平成10年6月定例会(第2号) 本文

1.会議の経過
 午前10時06分 開議

◯議長(宮木君) これより本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。

◯議長(宮木君) 日程第1 市政一般に対する質問並びに議案第50号から議案第52号まで、平成10年度富山県砺波市一般会計補正予算(第1号)外2件及び報告第3号から報告第6号まで、専決処分の承認を求めることについて外3件を一括議題といたします。
 これより、市政全般に対する代表質問並びに提出案件に対する質疑に入ります。
 通告により発言を許します。
 10番 堀田信一君。
  〔10番 堀田信一君 登壇〕

◯10番(堀田君) 私は、自由民主党砺波市議員会を代表いたしまして、安念市長に質問と提案をさせていただきたいと思います。
 今日、戦後50余年を経過した日本でありますが、歪みもいろいろと出てきたところでございます。これまでの護送船団方式にも、いろいろな意味で批判の声も上がっておりますが、我が自由民主党の総裁であります橋本総理は、6つの改革を掲げ、6月9日には国の行政組織を1府12省庁に再編する中央省庁改革基本法案が、参議院で可決されたのであります。官界等からいろいろ大きな抵抗もあった中で可決をみたということは大変有意義なことであり、今後は、簡素な行政、効率的な行政、透明な政府、こういうことから民営化や地方分権、規制緩和等いろいろと進められていくと、私は大変期待をしているところであります。
 一方、私たちの住む砺波市が「住みよさ日本一」というデータが、今年、東洋経済新報社から発表されたのであります。これは、93年のデータでは172位だったものであります。私は、自由民主党砺波市議員会、そしてまた自民党砺波市連の大きな力をもって、第6次総合計画を着実に進めてきた結果が、このような評価になったのではないかと、自信を持って確信をいたしているところでございます。このデータは、簡単に取ろうと思って取れるものではありません。それなりのしっかりとした目標を持って着実に進めてきた、これが大きなポイントではないか。当然、行政、市民、いろいろな皆さん方の協力を得たからではないかと思います。この件につきまして、安念市長の率直な考え方をお聞かせいただきたい、このように思っております。
 さて、21世紀もあと数年後に控えてきたわけでございますが、不況、不況、いろいろな言葉も叫ばれている中で、何といっても夢のある砺波市づくりをしていかなければなりません。都道府県の税収関係も、減収であるという発表もあったところでございますが、ますます都市間競争激化の中、そしてまた3割自治と言われる中でありますが、私は、市長職は、国の考え方や県の考え方、そしてまた経済界の考え方、いろいろな考え方を先取りして、それをどのようにして自分たちのまちづくりに反映させていくか、核であり、激務であり、大変な地位であると思っております。安念市長におかれましては、長年の行政経験をもって当選をされたわけでございますが、当選をされまして約6カ月間経過をされたわけでございますが、国、県、経済界等の情報収集については、どのようなやり方をなさっておられるのか。今まで、それから今後についてお考えをお聞きしたい、このように思っております。
 次に、建設省の道路審議会が、今月27日、1998年度から始まる新道路整備5カ年計画を建設大臣に答申をいたしました。これによりますと、私どもの富山県に関するところでは、東海北陸自動車道の福光・白川間、能越もでございますが、そのような整備もされていくわけでございますが、市長も御存じのように、2005年には「愛知万博」が開催されます。国、建設省はそれに向けて、まだはっきりと明示はされておりませんが、2004年には開通になると、私はこのように考えているのでございます。そういうことになりますと、我が砺波市は、中京・東海圏、そしてまた関東圏、関西圏、能登と、最高のエリアになるわけでございますが、21世紀の都市づくりビジョン、どのようなお考えを持っていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
 また、これからの夢のあるまちづくりをしていく中で、若者に雇用対策を考えていかなければなりません。おかげさまで砺波市は4万人を超え、若い方々が砺波に住んでいただくことになりました。何といっても、優良企業を誘致することを考えていかなければならない、大事な問題ではないかと思います。この新工業団地の計画等につきまして、自民会の江守議員も3月議会でも市長にただしておりますが、次の総合計画で考えていきたい、このような答弁でございました。この答弁どおりになりますと、平成13年から考えていこうというようなことになってしまいます。
 私は、確かに今不況かもわかりませんが、現在も大変優良な企業もあり、また公害を出さない環境保護関係とか、第三次産業とか、情報関係とか、いろいろな企業があるわけでありますが、そういう企業を誘致するときは、やはりそういう土地がないことには、団地がないことには、しっかりとしたことが言えないのではないかなと思うわけでございますが、この点について、本当に次期の総合計画で取り組むのか、または先手をもって取り組んでいかれるのか、この辺の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、下水道整備計画についてお尋ねをいたします。
 おとついの6月議会の冒頭で、市長提案理由の説明がありました。この中で、下水道整備計画の見直しにつきましては、庁内に下水道検討会議を設置し、また庁外の下水道計画検討委員会についても、関係団体より委員を推薦していただき、見直しを進めてまいりたいと考えております。このようなお話をいただきました。私は大変驚いたのでございます。
 下水道計画につきましては、長年にわたり、国、県、そして地元砺波市、いろいろな皆さんと協議をされてきて、下水道整備計画が今日まで進んできているのであります。もちろん各省庁におきましては、いろいろな補助対策とか、いろいろと制度が変わってきているかもわかりません。これについては当然のことで、これは庁内で検討会議を持つ。また、必ずしもこういうことを設置しなくても、これはあたりまえのことでありまして、協議をすることは大事なことではないかなと思いますが、それと並行して、下水道計画検討委員会の委員を関係団体より推薦していただいて見直しを進めていきたい。この辺につきまして、私どもの考え方と安念市長の考え方が、どうもすり合わせがなっていないと申しますか、今までの安念市長の3月議会等での議会関係の答弁を見ますと、議会の皆様と相談をしながら進めていきたい、このように明言をされてきたのであります。私は、その辺につきまして、安念市長はどういうことを意図されて関係団体から委員を推薦していただいて見直しを進めていくのか、率直な考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、観光客を増す諸施策とまちづくり、人づくりについてお伺いをいたします。
 御存じのように、本年の砺波チューリップフェアも、天候もございましたが、入場者数が、昨年同様、減ってまいりました。また、5月連休には、全国的に大型イベントも各地で行われる時代になりました。私は、発想を変えた考え方をしていかないと、“砺波はチューリップ”というイメージは残らなくなっていくのではないかと危惧をいたしているところでございます。
 先日、砺波オランダ協会では、オランダリッセの800年祭を祝って、キューケンホフを訪れました。あのキューケンホフでさえ、2カ月間の春のチューリップイベントでありますが、夏のイベントも考えていくということを聞いてまいりました。
 私どもの砺波チューリップ公園も、春、夏、秋と、年3回ぐらい、1カ月単位ぐらいの花と緑のイベントも考えていかなければならないのではないか。それは、先ほど申し上げました東海北陸自動車道の貫通の時期にあわせて計画を立てていくべきではないかと考えますが、安念市長のお考えもお聞かせいただきたいと思います。
 特に、チューリップフェア等では、私どもの砺波はチューリップのみのフェアになっている兆しがございます。あらゆる春の花や緑を添えたチューリップフェアを考えていく。そして、また、チューリップフェアにつきましては、花づくりのボランティア、こういう人たちをぜひ養成していただきたい。行政主導でなく、民主導のフェアを考えていく。こういうことをぜひ今からしっかりと考えていっていただきたい、このように私は思うのであります。
 また、先ほど申し上げましたとおり、砺波市は21世紀初頭には最高の立地条件になります。その中で、交流人口を増やすため、どういうまちづくりを進めていくべきか。私は、コンベンションシティーや流通都市を目指していくことが一番でないかなと考えるのであります。そのためにも、全国大会や中部大会、北陸大会、県大会等各種会合を砺波市で開催する、こういう機運をぜひ今からつくっていっていただきたい、このように考えるものであります。
 本年の春に、砺波ロイヤルホテルもオープンいたしました。中山間地に野生の花園や紅葉する山々づくりを今から仕掛けをしていく、そういうようなことが砺波の魅力度アップにもつながっていくと私は考えているのでございます。この辺につきまして、安念市長の考えをお聞きいたしたいと思います。
 今年のチューリップフェアには、「タピ・ドゥ・フルーとなみ」ということで、砺波商工青年部会の若者が、花じゅうたんを駅前にしたのであります。計画から実行まで、皆さんは昨年の神戸を下見し、今年に備えてきたのであります。安念市長も審査員の1人として参加をされたふうに聞いております。
 私は、チューリップフェアも、会場のみならず、二極化することも大変大事なことではないかなと思っております。そういうことが市街地の中心街の発展・活性化にもつながっていく。そして、また、そういうことから日本一の「花じゅうたんまつり」を仕掛けていくということも大変大事なことではないかなと思っております。
 商工青年部の皆さん方は、聞き及びますと、この後、夏には、世界的に有名な花じゅうたんのベルギーを自分たちが視察し、来年に備えていこうという話も聞いております。やる気のある市民グループに大きな力で支えてやる、これも大事な行政の仕事ではないかなと私は思っております。どうか、安念市長には、ぜひひとつ財政面、いろんな面で大きな力添えをしていただきたいと要望するものであります。
 また、砺波の中心街も、「鮎まつり」や、いろいろなことを計画をされていると聞いております。総合的な中心街の活性化策は、どのように安念市長は考えていらっしゃるのか、お聞きいたしたいと思っております。
 次に、景気対策についてお尋ねをいたします。
 経済企画庁が先月28日に発表いたしました3月の景気動向指数は、生産活動や消費の低迷、雇用情勢の悪化などを映し景気の現状を示す一致指数が10.0%と、8カ月連続で景気判断の分かれ目となる50%を下回っているのであります。8カ月続けてという長期の50%割れは、バブル崩壊後の景気後退期であった1993年の9カ月連続以来で、低迷を続ける国内景気の厳しさをあらわしたものであります。
 このような状況下、市内商工業者の皆さん方も、大変苦しい、そしてまたその中で努力をされていると私は受けとめておりますが、砺波市はその辺の状況の調査等はどのような判断を持っておられるのかお聞きいたしたい、このように思っております。
 御存じのとおり、富山県も6月議会では、補正予算として総額213億円余りの大型の景気対策を組んでおります。富山市もしかりでございます。氷見市もしかりでございます。町では、福岡町も、商工関係の皆さんとタイアップをして新しい補助制度を打ち出しております。議会で認められると、1月からのこともさかのぼって補助対象にしようと、このように前向きに石澤町長は考えております。
 この景気対策につきまして、自民会のほうから、3月議会でも市長に質問をさせていただきました。その中で、安念市長からは、景気対策はやっていかなければならない、このような答弁をいただいたのであります。本6月議会では3億数千万の補正額になっているわけでありますが、先日の市長の提案理由の中では、これが景気対策の一部である、このような考え方も述べられました。景気対策は6月限りではございません。この後も、いろいろと諸施策を打っていかなければならないと私は考えているのでございます。
 また、政府が打ち出しました16兆円の総合景気対策の件につきまして、安念市長はこれをどのように受けとめておられるのか。配分を待つだけなのか。また、積極的に情報を集められて、ぜひ砺波市にという形で行動をされていかれるのか、この辺の考え方もお聞かせいただきたいと思っております。
 また、景気対策は公共事業等ばかりではないと私は思っております。砺波市並びに総合病院や教育委員会等、市の機関のいろいろな納入関係は、市内業者を優先し、そして育成していくという考え方がおありなのかどうか、この辺についても私はお聞きしたいと思っております。
 御存じのとおり、富山県内の市町村は、やはり地元優先、砺波広域圏でも地元が優先、富山市、高岡市もそのとおりであります。大きな風呂敷を開けているのが砺波市であります。私は、高いものを買えというのではありません。かつての小矢部の松本市長のように、市内業者を、それなりの技術力を持った企業とジョイントさせて、近い将来は一人前になるように指導をしていく、進めていく、こういうことも大変大事なのではないかなと思っているのでございます。
 また、どうもマスコミをはじめ、景気が悪い、景気が悪い、このようなムードをつくっております。私は、何事もプラス志向で臨んでいかなければいけない、このように感じております。どうか行政当局におかれましては、景気が悪いとか、そういう声は一切出さず、プラス志向で考えていくというようなムードづくりもぜひおやりになっていただきたい、このように私は思っております。お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、出町文教ゾーン計画についてお尋ねをいたします。
 今年、設計費も計上されているところでございます。この文教ゾーンは、小学校建設のみならず、出町中学校や出町幼稚園、出町保育所、図書館、教育センターを含む大きな文教ゾーン全体をどのように考えて21世紀に臨んでいくか、私は大変大事なことではないかなと思っております。その中で、ややもすると、古くなったら新しくする、予算がないから部分的に考えてやる、そういうやり方をとかく行政はやりがちでありますが、それは積木の化したものであり、統一的なものはないのであります。私は、総合プランニングをしっかりと考え、教育委員会のみならず、都市開発、先ほどの安念市長の考え方とか、下水道の考え方ではありませんが、砺波市全体として文教ゾーンをどう考えていくのか、そういうようなお考えを持って取り組んでいただきたいと思っているわけでございます。
 特に、ハードからソフトという考え方で、今回、用地買収も市民の関係者の方々の温かいお気遣い、御協力によりまして提供していただきました。その中で、深江地区での土地区画整理事業が進められているのでございます。
 例えば、街路樹等は桜とか、公園等にはいちじくや柿や栗など、幼稚園や保育園の子供たちが喜ぶ──実った後の配分はまた考えなければいけませんが、子供たちが夢を持って臨む、そういう夢のあるゾーンづくりをどのように考えていくのか。そういうお考えをぜひ持っていただき、安念市長のお考えを聞きたいと思っているのでございます。
 そして、また、基本計画をつくっていかれる上においては、地域の皆さんとはどのような共同作業をされる予定なのか、この辺についてもお尋ねをいたしたいと思います。
 次に、小学校建設に臨むお考えについてお尋ねいたします。
 小学校建設につきましては、プロポーザル方式での設計に取り組む、このような前市長の答弁もあり、教育委員会もそのように受けとめておられるということでございますが、本当の意味のフロポーザル方式のメリット、この理念はどういうことなのか、この辺について再度お尋ねをしたいと思っております。
 私自身も、小学校建設に関係するPTA関係の一人といたしまして、県内でも、地域の皆さん、子供たち、先生方や、いろんな方々と設計者とともにつくり上げてきたすばらしい学校を見てまいりました。例えば、入善小学校であり、氷見の仏生寺小学校であります。卒業してからも、自分たちの意見も言ってきたんだ、自分たちも足跡を残してきたんだと、誇れる学校づくりになっております。
 そして、また、21世紀は科学を志す人が少ない、このような統計も聞いております。これからの21世紀の小学校づくりというものは、どういうふうな考え方をもっていけばいいのか。私は、例えば、ソーラー方式とか、マルチメディアとか、次世代の大変大事なことなんかも取り入れた学校づくりも大事ではないか、このように考えているのでございます。
 簡単に言いますと、学校づくりは文部省の規定がございます。広さや、いろんな問題があります。一級建築士に頼めば簡単に設計図ができ上がると思います。その中で、どういうような学校づくりをしていけばいいのか、そういう観点で答弁をいただきたいということでございます。
 最後に、21世紀の砺波市づくりについて。
 安念市長は、「ダイナミック砺波」を掲げて当選されたのであります。「ダイナミック」という言葉の中には、大きな羽ばたきで砺波市が中心の日本になっていくといいますか、そういう大きな構想で安念市長は立候補されたと考えております。そのような中で、安念市長は、これからの厳しい激動の中、市長として、国、県や経済界なんかの先取り情報をどのように考えていかれるのか、ぜひ「ダイナミック砺波」の観点で御答弁をお願いいたしまして、私の質問とさせていただきます。

