平成30年9月 本会議 定例会(第3号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

○副議長(川辺一彦君) 皆さん、おはようございます。
 川岸議長所用のため、私、副議長がその職務を行います。
 ただいまの出席議員は17名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。

                  日程第1
       市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
○副議長(川辺一彦君) これより本日の日程に入ります。
 日程第1 市政一般に対する質問並びに議案第46号から議案第52号まで、平成30年度砺波市一般会計補正予算(第2号)外6件について、認定第1号から認定第8号まで、平成29年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定について外7件について、及び報告第8号、専決処分の報告についてを議題といたします。
 昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 4番 桜野孝也君。
 〔4番 桜野孝也君 登壇〕
○4番(桜野孝也君) おはようございます。
 一般質問2日目のいいスタートが切れるように、トップバッターとして頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、議長のお許しを得ましたので、通告に従い、市政一般に関する質問と提案をさせていただきます。
 まず、1項目めは、Uターン促進についてお伺いします。
 人口減少が進む中で、東京一極集中ということもあり、とりわけ地方では、各自治体が、人を呼び戻すことや人を呼び込むために、さまざまな手段を用いて努力をされております。どの自治体も、また、どの地域の人たちも、自分たちのふるさとを何とかしてよくしたい、持続させたいという気持ちで頑張っておられます。
 これからの人口減少は、ただ人が減るだけでなく、高齢者が増えて、若い人が減るという人口の世代構成が変わっていきますので、そういった高齢化社会への対応はもちろん大事でありますが、一方で、若い人の減少を食いとめるということも重要なことであります。そのためには、若い人たちに地元に残ってもらうことや地元に戻ってきてもらうための取り組みが必要であります。
 若い人が地元を離れる要因は、結婚もあると思いますが、多くは県外の大学等へ進学し、その後、そのまま県外で就職するためではないでしょうか。ですから、県外へ進学した学生にUターンしてもらい、地元もしくは地元から通える範囲で就職してもらうことができれば、本市の若者の減少を少しでも食いとめることにつながると思います。
 先日の新聞報道によりますと、今年3月に県外の大学を卒業した県内出身者のUターン就職率は58.2%とのことでありました。
 また、県では、今年度から、UIJターンをさらに促進するため、企画調整室UIJターン促進担当を新設され、1月に早稲田大学と締結した就職支援協定を、今年度、新たに県外の4大学と結ぶ予定であるとのことでした。これにつきましては、先週のニュースで、締結したというニュースが報道されております。このように、県では、Uターン就職率をさらに上げるために、攻めの取り組みが展開されております。
 本市では、企業訪問や説明会の開催、また、一昨年より、奨学金にUターン特約を設けるという支援をされているところであり、これはとてもいいことだと思います。
 そこで、Uターン就職を促進するためには、地元に働きたいと思える企業や会社がなければなりません。その点では、県内または市内には、多くの企業や会社がありますので、いかにして企業の情報やUターンに関する情報を学生に伝えるかが課題であると思います。こちらからの情報で、Uターン就職を少しでも考えてもらうことができれば、成果につながっていくというふうに思います。
 それから、最近では、就職に関して、親の影響力が大きくなってきていると言われております。親御さんにしてみれば、大学まで行かせた子どもには、できるだけいい企業に勤めてもらいたいという気持ちは当然あると思います。ある中小企業の社長さんの話でありますが、面接のときに必ず、うちの会社を受けることを御両親は知っているのですかと聞くそうです。なぜなら、内定を出した後に、家族の反対で断られることがあるからだそうです。このことからも、今は、若い人の就職には親の理解を得ることも重要なことの一つになってきております。
 そこで、1点目の質問は、これまでの企業訪問は学生を対象に行われていますが、保護者を対象とした企業訪問も実施し、市内のいろんな企業を見てもらうことで、大小関係なく、市内にはいい企業がたくさんあるということをわかってもらえれば、Uターン就職の促進にもつながると思いますし、市内で働く若者が増えると考えますが、いかがでしょうか、当局のお考えをお聞かせください。
 続いて、2点目は、地元出身アスリートのUターン促進についてお伺いします。
 ここで言う地元出身アスリートとは、砺波市出身で、大学、実業団、プロなどで競技スポーツをされている、またはされていた方のことをいいます。
 私は、こういうスポーツで頑張ってきた人たちに、就職とか、第2の人生といった何かのきっかけのときに、地元に戻ってきてもらえるような取り組みができないかと思うのであります。砺波で育った選手が県外で活躍し、いずれ地元に戻って、将来は指導者となり、後輩たちを教える。こういう流れをつくることができれば、Uターン促進はもちろん、本市のスポーツ競技力の向上や指導者の育成もより推し進めることができると思うのです。
 それに、今後、子どもの減少や先生方の働き方改革等による、学校、部活動の問題も出てくると思われます。特に団体スポーツなどは、部活動ではなく、クラブ活動として行っていかなければならない日が来るかもしれません。ですから、将来、指導者として見込める優秀な人材を今のうちから確保していくことは重要なことだと思います。
 そこで、この地元出身アスリートのUターンを実現させるためには、まず、働く場の確保が必要となってきます。そのためには、市内の企業にも協力をしてもらわなければならないと思います。優秀な人材を確保するため、地元出身アスリートと企業のマッチングなど、Uターン就職支援をしていけばいいと思うのですが、いかがでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。
 以上で、1項目めの質問を終わります。
○副議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 私からは、1項目めのUターン促進についてのうち、まず、1点目の保護者を対象とした企業見学の実施についての御質問にお答えいたします。
 民間の就職支援会社の調査によりますと、就職活動において、親の関与が高まっていると回答した企業が6割近くに達しており、企業の採用活動における保護者対策が大切であると言われております。
 そのような中、Uターン就職の推進につきましては、現在、県が、保護者対策に主眼を置いた父母向け就職セミナーや保護者が参加可能な就職相談会等を開催していることから、広報となみ等を活用し、これらの周知に努めているところであります。
 また、今月8日、9日と2日間開催されました「となみ産業フェア・パワー博」では、砺波商工会議所の皆さんや出展企業が中心となり、今回は、特に学生やその保護者の方々を対象として、企業の魅力や特徴を積極的にPRされました。
 開催に当たっては、従来の市内の小学校、中学校、高校への周知に加え、今回は、新たに呉西地域の高校や県内大学にも範囲を広げ、精力的に訪問され、学生の皆さんとともに保護者の皆さんの来場を強く呼びかけられたとのことでありました。
 本市といたしましても、地元企業の就職を推進し、慢性的な人材不足を解消するため、砺波工場協会や庄川町事業所協会と連携し、高校生の企業訪問を実施するとともに、各企業の積極的なPRを支援するホームページ、となみ企業ガイドの運用や今年度からは、新たに中小企業等ホームページ作成支援事業等に取り組むことで、市内企業の認知度のさらなる向上に努めております。
 このように官民が連携し、企業情報の発信に努めておりますが、議員から御提言のありました保護者を対象とした企業訪問につきましても、その趣旨は理解できますので、今後、商工団体等の御意見も伺いながら、採用活動における保護者対策の一つとして研究してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の地元出身アスリートのUターン促進についての御質問にお答えいたします。
 アスリートの就職支援につきましては、公益財団法人日本オリンピック委員会において、アスナビNEXTとして、トップアスリートとして培われた能力や経験を業務に生かすことを目的とした、企業とアスリートをマッチングする全国規模の取り組みがございます。
 また、秋田県や三重県、島根県などでは、県体育協会が窓口となり、国体の上位入賞、競技力の向上、指導者の確保、移住促進を目的として、アスリート就職支援事業などに取り組まれております。
 このように、アスリートの企業への就職支援につきましては、実績もあり、将来を担う若い世代の育成、企業の人材確保などという観点からは非常に興味深い視点でございます。
 しかしながら、若者がUターンしない理由として、志望する企業がないことなど、雇用のミスマッチが課題と言われており、就職先の選択肢が限定される市単独での取り組みにはなじまず、呉西圏域や県など、広域において実施すべきものと考えております。
 したがいまして、地元出身のアスリートのUターン促進に向けては、まずは、郷土に対する愛着が必要であるとともに、スポーツ少年団など、小さいころから、将来は地域の子どもたちを教える指導者となるように、声をかけ続けることが最も効果的であると考えております。
 私からは以上でございます。
○副議長(川辺一彦君) 桜野孝也君。
 〔4番 桜野孝也君 登壇〕
○4番(桜野孝也君) 今ほど、答弁いただきました。スポーツ少年団、特に子どもの時代にしっかり声をかけていくということが大事だということで、本当にそれは理解するものであります。自分も、そういったスポーツに多少かかわっている関係上、そういうこともしっかり声をかけていきたいというふうに思います。
 それでは、続いて2項目め、行きたいと思います。
 2項目めは、市民サービスの充実についてお伺いします。
 1点目は、窓口対応の充実についてであります。
 窓口というのは、市役所の顔といってもいいところであり、市役所には、毎日いろんな方が、さまざまな用事で来られます。その方たちに最初に対応するのが窓口であり、そこでの対応の仕方1つで、市役所の印象が変わってきます。
 私は、これまでに市役所の窓口対応について、もう少し愛想よく対応できないかというような声を何回も聞いてきました。私はそんなことはないと思っておりますが、ただ、職員の皆さんが一生懸命やっておられるのに、それが市民に伝わっていないとしたら、残念なことだと思うわけであります。
 民間で言うサービス業とは、ニュアンスは少し違うかもしれませんが、市役所も一種のサービス業であります。職員の皆さんは、通常の業務をこなしながら、来庁された方に対応しなければならない上に、業務の多様化により、一人一人にかかる業務量は大変大きくなっているのは十分承知しておりますが、行政と市民がいい関係を保ちながら市政運営を行っていくためには、市民サービス向上に向けた窓口対応の充実を図ることは大切なことだと思います。
 本市では、現在、月曜日に窓口対応の時間延長というサービスを実施されておりますが、これも利用者がある程度おられるのであれば、増やすことも考えていってもいいのではないかと思います。
 そこで、市役所における窓口対応の充実に向けた今後の取り組みについてお聞かせください。
 次に、2点目として、総合案内所の設置についてお伺いします。
 このことに関しては、以前、女性議会で質問され、その後の対応として、生活環境課等の看板の下に「窓口案内」と文字を入れられ、生活環境課等がその役割を担っているとお聞きいたしました。そういった対応をされているのを承知した上で、お伺いします。
 私自身、総合案内所は比較的人口の多い自治体の庁舎にあるものだと思っており、砺波市ぐらいの人口規模ではどうかと思っておりましたが、いろいろなところへ視察に行きますと、本市と同じぐらいの規模でも、総合案内所を設置している自治体が増えてきているように感じます。これは、先ほども言いましたが、市役所もサービス業であり、市民イコールお客様という考えが浸透してきているからではないかと思うのです。
 砺波市役所は、来なれている方はいいのですが、そうでない方にとっては、どこに何課があるのか非常にわかりづらい配置になっていますので、総合案内所があれば、来庁される方にとっても安心でありますし、何よりもイメージがよくなり、市民の皆さんの市役所に対する印象がよくなることにつながっていくものと思います。職員を配置しなくても、委託するという方法もありますので、市民サービスの充実という観点から、総合案内所を設置したらどうかと思いますが、いかがでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。
 3点目は、移住された方へのフォローについてお伺いします。
 新たな居住の場所として砺波市を選んでいただいた方たちに対して、よく来ていただきましたという気持ちを示すことや、定期的に困り事や悩みがないか聞くというようなフォローは大切なことだと思います。
 移住された方たちに対して、きめ細やかな対応をすることよって、やっぱり砺波市に来てよかったと思ってもらえることができれば、この後の移住者を増やすことにつながると思うからであります。移住者がどうしてその土地を選んだかという理由でよく聞くのは、いろんな制度等もありますが、対応してくれた人が親切だったからということが決め手になったということであります。最後は、やっぱり人と人なんだなというふうに思います。
 先日の市長の提案理由説明で、8月に、今回初めて、参加者の希望により行程を決めるオーダーメイド型の移住体験ツアーを実施されたとありました。これは大変すばらしいことだと思いました。私は、このツアーに参加された御家族は、いずれ砺波市に移住してくださるものと信じております。
 移住された方は、来る前も来てからも、不安や心配事は多々あります。そういった方々の気持ちを少しでも楽にしてあげるための取り組みは大変重要なことだと思います。アンケート調査を行うとか、移住者同士の交流会を開催するなどして、定期的なフォローをしていけばどうでしょうか。全国で移住希望者の多い自治体では、このフォローの部分をしっかりやっておられるので、そういうところを参考にしていけばいいと思います。移住された方が、砺波市での暮らしに満足されれば、その情報などをきっかけに新たな移住者が増えるという、いい循環が生まれてくるものと考えます。
 そこで、本市における移住された方へのフォローの現状と今後の取り組みについてお伺いし、私の質問を終わります。
○副議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 私からは、市民サービスの充実についてのうち、窓口対応の充実についての御質問にお答えいたします。
 窓口対応の充実につきましては、本市では、市職員の資質向上を目指すとともに、市民サービスを円滑に提供することを目的として、特に来庁者の対応が多い市民課を初め、7課の職員で構成するサービスアップ会議を設置いたしております。
 会議では、主に職員の接遇向上をテーマとし、明るく、早く、親切に対応するためにはどのようなことに心がければよいかなどを調査、研究、実践し、職員の意識改革と接遇の向上を図っているところであります。
 特に今年度は、市民の皆様から職員の対応等についての御意見をお聞きして、市民の目線に立った業務の質の向上を図ることを目的に、昨日から来週金曜日の2週間、窓口サービス向上アンケートを実施しているところであります。アンケートの実施後は、調査結果の検証を行い、業務の改善やサービスの質の向上に向けた取り組みを行うこととしております。
 また、来月には、聴覚に障害のある方への窓口対応のため、手話の講師をお招きし、聴覚障害者の障害特性や適切な対応方法についての手話体験講座及び毎週月曜日の朝礼を活用した手話ミニ講座を実施する予定といたしており、今後とも、職員の意識改革と接遇の向上を図ってまいりたいと考えております。
 なお、議員御提言の月曜日の窓口対応の時間延長サービスの充実につきましては、現在、税務課、社会福祉課、高齢介護課、健康センター、市民課、上下水道課、こども課において、毎週月曜日に、窓口受付時間を午後7時まで延長し、各種証明書、福祉医療費請求書の発行や相談業務を行っております。
 市民課では、月曜日の時間延長時には1日当たり平均40人程度の御利用がありますが、市民課以外の課においては、通常は二、三人程度の利用であり、現行どおりの対応としたいと考えております。
 私からは以上であります。
○副議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 私からは、まず、2点目の総合案内所の設置についての御質問にお答えをいたします。
 これまでもお答えしてきたとおり、現在、本市では、総合案内所を設けておりませんが、正面玄関につきましては生活環境課が、また、南側入り口につきましては市民課や税務課など、庁舎の入り口に近い課が、それぞれ総合案内所としての役割を担っております。
 また、その他の職員におきましても、常日ごろから、市民の目線に立った窓口サービスの提供や、お尋ねをいただいたときの丁寧かつわかりやすい案内に努めているところであります。
 特にお体の不自由な方や御高齢の方、また、初めて来庁された方などに対しましては、職員が直接手続に必要な窓口まで御案内することや、状況に応じまして、他課の担当者が窓口に出向いて対応しております。
