令和6年2月 本会議 定例会(第3号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

○議長(川辺一彦君) ただいまの出席議員は17名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめ配付してあります議事日程第3号のとおりであります。

                日程第1
      市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
○議長(川辺一彦君) これより本日の日程に入ります。
 日程第1 市政一般に対する質問並びに議案第2号 令和6年度砺波市一般会計予算から議案第26号 工事請負契約の締結についてまでを議題といたします。
 昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 5番 小西十四一君。
 〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) 皆さん、おはようございます。
 議長に発言の許可をいただきましたので、通告書に沿って一問一答により、大きく4点について質問と提案をさせていただきます。
 議員になって、挨拶から始めるのは初めてでございまして、とても緊張しております。
 まず冒頭、このたび能登半島地震で亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被害を受けられた皆様にお見舞いを申し上げます。
 さて1点目について、市立砺波総合病院へ市民が安心して通院、入院できる体制の整備について伺います。
 市民は病気になれば自分の症状に不安を持ち、いつも通っている病院または開業医さんにかかります。その医療機関から大きな病院へ紹介されると重い病気ではないかと不安になり、すぐにでも紹介された病院で精密検査や専門的な診察を受け、診断結果に応じ、医師を信頼した上で治療に専念し、完治することを信じ、治療を受けるのです。それが砺波市においては市立砺波総合病院であり、市立砺波総合病院の使命でもあり、市民の心のよりどころの病院であると信じています。
 しかしながら、現在の市立砺波総合病院の在り方は、市中の開業医との連携を鑑み、より高度で専門的な治療が必要である患者さんに、効率的、そしてタイムリーな治療ができるよう考えて、開業医からの紹介状を持参した人を診察する仕組みとなっています。また、市立砺波総合病院は、砺波医療圏の中核病院としての役割も併せ持っているため、砺波医療圏からの患者も数多く受け持っています。
 市立砺波総合病院は、砺波医療圏の中心的な役割を担って、コロナ禍を踏まえ、日頃から医師、看護師の皆さんが頑張ってくださり、市民の安心・安全に貢献していただいていることに感謝しています。病院に勤務されている皆さん、ありがとうございます。市民を代表して、心から御礼申し上げます。
 そこで1項目の質問ですが、私のほうに市民の方から相談の電話がありました。その内容というのは、朝9時半頃に受付を済ませ、2つの科を受診するため予約を取られたのですが、採血が終わったのが11時半でした。最初に予約した診療科の予約時間に間に合わず受診時間が大幅に遅れ、さらにメインである受診科の受診時刻も遅くなったそうです。そして、自宅へ帰ったのが15時30分だったとのことでした。病院に6時間も滞在していたことになります。せめて、もう少し採血時間を短くするなど、患者の負担を少なく診察してもらえるよう考えてほしいとの相談でした。
 マイカーで通院できる患者さんは、その現状を加味して早く通院することも可能でしょうが、家族の送迎やチョイソコを利用している皆さんにとっては、出発時間はチョイソコの時間に間に合わず、終了時間が想定できないため、帰りの予約も取れない状況となっているのです。
 市民にとっては、チョイソコを使って病院へ行けるのにチョイソコが使えない、帰りの予約ができない。そんな状況が市民のための病院として、また高齢者に優しい病院と言えるのでしょうか。
 赤字とならない経営は大切です。しかしながら、市立砺波総合病院の役割として、現実に困っている市民に目を向けた、市民に優しい施策を考えてほしいと考えます。病院事務局長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 嶋村病院事務局長。
 〔病院事務局長 嶋村 明君 登壇〕
○病院事務局長(嶋村 明君) 当院は、富山県が承認する地域医療支援病院であり、砺波医療圏において、高度急性期機能及び急性期機能の中核的な役割を担っております。
 このため、検査や診察につきましては、より高度で精密な検査を必要とする紹介患者さんのように、検査結果に時間がかかる場合など、患者さん一人一人の疾病や検査内容等により、診察時間も大きく異なる場合があることから、結果といたしまして外来受診の終了時間につきましては、確実なお約束ができかねるところでございます。
 検査に時間を要することにつきましては、当院といたしましても課題と認識しており、検査の予約時間の振り分けや事前検査の実施等、対策を講じているところでございます。
 特に、午前の外来で混雑が見受けられます血液検査につきましては、採血を行う職員の増員や、受診日前日の事前採血の実施等により、待ち時間の短縮に努めているところであります。
 また、外来適正化の観点から、かかりつけ医をお持ちの患者さんへの逆紹介につきましても御理解をお願いしているところであります。
 今後も引き続き、必要な医療提供体制の充実を図り、診療の質の向上とともに、効率化に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
 〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) それでは次に、小項目の2番目です。
 現在、市立砺波総合病院には、常勤医がいない診療科があります。それは呼吸器内科の先生と呼吸器外科の先生、そして脳神経内科の先生です。
 私の父は肺がん、そして胃がんで市立砺波総合病院に入院しました。いずれも病巣の摘出に成功し完治いたしました。手術の都度、家族や親戚が毎日毎日どれほどの思いで見舞いに訪れたことか。今では新型コロナウイルス感染症の関係で、当時ほど面会はできませんが、それほど家族や親戚は心配しているのです。それが家族の、一族の絆なんです。
 なぜ父の話をしたか。それは、手術した場所が砺波市だということです。手術する場所が高岡や金沢や富山市だったら、家族や親戚が見舞いに行くのにも大変です。常勤医の医師がいないため、市立砺波総合病院での手術ができず、他の病院を勧められる。ほかの病気も併発している場合なども考慮すると、やはり地元の病院で手術から入院まで一連での対応が、患者の安心や家族の絆を結びつけるために必要と考えます。
 医師の確保に苦慮するのは理解します。病院長からは、市立砺波総合病院における研修医のマッチングは、県内の医療機関の中でも良好とのことであり安心していましたが、その反面、常勤医がいない診療科があることには、住民としては不安を覚えます。市民としては、特別な専門医、専門科がある、ないとのことは知る由もありません。市民にとっては、市立砺波総合病院へ行けば病気が治る、そんな安心できる病院を整備していただきたいと考えます。
 医師の確保に向けては寄附講座を利用し、医師の確保をしていることも知りました。南砺市、上市町、朝日町、そして糸魚川市が富山大学で実施しています。市立砺波総合病院としても各種手だてを利用するなどの工夫により、市民へのさらなる安心を与える市立砺波総合病院としていただいていることは理解していますが、さらなる市民並びに砺波医療圏の中核病院として、地域の安心・安全に向けた病院体制を構築するための常勤医師獲得に向けた施策についての見解を、病院長に求めます。
○議長(川辺一彦君) 病院長 河合博志君。
 〔病院長 河合博志君 登壇〕
○病院長(河合博志君) 医師の確保につきましては、これまでも大学医局との良好な関係構築により、安定的な医師の派遣が図られてきたところであります。
 また、地域医療の充実を目指す自治医科大学を卒業した医師の派遣を県に要望してきたところであり、毎年度1名以上の医師が派遣されております。
 議員が御指摘されたとおり、当院において常勤医師がいない診療科につきましては、現在、大学から派遣される非常勤医師により対応しております。
 全ての診療科に常勤医師を配置することにつきましては、地方における医師不足の現状と医師の働き方改革への対応、また、医療機関の機能分化と連携といった医療提供システムを推進していく中では、今後ますます困難となることが予想されます。
 このような状況は、病院長である私や行政の取組だけでは解決しがたい課題ではありますが、今後も大学医局への働きかけなど地道な活動を継続して、医師の確保に努めてまいりたいと考えております。
 加えて、臨床研修医が3年連続で充足しておりますが、医師の働き方改革への対応として、医師業務の他職種とのタスクシェア、タスクシフトなどにより医師の負担の軽減や勤務環境の改善を進め、医師に選ばれる病院づくりに引き続き取り組んでまいります。
 なお、議員御提言の、大学の寄附講座を利用した医師の確保につきましては、寄附講座の主旨は、あくまで教育・研究振興のために寄附された資金を活用し、研究教育を行うことであり、必ずしも寄附と引換えに医師の派遣を確約するものでないことや、大学側の医師不足の問題もあり、当院としては考えておりません。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
 〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) 大項目の2番目は、高齢者の健康増進施策について伺います。
 小項目の1番は、百歳体操の男性参加促進についてです。
 令和5年2月議会の民生病院常任委員会において、私が百歳体操に男性の参加が少ないと指摘した際に、具体的な方策を教えてほしいとの逆質問の発言あり、その場で、苗加苑や北部苑等で、月1回程度の男性の日を設けてはと提案しました。さらに新たな方法を考えましたので、申し述べたいと思います。
 市民大会でも実施されている各種レクリエーションスポーツにおいて、百歳体操のPR活動を実施することについて提案します。
 そもそも百歳体操は、筋力の維持向上を目指すための運動で、継続して行うことで、年老いても動ける体を維持し、自立した生活を送るための体力づくりが本来の目的です。
 冒頭申し上げたレクリエーションスポーツの協会へは、多数の高齢の市民の方が参加されており、中には高齢となったことから参加を控えるなどのお年寄りもいらっしゃいます。
 そこで、各協会の協力を得て、地元の百歳体操グループと連携を取りながら実践していただけるよう、各協会長を通して周知と協力依頼を実施すればと考えます。ちなみに、パークゴルフ協会会長は今藤議員であり、ターゲットバードゴルフ協会の会長は、有若副議長です。さらに、グラウンド・ゴルフやカローリングなどレクリエーションスポーツ協会は全てで7つあります。
 各地区協会を通して百歳体操への参加依頼を実行し、男性のみならず参加者全体がさらに元気で、現在実施されているスポーツを継続して活動できるよう、百歳体操への参加を周知することを提案します。積極的な展開を図ることについて、福祉市民部長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) いきいき百歳体操は、住み慣れた地域において、100歳になっても元気で楽しく生活しましょうを合い言葉に、筋力の維持向上を目指し、介護予防として100歳まで自立した生活を続けられる体力づくりを目的としております。
 一方、レクリエーションスポーツの参加者は、年齢や性別を問わず筋力、体力、知力の増進に向けて、まだまだ生き生きと生活できる方が参加されていると認識しており、中でも男性の皆さんには、いきいき百歳体操の内容は、レクリエーションとしては物足りない感じがするのではないかと感じております。
 しかしながら、いずれは訪れる加齢による老化を緩やかにするための介護予防として、いきいき百歳体操は効果的であることから、紹介や普及の機会として各レクリエーション協会等に働きかけを行い、要望があれば、体験会の開催や出前講座などを通じて、いきいき百歳体操への参加を働きかけてまいります。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
 〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) 続いて小項目2番目は、庄川健康プラザにおいてとなみ元気体操が実施されていますが、その内容や展開について伺います。
 百歳体操とは異なり、元気なお年寄りが増加している現状に鑑み、さらなる元気で年齢を重ねるための体操が、となみ元気体操です。
 百歳体操では物足りない元気なお年寄りに向けた内容となっているこの体操は、庄川健康プラザで開催されていますが、百歳体操と同様に、各地区でも開催できる仕組みとなっています。
 筋肉は年老いても鍛錬することで老化防止が図れます。また筋肉は、年老いても訓練で活性化します。スポレクの練習会の前や後に当該体操を取り入れていただき、筋肉の劣化防止を図り、いつまでも元気でスポレクを楽しんでいただきたいと考えます。
 さらに、砺波市温水プールにおける水中運動との相互関係についても考慮した運営について、今後の普及活動や支援方法についての計画について、福祉市民部長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) となみ元気体操は、令和2年度においてコロナ禍の中で多くの方が集まることが制限されたことにより、百歳体操の開催が難しい状況下で、庄川健康プラザと地域包括支援センターが連携し、椅子に座って行う、家庭でも気軽にできる体操として発案したものであります。
 体操の内容といたしましては、百歳体操のメニューにはない、体をほぐしたり体幹を鍛えたりするものでありますが、百歳体操のグループの中には、両方の体操を実施されているグループもございます。
 今ほどの御質問にもお答えいたしましたが、百歳体操と同様に、となみ元気体操もスポレクの参加者にとりましては、少し物足りない感じがするのではないかと思っております。
 今後の普及につきましては、これまでのDVDの配布やユーチューブによる動画配信、ケーブルテレビでの1日3回の放送を継続して実施するとともに、議員御提言の、水中運動教室につきましては、庄川健康プラザ内のウォーキングプールの事業として連携して行うことで、運動の習慣化を推進してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
 〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) 大項目3は、適地適作化について伺います。
 このたび国の畑地化政策により、県内で初めての畑地化が実施されることとなりました。国の畑地化政策を活用した農地は、今後、水稲を作付しないことを前提に、耕地整理や暗渠排水等の整備を国の費用で実施し、その後は、水田活用補助金が支払われないことが前提となっています。
 この畑地化となった面積は主食用米の作付面積に含まれるため、砺波市としては畑地化が増えれば、主食用米水田の作付面積が増えることとなります。
 そこで1点目に、この施策についての問題点について伺います。
 これまでも、各地区土地改良事業により平均3反の水田にする耕地整理が実行され、現在の水田の姿になっています。換地などにおいて、各地区の土地改良委員の皆さんが苦慮されてきた結果のたまものと言わざるを得ません。
 しかしながらその後、兼業農家を辞められ、大型農家へ農地が集積されてきました。国策により集積が進んだものの、米価の低迷により、非効率な水田は土地所有者へ返還されるなどの状況下となっています。畑地化を実行するには、大型圃場として、農業機械導入による効率化や、収益性の高い作物をつくることが肝腎と考えます。
 そこで、今後畑地化を進めるに当たり、各種課題や問題点について、坪田商工農林部長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
 〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 畑地化整備の取組の課題といたしましては、まず今後、水稲作付ができなくなること、また経営所得安定対策による水田活用支払交付金の対象外となることにより、交付金以上の所得を上げないと経営メリットが見いだせないなどのリスクがあり、農地所有者や耕作者の理解が得られにくいという大きなハードルがあります。
 また耕作面では、タマネギなどは連作ができないことから、複数の畑作物体系による取組が必要となりますし、費用面では、複数の品目に対応した機械整備などの投資が膨らむこと、また、整備区画も一定規模を超えますと、農地所有者や耕作者に費用負担が伴うなど、畑地化の導入には十分な経営計画の検討が必要と考えております。
 JAとなみ野では、本年度より約1.4ヘクタールの集団農地において、費用の全額を国費で取り組まれますが、本市といたしましても事業の経過を注視するとともに、農業者にとってどのようなメリットがあるかを検証する必要があると考えております。
 なお、畑地化した農地につきましては、転作地として面積カウントされることから、水稲の作付面積が増えるものではございませんし、土地改良区等の賦課金につきましても用排水路を使用されることから、当然ながら引き続き、賦課金の対象農地になるものと伺っております。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
 〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) 次に、小項目の2点目は、庄川地区や中野地区では種もみを生産していますが、主食用米の作付面積比率に合わせた作付比率となっています。種もみを作付できない水田は、大豆の単作や大麦、大豆やタマネギを作付しています。また、輸出用米の作付を新しい施策として取り入れる企業も出てきました。輸出用米は主食用米の作付とは異なるため、大麦等と同じ扱いとなります。
 砺波平野は庄川の扇状地であるため、当該地区では直径100ミリメートル以上の礫が多く、畝を作ると礫が畝の中に散乱しますし、畝の高さも15センチメートルから20センチメートル程度となるのがやっとやっとです。
 現在、そのような水田でも工夫して、何とか大麦、タマネギ、大豆などを作付しています。野菜の作付が適当でない土地は、地区単位に組織されてきた土地改良区ごとの事業内容にも違いがありました。地区の土質と作付品目によって事業内容が異なっています。
 例えばチューリップですが、中野地区でも栽培されていた農家がありましたが、その水田は、耕土を深くするため客土をたくさん実施しましたし、さらに水はけがよくなるよう水門尻を下げる工夫も行われていました。
 1点目に、回答のあった各種課題や問題点を解消する努力を後方支援するとともに、畑作が向いた土地を畑地化することにより、畑作物が不向きな水田における主食用米を作付できる面積を増やす畑地化推進について、坪田商工農林部長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
 〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 畑作等促進整備事業の取組につきましては、園芸振興策の一つの選択肢ではありますが、必ずしもベストなケースばかりではありませんので、適作地であるかどうかを含め、慎重に十分に検討する必要があると考えております。
 このことから、まずは当該事業のメリット、デメリットの把握など適切に判断するための十分な情報が必要であり、先ほど申し上げましたとおり、まずはJAとなみ野の取組を注視するとともに、十分に検証した上でどのような施策が適切かを検討したいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 小西十四一君。
 〔5番 小西十四一君 登壇〕
○5番(小西十四一君) それでは、最後の質問になります。
 大項目の4番目は、砺波市職員の研修について伺います。
 市職員の採用について、技術職員の採用が難しくなっていることは、最近の経済事情からも想定されますが、技術職員の採用が必要であることは間違いありません。
 住民の生活向上を図るためには、民間の技術力を有効かつタイムリーに利用していくことは大変重要です。そのためには、民間の技術力を有効かつ妥当な価格で実行することが求められます。
 そこには、民間と対等に交渉すべき技術力や知識、さらには、国や先進地域における事例についての知識や判断力を身につけ、コンサルや事業者から提案される案件について対等に検討し、最適な事業とすることが求められます。
 また各年度において、国や県から新たな施策や方針が出され、その対応が本市にとって有効か否かの判断を実施することも重要であります。
 そんな忙しい日々に追われる職員のためにも、当該業務における技術的な研修が必要と考えます。配置された業務において必要な知識や技術を身につける暇がなく、期限内に報告することなど日常業務に追われているのではないかと心配しています。その結果として、現実に目が向かなかったり、市民からの対応が後回しになったりしているのではないかと議会報告会の中で指摘されている事案もありました。
 私も議員となり、様々な研修を受けてきました。他市で実施されている先行事例を知ったり、国の施策の主旨を勉強したりしました。今の砺波市にとって必要な事業か否か、私自身の判断で行政側に求めることもありましたし、砺波市にとってそぐわない事業は、そのような事業が必要な市もあるのだなと考えてきました。
 砺波市においても予算措置が可能なら、実施されれば市民のためになることなどもたくさん勉強しましたが、研修をすればするほど研修の大切さが身にしみる思いとなりました。
 そこで必要なのは職員の研修です。研修がいかに大切かということは先ほどからも述べましたが、技術職員の採用が難しい現状に対する対応策として、最小限に必要なことは、職員に対する技術研修と考えます。
 率先して、市民のために市長に提言できる技術力や、情報を知り得る努力をする職員を育て、ボトムアップな職員を増やすことが今、求められていると考えるのです。砺波市のまちを活性化したい、砺波市の観光をどう変えたい、砺波市の農業をどう発展させたい、そのために、国のどのような施策を利用する、他府県でどのような施策がされている等を勉強し、砺波市に合った砺波市民に受け止められる施策を展開する、そのような職員を育てることが、さらなる一歩上の砺波市をつくる元となると考えます。技術職員のみならず、職員のスキルアップにより、市民へのサービス向上が図られることは間違いありません。
 毎週月曜日に職員が、全体集会の場所でお話をしている現場を目撃しました。このことはただで職員研修を実施する場として、非常に有効と考えましたが、発言の指名を受ける職員は限られた人と考えます。そんな職員を年度ごとに増やす施策があってこそ、これからの砺波市のリーダーシップを取る職員が育つと考えます。
 職員の研修を増やし、職員の市民への意識向上に向けた職員育成についての考えを副市長に伺い、私の質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 副市長 齊藤一夫君。
 〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 本市では、技術職員の確保に当たっては、社会人経験枠も含め、毎年募集しているところでありますが、近年、技術系職員の人材が少なくなる中で、民間企業や自治体間において競合し、確保が難しい状況にあります。
 そうした中で、議員御発言のとおり、技術職員の確保、育成は喫緊の課題であり、その手段の一つとして、研修は自己研さんに励む場であるとともに、研修の機会を得ることにより様々なことを学び、新たな気づきにもつながることから、とても重要と考えております。
 現在各課において必要なスキルを取得するため、計画的に研修への参加を行っているほか、砺波地域3市合同での技術職員研修会を開催するなど、様々な機会を通して技術能力の向上に努めております。また、資格取得のための受講料等について、自己啓発助成としてサポートもしております。
 さらには、富山県庁と技術職員同士の人事交流を行っており、派遣された本市技術職員は、富山県庁で専門スキルを高めるとともに、本市に派遣された富山県職員からは、専門知識はもとより、技術分野など多方面において的確なアドバイスをいただいております。
 議員が懸念される民間と対等に交渉する技術力や知識などは、本市の場合、定期人事異動がありますので、長く同じ職場にいるとは限りませんが、近年若い人たちは、30歳ぐらいまでには幾つかの部署を回り、その後の適性を見極めた上で、一定の期間は異動せず、専門性を身につけるよう配慮をしております。
 今回、地震や豪雨災害の中でも技術系職員の不足が報じられ、必要性については強く感じているところであります。
 今後も積極的に新規採用に取り組むとともに、職員一人一人のスキルアップが図られるよう、研修機会を提供してまいりたいと考えております。
 一方、今後はDX、GXなど日進月歩の分野もあり、より専門的な知識を要することから、基礎的な分野はもとより先進的な分野においても、各種研修会等に職員を計画的に派遣し、市民サービスの向上に努めてまいります。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。

