1.会議の経過
午前10時00分 開議
◯議長(山森文夫君) ただいまの出席議員は20名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)
◯議長(山森文夫君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第37号から議案第48号まで、平成25年度砺波市一般会計補正予算(第1号)外11件について、及び報告第2号から報告第7号まで、継続費の逓次繰り越しについて外5件についてを議題といたします。
これより、市政全般に対する代表質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
19番 江守俊光君。
〔19番 江守俊光君 登壇〕
◯19番(江守俊光君) 皆さん、おはようございます。
私は、砺波市議会選挙後における最初の6月定例会に当たり、自由民主党砺波市議会議員会を代表し、今後4年間を見据えた議会と行政のあり方、市政に対するビジョンの設定内容など、夏野市長の基本的な考え方についてお尋ねいたします。
まず、今回の会派の結成につきましては、新たな議会の流れを期待された市民の声を受け、伝統ある自由民主党の流れを継承し、行政に対しては、是々非々の立場と連携の立場を重ね持ち、一丸となって対処するものであります。また、今回の選挙を通じて寄せられた市民の皆さんの市政の活性化、議会の活性化の声に応えるべく、18名の政策集団として大同団結したものであります。この同志として、議員活動を積み重ね、経験豊富な議員に、今回の選挙により新たに多様な年代や経験のある者、さらには2名の女性議員による女性の視点も加え、幅広い見識に期待するとともに、非常に心強く感じており、今定例会を起点に、市民の福祉向上を目指し、我々の活動をスタートしたいと思います。
最初に、選挙における投票率についてお伺いします。
今回の市議会議員選挙の投票率は76.4%であり、昨年の市長選挙の投票率は65.9%でありました。
投票率は、市政に対する市民の期待度を示すと言われておりますが、直ちに投票行動には結びつかない流れが徐々に砺波市民にも広がってきているのではないかと懸念をするとともに、重く受けとめる必要があると思います。
むろん選挙で選ばれた者は、この状況を直視し、さらなる努力が必要であり、後ほどふれますが、市民グループや地域団体などと積極的に意見を交換しながら、多くの市民の皆さんとともに、市政の発展に取り組んでまいる所存であります。
そこで、夏野市長には、御自身の選挙、今回の市議会議員選挙など、一連の選挙について市民の選挙に対する動向、あるいは、その結果をどのように感じておられるのかをお伺いいたします。
また、選挙の動向については、候補者の努力に加え、執行者である選挙管理委員会にも、その努力が求められております。砺波市は、今まで何もしなくても投票率は高いという意識を排除し、低下傾向への歯どめなど真剣に考える必要があると思われます。予算編成権限を持つ市長として、近づく参議院議員選挙も見据え、どのような対応を考えておられるのか、お伺いいたします。
2項目めとして、まちづくりに対する基本方針の編成についてであります。
国においては、昨年末の政権奪回から約半年間が経過し、対外的には、緊張状態にある国際関係の改善の糸口はなかなか見えていません。
国内的には、政府の景気対策への国民の期待は高く、失われた過去から日本を取り戻すという意気込みが感じられ、経済全体が着実に前進していくことが期待されています。その中で、円安や最近では一部下落しているものの、株高の急速な進行は国民の購買意欲につながっておりますが、しかし、石油などを中心とした原材料の輸入価格の上昇は物価上昇に影響を及ぼし始めており、引き続き強力な経済対策を望むとともに、低所得者、営農者、中小企業などに対し、経済変動に対する細やかな対策が望まれ、国民生活の安定を期待するものであります。
夏野市長におかれましては、2月定例会で、国の緊急経済対策に呼応した補正予算を提出され、新年度予算と連動した大型の13カ月予算を編成されたところであります。これにより年度がわりによる空白がなくなり、予算執行の継続性が保たれたことは高く評価するものであります。
夏野市長は、2月定例会の提案理由の中で、まちづくりの方針として、総合計画に基づき、当面の諸課題に対処するとし、「もうひとつ上の“となみ”」を実現するため、3つの施策、「さらに質の高い“となみ”」、「活力がつながる“となみ”」、「健全で安心な“となみ”」を新たに示され、市長なりの優先度、事業効果等を充分に配慮したと説明されました。
その中で、「もうひとつ上の“となみ”」のフレーズは、我々砺波市に住む者に対して、誇りと気力を再認識するものであり、高く評価するものであります。
加えて、今後4年間を見据えたスタートの予算と位置づけ、新たな芽出し事業への取り組みとして、保育所・幼稚園整備、駅前広場整備、チューリップ公園の再整備、城端線の利用活性化など、各種委員会の立ち上げを掲げておられます。今後のまちづくりに大きな期待を寄せるところであります。
以上のことを踏まえた上で、2点について提案をいたします。
1つは、基本方針の設定ですが、例えば富山県のように、少子高齢化・人口減少社会における活力創造戦略、災害に強い日本一の安全・安心県戦略、いつまでもみんな元気健康先進県創造戦略など、具体的で内容のわかりやすい表現が頭に入りやすいと思いますが、いかがでしょうか。
また、今後、日本は人口減少時代に入ります。砺波市は、県内で最も減少率が低いと言われていますが、2040年には4万2,000人になると言われています。一方、高齢化率は、全国平均より早く、30%を超え、超高齢社会がそこまで来ています。この2つの事例から、あえて申し上げたいのは、まず基本的な施策指標の設定を行うには、将来に向けて何を重点化し、次世代に何を残すか、このことをわかりやすく提示することではないかと思います。市政を担って、施策指標の再構築はあり得ると思いますが、どのように考えておられるかをお尋ねいたします。
また、多くの芽出し事業がある中で、人口減少社会に対する施策が極めて大切だと思います。高齢者を活用する、交流人口を増やす、定住人口を呼び込むなど、このあたりにおいて、砺波市ならではの個性的な施策づくりが重要であります。
なお、私は、かねてから地域の活力、地域のふれあいにつながる少子化対策が最も重要であると考えております。地域の子育て環境の改善、充実など保育所・幼稚園整備計画検討委員会について大きな関心を持っており、注視してまいりたいと思っております。
そこで、今回、芽出しとされた事業は、市の成長戦略に基づき、優先すべき事項として中長期的ビジョンにつながるものとして位置づけされるものなのか、また、今後、ほかにも新たに芽出し事業を考えておられるのか、お伺いいたします。
なお、検討の際に、外部有識者を活用するのか、市民の意見を集約するのか、議会にはどのように協議されるのか、あわせてお伺いをいたします。
我々自民会においても、必要な提言を行うなど対処してまいりたいと考えております。
3項目め、今後の議会と行政のあり方についてであります。
今後の議会との関係について、夏野市長の認識をお伺いいたします。
申し上げるまでもなく、地方自治体は、住民、議会、行政から構成されているものであります。そこで、小泉内閣以来、地方分権改革の名のもと、地方自治体の権限強化が進められてまいりましたが、これまで地方にとって中身があるものとは言いがたい面も多くありました。その中で、改めて議会の役割も問われており、多くの自治体において、議会のあり方が議論されています。
地方自治体は、市長と議会の二元代表制に基づいて行われ、当然ながらその求められるところは異なっており、議会は、さまざまな住民の立場から課題を発見し、議論を行うものであり、市長は、全市的な視点、さらには長期的な視点が求められるものであります。また、議員は、議会に提案された政策や事務事業が適正に行われているか判断する見識が求められております。さらには政策提案能力も求められております。このような中、私は、議会と行政が積極的に議論することが重要であり、そのことが市政の活性化にもつながり、現実を踏まえた成果として、形となってあらわれるものと考えております。
一方、近年、同じ有権者から選ばれた市長と議員においては、市民と行政の関係、市民と議会の関係を近づけることが重要な課題となっていると考えております。
そこで、市民には公約として掲げておられた自治振興会への職員派遣制度をスタートされました。この取り組みは、市民と行政が情報を共有し、市長が目指すスピード感のある行政という観点から高く評価するものであります。その中で、初の取り組みであることから、自治振興会側には若干の戸惑いがあるとも聞いていますが、その目指すところをお聞かせ願います。
先ほど申し上げたとおり、我々議員一人一人は、市民の意見を的確に反映するため、切磋琢磨しながら、広範囲な市民要望を吸い上げる立場であり、むろん見極めた上で、政策に生かす役割が重要であります。また、時代に合った新たな関係を行政と切り開くという意識を持ち、地域の代表としても、職域等の代表としても、地域に根差した住民の意見を聞くことに努めなければならないと考えております。
そこで、新たな時代をつくろうと意欲に燃えていらっしゃる市長として、市民から負託された議会の立場と、どのような関係を考えておられるのか、一方、直接的な市民の声と、どのように両立されるのかをお尋ねいたします。
4項目め、行政組織力の向上であります。
組織の維持、行政水準の確保についてお伺いします。
まず、国が求めております地方公務員給与の削減でありますが、これは、国家公務員において、震災復興財源に充てるとして、臨時的な措置がなされたものであります。
今回、地方公務員にも準拠を求めたものでありますが、このため、地方交付税を減額し、その財源を地方の事業に振り分けるというもので、地方固有の財源に国が手を出すという、法制度を無視したものとの声が地方自治体で多く挙がっております。地方経済の回復が芳しくない折、地方の消費にとってマイナスでありますが、結論として、やむを得ない措置と考えております。
振り返りますと、これまで国は、地方交付税を大幅に削減した折には、行政改革の徹底的を地方に求め続けてきました。その最終的な手段として、市町村合併を打ち出してきたのであります。本市もこれに呼応して誕生し、合併が最大の行政改革であるとして、その効果を上げることに多くの力を注ぎ込んできたのが、この8年間であったかと思います。
そして、改革の成果を市民サービスの向上、少子高齢化など、時代ニーズに還元してきたと思います。ここで、合併3代目の市長として、どのように認識されているのでしょうか。
そこで、その最たるものとして、定員管理であります。
合併を見据えた採用抑制に始まり、合併後の定員適正化計画の実施により100名規模の職員数の削減となってまいりました。このことは合併の最大の効果の一つでありますが、いわゆる団塊の世代の退職など、結果的に急激な削減となり、技術の伝承や行政のノウハウなど、長年に培われた財産とも言える組織が低下しているのではないでしょうか。今、求められているのは、人材育成や専門性の確保を初め、組織力のレベルアップ、また、何よりも職員の士気、仕事に対する誇りなど、限られた職員を生かすことがこれまで以上に求められるのであります。
従来の派遣交流では、効果が薄く、大胆な民間との交流研修、組織力の相乗効果によるパワーアップなどを図るため、従来にないような大胆な取り組みが必要であると考えますが、目に見えない事柄であり、この辺に対する緊張感が少ないように見えますが、市長はどのように見られているのか、お伺いします。
最後になりましたが、今回の両選挙を踏まえ、砺波市は、合併特例措置が終わり、急激な人口減少が見込まれる近い未来においても、持続可能なまちづくりに向けたスタートの位置に立ったものと思います。そのかじ取りを任された夏野市長、そして、市議会であります。
特に自民会の議員は、地域力に富み、災害に強く、足腰の強い産業を育て、少子化にやさしいまちづくりのため、今後とも一致団結して頑張っていく所存であります。市議会の意思を決定する会派として、市民に開かれた議会運営に全力で挑戦することを表明して、私の代表質問といたします。どうもありがとうございました。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) おはようございます。
自由民主党砺波市議会議員会を代表されましての江守議員の御質問にお答えいたします。
まず、1項目めの市政選挙に対する評価と姿勢についての御質問でございますが、投票率は、選挙時の政策議論やまた立候補者などの注目度から投票率の高い、低いがありますものの、国政選挙ごとに報告されております年齢別投票状況というものを見ましても、若年層の投票率が低い状況が全体に大きく影響を及ぼしているものと考えられます。
このような傾向は全国的なものではありますが、御紹介いただきました本市の市政選挙を見ましても、市議会議員選挙では、前回は無投票でありましたので、平成17年と本年の選挙を比較いたしますと6ポイント、また、市長選挙では、選挙戦となりました平成9年と昨年の私の選挙を比較いたしますと、約15ポイントも投票率が減少しております。また、若年層の投票率が低く、アパートや住宅団地などを抱える地域は、投票率が比較的伸び悩むという傾向がございます。
投票率の減少は、政治や選挙への関心の薄れ、さらには、地域コミュニティー離れなどさまざまな要因が挙げられるかと思いますが、市や選挙管理委員会では、将来の有権者であります小中学生の選挙啓発ポスターコンクールの実施など、若いときからの意識づけですとか、成人式におけます新たな有権者に対する選挙啓発を行っております。また、各選挙時には、例えばショッピングセンターなどにおきまして街頭啓発活動をするなど、さまざまな場面を活用して、選挙啓発に努めているところでございます。
また、投票への影響は直接ではありませんけれども、例えば報道などによりまして本市の話題が多く取り上げられるように情報提供に努めることですとか、市の各種検討会などで若者や女性に参画していただく機会を増やすなど、市政に関心を持っていただく、あるいは参加していただくよう働きかけをしておりまして、これらのことを通じて、間接的にはなるかもしれませんが、投票率の向上に努めたいというふうに考えております。
なお、選挙の経費に関しましては、参議院議員選挙の啓発費用も含めた執行経費というものは、国政選挙でございますので、国からの委託金というもので賄われることになります。国の財政が厳しいという中で、委託金は減らされておりまして、平成19年は約1,900万円ございましたが、今回は約1,400万円ぐらいだということで、500万円程度減るということが見込まれております。そういう中で、市や選挙管理委員会としても選挙の執行に大変苦慮している中で、このような状況に対しまして、選挙管理委員会としても、しっかりと参議院議員選挙の啓発については行っていこうということで、よろしくお願いしたいと考えております。
江守議員が述べられましたように、投票率は市民の期待度であるということをしっかりと私も肝に銘じまして、市民にわかりやすい、市民参加によります市政運営に努めまして、特に、若者が元気な砺波市を目指すことで、投票率の向上につなげたいというふうに思いますし、例えば若い方々の政治への参画ですとか、政治への魅力を高めるためにも、例えば多くの若い人たちが選挙の場へチャレンジすることも1つの期待ではないかなというふうに思っております。
次に、2項目めのまちづくりに対する基本方針の編成についてのうち、人口減少・高齢化に対する対応につきましての御質問にお答えいたします。
今ほどは、予算編成や私が日ごろから申し上げております「もうひとつ上の“となみ”」の基本姿勢に対し評価をいただきまして、まことにありがとうございます。
また、議員がわかりやすいと御紹介であります富山県の基本方針につきましては、県の総合計画であります新・元気とやま創造計画の重点戦略として位置づけられているものでありまして、県予算の概要もこの重点戦略ごとに施策がまとめられ、紹介されているものでございます。
一方、2月の砺波市の定例会で申し上げました本市の新年度予算につきましては、私が市長就任後、初めての予算編成であったことから、砺波市総合計画後期計画をベースにいたしまして、その上に、私が公約として掲げました3つの基本的指針ごとに事業を振り分けて、提案させていただいたというものでございます。
いずれにいたしましても、まちづくり等の方向性を示す、わかりやすい基本方針を提示することで、市政への関心も高まり、市民が心を1つにしてまちづくりに取り組むことができるということは、議員が御発言のとおりでございます。今後とも、市総合計画後期計画と私が掲げます市政運営に際しての3つの基本的指針との整合を図りながら、市政運営に努めてまいりたいと存じております。
また、人口減少・超高齢社会を迎えるに当たって、施策指標を再構築してはどうかということでございますけれども、今ほど申し上げましたように、現在の市総合計画後期計画は、将来的な人口減少ですとか、超高齢社会の到来を中長期的な課題として十分に認識し、前提とした上で施策指標を設定して作成したものであります。直ちに見直しの必要はないものというふうに考えてはおりますが、予算編成や総合計画実施計画の見直し作業等におきまして、見直すべき要素が出てきた場合には、その都度、必要に応じて対応してまいりたいというふうに考えております。
次に、少子化対策・子育て環境についての御質問で、芽出しの話についてお答えしたいと思います。
今回の芽出し事業につきましては、今後、本市のまちづくりを進めていく上で課題となっております、例えば保育所、幼稚園の整備ですとか、図書館の整備などへの新たな取り組みのためのものでございまして、「もうひとつ上の“となみ”」を実現していく上で、いわば、その基礎づくりとなるというものであります。
これらの芽出し事業の中には、総合計画の中に盛り込まれたものを、その優先順位を早めて検討するという事業もありますが、そのほとんどは、将来の砺波市を見据えたものでございます。
また、現在のもの以外の新たな芽出し事業につきましても、その必要が生じた場合には、予算編成や総合計画実施計画の見直し作業におきまして、その手法が有効なケースでは、個別に判断して追加してまいりたいというふうに考えております。
また、検討における外部有識者の活用についてでありますが、砺波市民の考えを反映することはもちろんでございますが、それぞれの目的や課題に応じまして、大学の教授や学識経験者などの外部有識者にも参画いただき、専門的な見地からアドバイスをいただく場合もあり、適切に対応してまいりたいと存じます。
このほか、市民の皆さんからの意見につきましては、アンケート調査やパブリックコメントなどの手法により、また、議員各位に対しましては、全員協議会などにおきまして説明をさせていただき、随時、御意見を伺ってまいりたいというふうに考えております。
次に、3項目め、これからの議会と行政のあり方についての御質問にお答えいたします。
江守議員が述べられましたとおり、議会と市長は、同じ有権者から選ばれたということでございまして、選挙戦の中でお聞きした多くの市民の声を、ともに議論しながら、市政に生かすべきものはしっかりと生かし、互いに切磋琢磨しながら、市民の幸せのために、ともに努力してまいりたいというふうに考えております。
私が公約に掲げました住民と市役所との連携を強化する事業の一環として、新たに創設いたしました砺波市自治振興会連携推進員派遣制度につきましては、派遣職員を地域アンテナ隊と称しまして、地区のさまざまな課題や情報を的確に把握し、市民と市が情報を共有することによりまして、協働のまちづくりの推進を図りますとともに、市職員の住民対応に関する研修の場としたいと考えたものでございまして、その目指すところは、職員の顔が見える、風通しのいい市と地域の関係をつくるということにございます。
これまで地域の方々からは、地域在住職員の顔がわからないとか、市外の職員が増えているとか、職員が地域行事に参加しないなどの御意見もお聞きしているところでございます。また、若手や市外の職員におきましても、地域の実状がわからないことから誤解を生じさせることもあり、市の業務執行においては、地域との連携や信頼関係が何よりも重要であるというふうに考えております。
そこで、地域に顔を出し、地域の実状や御意見などを肌で感じるとともに、いただいた御意見などにスピード感を持って対応することで、市と地域の風通しをよくし、お互いの顔が見える関係を築きたいというふうに考えております。
このように職員派遣につきましては、職員の研修の場としても大きな意味を持っておりまして、地域情報の受発信ができるアンテナの役割につきましては、議員の皆さんの活動ですとか、立場とはやや異なる目的であるということを御理解いただきたいと思います。
また、市役所へは、市民の皆さんから直接、または議員の皆さんを通じて、あるいは職員を通じてなど、いろいろな手段で御意見をいただくところでございますが、いずれの御意見も大切にし、市政に生かすべきものはしっかりと生かしてまいりたいというふうに考えております。
議員の皆様には、これからも市民の代表として、市政全般の大局的な視点からの建設的な御意見をいただくことを御期待申し上げております。
4項目めの行政の組織力向上についての御質問にお答えいたします。
来年の11月で、合併10周年を迎えるわけでございますが、今日までの8年余りの間において、合併の効果を最大限に発揮するため、さまざまな行政改革等が進められたものと認識しております。
こういった努力もありまして、実質公債費比率につきましては、平成23年度には18.5%まで下がり、ピーク時と比較いたしますと約5ポイント減少したことによりまして、健全な財政運営が保たれるようになりました。
また、議員の御指摘のとおり、合併による行政経費の削減効果は、子育て支援センターの増築、預かり保育の拠点施設整備、子どもたちの医療費無料化などの子育て環境の整備などにも還元してきたところであります。
こうした合併後の行革努力によりまして、厳しい財政環境の中ではありますが、現在の行政水準が保たれてきているところでございまして、合併後の歴代の各市長様、それから、関係の皆様方には、心からの敬意と感謝を申し上げたいというふうにお思います。
