平成25年9月 本会議 定例会(第3号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

◯副議長(村岡修一君) 山森議長所用のため、副議長の私が務めさせていただきます。
 ただいまの出席議員は19名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。

                  日程第1
     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)

◯副議長(村岡修一君) これより本日の日程に入ります。
 日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第49号から議案第59号まで、平成25年度砺波市一般会計補正予算(第2号)外10件について、認定第1号から認定第8号まで、平成24年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定について外7件について、及び報告第8号 専決処分の報告についてを議題といたします。
 昨日に引き続き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 1番 山本篤史君。
  〔1番 山本篤史君 登壇〕

◯1番(山本篤史君) 皆さん、おはようございます。
 6月の定例会においては、初の一般質問にもかかわらず、市長からお褒めの言葉をいただき、非常に心温まる思いでございました。これに浮かれることなく、努力してまいりたいと思いますので、本日も、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い、質問をいたします。
 まず、1点目は、砺波総合運動公園について質問します。
 御存じのとおり、砺波総合運動公園は、先週木曜に2017年に行われる第68回全国植樹祭の会場候補に選ばれるほどのすばらしい場所であり、県内屈指の大型運動施設でもあり、市民にも愛され、大変多くの方が利用しておられます。また、7年後の東京オリンピックの選手を砺波から輩出するための重要な拠点とも言えるのではないかと思います。
 6月末に行われました市民体育大会の開会式でも、多くの方が参加され、大混雑を体感された方がこの議場内にもたくさんおられると思います。
 その際だけでなく、以前から、週末のイベントになるたびに、駐車場が満車になり、あふれた車は園内の道路、市道柳瀬線、柳瀬松ノ木線、千保柳瀬線、久泉東開発線などにやむを得ず路上駐車している状況です。体育センターの超大型行事があるときは、水泳の行事を順延するなどして、少しでも駐車場を確保しようと努力しているようです。
 第1駐車場が270台、管理棟前の第2駐車場が18台と大型車6台、そして、第3駐車場が21台、温水プール側の第4駐車場が200台で、合わせて500台程度の駐車場が確保されています。そして、それだけは足りないときには、河川敷に、第5駐車場として500台分があり、いずれも市が管理しているものと聞いております。
 しかし、現状は、それでも足りない状況で、体育センターのスケジュール表には、ほぼ全ての土日のイベント開催時にあふれると予想され、満車のマークを表示して、利用者に呼びかけているところであります。
 誘導員の配置も行われているわけですが、大会関係者などが誘導を行っているため、万全の状況ではないようです。収容人数に対して、明らかに施設の駐車場の数が足らない現状なのですが、当初の設計段階では、どのような経緯で現在の駐車場計画に至ったのでしょうか。今月9月の4週には、市長杯のバスケットボール大会もあります。せっかく砺波で一番すばらしい運動施設なのですから、近隣のさまざまな地域から、選手や観覧者がストレスなく利用することができて、心地よく帰っていただくことが砺波のイメージ向上につながると思います。
 この質問を考えている間に、砺波市地区自治振興会協議会が作成された富山県に対する平成26年度要望事項についてという書類を入手しました。その中には、県に対して、駐車場拡張の要望が出ていることも確認させていただきました。
 以上のような現状を踏まえますと、ソフト面の対応であれば、誘導員の徹底した配置と誘導が必要だと思いますし、ハード面の対応としては、早期に新たな駐車場の確保の検討も今後必要かと思われますが、市当局として、これらの問題に対して、どのような対応をしていかれるのかをお聞かせください。
 また、冬期においては、降雪で駐車場が本来の台数分すら確保しにくい状況で、体育センターの職員は、イベント開催予定を除雪業者に前もって依頼しておくことで、最低限の駐車スペースを確保する努力をされていたそうですが、近年は、市内一斉除雪のときしかしてもらえないと悩んでおられました。
 通常時でさえ、台数が少ないので、降雪時には、道路除雪とは別に、臨機応変に適切な除雪の対応をしていただき、駐車場の確保を徹底するべきだと思いますが、市当局のお考えはいかがでしょうか。
 また、プール横の公園についてですが、当公園は、アンパンマンをモチーフとした遊具があり、通称アンパンマン公園とも呼ばれ、子どもやその家族に大変親しまれております。検索エンジンのグーグルで、公園、砺波と検索しますと、自動的にアンパンマンと出るくらい、非常に有名になりました。
 私も真剣に調べてわかったのですが、この公園は、風の丘(あしたの森)公園というすてきな名称がついております。しかしながら、その名称は、私の知る限りでは、市民の口から耳にしたことがありません。
 公園の人気と比例し、遊具の劣化が進み、昨年、新しい遊具に交換した際には、もうそこにアンパンマンはありませんでした。利用者の多くは、またアンパンマンの新しい遊具が来ると待ち望んでいた方もおられたかと思います。
 公園をつくるのであれば、大きなコンセプトなどがあるのが一般的だと思いますが、この経緯を見ると、利用者の印象とは違い、何か一貫性がないような気がします。今後は、従来の名称である風の丘公園という名称をもっと前面に出し、市民に浸透させていただきたいと思います。その上で、今後も市民に愛される公園の整備や維持管理をどのようにされるのか、市当局のお考えをお聞かせください。
 2点目に、ごみ処理の現状と提案について申し上げさせていただきます。
 6月26日に新議員研修会に参加させていただき、その中で、クリーンセンターとなみを視察させていただきました。関係者の方々には深く感謝申し上げます。
 その際に、平成30年ごろには、現在の焼却炉は耐用年数を超えるため、新たに焼却場を建設しなければならないという話を聞いて、砺波広域圏として、今後、非常に大変な課題を背負うことになるだろうと思っていました。
 次の焼却炉を建設する場所についても今後、検討していかなければならないと思いますが、協議にも相当の時間がかかると思われます。
 焼却炉の劣化の進行を早める原因の一つとして、水分が挙げられます。
 水分の多いごみを焼却炉に入れると、一旦炉内の温度が下がり、水分の蒸発が進むと高温で燃え始めるため、温度管理が非常に難しく、炉を痛める原因となっています。
 今や、介護や子育てに欠かせないツールとして紙おむつが普及しておりますが、紙おむつはパルプとプラスチックの混合品で、70%もの水分を含み、汚くて、くさい上に、かさばるという厄介なごみでありながら、リサイクル不能な廃棄物として一般に認識されていると思います。その限りでは、焼却するしかないごみとせざるを得ないのが現状です。
 一般社団法人日本衛生材料工業連合会のデータによれば、2010年の段階で既に紙おむつの生産量は、乳幼児用より大人用のほうが上回っていますし、排出量においては、既に2003年の段階で上回り、現在では、乳幼児用の2倍以上になっているのが現状であります。そして、今後の高齢化社会において、さらに増大することは確実視されています。増え続ける紙おむつを焼却炉で受け入れていくことには、貴重な焼却炉の耐用や良好な焼却のためのコストなどの懸念があるのではないでしょうか。
 そこで、焼却するしか方法がないと思われていたこのおむつを燃料にする技術が開発され、製造された燃料を温泉施設や温水プールなどの燃料として活用しようという情報を耳にしております。
 私が知るところでは、紙おむつを分別収集して、このシステムを使うことで、汚物が付着したおむつをポリ袋に入れられたまま処理機に投入できるので、感染などの危険分散の心配もなく、処理機内で破砕、発酵による脱臭、滅菌、乾燥というプロセスを全て行い、皆さん、ごらんいただけますでしょうか、このような生成物に変えることができます。水分は8%以下、塩分は0.5%以下に抑えることができます。ごみ起源のため、温暖化ガスである二酸化炭素発生の抑制にもつながります。そして、簡単な成形によって、このようにすれば、一般に使われる木質ペレットの1.5倍もの熱量を持つ固形燃料に変わることができます。バイオマスボイラーやストーブによって、地域内で、地産地消の資源循環をすることによって、ランニングコストの低減もできます。
 もちろん財政的にも、体制づくりにも、いきなり大規模な導入を図るのではなく、病院や介護施設など、多量に紙おむつを排出する場所でのモデル事業から始めて、次第に燃料化の対象を拡大していくことが必要と考えます。
 その点、このシステムは、大規模なプラントではなく、1日1台150キロから500キロ、人数にして125人分から500人分という装置を、収集体制の拡大などに合わせて増設していけるという利点を持っておりますので、市民の意識高揚状況などに応じて、徐々に導入を図れるようです。
 そして、今まで他地域の実績によれば、導入によって、一般的にかかるおむつの処理費用を現在よりも5割から7割程度も削減することができます。このような新しい技術を用いることによって、焼却炉の劣化速度の抑制や焼却コストの低減につながるわけですが、近隣では、石川県能美市内で試験導入した例もありますが、北陸地域においては、まだ本格的導入の実例はありません。
 世界的にも、日本は、格段にごみの焼却施設が多く、おのずと焼却するごみも多いわけですが、生活していく上で必ずごみは出るものなので、やむを得ません。
 しかしながら、リサイクルできるものをリサイクルしないということは、将来の地球に対しての怠慢とも言えます。現在、このベンチャー企業には、毎日、全国各地、そして、世界各地から視察や調査の要望が相次いでいるそうです。
 ということは、各自治体などで、非常に意識が高まっている証拠ではないかと思われます。ごみのリサイクルには、市民意識を伴うことが絶対に欠かせない条件であることを考えると、モデル事業を開始すると同時に、時間をかけて、市民意識を高めるための方策を繰り広げる必要があると思われます。幸い、本市においては、全国に先駆けてマイバッグ運動を始めた、非常に市民の環境意識が高い地域でもあります。こういった先進的な技術や機械は、他地域より先行して行動することで市の知名度やイメージ向上にもつながり、環境都市宣言にもあるように、環境にやさしく行動することを先駆けて実践し、一歩先を行くことで、まさにもう一歩、「もうひとつ上の“となみ”」らしさが出てくると思います。
 単純にごみを減らすだけではなく、財政的にも、環境的にもやさしいまちづくりになればと思い、ぜひ精査していただきたく質問させていただきました。以上の点について、市当局のお考えをお聞かせください。
 これにて質問を終わります。

◯副議長(村岡修一君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
  〔市長 夏野 修君 登壇〕

◯市長(夏野 修君) 山本篤史議員の御質問にお答えいたします。
 私からは、2項目めのごみ処理の問題についてお答えいたします。
 議員の御指摘のとおり、クリーンセンターとなみの焼却炉の耐用年数もそう遠くない時期に来ているということから、本年の4月には、砺波広域圏事務組合に、ごみ処理施設建設準備班が設置され、本市と南砺市を交えた協議を開始しております。
 このような中で、少しでも施設の劣化を遅らせるとともに、ごみを資源としてリサイクルする新たな手法として、今ほど山本議員から御紹介いただいた、紙おむつのRPF化につきましては、私どものほうでも、開発企業のホームページや一部の報道などにより調べましたところ、品質が安定しており、熱量コントロールが可能だということ、不純物も少ないことからボイラー腐食やダイオキシンの発生もほとんどないと、そういった特長があるというふうになっております。
 ただ、一方で、一時は大変先駆的な技術と評価されながらも、類似のRDFという技術がございました。ごみをペレット化して、固形化燃料をリサイクルするということでありましたが、結果は、御承知のとおりのことでございまして、失敗事例というふうになってしまいました。
 現状におきましては、クリーンセンターとなみでの紙おむつの処理量は、全体としては比較的少量であるということ、それから、搬入前の汚物の除去などのマナーの徹底も呼びかけておりまして、施設劣化への影響はほとんどない状況にあると現場からは聞いております。
 しかしながら、環境都市宣言を掲げる本市といたしましては、社会に有益で、先駆的な新技術に取り組むことも重要であるというふうに考えますので、この技術の客観的な評価を見ながら、今後、時間をいただいて研究すべき幾つかの課題のうちの一つというレベルではないかというふうに考えております。
 また、砺波広域圏での焼却施設の建設に際しましても同様でございまして、御提案の手法につきましても十分に調査研究と情報収集に努めますとともに、この技術だけではなくて、さまざまな技術の今後の評価も考慮しながら、砺波広域圏事務組合と構成両市が協力して、砺波地域にふさわしい構想を策定するようにしたいというふうに考えております。
 私の答弁は以上でございます。その他につきましては、担当部局長からお答えをさせていただきます。

◯副議長(村岡修一君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 齊藤和芳君。
  〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕

◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、1項目めのうち、3点目の風の丘公園についての御質問にお答えします。
 風の丘公園につきましては、砺波総合運動公園の整備の中で、1つのエリアに風を感じることができる丘をつくり、大型複合遊具などを設置し、子どもたちが、風を感じながら楽しみの場をつくり出すことを目的に、ちびっこ広場として整備したものでございます。
 このようなコンセプトに基づき、遊具の選定に当たりましては、視覚、聴覚などにより、風を体感できるように配慮し、大型の飛行船の複合遊具やローラー滑り台等を取りそろえており、多くの親子連れの皆さんに利用されております。
 また、アンパンマンの遊具につきましては、子どもたちに愛されるキャラクターとして設置いたしましたが、遊具の安全性や商品の著作権上の問題から撤去を余儀なくされたものでございまして、本年3月に撤去したところでございます。
 なお、その代替えとして、昨年度、運動公園にふさわしい足踏みなど4基の健康遊具を設置しました。公園を訪れる子どもたちの保護者が待ち時間に利用したり、子どもたちと一緒になって利用できる健康遊具でありますので、今後も利用増進に向けて風の丘公園エリアをPRしてまいりたいと存じます。
 公園施設の維持管理につきましては、平成23年度に策定いたしました公園施設長寿命化計画に基づき、老朽化した公園施設について順次更新を行う計画となっており、施設更新の際には、市民に長く愛される施設となるよう配慮するとともに、利用者の安全性と利便性の確保に努めてまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。

◯副議長(村岡修一君) 答弁を求めます。
 教育委員会事務局長 横山忠司君。
  〔教育委員会事務局長 横山忠司君 登壇〕

◯教育委員会事務局長(横山忠司君) 私からは、1項目めのうち、1点目と2点目の御質問にお答えいたします。
 初めに、1点目の駐車場についてでございますが、砺波総合運動公園につきましては、昭和63年度に策定いたしました砺波市リバーサイドスポーツプラザ基本計画に基づき、平成5年4月に、野球場、多目的競技場などとともに隣接させて、第1駐車場及び第2駐車場を整備したところであり、また、2000年とやま国体に向けて、平成11年7月に、富山県西部体育センター及び砺波市温水プールとともに、その隣接地に第3駐車場、第4駐車場を整備したところでございます。あわせて、2000年とやま国体では、バスケットボール、軟式野球、ラグビーフットボールの3競技がこの砺波総合運動公園で同時に開催されることとなったことから、平成10年度に、国土交通省の占用許可をいただきまして、庄川河川敷に進入路と駐車場1万2,391平方メートルを造成し、普通車500台分を整備したところでございます。このような経緯で現在、1,000台を超える比較的大きな駐車スペースを確保してきたと考えております。
 しかしながら、このように大きな駐車スペースを確保し、また、体育関係者による交通誘導を行っているにもかかわらず、実態として、庄川河川敷の駐車場は遠いとの思いからか、議員御指摘のとおり、施設に近い路肩等に駐車される方もあり、結果として、周辺の方々に御迷惑をおかけしている状況もございます。
 ただ、2000年とやま国体のような大規模な大会におきましても、誘導の徹底と参加者等のマナーにより、駐車による大きな混雑は少なかったことから、基本的には交通誘導などのソフト面の徹底と来場者のモラルにより、多くのケースにおいては、混雑は回避できるものと考えております。
 したがいまして、今のところ、市単独で、新たな駐車場を整備することについては考えておりませんので、御理解賜りたいと思います。
 いずれにいたしましても、各施設の管理者においては、管理者相互の連携はもとより、大会主催者への事前説明に合わせて、大会規模等に応じ、適正な数の交通誘導員を配置するよう引き続き指導徹底するとともに、今後とも、来場者の御理解と御協力が得られるよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、2点目の施設近隣の除雪体制についての御質問にお答えいたします。
 冬期間における砺波総合運動公園駐車場等の除雪につきましては、他の公共施設と同様に、道路除雪管理所管であります市土木課との事前調整に基づきまして、市内の一斉道路除雪に合わせまして、駐車場等の除雪を行っているところであり、また、施設管理者等からの事前の要請を受けて、大会、イベントなどに合わせた除雪にも積極的に対応しているところでございます。
 ただ、日中からの降雪時などに、既に施設利用者の車があるため、除雪できない場合が多く、結果として、駐車利用がない翌日の早朝対応となり、駐車場等の除雪が行き届かない場合があることにつきまして御理解を賜りたいと存じます。
 市といたしましては、引き続き施設管理者との連携を密にし、可能な限り早期の除雪対応に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯副議長(村岡修一君) 9番 島崎清孝君。
  〔9番 島崎清孝君 登壇〕

