1.会議の経過
午前10時00分 開議
○議長(川辺一彦君) ただいまの出席議員は17名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめ配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)
○議長(川辺一彦君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問並びに議案第85号 令和5年度砺波市一般会計補正予算(第6号)から議案第107号 証明書等の交付等に係る事務の相互委託の廃止についてまで、及び報告第8号 専決処分の報告についてを議題といたします。
これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
14番 島崎清孝君。
〔14番 島崎清孝君 登壇〕
○14番(島崎清孝君) 皆さん、おはようございます。
質問に先立ち、11月15日、前市議会議員である雨池弘之氏が御逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表しますとともに、心より御冥福をお祈りいたします。
それでは、令和5年12月定例会に当たり、自民会を代表し、夏野市長及び教育長、病院長に質問いたします。
初めに、総合経済対策への対応についてお尋ねします。
新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類に変更され、半年以上が経過いたしました。感染状況は減少傾向にあり、経済や市民活動との両立が見えてきたとも言えます。
一方で、7月に発生した豪雨災害への対処は一刻の猶予もなく、新型コロナウイルス感染症対策については、インフルエンザとの同時流行への備えを強化し、高齢者などのハイリスク層を守る取組が引き続き必要です。
加えて、深刻化する物価高騰の影響から、市民の暮らしと市内経済を守り抜き、未来への活路を切り開いていくためにも、取組のさらなる充実が求められます。
そうした中、先般、デフレ完全脱却のための総合経済対策が閣議決定されました。低所得世帯のほか、物価高騰の影響を受けた市民や事業者を支援するため、重点支援地方交付金が追加され、早期執行が盛り込まれたところであります。
そこで、物価高に苦しむ市民や事業者に対して、一刻も早く支援を届け、市民生活を守るべきと考えますが、総合経済対策に呼応した本市の対応について、市長の見解を伺います。
次に、令和6年度一般会計当初予算の編成方針について伺います。
今年度、令和5年度の一般会計当初予算は、合併後の予算としては2番目の規模となる229億4,000万円を編成しました。これにより、社会的要請に応える行政サービスや、行政水準の向上が着実に図られているものと評価します。
他方、市の重点事業である「10WAVEプロジェクト」の令和5年度総事業数は151事業、事業費では45億600万円と、5年前の86事業、27億400万円に比べ、事業数では1.76倍、事業費でも1.67倍と大きく増加しており、財政の健全性、弾力性が懸念されます。
そこで、財政の健全性、弾力性を維持するには、ソフト事業のスクラップ・アンド・ビルドを原則とし、新規に実施する事業については、行政評価のPDCAサイクルをこれまで以上に厳格に運用することが必要かと考えますが、市長の所見を伺います。
また、令和6年度は、ポストコロナの時代を迎えた初年度の予算編成となります。コロナ禍後の社会の変容として、デジタルシフトや様々な分野でのサステーナビリティー、持続可能性意識の高まりなどが求められる中、必要な施策をバージョンアップした事業展開により、砺波市を持続的な成長へとつなげていかねばなりません。
そこで、新年度はどのような考え方、方針を基に予算編成に挑まれるのか、また、具体的に注力する事業について、現時点の見解を伺います。
次に、空き家対策について伺います。
日本の住宅市場に関する政策は、住宅難解消や景気対策など目的は異なっても、常に、新築住宅を対象とした供給と取得が繰り返されてきました。
その間、住宅は世帯数の増加を上回るペースで増え続け、住宅・土地統計調査による直近の空き家率は13.6%に上昇し、過去最高を更新しています。
野村総研の試算によると、10年後の2033年にはこの割合が30.2%にも上るとされており、空き家対策は地区住民にとっても大きな課題です。
今後の空き家対策は、いかに住宅市場での中古住宅の流通促進を図るのかが成功の鍵になると考えますが、そのためにも、不動産や民間企業など様々な組織や人材が持つ知識やノウハウを生かしながら、地域の特性に合った対策を計画し、実行することが必要です。
そこで、こうした既存住宅の流通促進や空き家を利活用する先導的な取組を行う民間事業者等を、県とも連携し支援するとともに、事業者同士が情報交換や交流する場を提供することで、関心のある事業者の参入を促し、民間事業者の裾野を広げていくなどの取組を展開すべきと考えますが、見解を伺います。また、新年度の空き家対策事業推進の考え方を伺います。
次に、さらなるデジタル化の推進について伺います。
国は、デジタル技術の活用により、地域活性化を目指すデジタル田園都市国家構想を推進しています。
地域経済、行政リソースの最大化、住民福祉の向上などの課題を解決し、地域社会への新しい価値やサービスの提供を行い、安定的、継続的な経済成長をつくり出すための重要な取組です。
具体的には、行政手続の自動化やワンストップ化、データ活用で一人一人に合ったサービスの選択が可能となるデジタル社会を目指し、全ての国民や事業者が安心して利便性を享受できる社会の構築を図るとしています。
そこで新年度、砺波市は、デジタルトランスフォーメーション社会の構築に向け、具体的にどう取り組むのか、あわせて、デジタル社会における重要な基盤であるマイナンバーカードのさらなる普及促進に向けての見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) おはようございます。
自由民主党砺波市議会議員会を代表しての島崎議員の御質問にお答えいたします。
まず1点目の、総合経済対策への対応についての御質問につきましては、先月11月29日に成立いたしました国の補正予算のうち、物価高により厳しい状況における生活者、事業者への支援においては、低所得者世帯支援枠の追加の拡大と、物価高騰の影響を受けました生活者や事業者を引き続き支援するために、重点支援地方交付金を追加することが盛り込まれたところであります。
低所得者世帯への支援につきましては、物価高に最も切実に苦しんでおられます低所得者の方々に迅速に支援を届けるため、世帯員全員が住民税非課税となる世帯等に対し、1世帯当たり7万円の給付金を支給する補正予算を今回提出しております。
また、物価高騰の影響を受けました生活者や事業者への支援につきましては、長引く原材料やエネルギー価格の高騰等により、厳しい経営状況にあります建設業者や製造業者はもとより、バスやタクシー等の交通事業者、本市の特産でありますチューリップ球根栽培など農業経営者などへの切れ目のない支援について、現在、支援内容の検討を進めているところであります。
先頃、県議会に提出されました県の支援なども注視しながら、県との協調した事業も含め、できる限り早期に実施するため、本定例会において追加提案できますよう、準備を進めているところでございます。
次に、2点目の令和6年度の一般会計当初予算の編成方針のうち、財政の健全性、弾力性の維持についての御質問にお答えいたします。
議員御懸念のとおり、少子高齢化の進行など社会情勢の急激な変化に伴い、市民ニーズも多様化する中で、「10WAVEプロジェクト」をはじめとする市の重点施策については、その事業数も事業費も増加傾向にあります。
本市では、行政改革推進計画に基づきまして、事務事業の選択と集中を進めるとともに、事務の効率化とサービス向上に努めておりまして、新規の事業も随時計画に反映し、各施策ごとに現状と課題、取組の具体的スケジュールについて検討するなど、各施策や個別事業のスクラップ・アンド・ビルドを徹底しているところであります。
また、従来の行政評価に代わる手法として、各部局で懸案となっております事業等の在り方を重点的かつ全庁的に検討する提案型事業評価制度を導入しまして、役目を終えた事業の縮小、廃止、また効率的な統合や外部組織への移管などに積極的に取り組んでいるところであり、ある意味、PDCAサイクルの運用よりも、より迅速かつ効率的に事業の進行管理を行っているところであります。
今後とも、これらの制度を徹底して行うことで、より堅実で計画的な財政運営による将来負担の抑制と、安定した財政基盤の確立を目指しまして、健全で持続可能な財政運営を、砺波型として推進してまいりたいと考えております。
次に、予算編成の考え方についての御質問にお答えいたします。
本定例会の提案理由で述べさせていただきましたが、目下の最優先課題は物価高騰対策でありまして、生活者、事業者にとって厳しい状況は当面の間続くものと考えております。
したがいまして、先ほどの答弁でも述べましたが、重点支援地方交付金によります対策に引き続き、国の財政投資の状況にも呼応しながら、令和6年度は当初予算の施策に加えまして、随時の補正予算や予備費の活用により機動的に事業化することで、全体として切れ目なく対応してまいりたいと考えておりますので、議会の皆様にも御協力をお願いしたいと考えております。
その上で、新年度においても、第2次砺波市総合計画に掲げます将来像を目指し、引き続き事業の選択と集中をより一層進め、財政の健全化と着実な事業展開を図ることとしておりまして、総合計画の中で重点的かつ優先的に実施すべき施策に位置づけております「10WAVEプロジェクト」をより実効性の高いものとするため、予算を重点的に配分し、着実な実現に努めてまいります。
また、特にDX関連事業、それから脱炭素関連事業につきましては、国の方針や社会的要請に合わせた事業展開が求められる中、一時的な経費の多寡にとらわれず、中長期の省エネや省力化によります効果など、そういったものを総合的に判断して、優先的に予算づけを行ってまいりたいと考えております。
このうち、DX関連事業につきましては、令和7年度末までに、国の進めます地方公共団体の基幹業務システムの統一、標準化へ円滑に移行ができますようしっかりと対応していくことに加えまして、後ほどさらなるデジタル化の推進についての御質問でもお答えする予定ですが、スマート窓口システムの対象手続の拡充の検討など、市独自の施策にも取り組んでまいりたいと考えております。
また一方で、IT人材の不足などを背景に、システム導入経費や導入後のランニングコストの増加も見込まれることから、従来にも増して、費用対効果を厳しく見極めていくことにも留意してまいりたいと考えております。
次に、脱炭素関連事業では、今年度、リース方式によりまして、市内全ての道路照明灯をLED化し、これによりまして、電気料とCO2排出量の早期削減及びリース期間中の維持管理費の削減を図っているところでありますが、新年度は、同様にリース方式により、消費電力が高い水銀灯を多く使用しているなど導入効果が高いと見込まれます、例えば地域体育館をはじめとする社会体育施設などを選定しまして、LED化を推進したいと考えております。
また、砺波市斎場の火葬炉を、新年度から3年計画で順次、耐火れんがから新たにセラミック化する予定でありまして、このことによりまして燃焼効率が高まり、炉の耐久性も上がることから、環境負荷の低減が期待できるものと考えております。
このほか、主な新規拡充事業といたしましては、新市誕生20周年記念事業をはじめとして、庁舎整備基本構想の策定事業、それから砺波チューリップ公園の再整備事業――これは南門周辺のことですが――ですとか、砺波市野球場スコアボード改修事業などを予定しているところでございます。
次に、3点目の空き家対策についてのうち、既存住宅の流通促進に向けた取組についての御質問にお答えいたします。
本市では、空き家対策と地域の活性化等を目的といたしました空き家の有効活用支援策として、空き家再生等推進事業補助金を制度化しておりまして、農家レストラン大門ですとか増山の蔵蕃そば、DIY工房「R322」、楽土庵など、特徴ある施設への転換につながった実績もございます。
またこれまでも、富山県空き家対策官民連絡協議会、それから、富山県宅地建物取引業協会砺波支部などとの情報交換を行いながら、空き家の流通促進に向けて協議を行っております。
実際に市が絡んで空き家バンクに入った形で解消されたもののほかに、いわゆるビジネスベースといいますか、不動産の方々が介在して住宅に転用されたものも、かなりの数があると思っております。
なお、砺波市内にあります空き家の多くは、敷地が広くて部屋数も多いことから、先ほどの例にもありますように、住宅だけではなくて、それ以外の用途にも転用が可能という面もアピールするなど、空き家再生等推進事業補助金や、また、となみ暮らし応援プロジェクトの定住促進空き家利活用補助金の周知に努めまして、空き家を利用すると非常にメリットがありますよと、そういった支援事業もありますよということについてしっかりと周知をして、空き家に関心ある事業者の参入も促してまいりたいと考えております。
次に、新年度の空き家対策事業推進の考え方でございます。
空き家発生の予防対策につきましては、独り暮らし高齢者の方などと接する機会の多い民生委員児童委員との連携が必要と考えまして、本年の11月から、民生委員児童委員の研修の場におきまして、空き家についての相談等があった場合には、空き家の対策の窓口であります市民生活課につないでいただくよう依頼をしているところであります。
そういった形で、今まで以上に、引き続き、空き家に関する相談の間口を広げていきたいと考えております。
また新年度には、本市におきまして、空き家相談セミナーの開催を予定しておりまして、内容を空き家に対する意識の高揚や予防啓発、あわせて、実際に空き家で困っている方の個別相談ができるものにしたいと、関係者と相談をしているところであります。
さらには、空き家に関心を持ってもらうことを目的に実施しております空き家見学ツアーの参加者が年々減少傾向にありますことから、本市の空き家に住みたい方や関心のある方を対象として、空き家情報バンクの登録物件を見学する、より具体的な形のツアーに内容を変更して、物件の購入や賃貸につなげたいと考えています。
このようにいろんな措置を行いますが、引き続き、固定資産税の納税通知書への啓発チラシの同封、それから空き家版ハンドブックを活用した相談や出前講座など、様々な機会に空き家発生の予防啓発や空き家の利活用を促しまして、空き家の増加の抑制に努めてまいりたいと考えております。
ネットなどを見ておりますと、砺波市というわけでもないでしょうが、実家のうちが高く売れたとかということがありますが、現実的にはそういったケースは非常に厳しいわけでして、そういった理解もしていただくためにも、地道になりますが、こういったことも続けていきたいと考えているところでございます。
次に、4点目のさらなるデジタル化の推進についての御質問にお答えいたします。
新年度におけますデジタルトランスフォーメーション社会の構築に向けましては、今年度と同様、デジタル化推進本部、デジタル化推進庁内会議、それからデジタル化推進班の各段階の組織体制で、DXの推進を引き続き積極的に図ってまいりたいと考えております。
具体的には、スマート窓口システムの対象手続にお悔やみ関係の手続を拡充するほか、行政手続のオンライン化を可能といたします国のぴったりサービスや、富山県電子申請システムの対象手続を拡充したいと考えております。
また、今年度稼働いたしますAIチャットボットの精度を向上させまして、24時間365日の自動問合せ対応とした施策も検討しております。
さらに、文書管理システムの本格稼働ですとか、本庁の一部の職員を除きます職員全てにタブレット端末機を貸与することとしておりまして、オンライン会議や資料のペーパーレス化など、事務環境の一層のデジタル化推進に取り組んでまいります。議員各位にも、各種資料の調整や利用などの面で、引き続き一層の御協力をお願いしたいと思います。
次に、マイナンバーカードにつきましては、先ほど申し上げました国のぴったりサービス、それから富山県電子申請システムにおきまして、電子証明を添付する際に使用するほか、一般的な本人確認書類や健康保険証としての利用が可能となっております。
このことから、マイナンバーカードの申請や交付、更新手続が休日でもできますよう、引き続き、市役所にマイナンバーカード専用休日窓口を開設しまして、マイナンバーカードの普及促進に努めたいと考えております。
一方、将来、マイナンバーカードの券面記載事項等の仕様が変わるといった報道も一部ございました。仕様が変更となりますと、マイナンバーカードの利活用に支障が出ないかという懸念もございますので、引き続き、情報収集など必要な対応に努めまして、遺漏のないようにしたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 島崎清孝君。
〔14番 島崎清孝君 登壇〕
○14番(島崎清孝君) 災害対策について質問します。
近年、豪雨災害が激甚化、頻発化し、全国各地で甚大な被害が発生しています。
本市においても、7月12日からの梅雨前線の活発化による線状降水帯発生の影響を受け、1時間降水量は最大で61ミリメートル、24時間降水量も176ミリメートルに達するなど、観測史上最大となる雨量を観測しました。
この大雨により、幸いに人身被害はなかったものの、床上・床下浸水16件、土砂崩れによる危険住宅5棟、孤立家屋1棟のほか、市道12路線20か所、林道7路線で被害が発生、また、中山間地域、山沿いを中心に、435か所の農地及び農業用施設等に甚大な被害を受けるなど、今後の災害復旧事業が急がれます。
そこで、復旧事業の進捗状況と事業完了予定について見解を伺います。
また、毎年のように繰り返される予測困難な集中豪雨は、もはや想定外とは言えないものです。迫りくる危機への影響を最小限に抑えることができる強靱なまちづくりを目指し、中山間地域における今後の豪雨災害対策にどのように取り組むのか、併せて見解を伺います。
次に、様々なデジタルサービスが生み出されている今、通信基盤は市民生活を支える基幹的インフラであり、災害時にも耐え得る強靱な通信環境を確保することが急務です。
今回の豪雨災害時には、気象情報と連動した市の緊急メールやホームページ、LINE、携帯アプリ、地域における情報アプリ「結ネット」など、市民への情報提供には様々なデジタルサービスが活用されました。
国は、デジタル田園都市国家インフラ整備計画において、4Gの10倍以上の通信速度を持つ5Gの人口カバー率を、今年度末までに全国で95%とする目標を設定し、全国市区町村に5G基地局を28万局整備する計画を進めています。
そこで、本市の整備状況を伺うとともに、今後、様々な通信手段を活用し、災害時には何があってもつながる通信基盤の強靱化を図るべきですが、見解を伺います。
こうしたSNSの普及とともに課題となるのが、デジタル・ディバイド(情報格差)であります。特に、災害時の情報格差はそのまま命にも直結する問題であり、今回の豪雨災害では、高齢者等がデジタルに取り残されない環境をつくることの重要性を改めて実感しました。
他方、市内の自治会の中には、LINEを回覧板の代替手段として活用し、地区住民に慶弔案内や行事予定、緊急の案内文などを送付する取組が進められています。
また、災害時には、安否確認をはじめ、自主防災会と地区住民との双方向の情報交換が重要であることから、デジタル・ディバイド対策は、地域にとっても大きな課題であり、解決に当たっては、単なる講習会の開催などにとどまらず、市民との協働で対策する視点が必要です。
そこで、災害時にも機能する通信手段の確保を目標に、例えば、地区自主防災組織の中に新たに(仮称)情報通信班を設け、班員には、地区の実情を熟知した、スマホの扱いにも明るい人材を選任、こうした人材をキーマンに、より実効性ある取組を進めることなどにより、全ての地区住民がデジタルの恩恵を受けられる仕組みづくりが必要かと考えますが、見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) まず、1点目の豪雨災害復旧事業の進捗状況等についてのうち、復旧事業の進捗状況と事業完了予定についての御質問にお答えいたします。
本当にひどい雨でございました。
初めに、農地・農業施設及び林道の状況につきましては、提案理由でも申し上げましたが、迅速な復旧のため創設いたしました砺波市農地・農業用施設小規模災害復旧支援金は、これまで108件の申請がありまして、順次復旧が進められております。
