令和3年度8月 本会議 定例会(第2号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

○議長(川辺一彦君) ただいまの出席議員は18名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。

                日程第1
    市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)
○議長(川辺一彦君) これより本日の日程に入ります。
 日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第49号 令和3年度砺波市一般会計補正予算(第5号)から議案第59号 市道路線の認定及び廃止についてまで、認定第1号 令和2年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定についてから認定第8号 令和2年度砺波市病院事業会計決算認定についてまでを議題といたします。
 これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 13番 山本善郎君。
 〔13番 山本善郎君 登壇〕
○13番(山本善郎君) 皆さん、おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、今定例会に当たり、自由民主党砺波市議会議員会を代表いたしまして、通告に従い、当面する諸課題、8項目について質問をしたいと思います。
 さて、前線停滞により8月11日から1週間、豪雨、大雨が降り続いたことにより、九州地方をはじめ日本各地で発生した土石流等に巻き込まれるなどし、被災されました皆様には心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧がなされ、日常の生活に戻ることができますよう、心からお祈り申し上げるものであります。
 また、コロナ禍収束の見通せない中、賛否両論ありました東京オリンピック・パラリンピックが無事終了し、その間、県出身、ゆかりのあるアスリートの皆さんの健闘に大きな希望と勇気、感動をいただきました。御苦労さまでした。
 さて、こんな中、市政上でも多くの課題があると思われますが、夏野市長であれば、今日までいともたやすく多くの難問をこなしてこられた実績と行動力、さらには培った多くの経験と人脈で、必ずや難関を乗り越えられ、市民の皆様の生命と財産を守るため、よりよい結果をもたらし、他市とは異なった砺波型スタイルを構築していただけるものと確信し、言葉を続けたいというふうに思います。
 まず最初に、大項目の1、なごやかな暮らしを育む安心なまちづくりのうち、小項目1、新型コロナウイルス感染症の現状と接種状況・計画及び接種加速化策について伺います。
 さて、私自身、2回の接種も終え、多くの医療関係者、従事者の皆様の献身的な取組にて、全くストレスを感じず終えたこと、改めて感謝に堪えないところかと思います。
 このように、連日連夜多くの医療関係者、従事者の皆様の献身的な取組をいただきながら、100年に一度とされるコロナ禍による国難対応には、我々には極めて荷が重いような気がいたしますが、こんなときこそ、時間をかけず、官民一体となって立ち向かわなければよい結果が生まれないものと考えます。
 当初はワクチンが行き渡らないと収束は難しいとされていたことから、国内では、この半年間で1回目の接種を終えた人は人口の約50%、2回目を終えた人も約40%と約半数の方が、また市内では、12歳以上接種対象者で1回目の接種を終えた人は54.1%、2回目を終えた人も45.1%と、半数以上の方が1回目の接種を終えたことになります。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染者数が接種数とは裏腹に、8月に入り爆発的に広がりを見せています。市内においても、7月20日から27日の1週間で20名の新型コロナウイルス感染症の発生があったことから、市立砺波総合病院では、一般診療の制限もあり得ると懸念されるほど逼迫した状況が発生したところです。
 さらには、県では8月16日から警戒レベルをステージ3に移行し、昼夜を問わず不要不急の外出自粛を求めることとなったところです。
 国では、高齢者へのワクチン接種はおおむね達成したところであり、10月から11月中に接種を終えたなら、感染は収束に向かうのではないかと考えられています。
 このような状況を鑑みると、1つには、高齢者のワクチン接種が加速化し、その効果から高齢者の新型コロナウイルス感染者数が減ってきたようですが、それとは裏腹に若者の新型コロナウイルス感染者数が増加していること、その多くはインド由来のデルタ株なる変異株に置き換わり、子供にも感染力が強く、家庭へ持ち込み、感染が拡大するといった逆流現象が心配されていることで、児童生徒の3学期が心配されること。2つには、コロナ禍での事業成績のよしあしの格差が広がり二極化し、事業業績が悪化した業者への支援が必要であること。3つには、先が見えず長期化するコロナ疲れとコロナ慣れを精神面から何とか克服しなければならないこと。4つには、大学入試や就職活動を控えた学生たちや妊婦の皆さんも優先先行接種が必要であること。5つには、ここに来て、新型コロナウイルス感染者が治療後も体調が戻らない後遺症に悩む方々への社会復帰に対する周囲の理解が必要であることかと思います。
 このような環境で最も不安材料とされるのが、ワクチン確保と提供される数量が全く見通せないことのようですが、何とか絶対的な数量の確保を要望したいと思います。
 市内で新型コロナウイルス感染者をどうすれば出さないか、また減らすことができるのか。全国知事会では、総理のメッセージでは弱過ぎるとの批判が出ているようでありますが、このようなときこそ砺波型スタイルとして、画面を通してビデオメッセージで訴えられることもあってもいいのではないか、この難局を強力なリーダーシップと突進力で、市民の理解を得ながら着実に進めることが肝要かと思います。
 そこで、夏野市長に改めて市内新型コロナウイルス感染症の現状と接種状況・計画及び加速化対策について伺います。
 次に、小項目の2、新型コロナウイルス感染症の収束判断の条件及び収束後の留意すべき対応について伺います。
 現在もなお一生懸命、新型コロナウイルス感染症と闘っていらっしゃる多くの方々には大変に恐縮ではありますが、多くの皆さんはどうしたらマスクを取ることができ、普通の生活にいつ戻ることができるのか、また戻れないのか。コロナ戦争に打ちかつことが可能なのか、ウィズコロナとして人類が今後とも付き合っていかなければならなくなるのか。3回目のワクチン接種が必要になるのか、さらに毎年接種の必要性があるのか等、多くの疑問、不安が関心のあるところかと思います。
 そこで、新型コロナウイルス感染症の収束判断の条件及び収束後の留意すべき対応について、河合病院長に伺います。
 次に、小項目3、ワクチンパスポートの取組状況について伺います。
 新型コロナワクチン接種歴を証明するワクチンパスポートの導入の検討が始まりました。これは、海外往来の円滑化を求める声に対応するものですが、ビジネスマンらが入国審査時にワクチンパスポートを示せば、隔離措置を緩和する運用を目指していると聞きます。また、渡航者や旅行者にも必要となることから、速やかに運用を期待するところです。
 ところで、このワクチンパスポートは、市町村が当初は紙ベースで発行し、将来はスマートフォンアプリなどでも使用可能とするとのことですが、そもそも紙ベースでの対応をマイナンバーカードで対応できないかというものを検討願うところです。
 新型コロナウイルスワクチン接種記録は、市町村がVRSを使ってマイナンバーと連動させて保有していることから、そのほうがスムーズに運用できるものと考えます。運用には各国の対応状況の把握やマイナンバー法の改正が伴うことも考えられますが、そこでこういった機能を持たせ、有効活用ができれば、カード取得者も増えたりし、大変に便利なものと認識されるのではないでしょうか。
 以上、新型コロナウイルス感染症関連への質問とし、明確な回答により、市民の皆様に少しでも安心と安全を届けることができれば幸いです。夏野市長に伺いまして質問席へ移ります。大きな項目2項目めからは質問席より質問いたします。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 答弁の前に、一言私からも申し上げたいと存じます。
 1年延期となりました2020東京オリンピック・パラリンピックが昨日終了いたしました。いろいろと論議もありましたが、全ての競技が終了したことについて、選手や関係者の御尽力に心からの敬意を表したいと存じます。改めて、スポーツや人間のすばらしさについて気づかされた方々も多かったのではないかと存じます。
 また、本市在住の宮島徹也選手が出場いたしました車椅子バスケットボールでは、見事銀メダルに輝いたこと、本市にとっても明るい話題となったところであります。庁舎前に懸垂幕を設置いたしました。皆さん方はまだ御覧になっていないかもしれませんが、見ていただきたいと思いますし、また、市として、今後何らかの形での顕彰を考えたいと思っております。
 それでは、自由民主党砺波市議会議員会を代表しての山本善郎議員の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の新型コロナウイルス感染症の現状と接種状況・計画及び加速化策についての御質問につきましては、全国では1日当たりの新型コロナウイルス感染者が2万人前後で推移し、現在、東京都をはじめとする21都道府県に緊急事態宣言が、また富山県を含む12県にまん延防止等重点措置が発出されております。
 本市では、昨年2月に砺波市新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、これまでに27回の本部員会議を開催し、関係機関によります新型コロナウイルス感染症対策の協議や情報共有を図りますとともに、広報や市長メッセージを適時に発信し、感染予防対策の徹底や新型コロナウイルス感染者に対する理解を深める啓発を実施してきているところであります。しかしながら、そういった中でも、既に延べ100人を超える新型コロナウイルス感染者が砺波市で発生しているというのが現状でございます。
 また、富山県においては、8月16日から警戒レベルがステージ3に引き上げられたことから、公共施設等の臨時休館やイベントの中止や延期、市職員の出勤者を3分の1削減するため、有給休暇の計画的な取得や時差出勤、テレワークを進めているところであります。
 次に、本市のワクチン接種の状況につきましては、希望する65歳以上の高齢者の方への接種をおおむね終え、現在、64歳以下の方への接種を実施しているところであります。
 まず、先ほど議員はちょっと前の数字でありましたが、9月5日現在のワクチンの接種状況につきましては、12歳以上で1回接種された方は2万6,355人で接種率は60.1%、2回目接種された方は2万520人で接種率は46.8%となっており、このうち65歳以上高齢者で2回とも接種を終えられた方は90.5%と、ほぼワクチン接種を希望される方の接種を完了しております。
 また、接種券発送状況につきましては、既に12歳以上の方への接種券を発送しておりまして、また、予約受付につきましても、9月13日から39歳以下の予約受付を開始し、当初、10月2日から接種を開始する予定としておりましたが、ワクチン供給のめどが立ちましたことから、日程を前倒しして、9月18日から接種を開始して、若年世代への接種を早めていくものでございます。これによりまして、12歳以上のワクチン接種の対象者全員への接種券発送と予約受付が可能となるということでございます。
 なお、受験や就職活動を控えております中学3年生や高校3年生につきましては、既に予約受付を先行的に実施しており、接種についても既に開始をしております。
 そのほか、全国には妊婦への感染が見受けられることから、新たに妊婦とその配偶者、パートナーを含む同居家族を先行接種として8月30日から予約受付を行っており、9月1日から接種を開始しております。
 このように本市では、独自の先行接種として、国で定める高齢者施設等従事者や基礎疾患を有する方の接種に加え、これまでに児童や高齢者の安全を守り、クラスターの発生を防ぐという観点から、市独自の先行接種を市内の保育所・幼稚園・認定こども園に勤務する保育士等、市内の小中学校に勤務する教職員等、民生委員児童委員、ひとり親家庭の保護者、消防分団員などに対して実施してきております。
 なお、接種の加速化につきましては、9月以降のワクチン供給量に、先ほども申し上げましたが、ある程度見通しが立ったことから、今後、イオンモールとなみでの集団接種の終了時間を1時間延長し午後6時までとするほか、接種箇所を、現在2レーンで行っていますが、3レーンに増設することで、接種人数をこれまでの1日600人から800人に拡大するとともに、ものがたり診療所において集団接種サテライト会場を9月18日から開始することとしております。
 また、個別接種を行っている市内の各医療機関に対しましても、それぞれ接種可能なワクチンを希望に沿って配分する予定としており、希望する接種対象者全ての接種を国が示します11月末まで完了するよう取組を進めてまいります。
 次に、3点目になりますが、ワクチンパスポートの取組についての御質問にお答えいたします。
 ワクチン接種証明書、いわゆるワクチンパスポートにつきましては、海外渡航の際に必要となる場合があることから、あくまでも海外渡航者に限定し、入国時に相手国等が防疫措置の緩和等を判断する上で活用されるよう、接種の事実を公的に証明する接種証明書であり、接種を実施した自治体が発行することとなっており、7月26日から国が示す方法により発行しております。
 現在、各自治体では紙ベースでの申請を受け、偽造防止用紙による証明書を発行しており、本市では8月末現在で16件の証明書を発行しております。
 国では、今月1日にデジタル庁が発足し、行政手続のデジタル化が進められる中で、このワクチン接種証明書を電子発行するシステムを年内に構築するとのことであり、スマートフォン等による電子申請、電子交付の際には、本人確認のためマイナンバーカードによる申請が効率的かつ合理的であると考えられることから準備が進められていくものと思われ、ワクチンパスポートに関するマイナンバーカードの利活用につきましては、国の方針に沿って対応していくこととなると思っております。
 私からは以上でございます。その他につきましては、病院長からお答えをいたします。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 病院長 河合博志君。
 〔病院長 河合博志君 登壇〕
○病院長(河合博志君) 私からは、2点目の新型コロナウイルス感染症の収束判断の条件及び収束後の留意すべき対応についての御質問にお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の収束の条件につきましては、流行促進の要因である変異株の脅威を、抑制要因であるワクチンや治療薬によって抑えることができるかが重要な鍵を握っていると推察しております。
 しかしながら、ワクチン接種の回数とその効果などにつきましては種々報じられておりますが、いまだ知見が不十分な部分も多いため、現時点においては断定ができません。今のところ申し上げることができるのは、このような条件がそろって、かなりの部分での行動抑制が解除されてくれば、収束と呼ばれるようになるのではないかということであります。
 なお、収束後の対応につきましては、変異ウイルスが完全に存在しなくなることは考えにくいことから、現在流行しているコロナに限らず感染症への備えといたしましては、厚生労働省が示しております感染防止の3つの基本としての、1、身体的距離の確保、2、マスクの着用、3、手洗いをこれまでどおり日常生活において意識し、実践していただくことが大切ではないかと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山本善郎君。
 〔13番 山本善郎君 登壇〕
○13番(山本善郎君) 切れ目のない対応をひとつよろしくお願いいたします。
 それでは、大項目2、なごやかな暮らしを育む安心なまちづくりのうち、小項目1、地域医療構想の実現を目指すための施策について伺います。
 地域の実情に応じた医療供給体制の確保を目的とした医療法等関連法の改正が行われました。特に、少子高齢化に伴い、必要な病床の数や機能を見直す地域医療構想の実現する狙いがあるらしいのです。地域医療構想では病床削減を含めた再編が必要とされていますが、この時期、新型コロナウイルス感染症に対応するため、コロナ禍、医療体制が逼迫し、病床の不足を招きはしないかと大変に危惧するところです。
 そこで、これらを意識した病床の在り方を検討されるべきと考えますが、その論議の進捗状況と方向性について、河合病院長に伺います。
 次に、小項目2、市立砺波総合病院の経営効率化の取組について伺います。
 総務省の新公立病院改革ガイドラインでは、公立病院改革の目指すところは、安定した経営の下で僻地医療、不採算医療、高度・先進医療を提供する重要な役割を継続的に担っていくことができるようにすることであり、そのためには、経営の効率化を図り、持続可能な病院経営を目指すものとするとあります。
 市立砺波総合病院では、このガイドラインに基づき市立砺波総合病院新改革プランを策定され、経営の効率化に取り組まれ、一定の成果を上げられてきたものと思います。さらに、令和2年4月に、部長級の医師を室長とする院長直轄の総合企画室を設置し、市立砺波総合病院新改革プランに掲げられているKPI(重要業績評価指標)の目的達成に向けた取組の支援と管理、さらに、経営改善活動の推進役を担える人材の育成を目指した実務的な研修を行っているとのことでしたが、このような取組は、経営の効率化に関する評価や方針の決定の迅速化、的確化に資するものであり、積極的に進められているものと思います。
 そこで、この総合企画室での令和2年度の経営効率化への取組の成果と課題、さらに令和3年度以降の計画や目標について、河合病院長に伺います。
 次に、小項目3、病院会計の決算状況について伺います。
 令和2年度の病院事業会計については、このコロナ禍での事業展開は大変に厳しいものがあると推測されます。しかしながら、データから読み取れることは、令和元年度の医業収支比率は約95%であったところですが、令和2年度決算では約90%とポイントを落とし、収支はマイナスであります。
 このことから、当院の経営改善を求めるときに、1つには、かかりつけ医との連携を重視し、紹介率等を上げていくことが重要であると考えます。しかし、ここで注視しなければならないのは、その紹介率が約59%と、優に地域医療支援病院の承認基準である50%を超えているところです。
 では、一体、医業収益が上がらないのはどこに問題があるのでしょうか。今後どのように改善されていくのか、河合病院長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 病院長 河合博志君。
 〔病院長 河合博志君 登壇〕
○病院長(河合博志君) 2項目めのなごやかな暮らしを育む安心なまちづくりの御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の地域医療構想の実現を目指すための施策についての御質問につきましては、国におきましても、今後、医療法等関連法を改正し、2025年の地域医療構想実現に向け、着実に議論、取組を進めるため、医療機関の病床機能再編に係る取組に対して財政支援の措置等を講じ、コロナ禍にあっても、改めて構想推進の姿勢を示したところであります。
 一方、昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、議員の御発言のとおり、市立砺波総合病院におきましても病床数の不足が懸念されるところであります。
 このような現下の状況を踏まえて、今般の医療法の改正では、新興感染症等の感染拡大時における医療提供体制の確保に関する事項を2024年度からの第8次都道府県医療計画に盛り込むことを柱の一つに掲げております。
 ただ、これまでの地域医療構想の進め方につきましては、コロナ禍以前に決められたものであり、国におけるその後の議論も進んでいないことを考え合わせますと、今日の感染拡大の状況と国の動向を踏まえれば、市立砺波総合病院のような感染症指定医療機関といたしましては、医療機能の集約化や、それに伴う単純な病床数の削減に力点を置いた構想の推進には、慎重に対応すべきものと考えております。
 また、新型コロナウイルス感染症等新興感染症の拡大に対応する病床機能の在り方につきましては、砺波医療圏のみならず県全体としても非常に重要な事項と捉えており、今後、医療圏を超えた議論を深め、調整を図るべき課題と考えております。
 次に、2点目の市立砺波総合病院の経営効率化の取組についての御質問につきましては、総合企画室における経営効率化に向けた取組といたしまして、令和2年度はKPIによる経営管理と外部コンサルタントによる人財育成研修を実施したところであります。
 まず、KPIにつきましては、診療報酬の算定に直結する15項目をKPIと位置づけ、各指標の取組に係る責任者と共に、改善に向けた施策立案、実行を院内横断的に行ったところであります。四半期ごとに総合企画室職員と各指標責任者が面談を行ってPDCAサイクルを回し、目標達成に向けた取組を継続しております。
 この取組の成果といたしましては、新型コロナウイルス感染症の影響による患者数の減少はあったものの、KPIの15項目中7項目が目標を達成し、その効果といたしましては、総額で約1,000万円の診療報酬の増収につながったものと試算しております。
 さらに、診療報酬の算定に大きく影響するDPC機能評価係数Ⅱの向上にも寄与しており、県内の標準的な急性期病院の中では、3年連続で当院が最上位となっているところであります。
 次に、人財育成研修につきましては、外部コンサルタントの指導の下、総合企画室経営改善推進担当者を含む18名が受講し、計12回の研修を実施したところであります。院内の診療科、各部門に直接改善提案を行うなど、実践的な研修を行った結果、実際に年額換算で約500万円の診療報酬の増収等につながる改善効果があったところであります。
 なお、昨年度の研修受講者は主に管理職であったため、改善活動の継続性を考えた場合、医療現場の推進役となるべき中堅、若手職員の育成が今後の課題であると考えております。
 そこで、今年度では、人財育成研修をさらに拡大し、受講対象者をおおむね50歳以下の中堅、若手職員14名とし、改善活動の推進役として育成を図っているところであり、毎月1回、年12回の実施を予定しております。また、研修時には、隔月で昨年度研修受講者が講師を務めるなどして、将来を見据え、自ら人材育成体制が構築できるよう配慮しているものであります。
 このような取組を継続的かつ不断に見直すことにより、職員の分析、発信等の企画力、提案力が強化され、今後のKPIをはじめとする改善活動がより強固なものとなり、経営改善はもとより、さらに質の高い医療の提供に結びつくものと考えております。
 次に、3点目の病院会計の決算状況についての御質問につきましては、令和2年度の経常利益は4億5,700万円余の黒字となりましたが、議員御発言のとおり、経常利益から医業外収益を除きました医業収益のみで見ますと、11億1,600万円余の損失となり、昨年度と比較しますと5億6,400万円、約5.2ポイントの減少となっております。
