令和3年度8月 本会議 定例会(第3号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

○副議長(山田順子君) 皆様、おはようございます。
 川辺議長所用のため、私、副議長がその職務を行います。
 ただいまの出席議員は17名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。

                日程第1
    市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
○副議長(山田順子君) これより本日の日程に入ります。
 日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第49号 令和3年度砺波市一般会計補正予算(第5号)から議案第59号 市道路線の認定及び廃止についてまで、認定第1号 令和2年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定についてから認定第8号 令和2年度砺波市病院事業会計決算認定についてまでを議題といたします。
 昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 1番 境 佐余子君。
 〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) おはようございます。
 議長より発言の許可をいただきましたので、通告に基づき、市政一般に対する質問と御提案を申し上げます。よろしくお願いいたします。
 まず、大項目1、持続可能な農業についてのうち、小項目1、新・もっともっと地産地消推進戦略の進捗状況と今後の展望についてです。
 昨日の山本善郎議員の代表質問にもありました、みどりの食料システム戦略に関連してになりますが、みどりの食料システム戦略は、物流などにおいても脱炭素化が求められ、今まで以上に地産地消が重要視されるでしょう。
 本市においては、既に地産地消の推進による地域農業の振興を目標とした新・もっともっと地産地消推進戦略を策定、積極的な地場産農作物の活用を図り、砺波型の地産地消を目指し、早くから農政においても環境に配慮した戦略を進めてこられたと思っております。
 そこで、みどりの食料システム戦略より先行して取り組まれている新・もっともっと地産地消推進戦略の進捗状況と今後の展望について伺います。
 さて、農林水産業の脱炭素化といえば、2015年からフランスが取り組んでいる4パーミルイニシアチブがあります。これは、1年間で土壌中の炭素を0.4%、1,000分の4増やすことができれば、人間によるCO2排出の影響をなくすことができるという考え方です。
 この土壌に炭素を増やす方法として、堆肥や緑肥の投入、バイオ炭の投入などがあります。大気中のCO2は、植物の光合成によって有機炭素となって蓄えられます。それをさらに炭化することで、科学的に安定した炭素であるバイオ炭と言われるものになります。これを土壌へ施用する方法で、安定度の高い炭素そのものを土壌に長期間にわたって封じ込めることができます。
 日本においては、県単位の取組ではありますが、山梨県や千葉県でこのバイオ炭を用いた4パーミルイニシアチブの取組を進めております。
 みどりの食料システム戦略においても、炭素の長期大量貯蔵への取組として、バイオ炭の農地への施用を推奨し、昨年9月には、Jクレジット制度の一つとしてこれを認め、この方法で削減、吸収できた温室効果ガスの量はクレジット化し、売買できるようになりました。
 今後、本市がクレジットを創出する側となり、バイオ炭の施用を進めれば、農地は有機物肥料を用いることで豊かになり、企業からは売却益を得ることができます。また、クレジットを購入する企業にとっては、ESG投資などの評価ポイントにもなること、新しいビジネスの創出にもつながると言われております。そして、この事業を推し進めることは、地球温暖化対策に積極的に取り組む自治体なんだと、環境問題に関心が高い若い世代へのPR効果になると考えます。
 そこで、小項目2、Jクレジット制度を活用した農地における炭素貯留についてどのように考えられるか、当局の考えを伺います。
 次に、小項目3、生産者の裾野の拡大についてです。
 昨日の小西議員の質問にもありました後継者問題、それこそ様々な業種で危惧されております。こと農業においては、島根県では、半農半Xという半自給的な農業とやりたい仕事を両立させる就農方法を応援し、農業の担い手確保に取り組んでいます。
 ですが、昨年2月の定例会での有若議員の一般質問と同様、私も今後の農業における後継者問題の解決策の一つとして、農福連携は必要だと考えております。
 障害を持った方や社会のサポートを必要とする方の数は、年々増加しています。そうした方々が生活しやすい環境をつくること、また、生きがいや自信を持って生きていける場所を多くつくることが今求められています。
 農業と福祉が連携することで、農業の現場には人手が生まれ、障害を持った方には農業分野での活躍を通じた生きがいが生まれます。また、様々な地域で農業に取り組む姿から、そこに住む方にも障害者福祉への理解が深まり、新しい協力を得ることも可能になるのではないでしょうか。
 先日、福祉作業所が主体として、通所者と共に米作りをされている方に話を伺いました。その方は、当時を振り返り、「作業を覚える時間はかかったが、真面目に取り組む子が多い。今、あぜの除草や水の管理など、任せられる仕事は増えてきている。事業者として、農閑期の作業などを考えておく必要はあるけど、これからの農業において、障害を持った彼らは期待の星だ」とおっしゃっていました。
 前出、昨年2月の定例会の当局の回答では、農福連携の取組を今後さらに拡大するためには、農業経営者と福祉施設の具体的なニーズを把握して、相互のマッチングを図ることが最も重要とありました。障害を持った方だけでなく、中間的就労の場としても、農業と福祉の連携は大きな意味があると考えます。
 そこで、小項目3のア、本市の農福連携の現状について、今回は福祉の観点からお答えをいただきたく、福祉市民部長に伺います。
 次に、小項目3のイ、農福連携産品を学校給食に取り入れるなどの協力体制について伺います。
 障害を持った方の就労については、多方面から様々なサポートが必要です。そして、農福連携においても、軌道に乗るまでは作業をサポートする人手も時間も必要なため、連携をためらわれることもあると伺っています。そんな生産者の方に対して、農福連携で生産されたものがしっかり消費される道筋を示すことで、不安が少しでも払拭できるのではないかと思います。
 また、初めに述べました地産地消の観点、児童生徒に農福連携が持つ意味を理解してもらう観点から、学校給食に積極的に農福連携産品を取り入れることが最適と考え、それが今後可能かどうかをお伺いし、まずは大項目1の質問を終わります。
○副議長(山田順子君) 答弁を求めます。
 島田商工農林部長。
 〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 私からは、1項目めの持続可能な農業についてのうち、まず、1点目の新・もっともっと地産地消推進戦略の進捗状況と今後の展望についての御質問にお答えいたします。
 本市では、平成31年3月に、第2次計画となる新・もっともっと地産地消推進戦略を策定し、地場産農産物の学校給食等への使用拡大、となみ野の郷などの農産物直売所や6次産業化への支援等に努めるなど、地域内の経済循環の拡大に向けた取組を進めております。
 これまで、実需者と生産者を結びつけるための情報交換会を毎年実施しており、生産者から加工業者や飲食店への農産物供給に向けてマッチングを図っており、少しずつではありますが、その成果が上がっております。
 また、学校給食においては、となみ野学校給食食材出荷組織連絡会が中心となり、生産者や農協、県砺波農林振興センター、学校給食センターが連携し、地域一体となって使用拡大に取り組んだことにより、地場産食材の使用率は、戦略策定時よりも約20ポイント増加し、昨年度は40%を超えるなど、県内でもトップクラスとなりました。
 中でも、市の特産であるタマネギにつきましては、収穫期から貯蔵期間の間、絶えず使用しており、約50%がとなみ野産となっております。
 さらには、となみ野の郷農産物直売所における昨年の地場産品販売額は、前年比109%となり、インショップにおける販売額においても前年比105%と、コロナ禍にもかかわらず、いずれも前年より伸びております。
 そのほかにも、例えば、イチゴをジャムとして加工し、付加価値をつけて販路開拓を図るなど、6次産業化や農商工連携による取組についても順調に進捗しているところであります。
 一方で、野菜など園芸作物の生産面積の拡大や、環境に配慮した農業への取組など、設定した指標のうち、例えば、ニンジンの生産面積など、幾つかの項目については目標に達していないものもあります。
 地産地消の推進は、今年の1月の大雪のように災害等で物流が滞った際などは、持続可能な流通システムとしても大変重要なことだと感じており、また、脱炭素社会の実現にも貢献することから、引き続き、関係機関と協力し、目標達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、2点目のJクレジット制度を活用した農地における炭素貯留についての御質問にお答えいたします。
 農地における炭素貯留については、バイオ炭素材の土質や作物への影響、導入コスト、散布作業における負担など、実施に当たって考慮すべき点が多くあると伺っております。
 また、農林水産省が策定したみどりの食料システム戦略の工程表では、議員も御存じのとおり、これから10年程度をかけ、研究開発から実証、社会実験を行うこととなっております。
 本市といたしましては、直ちに導入することは考えておりませんが、脱炭素化の取組は、持続可能な農業においては不可欠な視点でありますので、Jクレジット制度も含め、国の動向や他自治体の先進事例などを確認してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○副議長(山田順子君) 答弁を求めます。
 村井福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 私からは、3点目の生産者の裾野の拡大についてのうち、本市の農福連携の現状についての御質問にお答えいたします。
 障害者が住み慣れた地域で安心して生活していける環境をつくっていくためには、地域住民の障害についての理解が必要であり、議員が述べられたとおり、就労の場を通じて障害者への理解を図ることができれば、農業現場の方々や障害者、また地域にとって大変意義のあるものと考えております。
 現在の農福連携の取組状況でございますが、先月中旬にJAとなみ野と農福連携について、お互いの情報交換や今後の進め方について打合せを行いました。
 具体的に申し上げますと、福祉サイドからは、市内の福祉作業所に通う方の障害特性や作業所での就労内容について、そして農業サイドからは、栽培から出荷までの作業内容等について意見交換を行ったところであります。
 意見交換の中では、どのような農業作業があるのか、また、障害者にどのような作業ができるかなど、今後、マッチングを図っていくため、マッチングシートを用いて話し合うことや、ハウス作業などの見学を予定しているほか、砺波圏域3市の行政や福祉事務所等で組織する砺波地域障害者自立支援協議会と共に連携し、取り組むこととしております。
 今後は、他の農業経営体にも情報提供を進め、お互いが協力し、農福連携の推進を図ってまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○副議長(山田順子君) 答弁を求めます。
 構教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 私からは、3点目のうち、農福連携産品を学校給食に取り入れるなどの協力体制の御質問にお答えいたします。
 本市では、これまでも学校給食に対し積極的に地場産の食材を採用しているところであり、その納入につきましては、主にとなみ野農業協同組合内に事務局を有するとなみ野学校給食食材出荷組織連絡会を通して、生産者から直接納入をしているところであります。
 この連絡会は、となみ野農業協同組合の営農指導員が生産者と学校給食センターとの調整を行い、出荷計画に合わせて、学校給食の献立と食材を出荷する流れを確立したものでございます。
 そこで、学校給食に農福連携産品を取り入れることにつきましては、地場産の食材と同じく、となみ野学校給食食材出荷組織連絡会を通して納入することになるものと考えております。
 いずれにいたしましても、学校給食は、児童生徒の健康の保持増進、体位の向上を図るために安全・安心な給食の提供を行っておりますことから、農福連携産品も地場産の食材と同様に、給食用の食材として基準を満たすものであれば、積極的に取り入れてまいります。
 私からは以上であります。
○副議長(山田順子君) 境 佐余子君。
 〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 農福連携を推し進めることは、緑豊かな本市が、また、多様性へも取組を進める町であることを広く周知することにつながっていくと考えます。ぜひ息の長いサポートをお願いいたします。
 変わりまして、大項目2、児童生徒の第3の居場所づくりについてのうち、小項目1、一体型の放課後子ども教室の拡充について伺います。
 先日、地域の方が、校区ごとに児童館もないし、放課後に同じ学校の子供たちが季節や天気に関係なく安心して過ごすことができるところもないと話していらっしゃいました。
 児童館は、児童福祉法の規定に基づき、0歳から18歳未満までの全ての子供たちが使用でき、異年齢の交流もできる場所で、砺波市には、出町、東山見、青島、雄神、種田の5か所のみとなっています。
 一方、小学生のみの対象にはなりますが、放課後児童クラブではなく、放課後子ども教室という活動があります。学年に関わらず、学校の余裕教室、体育館、公民館などを活用して様々な取組を実施されており、地域の住民や学生、民間教育事業者など、様々な人材が参画可能です。
 本市では、一体型の放課後子ども教室の開催は、令和3年度は出町小学校、鷹栖小学校、庄川小学校のみとなっています。小学校の同一敷地内に放課後児童クラブがある小学校は多いのですが、放課後児童クラブでは、児童の年齢、活動内容などは限定されています。
 私の子供が通いました砺波南部小学校では、放課後子ども教室は学校一体型ではなく、五鹿屋と東野尻の2地区それぞれの公民館での活動で、開催会場への移動ができない場合は、当然ながら参加できません。
 この放課後子ども教室がそれぞれ8つの小学校ごとに校舎や体育館で開催されれば、移動などの心配もせず、児童は参加しやすくなります。
