1.会議の経過
午前10時00分 開議
○議長(山本善郎君) ただいまの出席議員は18名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
日程第1
議案第24号から議案第28号まで
○議長(山本善郎君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 議案第24号 令和2年度砺波市一般会計補正予算(第11号)から議案第28号 令和2年度砺波市病院事業会計補正予算(第7号)を追加議題といたします。
(提案理由の説明)
○議長(山本善郎君) 提案理由の説明を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) おはようございます。
まず、追加議案の提案に先立ちまして、新型コロナウイルス感染症への対応について申し上げます。
国は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、3月7日を期限として首都圏4都県に発出しておりました「緊急事態宣言」を21日までの2週間、延長したところであります。引き続き、十分な感染症対策が必要であるとともに、なるべく早期のワクチン接種による集団免疫獲得が望まれるところであります。
本市におきましては、優先接種として行われる市立砺波総合病院の医療従事者等のワクチン接種を3月4日に開始したところであり、今後、住民向けワクチンが供給され次第、迅速に接種できるよう準備に万全を期すものでございます。
それでは、ただいま追加して提出いたしました議案について御説明を申し上げます。
議案第24号から議案第28号までにつきましては、令和2年度砺波市一般会計ほか各会計の予算の補正を行うものであります。
まず、一般会計につきましては、歳入歳出それぞれ1億5,365万3,000円を追加し、歳入歳出予算総額をそれぞれ298億1,990万4,000円とするものであります。
歳出予算の補正の主なものといたしましては、「屋敷林雪害折れ枝回収緊急対策事業」の実施に係る
農村環境創造事業費 400万円
を計上したほか、国の補正予算に対応するものとして
土地改良総合整備事業費補助費 2,153万8,000円
国営附帯農地防災事業費 1億820万2,000円
などを計上したものであります。
また、農業経営等構造対策費などにつきましては、補助事業費の確定などにより減額したところであり、そのほか、当面必要となってまいりましたやむを得ない諸経費について精査の上、計上したものであります。
なお、これらの財源の主なものといたしましては、普通交付税を額の確定により増額するとともに、留保しておりました繰越金を全額充当することなどにより、当初計上しておりました財政調整基金、減債基金、その他の特定目的基金の繰入れを一部または全部取りやめるものであります。
また、繰越明許費補正につきましては、国の補正予算に伴う事業等が本年3月末までに完了しない見込みであるため、やむを得ず翌年度に予算を繰り越すものであり、債務負担行為補正につきましては、維持管理適正化事業補助を追加するものであります。
このほか、地方債補正につきましては、それぞれ事業の補正等に伴い所要額を変更するものであります。
次に、特別会計につきましては、国民健康保険事業特別会計及び後期高齢者医療事業特別会計について、企業会計につきましては、下水道事業会計及び病院事業会計について、それぞれ精査の上、所要の補正を行うものであります。
以上をもちまして、本日提出いたしました議案の説明といたします。よろしく御審議の上、可決いただきますようお願いを申し上げます。
○議長(山本善郎君) この際、暫時休憩いたします。
午前10時04分 休憩
午前11時00分 再開
日程第2
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)
○議長(山本善郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
日程第2 市政一般に対する質問並びに議案第4号 令和3年度砺波市一般会計予算から議案第28号 令和2年度砺波市病院事業会計補正予算(第7号)を議題といたします。
これより、市政一般に対する代表質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
18番 山森文夫君。
〔18番 山森文夫君 登壇〕
○18番(山森文夫君) 自由民主党砺波市議会議員会を代表して、以下、質問に入ります。
初めに、令和3年度一般会計当初予算案における事業施策、重点事業についてお尋ねをいたします。
第2次砺波市総合計画前期計画の最終年に当たり、砺波市の将来像の実現に向けた本市の令和3年度一般会計当初予算案は、合併後3番目の規模となる222億9,600万円とし、前年度との比較では率で0.4%の増、額で8,800万円の増とされました。
合併後の新市の建設計画の最後に位置づけられた新砺波市図書館も昨年11月に開館し、合併特例債を活用した事業が一区切りしたと感じていたところ、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う防止対策という新しい課題の中、さきの第1回臨時会で議決された補正予算は、令和3年度を含めた15か月予算として、新型コロナウイルス感染症対策とともに経済対策も盛り込まれたものとなっております。
また、予算計上されていたワクチン接種は、国、地方が一体となり、克服していかなければならない喫緊の課題であり、今後、行政の適宜適切な市民への情報提供とスムーズな接種が実施されることを望むものでございます。
そこで、新年度予算の編成に当たり、さきの臨時会で議決した補正予算と当初予算との関係について、工夫した点など基本的な考え方について伺います。
次に、このコロナ禍から国税収入が6兆円の減収と言われ、砺波市の令和3年度当初予算案では、市税収入が4億3,000万円余り減収すると見込んでいます。このような税収減は令和3年度以降についても危惧され、回復するまでどれだけの時間を要すか、明るい兆しが感じられません。
令和4年度以降となる総合計画後期計画で位置づける、砺波市行政の本来の政策課題である福祉、商業、工業、農林水産業、建設、教育の各施策を、自主財源不足の中、どのように財源を重点配分され、事業目的を実現されるのか、新年度予算編成における財源確保と今後の財源措置の考え方について伺います。
さきの施政方針で述べられておりますとなみ暮らし魅力アップ予算として、となみ暮らしにスポットを当てた特徴ある施策を講じていくことを述べられております。
そこで、人口減少が他市に比べて緩やかであるとは言うものの、低減傾向にある中、その人口対策としてとなみ暮らし応援プロジェクト、他の自治体から、特に都市圏からの転入を期待しているとのことでございますが、どのような点で他の自治体との違いをアピールし、魅力アップにつなげるかなどについて、また事業の効果をどのように判断するかについて伺います。
次に、さきの11月定例会でも質問項目として取り上げられていました、野焼き防止に伴って処分に困窮している剪定枝、落ち葉などについて、屋敷林保全というテーマで総括的に支援していくことが盛り込まれております。砺波市独自の景観としてのカイニョを保全するという施策でもあります。他の自治体でも同様な課題があると聞いておりますが、ぜひ散居景観を保全していく意味において、本事業がパイロット事業となるよう期待するものでございます。
そこで、どのような政策体系で散居景観保全に結びつけ、どのような事業展開を期待されるのか、夏野市長にお伺いをいたします。
以上で当初予算に関する質問といたします。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) それでは、自由民主党砺波市議会議員会を代表しての山森議員の御質問にお答えをいたします。
まず、1項目めの令和3年度の当初予算についてのうち1点目、夏野市政3期目の当初予算の概要と特徴についての御質問にお答えをいたします。
新年度予算編成に当たっての基本方針につきましては、施政方針及び提案理由の中でも申し上げましたとおり、令和3年度は第2次砺波市総合計画前期計画の最終年であり、本市の将来像の実現を目指し、引き続き事業の選択と集中をより一層進め、財政の健全化と着実な事業展開との双方を強く推進してまいります。
中でも、総合計画の前期5年間に重点的に実施する人づくりや安心づくり、まちづくりをはじめとした10WAVEプロジェクトにつきましては、今年度を上回る数の事業を推進することとしております。
このような基本方針に基づき編成いたしました令和3年度の一般会計当初予算案は222億9,600万円と、合併後では3番目の規模であり、本市の豊かさや暮らしやすさのさらなる向上を図る思いを込めまして、となみ暮らし魅力アップ予算と命名したところであります。
特に、人口対策及び移住定住を支援するとなみ暮らし応援プロジェクト、となみ特有の景観と暮らしの象徴でもあります屋敷林保全のための多面的支援のソフト事業、また、鷹栖地区及び庄川地域での保育施設整備などのハード事業について予算化をいたしまして、本市で暮らす魅力をさらに高め、市民の皆さんにも、新しく住まいを求める皆さんにも、いずれも住みよいまち砺波、選ばれるまち砺波をアピールしてまいります。
また、さきの第1回臨時会で議決をいただきました国の3次補正予算を活用した新型コロナウイルス感染症対策や地域経済対策の予算を繰り越しまして、令和3年度予算と一体的に執行する15か月予算としたものであります。
この補正予算では、国の3次補正予算で措置されました新型コロナウイルス感染症対応地域創生臨時交付金の追加分などの配分を受けまして、積極的に新型コロナウイルス感染症対策、また経済対策に予算措置を行ったものであります。令和3年度当初予算編成の中で検討していた事業につきましても、早期着手が適切と判断した事業は、予算の前倒しを行いまして、事業効果を早期に実現するなど、ウィズコロナ、アフターコロナの対応に切れ目なく対応できるよう配慮したものとなっております。
また、現段階では分からないものの、今後、必要とされる緊急性のある事業が出てきた場合に速やかに取り組めるよう、予備費を前年度予算より2,000万円増の5,000万円といたしまして、予算執行を柔軟に行えるよう配慮、工夫もしたところであります。
次に、2点目の当初予算の財源措置についての御質問にお答えをいたします。
歳入予算の中で大きなウエートを占めております市税、地方交付税及び市債の歳入見積りの考え方及び今後の見通しにつきましては、まず、市税におきましては63億4,600万円を見込み、前年度より4億3,100万円の減収としております。
これは、コロナ禍の影響から、市民税は個人、法人を問わず、個人所得、事業所得の減少が見込まれることから大幅な減収を見込んだものであり、また、固定資産税につきましても、3年に一度の固定資産の評価替えによります減収、及びコロナ禍によって事業所得が減少する事業主の固定資産税の軽減措置によりまして、大幅な減収を見込んでいるものであります。また、これらは、後年度においてもコロナ禍の影響による景気回復の兆しが見通せないことから、今後も引き続き影響するものと考えております。
次に、地方交付税につきましては53億5,000万円と、前年度と同額を見込んでおります。
これは、国勢調査によります人口を測定単位とする算定において、人口減少によります普通交付税の基準財政需要額が減少する一方で、単位当たりの費用の増が見込まれますことから、前年度と同額を見積もっております。
最後に、市債でございますが、市債につきましては21億4,900万円余りを見込み、前年度より4億1,000万円余りの増額を見込んでおります。
主なものとしては、地方交付税の振替財源であります臨時財政対策債でありまして、国の地方財政計画を勘案し、4億4,000円余りの増額で10億7,000万円と市債の約半分を見込んだほか、縁故債10年経過の起債の借換債等で6億6,000万円余りを見込んでおります。その他につきましては、それぞれの公共事業等に合わせて借入れするものであります。
なお、臨時財政対策債の増額につきましては、市税の減収分を補う地方交付税の原資となります国の税収も、先ほども紹介がありましたが、大幅に減収となることから、地方交付税の出口ベース、要するに自治体への交付ベースですが、交付ベースで必要な額を確保するために、地方債の借入れであります臨時財政対策債の増額で補塡されたものとなっております。言わば、交付税が年賦で交付されるというものでありまして、その償還の全額を国が措置するというものであります。
また、借換債につきましても、名前のとおり、過去の起債の残額を新たな条件で借り換えるものでありまして、この2つ、臨時財政対策債と借換債というものは、実質的な債務の増ではないということを念のために申し添えておきたいと思います。
次に、今後の財源確保につきましては、国は、令和3年度までは地方税や地方交付税などの一般財源総額を確保するとしております。ただ、令和4年度以降の地方財政計画につきましては、地方財政の規模がどの程度になるのか、そして、一般財源総額につきましてはどの程度確保されるのか、現段階では想定できない状況でありますことから、今後示されます国の地方財政計画など、地方財政に関する方針をしっかりと注視しながら、適切に対応する必要があるというふうに考えております。
また、今後想定されます庁舎整備を計画していく上で、十分な財源を確保していく必要がありますことから、基金等の積立てを計画的に行いますとともに、有利な地方債を借りることができるよう、国や県にも働きかけながら計画をしてまいりたいと思っております。
このほか、国庫支出金、県支出金などの補助事業の採択、その他の各種交付金など、本市の特性を生かして取り組める事業に充当できる財源措置があるものにつきましては、アンテナを高くいたしまして、少しでも有利な財源の確保を図ってまいりたいと考えております。
次に、3点目となります人口増加対策の考えについての御質問でございます。
近年の全国的な人口減少社会の中、砺波市におきましても、ほかに比べて緩やかながらも少子化、人口減少が進行しており、本市の持続可能な発展を目指すためにも、少子化対策、人口増対策の充実強化は喫緊の課題の一つであるというふうに考えております。
また、コロナ禍でのリモートワークなどの新しい生活様式が浸透しつつあることから、今までの人口増対策を転換し、首都圏をはじめ、県外、市外に居住する若い世帯、あるいは子育て世帯を対象に、本市に居住するきっかけとしての家賃補助や、引き続き住み続けてもらうための住宅取得支援などの充実強化を図ることは、本市の将来を見据えた上でも大変重要と考えております。
おかげさまで、本市では、転入が転出を上回る社会増が平成27年度から5年連続で続いており、若い夫婦世帯がお子さんと一緒に御家族で転入いただくというケースが多くあります。ただ、令和2年度は残念ながら転出増になってしまいましたが。こういったことも含めまして、砺波市にとっては近隣他市にない――家族で転入いただくということですが――は、近隣他市にない本市の大きな特徴であるというふうに考えております。
また、この背景には、昨年11月に総合計画後期計画の策定の参考とするために実施いたしました市民アンケートなどでも示されておりますように、医療の充実をはじめ、学校教育の充実や幼児教育・保育の充実などの満足度が高く、また、子育て環境や女性の就業環境の充実は、やはり本市が誇るべき大きな魅力であるというふうに考えております。
この点に加えまして、今回のとなみ暮らし応援プロジェクトでは、家賃支援、住宅取得支援、結婚新生活支援、出産のお祝い、また三世代同居・近居住宅支援、お試し移住体験などをとなみ暮らしの一連の支援策としてパッケージ化するほか、住宅取得及び三世代同居・近居住宅支援額につきましても、「となみ」にちなんで最大107万3,000円にするなど、砺波らしさを生かし、本市の独自性も生かした知名度アップの支援策であることなども、他の自治体との違いとして最大限にアピールして、本市の魅力アップにつなげてまいりたいと考えております。
次に、となみ暮らし応援プロジェクトの効果をどのように判断するかにつきましては、この事業によりまして人口減少の抑制が図られますほか、次代を担う若い世代の地元定着と転出抑制、婚姻数の増加、子どもの増加、三世代同居・近居の推進などの面において効果を期待しているものでございます。
加えて、人口減少対策としての効果以外にも、住宅の建設やアパートなどへの入居者の増加により、今般の新型コロナウイルス感染症の影響から落ち込んでおります経済活動の活性化及び需要喚起によりまして、減収が想定されている市税への波及効果、さらには空き家の利活用の推進によります空き家の解消などにつながることも期待しているものでございます。
なお、予算案の報道を受けまして、現在既にとなみ暮らし応援プロジェクトについて、市内外の方や不動産関係の方々からのお問合せが20件近くありまして、予算の成立後、速やかに関係機関、団体、さらには関係事業所の方々に説明会を開催するなど、関係者との連携もしっかり図りながら、本市の特徴を最大限に生かして、選ばれるまち砺波、住みよいまち砺波を実感していただき、本市の持続可能な発展につながるよう取り組んでまいります。
次に、4点目でございますが、散居景観と屋敷林の保全についての御質問にお答えをいたします。
砺波平野の美しい散居景観を特徴づけます屋敷林の維持保全につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律によりまして、剪定枝や落ち葉の野焼きが禁止されており、屋敷林所有者においては日常管理などに多大な労力や費用を要していることから、その負担軽減とともに、野焼きによらない対策を講じ、散居景観を維持、継承していくことが重要であると考えております。
まず、剪定枝の対応につきましては、自ら運搬が困難な世帯では、今年度から取り組んでおります剪定枝戸別回収実証実験の対象範囲を拡充するとともに、回収月を増やすことで剪定枝の処分、運搬能力の軽減を図るものであります。
また、屋敷林保全月間を設け、自治会など地域ぐるみの回収、運搬を奨励し、この場合については無償で受け入れることで、共助によります環境対策や野焼き対策に努めるものであります。
次に、落ち葉等の対応につきましては、野焼きによる煙害の苦情に対応するため、破れにくい専用袋を作成することで、燃えるごみとしての排出を促し、有害ガスの発生を抑制するものであります。
