1.会議の経過
午前10時00分 開議
◯議長(稲垣 修君) ただいまの出席議員は20名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
◯議長(稲垣 修君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第1号から議案第30号まで、平成24年度砺波市一般会計予算外29件について、及び報告第1号 専決処分の承認を求めることについてを議題といたします。
昨日に引き続き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
2番 川辺一彦君。
〔2番 川辺一彦君 登壇〕
◯2番(川辺一彦君) おはようございます。
きょうのトップバッターにふさわしく、さわやかにいきたいと思います。
では、議長のお許しを得ましたので、通告に従い、砺波市の人口増加策、一本に絞って質問をさせていただきます。
昨年の10月31日、国連人口基金の推計によると、世界人口は70億人に到達したと国連事務総長が発表しました。それから3カ月後の1月30日、国立社会保障・人口問題研究所では、日本の将来推計人口を、2010年の1億2,806万人に比べると、50年後の2060年には4,132万人減少し、8,674万人になると公表しました。
同じ人口問題でありながら、世界的には最貧国での高い出生率が食料不足や社会資本の不安を招き、さらなる貧困を発生させている一方で、先進国の中には、子どもが少なく、労働不足を招き、経済の停滞を懸念している国もあると報道されています。日本は後者に当てはまるのでしょうが、少子高齢化が進むことで世代構成は不安定な逆ピラミッド型となり、年金や医療保険などの社会保障制度に影響が出始めていることが大変懸念されるところです。
富山県も決して例外ではなく、1998年、平成10年の112万6,000人をピークとして減少し続け、昨年の10月末では108万8,000人余りとなり、13年間で3万8,000人余り減少したことになっています。
そのような中で、砺波市の人口は微増減を繰り返しながらも、合併当初からすれば約300人増加しており、人口減少が日本国的な社会現象となっている中において大変ありがたいことと認識しております。しかし、その人口の増加の要因は、社会動態による転入人口によって支えられており、自然動態は依然として死亡者数が出生者数を上回っているのが現状です。
上田市長は昨年3月の定例会で、川岸議員の質問に、今後の人口増減はこの社会増がどこまで続くかにかかっていると答弁されておりましたが、そんな川の流れに身を任せ方針でよいのでしょうか。もちろん子どもを生み育てやすい環境を整備していくともおっしゃってはおいでですが、この砺波市の10年、20年後、そして、将来の発展を見据えたとき、今から人口を増やす諸施策を講じていかないと、それこそ全体の渦に巻き込まれてしまうのではないかと危惧するのです。
人口の増減はその地域のあらゆるバロメーターになり得るものと思いますので、このたび策定されました砺波市総合計画の後期計画における砺波市総人口の推移をどのようにとらえておいでなのか、10年、20年後の砺波市の発展はどのように見据えておいでなのか、上田市長の御所見をお聞かせください。
また、一般会計において自主財源の大もととなる市税収入の割合は全体の約三十数%で推移しておりますが、税収確保の面から見ましても、人口の確保は重要な要件であると考えますので、あわせてお答えください。
次に、少子高齢化が進展する中で、「人が輝く活力あふれる砺波」づくりの実現に向け、これから始まる総合計画後期計画とその中の新年度事業における諸施策について、砺波市の人口増加が将来への発展につながることを思い描き、働く世代が多ければ若者同士が出会う機会も多くなり、そのことが互いを認め合い、結婚に結びつき、ひいては子どもに恵まれ人口も増加するという流れで質問と意見を述べさせていただきます。
砺波市の年齢別人口動向は、県や国の平均よりも緩やかな推移をしているものの、傾向は同じであり、65歳以上の老年人口は平成22年度に24%を突破し、15歳から64歳までの生産年齢人口と14歳以下の年少人口はともに減少し続けております。特に働く人たちの減少は、消費が進まず、経済動向が停滞しますし、介護や医療などの福祉システムの維持も困難にさせてしまいます。
そのことからすると、働く世代の確保を優先させるべきではないでしょうか。まずは定住希望者に選ばれるまちづくりだと考えます。上田市長がいつも理想として掲げられている住みたいまち、住んでよいまちのとおり、外から砺波市を見てもらっている皆さんから選ばれるまちとして認知してもらい、定住人口を増加させていくことが最も重要であると思われます。また、市外へ進学していった砺波育ちの子どもたちに望郷の思いを抱かせる教育と帰郷施策も重要なことと考えるのです。