 午前10時37分 休憩

 午前10時41分 再開

○議長(川辺一彦君) それでは、再開いたします。
 1番 境 佐余子君。
 〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 議長より発言の許可がありましたので、通告に従い市政一般について質問いたします。
 初めに、能登半島地震でお亡くなりになられた方、また被害を受けられた方へ、お見舞いとお悔やみを申し上げます。
 今回の能登半島地震を踏まえまして、大項目1、今後の地区防災計画策定の支援について、昨日も複数の議員さんが質問されておりますが、質問させていただきます。
 今回の大きな揺れを経験し、地域の防災への関心が強くなっております。新年度予算にも計上されておりますが、今後の地区防災計画策定においては、これまで以上に実際に効果を出せるよう各地区の持つ特性や世代、性別のみならず、多様な職種の方の視点も求められると考えます。
 また、市民の皆さんには、これまで水害用のマイ・タイムラインの周知を進めてこられましたが、同様に地震におけるマイ・タイムラインにおいても周知が必要だと考えます。
 過去に地震の発生は多くなかったからこそ、市民にはそれぞれの避難行動計画をいま一度見直していただくような働きかけが求められます。
 そこで小項目1、地区防災計画における策定支援の具体的な内容、及び地震用マイ・タイムラインについての考えにつきまして、島田企画総務部長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 島田企画総務部長。
 〔企画総務部長 島田繁則君 登壇〕
○企画総務部長(島田繁則君) 地区防災計画につきましては、昨日の山田議員の御質問にお答えいたしましたように、災害時に自分の地区を自ら守るため、日頃からの準備や役割分担などを地区住民が自ら作成する行動計画であり、地区の自然特性や社会特性に応じて、地区ごとに異なる防災計画となります。
 策定支援につきましても、各種相談に丁寧に対応していくとともに、費用面では防災に関する専門家の講師派遣費用や、計画書の印刷製本費など策定にかかる費用について支援をしてまいります。
 次に、地震用マイ・タイムラインの考え方ですが、これまでマイ・タイムラインは豪雨や大雪など、各自が取るべき防災行動を時系列的に整理し、避難行動につなげる一助とするものとして周知されてきましたが、最近では、地震などの突発的な災害を想定したマイ・タイムラインを策定する自治体も出てきております。
 本市においては、地震のような突発的な災害時に、自分や家族の取るべき防災行動並びに避難時の行動パターンなどを事前に話し合い、共通理解を図っておくことについては、これまでも「防災となみ」や「広報となみ」等で周知を図ってきたところであります。
 このことは、マイ・タイムラインと同等の意味があると考えますが、現在「防災となみ」の改定に向け作業を進めているところであり、この中で、マイ・タイムラインの必要性についても検討してまいります。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
 〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 今回の地震発生後、土砂災害避難のリードタイムが短くなった自治体があります。リードタイムとは注意報、警報が発表され、対象となる現象が発表基準を超えるまでの時間です。
 今回の措置で、本市は対象ではありませんが、今後地区の自主防災会などへもそうした情報をお伝えいただきたいと思います。
 さて、被害の大きかった海沿いに住む方から伺った話ですが、大きな揺れだけでなく大津波警報の不安と緊張から、多くの方が平常心を保てず、それぞれが高いところへ遠いところへ移動し、渋滞や混乱が起き、県外から来た観光バスは一時的に複数の通行止めが行われたことから、一旦避難するための場所を探すことに苦労されたそうです。
 降雪や強風など、事前に予防的通行止めが可能なものと異なり、今回のように大規模な地震が広範囲で発生した際は、突然、高速道路や国道が複数か所で通行止めとなります。
 本市の防災計画では、緊急輸送道路の交通規制や繁華街、観光地における避難場所等の確保が記されております。車で避難しないという原則がありますが、実際に今回の津波からの避難では、乗用車の渋滞や観光バスの避難が発生し、その周辺の方にも影響がありました。
 砺波インター周辺はふだんから交通量も多く、万が一、大規模災害で交通網が寸断されれば、インターチェンジから乗用車や観光バス、大型トラックが一度に降りて滞留が危惧され、少なからず周辺にも影響があるのではないでしょうか。
 地区の防災計画にこうした想定も考慮すべきかもしれませんが、その想定を住民だけで考えることは難しく、行政機関と連携し対応することが求められると考えます。
 そこで小項目2、自然災害発生時における交通障害対応策への地区との協議について、島田企画総務部長に見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 島田企画総務部長。
 〔企画総務部長 島田繁則君 登壇〕
○企画総務部長(島田繁則君) 大規模災害が発生した場合、地区によっては観光客や各地区の事業所従業員など帰宅困難者の一時的な受入れが想定される場合もあり、その対応については、市総合防災訓練において高校生などの協力を得て実施してまいりました。
 また、市避難所運営マニュアルでは、配慮事項としてその受入れについてお願いをしており、地区防災計画の策定の際には改めて対応をお願いしてまいりたいと考えております。
 一方で、広域にわたる災害の場合には、その影響について想定することは難しく、また、議員御発言のとおり、地区だけでの対応は厳しいものと考えております。
 広域にわたる災害が発生し、多くの避難者の受入れが必要となった場合には、市が主体となり受入れ調整を行ってまいりますので、当該地区に対しまして、受入れ場所などについて御理解、御協力をお願いしてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
 〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 代わって大項目2、乳幼児とその保育者へのさらなる支援についてです。
 本市は、国や県の事業以外に、市独自の支援などから子育てに手厚くサポートされており、県外出身で、現在本市で育児中の方からは、砺波は住みやすく子育てしやすいとの声を聞いております。
 本市の乳幼児健康診査は、母子保健法で定められた1歳6か月児と3歳児の健診以外に、3か月児健診、2歳児から3歳児までの半年ごとの歯科健診を行っています。
 ところで国は昨年12月の補正予算で、さらなる子育て支援策として新たに1か月児と5歳児の健康診査支援事業を打ち出しました。
 もともと1か月児健診の多くは出産した場所で診てもらいます。健診費用は自己負担でした。近年はとやまっ子子育て応援券を乳幼児健診に活用することができ、私の頃とは違い、金銭的な負担軽減が可能になっているそうです。
 国が提案しています5歳児健診は、発達に気になる点がある子を早期に発見し、適切な療育につなげていくもので、増加傾向にあるそうしたお子さんへの支援策と言われておりますが、本市の細かな乳幼児健診では、そのような子の発見につなげることは難しいのでしょうか。子育て支援の充実は重要ではありますが、現状として不足しているものがあれば、補っていくべきではないかと考えます。
 昨日の答弁にもありましたが、いま一度、小項目1、今後の乳幼児健診における本市の考えについて、横山福祉市民部長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) まずは、昨日の山森議員の代表質問にもお答えしたとおり、本市では、平成20年度から1歳6か月児及び3歳6か月児健診に発達障害に関する問診を導入し、発達が気になる子供の早期発見、早期療育につながるよう努めてきていることを御理解願います。
 そこで、国が5歳児を対象とした事業や支援を打ち出されたとの御紹介がありましたが、本市ではもう既に5歳児になる以前に、保護者や子供の生活上の困り事や子供の発育、発達を促すための手だてを保護者にお伝えし、子供の発達に寄り添った支援を行ってきております。
 加えて個々の発達状態に応じまして、健康センターで実施しておりますことばの相談会やはったつの相談会、仲よしランドなどに参加いただき、より専門的な支援が必要な方には、児童発達支援センターわらび学園などでの外来相談の利用を勧め、早期の療育につなげるなどきめ細かな対応にも努めてきております。
 このようなことからも、5歳児の健診の実施については考えておりません。今後も引き続き、関係機関や専門職員との連携を図りながら、切れ目のない乳幼児健診を継続実施してまいります。
 私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
 〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) お子さんの発達に気がかりなところがあった場合、相談を経て健康センターで行われている仲よしランドに参加することで、専門家や保健師から子供への関わり方を学ぶ機会が得られます。
 仲よしランドの運営側も専門家と一緒に活動することから、子供への声のかけ方や声をかけるタイミングなどについて学べることが多いそうです。
 一方、保育の現場においては、発達に配慮が必要な子たちが生き生きと活動するための関わり方に対し、保育士さんが苦慮されていると伺っております。本市においては加配もされておりますが、仲よしランドの運営協力を保育士さんが行うことから、保育士さんの発達支援の学びにつながり、より質の高い保育が生まれていくのではないかと考えます。
 そこで小項目2、保育士の健康センターの仲よしランドの運営協力について、森田教育委員会事務局長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) 支援の必要な児童の数は年々増加傾向にあり、個々の特性により保育士の関わり方を変える必要があります。
 関わり方を学ぶ機会は限られており、このような中で、健康センターで実施されている仲よしランドの運営協力を行うことで、支援の必要な児童への関わり方を実践で学べ、保育士の資質向上にもつながることが期待できることから、運営協力に向けて調整してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
 〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) さて、これまでも市内保育施設には、児童相談員の巡回が月に数回あり、そこから関係機関につなぐと伺っています。この巡回も他市に比べ回数は多く、手厚い支援になっております。
 しかし、発達に気がかりな子の増加、保護者や現場からは、集団生活に適応するための専門的な支援が足りていないという声もあります。子供たちの多様性を尊重し、それぞれの違いを踏まえ、同じ空間で生活するに当たってもそうした支援者は必要です。
 例えば、子供の発達に特化した作業療法士や理学療法士は、日常生活の動きや感覚、認知、学習等へのサポートだけでなく、子供を支える人へのサポートの役割も担うことから親子それぞれの安心につながります。
 一朝一夕にそうした人材が見つかるとは思えませんが、小項目3、保育現場や保護者を支える作業療法士等の配置について、市としてそうした人材の必要性と確保に向けた取組についてどのように今後考えていかれるのか、森田教育委員会事務局長に見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) 発達が気がかりな児童は年々増えており、児童や保育者等への支援の方法についてもより具体的で適切な方法が求められております。まずは、近隣自治体にある発達支援に関する施設の協力が得られるよう、調整してまいりたいと考えております。
 議員御提案の、作業療法士等の配置につきましては、医療の現場でも作業療法士や理学療法士が不足している状況にあります。このような状況の中で、保育現場への作業療法士等の配置は、現状では難しいと考えておりますが、今後より専門的な対応が求められる中で、保育士が適切に対応できるよう随時専門家に来ていただくなどの支援について検討してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
 〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 大項目3、子供や若者の声が生かされるこれからの市政について質問します。
 令和3年12月に出された「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」には、「こどもの声に耳を傾けることはこどもを大切にする第一歩である」と書かれています。
 12月定例会でもこども基本法について触れましたが、子供に関する施策を決める際、当事者らの意見を聞くことを国と地方自治体に義務づけています。
 意見というのは、ほかの人に自分の思いを強く言うことですが、国が目指すのは、意見を言える人だけを登場させるのではなく、多様な若い世代の考えや思いに大人が耳を傾けることだと考えます。
 前述の基本方針では、「こどもや若者の参画は、政策や取組そのものをより良くするだけでなく、社会課題の解決に向けた力を自らが持っているとの自己有用感を、こどもや若者が持つことができる機会である」とも書かれています。簡単に言うならば、子供や若者の参画は、彼らが自身の存在価値を感じるチャンスであるということではないかと思っております。
 国立社会保障・人口問題研究所が発表しました2050年の地域別推計人口において、2020年の人口を100とした場合、本市の15歳から64歳の生産人口は68.1%でした。半減までにはならなかったのですが、今後の施策いかんによってそのスピードによい方向で変化を与えることもあり得るのではないかと考えます。
 本市において子供、若者の自己有用感を高め今以上に育んでいく、こうした機会もその一つになると考えます。
 そこで小項目1、これまで本市において、子供、若者の意見が施策にどのように反映されてきたのか、島田企画総務部長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 島田企画総務部長。
 〔企画総務部長 島田繁則君 登壇〕
○企画総務部長(島田繁則君) 本市では、これまでも様々な機会を通して、子供や若者の皆さんが自主的に考えられた御提言や御意見を伺っております。
 具体の主な例を挙げますと、市内の小中学校のうち出町中学校からは、地元の特産物などをモチーフにした公共施設のデザインプランについて、庄川中学校からは庄川町の特色を生かした活性化策など、魅力ある提案が出されました。
