこで、御提案がございましたさきわいの鐘といいますか、幸せの鐘といいますか、そのようなモニュメントについてでありますけれども、砺波市も庄川町も市制、町制をしいて50年を記念いたしておるわけでございますから、その提案から、そのことをも含めまして、鐘かドラムか知りませんけれども、それが本当にいいのかどうか、記念碑的なものがいいのかどうか。あるいは、発言の中にございましたように何か名所づくりをしたらいいのではないかと。このことについては、議会の皆さんもそうですが、広く市民の皆さんの意見も聞いてみたいと、このように思っております。そしてそれが砺波市民、庄川町民の幸せにつながるものでございましたら、何とか皆さんで、どの方向に進むのか協議し合って建設することも大切ではないかと、このように認識いたしております。
ただし、イメージという語源から、私の理解でありますが、イメージというのは心に描く風景や心温まる歴史的な情景という語源があるようであります。したがいまして、私はちょっと古くさいかもしれませんが、逆提案になりまして大変恐縮でございますけれども、語源からいいまして、特に堀田議員さんの太郎丸地区を思うにつけまして、旧制中学時代、高校時代は物がなかったものですから、歩いて鷹栖から深江へ来て、深江から太郎丸へ来て大門へ来て、家へ帰った思い出があるわけでありますが、この太郎丸地区というのは実に素朴で忠実で、そしてすばらしい屋敷林があって、そういう原風景を目の当たりにしております。したがいまして、田園風景も一つのイメージではないかという勝手な解釈をいたしております。区画整理もされてすばらしいまちになったんですが、山王川沿いの桜の木であったり、少し悪いこともしたんですけれども、どんどこで遊んだりしたあの太郎丸の原風景を考えますときに、イメージとしては、そういう大事なイメージを壊さないことも重要ではないかなという感じが私はしております。
そこで、逆提案でありますけれども、先般、出町市街地の区画整理がやっと終わりました。やっと清算をして登記する段階になりましたが、この際、出町の基礎をつくられて町建てをされました、例えば次郎平さんを顕彰するものを──区画整理内に公園をつくったわけですが、そこにそんなものを設置することが、堀田議員さんがおっしゃったことを思うにつけて、あってもいいんではないかなという感じがしております。ただし、その際は、どこの土地区画整理組合も公園をつくって、いわゆる記念すべき碑なども建っておるわけですから、私は、区画整理管内の皆さんの浄財があって、そんなものをつくることが大事ではないかなと、こんなことを思ったりもしております。このことも、いわゆるもともとの杉木新町から出町になったときが、神島から深江から太郎丸がみんな一緒になって出町をつくられたわけですから、その中心地となったことを考えますときに、おっしゃいますイメージとしての記念碑、モニュメントがあってもいいんではないか、それもまちおこしの一つになればありがたいと思います。
もう1つは田園空間整備事業を、幸い太郎丸の地を拠点にしてつくるわけですが、これも一つの記念すべき施設として、そして庄川町の歴史や砺波市の歴史も、いわゆる農村の歴史も集約するようなことも考えるという意味で協議をして、そういう意見も先ほど言いましたように市民の意見を聞くというのは、そういうことも私どもは少してこ入れをしてつくり上げる。これは50年記念で、これは合併で、皆さんの浄財と皆さんの力を結集してやったんだということになれば、おっしゃるような意味の、いわゆるまちづくりにもなりますし、すばらしいイメージとしての象徴にもなるようなことを思っておるわけでございます。
勝手なことを申し上げますが、堀田議員さんから提案があったことについて、私の思いを若干述べさせていただいたわけでございます。御理解をいただきたいと思います。
それから次に、同じく新市のイメージづくり戦略の中で、砺波型の行政システムを考えたらどうかということでございます。
先ほども申し上げましたように、砺波市というのは、従来とも、素朴で忠実ですばらしいよきコミュニティーを持っておった地域だと私はそう思っております。したがいまして、そのことをベースにしてまちづくりをするということが原点ではないかと、こう思っております。
合併したから、大きくなったから、少しさま変わりをしようというそういう考え方ではなくて、もともといい素地があって、いい基盤があったんですから、これを再構築するというそういう基本的な考え方が新しいまちづくりになるんではないか。そのことがみんな心の中にあると思うんです。ぜひこれを再構築して新市をつくるんだという考え方に立てばどうかなと、このように思っております。
そこで、御提案の環境問題、きれいなまちにするということも大事だということであります。そのとおりだと思います。これまでも堀田議員さんにもご協力をいただいておりますが、ごみゼロ運動であったり花いっぱい運動であったり、あるいは心ある皆さんが庄川の堤防や庄川の河原の清掃をしていただいたり、それぞれ沿道美化にも協力をしていただいておるわけですが、これをそれぞれ大切にしていくことも大事でございます。それを集約するために環境基本計画をつくっておるわけでございまして、これらをベースにしてこれから進めさせていただいて、いずれ庄川町にもエリアを拡大していこうと。もちろん庄川町でもこのことを大事にしておられると思いますので、意見は一致すると思う。ぜひそんなことでいいまちをつくろうと。そして、自分たちのまちは自分たちでつくるんだと、こういう基本で、もともとそういう素地があるんですから、それをうまく誘導して、そのことが砺波のいいイメージになると、このように思っております。
なお、特にこれから重要なのは、経済優先で企業等はそういう方向に走りましたけれども、企業そのものも、今私どもが考えておるそういう方向に向かっていただきたいなと、そんなことを特にお願いをして、基本計画の中にはそのことを訴えてまいりたいと、このように思っておるわけでございます。
それから、おっしゃいましたように、水、緑、散居、これらも大切にすることでございまして、従来これまでは、拡大であったり発展であったりというそういう思想が高くのしかかっておりましたけれども、これからは環境共生という時代でありますから、いわゆる小さい子供からそのことを理解していただく、そういうことも大切ではないかと、このように思っておるわけでございます。
いずれにしましても、市民のシステムづくりは、いわゆる行政も事業者も一緒になる、そういうシステムをつくっていかなければならないと、このように思っておるところでございます。
いずれにしても、私は、おっしゃるような気持ちを十分配慮しながら、新しい意味でのシステムづくり、物を改装するんじゃなくて、もともとあったものをもう少し再構築する、そういうシステムづくりがいいんではないかと思います。そのようにして、若い人からお年寄りまでそのことを理解していただいて、おっしゃるような新しいまちづくりの行政の柱にしたいと、このように思っておるところでございます。
それから次に、新市建設計画に基づいて、一つの提案でございます。花卉緑化大学もしくは専門学校を創設するなり、誘致したらどうかという提案です。お気持ちは大変よくわかりますし、そのとおりだと思いますが、砺波市はチューリップが全国一の生産地でございますし、それから米も大事なことでございますし、農村を考えるときに、そのような技能者がたくさんおられれば大変心強いと思います。そのことによってこの地域が守られるとするならば、おっしゃるようなそういう専門養成機関があればと、そのように思っておるところでございます。
しかし、現実をよく眺めてまいりますと、子供たちが少ない、南砺地方の高校も再編されるということを聞いております。というのは、生徒数が激減をしているということですね。大変残念なことでありますけれども、そのような再編成をされるということで、ベースになります若者が少ないというのが現状でございます。
もう1つは、運営管理をどうするか。従来とも女子短大を持ってこよう、あるいは医療機関の養成所をつくったらどうかとか、あるいは芸術部門の専門学校か大学を持ってくればどうかとか、いろいろ提案がありました。一時はアメリカの大学の分校を持ってこいという運動もありましたが、実は消え去ったわけであります。それは資金面と運営との問題を考えるときに、なかなか困難なものがあると私は推察いたします。
特に今は、ベースになります生徒数が何よりも少ない。おっしゃるように、新しく大学がそれぞれできることも新聞に出ておりましたが、一面、廃止のところも多分にあるわけです。そこで県あたりも、新しくバイオ等を取り上げた工業大学ということも言われておりますが、ただし、一部学部を減にするという話も聞いております。したがいまして、そう文部科学省は甘くはないと、このように私は推察しておるわけでございます。
なおまた、小矢部園芸高校などでたくさんの皆さんが受講されております。これは年配の方が多いのでありますが、いろいろいいカリキュラムがあって盛況のようであります。したがいまして、それらを参考にして、これからは私は、1つは田園空間ミュージアムを、今堀田議員さんのおっしゃるような機関にできないかなということを実は思っているんです。後ほど何人かこのことについて御質問がございますけれども、何かそういう形、おっしゃるような提案については相当の大枚を投資するわけですから、そういう意味で活用をしたらどうかなということです。技術的には、幸い富山県野菜花き試験場もございます。花総合センターもございます。専門家もおられますので、これらと提携しながら、あるいは現在ありますものを活用しながら、おっしゃるような、そういう技能者、技術者の養成というものを考えたらどうかなと、このようにも思っております。
したがいまして、文部科学省が認可するような立場のものではなかなか困難でございますので、ある施設を、今現実的に近くにいい先生方がおられるわけですから招聘をしながら、そして田園ミュージアムという思想も兼ね備えてやればどうかなということを思います。
といいますのは、今、四季彩館でも6講座ぐらいをやっていますけども、おかげさまで結構来ていただいております。そして受講が終わったら、私から修了証をお渡しするわけですが、皆さん喜んで地域に帰ってまたやりましょうと、こういうお答えも返ってきておりますので、その意味では、何とかその辺の知恵を、アイデアを出して、おっしゃるようなそういう体制づくりもあるんではないかと、このように思っております。ぜひまた堀田議員さんのいいアイデアを期待するところでございます。
私も実は、学生の集まる砺波市であれば元気が出るなと、このように思いますけれども、なかなかそうは問屋は卸さないというのが現状ではないかと、このように思って、何か悲観的な答弁になりましたけれども、御理解をいただきたいと、このように思います。
次は、砺波市健康センターについて申し上げたいと思います。
具体的な取り組みの内容でございますが、健康センターは4月1日にオープンをさせたいと、このように今頑張っております。おかげさまで北棟の改修は、内容も解体をして、それぞれ器具も撤去して、新しい施設整備に入りました。備品購入も計画どおり着々と進んでおりまして、備品と同時に機種が決まりましたら、それに対する配置計画、それらにつきまして今進めておるところでございます。
健康は自ら守ってもらうというのが私の原則でございますけれども、ただし、中には強制をしないとなかなか来ていただけない。そうすると治療も遅くなったり、医療費も高くなるわけですから、そのことを理解していただいてあの場へ来てもらう、あるいは送迎までしても私は構わないんではないかと思っておるわけでございます。つきましては、そういう支援グループもつくり上げていきたいなと、こんなことなども実は今思っております。
現在ございます母子健康センターの業務を全部向こうへ持っていきます。したがいまして、相談から健診から、一部医療という形にもなると思いますが、隣にすぐドクターがおりますので、しかも北野先生に所長をしていただいておりますので、すぐ処置ができるということでございます。そのことが随分医療費の減にもつながると私はそう思っております。したがいまして、精力的に4月1日オープンに向かって進めておることを申し上げたいと思います。具体的には民生部長からお答えをいたします。
次に、今後の水道料金等について申し上げます。
明年度になりますが、現在の企業局の供給水量は1立方メートル当たり約20円を値下げしようということでございます。おかげさまで、従来の起債、それから二万石用水負担金も、水源の関係もございまして出しておりましたが、それがピークを過ぎまして、一時は苦しくて県からも借金をしておりましたが、これもおかげさまで返済することができました。ついては、長期見通しを先般立てまして、理事者で協議をいたしました。なおまた、このことにつきましては、堀田議員が議長をされておりますけれども、議会の場でもこのことをお諮りをして、そのことが一部報道にも載ったわけでございますので、安くしていきたいと、このように思っておるわけでございます。
ただ、この間、県の企業局からクレームがつきまして、うちが安くしますと、県の方がうんと高くて、まだ50円ぐらい逆に高いんですが、高くなってよわりましたと、こういう話がございました。それは経営努力の問題でしょうと、私はそのように笑っておりましたが、ただし、この間厳しい時代もあったんです。水道が高いということで、随分議論もあったところでございますが、これは市民全体が我慢していただいて、しかも、そのことを各町村が契約水量で決めておりますので、そのことを守っていただいた。それが今日安くなる原因であろうと私は思います。したがいまして、その辺の経営感覚というのは、一時批判がございましたけれども、おかげさまで安定期を迎えたんではないかと。したがいまして、砺波市の水道料金も私は安くしていきたいと思います。
ついては、庄川町との合併の段階で、庄川町は水道企業団の水、ほんの少しだけで自己水源で頑張ってきたわけです。このことについては管内でも議論のあったところでありますが、その意味で安いんです。したがいまして、私どもも自己水源でやればもっと安くなるかもしれない。ただし、圏域内全体を考えて今日つくり上げたんですから、共同で今日努力して安くなるんですから、これから安くできると思います。ついては、庄川町は安いんですけれども、それは一つの勝手なやり方をしておったんで、批判はしませんよ。批判はしませんけれども、そのことも話をして、これから水道料金の調整に入りたいと思います。暫定的な料金になるかもしれませんけれども、いずれは同じ市民になるわけですから一緒にするという、そういう意味で少し痛みを分けてもらわなきゃいかんと思う。うちも安くしますが、その辺を今後調整していくということが大事ではないか。その意味では、20円下げることによって料金格差の解消に方向づけができるんではないかと、このように思っております。
ただし、水道につきましては、御存じのように老朽管がまだございます。未普及地を今一生懸命投資をしております。投資をしてもあしたから金が入ってこないわけですね。だから、そのこともありますので、広くみんなで支え合う水道という意味で、これからも御協力をいただきたい、こんなことを申し添えておきたいと思います。
それから次に、新しい市ができて、地下水を商品化して販売したらどうかと。いい提案であります。私ももともとそのことを申し上げておりましたが、現実、実現をしておりません。それで、そのとき以来、いろいろ調査をしてきたわけです。
まず1つは、庄川の水はきれいな水ということが大事でございます。庄川から直接水を取るんじゃないんですけれども、地下水になりますが、地下水の調査をさせました。無機成分であり、硬度及び鉄分が少なく、淡白な味をもってくせのない軟水であるということが明確に出ております。また、有機物などの含有が少なく腐らず、有害物質も不検出であり、最良の天然水、これもそういう意味でデータが出ております。それから溶存酸素飽和度が90%、まさに生きた水であるという、そういう調査もいただいておりますので、すばらしい評価があると思います。
したがいまして、庄川町と合併もしますので、一つのブランドとして、今申し上げました特徴もございますので、それを利活用しない方法はないだろうと、このように思っておるわけでございます。
したがいまして、提案をしていただきましたこのことにつきましては大賛成でありますが、ただし、今日、堀田議員さんも日ごろよく言われるわけですが、民活の時代だよと、このことを常におっしゃっております。できれば民間でこの商品化をお願いできんかと。私どもも応援してもいいし、水道は企業でございますから、水を売るという立場ででも応援をしたらどうかなと、このように思います。バブルが弾けない前ぐらいでしたら、皆さんとも相談をして、会社づくりをしてやる手もあったかもしれませんが、今は改革の時代で、特に堀田議員さんは民活だと、このようにおっしゃいますので、ぜひ堀田議員さんが中心になって会社おこしをしていただければありがたい。皆さん、いかがでしょうか、そのように思っております。
以上で答弁を終わりたいと思います。ありがとうございました。
◯議長(石田君) 答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田君) 堀田信一議員の、人づくりなくしてまちづくりなしという持論、今ほども御説明がありました。そして、自分の子供、人の子供ということについて分け隔てなく、世の中の大事な子供だと。だから、強く厳しく育てていこう。それが新しいまちづくりの核になるんだというこの考え方について、まず敬意を表するといいますか、同感でございます。
具体的には、4中学校によるサマーステイ事業の提案についてでございますが、昨今、同地域や同年代で部活動をしていない子供たちの関係は、「隣は何をする人ぞ」という感じでしょうか、希薄化の傾向にあると言われております。