 このような状況に対して、収益改善のポイントとして紹介率の上昇について述べられましたが、当院がこれまで進めてきましたかかりつけ医との連携強化により、紹介率は地域医療支援病院の承認を受けました平成30年5月以降、承認基準である50%を継続して超え、直近の本年7月の紹介率は60.2%となっており、紹介率のみをもって収益改善を考察することはできないと考えております。
 その上で、医業収益の悪化の原因及び今後の改善策につきまして分析いたしますと、まず、昨年度の医業収益悪化の最大の要因は、新型コロナウイルス感染拡大による受診控え、一般診療の部分的な制限に起因する患者数の減少にあると考えているところであります。
 一方で、患者1人1日当たりの診療単価につきましては、外部コンサルタントの助言を受け、診療プロセスの適正化、在院日数の最適化及び救急医療への取組強化に伴ってDPC機能評価係数Ⅱが向上したことや、市立砺波総合病院新改革プランに掲げているKPIの目標達成に向けた日常的な取組の展開により、年々改善しております。
 昨年度の入院収益に着目いたしますと、診療単価は5万1,967円と、令和元年度との比較では2,096円、外来収益も1万5,385円で737円と、いずれも上昇しております。また、直近の令和3年7月につきましても、入院で単価5万5,001円、外来で1万5,805円と、さらに上昇傾向は継続しております。
 いまだ収束が見通せない新型コロナウイルス感染症が医業収益にもたらす影響は非常に大きいものでありますが、砺波医療圏における感染症指定医療機関としての重要な役割を果たしつつ、同時に、当院が担うべき急性期、高度急性期医療の提供をしっかりと維持していくためにも、地域の医療機関等との連携と、これまでの経営改善に係る取組をさらに強化してまいりたいと考えているところであります。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山本善郎君。
 〔13番 山本善郎君 登壇〕
○13番(山本善郎君) 次に、大項目の3、ともに輝き支えあう人づくりのうち、小項目1、スポーツ施設の充実策について伺います。
 市内には多くの剣道や柔道、さらに空手といった武道、格闘技愛好家がおいでになり、日夜練習に励んでおいでになるところかと思います。その皆さんが口々におっしゃられることは、一堂に会して練習する場所、さらには大きな大会を開催するところがないとお聞きします。
 そこで、そのような多くの要望に応えるために、多種目利用可能全天候型総合施設が必要と考えます。また、県出身のメダリストが果敢に挑戦をしたスケートボードの練習ができる全天候型の施設、そして小学校のグラウンドに照明設備の設置等、施設の充実を図っていただきたいものです。
 そのうち、砺波市武道館は昭和48年に県下に先駆けて建設され、平成23年度末には学校施設に所管替えされ、平成26年には耐震化工事も完了し、そのかいあって優秀な選手を多く輩出してきました。しかしながら、学校開放で利用する場合や大きな大会を開催するには狭過ぎることから、必要と考えるところでございます。そのために、第2次砺波市総合計画後期計画には施設の整備に盛り込んで推し進めていただく必要があることから、この件については夏野市長に伺います。
 次に、小項目2、GIGAスクール構想を加速させるための施策について伺います。
 GIGAスクール構想の主要目的は、個々の児童生徒に最適化されたICT環境を整備することによって、創造性を育む教育の実現を目指すものです。クラウドを活用した教材を使用して、デジタル端末で行う授業を全ての学校に取り入れることが想定されています。
 そのようなことから、教育界においては相当なスピードでICT化が進められ、端末環境が前倒し整備されたことにより、活用促進の段階に移行しているものと考えます。しかし、導入時はいいが、今後新たな問題として、更新費用をはじめ、維持管理費用をはじめとした財政措置が必要になっていくことや、ICT支援員やGIGAスクールサポーター等の配置等、多く活用できる体制づくりが重要になってくるものと考えます。
 さて、過日、小学校での1人1台端末導入の効果を検証するため、現地視察を行いました。児童は元気よく端末を用いて学習に取り組んでいました。その折、電子黒板の導入は砺波市独自のことであり、大変便利で、なくてはならないアイテムの導入について、学校長から市長への感謝の言葉があり、市長の先見性が評価されているものと思います。
 さて、現地視察で感じたことは、児童も生徒もパソコン端末や電子黒板の操作には慣れられ、学校現場ではしっかりと順応されており、安堵したところであります。その一方で、パソコン画面の小さな文字や、長時間見続け視力低下にならないだろうか、また、入力がしやすいように電子ペンがあったほうがいいのではないかと感じたところです。
 以上、今後の対応も含め、GIGAスクール構想をより発展、加速させるための施策をどのように考えておいでになるのか、白江教育長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 私からは、1点目のスポーツ施設の充実策についてお答えをいたします。
 御紹介のとおり、旧砺波市武道館は、平成23年度末に出町中学校の施設として所管替えをした後、平成26年度に耐震化工事が完了し、現在は学校教育に活用しているほか、学校体育施設開放事業で登録された団体や市民体育大会等の各種大会に御活用いただいているところであります。
 施設が狭いなどの御指摘ではありますが、現在、市内における武道の大規模な大会につきましては富山県西部体育センターで行われているほか、砺波体育センターや庄川体育センターにおきましても、競技会や練習会場として利用されていること、また、県内の同規模の市と比較しても充実していると考えておりますことから、既存施設を有効活用することで多種目の競技に十分対応できるものと考えております。小西議員がねんりんピックの際に活躍されまして、全国第1位、優勝されましたのも富山県西部センターでございました。
 また、小学校グラウンドの夜間照明施設整備につきましては、一般社会人までを対象とした学校体育施設開放事業において、例えばサッカーゴールや防球ネット等が小学校には備わっていないことから、設備が整った中学校グラウンドにおいて整備してきたものであり、小学校のグラウンドには設置が難しいということも御理解いただきたいと思います。
 なお、御承知のとおり、令和2年3月に砺波市公共施設再編計画を策定いたしました背景には、今後の人口減少による公共施設ニーズの変化や税収の減少等が予想されており、現在のまま公共施設を維持し続けた場合、老朽化に伴う維持費が増大し、将来的に財政不足が生じるという試算結果も出ております。
 このようなことから、次世代に負担を残さないためにも、市民の皆さんに御理解と御協力を得ながら、着実にこの計画を進めていかなければなりません。
 したがいまして、第2次砺波市総合計画後期計画に、多種目に利用可能な全天候型総合施設の整備を盛り込むということは難しいものと考えております。
 私からは以上でございます。その他につきましては、教育長のほうからお答えをいたします。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 教育長 白江 勉君。
 〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 2点目のGIGAスクール構想を加速させるための施策についての御質問にお答えいたします。
 これからの時代を生きる子供たちにとって、パソコン端末は鉛筆やノートと同様に、欠くことのできない日常的なアイテムになると言われております。今年4月、児童生徒用の端末を電子黒板の運用開始以来、各校では、とにかく使ってみる、使い倒そうを合い言葉にして、児童生徒も教職員もそれらの使い方の習得に積極的に取り組んできたところであります。
 その結果、児童生徒は小学校低学年も含めて、ほぼ迷うことなく端末を操作することができるようになってきたほか、電子黒板につきましては、授業のみならず、朝の会やクラブ活動などで活用が進み、学校生活になくてはならないものとなりつつあります。
 こうした中、GIGAスクール構想をより一層前進させていくためには、さらに効果的な授業実践を学校間で共有したり、全国の先進的な実践を学ぶ研修会を開催したりするなど、各教員のICTの活用スキルや授業力の向上を図ってまいりたいと考えております。
 持続可能な社会の創り手として、これからの未来を自立的に生きていく子供たちが身につけなければならないのは課題解決力であり、その中で端末や電子黒板を使用すること自体は、御存じのとおり、手段であって目的ではございません。児童生徒が端末やソフトウエアの使用方法に慣れてきた後は、その次の段階として、それらを使って個々の課題解決力を高めることに重点を置いた教育活動を進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山本善郎君。
 〔13番 山本善郎君 登壇〕
○13番(山本善郎君) 次に、大項目4、みらいに活力をつなげるまちづくりのうち、小項目1、チューリップフェアに取り組む施策について伺います。
 本年4月開催の第70回となみチューリップフェアは、コロナ禍という開催逆風の中、対策を十分に取りながら開催されたところですが、中でも圧巻なのは、ブルーインパルスの上空試験飛行が記憶に新しいことと思います。その思いは、コロナ禍での閉塞感の高い、何とか元気を取り戻し、コロナに打ちかつ姿勢を見せられたものと思います。
 今回は70回の節目ということでもあり、新チューリップタワーのお披露目もあったりして盛大に無事開催できたものですが、次年度以降のフェア開催に苦労されるのではないでしょうか。少なくとも、次年度は屋外ステージが新しくなることや、旧シンボルタワーの跡地の整備のお披露目等があり盛会が予想されるわけでありますが、次年度の取組見込みについて、夏野市長に伺います。
 次に、小項目2、1市全園構想の実現に向けての施策について伺います。
 今の砺波チューリップ公園の面的拡大を図ろうとしたときは、周囲の生活環境の変化に伴い、なかなか困難と思われます。将来、移転することも考えられますが、まずこの公園の範囲を広げるための1市全園化を進めるプロジェクトが必要ではないかと考えます。つまり、市全体を公園に見立て、子供から大人まで幅広く市民の皆様にまで御協力をいただき、チューリップをはじめとした花いっぱい圃場のサテライト化等を構築するのはいかがでしょうか。
 そのためにも、まず砺波市民憲章や宣言にも盛り込まれているように、花を愛することをどう行動し、それをどのように実現するかということではないでしょうか。砺波市を訪れていただいた皆様に、市内どこへ行っても、その時期、チューリップが咲いていたと思っていただけるようにしなければならないものと考えます。
 そこで、例えば1つのプランとして、まず小学校の夏休みに育てているアサガオプランターにも協力を得、秋には植え込みを行ってもらうことや、市職員約1,300名の皆さんに、先頭に立って、自宅にチューリップ球根10球以上を庭先に、プランターに植えてもらうこと等、ただし、植え込み期間が限られていることから、今すぐにでも始めなければならないものと考えます。時間にすれば1時間もあれば済みます。ぜひ御協力を願うものです。
 今は公園再整備を進められているところですが、並行して、まずはメンタル面を醸成し、後々は各地区に圃場のサテライト化を構築していく、そうして面拡大を図っていけばいいのではないか、そのように夢を持たせた施策について、夏野市長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) まず、1点目のチューリップフェアに取り組むための施策についての御質問でございますが、第70回となみチューリップフェアでは、「受け継ぐ想い70回 そして未来へ」の開催テーマの下、新型コロナウイルス感染対策を徹底しながら、これまでフェアを育んできた先人に感謝し、思いを受け継ぎながら、節目の開催を新チューリップタワーの完成やブルーインパルスの展示飛行――先ほど上空試験飛行とおっしゃいましたが、展示飛行でございますので試験ではありません。本チャンです――などとともに、市民の皆さんと一緒に祝うことができました。
 一方で、感染対策に配慮し、例えば本市出身の人気ユーチューバーの「はじめしゃちょートークショー」や、大阪桐蔭高等学校の吹奏楽部によります特別演奏会などの記念イベントを中止せざるを得なかったことは大変残念でありましたが、閉塞感が続く中で、来場者の皆さんには一面の色彩豊かなチューリップから春の訪れを感じていただき、心の安らぎと元気を与えることができたものと考えております。
 さらには、このコロナ禍においても、感染拡大が比較的落ち着いた状況の中で、感染防止対策と経済振興対策を両立してイベントを開催することができた1つの成功モデルとして示せたのではないかとも考えております。
 さて、議員お尋ねの第71回となみチューリップフェアにつきましては、70回の節目を踏まえて、さらに未来へ続く新しいスタートとなるチューリップフェアにしたいと考えております。開催基本計画につきましては、フェア来場者のアンケート結果や運営スタッフの皆さんなどからいただいた御提案や御意見なども踏まえ、フェア実施本部研究会及び実施本部会議での様々な議論を経て、去る8月30日に開催されました公益財団法人砺波市花と緑と文化の財団の理事会において承認されたところであります。
 具体的に幾つか申し上げますと、開催テーマは「花が彩る 星の数ほど愛と希望(ゆめ)」とし、開催期間は令和4年4月22日から5月5日の14日間といたします。
 取組といたしましては、開催テーマに沿いました「星」にちなんだ展示装飾を会場内各所に施すとともに、チューリップ四季彩館や美術館などの施設においても、このテーマに沿った企画展示を行う予定としております。
 また、新たに登場いたします旧タワー先端のオブジェをシンボルとした円形花壇や、新屋外ステージなどを生かしたイベントを開催するほか、新たな写真スポットの設置など、さらなる魅力創出に努めてまいりたいと考えております。
 さらには、今年のフェアでは新型コロナウイルス感染症の影響により実施できませんでした、会場内での家族連れやカップルなどに人気がありました体験型の催しや集客力のあります各種のイベント、催事などについても、状況に応じた対策を行いながら、工夫して実施の方向で準備をしてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、このような取組について、今後の新型コロナウイルス感染状況等を注視し、安全・安心を最優先として、関係者と共に詳細な事業計画を立て、開催準備を進めてまいります。
 次に、2点目の1市全園構想の実現に向けての施策についての御質問にお答えします。
 チューリップをはじめとした花いっぱい圃場のサテライト化の構築につきましては、砺波市民憲章の第1番にも掲げております。関係団体の御協力をいただきながら、多くの市民の参画の下、様々な事業を既に数多く実施してきております。
 具体的には、これまで市民の皆さんがそれぞれおもてなしの心でお迎えする花と緑のまちづくりを推進してきており、毎年各地区の緑花推進協議会に対して、春と秋の2回、チューリップ球根や花苗を配布し、各地区の花壇において、それぞれ工夫を凝らしながら花のまちとなみの推進に取り組んでおります。
 また、既に各種団体や事業所等の皆様方に御協力をいただいて、国道沿いに多くの花プランターが並べられ、交差点の花壇や各地区の花壇にも色とりどりの花が植栽されているほか、市内全域の各御家庭や店舗の前にもチューリップが咲く光景が見られ、大変感謝をしておるところでございます。
 さらには、今年度新たに花のまちづくりに取り組んでいただく市内の事業所等を対象とした花いっぱいパートナー事業をスタートさせたところであり、11の事業所からの申込みがあったところであります。
 この事業を少し御紹介しますと、事業所等の店舗前や敷地において、チューリップなどを植栽した、たるプランターを3年間配置していただき緑花の推進に御協力いただくもので、1年目に限り、たるプランター、土、球根、花苗等は無償提供とするものであります。
 次年度以降もさらに参加事業所が増えていくようPRに努めてまいりたいと考えておりますし、設置されました事業所には、その後引き続き花苗等の管理、それから植栽をお願いしていくということで、それを通じまして、各地区、各事業所、いろんなところに花が咲いているという砺波市民憲章どおりのまちになっていくものと思っております。
 このほかにも、毎年フラワーロード等の花壇には、市内小学生の皆さんに植え込んでいただいたチューリップが咲き誇っておりまして、掘り取った球根は、それぞれの小学校の花壇などに植え込むなど再活用もしていただいておりまして、このような取組も市内にチューリップを咲かせる機運の醸成につながっていくものと考えております。
 本市といたしましては、今後は、このようなチューリップを主体とする花と緑とまちづくりの活動がさらに広がりを見せ、市内全体が四季折々の花々の公園空間となるよう、さらなる意識啓発と緑花推進事業にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 山本善郎君。
 〔13番 山本善郎君 登壇〕
○13番(山本善郎君) 次年度、楽しみにしてまいります。
 次に、大項目の5、みらいに活力をつなげるまちづくりのうち、小項目1、米需給の見通しについて伺います。
 今年の生産者概算金の金額が決まったようです。前年比約2,000円前後の減額で結着らしいのです。需要と供給のバランスを見越しての金額設定とも思いますが、生産調整に協力しながら価格がいまいち上がらないのは、大変違和感を禁じ得ないものがあります。そもそも米価の上昇と価格維持を目的に行われてきたはずの生産調整は、どのような役割を果たしているのか、大いに違和感を感じるところであります。
 さて、今年の生産者概算金の金額の決定の背景を考えるに、新型コロナウイルス感染症の影響が大きく関与し、消費が伸びず、年間10万トンベースで落ち込んでいるようであります。そうしたことから、民間適正在庫量の180万トンを大きく上回り、210万トンとも見込まれているようであります。さらに、今年豊作であれば、もっと在庫量が増えるものと見込まれています。
 生産者は、食用米を栽培していることを生きがいとしているわけですが、決して他用途米とか加工米や飼料米の栽培はよしとはしていないわけですが、その価格支援があること、またそのほうが圃場の維持管理に適しているからであります。
 そこで、これから需要拡大に向け、しなければならないことは、1つは、生産者が豊作であることを純粋に喜ぶことができること。2つには、小麦や米の輸入に代えて国産品を使うことができるようにすること。それは量の問題なのか、価格の問題なのか。3つには、米の輸出拡大を富裕層だけをターゲットにするには少し無理があり、市場を広げるための方策が論議されるべきではないでしょうか。価格を下げると消費や輸出が増えるという意見もありますが、それでは持続可能な生産につながらないのではないかということです。
 そこで、現在の需要、消費状況とそれに伴う生産調整の今後の動向及び2022年産作付に対し、品目転換の必要性並びに直接支払交付金の財源確保及び生産意欲の維持に伴う施策について、夏野市長に伺います。
 続いて、小項目2、みどりの食料システム戦略について伺います。
 政府の経済財政諮問会議では、経済財政運営と改革の基本方針のうち、農業分野にみどりの食料システム戦略の目的達成や、中山間地域を含めた生産基盤の強化や、輸出拡大を通じ農業を成長産業化し、所得向上や食料安全保障の確立を盛り込んだ案が示されたところです。
 また、農業人口の減少や気象変動に対応するため、農林水産業・地域の活力創造プランに基づき改革を進める必要性を訴えられています。中でもポイントの1つには、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略に基づき、生産から輸出までの事業者を束ねた品目団体を組織化すること。2つには、有機農業の拡大や化学肥料、農薬の削減など、画期的な技術の開発、普及すること。3つには、中山間地域を含む生産基盤の確保及びスマート農業の普及を加速させること。4つには、農地中間管理機構の強化において、農地の集約や担い手を確保するということも言っています。
 そこで、砺波市においてもこの方針をそしゃくし、砺波型農業の確立に向けプランを策定し、実行に移すべきものと考えます。これに対応する施策とこれからの施策について、夏野市長に伺います。
 続いて、小項目3、農産物輸出拡大支援について伺います。
 私は、機会あるごとに農産物輸出について論議してきたところでありますが、このたび、やっと県が輸出拡大に向けたWT、ワーキングチームを発足する運びとなったようであります。農産物輸出に関しては、少しは前進したように思われますが、解決しなければならない多くの課題は、国や県と共に歩調を取りながら前進してもらいたいものです。さらにうれしいことに、特別アドバイザーに、市長の友人でもあります、そして我々が中国を訪問したときに公邸に招き入れしていただいた横井 裕氏ではありませんか。いよいよ機は熟しました。共に前進あるのみです。農産物輸出についてどのように考えておられるのか、夏野市長に伺います。
 続いて、小項目の4、海洋プラごみ汚染をゼロにするための支援について伺います。
 海洋プラごみ汚染をゼロにする大阪ブルー・オーシャン・ビジョンがG20で意見交換されております。地球規模の汚染を、少しでも削減を目的に論議されているところです。オーシャンブルーを維持することは、人類の義務でもあるのではないでしょうか。
 そんな中、春先、水田で代かきが終わると、片隅に稲わらに混じって、小さい、白い、丸い殻のような物体がすごい数で寄っています。最初は何だろうと思いましたけれども、肥料の被覆材と理解したところです。
 これは当時、労働費や省力化対策の一環として一発肥料として開発され、今や全国的に利用され、なくてはならない肥料になったところです。導入当時は、この物質は紫外線により年数をかけて細分化していくものと伺っており、違和感なしに今まで導入してきた経緯がありますが、多量に存在し海洋汚染に関係してくるとなると、放ってはおけない事案と認識いたします。一発肥料は、今までは作業上なくてはならないアイテムであり、早期に改善しなければならないものと考えます。そこで、いろいろ探してみると、SCU肥料が存在し、従来の肥料は違い、被覆材の最後は作物の養分として吸収されるとのことです。
 そこで、環境に配慮した砺波型農業の確立に向けた施策について、夏野市長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) まず、1点目の米需給の見通しについての御質問にお答えいたします。
 山本議員には、米作農家として状況は十二分に御承知のことと存じておりますが、改めて御説明をいたしますと、まず現在の需要、それから消費状況につきましては、近年のライフスタイルの変化や人口減少などにより、米の需要が年々縮小傾向であったことに加え、新型コロナウイルス感染症等の影響により、これまで以上に需要の低下に拍車がかかっているという状況であります。
 このような状況から、本年7月末現在で、国による令和3年から令和4年の需給見通しでは、令和4年6月末の民間在庫量が210万トンとなり、適正在庫量を大幅に上回ることが予想されております。