私も、これらの成果をしっかりと大切にして、合併後3代目の市長として、公約であります「もうひとつ上の“となみ”」を実現できますよう、効率的な市政運営に心がけてまいりたいと考えております。
なお、御質問にありました今回の地方交付税の削減措置に伴う給与削減につきましては、本当に、内容的には本来の姿ではない姿でやらざるを得ないということに対しまして、じくじたる思いがございます。職員各位の協力も得て、ぜひ、その財源もしっかり生かして取り組んでまいりたいということを改めて申し上げたいと思います。
次に、市の組織につきましては、議員の御指摘のとおり、合併から本年の4月までに96名の職員数の削減を行ってきておりまして、また近年は、団塊の世代の大量退職により、世代交代が進んでおります。
一方、地方分権が進む中、これまで以上に市役所の業務が拡大し、また、市民の皆さんのニーズも複雑多岐にわたってきておりまして、市職員として、広範囲かつ専門的な知識が必要となっております。このため、人材育成により一人一人の能力アップを図り、組織活力を高めていくことが不可欠でございます。
そこで、研修計画に基づく各種研修を実施し、職員の意識改革と資質の向上を図っていくということが大切でございます。
今年度も、課長、係長等職階に合わせまして必要なスキルを習得するための職階研修、政策形成能力や行政管理能力を高めるほか、税制や法令実務、住民行政等の専門的な知識の習得を図る特別・専門研修ですとか、中央研修、また、モチベーションアップや人事評価等について、多くの職員を対象とした独自研修等を実施する予定としております。また、職員の派遣交流として、これまで県への職員派遣や災害時相互応援協定及び市民交流協定を締結しております愛知県安城市へ職員を派遣するなど、職員の資質の向上を図ってきたところであります。
議員御提案の民間との交流研修につきましては、職員数の削減により限られた人員の中で厳しい状況にはございますが、職員の意識改革、資質向上に有効な方策と思います。協力をいただけます民間企業との調整など課題もございますが、できるだけ早く実施できるよう前向きに検討していきたいと考えております。
自由民主党砺波市議会議員会を代表しての江守議員の御質問に対しましてのお答えは以上でございます。
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
◯議長(山森文夫君) これより、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
16番 嶋村信之君。
〔16番 嶋村信之君 登壇〕
◯16番(嶋村信之君) 去る4月21日執行されました砺波市議会議員選挙で、このたび4度目の当選をさせていただき、市民の皆様に感謝申し上げます。また、最年長議員としての重責を痛感するとともに、初心を忘れることなく、任期期間中、私のライフワークであります、心豊かな砺波を目指して全力で取り組んでまいりますので、市民の皆様方の温かい御支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
さて、我が国は、急激に進む少子長寿高齢化に対して、本市は、何をすべきなのか、何をしなければならないのか、市民の皆様や議員各位、当局の皆さんと課題を共有し、一歩解決への決意を込め、通告に従い、質問に入らせていただきます。
まず、市長の市政運営について。
夏野市長は、昨年11月に市長職に就任され、6カ月間経過いたしました。毎日の市長の日程を見ても、数多くの公務を遂行されていることを実感するものであります。まさしく日々東奔西走し、市長の職務を実行されていると思います。
そこで、1点目、県職員から市長職についたわけでございますが、何が一番、生活に変化をもたらし、市長職の重責を感じておられるのか、率直な思いを披歴していただきたいと思います。
論語に「先ず其の言を行い、而る後之に従う」とありますが、県内のある市長は、自宅から市役所まで徒歩で登庁し、市役所の周辺のごみを拾う。その姿を見ていた職員が、交代でごみを拾うようになったと仄聞いたしております。このことについて、市長の御所見を賜りたいと思います。
私ごとで恐縮ですが、言うまでもなく私も、駐車場から庁舎に入るまではごみ拾いを実行していることを付言させていただいておきます。
2点目、「もうひとつ上の“となみ”」の考え方について。
昨年の12月議会、市長の初議会で「もうひとつ上の“となみ”」について質問いたしました。答弁は、この砺波の豊かさと暮らしやすさにさらに磨きをかけ、地方都市における発展のモデルになるような、豊かで住みよい、名実ともに人口5万人の活力ある「もうひとつ上の“となみ”」を目指すということでありました。
その中で、今後、ますますそのあり方が重要と考えております。市民と行政の協働ですとか、青年層を中心とした若い世代の活性化に力点を置くなど、各種施策のネットワークをさらに強化したいということでございます。
確かに市長の思いはわかるんですが、まことに僣越ながら、何か大事なことを忘れているのではないでしょうか。地方公務員法第30条「服務の根本基準」にある、「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」とあります。
今回の選挙期間中、また、今日に至るまで、市民との対話や市民相談の中で、残念ながら市職員の対応に疑念を持たざるを得ない場面に遭遇することがありました。二、三の例を申し上げます。
1、道路等の拡幅で、面積の小さい市有地があります。隣接する住民から、除草等を何度も依頼したんですが、一向にらちが明かず、今日に至っており、まだ手だてがされていないとのこと。
2、医療未収金を回収する手続の際、どうして医療費の支払いが滞っているのか、その状況を把握した上で、裁判所からの督促状を出しているのか。
3、不幸にして身体障害者になった方に、市役所の窓口で、障害者のハンドブックを渡されております。その際、職員は、中身を読んでくださいと渡すのではなく、申請者の障害の状況を判断し、適切にアドバイスされているのでしょうか。
4、市営住宅にはエレベーターがありません。そこで、4階に入居している高齢者の方が、車椅子生活になったとき、1階への入居を希望した際、適切に対応されているんでしょうかなど、これらは、いずれも地方公務員法第30条「服務の根本基準」を遵守しなければならない事例かと思います。
「もうひとつ上の“となみ”」を目指す前に、もっと大事なことは、職員一人一人が、市民に寄り添い、市民サイドに立って、どうしたら市民の皆さんに満足してもらえるのか、もろもろの課題を解決することができるのかを考えることが、職務を遂行していく上で最も肝要であると思います。囲碁の世界では、27手先を読むと言われておりますが、職員は、市民に対して、せめて1手先を読み取って行動していただきたいと思います。市長の御所見を賜りたいと思います。
人には口は1つですが、両手両足が備わっていることが、まずは行動、その大切さをあらわしていると思います。
次に、笑顔があふれるまちづくりについてお尋ねいたします。
1点目、健康づくり、アクティブエイジングについて。
WHOの指摘を紹介しながら、今後の行政対応についてお尋ねいたします。
WHOは、アクティブエイジングという考え方を提唱しております。アクティブエイジングは、活力ある高齢化とも訳されますが、高齢者は扶養されるべきとの旧来の発想から、高齢者が健康寿命を延ばし、長年にわたって培ってきた知識、経験を活用し、継続的に社会に参加していくことを目指すものです。シルバー人材センター事業などもその一例であるかと思います。
高齢化の進展に対して、行政が何よりもおそれていることは、恐らく医療費と社会保障費が膨れ上がって、手に負えなくなることではないでしょうか。この点について、WHOは、アクティブエイジングを推進する政策の経済的理由、つまり健康増進と疾病予防の財政的効果を提示しております。なぜならば、高齢者の病気の予防に失敗すると、人間的、社会的コストは膨大なものとなり、他の年齢層の健康問題への対応に使われるべきはずだった資源を過度に消耗することになってしまうからであります。
具体的に申し上げれば、例えば適度な運動を促す方策に1ドルを投資すれば、3.2ドルの医療費の削減につながると試算されております。これはアメリカ疾病対策センターの報告であります。また、インフルエンザの予防接種を高齢者に行うと、予防接種の費用1ドルで、治療費30~60ドルが節約されると試算されております。これはアメリカ保健社会福祉省の調査結果であります。
こうした経済的視点を踏まえた上で、本市の行政として、高齢者施策、福祉施策をどのように行えばいいのか。
WHOの指摘を見ますと、1、健康増進と介護予防について、定期的に適度な運動を行えば、機能低下を遅らせることができるにもかかわらず、大部分の高齢者は、座って暮らしていることが多い。行政はもっと、高齢者が歳をとっても活動的になるように施策やプログラムで支援すべきであると指摘しております。
全国的に見ますと、運動習慣のある高齢者は3人に一人を超えていますが、逆に言えば、3人に2人近くは運動習慣がないということになります。活動的でない方々の生活習慣を調査すると、課題とともに必要な支援や施策が見えてまいります。この点について、本市はどのように把握され、どのような対策をお考えなんでしょうか。
また、高齢者の運動習慣の改善について、目標を設定することも重要ではないでしょうか。
この点、WHOは具体的に行政が支援する項目として、高齢者が、自分たちで健康づくりや地域社会の活動グループをつくることやその指導者を養成することを支援するように、そして、高齢者が何もしないよりも、何かするように地域でアドバイスをする専門家を養成したり、増やすようにしなければならないとしています。
また、高齢者が動くことや歩くことを助ける身体リハビリテーションプログラムはとても効果的で、費用対効果も高いのですから、これを充実するようになどの点も指摘をされておりますが、こうした指摘について、本市では今、何が不足して、今後、どのように充実しなきゃならんのでしょうか、お示しください。
2、疾病予防について。
大きくは健康診断の推進と生活習慣の改善の2項目について、疾病ごとにお聞きすべきでしょうが、ここでは、3大死因であるがん、心疾患、脳血管疾患について現状、不十分だと考えている事業について、今後、どのように推進をし、改善に取り組むのか、お示しください。また、このところクローズアップされてまいりました認知症についても、ケアのあり方にとどまらず、予防についても対策を講じる必要があると思われますので、以下のことについてお伺いいたします。
日本の場合、平均寿命は世界一、さらに身体機能から見た健康寿命も世界一長い。ところが精神機能から見ますと、平均余命に占める認知症にかかる期間は世界一長いわけであります。
認知症には、アルツハイマー型のものと脳血管性のものがありますが、日本では、脳血管性認知症が多いとのことであります。脳血管性認知症の発症年齢はアルツハイマー型よりも高齢のため、我が国では、高齢者の認知症が多くなっております。
しかし、一方、脳血管性認知症は、検診や生活習慣指導によって予防することが可能であることも知られております。本市としても、予防対策として、健康教育や生活習慣改善への取り組みを加速する必要があると思いますが、この点、いかがでしょうか。
3、予防接種について。
まず、任意の予防接種への自治体の助成が増えているようですが、状況をお示しください。
次に、財政面での予防接種を行う効果の試算や接種による財政への影響の実例など、国や他市の事例がありましたら、お示しください。
そして、予防接種で予防可能な病気について、本市が治療に支払っている医療費の総額と接種率が増加した場合の試算など、具体的に研究する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
4、高齢者にやさしい、安全な環境。
交通において、高齢の歩行者を保護し、歩行を安全なものにし、転倒防止プログラムを実施し、安全についてのアドバイスを提供することによって負傷を防止するとがあります。具体的には、安全に散歩できる場所を提供すること、他にも照明を増やして、歩きやすくした道路、道路を横断する時間を充分にとった信号機などが示されております。
私は、今後の施策においては、まず、高齢者が何を不満に思っているかを知ることから始めるべきだと思います。連合町内会や老人会、地域包括支援センターや民生委員、医療、介護事業所、職員のOBなど、情報をいただける先は数多くあると思いますが、いかがでしょうか。
また、この項に限らず、運動習慣のない方なども、広くは高齢者標準を考える上でしっかりとしたマーケティングが必要ではないでしょうか。市として、幅広く高齢者アンケートをしてはいかがでしょうか。
5、介護する人への待遇の支援について。
介護ケアの多くは、在宅で介護を行う家族が提供しているが、財源の多くは施設でのケアに割り当てられているとの指摘があります。
在宅で介護しておられる家族などは、高齢の方が多いし、社会的に孤立したり、経済的に不利な状況に置かれている上に、介護している人自身が問題を抱えているといった状況であります。もっと行政はニーズに耳を傾け、支援をしていく必要があります。本市における在宅介護への支援について、どのような課題があり、今後、どのように支援を強化していくのでしょうか。
また、ショートステイは、介護する人の負担軽減に有効な支援の一つですが、急な場合だけでなく、通常でも予約がとりにくい状況です。利用状況やキャパシティーについて、どう実態を把握され、どう認識をされているのでしょうか。また、今後、どのくらいのショートベットを増やす政策誘導をお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
6、小規模多機能型居宅介護について。
私は、今後、間違いなく高齢者介護施策の中心に据えなければならなくなってくると思っております。本市として、今後の整備の進め方をどのように考えておられるのか、後発のサービス事業であるため、ケアマネジャーや市民への浸透が遅れている点をどのように改善するのか、お示しください。
2点目、障害者の自立、就労支援のあり方について、障害者優先調達推進法の施行に当たって。
障害者優先調達推進法が昨年6月に成立し、本年4月から施行されました。
同法は、国と独立行政法人に対して、障害者が就労施設でつくった製品の購入や清掃などの業務委託を優先的に行うように義務づけるとともに、地方公共団体に対しても、障害者施設の受注機会の増大を図るように努めることを求めております。
現在、国などが商品の購入や業務委託をする際は、競争入札による契約が原則になっており、民間企業に比べ、競争力の弱い障害者就労施設が契約することは難しいのが実情であります。また、施設や自宅で働く障害者が増える一方、景気の低迷により民間企業からの仕事の依頼が減少しており、さらに障害者施設への発注が不安定なため、国からの安定した仕事を求める声が高まっております。
この法律によって、自治体には、障害者就労施設等の受注機会の増大を図るための必要な措置を講じる努力義務が課されております。それを実行あるものにするために、1、物品の調達目標を定めた調達方針を策定し、公表しなければならず、2、その方針に即して、調達を実施し、3、調達実績を取りまとめて公表することが求められております。
本市の現状と今後の取り組み及び課題についてお答えください。
日本国憲法では、基本的人権の尊重が明記されております。市民が主体者です。このことを踏まえて、「もうひとつ上の“となみ”」のため、市長並びに関係部長の答弁を求め、終わります。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 嶋村議員から、いろいろ難しい古典などを引用されましての御質問ですが、まず、私から、1項目めの市長の職についての御質問にお答えいたします。
おかげさまで、議員各位を初め、大変多くの皆さんに御支持をいただきまして、私が市長に就任いたしましてから、はや6カ月余りが経過いたしました。この間、皆さんの御期待に応えるべく全力で公務に取り組んできたつもりでございまして、あっという間に時間が過ぎてしまったというのが率直な感想でございます。
1年前の今ごろというのは、こうした今の自らの姿を夢想だにしていなかったところでございますから、何が一番、変化したかとの御質問でありますが、これまでの、そして、これからの私の人生の全てが劇的に変化をしたということでございまして、1つに絞ってお答えするというのは、なかなか難しいということについて御理解をお願いしたいと思います。それほど、変わりました。
そうした中で、県の部局長というのもなかなか重い職責ではあったわけでございますが、公選職であります市長という職の重みをひしひしと日々感じているところでありまして、正直なところ、就任当初よりも一層その感が強くなっているというのが実感でございます。今後とも、皆さんの負託に応えるべく、職員の先頭に立って職務に精励してまいる所存でありますので、よろしくお願いいたします。
次に、県内のある市長さんのことについての御所見をとの御質問でありますが、私が、そのことに対しまして何か申し上げるという立場にはございませんので、直接のコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、ほとんどの砺波市の職員は、市長がごみ拾いを率先してやらなくても、自主的にごみを拾うぐらいのことが当たり前になっております。当たり前のことというのはニュースになりません。
例えばきのうの日曜日ですが、となみ夜高祭りの翌日であります。多くの市民ですとか、中学生などと一緒にごみ集めと清掃に取り組んでおります砺波市の多くの職員を見ました。そのようなところも改めて認識していただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、2点目の「もうひとつ上の“となみ”」に関しまして、嶋村議員の市民との対話や相談の中から事例を挙げての御質問でございます。
職員の対応につきまして不満を持たれた方がおられたということにつきましては、相談者の理解を得られるよう、より丁寧な対応をするよう、御指摘の点も含めて改めて改善を指導してまいりたいと考えております。
言うまでもなく、市民一人一人には、個別の事情がありまして、それらをお聞きしながら市民の皆さんに満足していただける対応をしていくことが基本ではありますが、一方では、個々の法令等に基づいた公平で、公正な対応をするということも、市民全体の奉仕者である市職員のとるべき姿勢であるというふうに考えております。
おっしゃるとおり、職員は、地方公務員として、地方公務員法第30条の服務の根本基準を遵守することは当然でありまして、今後とも公共の利益のために、市民の立場に立ちながら、適切、また、公正に職務を遂行していくよう確認してまいります。
なお、今回いろいろ挙げられました個々の事例につきましては、事実関係について誤解があるのではないかと思われるものもあります。また、個人情報に関する部分もありまして個別にはお答えいたしませんが、嶋村議員から、例えば担当部局に事実関係の確認がなかったものもございます。やはり、このように一方的な立場から議会質問されるということにつきましては甚だ遺憾だというふうに思いますし、いわんや、地方公務員法の30条を引用されるのはいかがなものかと存じます。
私からは以上、答弁とさせていただきまして、その他につきましては、担当部局からお答えさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 川原國昭君。
〔福祉市民部長 川原國昭君 登壇〕
◯福祉市民部長(川原國昭君) 私からは、2項目め、笑顔があふれるまちづくりについて、多くの御質問にお答えいたしたいと思います。
まず、1点目の健康づくりについてのうち、アの健康増進と介護予防についての御質問につきましては、定期的な運動習慣を持つことは、身体機能の低下を防止するとともに、認知症の予防にも効果があるとされております。
高齢者の運動習慣の把握方法につきましては、特定健康診査における質問票や生活機能評価のチェック表により把握できるものとなっております。
例えば、質問票の1回30分を超える運動を週2回以上、1年以上継続、あるいは日常生活において、歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施している高齢者の割合は、回答者の3割程度となっております。また、生活機能評価のチェック項目で、転倒に対する不安など身体機能の低下が見られる高齢者の割合は、回答者の15.8%となっております。
これを受けまして、市では、運動習慣の見られない高齢者に対しましては、いっぷく体操やいきいき元気教室などの介護予防教室、庄川健康プラザや各体育施設などで開催される軽スポーツ教室などに、参加を呼びかけております。
今後におきましては、健康プラン21(第2次)に設定しました、さらなる運動習慣の目標に向けた取り組み、生活機能評価の受診勧奨を図ることでの予防事業対象者の掘り起こし、参加しやすい事業内容への見直し、参加率の向上などに対し、引き続き重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、1点目のうち、イの疾病予防についての御質問につきましては、がん、心疾患、脳血管疾患は、依然として日本人の死亡原因の主要を占めており、脳血管性の認知症とともに、生活習慣に起因する疾病となっております。
このことから、働く世代の生活習慣病の発症予防や重症化予防に取り組むことを健康プラン21(第2次)においても、主要施策の一つに掲げております。
まず、がん対策としましては、1点目に、がんに対する正しい知識やがんにかからないための生活習慣づくり、2点目に、早期発見、早期治療につながる、がん検診や特定健康診査などの受診率向上、3点目に、肝炎ウイルス検査などの検査率の向上を重点的に掲げて、取り組んでまいります。
脳血管疾患や心疾患などの循環器疾患に対しましては、1点目に、特定健康診査、特定保健指導率の向上、2点目に、減塩の推進を重点に掲げ、取り組んでまいります。
また、議員御指摘の脳血管性認知症やアルツハイマー病は、動脈硬化により進行することが知られており、この早期発見、早期治療のために取り組んでまいります。
なお、糖尿病や高血圧などの疾病をコントロールするため、かかりつけ医を持つことを推奨すること、糖尿病専門医の協力のもとに糖尿病予防教室の開催などに取り組んでまいりたいと存じます。