◯9番(島崎清孝君) 皆様、おはようございます。
 それでは、通告に従いまして、以下、大きくは3項目の質問をいたします。
 初めに、農業の担い手対策についてお尋ねをいたします。
 政府の産業競争力会議は、去る6月、経済成長戦略の素案を示し、農業の競争力強化を図り、生産者の所得、生産額、輸出額のいずれにおいても、今後、10年間で倍増させるとの目標を掲げました。TPP参加による関税撤廃を見据え、これまでの保護から競争力強化へと農政の転換を図るというものであります。
 これを達成するための3つの戦略として、第1に、農地の集約により、米の生産コストを4割削減させる、生産現場の強化、第2に、食品加工から販売までを手がける6次産業化を進め、生産者が付加価値を取り込む収益性の向上、そして、第3には、農産物、加工品のグローバル展開による販路開拓、輸出の拡大であります。
 他の産業に比べ、所得の少なさが際立つ農業分野において、大幅なコストダウンで競争力を強化し、経営の多角化と販路拡大を進めることで、雇用の確保や所得の向上を目指すというシナリオであります。
 こうした方向性は正しいとは思いますが、施策の実行には膨大なコストと強制力を伴うことから、実現に向けてのハードルは極めて高いものがあります。しかし、今後の展開がいかなるものであろうとも、日本の農業、そして、農村社会を維持、発展させなければならないことにはかわりはなく、その推進エンジン、かなめとなる政策は、担い手対策にほかなりません。
 日本農業の最大の課題は、水田農業の再生にあるとも言われており、昭和一桁世代に続く農業就業者が急速に先細りになる現在、新たな担い手の育成確保は、地域の喫緊かつ重要な課題であります。
 そこで、本市の新規就農者や認定農業者、また、営農組織、農外企業の参入など、担い手の推移と現状をお尋ねいたします。
 2点目に、現在、本市では、平成27年度末を目標とする砺波市水田農業ビジョンにおいて、担い手対策を展開しています。現在の進捗状況や成果、今後の主な取り組み方針をお尋ねいたします。
 また、本市においては、地域の条件に応じた多様な担い手の育成が必要かと存じます。そこで、担い手の対象に応じた施策のポイントをお尋ねいたします。
 さて、担い手の育成には、これまで市当局としても努力をされてきたわけでありますが、次代を担う新規就農者、とりわけ自営就農者及び自営就農を目指す雇用就農者の確保に向けた取り組みが重要かと存じます。
 意欲のある若い人が入ってきて、さまざまにチャレンジをしながら、スキルを磨き、将来、6次産業化や対外取引などを通じて付加価値の高い農業を実践し、地域の農業をリードしていけば、本市農業の活路も開けるものと確信し、期待をしています。
 そこで、意欲のある若い農業人材の確保、定着化対策についてお伺いいたします。
 若い世代の就農希望者が、将来展望を持てるようにするためには、さまざまな能力の獲得や資本装備等が必要であり、初期投資の負担軽減を初めとする経済的なサポートや地域、行政で支える仕組みづくりなど、就農の段階に応じた必要な支援策を構築することが必要かと存じます。
 そこで、就農を目指す若者、次世代に対し、示し得る施策の現状、今後の展開をお尋ねいたします。
 また、将来展望が持てるように、これからの農業経営の方向性、活路を明示することも必要かと存じます。本市農業の将来像について、夏野市長のお考えを伺います。
 次に、大きな項目の2点目として、本市の少子化対策についてお尋ねいたします。
 総務省が先月28日に発表した2013年3月末時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査によりますと、出生数は、5年連続で減少し、102万9,433人と過去最少を記録するなど、少子化に歯どめがかからない現状が改めて浮き彫りになっています。
 国立社会保障・人口問題研究所が2011年に実施した調査によりますと、いずれは結婚しようと考える未婚者の割合は、およそ9割と依然として高い水準にある一方、半数以上が、将来に経済的な不安を抱いており、前回の国勢調査では、未婚率は男女ともに引き続き上昇し、35歳から39歳の男性では35.6%、女性では23.1%に達するなど、経済的な理由により結婚にちゅうちょし、先延ばしにしていることが晩婚化につながっているとの指摘をしています。
 また、既婚男女が、理想の子どもの数を持たない理由として、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからとの回答が最も多く、若い世代ほど、割合が高くなる傾向が見られます。
 つまり、高度経済成長期に子育ての現役を体験した我々の世代と、バブルが崩壊し、就職時に超氷河期を体験した現役世代とでは、結婚、出産、子育てに対する考え方に大きな違いがあるということであります。さらには、核家族化や地域のつながりの希薄化により、子育てに不安や孤立感を覚える家庭も少なくありません。
 現在、政府が社会保障と税の一体改革で掲げる子育て支援策は、主に待機児童の解消を目指したものであります。しかし、少子化問題の解決には、現役世代の声にしっかりと耳を傾けることが何よりも大切でありますし、同時に、若者の間に広がる将来への不安を和らげることに着目した施策の充実が望まれるところであります。
 そこで、本市が進める少子化対策には、現役世代の声が、どの程度反映されているのか、把握の手段や各種検討委員会への参加の実態等もあわせて、現状をお尋ねいたします。
 また、長引くデフレの影響に伴い、子育て世代の所得分布が、30代では300万円台の雇用者が最も多いとされている現在、現役世代が強く感じている将来への不安解消策として、まずは、現状の支援策を十分周知することが何よりも必要かと存じます。そのためには妊娠、出産から、高校、大学生期に至るまでの各ステージに応じた支援策を国、県、市を問わず、全体像をマトリックスにまとめた、よりわかりやすい資料の提供や成人式や婚姻届の際に説明、配布するなど、より丁寧で積極的な周知活動が必要かと存じます。周知の現状を伺います。
 3つ目に、本市の少子化対策は、今後、どこに力点を置かれるのか、今後の展開をお尋ねいたします。
 関連して、不妊治療費のかさ上げについてであります。
 第1子出産時の女性の平均年齢が30歳を超え、晩産化が顕著になる一方、医学的な妊娠、出産適齢期と現実のギャップが広がり、結果、不妊症が増加していると言われております。
 特定不妊治療助成金の県レベルの比較では、鳥取県が、初年度1回の治療につき17万5,000円を限度に、年度内3回までの助成、また、県下では、富山市が、治療1回につき15万円を限度に、年度3回の助成を行っているなど、少子化に対する各自治体の考え方により助成額はさまざまであります。
 そこで、時代の変化に追従し、不妊治療支援の充実を図るためにも、特定不妊治療助成金のさらなるかさ上げが望まれると存じます。当局の見解をお伺いいたします。
 2つ目に、特定不妊治療は、大きな負担や困難が伴う治療でありながら、治療の対象や方法、回数等については特に統一した基準がなく、各医療機関の判断に委ねられているのが実態であり、結果として、治療費にも大きな差があると聞いています。
 そこで、まずは、安心して治療を受けていただくためにも、しっかりとした診断基準や治療方法を確立し、費用の標準化を図るとともに、公的医療保険の適用対象とすることがぜひ必要かと存じます。県や国への働きかけなどもあわせて、当局の所見を伺います。
 次に、不育症についてお尋ねいたします。
 不育症は、妊娠しない不妊症とは異なり、妊娠はするものの出産には至らず、それを2回以上繰り返すというものであります。妊娠経験がある女性の4.2%、全国で毎年、約3万人が新たな発症をしていると推計されています。しかし、適正な検査と治療によって85%の患者が出産できるとも言われておりますが、保険適用外のため、自己負担が15万円前後かかるケースもあるということであります。
 そこで、不妊症との関連性も高いと言われる不育症に対する費用負担軽減のための助成措置について、当局の見解をお伺いいたします。
 最後に、大きな項目の3点目、期日前投票制度について、何点か御質問をいたします。
 これまでも投票率や投票環境の向上のために、幾つかの公職選挙法の改正が行われてきています。平成9年の改正では、投票時間が、午後6時までから午後8時までと2時間延長になりました。また、不在者投票の事由につきましても緩和され、旅行やレジャーなどでも可能となりました。さらに、平成15年度の改正では、期日前投票制度が創設され、投票用紙を直接投票箱に投票するなど、投票方法が簡素化されています。
 そこで、まず、本市のこれまでの選挙における期日前投票率の推移についてお尋ねをいたします。
 また、県選挙管理委員会は、先月26日、先の参議院議員選挙の年齢別投票率の結果を公表しています。本市の実態はどうでしょうか。とりわけ、年齢別の期日前投票率についてはどのような傾向にあったのか、お聞かせください。
 また、投票率の向上には、期日前投票制度が大きく貢献していると思いますが、この制度運営にかかる費用についてお尋ねいたします。
 そこで、直近の参議院議員選挙における期日前投票所に要した経費及び、これを期日前投票人1人当たりに換算した費用の実態をお聞かせください。
 さて、期日前投票の投票所の設置につきましては、投票の秘密が守られ、かつ投票所における秩序が適切に保持できることが要件となっています。しかし、区市町村によっては、この期日前投票所を市役所だけではなく、例えば駅の構内やショッピングセンター等に設けている自治体も多いと聞いております。わざわざ役所に出向かなくても、行きがけに、あるいは帰りがけに投票ができるという意味では、こうした形で街角に投票所を設けることはメリットが大きいのではないでしょうか。
 また、若者の低い投票率が全国的にも課題となっていますが、総務省の調査では、若者の棄権理由で最も多いのが、用事があったからの49.1%と全体の約半数を占め、2番目の選挙に関心がなかったから、12.6%のおよそ4倍に達しています。この結果から、1つは、若者世代に、期日前投票制度が十分周知されていないこと、そして、2つ目には、期日前投票所が、若者が日ごろ出かける場所には設置されていないことも影響があると思いますが、いかがでしょうか。
 そこで、若者も含めた期日前投票率向上に対する今後の展開及び設置場所の増設に対する田邉委員長の見解をお伺いいたします。
 最後に、期日前投票手続の簡素化についてであります。
 選挙のたびに市民の方々から御意見をいただいておりますのが、期日前投票手続の簡素化についてであります。特に高齢者や障害をお持ちの皆様方からの要望であります。
 本市では、期日前投票に際し、投票所において、宣誓書の記入が義務づけられておりますけれども、これを事前に自宅で記入できないかということであります。
 全国では、こうした有権者の声に応えるため、有権者に郵送する投票所入場券の裏に宣誓書を印刷して、自宅で記入する方式をとる自治体、あるいはホームページからダウンロードができ、事前に記入して持参できる方式に改めた自治体、さらには、選挙期間中、市民課の窓口に宣誓書を常設する自治体など、さまざまであります。
 当然のことながら、現在の公職選挙法上の課題や二重投票、なりすまし投票などへの懸念もあります。しかし、優先すべきは投票率の長期的な下落傾向にどう対処するかという点にあると思います。
 そこで、高齢者や障害のある方への配慮にもなり、投票所での手間も省け、経費の節減にもつながることからも、まずは要望の多い高齢者を中心に、市民の申し出により自宅で事前に宣誓書が記入できるような対策を講じていただきたいと存じますが、田邉委員長の見解をお伺いして、私からの質問を終わります。

◯副議長(村岡修一君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
  〔市長 夏野 修君 登壇〕

◯市長(夏野 修君) 島崎議員の御質問にお答えいたします。
 まず、1項目めの4点目、本市農業の将来像についてお答えいたします。
 砺波市の農業の現状は、水稲が中心となっておりますため、米価格の低迷、米消費の減少、生産数量目標の減少などにより農家所得が減少しておりまして、農家経営は厳しさを増しているということでございます。
 このような中、県では、主穀作農家の経営の安定化や雇用労力の有効活用など、野菜を導入する機運が拡大しておりますということから、農協を中心に、地域農業者等と一体的に取り組む1億円産地づくり事業など、園芸産地づくりを推進しております。
 我々の砺波市を含みますとなみ野農協では、水田農業地帯からの新たなチャレンジということで、タマネギの大産地化に取り組んでおりまして、御承知のとおり、1億円産地化も、1億円ということも達成されたということでございます。
 本市におきましても、昨年、一昨年と、若い農業者らでつくりますこれからの農業を考える会では、先進的な経営体や取り組みなどを実際に見ていただいて、これからの農業に必要な多くのことを学んでいただきました。若い農業者の皆さんには、このような活動の積み重ねが大変重要であると思いますし、実際、動きも出てまいりました。このような経験が、必ずや成果として出てくるものと確信しているところであります。
 また、本年度におきましては、農業者に加えて、消費者、それから流通、販売の関係者などによります地産地消推進会議を設置し、地域資源の有効活用に取り組んでいるところでもございます。
 今後の農業経営、いわば、議員のお言葉を借りますと、砺波型農業が確実に発展するためには、この砺波平野の特徴を生かし、これまでの米、麦、大豆にプラスして、付加価値のある新たな作物を取り入れることや、直売所ですとか学校給食センターなど新たな販路をしっかりと拡大していく、開拓していくことが極めて重要であるというふうに思っております。
 特に個別の経営体では、経営の複合化、多角化を進め、集落営農組織では、女性の力の活用、これで成功しておられる営農組織もございますが、そういうことがやはり極めて大切でないかというふうに思っております。引き続き農家の安定収入の確保ですとか、若い世代の就農希望者が将来展望を持てるように地産地消、農商工連携、それから、6次産業化など、意欲ある取り組みを進める経営体の育成に市としてもしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。
 次に、2項目めの少子化対策についてのうち、少子化対策の今後の展開についてお答えいたしたいと思います。
 少子化の問題につきましては、人口がほぼ横ばいであります砺波市といたしましても、最優先に取り組むべき重大な懸案事項であるというふうに考えておりますが、御承知のとおり、国はもとより、全国的に、どの自治体も少子化に歯どめをかける抜本的な対策というのはなかなか見出せないというのが実態ではないかというふうに認識しております。
 そのような中でも、本市では、少子化対策といたしまして、若者の雇用の確保、出会いの場を創出する婚活事業、子どもを授かるための不妊対策、出生後の子育て支援、例えば他市と比べて比較的低額な保育料ですとか、こども園の整備など、さらには就学期の環境整備など、さまざまなライフステージにおきまして、市の関係各課が、関係団体などとも協力し、連携しながら、きめ細かな取り組みを展開してきております。子どもを産み、育てるためのよりよい環境づくりというものについては一緒に努力しているという状況でございます。
 その結果、ある程度でございますが、砺波市は、子育てのしやすい町という一定の評価はいただいていると思いますし、そのようなことが、住みよさランキングが常に上位にあるということにもつながっているのではないかというふうに思っております。
 本市といたしましては、現在の砺波市次世代育成支援後期行動計画というのがございますが、それと平成26年度までに策定いたします、今回も条例でその関係会議の議案をお願いしておりますが、子ども・子育て支援事業計画に基づきまして、今後とも、さまざまな施策をやはり総合的に展開するということが大切であると思いまして、子どもを産み育てやすい環境を幅広く整備するということで、少子化の抑制に少しでもつなげていきたいというふうに考えております。
 私からの答弁は以上でございます。その他につきましては、選挙管理委員長並びに担当部長からお答えさせていただきます。

◯副議長(村岡修一君) 答弁を求めます。
 選挙管理委員会委員長、田邉浩一君。
  〔選挙管理委員会委員長 田邉浩一君 登壇〕

◯選挙管理委員会委員長(田邉浩一君) 私からは、島崎議員の御質問のうち、3項目めの期日前投票についてお答えいたします。
 まず、1点目の期日前投票率の推移と現状についてでございますが、当市の期日前投票率を、選挙ごとに比較してみますと、市議会議員選挙では、平成17年に12.9%であったものが、本年は24.7%に、参議院議員通常選挙では、平成19年に15.7%であったものが、本年は18.3%に伸びており、富山県知事選挙においても同様で、選挙の関心度により高い低いはありますけれども、直近の選挙のほうが期日前投票率が高くなっているところであります。
 また、先の参議院議員通常選挙の年齢別投票率の結果についてお尋ねでございますけれども、県が発表されました投票率は、県内全市町村から抽出調査したもので、県下の傾向を示すものでございます。
 当市では2つの投票区から抽出調査されたものであり、また、前回とは調査対象投票区が異なることから、単純に比較することはできませんけれども、県内同様、全年代で投票率が低下しており、特に30代後半から40代前半が最も低下しております。また、期日前投票につきましては、若年層で若干低下いたしております。
 次に、2点目の期日前投票に対する経費についてでございますが、先の参議院議員通常選挙の総執行額は約1,500万円でありました。
 そのうち期日前及び当日投票における経費でございますが、期日前投票は約215万円を要しており、投票者1人当たりに約295円の計算となります。また、当日投票は約514万円を要しており、投票者1人当たり約330円の計算となります。
 なお、期日前と当日投票では、投票所の数、投票期間や休日、平日の違いなど、条件が異なることを御理解いただきたいと思います。
 次に、3点目の期日前投票率の向上策についてでございますが、若者の投票率が低いことは、当市におきましても課題の一つだと認識いたしております。
 そこで、ショッピングセンター等への投票所設置など増設の御提案をいただいたところでありますが、実施については幾つかの課題がございます。
 期日前投票所は、二重投票を避けるために選挙人の投票データをオンラインで結ぶ必要があり、情報漏洩防止のため専用線の敷設などの設備投資が必要となります。このほかに会場や駐車場の借用、附属設備・機器の配置、さらには、無停電対応などにも経費を要しますし、事務従事者や立会人の配置も必要となります。また、解散選挙などの急な選挙の場合は、会場の確保ができないおそれもあります。
 これらの課題に加え、本市のような規模では、ショッピングセンターへ投票所を設置するほど不便でないと考えておりまして、当面は、若者への期日前投票制度の周知など選挙啓発を行い、将来につながる選挙に関心を向けさせるなど、投票率向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、4点目の期日前投票の簡素化についてでございますが、本来、投票は、選挙当日に投票所で行うものでありますが、期日前投票の投票率の伸びを見ても、期日前投票は今や特別な投票ではないと考えられます。
 そこで、宣誓書の事前記入の御提案でございますが、宣誓書は本人が申し立てを誓うものでありますが、それが形骸化するおそれもあり、適切な対応が必要と考えるものであります。
 しかしながら、議員が述べられましたように、記入に時間を要する方もおられ、投票当日の前の週末については大変混雑もあることから、これらを解消するためにも事前記入については検討いたしたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯副議長(村岡修一君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 水落 仁君。
  〔企画総務部長 水落 仁君 登壇〕

