1.会議の経過
午前10時05分 開会
開 会 の 宣 告
○議長(今藤久之君) ただいまの出席議員は20名であります。定足数に達しておりますので、これより平成29年2月砺波市議会定例会を開会し、直ちに本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第1号のとおりであります。
日程第1
会議録署名議員の指名
○議長(今藤久之君) これより、本日の日程に入ります。
日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第88条の規定により、議長において
6番 堺 武 夫 君
7番 川 辺 一 彦 君
8番 山 本 善 郎 君
を指名いたします。
日程第2
会期の決定について
○議長(今藤久之君) 次に、日程第2 会期の決定についてを議題といたします。
お諮りいたします。本2月定例会の会期は、本日から3月16日までの17日間といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(今藤久之君) 御異議なしと認めます。よって、会期は、本日から3月16日までの17日間と決定いたしました。
日程第3
特別委員会の報告
○議長(今藤久之君) 次に、日程第3 特別委員会の報告を議題といたします。
各特別委員長の報告を求めます。
公共交通対策特別委員長 堺 武夫君。
〔公共交通対策特別委員長 堺 武夫君 登壇〕
○公共交通対策特別委員長(堺 武夫君) 公共交通対策特別委員会の御報告を申し上げます。
当委員会では、これまで、特別委員会のほかに委員協議会を開催し、調査研究に取り組んできました。
当委員会の設置目的は、市営バスの運行体制、デマンド交通の導入及びJR城端線の利用促進についての調査研究です。本年10月に市営バスの再編が予定されており、昨年6月6日に委員協議会を開催し、年間計画として、市営バスの運行体制及びデマンド交通の導入を優先して調査研究することといたしました。
まず、7月29日に、県内自治体でデマンド交通を実施している入善町及び射水市へ出向き、行政視察を実施しました。8月26日には、関係部課長の出席を求めて委員会を開催し、市営バスの運行状況、デマンド交通導入の課題及び新たな公共交通を考える研究会における検討状況について説明を受けました。その中で、先の行政視察を踏まえて、個々のバス路線やデマンド交通を導入した場合の費用などについて審議を行いました。
また、10月4日、11月28日の両日、副市長及び担当部課長の出席を求め、委員会を開催しました。市営バスに関する市民意識調査集計結果及び市営バス利用状況調査結果並びに9月29日に開かれた新たな公共交通を考える研究会における検討結果を踏まえて、市営バスダイヤ改正方針ポイント(案)及びデマンド運行(案)などが示されました。
市当局の説明では、路線ごとの市営バスダイヤ改正方針ポイント(案)として、東般若・栴檀野線及び栴檀山線では、1便、4便は現行どおりの運行とし、2便、3便は廃止して総合病院、アピタ、イオン、砺波駅、市役所等の目的地へ直通のデマンド交通を導入する。高波線及び庄川線では現行どおりの運行とする。ただし、高波線の2便については運行方法を検討する。北・西部循環線、東部循環線及び南部循環線の3路線については、3路線を2から3路線へ統合し、路線を見直すとともに、運行日数を増やして月曜日から金曜日までとする。種田・青島線、東山見線及び雄神・湯山線の3路線については2路線へ統合し、路線を見直すとともに、運行日数を増やして月曜日から金曜日までとする。また、全線で自由乗降区間の設定を検討している。なお、デマンド交通の必要度の高い路線として、①市営バスに関する市民意識調査結果、②市街地までの乗り継ぎの必要があること、③市街地への移動所要時間が長いこと、④目的地として自宅から離れている総合病院や商業施設での買い物客が多いこと、⑤高齢化率が市平均よりも高いことの5つの検証ポイントが示されました。さらに、デマンド交通の主な内容として、庄東地区及び雄神地区に実証実験として1年間(最終案1年半)実施し、利用状況等を精査の上見直しを行う。そして、①運行方式はドア・ツー・ドア方式、②車両の基本はジャンボタクシー、③運行曜日は平日、土曜日、④運行時間帯は9時から16時まで、⑤運賃は均一で300円(最終案200円)から500円、⑥利用対象者は制限なし、⑦利用登録が必要、⑧予約期限は前日まで、⑨運行はタクシー業者、⑩契約は運行経費定額補助(インセンティブあり)がたたき台として示されました。また、既存の市営バス路線の見直しとして、栴檀山線及び東般若栴檀野線は4便から2便へ、雄神・湯山線では、雄神から庄東センターまでの区間の廃止が示されました。デマンドタクシーについて、国交省のアンケート調査によると、1日の利用が50から60人までの利用であれば運行システムは要らないが、60人を超えるとシステム導入が必要で1,000万円から3,000万円の整備費が必要になるとの説明でありました。
また、2月22日には、関係部課長の出席を求めて締めくくりの特別委員会を開催し、JR城端線及び高速バス等の利用促進も含めて、市営バスの改正内容、デマンド交通の導入について審議しました。
市当局からは、まず、JR城端線の利用促進について説明を受け、城端線における切符を買って乗車する人の減少が著しいことと、現在城端線の増便試行事業で21往復運行体制であること、また、来年度の城端・氷見線活性化推進協議会負担金(案)については1,900万円余りであるとのことでした。
次に、城端線・氷見線観光列車(愛称「べるもんた」)については、本年3月のダイヤ改正に伴い、来年2月までの城端線と氷見線の運行曜日が入れかわり、現在、日曜日の城端線での運行が土曜日に変更となることから、滞在型の宿泊誘客にも努めていくことが重要であることと、来年度にJR砺波駅の駐輪場側に砺波の魅力発信としての看板等を設置予定であるとの説明でありました。