次に、1点目のうち、ウの予防接種についての御質問につきましては、任意の予防接種については、被接種者と接種医が相談の上、実施されるものであります。
任意の予防接種に対する自治体助成の調査につきましては、国が平成22年3月に実施しており、成人用肺炎球菌では、18.8%の自治体が助成をしております。
また、当市では、平成23年度から、インフルエンザ予防接種について、定期予防接種の対象外となる接種時年齢が64歳の方で、接種年度内に65歳に到達される方に対しましては、任意接種となるものを、定期予防接種対象者と同様な助成をしており、このような措置は、県内では当市のみが行っているものであります。
なお、当市の助成を除きまして、任意の予防接種に対する助成は、県内市町村では例はございません。
次に、財政面での予防接種の効果の試算等を示すようにとのことでございますが、国の厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会が提出した資料によりますと、成人用肺炎球菌で5,120億円という数値が示され、接種費用のほうが安くなるとの例示がありますが、評価指標の一つとして理解されるものと考えております。
次に、接種率と医療費総額との関係について、市における研究についてでございますが、あくまでも予防接種体制は、国の枠組みで実施されるものであると考えており、現在、国では、成人用肺炎球菌ワクチンを含む一部の任意予防接種の定期接種化について、今年度末までにその結論が出せるよう進めておりますので、市といたしましては、その結果を踏まえ、予防接種体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、1点目のうち、エの高齢者にやさしい安全な環境についての御質問につきましては、議員御発言のとおり、安全な道路交通環境の整備に際しましては、道路を利用する人の視点を生かすことが大変重要だと考えております。
とりわけ、昨年1年間に県内で発生した交通死亡事故のうち、65歳以上の方は21名で、全体の44.7%であり、そのうち歩行中の事故は12名と、その半数以上を占めているなど、高齢化社会を見据えた交通環境の整備は不可欠であると考えております。
御提案のように、各種団体を対象に幅広くアンケートを行うのも一考だとは思いますが、市としては、それにこだわらず、先ほど例示いただきました地区自治振興会や老人クラブなど、多くのところから十分に御意見を賜ることにしているものでありまして、今後とも、砺波市老人クラブ連合会などが中心となって開催される高齢者を対象とした生きがい事業や各種の行事など、さまざまな機会で引き続き幅広く御意見を伺ってまいりたいと存じます。
次に、1点目のうち、オの介護する人への待遇支援についての御質問につきましては、平成23年度に市で行った実態調査によりますと、在宅介護の状況としまして、介護者の平均年齢は65歳、介護期間は平均約5年となっているほか、介護の負担感を、やや困難と答えた人が介護者全体の半数となっており、状況が伺えております。
このため、市では、在宅での介護を支援するため、在宅要介護高齢者福祉金支給事業を初め、おむつ支給事業、軽度生活援助事業、緊急通報体制等整備事業などを提供するほか、社会福祉協議会や在宅介護支援センターにおいて、家族介護者教室を開催し、介護者相談や介護方法の習得、介護者同士の交流などを実施しております。
また、在宅での介護者の負担を軽減する介護サービスの導入に取り組んでおります。
次に、ショートステイの利用状況につきましては、2カ所の特別養護老人ホームの併設施設の稼働率は約80%程度であり、他市の施設を利用されている方は、利用者の4割程度となっております。
この増床につきましては、利用状況の推移、介護給付費、あるいは保険料の上昇を見込み、介護サービス事業者の参入動向などを勘案しながら検討してまいりたいと考えております。
次に、1点目のうち、カの小規模多機能型居宅介護についての御質問につきましては、市では、小規模多機能型居宅介護施設は、在宅介護を支えるサービスとして、第5期介護保険事業計画終了時までに、5カ所の日常生活圏域ごとに各1カ所ずつ計画しております。現在状況としましては、建設中のものを含めて2施設であり、提案中の補正予算による1カ所を加えますと、3カ所となるものでございます。
今後とも、空き家の活用による小規模多機能型居宅介護や富山型デイサービスの整備など、積極的に対応してまいりたいと考えております。
また、整備された施設が利用されるようパンフレットや介護事業者との会議などで紹介しておりますが、今後とも、あらゆる機会を通じまして、市民の皆さんに周知してまいりたいと考えております。
最後に、2項目めのうち、2点目の障害者の自立、就労支援の取り組みについての御質問にお答えをいたします。
障害者優先調達法は、議員御発言のとおり、本年4月1日に施行されましたが、法施行に伴います国の基本方針が4月に、また、留意事項が5月に入ってから示されたばかりであり、これを受けて、調達方針の検討を始めたところであります。
現在、県を含めた県内市町村においても、当市と同様に、これから調達方針の策定に向けた作業を進めていくと伺っております。当市といたしましても、昨年の6月議会でもお答えいたしましたが、市内各施設の商品の製造能力や商品の品ぞろえ等が発注者のニーズに合わないといった課題もあることから、施設の作業能力等を念頭に、県の調達方針なども参考にしながら、庁内関係部署で連携し、早期の調達方針の策定に向け、作業を進めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 12番 今藤久之君。
〔12番 今藤久之君 登壇〕
◯12番(今藤久之君) 発言の許可をいただきましたので、質問通告書に従い、市政一般に関する質問と若干の意見を述べさせていただきます。
まず、大きい項目の1点目、市民の健康に関してお尋ねいたします。
国民の健康増進の総合的な推進を図る、健康日本21(第2次)は、ライフステージに応じ、健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を実現し、結果として、社会保障制度が持続可能となるよう、以下、5つの基本的な事項を定めております。
健康寿命の延伸と健康格差の縮小、生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底、社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上、健康を支え、守るための社会環境の整備、栄養・食生活、身体活動、運動、休養、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康に関する生活習慣及び社会環境の改善です。
また、計画年度を平成25年度から平成34年度までとしているものです。
この政策を受け、地方計画ということで、県では、富山県健康増進計画(第2次)を、砺波市においては、砺波市健康プラン21(第2次)を策定したもので、本定例会初日の全員協議会でも、その概要について説明のあったところです。
砺波市健康プラン21では、健康寿命の延伸と生活の質の向上を基本目標としており、平成23年9月の市民意識調査の実施から始まり、本年3月の策定委員会まで、1年半をかけての策定とお聞きしています。
さて、砺波市の現状ですが、まず第1に、高齢者の人口割合増加があります。
国立社会保障・人口問題研究所によりますと、砺波市では、65歳以上の割合が、2010年には24.6%でありましたが、2025年には31.7%、2040年には36.7%となる推計がなされています。同様に75歳以上の人口割合においても、2010年には13.5%であったものが、2025年には19.4%、2040年には21・6%と推計されています。改めて高齢化が進んでいく速度に驚きを感じます。
第2に、死亡原因の上位をがん、心疾患、脳血管疾患、肺炎が占めていること。
多少の順位変動はありますが、10年以上、この傾向は変わっておりません。
第3に、介護保険の要介護認定者が増加していること。
平成18年度に制度改正があり、単純な比較はできないものの、平成14年3月末に1,371人であった要介護認定者が、平成24年3月末には2,243人に増加しています。
第4に、国民健康保険加入者の1人当たりの医療費が上昇していること。
全国平均と比較すると低いレベルではありますが、平成19年以降は年々増加をしています。高齢化が進むことにより、年々増大する社会保障費ですが、年金、福祉に関しては削減が困難であろうと考えられます。病気にならないように予防することで、介護費や医療費の伸びを抑制するという考えには賛同できますし、何よりも平均寿命と健康寿命との差を圧縮していくのは正しい方向だと考えます。
また、健康は、どの年代であってもかけがえのないものであり、それぞれの項目にある目標値が達成されることを願うものです。
そこで、まず最初に、この砺波市健康プラン21(第2次)の特徴についてお聞かせいただきたいと思います。
次に、ロコモティブシンドロームについてお尋ねいたします。
あらゆるライフステージにおいて健康が大切であると申し上げましたが、特に高齢者にとっては、加齢により筋力が低下したり、関節等に疾患が出たり、骨粗鬆症などで運動機能が低下するといった理由から、日常生活に支障が生じる危惧があります。日常生活で人や道具の助けが必要な状態、あるいはその一歩手前の状態をロコモティブシンドロームというそうです。
今回のこのプランでも、ロコモティブシンドロームを知っている者の割合を80%にする目標が掲げられております。
また、ダイジェスト版においては、高齢期の健康保持を図るため、新たにロコモティブシンドローム予防に取り組むともあります。このことは大きな意味があると考えるものです。
そこで、ロコモティブシンドローム予防への具体的な取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
次に、健康診断についてお尋ねいたします。
何事であっても、早期の段階で手を打つことは重要であろうと思います。健康についても同様であり、健康維持のためには、早期の段階で病気やその兆候を発見し、手遅れになることなく、治療を受けることが必要です。そのためにも定期的に健康診断を受けることは大切であり、今回の砺波市健康プラン21(第2次)においても、健康診断の受診状況や胃がん、肺がんなど各種がん検診受診率と特定健康診査受診率の目標値が挙げられています。生活習慣病の発症予防と重症化の予防には、定期的な健康診断の受診が有効であり、必要であるのは誰もが理解をするところです。
しかしながら、健康診断を本当に必要とする働く世代にとって、多忙な日々の生活の中で、わかってはいるのだけれども、なかなか受診の機会がないと敷居の高いものになっているのが現実ではないでしょうか。
目標値達成のため、受診率向上へ向け、どのように取り組んでいかれるのか、答弁をお願いいたします。
次に、感染症に対するワクチン接種についてお尋ねいたします。
新聞報道によりますと、今年は、5月中旬以降も、季節外れのインフルエンザの流行が続いているとのことで、富山県では、2013年第20週である5月13日から19日の1機関当たりの平均患者数は6.69人となっており、都道府県別で全国最多の患者数となったとあります。
また、国の動向調査によりますと、平成25年の全国の風疹報告数が、昨年同期と比較して20倍以上になっているとのことです。5月現在、関西や首都圏を中心に大流行中で、4月には、神奈川県が風疹流行による非常事態宣言を、5月には、大阪府が風疹流行緊急事態宣言を発したとの報道もあったところです。風疹はウイルスによって起こる急性の発疹性感染症であり、妊娠初期の女性が風疹に罹患すると、赤ちゃんにも感染し、先天性風疹症候群になってしまうおそれがあるものです。
風疹は予防接種で予防できる感染症であり、水痘や麻疹と比較して伝染力も弱いはずであるのに、なぜ、このような大流行になるのか、不思議に感じておりました。このことは、感染者の年齢に違いがあると理解をいたしました。
従来の感染者の多くは主に10歳未満の子どもであったのに対し、近年は、その多くが成人男性になってきているとのことです。これは、ワクチン接種の制度変更による影響があるものと考えられます。現在34歳から51歳までの世代では、子どものころの接種対象者は女性だけでした。また、現在23歳から33歳までの世代では、男女とも接種対象者であったのですが、それにもかかわらず感染者が多いのは、1980年代から90年代にかけて、ワクチン行政の大転換があったからだと考えられます。
ワクチン接種の副反応による健康被害があり、義務であった予防接種が個人の判断での予防接種へと法改正があったことから、結果として、接種率が下がったことが原因と思われるからです。
欧米諸国では、予防接種を徹底することで社会全体の免疫力をレベルアップを図り、個人だけではなく、社会を感染から守る考えであるようです。実際におたふくかぜ、水痘、B型肝炎、肺炎球菌など、日本では任意接種であるのに対して、欧米諸国では、公費負担で行っているそうです。
さて、風疹の予防接種ですが、妊娠予定のある女性だけではなく、風疹の予防接種を受けていない人、風疹の罹患歴のない人、不明の人、大人も含め家族での接種喚起が必要と思われます。
先ほどの健康診断ではありませんが、働く世代にとっては、時間に加え、経済的にもさらにハードルの高いものであるのかもしれませんが、必要であれば、接種喚起に加え、一定の補助を検討してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
本定例会初日の市長提案理由説明の中に、定期予防接種事業については、今年度から全ての予防接種を個別接種体制に変更しているとありました。家庭の持つ責任が重くなることと提案理由説明でもありましたように、一層の接種勧奨が必要になると感じました。
また、将来的に病診連携で、電子カルテの共有もあるのであれば、砺波市では、個人の医療情報として、一人一人のワクチン接種履歴の情報も項目に入れられないものかと考えます。きちっと整理された情報は、個人にとってはもちろんのこと、社会にとっても大きな恩恵があると考えます。このことも含め、感染症に対するワクチン接種について考えをお聞かせいただきたいと思います。
次に、市立砺波総合病院についてお尋ねいたします。
平成21年3月に市立砺波総合病院改革プラン策定以来、病院事業会計は概ね順調な推移を示しているのではないかと思っております。医療制度の変更や、不採算部門であっても地域医療の安心・安全の担い手として、公共性の高い自治体病院の役割も果たす必要があることなど、さまざまな要因を考慮すれば、全体的な経営努力に対しては一定の評価をさせていただきたいと考えます。
以前にお聞きした時点では、昨年10月ころまでは、病床利用率の落ち込みがあり、また、患者数の減少もあることから、赤字決算となることが危惧されるとのことでした。
そこで、まず、平成24年度の病院事業会計決算見込みについて、あわせて、その理由についても答弁いただきたいと思います。
続いて医療連携についてお尋ねいたします。
高齢化社会が進み、疾病の内容も大きく変化してきているのではないかと考えます。これまでの急性期疾患対応から、加齢により生じる慢性期疾患対応へのシフトが必要となってきているのではないかと思われます。
急性期疾患のように治癒に至るのか、死亡に至るのかという短期決戦型の疾患ではなく、治癒にも至らないが、死亡にも至らないという高齢者特有の疾病である長期にわたる疾患が驚異的に増加する。このことが病院完結型医療における限界の根本的な理由ではないかと考えます。有限である医療資源をフルに活用するためには、医療圏内のそれぞれの医療施設が役割を分担し、連携することが必要で、それにより地域医療の安全・安心が守られるのではないかと考えます。
病床のケアミックス化や地域連携クリティカルパスの導入など、患者の医療ステージに応じた砺波医療圏として、あるいは最初の一歩、手始めとして、砺波市内での医療機関連携の理念についてお聞かせいただきたいと思います。
大きい項目の2点目、観光施策についてお尋ねいたします。
2013となみチューリップフェアが、「心をつなぐ 愛の花」をテーマに、4月23日から5月6日までの14日間開催されました。
今年は、富山県置県130周年記念でもあり、期間中にフラワー都市交流連絡協議会・砺波市総会が開催されるなど、県内外からの方々にも花を添えていただきました。
昨年と比較して会期が2日間長かったのですが、本年は、少し雨の日が目立ったことを考慮すれば、入場者数が1万2,000人増の31万人という結果はまずまずであったのではないかと感じております。
個人的には、A3判の、折り畳んでA6サイズになっているパンフレットが秀逸であると思いました。凝縮されたフェア情報に加え、来場記念スタンプを押すスペースやスマートフォンを利用した紙面以外の情報提供のためのQRコードもあり、持ち運びよさも魅力の一つでした。会場でも役立ち、帰宅後も、思い出の品として写真とともにアルバムなどに残しておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
砺波市の一大イベントであるチューリップフェアですが、本年の総括と次年度の運営方針についてお聞かせいただきたいと思います。
最後に、北陸新幹線開業に伴う集客についてお尋ねいたします。
観光のさまざまな施策が展開される中、特に大きな変化が予想されるものに北陸新幹線の開業があります。平成27年春に開業予定とされているので、あと2年を切ったところです。
観光振興戦略アクションプランによりますと、北陸新幹線との交通アクセス向上のための2次交通網の整備や誘客を図るための観光案内板等の設置も予定されているようです。この機会を捉え、今後は中京圏だけではなく、関東圏との新たな都市交流や観光面での地域間競争で遅れをとることのないように、しっかりとした施策を展開する必要があると考えます。このことについての答弁をお願いいたしまして、今回の質問を終えさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 今藤議員の御質問にお答えいたします。
私からは、まず、2項目めのうち1点目、2013となみチューリップフェアについての御質問にお答えいたします。
今年のチューリップフェアは、「心をつなぐ 愛の花」をテーマに、4月23日から5月6日までの14日間にわたり開催いたしました。4月28日、5月4日には、最高の5万人の来場者を記録するなど、期間中を通じまして、ほぼ天候に恵まれ、目標の30万人を超える31万人の入場者でにぎわいました。
私も、市長になりまして、目標が減ったらどうしようかと思っておりましたが、おかげさまで目標数を超え、また、非常に花の状態もよかったといういいお話もお聞きすることができ、本当にうれしく思っております。
花壇につきましては、生産者紹介花壇、愛のパワースポット花壇などを新設いたしましたほか、生産者の御協力によりまして、フェア特設会場として会場周辺に1.2ヘクタールのチューリップ畑を設けることができ、色鮮やかなチューリップを入場者にごらんいただくことができました。また、サテライト会場におきましても、現地での栽培の姿をじかに見ていただくなど、本当に効果がある形で展示していただいたことを感謝申し上げたいと思います。
交通につきましても、庄西中学校グラウンド、出町中学校グラウンド、それから、市立砺波総合病院の駐車場へ早目に車両を誘導することによりまして、大きな渋滞を引き起こすことはなく、ほぼ円滑な交通誘導を実施することができました。
JR城端線の活性化対策として、チューリップフェア期間中、JR城端線を利用してフェア会場にお越しになる方に、フェア入場料を300円割引する割引券を発行いたしましたが、期間中、約3,000人の方が御利用になりました。JR城端線の利用者増加とフェア入場者の増加の相乗効果が一定程度見られたのではなかろうかというふうに思っております。
飲食につきましても、となみ野弁当ですとか、新たに開発いたしましたとなみのよごっちは連日完売で、大変な人気でございました。また、物販・飲食エリアでは、市内の飲食店業者の方に御協力いただきまして、来場者へ砺波や富山県内のグルメを堪能していただいたところでございます。
また、会期中及び会期前もでございますが、市内の小学生から高齢者、各種団体、市内の企業など延べ約4,000人以上の市民ボランティアの方々に、会場の清掃や花の装飾、さらには会場運営などの御協力をいただき、市民一人一ボランティアによりますおもてなしの心で、多くの来場者をお迎えしたところでございます。
次年度の対応につきましては、まだ、今年のフェアが終わったばかりでございまして、具体的に決まっていないものもございますが、例えば現在の500品種の品種数をさらに増やすことができないかということで、より花の展示を充実させることができないか、また、市民参加の行事をもっと推進することができないか、また、今ほどもありましたが、スマートアプリなどICT技術の一層の活用を推進できないか、また、本年に引き続きチューリップ球根の生産地であるということをさらにアピールし、重点を置きながら、来年は、合併10周年の記念のイベントという形で位置づけて、より親しまれるように、新たな魅力の創出に向けて、しっかりと知恵を出しまして、関係先と十分協議、検討してまいりたいというふうに考えております。
次に、2点目の北陸新幹線開業に伴う観光戦略につきましてお答えいたします。
今藤議員御指摘のとおり、北陸新幹線の県内駅の名称が決定するなど、北陸新幹線の開業が再来年の春ということでございまして、近づいてまいりました。
砺波市観光振興戦略プランでは、基本テーマを、通年型・滞在型観光交流を目指してということで、平成21年度の観光入り込み客総数を平成27年度までに10%増やして、180万人を目指すということにしております。
また、新幹線の開業による最も大きな変化は、首都圏、関東圏からの入り込みでありますことから、本プランの推進に当たり、効率を高めるため、首都圏へのメーンターゲットを60代の女性に絞った計画として進めてきております。