 また、砺波高等学校生からは、子供の遊び場としての福祉センターの活用方法や学校の教育活動を高齢者との交流機会として活用すること、さらには東大生の力を借りて、栴檀山地域の具体的な活性化策を提案するなど若者の柔軟な発想による数多くの御提案がありました。
 このほかにも、若者の意見を聞く機会の一つとして、もっと砺波市が子育てしやすいまちになるように、子育て中の保護者の皆さんからアイデアをお伺いするmini2(ミニミニ)となみーてぃんぐを開催し、幾つもの御意見や御提案をいただきました。
 お尋ねの、子供や若者からの意見が反映された施策を幾つか挙げますと、子育て支援センターの利用時間を午後3時から5時までに延長することや、家事育児を支援するヘルパー派遣事業を、産前だけでなく産後も利用できるよう支援体制を拡充するなど、子育て支援の充実が挙げられます。
 また、若者で構成されるとなみ元気道場の活動もございますし、砺波工業高等学校生は砺波チューリップ公園KIRAKIRAミッションに貢献しようと、工夫を凝らした募金箱の制作を継続し、募金への協力を来場者に呼びかけてくれています。
 さらに最近では、新砺波市誕生20周年記念事業におけるプロモーション事業として、オリジナルTシャツの制作を砺波高等学校美術部の皆さんと協力して行っています。
 このように、子供や若者の多くの御意見や御提案が施策に反映されており、今後もその思いや熱意を大事にしながら、市政の運営に生かしてまいりたいと考えております。
 私から以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
 〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) さてこの秋、新砺波市誕生20周年記念事業として、児童館まつりにおいて、子供たちに夢や砺波の未来への思いを描いてもらうことが計画されております。どんなことを書いてくれるのか想像するだけでわくわくします。もしかすると、想像以上に現実味があることが並ぶかもしれません。
 知っている言葉の数など、発達段階にも差がある子供たちから声を集めるときに、こうした機会を生かせることはよい取組であると感じ、ぜひその際には、子供たちに作業の途中で話しかけて、直接子供の思いを聞いていただけたらと思います。
 今後どのように子供や若者からの声を聞いていくのか、イベント開催時以外において、子供たちがふだん過ごす場所は、例えば学校や図書館などがあり、そこを活用していくこと、また声を集める手段として、デジタルツールの使用や直接話を聞くことなども考えられます。
 ただし、アンケートは意見を集約しやすい反面、伝わりにくい部分を拾うための策が必要であり、片やインタビューなどは時間がかかりますが、どうしてそう思ったのかの理由にたどり着きやすいという、一長一短のところがあります。
 そこで小項目2、今後の子供、若者の意見を聞く機会の確保や収集方法についての見解を、森田教育委員会事務局長に伺います。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) こども家庭庁は、子供や若者からの意見を聞き、政策等に反映させるための留意点や工夫、参考事例等について、「こども・若者の意見の政策反映に向けたガイドライン」を策定することとしております。
 市といたしましては、効果のある取組について、県内自治体の動向や策定が予定されておりますガイドラインを参考にするとともに、先ほど答弁させていただいた取組も活用しながら、子供や若者の意見を聞いてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
 〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 子供は、自分の思いを言語化しにくい場合などがあります。聞き手は寄り添い、決して大人の思う方向へ誘導することがあってはいけないと思います。
 国は「こども・若者意見反映サポート事業」として、こども計画策定に向けた意見聴取にファシリテーターを派遣しております。ファシリテーターは参加者に対して、その話合いの目的や意味を理解してもらい、発言を促し、出てくる様々な意見を理解、整理して議論を広げるというスキルを持っています。
 私が昨日参加しましたワークショップでは、世代、性別、立場も違う人が集まり、多様な意見が出る中においても、ファシリテーターの介助によって話合いからそれぞれの気づきや目標を出すことにつながりました。適切なファシリテートから意思決定力や問題解決力が高められるとも言われますが、まさにそれを体験できた機会でもありました。
 今後、行政職員の皆さんが、子供や若者からの意見を聞き、施策へ反映させるためには、このスキルの必要性が高まると考えます。
 そこで、今後の子供若者意見聴取に生かすべく、小項目3、職員に向けたファシリテーションを学ぶ機会の創出について、島田企画総務部長の見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 島田企画総務部長。
 〔企画総務部長 島田繁則君 登壇〕
○企画総務部長(島田繁則君) 議員御発言のとおり、ファシリテーションは、子供や若者からの意見を聞くことはもちろん、多世代の方々からも多様な意見を出しやすい環境をつくり、議論を深めるための有益なスキルであると認識しております。
 そこでこれまでも、ファシリテーションを学ぶ機会がある富山県市町村職員研修や自治大学校など中央研修に、積極的に職員を派遣してまいりました。
 また今後、市が開催する研修の一つとして実施することも検討しており、引き続き、職員の資質向上につながるよう、また市民の多様な思いを引き出すことができるよう努めてまいります。
 私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
 〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) さて、今回企画されている20周年の記念事業とは異なり、子供、若者の意見聴取は一つの事業で終わるのではなく、今後様々な場面において子供、若者の参画は持続すべき取組だと考えます。
 これは先進的な取組ですが、2017年に始まった千葉市の「こども・若者市役所」は、子供、若者が主体的に活動する仕組みで、若者の意見が市政に反映され、2023年度は高校生、短大生、大学生が第7期生として活動しています。
 このほかにも、昨年静岡県菊川市では、全ての子供、若者が自分らしく自らの思いを表現し、参画できる社会を目指して、菊川市こども・わかもの参画宣言を策定し、様々な人との協働でまちづくりに取り組んでいるそうです。
 先月、若者参画についての研修を受講しました。こども家庭庁のこども・若者参画及び意見反映専門委員長土肥潤也氏が登壇し、子供、若者が積極的に参画するまちは、これからの発展可能性自治体であるとの話がありました。
 今後も本市が持続し発展し続ける自治体であるには、子供や若者と同じ目線で意見を聞き、彼らが主体的に動けるような積極的な働きかけを続けていくことも重要だと考えます。本市の子供や若者たちが、自分たちが本市にとってなくてはならない存在であると実感する場面を大人が創出していく。そこから自己有用感だけでなく、ふるさとへの愛着につなげていくことが大切だと思います。
 そこで、大項目3の最後に、先進自治体のこうした取組に対する本市の認識と、今まで以上の子供、若者の参画推進をお願いしたいと思います。夏野市長の見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) まず、今ほど先進自治体の取組として挙げられました事例につきましては、公表されている活動資料なども拝見いたしましたが、いずれもそれぞれの地域の状況に応じた形で、どちらかといえば行政主導の下で、子供や若者の組織をつくり、課題に対応する活動をされているようであります。
 一方本市では、行政指導ではなく、市内の各小中学生や高校生、またとなみ元気道場などの地域の方々が自主的な形で連携し、市に対して提言や意見をお寄せいただくほか、自らも様々な活動を実践されています。
 また、先ほどの企画総務部長の答弁でも幾つか事例を紹介いたしましたが、本市では、子供や若者が市の各部局と意見交換や情報交換、また事業への参加を、どちらかというと形式にこだわらず、割と自由に適宜行える関係が構築されているものと認識しておりまして、そういった面では十分に子供や若者がまちづくりに参画してきているものと考えております。
 子供や若者への意見聴取など市政への参画は持続することが大切であり、議員が研修で聞かれたという子供や若者が積極的に市政に参画するまちがこれからの発展する可能性の自治体であるとの有識者の言も理解できるものでございます。
 その上で、事例に挙げられました両市の活動については、本市でとなみ元気道場や砺波高等学校や砺波工業高等学校生をはじめとする若者などが取り組む活動と、ある意味大きな違いがないことは議員も十分お分かりだと思いますが、行政指導ではなくて自主的に市政に参加している本市の現状は、両市と比較しても遜色がないと考えておりますが、紹介いただいた事例なども参考に、さらによい形になるよう研究はしてまいりたいと思います。
 余計なことですが、隣の芝生は青く見えるものであります。市内では子供や若者が同様のすばらしい活動を行ってくれており、議員におかれましては、いささか灯台下暗しの感があるように私には見えます。
 いろいろな事例を参考に施策を展開していくことは、社会経済状況の変化や市民の価値観の多様化などへの対応が求められる中で、今まで以上に大切なことであります。実際、今までも、砺波市でも様々な自治体の先進事例から学び、参考にしながら施策に生かしてきたこともたくさんございます。
 その上であえて申し上げますと、議員はインターネットや各種の視察、さらには研修などでいろいろな例について情報収集されることも多いと思いますが、本件に限らず、情報収集した事例が、砺波市はどういう現状なのか、なぜそうなっているのか、またはなぜなっていないのかということについても十分理解された上で、お調べになった例が具体的に砺波市に当てはまるのか、またはどうアレンジすればそのメリットを本市で生かせるかなども、場合によっては砺波市内の担い手の方や関係者、また市職員からも幅広く話を聞かれるなど十分に考えを整理された上で、質問や議員活動をしていただければと思います。
 先ほど小西議員も、いろいろ聞いたけど合わないなとか、こうすればいいのかなということを自分なりに自問しているとおっしゃっていました。同期の方ですから、また、参考にしていただければなと思います。
 御質問の件につきましても、紹介した本市内での子供や若者の活動、取組をしっかりと評価いただいて、今後も、持ち前の行動力と情報発信力で発信していただきたい。広く市民や他の自治体にも伝えていただければ幸いでございます。
 以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 境 佐余子君。
 〔1番 境 佐余子君 登壇〕
○1番(境 佐余子君) 実は、日曜日に元こども家庭庁の方とお話をしまして、この意見聴取についての話合いをしました。意見交換をしたんですけれども、その際に、子供や若者から意見を聴取するには、時間も手間もかかると思うが、彼らが主体者として参画する意味を理解していただき、自治体には国と共にしっかり取り組んでいただきたいとおっしゃっておりました。
 それでは、大項目4、孤立・孤独防止についてとして、ふれあい・いきいきサロンの活動促進について質問いたします。
 県は来年度、孤独・孤立対策に取り組む関係者の連携強化と切れ目のない支援に向け、富山県孤独・孤立対策官民連携プラットフォームの設置を予定し、それを受け、先月行われたシンポジウムでは、県民の孤独・孤立実態調査の結果が発表されました。
 その中で、孤独を感じる理由として、家族との死別や心身のトラブルが高い傾向にあること、また、社会的交流が減少すると孤独感を感じる割合が高まるとのことでした。
 そもそも孤独は主観的概念で、独りぼっちで寂しいと感じる状態、孤立は客観的概念で、社会とのつながりや助けが少ない状態のことを指します。
 孤独・孤立は誰しも関わる可能性があり、困り事が起きにくい社会にするには、個別の支援はもちろん、地域のつながりを強くすることも必要です。
 今回の調査で、高齢者の孤独感は低い結果でしたが、同居家族の減少や退職、地域での役割を終えるタイミングが多くなる高齢者の日常生活においては、自ら意識して社会的交流に加わることや子ども食堂や地域食堂など、地域にも参加しやすい場が求められます。
 高齢者の居場所として、砺波市社会福祉協議会のふれあい・いきいきサロン事業が行われておりますが、サロン活動の充実が今後さらに必要になると考えます。横山福祉市民部長の見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
 〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) 様々なことをきっかけとして、孤独・孤立は誰もが陥る可能性があり、そうならないための対策が必要であります。
 このような中、ふれあい・いきいきサロンは、高齢者の居場所づくりの一つとして、市内で大小130以上のグループが地域の集会場等に集い、自主的に事業内容を決め、いきいき百歳体操などを取り入れ活動しており、高齢者の心のよりどころ――一般的にサロンと申しておりますが――となっております。
 近年は、コロナ禍によりまして、活動休止したり活動回数が減少したサロンもあること、また以前から、高齢男性の参加が少ないことから、新たな活動メニューが必要だと感じております。
 議員からは、子ども食堂や地域食堂との御発言もありましたが、食事を提供する場については、男女を問わず多くの年代が参加しやすくなるものと考えております。
 しかしながら、地区を越えて新設をすることにつきましては、人材確保や運営の財源的な課題、さらには参加しやすさの面からも難しいと思われますので、サロン活動の一環として、各地区の状況に応じまして、食事会などを催すなどの取組が適切であると考えております。
 現在、市社会福祉協議会では、eスポーツへの取組もされており、新たに活動メニューに加えることで多くの方々がサロンに参加され、孤独・孤立の解消、心身の健康維持につながってまいります。
 毎年、各サロンの代表の方々によりますサロンの交流会が行われていることから、情報提供やアドバイスを行いながら、サロン活動が孤立・孤独の防止対策の一つになるように、しっかりと取り組んでまいります。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。

