1.会議の経過
午前10時00分 開議
○議長(山本善郎君) 皆さん、どうもおはようございます。
ただいまの出席議員は18名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
○議長(山本善郎君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問並びに議案第85号 令和2年度砺波市一般会計補正予算(第7号)から議案第91号 砺波市一般職の任期付職員の採用等に関する条例の制定について、議案第93号 砺波市病院事業の設置等に関する条例の一部改正についてから議案第99号 南砺市とのとやま呉西圏域連携中枢都市圏形成に係る連携協約の変更に関する協議について及び報告第5号 専決処分の報告についてを議題といたします。
昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
16番 嶋村信之君。
〔16番 嶋村信之君 登壇〕
○16番(嶋村信之君) おはようございます。
初めに、さきに実施されました市長選挙において、新砺波図書館整備、新砺波体育センター、小中学校普通教室エアコン設置、認定こども園の整備、少子化減少施策として取り組まれました三世代同居推進事業など、卓越した手腕を発揮され、市民の評価も高く、積極的かつ果敢に取り組まれた結果、無投票当選という輝かしい当選の栄誉を収められました。ここに改めてお祝いを申し上げます。
夏野市長は、県庁時代から培われた幅広い人脈と優れた行政経験、豊富な情報網を遺憾なく発揮され、平成29年度からの新たなまちづくりの指針として策定した第2次砺波市総合計画では、協働と持続可能な自治体経営の共通方針と、ともに輝き支えあう人づくり、なごやかな暮らしを育む安心づくり、みらいに活力をつなげるまちづくりの3つの基本方針を掲げ、3期目のキャッチフレーズとして、「もうひとつ上の“となみ”」「2ndステージand More!」のスローガンを掲げ、特に重点的かつ優先的に実施すべき10WAVEプロジェクトとして、子育て支援、防災力強化、情報発信力強化などを柱に、「さらに質の高い“となみ”」を目指し、市民が将来に希望を持てる活力ある砺波市の実現に向け、単に計画だけにとらわれることなく着実に実行しております。
それでは、通告に基づき質問並びに提案を分割方式で行います。
最初に、令和3年度予算編成方針等について市長に伺います。
令和2年1月に発症した新型コロナウイルス感染症に始まり、4月7日には改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、7都道府県を対象に緊急事態宣言が発出されました。感染拡大はとどまることなく、4月16日には緊急事態宣言対象地域が全国に広がり、拡大し、いまだPCR検査の陽性患者は収まらず、第3波の発生とともに冬場を迎えようとしております。令和3年度予算は、コロナ禍の影響を避けることはできませんが、今後とも収束に向けての状況を注視しながら予算編成をしなければならないと考えております。
1点目、国の状況は、経済財政運営と改革の基本方針2020の中で、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた経済財政状況を踏まえ、新たな日常を通じた質の高い経済社会の実現を目指すことを柱としております。また、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図りながら、国民一人一人が包摂的で生活の豊かさを実感できる質の高い持続的な成長を実現していくことを目指しております。さらに、持続可能な地方自治体の実現に向けて、公共サービスの広域化、共同化を進め、見える化を活用した効率化を加速させようとしております。
そこで、本市の新年度予算編成方針についてお答えください。
2点目、これまでの地方創生の取組の成果や課題を踏まえ、市民との対話を起点に、本市の特徴を生かし、市が抱える課題の解決や将来像の創造を目指した取組を行っています。また、より質の高い住民サービスを提供する仕組みづくりを行うため、行財政改革プランを基にした行財政改革を推進しています。
令和3年度の税収は、企業の業績悪化に伴い法人市民税の減収が見込まれます。今後も新型コロナウイルス感染症の影響に伴う個人所得と消費の落ち込みにより、税収の減少は避けることはできません。
こうした中、人口減少に伴う地方交付税の減額、公債費の増加、社会保障費の増加のほか、老朽化施設の統廃合や改修等、将来の財政運営への影響が見込まれる課題は山積しております。このことから、今後、何らかの手だてを講じなければ、将来厳しい財政運営が見込まれ、選択と集中をより一層進め、財政の健全化を推進することが必要です。
そこで、今後の財政状況についてお答えください。
3点目、新型コロナウイルス感染症対策として、ウィズコロナ、ポストコロナにおける事業の抜本的見直しをする必要があります。また、感染症拡大を踏まえ、既存事業において感染症拡大防止の対策はもちろんのこと、新しい生活様式や働き方の新しいスタイルを取り入れた事業内容の抜本的見直しを図る必要があります。
特に、第70回となみチューリップフェアに係る事業の組立てに当たっては、3密を避けた会場設営やオンラインでの実施など、感染防止対策を施す必要があります。また、来年度以後のイベント等もウィズコロナ、ポストコロナに向けた事業の抜本的見直しが必要ですが、今後のイベントの在り方についてお答えください。
4点目、SDGsの理念を踏まえた施策の推進について伺います。
将来にわたって成長力を確保するには、人々が安心して暮らせるような持続可能なまちづくりの地域活性化が重要となっています。循環型社会の推進など環境施策や健康づくり、地域コミュニティー活性化による持続可能な地域づくりなど、地域課題の解決の促進に向けて、全ての分野において積極的にSDGsのゴールを意識した事業の組立てを行うことが大切であります。
特に、環境問題(ごみの減量対策)や持続可能な交通システム(デマンドタクシー、バス)などの分野などの積極的な事業推進を図ることに対してお答えください。
5点目、財源確保に向けた取組の強化について伺います。
新型コロナウイルス感染症の影響による市民税の減収と固定資産税評価替えに伴う市税の減収などが見込まれます。未利用財産の処分、環境の変化等により遊休化している市有資産の徹底的な洗い直しと利活用、広告料収入の確保、受益と負担の公平の観点から費用を徴収するべきものがないかなど、新たな財源の確保について積極的に検討する必要があります。
特に、ふるさと納税の推進をはじめ、企業版ふるさと納税など、あらゆる歳入確保策を展開することについての考えをお聞かせください。
6点目、住民協働と民間連携についてお伺いいたします。
行政サービスの目的や効果をより発揮し、住民サービスの質を高めるため、市民との協働や民間事業者、NPO団体等の連携を強化する視点で考えることが大切です。
そこで、これまで以上に企業や大学など、民間の力を十分に活用して事業の推進を図ることについてお答えください。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) おはようございます。
私からは、1項目めの令和3年度予算編成方針等についてのうち、まず1点目の本市の新年度予算編成方針について及び2点目の今後の財政状況についての御質問にお答えをいたします。
まず、本市の新年度予算編成方針につきましては、昨日、島崎議員の代表質問にお答えしたとおりでありまして、引き続き、国、県の動向を注視し、各種施策について、財源を確保しながら事業の進捗を図るものであります。
次に、今後の財政状況については、議員が述べられましたとおり、コロナ禍の影響により今後の経済状況は不透明なものとなっており、また多くの課題があるところであります。
本市ではこれまでも、砺波市行政改革大綱の中で行政サービスの最適化を推進してきており、中長期にわたる健全な財政運営を維持するため、徹底した歳出の抑制を行ってきており、また、未収金への厳格な対応など、市税等のより一層の歳入確保に努めてきているところであります。
さらに、老朽化いたしますインフラにつきましては、公共施設等総合管理計画を推進するため、公共施設再編計画及び公共施設個別管理計画を適宜見直し、公共施設の最適化を実現し、歳出の抑制につなげることとしております。
今回、コロナ禍の影響により、見込まれます市税等の歳入をこれまで以上に厳しく見積もらざるを得ない状況であり、なお一層の歳出抑制が求められますが、一方で、停滞する景気の浮揚策を行うことも、限られた予算の中で取り組まねばならない大きな課題であります。
地方財政計画が、2021年まで、これまでの地方財政計画の水準を下回らないよう地方一般財源を維持することとなっておりますことから、今後の国、県の動向を注視し、適切な財政出動が行えるよう、そして健全な財政運営を維持することができるよう、適宜対応してまいりたいと思っています。つまり、2021年よりもその先のほうが不透明なとこがあるということでありますので、十分注意をしていく必要があるということであります。
次に、5点目のふるさと納税の推進をはじめ、企業版ふるさと納税など、あらゆる歳入確保策を展開することについての御質問でございます。
本市ではこれまでも、遊休土地をはじめとする売却可能財産の処分を積極的に進めているほか、資源ごみの売却や、ホームページ、窓口用の封筒、ごみ収集指定袋等への広告募集など、新たな財源確保にも取り組んできたところであります。また、体育、文化施設をはじめとする受益者負担に基づく使用料は、その金額や徴収の是非について、常に適正化を図ってきているものであります。
さらに、議員も御発言がありましたが、ふるさと納税に関しましては、財源確保策としてのみならず、返礼品を通じて砺波市の魅力を伝えることも重視しておりまして、その内容の充実とともに、各種のサイトを利用して広く情報提供に努めているところであります。
また、企業版ふるさと納税――地方創生応援税制というものなんですが――につきましては、令和2年度の税制改正により手続の簡素化と税額控除の拡大が行われまして、企業側の意識も高まってきているということでありますので、今年度中に地域再生計画の認定を受け、来年度から寄附の受付を開始したいと考えております。
私からは以上でございます。その他につきましては、担当部長からお答えをさせていただきます。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
島田商工農林部長。
〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 私からは、3点目の新型コロナウイルス感染症対策とウィズコロナ、ポストコロナに向けた事業の抜本的見直しについての御質問にお答えします。
イベントなどの実施に当たりましては、国の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針などに基づき、感染防止対策と経済社会活動の両立を図るため、徹底した感染防止対策の下で安全なイベントの開催を実施することとしております。
現在、砺波チューリップ公園ではチューリップ公園KIRAKIRAミッション2020を実施しており、3密を回避するため、体験型のイベント等を中止するほか、来場者の方へはお出かけ前の検温やマスクの常時徹底、身体的な距離の確保などの注意喚起を行うとともに、接触確認アプリ「COCOA」の活用も促しながら感染防止対策に努めているところであります。
さて、70回の節目を迎えますとなみチューリップフェアの実施に当たりましては、昨日、山田議員の御質問にお答えしたとおり、感染防止対策の徹底を図るため、入場門での検温や消毒をはじめ、3密を避けるため、会場内の混雑の分散化や指定時間入場の導入などについて検討しているところであります。
また、ウィズコロナ、ポストコロナにおける今後のイベントの在り方につきましては、国や県の方針に的確に対応することにより、感染リスクの低下に努めるほか、県内など身近な地域を行き来する旅行、マイクロツーリズムも推奨するなど、新たな取組も研究しながら、地域経済の回復並びに新型コロナウイルスとの共存に努めてまいります。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
黒河福祉市民部長。
〔福祉市民部長 黒河英博君 登壇〕
○福祉市民部長(黒河英博君) 私からは、4点目の環境問題(ごみの減量対策)や持続可能な交通システム(デマンドタクシー、バス)などの分野などの積極的な事業推進を図ることについての御質問にお答えいたします。
まず、環境問題につきましては、市はこれまでもマイバッグ運動の推進や有価物集団回収奨励金をはじめ、生ごみ処理容器の購入補助など、ごみの減量化、資源化を進めてきたところであります。
また、平成29年度からは市民の皆さんに御理解と御協力をいただきながら、燃えないごみを資源ごみと合わせて分別回収する「もっとリサイクルもっと資源化事業」を推進しているところであり、新年度においてもごみの減量化、資源化について、引き続き取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、公共交通システムにつきましては、本年10月の市営バスダイヤ改正時には、庄川南回り線を廃止し、小牧、湯山、落シ、名ケ原地区にデマンドタクシーを実証実験運行することで利便性及び効率化を図ったところでありますが、新年度には新たに砺波市地域公共交通計画の策定を予定しており、より効率的な交通網の形成について調査研究を行ってまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 私からは、6点目の企業や大学など民間の力を十分に活用して事業の推進を図ることについての御質問にお答えをいたします。
本市ではこれまでも、企業の持つ技術力、能力、ノウハウや幅広いネットワーク、また大学の学術的知見等を活用し、本市の課題解決や地域の活性化などに取り組むことは大変重要なことと認識しており、企業や大学などとの連携を積極的に行い、地方創生の推進をはじめ住民サービスの向上に努めてきたところであります。
企業との連携としては、砺波市内に事業所があるなど本市とゆかりのある企業との間で包括連携協定を締結し、企業の持つノウハウなどを活用し、様々な場面での連携を行っております。
具体的には、イオン株式会社とは、イオンモールとなみで、となみのめぐりフェアとして、市特産品の販売会の開催や、マイナンバーカードの出張申請受付を行ってまいりました。また、日本郵政株式会社とは、チューリップフェアオリジナル切手の作成をはじめ、道路損傷等の情報提供やふるさと納税の返礼品の一部として見守り訪問サービスの提供を行っております。
特に防災関係では、46企業、団体等と災害時応援協定を締結し、災害時におけるヘリコプターの出動や食料及び段ボールベッドなどの物資提供をいただくほか、福祉関係では、電力会社との連携協定により検診時に高齢者の見守りなど、多くの企業と相互の利点を生かした連携協定を締結し、いずれも大いに効果を発揮しているものと考えております。
また、大学との連携につきましては、とやま呉西圏域連携事業における大学が取り組む広域的な課題解決に向けた連携推進事業におきまして、大学の研究テーマとして、呉西にまたがる広域的な地域課題の解決に連携して取り組んでおり、大学コンソーシアム富山の地域課題解決事業等を活用し、屋敷林の実態調査や三世代同居に関する意識調査など、本市における行政課題を解決する上で大いに参考となる研究成果も見られるところであり、令和3年度からの第2期とやま呉西圏域連携事業でも大学との連携を継続していくこととしております。
加えて、本市では、新たに医薬品及び保険関係企業との包括連携協定締結を今年度内に行えるよう準備を進めているところであり、先ほど市長がお答えいたしました企業版ふるさと納税制度の早期導入をはじめ、全国的にも導入が進んでおりますPPP、PFIの活用につきましても調査研究に取り組むなど、今後も引き続き民間との連携を強化し、行政と民間との協働による持続可能な砺波市の発展と、より質の高い住民サービスの提供に努めてまいります。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 嶋村信之君。
〔16番 嶋村信之君 登壇〕
○16番(嶋村信之君) 今ほどは市長から答弁いただきましたけれども、10WAVEプロジェクトをさらに推進していただき、国の動向、県の動向を見ながら、市民の安心・安全のためにお力添えを賜りますことをお願いしておきます。
それでは次に、「人」と「心」を育むまちづくりについて、齊藤副市長にお伺いいたします。
1点目、保育所への入所基準の見直しについてお尋ねします。
本市の出生数は、昨年初めて300人を割り、本年も300人に満たない状況であるとお聞きしております。現在本市は、幸いにも保育所の待機児童はないと伺っております。
本市の保育所の入所の条件は、入所できるお子様はゼロ歳児から5歳児が対象で、保護者が次のいずれかの事情でお子様を保育できない場合となっています。1、保護者が1か月当たり48時間以上働いているとき、2、妊娠中であるか、または出産前後のとき、3、長期にわたり疾病の状況にある、または精神もしくは身体に障害を有しているときなどとなっています。
今述べました保育所への入所基準に満たない場合もあります。例えば、求職活動等でどうしても保育所基準を満たさない場合もあります。また、年子等で生まれた場合、新生児にどうしても手間と時間がかかり、上の子を十分に見られないため、かんしゃくを起こしたり甘えたりして、大変親が苦労している様子を垣間見ることがあります。保護者は、我が子を手元で育てたいという思いは十分あります。
そこで、生み育てやすい環境をつくるためにも、保育所入所基準の見直しをされたらどうでしょうか。お答えください。
2点目、昨日の一般質問でありましたが、子ども医療費助成制度を高校3年生まで拡充することについて、改めてお伺いいたします。
子どもの医療費助成制度については、国の法的措置がなく各市町村の制度の下で実施をしております。本市においては、中学校3年生まで入院、通院とも対象としております。県内一部の市町村では、高校3年生まで上乗せして助成を実施しているところもあります。本制度は、少子化の進行による人口減が見られる中、子どもの健やかな成長及び保健対策の充実並びに子育て世代の経済的負担を軽減させる重要な施策であり、制度の目的を鑑みれば、より一層の充実を図ることが必要です。