人口増加に向けた取り組みには、働く場所の確保を欠くことはできません。今までも企業誘致に関する数々の方策を提起し、行動されておいでですが、目覚ましい成果は上がっていないのが現状かと思われます。
砺波市内の企業の中で雇用している従業員には、市在住者100%という企業は存在しないのではないでしょうか。先般訪問しました大手企業でも、砺波市在住者の雇用率は多くて30から40%であろうとお聞きしました。そのことからすると、就業先の確保には砺波市への企業誘致も当然必要なのですが、市外で就業することも選択肢の一つとして考えるべきであり、砺波市を住居の拠点とした近隣市への就業も十分可能なことであると思われます。
北陸新幹線の開業まであと3年となった当市を初めとする県西部地域では、観光交流人口の増大に向けた取り組み施策が先行している状況ですが、新幹線から20分の散居に囲まれたベッドタウンというキャッチフレーズで、市街地区域に当たる工業地域や準工業地域に宅地を造成し、定住者を勧誘する必要があると考えます。市街地区域に宅地を造成することで市街地をにぎわせることが人口の増加、まちなか活性化、市民税の確保などにつながることと思うのですが、いかがでしょうか。まずは働く世代である生産年齢人口の確保を目指したこれからの定住者の受け入れ体制について、上田市長のお考えをお聞かせください。
また、現在策定中の砺波市景観まちづくり計画では、余りにも規制がかかり過ぎている内容ではないでしょうか。例えば、定住を希望される方が住居建設の先に車庫や物置だけを取得するためにも申請が必要となり、加えて申請書の提出期限が30日前という開発行為並みの制約では、定住意欲が阻害される要因になるのではないかと大変懸念しております。自然豊かな砺波市の風土と心和ませる環境を求められてきた定住希望者の方々に、砺波市として自然に温かく迎えることが人口増加につながる選ばれるまちづくり施策と思いますので、あわせてお伺いいたします。
次に、将来にわたり生産年齢人口を増やしていくには、この砺波市で子どもを生み育ててもらうことが定着率の増加につながることと思います。先ほどお伝えしましたとおり、生産年齢人口の増加が男女の出会いの機会を増やし、砺波市での結婚に結びつくケースも増えるのではないかと期待したいのです。
今、砺波市でも男女を問わず、40歳前後の独身者、未婚者は増えているとされており、未婚化、晩婚化解消のためにも、男女が夢を語り合え、結婚への意識が芽生える環境づくりと支援策が必要と思われます。
富山県立山町出身で昭和女子大学学長の坂東眞理子さんは、女性が昔のような結婚適齢期に結婚しなければならないというプレッシャーがないとか、女性の進学率や就業機会の増加、経済的に自立できるといったことで結婚しなくなったのではなく、むしろ男性のほうに原因があると指摘されています。思春期までの男の子にデートなんかするよりも勉強してほしい、クラブ活動やスポーツに励めという親の願いを押しつけると、大人になるまで女性と接する機会が少なくなり、このような若い男性は女性とどうつき合ってよいかわからないまま、女性は苦手という意識が定着するのだと言われます。このことから、特に男の子の育て方、向き合い方を変えて、男の子が社会人基礎力と同様に家庭形成能力を身につけられるようにすることが最大の非婚対策であり、少子化対策ではないかとのことでした。
平成24年度に富山県では、結婚を希望する男女に異性とのコミュニケーション術などを指南するマリッジ・アカデミーとやま、結婚学校の開催や、とやまで愛(出会い)サポート事業、とやま縁結び応援事業など計画されているようであり、砺波市にも婚活課または結婚応援課などを開設し、県の事業も活用され、未婚化、晩婚化の解消につなげるべきと考えますので、砺波市の将来の人口増加を目指した結婚意識向上策、婚活支援策への取り組みについて、当局の御意見をお聞かせください。
また、子どもたちの将来を見据えたとき、思春期において結婚へのあこがれと能力を備えた人間に育てるためには、多世代が同居している家庭が望ましいと思われます。多世代家族が一緒に暮らし、特に年配者の知恵と教訓を次の世代へとつなげていく、伝えていく家庭づくりこそ、人間性や家庭形成力へつながる教育と思われますので、多世代同居推進へのお考えと支援策についてもお伺いいたします。