例えば本プランに基づく観光施策としましては、まず、いわゆる富裕層をターゲットとして、平成24年度に東京の恵比寿三越で実施いたしましたチューリップ球根の販売促進イベントなどをさらに充実させて、本市の、砺波市の知名度向上による来訪の促進や、もちろんチューリップ球根などの特産品販売促進を図りたいというふうに考えております。あわせて広く女性層に対して、県やほかの市とも連携しながら、全国的な旅行雑誌などを活用して、本市の魅力的な資源を全国に発信することにより誘客増加を図ってまいりたいと考えております。
一方、首都圏の誘客推進に基づきます受け入れ体制につきましては、県や、近隣の市とも連携しながら、観光資源相互が持ちます強みを生かした広域的なネットワークを図ることで、地域全体のさらなる魅力向上を図ることが必要であります。
そのため、通年型・滞在型観光の推進に向けた取り組みを行いますが、その中で、食を含めました本市の魅力をしっかりとアピールいたしますとともに、受け入れ体制の充実をさらに図ってまいりたいというふうに考えております。市内の旅館・ホテル組合の方々ともお話をしておりますが、こういう中で、砺波市で、どのような観光振興、お客さまに満足いただけるかということについて、ともに考えていかなくてはいけないというふうに考えております。
私からは以上でございます。他の質問につきましては、病院長並びに関係部局長からお答えをさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
病院長 伊東正太郎君。
〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
◯病院長(伊東正太郎君) 私からは、今藤議員の1項目めの市民の健康についての御質問のうち、3点目の市立砺波総合病院について、(イ)医療連携の御質問にお答えいたします。
砺波医療圏、特に砺波市内には、他の地域にはない専門分野の診療所が多数あります。これらの診療所と連携を進めることは、質の高い医療を効率的に提供することにつながると考えております。
そこで、市立砺波総合病院の一病院完結型医療ではなく、地域の医療機能の適切な分化、連携を進め、急性期から回復期、慢性期を経て在宅医療への切れ目のない地域完結型医療を進める必要があると考えております。
そのため、日ごろから当院の地域医療連携室を通じて病病連携、病診連携を行っておりますが、さらに連携を深めるために、診療所の先生方や市内各々の医療機関等の間で直接顔を合わせて、意見を交換することが大切と考えております。
そのような場において、1、後方病院への転院や在宅医療への移行をスムーズに図ることなど、2、それぞれの医療機関での受け入れ体制について、3、前方連携、後方連携についての問題点や日ごろ感じていることなどについて、意見を交換することが重要であると考えております。
そのため、それらを協議する場として、市立砺波総合病院と砺波医師会の先生、在宅支援診療所、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、居宅介護支援事業所、介護老人福祉施設や訪問看護ステーションなどの職員で構成する砺波市医療連携協議会を組織し、去る6月4日に1回目の協議会を行ったところであります。
今後は、この協議会を時宜に応じて開催し、患者さんの個々の病態の変化、状況に応じて適切な医療を受けられるよう、砺波市内での地域連携のシステムをつくり上げていく所存であります。
私からは以上であります。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 川原國昭君。
〔福祉市民部長 川原國昭君 登壇〕
◯福祉市民部長(川原國昭君) 私からは、1項目めのうち、2点の御質問にお答えします。
まず、1点目の砺波市健康プラン21(第2次)についての御質問のうち、アのプランの特徴についての御質問につきましては、今回のプランは、国の健康日本21(第2次)の地方計画として位置づけられ、基本目標として、いつまでも元気に過ごし、平均寿命との差を縮める健康寿命の延伸とともに、より多くの人の身体機能の維持を図る生活の質の向上を掲げております。
具体的には、健康寿命の延伸では、これを阻害する主要要因を減らすため、働く世代の生活習慣病の発症予防や重症化予防を進め、ライフステージに応じた取り組みを図ってまいります。特に働く世代には、がん、糖尿病、循環器疾患、ロコモティブシンドローム、COPD、慢性閉塞性肺疾患のことですが、この取り組みを積極的に進め、次世代の健康づくりとしては、低体重の出産児対策を推進するものとなっております。
また、健康づくりは、市民一人一人が、自らの健康観に基づき主体的に行うものですが、これとあわせて、地域社会の力により個々の生活習慣の改善を図る環境づくりが重要となっております。
このため、本市の特徴である地域の強い絆を生かし、ヘルスボランティアなど健康づくり団体、商工団体を初めとする企業、事業所、市立砺波総合病院を中心とした医療機関などと連携を深め、健康づくりに対する協働意識の醸成に努めていくものとなっております。
次に、イの具体的なロコモティブシンドローム予防への取り組みについての御質問につきましては、今回、新たな取り組みとして、プランに打ち出しましたロコモティブシンドローム、つまり運動器症候群のことでございますが、このような状態に陥りますと日常生活に支障を来すばかりでなく、要介護、さらには寝たきりの状態に移行しやすくなります。
本市の平成24年度の新規の要介護認定の要因を見ますと、骨折、骨関節疾患で申請された方は4人に一人となっております。つきましては、ロコモティブシンドロームに対する認識の浸透と効果的な予防対策が求められております。
このため定期的な運動習慣を身につけることが重要であり、市といたしましても、介護予防事業の1次予防事業として、庄川健康プラザで、腰らくらく体操、骨こつ体操、筋力アップ教室などの運動教室、地域包括支援センターで、いっぷく体操教室、健康センターで、健康体操、かなめの体操と申しておりますが、などを実施しており、さらに参加意欲につながる教室づくりに努めてまいります。あわせて、今後、健康プラン21(第2次)の地域説明会を行います機会などを利用し、ロコモティブシンドロームの周知を図ってまいりたいと存じております。
次に、ウの健康診断の受診率の向上についての御質問につきましては、議員御指摘のとおり、がん、循環器疾患、糖尿病などの生活習慣病の発症予防と重症化予防のためには、がん検診、特定健康診査、肝炎ウイルス検診、結核検診を定期的に受診し、早期発見、早期治療につなげていただくことが重要であります。
今回のプランでは、前回プランの評価を行った結果、検診率の未達成部分も見られたことから、国、県の新たな目標値を参照しながら、がん検診の受診率などの目標値を設定しており、この目標の達成に向けて取り組んでまいります。
受診率向上の手段としましては、重点年齢を定めた受診勧奨や節目年齢、無料クーポンなど従来からの事業を継続してまいるとともに、今年度から、無料クーポン未受診者で、3年間未受診の方に対する電話での受診勧奨、39歳以下健診時に子宮がん検診の受診勧奨、胃がん、肺がん、結核検診同時実施地区の取り組み、健康プランの周知に合わせた受診勧奨などを進めてまいります。
特に働く世代の受診率が比較的低いことから、受診のない方、平日受診できない方のため日曜検診も行っていますが、認知度を高めるよう商工会議所、商工会、ヘルスボランティアなどと連携し、環境整備を図ってまいります。
次に、1項目めのうち、2点目の感染症に対するワクチン接種についての御質問にお答えします。
予防接種につきましては、一部の副作用が問題視され、予防接種法が改正され、努力義務となったもので、全国的に見ますと、就学前の乳幼児の接種率は比較的高いものの、就学後の接種率の低下が指摘されています。
また、風疹の予防接種につきましては、制度改正によりはざまとなりました昭和54年4月から平成5年3月までに生まれた方の接種率が低く、その年代での発症が心配されているところであります。しかし、当市の場合は、その年代の接種率は、幸いにもほとんどの年度で8割を超え、9割台後半の年度もあった状況であります。
このような中、風疹は、妊娠期の女性への危険度が高いこと、あるいは今年流行している風疹患者の多くが成人男性であることなど、男女を問わず、ワクチン効果の持続性を過信せず、必要性を判断して、ワクチンを接種していただくことが大切であります。このため、今年3月以降に、ケーブルテレビ、市の広報、ホームページ等で接種勧奨に努めております。
また、接種費用に対する助成につきましては県内の市町村でも例がなく、5月連休後、県内での患者発生報告がないことから、当市において直ちに実施する予定はありませんが、今後の推移を見ながら適切に対応してまいりたいと存じます。
次に、接種履歴の管理についてでありますが、現在、当市の独自の電算システムで管理しており、必要な接種履歴は把握できるようになっております。電子カルテでの情報の共有につきましては、現段階では想定しておりませんが、今後、国のワクチン接種体制の枠組みを整備する過程において検討されていくものと考えております。
次に、感染症に対するワクチン接種については、乳幼児から大人まで、市民が健康に暮らせるよう、今後とも積極的に感染症に対するワクチン接種の勧奨を行ってまいりますが、今年度から任意接種から定期接種に移行する財源が増加したところであり、新たな分野の公費助成につきましては検討課題と考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
病院事務局長 神島英弘君。
〔病院事務局長 神島英弘君 登壇〕
◯病院事務局長(神島英弘君) 私からは、今藤議員の1項目めの市民の健康についての御質問のうち、3点目のア、平成24年度病院事業会計決算見込みについての御質問にお答えいたします。
平成24年度の病院の決算につきましては、詳しくは、監査委員による審査の後、9月定例会におきまして、議会の認定に付することとなりますが、その見込みについて申し上げますと、まず入院患者数は、昨年4月から10月にかけて対前年度比マイナスであり、特に9月の落ち込みが大きくなり、10月末の時点では、入院患者数は、対前年度比マイナス5.7%で、このままでは赤字決算になるのではと危惧をしたところであります。その後、11月からは入院患者数が増加し、最終的には、対前年度比マイナス2.7%、延べ患者数で約4,000人の減にとどまったところです。また、外来患者数は、対前年度比2.1%、延べ患者数で約5,300人の減となったところであります。
次に、収支の見通しにつきましては、まず、収益的収入では、診療報酬の改定などにより入院単価が増加し、入院収益では前年度を上回ったものの、患者数の減少や院外処方の推進、また、前年度に大きかった治験実施収入の減などから、収益全体では、前年度に対し約2億8,000万円の減収となる見込みであります。
一方、収益的費用につきましては、総合情報システムや医療機器の整備に伴う減価償却費の増加、エックス線管球交換などによる修繕費の増加や委託業務の拡大などによる経費の増加がありましたが、院外処方の推進や患者数の減少等により薬品費が大幅に減少し、経常費用は、前年度に対し約1億2,000万円の縮減となる見込みであります。
また、病院耐震化整備事業に伴う固定資産除却費を特別損失として計上し、費用全体では、対前年度比約1,400万円の増を見込んだものであります。
この結果、収益から費用を差し引いた総収支では、前年度に対し約2億9,000万円下回りますが、平成24年度決算としては、約9,000万円の黒字の見通しであり、平成21年度以降4年連続の黒字決算となるものと見込んでおります。これは、平成24年度の診療報酬の改定が当院にとってプラスに作用したこと、また、改革プランの実施など経営改善の取り組みなどによるものと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(山森文夫君) 再質問につきましては、答弁漏れについてのみ許可いたします。
12番 今藤久之君。
〔12番 今藤久之君 登壇〕
◯12番(今藤久之君) 今ほどは、それぞれ御答弁ありがとうございました。
夏野市長さんに対して、1つだけ再質問させていただきます。
ちょっと舌足らずな質問になってしまったのかもしれませんが、関東圏との新たな都市交流についての具体的なお話はもちろん無理でしょうけれども、こんなことを考えているんだというようなこと、あるいは一向に考えていないんだということであれば、そのようなことも御答弁いただけたらなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 新たな都市間交流ということで、具体的な名前というものは直接挙がっておりませんが、ただ、浅野総一郎さんの関係で、群馬県の渋川市、それから、川崎市、横浜市。これは、砺波市独自というよりも浅野総一郎のネットワーク、氷見市、高岡市、南砺市も含めた形で交流を進めようという機運がございますので、その流れで努力をしていきたいというふうに思っております。
先ほども申し上げましたように、やはり観光というのは1つの市で、どれだけ言っても、よっぽど特別なものがあれば別でしょうが、基本的にはネットワークでございます。皆さんが、例えば関東に旅行に行くといっても、スカイツリーだけを見に行くという人もいらっしゃるかと思いますが、この際、ついでにあそこも行きたい、あれも見たいというのが普通だと思いますし、いわんや、地方に行く場合は、そのエリア全体、例えば砺波においでいただく方のほとんどは、アルペンルートですとか、金沢ですとか、能登ですとか、五箇山ですとか、そういうところとの組み合わせでございます、県外のお客様は。そういう意味で、これからも広域ネットを続けていきたいと思いますし、特に新幹線は、首都圏での人の往来が劇的に変わりますので、今のようなネットワークを生かしながら頑張っていきたいというふうに思っております。
以上でございます。
◯議長(山森文夫君) この際、暫時休憩いたします。
午前11時56分 休憩
午後 1時00分 再開
◯議長(山森文夫君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
11番、大楠匡子君。
〔11番 大楠匡子君 登壇〕
◯11番(大楠匡子君) 少し華やいだ議場で、今年も、今回もしっかり一般質問させていただきたいと思います。
それでは、議長のお許しを得ましたので、通告に従い、質問と提案をさせていただきます。
大きい項目の1つ目として、砺波市の未来を担う子どもたちの健全育成についてお伺いします。
初めに、平日、学校の授業が終わった後や春休み、夏休みなど休業期間中に、小学1年生から3年生までの児童を預かる放課後児童クラブについてお伺いします。
砺波市内においても核家族化が進む中、平成9年に、砺波東部小学校で放課後児童クラブが開設されたのを皮切りに、平成11年に砺波北部小学校、平成12年に鷹栖小学校、平成15年に庄南小学校と順次開設され、平成20年の庄川小学校での開設により、市内8小学校全てにおいて設置された放課後児童クラブへの登録児童数は年々増加し、今年度の登録人数の総数は459人となっています。
砺波東部小学校では、登録者数が140人と100名を超え、第2クラブができていますし、鷹栖小学校や砺波南部小学校でも、登録児童数の増加により既存の施設が手狭になり、第2クラブを開設せざるを得ない事態となっています。
このようにニーズが高い放課後児童クラブですが、その運営は各地区に委託されていることや開設年度が違うこともあり、会計処理や運営規定などが統一されておらず、まちまちな内容となっています。
休業中や平日の緊急利用を定めているクラブもあれば、災害、感染症等で学校が休業、閉鎖された場合の対応について、明記されているクラブ、いないクラブがあります。また、保護者負担金の月額も市内で違う実態です。加えて法令の改正により、放課後児童クラブは小学6年生までの児童を受け入れることになりましたが、高学年児童の入所については、クラブによりその対応が分かれています。会長が必要と認め、受け入れ可能な場合は、入所を認めることができると会則に基づく細則で定めているクラブもありますが、何ともはっきりしません。これから新しく建設される予定の放課後児童クラブでは、高学年の入所を見込んでの広さの施設とするのか、増築を見込んでの設計とするのか、判断に苦しむところです。このように市内でばらばらな運営方針のもと、それぞれのクラブでは、運営上の悩みも抱えているようです。
そこで、放課後児童クラブの運営などの細部についての規定、細則の基準となるものを市で定めていただきたいと思うのです。それぞれのクラブでは、地域の実情に合った運営を進めておられるので、それを全く無視して統一するのではなく、6年生までの受け入れや保護者負担金、緊急利用、途中入所などの基準となる運営規定を作成していただき、それをもとに各クラブが運営しやすいように規定、細則を見直すことで、運営面でのトラブルが解消されると思います。お考えをお聞かせください。
次に、育成指導員の賃金についてですが、砺波市保育士基準により時給810円と決められていますが、土日に実施されるクラブの事業に参加される場合などの手当はどのようになっているのでしょうか。また、繰越金がほとんどなく、4月の活動費の工面に苦慮し、市からの委託金を早くいただきたいと訴えているクラブもあります。
子どもたちの健全育成のために、体をかけてクラブの育成指導員として活動されている皆さんの賃金、手当、それから、市からの委託金の支払い時期について見直されることを要望するものです。お考えをお聞かせください。
次に、小中学校におけるスマートフォンなどを含む携帯電話の利用に関する現状と対策についてお伺いします。
昨年、市内の中学校区において、中学校1校と小学校2校、計3校のPTA連携事業として、親と子の携帯電話3ない運動を始められました。趣旨は、子どもをネット社会の危険から守るために、社会性がまだまだ未熟な小中学生期の我が子が、被害に遭わない、迷惑をかけないために、特別な事情がなければ小中学生は携帯電話を持たないことに賛同する保護者を増やしたいという思いです。
3ないの一つは、必要のない携帯電話を持たない、持たせない、2つは、学校に携帯電話を持っていかない、いかせない、3つは、ネットトラブルを学び、迷惑をかけない、被害に遭わないです。
この運動に賛同される親子は、それぞれに署名し、学校へ提出する方法で賛同者を募られたところ、中学校において85%の賛同を得たということでした。学校とPTAが連携した大変よい取り組みであり、この運動が市内に広がることを期待するものです。
市内の小中学校における携帯電話の利用に関する現状とその対応策についてお聞かせいただきたいと思います。
次に、芸術文化活動の推進についてお伺いします。
富山県教育委員会では、新学習指導要領に呼応し、幼小中学校教育指導の重点の中で、人間の生き方を考える優れた知性の育成、自然と芸術・文化に親しむ豊かな心の育成、風雪に耐えて生きぬくたくましい体の育成を基本目標に掲げ、生きる力の育成に努めています。
そこで、芸術・文化に親しむ中から、豊かな心を育てる施策についてお伺いします。
まず、市内の小中学校において、授業の中やクラブ活動、放課後児童クラブや市の事業など、さまざまな形で行われている芸術文化の体験学習の実施状況についてお聞かせいただきたいと思います。
富山県では、児童生徒や地域の芸術文化活動を推進するため、専門知識や技能を持つ指導者を学校などに派遣する芸術文化アドバイザー事業を平成17年から進めています。講師には、地元砺波市の声楽家・安念千重子さんなど、すばらしい方々が名前を連ねておられます。
砺波市では、これまでこの芸術文化アドバイザー事業を利用されたことはあるのでしょうか。せっかくの事業なので、気軽に利用されてみられてはどうでしょうか。教育長のお考えをお聞かせください。あわせて、平成19年、20年と配置されていた書道や音楽等の芸術強化を担当される特別非常勤講師について、今後の導入見込みをお聞かせいただきたいと思います。
最後に、今年の夏のひととき、子どもたちや市民がチューリップ公園とその周辺文化施設等で行われる各種催し物に参加したり、見たりすることにより、文化の楽しさや公園のすばらしさを改めて知ってもらうことを目的とした新しいイベントが砺波市文化会館を中心に企画されているようです。
チューリップ公園を利用するこの取り組みにより、子どもたちが芸術文化活動への親しみを持つよい機会となることを期待するものです。市としても、大々的なPRとバックアップをしていただきたいと思うものです。その詳細についてお聞かせください。
大きい項目の2つ目として、市立砺波総合病院の運営についてお伺いします。
先日、病院ボランティア団体、りんどうの会の総会がありました。現在、りんどうの会では、4団体と個人ボランティアの合計628人の会員が、受け付けの案内や車椅子補助、再来機の操作補助、オアシス文庫やエンジェル文庫の管理、パネルシアターの上演などさまざま内容のボランティア活動をされています。
今回の総会には、伊東病院長自らも御出席くださり、与えるものは与えられるという演題で講演をしてくださいました。講演の冒頭、ボランティアの方々は、市立砺波総合病院を愛してくださっているのをいつも感じていると言われた病院長自身が、心から市立砺波総合病院を愛し、その円滑な病院運営に御尽力いただいているのを常々感じております。
そして、現場で働く看護師の方々も同じように市立砺波総合病院を愛し、その運営に心血を注いでおられます。その看護師の方々の熱い思いで、今年の4月からスタートしたのが看護外来です。
看護外来とは、病気を持ちながら、地域で療養や社会生活を営む患者さんや家族に対して、生活が円滑に送れるように、専門的な知識や技術を持った看護師が相談を受けたり、指導したりするところとして開設されました。2時間待たされ、5分診療とやゆされることの多い医師の診療を補佐することも目的で実施されるようですが、看護外来の具体的な内容についてお聞かせください。
さて、看護外来の担当は認定看護師さんが中心に行われるようですが、砺波市の認定看護師の育成状況はどうなっているのでしょうか。また、看護師の人員配置も適正なものとなっているのでしょうか。7対1看護を進めている市立砺波総合病院において、看護師の確保も大変重要です。
若くて、使命感に燃える市立砺波総合病院の看護師の皆さんは、大変過酷な労働であるにもかかわらず、妊娠、出産後も仕事をやめないで働き続ける率が大変高いと聞いております。このように看護職に働きがいを感じ、使命感を持って働いてくださっている看護師の皆さんが、現場の心配をせずに、育児休業を取り、しっかり子育てをしてから、職場復帰していただくための人員確保は必要であると考えます。看護師の増員見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