 議員御提言の総合案内所の設置につきましては、限られた職員数や厳しい財政状況の中で、その利用頻度や組織のスリム化などの観点から、委託を含め、現在のところ考えはおりませんが、初めて来庁された方でも気軽にお尋ねいただけるよう、平成28年度砺波市女性議会における提言を受けまして、市民課、税務課及び生活環境課の窓口に新たに「窓口案内」の標柱等を設置すること等によりまして、より利用しやすく、わかりやすいように改善したところであります。
 今後とも、よりわかりやすい庁舎案内板や誘導看板等の設置に努めますとともに、職員から積極的な声がけを行うなど、来庁された皆さんにとって、親切で、わかりやすい応対に努めてまいります。
 次に、3点目の移住された方へのフォロ-についての御質問にお答えをいたします。
 移住を後押しするためには、本市の魅力や住みよさを知っていただくだけでなく、就業、住居、地域とのつき合いなど、生活上の不安や悩みを少しでも和らげることが重要であると考えております。
 このことから、移住希望者からの相談に丁寧に応じるとともに、移住希望者として登録された方に対しては、定期的にメールやSNSを活用した情報発信など、積極的な情報交換を行っているところであります。
 また、議員が述べられたとおり、人と人とのつながりが移住の決め手となることから、去る9月8日と9日に開催されましたふるさと回帰フェアに、初めての取り組みとして、気軽に相談できる同世代の仲間として、Team1073(チームとなみ)のメンバーが参加したところでございます。
 この取り組みは、砺波市のブースに訪問された方に好評でありまして、大きなインパクトを与えることができ、また、Team1073(チームとなみ)のメンバーにとりましても、移住希望者との交流に加え、移住者を支えていくメンバーとしてのやりがいにもつながったものと思っております。
 このような取り組みの結果、年々移住される方が増えており、それぞれに本市での生活を営んでおられますが、地域の慣習、就業、さらには宅地の草刈りに至るまで、さまざまな悩み事があり、砺波暮らし推進班において、丁寧に相談に応じているところであります。
 これらの相談事項につきましては、今後の移住者への参考となることから、これを取りまとめまして、次に生かしたいと考えております。
 また、移住者同士の交流につきましては、富山県全体では移住者交流会を開催されており、本市でも、開催情報の提供や参加の呼びかけなどを行っております。仲間づくりに役立てていただければと考えております。
 私からは以上であります。
○副議長(川辺一彦君) 16番 嶋村信之君。
 〔16番 嶋村信之君 登壇〕
○16番(嶋村信之君) それでは、通告に基づき、市政一般について、質問並びに分割方式で一般質問を行わせていただきます。
 最初に、ともに輝き支え合う人づくりについてお尋ねをいたします。
 1点目、第3期教育振興基本計画を踏まえた新学習指導要領実施に向けての学校のICT環境整備の推進についてお伺いいたします。
 平成32年度から順次全面実施される新学習指導要領においては、情報活用能力を、言語能力、問題発見、解決能力等と同様に、学習の基盤となる資質、能力と位置づけるとともに、各学校において、コンピューターや情報通信ネットワークなど、情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ることを明記するなど、今後の学習活動において、より積極的にICTを利用することを求めております。
 また、小学校段階で初めてプログラミング教育を導入するほか、中学校、高等学校等における情報教育についても一層の充実を図っています。
 文部科学省では、新学習指導要領の実施を見据え、学校において、最低限必要とされ、かつ優先的に整備すべきICT環境整備について明示するとともに、昨年12月、平成30年度以降の学校におけるICT環境の整備方針を取りまとめ、公表いたしました。
 また、学校におけるICT環境の整備に必要な経費については、本整備方針を踏まえた教育のICT化に向けた環境整備5カ年計画、2018年から2022年度に基づき、単年度1,805億円の地方財政措置をとられております。
 これらを踏まえ、本年6月15日に閣議決定された第3期教育振興基本計画においては、平成30年度以降の学校におけるICT環境の整備方針に基づき、学習者用コンピューターや大型提示装置、超高速インターネット、無線LANの整備など、各地方公共団体による計画的な学校のICT環境整備の加速化を図ることが明記されております。
 その際、測定指標として、学習者用コンピューターを3クラスに1クラス分程度整備、普通教室における無線LANの100%の整備、超高速インターネットの100%整備、教師のICT活用指導力の改善が政府全体の方針として設定されました。文部科学省では、これまでも学校のICT環境整備状況に関するデータを市町村ごとの公表なども含め、地方公共団体における整備を促してまいりましたが、新学習指導要領の全面実施を間近に控え、このままの状況では、児童生徒の学習に支障を来すおそれも懸念されております。
 そこで、ア、新学習指導要領において認められております学習活動を全ての学校において実現できるよう、各教科等の指導におけるICTを活用した学習場面を念頭に置き、学校のICT環境の整備や教員のICT活用指導力の向上について。
 イ、学校のICT環境整備に係る取り組みに高い優先度が与えられるよう、教育委員会内のみならず、市長部局の理解と協力を得ることができるよう、学校のICT環境整備を総合教育会議における審議、調査事項として提案し、教育の大綱に位置づけるなどの効果的な方策についても積極的に検討していくことについて。
 ウ、小学校において、各学校における子どもの姿や学習、学校教育目標、環境整備や指導体制の実情等に応じて、教育課程全体を見渡し、プログラミング教育を行う単元を位置づけていく学年や教科等を決め、地域等と連携体制を整えながら、指導内容を計画、実施していくことについて伺います。
 2点目、地域の課題を推進するための地域推進班の創設について提案をいたします。
 近年、家庭の教育力の低下や地域における人間関係の希薄化などによる、地域の教育力や子育て支援機能の低下が指摘されております。子どもにとって、よりよい教育、保育環境を確保するためには、幼稚園、保育所、家庭、地域がそれぞれの教育、保育機能の充実を図るとともに、相互の連携を強化し、幼稚園、保育所、家庭、地域が一体となって、子どもの教育、保育に取り組む環境づくりを進めていくことが必要であります。
 家庭、地域との連携については、幼稚園教育要領と保育所保育指針において、家庭や地域での子どもの生活の持続性を配慮すること、家庭や地域との連携や協力、地域の資源の積極的な活用が記述されております。そのためには、幼稚園、保育所、家庭、地域が子どもの育ちを共有することが必要であります。
 一方、少子化の進行は、住宅問題や土地問題の解消、ゆとりある教育、環境への負担の軽減など、プラスに働く面も見られますが、マイナスに働く面が大きいと考えられます。子どもの成長への影響は、子どもが少なくなることで、社会の基礎単位である家族形態の変容、子ども同士の交流機会の減少が起こり、子どもの社会性や子ども自身の健やかな成長への影響が懸念されております。
 一方、地域社会への影響は、少子化の進行による人口減少により、地域の過疎化、高齢化が一層進み、医療や福祉サービスの低下など、住民に対する基礎的なサービスの提供も困難になるとともに、地域全体の活力が低下し、地域全体の存続自体が懸念されます。
 現在、本市が実施されております支援事業や国の制度に基づく事業もあることから、制度改正を視野に入れたきめ細かな情報交換や意見交換を行うことが肝要と考えております。
 また、公共施設保有総量の縮減目標を20%削減とする大きな課題もあります。
 そこで、幼稚園統合の課題を踏まえ、行政組織として、地域の課題を推進するために、新たな地域推進班の創設について提案をいたします。
○副議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 教育長 山本仁史君。
 〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) 私からは、まず、1項目めの1点目のうち、学校のICTの環境の整備や教員のICT活用指導力の向上についての御質問にお答えします。
 学校のICTの環境整備や教員のICT活用指導力の向上についての質問については、先に山本篤史議員にお答えしたとおりでございます。
 ただ、ICTは、教育活動において万能ではありません。ICTを、教育活動において、本当に必要なときに効果ある使い方をする教員の指導力が重要であると考えております。
 今後は、学習主体である子どもたちが、問題を見出し、見通しを持って試行錯誤をする中で、ICTを効果的に活用する授業のあり方について研修を進め、教員の指導力向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の学校のICT環境整備を総合教育会議における審議、調査事項として提案し、教育の大綱に位置づけるなどの効果的な方策についても積極的に検討していくことについての御質問にお答えいたします。
 総合教育会議では、教育の条件整備など重点的に講ずべき施策について、協議、調整しております。
 特に学校のICT環境整備につきましては、去る8月24日の会議において、そして、これまでの会議の中でも、たびたび教育委員から提案、意見をいただいております。そうした教育委員からの提言を参考に、学校現場や市長部局と取り組むべき課題を整理しながら、優先度の高いものから順次予算を確保し、実行してまいりたいと考えております。
 次に、プログラミング教育の円滑な実施についての御質問にお答えします。
 プログラム教育の狙いにつきましては、これも先に山本篤史議員にお答えしたとおりでございます。
 2020年度からの小学校におけるプログラミング教育の必修化に向けて、プログラミング教育が目指す内容と方法につきまして、確実に周知するとともに、各学校の特性を生かしたカリキュラムが作成、実施できるように呼びかけてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○副議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 今井企画総務部長。
 〔企画総務部長 今井 潔君 登壇〕
○企画総務部長(今井 潔君) 私からは、2点目の地域推進班の創設についての御質問にお答えをいたします。
 議員御指摘の少子化の進行につきましては、晩婚化や晩産化、ライフスタイルの変化など、我が国の社会構造に起因するところが大きいことから、一朝一夕に解決できるような容易な課題ではないと考えております。
 このような中、本市におきましては、かねてから、幼保連携型認定こども園の整備を初めとした子育て支援の充実ですとか、全国に先駆けて取り組みを進めております三世代同居推進事業など、長期的な展望に立ちまして、とりわけ子どもを産み育てやすい環境づくりに取り組んでいるところであります。
 一方、少子化の進行による人口減少により、地域全体の活力が低下しないよう、地域組織の活性化の支援といたしまして、これまでも各地域のコミュニティー活動を促進するため、地域の活性化などに資する総合的な財源支援策といたしまして、「地区振興育成交付金」これを各地区自治振興会へ交付しているところであります。
 加えて、平成28年度からは「となみ創生地域交付金制度」を新たに創設いたしまして、各地区自治振興会において、本制度を活用し、それぞれの地域の課題解決のため、自ら考えていただき、さまざまな事業を実施されているところであります。さらなる地域コミュニティーの充実と地域活性化の推進が図られているものと存じております。
 また、平成25年度からは、地域の皆さんと市役所の連携を強化する事業といたしまして、地域アンテナ隊派遣事業にも取り組んでおります。
 そうした中で、これまでも各事業担当課におきまして、地域課題を把握し、庁内において、庁議や調整連絡会議等を通じまして、横断的に情報を共有するよう努めているところであります。議員御提言の地域推進班などの新たな部署を設けることはございませんけれども、引き続き現行体制で対応してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○副議長(川辺一彦君) 嶋村信之君。
 〔16番 嶋村信之君 登壇〕
○16番(嶋村信之君) 次に、なごやかな暮らしを育む安心づくりについてお尋ねをいたします。
 1点目、高齢者や障害者が円滑に移動できる社会を目指す、改正バリアフリー法についてお伺いいたします。
 12年ぶりとなる今回の改正は、急速な人口減少、少子高齢化に対応し、バリアフリー化を一段と加速させることが目的であり、障害者が十分に社会参加できる共生社会の実現に向けた取り組みを2020年東京五輪・パラリンピックの開催を機に、東京だけでなく、全国各地で推進する点からも大きな意義があります。
 主な改正点は、1、エレベーターの設置や職員を対象にした介助研修などの計画策定と進捗状況の公表を公共交通事業者に義務づける。2、高齢者や障害者も参画したバリアフリーの取り組みを評価する協議会を市町村に設置する。3、新たに導入する貸し切りバスや遊覧船もバリアフリー基準の適用対象となります。
 特に注目したいのは、バリアフリー化に向けたマスタープランの策定を市町村に求めております。
 バリアフリーのまちづくりを進める上での課題となっているのが、施設単位での取り組みは先行し、移動の連続性が確保されていないケースが少なくないことであります。例えば駅や公共施設はバリアフリー化されても、両者をつなぐ歩道に点字ブロックがない、幅が狭く、車椅子と人がすれ違うことができないという状態では、連続した移動は難しいわけであります。このため、まず、市町村が重点地域を指定し、一体的にバリアフリー化を実施する方針を示すのはマスタープランであります。個々の事業は、このマスタープランに基づいて計画が進められます。
 誰もが安心して移動できるまちづくりを加速させるため、改正バリアフリー法では、市町村が方針を定めて、整備を進める「マスタープラン(基本計画)制度」の創設が努力義務となっております。バリアフリー施策の検討に当たっては、障害のある人や高齢者らが参加する評価会議を定期的に開催し、さまざまな障害の特性にも配慮をし、当事者の声を施策に反映させる必要があります。
 また、車椅子利用者が観光地へ快適に移動できるよう、バス会社が今後、福祉対応の貸し切りバスを購入する際にはリフトつきとするよう義務化、遊覧船についても、乗りおりに困らない工夫を求めております。
 そこで、ア、バリアフリー化に向けたマスタープランの策定の考え方について。
 イ、バリアフリー施策の評価等に当たり、障害者等の参画、視点の反映について。
 以上、2点目、終わります。
○副議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 私からは、高齢者や障害者が円滑に移動できる社会を目指す改正バリアフリー法についてのうち、まず、1つ目のバリアフリー化に向けたマスタープランの策定についてお答えいたします。
 これまで、本市の施設整備等におけるバリアフリー化の取り組みにつきましては、富山県民福祉条例に基づき、県が策定いたしました施設整備マニュアルの規定に従い、高齢者や障害者にやさしいまちづくりを実施してきたところであります。
 議員が述べられましたとおり、2020年東京五輪・パラリンピック大会の開催を契機として、共生社会の実現に向けた、さらなるバリアフリー化のまちづくりを推進することは大変重要であると考えております。
 今回の改正法で、市町村に対して努力義務とされているマスタープランの策定につきましては、重点的に取り組む対象地区の設定や、公共交通事業者等を初めとする地区内事業者との連携や調整が必要となるなどの課題がございます。
 つきましては、今後、国から策定に向けてのガイドラインや先進的な取り組みについて情報提供の予定があると伺っておりますので、まずは、その内容を調査研究してまいりたいと考えております。
 また、2つ目のバリアフリー施策の評価等に当たり、障害者等の参画、視点の反映についても、国のガイドライン等を参考にしてまいりたいと考えているところであります。
 私からは以上であります。
○副議長(川辺一彦君) 嶋村信之君。
 〔16番 嶋村信之君 登壇〕
○16番(嶋村信之君) 次に、笑顔があふれるまちづくりについてお伺いいたします。
 1点目、公共施設等総合管理計画の推進についてお伺いいたします。
 今般、公共施設等総合管理計画推進の検討を行うに当たり、今後、高齢化により、今まで市民税収の中核を担っていた市民層からの税収が減少する一方、現在の公共施設、インフラをそのまま更新しようとすると、近年の公共投資額を大幅に上回る財政負担を強いられることになるという問題意識を共有した上で、選択と集中により、できるだけ機能を維持しながら、更新するという観点を重視しなければなりません。
 我々は、ともすればより質の高い公共施設を、より多く望みがちです。しかしながら、選択と集中を行わずに全て維持しようとすると、財源不足から、最低限必要な公共施設、インフラすら維持できなくなりかねません。このような未来を子どもたちに残してはなりません。
 今回の計画は、個別の施設インフラだけを縦割りのみで部分的な最適を目指す考えではなく、市全体として、将来の子どもたちのための全体最適の観点から実現されることを強く望むものであります。
 今年2月定例会の山森議員の代表質問に対し、公共施設の更新、統廃合、廃止する上での地元との調整手法についてただしたところ、市長は、「公共施設等総合管理計画におきましては、公共施設保有総量の縮減目標を20%としたところでありますが、どの施設を保全または更新し、どの施設を廃止していくのかにつきましては、市民の皆様の御理解を得ながら進めることが肝要であると考えております。そこで、まず、新年度に庁内の行政改革庁内会議専門部会というものを置きまして、老朽度合いですとか、利用の状況、また、維持コストなど、客観的かつ多角的な視点から各施設の今後の方向性を示す計画の策定に向けた基準、条件などの調査、検討を行うこととしております。この経過を踏まえた上で、対象施設を絞り込みまして、計画的に地元の皆さんや関係団体などと協議を重ねながら、公共施設等総合管理計画を推進してまいりたいと考えております。」と答弁されております。