 こうした放課後の充実は、子供の居場所づくりの一つです。様々な制約があるかとは思いますが、なぜ放課後子ども教室が開催できる小学校とできない小学校があるのでしょうか。同じ砺波市に住む児童に同じような学びや体験の機会をつくっていただくことはできないか伺います。
 次に、小項目2、中高生が地域で活躍する機会の創出について伺います。
 先日、公民館の草むしりに地元の中学生が自主的に参加してくれたそうです。地域のことを考え、自分で動ける子がいる、この地域の未来は明るいなとうれしく感じた出来事でした。
 さて、公民館活動では、園児や児童を対象にした活動はありますが、中高生は多忙に思われているのでしょうか、地区民運動会以外にあまり声がかかっていないように感じます。地域の大人との行事もそうですが、小さい子供たちの行事のサポートを思い切って中高生に依頼できれば、異年齢の交流にもなり、それぞれが気づきや学びを得ることができるのではないでしょうか。そして、中高生の彼らに再び地域に目を向け、足を運んでもらうことは、地域を見詰め直し、そこから砺波への愛着や誇りを持つことにつながると考えます。
 我が子が在学中のときの話なので随分前になりますが、中学校から生徒へ地区民運動会のボランティア参加への働きかけがあったはずです。このような形で、中高生地域サポーターを市から各自治振興会などに提案していただき、地域の活動に参画してもらいやすい道筋をつくることはできないか伺います。
 続きまして、小項目3、未来人材の育成につなげるコンピュータークラブハウスの開設についてです。
 このコンピュータークラブハウスとは、1993年、アメリカボストンで設立されました。子供たちがいつでも安全にテクノロジーに触れることができるコミュニティーで、いわゆる第3の居場所の役割も持っています。
 21か国に100以上のコミュニティーがあり、日本では石川県加賀市の交流プラザの中にあります。ここでは週4日、いつでも誰でも無料のプログラミング、CG作品の制作、3Dプリンターの使用が可能です。メンターとして大学生や社会人が常駐しています。技術的な相談なども受け付けます。
 ここでは、何かを生み出したいという仲間が集うことで、化学反応が起きるように発見やつながりも生まれています。また、子供たちよりちょっと大人のメンターの存在も、彼らによい影響を与えているようです。
 デジタル制作の場だけの提供であれば、近年、廉価な機器も増え、それぞれの家庭での制作も可能です。ですが、公共の施設としてこうした場所を設け、今後必要とされるデジタル人材の芽を育んでいくこと、また、学校や家庭ではない3番目の居場所を子供や若者に与え、彼らがそこで楽しい経験を積むことで、地域への愛着を生み出すことも可能と考えます。
 また、保護者においても、子供たちが公的なスペースで多様なデジタルツールに触れられることは、本市の子育ての魅力につながると考えます。
 当局に伺います。お願いいたします。
○副議長(山田順子君) 答弁を求めます。
 構教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 2項目めの児童生徒の第3の居場所づくりについての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の一体型の放課後子ども教室の拡充についての御質問につきましては、放課後子ども教室の活動は、放課後等において、学校における余裕教室などを活用し、様々な地域住民の参画を得て、学習活動やスポーツ、文化活動、交流活動などを行うものであり、文部科学省が所管する補助事業として平成19年度から実施しております。
 一方、厚生労働省が所管する子供の健全育成を図る事業として、共働き家庭の小学生向けに、いわゆる学童保育、放課後児童クラブを平成9年度から実施しているものであります。
 また、平成26年度には、文部科学省と厚生労働省の合意に基づき、放課後子ども総合プランが策定され、待機児童の解消に加え、就学後の児童が安全・安心な放課後を過ごせるよう、小1の壁を打破するための環境整備として、放課後児童クラブの受皿の拡大や、放課後児童クラブと放課後子ども教室の一体化が推進されてきたところでございます。
 そこで、放課後子ども教室を開設することにつきましては、原則、学校施設を活用して行われることから、運営するための場所と事業に携わる人員の確保が条件となっており、現在、これらをクリアした3つの小学校区において放課後子ども教室が開設されております。
 しかしながら、近年では、本来多様であるべき放課後の過ごし方が、学校活動の延長につながると捉える向きもあることや、今日の教員の働き方改革などの学校の事情、また、多様化する社会情勢の中、新たに運営に携わる人員の確保が難しくなっている地域の実情もあり、開設が難しくなってきております。
 一方、公民館行事の一環として、独自に地域の小中学生を対象とした学習をはじめ、ものづくりや郷土芸能など、体験できる活動事例も多様であることから、市といたしましては、このような取組を各地区あるいは各小学校に紹介し、様々な学びや体験機会の提供に努めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の中高生が地域で活躍する機会の創出についての御質問につきましては、将来、地域を支える人材発掘と活性化につながる要素として、中高生の地域活動への参画は重要な課題であります。
 こうした中、昨日公表いたしました、令和3年度全国学力・学習状況調査の中学校の調査におきましては、「今住んでいる地域の行事に参加していますか」との問いに対し、「当てはまる」または「どちらかといえば当てはまる」と回答した本市の結果が64.0%を占め、県の56.9%や全国の43.7%を大きく上回っておりますが、より一層地域行事への参画を促していく必要があると考えております。
 幸いにも、本市には、夜高まつりや獅子舞などが盛んであることから、こうした祭りを通して幅広く地域コミュニティーが形成されており、これらの機会を活用したつながりをさらに深めていくことが必要であると考えております。
 また、市では、三世代交流ふれあい事業を積極的に推進しているところであり、町内会や常会におけるレクリエーション等を通して、多世代間での絆を深め、中高生地域サポーターの育成にも結びつくことから、より一層、地域に働きかけてまいります。
 いずれにいたしましても、市ではこれまで様々な地域コミュニティーの支援を行っているところでありますが、引き続き、公民館活動における地域活性化への情報提供に努めてまいります。
 次に、3点目の未来人材の育成につなげるコンピュータークラブハウスの開設についての御質問につきましては、現在、本市の児童センターや児童館には、施設利用者向けのパソコンを設置していないため、子供たちが公共施設においてICT機器に触れることはできない状況にあります。
 一方、今年度からは、各学校におきましてタブレット端末を活用した授業が始まっており、機器の操作はもとより、ソフトを活用し、技術面においても児童生徒の活用レベルが向上していくものと期待しているところであります。
 また、コンピューターのプログラミング教育につきましては、既に市内の民間事業者がボランティアによる活動を実施されていることから、市では、今年度から支援を始めたところであります。
 したがいまして、現時点において、公共施設を活用してのコンピュータークラブハウスの開設は考えておりませんが、今後、民間事業者による活動の動向を注視し、開設の可能性についても検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○副議長(山田順子君) 境 佐余子君。
 〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 子供の笑顔は保護者に安心を与えます。いい思い出がある場所には帰ってきたい、ずっと住みたいと感じるでしょう。ぜひそうした居場所の創出をお願いいたします。
 最後に、大項目3、子育て支援のICT化についてのうち、小項目1、「となみぃ~の子育て応援ファイル」についてのア、応援ファイルのウェブ化または子育て応援アプリの導入について伺います。
 「となみぃ~の子育て応援ファイル」は、妊娠届を出された際に渡されております。これから子供を産み育てていく皆さんを応援するために、妊娠から出産、就学までの子育て支援の制度や、発達段階に応じた親の関わり方などがファイルにまとめられ、家族で情報共有もしやすくなっています。
 便利ではありますが、A4サイズのファイルで手軽さに欠ける、また、最新の情報に更新されているのか心配という声を聞きます。現在妊娠中の方であれば、大半の方は手軽にインターネットに接続し、情報を得ていらっしゃるでしょう。であれば、このファイルをウェブ化することで、ファイルは自宅に置いておいても、出先などで手軽に子育て応援ファイルと同じ内容が見られるようになります。
 また、県内自治体では、子育て専用サイトを持っているのは、黒部市、魚津市、滑川市、富山市、射水市、氷見市、小矢部市。また、富山市、高岡市、射水市、南砺市、朝日町では、子育て応援アプリを使って育児情報の提供があります。
 このアプリですが、妊娠、出産、子育ての記録、健診や予防接種のスケジュール管理、通知、富山市のアプリにおいては、動画で育児ヒントを見ることができるなど、それぞれの特徴があります。
 また、南砺市は、このアプリが育児に関する全ての相談窓口になるような役割を持たせているそうです。
 子育て世代の生活スタイルが変わった昨今、従来のような書面やホームページだけでなく、スマートフォンなどで早く、手軽に、分かりやすい情報が求められています。子育てしやすい砺波として、さらなる魅力アップにつながると考えますが、当局の考えをお伺いします。
 次に、小項目2、認定こども園などにおける一部業務のICT化について伺います。
 このたび、鷹栖地区に(仮称)たかのす認定こども園が着工されました。来年4月開園を楽しみにしていらっしゃる地域の方、保護者の方が多いと伺っております。本市の認定こども園などの充実ぶりは、他県の友人などから羨ましがられるほどです。
 さて、認定こども園を拝見しますと、我が子が通っていた頃の保育所と比べまして、最新の設備、また、広々と明るい園内が大変羨ましいと感じますが、保育士の皆さんは旧保育所時代と変わらず、大変お忙しそうです。それでも園児の健やかな成長を一番に考えて仕事をされています。本当に感謝しております。
 さて、時代は進み、様々な機器が進化しています。今、デジタル化が進む社会において、軽減できる業務内容もあるでしょう。例えば、日々の登退園の時間管理、写真の発注など、ICT化することで業務の負担軽減になるのではと考えます。そして、そこで新しく生み出された時間をぜひとも園児たちが地域の自然と触れ合う時間として使っていただきたいです。
 先日、ある認定こども園の保育士さんから、「田んぼにある稲が成長して米になることを知らないお子さんが結構いましてね」という話を伺い、大変驚きました。砺波の子供たちなら知っているだろうというのは大人の思い込みで、幼い頃から地域の自然環境を知る機会を増やす必要性があるようです。
 ちなみに、そのこども園では、近くの住民の方に御協力いただきまして、早速、子供たちとお米を作ることに取りかかられたということです。
 業務の効率化は、保育士の皆さんの負担軽減でもありますが、子供たちの豊かな感性を育むための新たな時間の創出につなげていただきたいのです。そのためにも、可能な業務をICT化し、負担を軽減していただくことはできないか、最後にお伺いしまして、私の一般質問を終わります。
○副議長(山田順子君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 私からは、1点目の「となみぃ~の子育て応援ファイル」についての御質問にお答えします。
 「となみぃ~の子育て応援ファイル」は、御紹介もありましたが、世の中に様々な育児情報等があふれる中、基本的な子供の発達や関わり方、栄養、予防接種、歯などについての情報を掲載するとともに、子育て支援サービスの内容や制度について掲載し、切れ目のない支援となるよう平成28年6月に作成し、現在は妊娠届出のときに説明しながらお渡ししております。
 議員も御発言ありましたが、応援ファイルはA4サイズでありまして、持ち運ぶには少し不便だという声もお聞きしておりますが、基本的な子供の発達や関わり方、栄養など、専門的な資料が多いことから、説明と併せて見ていただくことが理解しやすいというふうに考えております。
 しかしながら、保護者の方が見たいときに、どこでも手軽に活用したいという要望もありますので、ウェブ化した場合には、例えば、健診のときですとか、育児相談の会場でも保護者の方と一緒に見ながら、視覚で理解できる媒体として活用できるなど、活用範囲が広がることが考えられます。
 今後、デジタル化が急速に進展することなどから、御紹介いただきました他市などの先進事例も参考にしながら、応援ファイルのウェブ化や子育て応援アプリの導入について、新年度の導入に向けて、保護者の方の御意見もお聞きしながら、関係する部署はたくさんありますので、部署で連携して検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。残りについては担当の局長からお答えいたします。
○副議長(山田順子君) 答弁を求めます。
 構教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 私からは、2点目の認定こども園等における一部業務のICT化についての御質問にお答えいたします。
 昨年度からのコロナ禍における保育所、認定こども園等におきましては、緊急時の保護者との迅速な連絡体制が求められたことに加え、保育士等が園内の消毒や換気等の感染防止対策の徹底などにより、本来の保育業務以外の負担が増えている状況にあります。
 このようなことから、今年度、ICTを活用した業務支援システムの整備を進めており、1月からの仮稼働に向け、現在、その活用ツールの調整と、園内におけるWi-Fi環境の整備を進めているところであります。
 その具体的な活用といたしましては、専用アプリを活用することとしており、保護者の方々がQRコードを読み取ることで、園児の登園や降園の管理をすることができるほか、アプリを登録いただくことで、緊急時における一斉メールや園だより等の配信を行うこととしているものであります。
 このほか、園では、管理者用パソコンと各保育室にタブレット端末を配備することで、職員の出退勤や保育システムの管理、保育士等による指導案作りなどへの使用が可能となるものであります。
 このように、これまで手書きや紙で配付していたものが、ICTの活用によりまして、保育士等の業務負担の軽減や保護者の利便性の向上が図られ、一番大切とすべき子供たちに向き合ったり、触れ合ったりする時間が多く取れるものと大いに期待しているところであります。
 私からは以上であります。
○副議長(山田順子君) この際、換気のため暫時休憩いたします。

