1.会議の経過
午前10時00分 開議
○議長(川辺一彦君) ただいまの出席議員は18名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
○議長(川辺一彦君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問並びに議案第4号 令和4年度砺波市一般会計予算から議案第28号 令和3年度砺波市病院事業会計補正予算(第4号)まで、及び報告第1号 専決処分の承認を求めることについてから報告第3号 専決処分の承認を求めることについてまでを議題といたします。
昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
2番 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 皆さん、おはようございます。
議長より発言の許可をいただきましたので、通告に基づき、一問一答で質問と提案をさせていただきます。
まず最初に、新型コロナウイルス感染症に負けない取組についてお伺いいたします。
砺波市でも感染の拡大が収まらず、罹患された皆様には心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い回復をお祈りいたします。また、医療従事者の皆様をはじめ、ワクチン接種に協力いただいております皆様には、大変な緊張感を持って市民を守っていただいていることに感謝を申し上げます。
さて、オミクロン株の流行によりウイルスが再度猛威を振るい、市民の生活を脅かしています。特に、ワクチン接種の行われていない10代未満や10代の若年層に感染者が多く見受けられます。
また、オミクロン株は重症化率が低いのではないかと受け止められていますが、感染者数が多くなると、医療が逼迫する危機的状況になると認識することも重要だと思われます。
オミクロン株はなかなか手強く、市民にとって緊張した生活が続きます。国内では、新たなステルスオミクロン株の市中感染も認められており、より感染力が強く、感染のピークが収まることなく次の感染が拡大するのではないかという見方もあります。
気を緩めることなく、正しく恐れ、これまでどおり市民の高い意識で、正しいマスクの着用や手洗い、手指の消毒、換気をしっかり行い、ワクチンの接種を受け、感染を防ぐ、感染しても重症化しない、そして、感染者や濃厚接触者への偏見のない対応を取っていくことが大事だと思われます。
3回目ワクチン接種の取組と経過について、ワクチン接種を希望している未接種者への対応と進捗についてお伺いします。
現在、3回目のワクチン接種が行われています。本市でも、3回目の接種を受けるに当たり、2回目接種後6か月を経過した人も接種の予約が可能となりました。これは、市民にとって安心につながる対応と思われます。
一度接種を受けた高齢者の中で予約ができない方は少ないと思われますが、しばらくは寄り添う予約のサポートが必要と思われます。
砺波イオンに特設会場を設け、ウェブ予約のお手伝いをされたことはよかったのですが、初日は長蛇の列となり、かなり待ち時間が発生したようです。市民の感染予防への意識の高さを感じました。しかし、そこに出向けない人、耳が遠く電話での会話がしづらい人もいらっしゃると思います。今は寒いから暖かくなってから受けようと考えている人もいるかと思われますので、引き続き接種の呼びかけをしていただきたいと思います。
また、モデルナ接種に抵抗があるという声もありますが、市長と副市長は既にモデルナを接種されているとお聞きしました。私も来週、3回目の接種はモデルナを打つ予定であります。
本市の3回目接種の進捗状況、並びに3回目接種後の重篤な副反応の報告があるかをお尋ねします。
○議長(川辺一彦君) 村井福祉市民部長。
〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 3回目ワクチン接種につきましては、現在、市内26の医療機関による個別接種と、砺波まなび交流館での集団接種に加え、ものがたり診療所においてサテライト会場を設け、接種間隔については、全ての対象者を2回目接種から6か月経過後に前倒しして実施しているところであります。
3月2日現在の接種状況につきましては、1万1,282人の方が接種を終えており、接種率は18歳以上の接種対象者の27.5%であります。現在の予約状況を見ますと、2回目の接種から6か月を経過している対象者の約4割の方が3月中に接種を終える見込みとなっております。
また、集団接種ではモデルナ製ワクチンを使用しており、今月の15日以降は個別接種でも使用することとしておりますが、今のところワクチンの種別による大きな影響は、接種予約にはない状況と見ております。
現在は、2回目接種から6か月経過後に接種券を順次発送し、希望者への接種を行うとともに、3回目の未接種者への勧奨はがきによる案内を行うなど、引き続き接種率向上に向けた取組を進めてまいります。
なお、3回目接種後のアナフィラキシー症状や予防接種との関連を否定できない重篤な副反応の報告はございません。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 報告された副反応に重篤な症例はないとお聞きし、安心して3回目の接種につながることと思います。そして、ますますこのワクチン接種が加速されることを希望します。
続きまして、5歳から11歳へのワクチン接種を安心して受けることのできる取組についてお伺いします。
今回のワクチン接種は、新型コロナウイルス感染症の緊急の蔓延防止の観点から実施されるものであり、接種に御協力をいただきたいという趣旨で、接種を受けるよう努めなければならないという接種の強制ではなく、あくまでも納得した上で保護者に接種の判断をいただくことになります。
本市でも、3月には接種が開始される準備が整っているようです。ワクチン接種の効果は高いものと思われます。接種券には接種に対する説明書を同封されるのですが、ほかの自治体では、早い段階で市のホームページに接種を受けるための情報や、混乱せずに予約を開始するための周知がされています。
本市においては、5歳から11歳の接種に向けての情報発信がやや弱いと思われますが、今後どのように対応されるか、お尋ねします。
○議長(川辺一彦君) 村井福祉市民部長。
〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 5歳から11歳へのワクチン接種につきましては、2月28日に対象者へ接種券を発送し、予約受付を開始しております。今月9日から個別接種を始め、12日からは集団接種を実施することとしております。
接種に関する周知につきましては、市の広報ですとかホームページやツイッターに掲載するとともに、接種券に同封しました説明書には、ワクチン接種の効果とともに、副反応などのリスクがあることも掲載されております。保護者と本人が納得された上で接種できるよう、必要な案内を行っているところであります。
また、保護者の方の多くは、既に1・2回目の接種をされている方も多く、接種予約や接種については、スムーズに行われるものと考えております。
今後とも、接種に関する積極的な情報発信に努めてまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 子供の感染を防ぐことが家族間の感染を防ぐ鍵になると思われますので、多くの方に理解をいただき、安心して接種を受ける体制につながればと思っております。
次に、自宅療養者の実態把握と支援についてお伺いします。
現在、感染した軽症者、無症状者の多くの方が自宅療養であるとお聞きします。療養者は、厚生センターの指示の下、回復を待つ状態が続きます。
本市では、感染者数の把握はされているようですが、自宅療養者に対する本市からの支援は行われていません。
現在、感染経路は家族間が最も多く、家族全員が感染者になる場合もあります。また、独り暮らしで近親者、知り合いが近くにいない、そのような方たちには支援の手を差し伸べることが必要と考えます。
自宅療養者から本市への相談はないようですが、ないからよいのではなく、外出できない方には、本市から物資の支援を行うことにより、取りこぼさない取組につながると思われます。
また、誰もが感染する可能性があるため、家庭に飲料水や食料などの備蓄を進めることの周知も対応の一つと考えますが、どのようにお考えであるか、お尋ねします。
○議長(川辺一彦君) 村井福祉市民部長。
〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 新型コロナウイルス感染症の感染者につきましては、プライバシー保護の観点から、県(砺波厚生センター)で把握している感染者の情報は、原則、市へ開示されないこととなっております。
このことから、自宅療養者等への食糧支援につきましては、県が対応することとされており、年明けの感染拡大第6波に入ってから2月26日までの時点で、砺波市のみの件数は公表されていないため砺波厚生センター管内全体の件数ではありますが、60件の支援を行っており、現在のところ要望に対応されていることから、今のところ市における特別な支援は必要のないものと考えております。
なお、厚生センターから市に対して支援の協力を求められた場合には、直ちに対応できるよう準備をしております。また、これまでも厚生センターからの依頼により高齢者宅を訪問するなどの対応は既に行っております。
また、県のホームページには、療養に備えて準備を促すメッセージが掲載されていますが、市ホームページやツイッターにおいても周知してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 県からの支援があり、市でも対応されていると分かり、安心しました。
次に、10代未満の感染が拡大する中、感染者への配慮、休校、休園時の対応についてお伺いします。
人との接触が多く、マスクの着用を正しくできない乳幼児などにおいては、感染者の減少が収まらない場合があります。また、療養を終え、登校、登園されるお子さんたちを迎えるに当たり、自然に戻れる対応が必要と考えます。決して差別のないよう、配慮のある対応をいただけますようお願いします。
感染者との接触がなく元気な子も、施設が閉鎖になれば、やむなく自宅での保育となり、閉鎖が長くなると保護者の就労に支障を来すことがあります。このような場合は、ほかの施設での短期保育の受入れが必要でないかと考えます。
学校が休校になった場合も同じです。放課後児童クラブも休止され、低学年であれば、連日、長時間1人で留守番をさせるのも心配であります。
非常事態には、ほかの施設での一時的な預かり保育で元気な子供を受け入れる対応、また、休校になれば、砺波市ファミリーサポートセンターの利用などができればと考えます。受入れに対する柔軟な対応をしていただきたいと考えますが、どのような対応をお考えであるか、お尋ねします。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 本市の保育施設におきましては、保護者の就労支援の観点から、施設全体の休園を可能な限り原則行わないこととしているところであります。
しかしながら、保育従事者の多数が陽性または濃厚接触と認定され、自宅待機などとなった場合には、適正な保育環境を提供できなくなることから、やむを得ず休園しなければならない事態も生じてまいります。
そこで、議員から御提言のありましたように、他の施設での一時的な受入れにつきましては、子供たちが新しい場所や新しい先生など、短期間で新たな環境に慣れる必要があることから、子供には多大なストレスを与えることも予想されるところであります。
また、新たに受入れを行う施設におきましても、自園の子供たちを保育した上で、園に初めて来る園児を預かることとなり、受入れする保育の場所や人員の確保など、安全・安心な保育環境を提供することが容易ではないものと考えられます。
このようなことからも、他の施設での一時的な受入れを行うことは極めて難しい状況であることを御理解いただきたいと思います。
また、ファミリーサポートセンターでの受入れに関してでありますが、利用したい利用者の意向とサポートする支援者のマッチングが図られることが前提となります。
しかしながら、利用希望者が必ずしも陰性であるとの保障がない上、受入先の多くが高齢者であり重篤化のリスクも高いことから、受入れに慎重にならざるを得ず、マッチングが難しい状況にあることも御理解いただきたいと思います。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 次に、本市からの情報を市民に届けるシステムについてお伺いします。
本市からの情報は、富山県市町村広報コンクールにおいて写真部門で最高位となる特選を受賞した広報紙をはじめ、3月にリニューアルされたホームページなどにも掲載されていますが、いち早く情報を市民に届けるために、登録した人に更新の通知をするLINEの活用がよいと考えます。
新型コロナウイルス感染症に関しては、状況に変化があり、市民も常に情報を得たいと思われます。
利用を始めている他市では、登録者数も多く、ワクチン接種もLINEから予約のサイトに入ることができます。また、3G携帯サービスの終了が近づき、ますますスマートフォンの保持者が増えると思われます。
新型コロナウイルス感染症に対する情報をはじめ、多岐にわたる情報を市民に届けるためにも、本市もLINEのアカウントを持ち、スピードある発信と、見てもらう、使ってもらう努力をする必要があると考えますが、今後の取組についてお尋ねします。
○議長(川辺一彦君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 情報発信の基礎となっております市ホームページが、去る3月1日からリニューアルをいたしました。
今回のリニューアルでは、スマートフォンやタブレットでホームページを御覧になられる方が急増していることから、お使いの機器にかかわらず、見やすく、使いやすいデザインとしております。
また、新たなSNSを活用した情報発信として、これまでのツイッターとインスタグラムに加え、新しくLINEの運用を3月1日から開始をいたしました。
LINEの砺波市公式アカウントでは、新しくなった市ホームページと連携を図り、災害等の緊急情報や注目情報を発信をしてまいります。
また、LINEでは、アプリ上にメニューボタンを設けまして、ワクチン接種情報など、市ホームページの主要なページへワンタップでアクセスできるものにしております。
なお、市民の皆さんにLINEを活用していただくためには、まず最初に、砺波市を友だちに追加登録していただくということが必要であることから、市ホームページのトップ画面にその入り口を設けていることを、広報となみやホームページ等で周知に努めてまいります。
なお、本市からのプッシュ型の情報提供方法としては、これまでツイッターでワクチン接種の予約案内や行政情報など、タイムリーに発信しておりますので、併せて周知に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 現在、この砺波市のLINEの友だち登録者数は132人でした。ますますこの人数が増えるよう、私も友達に知らせたいと思います。
次に、大項目2、子供を守る安全対策についてお伺いします。
今年の冬はよく雪が降りました。除雪隊の皆様には、車道や歩道を確保するために、時間をいとわず出動いただき感謝申し上げます。
また、外に出れば、悪天候の雪の中を元気に歩きながら登校していく小中学生がいます。児童生徒が冬期間も安全に登校することが重要です。
冬期、降雪時の通学路の安心・安全確保について、通学時の送迎についてお伺いします。
市内の中学生は、降雪時には自転車に乗らず通学をすると指導されています。どの中学校でもそのルールは守られており、自家用車、バスなどに乗って登下校をしています。登下校の時間は、どの学校でも周辺は車の列で混雑します。特に生徒数の多い出町中学校の送迎時は、近隣住民も目をつぶって我慢する混雑ぶりです。
しかし、登校時に、雪にも負けず登校する児童生徒が歩く歩道に、生徒を送り届けた車が駐車場から出てくる出口があります。ふぶいているときはかっぱの帽子を深くかぶり、うつむき歩く児童は視野が狭くなり、駐車している車もあるため、出てくる車がよく分からず、大変危険です。
危険を回避するために、登校時は砺波体育センターも降車場として使用することを考えます。また、小学校の登校時間を少し遅らすことで、車が混雑する時間と登校する児童が重ならないようにすることも考えます。
児童生徒の通学の安全確保について、どのようにお考えであるか、お尋ねします。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 降雪時における出町中学校の登校時の降車場所を砺波体育センターにすることにつきましては、この施設の駐車場を出町認定こども園の登園時の駐車場に一部共用していることから、園児の安全確保のため難しいものと考えております。