本来、政府が率先して国の制度として取り組むべきものと考えますが、国の制度として確立するまでの間、市の責務として取り組む必要があると思いますが、市としての考え方をお聞かせください。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 2項目めの「人」と「心」を育むまちづくりについての御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の生み育てやすい環境をつくるための保育所入所基準の見直しにつきましては、お子さんが保育所、認定こども園へ入園するに当たっては、保護者が就労、妊娠、出産、家族の介護などの理由による保育の必要性の有無が条件となっております。そこで、保護者が就労されており、第2子における育児休業期間中につきましては、原則として御家庭で第1子を保育することができるため、保育の必要性がないものと判断をしております。
一方、第2子の育児休業を取得される際、第1子が既に保育所等に入所している場合には、退所による環境の変化がお子さんの発達上好ましくないとの考えから、退所せずに入所継続の措置を取っております。
議員御提言の少子化対策の一環として、新生児、いわゆる第2子の育児を理由とした、上のお子さんの保育の必要性を考慮した入所基準の見直しにつきましては、そのことにより保育所への入所園児が定員を超え、本来保育が必要なお子さんの入所にも影響が及ぶことから、今のところは難しいと考えております。
しかしながら、今後もさらに少子化が進む中で、子育て環境の変化に対応し、また保護者の育児負担を軽減するためにも、できるだけ対応したいと考えております。それまでの間につきましては、保育所、認定こども園で一時的にお子さんをお預かりする一時預かり事業や、親子で交流することができる子育て支援センターを必要に応じて利用されるなど、既存の子育てサービスを活用していただくことで、子育ての不安や負担を感じておられる保護者の皆さんを支援してまいりたいと考えております。
また、2点目の子ども医療費助成制度を高校3年生まで拡充することの御質問につきましては、昨日、山本篤史議員の御質問に答弁したとおりであります。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 嶋村信之君。
〔16番 嶋村信之君 登壇〕
○16番(嶋村信之君) 次に、笑顔があふれるまちづくりについてお尋ねいたします。
1点目、家事や育児サポート、産後ヘルパーの派遣についてお尋ねいたします。
子どもが生まれて間もない家庭に家事や育児をサポートする産後ヘルパーを派遣する事業が、本年10月から県内5つの市町村で始まりました。この事業は、子どもが生まれて2か月までの家庭を対象に、家事や育児をサポートするヘルパーを派遣するもので、夫婦がその負担で第2子を産むのをちゅうちょする傾向があることから、県が中心となり今年度から新しく実施します。今年度はモデル事業として、魚津市、小矢部市、射水市、舟橋村、上市町の5つの市町村を対象に行われ、9月には各市町村の担当者が集まり事業の内容を確認しました。産後ヘルパーは、料理や掃除などの家事や授乳の手伝いなどを行い、1回当たり2時間、利用者の負担は1,500円となっております。
そこで、本市においても、家事や育児をサポート、産後ヘルパーを派遣し、子育て支援や第2子が生み育てやすい環境をつくるべきかと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。
2点目、コロナ禍における市営住宅の入居の対応と緊急時の職員の応対についてお伺いいたします。
市営住宅は、他の公的賃貸住宅や民間賃貸住宅を含めた総合的な住宅困窮者対策の施策の中で、市が住宅に困窮する市民に住宅を直接供給できる施策として、特に住宅に困窮する世帯から優先して、的確に居住安定を図るための住宅として、市営住宅入居資格を有する住宅困窮者のうち、多重的な困窮状況にある世帯の住居の安定のための役割を優先するものと考えます。
先月、68歳の独り暮らしの高齢者が経済的な困窮に加え、コロナ禍による失職で、公園内で死に場所を考えていた様子を見た知人より相談を受けました。困窮する第1の問題は、コロナ禍のため本年3月に失職し、民間アパートの家賃が払えなくなったことでした。そこで早速、11月16日、市営住宅の入居申込みをお願いしたところ、担当者から、民間アパート賃貸契約書と、11月からパートで働いたばかりの事業先の給与証明書が必要と言われ、用意できず、結局市営住宅に申込みができませんでした。
当然、市営住宅入居希望者の公正、公平を守るために必要な書類を調えることは承知をしております。しかし、今回の入居希望先には、希望者が他にいませんでした。もう少し柔軟な対応ができないものかと疑念を持ちました。
今回の事例は、コロナ禍における緊急事態と思われます。また、100年に一度とも言われる新型コロナウイルス感染症に対する職員の対応は、果たして適切な応対なんでしょうか。緊急事態における職員の対応はどのようになされているのでしょうか。齊藤副市長にお伺いいたします。
3点目、砺波市公用車ドライブレコーダーの設置及び管理に関することについてお伺いします。
公用車ドライブレコーダーの設置は、職員の安全運転意識及び運転マナーの向上、交通事故発生時における事故責任の明確化及び処理の迅速化を図るため、公用車にドライブレコーダーを設置するべきと考えます。その上、防犯上の観点からも有効であると思います。また、ドライブレコーダーの設置している公用車の記録された情報を適切に管理するに当たり管理要綱などが必要と考えますが、併せてお答えください。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 私からは、2点目のコロナ禍における市営住宅に入居の対応と緊急時の職員の対応についての御質問にお答えをいたします。
公営住宅法では、市営住宅は、特別な場合を除き入居者の公募をすることとなっております。そうした中で、新型コロナウイルス感染症に関する市営住宅の入居につきましては、国土交通省からの通知により、新型コロナウイルス感染症の影響での解雇等に伴い住宅退去を余儀なくされている方に対して、それらを客観的に証明できる書類を確認することにより、原則1年を超えない期間で公営住宅の目的外使用をすることが可能となっております。その場合、公募ではなく緊急的に市営住宅に入居することになります。これらの状況及び確認書類につきましては、担当課において相談者と直接面談を行って入居の可否を判断しております。
議員御指摘の事例につきましては、相談者のプライバシー保護のため、詳細な内容についてはこの場では控えさせていただきますが、担当課による直接面談の際に相談者の方から説明された内容では、新型コロナウイルス感染症に関連し、緊急に現在お住まいの住宅の退去を余儀なくされている状況ではなかったと判断したものであります。また、相談者の方の今後の安定した生活を考えた場合、コロナでの入居期間は原則1年であり、その後、改めて入居の手続が必要となり、状況によっては退去の必要も出てくることから、公募による通常の入居のほうが、相談者の方にとって長期的入居が可能であることから、より安心できると判断したものであります。
また、生活に困窮している方につきましては、住居確保給付金等の各種生活困窮者支援制度の担当課とも連携して対応しております。
今回の件につきましては、職員の対応は適切であったと考えており、今後とも法令等遵守した上で、市民目線でその緊急性や実情などを見極め、迅速に対応してまいります。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
黒河福祉市民部長。
〔福祉市民部長 黒河英博君 登壇〕
○福祉市民部長(黒河英博君) 私からは、1点目の本市においても家事や育児をサポートする産後ヘルパーを派遣し、子育て支援や第2子が生み育てやすい環境づくりについての御質問にお答えいたします。
県のヘルパー派遣事業につきましては、本年10月から、モデル事業として一部の市町村で取組が開始されましたが、当初、県の支援内容等に不明確な部分があったことから、本市では今年度からの実施を見送ったところであります。
出産直後の母親は睡眠を十分に取れず、産後鬱のリスクが高まるとも言われており、この時期に産後ヘルパーを派遣することにより、母親の心身の健康を維持し、安心して子育てができるよう、市といたしましても県と連携し、新年度から市の負担も含めた、より充実した内容で本事業に取り組むことを検討してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 私からは、3点目の砺波市公用車ドライブレコーダーの設置及び管理に関することについての御質問にお答えいたします。
公用車へのドライブレコーダーの設置につきましては、交通事故発生時の検証記録としての活用や職員の安全運転意識の向上を図るほか、2次的には災害時の被害状況の記録などにも活用できることから、本市におきましては平成29年度から順次設置を進めているところであります。
具体的には、市長車や議長車などのように、公務で遠方へ出張するときに使用する頻度の高い車両、市営バスのように1日の運行時間が長時間に及ぶ車両など、事故のリスクが比較的高いと見込まれる車両のほか、災害発生時に現場の周辺状況を記録する必要がある道路パトロールカーなど、これまで合計20台にドライブレコーダーを設置しているところであります。
今後も、公用車の更新時などに併せまして設置を進めてまいりたいと考えております。
次に、ドライブレコーダーに記録される情報につきましては、不特定多数の方の顔や容姿、行動などの個人情報が必然的に記録されることになるため、その管理が不十分であったり、外部に提供されることによって個人のプライバシーが不当に侵害されるおそれがあるとの指摘もございます。つきましては、記録データの取扱いにつきまして、他自治体の事例も参考に内部規定を定めるなど、適正な管理を行ってまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 嶋村信之君。
〔16番 嶋村信之君 登壇〕
○16番(嶋村信之君) 先ほど齊藤副市長のほうから、市営住宅入居基準について答弁いただきましたが、現在、富山県においても、10月、特に女性の方の自死が多いわけでございますので、もう少し柔軟な対応を今後とも検討していただきたいと思っています。
次に、新型コロナウイルスの予防接種に係る実施体制の整備についてお尋ねいたします。
報道によると、イギリスでは今日から新型コロナウイルスのワクチン接種が始まると報道されました。一日も早く収束を願うものであります。
日本においても、新型コロナウイルスのワクチンを円滑に接種する体制を整備するための法律が今国会で成立いたしました。予防接種法の改正案は、ワクチンの接種を国民の努力義務と位置づけ、接種は市町村が行い、費用は全額国が負担するものとしております。また、健康被害が確認された場合は医療費の支給などを行うほか、健康被害を受けた人に製薬会社が賠償した場合は、国がその損失を補償することも盛り込まれております。
そこで1点目、市民への円滑な接種を実施するため、実用化された際の速やかに接種を開始できる体制や、健康被害が生じた場合の適切な救済措置も含め、必要な体制の確保等を図ることについてお答えください。
2点目、接種手続等に関する一般相談対応や健康被害救済の申請受付、給付及び集団的な接種を行う場合の会場確保等、今後の対応についてお答えください。
以上、終わります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
黒河福祉市民部長。
〔福祉市民部長 黒河英博君 登壇〕
○福祉市民部長(黒河英博君) 私からは、4項目めの新型コロナウイルス感染症の予防接種に係る実施体制の整備についてのうち、まず1点目の市民への円滑な接種を実現するため、実用化された際の速やかに接種を開始できる体制や、健康被害が生じた場合の適切な救済措置も含め、必要な体制の確保についての御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に係る改正予防接種法が、臨時国会において先週2日に成立したところでありますが、国は、国民への円滑な接種を実施するため、今後具体的な検討を進め、必要な体制の確保を図るとしております。
しかしながら、現時点ではワクチンの特性や効果が確立しておらず、開発や生産に関して不確定な要素もあることから、接種開始の時期を具体的に見定めるのは難しいとしながらも、仮に来年初頭にワクチンの供給が可能となった場合には、速やかに国民に対する接種を行うことも想定しております。
なお、予防接種に係る事業主体は市町村とされており、具体的な市町村の取組内容としましては、事業実施に向けた人的体制の確保や医療機関との調整のほか、予防接種台帳システム等の改修、予診票や接種券といった必要な通知等の印刷、郵送の準備などが挙げられております。こうしたことを受け、市では予防接種台帳システム改修等に係る補正予算案を本11月定例会に提出したところであり、新型コロナウイルスワクチンの市民への迅速かつ円滑な接種を行うため、鋭意準備を進めてまいりたいと考えております。
また、健康被害が生じた場合の適切な救済措置につきましては、議員が述べられたとおりでありますが、国の具体的な対応等について、今後も注視してまいりたいと考えております。
次に、2点目の接種手続等に関する一般相談対応や健康被害救済の申請受付、給付及び集団的な接種を行う場合の会場確保等、今後の対応についての御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の予防接種を円滑に実施するための国、都道府県及び市町村の主な役割分担については既に示されているところでありますが、その具体的な進め方については、現在、国の新型コロナウイルス感染症対策分科会及び厚生科学審議会の各部会において検討がなされている状況であります。
例えば、国はワクチン接種の開始前までに接種による健康被害が生じた場合の救済を目的とした必要な措置を講ずるとしておりますが、その申請受付や接種に係る相談対応、さらに集団接種などの接種方法等につきましても、今後、国から具体的な通知がなされるものと考えております。
市といたしましては、今後通知される内容により砺波医師会等、関係機関との調整を進めるなど、ワクチン接種を円滑に実施できるよう体制整備に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午前10時49分 休憩
午前10時54分 再開
○議長(山本善郎君) 再開いたします。
8番 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 愛する郷土の未来を開く基盤づくりのためにはどのようにすべきかという観点で、市民の目線で一問一答方式により質問します。
大項目は自治体経営1つです。
(1)は持続可能な病院経営です。8月定例会に続き質問いたします。
経営は数値。医療機能等、指標に掲げる救急患者数など、数値目標に対してどのような状況にあるのか、定量的な動向、分析が求められます。経営に対する洞察力を持って、真摯な態度で誠意ある答弁を求めます。
まず、アです。本年度上半期の病院業務状況の概要をお尋ねいたします。
○議長(山本善郎君) 堀池病院事務局長。
〔病院事務局長 堀池純一君 登壇〕
○病院事務局長(堀池純一君) 市立砺波総合病院新改革プランにおける医療機能等指標の数値目標に対する今年度上半期の状況につきましては、まず、救急患者数は年度目標値1万2,500人に対し、実績は6,273人、患者紹介率は50%の目標に対し57.8%、患者逆紹介率は70%の目標に対し81.4%、在宅復帰率は95%の目標に対し97%と、経過といたしましては、コロナ禍にあるものの、おおむね順調に推移しているものと考えております。
一方、手術件数は、年間3,800件の目標値に対し、9月末現在1,582件と、前年度同時期に比べ257件の減少となっております。これは、新型コロナウイルス感染症防止のため、可能な限り予定手術を延期したことが大きく影響しているものと分析いたしております。
なお、手術延期等の診療制限の影響がなくなった8月と9月の合計件数は598件と、昨年度の8月、9月の合計件数と同じレベルにまで回復していることから、急性期医療提供の機能は維持できているものと考えております。
また、事業収支につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による入院収益等の医業収益が減少したため、収支差引きにおきましては、前年度上半期との比較で2億7,000万円余の減収となっております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) コロナ禍の影響が収益構造に少しは現れているように感じます。
次は、一般病院400床以上の自治体病院と各種経営指標による経営状況比較です。1、自己資本比率、2、固定長期適合比率、3、借入金比率、4、償還期間、5、流動比率、6、1床当たり固定資産額、7、償却金利前経常利益率の7つの安全性に関する指標があります。
そこで、イとして、安全性に関する7つの指標からの経営分析を求めます。
○議長(山本善郎君) 堀池病院事務局長。
〔病院事務局長 堀池純一君 登壇〕
○病院事務局長(堀池純一君) まず、安全性に関する指標とは、病院の機能や規模、地域への密着度などを基にその病院を分類し、経営状況の実態を計数的に把握した上で、健全な運営に資するために参考とされる病院経営管理指標の一つであり、議員が述べられましたように7つの指標で構成されております。
当院の指標に基づく平成30年度末の実績といたしましては、全国の400床以上の同規模病院との比較におきましては、自己資本比率が若干低く、医業収益に対する長期借入金の割合であります借入金比率も、目安の8割を僅かに超えて約81%となっております。この点につきましては、医療機器などの更新費用に係る企業債の償還が続きますことから、目安を若干超える状況はもうしばらく続くものと考えております。
また、流動負債に対する流動資産の比率を表します流動比率は146%と、基準値の100%はクリアしており、企業債の見込み所要返済年数を示す償還期間は7.3年と、目安である10年を下回って短く、また、単年度での総合的な収益性を示す償却金利前経常利益率も全国平均よりも高くなっていることから、比較的安全性は保っている状況にあると評価いたしております。