 午前10時42分 休憩

 午前10時44分 再開

○副議長(山田順子君) 再開いたします。
 6番 開田哲弘君。
 〔6番 開田哲弘君 登壇〕
○6番(開田哲弘君) 議長より発言の許可を得ましたので、通告に従い質問を行います。
 まず、大きな項目1番目、空き家対策について述べさせていただきます。
 最初に、空き家所有者に管理することを求めることについての質問になります。
 空き家はなぜ問題になるのか。空き家であったとしても、それが適正に管理されていれば問題になることはありません。適正な管理がされていないことが問題になっていくのです。瓦が落ち雨漏りしているような状態、何らかの隙間が出て小動物が入り込んでくるような状態、ガラス戸が割れてしまい屋内に風が吹き込むような状態、換気がされずに湿気が籠もっている状態、こういった環境が改善されないことにより、床、柱、天井が腐っていくことになります。結果、周辺住民に迷惑をかけることにつながります。また、腐りにより家屋の倒壊、異臭の発生、不審者の侵入、様々なことが考えられます。
 このことから、砺波市では、空き家に関する制度を幾つか設けています。
 空き家コーディネーターという制度があります。地区内にある空き家が先ほど述べたような状態になる前に、その空き家を適正に管理してもらおうと、所有者とのパイプ役を担っていただく空き家コーディネーター制度を砺波市では設けました。市内21地区の自治振興会に空き家コーディネーターを1名置き、その地区内にある空き家について、空き家情報バンクへの物件登録、売却など、空き家を管理することについて所有者に勧めるような役割を担ってもらっています。
 今、空き家情報バンクの話をしました。砺波市が設けている制度として、この空き家情報バンクというものもあります。令和2年度末の空き家数は489軒ありました。空き家バンクに登録されている軒数は23軒です。これはとても少ないと感じております。コーディネーターの活動により、空き家情報バンクに登録された空き家ならば利活用される可能性もあるのですが、空き家情報バンクにも登録されず、所有者もなかなか管理をしに来ない空き家については、冒頭に述べた周辺住民に迷惑をかける空き家になっていく未来しかないのではないかと考えています。空き家の所有者が適切な管理を行わないと、その空き家は周辺住民には迷惑極まりない物件であるということは明白です。
 では、話の目線を所有者に切り替えてみましょう。住宅が建っている土地について、固定資産税の評価額が200平方メートルまでの部分については6分の1に、200平方メートルを超えた部分については3分の1に評価する軽減措置があります。このことから、空き家であったとしても、住宅をそのままにしておこうという人もいるのではないかと考えます。
 住宅を管理して将来使おうという姿勢が所有者に見られるならばよいのですが、住宅の修繕及び庭木の管理などの手が入っていないような空き家については、行政はもっと強く所有者に対応を求めるべきです。実態を調査した上で、修繕されていないとか、庭木が手入れされていないとか、管理がされていない空き家であれば、特定空家として指定することが行政にはできるはずです。この特定空家に指定することにより、所有者に対し助言、指導、勧告、命令、行政代執行と行えること、さらに、勧告まで行くような処分になると土地の評価軽減措置がなくなることなど、所有者に対して強く伝えるべきであると考えております。
 所有者に空き家を管理することを求めるための方策について、当局の答弁を求めます。
 続いて、小項目の2番目、空き家を市が借り受け、活用することについて述べたいと思います。
 使われることのない空き家は、小まめな管理がされていないと家屋が傷むスピードが速く、大変な状況になっていきます。空き家バンクに登録されている物件が早く利活用されることを切に願うところであります。
 さて、この空き家バンクに登録されている物件は、建築年はばらばらですけれども、空き家の中でも手入れがしっかりされており、すぐに使用することができる、程度のよい物件なのではと考えています。しかし、私は、空き家バンクに登録されていない物件の中でも、賃貸に適した物件というのは数多く眠っているのではないかと考えております。
 せんだってから庄東地域内の空き家について、山本議員と見回っております。その中でもきれいな物件というのは数多くあります。
 貸す側にとっては、貸す相手がどんな方か分からないとか、もめたらどうしようとか、いろいろ考えてしまっている可能性があります。そこで、信用度が高い市が、所有者から空き家を安価で借り受ける契約を結び、市が使えるように修繕し、修繕した空き家を移住者に貸し出すということができないかを問うものです。
 事例がないかを調べてみたところ、群馬県の長野原町、徳島県の上勝町等、幾つかの市町村で行われていることが分かりました。ただ、これらのやり方を調べてみますと、過疎地域の対策として国からの補助を受けている事例でした。
 砺波市では国の補助を受けることができないみたいですが、多くの市町村が取り組んでいることから、このスキーム自体は有効なものであると確信しています。利用者は家賃を市に払い、家主は市からの家賃は安価に設定され、市から受け取る。市に当初の修繕は行ってもらうんですけれども、通常の管理は利用者と市が行うことから、持家の老朽化が進まなくなる安心感が得られる、そして、市は空き家が減る。おのおのにメリットが出るのではと考えています。
 家にとっては手を加えられることなく空き家であり続けることが最大の問題であるので、この空き家状態であることから、いかにして活用していくかということを考え、回していくことがとても大事だと考えます。
 この事業をもし民間でやるとなると、利益優先で活動する民間業者が強く、利用したいという人への賃料が高くなるおそれがあります。このスキーム、他の市町村で実際に行われている、空き家を市が借り受け、活用することについて、砺波市でもやることができないか、当局の答弁を求めます。
○副議長(山田順子君) 答弁を求めます。
 村井福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 私からは、1項目めの空き家対策についての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の空き家所有者に管理することを求めることについての御質問につきましては、議員が述べられたとおり、市内には、適正な管理がされずに放置されている空き家があり、近隣住民の迷惑になる場合がございます。
 このようになる前に、所有者等の責任で適正な管理や有効活用などを行っていただく必要があることから、住宅の管理や相続について、あらかじめ家族間で話し合っていただくことで、早期に空き家の適正管理や有効活用が図れるものと考えております。
 本市では、これまでも広報となみの特集や、固定資産税納税通知書の発送時に啓発チラシの同封をしております。また、空き家ハンドブックの配布、窓口の相談を行っており、様々な機会を通じて、空き家に対する意識啓発、予防啓発に努めているところでございます。
 なお、特定空家、老朽危険空き家につきましては、昨日、向井議員の御質問にもお答えいたしましたが、空き家特措法に基づく行政処分を行い、所有者等と話し合い、除却に至ったケースや、また、老朽危険空き家除却事業では、所有者、地域とも連携を取りながら取り組んでいるところでありますが、多くの老朽危険空き家につきましては、相続人が多く所有権が複雑化していたり、係争中であるなど、特定空家に指定したとしても簡単には解決できない事情を有しているものでございます。
 市といたしましては、自治振興会や自治会、さらには、議員の皆様の御協力を得ながら、個別の事情に一つ一つ丁寧に対応し、老朽危険空き家対策を進めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の空き家を市が借り受け、活用することについての御質問にお答えいたします。
 空き家を市が安価で借り受け、市が修繕し、移住者に貸し出すという議員の御提案でございますが、多くの空き家を市が借り受けることは、公共施設等の管理面の問題などをはじめ、民間事業者で実施している営業活動にも影響を与えることとなるため、市が空き家を借りて貸し出すということは難しいものと考えております。
 現在、市では、空き家減少に向け、定住促進空き家利活用事業を実施しており、空き家を購入されたり賃貸される場合に補助金を交付して利用促進を図っており、今年度からは、賃貸に係る支援期間を2年から3年に拡充しております。
 また、空き家の貸主への支援として、市の空き家情報バンクに登録された物件を改修等される場合に、貸主に対しまして補助金を交付し、空き家の利活用促進を図っているほか、移住者向けとして佐々木邸や、今年度から実施しております市営住宅を活用したお試し移住体験施設があり、こういった事業を広く啓発し、空き家の利活用を進めていきたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○副議長(山田順子君) 開田哲弘君。
 〔6番 開田哲弘君 登壇〕
○6番(開田哲弘君) 続きまして、図書館の活用について質問をいたします。
 砺波図書館は、開館以来、多くの方に利用されている施設となっています。ただ、8月17日からコロナ禍の影響により臨時休館を余儀なくされまして、閉館となったことは大変残念な出来事でした。
 今回、臨時休館となったことを受け、図書館の本を家庭に配達するサービスを行うことができたらいいなというふうに考えていました。移動することが困難な方、高齢者とか病気の方、そういった方もいるわけですけれども、そういった方々から借りたい本のリストを提出していただき、その本をお届けしてはいかがかということです。
 図書館は、知りたいという住民の意欲を満たすことがその責務であると考えております。本を読むことによって得られる情報は、いつだって読者をとりこにしてくれます。世の中はインターネット社会となり、電子ブックで読むことも可能となっているものも多数あります。しかし、本独自のページをめくるという感覚は、まさに醍醐味であるのではないかと私は思っております。
 交通弱者、高齢者、そういった方々に図書館の本を届けるというサービスを展開することは可能ではないかと思っております。この件につきまして、当局の考え方をお聞きします。
○副議長(山田順子君) 答弁を求めます。
 構教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 砺波、庄川の両図書館では、20年以上前から、来館することが困難な方にも本に触れる機会が得られるよう、個人向けに本を送付して貸し出すサービスを実施しております。
 この利用方法につきましては、貸出しの申出に基づき、利用者に郵送料を御負担いただくものでありまして、これまで問合せはあるものの、利用実績がない状況であります。
 引き続き、こうしたサービスを実施していることを広く市民の皆さんに周知してまいります。
 私からは以上であります。
○副議長(山田順子君) この際、換気のため暫時休憩いたします。