次に、結婚されたカップルには子どもを授かってほしいものです。できれば3人以上のお子様を授かってもらいたいと願うものです。その理由の1つには、夫婦2人で2人の子を授かるのではイーブンに過ぎませんが、第3子を授かってこそ人口の増加につながるものであること、2つ目には、私個人の子育て経験からして、隣り合う兄弟姉妹はどちらかというとけんかが多いのに対し、第2子を抜かした第1子と第3子は同盟を結ぶという3人以上の兄弟姉妹だからこそ養われる人間性も育てられると思うのです。
日本の生活はとても豊かになっており、今の生活水準の維持や仕事の関係が親として子どもを多く持つことへのためらいにつながったり、また、何がしかの要因で授かれない方もおいでであって、それらも少子化の一因となっていることは既に御承知のことと思います。
新年度予算案には、安心して子育てできる環境づくりに重点を置いたと説明されたところですが、3人以上の子どもを授かられた家庭への支援策及び子どもを授かりたくても授かれない方への支援策など、結婚された若者たちが多くの子どもを授かりたくなる環境づくりを当局はどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
続いて、安心して子育てできる環境づくりには、保育所と幼稚園は欠かせません。政府は2013年度から、総合こども園という名称で良質な教育と保育を提供できる施設を段階的に導入しようとしていますが、砺波市では、全国に先駆けて砺波型こども園を実施していることや、幼稚園における子育て支援センター及び長期休業期間中の預かり保育、そして、通常日の預かり保育も実施されており、3歳児以上を対象とする幼稚園でも保育所の預かり保育時間にかなり近づいた対応となっていることは大変すばらしいことだと思います。
私が昨年の6月定例会で、子育て環境の充実と施設の整備について質問させていただいた後の対応には、保育所、幼稚園施設の利用情報に加えて、地域の皆さんによる地域情報も発信してもらったことで、地域の入園につながったという話もお聞きしました。
ゼロ歳児から2歳児までの保育は保育所で、3歳児から5歳児は保育所と幼稚園でと、砺波市内の子育て施設はどこでも同じように預かってくれることをキャッチフレーズにするべきと考えますので、これからの砺波市の幼稚園、保育所における子育て支援体制と子育て環境の整備施策及び将来の展望について、当局のお考えをお聞かせください。
最後に、これからも少子高齢化が続くことを思うとき、生産年齢人口の減少はぜひとも食いとめていくべきことと思います。そのためには、高齢者の皆様のお力もおかりすべきであり、現役を離れられた方々の働く場所を確保していくことも必要と考えます。
団塊世代の方々はもうすぐ高齢者となられますが、まだまだ働く力をお持ちであり、シニア世代のシニアパワーの活用も考えなければならないのではないでしょうか。例えば、保育施設が存在する地域にお住まいの高齢者の皆様には、地域の子育てに協力してもらい、イクメンならぬイクじい、イクばあとして活躍してもらうことも人口増加への進展につながるものと考えますので、「人が輝く活力ある砺波」づくりに希望が抱ける人口増加施策について、市長及び当局のお考えをお伺いいたしまして、私からの質問を終えさせていただきます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 川辺議員の御質問の1点目から3点目にお答えいたします。
まず、御質問の1点目及び2点目でございますが、関連がありますのであわせてお答えをいたします。
砺波市総合計画後期計画において、本市の人口は緩やかに減少していくと推測をしており、5年後の平成28年には、平成22年国勢調査速報値の4万9,421人より70人程度少ない4万9,350人と推計をいたしています。
人口に関する本市の特徴といたしましては、ここ数年の合計特殊出生率は、全国及び富山県の率よりも1割程度上回る値を示しております。例えば平成22年におけるその率は1.56と、県内でも高い率を示しております。一般に人口の増減がなく、均衡のとれた状態を保つために必要といわれる人口置換水準は、先ほどもお話がございましたが、2.1程度とされておりますので、自然動態は減少と推測しているものであると、このように思っております。
御指摘のとおり、人口の増加は住民税の増収や地方交付税の基礎数値への反映といった直接的なメリットをもたらします。また、それ以上に安定的に人口が保たれ、地域に愛着を持った住民の皆さんが生き生きと暮らす地域は、将来にわたり大きな地域力を得ることになると考えております。
そのようなことから、市の将来の発展を見据え、1つには、東海北陸自動車道の全線開通や北陸新幹線の開業を控え、北陸自動車道のスマートインターチェンジや道路網の整備など、都市基盤の整備を確実に進めてまいります。