◯企画総務部長(水落 仁君) 私からは、まず、2項目めの少子化対策についてのうち、1点目と2点目の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の子育て世代の課題についてであります。
 本市では、平成21年度に、子育て支援の指針となる砺波市次世代育成支援後期行動計画を策定しております。これは、平成22年度から平成26年度までを計画期間としており、現在は、この計画に基づき、子育て支援サービスの充実に積極的に取り組んでいるところであります。
 この計画の策定に際しましては、就学前及び小学校の児童がいる家庭を対象とした子育て支援に関するアンケート調査を行い、その結果を活用するとともに、学識経験者や子育て支援者、子育て支援サービス利用者等で構成する策定委員会での御意見を反映したところであります。
 また、平成27年度以降の子育て支援サービスにつきましては、先ほど市長からもお答えしたとおり、昨年8月に成立した子ども・子育て支援法に定める市町村子ども・子育て支援事業計画に基づくこととなります。
 新たなこの計画を策定するために、改めて子育て家庭に対し、ニーズ調査を実施するとともに、本定例会に上程しております砺波市子ども・子育て会議からも御意見をいただき、計画を策定することとしております。
 なお、この子ども・子育て会議には、公募により子育て中の方の参加も予定しており、そうした方々からも御意見を伺い、計画に反映してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の子育て世代に対する支援策の周知についてであります。
 本市では、乳幼児の健診を初め、子育て支援センター、保育所、幼稚園、小中学校の情報、さらには奨学資金の貸与など、また、県の子育て応援券や子育て応援団の制度も含めて、妊娠、出産から、高校・大学生期に至るまでの子育てに関する支援事業等を1冊にまとめたパンフレット、砺波市子育て支援情報を作成いたしております。
 このパンフレットは、出生届やお子さんがいる家族が転入届を提出された際にこども課の窓口でお渡ししており、本市の子育て支援事業等についてお知らせしているところであります。
 あわせて広報となみ、市のホームページ及び健康カレンダーなども活用し、子育て支援に関する情報の周知を図っているところであり、今後とも適時適切な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯副議長(村岡修一君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 川原國昭君。
  〔福祉市民部長 川原國昭君 登壇〕

◯福祉市民部長(川原國昭君) 私からは、2項目めのうち、まず、3点目の不妊治療費に対する公費助成のかさ上げについての御質問にお答えします。
 本市の不妊治療費助成につきましては、議員御指摘のとおり、晩産化に伴い、不妊症治療の支援が重要となってきたことから、平成22年度まで、10万円を限度に年1回のみ対象にしておりましたが、平成23年度より、15万円を限度に、年2回まで30万円を限度に拡充しており、県内多くの自治体と同水準となっております。
 公費助成のかさ上げとの御意見でありますが、本市の平成24年度実績は、助成件数91件、助成額で1,187万2,000円となっており、平成17年度対比で、助成件数で約3.3倍、助成額で約4.7倍となるなど量的支援は拡大しており、他市の動向も考慮しながら対応してまいりたいと考えております。
 次に、費用の標準化、公的医療保険の適用につきましては、国において、その治療実態等も考慮しながら検討されていくものであり、必要に応じて対処してまいりたいと考えております。
 また、厚生労働省の特定不妊治療検討会で報告された助成対象年齢や回数等の検討意見の方向性を注視し、現状では、少子化政策の一つであることを踏まえ、望まれる方に対して、より安心・安全な妊娠、そして、出産につながるよう実施されるものと考えております。
 次に、4点目の不育症に対する助成についての御質問にお答えをいたします。
 不育症につきましては、平成20年度から厚生労働省が研究班を立ち上げて、各種の情報発信をしております。
 不育症の定義といたしましては、子宮形態異常や甲状腺異常など、さまざまな原因により流産、死産を繰り返すものとなっていますが、赤ちゃん自身の染色体異常による偶発的な流産の方も4割程度含まれていると見られ、このような場合には、不育症治療が必要とならないケースと言われております。
 本市での対象者については、専門的な診断、治療を行える医療機関が少ないことから、どれだけ存在しているのか、把握しづらい状況であります。
 また、不育症に対する費用助成につきましては、県内市町村では、今年度から1市のみ実施しておりますが、いまだ申請はないものと聞いております。
 また、費用につきましては、全てが全額自己負担ということではなく、事例によりましては医療保険が適用されるものでもございます。
 このようなことから、現段階では費用助成までは考えておりませんが、医療機関等に状況確認を行い、他市の動向等も把握してまいりたいと考えております。
 なお、市では、今後とも不妊に関する相談とあわせて不育症の相談に対応するとともに、必要に応じて、医師を配置しております県の相談窓口につなげるなど対応してまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。

◯副議長(村岡修一君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 八田俊伸君。
  〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕

◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、1項目めの農業の担い手対策についての1点目から3点目の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目、本市の担い手と対策の現状については、市内で就農された新規就農者は、平成15年度から平成24年度までの10年間で、49人となっております。
 認定農業者につきましては、農業経営基盤強化促進法に基づき、農業者が作成した農業経営改善計画を市が認定するもので、平成15年度に85経営体であったものが、平成24年度には130経営体となり、このうち49経営体が法人化されております。
 また、集落営農組織は、経理を一元化した協業組織や機械の共同利用組織なども含め、平成15年度に39組織であったものが、平成24年度には52組織となっており、このうち24組織が法人化されております。
 農外企業につきましては、これまで参入されておりませんが、農業参入を志す企業がございますれば、関係機関と連携し、安定的な農業経営が行われるよう適切に指導してまいりたいと存じます。
 次に、2点目の担い手の対象に応じた主な施策につきましては、砺波市水田農業ビジョンに基づき、各地区の水田農業推進協議会が中心となって、認定農業者や集落営農組織の育成に努められてきたところでございます。その結果、意欲ある担い手や効率的で、安定的な経営を目指した集落営農組織が育成され、また、農地の集積も着実に進み、利用権設定率は県内で最も高くなっております。
 今後の取り組み方針につきましては、経営の効率化や生産性の向上などの実現を目指し、転作のみの協業組織や機械の共同利用組織などでは、まずは経理の一元化を進め、任意の集落営農組織においては、法人化を進めてまいります。
 また、地域の中心となる担い手には、さらなる農地の集積、経営規模の拡大、それから経営の複合化や多角化、農業経営改善計画の着実な達成が肝要でございます。関係機関と連携しながら指導、支援し、効率的かつ安定的な農業経営の発展に努めてまいります。
 一方、市内におきましては、担い手や集落営農組織が組織化されている地区のほか、中山間地域など、地域の状況によって担い手の育成が難しい地区もございます。
 このような状況の中、昨年、各地区において、地域の話し合いにより人・農地プランが策定され、地域の中心となる経営体として多くの農業者が位置づけられました。
 今後は、人・農地プランに位置づけられた経営体が、効率的で安定的な経営がなされるよう指導、支援していくとともに、プランが策定できなかった地域につきましては、話し合いを促すなど、県やJA等の関係機関と連携し、積極的にサポートしてまいります。
 次に、3点目の若い農業人材の確保・定着対策につきましては、意欲ある次代を担う新規就農者の掘り起こしとその定着、さらには、その新規就農者を、一人前の農業者へ育成することが極めて重要でございます。
 その支援施策としては、就農希望者を対象とする先進農家での実地体験研修に県、市が助成する制度や、認定就農者の実践的な研修に必要な経費を融資する就農研修資金制度、また、借り入れした就農支援資金の償還金の一部を県、市が助成する制度がございます。
 このほか、就農意欲の喚起と就農直後の定着を図るため、就農前の研修期間や経営が不安定な就農直後の所得を確保する給付金を支給する国の制度もございます。
 さらには、新規就農者が、就農に必要な農業機械や農業施設などを整備し、早期に農業経営を確立できるよう県、市が支援する県単事業や、認定就農者が、6年以上の利用権設定で農地を集積する場合には、促進費を交付するなど数多くの支援制度がございます。
 今後も関係機関と連携し、意欲ある就農者を発掘するとともに、次代を担う若い農業者が、安定した農業経営ができるよう育成に努めてまいりますが、当市においては、米、麦、大豆などの土地利用型農業は既に多くの担い手に委ねられておりますので、今後は、多くの農地を必要としない野菜や花卉などの施設園芸への新規就農が見込まれるのではないかと考えております。
 私からは以上でございます。

◯副議長(村岡修一君) 3番 有若 隆君。
  〔3番 有若 隆君 登壇〕

◯3番(有若 隆君) それでは、通告に従いまして、市政一般に関する質問と若干の要望と提案をさせていただきます。
 まず初めに、人を育てるまちづくりのための男女共同参画社会の推進についてお尋ねをいたします。
 国においては、生産年齢人口の減少と高齢者の増加が同時進行するとともに、人口減少時代に入り、社会経済情勢が大きく変化する中で、男女が互いに人権を尊重しつつ、責任を分かち合い、個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会を実現するため、平成11年に、男女共同参画社会基本法が制定されました。
 また、富山県においては、男女の人権が尊重され、個性と能力が発揮できる、豊かで活力ある社会の実現に向けて、男女共同参画推進条例が平成13年に制定されました。
 本市においては、男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、ともに責任を担う男女共同参画推進条例を平成17年に制定しております。
 また、当市は、男女平等を基本理念として、お互いに人権を尊重しつつ、責任を分かち合いながら、あらゆる分野にともに参画していくことで、こころ豊かで住みよいまち砺波市を目指すため、男女共同参画都市宣言を行っております。
 男女共同参画社会基本法に基づき、平成22年に閣議決定をされた国の第3次男女共同参画基本計画では、2020年までに、女性の人材を30%に引き上げることとなっています。また、男女平等の取り扱いと成績主義を原則に女性の採用や登用を促進することとしています。
 また、砺波市男女共同参画推進計画においても、政策、方針決定過程への女性参画によって、女性の意見が反映されることを推進するため、平成27年度までに、市の審議会等への女性の参画率の目標30%を掲げております。
 本年4月の砺波市議会議員選挙により、当市議会においても、2名の女性議員が誕生し、女性のきめ細やかな感性と視点から、より幅広い見識が期待できるものと感じております。
 つきましては、市長の男女共同参画社会構築に対する考え方についてお伺いをいたします。
 次に、市の審議会等への女性の参画状況についてでありますが、平成24年度末現在の女性参画率は23.6%となっています。内訳としましては、執行機関としての委員会の委員は、委員数44名のうち、女性は5名で、比率は11.4%となっています。例を挙げてみますと、農業委員会の委員は、委員数27名のうち、女性は1名という状況であります。来年の改選期には、女性農業委員の積極的な登用について働きかけされるよう願うものであります。
 また、法律に基づいて設置されている審議会等の委員は、委員数237名のうち、女性は34名で、比率は14.3%となっています。また、条例に基づいて設置されている審議会等の委員は、委員数165名のうち、女性は45名で、比率は27.3%となっています。また、要綱等に基づいて設置されているものの委員は、委員数140名のうち、女性は49名で、比率は35%となっています。
 このような状況から、市の審議会等への女性の参画率を高める努力をしていただきたいと考えますが、どのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
 次に、市職員の女性管理職の登用状況についてであります。
 本年4月1日現在の病院を含めた管理職数は173名で、うち女性管理職は60名で、比率は34.7%でありました。うち一般行政職の管理職数は84名で、うち女性管理職は20名となっており、比率は23.8%となっています。
 このような状況から、市女性職員の人材育成を行うとともに、女性管理職の適材適所での登用を図っていただきたいと考えますが、どのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
 次に、男女共同参画推進員の増員についてであります。
 条例には、市、市民及び事業者等の責務が明記されており、男女共同参画の推進を図るためには、事業者等の協力が不可欠であります。現在、市では、地域における男女共同参画を推進するため、地域からの推薦による推進員を設置して啓発普及を図っておられますが、多くの女性が働いている事業所等においても、事業所における男女共同参画を推進するため、事業所等から推薦をいただき、男女共同参画推進員の設置が必要であると考えます。
 つきましては、市内の事業所等から、男女共同参画推進員を推薦していただき、事業所等で働いている人に参加して活躍していただくため、男女共同参画推進員の増員を提案したいと思いますが、どのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
 次に、人にやさしい福祉のまちづくりのための公共施設のトイレの洋式化等の推進についてお尋ねをいたします。
 人間が生きていく上で、排せつすることは欠かすことのできない大事なことであります。本市では、近年、公共施設のトイレの洋式化が進められ、現在、市庁舎の一部のトイレ、そして、耐震化を要しない南部小学校、鷹栖小学校、そして、庄西中学校において、トイレの洋式化工事を行っておられますが、古い公共施設では、和式のトイレで、手すりがなく、段差のある施設が多くあります。
 例を挙げてみますと、催事には不特定多数の人が来館する農村環境改善センターのトイレは、段差があり、手すりがなく、和式トイレで、洋式トイレがありません。施設を利用されている体の不自由な人や高齢者などにとって、大変つらい思いをしておられる状況であり、早期の改修を願うものであります。
 つきましては、市の公共施設のトイレのバリアフリー化と洋式化の推進についてお伺いをいたします。
 次に、オストメイト対応トイレなどの多機能トイレへの計画的な改修と増設についてお伺いをいたします。
 国においては、平成18年12月に、バリアフリー新法、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律が施行され、延べ床面積が2,000平方メートル以上の特別特定建築物は、建築時に1つ以上の車椅子用とオストメイト用のトイレの設置を義務づけています。
 多機能トイレとは、車椅子使用者が利用できる広さや手すりなどに加えまして、乳幼児のおむつ交換台、ベビーチェア、さらには、オストメイト用の汚物流し台などを備え、車椅子使用者だけでなく、高齢者や障害者、子ども連れなど多様な人が利用可能なトイレであります。
 また、オストメイトとは、直腸がんや膀胱がんなどが原因で臓器に機能障害を負い、手術によって人工的に腹部へ人工肛門や人口膀胱の排せつ口、ストーマといいますが、を造設した人で、排せつ機能障害の身体障害者であり、外見では見分けがつかない内部障害者であります。国内には、20万から30万人のオストメイトがいると言われています。また、砺波市では、本年4月1日現在、直腸または膀胱機能障害の身体障害者の方が64名おられます。オストメイトの人は、括約筋がないため、便意や尿意を感じたり、我慢することができないため、便や尿をためておくための袋、パウチといいますが、を腹部に装着しています。パウチにたまった排せつ物は一定時間ごとに便器や汚物流しに捨てる必要があり、このときにパウチや腹部を洗浄する必要から、オストメイト対応のトイレが必要なわけであります。オストメイトが、安心して外出できる社会環境を整備していくことが重要となってきています。
 そこで、砺波市では、平成20年度に、庁舎及び文化福祉施設8カ所の既存身障者トイレをオストメイト対応のトイレに改修整備をされましたが、まだまだ足りない状況であります。
 また、現在、市の公共施設の多目的トイレに乳幼児のおむつ交換台やベビーチェア等の設備のない施設もあり、子ども連れの人は大変苦労しておられる状況でございます。
 つきましては、身障者トイレなどに多機能トイレが設置されていない社会福祉施設、砺波駅、そして、道の駅、これから建設されます小牧公衆トイレなどの不特定多数の人が利用する公共施設、また、チューリップ公園においても、再整備計画の中でぜひ実現をしていただきたいと考えますが、市の公共施設のオストメイト対応トイレなどの多機能トイレへの計画的な改修と増設についてお伺いをいたします。
 次に、安全で、安心して暮らせるまちづくりのためのAEDについてお尋ねをいたします。
 AEDとは、自動体外式除細動器といいます。心臓麻痺を起こして倒れた人に、電気ショックを与えることにより、救命することができる大変すぐれた機械で、蘇生するための治療機械であります。
 このAEDは、誰もが操作して、救命活動することができます。
 日本においては、平成16年7月から、一般市民による使用が可能となりました。しかし、正しくAEDを使用するためには、その使い方を知っておく必要があります。AEDの使用方法を含めた救命講習が必要なわけであります。
 一刻を争う救急患者を救うには、救急車が到着するまでの間、その場に居合わせた市民、これはバイスタンダーといいますが、による適切な応急手当てが何よりも重要であります。救命のためには、救命現場に居合わせた人による早い通報、早い応急手当て、救急救命士などによる早い救急処置、医療機関への早い救命医療の4つからなる救命リレーがスムーズに連携することが必要不可欠であります。救命が1分遅れるごとに、約10%ずつ救命率が落ちていくと言われております。
 医師や救急救命士の到着を待ってから治療を始めるのでは、倒れた人の多くを救命することができません。日本では、119番救急要請から救急隊員が到着するまで、平均時間は約6分余りと言われております。仮に倒れた人を発見してから、119番救急要請するための時間が2分としますと、心室細動発生から救急隊到着までの時間は既に8分を超えることになります。さらに、除細動のための機器装着に1分を要するとしますと、心室細動発生から9分を経過していることになり、このときの救命の可能性は10%にまで低下してしまいます。その場に居合わせた人が、その場でAEDを用いて除細動しない限り、その人を助けることは難しいわけであります。そのため、バイスタンダーによる応急手当ての普及啓発が大切であります。日本では、心臓発作により突然倒れて、亡くなる人が年間約3万人いると言われております。突然心臓発作により倒れた人に対してAEDを使うことにより、より多くの人の命が助かるわけであります。
 つきましては、砺波市内における、民間を含めたAEDの普及状況について、また、バイスタンダーを養成するための地域や企業、そして、学校などでのAEDの使用方法を含めた救命講習会の開催状況について、さらに、市民にAEDの設置場所を示したマップを作成し、市のホームページに掲載して周知することが大変重要だと考えますが、どのように考えておられるのか、お伺いをしまして、私からの一般質問を終えさせていただきます。