また、国に災害査定を申請した箇所につきましては、農地・農業用施設、林道のいずれも現在査定が行われているところでありまして、事業費がまとまり次第、補正予算案を提出したいと考えております。早ければ追加でお願いしたいと思っています。
あわせて、この国の査定によりまして、災害要件を満たさないと判断された箇所も多分出てくると思います。こういった場合には、先ほど申し上げました小規模災害支援金を活用して、復旧を進めることとしております。
次に、市道12路線20か所につきましては、その復旧に当たり、比較的軽微な14か所について、先月下旬に契約を締結いたしまして、残りの被害が甚大な6か所につきましては、測量設計が11月末に完了したことから、現在、発注手続を進めているところでございます。
復旧事業の完了予定につきましては、一部において降雪期を迎えまして、資材の調達などに時間を要することなどから、なかなか年度内の完了は難しく、繰越しをせざるを得ない工事もございますが、できるだけ速やかな完了に努めてまいりたいと考えております。
次に、中山間地域におきます今後の豪雨災害対策についての御質問につきましては、中山間地域におきましては、台風ですとか前線の停滞、先般のような線状降水帯の発生など長期間雨が続いた場合、本年7月の災害のように、その地理的な特性から、崖崩れや土石流、地滑りといった土砂災害が発生しやすくなります。また河川においては、土砂とともに流木によります河道閉塞が想定されるところであります。
近年、豪雨が多く発生しておりまして、例えば北陸3県の直近15年の時間50ミリメートル以上の大雨の発生回数が、約40年前に比べますと、全国平均は1.4倍だそうですが、北陸ですと約3.4倍となっているなど、近年、豪雨が頻繁に発生し、被害が激甚化しているというのは、体感的にも分かりますし、現実的にデータとしても出ているということでございます。
こういったことから、中山間地域におきます豪雨災害への対策につきましては、まずハード面での整備が重要となります。
市内では、住民等の生命または身体に危害を与えるおそれがある土砂災害警戒区域が156か所ございます。家屋が連檐して特に危険な箇所につきましては、県や市が擁壁ですとかのり面保護などの対策工事を行っております。
しかしながら、対策工事には長い年月と膨大な費用を要するため、工事と並行して、人的被害の軽減を図る避難体制の整備など、減災に向けたソフト面での整備も有効であると考えております。
その取組といたしましては、土砂災害ハザードマップですとか、県内で先駆けて作成いたしました砺波市独自のマイ・タイムラインシートを、地域住民に対しまして防災講座や防災訓練により周知を図ってきたほか、地域防災計画に基づきます避難指示などの情報発信の整備など、知らせる努力を行ってきております。
さらに、市民の皆さんも自然災害への危機意識を高め、テレビやインターネットからの気象情報などの収集や防災教育、避難訓練の参加など、知る努力も必要と考えており、こういった形で双方向で、引き続き取組を進めていくことが必要と考えております。
2点目の強靱な通信環境の整備についての御質問でございます。
災害発生時に備え、複数の通信手段を平時から整備し、いずれかの手段で通信経路を確保できる体制を取ることが必要でございます。
その手段として、携帯電話網やWi―Fi、それから地上の有線通信回線が、現時点での有力な候補と考えられます。
このうち、携帯電話網につきましては、本市の人口カバー率は100%を達成しておりまして、携帯電話不感地帯はなく、人が居住されているところであれば、4G(LTE)での通信が可能となっております。
なお、5Gの整備状況につきましては、携帯電話会社によって整備状況が大きく異なる状況であり、一概に言うことはできませんが、今後、各社の取組により、順次5G基地局が整備されていくものと考えております。
また、Wi―Fiにつきましては、令和26年度から、市独自のイントラネットケーブルを活用し、主要避難場所に指定されております市の施設に、観光防災Wi―Fiステーションとして、誰でも接続できる無料Wi―Fiを整備しております。
さらに、地上の有線通信回線につきましては、令和3年度に、市内のケーブルテレビ通信網について、災害に強いと言われる光ケーブルへの置き換えが完了いたしました。市内全域でケーブルテレビ網による超高速通信サービスを契約利用していただくことが可能となっております。
以上のような状況から、本市における災害時の通信手段の確保につきましては、複数の通信手段の確保を含め、一定程度整っているものとは考えております。しかしながら、新しい技術開発が著しい分野でもありますので、今後とも情報収集や調査を継続し、引き続き、強靱化を進めてまいりたいと考えております。
次に、3点目の災害時に機能するデジタル・ディバイド対策についての御質問でございます。
現在、砺波市では、災害時の情報発信ツールとして、市の緊急メールや市ホームページ、市のLINE、それから本市と災害協定を締結しておりますとなみ衛星通信テレビですとか、ヤフー株式会社が提供いたします携帯アプリケーション等を活用して重層的な情報発信、どれかが届くだろうということで、同じ情報をいろんな媒体を使って発信をしているところであります。
デジタル・ディバイド対策として、各地区の自主防災組織への情報通信班の設置の御提言につきましては、現在、各地区自主防災組織におきまして、避難所を開設する際には、市の情報発信ツールをはじめ、テレビ、ラジオ等の各種情報ツールを用いて、避難者情報ですとか安否情報、物資の状況等を収集し、各避難所で情報提供を進めます情報広報班というものを組織することとなっております。名前がよく似ていますが、そういったものは既に設置するという形になっております。そういった方々が中心となって、地区ごとにやっぱり状況が違いますので、そういった地区ごとの手段で取組を進めていただくことが最も早く、また効率的であるということが考えられますので、今後は各地区で行われている防災訓練の機会などを捉えまして、情報広報班の役割について、先ほどの議員御提言の点なども含めまして、地区防災会に認識いただくよう働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 島崎清孝君。
〔14番 島崎清孝君 登壇〕
○14番(島崎清孝君) 健康福祉施策について質問します。
まず、認知症の早期診断について伺います。
厚生労働省は9月25日、日本の製薬大手エーザイとアメリカの製薬企業が開発したアルツハイマー病の新薬「レカネマブ」の製造販売を正式に承認しました。認知症の進行を抑える効果が認められた薬としては国内初となり、これまでの対症療法に限られていた認知症治療の大きな一歩と期待されています。今後、薬価の審議を経て、今月12月下旬までに保険適用を目指すとしています。
投与の対象は、日常生活に支障がない、早期段階の比較的症状の軽い患者に限られているとのことですが、そうしたことからも、より一層、軽度認知障害(MCI)の段階で発見することが望まれます。
市は、本年6月に成立した認知症基本法の基本的施策に基づき、これまで以上に認知症の早期発見に向けた取組を強化すべきですが、見解を伺います。
次に、高齢者の就労支援について伺います。
総務省が7月に発表した就業構造基本調査によると、65歳以上の男女の就業率は約25%と、2017年の前回調査よりも高まっています。しかし、60歳から74歳までの就職希望者のうち、約54%が仕事を探しても見つからないとの民間調査の結果が出ています。
長寿社会が進展し、定年を迎えた後も、その意欲や経験に応じて様々な仕事に取り組む力のある高齢者が増加する中、働くにふさわしい機会を確保し、仕事を効率的に提供する工夫を進めなければなりません。
こうした背景を踏まえ、シルバー人材センターが、地域においてその役割を十分に発揮するとともに、時代の変化に応じて働く意欲のある高齢者のニーズにも対応できるよう、幅広い就労機会の提供に積極的に取り組んでいくべきと考えます。
シルバー人材センターが新たな仕事を掘り起こし、子育てや見守り、事務系やIT関係の仕事などを希望する高齢者や、そうした働き手を確保したい発注者にとって選択肢となるよう、デジタルの活用も取り入れながら、センターの新たなイメージチェンジを図っていくべきですが、見解を伺います。
次に、ひきこもり対策について伺います。
価値観の多様化などにより、人と人とのつながりが希薄化する中、不安や困難を抱えた方が、望まない孤独、孤立に陥らないよう支援の充実が必要です。
特にコロナ禍は、孤独、孤立を一層深刻な社会問題にし、昨年、全国で2万1,000人を超えた自殺者も、孤独、孤立が要因の一つと考えられます。
昨年度、内閣府が行った調査では、全国で推計146万人がひきこもり状態であることが分かり、要因別では、ひきこもりになったきっかけを退職と答えた人の割合が最も高く、ひきこもりの高年齢化が進む中、誰もがひきこもりと無関係ではありません。
来年4月の孤独・孤立対策推進法の施行に向けた国の検討状況も注視しつつ、本市においても、孤独・孤立対策を重要政策の一つとして位置づけ、取組の強化を図るべきですが、見解を伺います。
関連して、民生委員児童委員に対するサポート体制の強化についてお尋ねします。
地域の生活課題が複雑化する中、地域福祉の推進に重要な役割を果たしている民生委員児童委員の方々への期待は一層高まっています。
一方で、担い手確保は年々厳しくなっており、各自治振興会も、人選には大変苦慮されていると聞きます。
本市の民生委員児童委員の充足率は、今のところ100%を維持していますが、こうした現場の声を聞きますと、今後の担い手不足が懸念されます。
背景には、社会の変化に伴い、地域住民が直面する生活課題の複合化、複雑化が進む中、困り事を抱えた方へのアプローチの困難さや、活動そのものへの不安や悩みが増している状況があります。
経済的困窮やひきこもり、認知症、虐待、いじめ、不登校など複合的な課題や、子供たちを取り巻く様々な問題に対して、民生委員児童委員自身の知識や能力の向上がますます必要であり、これまで以上に十分なサポートが不可欠です。
市は、民生委員児童委員の皆さんの悩み相談や学習機会を増やすなど活動環境の支援を強化すべきですが、対策を伺います。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) まず、1点目の認知症の早期発見、早期診断についての御質問にお答えいたします。
認知症に関しまして、御紹介がありましたが、進行予防につながる新薬が開発されたことは承知しておりまして、早期に今後の治療に生かせることを期待したいと思います。
そういった中でも、認知症の早期発見については、日頃から身近にいる家族や地域の見守りなどによる気づきが大きな役割を担っていることから、認知症の特性への理解や本人への関わり方、支える体制の整備が重要なポイントとなっております。
砺波市におきましては、これまでも認知症サポーター養成講座を実施し、認知症の病状の特徴や気づきのポイントについて、広く住民の皆さんに知っていただく機会としております。
引き続き、認知症サポーター養成講座等を地域や事業所等でも実施するとともに、家族の一員であります小中学生向けの講座も継続して、今後も早期発見、早期対応に努め、医療機関の受診につなげるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、2点目の高齢者の就労支援についての御質問につきましては、長寿社会の進展によりまして、定年後も働く意欲のある高齢者は、今後も増加していくものと考えております。
一方、シルバー人材センターでは、公的年金の受給年齢の引上げですとか、70歳までの雇用確保の努力義務化によりまして、加入会員数の減少と高齢化が進んでいるのが現状でございます。
そうした中、新たな試みとして、生活のあらゆる細かな作業、例えば高齢者の見守りですとか買物代行、また、小さな子供たちへの絵本の読み聞かせなどといった子育てに関するもののほか、多くの作業を請け負いできます、いわゆるシルバー便利屋さんという事業も行っておられます。
また、近年は、富山県シルバー人材センター連合会が事業主体となって、シルバー派遣事業に、砺波市シルバー人材センターが派遣実施事業所となって取り組んでおりまして、その実績は伸びてきています。
このシルバー派遣事業に取り組むことによりまして、派遣された会員が派遣先の企業の指揮命令を受けることができる。いわゆる派遣になりますので、派遣先の従業員と混在して仕事が行えまして、企業が求めます人材が確保しやすくなり、人材不足の解消にも貢献できるということも考えられますので、自分の持つ技能を生かして働きたい高齢者の受皿にもなると考えております。
今までですと委託ですので、現地で普通の方と一緒に指揮命令を受けてやるということはできないことになっていたんですが、今回そういう形でやりますと、非常に働き方としても、それを受け入れていただく企業にとっても、利便性が上がったといいますか、うまくいくようになったということでございます。
また、このほかデジタルの活用の取組につきましては、今後ますます言わば必須条件になってくるということが考えられますので、まずはシルバー人材センターと会員、さらに会員相互の業務連絡等ができますように、スマホ教室の開催を実施しております。
市といたしましては、企業とのマッチングですとか業務上必要となる事務にデジタルの活用を進めまして、高齢者や地域にとってシルバー人材センターの活動が分かりやすく、また魅力あるものになってくるよう働きかけてまいりたいと思っています。
シルバー人材センターもかなり危機感を持って新しいことに取り組んでおられますので、市としても一層の広報というか広報協力というか、支援もしていきたいと考えているところでございます。
次に、3点目のひきこもり対策についての御質問につきましては、これまでも生活困窮者等への対応の一環といたしまして、社会福祉課と市の社会福祉協議会に設置しておりますほっとなみ相談支援センターが中心となって、相談窓口を担ってきております。
さらに、市社会福祉協議会では、昨年度から一部の地区に職員が出向いて、ひきこもりを含めた様々な相談を受ける取組をスタートさせておりまして、今後は実施の地区数を増やしていく計画であると聞いております。
孤独ですとか孤立というのは、人生のあらゆる場面で誰にでも起こり得るものでございます。当事者の自助努力だけで解決できるものではなくて、行政や地域、民間にある様々な相談支援機関をはじめ、各種団体等が持つ社会的なつながりを生かして当事者を支援していくこと、また、当事者以外の方には関心を高めていただいて、その理解と協力を得ることが必要となってくると考えています。
今後も本市では、既に実施しております各種の取組を充実させまして、国や県の動向にも注意しながら、孤独、孤立に陥らない、また、ひきこもりになった場合でも支援できる体制をより強化していきたいと考えております。
次に4点目、民生委員児童委員に対するサポート体制の強化の御質問につきましては、近年、生活の多様化などによりまして、民生委員児童委員の皆さんに対して、複合的な生活課題のある方からの相談が多く寄せられてきておりまして、そうした中で、委員の確保ですとか選任に当たりまして、各地区自治振興会にも御苦労をいただいておりますことに対しまして、感謝を申し上げたいと思います。
民生委員児童委員の皆さんへのサポートにつきましては、市内を6つのブロックに分けて毎月の地区定例会を実施しておりまして、市の関係課や市社会福祉協議会の職員が参加して情報交換を行っております。
加えて、地区代表によります常任理事会というものを毎月開催しておりまして、その場にも市や社会福祉協議会の職員が出席して、連絡事項ですとか地区ブロックからの悩みの共有化なども図っているところでございます。
また、先ほど申し上げた毎月開催の地区定例会では、毎回ミニ研修というものを行っておりまして、活動に役立つ情報提供を実践的に行っております。
このほかにも、地区の枠組みとは別に、児童福祉部会ですとか介護保険部会など5つの部会を設けておりまして、各委員はいずれかの部会に所属して研さんに励んでおります。地区の縦と横の者といいますか、両方で、民生委員児童委員の皆さんにそういった情報が届くようにしているところでございます。
このほか、委員の皆さんには、年間を通じまして、例えば外部機関の主催の各種研修会などへの参加などの多様な学習機会を設けて参加していただいているところであります。
これらの研修を含めますと、1年間で延べ103回、延べ2,098人の参加ということで、1人当たり年平均19回以上研修を受けていることになります。
一方、研修会を増加させますと、さらに時間的な負担の増加につながるという側面もあります。これまで以上に、実際の活動状況に合わせた研修内容に工夫するなど、内容の濃い研修になるよう取り組んでまいりたいと考えています。
民生委員児童委員の皆さんには、いつもそういった会合でお話しするときに言っておるんですが、個別のケースに関わる問題を1人で抱え込まないでくださいと。1人で抱え込んで負担が重くならないように、各地区の、例えば常会単位にはお願いしているんですが、福祉サポーターという方をお願いしていますし、また、市とか、市の社会福祉協議会などをはじめとする関係の諸機関に、早めにつないでいただきたいということを言っております。
先ほど申しましたように、複合的な課題を抱えている方がたくさんいらっしゃいますので、そういった意味では、そういったところに早く専門的な対応をするということが必要だと思っておりますので、これらとも連携して、言わばチームで対応していくよう逐次お願いをしておりますので、そのことにつきましても、引き続き御案内をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午前10時56分 休憩
午前11時00分 再開
○議長(川辺一彦君) それでは、再開いたします。
島崎清孝君。
〔14番 島崎清孝君 登壇〕
○14番(島崎清孝君) 次に、経済・産業・労働施策について質問いたします。
初めに、人手不足対策について伺います。
4年ぶりの行動制限の緩和に伴い、人流の増加による消費マインドが回復し、国内景気は回復傾向にあります。
そうした中、本年9月の市の有効求人倍率は2.01倍と、全国の1.29倍、県の1.43倍を上回る水準で高止まりしており、我が家の近所にあるコンビニの店主からも、人が集まらず、もう砺波市内での商売は無理だといった悲痛な声も聞かれます。
大幅な人手不足が市内経済の縮小を招き、市内経済の縮小がさらなる人口減少と人手不足を招く、こうした負のスパイラルに砺波市が陥らないためにも、対策が急務です。
市内の人手不足の要因をどのように分析されているのかをお聞きするとともに、今後の対策を伺います。
次に、建設業の働き方改革に対する支援について伺います。
残業上限規制の実施が猶予されてきた建設業において、2024年4月より規制が本格適用されます。
労働基準法の改正から5年の猶予があったものの、様々な業界努力を重ねてもなお課題が山積しているとの現場からの切実な声が届いており、官民発注側の協力や配慮が必要です。特に、公共調達において特段の配慮が必要であることは言うまでもなく、これまで市も取組を進めてきたものと認識をしています。
今後、市が発注する工事について、週休2日制の実施、必要な労務費の設定、発注時期の平準化、適切な工期設定、工事書類の削減、簡素化などにより、建設業の働き方改革を後押しすべきですが、見解を伺います。
次に、少子化対策に係る男性の育児支援について伺います。
改正育児・介護休業法の改正により、産後パパ育休制度が設けられ、男子は子の出生後8週間以内に、4週間までの休みを分割して取得できるようになりました。
国は今後、期間中の賃金を現行の67%から80%に引き上げるとともに、社会保険料の支払いを免除することで、休業中の賃金を実質100%にする予定としており、育児休業の取得率向上が期待されます。
一方で、育児に関わる男性の約10%が鬱になるという指摘もあり、育児に関する知識や経験がないだけでなく、支援も薄い男性が、実は子育てで孤立しやすいということや、復職後の過重労働や責任感など社会的要因も原因の一つと言われています。
育児の先進国フランスでは、単なる育児休暇の普及促進だけではなく、父親学級や育児支援を展開したことで、育児休業の取得率が大幅に増加していると聞きます。
市は、男性の育児休業が取得しやすい環境の整備を図るとともに、家事育児に役立つ情報を広く市民や企業に周知するなど、育児支援の充実に向けた取組を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) まず、1点目の人手不足対策についての御質問にお答えいたします。