 このことから、令和4年に向けた米の生産目標数量は、本年産以上のさらなる減少が見込まれ、地区水田農業推進協議会に対して、令和4年産米の生産目標数値の推測値を57.45%から57.88%として提示したところであり、転作率では42.55%から42.12%の間、今年度は59.9%ですから、それよりもさらに2ポイントから2.5ポイント程度の品目転換が必要となるものと見込まれます。
 なお、本市では、例年の重点要望において、農業者の生産意欲の維持と、これ以上の米価下落を防ぐ観点から、国が進める米の需給調整制度を維持するため、国及び県に対し、経営所得安定対策等のさらなる予算確保と充実を求めております。
 また、自然災害や作物の価格の低下などに対応した収入保険制度への加入促進のほか、国や県等の各種補助事業等の有効活用を推奨するなど、引き続き、農業所得の維持と経営の安定化による農業者の生産意欲の維持に努めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目のみどりの食料システム戦略についての御質問でありますが、平成30年3月に、本市の今後10年間の農業、農村の振興を図るため、基本的な農業、農村の目指すべき将来像を明確にした砺波市農業農村基本計画を策定しております。
 議員御紹介の農林水産業・地域の活力創造プランなどで国が示しました4つのポイントにつきましては、おおむねこの基本計画において網羅されており、本市ではこれに基づき、既に各種施策を着実に展開してきております。
 しかしながら、計画策定から既に3年が経過し、また、令和2年3月には、国の新たな食料・農業・農村基本計画が策定されたほか、新型コロナウイルス感染症による影響など、本市における農業、農村を取り巻く環境や社会情勢などが大きく変化してきております。
 本市といたしましては、新年度が本市の農業農村基本計画の中間評価となることから、改めて専門家や農業関係団体、農業者などの御意見を伺いながら、みどりの食料システム戦略等に基づき、この基本計画の見直しに取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、3点目の農産物輸出拡大支援についての御質問にお答えいたします。
 本市の農産物の輸出につきましては、農業団体や民間企業が主体となり、チューリップ球根をはじめ、ゆずみそやしょうゆ、日本酒やウイスキーを台湾、中国、香港などに輸出しております。農林水産省が定めました輸出重点品目の中には米なども含まれていますが、農産物の輸出には、現地との圧倒的な価格差や輸出における検疫手続などの問題がございます。
 これまで、となみ野農協では輸出米に取り組んだこともありますが、手数料を差し引くと加工用米の価格より安価となり、農業者へのメリットが少なかったという事例もございます。また、検疫については、輸出国先によって検疫手続や輸出手続等が異なることから、それぞれの事務手続の煩雑さも課題となっております。
 こういったことから、先ほど御紹介もありましたが、県では今年度ワーキングチームを発足し、国の輸出強化策や県内事業者の動向を踏まえて、富山県産農林水産物等品目別輸出促進方針の見直しを行うこととしております。
 本市といたしましては、現段階では、輸出拡大についての課題もあることや、関係者の意向も不透明なこともあり、国や県のワーキングチームの動向を注視し、農協、生産者、事業者等との情報共有を図りながら、市としてどのような支援ができるのか、慎重に検討してまいりたいと考えております。
 次に、4点目の海洋プラごみ汚染をゼロにするためにの御質問にお答えします。
 議員御発言の肥料成分をプラスチック樹脂で覆った一発肥料は、本市では、主力品種であるコシヒカリを中心に、現在、作付面積の8割強で使用されている状況にあり、環境への悪影響が懸念されております。
 そこで、となみ野農協では、県内でもいち早く肥料製造会社と協力し、プラスチック樹脂の崩壊が早く、流出しにくい新しい肥料への切替えを進めているほか、県農業研究所では、プラスチック樹脂を使用しない、環境に優しい一発肥料の研究も行われているところであります。
 議員御紹介のSCU、完全生分解性硫黄被服肥料と言うそうですが、SCU肥料につきましては、環境に配慮した肥料ではあるものの、作物が必要な肥料成分をタイミングよく吸収できるのかなどの課題もあると聞いております。このことから、となみ野農協では、SCU肥料の切替えに当たっては、作物に適した肥料であるか、圃場での試験を繰り返し、生育に支障がないことを実証した上で、順次切り替えていきたいとのことでありました。
 また、国の環境保全型農業直接支払交付金の支援制度は、化学肥料や農薬などを原則5割以上低減し、併せて緑肥の栽培等を行う営農活動を推進するものであり、今年度は水稲やチューリップ球根などの作物を対象に、5経営体、約28ヘクタールで取り組まれております。
 本市といたしましては、農業の持つ物質循環機能を生かしつつ、生産性との調和に留意し、化学合成農薬や化学肥料の使用等による環境への負荷の軽減と、より安全な農産物生産に配慮した持続的な砺波型農業を、県やとなみ野農協など、関係機関と連携して推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 山本善郎君。
 〔13番 山本善郎君 登壇〕
○13番(山本善郎君) それでは次に、大項目6、みらいに活力をつなげるまちづくりのうち、小項目1、市内の景気動向について伺います。
 2020年度のGDPが過去最大の下落幅だったことが大きなニュースになって紹介されたことは、記憶に新しいところであります。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、政府の緊急事態宣言の発令により、外出自粛や在宅勤務を奨励した結果、工場の一部生産中止や飲食店の時短営業など、サービスの付加価値を生み出す過程が失われた結果なのかもしれません。反面、業績を伸ばした業種が家電業界であり、外出自粛や在宅勤務が増えた影響とも思われます。また、売上げが50%減少したという業種は宿泊業や飲食業であり、遊園地や映画館は48%、タクシーなど運輸業界は21%となっています。一方、スーパーやドラッグストアなど、巣籠もり需要で売上げを増大したと聞いています。
 そこで、市内、今年度上半期における景気動向についてどのように把握されているのか、夏野市長に伺います。
 次に、小項目2、景気回復向上施策について伺います。
 今一番求められているのは、景気回復対策かと考えます。思い切った財政支出をもってしても、なかなか元の状態に戻ること、すぐには困難と思われます。今後は、地道な対策により、少しでも回復基調を見いだし、そして加速させることが望ましいと考えます。
 そうした中、2022年に17万トン級の豪華客船が伏木富山港に寄港が予定されているとのことですが、乗員定数は5,700名でその7割は日本人であり、寄港するその魅力は新鮮な魚類だそうです。誘致の際、対応した県は、砺波市のチューリップフェアも紹介されたとのことですが、砺波市の魅力を知っていただくいい機会であり、消費拡大も期待できます。
 さて、この間、国は何もしなかったわけではなく、大規模な財政支出を行い、活性化を狙ったところです。その1つにGoToキャンペーンなど、一定の効果はあったものと思われます。
 砺波市においても手をこまねいていたわけではなく、果敢に挑戦されていたところであり、既に実施済みのプレミアム付商品券発行事業は、年度末までの期限でありますが、さらに継続させていただきたいものです。財源が乏しいことから、関係機関に要望され、さらにアイデアに満ちた施策の実施を期待いたします。
 また、財源といえば、企業においても資金繰りが窮屈と見る企業が5.2ポイント上昇して、さらなる金融支援策を必要としています。このような状況で、雇用調整助成金の相談やその取扱いについて、ますます需要があるものと考えます。
 そこで、景気回復のための充実した対策について、夏野市長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) まず、1点目の市内の景気動向についての御質問にお答えします。
 景気動向につきましては、商工団体からの報告によりますと、総論として、新型コロナウイルスの感染拡大が進んでいる中において、市内の中小企業者、小規模事業者の労働者の可処分所得が減少しており、消費マインドは低下しているとのことであります。
 また、製造業については、業種により受注などに格差が生じており、飲食業や宿泊業等のサービス業については、新型コロナウイルスの感染拡大による時短要請や外出自粛による申込みのキャンセルなどから、大変厳しい状況となっております。
 一方で、雇用情勢につきましては、ハローワーク砺波からの報告によると、令和2年度から引き続き、令和3年度上半期でも、本市の就業地別の有効求人倍率が富山県の有効求人倍率を大幅に上回っているなど、新規求人数も高い数値で推移しております。最近の有効求人倍率も2.0を超えているという状況であります。
 今後とも、商工団体等と連携を図りながら景気動向の把握に努めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の景気回復向上施策についての御質問にお答えをいたします。
 先般、商工団体等から、現在第2弾として発行しておりますプレミアム付商品券について、予想以上の申込みがあり、追加発行の要望もありましたことから、地域経済の回復事業として、今定例会において追加分の補正予算を提出させていただいているところであります。
 一方で、県においても、新型コロナウイルス感染症の急激な拡大により、地域経済を幅広く回復させるための消費喚起策として、プレミアム商品券発行事業が計画されていることから、というか、発行事業にも使える事業が予想されていることから、感染拡大が落ち着いた段階で、県事業を活用して、市発行分に加えてその発行数を大幅に増やすなど、県と市が連携して速やかに発行できるよう準備を進めたいと考えており、県との調整につきましては事務的には始めております。要するに、県の分と市の分と合わせて発行するような形でございます。
 また、雇用調整助成金を含む各種制度に関する相談に応じるための有資格者等の派遣や相談会の開催に係る経費についても、今回、補正予算案に提案させていただいておりまして、昨年度に引き続き、商工団体等の協力を得ながら実施してまいりたいと考えております。市、県、それから、それぞれの商工団体がしっかり連携して対応していくという趣旨でございます。
 いずれにいたしましても、新型コロナウイルスの感染拡大により、飲食業や宿泊業をはじめとする市内中小企業者が大きな影響を受けていることから、事業継続を下支えし、再起の糧となるよう、国や県の施策とも十分連携しながら、適切かつ効果的な支援を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 山本善郎君。
 〔13番 山本善郎君 登壇〕
○13番(山本善郎君) 次に、大項目の7、みらいに活力をつなげるまちづくりのうち、小項目1、今年度の除雪対策について伺います。
 さて、今年の大雪に関して、今までの除雪計画の弱点が指摘されたようで、そこから学ぶことが多くあったように思われます。思い起こせば、市道と県道の交差点に軽自動車が立ち往生して、しばらく放置された状態が思い出されます。また、一時的に短期間に降雪があり、道路除雪が追いつかない状態が続いたことや、ある地区におきましては大型機械が故障し、機械による除排雪が一時的に滞り、陸の孤島になった家屋が発生したことがあったわけですが、道路につきましては、当時、お隣の地区よりすぐに応援をいただき対応され、大いに感謝されたことなど、記憶に新しいところかと思います。
 やっぱり人力より大型機械に頼らなければならないことや、融雪装置のフル回転により消雪作業がスムーズに進行し、そのありがたみを大いに感じ取ったところであります。こういったことは、直後の総括により結論づけされていますが、もう3か月もすれば雪との格闘が待っているところであります。
 こういったことから、今年度の大型機械の導入計画や、消雪装置の新規設置状況を含めた新規除雪対策の改善等について、改めて夏野市長に伺います。
 小項目の2、庄川右岸地域の用排水路整備計画について伺います。
 近年、全国各地で豪雨等により土砂災害や河川の氾濫が発生しているところでありますが、本市には急傾斜地の崩壊、土石流、地滑り等が発生する可能性がある災害危険箇所が156か所、うち特別警戒区域は107か所あり、この30年間を見ても、この区域だけで28件の土砂災害が発生しています。
 当市はこれまでも、災害が起きた場合、早期な対応が図られていますが、この災害を未然に防ぐための対策を講じ、地元住民に対してどのように啓蒙を図られてきたのか、伺います。
 また、平成13年に施行された土砂災害防止法に基づき、警戒区域に指定されていない箇所にお住まいの方たちに対しても土砂災害ハザードマップを配布されるなど、さらには、県、気象台とも連携され、大雨により土砂災害の危険が迫ったと判断された場合は、避難勧告や自主避難の目安となる土砂災害警報を発令されるなど、警戒、避難に努められていることは高く評価されているところであります。
 ところで、先々月13日に大雨警報(土砂災害)が出されたところでありますが、幸いにも災害や避難者もなく安堵しているところです。このときの意見として、情報伝達や現況把握に時間を要し難儀した、行政としてマイ・タイムライン作成等による避難対策を推進すべき、市当局と地区自治振興会をはじめ、各種団体との役割分担を明確にし、地元住民への情報、迅速化を図るべき等々の意見も聞かれたところでありますが、市当局として、今後、土砂災害警戒情報が発表された場合、集落の孤立化対策も含めどのような対策を講じていくのか、伺います。
 一方、集中豪雨は、河川や用排水路の増水を招き、用排水路の経年劣化や排水機能低下により、農地、宅地への水被害が拡大している状況が見られます。
 そこで、過去、庄川左岸において、平成21年7月から国営総合農地防災事業に着手され、平成30年度に完了し、残すは県営農地防災事業の令和5年度の完成を待ち、その結果、受益面積6,212ヘクタールの国土保全が期待されるところであります。
 反面、庄川右岸地域にあっては、昭和20年代以降に用排水路の改修がなされたものの、改修後60年以上が経過し、経年劣化による漏水等、老朽化が著しく進み、庄川合口ダムを起点とした芹谷野用水路、三合新用水路、針山口六ヶ用水路、中田口用水路が流れており、隣接する4市の農業生産や農地保全等に大きな役割を果たしています。
 しかしながら、近年の集中降雨で、下流の近隣市では、農地や宅地への溢水被害が発生し、農地の保全や地域住民の不安解消を図ることが喫緊の課題になっています。
 これらのことを踏まえ、県並びに当市をはじめ4市が協力し、農地防災事業を促進する組織を立ち上げる計画になっているとお聞きします。この地域の受益面積からすれば、国営農地防災事業としての採択は無理としても、県営農地防災事業としての早急な事業促進を図られることを要望するものであります。
 庄川右岸地域の農地防災事業計画が現在どのようになっているのか、その進捗状況について夏野市長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 1点目の今年度の除雪対策についての御質問につきましては、6月の市議会全員協議会で報告いたしました大雪時の検証結果等を踏まえ、その対策について、新たに道路除雪実施計画に「豪雪編」として加えることとして、現在、計画策定を進めているところであります。
 具体的には、地区除雪委員会や除雪委託業者と協議を行い、顕著な大雪に関する富山県気象情報の発表など、大雪が予想される場合における除雪委託先の自主判断による除雪出動の試行を検討しているほか、市建設業協会や市管工事協同組合等と協議を行い、除雪機械や除雪オペレーターの確保及び除排雪作業について協力が得られるよう、調整を進めているところであります。
 また、国道、県道の道路管理者と協議を行い、歩道部や交差点部の除排雪作業の効率化を図ることや、除雪に関する情報共有等についても調整を進めており、冬期間の路面状況に関する国道、県道のライブカメラの追加、拡大や、市ホームページや砺波市緊急メールなどを活用したリアルタイムな情報発信に努めてまいりたいと考えております。
 また、今年度の大型除雪機械の導入計画につきましては、除雪機械更新計画に基づき、国の交付金を活用して、林地区除雪委員会の機械1台を更新するとともに、県の2月補正予算による地域ぐるみ除排雪緊急促進事業の採択を受けて、5地区の小型除雪機械を新たに導入する準備を進めております。
 このほか、消雪装置につきましては、消雪施設のリフレッシュ計画に基づき工事を進めており、今年度は深江地内の市道広上町鷹栖線や庄川町三谷地内の市道三谷5号線の工事に着手しております。
 また、消雪装置の効果を十分に発揮させるため、電力事業者と調整し、交通量の多い幹線市道から計画的に24時間稼働への切替え作業を順次進めているところであります。これらの改善点を踏まえまして、10月末までに今年度の道路除雪実施計画を策定し、地域ぐるみ除排雪の連携強化を図るとともに、大雪時における万全の備えを行い、冬期間の安全・安心な道路交通の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の庄川右岸地域の用排水路整備計画についての御質問にお答えをいたします。
 まず、土砂災害を未然に防ぐための対策や住民への啓発をどのように図ってきたかにつきましては、議員も述べられましたが、災害が起きる可能性や被害想定などを図示しました土砂災害ハザードマップを策定し、対象地域住民に配布するとともに、各種防災訓練や行政出前講座などの様々な機会を捉え、啓発に努めてきたところであります。
 市といたしましては、市民の皆さんが防災に対する意識高揚が図られるよう、引き続き努めてまいります。
 次に、今後、土砂災害警戒情報が発表された場合、集落の孤立化対策も含め、どのような対策を講じていくのかについてお答えいたします。
 土砂災害警戒情報は、大雨警報が発令された後、60分降雨量と土壌雨量が一定量を超え、土砂災害の発生する危険が高まったときに警戒を呼びかける情報であり、県と気象庁が共同で発表するものであります。
 市では、この情報が発令される前の注意報の段階で、ホームページやツイッターなどのSNSを用いて市民に対して注意喚起を行っているほか、警報が発表された段階では、市民への緊急災害メールによる情報発信に加え、市地域防災計画に基づき、第1非常配備として職員を配備して、24時間態勢で警戒に当たるなどしております。また、必要に応じて各地区自治振興会、自主防災会、消防団などへの情報の提供や避難所の開設などを適時適切に行っているところであります。
 集落の孤立化対策につきましては、昨年度、国の地方創生臨時交付金を活用して、中山間地における孤立集落解消のため移動系デジタル行政無線機を増備したところであり、電気などのライフラインが寸断された場合でも、正確な被害状況や必要物資の把握など、対策を講じているところであります。
 次に、庄川右岸地域の農地防災事業計画は現在どのような状況になっているかについての御質問であります。
 庄川右岸地域の用排水対策につきましては、現在、令和5年度の事業着手を目指し、県では既に地区調査が発注され、改修工法の比較検討や概算事業費の再精査が行われております。また、秋以降には地区調査を受け、事業概要についての地元説明会を予定されており、その準備を鋭意進めていると伺っております。
 また、提案理由でも申し上げましたが、去る8月5日には、事業推進を図るため、県や関係市及び関係土地改良区で庄川右岸地域用排水対策促進協議会を設立し、用排水路の排水対策や老朽化対策の早期実現に向け、関係者一同、決意を新たにしたところであります。
 これまでの一連の動きは、砺波市及び地元の方々が中心となって関係先に働きかけをしてきたことがもととなっており、こういった形で、目に見える形で進んだことについては、大変感慨深いものもございます。
 今後は、この協議会を通じて、用排水路施設整備の早期の事業採択を目指して、関係機関にさらに一段と強く働きかけてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 山本善郎君。
 〔13番 山本善郎君 登壇〕
○13番(山本善郎君) それでは、最後の質問となります。大項目の8、協働と持続可能な自治体経営のうち、小項目1、デジタル庁発足に伴う対応と影響について伺います。
 首相自ら旗振りをされるというデジタル庁が、この月の1日に鳴り物入りで発足いたしました。本来、デジタルトランスフォーメーション的な考え方は、遡ること約10年前から言われてきているところですが、一向に進まないこの事業に嫌気が差し、しびれを切らして、いよいよ国がデジタル庁なるものを創設したような感があります。
 その目的たるや、マイナンバー活用拡大、地方自治体の行政システム統一化の司令塔として行政手続のオンライン化推進など、利便性を向上させるとのことです。その中でも、いち早く押印手続の見直しが進んでいるのかもしれません。個人情報保護ルールの統一、マイナンバーカードを発行する地方自治体への関与強化、マイナンバーカードと預貯金口座のひもづけを可能とする仕組みを創設すること。この中で、特に行政の縦割りを改善していただき、市民生活のサービス向上に貢献していただきたいものです。
 市での対応は、機構改革において企画調整課が企画政策課と広報情報課に細分化し、市民サービス向上を目指してきたところであります。
 そこで、デジタル庁発足に伴い、どのような変化を求められ、市の対応と業務上執行していく上での市への影響及び市民サービス向上に及ぼす影響について、夏野市長に伺います。
 以上、大項目8項目、小項目19項目を質問いたしまして、砺波市議会自民会の代表質問とさせていただきます。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) デジタル庁発足に伴う対応と影響についての御質問にお答えをいたします。
 国がデジタル庁発足に伴い進めようとしている施策のうち、市民サービス向上に及ぼす影響があると考えられるものとしては、マイナンバー制度全般の企画立案やその推進などがデジタル庁の業務とされることから、行政手続のオンライン化やワンストップ化など、また、国ではスマートフォンで60秒というキャッチフレーズで完結するサービスを目指しており、市民生活の利便性が向上するものと期待されております。
 具体的には、マイナンバーカードが健康保険証として使えることや、運転免許証とマイナンバーカードを一体化することをはじめとした用途拡大に向けたこれまでの取組に加え、先ほどの答弁でもありましたが、年末までに新型コロナウイルスのワクチン接種歴を証明するワクチンパスポートを電子化するほか、さらには、今後、地方公共団体が優先的に推進すべきとされた子育てや介護など、暮らしに密着した31の手続のオンライン化による市民サービスの向上が考えられます。
 本市におきましては、デジタル庁の発足やデジタル化の推進に的確に対応するため、御紹介もありましたが、広報情報課の設置や、既に併せて本年4月の組織改革でデジタル化推進本部を設置し、具体的な検討を行う組織としてデジタル化推進班を設置したところであります。
 デジタル化推進班には、デジタル化推進に関係する各課の実務係長級の職員を併任させており、横の連携を取りながら事務効率化やマイナンバーの普及、利活用など、5つの課題について、ワーキンググループに分かれ、自由な発想でスピード感を持った検討を行っており、市民サービスの向上と事務の効率化に向け、的確に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。