◯議長(宮木君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 堀田議員の代表質問にお答えをいたします。
 大変盛りだくさんな御質問がございました。大変恐縮いたしております。順次お答えを申し上げますが、もし不足の面がございましたら、再質問をお願いをいたしたいと思います。
 まず、第1点は、21世紀の砺波市をどうつくるのか。地方自治体も、戦後50年も過ぎた中で、幾つかの歪みも出てきている。やっぱり改革をしたり、言葉はなかったのですが、ビッグバンで新しい体制をつくるべきだという、そのようなことをおっしゃっております。私も同感でございます。
 さて、1番目には、全国都市の「住みよさ日本一」になった、どう評価をしているかという御質問でございます。御存じのように、全国671の都市を対象にしたものでございます。おっしゃるとおり、従来の指標から一挙に1位になったわけでありますが、内容を分析してまいりますと、従来は、「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」、今回から新しく「住環境」が出たわけであります。この視点から、それぞれ偏差値が求められて、第1位になったわけであります。総合評価の中には、そのことを見てまいりますと、「住環境の充実」が加えられて第1位になったものと、私はそのように推察をいたしているわけでございます。したがって、安心度、お金があるかないかの裕福度、それらにつきましてはまだ中位でございますので、これらの内容をさらに私は充実するために、市民の皆さんと協力をしながら対処してまいりたい、まずこのように思っております。
 いずれにいたしましても、住みよさランキングの第1位につきましては、名誉なことでございます。皆さんと一緒に、砺波はいいところだということをPRをしてまいりたい。ちょっと言葉は悪いかもしれませんが、皆さんにそのような評価をしてもらったのですから、どんどん申し上げて、砺波へ来ていただく、そんなことなどを考えたらいいと思います。
 さてこのことは、堀田議員さんもおっしゃいましたように、先人の皆さん、先輩諸先生方の努力があったと思います。それぞれの先祖の皆さんも一生懸命努力されて住環境の整備に当たられた。そのことを考えますと、感謝をしなければならない、このように思っているわけであります。
 次に、夢のある政治の実現のために、情報を早くとらえなさいという意見であったかと思います。私もそのように考えているわけでございます。就任しましてからまだ日は浅うございますけれども、上京の折には、各省庁や関係機関に参りまして、幾つかの情報収集をしてまいっているところでございます。これからも、県や経済界の皆さんの会議その他がございましたら極力出席をして、そのように情報を収集してまいりたいと思っているところであります。当市の来年度の主要要望事項等につきましても、例年どおり進めさせていただきたいと思っておりますので、議会の皆さんの御協力をお願いを申し上げておきたいと思います。
 さて、これからは、市町村の特色を生かして、独自のアイデアを出して、県あるいは国に提案する時代だ。また、先般も、行きましたところでそのように指導をいただいております。私は、そのような形で、職員にも、国や県の政策を上回ってもいいのではないか、そういう知恵を出してください、このように言っておるわけでございまして、そのような念頭でこれから事務処理その他を進めてまいりたい。しかし、これにはやっぱり足と体で収集する意欲が大切であろう、このように認識いたしておるところであります。
 情報化の時代は、先ほどもおっしゃいましたように、先取りの必要性は十分認識いたしております。それぞれの企画や事業執行については、無論市民の皆さんのコンセンサスが必要でございます。いろいろ御指摘がございました点については、十分配意しながら意を尽くしてまいりたいと思っておる次第であります。
 次に、東海北陸自動車道が貫通しますと、新しい都市づくりに対処すべきだという御意見と質問でございます。私もそのとおりだと思っております。
 東海・中京圏との交流につきましては、各報道機関の情報によりますと、平成8年の秋に、中部経済連合会が、東海北陸自動車道と日本の中央部を南北に結ぶ高速網を活用して北陸経済圏と一体化を成そう、中央日本、広域国際交流圏、そういう構想も実は打ち出しておるわけでございます。また、東海北陸道が、環太平洋と、知事が強調されております環日本海の窓口になろうかと。その背後地として、補完して、両経済圏のレベルアップに我々も一翼を担うというのが使命ではなかろうか、こう思っておるところであります。
 大動脈ができますと、3時間で両圏域が結ばれます。私は、この中部圏の交流につきましては、飛躍的な広がりがあると思いますので、御意見があったとおり、それに対処する形でこれから対応してまいりたいと思っておるわけであります。
 一方、平成8年6月に、中央部、高速網の東海北陸、それから能越、中部縦貫自動車の促進を機会にして、緊密に交流するために、堀田議員も御承知だと思いますけれども、飛騨、富山県西部、能登を一帯にしようという構想が実はございまして、砺波市もそのメンバーでございます。広域的に経済圏を拡大して、砺波市の資源をもっと活用するという考え方も必要ではないか、おっしゃるとおりだと思います。その意味で、今後これにも対応してまいりたいなと思っておるわけであります。
 いずれにしましても、東海北陸道の全線開通が2004年とか2005年とか言われておりますが、恐らく「愛知万博」には開通するだろうと思っております。そのことをにらみまして、次期総合計画でも、今申しました基点でそれぞれビジョンづくりをしていきたい。
 まず私は、今、ベースが必要だろう。あれを建てる、これを建てるではなくて、まず、堀田議員さんなどが努力されております土地区画整理を広めていきたい。基盤づくりをやる、都市計画をきちっとやる、それがまずベースではないか。私は、行政の仕事だろうと思います。
 そして、もう1つは、この際、「住みよさ日本一」を、「砺波は、いいところだぞ」ということをみんなでPRをして、不足のところについては補完をしていく、そういう努力が必要だと思います。
 また、もう一つは、物質面だけではなくて、人情も豊かな、人材も豊富、そのために文化面にも寄与していく、そういうことではないかと思います。
 また、チューリップ公園につきましてはまだまだ不足しているという意見でございましたが、私は、散居村などいろいろ特徴があると思います。現在、調査をいたしております増山城跡あたりが国の指定になる可能性が大でございますので、できればいち早く発掘調査をして国の指定申請をしていただき、1つの目玉になればなと、こんなことも実は思っている次第でございますので、応援をしていただければ幸いだと思っておる次第であります。
 次に、優良企業等のことにつきまして、工場団地計画のことにつきまして、お答えを申し上げます。
 おっしゃるとおり、若者の住まない町は、私は活性化がないと思います。その意味で、若者の雇用対策を念頭に入れることが重要だと、これは認識いたしておるわけでございます。砺波市第4工業団地が完売いたしまして、おかげさまで、用意しておりました各工場団地はそれぞれ完売をいたしております。しかしながら、県内を見ますと、わずかの取引きと、あと相当の敷地があちこち残っている情報も実は聞いているわけです。そのことを考えますと、雇用拡大の願望はあるものの、今すぐ行政が対応できる時期なのかなと。その辺は県の皆さんとも若干お話をいたしましたが、この景気観と財政上考えますと、即刻、工場団地計画をするのはいささか冒険ではないかと思っているわけであります。質問の趣旨はよく理解をしておりますけれども、そのことを考えて、第7次総合計画の中で位置づけをさせていただきたいということでございます。御意見もございますので、いろいろまた今後とも議論を重ねていきたいと思っておる次第であります。
 次に、下水道計画につきまして御質問でございますが、このことにつきましては、さきの議会でも、あるいは委員会等でも申し上げたと思っておりますが、改めて申し上げておきます。
 下水道整備計画の見直しにつきましては、先般、庁内で検討会を持ちました。そこでいろいろ調査検討をいたしておるわけですが、庁外でということにつきましての御異論のようであります。しかし、地域に住む皆さん、特に土地改良区、用水土地改良区との関連があるわけで、この皆さんの御意見を聞かなければベースができないわけです。したがって、用水土地改良区や面土地改良区の皆さんの御意見を吸収したい。仮に農村集落排水をやるにしても、あるいは合併浄化槽を考えるにしても、その特徴とメリット・デメリットがあると思います。それを率直に関係団体の意見を事前に吸収していかないと、コンセンサスがとれない。したがって、他団体との調整も含めて、市民の立場から御意見を聞くということでございますので、その点は御理解をいただきたいと思うわけであります。
 なお、意見を集約した段階で、もちろん議会とも協議いたしまして、整備計画の見直しをしてまいる次第であります。計画の見直しにつきましては、県の調整がございます。その段階では、住民の皆さんのコンセンサスを得たのかというのがまた裏にはございますので、そのことも含めまして、住民の皆さんと協議することを御理解をいただきたいと思うわけであります。このことにつきましては、11年度末までにこの作業を何とか終わりたいと思っていることにつきまして、御理解を賜りたいと思います。
 次に、チューリップ公園等につきまして、通年観光型で努力しなさいということでございます。ごもっともの御意見でございます。御承知のように、チューリップ公園につきましては、昭和51年に整備計画を策定して、61年3月に完成し、それから順次拡大をしてまいったところであります。おかげさまで、チューリップにつきましては、全国的に知られるようになりました。その後、カンナを植えて、夏の公園として利用していただいていることは御承知だと思います。
 そこで、堀田議員は、ひとつ発想を変えて四季折々にということでございます。その気持ちは十分わかりますが、今の公園の実態から申し上げまして、物理的にはなかなか難しいのではないか。もう少し工夫をして充実することについては考慮いたしますが、その点、今カンナもある程度定着しましたので、そのように進めさせていただきたいと思います。
 今後は、花いっぱい運動の核といたしまして、文化会館、四季彩館、あるいは美術館と連携をとりまして、おっしゃるように通年の観光客をお迎えする努力をしてまいりたいと思います。したがって、何度も申し上げますが、当面はこの公園の充実を考えて、内容的には皆さんの知恵も借りて運用をしてまいりたいと思っておりますので、今後とも御意見を賜りたいと思います。
 次に、交流人口を多くしなさい、そしてコンベンションシティーにしたらどうか、そして流通都市と、このようにおっしゃっておるわけであります。確かに北陸自動車道、東海北陸、そのジャンクションでもございますし、1つの条件立地はできていると思います。そして、先ほども申しましたが、散居村という観光資源、そして今度は民間による大きいコンベンションホールもできました。そして、駐車場もございますので、特に今はこのようなコンベンションホールを行政でやるのはどうか。民間で、もしおやりになるということがございましたら、応援することはやぶさかではないと思いますが、私は直接行政がこのような、思想はわかりますけれども、建設をするということはどうかと思っておるところでございます。
 次に、出町の活性化問題を含めまして、タピ・ドゥ・フルー、いわゆる商工会議所青年部が一生懸命やってくれました花のじゅうたん等について質問もあり、これからもっと拡大すべきだということです。私も全くそのとおりだと思います。今年は、御存じのように、市道駅前病院線でやらせていただきました。確かにきれいに皆さん努力してやっていただき、作成した者も喜びましたし、私どももすばらしい行事だなと思って、報道機関も思い切って取り上げていただいたことについては感謝をしているわけです。
 ただし、私は、会議所の青年部の皆さんが一生懸命になっておりますけれども、地元の町内会の皆さんが余り参画していただけなかったことにつきましては、残念でたまりません。したがって、これらについてはこれからも実施をしていきたいという考え方を持っておりますので、何かこれらに対応するまちづくり協議会とか、これを支援する商店街づくりとか、何かそういうことをやっていただかないと、主催者だけ、あいつらだけということではどうかな、こんなことを実は思うわけでございます。この点、堀田議員さんの御支援もあって、そういうソフト事業に対して、おらっちゃもがんばるまいかという意欲を盛り上げていただければ幸いだと思いますし、それから、このことは一つのアート、文化芸術にもつながる、そういう意味ではずいぶん大切な事だと思います。お子さん方も参加するようなことになればなおさらいいな。その意味では、地元の基盤づくり、地元の熱意を期待いたしたい、私どもも努力してまいりたい、このように思っておるわけでございます。
 最後に、このことにつきましては、中心市街地の活性化云々がございます。後ほども申し上げようと思っておりましたが、会議所が中心になりまして、中心商店街の活性化計画が出てまいりました。これらを基本にいたしまして、1つ1つ順次具体的に進めていきたいと思います。構想としては、堀田議員も御存じのように、健康文化都市という大命題がございますので、それらを考えていきたいと思います。
 そこで、また今度新しい法律ができました。通産と自治省と建設省が各省を乗り越えまして、新しい市街地活性化法をつくったわけです。その場合に必要なのは、やっぱり地元の熱意と、地権者の熱意と協調がないとできないわけです。市役所や議員さん方が声をかけても、地元がその気にならないと立ち上がれないという要素がございますので、そういう面でいろいろ我々も盛り上げていきたいと思いますが、その点、お酌み取りを願いたいと思っておる次第であります。
 次に、市内商工業の現状をどう市長は判断しているかということでございます。確かに商店数も減りました。ただし、従業員数は若干増えております。これは大型店の関係だと思いますけれども、増えております。ただし、商品販売店等については、統計によりますと、15億円相当が落ち込んでおるようでございますので、疲弊していることは間違いございません。また、工場の現況につきましては、平成8年度のデータでございますけれども、1年に9事業所がなくなっております。ただし、従業員数につきましては、約300人ほどアップをしておりますので、他の市町村よりもよいのではないかと思っております。なお、また製造出荷額も、データから言いますと、約250億ほど増えておりますので、その点では、砺波市そのものは冷え切っていないのではないか、実はこんなことを思って、若干の安心感を持っているところであります。これが現状であります。
 そこで、これらの対策について、いろいろ各市の状況も申されておりました。このことにつきましては、経済対策その他、県も対応しておるようでありますが、1つは、貸付け等につきまして、中小企業金融対策として県も実施をいたしました。砺波市の小口事業資金等につきましては、調査した結果、まだ余裕がございます。銀行の貸し渋りなのか、現実的に設備投資をしたり、在庫があるからということで先取りの品物を買ったりしないのか、その点はよくわからないんですけれども、小口事業資金等については余裕がございます。おっしゃるとおり、事業資金の必要性が発生すれば、いち早く預託金で対応してまいりたい。今、現実、余裕がございますので、そのように今回は提案をしておらないことを理解をしていただきたいと思います。何度も申し上げますが、資金需要が発生すればそのように対処してまいりたい、このように思っております。
 それから、江守議員さんでしたか、この前のときに利子補給等の問題がございましたが、小口事業資金等につきましては、保証料の補給金を実は支出しておるわけでございまして、利子等につきましては農業資金とのバランスがございます。したがって、商業だけ、あんた利子を上げますよというわけには、平等性からいっていかないと思っておりますので、その点はこれから見直したいと思っておるわけです。
 次に、景気対策の問題であります。
 景気対策につきましては、地方団体という立場で云々できる問題ではないと思います。主体的な力量というのはわずかであります。そのことをまず我々は認識しなければならないと思います。しかし、地方にあって特徴を出す、そのことから考えますと、地方も頑張らなきゃならないという一面があろうかと思います。
 そこで、国の総合経済対策、御存じのように16兆円問題でありますけれども、それの第1点、個人住民税の減税が決まりました。砺波市では2億7,000万円減税になるわけです。そのことがまず景気対策の1つになろうと思います。ただし、これは減税だからといってタンス預金をしてもらいますと浮揚策にはならないと思いますが、あえて私は消費を訴えるわけではございませんけれども、いずれにか安心感を若干持ってもらえるのではなかろうか。これは断行するわけでございます。
 それから、公共投資その他につきまして提案理由でも申し上げておりますが、上期の契約を早くしなさい、これは国の指針でもございますし、国・県の指導でもございます。国の数値は81.4を示しているわけです。我がほうは今大体83%に来ましたので、それを上回る形で実は財政出動をすることになっております。そして、先ほど堀田議員さんもおっしゃいましたように、今回の補正で2億3,000万円を追加をしたわけでございます。
 その後、市長はどうするのかということでございます。もちろん国の経済対策でございますで、その中身をよく見たいと思いますし、先般の市長会議でもございました。今後、市民が本当に喜ぶ社会資本に目を向けていくべきではないかなという意見が大勢を占めました。それは、教育であり、あるいは社会福祉であり、あるいは下水道等のこれからの社会資本の整備に向けるべきではないかという御意見が高かったようでございます。関係省庁の皆さんも同席をしておりましたので、どのような配分になるのか、まだ中身は定かでございませんけれども、私は、市民生活に直結する公共事業については適時適切に受け入れてまいりたい、これはお約束をいたしておきます。
 それから、地元業者に対してですが、おっしゃるとおり、全体がモンロー主義であってはいけないと思います。もちろんグローバルな時代になってきました。高岡と砺波がどこで接しているかわからない時代、福野と砺波がどこで接しているかわからない。しかも、広域事業を私どもはやっているわけです。例えば、水道事業にしても、庄川町の皆さんもうちへ加盟して、うちの市民のような形ですね。もとをつなげば、松島の上水から皆さんが一帯に来ているということなどを考えると、必ずしもモンロー主義でいいのかどうか。それはひとつ置きますけれども、今おっしゃいました御意見を十分重視いたしまして、一般会計にとどまらず、企業会計、特別会計、それらの執行については、御趣旨に沿って対応してまいりたい、このように思っている次第であります。
 次に、出町文教ゾーンにつきましての質問でございます。
 この構想につきましては、地元の皆さんとも何度か話し合ってこられたことにつきまして、堀田議員さんも御承知だと思います。その気持ちは変わりございませんので、これからは広い見識に立ちまして、御意見のとおり対処してまいりたいと思っております。そして、前の議会でも申し上げましたが、21世紀を迎えますので、あるいは時代の変革もございます。そこで、新しい哲学が生まれてきていると思う。やっぱり魂の入った地域にしたいなあ。出町の皆さんが営々としてあの地域を築いてこられたわけですから、そのことを基準にして考えてまいりたいと思っておるわけでございます。
 したがって、その地域につきましては、これからも話し合いが行われると思いますけれども、生涯学習センターとか、総称してコミュニティーセンターになりますのか、そんなことなども考えていかなければいけないし、体育館もございます。これらの体育館をどう有効活用していくのか。そして、これに幾つかの道路、駐車場も考えなきゃいかんし、もちろん緑地も考えなければいけません。その場合には、私は区画整理の換地の手法でいくべきかなと実は思っております。その点での御意見がございましたら、また承っていきたいと思っております。
 そして、実のある樹木等々が必要ではないか、それこそ親しまれるのではないかというようなことでございます。もちろんそのことも検討に入れまして、次期総合計画の中で順次組み込んでまいりたいと思っております。
 なお、蛇足になりますが、この地域も実は市街地活性化計画の包括的な構想の中に組み込まれておりますので、皆さんにもそのことを御理解いただいて、その計画の中に入ってもらいたいなと、こんなことも実は思っているわけです。
 次に、小学校の建設につきまして申し上げます。
 おかげさまで、予定しておりました土地を取得いたしまして、開発公社でも先般お認めいただいたわけでございますが、ちょうだいをしておるわけです。あと、区画整理の集合換地、深江土地区画整理組合から分譲を受けまして、保留地を含めますと約2万4,000平方メートルになります。小学校の建設につきましては、おおよそ集合換地をしていただいて、位置づけその他ができましたので、いよいよ堀田議員が提唱されておりましたプロポーザルでいきたいということで決めております。
 プロポーザルは、御存じのように、県内中心に事業所あるいは営業所を置く設計業者を選定をして、そのアイデアをちょうだいするというものでございます。したがって、これらを審査するについては、教育あるいは建築、学識経験者、地元の関係者を含めましてこれに対応いたしたいと思っております。プロポーザルは、今申しましたように、設計そのものを求めるものではございません。いわゆる設計の発想、俗に言いますと哲学、そして使用方法などを提案するわけでございますから、十分意見を聞いて、その趣旨に合ったものを採用させていただくということになろうかと思います。したがって、コンペと違いまして、選定経費については随分安く上がるつもりでございます。そして、発注者側の希望や意見もどんどん組み入れる、そういう特徴があろうかと思っておりますので、そのように進めさせていただきたいと思っている次第でございます。
 スケジュール的には、それらが決まりましてから基本設計に入りまして、来年度は実施設計に入りたい。そして、12年度に着工いたしまして、順次、体育館、グラウンド、プール、14年の春には新しく開校してお祝いいたしたいな、こんなことを実は思っているわけでございます。
 現在の小学校にも、おっしゃるとおりいい面もございます。古くなったら壊す、そういう思想であってはならないと思います。まさに21世紀の学校でありますが、21世紀だからということでなくて、大人の視点でなくて、子供たちが個性を伸ばし、心豊かに育ち、そしてまた一緒に力を合わせるような学校雰囲気、環境をつくってまいりたいと思います。その意味で、おっしゃるようにソーラーシステムがいいのか、マルチメディアは特に必要だと思います。それら今御意見があったものにつきましては、いろいろ財政面もございますが、御趣旨に沿って進めさせていただきたい。ぜひ、逆に御支援をお願い申し上げておきたい、このように思っているわけでございます。
 最後に、堀田議員からも激励をいただきましたが、知事がおっしゃっておりますように、環日本海の時代でございます。いわゆるグローバル、国と国とのつながりも広まってまいりました。そのことを考えると、その背後地として頑張っていくのが砺波市ではないか、その意味での拠点だと考えております。そして、堀田議員さんがおっしゃるように、夢を持てと。そのことが、私の叫ぶ「ダイナミック砺波」に相通ずるものだと思っておりますので、御支援をお願いを申し上げまして答弁といたします。ありがとうございました。