本市の有効求人倍率は、新型コロナウイルス感染症前の平成29年度の2.59倍をピークにして、月単位では3を超えていたときもありましたが、コロナ禍では一時的に2倍を下回ったときもありましたが、恒常的に2倍を超えているという高い水準となっております。
業種別の内訳を見ますと、事務的事業などは求職者数が求人数を上回っている一方で、医療、介護などの専門的、技術的職業ではその逆となっておりまして、業種と求職者のニーズにアンマッチが見られるということでございます。
また、令和2年の国勢調査を見ますと、本市に常住されております就業者数のうち、約48%が市外へ勤務流出しているという結果となっておりまして、このことも人手不足に拍車をかけているものと分析をしております。
これらを踏まえまして、本市ではこれまでも、高校生の市内企業訪問の支援ですとか、子育てを理由に離職された方を対象に、再就職への後押しを図るためのママの再就職応援セミナーを県内では先駆けて開催するなど、人手不足や就業マッチング対策に積極的に取り組んできております。
さらには、新たな取組といたしまして、富山労働局からは、これまでのハローワーク砺波と砺波市との連携した先進的な取組も評価いただいて、県内のモデルにしたいとの提案があったことから、来る12月21日に、富山労働局と本市が、県内の市町村では初めて雇用対策協定を締結する運びとなり、人材不足解消に向けた取組を相互連携の下、効果的、効率的に実施するとともに、UIJターンの推進にもつながるものと期待をしているところであります。
本市といたしましては、引き続き、労働局をはじめとする国、県並びに商工団体等と連携を図りながら、今年度から運用を開始いたしました第3次砺波市商工業振興計画の着実な推進に努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の建設業の働き方改革に対する支援についての御質問でございます。
砺波市といたしましても、建設業において、特に若い担い手を確保するために、休暇条件などの処遇を改善するなど、働き方改革の取組を進めることが重要であると認識をしておりまして、これまでも工期を適切に設定し、休日を確保できるよう努めてまいりました。
また、週休2日制工事の取組につきましては、令和5年度から一部の工事で試行いたしまして、週休2日に応じた工期を設定するとともに、労務費などの経費を補正して、適正な工事価格を設定しているところであります。
さらに、令和6年度からは、国や県と同様に原則全ての土木工事を対象とする方向で、要するに週休2日対応工事にするということで調整をしているところであります。
次に、工事書類の簡素化につきましては、既に押印の廃止ですとか、メールによる書類提出など建設業者の負担を軽減する効率的な取組を積極的に進めてまいりました。
なお、発注時期の平準化につきましても、現在も四半期ごとに発注見通しを公表しておりまして、工期が集中することがないように早期発注に努めておりますが、今後は、県などの先進的な取組事例もありますので、そういったものも参考に、さらなる充実を図ってまいりたいと考えております。
引き続き、先ほども御紹介がありましたが、国が進めます、給与が高く、休暇が取れて希望が持てるという新たな概念、新3Kの実現に向け、関係団体の意見を踏まえ、建設業の働き方改革を後押しする取組を着実に進めてまいります。
次に、3点目の男性の育児支援についての御質問にお答えいたします。
議員の御発言にもありましたが、男性の育児休暇が取得しやすい環境の整備を目的として、国では、育児・介護休業法が改正されまして、産後パパ育休制度が創設されたところであり、また富山県におきましても、男性の育児休業取得者及び事業主への補助を、昨年度から実施されているところであります。
本市におきましては、国や県の制度の広報を行うとともに、相談等がありますれば、関係機関につなげているところであります。
また、本市の施策といたしまして、スマートフォンで簡単に子育て情報が受信できます子育て支援アプリ――砺波市ではとなみっ子なびという名前にしておりますが――の運用を開始して、男性にも分かりやすい子育て情報や育児休暇制度などの情報発信を行っております。
さらには、男女共同参画の観点からも、イクメン、カジダンの取組を広く紹介するなど、男性の家事や育児への参加促進に取り組んでいるところであります。
本市といたしましては、少子化対策の重要な取組であります共働き・共育てを定着させるためにも、引き続き国や県、商工団体、それから男女共同参画や子育て支援団体の皆さんとも連携を図りながら、男性の育休取得の後押しなどの育児支援にも努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 島崎清孝君。
〔14番 島崎清孝君 登壇〕
○14番(島崎清孝君) 次に、JR城端線・氷見線再構築事業について質問します。
去る11月29日に開催された第4回城端線・氷見線再構築検討会では、国の社会資本整備総合交付金による財政支援要件である鉄道事業再構築実施計画の素案が示されました。
計画には、事業主体をJR西日本から第三セクター、あいの風とやま鉄道に、おおむね5年で変更することはもとより、事業内容や事業費、利便の確保に係る事項などが盛り込まれており、これによって、令和2年1月にJR西日本から提案を受けて以来、これまで長きにわたって議論を進めてきた両線の未来の姿がようやく目に見える形になってきました。
そこで、本計画に定める再構築事業の具体的な事業内容やスケジュールについて、これまで検討会での議論を精力的にリードしてこられた夏野市長にお伺いします。
次に、第4回検討会では、再構築事業に係る総事業費として382億円を見込む中で、国の補助に加えて、JR西日本からは拠出金として150億円の準備があることが明らかになりました。
一方で、これまでの検討会の中では、あいの風とやま鉄道に両線を移管するための必要な出資や経営の安定化を図るための支援は、県及び沿線4市だけで行い、あいの風とやま鉄道の現路線とは区分経理して、沿線4市以外の市町村には負担を求めないことも明らかになっています。
このような中、検討会後の報道等によると、JR西日本による150億円の拠出金を高く評価するというのが大方の受け止めのようですが、県や沿線4市の将来負担への懸念もある中で、単純に額面だけでは評価し難いものではないかと考えます。
そこで、本事業における資金計画や本市の負担割合をどのように見込んでいるのか、また、JR西日本の拠出金をどのように評価するのか、併せて見解を伺います。
次に、本再構築事業は、沿線4市がJR城端線・氷見線を地域の貴重な資産と捉え、将来にわたって地域で鉄道を支えていこうとする姿勢が高く評価され、ローカル線再生のモデルケースとして、全国的にも大きな注目を集めています。
その一方で、県や沿線自治体にとっては、両線の未来と引換えに、将来にわたる相当な財政負担を決断したわけでありますので、今後は計画に基づく取組を進める中で、この投資に見合うだけの高い事業効果を発揮することが求められます。
質問の最後に、本再構築事業によって、JR城端線・氷見線がどのように生まれ変わり、県や沿線自治体にどのような影響をもたらすとお考えなのか、市長の見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) まず、1点目の鉄道事業再構築実施計画の内容についての御質問にお答えいたします。
城端線・氷見線鉄道事業再構築実施計画の素案では、事業実施期間を令和6年2月頃から令和16年3月末までの10年間として、整備事業費として342億円、経営安定支援として40億円の合わせて382億円の総事業費を見込んでおります。
このうち、利用者の利便性向上を図るために、具体的な事業内容とその概算内容について、主なものを申し上げたいと思います。
まず、新型鉄道車両の導入に176億円としております。これは、ディーゼルエンジンで発電した電力でモーターを動かす電気式気動車というものを想定しておりますが、これについては、例えばユニットの交換によって、蓄電池を搭載するハイブリッド車にすることも可能なものであり、現在より10両多い34両を新たに導入することとしております。
現在、JR城端線で1日42本、氷見線で36本運行している本数を、それぞれ約60本に増やすための施設改良、例えば擦れ違い施設などや、日中の時間帯に等間隔で運行するパターンダイヤ化に伴う改良等で44億8,000万円を計上しております。
さらに、交通系ICカードにつきましては、両線の19駅に読み取り対応の改札機を設置することとしまして、これに4億6,000万円を見込みますとともに、既存施設の再整備等に78億円、両線の直通化のための施設整備に37億8,000万円を計上しております。
今後のスケジュールにつきましては、議員各位ほか、関係の皆さんの御意見もいただきながら、本計画案を年内に取りまとめ、国へ提出することとしており、国の審査を受けて、早ければ、先ほど申し上げましたとおり、明年の2月頃から計画に基づく取組を開始する見込みでありますが、まずは交通系ICカードの導入を先行して進め、計画開始からおおむね2年での導入を目指すこととしております。
また、新型鉄道車両については、おおむね5年で導入を完了し、そのタイミングで経営主体を、現在のJR西日本からあいの風とやま鉄道に移管をしたいと考えています。結局、施設整備も、車両が増えてダイヤなども変わってということで、同時に5年ぐらいでいくということでございます。
なお、両線の直通化につきましては、あいの風とやま鉄道への経営移管の後に、まずは運行本数の増加やパターンダイヤ化することで、いわゆるソフトの直通化を実現し、これによる利用者の移動動向等も注視しながら、高岡駅での平面交差による物理的な直通化について順次、検討、整備していくこととなると考えております。
次に、2点目の再構築事業におきます資金計画及び将来負担の見込みについての御質問にお答えいたします。
本再構築事業に係る382億円の資金計画につきましては、JR西日本からの拠出金に加え、国の社会資本整備総合交付金ですとか、自治体負担分に対する交付税措置によります支援を充てることで、従来とは異なり、資金面において、非常に有利な形で事業を進めることができるものと考えております。
国の交付金については、経営移管前は事業費の3分の1、経営移管後は2分の1が補助されるもので、合わせて128億円の支援を見込んでおります。
また、JR西日本からの150億円の拠出金については、施設整備費や経営移管後に活用する経営安定支援に104億円を充てまして、残りの46億円は、さらに後年度の負担に備えるための経営安定基金に積み立てるものであります。
また、自治体負担分については、これまでのあいの風とやま鉄道におきます負担割合の例に倣い、県と沿線市で1対1としているところであり、これにより、県及び4市でそれぞれ75億円ずつを負担することとなっております。
このうち、4市の負担割合については今後協議していくこととなりますが、現段階での個人的な見解といたしましては、今回の計画実施のために、改めて新しいルールをつくるのは現実的ではないと考えておりまして、従前から合意され実施されてきた既存の負担割合、つまり、あいの風とやま鉄道の経営安定基金の例や、城端・氷見線活性化推進協議会の負担割合の考え方が基本になっていくものと考えております。
なお、JR西日本の拠出金150億円に対する評価につきましては、コロナ禍を経て、厳しい経営状況の中で総合的に御判断されたものと考えますが、イニシャルコストだけではなくて、経営移管後のランニングコストにも充てることができるなど、その使途を限定しないところが重要なポイントであり、この点を含めて一定の評価をしたいと考えております。
富山ライトレールのときは、そういったランニングのほうにはお金が入りませんでした。ランニングは地元と経済団体にお願いした基金などでやっていたということでございまして、そういう点から見ると、かなり新しい考え方をしていただいたものかなと思っています。
一方で、JR西日本には、拠出金を出してそれで終わりということではなくて、再構築実施計画に位置づけられた事業以外の部分であっても、責任を持って御協力いただくべきものと考えております。
例えばどういうことかというと、経営移管後の技術的、人的な面での引き続きの支援はもとより、度々発火いたしました枕木のPC化。最近は収まっていますが、一時、結構火が出ました。例えば、安全運行に支障のある設備については、経営移管前に数年分を前倒しで実施していただくなど、この地で長きにわたって住民の暮らしを守ってきた鉄道事業者としての公共的、社会的使命をしっかりと果たした上で、円滑に地域に引き継いでいただくよう、引き続き要望または注視もしていきたいと考えております。
3点目のJR城端線・氷見線の将来像と県や沿線自治体にもたらす影響についての御質問でございます。
本再構築事業によりまして、ふだんから両線をよく利用している方はもとより、あまり両線に縁のない沿線住民の皆さんも、鉄道に関する意識やイメージが大きく変わるものと考えております。
この例は、富山ライトレールですとか万葉線に新しい車両が入った時点でも、鉄道というよりも一種の文化的な要素も含めて、大きくイメージが変わったということは御承知のとおりでございます。
まずは交通系ICカードが導入されることで、沿線住民のライフスタイルは変わると思います。これまで当たり前でありました切符の購入ですとか紙の定期券の購入、更新などアナログな手続がなくなるとともに、朝夕のラッシュ時ですとか、例えばチューリップフェア、となみ夜高まつり等のイベントのときにスムーズに改札を通過できるなど、鉄道の利用がこれまで以上に快適なものになると思います。
また、最新式の車両が導入されるということ、それからレールや枕木も、先ほども申し上げましたが一部更新されますので、車内の振動ですとか揺れ、走行音などが一定程度改善され、乗り心地もよくなるのではないかと思っています。
また、新型鉄道車両は、オリジナルのデザインのものを導入したいと考えています。四季折々の美しい散居景観に溶け合うモダンなデザインの車両が導入されれば、言わば沿線のシンボルとして、住民の皆さんから愛される乗り物になると思いますし、観光の目玉になるということも考えられるのではないかと思います。
34両の導入を予定しております車両は、基本的には2両1編成ということになると伺っておりますので、実際に運行するときは、2両または4両での運行となります。今、朝のラッシュのときは3両でございますので、多分、朝夕のラッシュ時は4両になると期待しておりますので、私も乗りますが、これまでのように身動きの取れないような車内の混雑は、かなり改善されるのではないかと思います。
また、現在1時間に1本程度しか運行していない日中の便は、最低2本に増便されまして、一定間隔で運行するパターンダイヤ化、同じ時間、5分と35分にあるみたいなということで、時刻表を見なくても乗車できる、そういった形で利用者の行動計画も立てやすくなるのではないかと思います。
また、この再構築計画の影響や効果でありますが、こういったようにJR城端線・氷見線が県西部の基幹交通網としてしっかりと強化され、地域鉄道でありますあいの風とやま鉄道が本線と一体的に運行を担うことで、地域の実情に応じた運行が可能となり、県内の人の流れを大きく変えることが期待されます。
今までJRさんにいろんなお願いをしても、JRさんはできる範囲では協力していただいていましたけれども、一方であいの風とやま鉄道は、県や沿線自治体が三セクでお金を出しているということもあって、そういった声が届きやすいという印象を持っています。実際、効果も上がっていると思います。若干、そういう点は悔しい思いもしてきたところでございます。
また、あいの風とやま鉄道自身もパターンダイヤ化を検討されていると聞いておりますので、そうなると、県全体を総合的にデザインした運行となることで、砺波市から富山ですとか金沢方面への通勤通学が便利になり――まあ、あまり便利になったら、おまえ、出ていくじゃないかというさきの答弁もあるかもしれませんが、便利になって、とりわけ本市に住む若者が、地域の将来に夢や希望を持てるなど、言わばシビックプライドの醸成にもつながるのではないかと考えております。
何か古いディーゼルカーが走っているところだよねって言われるのと、新しいかっこいい電車が走っているところでしょうと言われるのでは、やっぱり印象が違うんじゃないかと思います。
ふだん利用されない方からすれば、一見過大な投資のように感じられるかもしれませんけれども、人口減少が進み、公共交通の存続が危ぶまれる中で、地域公共サービスは、地域の活力や魅力に直結する公共財であるという考え方が一般的になりつつあります。
富山県はその先進地だという評価もいただいているところでありますが、今回の再構築計画は、沿線4市はもちろんですが、県やJR西日本、あいの風とやま鉄道も一緒になって沿線地域の将来を考え、相当の覚悟を持って築き上げました、言わば地域への投資計画でございます。
今後も、両線を私たちの暮らしに欠かすことのできない社会インフラとして捉えて、沿線地域の皆さんと共に、活気のある明るい地域の未来を目指して、事業を前に進めてまいりたいと考えておりますので、議員各位の御理解と御協力をお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 島崎清孝君。
〔14番 島崎清孝君 登壇〕
○14番(島崎清孝君) 教育行政について質問いたします。
初めに、市内小中学校のいじめ、不登校の調査結果について伺います。
文部科学省が実施した令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査において、国立、公立、私立の小中学校の不登校児童生徒数が過去最多の約29万9,000人、小・中・高・特別支援学校におけるいじめの認知件数も過去最多の約68万2,000件、暴力行為の発生件数も過去最多の約9万5,000件などの結果が明らかになりました。
富山県においても、不登校の児童生徒数は、前年度比18.6%増の2,675人、いじめ認知件数も27.6%増の1,963件と、いずれも過去最多であります。
文部科学省は、新型コロナウイルス感染症の影響が続き、感染を予防しながらの生活の中、不安や悩みを1人で抱え込んだりする可能性等も考慮し、周囲の大人が子供たちのSOSを受け止め、組織的対応や、外部の関係機関等とも連携して対処するなどのきめ細かな対応を求めています。
そこで、本市の調査結果と主な要因を伺うとともに、子供たちが安心して学ぶことができる、誰一人取り残されない学びの保障に向けた今後の取組を、教育長にお伺いします。
次に、児童生徒の学ぶ意欲を高める授業づくりについて伺います。
近年、平成29年度からの学習指導要領の改訂を踏まえ、学びの姿が学校現場では大きく変わりました。かつての教師主導の指導授業から、今やタブレット端末機によるICTを活用した授業のほか、個々の学習レベルや個性に沿ったオーダーメイドな教育環境が整いつつあります。これからの予測困難な時代を生き抜いていく子供たちがつけていくべき力、すなわち、何が課題なのか、それを解決するにはどうすればいいのかを考え、判断し、表現していく力、そうした子供たちの主体的、協働的な学びの姿への転換が着実に進められています。
白江教育長におかれましては、令和3年4月に教育長に就任されて以来、学ぶ意欲を高める学校教育の推進に尽力してこられたと思います。改めて、教育の在り方の総論として、子供たちの知的好奇心を誘い、学びたいと思わせるような個々の教員の授業づくりについてどのような期待をお持ちであるのか、教育長のお考えを伺います。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
教育長 白江 勉君。
〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) まず、1点目の市内小中学校のいじめ、不登校の調査結果についての御質問のうち、いじめの調査結果につきましては、からかわれた、たたかれたなど本年4月時点で、小学校で31件、中学校で66件と報告されていましたが、10月に追跡調査を行ったところ、その98%が解消されておりました。
また、不登校の調査につきましては、児童生徒数は小学校で42人、中学校で60人となっており、主な要因としては、学校生活にやりがいや目標を持てないことや、良好な人間関係を結べないことなどの無気力や不安によるものと分析されております。
次に、子供たちが安心して学ぶことができる誰一人取り残されない学びの保障に向けた今後の取組につきましては、現在、小中学校では、相談室や保健室に限らず、職員室や図書室など学校全体が学びの場であることを教職員が共有し、児童生徒が「困った」、「助けて」と自ら発信でき、教職員側でも受け止めることのできる温かい学校づくりに努めております。