また、今年度の臨床研修医確保に向けての取り組みについてもお聞かせください。
次に、院内助産の開設についてお伺いします。
市立砺波総合病院内において、今年の4月から、院内助産が開設されたことを大変喜んでいる一人として、この院内助産所が広く知られ、活用されることを願い、質問したいと思います。
もともとお産は病気ではないので、自宅で助産師さんに取り上げていただくという時代が長く続きました。しかし、医療の進歩などにより、医療設備のある病院での安全な出産を望む妊婦が増え、助産師による出産は減少しましたが、産科医師の不足などの現状や自然なお産を望む妊婦さんの増加などにより、助産師による出産が見直されるようになってきました。
そんな中、アットホームな助産院と医療設備のある病院でのお産の両方のよさを兼ね備えた院内助産の開設が進められ、県内では、富山赤十字病院で先駆的に行われていましたが、砺波広域圏の出産を一手に引き受けている市立砺波総合病院としても、院内助産の開設に踏み切られました。その利点とデメリットについてお聞かせください。また、院内助産開設による助産師の勤務状況への影響と助産師を増やす見込みについてもお聞かせください。
小さい項目の4つ目に、患者様満足度アンケート結果から質問します。
昨年の12月に実施されたアンケートの結果が病院内において公開されています。その内容を見ますと、一番満足していないのは、診療までの待ち時間で、その次が診療時間、そして、3番目が駐車場の順番となっています。
そこで、不満に感じておられる度合いの高い駐車場についてお伺いします。
現在、南棟の耐震工事が進められていますが、南棟完了後には、駐車場がどのような場所に何台分増え、全体で何台分が整備されるのか、また、入院患者の駐車場利用状況についてお聞かせください。
次に、北西側に造成された駐車場と北側に造成された仮設棟と同じ敷地内にある駐車場の利用についてお伺いします。
かねてから3カ月児健診などの健診受診者の駐車場の整備について提案をしてまいりましたが、この新しく整備された病院駐車場を利用させていただき、利便性を図っていただくことはできないでしょうか。御検討をお願いいたします。
大きい項目の3つ目として、高齢者福祉についてお伺いします。
昨年策定された第5期砺波地方介護保険組合事業計画の4つの基本理念に基づき進められている砺波市の介護保険事業について、5つの方針の中から推進状況についてお伺いします。
1つ目の介護予防の推進についてですが、高齢者が要支援、要介護にならずに、元気に活動できるためのさまざまな介護予防事業が進められています。2次予防事業対象者の早期の把握や、その予防事業の施策評価等の現状についてお聞かせください。
また、その現状に基づく今年度の取り組み内容についてもお聞かせください。
2つ目に、在宅ケアの促進に向けての取り組みについてですが、まず、短期入所サービス(ショートステイ)の施設整備についてお伺いします。
昨年の9月議会で補正予算に計上され、整備が待たれるショートステイですが、先ごろ、工事に着手されたようです。今後の工事日程と利用開始見込みなどについてお聞かせいただきたいと思います。あわせて、改修される特別養護老人ホームやなぜ苑の改修内容についてもお聞かせください。
次に、今回の補正予算に計上されています、通い、訪問、宿泊サービスを柔軟に組み合わせた小規模多機能型居宅介護と在宅での生活を支える定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業ですが、定期巡回・随時対応型事業は、在宅介護が年々増加する中で必要なサービスとして、昨年から新規に設けられています。
県内では、富山市の天正寺サポートセンターで先行して進めてこられましたが、今回、その天正寺サポートセンターを運営している社会福祉法人射水万葉会さんが、砺波市でこの事業を開設されることは大変歓迎するところであります。事業内容については十分精査していただき、少しでも在宅介護の手助けとなるサービスとなることを期待するものです。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業の具体的な開設日程、事業内容と小規模多機能型居宅介護事業の概要と訪問看護と連携した複合型サービスの詳細についてお聞かせください。
3つ目として、地域ケア体制の構築についてお伺いします。
地域包括支援センターを拠点に、在宅介護支援センターと連携、調整を図りながら、近隣や地域社会、民間、ボランティアなどの援助活動による体制づくりが進められなければなりません。その現状と課題についてお聞かせください。
あわせて、昨年導入された地域福祉コーディネーターの活動状況についてもお聞かせいただきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
教育長 舘 俊博君。
〔教育長 舘 俊博君 登壇〕
◯教育長(舘 俊博君) 私からは、1項目めの子どもたちの健全育成についてのうち、まず、1点目の放課後児童クラブの運営についての御質問にお答えをいたします。
まず、市内8小学校区で設置されております放課後児童クラブの運営等の規程や細則の基準を定めてもらえないかとの御要望にお答えをいたします。
大楠議員が述べられたとおり、放課後児童クラブの運営につきましては、各クラブごとに運営委員会を設置し、それぞれの状況に応じて対応していただいてきたことや開設年度が異なることなどから、統一はされておりませんけれども、それぞれ先進クラブの会則を参考に定められてきたことから、ほぼ同様のものとなっております。
ただ、会計処理の方法や保護者負担金などにつきましては、各クラブで、それぞれ創意工夫された事業を行われていることなどから、必ずしも同一になっておりません。
そのような状況の中で、昨年8月の児童福祉法の一部改正によりまして、子育て支援の一端を担います放課後児童クラブにつきましては、国の定める基準に従い、事業の整備及び運営について、平成26年度中に条例で基準を定めることとされました。
今のところ、平成25年度中には国の考え方が示されるものと聞いておりますので、その考え方をもとに、定めるべき基準につきまして運営委員会の皆さんとも相談させていただきながら、地域の実情に合ったクラブの運営にも対応できるよう、市として、統一した基準等を作成できればと考えております。
したがいまして、当面は、これまでどおり先進放課後児童クラブの状況等につきまして情報提供するとともに、担当部署において、相談に応じてまいりたいと考えております。
次に、市の委託金の支払い時期を早めるよう見直せないかとの御要望についてでございますが、現在は、各クラブで、年度当初の運営資金のために繰越金を確保するなど苦慮されておりますので、各クラブからの委託申請の時期を早めるなど、手続を改善いたしまして、早期に市の委託金が支払いできるようにしたいと思います。
次に、育成指導員の手当について、土日に実施した場合の手当や賃金の見直しができないかとの御要望についてお答えをいたします。
日ごろから、放課後児童クラブの運営委員や育成指導員の皆さん方には、子どもたちの健全育成のために大変御尽力を賜っており、深く感謝を申し上げたいと思います。
現在、御質問の土曜日、日曜日に放課後児童クラブを実施したときにも通常の賃金は支給されておりますけれども、その他の手当は支給されておりません。このことにつきましては、近隣自治体においても同様の対応をしていると聞いております。
また、育成指導員の時給につきましては、今のところ、他市に比べても低過ぎる状況にはありませんが、引き続き同様の業務を行っております市の臨時職員や近隣自治体との均衡を図ってまいりたいと考えております。
次に、2点目の小中学校における携帯電話の利用に関する現状と対策についての御質問にお答えをいたします。
市内小中学校の携帯電話の所有状況ですが、各学校での調査時期に若干の幅はありますけれども、小学校で約8%、中学校で約13%となっております。
なお、携帯電話につきましては、全ての小中学校で、学校への持ち込みは原則禁止しており、事情があってどうしても持ち込まなければならない場合は、学校預かりとしております。
次に、利用の実態でございますが、小学校では、家族との連絡やゲームに利用したりしているようですが、中学校では、電話機能だけでなく、メールのほかプロフやゲームサイト、交流サイトなど、インターネットを利用している者もいるようであります。
なお、携帯電話は学校外での利用がほとんどであり、その個別の利用につきましての正確な実態把握は大変難しい状況でございます。
次に、学校での対策についてですけれども、各学校では、ゲーム機能等を頻繁に利用するなど依存が進んでいき、生活リズムが乱れるなど、悪い影響を及ぼさないよう、また、ネット社会の危険から子どもたちを守るため、情報教育の学習時間や学級活動、学年集会、全校集会など、さまざまな機会を通じまして携帯電話の持つ危険性や情報モラルなどについて指導しております。
また、携帯電話やインターネットの利用につきましては、家庭での指導と見守りが欠かせず、保護者に対しましても、学級懇談会のテーマに取り上げるなど、PTA活動や保護者会、学校だよりなどを通じまして、その危険性や情報モラルについて啓発しているところであり、今後とも地道に継続指導してまいりたいと考えております。
また、議員が述べられました、子どもをネット社会の危険から守る親と子の携帯電話3ない運動につきましては、ネット社会の危険性から子どもたちを守るには、保護者の協力が不可欠であり、学校とPTAの連携事業として保護者の積極的なかかわりを期待するものであり、この取り組みにつきましては、校長会や、砺波市には幼保小中の合同研修会の機会もございますので、それらを通じまして各学校、PTAに紹介、啓発してまいりたいと考えております。
次に、3点目の芸術文化活動の推進についての御質問にお答えをいたします。
初めに、子どもたちの芸術文化の体験学習の実施状況についてでございますが、現在、市内の小中学校では、授業の中で琴、和太鼓、陶芸、金箔張り、水墨画体験などを、またクラブ活動では、茶道、華道に取り組んでおり、放課後児童クラブでも、人形劇鑑賞、かるた大会、仕舞の発表会などを、そして、公民館活動では、陶芸教室などの体験学習に参加しております。
そのほか小学校では、百人一首の大会や中学校では、修学旅行に狂言体験を活動メニューに入れるなど、日本古来の伝統文化にふれる活動も行っております。
また、芸術鑑賞を通じて創造性、情操の涵養を深めるなど、子どもの健全育成に資するため、毎年、小中学校の児童生徒及び保育所、幼稚園の4、5歳児を対象に演劇、ミュージカルの鑑賞やオーケストラの鑑賞事業を実施しており、このような砺波市の取り組みは大変充実しているものというふうに考えております。
次に、芸術文化アドバイザー事業の利用実績等についてですが、本事業は、県におきまして平成17年度から実施されており、平成25年度では、芸術文化アドバイザーが14人登録されております。これまで市内の小中学校での利用実績はありませんけれども、本年度、小学校で1校予定しているところでございます。
この事業は、子どもたちが一流の指導者の指導を受けるよい機会でありますので、市といたしましても、本事業の利用について、校長会を通じて改めてPRしてまいりたいと考えております。
なお、昨年は、小学校2校が、日本交響楽振興財団の小学校における通年音楽教育プログラムを利用しまして、オーケストラアンサンブル金沢のミニコンサート鑑賞など、本物にふれる機会を設けております。
また、音楽と芸術の特別非常勤講師の配置につきましては、本年度は、昨年度と同数の小学校4校、中学校2校に配置される予定であります。この配置につきましては、例年、小中学校の希望を調査いたしまして配置しておりますけれども、予算の制約もあり、希望する学校の全てに配置とはなっていない状況であり、予算の増額につきまして県の教育委員会に要望してまいりたいというふうに考えております。
次に、この夏に、チューリップ公園及びその周辺で企画されております新しいイベントについて、あわせて私のほうからお答えをいたします。
このイベントは、夏の子どもまつり実行委員会が主催となりまして、カンナが咲き誇るチューリップ公園とその周辺の文化施設等において、2013となみカンナフェスティバル夏の子どもまつりを開催するもので、自然豊かなチューリップ公園周辺が、見て、学び、遊べる、楽しい広場であることを子どもたちに発信することを目的としまして、本年の8月24日土曜日、午前10時から、チューリップ公園を中心に、出町小学校の管楽器クラブ、市内4中学校の吹奏楽部、宮城学院女子大学音楽科OGのコンサートなど、それぞれ多彩な催し物を計画いたしており、今後、市のホームページや広報等で広くPRされるものと伺っております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
病院長 伊東正太郎君。
〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
◯病院長(伊東正太郎君) 私からは、大楠議員の2項目め、市立砺波総合病院の運営についてのうち、1点目の看護外来について、2点目の看護師の増員見通しと臨床研修医の確保対策について、3点目の院内助産についての御質問にお答えいたします。
まず、1点目の看護外来についてでございますが、看護外来とは、病気を持ちながら、地域で療養や社会生活を営む患者さんや御家族に、日常生活が円滑に送れるように、認定看護師等専門的な知識を持った看護師が、医師の依頼を受け、相談や指導を行う外来のことです。
近年の医療技術の進歩により、入院日数の短縮を初め、日帰り手術などの短期滞在手術、がん化学療法など、高度な治療は外来でも受けることが可能となってきました。
このような状況の中で、長期間にわたる外来での医療、看護の提供、いわゆる療養のサポートの必要性が高まってきているところであり、先駆的な医療機関では既に取り組みを開始しております。
また、看護外来の取り組みは、多くの外来看護師の役割モデルともなり、外来看護全体の看護の質の向上に向けての牽引役として期待されているところです。
当院におきましても、本年4月1日から、ストーマ外来、スキンケア外来、栄養・嚥下ケア外来、認知症看護外来、手術サポート外来、リウマチケア外来の6外来を開設し、平日の午後から、それぞれ決まった曜日に完全予約制として実施しております。
看護外来での相談時間は30分から1時間と十分に余裕を持っており、議員の御指摘のとおり、一般的に時間が短いと言われる医師の診療を補佐することも目的としています。
人口の高齢化や慢性疾患患者数の増加に伴い、在宅療養に対するサポート体制の充実強化が求められているところであり、この看護外来の活用、さらには今後の拡充を図ることにより、個々の患者ニーズに合った、タイムリーで、専門性の高い看護の提供を目指してまいりたいと考えております。
次に、2点目の看護師の増員見通しと臨床研修医の確保対策についての御質問でございますが、まず、今ほどお答えしました認定看護師には、看護外来を担当している看護師のほかに、感染管理、がん化学療法等で、計8名の認定看護師がそれぞれの分野において活動を行っているところであります。
この認定看護師は、特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護を実践するとともに、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上を図ることを目的としているものであります。今後も、その育成に努めてまいることは大切なことと認識をしているところであります。
次に、看護師の増員につきましては、7対1看護体制や診療報酬上の各種加算等の看護体制を維持しつつ、病院における医療事故をなくし、安全で、行き届いた医療と看護を実践するためには、医療従事者がゆとりと誇りを持って働き続けられる職場環境づくりが不可欠であると考えております。
しかし、医療現場の実態はかつてなく過酷になっており、看護師は仕事に追い回されて、疲れ果てているのが現状であると考えております。また、現在当院は、かつてないほどの多くの産休や育児休業をとる看護師がおり、現場がゆとりを持って十分な看護体制をとることが難しくなっているのも現状であります。そのため、今後の職員採用においても、このことに留意をして進めていくことが必要と考えているところであります。
次に、臨床研修医確保の現状としまして、今年は、募集定員6人に対して、マッチング者がゼロという非常に残念な結果となっており、先輩や同輩がいないということがその原因の一つと考えているところであります。
しかし、臨床研修医がいないという状況は絶対に避ける必要があると考えており、現在、当院臨床研修部におきまして、見学に訪れる学生や医学生の臨床参加型実習の場であるクリニカルクラークシップに、富山大学、金沢大学の学生の受け入れを実施するなど、充実した環境で研修が受けられるということを学生に理解をしていただくことを続けております。
今の段階では、来年度は数名の臨床研修医のマッチングが得られるのではないかと期待をしているところであります。
次に、3点目の院内助産についてでございますが、院内助産とは、正常な経過をたどっている妊産婦を対象に、病院で助産師が医師と連携をとり、助産師が主体となり、お産のお手伝いをするものです。
当院におきましても、本年4月1日から院内助産室を設置し、助産師によるケアと緊急時の医療という両方のメリットを兼ね備えた院内助産をスタートさせました。
院内助産は、従来の分娩とは異なり、1、妊婦さん自身で考えた出産計画、バースプランと申します、に基づきサポートできること、2、入院から出産まで院内助産室で過ごしていただくことで、移動の必要もなく、ゆったりとした環境の中で楽な姿勢で分娩が行えること、3、お産の際の異常時には、医師が立ち会うので、安心なことなどの利点があります。
一方、院内助産を利用できる方は、1、既に出産を経験された妊婦さんで、家族の同意がある方、2、自然妊娠で、これまで妊娠・分娩経過に問題のない方、3、当院で妊娠初期から妊婦健診を受けられる方と限定されることがデメリットであろうかと思います。
また、妊娠中は助産師外来を御利用いただくことで、助産師が妊婦健診、保健指導を行うなど、リラックスした雰囲気の中で出産の相談や妊婦さんが望む分娩環境を整えるお手伝いをします。
なお、助産師外来は、妊娠26週以降で、医師の許可を得た、経過が順調な方を対象としており、完全予約制で、ゆっくりと健診や相談を受けていただくことができます。
少子高齢化が叫ばれる中、お産の新しい選択肢として、自然で、自分らしい出産体験が可能な院内助産の周知啓発を図り、今後とも質の高い母子ケアと安心・安全、快適で、満足のいく出産の提供に努めてまいりたいと考えております。
また、院内助産所開設による助産師の勤務条件への影響につきましては、従来から産科病棟におきましては、夜間の呼び出しに対応する看護師が1名、自宅待機していたところですが、院内助産所開設からは、院内助産対象者がいる場合に緊急に十分な対応ができるよう、この体制を準夜と深夜1名ずつの待機としているところであります。これによりスタッフが出産までの間4人体制となり、妊婦さんのそばに付き添うことで、安心して出産ができる体制をとっているところであります。
また、助産師の増員に対しましては、先ほどの看護師の増員見通しで答弁したとおりでございます。
私からは以上であります。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 川原國昭君。
〔福祉市民部長 川原國昭君 登壇〕
◯福祉市民部長(川原國昭君) 私からは、3項目めの高齢者福祉についての御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の介護予防の推進についての御質問につきましては、高齢者が、いつまでも元気で、生きがいに満ちた生活を実現するため、介護予防事業は重要な位置づけにあり、事業の推進を図る一方、市内3カ所にある民間法人の在宅介護支援センターとともに、高齢者の相談業務や個別訪問を通じて状況把握に努めております。
なお、2次予防事業対象者の把握を行う生活機能評価事業は、毎年6月から8月まで、特定検診に合わせて65歳以上の方々を対象に実施いたしております。
この結果による2次予防事業対象者に対しましては、要介護状態に進行しないよう、いきいき元気教室、個別水中運動教室、脳と体の健康教室などの介護予防事業へ誘導しております。
また、予防効果の評価でございますが、いずれの教室においても効果の測定は難しいものがありますが、対象者となった方が、翌年に対象から外れたりする状況が見られることで、一定の効果があるものと考えております。
今年度は、認知症高齢者の対策として、出前方式による脳トレ教室や重点を置く、お口の口腔教室の参加者を増やすため、参加者の多い予防教室のメニューを同時実施するなど、1人でも多くの方々の介護予防につながるよう工夫するほか、引き続き生活機能評価事業の受診率向上に取り組んでまいります。
次に、2点目の在宅ケアの促進に向けての取り組みについてのうち、アのショートステイの整備についての御質問につきましては、社会福祉法人砺波福祉会やなぜ苑の短期入所生活介護(ショートステイ)の整備は、昨年9月に市の補正予算を計上し、その後、県への補助金交付申請や法人内の諸手続を経た後、本年3月に工事発注されたものであります。
現在、基礎部分の工事に着手しており、24床の増床につきましては、11月の完成を目指して進められております。また、これに合わせて整備が進められております特別養護老人ホームの16床の増床につきましては、8月から段階的に供用される予定であり、最終的な完成は11月を予定されているものであります。
市といたしましても、ショートステイが慢性的な不足状況と見ておりますので、介護職員の確保など順調に進めていただき、予定どおり開設されるよう期待しております。
次に、2点目のうち、イの定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業についての御質問につきましては、開設までの予定といたしましては、今定例会に事業に係る補正予算を計上しており、この後、事業者を決定し、国及び県へ補助金の申請を行い、その交付決定後、事業着手の予定であり、整備が完了するのは来年2月ごろと見込んでおります。