 午前11時35分 休憩

 午前11時37分 再開

○議長(川辺一彦君) 再開いたします。

     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
○議長(川辺一彦君) 4番 神島利明君。
 〔4番 神島利明君 登壇〕
○4番(神島利明君) 議長の許可をいただきましたので、通告に基づき、分割方式で質問させていただきます。
 それでは、1項目めとして、災害時の防災対策についてお尋ねいたします。
 近年、記録的な豪雨による洪水や土砂崩れや、想定を超える自然災害で甚大な被害が頻発化しています。豪雨災害の原因となっているのは線状降水帯です。幾つもの積乱雲がほぼ同じ地点で連続して発生し、繰り返し強い雨を降らせ続けることで大きな被害をもたらしています。
 こうした自然災害に対して避難所を開設する場合には、新型コロナウイルス感染症対策の影響で広がる現下の状況を踏まえ、感染症への対策にも万全を期することが重要となっています。発生した災害や被害の状況によっては、避難所の収容人数を考慮し、過密状態を防止するため、あらかじめ指定した指定避難所以外の避難所を開設するなど、通常の災害発生時よりも可能な限り多く避難所を開設する必要があります。
 本市では、2019年3月に洪水ハザードマップが見直され、地震の際の指定避難所82か所のうち、18か所が浸水で使用できなく、15か所が2階以上の利用になっています。また、収容人数は新型コロナウイルス感染症対策で通常の半数になっています。地区によっては避難所の不足が想定されます。市民の中には、どこへ避難をすればよいのか分からない人もおられます。
 そこで、1点目として、水害時の新型コロナウイルス感染症対策を踏まえての避難所で、不足が想定される地域の方の避難所の確保と市民への避難先の周知方法について、見解をお伺いいたします。
 次に、マイ・タイムラインシートの活用についてお尋ねいたします。
 マイ・タイムラインシートとは、避難先や避難経路を整理した各自の避難行動計画のことです。本市で作成したマイ・タイムラインシートは、令和2年4月に発行し、広報となみと一緒に配布され、各自治体で防災訓練時やその他の会合等で説明されています。しかし、本市では災害が少なく、各家庭で使われる機会が少ないため、重要性や利用方法が伝わっていないように思われます。
 このシートは大変分かりやすく見やすいものになっており、いざというときに、慌てずにこれを見て、避難先、非常時の持ち出し品を準備することができます。家庭でのマイ・タイムラインシートを作成するに当たり、各自治会でどこに避難するのか、また避難方法について、改めて地区の方に提示する必要があると考えます。
 そこで、2点目として、市民の防災意識の向上を図るため、より多くの人にマイ・タイムラインシートの作成をしていただき、活用できるよう、市民へのさらなる周知が必要と考えますが、市としてどのような考えがおありか、お伺いいたします。
 次に、砺波市総合防災訓練についてお尋ねいたします。
 本年9月26日に砺波市総合防災訓練が市の南部地域を中心に行われます。今回は新型コロナウイルス感染症を踏まえ、砺波市避難所運営マニュアルに基づき、災害発生時における感染症対策を講じた避難所運営の訓練を行い、住民の安全・安心に寄与することを目的として行われます。
 そこで、3点目として、毎年、砺波市総合防災訓練で目的を定め、実施されていますが、その具体的な成果をどのように評価されているのか、お伺いいたします。
 次に、自分で避難することが難しい災害弱者の方の個別避難計画についてお尋ねいたします。
 個別避難計画は、高齢者や障害者や避難行動要支援者の円滑かつ迅速な避難を図る観点から、避難を援助する人や避難場所、経路などをまとめたもので、災害対策基本法で市町村に作成することを努力義務化されています。この個別避難計画は、自主防災組織や各関係機関に個人情報を提供することに同意され、砺波市避難行動要支援者登録申請書を提出された方に、自治会を中心に作成されています。
 そこで、4点目として、避難行動要支援者登録申請書を提出された方のうち、45%の方の個別避難計画が作成しておられますが、まだの方についてどのように対応されるのか、お伺いいたします。
 次に、学校の避難計画、防災教育についてお尋ねいたします。
 学校では避難計画を作成し、それに基づき定期的に避難訓練、防災教育を実施され、子供たちが体験しながら学習しています。しかし、各家庭における避難行動については、自治会で実施されています年1回防災訓練などでは、全員参加でないため、なかなか身についていません。
 そこで、学校での防災教育時にマイ・タイムラインシートについて学習を行い、家に帰って我が家のマイ・タイムラインシートはどうなっているかを家族で相談しながら確認することで避難行動も明確になり、親子して防災意識の向上につながるものと考えます。
 また、全ての小学校が災害時の避難所に指定されています。住民の方が小学校に避難されるときは、通学路を通ってこられる方が多いと考えます。避難者の中には、高齢者、車椅子の方もおられ、この方たちの目線に立っての通学路の点検が必要と考えます。
 そこで、5点目として、学校での防災教育時にマイ・タイムラインシートを取り入れて、児童生徒を介した家庭での普及と定着を図ってはいかがでしょうか。また、通学路の年1回の合同点検時に、高齢者や車椅子の方の目線に立っての点検も取り入れてはいかがでしょうか、お伺いいたします。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 畑企画総務部長。
 〔企画総務部長 畑  進君 登壇〕
○企画総務部長(畑  進君) 私からは、1項目めの防災対策についてのうち、まず1点目の洪水時の新型コロナウイルス感染症対策を踏まえての不足分の避難所の確保についての御質問にお答えをいたします。
 本市では、昨年、避難所運営マニュアルに新型コロナウイルス感染症対策編を追加し、避難所で配慮すべき事項として、避難された方が密にならないように、また体調不良者等を完全分離することなどを明記したほか、避難所が不足しないように、自宅に被害が及ばないと判断できる場合は自宅避難とすることや、知人や親戚宅などへ避難する広域避難、さらには車中避難など分散避難を呼びかけており、昨年の市総合防災訓練におきましても、これらを取り込んだ実践的な訓練を行ったところであります。
 また、昨年8月には、高齢者や乳幼児をお持ちの方、妊娠している方など配慮が必要な方の避難場所として、民間宿泊施設を活用できるよう、民間の宿泊施設の団体と災害時における宿泊施設等の提供に関する協定を締結したところであり、今年度の市総合防災訓練において、宿泊施設の協力をいただきながら実践的な避難訓練を行うこととしております。
 加えまして、本市の提案により、富山県の「ワンチームとやま」連携推進本部において、市境を超えた広域的な避難体制の整備について検討しているところであり、避難する方の安全性はもちろんのこと、個人の事情にも配慮した避難に対応できるよう、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 また、これらの避難方法につきましては、広報となみやホームページ、行政出前講座、さらには各地区の自治振興会や自主防災会、民生委員児童委員などとも連携を図るとともに、市総合防災訓練や地区防災訓練などの実践的な訓練を通じて周知を図ってまいりたいと考えております。
 次に、2点目のマイ・タイムラインシートのさらなる活用の取組について、お答えをいたします。
 マイ・タイムラインシートは、本市の防災士連絡協議会の皆さんが中心となり、県内でいち早く作成に取り組み、令和2年4月の広報となみの配布に合わせて全世帯へ配布したところであります。しかしながら、シートの周知につきましては、折しもコロナ禍と重なったことから思うようにできないところではありますが、各地区の防災士が中心となって、自治振興会や防災会、市総合防災訓練や地区防災訓練、行政出前講座など、できる限り機会を捉えて周知に努めてきたところであります。
 今年度におきましても、小中学校の総合学習や各種団体への行政出前講座をはじめ、来る9月26日に実施予定の市総合防災訓練でも、避難所において防災士によるマイ・タイムラインシートの利用方法や書き方などの説明を行うこととしております。
 本市としても、今後とも様々な機会を捉えて周知に努めてまいりたいと考えております。
 次に、3点目の毎年実施しております防災訓練の成果をどのように判断されているかについてお答えをいたします。
 本市の総合防災訓練では、災害の想定に対して、災害時における各種計画やマニュアルを基本として、対象地域の特徴や全国的に新たに課題とされた点を踏まえ、誰がどのような役割でいかに行動するかなど、地域住民が自ら考え、計画した実践的な訓練を通じ、評価、改善を図るといった、いわゆるPDCA方式を採用し、一過性の訓練ではなく継続的な訓練として行っております。
 このことから、開催地区では、1年以上前から出前講座を活用した勉強会の開催や、防災士を中心とした地区防災会の会議などを重ねられ、自分たちの地区の特徴や課題などを洗い出し、その地域に合った工夫をされた訓練を実施されております。訓練後の役員や参加者などからは、災害時において、自分たちが具体的にどのように行動すればいいのか分かった、机上で考えるより訓練では改善する課題が見えたと、そういった感想も聞かれるところであります。
 また、こうした訓練での経験は、各地区で自主的に行っていらっしゃる防災訓練にも生かされており、かつては避難訓練や炊き出し訓練だけといった訓練内容が、今や無線やSNSを用いた情報伝達訓練、段ボールベッドやトイレの設営などの避難所開設訓練、さらには感染症対策訓練など、現在の社会状況をタイムリーに取り入れられるなど、進化してきているものと感じております。
 本市といたしましては、こうしたPDCAが地域の中に根づくことで、防災意識の向上や、自助、共助の意識の醸成とともに、実践的で実のある、そして次につながる訓練となっているものと評価をしているところであります。
 今後とも、引き続き市民の皆さんや地域の方などとも連携をしながら、生きた訓練となるよう努めてまいります。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 村井福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 私からは、4点目の災害弱者の個別避難計画の作成や同意書の取り交わしについての御質問にお答えいたします。
 本市では、平成27年度から避難行動要支援者名簿を作成し、対象者には個別避難計画を作成するため、そこに記載されている個人情報について、自主防災会など関係機関に提供することの同意を求めており、同意のあった方について個別避難計画を各自治会を中心に作成していただいております。
 個別情報提供の同意につきましては、新規対象者や未同意の方には毎年個別に郵送にて御連絡しており、同意数としては制度開始年度の1,520人から本年7月末で1,668人に増加しておりますが、対象者全体の約50%となっておるものでございます。今後も引き続き制度の普及を行ってまいります。
 また、個別避難計画の作成につきましては、個人情報提供の同意をいただいている方の約45%の748人の方が作成されています。作成されていない理由といたしましては、山間地や近所が遠い散居地域、また住宅地であっても高齢者のみの世帯が多い地区、そして避難支援をできる方が近所にいないといったことや、地区によっては避難所が複数あり、災害時にどこへ避難するか検討中であるといった事情もあると聞いております。
 他の自治体におきましては、近所の方が個人で支援者として確保できない場合には、自主防災会や自治会を避難支援者として登録、作成しているところもございます。個人の避難支援者がおらず、計画作成が進まないような地区には、このような事例を情報提供していくことによって作成数を増やしていきたいと考えております。
 また、いつ発生するか分からない災害時に多くの命を救うためにも、早急に計画作成しておくことが重要であることも併せて周知してまいりたいと思っております。
 なお、避難が必要となった場合、計画どおりに進めるためには、ふだんから要支援者の災害時の対応について地区でも検討していただいておくことが、災害時に全ての方が避難できることにつながると考えているものでございます。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 構教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 私からは、5点目の学校の避難計画、防災教育についての御質問にお答えいたします。
 小中学校では年間3回以上の避難訓練を実施しており、各学校の立地や建築状況等に応じて、火災や地震、洪水発生時、不審者侵入時を想定し、命を守る方法を学んでおります。また、年度当初には、災害発生時における保護者への児童生徒の引渡し訓練も実施しており、家庭との連携をどのように取っていけばよいか考える機会となっているところでございます。
 議員御発言のマイ・タイムラインシートにつきましては、台風や大雨などの風水害に備えて、いつ誰が何をするかを時系列で整理した家族の避難計画であり、警戒レベルごとに考えるシートであるため、防災教育を家庭において行う上で有効なものであります。
 このようなことから、各学校における行政出前講座におきましては、家庭での普及を促進するため、小学校の高学年や中学生に活用方法を紹介しているところであり、今後、小学校の低学年においても活用していくことを検討したいと考えております。
 次に、通学路の合同点検につきましては、危険と思われる現地に赴き、関係機関と共に改善を要する内容を確認することで、通学時における子供たちの安全・安心の視点から実施しているものであります。
 なお、高齢者や車椅子の方々など、災害時に配慮が必要となる要配慮者への目線として毎年実施しております市及び各地区の防災訓練等において、自主防災会や地域住民などと連携した訓練を進めているところであり、御理解をお願いしたいと存じます。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 神島利明君。
 〔4番 神島利明君 登壇〕
○4番(神島利明君) それでは次に、大きな2項目として、人口減少対策についてお尋ねいたします。
 本市の人口は、平成17年をピークに、他市よりも減少率は低いですが、人口減少傾向に推移しており、喫緊の課題となっております。人口減少対策の一つに企業誘致があります。企業誘致を図ることで雇用の機会を増やし、UターンやIターン、また近隣からの移住も考えられます。
 本市は、北陸自動車道、東海北陸自動車道を有し、北陸の中でも金沢市と富山市の中間地であり、また名古屋まで3時間と、非常に交通の利便性がよい交通の要所とされております。また、災害も少なく、良質で豊富な水利、勤勉性に富む労働力など、優れた条件がそろう立地に適していると考えます。企業から見れば、砺波市は大変魅力ある地域になります。
 そして、企業側は、計画が決まればすぐに着工したいと考えているところが多いと思われますので、造成した工業団地が望まれます。現在進めていますスマートインター柳瀬工業団地は、市民にとっても企業に対しても大変よい事業だと考えます。
 また、企業誘致をすることで、関連企業の発展などによる地域の活性化や、人口が増えることで財政アップにもつながり、砺波市の発展にも寄与する大事な政策であります。
 しかし、企業団地の整備には、計画から造成完了までに土地改良区との協議、地質調査、除外願提出、転用申請、開発許可申請、造成工事など、いろいろと手続がかかり、時間がかかる事業であります。
 今後の世の中の流れの動向として、脱炭素に関連する事業が多くなってきています。これは、政府が重要政策と掲げています脱炭素への取組が、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする脱炭素社会を目指すものによるものです。これらに関連した企業は今後ますます伸び、景気を牽引する分野と考えます。
 そこで、1点目として、今後成長が期待できる脱炭素関連企業の誘致に力を入れてはいかがでしょうか。また、工業団地事業は時間がかかりますので、柳瀬工業団地の次の工業団地に向けて積極的に取り組んではいかがでしょうか。見解をお伺いいたします。
 次に、本市で取り組んでいます婚活支援についてお尋ねいたします。
 本市では、少子化対策の一環として、未婚の成人の結婚観を育むことや、出会い、交流の場を提供することを目的に、となみパルピテーションカレッジとして、小矢部市、南砺市と連携するなど、広域的に取組として実施されております。また、未婚の男女の方々の出会いの場の創出に取り組む団体に補助金を交付するなど、支援事業に取り組まれています。
 そして、以前から継続して開催されています婚活・恋愛相談会も毎回予約が埋まり、悩み事も含め総合的な相談をされる方が多く、大変よい企画だと考えます。
 そこで、2点目として、婚活支援事業の具体的な成果として、個人情報保護の観点から掌握が難しいところもありますが、例えば昨年度の相談件数、また成功に至った件数とその結果を踏まえて、今後新しい取組などについてお伺いいたします。
 次に、となみ暮らし応援プロジェクトについてお尋ねいたします。
 2020年の国勢調査の速報値で、富山、石川県で人口が増加した自治体は、舟橋村、かほく市、野々市市、白山市です。これらの自治体の人口増加要因としまして、子育て世帯向けの支援の充実や住宅関連の手厚い補助金等の施策によるものと、地理的条件で富山市や金沢市の近隣であることが考えられます。
 本市では、本年4月からとなみ暮らし応援プロジェクトを開始し、住宅取得支援、家賃支援、結婚、新生活支援などの施策は、子育て世帯や、今から結婚や住宅取得を考えている若者世代にとって非常に魅力あるものになっております。
 そこで、3点目として、となみ暮らし応援プロジェクトが4月から開始され5か月が過ぎ、今までの申請件数や問合せ状況、またそこから見られる傾向についてお伺いいたします。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 島田商工農林部長。
 〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 私からは、2項目めの人口減少対策についての御質問のうち、1点目の企業誘致で新たな工業団地の取組についての御質問にお答えします。
 県では、昨年、とやまゼロカーボン推進宣言を行い、市町村、関係団体、企業等とも連携しながら、地域を挙げて脱炭素社会づくりに向けた取組をさらに加速していくこととしており、本市といたしましても、脱炭素に関連した企業の動向等にアンテナを高くし、情報収集などに努めてまいりたいと考えております。
 このことから、現在業務委託しております砺波市産業用地に関する企業ニーズ調査において、脱炭素関連企業も調査対象企業として当市への立地意向調査を実施しており、また、過日、関連企業を訪問してきたところであります。
 次に、柳瀬工業団地の次の工業団地に向けて積極的に取り組めばとの御提言でありますが、議員が述べられたとおり、今後も多くの許認可手続を要し、周辺自治会との調整も課題となることから、まずは柳瀬工業団地の造成、そしてそこへの企業誘致にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 一方で、既に工業用地として用途決定されたエリアが複数あり、また市内自治振興会から地区内にぜひ工業団地を誘致したいとの声も聞かれますので、それらを念頭に、柳瀬工業団地の進捗状況や企業ニーズなどを見極めながら、新たな工業団地の整備についても調査研究してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 畑企画総務部長。
 〔企画総務部長 畑  進君 登壇〕
○企画総務部長(畑  進君) 私からは、2点目の婚活事業の取組の成果についての御質問にお答えいたします。
 本市の昨年度におきます婚活・恋愛相談会の参加実績につきましては、毎月定員3組を限度として、年間では36組の枠を設け開催したところですが、大雪の影響での中止や急なキャンセルはあったものの、81%の29組の方に参加をいただき、専門家によるアドバイスや支援などを受けることにより、結婚への意識や考え方が一歩前進されるケースが多いと伺っており、総じて効果があったものと評価をしております。
 また、となみパルピテーションカレッジの参加者から成婚に至った件数につきましては、個人情報保護の観点もあり全ては把握できてはいないものの、昨年度では2組、そして本年8月末までの直近では、さらに3組の方が成婚に至ったといううれしい報告を受けており、これも一定の成果が出ているものと評価をしております。
 次に、今後の新たな取組につきましては、コロナ禍にある現状を踏まえ、これまでのように大勢で集まる交流会の開催などは難しいことから、本年度は初めての試みとして、趣味や条件が合う方とのミニ交流会を10月から数回開催することとして、現在、参加者を募集しているところであります。
 また、若い方々からの御意見として、市内企業、職場同士の意見交換会、交流会の開催希望もあることから、こういった御意見も参考に、新たな手法も積極的に検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 村井福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 私からは、3点目の1073プロジェクトの利用状況についての御質問にお答えいたします。
 首都圏をはじめとする県外をはじめ、市外に居住する若い世代から砺波市を選んでいただき、次代を担う若い世代に住み続けてもらう施策として、となみ暮らし応援プロジェクトを実施しております。
 今年度からスタートしたこのプロジェクトは反響が非常に大きく、これまでの問合せ状況は、移住を考えている方や住宅関連業者を含めますと、230件を超える件数となっております。問合せ内容の多くは、対象となる要件や申請書類を確認するものが多くを占めますが、県内で少しでも支援のある市町村に住みたいと考えている方や、結婚を機に新たに住む場所を探している方からの具体的な相談も徐々に増えてきているような状況でございます。
 支援の申請実績としましては、8月末でありますが、住宅取得が3件、家賃が10件、新婚新生活が1件となっておりますが、住宅取得支援は住居が建ってからの申請になることや、現状でも多くの相談件数があることから、今後さらに申請が増えていくものと見込んでいるものでございます。
 申請者の転入出身地の内訳としましては、高岡市、射水市、小矢部市、南砺市からが合わせて9件となっており、石川県から3件、東京都から1件となっております。近隣市から居住される方が多い傾向がございます。
 引き続き、砺波の特徴を生かし、三世代同居支援や空き家利活用支援など、市独自のプロジェクトの周知を図り、住みよいまち砺波、選ばれるまち砺波として評価いただき、人口減少対策につながるよう、プロジェクト事業を進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 0時17分 休憩