◯副議長(村岡修一君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
  〔市長 夏野 修君 登壇〕

◯市長(夏野 修君) 有若議員の御質問にお答えいたします。
 私からは、1項目めの1点目、男女共同参画社会構築に対する市長の考え方についての御質問にお答えいたしたいと思います。
 本市におきましては、ほかと比べまして三世代同居率が高く、子育てに家族の協力が期待できるという環境もありまして、女性の就業率は高く、勤続年数も全国トップクラスとなっているという状況でございます。
 ただ、その一方で、性別による固定的な役割分担意識が根強く残っておりまして、男は仕事、女は家庭も仕事もというような風潮がまだありまして、男女の不平等感を生じさせているというのも現実でないかと思います。
 本市では、そのような性別による固定的な役割分担意識を改革し、女性にとっても、男性にとっても、住みよいまちづくりを目指して、平成17年9月に、男女共同参画都市宣言を行いました。あわせて、砺波市男女共同参画推進条例を制定するとともに、翌年3月に、砺波市男女共同参画推進計画を策定し、男女共同参画の推進に係る諸施策を計画的に推進してまいったところであります。
 また、近年は、少子高齢化、核家族化が進展するとともに、市民の考え方、行政ニーズも多様化するなど、本市を取り巻く環境も大きく変わってきているというところでございます。
 そうした状況を踏まえまして、平成23年3月に、第2次砺波市男女共同参画推進計画の策定を行ったところでありまして、平成24年10月に策定いたしました砺波市総合計画後期計画におきましても、男女共同参画の推進は、重要な施策の一つというふうに位置づけております。
 議員御指摘のとおり、推進計画の中では、市の審議会等における女性委員の割合や女性の管理職の登用率について目標値を設定しております。また、国におきましても、社会のあらゆる分野で、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とするという目標を設定しておりますように、社会全体への女性の参画が期待されているところであります。
 そこで、我が国が直面しております少子高齢化や人口減少といった大きな課題に対処していくためには、政策、方針等の意思決定の過程に女性が参画し、男性だけでは気づきにくいと思われます視点や感性、さらには、多様な価値観が尊重される男女共同参画社会を構築していく必要があると考えております。
 このような視点に立ちまして、本市といたしましても、一人一人が、お互いを尊重し、持てる個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現のため、引き続き男女共同参画推進計画を着実に推進してまいりたいというふうに考えております。
 有若議員におかれましては、以前からも男女共同参画に大変御理解のある方のようでございますので、今後とも、本市の男女共同参画施策の推進に格別の御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 私からの答弁は以上でございます。その他につきましては、副市長、または担当部長からお答えさせていただきます。

◯副議長(村岡修一君) 答弁を求めます。
 副市長 齊藤一夫君。
  〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕

◯副市長(齊藤一夫君) 私からは、有若議員御質問のうち、2項目めの人にやさしい福祉のまちづくり公共施設のトイレの洋式化等の推進についてお答えをいたします。
 まず、1点目の公共施設のトイレのバリアフリー化と洋式化の推進につきましては、今日の高齢化社会の進展、また、住宅環境の変化に伴い、洋式トイレが一般化していることから、公共施設におきましても、和式トイレの需要も勘案しながら、順次トイレの洋式化及びバリアフリー化を図っているところであり、現在、市の施設の8割において、洋式トイレを設置しております。
 今後も各施設利用者の要望等もお聞きしながら、施設の維持管理状況も勘案し、バリアフリー化、洋式化など、利用者に配慮した改修を計画的に行ってまいりたいと考えております。
 次に、2点目のオストメイト対応トイレ等の多機能トイレへの改修と増設につきましては、議員御発言のとおり、法律により、延べ床面積2,000平方メートル以上の公共施設や社会福祉施設等の特別特定建築物には、建築の際において、オストメイト用トイレの設置が義務づけられております。
 市といたしましては、これまでも高齢者や障害者の皆さんが自立した日常生活や社会生活を送り、安心して外出できるように、バリアフリー化など、ユニバーサルデザインの視点に立った生活環境の整備を進めてきたところであります。
 その中で、オストメイト対応トイレにつきましては、平成20年度に市が設置した8カ所を含め、設置が公表されているのは、市内に15カ所あります。
 今後も議員が例示されました箇所などにおきましても、改修や新たな整備が計画される際には、オストメイトの設置について検討し、設置が可能であり、かつ必要と考えられる施設におきましては対応してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。

◯副議長(村岡修一君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 水落 仁君。
  〔企画総務部長 水落 仁君 登壇〕

◯企画総務部長(水落 仁君) 私からは、まず、1項目めの男女共同参画社会の推進の2点目から4点目の御質問にお答えいたします。
 まず、市の審議会等への女性参画についてであります。
 審議会等への女性委員の登用につきましては、砺波市審議会等の設置及び運営に関する要綱において、審議会等の委員の選任に際し、男女共同参画社会の形成の促進に配慮するものとすると規定し、女性委員の登用に取り組んでいるところであります。
 しかしながら、審議会によっては、特殊性が高いもの、それから、専門的知識が必要なもの、あるいは関係団体の長等が充て職となっているものなどもあることから、御指摘のように、女性委員の登用がなかなか進んでいない状況にあります。
 本市では、これまでも毎年、審議会等における女性委員の割合を調査し、その結果を踏まえ、庁内会議において、審議会等への女性の登用を促してきているところであります。今後とも、委員の改選時には、充て職の見直しや公募制の拡充を行うことなどにより、引き続き女性委員の登用に努めてまいりたいと存じます。
 次に、3点目の市職員の女性管理職の登用についてであります。
 今年4月1日付の人事異動では、一般行政職の管理職である主幹級の職への登用者6人のうち、5人が女性であり、積極的に優秀な人材の登用を図っているところであります。
 管理職員には、企画、判断、決断力、部下職員の指導、育成力、対外的な折衝力など、さまざまな能力が求められますので、今後とも、限られた人材の中で、性別にかかわりなく、職階別の研修、それから、能力開発のための自己啓発研修等を積極的に受講させることにより、優秀な人材を育成し、適材適所での登用を図ってまいりたいと考えております。
 次に、4点目の男女共同参画推進員の増員についてであります。
 男女共同参画推進員は、砺波市男女共同参画推進条例により、地域における男女共同参画推進の啓発活動を目的に設置しているものであり、各地区から推薦をいただいた方42名と公募による3名の合計45名を委嘱いたしております。
 なお、今年度におきましては、砺波市男女共同参画推進員連絡会と市との協働事業により、男女が職場で生き生きと働くことができる就労環境づくりの推進を図るため、ワーク・ライフ・バランスの取り組み状況調査について、市内事業所に協力をいただいたところであります。今後は、調査結果に基づき、優良な事業所を表彰し、広く市民に紹介することといたしております。
 このように事業所にも御協力をいただいておりますが、男女共同参画推進活動において重要なのは、やはり家庭や地域、職場などにおける地道な啓発普及活動ではないかと考えております。
 そこで、議員御提案の各事業所からの推薦による男女共同参画推進員の設置につきましては、条例、設置要綱の見直しの必要性とともに、何よりも事業所の理解、事業所全体の調整なども必要なことから、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。
 私からは以上でございます。

◯副議長(村岡修一君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 川原國昭君。
  〔福祉市民部長 川原國昭君 登壇〕

◯福祉市民部長(川原國昭君) 私からは、3項目めの安全で安心して暮らせるまちづくりAED(自動体外式除細動器)についての御質問にお答えをいたします。
 まず、3点のうち、1点目の市内における民間施設を含めたAEDの設置状況についてと、3点目の市内のAEDの設置マップ作成と市民への周知について、関連した御質問であることからあわせてお答えをいたします。
 まず、1点目の御質問につきましては、議員御指摘のとおり、一刻を争う救急患者を救うには、救急車が到着するまでの間、その場に居合わせた人による心肺蘇生等の応急手当ての有無が救命率を大きく左右します。
 そのため、近年では、AEDが、公共施設やショッピングセンターなど民間施設にも広く普及をいたしております。
 AEDの設置登録につきましては、平成19年から、一般財団法人日本救急医療財団により、AED設置者に対し、設置登録の協力依頼がなされ、その情報を厚生労働省、都道府県、地域住民に提供するシステムが構築をされております。
 しかしながら、AED設置の登録は義務制でないことから、全数把握はできず、公開に同意した施設のみ日本救急医療財団のホームページ上で公開されておりますが、市内の設置状況につきましては、9月6日現在、120施設が公表されております。
 次に、3点目の御質問でございますが、今ほど申し述べたとおり、全数把握を行ってのAED設置状況マップの作成は現状では難しいものがございます。
 しかしながら、できるだけ正確な市内のAED設置状況の把握は必要であり、先の財団データと消防機関で把握されている市内のAED設置施設データを照合するなどして、設置施設の把握に努めてまいります。また、市ホームページなどにおいて、公開されている財団データを掲載し、市民への周知に努めてまいります。
 AEDの設置場所を多くの方が知り得ることは、速やかな救命活動において重要であり、今後とも砺波消防署を初め、関係機関と連携して、設置箇所の把握向上に努めるとともに、施設管理者に対して、設置場所の公表、明示や利用方法の周知を働きかけてまいりたいと存じます。
 次に、2点目のAEDの使用方法を含めた救命講習会の開催状況についてお答えをいたします。
 緊急時に、居合わせた人の多くが適切にAEDを含めた心肺蘇生を施すことができるために、救急講習会を開催し、多くの市民の方に受講していただくことが望ましいと考えております。
 現在、救急講習会は、砺波消防署が開催しており、平成24年の消防署管内におけるAEDを含めた救急講習会としては、一般公募における、成人の心肺蘇生法とAEDを中心とした普通救命講習、骨折や熱傷の処置を含めた上級救命講習が開催されています。
 一般公募における普通救命講習は18回開催され、受講者数は293名であり、上級救命講習は2回開催され、受講者数は33名となっております。また、公募以外の各種団体や自治会等での一般救急講習の受講回数は、76回開催され、受講者数は3,556名となっています。
 なお、平成25年は、9月1日現在、全体を通じまして講習回数68回、2,157名の方が受講されています。
 その他に応急手当普及員講習として、主に事業所等で従業員に対し、普通救命講習の指導ができるようになるための3日間コースも設けられています。
 今後ともAEDの取り扱い等を中心に、地区の自主防災会や各種団体、事業所などに対し、受講を周知してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯副議長(村岡修一君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時45分 休憩

 午後 1時00分 再開

◯議長(山森文夫君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 8番 山本善郎君。
  〔8番 山本善郎君 登壇〕

◯8番(山本善郎君) それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、市政一般について、質問と提案をいたします。
 まず最初に、空き家対策についてお尋ねいたします。
 市内において、空き家の発生が増加の一途をたどり、大きな社会問題となって相当の時間を費やしました。しかしながら、今日まで、市民の皆さんと行政が諸々の対策を講じてまいりましたが、その効果もいま一つはっきりと出ていないことで、一向に減っていく傾向が見えず、歯どめのかからないのが現状かと考えます。
 今、市内で空き家の件数は、昨年末には337軒あり、65歳以上の単位世帯が1,300戸と、この単位世帯が今後、高齢化と核家族化が進行する社会状況の中で、さらに空き家となり得るものと予測できます。
 ところで、諸々の対策を講じたことで、1つには、今年度7月より、空き家条例の施行や空き家情報バンクを開設し、適正管理と有効活用に貢献されていることに大きな期待をするものです。
 もとより、これらの施策で、空き家対策の全ての問題が解決できることとはなり得ないわけですが、空き家条例の中では、行政による代執行を明記することで、ある程度の抑止力になるものと考えます。そして、これらのことは、既に空き家となった対象家屋には有効であると考えますが、と同時に、これからなり得る単位世帯を空き家とさせない、もう一歩踏み込んだ根本的な対策を講じることも今後、必要であると思われます。
 そのためには、日ごろから、相談窓口や担当者による出向き、訪問が欠かせないのではないかと考えます。ひとつ家族世帯に踏み込むとなると、法律上いろいろの諸問題があり、そう簡単にできないようにも考えます。多くの個人財産や法律が阻害要因となるのであれば、素人ではでき得ず、そういったことに対処できる新たなセクションを開設し、相談窓口や相談員が必要とするのではないでしょうか。
 言うまでもなく、空き家といいながら、あくまでも個人の財産であり、所有者の思い出多いところでもあり、なかなか断ち切れないものがあることも理解できるところですが、適正管理ができていない物件は地域の住居環境に及ぼす影響は大きなものがあると考えます。さらなる対策を講じることが必要と考えます。
 そこで、1つ、空き家条例制定後の効果について、2、新たなセクションの設置について、3、もう一歩踏み込んだ行政支援についてをお尋ねいたします。
 次に、市内における環境保全について尋ねるものです。
 今、柳瀬地区内に建設中のスマートインターチェンジを開設するための工事が進んでいますが、早期の開通を望むところです。それにより道路事情がさらによくなり、砺波市の経済発展に大きく貢献できるものと考えるところです。
 ところで、私の周囲には、北陸自動車道とアクセスしている能越自動車道も見ることができるところですが、その高速道路ののり面の管理について尋ねるものです。
 御存じのとおり、北陸自動車道は、昭和48年10月に小杉―砺波間が開通し、今日まで、日平均区間交通量は2万1,644台と大変に交通量が多く、日本の大動脈となっているものと考えます。
 しかしながら、のり面といえば、土盛りで形成されているため、浸食を防ぎとめる方法として植栽の必要性は理解できますが、いつしか、それが雑草となり、その管理が必要となるのは明らかなはずです。特に市内を通る高速道路ののり面の管理が行き届かない箇所が多いに見受けられます。これを放っておいたために、大きな大木が出現し、密林化してしまっている現状があるわけです。その周辺の住民からすれば、大変に迷惑な状況であるものと考えます。既にもはやのり面であることさえわからない様相を呈しています。本来ののり面は、吹きつけ工法で、植栽されているところであり、大きな大木はなかったものと考えます。そして、これらが及ぼす影響は、病害虫や鳥獣の住みかともなり、さらには、不法投棄場所ともなり得るものであります。
 農業者団体からも、水稲生育期に雑草の一斉刈り取りを行うときに、適正な管理をしていただくための要請活動も行われているところですが、その後、実施されたものか、確認をしているのかどうか。農家の皆さんは、国道を初め、市道、農道に至るまで、農地が隣接するところであれば、自発的に、自主的に草刈りを行っているところです。そういう方々が、その高速道路を見るに当たり、あれでいいのか、疑問を呈する方も多いと考えます。特に目に余る光景と感じます。
 今、いろいろな場面において、適正管理をしなければならないにもかかわらず、高速道路の適正な管理とはどういうことなのか、今後の取り組みに期待するところです。
 そこで、1、生活環境整備の中での適正管理の必要性について、2、高速道路ののり面の適正な管理についてをお尋ねいたします。
 次に、税制改革のうち、消費税増税についての影響について尋ねるものです。
 政府与党は、先の参議院議員選挙について勝利いたしましたが、公約の中には、翌年4月より、消費税の税率アップ、言うなれば、現在の5%を段階的に8%に、その翌年には10%に引き上げようとしているところです。
 これは、昨年8月に、社会保障の安定財源の確保を図る税制の抜本的な改革を行うため、消費税率の一部を改正する法案が可決されているところであることから、今さら言うまでもないが、そもそもなぜ、今、税率を引き上げなければならないのかといった説明不足があるものと考えます。さらに、2年間の間に2段階で引き上げを行うことは、その期間の間隔があまりにも少なく、性急で、移行期間にかかる経費というものは莫大なものになると推定できます。
 さて、消費税というのは、御存じのとおり、大きな特徴として、1つには、高い財源調達力を持っていること、2つ目には、その税収が比較的経済動向に左右されにくく比較的安定していること、3つ目には、広く負担が分散するため、特定の人に負担が集中しないこと等が考えられますが、低所得者層には負担が大きくのしかかることも事実であります。一方、市財政が潤うことには大変よいことかもしれませんが、市民の皆さんの生活に与える影響は大きいものがあると推定できます。そうなれば、いつ引き上げし、本当に引き上げとなるのかが焦点となり、そういったことを踏まえ、今後の動向に注視する必要があるものと考えます。
 さて、今回の税率引き上げは、海外では、既に引き上げに踏み切るものと織り込み済みのようであり、冷静な判断を誤れば、国債市場の信用に大きな影響を与えかねないと言われます。また、過去において、一時的に駆け込み需要が増えるが、景気が途中で中折れ状態となり、不況をさらに助長した経緯があることも忘れてはならないと思います。この後は、9月に発表されるGDP改正値を見比べ、下旬あたりに判断されるとのことであり、さらに注視することが大切と考えます。
 そこで、市内企業の業績や経済動向、また、各種経済指標は好数値が見込まれるとされ、回復傾向を示していることから、経済は上向き始めたと判断されているようでありますが、原材料や光熱費が値上がりしている状況の中で、我々には、実感がなかなか沸かないところであります。と言いながらも、次世代、若い世代のためには仕方のないことかとも考えます。
 そこで、市内の景気判断や企業の景気動向は、実際はどうなのか、また、このよう中で税率を上げることに対して、どのような影響が想定されるのかを尋ねるものです。
 また、市長においては、来年度の予算概枠をそろそろ考える時期となると察するところですが、こういった状況の中で、その思いと意気込み並びに方針の考えを聞くところです。
 そこで、1、市内企業の景気動向について、2、税率アップがもたらす影響について、3、次年度予算編成の方針について尋ねるものです。
 最後に、農業問題についてお尋ねいたします。
 今年の夏も大変に暑かったわけでありますが、と言いながらも、その間、各地では局的なゲリラ豪雨が発生し、甚大な被害を出していることも忘れることはできないわけであります。幸いにも、市内には、そういった大きな被害報告もなく、安堵するところであります。
 さて、熱いと言えば、ブルネイで開かれているTPP問題も忘れてはならないことであり、米を初めとした農産物重要5品目が、国益を守るべき、各国間で交渉が進められている最中であります。
 品目ごとに、関税撤廃削減に関する提案(オファー)と要求(リクエスト)がはっきりと見えてこない中で、十分な論議が国内でできないことにいら立ちを覚えているところであります。説明責任を十分に果たしていただき、よりよい方向と結果を導き出していただきたいものであります。そして、その中でも重要5品目については、ぜひとも死守していただきたいと思います。
 そんな中、全農県本部は、今年度の委託販売契約を結んだ農家に対して支払う概算金の価格を公表いたしました。昨年の価格を大きく下回る、1,700円減の1万2,300円といたしました。3年ぶりの値下げとなったところですが、他県の動きや需要動向が一向に回復しないこの状況を見据えてのことと考えますが、米生産農家にとっては、生産意欲の減退が心配されるところであります。さらには、次年度生産調整がさらに強化されるものかと懸念いたします。
 さて、ここ10年間の概算金の推移は、平成10年に1万円と最も低く、昨年は1万4,000円と、過去10年間で一番高い価格となっているところですが、単純に平均しますと1万2,614円となり、今年度は、その価格よりも低いものとなりました。価格は、下がる一方かと懸念されます。一体、米の消費量が落ちてきたことも理解できるのですが、需要動向はどのように変化しているのか、気になるところであります。
 そうなると、どうしても農業は、農業関連制度に頼らざる得なくなってしまうのが現状かと認識いたします。戸別所得補償制度もその一つであり、経営所得安定対策と名称を変えても存続していることで担保されているものと考えますが、根本的な解決には至らないものと考えます。
 政府は、次年度に市場開放が進むことを既に念頭に置きながら、制度を構築していく方向だが、農産物の輸出拡大や生産費の削減支援策など、攻めの農業を目指し、競争力強化を重点に置いているようであります。
 その中には、農地保全を主眼とした日本型直接支払制度を創設させようとしています。そこで、この制度により、砺波型農業にどのような影響と効果を及ぼすのかをお尋ねいたします。
 そこで、1、今年度の米の需給動向について、2、次年度生産調整の見通しについて、3、日本型直接支払制度の効果と影響についてをお尋ねし、質問を終わります。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
  〔市長 夏野 修君 登壇〕