一方で、長期にわたって運用される固定資産が自己資本や長期安定資金で賄えているかを示す固定長期適合率は、100%以下の目安はクリアしておりますが、1床当たり固定資産額が年々減少傾向にあり、固定資産の価値が低下しているという現状も評価として表れておりますので、今後とも中期修繕計画などにより、施設の長寿命化に取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 一部、悪いものもあるようですけれども、おおむね良好な数字であるかと思っております。
次は、新型コロナウイルス感染症対策に要する費用は、国交付金や一般会計繰入金によって全額補塡されます。また、一般診療における影響額は、新型コロナウイルス感染症のみに起因するものかどうか明確に検証するすべがないことなどから、安定経営に必要な財政措置や収益減少に対し、国費による財政支援は全国市長会等を通じて国に求めている旨、答弁があったところです。それで、求めていた結果も含めまして、病院経営への影響はどのような状況か。
そこで、ウです。新型コロナウイルス感染症対策の病院事業経営への影響は、財政支援を含めてどのような見通しか。その結果として、2020年度、本年度の病院事業会計収支、累積欠損金見通しなど、具体的にお尋ねをいたします。
○議長(山本善郎君) 堀池病院事務局長。
〔病院事務局長 堀池純一君 登壇〕
○病院事務局長(堀池純一君) 8月定例会でもお答えいたしましたように、新型コロナウイルス感染症対策に要する費用につきましては、5月及び7月の市議会臨時会におきまして、合わせて2億6,540万円余の補正予算を議決いただいたところでありますが、これらは国からの交付金によって全額補塡されるものであります。
次に、収益への影響につきましては、手術の延期等、診療制限の影響もあり、7月までの入院、外来の収益は、ともに前年度同期と比較して減少しておりましたが、診療制限の影響がなくなった8月以降の入院収益につきましては、診療単価が改善し、10月まで3か月連続で前年度同期を上回っております。
また、7月末時点での医業外収益を含む収益全体が前年度に比べ約4億8,200万円の減収となっていたところ、国からの新型コロナウイルス感染症患者用の受入れ病床確保料の交付もあり、10月末時点では約3億1,000万円の減収と、その減収幅は縮小し、回復傾向にあると考えております。
なお、病床確保料につきましては、かねてからの財政支援の要望を受け、今後増額される見込みであり、減収補塡における大きな財源になるものと期待しているところであります。
以上のことから、病院事業会計収支は、現時点におきましては回復傾向にあると考えますが、今後、人の往来が増える年末年始を控え、新型コロナウイルスの感染状況次第では、再び診療制限などによる影響が懸念されることから、具体的に今年度末における収支や累積欠損金の見通しを立てるには、まだまだ困難な状況にあることを御理解いただきたいと存じます。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次に行きます。
次に、8月定例会で砺波広域圏の人口の推移と病院経営の関連、及び将来、2030年人口見通しによる病院経営への影響を尋ねたところ、過去10年間は毎年1,000人を超える人口減少、入院患者延べ数では後期高齢者が52.4%を占め、さらに比率が高まる2030年までの試算では、人口減少以上の患者総数の減少が予想されるなどの説明がありました。
現在は新型コロナウイルス感染症対策として一定数の病床を確保していても、病床不足を来していない状況ではないかと思います。これは表面的な病床利用率でありますが、病床数は過剰ぎみが予測されると思います。一般病床の利用実態の検証が必要であると思います。それで、近年の一般病床の日々の利用、90%台、80%台、70%の間の実態から、1つの病室等は削減できないか、検証する価値があると思っております。1つの病棟に看護師等、約30人、属しています。診療科で固定されている病棟もありますが、共用を検討する余地はなおあるのではないかと思います。人件費は約2億円です。
そこで、エとして、近年の一般病床の日々の利用実態を踏まえ、病床利用率の高度化を図れないか、お尋ねをいたします。
○議長(山本善郎君) 病院長 河合博志君。
〔病院長 河合博志君 登壇〕
○病院長(河合博志君) 近年の病床利用率の実態につきましては、稼働病床471床に対して、平成29年度が83.9%、平成30年が81.1%、令和元年度が76%と年々低下してきております。この病床利用率の低下につきましては、新入院患者数の減少に伴う延べ入院患者数の減少が要因と考えております。
特に、75歳以上の後期高齢者につきましては、延べ入院患者数で、令和元年度は平成30年度に比べ5,000人以上の減少となっております。このことにつきましては、地域包括ケアシステムの推進による今日の在宅医療や介護保険制度の充実による影響があるのではないかと考えております。
一方、65歳以上74歳未満の患者数は増加しており、また事故や急変、重病患者を受け入れる診療科の入院患者数は変わらないことから、当院の重要な機能である高度急性期、急性期医療を提供する役割は果たしているものと考えております。
また、地域包括ケア病棟では、急性期治療が終わった後のリハビリ等、回復期医療の提供だけでなく、在宅患者さんの重症度の低い疾患の受入れを行うなど、最大限の病床活用に努めております。
現在の一般病床の稼働状況につきましては、産婦人科、小児科、脳神経外科(女性)の混合病棟化など、現に療養上支障のない範囲内で適切なベッドコントロールを行い、診療科を固定せず弾力的な病棟運用に努めているところであり、病床数が過剰ではないかという議員の御指摘は当たらないと考えております。
加えて、今般の新型コロナウイルス感染症への対応として、富山県から要請された40床を確保し、感染症指定医療機関として患者受入れに万全を期しているところであり、いわゆるウィズコロナの時代におきましては、急性期医療と感染症医療の両立は大きな課題であると認識しており、このことを踏まえながら、今後の病床利用の在り方を検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) どうもありがとうございました。安心しました。
さきの定例会では、一般診療の減収額は新型コロナウイルス感染症のみによるものか、また、今後の感染動向を予測できないなど影響度の判断は難しい。明確にいつまでと、そのめどを定めることは非常に難しい旨の答弁でした。目標を語ることが経営者としての責務であり、経営は数字だと思います。どこをどのように改革、改善すれば収支改善できるのか。
そこで、オとして、累積欠損金は具体的にどのような方法、手段によっていつまでに解消する方針か、経営者にお尋ねをいたします。
○議長(山本善郎君) 堀池病院事務局長。
〔病院事務局長 堀池純一君 登壇〕
○病院事務局長(堀池純一君) 累積欠損金の解消方針につきましては、8月定例会でもお答えいたしましたとおり、当院ではこれまでも外部コンサルタントの意見を踏まえ、診療プロセスの適正化による収益の改善や適切な価格交渉により材料費を節減するなど、費用の削減に取り組んできたところであります。
今後も、このような取組を継続し、経営改善を図りながら、地域の中核病院としての役割を果たし、市民の生命と健康を守るため、不採算部門をも含めて、安全で安心な地域医療を確保していくべきものと考えております。
また、先ほどもお答えいたしましたように、収束の見通しがつかない新型コロナウイルス感染症の感染動向次第では、経営に大きな影響を及ぼす懸念もあります。このようなことから、明確にいつまでと、その目途を定めることは非常に難しいと考えますが、今後も健全経営に努め、累積欠損金の解消に向けて引き続き努力してまいります。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次に移ります。
病院事業を健全に経営するには、単に費用を削減するのではなく、医療機能、患者満足度や収益などに見合う費用なのかという平衡感覚や、医師、看護師をはじめとする専門職と意思疎通ができることが肝要であると思います。
このような経営感覚に富む人材を院内外から積極的に登用し、育成することが求められます。外部人材については、今議会提出の一般職の任期付職員の採用等に関する条例第2条に定める専門的知識等を有する者を選考、採用することもできると考えます。なお、人材登用が困難であるならば外部診断も考えられます。
そこで、カとして、病院事業を健全に経営するには、経営感覚に富む人材を院内で積極的に育成、登用する。外部人材の登用や監査法人――例えばトーマツなどがありますが――に診療科別経営診断などの経営分析を求めることを提言します。
○議長(山本善郎君) 副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 院内人材の育成につきましては、今年度、診療報酬データの分析手法、経営指標の読み取り等のスキルを学ぶことで経営改善活動の推進役を担う人材の育成を目指し、外部コンサルタントによる人財育成研修を事務局職員だけでなく、医師、看護師、医療技術職員を対象として実施しております。この研修は、実際に医師等に具体的な提案を行い改善活動に結びつけるという実践的なプログラムで構成されており、既に改善活動が始まっているところであります。
また、今年度の研修対象者は管理職クラスの職員が多いため、令和3年度は今後の現場を支えていく中堅層や若手を中心に予定しており、人財の裾野をさらに広げていきたいと考えております。
御提言の経営感覚に富む外部人材の登用につきましては、当然、経営感覚は必要ですが、市行政との関わりが多くあること、また、医師、看護師などの皆さんとの信頼関係がなくては、チームとして市立砺波総合病院の運営を行うことはできないと考えております。今後とも、適材適所の職員配置を行いながら、健全な病院経営の継続性が図られるよう、病院職員としての資質向上を図っていくことが重要と考えております。
次に、議員御提言の監査法人における経営診断につきましては、確かにプロによる経営診断も有効であると考えますが、一方で、当院は地方の公立病院として、不採算部門においても適切な医療を継続する責務があり、収益のみを優先すべきではない分野もあることなどから、それらを総合的に改善活動につなげる人材が必要であります。まずは、現在行っている人財育成研修から、各診療科別経営判断などを行うことができる職員の育成と登用が重要であると考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 外部人材登用、よろしくお願いいたします。
次へ進みます。
地方公営企業であっても過大な累損を抱えることは、経営者にとっては大きな課題ですが、そのような様子や状況は病院関係者から私には伝わってこないような気がいたします。でありながら、当院としては、経営の在り方を変更する場合でない限り減資は実施できないものと認識しており、法改正以降、現在に至るまでもそのような対応を行っていない旨の答弁でした。経営責任を自覚してもらいたいと思います。知恵がなければ汗をかいてもらうことも必要ではないかと僕は思っております。
そこで、キ、地方公営企業法第32条第4項の立法の背景、趣旨及び解釈をお尋ねします。なお、8月定例会における法令等の解釈、認識、答弁についての思考過程と関連づけた説明を求めます。
○議長(山本善郎君) 堀池病院事務局長。
〔病院事務局長 堀池純一君 登壇〕
○病院事務局長(堀池純一君) 地方公営企業法第32条第4項の立法の背景と趣旨につきましては、平成21年12月閣議決定の地方分権改革推進計画に基づき、地方公営企業の経営の自由度を高める観点から、資本制度を見直し、条例の定めるところにより、または議会の議決を経た上で、利益及び資本剰余金を処分できることとしたもの、また、経営判断により資本金の額を減少させることができるようになったものと解釈しております。
一方、地方公営企業法等の一部改正に関する総務省の技術的助言としての通知、これによりますと、議会の議決を経て減資を行うことができる場合として、事業規模の変更、資本金として留保すべき水準の見直し等、地方公営企業の経営の在り方を変更する場合が例示されております。本通知の趣旨は、専ら資本金の減少による累積欠損金の解消を意図するものではなく、累積欠損金を解消するために資本金を取り崩すことについては、病床数の変更等の事業規模の変更等、地方公営企業の経営の在り方について、総合的かつ慎重な検討が必要であるとしているものと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 私は、今議会提出の許可病床43床の減を事由とすることもできるのではないかと考えます。
次は、減資についての具体的な提言をします。
現在、建設改良費の財源として資本金に繰り入れている1,800万円を超えて繰り入れた額は、市町村合併年度まで遡及すると、金額で13億3,417万4,000円が資本金として蓄積されています。これを資本金から減額して利益剰余金に振り返ることはできると思います。資本金を減額しても財務内容、体質は何ら変わりませんが、現在の病院の経営状況が厳しいことには変わりなく、会計処理によって累積欠損金が一部解消され、病院事業の財務状況がより鮮明にでき、また、経営目標として改善に病院全体で取り組みやすくなります。ある意味で病院経営に責任を持ってもらうことができると思います。
そこで、クです。地方公営企業法第32条第4項の資本金の額は、議会の議決を経て、減少する方ができる旨の定めに基づき、適正な将来負担水準まで減少することを改めて提言します。
○議長(山本善郎君) 堀池病院事務局長。
〔病院事務局長 堀池純一君 登壇〕
○病院事務局長(堀池純一君) 先ほども答弁いたしましたように、現在は経営の在り方を大きく変更するべき要因はなく、また、新型コロナウイルス感染症の収束が全く見通せない目下の状況におきましては、市民や議会に新たな経営の在り方を御提示し、今後の経営見込みを御理解いただくタイミングではないと考えております。
一方で、ウィズコロナ、その他感染症対策を考慮した病床利用や医療機能の分担、また、これらの地域医療構想への反映に係る検討は必要とされており、いずれ国や県からその方向性が示されるものと考えております。
その結果として、事業規模等に変更が生じることがあるとすれば、累積欠損金の解消も含めた将来計画を策定した上で、市民及び議会に対する説明責任を果たし、その理解を求めてまいりたいと考えております。また、その際には、累積欠損解消の方策として、議員御提言の減資も選択肢の一つとして検討してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、事業規模の変更などといった要因がない今の段階での減資は考えておりませんし、また説明責任を果たせないものと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次に移ります。持続可能な病院経営の総括です。
8月定例会では、減資もしたらどうかという話もあったが、逆に言うと、働く者の意欲云々もあったが、適当にやっていたら減資でごまかしてくれるというふうになってしまう、そういう印象のほうがなお心配という、経営形態の質問に絡めて市長から発言がありました。この発言は、病院職員を信頼していないことを如実に物語る不穏当なもので、私は極めて残念に思います。また、会計処理とはどのようなことを行うことか、何か発言してはいけないことを私が発言しているような答弁でした。
私は、累損の存在に対する意識が希薄であるとの思いと、これまでの経営改善の実績から見て、累積解消は並大抵の努力では実現できないと思います。制度問題があるかもしれません。
そこで、ケとして、会計処理とは法的にどのようなことを行うことか。制約条件も含めて、その理解、認識をお尋ねします。併せて開設者としての病院経営の在り方をお尋ねします。
○議長(山本善郎君) 市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 会計処理につきましては、一般的に法的な定義はないというふうに考えておりまして、御質問の趣旨が判然といたしません。あえて言えば、企業における、または企業的会計における財務手続全般を指すものと認識をしております。
また、せっかくの機会ですので、今までの議員のいろんな御質問、累次の御質問に対して改めてお答えしますが、職員の勤労意欲の高揚のためにも減資をという議員の提案につきましては、それのみを行うことを法改正が意図していることではないということは、先ほどから局長が何度も何度もお答えしているところでございます。十分御理解をいただきたいと思います。技術的助言だから関係ないじゃないかという御意見もあったようでありますが、納得できる技術的助言だと私は理解しております。
一方で、累積欠損金につきましては、減価償却費など、現金の支出を伴わない費用も含まれておりまして、キャッシュフローに大きな問題がなければ直ちに資金不足につながるなどの病院経営に深刻な影響を与えるものではないものの、当然ながら、公営企業として求められる独立採算制の基本原則にしっかり立脚して、健全な資金計画を立てながら経営改善を一層進め、今後とも欠損金の解消に努めてまいりたいと考えております。
ただ、先ほどからも申し上げていますように、いわゆる本当の純粋の民間の独立採算の企業会計ではないわけでして、当然ながら不採算部門の一般財源からの繰入れ等、特殊な形の公営企業であるということも御理解いただきたいと思います。
いずれにしても、今後そういったことの解消のためにいろいろな手順をつくっていきますが、先ほど局長も申しておりましたが、事業規模の変更などということが本当に必要になったようなケース、それから外的な要因で事業規模の変更ですとか、また大きな変動があるような場合、これも他の例を見ましても、全て何らかの大規模な変更でございました。そういった意味で、やはりそういうことを行う場合については、減資ですね、行うということになれば、そういった規模の変更ということが前提になることを改めて申し上げたいと思います。
反問いたします。