 午前11時01分 休憩

 午前11時04分 再開

○副議長(山田順子君) 再開いたします。
 9番 有若 隆 君。
 〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従い、大きく4項目について、市政一般に関して質問と、若干の要望と提案をさせていただきます。
 まず初めに、1項目めの市職員の定年延長についてお伺いいたします。
 我が国は、少子高齢化が進展し、若年人口が減少する中、知識や経験を有する公務員に、より長く現役で働いてもらうための公務員の定年延長が、令和5年度からの国家公務員の定年引上げに伴い、本年6月11日公布の地方公務員法の一部を改正する法律により、地方公務員の定年も60歳から65歳までに引き上げることを踏まえ、当市職員の定年延長制度の導入に向けた対応等についてお伺いいたします。
 1点目は、定年延長制度導入の趣旨についてお伺いいたします。
 今回の地方公務員法の改正によりますと、現行60歳の定年を65歳まで段階的に引き上げることによって、当分の間、新規採用者を抑制することとなり、組織の活力低下を招き、新陳代謝を図ることができなくなるのではないかと危惧するところでありますが、定年延長制度の導入の趣旨について、企画総務部長の答弁を求めます。
○副議長(山田順子君) 畑企画総務部長。
 〔企画総務部長 畑  進君 登壇〕
○企画総務部長(畑  進君) 今回の法改正による趣旨は、大きく2点挙げられると考えております。
 1点目として、持続可能な行政運営であります。
 少子高齢化が進展し、若年労働力人口が減少する中、複雑多様化する行政課題に的確に対応し、質の高い行政サービスを維持していくために、60歳を超える職員がこれまで培ってきた能力や経験を活用するものであります。
 2点目として、定年延長により、退職までの人事管理の一体性、連続性が確保され、これまで乖離しておりました定年と年金受給年齢が一致し、雇用と年金の接続が図られることであります。
 このような趣旨から、国家公務員の定年引上げに伴い、地方公務員の定年も同様に引き上げられることとなりましたが、議員が危惧されていらっしゃいます新規採用者の抑制や活力の低下などにつながらないように、導入に当たりましては十分配慮してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○副議長(山田順子君) 有若 隆君。
 〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 2点目は、役職定年制の導入による影響についてお伺いいたします。
 今回の地方公務員法の改正によりますと、役職定年制の導入によって、役職定年の対象範囲は管理職手当の支給対象となっている職を対象とし、また、役職定年年齢は60歳を基本とするとなっておりますが、役職定年制の導入による影響について、企画総務部長の答弁を求めます。
○副議長(山田順子君) 畑企画総務部長。
 〔企画総務部長 畑  進君 登壇〕
○企画総務部長(畑  進君) 役職定年制は、組織の新陳代謝を確保し、その活力を維持することを目的に導入されるものであります。
 管理監督職にある者が60歳の役職定年を迎えたとき、これまでの知識、技能、経験や、人脈、人間関係を生かすため、同じ分野の職場にスタッフ職として配属されることも想定されますけれども、これまでの部下と一緒に働くことになると、本人はもとより、かつての部下の士気低下も懸念されるところであります。
 そのため、役職定年後、どの部署に配置し、どのような仕事に当たるかについては、今後、国から示される運用通知等をはじめ、県や他市の動向等も十分注視し、検討してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○副議長(山田順子君) 有若 隆君。
 〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 3点目は、定年前再任用短時間勤務制の導入の趣旨についてお伺いいたします。
 今回の地方公務員法の改正によりますと、60歳に達した日以後定年前に退職した職員について、本人の希望により定年前再任用短時間勤務の職に採用することができることになりますが、定年前再任用短時間勤務制の導入の趣旨について、企画総務部長の答弁を求めます。
○副議長(山田順子君) 畑企画総務部長。
 〔企画総務部長 畑  進君 登壇〕
○企画総務部長(畑  進君) 定年延長が適用されます令和5年度以降に退職する職員は、60歳定年を前提にライフプランを組み立てておられることも考えられ、定年を2年に1歳ずつ引き上げる段階的な定年延長は、それらの緩和等に対応するものであるということであります。
 その上で、定年前再任用短時間勤務制は、定年引上げにより65歳までフルタイムで勤務することを原則とする中、60歳以降の職員の個々のライフプランに応じた多様な働き方のニーズに対応することを趣旨として導入されるものであります。
 以上であります。
○副議長(山田順子君) 有若 隆君。
 〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 次に、4点目は、定年延長制度導入に伴う定数管理と職員採用計画についてお伺いいたします。
 今ほどの企画総務部長の答弁にありましたように、現行60歳から65歳まで、2年に1歳ずつ段階的に引き上げることにより、定年引上げ調整期間の10年間、新規採用者を抑制する必要があると思われますが、定年延長制度導入に伴う定数管理と職員採用計画について、企画総務部長の答弁を求めます。
○副議長(山田順子君) 畑企画総務部長。
 〔企画総務部長 畑  進君 登壇〕
○企画総務部長(畑  進君) 定年延長制度の導入に合わせて、60歳以降の任用及び給与に関する措置の内容、その他必要な情報を60歳に達する年度の前年度に提供し、どのような勤務を希望するのか、その意思を確認する制度も導入されることとなります。
 例えば、令和5年度に60歳に到達する職員については、令和4年度中に必要な情報提供を行い、令和6年度からの働き方の意思確認が行えますので、これを踏まえて、令和5年4月に令和6年度の職員採用計画を立てることが可能となります。
 また、フルタイムで勤務する場合は職員定数に含まれますけれども、先ほどの定年前再任用短時間勤務制度により再任用された職員は定数外となります。
 現段階では、機械的に定数を増やすことは想定しておりませんで、現行の職員定数の範囲内で運用してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○副議長(山田順子君) 有若 隆君。
 〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 5点目の質問をいたします。定年延長制度導入に伴う給与についてお伺いいたします。
 今回の地方公務員法の改正では、当分の間、60歳を超える職員の給料月額は、60歳前の7割の水準に設定するとなっておりますが、総人件費が増加し、市財政を圧迫することになるのではないかと危惧するところでありますが、定年延長制度導入に伴う給与について、どのように考えておられるのか、企画総務部長の答弁を求めます。
○副議長(山田順子君) 畑企画総務部長。
 〔企画総務部長 畑  進君 登壇〕
○企画総務部長(畑  進君) 議員御発言のとおり、給与については、当分の間、60歳を超える職員の給料月額は60歳前の7割の水準に設定されます。これは、長年経験を積んでこられた職員の知見、能力、判断力などを総合的に勘案し設定されたものと承知しております。
 しかしながら、議員御発言のとおり、総人件費が増えることも想定され、市の財政にも少なからず影響があると考えられますので、国に対し、市長会等を通じて、必要な財源措置がなされるよう要望してまいります。
 以上であります。
○副議長(山田順子君) 有若 隆君。
 〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 6点目は、定年延長制度導入に向けた今後のスケジュールについてお伺いいたします。
 今回の地方公務員法の改正では、定年延長制度の施行期日は令和5年4月1日となっております。そこで、市では、定年延長制度導入により、改正が見込まれる条例等を作成するための経費として、議案第49号 一般会計補正予算(第5号)の人事管理費において、定年延長制度導入例規整備支援業務委託料154万円が計上されておりますが、定年延長制度導入に向けた今後のスケジュールについて、企画総務部長の答弁を求めます。
○副議長(山田順子君) 畑企画総務部長。
 〔企画総務部長 畑  進君 登壇〕
○企画総務部長(畑  進君) 国が示したスケジュールでは、今後、総務省から運用通知が示され、ブロック会議などでの制度説明、Q&Aの提供が予定されており、年内には条例改正案の骨子が提供されることとなっております。
 これらを参考に、役職定年制を含む組織・人事管理、給与等について検討し、職員団体等との協議を踏まえ、制度の運用方針を決定することとなります。
 制度の施行は令和5年4月ですが、60歳到達職員への事前の情報提供、意思確認が必要となりますため、予定どおり国からの情報提供がなされれば、令和4年3月には必要な条例、規則等の制定や改正を行いたいと考えております。
 私からは以上であります。
○副議長(山田順子君) 有若 隆君。
 〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 市職員の定年延長の最後の質問になりますが、7点目として、定年延長制度導入の効果と今後の課題についてお伺いいたします。
 今回の地方公務員法の改正により、市職員の定年延長という大きな変革のときを迎えておりますが、当市における定年延長制度導入の効果と今後の課題につきまして、副市長の答弁を求めます。
○副議長(山田順子君) 副市長 齊藤一夫君。
 〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 効果につきましては、質問の1点目の制度の趣旨に対する企画総務部長の答弁にもありましたが、今後、少子高齢化が進み、若年労働人口が減少する中で、一定数の労働力を確保することができます。
 また、個人にとっては、年金の支給年齢を引き上げている中で、年金を受給するまでの雇用が確保されることが挙げられます。
 また、実務におきましては、経験豊かな人材により、若手職員のサポートや育成にも力を注いでもらえることが期待できます。
 一方、今後の課題としては、議員が先ほどから御質問の際にも御発言されておりますが、大きく3点あると考えております。
 1点目は、職員の立ち位置について、どのような職、身分で、どの部署に配置するかといった点であります。具体的には、60歳で役職定年となることから、従来の役職を外れ、立場が大きく変わるため、現役職員との間で互いに戸惑いが生じることが懸念されます。
 2点目は、職員の働き方についてであります。フルタイムでの勤務のほか、再任用による短時間勤務も含め、該当職員がどのような選択をするかにより、配置や職も柔軟に対応する必要がありますが、砺波市の行政規模では、配置職場が限定されるなど、今後そうした問題があります。
 3点目は、採用計画への影響として、フルタイム雇用により新規採用がある程度抑制される可能性があります。加えて、定年延長する年次により職員数が異なることから、今後の職員の年齢構成等に影響を及ぼす可能性があります。
 このほか、人件費の増加なども懸念されることから、こうした課題や懸念に対しては、様々な状況を想定しながら、国や県、他市の動向も踏まえながら対応してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○副議長(山田順子君) 有若 隆君。
 〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) しっかりと準備をしていただいて制度設計もしていただくと、そしてまた、今ほどの答弁にありましたように、諸課題にしっかりと対応していただきたいというふうに考えます。
 次に参ります。2項目めの緑のまちづくりの推進についてお伺いいたします。
 1点目は、保存樹及び保存樹林の保全管理の実態調査についてお伺いいたします。
 私たちが暮らす砺波平野の景観は、家屋が点在する散居村のカイニョと呼ばれる屋敷林と相まって、四季折々、美しい田園風景を醸し出してくれています。この美しい景観が保全されてきたのは、先人のたゆまぬ努力と、それを受け継いできた温厚で気高い市民気質によるものであります。
 当市では、花と緑に包まれた美しいまちづくりの推進を図り、自然と調和の取れた生活環境を創造し、市民が健康で快適な生活に寄与することを目的に、平成5年に旧砺波市では花と緑のまちづくり条例を制定し、この条例に基づき、良好な景観の維持のため、学術的、歴史的に重要な樹木及び樹林を保存するため、その所有者及び管理者の同意を得て、平成5年度から保存樹及び保存樹林の指定を行い、平成7年度までに保存樹130本、保存樹林としての社寺林15か所、屋敷林26か所、生け垣10か所を指定されました。その後、指定樹木の消滅、新規の追加や旧庄川町との合併での調査、指定などにより、平成25年度までに保存樹136本、保存樹林として社寺林19か所、屋敷林21か所、生け垣8か所を指定されております。
 私たちの日々の暮らしは、住居の周りの屋敷林により快適な住環境にあり、先人から受け継いだこの屋敷林を守り育て、この美しい景観を次世代に引き継いでいかなければなりません。
 しかしながら、時代の移り変わりとともに生活様式も変化し、屋敷林は、その存在価値が薄れ、次世代を担う後継者との意識の相違によって減少している状況にあります。
 加えて、管理の負担や費用、さらに近年の剪定枝等の野焼き禁止による処分に苦慮し、屋敷林、特に杉の木を伐採するケースが増えている状況にあります。