 そこで、公共施設等管理計画の推進に当たり、5項目について提言します。市長のお考えをお聞かせください。
 ア、客観的な情報収集、分析と情報の共有化を図ることについて。
 公共施設、インフラの利用状況、費用、老朽化度などを含む公共施設計画の継続的な作成や拡充を行うこと。その情報を客観的に分析し、庁内外での情報共有化を図ること。
 イ、一元的なマネジメントを推進するための庁内の組織、体制を構築することについて。
 計画の実行に当たっては、再配置担当の権限を強化し、一元的にマネジメントできるようにする。また、さらに次の段階では、「施設と機能の分離」原則を条例で明記するとともに、施設の維持更新、利活用の全ての調整権限を持つ市長直属の役職、民間企業でいえばCFOを設置すること。
 ウ、計画を持続可能とする仕組みをつくるとともに、計画実施を客観的に検証するための第三者委員会を設置することについて。
 計画を持続可能にするためのPDCAサイクルを具体的に盛り込んだ仕組みをつくること。庁内の論理のみで判断されることのないよう、推進状況を監視し、計画推進のための提言や趣旨に反した運用が見られる場合に勧告を行うための第三者委員会を設置すること。
 エ、市民への情報公開と丁寧な説明を行うとともに、市民が参加しやすい環境をつくることについて。
 市全体、そして、将来の子どもたちのための全体最適を達成するために、個々の市民が自分の利害だけにとらわれることのないように、財政予測を含む必要十分かつわかりやすい情報公開を行うとともに、各地に出向いて説明会を開催するなど、丁寧な対応を行うこと。
 また、公共施設に期待される機能を市民自ら担うことで、財政負担を軽くするため、市民会議等、幅広い市民層からの意見を抽出すること。運営時に市民の自主運営を導入することなど、積極的に市民が参加しやすい環境をつくること。
 オ、民間のアイデアを尊重することについて。
 できるだけ機能を維持しながら更新するためには、設計、建築、土木、不動産、社会システム、金融などの分野における民間の独創的な知恵が必要であります。推進の過程で、随時民間の意見を求めるプロセスを織り込むこと、また、その際、民間が意欲的に参加できるように、提言者に何らかの優遇措置を講じること。
 以上、5項目について提言して、質問を終わります。
○副議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 私からは、3項目めの公共施設等総合管理計画の推進についての一連の御質問にまとめてお答えをいたします。
 まず、客観的な情報収集、分析と情報の共有化を図ることにつきましては、利用状況、費用、老朽化度を含みます公共施設計画の継続的な作成ですとか、拡充に関しましては、今年度、行政改革庁内会議に、庁内横断的なメンバーによります公共施設適正配置検討部会を設置いたしまして、各施設の今後の方向性を示す計画の策定に向けた判断基準、条件などの調査、検討を行っているところであり、今後、この判断基準などを参考に、公共施設の再配置計画ですとか、個別施設計画の作成について検討を進めていくことになるものと考えております。
 また、情報を客観的に分析し、庁内外での情報の共有化に関しては、これまでも情報分析、共有化を図ってきているところでありまして、今後も、その観点を忘れないようにして引き続き行ってまいりたいと思います。
 次に、一元的なマネジメントを推進するための庁内の組織、体制を構築することにつきましては、公共施設等総合管理計画に記載してありますように、各施設の方向性を示す計画の策定に当たっては、専門の委員会を設置するなど全庁的に取り組むこととしておりまして、計画策定後も、その委員会において、継続的に対象施設の効率的な配置、運営について検討することとしております。
 なお、計画の推進には、現行の庁内の組織、体制を基本とすることで十分対応できると考えておりまして、議員御提言の市長直属の役職などの設置ですとか、施設と機能の分離原則について条例で明記することは今のところ考えてはおりません。
 次に、計画を持続可能とする仕組みをつくるとともに、計画実施を客観的に検証するための第三者委員会を設置することにつきましては、計画を進めるに当たっては、議員御提言のPDCAサイクルを回すことは大変有効であると考えておりますことから、計画の進捗状況につきましては、庁内での検証のほか、議会はもとより、行政改革市民会議へ諮るなどにより客観性を得られると考えておりますので、行政改革市民会議は御承知のとおりさまざまな方が参加しておられますので、議員御提言の新たな第三者委員会の設置については必要がないと考えております。
 次に、市民への情報公開と丁寧な説明を行うとともに、市民が参加しやすい環境をつくることにつきましては、市民への情報提供と丁寧な説明は大変重要なことであると考えておりまして、これからも適宜、適切な情報提供と丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。
 また、市民からの意見聴取につきましては、行政改革市民会議等を通じて行っておりますし、必要に応じまして、さまざまな形で今後とも幅広く市民の御意見をお聞きしてまいりたいと考えておりますし、市民の皆さんが自主的にかかわっていただけるよう、わかりやすい情報の提供にも努めてまいりたいと考えております。
 最後に、民間のアイデアを尊重することにつきましては、計画の推進に当たり民間の力を活用する方法としては、例えばPFIですとか、PPPなどの手法が想定されます。具体的に活用が想定される施設は、砺波市では、現在、あまりないんじゃないかなというふうに考えておりますので、推進の過程で、随時民間の意見を求めるプロセスを現段階で織り込むことは考えておりませんが、もしそういった事案が今後の検討の中で出てくるようなことがありましたら、調査なり、研究なりを行う可能性はあるというふうに考えております。
 以上でございます。
○副議長(川辺一彦君) 13番 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、一問一答で質問と提案をさせていただきます。
 大きい項目の1つ目として、地域包括ケア体制の深化と推進についてお伺いします。
 砺波市高齢者保健福祉計画(第7期計画)が今年からスタートしました。基本理念を「いきいき、安心、支えあい、共に暮らせる共生社会の実現」と定め、自立支援、介護予防、重度化防止などの取り組みと介護保険の持続可能性を維持することを重点に、地域包括ケアシステムをさらに深化、推進していくこととしています。
 介護予防は、認知症予防にもつながることと思いますが、今回は、重点施策の一つである認知症施策の推進についてお伺いしたいと思います。
 本市の認知症高齢者は、平成29年末で1,737人となり、要介護認定者の65.2%を占めています。今後も増加が見込まれる認知症高齢者に適切に対応するため、認知症になっても、本人の意思が尊重され、できる限り住みなれた環境で暮らし続けることができる社会を目指した取り組みを推進しなければなりません。そのため、早期からの適切な診断や対応、認知症の正しい知識と理解に基づく、本人やその家族への支援を包括的、継続的に実現する体制の推進を図らなければなりません。
 そこで、認知症の早期発見につながる相談体制について、まずお伺いします。
 年をとると、物忘れがひどくなります。認知症の初期症状は、加齢による物忘れとの区別がつきにくい状況で、認知症の判断が遅れ、症状を進める傾向があります。早期に認知症について相談することで、認知症の症状を緩和することができると聞きます。
 市では、毎月、市内9カ所で認知症相談日を設け、御本人や御家族などの相談に応じておられます。庁舎内高齢介護課窓口の地域包括支援センター、市立砺波総合病院地域包括支援センター・街なか包括、庄川支所、北部苑、南部苑、庄東センターのサブセンターに、在宅介護支援センター3カ所、ケアポート庄川、ふれあいの杜、やなぜ苑の合計9カ所です。身近な場所で定期的に開催されてはいますが、認知症に対する理解力の不足から、認知症の疑いがある家族があまり公にしたくないので、相談しにくいというような現状もあるようですが、相談件数はどのような状況なのでしょうか、お聞かせください。
 あわせて、今後の相談体制の拡充や周知徹底について、お考えをお聞かせください。
 このほかに、地域包括支援センターやサブセンター等では、随時もろもろの相談に対応されています。平成29年度の相談総件数は7,872人で、平成25年には5,216人だったものが、年々増えています。相談内容の多さに高齢化社会の現実を感じるものです。今年度、新たに在宅介護支援センターに地域包括サブセンターをモデル的に設置し、認知症相談も含めた各種相談に対応されるようですが、その目的と進捗状況についてお聞かせください。
○副議長(川辺一彦君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) まず、相談件数でございます。
 市役所の地域包括支援センター及び市立砺波総合病院の街なか包括、そして、特別養護老人ホームやなぜ苑などにあります在宅介護支援センターなどを合わせた全体の相談件数につきましては、平成29年度では7,872件であり、そのうち認知症に関する相談は968件で、相談件数全体の約12.3%となっております。
 そのうち、認知症相談日として、各福祉センターや在宅介護支援センター、庄川支所などで相談を受け付けたものは22件となっております。
 今後の相談体制の拡充や周知につきましては、議員が述べられました9カ所の身近な相談機関を中心に、高齢者の総合相談を推進してまいりますが、在宅介護支援センターでは、モデル事業として、アウトリーチ、自宅から訪問活動をするわけで、自宅などへ訪問活動をすることでございますが、アウトリーチを充実することで、より身近な相談機会の拡充を図ってまいりたいと考えております。
 また、周知につきましては、砺波地方介護保険組合や地域包括支援センターで作成しているパンフレットや市広報及びホームページに掲載するとともに、出前講座の機会を捉えて、高齢者の総合相談体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、地域包括サブセンターモデル事業の目的と進捗状況につきましては、この事業は、これまで市役所の地域包括支援センターから直接地域へ出向いて、高齢者が住みなれた地域で自立した生活ができるよう支援しておりましたが、今後ますます支援を必要とする高齢者の増加に対応するため、市内2カ所、やなぜ苑とケアポート庄川の在宅介護支援センターにもその役割の一部を担っていただこうと、今年度からモデル的に実施したものでございます。
 事業内容といたしましては、地区福祉推進協議会や地域福祉コーディネーターとの情報共有や介護に関する相談対応を初め、地区福祉推進協議会等で、地域の福祉課題を解決につなぐ、助け合い体験ゲームによる地域づくりの実施、いきいき百歳体操グループの育成支援等を今年6月から実施いたしております。
 また、事業の進捗状況につきましては、6月及び7月の2カ月間の実績でありますが、2カ所の在宅介護支援センター合計で、地区社会福祉協議会または地域福祉コーディネーターとの連携が5回、助け合い体験ゲーム等の地域づくりが7回、いきいき百歳体操グループの育成支援を6回実施いたしております。
 最後に、この事業の認知症相談に対するメリットにつきましては、これまでの主な相談場所といたしましては、在宅介護支援センターでの相談対応でありましたが、地区福祉推進協議会やいきいき百歳体操などへの支援など、地域へ出向く機会が増加したことで、認知症を含めたさまざまな相談が、身近なところで誰でも気軽にできるようになったというところでございます。
 以上であります。
○副議長(川辺一彦君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 相談体制の拡充が進むようですので、さらなる早期発見、対応に期待したいと思います。
 認知症の早期発見、対応を進めるためのもう一つの取り組みとして、平成27年から認知症初期集中支援チームの活動が進められています。
 砺波市では、平成27年に45件の相談、チーム立ち上げ2件、平成28年には67件の相談、チーム立ち上げ4件、平成29年には154件の相談、チーム立ち上げ1件と、着実に活動を進められています。
 認知症の初期と一口に言っても、認知症発症後の病気の早期の段階と、認知症とまだ診断されていない段階に分けられますが、早期の受診につなげるための啓発など、この支援チームの活動拡充について、当局のお考えをお聞かせください。
○副議長(川辺一彦君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) まず、支援チームの概要を簡単に説明しますと、平成27年4月に設置し、砺波医師会の協力のもと、認知症サポーター医である専門医師のほか、市立砺波総合病院の医師、地域包括支援センターの保健師と社会福祉士などの複数の専門職でチームを編成して、認知症の人やその家族を訪問し、対応に苦慮している認知症高齢者、いわゆる在宅での介護が困難な方に対して、早期診断、早期支援を包括的、集中的に概ね6カ月間行うものでございます。
 そこで、今後の活動の拡大についてでございますが、ほとんどの認知症相談につきましては、まず、地域包括支援センターに相談され、お話を聞いた後、症状により必要となる認知症専門医師などを紹介しており、認知症の早期介入や早期診断に結びつけております。
 しかしながら、これからの認知症相談につきましては、複雑化の傾向にあり、8050問題やダブルケアなどさまざまなケースが考えられ、必要に応じて、認知症サポート医を含めた多職種によるチームを立ち上げ、対応してまいります。
 以上であります。
○副議長(川辺一彦君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) これからの認知症の実情に合った認知症初期集中支援チームの活動を今後もしっかりと進めていっていただきたいと思います。
 次に、かかりつけ医の認知症対応力向上についてお伺いいたします。
 認知症の相談窓口の一つとして、市内のかかりつけ医、開業医も考えられます。そこで、かかりつけ医の皆さんにも認知症に対応するスキルが求められます。
 新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)では、主な施策として、かかりつけ医の認知症対応力向上研修も位置づけられていますが、市内の開業医における認知症対応力向上研修の受講は進んでいるのでしょうか、状況をお聞かせください。
○副議長(川辺一彦君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 県では、医師だけでなく、医療従事者に対しても、広く認知症の基礎知識や関係機関との連携の重要性等を習得し、認知症の人やその家族に適時適切な対応ができる人材を育成するため、富山県医師会に委託し、認知症サポート医養成研修を初め、かかりつけ医認知症対応力向上研修などを実施しております。
 市内の開業医の先生方につきましては、ほとんどの先生がかかりつけ医認知症対応力向上研修を受講されており、認知症サポート医との連携のもと、認知症の発症初期から、状況に応じた支援体制の構築が図られております。
 以上であります。
○副議長(川辺一彦君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 開業医さんにも、安心して認知症相談ができる体制が整っているようですので、このことも折に触れて市民の皆さんに周知徹底をしていただきたいと思います。
 次に、認知症ケアパスの普及についてお伺いいたします。
 認知症ケアパスとは、認知症の人の状態に応じたサービスの提供の流れを示したもので、砺波広域圏では、平成27年に、砺波市、小矢部市、南砺市の3市が連携して、ケアパスを作成されています。それぞれの仕事に、サービス内容や提供施設をきめ細かく紹介し、認知症ではと心配に思ったときや、認知症と診断されたときの相談場所、どのような制度が利用できるのかなどの情報も一まとめにされています。
 このケアパスは、医療や介護関係者への普及は進んでいるようですが、市民への普及はまだのようであります。ケアパスをわかりやすくまとめた認知症支援ガイドのダイジェスト版を砺波市で作成するなどして、市民への認知症ケアパスの普及を進めていただきたいと思います。お考えをお聞かせください。
○副議長(川辺一彦君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 認知症ケアパスは、平成27年に、砺波厚生センターが中心となり、北陸病院認知症医療支援センターと砺波、小矢部、南砺の3市ケアマネ協議会が連携して作成し、昨年3月には改訂版が出されております。
 その主な内容は、第1章は、認知症の主な症状と対応、2章では、認知症ケアパス概念図、3章では、認知症の基礎知識、4章から6章は、認知症の初期から重度、終末期の症状などから構成されており、認知症の症状や基礎知識、認知症への対応など、3市共通の情報は1つにまとめるなど、経費を節減し、市民にわかりやすいよう作成したものであります。
 議員が御提言の砺波市独自の認知症ケアパスの作成につきましては、現在のものが昨年改訂したところでございますので、まずは、市のホームページに砺波市部分の認知症ケアパスを掲載し、ダウンロードできるような工夫や、本市で作成している高齢者総合福祉サービスの御案内などに認知症ケアパスを追加するなど、市民の皆さんによりわかりやすく、見やすい資料を作成してまいります。
 以上であります。