次に、市営バスダイヤ改正に当たっての4つの主なポイントについて説明がありました。
①庄東地区及び雄神地区におけるデマンドタクシーの導入、②自由乗降区間を栴檀山線以外の他路線にも導入、③東部循環線と南部循環線について月曜日から金曜日までの毎日運行(増便)、④庄川地区の3路線を2路線に統合して庄川線との乗り継ぎに重点を置き、乗り継ぎ時刻に合わせて運行、また、砺波駅南口への高速バス乗り入れ会社及び発着便数並びにこれまでに実施した高速バスの利用促進策について説明がありました。
次に、審議の中で出ました、主な質疑、意見、要望について申し上げます。
まず、路線ごとの市営バスダイヤ改正方針ポイント(案)において、東部・南部循環線等の運行日数を増やすとともに自由乗降区間を設定することについては、成果がないのでないかとただしたところ、利用する機会が少ないから乗らないのであって、機会を増やすと利用は増えるとの研究会での意見や、乗り継ぎをよくすることなどによって利便性を高めたいとのことでした。
次に、利用対象者の制限なしについては、高齢者の一定年齢以上と制限すべきである。あわせて障害者や妊婦などは特認すればどうかとただしたところ、実証運行においては、制限をしないとのことでした。
また、地区との意見交換会では十分に意見を聞く必要があることや、改正内容の周知徹底を図るべきではないかと提言したところであります。
次に、何人を下回ったらデマンドタクシーを導入するのかただしたところ、現在、基準は設けていないが、今後そのような基準設定も必要と考えている旨の説明でした。
次に、栴檀山線、雄神・湯山線は全てをデマンドタクシーにしてほしい。デマンドタクシーからスタートするのも1つの方法ではないかとただしたところ、デマンドを導入することにより、経費が増えることも考えられる。場合によっては、路線バスを残すべきである。デマンドタクシーは、定期路線と違い、通勤、通学などには不向きであり、全部デマンドタクシーにはできない。利用実態に応じて定期バスとデマンドタクシーの使い分けをしていく必要があるとのことでした。
次に、デマンドタクシーは初めての導入であり、手続についてしっかりと落ち度なく進めていただきたい。あわせて、市営バス、デマンドタクシーとも、十分PRしてもらいたい。また、市営バスと認識できる工夫をしてもらいたいとただしたところ、なるべくわかりやすくする努力はしていきたい。本年10月1日から試行を行うが、特別委員会の意見も踏まえて来年度予算編成に当たった。なお、このほかにも意見があれば、直接聞かせてほしいとのことでした。
また、城端・氷見線活性化推進協議会からのアンケート結果の活用についてただしたところ、満足度調査を目的に実施しており、現在集計中で、その結果は、満足度の調査とともに増便試行事業の検証等にも活用している。また、JR側にも情報提供しているとのことでした。
また、来年度にJR砺波駅の駐輪場に設置予定の看板の内容についてただしたところ、本市の四季折々の背景をもとにしたデザインで、見応えのある印象に残るような内容にしたいとのことでした。
また、市営バスの自由乗降区間の設定についてただしたところ、警察との協議が必要であり、ある程度の道路幅員と路肩の広さが条件とのことでした。特に、乗車するために待っている人の安全確保が重要であり、同一路線で自由乗降区間が細切れになるとかえって混乱するので、連続してつながっている区間を設定し、わかりやすくしたとのことでした。
以上、当面する問題について審議の概要を申し上げ、公共交通対策特別委員会の報告といたします。
なお、特別委員会委員の皆さんにはきつい日程でしたが、曲げて御出席をいただきありがとうございました。また、当局の皆さんには、通常業務をきちんとこなしながら、特別委員会の資料づくりや説明に意を用いていただきました。何とか今日を迎えることができました。
委員長としての思いとしては、当局行政の論理で構築された市営バスデマンド交通施策案ができたということだと考えます。この上は、市民、利用者の立場に立って、市民との対話によって市民の利用が目的を達するよう、引き続き御尽力をいただきたいと思います。加えて、委員会規則等の約束をきちんと守れなかったことをおわびします。どうもありがとうございました。
○議長(今藤久之君) 移住定住・人口減少対策特別委員長 有若 隆君。
〔移住定住・人口減少対策特別委員長 有若 隆君 登壇〕
○移住定住・人口減少対策特別委員長(有若 隆君) 移住定住・人口減少対策特別委員会の御報告を申し上げます。
当委員会では、これまで、若者の地元定着、Uターンの促進及び人口減少克服に向けた施策について協議するため、特別委員会のほかに委員協議会を開催し、さらに、先進地での行政視察を実施いたしました。
まず、昨年6月13日、7月11日、11月14日の委員協議会では、とやま呉西圏域都市圏ビジョンについて、固定資産税住宅用地特例適用除外及び土地改良事業に伴う農業振興地域の除外についての移住・定住施策の現状と課題を調査研究いたしました。また、かぐや姫ももたろう事業不妊治療助成制度及び男性不妊治療助成などの状況並びに「となみぃ~の子育て応援ファイル」の作成状況と子育て支援対策の状況、さらには、平成28年度の人口増減数の推移及び年齢別人口の推移並びに20歳から39歳の若年女性人口の推移について、それから、少子化対策事業の婚活支援についての人口減少対策に関する現状と今後の取り組みについて協議したところであります。
次に、10月7日には朝日町役場において、移住・定住相談の取り組み概要及び推進についての説明を受けるとともに、東京都内や大阪市での朝日町ふるさと回帰支援センターの取り組みと事業展開やその実施状況について調査いたしました。そして、ふるさと移住交流体験施設さゝ郷ほたる交流館の事業概要を先進地視察してきたところであります。
なお、昨年8月9日と本年1月23日の両日、関係部課長の出席を得て、委員会を開催しました。
ここで、審議の中で出ました、主な質疑、意見、要望について申し上げます。