○議長(山本善郎君) ただいまの反問につきましては、これを許可いたします。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 今ほどの質問に係ります議員の発言の中で、8月定例会では減資もしたらどうかという話があったが、逆に言うと、働く者の意欲云々の話もあったが、適当にやっていたら減資でごまかしてくれるというふうになってしまう、そういう印象のほうがなお心配という、経営形態の質問に絡めて市長から発言があった。この発言は、病院職員を信頼していないことを如実に物語る不穏当なもので残念だという御発言がありました。なぜこの発言が病院職員を信頼していないことになるのか、改めて説明を求めます。
また、公営企業会計経理に十分に精通されている議員が、減資による会計処理の提案をされることには、やはり違和感があります。少なくとも経営の実態が変わらないのに、いわゆる会計処理、会計処理の定義は先ほど申し上げたとおりでありますが、会計処理であたかもそれが軽減されていくという印象を与えることは、地道な経営努力を否定するとまでは言いませんが、軽視することになるのではないでしょうか。これについて議員の見解を求めます。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) ただいまの夏野市長の反問にお答えをいたします。
8月定例会の持続可能な病院経営で、職員が働く喜びと誇りの持てる職場を目指し、健全な病院経営に努めることができるよう、資本金の減少による累積欠損金の解消を図る会計処理を提言しました。
しかし、適当にやっておいたら減資でごまかしてくれる、帳簿操作をしろなどというような発言は一切行っておりません。特に帳簿操作は、一般的によくないことが連想されるので、市長の発言は不当だと言ったところです。
私は、法律上可能であることを考えるからこそ提言しているのです。私は、公務員の皆さんに常日頃から法令等の遵守をすべきであると訴えています。そのように夏野市長から受け止められることは誠に心外です。この発言は、職員にとっては、責任者は我々の仕事を適当、いいかげんに仕事をやっていると思っているのかと受け取られかねないと思います。それで、病院職員を信頼していないことを如実に物語る不穏当なもので残念ですと、私の信条に反することから発言したものです。職員は上司の発言に極めて敏感です。一挙手一投足をよく観察しています。そういう意味で、職員は上司に対して、内心、不信感を持つと私は思います。
職員は、上司が信頼してくれている、守ってくれていると思ったら、人生、意気に感じて働いていただけます。このため、私は、適当、いいかげんやっといたらという表現は、職員にとっては、たとえ印象であっても信頼されないと思うのではないかと思います。
また、2つ目の点ですが、地道な経営努力の関係ですが、法律で認められることをするのに、地道な経営努力を軽視することになるのではないかと言われても説明のしようがないと思います。病院の皆さんは努力されていますが、累損は多額です。ですから、減資制度の活用を提言しているのです。
減資は地域主権確立の観点から、資本制度改正の必要性から、地方公営企業における資本制度を抜本的に見直し、自治体自らの責任で経営できるようにされたものです。経営の実態が変わらないのについては、無償減資は、財務体質は全く変わりません。ですから、減資は、住民や議会に対して、当該地方公営企業の経営状況や財政状況を十分説明した上で行うことが求められているものと理解しております。
以上です。
○市長(夏野 修君) 再質問。
○議長(山本善郎君) 市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 1点目は考え方の違いですので、これ以上議論をしてもあれかもしれませんが、2点目の点であります。
法で認められているからやればいいんだと、それはまさに地方分権だという話でありましたが、地方分権というのは自分で考えるということです。ですから、私が先ほど言いました、技術的助言をうのみにしているわけではないんです。法で認められている範囲で技術的支援があって、それが納得できる、市民にも説明できる、そういうことがあるから、この件についてはありませんよと申し上げているわけでして、ちょっと論点が違う御答弁だったと思いますので、改めて御答弁をお願いいたします。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 現在、資本金は62億7,386万3,000円余りあります。それに対して累損は34億円余りだと思います。それで、この12年間で年平均にすると、1億2,600万円ほどの減少にしかなっておりません。
相当時間をかけないと、そのうちに人口減少やら、いろいろな事態が発生すると思います。先ほどもちらっと言いましたが、今回、病床減少する部分もあります。それを融通し合ってもいいんじゃないかと。そうすることによって、減った累損で一生懸命に病院職員にやってくれと、こういうふうなことになるんだろうと思います。僕はその辺、市長とはちょっと違うかも分かりませんが、そのように考えております。
議論をさせていただいたことについては、誠にありがとうございました。
○議長(山本善郎君) 堺議員、次の質問をお願いします。
堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 元気を出して質問を続けます。
1項目の(2)は、持続可能な自治体経営のための公共施設再編計画の着実な推進です。
体育施設視察結果では有若議員も質問されます。将来にわたって持続可能な公共施設サービスを提供するため、本年3月、公共施設再編計画実行計画を策定され、公共施設再編の具体的な行動を開始されています。この再編計画の短期から、順次、計画の推進をされているが、維持管理をきちんと実施されているところは、視察結果でも一定の成果が上がっていると改めて思いました。
計画の推進には、何よりも財源の確保です。そして、持続可能な公共サービスの提供をしていくためには、1、総量の縮減、2、機能の統合、複合化、3、運営の適正化を図るとされています。再編計画は中期、長期まであります。それで、個別施設の統合、複合化や廃止など、再編の具体的な行動計画の公共施設の維持管理は十分確保できるか、危惧されるところです。
そこで、アとして、短期計画の個別施設の統合、複合化や廃止など、事業費は大ざっぱに見込んでどれくらいの額を想定しているのか、お尋ねをします。
○議長(山本善郎君) 副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 令和2年2月定例会の堺議員の一般質問でお答えしました、短期の計画案に中野幼稚園を加え、譲渡または廃止対象となる施設は16施設であります。この縮減効果は、将来的に改修または建て替えしないことで、追加した中野幼稚園分、約2億円を含め、建設費用では約27億円の縮減、またランニングコストでは、年間約8,500万円の縮減を見込んでおります。なお、この間、旧砺波図書館や中野幼稚園などの除却費といたしまして、別途1億7,000万円を見込んでおります。
また、今後、短期の計画案には、鷹栖保育所、庄川地域の4保育所などについて計画に加えることとしております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 総額幾らになるか分かりませんでしたが、次は公共施設再編計画を無理なく計画的に着実に推進していくため、積立基金の設置を求めたいと思っております。幸い、公共施設維持管理基金が存在するので、この条例を見直すとともに、この際、個々の基金条例を1つの条例にまとめ、見やすくする必要があると思います。南砺市は1本です。現在の基金条例の中には、課題と内容が必ずしも一致しないものも見受けられます。公共施設維持管理基金であります。
そこで、イとして、定額運用基金を含めて、全ての基金条例の一本化に向けて再編整備することを提言いたします。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 新たな公共施設再編のための基金につきましては、当面、庁舎整備基金の積立てを優先することといたしまして設けることはせず、総合計画実施計画の中で適切に財源を確保し、着実に実施してまいりたいと考えております。ただし、公共施設維持管理基金条例の設置目的につきましては、今後、その見直しについて検討してまいりたいと考えております。
また、現在の基金条例は個別に実施しておりますが、県内では10市のうち2市だけがまとめたような条例になっております。それ以外、県を含めまして、砺波市含め、8つの市につきましては個別条例となっております。その結果、それぞれの基金の目的が分かりやすくなっているということから、基金条例の統合については今のところ考えていないところでございます。
私からは以上であります。
○8番(堺 武夫君) 再質問します。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 公共施設維持管理基金の表題と中身って、必ずしも一致していないと思うんです。第1条で建物となっています。それを1条で、「以下「公共施設」という」と、非常に曖昧なんだと思うんですが、これは速やかに整備、改めるべきでないかと思います。答弁をお願いします。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) ただいまの堺議員の再質問にお答えをいたします。
基金条例、全ての条例も同じですが、それぞれ目的や趣旨がございまして、それぞれそのための中身を定めているところでございます。
設置の仕方、書きぶりにつきましては、それぞれ御意見があるところかもしれませんが、本市の基金条例につきましては一般的な条例になっているというふうにも考えておりますし、それぞれ1本ずつの条例になっていることでかえって分かりやすいと、堺議員とは全く真逆の考え方ではございますが、そのように考えているところでございます。
以上でございます。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 答弁がちょっと何かずれておったような気がするんですが、次に行きます。
3番目は持続可能な散居景観です。
まず、砺波平野の美しい散居景観の重要な構成要素である屋敷林の現状把握のため、散居景観保全事業の効果の検証、今後必要な保全対策の検討のため、その基礎資料とする屋敷林の調査をされました。
そこで、アです。典型的な散居景観の主な構成要素にはどのようなものがあるのか、何が最も重要か、お尋ねをいたします。
○議長(山本善郎君) 老松建設水道部長。
〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 散居景観とは、砺波市景観まちづくり計画にも示されていますとおり、屋敷林や水田、山、川、建物、道路、街路樹、看板、町並み、伝統行事や健全な農業の営みなど身の回りの風景であり、それらの要素が重なり合い、一体となって目に見え、耳に聞こえるもの全てでございます。
散居景観は各要素が調和していることが大切なことから、それらの要素が重要であり、順位をつけることは難しいことであります。しかし、現在その中で最も重要な課題がありますのは、屋敷林であると認識をしております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) ありがとうございました。
かつて私が散居の光と影という表現を使った際に、影とはいかがなものかと評する市長発言がありましたが、近年では相対的に影の比重が高まっているように思います。かつては、スンバは貴重な有価物、資源でした。今は屋敷林の維持管理の負担と景観とをてんびんにかけて、伐採する人々が増えているように思います。
さて、屋敷林実態調査については、その結果を踏まえた施策を展開してもらいたいと思います。
そこで、イです。屋敷林実態調査の調査項目のうち、回答のあった世帯主数、その世帯主の属する自治振興会ごとの世帯主数などは、前回対比でその数値をお尋ねいたします。
○議長(山本善郎君) 島田商工農林部長。
〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 屋敷林実態調査における現時点の中間報告でありますが、屋敷林を保有している砺波市全体の世帯数につきましては、4,773世帯であります。
自治振興会ごとの数値を求められましたけれども、まとめまして中学校区別に申し上げます。出町中学校区では1,763世帯、庄西中学校区では1,336世帯、般若中学校区では1,023世帯、庄川中学校区では651世帯となっており、全校区において、前回と比較して保有世帯が増加しております。ただ、今ほど申し上げた数字につきましては、前回未調査地区も含めたものであることから、前回対比につきましては、もう少し分析が必要であると考えております。
また、屋敷林保有本数につきましても集計をいたしましたが、砺波市全体でおおむね12万3,000本となっております。樹種別保有本数では、杉が3万本、ケヤキが1,000本、アテが2,000本、果実が1万本、竹が2万4,000本、その他が5万6,000本となっており、中でも屋敷林の主要樹木である杉が市内全域で減少している結果となっております。
今後は、年内中に調査結果を取りまとめまして、屋敷林の維持管理、保全対策のための基礎資料として活用してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 調査結果はまだ全部まとまっておらんようですけれども、分析、よろしくお願いいたします。
昨日の川辺議員の質問と一部重複します。屋敷林の維持管理の問題が顕在化してきており、市では、剪定枝戸別回収は実証実験されている、よい試みだと思います。実証実験の要件を満たさない家庭でも対象にしてもらいたいという意見を多く聞きます。
そして、現状では、依然として野焼きが行われています。廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の2第3号では、公益上もしくは社会慣習上やむを得ない廃棄物の焼却または周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの、同法施行令第14条、焼却禁止の例外となる廃棄物の焼却、第5号では、たき火その他日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であって軽微なものと定めています。極めて概括的な規定です。法律は一般的に、社会環境の変化に応じて解釈も変化するものであると思っております。また、例外は厳格に解釈すべきものだと思います。
それで、まず環境面等の規制を住民に理解してもらう機会を市が積極的に設定すべきではないかと考えます。時代、環境に合った社会の仕組みを理解してもらうことが肝要であろうと思います。
そこで、ウです。市として、野焼きや剪定枝の処理などについて、住民と粘り強く話し合うため、関係各課が協力して積極的に自治会等へ出向き、丁寧に説明をすることを1つの施策として提言します。
○議長(山本善郎君) 副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 野焼き行為の禁止等につきましては、昨日の川辺議員の御質問にお答えしたとおりでありますが、その周知等につきましては、県などの関係機関と連携して、市内全域にチラシを配布したり、広報となみや市ホームページなどを活用して、ルールを守っていただくよう市民の皆さんに呼びかけをしているところであります。加えて、地区等からの要請により、関係部局が合同で、野焼き行為の禁止等について、行政出前講座などの形で地区へ出向き、できる限り丁寧な説明をしております。
今後、新たな剪定枝の回収支援策を取りまとめた際にも、関係部局が連携し、地区での説明会の開催を検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 次は、持続可能な人口推計です。
10月5日に開かれた市総合計画審議会提出資料の砺波市人口ビジョン現況分析資料に、自然動態の動向、出生・死亡の推移、図表で合計特殊出生率の推移がありました。そして、全国、県より高いが、人口置き換え水準を下回っていると、なお脚注に人口動態統計、ベイズ推定値とあります。そして、上が砺波市、真ん中が県、下が全国の折れ線で、この3本の折れ線は交わることなく、砺波市の折れ線は平成10年から14年を底に少しずつ上向いています。また、市人口ビジョンには、母の年齢階級別出生率、女性人口1,000対ベイズ推定値、平成20年から24年、女性人口1,000人当たりの出生数の表が合計特殊出生児の表の次に置かれています。
そこで、アです。市総合計画審議会資料に市人口ビジョン“となみ創生”まちづくり総合戦略概要版では使っていない合計特殊出生率の推移にベイズ推定値を使った意図はどこにあるのか、お尋ねをいたします。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 令和2年6月定例会でお答えしたとおり、単年の合計特殊出生率の数値は、標本となる出生数が少ない市町村におきましては、偶発的な数値変動の影響を受けやすく不安定な動きを示すと、そういう特徴があります。
このようなことから、合計特殊出生率の動向を国や県と比較するためには、一般的に、観測データ以外にも対象に関する情報を推定に反映させるベイズ推定による方法が有効であると考えられております。国では、昭和58年から5年ごとに過去5年間の合計特殊出生率を人口動態統計の特殊報告におきまして、国、県、市区町村ごとに公表をしております。
そこで、総合計画審議会では、国が示しております最新のデータといたしまして、本年7月31日付で公表されたベイズ推定による平成25年から29年の合計特殊出生率を、昭和58年からの合計特殊出生率の推移として、国、県、市、併せてお示ししたものであります。
なお、ベイズ推定につきましては、今、議員も述べられたとおり、これまでも砺波市人口ビジョンにおきまして活用しておりまして、今回初めてお示ししたものでないことを申し添えさせていただきます。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) ベイズ推定値については、人口2万から3万人程度以上の市等では、従前の合計特殊出生率の数値と変わらないという説明もインターネット検索で出ています。それで、これについては、あらかじめ分母に100人、分子に10人を加えておくものです。一応その辺お伝えをして、次の質問に入ります。