また、散居景観の構成要素となる高木や中低木の屋敷林保全対策につきましては、これまで同様、散居景観保全事業や散居景観モデル事業を活用いただくことで、散居景観の維持管理や継承を支援してまいりたいと考えております。
このように、屋敷林の保全につきましては、様々な切り口で多様な支援策を準備し、管理しやすい環境を整えているところでありますが、引き続き屋敷林実態調査や屋敷林等保全委員会の御意見も参考にしながら、市民のニーズに沿った施策を着実に構築してまいりたいと考えております。
なお、将来的には、散居景観や屋敷林の適正な保全、管理に向け、収集、運搬を支援いたしますパッカー車の導入や、剪定枝を活用したバイオマス肥料やバイオマス発電などによる循環型社会への取組も視野に入れながら、継続的に調査研究を進めてまいりたいと考えております。
現在の散居村も、小さなサイズではありますが循環型社会をつくっていたわけで、それを、今の時代でありますので、より大きなサイクルで回そうという将来的な構想を持っていることを申し添えておきます。
私からは以上でございます。
○議長(山本善郎君) 山森文夫君。
〔18番 山森文夫君 登壇〕
○18番(山森文夫君) 御答弁の内容に大きな期待を寄せるものでございます。
それでは、今後の庁舎整備に関して意見を述べます。
現在の庁舎は建設から56年が経過し、老朽化が進み、本庁舎の大部分が耐震化になっていない現況にあります。また、社会情勢の変化に伴う組織、機構の改革や行政に対する需要の拡大等により、狭隘化が一段と進んでおります。これらの諸状況を考えた場合、庁舎全体を新築する考えや耐震化になっていない部分の新築、そして現庁舎の耐震化など、様々な構想が存在すると考えます。
そこで、これらの諸問題に総合的に対応するためには、専門家や市民、職員を構成員の一人とした委員会を立ち上げるなど、広範囲の角度から検討していただき、その方向性を令和4年度から始まる砺波市第2次総合計画後期計画に提起することが、より庁舎整備を具現化するものと考えます。市長の見解を求めます。
また、庁舎を建て替えるとなると多大な資金が必要となります。その財源については、極力、地方債に依存しないような庁舎整備基金を活用し、整備を進めるべきと考えます。その基金対策をはじめ、財源対策をどのように講じられるかについてもお伺いをいたします。
加えまして、この課題に対処すべく、砺波市議会においては、今年度、公共施設対策特別委員会を設置しました。そこで意見集約されたものが、過日、提言書として提出されたものでございます。
庁舎整備に関する質問といたします。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 2項目めであります市庁舎建設についてのうち、まず1点目の専門委員会の設置と第2次総合計画後期計画への提起についての御質問にお答えをいたします。
本年度において、市の当局側では、職員によります庁舎に関する整備手法等の調査研究を行い、また、市議会におかれましては、今ほども紹介がございましたが、公共施設対策特別委員会を設置され、庁舎整備に関する調査研究が行われ、先日、御提言をいただいたところであります。
今後、市議会からの御提言や、先ほど申しました職員による調査研究結果を踏まえ、新年度に市民や学識経験者を交えた検討委員会を設置し、庁舎整備の方向性についてまとめてまいりたいと考えております。また、検討委員会の御意見を踏まえ、総合計画後期計画に庁舎整備についての位置づけを行いたいと考えております。
次に、2点目の財源措置についての御質問でございます。
庁舎整備に係る費用につきましては、現在地において本庁舎を部分的に建て替えするといった場合でも、数字が独り歩きしては困りますが、少なくとも概算で40億円は下回らないものと見込んでおります。しつこいようですが、この40億円は何のあれもありませんので、これだけで動かないでいただきたいんですが、であります。
その財源としては、まず平成27年度から積立てを始めました庁舎整備基金の活用を考えておりまして、令和2年度末の基金残高は9億円になり、また新年度においても、現予算案では1億円の積立てを予定しておりまして、今後とも可能な範囲で基金の積立てを継続してまいりたいと考えております。
このほか、活用できる基金としては合併振興基金がございまして、これは令和3年度末の基金残高見込みで7億7,000万円余りとなっております。
議員御発言のとおり、地方債に依存しないで整備することができれば、財政負担も小さくて済むということではありますが、地方債には利用者の世代間での公平な負担を図るという意味もあります。要するに、我々の時代だけが使うものではないので、この先の方にも一定の負担をしていただく。過去のものも一緒でありまして、過去の世代がつくったものを我々が負担しているので、地方債で負担しているということでありますが、地方債には世代間の公平な負担を図るという意味もありますから、その借入れについては想定をしておく必要があるというふうに思っています。
ただし、現行の制度の中では、庁舎整備に充てることができる起債には交付税措置がないことから、このような点についても十分に留意していくことが必要でありまして、できるだけ低く抑えるというのは御指摘のとおりでございます。
私からは以上でございます。
○議長(山本善郎君) 山森文夫君。
〔18番 山森文夫君 登壇〕
○18番(山森文夫君) 庁舎整備に積極的な御答弁をいただいたと、このように思っております。
次に、行政改革の推進とデジタル化の推進について質問をいたします。
砺波市の行政改革への取組は、平成17年度に第1次砺波市行政改革大綱を策定して以来、市民の生活意識や価値観の多様化、社会経済状況の変化などに対応しながら行政改革を進めてこられました。
平成28年度から令和2年度までの第3次行政改革大綱では、一層の機能性、効率性を重視した行政改革の見直しを図るとともに、職員数の適正化など、最適な職員配置に取り組んでおられます。
さらには、事務事業の見直しや指定管理者制度の活用、各種補助金の適正化などにより歳出の削減を図るなど、前回の第3次行政改革大綱下においては、累計で約20億円の行政改革効果を生み出すとともに、職員の意識改革や資質向上を図るなど、成果を上げてこられました。このことを高く評価するものでございます。
しかしながら、自治体を取り巻く現況は刻一刻と変化しており、改革の手を休めるわけにはいかないと考えます。
そこで、第4次砺波市行政改革大綱に盛り込まれた新たな視点は何か、またどのような取組に重点を置かれるか、市長にお尋ねをいたします。
さて、国においては、新しい経済戦略の柱として、教育、防災、医療、働き方など、社会全体のデジタル化を強力に推進していくこととしています。ついては、11月定例会で島崎議員の代表質問に答弁されましたように、本市においてもこの潮流に乗り遅れることなく、デジタル格差にも十分配慮した上で、情報通信技術を活用した質の高い行政サービスが求められております。
そこで、本市のデジタル化の推進について、令和3年度、具体的にどのように取り組まれるのか、市長の考えをお聞きいたします。
また、様々な社会環境の変化に対応するためにも、行政改革とデジタル化は一体的に進めていく必要があると思われます。そのためには、既存の行政改革の組織だけではなく、デジタル化を含めた現組織枠を超えた体制でスピーディーに取り組むべきと考えます。新年度において、行政改革とデジタル化の推進をどのような体制で取り組まれるのか、具体的な組織や運営などについて市長にお尋ねをいたします。
以上、デジタル化の質問といたします。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 3項目めになりますが、行政改革とデジタル化についての御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の第4次行政改革大綱の新たな視点についての御質問につきましては、御紹介もありましたが、本市では、これまでにも持続可能な財政運営を堅持しつつ、質の高い行政サービスを提供するため、将来の負担に備えた財政基盤の強化や新たな自主財源の確保、公営企業等の健全経営などの行財政改革に取り組んできたところであり、今ほどは高い評価もいただきまして感謝を申し上げたいと思います。
第4次行政改革大綱では、新たな視点として、これまで実施してまいりました改革を引き続き行いますとともに、SDGsの推進や働き方改革、新型コロナウイルス感染症対策などの新たな要因に加え、今後の行政を運営する上で重要な行政課題となります公共施設等の老朽化・再編、IoT等の最先端技術の活用、行政手続のオンライン申請等の導入の検討などを新たに盛り込んでおります。
また、これまで当たり前だと思われてきた従来の事務の手順などにつきましては、コロナ禍を機により一層効率化が求められておりまして、新たな発想による改善を行うこと、また、対面原則、書面原則及び押印などの見直しなど、国が進める方向を見据えるとともに、今後、急速に行政事務のデジタル化が進むことが想定されることも踏まえまして、デジタルトランスフォーメーションの推進につきまして、重点的に取り組まなければならないと考えております。
次に、2点目の新年度のデジタル化についての御質問にお答えをいたします。
本市では、これまでも多分野でデジタル化――かつては電算化と言っていたわけですが――を進めてきたところでありますが、今ほども申し上げましたとおり、デジタルトランスフォーメーションの推進は、重点的に取り組まなければならないと考えております。
このことから、まずハード面では、デジタル化を支える通信基盤として、ケーブルテレビ網を光化することにし、鋭意事業を進めているところであります。一方、ソフト面では、昨年、国が示しました自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画において、自治体が取り組むこととされました情報システムの標準化など、6つの重点取組事項につきましては、遅滞なく確実に進めてまいりたいと考えております。
また、本市独自のデジタル化推進といたしましては、これからのデジタル化に的確に対応するため、デジタルエキスパートの職員育成や市ホームページのリニューアルのほか、自治体テレワーク推進実証実験、また防災安否確認サービスなどの国が行います実証実験にも積極的に参加するとともに、その他の全庁的な取組事項を整理した上で、仮称ではありますが、砺波市デジタル化推進計画にまとめまして、計画的に進めてまいりたいと考えております。
なお、これまでも申し上げてきておりますが、市の行政は、市民一人一人に向き合ったサービスを対面で行うことが基本でありまして、重要であると考えております。その上で、より便利で効率的な方法としてデジタル化を進め、市民サービスの向上を図ることが目的でありますので、いわゆるデジタルファーストに陥ることのないよう、デジタル化はあくまでも手段であることを念頭に置き、適切に対応してまいりたいと考えております。
3点目に、新年度の行政改革とデジタル化推進体制についての御質問でございます。
まず、新年度に向けて市民サービスの向上と市組織の活性化を図りますため、行政改革大綱の基本方針に基づき、市民に分かりやすい組織づくり、デジタル化や働き方改革など時代に対応した組織づくり、公共施設の再編など持続可能な行財政運営を進めていくために組織の改編を予定しております。
このうち、デジタル化の推進に関しましては、広報情報課を設置いたしまして、企画調整課が所管しておりました広報広聴、シティプロモーションと、総務課が所管しておりました情報政策を所管することとし、情報発信とデジタルトランスフォーメーションの連携強化を図ってまいります。
また、国では、本年9月にデジタル庁を発足させ、地方自治体ごとに異なる情報システムの仕組みを統一することなどの準備が進められております。
本市においても、デジタル化を推進する体制としまして、砺波市デジタル化推進本部を設置するとともに、デジタル化の調査研究機関としてデジタル化推進庁内会議を、また、その実務を行う組織といたしまして、全庁横断的に各部署の職員で構成しますデジタル化推進班を広報情報課内に設置をいたします。
いずれにしましても、デジタル化推進につきましては、利便性の向上や費用対効果などの市民目線を大切にしながら、業務の効率化といった職員の現場目線でしっかりと議論を行い、全庁的に進めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(山本善郎君) 山森文夫君。
〔18番 山森文夫君 登壇〕
○18番(山森文夫君) 御答弁ありがとうございました。
それでは、将来の学校再編と統廃合、そして地域との関わりについて伺います。
まず、砺波市の小学校の移り変わりについて述べます。昭和22年の教育基本法及び学校教育法による新制度として、小学校、中学校の63制が発足しました。当時、現在の砺波市域においては、21の小学校が現在の自治振興会範囲の中に存在しており、僕たちの村に学校があったというよき時代であります。その後、変遷を経て、現在の8つの小学校区と4つの中学校区が誕生したものであります。先人方の苦労の末、砺波市内ではバランスの取れた配置であると考えます。
しかしながら、児童数の減少から学校規模の適正について述べられるようになりました。このことは小中一貫校や義務教育学校など、学校の再編を根幹としたものであり、砺波市における将来の学校の在り方の一つであるかもしれませんが、現実的にはその対象校や対象地域は限られているように思います。あえて実名は申し上げません。
こうした動きの中、その対象校や対象地域の方々の意識の中に、我が地域の学校は将来どうなるのかと大変に憂慮されております。また、現在の学校形態を維持していくためには、地域と学校との特徴ある関わりを築くことや地域課題の解消に取り組むことがその一策ではないかと悩んでおられるようにも思います。
現在、本市では、砺波市立学校のあり方検討委員会を立ち上げ、検討されているとお聞きいたしておりますが、再編ありきではなく、再編に踏み切る前に地域と学校の在り方などについて、地域に対して問題を提起することが必要と考えます。
そこで、教育委員会にお尋ねをいたします。
学校は地域のシンボル、象徴です。地域における課題の共有や課題解決を図るための人と人との結びつきを保つ大きな要素を学校は持っております。地域が学校との特徴ある関係を構築するため具体的に取り組めるよう、教育行政としての考えや指針を示していただくことを切望するものでございます。
将来の学校再編と統廃合、そして地域との関わりについて、教育委員会の見解を求めます。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
教育長 山本仁史君。
〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) 私からは、4項目めの学校教育施設の再編についての御質問にお答えいたします。
本市におきましては、人口減少の割合が比較的穏やかと言われております。しかし、令和元年度、令和2年度の年間出生数が続けて300人を切る状況となっており、今年の成人式の対象者が565人であったことを考えますと、少子化は喫緊の課題となっております。このような年間出生数の減少は、単に教育環境だけではなく、地域の課題も内包した市全体の大きな問題であります。
そこで、毎年、市議会や各地区自治振興会に対して、このような状況について御説明を申し上げ、地域の皆様と情報を共有させていただいているところであります。
また、最近の学校を取り巻く状況は、少子化問題はもちろんのこと、教育ICT環境の整備、義務教育学校などの新たな学校形態の模索など、教育環境が大きく変わろうとしております。
このような情勢に対応するため、昨年7月に砺波市立学校のあり方検討委員会設置要綱を制定し、昨年9月からこれまで3回の委員会が開催されました。そこでは、地域の代表をはじめ、PTA関係者、学校関係者、商工業関係者などの方々に、将来を展望した本市の小学校及び中学校の在り方について、幅広い見地から協議いただき、学校の適正規模や適正配置等について教育委員会に御提言いただくこととなっております。
これまでの検討委員会では、本市の小中学校の現状として、小中学校の設置状況や児童生徒数、学級数などを確認いただきました。また、委員の方からの御提案により、小中学校それぞれの小規模校と適正規模校の視察を行い、学校規模による課題を確認するとともに、現状を肌で感じていただきました。
議員御質問の将来の学校再編と統廃合、そして地域との関わりにつきまして、まずは児童生徒にとっての最適な学習環境はどのようにあるべきかを最優先に検討し、今後いただく検討委員会からの提言を基に市民の皆さんにお示しし、さらに議論を深めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 山森文夫君。
〔18番 山森文夫君 登壇〕
○18番(山森文夫君) 教育委員会からの見解、御答弁、ありがとうございました。
それでは次に、新型コロナウイルスワクチン接種とそのスケジュールについてお伺いをいたします。
初めに、ワクチン接種の実施体制についてお伺いします。
新型コロナウイルス感染症対策の切り札として期待されているのがワクチンの接種であります。国内で初めて承認されたアメリカの大手製薬会社ファイザー社のワクチンは、およそ4万人の医療従事者を対象に、全国の100か所の病院で先行して接種が行われております。厚生労働省は、4月からは全国の65歳以上の高齢者、およそ3,600万人を対象に接種を始める方針です。
こうしたことを受け、本市では、国の指導の下、ワクチン接種を円滑に実施するため、いち早く砺波市新型コロナウイルスワクチン接種実施本部を設置されました。現在、新型コロナウイルスワクチン接種をめぐり、各自治体では医師会等の協力の下、医師や看護師の確保をはじめ、集団接種では、過密状態を避けるため会場は一定の広さが必要、またワクチンの保管には超低温冷凍庫が必要とされております。
なお、砺波市においては、3月4日から医療従事者等へのワクチン接種が行われました。
また、過日、厚生労働省と川崎市でワクチン接種の円滑化を進めるため、体育館で集団接種の訓練を実施されたところ、体調や病歴、アレルギー等の有無を問う問診に時間がかかるなど、課題も判明したところであります。
集団接種以外にも個別接種の選択肢もあるということですが、まずは何よりも医師会との連携によるワクチン接種、実施体制の整備、強化が重要であります。