この2つ目には、子育て環境の充実により、若者が住みよいまちづくりを進め、また、3つ目には、産業の振興と観光振興戦略プランの確実な実施、経済交流の活発化など、交流人口の拡大にも最大限努めることなどによって、社会動態としての増加も積極的に図りながら、砺波市の当面目標とする人口水準は5万人と設定したものでありまして、決して外的要因に流されるだけというわけではございませんので、御理解を賜りたいと、このように思っております。
さて、その後の10年、20年先となりますと、単に人口推計だけではなく、グローバル化する社会経済情勢や地方財政制度の変化に大きく影響されることから、明確な市の発展の姿を思い描くというのは、なかなか困難を伴うと言わざるを得ません。
人口減少社会において、総花的なプランを掲げることなく、確実に取り組むべき施策を的確に実施しながら、時代の潮流に合わせるという柔軟な対応が肝要と考えております。
したがいまして、後期基本計画期間におきましても、これに続く第2次総合計画期間におきましても、毎年事務事業の見直しにより、策定する実施計画のローリングにおいて対応してまいりたいと考えているところであります。
次に、3点目でございますが、砺波市総合計画後期計画における年齢3区分別の人口推計では、計画期間の後半においては、先ほど申し上げました施策を着実に実施するといたしましても、残念ながら生産年齢人口は現在よりも3%程度減少するものと推計をいたしております。
一方では、さまざまな少子化対策は進めておりますが、出生率がにわかに人口置換水準まで回復することは期待できない状況でありますから、地域に住み続ける住民の生活を守りながら交流人口の拡大を図り、移住定住人口の確保に努めることが必要だと考えております。それには雇用の場の確保が重要であることは、議員御指摘のとおりでございます。
東海北陸自動車道の開通を機に、名古屋に砺波地域情報センターを開設するとともに、東海となみ野会を立ち上げ、いわゆる人、物、金の交流に努めているものであります。また、その他近畿砺波会、東京砺波会、東京庄川会などにつきましても、郷土出身の会員のネットワークを生かし、今後とも、人的・経済的交流を進め、雇用の創出につなげていきたいと考えております。なお、これに加えまして、新年度においては、市民交流協定と災害時相互応援協定を結んでいる愛知県安城市へ職員を派遣したいと考えております。
一方では、市内への企業立地を進めてまいりますが、道路の整備の進展や経済活動の広域化に伴い、必ずしも就労機会は市内完結型である必要はなく、近隣の市などの企業との連携によりまして雇用確保も視野に入れるべきではないかと考えているものであります。今後とも、粘り強く進めてまいりたいと考えておりますので、議員におかれましても、有力な情報がございましたら、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
次に、定住者向けの施策についてでありますが、北陸新幹線の開業によりまして、東京─高岡間は約2時間強の圏内となります。地理的な条件もありますので、県西部は関東首都圏の通勤圏とは成り得ません。また、そのような条件のまちづくりをまねても意味はないと考えております。
そこで、本市では、従来型の田舎暮らしの推奨だけではなく、週末や休暇に定期的に滞在し、豊かな自然環境や非日常の体験を楽しむ週末の居住や、1年のうちの一定期間を地方で暮らす二地域居住といった新たなライフスタイルを意識した地域振興を考慮してはどうかとも考えております。
また、チューリップに代表される花のまち、清流庄川に育まれた自然豊かなまち、そして、市立砺波総合病院を中核に多くのクリニックが充実し、安心して暮らしやすいまちという砺波らしさの特徴は、イメージ戦略としてもすぐれた武器となりますし、高速道路や国道などの高規格幹線道路の結節点であるという強みも押し出すべきと思っております。
しかし、その受け皿として、都市計画において指定している工業地域や準工業地域の用途指定を変更して住宅団地を造成するという御提案については、現段階では必要性が薄いものと考えております。
市内には既に相当量の宅地が供給されております。また、土地区画整理事業により造成した保留地もございます。市内には、また、既存ストックの活用と景観保全の観点から取り組みを進めようとしております空き家の存在もあります。このように既に存在している住宅ストックを十分に活用することで、当面の受け皿としては十分でないかと考えるものであり、あえてまちづくりのデザインを変更する必要はないと考えているところであります。