 午後 1時00分 再開

○議長(川辺一彦君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 通告により発言を許します。
 8番 山本篤史君。
 〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 議長より発言の許可をいただきましたので、通告に基づき質問します。
 まず1点目は、令和4年度砺波市重点事業に関する要望書についてお伺いします。
 1点目は、県道網の見直しについてお伺いします。
 本市では、昭和40年代から市街地周辺のまちづくり手法として、土地区画整理事業による整備に積極的に取り組み、都市基盤整備を着実に進めてきたことによって、幹線道路や生活道路など、市街地の道路網の整備がおおよそ完成しているという印象になっています。
 これにより、市街地の道路の利用形態や交通量が大きく変化し、幹線市道が県道の代替機能を果たしている箇所や、県道でありながら道路改良計画が見込めず、道路幅員が狭いまま生活道路としての役割を果たしている箇所もあります。
 県では、平成7年を最後に県道網の大きな見直しは行われていないとのことで、当市の現状を踏まえ、道路利用者のサービスや道路の維持管理面など、道路管理者の見直しが必要となってきます。
 道路利用者のサービスを向上することを図るとともに、道路機能や交通量、利用形態など道路の実態に合わせた適正で効率的な道路管理を行うため、県道網の見直しについて要望しています。この要望については今年度初めて盛り込んだわけですが、20年以上県が見直しを行っていないことは課題があると感じます。
 県に見直すよう要望することは非常に大事なことだと思いますが、見直しが実行された場合の効果はどのようなものがあると想定されるのか、当局の見解をお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 老松建設水道部長。
 〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 県道網の見直しにつきましては、本年3月定例会において有若議員の御質問にお答えしておりますが、市におきましては、7月に県に対しまして、令和4年度砺波市重点事業として具体的な見直し路線について提案を行ったところでございます。
 現在、提案を行った対象区間について、県と市において道路施設や占用物件等の確認を行うとともに、見直し後の維持管理費用等について調査検討を進めており、この結果を踏まえまして、今後、具体的な見直し路線についてさらに県と協議を進めてまいりたいと考えております。
 県道網の見直しが実行された場合の効果につきましては、交通量が多く幅員の広い幹線道路が県道に、幅員の狭い生活道路が市道になることから、道路利用者にとって分かりやすい道路網になることや、道路の規格や用途に見合った道路管理者となることで、道路施設の維持管理や除雪対策においても、今まで以上に効率的な維持管理が行えるものと考えております。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
 〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 利用者、市、県ともに非常にいい状態になるということで、引き続き進めていただきたいと思います。
 続いて、砺波大橋西詰交差点の道路改良事業の見通しについてお伺いします。
 この交差点においては、昨年度、人身事故が6件あり、負傷者数が7名、物損事故が26件となっています。また、2015年の交通センサスでは、24時間交通量が6,326台となっています。
 昨年、一昨年と新交差点付近の構造物が施工されましたが、利用者からはなかなか進捗していないのではないかという声も聞かれます。
 今年度以降の工事計画と完了予定について、当局の見解をお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 老松建設水道部長。
 〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 県道坪野小矢部線と市道桜づつみ線の交差点改良事業につきましては、通行車両等の視認性を高め、交通事故の防止を図ることを目的に、現在の交差点を西側に約15メートル移設する工事内容であり、県において令和元年度から取り組まれており、本市では国の交付金を活用し、今年度から工事に着手したところであります。
 本工事につきましては、河川堤防の改築工事として出水期の工事期間の制限を受けており、今年度の具体的な工事内容としましては、10月から庄川左岸上流部の道路工事として擁壁工約57メートルに着手する予定であります。
 今年度以降の工事計画につきましては、既に県が施工した県道部の土台となる構造物の築造工事に引き続き、市において来年度末までに市道部の構造物の築造工事及び庄川の河川監視カメラの移設などを実施し、その後、県と同時に舗装工事を施工する計画としております。
 工事の完了予定につきましては令和5年度としており、引き続き、県と連携を図りながら計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
 〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 今ほど、令和5年度という最終的なゴールが示されました。市民も非常に期待しているのではないかと思います。
 続きまして、ワクチンを接種した生徒への体調管理についてお伺いします。
 当市では、中学3年生については先月下旬から、また、それ以下の年齢の12歳以上も、ワクチン供給量に応じて順次接種を開始する計画となっています。
 新型コロナワクチンの接種が進む中、7月上旬にはプロ野球選手がワクチン接種後にトレーニングを行い、倒れ、亡くなる事例がありました。現時点ではワクチンとの因果関係は分かっていないようですが、国内ではファイザー社製のワクチン接種後に心不全、虚血性心疾患、大動脈疾患、不整脈などで死亡した事例が200件近く報告されており、副反応が疑われる心筋炎や心膜炎を起こしたケースも先月8日までに延べ72件あるそうです。
 接種後の一定期間は、授業での運動や部活動などを控える必要があると考えますが、市ではワクチン接種後の注意点を学校や保護者へどのように周知し、副反応への対応に備えるのかをお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 村井福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 当市における12歳から15歳へのワクチン接種につきましては、受験を控える中学3年生を対象に8月16日から先行予約の受付を開始しており、8月末現在で対象者453人中365人の接種予約があったところであり、8月26日から接種を行っております。その他の中学生や小学校6年生につきましては、今月13日から予約受付を開始し、9月18日から接種を行うこととしております。
 接種後の注意事項として、厚生労働省からは接種した当日の激しい運動は控えるよう示されており、接種券に併せて通知をしているところであります。加えて、本市では中学生以下の接種には必ず保護者の同伴をお願いするとともに、接種の際に医師からも注意点について説明が行われているものであります。
 なお、教職員の方々も既に市の独自の先行接種として接種を終えられていることから、接種後の対応について御理解があるものと考えているものでございます。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
 〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) しっかり対応していただけるということで、安心しております。
 各小中学校における新型コロナウイルス感染症対策として、抗原検査キットの活用についてお伺いします。
 南砺市は先月27日に、市内全ての小中学校と義務教育学校の合わせて16校に、新型コロナウイルスの抗原検査キット40箱を配布したようです。各学校の児童生徒の2割から3割が検査できる分量が割り当てられています。
 キットは鼻の粘膜で簡易的に検査するもので、15分から20分で結果が出るようです。
 使用については各学校長に委ねられているとのことですが、学校長が使用の是非を判断できるかどうか多少疑問には感じますが、児童生徒が体調を崩したときや濃厚接触者の疑いがある場合などが想定されています。
 南砺市としては、感染の可能性がある場合はPCR検査を受けてもらうことが前提ですが、簡易検査をすることで、子供たちや教職員の不安の軽減や迅速な対応につなげたいというふうに考えているようです。
 急な体調変化が疑われる際には、抗原検査キットを学校で活用することも一つの方法ではないかと思いますが、当局の見解をお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 市教育委員会が保有している抗原検査キットにつきましては、市内の全ての小中学校へ2学期の始業前までに配布をしております。
 この配布済みの検査キットにつきましては、教職員が出勤後、体調に変調を来し、医療機関を直ちに受診することができない場合などにおいて、学校で使用することを想定しているところであります。
 また、9月の中旬以降には文部科学省から新たに検査キットが届くことから、追加配布を予定しているところであります。
 この追加配布分につきましては、国からの通知において、原則、教職員用として使用するものでありますが、小学校4年生以上の児童生徒がすぐに帰宅することが困難な場合や、医療機関を直ちに受診することができない場合などにおける補完的な対応として、本人及び保護者の同意を得て使用することも考えているところであります。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
 〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 検査キットを活用することで、感染の拡大を抑制することにつながればと思います。
 続きまして、新生児の聴覚異常検査の助成についてお伺いします。
 厚生労働省によれば、新生児の聴覚検査の費用を助成している市区町村は、2019年で全体の53%である914自治体となっています。新生児の聴覚に異常がないかを調べるスクリーニング検査ですが、県内自治体で費用の助成に差があるという状況です。
 この質問については2年前にも同様の質問を行いましたが、当時では県内に助成している自治体はありませんでしたし、当市としては公費補助は考えていないとの答弁がありました。
 それから月日がたち、現在、南砺市と上市町では全額の助成、射水市、魚津市、氷見市、黒部市、立山町、舟橋村の4市1町1村では5,000円の助成をしています。
 県内では、2019年度に生まれた7,079人のうち7,068人が検査を受け、受診率は99.8%となっており、その後の精密検査で18人の障害が判明したとのことです。
 県内で出生率が最も多い富山市では、助成していなくても検査率は高いとして実施をしていないようですが、ほかの中核市や県内市町村の状況を見て、2022年度以降、検討するとのことです。
 県内自治体のこのような状況を踏まえて、新生児の聴覚異常検査の助成についてどのように考えておられるのかお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 村井福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 新生児の聴覚検査につきましては、富山県の事業として平成17年に開始され、富山県耳鼻咽喉科医会と産婦人科医会の先生の先進的な取組により、全ての産科施設において聴覚の検査機器が整備された結果、ほぼ100%に近い全国トップレベルの実施率となっており、本市においても限りなく100%に近い非常に高い状況になっております。
 また、本市におきましては、新生児訪問の際に母子健康手帳で受診結果を確認し、未受診者には受診勧奨を行い、その後の3か月児健康診査の際に再度受診結果を確認しているところであります。
 こうした3か月児健診をはじめとした乳幼児健康診査での医師の診察や問診項目による耳の聞こえのチェック、面談等により、聴覚異常の早期発見に鋭意努めているところであります。
 補助制度は本来、低い受診率を上げるための手だてとして実施されるものであり、本市では以前から産科施設における新生児検査の一環として定着していることから、新生児聴覚検査のみを対象とした公費補助については現在のところ考えておりません。
 しかしながら、出産に当たりましては健康保険から出産育児一時金が支給されますが、実際にはそれ以上の経費がかかっているケースがあることから、出産に係る経費の支援について検討する際に、この聴覚検査を含めて検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
 〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 幅広く出産を支援するという当局の考えを聞かせていただきました。
 最後に、当市に対しての寄附の活用方法についてお伺いします。
 当市の超多額の寄附については、平成27年に4,000万円、平成30年に7,000万円などとなっており、その使途としては奨学金として活用されています。
 金額の大小にかかわらず、寄附をいただく砺波市にゆかりのある様々な方々からの思いをありがたく受け止めている一人であります。
 今回、鷹栖出身で埼玉県にお住まいの清澤さんから、6月に少子化対策を目的に過去最大の2億円もの寄附の申出があり、特定目的基金として、となみっ子応援基金条例を制定することになっています。
 具体的に、どのように子供を応援するための基金として活用する計画があるのか、また、寄附をいただいた方へどのように感謝の意を表す計画があるのか、当局の見解をお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 畑企画総務部長。
 〔企画総務部長 畑  進君 登壇〕
○企画総務部長(畑  進君) 清澤氏からは、以前から継続して多額のふるさと寄附をいただいており、ふるさと砺波の発展を願う変わらぬお気持ちに対し、日頃から大変感謝を申し上げております。
 本来でありましたら、今回の御寄附に対して、市長が御訪問して直接感謝の意をお伝えすべきところではありますが、残念ながら、コロナ禍のため相互の往来が困難な状況にありますので、御寄附いただいた当日に、市長からまず電話で感謝の意をお伝えしたところであります。
 なお、清澤氏は褒章やセレモニー等の開催については固く御辞退されていらっしゃることから、感染状況が落ち着き次第、ささやかではありますが、市長から直接感謝状をお渡しする機会を設けたいと考えております。その上で、清澤氏の砺波市への熱い思いにお応えできるよう、今回頂きました多額の寄附金を、希望されていらっしゃいます少子化対策に活用してまいりたいと考えております。
 具体的な事業につきましては、現在、入庁3年以内の若手や子育て中の職員、保育士等を中心とした少子化問題に直接関係する若者世代の意見を聴取したところであり、これらの意見や考え方も参考にしながら、本年中には幾つかの事業につきましてお示ししていきたいというふうに考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩といたします。

 午後 1時22分 休憩

 午後 1時25分 再開

○議長(川辺一彦君) 再開いたします。
 2番 林 教子君。
 〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従い質問と提案をさせていただきます。
 大項目の1、新型コロナウイルス感染症に関わる問題についてお伺いいたします。
 本市では医療提供体制の逼迫が目前となり、未曽有の感染拡大から大切な人を守るため、より高い緊張感を持って、うつさない、うつらない行動の徹底を市民の皆様にもお願いしている状況でありますが、新規感染者が増え続け、不安を抱えながら日常生活を送る毎日であります。
 しかし、本市では65歳以上のワクチン接種1回済みの方が92%を超えており、高齢者の感染者、重症者数は明らかに減少し、ワクチン接種の効果を表していると思われます。ワクチンの確保が進み、接種を希望する人たちには、一人でも多く、一日でも早く接種を完了させる対応が必要です。
 1点目、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、児童生徒の学びに及ぼす影響についてお尋ねします。
 今までとは違う生活様式を強いられている子供たちの心に寄り添い、感染防止にも細心の注意を払い、学校の機能の維持に努めていただいている学校関係者の皆様には感謝を申し上げます。
 文部科学省において、学校は学習機会と学力を保障する役割のみならず、全人的な発達・成長を保障する役割や、居場所・セーフティーネットとして身体的、精神的な健康を保障するという福祉的な役割も担っている場であることからも、地域一斉の臨時休校は避けるべきと見解を述べられていますが、現在、12歳未満はワクチン接種の対象外であり、感染力の強いデルタ株では子供の新規感染者も増加傾向にあり、これまでの想定が覆ることも考えられます。また、感染拡大が収まらなければ、分散登校や休校の措置を取ることも必要と思われます。
 そこで、対面授業が難しくなった場合の対応として、高岡市、射水市、魚津市、朝日町などの教育委員会は、タブレット端末を使ったオンライン授業の実施も検討しているようですが、本市においてはタブレット端末を使ったオンライン授業を行うことはお考えでしょうか。お聞かせください。
 また、令和2年6月定例会での答弁で、再度臨時休業となった場合のオンライン授業については幾つか課題があり、子供たちのニーズに応じた質の高いソフトをどう作成し提供するか、次に家庭におけるネット環境をどう整備するかなどがあり、児童生徒の家庭の通信環境については早急に実態を把握した上で、環境整備の一環として、ネット環境のない家庭にはWi-Fiルーターの貸与を検討しているとのことでありました。
 現在どのように整備が進んでいるのかお聞かせください。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
 〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 新型コロナウイルス感染の拡大の影響により児童生徒が学校に登校できない事態となった場合につきましては、学校は児童生徒とのコミュニケーションを絶やさず、学びを止めないよう配慮することが大切であり、そのような場合には、児童生徒用の端末を自宅に持ち帰ってオンライン授業が受けられるよう体制を整えたところであります。
 このオンライン授業を行うためのソフトウエアにつきましては、学校と家庭の間で双方向のビデオ通話ができるものを児童生徒用端末の整備に併せて導入しております。
 また、オンライン授業を行うための各家庭におけるインターネット通信環境につきましては、昨年度、全ての児童生徒を対象に調査しましたところ、全体の約95%の家庭でWi-Fi通信の環境が整っている状況でありました。
 一方、自宅にWi-Fi通信の環境がない児童生徒に対しましては、オンライン授業を受けられるよう、これぐらいの大きさでありますが、貸出し用のモバイルWi-Fiルーターを昨年度末に購入しており、経済的に就学が困難な家庭を対象に貸し出す予定としております。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
 〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 学びを止めない対応をしっかり考えていただいているようで、安心しました。
 2点目、感染者の状況及び市立砺波総合病院の機能の維持についてお尋ねします。
 新規感染者数の増加、入院患者数も過去最高を更新し続けているため、医療従事者の皆様には高い緊張感を維持し、精神的、肉体的にも大きな負担がかかっている状況であるにもかかわらず、市民の健康を守るため、身を粉にして働いてくださっていることに心より感謝を申し上げます。
 富山県のホームページによりますと、市立砺波総合病院では、感染患者の受入病床数はフェーズ3で40床とありますが、報道などによる感染者数を考慮しますと、感染者の増加により入院体制及び関わる医療従事者の労働、心労が逼迫してきているのではないかと思われます。
 今後、感染者が増え続けると、病床をどのように確保されるのかお聞かせください。
 また、このような状況の中、一般診療や救急医療などの総合病院機能の日常対応に影響はないのかお聞かせください。
○議長(川辺一彦君) 病院長 河合博志君。
 〔病院長 河合博志君 登壇〕
○病院長(河合博志君) 新型コロナウイルス感染症の状況につきましては、7月中旬以降の急速な感染拡大により、現在、当院におきましては、富山県の病床確保計画に基づく最大の確保病床数である40床の運用により、患者さんの入院受入れを行っているところであります。しかしながら、感染力の強い変異株の影響もあり、連日、砺波医療圏内における発生が続いていることから、病床の運用、入院調整等には大変苦慮しているところであります。
 このような状況におきましても、当院ではCT検査等で病状を適切に把握した上で、若くて重症化リスクの少ない無症状並びに軽症の患者さんについては宿泊療養施設に入所していただくなど、県との調整、連携により療養の確保に努めております。
 また、クラスターの発生など急激な患者数増加に備え、緊急避難的に使用する病床を確保するなど、今後も患者さんの円滑な受入れに万全を期してまいりたいと考えております。
 なお、当院は、感染症指定医療機関として新型コロナウイルス感染症の治療に当たる中で、当院が果たすべき急性期医療としての一般診療や救急医療などの提供にできる限り影響がないように取り組んでおりますが、急速な感染拡大に伴い、現在の医療提供体制を維持することが難しくなる状況も想定されます。
 つきましては、重症度や緊急性など患者さんの状態を慎重に判断させていただいた上で、手術や内視鏡検査等をお待ちいただく場合も考えられますので、皆様方にはどうか現下の感染状況を御理解いただき御了承いただくようお願い申し上げます。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
 〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 市民が安心して医療が受けられるよう、これからもよろしくお願いいたします。
 3点目、まん延防止等重点措置、富山県のステージ3を受け、市役所業務のテレワークの活用についてお尋ねいたします。
 最近の感染者の9割は50代以下の方たちであり、2回目のワクチン未接種完了世代であります。この世代は就業率が高く、人の往来をできるだけ抑え、職場でのクラスターの発生を防ぐため、富山県から事業所において、在宅勤務などの活用により出勤者の7割削減の依頼をされています。
 また、時差出勤の推進、県外出張などはリモート対応での代替を行うことを推奨していますが、本市ではどのように対応されているのかお聞かせください。また、市役所を利用する市民に影響はないのか、併せてお聞かせください。
○議長(川辺一彦君) 畑企画総務部長。
 〔企画総務部長 畑  進君 登壇〕
○企画総務部長(畑  進君) 市役所は市民生活に必要なエッセンシャルワーカーの多い職場であり、7割削減は市民への影響が大きいことから、職員の新型コロナウイルス感染防止のため、8月11日からは本庁及び庄川支所の職員の出勤を3分の1削減し、職員間の接触機会の低減に努めているところであります。
 具体的には、夏季特別休暇やリフレッシュ休暇など計画的な有給休暇の取得を促すほか、業務に支障がないよう、早出、遅出による時差出勤を6つのパターンで行えるよう、柔軟な勤務体制としております。
 また、自宅で業務が行える職員にはテレワーク制度の活用を、県外出張についてはリモートでの会議参加や研修受講への切替えを進めているところであります。
 テレワークにつきましては、県境をまたいで通勤している職員をはじめとして、積極的に実施をしているところであります。実施に当たりましては、情報セキュリティー対策のため、テレワーク専用回線を用いたパソコンを貸し出すなど万全を期しているところであり、また、そういったテレワーク専用回線を使わないメール等での対応を含め、職務内容に応じた方法を選択して取り組んでいるところであります。
 職員の出勤3分の1削減の実施にはこれまで苦情はありませんけれども、市民の皆さんにとって市役所は最も身近な行政施設でありますので、引き続き新型コロナウイルス感染防止対策を徹底するとともに、サービス低下を招かないよう十分配慮してまいります。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
 〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 市民が安心して暮らせるよう、これからも努めていただきたいと思います。
 大項目の2、ヤングケアラーの実施及び対応についてお伺いいたします。
 少子高齢化や核家族化の進展、共働き世帯の家庭の経済状況の変化といった様々な要因により、18歳未満でありながら病気の親や兄弟の世話、家事などに追われている子供たちのことをヤングケアラーと言います。
 ヤングケアラーの子供たちは、年齢に見合わない重い責任や負担を負う状況にあり、子供の育ちや教育、精神的健康にも影響を及ぼすといった課題があります。
 子供の心身の健やかな育ちのためには、関係機関、団体などがしっかりと連携し、早期の発見から支援につなげる取組が求められます。
 1点目、ヤングケアラーに対する本市の認識についてお尋ねします。
 ヤングケアラーは、学業や学校活動、友達との交流と、家族の介護、家事や兄弟のお世話との両立が難しく、学校が楽しくなくなることもあり、子供の健やかな成長に好ましくない影響を及ぼすこともあると思われます。
 本市では、ヤングケアラーについてどのように認識し把握をされているのかお聞かせください。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
 〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) まず、ヤングケアラーとは法令上の規定はないものの、一般的には病気や障害を抱える家族の介護や世話を担う18歳未満の子供を指すとされており、近年、これらの子供への対策や調査に先行的に取り組んでいる自治体もあります。
 厚生労働省が本年4月に公表した調査結果によりますと、中学校2年生の5,558人を対象に、また、全日制高校2年生の7,407人を対象としたところ、中学校2年生では5.7%、高校2年生では4.1%の子供たちから「世話をする家族がいる」との回答があったところであります。さらに、小学生と大学生の実態把握に向けた調査について、今年度中に行うことで調整を進めているとのことであります。
 このような中、本市におきましては、家庭児童相談員による訪問や相談実態などから顧みますと、子供の家庭における生活状況の一部から、支援が必要と思われる家庭内にヤングケアラーに該当するケースもあると確認できたところであります。これらの子供や家族には自分たちがヤングケアラーであるという意識がないことから、自ら支援が必要と声を上げられないケースも多く、表面化しにくいという問題もあります。
 現在、社会においてヤングケアラーという言葉自体が定着していない現状から、まずはこの言葉や概念について広く市民に知っていただくことが必要であると考えております。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
 〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 2点目、学校における先生やスクールカウンセラーの果たす役割や関わり方についてお尋ねします。
 学校は、子供に対し声かけや見守りができるところであります。また、子供がヤングケアラーである可能性に気づきやすい場であると思われ、早期発見において学校の協力は欠かせないと考えます。
 先生やスクールカウンセラーには、ヤングケアラーの概念、ヤングケアラーの発見のための着目点や対応する上での配慮など、ヤングケアラーについて学ぶ必要があると考えます。
 また、親や家族においてお手伝いとの違いを理解し、子供がヤングケアラーであることに子供の周囲にも気づかせるためには、どのように対応されるかお聞かせください。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
 〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 小中学校は、教員が様々な場面で児童生徒の眠そうな表情や、遅刻が増えたり欠席が多く見られたりする様子などについて観察し、その変化に気づきやすい場所であります。
 また、年3回または4回の生徒指導上のアンケートを子供と保護者に実施し、子供の抱える悩みについて情報収集を行うとともに、教員をはじめスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとも連携を図り、対応について協議しているところであります。
 このほか、教員やスクールカウンセラーなどがヤングケアラーの概念を再認識したり、家庭環境を的確に把握したりすることにより、子供を見取る視点が再確認でき、その変化を逃さず収集できるものと考えております。
 一方、子供自身がヤングケアラーであることを自覚したり、困りのサインを発したりすることができるように指導していくことも大切であり、リーフレット等を活用して子供の発達段階に応じた指導をしてまいります。
 また、保護者などへも、ヤングケアラーの概念や子供として守られる権利があることなどを説明していく必要があるものと考えております。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
 〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 3点目、ヤングケアラーに対する、つながる支援の検討についてお尋ねします。
 ヤングケアラーへの支援に関する部署は幅広く、関係機関が相互に連携し、ヤングケアラーへの切れ目のない支援が行われる必要があると考えますが、どのように支援をお考えでしょうか。お聞かせください。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
 〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) ヤングケアラーに対し、つながる支援の在り方につきましては、議員御発言のとおり関係部署が多く、広範囲にわたって支援が必要となるものと想定されます。
 その支援策としましては、単にヤングケアラーを限定するだけではなく、子供や家庭環境から総合的な相談を受け付けているこども課内に設置の子ども家庭総合支援拠点や、教育福祉や保健医療、地域活動、司法警察などで構成いたします市要保護児童対策地域協議会において支援内容を検討していくこととなるものであります。
 このため、関係機関のネットワークを生かし、ヤングケアラーを含む各家庭への支援につきましては、児童相談所をはじめとする関係機関との連携が求められるところであります。既に児童相談所では、本年7月から無料の相談ダイヤルが設けられたところであり、ヤングケアラーのみならず、様々な相談を受け付ける態勢が整っております。
 例えば相談事例として、介護が必要であれば高齢介護課が、障害者支援が必要であれば社会福祉課が、虐待が疑われるようであればこども課にというように、関係機関につなぐ支援を行っております。
 今後、国においてもヤングケアラーへの支援対策が強化されていくものと思われますが、子供やヤングケアラー自身が問題であるのではなく、その取り巻く環境の改善が必要となることから、いち早く現状を認識し、迅速な対応が図られるよう引き続き努めてまいります。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
 〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 家庭、学校、関係機関の連携により、どの子も生き生きと暮らすことの日常を求めます。
 大項目の3、通学路の安心・安全確保についてお伺いします。
 児童生徒が学校に通う道路には危険がたくさんあります。本人の注意により防ぐことができる危険と、マナーを守り歩いていても、児童や生徒が思いがけず事故に巻き込まれるなどの危険があります。
 通学路の安全確保に向けた取組を行うため、関係機関との連携体制を構築し、協力して児童生徒が安全に通学できるよう努めていくことが求められます。
 1点目、砺波市通学路の合同点検の実施についてお尋ねします。
 文部科学省、国土交通省は、交通事故に至っていなくても、ヒヤリ・ハット事例がある場所の点検を実施し対策を講じることを呼びかけており、砺波市ではこれまでにも通学路の合同点検を、砺波警察署、富山県砺波土木センター、砺波市土木課、砺波市市民生活課、砺波市土地改良区、スクールガードリーダー、砺波市小学校長会、砺波市教育総務課が参加し、各学校より要望された意見を集約、危険箇所の確認を実施されています。本年は8月12日に行われ、私も出町地区内の危険箇所の点検を見学してきました。
 同行箇所の一つは、通学時、車が走行スピードを上げ急カーブで丁字路に進入してくるため、歩行する児童に危険が伴う、一旦停止やミラーの取付けなどの対策を取ってほしいという要望箇所でありました。
 確認をしたのは15時20分頃、夏休み中ということもあり車の走行はなく、これでは現地の確認はできますが危険度の確認をすることは難しく、担当者に危険箇所の画像を撮っていただき、その時間帯の実情を確認し対応の検討をすべきではないかと思われました。
 恐らくほかの危険箇所でも同様のことが考えられますが、どのようにお考えでしょうか。また、この点検を踏まえ、それぞれの要望箇所にどのように対応されていくのかお聞かせください。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 通学路の合同点検につきましては平成24年度から実施しているものであり、今年度で10回目を数え、これまで参加いただいております関係機関の御理解と御協力によりまして継続できているところであります。
 この点検時には、小学校の教頭などから危険箇所の実情を説明してもらうことで状況を確認しておりますが、より緊迫感のある状況を把握する上で必要となる場合は、今後、議員御提言のありました画像における確認も取り入れたいと考えております。
 また、点検した箇所の対応といたしましては、警察署や市土木課など、それぞれ道路上の安全対策の実施主体において対応を検討し、できるだけ早い時期に実施することとしているところでございます。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
 〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 2点目、出町小学校前からJR城端線アンダーパスにかけての歩道の安全確保についてお尋ねします。
 市道出町小学校線は、市道太郎丸西部1号線と市道駅前広上町線とを結ぶ市道で、この市道はJR城端線を横断するためにアンダーパスの構造となっており、出町小学校や出町中学校に通う児童生徒の通学路で、JR城端線により分離された地区を結ぶ利用度の高い道路となっています。そのため、歩行者や自転車が通行するための道路も設けられており、安全に配慮された構造となっているのですが、歩行者と自転車が接触し、双方にけがはなくても冷やりとすることがあるようです。
 この歩行者と自転車が利用する道路の入り口近くの車道側のタイルには、自転車のマークが描いてありますが、劣化もあり非常に分かりにくいものとなっております。また、この標示も学校側では周知されておらず、残念な結果で案内効果の薄いものと思われます。デザイン性は高くても、標示が見落とされていては意味がありません。
 交通ルールでは、歩行者が最も車道から離れたところを歩くことになっており、それを周知するためにも、道路の色で歩行者と自転車の区分けをする、アンダーパスのボックスカルバートの上段に看板もしくは分かりやすい標示を書く、貼るという、利用する大人も子供も分かりやすい掲示をすることで安全の確保につなげていただきたいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。お聞かせください。
○議長(川辺一彦君) 老松建設水道部長。
 〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 市道出町小学校線につきましては、幅員6メートルの自転車歩行者道が設置されており、道路交通法の規定により、車道寄りの部分を自転車の通行帯とし、車道から離れた部分を歩行者の通行帯として供用しております。
 現道にはそれぞれの通行帯を明示するため、自転車の通行帯には自転車マークを、歩行者の通行帯には点字ブロックを設置し区分を図っておりますが、今ほど申されましたように自転車マークが色あせており、視認性が低くなっております。
 このことによる利用者に分かりやすい自転車と歩行者の通行区分の対応につきましては、既存の自転車マークの塗り直しに加え、自転車と歩行者の通行帯を明確に示す新たな標示板の設置について既に発注手続を進めているところであり、今後も歩道の安全確保に努めてまいります。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
 〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 教育委員会と連携していただき、通学路の安全点検の結果を踏まえ、速やかに改善されますようお願いいたします。
 3点目、子ども110番の家に指定されたお宅の役割についてお尋ねします。
 子ども110番の家は、平成16年度より、富山県警察本部、富山県防犯協会、富山県教育委員会、富山県PTA連合会の連携、協力の下、子ども110番の家の看板表示を統一し、普及活動を実施していきました。
 この活動の目的は、校区外であっても自分自身を守る環境づくり、子供たちを不審者から守る機能強化、子ども110番の家の拡充、地域防犯力・犯罪抑止力を高める、地域での子育て意識を高めることを目的とし立ち上げられました。
 子ども110番の家は、不審者に声をかけられるなど、危険を感じて助けを求めてきた子供を一時的に保護し、警察などに通報していただく場所です。
 現在、砺波市では、黄色い三角コーンが目印になり、玄関先にコーンがあるお宅は何かがあったときに駆け込める場所となっており、子供たちには年に一度、子ども110番の家に保護者と訪れ、日頃の感謝と見守りの依頼をします。
 立ち上げ当初から協力をいただいている家の方は、随分と日がたっており、世代交代をされた方もいます。子供が駆け込んできたときの緊急対応のマニュアルの内容を、現在の状況を踏まえ見直し、再度配布されることを提案します。
 また、子ども110番の家を通り、家人と挨拶を交わすことで親しくなり、子ども110番の家が心の休まるところになっている児童もいるようです。家人がいないと帰りを待っていることもあり、そこで話す内容には、家人がどこかに話すべきではないかと迷う内容もあるようです。恐らく子供にとっては、家人と話すことで気持ちが晴れる大切な居場所の一つと思われます。
 危険が伴う緊急時ばかりではなく、子ども110番の家の役割は、地域での子育てにもしっかり協力いただいていることが分かりました。
 このような子ども心の110番の家としても機能を果たす対応についてはどのようにお考えでしょうか。お聞かせください。
 以上で、私からの質問と提案を終わります。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
 〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 小学校では、入学前に就学予定者の保護者に対し、通学路上の子ども110番の所在を知らせ、その場所を子供と一緒に確認することをお願いしております。また、年度当初の集団下校時等には、子ども110番の家へ挨拶に伺っております。
 そこで、子ども110番の家として対応いただきたい内容につきましては、年度当初に学校やPTAから紙面等でお願いしているところであり、対応内容を確認するための対応マニュアルの配布については、今後検討してまいりたいと考えております。
 また、子供たちの悩み相談など、その対応にお困りのことがありましたら学校まで御連絡いただけるよう、子ども110番の家の方々へお願いすることとしております。
 いずれにいたしましても、子ども110番の家は、子供たちにとって万が一のときに助けを求めることのできる大切なところであり、愛着の持てる家と認識しており、御協力いただいている皆様に改めて感謝を申し上げます。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 2時02分 休憩