◯議長(宮木君) 再質問を許します。
 堀田信一君。

◯10番(堀田君) ただいまは安念市長から詳細に御答弁をいただいたところでございます。いろいろな中身につきましては、この後、各常任委員会で、私どもの自民会所属議員がいろいろと細かくたださせていただくことになると思いますが、ぜひこの点だけは、はっきりと安念市長の考え方を聞いておかなければならないし、今日は傍聴者の方々も多いわけでございますが、下水道問題でございます。
 安念市長のただいまの答弁の中に、「合併処理」という言葉が出てまいりました。私どもの議会の中では、産業建設常任委員会があり、そしてまた下水道に関しては特別委員会を設けて、いろいろな角度から議論を重ねてきたのでございます。私ども議員も、上辺だけを見ているのではございません。専門知識をしっかりと勉強し、そしてまた地域に帰って、土改関係の方や用水関係の方、自治振興会の方、いろんな方々と協議をしながら、考え方を持って、地域住民の代表として議会で意見を述べてきているのでございます。
 私は、そういう中におきまして、下水道計画の見直し関係ということで、制度の変更とかいろいろございますので、庁内で会議をなさるのは、これは大変結構なことでありますし、当然やらなければならないことでございますが、下水道の見直しに関して、関係団体から委員を推薦していただいて見直しをしようと。そういう中に、合併処理も考えてもらわなければならんというように私は聞いたのでございますが、私ども自民会は、単に簡単に水洗化をしたらいいとか、そういう発想で考えておりません。私どもは、地球環境を守っていかなければならない、そういう大きな視点に立って考えているのでございます。安念市長は、いろいろな発言では、「生きとるうちにつくってもらわんなあかんな」とか、こういうような発言もされたやに聞いております。それも1つの考え方かもわかりません。何軒かの家が固まって、その人たちで合併処理をやっていただく。それについての補助規程もあるではないか。確かに早くできるかもわかりません。しかし、その処理水というものは河川に流れるのであります。私ども砺波市の自民会だけが考えているのではございません。中沖知事とも、県の考え方ともすり合わせをしながら、公共、特環につきましては二上へいく、農村関係につきましては農林省サイドの制度をもって処理場をもってやっていく。環境をきれいにしていこう。そういう考え方を持って臨んでいるのであります。早ければよい、そういうものではございません。
 それから、また、議会の専門委員会とそういう委員会との整合性等。市長は、先ほど、終わった後はまた議会と相談すると言われますが、市民の代表である私ども議会と専門の特別委員会とのすり合わせなくして先にそれを進めるという考え方は、私は納得できないのであります。この辺につきましては、本当の考え方をお話しいただきたい。私は、砺波市の将来において大変大事な問題であるということから、再質問をさせていただきました。

◯議長(宮木君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
 〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) お答えをいたします。
 下水道事業については、幾つかの手法のあることはご存じだと思います。出町、油田の特環、公共下水道、特環、農村集落排水、それから、厚生省あるいは自治省も認めておりますが、合併浄化槽というルートが幾つかあるわけです。それを皆さんに知ってもらうことも、行政の任務だと思います。これが第1点。
 したがって、皆さんに、この性格、やり方、方法、メリット・デメリットを話すことがなぜいけないのでしょう。しかも、土地改良区というのは知事認可団体です。権限も十分持っておられます。仮に農集をやるにしても、現実的には排水を受けてもらうということになろう。その皆さんと御意見を交わすというのは大切なことではないか。そのことを御理解をいただきたい。このように思っておりますので、ぜひ皆さんの御意見を聞く、そういう場であってほしい。検討会議と称しておりますので、その点、理解をいただきたいと思います。
 以上でございます。

◯議長(宮木君) これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑に入ります。
 申し上げます。議事の都合により、本日の一般質問についての各議員の発言は、会議規則第50条によって、それぞれ20分以内といたします。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕

◯議長(宮木君) ただいまの発言時間の制限について御異議があります。したがって、起立によって採決いたします。
 発言時間を20分以内とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕

◯議長(宮木君) 起立多数であります。したがって、発言時間を20分以内とすることに決しました。
 通告に基づき、順次発言を許します。
 4番 松本 昇君。
  〔4番 松本 昇君 登壇〕

◯4番(松本君) お許しを得ましたので、さきに通告を申し上げました事柄についてお尋ねを申し上げます。
 まず1点目、審議会についてお尋ねを申し上げます。
 法律によって設置が義務づけられているものと、地方公共団体が条例で任意に設置するものとがありますが、今日のように行政が複雑となり、専門技術的判断を必要とするような事項、利害関係、その他で事務領域が増加しておりますので、最新の技術や知識を取り入れて、公正な利害の調整を図り、行政を適切に行うために、外部からの各種の専門家を集め、各層の市民代表により審議会を設けて、解決策を諮問し、答申を踏まえて執行機関の最終意見決定をなされることは、行政の推進を図る目的達成には、民主化の一策、住民参加の一方法として、民主行政の推進として有用であると思われます。
 ただし、審議会行政は、民主化、科学化を図り、日常の行政に新風を吹き込む立場からも、行政のマンネリ化を排除するためにも役立ち、官僚的発想の転換を促す啓発材料となる。なお、委員の地位は民主的正当性を持つものではなく、公務に専念して一貫した行政責任を負う立場にもないため、過度の依存度は行政責任を不明確にする危険性もあると思われます。ただし、行政の現実において決断する自信のない事項について、隠れみの式に責任回避の手段として利用されたというような批判もなされることが少なくありません。行政の民主化であると誤解をしている向きもありますから、十分考慮される必要があると思います。
 また、委員のマンネリ化、御用化を避け、諮問事項とその範囲を明確にして審議の効率化を進め、答申の趣旨を的確にそしゃくした上で、最終的に自己の責任と判断を下す勇気も大切であると存じます。その内容の正しさと説得力を尊重した答申であるが、当然に権威を持つものではなく、執行機関に意見を具申するにとどまり、強制力を持たず、勧告にとどめる結果になる場合もありますので、十分考えていただきたいと思います。
 「開かれた行政」のスローガンのもと、公開制度に関しても、各審議会の報告が意図的に操作される危険性もあります。プライバシーが侵される危険のあることなど、行政の今後の運営と対応、時期その他を十分討議検討された上で行えばどうかと思いますが、市当局のお考えをお尋ねいたします。
 次、2番目に、2000年国体とリハーサル大会までの準備に関してお尋ねを申し上げます。
 昨今、市の実行委員会より、各地区総参加による大会の成功を期するために、各自治振興会主催で説明会が開催され、地区民の協力要請があったところでありますが、市民運動の展開について、どのような形でという具体的な方法について、まだ決まっていないという状態との推察でございましたが、時期的なこともあったので、各地に大変戸惑いがあったように思います。各地区で展開する具体的なマニュアルと役割説明がなかったことから、地区の住民が戸惑いを受けたものと思います。大会会場における準備につきましても、地区として応援しなければならない範囲など、具体的な参加協力の役割分担についても、早急に検討されたいと思います。
 また、会場までのアクセス道路についても、大変疑問を感じております事柄が多くありますので、早急に対応をお願いいたしますとともに、協力体制のできる方法をとっていただくよう切にお願いを申し上げます。
 なお、スーパー農道、高岡方面の接続に関する計画、特に坪野小矢部線は会場までの関係も最も深く、柳瀬(東開発)地区の皆様方が大変御心配になっておられるとのことでございます。坪野小矢部線スーパー農道は東部小学校の通学路であり、先月の5月にもスーパー農道で低学年の学童の接触事故が発生しているとのことであり、低学年児童、安全対策として安全教育を実施している最中であるが、遺憾ながら低学年というハンディがございますので大変戸惑っているという発表が、先日の地元の教育振興会総会の席上において、低学年の先生よりあったところであります。坪野小矢部線につきましては、平成8年11月にも、高岡庄川線、坪野小矢部線の交差点で大変痛ましい交通事故が発生しており、いまだに後遺症を受けているので、付近の人が大変困っているとのこともございます。
 359号線の改修はスーパー農道までの予定との市長の説明を受けておりますが、南北(横)線は、スーパー農道を利用して北に下り、東部小学校交差点を右折して、東西(縦)線の坪野小矢部線を東の方向に車が走るという状態になると思います。東部小学校の通学路であり、歩道もまだ完備しておりませんので、柳瀬(東開発)千保地内まで全線の改良が早急に待たれるところでございます。安全対策が大変に心配の状態であり、要請事項には全面的に協力すべきでございますが、二重の心配事が発生したということで、地域の皆さんが悩んでおられます。
 リハーサル大会の平成11年5月ごろまでには、ぜひとも全線歩道を完備願い、集団登校をやっておりますので、自由登校月2回のためにも、歩道の取合、安全柵を含め、真剣に取り組んでいただいて、“魔の通学路”のイメージを解消していただくよう切にお願いを申し上げます。
 なお、河川敷の駐車場、附帯設備関係の設置の見通し、会場までの高岡方面から接続について、左岸堤防の舗装、スーパー農道、高岡地内の接続など、高岡市と協議を願い、県西部の南北線(X軸線)アクセス道路として計画検討されてはと思いますが、大変に厳しい財政環境にあると思いますので、今後の見通し、リハーサル大会までの対応、現時点までの進捗状況をお尋ねいたしまして質問を終わります。
 ありがとうございました。