まず、とやま呉西圏域連携中枢都市圏の中で観光誘客推進事業については、どのように連携していくのかただしたところ、これまでも各市の担当者が協議した中で、6市による観光モデルコース作成など旅行商品をつくることやモニターツアーの実施、さらに、共同出展やPRキャラバンを行うなど、6市連携による国内外の誘客促進につなげたいとのことでありました。
次に、移住定住に関して、砺波市定住促進空き家利活用事業補助金の活用事例についてただしたところ、補助金の対象については、空き家情報バンクの登録物件が条件となり、これまで、太田ものがたり診療所や地域おこし協力隊の職員が住む家など数件の事例があり、移住定住の推進に当たっては、空き家情報バンクの登録物件を積極的に紹介しているとのことでありました。
次に、ふるさと回帰支援センター及び名古屋市の砺波地域情報センターでの移住に関する取り組みの現状と今後の事業展開についてただしたところ、ふるさと回帰支援センターでは、移住相談窓口にパンフレットやチラシを置いているほか、富山県との連携による移住セミナーに参加しており、移住希望者へは、新たに作成したハンドブックを活用し、積極的な説明や紹介をしている。なお、平成26年度、平成27年度の2カ年で、相談窓口を経て本市に移住された方は3名である。また、名古屋市の砺波地域情報センターにおいてもハンドブックやチラシを設置し、相談に来られた方にはセンター長が対応しており、月に2件ほどの相談がある。今後については、ふるさと回帰支援センターへの通年のブース出展や職員の新たな配置は難しいことから、これまでのように、セミナーへの参加や県と連携するなど、移住の推進に取り組みたいとのことでありました。
次に、北部こども園・太田こども園での「認定こども園化計画」についてただしたところ、認定こども園については、保護者の就労状況にかかわらず、3歳から5歳までのお子さんも、教育、保育を一緒に受けることができる。また、保護者の就労状況が変わった場合も、通いなれた園を継続利用できるなどのメリットがある。北部と太田については、平成29年度から設計、工事に取り組む方針で、平成31年度の開設を目指している。今の場所で施設を拡張することは難しいため、定員については今と大きく変わらない。認定こども園では、3歳未満児に対する給食の提供が必須条件のため、調理場が必要になってくるが、北部と太田には既に備わっており、安全基準を満たすための改修工事以外に大きな費用はかからないと考えているとのことでありました。
そのほか、三世代同居推進事業の取り組み及び対象要件の拡大について、広域的公共交通ネットワークの活性化について、シティプロモーション事業について、空き家コーディネーターの活動状況について、リバースモーゲージの活用について、本市として子どもの誕生を祝うことについてなどの意見や要望があったところです。
以上、当面する課題についての審議の概要を申し上げ、移住定住・人口減少対策特別委員会の御報告といたします。
○議長(今藤久之君) 農業・観光振興対策特別委員長 雨池弘之君。
〔農業・観光振興対策特別委員長 雨池弘之君 登壇〕
○農業・観光振興対策特別委員長(雨池弘之君) 農業・観光振興対策特別委員会の御報告を申し上げます。
まず、昨年6月6日に委員協議会を開催し、今後の調査研究内容について協議し、農業振興関係では中山間地域の農業の実情と有害鳥獣の取り組み状況を、観光振興関係では砺波市に「人を呼び込む」・リピーターとして「呼び戻す」活力あるまちづくりの推進と北陸新幹線開業2年目に向けた取り組みについて、協議しました。
次に、8月26日の委員協議会では、富山県DMOの取り組みについて、公益社団法人とやま観光推進機構の水落事務局長から富山県DMOの役割として、富山県の豊かな資源を活用し、観光という手段で来訪者に富山の自然に育まれた「ゆたかさ」を体験していただく「海のあるスイス」を富山県が目指す、観光未来像であると研修を受け、意見交換しました。
次に、10月17日の委員協議会では、中山間地域の農業の実情として、担い手や栽培状況及び有害鳥獣への取り組みについて、担当課より説明を受け、意見交換しました。また、11月29日の委員協議会では、ユズ加工施設の視察、中山間地域の有害鳥獣対策として、イノシシ電気柵や捕獲おり及びジビエ加工施設の現地視察を行い、今後の対策について協議いたしました。
次に、本年1月25日の委員協議会では、北陸新幹線開業2年目に向けた取り組みについて、終点金沢駅構内観光案内所やめいてつ・エムザ内武蔵地区免税店一括カウンターの現状について説明を受け、また、北陸新幹線沿線市の中でも一番のにぎわいを見せている金沢市から本市へ少しでも観光客を誘客できないかなど、今後の観光振興対策等について協議しました。そして、その後、関係部課長の出席を得て委員会を開催しました。
ここで、審議の中で出ました、主な質疑、意見、要望について申し上げます。
まず、チューリップ球根の栽培について、後継者不足や個人での栽培農家が減少していることなどの現状についてただしたところ、市の特産物であるチューリップ球根については、今後、地元農家の理解を得ながら、集落営農組織での栽培推進を図るとともに、団体に対する支援を検討していくとのことでありました。
次に、チューリップ球根のネット栽培機械の小型・軽量化についてただしたところ、現在、ネット栽培機械の小型・軽量化を目指し、研究計画しており、国の交付金採択に向け、事業計画書を提出した。採択されれば平成29年度から3年間で、小型・軽量化に取り組むとのことでありました。
次に、捕獲したイノシシの処分について、平成28年度分では、埋設処理したのは48頭で、残り自家処理とある。他市では焼却処分としているところもあることから、本市における焼却処分の可否についてただしたところ、今後、市の施設や他の場所で可能かどうか検討していくとのことでありました。