そこで、本市におけるワクチン接種の円滑化に向けた実施体制についてお伺いいたしますとともに、あわせて本市のワクチン接種のスケジュールについてお尋ねをいたします。
以上でワクチンに対する質問といたします。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 新型コロナウイルス対策についての御質問にお答えをいたします。
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種につきましては、国の指示の下、都道府県の協力により、市町村において予防接種を実施するということとなっております。
そこで、砺波市の実施体制といたしましては、1月20日にワクチン接種実施本部を健康センターに設置いたしまして、事務職員を1名増員したほか、3月1日からは保健師も1名増員するなど組織体制の強化を図りますとともに、集団接種等の実施に際しましては、全庁横断的な協力体制を構築することとしております。
市の主な業務内容といたしましては、まずは医師会等との連携、調整をはじめ、ワクチンの接種券でありますクーポン券の発行や、接種記録を行うための予防接種台帳システムなどの改修、クーポン券等の印刷、郵送、それから集団接種を行う場合の会場の確保や人的体制の整備、そして市民等からの問合せに対応するためのコールセンターの設置など、相談体制の確保などを行うこととなります。
なお、医学的な視点ですとか、医療関係など専門的なことにつきましては、先日も報道されましたが、県のほうで設置いたしますコールセンターにて行うということになりまして、市が設置するのは、例えば接種のスケジュールですとか会場ですとか、そういったお問合せに限るということになると思います。
また、予算につきましてでありますが、国は令和2年度の予備費及び第3次の補正予算で必要な事業費を確保していることから、市ではさきの11月定例会で事務費の一部を、そして2月の臨時会で残りの事務費及び接種費用を、さらに本日追加提案をいたしました接種記録システムへの取り込み処理を行います健康管理システムの改修費を予算計上しておりまして、そのほとんどを新年度に繰り越して執行することとなると考えております。
次に、接種方法等につきましては、現時点でファイザー社、それから武田/モデルナ社、アストラゼネカ社の3社からワクチンの供給が予定されております。
まず、2月14日に承認されましたファイザー社のものは、マイナス75度の超冷凍保管が必要なことから、国からディープフリーザー、いわゆる超低温冷凍庫が順次配置され、砺波市には2月19日に市立砺波総合病院に配置されました1台をはじめ、合計4台が今後割り当てられてくる予定でございます。
現在、市では、接種方法等について砺波医師会と協議を重ねておりますが、医療機関での個別接種と集団接種を併用する方法で準備を進めているところであります。先ほどは集団接種優先みたいな御質問でありましたが、かかりつけ医の先生方に、ふだんの状況をよく知った上で接種していただくとか、市民の皆さんも、いつも行っているところでやりたいという希望も多いというふうに聞いておりますので、本市では、どちらかというと個別接種が多くなるのではないかなというふうに思っております。かといって、集団接種をやらないというわけにはいきませんので、両方やるということになります。
次に、接種に係ります当面のスケジュールにつきましては、まず2月17日から全国で医療従事者の先行・優先接種が開始されましたが、この事務手続、医療関係者につきましては県のほうで調整をされています。
なお、市立砺波総合病院には3月4日にワクチンが到着し、既に接種を開始したところであります。
市といたしましては、65歳以上の高齢者への接種から対応することになりますが、現時点での予定では、まずは4月以降に、高齢者に対して、接種券でありますクーポン券を発送し、国からワクチンの供給がされ次第、高齢者へのワクチン接種を開始するということになると思っております。
現在、国から示されておりますスケジュールでは、まず4月12日から、数量を限定して全国でワクチン接種が実施され、4月26日の週から全国全ての市区町村に一定の数量のワクチンが配送される予定となっており、4月から5月にかけて医療従事者への優先接種と並行して高齢者への接種が進むことが想定をされております。
また、高齢者以外の接種順位につきましては、基礎疾患のある方、高齢者施設等の従事者、60歳から64歳までの方、そして一般の方々という順番になるというふうに想定されますが、いずれも国からのワクチン供給に応じて順次接種が開始されるという予定であります。順番を決めていてもワクチンが来ないことにはどうしようもないという意味でございます。
ただし、初めてのオペレーションということで、いろいろ事情もあるというふうには思いますが、皆さんも御承知のとおり、国からのいろんな情報が今までも二転三転――五転六転かもしれませんが――しておりまして、今後の状況次第では大きく変更される可能性もあるということについて御理解をいただきたいというふうに思っております。市としては、与えられた条件の中で精いっぱい努力をしていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(山本善郎君) 山森文夫君。
〔18番 山森文夫君 登壇〕
○18番(山森文夫君) ワクチンの接種については、市民にとって大変大事なことでありますので、また関心の高いところでもあります。
次に、市立砺波総合病院のコロナ禍における経営の実態について伺います。
昨年の1月に国内で初めての新型コロナウイルス感染が確認されました。その後、2月には大型クルーズ船での感染事件、そして4月には富山市内でもクラスターなどの発生が相次ぎました。
そんな中にもかかわらず、砺波市での感染者数が低く抑えられているこの現況は、行政の適宜適切な対応と市民の皆様の御理解と御協力のおかげであり、特に感染症指定医療機関となっている市立砺波総合病院の医療スタッフの方々のおかげであると感謝するものでございます。
さて、市立砺波総合病院では、令和元年度に平成28年度以来の赤字決算となりました。この要因には、当時猛威を振るい始めた新型コロナウイルス感染症の影響だけではなく、新規入院患者数の減少が影響したと分析されています。今年度に入り、国は新型コロナウイルス感染症の拡大を阻止する対応策として、4月7日から緊急事態宣言を発令し、不要不急の外出を控えるよう通達したことで、さらに受診控えや手術の延期などによる入院患者数や外来患者数の減少につながったことは、市立砺波総合病院に大きな影響があったものと考えています。
そうした中で、病院スタッフの努力も現れており、コロナ病床数の確保、総病床数の変更、外部コンサルティングによる機能評価係数Ⅱの向上への取組など、入院、外来患者数の減少を診療単価に反映される施策において補おうと努力されております。それらのことを総合的に判断していく中で、今年度の市立砺波総合病院経営について、病院長の見解を求めます。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
病院長 河合博志君。
〔病院長 河合博志君 登壇〕
○病院長(河合博志君) 私からは、6項目めの市立砺波総合病院の経営についての御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症の収益への影響につきましては、患者数の減少や手術の延期等、一部診療制限の影響により、昨年7月末時点での医業外収益を含む収益全体が前年度に比べ約4億8,200万円の減収となっておりましたが、本年1月末時点では約5,600万円の増収に転じております。
これは、議員が述べられましたように、外部コンサルタントの助言を受け、診療プロセスの適正化と在院日数の最適化など、医療の質とDPC機能評価係数Ⅱの向上に向けた取組により、平均診療単価は改善してはおりますが、それだけでは補塡し切れない患者数の減少による減収が見込まれる経営状況の中で、国からの新型コロナウイルス感染症患者用の受入れ病床確保料の交付が大きなプラス要因になっていると考えております。
なお、1月末時点での収益差引き額につきましては、前年度に比べ約8,600万円の減となっておりますが、診療単価の向上が継続していることと今後の病床確保料の見込みから、新型コロナウイルス感染症が病院経営に与える影響は最小限に抑えられるものと推測しております。
今後とも、病院新改革プランに掲げているKPI(重要業績指標)の目標達成に向けた日常的な取組の展開と、経営改善活動の推進役を担える人材育成を継続し、健全経営の強化に努めてまいります。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 山森文夫君。
〔18番 山森文夫君 登壇〕
○18番(山森文夫君) 御答弁ありがとうございました。
次に、有害鳥獣対策について伺います。
富山県ワンチーム連携推進本部会議が立ち上げられ、協議された対応策、5項目の第1項目めに有害鳥獣連携捕獲が挙げられました。例年、有害鳥獣による農作物被害や町なか出没に、住民の不安は後を絶たない状況が続いております。野生鳥獣についてはマイナンバー制度もなく、どこがすみかでどこから来たものか、特定することもできません。
また、有害鳥獣対策は、各市町村が打ち手に悩んでおり、特に隣接市の境界付近では、捕獲許可区域の問題や警察署の管轄区域等により、区域を越えての活動が難しいことから、隣接市町村との連携は不可欠と考えます。
加えて、各市町村では、捕獲した有害鳥獣の処分についても、焼却及び埋却と、様々な処理方法を取られております。また、鳥獣専用の焼却炉がないことや、捕獲隊員の高齢化によって埋却作業も容易でないことから、広域における鳥獣等の専用の焼却炉を設置することが砺波地域におけるメリット、効果につながるものと考えております。
そこで期待を寄せるのが県ワンチーム連携推進本部会議であります。この会議の目的は、市町村単位で行われている有害鳥獣の捕獲について、広域的に関係市町村が連携捕獲に取り組む体制を構築するとあることからも、近隣市町同士が連携して鳥獣の捕獲等に対応するための広域捕獲作戦や、焼却炉の設置計画などを要望事項として考えます。近隣市町村連携による有害鳥獣対策への砺波市の見解をお聞かせ願います。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 県ワンチーム連携推進本部における有害鳥獣対策についての御質問にお答えをいたします。
「ワンチームとやま」連携推進本部会議において取り組むことが決定いたしました有害鳥獣の市町村による連携捕獲の推進の議論につきましては、本年2月に第1回目の会議が県と市町村の担当者によるワーキンググループで開催されたところであり、連携推進事項と今後の日程について協議が行われたところであります。
今回の連携推進事項につきましては、「ワンチームとやま」連携推進本部会議で議論されました、市町村をまたいで活動する熊などの有害鳥獣の捕獲体制整備であり、まずは全県的な隣接市町村間の市街地等出没時連絡体制の整備、それから捕獲の担い手の実情の把握を行う予定となっております。
また、イノシシなどの有害鳥獣につきましては、今後、各自治体における捕獲体制等の情報を共有し、より効率的な捕獲体制などについて検討されるものと考えております。
ただ一方で、議員御発言の広域での焼却炉の設置の取組につきましては、現段階では担当者会議レベルで一部の自治体から話題に上ったことはありますが、本市といたしましては、引き続き担当者会議等の場を通じて改めて問題点などの整理を行いますとともに、何より有害鳥獣捕獲業務に多大な御協力をいただいております市鳥獣被害対策実施隊などからの御意見も参考に、十分にお伺いしていく段階にあろうというふうに考えております。まだ「ワンチームとやま」連携推進本部会議マターとは言えないのではないのかなという見解でございます。
以上でございます。
○議長(山本善郎君) 山森文夫君。
〔18番 山森文夫君 登壇〕
○18番(山森文夫君) 御答弁ありがとうございました。
それでは、最後の質問になります。
記録的豪雪時の対応と検証について伺います。
本年の1月7日から11日までの降り続いた雪は、砺波市でも昭和59年以来、37年ぶりとなる記録的な大雪となりました。日中も断続的に降り積もる雪に除雪が追いつかず、幹線道路を中心として、至るところで車の立ち往生や渋滞の発生、それによる物流の混乱でスーパーやコンビニから生鮮食料品等が消えてしまうなど、市民生活にも大きな支障を来す結果となりました。
このような状況下において、除雪に時間はかかったものの、砺波市内の国道や県道を除く市道や農道の通行が確保できたことは、市から委託を受けている各地区の除雪委員会及び委託業者の除雪オペレーターの皆さんが、十分な休息も取らず、地域住民のためにを心意気として除雪に奮闘していただいたおかげであると、心から感謝するものでございます。
市では、県に準じた除雪実施計画にある、積雪量が10センチメートルを超え、さらに降雪が予想されるときに出動するとしております。また、安全な除雪作業を進めるため、日中は交通規制などで渋滞を招くおそれがあることから、深夜から早朝にかけての作業を指揮、実施されてきたものであります。
今回のように、日中も降り続く降雪に対して、この基準や行動は妥当だったのでしょうか。また、国道や県道の幹線道路では、片側2車線の確保ができなかったことや、交差点の除排雪作業が適切にされていないため、市道等から合流する車との間で立ち往生や渋滞が発生しているケースも多く見受けられました。
そこで、今回の豪雪時を振り返ったときに、まずは初動体制に問題はなかったか、除雪の出動基準は妥当だったのか、国道や県道との交差点は誰が除雪するかなど、想定外とされる記録的豪雪時の対応と検証について伺います。
以上で除雪の質問といたします。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 除雪対策についての御質問にお答えをいたします。
まずは、今ほどもありましたが、オペレーターなど第一線で御尽力いただいた方々に改めて感謝を申し上げたいというふうに思います。本当に、まさに不眠不休という言葉が当てはまる状態だったのではないかなというふうに思っておりますので、改めて本当に感謝したいと思います。
そこで、本市におけます1月7日からの大雪の状況につきましては、2月の臨時会でも申し上げましたが、気象庁から「顕著な大雪に関する気象情報」、こういった情報がこの制度が発足して初めて、全国で初めて砺波市に発表されました。それがよかったかどうかは別ですが、全国初の情報が発表されるほどの状況だったということで、統計開始以来最大の72時間降雪量が138センチメートルを記録しております。
除雪の初動体制といたしましては、雪が降り始めました7日の夜間から、市道のパトロール及び降雪予報によりまして除雪の実施を判断しまして、8日未明から5日間連続して市内一斉に除雪出動を実施しております。
しかしながら、今回の大雪は、急激にかつ休みなく短時間、短期間に相当量の降雪があったことから除雪作業が追いつかず、道路の圧雪等によります交通障害や、除雪後も降り続く雪のため、市民の皆さんから、まだ除雪に来てもらえないのかなどの苦情も多く寄せられ、大変な御不便をおかけしたところもあったと認識をしております。
また、国や県の除雪体制も十分に機能しなかったことから、幹線であります国道や主要県道の除排雪や圧雪処理が遅れまして大渋滞が発生しておりました。結果として、市道などの生活路線にもそれが波及していったということが、多分現象面では言えるのではないかというふうに思っています。
市の除雪体制といたしましては、降雪量が1メートルを超え、今後も断続的に降雪する予報でありましたことから、9日には除雪対策本部から雪害対策本部へ移行しまして、砺波市建設業協会に緊急的な協力を要請しますとともに、市職員も全庁的な体制で、翌10日から幹線道路の圧雪除去作業や、県と連携して市街地の車道拡幅及び除排雪作業を行ったところであります。
また、議員御指摘の国道や県道との交差点の除雪につきましては、断続的な降雪量が多かったことから適切な除排雪処理ができておらず、特に機械除雪路線と消雪装置路線との交差点では路面圧雪が相当数見受けられ、スタックする車両等によります交通障害が多数発生したところであります。
こうしたことから、市では、1月27日に国と県に対しまして、大雪時における市民生活への影響を与えない適切な除排雪の実施と道路交通の確保など、交差点の適切な処理も含めて具体的な事例を挙げまして提言、要望いたしますとともに、今後の国や県との除排雪の連携協力についてお願いをしてきたところであります。
さらに、今回の大雪時における課題や改善点を把握するため、2月からは各地区の除雪委員会や除雪受託業者の皆さんから除雪の対応について聞き取り調査を行い、現在その検証作業を進めております。
その中でいただいた主な意見としましては、降り続く雪により視界が悪い状態、いわゆるホワイトアウトでの作業、大変危険だったという話、それから、スタッフ車両の救助や除雪機械のトラブル発生などの要因によりまして、担当する路線の除雪に深夜から夕方まで時間を要した、普通ですと1時間とか2時間で終わるところがその倍以上、もっと言えば終わらなかったという問題点が指摘されております。
今後は、豪雪が予想される場合については、例えば自主判断による出動体制の導入ですとか、また、根本的な問題としてオペレーターの確保、増員も含めてですが、それから幹線道路の圧雪防止対策や除雪路線の見直しなどが必要なのではないかと、様々な御意見や御提案などをいただいております。
今後の取組といたしましては、大雪のときの迅速な対応を図る上で、委託先及び国、県との情報共有や連携をはじめとして、自主判断によります出動や、日中除雪の対応及び委託路線の見直しなど、今シーズンの除雪の対応の教訓を生かすとともに、現在行っております検証結果を踏まえて、次年度には道路除雪実施計画を一部見直すというか、充実させていきたいと思います。
今ありますのは通常の除排雪体制の計画でありますが、これとは別に大雪のとき、豪雪の想定をした部分の別編という形で、新たな豪雪時における対応等を加えるということを今のところ考えておりますが、そういったことによりまして、平常時といいますか通常の降雪と、今回のような特別な降雪と、体制について、別の体制といいますか、緊急体制を取れるように、そういったもので適切な除排雪ができるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(山本善郎君) この際、暫時休憩をいたします。