ある中学校では、このことに懸念をしまして、過去2年間にわたって、夏期休暇を利用して少しでも人間関係が向上しないか、すればいいということでサマーステイを実施された経緯があります。大変だったと思いますが、お世話をなさった方々に対して敬意を表するわけでございますが、中学校の夏期休業というのは、私もこの立場になりまして、今年の夏の状況を、できるだけ中学生の動向を見ておったわけでございますが、ほとんどは学校へ出かけるか、どこかへ出かけております。運動部、文化部は各種大会に出るための練習、あるいは出なきゃならない。さらには生徒会のリーダー研修があるとか宿泊研修があるとか、そういうことで大変多忙を極めておるようですが、中学生なるがゆえに、それを、いわゆる少年時代、青春時代の思い出とばかりに張り切って彩りをつけているようでございます。
しかし、20年ほど前から見ますと、同地域や同年代の友達関係は、先ほども言いましたように希薄になりつつあるとはいうものの、逆に部活やあるいは諸活動の連帯感というものは、これまた強くなってきております。それは少子化といいますか、兄弟がいない、少ないために同じ部の連中、同じ仲間とすごく強固になります。だけれども、サークルでない片方のお友達とはさらっと希薄になってしまう。御提案のあったサマーステイというのは、そういうところの埋め合わせをするということで大変すばらしいことであると思いますが、活動に余裕のある生徒、それと各家庭でも、それらを呼び込むことのできる余裕のある家庭、それらが無理なく進めていくのならば十分達成できると思いますが、今の砺波市の現況はそこまで至っていないと思います。人口はやや増えているようですけれども、各家庭の中身を見たときに暮らすのに精いっぱい、それが現実だと思います。いわゆる単世代構成になっております。3世代、4世代がともに暮らしておれば、そういう余裕も出てくるわけでしょうけれども、そういうところに問題が潜んでいるように感じられます。
それから中学生にとりましても、課題がもう1つ入ってきますと、もっとじっくりやらせたい、いわゆるスローライフの行動をとらせたいという気持ちがあっても追っかけられるようなことになるのではないかということで、本論は賛成ですが、具体的には問題があるというふうに考えます。
第2点目は中学生のマイカー送迎のことでございますが、これも堀田議員の、いわゆる現役時代といいますか、小中学校のお世話をなさっておられたころからの持論でございます。歩いて登校させろと。ちょっとつらくなったといって車に乗せて行くということは子供に毒をやっているようなものだということをよく言っておられましたが、まさにそのとおりですが、まず中学校の実態から申し上げますと、出町中学校では7割、般若中学校では8割、それから庄西中学校では、校舎が大きいんですから自転車の置き場に全部入れてやれるということで、ほとんど全員が自転車に乗って登校してもいいよということで、許可になっております。徒歩通学の生徒を含めて、中学校時代というのは一番鍛えられる時期、知徳体がバランスよく育つ時期でありますので、徒歩で通学するというのは原則でしょう。
そこで、ここ2、3年でも各学校のPTAやPTA連絡協議会等でも、入学のときに、自動車による送迎、親による送迎は極力控えてほしいと、そういうことを口やかましく、新しく入ってくる子供さん、親に対して説明、努力をしておられます。小学校時代はそのことが少ないんですけれども、中学生になると、そういうことが多く増えてくるというのは、一体どういうことが問題なんだろうかということです。中には、けがをしたり、荷物が多くなったり、悪天候になったり、中学へ行くことによって通学距離が長くなるということなどがあると思います。さらにそれに輪をかけたように、最近もちょっと話題を出しております不審者が大変多いです。不審者の問題はちょっと横へそれますけれども、不審者に対する対応は、子供たちは非常に巧妙になってきます。「危ない」と思ったらもうその電話を切る、あるいは転送します。それに乗っかって行動を起こすというのはだんだん減ってきました。そういうことで不審者が出てくる問題。それからあまりないことですが、自然破壊による熊の出没です。こんなところへ熊が出てくるわけがないんですけれども、これは人間がまいた種を今刈らなきゃならない。そういう問題が出てきますと、やはり中学生の身の安全を考えなきゃならないということで、場合によっては乗せてやらなきゃならないということもあるとは思います。
そういうことで、生徒の通学の安全を考えながらも、中学生時代は心身を鍛える最高のときであります。このことを保護者、生徒自身が自覚をして、各中学校のPTAや生徒会でマイカーによる送迎がよいことではないんだということを学校問題として取り上げていくことが一番いいんだと、そういうことが大変重要だと考えております。
先ほどおっしゃいました附属小学校、中学校で教師が「おはよう」と言って第一声をかけて気持ちよく抱え込む、そのあいさつによって学校の一日が始まるんだということについては、市内の小中学校でもこの大切さを意味しながら、校門に先生方が何人か立って声をかけております。これが、いわゆる健全な学校活動が始まる第一歩ですけれども、それが元気よく始まるときに、学校の校門の前へマイカーで入ってくるということは、これは常識的にはできませんですね。学校というのは子供の園だということをしっかり明示することが間接的な指導になるのではないかなというふうに思っております。
この機会に、中学生問題が主に出てきたもんですから、私は、中学生の自立についての所信を一言述べさせてもらいますが、中学校教育というのは、自分探しの旅を助けるのである。自立を促す、巣立ちを促す、そういう時期なんです。鳥、動物たちと一緒ですね。いつまでも抱えておりません。どこかで吐き出します。その自立を促す大事な時期なんだとも言われております。そして人は、社会は、子供から親へ、また次の親へというふうに順番にリレーされて世の中がつくられておるわけでございます。いわゆる大人になりかかっている大事なときの暮らしが中学校時代ですね。小学校とは違います。ヒナが巣の中にいるのではないんです。巣から早く出ろと促す時期であります。したがって、その離乳期が2回あるといいます。お母さんから乳離れするときの本当の離乳期と精神的な離乳期、いわゆる中学の時期です。その精神的な離乳期に失敗をすると、大人になった顔をしておるけれども心は中学生という、大人の仮面をかぶった中学生が出てきて、それが今の言う、場合によってはフリーターが多い、そういうところへと転がっていくような感じがいたします。
議員さんもこの間の事例があったように、ただいま砺波市の美術館においては、砺波市出身の芳里七朗さんの陶芸展が開かれております。あそこでおそばを召し上がった方も多かったと思いますけれども、芳里さんは15歳、出町中学校を卒業してすぐ青雲の志を立てて、京都の陶芸学校に進まれたそうです。そしてそば屋でバイトをしながら大成されました。今や日本を代表する陶器作家です。この間、幾多の試練があったと思いますけれども、それはおっしゃいません。だけども、「油田にはかあちゃんがおったから」、離れた親の愛があったと語っておられます。これこそ、まさに巣立ちを促した親の力、早めに巣立って行った芳里さんのすばらしい行動だったと思います。さらに彼がいわく、「15、6歳で五感を通して入ったもの、目で見たもの、なめたもの、手で触ったものは、幾つになっても呼び出したらすぐ出てくる」と、そうおっしゃるんです。私、この間そばをいただいたとき、「おそばのたれがすごいね」と聞いたら、「この感覚は16のときに覚えた。そば屋にバイトしながらたれを盗んだ。今でも絶対変わらんよ。小さいときに鍛えておかなきゃいけない」と、こういうことを私直接お話をお聞きしたので、この機会に御披露させていただきます。
今回の堀田議員の御提案を生徒の自立活動の一環と受けとめながら、学校や家庭、PTAなどを通しながら啓発運動に努めていきたいと思っております。
以上、答弁を終わります。
◯議長(石田君) 答弁を求めます。
民生部長 津田俊祐君。
〔民生部長 津田俊祐君 登壇〕
◯民生部長(津田君) 堀田信一議員の御質問の、(仮称)砺波市健康センターについての具体的な取り組みにつきまして、たくさんの御質問があったわけでございますが、順次お答えを申し上げます。
今ほど市長がお答えになりましたとおり、当センターは総合病院の北棟の1階、2階、3階部分に設置いたします。具体的には1階に受付事務所を置きます。また、2階の全フロアでは市民のライフステージに応じたヘルス活動全般を行うわけでありまして、現在の健康福祉課の健康福祉係を中心に行っております乳児・幼児健診、予防接種、健康相談、健診の事後指導、疾病別の健康教室、栄養指導を含む生活習慣改善指導、あるいは地域型在宅介護支援センターによる福祉との連携等でございます。
また、人員の配置体制につきましては、保健師、理学療法士、管理栄養士等を配置いたしますが、若干の組織の見直しも必要かと考えておるわけでございます。
3階部分につきましては検診専用スペースとして整備をいたし、政府管掌保険等の定期検診、日帰りドック、1泊ドック、特殊ドック等の1次検診を実施することを考えております。この3階の検診センターにつきましては、一般会計で改築工事費や検診機器等の費用を負担して整備をいたしますが、施設オープン後の実際の検診業務や管理は総合病院へ委託して実施することを考えておるわけであります。
次に、1次検診の状況についてお尋ねでありますが、現在、総合病院の検診室で実施している検診は定員が20名で、平成14年度では政府管掌委託検診が年間1,565人、企業検診等が495人、ドックが242人で、1日平均が11.5人となっております。
現在は診療の合間を縫って検診を実施されておりますが、来年度からは検診センター専用のスペースで行いますので、1日の利用数を30名と設定いたしまして、年間約6,000名を目標とし、職員体制も兼務の医師4名を初め、技師、看護師等を増員強化して、利用者増に対応できるよう準備を進めておるところでございます。
利用者につきましては、御指摘のとおり市民に限りませんが、市といたしましては検診を受けやすい体制をつくることを目指し、総合病院では、企業会計の収支増につながることを目指し努力することとなるわけであります。
お尋ねの半日ドック料金は、各病院によって、検診メニューの組み合わせた数等によっても異なりますが、砺波総合病院の現行料金は3万7,800円に設定してあります。参考といたしまして、黒部市民病院3万6,750円、富山赤十字病院3万9,900円、済生会富山病院3万7,640円となっております。各保険者や事業所等では組合員に対する利用助成を実施されているところもありますが、本人負担額はそれぞれの助成額を差し引いた金額となります。
この補助制度につきましては、現在、砺波市が国保の被保険者等を対象にして行っております県の健康増進センターへ委託して実施している半日ドックにつきましては、1人当たり2万3,540円の定価のうち、市が1万5,540円を助成し、本人負担は8,000円でございます。来年度からは新しい検診センターで実施することから、その料金のすり合わせ等も必要となるわけであります。
いずれにいたしましても、これから検診メニューの内容や利用料金等を詰めまして、市民や関係機関等へ早めに広報等でPRいたしたいと存じます。
次に、検診センターのビジョンでありますが、これは総合的な各種保健サービスを行う拠点づくりにあるわけですが、この具体的な運用といたしましては、保健、医療、福祉の連携を図ることが大切でございます。
1つには、保健と医療の連携として、例えば3階で検診を受けた利用者が疾病が発見された場合、直ちに診療科につなぎ、治療が受けられますので、検診データを共有するというメリットがあり、素早く対応ができるわけであり、早期発見・早期治療につながるわけであります。また、2階で実施する各種の健康相談・教室、事後指導等におきましても、今まで以上に、同一敷地内にある総合病院の医師等の協力をいただきまして、健康寿命の延伸を目指した諸施策が実施しやすくなるものと思っておるわけでございます。
2つには、福祉との連携でありますが、2階に配置する地域型の在宅介護支援センターを介しまして、老人保健と老人福祉の連携を図るとともに、退院患者さんへのフォローを行う病院の地域医療室との連携を図ること等に努め、市民の皆さんが利用しやすく、そしてまた健康保持増進が図られる施設となるよう努めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
以上でございます。
◯議長(石田君) 11番 村中昭二君。
〔11番 村中昭二君 登壇〕
◯11番(村中君) お許しをいただきましたので、私は通告に基づき、質問と一部要望をさせていただきます。
通告いたしました市道、県道の整備促進についてでございますが、大変財政の厳しい折ではございますが、いろいろ整備をいただきまして、本当にありがたく思っておる次第であります。
交通安全と合わせた面から申し上げますと、歩道の整備を大変急いでいただきたいなというふうに思う次第であります。現在、いろいろお願い申し上げております面につきましては、県の主要地方道であります砺波小矢部線の中神、林地内においては通学路ということもございまして、子供たちが通っております。また、同じ主要地方道であります富山戸出小矢部線、これは高波の方でありますが、江波交差点から小矢部市の五社の間、ここも市営バスが通っておりますが、バス停まで歩道がないものですから路肩を歩いて帰ってくるということです。そのほか、これも主要地方道でありますが、県道坪野小矢部線、これは小島から東中までの区間でありますが、この間も子供たちの通学が多いわけであります。
また、一般県道北高木新富町線、これは若草町の方から紺屋島地内でありますが、ここも大変交通が激しいわけでありまして、そのような観点からいろいろ手だてをいただいておるわけでありますが、安全性という面から側帯線といいましょうか、両側に白線を引いてございますが、あれを少し広げていただくことにおいて歩く人たちも、それより道路へはみ出さないようにという、自分自身がそのような形で対応していただくということも大変大事なことではないかと思います。また、自動車を運転している立場からいいますと、夕暮れ時となりますと、下が白いということですから案外人の姿を早くキャッチできるがでないかというようなことで、これだとある程度早く対応できるがでないかなというふうに思っております。
たまたま私の住んでおる地域では、通学路の方でありますが、1本の道路がございまして、その横に破線が引いてございます。こう見ておりますと、それを越えて、車道といいましょうか、歩く子供たちがおりませんし、また自然的に、何というか道路に出ないということで、その白線が間隔的にいい役目をしておるのでないかなというふうに思っておりますので、そのような対応もひとつお願いしたいというふうに思っております。
また、横断歩道をお願いしてつけていただいておりますが、昼はいいんですが、夜になりますと、自分の車のライトで対象の人が見えるのは大体100メートルぐらい先だそうでありますが、横断歩道に街灯がついておりますと、200メートル先まで見えることから発見しやすいので、予防策になるがでないかなと。自分たちの周りを工夫して対応していくことも大変大事でないかなというふうに思います。
何におきましても、肝心かなめは道路の整備、そして歩道をつくっていただくことが一番大事なところでございますが、そういうことを含めまして、今ほど申し上げました市道、県道は、大変御苦労をいただきまして、現在大分進んできておりまして感謝をいたしておるわけでありますが、たまたま交通事故ということから見ますと、先日も庄下地内で悲惨な事故が発生いたしましたが、バブルの最盛期には全国で2万人以上の死者が発生したこともあったわけでありますが、最近は全国で大体8,000名台でおさまっております。いろいろ整備もされましたし、住民の交通マナーといいましょうか、そういうものも守られておるということもございましょうが、たまたま砺波市は平成4年には2桁の死亡事故が出たことがございますが、最近はその3分の1ぐらいに減ってきておるということでありがたいことだなと思っておりますが、私たちのまちは全国の住みよさランキングというものが上位で、特に今年は2位にランクづけされたということでありますから、少しでもそういう悲惨な事故のないように対応していただきたいなと思います。これは要望の方に入りますが、そういうことでよろしくお願い申し上げたいと思います。
大変端的な質問でございますが、よろしくお願いをいたしたいと思います。どうもありがとうございました。
◯議長(石田君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念君) 村中議員にお答えをいたします。
特に交通安全の面からの質問でございます。
まず安全で安心な道路づくりをしなければなりません。ついては、歩行者であったり自転車であったり、特に高齢者に配慮した、いわゆる弱者を十分理解をした安全施設等が何より大切だと、このように思っております。
道路はどうしても必要でございます。しかしながら先般も、死者が出た交差点等ございますが、おっしゃる面から道路づくりを考えなきゃいけないと、こう思っておるところであります。例えば十年明鷹栖線でございますと、自動車交通量も多いわけで幹線市道になっておりますが、幸い国の補助をいただいて順次整備をさせていただいておるわけであります。