人口ビジョン策定の大きな目的、狙いを離れ、細かいことばかりに目が向いている気がしてならないです。もっと市民目線で物事を判断できないものかと考えます。
さて、GDPがコロナ禍前の水準に戻るには、3から5年かかるとの見方が専門家の間でも大勢だと言われ、成長が長く停滞すると識者は見ています。それで、本年の出生数は、新型コロナウイルス感染症の影響もあって290人にも達しない趨勢です。11月30日現在のゼロ歳人口は274人です。
そこで、イとして、本年の年間の出生数は幾らと見込んでいるのか、また、その見込みは市人口目標推計の何%に相当するのか、お尋ねいたします。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 人口ビジョンにおきます各種推計値につきましては、全て国勢調査の基準日である10月1日現在の数値であることをまず御理解いただいた上でお答えをしたいというふうに思っております。
本年11月1日を基準日、令和元年10月1日から令和2年9月30日まで、これを基準日とする年間出生数は300人であります。また、人口ビジョンにおきます令和2年の出生数の目標は399人であり、この目標に占める年間出生数の割合は75.2%に相当するものでございます。
以上であります。
○市長(夏野 修君) 追加答弁。
○議長(山本善郎君) 市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 今ほど部長が答弁いたしましたが、別に揚げ足を取るわけではありませんが、人口ビジョンの策定の大きな目的、狙いを離れ、細かいことばかりに目が向いている気がしてならない。もっと市民目線で物事を判断できないか。そっくりそのままお返ししたいと思いますが、人口ビジョンの目的は何かというと、これから人口は増えていきませんよ、減りますよということです。砺波市は、ちゃんと人口は減ります、増えてきませんという話をしています。
それから、だから何をするのか。いろんな形で少しでも人口減少の影響が少ないように、また、減収したとしたらその形でどうするか、そういった形で人口ビジョン、またそれに伴う戦略もつくっているわけです。
ですから、今おっしゃったことは、また言いたくありませんが、大変不穏当ではないかと思いますし、もう少しおっしゃっていることに責任を持ってほしい。おっしゃっていることは、細かいことばかりに目が行っているというのは、まさに議員そのものではないでしょうかね。ということで、追加の答弁とさせていただきます。
○議長(山本善郎君) 堺 武夫君。
〔8番 堺 武夫君 登壇〕
○8番(堺 武夫君) 市長から追加答弁までいただきまして、ありがとうございます。そういうことで、ウの質問は飛ばします。
さて、行政は住民の信頼がないと支持されない、分権改革が叫ばれてかなり年月がたちます。行政職員の皆さんは、一度、住民の立場で物を考えてみませんか。生活者の立場で行政の仕事を見る。そうすると景色は変わると思います。
現在、市総合計画後期計画の準備作業が進められていると思います。全体スケジュールの中に、市人口ビジョン事前評価を実施することとされています。
最後の質問です。そこで、エとして、自分たちの住むまちづくりとしての総合計画の基本である人口見通しを、自分たちの知恵を結集して、自分たちの発想で作業を進めることを提言します。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 第2次砺波市総合計画後期計画の策定に当たり、過日、市内在住者や、過去3年の間に本市から転出された方を対象としたまちづくりに関するアンケート調査を実施したところであります。こうした中、計画に定める人口見通しのうち、出生率の想定としては、さきにお答えしたように、国や県の出生率の目標を基準に加えて、アンケート調査によって得られた市民の希望出生率を参考としてまいりますし、社会動態の想定につきましても、市民の皆さんの御意見や御提言を踏まえた施策を考慮に入れた目標数値としてまいります。
このように、後期計画におきましては、人口見通しはもちろんのこと、計画全体といたしまして、アンケートで集まった御意見や御提言なども大いに参考にしながら、市民の皆さんの知恵を結集し、工夫を凝らした豊かな発想の下、市民目線の計画となるよう策定を進めてまいります。
私からは以上であります。
○8番(堺 武夫君) ありがとうございました。
○議長(山本善郎君) この際、暫時休憩いたします。
午後 0時03分 休憩
午後 1時00分 再開
○議長(山本善郎君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
通告により発言を許します。
5番 有若 隆君。
〔5番 有若 隆君 登壇〕
○5番(有若 隆君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従い、大きく3項目について、市政一般に関して、質問と若干の要望と提案をさせていただきます。
まず初めに、生涯スポーツの振興のための体育施設の老朽化対策についての1点目、体育施設のこれまでの老朽化対策の現状についてお伺いをいたします。
去る9月4日に総務文教常任委員会では、砺波市体育協会との意見交換会を行いましたが、その会議において体育協会より体育施設の老朽化の御指摘を受け、11月6日に総務文教常任委員会において体育施設の現状を把握するため、陸上競技場、総合運動公園野球場と多目的競技場、B&G海洋センター、向山健民公園テニスコートの現地調査を実施いたしました。
陸上競技場では、平成15年と16年の2か年で全天候型舗装に大規模改修し、3種公認を取得した全天候型トラックは、その後、平成26年に全天候型舗装改修工事が行われましたが、近年、摩耗によってトラックに段差が生じていることから、走者が転倒してけがをするおそれもあり危険な状況となっています。また、平成31年には3種公認が廃止されている状況であります。
総合運動公園野球場では、スタンドからの雨漏りとスコアボードの機能低下により、試合に支障が出ている状況であります。B&G海洋センターでは、昭和59年に完成した体育館の屋上の防水機能の劣化により、雨漏りがしている状況であります。向山健民公園テニスコートでは、平成元年に整備したナイター照明装置が劣化しており改修工事が必要など、各体育施設の老朽化が深刻な状況でありました。
野球場のスコアボードと陸上競技場のトラックの老朽化に伴う改修につきましては、昨年6月定例会で桜野議員の一般質問で指摘があったところであります。
これまでの各施設の管理対策を含めて、このような体育施設の現状をどのように捉えておられるのか、教育委員会事務局長の答弁を求めます。
○議長(山本善郎君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 現在、市では屋内外30か所余りの体育施設を設置しておりますが、これまでも必要に応じて施設の修繕や改修を随時行ってきたところであります。
中でも、陸上競技場の全天候型ウレタン走路につきましては、平成25年度と30年度に部分改修を実施いたしましたが、議員が述べられましたように、令和元年6月定例会において桜野議員からの御質問にお答えいたしましたとおり、全面改修には約1億7,000万円と多額の経費が必要となりますことから、将来を見据えた施設の在り方も含め、関係団体等と協議を踏まえ、対応してまいります。
また、野球場やB&G海洋センター体育館の雨漏りのほか、向山健民公園テニスコートの夜間照明施設の劣化等につきましては、利用状況や緊急性を考慮し、有効な財源確保の上、対応してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 有若 隆君。
〔5番 有若 隆君 登壇〕
○5番(有若 隆君) 多額の経費がかかるということの答弁でございました。
2点目は、これらの体育施設の今後の改修計画についてお伺いをいたします。
市民1人1スポーツを推進する当市にとって、これら体育施設を市民の利用に供していくためには改修整備が不可欠と考えます。つきましては、改修整備には多額の経費を要することから、総合計画の後期計画の中で計画的に大規模改修を行っていくべきと考えますが、教育委員会事務局長の答弁を求めます。
○議長(山本善郎君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 体育施設における大規模な改修が必要となる施設につきましては、総合計画の後期計画に位置づけ、計画的に対応すべきと考えております。また、公共施設再編計画に基づきますとともに、昨今の人口減少などの社会情勢を見極めながら関係競技団体等と協議を行い、判断してまいります。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 有若 隆君。
〔5番 有若 隆君 登壇〕
○5番(有若 隆君) 市民の利用に支障のないように、今後、関係団体と協議を行って計画的に進めていただきたいというふうに思います。
次に、2項目めは、公園施設の長寿命化のための砺波チューリップ公園の再整備についてお伺いをいたします。
砺波チューリップ公園の再整備については、昭和39年の整備から50年以上が経過していること、また災害時の指定緊急避難場所となっていることから、老朽化対策、安全性の確保が課題となり、砺波チューリップ公園再整備基本計画及び砺波市公園施設長寿命化計画に基づき再整備を進め、さらなるにぎわいの創出と安全性の向上を図ることとしています。
砺波チューリップ公園の再整備計画では、社会経済状況や維持管理などの面を考慮し、工事を継続的に実施していくことで再整備の評価が得られるよう、段階的な整備を行うこととしています。公園の再整備は、園内の樹木の剪定、移植、間伐による修景改善と老朽化の著しい施設整備を優先的に行い、老朽施設の整備に伴う小中規模の工事を継続して実施し、再整備期間の後半に、新たな施設の建設を中心に砺波チューリップ公園全体の機能強化を図るとしています。また、施設の整備については、できる限り補助事業を活用し、整備コストの縮減に努めるとしています。
そこで、1点目は、砺波チューリップ公園の再整備基本計画に基づく再整備の状況についてお伺いをいたします。
砺波チューリップ公園については、砺波チューリップ公園の再整備基本計画を平成27年3月に策定され、その後、平成27年から28年まで北門の整備を、平成29年度は新チューリップタワーのプロポーザル基本計画を、平成30年度は東門横に災害時対応のトイレ整備を、昨年度はチューリップスカイウオークの整備を、本年度は新チューリップタワーの施工と併せまして野外ステージ及び広場の設計中であります。
つきましては、野外ステージ及び広場の課題解消に向けた砺波チューリップ公園の再整備状況について、建設水道部長の答弁を求めます。
○議長(山本善郎君) 老松建設水道部長。
〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 砺波チューリップ公園の屋外ステージにつきましては、昭和56年に建設し、その後、平成7年に屋根をテント化しておりますが、建物の鉄骨にさびや腐食が多数発生している上、老朽化により屋外テントの開閉が不自由となっており、加えて破損があり雨漏りしている状況となっております。
砺波チューリップ公園再整備基本計画の策定の際に検討委員会などからは、ステージが高く観客が見上げるようになっている点や、ステージ前の植栽が支障となり見づらい点、ステージに待機スペースがない点、バリアフリー対応ができていない点などの御意見をいただいているところであります。また、屋外ステージ前のみんなの広場につきましても、経年劣化によるタイルの破損や周囲との段差に加え、素材による滑りやすさ、花壇を引き立てるためのタイルの色彩等について御意見をいただいているところであります。
このことから、令和3年度からの両施設の整備に向けては、これらの課題を解消するとともに、ユニバーサルデザインに配慮し、安全・安心で親しまれ、心癒やされる公園となるよう努めるとともに、コロナ禍で、これまで屋内において実施されていたイベントや活動等の見直しが図られる傾向にあることなども考慮し、屋根を常設化し、多目的に活用できる施設となるよう、屋外ステージ等の実施設計業務を進めているところであります。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 有若 隆君。
〔5番 有若 隆君 登壇〕
○5番(有若 隆君) 2点目は、砺波チューリップ公園の今後の再整備計画についてお伺いをいたします。
砺波チューリップ公園の再整備基本計画に基づく整備については、第70回となみチューリップフェア開催年の来年3月までに再整備をおおむね完了する計画となっておりますが、再整備基本計画に基づく施設の整備については、まだ完了していない状況であります。
つきましては、今後の砺波チューリップ公園の再整備計画をどのように進めていかれるのか、建設水道部長の答弁を求めます。
○議長(山本善郎君) 老松建設水道部長。
〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 議員が述べられましたとおり、砺波チューリップ公園再整備基本計画を策定した平成26年度の段階では、再整備の完了目標年を第70回となみチューリップフェア開催の年の3月、つまり令和3年3月としておりましたが、現状において完了は困難な状況となっております。
事業費ベースでは、全体事業費約12億円に対しまして、これまで約7億円を投じ、北門、東門横トイレや新チューリップタワー等の整備を順次実施し、現在約6割の進捗状況となっております。
なお、本再整備事業につきましては、国の社会資本整備総合交付金を活用して実施しているものであり、公園事業につきましては、道路、河川、下水道といった防災・減災に直接関係するインフラ整備事業とは異なり、国の交付金予算の確保が難しいことから、毎年、議会の皆様のお力も借りながら積極的な要望活動を行ってきたところであり、国及び県の御理解をいただき、第70回となみチューリップフェアまでに、新チューリップタワーをはじめ、主要施設整備を重点的に進めることができました。
今後の進め方につきましては、令和3年度以降は屋外ステージやみんなの広場のほかに、ベンチや遊具、照明、電気設備等の老朽化も目立ってきており、更新して長寿命化を図ることが必要なことから、計画期間を延長し、引き続き国の社会資本整備総合交付金を活用できる事業となるよう働きかけてまいります。
また、本公園につきましては、火災及び地震時の指定緊急避難場所に指定していることから、砺波市国土強靱化地域計画に位置づけており、防災、安全面を前面に打ち出し、今年度の第3次補正予算を含め予算確保に努め、事業の進捗を図ってまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 有若 隆君。
〔5番 有若 隆君 登壇〕
○5番(有若 隆君) 3項目めに移ります。現チューリップタワーの最上部のモニュメントの再活用についてお伺いをいたします。
砺波チューリップ公園のシンボルである現チューリップタワーの最上部モニュメントについては、現チューリップタワーが昭和47年竣工から35年経過した平成19年に、約500万円を投じて新たに作成されたものであります。
現チューリップタワーについては、7月、工事に着手し、現在建設が進められ、来年3月に完成予定の新チューリップタワーの整備により、第70回となみチューリップフェア終了後、解体が予定されているところでありますが、朱色で花の勢いが感じられるユリ咲きの品種である「プリティーウーマン」をイメージしたモニュメントについて、再活用して、当市のまちづくりに生かすべきと考えます。
つきましては、チューリップのまち砺波のシンボルとして、砺波駅前広場とか北陸自動車道砺波インターチェンジ出口に設置してはいかがかと考えますが、現チューリップタワーの最上部モニュメントの再活用について、市長の見解を求めます。
○議長(山本善郎君) 市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 現チューリップタワーの最上部の花模型、モニュメントにつきましては、議員からも御紹介ありましたが、昭和47年のタワー建設時に設置されました花模型が老朽化してきたことから、平成19年にユリ咲きの「プリティーウーマン」をイメージした形状に更新し、2代目として10余年、公園のシンボルとして親しまれてまいりました。
この花模型は、初代と違いましてFRP製ですので、直径が1.8メートル、高さが3メートル、重量も800キログラムということで、上にあるからあまり大きく感じませんが、下に下りますと相当大きなものであります。設置からまだ10年余りしか超えておりませんので、再活用は、FRPですので可能ではないかなというふうに思いますが、一度塗装もしております。ただ、解体時に状態を見極める必要があると思っております。
おっしゃるとおり、砺波チューリップ公園の中でモニュメントの形で再活用することですとか、議員も幾つか御提案ありましたが、そういうことも含めて、使えるものであれば検討する必要があるかなというふうに思っていますが、あれ、結構とがっておりますので、そこに普通に置いておいても安全かというと、それから、さっき言いましたように800キロもありますので、相当しっかりした基礎をつくるということも必要になると思います。
いずれにしても、このほかにも、市内に事務所を置いておられますチューリップの関係団体からも、再活用に関して問合せをいただいております。その提案も含めまして、広くいろんな意見をお聞きした上で、議員も御提案のとおり、市内の観光ですとか活性化に寄与するものとなるよう、当然ながら経費面なども含めて考える必要がありますが、総合的に判断して、有効な再活用策があれば検討していきたいと考えております。
せっかくの機会ですので、新しいタワーの話を少ししますと、新しいチューリップタワーに備え置かれます花模型、モニュメントにつきましては、今度は3つ、3色になりまして、いずれも富山県の開発品種であります。赤は「とやまレッド」、白は「白雲」、黄色は「黄小町」の3種類をイメージとしております。現在、工場で製作しておりますので、3月の初め頃までには現地に設置できるのではないかというふうに工事の工程が進んでおります。またつきましたら御覧いただきたいと思いますし、70回のお披露目に、ぜひまた大きな目玉としてアピールしていきたいと考えております。