○副議長(川辺一彦君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 市民の皆さんによりわかりやすいケアパスの普及を進めていただけるということですので、期待したいと思います。
 次に、認知症の予防教室についてお伺いいたします。
 認知症予防の一つとして、認知症予防教室は効果があるものと考えます。また、介護予防にもつながるものと考えます。
 砺波市における認知症予防教室の現状、そして、今後の拡大についてお聞かせください。
 最近、認知症の予防として、ソーシャル・ウォーキングを取り入れるところが出てきています。ソーシャル・ウォーキングとは、人とかかわり、楽しみながら歩くことを、誰もが取り組みやすい形にした認知症予防のためのウオーキングです。いきいき百歳体操に加えて、このソーシャル・ウォーキングを予防教室などで取り入れられることを提案するものです。お考えをお聞かせください。
○副議長(川辺一彦君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 本市での認知症予防教室につきましては、庄川健康プラザで実施している脳トレ教室があり、毎月第3金曜日に実施しております。
 また、ほっとなみ認知症カフェにつきましては、認知症の当事者のみならず、その家族、さらには一般市民が参加できる機会として、音楽療法、臨床美術とともに、認知症に関する相談会なども実施しており、認知症予防教室として捉えることができると考えております。
 今後の拡大につきましては、ほっとなみ認知症カフェについて、今月から、北部地区を対象として北部苑にて、市内で6カ所目の認知症カフェをスタートしたところであり、これ以降につきましては、必要に応じて検討してまいります。
 次に、ソーシャル・ウォーキングについてでありますが、現在、介護予防事業として地域で実施しておりますいきいき百歳体操は、歩いて行ける身近な場所で、週1回の開催を目標に、地域住民が主体的に実施されており、概ね60代から80代までの方が、その方の年齢や体力に合わせて筋力向上を目指す運動で、近隣の住民が集うことで自然にコミュニケーションが生まれ、閉じこもり予防や認知症予防にも大きく貢献しているものと考えております。
 そこで、議員御提言のソーシャル・ウォーキングを百歳体操に加えての取り組みでございますが、百歳体操の参加者には、かなり高齢者の方もおられ、体力的にウオーキングまでできない方もおられること、また、市街地では、買い物など目的や歩行経路のパターンは多いんですが、農村部や山間地では、目的や行動範囲が限られるので、なかなか継続が難しいこと、さらには雨天時や冬期間の安全が確保できないことなど、誰もが参加できる短時間の継続的な運動として推奨することは難しいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(川辺一彦君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 百歳体操が市民を中心に積極的に進められていることは本当にすばらしいことであると思っております。もっと簡単にできるウオーキング、これも取り組んでいただけることをまた今後、期待したいと思います。
 次に、認知症を支える支援員の育成についてお伺いいたします。
 認知症を支える相談支援を行う認知症地域支援推進員の配置が新オレンジプランで位置づけられました。
 このほかに各地域には、福祉コーディネーターや生活支援コーディネーターなどが配置されていますが、砺波市として、このような福祉にかかわる支援員を統括して配置することを検討されてはいかがでしょうか。支援員の資質を高めることにより、福祉施策の充実につながると考えますが、当局のお考えをお聞かせください。
○副議長(川辺一彦君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 国では、地域包括ケアシステムの構築に向け、今後、認知症高齢者の増加が見込まれることを踏まえ、市の認知症施策を推進する認知症地域支援推進員の配置や、住みなれた地域での生活を支援する生活支援コーディネーターの配置を義務づけております。
 まず、認知症地域支援推進員につきましては、配置の要件として、本市では、地域包括支援センターの保健師や社会福祉士の中で、厚生労働省の実施する研修を受講した者3名を推進員として配置しております。
 次に、生活支援コーディネーターにつきましては、介護保険サービスの利用だけでなく、本人の生活全般を支援していくための見守りや安否確認、外出支援、買物、調理、掃除などの生活支援サービスのマネジメントを行う者で、配置の要件につきましては、地域における助け合いや生活支援、介護予防サービスの提供実績のある者となっております。
 現在、市では、高齢介護課、地域包括支援センター、社会福祉協議会、在宅介護支援センター、庄川健康プラザなどの職員27名を生活支援コーディネーターとして配置しております。
 また、地域福祉コーディネーターにつきましては、目的が地区福祉推進協議会と地区自治振興会との連携や、地域と市や社会福祉協議会とのパイプ役として配置されております。資格要件はありませんが、地域福祉に熱意のある方で、地区福祉推進協議会長の推薦に基づき、市社会福祉協議会長が委嘱を行い、現在は各地区で1名の21名が配置されております。
 なお、市社会福祉協議会からは充て職ではなく、単独での選出を依頼しており、役割などにつきましても、地域福祉コーディネーター連絡会において、年3回研修会を開催し、スキルアップに努めているところでございます。
 これらのことから、それぞれの推進員の役割や必要となった経緯、所管先、必要とする配置人数、事業に充当される財源など、一概に統括するということは難しいと考えております。
 以上であります。
○副議長(川辺一彦君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) なかなか統括することは難しいということでありますが、それぞれの支援員が、コーディネーターが、それぞれの資質を高めて、砺波市の福祉施策の充実につなげていっていただきたいと思います。
 それでは、次に、認知症を支えるもう一つの仕組みであります認知症サポーターの活用についてお伺いいたします。
 砺波市でも、認知症サポーターの養成が進んでいます。平成29年度末までに、延べ6,247人が養成講座を受講されています。市では、平成32年度までのサポーターの数を7,000人まで増やすことを計画されています。認知症の理解が広がり、応援者が増えることは喜ばしいことであると思います。
 国では、来年度から、認知症サポーターを活用する事業を進められるようです。
 砺波市では、今年度、認知症サポーターの活用を見据えて、認知症サポーターステップアップ講座を開催されるようですが、その概要についてお聞かせください。
 また、認知症の理解を深めるための普及啓発に活用されるなどの取り組みについてお聞かせください。
○副議長(川辺一彦君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 現在、認知症サポーターは、本年8月末で、地域住民、会社員、児童生徒など累計6,552人で、人口の約13%が受講しており、認知症を正しく理解し、認知症の本人や家族など、当事者の方を温かく見守る応援者となっております。
 厚生労働省は、この認知症サポーターに期待することとして、これまでよき理解者としての認知症サポーターからステップアップして、地域で活動できるサポーターの育成を目指し、認知症サポーターステップアップ講座の実施を自治体に求めています。
 本市では、これまで、地域包括支援センターの職員4名や在宅介護支援センターの職員2名、市社会福祉協議会の職員1名の合計7名が、認知症サポーターステップアップ講座の指導者養成研修に参加し、準備を進めております。
 講座の概要としましては、大きく3項目で、1つには、認知症の理解を深めること、2つには、認知症の発生リスクを減らすこと、3つには、認知症サポーターの活動事例などを講義する予定であります。
 また、今後の活用についてでありますが、講座を受講して、認知症についての正しい知識を持つ認知症サポーターが、さらに、地域の中で認知症の方の相談に応じ、認知症に適した制度やサービス、認知症カフェなどの集いの場につなぐ支援ができるよう育成してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○副議長(川辺一彦君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) サポーターの皆さんの力が生かせる場づくりも期待したいと思います。
 次に、徘徊SOS緊急ダイヤルシステムの拡大についてお伺いいたします。
 認知症が進むと、徘回行動があらわれます。このシステムは、認知症高齢者の徘回等に気づいたときに、SOS緊急ダイヤルに通報すると、登録されている協力事業者等に徘回情報メールが配信され、捜索の協力が依頼されるシステムです。
 これまで、市内の116事業所が協力事業所として登録されており、高齢者の登録は33人となっています。市では、協力事業所の登録拡大を目指し、認知症高齢者徘回見守り模擬訓練を実施し、地域の支え合い体制のさらなる推進を図るとしていますが、模擬訓練の概要と緊急ダイヤルシステムの今後の拡大見込みについてお聞かせください。
○副議長(川辺一彦君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) まず、ほっとなみ支え合い模擬訓練につきましては、認知症への理解と地域での支え合い体制の推進を目的に実施するものであります。
 訓練の概要につきましては、認知症等により行方不明となった方が発生した場合を想定し、地域のネットワークを活用し、通報、連絡、捜索、発見、保護までの一連の行動についての手順を学ぶ機会とし、今月17日、来週の月曜日、敬老の日に、林地区の集落センター周辺で実施する予定であります。
 具体的な訓練内容につきましては、家族から自治会への連絡や警察署への届け出などの情報伝達のシミュレーションを行う情報伝達訓練を初め、行方不明役の方を地域住民が捜索する声かけ訓練、そして、訓練後の参加者の意見交換会と認知症への対応方法の講義などを予定しております。
 一方、徘徊緊急ダイヤルシステムにつきましては、北部地区だけなく、市内の全登録事業所を対象とすることから、日を改めまして、配信メール訓練を実施し、配信メールの受信状況や受信後の対応など、ダイヤルシステム全般について、アンケートによる検証を実施したいと考えております。
 また、今後の徘徊SOS緊急ダイヤルシステム協力事業所の拡大につきましては、このような模擬訓練や配信メール訓練を各地域の要望に合わせて開催することで、1人でも多くの市民や事業所の方に知っていただき、必要性を理解していただくことで、徘徊SOS緊急ダイヤルシステム拡大につなげてまいりたいと考えております。
 以上であります。
○副議長(川辺一彦君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 今後は、個人での登録が増えることも期待していきたいと思っております。
 次に、ねんりんピックでの健康づくりコーナーの開設と観戦PRについてお伺いいたします。
 11月3日から開催されるねんりんピック富山2018に向けて、準備も着々と進んでいることと思います。
 全国健康福祉祭、通称ねんりんピックは、スポーツや文化種目の交流大会を初め、健康や福祉に関する多彩なイベントを通じ、高齢者を中心とする国民の健康の保持、増進、社会参加、生きがいの高揚を図り、ふれあいと活力ある長寿社会の形成に寄与することを目的に開催されます。
 47年に一度しか回ってこないこの大会を、砺波市の高齢者の生きがいの高揚を図る場、健康保持の場とされることが期待されます。
 当日は、会場に健康づくりコーナーも設けられると聞いています。たくさんの高齢者の皆さんに来ていただき、頑張っておられる選手の皆さんに声援を送っていただくとともに、健康づくり等について気軽に相談したり、簡単な体操を体験されたりしていただきたいと思います。当局のお考えをお聞かせください。
○副議長(川辺一彦君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) ねんりんピックは、正式名称である全国健康福祉祭の名のとおり、健康は大きなキーワードであり、健康度チェック及び健康相談コーナーを設けることが必須となっております。
 そこで、本市でも、健康づくり教室を設け、保健師による血圧測定や動脈硬化の進行がわかる血管機能検査などを実施することにしております。また、その測定結果をもとに、保健師から、健康づくりについてのアドバイスを受けたり、生活習慣などの相談をすることができます。
 さらに、屋外のおもてなし広場では、市内医療器会社のブース内で、ストレッチ専用マシンの使用体験ができるなど、今回の大会を御自身の健康づくりについて考えるきっかけとしていただきたいと考えております。
 そのほか、夜高あんどんの展示や獅子舞の紹介など、市の観光や文化をPRするコーナーや飲食コーナーなどを設けることとしておりますので、選手だけではなく、一般来場者の皆さんにも楽しんでいただける大会になると考えております。
 また、市民を対象とした大会の観戦PRにつきましては、今後、市広報10月号に特集記事の掲載やPRチラシの配付などにより、具体的な大会日程や催し物の内容をお知らせするなど、大会の周知や参加意欲の向上を促してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○副議長(川辺一彦君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 観戦PRのほうもしっかりしていただきたいと思っております。私もしっかり応援に行きまして、盛り上げたいと思っております。
 大きい項目の最後としまして、砺波市における地域包括ケア体制の深化についてお伺いいたします。
 地域包括ケアシステムの大きな特徴の一つ、高齢者を支えるサービスの主体が国から自治体へ移行したことにより、各自治体ごとに提供されるサービスの質や量に違いが生まれ、より充実したサービスを受けられる自治体に人が流出していくという事態が起こることが危惧されています。
 また、地域包括ケアシステムでは、地域住民同士で助け合う互助が重視されていますが、砺波市においても核家族化が進み、コミュニティーの力が失われつつある中、地域社会の力を活用することがどこまで続くのか、心配です。団塊の世代が75歳以上となり、要介護者が急増すると見られる2025年までに、それぞれの自治体に合った地域包括ケアシステムのあり方を考え、整備していくことが求められています。認知症に対応できる地域包括ケアシステムの確立も大きな課題であると思います。地域包括ケアシステムを利用した認知症の早期支援や、砺波市としての地域包括ケア体制の深化について、夏野市長の見解をお聞かせください。
○副議長(川辺一彦君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 御質問の本市の地域包括ケアシステムのさらなる深化につきましては、国の第7期の介護保険事業計画の基本指針に基づきまして、本年の3月末に、「いきいき、安心、支えあい、共に暮らせる共生社会の実現」を基本理念に、医療、介護、介護予防、住まい、生活支援の一体的な提供を目指した第7期の高齢者保健福祉計画を策定いたしまして、砺波市の地域包括ケアシステムを深化、推進しているところであります。
 今ほどもありました地域包括ケアシステムの深化という言葉自体が、この第7期計画において初めて使われた言葉でありまして、それを意味する中身としては、3つの重点施策があるというふうに思いますので、順次御説明をしたいと思います。
 1つ目の施策は、自立支援・重度化防止に向けた取り組みの推進であります。
 本市では、住みなれた身近な地域で、住民主体の取り組みとして継続して実施しておりますいきいき百歳体操を、地域包括ケアシステムの介護予防事業の中核として位置づけております。
 現在、74のグループと大体1,450人の皆さんが、その活動を実践されておりまして、今後も100グループを目指すということにしておりますので、計画的に推進していきたいと思っております。
 さらに、このいきいき百歳体操に加えまして、活動の半年後からは、かみかみ百歳体操、もぐもぐじゃなくて、かみかみでございますが、かみかみ百歳体操を実施しております。これは、筋力強化とともに、口腔ケアの維持と栄養補給の観点から、おいしく食べ、よくかむことで脳を刺激して、認知症予防と健康寿命の延伸につながるものと考えております。
 2つ目の施策は、医療・介護の連携の推進であります。
 本年の5月に、市立砺波総合病院は、医療法に基づきます地域医療支援病院となりました。地域の中核病院として、かかりつけ医の皆さんとともに役割を分担して、連携することで、質の高い医療が提供されているところであります。
 また、市立砺波総合病院内にあります患者総合支援センターおあしすと地域包括支援センター、いわゆる街なか包括が連携することで、物理的にも同じところにありますので、入院から退院、それから、在宅療養生活、さらにはかかりつけ医の紹介まで、切れ目のない形での総合相談体制を担っております。
 また、砺波医師会との委託契約により実施しております在宅医療と介護の連携事業につきましては、医師によります介護関係者への医療情報の提供ですとか、在宅医療と介護、福祉のまるごと相談会というものを実施しておりまして、地域の福祉センターにおきまして、医師による講座の開催ですとか、相談会を実施することで、直接医師に相談できる機会を提供し、医療的見地からの認知症予防や介護予防対策につながるものと考えております。
 3つ目の施策は、地域共生社会実現に向けた取り組みの推進であります。
 これからも、高齢者のひとり暮らし世帯や高齢者のみ世帯が増える中で、見守り、安否確認、それから外出支援、買物、調理、それから掃除など、生活支援サービスの需要の増加が見込まれております。