◯市長(夏野 修君) 山本善郎議員の御質問にお答えいたします。
 私からは、2項目めの市民と行政が協働するまちづくりについての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の市内企業の業績及び景気動向についてでございますが、先般、国が発表いたしました平成25年4月から6月期の国内総生産、いわゆるGDPは、実質で前期比0.9%の増、年率換算では3.8%となっておりまして、個人消費や円安を追い風といたしました輸出が好調であったものということが原因だというふうに思われます。
 市内企業の業績や経済動向につきましては、まず、雇用面では、ハローワーク砺波管内の7月の有効求人倍率が1.12倍と、全国よりも高い数値となっておりますなど、明るい兆しが出始めているものと思われます。
 また、設備投資につきましては、市内の金融機関や経済団体などにお聞きしますと、国の経済対策の効果が少しずつでありますが、出始めているとは言われており、公共工事の増加に加え、中小企業庁のものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金に、要するにこれは新たに取り組むということですが、においては、市内に立地する8社の企業が採択されるなど、製造分野においても設備投資の動きが出始めてくるものというふうに思われます。
 しかしながら、海外企業との競争の激化ですとか原油高、要するに原油の高騰などの影響によりまして、運送業ですとかプラスチック製造業、半導体製造業など特定の業種においては、依然として厳しい状況が続いているというふうに考えております。
 次に、2点目の税率アップがもたらす影響についてにお答えいたします。
 少子高齢化によります社会保障費の増大が予想される中での消費税の税率アップは、必ず必要になってくるものでありまして、やむを得ないものというふうに考えております。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、地方では、まだまだ景気回復の実感はなく、賃金が改善されていないという状況の中で税率がアップすることは、さらに家計を圧迫するものということで、そういうおそれもあるというふうに思っております。
 砺波市内の企業関係の方々の声、先ほども申し上げましたが、いろいろ聞きましても、まだまだ厳しい状況が続いており、確かに明るい希望は見えては来たんだが、実感を感じられていないという声がまだ多くございます。
 いずれにしても、税率アップにつきましては、このような地方経済の状況ですとか、中小企業、零細企業等の実態、それから、賃金の状況をよく調査、検討した上で判断していただきたいなというふうに思いますし、また、もし予定どおり実施されるのであれば、一部そのような報道も出ておりますが、十分な経済、財政対策が不可欠であるというふうに思っております。
 次に、3点目の次年度予算編成の方針についてにお答えいたします。
 平成26年度の予算編成方針の策定につきましては、提案理由でも申し述べましたとおり、消費税率の引き上げですとか、税制改正を含みます地方財政計画などの動向に大きく影響されますことから、現段階では、国の動向ですとか、経済情勢を注視しているという状況でございます。
 そのような中ではありますが、国の概算要求基準では、裁量的経費を10%削減するということになっておりますが、今年度の公共事業の拡大の効果が薄れないように、本市では、特に投資的経費については、現在のところ、一律の削減は予定せずに、継続性も考慮しながら、各事業の進捗に応じた要求を基本的には認めていく方向で考えております。
 一方、経常的経費につきましては、今までも聖域を設けずに1から見直しを進めてきたところでありますが、引き続き十分な検証のもと、削減に努めていくというものでございます。
 この基本的な考え方をもとにしまして、平成26年度におきましても、砺波市総合計画後期計画の着実な推進、「もうひとつ上の“となみ”」の実現に向けた諸施策への積極的な取り組みを予算編成のポイントといたしまして、また、引き続き行財政改革にも取り組みながら、地域経済の活性化と市民福祉の向上を図っていくという考えでございます。
 厳しい状況ではありますが、職員の皆さんとともに、知恵も汗も絞りながら、精いっぱいの努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
 私の答弁は以上でございます。その他につきましては、担当部長からお答えをさせていただきます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 水落 仁君。
  〔企画総務部長 水落 仁君 登壇〕

◯企画総務部長(水落 仁君) 私からは、まず、1項目めの1点目から3点目の御質問にお答えいたします。
 まず、空き家条例制定後の効果についてであります。
 7月に条例が施行されたばかりでありますが、これまで適正に管理されていなかった空き家が、条例施行後に数件取り壊されたという報告を受けておりますし、空き家情報バンクに、空き家の賃貸を希望する方の物件登録が4件、空き家を探しておられる方の利用登録が10件増加しております。徐々にではありますが、それも間接的ではありますが、条例制定の効果が出てきているのではないかと思っております。
 議員御指摘のとおり、条例の施行や空き家バンクの開設等の対策により、空き家に関する全ての問題が解決するものではありませんが、条例制定の趣旨にのっとり、適切な運用を行ってまいりたいと考えております。
 次に、2点目の新たなセクションの設置についてであります。
 4月より、空き家対策のうち、老朽危険空き家と防災対策の担当部署として、総務課に新たに危機管理係を設置し、体制の強化を図ったところであります。
 また、散居村ミュージアムには、同じく4月より、空き家の有効活用に関する業務を担当する空き家相談員として1名、さらに8月からプラス1名で、計2名を現在、配置しているところであります。この2名については、物件登録のデータ作成や空き家に関する情報収集、それから、所有者や希望者からの相談などに対応していただいているところであります。
 議員御提案の新たなセクションの設置につきましては、今ほど申し上げましたが、4月に機構の改革を行ったばかりでありますので、当面、現行の体制で、空き家対策を実施させていただきたいと考えております。
 次に、3点目のもう一歩踏み込んだ行政支援についてであります。
 本市では、条例の制定に合わせまして、空き家を改修して利活用する場合には、その改修費の一部に対して助成するなどの支援制度を設けたところであります。
 特に今回設けた支援制度は、空き家の所有者や福祉施設として活用する方々にも支援を行うなど、他市に先駆けた、一歩踏み込んだ幅広い支援策であると考えておりますので、皆さんの積極的な活用をお願いするものであります。
 これらの制度につきましては、本年度からスタートしたばかりであります。担当部署に配置した専門スタッフにより、一層、支援制度の周知に努めてまいるとともに、引き続き空き家対策を推進してまいりたいと考えております。
 議員御提案の空き家にさせないという課題につきましては、なかなか難しいものがありますので、現状の対策を順次、推進してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 八田俊伸君。
  〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕

◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、3項目めの魅力ある産業が発展するまちづくりについての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の今年度の米の需給動向につきましては、7月に、農林水産省が公表した、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針では、平成25年7月から平成26年6月までの全国の米の需要見通しは786万トンとされ、前年と比較して12万トンの減となっており、依然として米消費の減少が続いております。
 次に、2点目の次年度生産調整の見通しにつきましては、これらの情報に加え、民間の調査機関である米穀データバンクが、全国の作況指数は平年並みの100と発表したものの、在庫が多いことなどから、平成26年産米の生産調整率につきましては、35から36%近くになるものと予想しております。
 国からの生産目標数量の配分は12月になされますが、麦の播種準備もあることから、去る8月22日に開催されました砺波市水田農業推進協議会地区会長会議で、情報提供がなされたところでございます。
 次に、3点目の日本型直接支払制度の効果、影響についてお答えいたします。
 本制度につきましては、農林水産省の平成26年度予算の概算要求で示されているとおり、経営所得安定対策の見直しも含め、引き続き平成26年度予算編成過程において、検討を進めることとされております。
 このように新たな制度がまだ固められていないことから、本制度の効果や影響についてはお答えすることができませんが、国に対しましては、地方の声を十分に聞き、地方の実情を踏まえた制度となるよう要望しており、引き続き国の動きを注視し、情報の収集、円滑な情報提供に努めてまいります。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 齊藤和芳君。
  〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕

◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、1項目めのうち、4点目の高速道路のり面の適正な管理についてと5点目の生活環境整備の中での適正管理の必要について、あわせてお答えいたします。
 北陸自動車道ののり面管理につきましては、完成後、長らく日本道路公団が行っておりましたが、2005年10月から、民間の中日本高速道路株式会社が担うことになっており、議員御指摘のとおり、のり面の管理が行き届かない箇所も見受けられるようになりました。
 中日本高速道路株式会社では、定期的にのり面のパトロールを行い、不法投棄等に対応しているとのことで、草刈りについては、費用の面から、路肩から1メートル幅の部分は、できるだけ年に1回、その他の部分は、3年に1度行うことが標準とされていると伺っております。
 また、大木につきましては、風や鳥などによって運ばれた種子が根づいたものであり、特に交通に支障がない限り、関係者からの要請があって初めて、伐採等の対応をするとのことでございます。
 市では、草刈り等の回数が十分でないことから、毎年6月に行われるカメムシ対策、県内一斉草刈りに係る会議の際に、のり面の草刈りや雑木の伐採等を同時期に実施するよう要請しております。
 市では、沿線の地区から要望を受けた場合は、速やかに中日本高速道路株式会社に取り次ぎ、雑木を含めて対応されているところでございます。
 今後は、議員の強力な後押しもございますので、年度初めに、市全体でまとめて中日本高速道路株式会社に要請し、地域の生活環境保護のため、適切なのり面管理がなされるよう一層の働きかけをしてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 10番 川岸 勇君。
  〔10番 川岸 勇君 登壇〕