それから県道等の歩道につきましても、道路管理者であります県に対して、従来、主要地方道と言われる県道でございますけれども、歩道のない県道がございますし、たとえあっても狭かったり、先ほど話があったように白線もろくろくない県道もあるわけでございます。その面につきましても県に対して要望を常に行っておるところでございます。また、交差点改良も幾つも申し上げております。順次進められてきておりますが、今日的には県も財源がないようでありまして、予算の配分もない状況でございますが、村中議員さんのおっしゃる趣旨を県に対して十分伝えていきたい、必要以上に伝えていきたい。いわゆる交通事故が発生して死者が出たら直すんではなくて、その前に、白線であったり照明灯であったり歩道であったり、私は設置することが大切だと、このように認識をいたしております。
県道の批判だけでなくて、市道につきましても何カ所もあるわけであります。皆さん方から拡幅しなさい、延長しなさいという話もございますけれども、私は、できる限り一本ずつきちっと整備をしていくということも大切ではないかと、このように思っております。
したがいまして、皆さん方からの要望もございますけれども、それなりにきちっとしたものをつくり上げた上で、あるいは、今指摘がございましたように照明灯も必要でしょう。そうかといって、照明灯をつけると言ったら反対の方もおられるんです、嫌なことに。ぜひ皆さんにも御協力をいただいて、これは交差点だからもう設置をしてください。設置するについては10万円や20万円でできないんですが、つくってあげようと言っても、米がとれんようになるとかという話もございます。ぜひそれはコミュニティーで協力をしていただかないと、そういう危険な交差点の改良になりませんので、ぜひこの際、皆さん方の御協力もいただきたいと、このように思っておるところでございます。
再度申し上げますが、提案のありました視覚に訴える白線、区画線、おっしゃるとおりであります。それから歩道であったり道路照明であったり、仮に道路照明でなくても防犯灯でも私は構わないところがあると思う。ぜひ、地域へ入っての小さい交差点等については防犯灯を設置していただきたいと、こう思っております。
防犯灯については、何か市が全部という話ですが、設置をされたら半永久的に電気料をみます。設置するときに、市が来ますと補償料をくれとか、地代をくれとか、米がとれないとか言われますと困るわけですから、コミュニティーで話し合いをしていただいて設置をしてもらうというのが私は原則だろうと思います。ぜひそのことを地域でもお話し合いをしていただければ大変ありがたいと思います。
村中議員さんは砺波市の交通安全協会長さんという立場でもございますので、今後とも、具体的に御指導をいただくようにお願いを申し上げたいと思います。
なお、県道4路線等の整備につきましては産業建設部長からお答えをいたします。
以上でございます。
◯議長(石田君) 答弁を求めます。
産業建設部長 藪田康男君。
〔産業建設部長 藪田康男君 登壇〕
◯産業建設部長(藪田君) 村中議員さんの御質問のうち、県道4路線の整備状況についてお答えを申し上げます。
まず、主要地方道砺波小矢部線、これは中神から林地区につきましては、県において延長約1.6キロの区間で計画法線が決定したところであります。過日、関係地区の役員の皆さんを対象として法線の協議を行い、事業推進の確認をいたしました。現在、地権者など関係者のリストアップを行っておるところでございます。この後、今月下旬には事業の推進母体を立ち上げていただきまして、地元とともに事業の円滑な推進に努力したいと考えております。
次に、主要地方道富山戸出小矢部線江波交差点周辺について申し上げます。
現在、江波交差点改良施工区間は用地の取得が終わりました。そして山王川の橋梁架設工事の準備が進められておるわけでございます。平成15年度では交差点部の官民境界構造物の設置を行うとともに、懸案となっておりました山王川の橋梁のつけかえを行うため、仮設道路を築造した後、橋梁下部工の施工を行います。平成16年度には引き続いて橋梁の上部工を施工し、交差点改良の完了は平成17年度の予定と伺っております。
なお、この交差点に接続いたします小矢部市五社方向から、そしてまた高岡市戸出方向の区間につきましても、引き続き歩道設置の改良工事の延伸を県に対して強く要望してまいります。
次に、主要地方道坪野小矢部線の交通安全施設につきましては、現在、林地区、小杉地内で高岡砺波線との交差点において改良工事を進めておるわけでございます。平成15年には完了する予定でございます。
なお、小島から東中方面には歩道が設置されておらず、過去には事故も発生していることから外側線や交差点改良などの対応を提案してまいりたいと考えております。
次に、一般県道北高木新富町線の若草町から紺屋島・林間につきましては、県道の東側、用途地域に含まれる箇所においては、都市計画道路鍋島中神線として、現在、杉木土地区画整理事業において整備中でございます。
なお、このままで進捗しますと、都市計画道路の栄町苗加線の北側から紺屋島交差点までの区間については歩道がないことになることから、県に対して交通安全施設の設置を働きかけておるわけでございます。
また、県道の西側につきましては、今後の中神地区での都市区画整理事業の取り組みの中で既に対応をしておるわけでございます。
以上でございます。
◯議長(石田君) 8番 池田昭作君。
〔8番 池田昭作君 登壇〕
◯8番(池田君) お許しをいただきましたので、通告に基づき、2点の質問と要望を申し上げます。
第1点は、教育の現状と今後の教育計画であります。
先般、教育委員会で発行されました「平成15年度学校教育の現状」という報告書の中で、子供たちを取り巻く社会は目まぐるしく変化をしており、情報化、国際化、さらに家庭や地域での教育力の低下等、問題が山積している中で、学校週5日制に伴う学力低下も抜きがたい社会問題となっていることを率直に述べておられます。このようなことで、教育環境は今大変大きな局面を迎えていると言わなければなりません。
さて、現行の教育基本法では、重要な教育理念や教育施策論が不十分であるとして、今見直しが行われているところでありますが、私は、教育の基本理念として国を愛する心や道徳心の醸成が重要であると考えており、特に道徳の基本ともいうべき、大自然の恵みに対する感謝、両親に対する感謝など、感謝の心の醸成教育が重要であると考えておる一人でございます。
ついては、今、教育改革が叫ばれ、また学校週5日制のゆとり教育や新学習指導要領の見直しが云々されておる中で、さらに、1つには豊かな心を育てる教育、2つには地域に開かれた学校づくり、3つには個々の能力を生かす教育の推進などが求められておると言われますが、当面の教育方針をどのように考え、どのように進めたいと考えておられますか、教育長の御所見を承りたいと存じます。
次に、具体的に新学習指導要領の見直し論争について御見解をお聞かせください。
さて、過日の新聞報道によりますれば、小中学生を対象に、最近行われた学力調査の結果では、はっきりと学力低下の傾向を示しておるということで、中央教育審議会の教育課程部会が新学習指導要領の見直しを求める中間報告をしたということであります。中間報告の内容は、学習内容の上限を定めた歯止め規定を緩和し、補充的学習や指導要領を超えた発展的な学習の奨励、小学校での習熟度別授業の導入などを目指すとされています。
なお、文部科学省の調査では、今年度、習熟度別授業を実施しておる公立学校は、小学校で74%、中学校で67%に上っておると言われ、今回の報告で小学校でも導入できるとされたこの習熟度別授業は、実は教育現場では既に当然のことになっておるとも言われますが、砺波市の実態はいかがでしょうか。
さて、識者の意見によると、この学力低下を防ぐには、1つは授業時間を確保することであり、2つにはセンター試験を資格試験にすること、3つには少人数クラスの実現を図ることであるとされておりますが、この新学習指導要領の改訂論争について教育長の御所見をお聞かせください。
次に、子供の体力低下対策についてお伺いいたします。
県教委の児童生徒体力向上推進委員会が今年の3月にまとめた報告書によりますれば、平成13年度の県内の子供たちの体力は、総じて小学校低学年で全国平均を下回っておると言われ、また子供たちの運動能力は、30年前の親の時代と比較して走る力、投げる力が軒並み下回っておるとも言われます。そこで問題は、昨年度から実施された完全学校週5日制で、年間105時間あった小中学校の体育の授業が1割以上少ない90時間に減っておるということであります。この結果、体力テストをしない学校があったり、球技大会などのスポーツ行事が減ったのではないかとも言われるのですが、砺波市の実態はいかがでしょうか。また、児童数の影響もあるかもしれませんが、市内の小中学校でスポーツクラブなどのクラブの減少があるのかどうか、具体的にお聞かせをいただきたい。
次に、食教育の推進についてお尋ねいたします。
古い話ですが、明治時代の料理研究家、村井弦斉氏は、「子供の教育には、知育よりも体育よりも食育が先」と説いておられたということであります。
なお、過日の北陸農政局の食育推進協議会が食べ物の大切さや農林水産業の重要性を訴え、食教育の一層の普及を申し合わせたということで、さらに具体的には、食事のときに「いただきます」「ごちそうさま」と言えるように教育をしてほしいとの要望があったとのことであります。また、過日、高岡市で開かれました「これでいいのか私たちの食と農」という公開講座の中で、食や農の大切さを学校で十分に教えていないのではないか。食教育を充実してほしいとの要望があったようであります。
このように、食教育は体力の向上、社会生活上の道徳教育の面からも大変重要であると思いますが、市内の小中学校での食教育の実態と今後の対応についてお知らせください。
次に、通学区域について私の考えを述べてみたいと思います。
砺波東部小学校の増築問題に関連し、かねてから市内小学校の通学区域を見直したらどうかという意見がありました。
さて、砺波市は、学校教育には、昭和の合併以来、一番の力点を置いて対処してこられたと思っております。すなわち、昭和36年7月に小中学校統合審議会を発足させ、具体的には、昭和41年11月小学校6校、中学校3校の統合案が出され、その後、昭和49年7月、さらには昭和63年9月の2回の答申を経て、現行の体制に至っておるのであります。また、昭和58年5月、庄西地域における中学校通学区域の改正によって、出町中学校の通学区域から油田、庄下、中野地区が庄西中学校の区域に変更された経緯もございます。
これまで、通学区域の設定に当たっては地区の世帯数、人口、児童数など、また一定規模の標準学級になるよう、あるいは通学距離などを勘案して、学校間の格差が出ないように決められたと思いますが、その後、転入者の増加などから児童数の変動が大きく、昨今は学校格差がまた大きくなってきております。一例でありますが、庄東小学校は、昭和63年当時児童数が466人であったものが、現在は261人に、6年後には186人に減少するとも言われ、逆に砺波東部小学校は、昭和63年当時659人が、現在761人となり、800人に迫る勢いで、その差は4倍以上になっております。
通学区域については、これまではややもすると、現行の地区単位の構図を壊したくないという意見が強かったように聞いておりますが、既に出町及び庄下地区の一部では分かれて通学されており、私は特に地区にこだわる必要はないとも考えますし、また、以前の審議でもあったということでありますが、幹線道路で区分をするということなども、交通安全の関係からすれば一案かと存じます。
ついては、今後庄川町との合併が予定され、その必要性が増えてくると思われます中で、早期に調査、御検討くださるよう御要望を申し上げます。
なお、このことについて当局のコメントがあればお聞かせをいただきたい。
第2点は、住民基本台帳ネットワークの本格的な稼働対策についてお伺いいたします。
平成14年8月にスタートいたしました住民基本台帳ネットワークシステムは、すべての市区町村の住民基本台帳を専用回線で結び、住民サービスの向上や行政の効率化を図りたいとするものでありますが、既に住基ネットからの情報提供により、本年4月からパスポートの申請に住民票の写しが不要となり、さらに過日、8月25日から、第2次の本格的な稼働として住民基本台帳カードの制度が発足いたしました。
さて、市民に最も身近な関係にある市役所市民課の窓口の簡素化、合理化は大変結構なことでございますが、これまでの事務の流れが若干変わってくるのではないかと思い、その対応についてお尋ねをいたします。
第1点は、住民が転出をする場合、これまでは従前の市町村で転出届を出し、転出先市町村で転入届を出すことになっておりました。しかし、今回からは転出先の市町村で転入届を出せばそれでよしとのことです。そうなると、これまで従前の市町村で公共料金、学校、幼稚園、保育所、国保などの手続をされた上で転出されていたものが、今後はそのような事前の手続がとれなくなるのではないかと思うのであります。さらに、各市町村ではそれぞれに転出入届の様式が違っておりますので、届け出内容も違ってくるかと思いますが、その際の各市町村間の対応がどうなるのかお聞かせをいただきたいと思います。
次に、住民基本台帳カードの多目的な利用対策であります。
さて、国の考えでは、住民基本台帳ネットワークは、将来、インターネットで行政手続をする電子政府、電子自治体の基盤となることをねらっておるとも言われます。したがって、自治体としても多目的な利用方法を積極的に考えていかなければなりません。
つきましては、過日、新聞で報道されましたが、福光町では多目的なサービス対策を考えておられるようであります。ついては、砺波市はいち早く電算業務に取り組んできた経過もあり、さらに庄川町との合併を控えていることからもより積極的に、例えば図書館、総合病院、体育施設などの利用予約ができるように進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
最後に、住民基本台帳に関する個人情報の保護対策についてであります。
住民基本台帳ネットワークについては、今なお幾つかの市町村で、個人情報の漏えいの不安から実施を見合せておると言われますが、総務省の見解としては、保有する情報や利用目的を法律で限定しており、また、外部からの侵入と内部の不正利用を防止する対策がとられているから大丈夫であるというふうに報道されております。
ついては、この総務省の見解のとおり、この件については個人情報の漏えいはないと理解していいのかどうか。また、市として、この漏えい対策としてどのような対応をされているのかどうか、お答えを願いたいと思います。
以上、大変抽象的な質問、事務的な質問になりましたが、当局の答弁を求めまして、私の質問を終わります。
◯議長(石田君) この際、暫時休憩いたします。
午前11時49分 休憩
午後 1時03分 再開
◯副議長(松本君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
午前中の一般質問に対する答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田君) 池田議員の御質問、学校教育を中心とした教育全般にわたりまして大きくて非常に広い質問をいただいております。砺波市の教育の現況と照らし合わせながらお答えをいたします。
まず最初に、当面の教育に対する所信、特に砺波市の学校教育に関することについてお答えをいたします。
学習指導要領が改訂されて完全に実施されてから2年目に入っております。市内の小中学校では、この指導要領の骨格である「生きる力」というものを育むべく、各学校の特色を生かしながら、知識の面、道徳の面、健康の面の3本が調和よく育まれることを求めて教育活動を展開しております。これに加えて、砺波市では10年前より、心の教育の振興、維持推進を独自の施策として取り組んでまいりました。その成果につきまして、地域との活動や14歳の挑戦、さらにボランティア活動などを通しながら、徐々にではありますが、子供たちの中に定着しつつあるものと考えております。
いずれにしましても、指導要領の精神であります生き抜く力をこれからの子供たちに育てるべく、3本の柱で砺波市の学校教育を考えております。1つは、今申しました知・徳・体の3本の調和のとれた教育であるということ。2番目は、御心配をかけております確かなる学力をつけるということ。3番目は、後ほどの御質問にも出てまいります、これらを支える健康、体力の増進、この3点を中心にして教育活動を展開しております。後ほど、各学校の具体的なことも申し上げたいと思います。
それから、学力というものについて、下がっているとか、上がっているとかということが大変危惧されておりますけれども、この学力ということについてのとらえ方につきまして、この前の会議のときにも少し申し上げたかと思いますけれども、読み・書き・そろばん、いわゆる知的な面の学力は当然でございますが、それに加えて、日本人というものの今まで足りなかった部分、それは、今一体何が問題になっているのかという問題意識、今我々は何をしなければならないのかという、その課題意識、それと、その課題は一体どこから切り込んでいったらいいのかなという課題解決のための能力、そして、それを理屈じゃなしに、実体験を通してやるということ、そういう知的な面以外の体験的なこと、問題解決的なこと、この2つを合わせまして学力ととらえていかなければならないということでございます。
その成果が、戦後の日本の教育の一つのいいところでもあったんですけれども、徐々にあらわれて、国際的な研究活動や、あるいは産業活動でそういうものが芽を吹きつつあるわけでございます。むしろ、私たちやベテランの議員さんの場合でしたら、知的な面だけで追われてきたわけですね。それが戦後の教育では、むしろそういう知的なものを基盤にして、その上で課題を解決していく、そして体験をすると、そういうところに学力という問題が広くとらえられるようになったということでございます。