 人口減少社会におきましては、隣近所の関係が希薄になりがちであります。しかし、他人の事を我が事、自分のことのように支援していくこと、第7期計画では、これを「我が事、丸ごと」というふうに言っておりますが、ということが求められているということでございます。
 このような中で、これまでも市の社会福祉協議会が中心となって開催しておりました地域福祉懇談会では、昨年度から、地区の福祉推進協議会が中心となって、地域福祉コーディネーターですとか、今年の6月から地域包括サブセンターモデル事業が、先ほどからも質問ありましたが、スタートした在宅介護支援センターなどと連携しまして、各地区で地域福祉懇談会が開催されております。
 この懇談会は、地域住民自らが、地域の福祉課題を考えまして、自ら解決策を導き出す新たな地域づくりを模索するというものでありまして、例えば、先ほどの質問にもお答えいたしたところですが、認知症サポーターのステップアップ講座の受講者が、近所の認知症の方を近くの認知症カフェにとか、それから、包括支援センターなどに紹介するといったような活動をやっていただいて、早期支援につながるのではないかなと期待をしております。これからも、地域での自主的な取り組みを支援し、積み重ねていくことが、地域包括ケア体制の深化、推進につながっていくものと考えております。
 議員からは、地域の力、心配だという話もありますが、現実的には、地域包括ケアというのは、まさに地域の力をどう使うか、どう頑張ってもらうかというのがキーなわけでして、心配だ、心配だばかり言わんと、ぜひそういういろんなことを、行政や関係機関が一生懸命ぐるになってやろうということでございますので、そのことによって、また地域の方々も、先ほど言いました我が事のように考えていただくというのが1つの大きなポイントだと思っておりますので、議員もその点も御理解いただきまして、地域の力が出るように、また御支援いただければと思います。
 以上です。
○副議長(川辺一彦君) 大楠匡子君。
 〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 今ほど市長もおっしゃいましたように、いつまでも元気な砺波市であるように、地域包括ケア体制を、私どももしっかりその地域の中で一緒になって支えていきたいと思っております。
 大きい項目の2つ目として、放課後等デイサービス事業所の拡充についてお伺いいたします。
 今年の4月、砺波圏域、砺波市、南砺市、小矢部市の障害児等の療養施設、支援施設である児童発達支援センターわらび学園が移転新築し、施設の機能拡充が図られ、定員も30名と大幅に増えました。また、障害児を放課後や夏休みに預かる放課後等デイサービス事業所も今年4月にオープンしました。
 昨年10月に実施したアンケート調査では、障害児の支援サービスとして、放課後等デイサービスの利用が22.7%、児童発達支援の利用が18.2%と高く、今後の利用意向についても、放課後等デイサービスが22.7%となっています。さらに、3年以内の利用意向についても、放課後等デイサービスが10.6%と高くなっています。
 市としても、平成32年度末までには何とか1カ所整備したいと考えておられたのが、順調に設置の話が進み、今年の4月から子どもたちが通うことができるようになったことは本当によかったと思っております。
 先日、民生病院常任委員会として、この施設を見学してきましたが、もとのコンビニの空き店舗をうまく活用されていて、機能的な場所となっていました。夏休みの間のプログラムも細かく決められ、障害を持つ子どもたちのよい居場所となっていることを感じてきました。
 しかし、事業所の話を聞きますと、現在通ってきている子どもたちは、砺波市内全域ではないとのことでした。送迎の関係で、北部地区や鷹栖地区の子どもたちには募集されていないということです。市内の各小学校区ごとに整備されている放課後児童クラブで障害児を預かることは定員の問題などから難しい状況もある中、放課後等デイサービス事業所の拡充は必要であると考えます。お考えをお聞かせください。
 以上で、私の質問を終わります。
○副議長(川辺一彦君) 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 議員御紹介のとおり、放課後等デイサービスは、近年、非常に需要が高まっておりまして、今後の利用増加も見込まれる事業であると考えております。
 昨年度策定いたしました第5期障がい福祉計画及び第1期障がい児福祉計画の策定委員会の中で、現状とサービス供給体制の整備の必要性を説明しましたところ、策定委員の所属する法人が整備に着手され、この4月に、市内で初めての指定事業所が開設されたという経緯がございます。
 この事業所につきましては、人員と車両の関係から標準の送迎対象校を設定されておりますが、北部地区や鷹栖地区のお子さんの申し込みは可能でありまして、その場合、送迎については個別の相談になるとお聞きしております。現に砺波北部小学校のお子さんが、送迎を含めた利用をされているケースもございます。
 このほか、市内の放課後等デイサービス事業所には、高齢者とともに障害児の受け入れを行う共生型事業所や基準該当事業所、いわゆる富山型デイサービス事業所が11カ所ありまして、必要に応じて市外の指定事業所も利用できますので、それらを利用することも十分可能であります。
 本市といたしましては、砺波地域障害者自立支援協議会の障害児部会等で実施している専門性を高めるための研修会や事例検討会への参加を働きかけるなど、基準該当事業所等の受け入れ体制の向上を図るとともに、今後のサービスの需要動向等について、民間事業所へ情報提供を行い、新規開設も含めたサービス供給体制の拡充につなげていきたいと考えております。
 以上であります。
○副議長(川辺一彦君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時52分 休憩

 午後 1時00分 再開

○議長(川岸 勇君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 2番 境 欣吾君。
 〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 議長の許可がありましたので、通告に基づき、質問を行います。
 農業の問題について質問します。
 日本の農業をめぐる情勢は大変厳しいというのは共通の認識と思いますが、その原因はどこにあって、解決の方向はどこにあるのかを議論し、砺波市では、どうしていけばよいのか、幾つかの提案も行いながら、市としての考えをお聞かせいただきたいと思います。
 この間、農地の耕作契約について、相談をいただく機会がありました。長らく預けていた田んぼを、今年度から引き受けることができないと一方的に言われ、この先どうしていけばよいのか困っているというものです。地権者の方は何人かおられて、そのように言われた田んぼの合計は数ヘクタールに及びます。大変大きな問題だと思います。
 私は、この当事者のうち、誰に利があり、誰が利にそぐわないことをしているのかということを問題にしようと思うものではありません。ここに、この間進められてきた農政の矛盾が象徴的にあらわれたものと感じているからです。
 農地の耕作を委託した方は、農機具も作業場も処分しておられる方が大半で、いきなり今年から、稲作や販売用の野菜や麦をつくれと言われても、困惑するというのは当然です。しかも、問題は、今年だけのことではありません。固定資産税を初め、土地改良や用水にかかわる賦課金、草を伸ばし放題にはできないので、管理にもお金がかかります。この先、この農地をどうしていくのかと途方に暮れるような思いをされているのだと思います。
 一方、耕作をされていた方のほうはどうかというと、市を代表する大規模経営の方です。耕作をこれ以上続けられないということをいつ告げようかと悩んでおられたのだと思います。経営感覚のある、意欲的な担い手に農地を集約するという政策が進められるもとで、その先頭に立って、地域の農地を引き受け、耕作を続けてこられたのですが、今年度から、既に半額に削減されていた直接支払交付金もなくされてしまうように、米価の下支えが次々に外され、ゆとりを持って営農することが困難な環境で頑張っておられます。
 問題になっている田んぼを拝見してきましたが、率直に言って、大型機械で効率的に作業しようとすることが大変難しいところでした。機械を圃場に入れる農道が整備されていません。あぜを乗り越えてでないと隣の田んぼに移動できなかったり、トラックを田んぼの横にとめることもできないのです。水路も素掘りであったり、コンクリが傷んでいたりで、毎日の水管理は容易ではありません。さらに、田んぼの周りは住宅地です。朝早くからトラクターの音がうるさいとか、防除の農薬が漂ってきて車を汚すとか、洗濯物を外に干せないとか、機械の出入りで道路が土で汚れて困るとか、さまざまな苦情が寄せられ、そういうことに気を配りながら農作業がされているわけです。何百筆という圃場の管理をしなければならない中で、このような条件の田んぼをよく管理してこられたなと感心をしました。単に採算に合うか合わないかだけで考えるなら、とても預かれないが、これまでの経緯や地域のまとまりのこと、田んぼを荒らすわけにはいかないという思いから、今日まで御苦労されてきたのだと思います。時間と手間を惜しまずに作業のできる環境であればまだしもですが、整備された田んぼであっても、これ以上は引き受けたくないとおっしゃっているような現状です。耐え得る限界と判断されたんだと思います。
 農業を基幹産業と位置づけ、国民の食料と国土を守るために、国の責任としてこれを支えるという考えを捨て、農業生産を市場原理に投げ出して、産地間競争、国際競争をあおりながら、効率的な営農に成功した者のみが生き残れるような農政がこのまま進められれば、今後、このような問題は続発し、ますます深刻化するのではないかと危惧されます。稼ぐ力のない農地を引き受け続けると、営農が潰されてしまうからです。
 そこで、第1の提案ですが、時々の農業を取り巻く環境の変化に合わせて、地権者との契約の内容をどうしていくべきか、耕作者や農業委員の方々が集まって相談をしておられるところもあるようです。これに地権者の皆さんも加わっていただいて、時々の制度のありようや農業環境について、定期的に話し合う機会を設け、認識を共有できるような仕組みが必要ではないでしょうか。それぞれの立場から、対処法について、時間をかけて考え、相談でき、いきなり言われて途方に暮れるという事態は回避できるのではないでしょうか。当事者とふさわしい第三者が加わった定期的な話し合いの場が持てるよう、市としても努力すべきと思いますが、見解を伺います。
○議長(川岸 勇君) 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 市街地周辺の農地につきましては、農地としての活用や農地以外の土地利用のあり方について、それぞれの地域で話し合いが行われ、土地区画整理事業に取り組まれたところもありますが、地域のさまざまな事情から、土地区画整理事業等の面的整備には至らなかったところもございます。
 このようなことから、市街地周辺の未整備農地は、地域の認定農業者が耕作を引き受けられておりますが、周辺環境の変化に伴い、農業を継続していくには環境が整わず、耕作に御苦労されている現状がございます。
 また、市街地周辺農地を耕作する認定農業者では、担い手同士での農地の交換などの調整を図りながら、農地の集約化を進め、効率的な農業に努められているケースもございます。
 一方、昨年7月の農業委員会等に関する法律の改正を受け、新たな農業委員の選出においては、認定農業者が農業委員の過半数を占めることとなったことや農地利用最適化推進委員が新たに設置され、自らの担当地域において、担い手への農地利用の集積、集約化、そして、遊休農地の発生防止や解消など、地域における現場活動を行うことになりました。
 このようなことから、今回の件につきましては、地元農業委員や農地利用最適化推進委員において、今後、話し合いができないか、調整がなされているところでございます。
 以上でございます。
○議長(川岸 勇君) 境 欣吾君。
 〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 今申し上げましたように、地権者の皆さんの意見も含んで、解決の方向が図られるような方向をぜひ考えていただきたいというふうに思います。
 次に、質問したいのは、耕作放棄地が増えることをどのように考えるかということです。
 地権者として、請け負う者と話し合いをし、認識を共有できたとしても、耕作しづらい田んぼをどうするのかという根本の問題は変わりません。先ほど述べたように、そのような田んぼが今後も増えることが懸念されますが、そのような田んぼの存在を、時代の流れで仕方のないことと考えるのか、それとも、大切な農地は何としても維持しようとするのか、大切なポイントだと思うので、ぜひ見解をお聞かせ願いたいと思います。
 食料自給率の異常に低い日本ですが、国民の多くは、世論調査でも示されているように、国産の物を食べたいと望んでいます。ですから、農地としてあるところは、何とかして農産物をつくるということに努力すべきと思います。水路や農道の整備で耕作をしやすくするとか、土地事情に合った持続可能な栽培体系を考えるとか、農地を農地として守っていくことを考えるべきと思います。考えをお聞かせください。
○議長(川岸 勇君) 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 議員が述べられましたとおり、農地を農地として守っていくことは大切なことであると考えております。
 しかしながら、水路や道路の整備がなされていない市街地周辺の農地は、先ほども申し上げましたように、住宅地に隣接するなど、農地として耕作するには大変厳しい状況にあります。
 農地として守る手だてといたしましては、水の確保や排水等になかなか難しい面もございますが、貸し農園として活用されることも1つの方法ではないかと考えているところでございます。
 また、これまでも周辺地域の深江地区や中神地区などで取り組まれた水路や道路など面的に整備も可能な土地区画整理事業や、農地以外の利用方法として、宅地化も考えられます。
 いずれにいたしましても、地域の皆様方や土地所有者の皆様方の話し合いが最も重要であると考えております。
 以上でございます。
○議長(川岸 勇君) 境 欣吾君。
 〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 機械的、硬直的なことを言うつもりはありませんけれども、農業を取り巻く環境は随時変化をしていきます。そのときに、農地を守ろうという気持ちがちゃんとあるかどうかということは大変大切なところだと思うので、そのことをぜひ踏まえた上で、施策を実行していただきたいというふうに思います。
 次に、お聞きしたいのは、昨年の6月議会でも質問しましたが、大規模農家をあわせ、中規模、小規模の農家の存在も、大切な農地の支え手として支援していく考えはないかということです。
 農地の特性によって、作物体系も違っていきます。それに応じた農法や営農のあり方も違ってきます。大型農家の得意な農業もあれば、小規模農家だからこそ、手間をかけて展開できる農地もあります。一経営体で大きな収益を上げる農業もあれば、利益は大きくなくても、持続的に農地を維持し、地域に産物を供給して喜ばれる農業、兼業でも、定年後でもやりがいを持って臨める農業の方法もあるのです。大規模も小規模も、耕す意欲のある者の総力で農地を守り、食べ物をつくっていくことが求められていると思います。多様な農民がいてこそ、農地は守られると考えられないでしょうか。
 稼ぐ力のある優秀な農家ばかりでなく、稼ぎ方にはばらつきがあるかもしれないが、農地を耕し、物をつくりたいと思う人が1人でも多く頑張れるような環境づくりが農地を守っていくことにつながると思います。見解を伺います。
○議長(川岸 勇君) 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) この御質問につきましては、昨年の6月議会で市長が答弁いたしましたように、国の施策が、担い手による農業経営の推進へ完全にシフトしていることから、本市におきましても、経営規模の大小で区分するのではなく、認定農業者制度、そして、6次産業化など、意欲ある農業者へめり張りをつけた農業施策を展開し、地域の実情に応じた、多様な担い手による地域営農体制の構築が図られるよう取り組んできたところであります。
 議員が述べられましたように、農地を耕し、農産物をつくりたいと思う農業者が1人でも多く頑張れる環境づくりは大切ではございますが、近年は、全国的に農業者の高齢化や、若者世代においては会社等の兼業が難しくなってきたことの理由から農業離れとなり、農家戸数は減少の一途となっております。
 本市におきましても、この傾向が顕著なものとなっていることから、企業的経営体、集落ぐるみの協働型の集落営農組織の設立や法人化を推進してきたところであり、今後とも持続可能な農業の展開を図っていくためにも、生産者が利益を上げ、稼ぐ農業の実現に向けた取り組みを行う環境づくりが、結果として農地を守っていくことにつながるものと考えております。
 以上でございます。
○議長(川岸 勇君) 境 欣吾君。
 〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 選別的な政策ではなくて、農地に向かう気持ちのある人を全て生かすということをぜひ考えてほしいと思います。
 次に行きます。
 多様な産物を多様な営農でつくるためには、それを支援する仕組みも必要です。砺波市には、さまざまな特産品があります。大型機械の参入がなくても、維持し、広げていくことができるとなみブランドと認定された産物もあります。平成29年度を基本に、今後の10年間を見通してつくられた砺波市農業農村基本計画では、たまねぎの大幅な伸びや里芋、白ネギ、ニンジン、ブロッコリーなどの増産が計画されていますが、ほかは概ね現状維持、乳牛の飼育頭数は減少する目標値になっています。10年間の目標は、この間の推移を反映したものと思いますが、せっかくのブランドをさらに展開し、生産を拡大していく方向や地域に適した新たな特産をつくり出していくといったことが目標の数値からは読み取れません。