 午前11時21分 休憩

 午前11時24分 再開

○議長(川辺一彦君) それでは、再開いたします。
 3番 向井幹雄君。
 〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 議長より発言の許可をいただきましたので、質問通告書に従い、一問一答方式で質問と提案をさせていただきます。
 まず、減災対策の強化として、木造住宅の耐震診断に向けた啓発活動について伺います。
 富山県では、昭和56年5月末以前に着工された木造住宅で、費用の約9割を県が負担する耐震診断の支援制度がありますが、砺波市において、令和3年度が15件、令和4年度が13件の実績にとどまっています。
 しかし、元日の能登半島地震で、木造住宅の倒壊被害が目立ったことで、耐震化が進んでいないことで被害が広がったと見る動きもあり、地震に対する安全性を評価する上で、耐震診断の注目度が高まってきています。
 まずは、自分の命は自分で守るためにも、耐震診断を希望していただきたいのですが、何よりどうやって申し込むのか、手続が面倒くさいと抵抗感を持たれている高齢者の方々もいるのではないでしょうか。
 そうした悩みを解消する一助として、油田地区では、自治振興会が耐震診断の希望を募ることを検討しており、個人で申込むより振興会単位などで申込みを募ることで、耐震診断への希望者の増加が期待できます。
 富山県でも能登半島地震で県内6,000棟を超える住宅が被害を受けたことから、令和6年度の当初予算案に木造住宅の耐震化を進める費用が拡充されます。
 災害に強いまち砺波市を目指すためにも、希望されている方々に木造住宅の耐震診断を積極的にPRしてはどうかと考えますが、本市の考えを構建設水道部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 構建設水道部長。
 〔建設水道部長 構 富士雄君 登壇〕
○建設水道部長(構 富士雄君) 本市におきましては、市ホームページや広報となみ、FMとなみ、砺波市総合防災訓練などを活用しまして、木造住宅における耐震診断の普及啓発活動を実施しております。
 近年では、毎年十数件の耐震診断が行われており、県内の自治体の中でも比較的多くの方々に実施いただいている状況であります。
 また、耐震診断の支援件数を取りまとめられております県に確認しましたところ、本市における今年度の実績は、1月末時点で12件と平年並みの件数ではありますが、1月の能登半島地震以降、問合せや申込みが全県的に急増しているとのことであり、地震に対する意識が大きく変化してきているものと考えております。
 市といたしましては、このような機会を捉えて、市民の皆さんに御自身の身を守るため、また大切な家族と財産を守るための第一歩として、耐震診断に取り組んでいきたいと考えており、引き続き、様々な広報媒体や行政出前講座などを利用しまして、積極的にPRをしてまいります。
 以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
 〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 関連して、木造住宅の耐震改修に対する支援についてお伺いします。
 富山県では、震度6強でも倒壊しない新耐震基準を満たす住宅の耐震化率が80%で、全国に7ポイント及ばないことから、2025年度までに90%以上とする目標を掲げ、今後の地震に対する備えを強化したいとしています。
 富山県の制度では、市と連携し耐震改修に必要な工事費の8割、最大100万円を補助する支援がありますが、砺波市は砺波平野の散居に昔ながらの住宅が点在し、延べ床面積も大きいことで知られており、大規模な改修となった場合の自己負担額がネックになります。
 また、令和5年度の砺波市の高齢者のみの世帯が4,290世帯、独り暮らし高齢者世帯2,225世帯で、多額の費用をかけて耐震改修することに至らないケースが多いようにも感じます。
 そこで富山県には建物全体の改修に限らず、1階のみや居間や寝室のみに適用できる補助メニューがあることを改めて周知に努めていただくとともに、最大100万円の補助額の上乗せ見直しを含めて、県に申し入れていただきたいと考えますが、本市の考えを構建設水道部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 構建設水道部長。
 〔建設水道部長 構 富士雄君 登壇〕
○建設水道部長(構 富士雄君) 木造住宅の耐震改修に対する支援につきましては、令和5年6月議会において、神島議員の御質問に答弁をいたしましたとおり、平成17年度の制度創設以降、主要な居住空間の改修だけでも対象とすることや、補助金額の上限の拡充など耐震化を推進するために事業内容の見直しが順次行われたところであります。
 このたびの能登半島地震によりまして、改めて地震に強い住環境の重要性を再認識させられたところでありますので、建物全体の改修に限らず、主要な居住空間となる部分だけでも耐震化に取り組んでいただけるよう広報をしてまいります。
 また、国や県に対しましては、さらなる耐震化を推進していくため、支援制度の拡充を要望してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
 〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、情報発信の充実として、市民が必要な情報を受信できる環境づくりについてお伺いします。
 砺波市のホームページは非常に分かりやすく、見やすくなったと思います。令和3年から市役所全体の情報発信体制を構築され、広報誌やホームページに加えて、X、インスタグラムなどのSNSの活用、さらにはLINE公式アカウントを開設し、市の事業やイベントなどの注目情報を中心に発信するとともに、正月に起きた能登半島地震などの緊急情報も随時発信されました。
 しかし残念ながら、1、2月に実施した議会報告会では、テーマであった子育て支援などで、「知らなかった」「どこに情報があるの」など、「となみっ子なび」などのアプリやホームページに掲載されてはいるのですが、必ずしも情報が伝わっておらず、キャッチされていないことが改めて再認識させられました。
 私は本会議などで、市の緊急メールやLINEの登録者数を増やす方策を問うてきましたが、令和6年2月末現在、市の緊急メールが2,572名、LINEは1,774名ほどの登録者数で、いまだ市の人口比から見ても9%余りにとどまっています。
 そこで、今まで様々な機会を捉えて積極的に情報発信し、情報媒体の周知に努められてきたところですが、さらに一歩進んで、市民の皆さんがプッシュ型で情報が入手できる環境づくりとして、キャンペーンやイベント、プロジェクトなどで登録できる時間を設定するなどの仕掛けが必要ではないでしょうか。
 今後、どの世代を増やすのか、ターゲットを絞りながらも受信者の立場に寄り添った啓発活動を望むところですが、本市の考えを島田企画総務部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 島田企画総務部長。
 〔企画総務部長 島田繁則君 登壇〕
○企画総務部長(島田繁則君) 議員御発言のとおり、本市では、情報発信力を強化するため、広報誌やホームページに加え、SNSや母子モ(となみっ子なび)など様々な媒体やアプリを活用しながら積極的に情報発信を進めているところであります。
 一方で、砺波高等学校生による課題研究では、約600名の子育て世帯へのアンケートの結果、多くの子育て情報を得ている広報誌に加え、公式LINEをはじめとしたSNSによる情報入手を望んでおられることが分かり、既に整備されている本市の公式SNSの存在があまり知られていないことが明らかになりました。
 これまでも、公式SNSアカウントの存在や登録方法、そのメリットを広報誌やホームページにおいて紹介するとともに、市民向けのスマホスキルアップ講座でも周知してまいりました。
 また、デジタルサイネージなどに公式SNSを周知するチラシを配置するなど、情報入手の多様な手段についてPRしてまいりました。
 今回、能登半島地震の教訓もあり、改めてSNSなどを活用した情報入手の重要性が認識されたところでありますので、高校生の提案も施策に生かすべく、議員の御提言も含めまして、今まで以上に幅広い年代層に向けて様々な機会を捉えまして、SNSなどを活用した情報入手手段やその手法について、引き続き周知に努めてまいります。
 特に、子育て世帯に向けては、健診の機会や認定こども園や子育て支援センターにおいて、SNSやアプリなどで子育て情報が発信されていることを周知してまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
 〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 関連して、砺波市暮らしの便利帳の生かし方についてお伺いします。
 この砺波市暮らしの便利帳は、届出と証明、となみ暮らし応援プロジェクト、三世代同居推進事業、福祉、育児、健康、教育、生活環境、生涯学習、スポーツ、消防防災、交通安全、防犯など砺波市の生活に必要な手続情報などを掲載したもので、計80ページにわたって非常に分かりやすくまとめられています。
 しかし、その便利帳は現在、砺波市に転入された方だけにお渡ししているとのことです。
 毎年、年度初めの4月には更新された便利帳を作成されているところですが、転入される方だけでなく、砺波市民の皆さんにも、例えばどの課の所管なのか、どこに相談に行けばよいのか、支援はあるのかなどが一目瞭然で分かるこの便利帳を生かして、ホームページのトップなどに掲載してはいかがでしょうか。
 さらには、今年2月から導入されたAIチャットボットのレベルアップを図るために、砺波市暮らしの便利帳にある情報を収集し、データベースを更新させることで、さらに高度なものにしていき、賢く効率的な回答を導き出せることが可能にもなります。
 ぜひ、砺波市暮らしの便利帳を生かした情報発信を希望いたしますが、本市の考えを島田企画総務部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 島田企画総務部長。
 〔企画総務部長 島田繁則君 登壇〕
○企画総務部長(島田繁則君) 砺波市暮らしの便利帳は、市役所の業務や手続などの情報をコンパクトにまとめた冊子でありますので、議員御提言のとおり、市ホームページのトップに掲載し、転入者だけでなく市内外の皆さんに対しても、さらに活用いただけるよう対応いたしました。
 また、2月から導入しましたAIチャットボットにつきましては、ホームページ上のよくある質問からチャットGPTを活用して、効率よくQ&Aを作成したものでありますが、現在、その内容のレベルアップを図るため、暮らしの便利帳を活用しながら、Q&A集のさらなる充実に努めているところであります。
 さらには、市のホームページは、暮らしの便利帳の情報をおおむね網羅しておりますので、市民の皆さんのお尋ねに、AIチャットボット等のシステムにより速やかに回答できるよう、引き続きホームページの内容を精査、充実し、分かりやすい情報発信に努めてまいります。
 私から以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
 〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、観光振興対策について、3月から始まる北陸新幹線の敦賀延伸と、北陸応援割を本市の観光産業にどのように生かすかについてお伺いします。
 今回の能登半島地震では、国内総生産を数百億円押し下げるとの民間試算もあるなど、経済的に大きな打撃を与えています。中でも観光産業に与える影響は大きく、富山県でも宿泊予約のキャンセルによる損失が約20億円に上るとも推計されています。
 こうした状況を踏まえて、国は、被災地への観光復興に向けた支援策として、北陸応援割の実施を、3月からゴールデンウイーク前までを念頭に実施する運びとなりました。
 あわせて、現在富山県では観光需要を早期に回復させるために、宿泊旅行者への応援クーポンを配布し、飲食店や物産展など観光関連産業を幅広く支援されています。
 しかしこうした中でも、砺波市において、能登半島地震の2次避難者を受け入れている宿泊施設もあり、安心して避難していただける環境を整えることも重要なことで、観光振興策との両立が課題ではないかと考えます。
 被災者の安全と早期の復興を支援する一方で、北陸新幹線の敦賀延伸を通じて観光客需要を促進し、地域経済を活性化させることが期待される中、どのように振興策を生かされるのか、本市の考えを坪田商工農林部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
 〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 能登半島地震では、本市の宿泊施設におきましてもキャンセルが相次ぐなど多大な影響を受けており、北陸応援割はその落ち込みを回復させる契機となる重要な施策であると認識しております。本日から受け付けが始まりましたので、ぜひ活用いただければと思っております。