◯10番(川岸 勇君) 議長の許しを得ましたので、通告に従い、市政一般について質問をいたします。
 2013年度版東洋経済社発行の全国812市区都市データパックによりますと、砺波市は、住みよさランキング部門では、住居環境のよさ、交通の利便性が高く評価され、全国第9位という高い評価を受けています。
 砺波市総合計画で掲げる砺波市の将来像、「庄川と散居に広がる健康フラワー都市」、「もうひとつ上の“となみ”」を目指して、今、進めている農商工の振興、観光振興、子育て、教育環境の充実、医療、福祉、保健のネットワーク化事業を初め、土地区画整理事業、公共交通の活性化、地域防災対策の充実、学校等耐震化改修事業、散居景観、空き家対策事業と主要プロジェクトを着実に進め、名実ともに市民一人一人が、住みやすさを実感できる砺波市づくりに、行政、市民一体となって取り組んでいかなければならないと思っております。
 これらの諸施策を推進するには、言うまでもなく、市財政が健全でなければならないことは言うまでもありません。しかしながら、先の都市データパックによれば、砺波市の財政健全度は360位となっています。
 こうした状況の中で、大項目第1点目として、一般会計の今後の財政見通しと財政運営指針についてお尋ねいたします。
 平成24年度一般会計の決算を見た場合、自主財源比率も向上し、懸案であった実質公債費比率は18%を割り、将来負担比率も78.3%となり、大幅に改善されたことは、行政を預かる関係各位の努力のたまものであります。
 また、人件費、公債費等の圧縮や削減により、財政調整基金、減債基金に約7億円積み立てるなど、将来の財政基盤確立に努められたことは高く評価するところであります。
 しかしながら、依然として財政力指数、経常一般財源比率、経常収支比率にあっては、直近3カ年で最も悪い数値となっています。
 歳入の中で主要となる市税、地方交付税を合わせた金額が、前年度より3億円近い減額となっている状況や合併10年後の平成27年度からは、普通交付税が減額になるなど、今後の生産年齢人口の推移を見ても、大幅な税増収が見込めないことが推測されることからも、今から、将来に向けた足腰の強い財政基盤確立に向けた取り組みが喫緊の課題となってくるのではないでしょうか。
 また、本年2月定例会における滞納繰越額圧縮に関する一般質問に対し、市長からは、自主財源の確保・向上対策の一つとして、収納管理システムの導入により、きめ細かい滞納対策を講じているとの答弁でありました。なるほど、その効果もあり、平成24年度市税不能欠損額は、前年度730万円減の1,400万円まで圧縮が図られています。
 しかしながら、収納未収額で、滞納に係る市税が4億5,700万円、その他収納未収額を合わせると、前年比3,200万円増の4億6,700万円となるなど、今後の不能欠損増につながる懸念があることからも、税負担の公平性、自主財源の観点から、その対応、対策が一段と望まれるところであります。
 そこで、平成24年度決算を踏まえ、今、提起した問題等に対し、市長として、今後、どのように足腰の強い財政基盤づくりと財政運営に当たられるのか、財政見通しも含め、市長の見解を尋ねるものであります。
 第2点目の質問は、特別会計、事業会計の7会計について、平成24年度決算を踏まえ、これらの事業の課題と財政見通しについて尋ねるものであります。
 まず最初に、特別会計のうち、国民健康保険事業、後期高齢者医療事業についてお尋ねします。
 平成23年度国民健康保険事業特別会計は、単年度収支で7,500万円の赤字になったことから、平成24年度に、平成25年度までの2カ年で運営できる範囲の税率の改定が行われたところであります。
 また、後期高齢者医療制度保険料は、平成26年度改定と聞きますが、今後も医療給付の増加が続くと見込まれる中、保険料改定について、どのような見通しであるのか。
 また、霊苑事業にあっては、平成25年度において、市債の償還が終了すること。
 また、下水道事業にあっては、今後、多額な経費を要する下水道事業が予定されている中にあって、繰出金と消費税の関係から、特別会計の見直し等について会計監査で指摘されています。
 以上、2特別会計のあり方並びに特別会計4会計の財政見通しも含め、お聞かせをお願いします。
 最後に、3事業会計についてであります。
 特に病院事業については、平成21年度以降、4年連続黒字決算となったところでありますが、病院耐震化事業、高度医療機器の更新、病院増改築に係る減価償却費や償還金等の諸経費の支出が続き、今後も厳しい経営を余儀なくされると思います。
 他の2事業会計についても、収入増が見込めない状況下、経費の節減をどう図るか、大きな課題であると思いますが、この事業会計の見通しについて尋ねるものであります。
 大項目2に関する第1点目の質問は、公共施設の維持管理事業についてお尋ねをいたします。
 先ほども提起したとおり、市の財政は大変厳しいものがあります。このため、事業を初め、施設等のあり方について十分精査を行い、後世に多大な負担をかけることのない、めり張りのある施策を展開することが行政を預かる私たちの責務と考えます。その意味でも、行政改革推進委員会で検討されている公共施設適正配置、施設の統廃合問題は避けて通れない課題であると認識しています。
 これまで、公共施設の維持管理に多大な経費を要していることからも、民間や地域の機能を活用することが適当と考える71施設については、指定管理制度の導入が図られ、また、体育館等公共施設の使用料の見直しもなされてきたところであります。
 また、類似施設統合にあっては、今年4月の職業能力開発センターと働く婦人の家の統合により、砺波まなび交流館が誕生しており、今後としては散居村ミュージアムと散居村地域研究所との連携と指定管理について検討がなされます。
 また、福祉施設、学校、市営住宅などの生活基盤施設、地域体育館などを除く49施設について行政評価が行われ、平成25年度以降、9施設については、施設の統合、廃止、民営化を図ることが提案されております。
 これらの公共施設の統廃合に当たっては、行政改革推進委員会の意見も踏まえ、また、地域住民、利用者の声を十分聞きながら慎重に進められていると思いますが、これらの施設統廃合の進捗状況並びに今後の公共施設の統合指針について説明を求めるものでございます。
 第2点目の質問は、公共施設ストックマネジメントに対する指針についてお伺いいたします。
 多くの公共建築物が更新期を迎える中で、公共施設の維持管理は、これからの地方公共団体にとって、大きな政策課題となってくると思われます。当市の公共施設に係る維持管理費は、病院、道路、橋梁を除き、年間8億6,000万円の経費を要するとも聞きますが、厳しい財政状況が続く中、その維持管理、整備に関して全体を見据えた対応が求められています。
 国土交通省が行った公的不動産の合理的な所有、利用に関するアンケート調査によりますと、施設の維持、保全、管理状況については、地方自治体の6割が老朽化に対する維持管理、補修等は必要最小限に実施していると回答し、これにかかる費用については、約8割の自治体が今後、費用の増加が見込まれると回答しております。また、これらの管理部門については、約8割が所管部門で管理しているとし、全資産を一元的に管理していると回答した自治体は3.6%にとどまっている状況にあります。管理方法も、自治体の52.3%が紙ベースで資産台帳を管理しており、全資産をデータベース化しているところは4%にとどまっている状況にもあります。このように自治体にあっては、資産台帳が不備であったり、管理主体がばらばらであったり、庁内連携が一元化されていないなど、公共施設ストックマネジメント不足が指摘されています。
 今後は、IT活用による公共施設管理台帳のデジタル化や公共施設の管理運営を行う部門を設置するなど、実情に応じたマネジメント体制を構築すべきと考えますが、当市の公共施設(PRE)に対するストックマネジメントの現状と今後のそれらに対する指針について尋ねるものであります。
 第3点目の質問は、地区集会施設等に対する市の支援についてお伺いします。
 市が管理する公共施設には、学校、福祉施設等さまざまな施設がありますが、地区民が管理している地区集落センター、振興会館等、名称は違うものの、地区集会場が各地区にあるほか、各集落にある集会場も公共施設に準ずるものであります。
 地区集会場の建設年月を見ると、昭和33年の出町ふれあいセンターから、平成11年の種田コミュニティセンターとさまざまですが、特に耐震化の基準となる昭和56年以前に建てられた施設が13施設もあります。これらの施設全てが耐震化基準を満たしておりません。築後30年を経過し、老朽化が進み、修繕費がかさむ施設もあります。このようなことは各集落にある公民館にあっても同じことが言えます。
 市の災害時避難所としている施設156カ所中、110カ所の施設が耐震基準に適合したと言われていますけれども、厳密に調査すれば、耐震化されていない施設は相当数になるのではないでしょうか。これらに対応すべく、市は、砺波市地区集会場等事業補助金交付要綱、砺波市公民館及び社会活動施設建設補助金交付要綱の制定がなされているところでありますけれども、改築等をせざるを得ないとなりますと、地区民に多額な負担になることから、新築、増築、改築工事等の補助区分や補助額を見直す必要があるのではないかと考えます。
 これらに類する質問は、平成24年9月と平成25年6月定例会でなされていますが、直近の質問に対する市当局の答えは、整備に当たっては、地区間に不公平が生じないよう配慮しながら、一つ一つの施設に見合った、よりよい方法を検討する必要がある。また、所有のいかんを問わず、施設整備費については、地域における負担もお願いしたいと思っており、市も一定の支援をしたいと答弁しております。
 地区の活動拠点となるこれらの設備維持管理に対して、その後、市として、今、どのような支援措置を検討されているのか、今後の支援指針について尋ねるものであります。
 同項目の最後の質問は、老朽化した福祉施設の充実、特に老朽化している社会福祉庄東センターの改築について、早急に対応してほしいという立場から尋ねるものであります。
 このことにつきましては、平成22年、平成23年の各3月定例会において、村岡議員から質問がなされたと認識しております。
 庄東センターは、健康増進、福祉の向上、介護予防の拠点として、庄東地区の皆さんを初め、また、合併後は、庄川地区からの利用者も加わり、高齢者の方から親しまれている地域の重要な福祉施設であります。この施設も、昭和53年4月にオープンして以来、今日まで35年の年月が経過しており、その間、平成11年には、苗加苑、平成19年には、北部苑が新たに整備されるなど、現在、福祉センターは市内に5施設ありますが、その施設の中で最も古い施設となっております。
 利用者を初め、地域老人クラブの方々からは、照明が暗い、空調が悪い、2階を利用するに当たって階段や搬送等が不便、施設機器の故障が多い等々の意見が寄せられているほか、老朽化が進んでいるので、早く改築してほしいとの要望が多く寄せられています。一部バス利用者にあっては、庄東センターでおりずに、新しい他の施設へ足を延ばす利用者もあるとも聞きます。
 また、本年に入って、3月と7月の2回、老朽化と見られる設備機器の故障により、風呂に入れないというトラブルが発生したことからも、私たち、庄東地区出身の議員、村岡議員、山本篤史議員、それと私の3人で、これらの実態を調査するべく、去る8月9日、庄東センターを視察したところであります。
 風呂、加圧ポンプ、受水槽、配管等の水回り、屋上、外壁等の隅々まで施設を見終えて、仮設対応されている箇所や早急に対応しなければならないところも多くあることもわかりました。老朽化が進んでいることも再認識したところであります。
 先に平成23年3月定例会での当施設に関する質問に対する市当局の答弁は、増改築を含めた今後の改修は、市社会福祉協議会とも協議しながら総合計画に織り込んでいくとのことでありました。老朽化が進み、耐震化もままならない庄東センター、防災対策充実の観点からも早急な対応が望まれます。地域住民の要望も踏まえ、福祉施設の充実に向け、市当局のさらなる前向きな答弁を期待するものであります。
 一般質問の最後の質問は、当市の電子自治体整備の取り組みについてお尋ねをいたします。
 総合計画後期計画の中でも電子自治体推進が施策テーマとなっているところであります。特にその中で、行政の情報化をどのように進めるのかが大きな課題となってくると思われます。
 本市の計画では、地域イントラネット、クラウド、マルチペイメントの導入等について、調査研究を行うとしていますが、自治体にあっては、フェイスブック、ツイッターなどのSNSを活用した情報発信に努めている自治体もあります。今後、その導入についても調査する、研究する余地があるのではないかと思われるところであります。
 ところで、総務省は、電子自治体の取り組みを加速するため、この年度内に新電子自治体指針を示すとしています。
 この骨子の内容は、番号制度導入によっては、自治体の情報システムが大きく変わることになることから、自治体クラウドの導入の必要性を強調しております。今のところ、クラウド導入、クラウド導入を予定している自治体も含めてですけれども、全国自治体の21%にとどまっている状況にあります。このクラウド導入を初め、SNS、地域のイントラネット等、行政情報化等、電子自治体整備に向けて、今後、どのように取り組まれるかをお伺いし、私の一般質問、全てを終わります。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
  〔市長 夏野 修君 登壇〕

◯市長(夏野 修君) 川岸議員の御質問にお答えいたします。
 私からは、まず、1項目めの市の財政見通しと財政運営についての御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の一般会計についてでございますが、財政の見通しについては、財政の健全化を示すと言われます実質公債費比率が、合併算定替え終了による影響で、一時的な上昇が予想されるものの、18%を下回った状態で今後、推移するものと見込んでおり、全体として、改善の傾向が続くものと見ております。
 また、財政構造の弾力性を示すと言われます経常収支比率につきましては、引き続き定員適正化計画に基づく人件費の削減、行革会議等で検討しております、類似施設の統廃合など管理的経費の削減について努めているところから、現状を維持できるものと見込んでおり、これらの財政諸指標の推移から、引き続き健全財政を図っていくことができるものというふうに考えております。
 次に、足腰の強い財政基盤づくりは、議員御指摘のとおり、まずは歳入面において、財源の3割を占めます、市税を初めとする自主財源を確保することが極めて重要でございます。
 とりわけ、市税の確保につきましては、税負担の公平性確保と納税秩序の維持のため、滞納者の実情を的確に把握し、まず、滞納はさせない。次に、滞納は放置しない。次に、滞納は逃さないという取り組みを進めており、督促状の送付、納付催告書の送付、電話での納付催告、訪問徴収と生活実態の調査などに取り組んでおりますほか、多重債務等で相続放棄された固定資産につきまして、民法に基づきます相続財産管理人制度を活用した資産の整理を通じまして、滞納繰越額の圧縮に努めているものでございます。
 さらに、滞納管理システムを活用しまして、滞納が深刻化する前に迅速で、きめ細やかな滞納対策を心がけますとともに、的確な滞納対策を行い、市固有の自主財源であります市税の確保に努めてまいります。
 また、負担能力のある滞納者への市の例えば助成金、補助金の交付につきましても、留保するというような取り組みも引き続き続けていきたいというふうに考えております。
 一方、歳出面におきましては、今後、小中学校を初めとします各施設の耐震改修工事や芽出し事業として検討しております、例えば新図書館の建設、幼稚園、保育所の整備などに取り組むことが必要となってきますことから、歳出の増加が見込まれることとなるため、これらに優先順位をつけて中長期的な視点を念頭に置きながら、できるだけ無理のない、歳出の平準化を図ってまいりたいというふうに考えております。
 これらの歳入歳出両面の対策によりまして、中長期的にも安定した財政運営を行ってまいりたいというふうに考えております。
 なお、川岸議員が御発言の中で、いろいろ触れられましたさまざまな財政指標の数値につきましては、市の財政状況を客観的に把握する中で重要であります。また、十分注視してまいりたいというふうに思いますが、私を含めまして歴代の市長は、やはり数値をよくするために市政を運営しているわけではありませんで、あくまでも、これらの数値をにらみながら、砺波市の発展と市民福祉の向上に努めるということが大切なことだというふうに思っております。
 今後とも、もちろん数値を注視していきますし、十分注意を払っていきたいというふうに思いますが、いたずらに縮み志向にならずに、前向きな姿勢で、市政を運営していきたいというふうに考えておりますので、御理解をお願いしたいと思います。
 次に、2点目の特別会計、事業会計についての御質問にお答えいたします。
 まず、国民健康保険事業特別会計につきましては、保険給付費の伸びが見込まれることから、引き続き厳しい収支状況であります。平成25年度の保険給付費の伸び、それから、被保険者数の動向及び診療報酬の改定などを見極めました上で、平成26年度の保険税の改定につきまして、結論を出していきたいというふうに考えております。
 次に、後期高齢者医療事業特別会計につきましては、医療保険料の改定を、富山県後期高齢者医療連合が法律に基づきまして2年ごとに見直すこととなっておりまして、平成26年度がその保険料率の改定年度となるため、国の基礎データを参考にしながら連合のほうで準備が進められるというところでございまして、情報収集に努めてまいりたいと思います。
 次に、霊苑事業特別会計につきましては、平成25年度をもって長期償還金の返済が完了するものでございます。監査委員の意見書にありました特別会計の廃止につきましては、今後の使用許可の推移に基づく、中長期的な計画の立案に合わせて検討していきたいというふうに考えております。
 次に、下水道事業特別会計につきましては、昨日、堺議員の御質問にお答えしたとおりでございまして、法適用につきまして検討を進めているというところでございます。
 次に、水道事業会計につきましては、黒字決算の状況、それから、財務比率などの諸指標から概ね健全経営を維持しておりますが、引き続き漏水調査等の継続実施、かつまた老朽管の更新などを積極的に推進することにより有収率の向上を図りまして、収益の改善に少しでもつなげていきたいというふうに考えております。
 次に、工業用水道事業会計につきましては、動力費など最小限の経費で工業用水道を供給しているところでございますが、平成24年度から供給水量が減少しましたことから、営業収益が減収したところでありまして、供給企業の経営状況等、動向を注視しながら収益の改善に向けて努力していきたいというふうに考えております。
 最後に、病院事業会計につきましては、病院の増改築に係ります減価償却費や企業債償還金の影響は依然としてやっぱり大きなものがございます。
 また、病院耐震化整備事業の実施や高度医療機器の更新、さらには、先ほどもありましたが、今後、予想される消費税率の引き上げなどによります経費の増嵩が見込まれることから、厳しい経営が続くことが予想されます。さらに、慢性的な医師不足等も懸念の材料になっているところであります。
 今後は、診療報酬の改定の動向などにも注視しながら、医師、看護師等の人材確保に努めますとともに、薬や診療材料の価格交渉をしっかりと行うなど経費節減に努めまして、市立砺波総合病院全体での経営改善に取り組むことが必要であるというふうに考えておりますが、砺波地域全体の中核病院として、引き続き機能の強化、充実と経営努力に努めてまいりたいというふうに考えております。
 私からの答弁は以上でございます。その他につきましては、副市長、または担当部長からお答えさせていただきます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 副市長 齊藤一夫君。
  〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕

◯副市長(齊藤一夫君) 私からは、川岸議員御質問のうち、2項目めの公共施設維持管理事業についてお答えをいたします。
 まず、1点目の公共施設統合進捗状況と今後の統合指針につきましては、平成24年度に実施した施設評価により、適正配置を検討することとした9施設において、本年7月に、行政改革市民会議内に学識経験者や市民の皆様からなる公共施設の適正配置に関する専門部会を設置し、施設の視察や利用者からの意見聴取を踏まえ、御意見をいただいているところであります。
 これらの御意見は11月には市民会議に報告される予定であり、これらを踏まえて、行政改革推進本部において、施設のあり方を決定したいと考えております。
 また、今後の公共施設の統合指針につきましては、施設の運営などは毎年検証しているところでありますが、経年による老朽化、設置目的の変化、利用状況など、時とともに施設を取り巻く環境が大きく変化していく中で、今後も定期的に施設評価を実施し、必要に応じて見直しを図っていきたいと考えております。
 次に、2点目の公共施設ストックマネジメントにつきましては、議員御指摘のとおり、本市におきましても、公共施設の老朽化が進んできているものと認識しており、整備計画の策定が必要であると考えております。
 そのため、計画の基礎資料となる財産台帳整備につきましては、昨年度、財産台帳システムを導入し、これまでの紙ベースでの管理から電子データ化への移行を図っておりますが、情報が不足している台帳もあり、現在、必要な情報収集を行いながら、台帳整備に努めているところであります。
 また、公共施設の維持管理及び保全、整備につきましては、所管する課が、それぞれの施設を管理しているところから、更新整備については、市全体で一元的に管理していない状況にあります。そのため、今後は、施設の一元的な管理を含め、整備の優先度や財源も踏まえ、施設の維持、更新の方策について検討してまいりたいと考えております。
 次に、3点目の地区集会施設等に対する支援についてお答えをいたします。
 先の定例会の堺議員の御質問に対し、行政改革庁内会議の専門部会において具体的な調査、研究を進めるとお答えいたしましたとおり、現在、行政改革庁内会議の第2専門部会において検討を進めているところであり、できるだけ早く調査研究を踏まえた支援方針をお示ししたいと考えております。
 なお、現在の調査状況を申し上げますと、過去の資料等をもとに建屋の建設時の費用負担関係、建設後の修繕状況及び費用負担などを調べ、集会所ごとに調書を作成したところであります。
 今後は、これらの調査等を踏まえて、市の支援方針を検討することになりますが、施設の所有の関係や過去の補助制度の活用の有無に関係なく、また、施設を所有していない地区も含め、将来に向けての公平な制度づくりが必要であると考えております。そのため、議員の皆さんを初め、各地区の方々とも意見交換を行いながら、最適な支援方法を市として提示したいと考えております。
 次に、4点目の老朽化した福祉施設への支援についてお答えをいたします。
 社会福祉庄東センターにつきましては、市社会福祉協議会により建設され、昭和53年の開設以来、庄東地域を初めとして、多くの市民の方々が利用されており、市民の健康増進と福祉の向上、高齢者の生きがい活動の拠点、さらには、介護予防等を担う場となっております。
 しかしながら、議員御指摘のとおり、建設から既に35年が経過し、設備等の老朽化に伴う修繕箇所が増えており、3月には温水ヒーター、7月には受水槽が故障し、一時的ではありましたが、利用者の皆様に大変御迷惑をおかけしております。
 このような状態を踏まえ、市といたしましても、耐震化、施設の老朽化については十分に認識しており、利用者の安全面からも早急な対応が必要と考えております。
 そのため、施設を所有する社会福祉協議会や関係機関と引き続き協議を行い、耐震化を含めた改修について、財源の確保を図りながら、市総合計画に位置づける方向で進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 水落 仁君。
  〔企画総務部長 水落 仁君 登壇〕