この事業につきましては、医療行為も必要な要介護者の在宅生活を支えるため、日中・夜間を通じて24時間対応し、利用者の状況に応じて訪問介護と訪問看護の両方のサービスを提供するほか、緊急時や対応に困ったときには随時訪問も可能なサービスを行うものでございます。
このサービスは、在宅介護を支える、新たな注目されているサービスとして期待を寄せられているものであります。予定されている介護事業者は、平成23年度において、富山市内で国のモデル事業を実施した経験を持つもので、事業化に当たりましては、契約利用者の範囲など市の要望を伝えてまいりたいと考えております。
次に、2点目めのうち、ウの小規模多機能型居宅介護事業についての御質問につきましては、小規模多機能型居宅介護の概要につきましては、議員御承知のとおりと思いますが、登録定員が25名、宿泊は9名までとなっており、今回の予定事業者も、最大限の需要に応じた施設づくりを市街地周辺で計画しております。また、隣接して、援護が必要な高齢者のまちなか居住を促すサービスつき高齢者向け住宅を建設するものと伺っております。
一方、複合型サービスの概要につきましては、通所介護を中心に利用しながら、必要に応じてショートステイや訪問介護、訪問看護を受けることができるサービスで、平成24年度に創設された新たなメニューで、つまり小規模多機能型居宅介護に訪問看護事業を加えたような業態でございますが、現在のところ、市内に参入予定はございません。
次に、3項目めのうち、3点目の地域ケア体制の構築についての御質問にお答えをいたします。
高齢化が急速に進む中、我が国の持続的な社会保障体制を図るため、医療、介護、保健、福祉が一体となって、高齢者の在宅生活を可能にする地域包括ケア体制の構築が推進されております。
この地域包括ケア体制においては、医療、介護サービスに加え、行政のコーディネート、地域の助け合いなど、地域の特性や実情を踏まえた多職種間で取り組む体制の構築が必要となっており、市では、中心的な役割を担う地域ケア会議のあり方を検討してまいりたいと考えております。
次に、地域福祉コーディネーターの活動状況についてお答えします。
地域の福祉力向上を目的として、平成24年度から各地区に1名の地域福祉コーディネーターを設置し、地区自治振興会と地区福祉推進協議会の連携、地区と市、あるいは社会福祉協議会との連携を深める橋渡し役を担っていただいているところであります。
活動状況については、各地区さまざまですが、地域福祉コーディネーターがまとめ役となり、自治会長、民生委員、福祉サポーターが一堂に会し、ケアネット等の説明会を行っている地区や民生委員が行っていた配食サービスや福祉に関する広報の発行、研修会の企画などを行っている地区などの活動報告をいただいております。
本年度で2年目を迎え、社会福祉協議会では、今年度も7月2日を皮切りに、年間3回程度、地域福祉における各種課題の把握、地域間でばらつきのある地域福祉活動の改善や地域一体での支援体制の確立に向けた活動や情報及び意見交換などを計画しており、さらなる活動の充実、均衡化に努めてまいりたいと存じております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
病院事務局長 神島英弘君。
〔病院事務局長 神島英弘君 登壇〕
◯病院事務局長(神島英弘君) 私からは、大楠議員の2項目めの市立砺波総合病院の運営についての御質問のうち、4点目の駐車場についての御質問にお答えいたします。
現在進めております新南棟建設に伴いまして、病院利用者の方々には、南側駐車場が閉鎖されているなど御不便をおかけしているところでありますが、工事完了までの間、御理解をお願いいたしたいと思います。
駐車台数につきましては、工事により見直しをしており、仮設棟駐車場は、駐車台数を従前の14台から42台に28台分増やし、北西側駐車場も、16台から24台に8台分増やしております。また、南側駐車場も、40台から56台に16台分増やす計画にしております。
工事期間中は駐車台数は一時的に減少いたしますが、耐震化整備事業が完了しますと、職員駐車場を含め全体で1,135台となり、そのうち来院者が利用可能な駐車台数は約600台となり、工事前と比較しますと約50台分増加する予定となっております。
また、入院患者の駐車場利用につきましては、駐車を御遠慮いただいておりますが、やむを得ない理由で駐車を許可している患者さんは平均で10人ほどであります。しかし、このほか許可を受けずに駐車されている車があることから、病院駐車場の狭隘を招いていると考えております。
次に、3カ月児健診など健診利用者が仮設棟駐車場や北西側駐車場を利用できないかとの議員の御提案でございますが、仮設棟駐車場は、北棟に隣接しているため、北棟4階の人工透析センターや1階の総合リハビリテーションセンター利用者の専用駐車場にしているところであり、この駐車場利用者は曜日及び時間帯が一定していないこともありますが、平均で約30人の利用があります。また、北西側駐車場は、約20台分の駐車スペースがあり、夜間や休日は砺波医療圏急患センターの専用駐車場としていますが、この北西側駐車場を含めて御利用いただければよいと考えております。
いずれにいたしましても、今後とも来院者の皆さんの利便性を図るため、駐車場の確保に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 1番 山本篤史君。
〔1番 山本篤史君 登壇〕
◯1番(山本篤史君) まず冒頭に、このたび4月の選挙で皆様の仲間に入れさせていただいたことを厚く御礼申し上げます。それとともに、今回の6月の議会は、私にとって初めての一般質問であり、意義ある議会に対し、先輩、同僚、市当局の皆様に深く感謝いたします。市政に関して全く無知のこの私が、この壇上に立たせていただきますことは私の人生においても非常に貴重な財産になると思います。それと同時に、多くの期待に沿えるよう精励恪勤の気持ちで臨みたいと思っておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
今回は2つの質問をさせていただきます。
まず1点目は、第3子以降の保育料についてであります。
人口の減少は当然、日本全体の課題ではありますが、この砺波市も例外ではありません。結婚年齢もどんどん上昇する中、少子化は進むばかりです。そういう方々の支援をさらに拡大していくことで、長期にわたる人口減対策をしていくことが砺波の将来の発展につながっていくと思います。
一生涯に女性が出産する子どもの数の指標として、合計特殊出生率が挙げられますが、人口を維持するには2.08以上必要と言われています。今月の5日に厚生労働省から発表されました人口動態統計によりますと、2012年現在では、1.41しかないのが現状です。富山県においては、わずかながら多く、1.42といったような状況でございます。
高齢者のサポートはもちろん必要です。しかし、人口分布図からもわかるように、分母、すなわち将来を支えていく子どもたちを増やすことによって、将来の明るい道が開けていくと思います。
少子化の原因としては、晩婚化や未婚化などが挙げられています。
また、子どもをもうけることをちゅうちょされる大きな理由の一つに、経済的理由が挙げられます。もちろん、もっと多くの方に子どもを欲しいと思ってもらえる環境づくりも必要ですが、せめて1人でも多く子どもを産み、育てたいと思っておられる方をサポートする策を充実させていくことが少子化の歯どめに対する最低限の責務ではないかと思っています。市当局はどのようにお考えでしょうか。
少子高齢化に伴い、子どもの数が減っているように思われます。それでも最近は、特に3世代同居の家庭で、お子さんを3人以上もうけて、そして、おじいちゃんやおばあさんに協力していただきながら育てておられる家庭が非常に多くなってきております。私もその中の一人でございますが、散居の郷である砺波に、まさにふさわしい子育ての理想像だと思います。同居世帯が多い砺波の強みを生かして、人口減を食いとめる必要があると思います。
そこで、近隣市町村と比較をしてみますと、例えば保育料でありますが、砺波市におきましては、3人同時入所時のみ第3子が保育料無料となっていますが、現実に該当される方は非常に少ないです。小矢部市は、同時入所にかかわらず、第3子以降は3歳未満児まで無料となっています。そして、本年4月からですが、射水市におかれましては、第3子以降の保育料を完全無料とすることで、子育て世代の経済的な負担を手厚くサポートしておられます。
昔から、子は宝と言われております。市長さんが目指しておられる「もうひとつ上の“となみ”」の実現に向けて、いろいろと施策を考えておられるとは思いますが、まずは少子化を食いとめるために、産み育てやすい環境をつくり、そして、保育料の軽減の必要性をぜひとも考慮していただきたいと思います。
以上のことについて御答弁をお願いいたします。
第2点目におきましては、砺波大橋の歩道についてです。
平成26年度末の北陸新幹線開業に伴い、現在、高岡砺波スマートインターチェンジにつきましても同時期の開通ということで、公共交通機関等、車による利便性が非常に高くなることにつきまして、今日まで相乗効果を狙って、呉西地区の活性化戦略を考えてこられた関係各位の御尽力に非常に感謝いたします。
それと同時に、インター周辺には、交通量の増加によるさまざまなリスクが想定されます。本来であれば、一般国道359号線砺波東バイパスが全線開通していることが理想なのですが、現実問題では、それまでにはまだ10年程度かかるとのことで、その近隣の道路へ車が迂回しているのが現状でございます。
御存じのとおり、主要地方道坪野小矢部線は、砺波と富山を結ぶ、非常に交通量の多い道路で、富山県土木部の資料によりますと、12時間交通量が8,436台もあります。この県道も迂回ルートの一つに挙げられます。整備は徐々に進んではおりますが、やはり一番のネックは砺波大橋の箇所です。
砺波大橋は、トラス橋とありまして、今までも維持修繕を定期的に行ってきています。しかし、歩道の部分に関しては非常に狭く、トラスの幅が35センチあるため、実際人が通れる幅員としては80センチしかないのが現状です。ちなみに、となみ野大橋に関しましては3.5メートル、太田橋でも1.5メートルの歩道としての幅員を確保しています。そのため、自転車が通ろうとしても、あわやハンドルがトラスにぶつかるほどの狭さと怖さを私自身も経験しています。橋の上は風のあおりが強いこともあって、そのような状況では、年配の方はまず利用できないほどの狭さで、ほとんどの自転車利用者、そして、歩行者が車道を利用しているのが現状です。
車道幅員についても同様で、となみ野大橋は7.5メートルを確保しておりますが、砺波大橋の車道幅員は6メートルと非常に狭く、大型車がすれ違うのにストレスが感じられる状況です。そのような狭い車道に自転車や歩行者が通る場合は非常に危険で、まず追い越すことが難しい状況です。そのため、車列が橋全体の半分まで延びることが多々あります。近隣には東般若工業団地やそして、砺波東部観光集積地もあり、スマートインター開通に伴って、今後、さらに交通量が増えることが確実視されています。
東般若地区におきましても、歩道が整備される前にひき逃げ事故がありまして、私の友人のおばあちゃんがお亡くなりになっておられます。住民の生命の安全にかかわる問題ですので、何かがあってから動いてでは遅過ぎます。もう二度と、そういうことがあってはならないと思います。砺波市が安全・安心で、住みやすいまちになるように願ってやみません。
以上につきまして市当局の御答弁をお願いいたします。
以上で私からの質問を終わります。ありがとうございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 山本篤史議員の御質問にお答えいたします。
私からは、1項目めの第3子以降の保育料についての他市町村との比較も含め、御質問にお答えしたいと思います。
議員御指摘のとおり、本市においても徐々に少子化が進んでおりまして、ゼロ歳児から5歳児までの就学前児童数の比較では、平成20年度で2,839人であったものが、今年度では2,611人と、この5年間で228人、5%の減少となっております。
ただ、本市におきましても核家族自体は進んでおりますが、一方で、3世代同居世帯も、他市と比べますとまだ多くあるということから、家庭で子どもを育てる環境としては比較的いい条件であり、世代を通じて子育てや親育ちといったものが受け継がれていくことも大切であるというふうに期待もしているところでございます。
また、本市におきましては、家庭のみならず、地域や保育所、幼稚園、小学校が連携に努め、緊密につながっておりますことから、幼少児期の子育てを進めるには、自画自賛ではありますが、大変よい環境が整っていると考えております。
今、社会全体が人口減少の流れになっておりますが、おかげさまで本市では、そのスピードが他と比べますと比較的緩やかであるということで、何とかこれらのことも生かしながら、少子化の進展に歯どめをかけるための施策を積極的に展開していきたいというふうに考えております。
そこで、御質問の保育料でございますけれども、本市は、従来から子育て支援の一環といたしまして保育料の軽減に努めてきておりまして、保育料につきましては、県内でも低いレベルにございます。
また、本市の第3子以降の保育料の軽減の現状について申しますと、先ほどいろいろ御紹介もございましたが、今年度におきましては、第3子以降で保育所及び幼稚園に通っている園児数は、保育所で204人、幼稚園では64人の合わせまして268人でございます。そのうち3人同時入所ということで、保育所9人、幼稚園1人の合わせて10人が、保育料または授業料が全額免除となっておりまして、その他の子どもさんにつきましては半額を免除しているということになっております。
このような軽減措置につきましては、県内では中位程度というふうになっておりまして、先ほどいろいろ申し上げたことをあわせまして、本市の保育料全体としては、他市と比べて、決して高いというものではございません。
市といたしましても、経済的な支援としての保育料の軽減ということは、保護者の産み、育てやすい環境づくりの一助につながるという考えについては理解はできると思います。
しかしながら、多子奨励のための保育料軽減など経済的な支援ももちろん必要であるとは思いますが、まずは、子育て環境を整える視点から、子育て支援センターの拡充や預かり保育の実施、病後児保育の整備など、きめ細やかな保育サービスの提供などがより重要であるというような観点から、これらを推進してきたという経緯もございます。
また、本市のこども園のように保育所と幼稚園が一体化となっている施設を設置するなど、子育てがしやすい環境を整備することが、ひいては多子奨励に資する効果が大きいものではなかろうかというふうに考えてきたという経緯もございます。
しかしながら、経済的な支援の充実も一方では、議員御指摘のとおり、一定の効果もあるというふうにも考えられますことや現在、国におきましても、幼稚園ですが、幼稚園の授業料の軽減についての議論がなされていることもあり、本市におきましても、第3子以降の授業料だけではなくて、保育所の保育料のさらなる軽減についても、新年度に向けて前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。
私からの答弁は以上でございます。その他の質問につきましては、担当部長からお答えさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
建設水道部長 齊藤和芳君。
〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕
◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、2項目めの砺波大橋の歩道についての現状や取り巻く環境についてお答えいたします。
主要地方道坪野小矢部線の砺波大橋につきましては、議員御指摘のとおり、幅80センチメートルの歩道が橋桁の両側にあり、朝夕通学する学生を初め、一般の歩行者、自転車の安全な通行が必ずしも確保されていないのが現状でございます。
また、砺波大橋付近の歩道設置につきましては、柳瀬地区の東開発地内において平成4年度から、東般若地区の権正寺地内においては平成21年度から順次整備が進められてきており、現在、権正寺側の橋の取りつけ部分で工事が行われております。
一方、周辺の環境につきましては、柳瀬地内において、スマートインターチェンジの建設が進められており、大型企業や輸送関連の企業が沿線にあることから、2年後のインターチェンジの供用開始以降、坪野小矢部線の砺波大橋における交通量の増加は予想されるところでございます。
これらのことから、橋本体の歩道拡幅につきましては、砺波市において、平成22年度から県に対しまして継続して要望活動を行ってまいりましたが、このたび、本年度において調査設計に着手する旨、県から説明がございました。
今後は、1日も早く歩行者や自転車が安全で、安心して通ることのできる歩道ができるように調査設計の促進、さらに予算の確保等について、引き続き県に対して要望してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時12分 休憩
午後 2時25分 再開
◯議長(山森文夫君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
2番 桜野孝也君。
〔2番 桜野孝也君 登壇〕
◯2番(桜野孝也君) 議席番号2番、新人の桜野孝也でございます。
去る4月の砺波市議会議員選挙におきまして初当選させていただきました。市民の皆様の期待と責任の重さを痛感するとともに、支援してくださった皆様に心から感謝を申し上げます。今後は、市民の皆様の負託にしっかりと応えられるよう、また、先輩方が築いてこられた砺波市をよりよい形で次の世代につなげていくためにも、夏野市長の掲げられた「もうひとつ上の“となみ”」の実現のため、微力ではありますが頑張っていきたいと思いますので、先輩、同僚議員の皆様、市長初め、市職員の皆様、何とぞ御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
それでは、通告に従いまして、質問させていただきます。
まず、1項目めの笑顔があふれる福祉のまちづくりについてお尋ねいたします。
1点目は、子育て環境の整備についてでございます。
私には小学校1年生の息子がおりまして、お子さんを持つ方々と話すときは、どうしても子どもの話題が多くなります。そんなとき、ある方から、練習の送り迎えや試合のときなどの配車当番が困難なために、子どもをスポーツ少年団に入れてあげることができないという話を聞きました。核家族化が進んでいる中で、おじいちゃんやおばあちゃんに頼りたくても頼れない家庭もあります。また、もし兄弟で違う種目のスポーツ少年団に入っている場合には、親の負担はとても大きなものになります。このような家族の事情や両親の仕事の都合で子どもたちの可能性を摘み取ってしまわないためにも、何か支援できることはないかと思うのであります。
私は、市営バスの活用やデマンドバスの活用を検討してみてはどうかと思うのですが、このような子どもの部活動やスポーツ少年団の送迎の問題について、当局のお考えをお聞かせください。
2点目は、高齢者の生きがいづくりについてでございます。
全国的に高齢化が進む中、砺波市におきましても、統計となみ平成24年度版によりますと、65歳以上の高齢化率は24.7%で、約4人に一人が65歳以上の高齢者ということになります。これまで砺波市のため、地元地域のために一生懸命頑張ってこられた方々であります。その方々のおかげで今の砺波市があるのです。そのような地域のために尽くしてこられた高齢者の方がいつまでも、元気で、生きがいを持って暮らせるまちづくりを進めることが我々、責任世代の役目であると思っております。そうすることによって、本人の幸せはもちろん、その家族の方々の生活も守ることにもなります。
以前、私の地元の保育所で、老人会の方々と園児で餅つき大会をしたことがあります。その様子を見たときに、皆さん、本当に生き生きとした表情をされていたのがとても印象に残りました。そのとき、私は、このような交流が、地域間を超え、さまざまなところで実施されれば、高齢者の方々の生きがいづくりになるのではないかと感じました。
そこで、砺波市総合計画には、高齢者と若者による世代間交流と地域社会への参画活動の支援と記されてありますが、これまでに取り組んでこられたことがあれば、お聞かせください。
次に、2項目めとして、人と心を育むまちづくりについてお尋ねいたします。
1点目は、伝統文化の継承と地域活動の支援についてでございます。
砺波市には、出町子供歌舞伎曳山、夜高行燈、獅子舞など、伝統的なお祭りがたくさんございます。
お祭りのいいところは、地元地域の子どもから大人までが参加できるところであり、年代間同士のコミュニケーションが図れるところであると思います。また、子どもたちにとっては、社会勉強の場でもあると思います。
私の息子が、獅子舞を始めたときに、家ではしたことがないような大きな声で、こんばんは、お願いしますと挨拶している姿を見ました。そのときに、学校や家では学べないことをお祭りを通じて学ぶことができる、そう思いました。
そして、何よりお祭りのよいところは、市民の皆さんが、地元地域の祭りに誇りを持っているということであります。
私も、小さいころから地元の祭りに参加してきたので、よくわかりますが、例えば夜高行燈に関して言えば、お祭り当日2日間のために、地元地域の皆さんが約2カ月かけて毎晩、制作をします。制作に参加することによって、地域の皆さんの名前や顔を覚えることができます。また、そこでのコミュニケーションで、若い人たちは、先輩からいろいろなことを教わります。ときには、地元の歴史なども聞け、勉強にもなります。庄川町地域においては、若者の元気の源は、夜高行燈にあると言っても過言ではありません。
先日行われました庄川観光祭では、夜高行燈のない地区の子どもたちに、祭りの雰囲気を味わってもらいたいとの思いで、それぞれ小さな四角い行燈をつくってもらい、お祭り当日に、メーン通りを練り歩いてもらいました。