また、出町小学校の登校時間を遅らせることにつきましては、大雪や吹雪等の悪天候が予想される場合には、登校時間を変更するなど児童が安全に登校できるように対応しているところであります。
このほか、児童生徒の通学における安全確保につきましては、引き続き、安全指導の実施はもとより、保護者や地域に対し送迎時の安全対策を周知するなど、地域の関係機関や団体の協力を得ながら取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 歩道の確保、安全に横断歩道を渡るためについてお伺いします。
オペレーターや善意ある市民の除雪作業により、歩道の確保ができているところもありますが、積雪により歩道の確保が難しく、車道を気兼ねしながら児童たちが歩く姿を見ます。
雪のシーズンには、何度も危険な場面に遭遇しております。雪のやり場に困り、横断歩道近くに積み上げられた雪により、横断する子供が分からずドキリとすることがあります。
交通量の激しい道路では、積み上げられた雪をまたぎ、転び、車道に滑って飛び出すことも考えられます。また、歩道の除雪時、町なかでは雪の捨場に大変苦労をします。この対応をどのようにお考えであるか、お尋ねします。
○議長(川辺一彦君) 老松建設水道部長。
〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 市内の歩道除雪につきましては、市が委託する地区除雪委員会や除雪委託業者において早朝から除雪を実施し、冬期間の歩行者の通行確保に努めておりますが、明け方や日中に集中した降雪の場合には、通学時間前までに除雪が終わらない場合もございます。
この際の対応といたしましては、地区除雪委員会や除雪委託業者に加えまして、市職員の直営による日中歩道除雪を実施して、できる限り歩行者の通行の安全確保に努めております。
市街地での歩道除雪時における雪捨場につきましては、歩道と車道の境界付近に堆積させることを基本としておりますが、堆積量が増加して車道幅員が狭くなるような場合や見通しが悪くなるような場合には、雪捨場への排雪を実施することとしております。
今後とも引き続ききめ細かくパトロールを実施し、積雪状況に応じた適切な歩道除雪を行い、歩行者の安全確保に努めてまいります。
また、本市では、これまでも地区除雪委員会等と連携を図りながら地域ぐるみ除排雪に取り組んできており、引き続き、議員の地元であります出町地区の皆さんにも市街地の歩道除雪に御協力をお願いしたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 毎年雪は降ります。来年もといいましょうか、次の冬もまたよろしくお願いいたします。
続きまして、ホットスポットから子供を守るための対策についてお伺いします。
ホットスポットとは、犯罪が起こりやすい危険な場所のことを表します。ここでは、不審者から子供が声をかけられない、連れ去られない対策についてお伺いします。
チューリップ公園での安全を確保するためにお伺いします。
チューリップ公園では、公園の整備が行われ、砺波市美術館北側のあそびの広場に遊具の新設工事も行われており、完成が待ち遠しいところです。春になればたくさんの子供たちでにぎわうことが予想されます。
公園内のホットスポットの把握、点検は行われているのでしょうか。また、遊具周辺の垣根の高さ、刈り込み、ベンチの配置、トイレなどにおいても注意が必要と考えますが、どのように整備し、対応されているのか、お尋ねします。
○議長(川辺一彦君) 老松建設水道部長。
〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 一般的に公園のホットスポットは、入りやすく、見えにくい場所を指し、防犯には人の目を確保するための見通しやゾーニング(すみ分け)が重要とされております。
また、昨年度、県の防犯上の指針が改訂されて、公園については、子供向けエリアと大人向けエリアを明確に分け、遊具は子供向けエリアに集中させることや、子供の遊び場は子供への視線確保を優先させること、また、トイレは、男性用と女性用の出入口を接近させず、可能な限り間隔を確保することなどの考え方が示されたところであります。
砺波チューリップ公園における防犯対策としましては、平成27年度より、安全・安心サポート事業として、見通しを確保するため、樹木の剪定や間引きを実施しているほか、砺波市美術館を含め3基のライブカメラと9基の防犯カメラを設置し、約1週間分のデータを保存するなど、これまでも万が一に備え対応しているところであり、今回、あそびの広場における新たな「ふわふわドーム」の整備におきましても、美術館との間の生け垣を一部撤去し、見通しを確保するとともに、防犯カメラ1基を増設する計画として整備を進めているところであります。
また、「ふわふわドーム」の周りには、両向きで座ることのできる平ベンチ5基を、安全な距離を確保した上で配置する予定としております。
公園内でホットスポットとなり得る場所としましては、南門周りの背の高い生け垣や見通しの悪い部分が存在するものと承知しており、新年度に予定している南門及び管理棟付近の実施設計の中で、樹木の間引きや、新設するトイレの設計などにおいて、防犯対策を含めて検討してまいりたいと考えております。
犯罪から子供たちを守ることは最重要事項であり、地域や関係機関とも連携を図り、安全・安心な公園整備に引き続き努めてまいります。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 子供から大人まで愛される公園であるために努力をいただき、ありがとうございます。
次に、通学路のホットスポット情報の共有についてお伺いします。
通学路においても、ホットスポットはあります。地域のパトロールを行っていただいている防犯組合の方は、子供の下校時には青パトに乗り、子供を見守ってくださっています。また、登下校時に交差点に立ってくださっているボランティアの方もいます。その方たちとホットスポットを共有することは重要で、効率的で効果的な安心につながる対応を行っていただくことができます。
防犯組合の方も年々高齢化し、人数も減少傾向にあります。組合員の負担を軽減するためにも、また、協力をお願いする側が情報の提供をすべきと考えます。
子供たちが安全に登下校するために協力くださっている防犯組合やボランティアの方たちと学校との情報の共有は行われているのかの対応をお尋ねします。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 子供たちが犯罪に巻き込まれないようにするためには、まず、大切なこととして、子供たち自身の防犯意識や危険回避能力を高めていくことが必要であると考えております。
その上で、通学路には、犯罪が起きやすい場所、いわゆるホットスポットと考える場所が存在していることから、そういった場所について情報共有していくことは、子供を含めた市民全体の防犯意識を高めることになるとともに、犯罪を未然に防ぐ上でも大切であると考えております。
このため、市内にはスクールガードリーダーの協力を得て、学校、保護者、防犯組合が集まり、ホットスポットについて情報共有をする場を設けている学校があります。
また、そのほかの学校におきましては、警察やスクールガードリーダーの協力を得て、交通安全対策と同様に、学校、保護者、地域が連携し、ホットスポットの情報共有が図られるよう努めてまいります。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 情報の共有ができていると知り、安心しました。
続きまして、地域、本市で行われる防災訓練への小中高生の参加、避難所における役割についてお伺いします。
いつ、どこで災害が起こるか予測はできません。防災教育は、大人に限らず、子供の頃からの教育が防災に対する知識と意識につながることは実証済みでありますが、何といっても、自分自身で災害から命を守る意識を持つことが必要であり、体験に勝るものはないと考えます。
そこで、地域で行われる防災訓練に小中高生も積極的に参加し、協力することが大切だと思われます。
地域の方と共に訓練を体験することで、3世代交流も図れ、地域の方が分かるようになり、災害が起こり避難することがあっても、顔の分かる地域の人がそこにいることで、不安の中にも落ち着いた行動が取れると思います。
また、避難所の運営には中高生は大いに重要であり、避難所の設営、運営協力を行うなど、役割を与えることで、自分自身を守る避難行動をするだけでなく、防災に対する意識、人を助ける意識を高めることにつながると考えます。
災害時の自助、共助、公助、近助のつながりの大切さを教えるためにも、地域や本市で行われる避難訓練に積極的な参加を要請する取組が必要と考えますが、どのようにお考えであるかお尋ねし、質問を終えます。
○議長(川辺一彦君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 議員御発言のとおり、防災訓練に学生の皆さんが参加されることは、災害から身を守るだけではなく、共助意識の醸成につながるものと考えております。
このことから、各学校では防災学習に取り組まれているほか、市総合防災訓練では、プールでの着衣泳訓練、服を着たままプールの中でちょっと浮く訓練、そういった実践的な訓練に参加をいただいております。
一方で、地域の防災訓練では、避難訓練に参加いただいているものの、避難所での役割を担う訓練は実施をされていないところであります。
本市といたしましては、実際の災害が心身の発達過程にある学生の皆さんに与えた心の不安などを十分に配慮する必要があることから、まず、心身の安全と安心を確保することが大事であり、その上で、それぞれに見合った役割を担っていただくことが大切なのではないかと考えております。
つきましては、どのような訓練に参加いただくことがいいかは、各地区の自主防災会などと連携をし、検討してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午前10時41分 休憩
午前10時43分 再開
○議長(川辺一彦君) それでは、再開いたします。
3番 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 議長より発言の許可をいただきましたので、質問通告書に従い、一問一答方式で質問と提案をさせていただきます。
大きい項目の1つ目として、砺波市教育大綱の推進についてです。
まず、小さい項目の1つ目、施策を推進するための事業について伺います。
ともに輝き支えあう人づくりの基本方針の下、このたび砺波市教育大綱が、令和4年度から令和8年度までの5年間を対象に改定されることとなりました。未来を担う子供たちが互いに思いやりの心を持ちながら、伸び伸びとたくましく育ってほしいという願いが、「人づくり」という言葉で表現されたのだと思います。
さて、GIGAスクール構想の実現により、子供たち一人一人に合った新しい教育を実現できる可能性が生まれ、期待される効果も大きいものがあります。そのため、2年目を迎える令和4年、教育大綱の施策を推進していくために、さらなる活用を施策に打ち出していくことが、教育の学びの質の向上の面からも大切であると考えます。
教育大綱の施策に「学校ICT環境の充実とさらなる活用」とされていますが、これから推進していくための事業について、白江教育長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) GIGAスクール構想においては、今年度は、学校の授業での活用を中心に取り組んでまいりました。
そこで、新年度からの教育大綱の改定における学校ICT環境の充実とさらなる活用につきましては、個別最適な学びを推進するための工夫や、子供が主役になる授業のための活用について取り組むため、2点について実施することとしております。
1点目は、今年度に引き続き、情報交換の充実を図ることとしており、市内小中学校の委員で構成するICT活用委員会を中心に、各校でのさらなる効果的な活用について情報共有してまいります。
2点目は、中央から講師を招き、ICT活用講演会を開催して、ICT機器を活用したこれからの授業づくりについて御講演いただき、市内教員の資質向上につなげてまいります。
今年度に本市では、GIGAに慣れ、授業でタブレットを使ってみるというステップで取り組んできた結果、児童生徒や教員のICT活用スキルが向上しました。
新年度は、小中学校のミドルリーダーの授業を公開し、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善のためのICT活用研修を実施する予定としております。つまり、タブレットを活用して授業改善することで、子供の主体的な学びにつなげていきたいと考えているわけでございます。
そうした過程を経てから、タブレット端末の家庭への持ち帰りを長期休業期間中に行う予定としております。
効果的な学びとするために、子供たちの自学自習力を高めるとともに、情報モラル教育に力を入れてまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、小さい項目の2つ目として、1人1台の情報端末の活用の成果と課題について伺います。
本市では、4月からの1人1台端末の貸与や、大型電子黒板の配置などによるGIGAスクール構想の推進で、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの実現に寄与されてきました。
また、学校においても、ICT研修員が中心となって、学習支援ソフトやタブレットPCの授業での活用法など、子供たちのために効果的な活用の在り方について研修を重ねてこられたことと思います。
試行錯誤しながらの1年だったことと推察いたしますが、AI、IoT、5Gとまさにデジタル世代の子供たちには、まず、パソコンが便利で楽しいものだと感じてもらうことが大切だと思います。パソコンが苦手で触りたくないというパソコン嫌いを出さないためにも、この1年間を教師と子供の両面から検証なされたことと思いますが、成果と次年度の課題について、白江教育長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 1人1台端末や電子黒板の導入による成果を検証するため、現在、市内小中学校の全ての児童生徒にアンケート調査を行っているところであります。
現在、回答期間中でありますが、既に回答のあった児童生徒からは、学習が楽しくなった、分からないことをすぐにインターネットで調べることができた、友達の考えを共有し、新しい考えを知ることができた、資料の作成、発表、意見交流がしやすくなったなどの回答を得ています。
また、教職員からは、教材準備の時間が削減された、市内小中学校の活用実践を共有することで、教職員の活用の幅が広がり、子供の学びの向上につなげられたなどと聞いております。
このことから、成果としては、児童生徒の個別最適な学びや教職員の指導の質の向上と働き方改革の推進につなげられたものと考えております。
一方、課題として、タブレットに夢中になり、休み時間の読書や運動の時間が減ったという子供たちの声があることから、時間の使い方を子供自身が考える機会を設けていきたいと考えております。1日24時間という限られた時間をどのように効果的に使うかという、いわゆるタイムマネジメントを子供たちなりに身につけさせていきたいなというふうに考えているわけでございます。
また、教職員からは、ICT機器を使うだけでなく、子供たちの学びを深める授業の活用へとつなげていきたいという課題を聞いており、現場のニーズに合った研修を企画していきたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、小さい項目の3つ目、コロナ禍におけるオンラインの活用について伺います。
新型コロナウイルス感染症については、今なお警戒が必要な状況にあります。こうした中でも、持続的に子供たちの教育を受ける権利を保障していくため、先生方が一丸となって、学校における感染及びその拡大のリスクを可能な限り低減していく上で、新型コロナウイルス感染症対策と教育活動の両立に大変な御努力をいただいております。
しかし、第6波の状況を見ると、ケースによっては新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、やむなく学級閉鎖や学年閉鎖、臨時休校などの措置を取ることも予想されます。
当初、1人1台端末は2023年度までに整備される予定だったものが、前倒ししてまで導入された理由の一つに、全ての子供たちが家庭でも授業を受けられるようにするための通信環境として整備されたタブレットPCでした。子供たちに教育を受けることができる環境を整えてあげることは非常に大切なことだと思いますが、それより、突然、学校へ行けなくなったことで不安に感じる子供たちに、行けなくなっても学校とつながっている安心感を持たせるために、家庭とのオンライン環境の整備が必要だと感じています。