◯企画総務部長(水落 仁君) 私からは、3項目めの電子自治体整備についての御質問にお答えいたします。
 まず、自治体クラウドの導入につきましては、平成24年4月に、県内全市町村で富山県自治体クラウド検討会を設立し、自治体クラウドの導入による経費の削減と業務の効率化について研究を進めてまいりました。
 その結果を受けまして、本年5月に、富山県共同利用型自治体クラウド会議を設置し、具体的な協議を進めております。ただ、共通番号制度が平成28年1月からスタートする予定となっていることから、平成27年4月に、共同利用型自治体クラウドの運用を開始する予定としております。
 なお、クラウドへの参加時期につきましては、各市町村の現行システムの導入時期などの事情により、遅れて参加することも可能となっており、本市につきましては、昨年度、新システムに移行したことから、現行システムの更新時期、及び先行導入する市町村の動向も見据えながら、参加時期を検討してまいりたいと考えております。
 また、SNSにつきましては、行政情報をリアルタイムに発信できるツールとしてのツイッターや、ボランティア団体などのコミュニケーション支援ツールとしてのブログをそれぞれ平成23年度から運用しております。
 また、フェイスブックにつきましても、導入について調査、研究を進めているところであります。
 ただ、日々進歩しているICTの活用も大切ではありますが、基本的な考え方としましては、フェース・ツー・フェースで、直接市民の方とコミュニケーションをとることが市民と行政の協働するまちづくりの基本だと考えておりまして、個人情報保護などセキュリティーにも配慮しつつ、情報化の推進を図ってまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 2時05分 休憩

 午後 2時18分 再開

◯議長(山森文夫君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 12番 今藤久之君。
  〔12番 今藤久之君 登壇〕

◯12番(今藤久之君) ただいま発言の許可をいただきましたので、質問通告に従い、質問をいたします。
 最初は、病院事業の決算結果と今後の経営見込みについてです。
 本定例会初日に行われました市長、施政方針並びに提案理由説明の中で、平成24年度病院事業会計が8,689万円の黒字決算となったとの報告がありました。金額の大小はともかくとして、全国の公立病院を取り巻く環境が決して楽観できない状況の中、4年連続の黒字決算という結果については大いに評価をするものです。
 さて、収支が黒字であることは喜ぶべきことに違いありませんが、一方で、経営面では、継続する課題もあることを忘れてはならないと考えられます。
 具体的には、病院の増改築にかかわる減価償却や企業債の償還金、高額医療機器の更新費用等々、今後もさらなる経費節約や経営の効率化に向けての努力が必要であろうと思われます。
 また、患者数の減少傾向についても危惧を抱くものです。単純に平成23年度と平成24年度を比較してみましても、1日当たりの平均入院患者数が404人から394人へ、同様に1日当たりの平均外来患者数が1,267人から1,231人へと、それぞれ2.5%から2.8%の減となっています。
 その他の経営的な指標や数字については、決算特別委員会での審議に委ねたいと思いますが、このことを含め、平成24年度の病院事業会計決算結果に対する総括と今後の経営見込みについてお聞かせいただきたいと思います。
 次に、災害時対応についてお尋ねいたします。
 災害時の医療も、この後に質問させていただく救急医療も、どちらも突発的に発生した傷病者に対する医療であることに違いはありませんが、その性格は大きく異なるものであろうと考えます。
 災害時においては、病院は、素早く救急医療体制から災害医療体制への切りかえを行い、傷病者の受け入れを行うことが求められます。また、場合によっては、医療救護チームの派遣を行う必要があります。災害医療においては、3つのT、すなわちトリアージ、トリートメント(治療)、トランスポート(搬送)を実施することが必要とされていますが、災害時には、医療体制の機能は低下していることが予想されますので、この3つのTを行うためにも、多数の傷病者を受け入れるためにも、特に緊急を要しない平常時の医療行為は一時的に中止をするなど、災害時の医療体制を直ちに立ち上げなくてはなりません。
 現在建設中の新しい南棟が完成の暁には、全ての病院施設が耐震化を終えることとなり、病院建物については安全性が高まり、医療スペースの確保にもつながることから、災害時の医療体制確立に貢献できるものと思われます。
 また、総合的な防災対策という観点からでは、本年度では実施設計までとされていた防災行政無線の整備ですが、移動系無線の更新整備を前倒しして実施することや自主防災組織の防災士育成についても、市内で、平成24年度から6カ年で、66名の養成計画であったものが、これもまた前倒しを行い、平成26年度までの3カ年で行うなど、防災、減災に向けての対策が、少しずつではありますが、確実に進んでいるものと感じられます。
 さて、災害対応といっても、その規模や種類はさまざまであり、どのような災害がいつ起こるかなど、誰にも予想はできません。また、あらゆる災害に対しての対応などを望むことは不可能ですが、医療機能の低下と医療需要の爆発的増大という相反する状況下であっても、限られた医療資源を最大限有効に使い、1人でも多くの命を救う体制づくりが必要です。災害時のシミュレーションや訓練などを含め、災害時における災害拠点病院としての対応についてお聞かせください。
 また、地震や事故などの災害時に、現場へ駆けつけ、急性期救急治療を行う災害派遣医療チーム(DMAT)ですが、昨年、1チームが誕生したとお聞きしています。より実践的な活動を行うために、2チーム目を養成する予定であるとも伺っているところですが、その状況や派遣、受け入れ体制についてもあわせてお聞かせください。
 次に、救急体制の充実についてお尋ねいたします。
 砺波市健康プラン21(第2次)によりますと、平成8年以降、砺波市における死因の第1位はがんでありますが、順位の入れかわりはあるものの、心疾患と脳血管疾患が2位、3位を占めているとのことです。心臓発作や脳卒中、また、事故や災害などによる重症患者にとっては、1分1秒でも早く適切な初期治療と医療機関への搬送が生死を分けることにつながりますし、幸いに命が助かっても、そのことが後々に後遺症の有無や程度にも大きな差が出る結果となります。まさに救急医療は、時間との戦いであると言われるものです。
 さて、報道によりますと、高岡、氷見、砺波、小矢部、南砺の5市と砺波地域消防組合は、消防相互応援協定を結び、来年1月から、県内初となる消防司令事務の共同運営を行い、また、応援出動の対象を従来の火災中心から、救急、救助まで拡大するなど、全国でも先進的な体制の確立を目指すとあります。
 具体的に言いかえれば、管内の救急は、消防本部の管轄の内外を問わず、現場に最も早く到着可能な救急隊が出動するようになるものであり、救急車の現場到着時間が短縮され、救命率の向上が期待できるものと思われます。
 また、市立砺波総合病院のホームページにあります院長挨拶の中で、伊東院長は、当院の使命に基づいたビジョンとして、数年先の目指すべき姿として、1、高度急性期医療の充実、2、専門医師並びに研修医の招聘、3、高齢者特有の疾患に対応できる体制作り、4、地域医療連携の推進の4つを挙げておられます。この中で、特に1と2は今回の質問内容に関連が深いものです。
 また、私は、この救急体制の充実が今後の市立砺波総合病院の最重要課題の一つであると考えています。
 以上を踏まえ、市立砺波総合病院の救急体制をどのように考えておられるのか、病院長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 最後に、小中学校の冷房設備拡充についてお尋ねいたします。
 今年の夏は、大変な酷暑であったと感じます。近年、日本の夏は年々暑くなってきているという実感があります。四、五十年前、私の子ども時代は、30度を超えると、何て暑い日なんだなどと言っていましたが、最近では、35度を超えることなどもあり、気温が30度を超えても、さほど驚かなくなってきています。その原因については、地球の温暖化であるとか、ヒートアイランド現象であるとか、高度の高い高気圧の出現であるとか、さまざまに述べられております。自然科学分野の問題はともかくとし、対策を考える必要があると思われます。
 富山地方気象台によりますと、統計をとり始めた1939年以来、最高気温が35度を超える猛暑日のランキングでは、1位が、2010年で19日間、2位が、2007年で16日間、3位が、1994年で14日間、4位が、2000年で13日間、5位が、2012年で12日間となっています。このデータに今年の分は入っておりません。このことからも、近年における夏場の気温上昇傾向は読み取れるものです。
 目についたものだけですが、全国の対応についての報道を列挙しますと、滋賀県では、近年の猛暑を踏まえ、県内では、健康管理や授業環境の改善を目的に、小中学校にエアコンを整備する自治体が増えている。一方で、財政的な理由などから設置のめどが立たない自治体もあり、対応にばらつきが出ているとのことです。
 埼玉県の報道では、7月1日から全小中学校の教室でエアコンを使用している富士見市教育委員会は、小学校2校、中学校6校の夏休みを1週間短縮し、8月26日から2学期を始める。教室が涼しくなり、児童生徒が授業に集中できる環境になったことで、学力の向上や体験活動の充実を図るのが目的。小学校については、モデル校2校を選び、結果を見てから、来年度以降の夏休み短縮を検討するとあります。
 また、福井県では、福井市教育委員会は、本年度、全ての市立幼稚園、小学校の普通教室にエアコンを取りつけ、7月から運用を始めた。これで、2011年度から進めてきた市内全小中学校での学校の暑さ対策事業は完了とあります。
 和歌山県の事例では、県教育委員会は、2004年からの5年間で、全ての県立高校の普通教室にエアコンを設置した。県立中学校や県立支援学校の普通教室にも整備している。しかし、田辺市は、公費で保健室やコンピューター室に設置しているが、原則普通教室にはエアコンを設置していない。小中学校は、それぞれ1校ずつには、地域などからの寄附で設置しているとあります。
 このように、全国的な取り組みも、その地域によって、対応は千差万別であるようです。そのために夏休みがあるのだという意見もあるのは承知しておりますが、夏休みの前後にも暑さの厳しさはありますし、富山においては、春のフェーン現象での異常な高温もあります。また、梅雨どきの多湿に対しても効果があるのではないでしょうか。
 私は、先に述べましたように、夏場の異常と思える猛暑がもはや特異なものではなくなってきている今、計画を立て、順次小中学校の普通教室にもエアコンの導入を検討すべきだと考えています。また、校区によっては、教育振興会や地元からの設置に対する要望や寄附の申し出などもあると伺っています。
 将来的に全ての普通教室に整備計画がなされるのであれば、できるところから順番に行っていくという選択肢もあるのではないかと考えております。このことに対する答弁をお願いいたしまして、今回の質問を終えさせていただきます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 病院長 伊東正太郎君。
  〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕

◯病院長(伊東正太郎君) 私からは、今藤議員の1項目めの市立砺波総合病院についての御質問のうち、まず、2点目の災害時の対応についての御質問にお答えいたします。
 議員御指摘のように、災害拠点病院は、地震、津波、台風、噴火等の災害発生時に災害医療を行う救急医療の拠点となる病院のことで、各都道府県の2次医療圏ごとに原則1カ所以上整備されているものであり、当院は、平成8年11月に指定されております。
 災害時に臨機に応じて活動するためには、日ごろからの訓練が大切であることは明白です。当院も毎年、訓練を行っており、昨年は12月15日に実施し、今年は11月に予定しているところでございます。
 また、東日本大震災のような地域の救急体制だけでは対応できないほどの大規模災害や多傷病者が発生した事故などには、現場に急行する災害派遣医療チーム(DMAT)が編成されることになっております。
 当院におきましては、第1チームが、一昨年11月に養成研修を終了し、昨年6月に、県の富山県DMAT指定病院として指定を受けたものであります。さらに、第2チームの養成につきましては、本年8月に災害派遣医療チーム研修を終了し、近々、隊員として登録を受ける見込みであります。
 次に、3点目の救急体制の充実についての御質問にお答えいたします。
 先に締結されました消防相互応援協定により、救急は、消防本部の管轄の内外を問わず出動できるようになりましたので、当院では、今以上に救急受診患者が増えるものと予想しております。
 そのため体制の充実には、各種の救急疾患を診察する救急専従医の確保が第一の課題と考えております。
 救急専従医は、病院当直医と協力して、実質的には24時間365日体制で、救急搬送された患者さんの初期診断、治療を行います。その後、集中治療の必要性のある場合には各科の専門医と連携を保ちつつ、その担当となります。
 当院の救急専従医は、4年前に医師の都合で転出し、不在となっておりましたが、このほど、富山県内で活躍されている救急専従医を来年4月に招聘できる見込みがほぼ確立したところでございます。これを踏まえて現在、各方面での調整を行っております。
 この救急専従医の招聘により、現在、2.5次救急を担っている当院の機能をさらに向上させることができると考えております。また、救急専従医を慕って、救急医療を目指す医師や臨床研修医が集まってくることも期待しているところでございます。
 今後も引き続き救急の受け入れ体制の再整備を進め、救命率の向上を図ることにより、地域住民の方々の安心・安全を守っていきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 病院事務局長 神島英弘君。
  〔病院事務局長 神島英弘君 登壇〕

◯病院事務局長(神島英弘君) 私からは、今藤議員の1項目めの御質問のうち、1点目の平成24年度決算結果と今後の経営見込みにつきましてお答えいたします。
 収益的収入につきましては、診療報酬の改定等により入院単価が上がりましたが、入院・外来患者数の減少などにより、前年度に対し、約2億8,000万円の減収となったところであります。
 一方、収益的費用では、一昨年整備いたしました総合情報システムや高額医療機器の整備に伴う減価償却費の増や、X線管球の交換等によります修繕費の増、委託業務の拡大等による経費の増がありましたが、院外処方の推進や患者数の減少等による薬品費の大幅な減少により、経常費用は、前年度に対し、約1億2,000万円の減となったところであります。
 しかしながら、病院耐震化整備事業に伴う固定資産除却費を特別損失に計上したことから、費用全体では約1,400万円の増となったところであります。
 この結果、収益から費用を差し引いた総収支では8,689万円の黒字決算となり、平成21年度以降、4年連続の黒字となったものでございます。
 次に、今後の経営見込みについて申し上げますと、東棟、西棟建築に係る病院増改築等の減価償却費が年間4億7,800万円、企業債元利償還金が5億5,400万円とその影響は依然として大きく、また、今年度、継続費で実施しております病院耐震化整備事業や高度医療機器の更新、また、来年度予定されている消費税率の引き上げによる経費の増嵩が見込まれることから、厳しい経営が続くと予想しております。
 また、当院における医師不足については、大学医局等に対しまして引き続き要請していますが、十分な確保ができない状況であります。
 地方公営企業会計基準が見直され、平成26年度から適用されることも踏まえ、病院中長期計画の見直しを行う予定としておりますが、安定した経営のもとで、安心・安全、良質な医療を継続して提供していくために、来年4月の診療報酬の改定の動向等も注視しながら、医師、看護師等の人材確保に努めるとともに、薬価や診療材料の価格交渉を積極的に行うといった経費節減努力など、各部署で、それぞれ経営改善に係る目標を設定するなど、病院全体で、経営改善に取り組んでまいりたいと考えています。
 私からは以上であります。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 教育委員会事務局長 横山忠司君。
  〔教育委員会事務局長 横山忠司君 登壇〕