時代の変化はございますが、今まで地域の伝統文化を継承してきたことを、これからもしっかりと後輩や子どもたちに伝えていくことが我々の使命ではないでしょうか。そして、伝統文化に対する熱い思いや誇りを大事にしていくことが、いずれは自分たちが住んでいる砺波市に誇りを持てるようになると思うのであります。
これからのまちづくりに必要なことは、地元が好きな人、地元に誇りを持てる人をいかに増やしていくかであると私は思います。そのためには、伝統文化であるお祭りはなくてはならないものだと思います。
そこで、砺波市として、これからの伝統文化を継承していくために、どのような取り組みや支援をされてきたか、お聞かせください。
2点目は、生涯スポーツの振興についてでございます。
辞書などをいろいろ調べますと、生涯スポーツとは、誰もが、いつでも、どこでも、気軽に取り組めるスポーツであり、子ども世代にとっては、遊びにもなり、大人世代にとっては、健康増進や体力づくりになるものであります。
また、ニュースポーツといって、その人の体力や能力に応じてできるスポーツもあります。
私の母親も、年を重ねるごとにスポーツとは無縁になってきていましたが、あるとき、地元の行事でカローリングというニュースポーツを経験したときに、私でもできたわ、楽しかったと言っていました。生涯スポーツを通じて、市民の皆さんが健康になる。また、市民一人一人が、真剣に健康について考えることによって、健康増進や、ひいては市の財政状況の改善にもつながっていくものと考えます。
そこで、市民一人一スポーツを目指す砺波市として、これまで、どのような取り組みをされてきたか、お聞かせください。
次に、3項目めとして、魅力ある産業が発展するまちづくりについてお尋ねいたします。
1点目は、若者の起業支援についてでございます。
魅力ある産業が発展するまちづくりには、いろいろあると思いますが、今回、私としては、まずは若者が起業しやすい環境づくりをすることについて考えてみました。
私は、庄川町商工会青年部で長く活動してまいりました。青年部員のほとんどは2代目や3代目の経営者と後継者でありますが、何人かは自分で起業した青年部員もおりました。彼らの話を聞くと、資金もそんなになくて、信用も実績もないということで、起業するまで本当に苦労したということでした。
一昔前は、大企業に勤めれば、安泰だという時代でしたが、今の時代は、大企業に勤めていても、いつリストラに遭うかもしれない。また、企業ごと潰れてしまうかもしれない、そんな不安を抱いた若者が増えてきております。
時代の流れとともに、現代の職業観も変わってきているのではないかと思います。今は、社会に役立つ仕事がしたい、人の役に立つ仕事がしたい、新しい産業の仕事がしたい、そんな若者が増えてきております。
そんな中、市としても、その職業観に合った対応、また、意欲のある若者の支援をしていくべきと考えます。「もうひとつ上の“となみ”」を目指すべく、今後、若者の起業支援について、どのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせください。
2点目は、地域資源を生かした観光についてでございます。
砺波市は、散居村、チューリップ、大門素麺、庄川温泉郷、庄川ゆず、木工、鮎など地域資源が豊富な観光地であります。
近年は、社会的情勢から、固定客や地域外からの観光客が減少傾向にあります。原因は、観光客のニーズが多様化、高質化してきており、十分に対応できていないのが現状であります。時代の変化とともに、見るだけでなく、感じる、考えるという観光のスタイルに変化してきている現在、砺波市として、もう一度、地域資源を見直す必要があると考えます。今まで普通に見たり、感じたりしていたことが、見方一つ変えることによって、新たな観光資源になり得ると考えております。そして、観光客と価値観を共有することで、産業、地域、商品が存続し、盛んになるのだと思います。
今こそ、議員、市職員、住民が一体となって、オール砺波で盛り上げていくことが必要であると考えます。
また、少子高齢化、地域間競争激化の日本だけを視野に入れていては、観光人口は連鎖的に自然減となる可能性は高いと考えます。やはり外国人観光客もしっかり視野に入れた取り組みをしていかなければいけません。日本におきまして、平成24年の年間の訪日外国人観光客数は836万8,000人で、前年比34.6%増でした。市場全体としては、震災等の影響からほぼ回復しております。
市場別では、中国、台湾、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インドが過去最高を記録し、このうち、国・地域別順位で、台湾は2位、タイは6位に浮上しました。
このような統計からも、日本の外国人観光客は増えてきており、その外国人観光客にいかに観光資源に魅力を感じていただき、砺波市に来ていただくかをオール砺波でプロモーションしていくことも重要であると考えます。
そこで、お伺いしますが、夏野市長が、御自身の選挙のときに言っておられた、外側からの視点で見た砺波市の印象、砺波市のいいところはどこか、また、これからの観光をどうしていきたいかをお聞かせいただきたいと思います。
以上、初定例会での質問の機会を与えてくださいました先輩議員の皆様に感謝申し上げ、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 桜野議員の御質問にお答えいたします。
私からは、まず、3項目めのうち1点目、若者の起業支援につきましてお答えいたします。
若者の起業支援につきましては、本年度から、砺波市の融資制度のうち、創業者支援資金の保証料を全額助成いたしますとともに、創業前の経験年数の要件というものがあったわけですが、これを3年から1年に引き下げ、創業者の資金運用やその貸し付けの要件につきまして、迅速かつ円滑に対応することといたしました。
また、昨年度策定いたしました砺波市商工業振興計画に基づき、富山県商工会連合会が実施する起業家支援でありますエキスパートバンク事業に対する支援を行うなど、起業家の育成を図ってまいりたいと考えております。
このほか、起業に向けた相談窓口の一元化とハイテク・ミニ企業団地や市内の空き工場や空き事務所などの情報の提供を行い、女性や若者などが起業しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
桜野議員の御指摘にもありますように、若者の起業家の育成は、地域経済の振興、発展はもとよりでございますが、地域の活力を担うという観点からも極めて重要なことであると認識しておりますので、今後とも、県や市内の商工団体との連携も深めながら、それらの機関の支援施策の活用はもちろんでございますが、支援施策のPRや創業者セミナーなどの開催について広く周知して、若者の起業支援に努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の地域資源を生かした観光についての御質問にお答えいたします。
まず、砺波市の外側からの視点や印象についてでございますけれども、ここ砺波市は、散居景観を初めとした美しい風景を残しながら、農・商・工のバランスがとれた田園都市であるとともに、区画整理事業や道路網が整理された、非常に住みやすいまちであるというふうに感じております。いわば、地方の豊かさというものを非常に見やすい場所でないかというふうに思います。
しかしながら、多くの市民の皆さんは、先ほどの話ですと、夜高はちょっと違うのかもしれませんが、自分たちの住む地域にあるすばらしい観光資源ですとか、住環境を必ずしもよく言われないということがあります。まあ、砺波じゃ、大したことないちゃというその一言に大体凝縮されるのではないかと思いますが、そういう点で、気づいていないことが非常に多いということで、残念であるというふうに私のほうからは見えました。
そこで、地域資源を改めて皆さんに知ってもらおうと、そういう取り組みの一つといたしまして、今年3月には、チューリップを初め、大門素麺ですとか、ゆずなど9品目をとなみブランドということにして認定させていただきました。
この趣旨は、本市の豊かな自然や風土、文化等に育まれてきた素材やすぐれた技術などで生み出された産品を認定し、市内外へ、その魅力を発信することにより観光物産の振興だけでなく、地域活性化を目指すというものでございます。
この事業をきっかけといたしまして、市民の皆さん一人一人が、地域の伝統文化や生活の中にある地域資源のすばらしさに気づいていただき、そしてまた、自慢もしていただくということが、砺波市をさらにPRする重要な取り組みであるというふうに考えております。
次に、これからの観光につきましては、平成23年度に策定いたしました砺波市観光振興戦略アクションプランに基づき、本市の柱となるチューリップフェアを中心にいたしまして、散居景観、庄川峡や庄川温泉郷、さらには、出町子供歌舞伎や砺波・庄川の夜高など、伝統文化を生かした観光戦略が必要であると考えております。
また、高岡市や南砺市などの近隣市との連携、さらには県の枠も超えた、いわゆる砺波市独自の取り組みのほか、そういったような広域的な取り組みが必要でありまして、広域の観光関係者で組織しております越中・飛騨観光圏協議会などの活動をさらに充実させ、広域連携による観光推進を図ってまいりたいと考えております。
一方、外国人観光客の増加対策につきましては、県や県の観光連盟などの施策とも連携しながら、海外誘客活動に取り組んでおりまして、近年は、冬期における庄川峡遊覧のショートクルーズが台湾人の観光客を中心に人気がありまして、増加傾向となっております。
平成24年度では、対前年度で外国人が3.6倍、800人ぐらいの方が訪れていただいているというところでございます。そのため、外国人観光客等が立ち寄られることの多いトイレの改修ですとか、Wi―Fi環境の整備などにも努めているというところでございます。
さらに、今後とも台湾からの観光客が増えるということも予想される中で、例えば台湾の地域の団体ですとか、文化、スポーツ団体ですとか、場合によっては、自治体などとの交流も検討していきたいなというふうに考えております。
今後とも県などとしっかりと連携しながら、海外では見られない砺波の魅力、私は、一言で言うと、やはり日本がまだまだ強いのは、都会の力だけではなくて、地方の力が強いということ。これが、やっぱりまだまだ圧倒的な、東アジアではほかには見られない強さだと思っております。それから、魅力でもあると思っています。その典型がやはりこの砺波のような地域だと思いますので、そういう地域の魅力をしっかりとPRして、外国人観光客の誘客の拡大を図ってまいりたいというふうに考えております。
私からは以上とさせていただきまして、残りにつきましては、部局長等から答弁させていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 川原國昭君。
〔福祉市民部長 川原國昭君 登壇〕
◯福祉市民部長(川原國昭君) 私からは、1項目めのうち、2点目の高齢者の生きがいづくりについての御質問にお答えします。
当市の高齢化率は、昨年9月に25%を超え、今後も高齢化が進むものと見込まれております。
議員御発言のとおり、高齢者の方々には、これまで地域経済、地域社会の発展のために御尽力いただいたものでありますが、まだまだ、いわゆるシルバー世代の持つ豊富な経験や知識、技能を生かしていただくことが重要であり、さらには住みなれた地域で、いつまでも健康で、生きがいを持って、充実した生活を送っていただけるよう支援をしていくことも必要であると考えております。
シルバー世代の皆さんには、ボランティア活動に取り組むことに加え、地域を初めとする仲間づくりを行うなど、その活力を地域社会は大いに期待しているところであります。
その上で、高齢者の方々には、これまで培ってこられた知識や経験を若い世代に伝えるため、昔遊びや伝統芸能など、市や地域の文化を後世に伝えていただくための世代間交流事業などを積極的に支援しております。
具体的には、市老人クラブ連合会で開催されている、ふれ愛スポーツまつりにおきましては、高齢者と保育所や幼稚園の児童が、スポーツを通じて世代間交流を図っているほか、地域の単位老人クラブでも、高齢者と児童が、七夕祭りやひな祭りを通じて世代間交流を図っていただいております。また、各地区の社会福祉推進協議会では、高齢者と小学生児童が一緒にチューリップの植え込みを行うなど、各地域で、それぞれ特色ある交流活動を行っていただいております。また、放課後児童クラブにおいても、地域の高齢者から昔遊びを教わるなど、世代を超えた交流や文化の継承事業が行われております。
一方、核家族化の進展やひとり暮らし高齢者世帯の増加により、高齢者に対する世代間を通じた支援も必要となっており、この意味でも世代間交流の果たす役割は大きいものと考えておりますので、今後とも、その充実に努めてまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局長 横山忠司君。
〔教育委員会事務局長 横山忠司君 登壇〕
◯教育委員会事務局長(横山忠司君) 私からは、まず、1項目めの笑顔があふれる福祉のまちづくりについてのうち、1点目の子育て環境の整備についての御質問にお答えいたします。
家庭の事情などにより保護者が送迎できないことから、スポーツ少年団に参加できない子どもたちのため、市営バスやデマンドバスを活用できないかとの御提案でございます。
少し厳しい答弁となりお許しを願いたいと存じますが、そもそも市営バスにつきましては、民間バスが撤退した地域における通勤、通学等の利便性の確保を主な目的としており、その上、現在の車両の運行状況を考えますと、スポーツ少年団の練習等に対応することは困難だと考えております。
また、デマンドバスにつきましても、新たな公共交通手段として採用されているところもございますが、その費用負担など課題も多く、スポーツ少年団の送迎に活用することは、これも難しいものと考えております。
なお、本来、スポーツ少年団は、スポーツを通じた青少年の健全育成を目的とする社会教育団体であります。その参加につきましては、それぞれの子どもたちとその保護者の皆さんが、自らの責任で判断されるものと考えております。
したがいまして、保護者の皆様方には、改めて指導者の皆様とそれぞれのスポーツ少年団活動の進め方について考えていただき、子どもたちのためにと同じ思いを持っておいでる保護者の方々や父母の会などで十分話し合っていただき、送迎の協力体制を整えていただくなど、子どもたちが伸び伸びとスポーツに打ち込める、安全・安心な環境づくりに努めていただきたいと考えております。
次に、2項目めの人と心を育むまちづくりについての御質問にお答えいたします。
まず、1点目の伝統文化の継承と地域活動の支援についての御質問でございますが、市といたしましても、子どもから大人までが参加できる伝統的なお祭りは、世代間交流が図られるとともに、子どもたちにとっては、日ごろ学べない社会経験を体験できる貴重な機会でもあり、とても大切な文化だと考えております。
そこで、御質問の伝統文化を継承していくためのこれまでの取り組みについてでございますが、まずは、各地区公民館や各学校の校区単位において、公民館活性化事業や放課後児童教室推進事業などにより、とっぺ行燈の制作や夜高行燈の曳き回し、えんじゃら踊り、納涼盆踊り大会、左義長などの地域に伝わるさまざまな伝統文化を学ぶ体験事業など、地元が主体となって展開していただいております事業等に財政的な支援を行ってまいりました。
また、各地区獅子舞の獅子頭の更新等への支援をあっせんしているほか、庄川観光祭、砺波夜高祭りへの財政的支援や県指定文化財であります出町子供歌舞伎曳山につきましては、三味線や謡曲などを後世に伝承するための指導者養成事業に支援をしてまいりました。
さらに、市では、伝統文化を側面からも支援するため、出町子供歌舞伎曳山や獅子舞の練習、夜高行燈の制作風景を特集した「砺波ライフスタイルブック(祭り編)」を発刊するとともに、市内の文化財、祭り、伝統行事、歴史、芸術などを一同に取りまとめたデジタルミュージアム「砺波正倉」を市のホームページに開設するなど、広く情報発信に努めているところでございます。
なお、伝統文化が確実に後世に継承されていくためには、まずは地域の主体的な取り組みが大切であり、それによって地域に愛着と誇りを持っていただけるよう、継続的な支援に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
次に、2点目の生涯スポーツの振興についてお答えいたします。
御質問にもありましたとおり、市では、従来から市民一人一スポーツを提唱するとともに、となみスポーツプランに基づき、健康の維持・増進、体力の向上、地域コミュニティーづくりの場として、生涯スポーツの普及、推進に努めてまいりました。
そこで、御質問のこれまでの取り組みでございますが、1つには、各地区における生涯スポーツの推進のため、小中学校の体育施設のほか、市内10地区に地域体育館を整備するとともに、運動広場を確保するなど、住民が手軽にスポーツを楽しめる地域の拠点づくりを進めてまいりました。
また、これと並行して、市内全地区に体育振興会を組織していただき、地区民運動会やウオーキング大会などを実施するとともに、今日では、それらの施設を活用し、カローリングやキンボール、ペタンクなど、特色あるスポーツレクリエーション活動が展開されております。
2つには、市民がよりスポーツに親しむことができる環境づくりとして、アユーズ、SEIBUスポーツクラブ、トライズの3つの総合型地域スポーツクラブと連携し、子どもから高齢者まで、幅広いライフステージに応じたプログラムの提供に努めてまいりました。
また、あわせて、となみ庄川清流マラソンやとなみ庄川水辺ウオーク、スポーツフェスティバルinとなみなど、家族や地域ぐるみで気楽に楽しめるスポーツイベントを開催してまいりました。
3つには、年齢に応じたスポーツの推進として、子どもたちの体力づくりと運動を楽しむことを目的に、幼稚園、保育所、小学校に指導者を派遣するホップ・ステップ・ジャンプ事業や家庭でも実践できる親子運動教室を継続的に実施し、遊びながら運動の基礎を学ぶことで、将来にわたりスポーツを楽しむ子どもたちの育成にも努めてまいりました。
また、各地区での高齢者向け軽運動教室等に指導者を派遣するなど、ソフト、ハード両面から成人の運動、スポーツの実施率向上に向けた取り組みを行ってまいりました。
このほか各地区から推薦をいただきましたスポーツ推進委員の皆さんの御協力をいただき、各種のスポーツ研修会を開催するとともに、それぞれの地域におけるニュースポーツの普及、指導等に御尽力をいただいているところでございます。
市といたしましては、今後とも地区公民館を初め、体育振興会や各体育団体の御協力をいただきながら、市民誰もが、それぞれの体力や年齢に応じて、いつでも、どこでも、いつまでも、スポーツを楽しむことができるよう引き続き生涯スポーツの普及、振興に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 9番 島崎清孝君。
〔9番 島崎清孝君 登壇〕
◯9番(島崎清孝君) 4月の市議会議員選挙で2期目の当選を果たすことができました。御支援をいただいた皆様に、心より感謝を申し上げます。
それでは、通告に従いまして、砺波市政の諸課題のうち、以下、大きくは2項目について順次質問をいたします。
大きな項目の1点目に、本市の緊急経済対策の現状と課題等についてお伺いをいたします。
初めに、本市の経済・雇用情勢に対する現状認識と今後の見通しについてであります。
本市を取り巻く経済は、リーマン・ショックを機に大きく落ち込んでいます。
特に平成21年7月のハローワーク砺波管内における有効求人倍率は0.24倍と、富山県下の中でも最低の値を記録したことは記憶に新しいところであります。その後の回復過程においても、東日本大震災や急激な円高、欧州・中国の景気減速などから、足元の景気は、生産、輸出の低迷など厳しい状況が続いています。
一方で、新政権による財政政策、金融政策、成長戦略のいわゆる三本の矢への期待感から為替が円安に是正され、製造業の輸出競争力が改善しつつあります。
国では、経済対策の効果も加味して、平成25年度においては、名目2.7%、実質2.5%の成長と16年ぶりに名目が実質を上回る経済見通しを発表しています。この見通しどおり、デフレ脱却への動きが進めば、本市の経済、雇用への波及も大きいのではないか、このように考えます。
そのためにも国の経済政策に連動して、機動的な公共投資や産業補助施策を進めていかなければなりません。マクロ・ミクロの両視点から、デフレ対策を裏打ちし、兆しが出てきた経済再生を本格的なものに変えていくことが今、求められています。
そこで、本市の経済と雇用の現況並びに今後の見通しをどのように分析されているのか、当局の見解をお尋ねいたします。
次に、補正予算の基本的な考え方と期待される効果についてであります。
国の経済活動全般には、ようやく明るい兆しが見えかけたものの、先般の総務省労働力調査によれば、直近の完全失業率は4.1%、また、消費者物価指数は対前年同月比で0.4%の下落、さらに、厚労省が発表した本年4月の勤労統計調査では、震災や円高による業績不振、パートタイマーの割合増加などを反映して、基本給、残業手当、賞与等を合わせた労働者1人当たりの現金給与総額は月額27万3,427円と、2012年の実績値である月平均31万4,236円をさらに下回り、1990年以降、最低の水準にあるなど賃金の減少に歯どめがかかっておりません。
このことから国が実施する緊急経済対策は、低迷する地方経済の底上げ、企業活動の再生を通じて、雇用や賃金を改善し、国民生活を向上させるという考え方に立ち、景気を底上げする公共投資や産業競争力の強化につながる施策に潤沢に資金を投入していているのが特徴であります。
本市の補正予算においても、防災、減災、老朽化対策など、公共投資に総額11億9,745万円が計上されているところであります。2月議会において、国の財源措置を最大限に活用し、一刻も早く事業執行ができる体制を整えるためにも、1日も早い補正予算の成立を目指された夏野市長の姿勢は高く評価できます。これだけの大型補正は近年例がなく、また、これほどの財政出動は、国においても何度も実施できるものではありません。だからこそ、今回の緊急経済対策は着実に成果を上げなければならないと思います。