また、景観づくり、まちづくりの計画につきましては、景観法に基づく計画であるため、一定の基準のもとで良好な景観形成を図る必要があります。このため、景観まちづくり研究会や景観計画策定委員会などから御意見をいただき、景観法に基づく届け出は、一定規模以上の行為に限定する基準づくりを進めてきたものであります。
また、届け出期限につきましては、砺波市景観まちづくり計画で定めるものではなく、平成16年に国において制定された景観法の規定により、景観行政団体がその届け出を受理した日から30日を経過した後でなければ、その行為に着手できないとされているものであります。
しかしながら、建築物については建築確認申請などの手続も必要でありますので、極力書類や手続の簡素化を図り、市民の皆さん方に負担にならないように意を配してまいります。また、適正な届けがあった後は速やかに着手していただけるように努めてまいりたいと思います。
私からの答弁は以上といたしまして、その他の質問につきましては副市長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
副市長 柴田敏秋君。
〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕
◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、砺波市の人口増加施策についての御質問のうち、結婚意識の向上策と多世代同居の推進、子どもを授かりたくなり育てやすい環境の整備及び高齢者も働ける環境づくりの3つの御質問にお答えいたします。
まず、結婚意識の向上策と多世代同居の推進についてでございます。
近年の富山県全体の婚姻率は1,000人当たり4.6件程度でございまして、本市も含めまして、全国平均の5.5件程度を下回っておりますし、年々減少する傾向にございます。
このようなことから、富山県では、少子化対策として関連する課による検討会を立ち上げ、新年度において、従来の施策に加えて、議員が述べられましたような新たな事業を予定しているとのことでございます。
また、近隣の市におきましても、人口減少社会に対応すべく結婚を支援する取り組みを進められているようであり、その内容は、結婚を希望する男女を対象とした出会いの場の創出と、互いのコミュニケーションを円滑に進める能力講座などの開設に大別されるとのことでございます。
元来、婚姻や出産といった個人的な行動に行政が立ち入ることは、はばかられる社会的風潮がありましたが、お尋ねのように、行政に対する能動的な取り組みが必要な時代になったとすれば、大変憂慮すべき事態ではないかと考えております。
婚姻対策につきましては、非常に個人的でデリケートな行動に関することや、社会の成熟に伴って生活圏が拡大していること、あるいは、民間の会社や団体などが多様な婚活パーティーを開催するようになっていることなどから、従来から直接市がイベントを開催するようなことはいたしておりません。
市では、これまで砺波広域圏事務組合による若者定住促進事業において、男女の出会いの場を提供する事業を支援してきたところでございまして、平成23年度におきましても、10月と3月の2回にわたり男女の出会いの場を提供するパーティーが開催され、砺波広域圏内外からの大勢の参加者で盛況となっております。
砺波、南砺両市の市職員が実行委員会を構成して企画、実施しているものであり、平成3年の事業開始以来、本事業が契機となって結婚に至ったカップルは14組を超え、他の広域圏において実施する際のモデルとなるなど、一定の成果を上げているものでございます。
情報通信の発達に伴い、インターネットを活用したコミュニケーションの比重が高まり、生身の人と人とのつき合い方が変化していると言われている昨今でありますので、今後とも、この取り組みに対する支援を継続してまいりたいと考えております。
また、青年団活動が活発だったころのようにとまではいかないまでも、若者が気軽に集い、さまざまな交流を行うことができるコミュニケーションの場の提供にも努めてまいりたいと考えております。
そこで、結婚に関する専任の課を設けてはどうかと御提案でございますが、当面は富山県のように関係部局が連携いたしまして、青少年教育や子育て支援体制の整備、ワーク・ライフ・バランスを意識した雇用環境の普及などを進めますとともに、広域行政施策の一環として砺波広域圏事業への支援や、県が実施する事業との連携を進めてまいりたいと考えているところでございます。