◯議長(宮木君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 松本議員にお答えをいたします。
 まず第1点は、審議会のあり方について基本的な考え方を申し述べよということでございます。
 審議会につきましては、総合計画審議会ほか審議会と名のつくものは12ございます。それから、協議会、委員会、会議等、そのように名称をつけておりますのが、実は45もあるわけです。今、おっしゃいましたように、審議会の意義も申されましたが、マンネリ化しているのではないか、あるいはそう効率を果たしていないのではないか等々の御批判もございました。そのことは甘んじて受けてまいりたいと思います。
 あるいはまた、公開性についてはどうか、プライベートの問題もあるよ、そのことも対応して検討しなさいという御意見がございました。私は、審議会の基本的な任務は、今日特に多様化するニーズ、公平で公正な市政を運営するためには、やっぱり多くの皆さんの御意見を聞く機会を持つことも大事ではないかと思います。議員各位を無視するわけでは絶対ございません。そのように、皆さんの意向を反映するまでもなく、どんどん申し入れてもらう。それを受け入れるのが私の気持ちでございますので、まずそのことを御理解をいただきたいと思います。
 審議会の設置要綱等につきましては、議会の中からも一部そういうお話もございましたので、この際、整理をして、審議会を設けるときには、こういう基準はどうだろうかということを協議を申し上げておりますので、その点を御理解いただきたい。
 先ほども若干批判がございましたが、審議会委員に幾つもなっておられる方もございます。せめてこういう多忙な時代ですから、5つぐらいに絞ったらどうか。何々の会長、何々の組合長ということになりますと、幾つも重なって委員になっておられる経緯もございますので、でき得れば5つぐらいに絞ったらどうか。
 その次は、今日、よく言われております「女性の時代」でもございますので、女性の皆さんにも入っていただいて、直接御意見を賜る機会が必要ではないかと思っております。
 それから、やや批判的ではございましたが、原則、公開にしたらどうか。どんどん意見を述べていただいて、公開にしてもいいのではないか。開かれた市政とはそういうものだろうと私は思う。そのようなことも考えております。
 それから、貴重だから、いいことだからということで長く委員をされておられます。これは、先ほど松本議員さんもおっしゃったように、マンネリ化に通ずるのではないかと思いますので、長くても3期6年か、あるいは7年ぐらいが限度かなというようなことも思っておりまして、今議論をいたしておるところでございます。
 それから、これも批判があるようでございますが、一部公募をすることも必要ではないでしょうか。新しい時代を迎えます。その意味で、思い切って広く市民から公募をしていただいて、それなりの意見を受けるのも必要な新時代を迎えておると思っておりますし、地方分権の趣旨から言いましても、力強さを保つためにも、御意見をちょうだいしたらと思っているわけでございます。そういう意味で、広く考えておりますが、ただし、その審議会の中身によりましては、専門的知識を要する事務的処理等のものにつきましては、これは必要性はないように思うわけであります。それらの方法につきましては、広報において正式に募集要項、募集人員等を明記してまいりたいと思うわけであります。
 先日も市長会に出てまいりまして、ディスカッションにも参加をしてまいりました。国における地方行革の推進の新しい指針が出ました。これまで砺波市にも平成8年に決めました行革大綱がございますが、これを早く見直しなさい、そして今度は数値目標も入れてください、そういうことを言っております。そのことを住民にオープンにしなさいという自治省の強い指導もございます。私は、これからはそれを受けて立つ職員の意識改革もしなければいかん、研修もしなければいかん、そして、住民参画を基本姿勢とすることが、今言われております指針の中身だと承ってまいりました。したがって、審議会等の設置内容等につきましては、若干批判があったようでございますが、御理解を賜りたい、このように考えておる次第でございます。
 次に、2000年国体のリハーサル大会等の準備についてでございます。おっしゃるとおり、十分PRが行き届いていないのは承知いたしております。上のほうだけで国体、国体と。昭和33年の第13回国体から数えまして30年目になりますか、大イベントを実は受けるわけでございます。その意味で、若干機運の盛り上がりが不足しておるようでございます。きょうは、質問の中で、早くしなさいという激励を受けたように思っております。先般、推進会議の総会も開催いたしました。それぞれ具体的にこれからお示しをしていきたいし、具体的な呼びかけもしてまいりたいと思っております。
 今、国体事務局を持っておりますが、リハーサル大会でございますので、実施本部をつくりたいと思います。機動力を発揮しないと、事務ばかりではいけません。出る体制をつくりたいと思っておりますので、そのことについても申し上げておきたいと思います。
 マニュアル等につきましては、この後、代表者会議をいたしまして、皆さん方の御意見も聞いて、具体的に学校ではこうしてください、中学校ではこれをしたらいかがでしょうと。これは強制するわけにはまいりませんが、そのように思っておりますし、各種団体に例えば交通面で協力してやろうか、あるいは老人クラブも頑張ってやろうかということでしたら、協議をしながら具体的に、これは行政が押しつけるものであってはならないと思いますので、話し合いをしながらその意欲を盛り上げてお願いをしていくということで役割分担がなされればベターではないかと思っておりますので、そのように進めさせていただきたいと思います。
 なお、駅とか会場については、前の市長も力強く言っておられたように、緑と花、やっぱり花を飾って選手役員に和んでもらうということもございますので、このことについては、植え込みその他もございますので、速やかに決めまして、配置等を考えさせていただきたいと思います。そして、会場が応援団で一杯になるような雰囲気づくりをさせていただければ幸いだと思っております。おっしゃるとおり、PRあるいはそれぞれにお願いする具体的な項目については、まだ行き届いておりませんので、速やかに話し合いをしながらさせていただきたいなと思っております。
 ただし、リハーサル大会については、大量動員を避けて、特に知事からも簡素でやりなさいということを言われております。しかし、簡素であると言いながらも、全国からおいでますので、それなりに親切にもてなしをして、いいプレーができる雰囲気づくりをしてまいりたい、このように思っている次第でございます。
 あと、アクセス道路、交通安全対策等につきましては、総務部長のほうから総括してお答えを申し上げます。
 以上でございます。

◯議長(宮木君) 答弁を求めます。
 総務部長 中島和之進君。
  〔総務部長 中島和之進君 登壇〕

◯総務部長(中島君) 2000年国体の準備状況について、補足して御答弁申し上げたいと存じます。2000年国体のリハーサル大会は来年の6月から4種目について漸次始まるわけであります。皆さん御承知でしょうけれども、確認のため申し上げますと、ラクビーについては平成11年6月19日から、バスケットボールについては8月9日から、軟式野球については10月8日から、ボーリングにつきましては11月4日から、それぞれリハーサル大会として、時間的には五月雨式に始まるわけでございます。それらのリハーサル大会を経て、平成12年、2000年には本大会が始まるわけでありますけれども、それらの受け皿整備、特に交通関連、あるいは駐車場関連のことについて、現在まで進捗している状況あるいは先行きのことについて、概要を御説明申し上げたいと思います。
 まず、競技会場へのアクセスの確保や安全対策の推進につきましては、かねて関係機関、関係当局に要望いたしているところでございますが、2000年本大会には、国道359号線につきましては、インターから砺波中部スーパー農道までの供用開始の予定で鋭意進めていただいているところでございます。それから、競技会場に接続する県道坪野小矢部線につきましては、そのうち千保・秋元間の歩道新設工事及び権正寺の交差点の暫定改良工事につきましては、2000年国体前に完了する予定でありまして、リハーサル大会の開催時にはまだ一部工事中と見込まれる状況と伺っておるところでございます。このため、各競技のリハーサル大会開催時点での進捗状況を予測しながら、既設道路との接続状況を十分把握して、通学道路などの実情を踏まえて、関係機関や地域の皆さんと御相談の上、要所ごとに必要な誘導看板の設置や誘導員を配置するなど、安全対策を実施し、安全で効果的になるように計画を進めておるところでございます。
 なお、中部スーパーの高岡市内への接続延長のことについて言及されておったわけでありますが、聞くところによりますと、事業採択がなされ、10年度から着手される計画のようでございます。工期等の進捗状況については未定でありますけれども、本年度から着手の予定であると伺っております。
 それから、リハーサル大会における輸送につきましては、基本的には選手・役員などの大会関係者はチームづけのバス、また運営にかかる市関係者や協力員は、指定の場所から、例えば市役所であったり文化会館駐車場であったりするところから、シャトルバスの運行を考えておるところであります。大会関係者の車両は運動公園の駐車場へ、一般観覧者や視察者の車両は河川敷の駐車場へ誘導する計画をいたしておるところでございます。
 駐車場の確保につきましては、リハーサル大会につきましては、先ほども申し上げましたように、競技種目別に時期がずれて行われますので、規模が小さいと考えられますので、運動公園あるいは河川敷公園で対応できるように考えておるところでございます。
 いずれにしろ、以上申し上げたことにつきましてのより具体的なこと等につきましては、これからさらに関係機関あるいは関係地区の方々と協議しながら、適切に進めていきたいと考えておるところでございます。何分にも皆さんの御理解と御協力を得て、立派なリハーサル大会、国体になるよう鋭意進めてまいりたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。

◯議長(宮木君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時56分 休憩

 午後 1時 3分 再開

◯議長(宮木君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質疑を続けます。
 16番 中西宏一君。
  〔16番 中西宏一君 登壇〕

◯16番(中西君) お許しを得ましたので、市政全般につき、次の4点について質問をいたします。
 21世紀を間近に控えた今日、すべての分野について変革が迫られている我が国において、国民一人ひとりが真に豊かさを実感できる地域社会を築いていくためには、それぞれの地域の総合的行政主体である地方公共団体が、地方自治の本旨に基づき、個性あふれる行政を自主的、自立的に展開することが何よりも重要であると考えますが、こうした中、各市町村は、少子・高齢化社会の進展、国際化・情報化等の社会経済情勢の変化や多様化・高度化する住民ニーズに対応するとともに、地方分権時代にふさわしい行政体制の整備や、行財政基盤の充実強化等を図っていくことが求められている。
 さて、我が砺波市は、住みよさランキング、671都市中日本一に輝いた。これは、都市の「安心度」「利便度」「快適性」「富裕度」「住環境充実度」の5つの観点から16の経済指標を選んで、住みよさの総合偏差値を割り出して比較したもので、現実とかけ離れた面もあると思うが、よい評価を励みにして、今後の行財政改革にどのように取り組まれるのか、安念市長にお尋ねします。
 また、地方分権に対応する広域圏行政の推進についてお伺いします。
 今、砺波広域圏では、JAとなみ野農協の合併をはじめ、砺波広域農業共済組合、そして砺波広域常備消防等、10市町村で4月新たに発足し、また水道企業団、東部・西部清掃センター等は以前より稼働しているところでありますが、今後は広域圏事務組合のみならず、行政も合併を考慮に入れた行政改革は、地方分権時代に対処するために検討されてはいかがでしょうか。今や海外視察研修は禁句のような世相ですが、私たちは、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどの10万~20万人都市の議会を訪問し、実態を勉強してまいりましたが、欧米では議員が少ないのに驚きました。20万都市で議員数が7~8名で、その中から市長を選ぶのが常識になっている。今すぐ欧米をまねろというのではありませんが、砺波広域圏11万住民のさらなる幸せを求めていろいろ御検討をいただきたい。
 また、広域都市問題特別委員会の研修視察で、お隣の新潟県の上越市役所を訪ねました。上越市は、直江津市と高田市が合併して、13万3,000人ですが、将来は30万人都市にするとの意気込みでした。私は、昭和63年9月議会の初質問に、昔の東西砺波郡を1つに合併して、富山、高岡に次ぐ県下3番目の都市にしてはどうかと申し上げてまいりましたが、この10年間に相当前進してきたのではないかと考えます。砺波広域圏理事長として、またとなみ野の首長として、砺波の今後をどのように考えておられるのか、安念市長の御所見をお伺いいたします。
 次に、砺波市のメーンイベントであるチューリップフェアについてお尋ねいたします。
 今年、第47回砺波チューリップフェアは、「花・愛あふれるまち砺波」をテーマに、オランダ王国総領事、カナディアンチューリップフェスティバル実行委員会副会長や、フラワー都市交流は、北は北海道中富良野から南は九州久留米市まで8都市のミスたちが参加されたほか、千歳市、栗沢町からも多数の御来賓の方々をお迎えし、4月24日から12日間開催され、盛大に挙行できたことは喜びに耐えない次第でありますが、暖冬の影響で、開会式を満開の状態で迎えたのであります。
 だれかの詩人の言葉のように、「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」であり、遮光ネット調節や平村での抑制栽培の8万本のチューリップの植え替えも、焼石に水の例え。チューリップ以外の花も関西から取り寄せて植えたが、花の少ないフェアに万策尽きて、入場料値下げを断行され、大変御苦労の多かった年であり、その労をねぎらいたいと思います。
 自然相手は難しいわけですが、開催時期の見直しをするべきでないかと思います。なぜなら、開会前に多数の入場者があり、中には観光バスまでが相当数入り込んでいるわけで、それらは何もカウントされない状態となっているので、開花2~3割でカウントを始めるようにされたらいかがなものでしょうか。したがって、ポスター等には、開花状況で流動的に対処する旨、表示されてはと思います。今年は31万3,000人と、嘆かなくてもよいのではないでしょうか。
 また、フェアの運営方法について。運営の主体はどこなのか、幾つもの窓口があり紛らわしいので、整理される必要があるのではないでしょうか。商工観光課、四季彩館、フラワーランドとなみ、チューリップ推進協会等々、砺波市最大のイベントであり、多くの人々の協力が必要であり、毎年より盛大に続けていくために、栽培技術もより研究されて、万全の対処をされるようお願いする次第であります。
 次に、主要地方道砺波小矢部線の改修についてお尋ねいたします。
 平成7年8月に既成同盟会設立総会発足以来、本年で4年目を迎えておりますが、県への要望や、その後の進捗状況はどうなっているのでしょうか。また、都市計画決定がされねばならないのですが、これの見通しはどうなっているのか。また、幅員は何メートルか。植栽はどうされるのか。また、新富町の交差点の改良を第一に望むものであります。相変わらず大型店へ出入りする車の渋滞は今も続いております。これを改良するには、幅員を広げて交差点改良するより方法がないと思います。また、栄町苗加線が砺波小矢部線を交差することになりますが、この路線改良時期もあわせて安念市長にお尋ねいたします。
 次に、超高齢化時代を迎え、福祉の充実を目指し、特別養護老人福祉施設のやなぜ苑、庄東デイサービスセンターに続いて南部福祉センターが着工され、建物本体が姿を見せ、市民に安堵感をもたらしていますが、人口4万人を超えた砺波市に、3カ所だけではまだ足りないと思うのは、私だけではないと思います。南部に続いて、北部福祉センターを考えられてはいかがなものでしょうか。財政多難な時期ではありますが、21世紀にはもう1カ所、新しい福祉センターが建設されますようお願いいたしまして、私の質問を終わります。