 また富山県でも地震による風評被害等を払拭するために、県内宿泊者に対しまして、飲食店や土産店等で利用できる「とやま応援クーポン」の配付を2月20日から開始されたところであり、観光客の呼び戻しに加えまして、経済活性化への波及も期待しているところであります。
 本市では、ホームページの観光サイトなどを通じまして、これら施策をPRするとともに、砺波市内の飲食店や物産展などの観光関連事業者に対しましては、クーポン券が利用できる環境整備や、積極的なPRをするよう働きかけているところであります。
 また、北陸新幹線金沢―敦賀間の開業を機に、首都圏に加えまして関西圏でも実施するとなみチューリップフェアのキャンペーンにおきましても、これらの施策をPRし、本市を含めた北陸全体への観光需要の早期回復に努めてまいりたいと考えております。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
 〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、観光客向けの観光客動向調査を推進し、今後の観光振興に生かすことについてお伺いします。
 砺波市には、4月23日から開催される2024となみチューリップフェアをはじめ、頼成の森花しょうぶ祭り、となみ夢の平コスモスウォッチング、砺波チューリップ公園KIRAKIRAミッションなど四季折々の観光イベントがたくさんあります。
 これからも砺波市の魅力を高め、市民が地域に対する愛着や誇りを持って観光客をお迎えする観光振興を推進することが必要だと感じています。
 そこで、現在となみチューリップフェア、頼成の森花しょうぶ祭りでは観光客動向調査を実施されており、観光客の旅行の目的、満足度などの動向やニーズを把握し、今後の観光振興に生かされていることと思いますが、さらに秋のイベントや冬のイベントにも実施してはと考えます。
 観光客動向調査を実施することで、よりサービスの改善と顧客満足度の向上を目指すなど効果的なマーケティング戦略を立てることも可能となります。
 さらに、観光DXの推進の取組として、アンケート調査の協力を呼びかけるメッセージなどを添えたQRコードを設置し、観光客動向調査を実施してはと考えますが、本市の考えを坪田商工農林部長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
 〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 観光客の皆さんの御意見や意向の把握を行うアンケート調査は、満足度やサービス向上、さらには本市の観光振興や地域経済活性化のために必要であると認識しております。
 かつては手書きのアンケートを手入力集計し、相当の時間を割いていました調査は、コロナ禍で加速したデジタル化により集計の迅速化や業務の軽減などにより、効果的なQRコードを活用したウェブアンケートに移り変わってきていると言えます。
 本市でも、令和4年度からとなみチューリップフェアをはじめとしたイベントに加えまして、市内の宿泊事業者が連携した「TONAMI-STAY事業」でも積極的に活用されており、引き続きこの方法で調査をすることとしているところであります。
 また、本市の第3次砺波市観光振興戦略プランが令和8年度で期間満了となることから、この改定に当たりましては、となみ夢の平コスモスウォッチングや砺波チューリップ公園KIRAKIRAミッションなど、秋や冬の観光事業にもQRコードを活用したウェブアンケートを拡大して実施することとしており、具体的かつ戦略的な計画につなげてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
 〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、通学路の合同点検後、地元の自治体や安全協会からの要望をどのように伝え、周知しているかについて伺います。
 砺波市では、児童生徒が安全に通学できるように通学路の安全確保を図るため、関係機関と連携して、通学路の合同点検を7月下旬から8月の期間内で実施されており、その要望の取りまとめは、学校が考える箇所のほかPTAや見守り隊の皆さん、自治振興会の意見も伺い、その中で緊急性の高い箇所から要望しているものであり、今後とも地域の皆さんなど幅広く意見を伺い、取りまとめるよう努めていくと令和4年2月定例会で回答されました。
 合同点検後の9月には、通学路合同点検の結果を取りまとめ、10月には、各学校や関係機関に送付、12月には合同点検後の安全対策の実施状況調査を実施されているとのことですが、要望が上げられたPTAや見守り隊、自治振興会の皆さんへはどのように取りまとめを伝えられているのでしょうか。
 取りまとめは、年度末にはホームページで公開されているとのことですが、以前と比べて通学環境は変化しています。次の時代を担う子供たちの安全を地域全体でつくり上げていく、PDCAのA、対策の改善と充実のためにも、予算立てされる箇所だけでなくそうでない箇所については、引き続き地域全体での見守りを継続していただくなど地域との情報交換、コミュニケーションは欠かせないものと思いますが、本市の考えを森田教育委員会事務局長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) 議員御発言のとおり、5月に通学路の危険箇所について、学校をはじめPTAや地域等からの御意見を集約して点検箇所を報告いただき、その後関係者の出席を得て合同点検を行い、危険箇所の具体的な対応について確認しております。
 この点検結果については、市及び学校のホームページで保護者等へ案内するとともに、PTAや地域等からの個別要望への対応につきましては、各学校で必要に応じて伝えておいていただいております。既にしっかりとした情報を共有できる連絡体制を整え、経過をお互いに確認しながら進めているところであります。
 今後も関係団体の皆さん、見守り隊や振興会などの地域の皆様との協力を推し進め、安全・安心な通学路が確保されるよう引き続き努めてまいります。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
 〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 関連して、通学路安全推進会議の機能充実を図るために、年1回の開催でよいのかについてお伺いします。
 年1回実施の合同点検には、同日に通学路安全推進会議も開催されているところですが、年1回の開催だけで終わっています。合同点検後、対策が検討されて、12月初旬には安全対策実施状況調査をし、その効果を把握、検証されていますが、その年度のまとめを、通学路安全推進会議を開催して、次年度へ向けて情報共有すべきではないかと考えます。
 「10WAVEプロジェクト」の1番、つなぐ子育て応援プロジェクトの通学環境を整えるためにも、通学路安全推進会議の機能充実を図っていただきたいと思いますが、本市の考えを森田教育委員会事務局長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) 砺波市通学路安全推進会議は、合同点検日に併せて開催しており、これまでの合同点検箇所の安全対策進捗状況や安全対策措置後の様子等について、各校や各機関等から報告してもらい、児童生徒の通学の様子や新たな課題についての御意見もいただいております。
 また、開催は年1回であるものの、会議の開催に関わらず、新たな危険箇所について協議が必要となった場合には、その都度安全対策の実施について要望や、今できる対策について相談するなど、年間を通した協力をお願いしているところであります。
 会議における連絡体制を生かして、随時事案に対応することとしており、複数回の全体会議は必要ないものと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
 〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 続いて、子供の視力低下について、子供の視力1.0未満が増加傾向にあることをどのように捉えていらっしゃるのかお伺いします。
 令和3年6月の一般質問に、児童生徒の目の健康への対策では、今後、調査結果を注視し、目の健康を守る指導に努めたいと回答されましたが、昨年の11月文部科学省は、令和4年度の学校保健統計調査の結果を発表し、小中学生のいずれも裸眼視力1.0未満の割合が過去最高になりました。
 砺波市においても男子が小学校31.3%、中学校61.3%、女子が小学校38.9%、中学校が69.1%と増加傾向にあります。
 その要因の特定は困難としながらも、新型コロナウイルス感染症禍以降、タブレット端末機の配備が進んで、子供たちが授業でタブレット端末機を使う機会が増えており、デジタル化による教育効果を維持しつつ、目を傷めないように配慮する対策強化がより急務となってきている現状があります。
 人間は、五感で周りの情報を受信しますが、一般的にその情報量の70%近くは目で受信すると言われています。そのためにも子供の目の健康に気を配り、適切な対策を講じるためにも、本市の視力低下傾向をどのように捉えているのか、白江教育長にお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
 〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 文部科学省が示す令和4年度学校保健統計調査の結果では、裸眼視力1.0未満の割合は、幼稚園約2割、小学校約3割、中学校約6割、高等学校約7割と、年齢層が上位になるにつれて高くなっております。
 令和3年6月議会の御質問にもお答えしました通り、学校におけるタブレット端末機の利用に伴う目の健康対策の必要性は認識しており、医師の意見も踏まえながら、児童生徒の目の健康を守っていくよう指導してきております。
 視力低下の要因には遺伝によるもののほか、最近では、ゲーム機や携帯端末の長時間使用による目の酷使や屋外活動の減少、また遠くを見る習慣の減少など、学校や家庭を含む日常生活の中での様々な要因が重なって、児童生徒の視力が低下してきているのではないかと推測しているところであります。
 今後も、学校医や養護教諭、保護者とも連携しながら早期発見、早期対応できますよう、また保健指導や健康教育の中でも児童生徒の気づきにつなげ、学校活動はもとより家庭生活においても改善できますよう努めてまいります。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 向井幹雄君。
 〔3番 向井幹雄君 登壇〕
○3番(向井幹雄君) 最後に、授業と授業の隙間時間などを生かした目のトレーニングの実施についてお伺いします。
 学校では、新型コロナウイルス感染症対策として、2時限後、4時限後、掃除終了後の3回の手洗いが習慣づけられ、規制緩和が進んだ現在も引き続き実施されているとのことです。これは学校の時間割の授業と授業の間、いわゆる隙間時間を生かした有効な取組であると感じています。
 そこで、こうした時間を、学校全体で目の健康のために生かしてはどうかと考えます。
 他県の事例ではありますが、椅子に座って簡単にできる上半身のストレッチを取り入れている学校があるようです。座った状態で背筋を伸ばし、よい姿勢を意識することで、授業においても同様の効果が現れ、子供たちの視力が回復されてきたとのことです。また、専門家の意見を参考にしながら、新たな取組を検討されてもよいと考えます。
 タブレット端末機を使うときには30センチメートル以上離す、30分に1回は画面から目を離し、20秒以上遠くを見る見るなど呼びかけられてはいますが、さらに隙間時間を生かして目の健康への取組を実践されてはいかがでしょうか。本市の考えを白江教育長にお伺いし、私の一般質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
 〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 各小中学校では、議員御発言のとおり、タブレット端末機使用の際には、画面からの距離やよい姿勢などで学習するよう指導しているほか、各学校の保健だよりの中で、学校医のアドバイスを添えて、児童生徒や保護者に対し、視力低下の防止対策と早期発見の気づき及び専門医での早期受診を呼びかけております。
 そのほか、保健室前の掲示板に「目を大切にしよう」と題して、目のトレーニング表や質問形式による目に関する情報の掲示を工夫するなど、子供たちが関心を持てるよう視力の重要性について働きかけております。
 しかしながら、児童生徒の視力の低下率は、10年前と比較して増加傾向にありますので、議員御提言の、学校の授業と授業の間を活用して、外で遊ぶ、休み時間はなるべく遠くを見る、ストレッチなどによる適度な運動なども併せて実践できないか検討してまいります。
 加えて、視力低下の防止には、御家庭での協力も欠かせないことから、日常の睡眠時間をはじめ、タブレット端末機や携帯端末、ゲームの使用時間なども重要でありますので、引き続き保護者とも連携しながら目の健康増進に努めてまいります。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 0時03分 休憩