 つきましては、昨年度、屋敷林の実態を調査されましたが、指定保存樹及び保存樹林としての社寺林、屋敷林、生け垣の実態についても調査すべきと考えますが、指定保存樹及び保存樹林の保全管理の実態調査について、商工農林部長の答弁を求めます。
○副議長(山田順子君) 島田商工農林部長。
 〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 保存樹等の実態につきましては、令和元年度に所有者の方へ保存樹等の管理に関するアンケートを行い、実態を既に調査しており、その後の保存樹等の指定解除等を加味すると、本年8月末現在、保存樹127本、社寺林21か所、屋敷林20か所、生け垣9か所を指定しております。
 また、随時、屋敷林等保全委員の方に現地視察を行っていただいており、保存樹の状態確認や管理等に関する御意見を伺うなど、日頃より実態把握に努めているところであります。
 なお、保全管理につきましては、保存樹等として指定した際には、指定標識を設置し、指定交付金を交付しておりますが、維持管理につきましては、個人の財産であることから、所有者においてお願いしているところでございます。
 私からは以上であります。
○副議長(山田順子君) 有若 隆君。
 〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 2点目は、保存樹及び保存樹林の保全管理に対する支援についてお伺いいたします。
 保存樹及び保存樹林の助成については、今ほどの答弁の中にもありましたように、指定時における指定交付金制度があります。
 しかしながら、屋敷林の剪定等の維持、管理に対する支援につきましては、散居景観を生かした地域づくり協定を結んだ地域の屋敷林の保存樹及び保存樹林については、平成14年度から補助制度がございます散居景観保全事業補助金の支援を受けることができますが、散居景観を生かした地域づくり協定地域外の保存樹及び保存樹林については、現在、支援を受けることができません。
 つきましては、散居景観を生かした地域づくり協定地域外の保存樹及び保存樹林の剪定等の維持、管理費に対する支援制度を創設して支援すべきと考えますが、保存樹及び保存樹林の保全管理に対する支援につきまして、市長の答弁を求めます。
○副議長(山田順子君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 今ほども部長が申し上げましたが、保存樹等への支援につきましては、制度上、指定時の一度となっておりまして、以後の保全管理につきましては、所有者にお願いをしているということでございます。
 有若議員におかれましては、この制度発足時の担当課長であったと伺っております。当時の状況や背景、それから、制度決定に当たっての支援制度のスキームなどについては十分議論されて、その上で、このような形になったというふうに思っておりますので、その点についても十分御承知のことと思います。
 その後、御紹介もありましたが、本市では、屋敷林保全の観点から、平成14年から県にも協力をお願いして散居景観保全事業をスタートし、散居景観を生かした地域づくり協定を締結した地区内であれば、今ほどの枝打ち費用等につきまして支援することとしたところでございます。
 しかしながら、御指摘にもありましたが、市街地など協定締結ができない地区では各種支援を受けることができないということは、御指摘のとおりでございます。
 一方で、保存樹等は景観まちづくり条例に明記されているとおり、先人から受け継いだ良好な景観を維持するため、次世代に引き継いでいくことは大切なことであると考えております。
 まずは、市街地みたいにどうやってもこの協定を結べないという地区は別にして、何とか地域の御協力を得られるところについては協定を結んでいただくことがまず一番でありますが、そういうことができない地区がたくさんございます。そういった中にも大きな保存樹等があります。こういったことも踏まえますと、現行の制度において、保全管理に支援を受けることができないという保存樹については、先ほどの散居景観保全事業とのバランスを考えますと、新たに制度を設けて支援することが適切ではないかと考えております。
 今後、屋敷林等保全委員会の意見も伺いながら、できるだけ早く対応できるように検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○副議長(山田順子君) 有若 隆君。
 〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 今ほど市長からの答弁にもありましたように、昔はこの事業に携わっておったわけでございます。時代の変遷とともに変化もしているということで、そしてまた、これに困っている市民の方もおられるということで、あえて質問をさせていただいたわけでございます。
 協定区域外の保存樹並びに保存樹林の管理費用につきましても支援をしていただいて、市民が公平に享受できるという体制、制度をつくっていただきたいというふうに考えております。
 そしてまた、保存樹並びに保存樹林を伐採してなくすことは非常に簡単なわけでありますが、復元することはできないわけでありまして、ましてや、この樹木等を持つ人との交流の歴史に至っては、再現は不可能であると考えているわけでございます。
 次に参ります。3項目めの安全で安心して暮らせるまちづくりの出町市街地及び市街地周辺の浸水(雨水)対策の推進についてお伺いいたします。
 1点目は、出町市街地の浸水(雨水)対策事業で整備いたしました豊町公園調整池及び三島町公園調整池の浸水(雨水)対策の効果について、まずお伺いいたします。
 近年頻発するゲリラ豪雨などにより、出町市街地及び市街地周辺において、床下浸水や道路の冠水、水路の溢水する被害が度々発生いたしました。
 そこで、市では、出町市街地及び市街地周辺の浸水対策を下水道事業による雨水排水整備で実施するため、平成26年度に公共下水道全体計画の見直しに着手し、平成27年度に全体計画が完了、平成28年度に雨水排水整備事業の中神・中神西排水区の基本設計に着手され、平成29年度に豊町公園調整池の実施設計を行い、平成30年度に工事が施工されて完成いたしました。また、平成30年度には三島町公園調整池の実施設計を行い、令和元年度に工事が施工されて完成いたしました。
 これら2か所の調整池には豪雨時に雨水を貯留することにより、出町市街地の中神西排水区の浸水被害を防いでいると考えます。
 つきましては、豊町公園調整池及び三島町公園調整池の整備による浸水(雨水)対策の効果につきまして、建設水道部長の答弁を求めます。
○副議長(山田順子君) 老松建設水道部長。
 〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 豊町公園及び三島町公園の調整池の整備による効果につきましては、両調整池が完成してから、施設稼働の回数や貯留量などを把握し、検証作業を行っております。
 稼働状況につきましては、整備後の最大時間雨量は31.5ミリであり、おおむね時間雨量20ミリを超える集中豪雨の際に稼働しており、豊町公園調整池が2年間で8回、最大時の貯留量が約940立方メートル、三島町公園調整池が1年間で2回、最大時の貯留量が約230立方メートルの実績となっております。
 このような稼働実績におきまして、浸水被害が発生しなかったことから、この両調整池の整備による対策効果が見られたものと考えており、今後も引き続き、稼働状況の調査検証を行ってまいります。
 以上であります。
○副議長(山田順子君) 有若 隆君。
 〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 今ほどの答弁にございましたように、調整池の整備によりまして対策の効果が現れているということでございました。
 2点目は、出町市街地及び市街地周辺の浸水対策の雨水排水整備計画の今後の事業予定についてお伺いいたします。
 出町市街地及び市街地周辺の雨水排水整備計画の中神排水区の駅南調整池と出町中学校調整池の2か所の工事施工と、杉木排水区の出町東部第3調整池と前川バイパス管の2か所の基本設計に着手し、今後、雨水排水整備計画を順次進めていかなければならないと考えます。
 つきましては、集中豪雨などによる出町市街地及び市街地周辺に対する浸水被害を防ぐため、雨水排水整備により、7年確率の1時間当たり54ミリ以下の雨水を貯留、流下に対応できる出町市街地及び市街地周辺の雨水排水整備を、第2次砺波市総合計画に掲げる10WAVE事業の防災力強化プロジェクトの事業に位置づけしておられますので、今後、順次整備を行い、住民が安全で安心して暮らせるまちづくりを進めていかなければならないと考えますが、出町市街地及び市街地周辺の浸水対策を図る雨水排水整備の今後の事業予定につきまして、建設水道部長の答弁を求めます。
○副議長(山田順子君) 老松建設水道部長。
 〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 雨水排水整備計画の今後の事業予定につきましては、まず、中神排水区における未整備の駅南調整池と出町中学校調整池の2か所につきましては、工事規模や施工による影響が大きいことから、今後、整備予定箇所の施設管理者と協議を行い、工事期間中の施設機能の確保や施工時期等について検討し、整備を進めてまいりたいと考えております。
 また、杉木排水区における出町東部第3調整池と前川バイパス管の2か所につきましては、現在、排水区全体の現状調査を行っており、今後、排水区への外水流入水量の詳細な調査を行った上で、より効果的な雨水排水ができるよう、基本設計を実施し、整備を進めてまいりたいと考えております。
 なお、これらの施設整備には多額の事業費を要することから、令和4年度を計画初年度とする第2次砺波市総合計画後期計画の10WAVEプロジェクト事業に、引き続き位置づけるとともに、国の防災・安全社会資本整備交付金を活用し、計画的に整備を行ってまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○副議長(山田順子君) 有若 隆君。
 〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 今ほどの答弁にございましたように、今後、出町市街地及び市街地周辺の浸水対策を図る雨水排水整備を計画的に進めていただきたいと考えます。
 次に、4項目めの学校施設の老朽化対策の推進についてお伺いいたします。
 1点目は、小中学校の大規模改造事業の進捗状況についてお伺いいたします。
 学校施設については、子供たちが安全で安心して豊かな学校生活が送れる学びやの整備を進めていかなければなりません。
 当市の小学校及び中学校の校舎及び体育館の耐震化につきましては、平成28年度までに耐震補強済みであります。
 また、学校施設の老朽化対策としては、建築部材の老朽化に対応、改修することで、施設の安全性を確保するとともに、教育内容や方法の変化に対応した改修を行うことにより、教育環境の改善が期待できる小中学校の大規模改造事業に順次取り組んでこられましたが、現在までの小中学校の大規模改造事業の進捗状況と今後の大規模改造が必要と考えられる学校施設について、教育委員会事務局長の答弁を求めます。
○副議長(山田順子君) 構教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 小中学校施設のうち、昭和56年以前に建てられ、耐震補強の必要があると判断されたものにつきましては、これまで順次、大規模な改修等により改善をしてまいりました。
 その対象とした学校は、小学校が5校、中学校が3校であり、平成28年度までに全ての学校におきまして耐震性を確保してきたところであります。
 しかしながら、昭和60年4月に統合校として開校した砺波南部小学校と、昭和61年4月に移転新築した庄西中学校につきましては、耐震基準は満たしているものの、それぞれ36年または35年が経過していることから、給排水衛生設備などの老朽化を考慮すると、今後、大規模な改修を検討する時期に来ているものと認識いたしております。
 私からは以上であります。
○副議長(山田順子君) 有若 隆君。
 〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 2点目は、小中学校の大規模改造事業の今後の取組についてお伺いいたします。
 今ほどの答弁にありましたように、昭和60年に建築し築36年経過した砺波南部小学校や、昭和61年に建築し築35年経過した庄西中学校について、学校施設の老朽化対策として大規模改造事業に取り組み、子供たちの学習環境の整備が必要であると考えます。
 つきましては、学校施設の老朽化対策を推進するため、第2次砺波市総合計画の後期計画の中で、小中学校の大規模改造事業を位置づけて取り組むべきと考えますが、今後の小中学校の大規模改造事業への取組について教育長の答弁を求め、通告による私からの一般質問を終わります。
○副議長(山田順子君) 教育長 白江 勉君。
 〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 砺波南部小学校及び庄西中学校の両校の校舎は、今日に至るまで建築当時のまま使用しております。
 いずれも整備後35年以上が経過しており、大規模改修を行った学校と比較しますと、使用感が生じておりますし、教室そばにオープンスペースがないなどの構造上の違いがあるものと承知しております。
 今後の両校の大規模改修につきましては、現在、砺波市立学校のあり方検討委員会で適正規模や適正配置等を協議していただいているところであり、その協議結果を踏まえて本市の方針を決定した後、総合計画に位置づけてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○副議長(山田順子君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時50分 休憩