家庭にいても、子供たちと学校にいる先生がタブレットPCを活用することで、学校からのお知らせや課題の伝達、または、その提出など、先生と子供たちとのコミュニケーションツールとして情報を共有することが容易にできます。
ぜひ、タブレットPCの利点を生かして、子供たちに安心感を持たせるためにも、家に持ち帰らせて活用していただければと思います。
本市のオンラインの環境整備が整ったことを伺っていますが、授業単位やクラス単位でのオンラインの授業があまり進んでおらず、子供たちの経験値が少し足りないように感じるのですが、今後どのようにして活用していくのか、白江教育長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 児童生徒用タブレット端末にはビデオ会議システムのソフトが導入してあり、子供たちは各校で既にビデオ会議システムの経験をしております。そのため、学級閉鎖や臨時休業の際には、端末を持ち帰って学校と子供を結ぶことで、幾つかの学級では、学級閉鎖時に担任と子供がオンラインでの課題提出や面談等を行いました。
また、長期間登校できない子供には、ビデオ会議システムを利用して面談を行い、子供の心のケアに努めております。実際、私もその場面を見て感動しました。
このように、タブレット端末の持ち帰りは、授業の遅れを取り戻すことを目的にしているものではありません。
新年度に、突然、学校に行けない状況になったときには、家庭と学校を結んだビデオ面談に加えて、子供たち同士の交流についても検討し、議員御発言のとおり、有効なコミュニケーションツールとして活用していきたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、大きい項目の2つ目として、通学路の安全についてです。
まず、小さい項目の1つ目として、通学路点検による危険箇所の安全対策について伺います。
通学路の安全点検として、教育委員会では毎年1回、8月頃に、学校で危険性が高いと把握している道路や農業用水路などを対象に、警察や道路管理者等の関係機関、団体、学校関係者が合同で通学路の合同点検がされています。
今年度は、要望があった箇所を精査して、市内15か所を点検されたとのことです。
その後、子供たちにとって通学路の安全対策が施されたのか、実際に期待した効果が上がっているのか、また、子供たちが安全に通学できるようになったと感じているかなどを確認するために、学校、保護者へのアンケートの実施や、車両と歩行者の隔離を測定するなど、対策実施後の効果を把握し、安全性が確保されているか検証なされたと思いますが、今年度の安全対策の効果を学校や保護者がどのように感じているのでしょうか。構教育委員会事務局長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 今年度の通学路点検につきましては、議員御発言のとおり、安全点検箇所は15か所で、それぞれの箇所において通学路の変更やカラー舗装など、全部で25項目の対策について実施することを確認しております。
そのうち、2月末では、18項目について実施済みまたは整備中であり、残る7項目については検討中であります。
実施済みの箇所につきましては、歩行者を守る緩衝材を増やすことや、外側線の引き直し、カラー舗装部分の延伸、登下校時の安全歩行についての指導などであります。
これらの整備を終えた項目につきましては、学校において、子供の安全な登下校につながるものと大変ありがたく感じておりますし、保護者の皆さんにも市のホームページ等を通してお伝えする予定であります。
このほか、学校では、児童が定期的に通学班ごとに集まり、通学路における危険箇所等について話し合う場が設けられており、子供目線で危険箇所について認識し、自らの命は自らが守るために、危険回避のための行動の在り方や安全対策が講じられた効果について確認する場を設けているところであります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、小さい項目の2つ目、安全対策未整備箇所の今後の見通しについて伺います。
令和3年度の安全対策は、財源確保の関係で、前年度からの持ち越しがあった箇所や今年度新たに要望された箇所など、多方面にわたっていたことと思います。
これからも継続的に通学路の安全を確保するために安全対策が必要だと思いますが、次年度へ持ち越す安全対策未整備箇所の今後の見通しについて、構教育委員会事務局長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 先ほど申し上げましたとおり、今年度の通学路点検の15か所における25項目の対策のうち、残る7項目につきましては、現在、所管機関で検討がなされており、中でも通学路の変更に関わるものについては、学校、保護者、地域において協議が続けられており、子供の実態や地域の実情を踏まえ、柔軟に対応していく必要があるものと考えております。
また、横断歩道や標識の設置といった警察署から公安委員会に申し出ていただいているもののうち、年度内の実施が難しいものは、新年度以降も引き続き、安全対策を講じていただけるよう要望してまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、小さい項目の3つ目、通学路安全整備の要望について伺います。
通学路安全推進会議では、登下校中での子供たちの通学路の安全確保のため、必要な対策内容について協議し、危険性が高いものや優先度が高いものから予算を確保して、順次安全整備なされてきました。
その要望箇所については、まず、子供たちや保護者、地域住民の皆さんや関係機関から様々な要望をいただく必要があります。そして、危険箇所には、地域の実情に応じて安全対策を講じていかなければなりません。
まずは、平素から登下校のお世話をいただき、子供たちを見守っていただいている見守り隊などからの要望を取りまとめるだけではなく、自治振興会からの要望など、可能な限り幅広くまとめる必要があると思いますが、通学路安全整備の要望の取りまとめについて、構教育委員会事務局長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 子供の登下校時における安全確保のために、悪天候の中でも、いつも変わらず見守ってくださる保護者や地域の皆様には、子供たちはもとより、学校や教育委員会としても深く感謝をいたしているところであります。
子供たちが登下校する時間帯に間近で見守っておられるからこそ感じることのできる安全に関する御意見は、危険箇所を把握する上で大変に貴重なものであります。
通学路の整備要望の取りまとめにつきましては、学校が考える箇所のほか、PTAや見守り隊の皆さんからの御意見、一部の学校では自治振興会からの御意見もお伺いし、その中で緊急性の高い箇所から要望しているものであり、今後とも、地域の皆さんなど幅広く御意見をお伺いして取りまとめるよう努めてまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、小さい項目の4つ目、年2回の通学路点検の実施について提案いたします。
砺波市の通学路交通安全プログラムには、市内の全ての小学校の通学路について、1年に1回、合同点検を実施とされています。そして、実施期間は夏期で、積雪時の危険箇所の把握のため、必要に応じて冬期も実施しますとされています。
今年度も実施箇所を精査して市内15か所を点検されたのですが、多様なニーズに応えられる点検箇所数なのかと疑問に思われます。
学校に寄せられる要望はこのような数ではなく、何倍にも及んでいるのが現状です。どの要望にも丁寧に対策を講じてこられたとは思いますが、年に1回だけの合同点検では、声を反映するには少し時間がかかるように思います。
子供たちが安全に登校してほしいと寄せられた要望を、少しでも多く合同点検の点検箇所として反映していただきたいと願っています。そのためにも、年2回の通学路点検をぜひ実施していただき、通学路の安全対策が図られることを願いますが、本市の考えを構教育委員会事務局長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 通学路における危険箇所につきましては、現場の状況や地域の実情、子供の実態等を踏まえた様々な安全対策が必要となります。
例えば、ガードレールの設置や歩道確保のための外側線の引き直し、横断歩道の設置など、関係機関において整備していただく必要があるもののほか、通学路の変更による危険箇所の回避、危険を感じた場合の危険回避行動を周知するなど、学校等で対策を講ずることができるものもあります。
このように、全ての箇所において合同点検が必ずしも必要というわけではないことから、学校においては、日頃から子供たちをはじめ保護者や地域からの登下校時の安全に関する意見を基に安全指導を行ったり、通学路の検討を行ったりして安全対策につなげております。
一方、学校だけでは講ずることのできないハード面での安全対策につきましては、その施設等を管理する機関との合同点検の回数を増やすことで、より多くの現状を確認できることから、実施回数を2回に増やすことについて、学校などと検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、大きい項目の3つ目として、子育て支援についてです。
まず、小さい項目の1つ目として、私立認定こども園と本市の関わり方について伺います。
本市は、夫婦のいる一般世帯のうち、夫、妻ともに就業している世帯、いわゆる共働き世帯は、平成27年の国勢調査で本市が61.9%になっており、これは、国の45.5%、県の55.3%と比べて高い水準になっています。そのためにも、働きながら安心して子供を産み育てることができるよう、子育て支援に対する切れ目のない支援の充実と質の高い保育・幼児教育の提供は欠かせません。
第2次砺波市総合計画後期計画「10WAVEプロジェクト」の重点項目にもあるように、つなぐ子育て応援プロジェクトでさらに推進されることを願っております。
さて、施設の老朽化や子供たちの適正な保育環境を確保し、民間活力を生かす観点からも、今年度末で鷹栖保育所が、また、令和4年度末には庄川地域の4つの保育所が統合し、民間による認定こども園の開設が予定されており、これからの本市の幼児教育・保育の支援体制が、公立から私立の場合が増えていくことが予想されます。そのために、これからも子供たちを本市で支えていくという観点から、公立、私立がお互いに情報を共有し、連携を取り合いながら、一体的に子供たちの健やかな成長を見守らなければならないと思います。
今後の私立認定こども園との関わり方について、構教育委員会事務局長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 本市におきましては、公立、私立にかかわらず、子供の健やかな成長のために適切な保育環境を確保し、必要な子育て支援事業を行い、子供たちに質の高い幼児教育・保育の機会を保障することが責務であると考えております。
そこで、認定こども園では、公立、私立ともに幼保連携型認定こども園教育・保育要領、並びに、幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準に基づき、保育理念や目標を掲げ、それぞれの園において特色のある園運営がなされているところであります。
一方、子供たちが園に入園するときには、市において、保護者からの申請を基に保育の必要性を確認しながら保育認定を行っており、希望する園への入園を第一に考えて、公立、私立の区分けをせずに入所の利用調整を行っております。
また、施設の公立、私立の区分なく適正な施設運営がなされているかを県と共に指導監査を行っております。
今後、民間施設が増えていく中、これまで以上に市全体の幼児教育の推進に向けて、公立、私立の園が互いに情報を共有し、連携を取り合うことは必要なことであると考えております。
このため、これまでも合同での研修会を実施してきたところではありますが、これからは定期的な打合せや会議を重ねながら、砺波の子供たちの健やかな成長と質の高い幼児教育の提供に努めてまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、小さい項目の2つ目、病児保育の整備について伺います。
病児保育の整備については、平成29年6月の定例会一般質問で、子育て世代を取り巻く社会環境が変化し、これまで以上に女性の方や高齢者の方の労働力が期待されており、そのため、保護者やその家族をしっかりと社会全体でサポートする病児保育などの子育て支援が必要な時代となっていることを実感していると当局から回答がありました。
それから5年の年月がたちましたが、総務省の就業構造基本調査によると、富山県は1、2歳児保育利用率が67%、女性の25歳から44歳までの就業率が85%と全国でも高く、砺波市の共働き世帯の割合が高い水準になっていることを考えると、風邪や発熱など軽度の突発的な状況のときには子供を預かり、ケアしていただける施設のニーズが高いことは容易に判断できます。
現在、本市では、病児保育の施設サービスがなく、子供が風邪を引くと、仕事を遅刻したり、欠勤したりしなければいけません。仕事と育児の両立で大変苦慮されている保護者の方々が多いように思います。
病児保育の導入には、病児を預かる場所やドクターや看護師、保育士の確保など、様々な課題が多いですが、本市として、公的な3施設を何とか利活用できないものでしょうか。前回の当局の回答では、今後、調査研究をしてまいりますということでございました。病児保育の整備について、改めて構教育委員会事務局長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 市内におきましては、お子さんが病気の回復期で集団保育が困難な期間に保育する病後児対応型の病児保育施設が1施設あります。
また、お子さんが保育中に発熱など体調不良となった場合において、安全かつ安心な体制を確保することで、園で緊急的な対応を図る体調不良児対応型の病児保育施設が2施設あります。
加えまして、この4月に開園いたしますたかのす認定こども園、令和5年4月に開園予定の(仮称)しょうがわ認定こども園におきましても、体調不良児対応型の病児保育を実施する予定であり、市内における病児保育の導入は進んでいるところであります。
しかしながら、議員御発言のとおり、現にお子さんが罹患している場合に、専用スペースで一時的に保育する病児対応型の病児保育について、病児を預かる場所や医師、看護師、保育士の確保の問題から、整備に至ってはおりません。
一方、お子さんが病気となったときには、お子さんと最も信頼関係があり、そして責任を持っていただくべき御家族が看病することによりまして、お子さんにとっての安心感といった、安心できる環境を優先することも大切であると考えております。
このことに関しましては、既に商工会議所等を通して事業所の皆さんに、お子さんが病気になったときには保護者の方が病児に対応するため、容易に休暇等が取得できるようお願いしてきたところではございますが、引き続き啓発に努めるとともに、病児対応型の病児保育の導入について検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 最後に、小さい項目の3つ目、支援を必要とする子供たちの保育運営について提案いたします。
保育施設は、保護者に代わって子供を守り育てるところで、子供の障害の有無にかかわらず、全ての子供ができるだけ同じ場に、共に学ぶ環境整備が求められている状況の中、安心して保護者が働きに出られるような体制を整えることが必要となります。
近年は、子供の特性が多様化して支援の在り方が増えたことにより、本市においても、支援を要する子供の人数は年々増加しているように思われます。そのため、これからは公立や私立にかかわらず、一体化したきめ細かな対応ができるように支援が求められています。
そこで、本市が取り組んでいる保育実施委託運営事業の中に、障害児保育事業費補助金を盛り込んではどうかと考えます。これは、支援を要する子供たちの保育の促進及び民間保育所、認定こども園及び家庭的保育事業等を実施する施設における保育の充実を図るため補助金を交付するもので、保育士配置の加配と言われるものであります。財源についての課題はありますが、本市として、子供を産み育てやすい環境づくりへのサポートとしているとなみっ子応援基金も活用して、ぜひ検討いただけないでしょうか。構教育委員会事務局長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 現在、国の給付費制度の中では、私立の認定こども園に対し、障害を持つ子供を受け入れた際に、主幹保育教諭を補助する者の配置や、子育て支援センターなどで地域の子供の療育支援に取り組んでいるなどの要件を満たした場合には、療育支援の加算が適用され、給付費のかさ上げがなされております。