 砺波市農業再生協議会水田フル活用ビジョンでは、チューリップなどの球根栽培面積が2020年度には20%減少の目標になっています。大門素麺の原料として栽培し始めた20ヘクタールの小麦が、生産を見通した産品の中に表示もされていないということは大変残念です。地域や関係者の皆さんと話し合いを進める、意欲的、挑戦的な農業施策が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
 多様な生産者による多様な産品の栽培、あるいは、例えば地域循環を担う有機農法による栽培など、多様な農法による栽培を展開していくためには技術指導が欠かせません。しかし、残念ながら、県や農協の指導体制は決して手厚くなったとは言えません。こういった体制を強化していくことが大切ではないでしょうか。関係機関への働きかけをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、見解を伺います。
○議長(川岸 勇君) 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 本市の農業、農村の目指すべき将来像を明確にした砺波市農業農村基本計画の策定においては、企業的経営体、集落営農組織、そして、種もみ生産の稲種部会、市球根組合、青年農業士、女性農業士など、地域の農業者や県、そして、となみ野農協、土地改良区などの関係団体から意見を聴取してまいりました。
 また、水田フル活用ビジョンの策定に当たっては、市水田農業推進協議会が、作物ごとの取り組み方針や目標作付面積等について、各地区の協議会会長や関係団体等の皆さんから意見を求め、話し合いを進めながら策定されたところでございます。
 なお、農業農村基本計画や水田フル活用ビジョンは、定期的に評価し、見直しを行っているところでございます。
 意欲的、挑戦的な農業施策が必要との御意見でございますが、となみ野農協が積極的に取り組む高収益作物たまねぎや、需要が増加傾向にある業務用米の生産は、これまでにない斬新な取り組みであると考えております。
 多様な生産者による多様な農産物の栽培や有機農法などの栽培を展開するための技術指導につきましては、となみ野農協においては、たまねぎを初め、園芸作物の生産振興などを図るために、本店に機能を集中し、若手営農指導員の育成や技術指導の向上に努められております。
 また、ゆずを初め、シャクヤクやマコモダケ、タイニーシュシュ、夏白菜のことでございますが、多様な農産物の技術指導につきましても、農協の営農指導員と県の普及指導員が一体となって取り組みをいただいております。
 また、県には、有機栽培など、環境保全型農業の取り組みについてもしっかりと御指導をしていただいているところであり、引き続き農業者への技術指導をお願いしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(川岸 勇君) 境 欣吾君。
 〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 農協や県の指導が、それぞれの地域の末端の農家のところにも行き渡るような、そういう体制をぜひとも考えていただきたいと思います。
 最後に、今後の農業政策のあり方についてお尋ねします。
 昨年の6月議会の農業に関する質問で、国連が2014年を国際家族農業年として、家族農業の価値を再評価し、その強化のための政策を奨励したことについて触れました。
 国連は、さらにこの国際家族農業年を1年の短期の取り組みに終わらせず、10年かけて十分な家族農業の奨励をしていこうと、2019年から2028年までを家族農業の10年とすることを総会で決めました。目標としているのは、家族農民の生産性と所得の向上、干ばつや洪水などの災害に適応力を強める持続可能な食料生産、農村雇用の増大と農村から都市への移住人口の減少など、日本の現状にもぴたりと当てはまるものです。
 国連は、これまで、近代化、大規模化による「緑の革命」を途上国でも、先進国でも推進すれば、飢餓も貧困もなくなり、豊かになるとしてきたのですが、実際には農薬や化学肥料の多用によって、環境汚染が広がり、化石燃料という資源への依存を深めて、気候変動に及ぼす影響が懸念され、しかも、飢餓はなくならず、穀物価格の高騰による食糧危機に直面することになりました。これを契機に、国際社会は、農業政策を家族農業中心に切りかえたのです。
 今、日本で推し進められている農政は、保護政策を次々に取り払い、輸入自由化を進めながら、効率化、大規模化を迫るものであり、これまで国際社会が推し進めてきて、その見直しを迫られた農政そのものです。38%と低下に歯どめがかからない食料自給率を引き上げるためにも、そのために、耕作放棄地を再び豊かな農地としていくためにも、家族農業の10年で提起している農政の方向の重要性を考えていくべきと考えます。利益第一主義の企業的農業でなく、地域コミュニティーに支えられた営農組織も家族農業の一つの形態だと考えますが、家族農業を評価し、奨励していく方向にこそ、砺波市の農業の未来があると考えますが、見解を伺います。
○議長(川岸 勇君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 議員が述べられましたとおり、本市の農業は、家族農業で支えられてきたという事実がございます。農業者の高齢化、後継者不足などから、他市に先駆け、個別経営体の大規模化ですとか、企業的経営体、それから、特に特徴でありますが、集落営農組織の法人化などを進めてきたというところでございます。
 また、国では、持続可能な農業を目指して、平成35年まで、認定農業者ですとか、集落営農組織など、効率的かつ安定的な農業経営を行う経営体である担い手が農用地の利用に占めるシェアの目標をどれだけにするか、8割として掲げて、農地中間管理事業など、効率的で安定した農業に向けた施策が展開されており、砺波市におきましては、3月末現在の担い手が農用地の利用に占めるシェアは約7割となっております、7割強となっております。
 家族農業を評価して、奨励していく方向にこそ、砺波市の農業の未来があるとの御提言でありますが、先ほども述べましたように、国の施策が、担い手による農業経営の推進に完全にシフトしているということ、砺波市におきましても、栽培技術等のノウハウを持って、自立できる意欲を持って持続できる農業に取り組む家族農業を別に完全に否定しているものではありませんし、引き続き認定農業者ですとか、集落営農組織を含む、意欲ある農業者へめり張りをつけた農業施策を展開して、例えば今のICTなども使った次世代の農業なんかも取り入れられるところは取り入れて、新たな農業の実現を目指していかなければならないのではないかと考えております。
 引き続き、今年の3月に策定いたしました砺波市農業農村基本計画の基本目標であります、活気ある稼ぐ農業の実現に向けて、農業、農村の振興に取り組んでまいりたいと考えております。〔議長、反問します。〕
○議長(川岸 勇君) 反問について、発言を許可します。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 今ほどの質問で、議員からは、家族農業を評価して、奨励していく方向にこそ、砺波市農業の未来があるという御提言でございましたが、先ほど申し上げましたが、砺波市の農家の現状を見ますと、いわゆる農業者、販売農家の9割が60歳を超えているという状況、また、先ほども申し上げた担い手へのシェア率が7割強だということがまず現実としてあります。
 実際、いろんな、政策の転換だとおっしゃいますけど、米消費が減っているということ、これは農業の問題以前の問題でございますし、それから、結果として、米価格の低迷ということによります農家所得の減少に加えまして、人口減少、少子高齢化などの進展、先ほどの、それとも関連するんですが、ライフスタイルそのものの変化など、農業を取り巻く環境が変わっているということでありまして、従来の家族経営、小規模な家族経営の農業が、じゃ、本当に立ち行くのかということがやっぱり私にとっては疑問であります。
 こういった状況に対応するために、やはり国が、担い手の強化によります農業経営の推進にシフトしていくというのも、理由としてはわからないわけでもありませんし、具体的には認定農業者ですとか、集落営農組織が地域の中心となる経営体となって、将来の規模拡大なども含めて、機械の導入ですとか、設備投資などによる生産コスト自身の削減を行って、効率的で安定した農業の経営に努めているというのも現状だと思います。
 実際に砺波市でも、小規模農家であっても、いわゆる稼ぐ農業を実践しておられまして、そういった方々は大変意欲のある方々ですし、農家の中でも、複合経営ですとか、6次産業化などを積極的に進めて、自らでいわゆる経営努力をされておりまして、利益を上げていらっしゃる方々でありまして、支援策を頼りにしているという方はそんなにいらっしゃいません。
 農業で稼いではいけないのじゃないかみたいな印象を与えますが、稼ぐ農業ということはどういうことかというと、およそ産業であれば、やはり利益を上げていかなくてはならないのは当たり前でありまして、その点については、農業、稼いで、言葉のとり方かもしれませんが、稼ぐ農業自体を敵視するというのはいかがかなと思います。
 それから、集落営農組織、先ほどおっしゃいましたけれども、その集落営農組織だって、現状を見てみると、だんだん高齢化しています。それから、後継者も、例えばそのお父さんの子どもさんがそこに入ってくれるかというと、もう全然入ってくれないという現状もあります。そういった意味でも、地域農業の維持自体がかなり厳しくなっているという経営体もあります。新たな担い手を発掘するとか、集落営農組織を強化するということが、やはりこれは喫緊の課題ではないかというふうに思っています。
 家族農業についてのことですが、少し集落も入れるみたいな話がありましたが、国連や農林水産省、いろいろ調べてみました。やはりその中の定義というのは、やはり家族ベースで行われる農業活動全てを指している。1戸の家族により、若干の雇用者はあってもいいようですが、管理、運営がなされておって、男女を問わず農作業の大部分をその家族内の労働力により営んでいる農業というふうに定義づけがあります。その前提としていきますと、やはり集落営農組織というのは、いわゆるおっしゃる家族農業ではなくて、地域のそれぞれの農家の集まりである、別の組織だと。だから、集落、家族農業には該当しないということも私は申し上げたいと思います。
 この後も、しっかりと将来を見据えて、農地を集落を図り、持続性のある農業を進めるとともに、農業に取り組む若い人たちが一定の所得を得ることで、雇用を確保して、また、競争力の強化を図ることによって、安定的な農業経営による、魅力ある産業として、活気ある稼ぐ農業を目指すべきではないでしょうか。
 議員は、家族農業を守るべきということですが、じゃ、後継者がいない状況の中で、次世代につなぐ担い手の確保のためには、やはり持続的で安定的な農業に取り組むということが大事でありまして、家族農業を継続することが、本当に地域を継続的に支えていく。それよりももっと、私が思うのは、持続可能な産業としての農業となって、砺波市農業の発展に結びつくというふうになるのでしょうか。
 例えば自家用の野菜ですとか、飯米を中心にして、じゃ、ぎりぎり販売農家になるぐらいのサイズの農家の方々の、そういう農家は、持続可能でしょうか。若い人にとって、魅力はあるでしょうか。結果、担い手がいなくなり、農地は耕作放棄をされ、地域社会の空洞化につながっていくんじゃないでしょうか。
 議員は、さっきも言いましたが、企業的農業というと、家族農業の対比みたいな感じで考えておられるようですが、農業も、先ほども言いました産業であるわけですから、産業というのは、企業的感覚なしに成り立つものではないと思います。どの方も、つくったものを、どういうところに販売して利益を上げる、また、喜んでもらえるということを考えて、農業もされているんだと思います。
 国際家族農業年の話をされましたが、家族農業ですか、言われましたけれども、これは、要はいわゆる、例えば熱帯地域のモノカルチャーのプランテーションみたいにありますね、バナナ園とかパイナップル園みたいな。あればかりつくったら、自分たちの食べる物もなくなってしまった。そういったことですとか、環境破壊、例えばアメリカの大規模な農場みたいなものですね。ああいったものに対する国際的な反省というのは、先ほど議員がおっしゃったとおりでありまして、こんなのでいいのかということになったんだと思いますが、じゃ、そのことと砺波の今の農業の現状を同じ流れで捉えるというのは、全て当てはまるとおっしゃいましたが、それは的確ではないと私は思います。
 改めて、議員の言われます家族農業の定義、これは少しおっしゃいましたけれども、やはりこの家族農業の定義が私とあなたと違っていると、議論になりません。集落営農を含むのであれば、かなり共通する部分もありますが、それを言うのであれば、このような質問はおかしいと思います。
 それから、その家族農業の奨励がちゃんとつながるかと、幾つか例をおっしゃいましたけど、持続できるかということが私は大きなポイントだと。その点について、2点、反論、反問させていただきますので、よろしくお願いします。
○議長(川岸 勇君) ただいまの反問について、答弁願います。
 境 欣吾君。
 〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 市長の反問にお答えします。
 最初に申し上げたいのは、今日の農業を取り巻く環境が大変厳しくなっている。家族経営での農業が立ち行かなくなっているということですけれども、こういった環境の変化というのは、自然現象ではなくて、農政の変化によるものだということです。
 戦後の農地改革以降、自作農の生産を向上させる自作農体制を基盤とした食料増産、自給政策が進められたわけですが、その後、日本が、GATT体制に参画し、貿易自由化が進められるとともに、経営規模の拡大を目指す構造政策がとられ、小規模農民の農民層の分解が促進されました。農家数が劇的に減少することになりました。規模の大小にかかわらず、全ての農家に向けられていた農業政策が、国の導こうとする大規模で、経営感覚のある経営体に特化する選別的な農政が行われた結果、小規模な家族経営が激減したのです。欧米では当然のこととして行われている所得補償や価格補償を削減しながら、自由化を進め、農産物を市場原理に投げ出してきたことによる当然の結果です。
 農業の多様性も失われていきました。砺波市には、養鶏を営む農家はなくなり、畜産も減少する目標しか立てられない状況にあります。山間地からの人口移動に歯どめがかからず、集落の存続さえ危ぶまれています。この方向にさらに進もうとすれば、今抱えている困難をさらに大きくすることにしかなりません。既に大規模な営農を営んでおられる方はもちろん、小規模であっても、兼業であっても、意欲のある人が、それぞれの特性や地域性を生かして農地に向かえるよう支援すべきです。
 当面、まずは全ての農家を対象にした価格補償や所得補償政策の復活を国に強く求めていくべきと思います。砺波市として、特別に支援しなければならないところは独自に支援することも考えるべきと思います。
 集落営農組織は、家族農業には該当しないとのことでしたが、家族農業の定義についてはさまざまな議論があり、国際的に確立されているわけではありません。小規模・家族農業ネットワーク・ジャパン、呼びかけ人代表の愛知学院大学、関根佳恵准教授は、利潤追求が第一目的の資本的なつながりによってつくられた農業経営を企業的農業と呼ぶのに対し、家族農業を、人的つながり、きずなを持つ社会集団による農業と定義したいと述べておられます。私も同感で、地域コミュニティーに支えられ、地域のみんなの田んぼは地域で守り、維持していくという思いで営まれる営農は、まさに地域のきずなに支えられる家族経営的な営農であり、利潤、効率を求める企業的な経営では見捨てるような圃場であっても守っていこうとする意思の働く経営体だと考えます。困難に陥っている集落営農組織は、さらなる統合、再編で対策すると述べられましたが、さらなる統合、再編で解決の方向を求めれば、将来的には事態はもっと深刻になると考えます。営農組織を大きくするための統合を進め、結果として、地域コミュニティーの枠からはみ出していけばいくほど、住民と営農との距離は広がります。農業の生産活動を日々の生活の中で身近な、親しみのあるものと感じる人がますます減少することになります。
 私の暮らす地域での営農組合では、自作農と営農組合とが協力し合いながら、地域の農地を耕作していく仕組みがとられ、1ヘクタールに満たない兼業農家であった方が、退職後に営農組合の中心的な役割を果たしておられたり、非農家の方が農作業の働き手として参加されていたり、たまねぎや麦の作付などの作業が、自作農の方の20台近くのトラクターやさらに溝つけや種まきなどの作業員としての何人もの方の働きがありという共同作業で行われています。まさに地域コミュニティーの力だと思います。
 農業は環境や天候に制約される産業であり、工業と同じ発想で捉えることのできないものです。規模を大きくしても、得られるスケールメリットは限定的であり、そのために失われることも多いのです。競争に勝つことを強調するほど、耕作放棄地が増えることについては質問で述べたとおりです。そもそも食料自給率が異常に低い日本の国で、競争に打ち勝つ農業を目指すというのは適切でないと考えます。勝つ産地があれば、負けるところもあるというのが競争です。負ける産地で農業が衰退していくのを傍観している余裕は日本にはないはずです。可能性を組み尽くして、全ての農地を耕す。そのために必要なことをやり尽くすという姿勢こそが求められているのではないでしょうか。
 食料を生産する特別の役割はもちろん、国土を守るという大切な役割をも担うのが農業です。地域の文化を継承し、次の世代につないでいく上でも、農業の存在は欠かせません。農業の果たす多面的な機能を軽視し、経済的な効率ばかりに目を奪われると、取り返しのつかない事態を招きます。農山村から都市部への人口移動はとまらず、地域が存続できなくなって荒廃し、鳥獣による被害の増大や、ひいては災害に脆弱な国土をつくっていくことにもなります。