 午後 2時15分 再開

○議長(川辺一彦君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 3番 向井幹雄君。
 〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 議長により発言の許可をいただきましたので、質問通告書に従い質問と提案をさせていただきます。
 大きい項目の1つ目として、砺波市の魅力発信についてです。
 まず、小さい項目の1つ目、組織改編で設置された広報情報課が所管するシティプロモーションの具体的な施策についてお伺いします。
 砺波市のホームページ、欲しい情報がどこにあるか探しづらい、ほんま分かりにくい、「ホームページに掲載されているよ」と言っても「どこにあるが」と返ってくることがあります。多少の情報スキルを持ち合わせている人でも、慣れないサイトを見て欲しい情報を探すのに一苦労したことはあると思います。
 シティプロモーションは、既存や新規のコンテンツを掲載しただけでは駄目で、それを相手に伝えないと始まりません。
 第2次総合計画の前期計画に10WAVEプロジェクト、魅力情報発信強化プロジェクトがありましたが、これまでのプロモーション活動の効果や比較分析は大切です。例えば人口減少や観光客数の推移、物産品の売上げ推移など、プロモーションの目的に応じた効果測定を行い、その結果を踏まえて、今までの情報発信でよかったのか、これまでの施策を続けるべきなのか、またケースによって見直す必要があるのかなど、検証することが重要になってきています。
 どの自治体でも取り組んでいるシティプロモーションは、今後どの年代層をターゲットにするのか、民間企業と連携したプロモーションなど様々な戦略アイデアを考えなければなりません。
 現在、砺波市総合計画の後期計画を作成中だと思いますが、これからのシティプロモーションの施策についてどのように取り組まれるのか、畑企画総務部長にお伺いいたします。
 続いて、小さい項目の2つ目、市の公式ユーチューブチャンネルやSNS、インスタグラム、ツイッターなど、情報発信コンテンツを活用して発信力をアップさせる施策についてお伺いします。
 8月30日現在、砺波市の公式ユーチューブチャンネルの登録者数は379人、インスタグラムのフォロワー数は456人、ツイッターのフォロワー数は3,967人です。砺波市の人口を考えると、ツイッターは8%余りですが、ユーチューブやインスタグラムは1%にも満たない状態です。
 一般的に、登録者数やフォロワー数が多いということは、インフルエンサーとして市の魅力発信に多くの影響を与えてくれます。まずアカウントページを訪れたユーザーは、投稿数とともにフォロワー数を確認すると言われています。そのためにも、この登録者数やフォロワー数の数値は、今後発信力をさらにアップさせる目安になり、指針としてよい判断材料になるように考えます。
 先日の大雨による防災緊急情報や新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う対応などでも、リアルタイムにホームページやツイッターに情報発信されました。
 一人でも多くの皆さんに情報を知ってもらうためにも、この登録者数やフォロワー数を増やすためにどのような施策をされるのか、畑企画総務部長にお伺いいたします。
 そして、スマホアプリ「マチイロ」の活用です。
 広報となみやとなみ市議会だよりにも紹介していますが、一人でも多くの皆さんにダウンロードしてもらうようにPRしませんか。登録するだけで砺波市の広報紙やホームページ更新情報などを受け取ることができます。プッシュ通知機能もあるので、見逃す心配もありません。もちろんアプリは全て無料で利用できます。
 このような情報過多の時代にこそ、情報通信コンテンツや情報アプリを有効活用して、砺波市の魅力を最大限に発信していくための施策を畑企画総務部長にお伺いいたします。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 畑企画総務部長。
 〔企画総務部長 畑  進君 登壇〕
○企画総務部長(畑  進君) まず私からは、1項目めの砺波市の魅力発信についてのうち、まず、1点目の組織改編で設置された広報情報課が所管するシティプロモーションの具体的な施策についての御質問にお答えをいたします。
 これまで職員や市民の皆さんの中には、本市の魅力や先駆的かつ特徴的な施策が日常的であり、また当たり前のこととして受け取り、対外的な発信が十分ではなかったというふうに考えております。しかしながら、その当たり前が他市や県外の方にとってみれば感動や感銘を受けたと、そういった声もお聞きすることがあり、改めてその際には本市の魅力等を気づかされる場面となっております。
 そのため、今年度から、まず身近な情報から砺波市のいいところの発信を、広報となみ、ケーブルテレビ、ラジオ、ホームページやSNS等の各種広報媒体等を活用し、市政に関する情報や市民生活に必要な情報などを鋭意発信するための組織改編をするなど体制強化に努めるとともに、これまでの取組について検討を行ったところであります。
 そのうちホームページにつきましては、即時に情報が更新できることから、ITの進歩とともに新着情報の掲載記事が多くなり、おのずと欲しい情報にたどり着くことが困難になってきていることは、行政のホームページが抱える課題であるというふうに考えております。
 そのため、今年度実施する老朽化したシステム機器の更新に合わせ、市ホームページの更新も計画しており、市民目線による利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。
 また、日々更新されます市ホームページの新着情報につきましては、今年度からSNSの活用に力を入れており、特にツイッターは、フォローしていただくことで、プッシュ型で市ホームページと連携した新着情報を受け取ることができることから、フォロワーの増加に努めているところであります。
 さらに、本年6月からは、10代から子育て世代の方々のニーズが高いインスタグラムによる情報発信を始め、市民のみならず、「となみファン」の獲得にも注力しているところであります。
 加えて、若い世代が興味、関心を持ち、その情報拡散力に訴えるためには、いわゆる映え写真や先駆的映像がキーポイントとなることから、となみチューリップフェアや夢の平コスモスウオッチングなど、美しい花や緑、散居景観や景色などを、ドローンや360度カメラを駆使した新しい視点での映像表現も試みているところであります。
 これからのシティプロモーションの施策といたしましては、本市の先駆的、特徴的な施策や魅力情報を様々なアイテムを活用しながらタイムリーに発信していくことで、市民の皆さんにまちの魅力に改めて気づき、愛着を深めるとともに、自分たちが住むまちの魅力を市外、県外に向かってリツイートなどで発信していただけるような情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の情報発信コンテンツを活用して発信力をアップさせる施策についての御質問にお答えをいたします。
 ユーチューブチャンネルやSNSなどにおいて、その情報を一人でも多くの皆さんに知っていただくためには、議員御発言のとおり、チャンネル登録者やフォロワーを増やすことはとても重要なことであると考えております。
 そのため、本市の情報発信における新たな取組といたしまして、全ての職員が情報発信に対する意識を高めるため、本年4月から全ての部署の係から1名ずつ、特に係内の若手職員による情報発信担当者を置き、業務や地区の情報等を定期的に、グループウエア内に設けております「となみスクープBOX」と名づけたファイルに、必要に応じ写真データも併せて投稿することとしており、そういった情報を可能な限りツイッターやインスタグラムで発信する試みを行っております。
 取組を始めました本年4月から5か月間に、ツイッターのフォロワーが1,000人余り増加をし4,000人に迫る勢いであり、これまでの1.4倍のフォロワー数となっております。また、6月21日から新たに始めましたインスタグラムも、約2か月半の短期間でフォロワーが450人を上回るなど、SNSの拡散力に改めて驚きを覚えているところであります。
 今後の取組といたしましては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため延期といたしておりましたが、「市民みんながPR大使」と題して、デジタル化が進む中での情報発信の方法や、SNSの上手な活用方法などを専門家を招いて研修を行う予定としておりまして、行政だけではなく、市民の皆さんや関係機関の情報発信の意識を高めてまいりたいと考えております。
 このほか、引き続き本市の魅力的な情報をタイムリーに発信することに努めるとともに、各地区の公民館では独自にSNSで情報発信している団体もあり、そういった団体をフォローするなど、地域の団体との情報連携も図りながら、お互いの情報発信、情報の拡散に努めることで、フォロワーの増加や市民へのタイムリーな情報発信、さらには「となみファン」の獲得につなげてまいりたいと考えております。
 次に、広報となみなどをスマホなどで御覧いただけるアプリのPRにつきましては、広報となみでPRしているほか、ツイッターに広報となみのデータを公開したタイミングに合わせアプリによる利用も促しており、引き続きPRに努めてまいりたいと考えております。
 また、その他の情報通信コンテンツや情報アプリ活用施策につきましては、それぞれの特性を見極めながら検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
 〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 私のツイッターの投稿でありますが、最後に必ず「#砺波市」ということを添えております。とにかく市民の皆様のお力をお借りして、市の魅力発信に努めていきましょう。
 続いて、大きい項目の2つ目、児童生徒のネットトラブル対策についてです。
 まず、小さい項目の1つ目、低年齢化が進むネットトラブルの課題についてお伺いいたします。
 県内の小中学校教員が、スマートフォンやオンラインゲームで児童生徒が起こしたトラブルの解決に追われていると、7月の新聞掲載がありました。
 富山県教職員組合の調査によると、小中学校と義務教育学校の教員を対象にアンケートを実施し、中学校218名、小学校566名から回答があり、「トラブル解決のため家庭訪問をしたことがある」と答えた教員は、中学校で48%、小学校で20%、中学校では20%の教員が問題の解決に10回以上関わっていました。小学校では、1つの事案に10時間以上かかった教員が約20%に上り、勤務時間外に対応する人も多いとのこと。この数字は富山県の割合ですが、砺波市の実態について富山県教職員組合に問い合わせたところ、市内勤務の教員もほぼ同様の回答だったとのことです。
 小学校に勤める教員は、写真の投稿に関するトラブルについて児童から相談を受けた経験があるという。家庭訪問や子供への聞き取りに時間を要するが、困っている子を放ってはおけない、学校がどこまで介入すべきか線引きが非常に難しいと話されています。
 そこで、このように現場の先生方が大変苦慮されている現状を砺波市としてどのように捉え、今後どのような対応が必要なのか、その考えを白江教育長にお伺いいたします。
 また、新型コロナウイルス感染症予防対策として感染拡大特別警報やステージ3へ移行した夏休み期間中は、例年になく自宅にいる時間が多かったと思います。
 コロナ禍により心の不調を訴えている子供たちの現状も併せて、どのように対応していくのか、白江教育長にお伺いいたします。
 続いて、小さい項目の2つ目、小中学校の情報モラル教育の指導についてお伺いいたします。
 高校の教科情報には情報モラル教育が指導内容として設定されていますが、特定の科目として位置づけられていない小中学校では情報モラル教育をどのようにして図られるのかお伺いします。
 学校現場では情報通信技術を使った学習が本格的に始まり、現在は学校タブレットを家庭へ持ち出しはしていませんが、今後、学習状況に応じて持ち出しの可能性もあるように思います。
 そんな中、GIGAスクール構想でタブレット使用が日常化してくる現状から、トラブルの多発を懸念する教員の声も聞こえています。個人情報や映像の流出などプライバシーに関する問題の増加などを心配する教員は、中学校で59%、小学校で49%も回答しています。また、依存や視力低下などの心や体のトラブルを不安視する教員は、小中学校とも半数を超えています。
 このような実情を鑑みて、1つの教科に限定した指導が難しい情報モラル教育を砺波市としてどのような方針で推進していくのか、白江教育長にお伺いいたします。
 続いて、小さい項目の3つ目、保護者や専門機関との連携や体制についてお伺いいたします。
 まず、ネットトラブルが発生しないように、家庭で十分な未然防止に努めることが先決です。そのために、保護者にどのようにして働きかけていくのか、教育委員会の考えを構教育委員会事務局長にお伺いいたします。
 次に、それでもネットトラブルが発生してしまった場合、学校だけでは解決できない大きくて複雑な問題があります。
 家庭内で起きたトラブルは基本的に親子で問題解決に当たるという原則に立ち、保護者や子供が直接専門機関に相談できる体制を整える必要があると思います。
 私は、トラブルに巻き込まれた子供や保護者の相談にワンストップで対応する相談窓口を砺波市教育委員会に設置していただきたいと思います。そこに子供や保護者を直接支援する相談員を配置することで、スクールソーシャルワーカーが関係機関と連携を構築する機能が発揮され、問題解決に対応できる体制が図られ、同時に教員の長時間労働の解消にもつながると思いますが、教育委員会の考えを構教育委員会事務局長にお伺いいたします。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 教育長 白江 勉君。
 〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 2項目めの児童生徒のネットトラブル対策についての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の低年齢化が進むネットトラブルの課題についての御質問につきましては、本市におけるネットトラブルの全てが家庭のインターネット接続端末を使用した事例であり、その主な内容は、SNSやオンラインゲームにおける悪口や仲間外れなどであります。
 これらのように家庭で起きた事案でありますので、本来は家庭での指導、当事者同士の話合いで解決をしていただきたいところでありますが、子供同士の人間関係が学校生活と密接につながっており、影響が大きいことから、学校が関与せざるを得ないというのが実情であります。
 このため、保護者への聞き取りや話合いはどうしても放課後の時間となることが多く、先生方には早期対応、早期解決のため努力していただいており、感謝しているところであります。
 今後の対応といたしましては、これまで同様、学年主任や生徒指導主事、管理職など複数の教員がチームとして対応することで、担任一人が抱え込まない体制づくりを継続してまいります。
 また、ケースによっては、スクールソーシャルワーカー等を活用し、学校ですべきこと、学校以外で対応可能なことの仕分けを進めていきたいと考えております。
 次に、コロナ禍により心の不調を訴える子供につきましては、出欠状況の変化や様子の確認による早期発見に努めているところであり、子供には丁寧に聞き取りをしたり、スクールカウンセラーによる面談をしたりしているところであります。
 引き続き、コロナ禍ではありますが、できる活動を工夫して実施し、子供たちの心が前向きになるよう配慮してまいります。
 今まさに2学期が始まりました。御指摘のとおり、夏休み、あまり楽しくなかった子供たちもいます。学校を楽しみにしている子供たちも多くいます。このように、特に学校へ行けばいいことがある、友達と勉強したり遊んだりするのが楽しい、そんな一人一人の子供にとって明日も行きたくなる学校を目指していくことで、子供たちの不安解消につなげていきたいと考えております。
 次に、2点目の小中学校の情報モラル教育の指導についての御質問につきましては、今年度からの1人1台端末の配備前も、主にコンピューター室のパソコンを利用して調べ学習やまとめ学習等を行ってまいりました。
 その中で、情報モラル教育として、小学校におきましては総合的な学習の時間を中心に行ってきております。一方、中学校におきましては、技術・家庭科の技術分野の授業の中に情報教育が位置づけられております。
 また、道徳の教科書には、小学校1年生から中学校3年生までの全ての学年において発達に応じた情報モラル教材が取り上げられており、これまで以上に情報モラル教育を推進しているところであります。
 しかし、学校を離れれば様々なインターネット上の危険があることから、子供たち一人一人の情報モラルをより一層高めていく必要があります。
 残念ながら、子供たちは様々なトラブル、また予想もしなかったトラブルを起こすことが考えられます。こうしたトラブルが起きたときに、ではどうすればよかったのか、どう行動すべきかを子供自身が考える力こそが、Society5.0の時代を生き抜く人材育成につながるものであります。
 本市の全小中学校では、子供たちの正しく使おうという意欲を高めるために、タブレット端末の貸与式を校長のほうから学校で行ったところであり、現在、1人1台端末を活用した学習が日常的に行われております。
 今後とも、授業のみならず、休み時間等を含めた学校生活の様々な場面で、それこそ学校の中で、できるものならどんどん失敗すべきだというふうに考えています。継続して情報モラル意識を高めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 構教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 私からは、3点目の保護者や専門機関との連携や体制についての御質問にお答えいたします。
 ネットトラブル防止のための保護者への働きかけにつきましては、各学校におけるPTA総会や学年懇談会などの際に、インターネット接続機器の使用の約束について親子で話し合うことを呼びかけたり、ネットトラブルの事例を紹介したりして、家庭においてトラブルの未然防止の意識を高めるようにしているところであります。
 また、PTA活動としましては、保護者を対象に外部講師を招聘しネットトラブル防止の教室を開催して、危機意識を強めているところでもあります。
 今後とも学校とPTAが連携を密にして、ネットトラブルの未然防止活動を推進してまいります。
 次に、市教育委員会における相談窓口の設置につきましては、これまでも様々な相談の中の一つとしてネットトラブルの相談を受けているところであります。
 また、県教育委員会ではネットパトロールを行っており、SNS上で個人名や住所が特定できるような児童生徒のサイトを発見したときには、市教育委員会に連絡が届くこととなっており、子供たちがトラブルに巻き込まれる芽を摘んでおります。
 こうしたトラブルにつながる事象に対しましては迅速に対応しており、トラブルの未然防止にも取り組んでいるところであります。
 このほか、ネットトラブルに特化した相談窓口ではありませんが、学校等における相談の受付時に、「24時間いじめ相談ダイヤル」や「子どもほっとライン」の専門機関があることを紹介しているところであります。
 いずれにいたしましても、子供や保護者の相談窓口としては学校が最も身近であり、ワンストップで対応ができない場合もありますので、市教育委員会と学校が連携して、引き続き子供たちが安心してICTを利用できるよう、トラブルの未然防止と解決に取り組んでまいります。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
 〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 今ほど白江教育長から、子供自身が考える力というものを育てたいというようなお話がございました。教育は教え育てるということではないと僕も思っています。教え育つことであると。育つことによっていろんな判断ができる、こういう子が育つことを期待しております。そのためにも、これからよい学びの環境をつくってあげることが大切だなというふうに感じております。よろしくお願いいたします。
 続いて、大きい項目の3つ目、活気にあふれたまちづくりについてです。
 まず、小さい項目の1つ目、若者が市政に参画できるような啓発活動の推進についてお伺いいたします。
 2016年以降、18歳選挙権が導入され若者に選挙権を付与されたことを機会に、選挙権を持つ高校生などが1票の重みについて理解していくことの重要性が高まっています。そのため、若い世代から市政に参加できる機会を考え、その施策が必要になってきています。
 この8月に、市内で小中学生向けにプログラミング技術を学べるフェスティバルが、多目的交流施設「せんだんのHILL」で開催されました。そこでは、砺波工業高等学校の生徒がレゴブロックで作ったロボットを動かす体験やドローンを使ったショーの手伝い、ロボット競技大会用の試作機の実演や夏休みの自由研究相談を受け付けていました。
 砺波高等学校は総合的な探究の時間を中心に課題研究を進めており、砺波地区の歴史、民俗や取組について調査し、砺波市の現状と課題など、班ごとにテーマを設定して学習しています。
 これからの時代、地元の若者がこれからの砺波市を支える意味でも、市政に関心を持ってもらい、双方が共に協働し、若者の自由な発想や斬新なアイデアが市政に届くような施策を設けるべきだと考えます。
 現在、後期の砺波市総合計画作成中だと思いますが、ぜひ位置づけていただきたく、畑企画総務部長にお伺いいたします。
 続いて、小さい項目の2つ目、空き家数の増加に伴う空き家情報連絡員(空き家コーディネーター)の増員についてお伺いいたします。
 平成27年の国勢調査では、65歳以上年齢人口が28.6%でしたが、令和2年には3割を超え、今後、高齢化に伴い空き家等の増加も予想されます。
 空き家の定義を国の基本的な指針では、おおむね1年間を通じて構築物等の使用実績がないこととしていますが、平成29年から施行された砺波市空き家等対策計画では、1か月以上建築物等の使用実績がないものとして、相談窓口をとなみ暮らし推進班に一本化するなど、地域と行政が一体となって空き家等の対策を推進しています。
 その橋渡しの役割を担う空き家コーディネーターは、現在、各地区自治振興会から推薦があった市内21名の方々に委嘱しています。業務には、空き家所有者に対して空き家情報バンクへの物件登録を呼びかけてもらったり、情報共有として全体会議に参加いただいたり、市職員と共に空き家の現地確認を行ったり、多様な業務を受けていただいています。
 空き家件数も平成29年度467件だったものが、令和2年度には489件と増加しています。今後、所有者との間で様々な相談を橋渡しするためにも、空き家コーディネーターの人員を各地区自治振興会の戸数や空き家戸数などで基準を設定し、地区の実情に合わせて、1名だけの委嘱ではなく複数人数の委嘱ができるように後押しができないものでしょうか。
 また、幾つかの地区では、空き家の地区活動の機運も高まって組織づくりが進んでいます。地区の実情に合わせた施策を推進していくために、補助制度を設けて後押しすることも必要ではないかと考えます。
 今後、砺波市としてどのように推進されるのか、村井福祉市民部長にお伺いします。
 最後に、小さい項目の3つ目、空き家情報バンク登録を増やす取組や特定空家の対策についてお伺いします。
 令和2年度の空き家件数は489件で、うち23件が空き家情報バンク登録、5%に満たない状態です。
 空き家バンクに登録されない理由には、所有者の心情やこれまでの様々な諸事情があってのことだと考えられますが、この登録件数をどうやって増やしていくかが大切です。
 情報バンクに登録することで補助事業や支援事業を受けられたり、一般住宅だけでなく、アズマダチやマエナガレなどといった砺波市ならではの伝統家屋も紹介することができ、住宅としての利活用や、観光施設、高齢者の介護や子育ての施設、地域の活動拠点などの住宅以外の用途にも利活用を支援することができます。
 今後、空き家情報バンク登録を増やす取組とともに、定住促進空き家利活用補助制度の充実も空き家情報バンク登録を増やす推進策と併せて大切な補助制度だと考えますが、村井福祉市民部長にお伺いいたします。
 また、令和2年度調査で老朽危険空き家と認識した件数は9件でした。これは、地域の防災や防犯などの観点から周囲に対して危険であると判断したものですが、これらの物件についてもどのように対策されるのか、村井福祉市民部長にお伺いいたします。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 畑企画総務部長。
 〔企画総務部長 畑  進君 登壇〕
○企画総務部長(畑  進君) 私からは、3項目めの活気にあふれたまちづくりについてのうち、1点目の若者が市政に参画できるような啓発活動の推進についての御質問にお答えいたします。
 来年度からスタートする砺波市総合計画後期計画の策定段階において、若者の自由な発想や斬新なアイデアが市政に届くような施策を設けてはどうかという議員の御提言でありますが、今ほど御紹介されました、砺波高等学校の生徒による課題研究の発表の機会を、生徒や教員の過度な負担とならない方法で本市でも設けることができないか、現在、学校側の御理解もいただきながら調整を行っているところであります。
 この課題研究のテーマには、空き家対策、散居景観保全、環境問題、JR城端線活性化など、本市の行政課題に関係するテーマにも取り組んでいらっしゃることから、本市に対する課題研究発表の機会が実現することになれば、初めての試みということにもなり、高校生の自由な発想や斬新なアイデアについて大いに期待しているところであります。
 本市といたしましては、将来の砺波市を担う高校生などの若者が市政に参画できる機会を創出することは意義のあるものと考えており、今後も県教育委員会をはじめとする関係機関、団体及び企業や地域とも連携を図りながら、引き続き次代を担う若い世代が活躍できる環境の充実、整備に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 村井福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 私からは、まず2点目の空き家の増加に伴う空き家情報連絡員(空き家コーディネーター)の増員についての御質問にお答えいたします。
 本市では、平成23年度から各自治振興会の御協力を得まして空き家調査を実施しており、令和元年度では調査開始以来初めて空き家の件数が減少しましたが、昨年度の件数は残念ながら再び増加となっております。
 空き家コーディネーターは、平成28年度から自治振興会単位で委嘱させていただいており、空き家対策を推進するための地域との連携役として、役割はますます重要になると感じております。
 なお、その活動には、各地区の防犯対策にも関係することから、各自治会、常会の積極的な御協力をお願いしたいと考えているものでございます。
 空き家コーディネーターの配置につきましては、各地域の空き家の実情を市と共有する連携業務を主に考えていることから、各自治振興会に1名という形で配置しておりますが、地域によっては状況が異なる場合もございます。増員したほうがよいという要望があれば、地域の実情をお聞きしながら今後検討してまいりたいと考えております。
 次に、地区の実情に合わせた施策の推進のための補助制度について申し上げます。
 現在、空き家、耕作放棄農地等の調査、情報提供等の協働実施として、砺波市地区育成交付金として各自治振興会へ交付をしております。
 また、市内10の地区では、自治振興会や空き家コーディネーターが主体となっていただいて空き家対策の組織をつくられており、その活動の内容は、地区の情報提供や空き家事情、意向調査、適正管理や利活用を促す活動をしていただいております。
 市といたしましては、これらの活動内容によりましては、国や県等の支援メニューが活用できる場合もあることから、地域の状況を把握しながら情報提供を行ってまいりたいと思っております。
 次に、3点目の空き家情報バンク登録を増やす取組や特定空家の対策についての御質問にお答えいたします。
 現在、空き家情報バンクの登録につきましては、ホームページ掲載数が25件、令和元年度の同期の12件から2倍以上に大幅に増えている状況でございます。
 空き家の利活用を推進する上で、空き家情報バンクという手段は大変効果がありますが、掲載件数はまだ少ないことから、空き家ハンドブックや固定資産税の納税通知書発送の際にチラシを同封したりして周知を図っているところでございます。
 また、本市では、空き家に住んでもらうこと、そして空き家をいろいろな事業に利活用してもらうことを目的に、定住促進空き家利活用補助制度や空き家再生等推進事業補助金を設けており、今年度におきましても家賃支援の年数の拡充を行ったところであります。これらの制度を呼び水とすることで、空き家情報バンクの登録数を増やしてまいりたいと考えているものでございます。
 次に、特定空家(老朽危険空き家)の対策につきましては、これまでも所有者等との話合いを行い、空家特措法に基づく行政処分を行い、そのうち除去処分に至ったケースがあります。また、本市では、所有者、地域、市の3者が協力して空き家の除却を行う老朽危険空き家除却事業を創設しており、これまでにも3件の対応を行っているところであります。
 しかしながら、残る老朽危険空き家につきましては、相続人が多く所有権が複雑であったり、係争中であるということなどから、簡単には解決できない事情も数多くあるのが現状でございます。
 行政代執行という方法もございますが、執行費用の回収が困難になる場合が多いことや、空き家を取り壊した後にも空き地を適正に管理されない、そういったおそれもあることから、根本的な解決に至らない場合が多くございます。
 市としましては、対応には時間と労力は要しますが、自治振興会や自治会、さらには議員の皆様の協力を得ながら、個別の事情に一つ一つ丁寧に対応し、老朽危険空き家対策を進めていきたいと考えているものでございます。
 私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。