午後 0時17分 休憩
午後 1時10分 再開
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
○議長(山本善郎君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
通告により発言を許します。
3番 山本篤史君。
〔3番 山本篤史君 登壇〕
○3番(山本篤史君) 議長より発言の許可をいただきましたので、通告に基づき質問します。
1番目に、学校給食における地産地消の推進についてお伺いします。
農林水産省は、学校給食での地産地消の取組推進などを盛り込んだ第4次食育推進基本計画(案)を公表しました。地域の食文化を保護、継承し、健康的な食生活を実践してもらうことが狙いであり、計画は2021年度から5年間が対象になるとのことです。
目標では、小中学校で栄養指導をする教諭がその地方で生産した食材について教える取組の回数を、2019年度の平均月9.1回から2025年度までに12回以上にするとしました。学校給食で地場産品を使う金額ベースでの割合を維持または増やす都道府県が全体の90%以上になることも目指すとのことです。
また、富富富のPR戦略も変更になるに伴い、2020年度は給食に2週間導入していましたが、期間を大幅に拡充するとのことです。
当市では、来年度から第3次砺波市食育推進計画が改定される予定ですが、農林水産省の計画案を受けてどのような方針を取られようと考えておられるのか、お伺いします。
○議長(山本善郎君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 本市におきましては、現行の砺波市食育推進計画に掲げておりますとおり、生産者、JAとなみ野などとの連携によりまして、学校給食における地場産農産物の使用拡大に努めているところであります。
その学校給食の食材につきましては、地元産の野菜を調達できる時期には積極的に使用しているところであり、1月末における地場産農産物の使用割合は、目標の33.3%に対しまして、これを上回ります42.8%となったところであります。
加えて、学校給食センターの栄養教諭によります市内小中学校への巡回指導を行っているほか、地元生産者との会食会など、学校訪問を行うことによりまして、地産地消や食育を推進しているところであります。
そこで、新年度において策定いたします第3次砺波市食育推進計画につきましては、国の第4次食育推進基本計画を基に協議していくこととなりますが、引き続き学校給食における地産地消の取組をさらに進めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 山本篤史君。
〔3番 山本篤史君 登壇〕
○3番(山本篤史君) 食べることは人にとって喜びの一つです。子どもたちが楽しみながら学べる環境をぜひつくっていただきたいと思います。
2点目に、少人数校における学習環境についてお伺いします。
憲法第26条第1項には、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と記載されています。大人数校と少人数校ではそれぞれに特徴があり、一概にどちらかがよいとは言えない気がしますが、現在の少人数校での課題があります。
庄川中学校では、技術の専任講師がおられず、美術の先生が技術を教えているという現状があります。また、般若中学校では、技術の非常勤講師は週に1回しか学校に来ることがなく、生徒が先生にいろいろ聞きたいことがあっても1週間後になってしまうというタイムラグが発生しているようです。
少人数校であっても子どもたちがしっかり学べる環境にするべきと考えますし、現状をいち早く改善するべきだと考えますが、どのように考えておられるのか、お伺いします。
○議長(山本善郎君) 教育長 山本仁史君。
〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) 小中学校の教員に関しましては、県が費用を負担しているものであることから、その任命権は富山県教育委員会にあります。
そして、富山県の教員定数制度、これは学級数を基にどれだけの教員を配置するかを定めたものであり、それによりますと、中学校の全てに教科専門の教員を配置するものというものではありません。そこで、小規模校では、議員が述べられましたように、教員が免許外申請を行い他の教科を指導するか、教科専門の非常勤講師が複数の学校を兼務する制度となっております。
現状の根本的な改善策となりますと、教員定数の増員を図るか、学校再編により学校規模を拡大するしかなく、現在の教員定数制度である限り、いち早い改善は困難と言わざるを得ません。
しかしながら、小規模校の状況を伝え、教科専門の教員が配置されるよう、今後とも富山県教育委員会に対して要望してまいります。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 山本篤史君。
〔3番 山本篤史君 登壇〕
○3番(山本篤史君) 子どもたちに、ものづくりの楽しみを教える機会が少なくなるのではないかという地域からの要望がありましたので質問しました。
3点目に、小学校における教科担任制についてお伺いします。
文部科学省は、2022年度から小学校5、6年生で専門の教員が教える教科担任制を本格導入すると明記しています。教科担任制を導入することによって、教員が得意分野を担当することで授業の質が高まることが期待されていたり、教員一人が全ての授業を受け持つ学級担任制に比べ、準備の負担が減り、働き方改革につながるともされているようです。中央教育審議会の答申では、教科担任制の中学校とのスムーズな接続を見通し、小学校5、6年生から始めるとし、教科は理科、算数、英語の3教科を対象としたそうです。
この体制におけるメリットについてはいろいろあるようですが、どのような課題があると考えておられ、来年度に向け、どのような準備を行っておられるのかお伺いします。
○議長(山本善郎君) 教育長 山本仁史君。
〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) 富山県の教員の配置状況につきましては、教員確保が大きな問題となっております。
したがいまして、小学校におきましては、まず学級担任を優先して配置し、次に教科担任ということになります。
また、小学校は中学校と異なり、学級担任から教科担任になった後、将来的に教科担任として専門教科を指導するのか、数年後、再び学級担任に戻るのかという小学校ならではの課題も生じてまいります。現在、既に一部の学校では、理科や英語において教科担任制を実施しております。
今後とも、小学校教員の配置や専門教科を総合的に判断し、配置された教員数を基に、各小学校において実施可能な教科からこの制度の運用を図ってまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 山本篤史君。
〔3番 山本篤史君 登壇〕
○3番(山本篤史君) 先ほどの質問についても、教員の確保というのが1つの課題にあるのではないかというふうに感じました。
4点目に、小学校の35人学級に伴う当市の変化についてお伺いします。
国は昨年12月、教室での3密を避け指導を充実させる面で、公立小学校2から6年生の1学級当たりの上限を40人から35人にする方針を決め、2021年度から5年かけて順次導入するとのことです。
一方、県の教育委員会では、国に先行して、既に小学校1、2年生で導入しています。来年度は全ての小学校3、4年生を35人学級にすることになり、2023年度には小学校全学年で実施する計画とのことです。
当市としては、この方針に対してどのように対応する考えなのか、お伺いします。
○議長(山本善郎君) 教育長 山本仁史君。
〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) 議員御発言のとおり、富山県教育委員会では、国より2年先行して小学校3、4年生の35人学級の導入が新年度予算に計上されているところであります。
そこで、令和3年度におきましては、小学校3、4年生において1学級の人数が36名以上40名以下になる場合、2つの学級に分けるか、学級を分けずに1学級のまま教員の増員配置による2名体制にするか、選択できることとなっております。
このような中、市内で令和3年度に対象となる3学級のうち、1学級が35人学級を選択して学級を2つに分け、残る2学級は35人学級を選択せず、教員の増員配置により対応する予定となっております。
今後につきましては、さらなる児童数の減少から、1学級が36人に満たない学級の増加が見込まれ、この制度が適用される場合は多くはないものと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 山本篤史君。
〔3番 山本篤史君 登壇〕
○3番(山本篤史君) 学校の状況に応じて臨機応変に対応されていくということでした。
5点目に、学校における女子のスラックス選択制についてお伺いします。
男性は男性らしく、また女性は女性らしくという時代は過去の話になっており、多様な性がある現在では、男女の境界線はもうなくなっているのかもしれません。
県内では、既に幾つかの県立学校で性の多様性や寒さ対策のため、スカートとスラックスの選択制を採用していますし、富山市では来年度から、幾つかの中学校でスラックスの着用を認可するようです。
そこで、当市の現状としては、小学校については認可はなく、本人の自由だとのことですし、中学校については事例がなく、体調により体操服の着用を認めているとのことです。
多様な性の生徒の存在を認める面でも、中学校における女子生徒のスラックス着用の選択を広く認めておくべきではないかと考えますが、当局の考えをお伺いします。
○議長(山本善郎君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 現在、小中学校ともに、女子の児童生徒におけるスラックスの着用を認めないといたした事例はないところであります。
また、それぞれの学校において、児童生徒または保護者からの、冬場の体調管理のためタイツ着用などの要望に対しましては、協議の上、許可するなど、個別に対応をしているところであります。
今後につきましては、それぞれの学校において、生徒や保護者の要望を基に協議し、対応してまいります。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 山本篤史君。
〔3番 山本篤史君 登壇〕
○3番(山本篤史君) 多様な性の方が柔軟にできるように、協議しなくても対応できるようにしていただければなというふうに思います。
続きまして、消防団の待遇改善についてお伺いします。
総務省消防庁は昨年12月に、全国の消防団員が昨年4月1日時点で約82万人だと発表しました。前年度から1.3万人、率にして1.6%減り、過去最少を更新したとのことです。
この現状を受け、総務省は、人材確保のため、報酬や出勤手当の引上げなど、団員の処遇改善を求める書簡を全国の自治体に出したとのことです。また、消防庁は、処遇改善の具体策を話し合う有識者会議を設置したようです。
現在、当市の消防団員の定数は602名ですが、今年2月末時点での団員数は559名となっており、そのうち定数を満たしているのは僅か3分団しかないとのことでした。当市として消防団員の処遇改善についてどのように考えておられるのか、お伺いします。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 本市におけます消防団員の主な処遇につきましては、職務に対する報酬、出動に係る費用弁償の支給をはじめ、公務中の補償、退職報償金などの給付があり、また、消防ポンプ自動車に必要な準中型運転免許証の取得のための補助や、消防団応援の店事業――現在市内には14店舗あります。そういった消防団員等の割引制度により福利厚生を図っているところであります。
これら処遇に加えまして、市消防団協力事業所表示制度、これは現在29の事業所が表示対象の事業所となっております。そういった制度を設けるなど、働きやすい環境づくりに努めているところであります。
しかしながら、本市をはじめとする、全国的にも消防団員が減少傾向にあることなども勘案いたしますと、国からの要請に基づき、時代に見合った処遇改善は必要と認識いたしております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 山本篤史君。
〔3番 山本篤史君 登壇〕
○3番(山本篤史君) 時代に見合った処遇改善をお願いいたします。
2点目に、消防団員の年額報酬額についてお伺いします。
消防団員は、いざ災害が発生した際には、確率的に団員数が多いほど効果を即時に発揮できるのではないかと思います。消防団員の報酬は砺波市消防団条例により定められており、砺波市の団員の報酬は2万1,000円となっています。近隣の小矢部市と南砺市については2万2,000円となっており、砺波市のほうが1,000円低くなっています。また、南砺市においては、砺波市と小矢部市より全体的に報酬が高くなっています。
団員と班長の報酬をせめて隣接地に合わせるべきではないかと考えますが、これらについてどのように考えておられるのか、お伺いします。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 消防団員への職務に対する報酬につきましては、砺波市特別職報酬等審議会の意見を踏まえ、平成24年度から現行の額を支給しているものであります。
先ほども申し上げましたとおり、時代に見合った処遇改善は必要と認識いたしておりますので、今後、国の有識者会議や他市の動向などを注視し、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 山本篤史君。
〔3番 山本篤史君 登壇〕
○3番(山本篤史君) 他市の動向の一例として、先ほどの報酬を挙げさせていただきました。
最後に、AI婚活の導入についてお伺いします。
政府は来年度から、AIを活用した自治体の婚活支援事業の後押しに本腰を入れるようです。AIが相性のよい見合い相手を選んで提案することで婚姻数を増やし、少子化に歯止めをかけることを目指すとのことです。
内閣府によると、AIを活用したシステムでは、趣味や価値観など質問への回答やシステム内の検索傾向などを基に、年齢や年収などの希望条件と合致していなくても、自分に好意を抱く可能性のある人を割り出すことが可能だとのことです。政府は、AIシステムを導入、運用する自治体に対し、必要経費の3分の2を支給する方針です。内閣府の担当者は、利用者の間口を広げることができると強調しているようです。
人口減少で同世代が少なくなり、かつ、新型コロナウイルス感染症で人と会うことに制限がある現在、出会いの1つの手段としてAIを活用することもきっかけの一つになるのではと考えますが、どのように考えておられるのか、当局の見解をお伺いし、私の今任期の質問を終わります。
○議長(山本善郎君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) AI婚活事業につきましては、地方自治体がAIを活用した婚活システムを導入する場合に、国がその費用を支援する事業であり、想定するシステムとしては、結婚希望者の年齢や趣味といったプロフィールなどを登録したビッグデータを活用し、AIが登録者の好みに合いそうな方をマッチングさせ、結婚につなげようとするものであります。
このように、ビッグデータを活用することから、登録者数が多ければ多いほどマッチングの確率が高くなるものであり、市町村単位でこの事業を行うよりは、県もしくはそれ以上の大きな単位で実施するほうが、より成婚率などに大きな効果を発揮するものと考えております。
そのことから、本市といたしましては、既に県でAI婚活として、とやまマリッジサポートセンターで運用しておりますお見合いシステムを御紹介してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午後 1時34分 休憩
午後 1時38分 再開
○議長(山本善郎君) 再開いたします。
6番 山田順子君。
〔6番 山田順子君 登壇〕
○6番(山田順子君) 議長のお許しをいただきましたので、事前に通告いたしましたとおり、大きく3つの項目について質問と提案をさせていただきます。
まず、大項目の1、コロナ禍における市民生活の質の向上についてお伺いいたします。
新型コロナウイルス感染症の流行により、日本は感染リスクと共存する社会へと移行しつつあり、今後も新型コロナウイルス感染症との闘いは長期にわたるものと思われます。改めて新しい生活様式を日常に取り入れ、新型コロナウイルス感染防止対策にしっかりと取り組むことで、自分自身はもとより、大切な家族、学校や地域、職場の仲間たちを新型コロナウイルス感染症の脅威から守ることが大切です。
そこで、小項目の1、コロナを原因とする自殺の防止対策強化推進についてお尋ねいたします。
2020年の自殺者数の速報値が前年確定値より750人、率にして3.7%多い2万919人となっています。防止対策推進のおかげで自殺者は10年連続で減少していましたが、女性の自殺が2年ぶりに増え、885人増の6,976人でした。
県内の昨年1年間の自殺者数は、前年比17.2%増の218人で、増加率は全国ワースト2位でありました。
女性の自殺が増えた背景には、新型コロナウイルスの感染拡大による生活費の逼迫、著名人の自殺報道によるウェルテル効果で殉死するなどがあると見られています。新型コロナウイルスに感染すると、健康面への不安だけでなく、自分が家族にうつしてしまうかもしれないといった不安や、社会からバッシングを受けるのではないかという様々な精神的な負担を感じるという人が多いとのことです。
特に、家事を日課とする自宅療養者は、自分の健康を心配しながら家事などをしなければならないこともあり、さらに外部の人との交流を制限されるので、精神的にかなり追い詰められているとの指摘があります。厚生労働省の担当者は、女性は健康や生活苦、家庭問題などを理由とした事例が増えている。窓口相談を拡充し、悩む人を支援機関にしっかりつなげていきたいとしていますが、保健所などによる体調面でのチェックだけではなく、精神状態についても、もっときめ細かく把握し、必要に応じて対応を取るなど十分なケアが必要であり、自殺を食い止めるためには、明日に希望を持って生活できる砺波にする必要があるのではないでしょうか。