◯教育委員会事務局長(横山忠司君) 私からは、2項目めの小中学校の普通教室のエアコン整備についての御質問にお答えいたします。
 今藤議員の御質問にもありましたとおり、近年の夏場の気温上昇傾向の中で、地域によって気象条件が異なることや各自治体の財政状況などにより、全国の小中学校におけるエアコン設置についての対応は千差万別となっております。
 そこで、気象条件がほぼ同じと考えられる富山県内の小中学校における普通教室のエアコン整備状況につきましては、今のところ、全小中学校で整備済みとなっております3町村を含め、設置している普通教室の割合は、小学校で約9%、中学校で約11%となっております。
 また、県内小中学校の普通教室の約40%で、扇風機が設置されている状況でございます。
 現在、砺波市では、小中学校12校のうち10校で、特に風通しの悪い教室を中心に扇風機を設置しております。
 本来、小中学校においては、気温の高い時期は学校での授業を行わないこととし、いわゆる夏休みが設けられているところでございます。
 そのような中で、御指摘のとおり、夏休みの前後にも暑さの厳しい日があることは理解しておりますが、その限られた期間のために、全ての教室にエアコンを設置することは、まずは学校などの公共施設の耐震化等を進めていくことが重要であると考えている中で、その優先度を考えた場合、今のところ難しい状況にあります。
 したがいまして、小中学校、幼稚園、保育所の耐震改修事業や保育所、幼稚園の保育室のエアコン整備の完了後において、小中学校の普通教室のエアコン整備につきまして検討することになると考えております。
 また、御質問にもありましたが、仮に一部の学校において、寄附の申し出がございましても、公平性の観点から、普通教室への設置は御辞退させていただくことになると考えております。

◯議長(山森文夫君) 18番 林 忠男君。
  〔18番 林 忠男君 登壇〕

◯18番(林 忠男君) 平成25年9月定例会において、通告に従い、一般質問をいたします。
 まず初めに、市内の福祉センターの充実についてお尋ねをいたします。
 高齢者の福祉に関する原理や高齢者の福祉に関する社会的責任の存在を明らかにした法律では、公布施行、老人の日、老人福祉施設、老人福祉計画など、高齢者の福祉を増進するための事業等について定められております。この法律は、高齢者を、多年にわたって、社会の進展に寄与してきた者、豊富な知識と経験を有する者として、敬愛され生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障される、社会的活動に参加することなどの機会を与えられるとしております。
 現在、介護サービスは、原則として介護保険法によりますが、老人福祉法は、やむを得ない事由により、介護保険給付の利用が著しく困難である場合には市町村が必要な処置を行う仕組みを存続しています。
 このようなことから、福祉センター麦秋苑の再整備について質問をいたします。
 市内三郎丸183の2に所在している福祉センター麦秋苑は、以前は砺波地方では指折りの大地主であった旧桜井家の木造づくりの母屋に、福祉機能を持たせて利用されている施設であります。
 桜井家の初代は、歴史的には1600年ごろだと推測され、明治15年には、現在の家屋を新築されたと記録に残されています。昭和52年10月に、福祉センター麦秋苑として新しく生まれ変わり、現在では、一番古い施設にもかかわらず、年間9,488名の方々が利用されています。
 そこで、他の同様の福祉施設を調べてみました。
 昭和53年4月には、社会福祉庄東センターが完成されました。平成24年度の利用者数は1万6,088名であります。平成11年4月には、福祉センター苗加苑が完成し、平成24年度の利用者数は1万7,000名で、近年では、年々利用者数の減少が目立っております。平成19年4月に完成された福祉センター北部苑は、平成24年度利用者数は2万4,458名であり、比較的に一番新しい施設であることから、年々増加をしている状況でございます。
 このように利用者の方々の動向を見ていると、新しくなった施設には、数多くの利用者が集まるようです。
 ここで、気になるのは、福祉センター麦秋苑であります。
 この施設を利用される方々の話では、JR油田駅やバス停が近く、大変便利であるが、車を利用するには、駐車場が狭く、不便である。また、施設が古く、特に入浴場においては、洗い場所が狭く、窮屈で、他人の流し水が体にかかって不愉快になるなど、苦情が多く寄せられています。このような現状が改善されれば、今よりももっと利用者が増えるのではないかという御提案をいただきました。
 現在の麦秋苑の建物は、明治15年から今日に至るまで、約134年の歳月が経過しており、これまで市内の老人福祉施設として十分貢献してきていると思っております。
 そこで、砺波市の人口は約4万9,754名で、そのうち高齢者数は1万2,821名であり、全体の25.8%を示しており、年々増加しています。そのためにも、健康老人を支援する重要な施設の一つである麦秋苑の整備はぜひ必要だと思っております。
 また、麦秋苑の周辺整備につきましては、近くにある空き屋対策を含めて、地域住民の方々からは、存続のために積極的に協力したいとの申し出をいただいております。市当局のお考えをお聞きしたいと思います。
 次に、中国黒龍江省医院との医学友好交流について質問をいたします。
 私は、医療については専門家ではありませんので、あまり詳しいことはわかりませんが、中国の医療とは、西洋医学、東洋医学の両医学で成り立っていると思っております。
 東洋医学においては、漢方・中医学とは、病気ではなく、病人を治す医学とされ、疾患部分をピンポイントに治療する西洋医学とは違い、人間全体の状態を改善させるなど、慢性疾患の根本治療に大きく貢献する治療で、体質改善をして、根本治療を進める中国医療の漢方・中医学として大きな特徴があります。
 そこで、私は、市立砺波総合病院と中国黒龍江省医院との医学友好交流についてお伺いいたします。
 中国との医学友好交流は、中国ハルピン市で医師として働いていた中国残留孤児であった方が、故郷の福野町に帰国され、1979年に、当時の砺波市立砺波厚生病院に勤務されたことが発端となり、時代は、日中友好条約が凍結されて間もないこともあり、ハルピン市の病院との間に、医学友好交流ができないかと考えられ、その後、小林元院長、岡田元副院長の御尽力により、1980年10月31日に、人口3,200万人の黒龍江省の省医院と医学友好交流合意書が締結され、日中間で最初の友好病院関係が樹立されたと伺っております。
 当時のことについて、小林先生は、全く新しい事業で、日本で初めて踏み出すということに、身震いをするほどの高揚感を覚えるとともに、未知の世界に対する不安と、それを達成すべき責任の重さに押し潰されそうな船出と感想を述べられています。また、このことを契機にして、市立砺波総合病院は、日本国内の大学や自治体病院協議会に黒龍江省衛生局、黒龍江省医院を紹介し、交流の輪を広げることに努力をされています。
 私は、日本と中国の医学友好交流の先駆けとなった市立砺波総合病院関係者に、敬意を表するとともに、砺波市が他市に誇れる大きな事業の一つと喜んでいる次第であります。
 さて、調印からはや33年がたとうとしておりますが、その間の両院の医学友好交流は、中国から、31次の医学研修団を初め、医学友好交流団など65団、延べ約201名の皆さんが砺波市へ訪れていらっしゃいます。中国からの医学研修団は、医師、看護師が主で、市立砺波総合病院において、先駆的な西洋医学技術などの研修を習得され、帰国後、省医院で活躍されていると聞いております。
 また、砺波からは、第33次にわたる医学友好訪中団を初めとして、51団、延べ256名の一行が派遣されています。毎年の医学友好訪中団による医学発表を初め、現在、開業されています網谷医院院長が、冠動脈形成術の医療技術指導のため訪中されたほか、中国伝統の鍼灸医学を学ぶため、3名の方が長期の鍼灸研修のため留学され、指導を受け、現在も東洋医学科においてお一人が活躍されております。
 このようなすばらしい経緯と実績がある医学友好交流でありますが、中国の医療も発展を遂げられており、今までのように医学研修団を受け入れる必要が薄れていると聞いております。
 そこで、幾つかの質問をさせていただきます。
 市立砺波総合病院では、これまでこの交流事業において、医学的にどのようなメリットがあったのか、また、デメリットはどのようなものだったのかをお伺いいたします。
 次に、市立砺波総合病院での東洋医学の必要性、医師免許についてお伺いします。
 また、友好交流に関する費用の分担金について、また、研修生在日期間中の月額報酬について費用はどのくらいか、また、在日期間中における会話、語学について、通訳は必要なのか。
 次に、前年度は、今までなされていなかった臨床研修医が初めて派遣されましたが、どのような目的でなされたのか、また、今後も、その必要性があるのか。
 最後に、友好交流は、相互の病院の医師、看護師、医療技術員、その他病院勤務者及び保健衛生従業者で行うとされていますが、市立砺波総合病院と省医院との今後の友好交流の必要性について、どのようにお考えなのかをお尋ねいたします。
 以上で私の質問を終わります。当局の明快なる御答弁を御期待申し上げます。
 終わります。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
  〔市長 夏野 修君 登壇〕

◯市長(夏野 修君) 林議員の御質問にお答えいたします。
 1項目め、福祉施設の充実についての御質問でございます。
 議員の御発言のとおり、砺波市福祉センター麦秋苑は、桜井家より土地、家屋の御寄附をいただき、市において改修を行いまして、昭和52年10月に開設したものであります。以来、高齢者の集いの場、生きがいづくりの場として、多くの市民の方々に親しまれる施設となっております。
 しかしながら、伝統的な木造家屋で、堅牢なつくりではあるものの、建築後相当の年数が、先ほども御紹介ありましたが、経過しておりまして、また、福祉センターとして開設以来36年が経過するという中で、施設や設備等の老朽化が進んでいる状況にあります。
 このような中、近年、団塊の世代が高齢者の仲間入りをするなど、高齢者の方々が生きがいを持って生活を送っていただく場づくり、機会づくりが求められ、健康の保持、介護予防にもつながるものとして、福祉センターや福祉センター的機能を持つ拠点施設の整備は市といたしましても必要なことというふうに考えております。
 このため、市内におけます、これらの各施設の配置や利用状況、財政面などを考慮の上、地域の方々の御協力、先ほどのお話ですと、今回の話では、周辺の方々の御協力のお話もあるということでございますが、それらのことや御意見も把握しながら、市全体としての福祉センターなどの改修、各施設の機能や用途の見直し、そのあり方などについて検討していくこととしたいと思っております。
 その中で、麦秋苑につきましても、比較的近接しております北部苑などとの機能分担も含め、この施設、先ほどから申し上げているように、かなり現状的に施設的に厳しいものもありますが、その機能を、現状も含めて、その機能の一部の見直しも念頭に置きながら、今後のあり方について検討してまいりたいというふうに思っております。
 私からの答弁は以上でございます。その他につきましては、病院長、病院事務局長からお答えさせていただきます。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 病院長 伊東正太郎君。
  〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕

◯病院長(伊東正太郎君) 私からは、林議員の2項目めの市立砺波総合病院と黒龍江省医院との交流事業についての御質問のうち、1点目の交流事業における医学的メリット・デメリット、2点目の市立砺波総合病院での東洋医学の必要性、6点目の臨床研修医の派遣の目的、必要性、7点目の今後の友好交流の必要性の御質問についてお答えいたします。
 まず、中国黒龍江省医院との交流につきましては、議員が述べられたとおり、1980年10月に、ハルピン市において、医学友好の合意書が締結され、黒龍江省医院からは、本年の第32次研修団を含め204名の方が、市立砺波総合病院からは、本年の第34次訪中団を含め262名が医学を主とした相互交流をしてきたところでございます。
 現在、中国と日本の間で数多くの医学交流が行われていますが、黒龍江省医院との交流は、日本の多くの自治体病院の中で一番早く取り組んだものであり、その後の交流により、両院の医学技術の向上に大きく寄与してきたと自負しております。
 そこで、議員お尋ねの交流事業における医学的メリットとデメリットのうち、まず、メリットについてお答えいたします。
 この三十数年間に、両院の医師を初めとする多数の職員が相互交流を行い、その中で、当院の鍼灸師が、黒龍江省医院で約半年から1年間、技術指導を受けたり、当院循環器内科医師が、黒龍江省医院で数回にわたり、心臓カテーテルの実技指導を行ったりしました。
 また、中国にはなかったリハビリテーション医学を学んだ研修生が、中国でのリハビリテーション医学の発展に大きく寄与いたしました。
 これらのことは、有形、無形の医学的な貢献をもたらす効果があったものと考えております。
 次に、デメリットについてですが、歴代の交流された方々からは特段聞いてはおりません。また、現時点においても、ないと考えております。
 ただ、中国研修生に対する研修プログラムの作成や指導につきましては、医学の進歩とともに高度で、広範囲な対応が求められておりますので、医師、看護師、コメディカルのいずれの部署におきましても、その対応により一層の努力が必要となってきております。
 次に、市立砺波総合病院での東洋医学の必要性についての御質問でございますが、当院の漢方薬部門は、開設以来31年を迎えており、東洋医学科も市民の皆様に広く知られているところでございます。
 東洋医学科は、先に黒龍江省医院で研修を受けた鍼灸師を含む4人の鍼灸師が治療に当たり、また、日本東洋医学会専門医が漢方薬を処方しております。西洋医学ではなかなか解決できない症状の緩和を初め、東洋医学という治療の選択肢を提供することで、医療サービスのより一層の向上を図っているものでございます。
 また、御質問の中国人医師の日本における医療行為につきましては、医師法により医療行為をすることができないことになっており、当院での中国研修医は、手術、検査の見学等の研修を行っているものでございます。
 次に、臨床研修医の派遣についての御質問でございますが、臨床研修医にとって、日本国内での研修はもとより、日本国外での研修を体験することは、その医師の世界観や医学的視野を広げることにつながります。異国で味わった経験は、臨床研修医にとって必ずプラスの効果を生むと思いますので、今後も機会を見て、黒龍江省医院での研修派遣を継続していきたいと考えております。
 最後に、今後の黒龍江省医院との友好交流の必要性についての御質問にお答えいたします。
 1980年の医学友好交流合意書締結から33年経過いたしましたが、この間におきまして、日中両国の友好のかけ橋として、精力的に交流を深めてきたところでございます。しかしながら、今後は、両院の交流に対する思いは少しずつ変化していくことも予想されますので、その変化に合わせて医学友好交流の形も変えながら、発展、継続させていくことが必要であると考えているところでございます。
 私からは以上であります。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 病院事務局長 神島英弘君。
  〔病院事務局長 神島英弘君 登壇〕

◯病院事務局長(神島英弘君) 私からは、林議員の2項目めの御質問のうち、3点目の友好交流に関する費用負担について、4点目の研修生在日期間中の月額報酬について、5点目の在日期間中における会話、通訳についてお答えいたします。
 中国黒龍江省医院との交流につきましては、先ほど院長の答弁でもありましたように、黒龍江省医院との医学友好交流合意書に基づいて、交流を行っているところであります。
 御質問3点目の費用負担につきましては、この合意書の中で、経費支出の1つ目、両国の往復の国際間の費用については、各自の病院で負担する。2つ目、双方の国内空港から病院所在地までの宿泊料、交通費等は、受け入れ側が負担することとしております。
 そのほか、各地における一切の費用は自己負担となっており、これに基づいて、双方の病院において負担をしているところであります。
 次に、4点目の研修生在日中の報酬につきましては、合意書で、市立砺波総合病院は、月額10万8,000円を6カ月間負担することとなっており、そのほか在日中の住居費、交通費についても市立砺波総合病院が負担することとしております。
 次に、5点目の在日期間中の会話につきましては、合意書で、省医院の研修生は、意義ある研修を受けるため、日本語または英語が話せることとなっており、来日する研修生は、省医院において語学の試験を経て来日しており、研修に必要な語学力は有しているものとなっております。
 しかし、実際には臨機に応じた語学力を有していない場合もあることから、当院の医師を初めとした職員で、中国語に堪能な者を介して意思の疎通を図ることもあり、研修が充実するよう意を用いているところであります。
 私からは以上でございます。

◯議長(山森文夫君) 再質問は、答弁漏れのみを許可いたします。
 18番、林 忠男君。
  〔18番 林 忠男君 登壇〕

◯18番(林 忠男君) 麦秋苑の福祉センター機能としての充実を図っていくような形になっていくのか、また、違った方向に向かっての施設を残していこうとしていらっしゃるのか、はっきりと御答弁をいただきたいと思います。

◯議長(山森文夫君) 答弁を求めます。
 市長 夏野 修君。
  〔市長 夏野 修君 登壇〕

◯市長(夏野 修君) 先ほどお答えしたとおり、福祉機能、福祉センター、それから、福祉センター的な機能を持つものについては、全市的に全部見直そうと、全体的に見直そうと。その中で、麦秋苑についても、そのような機能は維持しつつも、ただ、今の現状を見ますと、あのような施設のまま今の機能を、全く一緒にしていくというのはいかがなものかと。
 その中で、やはり特に、先ほど御紹介もありました北部苑の件もあります。ある程度、機能分担等も含めて考える必要があるんじゃないかという趣旨でありまして、センター的な機能をやめてしまうという趣旨ではございませんので、念のため、申し上げたいと思います。

◯議長(山森文夫君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
 ほかに質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(山森文夫君) 質疑なしと認めます。これをもって、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。

               議案の常任委員会付託

◯議長(山森文夫君) ただいま議題となっております議案第49号から議案第59号まで、平成25年度砺波市一般会計補正予算(第2号)外10件について、及び認定第1号から認定第8号まで、平成24年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定外7件については、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれの所管の各常任委員会並びに決算特別委員会に付託いたします。

◯議長(山森文夫君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。
 お諮りいたします。明9月13日から9月19日までの7日間は、議案審査等のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(山森文夫君) 御異議なしと認めます。よって、明9月13日から9月19日までの7日間は、議案審査等のため休会することに決しました。
 なお、次回の本会議は9月20日、午後2時から開会いたします。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 御苦労さまでした。

 午後 3時12分 閉議