そこで、砺波市では、いろんな教育活動をやっておりますけれども、その知的な面を支えるということについて、今、市の内外ともに心配の節があります。それで、各学校の状況をちょっと調べてみましたところ、その知的なものを中心にしたことで特殊といいますか、ほとんどの学校で知的な面について独特なやり方をしておりますが、幾つか御紹介しますと、1つは、少人数学級を徹底してやっている学校があります。これは、砺波東部小学校のように結構生徒数が多い、こういう場合には、恐らく教育が隅々まで行き届かないだろうということで、砺波東部小学校の場合には、少人数の指導がしやすいように教員が余計に配置されております。そういうことで、少人数学級を徹底して学力が落ちていかないように、いわゆる落ちこぼれの子供がいないようにする仕掛けをしている学校があります。
それから、全校で定期的に漢字の大会や計算の大会、昔もあったこともありますけれども、それを厳しくやって、級別なことをやりながら学ばせているというもの。それからおもしろいのは、地域の有志の皆さん、おじいちゃんやおばあちゃん、それから大学生なども一緒になって漢字大会や計算の勉強をすると、そういう地域の皆さんと一緒にやっているというところもあります。
そういうことで、それぞれの学校が工夫をして学力の向上のために努力をしているという面がうかがえます。
それから、御質問の中に教育基本法に対する所見を述べよということでございましたが、これにつきましては、まだ教育基本法は出たわけではございませんが、戦後五十数年同じ教育基本法で進めていいのかということで、これについての見直し論がずっと続いておりますが、ようやく形が整いつつありますが、いつの国会に出てくるかは、まだ不明確でございます。いずれにしましても、中身は日本国民としての独自性を身につけるということ、それから、日本の国の文化や伝統を尊重して愛国心を身につけるという、議員おっしゃるとおりの中身が盛り込まれております。しかし、これがすっと通るか通らないかについては、これからの問題でございますが、私としましても、21世紀の教育の方針が、今述べましたようなことであらわれてくることを期待しております。
それから次に、今度の指導要領でゆとりの教育が出たために5日制になった。だから学力が落ちたんだ。だからこの指導要領は見直さんならんがでないかという見直し論が出ていることもありますが、そのことについての所見を述べよということでございます。
新学習指導要領というのは、ゆとりの中で生きる力を育くむことを目指しているんですけれども、これが相反すること、片方はゆとりを持ちなさい、片方はしっかり学力をつけなさい、言ってみれば相反することが一つの学校の中へあらわれてくることになりますので、これも後ほど、二重構造という言葉でもう一度説明しますが、学校現場は、少なくともやっぱり迷っています。
しかし、だからといってこの新指導要領というものは、2年前に出たものが、すぐ今ひっくり返せというようなことの議論は、一部ではありますけれども、中教審(中央教育審議会)──日本の国の教育施策の根幹の具体案を決めて、そして文部科学大臣に答申をする中教審では、今すぐこれを改訂するとか、そういうことは考えていないと。それよりも、今出ているこの指導要領というものの精神をしっかり定着して、もう少し中身を検討してほしい。言いかえれば、時間をかけながら、この指導要領というものが各学校、日本の隅々まで行き通るような工夫をすべきであるというふうに、改訂論に向かってはおりません。問題点は指摘しておりますけれども、国として、今出たものを、2年たって、はやひっくり返すということは、そういう軽率なことはやはり中教審としてはできないということです。それよりも、いろいろ議論をしてできた指導要領ですから、それをもっとしっかり勉強する、定着する、学校現場に理解をさせる、そういう方向に力を注ぐべきだ、そういうことを言っております。
また、これからするお話は、議員の皆さんも御理解いただきたいんですけれども、この指導要領というのは、今書いてあることは非常に平易のように見えるんですが、それは日本の国民がどうあってもやらなければならない最低限の到達点なんです。これだけは4年生のときに2けたの割り算だけはやらせておいてほしい、2年生では九九だけはやらせておいてほしい、最低のことを言っておるんです。そうしたら、最低のことを言っておったら、それ以上できる子はせんでもいいがかと、こういう話がまた出てくるんですけれども、そうではなしに、最低なんだから、それから上は大いに発展的にやっていただいて結構です、この理解が少ないんですよね。だから、九九を覚えさせたら2年生はそれで終わり、そういうことじゃないんですね。九九の変化をさせてもいいわけです。そういうことで、最低限が今押さえられておって、次、もう1つ上までは大いに行って結構です。教科書にもそれを盛り込みなさいと。その発展的内容を、もっと上のものを盛り込んだ教科書をつくってよろしいと、こんなことも言っております。
このような現況の中で、学校現場では、ゆとり教育を中核とする学校経営の中で、学力向上に努めなければならないという二重構造、先ほど言いました、ゆとりも持ちなさい、学力もびんびんつけなさいという、その相反することの中に苦しんでおるわけでございます。
そこで一番大事なことは、そのどちらかによるかということじゃなくて、この地域、砺波の地域に全く即した、金沢のまねをしたり、大阪のまねをするのではなくて、となみ野のその地域にぴたっとくる教育計画をつくって、それを実行すると。学者の書いた計画書をそのまま平行移動してくるんじゃなくて、その地域と自然と、そういうものを加味しながら教育計画を立ててそれを実行していきなさいと。それを進めることが、地域の父兄たちの信用も得ることになるわけです。
そこで、砺波市内の学校では、幾つかの例を申し上げますが、じゃ、どんな特徴ある学校の計画を立てた学校運営をしているかといいますと、仮に言えば、固有名詞は差し控えます。
昨年で一たん終わったんですけれども、幼稚園と小学校と保育所の3本立てを小さいときからやらせましょうということで、ある校下では、保育園と幼稚園2つ寄せまして、学校と、そうすると4つ寄りますね。それらがいつも一緒になって、お勉強をしたり遊んだり、そうすることによって、上の子は下の子をかわいがる。それから、兄弟も少ないわけですので、下の子が上の子に対して敬意を表する。反面には圧力があるわけですね。幼稚園のお子さんは、学校の1年生や2年生の坊やを見ると圧力を感じます。そういうことが幼・小・保連携の一つの効果です。そういうことを3年続けまして、一たんは終わったんですけれども、またこの後も続ける。そのいいところを見て、今度はある学校がまたそれをまねるといいますか、新しいものを組み立てようとしております。例えばそういうものがあります。
それから、今言いました、学力が低下してどうもならんという世論があるものだから、それを、学力は低下していませんよ、このとおりです。学力向上フロンティアスクールというものをつくって、これは国の指導もちょっと受けながら、金をもらいながら、わずかの金ですけれども金をもらいながら、「学力は落ちていません、このようにやっています。ごらんください」、それをテーマにしてやっている学校もあります。
それから、この間、文部科学大臣表彰を受けました、公民館活動を支えたのは公民館だけじゃない、公民館を支えたのは学校だ、こういう話で、地域と公民館が一緒になって子供を育てている、あるいは地域づくりをしていると。あるいは、出町中学校のように、全員を部の中に入れて、絶対全員部の中に入るんだ、そして、部活動は文化であれ、体育であれ、これが一つの学校のテーマだから出てはいけない。そして、部活というものと教科というものとは同じだという考え方で学校運営をしている。出町中学はそうです。それはずっと伝統的です。そういうふうに、般若中学にしても、庄西中学にしても、みんな隣の学校のまねをしない、ここだけのもの、そういうものをつくって、今の指導要領と対峙しているわけでございます。
そういうことで、まだ幾つもございますけれども、各学校に行ってぽんと聞けば、必ず、「おれのところはこれが中核です。他にはないものはこれです」ということを必ず持っています。そうしないと学校の特色は出ません。そうすると人の物まねになってしまいますから、それでは決して地区の信用も得られないし、父兄の信用も得ることはできないと思います。
次に、子供の体力低下の問題でございますが、これにつきましては、私もここへ、ちょうどこの壇上で御説明をさせていただくようになってから1年になろうとしておりますが、その劈頭でやっぱり申し上げた覚えもありますし、「どうしたんだろう、今の子供たちは」という感じは、長らく教壇を離れておった者として感じます。
そこで、今の子供たちは、親の時代に比べて大きくはなっておるけれども、運動能力がない、これはもうデータではっきり出ております。少なくとも10%ダウンです。これは、もう落とすべくして落としています。何もせんかったら落ちるのは当たり前ですわね。原因としては、皆さん方も当然予想されます動きのない遊びが蔓延しております。指先だけの遊びが蔓延しておるということですね。
これに対する手の打ち方が全くなしに、そういう遊び道具ばかりが開発されていって、それによって出るデメリットというものについての対応が全く遅れておったということではないでしょうか。
それから、指導要領が今のように変わって、6日間学校へ行っとったものが5日間でよくなった、この1日をどうするがや。この1日をとられたことによって、子供たちのいわゆる運動の時間、体育の時間、私らの時代は110時間あったんですよ。それが一部5時間とられて、そして今また10時間とられて95時間しかないんですね。私ら現役のころには110時間あったんです。それはもうやれやれです。そういうふうにして子供の遊びというものを先にとらえながら学校を運営しておったのが、今は、お勉強が先に行って、遊びは後に来ている。それがデータとしては105から90時間に下がったということですね。
じゃ、体育の授業だけで体力が増強されておったかというと、そんなものじゃないんで、子供の遊びというのは体育の時間だけで満足するもんじゃないんですね。じゃ、それ以外の時間に体を動かさない子がまた出てきたということです。そういうことで、体力づくり検討委員会をこの前、今年の4月から発足させまして、私は、大至急この結論を出してほしい、そして、今年の少なくとも10月ぐらいから活動に入りたいんだ。1年たって答申、半年たって具体というがじゃだめなんだ、間に合わないんだという話をしましたところ、結論も早くいただきました。それは、食べることと動かすことと家庭教育と3本立てで出ましたけれども、それが今、各学校へその結果で出ておりまして、これを何らかの形で活動であらわしてほしいということで、これをしなさいということは言いにくいんですけれども、こんなデータが出てきたんだから、各学校で何とかこれに対する対応をしてほしい、こういうふうに申し上げまして、それぞれに動きが始まっております。
なおこの後は、学校の体育の時間の質を高めること、それから、現在行っております休み時間を利用しての屋外遊びをもっともっと楽しいものにすること、それから、学校だけでなく、家庭では家に閉じこもりがちにならずに、外で遊ぶ。地域では青少年活動を活発に行うことなど、いわゆる学校、家庭、地域が連携して体を動かすことを習慣づけなければならないと考えております。
なお、体力テストが行われていないんではないかという話がございましたけれども、体力テストは行われております。ただし、私がちょっと不審に思うのは、年1回しかやっておらん。診断というのは年1回でいいがかと。年1回で、1年たって、3年にやって、4年にやった。変化が見えるがでなしに、それは自然増やと。どこで努力した結果がわかるがやということで、できることなら、春にやって、秋にやって。そうすると、いわゆる子供が伸び盛りの春から夏にかけてどのように子供が大きく育ったかということも評価してやりたい。ところが時間がないと、こうくるんですけれども、それをうまくひねり出していくのが、やはり学校現場だと思います。
次、スポーツクラブが減少している。確かに中学校のクラブも減少している傾向にあります。出町中学校では、体操部、ハンドボール部が消えていきました。般若中学では柔道部が消えていきました。一方、庄西中学では、バトミントン部と新体操部が生まれております。こういうふうにクラブが消えていく状況は、それで全部クラブへ入れと言うがですからね。ただ、今まではやや強制的に、第1希望と第2希望をとって、第1希望でいっぱいになったら、第2希望のところへ持っていかれたわけです。ところが、今は第1希望中心でずっと持っていくもんだから、大きいクラブは大きくなるけれども、ちょっと人気がないというか、あそこに行ったらひどいぞといううわさが出たクラブは、もう人が寄ってこん。クラブへの加入率は高い。だけども、単クラブは1つ2つ減ったというんですね。これは子供の意向を尊重したあまりにそうなったんではないかと思います。
それから、スポーツ少年団も一部消えております。一番名を上げた庄南バレーボールスポーツクラブ、全国大会で優勝したがでなかったですかね、大変すごい成績を上げたけれども、あれもやっぱり、だんだん生徒数が減っていったのと後継者がいなくなった。それから、指導者もだんだん高齢化してきたということで、これは発展的に解消されていったということでございます。
そういうことで、ちなみに部への加入率は中学校で77%の加入率だそうです。出町中学は100%らしいですけどね。それから、スポーツ少年団は53%だそうで、全児童の半分ぐらいが、4年生以上ですね、半分ぐらいが部活へ入って活動している。どこへも入っておらん子がやっぱり問題だと思います。
このようにして、市内の小中学校では、体力が落ちているということに対する対策として、まず、始業前にさわやかタイムということで、駆けっこやボール運動をやっている。それから、長休みの時間にも外へ極力出すようにしているということ。それから、公民館が体力づくりに貢献してくれているところもあります。林の公民館では、わんぱく村や自然村などをつくって、子供たちの遊びに応援をしてくれておる。それから、般若の公民館は、庄川での水遊びや登山などもやってくれておるそうです。それから、砺波市教育委員会としましても、いろんな体力づくりの行事を展開しております。体協ももちろんそうでございます。
それでは次、食育、給食の問題でございますが、食育の実態と今後の取り組みについてでございます。
現在、日本は飽食の時代とも言われて、食生活は豊かになったばかりでなく、家庭で一家団らんの機会が少なくなっております。家族ともに食事をするという機会が全くなくなって、これが子供の体の成長にも影響を及ぼしていると思います。学校では、知育、徳育、体育の基本理念とともに、食育も導入することが、心身ともに健康な子供を育てるためには大切なことであると考えています。このことからも、何を食べるのか、どのように食べるのか、健康な食品と不健康な食品、さらに、安全な食品と危険な食品などなどについて学習する能力を培う必要があると思います。
市内の食育の実態でございますけれども、まず、食物生産の取り組みでありますが、市内の小学校では、生活科や総合的な学習の時間を使って勤労生産学習を行っております。学校農園や休耕田を借りた農園で、米、野菜、花などをつくっています。収穫した作物は、子供たちが調理して食べています。植えつけから収穫まで、大変な手間と知識と知恵が必要になりますが、子供たちは、家族や地域の農業の専門家に教えていただき、収穫した作物を調理するとともに、お母さん、おばあちゃん、地域の調理の先生にお世話になっております。このような活動を通して、働くことの大切さや食物を育てることの難しさなどを知るとともに、指導していただいた人々に対する感謝の心が養われます。
それから、学校の教科の中、お勉強の中では食についてどういうことをやっているかと申しますと、小中学校では、家庭科や保健、さらに生活科や総合学習の時間で食について学ぶ機会を持って、小学校6年生では、家庭科の授業の例ですが、1週間にわたって、いつ、何を、だれと食べているのかを克明に調査し、問題点と対策を考えるというものがありました。その内容を見ますと、朝食を毎日とっていない、好きなものにばかり偏っている、家族が食事にそろわないなどなどの問題が浮き彫りになりました。子供たちは、望ましい食生活のあり方を調べるとともに、それぞれに家庭に合った解決方法を考え、実践に結びつけようと真剣に取り組んでいました。
次に、つい先刻オープンしました砺波市内の学校給食センターの取り組みについてでございます。
砺波市の学校給食センターでは、御飯を今までのような弁当箱入りではなく、御飯茶わんに盛りつける方式をとっております。一人一人食べられる量に応じるとともに、これも日本の食文化の大事な伝承であると考えております。
また、学校栄養職員による食に関する指導も、各校の先生方と協力して計画的に行うとともに、インターネットのホームページや給食だより等により、食に関する情報を発信し、家庭や地域と連携して食指導を積極的に推進しています。そのほか、食材への関心を高めることや感謝の心を育てることを目的に、地元の野菜生産農家を取材する子供特派員報告を実施しております。
最終的にまとめとしましては、やはり家庭の役割が大変大切であります。子供たちの食育について、学校教育の果たす役割は大変重要ではありますが、それ以上に最も大きなのが、家庭における毎日の食事であります。砺波市のP連や連合婦人会など、関係機関と連携して、食育の重要性に対して啓発を図っております。
また、各校、各幼稚園においても、先ほど述べた食料生産活動へ親子での参加や、親子会食等を通して食に対する意識の向上を図っていきたいと考えているところであります。先ほどのお昼のニュースでも、砺波市内の幼稚園がサツマイモを掘りに行っておったのが放映されておりました。