昨年11月議会の民生病院常任委員会で、当局は、10月末現在の自殺者数は前年同期と同数の7名であり、当市ではまだコロナ禍による自殺者数は見えてきていないと答弁されておられますが、現在どう推移しているのか、男女別の自殺者数をお伺いいたします。
また、砺波市立図書館では、不安な気持ちや悩みを和らげてほしいとして、3月の自殺対象月間にちなんで企画展示に取り組んでおられるところでありますが、砺波市の予防の対策はどうなっているのか。また、平成30年度に策定された現行の砺波市自殺対策計画5か年計画は、新型コロナウイルス感染症を想定していないものであり、見直しが必要と考えますが、黒河福祉市民部長にお伺いいたします。
次に、小項目の2、コロナ感染を心配して医療機関利用を控える問題の解消についてお尋ねいたします。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、診察や通院を控える人が増え、病気の発見が遅れたり、あるいは必要な治療を受けず、健康リスクが高まっている人が増えています。発熱、せきや腹痛などの症状は様々な病気の可能性もあるため、必要な受診を控えると、症状に応じた適切な治療が受けられなくなる可能性があり、また定期的に飲んでいる薬を切らすと持病が悪化してしまうおそれがあります。
予防接種はタイミングを逃さず接種されるべきものですし、健康診断も病気の早期発見、早期治療のためには大事なことと考えます。自己判断で受診を控えることで、慢性疾患の症状悪化により、新型コロナウイルス感染症などのウイルスに対抗できない状態になることもあります。
このような医療機関の利用を控える問題への対策はどのようになっているのか、黒河福祉市民部長にお伺いいたします。
次に、小項目の3、コロナ禍での介護サービス利用控えがもたらしている問題の解消についてお伺いいたします。
コロナ禍にあってデイサービスへの利用控えがあります。その理由は、新型コロナウイルス感染を恐れているとともに、昨年も6月から利用費用の負担が増えたことなどが考えられます。
「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」と題して、厚生労働省老健局高齢者支援課ほか3課長連名で発出された第12報は、提供したサービス時間の区分に対応した報酬区分が2時間以上3時間未満である場合、4時間以上5時間未満の報酬区分で算定されることを認めたもので、利用した以上の額を利用者に請求できるなどとする新型コロナウイルス感染症に係る特例です。
利用者からは、3時間しか利用していないのに5時間の利用料を払わなければならないのはなぜなのか、また、利用者家族は事業所の大変さを理解し、利用時間を減らして協力している上、さらに利用料の負担増というのはおかしいのではないかとの声も上がっています。介護サービスの利用控えで利用者や家族のストレスが増していると考えられます。利用者である高齢者にあっては、社会生活ができない、地域の人とつながれない、買物で状況判断ができないなどの影響もあるのではないでしょうか。
このような状況を当局はどのように把握しておられるのか、解消対策を黒河福祉市民部長にお尋ねいたします。
次に、小項目の4、中学生までの子どもに対するインフルエンザ予防接種費用助成の継続についてお尋ねいたします。
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の初期症状が類似しているため、それらの違いを見分けるのは難しく、保健所や医療機関を圧迫する可能性が懸念されます。
このため県は、新型コロナウイルス感染予防対策の一環として、インフルエンザの発症を極力抑えるため、令和2年度に限り、小学生までの子どもを対象にインフルエンザ予防接種費用の助成を行いました。
砺波市では、さらにこれを拡充し、インフルエンザの予防接種を任意とする中学生に対して、1回分3,000円を上限としてインフルエンザ予防接種費用を助成されたことは、同時流行のリスクを低減する極めて重要な、よい取組であったと思います。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、次期のインフルエンザ流行シーズンに向けて、県は令和3年度当初予算案においては、未就学の子どものみに対象を絞り、助成を継続することとしています。昨年8月から今年1月末現在までのインフルエンザ罹患者は僅か6人にとどまっており、手指消毒やマスク着用などの感染症対策と併せて今年度実施したインフルエンザ予防接種は、上々の成果を上げたものと考えられます。
そこでまず、市は本年度の成果をどのように捉えておられるのか、お伺いいたします。また、砺波市として、令和3年度も引き続き今年度同様、中学生までを対象に、インフルエンザ予防接種費用の助成を続けることが必要と考えますが、黒河福祉市民部長にお伺いいたしまして、大項目1の質問を終わります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
黒河福祉市民部長。
〔福祉市民部長 黒河英博君 登壇〕
○福祉市民部長(黒河英博君) 私からは、まず1点目のコロナを原因とする自殺の防止対策強化推進についての御質問にお答えいたします。
厚生労働省の発表によりますと、昨年1年間で富山県内で自殺した人の数は217人と、一昨年の186人から31人増え、増加率は16.7%と、全国でも高い数字となっております。
県では、こうした自殺者の急増は新型コロナウイルスの感染拡大などが影響している可能性があるとして、昨年11月末から、インターネットで自殺をほのめかす言葉を検索すると相談窓口の案内が表示される予防対策を実施しているほか、日常生活の悩みを受け付けるこころの電話の対応時間を新年度から24時間帯制にする予定とのことであります。
一方、本市の昨年1年間の自殺者数は男性5人、女性4人の計9人と、例年とほぼ変わらない数字ですが、市では砺波市自殺対策計画に基づき、自殺を未然に防ぐためのゲートキーパーの養成を実施しており、現在1,400人を超える方が養成講座を受講されるなど、相談体制の充実等に努めているところであります。
なお、現在の砺波死自殺対策計画は令和5年度までの計画期間で、令和4年度に見直しを予定していることから、見直しに当たっては今般の新型コロナウイルス感染症の影響も考慮してまいります。
今後とも、県等関係機関と連携し、自殺防止対策の強化を図ってまいりたいと考えております。
次に、2点目のコロナ感染を心配して医療機関利用を控える問題の解消についての御質問にお答えいたします。
本市における国民健康保険事業の本年度の保険給付費見込額は約27億円で、前年度実績を5%下回っており、これには少なからず新型コロナウイルス感染拡大による診療控えの影響もあると分析しております。
こうした状況下において、各医療機関ではマスクの着用を呼びかけるほか、非接触型体温計やアルコール消毒液の設置、密を避けるための電話による予約制やオンライン診療の実施など、可能な限りの感染防止対策に努められているところであります。
診療控えにより健康を損なうおそれもあることから、まずは身体に異変を感じたらちゅうちょせずに医療機関に連絡すること、そして、自覚がなくても健康診断を定期的に受け、病気の早期発見につなげることや、これを機会により健康的な生活習慣を身につけることが重要であり、市といたしましても、県や砺波医師会等と連携し、広報となみや市ホームページ等で周知啓発を図ってまいりたいと考えております。
次に、3点目のコロナ禍での介護サービス利用控えがもたらしている問題の解消についての御質問にお答えいたします。
議員が述べられましたとおり、全国的には新型コロナウイルス感染拡大の影響により、デイサービスなど一部の介護サービスに利用控えがあったと言われておりますが、市内の介護施設では新型コロナウイルス感染拡大に伴う国の緊急事態宣言の発令により、昨年の4月から5月にかけて、一部の介護サービスにおいて利用の自粛が見られたものの、その後は通常の利用状況に戻っていると伺っております。
また、本市の介護給付件数、介護給付費の実績を見ますと、前年度と比較してどちらも大きな変化はないことから、本市における介護サービスの利用控えは極めて限定的なものであると考えております。
市では、これまでも介護施設等に対し、感染防止や事業継続のための様々な支援を実施してきたところであり、今後とも必要な支援を行うことにより、介護サービスの継続に努めてまいりたいと考えております。
なお、議員が述べられました通所系サービスの介護報酬に係る国の特例措置につきましては、都道府県や関係団体から国に対し、利用者に過度の負担を強いることがないよう見直しの要望が上がっており、今後の国の動向に注視してまいりたいと考えております。
次に、4点目の中学生までの子どもに対するインフルエンザ予防接種費用助成の継続についての御質問にお答えいたします。
子どもに対するインフルエンザ予防接種につきましては、今年度、県において、生後6か月以上の未就学児と小学生を対象とした助成事業が創設されたほか、市におきましても新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した中学生への助成を実施したところであります。
そこで、議員お尋ねの今年度の成果につきましては、子どものみならず成人も含めたインフルエンザの罹患率は、全国的に例年よりも低く、砺波管内では、本年2月現在で感染者はゼロ人でありました。
専門家からは、予防接種は感染予防より重症化防止に効果があるとのことから、こうした罹患率低下の第1の要因は、マスク着用や手洗いなど、新しい生活様式の徹底にあるとも言われております。
なお、県の予防接種助成事業のうち小学生への助成は、当初、今年度限りの予定であったことから、市では、小学生のみならず、中学生までの助成拡大も含めて県へ要望しておりましたが、県は、新年度において、未就学児への助成のみを予算化されたとのことであります。
市といたしましては、県の考え方を確認した上で対応を検討してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 山田順子君。
〔6番 山田順子君 登壇〕
○6番(山田順子君) 次に、大項目の2、屋敷林保全対策の推進についてお伺いいたします。
砺波平野の散居景観は、先人が長い年月をかけて築き上げ、住み継がれてきたものであり、農地の中に屋敷林に囲まれた家々が広範囲にわたって点在する特徴的な形態とその国内最大級の規模は、そこに住む人々の豊かな人間性を育んできた、世界にも誇り得る貴重な財産であります。
昨年実施された屋敷林の実態調査では、この17年間で15%に当たる1万本余りが減ったことが分かり、これに対して、市は令和3年度、次世代につなぐ屋敷林保全月間として、自治会ぐるみで収集した剪定枝の処理の支援に取り組まれることは、屋敷林保全のためのよい取組であると考えます。
そこで、小項目の1、記録的な大雪で折損した枝の処理に対する助成のさらなる充実についてお伺いいたします。
1月7日から降り出した雪は記録的な大雪となり、8日から11日にかけての4日間、1メートルを優に超える積雪になって、公共交通機関はもとより、高速道路、国道、主要地方道など、交通インフラの全てが麻痺してしまったことは記憶に新しいところです。
今年は、その後も1月18日、2月17日を中心に大雪が続き、屋敷林、庭木、公共緑化樹に想定外の規模で幹折れ、枝抜け、幹裂けなどの被害が生じました。庭の樹木が倒れたり折れたりした場合、早急に対応をしないと近隣の方への迷惑になったり、危険を及ぼしたりしてしまうおそれがあります。
これからも砺波市の貴重な歴史的、文化的な資産であるカイニョを守っていくために、大切な庭木を修復したいとする市民を応援することは大切なことであり、その一助として、大雪で折損した枝の処理に対する助成のさらなる充実を提案するところであります。自ら運搬が可能な世帯の受入れ日が3月27、28の2日間となっていますが、混雑が予想される中、受入日を増やす必要があると考えます。
また、運搬が困難な世帯においては、対象世帯の別なく3,000円に統一したり、加えて高齢世帯のことも考え、申込み手続の簡略化をしていただきたく思いますが、島田商工農林部長にお伺いいたします。
次に、小項目の2、新しく作成する落ち葉等専用ごみ袋の形態等と市民への周知についてお伺いいたします。
現在、屋敷林の剪定枝等は田んぼや焼却炉等で焼却することが禁止されており、今は軽トラックで運んだり可燃ごみ収集指定袋等に入れたりして、クリーンセンターで焼却処分されています。今回、落ち葉や剪定枝等の専用袋を作成されるとのことでありますが、野焼きのできない現状の中で、市民の要望に応えたよい取組だと思います。
この間の議案説明会において、7月1日から実施されると聞いておりますが、もう少し大きいサイズのものは考えられなかったのでしょうか。材質、大きさ、強度等について、決められた経緯と今後の導入に向けた計画の市民への周知について、黒河福祉市民部長にお伺いいたしまして、大項目の2の質問を終わります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
島田商工農林部長。
〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 私からは、2項目めの屋敷林保全対策の推進についてのうち、1点目の記録的な大雪で折損した枝の処理に対する助成のさらなる充実についての御質問にお答えします。
屋敷林雪害折れ枝回収緊急対策事業につきましては、屋敷林所有者の処理負担を軽減するとともに、野焼きによらない対策を講じることにより、環境保全を図ることを目的に実施するものであります。
自ら運搬が可能な世帯に対する受入日の設定につきましては、地域での共同作業が行われる江ざらい作業前日の3月27日及び当日28日の2日間としたところであり、混雑が予想されることから、搬入経路に従っての運搬をお願いするとともに、受入れスタッフを配置し、スムーズな搬入ができるよう対応してまいりたいと考えております。
また、クリーンセンターとなみにおきましても、折れ枝を含む剪定枝の受入日を3月、4月限定で、第1、第3土曜日も受入れができるよう拡充されることから、こちらも御活用いただきたいと存じます。
次に、自ら運搬が困難な世帯に対する事業につきましては、今年度から実施しております剪定枝戸別回収実証実験の対象範囲を市内全域に拡大するとともに、回収月を増やすなど、要件拡充について、新年度から計画しておりましたものを前倒して実施するものであります。
利用料金につきましては、基本料金は実費相当額より安価な1回当たり6,000円に設定し、屋敷林の管理に負担が大きい高齢者世帯ではさらに支援を拡大し、その半額の3,000円とするもので、屋敷林折れ枝や剪定枝の回収を推奨することとしております。
なお、この事業は実証実験でありますので、適正な利用料金につきましては引き続き検証してまいります。
また、新年度からの申込み手続につきましては、利用者の年齢要件の確認が必要なため、従来どおり市農地林務課窓口での受付をお願いするものですが、利用料金の支払い方法につきましては、指定金融機関での振込を追加し、手続の簡略化や利用者の利便性を図ることとしており、今後も引き続き、さらなる簡便化について検討してまいります。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
黒河福祉市民部長。
〔福祉市民部長 黒河英博君 登壇〕
○福祉市民部長(黒河英博君) 私からは、2点目の新しく作成する落ち葉等専用ごみ袋の形態等と市民への周知についての御質問にお答えいたします。
落ち葉等専用ごみ袋の導入につきましては、屋敷林保全支援施策の一環として、新年度において事業実施を予定しているものでございます。
現在も、落ち葉や長さ50センチメートル以下、太さ5センチメートル以下の枝であれば燃えるごみとして排出することはできますが、現状の燃えるごみ袋が破れやすいとの御意見もあったことから、破れにくいよう厚みを増した落ち葉等専用のごみ袋を作成するものであります。
材質、大きさ、強度等の仕様につきましては、焼却処分を行っているクリーンセンターとなみでの作業効率が低下しないよう考慮した仕様を予定しているところであり、大きさについては、持ち運びの問題やクリーンセンターとなみの焼却炉投入口のサイズを考慮し、現在の燃えるごみ袋・大と同じ大きさを予定しております。
今後の周知方法につきましては、市の各種屋敷林保全施策と併せて地区説明会を開催するとともに、広報となみや市ホームページ等で広く市民の皆さんに周知を図ってまいりたいと考えております。
なお、落ち葉等専用ごみ袋は、あくまでも落ち葉や小枝専用であり、これ以外の燃えるごみを混入されないように、議員におかれましても地区等での周知に御協力いただきますようお願いいたします。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 山田順子君。
〔6番 山田順子君 登壇〕
○6番(山田順子君) 続きまして、大項目の3、安全で安心な生活環境の確保についてお伺いいたします。
市民が安心し健康を保持して快適に暮らしていくためには、日常生活における安全・安心な生活環境の確保、衛生かつ健康的な生活様式の確保、心の安寧等を妨げられることのない治安の確保は、何事にも優先されるべきものです。
そこで、小項目の1、用水路の危険防止対策の推進についてお伺いいたします。
砺波市では散居の集落形態が多く、防火や消流雪などの地域用水として、年間を通して通水が求められています。農業用水路等は農業生産に対する役割だけでなく、洪水防止、自然環境の保全、自然学習の場の提供など、様々な多面的機能を発揮し、私たちの生活を支えています。
その一方で、富山県における平成21年度から平成30年度までの10年間に発生した農業用水路における転落死亡事故は184件あります。このうち、65歳以上の高齢者は約8割を占めています。死因は7割以上が水死で、その他は頸椎骨折や窒息死等によるものでした。死亡事故が発生した水路の形態について、幹線、支線・末端水路別で見ると、支線・末端水路での事故が約7割を占めています。
今年は特に集中的な積雪で、用水路付近で除雪をしていて、雪庇に気づかず用水にはまり亡くなられた方が何人も出たという報道があったのは記憶に新しいところです。令和2年度は20名の方が用水路事故で亡くなり、うち実に95%、19人が65歳以上の高齢者でした。