○議長(山本善郎君) 有若 隆君。
〔5番 有若 隆君 登壇〕
○5番(有若 隆君) 当市のまちづくりに、ぜひ有効な再活用の検討をよろしくお願いしたいと思います。
3項目めは、安全で安心して暮らせるまちづくりのための防火対策についてお伺いをいたします。
本格的な冬将軍が到来し、火災多発期を迎える時期となり、全国各地で住宅火災が相次いでおります。昨年全国で起きた火災件数は、平成30年より298件少ない3万7,683件でありました。本県での火災件数は、平成30年より20件多い190件、当市においては、8件より2件多い10件となっております。
また、富山県での出火率は1.79となり、29年連続で全国最少となりました。これは、消防職員や消防団員をはじめ、地域や自主防災組織などの日頃からの防火活動によるものであり、これまでの御尽力と御労苦に対して敬意を表するとともに、深く感謝を申し上げます。
一昨年12月、市内鹿島で家族4人が亡くなるという痛ましい住宅火災がありました。火災予防と火災による人的被害を防ぐため、まず1点目は、火災予防の啓発活動状況と今後の活動計画についてお伺いをいたします。
本年度の全国統一防火標語は、「その火事を防ぐあなたに金メダル」で、去る11月9日から15日まで、秋の火災予防運動が展開されました。コロナ禍の中でありますが、今後も消防署と地域防災の要である消防団の両輪による市民への防火意識の向上を図るための火災予防啓発活動の徹底により、今後の無火災を願うものであります。
つきましては、コロナ禍の制約のある中での火災予防の啓発活動状況と今後の活動計画について、企画総務部長の答弁を求めます。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 砺波市消防団では、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言下の4月17日から5月8日までの間、隊員の安全を考え、活動の一時休止を余儀なくされましたが、5月9日から、市民の安全や防火啓発のために広報巡回活動を展再開したところであり、また、10月には、4月に実施を見合わせました消防署と消防団が連携して行う火災防御訓練を青島地区において実施したところであります。
また、活動に当たりましては、消防職員の感染症対策の徹底は言うまでもなく、各消防分団に対しましても、マスク、手洗いの徹底、広報や点検活動における3密対策、体調不良の団員の活動は控えることなどについて通知を行い、安全対策を十分に行った上で実施をしているところであります。
今後の活動予定につきましては、火災は市民の一人一人の予防意識が重要であることから、引き続き感染症対策を徹底した上で、消防署と消防団が連携し、例年どおり広報巡回、歳末消防警戒、出初め式、春季消防訓練などの活動を実施してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 有若 隆君。
〔5番 有若 隆君 登壇〕
○5番(有若 隆君) 次に、住宅用火災警報器の設置・更新への取組についてお伺いをいたします。
住宅用火災警報器については、消防法の改正及び条例により、平成20年6月から全ての住宅に設置が義務づけられてから、はや10年以上が経過し、電池切れや老朽化が懸念されております。
住宅用火災警報器の必要性については、死者の7割は住宅火災で発生していること、また、住宅用火災警報器が設置されていた住宅とされていなかった住宅での火災を比べてみますと、住宅用火災警報器が設置されていた住宅での死者数は半減となっています。
万が一、住宅火災が発生したとき、住宅用火災警報器の設置によって尊い人の命が助かりますが、住宅用火災警報器の推計設置率は、本年7月時点で全国が82.6%、富山県全体では84.9%、砺波地域消防組合では87.5%、砺波市も同じ87.5%で、昨年同期の90%、一昨年同期の92.5%から年々推計設置率が低下している状況であります。
住宅用火災警報器の設置普及と調査には、砺波市消防団の皆さん方の協力により、平成20年から秋の火災予防運動に併せて、連続して普及と調査活動をしていただいております。砺波市消防団の皆さん方の日頃の火災予防活動に感謝と敬意を表するものであります。
このようなコロナ禍の状況の中で難しい面もあると思いますが、消防団のみならず各地区の自主防災会などにも協力を呼びかけて、住宅用火災警報器の設置、点検、交換を推進すべきと考えます。
つきましては、住宅用火災警報器の推計設置率の低下の原因と設置・更新への取組について、企画総務部長の答弁を求めます。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 住宅用火災警報器の設置率につきましては、消防庁が定める調査方法によりますと、管轄する地域の世帯数に応じ抽出調査を行うこととされており、本市におきましては43世帯以上を対象に調査を行い、推計することとなっております。
砺波消防署では、この調査方法に基づき、平成26年度から、毎年異なる2地区を対象として必要世帯数を抽出し、設置率を算出しております。平成30年度は、高波と油田地区を対象に、令和元年度は南般若と柳瀬地区を対象に行ったものであります。
そのため、住宅用火災警報器の設置率は、同一地区を継続した調査対象としていないということから、年度ごとで比較をいたしますと低下しているかのように見えたりもいたしますけれども、地区ごとの設置率の差であることを御理解いただきたいと考えております。
なお、調査に当たりましては、消防分団員が戸別訪問を行っており、未設置の御家庭には設置するように、また更新の時期が近い場合は更新を勧めるなど、対面での啓発を行っているところであります。
加えて、春季及び秋季全国火災予防運動期間中には、消防署と女性消防団が連携をし、大型商業施設などでの啓発活動を行うなどの取組も行っているところであります。
本市といたしましては、消防署や消防団と連携をしながら、設置率100%を目標に設置推進に努めてまいります。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 有若 隆君。
〔5番 有若 隆君 登壇〕
○5番(有若 隆君) 次に、地域ぐるみ「逃げ遅れゼロ」住宅用火災警報器の設置事業の進捗状況と今後の取組についてお伺いをいたします。
本事業については、火災から市民の命を守るため、昨年度、65歳以上の高齢者世帯などに住宅用火災警報器の設置・更新を進めるため、消防団の協力の下、無償で提供されましたが、コロナ禍の中での本事業の進捗状況と今後の取組について、企画総務部長の答弁を求めます。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 昨年度、消防分団の協力の下、実施をいたしました地域ぐるみ「逃げ遅れゼロ」住宅用火災警報器設置事業におきましては、303件に住宅用火災警報器を設置したところであり、火災警報器の設置が進んだものと評価をしております。
今年度も、残念ながら住宅火災による犠牲者があったということから、住宅用火災警報器のさらなる設置推進のため、対象世帯を高齢者のみの世帯に拡充した上、実施することとしております。対象者へは、事業の御案内と申請書を送付したところであり、申請を2月に取りまとめを行った上、順次設置してまいりたいと考えております。
なお、75歳を超える高齢者世帯には、民生委員児童委員の皆さんの御協力の下、歳末慰問に合わせ住宅用火災警報器の設置状況についても御確認をいただき、交付申請書を手渡しし、説明をするなど、住宅用火災警報器設置の推進と火災予防の啓発を図るとともに、交付対象者には、消防団員が御家庭を訪問いたしまして警報器を設置するなど、進めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 有若 隆君。
〔5番 有若 隆君 登壇〕
○5番(有若 隆君) 3点目は、病院、診療所や社会福祉施設への査察状況についてお伺いをいたします。
病院、診療所や社会福祉施設において建物火災が発生すれば、自力での避難が難しい災害弱者の施設入所者や入院患者などに多数の犠牲者が出た痛ましい事故が過去に発生をしております。
現在、市内には、病院、診療所36施設のうち、入院施設を有する病院、診療所が6施設、また入居を伴う社会福祉施設が28施設ありますが、砺波消防署においては、市民の生命、身体、財産を火災から保護する立場から、常日頃よりこれらの防火対象物に対して、消防法に基づく査察を行って火災予防に努めることが大変重要であると考えます。
つきましては、市内の入院施設を有する病院、診療所や、入居を伴う社会福祉施設に対する砺波消防署の査察状況について、企画総務部長の答弁を求めます。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 病院、診療所や社会福祉施設への査察状況について、砺波消防署に確認いたしましたところ、今年度は11月末現在で、病院、診療所で3施設、社会福祉施設で15施設で査察を実施済みであり、コロナ禍で査察が実施できなかった時期があったものの、今年度末までにはおおむね昨年並みの施設に査察を行える見込みであるとのことであります。
なお、施設への査察は毎年実施することが望ましいところでありますけれども、砺波地域消防組合火災予防査察規程におきましては、前回の査察結果が良好で火災予防上支障がないと認めるときは、査察実施基準を3年に1回以上とすることができるとされておりまして、今後も、この規定を適切に運用しながら火災予防に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 有若 隆君。
〔5番 有若 隆君 登壇〕
○5番(有若 隆君) 4点目は、消防水利の消火栓や防火水槽などについての1つ目、消防水利の充足率の現状についてお伺いをいたします。
火災が発生したときの消火活動には、消火栓、防火水槽、プール、河川、池などの消防水利が大変重要であります。消防水利には、消防法に基づく基準があり、当市の消防に必要な最小限度の水利について定めています。
本年4月1日現在の当市の消防水利の現状は、消火栓が724基、防火水槽が194基ありますが、消防水利の充足率の現状について、企画総務部長の答弁を求めます。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 消防水利につきましては、消防庁から消防水利の基準が示されており、建物などの密集状況によって水利の配置間隔が定められており、これらをメッシュ状に図に表しますと、本市では1,006の水利配置区域に分けられ、このうち724区域において水利が整備済みであることから、充足率は約72%となってまいります。
議員が述べられました水利の合計では918基ということになりますが、1区域に複数設置されている場合もあることから、充足率での数とはちょっと合わないというところでございます。
以上でございます。
○議長(山本善郎君) 有若 隆君。
〔5番 有若 隆君 登壇〕
○5番(有若 隆君) 次に、消防水利の充実強化を図るための今後の整備計画についてお伺いをいたします。
市民が安全で安心して暮らせるまちにするため、火災の消火活動には消防水利が不可欠であり、消防水利の充実強化を図っていかなければならないと考えますが、消防水利の充足率向上に向けた今後の整備計画について、企画総務部長の答弁を求めます。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 議員が述べられましたとおり、市民を火災から守るためにも消防水利の整備は重要であると認識しているところであります。
本市では、消防活動の基軸となる消防施設の整備更新につきましては、消防施設整備計画を作成した上で市総合計画に位置づけ、計画的に消火栓や防火水槽を設置しているところであります。整備に際しましては多額の予算が必要であることから、例えば栴檀山地区や雄神地区では、辺地総合整備計画に位置づけた上、有利な辺地債を財源に整備できるよう、工夫を凝らしているところであります。
本市といたしましては、引き続き、計画的に消火栓や防火水槽の設置に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 有若 隆君。
〔5番 有若 隆君 登壇〕
○5番(有若 隆君) 5点目は、消防分団のサイレンの1つ目、消防分団のサイレン吹鳴の使用方法についてお伺いをいたします。
消防のサイレン吹鳴については、市民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、災害を防除し、災害による被害を軽減することを目的にサイレンを使用するものとありますが、非常時と日常時及び地域性を踏まえた消防のサイレン吹鳴の使用方法について、市はどのような基準に基づいて行っておられるのか、企画総務部長の答弁を求めます。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 消防サイレンの使用につきましては、火災発生時や火災警報の発令時など、市民に危険が迫るような非常時に、危険を伝達する手段として、消防法施行規則に基づき吹鳴することが定められているところであります。
一方、非常時以外では、日頃から火災予防の啓発のため、消防団の定例巡回日であります毎月1日と15日や火災予防週間、歳末消防警戒などでサイレンを使用しているところであります。
そうした非常時以外の吹鳴につきましては、サイレンの設置が民家に隣接していると、そういうような場合では、吹鳴がうるさいとか、非常時と勘違いするといった市民の声もあるということから、地域の実情に精通をしました消防分団によるサイレンの吹鳴の可否の判断を適宜行っているところであります。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 有若 隆君。
〔5番 有若 隆君 登壇〕
○5番(有若 隆君) 最後の質問となります。消防分団のサイレン塔の更新整備についてお伺いをいたします。
消防分団のサイレン塔は設置してから年数の経過したものもあり、今後、経年劣化によりサイレン塔の更新整備が必要と考えますが、今後の更新整備について企画総務部長の答弁を求め、通告によります私からの一般質問を終わります。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) サイレン塔の点検につきましては、毎年、消防職員によって行っており、その上で必要に応じて修繕などを行っております。
この点検によりまして、今年度は中野分団のサイレンの凍結防止装置が故障していることが判明し、冬季、この冬につきましては凍結で使用できなくなると、そういう可能性があることが判明したことから、早速修繕を行ったところであります。
今後とも、分団員の使用時における点検に加えまして、消防職員によります定期点検、さらには設置経過年数や使用状況等を調査し、サイレンの更新を消防施設整備計画に位置づけるなど、そのような検討をしてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午後 1時43分 休憩
午後 1時47分 再開
○議長(山本善郎君) 再開いたします。
4番 桜野孝也君。
〔4番 桜野孝也君 登壇〕
○4番(桜野孝也君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、市政一般に関する質問並びに提案をさせていただきます。
まず1項目めは、小中学校におけるコロナ対応についてお伺いします。
1点目は、歯磨き、フッ化物洗口の再開についてであります。
フッ化物洗口とは、フッ化ナトリウム溶液を少量口に含み、1分間ぶくぶくうがいをするというもので、永久歯の虫歯予防対策として行われています。砺波市では、新型コロナウイルス感染症が拡大する前までは、児童生徒は週に1回、このフッ化物洗口を行っていましたが、今は行われておりません。歯磨きについても今は行われていない状況であります。新型コロナウイルス感染症対策としてやむを得ないかもしれませんが、いつ、どのような状況になれば再開されるのでしょうか。砺波市ではフッ化物洗口を早くから取り入れているおかげで、県内でも子どもの虫歯が最も少ないとのことでありますので、飛沫防止の対策をしっかり取って、何とか再開できないかと思うのであります。
今後のフッ化物洗口再開に向けての考え方と見通しについてお聞かせください。
2点目は、冬期間における新型コロナウイルス感染症対策の換気と湿度管理についてお伺いします。
新型コロナウイルス感染症対策で重要な3密、密閉、密集、密接のうち、これからの時期大変になってくるのが密閉を避ける、いわゆる換気だと思います。加えて、冬は乾燥もしますので、湿度のことも考える必要が出てくると思います。
これまで幼保小中の先生方は、新型コロナウイルス感染症対策で様々なことに気を配りながら、いろんな行事が思うようにできない中でも、子どもたちのために頑張ってくださっています。今、全国的には、感染拡大の第3波と言われる状況において、寒くなるこれからの時期が正念場であります。新型コロナウイルス感染症だけではなく、インフルエンザにも注意しなくてはなりません。
そこで、これまでも学校等では十分換気を行っていたと思いますが、寒さの厳しい冬期間においてどのように換気を行っていかれるのか、また湿度管理についてどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 1項目めの小中学校におけるコロナ対応についての御質問にお答えいたします。
まず、1点目の歯磨き、フッ化物洗口の再開についての御質問につきましては、全ての小中学校において、新型コロナウイルス感染症対策として、今年度の2学期まで歯磨き、フッ化物洗口を中心にしております。
そうした中、先般、砺波市歯科医師会から、口腔衛生事業の早期再開を求める要望をいただき、検討した結果、基本的にはフッ化物洗口を3学期から再開する方向で調整をしているところであります。
また、歯磨きの再開につきましては、各学校の規模や施設の状況により異なりますことから引き続き検討していくほか、家庭における歯磨きの重要性について児童生徒へ周知してまいります。
なお、今後とも、砺波市学校保健会や砺波市歯科医師会との連携を図り、児童生徒の虫歯予防に努めてまいります。