 午後 1時00分 再開

○議長(川辺一彦君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 7番 境 欣吾君。
 〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 議長の許可がありましたので、通告に基づいて質問を行います。
 最初に、新型コロナウイルス感染症対策について質問します。
 国内では、新型コロナウイルス感染症の爆発的な感染拡大が進み、繰り返し緊急事態宣言が発出され、医療が逼迫した深刻な事態を招いています。
 こういった事態の下で、国は、重症患者と重症化リスクの高い患者以外は原則自宅療養とするという方針転換を発表しました。
 重症化リスクがないと判断された者は自宅に放置するという無責任極まるものです。軽症と思われ、自宅療養とされた方の症状が急変して重症化し、死に至る例もある、そういった報告が後を絶ちません。
 また、家庭内での感染の著しい増加も指摘されています。
 医療資源に限りがあるということでの苦肉の策かもしれませんが、新型コロナウイルス感染症が広がって対策が求められてきたこの1年半の間、行政は一体何をしていたのかと問われなくてはならないし、現時点でも、できることの全てをやり尽くすことが求められています。全ての患者に必要な医療の提供がなされることを求めたいと思います。
 富山県も警戒レベルをステージ3に引き上げ、12日までのまん延防止等重点措置が発出されたところですが、3桁を超える新規陽性者の数が連日報道されていました。
 県では、新型コロナウイルス感染症患者用の病床を532床にするとのことですし、民間のホテルを200室借り切り、さらに増やす方向で準備を進めているとのことです。
 しかし、気がかりなことがあります。例えば、8月23日現在、入院患者が264人なのに対し、入院中または入院調整中とされる方が957人とあります。入院が必要だが入院されていない方が差引き693人おられるということではないでしょうか。
 しかも、この入院が必要だが入院されていない方の数が、7月24日時点ではおられなかったのに、8月11日では76人、8月23日では693人と、感染が広がるほどに大きく増えていることです。
 これは、既に重症化リスクが小さいと思われる患者は原則自宅療養とする方針に切り替わっているのではないかと疑問でしたが、さきの知事の会見で、実際にそういうことになっているということが確認されました。重大な方針変更です。
 家庭環境などを考慮して機械的には判断しないとのことですが、医療のフォローからこぼれる患者が出てくるのではないかと大変心配です。
 そこで、強く要望したいのは、全ての患者に、症状に応じた必要な医療を提供することを大原則として、それから絶対に外れないようにしていただきたいということです。病床の確保と併せ、臨時の医療施設などを大規模に確保していただきたいと思います。
 福井県では、体育館に医療スタッフを配し、緊急施設として活用されると聞きます。体育館だと、限られた医療スタッフで多くの患者の様子を同時に見ることができるのだそうです。
 県でも、新たな宿泊療養施設の備えや抗体カクテル療法の柔軟な活用などを考えておられるようですが、医療資源を最も効率的に活用できるよう、知恵と力を結集していただきたいと思います。
 市民から、「感染者が増えているが、砺波市でも自宅に放置されることがないようにしてほしい」と心配する声が寄せられています。直接砺波市が手を下せる範囲を超えている問題についても国や県にしっかり市民の要望を伝え、医療の手が届かずに、患者が放置されて自宅で苦しまなくてはならないことがないようにしていただきたいと思います。齊藤副市長に答弁を求めます。
 次に、集団感染リスクのある施設での定期的検査の実施を要望したいと思います。
 感染拡大が爆発的に起こっていますが、感染伝播の鎖を断つための検査を、従来の枠にとらわれずに、大胆、大規模に行うことが必要です。いつでも、誰でも、何度でもの立場で検査が行われるよう強く要望するものです。
 ワクチン接種は進んでいますが、対策がワクチン頼みになってしまうことは危険です。接種が進んでいると言われる国での感染再拡大が伝えられ、アメリカでは3回目の接種を進めるとの報道もあります。希望する人の2回接種が終了するのをひたすら待つということでは、感染を封じ込めることはできないと考えます。
 富山県では、陽性率が著しく高くなっています。2か月前の7月5日時点では、検査数に対する陽性反応の割合が0.7%であったものが、8月22日には22.4%にまで引き上がっています。感染者の減少している現在も率は低いとは言えません。
 また、人口100万人当たりの感染経路が不明な患者数は、直近の1週間平均で、7月5日時点では0.8人であったものが、8月22日時点では47.8人となり、格段に跳ね上がっています。このことは、今の検査体制では発見することのできない感染者が相当数おられ、しかも増えていることを示しているのだと考えられます。
 こういう無症状の感染者をいち早く発見し、保護することができないと、感染の鎖は断てません。そのためには、今のように、陽性反応のあった方の濃厚接触者や、症状を訴えてこられて医師が必要と認められた方などに絞られた検査体制では不十分で、無症状の感染者を探し出す積極的な検査が必要です。
 高齢者施設や保育園、学校等でのクラスターの事例が報告されています。ここに勤務する職員はワクチン接種の優先対象者であり、希望される方の接種は完了したと聞いていますが、2回接種の方が接種後に感染、いわゆるブレイクスルー感染の例も伝えられているように、決して安心ということではありません。
 繰り返し要望しているように、集団感染リスクの高い施設で働く皆さんの定期的な検査が必要です。
 県では、6月から7月にかけて、このような施設で働く職員に検査を実施したと聞いていますが、1回きりではしっかりした対策にはなりません。このような施設で集団感染された方がそれぞれの家庭でまた感染を広げるという悪循環に陥らないためにも、定期の検査ができるようにすべきと考えます。
 2学期に入ると学校での感染拡大の懸念があり、国は抗原検査キットを配布する計画と伝えられていますが、使用法に課題もあるようです。精度の高いPCR検査を定期に実施すべきと考えます。
 集団感染リスクの高い高齢者施設や保育園、学校、放課後児童クラブなどの職員や利用者に定期的な検査が実施されるようにしていただきたいと思いますが、考えをお聞かせください。村井福祉市民部長に答弁を求めます。
 3つ目に、市民が気軽に検査を受けられる体制をぜひつくってほしいということです。また、感染していないか気になる一般の方が気軽に検査を受けられる制度をぜひともつくってほしいと思います。とりわけ、若年層での感染の広がりが顕著であり、この層の皆さんこそ検査を気軽に受けられる環境が必要です。
 さきの議会では、国の制度の及ぶ範囲が高齢者と基礎疾患を持った方に限られているので若年層の方への支援は困難であり、また、民間の安価な検査キットが普及しているので検査にアクセスしやすい環境になっているとのことでした。
 しかしながら、申し上げましたように、今の局面では、感染が広がっている若い世代の検査こそ積極的に行われるべきであり、国の制度が事態の進展に遅れているのであれば、事態に応じた制度となるよう国に強く求めなければならないし、国の制度の適正化を待たずに自治体独自の施策を講じることが必要なのではないでしょうか。
 砺波市でも、市の実施する制度で検査を受けようとしたが、自己負担があまりに高額で受検されなかった例があると聞きました。検査を受けようとする動機が弱かったと見るのではなくて、市民の不安を払拭する機会を逃してしまったと取るべきだと思います。
 また、民間の検査キットも種類によっては決して安価とは言えないし、また、検体の採取が個人に任せられ、結果の信憑性については個人責任となるものです。感染の広がり具合を行政がしっかりと把握するためにも、若い層の検査を行政が自らの仕事として行うべきではないでしょうか。
 誰でも、いつでも、何度でも検査を受けられるように、国、県に強く働きかけていただきたいし、市独自で実施できる検査体制を検討していただきたいと考えますが、見解をお聞かせください。村井福祉市民部長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 副市長 齊藤一夫君。
 〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 1点目の全ての患者への必要な医療の提供についての御質問にお答えをいたします。
 新型コロナウイルスに感染された患者さんの入院または療養先を、その症状や個人的環境に応じ、また、医療機関の空床数や宿泊療養施設の入所状況等を考慮の上、県がその割り振りを行っていますが、8月の中旬以降、富山市を中心に新規感染者が多発し、入院または入所の需要が増加した結果、入院調整中の人数が増加したものと聞いております。
 そのため、県においては、9月までのホテル療養施設の契約を延長、更新するとともに、8月27日からは新たな宿泊療養施設であるホテル1棟が受入れを開始し、県西部においても、ホテル1棟の確保に向け、準備が進められていると聞いております。
 こうした看護師等が常駐する宿泊療養施設の確保により、軽症または無症状の方は宿泊療養施設に入所し、一方、症状の悪化が懸念される患者さんは速やかに医療機関へ入院することができるようになり、より適切かつ必要な医療体制が確保できるものと期待しております。
 本市におきましては、林議員への答弁にもありましたように、市立砺波総合病院においては、入院が必要な患者さんを自宅療養としないために、可能な限り病床確保に努めております。
 また、厚生センターによると、本市では、これまで感染者が自宅待機になったり、自宅で放置されるケースはないとのことであります。
 一方で、最近の家庭内感染の拡大により、高齢者と中高年の子だけの2人世帯において、子が感染し、感染していない親だけが自宅に取り残されるケースがあります。また、親が感染し、子供たちだけが自宅に残されるケースなど、様々なケースが発生しております。
 こうしたケースに対しましては、個人情報に十分配慮しながら、厚生センターの指示に基づき、市の地域包括支援センターや健康センター、さらには学校等とも連携しながら対応しておりますし、これからも引き続き、状況に応じ、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 村井福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 私からは、まず、2点目の集団感染リスクのある施設での定期的検査の実施についての御質問にお答えいたします。
 国は、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大している地域においては、医療・介護従事者、入院・入所者等の関係者に加え、通所系の介護事業所に対し、PCR検査等による幅広い検査の実施に向けて取組を進めるよう、都道府県等に対して要請しております。
 また、県におきましては、県内の障害者や高齢者が入所する施設従事者を対象に一斉にPCR検査を行うとともに、希望する高齢者施設等へ国からの抗原簡易キットを配付したところであります。
 そうした中、8月に高岡市内の高齢者施設でクラスターが発生するなど、まだまだ予断を許さない状況が続いていることから、県に対し、高齢者施設等の職員、入所者への定期的な検査の実施を働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、3点目の市民が気軽に検査を受け得られる施策についての御質問につきましては、さきの6月議会でもお答えしたとおりでございますが、その上で、感染状況の把握は都道府県が行うこととされておりますことから、検査体制の充実や感染者の迅速な把握につきましては県に強く要望しているところであります。
 市としましては、今後、市民の若年層への新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種を進めることで、感染拡大の抑制につなげてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
 〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 市民の安心のため、引き続きよろしくお願いします。
 次の質問に入ります。
 子供の医療費助成について質問します。
 このことについては、昨年の2月定例会で私が質問して以降も、11月議会で山本篤史議員、そして、今年の6月議会で神島議員も取り上げておられます。市民の要望の大きさを示しているのだと思います。
 質問に対する当局の答弁では、現行の県の助成対象年齢の引上げについて、県、市町村の連携の下で要望を行いながら、あわせて、高校生までの助成拡充についても、助成制度への組入れを見極めながら検討していきたいとのことでした。
 さらに、今年1月に発足した県の「ワンチームとやま」連携推進本部において、子ども医療費助成事業における助成内容の拡充を検討すべきと提案したことで、県と市町村担当課による分科会での医療費助成の対象拡充についての議論が始まっているとのことでした。
 さきの質問でも述べたとおり、この制度の対象の拡大が全県的に進んだ現時点で、現行の富山県の入院で就学前までの支援、通院で4歳未満児まで支援というのはかなり遅れた状態だと言わなければなりません。
 近く「ワンチームとやま」の議論が行われると聞いていますが、現在実施されている県下の市町村の制度の内容にふさわしい支援制度となるよう、強く要望していただきたいと思います。
 その上で、検討したいと答弁のあった18歳までの医療費支援をぜひ実現していただきたいと思います。
 インフルエンザの予防接種では、県の未就学児までの補助という方針に市が独自に上乗せして中学生まで支援するというすばらしい方針が示されました。この問題でも、しっかり県に要望し、独自の施策も検討して、医療負担の心配なく子育てのできる環境をつくっていただきたいと思います。考えをお聞かせください。構教育委員会事務局長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 構教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 2項目めの子ども医療費助成についての御質問にお答えいたします。
 18歳までの医療費助成を拡大することへの御質問につきましては、これまでも県内市町村との連携を図りながら、県に対し助成対象年齢を引き上げることについて要望している旨を答弁してきたところでございます。
 現在、県内全ての市町村におきましては、中学校3年生修了までの通院、入院に対し助成対象としている現状でありますが、議員が御紹介されたとおり、県では入院で就学前、通院で4歳児までの支援となっており、市町村との助成対象に大きな差が生じているところであります。
 このため、まずは県による助成との差を改善していくことが必要であるものと考えており、過日開催の県市長会議において、全会一致で強く要望していくことが確認されたところであります。
 また、「ワンチームとやま」連携推進本部の分科会においても議論されていることから、県医療費助成の対象年齢の引上げに加えて、18歳までの医療費助成についても、県内市町村がより一層連携を図り、取り組んでいく必要があるものと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
 〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) よろしくお願いいたします。
 次の質問に入ります。
 移動に難のある市民の生活支援について質問します。
 高齢者人口が増えることに伴い、運転免許証の返納や身体機能の衰えなどで移動範囲が制限され、日常生活の質を保つことが困難な方が増えています。日々の生活必需品を購入することが思うようにできない、いわゆる買物難民と言われる方も増えているようです。
 砺波市では、そういった方を支援するために、民間業者とも連携しながら様々なサービスや情報提供を行っています。介護サービスの対象ではなくても、食材や弁当の配達、見守り、安否確認など、様々な事業が介護事業者や生活協同組合、食材宅配業者やスーパーなど、多様な皆さんによって行われています。
 免許証を返納し、足腰が弱っておられる老夫婦から、週に2度、移動スーパーが来てくれて大変助かっているという話を聞き、とくし丸についてお話を伺ってきました。また、とくし丸に同行して、店員さんや利用者のお話も聞かせていただきました。
 現在8台が動いているとのことでしたが、砺波市を網羅しながら、富山市から依頼された旧大山町のほか、高岡市から南砺市にまたがる大きなエリアで営業しているが、要望に全て応じているとのことでした。
 身近ないつもの場所で商品を目の前にしながら、あれこれと品を選びながら買物をするのは、カタログなどで指定したものを届けてもらうのとは違う独特の楽しさがあるし、常連客同士が会話を楽しむ場所にもなっているようです。いつもの待ち合わせ場所には、机とそれを囲むように椅子が並べてあるところもありました。
 「免許証がないのでここまで来てもらって助かる。本当によくしてもらっている」と言いながら、購入した品をリュックに入れて背負い、歩いて自宅に向かわれる方もおられました。
 また、買物以外の用事も頼まれることがあるとのことでした。雨漏り修理やふすま張りなどの要望にも、親交のある事業者に連絡をして応えられるようにし、20業種ほどの事業者がとくし丸の事業を通じてつながっているとのことでした。
 週に2度のペースで回るので、いつもの客が来られないとどうしたのかと気にかける見守りの機会にもなり、何か妙だとお客さんのお宅を確かめに行って、重大な事態を発見することも何度かあったとのことでした。
 高齢者が住み慣れた地で安心して生活する上で、単に買物への手助けというだけでなく、日々の困り事にも応えていく欠かせない役割を果たしておられると感心しましたが、公としての営業ではありませんから、公平に漏れなく要望に応じなければならないということではありませんし、持続性が何かに保障されているわけでもありません。利益の厚い事業ではないので、仕入れ、販売の安定したバックボーンと営業のノウハウなどが求められ、簡単な参入は困難ではないかとのことでしたが、とくし丸を利用しておられる皆さんの声や要望を知ることは、行政として市民の皆さんの生活を支えていく上で貴重な助けになるのではないでしょうか。
 来てほしいと要望があれば基本的には応えているということでしたが、顕在化しないが困っておられる方がさらにおられるのではないか、新たにサービスを必要とする方が生まれているのではないかと気にかかるところです。
 そこで提案ですが、とくし丸をはじめ、移動の困難な人たちを支える仕事をしておられる民間の方々と定期に話合いの機会を持つことはできないでしょうか。時々のリアルな住民の皆さんの声を聞く、また、事業を行う皆さんが仕事をしやすいように情報を返す、そういったことによって、移動の困難な市民の皆さんへの行政的な課題や解決の新たな方向が見えてくるということもあるのではないかと考えますが、村井福祉市民部長に答弁をお願いします。
 以上で私の質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 村井福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 私からは、3項目めの移動に難のある市民の生活支援についての御質問にお答えいたします。
 現在、事業者とは地域見守り活動に関する協定を締結し、8台のトラックに対しまして、認知症高齢者等SOS緊急ダイヤルシステム事業の協力事業者として登録いただいております。高齢者のサポート体制につきましては既に連携しているところでございます。
 本市では、これまでに各種研修会でとくし丸の活動を紹介していただくとともに、毎年、生活支援体制推進会議を開催し、生活支援サービス等の情報交換を行っております。また、地域で抱える課題につきましては、地区福祉推進協議会が開催しております懇談会へ参加し、地域の情報収集を行っているところでございます。
 今後とも、とくし丸など高齢者を支える生活支援サービスの取組について、住民の皆さんや介護事業関係者等に分かりやすく伝えていくとともに、生活支援サービス事業者や関係する団体との情報交換及び情報共有を進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。