具体的には、児童生徒がSOSを発信できるように、全小中学校でタブレット端末機を使用したその日の心の状態を表すアプリ「心の天気」を県内他市に先駆けて活用しており、担任だけでなく、養護教諭や管理職が児童生徒の心の様子を把握して、その日のうちに温かい声かけを行ったり、悩みに寄り添ったりしております。
また、心の教室相談員等を配置することにより、一人一人の相談に対応できるようにしたり、相談室で授業配信をしたりしており、教室に入れない児童生徒が教室外でも個に応じた学びができる体制を整えております。
加えて、不登校児童生徒の居場所として、本市の教育支援センター「ひよどり」のさらなる充実や、市内フリースクールとの連携に努めており、去る12月5日には、フリースクール等の代表や校長会の代表、教育センターによる情報交換会を持ち、不登校児童生徒のよりよい支援の在り方につなげるよう協議をいたしました。
以上のような取組を今後も継続し、児童生徒の不登校の要因に早期に対応することで、全ての子供たちが安心して生き生きと学ぶことができる環境づくりや支援に努めてまいります。
次に、2点目の児童生徒の学ぶ意欲を高める授業づくりについての御質問にお答えいたします。
議員御発言のとおり、子供たちが予測困難な時代を生き抜くためには、課題を見つけ、それを解決するために思考、判断し、表現する力を身につけることや、仲間と協働しながら状況に応じた答えを主体的に見いだすことが求められています。
本市では、子供たちを主体的に課題解決に向かう自立した学習者に育てるため、昨年度から、授業の進め方を標準化したとなみ授業スタンダードを基に授業改善を図っており、今年度からは、となみ授業スタンダードⅡとしてより具体的な授業の在り方について共通理解を図り、教員のモチベーションを高めて進めております。
となみ授業スタンダードでは、これまで行われてきた、いわゆる教師が一方的に教え込む授業ではなく、子供たちが課題を自ら見つけられるように、授業の入り方を工夫したり、主体的に友達と関わりながら答えを見つけられるように、グループ学習を進めたりすることを推奨しております。
また、GIGAスクール構想によるタブレット端末機や電子黒板を活用して、これまで自分のみで完結していた考えや授業の振り返りを友達と共有したり、分かったことやできたこと、学び方をメタ認知したりすることで、主体的な学びを促進させております。
メタ認知というのは、例えば授業の終わりに、今日の自分の学び方はよかった、今日はAさんの考えを聞いて自分の考えが深まった、昨日は寝不足で今日の授業に集中できなかった自分がいるなど俯瞰的に自分を振り返り、次の時間につなげていくものであります。
さらに、子供たちの育成には、本市の保育所や認定こども園、小学校及び中学校が一貫した取組を行うことが大切であり、必要だと考えております。
そのために、市教育センターを中心に、となみ授業スタンダードを基にした教員研修の充実を図ったり、保育所、認定こども園等と小学校、小学校と中学校が連携して授業研究を進めたりしております。
現在、授業のさらなるアップデートに向けて、となみ授業スタンダードⅢを作成しており、これを全ての教員が理解し実践することで、子供たちが困難なことにも仲間と協働して立ち向かい、持続可能な社会のつくり手として成長できるような授業づくりを進めてくれることを期待しております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 島崎清孝君。
〔14番 島崎清孝君 登壇〕
○14番(島崎清孝君) 大項目の最後に、市立砺波総合病院の取組について質問いたします。
まず、10月に視察した愛知県春日井市民病院では、地域医療連携強化の取組として、「顔の見える連携」を合い言葉に、平成27年度から、医師と事務職員が地域の医療機関を訪問し、医師が直接顔を合わせて相互の診療機能の理解を深めるとともに、患者に係る診療経過の相談等を行うことで、信頼関係の向上に努めています。
特に、平成27年度から新型コロナウイルス感染症前の令和元年度までの5年間の訪問延べ件数は683件にも上り、その結果、平成27年度の紹介率66.18%が令和元年度には82.7%に、逆紹介率は82.0%が102.06%に大きく改善したとの説明を受けました。
こうした紹介率、逆紹介率の値は、地域の医療機関と密接に連携が取れていることを表す指標ともなり得るものです。
そこで、当院の紹介率、逆紹介率の目標値及び達成に向けた対応策について、病院長の見解をお伺いします。あわせて、地域医療支援病院としての取組の現状を伺います。
次に、DPC対象病院としての取組について伺います。
DPC制度は、急性期入院医療を対象に、1日当たり包括支援制度の略称であり、入院される患者さんの病名、症状、治療行為を基に、厚生労働省が定めた1日当たりの定額点数から入院医療費を算定し、診療報酬を確定するものです。
DPC制度の導入により、患者にとっては医療費が安くなること、一方、病院は医療の質を一定に保つことができるほか、診療報酬が多くなるというメリットがあります。また、国にとっても、病院が無駄な検査や投薬を控え、最小限で効果的な治療方法を選ぶため、医療費の抑制につながるとの利点があります。
当院のDPC機能評価係数Ⅱの偏差値は、全国に約1,500か所あるDPC対象病院中79位と、年を追うごとにレベルアップが図られており、様々な課題をクリアされてきた努力の結果と高く評価いたします。
そこで、DPC係数を高めるための主な取組経過等についての説明を求めるとともに、制度導入による病院収支への貢献度を伺います。
また、こうした当院が持つ高いポテンシャルを最大限に生かし、さらなる収支改善につなぐには、医師の確保が何よりも課題です。来年4月から始まる医師の時間外労働、上限規制等も併せて対策を伺います。
最後に、市立砺波総合病院においては、これまで総務省から示された公立病院改革ガイドライン及び新公立病院改革ガイドラインに基づき、病院経営の改善に努めてきました。
しかし、働き方改革への対応としての医師、看護師等の確保や、人口減少、少子高齢化の急速な進行に伴う医療需要の変化、医師の高度化への対応など、経営環境の急激な変化により、より一層の経営改善、強化が求められています。
そこで、さらなる経営改善、安定化を推進するための令和6年度以降の取組指針について、病院長の見解をお伺いし、私からの全ての質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
病院長 河合博志君。
〔病院長 河合博志君 登壇〕
○病院長(河合博志君) 私からは、1点目の地域医療支援病院としての取組についての御質問にお答えいたします。
まず、紹介率、逆紹介率の目標値と達成に向けた対応策についての御質問につきましては、地域医療支援病院は、医療機能の分化と連携の観点から、地域の医療機関を支援する能力を備え、地域医療の確保を図る病院としてふさわしい病院を県知事が承認するものであり、当院では平成30年5月に承認を受けたところであります。
紹介率、逆紹介率につきましては、地域の医療機関との連携体制を示す数値であり、地域医療支援病院の承認要件でもあることから、重要な指標と考えております。
紹介率、逆紹介率に係る当院の目標値につきましては、地域医療支援病院の要件数値である紹介率50%、逆紹介率70%としているところであります。
この要件数値につきましては、承認以降、継続して上回っており、本年度累計においても目標値を大きく上回る紹介率76.3%、逆紹介率86.5%であります。
また、地域連携を推進するための対応策といたしましては、患者総合支援センターを開設し、連携窓口の明確化とともに地域包括支援センターを併設するなど、患者総合支援センターの体制強化を進めてきたところであります。
次に、地域医療支援病院としての取組の現状についての御質問につきましては、地域医療部の患者総合支援センターが中心となり、医師や看護師等が地域の医療機関を訪問し御意見を拝聴するなど、円滑な連携の推進に努めております。
訪問回数につきましては、平成30年度から令和4年度までの5年間、この間コロナ禍ではありましたが、地域の医療機関に延べ804回訪問しております。
訪問先としましては、砺波医療圏の医療機関はもとより、隣接する高岡医療圏の戸出地域、福岡地域、中田地域や、新たに開設された医療機関にも積極的にアプローチしております。
このほか、地域の医療機関に患者紹介時の参考としていただくため、「市立砺波総合病院地域医療連携の手引き」の配付や、当院の診療内容や砺波医療圏の各医師会の皆様を御紹介する「おあしす連携だより」の発刊、地域の医療従事者の資質向上に資する研修会や懇話会等の開催を通じ、連携の拡充に努めているところであります。
次に、2点目のDPC対象病院としての取組についての御質問にお答えいたします。
まず、係数を高めた主な経緯、制度導入による収支への貢献度についての御質問につきましては、議員の御発言のとおり、DPC制度においては、医療の効率化や診療報酬の増収を図るためには、DPC係数向上への取組が、病院経営上重要なことであります。
そこで、当院におけるDPC係数向上への具体的な取組といたしましては、救急医療の貢献指標となる救急医療管理加算の適正な算定や適正な病名のコーディングの実施、在院・入院日数の適正化や集患活動等を実施してきたところであります。
これらの取組につきましては、DPC係数の評価の仕組みやルールを踏まえ、ベンチマーク等により他院との比較分析を行い、改善の余地が認められる係数に対し、より効率的と考えられる取組を立案し実施したものであります。
また、病院収支への貢献につきましては、取組前となる平成29年度実績を基準とすると、毎年約1億円相当の改善効果が得られたところであります。
DPC対象病院において、DPC係数は、病院収入を左右する極めて重要な要素であり、特にDPC機能評価係数Ⅱは、診療実績や医療機関が担うべき役割や機能に対するインセンティブとして設定されているものであります。
引き続き、これらの取組を実施し、高い評価が得られるよう努めてまいります。
次に、医師の確保と時間外労働上限規制に向けた取組についての御質問につきましては、まず、医師の確保は、従来より大学医局との良好な関係を構築し、安定的な医師の派遣をお願いしているところであります。
加えて、研修医の採用につきましても、積極的に医学生の見学や実習を受け入れており、院内一丸となって研修体制を整備しております。
このことより、今年度を含め、医師臨床研修マッチングでは、当院の採用枠6名全員のフルマッチを3年連続で達成しており、医師に選ばれる病院として評価されているものと考えております。
また、時間外労働上限規制に向けた取組につきましては、医師の職場環境の改善、働き方改革を進めております。
内容といたしましては、事務負担を軽減するための医師事務作業補助者や医師の包括的指示の下、独自の裁量で医療行為を行える特定看護師を配置し、医師が専門性の高い業務に集中できるようタスクシフト、タスクシェアを推進し、業務の分担、効率化を図っております。
今後も労働時間の適正な把握に努め、令和6年4月から適用される医師の時間外労働の上限(年960時間)を超えないよう、医師の働き方改革に取り組んでまいります。
次に、3点目の令和6年度以降の経営強化に向けた取組指針についての御質問にお答えいたします。
去る11月8日に開催した経営改善委員会において、経営強化に向けた取組方針を定める市立砺波総合病院経営強化プラン(案)について、委員の方々から御意見をいただいたところであり、今年度中にプランを策定することとしております。
新たなプランでは、現行の新改革プランを基本としながら、持続可能な地域医療提供体制を確保するため、役割、機能の最適化と連携の強化や医師、看護師等の確保と働き方改革、新興感染症の感染拡大時等に備えた平時からの取組、施設設備の最適化及び経営の効率化等について新たに定めることとしております。
その中でも当院は、高度急性期及び急性期を中心とした医療を担うとともに、回復期と慢性期機能については、地域包括ケア病棟と訪問看護ステーションの活用を通じて、砺波医療圏の他の医療機関との連携を推進するものとしております。
加えて、在宅のがん患者の受入れを円滑に行うため、急性期病棟の一部を転換し、令和7年度に緩和ケア病棟14床を開設し、多機能型の急性期病院としての役割を強化する計画としております。
また、砺波医療圏唯一の感染症指定医療機関として、令和6年度からの第8次富山県医療計画で求められる新興感染症等の感染拡大時における医療提供体制の確立を目指しております。
今後、ますます病院経営を取り巻く環境が厳しくなる中、プランに基づきより一層の経営強化を図りながら、砺波医療圏の中核病院として質の高い医療を提供してまいります。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、暫時休憩いたします。
午前11時53分 休憩
午後 1時00分 再開
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
○議長(川辺一彦君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
通告により発言を許します。
2番 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 午後からは、自由民主党砺波市議会議員会1期4人によるバトンリレーとなります。スタートを切らせていただきます林です。しっかりとやってまいります。
それでは、議長より発言の許可をいただきましたので、通告に伴い、質問と提案を行います。
まずは、子宮頸がんに罹患しないために、HPVワクチン接種の勧奨についてお伺いします。
昨年4月、約8年ぶりにHPVワクチン接種の積極的な勧奨が再開しました。子宮頸がんやその予防のためのHPVワクチンに関する最新かつ正しい情報を伝えるとともに、本年4月には、より予防効果の高い9価ワクチンの公費接種も開始され、検診と同様に、ワクチンによる子宮頸がん罹患率の低下に期待が寄せられている中、当事者の不安や疑問を払拭し、HPVワクチンについての理解を含め、接種するメリットやリスクの正しい判断を一人一人ができる環境の整備が急務になってきていると考えます。
性的接触のある女性の50%以上が一生に一度はヒトパピローマウイルスに感染すると言われており、HPVの感染によって、一部の人は子宮頸がんに罹患します。
日本では、年間に約1万1,000人が子宮頸がんにかかり、約3,000人が亡くなっています。
子宮頸がんは子宮の出口に近い部分にできるがんで、若い世代の女性に多く発症するのが特徴です。20歳代から罹患者数が増え始め、30歳代までに年間約1,000人の女性が、治療で子宮を失い、妊娠ができなくなってしまいます。
対象年齢である本市の中学1年生から高校1年生までの接種対象者のうち、2022年度の1回目接種率は、中学1年生13.2%、2年生9.7%、3年生12.1%、高校1年生が15.9%でした。
対象者が接種するかを決定するには、保護者の判断も大きいものと思われます。厚生労働省が接種対象年齢の娘を持つ全国の保護者を対象に行った調査では、子宮頸がんという病気及びHPVワクチンを知っていると91%が回答したものの、娘の接種については、十分な情報がなく接種させるかどうかを決められないが51%、どちらとも言えないが31%と、接種に消極的、どちらかといえば消極的である保護者が多数であることがうかがえます。
本市においては、HPVワクチンの積極的な勧奨接種が再開された後、接種済み者から副反応などについての相談がないとお聞きしました。接種を悩んでいる対象者と保護者は、このような情報が欲しいのではないかと考えます。
本市では、接種対象年齢の方、その保護者に向けて、接種の案内を送付された際に同封される冊子などにより説明はされていますが、紙面のみで、直接子宮頸がんやHPVワクチンについて学ぶ機会がないようです。
出前講座や健康教室の項目に追加していただき、保護者が正しい情報を得ることで、不安を払拭することができると考えます。また、小学6年生時に行われる予防接種、日本脳炎、2種混合の接種勧奨に併せ、HPVワクチンの接種についても触れ、早めの紹介、案内をされることも有効であると考えます。
HPVワクチン接種に対する正しい情報を提供し、接種対象者が正しい知識を得るための取組について、どのようにお考えであるかを横山福祉市民部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) HPVワクチン接種に関する正しい情報につきましては、厚生労働省が提供されているリーフレットを接種勧奨に併せて同封しているほか、広報となみや市ホームページなどにより、ワクチン接種の有効性や安全性、リスクなど、接種の判断に必要なものを発信、提供しております。
一方で、既に接種を受けた方からの情報を得て共有することは困難であり、本市では、窓口等で保護者の迷う気持ちなどを聞き取り、副反応などの情報をお伝えするとともに、不安や疑問があれば医師と相談し、御理解いただいた上で接種されることをお勧めしております。
また、出前講座や健康教室につきましては、御要望に応じ対応しており、今後も保護者等に対し正しい情報を提供し、不安の解消に努めてまいります。
次に、小学校6年生時に行われます予防接種に併せた早めの紹介や案内につきましては、標準接種年齢である中学1年生になる前年度の2月頃に接種案内、予約票を発送し、早期の接種勧奨に努めているところであります。
加えて、中学2年生から高校1年生の定期接種対象の方で、1回目未接種の方には随時接種勧奨を行い、接種を希望する方が接種機会を逃さないよう周知を図るとともに、引き続き、子宮頸がんやHPVワクチン接種についての正しい情報の提供に努め、接種率の向上につなげてまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) このHPVワクチンは、自分を守るだけでなく、ほかの人も守るという特殊なワクチンであります。広く周知いただき、接種につながるとよいなと私は思っております。
次に、キャッチアップ接種の対象者が公費で接種可能な期限が迫っていることを知らせる取組についてお伺いします。
キャッチアップとは、追いつく、遅れを取り戻すという意味ですが、接種の対象者は、平成9年度生まれから平成18年度生まれの女性の中で、HPVワクチン接種の定期接種対象年齢の間に接種を逃した人を指します。
キャッチアップ対象者が公費で接種を受けられる期限が令和6年度までとなっており、3回の接種を終えるまでに約6か月かかるため、本市では、10月末時点で未接種者に、あなたは子宮頸がん予防ワクチンの無料対象者であり、公費接種の期限は令和7年3月31日までですよと案内を送付されています。
告知は未接種者にとってありがたい対応であり、引き続き最後の年度に向けて、根気よく接種の案内を行っていただきたいと考えます。
なお、対象者の中には、自分の判断で受けることが可能な年齢の方もおられます。この年代は、SNSの発信による情報発信が有効であると考えます。
積極的に期限を告知するSNSを使った接種勧奨の投稿を提案しますが、どのようにお考えであるかを横山福祉市民部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) キャッチアップ対象者の接種期限が令和7年3月末であることから、令和6年度におきましても引き続き、未接種の方に対し、3回接種の期間を考慮し接種勧奨を行うとともに、接種期限について、市ホームページ等で周知してまいります。
また、議員御発言のとおり、キャッチアップ対象者の中には、自分の判断で接種を受けることが可能な方もおり、年代的にX(旧ツイッター)やLINEなどSNSの利用者も多く有効であることから、広報となみや市ホームページとともに、併せて情報発信を行うように努めてまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 残り時間が少ないため、非常にこの告知を早く繰り返し行っていただきたいと思います。
次に、歯の健康を維持することについてお伺いします。
口腔の健康を保持することは、生活の質を向上させ、生活習慣病を予防し、健康寿命を延ばす上でも重要であると考えます。
歯周病は細菌の感染により起こる病気ですが、進行すると、歯を支える土台が溶け、歯が動くようになり、最後には歯が抜けてしまいます。働き盛りの中高年では、8割以上の人に歯周病があると報告されています。
また、歯周病が糖尿病、肺炎、心筋梗塞、脳梗塞、早産などの原因になることも明らかになっており、歯周病が単に口の中だけではなく、全身の健康を脅かす病気であることが分かってきました。
歯周病を進行させない、また歯周病を治すことは、全身の健康に大きくプラスになると考えます。