 午後 1時00分 再開

○議長(川辺一彦君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 通告により発言を許します。
 8番 山本篤史君。
 〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 議長より発言の許可をいただきましたので、通告に基づき質問をします。
 まず1点目に、通学路のカラー舗装化の要望に対する対応方針についてお伺いします。
 議会報告会では、幾つかの自治振興会から、子供の登下校時の安全対策として市道のカラー舗装をしてほしいとの要望を聞きました。市内では、現在までに県道で2路線、市道で16路線のカラー舗装化を実施することで、歩行者と自動車の意識向上を図ることで交通事故防止対策を講じています。
 現在、カラー舗装の要望を受けているのは、砺波東部小学校区の市道矢木大門線、東野尻地区の市道苗加荒高屋線、市道南部小野村島線、油田地区の市道栄町千保線、栴檀野地区の一般県道井栗谷大門線となっており、砺波市通学路交通安全プログラムによる校区の要望があるものや、地区から要望が上がっているものがあります。
 一方で、カラー舗装を施工するための100平米当たりの費用はおよそ230万円かかり、見た目は大きく変わり、自動車運転手への意識警鐘にはなるものの、物理的な安全面では解決できるわけではなく、施工後も安全確保が求められます。
 実施するための予算の確保については、社会資本整備総合交付金を活用し、県55%、市45%の負担割合で事業を行っています。
 そこで、カラー舗装実施の必要性と施工箇所の優先順位をどのように判断しているのか、お伺いします。
○議長(川辺一彦君) 構建設水道部長。
 〔建設水道部長 構 富士雄君 登壇〕
○建設水道部長(構 富士雄君) 本市における市道のカラー舗装につきましては、ドライバーに対し、危険な交差点であることや歩行者空間の存在を認識させることによりまして車の通行速度の抑制などにつながることから、通学路等の交通安全対策に有効であると考えております。
 このようなことから、通学路の舗装化につきましては、学校や保護者、地域住民など地域の実情に応じて要望をされております。しかしながら、要望をいただいている箇所の中には、道路幅員が狭く、車が通行できる車線幅を減少させなければならない箇所や、通学児童が少人数であることなど、事業化を進めていく上において多くの課題があります。
 また、事業化を進める優先順位につきましては、学校からの距離や通学する児童数、道路幅員など総合的に判断しており、全ての要望箇所を整備するに至らないことを御理解いただきたいと存じます。
 さらには、車の交通量が多いものの、車線幅を減少することによりまして危険度が高まることから、地域住民や公安委員会の理解を得る必要がありますので、これら関係機関等との調整が整えば事業に着手していくこととしております。
 私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
 〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 引き続き、必要性に応じて施工していただきたいと思います。
 続いて、新年度予算についてお伺いします。
 1点目に、学習用デジタル教科書導入事業についてお伺いします。
 文部科学省では、令和6年度から全ての小中学校を対象に、小学校5年生から中学校3年生に対しての英語のデジタル教科書を提供することになっていますが、当市では「学びの保障・充実のための学習者用デジタル教科書実証事業」として、既に英語のデジタル教科書は全校に、算数、数学のデジタル教科書を市内およそ半数の学校に導入されており、新年度からは、国語のデジタル教科書を小学校全学年に導入するために、208万円の予算を計上しています。
 今回のデジタル教科書導入に伴い、国語の授業はどのように変わるのか、また子供たちにとってどんな利点があるのか、お伺いします。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
 〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 小学校の教科用図書改訂に伴い、全ての教科につながる言語能力を身につけ、自分の考えを表現する資質が備わる主要教科である国語のデジタル教科書を導入することにしました。
 デジタル教科書の具体的な利点としては、子供たちが読めない漢字等に自分で読み仮名をつけられること、すぐに消すこともできます。イラストや写真を拡大できること、教科書を機械音声で読み上げることができることが挙げられ、子供たちが自分に合ったペースで学ぶことができます。
 また、自分の考えや気づきをタブレット端末機上のデジタル教科書に何度でも書いたり消したりできる上、重要な部分の文章や挿絵などを抜き出して整理することができるため、子供たちは間違うことを恐れずに自分の考えを形成することができます。教科書だと1回入れてしまうともう消せないということで抵抗があるのですが、デジタルだと抵抗がないということであります。
 さらに、漢字フラッシュカードなどのツールを使うことで、新しく反復学習に取り組むことができ、主体的な家庭学習にもつながります。
 今後は、これまでの紙媒体の教科書とデジタル教科書を併用することにより、子供たちが自分で紙かデジタルかを選択したり、デジタル教科書の効果的な使い方を見いだしたりする自立した学習者として育つことを期待しております。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
 〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) タブレット端末機を導入してから、授業参観のたびに今までの我々の時代と違う授業をしているなということを非常に感じます。また新しい授業をどんどん取り入れていかれるのではないかなと思っております。
 続いて、海外留学支援奨学資金給付事業についてお伺いします。
 篤志家から砺波市に寄附された1,000万円を寄附者の意向により、海外留学をする青少年への奨学資金の給付として活用してほしいとのことで、新年度は200万円を計上しており、50万円を4名に貸与するとのことです。
 対象者は、市内在住の15歳以上25歳以下で、海外の高等学校または大学へおよそ1年以上留学する方となっています。
 海外で様々な経験をして、また日本に帰ってきてもらえば、既成概念にとらわれない新しい発想が出てくるのではないかと思いますが、この事業に伴う効果をどのように想定しておられるのか、当局の見解をお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
 〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) 海外留学支援奨学資金給付事業につきましては、海外の高等学校または大学等でおおむね1年以上の修学課程を履修する方を対象としており、単なる語学研修や交流事業のみを行う方を対象とするものではございません。
 様々な分野でグローバル化が進む中、青少年が長期にわたり海外留学を体験することを通じて広い視野と国際的な感覚を身につけ、国際社会で活躍できる人材となり、大きく羽ばたき活躍してくれることを期待しているものであり、これは寄附者の強い意向に沿ったものであります。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
 〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) グローバルな子供が育つことを祈っております。
 続いて、市職員の労働環境についてお伺いします。
 一般財団法人地方公務員安全衛生推進協会の調査によると、2022年度に精神疾患などの精神及び行動の障がいで1か月以上休んだ自治体職員は、全国10万人当たり換算で2,143人、率にして2.1%だったことが明らかになりました。
 調査は1993年から開始されており、今回初めて2,000人を上回ったことになり、10年前と比較して1.8倍になっています。年齢別では、20代と30代が平均を上回っています。
 以前と比べて職員1人当たりの仕事量が増え、デジタル対応や感染症対策などの内容も複雑になっているようで、全体的に業務の負担が重くなっている傾向にあるようです。また、職場の余裕が失われて若手の教育に手が回らなかったり、全国的には行政に対して、市民からの過度なクレームやハラスメントも影響している可能性が考えられるとのことです。
 そこで、現在当市ではおよそ500人程度の職員が勤務していますが、市職員の労働環境を守るために精神疾患を未然に防ぐ対策をどのように講じているのか、お伺いします。
○議長(川辺一彦君) 副市長 齊藤一夫君。
 〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 精神疾患を発症する要因としてストレスがあります。ストレスの要因として、大きく、仕事の量、仕事の質、人間関係があると言われています。
 議員御発言のとおり、民間企業と同様、市の業務においても、DXの導入や新たな制度への対応、また感染症、豪雨や地震など突発的な災害対応等もあり、業務量は近年確実に増えてきております。また、仕事の質においては、今回の地震災害で見られるように、市民の方からは直ちに対応し、結果を出すことが求められております。
 一方、人間関係においては、周りの人とうまくいかず孤立してしまい孤独感に陥りストレスがたまり、精神疾患を発症するケースが見られます。人間は強そうに見えても案外弱いものであります。
 そのほかにも、日々の業務の中で理不尽なクレーム等を受け、心が折れる職員もいます。若い職員からは、ありがとうという市民の方からの一言が大きな励みになると聞いています。承認されることは自己肯定感を高め、次のやる気につながります。
 こうしたストレスに対し、市ではメンタルヘルス研修やセルフマネジメント研修などストレスに対する理解を深め、対処していく方法等を学ぶ研修を実施しており、職員の心の健康を保つよう取り組んでおります。
 また、法に基づくストレスチェックを実施し、高ストレスの職員には産業医への受診を促すとともに、職場内の安全衛生委員会において職場の状況を確認し、必要に応じて改善を図っており、メンタルヘルス不調が起こらないよう注意を払っております。ストレスをためないためには、周囲の環境が最も大切だと思っています。
 引き続き管理職員には、日頃から部下の話に耳を傾け、また声かけをして励ますなどチームとして仕事に取り組むよう促し、風通しのよい職場になるよう努めてまいります。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
 〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 引き続き、風通しのよい職場に努めていただきたいと思います。
 最後に、避難所を体育館から教室などへ変更することについてお伺いします。
 今回の能登半島の地震でもテレビ画面を通じてよく見かけましたが、日本では大規模災害が発生すると、学校の体育館が避難所に転用されるケースが非常に多くあります。
 体育館は一度に大人数が雨風をしのげ、収容できるという利点はありますが、実際にそこで長期間寝泊まりすることとなれば、また話は別になってくるのではないかと思います。
 特に、冬場における体育館での生活は著しく体力を低下させ、災害関連死を招くことにもなりかねないので、段階的に教室や特別教室などの小さな部屋に移動することが、避難者の生活環境を守ることになります。
 当市では段ボールベッドの備蓄を積極的に行い、避難所でのQOLを確保するようにしています。また、市内の学校によっては教室を避難所に活用しているところもありますが、一方で、一旦教室や特別教室を開放すると、学校が再開した際には授業が困難になる場合もあり、判断が非常に難しいところであります。
 そこで、災害発生時の避難所として、体育館以外の、例えば特別教室などもうまく活用していかがかと思いますが、当局の見解をお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 島田企画総務部長。
 〔企画総務部長 島田繁則君 登壇〕
○企画総務部長(島田繁則君) 指定避難所となっている教育施設の使用範囲につきましては、各避難所の避難所運営マニュアルの作成段階において、主に施設管理者と地区自主防災会が協議の上、事前に使用範囲や使用用途を定めております。
 指定避難所に指定されている一部の学校施設では、既に一般開放されている教室などを中心に、妊婦や要配慮者、体調不良者などの優先的な避難スペースとして使用を認めている場合もございます。
 災害の状況によっては、やむを得ず教室等を使用せざるを得ない場合も想定されることから、学校施設の使用範囲や方法について、今回の地震を踏まえ、地域防災計画等の見直しの中で検討してまいります。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。