また、議員御指摘のとおり、多世代同居にはいろんなメリットがあると考えておりまして、子どもが結婚後も親と同居して暮らすことは、エネルギー消費の面でも効率的であり、また、家庭内における世代を超えての知識や文化の伝承という面においても大切なことであります。さらには、家庭内での役割分担などを通じて女性の社会参画にも好影響を与えるものと推測されますので、これを推奨したいと考えておりますが、現在のところ、多世代同居と結婚促進との関係については、全国的にもあまり研究が進められておりませんので、今後、男女共同参画社会への取り組みともあわせまして、幅広に研究してまいりたいと考えております。
次に、子どもを授かりたくなり育てやすい環境の整備についてお答えいたします。
まず、3人以上の子どもを持つ家庭への支援についてでございますが、市の保育料と幼稚園授業料の多子奨励制度の取り扱いでございます。国や県の制度を活用いたしまして、第3子以降の入所、入園については半額に、また、同時入所の場合は第2子も第3子も半額に、また、同時に3人が入所している場合は第3子を無料にするなど経済的な支援をいたしております。
次に、不妊治療に対する支援でございますが、これに係る経費は自由診療であるため、50万から60万円と高額となる場合もあり、また、約30日間の通院が必要なため、経済的、精神的な負担は大きいものと推察しております。
これに対する支援といたしましては、平成23年度現在で、県では1回当たり15万円を年間3回まで支援しておりますし、市では、これに加えて1回当たり15万円を年間2回まで支援を行っております。
また、県に富山県不妊専門相談センターが整備されておりまして、カウンセラー等の専門員が心のケアを含めて相談に応じておりますので、市の健康センターではこうした相談機関を紹介するほか、個々に相談に乗るなどの体制を整えて支援をいたしているところでございます。
今後とも、こういった国や県の制度も十分活用しながら、多くの子どもを授かりたくなる環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、今後の幼稚園、保育所の子育て支援体制と環境整備、将来展望についてでございますが、市内には保育所と幼稚園が各地域に点在いたしております。いずれの施設であっても同様の保育を受けることができるよう、市では幼保一体に向けた乳幼児保育指針を策定し、乳幼児の目指す子どもの姿を、「主体的に環境とかかわり友達と楽しく遊ぶ子ども」とし、4つの方針できめ細かな支援と指導に当たることといたしております。
今後、政府の総合こども園の方針がより明確になれば、これまでも行ってきましたこの乳幼児保育指針に沿った保育をより質の高いものにするとともに、新たな制度が構築される中で市民の子育てニーズを十分把握し、就学前の教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、子育て支援体制と子育て環境の整備施策につきましては、議員御指摘のとおり、砺波市では旧村単位に保育所あるいは幼稚園を運営しているため、3歳未満児から預かる保育所と3歳児以上の幼児を預かる施設があり、施設を選択する幅があるという利点もございます。
また、今回、出町幼稚園に子育て支援センターを整備することも、自宅で子育てする家庭に対して子育て支援を充実させることになるため、近隣には見られないほど、砺波市のよさとして自負できるというふうに思いますので、議員各位にもこのことはぜひ御理解いただきたいというふうに存じます。
今後、政府の子ども・子育て新システムが実施されれば、より3歳未満児保育のニーズが高まると予想され、総合こども園に移行する際には、市全体のバランスや地域の要望を踏まえながら施設整備を図ることが大切になってくると考えております。
次に、高齢者も働ける環境づくりについてでございます。
市内の保育所、幼稚園の活動においては、日ごろから畑づくりや野菜の収穫、雪囲いや除雪、絵本の読み聞かせなどに、団塊の世代の方も含め、ボランティアでたくさんの地域の方がかかわっていただいております。また、各施設の行事にも、幼稚園のPTA、保育所の保護者会の方々とともに、地域の高齢者の皆さんによってもちつきやお茶会などの世話をしていただいていると聞いておりまして、感謝申し上げる次第でございます。
さて、議員が提案されるシニア世代のシニアパワーを活用されてはどうかということでございますが、今ほど申しましたように、幼保の各施設は地域の子育て施設の核として地域に十分根ざしているのではないかと思っております。このことは、地域の子どもは地域全体で育てるという意識が定着していることのあらわれではないかというふうに理解しているところでございます。
今後、各地区の団塊世代の方々にも保育施設の運営に愛着と関心を持っていただき、これまでかかわっていただいている方々と同様に、御理解と御協力を賜ることを期待いたしているところでございます。