本市では、障害の有無や支援を要する子供だけではなく、一人一人の子供に合ったきめ細やかな対応ができるよう支援していくことが大事であると考えております。
そこで、保育士の配置に当たりましては、市独自の基準を定め、1歳児保育では園児5人に対して1人の保育士を配置することによりまして、国の基準よりも手厚い保育を実施しておりますので、民間施設が同様の保育を行う場合には、職員の配置加算の補助を行っているところであります。
このように、既にきめ細やかな保育を行っておりますが、その上で、議員御提言の障害を持つ子供の特性に寄り添う加配保育士の確保など、職員配置に対する助成の在り方につきましては、近隣の自治体の助成内容も参考にしながら検討してまいりたいと考えております。
なお、この事業の実施に当たり、議員御提言のとなみっ子応援基金を活用することにつきましては、少子化対策を推進するという基金の趣旨とは異なることから、現時点では考えていないところであります。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午前11時25分 休憩
午前11時28分 再開
○議長(川辺一彦君) それでは、再開いたします。
5番 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) 議長より許可をいただきましたので、質問通告書に基づき、一問一答にて質問と提案をいたしますので、当局の答弁を求めます。
まず、大項目1項目、なごやかな暮らしを育む安心づくりについての小項目1項目め、避難行動要支援体制の整備について伺います。
福祉の充実のうち、地域福祉の推進が第2次砺波市総合計画後期計画に盛り込まれており、そのうち、自然災害時における避難行動要支援者の把握が求められております。
本市においては、平成27年度から避難行動要支援者登録制度が開始されております。その方法は、対象者に登録用紙を対象者家族宅へ送付し、記載されて返信されてきたものを登録する方法となっております。その結果として、各地区自治振興会へ、毎年8月末頃送付されてくる名簿となります。
自治振興会としては、これまで把握してきた数から大幅に増加している場合があり、各地区の区長さんに、新しく登録された住民の個別支援計画作成のため調査を依頼することとなりますが、その中には、元気なおじいちゃん、おばあちゃんの2人暮らしであり自力で避難することが可能な方や、また、障害の認定を受けている方が登録されていなかったりしているのが現状となっております。
対象者全ての情報を把握することは、自治振興会や自主防災会にとっては、避難するための速やかな対応が可能となることから必要と考えますが、なかなかその実態を登録していただけないことも現実としてあり、登録数を上昇させることができない状況となっております。
しかし、いざ避難が必要となった場合、登録されていなければ支援者が支援に出向けないこととなり、特に洪水における避難においては、警戒レベル3、高齢者避難において避難が必要となるものであり、登録者全ての方への対応が難しいことも想定されます。
そこで、リストの中から地元自治会に対応してもらい、避難時に人手が必要な家庭か、連絡だけすれば自分で対応可能な家庭かを判断してもらって、そういうふうに整理をしてはどうかと思いますが、福祉市民部長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 村井福祉市民部長。
〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 議員御発言のとおり、避難行動要支援者の登録については、元気で自力避難可能な方でも、いつ身体状況が変わるか分からないといったことから、本人の希望により万一の備えとして登録されている場合や、障害があり支援が必要と思われる方でも登録されていない方がおられます。
このような方々、特に障害があり支援の必要な方の登録者数が増え、登録者全ての個別支援計画を作成していくことは、災害時の備えとしてとても重要であります。
議員御提案の自治会においてどのような避難支援をしていけるか、整理、検討していただくことについては、地区の限られたマンパワーの中で、いかに避難行動をスムーズに展開していけるかと考えますと、必要なことであると考えております。
ぜひ、個別支援計画を作成される際には、その方が必要とする支援は何かを自治会等で御検討いただき、市といたしましても、必要に応じてアドバイスをしてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) 各自治会によっても状況は変わり得ると思っておりますが、中野地区にあっては、今後そうしていきたいと考えております。
小項目の2番目、令和8年度避難行動要支援者の登録率60%の意義について伺います。
避難行動要支援者の整備や把握については、今ほども福祉市民部長から回答いただきましたけれども、当市としては、やはり全体の把握が必要であると考えます。
令和2年度における登録率は51.2%であり、令和元年からの増加率は3.1%であります。普通に考えても、5年間で15%余りの登録率の上昇が考慮されるわけですが、目標を67%とするのが妥当と考えられます。
現状の方法を考えれば、少し登録率も上昇するとは考えますが、そのためには、各地区の民生委員や自治会が現状を一番理解しており、対象と考えられる家庭へ避難行動要支援者への登録を促せば、登録率の向上が図られると考え、さらに、地元自治会の現状が速やかに把握可能となり、素早い対応も可能となると考えます。
避難行動要支援者の調査を地元自治会に依頼してはいかがか、福祉市民部長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 村井福祉市民部長。
〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 第2次砺波市総合計画後期計画案での避難行動要支援者登録率の目標は、単年度の伸びだけでなく、過去からの平均の伸び率を踏まえ、60%としております。この目標を達成し、さらに登録率が上がることを目指して取組を進めてまいります。
登録の推進につきましては、現在も民生委員の方々には、ふだんの見守りを通じて登録が必要と思われる方には声をかけていただいております。
登録は強制でないことや、対象者の御事情もありますので、市では、自治会に調査を依頼することはいたしませんが、支援が必要な方の状況については、御近所や身近な自治会の方がよくお分かりだと思っておりますので、個別支援計画作成時などに、支援が必要と思われる方が登録されていない状況があれば、ぜひ登録を勧めていただきたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) 市としても、登録率上昇に向けて、各地区での御協力をいただきたいというふうに思います。
それでは、小項目3番目、地点別浸水シミュレーション検索システム、俗に言う浸水ナビの取扱いについて伺います。
この件につきましては、議会報告会の場でも参加者の市民から質問が上がった内容です。
少子高齢化が進む中、要支援者がますます増加し、支援する若者や住民が減少することが想定されています。
当市においては、既にハザードマップが作成され、各家庭に配布されております。しかしながら、その浸水高さについては、庄川の堤防決壊の位置により浸水高さが異なるため、例えば、同一か所において、0.5メートルから3メートルと表示されております。0.5メートルならば床下浸水程度、しかし、3メートルであれば2階建ての2階部分まで浸水する高さとなります。
防災担当に確認しましたが、国土交通省の地点別浸水シミュレーション検索システムにより、浸水高さを想定し作成されているとのこと。砺波市全体をこの浸水アプリで堤防決壊箇所ごとに作成するのが非常に困難であると思いますが、各地区単位で事前に浸水ナビによる想定した浸水状況を作成し、避難行動の手助けにすることが肝腎と考えます。
これまで出前講座を実施した地区については紹介しているとのことでありますが、この際、市内全体に使い方や地区ごとのマップづくり、避難場所である学校や公民館等の浸水高さを事前に把握しておくことが、スムーズな避難に結びつくと考えます。
防災士等の会合を利用して、取扱い方について、アプリの周知や地区ごとの防災マップ作成の指導をしてはいかがか、企画総務部長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 議員御紹介の地域別浸水シミュレーション検索システムは、庄川などの河川の、どこの地点が決壊したら、どれだけの範囲で、浸水の高さはどのくらいになるかなどの想定が図示されるものであります。
当市では、洪水ハザードマップ作成の参考にしているほか、大雨時の防災情報の一つとして活用しているものであります。
ただし、このシステムは、おおむね200メートルごとに細かく破堤点(堤防が決壊する地点)が設定されておりまして、情報量が多く、市民の方にとっては、どの地点で決壊が起きるかなど想定は難しい一面があります。
このことから、本市では、類似する地区ごとに洪水ハザードマップを作成し、分かりやすく表しているところであり、まずはマップを基本として、タイムラインの活用も含め、地域防災に役立てていただきたいと考えております。
その上で、各地区や防災会などからの要望があれば、これまでに引き続き、出前講座などを活用して、より詳しく周知してまいりたいと考えております。
なお、本市では、想定浸水深を具体的に見える化し、市民の皆さん等の安全かつスムーズな避難誘導を図ることを目的とする「まるごとまちごとハザードマップ」に取り組んでおります。
現在は、今年度内の完成に向け、避難所周辺に想定浸水深を示す表示板の設置箇所の確認作業を終え、設置業務に着手しており、市民の皆さんへ見える化による具体的な水害リスクを周知するとともに、防災意識の高揚に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) ありがとうございます。ぜひ、可視化によるそれについて、進捗を早めていただければと思っております。
では、大項目の2番目、地域脱炭素のロードマップの実現について、お伺いいたします。
近年、平均気温の上昇、大雨の頻度の増加により、農産物の品質低下、災害の増加、熱中症のリスクの増加など、気候変動及びその影響が全国各地で現れており、気候変動問題は、人類や全ての生き物にとっての生存基盤を揺るがす気候危機とも言われています。
地球温暖化対策の実施が急務となっている一方で、多くの地域が人口減少、少子高齢化への対応、地球経済の活性化、頻発・激甚化する災害に強い地域づくり、地域住民の健康の維持と暮らしの改善、デジタル技術に代表される科学技術の急速な進歩等、様々な社会経済的な課題に対応することを求められています。
このような課題に直面する中で、地域脱炭素の取組は、我が国における地球温暖化対策に貢献すると同時に、それ自体が地域の成長戦略であり、再生可能エネルギーなどの地域が持つ様々な資源を活用して、地域が抱える様々な課題の解決と同時に地域経済循環や地方創生を実現する機会でもあります。
したがって、地域の脱炭素化の機会を捉え、地方公共団体、地域企業、住民など、地域が主体となって積極的に取組を実施することが、これからの地域の持続的発展に重要となります。
このことを念頭に置き、以下に提案を行います。
小項目の1番目、バイオマス発電計画策定に向けた国の支援事業である、地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための計画づくり支援事業の申請について伺います。
バイオマス発電は、剪定枝処理において最重要な案件であり、景観保全対策特別委員会での提言にもあるように、新たなサイクル機構を開始し、速やかに移行するよう求めております。
経済的な問題や焼却用の剪定枝等の安定した供給が前提であり、砺波市独自、砺波広域圏、呉西圏域6市などのスケールメリットを考慮することが必要であることから、国の支援事業に申請し、速やかに計画に取りかかり対応することが本市にとって有利であると考えますが、副市長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 去る2月22日の景観保全対策特別委員会からの景観維持に対する提言書において、バイオマス発電等の活用策について早急に取り組むよう提言を受けたところであります。
バイオマス発電につきましては、持続性や採算性など安定した事業運営、また、剪定枝等の量の確保や回収方法などを考えますと、1つの自治体でできることは限られております。
昨日、今藤議員の代表質問の中で市長がお答えをしておりますが、本市から県の「ワンチームとやま」連携推進本部での議題として幅広く検討できないかと提案しており、今後、各種課題への取組について調整しながら、県内の関連自治体で連携して取り組めるよう議論を進めていく必要があると考えております。
議員御発言の地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための計画づくり支援事業につきましては、地域脱炭素ロードマップに基づき、地域再エネ導入を計画的・段階的に進める戦略の計画策定に対する国の補助であり、今のところ申請の予定はございませんが、バイオマス発電を導入する際には、アンテナを高くし、国、県などの有利な支援についての情報を収集しながら、その活用について検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) ぜひ有利な補助金がもらえるよう頑張っていただきたいと思います。
それでは、小項目2番目、公共施設等適正管理推進事業による蛍光灯からLED化の実施について伺います。
2019年、蛍光灯生産は中止されました。今後は、消灯した蛍光灯を順次交換していくこととなります。
これまで、生産中止となることから、余裕を持って蛍光灯を購入して対応してこられたようでございますが、サイズも各種あり、既に在庫がなくなっているものもあります。在庫のないものについてはLED管を購入して対応していますが、国では、公共施設等適正管理推進事業における脱炭素化事業が追加されました。その中に、LED照明の導入施策があります。この施策に申請し、国の費用でLED化へ更改して、脱炭素化へ向けた施策を推進してはいかがか。また、在庫や現在使用可能な蛍光灯については地区公民館等へ配布し、各地域への還元施策としてはどうか、企画総務部長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 議員御発言のとおり、公共施設等適正管理推進事業費の対象事業として、新たに脱炭素化事業が追加されることとなりました。これは、国の地球温暖化対策計画において、地方公共団体が率先的に取り組むこととされている地方単独事業であり、LED照明の導入は、その具体的な対象事業の一つであります。
この事業は、公共施設等適正管理推進事業債を活用するもので、充当率90%、交付税措置率は、本市の場合では約40%であり、その6割以上については一般財源をちゃんと確保して充当する必要があります。
各施設のLED照明への切替えは、施設の状況によりまして、照明単独の更新、大規模改修時の更新、建て替え時の導入が考えられますが、まだ起債対象となる事業内容や事業規模が明らかとなっていないことから、今後、確認する必要があるものと考えております。その上で、他の財源と比較検討の上、さらには、LED照明への切替え時期も勘案し、計画的に更新を行ってまいりたいと考えております。
また、LED照明への更新に合わせ、在庫や現在使用可能な蛍光管を地区公民館等へ配布すればどうかとの御提言につきましては、蛍光管は、長さや種類が様々であることのほか、保管場所の確保等に課題があるということや、御質問、御提言の趣旨であります脱炭素化へ向けた施策との整合性の観点から、難しいものと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) おっしゃることもごもっともだと思います。
それでは、小項目3番目、砺波南部小学校、庄西中学校の改修におけるZEB(ゼブ)を考慮した計画について伺います。
ここで言うZEBとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディングのことであり、年間で消費する建築物のエネルギー量を大幅に削減するとともに、総エネルギー収支ゼロを目指した建築物のことです。
砺波南部小学校(昭和60年定礎)、庄西中学校(昭和61年定礎)の大規模改修については、令和3年8月定例会において、有若議員からの質問に対する答弁では、既に大規模改修を実施した学校とは使用感が生じていること、教室そばにオープンスペースがないなどの構造上の違いがある、また、砺波市立学校のあり方検討委員会の適正規模、適正配置の協議結果を踏まえて方針を決定するとの回答をいただいておりますが、大規模改修に際してはZEBに考慮した改修が必要と考えますが、教育委員会事務局長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 地球温暖化対策の必要性が増す中、学校のような大規模な公共建築物につきましては、建物の断熱性や設備の効率性を高め、エネルギー消費量を大きく減らすことのほか、太陽光などの再生可能エネルギーを利用することが求められているものと認識をしております。