次に、2項目めの冬期間の換気と湿度管理についての御質問につきましては、夏場の気温が高くなる時期のみならず、冬期間においても新型コロナウイルス感染症の感染防止対策として、教室の窓や室内扉の一部を開けたままにしたり、定期的に換気したりしながら授業や活動を行っているところであります。また、湿度管理につきましては、各学校に用意しております湿度計を活用して適正な湿度かどうか確認し、湿度が低い場合にはさらに注意喚起をしてまいります。
いずれにいたしましても、引き続き適切な換気や温度、湿度の管理を行い、児童生徒が安全で安心に学習ができる環境づくりに努めてまいります。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 桜野孝也君。
〔4番 桜野孝也君 登壇〕
○4番(桜野孝也君) 3学期からフッ化物洗口のほうが始まるということで、スタートするということで安心いたしました。
それでは、2項目めに移りたいと思います。2項目めはICT活用の推進についてお伺いします。
1点目、チャットボットの導入についてお伺いします。
チャットボットとは、チャットとロボットを組み合わせた造語で、チャットはインターネットを利用したリアルタイムコミュニケーションのこと、ボットはロボットの略で、AIを活用した自動会話プログラムのことであります。人間同士が会話するチャットに対して、チャットボットは、一方は人工知能を組み込んだコンピューターが人間に代わって対話するというものです。
近年、お客様からの問合せに自動で応答できるこのチャットボットは、民間企業に限らず全国の自治体でも幅広い業務で利用されるようになっています。自治体が利用する背景としては、人手不足解消やAI技術の向上、訪日外国人対応のためなどが挙げられます。また、導入するメリットとしては、24時間365日対応が可能であること、多言語に対応できる、住民が使いやすいなどであります。
福島県会津若松市では、土日や夜間でも問合せしたいという市民からの要望を受け、チャットボットを導入し、休日の医療機関案内やごみ出し方法、各種証明書の案内などをチャットで確認できるようにしたところ、市民からのアンケート結果で80%以上の高評価を受けています。
また、岡山県和気町では、全国で初めて総合的な内容を回答できる自動会話プログラムを採用し、住民だけでなく全国の移住希望者が、知りたいときにいつでも情報を入手することができるようになっています。
また、様々な問合せに対する職員の業務負担を削減すると同時に、担当者不在時や業務時間外の対応も可能になったとのことであります。
今、砺波市では、令和3年度から8年度を計画期間とする第4次砺波市行政改革大綱の策定に向け、協議されておりますが、その案の中には、IoT、AI等の最先端技術の活用に取り組むとあります。パソコンやスマートフォンをうまく活用できない方々も当然いらっしゃいますが、これからは使える人の割合のほうがだんだん高くなっていきますので、住民サービスの向上はもちろん、職員の負担軽減にもつながるチャットボットの導入を考えてみてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。
2点目は、SNSの活用による情報発信についてであります。
SNSで皆さんもよく聞くものには、ツイッター、フェイスブック、LINE、インスタグラムなどがあると思います。こういったものを使って情報を発信していくことは大事なことだと考えます。
情報発信には、市民に向けたものと他の地域の人に向けた発信があると思っておりますが、まず市民に向けた情報発信では、これまでホームページと広報となみが中心でした。広報となみは全世帯に配布されていますし、パソコンやスマートフォンをあまり利用しないという人には読んでいただけると思いますが、子育て世代や若年層の人たちも、みんなが手に取って見ているかということは分かりませんし、ホームページも何かの情報が欲しい人しか見に来ません。広報活動の効果をより上げていくためには、若い世代の人たちにいかにして情報を届けるかが大事であると思います。
そこで、若年層と言われる人たちが多く利用しているSNSを利用することでフォローしてもらう必要もありますが、一度フォローしてもらえば、その後は情報を届けることができるようになります。若い人たちに砺波市のことをより知ってもらえるような情報を発信していくことによって、自分たちの住んでいる地域に関心を持ってもらうことができるのではないかと考えます。また、SNSには情報が拡散するという性質もありますので、他の地域の人たちに対するPRにもつながると思うのです。
そこで、行政改革大綱案にありますSNSの活用による砺波市情報の発信について、これまでとどう違わせていくのか、また、具体的にどのような取組を考えておられるのかお聞かせください。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 2項目めのICT活用の推進についてお答えをいたします。
まず、1点目のチャットボットの導入についてにつきましては、先例自治体が導入をしておりますAIチャットボットでは、議員が述べられました利便性や職員の負担軽減など、その有用性が注目をされております。
一方で、その開発は中小ベンチャー企業などが競って多種多様なソフトウエアを開発しており、運用や回答の精度、安定性、導入コストにもいろいろばらつきがあり、一般的には回答精度の高いソフトウエアほどコストが高額となっております。
本市におきましても、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、導入について調査検討を行いましたが、本市のホームページに記載のよくあるお問合せレベルでの導入費用で数千万円と非常に高額でありました。
今後、さらに精度が高く安価な製品が開発、販売されるということが予想されますことから、導入は時期尚早であるかなとの結論に至ったところでありますが、今後のデジタルトランスフォーメーション推進の中で、引き続き情報収集と研究をしてまいりたいと考えております。それまでの間は、令和3年度末に予定しております市ホームページのリニューアルに合わせ、よくあるお問合せ、これを充実することにより、より見やすいデザインにするなど、さらなる充実に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、2点目のSNSの活用による情報発信についての御質問にお答えをいたします。
議員が述べられましたように、スマートフォンが普及している近年では、SNSを活用した自治体からの情報発信は、市民にとって重要な情報収集手段であると認識をしております。特に、若い世代や子育て世代の方々からのニーズが高いことから、本市におきましても、広報となみにつきましては、自治体が発行する広報紙を無料で御覧いただけるアプリであるマチイロで配信をし、スマートフォンから自分の欲しい情報をカテゴリーより選択できるように、本年から利便性の向上に努めたところであります。
また、その他の本市のSNSの活用例では、公式ツイッターアカウントから市ホームページに新着情報として掲載した内容をリアルタイムで配信しているほか、市外、県外にお住まいの方へは、本市のシティプロモーション活動により、市ホームページや、これらのSNSを活用した本市のよさや魅力、また空き家情報の情報発信に努めているところであります。
今後のSNSの活用による情報発信につきましては、現在、LINEやフェイスブックなど、SNSを先進的に導入している自治体の取組例や、効果、課題、ランニングコストなどの情報収集を行っているところであります。議員が述べられましたように、令和3年度から推進してまいります砺波市行政改革大綱案の中でも、引き続き調査研究をしてまいりたいと考えております。
本市といたしましては、情報発信力強化につきましては、第2次砺波総合計画に掲げました10WAVEプロジェクトの一つとして重点的に取り組んでいることから、現在の情報発信体制の見直し、強化も含めて、より効果的な情報発信に努めてまいります。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 桜野孝也君。
〔4番 桜野孝也君 登壇〕
○4番(桜野孝也君) 3項目めは、防災・減災対策についてお伺いします。
1点目は、災害時に備えるためのキャンプの推奨についてお伺いします。
近年はバーベキューやキャンプなどのアウトドアレジャーが再びブームを迎えていると言われております。多くの企業が新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中で、キャンプ用品業界だけは様相が異なっているようであります。キャンプは自然の中で行われるため、感染のリスクを避けながら楽しむことができる、まさにウィズコロナ時代に適したレジャーと言えます。そして、その中でも公共交通機関を利用せず、マイカー移動で楽しむことができるオートキャンプは、特に注目されているとのことであります。
そこで、なぜキャンプと防災かといいますと、2016年の熊本地震や2018年の西日本豪雨での避難生活の様子をテレビで見たときに、テントや車で避難生活をされていた方が多い印象を受けたからであります。災害時直後というのは、電気やガス、水道が使えないことが想定されますし、避難生活においても不便なところがたくさんありますので、キャンプの知識が少しでもあれば、ふだんから何を準備しておけばいいかなど、考えて備えることができると思うのです。
最近は、キャンプや車中泊に活用するため、そして災害時の備えにもなるポータブル電源を購入する人も増えていると聞きます。大災害がいつ来てもおかしくないという時代でありますから、楽しみながら災害時の備えにもつながる、まさに一石二鳥のキャンプを推奨していくことは、防災・減災に力を入れている砺波市として取り組む価値はあると思うのですが、いかがでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。
2点目は、市内キャンプ場の現状についてお伺いします。
砺波市内にキャンプ場としてあるのは、上和田緑地キャンプ場の1か所であると思っています。ここは駐車場とキャンプをする場所が分かれており、オートキャンプはできませんが、テントサイトは28区画あり、トイレ、炊事場、かまどが完備されています。ネットでの書き込みなどを見ましても、よい感想が書かれていました。
ほかには、キャンプ場ではありませんが、弁財天公園でテントを広げてバーベキューをされているのを見ることもあります。
そこでお伺いしますが、市内のキャンプ場の利用状況など、現状についてお聞かせください。
3点目は、オートキャンプも可能な場所の整備についてお伺いします。
先ほども言いましたが、今オートキャンプの需要が高まってきております。キャンプをこれから始めたいという方にとっても、車に荷物を積んでちょっと楽しんでくるといったことができれば始めやすいと思うのです。オートキャンプだからといって、しっかりした設備を整えなければいけないというのではなく、車で乗り入れることができて、火を使ってもいい場所、あとはトイレと水道があればなおいいと思うのです。そういう場所を指定し、ルールを決めてあげればいいのではないかと思います。
また、市内にはキャンプ愛好家の方も多くいらっしゃると思いますので、そういう方々に聞いてみるのもいいと思います。キャンプに興味を持ち、キャンプをする人が増えることは災害時の備えにもつながると思いますので、初心者や家族でも気軽に楽しめる、例えば庄川水記念公園などの都市公園にオートキャンプが可能な場所を整備すればどうかと思うのですが、いかがでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。
4点目は、防災キャンプの実施についてお伺いします。
防災キャンプとは、実際に避難所に泊まることや、キャンプを通して子どもたちが家族や地域の人と楽しく防災を学ぶということであります。災害時と同じような状況を体験しておくことはとても大事なことだと思います。体験することによって、災害時に命を守るために必要な知識や技術を学ぶことができます。そして、どのような備えをふだんからしておけばいいかなど、防災について真剣に考える機会にもなります。
被災経験者の声を聞くと、なるほど、そういうことがあるのかと思うことがたくさんあります。自分も含め、災害を経験したことのない人たちにとって大事なことは、被災された方々の教訓を生かし、万が一の場合に備えることだと考えます。
そこで、子どもと大人が一緒になって楽しく防災を学ぶことができる防災キャンプを学校行事や公民館行事として実施すればどうかと思うのですが、いかがでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 私からは、1点目の災害時に備えるためのキャンプの推奨について、お答えをいたします。
議員が述べられましたとおり、災害時は生活インフラが一時的に使用できなくなる場合もあり、そのようなときにはキャンプの知識や経験が役に立つことがあると思っております。一方で、個人の判断で発災直後にキャンプによる避難をされますと、避難者情報の把握が困難となりますし、例えば避難された場所が土砂災害や浸水の危険があるなど、安全面が不十分な場合もあるというふうに考えております。
これらの理由から、まずは市が指定する避難場所に避難をしていただき、その上で、今回の市総合防災訓練でも実施をいたしました車中避難のように、安全な場所に分散をして避難する方法の一つとして活用してはいかがかと、そういうことも考えております。
本市といたしましては、他の自治体の事例も参考にしながら、議員御提言の避難方法について今後研究してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 私からは、2点目の市内キャンプ場の現状についての御質問にお答えいたします。
市内には、市が設置いたします上和田緑地と、本年4月に民間へ無償譲渡いたしました旧閑乗寺夢木香村の2か所のキャンプ場があります。しかしながら、閑乗寺夢木香村のキャンプ場につきましては、管理者であった方々等に確認いたしましたところ、平成30年度から本年11月末までの間、コテージの利用はあるものの、キャンプ場の利用実績がない状況とお聞きしております。
一方、上和田緑地のキャンプ場の利用状況につきましては、平成27年度の利用人数が1,173人に対しまして、令和元年度では3,352人と、5年間で約3倍となっております。また、今年度につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として、4月中旬から約1か月間の閉鎖をしておりましたが、11月末までの利用人数は2,115人となっております。このような利用増加の要因といたしましては、近年のキャンプブームに加え、コロナ禍において3密を回避し、家族や友人などと屋外で楽しめる新たな生活スタイルが広がってきているものと思われますので、このような状況はいましばらく続くものと考えております。
次に、4点目の防災キャンプの実施についての御質問にお答えいたします。
防災キャンプにつきましては、児童生徒が今後遭遇するかもしれない災害時において、自らの危険を回避し、対応できる能力を育むため、効果的なものと考えております。その実施に当たりましては、地域住民の協力が必要不可欠であることから、保護者等との理解の下、取り組んでいくことが望ましいと考えております。
したがいまして、PTAが主体となり、各地区自主防災会との連携を図り実施できないか、関係団体等と協議をしてまいります。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
老松建設水道部長。
〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 私からは、3点目のオートキャンプも可能な場所の整備についての御質問にお答えいたします。
一般社団法人日本オートキャンプ協会によりますと、全国のオートキャンプ場の数はおよそ1,200か所であり、そのうち会員登録されているものは約300か所となっており、県内には隣の南砺市の利賀国際キャンプ場や桂湖オートキャンプ場など5か所あると伺っております。
庄川水記念公園などの都市公園を活用したオートキャンプ場の整備につきましては、議員が述べられましたとおり、災害時の備えといった点やコロナ禍への対応などといった利点はあるものの、火気の取扱いや消灯時間等のルールを決めた場合であっても、排ガスやバーベキューによる排煙、臭気や騒音、交通ルール、ごみ処理等、近隣住民とのトラブルも発生しているなど、多くの課題があると伺っております。
市といたしましては、このような課題があるため、整備に際しましては地域住民の理解が第一であることから、現段階での整備は考えておりません。
なお、キャンプ場といたしましては、既存の上和田緑地キャンプ場などを利用していただきたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時18分 休憩
午後 2時27分 再開
○議長(山本善郎君) 休憩前に引き続き会議を開き、質疑を続けます。
2番 境 欣吾君。
〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 議長の許可がありましたので、通告に基づき質問を行います。
新型コロナウイルス感染対策について質問をしたいと思います。
新型コロナウイルス感染症は再び全国的に拡大をし、連日記録的な数の感染者の報告があります。砺波市での感染の報告もあり、コロナ禍の下でどのように対策を取りながら日常生活を送っていくのかということが、市民一人一人にとって改めて重要な問題として提起されています。
政府の感染症分科会は、感染リスクが高まる5つの場面について、及び感染リスクを下げながら楽しむ会食の工夫についての提言を行いました。これまで言われてきたマスクの着用や手洗いの徹底、3密回避などの重要性を踏まえながら、提起された内容を徹底していくことが大切だと考えます。
私は、同時に、コロナ禍の下でも必要な活動がちゃんと行える、必要な人の行き来も行えるように日常を構築していくことも重要だと考えます。直接会ってでないとなかなか展開できないビジネスの場面もあるでしょうし、何より家族が人生の大切な場面で自由に会うこともできないというふうな状態をずっと継続させてはいけないと考えます。
その上で、積極的なPCR検査の実施が決定的に重要です。症状があり、感染が疑われる人の判定のための検査はもちろん必要ですが、無症状の人が知らぬ間に感染を広げていくことを防ぐための検査の網を構築していくことが肝要です。