以上、食生活に関することでございます。
最後になりましたけれども、一番問題の多い通学区域のことについてでございますが、池田議員は、過去の来歴など十分に御理解の上で御質問をなさっているものと思っております。それほどこの問題につきましては歴史があり、それから、現状をどう踏まえるか、将来をどう見るかという大変難しい問題でございます。
議員御指摘のとおりに、住宅団地の増加など、転入者の増加によって、児童数の推移では増加している学校と減少している学校とがあります。市内の学校通学区域内の児童数の格差が生じて、学校間のバランスに多少の問題ができております。これについては、先ほど御質問にあったとおりでございます。通学区域の見直しについては、地域と学校の長年にわたる経過や通学距離、地域コミュニティーの問題などがありまして、大変難しい課題であります。
児童数増減是正対策として通学区域について検討してはとのことでありますが、現況においての対応は大変困難であると考えております。今後、庄川町との合併を踏まえ、また、学校増改築建設に当たって、議員御提案のあった交通安全や幹線道路などを含めての通学区域について、議論をしながら進めていかなければならないときが当然やってくると思います。
以上、答弁を終わります。
◯副議長(松本君) 答弁を求めます。
総務部長 吉田俊和君。
〔総務部長 吉田俊和君 登壇〕
◯総務部長(吉田君) 池田議員お尋ねの、住民基本台帳カードの多目的利用についてお答えを申し上げたいと存じます。
御案内のとおり、住民基本台帳カードの活用につきましては、市町村の条例によりまして多目的に利用できることになっております。しかしながら、システム開発の運用に大変多額の経費を要するということがもう既に明らかになってございます。したがいまして、独自の導入につきましては、慎重に対応する必要があるというふうに、まず感じているところでございます。
そこで、富山県内におきましては、目下、35全市町村で、共同によりまして、インターネットを利用した18項目の申請届け出業務のシステム化について検討がなされているところでございます。そして、今年度中にその18項目のうち、納税証明書、乳幼児医療申請等の6業務につきまして実証実験が行われることになってございます。そしてその後、引き続いて実用化に向けてのシステム開発が進められるというふうに承っております。
なお、これら市町村の業務、あるいは国、県への申請等を電子化する際には、本人確認をすることがどうしても必要になってまいります。そこで、公的個人認証サービスの受け入れ媒体といたしまして、住民基本台帳カードが活用されるというふうな前提になってございます。
したがいまして、これからのシステム開発につきましては、まず、事務の標準化を図りながら、共同でシステムを開発をし、そしてまた、共同で運用していくことによりまして、コストの縮減を図ることにも配慮すべきであろうかと考えております。
なおまた、御存じのとおり、当市でも既にインターネットを活用いたしまして、図書館の本の貸し出しあるいは体育施設等の利用状況の確認、予約等ができるようにイントラ事業で整備済みでございます。
以上、蛇足もつけ加えまして答弁とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
◯副議長(松本君) 答弁を求めます。
民生部長 津田俊祐君。
〔民生部長 津田俊祐君 登壇〕
◯民生部長(津田君) 池田議員の、住民基本台帳ネットワークの本格的稼働対策についての御質問のうち、まず、窓口業務の対応についてお答えを申し上げます。
転出の際の手続の簡素化によって公的サービスの手続に支障が生じるのではないかとの御質問でありますが、仮に、砺波市の市民課窓口で住民基本台帳カードを提示して転入届をする場合には、転入される方は、事前に転出する市町村へ一定の事項を記入した付記転出届を提出する必要があり、この提出には郵送も可能であります。この事前の届け出により、転出する市町村では、関係部署と連絡し、御質問にある諸手続を済ませることになるわけであります。
なお、当市における現在の住民基本台帳カードを申請された方は8名となっておりますが、交付の際にそうしたことを窓口で十分御説明をいたしているところでございます。
また、各市町村での転出、転入の届書の様式の違いにつきましては、確かに統一様式はございませんが、住民票に記載すべき事項等については、住民基本台帳法第22条及び第24条に基づき、それぞれ転入届、転出届の記載内容が定められており、いずれの市町村においても必要事項は確認できることでありますので、住民基本台帳法に基づいた記載内容で対応いたすところでございます。
次に、個人情報の保護対策でございますが、平成14年8月から砺波市住民基本台帳ネットワークシステムセキュリティー要綱を定めまして、庁内の住民情報等に関し、正確性、機密性及び継続性の確保や本人確認情報の適切な管理を行いまして、万全を期しているところでございます。そうしたことから、個人情報の漏洩はないと考えております。
また、先般7月には、県のヒアリングを受けた際、セキュリティー要綱に基づく管理体制等について特に指摘事項はなく、問題点となることはなかったところでございます。
また、仮にセキュリティーを侵犯する不正行為が発生した場合を想定した住民基本台帳ネットワークシステム緊急時対応計画書に基づき、不正行為の脅威度、緊急時連絡網及び緊急対応策等のマニュアルを作成し、関係課との連携の上、周知徹底を図っているところでございます。
以上でございます。
◯副議長(松本君) 4番 齊藤源秋君。
〔4番 齊藤源秋君 登壇〕
◯4番(齊藤君) お許しを得ましたので、通告に従い市政一般について2項目の点から質問、要望をさせていただきます。
1項目目は、合併による新市まちづくりについてであります。
まず、新市まちづくり計画と住民への広報活動等、理解を求めることについてであります。
4月1日に砺波市・庄川町の法定合併協議会が発足し、基本4項目は合意に至っているものの、条例や行政サービスの内容などについての提案や協議が、専門部会や協議会で積極的に進められております。
7月20日に富山市で開催された市町村合併をともに考える全国リレーシンポジウムで、今春誕生した南アルプス市長や来年合併する芦原町長さんの話を聞きましたが、ともに市長、すなわち首長さん同士の意思統一と信頼し合うことが何よりも大切で、譲るべきところは譲ることも必要との考えなどを強調されておりました。私は、6月に自民会での行政視察で南アルプス市を訪れ、合併までの経緯を聞いておりましたので、興味深く拝聴できました。
平成12年4月に法定協議会が発足してから16回の合併協議会、5回の新市建設小委員会、5回から10回の各種小委員会、6町村内36会場においての住民説明会、住民意向アンケート、協議会だよりの発行等、今年3月まで3年間にわたって広報活動や協議が行われ、この平成15年4月1日に人口7万1,000人余りの南アルプス市誕生に至ったとのことであります。
砺波市においても、特に新市将来像の素案作成までに2回の地区住民説明会や出前講座、検討資料とテレビ解説、市広報のほか、住民の意向調査など、広報広聴活動が数多く行われ、意見の収集と分析、膨大な自由意見の集約などをもとに、新市将来像の素案ができ上がったことに、私は関係の皆さんに、その意気込みと新市への熱い思いが感じられ、高く評価しております。
新しい市の将来像を基礎に新市建設計画が構築されていくわけでありますが、今後、厳しい財政をどのように活性化するのか、少子高齢化にどう歯どめをかけるのか、地域の伝統文化をどのように継承するか、福祉や環境など地域の特性をどう生かしていくのかなど、地域住民とさらなる対話も新しいまちづくりに欠かせないと考えます。今後、どのような広報活動などを通して市民の理解を求められるのかお伺いします。
次に、合併を新市まちづくりの出発点とすることについてです。
合併協議会発足後、各専門部会での協議も積極的に進められ、5回の合併協議会で52の協定項目中、27項目まで調整案が提案され、23項目について調整方針の決定を見ておりますが、今後、残された協議項目の調整、合意と新市建設計画の策定などが行われるわけでありますが、過日開催の新市まちづくりシンポジウムで講演された瑞穂市長松野幸信さんは、「合併は財政問題だけでなく、次世代にマッチした地方自治のあり方はどうか、地区住民の幸せを構築していくのにどんな役割を果たすべきか根本的に見直す方法の一つで、合併を出発点としてビジョンを描くことが最も大切で、合併は新しい時代に機能する一つの手法であり、構造改革でもある」などと述べられましたが、私は次の4点について印象深く拝聴しました。
今までやってきたものを、これからの時代にマッチするか見直す。サービスは高く、負担は軽くではなく、サービスの原点を見直す。協議していくポイントは、過去を引きずらないこと。利害関係にあるものは、地域のために必要か、なぜするのかなどであります。
合併を出発点として住民はどこまでやれるか、行政はどこまでサポートできるかを住民とともに考え協議して、古来より豊富な水を生かした田園都市、瑞穂市を今年5月1日に誕生させることができたと結ばれたのであります。
新砺波市のまちづくりにおいても、痛みを分かち合わなければならない項目が水道料金等にあるように思われます。過去にこだわらず、新しい町のビジョンを描きながら議論するなど、瑞穂市の考えも参考にすべきと思いますが、市長の御見解をお伺いします。
2項目目は、良質米生産への取り組みと来年度からの米の生産調整についてでありますが、まず、低温・日照不足の中で、良質米生産への取り組みについてです。
農林水産省は7月29日、6月下旬から北日本を中心に低温・日照不足が続いており、稲の登熟期等、農作物に被害が生じる恐れが心配されたため、省内に低温・日照不足対策本部を設置し、指導に当たってきています。
気象庁の統計によりますと、今年は全国的に冷夏で、東北は戦後3番目タイの低温と言われ、富山県内も6月から8月までの各地の平均気温は平年より0.4から0.9度低く、日照時間も平年の55から75%、最高気温が30度を超える真夏日がわずか19日間と平年の6割程度しかなく、10年ぶりの冷夏であるとのことであります。富山県の稲の作柄もこの天候に影響され、平年に比べ「やや不良」と評価されています。
さらに、8月27日に農林水産省は8月調査の2003年産水稲の作柄概況を発表しておりますが、それによると、6月中・下旬以降の長雨や日照不足など、天候不順が大きく影響して、北海道と東北3県が「著しい不良」、93年以来の不作となる懸念が強まったとしています。
この調査で作況指数が示されたのは、収穫時期の早い沖縄、宮崎、鹿児島が「不良」、高知、徳島「やや不良」、沖縄が「平年並み」となりそうとのことであります。北陸4県では、富山県と同じ「やや不良」となっております。梅雨入りまでは天候に恵まれたものの、もみの数は平年に比べてやや多いが、出穂前後の天候不順で十分な登熟が見込めないためとの理由で、作柄概況は平成10年以来5年ぶりに平年を下回ったと発表しております。
また、早生の一部に実が詰まっていない穂も見られたほか、病害虫の発生は少ないが、部分的に穂いもち病の発生も確認されているとのことであります。
市内の農家で収穫された今年の早生品種の初検査が9月2日に実施され、小粒ながら平年並みの品質が確保でき、全量一等となったと報道されておりますが、今年の早生の作柄や品質検査等についてお伺いします。
また、主流のコシヒカリについて、土壌改良や田植え時期を遅らせるなど、良質米生産に向けて努めてきているのでありますが、登熟期の低温・日照不足の折からどのような営農指導が行われたのか、今後の収量や品質をどのように見込んでおられるかについてもお尋ねします。
次に、来年度からの米の生産調整への対応についてであります。
国は、水田農業政策・米政策を大転換するため、米政策改革大綱を昨年12月にまとめ、改革の全体像を示す基本要綱も発表し、今年の通常国会で改革に関連する農業関係法案をすべて法律化しております。
特に、改正食糧法は、米の生産、流通の関係者の主体性を重視しつつ、安定的な生産、流通を確保する観点から、生産調整制度の見直し、計画流通制度の廃止などを内容にしており、来年4月より実施されるとのことであり、これらの法律に基づいて、政府は、米政策の改革に向けた明年度予算の概算要求基準を8月1日の閣議で了解したとのことであります。
農林水産省は、米政策の改革を最優先に3,091億円を要求しており、このうち生産調整関係の予算は2,534億円で、今年度より100億円増えているとのことであります。
生産調整の柱となる水田農業構造改革対策、産地づくり対策と稲作所得基盤確保対策に2,257億円、また、産地づくり対策では、現行水準を確保し、特別調整促進加算や畑地化推進交付金が新設されたとのことであります。
県や市町村でも、この概算要求等を受けて、来年度からの改革本格実施に向けて具体的な協議を積極的に始める必要があります。特に、地域の特性を生かした地域の水田農業ビジョンの策定や集落営農組織の協業化、法人化の推進を支援することについてや、米づくりのほか、水田農業のあり方などの検討が大切と考えます。
来年度の生産調整については、つくらない面積の配分ではなく、つくる数量の配分への転換を図るとのことでありますから、産地づくり対策を初め、新設される改革の内容や、今、改革準備期間としてどのようなことについて協議が進められているかお伺いします。
市当局の答弁を期待して、一般質問を終わります。
◯副議長(松本君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念君) 齊藤議員にお答えをいたします。
まず、合併による新市まちづくりについてでございます。住民への広報活動、そして、どう理解を求めていくかということなどでございます。
このまちづくりにつきましての建設計画、今、それぞれ項目ごとに話をしておりますが、残るのは建設計画だろうと思います。そのことについての質問だろうと、このように思っておるところでございます。
いずれにしても、よく言われますが、合併というのは、その市町村の自治能力を高めるということですね。2つ合併して自治能力が落ちたら、これは合併の意味がないわけですよ。広いからよいものではないわけですね。大きいからいいものではなくて、合併することによって力を発揮する、これが私は合併の原則だろうと思いますので、そういう気持ちで改革もしなければいけません。そういう気持ちで、住民の意向も吸収したいと。ぜひそういうことでこれからも対応していきたいと思います。
そのために、合併協議会では先般アンケートをとりました。御協力いただきまして、その集約を先般素案として出したわけであります。なお、発表者には、その素案を早く出しまして、それに対する御意見を求めて、それこそ皆さんすばらしい意見を述べられました。
なおまた、あのシンポジウムの後、多くの皆さんがアンケートを提出していただきました。それも今、集約をいたしております。基本的には、今申しましたように、合併することによって自治能力を強くするというのは原則でございますし、合併することによって元気の出る、そういう市町村であるというのがまず基本でございます。ついては、皆さん方の意見を吸収して、どういう姿をつくるか。あれもこれもおねだりするような自治体であってはならないわけですから、そのことは皆さんも御理解をいただいていると思いますが、その意味では、少し痛みを分かち合いをしなければならない部面も私はあると思う。ぜひその意味で御理解をいただきたいと思います。
具体的には、今その素案づくりをしまして、あれが文言で、いわゆる哲学です。ついては、それの順序立てとして、何をどうするかというのはこれから、今議論しておりますけれども、詰めなきゃいけません。ただし、そんなに時間がございません。したがいまして、私は町長さんとお話ししているんですが、精力的に総合計画をつくってきただろうと、やりましたと。私の方も何十回となく市民の皆さんの意向を聞いて、まちづくり委員会までつくって、実は21世紀プランをつくったわけであります。これは何ものにもかえがたい大事な計画なんです。したがいまして、庄川町とのこれまでの総合計画、私どもの総合計画、すり合わせるわけです。ただし、両方プラスしてやるというような膨大な計画に実はなるわけです。そこのところを少しお互いに痛みを分かち合いながら、プラスはいたしますが、先ほど言いましたように、自治能力を高める意味での計画でなければならない、そんなことを実は思っております。
なおまた、今それぞれにローリングをかけて、1年ごとにローリングをかけて、3年見越しをそれぞれ、これは法的にもそのように言われておりますからやります。その具体的なものをすり合わせして調整してやらなきゃいかんわけです。財源がたくさんあれば問題はないんです。ただし、今、地総債等全部切られました。勝手に発想して借金するわけにいきません。ついては、いい財源は合併特例債だと思います。したがいまして、1年待っていただいて、合併特例債を使うことによって、将来の借金から考えてプラスになるわけですから、市町村は。そういう意味でのローリングをすることが大切ではないかと思います。
したがいまして、何度も申し上げますけれども、両市町の総合計画を調整する、そして、いい建設計画をつくり上げるということに私はしたいと思います。ついては、議員さんもおっしゃいますように、これを全部また町に戻して、現場へ行って話をしていろいろやろうという、そういうことの希望のようですが、なかなかそれはこの体制の中ではできないという状況でございますので、基本的に先般、これはもちろん議会でも議決をいただいておりますから、そのような調整でいきたい。