本市におきましては、これまでも学校の大規模改修時等において、太陽光発電設備の設置や雨水の再利用化を進めてきたところであります。
今後、砺波南部小学校及び庄西中学校の改修に当たりましては、改修に係るコストや将来の維持管理コストを考慮した上で、議員御紹介のZEB化が可能かどうか検討してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) それでは、最後の質問になりますが、小項目の4番目、本市の環境基本計画の見直しについて伺います。
令和3年8月定例会において、雨池議員より、環境基本計画についての質問がありました。その答弁によれば、令和6年度から令和15年度の10年間の予定であり、砺波市環境審議会に諮り、令和5年度中に策定するとのことでした。
しかしながら、現在、国においては、各種施策が進められる中、各自治体に対し、実践を進めるよう補助事業等を展開しています。
本市においては、第2次砺波市総合計画後期計画が策定されました。その具体的な対応を展開するためにも、現状に対応した新しい環境基本計画を策定し、速やかに国の方針に沿った事業の展開が必要と考えます。
令和4年度中に環境基本計画を見直しすることについての見解を副市長に求め、私からの質問と提案を終わります。ありがとうございました。
○議長(川辺一彦君) 副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 現在の砺波市環境基本計画の計画年度は、平成26年度から令和5年度までの10年間であり、令和6年度からの新たな環境基本計画策定に向け、新年度には市民及び事業所アンケートを行い、その結果を踏まえ、計画の骨子を作成し、計画に反映させていく予定としております。
議員からは、令和4年度中に見直しを行い、速やかに事業展開を行うべきではないかとの御発言ですが、今回の計画策定では、今ほど申し上げましたように、アンケート調査を実施するなど様々な世代の皆さんから意見をいただき、市民の皆さんと一緒に、環境について自分事として考え、計画に基づいて実行していくことが重要と考えております。そのためには、市民の皆さんに同じ目標に向かっていただくための合意形成が大切であり、一定の時間が必要であると考えております。
なお、誤解のないように申し上げますが、計画策定まで何もしないで足踏みをしているのではなく、現在も進めています屋敷林保全のための剪定枝回収事業など、環境に配慮した様々な事業を引継ぎ、引き続き、創意工夫を行いながら、スピード感を持って、計画との両立を図りながら、脱炭素社会への実現に向けて進めてまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、暫時休憩いたします。
午後 0時01分 休憩
午後 1時00分 再開
○議長(川辺一彦君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
通告により発言を許します。
9番 有若 隆君。
〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従い、大きく3項目について、市政一般に関して質問と若干の要望をさせていただきます。
まず初めに、障害者雇用の推進についてお伺いをいたします。
障害に関係なく、希望や能力に応じて、誰もが職業を通じた社会参加のできる共生社会を実現するためには、雇用、就業は障害者の自立、社会参加のための重要な柱であり、障害者が能力を最大限発揮し、適性に応じて働くことができる社会を目指すため、障害者の雇用の促進等に関する法律では、事業主に対して、常時雇用する従業員の一定割合(法定雇用率)以上の障害者を雇用することを義務づけています。
民間企業のみならず、国や地方公共団体などの行政機関でも法定雇用率を満たすことが義務とされており、毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告しなければなりません。また、障害者の雇用の促進と継続を図るための障害者雇用推進者を選任するよう努めなければならないこととなっております。
障害者の雇用の促進等に関する法律の改正により、令和3年3月1日から対象企業の規模も従業員45.5人から43.5人以上に拡大し、法定雇用率は民間企業が2.2%から2.3%に、国や地方公共団体及び市町村の教育委員会が2.5%から2.6%に、都道府県の教育委員会が2.4%から2.5%に引き上げられました。
令和3年の全国の障害者雇用状況では、民間企業においては、雇用障害者数が59万7,786人で、前年に比べ1万9,494人が増加し、実雇用率は2.2%で、法定雇用率達成企業の割合は47%となっております。
市町村においては、雇用障害者数が3万3,569.5人で、前年に比べ1,945.5人が増加し、実雇用率は2.51%で、法定雇用率達成機関の割合は71.2%となっております。
また、市町村教育委員会においては、雇用障害者数が1,998.5人で、前年に比べ198.5人が増加し、実雇用率は2.23%で、法定雇用率達成機関の割合は51.9%となっております。
県内の障害者雇用状況では、民間企業においては、雇用障害者数が4,531.5人で、実雇用率は2.18%、法定雇用率達成企業の割合は54.1%となっております。
また、市町村と教育委員会を含めた市町村機関においては、雇用障害者数が282人で、前年に比べ4人増加し、実雇用率は2.22%で法定雇用率を達成していない状況となっており、当市の障害者雇用状況でも、市と教育委員会を含めた雇用障害者数は20.5人で、実雇用率は2.1%と法定雇用率に達成していない状況にあります。
つきましては、障害者雇用を推進するためには、公的機関が率先して雇用を拡大して、障害者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる共生社会を実現するようにしていかなければならないと考えます。
そこで、1点目は、障害を持つ方を当市職員に採用するために、これまで取り組んでこられた経過について、企画総務部長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 本市では、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づき、誰もが職業を通じた社会参加ができる共生社会の実現に向け、正職員では4月と10月の年2回、障害のある方を対象とした採用選考を行っているほか、会計年度職員につきましては、必要に応じ随時募集の上、採用をしております。
募集に当たりましては、障害の種類にかかわらず誰もが応募できるよう、特定の要件は設けないよう配慮するほか、広報となみやホームページのほか、ハローワークなど就職情報機関に情報提供するなどして、広く周知を図っているところであります。
また、採用選考の際にも、必要に応じて問題の拡大印刷や点字での試験実施や、面接時に就労支援機関の職員等の同席を可能とするなど、受験しやすい環境づくりにも配慮しているところでございます。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 有若 隆君。
〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 2点目は、当市職員の障害者採用と雇用の改善に向けた取組状況についてお伺いをいたします。
今ほどは当市職員の障害者採用のこれまでの取組状況について答弁をいただきましたが、障害者採用と雇用については、いろいろな課題があると思います。
ついては、当市職員の障害者採用と雇用の改善に向けた取組状況について、企画総務部長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 本市では、令和2年3月に障がい者活躍推進計画を策定し、障害のある職員のための体制整備や雇用に向けた取組など、組織全体で積極的に取り組んでいるところであります。
具体的には、障がい者の活躍推進に関する庁内検討委員会の設置や、総務課と教育総務課の職員に障害者職業生活相談員の資格を取得させるなど雇用体制を強化したほか、障害の特性に応じた業務の洗い出しや、本市で雇用している障害者に対して就業アンケートを実施するなど、全庁的な取組を進めております。
これらの取組の結果、昨年6月には2.1%でありました雇用率は、法定雇用率には若干達していないものの、1月末現在では2.46%にまで改善したところであり、引き続き、障害者の雇用と活躍の場の創出に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 有若 隆君。
〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 3点目は、今後の市職員の採用計画における障害者の採用方針についてお伺いをいたします。
市職員の障害者採用と雇用の2.46%への改善に向けた取組状況について、今ほど答弁をいただきました。
今後の市職員の採用計画における障害者の採用方針について、副市長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 障害がある方の採用につきましては、単に雇用の場を設けることにより法定雇用率の達成を目指すだけが目的ではありません。採用後も本人が市職員としてやりがいを持って継続して働き続けることが大切であり、そのためには、周囲の理解など職場環境を整えるとともに、どのような業務が適しているかなどを見極めることが重要と考えております。
これらの見極めは、筆記試験や面接試験だけでは十分ではないことから、国(人事院)では、まずは非常勤職員として任用し、業務の適性などを見極めた後、選考を経て採用するステップアップの枠組みを設けております。
この取組は、今後正規雇用するためにはどのような配慮が必要かといった障害者に対する理解を深めるとともに、障害の特性に応じた業務の分担の検討など、確実な雇用に向けて時間をかけて取り組むことができるものであります。
本市では、今年度から、これまでの採用に加えまして、このような取組を新たに行っており、先ほど企画総務部長が答弁しましたとおり、誰もが職業を通じた社会参加のできる共生社会の実現に向け努力してまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 有若 隆君。
〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 副市長から答弁をいただきました。誰もが職業を通じた社会参加のできる共生社会の実現に向けて、努力していかなければならないと考えます。
次に、健康寿命の延伸に向けてのフレイル対策についてお伺いをいたします。
国が2019年に定めた健康寿命延伸プランでは、2016年度で男性が72.14歳、女性が74.79歳とされる健康寿命を、2040年までに男女ともに3年以上延伸し、75歳以上とすることを目指すとされ、その取組推進の一つに、介護予防・フレイル対策、認知症予防があります。
そこで、1点目、フレイルの予防対策の現状についてお伺いをいたします。
フレイルとは、加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能など)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態でありますが、一方で、適切な介入、支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像とされております。
多くの人は、フレイルを経て要介護状態へ進むと考えられていますが、高齢者においては、特にフレイルが発生しやすいことが分かっています。高齢者が増加している現代社会において、フレイルに早く気づき、正しく治療することや予防することは大切であります。
つきましては、高齢者の健康寿命の延伸を図るためのフレイルの予防対策の現状について、福祉市民部長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 村井福祉市民部長。
〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 議員御発言のとおり、健康寿命の延伸を図るためには、フレイル予防、対策は重要な要素であると認識しております。
本市では、リスクの高い方への個別支援と通いの場における集団支援との二通りの方法でフレイル予防、対策を進めております。
まず、個別支援の取組につきましては、健康センターにおきまして、健診結果や後期高齢者への質問票、医療レセプト等から保健指導が必要な高齢者を選定し、訪問等による保健指導、実態把握を行っております。
また、フレイルと関係の深い糖尿病や高血圧等の生活習慣病の方に対する重症化や口腔機能低下の予防の該当者には、保健師、管理栄養士、歯科衛生士等による保健指導を実施しております。
一方、介護予防の実践を行っております庄川健康プラザにおいては、一人一人の状況に応じた運動指導を行っております。
さらに、包括支援センターにおいて、健診や医療、介護の情報が少ない健康状態不明者への訪問を通じ、健康上、生活上の支援が必要な高齢者の把握にも努めております。
次に、通いの場における集団支援につきましては、高齢者の皆さんが身近な場所で主体的にフレイル対策に取り組めるよう、住民主体のふれあい・いきいきサロンやいきいき百歳体操等の通いの場において支援をしております。
現在、ふれあい・いきいきサロンは133か所、いきいき百歳体操は、介護施設での実施も含めますと103か所で取り組まれております。いきいき百歳体操グループへは、歯科衛生士や管理栄養士による口腔フレイルや低栄養予防の講座も行っております。
また、健康センターでは、生活習慣病とフレイルの視点から、出前講座を通じて健康寿命の延伸について広く啓発を行っております。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、通いの場がやむを得ず休止になっているところもありますが、閉じ籠もりやフレイルの進行につながらないよう、今後とも関係機関が連携してフレイル予防、対策を進めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 有若 隆君。
〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 2点目は、フレイルの予防と改善に向けた今後の取組についてお伺いをいたします。
高齢者の健康寿命の延伸を図るためのフレイルの予防対策につきまして、今ほどいろんな取組状況について答弁をいただきましたが、フレイルの状態が続き進行すれば、要介護や寝たきりのリスクが高まります。
そのため、必要とされるのは、1つには、生活習慣の見直しであり、適切な栄養摂取と運動のコンビネーションに配慮して、ウオーキング、筋トレ、スクワットなど様々な取組があります。
2つには、太り過ぎよりも痩せ過ぎに注意が必要であり、メタボを気にして食事量を減らすと必要な栄養が摂取できず、筋肉が減少して、フレイルが進行します。日本では、6人に1人が新型栄養失調だと言われております。
3つには、たんぱく質が足りているかであり、1日に必要なたんぱく質は、高齢者で体重1キログラムにつき1.2グラムから1.5グラムが必要とされています。
4つ目には、食事は1日3回、栄養のバランスを取って規則正しくすることが重要であり、特に、たんぱく質、脂質、糖質、カルシウム、ミネラル、ビタミンなどのバランスに配慮することが大切であります。
私たちは、コロナ禍で人々の行動が変わらなければ感染を制御できないことを知りました。フレイルの予防にも、高齢者が心身に一定の努力という負荷をかける必要があります。
つきましては、フレイルの予防と改善には、高齢者の保健事業と介護予防を一体的に実施する取組が必要であると考えますが、フレイルの予防と改善に向けた今後の取組について、福祉市民部長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 村井福祉市民部長。
〔福祉市民部長 村井一仁君 登壇〕
○福祉市民部長(村井一仁君) 本市では、今年度から、高齢者の保健事業と介護予防の一体的事業を実施しております。高齢者の個別支援や通いの場における集団支援を、関係する課が連携して一体的に取り組んでおります。
今年度は、健診や医療のデータから健康課題の分析を進めたところ、本市は、県と比較して口腔機能や運動機能、認知機能、体重変化等において低下を自覚している高齢者が多いことが分かりました。