 午後 1時23分 休憩

 午後 1時26分 再開

○議長(川辺一彦君) それでは、再開いたします。
 7番 境 欣吾君。
 〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 議長の許可がありましたので、通告に基づき質問いたします。
 最初に、学校給食について要望をいたします。
 昨年の2月定例会で、学校給食の無償化を要望しました。その際の答弁では、本来無償化は国の責任で行うべきであり、機会を捉えて要望するとのことでしたが、早速本年度、新規の要望事項に取り上げられたことは、大いに歓迎をしたいと思います。
 無償化の動きはさらに広がっていますが、国が足を踏み出す上でも、全国的な広がりが重要です。改めて、本市で独自に行うことはできないかを伺います。
 また、第2子、3子以降の無償化については、他市を参考に子育て支援の一環として研究するとのことでしたが、実施の計画はないか伺います。森田教育委員会事務局長に答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) これまでも議員の御質問に答弁しているとおり、学校給食費の無償化については、自治体間の格差が生じないように、またその必要性や他の福祉事業との関係も含めて、国レベルでも議論、検討していただきたいと考えており、国及び県に対して要望を行ってきたところであります。
 国においては、学校給食費の無償化について議論が始まっており、これを受けて文部科学省では、自治体の取組状況や成果、課題の調査を行い、法制面等の課題の整理を行った上で、具体的な方策を検討することとしたところであり、こうした国の動向を注視してまいります。
 また、第2子、第3子以降の無償化についても、学校給食費の無償化と同様と考えており、現時点においては実施する予定はございませんが、子育て支援の一環として取り組む他の自治体の例を研究してまいりたいと考えております。
 なお、児童生徒において、就学が困難な状況にあると認められる場合には、児童生徒就学援助制度により支援しているところであります。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
 〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 次に、給食費の公会計化を要望します。
 給食費の公会計化については、令和2年11月議会で山本篤史議員も質問しておられます。その際の答弁では、給食費のほかにも学級費などを徴収しており、公会計化しても必ずしも教職員の大幅な負担軽減にはつながらないとのことでしたが、公会計を実施している他市についても研究していくと述べておられます。
 公会計化は、単に徴収に関わる事務手続を、学校から教育委員会に引き上げて教職員の負担を減らすというだけではなく、市が直接子供たちにどんなものを調達して与えるのかということを考える機会を持ち、また物価急騰などの事態にも柔軟に対応していきやすい体制をつくることになります。
 文部科学省の通知を受け、公会計化を行わないか改めてお伺いしたいと思います。森田教育委員会事務局長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
 〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) 学校給食費の公会計化については幾つかの効果が見込まれるとされており、教員の業務負担軽減のほか納付方法の多様化、効率的な納付状況の管理が可能などの効果が認められる一方で、システムの改修が必要であったり、食材調達方法に関しても流動的な対応が困難になるなどの課題も挙げられております。
 また、本市における教員の業務負担につきましては、給食費の集金業務がなくなったとしても、保護者から集金をする学級費などの給食費以外の集金業務がなくならないことから、大幅な軽減にはつながらないと考えております。
 なお、議員の、市が直接子供たちにどんなものを調達して与えるのかということを考える機会を持つことになるとの御発言につきましては、現在既に、給食センターに配置されている専門的知識を持った栄養教諭が、子供たちの必要なエネルギーや栄養バランスを考えた献立を考え、食材を調達してきております。
 また、先ほど1点目で答弁しましたとおり、学校給食費の無償化につきましては、現在国で議論が進められているため、公会計化につきましてもその議論の行方を見定めることも必要であると考えております。
 したがいまして、当面は現行の徴収方法を維持するものの、公会計を実施した自治体の事例もあり、学校給食費の公会計化について、引き続き研究してまいります。
 私からは以上です。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
 〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 次に、大項目の2番目、JR城端線・氷見線の経営移管問題について質問をいたします。
 今年2月8日、城端線・氷見線鉄道事業再構築実施計画が国に認可をされ、いよいよ計画が実施されることになりましたが、昨年の12月議会に続き、JR城端線・氷見線の経営移管に関して質問と提案、要望を行いたいと思います。
 最初に、JR城端線・氷見線の利便性低下の責任についてお伺いします。
 国鉄を分割民営化したことから、企業の利益を追求することと公共性を確保することとの間に矛盾が生まれ、残念ながら、この間の経過は、JR西日本が企業利益を優先してきた結果から、JR城端線・氷見線の利便性低下がもたらされたと言わざるを得ないと考えます。
 企業の利益を最大化しようと思えば、赤字部門を切り離そうとするのは当然です。実際、JR西日本からは、JR城端線・氷見線を切り離そうとの意思表示が繰り返しなされてきました。また、企業利益からすれば、効果が薄いと思われるところには投資を控えるということが当たり前になります。
 このことが、JR城端線・氷見線の運営でも、安全性、利便性を高めながら、住民の足をしっかりと確保するという公共の役割を果たすのではなく、何とか継続はさせていくという姿勢になったのではないでしょうか。
 老朽化した鉄路の更新はなされず、駅の無人化や列車の減便、減車が進められ、自治体負担で委託や増便努力も行われましたが、沿線自治体からの直通化、列車の更新、ICカード化などの要求が繰り返されても対応されずにきました。挙げ句に無人駅のトイレの廃止にまで至りました。投資控えがサービスの低下を招いて利用が減少し、それがさらに投資を控えさせるという負のスパイラルに陥っている状況です。
 市長は、昨年12月議会の答弁で、JR西日本に様々な要望してきたがほとんど実現されず、両線のサービスレベルの向上がなされないまま、利用者数の減少とも相まって、両線の将来について希望を持ちにくい状況となっているのが現実でありますと述べておられますが、まさしく利便性の低下の原因は、JR西日本の経営姿勢にあると思います。公共性の回復、維持発展にJR西日本が関与しないということはあってはならないと考えます。
 JR東海の元会長葛西敬之氏も、「分割民営化は、公共性と企業性の二元連立方程式の解を求める作業であり、よりよいサービスを提供し続けるという国民的期待に応えることが必要である」とし、分割民営化を決めた当時の国会答弁で、政府は、国鉄から継承された路線は全て維持されると約束していると述べておられます。
 さきの議会でも指摘したとおり、JR西日本には十分な体力があり、コロナ禍でもローカル線の赤字総額を上回る株主還元を行っており、利益の落ち込みも急速に回復して、2022年の当期純利益は2015年度水準にまで達しています。
 市長は、経営移管後の民間の事業者に永遠の負担を求めるのは現実的でないとされましたが、私はそうは考えません。JR西日本がJR西日本である限り、国から引き受けた公共性を維持発展させていく責任があると考えます。
 2022年度の赤字は10億円を超え、計画実施による改善後にも7億円余りの赤字が見込まれていますが、JR西日本がこれから逃れ、さらなる利益の見込まれる分野に投資する、そしてその利益を株主に還元するというのでは、分割民営化した当初の約束に反すると考えますが、市はどのように考えられるのでしょうか、見解をお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 昭和62年(1987年)に旧国鉄が分割民営化され、既に37年がたとうとしております。一言で申し上げれば、当時とは時代が大きく変わったということであります。
 歴史をひもときますと、国が株式を保有していたJR西日本は、平成13年(2001年)に政府の保有株式の売却を受けまして、JR会社法、正式名称は旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の適用から除外されたことになり、国の関与を受けない完全な民間会社として新たなスタートを切っています。
 また、このとき国土交通省から示されました新会社がその事業を営むに際し、当分の間配慮すべき事項に関する指針という通達がありますが、そこにおきましては、国鉄改革実施後の輸送需要の動向や、その他の新たな事情を踏まえて営業する路線の適切な維持に努めること、また、国鉄改革の経緯を踏まえて、路線の適切な維持に努め、廃止や見直しをするときには関係自治体や利害関係者に十分に説明することと規定されています。
 この内容は、裏を返せば国鉄改革前と社会情勢が変わって、適切な路線の維持ができない場合は、関係自治体や利害関係者に説明の上、廃止や見直しができるということを想定するということであります。
 境議員は再三にわたって国鉄民営化当時の約束ということを言われますが、では一体37年前に、誰がここまでの人口減少を予想できたでしょうか。またモータリゼーションの想像以上の進展や急速なデジタル化の到来、未曽有のパンデミックなど公共交通の在り方を根底から覆すような、当時は誰も想像していなかったようなことが今、世界中で起こってきているのです。にもかかわらず、過去のいっときの状況にとらわれて未来への一歩を踏み出せないのは、あまりにも無責任で情けない考え方ではないかと私は思います。
 他県では、JR城端線・氷見線よりも格段に状況の悪い不採算路線に対して、JRから再構築に向けた提案を受けても、廃線につながるのではないかという懸念もあって、対話することを避けているケースもあるようでありますが、JR城端線・氷見線におきましては、令和2年にJR西日本からのLRT化の提案を受けて以降、将来も地域公共交通として活用していくにはどうすればいいかという視点に立ちまして、県や沿線4市を中心に再構築に向けた議論を真摯に進めてまいりました。
 その中で、今般JR、ローカル線も含めた国の地方鉄道に対する考え方も、地方自治体と鉄道事業者の積極的関与を前提に、有利な支援制度の創設など地方自治体や鉄道会社任せにせず、従来から踏み込んで前向きなものとなったことも踏まえまして、JR西日本や経営移管するあいの風とやま鉄道との交渉も進め、再構築計画の承認となったものであります。
 JRに責任を押しつけて批判し続けるのは簡単です。しかし、前回の答弁でも述べましたが、ことを前に進めないまま手をこまねいて、百年河清をまつのかということであります。どれだけ待っていても、前回の答弁にもありますが、川が濁ったままではその水は飲めません。もし、境議員が主張されるようにJRへの責任追及にこだわり続ければ、その分交渉が遅れ、国の有利な支援を受けることができず、結果両線の再構築は実現しないということになる可能性が高いと思います。そしてそれは、沿線地域の衰退にもつながり、将来そこに住む人がさらに減ってしまうという最悪の結末につながることを危惧せずにはおられません。今は前に進むときだと思われませんか。
 私の答弁は以上です。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
 〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 答弁に対する答弁ができないので、次の質問に移ります。
 示された計画の内容について質問をしたいと思います。
 今回の実施計画によって進まなかった利便性向上のための改善がなされるというのは、大いに歓迎されるものです。しかし計画実施後、長く経営を持続していけるのかという点に疑問があります。
 さきの議会でも述べたように、JR西日本からの150億円の拠出金の一部を運営基金として使えることは大いに意味があるとは思いますが、いずれ底が尽きることも事実です。問題はその後の経営に必要な財源を、誰がどのように負担するのかということです。そのことを考えるに当たって、最初に実施計画の内容そのものについてお尋ねをしたいと思います。
 実施計画では、運賃据置きで利用者数は1.24倍と見込んでいるのに、旅客運輸収入は1.75倍と試算をしています。利用者数の増加割合と収入の増加割合の違いは何によるものなのでしょうか。
 さらに旅客運輸収入は、新型コロナウイルス感染症前の運輸収入を基に、運行本数の増分を考慮して試算となっていますが、パーソントリップ調査や住民アンケートなどを実施し、それらも含めて試算すべきではないでしょうか。