ただ、市対町でプラスしたという建設計画では、なかなか困難性もあるような気がいたします。ただし、市対町でどうしても必要な道路環境などあります。これはプラスしていくという建設計画にしなきゃいけません。
それから、砺波市に特徴のある、例えば福祉の問題等について優位ですばらしいものがあるとすれば、これはやっぱり町民の皆さんにも享受してもらう。従来批判のあった等々があるとすれば、これは切らざるを得ないという調整は私は必要だろうと、このように思っております。したがいまして、これは議会の皆さんともこれから協議をしてまいりますけれども、逐一、出前講座に出てこいとおっしゃれば行きますけれども、今私どもが指定してこう行きますよ、ああ行きますという話をしますよというような形では、なかなか今とれない状況だということで申し上げておきたいと、このように思っております。
いずれにしても、建設計画はそのような考え方で進めさせていただきたいと思います。
それから、まちづくりの出発点、どうするのかということでございます。
松野市長からもいろいろ提案があって、苦しいところもありまして、足して2で割ってやるところもあったことを私も聞いております。だから、住民に、例えばサービスが低下することについて一々説明しなかった、そんなこともおっしゃいました。したがいまして、ただ、結果的にはそのようになると思いますが、いずれにしても、両町の歴史的なことも1つございます。それを大事にしなきゃいけません。
それから、今ちょっと申し上げましたが、砺波市の個性、庄川町の個性もあります。これはやっぱり大事にしていくという、そういうことだろうと思います。まず1つは、お互いに合併して、庄川町は少し多いんですけれども、50年経過している、私も50年経過している。その50年という中のあかは別として、いい歴史、これを大事にする、これが出発点。砺波市も50年経過しました。したがいまして、この大事な歴史を大事にするという、私はそういう哲学を持っております。もう1つは、個々にそれぞれ個性があるわけですから、この個性も大事な出発点にしたいなと、こんなことを実は思っておるわけでございます。
いずれにしましても、それらを大事にして調整しすり合わせする、そういう意味では、先ほどもおっしゃいましたように、負担は軽く、サービスは高くというわけにはなかなかいかないというのが現実ではないか。そこで例に挙げられました水道料金の問題については、堀田議員にも申し上げましたが、私は1つの問題点、いわゆる庄川町の地理的な条件や歴史的な背景や、そういうこともございますので、一気に調整できないのではないかなという想像をしております。ただし、これを一気に調整するのは、私は原則だと思う。
3点目は、先ほど申し上げましたように、1つは、市民は皆市民なんですから、市民は平等であるというのが私は原則だろうと思います。ただし、今言いましたように、歴史や個性や、それから歴史的な経過がございますので、それらにつきましては、一気にはできない一面があるかもしれません。あるかもしれませんが、それは御理解をいただきたいなということでございます。いずれにしても、出発点は、私は、市民はみんな平等であり均一であるというのが原則で進めさせていただきたい、このように思っております。
なおまた、瑞穂市長がおっしゃいました点等については、参考にしていきたいと、このように思うところでございます。これからさらにこの辺の議論が始まりますので、議員各位からもいろいろこのことについて御意見をいただければ大変ありがたい、このように存じておる次第でございます。
あと良質米等につきましては、産業建設部長からお答えをいたします。
以上でございます。
◯副議長(松本君) 答弁を求めます。
産業建設部長 藪田康男君。
〔産業建設部長 藪田康男君 登壇〕
◯産業建設部長(藪田君) 齊藤議員さんの良質米生産への取り組みと来年度からの米生産調整についての、最初に、低温・日照不足の中で良質米生産への取り組みについて答弁をいたします。
まず、第1点目の、今年の早生の検査結果につきましては、9月2日にとなみ野農協の初検査が実施され、早生品種のハナエチゼンについて検査なされた720袋すべてについて一等となったことは、喜ばしいことと思います。また、作柄や品質につきましては、粒形、粒ぞろい、光沢は前年並みでありましたが、充実度は前年度よりやや劣り、千粒重については前年より軽いという状況でありました。
次に、齊藤議員も御指摘のように、今年は田植え時期に予測もしない7、8月の低温・日照不足でありました。このような状況で、カメムシによる斑点米の被害を防ぐために、発生調査を実施し、適期防除の指導及び低温によるいもち病の発生が見込まれることから、防除の徹底指導をするとともに、出穂期以降の適正な水管理について、営農特報やケーブルテレビなどで指導してきたところであります。さらに、各地区においては、産米改良座談会を開催し、関係機関とともに防除指導及び適期刈り取り、適正な乾燥調製などについても指導してきたところでございます。
なお、被害状況は、コシヒカリの登熟及び収量への影響が懸念される状況であり、現在、関係機関とともにほ場調査を実施している状況でございます。
今後は、主力品種でありますコシヒカリにおいて、適期の収穫作業や適正な乾燥作業による品質の向上を図るなど、上位等級比率の向上に向けた玄米水分の15%調製及び米選別機の網目1.9ミリの使用徹底により、整粒歩合を高め、品質向上対策に関係機関の総力を挙げて取り組んでいくものであります。
次に、来年度からの米の生産調整の対応についてでございます。
平成16年度から始まる米政策改革大綱については、国からの詳細事項や金額についての発表が遅れている状況にありますが、現在までの大綱の内容について御報告をいたします。
初めに、産地づくり対策について御説明をいたします。
従来、転作助成金について、全国一律の要件、単価にて支払われていた助成金体系については抜本的に見直され、産地づくり推進交付金として支払われることになります。これは、地域自らの発想、戦略で構造改革に取り組むための地域提案型の助成であり、助成金の使い方や水準については、地域水田農業ビジョンを策定し、特色ある産地づくりを目指して、県、普及センター、となみ野農協、富山農政事務所、市中核農業者、市球根組合などの代表で組織する第三者機関が中心となって検討することとしています。
次に、担い手経営安定対策について御説明いたします。
水田農業の担い手の経営の安定や目標とする経営規模に近づく努力を促し、水田農業の構造改革を加速させることを目的とした対策でございます。
加入対象者の要件は、認定農業者または集落営農のうち、一元的に経理を行い、5年以内に法人化する計画などの要件を満たす農業者集落であり、水田経営の規模要件については、認定農業者においては4ヘクタール、集落営農においては20ヘクタールとなっていますが、物理的制約から規模拡大が困難な地区に限定し、基本原則の概ねは8割の範囲内で知事特認として緩和が可能となっています。
以上、現在まで国や県からの説明のあった内容でございます。また、改革準備期間である現在は、各地区にて夏季座談会及び水田農業推進会議が開催され、大綱の概要説明及び意見の集約を行いながら、関係機関とともに砺波市農業の水田面積に対する農業者の構成割合や地区別の特産振興作物の面積などについて調査し、地区へ提供できる資料づくりを行っております。
また、地域自らの発想、戦略で行う取り組みについて、農業者、農業団体が主役となる地域水田農業ビジョンを策定するための組織を立ち上げて、地域ごとの特徴ある農業を生かしながら、新たな米政策に対応するとともに、農業者、農業団体と行政機関とが一体となり、お互いに知恵を出し合い、砺波の農業を守り育てていきたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯副議長(松本君) 3番 柴田 智君。
〔3番 柴田 智君 登壇〕
◯3番(柴田君) お許しをいただきましたので、通告に基づき、市政一般の中から2項目に関する質問と提案をさせていただきます。
1項目目には、砺波型伝統家屋の伝承についてお伺いいたします。
屋敷林に囲まれたアズマダチ、マエナガレの民家が点在する様子は、砺波平野の散村の代表的景観の一つであります。屋敷林の杉の木立に囲まれた切り妻やマエナガレなど、砺波平野にある農家の間取りは、基本的には広間型となり、どの家も黒の屋根がわらを置き、重厚さを醸し出し、カイニョと調和して安定感と安堵感があってよいと居住者の意見が聞かれております。
しかし、近年10年の間に毎年450戸から500戸の新築、増改築がなされ、砺波型の広間を持つ伝統民家も、そこに生活する人々の考え方や暮らし方が変わるとともに、自然環境や人々の暮らしの変化に伴い、地域の伝統技術を多く持った職人さんの仕事もなくなり、それと同時に、建設会社や大手の住器産業の参入により、一段と職人の仕事はなくなり、ひいてはその下で安い賃金で働かざるを得ない状況となり、時には従来型の伝統的村の職人たちが建てた民家がどんどん壊されていく。今、景観保全というけれども、従来型の民家がなくなり、近代的な新しい何々ハウスに変わっていっても、それでも伝統的な砺波の景観が維持されていくのでしょうか。
次の5点についてお伺いいたします。
散村の景観を守り、砺波型のアズマダチ、マエナガレの民家をどう守るかについて。
屋敷林に囲まれたアズマダチ、マエナガレの広間を中心とした砺波型の家々、先人たち、親は、一生一代の思いで家を建てたと思います。現在、市内全域にはアズマダチ826戸が確認されています。マエナガレの確認としては、砺波地方の西風の強い地帯や、五鹿屋地区では地主層がマエナガレ様式の家をつくったため、一般農家が見習い、昭和40年まで農家の3分の1がアズマダチ、マエナガレの砺波型の様式であり、風をどう取り込み、湿気をどう防ぐかを考えて建てられてきました。これらすべて、基本的な職人として大工さん、屋根屋さん、かわら屋さん、戸大工さん、壁屋さん、漆の塗り屋さん等、散居村の地元の職人さんの伝統的な技術に支えられてきました。
時代の進展に伴ってそれぞれの地域の様子が変化していくのは当然のことでありますが、住みよさランキングにより人口も増加し、宅地造成も今より進んでいくと思われます。今の若い方は、車を買う感覚で住宅も買うものだと思われます。ハウスメーカーののぼり旗を目指して展示場を幾つも見学され、格好のよい住宅を求められております。ハウスメーカーも若向きの住宅を展示し、気候、風土、材質も軽視し、安値志向の住宅を展示しています。
しかし、周囲の景観から見て、外壁、屋根などはそぐわないことも出てきております。事前に業者へ、砺波市は花と緑のまちづくり条例を掲げていることを知ってもらい、第8条の「市は市民と一体となり、学術的および景観的に貴重な散村及び屋敷林を保全し緑あふれる快適な生活環境の創造に努めなければならない」を知っていただき、相手の方に不愉快な思いをなされないようにすることも、ともに商業地以外での高さ制限など住環境を条例化し、景観保存という立場から民家をどのように守っていかれるのかお伺いいたします。
次に、伝統家屋の維持管理の考え方についてお伺いいたします。
散居村地域では、周囲が水田のため湿気が上がって根太や束が腐っているので、建築後数十年で根太上げが必要となり、さらに50年もたてば大屋根のかわらのふきかえが必要となり、生活様式の変化にあわせ、便所、台所、ふろなど水回りの部分の改築も必要となってまいります。
子供が大きくなるにつれ、子供の部屋の増築など多くの資金が必要となり、「10年に一度はどこかの部屋の大改造に100万円単位のお金が必要」と泣いた人もおられました。「今どきの住宅なら、新しい家が1軒建つほどや」と苦笑いした人もおられます。しかし、改築に改築を重ねても、長期の厳しい風雪にどっしりと耐えている建築物は、砺波地域の気質であると思います。今どきの住宅は気密性が高く、結露があり、長くても30年から40年で廃棄されると思うと、砺波型伝統民家こそ、環境に優しい建物であり、屋敷林と屋根がわらのある風景が砺波の民家の代表的なものであるとすれば、それを守り続けている方には、住宅金融公庫の窓口紹介もありますが、その利子に対する補助等も考えるべきではないでしょうか。伝統民家の保存という形をとれば、現在、建築組合の皆さんが地域住宅相談所を砺波市コミュニティープラザ2階に、毎月第4土曜日、午後1時半から4時にかけ、会員相互の番で相談窓口を開設していらっしゃいますが、市は、砺波型伝統家屋の保存という立場から、看板や広報等でも市民に利用していただくような、そういう施策をできないものでしょうか、お伺いいたします。
次に、伝統家屋の耐震性についてお伺いいたします。
先日、宮城県で震度7の地震が発生、幸いにも死亡事故もなく、家屋の倒壊で済み、ほっとしたところであります。
古くから砺波地方では、地震があれば広間が逃げ場となり、ワクノウチのつくりは頑丈なつくりだと聞いております。砺波地方には幾つかの断層が走っております。城端から庄川町にかけて高清水断層、医王山から石動に向け石動断層等があり、いつかは起きるであろう地震対策としてどうでしょうか、1つには、見えないところに仕口を入れたり、筋交いを入れたり、ほかにどんな対策があるかお伺いをいたします。
次に、砺波型民家のワクノウチの継承について。
昭和50年以降、市内で新築でワクノウチを施した家は見られず、10年に一度くらいで、今日に至っては皆無に等しいと思っております。現状においては、修繕、復元という形であっても、そのまま復元の繰り返しで技量は身につかず、伝承を考えるとすれば、田園空間整備事業において、アズマダチの1棟に砺波市建築組合にワクノウチを新しいもので依頼し、次世代の継承とすべきと思っております。
なお、話を聞きますと、ワクノウチの解体に大変時間もかかり、再利用することもできず、重機による解体がほとんどだと聞いております。再利用するためにも、この機会に新しいものを制作してみる必要があるのではないでしょうか、お伺いいたします。
次に、職人の育成につきまして、現在、建築組合の方は庄東、こちらの方を混ぜますと340名おられます。実際に大工さんとして作業に従事していらっしゃるのは240名くらいと聞いております。実際に今の20代、30代の職人さんは、墨入れやくぎさえ打てない人もおられるように聞いております。作業内容は機能化し、機械相手の仕事となり、プレカットや下地作業が主となり、工期の短縮が求められる等、早くできておりますが、実際に刃物を使っての伝承の技術が忘れられていることに富山県建築組合は気がつき、数年前から県内をブロック制に分け、職人さんの意向を聞き、刃物による建前までの作業をやり、技術習得に当たっていると聞いております。当然、1日の作業内容が遅れ、その分だけ組合が日当の一部を負担する方向をとっていると聞いております。
行政は、年間10棟以上の建築する企業や住器産業への業者に、せめてもの技量の向上を含め、1棟だけでも刃物を使った手作業による指導はなさらないのか、お伺いをいたします。でないと、現在の和室づくりの働き手の職人さんも、10年後には高齢化を迎え、業者間で職人の取り合いとなり、同時に、砺波型伝統家屋の存続に支障を来すと思われます。砺波型伝統民家を現代の快適な暮らし方に取り入れながら、散村のすぐれた田園風景を守り、それぞれのプライバシーを大切にし、すばらしい住環境としての機能を発揮し、砺波市花と緑のまちづくり条例第8条に象徴されるように、行政側と市民が一体となって快適な生活を創造し、世界遺産ともなり得る先人たちの思いを次世代に引き継ぎをしなければならないと思っております。
次に、北部地区福祉センター建設についてお伺いいたします。
先日9月4日、砺波市議会9月定例会において市長提案理由説明の要旨に、北部地区総合福祉施設の整備について建設用地の候補地の選定、関係者の同意、用地買収に取り組んでいるとの報告を受けております。行政の社会福祉事業の前向きな取り組みに高く評価をし、高齢者福祉の充実に一歩前進したことを喜びたいと思います。
次の2点についてお伺いいたします。
これからの建設計画について、となみ21世紀プラン第7次砺波市総合計画に基づいて、どのような年次計画のもとで建設されるのかお伺いいたします。
2点目、整備の内容について、今日まで要望してまいりましたデイサービス、ショートステイ、在宅介護支援センター並びに生活支援ハウスなど、在宅福祉施設の整備を行いたいと聞いておりますが、どのような規模を計画していらっしゃいますかお伺いし、私の質問を終わります。
◯副議長(松本君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念君) 柴田議員にお答えをいたします。
まず、散居を守り、砺波型のアズマダチ、マエナガレを守ることについて熱っぽく御意見をいただきました。そのとおりだと思っております。
散居景観は、御意見にもございましたように、砺波地方の伝統家屋と、いわゆる屋敷林が一体になったこの姿が大切でございます。おっしゃるとおり、その意味では、五箇山の合掌集落と私は匹敵するように感じておるわけでございますし、そのようにおっしゃる方もおられるわけです。したがいまして、先般の文化庁では、文化的遺産であると、そのように言われたわけですから、私は、劣ってはいないと思うし、その意味で柴田議員が熱っぽくおっしゃったことについても御理解をしたいと、このように思います。