◯議長(宮木君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 中西議員さんにお答えを申し上げます。
 第1点は、地方分権と行政改革の取り組みについてでございます。
 中西議員さんも御指摘のとおり、著しく変化をした時代でございます。これに対応するために、地域社会をもう少し見直して、地方自治体もしっかりして行政執行を展開しなさい。その意味では、行財政改革もしっかりしなさい、こういうお話を承ったところでございます。ごもっともでございます。
 さて、お話にもございましたように、少子化・高齢化、国際化そして情報化、グローバルな時代、そして隣接市町村とは完全に境界がなくなったボーダレスの時代だと思っておる次第でございます。そういう中にあって、我々は国が示しました地方分権の推進、それが新しい自治の時代だと、このように思っておる次第でございます。しかしながら、先ほども申し上げましたように、それは賜るものではなくて、みずから自主的に計画的に改革をしていく、その精神が大事だろうと思っている次第であります。
 したがって、その推進に当たっては、昨年の11月に自治省が示しました「地方自治新時代に対応する地方公共団体の行政改革の推進のための指針」が発表になったわけでございますが、先ほども答弁の中で触れましたが、そのことを基本に据えまして、行革大綱をはじめとして、改善・改革に努めていきたいと思っております。
 さらに、今日また新たにそのような質問でございますので、少し整理をしてお答えをしておきたいと思います。現在の庁内にあります行政組織が本当に住民に直結してサービス行為ができるのかどうか、そのことを考えて行政改革推進本部をつくって、我々事務屋だけで、今、改善委員会を持って、ワーキンググループがそれぞれ調査をいたしております。それは、若い人も、あるいは経験のある人も、それぞれ参画をしていただいて見直しをし、先ほど松本議員さんにも申し上げましたが、市民にも参画をしていただいて進めさせていただきたいというのが私の気持ちでございます。
 したがって、このことは議会の皆さんにも十分これからお話を進めさせていただきますけれども、皆さんの協力と協調がなければ円滑には進まないと思います。その意味で、十分討論を進めながら進めさせていただきたい、このように思っている次第でございます。
 次に、地方分権に対応して、合併の問題について質問でございます。
 率直な話、外国の例も取り上げられました。私も30数年前にアメリカのカリフォルニアにおりまして、その実態を知っております。確かに、おっしゃるとおり、議員さんはそう多くはございません。職員も、ちょうど私がおりましたヘーワードという市が4万の人口でございまして、職員が170人、ただしその半数は現場の職員でございますので、事務屋というのはほんのわずか、そういう実態を勉強してきた経緯がございますので、おっしゃるとおりだと思います。ただし、典型的な資本主義社会の中にあって、ほとんどが下請けという形でございますから、そのことがぴたりとこの地域に当てはまるとは私は思いませんけれども、そんな気持ちでこれから臨むことも必要ではないかと思っております。
 したがって、合併につきましては、今、御存じのように、農業共済組合であるとか、消防であるとか、あるいはごみ処理施設だとか、そのことについては一部事務組合をもって広域化を進めております。この後、恐らく介護保険法の問題や福祉圏域の中でどうお互いに調整をしていくか、そのことも私は話題になるような気がいたします。そのことを考えますと、広域連合、一部組合、それぞれについて、その特徴を生かして対処していくことが当面必要ではないか、そのように事務の共同処理、そのこともの行革の一面でもございますし、合併に一歩を踏み込む、そういうことになるように思っておるわけであります。
 市町村合併等につきましては、民間の中でもずいぶん議論されております。特に、若い人たちの要望の中にございます。それは私も承知いたしておりますが、しかし、それぞれの市町村の生い立ちというのは、歴史的に、あるいは民俗、風土、それぞれ生い立ちが違います。それらの特色を大事にすることも必要でございますので、これらを無視することもどうかなと思っておるわけでございます。したがって、合併論議は、効率だけを観点にして行うべきではないのではないかということを今感じておるわけでございます。
 しかし、先ほどもお話がございましたように、地方分権の新時代でございます。国の指針もございます。私は、市町村合併はどうしても視野に入れなければならない、そのように思っております。今も申しましたが、幾つかの共同処理をやっておりますけれども、介護保険法の普遍的な措置をしなければなりませんし、先般も議会でも説明しておりましたが、保育園までも交流する時代なんです。そのことを思いますと、これはやっぱり避けて通るわけにいかない、このように思います。その行く先には、したがって、合併論議というのは大いにやるべきだ、選択肢の1つだと思っておりますので、広域圏事務組合をはじめとして、皆さんで論議を巻き起こしていただくことも必要だと思っておる次第であります。
 御承知のことと存じますけれども、平成7年の法律50号で、市町村の合併の特例に関する法律が改正をされました。まず、住民が発議できるという条項ができました。だから、住民の議論の中で、発議して合併しなさいという議論ができたら、それを受けて立ってくださいという法律ができております。それから、地方税の不均一課税、それもやってよろしい。それから、地方交付税の額の算定の特例の条件が出ました。交付税を増やしてやるよと、特例算定がやれるわけです。そういう優遇措置なども出ておりますので、十分これから調査研究をしていただいて、市民が幸せであればいいわけですから、そのことをベースにして、今出ております法律等を十分解釈して議論をしていただければいいのではないか、このように存じておる次第であります。
 次に、チューリップフェア等についていろいろ労いの言葉もいただきました。いろいろ反省点もございますので、これに対応したいと思いますが、内容その他につきましては、産業建設部長からお答えをいたします。なお、また、道路関係につきましても、現場の計画もいろいろあるようでございますので、産建部長からお答えをいたします。
 次に、北部に1つ福祉センターをつくってはどうかという提案でございます。このことについては、何度か触れたつもりでございます。結論的には、次期総合計画の中で位置づけをしてまいりたいということを申し上げておきます。今、御存じのように、油田にございます麦秋苑、あるいは庄東センター、そして今新しく東野尻につくらせていただいております(仮称)南部福祉センター、デイサービスセンター等、複合してつくることになっております。地域的なバランスも考えますと、そのような位置づけでいいと思っております。
 私は、健康で安らぎのある市民生活を保持をしていくためには、保健・医療・福祉を総体的にとらえて充実をしていくことが大切であると思っております。特に、おっしゃるとおり、超高齢化時代を迎えております。看護ニーズも多くなってまいりました。しかも、先ほども申しましたが、介護につきましては、法律もできましたので、普遍的になってきております。そのことなどを考えますと、私は保健の場、介護の場、そして支援の場、そして皆さんがコミュニティーをしていただける場、その場を考慮して地域福祉計画を考えてまいりたいと思います。いろいろデータ、数字を集めまして、地域福祉計画を立てまして、次期総合計画の中にどの時点で位置づけるか考えてまいりたい、このように思っておりますので、御理解をいただければ幸いでございます。
 以上でございます。

◯議長(宮木君) 答弁を求めます。
 産業建設部長 福田正治君。
  〔産業建設部長 福田正治君 登壇〕

◯産業建設部長(福田君) 中西議員さんのチューリップ関係についてお答え申し上げます。
 開会時期を見直せばどうかという御質問であったと思います。
 従来のチューリップフェアは、4月下旬から5月5日までと、連休にたくさんのお客さんが来られること、あるいはチューリップの花もち期間等も考慮しながら決めてきたわけでございます。先ほど御質問の中にもありましたように、今年は異常気象ということで、5月2日から値下げしたということでございます。
 会場に来られる観光客の皆さんは、華麗なチューリップを見たいということで来られると思っております。そういう意味で、今後は新たな晩生の品種等を取り入れまして、全体のバランスを考えていきたいと思っております。また、入替えの品種等もいろいろ研究いたしまして、割合を検討していきたいというふうに考えております。
 会期を延ばせばどうかという御意見でございますが、会期を延ばしますと、花の入替えとか人員配置、PR機関等、より多くの問題が出てくるような気がいたします。
 この連休の間、せっかく里帰りしたいという方々もおられますし、この時期に、砺波のチューリップの技術を生かしまして、合わせることも一つの方法ではないかというふうに考えておりまして、来年もこの時期に合わせて行きたいというふうに考えております。
 次に、チューリップフェアの運営体制について御質問がございました。
 現在運営しておりますのは、推進協と砺波市が主催しておりますが、窓口は商工観光課となっております。運営の効率化を考えまして、花の栽培に関しましては四季彩館が、広告宣伝あるいは大きな催しものにつきましてはフラワーランドが、それぞれ業務分担して対応しておるわけでありますが、今後の運営につきましては、柔軟で機動的な対応も必要と考えておりますので、より効率的な円滑な運営方法はどうあるべきか検討してまいりたいと考えております。
 次に、主要地方道砺波小矢部線の改修について御質問がありました。
 御質問の主要地方道砺波小矢部線の都市計画決定につきましては、出町西部の地域の主要幹線道路であり、今後、中神、杉木地区の用途地区の拡大とあわせまして、外環状線いわゆる栄町苗加線との交差点等も念頭に入れながら検討していきたいと考えております。
 都市計画決定でございますが、用途地域内は県と協議しなければなりませんが、今のところ幅広の22メートルで考えておるところでございます。都市計画決定につきましては、いわゆる農振地域や農業地の特別管理地域約32.5ヘクタールは除外しなければなりませんので、この期間に、1年程度、県との協議を要すると考えておる次第でございます。
 豊町交差点につきましても、御指摘があったように、交差点が狭いのでございますが、22メートルの幅員の中で右折車線も取りながら、また花あるいは緑を歩道に検討しながら対応していきたいと思いますが、県との協議が必要でございますので、事業着手まである程度の時間を要すると考えております。
 また、都市計画道路の栄町苗加線につきましては、起点は栄町の中村土地区画整理事業で施行してまいりましたが、残された路線につきましては、杉木の区画整理事業を踏まえて、次に中神のほうにまいると思います。と申しますのは、下水道等の整備もございますので、杉木地区のほうから整備していきたいと考えておりますし、残りの農村地域におきましては、主要地方道の砺波小矢部線の整備促進同盟会等でいろいろ県と協議いたしまして、早期に着手するよう要望していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