新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、高齢者の外出機会が減少し、今後ますます心身機能の低下が心配されます。
そこで、リスクの高い方への個別支援につきましては、保健師等の医療専門職による訪問を中心に、新型コロナウイルス感染症の感染状況も踏まえて郵送による健康アドバイス等も実施しております。
次に、通いの場における集団支援につきましては、運動や人との対話は、口腔機能や認知機能にもよい効果があるため、フレイル対策の重要な場と考えております。また、隣人と一緒に取り組もうとする一体感があり、健康づくりの強い動機づけになることから、今後も継続できるよう支援してまいります。
さらに、議員御質問の高齢者の栄養対策につきましては、メタボ予防から低栄養予防に重点を置き換えて、現在も対策を進めているところであり、たんぱく質を意識して、必要な栄養素を満遍なくといった視点で、高齢者の皆さんにも分かりやすく周知を進めてまいります。
また、低栄養は口腔機能へも影響があることから、歯科医師会と現状を情報共有しながら、今後の取組について検討してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 有若 隆君。
〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 今ほど答弁いただきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、通いや集いの場が休止となっているところも多いわけでありまして、閉じ籠もりなどによるフレイルの進行につながらないように、今後とも関係機関が連携して、フレイルの予防対策を進めていただきたいと思います。
次に、参ります。
幹線道路の整備促進についての1点目、主要地方道砺波小矢部線の整備促進についてお伺いをいたします。
主要地方道砺波小矢部線は、砺波市街地の三島町と小矢部市街地の安楽寺とを最短で結ぶ延長11.9キロメートルの道路で、能越自動車道小矢部東インターチェンジ及び陸上自衛隊富山駐屯地や県立小矢部園芸高校などへのアクセス機能を有するとともに、両市の大型商業施設を結ぶ主要路線であり、地域経済や沿線地域の発展に寄与する重要な幹線道路であります。
一方、近年、両市の大型商業施設への利用者の増加や、平成30年6月に能越自動車道が新たな料金体系へ変更されたことなどから、交通量が飛躍的に増加してきています。今後さらに交通量の増加が見込まれることから、本路線の果たす役割はますます重要となっています。
しかしながら、本路線の未整備区間は道路幅員が6.5メートルと狭く、また、歩道もなく、自転車や歩行者にとって交通安全上、大変危険な道路状況にあります。
砺波市内の区間は、中神地区が土地区画整理事業により、鷹栖出、神島、狐島地内は、県により道路整備が進められ、現在、神島から狐島地内と、小矢部市内は西中や鷲島地内で道路改良整備が順次進められているところでありますが、さらに地域経済の活性化を図り、沿線地域住民にとって安全で安心な生活空間を確保するためには、残る未整備区間においても本路線の整備促進が必要不可欠であります。
そこで、1点目は、現在の砺波市内区間の整備進捗状況について、建設水道部長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 老松建設水道部長。
〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 主要地方道砺波小矢部線の整備につきましては、新富町(西)交差点から小矢部市境まで約3.2キロメートルの整備計画区間につきまして、歩道の新設に合わせた道路改良事業が平成15年度から進められ、これまで市街地側から神島地内までの約1.5キロメートル区間について、平成29年度までに完成しております。
現在、事業を実施している神島地内から狐島地内までの約600メートルの道路改良工事につきましては、県において平成27年度から工事着工されており、今年度の事業予算の執行により、本年12月末までに整備が完了する予定と伺っております。
これによりまして、砺波市区間における整備の進捗状況につきましては、整備計画全体延長の約66%、3分の2が整備完了済みとなる見込みとなっております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 有若 隆君。
〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 2つ目は、今後の砺波市区間、狐島・西中地区の整備予定についてお伺いをいたします。
現在の砺波市区間の整備進捗状況について、今ほど答弁いただきましたように、66%が整備完了になっているということでありますが、残り3分の1の区間の未整備区間について、今後とも整備促進を県に強く要望していかなければならないと考えますが、今後の整備予定について、建設部長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 老松建設水道部長。
〔建設水道部長 老松 司君 登壇〕
○建設水道部長(老松 司君) 主要地方道砺波小矢部線の今後の砺波市区間の整備予定につきましては、残りの未整備区間である狐島地内から西中地内の小矢部市境までの約1.1キロメートルの区間のうち、狐島地内から若林地区農業集落センター付近までの約600メートル区間につきまして、本年1月の国の補正予算にて事業化されたところであり、現在、県において道路設計が進められているところであります。
また、残る小矢部市境までの区間につきましても、今後の事業化を見据え、測量などの調査を行っていると伺っております。
今後は、未整備区間の道路改良計画が決定された後、地元関係者等との設計協議を進めながら、用地買収や物件移転の完了後に工事着手される見込みであります。
本路線は、これまでも市の重点事業として県へ要望しており、引き続き、主要地方道砺波小矢部線整備促進期成同盟会や若林地区期成同盟会と連携を図りながら、早期整備促進に向けて強く働きかけてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 有若 隆君。
〔9番 有若 隆君 登壇〕
○9番(有若 隆君) 残る未整備区間の早期整備促進に向けて、努力をお願いしたいと思います。
2点目は、一般国道359号砺波東バイパスの4車線化の早期整備着手についてお伺いをいたします。
一般国道359号は、県都富山市と金沢市を結ぶ重要な幹線道路であるほか、地域の生活道路として大きな役割を担っています。
高道から芹谷までの一般国道359号砺波東バイパスは、道路幅員狭隘区間の解消、路肩堆雪による交通障害の解消、観光振興や物流の効率化を図るため、高道から芹谷までの延長6.1キロメートルを国土交通省が直轄権限代行により事業を行うこととして、平成10年度に工事に着手し、平成12年度に高道―矢木間1.1キロメートルが、平成15年度に八木―久泉間1.23キロメートルが、平成21年度に久泉―頼成間2.14キロメートルが暫定2車線で開通し、令和元年12月7日に頼成―芹谷間1.6キロメートルが完成2車線で、全線6.1キロメートルが開通してから2年余が経過しました。
一般国道359号砺波東バイパスの全線開通により交通量が飛躍的に増加しており、沿線の矢木地内では新たな工場が立地するとともに、頼成地内では宅地開発が行われるなど、地域の活性化が進んでいるところであります。
一般国道359号砺波東バイパスの4車線計画区間、高道から頼成間延長4.5キロメートルは、現在、暫定2車線の供用開始区間となっておりますが、既に幅員25メートルの4車線化分の用地が確保されており、道路構造物や盛土も整備済みであります。
今後ますます増加が予想される交通量への対応として、4車線化整備は必要不可欠なものであり、朝夕の交通渋滞の解消やチューリップフェア期間中の交通渋滞の緩和、物流の効率化や沿線地域のさらなる活性化につながるとともに、未整備部分の用地の維持管理や環境保全も課題となっており、沿線住民からも早期整備が望まれています。
つきましては、一般国道359号砺波東バイパスの4車線化未整備区間である高道―頼成間延長4.5キロメートルの現在暫定2車線の早期4車線化整備について、当市の重点事業要望として、国や県に対し強く要望していくべきと考えますが、市長のお考えをお伺いし、通告による私からの一般質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 一般国道359号砺波東バイパスにつきましては、令和元年12月に暫定2車線で全て開通したことによりまして、地域の安全・安心と快適な走行が確保され、物流の効率化や観光の振興など、今後もその整備効果の広がりが期待されるところであります。
現在、4車線化に必要な事業用地の一部については、地元の自治会の皆さんの御協力によりまして、花と緑のまち砺波らしく、菜の花、ヒマワリ、コスモスなど四季を通じた花の植栽などにより、道路の環境保全にも取り組んでいただいているところであり、この場を借りまして感謝を申し上げたいというふうに思います。
一方で、国道359号砺波東バイパスの交通量につきましては、旧国道359号の通過車両のほとんどがバイパス道路に移行され、開通1年後の交通量調査では、開通前に比べますと3割程度増加しておりますが、残念ながら、4車線化整備に必要な交通量基準にはまだまだ足りない状況であり、現状において、事業化についてはかなり厳しいものと考えられます。
しかしながら、現在、朝夕には一時的な交通渋滞が発生していることや、チューリップフェア期間中においては、限定的ではありますが、慢性的な交通渋滞を招いているという現状もございます。
また、事業用地を提供いただいた地権者の方々の思いもありますので、4車線化に向けた事業の早期着手の要望を伝えていくことは大切であると考えられますので、見通しは厳しいという状況ではありますが、新年度において、新たに重点事業の項目として、関係機関に要望していくことを検討したいと考えております。
以上でございます。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午後 1時37分 休憩
午後 1時39分 再開
○議長(川辺一彦君) 再開いたします。
7番 境 欣吾君。
〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 議長の許可がありましたので、質問いたします。
最初に、コロナ禍によって生じた米価暴落による農業経営の困難を軽減するため、砺波市が支援の手を差し伸べることを求めて質問します。
コロナ禍による需要の激減で米価が暴落し、農業経営に多大な影響が及び、これを救済するために、国による積極的な対策を行うことを求めて、当市議会でも意見書が採択されたところです。
これまでも、稲作農家にとっては、米の価格は決して十分ではありませんでした。
政府は、玄米1俵を作るのにかかる経費は、令和2年で1万5,155円と発表し、北陸では1万4,670円とされていますが、昨年の暴落前でも、農家の受取価格はコシヒカリでおおむね1万3,000円、原価を大きく割り込むものでした。そこに昨年の暴落で、コシヒカリの概算金で2,000円も下落し、ほとんど種子や肥料、機械の償却代金などといった物財費分しかないという事態になりました。
影響は甚大で、既に市内の営農組合では、地権者に払う地代を引き下げてもらったという話や、40ヘクタール余りの経営面積を耕作する営農組合では、400万円もの赤字決算で頭を抱えているという話が聞かされました。ある営農組合で会計を担っておられる方を尋ねると、一反に2,000円でも1,000円でもよいから補助するように頼んでほしいと強く要望されました。
さきの産業建設常任委員会において、米価暴落や気象変動の影響を受けた農業生産者の所得をカバーするナラシ対策への加入状況を問う質問があり、認定農業者135経営体のうち93経営体、7割が加入しているとの答弁でした。
ナラシ対策は、標準価格の9割まで補塡される制度ですが、標準価格は直近の米価の平均であり、生産原価よりかなり低く、しかも、補塡される金額の4分の1は生産者の積立金です。米価の暴落が続けば、標準価格も下がり続けます。安心できる十分な補償とは言えません。
さらに、生産を営む戸数から見るなら、令和3年度に稲作をした生産者は889経営体であり、ナラシ対策の対象になる資格さえ与えられていない経営体が圧倒的です。異常な米価事情の下で、稲作を続けられるような支援が強く求められています。
全国では、耕作面積に応じた支援金を交付するとか、次年度の苗の育成費に補助するとか、続けて稲作をしようとする者に対して支援をしようとの動きが広がっています。県内の幾つかの自治体でも独自の支援策を実施すると報じられています。繰り越されている地方創生臨時交付金は使えないでしょうか。砺波市でもぜひ検討していただきたいと要望するものですけれども、答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 島田商工農林部長。
〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 今回の米価下落の最も大きな要因として、新型コロナウイルス感染症の影響もありますが、何より人口減少などによる主食用米の需要量の減少が問題であり、今後も米の需要が減少し続けることが予測されております。
そのような中で、本市においては、これまでも需要に応じた米生産と水田フル活用を基本として農家所得を確保し、経営の安定化による農業者の生産意欲の維持に努めてきました。
また、今回のような急激な米価下落に対応するために関係機関と連携し、ナラシ対策や収入保険制度への加入促進のほか、今回の米価下落を受けて、日本政策金融公庫のセーフティネット資金等の周知にも努めてきたところであります。
県内の幾つかの自治体において、米価下落を受け、次期作の生産意欲の維持を目的に支援策が設けられていることは承知しておりますが、正直申し上げて、議員御発言のとおり多くの経営体がある中で、支援を求める声があまり聞こえていないのが現状であります。
国や県の支援策の多くは30%以上の減収が見込まれる場合に支援金が給付されており、このような制度とのバランスも考慮し、農業者や関係機関のお話も伺いながら、農業者への支援について検討したいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 上げる声が少ないとのことですけれども、沈黙のまま稲作を放棄するというふうなことにならないように、よろしく支援をお願いしたいと思います。
次に、生理用品を学校や公共施設のトイレなどに配置し、誰もが当たり前に利用できる環境をつくることを求めて質問します。
コロナ禍が長引く中で、生理の貧困の問題も顕在化してきました。金銭的な理由で生理用品を手にすることに支障が生じ、健康上の問題や日常生活に困難を抱える女性が増えているとの報道があります。
20代の若者でつくるグループ「#みんなの生理」がインターネットを使って行ったアンケート調査があります。高校生以上の生徒、学生を対象に昨年2月から始めたもので、2週間ほどで寄せられた671件の回答についての結果が報告されています。それによれば、この1年で「生理用品を買うのに苦労したことがある」と答えたのは20%、「買えなかったことがある」との回答も6%あり、「生理用品を交換する頻度を減らしたことがある」との回答は37%にも上ります。「友達などにもらった」というのも29%あり、アンケートを実施した若者たち自身が問題の深刻さに驚いたとあります。
この結果に示されるような状況がそのまま当市に当てはまるかどうかは分かりませんが、問題の性質から、困っておられる方同士で相談し合うということもないでしょうし、周りからも気づきにくいものと考えられ、顕在化しにくいのだと思われます。だからこそ社会からの気遣いが求められるのだと考えます。
このような事態を踏まえ、今、全国では、生理の貧困の問題について、何らかの取組を行う自治体が急激に増えているようです。
富山県でも、学校のトイレに無償の生理用品を配置しようとの動きもあると聞いています。
そこで、最初に要望したいのは、全ての学校のトイレに生理用品を配置することです。金銭的な事情で困っている生徒に配慮するというだけでなく、うっかりや突然の事態にも焦らずに対応できるようにすることは、一人一人の尊厳を大切に考える環境づくりだと考えます。
現在でも保健室に備えが準備してあるとのことですが、相談に行くときの敷居は決して低くないのではないでしょうか。ましてや、金銭的な困難が理由だと繰り返しになることも考えられ、なおさらです。
東京都では、都立の高校や中高一貫校、特別支援学校などで生理用ナプキンの配置が始められました。新宿高校での半年間の経過を聞くと、配置する以前に保健室に相談に来る生徒が年間10人ほどだったのが、トイレに常備すると半年で800枚が使われたと報告されています。