そこで、改めて今回の緊急経済対策について、市は、どのような効果を期待されているのか、効果の早期発現、最大化のための工夫ともあわせて所見をお伺いいたします。
次に、補正予算の行政改革等への影響についてであります。
本市では、平成19年度から砺波市財政健全化計画を作成し、財政悪化の要因である公債費の負担を縮減するため、合併特例債事業を除く投資的経費に充当する新たな起債につきましては厳しく制限をしてきました。こうした中で、補正予算では一部起債を財源とし、近年にない規模での公共事業を集中的に実施することになります。
この補正予算債は、元利償還金に対し交付税措置があることから、いわば後払い、後年度の実負担は基本的には生じないとされておりますけれども、収支不足の拡大など、財政フレームへの影響は本当に生じないのか。さらには、本市の定員適正化計画に対し、今回の事業量増大に対応できる人員体制が構築できているのか、懸念をしております。
そこで、今回の補正予算が、本市の行政改革推進に与える影響について当局の見解をお尋ねいたします。
次に、公共事業による実需要の喚起についてであります。
過去20年間にわたり、我が国の建設投資額は、平成4年度の84兆円から平成23年度の43兆円へと半減しており、事業者数も大きく減少しているのが現状です。
今回、大型の補正予算によって事業量が急激に増える中での業者の確保、適正な予定価格での発注、あるいは左官工や型枠工、鉄筋工といった熟練工の不足、このことも懸念をされるところであります。
また、今回の補正予算で予定されている公共事業は、市民生活の安全・安心を高めるものであると同時に、市内地元業者にとってもメリットのあるものでなければなりません。工事の早期発注にとどまらず、市内中小建設業者への優先発注、分離分割発注など、事業執行方法への工夫が一層求められます。特に地元業者を広く市内の事業者として捉えるだけではなく、よりその地域に密着して、事業を実施している事業者の効果的な活用を図っていくべきだと考えております。
そこで、今回の補正予算における公共事業が実需用を生み出し、効果的な景気浮揚につながるよう、どのように取り組んでいかれるのか、所見をお伺いいたします。
2点目に、早期発注のための体制づくりは万全でしょうか。発注の進捗状況も、あわせてお尋ねいたします。
また、これまで公共事業を制限してきた結果、建設業の技能労働者不足が課題だと言われています。本市の現状をお尋ねいたします。
最後に、市内企業、特に小規模事業所に優先的に発注される取り組みはお考えでしょうか。今回の趣旨等を踏まえますと、やはり少しでも多くの小規模事業所へ幅広く仕事が発注されるよう、企業規模等にもきめ細かく配慮することが望ましいと思います。
いずれにいたしましても、緊急経済対策は、雇用につながるものであってほしいと願うところでありますけれども、事業者の立場を考えますと、公共事業が今後も増えていくのかどうか、こうした将来展望がなければ雇用にはつながりにくいのが現実です。単年度予算の中では難しいとは存じますけれども、可能な限り中長期的な発注計画の公表を進めていただきたいと思います。
関連して、防災・減災対策の推進についてであります。
近い将来の発生が懸念をされている南海トラフ巨大地震について、政府は、国難とも言える巨大災害と位置づけ、国家レベルでの対応が必要などとした最終報告書を近ごろまとめました。
南海トラフ巨大地震をめぐっては、これまでに、最大で死者約32万3,000人、経済被害は220兆円にも上るとする試算を発表しています。最終報告書では、従来の国の応急対策などが機能しないおそれがあるとして、都道府県間の支援の枠組みをつくるなど、日本全体での連携の必要性が強調されています。
そのほかにも、全国各地で集中豪雨が甚大な被害をもたらす事例が頻発するなど、風水害、土砂災害対策の必要性は高まる一方であります。
さらに、高度成長期に集中的に整備された道路や橋、トンネル、下水道など社会インフラの老朽化が進行することから、安全性や利便性の確保、それに係る膨大な維持管理コストが課題となっています。
国の補正予算では、政府が標榜する国土強靭化の実現のため、復興・防災対策に3兆8,000億円近くが重点配分されており、東日本大震災の被災地復興、道路や橋、トンネルなど社会インフラの老朽化対策や建築物の耐震化の推進、また、地方自治体のインフラ老朽化対策を支援するための防災・安全交付金の創設など、公共工事が大幅に積み増しされています。
そこで、これら事業の実施に当たっては、緊急性や必要性の高いものから順次、優先して整備をしていくのは当然のことではありますけれども、どのような基本方針を持って今後、充当事業箇所の選定を行っていかれるのか、所見をお伺いいたします。
次に、大きな項目の2点目として、消費税増税に伴う本市への影響についてお尋ねいたします。
民主、自民、公明の3党合意により、消費税の引き上げ法案が昨年の8月10日、参議院で可決されました。
このことにより、社会保障の安定財源確保等のため消費税法、地方税法、地方交付税法の一部が改正される運びとなります。増税実施の判断時期につきましては、本年秋とされており、今後、民間各調査機関から出される第2四半期GDPの予測発表とともに、議論が活発化するものと思われます。
さて、現行の消費税と地方消費税は合わせて5%でありますが、国税の消費税4%のうち、交付税措置で1.18%が地方に配分されていることから、地方消費税1%と合わせ、合計で2.18%が地方に配分されています。
現行案どおり、平成26年4月1日から消費税と地方消費税、合わせて8%になりますと、国税の消費税は6.3%、そのうち交付税措置で1.4%が地方に配分され、地方消費税1.7%と合わせ、地方への配分は合計3.1%となります。
同様に、平成27年10月1日から最終的に消費税と地方消費税を合わせて10%になりますと、国税の消費税が7.8%、そのうち交付税措置として1.52%が地方に配分されることから、最終的には3.72%、現行より率にして1.54%の増となります。増加分の使途につきましては、年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費とし、これらのチェックは、国が説明を求めた場合、自治体は説明責任を負うことにより、そのチェック機能を担保するということであります。
一方、自動車取得税及び自動車重量税については、総額で9,000億円が廃止の方向で検討をされています。
内訳として、自動車取得税が年間2,000億円、現在、これは全額地方に分配をされています。また、自動車重量税が7,000億円、これも約4割強が地方に分配されていることから、仮にこれらの廃止が決定されれば、地方の歳入に大きな穴があくため、新たな施策が必要になると見込まれております。
そこで、お尋ねいたします。
まず初めに、消費税増税に伴う本市財政への影響について。
2点目には、病院事業会計に対する影響について。
3点目は、増税による歳入で、社会保障の充実をどのように図っていかれるお考えなのか、そのポイントをお尋ねいたします。
最後に、自動車関係税の廃止が決まれば、増税による地方への財源の寄与が薄くなることから、国に対する代替財源確保に向けたより積極的な取り組みが必要かと存じます。取り組みの現状をお尋ねして、私からの質問を終わります。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
◯市長(夏野 修君) 島崎議員の御質問のうち、私からは、1項目めの1点目、本市の経済・雇用情勢に対する現状認識と今後の見通しについての御質問にお答えいたします。
本市の経済・雇用情勢に対します現状認識でございますが、国におきましては、アベノミクスの三本の矢の経済対策等の効果によりまして、景気は緩やかに持ち直しているといいながらも、地方経済、とりわけ本市におきましては、大型商業施設の進出が続いてはいるものの、物づくりの企業においては、国内工場の集約化や拠点工場の海外進出などによりまして、受注量が減少するなど極めて厳しい状況が続いております。
このような中、今年に入ってからも、市内企業の中でも幾つかの企業で工場再編や自己破産などの事態が発生しており、緊急経済対策が進められている中でもなかなか楽観視できないという状態が続いていくものと考えられます。
こうした中、先ほど申し上げましたように、製造業の数値があまり上がらないなどという業種間での雇用情勢の格差が出てはおりますが、本年3月の有効求人倍率は1.05倍でありまして、前年の同月から0.21ポイント上昇しております。雇用情勢は少しずつではありますが、上向きの兆しが見えてきていると思われます。
これは、先ごろ発表されました4月の数値も、若干下がってはおりますが、ほぼ同じ傾向でございます。
本市といたしましては、この兆しを本物にするために、国の緊急経済対策であります補正予算を最大限に活用し、迅速かつ円滑な事業の執行に努めますとともに、新年度予算におきましては、中小企業制度融資の設備資金の増額ですとか、借入期間の延長、また保証料の助成金や小規模事業者経営改善資金、いわゆるマル経融資の利子補給金の継続など、制度融資をより利用しやすくするなどの対策を実施しているところでございます。
引き続き市内企業の状況を注視しながら、市として必要な対応をしてまいりたいと考えております。
私からは以上とさせていただきまして、残りの答弁につきましては、担当部局長からお答えをさせていただきます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
企画総務部長 水落 仁君。
〔企画総務部長 水落 仁君 登壇〕
◯企画総務部長(水落 仁君) 私からは、多数御質問をいただいておりますので、順次お答え申し上げます。
まず、1項目めのうち、2点目の緊急経済対策の期待される効果についての御質問にお答えします。
安倍政権が掲げたいわゆる三本の矢により、長引く円高・デフレ不況から脱却し、雇用や所得の拡大を目指している今回の緊急経済対策におきましては、地方においても、この効果を期待し、全体的な景気の底上げにつながっていくことが望まれています。
市といたしましても、国の緊急経済対策に呼応した公共事業におきまして、1つ目としましては、切れ目のない早期発注、2つ目としましては、市内企業への優先的な発注、3つ目としましては、事業単価の弾力的な見直し、4つ目としましては、主任技術者の選任の緩和、5つ目としまして、ダンピング防止のための調査基準価格の設定などの工夫を行うことにより、新たな雇用の創出や賃金の上昇、地場産業の活性化など、経済への効果が1日も早くあらわれ、市民生活向上への効果が最大限となるよう万全を期しているところであります。
次に、3点目の行政改革推進への影響についての御質問にお答えします。
議員御指摘のとおり、今回、緊急経済対策で公共事業を集中的に実施することに伴う財源は、国からの補助金及び交付金と残りの地方負担部分についてのほとんどは補正予算債等の地方債を充当しております。
この補正で追加された投資的経費に係る地方負担額につきましては、原則として地方負担額の100%までを地方債で充当でき、その後年度における元利償還金の50%を公債費方式により基準財政需要額に算入し、残りは、原則として単位費用により措置され、実際の地方負担はほとんど生じないこととなっております。
また、今回の緊急経済対策に係る補正の地方負担の8割程度については、別に元気交付金として措置されることとなっており、今後予定している単独事業等の財源とすることができることから、市の財政に与える影響は小さいものと考えております。
しかしながら、地方債の残高が増えることは明らかであり、プライマリーバランスが赤字とならないよう、中長期的な見通しを立てていく必要があると考えております。
また、今回の補正に伴う事業量の一時的な増大に対しましては、職員間の協力体制により対応ができており、定員適正化計画への影響はないものと考えております。
次に、4点目めのうち、景気浮揚につなげる取り組みについてお答えいたします。
市といたしましては、国の緊急経済対策に合わせ、先の2月定例会において先議をいただいた補正予算と平成25年度当初予算を合わせた13カ月予算の早期執行に努めることにより、実需要が拡大し、景気浮揚等の効果が1日も早く発現するよう期待しているところであります。
例年、年度当初の発注は少ないため、受注業者にとっては仕事の閑散期でありましたが、公共事業を早期発注することにより、年間を通じての受注機会が増えるため、業者は1年を通じた雇用ができ、安定した雇用の確保につながるものと考えております。
そこで、急な受注機会の増加によって懸念される人材不足への対応としまして、本年3月から、建設工事に関する現場代理人の常駐義務及び技術者の選任に係る取り扱いを緩和したところであり、また、経済効果の早期実現のため、前払い金、中間前払い金などの制度を活用することにより、公共事業が順調に進捗するよう努めているところであります。
次に、早期発注体制と進捗状況についての御質問にお答えいたします。
発注体制につきましては、先ほど申し上げましたとおり、職員間の協力体制により問題はないものと考えております。2月補正で追加しました公共事業につきましては、6月時点で、約60%の発注を終え、順調に進捗しております。
なお、今後発注する工事につきましては、施工業者の確保についての懸念もあることから、速やかな発注に努めてまいりたいと考えております。
次に、技能労働者の不足等についての御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、今回の緊急経済対策により、建設工事が同一時期に大量発注されることに伴い、全国的に労働者不足、技術者不足が懸念されているところであります。当市におきましても、建設工事の入札参加有資格事業者数が近年減少しているところであり、技術者等の確保についても心配をしているところであります。
今のところ、人材不足が原因による入札中止はありませんが、今後発注する工事につきましては、人材不足により応札者がないことも懸念されることから、速やかな発注により受注者の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、企業規模等に細かく配慮した発注計画についての御質問にお答えいたします。
市発注の公共工事につきましては、これまでも市内業者の育成や地域経済の活性化、地域雇用の観点から、県内のほかの自治体と同様に、市内業者を優先した発注に努めてきたところであります。
また、条件つき一般競争入札や指名競争入札に当たりましても、市内に主たる事業所を有する、いわゆる市内業者とそれ以外の業者を区別し、市内業者を優先しているところであり、さらに小規模工事等の随意契約による発注に当たりましては、特に地域性を考慮しているところであります。
今後とも工事内容を勘案し、必要に応じて工事の分割発注を行うなど、柔軟な対応に努めてまいりたいと考えております。
次に、2項目めの消費税増税に伴う本市への影響についてのうち、1点目の本市財政への影響についての御質問にお答えいたします。
地方消費税交付金につきましては、平成25年度当初予算で、4億5,000万円の歳入見込みに対しまして、消費税率が8%となった場合、交付金は7億6,200万円となり、3億1,000万円の増収、税率が10%となった場合、交付金は9億8,000万円となり、5億3,000万円の増収が見込まれるところであります。
また、地方交付税への影響につきましては、消費税増税により交付税原資の増収が見込まれることから、地方への交付額の増額が見込まれるところでありますが、一方、地方消費税交付金の増加分の75%が基準財政収入額として算入され、交付税が減額となることから、地方交付税全体として、どの程度増額となるかは今のところ見極められないところであります。
また、一般会計歳出に含まれる消費税は、平成23年度決算ベースで約2億2,000万円あり、消費税が8%で約1億3,000万円、10%で約2億2,000万円の支出の増加となることから、先ほどの収入増の効果が相殺されるため、地方交付税の算出に当たっては、基準財政需要額に増加する社会福祉費や消費税増税分の増額経費などを算入するように、全国市長会などを通じて要望してまいりたいと考えております。
次に、3点目の社会保障充実のポイントについての御質問にお答えいたします。
消費税率引き上げに伴う増収分の使途につきましては、年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものと消費税法や地方税法で規定されており、地方では、予防接種、健康診断、障害者サービスなど制度化された事業やその他、社会保障施策へ充当するものであります。
また、地方においては、今回の増税分は地方財源の不足分が減少し、地方財政の健全化や社会保障制度の安定財源の確保につながるものと期待しているものであります。当市におきましても、現制度における社会保障関係費が年々伸びており、消費税増税分は、それらの財源に充てることになるものではないかと考えております。
次に、4点目の自動車関係税廃止の影響についての御質問にお答えいたします。
自動車取得税につきましては、税収の約7割が、自動車重量税につきましては、税収の約4割が市町村分として交付され、当市では、平成25年度当初予算で、自動車取得税交付金として5,500万円、自動車重量譲与税として1億9,000万円の歳入を見込んでおり、配分された交付金等については、都市基盤整備など行政サービスの実施のための貴重な財源となっています。
そこで、代替財源の確保がない中での両税の廃止は、市の財政運営に深刻な影響を及ぼすことから、自主的かつ安定的な財政運営に必要な、確実な代替財源の確保が示されない限り、現在の制度を堅持するよう市長会等関係団体を通じ、強く求めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
建設水道部長 齊藤和芳君。
〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕
◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、1項目めのうち、5点目の防災・減災対策の推進についての充当事業箇所の選定と優先順位についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、高度経済成長期に整備された道路初め、社会インフラの老朽化が進み、コスト面から、その更新等の対策が全国的な課題となっております。
当市におきましても、延長700キロ余りの市道を抱えており、財政面からも効率的、効果的な維持管理が求められているところでございます。
今回創設された国の防災・安全交付金には、地域住民の命と暮らしを守る総合的な老朽化対策として、インフラの長寿命化など計画的な維持管理や公共施設の耐震化、またもう一つは、地域における総合的な生活空間の安全確保の取り組みとして、通学路の交通安全対策等が補助事業のメニューとして盛り込まれたものでございます。
当市における道路関係の予算では、平成24年度2月補正において、舗装修繕や路側帯のカラー舗装、通学路の歩道整備、消雪施設の更新等に2億1,000万円余り、平成25年度当初においても、同様の事業で3億4,000万円余りの事業費を計上いたしております。
さて、今後の充当事業箇所の選定、優先順位でございますが、更新に多大な経費を要する橋梁につきましては、平成24年度に策定いたしました砺波市橋梁長寿命化修繕計画に基づき、計画的に予防措置、修繕等を実施し、効率的な維持管理に努めてまいります。
そのほか、道路ストックの主なものとして当市には舗装や安全施設などがございますが、これらについては橋梁のような計画的な管理になじまないものと考えており、適宜、適切な点検結果に基づいて、順次、老朽化の進みぐあいや交通量など、緊急性を判断して補修を実施してまいりたいと存じます。
なお、国の防災・安全交付金では、通学路の安全対策として、歩道整備や消雪施設の更新等もございますので、これらについては、砺波市の総合計画と整合性を図りながら、今後、事業に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
病院事務局長 神島英弘君。
〔病院事務局長 神島英弘君 登壇〕
◯病院事務局長(神島英弘君) 私からは、島崎議員御質問の2項目めの消費税増税に伴う本市への影響についての御質問のうち、2点目の病院事業会計への影響についてお答えいたします。
最初に、平成26年4月に予定されております消費税引き上げによる具体的な影響額につきまして、平成24年度決算見込みをもとに試算いたしますと、現在の消費税率5%では、支払い額のうち消費税相当額は約2億500万円となる見込みであります。このうち約1億9,600万円が控除対象外消費税となり、これを費用として経理することになります。
消費税率が8%になりますと、控除対象外消費税は3億1,300万円となり、約1億1,700万円の増、消費税率が10%となりますと、控除対象外消費税は3億9,200万円で、約1億9,600万円の増となります。
消費税の影響額は平成24年度の総収支約9,000万円を超える額になり、このことから、病院経営に大きく影響を及ぼすと考えております。
このような状況の中で、全国自治体病院開設者協議会、公益社団法人全国自治体病院協議会から、医療機関に対する消費税制度の改善についての要望が出されていますが、厚生労働省は、診療報酬に上乗せし、適正に補填しているとしています。
医療機関の収入の大部分を占める社会保険診療は消費税非課税であり、多額の控除対象外消費税が発生することから、消費税の最終的な負担者は医療機関にあるということになります。
来年、平成26年4月に予定されています2年に1度の診療報酬改定では、消費税の増税に対しどの程度の補填がなされるか、現段階ではわかりませんが、前回の診療報酬改定では、わずかなプラス改定となっております。
今後の対応といたしましては、関係機関と協力し、消費税増税に対する対応を求める一方、一層の経営努力を図っていくことが必要と考えております。
私からは以上であります。
◯議長(山森文夫君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
次回は、明6月18日、午前10時から開会いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
どうも御苦労さまでございました。
午後 3時34分 閉議