次に、チューリップの切り花が大変好評であることから、今後の拡大についてただしたところ、台湾への球根の輸出に加え、国内外への切り花の販路拡大もしていきたい。また、東京台東区で水耕栽培教育を実施し、花育にも努めているとのことでありました。
次に、観光資源を活用した観光振興戦略の施策について、主な意見、要望について申し上げます。
呉西6市観光周遊コースでの本市の観光地の設置状況についてただしたところ、四季彩館、散居村展望台、農家レストラン大門、大正蔵、庄川遊覧船周遊コースを組み入れて、情報発信している。今後は、タクシー業者等への勉強会を開催し、本市のPRの手法やおもてなし、ホスピタリティーの育成に取り組みたいとのことでありました。
次に、JRとのタイアップやPR雑誌、新高岡駅からのアクセス等についてただしたところ、JRでのトレインチャンネルで情報発信を行っている。今日のインターネットの普及状況を踏まえ、城端線やレンタカーを利用した観光コースをインターネットでのカテゴリーの見せ方を工夫し、PRしていきたいとのことでありました。
このほか、チューリップ球根のネット栽培機械小型・軽量化の開発費、タマネギやチューリップの反収は幾らか等の質疑があったところです。
以上、審議の概要を申し上げ、農業・観光振興対策特別委員会の御報告といたします。
日程第4
施政方針、並びに議案第1号から議案第17号まで、及び報告第1号
○議長(今藤久之君) 次に、日程第4 施政方針並びに議案第1号から議案第17号まで、平成29年度砺波市一般会計予算外16件について及び報告第1号 専決処分の報告についてを議題といたします。
(施政方針表明並びに提案理由の説明)
○議長(今藤久之君) 提案理由の説明を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) おはようございます。
平成29年2月砺波市議会定例会の開催に当たりまして、提出いたしました平成29年度予算案を初めといたします諸案件につきまして、その概要と所信の一端を申し上げ、議員各位を初め、市民の皆さんの御理解と御協力をいただきたいと存じます。
さて、我が国の経済について政府は、これまでの取り組みによります雇用・所得環境の着実な改善などによる経済の好循環を確かなものとするため、今後とも、金融政策、財政政策、構造改革を総動員してアベノミクスを一層加速させていくとしております。また、一億総活躍社会の実現に向けて、未来への投資の拡大に向けた成長戦略を推進するとともに、子育て、介護の環境整備等の取り組みを進め、少子高齢化社会を乗り切るための潜在成長率を向上させていくとしております。
その上で、アベノミクス、新三本の矢に沿って、これまでの取り組みを加速させるとともに、経済・財政再生計画の2年目として、経済再生と財政健全化の両立の実現に向け、平成29年度一般会計予算は、前年度比0.8%増の97兆4,547億円と過去最大規模の予算案を編成したところであり、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額についても、平成28年度地方財政計画を上回る額が確保されたところであります。
そうした中、本市といたしましては、このような国の動向等を踏まえながら、新たに策定いたしました第2次砺波市総合計画の将来像である、「~庄川と散居が織りなす花と緑のまち~ もっと元気 ほっと安心 ずっと幸せ“やっぱり砺波”」の着実な実現に向け、その初年度の予算案として将来に向けての第一歩となる諸施策を盛り込んだ、もうひとつ上の“となみ”第2ステージキックオフ予算という思いを込めて編成したところであり、一般会計では、今年度に次ぐ2番目の規模となる214億5,000万円の予算案となりました。
まず、歳入のうち市税につきましては、個人市民税及び法人市民税において、給与所得及び法人所得の増により、また、固定資産税においても新築の増等によりそれぞれ増収が見込まれることなどから、全体では前年度比2.7%増の66億6,000万円の見積もりといたしました。
次に、各交付金等につきましては、地方財政計画やこれまでの実績を考慮して見積もり、そのうち地方交付税につきましては、市税収入の増による減額や合併算定替えの段階的縮減の3年目による減額等を考慮し、前年度比4.7%減の52億4,000万円の見込みといたしました。
なお、これらの歳入を見積もった上で、不足する財源につきましては、基金からの繰入金と繰越金で補?することといたしております。
一方、歳出につきましては、第2次砺波市総合計画の3つの基本方針である「ともに輝き支えあう人づくり」、「なごやかな暮らしを育む安心づくり」、「みらいに活力をつなげるまちづくり」と、共通方針である協働と持続可能な自治体経営に基づく諸事業を着実に実行することで、人口減少の克服、地域経済の発展や活力ある地域社会の形成を目指す“となみ創生”を推進してまいります。
特に、本市の将来像の実現に向けて、今後5年間で重点的に実施すべき人口減少対策や防災対策、情報発信を初めとする、「10WAVE(10の波→となみ)プロジェクト」につきましては、優先的に予算づけを行い、その波及効果も期待しながら、事業の着実な進捗を図り、選ばれるまち砺波を目指すものであります。
なお、一般会計の予算総額が今年度に比べて減額となった要因として、これまで芽出し事業として取り組んでまいりました出町及び南部の2つの認定こども園並びに砺波市健康福祉施設ゆずの郷やまぶきの大型建設事業が今年度でほぼ完了することや、新年度に予定しておりました新砺波体育センター整備事業が、関係者の御尽力により、国の平成28年度第2次補正予算に採択されたことから、今年度に前倒しして予算計上できたこと等によるものであります。
このような方針等に基づき編成いたしました平成29年度の会計別予算案の規模は、
一般会計 214億5,000万円
(前年度比で17億6,000万円、7.6%減)
特別会計 82億8,530万円
(前年度比で1億8,990万円、2.2%減)
企業会計 141億1,060万円