このため、歯周病を自覚しない段階で早期発見をするには、歯科での検診しかありません。
また、これまで本市では、6か月児もぐもぐ教室からお口の成長の話をはじめ、1歳6か月の歯科健診、歯の染め出し、フッ化物塗布を行っていただいているおかげで、子供や保護者も歯に対する関心と意識が高く、本年、12歳児の虫歯の数が県内最少であることが分かりました。
この機運に乗じ、大人も口腔ケアに対する意識を高め、健康な歯を保っていただきたいと考えます。
現在、検診が30歳から節目検診として行われていますが、より受診しやすい体制にすることで受診率を上げ、市民の健康を保つための一翼を担う検診になると考えます。
誰もが利用しやすい歯科口腔支援窓口の分かりやすい案内についてお伺いします。
健康センター内には歯科口腔支援窓口があり、歯についての相談を気軽にすることができ、令和4年度の相談件数が、窓口での相談2件、自宅・施設訪問での相談は218人の利用があり、相談者は高齢者が多いようです。
市民にとって、健康センター内にある窓口は、信頼が置ける相談の場であると考えます。
また、若い人の歯に対する意識は高く、かみ合わせや歯列などの悩みもあると考えます。Q&Aの例も加え、リーフレットなどに記入いただき、幅広い年齢層からも相談のしやすい環境を整えていただきたいと考えます。
また、ホームページでの案内の確認、SNSへの投稿も問う予定ではありましたが、11月28日にしっかり変更されており、Xへの投稿もされておりました。
引き続き、若い人へのアプローチもお願いしたく、横山福祉市民部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) 歯科口腔支援窓口は、歯やお口の中に関する心配事などについて気軽に相談できる場となっております。
支援窓口の周知につきましては、市ホームページやXのほか、昨年度の利用者の多くは高齢者であることから、全戸に配布しております健康センター発刊の健康ガイドブックに「お口の相談」として掲載し、幅広い年齢層に対応できるようお知らせしているところであります。
また、市の歯科医師会の歯科口腔支援ステーションと共同して毎年チラシを作成し、健康教室や福祉健康大会など、あらゆる機会を捉えて広く市民の皆さんに配布しており、次回作成時には、若い方によくある悩みの例を掲載するなど、幅広い年齢層からも相談しやすい環境を整えてまいります。
加えまして、市ホームページのFAQ(よくあるご質問)に、新たに歯とお口に関する項目を追加し、多方面からのアクセスに対応できるよう情報を整理し、若い方へのアプローチにもつながるよう努めてまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 他市のことではありますが、若い世代の方が歯列矯正で非常に悩まれ、たくさんの方が健康被害といいましょうか、治療によって健康被害が起こった例がございます。
本市でも、恐らくそういう若い方は、歯列矯正、歯のことに関心ある方がたくさんいらっしゃると思います。そういう方たちが、まず治療を受ける前に相談できる公的な窓口があることを非常に心強いと思っておりますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
次に、20歳代の歯の健康と後期高齢者の歯の健康についてお伺いします。
現在、本市で行われている歯周疾患検診は、30歳から始まり、次は40歳、そこからは70歳までが5歳刻みの節目検診として、歯周疾患検診が行われています。
高校を卒業すれば、口腔の状態を確認する機会が減ります。せっかく本市が乳幼児期からの口腔の健康を保つ環境をつくってくださっても、次は30歳まで検診の機会がない状況です。
また、高齢者において健康を維持し、食べる楽しみも維持するためには、節目の年齢で歯周疾患検診を行うことが重要であると考えます。
検診の対象年齢を増やし、20歳から5歳刻みで80歳までにすることで、自分の歯を維持する目標8020の達成につながると考えます。
重ねて、検診の実施期間は4か月でありますが、実施期間を長くすることで予約が取りやすくなり、受診者が増える、また、歯周疾患検診を受診することでかかりつけ歯科医を持つことにつながり、末永く歯の健康を維持することができると考えますが、どのようにお考えであるかを横山福祉市民部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) 本市の歯周疾患検診につきましては、健康増進法に規定する健康増進事業実施要領に基づき実施しております。
国の事業実施要領による検診の対象年齢は40歳、50歳、60歳、70歳の節目でありますが、本市においては、30歳、45歳、55歳、65歳を市の単独事業として対象を拡大し、実施してきております。
一方、国においては、国民皆歯科健診推進施策の一つとして、新年度の予算要求にて歯周疾患検診対象年齢の拡大として、現行の年齢に20歳、30歳を新たに加える予定とされております。
このことを受けまして、新年度には、本市においても20歳を歯周疾患検診の対象年齢として加える予定としており、引き続き、国の動向を注視してまいります。
また、後期高齢者に対しましては、後期高齢者医療(富山県後期高齢者医療広域連合)において、75歳となった方を対象に歯科健康診査を実施しているほか、本市では、介護予防の観点から、地域支援事業として歯科衛生士が自宅や施設を訪問し、高齢者の歯科口腔に関する相談や指導を引き続き行うこととしております。
なお、検診の実施期間を延長することにつきましては、現在、特定健康診査と併せた受診につながるよう期間を設定していることから、現時点においては、期間延長については考えておりません。
私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 引き続き、市民の歯の健康を維持するために御尽力を賜りたいと思います。
次に、2024となみチューリップフェアに向け、観光客を呼び込む取組についてお伺いします。
2024となみチューリップフェアのテーマ「チューリップで広がる彩りの波」をイメージしたデザインの発表があり、富山県花卉球根農業協同組合の職員の皆さんや球根生産農家の皆さんにより、大花壇にチューリップ球根の植え込み作業が行われました。
今年のフェアでは、気温の高い日が続いた影響で生育が早く進み、開会日に満開宣言となったことから、来年は花の見頃が長く続くよう、同じ色の系統でも開花時期が異なる球根を混ぜて植え込むなどいろいろな工夫をされ、多くの来場者に楽しんでいただくための、フェアに向けた準備が着々と進んでいます。
2024となみチューリップフェアに向け、台湾からの誘客を強化するために行われたトップセールスの手応えと、インドネシアからの誘客を見込んだ積極的なアプローチについてお伺いします。
11月29日から12月3日まで、そのうち市長は30日から2日までですが、台湾に出向き、2024となみチューリップフェア、チューリップ四季彩館、庄川遊覧など砺波市の魅力ある観光地へ、台湾からの誘客を強化するために、市長、プリンセスチューリップの参加によるトップセールスが実施されました。
これまで市長をはじめとして、市や、公益財団法人砺波市花と緑と文化の財団職員の皆さんは、台湾旅行者との関係を着実に築かれてきたこともあり、その関係は非常に良好であると思っています。
今回、新規に訪問する旅行会社2社を含め10社を訪問され、インセンティブ誘客を図るために、旅行商品を持っての訪問と聞いております。その内容と手応えなどについてお伺いします。
また、6月定例会にも質問にお答えいただきましたが、さらなるインバウンド誘客の強化を図るためには、台湾のみならず、本年度のフェア来場者数が多かったインドネシアに向けても積極的にアプローチをすることが重要であると考えますが、どのようにお考えであるかを併せて市長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 台湾キャンペーンでは、これまでにとなみチューリップフェアなどに送客実績のあります旅行会社8社に加えて、新規旅行会社2社を訪問し、フェアへの誘致を中心に、食事、お土産、施設連携などの新企画商品を提案し、誘客と市内経済への波及につながるようPRをしてまいりました。
具体的な提案内容としましては、フェア入場料の割引とオリジナルバッグのセットを基本プランとしまして、混雑なく人気スポットのチューリップタワーや花の大谷を御覧いただける早朝入場プラン、お土産と入場のセットプラン、となみ野弁当と入場のセットプランのほか、市内の各店舗と連携した昼食会場と昼食のメニューを紹介したところであります。それ以外の食事場所のほか買物情報、それから免税店の情報などの提供も行ったところであります。
これらの提案に対しまして旅行会社からは、これまでの台湾側からの具体的な意見や要望に対して適切に反映、対応してくれており、新たな情報もあったので送客をさらに増やしたいなど、いずれの旅行会社も高い関心を示されまして、さらなる送客が期待できるものでありました。
ちょうどこの時期は、春の旅行商品をつくっているところ、一部は完了しているところもありましたが、既に出ているものもありますが、これから本格的につくるということで、そのタイミングを狙って行ったわけですけれども、しっかりとグリップできたかなと思います。
台湾観光客に人気であります本市のチューリップフェアやチューリップ四季彩館、そして庄川遊覧船は、いずれもいわゆる最終目的地というよりも、交通の利便性もいいことから、主要観光地をつなぐ観光スポットとして、いかにツアー行程の中に組み込んでもらうかという点が重要でありまして、そのような観点から、例えば大々的に説明会やイベントを行うのではなくて、先ほども台湾の旅行会社と職員が非常にいい関係を持っていると評価もいただきましたが、従前から様々なレベルで旅行会社のニーズに具体的に対応することを重視して、より効果的なセールスコールを行ってきたところでありまして、多くの旅行会社にそういった姿勢は浸透し、その信頼も得てきているものと自負をしております。
もう一つの訪問の目的でありました台北市の士林官邸公園では、球根の継続的かつ購入拡大に向けた協議を行ったほか、2月に開催されます2024士林官邸鬱金香展、これは向こうの読み方ですが、チューリップまつりですね。士林官邸のチューリップまつりの会場に設置いたします砺波コーナーのオブジェなど装飾のデザイン――これは今までもあるんですけど、また新しいものについての相談ですが――についても提案しまして具体的な意見交換もできたところであります。
また、来年2月の開会式への砺波市長の参加についても、例年同様に要請をされたところであります。
同展を通じまして、本市のさらなる魅力発信や、台湾からの来訪者の増加につながることを期待しております。
去年、おととしと行きましたけど、実際の鬱金香展で台湾のお客さんから、チューリップフェアに行ったよという声を何人も聞きましたので、そういった意味でも、士林官邸での大きなチューリップ展で砺波の球根、「砺波」という名前が出ているのは、ちゃんと台湾の人は読めますから、ありがたいなと思っています。
次に、インドネシアに向けたアプローチにつきましては、市職員、それからいろんな各団体の職員等が、5月に、都内のASEAN専門のランドオペレーター社、地元で、日本国内でいろんな世話をする会社ですが、そういったところには、年明けに改めて担当者が訪問して、台湾の旅行会社のケースと同様に、新企画の商品を提案するなど積極的な誘致活動を進めてまいることとしております。
このように、現段階では、インドネシアについては、ランドオペレーター経由での誘客活動が最も効果的な段階と見ておりまして、今後、状況を見て、他のASEAN諸国も含めて、現地でのプロモーション活動も検討したいと考えております。
今後とも引き続き、外国人観光客の多様なニーズに対応するとともに、観光スポットのみならず、本市のさらなる魅力発信と誘客に努めてまいります。
私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) トップによるセールスと新しいプランを持っての訪問、1日にしてならない関係性というものを、引き続きインドネシアなどほかの国においても行われることとなると、もっとこの砺波市にいろんな方が訪れてくださるかなと考えます。
次に、3月に北陸新幹線が金沢―敦賀間で延伸開通することが決まり、関西方面からの誘客を強化するためについてお伺いします。
北陸新幹線の敦賀までの延伸開業日が来年3月16日に決定し、関西方面からの来訪が増えることが期待できます。これまでの首都圏に加え、関西圏にも強力な誘客、PRが必要であると考えます。
2月定例会でも質問しましたが、2022年、来場者のアンケートによれば、21%の方が公式ホームページ、SNSで情報収集し来場されていることから、情報発信効果の高いターゲットに対して情報を発信し、誘客を図るとのことでありました。
2024となみチューリップフェアを含む砺波市への誘客において、関西圏での具体的な取組について、坪田商工農林部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 来春の北陸新幹線敦賀延伸は、観光分野のほか、経済の活性化、企業誘致、移住定住など様々な面で効果が期待できるものと考えており、関係機関などと連携した情報発信が必要であると認識しております。
観光分野について具体的に申し上げますと、先月には北陸デスティネーションキャンペーンにブース出展しまして、本市の魅力をPRするとともに、エクスカーションコース、これは現地を体験していただく、訪問していただくというコースなんですけれども、このコースとしまして、チューリップ四季彩館、若鶴酒造、レストラン大門を訪問いただくなど、参加された多くの旅行企画関係者に対し、大いにPRができたものと考えております。
チューリップフェアに向けた今後の誘客につきましては、JR大阪駅構内で最も人流の多い中央口改札などにおいて、大型デジタルサイネージによる広告を展開することとしており、関西圏の方はもとより、出張や観光などで大阪駅を利用される国内外の方にもPRをしてまいりたいと考えております。
また、SNSを活用しました情報発信としては、大阪、京都、神戸エリアの20歳以上を対象といたしまして、動画広告を展開することとしており、さらには、大阪駅周辺の生花店では、砺波産チューリップの切り花販売と共に、写真映えするPRディスプレーを設置し、SNSを介して砺波を広く情報発信していただけるような取組も計画しているところであります。
これらのように、首都圏と同様にデジタル技術を駆使し、誘客につながるよう努めてまいります。
私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 林 教子君。
〔2番 林 教子君 登壇〕
○2番(林 教子君) 偶然かもしれませんが、今年春、東京でも花屋さんでそのような取組をされていらっしゃるところがありました。
うちの娘が東京におりまして、その様子をちょっと送ってくれたんですけれども、チューリップの切り花の横に、このとなみチューリップフェアを宣伝する案内が置かれておりました。
このような取組が各地で行われるとよいなと思います。
最後になります。本市の魅力を伝える発信を高める取組についてお伺いします。
本市では、花の観光親善大使として、チューリップや富山県、砺波市の魅力を発信するプリンセスチューリップが本市のPRを担ってくれています。彼女たちの活躍、貢献は大きいものと考えます。
ところが、残念ながら、県外に行けば、砺波の文字が難解の文字として扱われています。どなたでも砺波市が読めるように本市の知名度アップを狙い、アンバサダー制度を新設し、本市に縁のある人々へ就任の依頼ができないものかと考え、本市の魅力を発信しPRするために、アンバサダーを設ける取組についてお伺いします。
進学や転勤のために、本市を離れる人は少なくありません。違う環境の中で生活をすれば、気づかなかった本市のよさがじわっと分かってくるものと思われます。都会の電車に乗れば、JR城端線のがたんごとんと音を立てて走る様子や、揺れ具合がなかなか絶妙だったことを思い出す。また、ありふれた風景も、乾いた空気の中で過ごせば格別だったことに気づくでしょう。
本市で生まれ育った者だけが分かる、今いるところとの違いを、いわゆる里帰りのときなどに、本市の風景、イベント、食事、住みよさなど改めて感じた1コマをカメラで捉え、SNSで発信する、離れた場所からふるさとを思い出しつぶやく、そんな投稿を見た人が本市を知り、興味を持ち、訪れるきっかけになる。そこから移住定住につながることもあるのではないかと考えます。
何より、ふるさとを誇りに思い、離れていてもつながっていってほしいと考え、本市を離れた方を対象に公募する、ふるさと砺波アンバサダーを設けることを提案します。
また、本市と交流のある東京大学の学生や、佐々木邸などを使用しゼミ合宿を行う大学生にも、交流期間の様子、驚いたことなど本市にまつわることをSNSに投稿いただく、第2のふるさととして本市のよさを情報発信する、第2のふるさと砺波アンバサダーになっていただき、度々本市を訪れていただきたいと考えます。
遠路で暮らす砺波市出身者や、本市と交流のある大学生にアンバサダーになっていただくことについて、島田企画総務部長にお伺いし、私からの質問と提案を終え、境 佐余子議員にバトンを渡します。
○議長(川辺一彦君) 島田企画総務部長。
〔企画総務部長 島田繁則君 登壇〕
○企画総務部長(島田繁則君) 本市では、「10WAVEプロジェクト」の魅力情報発信強化プロジェクトとして、砺波のよさや魅力を市内外に向けて情報発信するシティプロモーション事業を推進しております。
令和3年度から情報発信体制の見直しを行い、市役所全体の各部署に情報発信担当を配置し、日頃からSNSを通じて本市のよいところや最新情報を速やかに提供することで、住みやすさを実感してもらうことや、砺波ファンの獲得、観光などをはじめとしたプロモーションなどの充実を図ることで、市民の満足度や本市の知名度をさらに向上させるよう取り組んでおります。
また、市民や各種団体向けに、砺波市のPR大使講座として、時代に合わせた効果的な情報発信の在り方など発信力の強化についての研修会を開催しており、市全体で本市のよさをPRしていただけるよう取り組んでおります。
アンバサダーにかかわらず、遠方で暮らす砺波市出身者や、本市と交流のある大学生に第2のふるさととして本市のよさを情報発信していただくことは、手法の一つとしては効果的であると考えておりますので、庁内関係課と連携を図り、市民以外の目線で感じた本市の魅力をSNSなどを通して発信していただくよう、引き続き働きかけてまいります。
本市といたしましては、特にアンバサダーという名称は設けることはいたしませんが、これからも市民や砺波市にゆかりのある皆さんが、それぞれPR大使として心に留めていただき、本市の魅力を発信いただけるよう努めてまいります。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午後 1時40分 休憩
午後 1時45分 再開
○議長(川辺一彦君) それでは、再開いたします。
1番 境 佐余子君。
〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 議長より発言の許可がありましたので、一問一答方式で、これより市政一般に対する質問を、自民会1期2番手として行わせていただきます。
大項目1、学校へ通いづらいと感じている児童生徒への支援について質問いたします。
今年5月、本市でフリースクール説明会が初めて開催されました。これは、不登校児童生徒の対応に当たる各学校の生徒指導主事などを対象としたもので、学校が保護者の困り感に寄り添い、支援の方向を共に考えていけるように情報を共有したものであると、本年度6月定例会において、教育長より答弁されております。
そこで、小項目1、実際にこの説明会の後、学校側からこうしたフリースクールや居場所へ児童生徒が行くことにつながっているのかどうか。また、5月の説明会は、あくまで学校関係者に向けたものでしたが、保護者に向けた説明会などについてはどのように考えるのか、白江教育長に見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 5月の説明会後、学校では、これまで以上にフリースクールに対する認識を深めており、管理職や教諭がフリースクールへ出向き、通っている子供たちの様子について情報交換したり、支援について相談したりする機会をつくっており、児童生徒の多様な学びの場についての理解や連携が深まっていると感じております。