 午後 1時29分 休憩

 午後 1時32分 再開

○議長(川辺一彦君) それでは、再開いたします。
 11番 雨池弘之君。
 〔11番 雨池弘之君 登壇〕
○11番(雨池弘之君) 議長のお許しをいただきましたので、今定例会のトリを務めます。
 それでは、通告に従い、分割方式による質問と若干の要望並びに提案をさせていただきます。
 まず、第1項目めの第2次砺波市環境基本計画の策定に向けた取組についてお伺いいたします。
 国では、平成24年4月に、人の健康や生態系に対する安全の確保を前提に、低炭素、循環、自然共生が総合的に達成され、安全が確保される社会を目指すとし、第4次環境基本計画を策定されました。
 また、富山県でも、平成24年3月に「水と緑に恵まれた環境が保全・創造され、人と自然が共生しながら発展する富山」を目指すとし、富山県環境基本計画が策定されています。
 このような状況を踏まえ、砺波市では、砺波市環境基本条例に基づき、良好な環境の保全と創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するとして、となみエコライフプラン(砺波市環境基本計画)を平成26年度から平成35年度までの10年間として策定され、花、緑、水が潤う持続可能な社会の実現を目指すとし、5つの基本目標と各種施策等を展開されています。
 ところで、砺波市環境基本計画の策定から7年が経過しました。この間、国では、第5次環境基本計画が策定され、また、社会情勢も大きく変化し、環境保全に関する意識やコロナ禍による生活スタイルの変化が進み、再生可能エネルギーへの転換や節電、省エネルギー、脱炭素社会など、より環境に配慮した持続可能な社会への転換が今まで以上に強く求められるようになってきました。
 そこで、まず、5つの基本目標に対する各種施策等の成果や課題及び評価について、村井福祉市民部長にお伺いします。
 次に、菅首相は、昨年10月の臨時国会で2050年までに温室効果ガス実質排出ゼロを目指すと宣言され、これを受け、政府は、12月に2050年の脱炭素化に向けたグリーン成長戦略を策定し、家庭、運輸、産業の各部門のエネルギー利用をできるだけ電気で賄い、使用量が増える電力部門では、再生可能エネルギーの導入を加速させる脱炭素を経済成長の制約、コストとする時代は終わり、国際的にも成長の機会と捉えられる時代になっているとし、洋上風力や水素、自動車、原子力など14の分野での重点取組の方向性や数値目標を掲げ、二酸化炭素(CO2)の排出量を2050年に実質ゼロにする。また、2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減するという目標の実現に向け、企業や自治体、家庭が取り組むべき具体策として、家庭部門で66%、業務部門で50%、産業部門で37%、それぞれ減らすとし、家庭に大幅な削減を求める内容となっており、そのほかにも地球温暖化対策の計画等の見直しなど、各種取組が進められています。
 そこで、第2次砺波市環境基本計画策定に向けた取組状況やスケジュール等について、村井福祉市民部長にお伺いします。
 次に、令和2年版環境白書では、地球環境は危機的な状態にあるとし、特に、地球温暖化や海洋プラスチック問題が大きく取り上げられています。
 温暖化については、世界で発生している熱波や大雨、干ばつなどの異常気象は人間の活動が影響している。地球温暖化の進行でこうした災害は拡大しており、また、地球温暖化の原因となっている温室効果ガスの排出量は年々増加の一途をたどっており、2015年の温暖化対策の国際枠組み、パリ協定では、温度上昇を2℃未満、できれば1.5℃に抑える目標が掲げられました。
 この目標を達成するために、2050年までに温室効果ガスをゼロにする必要がある、また、海洋プラスチックの問題も深刻であるとあります。
 2050年には、海に漂うプラスチックゴミの重量が魚の重量を超えるとの試算があります。プラスチックを食べた魚を私たちが食すことによる健康リスクが指摘されています。
 以上の状況を踏まえたとき、見直しが予定されている第2次砺波市環境基本計画の中で地球温暖化や海洋プラスチック対策についてしかるべき目標を設定し、取り組むべきと考えますが、村井福祉市民部長の考えをお伺いします。
 次に、地球温暖化問題が深刻度を増すに従い、小水力発電の利点が見直され、脚光を浴びているとあります。太陽光発電や風力発電よりも発電効果が優れたエネルギー源として高く評価されています。
 また、小水力発電は、基本的には適度な落差と流量さえあれば、どこでも設置が可能とあり、一級河川、農業用水路、上水道、下水処理排水、ダムの維持放流水などが利用できるとあり、特に、近年は急速に上水道を利用しての小水力発電が進められているとあります。
 ところで、富山県では、従来から豊かな水資源や急流河川を生かした水力発電が盛んに行われており、現在も発電電力の約7割を水力発電が占めるなど、日本でも有数の再生可能エネルギー先進県となっているとあります。
 小水力発電は、先ほども申し上げましたが、身近な河川や農業用水路などを利用して発電ができること、CO2の排出量が少なく環境への負荷が少ないこと、太陽光や風力に比べ気象の影響が小さく安定した発電が可能であることから、包蔵水力が全国2位という高いポテンシャルを生かし、積極的な導入促進に取り組むとあります。
 また、富山県では、元気とやま創造計画の中で、小水力発電所の整備目標を令和8年までに60か所以上にするとされています。県内の小水力発電所は、令和2年3月時点で48か所となっています。
 今後とも、農業用水路等を利用した小水力発電の整備を一層推進していくとあります。
 さて、本市には、安川発電所ほか6か所の富山県企業局や土地改良区が管理する発電所があり、また、本市においても、上中野配水場にマイクロ水力発電所を導入し、二酸化炭素の排出を削減し、地球温暖化防止に貢献されています。
 そこで、第2次砺波市環境基本計画において、小水力発電の設置について積極的に推進していくべきと考えますが、村井福祉市民部長の考えをお伺いし、1項目めの質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 村井福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 私からは、1項目めの第2次砺波市環境基本計画の策定に向けた取組についての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の第1次砺波市環境基本計画の基本目標に対する各種施策等の成果や課題及び評価についての御質問につきましては、第1次砺波市環境基本計画では、5つの基本目標の実現のため、38項目の具体的な取組、この取組を展開するために55項目の行動指標を設定しております。
 現在は、第2次砺波市環境基本計画策定に向け、取組や行動指標の評価を行っているところであります。
 これまで成果のあった事例としましては、地区の自治振興会や自治会、市民の皆様に御協力いただいております資源ごみの分別、そして、不燃ごみの再資源化、有価物集団回収などにより、砺波市のごみのリサイクル率は、平成26年度の17.3%から令和元年度では27.7%と、10ポイント以上上昇しているところであります。
 また、今後の課題として、現在、屋敷林保全や野焼き対策として、剪定枝回収の実証実験や、本年7月に落葉等の専用ごみ袋を導入するなどの取組を進めているところですが、今後、より一層の野焼きに代わる処理方法や剪定枝等を活用したバイオマスへの取組が求められております。
 全体の評価につきましては、おおむね中間目標を達成しており、評価できるものと考えております。
 今後も継続して各種施策を進めてまいります。
 次に、2点目の第2次砺波市環境基本計画策定に向けた取組状況やスケジュールについての御質問にお答えいたします。
 第2次砺波市環境基本計画は、その計画期間を令和6年度から令和15年度の10年間を予定しており、砺波市環境審議会に諮りながら、令和5年度中の策定を予定しております。
 そのため、今年度は第1次砺波市環境基本計画の各種施策の取組や行動指標についての評価を行っているところであります。
 また、令和4年度から令和5年度にかけ、市民及び事業所へのアンケート調査を実施するとともに、第2次砺波市環境基本計画の骨子、施策体系、計画素案を環境審議会において審議いただき、計画案についてパブリックコメントで広く市民の方からの御意見をお聞きし、令和5年度中の策定に向け進めてまいりたいと考えております。
 次に、3点目の地球温暖化や海洋プラスチック対策についての御質問にお答えいたします。
 地球温暖化対策につきましては、市では、これまでも防犯灯のLED化など省エネルギーの推進、太陽光・小水力発電など再生可能エネルギーの導入促進、森林の整備や緑化の推進、不燃ごみの再資源化など、温室効果ガス削減に向けた対策、施策を積極的に推進してきたところでございます。
 また、海洋プラスチック対策につきましては、県、富山県環境保健衛生連合会主催の「みんなできれいにせんまいけ大作戦」への市民の方々への参加の呼びかけや、使い捨てプラスチック製品をできるだけ使わないことや分別ル-ルに従ったリサイクルを心がけるエコライフの推進について周知を図ってきたところでございます。
 第2次砺波市環境基本計画では、長期目標として2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、脱炭素社会に向けた施策を進めるとともに、海洋プラスチック対策につきましても検討してまいりたいと考えております。
 次に、4点目の小水力発電の設置についての御質問にお答えいたします。
 市内の小水力発電につきましては、議員御発言のとおり、富山県企業局や用水土地改良区で管理する小水力発電所が設置されているほか、市におきましても、平成29年度に上中野地内に上中野配水場マイクロ水力発電所を設置し、市の持つ豊かな水資源を活用しているところです。
 小水力発電を含む再生可能エネルギーにつきましては、国の第5次環境基本計画では、重点戦略の一つとして、地域資源を活用した持続可能な地域づくりとして地域のエネルギー・バイオマス資源の最大限の活用が挙げられているほか、地球温暖化対策や2050年カーボンニュートラル実現に向け、各種取組が実施、検討されております。
 また、富山県の元気とやま創造計画では、重点戦略の一つとして、災害に強く、環境にやさしい持続可能な県づくり戦略を挙げ、その中で、多様な再生可能エネルギーの導入・活用と新たなエネルギーの利活用として、地域特性を活かした小水力発電や地熱発電等の導入推進を進めることとしております。
 本市におきましても、砺波市環境基本計画で再生可能エネルギーの啓発と活用を挙げており、小水力発電として上中野配水場マイクロ水力発電所を設置したほか、岸渡洪水調整池太陽光発電設備の設置や、体育センター、図書館での地中熱を利用した空調システムの導入など、再生可能エネルギー設備を取り入れてきたところでございます。
 そのため、第2次砺波市環境基本計画において、小水力発電等の再生可能エネルギーを積極的に推進していくべきと考えており、現状では、市内では、市以外に県の企業局ですとか土地改良区のほうで小水力発電設備も数多く実施されております。
 なお、小水力発電を市で設置する場合には、設置場所の選定ですとか導入コスト等も重要であることから、費用対効果等を考慮し、検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 雨池弘之君。
 〔11番 雨池弘之君 登壇〕
○11番(雨池弘之君) では、次に、2項目めのコロナ禍における観光産業等に対する支援策についてお伺いします。
 新型コロナウイルス感染症が昨年の1月15日に国内で初めて確認されて以来、今年の8月25日には、東京都をはじめ、21都道府県に緊急事態宣言が再発令、また、12県にまん延防止等重点措置が適用され、新型コロナウイルス感染症の流行は第5波が鮮明となり、夏休みの旅行や帰省の原則中止、延期が求められるなど、いまだ終わりが見えない状況であります。