(前年度比で9億8,990万円、6.6%減)
総 額 438億4,590万円
(前年度比で29億3,980万円、6.3%減)
となったところであります。
それでは、市政の運営と主な施策につきまして、第2次砺波市総合計画の3つの基本方針及び共通方針ごとに申し上げます。
初めに、「ともに輝き支えあう人づくり」についてであります。
まず、教育の充実について申し上げます。
本市におきましても、従来の教育長と教育委員長とを一本化した新しい教育長を市長が直接任命する新教育委員会制度が、昨年12月23日からスタートいたしました。これまで以上に、市長部局と教育委員会とが密接に連携し、教育行政を進めてまいります。
次に、学校教育につきましては、自立と共生の人間形成を目指す中で、知・徳・体の調和のとれた子どもたちを育成できるよう、安全・安心を初めとした教育環境の充実と、心の教育の研究指定や14歳の挑戦事業、家庭、地域、学校の連携による小中学校でのいじめ防止講演会などの開催等を通じて、引き続き、生きる力を身につけた心豊かな子どもたちの育成に取り組んでまいります。
また、顕在化傾向にある発達障害のある子どもの実態把握と、よりきめ細かな支援を継続して行うため、教育機関や福祉・医療機関との連携のほか、家族など関係者への相談窓口となる専任職員を、新たに教育委員会事務局に配置してまいります。
次に、幼児教育・保育の充実につきましては、核家族や共働き世帯の増加などに伴う3歳未満児の入所希望に応えるとともに、幼児教育・保育を一体的に行うため、幼保連携型認定こども園として整備してまいりました、いずれも仮称でございますが、出町認定こども園及び南部地区認定こども園の工事は順調に進捗しており、予定どおり来る4月1日から園児を受け入れるとともに、6日に開園式及び入園式を実施することとしております。
また、砺波型のこども園であります北部こども園及び太田こども園につきましても、より質の高い幼児教育・保育の一体的なサービスを提供するため、認定こども園化することとし、そのための実施設計に着手いたします。
なお、社会福祉法人となみ中央福祉会が整備しております、あぶらでん保育園は、来る3月21日に竣工式、4月1日には開園式、5日には入園式がそれぞれ予定されており、民営化による、早朝保育など特別保育事業に対する特色ある取り組みを期待しております。
次に、心豊かな人の育成について申し上げます。
若者や女性の自主的な地域活動につきましては、まちづくりなどに積極的に参画するとなみ元気道場や、砺波市連合婦人会を初めとする各種女性団体の活動のほか、庄川地域の活性化を目指す砺波庄川まちづくり協議会の活動について、引き続き協力をしてまいります。
また、新砺波図書館整備事業につきましては、ランドマークとなる大きな屋根のもとに、広い閲覧スペースを備えた多彩な活用が可能となるワンフロア施設の基本設計を終了し、現在、実施設計の着手に向け準備を進めております。
次に、生涯スポーツの推進につきましては、新砺波体育センター整備事業に必要となる事業用地の売買契約を締結したところであり、(仮称)出町認定こども園の開園後、速やかに事業用地内の施設等の取り壊しを行い、早期の建設に向け、準備を進めてまいります。
また、11月19日の開催に向け、第4回となみ庄川散居村縦断マラソンにつきましては、現在、実行委員会において準備が進められております。
次に、文化財の保護につきましては、約50年にわたって収集してまいりました砺波地方の民具が、砺波の生活・生産用具として国の重要有形民俗文化財に指定されることが決定し、この3月3日に指定書が交付されます。今後、貴重な文化遺産として後世に引き継ぐとともに、広く公開、活用して本市の魅力発信につなげてまいります。
また、国指定史跡増山城跡につきましては、春風亭昇太氏を名誉城主にするなど広く情報発信に努めているほか、史跡整備基本計画等に基づき、戦国カフェの開催や携帯型音声ガイドの整備など、ソフト、ハードの両面から史跡の活用を図ってまいります。
次に、地域力・家族力の向上について申し上げます。
各地区自治振興会が自主的に行う地域創生事業を本市独自に支援する“となみ創生”地域交付金の取り組みにつきましては、さらなる地域コミュニティーの充実と地域活性化の推進のため、引き続き実施してまいります。
また、平成27年度から5カ年を目途に、3世代同居により、家庭内での子育てや高齢者の介護など世代間で支え合う機能を推奨するため、三世代同居推進事業を総合的に実施してまいりましたが、平成29年度がその中間年に当たることから、今年度、庁内検討委員会を立ち上げ事業の検証を行った結果、新年度からは、事業によって近居のケースも支援対象に含めることや補助の拡充等を行うことで、3世代同居のさらなる推進に努めてまいります。
次に、交流、定住の促進について申し上げます。
このたび、本市の魅力や砺波で暮らすことのメリット、移住定住に向けたさまざまな支援策などをわかりやすくまとめた砺波市移住定住ガイドブック「やっぱり砺波で暮らそう。」及びUターン者向けのリーフレットを作成するとともに、空き家情報バンクや移住希望者向けの情報を紹介する移住定住応援サイト「散居村で暮らそう。」のデザインも一新し、ガイドブックと同名にタイトルを改め、リニューアルいたしました。これらの冊子も活用し、今後とも一層の情報発信に努めることで、積極的な移住定住の促進を図ってまいります。
次に、「なごやかな暮らしを育む安心づくり」についてであります。
まず、保健、医療の充実について申し上げます。
市立砺波総合病院の経営状況につきましては、前年度に比べ延べ患者数は伸びているものの、平成28年度診療報酬改定の影響等により、厳しい経営状況が続いております。
このような中、来る3月28日には、今年度2回目となる経営改善委員会を開催し、良質な医療の提供と健全経営を目指す市立砺波総合病院新改革プランを策定する運びとしており、今後、このプランに基づき、一層の経営改善に努めることとしております。