◯議長(宮木君) 8番 高田隼水君。
  〔8番 高田隼水君 登壇〕

◯8番(高田君) お許しを得ましたので、私は、市政一般について、5項目ばかりに関して質問と要望をさせていただきます。
 最初に、知的障害者の更生施設についてお伺いをいたします。
 平成8年にとなみ養護学校に高等部が新設をされました。それまでは、砺波福祉圏の生徒は、高等部に通学する場合、主に高岡に通学しなければならなく、父兄の負担も非常に多大でございましたが、8年以降はこれもなくなり、大変喜ばしいことだと思います。
 現在、となみ養護学校の高等部の生徒は、1年生が16名、2年生が4名、そして3年生が20名と、計40名でございます。どこの学校でも、時期を見たら進路指導が始まるわけですが、平成10年5月現在の高等部の生徒の進路希望について、父兄からアンケートをとられたわけですが、就職希望者が19名、施設入所希望が7名、作業所入所が12名、家庭が2名と伺っております。就職希望者と、施設入所、作業所入所の希望者とが同数であるということでございます。一方、就職希望者の生徒のうちでも、前段階として、福祉作業所で一回慣れてから、実社会の普通の民間の会社へ就職させたほうがいいと希望しておられる保護者が16名もおられるとのことです。すなわち、施設入所、作業所入所の希望者が非常に多いということでございます。現在、砺波福祉圏には、施設としては、渓明園(小矢部市)がただ1つあるのみでございまして、作業所は第1・第2あけぼの作業所(小矢部市)、かごめ苑(福岡町)、砺波福祉作業所(砺波市)、それと福光福祉作業所(福光町)があるわけでございます。しかし、どこも現時点では定員満員でございまして、入所をする余裕すらございません。入所する余裕どころか、高等部の生徒が実習をしたいと思っても、ままならぬ現況でございます。
 昨今、経済情勢、社会情勢が大変厳しくなってきております。一方、高齢化社会は着々と進み、今後、知的障害者に対する福祉はより一層厳しくなるものと想像をされる次第でございます。しかし、いかなる障害者も一人の人間としての尊厳が認められ、地域社会の中で、地域の人々と同じように、心豊かで楽しい生活ができるようにならなければなりませんし、また、そのためには、本人はもとより、保護者、家庭の一層の努力が必要であることは言うまでもないと思います。
 しかし、個人の力には限界がございます。砺波福祉圏には、知的障害者の更生施設、作業所の建設予定の話があると聞いております。このことは、砺波福祉圏、すなわち2市10カ町村の関係することであるので、砺波市だけの話ではないのでございますが、砺波市としての現況はいかがなものでございましょうか。となみ養護学校の生徒の約5割は、砺波市と小矢部市出身の生徒です。このことからも、砺波広域圏のリーダーたる我が砺波市も、何らかの支援を考える必要があるかと思いますが、市長のお考えをお伺いする次第でございます。
 第2項目といたしまして、保育所の現況と今後の見通し、施設とか児童数、本年度から開始されました広域入所などについてお伺いをいたします。
 砺波市の住民基本台帳、9年4月1日現在の人口推移、その中で特に社会増については、昭和34年~50年はマイナス6,234人でございますが、51年~63年はプラス326人、そして元年~9年はプラス2,376人であります。特に6年~9年には年平均441人の増加をしております。一方、動態比率、人口1,000人当たり出生比率は10人弱となっております。
 一方、第6次砺波市総合計画修正計画(後期計画)、10~12年の計画によると、人口を4万3,000人と想定をいたしておる次第ですが、現在の人口より約3,000人増加ということでございましょうか、過去の実績、すなわち平成元年から9年までの人口増2,715人のうち自然増は339人(13%)、社会増は2,376人(87%)でございますが、この比率を3,000人にスライドしますと、大体2,610人が社会増となるわけでございます。社会増は若い人たちも比較的多いと推定をされますので、今後、児童数が地域的にアンバランスに増加することも考えられる次第です。
 一方、本年4月より、児童福祉法の一部改正により、各市町村の住民が選択入所、すなわち広域入所が可能となりました。広域入所に深く関係すると思われる1つの数字としては、昼間人口がございますが、砺波市では流出人口が1万187人、流入人口が8,475人、これを差引きすると、流出、砺波市より外へ行って働いておられる人口のほうが1,712人多くなっておるわけでございますが、もちろん流出人口の中には若いお母さんも多数おられると想像されますので、他の市町村の保育所に入所選択する人が多くなると思います。
 市の目標人口4万3,000人に到達するには、経済状況も大変厳しくなっておりますが、やはり企業誘致等が必要かと思います。砺波市の企業へと通勤する人、流入人口も多くなると思います。その場合、他市町村の住民の方でも、砺波市の保育所に入所する人が増加すると思われます。すなわち砺波市としての広域入所の児童数が多くなると想像されるわけです。砺波市の住民が他市町村の保育所に入所させてもらうかわりに、他市町村の住民が砺波市へ働きに来られて、より職場から近い保育所に入りたいと希望されるならば、当市も当然これを受け入れなければならないと思います。
 当市の保育所の運営については、本年度改築の行われます鷹栖保育所のように、長期展望というよりも、入所児童数の増加に伴う改築をずっと繰り返してきたのが多かったように思います。今後、経済状況の悪化など企業誘致の問題もあり、そして児童数の増減を推測することは大変困難なこととは思いますが、人口増や広域入所等、それから地域的児童数のアンバランスなどを考えた場合、長期展望に立って、保育所の運営計画、例えば施設であるとか、人手、人員のことであるとかを立案していくことが必要ではないかと思いますが、お伺いをいたします。
 第3項目として、花と緑のまちづくり条例施行後の実績と景観保存についてお伺いをいたします。
 第6次総合計画第1章に、「うるわし 散居のなかに花と緑の活力に満ちたふるさと となみの基盤づくり」とあり、それらを踏まえて、平成5年4月に「花と緑のまちづくり条例」が施行されました。施行後5年が経過いたしましたが、実績内容はどうでしょうか。例えば、市民の意識はどのように変わっていったのか、保存樹、生け垣などの指定もなされましたが、その結果をどのように活用されているかなど、現況と、5年間経過をして問題点はなかったのか、お伺いをいたします。
 次に、景観保存についてお伺いいたします。
 条例第8条に、「散居及び屋敷林の保全」とあり、「市は市民と一体になり、学術的に貴重な散居村及び屋敷林を保全し、緑あふれる快適な生活環境の創造に努めなければならない」とあります。近年、屋敷林は、生活様式の変化に伴い、どんどん少なくなってきているのが現状でございます。特に、家を新築する場合、8割方の家は屋敷林を切るという数字が出ております。なぜならば、先人たちの知恵から出た屋敷林の効用が必要なくなったからです。屋敷林の効用はたくさんございますが、例えば、家を新築する場合に用材に使うとか、防風・防雪、あるいは落葉などを燃料にするとかということがございましたが、現在はそれらはほとんど外材、アルミサッシ、あるいはプロパンガス等に変化してしまい、このままでは減少の一途をたどり、緑豊かな屋敷林に囲まれた家々が平野一面に点在する典型的な散居風景もなくなるのではないでしょうか。
 近年、市民の間にも、屋敷林のよさを見直そうという機運が高まり、平成9年4月12日に「砺波カイニョ倶楽部」が発足をし、第1回会合が東保のお寺で開催されました。目的は、「砺波散居村のカイニョ風土と文化の充実、発展に寄与する」とあり、会員は63名、そのうち砺波市以外の会員も18名と、多くを数えているわけです。年数回、典型的な屋敷林を、皆、手弁当を持ち寄りまして、専門家からいろいろ説明を受け、見聞を広めておられるということでございます。その会員の中で、屋敷林が身近にない会員、例えば高岡市の人などは、なんと散居景観(屋敷林)はすばらしいものだと感心をし、すっかり屋敷林のとりこになったとのことでございます。
 先達の土地の風土を反映した知恵から形成された屋敷林を軽んじることなく、また日々の暮らしの中で、身近にある自然のありがたみや景観のすばらしさを忘れてはないでしょうか。散居景観(屋敷林)を次代の世代に残すために、「花と緑のまちづくり条例」の第8条を発展解消して、住民とのコンセンサスを得て、例えば町並保存条例のような「屋敷林景観保存条例」などを考えたらいかがでしょうか。砺波市だけでなく、近接市町村とも話し合って、砺波平野の散居、すなわち文化遺産としても保存が必要ではないでしょうか。
 農水省では、山間部の傾斜地に階段状につくられた水田の棚田を文化遺産として保全活用するために、具体的な方策を検討するとのことですが、屋敷林も、その美しい景観は、日本の稲作文化を代表する景観ですから、文化遺産として保全活用するように、全国的に同じ形態を有する都市とも連携をして、国にも働きかけていくことが必要かと思います。
 以上、屋敷林についてお伺いをいたします。
 第4項目として、美術館についてお伺いいたします。
 先日、新聞に、「チューリップフェアでたくさん迷子が出たとき、放送すると、親御さんが来られるが、子供を見て、すぐ手を引っ張って、向こうへさっと帰ってしまわれる。係員に何の一言もない、何か寂しい気がする」という言葉が書いてございました。近年の「心」の問題の1点かと思いますが、この記事を読みまして、人と人を結びつける「ありがとう」という言葉はどうしたのだろうと、やりきれなさとむなしさを感じることを禁じ得なかったわけでございます。
 ある本によりますと、「心」の問題解決は、教育、家庭、社会、環境等々とありますが、文化・芸術も非常に有効であるとのことです。すなわち文化・芸術を通じて、心豊かな感性を養うことができるということでございます。
 その点、我が砺波市美術館は、市民アトリエを設けるなど、文化・芸術面での教育にも活動しており、大変有意義であると思います。開館してから1年が過ぎましたが、1年間での入場人員は10万2,000人余り、また収入も必要経費の20%強であり、全国的には美術館の収入は運営経費の10%そこそこであるということも聞いておりますし、この点では非常に適切であったのかと思われます。その他、市民アトリエ利用状況など、開館してから1年間の実績を踏まえて、現況についてお伺いいたします。
 新館長は、「複雑な時代だけに、感動する対象やその形は多様、市民と美術館とを結びつけるいろいろな仕掛けを考える必要がある」と言っておられますが、今後、全国でも数少ない学芸員出身の石丸新館長を迎えて、どのような方針、施策で美術館の運営をしていかれるのかお聞きいたします。
 最後に、砺波市情報化計画についてお伺いいたします。
 最近、ケーブルテレビ、ビデオテックス、パソコン通信、インターネット等の普及による高度情報化社会を迎えた今日、いろいろな分野で情報処理技術及び通信技術の成果を積極的に活用し、豊かな住民生活の実現、地域の諸問題解決あるいは情報の先取りのためにも、情報通信基盤の確立、情報格差の是正、行政サービスの向上を図ることが必要かと思います。
 砺波広域圏では、平成2年2月に砺波広域圏テレトピア基本計画をつくり、3年2月にテレトピア構想追加指定を受けました。一方、となみ衛星通信テレビ株式会社が第三セクターとして平成元年に発足し、同2年9月に有線放送事業の郵政省事業許可を受け、3年6月にサービスを開始いたしましたが、しかし、当該事業は営利会社であるため、採算性を考え、砺波広域圏内の1市5町4カ村のうち1市5町を対象としており、さらに対象地域の中でも、現状としては、人口密度の高い市街地を主に事業化しております。しかし、これでは情報格差が生じ、住民への行政サービス面で問題が生じるわけです。
 以上の問題解決のために、1つの方法として、平成8年3月に、砺波広域圏事務組合において、砺波広域圏地域情報化推進に係る基本計画書が策定されました。主な内容は、事業主体は広域圏事務組合、チャンネルリース料は広域圏事務組合とTSTは互いに相手方の施設を利用する、事業区域は砺波広域圏全域、事業運営体制は広域圏一元化による運営として、郵政省補助事業である新世代地域ケーブルテレビ施設整備事業を前提としたものでした。
 砺波市では、上記基本計画を考慮して、平成9年3月に砺波市情報化計画が策定され、広域圏1市5町4村のうち最も意欲を示したのですが、補助事業として採択に至らず今日に至っているわけです。当市の情報計画が策定されてから1年余りが過ぎましたが、今後どのように取り組んでいかれるのか。また、3月議会では、平成10年度の安念市政の骨格というべき施政方針及び市長提案理由説明のうちにも、情報化については言及がございませんでしたが、今後どういうふうに見直し等も考えていかれるのか、またこの種の事業の一番大切なことは、事業ありきの計画ではなく、いろいろ市民等からの声も十分聞き入れて、下から積み上げていく方式で計画をすべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
 以上、砺波市情報化計画についてお伺いいたします。
 なお、市長におかれましては、砺波市広域圏事務組合の理事長の立場も考えて回答をいただけたらと思います。なぜなら、砺波市情報化計画と広域圏情報計画の問題とは、相互に関係が生ずる割合が非常に多いかと想定されるからでございます。
 以上、質問を終わります。

◯議長(宮木君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 高田議員にお答えをいたします。
 まず、知的障害者の現況と今後の対応でございます。
 高田議員さんは、それぞれ知的障害者の実態等につきまして、その調査もされて、今の御意見になったと思っております。いろいろ調査資料等につきましては、十分把握をしながら進めさせていただきたいと思っております。
 今申されたように、知的障害者の更生施設につきましては、高齢者福祉施設以上に整備が遅れていることは承知をいたしております。どの施設も満所状態であります。待機者も多数おられるように聞いております。当市の油田に砺波福祉作業所が設置されております。定員は20名でございます。これも満所でございます。通所施設でございますので、御存じのように交通の便もよろしゅうございます。障害者みずからが通勤をされる。そのことも大変重要だということで、重宝がられておるわけでございますが、当市も相応の負担をしておるわけでございます。その意味で、もっといい施設にしてあげたいなというのが、私の本音であります。この更生施設については、高田議員さんも御指摘のように、新しく整備計画が持ち上がっておることは承知をいたしております。その関係団体からも、要望されているところでございます。
 砺波福祉圏内の知的障害者の保護者の皆さんも熱心でございまして、「両砺波2市10カ町村手をつなぐ育成会」という組織もつくられて、熱心に運動をされております。したがって、現在、その運動に応えるために、調査研究をいたしております。具体的には、そのような方向が出てまいりましたならば、十分協議をしてまいりたいと思います。
 ただ、砺波福祉作業所をそのままでいいのか。しかも、地理的条件からいいまして、入所の希望の多いところでございます。要は、通所なのか収容でいくのか、いろいろ議論のあるところでございますが、保護者の皆さんは、できれば通所でという意見も私は聞いています。そうしますと、大きく統合して、遠いところが、本当にこの人たちのためになるのかどうか、それをよく考えていきたいとに思うわけでございますので、少し議論をさせていただきたいと思っておる次第であります。
 次に、保育所の今後の見通し等でございます。
 御存じのように、時代の要請なのか、この不況のあおりなのか、収容人員といいますか、希望が多くなりまして、先日にも申し上げましたように、それぞれ保育園は満所の状況であります。しかし、このことは行政として十分受けて立つ必要があろうと思います。その意味で、明年度も恐らくこの傾向が続くとすると、そして、広域的な立場から考えて、高田議員もおっしゃるように受けていくとするならば、中核都市でもございますので、そのような対応をとっていきたい。したがって、この時代でございますけれども、人員も確保してまいりたいと思っているわけでございます。
 詳細につきましては、民生部長からお答えをいたします。
 次に、「花と緑のまちづくり条例」の実績と今後の問題について、一部提案がございました。
 「花と緑のまちづくり条例」につきましては、いろいろ前市長も力を入れられまして、今日に至ったことについて、敬意を表しております。そして、各地区におきまして、各町内ごとに、「花と緑の協定」なども結んでいただいて、環境のいいまちづくり、村づくりに寄与していただいておりますこと、あるいは開発行為等で申請してまいりました緑化協定につきましては、28件も成立をいたしているところでございまして、実績から言いますと、随分効果があったのではないかと思います。
 なお、また、分譲宅地開発等におきます生け垣の設置補助金交付要項等につきまして、分譲宅地の外周の緑化を進めておりまして、幾つか補助を出していることは御承知のとおりであります。保存樹等につきましても、現在まで、保存樹木130本、保存樹林として、寺社林13カ所、屋敷林26カ所、生け垣10カ所を指定して、それぞれ良好に管理をしていただいておりまして、そのことが市民の緑化意識の高揚と、先ほどおっしゃっておられます屋敷林の保全にもつながっていると思っております。それらを含めまして、新しく「散居の緑」という冊子もつくって、意識の啓蒙を図っておるところでございます。
 ただ、問題はなかったかということでございます。このように、推奨もしておりますし、保護もしておりますし、指定もしておりますけれども、生活様式の変化でしょうか、これが近代化かどうか知りませんけれども、管理面からもややうるさいのか、減少していることは事実であります。したがって、そのことも心配されて、高田議員さんは、屋敷林の景観保存条例でもつくったらどうかという意味での提案ではないかと思います。私も、その趣旨には大いに賛成をしたいし、「花と緑のまちづくり条例」という精神からして、よいのではないかと思います。
 ただ、このことにつきましては、十分皆さん方の御意見も聞いたり、散村地域研究所の皆さんや自然保護の皆さんもおられますし、そうでない方もおられますが、広くその人たちの意見を聞いて進めてみたいと思います。
 そして、全国的に散居村サミットを持っておりますので、どの地域もこの問題を抱えていると思う。もしまとまるものでしたら、これをまとめて、今、提起がありました棚田のような形で、基金を積んでどなたかが管理をするという方向が出ないものか。その場で議論をすることも大切ではなかろうか。散居村サミットがございましたら、このことを提案してみたい。そして、賛同を得られるとすれば、「花と緑のまちづくり条例」の中に組み込むか、別途に考えるか、それは皆さんと協議させていただきたい。もう少し時間をかしていただきたい、このように私は思っているわけでございます。
 もちろん、今は自然保護、環境問題を重視する時代でございますので、その提案の趣旨については十分承っておきたい、このように存じております。
 あと、美術館等につきましては、教育長さんからお答えを申し上げます。
 次に、砺波市の情報化についての御質問でございます。
 情報化の重要性については、今高田議員さんからもおっしゃったことについては、了知をいたしております。
 また、その取り組みと経過、それらについても詳しく申されましたので省きますが、これから市長はどう取り組むか、あるいは広域圏の理事長として対処するかということでございます。
 広域圏といたしましては、広域全体のネットワークを整備して、できれば福祉にも医療にも、前の市長もよくおっしゃっておられました、双方向性で何とか生活の面でも活用できないかという考え方があったわけであります。そして、今申されましたように、そういうニーズ、下からも積み上げてこい、こういうお言葉でございましたので、それらを踏まえて議論をしていきたいと思います。
 先般は、実は従来の郵政省型だけでなくて、1つは、農林省系の田園地域マルチメディアモデル事業という構想が出てまいりました。モデルでございますので、補助率も高いという話でございました。即刻、従来の郵政省の計画を少しアレンジをいたしまして、事前ヒアリングに行ったわけです。これは正直に申し上げておきます。ただ、これは正式な公文で行ったわけではございません。向こうからのアタックもありましたし、ぜひということで、構想を持ち込んで行ったわけです。ただし、言われる内容は簡単ではありましたが、現場へ行きましたら随分ハードルが高かったわけです。もちろんモデル事業ですから、あれもつけなさい、これもつけなさい、土地改良の施設も管理せよ、水の管理もせよ、温度管理もせよ、病虫害管理もせよというような話がずいぶん出てきますと、人も、館も、施設もという話になりますと、前の郵政省計画以上に実は経費がかさばるということになります。そうしますと、市町村長の皆さんとしては、一遍投資だけすればいいものなら、幸いTSTがありますからそれでいいと。ただし、後のメンテナンス、後の運営まで相当経費もかかるぞという心配も実は出てまいりまして、議論をした結果、取下げという言葉は当てはまらないと思いますが、その後、構想については交渉をしないという形になったことを御理解をいただきたいと思います。
 しかし、高度情報化の波は、高田議員さんもおっしゃるとおり随分高まってきておりますので、住民生活の便利、福祉の問題、そういう意味で、今後とも低コストでこれが対応でき、補助率もそうそう悪くないというような公共投資であるとするならば、対応する必要があるのではないか。このことにつきましては、議員各位ともよく相談をして、あるいは専門家の皆さんの意見も聞いて、その上で広域圏の理事会や広域圏の議会にも諮っていきたいと思うわけでございます。
 私は、TSTというステーションがある以上、うちだけ勝手に走るというわけにまいりませんので、できれば包括的に参画するのがベターではないかと思いますので、広域圏サイドという言葉を使うわけでございます。その点、御理解をいただきたいと思います。今後とも、この課題研究について努力してまいりたい、このように思っておる次第でございます。
 以上でございます。