先月3日、砺波市でも、庄下地区においても近所の86歳の高齢男性が水深30センチの用水路に転落されましたが、幸いにも通りすがりの方に救助され、大事に至りませんでした。
農業用水路で転落死亡事故が多発していることを受け、県は2021年度、ハード、ソフト両面で安全対策を強化するとされました。転落防止柵の設置を進め、動画やチラシによる啓発などを柱に安全点検のワークショップも各地で開き、意識の向上を図るとされています。転落防止柵は、2020年度、国の補助も活用して、例年の12倍の約24キロメートルで設置を進め、これまで土地改良区側に40から60%の費用負担が整備のネックとなっていましたが、2021年度は国の指針に倣って、農家負担のない補助事業を創設するとのことであります。
また、啓発のために、春と秋に加え、冬にも事故防止強化月間を設け、さらに動画や祖父母に呼びかけてもらうための児童向け啓発チラシを作成、加えて、前年度に県内33地区で行ったワークショップも17地区増やし、地区のことをよく知る住民による危険箇所の点検や安全対策の検討の支援を進めていくとされ、柳瀬地区で取り組みされているところでございます。
このことから、水路周辺で農業施設管理作業以外の除雪作業等の作業従事者も含め、水田の周辺地域に居住し、農業用水路と隣接する道路、宅地等を通行する者を主な対象者とした対策が早急に必要と考えます。
設備の改修については、計画を組んで粛々と順に進めていただいているところでございますが、用水での死亡事故を防ぐ当面の対策として、地域住民の、自分は大丈夫との意識を改める意識啓発を強力に推進することが必要と考えます。県の対策推進を踏まえ、砺波市は用水路の危険防止対策をどのように推進していくのか、島田商工農林部長にお伺いいたしまして、私からの質問を終わらせていただきます。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
島田商工農林部長。
〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 私からは、3項目め、安全で安心な生活環境の確保についての御質問にお答えします。
昨年2月定例会におきまして、有若議員の御質問でお答えしたとおりでありますが、県で策定された富山県農業用水路安全対策ガイドラインの3つの基本方針に基づき、対策を推進してまいりたいと考えております。
ソフト対策のうち広報・啓発活動として、今年度から春と秋の農繁期を農業用水転落事故防止強化月間とし、水の事故防止について呼びかけるため、広報となみや市ホームページを活用して周知するとともに、啓発用チラシを市内全世帯に回覧しており、これからも地域住民への啓発を継続的に実施してまいります。
また、児童や高齢者を特に意識した対策として、地域住民などを対象としたワークショップを順次開催し、転落事故危険箇所などを記載した危険箇所マップづくりの作成や実際に危険箇所を踏査するなど、農業用水に関する理解や転落事故に対する安全意識の高揚に努めてまいります。
さらに、ハード対策などの支援につきましては、簡易な蓋かけ、鉄筋網、反射板設置などの整備について、多面的機能支払交付金事業を活用しながら農業用水転落防止と安全対策を図るよう、引き続き努めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) この際、暫時休憩をいたします。
午後 2時14分 休憩
午後 2時24分 再開
○議長(山本善郎君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
1番 開田哲弘君。
〔1番 開田哲弘君 登壇〕
○1番(開田哲弘君) では、質問通告書に従い、質問を始めていきます。
まず最初に、大項目の1、鳥獣被害対策についてお伺いいたします。
議員になっての最初の質問が鳥獣被害対策についての質問でした。そのときの内容は、イノシシが田や畑に侵入するのを防ぐ電気柵の設置についてでした。
砺波市では、電気柵の設置に力を入れており、中山間地をはじめ、隣接する振興会でも電気柵は普及しました。私の住む般若地区においても、市の助成を受けて電気柵を設置しており、その効果はとても高いと感じています。
雪の影響による電気柵の破損を防ぐため撤去等を行うのですが、その際、柵より山側でイノシシが土を掘り起こした跡が何か所も見ることができました。小型の重機を使って掘ったのかと思うぐらいのイノシシの必死さ、そういうものが伝わる掘り起こしの跡でした。この柵がなかったら田や畑が大変な被害に遭っただろうということは、容易に想像することができました。
さて、鳥獣による被害はどれぐらいあるのか。昨年10月に、富山県は令和元年度の野生鳥獣による農作物被害という報告をホームページ上に掲載しています。カラスやスズメ、ムクドリ、イノシシ、ニホンザル、いろんな鳥獣名が書いてありますが、その中でもイノシシによる被害はトップにあります。
この資料では、令和元年度の鳥獣による農作物の被害金額は、県全体で9,819万円となっています。このうち、イノシシによる被害は断然のトップで、8,330万円で約85%を占めています。
あわせて、市町村別の被害金額も掲載されております。令和元年度のイノシシによる砺波市の農作物被害金額は74万円ということで、他市と比べて被害金額的には大変少ない額であります。電気柵やフェンスなどの対策に注力してこられた当局や各自治振興会の努力の結果だと思います。
しかし、4年前、私が行った答弁の中では、平成28年度の砺波市の農作物被害金額は20万円とありました。イノシシたちは電気柵やフェンスの設置されていない場所を必死に探し、田や畑に侵入する経路を確保しているのではないかなと考えてしまいます。もしくは、個体数が増えてきている結果なのかとも考えることはできます。
私の住む般若地区では、2015年に電気柵の設置を行いました。また、2017年には赤坂霊苑の周囲に、2018年には砺波青少年自然の家の周囲にイノシシ対策用の金網柵を設置しています。電気柵は春に設置して、秋が終わると柵を回収する、こういった作業を毎年繰り返す必要があります。イノシシ対策用の金網柵は張りっ放しでよいのですが、施工は大変な労力が必要で、さらに部材の価格も高かったと記憶しています。人のよく集まる環境だと、強度もあるフェンスのほうがよいことをこのときに知りました。コストが高いことを考慮して、状況に応じて使い分けが必要なことをこのときに学びました。
市内で普及している電気柵には、金属線タイプと樹脂ひもに金属線を織り込んだ樹脂ひもタイプの2つのタイプがあります。それぞれに特徴があり、金属線タイプのものは、多少の圧力がかかっても切れることのない鹿などを対象としたものであり、樹脂ひもタイプのものは柔らかく、取扱いも簡単なので、イノシシを対象に設置されております。砺波市ではイノシシ被害のほうが多いので、樹脂ひもタイプのものが設置されています。
さて、この樹脂ひもタイプの耐用年数ですが、法定耐用年数表の区分では「その他」という区分に当てはまり、8年というふうに表記されることになります。ただ、樹脂という素材から判断した場合、農林水産省のホームページにあるように、5年から6年での取替えが妥当かなというふうに考えられます。
砺波市では、電気柵の設置に注力してきた結果、先ほど述べたように令和元年度の作物被害は74万円というすばらしい結果を出しております。富山県下でのイノシシによる農作物被害はいまだ高い水準であり、今も多くのイノシシが山から田や畑を狙っているかと思われます。
鳥獣被害対策1つ目の質問は、電気柵の春先の敷設と冬前の撤去は今後も続けていく必要がありますが、農作物に対する被害を増やさないためには、電気柵に使用されている線の交換、これが必要になってきます。砺波市では、電気柵の維持管理が今後も継続できるよう、どのように関与していくのか、島田商工農林部長の答弁を求めます。
さて、電気柵は設置後の管理が必要になります。設置場所の雑草が伸びて電気柵に触れると電気が地面に流れてしまうため、その効果はなくなってしまいます。このため、雑草が電気柵に触れないように草刈りをしたり、電線が切れて地面にくっついて垂れ下がっていないか、そういった確認が必要となります。これを怠ると電気柵の効果は無力化されてしまいます。
草が伸びて電気柵に触れることを防ぐために、ツールとしては通電性を持った防草シートがあります。この防草シートには電線が織り込まれており、防草シートを踏んでいるイノシシの鼻先が電気柵に触れると、防草シートに織り込まれている電線を通って地面に電気が流れる、そういう仕組みになっています。
電気柵の点検時、これは毎週行うのですが、伸びてきた草が電線に触れる前に草を刈る作業、これは年に三、四回行われることになります。山の中での草刈り機を使っての作業というのは大変なもので、場所によっては除草剤をまくなどの作業も必要となります。防草シートの外側でイノシシが地面を掘った跡があったことから、防草シートの効果は確かにあると確信しています。
この項目2つ目の質問は、柵の管理者も高齢化が進んでおり、今後、この防草シートを活用することが住民負担の軽減にもつながると思います。普及が進むような対策を取っていただきたいと強く願うところでありますが、島田商工農林部長の答弁を求めます。
さて、富山県には富山県イノシシ管理計画というものがあり、令和5年度までの捕獲目標が定められており、令和3年度中に9,090頭、令和4年度は9,350頭、令和5年には9,410頭という目標があります。令和元年度の捕獲実績が8,172頭だったことから、これらの数字を達成するためには、銃による猟、もしくはわなによる猟、こういったことを行える人材の確保と、わなという資機材、これが必要であるとともに、今まで以上に活動時間が要することになるかと考えます。
鳥獣被害対策3つ目の質問としては、砺波市には砺波市鳥獣被害防止計画が存在しています。この計画における今年度の達成状況と今後の取組について、島田商工農林部長の答弁を求めます。
1つ目の項目は以上です。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
島田商工農林部長。
〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 私からは、1項目めの鳥獣被害対策についての御質問にお答えいたします。
まず、1点目の電気柵の電線における老朽化が進む中での今後の維持管理についての御質問につきましては、本市における電気柵等の総延長は、平成24年度以降、本年度までに約136キロメートル整備したところであり、本市の中山間地域における農地のほぼ全域を網羅したものと認識しております。
また、電気柵の設置につきましては、従来より市内5つの地区鳥獣被害対策協議会を中心とした地域ぐるみによる取組を進めてきたところであり、新設に対する費用について、国や県、市による補助事業を積極的に活用し、電気柵の設置に努めていただいたところであります。
しかしながら、議員御発言のとおり、本市で初めて電気柵を導入してから8年余りが経過し、施設の老朽化が課題となってまいりました。
こうした中、国においては、侵入防止柵再編整備の事業が新設されたことから、地区鳥獣被害防止対策協議会と十分協議するとともに、事業の採択要件等を踏まえながら、地区がまとまれば、国の事業の活用に向け、県に対して要望してまいりたいと考えております。また、中山間地域直接支払制度に取り組まれている地域におかれましては、本事業の活用も御検討いただきたいと考えております。
このほか、本市では、鳥獣被害防止対策協議会活動補助金により地区鳥獣被害防止対策協議会の活動を支援しておりますので、今後、本事業の拡充についても検討してまいりたいと考えております。
次に、2点目の電気柵用通電防草シートの普及についての御質問にお答えいたします。
通電防草シートは、電気柵周辺の除草労力の軽減化や電気柵の効果的な活用の観点から有効な資材の一つであると認識しており、本市では今年度、富山県被害ゼロモデル集落育成事業を活用し、栴檀山地区において実証実験を実施いたしました。その結果、適切な設置と維持管理を行うことでイノシシの忌避効果が見られたところであります。
しかしながら、通電防草シートは、電気柵の設置に活用されている国の鳥獣被害防止対策事業では補助対象外となっておりますので、当面は地域ぐるみで行われている中山間地域直接支払交付金や多面的機能支払交付金の活用による普及を進めてまいりたいと考えております。
次に、3点目の今年度におけるイノシシの捕獲状況と今後の計画についての御質問にお答えいたします。
まず、砺波市鳥獣被害防止計画における今年度のイノシシ捕獲目標数は300頭であり、2月末現在の捕獲実績は273頭となっております。昨年同期の189頭と比較して約1.5倍の捕獲数であり、市鳥獣被害対実施隊や各地区鳥獣被害対策協議会など、関係団体等の多大なる御尽力により、一定の成果が得られているものと考えております。
今後の取組につきましては、昨年11月定例会で山田議員に答弁いたしましたとおり、鳥獣被害対策には継続的かつ地道な取組が必要との観点から、引き続き電気柵等の設置導入支援を進めるとともに、おり設置場所の見直しによるさらなる野生イノシシ捕獲強化など、地区鳥獣被害対策協議会を中心とした地域ぐるみの活動に対し、積極的に支援してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 開田哲弘君。
〔1番 開田哲弘君 登壇〕
○1番(開田哲弘君) 次に、大項目の2、除雪に対する取組についてお伺いします。
富山地方気象台は1月7日夜、砺波市に「顕著な大雪に関する気象情報」を発表し、10日夜までに砺波市で138センチメートルなど、富山県を襲った記録的な大雪により、大変な思いをされた市民の方が多かったと思います。
私も助手として除雪車に乗り込み、道路除雪に携わっておりましたが、大変な思いをしておりました。連日の除雪で市道の両脇が山積み状態となり、雪を押し込む場所がなかったり、風の影響で道路と田んぼの境が分からなくなった状態で、道路の除雪中に道路から外れてしまい田んぼに落ちてみたりと、いろいろな出来事がありました。
だけれども、一番つらいのは、住民の方々から届く苦情です。家の前に雪が残っていたとか、除雪車が来るのが遅かったから車が出せなかったとか、遅刻したとか、なかなかつらいものがあります。地区の除雪センターにある除雪車、これがフルに活動して割り当てられた路線の除雪を全て終わるのに4時間から5時間ほどかかっております。オペレーターの手配ができない場合には出動台数はさらに減り、割当て路線の除雪はさらに時間がかかることになります。
さて、除雪車が除雪作業にかかる時間は、市役所はある程度把握していると考えております。ただ、費用もかかることから、私たち除雪をする者は、勝手に出動することはできない状況にあります。道路利用者があまり困らないように除雪の作業を終わらせるような、そういうふうに配慮したタイミングで出動の命令を市役所には出してもらいたいものです。
最初の質問になります。
地区の住民が納得するような除雪車の出動のルールをつくり、周知していくことはいかがでしょうか。そうすることで、除雪の出る時間とかが分かりやすくなり、住民が抱える困った問題もなくなるのではと思っております。老松建設水道部長の答弁を求めます。
さて、除雪の作業中は様々なトラブルが発生します。軽微なものだと除雪車の道路からの脱輪、ガードレールへの接触、よくあるのはマンホールに排雪板が引っかかり車両が止まることです。また、絶対あってはいけない人身事故。車と一緒で、どのような不測な事態が除雪車に起こるのかということは、予想することはできません。
近年、乗用車にはドライブレコーダーが搭載されているようになりました。あおり運転とかのショッキングな映像が流れ、自分がそんな目に遭った場合の記録用です。除雪車も先ほど述べたようなトラブルにいつ遭遇するか分かりません。除雪車はその質量が大きく、トラブル時には相手に与える損害は大きいものになります。
そこで、除雪に関する2番目の質問になります。
除雪車にもドライブレコーダーを搭載し、いざという場面の記録を残しておけるよう、そういうふうにしていくべきと考えます。最近のものは品質も良く、値段も1台1万円から2万円以内であるような状況になっております。マンホールに引っかかった記録も残しておけば、春になってからの道路修繕にも役立つかとも思います。ドライブレコーダーを搭載することについて、老松建設水道部長の答弁を求めます。
私の質問は以上です。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
老松建設水道部長。
〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 私からは、2項目めのまず1点目、除雪の出動ルールの周知と適切な出動命令についての御質問にお答えいたします。
除雪の出動基準につきましては、市の道路除雪実施計画に基づき運用しており、通常であれば随時道路パトロールを実施し、降雪予報等を参考に、遅くとも午後10時頃までに除雪出動の判断を行い、除雪作業を依頼しているところであります。
また、午後10時までに出動判断ができない微妙な場合には、除雪委託先に対しまして、道路の積雪状況等により深夜に出動依頼があるかもしれないことなどを事前に案内するなど、情報共有を図っております。
しかしながら、深夜から明け方にかけて予想外の降雪やまとまった降雪があるときには、結果的に深夜または明け方近くに除雪出動をお願いする場合もあり、除雪作業が早朝までに終わらず、除雪オペレーターや通勤者の道路利用者の皆さんに御迷惑をかける場合がございます。
議員御提案の適切なタイミングで出動の判断を行う新たな出動ルールをつくることにつきましては、原則として、道路の積雪状況を確認した上で、今後の降雪予報を踏まえた判断が必要であることから、積雪がない状況で降雪予報による見込みだけで除雪出動を依頼することはできないものでございます。
なお、次年度以降は、気象情報等において大雪が予想される場合などについては、道路の積雪状況等により自主判断で出動をお願いすることも検討しておりますが、各地区除雪委員会での自主判断が難しいことや、日中除雪の対応などの課題もあることから、道路除雪実施計画の見直しに合わせて、今後、各地区除雪委員会の皆様方と協議してまいりたいと考えております。
次に、2点目の除雪車にドライブレコーダーを設置することについての御質問にお答えいたします。