去る12月5日には、フリースクール等との情報交換会を行い、出席者からは、教育支援センターやフリースクール等への問合せが増えている、学校が子供たち一人一人に合わせて柔軟に対応してくれているなどの発言があり、フリースクール等との連携が、子供たちの居場所づくりにつながっているものと感じております。
また、保護者に向けたフリースクール等の全体説明につきましては、現在のところ予定しておりませんが、学校に通いづらいと感じている児童生徒の保護者から学校に対して相談があった場合は、教育支援センター「ひよどり」のほか、フリースクールや保護者の会などの利用についても、児童生徒一人一人の実態に応じて個別に紹介してまいりたいと考えております。
今後も学校と保護者の相談の機会をチャンスと捉え、学校に通いづらい児童生徒が社会的に自立することができるよう、そして同じ方向を向いて支援していくことができるよう、話し合うことを大切にしてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 市内でも民間の支援が増えてきております。サポートを求める方にとって、複数の中から自分に合う場所を選択できるということは非常にありがたいことでございます。今後も行政、教育機関、民間支援機関、さらに情報を共有して、よりよい支援につなげていただきたいと思っております。
そこで、続きまして小項目2、行政、学校、民間施設などの定期的な意見交換の開催について今後どのように取り組んでいかれるか、白江教育長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 1点目で答弁したとおり、12月5日開催のフリースクール等の代表者、小中学校の代表者、教育センター職員による情報交換会では、保護者の思いや児童生徒への配慮等について御意見をいただき、学校とフリースクール、保護者との情報共有と連携が、子供たちを支えていくことにつながると改めて認識することができる有意義な情報交換会となりました。
今後も、子供たちの居場所づくりのために情報交換会の開催を継続し、また、学校からフリースクールへ訪問するなど直接意見交換を行うことで、相互理解をさらに深めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 大変心強い御答弁、ありがとうございます。
私も、実は参加された方から感想を伺っております。参加された方は、立場の違う方々の考えを実際聞くことができてとてもよかった、今後の連携の方向性を自分たちも考えることができた、また、多様な選択肢が増えることが求められているということが共通認識として感じられたとおっしゃっていました。
ぜひ、開催の継続、よろしくお願いいたします。
さて、「不登校は、その子にとってゴールでも、その親にとってはスタートなのよ」。これは、私が話を伺った、お子さんが不登校だった方の言葉です。
不登校を選んだ子供は、それまで毎日苦しみ、悩んで、最後にやっと学校に行かないことを選びました。一方、保護者は、それまでの子供の胸の内を全ては知らなかったので、学校に行かないことからスタートした、始まったと思ったそうです。なぜ、どうしてと考える毎日が始まり、今後の学校との関わりに悩み、頼るべき人や頼る場所も分からない。それは子供にも保護者にもつらく長い時間があったと伺いました。
学校に通いづらい児童生徒の中には、発達に凸凹がある場合も見られます。この発達の凸凹は、簡単に言えば、得手不得手の差が大きい状態にあることを指します。また、グレーゾーンと呼ばれる場合は、より得意なことが多く、日常生活においてはそれほど困り感を感じる機会が多くない場合を指すそうです。
どんな理由で自分の子供が学校へ通いづらいのか。ネット上には様々な情報が存在しますが、その方に必要な情報か、本当に正確か、自治体による支援の違いなど判断をするのは容易ではありません。
本市においては、これまでも子育て相談の窓口はあります。しかし、就学後に学校へ通いづらい状況にあると思った保護者にとっての相談窓口だとは思わないそうで、どこへ相談するのがいいのか分からないという声も聞いております。
そこで、小項目3、子供が学校に通いづらさを感じている保護者の相談窓口の設置について、白江教育長に見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 通常、お子さんが学校に通いづらい状況になったときには、まずは学校に御相談いただきたいと考えております。
担任と教育相談を行ったり、スクールカウンセラー等につないだりしながら、児童生徒にとって何が今必要なのかを把握し考えながら、お子さんの状況に応じて教育支援センターやフリースクール等の情報を提供しております。
また、市教育センターや教育支援センター「ひよどり」のほか、こども課の家庭児童相談室なども、学校に通いづらさを感じている児童生徒に関する保護者等の相談窓口となっております。
このようなことから、現在、新たな相談窓口を開設する予定はございませんが、市では、こども課及び教育総務課に直接相談された場合でも、庁内及び学校と情報を共有し、保護者の悩みや心配なお気持ちに寄り添える体制づくりに努めております。
今後も引き続き、学校で相談しやすい環境をつくるとともに、相談に関するチラシを市内各機関に置いたり、インターネット等で検索しやすくしたりするなど、相談の機会が失われることがないよう工夫してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 精神科医の斎藤 環教授は、不登校への基本姿勢として、一番に再登校を目標としないことを挙げています。一番悩んでいるのは本人であり、本人の自主性、主体性を尊重すること。大事なのは関わりを持ち、働きかけながら状況を観察し、その結果に基づき軌道修正を図っていくことだそうです。
学校に行けなくなったら、行けるようにするのが一番大切だという少々乱暴な考え方や、学校に行かないのは甘えているからだという少々古い考えがまだ多くあり、子育て世代の方に大きな負担となっています。
本市に住む子供たちの心身の健康を維持することは、私たち大人の最優先課題です。
そこで、小項目4、不登校など周囲も理解を深められる施策として、不登校や学校に通いづらいという子がいることへの理解を進めること、また、市としても、児童生徒の再登校だけを目標とはしていないことも併せて理解を進めることから、より寛容な地域づくりへつながると考えますが、白江教育長の見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 本市における不登校児童生徒への支援においては、学校に登校することのみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指すことが重要であると考えており、不登校の児童生徒一人一人の状況に応じた学ぶ機会や居場所を確保することが大切であると考えております。
学校に通いづらいという子がいることにつきましては、一般的に、保護者等による理解は進んできておりますが、特に祖父母世代への浸透が難しいという状況も見受けられ、各校では、不登校の児童生徒に対応する際に、保護者だけでなく御家族への理解も促しております。
また、学校に通いづらい子がいることについての理解や、市の不登校児童生徒に対する考え方について、学校評議員会等の場を通じて説明するなど、地域の皆さんにも理解が広まっていくよう今後も努めてまいります。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 変わりまして大項目2、庁舎整備事業について質問します。
1年前の定例会において、林 教子議員から、市庁舎整備における意見収集方法についての質問において、地区自治振興会協議会をはじめ、砺波市庁舎整備検討委員会委員の所属団体へ出向き、現在の検討状況などを説明し、意見交換を重ね議論を深めていく必要があると答弁がありました。
そこで、まずは小項目1、今後、各種団体との意見交換をどのように分析し、どのように活用するのか、島田企画総務部長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 島田企画総務部長。
〔企画総務部長 島田繁則君 登壇〕
○企画総務部長(島田繁則君) 市長が提案理由で申し上げましたとおり、本年3月から11月までの間、地区自治振興会協議会をはじめ、市内12団体にお伺いし、意見交換とともにアンケート調査を行い、多様な御意見や御要望をいただきました。
これまでの集計結果からは、庁舎整備に関する機能性や経済性への関心が高いことがうかがえた一方で、新庁舎の位置につきましては、一部に個別意見はあるものの、現在地よりも新しい場所での建設を望む割合が高い結果となりました。
また、となみ青年会議所や砺波市PTA連絡協議会などの年齢層の若い方々からも御意見をいただきましたが、各種団体の全体回答者に占める50代以上の割合が7割以上と比較的高い傾向にありました。そのことから、より幅広い層の市民、特に若い世代からの意見を把握するため、市ホームページやXを活用し、今回の取りまとめ状況の公表に合わせて、広く市民の皆様に向けて同様のアンケートを実施してまいりたいと考えております。
これらの御意見やアンケート結果につきましては、新庁舎整備の基本理念や基本方針をはじめ、建設場所や規模などの基本的な考え方をまとめる庁舎整備基本構想に反映してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 将来にわたりどのような庁舎が必要か、それを実現するための場所はどこなのか、時代の変化を見通して考えていきたいと思います。
さて、これからの年齢構成のバランスの変化により、次世代への負担の増加が懸念されています。今後の財政状況を踏まえた自治体経営や、本市の特色である小規模自治を維持するために、変化を許容しながら、民間の活力を庁舎整備においても積極的に導入していくことも求められていると考えます。
そこで、小項目2、庁舎整備事業における民間活力の導入について、島田企画総務部長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 島田企画総務部長。
〔企画総務部長 島田繁則君 登壇〕
○企画総務部長(島田繁則君) 新庁舎の整備に当たりましては、より質の高い公共サービスの提供や財政負担軽減などの観点から、民間活力の導入は、従来にも増して積極的かつ柔軟な対応が求められております。今後の各計画の段階において、民間活力を活用した事業手法や民間機能、例えば食堂やコンビニ、金融機関などの導入可能性について検討してまいりたいと考えております。
なお、今年度内をめどに、民間事業者のアイデアやノウハウ、適切な整備手法、または事業の採算性の有無、公募条件などを把握するため、民間事業者の皆さんと対話する手法でありますサウンディング型市場調査を実施することから、その中でも民間活力の導入について、広く意見を伺う予定としております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 様々な視点から検討いただくこと、将来を見通した計画につながると思っております。
当然ですけれども、これからの政策が、将来の世代に対して適切で、そして公正な負担をもたらすような検討をお願いしたいと思います。
変わりまして、大項目3、こどもまんなか施策について質問します。
現在、本市は、砺波市子ども・子育て支援事業計画の第2期期間中でありまして、今年度中に第3期計画策定に向けてアンケート調査の実施、ニーズの把握、これまでの施策の検証などを行っていくと、本年6月定例会において市長より答弁されております。
さて、本市の第2期子ども・子育て支援事業計画の基本理念は、「私が 家庭が 地域が 支え育む 子どもの未来」です。
今年4月に施行されたこども基本法の基本理念には、「全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されること」が挙げられております。
また、第11条において、「国及び地方公共団体は、こども施策を策定し、実施し、及び評価するに当たっては、当該こども施策の対象となるこども又はこどもを養育する者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする」と定められました。
そこで、まず小項目1、第3期計画策定に向けた進捗状況と併せ、こども基本法を踏まえ、次の本市の支援事業計画策定をどのように考えていかれるのか、森田教育委員会事務局長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) まず、令和6年度中の策定を予定している子ども・子育て支援事業計画(第3期)の進捗状況は、国が今後策定するこども大綱の内容や周辺自治体の動向も参考にしながら、子供や子育て当事者等の声を施策に反映するため、現在、子育て支援策のニーズに関するアンケート調査の準備を進めているところであります。
また、本年4月に施行されたこども基本法において、こども家庭庁からは、子供が意見を表明する機会等について、様々な例や、国の調査研究事業におけるモデル事業について情報提供がされておりますことから、それらを参考に、県と連携しながら具体的な取組について検討してまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 全ての子供が、年齢や成長の程度に合わせて、自分に直接関係することに意見を言えることや、様々な活動に参加できるようにすること、我々大人は責任を持って取り組んでいかなければなりません。
もちろんそれ以前に、全ての子供について、適切に養育されること、その生活が保障されること、愛され保護されることなどが求められますが、残念ながらそうしたことが十分に受けられない子供も存在します。
令和6年4月、改正児童福祉法施行となります。
本市においても、児童福祉及び母子保健に関し、包括的な支援を行うこども家庭センターの設置がされることは前回の定例会で答弁されております。
改正法では、このほかに意見聴取等の措置が実施義務化、意見表明など支援事業の体制整備の努力義務化も定められ、各自治体において準備することが必要となりました。
先行自治体からは、人材確保への負担感などが言われておりますが、子供が権利を持つ一人の人間として意見を述べるために、小項目2、子供たちへのアドボカシーサービスについての見解を森田教育委員会事務局長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) 子供は、そもそも声を出すことが難しい、SOSを出すことが難しい、その子供の声を伝えるための糸口として、子供アドボケイトという考え方が改正児童福祉法の中でスポットが当てられたものとなっております。
少しずつではありますが、子供の支援につなげる取組としてのアドボケイトに関するモデル事業も進められていますが、まだ子供の意向に寄り添って支援を行うということが理解されていない現状もあります。
今後、児童相談所と連携する中で、このアドボケイトという考え方を意識しながら支援を続けることで、子供の声が反映されるようになっていくことが望ましいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 確かになかなか耳なじみのない言葉でありますが、少しずつ浸透させていくことも大切かと思っております。
さて、2009年、富山県で初めて子どもの権利条約フォーラムが開かれました。この条約は、子供が守られる対象であるだけでなく、権利を持つ主体であること、また保護や配慮も必要な子供ならではの権利も持っていることを認めるものです。
当時、この権利条例を制定していたのは魚津市だけであり、その後県内では、射水市の子ども条例、南砺市がこどもの権利条例を制定しています。
話は変わりますが、最近、長く子供の支援に携わる方から、10年前と比べても最近の子供たちは自己肯定感が低いと感じると伺いました。どうせ自分なんてということだけではなく、失敗できないという思いも強くあり、やってみようという気持ちが弱まっていると感じるそうです。
本来子供は、年齢や発達の程度によりますが、自分に直接関係することに意見を述べること、社会の様々な活動に参加できる権利があり、それを実践するためには、大人がしっかり理解していくことが求められます。
先日、南砺市こどもの権利イベント「なんとキッズライツDAY」に参加してきました。砺波工業高等学校、南砺福野高等学校、南砺平高等学校、富山国際大学、富山短期大学など多くの学生の参加だけでなく、子供たちの自主企画が多く見られ、多くの家族連れが楽しんでいました。
一方、同じこの日、夢の平コスモス荘では、砺波高等学校生が独自でイベントを考えて活動していました。スタンプラリーやリースづくり、スペシャルな限定お子様ランチなどアイデアを出し合い、当日は期末テスト前ではありましたが、砺波が大好きだから盛り上げたいんですという生徒さんの思いが、参加した親子へもしっかり伝わっていたと感じました。
2つのイベントの規模は違いますが、共にやってみられという土壌があれば、やってみようと思う子供たちが育っていくと感じることができたイベントでした。
さて、本市は、こどもまんなか応援サポーター宣言をしました。子供たちは、次の砺波市を支えてくれる大切なまちづくりの仲間です。その仲間の意見をしっかり聞き、さらに住みよい砺波にしていくためにも、今後、本市としても、子供の権利条例について考えていく時期に来ているのではないかと考えます。
そこで、小項目3、子供の権利条例に対するこどもまんなか応援サポーターとしての見解について夏野市長にお伺いし、以上、私からの質問を終わり、次の小西議員へバトンを送ります。
○議長(川辺一彦君) 市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 子どもの権利条約では、次の4項目が基本的な考え方とされています。差別の禁止(差別のないこと)、子どもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと)、生命、生存及び発達に対する権利(命を守られ成長できること)、子どもの意見の尊重(子どもが意味のある参加ができること)の4項目です。
これらの基本的な考え方は、そのまま我が国のこども基本法に取り入れられておりまして、その基本法の下、砺波市では市の子育て支援施策を計画的に実施しております。
具体的にも、第2次砺波市総合計画の中で、「10WAVEプロジェクト」のまず第1番目として子育て応援プロジェクトを掲げ、重点施策の中でも重要視しておりまして、こどもまんなかサポーターとして、各年度の事業実施においても、全ての子供に対して、分け隔てなく子供たちのための様々な施策の実施や支援を行っており、今後もさらに充実させていくこととしております。
これらを踏まえまして、先ほど紹介もありましたが、第3期の砺波市子ども・子育て支援事業計画の策定において、社会のニーズに的確に応え、具体的にこどもまんなか応援を進める中で、子供の権利を守り、意見を表明する機会などの実現を図っていくものでありますが、これらは条例の有無にかかわらず進めていくものであること、また、条例制定自治体と比較しましても政策方針や施策の展開が大きく異なるものではないことから、理念的、宣言的な側面はともかく、条例において改めて法令と同様の主旨を定めることについては、現段階では決定的な必要性はないと考えております。
いずれにせよ、このような理念的、宣言的な意味合いを持ち、多分、定めるとすれば、さらに具体的な施策や責務も規定することとなると思いますが、そういった条例の制定自体はかなり重いものです。その必要性や効果については十分な検討を行うことが必要でありまして、はやりものではないということは御理解いただきたいと思います。
私からは以上です。
○議長(川辺一彦君) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時16分 休憩
午後 2時30分 再開
○議長(川辺一彦君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
5番 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) 議長に発言の許可をいただきましたので、通告書に基づき、一問一答により、質問と提案をさせていただきます。
まずは、前回にあった境 佐余子議員のバトンを落とさないように、高校生が一生懸命傍聴に来てもいただいておりますし、私は砺波工業高等学校のOBでもあります。ぜひ、皆さん方の納得のいく質問をして、当局の答弁を求めたいと思います。
〔「頑張れ」と呼ぶ者あり〕
○5番(小西十四一君) ありがとうございます。