◯議長(宮木君) 答弁を求めます。
 教育長 飯田敏雄君。
  〔教育長 飯田敏雄君 登壇〕

◯教育長(飯田君) 高田議員の美術館の現況と今後の方針について答弁いたします。
 平成9年度の実績と新館長を迎えての今後の方針はどのように考えているかという御質問でございました。
 美術館の平成9年度実績について、簡単に御報告します。
 開館記念の北大路魯山人展など4つの企画事業、並びにとなみ野美術展など3主催事業、県連合美術展など3共催事業を実施するとともに、美術作品の調査研究及び保存を行いました。また、北陸で初めて市民アトリエを開設し、子供から大人までを対象に創作活動を実施し、教育普及に努めました。
 その結果、10万2,531名の入場者があり、総支出に対する事業収入の割合は24%となりました。高田議員調査のとおり、地方都市の美術館は一般的には入場者数の目標は、市の人口と同じ数を見込んでおります。したがって、砺波市の人口は4万人ですから、一般的には4万人を見込むのが常識でございます。事業収入の割合は、総支出の10%に置いております。当市の場合は初年度で、この施設が珍しいことや、チューリップフェア会場になっているため、予想を超える結果となったと考えております。
 美術館長については、美術に対するすぐれた見識を持ち、市民の文化向上を図りながら施設運営を軌道に乗せる人材として、滋賀県立近代美術館長を務め終えられた石丸正運先生に4月から就任していただきました。御承知のとおり、美術館は収蔵作品の相互貸借で展覧会を開くのが原則でございます。当市美術館はまだ収蔵作品が少ないので、石丸先生の今までの経験と全国的なネットワークを活用して、幅広いジャンルの企画展を開きたいと考えております。
 なお、新館長の運営方針は、5つございます。
 第1点は、美術館は市民に開かれた生涯学習施設でなければならない。創作活動をする作家と美術を鑑賞する市民の両方に利用しやすい場としたいということが第1点。
 第2点、幼児のころから美術に親しみ、感性を豊かにする機会に出会う場としたい。また、市民アトリエや展示室を子供たちに積極的に利用してもらう。
 第3点は、多様な市民のニーズに対応した形で、展覧会の企画や市民アトリエの活用を図り、親しみのある美術館を目指す。
 第4点は、講演会、講座、シンポジウム、ワークショップなどを開催して美術情報を提供するとともに、美術館教育に取り組む。
 第5点は、収集方針に見合うすぐれた美術作品の収集に努め、常設展示の充実を図る。
 このような5つの具体的な視点から、新館長は運営を方針を述べておられます。
 以上、私の答弁を終わります。

◯議長(宮木君) 答弁を求めます。
 民生部長 小倉隆男君。
  〔民生部長 小倉隆男君 登壇〕

◯民生部長(小倉君) 私のほうから、保育所の設置、児童数、広域入所につきましてお答えを申し上げます。
 ただいま市長が申されたとおりでございますが、本年度は6月1日現在で、市内の保育所において、定数800名のところ773名、前年当初比にしまして66名増。また、広域入所につきましては、高岡市ほか5市町村で16名(うちゼロ歳児3人)の児童の保育を実施しておるところでございます。
 ただいま議員さんから人口増につきまして細かい分析をいただいたとおりでございまして、当市において人口の社会増、自然増がほぼ現状のように推移すると見込まれますと、低年齢児の保育、こういった保護者のニーズが非常に高まってくると思われます。低年齢児保育につきましては、今保護者が安心して就労することのできる環境が求められておりまして、これを重視していかなければならないと思っております。
 広域入所につきましては、保護者が就労等の関係で保育所を選択できる制度といたしまして取り入れられたものでございますが、このことにつきましては、定員に余裕があればこれを受け入れることになるのでございますが、特に広域入所を希望される場合は、ほとんどが3歳未満という低年齢児でございます。近年、当市におきましては、低年齢児保育の要望がどんどん増加しておりまして、この要望に応えるよう順次整備をいたしまして、また職員の配置もいたしておるところでございますが、御提言のことにつきまして十分配意しながらこれから進めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。

◯議長(宮木君) 15番 柴田豊明君。
  〔15番 柴田豊明君 登壇〕

◯15番(柴田君) お許しを得ましたので、私は市政への方向について質問させていただきます。
 私にとりましては、安念市長へは初めての質問となります。
 安念市長は、長らく行政の執行に携わってこられました。特に財政については、収入役を長らく務められ、収支から見た市政について、今日の市の事業の進展についてよく理解されているものと思います。今年1月から市長職として5カ月間、市の顔として、市政の執行者として、今までの収入役より立場を変えて、各種の行事に出席され、また、各種事業執行への決定をされておりますが、現在の市政をどのように思っておられるのか、また市長の立場としてどのように感じておられるのかお伺いを申し上げたいと思います。
 次に、今日の市政については、国・地方を問わず、行財政改革の中にあって、当市は平成12年までの第6次総合計画に沿って各事業が進められていると思います。平成12年は、国体を開催することで、各種施設整備等多くの準備が必要となり、ほかにも介護保険の導入、下水道施設の早期整備、福祉医療施設の充実、産業の振興など、多くの要望と課題があります。市長は第6次総合計画に沿って事業を執行されると言っておりますが、今後の市民の要望に沿い、よりよい砺波市をつくるため、将来を見つめて、今後どのような思いで市政の執行に当たられるお考えであるのかお伺いをいたしたいと思います。
 次に、助役の選任についてお伺いをいたします。
 当市の助役職については、3月末に斉藤助役が任期満了によりお辞めになり、その後、空席が続いております。このことは、当市にとってはマイナスであることは間違いありません。町村の人口の少ないところでは空席でもよいかと思いますが、当市としては、助役の選任はぜひ必要であると思います。人事のことであり、慎重に取り計られなければなりませんが、市長からの選任への努力が見えてきませんが、必要と感じておられないのでしょうか。市長職は外交的な役割を担っておられると思っておりますし、そのためにも、内部的なことについて助役の役割も必要であります。空白が長引くことは市政の沈滞につながります。市長は助役の選任について、必要とされているのかどうか、選任についてはいつまでどのように考えておられるのかお伺いをいたしたいと思います。
 次に、総合病院の増改築計画について、基本設計の取り組みと病院の現状について、病院長にお伺いを申し上げます。
 第6次総合計画での基本構想大綱では、市立総合病院については、砺波圏の中核総合病院にふさわしい先進的高度医療、救急医療、在宅医療機関として整備充実を促進することになっており、施設整備についても計画されております。県内においても、砺波圏の中核病院として、救急救命センターが災害拠点病院の位置づけがなされております。議会においても、その重要性から、昨年、病院事業特別委員会を設置し、基本設計案について各方面から検討をいたし、基本設計の了承を行い、9年度中に基本設計ができる方向で進めてまいりました。それらのことについては、病院事業特別委員会の委員長報告のとおり進展をいたしておりますが、一部に検討する課題が残っており、実施設計まで時間を要することのようでありますが、今、病院の現状を見るとき、急患の対応についての施設不備、病床不足による患者の移動、外来患者への対応等、現場は大変な状況にあります。命を預かっているところでもあり、早急な対応が求められていると思います。病院長は病院の現状での対応と実態についてどのように思っておられるのか、また増改築計画の基本設計について、実施設計への思いについてお聞かせをいただきたいと思います。
 次に、総合病院の増改築着工への考えについて、市長にお伺いをいたします。
 このことについては、前にも申し上げたとおり、近年、医療の進歩は目覚ましく、病気の予防、治療などは大きな変化が見られます。寿命が著しく伸び、歴史上類を見ない急激な高齢化現象、生活習慣病の増大というような環境の中で、保健・福祉・医療の連携が図られ、第2次、第3次予防が望まれます。健康は最大の幸福でありますが、高度な医療、救急救命医療の整備がなされて、市民病院としての使命は一層重大であり、市民の期待も大きいものがあります。
 最近、自治体病院を取り巻く環境も大変厳しいものがあり、健全経営の継承は優先課題でもありますが、病院の増改築事業計画を着実に実行し、将来構造の実現を図らなければならないと思います。このことから、実施計画には9カ月を要するということでもありますが、早急に決断され、平成11年度の増改築着工へ向けて努力する必要があると思います。市長は、実施計画への決断と平成11年度への増改築着工への考えについて、どのように思っておられるのかお伺いをいたします。
 次に、食料・農業・農村の新たな基本法制定に向けての対応についてお伺いをいたします。
 日本の農業は危機的状況にあります。国民の食生活の変化により、米の需要は減少し、それに伴う3割を超える減反という生産者、まして生産者米価の下落で、営農が成り立たなくなっております。さらに、国際情勢によりミニマムアクセスが受け入れられ、外国米の輸入が強制されました。このことは、米の国内生産の低下となり、日本の主食であり、唯一国内自給のできる食料である米を外国に依存することになります。
 世界的には、発展途上国の人口増加、砂漠化による農地の減少と、エルニーニョの影響が深刻になり、食料不足が40カ国を超すおそれがあると報道されております。このことを解決することが農業政策であると思います。農水省の食料長期見通しの発表に見られるように、世界の農業生産の伸びが半分程度に鈍化した場合、2025年の穀物と大豆の国際価格は、1994年に比べ4倍に高騰し、アジアを除く発展途上国で栄養不足問題が深刻化するとされております。日本は、半分以上の食料を輸入に依存しており、場合によっては深刻な事態が起きる可能性があると指摘されております。
 今、新農業基本法のあり方を検討されており、食料・農業・農村基本問題調査会において十分理解をしていただきたいものだと思っております。現在どのような対応がなされているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
 なお、今議会に農協から陳情書も出ております。新たな基本法制定に関する要請のとおり、再生産できる農業、農村を目指しての当市の対応についてお伺いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

◯議長(宮木君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 柴田議員さんにお答えをいたします。
 市政執行に対する考え方で、就任からの経過についての思いを述べよと、大変答えにくい質問ですが、思いつくまま私の気持ちを申し上げたいと思います。
 1月19日に就任式をしていただきまして、5カ月を迎えたわけであります。就任以来、お話にもございましたが、関係団体や会議に出席いたしまして、私の所見も述べさせていただいております。ただし、厳しい注文もございます。要望もございます。しかしながら、今日の経済状況を考えますと、あれもこれもという時代ではないと思っております。もちろん予算の制約もございますし、議会の皆さんの承認も得なければならない諸事項も多いわけでございます。したがって、率直な話、ニーズに応えられない困惑した状況があることは、率直に申し上げておきます。
 また、地方自治制度も50年たちました。御存じのように、周辺環境や精神文化、生活実態はことごとく変化をしてきたわけでございます。この新しい時代に対応するために、みずからも勉強をしなければならないなということで、それなりの資料あさりもしております。ただし、意識だけが先行しておりまして、いわゆる気持ちだけが高ぶることもございますので、皆さんに御迷惑をかけているかもしれません。
 しかし、私は、これから新しい砺波のグランドデザインを夢見なければならないと。先ほど、代表質問の堀田議員さんからも申されましたが、その意味で、少しみんなで気持ちを入れ換えて、視点を変えて、新しいグランドデザインをみんなで考える、地方振興策の再構築を考える時期だろうと私は思っております。
 あそこもビッグバン、ここもビッグバンという時代です。のうのうと市役所だけが今の体制であっていいのかどうか、もっと考えるべきではないか、こんなことを率直に思うわけであります。
 そして、もう1つは、「住みよさ日本一」の報道を受けました。これは、先ほどもお答えしましたように、先人や先輩の皆さんの努力の賜物でありますから、この実績ベースをさらに努力するということになりますと、私は責務の重大さを痛感しておるわけでございます。
 ここで私は思い起こしたようなことを申し上げますけれども、ある有名な政治家が、「ふるさと創生」という言葉をお遣いになって、「ばらまき」という言葉もありましたが、自由にお使いなさいというような思想、これが今度の16兆円の中にあればいいなということを思うわけです。ふるさとはベースだと思う。このベースのふるさと創生を考えることが大切ではないか、こんなことなども実は思う次第でございます。勝手な思いを申し上げましたが、そのように思っておる次第であります。
 次に、第6次総合計画についてどう考えておるかということです。
 私は、さきにも申し上げましたが、基本的には第6次総合計画に沿って進めさせていただいて、集大成の時期にきているのではないか、社会・経済情勢を踏まえながら、いろいろローリングもいたしておりますけれども、そのような気持ちを持って取り組んでまいりたいと思っております。したがって、新しく出てくる問題については、適時的確に協議をしながら進めさせていただきますけれども、いずれにしても集約的に進めさせていただきたいと思っているわけでございます。
 今後の市長の思いを述べよということでございます。もちろん、行政そのものは、計画をして、そして実践をして、評価を受けて、さらに新しく計画を見直すというのがベターだろうと思います。その意味で、これからも新しい総合計画の中で位置づけていきたいと思っておるわけであります。したがって、多くのニーズもあると思いますが、あるときには嫌でも取捨選択をしなければ財政が持ちこたえられないというのが実感でございます。
 先般、国土総合開発法に基づく新しい国土総合開発計画が出ました。閣議でも決定されたわけですが、このあと諸法律が改正をされて出てまいりますが、それは、従来の第4次全総、次は第5次全総になるわけですが、一切そのことは言わない。「全総」という言葉は省いて、「21世紀の国土のグランドデザイン」という名称になるわけです。法律は残りますけれども、「全総」とは言わない。継続しない。2000年以降については、新しい時代を迎えるのだから、思想を変えていくというのが国土庁の考え方のようでございますので、その意味も含めまして、次期計画については、それこそ火花の散る議論をしてつくるのが肝要だろう、このように存じておるわけでございます。
 私の計画の思いの一端を申し上げたわけでございます。
 次に、助役選任の思いを述べよと。
 大変御心配をいただきましてありがとうございます。おっしゃるとおり、今日の社会状況の変化に対しては、市の政策課題があり余るほど山積をいたしておることは御承知のとおりであります。地方自治法で制定されております助役については、「長を補佐し、その補助機関たる職員の担当する事務を監督する」、それが助役でございます。したがって、私は私の補佐だけではなくて、職員の担当する事務の監督もしてもらわなければいけない。これは法律に明記してございますので、ぜひ急がねばならない、このように考えておるわけでございます。私の怠慢もありまして遅くなっておりますが、近いうちに議員各位に御協議を申し上げまして、ぜひ御同意を賜るようよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、病院の着工についての考え方を示せと。
 後ほど病院長からも答弁がございますが、先般、病院建設特別委員会でも報告されたとおりでございます。基本設計ができまして、細部検討中でございます。今日の病院の収支計画あるいは一般会計から相当の繰り出しを考えるわけでございますけれども、その将来を見極めなければならないと思いますし、その意味で、財政面、そして病院の将来、医療環境も変わってきております。御存じのとおりだと思います。そして、市民のニーズの多いいわゆる保健センターをどう組み入れるか、そのことをもう少し時間をいただいて検討させていただきたい、このように申し上げておるわけでございますので、ぜひそのことを御理解をいただきたいと思っている次第でございます。
 次に、農業政策についてでございます。
 産建部長から申し上げますが、特に農業のことにつきましては、一言触れさせていただきたいと思います。
 今、国際化を飛び越えて、グローバル化という時代になりました。世界的には、食料が不足しているわけです。ところが、日本は、あり余る中に、自給率が何と30とか40とかいう、実は心配した経緯があるわけです。したがって、私は食料・農業・農村基本問題には、明るい希望の持てる答申がなされることを実は期待をいたしておるわけでございます。御存じのように、農業は農業経営という視点で考えるのではなくて、環境保全もあることを忘れてはならないし、私は農村は国土のベースであるということも認識をしておきたい、そのことを思っておりますので、法制定その他についての経緯につきましては部長から申し上げますが、そのことを念頭に置いてこれからも農業施策に尽力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
 以上でございます。