ドライブレコーダーにつきましては、一般的に交通事故発生時の検証記録等として活用され、一般車両や公用車への設置が普及してきているところであります。
議員御提案の件につきましては、現在のところ県内他市の取組において導入されている事例がない状況であります。
ドライブレコーダーの設置につきましては、年間の稼働日数が少ない除雪機械においてどの程度必要性があるのか、まずは今シーズンの大雪の検証と併せまして、今後、この件につきましても各地区除雪委員会の皆様方の意見を伺ってまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午後 2時48分 休憩
午後 2時50分 再開
○議長(山本善郎君) 再開いたします。
4番 桜野孝也君。
〔4番 桜野孝也君 登壇〕
○4番(桜野孝也君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、市政一般に関する質問並びに提案をさせていただきます。
まず、第1項目めはコロナ収束後のまちづくりについてお伺いします。
2月中旬から医療従事者の方への新型コロナウイルスワクチンの接種が開始され、65歳以上高齢者への接種は4月12日の週から開始するとの発表がなされました。ただし、供給量に限りがあるため、限定的にスタートし、徐々に拡大していくとのことでありますが、ワクチン接種が広がることで、一日も早く元の社会経済活動を取り戻すことができるよう期待したいものであります。
ワクチン接種によって、すぐに感染防止につながることはありませんが、着実に収束に向かうこと、すなわち集団免疫の獲得に向けて進むということでありますので、今はこの難局を耐えて乗り切ることが何よりも大事だと思いますが、一方で、収束後のことも同時に考えていく必要があると思います。
私たちの生活は、新型コロナウイルス感染症をきっかけに様々な変化がありました。その代表的なものがリモートワークやオンライン会議ではないでしょうか。これらは新型コロナウイルス感染症が収束しても続いていくと言われております。新型コロナウイルス感染症収束後は、以前に戻るのではなく、変わっていくことも少なくないと思います。ですから、これからのまちづくりに必要なことは、そういった変化を受け入れながらどのように進めていくかということが大事になってくると考えます。
そこで、1点目は、コロナを契機とした変化についてどのように捉え、今後につなげていくのか、お伺いします。
2点目は、地域コミュニティーの維持・強化についてお伺いします。
ちょうど1年前の小中学校の休業が始まった頃から、市内各自治会や団体もいろいろな活動を自粛され、学校が再開された6月以降からは、少しずつ活動されるようにはなるものの、飲食を伴うものは全て中止で、そろそろ大丈夫かというときに、第2波、第3波が来たという感じで今日まで来ております。
新型コロナウイルス感染症前に比べると、人が集まる機会は大幅に減り、お酒を飲みながらわいわい楽しむといったことはほぼなくなりました。このような状態が続けば、地域での人と人とのつながりがだんだん弱くなっていくことが危惧されます。また、活動の自粛や縮小が当たり前になってくると、新型コロナウイルス感染症が収束した後もなかなか元のようには戻らないということも考えられます。
ワクチン接種が始まったとはいえ、当分の間はウィズコロナの状態が続きます。今も市内の多くの団体では、迷いや不安を抱えながら手探りで活動を進めておられるのが現状だと思います。
そこで、そのような状況の中、頑張っておられる地域団体に対して、市としてできることは何かと考えたときに、私はウィズコロナにおける活動事例を発信していくことではないかと考えます。市内または県内外において、工夫しながら活動されている地域団体は数多くあると思います。そういう団体の活動事例を集めて市内の各団体に発信していけば、今後の活動の参考になると思いますし、きっかけづくりにもなると思います。市民の多くは、自分の地域のことは分かっているけど、ほかの地区でどんな取組や活動が行われているかということは、なかなか知る機会がないのが現状だと思います。この困難な時期を工夫しながら何とか乗り切ることが、新型コロナウイルス感染症収束後の地域コミュニティーの強化にもつながっていくものと考えます。
活動事例の発信についてのお考えと地域コミュニティーの維持・強化について、今後どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
3点目は、地域経済の活性化についてお伺いします。
新型コロナウイルス感染症の影響を一番多く受けたのは、営業の自粛や時短営業を要請された事業者の皆さんではないでしょうか。これまで地域経済や地域のにぎわいを支えてこられた事業者の方にとっては、先の見えない困難にどう立ち向かっていけばいいか分からない、そういう状況ではないかと思います。そんな中でも、各事業者は知恵を出しながら、そして協力し合いながら日々努力をされています。
市としては、砺波市プレミアム付商品券の発行やキャッシュレス決済還元事業を行うことで活性化につなげる予定となっております。こういった消費を喚起する事業は、今後もぜひ行っていってほしいと思っております。市街地や商店街のにぎわいが元のような状態に戻るには、まだ時間がかかると思いますので、それまでは市ができる支援をあらゆる方法で行っていくことが重要だと思います。
また、一旦外出を控えるようになった人たちに元のように出てもらうようにするには、何らかの仕掛けが必要になってくると思いますので、新型コロナウイルス感染症収束後を見据えて、今のうちから考えておくことが大切だと思います。つきましては、新型コロナウイルス感染症収束後を見据えた地域経済の活性化をどのように図っていくおつもりなのか、お伺いいたします。
以上で1項目めの質問を終わります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 私からは、コロナ収束後のまちづくりについてのうち、まず1点目のコロナを契機とした変化についての御質問にお答えいたします。
新型コロナウイルス感染症収束後のまちづくりに関する考え方につきましては、さきの11月定例会において島崎議員の代表質問に市長がお答えしたとおりであり、ウィズコロナ、アフターコロナにおいては、新しい価値観や住民ニーズの変化への柔軟な対応が求められる一方で、物事の本質をしっかりと見極めながら、よき伝統を大切にし、後世に残していく働きかけや、そのための地域への支援にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
このようなことから、新年度では、新型コロナウイルス感染症を契機としながらも、これまでの砺波の特徴を最大限に生かしたとなみ暮らし応援プロジェクトに新たに取り組み、地域の担い手の確保に努めるほか、令和4年度からスタートする総合計画後期計画では、ウィズコロナ、アフターコロナ時代を見据えたデジタル化の推進をはじめ、新しい生活様式への対応に関する視点も盛り込んでいくこととしているところであります。
一方では、時代の変化に流されるあまり、高い地域力に象徴される本市のすばらしいアイデンティティーが失われることのないよう、将来をしっかりと見据え、これまで培われてきた歴史やよき伝統を大切に守りながら、砺波市らしい特徴のあるまちづくりを継承していくことも重要な視点であると考えております。
次に、2点目の地域コミュニティーの維持・強化についてお答えをいたします。
議員が述べられましたとおり、本市においても、今回のコロナ禍における感染防止のため、やむを得ず地域行事や伝統行事が中止となり、地域における人と人との関わりが停滞している部分もあると感じております。
一方、このような状況下の中でも、各自治振興会などでは様々な感染防止策を講じながら地域行事を工夫して実施されるなど、ウィズコロナ、アフターコロナも見据えながら御尽力いただいているものと認識をしております。そうした地域での工夫や様々な地域情報を発信していくことは、地域を元気づけるとともに、地域の活性化につながるものと考えております。
そのため、本市といたしましては、4月に情報発信を所管する広報情報課を設置し、行政情報に加えまして地域情報、また地域における季節を感じる花や景色などの情報も含め、積極的に市ホームページやSNS、さらには報道発表などで発信してまいりたいと考えております。
地域の皆さんには、地域アンテナ隊が地区の会合に参加をしておりますので、積極的に情報を伝えていただければと考えておりますし、議員の皆さんにおかれましても、地域情報に大変お詳しいと存じておりますので、ぜひそうした情報提供をお願いしたいと思っているところであります。
また、地域コミュニティーの維持・強化につきましては、“となみ地域力”推進交付金事業をはじめとした地域支援について、地区自治振興会の声も聞きながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
島田商工農林部長。
〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 私からは、3点目の地域経済の活性化についての御質問にお答えいたします。
市内の事業者の皆さんにおかれましては、議員御発言のとおり、コロナ禍において先が見えない状況の中、これまでも様々な知恵を出しながら、経営の回復やにぎわい創出に向けた取組が行われたところであり、本市といたしましても、他市に先駆け、ニーズに基づいた対策を速やかに講じることで支援してきたところであります。
中でも、砺波市プレミアム付商品券発行事業やトナミステイ事業、となみ元気スクラム奨励金など、官民一体となった取組が地域経済の維持や事業の継続につながったものと考えております。
そこで、新型コロナウイルス感染症収束後を見据えた地域経済の活性化対策につきましては、これまで同様、市内事業者からのニーズを踏まえ、商工団体や事業者団体とも協議を行い、国や県の動向も注視しながら、官と民が連携して行う適時適切な取組について、引き続き速やかにかつ粘り強く、切れ目なく支援していくことが重要であると考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 桜野孝也君。
〔4番 桜野孝也君 登壇〕
○4番(桜野孝也君) それでは、2項目めに行かせていただきます。
2項目めは、ふるさと寄附の推進についてお伺いします。
まず1点目は、クラウドファンディング型ふるさと納税についてお伺いします。
ふるさと納税は2008年に開始された制度で、寄附額は年々増加傾向にあります。特に、2015年にワンストップ特例制度が開始され、手続が簡略化されてからは寄附額が急増したとのことであり、また2016年には企業版ふるさと納税も開始されております。
砺波市においては、令和元年度のふるさと寄附の総額は333件、509万円であったのに対し、令和2年度は12月末で915件、1,310万5,000円となっております。これは大変喜ばしいことでありますが、砺波市に限った話ではなく、全国的な傾向として、新型コロナウイルス感染症の影響で巣ごもり需要が納税寄附額の増加を後押ししたと見られているそうであります。
ふるさと納税については、一時、自治体間での返礼品競争が過熱しておりましたが、今は返礼割合の上限が3割に制限されていますので、その範囲内での競争はあると思いますが、それほどでもないと思います。
一方で、以前にも質問させていただきましたが、クラウドファンディング型ふるさと納税が最近注目されているとのことであります。ふるさと納税ポータルサイトを運営している「さとふる」によれば、2020年11月末までで昨年対比約3倍の寄附が集まったとのことであり、クラウドファンディング型ふるさと納税への関心の高まりとともに、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの人が応援や支援に関心、興味を持った結果なのではと推測されています。
クラウドファンディング型ふるさと納税の特徴としては、自治体がより具体的な事業に対して寄附を募ることができるということであります。寄附をされる方には返礼品目的の方が多いかと思いますが、具体的な事業が示されていれば共感してくれる方もいらっしゃるのではないかと思うのです。
砺波市では、現在、ともに輝き支え合う人づくり、なごやかな暮らしを育む安心づくり、みらいに活力をつなげるまちづくり、この3つの柱の中から選ぶことになっており、何も記入がない場合には市長が使途を選択することとなっています。事前にお聞きしたところ、本市の場合は多くの方は記入されないとのことでありました。
そこで、コロナ禍でどの自治体も厳しい状況となっている今、できるだけ多くの人に応援、支援してもらうためにも、クラウドファンディング型ふるさと納税を砺波市でもチャレンジできないかと思うのです。新型コロナウイルス感染症の影響で応援や支援ということに関心や興味を持っている人がいる今だからこそ、この制度を活用し、砺波市を応援してもらうことが大事ではないかと思います。
クラウドファンディング型ふるさと納税に取り組むことについて、いま一度、当局のお考えをお聞かせください。
2点目は、砺波市出身の方へのPRについてお伺いします。
ふるさと寄附の3つの意義の中の一つに、「生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる」とあります。先ほども言いましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、応援や支援するといった風潮が国内で広がりつつあると言われており、これからのふるさと納税は、返礼品だけでなく、寄附金がどのように使われるのかを考えて寄附する人が増えていくように思います。砺波市においても、そのような人が増えることは大変ありがたいことでありますし、市としてもそういう人を増やすために努力をしていくことが大切だと思います。
私はその第一歩として、砺波市出身の方に向けたPRをしていけばどうかと思います。砺波市出身の方であれば、ふるさと寄附をしてもらうことによって、それから後も継続的につながりを持つこともしやすいと思います。あらゆる手法を使って砺波市出身の方にPRしていくことで、本来のふるさと寄附の趣旨に沿ったものにもなると思います。砺波市出身の方へふるさと寄附のPRをしていくことについて、当局のお考えをお聞かせください。
3点目は、返礼品による地元事業者の応援についてお伺いします。
現在、砺波市の返礼品は、特産品と言われるものはほぼ用意されていますし、空き家のサポートや見守りサービス、お墓の見守りサービスなど、ソフト的なものも用意されており、充実しているのではないかと思っております。また、職員の皆さんは、新しい商品が出れば返礼品として扱うことができないか、常にアンテナを張っておられるようで、これもすばらしいことだと思います。
そこで、今回私が提案したいのは、コロナ禍で困っている事業者たちの商品を返礼品として取り扱うことができないかということであります。事業者から商品を公募するなどして返礼品として使うことで、事業者たちを応援していくのであります。仮に、商品が砺波の特産品でなくても、コロナ応援品というような形で使用すればいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
以上で2項目めの質問を終わります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 私からは、2項目めのふるさと寄附の推進についてお答えをいたします。
まず1点目、クラウドファンディング型ふるさと納税についての御質問にお答えをいたします。
近年、事業の資金調達の手法として、ふるさと寄附を活用したクラウドファンディングが一部の自治体において行われていることは承知しているところであります。クラウドファンディング型ふるさと寄附の活用につきましては、有効な手法の一つであると考えますことから、今後、多くの方に共感を得られるような事業を実施する場合には、その活用を検討してまいりたいと考えております。
また、ふるさと寄附の充当事業につきましては、より細やかで、寄附者の共感が得られるような情報提供ができるよう、工夫してまいります。
次に、2点目、砺波市出身の方へのPRについての御質問にお答えをいたします。
ふるさと寄附については、議員御発言のとおり、本来、出身地を問わず、多くの方々に砺波のことを知ってもらい、ふるさと寄附を通じて砺波を応援し、この寄附をきっかけに市とのつながりを持っていただくことが大切であると考えております。
中でも、砺波市出身の方々は、地縁血縁などによる関係性がより密接であることから、ふるさと砺波のよき理解者として本市への関心は高いものと感じており、心強い応援団として多くの期待を寄せるところであります。
本市といたしましても、各地の県人会、砺波会、庄川会など、地縁の出身者の会合の際には、郷土出身の諸先輩方に市の現況をお伝えするとともに、一層の応援をお願いしているところであります。その際には、ふるさと寄附をお願いする言葉を添えてチラシをお配りすることを、ふるさと寄附、この制度が始まって以来、継続して行っているところであります。また、転出される方にも同様にチラシをお配りして寄附の呼びかけを行っているところであります。
今後とも、砺波市がより魅力的で応援したくなるふるさとであることを、本市にゆかりのある方々、また本市に関心のある方の心に響くよう、一層の情報発信を通じてふるさと寄附のPRに努めてまいります。
次に、3点目、返礼品による地元事業者の応援についての御質問にお答えいたします。
本市においては、となみブランドに指定されている特産品に加え、地酒、曲げガラス、庄川遊覧船乗船券、各種体験、空き家サポートサービスなどを返礼品としてそろえているところであります。また、日頃からアンテナを張りながら、地元企業などで新たに商品化されたものなど、返礼品としてふさわしい内容のものについて、審査の上、随時追加することとしているところであります。
返礼品には、総務省が定める当該地方公共団体の区域内において生産されたものであることなどの地場産品基準がありますので、単にコロナ禍で困っている事業者の商品であると、そういう理由だけでは、返礼品とすることはできないことになっているところであります。しかしながら、コロナ禍で困っている事業者の中にふさわしい地場産品があれば、返礼品として採用してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 桜野孝也君。
〔4番 桜野孝也君 登壇〕