そのために農林水産省は、田園空間整備事業というとらえ方をして、伝統的家屋を残したらどうかという提案があって、そのことについては私も賛成をいたしました。要は、今議論しているのは真ん中のコアの問題です。ただし、伝統的家屋を、今御指摘ございましたように新しいものでつくれと。いろいろ聞いてみますと、材料がございません。ありますか、ないんですよ。しかも木は、御存じのように大事にすれば2000年もちますから、しかも、伝統的という言葉を使うとすれば、私は、古しいものを解体して、そこで、今の技術がどうあるか知りませんが、そういう古老、熟練者もおられるわけですから、まず材料がないですから、新しいのを建てろとおっしゃっても無理なので、今あるものをそこへ、いわゆる伝統という家屋ですから、建てていくと。これはあまり当たりません。根太の腐ったところ等については、それは直していくと思いますが、あるいは屋根裏の傷んだところは直すと思いますけれども、骨子となるものについてはそのまま1棟残したいと、これは私、意見一致しているんです。
もう1つ提案あったのは、これからどんどん壊れていくよと。恐らくそうでしょう。いかに柴田議員さんが心配されて、守れとおっしゃっても、今の若い人は守らないと思う。そこでせめて、このワクノウチなりアズマダチなりマエナガレをリフレッシュをして若い人たちに見てもらったらどうかと。そういうので2棟目は考えたいという提案がございました。ただし、中身については議論あるところです。中には個室をつくっていかなきゃいかんという話もあるでしょう。ただし、それじゃ、従来の形のものにはならないだろう。やっぱり今のままでどうリフレッシュをして、長持ちさせて、若い人たちが喜ぶのか、それを考えようということで、今考えておられます。実施設計にこれから入るわけですが、できればそういう知恵もかりて、少しリフレッシュしたものをもう1つつくってやろうと。
そこで、おっしゃるように、これから守ってもらうといういう立場で、そのことの相談も多いわけですから、実際はこうですよというのは現物を見てもらう。もう1つはリフレッシュしたものを見てもらって、それで相談に応ずる、そういう場でもあると思う。堀田議員には、花卉農業の専門学校的なものもそこでやったらということで私、お答えをしましたが、そういう相談業務も実はそこでやりたいというのが私の腹です。
そうすると、真ん中のコアが問題になってくるんですよ、県が建てます。今、この2つについては、サテライト事業として県がやりますけれども、主体は砺波市なんです。このことについては、私はオーケーだと。ただし、リフレッシュの中身についてはまだ十分議論しておりません。だから、そのまま持ってくるについては、忠実に持ってきなさいと。
そこで必要なのは屋敷林の問題です。この屋敷林をどうとるか、どのように植樹していくか、いろいろこれはやっぱり、古老とか先輩の皆さんの意見も聞いて、この涵養を考えなければいかん、そう思っているんですが、片方はリフレッシュですから、少し涵養も、芝生があったり、バーベキューもできるようなスペースもあったり、いろいろあってもいいんではないかと、私はそう思っているんですけれども、そのようにしていくと。その場で相談業務ができるような、そういう窓口をつくっていくということにしたいなと、このように思っておるところでございます。
ついては、この散居村ミュージアムについては、広範囲に活用、利用をどうするか。西尾議員さんからいつも言われておるんですが、大いに活用、利用することによって対応していく。そしてこれも、柴田議員さんがおっしゃるように、この伝統的家屋を守る一助になれば大変ありがたいなと、こんなことを実は思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
先ほどから、伝統家屋の伝承等について、調査もされ、熱心な御意見もいただきました。質問の細部につきましては、産業建設部長からお答えをいたします。
次に、北部地区の総合福祉施設建設計画についてお答えいたします。
このことについては何度か議会でもお話をいたしました。ついては、ようやく用地の買収ができる見込みになりました。関係者の皆さんに敬意を表しておるところでございますが、年度内に用地の取得をしたい、このように話し合いをさせていただいております。そして、平成16年度については、北部地区の皆さんにも加わっていただきますが、福祉の専門家にも2、3集まっていただいて整備検討委員会みたいなものをつくりたいなと、このように思っております。行政だけの視野でなくて、実際使われる方、あるいは福祉をこれまで担当してこられた方、あるいは地域の学識者などにも寄っていただいて、意見を拝聴して基本設計に入る。
そして、基本設計に入りましたら、支援ゾーンは国、県の補助金をもらわなきゃいけませんので、国、県の方も、髄分スタイルが変わってきたんですね。例えば、個室にしなさいとか、それからベッドのスペースも大きくしなさいとか、あるいは個々につい立ても入れなさいとかというのは少しずつ今変わってきておりますので、この時代になるとまた少し変わるかもしれません。もちろん、バリアフリー化にしなきゃいけませんが、そういう意味で、国と県と支援ゾーンについては補助金なり起債なりをいただくことになりますので、協議をさせていただきたい。その意味では少し時間がかかると思います。そういう検討委員会を平成16年度でやりたいと。したがいまして、17年に、16年度へ入って実施設計もできるかもしれません。そして、でき得れば平成17年度、この実施設計を上げて建設工事に着手したいと、このように思うところでございます。
この施設等につきましては、もっと早期にと私は思っておりました。先般も88歳の皆さんにお祝いに行きましたら、随分あの苗加苑も利用、活用しておると。その利用、活用しておられる方はしゃんしゃんです、率直な話。だから、閉じこもりの皆さんというのはどうしても弱い。そういう意味での交流ゾーン。たまにはふろに入ってというのはものすごく元気なんです。ついては、私はもっと早くしたかったんですが、少し計画が遅れました。遅れておりますけれども、そのような今段取りをしておりますので、御理解をいただきたいと思います。
それから、次は内容等であります。これも何度か議会でも説明を申し上げました。福祉ゾーン、それから健康ゾーン、特に健康であってほしいというゾーン、それから支援ゾーン、これは国、県からも応援していただきますが、支援ゾーン。大事なのは交流ゾーン、福祉のゾーンですね。それから健康のゾーン、それからバックアップする支援のゾーン、そして交流のゾーン、そういうゾーンを構築して、そのようにしていきたいと、こう思っています。
そこで、支援ゾーンのことについて申し上げられましたので、まずショートステイについては、定数の基本が一応20名でございます。いわゆるショートステイですから、お泊まりになるわけですよ。そうすると、介護職員等々要るわけですね。そのことの人員管理、人員配置の1ユニットが、大体20名になっておりますので、大体20名規模を考えたい。
それから、デイサービスセンター。これは毎日来てもらうわけですが、今、実は多いんです。そこで、中には、「おばあちゃん、1週間に1度でいいちゃ」と言うておっても、「おら、2日行きたいがや」と言う人がおられるんですよ。どうしてもデイサービスが必要になってきておりますので。ただ、標準型としては、利用定員が15名になっておりますが、ちょっとするともう少し増やさないかんかなと。それから今、痴呆症が多いわけです。何とかしてくれと。「さざんか」もございます。まあ、喜んでおられますので、そういう形態をもう1つ持ってくる必要があるのではないかと。ただし、これは元気な方の痴呆症の皆さんですよ。本当にひどい痴呆症でしたら、グループホームへ行ってもらわないかんわけですが、そこで、痴呆症の皆さんに、さざんかで6、7年、大体これも1ユニットやっているんですが、もう1つユニットをやるかなということで、今、実は思っております。ぜひそういうことで御協力いただきたいんですが、そういう形のデイサービスと、それから、痴呆症の皆さんのサービスする定員をそんな形にしたいと。
ただ、今申しましたように、砺波市の高齢化率は20%を超しました。75歳以上の後期高齢者も10%になったんですよ。だから、4万1,600人の1割ですから、想像がつくと思いますけれども、10%になりました。だから、そのことを考えるときに、もう少し定数を増やす必要があるんではないかと。ただし、これは国、県の枠もございますので検討してまいりたいと。今明確にできませんので、一応そういう方向で最初の基本スタートをしたいなと、こう思っておるところであります。
それから、在宅支援センター、それらがございますので、あそこへ設置します。そして、これは基幹型ではございません。役所には基幹型があって、指導助言をいたしますけれども、地域型の支援センターということで、在宅介護に関する総合相談、それから連絡調整、そういう形のもの、それから、今介護保険等ございますので、そういう福祉等の相談窓口、指導窓口等を設置をしてまいりたい、このように思っております。
もう1つ重要なのは、砺波市にないものが1つございます。それは支援ハウスであります。支援ゾーンの一つでありますが、低所得者、特に冬期間、率直な話、この間も行ってみまして、年寄り2人だけですね。冬になると、これはどうするがかと。町の真ん中ならいいですよ。いや町の真ん中でも危ないんじゃないかな。そういう方に冬場入ってもらおうと。
実は、調査しますと結構おられるんですよ。今、ひとり暮らしは300人以上おられるんですから。元気な方もおられますけれども、そういう老人家庭も実はあるんで、このことを民生児童委員の皆さんも心配して、毎日声をかけていただいておりますけれども、低所得者であって、冬期間等、支援ハウスへ入ってもらうと安心できるわけですし、地域の皆さんも安心できると思う。その意味で、ケアハウスという、そういうものを今回考えるべきではないかなと、このように思っておるところでございます。県とも協議でありますけれども、1つのユニットが10人定員ぐらいですから、ただし、1夫婦だと5世帯になります。1人になりますとどうなりますか。その辺をどのようにしていくか、これも議論していきたいと思います。
いずれにしましても、私が申し上げたことをベースにしてこれからもう少し詰めまして、そして、皆さんの御意見を聞いた上で、利用しやすい施設づくりにしていきたい、このように今思っておるところでございます。
以上でございます。
◯副議長(松本君) 答弁を求めます。
産業建設部長 藪田康男君。
〔産業建設部長 藪田康男君 登壇〕
◯産業建設部長(藪田君) 柴田議員さんの御質問のうち、建築物の高さ制限、伝統的家屋に対する補助、伝統的家屋の耐震性及び職人の育成についてお答えをいたします。
まず、建築物の高さにつきましては、用途地域の低層住居専用地域では10メートルを超えてはならないことになっております。また、それ以外の住居系の用途地域では、高さが10メートルを超える建築物について、日陰による高さ制限が適用されますが、用途地域の指定されていないいわゆる白地地域では、制限はありません。
しかし、現在白地地域で建ぺい率70%、容積率400%でありますが、都市計画法及び建築基準法が改正され、特定行政庁である富山県が、実情に合わせた任意の値を選択し、指定することになりました。県の基礎的基準は、建ぺい率が60%、容積率が200%であり、市としては、実態調査を行い、市の指定素案を提出し、県と協議中でありますが、容積率が200%となれば、必然的に建築物の高さについても実態としては低くなるものと予想されるところであり、建築物の高さ制限を目的とした条例の制定は、今回の容積率改定の効果などを見極めてからの検討課題と考えております。
次に、伝統的家屋に対する補助を考えるべきではないかということでございますが、伝統的家屋ということのみで、個人の家の増改築に対し補助を行うことが市民の理解が得られるか十分検討する必要があります。このため、当面は本年1月に砺波市と住宅金融公庫の間で締結した歴史文化継承住宅融資制度を活用していただきたいと考えております。その概要につきましては、「広報となみ」にも掲載いたしましたとおり、アズマダチまたはマエナガレの在来木造住宅で、壁の色は茶系、グレー系の落ち着いた色で、床面積は150平方メートル以上、屋根はかわらぶき、敷地内には中高木を植樹するスペースの確保という基準に適合する住宅を新築や増改築する場合に、融資限度額が引き上げられる制度でございます。
次に、伝統家屋の耐震策についてお答えいたします。
ワクノウチづくりは基本的には地震に強いと言われておりますが、耐震性を高めるため、4つのポイントについて申し上げます。1つ目が、地盤及び基礎の改修であります。具体的には、べた基礎やコンクリート布基礎に改修したり、根固め補強を行うことであります。2つ目が、建物のねじれを押さえるため、下屋を増築したり合板等で補強し、強度を高めることが考えられます。3つ目が、耐力壁を増やしたり、柱、はり、筋交いなどの接合部分を金物で補強することであります。4つ目が、床下に防湿コンクリートを打設し、腐朽菌やシロアリの発生を防止することであり、以上、専門家からこのように伺っております。
次に、最後でありますが、職人の育成についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、伝統的技術を継承する職人の育成は重要なことであり、職人の育成に寄与している砺波建築高等職業訓練校、砺波地域職業訓練センターに、在来工法の実習を積極的にカリキュラムに入れて、技量の向上を図るように要望してまいります。
また、学校法人富山国際職藝学院の人気は大変高く、将来が期待されているところであります。
以上でございます。
◯副議長(松本君) 2番 林 忠男君。
〔2番 林 忠男君 登壇〕
◯2番(林君) 通告に従いまして、3項目について私から少しの質問と御提案を申し上げたいと存じます。
まず初めに、高齢化支援対策自宅担保貸付制度(リバースモーゲージ)の導入についてでございます。
2000年の国勢調査によると、日本の高齢人口は2,204万人で、総人口の17.4%を占め、国民の5.7人に1人が高齢者となっています。このように本格的高齢化の時代を迎え、社会的対応は最重要課題の一つであり、年金、医療、介護、雇用社会参加、住環境などの多様な施設の一層の整備が必要で、その前提には、やはり老いや高齢者に対する社会と個人の価値観の成熟化が必要とされ、経済効率優先の現代社会では、一面的にしかとらえられていない傾向が見え隠れしています。
国民生活基礎調査の概況によれば、高齢者の家族状況では、2001年現在、65歳以上の人のいる世帯を構造別に見ると、「夫婦のみ世帯」が27.8%で最も多く、次いで「3世代世帯」が25.8%、「単独世帯」が19.4%となっています。単独世帯のうち、女性が77%と圧倒的に多く、夫婦世帯と単独世帯では着実に増加しているのに対し、3世代世帯は着実に減少し、1975年の54.5%から、率にして半分に低下しています。
一方、個人単位で見ると、65歳以上の高齢者のうち、「子と同居」は48.4%と5割を割っています。「子と別居」は36.5%、「子供なし」は7%で、「子供有無不詳」は8%であります。
当市の平成15年7月末の総人口は4万1,642人で、そのうち65歳以上の高齢者数は8,849人で、高齢化率は21.3%となり、昨年同月比では20.9%でしたので、0.4%の上昇をしています。総世帯数は1万1,890世帯、1世帯3.5人となっています。
一方、高齢者世帯統計を見てみますと、65歳以上(老年者)の親族のいる世帯数は総数で6,026世帯で、そのうち老年者単身世帯数は622世帯ですが、持ち家率の推測では527世帯と考えられ、また、老齢者のみ2人以上世帯では697世帯であることから、持ち家率は590世帯と考えられます。
65歳以上(高齢者)単身世帯数の内容を見てみますと、65歳から69歳では126世帯、70歳から74歳では134世帯、75歳から79歳では151世帯、80歳から84歳では99世帯、85歳以上では112世帯でしたが、そこで私は、このような状況から高齢者単身世帯の老後の生活を下支えする制度の必要性を感じるものでございます。
今後、所得の少ない高齢者がますます増えることが予測されます。医療保険など、自己負担が増えることや、年金給付は抑制傾向にあることから、公的年金だけでは生活資金が十分でない人にとって、安心して医療や介護を受けることができない状況が考えられるのではないでしょうか。
アメリカでは、1960年代に民間業者が事業化をして、その後、国が公的保険制度をつくって促進普及に努めています。フランスでは、高齢者が住んでいる住宅を買い取って、その費用を高齢者の生存期間中、生活費として分割して払う「ビアジェ方式」が普及しています。日本では、資産(住宅及び不動産)があっても、現金収入が少なく、生活費や福祉サービス費用が補えない高齢者に対する制度が、厚生労働省では2002年から生活福祉資金貸付制度の中に長期生活支援資金を設け、リバースモーゲージに取り組み始めました。
厚生労働省の要綱案では、所得が少ないため住民税が非課税になっている65歳以上の高齢者世帯が対象で、土地評価額の概ね7割を限度に毎月一定の生活資金を融資し、死亡後に不動産を売却して精算する方法で、市町村社会福祉協議会が申請窓口となり、都道府県社会福祉協議会が弁護士や不動産鑑定士らでつくる審査委員会で貸付限度額などを決め、利用促進に向け、担保物件の土地評価額に下限を設けず、借り入れが貸付限度額に達した場合でも、生活保護に切りかえればそのまま住むことができるようにするなどの処置も設けるとのことであります。
連帯保証人の保障能力的なことや貸付金利、地価の下落などのさまざまな問題もあるようです。土地柄的にも、遺産動機が根強いことや資産に対するこうした意識をすぐ変えることはなかなか容易ではないが、今後ますます高齢者の自立した生活が求められる中、制度の利点を十分に説明し、関心を高めていけば、土地の有効利用や消費拡大にもつながり、経済活性化の面でも普及促進の意義があるものと思いますので、当市においてぜひともこの制度の導入の取り組みをお願いするものでございます。
次に、高齢者の働く親支援について質問をいたします。