 ところで、2021年版観光白書によれば、2020年の国内旅行消費額は前年に比べ約6割も落ち込んだ。コロナ禍に見舞われ、かつてない厳しさとあります。
 昨年の7月から12月に実施された観光支援事業、GoToトラベルは、国内宿泊旅行の66%で利用された。また、コロナ禍をきっかけに旅行スタイルに変化が見られ、近場での短期の宿泊が増え、また、身近な人以外との旅行を避ける傾向も顕著になった。緊急事態宣言の発令と解除が繰り返され、県境をまたぐ移動の自粛を余儀なくされ、地元の魅力を見直す機会になったとあります。
 GoToトラベル利用者のうち、3割強の人が住んでいる県内で使用、また、1泊が7割を占め、同伴者は夫婦、パートナーが増え、友人が減ったとあります。
 こうした中、観光列車「べるもんた」が、7月4日から日曜日の1号が砺波駅が始発となることになりました。土曜日に砺波市で1泊し、翌朝に氷見市へ向かうパックが提案できると、観光関係者は新型コロナウイルス感染症で落ち込む観光需要の拡大につながると期待されています。
 さて、令和3年3月議会において、TONAMI-STAYキャンペーンの再実施について質問をしたところ、4月には砺波市キャッシュレス決済還元事業を、6月には砺波市プレミアム付商品券の発行を計画しており、市内のホテル、旅館や観光施設もその対象施設となることから、再実施するのではなく、まず、この事業の実施により宿泊需要を下支えする支援に努めていくと答弁されていました。
 そこで、まず、砺波市キャッシュレス決済還元事業の実績や成果並びに砺波市プレミアム付商品券の現時点での進捗状況や今後の取組について、島田商工農林部長にお伺いします。
 次に、過日、砺波商工会議所と庄川町商工会より砺波市プレミアム付商品券の追加発行の要望があったと聞いておりましたところ、早速、市では、第2弾の追加として今8月議会に補正予算として提出されており、評価するものであります。
 なお、TONAMI-STAY事業の再実施についても要望されていたとあります。
 富山県では、県民に向けた宿泊割引キャンペーンの対象者に、これまで同居家族か1人だけの利用に限っていた条件を4人以下のグループでも使用を可能とするとされ、新型コロナウイルス感染症後も見据えた支援策を取っておられます。
 観光事業者を下支えするため、続けられる限り続けたいとありましたが、8月16日に富山県はステージ3に引き上げられ、宿泊割引キャンペーンを一時停止されたのであります。
 県内の各宿泊施設では感染防止対策を徹底され、県民も県内なら安全との意識もあっただけに、業界の方々の落胆も大きく、県内のホテルや旅館に打撃を与えるのは必至とあります。
 ところで、TONAMI-STAY事業については、4月に実行委員会が設置され、今は14施設が対象となっていると聞いております。
 そこで、TONAMI-STAY事業に対し、今後どのような施策を考えておられるのか、島田商工農林部長にお伺いし、2項目めの質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 島田商工農林部長。
 〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 私からは、2項目め、コロナ禍における観光産業等に対する支援策についての御質問にお答えします。
 まず、1点目の砺波市キャッシュレス決済還元事業の実績や成果並びに砺波市プレミアム付商品券の進捗状況や今後の取組についての御質問につきましては、4月1日からQRコード決済、PayPayを利用した非接触型のキャッシュレス決済の導入、利用を促進し、地域経済の活性化を図ってまいりました。
 実績といたしましては、キャンペーン期間は9日間で、還元額が1億5,000万円の予算に対して、決済額が1億4,000万円余りでありました。
 主な成果といたしましては、キャンペーン実施前の利用可能店舗数が約600店舗であったものが、キャンペーン実施時には約900店舗に増え、さらに、7月末現在で1,000店舗を超え、利用可能店舗数の増加につながるとともに、店舗での利用率及び決済額は約2倍となりました。
 また、全体の決済金額は約7億8,000万円余りで、キャンペーン期間中に決済を利用された人数は約5万人となり、地域別に申し上げますと、約3割が砺波市、約2割が高岡市、約1割が富山市、射水市、南砺市となっております。
 見込みどおり利用可能店舗数が拡大し、決済金額も大きかったことから、これまで低調でありました非接触型のキャッシュレス決済の普及が一定程度図られるとともに、消費の喚起に大きな効果があったものと考えております。
 次に、6月1日から利用開始しました砺波市プレミアム付商品券の発行につきましては、1万2,000円の商品券を1万円で購入するもので、5,000セット発行いたしました。
 取扱登録店舗は253店舗となっており、8月末時点での利用率は約60%で、利用の内訳といたしましては、大型店で約6割、それ以外の店舗では約4割となっております。
 今後も、引き続き商工団体等と連携しながら、取扱登録店舗数のさらなる拡大と商品券の利用促進を図ってまいりたいと考えております。
 なお、今後の取組につきましては、今議会において砺波市プレミアム付商品券の追加発行について補正予算をお願いしているところであり、昨日、山本善郎議員の代表質問にもお答えしたとおり、県事業との連携を検討してまいりたいと考えております。
 次に、2点目のTONAMI-STAY事業に対する今後の施策についての御質問にお答えします。
 議員御発言のとおり、新型コロナウイルス感染症拡大により、観光産業の落ち込みは大変大きいものとなっております。中でも、宿泊事業者においては、国のGoToトラベルや県の「地元で泊まろう!県民割引キャンペーン」、「地元で愉しもう!とやま観光キャンペーン」など様々な支援はあったものの、令和2年の県内宿泊者数は前年に比べ40%以上減少し、大変厳しい状況になっております。
 このことから、本年4月には、市内を中心としたホテルと旅館14施設が連携し、TONAMI-STAY実行委員会を発足させました。現在、宿泊需要の回復に向け、特にアフターコロナを見据えた、宿泊の質を向上させるための着地型旅行商品の開発やインバウンド回復時に対応するためのウェブサイトの多言語化に取り組んでおられ、市といたしましても、これらの事業に対し、しっかりと支援してまいります。
 また、8月16日から富山県の警戒レベルがステージ3に引き上げられたことに伴い、市内の宿泊施設でも宿泊予約のキャンセルが相次いでおり、さらに厳しい状況となっていることから、これに対する緊急的な支援策を、現在、TONAMI-STAY実行委員会の御意見も伺いながら検討しているところでございます。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 雨池弘之君。
 〔11番 雨池弘之君 登壇〕
○11番(雨池弘之君) では、次に、最後の3項目めのキャッシュレス決済の普及促進についてお伺いします。
 キャッシュレス決済は、ウイルスを媒介する可能性が大きい現金に触れる機会を減らす環境が構築されるなど衛生面が考慮され、特に今日のコロナ禍に対し、1つの有効な手段であると思います。
 経済産業省が2018年4月にキャッシュレス・ビジョンを公表され、今、国を挙げてキャッシュレス化の動きが加速しています。
 ところで、世界各国のキャッシュレス決済比率を比較すると、進展している国では40%から60%台であるのに対し、日本は約20%台にとどまっているとあります。
 そこで、経済産業省では、2025年の大阪・関西万博に向けて、キャッシュレス決済を現状の倍の40%にするという方針が示されています。
 こうした中、本市では、本年4月より砺波市キャッシュレス決済還元事業の実施、また、チューリップフェアの入場に対しキャッシュレスを導入され、また、この10月1日より市の9施設等でキャッシュレス決済を導入するとあり、コロナ禍において、接触機会の減少や決済手段の拡大による住民サービスの向上を図ろうとされていることは評価するものであります。
 そこで、今後、キャッシュレス化を予定されている施設や指定管理を受けている民間事業者等に対しても、キャッシュレス化に向けサポートすべきと思いますが、畑企画総務部長にお伺いし、3項目めの質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
 畑企画総務部長。
 〔企画総務部長 畑  進君 登壇〕
○企画総務部長(畑  進君) 私からは、3項目めのキャッシュレス決済の普及促進についての御質問にお答えいたします。
 まず、本市におけますキャッシュレス決済の導入につきましては、既に市税の納入と上下水道料や開栓手数料の支払いにおいて、スマートフォンを利用したバーコード決済を行っております。
 その上で、コロナ禍においては、速やかに接触機会の減少を図るとともに、決済手段の拡大による住民サービスの向上を図る必要があるということから、10月1日からは、まず、住民票の発行など市民に身近なサービスについて、QRコードを利用したキャッシュレス決済の導入を行い、その成果と課題を見極めながら、今後さらに導入範囲を広げていくスモール・スタートというふうにしたものであります。
 今後は、新たに12月より販売を予定しております市営駐車場の回数券の支払いなど、その他のサービスについてもキャッシュレス決済が導入できないか、引き続き検討を進めてまいります。
 また、指定管理者等の民間事業者へのサポートにつきましては、既に県外からの来館者の多いチューリップ四季彩館では、QRコード決済など多様な決済手段を導入していることから、そういった取組を指定管理者の方々に紹介するなど、キャッシュレス決済の普及促進を図ってまいります。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
 これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。

議案の常任委員会付託
○議長(川辺一彦君) ただいま議題となっております議案第49号 令和3年度砺波市一般会計補正予算(第5号)から議案第59号 市道路線の認定及び廃止についてまで、認定第1号 令和2年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定についてから認定第8号 令和2年度砺波市病院事業会計決算認定についてまでは、会議規則第37条第1項の規定により、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会及び決算特別委員会に付託いたします。

日程第2
コロナ禍による米の需給改善と米価下落の対策を求める請願

請願の常任委員会付託
○議長(川辺一彦君) 次に、日程第2 コロナ禍による米の需給改善と米価下落の対策を求める請願については、お手元に配付してあります請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。

○議長(川辺一彦君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。
 次に、議会の日程を申し上げます。
 明9月8日は産業建設常任委員会を、9日は民生病院常任委員会を、10日は総務文教常任委員会をそれぞれ開催し、付託議案等の審査を行います。
 お諮りいたします。明9月8日から9月13日までの間、議案審査等のため本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(川辺一彦君) 御異議なしと認めます。よって、明9月8日から9月13日までの間は、議案審査等のため本会議を休会することに決しました。
 なお、次回の本会議は、9月14日午後2時から再開いたします。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 どうも御苦労さまでした。

 午後 2時11分 閉議