需要の全てが生理の貧困と結びつけられるものではないと考えますが、トイレに行けばトイレットペーパーがあるのは当たり前なように、生理用品も備えてあるのが当たり前にすべきと考えます。
学校の女子トイレに生理用品を備える考えがないか、伺います。構教育委員会事務局長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 学校における生理用品の準備につきましては、議員から御紹介のありましたように、全ての小中学校の保健室に配備し、これを必要とする児童生徒に無償で提供をしております。
このことは、授業において女子の児童生徒に説明しており、保健室に行けば生理用品があると理解をされているものと認識をしております。
議員御提言の学校のトイレに生理用品を備え付けることにつきましては、県立学校や県内他市における今後の対応等も把握した上で、学校からの意見もお聞きし、検討してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) ぜひ検討をよろしくお願いいたします。
次に要望したいのは、公共施設のトイレにも生理用品の配置をすることです。
生理の貧困の問題は、学校だけのことではなく、日常生活に広く影響していると考えられ、困っている方の心に寄り添う環境づくりを考えていただけないかということです。さらに、これはジェンダー平等の社会づくりにも通じるものでないかと考え、提案するものです。
生理用品は、特別な誰かに必要なものではなく、女性であれば日常生活に必需となるものです。かつて、トイレにトイレットペーパーが常備されることは当たり前ではなかった時代がありましたが、今はそうではありません。女性だけが日常の生理に対処するために、男性にはない備えをしなければならない状態から一歩前に進めることが必要ではないでしょうか。公共施設のトイレに生理用品を常備することの意味は大きいと思います。
当市では、災害時の備品として、生理用品が430回分準備されていると聞きました。通常より耐用期間の長いものを備え、10年で入れ替えるとのことですが、これを公共施設に常備するものと入れ替えて利用すれば、廃棄せずに済みます。1つの考え方ではないでしょうか。
公共施設のトイレに生理用品を備えることを考えられないか、お伺いをいたします。畑企画総務部長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 畑企画総務部長。
〔企画総務部長 畑 進君 登壇〕
○企画総務部長(畑 進君) 議員御発言の備蓄品である生理用品が耐用期限を迎え、それを入替え時に公共施設に配置するなどの活用をすれば廃棄せずに済むというのも1つの考え方ではありますけれども、防災備蓄品は、発災時から72時間生活できる最低限の物品を備蓄しているものであり、数量は限られておりますし、配置後の管理、衛生面での課題についても十分検討する必要があるものと考えております。
本市といたしましては、内閣府の男女共同参画局で生理の貧困対策につきまして事例紹介をしており、参考とするとともに、男女共同参画市民委員会などの御意見も伺いながら、今後検討してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 検討よろしくお願いいたします。
次の質問に入ります。
松村外次郎記念庄川美術館、水資料館の存続継続を求めて質問いたします。
さきの11月議会でこの問題について質問いたしましたが、いただいた答弁が十分に納得のいくものでなかったので、再び質問をさせていただきます。
最初に、公園の再整備に当たって、美術館と資料館を廃止せねばならぬ理由は何かについてお尋ねします。
多くの方の熱い思いが寄せられて建てられ、この地にあるからこその魅力を発揮し、この地ならではの役割を果たしている施設を、耐用年数にも達していないのに壊さなければならない理由は何かとの質問に対する答弁は、老朽化しており、大規模改修が必要になっている。未来の子供たちに過度の負担を強いてはならないというものでした。
しかし、耐用年数が過ぎ、時々に改修の必要な施設はほかにもあるのではないでしょうか。問題は、改修しながらでも存続させておくべき大切な施設と位置づけるかどうかです。
この地に育まれた芸術家の作品を収蔵して展示しながら、地域ゆかりの芸術家を招いての講座の開催や中学生による清流展の開催など、地域住民と共に刻んできた歴史が、この美術館にはあります。
東京府中市美術館学芸員の武居利史氏は、借りてきた美術品を華やかに展示して集客を得ようとする美術館ではなく、所蔵品による常設展示を行う美術館の大切さが、コロナ禍で集客が減った現在、ますます明らかになってきたと述べ、展覧会などイベントを行うためのただの箱としての美術館でなく、住民を単に観客と捉えず、住民と向き合い、美術の体験学習を行うワークショップなど、教育普及活動などを通じて、住民と共に文化を育んでいく美術館の働きが重要だと力説しています。
全国に公立の美術館は254館しかないそうですが、設立当初から、地域の芸術家の作品を収蔵し、地域の皆さんと歩いてきたこの庄川美術館は、極めて貴重な存在ではないでしょうか。
先日、庄川で彫刻家として活躍しておられる方をお訪ねする機会がありました。そこでは、未来の子供たちのためにというのなら、貴重な文化の拠点をしっかり引き継ぐことこそ大切でないか。そのために、財政的にどうするかを考えるのが行政や議会の仕事ではないのかとの厳しい指摘がありました。
庄川地域は、来年度から過疎地域に認定されると聞きました。貴重な施設を廃止する理由が、次の世代への財政的な負担を負わせないということであるなら、過疎債を活用することを考えてはどうでしょうか。そうすれば、当市の財源を使わずに、後年度の負担も3割程度で、時代に合わせ、さらに多くの市民に利用してもらえるようリニューアルしながら維持していけるのではないでしょうか。
来年度予算案には、美術品の新たな収蔵場所の新設などが計上してありますが、廃止するのには、さらに、移転そのものにかかる経費や解体費用などが必要です。どのぐらいになるのか担当課を訪ねましたが、確定していない金額はお知らせできないとのことでした。いずれにしろ、相当の支出が想定されます。希少な価値のある施設の刻んできた歴史を断ち切り、しかも、そのために多額の市税を使うのなら、過疎債を活用して、さらに豊かな営みを積み重ねていくことこそ選択すべきではないでしょうか。
今、これらの施設を急いで廃止しなければならない理由についてお答えください。齊藤副市長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 昨年の11月議会での答弁が十分に納得のいくものではなかったから再び質問するとのことですが、境議員とは捉える視点が違いますので、納得していただくことは難しいと思いますが、これまでの経緯も含め、お答えをいたします。
御承知のとおり、公共施設等の老朽化や厳しい財政状況が続く中、将来の人口減少と少子高齢化により、将来を担う子供たちに過度な負担を強いることのないよう、公共施設等総合管理計画や公共施設再編計画を策定し、財政負担の軽減や公共施設等の適正配置等を行いながら、長期的な視点に立って長寿命化や統廃合、除去などを進めております。その中で、庄川美術館、水資料館の機能移転後に建物を廃止することにつきましては、これまで何度も市議会定例会で答弁をしてきたとおりであります。
改修しながら存続していけばどうかとの御提案ですが、現状の建物にコストをかけて改修しましても、軀体の老朽化や雨漏り等の根本的な解決には至らず、先延ばしすることで貴重な財源を無駄にすることになります。
特に、庄川美術館は、建設当時、斬新なデザインが求められたことから、デザインを重視しているため、構造が複雑であり、これまで何度も各所で雨漏りが発生をしております。
今回の再編計画策定に当たっては、各地区や関係団体の皆さんのところへ出向き、こうした現状を説明し、今後の公共施設の在り方について提案をしてまいりました。説明当初は、一部の方から廃止に対して反対の意見もありましたが、その後、地元の皆さんによる庄川水記念公園再整備を考える会などでは、実際に現地を視察されるなど5回の会議を開催され、現状の問題について認識していただき、再整備に向けて意見交換され、一定の方向が示されたものと理解をしております。
市では、こうした御意見を尊重し、これから水記念公園再整備計画を策定することとしております。議員には納得されないでしょうが、御理解をお願いをしたいというふうに思います。
蛇足ですが、今日のある新聞の5月生まれの運勢は「調和が大事。己を抑え相手の意を迎える」というふうになっておりました。実は、私は5月生まれです。幸いに、境議員も5月生まれでした。納得して読んでおりました。
なお、過疎債につきましては、今後の再整備も含め、庄川地域の活性化や将来に向けて必要な事業に活用していくべきものと考えております。なお、過疎債はあくまでも借金ですので、そういうことも十分踏まえながら、事業の選定をしていきたいというふうに考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 御案内のとおり5月生まれでございます。しかし、なかなか納得がいくものではないなというふうに思います。
今の答弁を聞いて、次の質問の答えも決まっているかなというふうに思いますが、準備をしましたので質問させていただきます。
この施設を生かして公園の再整備ができないかといった前回の議会での質問に対して、庄川水記念公園再整備を考える会において、現状と課題、将来像について、庄川美術館、水資料館の廃止を踏まえて意見交換が行われているとのことでした。壊して進めることが前提であるとの答弁とも聞こえました。そもそも、考える会の皆さんによる公園再整備の意見交換の中で両施設を壊すしかないとの結論に至ったのではなくて、話合いのスタートが、壊した後どうするかから始まっているのではないかと、そういうふうな気がした次第です。
計画はこれからですから、施設を壊すことを前提とせずに、施設を残した公園の再整備をぜひとも再考していただきたいと強く要望します。先人から今の私たちを経て未来に続いていく、時代が進むごとに施設を拠点にして行われた様々なことが蓄積され、豊かに厚みが増していくような、そういう方向を考えるべきではないかと考えます。
美術館、資料館の存続を求める私たちに、この施設を愛する方から思いをつづった一文が寄せられました。その中では、松村外次郎氏の作品が、聖地の土壌と周りのなりわい、暮らしの中で作り出されたものであり、庄川町民の創造の歴史であり、それを象徴する輝く財産であると述べ、作品に触れた子供たちが各地で思い出や誇りを語ることで、人々の心に触れ、足を動かす時代が来る。50年、100年の単位で地道なつながりを蓄え、走っていくことが大事でないかと強調しておられます。2つの館を生かし、それを中心にこの公園を充実させることこそ意味のあることだが、壊して別のものという案は、先人に対する不敬としか言いようがないとの指摘です。
夢が広がる公園への再整備には賛成ですが、先人の思いを包み、歴史を積み重ねる計画とするために、両施設を残して進める考えはないか、改めて齊藤副市長にお尋ねします。
○議長(川辺一彦君) 副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 公園の再整備につきましては、先ほどお答えいたしましたとおり、令和2年3月に策定いたしました砺波市公共施設再編計画に基づき、庄川美術館及び庄川水資料館の機能は別施設へ移転し、建物は廃止することを前提とした上で、これまで庄川水記念公園再整備を考える会や庄川美術館等のあり方検討委員会において、委員の皆様に施設跡地の利用方法や美術品、収蔵品の在り方などに関する議論をいただいたところであり、両施設を残した公園の再整備は考えてはおりません。
繰り返しになりますが、両施設の全てを廃止するとしているものではなく、建物は廃止するものの、機能は残すと申し上げているものであり、美術品や収蔵品などは新たな施設に移し、新たな方法で展示していくこととしております。
また、公園内においては、大型のブロンズ彫刻などを屋外展示することを検討しており、新年度からは、本格的に庄川水記念公園の再整備に向けた基本計画策定にも着手する予定であります。
ダーウィンは、最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き残るのでもなく、生き残ることができる者は変化できる者であると言っております。
現状をしっかり見極め、過去にこだわらず、よりよい形で残していくことこそ、先人の思いを継承していくことになるのではないでしょうか。
議員には、両施設が新しく生まれ変わる機会と捉えていただき、公園の再整備等に対して前向きに考えていただくようお願いをいたします。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時11分 休憩
午後 2時19分 再開
○議長(川辺一彦君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
11番 雨池弘之君。
〔11番 雨池弘之君 登壇〕
○11番(雨池弘之君) 本定例会のトリであります。もう少し時間をお付き合いいただきたいと思っております。
それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、分割方式による一般質問並びに提案をさせていただきます。
1点目の、滞在型観光を目指し、観光資源の充実や再発掘についてのうち、まず、小牧ダム築造100年を記念し、観光資源として広く国内外に情報発信してはについてお伺いします。
第2次砺波市総合計画後期計画が、令和8年度までの5年計画として策定が進められています。将来像として、「~庄川と散居が織りなす花と緑のまち~もっと元気 ほっと安心 ずっと幸せ“やっぱり砺波”」とし、令和8年の目標人口を4万7,000人とされています。
その後期計画では、観光振興策の主な取組として観光資源の充実を掲げ、庄川温泉郷や庄川峡遊覧船、庄川水記念公園など、庄川の清らかな流れに育まれた魅力ある資源を生かし、イベントの開催や宿泊を伴う旅行商品の開発を行う。また、観光や交流の拠点となるよう、庄川水記念公園をはじめ周辺施設の再整備を進めるとあります。
ところで、東山見地区では、自治振興会が中心となって地区の課題を地区で考え、地区の望ましい将来像やまちづくりの方向性について、昨年、3回にわたり会議を開催し、延べ144名の方々が参加され、課題の解決に向け6つのワーキンググループを設け、プランの実行に向け指導していくとされています。
東山見保育所の跡地の利活用や水記念公園サポート、また、観光資源の発掘と活用等で庄川の自然、歴史、文化をめぐる小旅行を楽しもう、また、庄川水系のすばらしさを積極的にICTを活用し国内外に発信していくとあります。
このように、一級河川庄川は、何かにつけ市民生活に密着しています。その庄川は、岐阜県の烏帽子岳付近に源を発し、山間部を縫うように流れ、砺波平野をはじめ県西部をかんがいする用水の要に位置し、富山湾に注ぐ県内有数の潮流で、延長は約11キロメートルであります。
ダムが建設される前の庄川では、上流部で藩政時代に禁止されていた木材の伐採が自由にできるようになり、伐採された木材を下流部へ流すことや、砺波平野の各用水の取り入れが主流であった。
ところが、氷見出身の実業家、浅野総一郎、その銅像が水記念公園内の高台に設置されており、また、ふれあいプラザには、ダム建設当時の資料等が展示されています。
庄川での水力発電を計画し、太平洋側に電力供給するという大規模な構想を描いて、富山県に庄川水系の水利権利用を申請し、1919年1月に水利権を取得し、1922年にダムの建設が許可されたが、庄川流域の木材業者は、ダムが建設されると庄川を通して木材が送れなくなる可能性があるとし、建設に強く反対した。そのため、木材業者の経営を保護する観点から、木材運搬用の施設や魚道をダムに取り付けるとして1925年にダム建設に着工したが、ダムの建設が開始されてからも庄川流域の木材業者と電力側が衝突する庄川流木争議事件があるなど、紆余曲折を経て、1930年に小牧ダムが完成したのであります。
完成当時は東洋一の高さを誇るコンクリートダムで、ダムの建設に当たり、資材運搬用の工事専用鉄道が加越線の青島駅を起点とし、青島ヤード、庄川中学校付近を経て小牧ダムの現場までと、下流は中野、太田を経て柳瀬に至る専用鉄道が敷設され、上流は小牧線、柳瀬に向かう下流線は砂利線と呼んだとあります。