◯議長(宮木君) 答弁を求めます。
 産業建設部長 福田正治君。
  〔産業建設部長 福田正治君 登壇〕

◯産業建設部長(福田君) それでは、新農業基本法の制定の方法について御答弁申し上げます。
 昭和36年に農業基本法が制定されて以来36年が経過しておりますが、この間、全世界的な経済の変動が激しく、国際的にも国内的にも大きな転換期が訪れてまいりました。昨年の4月18日、内閣総理大臣から、食料・農業・農村基本問題調査会へ、「食料・農業及び農村に係わる基本的な政策に関する必要な改革を図るための方策に関する基本的事項について意見を求める」が諮問されたところでございます。
 調査会では、この諮問を受け、平成9年12月19日に調査会としての中間取りまとめが公表されております。この本でございます。
 1つには、食料・農業・農村を考える基本的な視点について、2つ目には、食料・農業・農村の当面する諸問題について、3つ目には、食料・農業・農村政策の基本的な考え方について、この3つの構成で提案されております。
 基本的な視点といたしましては、食料・農業・農村は総合的に密接な関係を有していることから、国民的見地に立って一体として政策の対象として、2010年までを期間と想定しているところでございます。また、地球の資源の有資源を念頭に入れて、環境、国際化、歴史、伝統、文化の6つの関係を重視しております。人口、食料、環境、エネルギー等の将来の展望も視点に入れながら想定しているわけでございます。
 当面する諸問題といたしましては、我が国の食料自給率がカロリーべースで42%と極めて低い水準になっていること。また、農業構造が、土地型農業を中心に、以前として零細経営が多く、経営規模拡大等、経営体制の強化が立ち遅れていること。中山間地等においては、過疎化や高齢化が急速に進行している。そして、また、耕作地の放棄が増加しているなど、地域社会の維持や国土、環境の保全に支障が生じていること等が挙げられております。
 基本的な考え方といたしましては、食料安全保障政策の確立等7つの項目にわたって提言されております。
 1つは、食料自給率については、できる限り国内でつくるほうがよいという考えが我が国の人口の8割を占めているという調査を踏まえて政策目標を明示し、国民の理解を得ること。
 農地制度のあり方としては、農地以外の分野からいろいろな経営能力を有する株式会社が農業に参入することにより、農業を全体的に活性化させる政策を構築すること。
 農業構造の変革については、自立の精神と優れた経営感覚を持った効率的な経営体制が地域農業を中心に補うこととなるよう、農業構造の改革を加速すべきであること。
 4つ目には、中山間地域等は、食料の供給に加え、国土、環境の保全、水源の涵養等重要な役割を果たしていることから、平地地域とは異なった観点から施策の検討を行う必要があること。
 5つ目には、農業は、土、水、生産物等の物質の上に成り立っており、農業を有する国土、環境保全等の機能について適切に評価し、国民の理解を求めること。
 6つ目には、我が国農業全体を環境への負荷軽減を配慮して、持続的に農業への移行。
 7つ目には、我が国の経済力の国際的地位に応じ、積極的に国際貢献をすべきであることなどの意見が提言されております。
 しかしながら、株式会社が農地取得の権利を求めるべきかという意見については、委員の意見がまとまらず、現在の時点では検討中であり、最終的には調査部会の具体的な方策の方向が夏ごろまでに答申されると思われます。政府においては、この答申を受けて、臨時国会か通常国会において、新農業基本法を実行する上で根幹的な法案を提出し、同時に並行して検討されるものと思っております。市といたしましては、これらの答申の具体的な政策をアグリTONAMI21に反映させていきたいと考えております。
 また、本年6月5日にとなみ野農協のほうから市長へ提出されました「新たな基本法制定に関する要望」につきましては、21世紀の農村環境を保全する等、必要な課題であると考えており、市長会を通じて国に働きかけたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(宮木君) 答弁を求めます。
 病院長 荒川龍夫君。
  〔病院長 荒川龍夫君 登壇〕

◯病院長(荒川君) 柴田議員さんのお尋ねにお答えを申し上げたいと思います。
 非常に厳しい医療環境にある中で、現在の病院の業務の現状はどうなっているかということのお尋ねでございますが、平成9年度について見てみますと、4月に消費税率が改定いたしました。それから、医療費の改定がございましたし、9月になりまして、健康保険法の一部改定によりまして、患者さんの負担の増大がございました。それらが引き金となりまして、年度の前半は患者数がかなり減少いたしました。全国の医療統計では、約10%の患者減があったと言われます。私たちの病院では、前半で5.6%近い減少がございました。しかしながら、後半になりますと患者数は次第に回復いたしまして、最終的には若干の減少にとどまりました。全国の医療推計では、5~7%の減少があったとされておりますが、当院では約1%弱の減少にとどまりました。これらの傾向は、県下の公的病院でも同様の減少傾向が見られております。これは病気が減ったということではなくて、患者さん方の受診が抑制されたということでありまして、これはある意味では二次的に由由しい事態を引き起こす可能性が予想されておりまして、私たちは非常に注目すべき現象だと考えております。しかしながら、自分の身を守るという認識は非常に国民には高まっておりますので、次第に受診抑制が解かれまして、流れが再び戻ってきた、こういうふうに見ることもできるのではないかと考えております。
 また、私たちの病院におきます減少の一因としましては、さきに述べました全国的な要因のほかに、患者さん方へのサービスの向上の一環として、主要な診療外来において予約診療をいたしておりまして、その実施率の向上を図っておりますが、その成果が上がりまして、再来患者さんの病院においでになる回数が抑えられたということがあり、そのために延べ患者数としては減ったのでありますが、保険請求書などで見てみますと、実質的な患者数とか新患数は、むしろ小幅ながら着実に伸びているということが見られまして、大きな変化が起こっているというふうには考えにくい状態がございます。
 それらに結びつけまして医業収益を見てみますと、4月の診療報酬の改定が有利に働きまして、延べ患者数の減少にもかかわらず、入院・外来とも増収となっております。病床利用率は相変わらず94.1%と高うございまして、ここ数年の傾向のまま、慢性の満床状態が継続しております。一方、その改善をするという方策を模索いたしまして、今まで以上に平均の在院日数、いわゆる入院しておられる日数を短縮するという方向を私たちは求めて努力しております。当院の一般病棟における平均在院日数は、19~20日でございまして、これは県下ではトップのレベルでございます。しかしながら、それでもなおかつ病床が足りなくなって、市民の方々に御迷惑をかけているという状態がまま起きておりまして、まことに申し訳なく存じております。
 一方、救急医療を見てみますと、救急患者数は昨年年間で1万1,000人を超えました。1日で平均29人の方々が時間外に救急室を訪ねておられます。最近、特に休日の時間外の救急患者数の増加が非常に目立ってきておりまして、多いときには100人から150人ということがありまして、非常に狭い救急室の中で、機能が落ちたところでの非常に大きな障害が生じておりまして、早期の改善が求められております。私たちといたしましては、時間外スタッフの充実とともに、専門家のスタッフが求められると即応して出てくるという形を整備いたしまして、実質的な地域救命センターとしての24時間診療体制の確立を目指しておりますが、ときに満床になりまして、救急の患者さんのベッドを確保するのに難渋いたす事態が生じております。
 今年に入りましての業務状態を見てみますと、4月、5月は、入院・外来ともに比較的順調に推移しておりまして、昨年のような患者数の大きな減少は見られておりません。また、収益面で見ましても、4月に診療報酬の改定がございましたが、明らかなマイナス改定が示されております。しかしながら、今のところその影響の大きなものは目立っておりませんで、大きく減点となりました薬剤料、検査料などのマイナスの要素を、点数の上がりました手術料、指導管理料、入院看護料などの高機能の診療のプラス要素が補う形で働いていて、マイナスの要素がカバーされているのではないかというふうに見ております。今後、高度な診療体制への一層の充実を私たちが考えておりますが、その求めているゆえんでもあろうかと考えております。
 次に、そのような認識に立って、増改築の基本設計ができた段階で、それをどう考えておるかというお尋ねでございます。すでにお手元にお届けいたしました基本設計の報告書に述べてありますように、現在の地域公的病院の置かれている医療環境をしっかりと見据えまして、その上で増改築事業の基本理念をもとに基本方針を立てまして、その実現を目指して全職員とともに、心からその実現を望んでいるものでございます。
 その基本方針について、重ねて述べさせていただくならば、1番目として、急性期疾患を対象とした高機能の病院としての整備を私たちは心から願っております。既に皆様の長年の御指導と御支援によりまして、名実ともに地域中核病院としての役割を果たさせていただいておりますが、今後は医師会並びに近隣の公的病院の期待に沿いまして、連携関係をより密にした形で、また地域に開かれた有効な社会資源としての地域医療支援病院構想を私たちは展開していきたいと願っております。
 2番目といたしまして、災害拠点病院としての整備が私たちの願いでございます。広域災害の医療体制の重要さというのは、阪神大震災の記憶にまだ新しいところでございますが、その痛ましい震災から学んだ人々の英知を生かした形で、私たちは免震構造と申しておりますが、新しい耐震構造の病院をつくり、災害拠点病院を構築いたしまして、地域の危機管理の拠点としての機能充実を図りたい、こういうふうに心から願っております。
 一方、慢性的な病床の不足がございます。さきに述べましたが、病床の回転率を上げるなどの運用の工夫はしてまいりましたが、当院の今後の高機能診療の展開のためにも、ある程度の急性ベッドの不足を補うという形での増床はぜひお願いしたいと考えております。
 さらに、ただいま大きく展開され始めております福祉領域での長期療養型病床群の変化の予想は、いまだ不鮮明でございます。将来的には、ある部分でのベッド過剰が生み出される可能性がございまして、そのために、それらの施設間での競合が強められるということが予想されますが、この地域におきます医療の大きな流れとして、急性ベッドの必要性というのはそれほど減らないのではないかということを私たちは予想いたしております。
 それから、4番目といたしまして、入院療養の環境の改善を私たちは強く求めております。入院という人生の最も不幸な時期にこそ、その人々にとって大きな憩いと癒しの環境が与えられるべきであると私たちは考えます。世界に通用する現在の日本の医療の中で、来日中に病気になられました先進国のトップの方々が、日本の病院への入院を忌み嫌うというのは、病院の入院環境がいかに貧弱であるかということを物語る例として挙げられているわけであります。患者さんに選ばれていく病院環境づくりというのは、これから日本の医療の最大の目標だと言えますし、私たちにとっても大きな目標だと考えております。日本で最も住みやすい市の砺波市であるという、この砺波市民の誇りに裏づけされた入院療養環境の整備は、ぜひ整えさせていただきたいと願っております。
 一方、外来部門の整備につきましても、患者さん方にとって、また私たちにとりまして、現在、外来の診療で最も大きな苦痛は何かと申しますと、患者さんのプライバシーが全く無視された環境の中で行われているということでございます。十分な説明と、それを納得され、理解され、そして治療方針を選択されるというインフォームド・コンセントが十分に行われるためにも、ゆとりのある静かな外来環境が必要であるということは、市民の方々の強い御希望であろうと考えます。それに力点を置いた整備を心から望んでいるところでございます。
 以上、基本設計に盛り込まれた病院機能の整備とともに、私たちが最も大切として考えておりますことは、保健と福祉と医療の連携の計画でございます。基本設計の土台となりましたマスタープランに盛られました病院将来構想では、現在の病院周辺地域を医療福祉ゾーンとして位置づけ、そこでダイナックな展開をしたいという考え方を示しております。私たちは、基本設計ができ上がりましたこの時点こそ、その実現のためへの一歩を踏み出すチャンスだと位置づけておりまして、市民の御意見をくみ上げつつ、関係者が率直に相寄って真摯な検討を行うということが、今回私たちのお示しいたしました病院増改築基本設計の意義であろうかというふうに考えておりまして、皆様の御理解を得たいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(宮木君) 再質問を許します。
 15番 柴田豊明君。

◯15番(柴田君) ただいまは、市長さん、そして病院長から、病院の問題について細かく明確に答弁をいただきました。
 ただ1つ、急を要する病院の改築でございますので、保健センター等の絡みもあろうかと思いますが、ぜひ総合計画に載っておりますとおりに、今年は実施設計の予算がついておりますし、11年度には増改築にかかるという市長の思いを再質問させていただきます。よろしくお願いします。

◯議長(宮木君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) お答えを申し上げます。
 先ほど、しばらく時間をかしていただきたいという理由につきましては申し上げました。ただ、その中身につきましては、この後、起債等の兼ね合いもございますし、地方課とか自治省とかの合議もございます。そんなことを踏まえましていかないとぶつかってしまいますので、その辺を少し調整をさせていただきたいと思っています。その方針につきましては9月議会に申し上げたい、このように思っておる次第でございます。
 以上でございます。

◯議長(宮木君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
 次回は、明6月12日午前10時から開会いたします。
 本日は、これをもちまして散会いたします。
 どうも御苦労さまでございました。

 午後 3時 3分 閉議