シルバー人材センター事業では、高齢者の就業ニーズに応じた地域社会の日常生活に密着した臨時的かつ短期的な就業機会の提供を促進している公益法人です。
一般雇用を望まない高齢者を対象に、能力と希望に応じた仕事を提供する事業体であります。仕事の内容は自治体からの委託、民間からの庭木の手入れや草むしり、及び農作業や清掃、駐車場管理などの軽作業で、中には肉体的労働もあるようです。
今までは職種が限定されていましたが、今回、働く親を支援する新たな職種が生まれました。これまでの人生経験を生かすことのできる仕事で、働く高齢者にも充実感につながるものと思われます。厚生労働省は、2003年度予算の中で少子化と高齢化の双方に有効な対策として、高齢者活用子育て支援事業を実施しております。補助的、短期的就業機会を提供するためで、シルバー人材センターに登録する高齢者に、育児経験を生かし保育施設で働くことや、幼児の世話や遊び相手、保育施設までの送迎、学校の復習、しつけ、生活習慣指導などを担ってもらおうというものです。
一方で、少子化対策として育児負担の軽減と女性の就業促進に役立つものと、他方で高齢化対策として高齢者の健康と生きがいにつながるだけでなく、高齢者の経験や知識を次代を担う子供たちに伝承していくことにもつながる利点もあると思いますので、ぜひ当市が強力に推進され、シルバー人材センターと連携して事業計画を立て、シルバー人材センターに経費の一部を補助するなどを検討して、この事業への取り組みをお願いいたします。
次に、休日の分散化(秋休みをつくろう)について質問いたします。
日本人の休暇は5月のゴールデンウイーク、8月の旧盆、年末年始の時期に集中しています。高速道路では渋滞が多くなるのもこのころであり、この傾向は、鉄道、飛行機なども同様です。これまで、旅行者が集中するため旅行料金や国際航空運賃、宿泊料金などがこの時期割高となっています。閑散期との比較では料金が2倍にもなっているツアーも珍しくなく、こうしたことから、企業では夏休みを9月にとるなど分散化を考え、繁忙期を避ける人が増えています。さらに、祝日法改正によって3連休が増えたことも、分散傾向を後押ししているようです。
繁忙期の道路の渋滞や交通機関の混雑緩和には、定年後の高齢者の増加も影響しています。この年齢層は、旅行意欲も旺盛で、繁忙期を避けたツアーの参加傾向が著しくなっていると言われています。これに対して、小中学生を持つ年齢層の家庭では、休み以外に休暇をとって家族で旅行することは困難で、そのような悩みを解消するため、現在実施されている小中学校の休みの分散化を考えてみてはどうでしょうか。
小中学校の長期休暇を考えてみると、春休みが約7日間、夏休みが約40日間、冬休みが約14日間を合わせて約60日前後の休日があります。その中でも夏休みの40日間の長期休暇は、小中学校の子供を持つ家族にとって、休みが長く感じ、少し休日を短くしてほしいと願っている家族の声も多く聞かれます。
このようなことも含めて、この長期休暇の一部を新しい休日、秋休みを設けてはいかがでしょうか。夏休みを7月21日から8月20日ごろまでとして、残りを9月から10月にかけた10日間を秋休みをつくればと考えるものですが、いかがなものでしょうか。このような秋休みを設けることで、夏の長い長期休暇を分散させることもできますし、このような休暇に本格的に取り組めば、これまでのような道路渋滞緩和や親の有給休暇の取得率向上も期待され、このような休日の分散化を期待するものでありますが、当局では休日分散化の考えがあるのか、教育長にお尋ねをいたします。
以上、3項目について申し上げました。当局の明快なる御答弁を期待いたしまして、私の質問を終わります。
◯副議長(松本君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念君) 林議員にお答えをいたします。
高齢化時代を迎えまして、老人の立場から心配されていることは私も理解をいたしております。年金、医療、介護など、いろいろ制度はございますが、制度の拡充であったり、あるいは入所しようと思っても、歯どめがあったり、ハードルが高かったりする、その面での規制緩和も必要な一部面があるように私は認識をいたしております。
しかし、一方、これを支えます掛金、若者の負担になるわけでありますけれども、随分高くなってまいりました。先般から新聞紙上をにぎわしているのは年金の滞納であります。ぼやぼやしとると、私どもは当たらんようになるがでないがか、こんな感じさえいたします。その意味での負担増というものも一部あるということでございます。
ただし、負担は私はすべきものはしなきゃいかんと思う。ただし、国民は、この高齢化に向かってあまり関心がない。自分の老後のことをあまり理解していないんではないかなと。いわゆる林議員さんもおっしゃいましたが、経済優先で、もっぱら経済に目を向けておる、こういう体質があるんではないか。もう少し自らも高齢化になるんだという認識、そのことを若い者たちにも知ってもらう、そのことが、厚生労働省を初め、我々地方自治体も認識不足で、PR不足ではなかったかなと反省をしなければいけない。そして、みんなで支え合う老後、これは、先般、堀田力さんが来られましたが、いわゆる敬老の精神、そのことを忘れてはいけないということを強くおっしゃっておりましたけれども、ぜひそういう意味で、行政あるいは一般社会もそのことを認識して、この厳しい時代です、高齢化、それは大事なこと。元気であっていただければ何よりいいんですけれども、そうはいかない。そうするとだれが支えるか、そのことの認識を、私は子供の時代から教えていかなければいけないんではないかと思います。
私は、消費税を上げろとは言いません。先般、北欧へ行ってまいりました。25%の消費税、そんなに高いとはおっしゃっておられません。認識の違いであります。だから、私は上げようというのではございませんよ。みんながそういう気持ちになって社会を支え、みんながいい生活をしようということになるとすれば、やっぱり負担しなきゃいけません。そのことを私は林議員さんが述べられたのではないかと。そして、幾つかの制度について、後ほど民生部長からお答えしますけれども、先般、そのような制度も出たようです。ヨーロッパから流れてきたようですが、そのことについては説明します。
もう1つ申し上げますが、先ほどもデータとして林議員さんがおっしゃったとおりでありますが、特に私ども地方でも、皆さんに申し上げたいんですけれども、先月末のデータで、ひとり暮らし老人が310人です。寝たきり老人が151人です。養護老人ホームなど施設に入所、特養を含めてですが418人、これはデータで出てまいりますので、ほとんどそこへ四百十何人行っている。そのほかに一般病床、老人保健を出していますから、それが400人以上なんですよ、一般病床へ入っている方が。施設へ入っているのが418人です。それと同様の数字が一般病棟に入っているんですよ。そのことを考えるときに、実は深刻であります。それは皆さんで今支えていただいているんです。年金は別でありますけれども、医療費、介護、皆さんで支えていただいておりますから、何とか皆さんで協力し合って措置をしておるわけですから、そのことが大事でございます。
そこで、この下支えにつきまして、これからも皆さんでカバーをしていくという、そういう社会だと、このように思います。ついては、市町村もこれに負担をしなきゃいかん。地方財政については、このことを考えて本当に政府は考えているのかどうか、その意味では私は構造改革してほしいと。都会よりも地方が、私どもよりも何といってももっとひどいんですよ。そのことを考えるときに、地方財政を考えたら、この構造改革というのはその面でやってほしいなというのは、私、一面であるわけでございます。
なお、これらの下支えのために、せっかく財産を持っておる、有効に活用できない。ただ、ヨーロッパの皆さんと家の持ち方の概念が違います。向こうの皆さんは常に相当かわります。金を持っておったら、いいところへさっとかわります。金がなくなったら小さいところへしゃっとかわる。もう私どもの持ち家の概念と全然違います。したがいまして、介護を受けようと思ったら、さっと家を出ますから。日本はそんなわけにいかないんですよ。
そうすると、ある財産をどう活用するか、利用するかというのは、私はまだ制度的に欠陥だと思う。おじいちゃんが残してくれた財産をおばあちゃんが持っとるとします。おばあちゃんの財産をどう利用するか、活用するか、これはヨーロッパでは随分活用、利用しております。家についての持ち家の概念が全然違いますから、さっと出ますから。そしてそのような人については、すぐ施設がありますから、自分の大事にしておりました家具とか持ち物についてはそんぐり持っていって施設へ入るという、そういう体制です。だからこの辺のところは少し日本と違うんですが、概念が違いますのでうまくいきませんけれども、ただし、そのような、今、林議員さんがおっしゃいましたような下支えの制度が出てまいりましたので、これをどうこれからうまく活用するか大事なことだろうと、このように思っております。このことにつきましては、制度化もされてきたようでありますけれども、民生部長からお答えをいたします。
以上でございます。
◯副議長(松本君) 答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田君) 林議員の、夏休みを一部分散化したらどうかということについての質問にお答え申し上げます。
今、市長が申し上げましたように、西洋の方々と日本人の方々との生活に対する感覚は随分違うと思います。今の休暇に対する感覚もそうだと思います。日本人の生活習慣や産業、あるいは職業構造からいって、お休みをとるということは、罪悪とまではいきませんけれども、これでいいんだろうかという気持ちを持っている面があります。一方、西洋の方では、今もありましたように、バカンスの面で言った場合は、1カ月、2カ月間、家族ぐるみで自分の住居地を離れて、子供と一緒に全く職業も忘れて暮らす。バカンスのために働いていると言ってもいいんではないかと思います。だけど、日本人といえども、そういう暮らしはしてみたいな、やっぱり生きる楽しみは仕事から離れることだということを持っていることは同じだと思います。しかしながら、日本人としてのしがらみがあって、なかなかそういうふうに切りかえることは難しいと思います。
そこで、休暇に対する林議員さんの考え方につきましては、徐々にとは申せますが、だんだん変化していることは確かでございます。そこで、学校の長期休業につきましては、企業のお休みの時間と学校の長期休暇というものがイコールであるということはなかなか言いにくいと思います。子供は60日間も、夏休みは40日ですけれども、学校というか、直接知的な勉強をするということから離れて、家の手伝いや行事やら、自分のペースで暮らす、その楽しみといいますか、そういう経験をさせるということが、これまた人間教育の上では重要なことでないでしょうか。すべてが教師と親との間に挟まって、自分の意思というものがあまり表に出ないで進んでいくということもいかがなものか。
だから、この40日間というのは、親の目から見るとじだらくに見えたり、野放図に見えたりするかもしれませんけれども、この40日間が、いわゆる子供の自由といいますか、晴々とした気持ち、「ああ、もう学校から離れた。きょうは自分のペースでやれる」というその気持ちが大切ではなかろうか。だから、長期休業するに当たっても、いかにプログラムしていくか、計画性を持たせるかということ、これも片方の側面で大変大切なことでございます。
現に、もし秋休みをとったとすれば、そういうことを考えてみないでもなかったんです。といいますのは、最近、金沢市が2学期制に踏み切った。来年の4月から踏み切るんですけれども、そのためにもう今予行演習しています。何で2学期制に踏み切るかということにつきましては、先ほどから申し上げておりましたように、6つあったものが5になったから1つ減った、この1つ分をどうして埋めるかということから、今まで3学期あったものが、2学期にすることによって、始業式とか、学年末のテストとかというものがなくて、ほとんどお勉強に費やすことができる。だから、金沢市はそれに踏み切ったんですが、金沢市がそれに踏み切るのは、金沢という大きな教育委員会といいますか、大きな町がぐっとやると言ったら、周りの津幡やらあっちの方は、どうすればいいがやら。金沢エリアの中でぐっと一歩大きなステップが動き始めたら、例えば中学校の大会なんかがどういうふうに動けばいいのかということで、周りの衛星都市もそれに徐々に歩を合わせなきゃならなくなって、松任市もそれに踏み切っていくと。まあ、時の流れだから仕方がないとは思いますけれども。
そういうことで、砺波方面もこの話は出たがです。お休みを切る、40日にするという意味よりも、どうして授業時数を確保するかということから2学期制に踏み切ろうということで、金沢市の教育委員会の教育長にも来ていただいて、細かい苦労話を聞きました。それで徐々に準備を進めておりますが、もうそんなに遠くはないと思います、2学期制に踏み切らざるを得んでしょう。
それと、お休みを分散させるということは、関連性はありますけれども、そうなったときには、40日間のお休みというのは1学期に入ってきます。だから、10月の初めから中ごろに一度切れるわけです。1学期の通信、連絡は10月ごろにします。それで、10月の中ごろからまた次が始まります。次は3月です。
そういうようなことで、御質問の秋休みをとるということについて、その他の付随することが大変面倒になってきます。そういうことと、40日間の休みという考え方は、企業的に考えるんじゃなくて、やっぱり育ち盛りの子供の目から考えたときに、この40日間のフリータイムというもの、これを自分のものに、自分でプランを立てて、自分で暮らしてみるという、結果は自分のところに落ちてきますよね。サボっていると、どんと後から課題が残ります。こつこつとやっていると、40日たっても、最後の日になってもあわてることはない。そういうことで、人生の縮図のような感じもします。こつこつやっておったら、最後は自分のものになるよ、怠けておったら、最後はでかいツケが来るよと。アリとキリギリスのようなお話になる。それを実行するのが夏休みかとも思わんわけでもないわけでございまして、実際、子供さんをお持ちの皆さんは、どこかへ連れていってやろうと思っても、動けばラッシュの中に突っ込むようなものですね。だから、それを分散化する、その意味で、今度の祝祭日の法律が変わったのもそういう意味があるのだとは思いますけれども、現在のところ、当教育委員会としましては単独でやることはできません。やはりそれぞれでまず、砺波地区教育委員会の皆さん方と、その問題も含めて、2学期制も含めて、そのことと絡めて検討しているところでございまして、前進的な御質問ありがとうございました。
以上です。
◯副議長(松本君) 答弁を求めます。
民生部長 津田俊祐君。
〔民生部長 津田俊祐君 登壇〕
◯民生部長(津田君) 林議員の御質問のうち、高齢化支援対策についてお答えを申し上げます。
先ほど市長からその思いについてお述べになったわけでありますが、私の方では、具体的に、まず自宅担保貸付制度の導入についてであります。
御質問にありますとおり、厚生労働省が平成14年より、生活福祉資金貸付制度要綱の中に長期生活支援資金を設けまして、リバースモーゲージに取り組み始めました。この制度は新しい試みということでありますが、低所得の高齢者世帯が持っておられる不動産を担保として、生活資金の貸し付けを行い、安心して医療や介護が受けられるなど、その世帯の自立を支援するというものでございます。
この制度につきましては、都道府県の社会福祉協議会が実施主体となって行うものでありますが、東京都では既に実施されているようでありますが、富山県の社会福祉協議会では、本年度中に実施すべく諸準備を進めておられるところでございます。この実施に当たり、市の社会福祉協議会が申請の窓口となるわけでございますが、その申請されたものが県の社会福祉協議会において貸し付けの決定をすることになっておるところでございます。
市といたしましては、この制度について、「広報となみ」などにより、その趣旨等を理解していただくようPRを行いまして、所得の少ない高齢者世帯の自立につながるよう支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
次に、高齢者が働く親支援についてでございます。
お尋ねの働く親支援策につきましては、御指摘のとおり、今日危惧されております少子化と高齢化ということの双方に有効な対策であると存じます。
昨今、国では子育て支援事業を積極的に進められまして、シルバー人材センター事業につきましてでも、平成15年度からは介護サービス促進事業のメニューにあった育児サービス事業部分を廃止し、新規に高齢者活用子育て支援事業を5年間実施することになったわけでございます。
当市のシルバー人材センターでは、平成14年度におきまして、介護サービス促進事業の中で育児サービス事業を実施しておりましたが、希望者は少なかったようであります。現在のところ、県内の各シルバー人材センターにおきましては、平成15年度でありますが、この高齢者活用子育て支援事業は実施されておりませんが、今後、当市にとりましても重要性の増す制度であると認識しておりますので、市のシルバー人材センターの取り組みについて検討協議してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯副議長(松本君) 以上をもちまして本日の日程を終了いたします。
次回は、明9月11日午前10時から開会いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
大変御苦労さまでございました。
午後 3時25分 散会