 東日本大震災以降、若者の農業に対する見方が変わり、農村で生活したいという志向が高まっていることを先の議会でも述べましたが、その若者たちが望んでいるのは、利益追求第一の企業的な農業ではないはずです。自然と共存しながら、命の源をつくり出す営みに心が向いているのであり、地域の仲間と生活しながら、その喜びを共感したいと望んでいるのだと思います。農村回帰志向が全国的で継続的な現象になっている今こそ、多様な営農形態で、砺波の農業を豊かにしていく方向を選ぶべきと考えます。
 最後に、担い手への農地の集約が進んでいるのに、家族農業が持続可能な農業の発展に結びつくのかとの質問ですが、これは、市長からも話がありました。家族農業という言葉をどう捉えるのかという認識の差によって、こういう議論を展開しているというだけであるならば、あまり意味のないことかもしれません。しかし、現実に今、砺波市の特産品、チューリップや数々のブランドがありますが、そういったものはいわゆる家族的農業の手によって担われているということは事実だと思います。家族農業に未来を託せないということになれば、となみブランドの未来はないということにもなってしまいます。家族農業を大いに支援し、となみブランドを砺波の誇れる産品としていくためにも、ぜひとも家族農業を支援していく、そういう方向で頑張っていただきたいということを申し上げて、私の答弁とします。
 〔市長(夏野 修君)「反問の答弁に対し、再質問します。」〕
○議長(川岸 勇君) 再質問ですね。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 今ほどの反問の答弁に対します再質問をさせていただきます。
 議員と私の中で、多分大きな問題点で、私が質問でお答えがなかったと思う点は、やはり家族農業の定義について、国際家族農業年ということを言われたのであれば、その国際家族農業年をやっている国連なり、それを条約、条約ではなかったですね、あれを受けてやっている、その定義でスタートする議論であるべきだと思うんです。
 御紹介された、そのネットワークのホームページも見せていただきました。そういう主張のあることも当然理解できますし、それはそれだと思いますが、その議論をしてしまうと、そもそも担い手の考え方、全然ゼロから違ってしまうわけですよ。特にこの集落営農に対する評価というのは、多分割と近いと思うんですけれども、全くそういう話になってしまうと、そもそも何の議論だったのかと思います。
 いわゆる集落を除いた本当の小規模農家みたいなことの議論になれば、お互いもっと言うことはあると思うんですが、そこらについて曖昧にされたまま、集落営農も家族的農業だというふうに言われてしまうと、どういうことなのかということで、またしっかりと提言をお願いしたいと思います。
 それから、担い手、そうなっていって、家族的経営がちゃんと継続につながるじゃないかという話ですけれども、じゃ、例えば今、チューリップの話、特に議員もチューリップをつくっておられますが、さっきも、数値目標、減っているんじゃないか。減らしたのはあなたでしょう。あなただって、今年やっていない。結局、いろんな情報があっても、やっぱり経営基盤が脆弱だったり、いろんな個別の事情があって、やっぱり集落営農でやっていたり、それから、チューリップの大規模体はないでしょうけれども、そういう形であれば、バックアップができたかもしれません。実際、そういうこともあるわけですよね。例えば私聞いたのでは、集落営農でチューリップをやられたところは、多分チューリップ農家が一番苦労されている一つに、田んぼを借りる話があると思います。集落営農ですと、ローテーションが全体で見られるので、非常にそういう点ではいいメリットもあったという話もされます。これもやっぱり経営体を強化してやる1つの一環だと思います。
 それから、チューリップに対しての支援も、これは、歴代の市長さんが、本当にチューリップのことを大事にして、いろんな交付金なり、国の制度に上乗せに上乗せに上乗せを重ねて、県にもお願いして、かなりの支援をしています。でも、こんな状態だというのは、もうチューリップ農家、あなた、一番わかるでしょう。やっぱり本当に持続ができるかどうかということについては、やっぱり心配になるというのは当然の話であります。
 ですから、先ほどの答えでは、持続につながるということの部分の答えにはなっていないと思いますので、なっていないというか、お答えいただいていないと思いますので、その2点、定義をきちっとしましょう。
 集落営農みたいな話を家族農業的なものと、家族農業という定義は分けて議論するようにしないとだめだと思いますので、もう一度、その定義についての御回答、それから、後段申し上げました、本当にそれが持続可能かということについて、もう一度、教えていただきたいと思います。
○議長(川岸 勇君) 再質問に対する答弁をお願いします。
 境 欣吾君。
 〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 今ほどの市長の質問についてです。
 まず、最初の点ですね、いわゆる家族農業というものをどういうふうに定義をするのかというふうなことについてですが、先ほどからの話にあるとおり、いわゆる集落営農組織、あるいは、担い手と言われている方は当然、家族農業を担っている方ですし、地域コミュニティーに支えられた集落営農も、私は家族農業の一形態だというふうに思っています。
 何を問題にしているかというと、いわゆる利益を第一に追求する企業的な農業と区別をされるということです。
 先ほどの答弁でも話をしていましたけれども、本当に利益を第一義的に追求をするのであれば、効率の悪い田んぼをわざわざ耕す必要はありませんし、採算の悪いところというのは切り捨てていくというのが当然です。
 株式会社で、いわゆる資本を投下している人ですね、株主の人たちに対した責任を果たしていくというふうなことになれば、利益が最大限上がるという方法を選択しなければならなくなるわけですね。しかし、農業をそれと同じ感覚で捉えると、先ほどから申し上げているような問題が次々と出てきてしまうのだと。ここのところで、本当に考えていかなければいけないのではないかと。
 〔市長(夏野 修君)「定義と言っているんです、定義。」〕
○2番(境 欣吾君) いや、定義は、先ほど申し上げたとおりですよね。
 〔市長(夏野 修君)「集落営農も入れるんですか。」〕
○2番(境 欣吾君) 人的なつながり、きずなで結ばれた社会的な集団によって営まれる農業だということですね。
 もう一つ目、持続的な農業が、それで可能なのかというふうなことですが、それは、初めに私が申し上げたとおりです。さまざまな状況が困難になってきている最大の理由は、国の農業政策の向かっている方向がこういうふうな状況をもたらしているのだから、砺波市だけの力でこれを変えていくというのは本当に難しいことかなというふうに思いますけれども、だからこそ、国の農業の政策のかじ取りをちゃんとした方向に向かってくれということを言っていくべきだというふうに思っています。
 以上です。
○議長(川岸 勇君) 境 欣吾君。
 〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 次の質問に入ります。
 障害者への医療費拡充について、医療費助成の拡充について質問します。
 富山県精神保健福祉家族連合会の皆さんから、自治体の重度心身障害者医療費助成制度の対象に精神障害者も加えてほしいとの強い要望が出されました。
 精神障害者への保健福祉施策は、他の障害者福祉に比べて大きく遅れて進められ、現在もさまざまな格差が残されています。精神障害者に対する正しい理解が得られず、社会の対等な1人の人間として扱われず、差別と隔離の歴史が長い間続いたからです。
 世界的には、例えばナチス政権下では、知的障害者と精神障害者は生きるに値しないとして隔離され、抹殺されるということがありました。最近の日本でも、同じ考え方による犯行で、障害者施設で暮らす多くの方の命が奪われるという痛ましい事件が起こりましたが、そういったことが国の施策として行われる、そういうふうなことが人類史上でも忘れられない、忘れてはならない、そういうふうな時期がございました。
 日本でも、明治以降、精神障害者は家族が自宅で監視するとされ、自宅の1室や物置小屋の一角に監置されていました。昭和25年に精神衛生法ができて、ようやく自宅監置が禁止されました。沖縄では、沖縄戦による医療環境の劣悪さなどから、精神障害者が監置される状態が1972年の本土復帰まで続いたと言われています。
 平成7年に、精神保健福祉法が施行され、精神障害者保健福祉手帳制度が創設されました。平成23年の障害者基本法で、障害者の定義が、身体、知的に加え、発達を含む精神の3障害とされ、その一元的サービスが前進し始めたのは7年前のことです。四十数年前に創設された富山県の重度心身障害者医療費助成制度が、精神障害者への施策の遅れという歴史的制約を受けて今日に至っていますが、3障害の一元的サービスが強調されている今だからこそ、発想を転換するべきだと思います。
 現在、精神障害者は、通院については、自立支援医療によって、本人負担が1割に免除されていますが、65歳未満の方は、重度心身障害者医療費助成制度の対象にはなっていません。また、65歳以上であっても、3級の方は対象とされていません。同じ障害者として支援するなら、これらの方も対象とすべきと考えます。
 平成30年度では、既に26都道府県が全世代を助成対象としています。北陸・信越・東海地域で、全世代が対象となっていないのは石川県と富山県だけです。同様の要望が県にもなされましたが、市や関係団体の意見を聞きながら考えるとのことでした。県に対して、強く要望していただきたいと思うものですが、見解を伺います。
○議長(川岸 勇君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 精神障害者に対する支援というものが、いろんな経緯から遅かったというのはおっしゃるとおりだと思っております。
 そういった中で、いろんな、後発ではありますが、いろいろの制度がスタートしていって、先ほど御紹介ありましたけれども、富山県も幾つかやられたということであります。
 富山県の重度心身障害者医療費助成制度、これが一番今、話題になっているんですが、今ほど境議員もおっしゃいましたとおりであります。ただ、他県との比較で、いろいろ重点が違いますので、一概にどちらが充実しているかと言い切れない部分もあることは御理解いただきたいと思います。
 例えば65歳以上の精神障害者の医療費助成につきましては、富山県では、手帳の1級、2級所持者の通院と入院医療の保険診療全額が助成対象です。例えば福井県では、通院医療のみが対象ですし、新潟県では1級のみが対象、また、加えて一定額の自己負担もあるということで、例えば物によっては、富山県の制度が手厚いという部分もあるわけです。
 ですから、必ずしも富山が全然だめということではないということ、それから、他方、自立支援医療制度の、医療の制度は、身体及び知的障害ではなくて、精神障害にかかる通院医療費については、手帳の所持にかかわらず、継続治療が必要な方は助成制度となります、助成対象となります。自己負担が1割かつ所得に応じた低額の限度額にも抑えられていることもあります。
 とかく、重度の精神障害者の入院医療については長期になるということが多いわけですから、自立支援医療の対象外であり、経済的負担が大きくなりがちになるわけですが、砺波市では、独自に65歳未満の障害基礎年金を受給されている非課税世帯の障害者につきましては、入院に係る医療費の2分の1を助成しておりますし、また、主に精神障害者の方が対象になっているというのが現状でございます。
 このように、議員も指摘されましたけれども、精神障害者の医療費助成について、どこに重点を置くかということで、各県、それから市町村の制度に違いがあるわけですが、いずれにしても、この点については、この間、富山県市長会でも議題になりまして、全国市長会のほうでも、国に対する要望事項の中に入りました。全国一律の重度心身障害者等の医療費助成制度の創設ということと、それから、手帳の1級所持者の入院を自立支援医療制度の対象にしてくださいという提言をしているところであります。地方6団体の中から出ておりますから、それなりの反応は期待したいなと思っておりますが、いずれにしても、国及び県の対応をしっかり注目していきたいと思います。
 以上でございます。
○議長(川岸 勇君) 10番 山本善郎君。
 〔10番 山本善郎君 登壇〕
○10番(山本善郎君) それでは、通告に従い、分割方式により、砺波市の市政について質問をいたします。
 まず初めに、大項目の1、みらいに活力をつなげるまちづくり、1項目めのうち、主要施策、農業の振興関連事項3点について伺います。
 まず、第1点目、コンクリ農地について伺います。
 このたびの通常国会において、農業関連法案が成立したところでありますが、そのうち農地法の改正で、農業用ハウスなど、栽培施設の底地を全面コンクリート張りにした場合も農地扱いになったところはまことに歓迎するところだというふうに思います。
 これまでは非農地扱いであり、固定資産税などの負担があったわけですが、この現状を見直された形となったところであります。市でも、イチゴ栽培やチューリップ切り花など、栽培や管理を行う上で作業能率が高まることは間違いなく、このことから、多くの農産物が生産されているところでございます。
 そこで、施行されるに当たっての問題点を解消していただきたいものです。
 農地法上の農地とは、耕作の用に供される土地をいいますが、農地転用が済んでいる栽培施設の場合や畜舎向けにコンクリ面にした場合などが対象外となっているところであります。
 また、農業委員会が利用状況を監視する仕組みのため、農家は、事前に届け出が必要であり、農業委員会は、年に1回以上、調査もしくは立ち入り調査も行わなければならないとのことであります。このことから、業務内容が増えることになります。
 また、大規模な植物工場の乱立により、日照権が問題になると思われ、また、施設の高さ制限など、懸念されるところでありますが、これに対する対応策について、商工農林部長にお伺いいたします。
 次に、第2点目は、栽培中断でも、転作助成金の交付は可能かどうかを伺います。
 気象庁が10年に一度の現象として、大雨特別警報とする、西日本を中心に広い地域を襲った西日本豪雨で、農業生産にも大きな影響が出たところでありますが、砺波市においても関係がないと思えないことから、お伺いするものであります。
 今回の自然災害において、栽培途中で被災した場合でも、国の交付金が受けられるような農家経営の再建を後押ししていただきたいものであります。仕組みの中では、水田活用や畑作物の直接支払交付金は可能のようではありますが、産地交付金についてはどうなのか、また、農業共済への加入状況についても支払い対象になるように、連携を密にして、対象にしてほしいものであります。
 また、他の制度についても対象となることがあるのか、これも商工農林部長に伺います。
 次に、3点目、国が進める農業経営者向け働き方改革の中身について、砺波型農業にどのような影響があるのかを伺います。
 安倍政権が最重要課題と位置づける働き方改革関連法案についての農水省の働き方改革の指針が示されたところでありますが、農業分野での見直しが必要なのか、興味があるところであります。
 そもそもこの中身は、過労死が助長されると批判がある中で、多様な働き方を選択できる社会の実現に向けて論議されているところでありますが、どのような提示があり、対応できるのかを伺うものであります。
 農業分野は、少子高齢化や若者の農村離れが原因で人手不足が深刻化しているように思いますが、そこで、若者や高齢者、そして、女性など、幅広く多くの皆さんが働きやすいように、作業、雇用環境を改善されるように指導することも必要ではないでしょうか。そのためには、経営者が率先して働き方を見直すことや、働きやすい、やりがいのあると実感できる職場をつくることに、さらに人材を育成し、発展するように求められているものかと思います。市としても、どのように農業者に見直しさせるのか、商工農林部長に伺います。
 以上、壇上からの質問として、以下、質問席からいたします。
○議長(川岸 勇君) 加藤商工農林部長。
 〔商工農林部長 加藤 孝君 登壇〕
○商工農林部長(加藤 孝君) 私からは、1項目めのみらいに活力をつなげるまちづくりのうち、1点目のコンクリ農地についてお答えをいたします。
 近年、営農形態の多様化により、土を使わない水耕栽培や人手不足を補うための収穫用ロボットの導入など、新たな施設や技術の導入のために、床を全面コンクリート張りにするケースもございます。
 これまで、農地転用の許可が必要であった床全面コンクリート張りの農業用施設については、あらかじめ農業委員会に届け出ることにより、農地転用の許可を必要とせず、現況農地に設置できる仕組みが創設されることとなったのは、効率的な生産技術体系を確立するなど、新たなニーズに対応した農地制度とするため、規制緩和がなされたものと考えております。
 この改正は、新たに施設を農地に設置しようとする場合に適用されることから、過去に農地を転用して施設を設置した農業者については、実態やニーズを調査し、農地転用の許可を要しない扱いとする場合の課題や問題点について、引き続き検討することとされております。
 全面コンクリート張りの農業用施設が設置されることで、周辺の農地に係る営農条件に支障を及ぼさないよう、施設の規模や該当する栽培施設の要件等については、今後、省令で定められると伺っており、国の動向を見守りながら対応してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の転作助成金の交付についての御質問にお答えいたします。