また、新年度には、呉西地区で初めて、内視鏡手術支援ロボットシステム「ダヴィンチ」を導入し、前立腺がんに適応させる予定としております。これにより、患者さんへの負担がより少ない手術が可能となり、医療の質の充実につながるものと考えております。
さらに、新年度から新たに、病院内に居宅介護支援事業所を設置し、介護と医療の連携がより円滑に行えるよう支援してまいります。
次に、福祉の充実について申し上げます。
砺波市健康福祉施設ゆずの郷やまぶきの建設工事につきましては、3月末の完成に向け順調に進捗しており、現在、駐車場等の外構工事を行っております。なお、来る4月19日に竣工式を予定しており、庄川清流温泉を楽しめる健康、福祉、交流の拠点施設として多くの皆さんに利用していただき、健康づくりや介護予防につなげてまいりたいと考えております。
次に、本市が剣道競技の開催地に決定している、ねんりんピック富山2018につきましては、新年度には、実行委員会の立ち上げやリハーサル大会を開催する予定にしており、平成30年11月の本大会開催に向け、競技団体や関係機関等と連携を密にして準備を進めてまいります。
次に、国民健康保険事業につきましては、将来にわたって持続可能な制度とするため、現在、平成30年度の都道府県単位化に向けて、県と市町村の間で、運営方針や保険料の標準的な算定方法などについて協議が進められているところであります。本市におきましても、システム改修など必要な作業を順次実施しており、平成30年度以降の業務が円滑に行えるよう準備をしてまいります。
なお、本市の国民健康保険財政につきましては、被保険者の高齢化や医療の高度化等により1人当たりの医療費が増加するなど厳しい状況にありますが、ジェネリック医薬品の利用促進や各種保健事業の実施などの医療費適正化の取り組み等により、保険税率の据え置きに最大限の努力をしてきた結果、新年度においても現在の税率を維持することとしております。しかしながら、厳しい状況であることは変わりなく、近い将来での保険税率の見直しは避けられない見込みでありますが、今後とも、持続可能な制度の維持に取り組んでまいります。
次に、子育て環境の充実について申し上げます。
母子保健の推進につきましては、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供するため、これまでの保健師による保健指導に加え、新たに助産師を配置することで、子育て世代包括支援センターにママほっと相談室という親しみやすい愛称をつけ、産前産後の相談や訪問のほか、母乳指導等を充実させてまいります。
また、子どもを希望し妊娠しても、流産や死産を繰り返すなど不育症に悩む夫婦の治療に要する経済的負担の軽減を図るため、新たに治療費の助成を行うほか、出産後の産後うつ予防や母子の心身の健康管理のため、新たに産婦健診の費用も助成いたします。
次に、子育て支援の充実につきましては、あぶらでん保育園の開園にあわせて、砺波東部小学校区では初めて、また、市内としては8カ所目となる子育て支援センターがオープンすることになり、子育て世代が安心して産み育てる環境が一層充実するものと考えております。
また、子育て支援医療費につきましては、とやま呉西圏域連携事業により、この4月1日から関係6市内の医療機関で受診した場合は全て現物給付方式とすることで、利便性の向上を図ってまいります。
次に、子どもの貧困対策につきましては、現在、(仮称)砺波市子どもの貧困対策に関する計画を策定中であり、貧困家庭等に対する必要な支援の拡充に努めてまいります。とりわけ、ひとり親世帯の相対的貧困率が他の世帯に比べて高いことから、ひとり親世帯への支援として、新たに、放課後児童クラブ及びファミリーサポートセンター事業の利用料に対する助成を行うなどの支援に努めてまいります。
次に、市民生活の安全性の向上について申し上げます。
防災対策につきましては、新年度から災害時の対応を迅速かつ的確に行うため、防災担当部署を変更の上、本庁内の耐震化棟へ移設するとともに、国の全国瞬時警報システム、Jアラート、県の高度情報通信ネットワーク及び震度情報ネットワークシステムなどの危機管理情報システムの一元管理を図り、災害対策本部機能の強靱化に取り組んでまいります。
このほか、一部耐震強度が不足している本庁舎の整備のための基金に積み立てを行うこととしており、今後、その整備の方向性について検討を行ってまいります。
また、移動系デジタル防災行政無線を21地区の自主防災組織と地区拠点施設に配備するとともに、新たに女性防災士の全地区配置に向けた育成に取り組むなど、地域を初め関係機関や団体等と協力、連携を図りながら、地域防災体制の充実、強化を進めてまいります。
次に、農業農村整備事業につきましては、国の平成28年度第2次補正予算で、水利施設整備事業及び農地防災事業庄川左岸地区の国営・附帯県営事業二期地区などに追加配分があったところであり、引き続き国や関係機関に強く働きかけ、事業の促進に努めてまいります。
また、去る12月20日には、国、県の立ち会いのもと、農地防災事業庄川左岸地区の関係4市長と関係8土地改良区理事長が、国営事業並びに附帯県営事業で整備した排水路や洪水調整池を管理するため、庄川左岸地区農地防災施設管理協定を締結し、あわせて、施設管理を共同で行うための庄川左岸地区農地防災施設管理協議会を設立したところであります。今後は、この施設管理協議会において適切な施設管理を行い、洪水被害を防止するとともに、農業経営の安定と農地の保全を図ってまいります。
次に、交通安全対策につきましては、昨年の本市における交通事故の状況は、人身事故件数が減少する一方、交通事故死亡者数は6名と、一昨年の3名に比べ倍増という残念な結果でありました。
これらの交通事故死亡者は、全員が65歳以上の高齢者であり、特に高齢者を中心とする交通安全対策を推進する必要があることから、引き続き関係機関・団体との連携を強化し、交通安全活動の推進に努めてまいります。