 午後 2時59分 休憩

 午後 3時02分 再開

○議長(川辺一彦君) それでは、再開いたします。
 5番 小西十四一君。
 〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) 議長の発言の許可を得ましたので、ただいまから一問一答方式により、通告書に基づき当局への質問と提案をさせていただきます。
 まず第1項目め、農業収入増加対応についてお伺いいたします。
 小項目の1番目として、水稲作付面積減少に伴う他品目作付への考え方について伺います。
 8月14日の日経新聞に、「「売れる農業」県内一丸 稲作からの転換奏功」との記事が掲載されておりました。内容は、九州地方の売れるものを作るを目標に据え、米から畜産への農業の転換を図ったことが紹介されており、商品の質と安心・安全を前面に、畜産物と花卉を除く全てのブランドに月2検体以上の残留農薬検査を義務づけ、基準値を超えたら迅速に出荷停止措置を取れる体制を整えたことにより、大市場からの注文を勝ち得たとのことでありました。
 砺波市における農業の現状は、第2種兼業農家が主食用米の生産により農業収入を占めてきた。日本人の米離れによる消費の落ち込みや人口減少により年々米の消費が減少しているため、生産調整を昭和44年から実施して米の価格安定を図ってきた。平成16年より、生産調整の面積配分から生産数量目標配分へと推移してきた。平成30年からは行政による生産数量目標配分が廃止となり、農協主導による産地自ら需要に応じた生産に取り組む仕組みとなってきました。その間、米以外の作付目標は30%程度から徐々に引き上げられ、令和4年産については42.12%に引き上げられました。
 そんな中にあって砺波市においては、九州地方のように米から畜産等への転換を図ることは、設備投資や景観保全の立場からも困難であると考えます。
 国では、農業経営所得安定対策として、ゲタ対策やナラシ対策、水田活用の直接支払交付金制度により、主食用水稲以外の作物の作付に向けて戦略を推し進めているところである。
 砺波市においては、戦略作物として指定されている麦と大豆の二毛作を実施し、農業収入を確保しております。しかしながら、米以外の作付目標が30%の場合は、3年に1回大豆作付でも豊かに生育したものが、40%以上となれば2年に1回作付が必要となってくるため、地力低下による生育不良となり減収となっています。したがって、大豆以外の作物を考慮する必要が出てきております。
 また、となみ野農協のタマネギにあっては、一度生産した田んぼは4年間、べと病の関係で作付ができない条件があります。
 さらなる試みとして、ニラの栽培や単作大豆の後のニンジンといった露地植え野菜やハウス栽培のコマツナといった新しい作物について、農協の指導によって提案されているが、農作物を作付するには田んぼの土質によって向き不向きがあるため、土質に注目した作物を作付するのが適当でないかと考えます。
 そもそも砺波平野は庄川の氾濫によりできた平野であり、耕土が浅く玉石交じりの土である。特に中野地区や庄川地区は顕著であり、耕土は15センチメートル程度であり、畝が必要な野菜物やチューリップ、タマネギ、ニラ、ニンジンなどの露地栽培作物には不適格な水田が多い。
 そのような現状を踏まえ、野菜などの作付に向いた田んぼが比較的多い地区とそうでない地区において、作付する作物を土質に合った作物に変換する施策を検討してはどうか。
 作付する作物が変わり機械導入ロスを最小限にとどめるためにも、作付作物を限定することで無駄な機械導入をなくす効果が期待できることから、畑作作物の作付が難しい地区については畑作に限らず、主食用米を作付するのではなく飼料用米や加工用米等を作付し、比較的深い耕土の地域にあってはタマネギ、ニラ、コマツナ等の作物を作付する。主食用米の収穫に見合うよう産地交付金や水田農業高収益化推進助成を活用して、農協にだけ任せるのではなく、市自らが先頭に立って、農業者に農業収入の安定と米依存の農業体制の変革に向けた考え方を示してはいかがか。島田商工農林部長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 島田商工農林部長。
 〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 本市ではこれまでも、農業者の主体的な取組を進めるという国の方針に従い、農業者、農業者団体、行政等から構成する市水田農業推進協議会において真摯に需給調整に取り組んできたところであります。
 また、国の生産目標数量の配分が廃止された後も、本協議会において生産目標数量の配分計画や産地交付金の活用方法等について、各地区水田農業推進協議会や農業関係団体が中心となり、行政と一体となって取り組んでまいりました。
 これらの取組により、麦、大豆のほか、地域振興作物のチューリップ球根やタマネギ以外にも、キャベツやブロッコリー、カリフラワー、アスパラガスなど、各地域で新たな作物の作付に向けた取組が進められており、県や農協などの関係機関と連携しながら随時支援を行ってきたところであります。
 本市といたしましては、今後とも国や県の動向を注視しつつ、産地交付金や経営所得安定対策などの支援策を最大限に活用しながら、水田のフル活用の推進により、引き続き、行政主導ではなく、主体となる農業に携わる方々としっかり協議、連携調整しながら、高収益作物の栽培など、農家所得の確保と安定化に向け支援してまいりたいと考えております。
 なお、議員御提言の各地区ごとの土質に合った作物に変更する施策を検討してはどうかにつきましては、農業者の皆さんがそれぞれ経営者として経営判断を行い、個々の経営戦略の下に栽培を進められているものであり、当然ながら、県砺波農林振興センターなど専門家の意見なども参考に、栽培環境に適した作物が栽培されているものと考えております。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
 〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) これからも農業者の主体的なというところでございますので、ぜひ農業者の声に耳を傾けて、対応方よろしくお願いしたいというふうに思います。
 それでは、小項目の2点目、作付品目の変更に伴う作業機械等について伺いたいと思います。
 今ほどいろいろと申し上げましたけれども、作付品目が変更となれば、当然、人の手で種まきや栽培、肥培管理や収穫が必要となってくるわけです。さらにハウス栽培等となればハウスが必要になってきます。それぞれ新たな投資が必要となりますし、私も6月定例会で申し述べましたけれども、現在の農業を経営しているのは、高齢者と呼ばれるじいちゃん、ばあちゃんが主流となっております。当然ながら重量物は持てないし、腰を曲げての作業もままならないのが現状であります。そのために、作物に特化した機械が必要となってくるんです。
 砺波の特産であるチューリップには、市としても力を入れて機械化に努力しておられるけれども、新しく取り組む作付品目に合わせた機械化もセットの政策を望むものであります。機械化こそが水田から畑地化へ移行するためのキーとなるものであります。
 ほかの特産地ととなみ野農協エリアとの違いは、タマネギに代表されるように、機械化の違いと言ってよい。他特産地においては、農業者の労働力によって作業を遂行しており、となみ野農協エリアとの違いが鮮明となっております。
 砺波市にふさわしい戦略作物導入に合わせた、新規作物に特化した機械開発に向けた取組に対する補助を国、県に対して要望してほしいと思います。
 これもひとえに、主体となる農業者からの希望に耳を傾けて、よろしくお願いしたいというふうに思います。島田商工農林部長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 島田商工農林部長。
 〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 新たな作物の導入につきましては、従来より、本市において相談を受けた場合には、県や農協などの関係機関と連携しながら対応を進めております。
 県では、土壌や気温、生育環境などの特性に適しているか、農業経営体の労働生産性や事業収支など総合的見地から検討し、実証の上、新たな作物の導入が進められており、とりわけ、省力化や低コスト生産の観点から、機械化一貫体系が可能な作物であることが最も重要な検討事項の一つと伺っております。
 例えば議員御発言のタマネギは、他の園芸作物と比較して、他産地において既に機械化一貫体系が確立されている品目であり、これらの栽培技術や既存農業機械の活用により新たな農業機械の開発が省略できることから、より効率的な作物であります。
 これらのことから、県や農協等とも情報共有しながら、新たな作物に合わせて農業機械を開発するのではなく、機械化一貫体系が確立・普及し、本市の特性に適した作物を推奨することで、農業所得の増加を目指してまいりたいと考えております。
 また、農業機械導入の支援につきましては、既に国や県の様々な事業を活用して導入を支援しているほか、本市でも新たな園芸作物の導入に対し園芸生産チャレンジ事業として支援しているところであり、活用いただければと存じます。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
 〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) ぜひとも砺波の土地に合った新しい産物を紹介していただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 小さい項目の3番目、農業後継者の育成について伺います。
 後継者については、各農業経営形態によって状況が異なっております。農業の個人経営者、認定大規模や認定小規模、第2種兼業農家の規模、また、農業法人の経営者や企業法人の場合と大きく分けられます。その経営形態によって後継者問題の根本が異なることから、個別に問題点と対応策について検討を深めていきたいと考えます。
 まず今回は、農業の個人経営者における後継者問題について、問題提起と対応策について質問します。
 現状は、個人で経営を維持する限界に達していると考えられます。水稲だけでなく他作物も作付しなければならず、作物の管理や防除、除草と作業が重複して、個人の作業能力では限界が来ているからです。
 シルバー人材センターの活用も考慮されるが、現状ではあぜ草刈りを一部請け負っていますけれども、その他の水田に入って雑草を取る等の作業については、作業者の都合で実施しておりません。
 また、水稲生産で第2種兼業農家は、先祖から受け継いだ農地を簡単には手放さない。土着魂はそんな簡単に変えられるものではありません。
 現在、営農組合組織を利用しながら農業を継続している人には、趣味や地元貢献のために仕方なく農業を経営している農家が多数おります。その第2種兼業農家がいつまで現状を維持していけるのでしょうか。10年先まで現状維持できないのは明白です。そうなる前に何か対応を考えないと、遊休農地が増加し、景観の保全も難しくなると想定される現状となっております。
 その一番は、営農組合を法人化に移行し、耕作放棄地となる前に対応策を実施することだと考えます。そのためには、第2種兼業農家や営農組合の役員等に法人化によるメリットについて理解を求め、スムーズに移行する体制が必要と考えます。
 農業委員会や自治振興会を通じ、各地区において検討委員会等を立ち上げ、その中に市職員も入れて立ち上げに協力する。農家の個々の対応にのみ任せていては手後れとなることが考慮されるが、後継者育成について島田商工農林部長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 島田商工農林部長。
 〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 営農組合の法人化につきましては、令和2年8月定例会で有若議員にお答えしましたとおり、生産コストの低減に加え、集落全体の活性化にもつながることから、これまでも国や県の事業を活用し積極的に推進しているところであります。
 具体的には、県では毎年、農業経営法人化・経営継承セミナーを実施しており、法人化の意義や留意事項、法人化に向けた支援策などを説明するほか、法人化を検討している方の個別相談に応じております。
 また、法人化に当たっては、県砺波農林振興センター、となみ野農協、市のほか、税理士や司法書士など関係機関が支援チームを組み、制度や手続の説明など、法人化を目指す組織に対し伴走支援を行っております。
 本市でも現在65の法人経営体があり、そのうち集落営農組織は36経営体で、これらの組織は早い段階から将来の経営に危機感を持ち、安定した農業経営を目指し、地域の話合いにより法人化してまいりました。
 このことから、第2種兼業農家や営農組合の法人化につきましては、議員御発言のとおり、耕作者がそのメリットを理解し、自らが経営の効率化を図るなどの意欲を持たない限り、いくら行政が誘導しても長続きはしないものと考えております。
 本市といたしましては、何事にもスピード感があると言われております民間の力に期待をしつつ、県と連携しながら、営農組合の法人化など後継者の育成や事業継続に対し、側面からサポートをしっかりと継続してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
 〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) 後継者問題につきましては、これからいろいろとあると思いますが、また相談に乗っていただきたいと思います。
 最後に、農業収入の増加対策については様々な問題や課題があり、そのことに目をつぶっては今後の砺波市政の運営や発展は語れません。
 今後の農業政策について、最後に市長の見解を求めます。
○議長(川辺一彦君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 農業を取り巻きます環境は非常に厳しく、農業就業者の高齢化や集落を構成する人口の減少、担い手の不足等、農業生産基盤の脆弱化が進行しており、特に中山間地域においては顕著な状況にあります。また、米の需要の減少によって、水稲中心の農業の在り方にも一層の変化が求められています。
 このような状況の下、将来にわたり安定した農業生産振興に取り組むためには、農業者自らが主体的に強い意志を持って取り組んでいただくことはもちろんですが、様々な国や県の施策を上手に活用しながら、今まで以上に農業所得の確保を目指すことがますます重要となってくるものと考えております。
 国や県も手をこまねいているわけじゃなくて、上手な使い方をすれば使えるものもたくさんありますし、また、現実的に砺波市のいろんな経営体がそれを上手に使いながら、それぞれの経営にとってメリットのある形でやっておられるところもたくさん例示はできるわけでございます。
 こういったことから、となみ野農協では、高収益作物でありますタマネギ栽培を進めるほか、麦、大豆の二毛作などによる水田フル活用や、担い手への農地の集積・集約化による効率的な農業経営の推進等により、農業所得の向上に努めてこられたところであります。
 また、本市や県では、国の制度も一部活用しながら、近年、ICT等の活用による経営の効率化や農産物の高付加価値化などによる競争力の向上、GAPの認証取得に係る取組、また、地域農産物のさらなるブランド化に向けた取組を積極的に支援してきております。
 さらには、高齢化が進み経営の維持が困難な経営体も見受けられることから、先ほどもありましたが、集落営農組織の法人化や経営の複合化のほか、組織の統合や再編への支援、新規就農希望者に対する相談や研修の支援などにも、いろんな関係機関と協力しながら取り組んでおります。
 本県選出の野上農林水産大臣も「農は国の基なり」と言われておりますように、そのことをしっかりと意識しながら、意欲ある農業者が、将来にわたって主体的に安心して営農に取り組むことができる、また、意欲のある若い皆さんにとって夢のある分野でなければならないと考えております。現実的に、若い経営者で本当に大きな所得を上げられ、また、非常に工夫をしながら新しいものにチャレンジされている例も砺波市内にもたくさんございます。
 こういったことも踏まえて、本市の農業、農村の目指すべき将来像を明確にいたしました砺波市農業農村基本計画によります「活気ある稼ぐ農業」の実現に向け、農業者、それから農業関係団体など関係機関と一体となって諸施策を着実に実施し、何度も言いますが、頑張る意欲のある主体的な農業者を支援してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
 〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) ただいまは市長の農業に対する熱い思いを聞かせていただきまして、これからも私も頑張っていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 続いて、大項目の2番目、少子化に伴う小中学校の在り方について答弁を求めます。
 小項目の1番、現在、砺波市立学校のあり方検討委員会が設置され、検討されている最中である。具体的な提言は令和4年の夏から秋頃とのことであるが、委員会は学校の適正規模、適正配置等について協議し、教育委員会に提言することとなっております。
 委員会に考慮いただきたいことは、現在開校されている小中学校は、防災拠点として各地域における重要な避難場所に指定されていることや、地元の活動拠点となっていることから、提言前に地元住民との意見交換等を実施し、地元の意見を十分に考慮した内容にしていただきたい。
 学校教育法施行規則では、小中学校の学級数は12学級以上18学級以下を標準とする。ただし、地域の実態その他により特別の事情のあるときはこの限りでないとあります。
 中学校においては生徒数が少数であり、部活動の制限があるなら、各中学校に特化したクラブ活動や学校合同チームによる部活動の実施や大会出場が可能となるように、中学校体育連盟等に大会規定の見直しをするよう働きかけを実施し、現状の変更を依頼する。また、新しい人間関係やリスタートのしやすさを考慮したとき、学校エリア以外に通学距離により中学校を選択するとか、部活動選択により学校の選択を可能にすることにより、生徒の数や小学校の同級生以外の生徒との交流関係ができることも可能と考えます。
 小学校に関しては、5校の小学校が既に小規模校となっており、これから先、令和9年度まで6学級を維持するのがやっととの数値が示されております。中学校同様に地域の防災拠点の要でもあり、適正配置の観点やきめ細やかな教育が展開されることを考慮した場合、より地元に根差した教育が可能であることから、存続を望むものであります。
 中野幼稚園が太田認定こども園に集約され、中野幼稚園が廃止され取り壊しとなった。中野地区にあっては何かしら寂しい気持ちを抱えており、公共施設が何よりも地元住民の支えになっていることを実感しております。
 各地区においてもそのような気持ちがあると想定され、地元の意見に十分配慮した学校の在り方について進めていただきたいと思います。構教育委員会事務局長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 学校の在り方につきましては、現在、砺波市立学校のあり方検討委員会において検討をいただいているところであり、地域の代表をはじめPTA関係者、学校関係者、商工業関係者などの方々で構成をしております。
 この検討委員会では、将来を展望した本市の小学校と中学校の在り方について、まずは児童生徒にとって望ましい学校教育環境はどのようにあるべきかを最優先に、幅広い見地から協議がされているところであり、新年度には学校の適正規模や適正配置等について教育委員会に提言をいただくこととなっております。
 この提言につきましては、市民の皆さんにお示しし、それぞれの地域における小中学校の将来の在り方について御議論いただきたいと考えているところであります。
 いずれにいたしましても、現時点では学校の再編を大前提に検討しているものではなく、よりよい教育環境を追求しているものでありますので、引き続き、市民の皆さんや議会と連携を図り進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
 〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) ぜひ地元の意見に耳を傾けてください。よろしくお願いします。
 小項目の2番目、タブレット端末の使用方法と授業の在り方について伺います。
 過日、市内の小学校を視察しました。その際、気になる一面がありました。それは低学年の算数の時間で、時計の計算方法についての授業中の出来事でした。児童にしてみれば、時計の計算は初めての60進法との出会いであり、理解するには少なからずの時間が必要と考えます。恥ずかしながら、私も時計の計算がなかなか分からず、父親に柱時計の下で強い口調で教えてもらった記憶があります。
 タブレットを使った授業を実施しなければならないことは理解できますが、進捗にはもう少し時間をかけて、児童の理解度に着目した授業を進めてほしいと感じました。
 低学年であるにもかかわらず、児童のタブレット使用には、ある程度の理解と操作にはさほど問題はないように感じたことから、なおさら本来理解してほしいことにもう少し時間をかけてもいいように感じました。
 各クラス27人から28人の国の35人体制からすれば少ない児童数となっており、児童一人一人にきめ細かい指導ができる体制となっており、もう少し本来の指導に時間をかけてほしいと感じました。
 また逆に、高学年の総合学習の時間においては、タブレットを使ったすばらしい授業風景も目にしました。それはパワーポイントを使ってプレゼンテーションする方法についての授業でしたが、先生のしゃべる内容とタブレットで表示されている内容の順番が異なっており、児童にこのタブレットに表示されている内容が分かりやすいかどうか確認して、どのように修正すれば分かりやすくなるかと。その質問の児童の回答には、しゃべる順番に合わせて書けばいい、特に言いたいことに色をつければいい、1枚に1つのことだけ書けばいいというような回答を引き出し、じゃ、そのように修正してくださいとのことでした。児童の個性を引き出す、すばらしい授業風景と感動を受けました。
 先生方との意見交換の中にあっては、タブレットの使い方は各教諭に任せているとのことであり、アプリケーションソフトは市内の学校は同一のものを使用しており、どのタイミングでどのような使い方をするのがよいかというような情報提供を、各学校単位だけでなく市内の学校で共有する。また、市外や県外、全国の学校で優良な利用状況を市内の学校へ情報共有して活用するなど、よりよいタブレットの使い方により教育の向上を図ってほしいと考えますが、白江教育長に答弁を求めます。
 これで、小西からの提案と質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
 〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 小中学校に配備した1人1台端末は、子供たちがこの端末を鉛筆やノートのように日常的に使えるようになることを目指して、活発に使用しているところであります。
 中でも、児童生徒用タブレット端末に採用しているソフトウエアへのアクセス数ランキングによりますと、多くの大都市が採用している全国約350自治体の中で本市は上位50位ほどであり、子供も教員も大変よく利用していることが証明されています。
 ソフトウエアの会社の担当者によりますと、他の上位50の自治体は本当に人口の多いところでありまして、砺波市の人口でここに入っているということに大変驚いているという話は伝え聞いているところでございます。
 このようなタブレットの使用状況の中、市教育センターでは教員のスキルアップを目指して、児童生徒用端末と教員用の各種のソフトウエアの使用方法や教育情報を各校に周知したりオンライン会議を主導したりして、使用頻度の向上に努めております。
 また、各校にICT兼任研修員を指名し、1か月に1回、端末活用の課題を共有したり、効果的な使用方法について情報交換を行っているところでございます。
 このほか6月には、中央講師と各小中学校をオンラインで結び、最先端の端末活用方法について研修を実施したところでもございます。
 さらに、各小中学校に月2回ずつICT支援員を派遣し、端末を用いた授業技術の向上を図っておりますが、授業における効果的なタブレット端末の活用には子供たちの習熟が不可欠であり、もうしばらく時間がかかるものと考えております。
 子供たちの学年や習熟度を考慮して着実に前進しておりますので、ぜひ温かいまなざしで見守っていただければと思います。
 私からは以上でございます。

○議長(川辺一彦君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
 次回は、明9月7日午前10時から再開いたします。
 本日はこれをもちまして散会といたします。
 どうも御苦労さまでした。

 午後 3時40分 閉議