それでは、まず1番目の大きな問題、人口対策の教育について伺います。
市政のこれからを計画するに当たり、人口の問題は一番大きな問題です。その中にあって、砺波市においても、今後の人口減少は避けて通れない状況となっています。
人口減少の問題は、砺波市のみならず、日本全体の問題となっています。その大きな要因は、新生児の数が亡くなる人の数を補っていないことが原因です。少子化が叫ばれ、社会問題となっているにもかかわらず、結婚しないという選択をする若者が増加していることが大きな要因と考えられます。
当市としては、婚活の事業展開を実施し、子育てに優しい環境を構築し、移住への補助を実施することにより、人口減少に少しでも歯止めをかけようと努力されております。その結果は、他市と比較しても、大きな効果が出ていると評価しています。
しかし、砺波市における新生児の数は、コロナ禍が過ぎてもそれほど多く増加しているとは言えない状況です。
そこで考えるのは、若者が成人になってからの婚活や環境整備を整えることも大事ですが、小学校、中学校における教育との関係もあるのではないかと考えます。
時代が違うとお叱りを受けるかもしれませんが、私の小中学校の時代は、三世代が当たり前で、学校の放課後は、おじいちゃん、おばあちゃんに連れられ、農作業のお手伝いをするのが当たり前でした。
もちろん夕食時には、両親との会話をする中で、今日の出来事を話すコミュニケーションの時間もたくさんあり、父親に叱られ、泣き叫ぶ私を、おじいさんがそっと「こっちにおいで」とかばってくれたことを今でも鮮明に覚えています。
現在では、家庭環境も変化し、昔のことが当てはまらないことも多いかもしれません。しかし、人間は決して1人では生きていけないのです。この世に生息する動物、植物は、子孫を残すことによってのみ繁栄します。
小学校においては、総合学習の時間に地域に出向き、地元のお年寄りとの交流を図る学習時間がありました。地域との懇親を図り、地域における老人問題や地域が抱える諸問題を共有し、児童生徒が地元において自分たちで解決できる課題を考え、その課題解決を実践することが、子供の教育に必要不可欠と考えます。
さらに最近では、シティズンシップ教育といって、児童生徒に対し、市民として社会に参加し、その役割を果たせるような人間になるように教育することですが、まさに私が先ほどから申し述べていることを実践する教育と言えます。
国家100年の計は教育にありと申します。教師一人一人の努力のたまものによる教育も大変重要ですが、教師のみならず、地域と連携した特色ある教育で育った子供たちが、将来の日本や砺波市を背負う若者となり、砺波市に定着する人に育つのだと考えます。
教育の一端を地域と共に実践することにより、結果として人口増加にも大きな影響をもたらすと考えます。
人口増加に向けた教育について、教育長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 高校生の皆さんが傍聴してくれていることをうれしく、そして頼もしく思っております。
さて、議員御発言のとおり、子供たちが地域における課題を見つけ、その課題解決に向けて活動することは、その過程で地域への愛着を深め、地域での市民としての役割を果たして生きることにつながると考えております。
現在、小中学校では、総合的な学習の時間を中心に、よりよい地域を目指す活動が地域と一体となって行われており、先日も中学校では、地域を活性化する調査研究を行い、その中で、地域の過疎対策を地区自治振興会や市へ提案、発表しております。
また、小学校では、生活科において実際に地域に出かけ、その特徴を発見したり、地域の方と直接対話したりすることで、郷土の歴史への認識や関係性を深めております。
さらに、全ての学校の道徳科において、郷土愛や伝統と文化の尊重、家族愛について学習しており、生活科や総合的な学習の時間と関連づけながら、地域・家族の一員としての自分の役割を学習しております。
コロナ禍を経て、地域の方が学校を訪れる機会が増え、子供たちを支えてくださる活動も再開して、今後一層、地域の方とのつながりが元に戻っていくものと考えております。
このような活動を継続、推進していくことで、地域への誇りを育て、地域で生きようという思いが定着し、ひいては人口減少の歯止めにつながっていくものと期待しております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) ありがとうございます。心強い決意をいただきました。ここにいる高校生も含めて、皆さんがそういう気持ちになって大人になっていただいて、子孫繁栄につながることを期待しております。
次に、項目2番目に移ります。
児童生徒が安全に通学できる環境整備について伺います。
小項目の1点目については、校区割りの柔軟化について伺います。
現在、小学校区、中学校区においては、校区により通学校を決めています。その結果として、小学校においては、遠隔地、スクールバスが運行されているところは、例えば4キロメートル以上というところに運行されています。
この状況について考えてみても、これからの少子化に向け、学校の統廃合を含めた学校の在り方を検討していく上で、学区により通学する学校を決定している現行を、より通学距離が短い学校へ変更することも、各家庭の判断に委ねてもよいのではないかと考えます。
学区を分散することによる各地区におけるまとまりについて問題視されることもあります。少子化がこれからますます進めば、学校の統廃合などは、各地区単位の学区の設定などにこだわらない方法も必要ではないかと考えます。
今、児童生徒を中心とした環境を整えることこそが、これから先の児童生徒の安心・安全と、各家庭における子供に対する送迎など家庭の負担軽減につながると考えますが、教育委員会事務局長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) 通学区域制度の運用の下、弾力的な運用として、現時点においても、身体的な理由や教育的な配慮が必要な場合などは、就学指定校の変更が可能となっております。
しかし、現行の通学区域制度は、適正な規模の学校と教育内容を保障するもので、現在、本市においては、学校規模適正化の検討の中で、通学区域についても考慮しながら検討していただくこととなっております。
議員御提言の、就学指定校以外の通学距離が短い学校への就学や、各地区単位の学区設定にこだわらない方法につきましては、現行の通学区域制度を堅持しつつ、今後の検討委員会で弾力的な運用を協議してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) ぜひ、適切な検討を今後もしていっていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
それでは、小項目の2番目に行きます。
通学路の改修について伺います。
今年も、通学路の危険箇所について、警察、道路管理者、学校関係者等が市内8小学校区において合同点検を実施されました。市内における点検箇所は18か所に上り、これまでに危険とされた場所も含め、改めて現地確認し、考えられる安全対策について検討されました。その中には県道もありますが、市道における危険箇所も指摘されています。さらにその内訳は、歩道の新設であったり、信号機設置のように当市で対応できないものもあります。市道においては、各地区からの要望により、カラー舗装の要望もたくさんあります。
予算措置上、全て実施できないことは理解します。住民からの要望による危険箇所を解消していくことは、予算措置との兼ね合いや、状況に応じた対応策もあることから、全てが解消とはならないことも理解します。
しかしながら、その中にあっても、児童生徒が通学する道路の合同点検における対応策については、最優先に実施すべきと考えます。
当局におかれましては、通学路における安全対策の優先順位づけを最優先に実施していただきたいと考えますが、建設水道部長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 構建設水道部長。
〔建設水道部長 構 富士雄君 登壇〕
○建設水道部長(構 富士雄君) 本市の通学路につきましては、平成24年度から、学校、保護者、地域住民からの要望のあった危険箇所を各学校や教育委員会、警察、県・市の道路管理者などによる通学路の合同点検において検討しまして、安全対策が必要とされた箇所について整備を行ってきております。
この点検において対策が必要とされた通学路につきましては、平成24年度から昨年度までの11年間に119か所あり、歩道の新設などの時間を要する事業中のものを含めますと、110か所において対策を講じてきたところでございます。
一方、残る未実施の9か所のうち、信号機や横断歩道の設置等の公安委員会が実施すべきものを除き、市で対応しなければならない要対策箇所につきましては、歩道整備が1か所、路肩のカラー化が3か所の合わせて4か所であります。
このように一定程度の整備を進めているところでありますが、多くの地区自治振興会からは、通学路以外の道路拡幅についても要望をいただいているところであります。
市といたしましては、緊急性や経済性などを考慮しながら、引き続き、通学路の安全を最優先に対応してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) 今後ともよろしくお願いいたします。やっぱりバトンを落としました。
次に、大項目3番目でございます。
元気で活発な児童を地域で育てる環境について伺います。
1点目は、子供の居場所づくりの活動の充実についてです。
砺波市においては、放課後子ども教室、放課後児童クラブ等の平日における放課後の児童生徒の居場所づくりの施策が実施されています。それ以外にも、子ども食堂が4か所開設されています。
地区によっては、別の仕組みで居場所づくりを開設されています。その内容は、どの施設も、土曜、日曜における子供の居場所づくりや、親の子育て問題であったり、介護相談であったりします。
また加えて、地域とのつながりを目指し、地元のお年寄りとのふれあいを目的にしているものも開設されています。
ある地域で開設されている食堂では、地元の公民館と連携し、食堂開設時に子供たちが六宝焼きに絵つけを実施し、その成果品を公民館まつりに展示したり、幼稚園児が作成した絵を展示したりして、地区民が参加しやすい環境をつくっておりました。
地元にいる子供たちが一堂に会し、そこへおじいちゃん、おばあちゃんが一緒に連れ立って見に来る姿は大変ほほ笑ましい姿でしたし、家族以外のおじいちゃん、おばあちゃんから昔の遊びを教わったりしている姿は、これからの地域の活性化や防犯、災害時における大切なコミュニケーションの場だと感じました。
各地区において、公民館まつりや地区のコミュニケーションづくりのための行事は、各地区単位に考えられ、実施されていると考えています。
砺波市においては、三世代交流ふれあい事業が展開されており、地域のコミュニケーションアップに向け、予算措置を実施しています。コロナ禍で実施状況は半減しましたが、この事業を活用し、これまで以上に地域における子供の居場所づくりを展開することにより、地域の活性化や子供の居場所づくりに大きく貢献できるのではないかと考えます。
さらなる地域活性化に向けた活動をさらに発展、展開することについて、森田教育委員会事務局長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) 三世代交流ふれあい事業を活用した子供たちの居場所づくりにつきましては、令和3年8月市議会定例会で境 佐余子議員の児童生徒の第3の居場所づくりで答弁したとおり、町内会や常会におけるレクリエーション等に参加することで、多世代間での絆を深め、幅広い年齢層の地域サポーターの育成に結びつくと考えております。
地域の子供たちは地域で守り、地域で育てることが求められており、三世代交流ふれあい事業などを活用し、地域活性化の足がかりになることを期待しております。
コロナ禍で停滞した地域交流が戻り、将来的に自治会や町内会の集会施設が子供たちの居場所になるために、事業の積極的な活用を働きかけてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) ありがとうございます。たくさん使っていただいて、予算措置もそれなりにしていただきますように、よろしくお願いいたします。
続いて小項目の2番目、親子、孫、誰でも遊べる室内遊具施設の建設について伺います。
先日、行政視察で山形県の上山市、長井市へ出向きました。その市では、雨でも雪でも遊べる室内遊具施設がありました。もちろん親も同伴し、子育てに関する相談もできる施設となっていました。子供の室内遊び場を設ける自治体は増加の一途となっているようです。
しょうがわ認定こども園が完成し、東山見保育所の跡地に庄川児童館が開設されましたが、その児童館は庄川地区の皆さんにとって、すばらしい有意義な施設と喜ばれているようです。砺波市においては初めての施設となっていますが、子育てをしている家庭においては重要な施設であると考えます。
石川県や県内の他市においても、民間による施設があったり、自治体が設置し指定管理で対応しているところもあります。
いずれにしても、当市には、室内遊具設備を備えた設備はありません。今、育児や子育てに対する支援の充実を図ることは喫緊の課題であり、他市、他県においては当たり前の施設となっています。
当該施設の導入に向けて、砺波市としての考えを、森田教育委員会事務局長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) 育児や子育てに対する支援の充実を図ることは重要な課題でありますが、必ずしも施設を建設するだけが支援の充実につながるものではないと考えております。
議員御提言の屋内遊具施設について取り組む団体もありますが、現在、本市においては2つの児童館を設置し、気軽に子供たちだけで遊ぶことができる環境を提供しております。
庄川児童館については、旧保育所であることから十分な空間が確保され、施設を工夫して有効活用につなげることができる施設となっております。
一方、出町児童センターについては、公共施設再編計画の中で機能継続とするものの、施設については廃止となっております。
そのため、今後については、既存施設の有効活用も含め、検討してまいるところでございます。
このことから、別に屋内遊具施設を建設することは、現在のところ考えてはおりません。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) 現在考えていないということでございましたが、今後のニーズをいろいろ模索しながら、そういったことも今後の検討課題にしていただきたいと思っております。
最後になりますけれども、大項目の4番目、地域計画策定の進捗状況と今後の課題について伺います。
1点目は、現在進められている地域計画策定に向けて、市内の農業者に対する意向調査が実施されました。
担い手がいない、米の価格が低迷している、主食用米の生産が抑制されている、肥料等の値上がり、農業を取り巻く環境は厳しい状況の中、どのような農業者を対象にどのような意向調査を実施されたのか。その集計結果により、対象農家が今後どのような思惑でいらっしゃるかについて、砺波全体の集計はどのようなものとなっているのか、坪田商工農林部長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 地域計画策定に向けた意向調査につきましては、市内で10アール以上の農地を耕作している法人と個人の827件全てを対象に、現在の課題と将来の農業経営の意向などを調査したものであり、回答率は82.1%でありました。
主な集計結果を申し上げますと、課題としては、採算性の低さ、担い手の高齢化、後継者不足、農業機械等の更新、修繕の割合が高くなっているところであります。
今後の農業経営の規模の見込みにつきましては、規模を拡大したいと答えた経営体は約1割、現状維持と答えた経営体は約5割と、約6割が継続に意欲を見せる一方で、縮小したい、辞めたいと答えた経営体は、個人の小規模農家を中心に約4割といった結果になっております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) ありがとうございます。4割の人が農業を辞めたい、この現状に向けて、今、意向調査結果を受け、各地区へ1回目の地域計画策定に向けた説明会が実施されていると承知しています。
説明会には、これまで人・農地プランにおいて、中心となる農業者、地区の農業委員、土地改良区の委員などを集め、実施されておられますけれども、当時の人・農地プランでリストに上がった農業者の方は、どの方も当時は若かったが、現在では高齢となっておられます。
これから先において、各地区それぞれの異なった状況の中にあって、どのような人に集まっていただいて、課題や問題を解決する方向の話を進め、その課題や問題に対し、当局としてどのような対策案を掲げて今後対応されるのか、坪田商工農林部長に答弁を求めて、私の質問を終わります。
続いて、バトンを落とさない、4番の向井さんに引き継ぎたいと思います。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 検討会は、農業委員会と市、JAが中心となり、各地区ごとにその地区の経営体の方に参加していただき、先日、全ての地区において1回目の検討会を終えたところであります。
検討会の中では、個人からは高齢化や採算性など、また、法人からは担い手不足による組織存続を不安視する意見が聞かれた一方で、経営拡大や集約化に関して意欲的な意見もあったところであります。
今後の検討会の進め方につきましては、来年の秋までに4回程度の協議を重ねることとしており、今ほど申し上げました意欲的な農業者とのマッチングなど、将来の地域農業の在り方を地域で話し合うことを中心に進めてまいりたいと考えております。
また、この地域計画は、それぞれの農業者が今後の農業経営についてしっかり話し合い、将来の方向性を導くことが重要な目的であります。
その上で、市といたしましては、経営の見直しや新たな取組の相談に乗るほか、農地の調整、補助事業の活用の提案などの支援をしてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午後 3時02分 休憩
午後 3時06分 再開
○議長(川辺一彦君) それでは、再開いたします。
3番 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 議長より発言の許可をいただきました。自由民主党砺波市議会議員会、第3走者小西議員さんから確かにバトンを引き継ぎました。残り100メートル、全力疾走したいと思います。
質問通告書に従い、一問一答方式で、質問と提案をさせていただきます。
まず、砺波市福祉センター麦秋苑の今後の在り方についてお伺いします。
昭和6年、当時の油田村には、現砺波市文化協会の前身に例えられる菽麦(しゅくばく)の会という地域の文化グループがあって、そこでは、短歌や俳句、絵画の研究発表や座談会などの例会が開かれていたとのことです。
その後、昭和52年に、元参議院議員の故桜井志郎先生の御遺族から故人の遺志として、建物及び敷地を改修、名称を麦秋苑とし、今日まで市民の健康増進や福祉の向上、あわせて、教養講座、レクリエーションなど憩いの場として利用いただいております。
令和2年からは、子供が安心して遊べる環境づくりとして、毎月のこどものあそびばにボランティアグループが訪れ、バルーンアートや読み聞かせ、折り紙、工作などで子供たちを楽しませてくれています。さらには、今年の7月から、キッズルーム「あそびの部屋」も常設されました。
一方、お風呂の機能廃止から利用者数が減少し、令和4年度の1日平均利用者数が13.3人、令和5年度は、若干の回復が見込まれていますが、現時点で14.6人となっており、今後、利用者の増加が望まれます。
そこで、今年度から、保護者が子供と同伴であれば利用料が無料になるなど、子育て支援も推進されているところでありますが、麦秋苑の今後の在り方について、横山福祉市民部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) 麦秋苑は令和2年度にお風呂を廃止しており、現在は、介護予防をはじめ、子育て支援の推進も図れる施設として、市社会福祉協議会が指定管理者となり運営されております。
近年はコロナ禍の影響もあり、利用者の減少が続いたものの、現在は、いろりを備えた砺波地方の昔ながらの雰囲気を味わえる施設の中で、子育て世代での利用や、小中学生や成人を対象とした書道教室の開催、少人数グループによる自発的な活動場所としても活用されており、利用者数も増加傾向にあります。