次に、「みらいに活力をつなげるまちづくり」についてであります。
まず、自然・環境の保全と活用について申し上げます。
景観まちづくりの取り組みにつきましては、引き続き、市民や事業者の皆さんに景観保全に対する意識啓発を図るとともに、新年度は、景観まちづくり事業費補助制度に基づき、新たに1つの団体を加えた7つの自治会等によって取り組まれる地域ぐるみの散居景観保全活動を積極的に支援し、砺波市らしい景観まちづくりを進めてまいります。
次に、生活基盤の充実について申し上げます。
市営住宅につきましては、公営住宅等長寿命化計画に基づき、金屋団地の耐久性向上に向けた改修工事を行うほか、東矢木団地におきましては、残る8棟の解体に向け、引き続き入居者の住みかえを進めてまいります。
また、空き室の多い特定公共賃貸住宅につきましては、新年度から空き室の一部を公営住宅に準じた管理運営を行うことで、既存住宅ストックの有効活用を図り、住宅困窮者の住居確保に努めてまいります。
次に、一般国道359号砺波東バイパス事業につきましては、(仮称)いかるぎの大橋の下部工工事等が順調に進められており、引き続き、工事の進捗に向けた取り組みを支援してまいります。
また、通学路として道路の改良や歩道整備を進めている市道十年明千保線につきましては、長年の懸案でありました第2三郎丸踏切の拡幅工事が完成し、去る1月30日に開通いたしました。引き続き全線整備に向け、事業の推進に努めてまいります。
次に、砺波チューリップ公園の再整備につきましては、北門が3月末に完成する予定であり、となみチューリップフェアを初め、チューリップ朝市やKIRAKIRAミッションなど、多くのイベントでの利用が可能となります。
また、公園のシンボル施設として広く親しまれているものの、老朽化が進むチューリップタワーの更新に向け、基本設計に取り組んでまいります。
次に、今年度、利用者1万人を超えた庄川清流パークのパークゴルフ場につきましては、併設のパットゴルフ場とともに、昨年より5日早い4月1日の営業開始を予定しており、一層の利用促進に努めてまいります。
また、砺波駅前広場イメージアップ事業につきましては、広場西側の歩道拡幅や消雪装置設置などに着手してまいります。
次に、中神土地区画整理事業につきましては、道路及び公園等の計画をしておりました公共施設が完成したことから、換地処分の手続を進め、事業の早期完了を目指しております。
また、出町東部第3地区の都市基盤整備につきましては、地権者等による土地区画整理事業を行うための組合設立準備委員会が発足したことから、関係機関との協議を進め、事業計画案の策定等の事業調査を行ってまいります。
次に、上水道事業につきましては、安全・安心な水道水の安定的かつ継続的な供給に向け、庄東・庄川配水区域の水道施設耐震化更新計画を策定し、管路等の計画的な耐震化を進めてまいります。
また、上中野PC配水池更新実施設計や送水管耐震化工事を行い、災害に強い施設整備に取り組んでまいります。
次に、下水道事業につきましては、砺波市下水道事業計画に基づき、引き続き、林及び高波地内において枝線管渠工事を進めるとともに、県施行の小矢部川流域下水道事業高岡砺波幹線工事の進捗に合わせて測量設計業務を行ってまいります。
また、出町市街地の浸水対策として、雨水処理のため、豊町公園に貯留施設を整備することとし、その実施設計を行います。
次に、公共交通の充実につきましては、本年10月に3年ごとの市営バスのダイヤ改正を予定していることから、地域公共交通のあり方を検討している新たな公共交通を考える研究会や市議会公共交通対策特別委員会、各地区からの御意見を初め、昨年実施いたしました市民意識調査や市営バス利用状況調査なども踏まえ検討してきた結果、新たに庄川右岸地域でデマンドタクシーの実証運行を実施いたします。
また、既設市営バス路線につきましても見直しを行い、利用ニーズの多い商業施設や医療機関、福祉施設へのアクセスの向上や自由乗降区間の大幅な拡大を図り、利便性の向上と効率的な運行に努めてまいります。
次に、農林業の振興について申し上げます。
農業の振興につきましては、平成30年産からの米政策の見直しを受け、行政による最後の米の生産数量目標の配分が行われ、本市の平成29年産に対する転作率につきましては、前年度よりも0.63ポイント高い38.94%となりました。
なお、平成30年産からの対応といたしましては、県農業再生協議会が中心となり、全国及び県産米の需給動向を踏まえ、県段階での米の生産目標を提示するとともに、地域農業再生協議会別の米の生産目標を参考情報として提示する方針が示されたところであり、今後とも、市水田農業推進協議会を中心に地域が一体となって、需要に応じた米生産を推進してまいります。
次に、チューリップ球根海外販路開拓事業につきましては、このたび、台湾・嘉義市政府の8,000球のチューリップ球根購入により、わずかではありますが26年ぶりに球根輸出が再開したところであり、去る1月23日には、チューリップの開花に合わせて、嘉義市内の文化公園において、? 醒哲嘉義市長を初め、多くの関係者や市民の出席のもと、オープニングイベントが開催され、私も出席して、お祝いとお礼を述べさせていただいたところであります。
また、台湾の春節には、嘉義市内の公園や嘉義駅等において見事に開花したチューリップが展示され、多くの嘉義市民や観光客の注目を集めたところであり、1年を通じて温暖な台湾でも南部にある嘉義市でチューリップを開花させたことは、砺波のチューリップ球根が高品質で高い技術を有することを改めて示したものであり、嘉義市政府に対し継続した購入を働きかけるとともに、今後とも台湾での新たな販路開拓を支援してまいります。
次に、商工業の振興について申し上げます。
本市での起業、創業の促進につきましては、去る2月4日から19日まで、砺波商工会議所と庄川町商工会が連携し、創業支援事業計画に基づく起業・創業塾を開催されたところ、11名の参加があったと伺っております。今後とも、新たな起業、創業に向け、市内金融機関による資金調達のアドバイスや、砺波商工会議所及び庄川町商工会による事業計画書策定のアドバイスなど、創業者のニーズに合った支援を行ってまいります。