ところで、庄川の本流から取水している用水は、左岸には鷹栖口や若林などの8用水が、右岸には三合新や芹谷野などの4用水があり、諸用水の取水口を合口して取水堰を共同で築造すれば単独で築造するよりはるかに軽減され、また、必要水量も共同堰取水口で調整すれば適正な排水ができることは理解されていたが、各用水の利害関係があり、用水側双方の協定により、合口事業を実現することは難しかったが、小牧ダムの築造により、各用水の取水口を合わせ、共同で取水堰を築造しなければならなくなり、金屋・舟戸地内に庄川用水合口ダムが、昭和14年11月に第1期工事として庄川左岸幹線水路が完成し、また、中野発電所も運用開始され、これにより、かんがい面積は1万2,000ヘクタールに及び、「今や庄川の天与の恩恵を受けるわれわれは、永遠にこの偉業を讃え、共栄の道を歩みたい」と、庄川合口堰堤の銅碑に刻まれています。このような歴史的背景のある小牧ダムが、2030年に築造100年を迎えるのであります。
なお、小牧ダムは、2001年に土木学会の土木学会選奨土木遺産に、また、2002年には河川用ダムとして初めて登録有形文化財に、2007年には経済産業省の近代化産業遺産の登録を受けています。
ダムの建設により、新しくダム湖が生まれ、庄川峡として庄川遊覧船が運行し、秘境の宿大牧温泉観光旅館への唯一の交通手段であり、船上からは、春の新緑や秋の紅葉、そして、冬の雪景色など四季折々の変化が楽しめ、特に近年は冬期間運航され、富山県の冬の観光地として、雪の大谷、冬の庄川峡として訪日外国人旅行者が多数訪れ、2016年には外国人の乗客が1万人を突破したとあります。
そこで、2030年に築造100年を迎えようとしている小牧ダムは、関電の北陸エリアマップによると、昭和5年に完成したダムは、庄川水系では小牧ダムと祖山ダムがあり、この機会を捉え、南砺市とも連携し、改めて観光資源として広く国内外に情報発信をしていくべきと考えますが、島田商工農林部長にお伺いします。
次に、小牧発電所の見学については、事前申込みにより可能とありますが、現在は新型コロナウイルス感染症により休止されていますが、小牧ダム築造100年を受け、発電所内部とダム見学ツアーの実施やダムのライトアップ、フォトコンテスト、スタンプラリー等の事業について、観光資源の再発掘の意味からも検討すべきと考えますが、島田商工農林部長にお伺いします。
次に、庄川本流に周遊する体験型コースについてお伺いします。
昨年の2021庄川水まつりが、新型コロナウイルス感染症により10月に実施され、その中で、ゴムボートによる周遊ツアー、赤岩一周コースを実施されたところ、165名もの参加があり、大変人気があったとあります。
そこで、小牧ダム築造100年に向け、ゴムボート等によるポットホールや鎧壁を川面から見学し、小牧ダム付近までを周遊する体験型コースを検討されてはいかがでしょうか。過去には、合口ダムには大型ボートやあゆ丸号が運行していた実績もあります。島田商工農林部長にお伺いします。
次に、ポットホールや鎧壁を市の文化財等に指定についてお伺いします。
庄川本流にはすばらしい観光資源が眠っています。旧庄川町では、そこまで貴重であるとは認識されていなかったと思いますが、それはポットホールといい、数か所もあり、中には、子供の背丈ほどのものもあると、庄川町史上巻にその記述が見られます。
ポットホールとは、日本語で甌穴(おうけつ)と呼ばれ、岩石が川の水流によって動き回り、河床などに穴を空けた状態のことを指すとあります。
全国には、国の天然記念物に指定されているものが10か所もあり、隣の石川県金沢市には山科の大桑層化石産地と甌穴が、また、地方自治体指定の天然記念物として15か所が指定、そのほかにも、文化財として17か所が指定されています。
そこで、観光資源の再発掘の意味から、砺波市においても、鎧壁と併せて市の文化財等に指定し、情報発信に努めるべきと思いますが、構教育委員会事務局長にお伺いします。
次に、水資料館の機能移転に伴う基本計画や移転後の名称についてお伺いします。
庄川水資料館に展示されている資料等については、庄川特産館等の展示室を改修し、令和5年に特産館や庄川ふれあいプラザに移転展示するとありますが、私は、単に移転展示するのではなく、先ほども申し上げましたが、砺波平野の発掘は、一級河川庄川なくしては考えられないと思います。そこで、この機会に改めて庄川に関する歴史等についても収集展示すべきと思います。
また、機能移転に伴う基本的な計画や移転後の展示館について、例えば、庄川歴史博物館等の名称とされてはいかがでしょうか。齊藤副市長にお伺いします。
次に、2点目の、庄川近隣地域の観光資源と連携しての情報発信についてお伺いします。
庄川峡観光協同組合と南砺市観光協会井波支部が、行政の枠を超えて、多彩な観光資源を発信しようと庄川地域と井波地域の観光スポットを紹介する地図を作成されています。庄川と井波を融合する場所として、八乙女山閑乗寺県定公園があり、特に近年はキャンプ場として脚光を浴びており、買物等は庄川地域でされるなど、連携が進んでいます。
また、ドローンの操縦体験ができるドローンショップもオープンしています。
ところで、庄川右岸、三条山は京都嵐山の景色に似ていることから、地元では、「砺波嵐山」と愛称されています。東山見地域には庄川大仏の光照寺や西蓮寺があり、井波区域には瑞泉寺や越中一宮高瀬神社等があり、このような庄川、井波の位置関係が、東に一級河川庄川沿いの砺波嵐山という自然エリアと、井波区域は瑞泉寺を中心とした文化エリア、砺波嵐山から瑞泉寺までは2.5キロメートルが、京都の嵐山と保津川の自然エリアと文化エリアとしての仏閣等がある背景が似ているとあります。
射水市新湊地域の内川のエリアを「日本のベニス」と称し、県の観光公式サイトに載っている実績もあります。
そこで、民間任せではなく、行政としても近隣地域の観光資源と連携し、このことを情報発信していくべきと思いますが、島田商工農林部長にお伺いし、質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 私からは、1項目めの1点目のうち、水資料館の機能移転に伴う基本計画や移転後の名称についての御質問にお答えをいたします。
水資料館等の機能移転につきましては、地域を主体とした組織において、それぞれ検討されております。
まず、庄川水記念公園再整備を考える会につきましては、令和2年7月から庄川地域の関係者14人で構成し、水記念公園の現状と課題、将来像や再整備方針について協議、意見集約が行われております。
また、庄川美術館等あり方検討委員会につきましては、昨年4月に、庄川地域の美術家や郷土史家、観光関係者等6人で構成し、現地調査を含め、庄川美術館及び庄川水資料館の機能移転に関する基本的な計画を取りまとめたところであります。
今ほど雨池議員が庄川の水と人との関わりなど、るる説明されましたが、水資料館の機能移転の計画につきましては、水記念公園内の施設で展示してほしいとの庄川地域の方々の意向を踏まえ、水に関する資料と展示品を庄川特産館と庄川ふれあいプラザに移転し展示することとしております。
これにより、時の経過とともに入館者が減少し、地元の皆さんからの関心も薄くなっていた庄川の水に関する歴史等について改めて触れていただき、先人の偉業に対し、再認識していただければと思っております。
なお、移転後の施設の名称につきましては、現段階では未定であります。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
島田商工農林部長。
〔商工農林部長 島田繁則君 登壇〕
○商工農林部長(島田繁則君) 私からは、1項目めの1点目、滞在型観光を目指し、観光資源の充実や再発掘についてのうち、まず、小牧ダム築造100周年を記念し、観光資源として広く国内外に情報発信してはの御質問にお答えいたします。
議員御発言のとおり、ダムの建設には様々な出来事やたくさんの人々の思いがあり、多くの課題を乗り越えられた歴史の上で、今日を迎えていることは承知をしており、改めて先人たちの御苦労に敬意を表するものでございます。
さて、小牧ダム築造100年を記念しての取組については、まだ100年までは8年もあることから、これからゆっくり関係団体と共に検討していければと考えており、基本的には、ダムの所有者である関西電力や関係者の皆様が主体となって行うものと認識をしております。
市といたしましては、これまでも砺波市と南砺市の行政をはじめ、観光施設やホテル、旅館などで構成する富山県となみ野観光連盟において、ホームページやガイドブックを作成し、南砺市と連携した情報発信に努めてきたところでありますので、引き続き、適切な時期に、庄川遊覧船や庄川峡の四季折々の景色などの魅力を併せて、積極的に情報を発信してまいりたいと考えております。
次に、各種事業の計画についての御質問にお答えいたします。
小牧ダム築造100年に関連した各種事業につきましては、今ほどの答弁でも申しましたとおり、基本的には所有者が検討するものと考えております。
ただ、市といたしましても、築造100年という節目であることから、庄川遊覧船、庄川峡観光協同組合、イベント関係者などとも情報共有をし、そして、誘客促進に向けてどのような取組がよいのか、今ほどの関係者と連携して検討を進めていければと考えております。
次に、庄川本流に周遊する体験型コースについての御質問にお答えいたします。
議員御発言のとおり、庄川本流でのゴムボート周遊ツアーについては、水に親しむ体験として、昨年、庄川水まつりにおいて、赤岩一周コースと金屋石石切場探検コースの2コースを設定され、参加人数もほぼ満員となるなど大変盛況でありました。
ツアーの実施に当たり、30名近くのスタッフの方々が、安全対策に細心の注意を払いながらお客様をもてなしておられ、庄川水まつり実行委員会のスタッフの皆様には、改めて敬意を表するものでございます。
さて、合口ダムから小牧ダム間の湖上遊覧船あゆ丸号の運行につきましては、平成31年2月議会での雨池議員の御質問にお答えしたとおり、川底の障害物への接触や費用対効果の観点から、現在は考えてはおりません。
また、小牧ダム築造100年に合わせたゴムボートなどでの周遊ツアーにつきましては、8年後に向けて、今回の実績もあることから、まずは庄川水まつりのイベントなどで実施できないか、実行委員会など関係者に検討いただくよう働きかけてまいりたいと考えております。
次に、2点目の近隣地域の観光資源と連携しての情報発信についての御質問にお答えいたします。
庄川地域と南砺市井波地域では、これまでも生活面や観光面においてお互いに協力してきた、つながりの強い地域であると認識しております。
特に観光面においては、庄川地域では、温泉宿泊施設があり、庄川峡などの四季折々の自然が織りなす景色が見られ、南砺市井波地域では、瑞泉寺を中心とした門前町の町並みや井波彫刻を有し、観光客にとって多様な楽しみを味わうことができる魅力あふれるエリアであります。
これらの情報発信につきましては、小牧ダム同様、行政と民間で構成する富山県となみ野観光連盟において、ホームページやガイドブックを活用しPRしてきており、あわせて、砺波市ホームページにもリンクを貼るなど、官民連携した情報発信に努めてきたところであります。
今後も若者への発信が期待されるSNSなどを活用しながら、さらなる情報発信に努めるよう、働きかけを行うとともに、道の駅など市内の観光案内所での近隣地域と連携した情報発信についても引き続き行ってまいります。
雨池議員からは、いかにも民間任せとの御発言もございますけど、今ほど申し上げたとおり、これまでも行政と観光民間関係者が連携協力して情報発信しているところであり、これからも一緒にやってまいりますので、誤解のないよう、よろしくお願いをいたします。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
構教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 構 富士雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(構 富士雄君) 私からは、1点目のうち、ポットホールや鎧壁を市の文化財に指定についての御質問にお答えいたします。
庄川峡のポットホールにつきましては、河川河床の泥板岩を砂礫がえぐってつくられた自然現象であり、このような現象が見られるところは、全国には少なくとも800以上存在していると伺っております。
また、鎧壁につきましては、板を積み重ねたような整然とした地層の重なりが庄川の浸食によって断崖となったものであります。
これらを文化財等に指定することにつきましては、所有者の申請に基づき、文化財保護審議会で審議されることとなりますが、まずは所有者の特定とその意向が求められるものであります。
しかしながら、ポットホールにつきましては、河川区域内で人が簡単に近づけない場所であるほか、河川の流れによりましては滅失の可能性もあります。
また、鎧壁につきましては、土地境界が不明確であることなどから、現段階において指定は容易には至らないものと思っております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。
議案の常任委員会付託
○議長(川辺一彦君) ただいま議題となっております議案第4号 令和4年度砺波市一般会計予算から議案第28号 令和3年度砺波市病院事業会計補正予算(第4号)まで、報告第1号 専決処分の承認を求めることについて、及び報告第3号 専決処分の承認を求めることについては、会議規則第37条第1項の規定により、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の各常任委員会に付託いたします。
日程第2
再審法改正(刑事訴訟法の一部改正)を求める意見書提出の請願
請願の常任委員会付託
○議長(川辺一彦君) 次に、日程第2 再審法改正(刑事訴訟法の一部改正)を求める意見書提出の請願については、お手元に配付してあります請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
日程第3
議員提出議案第1号
○議長(川辺一彦君) 次に、日程第3 議員提出議案第1号 ロシアによるウクライナ侵略を強く非難する決議を議題といたします。
(提案理由の説明)
○議長(川辺一彦君) 本案に対する提案理由の説明を求めます。
提出者を代表して、18番 山森文夫君。
〔18番 山森文夫君 登壇〕
○18番(山森文夫君) 議員提出議案第1号 ロシアによるウクライナ侵略を強く非難する決議、提出者を代表いたしまして、提案理由の説明を申し上げます。
ウクライナをめぐる情勢については、昨年以来、我が国を含む国際社会が緊張の緩和と事態の打開に向けて懸命な外交努力を重ねてきました。
しかし、2月24日、ロシアはウクライナへの侵略を開始した。
ロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為として、国際法違反であることは明白である。
よって、本市議会は、国際社会の恒久平和を世界に訴えつつ、緊急人道支援等の必要な対応を迅速に行う姿勢に強く賛同するとともに、重ねてロシアに対し、攻撃の即時停止と部隊の撤収を強く求める。
議員各位におかれましては、本提案の趣旨を御理解いただき、全会一致の御賛同を賜りますようお願いを申し上げ、提案理由の説明といたします。
(質 疑)
○議長(川辺一彦君) これより質疑に入ります。
質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(川辺一彦君) 質疑なしと認め、質疑を終結します。
(討 論)
○議長(川辺一彦君) これより上程議案に対する討論に入ります。
討論はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(川辺一彦君) 討論なしと認め、討論を終結します。
(採 決)
○議長(川辺一彦君) これより採決をいたします。
お諮りいたします。議員提出議案第1号 ロシアによるウクライナ侵略を強く非難する決議は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(川辺一彦君) 起立全員であります。よって、議員提出議案第1号 ロシアによるウクライナ侵略を強く非難する決議は、原案のとおり可決されました。
○議長(川辺一彦君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。
次に、議会の日程を申し上げます。
明3月9日は産業建設常任委員会を、10日は民生病院常任委員会を、11日は総務文教常任委員会をそれぞれ午前9時から開催し、付託議案等の審査を行います。
お諮りいたします。明3月9日から3月14日までの間、各常任委員会における議案審査等のため本会議を休会したいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(川辺一彦君) 御異議なしと認めます。よって、明3月9日から3月14日までの間、各常任委員会における議案審査等のため本会議を休会することに決しました。
次回の本会議は3月15日午後2時から再開し、委員会審査の結果報告、質疑、討論、採決を行います。
本日はこれをもちまして散会いたします。
どうも御苦労さまでした。
午後 2時56分 閉議