この11月16日時点で、医療機関での院内感染が349件に達し、高齢者、障害者などの施設での感染は401件に達していると報告されています。人の出入りの際の発熱チェックや消毒などの対策は当然取られていただろうと考えられるところでの発生であり、症状のない人が感染を広げるのを防ぐ手だてが極めて重要だと考えられます。
そこで、1つ目の要望を行います。今議会の補正予算で市立砺波総合病院への計画入院患者には、事前にPCR検査を受けてもらうための予算が計上されています。病院を集団感染の発生源にしないための重要な手段だと考えます。
私は、このような手だてを集団感染のリスクの高い介護入所施設でも一般化すべきではないかと考えます。現在はどうしているのか。特別養護老人ホームの方にお聞きすると、直近の2週間に本人や家族の様子に感染の疑いはないと判断できる場合に入所としているが、検査を実施しているわけではないということでした。発熱やせき、倦怠感などの症状があるかないかで判断されているようですが、もしも無症状の感染者の方だと、感染力を持ちながらの入所となってしまいます。重症化しやすい人たちが生活しておられる施設なので、その影響は大きいと考えます。検査で確認してからの入所ということが一般的になれば、入所するほうも受け入れるほうも安心感が格段に増すと考えられます。
8月に厚生労働省から、新型コロナウイルス感染症に係る行政検査に関するQ&Aについてという事務連絡で、感染者が出ていない施設であっても、感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、医療施設、高齢者施設等に勤務する者や新規入院・新規入所者等については、当該施設で感染者がいない場合であっても、当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者として、行政検査の対象としてもよいかとの問いに対し、医療機関や高齢者施設等においては、クラスターが発生した場合の影響が極めて大きくなることが考えられます。施設内における新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、幅広く行政検査を実施していただくことは可能ですので、適切に実施していただくようお願いいたしますと述べ、検査の積極的な運用でクラスターを未然に防ぐことを推奨しています。
問題は、当市が感染者やクラスターが多発している地域とみなせるかということだと思いますが、感染は再び全国的に広がっており、この地域は大丈夫だと言えるところはありません。これらの施設では、当県での感染者の報告のないときから、入院患者、入所者との面接は、家族であっても原則として禁じられていました。外からのウイルスの侵入を防ぐための厳しい手段ですが、であるならば、新規の入院・入所者に対するPCR検査は必ず行われるべきではないでしょうか。
さきの厚生労働省の事務連絡の趣旨では、病院、介護施設に関わる医師がPCR検査を実施することが適当と判断すれば、入院・入所者の入院・入所前検査を行政検査として行うことができると述べているもので、県内の施設でも実際に行政検査として行われているところがあると聞きます。これらの検査を一般的に行政検査として行えることを周知するよう、県に要望していただきたいと考えます。さらに、市内の施設に知らせて徹底していく役割を果たしていただきたいと思います。当局の考えをお聞かせください。黒河福祉市民部長に答弁を求めます。
○議長(山本善郎君) 黒河福祉市民部長。
〔福祉市民部長 黒河英博君 登壇〕
○福祉市民部長(黒河英博君) 国は、PCR検査対象として、発熱が続く人や濃厚接触の疑いのある人などのほか、感染者が多数発生したり、施設等でクラスターが発生したりしている地域では、医療施設や高齢者施設等で感染者がいない場合でも、無料で検査を受けられる行政検査の対象としております。
さらに、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行期を迎えるに当たり、今般、県では、発熱等の症状のある方には、まずかかりつけ医に電話で相談し、相談した医療機関で診療・検査ができない場合には、かかりつけ医から診療・検査医療機関を案内するといった診療体制の整備を図ったところであります。
また、市立砺波総合病院では、感染症指定医療機関として新型コロナウイルス感染症の院内感染を防ぐことを目的に、今月から全ての入院患者に対し、入院前のPCR検査を県と連携し行政検査として実施しているところであります。
本市では、今のところ幸いに感染者が多数発生したり、施設等でクラスターが発生したりしていないことから、高齢者等施設での入所前のPCR検査は実施されておりませんが、こうした医師等の判断により、入院・入所前検査を行政検査として実施できる制度については、国から県を通じ各施設等に対し、既に通知されているところであります。
市といたしましては、本制度が今後も広く周知されるよう県に要望するとともに、市内施設等への周知徹底に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 境 欣吾君。
〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 次に要望したいのは、医療や介護、教育、保育などに関わる施設で働く職員に対する定期的なPCR検査を行政検査として行えるようにしてほしいということです。
集団感染のリスクの高い職場であり、職員の皆さんは、関わる患者やお年寄り、子どもたちに感染させないようにという不断の緊張感の中で毎日の仕事を続けておられます。ある通所施設の方にお聞きすると、非常事態宣言が解除されているのに心苦しいが、職員の皆さんには、原則、県外に出かけないようにお願いしているとのことでした。先日、親の葬儀のためにやむなく県外に出られた職員の方には、数日自宅で待機してもらってから勤務してもらったけれども、ぎりぎりの職員で回しているので大変だったとのことでした。職員の方が検査を受けられるようになれば、とても安心できると話しておられました。
11月17日に東京都世田谷区では、区内の介護施設で働く職員に対して行ったPCR検査の結果を報告していますが、利用者2人と職員13人から陽性反応が出たが、経路は不明という内容でした。クラスターが発生した施設ではなく、普通に営みを続けている施設の職員の結果であり、陰性だと思って受けた社会的な検査の結果だったので、職員のメンタルが非常に落ちてフォローが必要な状態だったということです。
東京都と当地とでは感染の状況は同じではありませんが、外とのつながりを完全に断った生活を職員に求めることはできません。定期に検査を実施して、感染していないことを確認することはどうしても必要だと思います。施設利用者への外部からの面会を厳しく抑制しているのに見合うほどの職員の側のウイルスチェックが必要だと思います。
県内で関連の職に就いておられる方は6万人余りいると聞きましたけれども、定期に検査を受けてもらうとなると、1日当たりの検査数はかなり増やさなければなりません。一気に毎週検査を受けるというふうにはできなくても、到達すべき点を定めて検査数を計画的に増やしていくということは、どうしても必要ではないでしょうか。
医療、介護、教育、保育などに関わる職員への定期的なPCR検査を行政検査として行えるよう、県に強く求めていただきたいと思います。黒河福祉市民部長に答弁を求めます。
○議長(山本善郎君) 黒河福祉市民部長。
〔福祉市民部長 黒河英博君 登壇〕
○福祉市民部長(黒河英博君) 医療、介護、教育、保育などに関わる職員へのPCR検査につきましては、現在のところ、発熱が続く人や濃厚接触の疑いのある人などのほか、感染者が多数発生したり、施設等でクラスターが発生したりしている地域以外では、行政検査の対象となっておりません。
市といたしましては、こうした集団感染のリスクの高い現場で働く職員の感染防止対策は極めて重要であると認識しており、日頃からマスクの着用や小まめな手洗い、施設内の消毒をはじめ、日常生活においても、3つの密及び感染リスクが高まる5つの場面の回避等について、鋭意注意喚起しているところであります。
なお、今後のPCR検査体制の拡充も含めました感染防止対策につきましては、国や県に対し機会あるごとに要望してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 境 欣吾君。
〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 次の要望です。
今議会では、65歳以上の高齢者や基礎疾患を持つ人が希望すれば、PCR検査を受診できるとする予算案が提出されました。市のほうから、希望すれば検査が受けられますと市民に呼びかけられるというのは、発熱があっても4日間自宅で待機を要請されていた頃と比べると、大きな前進だと思います。重症化しやすいとされる高齢者や基礎疾患を持つ人が、大丈夫かなと心配になったら検査を受けられるというのは、大いに意味のあることだと思います。
同時に、幾つか気になることもあります。1つは、受診に要する料金です。PCR検査の受診には高額の負担が伴いますが、この措置に国は2万円を上限とする料金の半額だけ負担すると言っているようで、残りは当市と市民で負担することになります。本来は国が全額負担して、不安のある人は、お金のことを気にせずに検査を受けられるようにすべきです。料金設定を安いほうに合わせて、その半額だけを補助するという方針に国の中途半端さを感じますが、PCR検査の受診に格差が生じないように、市が相応の負担をすることは必要ではないでしょうか。
さらに気になることは、希望する者が受診できるのは、65歳以上の高齢者と基礎疾患を持つ者と限定していることです。重症化しやすい層だからというのは分かりますが、行動の範囲が大きく感染の機会を多く持つのは、65歳以下の元気な層ではないでしょうか。この層の人たちが、無症状のまま気づかずに、重症化しやすい人たちに感染させてしまうことを防がなければならないのだと思います。症状のない陽性者を早く把握し、保護し、追跡することが、感染の広がりを抑える上で決定的に重要です。
娘の出産でどうしても東京に行かなければならなかったが大丈夫だろうか、展示会に行ってデモンストレーションをやってきたけれども、このまま地元で日常生活に入っていいのだろうかとか、様々な不安を抱えている人たちがおられましたが、そういう不安を抱く人たちが気軽に検査を受けられる体制を築くことこそ、感染を封じ込めていく力になるのではないでしょうか。
無症状者への積極的なPCR検査の実施は、既に全国の幾つかの自治体で様々に取り組まれています。必要な財源は国が持つべきだと思いますが、国が負担しないのでということで手をこまねいているというのはいかがでしょうか。
市民の安全を確保するために、こんなときこそ財政調整基金を活用してもよいのではないでしょうか。希望すれば誰でもPCR検査を受診できるようにする、そのための体制や財政の裏づけを国、県に強く求めていただきたいと思いますが、必要であれば財政調整基金の活用も考えていただきたいと思います。見解をお聞かせください。黒河福祉市民部長に答弁をお願いします。
○議長(山本善郎君) 黒河福祉市民部長。
〔福祉市民部長 黒河英博君 登壇〕
○福祉市民部長(黒河英博君) 高齢者や基礎疾患を有する人が新型コロナウイルスに感染した場合に重症化するリスクが高い特性があり、仮に感染した場合、死亡例の増加、重症者の増加と、それに伴う医療提供体制の逼迫につながる可能性があると言われております。
感染が疑われる場合は行政検査を実施することが基本となりますが、今般、国は重症者を増加させないよう、地域の感染状況に応じて、さらに検査に取り組む自治体の取組を支援するため、感染した場合に重症化するリスクが高い高齢者等の希望により、市町村が検査の助成を行う場合、国がその一部支援するとしたものであります。
市といたしましては、早速、県や砺波医師会とも協議をし、65歳以上の高齢者及び60歳から64歳までの基礎疾患のある方のうち希望者を対象にPCR検査助成事業を実施することといたしました。なお、助成金額につきましては、国の助成基準に基づく上限の2万円とし、事業実施期間は令和3年3月末までとしております。
しかしながら、検査結果は検査時点での感染状況を示すものであって、仮に陰性であっても、早期発見のためウイルスが検知されない可能性や、その後、感染する可能性もあり、感染予防には十分注意していただく必要があります。
市といたしましては、新型コロナウイルスワクチンの早期接種開始も含めまして、今後の国の体制整備や財源確保について期待するとともに、引き続きその動向を注視してまいりたいと考えております。
また、議員が述べられました財政調整基金の活用につきましては、感染症対策は基本的に国の事業でありますので、基金の活用は予定しておりません。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 境 欣吾君。
〔2番 境 欣吾君 登壇〕
○2番(境 欣吾君) 次の質問に入ります。
今年10月25日、核兵器禁止条約を批准する国が50か国に達し、来年の1月22日の発効が確定しました。いよいよ核兵器が法的に違法なものとなり、文字どおり核兵器の終わりが始まることになります。
残念ながら、日本政府は、唯一の被爆国でありながらこの条約を批准しないとの立場であり、核兵器の廃絶を切に求める世界の人々に失望を与えています。私は、日本政府は本来、核兵器廃絶の世界的なイニシアチブを発揮するべき立場であり、いち早くこの条約を批准すべきだと考えますが、既に少なくない自治体から日本政府に、この条約を批准することを求める意見書が出されています。非核都市宣言をしている砺波市としても、ぜひ要望していただきたいと考えますが、見解をお聞かせください。
核兵器は、他の通常兵器とは異なり、大国がその特権的な地位を維持するために必要な戦略的兵器です。だからこそ、この条約の国連での採択に対し、また採択後の各国での批准に対して核大国から圧力が加えられ、妨害が行われました。国連の交渉会議に参加するなと、アフリカの国々に対しアメリカやフランスなどが圧力をかけていたと報じられていますし、採択日には圧力のために欠席する国が出そうだとの情報も飛び交いました。条約を批准した国々に批准の取下げを求める書簡をトランプ政権が送付していたということも暴露されています。こうした妨害や圧力を打ち破ってこの条約が発効するに至ったことに、核兵器を地球上からなくすことを求める世論がいかに大きいかということが示されています。
また、国際社会の流れは、もはや一握りの大国の思惑だけでつくられるものではなく、全ての国々が対等、平等の資格で世界政治の主人公になる新しい時代が開かれつつあることも示しているのだと思います。
こうした中で、日本政府がこの条約を批准するなら大きな可能性が開かれます。被爆国の日本がこの条約に参加できないと言っていることは、核保有国にとってはありがたい援軍になりますが、条約に参加し、核兵器の非人道性を告発する先頭に立てば、核保有国はその道義的責任を厳しく追及されることになります。敵基地攻撃能力などといって軍事対応で迷走するのではなく、核の禁止と廃絶の先頭に立つなら、北朝鮮や中国に対しても、より強い立場で核軍縮を迫ることができます。
核の傘の下にあることに固執しながら核をなくそうとは要求できないのです。核兵器をめぐるこの歴史的な局面で、日本政府が核兵器禁止条約に参加し、ふさわしい役割を果たすように、砺波市としても要望していただきたいと考えます。夏野市長に答弁を求め、私の質問を終わります。
○議長(山本善郎君) 市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 本年で被爆と終戦から75年の節目を迎え、年月の経過により戦争を知らない世代が増え、次第に戦争の惨禍の記憶が風化しつつあります。
そういった中でも、私たちはこれからも過去の歴史に対して謙虚に向き合い、戦争の悲惨さと平和の尊さを次の世代にしっかりと語り継ぎ、国際平和の実現と我が国の平和と安全を守る大切さを継承していかなければならないと考えております。
このようなことから、平成23年12月に本市も加盟しました核兵器の廃絶等による世界恒久平和の実現を目的といたします平和首長会議から、核兵器の非人道性を体験している唯一の戦争被爆国として条約の締結国になるよう、核兵器廃絶に向けた取組の推進についての要請文を内閣総理大臣宛てに提出したところであり、本市といたしましても、今後も非核平和都市宣言の趣旨を踏まえてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(山本善郎君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。
議案の常任委員会付託
○議長(山本善郎君) ただいま議題となっております議案第85号 令和2年度砺波市一般会計補正予算(第7号)から議案91号 砺波市一般職の任期付職員の採用等に関する条例の制定について、議案第93号 砺波市病院事業の設置等に関する条例の一部改正についてから議案第99号 南砺市とのとやま呉西圏域連携中枢都市圏形成に係る連携協約の変更に関する協議については、会議規則第37条第1項の規定により、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の各常任委員会に付託いたします。
○議長(山本善郎君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。
次に、議会の日程を申し上げます。
明12月9日は産業建設常任委員会を、10日は民生病院常任委員会を、11日は総務文教常任委員会をそれぞれ開催し、付託議案等の審査を行います。
お諮りいたします。明12月9日から12月14日までの間、各常任委員会における議案審査等のため本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山本善郎君) 御異議なしと認めます。よって、明12月9日から12月14日までの間、各常任委員会における議案審査等のため本会議を休会することに決しました。
次回の本会議は、12月15日午後2時から再開し、委員会審査の結果報告、質疑、討論、採決を行います。
本日はこれをもちまして散会いたします。
どうも御苦労さまでございました。
午後 2時57分 閉議