○4番(桜野孝也君) それでは、3項目め、人材育成についてお伺いします。
新型コロナウイルス感染症の影響によりデジタル化や働き方改革が一層進み、社会も変化の時代を迎えている中、今後の砺波市の発展のためには、将来を担う若い世代の人材育成がとても大事になってくると思います。特にその中でも、私はリーダーとなっていくような人たちの育成が大事であると思っております。
若い人の中には、いろんな団体に所属して、それぞれに学びや体験をされている方もおられると思いますが、今回私が提案したいのは、そういった団体の枠を超えて、将来の砺波市について語り合う場や、まちづくりを学ぶ場を創出できないかということであります。
イメージとしては、県のとやま起業未来塾のまちづくり版で、まちづくり未来塾といったような感じであります。各団体の青年部の方やとなみ元気道場の方、市の職員、まちづくりに興味のある方など、いろんな方を集めてまちづくりなどを学ぶのであります。そうやって学んだ人が各地域や団体の中でリーダーシップを取っていくようになれば、すばらしい砺波市になっていくと思うのであります。
つきましては、将来に向けたリーダー育成のための学ぶ場を創出することについて、お考えをお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 3項目めの人材育成についてのリーダー育成のための学ぶ場を創出することについての御質問にお答えをいたします。
議員御提案のまちづくりに関して学ぶ場につきましては、議員御発言のとなみ元気道場がまちづくりや地域コミュニティーの将来を担うリーダー育成の役割を果たしているものと考えております。
となみ元気道場では、これまでも、業種、性別を問わず多彩な人材が集まり、地域活動等を通じて互いに高め合い、刺激を受けながら成長できる、言わば人材育成の受皿といった活動をしており、本市といたしましても積極的に支援しているところであります。
なお、様々な各種団体では、おのおのの理想とするまちづくりを目指して研さんをしながら、それを普及啓発するために広く参加者やメンバーを募り、学びの場を創出していらっしゃることから、そこには団体の枠を超えたつながりや交流も進んでいるものと理解をしております。
コロナ禍の中でなかなか事業が行えない状況もありますが、そうした団体等の皆様から御意見を伺う中で、他団体との交流の場の設定などの要望があれば、本市として協力してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午後 3時21分 休憩
午後 3時24分 再開
○議長(山本善郎君) 再開いたします。
13番 大楠匡子君。
〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、質問と提案をさせていただきます。
大きい項目の1つ目として、防災対策についてお伺いします。
間もなく東日本大震災から10年目を迎えようとしています。被災した地域の復興は進んでおりますが、まだまだ精神的なダメージから立ち直れない人も多くいるようです。また、東日本大震災のような、大規模災害とまではいかなくても、各地区では頻繁に大きな自然災害が発生しており、いつどこで大規模な災害が起こるか、全く分からない状況であります。
大規模災害の発生は全ての人の生活を脅かしますが、とりわけ女性や子ども、高齢者などがより多くの影響を受けることが指摘されています。人口の51.3%は女性であり、女性と男性が災害から受ける影響の違いなどに、十分に配慮された災害対応が行われることが、防災・減災、災害に強い社会の実現にとって必須であると考えます。
このようなことから、女性の視点からの防災、復興の取組が必要となっています。地域防災力を高めるためには、女性の参画やリーダーシップが重要なのです。
そこで、女性の視点からの防災を進めるために、防災会議における女性委員を増やし、割合を高めていただきたいと思うものです。砺波市防災会議委員は40名で組織されていますが、女性委員は現在、砺波市庄川支所長、砺波市女性団体連絡協議会長、砺波市ボランティア連絡協議会長の3人で、割合は7%となっています。富山県の市町村防災会議における女性比率の平均が6.6%であり、さらには女性委員のいない防災会議が2町村あることを思えば、砺波市はまだよいほうなのかもしれませんが、充て職なので女性委員が減る要素は十分あります。
国の第5次男女共同参画基本計画では、防災隊員における女性委員の割合を早期に15%にし、2025年までには3割にすることを目標としています。
そこで、女性消防団の分団長や民生委員児童委員協議会の副会長、防災士連絡協議会から女性防災士の代表を増やすとともに、看護分野やPTA等からも女性委員を出してもらうなどの取組を検討し、砺波市防災会議における女性委員を増やしていただきたいと思います。齊藤副市長のお考えをお聞かせください。
女性の視点からの防災対策を考えたとき、防災・危機管理班に女性職員の配置も必要であると考えます。年々、防災に対する意識が高まり、業務も増えている中、防災・危機管理班における職員の増員も必要となっているのではないでしょうか。行政改革が進められている中ではありますが、必要な部署には職員を増やす柔軟な体制が求められています。
そこで、防災・危機管理班に女性の職員を増員することについて、齊藤副市長のお考えをお聞かせください。
また、各地区における自主防災会にも女性のリーダーを位置づけていただくとともに、避難所運営メンバーには必ず女性リーダーも位置づけていただくよう、市として指導していただきたいと思います。畑企画総務部長のお考えをお聞かせください。
さて、順調に育てていただいている女性防災士ですが、大変活発な活動を地道にされています。ぜひとも砺波市防災士連絡協議会の中に女性防災士のセクションを設けていただき、さらなる活動ができるよう、環境整備を進めていただきたいと思います。畑企画総務部長のお考えをお聞かせください。
続きまして、小さい項目2つ目、学校における防災・減災教育の推進についてお伺いします。
市内の小中学校や認定こども園、保育所、幼稚園では、防災訓練を年間行事として位置づけ、火災や地震に対する避難訓練を行っています。庄川に近い庄南小学校や庄東小学校、庄川小学校では、洪水災害に対する訓練も行い、防災教育を進められているようです。自助、共助意識を育てるためにも、防災・減災、避難所に関する教育プログラムを盛り込んだ防災教育を進めることは必要であると考えます。多くの学校は指定避難所になっており、小中学生の子どもたちが保護対象から支援者になって、率先して避難所において力を発揮してもらうことも期待できます。
令和3年度予算に、防災スクールとして、富山市にある四季防災館で小学5年生を学習させる取組が計画されています。一歩進んだ取組であると考えます。また、昨年度は庄西中学校の1年生と庄東小学校の4年生が市の出前講座、地域防災力の向上に関して受講し、市の防災対策の現状などについて学ばれたようです。
そこで、各小中学校で毎年実施されている避難訓練の際に、市の防災・危機管理班の職員から出前講座を受ける機会を位置づけていただくよう提案するものです。お考えをお聞かせください。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 私からは、まず防災会議における女性委員を増やすことについての御質問にお答えをいたします。
防災会議は、災害対策基本法に基づき、県防災会議の組織に準ずることとされており、本市も県防災会議条例に準じて、国や県などの関係機関をはじめ、警察、消防、電気及び交通機関などの代表を指定しております。その中で、指定された代表者が男性であることが多いことが、女性委員の占める割合が低い理由となっております。
そのため本市では、これまで、女性の視点から幅広く御意見をいただくため、女性団体連絡協議会や市ボランティア連絡協議会をはじめ、市長が必要と認める委員として追加をするなどして、女性比率を高めるよう配慮しております。
本市といたしましては、今後も他市の状況などを参考にして、女性委員の比率が少しでも高くなるよう、引き続き努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の防災・危機管理班に女性職員を配置することについての御質問にお答えをいたします。
防災・危機管理業務につきましては、市民の皆さんの災害に対する意識の高まりに加え、国からもより高度な対応が求められているところであります。このことから、現在は、防災・危機管理班に消防職員や元自衛隊幹部など、専門のキャリアを有した職員を配置することで対応しているところであります。
また、万が一の災害の場合には、新型コロナウイルス感染症対策などを見てもお分かりのように、全庁横断的に対応することとしております。
現状では、職員の増員については考えていないものであります。しかしながら、防災には女性独自の視点も重要なことから、現在は女性防災士の方や職員などの意見も幅広くお聞きし、女性の視点に立った施策にも意を配しております。
女性職員の配置につきましては、今後検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 私からは、まず各地区の自主防災会や避難所運営委員のメンバーに女性のリーダーの位置づけをの御質問についてお答えをいたします。
本市ではこれまでも、防災には女性の視点が重要であると考え、女性防災士など女性リーダーの育成に力を注いできたところであります。しかしながら、各地区の自主防災会を見てみますと、リーダーになることをためらう方もいらっしゃることなどから、女性リーダーとしての数は少ない現状にあるものと考えております。
このことから、このほど各地区で設置を進めていただいております避難所運営委員会には、女性リーダーを含め女性が積極的に参加され、一定の役割を果たしていただけるよう働きかけているところであり、あわせまして、自主防災会においても女性リーダーの位置づけをお願いしているところであります。
なお、これまで設立されている避難所運営委員会では、班長などの重要な役割を女性が担っている地区も見られるところであり、引き続き女性のリーダー登用を働きかけてまいりたいと考えております。
次に、砺波市防災士連絡協議会の中に女性防災班の位置づけをの御質問につきましてお答えをいたします。
本市の女性防災士は人口当たりの人数が県内でも最も高く、各種行事や意見交換会などにも積極的に参加されるなど、防災に対する意識が非常に高く、その重要性もますます高まっていると認識しているところであります。
議員御提言の女性防災士班の設置につきましては、砺波市防災士連絡協議会で協議をしていただくこととなりますけれども、現段階では女性防災士の皆さんによる勉強会が行われているところであり、まずは現在の活動を中心に、女性の視点を生かした防災対策などについて御協力いただきたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 私からは、2点目の学校における防災・減災教育についての御質問にお答えいたします。
現在、各小中学校で行っております火災や地震などに対する避難訓練につきましては、想定した災害や訓練内容によりまして、必要に応じて消防署や警察署などから講師を招き、避難の仕方などの御指導をいただいているところであります。
また、庄川に近く、洪水による被害の可能性が高い学校につきましては、洪水を想定した避難訓練を実施するとともに、防災士等の助言を仰ぎながら、避難の仕方や危機管理マニュアルを見直しているところであります。
議員御提言の、避難訓練の際に市の防災・危機管理班の出前講座を受けることにつきましては、まずもって児童生徒に何を伝え、何を実践するのかなど、目的を明確にする必要がございます。その中におきまして、市の防災担当による出前講座や各地区の防災士と連携した講座など、活動を検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 大楠匡子君。
〔13番 大楠匡子君 登壇〕
○13番(大楠匡子君) それでは、続きまして、大きい項目の2つ目として、砺波市における「食品ロス対策」についてお伺いいたします。
まず、小さい項目1つ目、発生抑制に重点を置いた対策についてお伺いいたします。
昨年の12月16日、富山市において初めての食品ロス削減全国大会が開催されました。コロナ禍のため、日を遅らせての開催でした。全国から約230人が来場されるとともに、オンラインでも約250人が参加し、国内外の食品ロスの課題に理解を深めたほか、食材の食べきり運動や食品流通の商慣習などについて考え、外食は食べ切れる量をなど、家庭でできる10項目の削減例を挙げています。食べ残しを出さない工夫とともに、残った食べ物を無駄にしない食生活のスタイルを定着させるための取組について話し合われたようです。
ところが、残念ながら、この大会に砺波市からの参加はなかったようです。所管となる農業振興課、生活環境課、どちらの課からも参加はなかったようで、砺波市の食品ロス対策に対する取組意識が問われる状況であると思います。
食品ロスとは、まだ食べられるのに捨てられている食品のことで、富山県では昨年4月、持続可能な社会の実現を目指すため、全国に先駆けて富山県食品ロス削減推進計画を策定し、とやま食ロスゼロ作戦として取り組んでいます。
その富山県食品ロス削減推進計画の推進事項2として、発生抑制に重点を置いた食品ロス削減の推進を掲げ、消費、賞味期限の違いに関する重点的な普及啓発や、食育との連携による食べ物に対する敬意、感謝の気持ちの育成に取り組むとしています。また、家庭における食品ロス削減として、手つかず食品の削減、使いきりの推進、食べ残しの削減、食べきりの実践を挙げています。
そこで、県のウェブサイトでも掲載されている「使いきり 食べきり すっきり診断」を砺波市民の理解度診断に使うなどの取組からまず始められてはいかがでしょうか。ぜひ積極的な取組を期待するものです。齊藤副市長のお考えをお聞かせください。
次に、小さい項目の2つ目として、循環型社会を意識した食品ロス削減の推進についてお伺いします。
未利用食品等の有効活用として、フードバンク活動やフードドライブなど、地域の福祉施設と連携した取組が各地で進められています。
フードバンク活動とは、包装の印字のずれや外箱の変形など、食品衛生上の問題はないが、通常の販売が困難な食品を食品メーカー等から引き取り、福祉団体や生活支援を必要とする個人などに譲渡する活動のことです。これについては、県の取組に期待したいと思います。
フードドライブは、家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち寄り、それらをまとめて地域の福祉団体や施設、フードバンクなどに寄附する活動です。このような活動なら、市民誰でも気軽に、いつからでも始められるのではないでしょうか。家庭や市内の団体から食品を集めることは市民が担い、それを寄附する先を市があっせんしたり、そのための支援金が必要な場合は補助したりするというような取組はできないでしょうか。齊藤副市長のお考えをお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
○議長(山本善郎君) 答弁を求めます。
副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 私からは、砺波市における食品ロス対策についてのうち、まず1点目の発生抑制に重点を置いた対策についての御質問にお答えをいたします。
今、世界では食料生産量のうち、重量ベースで3分の1が捨てられていると言われております。その半数は家庭から捨てられております。市内を見ても、家庭からのごみ量はここ数年高止まりをしております。食料自給率がカロリーベースで40%に満たない日本での食品ロスの現状は、世界的に見ても異常な状況であります。
こうした中で、富山県において食品ロス削減全国大会が開催され、大会宣言として、消費者、事業者、行政が連携して食品ロス削減に向けた取組のより一層の加速化を図ると宣言されたことは、大きな一歩だと考えております。
本市ではホームページ内に、とやま食ロスゼロ作戦のリンクを張るほか、広報となみ2月号の特集「ごみと資源」において、食品ロスについて掲載を行うなど、様々な機会を捉えて情報発信を行っております。
また、県では、とやま食ロスゼロ作戦として、食品ロスに関する情報が積極的に発信されており、特にホームページにおいては、議員が述べられた「使いきり 食べきり すっきり診断」や、食べきり、使いきりを推進する3015運動の説明などが分かりやすく掲載されており、積極的に活用してまいりたいと考えております。
食品ロス対策は、SDGsの目標の一つとしても設けられており、環境問題のみならず、食の大切さの観点からも重要な課題であり、新年度において策定する第3次食育推進計画の中でも明記することとしております。
今後も、継続的な啓発活動を通じ、生産者の皆さんへの感謝も含め、食品ロス削減について理解していただき、もったいないを意識していただけるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の循環型社会を意識した食品ロス削減の推進についての御質問にお答えをいたします。
県では、家庭で発生する食品ロス削減のため、余っている食品を集め、食品を必要としている福祉団体に提供するフードドライブをモデル的に実施しております。昨年8月に黒部市で、9月に高岡市で、10月には富山市を会場に開催され、今後は学校や企業、各種団体によるフードドライブの実施を促進するほか、これらのモデル実施で得られた課題などを整理してマニュアルを作成し、県ホームページで公開することとしております。
現在、本市では、市社会福祉協議会において、NPO団体で行われている既存のフードバンク事業等を活用して、生活困窮者のための食料調達を随時行っているところでありますが、市といたしましても、県や市社会福祉協議会など、関係機関団体と連携し、生活困窮者支援等のためフードドライブに取り組む団体などの活動への協力、支援について検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(山本善郎君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
次回は、明3月9日午前10時から再開いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
どうも御苦労さまでございました。
午後 3時52分 閉議