 また、貨物線路使用料収入が計上されていませんが、環境への配慮からするなら、貨物の線路利用は今後ますます重要であり、戦略的に増やしていくべきではないでしょうか。そして大きな問題は、移管後の収支差額をどのように負担していくのかということです。
 移管後5年分の差額補填を、県、沿線市がそれぞれ9億円、JR西日本が18億円拠出して行うとありますが、6年目以降は経営状況を踏まえて支援とあります。JR西日本の拠出金は継続して使われるとしたら、13年でなくなります。その後は、県と自治体で全て負担ということになります。拠出は倍になるのでしょうか。
 以上、計画に対して疑問点を述べましたけれども、回答をいただきたいと思います。
○議長(川辺一彦君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 今ほどの境議員の御質問は、とりわけ収支予測の部分で、計画の内容が不完全であるということをおっしゃりたいようでありますが、仮に言われるように、緻密に収支を積み上げて、では将来負担が幾らぐらいに収まれば、境議員はこの再構築事業が実施に値するという判断になるのでしょうか。反問して尋ねたいところですが、今回は控えさせていただきます。
 公共交通の世界では、廃線検討にある赤字路線の欠損を埋めるために、様々な副次的な価値を積み上げるクロスセクター効果という概念があります。要するに、鉄道だけの収支じゃなくてそれがあることによって、いろんな2次的、3次的な効果があるだろうということでありまして、こういった観点からも両線が将来にわたって投資に値するという点では、議員もJR城端線を維持活性化したいと考えておられるようですので、この点は論を待たないのではないかと思います。
 万葉線をやったときに、やはり万葉線だけの収支ではさすがに厳しいけれども、万葉線があることによって、どれだけのいろんな社会的な効果があるかということを当時の高岡短大の学長さんが市民に説かれました。その時点で初めて、要するに、税金をそういったものに入れるということが日本で初めてできたというケースであります。
 そういった概念があるわけでして、そういうことから、多分お分かりだと思いますが、それなのになぜか鉄道事業の単純収支だけを見て、将来負担ばかりを心配するというのはあまりにも狭い考えではないかと思います。
 また、そもそも本計画は、国の交付金を受けるための要件でありまして、補助申請に近い申請をするものであります。経営主体ですとか支援体制と概算の事業費ベースで方向性を定め、認定を受けようとするものであります。
 もちろん申請段階で詳細に対応できるものにつきましては、できる限りしっかり試算を行ったものでありますが、両線の再構築に向けた取組は待ったなしの状況の中で、申請のタイミングを遅らせてまで、不確定な要素も勘案しながら、より詳細な試算と言われるもののために時間と労力をかけるのは得策ではないと考えられたものであります。
 こういった前提を踏まえまして、御質問のポイントごとに順次回答いたしますと、まず利用者数と収入の増加割合の違いにつきましては、利用者数は、新型コロナウイルス感染症前の令和元年度を上回る1万2,000人を見込むものでありまして、一方、旅客運輸収入は、新型コロナウイルス感染症前の旅客運輸収入を基に運行本数増を考慮した結果、1.75倍に増加するという試算であります。
 本計画では、日中の便が1時間に1本から約2本へと大幅に増加いたしますが、これによりまして学生の定期利用に比べますと、運賃単価の高い定期外の利用が増えると見込まれることから、利用者数と旅客運輸収入は必ずしも単純比例するものではないということであります。
 次に、旅客運輸収入にパーソントリップ調査や住民アンケートを利用すべきという御指摘ですが、先ほども述べましたが、人口減少やマイカーの普及など、両線を取り巻く環境が厳しさを増す中で、計画の策定自体により大きな費用と時間を割いてまで緻密な試算を行うより、むしろ持続可能な路線として、利便性また快適性の向上を図るため、いち早く国の有利な支援を受けながら再構築事業に着手するということを優先すべきだと考えております。
 また、貨物線路使用料収入が計上されていないとの御指摘ですが、現在氷見線の一部を走るJR貨物の運行本数は1日1往復と少なく、あいの風とやま鉄道線のように多くの貨物列車が走る路線と異なり、収支に及ぼす影響は限定的であることから、収入には計上しておりません。JR城端線も二塚まではあったのですが、これはもう線路も外されておりまして、当分、当分というかまず、荷主のほうからも復活するという考えはないようであります。
 いずれにしても、これは収支的にはプラスになるものなので、より厳しめに見て考えていただければと思います。
 最後に、JR西日本からの拠出金を全て活用した後の収支差額をどう負担していくのかという御質問ですが、当然御指摘のように、県と沿線自治体が中心となって経営を支えていくこととなります。具体的な負担額については、経営移管した後の10年以上先の話になりますので、現時点で具体的な見込みは立っておりませんが、利便性向上によりまして利用者を増やす取組を進め、収支差を少しでも少なくする努力が継続的に必要だと考えておりますし、またJRの拠出金も活用できる範囲は目いっぱい活用していくということになると思います。
 なお、新年度には、乗降客数などの利用状況を把握する調査を実施し、より詳細な、今よりかなり詳細な収支予測を、経営移管後のあいの風とやま鉄道の経営計画に活用していくとしておりますので、そういう予定であることをお知らせしておきたいと思います。
 以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
 〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 最後に、JR城端線・氷見線の設備投資、経営支援の在り方について質問したいと思います。
 計画では、今も話がありましたが、将来的にこの両線は、県と沿線4市で支えていくことになります。そのことを支える考え方として、公共交通は社会インフラであり、地域交通サービスは、地域の活力や魅力に直結する公共サービスであるとの考えの下、地方公共団体は自らの地域に対する投資と捉え支援をするというものがあります。市長もそのような考えを述べておられます。
 私も、鉄道の公共性は大切にされるべきであり、社会的に維持されていくべきものであると考えるので、その運営に対し、市が支援することを否定するものではありません。支えるために必要な負担はあるべきと考えます。しかし、県と市で全部支えるというのはいかがかと思います。
 今ほど話がありましたクロスセクター効果をきちんと算定して、一体どれだけの効果がこの鉄道にはあるのかということも一つの指標として見るべきだと思います。
 ドイツでは、地域化法により、近距離旅客輸送を生存配慮義務として、州自治体と併せ国の支援で経営が行われています。日本では国の支援は設備投資に限定され、運営には支援がありません。社会的インフラというなら、道路には県道、市道があり、国道があります。鉄道は、全国を結ぶ交通ネットワークを構成するものであり、国も支援をすべきだと考えます。
 さらに、JR西日本についてです。JR西日本からは、移管後の運営に人的、技術的支援や観光面の協力は得られるとのことですが、協力の意思は共同出資という形で示していただき、また経営安定基金にも拠出してもらうべきだと考えます。また、150億円の拠出金についても、額の根拠が明確でありません。
 JR西日本からは、持続可能な公共交通の構築に向け、一定の役割を果たすためにどうすべきかを考え、精いっぱいの判断、今の経営状況など様々な観点から総合的に判断、150億円は株主代表訴訟にならないぎりぎりの金額などのコメントがあるようですが、大変分かりにくいものです。
 妥当な割引率と年数を設定した収益還元法によれば、さらなる拠出を受けるべきとの意見があることは、さきの議会で述べたとおりです。
 経営移管後の経営支援について、国にも、例えば定期に対する補助を行うなど運営にも支援することを要望すべきだと思います。さらに、JR西日本には、人的、技術的支援にとどまらず、出資や経営安定基金にも参加するよう求めることが必要と考えます。また、拠出金の根拠を示し、ふさわしい金額とするよう求めることも必要と考えます。
 そして最後に、公共交通活性化の視点から、実施計画の実施に当たっては、利用する市民の意見が反映されるよう配慮されることを求めるものですが、いかがでしょうか。以上の要望について市長の答弁を求め、私の質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 市長 夏野 修君。
 〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) まず、国も両線の経営を支援すべきだという御意見ですが、昨今の地方ローカル線問題は、当然国鉄の分割民営化に踏み切った国にも、責任の一端があると私も考えております。
 それも含めて最近、考え方を直したのかもしれませんが、今回の鉄道再構築事業に係る補助は、あくまでもイニシャルコストの部分だけでありますので、国には地方創生の観点からも、地方鉄道を持続可能な形で支えるため、ランニングコストへの支援も期待するものでありまして、本市としても折に触れ、県を通じて要望等を行ってまいりたいと思っています。
 なお、かねてから申し上げておりますが、複数の自治体をまたぐ鉄軌道に関する業務は、県が主体的に対応すべきものであります。並行在来線であります、あいの風とやま鉄道はもちろんですが、万葉線も沿線である高岡市、また当時の新湊市の努力はもとより、県の主体的関与は大きなものがございました。
 JR城端線・氷見線の再構築に当たっても、今までも県は積極的に主体的に関与されてきていると理解をしておりますが、今開催中の県議会では、JRの資産譲渡に関する質問に対して、知事や担当局長は、県として沿線市が無償譲渡を望んでいるので、その方向で交渉するとして、方針を示したものの、県そのものの考えを明確に示さない答弁に終始しております。
 今後の交渉前に予断を与えたくないということかもしれませんが、JR西日本との交渉や国への要望も含めて、これまで以上に、県には十分に対応していただいているとは考えておりますが、改めて今まで以上に主体性を持って本事業に関与していただくことを大いに期待しているところであります。
 また、JR西日本の拠出金については、経営状況など様々な観点で総合的に判断した金額という形で、150億円の計上を受けたものでありまして、金額の多寡については、様々な考え方はあると思いますが、その使途を限定せず経営安定にも活用できるとした点ですとか、また今後の人的、技術的支援や資産譲渡の条件などの可能性も含めたJRの決断を重く受け止めて、一定の評価の上で、県及び沿線市が協議して最終的に合意に至ったものと思っております。
 今さらその金額の根拠を問いただして、追加で拠出を求めることとなれば、協議は振出しに戻るということになりまして、根拠の開示はもとよりですが、今の条件で協議がまとまる見通しも、また追加負担も得られないという状況となるのは必定ではないでしょうか。
 最後に、計画実施に当たって、利用者や市民の意見が反映されるようにという御意見についてですが、両線は地域の活性化に直結する公共財と考えておりますので、計画策定の際にはLRT化検討会に当たって実施した需要予測調査ですとか、住民アンケート等を反映しておりますし、今後の計画実施に当たっても、市民の皆さんに愛される鉄道となるよう、様々な場面で御意見を伺う機会を設けるべきであろうと考えております。
 私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
 これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。

             議案の常任委員会付託
○議長(川辺一彦君) ただいま議題となっております議案第2号 令和6年度砺波市一般会計予算から議案第26号 工事請負契約の締結についてまでは、会議規則第37条第1項の規定により、配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の各常任委員会に付託いたします。

○議長(川辺一彦君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。
 次に、議会の日程を申し上げます。
 明3月11日は産業建設常任委員会を、12日は民生病院常任委員会を、13日は総務文教常任委員会をそれぞれ開催し、付託議案等の審査を行います。
 お諮りいたします。明3月9日から3月17日までの間、各常任委員会における議案審査等のため本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(川辺一彦君) 御異議なしと認めます。よって、明3月9日から3月17日までの間、各常任委員会における議案審査等のため本会議を休会することに決しました。
 次回の本会議は3月18日午後2時から再開し、委員会審査の結果報告、質疑、討論、採決を行います。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 どうも御苦労さまでした。

 午後 2時03分 閉議