今後も麦秋苑の持つ雰囲気や特色を生かした活用がなされ、地域住民をはじめ、全世代が親しみを持って利用できる施設であり続けることが必要だと考えており、引き続き、指定管理者と連携を取りながら効果的に活用してまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 関連して、地域住民との在り方を検討する委員会の設置についてお伺いします。
麦秋苑が昭和52年に改修されたとはいえ、本年で46年が経過し、耐震性を含めた施設の老朽化の課題があります。今後、施設維持管理費も相当額が見込まれる中、JR油田駅前にある好立地を生かし、この有益な機能を福祉行政だけでなく、子供の居場所づくり政策との連携、子供の見守りや生涯教育活動の推進など、将来的にどのように生かしていくべきか考えなければなりません。
そこで、令和2年3月の砺波市公共施設再編計画には、麦秋苑を、令和8年から令和17年度までに、利用者の動向を踏まえ、在り方を検討するとあります。
現在、指定管理者を受けた社会福祉協議会が効率的かつ効果的な運営に努められていますが、今後の事業推進に向けて、地域とも連携を深めながら、活用を検討していかなければならないように感じています。
そのためにも市には、今までの経過や現状の把握をされていることや、公共施設再編計画の関係もあるので、地域住民もメンバーに入れて、共に考えていく今後の在り方を検討する委員会の設置を考えていただけないかと思いますが、本市の考えを横山福祉市民部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) 麦秋苑につきましては、本定例会において、新年度から5年間の指定管理者を指定する議案を提出しており、引き続き、市社会福祉協議会に運営をお願いすることとしております。
施設自体が歴史のある古い民家を活用したものであることから、これまでも老朽化に対する修繕を随時行っており、今後も施設を維持管理するためには相当の経費が必要であると考えております。
このような中、議員御発言のとおり、麦秋苑は油田地区にとっては思い入れのある施設であるとの認識であり、今後の在り方につきましては、施設の維持管理や立地条件も踏まえた有益な施設としての利用、活用をしていけるかを地域の皆さんと共に検討していく必要があると考えておりますので、御提言の在り方を検討する委員会の設置につきましては、必要に応じ対応してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、自転車用ヘルメットの着用率向上に向けた啓発活動についてお伺いします。
令和5年4月に着用が努力義務化された自転車用ヘルメットについて、警察庁が都道府県ごとに着用率を調べたところ、富山県は全国平均の13.5%を3.2%下回った10.3%で、全国24位となりました。
県警察本部交通企画課は、県内の着用率はいまだに低く、引き続き、着用の重要性を知ってもらえるよう啓発を行っていきたいとしています。
本市の令和4年度から現在までの自転車事故発生件数のうち、7割の人がヘルメット非着用であるとの状況があります。自転車事故で死亡した人の約7割が頭部に致命傷を負っていることからも、頭部を守り、交通事故の被害を軽減するために、ヘルメットの着用を推進、強化しなければなりません。
自転車利用者がより安全に通行できるよう、警察や自治体が啓発を強化すべきと考えますが、本市の考えを横山福祉市民部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) 本年9月には、庄南小学校で開催いたしました三世代交流交通安全のつどいにおいて、小学生やその保護者を対象に、幅広い年齢層に向けてヘルメットの着用を啓発しているほか、行政出前講座や交通安全教室において周知を行ってきております。
また、本年2月定例会の山本篤史議員の御質問にもお答えしましたとおり、富山県警では、県自転車商業協同組合の協力を得て、自転車販売店でチラシなどによる周知を行っているほか、砺波警察署では、関係団体と共に、交通事故が発生した現場近くのスーパー等でチラシを配布し、ヘルメット着用の呼びかけを実施しております。
今後も引き続き、広報となみや市ホームページ等を通して周知していくとともに、様々な機会を捉えて、警察署、市交通安全協会をはじめとした関係団体と連携を取りながら、自転車運転時のヘルメット着用の重要性や効果を啓発してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 関連して、JR駅駐輪場の利用者への着用対策についてお伺いします。
JR油田駅周辺や駐輪場には、放置自転車のチェックなどで適宜巡回活動を行っていますが、駐輪してある自転車には、ほとんどヘルメットが置かれていません。
JR駅駐輪場を利用している人がヘルメットを着用していない理由には、義務ではなく努力義務だからとか、着用で頭が蒸れるなどが考えられますが、それ以外にも、自転車の籠にヘルメットを置いておくと盗難のおそれがあることも着用していない要因ではないでしょうか。
そこで、本市の市民生活課前にある自転車に置いてあるヘルメットが、ダイヤル式のロックのように盗難防止対策を講じることができることを広く市民に周知してはどうかと考えます。ワイヤータイプのヘルメットロックやヘルメットホルダーなどを使って盗難防止対策を取ることも可能です。
JR駅駐輪場を通勤通学で利用する人がヘルメットを着用することで、市民全体の着用率の向上にもつながると考えられることから、今後どのような盗難対策をされるのか、本市の考えを横山福祉市民部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) ヘルメットの盗難対策といたしましては、砺波警察署と連携した交通安全キャンペーンの際に、ヘルメットの着用啓発のみではなく、ヘルメットホルダーの活用等の盗難防止に関する内容を掲載したチラシ等を配布し、注意喚起を行ってきているところでございます。
引き続き、各種キャンペーンを通じまして、市内の3つの駅の駐輪場を利用される方々へ、自転車の鍵かけと併せて、ヘルメットの盗難対策についても周知を図ってまいります。
一方で、新年度において駅の駐輪場の防犯カメラの更新を計画しており、駐輪場の利用状況を考慮した上で、録画時間や監視範囲等を設定し、盗難の防止につながればと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、効果的な情報発信として、地域と学校が連携した情報発信についてお伺いします。
本市の子供たちは、家族や学校だけでなく、地域の皆さんからも多くのことを学び、育てられています。
例えば、地域の祭りやイベントに参加することで、地域の文化や歴史を学ぶことができます。また、地域の公園や施設を利用することで、自然や社会との関わりを深めることもできます。さらに、地域の皆さんとの交流から、異なる価値観や文化に触れ、多様性を理解することもできます。
先日、砺波郷土資料館の調査で、今年の秋祭りの獅子舞がコロナ禍前に比べて8割を超える集落で復活したことが分かりました。演舞する場所や時間を見直しながらの復活、代々受け継がれてきた伝統行事を守っていく状況や、それに関わっている子供たちの活躍が報道されていました。
現在、こうした子供たちの地域との関わりをデジタル化して情報発信している小学校、中学校があります。庄東小学校、般若中学校のホームページのカテゴリーに「地域」が設けられており、子供たちが参加する行事のお知らせや、活動している様子などの紹介が掲載されています。
子供たちの学習や課外活動など、学校行事に関わるものだけでなく、地域行事が掲載されている取組は、地域と学校が連携した情報発信として大変よいことだと考えます。
学校のホームページには、毎日200件から300件近くのアクセスがあります。
今後、同様の取組を他の小学校や中学校でも環境を整えていただき、学校や地域、保護者とも情報共有できればと考えますが、本市の考えを森田教育委員会事務局長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) 学校のホームページでは、基本的に学校の日々の授業の取組や保護者等への連絡ツールとして、また、学校の行事予定や配付文書、学校だよりなどを掲載しております。
庄東小学校と般若中学校のホームページに「地域」のカテゴリーが設けられていることにつきましては、地元の振興会から、子供たちが地区を越えて参加できる行事、イベントの案内などを学校ホームページに掲載できないかとの相談があったことから、掲載のルールを定めて利用いただいているものであり、他の地区においても御要望があれば、対応を学校と協議していきたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、本市のLINE公式アカウント登録者数をいかに増やすかについて伺います。
総務省情報通信政策研究所の令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書によると、LINEは通話も可能で、連絡手段として浸透していることから全年代で増加しており、利用率が94%、年代別でも60代を除く各年代で90%を超える利用率になっています。
本市においても、LINE利用率が極めて高く、有益な情報が提供できることから、公式アカウントを開設し、防災情報やイベントや行事などのお知らせを発信されていますが、残念なことに、10月1日現在、登録者数が1,379名、人口の割合からすると約3%、100人に3人しかLINE情報が伝わっていない現状があります。
この登録者率3%はあまりにも少なく、登録者数が伸び悩んでいる現状を本市としてどのようにお考えでしょうか。
そこで、このLINEからの有益な情報を受信していただくためにも、情報発信のみのシステムから機能を拡充するなどして必要性を感じてもらわなければなりません。
県内10市のうち6市は、機能の拡充を推進し、全て住民票や転入転出届などといった申請手続、時間や場所にとらわれず、どこでも、いつでも申請できる行政サービスができるようになりました。その結果、射水市においては70%を超え、高岡市においても45%を超えている現状があります。
登録者率3%を伸ばすために、市民の皆さんがLINE登録したいなと感じられるように、機能の拡充を図っていただきたいと願いますが、本市の考えを島田企画総務部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 島田企画総務部長。
〔企画総務部長 島田繁則君 登壇〕
○企画総務部長(島田繁則君) 本市では、令和3年度から情報発信力を強化するため、市役所全体の情報発信体制を構築し、広報紙やホームページに加え、X、インスタグラムなどのSNSを活用しながら、積極的に情報発信に努めているところであります。
その手段の一つとして、昨年3月からLINE公式アカウントを開設し、幅広い年代層に向けて、週1回程度、市の事業の周知やイベントなどの注目情報を中心に発信するとともに、災害などの緊急情報は随時発信しているところであります。
一方、LINEアプリは、国のガイドラインにも示されているように、利用者の個人情報管理上、様々な制約があり、いまだその安全性がはっきり確認できていないことから、本市の公式LINEは、登録者に受信設定を強要せずに、市からの一方的な情報発信にとどめているところであります。
また先日、利用者情報などの個人情報が外部流出したおそれがあると発表されたところであり、新規登録に慎重になられる方もあるのではないかと考えております。
市といたしましては、LINEアプリを行政サービスに利用することについては、慎重に対応すべきと考えております。そのことから、他市のようにLINE機能を追加し、情報発信以外に活用することについては、そのニーズや効果、そして安全性などについて検討していくこととし、当面は、そのほかのSNSやホームページの機能などを効果的に活用し、引き続き情報セキュリティーにも配慮しながら、積極的な情報発信に努めてまいります。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、観光振興対策として、砺波チューリップ公園の魅力アップを図るため、QRコードの生かし方についてお伺いします。
砺波チューリップ公園内には、平常時において、市指定文化財の建造物である旧中嶋家住宅、歴史資料である中越弁慶号展示館、水車苑など開放されていない施設があります。となみチューリップフェアのようなイベント時には施設開放されていますが、平常時には、施設内にある説明パネルを窓越しに見ることしかできません。それでは歴史のある展示物の魅力が十分に生かされておらず、より展示効果を高める仕掛けが望まれるところです。
現在、観光産業において、QRコードは観光客が簡単に情報を入手できる有効なツールとして生かされており、施設の案内や地図、歴史的な背景、文化的な背景、魅力的な写真や動画を見ることができます。
本市では、2024となみチューリップフェアに向けて、らせん水車小屋のパネル展示を刷新され、そのパネルには、足踏み脱穀機やらせん水車の当時の歴史的な映像をQRコードでスキャンすることで見ることができるように準備が進められています。
このような仕掛けを、施設が開放されていなくても年間を通して魅力が十分に紹介できるように、おのおのの施設前にQRコードを生かした展示物の設置ができないものかと考えますが、本市の考えを構建設水道部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 構建設水道部長。
〔建設水道部長 構 富士雄君 登壇〕
○建設水道部長(構 富士雄君) 砺波チューリップ公園におけるQRコードにつきましては、となみチューリップフェアなどのイベント時に花壇の品種やイベントの内容を紹介するために活用しております。
また、チューリップタワーの展望広場は県のとやまビューポイントに指定されており、その案内板は現在、修繕中ではありますが、天候の悪い日でも晴天時の眺望を楽しめるQRコードが設置してございます。
このほか、リニューアルを予定しております水車苑の施設案内につきましては、QRコードの活用を予定しており、議員御紹介のらせん水車の動画を見ていただきたいと考えております。
また、議員御提言のQRコードの活用は、公園の魅力向上につながるものと考えておりますので、これから本格化いたします南門周辺の整備に併せて、公園の指定管理者などと協議をしてまいります。
私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、人口減少対策です。
まず、第2次砺波市総合計画の目標人口から見る本市の考えについてお伺いします。
本市は、砺波での暮らしを応援する砺波市移住定住応援サイトの情報発信や、住宅取得、家賃、結婚新生活、三世代同居・近居、出産、定住促進空き家利活用などといったとなみ暮らし応援プロジェクトなど、重層的な支援を行っています。
その成果として、転入者数と転出者数の差が、令和4年度は163人の転入超過、令和5年10月現在においても48人の転入超過と、2年連続の社会増になっています。そこには、定住促進施策の効果が現れ、転入の促進と流出の抑制等が図られているのではないかと分析できます。
また、本市の令和4年度の出生数が315人と、300人を5年ぶりに超過したことは喜ばしいことです。
しかし、令和4年度の国の人口動態統計からは、出生数、合計特殊出生率が過去最低を更新し、合計特殊出生率が1.26人、本市の現状は1.54人と、0.26人上回ってはいますが、令和8年の目標値として掲げている1.68人には達していない現状があります。
本市の総人口においても、令和5年10月末の人口が4万7,094名、第2次砺波市総合計画後期計画に令和8年の目標人口を4万7,000人と設定されていましたが、近い将来、割り込む可能性が出てきました。
そこで、本市の最重要課題である人口減少対策を今後どのように推し進めていかれるのか、本市の考えを島田企画総務部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 島田企画総務部長。
〔企画総務部長 島田繁則君 登壇〕
○企画総務部長(島田繁則君) 第2次砺波市総合計画後期計画において設定しています令和8年の目標人口4万7,000人は、総合計画の前期目標人口を実績が上回っていることや、国立社会保障・人口問題研究所の人口推計が上振れしていることなどを考慮に入れ、前期計画と同様の目標人口としたところであります。
本市の人口につきましては、議員御発言のとおり、社会増減は増加傾向にありますが、自然増減はそれを上回る減少傾向のため、全体として人口減少の状況が続いております。
これまでも、その傾向を少しでも緩やかにし、目標達成に向け、社会増対策としては、議員御紹介のとおり、となみ暮らし応援プロジェクトなどを推進し、移住定住の促進に努めてまいりました。
また、自然増対策としては、一般的に少子化の要因と言われる未婚化や晩婚化の進行に対応するため、婚活恋愛相談会やミニ交流会、異業種交流会などの様々な形態の婚育事業を展開しております。さらに、育児に対する経済的な負担の軽減を図るため、となみっ子応援基金を活用した新生児出産サポート事業や、対象年齢を18歳までに拡大したこども医療費助成など、子育て支援の充実にも積極的に取り組んできております。
引き続き、令和8年の目標人口の達成を目指して、庁内横断的に連携を図り、これまで実施してきた多様な施策をさらにブラッシュアップしながら、市民の皆さんが住み続けたい、また、市外の方から住んでみたいと選ばれるまちづくりを進めることで、総合的な人口減少対策に努めてまいります。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 最後に、女性労働力率のアップについてお伺いします。
総務省の令和4年人口移動報告によると、県内の転出超過数は、女性が972名、男性が303名となっており、女性が男性の3.2倍、県外に流出しています。特に、女性の人口は20代前半に集中しており、20代後半を含めると、全体の9割を占めているとのことです。
女性のパートナーが足りず、県内の結婚適齢期の男性が余っている現状に、子育て支援より先に若い女性の流出をいかに防ぐかが課題であるとされています。
そのため、企業に対しては、若い女性の採用意識を高めるよう促すことが市の役割としてあるのではないかと考えます。
本市の女性労働力率は、国や県と比較すると、いずれの年代も全国を上回っており、県よりもやや高いかほぼ同様で、労働参加は高い水準になっています。
しかし、ハローワーク砺波の令和4年6月時点における有効求人数及び求職者数の内訳を見ると、事務的職業、運搬、清掃等の職業においては求職者数が求人数を上回っている一方、専門的・技術的職業、生産工程の職業は求人数が求職者数を大きく上回るなど、企業が求める職種と求職者のニーズのマッチング強化が企業側に求められます。
そこで、本市の令和4年の女性労働力率は55.9%と、目標としていた60%より4.1%少ない現状から、今後、人口減少による中小企業の人手不足が懸念される中、女性の雇用形態や就職応援セミナーの内容を充実するなど、女性が活躍できる仕事や職場づくりが就業率の向上に必要なことと考えますが、本市の考えを坪田商工農林部長にお伺いし、一般質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 第2次商工業振興計画の指標の一つである女性労働力率につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中であっても1.6%上昇しており、一定の成果があったものと評価しておるところでございます。
このことは、三世代同居率が高いことも一つの要因と考えられますが、島崎議員の代表質問にお答えしましたとおり、ママの再就職応援セミナーなどの取組が就業につながっているものと考えております。
これらのセミナーでは、参加者の御意見も伺いながら、毎年改善、拡充を図っているところであり、例えば今年度は、全ての年代の女性を対象としたセミナーも開催したことも就業につながっていると思っております。
市といたしましては、雇用者や求職者のニーズに柔軟に対応し、さらなる女性就業率の向上につなげてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
次回は、明12月12日午前10時から再開いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
どうも御苦労さまでした。
午後 3時43分 閉議