また、砺波市商工業振興計画につきましては、新年度において、平成30年度から5年間を計画期間とする新たな計画を策定し、既存企業、伝統工芸等の地域産業や、起業、創業に対する支援に重点を置くとともに、交通の利便性等を生かした企業誘致のほか、空き店舗対策や商店街の若手リーダーの育成の推進による中心市街地のにぎわいづくりなど、商工業のさらなる育成、強化を図ってまいります。
次に、観光の振興について申し上げます。
まず、インバウンド対策として進めております台湾誘客促進事業につきましては、去る1月19日から24日にかけて、砺波市チューリップの台湾プロモーションの一環として、台湾・台北市の最新文化の発信地として人気スポットとなっている華山1914文創園区内の店舗を活用し、砺波チューリップのブランドイメージを高めるチューリップの装飾展示や切り花配布を行うとともに、となみチューリップフェアや本市の観光PR、情報発信を行い、高い評価を得ることができました。
また、本市のチューリップ球根生産者や切り花生産者、市民、観光事業者等の皆さんが出演するPR動画を制作し、新たに台湾向け観光ウエブサイト「アイ・ラブ・チューリップ」を公開いたしております。
なお、台湾から本市への観光客数につきましては、去る2月6日に今年度初めて年間1万人を達成したところであり、これまで継続的に実施してきたさまざまな台湾誘客キャンペーンの効果があらわれたものと考えており、引き続きさらなる誘客促進を図ってまいります。
次に、国内誘客対策としては、北陸新幹線の開業効果の持続と、首都圏や新幹線沿線県等における本市のさらなる知名度向上を図るため、来る3月6日から4週間にわたり、JR東日本山手線を含む首都圏10路線の車内ビジョン等や東京駅丸の内大型LEDビジョン、首都圏19駅の構内広告ビジョンを活用し、花のまちとなみや、となみチューリップフェアをPRする映像の放映や車内ポスターの掲出を順次実施いたします。
また、3月16日、17日には、JR大宮駅でのPRキャラバンを実施するほか、3月中旬から下旬にかけては、北陸新幹線沿線各県のテレビやラジオを活用し、本市の魅力満載のPR番組を放送することとしており、さらなる誘客促進につながるよう努めてまいります。
最後に、共通方針としての協働と持続可能な自治体経営についてであります。
まず、市民協働の推進について申し上げます。
まちづくり協働事業につきましては、引き続き本事業を通して地域課題の解決やまちづくりの推進に主体的に取り組まれる団体を積極的に支援してまいります。
次に、男女共同参画につきましては、昨年3月に策定いたしました砺波市男女共同参画推進計画(第3次)に基づき、女性の登用やワーク・ライフ・バランスの必要性について事業者に働きかけるなど、積極的に男女共同参画社会の実現に取り組んでまいります。
次に、持続可能な自治体経営について申し上げます。
効率的な行財政運営につきましては、昨年11月に策定いたしました公共施設等総合管理計画に基づき、市民や関係団体等との協議を重ねながら、公共施設等の適正管理に努めてまいります。
また、地方公会計制度につきましては、平成28年度決算から統一的な基準を導入することから、わかりやすい情報開示を行うほか、財政運営等における基礎資料として有効に活用してまいります。
次に、広域行政、事業連携の推進につきましては、連携中枢都市圏の形成に当たり策定いたしました、とやま呉西圏域都市圏ビジョンに基づき、県西部6市が連携する圏域ネットワーク事業の実施により、地域経済の活性化や交流人口の拡大、定住の促進に取り組んでまいります。
このほか、冒頭でも申し上げましたとおり、事業のめり張りを考慮しながら、本市の将来像の実現に向けて、今後5年間で特に重点的かつ優先的に実施すべき施策を、10WAVEプロジェクトとして10のプロジェクトを設定したところであり、新年度においては、一般会計、特別会計、企業会計を合わせて88事業、総額13億8,354万円を重点的に予算化し、その波及効果も期待しながら、事業の着実な進捗に努めてまいります。
なお、本市の財政指標に関し、代表的なものとして実質公債費比率の将来見通しについて申し上げますと、平成26年度決算は13.9%、平成27年度決算は12.3%であり、平成29年度決算までは引き続き改善する見込みではありますが、その後は、これまで整備してきた小中学校耐震改修事業等の影響などにより上昇傾向になるものと考えられることから、今後とも、計画的な事業執行と財政運営に留意してまいる所存であります。
次に、その他の案件について申し上げます。
条例関係につきましては、砺波市認定こども園条例並びに砺波市農業委員会の委員及び農地利用最適化推進委員の定数に関する条例の制定のほか、国の法令の改正等に伴うものなど7件であります。
このほか、専決処分の報告につきましては、損害賠償請求に係る和解及び損害賠償の額の決定について報告するものであります。
以上をもちまして、市政の運営と主な施策及び提出いたしました諸議案などの説明といたします。慎重に御審議の上、可決をいただきますようお願いを申し上げます。
○議長(今藤久之君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。
お諮りいたします。明3月1日から3月7日までの7日間は、議案調査のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(今藤久之君) 御異議なしと認めます。よって、明3月1日から3月7日までの7日間は、議案調査のため休会することに決定いたしました。
次回は、3月8日午前10時から再開いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
御苦労さまでした。
午前11時15分 閉議