 自然災害等において、転作作物の栽培を中断せざるを得なくなった場合、水田活用の直接支払交付金や畑作物の直接支払交付金につきましては、経営所得安定対策等実施要綱において、収量が相当程度低い場合の措置として、一定の手続をし、国が認めた場合は、交付金が交付される制度となっております。
 一定の手続といたしましては、理由書の提出が必要であり、収量が相当程度低くなった要因を裏づける書類、農作物共済の支払い書類等や、適切な生産が行われていたことがわかる書類、作業日誌や種子や肥料の購入伝票等を添えて提出しなければなりません。
 なお、農作物共済制度や、水稲や麦でございます、畑作物共済制度に、大豆のことでございますが、加入されていない場合においては、農協が被害証明書を発行できることとなっております。
 また、産地交付金につきましても、水田活用の直接支払交付金に含まれておりますので、同様の扱いになるものと伺っております。
 農作物共済や畑作物共済などの農業共済制度に加入している場合においては、損害評価員により、被害の状況を確認し、適正に評価が行われます。
 次に、その他の制度につきましては、明年1月より運用が開始される収入保険制度では、経営努力では避けられない自然災害や農産物の価格低下などの収入の減少も対象になると伺っております。
 いずれにいたしましても、万一災害が発生した場合には、県を初め、農業共済組合、農協、水田農業推進協議会等の関係機関が連携し、農業者の所得確保に結びつくよう支援してまいります。
 次に、3点目の農業の働き方改革についての御質問にお答えします。
 国では、農業を職業とする方々にとって、魅力ある職場環境づくりが進むよう、農業経営者や有識者等で構成する農業の「働き方改革」検討会で議論を重ね、農業の働き方改革経営者向けガイドや、農業関係団体や行政に対する提言が取りまとめられ、公表されました。
 農業経営者が働き方改革に取り組む際のヒントとなるよう3つのステージが設定されており、1点目につきましては、農業経営者が経営上の課題を解決、改善するために、自らの働き方を見つめ直し、かなえたい夢を考え、経営理念をつくるための数値目標を設定することであり、2点目には、やりがいがあると実感できる職場環境づくりとして、給与体系の明確化や労働時間の短縮、休暇を取得しやすい環境をつくること、3点目には、人材育成として、経営と生産を分け、生産は経営者以外の人材に任せ、経営者は、自らの経営の発展だけでなく、地域にも貢献することとしており、農業の働き方改革への理解と共感を深め、経営者の意識改革につながる具体的な取り組みを進めることとしております。
 農業の働き方改革を進めるに当たっては、農業が、若者にとって魅力ある産業として、就農や後継者育成につながらなければならないと考えられております。
 本市における農業の働き方改革につきましては、一部の法人経営体では、残業を行わず定時での退社や、農繁期の日曜日であっても休日にするなど、既に働き方改革が進められています。
 本年度におきましても、チューリップ切り花を生産されている経営体では、若者や高齢者、女性が働きやすい快適な作業環境をつくるため、県の事業を活用し、職場環境の改善に向けた取り組み、具体的には作業所内の冷房や防寒対策、寒さ対策がなされているところであります。
 農業が若者にとって魅力ある産業となるよう、農業関係団体等と連携を図りながら、働き方改革への理解と共感を深め、農業経営者の意識改革につなげていくために、幅広い手法で働きかけてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(川岸 勇君) 山本善郎君。
 〔10番 山本善郎君 登壇〕
○10番(山本善郎君) これよりは、順次、質問席から伺ってまいります。
 次に、大項目の2、みらいに活力をつなげるまちづくり、2項目めの主要施策、生産基盤の充実整備関連事項、1点について伺います。
 その第1点目、とやま呉西圏域発展のため、連携中枢都市圏関係市長の皆様には、交通活性化支援等について、また、市の土木事業関連事業についても、鋭意、積極的に国、県への支援を要請されているところであります。
 インフラ整備の事業の中で、北陸新幹線の敦賀以降の延伸、それから、東海北陸道の4車線化、また、利賀ダム建設等、聞きたいところではございますが、ここで、この3点のうち、利賀ダム建設、その進捗状況について伺うことといたします。
 御存じのとおり、利賀ダム建設現場について、産業建設常任委員会で視察を行ったわけでございます。そこでの説明が懇切丁寧であり、利賀地域の利便性を初め、砺波平野を自然災害から守る大きな機能がある施設と十分に理解ができ、認識を新たにしたところでございます。ちょうど視察時には、数十年の年月と多くの費用をかけたすばらしい連絡橋が完成したところであり、これから大変重要な工事が始まるところを視察したところでございます。
 これからも、誠意努力され、早期の完成が望まれるところでございます。その進捗状況について、建設水道部長に伺います。
○議長(川岸 勇君) 答弁を求めます。
 喜田建設水道部長。
 〔建設水道部長 喜田真二君 登壇〕
○建設水道部長(喜田真二君) 私からは、2項目の1点目、インフラの整備状況についての御質問にお答えいたします。
 利賀ダムは、庄川本流には洪水調節機能を有するダムがない中、沿川市を洪水氾濫から守るための洪水調節と流水の正常な機能の維持及び工業用水の確保等を目的として、整備が進められている多目的ダムであります。
 平成5年の建設事業着手以降、工事用道路の建設が進み、途中、平成21年度からダム事業の検証に係る検討が行われ、平成28年度に事業継続が決定したところであります。これ以降、ダム建設事業が着実に進み、このほど、国道156号から庄川対岸の南砺市長崎地区までの利賀大橋を含む700メートル区間の利賀ダム工事用道路が完成し、来る10月14日には、一般国道471号利賀バイパスとして開通する予定であります。
 本年度は、引き続きダム本体工事に向けた転流工関連工事である河床進入トンネル工事に着手する予定と伺っております。
 一方で、近年の富山県の降水量は全国平均の1.4倍であり、北陸規模で見ますと、時間雨量50ミリメートルを超過する回数は20年前の3倍以上と、今月に入ってからも大雨警報が何回も発表されるなど、気候の変動は今後も続くものと推測されております。
 そのような中で、市といたしましては、洪水調節機能を有する利賀ダムの建設促進は、まさに命を守るインフラ建設事業として非常に重要と考えているものであり、去る7月25日には、期成同盟会を構成する沿川の各市長等が、全国治水砂防協会会長でもある綿貫民輔期成同盟会会長とともに、国土交通省本省に対しまして、さらなる建設事業予算の上積みを強く要望してきたところであります。
 幸いにして、先日の報道によりますと、新年度予算の国土交通省概算要求では、利賀ダム建設事業費として、前年度比11%増の27億2,500万円が盛り込まれたとのことであり、今後も着実に建設が進むものと期待いたしているところであります。
 利賀ダム建設事業は、北陸地方整備局管内で唯一、整備が進められているダム建設事業であります。今後とも、一日も早い本体建設着手に向けた事業促進が図られるよう、沿川の各市とともに、さまざまな機会を捉え、要望活動に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川岸 勇君) 山本善郎君。
 〔10番 山本善郎君 登壇〕
○10番(山本善郎君) これからも誠意努力されるよう、よろしくお願いいたします。
 次に、大項目3、なごやかな暮らしを育む安心づくりのうち、1項目め、市民生活の安全性の向上について、関連事項2点について伺います。
 まず、第1点目、高温による熱中症を初めとするさまざまな症状が健康に対する影響について伺います。
 昨年から今年にかけての冬は大変寒く、長期間の大雪でございましたが、そんなことは今、忘れてしまい、今年の6、7、8月は大変に暑かったところであります。気象庁によりますと、東日本の平均気温や西日本の平均気温が平年よりも1.7度、1.1度と最も高く、県内でも1.9度高く、記録的な夏であると位置づけ、地球温暖化の影響で、来年度以降も厳しい暑さに見舞われる可能性があるとのことであります。
 また、台風については、18個も発生し、過去最多になったところでございます。
 今、この9月は、今後、どのように経過するのか、関心と注意が必要であると考えます。
 また、最近では、ゲリラ豪雨や局地的豪雨も頻繁に発生したところでありますが、雷の発生頻度は少ないようにも思います。
 さて、こんな中で、幼児や小学生の皆さんを初め、高齢者の皆さんの体への負担の影響は大きなものがあったのではないかというふうに察します。特に高温による熱中症を初めとし、さまざまな健康に対する影響もあったように思われます。
 気象庁は、命の危険にかかわる災害として厳重警戒を呼びかけているところでありますが、このような自然災害は今後も増えるものとして、その状況の変化を見据え、中長期的な猛暑時代の研究や対策をしていかなければならないものと考えます。
 そこで、今日までの熱中症を初めとした患者の状況等について、市民の皆さんは今後、どのような対策をして、どのような状況に臨まなければならないのか、福祉市民部長にその対策について伺います。
 次に、第2点目、義務化されるテロ対策強化策について伺います。
 これは、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技に向け、放射性物質をまき散らす汚い爆弾など、テロへの対策強化策の一環として、義務づけられるものでありますが、強化策の対象は、セシウムやコバルトなど、「特定放射性同位元素」と言われる放射性物質のことであり、幅広く利用されているが、被爆すると健康に大きな影響を及ぼすことから、現場の意識が高まることが大切とされています。
 そこで、保管場所に監視カメラを設置したり、貯蔵容器などを堅固な扉を備えた部屋で厳重に管理したりする。そして、不審者の侵入を阻止したりする。こういったことが可能かどうか、病院事務局長に伺います。
○議長(川岸 勇君) 答弁を求めます。
 齋藤福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 齋藤幸二君 登壇〕
○福祉市民部長(齋藤幸二君) 私からは、なごやかな暮らしを育む安心づくりのうち、1点目の市内の熱中症に係る状況と対策についての御質問にお答えいたします。
 まず、熱中症の症状で市立砺波総合病院の救急外来を受診された患者さんの状況を申し上げますと、7月が48人、8月が33人の計81人となっております。そのうち症状が重く、入院された患者さんは、7月が8人、8月が4人の計12人でございます。
 次に、本市の熱中症対策といたしましては、夏場だけではなく、1年を通した体調管理として、脱水予防の啓発に努めているところであります。
 具体的には日々の生活の中で、水分を小まめにとることや、バランスのとれた食事をとること、エアコンなどで室温を適度に下げること、また、外出の場合は、帽子や日傘などで直射日光を避けることなどについて、個別にあるいは出前講座などで周知をしているところであります。
 今後とも、夏場はもとより、通年で熱中症や脱水予防を日々の生活に取り入れて、自分で体調管理ができるよう、出前講座や広報となみ、ホームページ等を通じて、健康管理の啓発に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(川岸 勇君) 答弁を求めます。
 愛場病院事務局長。
 〔病院事務局長 愛場誠一君 登壇〕
○病院事務局長(愛場誠一君) 私からは、2点目のテロ対策についての御質問にお答えいたします。
 当院において使用、保管しております放射性物質は、検査用として、人体への影響が極めて少ないもので、セシウムやコバルトなど、特定放射性同位元素と呼ばれる放射性物質ではありません。
 また、放射線物質の管理につきましては、法令の規定に基づき、頑丈な扉を備えた部屋で保管しており、取り出し時以外は常に施錠をするとともに、その出入り口には監視カメラを設置する等の対策を講じております。
 これにより不審者による放射性物質を用いたテロへの転用は極めて困難であると考えておりますが、引き続き安全管理に万全を期してまいります。
 私からは以上でございます。
○議長(川岸 勇君) 山本善郎君。
 〔10番 山本善郎君 登壇〕
○10番(山本善郎君) 次に、大項目の4、なごやかな暮らしを育む安心づくりのうち、2項目め、市民生活の安全性の向上について、関連事項2点について伺います。
 まず、第1点目、若者の積極的な社会参加を促す施策について伺います。
 成人年齢が二十から18歳に引き下げられ、大人の定義が変わることや、既に選挙権年齢が引き下げられたこととあわせ、少子高齢化が進む中で、若者の積極的な社会参加を促す施策としては、市では、となみ元気道場を初めとして、数々の施策を講じられているところでございますが、今後はどのように展開し、取り組んでいかれるのか、その施策について伺います。
 第2点目、成人年齢が引き下がることにより、成人式の取り扱いについて伺います。
 改正民法が成立したところでございますが、その内容といえば、例えば親の同意なしにローンを組むことができたり、それにより消費者被害が増えることが懸念されることや、女性が結婚できる年齢を16歳から18歳に引き上げ、男女で同じ年齢にしたこと等。
 そこで、今回は、成人式の挙行内容についてどのように変わるのか、畑教育委員会事務局長に伺いまして、私の9月定例会の一般質問を終わります。
○議長(川岸 勇君) 答弁を求めます。
 畑教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 畑  進君 登壇〕
○教育委員会事務局長(畑  進君) 私からは、まず、1点目の若者の積極的な社会参加の施策についての御質問にお答えいたします。
 本市では、各年代に応じた社会参加を促すさまざまな取り組みを行っております。
 幾つかの具体例を申し上げますと、成人者等を対象とするものとして、御紹介のありましたとなみ元気道場では、砺波市を元気に盛り上げようと、チューリップフェア期間中の花びら大砲や別所の郷・山菜まつりへの協力、庄川水まつりの運営助っ人やKIRAKIRAミッションへの協力など、多くの事業を行っており、市では、その支援を行っております。
 高校生対象といたしましては、少子高齢化が進む中、保育の実地体験を通して、子どもとのふれあい体験を行い、命の大切さを学ぶとともに、子育ての楽しさを知ってもらう取り組みに協力を行っております。
 中学生対象といたしましては、地区民運動会など地域行事への積極的な協力を初め、14歳の挑戦では、勤労体験の機会を得ることで社会の一員として働くと、そういう貴重な経験を得る事業を多くの事業所の御協力をいただきながら実施をしているところであります。
 また、小学生対象としては、地域に誇りを持ち、将来の社会参加につながるよう、地域の祭りや公民館活動等への参加を促しているところであります。
 本市といたしましては、成人年齢が引き下げられましても、引き続き各年代に合わせて、これらの支援や活動を継続して行うことにより、若者の積極的な社会参加を進めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の社会参加、いわゆる成人式の内容についての御質問にお答えをいたします。
 今回の法改正に当たり、成人式の対象年齢を何歳とするのか、そういう課題が出てまいりました。
 18歳とした場合には、高校生の1月という受験シーズンに成人式を実施するのか、さらに、改正民法が施行される初年度の2022年度は、3学年分同時に成人式を実施するのか、3学年同時に実施できる会場があるのかと、そういった点が指摘をされているところであります。
 そのため、国では、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議におきまして、関係者の意見や各自治体の検討状況を取りまとめた上で、情報発信をし、各自治体がその実情に応じた対応ができるよう取り組んでいくというふうにしておりますことから、その情報や県内他市の検討状況も参考に、法の施行までに運営方法等について検討を行いたいと考えております。
 また、本市では、成人式の後、各地区に分かれまして新成人をお祝いする集いが開催をされていることから、各地区の関係者の方々とも意見交換を行うなど、連携した対応が必要であるというふうに考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(川岸 勇君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
 これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたしました。

           議案議案の常任委員会付託
○議長(川岸 勇君) ただいま議題となっております議案第46号から議案第52号まで、平成30年度砺波市一般会計補正予算(第2号)外6件について、認定第1号から認定第8号まで、平成29年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定について外7件については、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の各常任委員会並びに決算特別委員会に付託いたします。

○議長(川岸 勇君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたします。
 お諮りいたします。明9月12日から9月19日までの8日間は、議案審査等のため本会議を休会したいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(川岸 勇君) 御異議なしと認めます。よって、明9月12日から9月19日までの8日間は、議案審査等のため本会議を休会することに決しました。
 なお、次回の本会議は、9月20日午後2時から再開いたします。
 本日はこれをもちまして散会といたします。
 どうも御苦労さまでした。

 午後 2時25分 閉議