これからも保育施設が地域交流の拠点となり、地域全体に世代を超えた人々のネットワークづくりが広がれば、一層住みやすい地域となり、そのことにより人口増につながるなら大変うれしいことであるというふうに思っております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 8番 村岡修一君。
〔8番 村岡修一君 登壇〕
◯8番(村岡修一君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、市政一般について質問をいたします。
最初に、平成24年度予算関連について、以下3点についてお尋ねをしたいと思います。
まず、学校耐震化事業についてお尋ねをいたします。
将来の日本国や砺波市を担う子どもたちの安心・安全の観点から、学校耐震化事業は不可欠であります。
おかげさまで、砺波北部小学校耐震化事業も3月3日に落成式が行われ、大変立派な学び舎ができました。昨年末には一時地盤軟弱が発覚して、工事完成が遅れるとも大変心配されましたが、工事は順調に進み、このたび完成を迎えることができ、子どもたちも真新しい校舎で勉学に励んでいただけるものと思っております。
さて、市内の学校耐震化事業は今後、出町中学校や庄川小学校、庄南小学校など順次着工が計画をされています。また、先の全員協議会では、新たに砺波総合病院南棟改修工事も計画されているとの報告を受けたところであります。
そこで、このたびの出町中学校については、予算を前倒しして事業に着手することから、去る2月17日に入札が行われましたが、発注価格と入札価格に大きな乖離があるとのことから、応札者がいなかったとの結果となりました。その後の情報として、現在、第三者機関に発注価格の再調査がゆだねられているとのことであります。今後のため、何が原因で入札が決定しなかったのか、早急に検証が求められると同時に、結果を注目したいと思います。
先般、商工会議所建設部の皆さんと意見交換した折には、市況は冷え切っている、今日、あすが見えない状況下で、日々四苦八苦しているとの大変厳しい意見が多く出され、市として今後、大規模な公共工事の発注が予定されている中での今回の事態の原因究明が急がれます。
最近、市発注の公共工事ではプロポーザル方式を取り入れ、事前による建設準備委員会等で要望事項が多く出され、結果的に予算との整合性が困難になるなど、市内業者からは、現在の入札制度では予定価格が適正な設定になっていないのではないかとか、工事公告時に設計積算数量の事前公表、県工事では事前に公表されている、また、入札執行後に設計積算金額を参考に公表していただきたい、県工事は入札後に公表されている、また、予定価格設定の際、設計内容と積算金額の妥当性を確認する意味で、専門的第三者立場で検討、精査をしていただきたいなど、要望があるところであります。
思えば、先の般若幼稚園入札では、市内9業者の指名を辞退し、指名替えという異常事態となり、当時は積算見積もりの是非が問われましたが、苦渋の措置として業者の入れかえを行い、対処したという事例があります。
我々は、日ごろから市の公共工事の発注に関しては、原則市内業者をとの姿勢を踏襲してきました。そうした中での今回の入札での応札者がいなかった事態は大変残念に思います。私は、発注や入札に関して専門的な知識は持ち合わせていませんが、公平公正な公共工事の入札であるべきとの観点から、今回の事態に至った徹底した原因究明が急がれると思います。
そこで、1、このたびの原因究明と今後の市発注の公共工事での入札問題への対応について、2点目、今後の学校耐震化事業内容と計画について、3、砺波総合病院南棟改修事業内容と具体的な日程について、当局の考えをお聞かせください。
次に、再生自然エネルギー小水力発電への取り組みについてお尋ねをいたします。
自然エネルギーへの注目が集まる中、昨年11月、黒部市で開催された第2回全国小水力発電サミットに参加をしてきました。
県内では、富山、黒部、魚津の3市4カ所で小水力発電所が稼働しています。小水力発電は、出力1,000キロワット以下の小規模な水力発電で、大規模ダムの建設を必要とせず、川や用水路の流れからエネルギーを生み出す身近なものであります。県内では現在、北陸電力や県土地改良区など16カ所で運転しているとのことであります。
そうした中で、市では今年度予算で220万円余りの調査費を計上されています。一級河川庄川を有する砺波市では、水量が豊富であり、予算説明ではあくまでも調査を開始するための予算と、やや消極的な説明をされていますが、私はむしろ積極的に調査研究するべき課題であると思います。
私はこの機会に、チューリップ公園内の五連水車を利活用して、設置に向けて検討されることを提案いたします。導入には幾多の諸課題があることも十分承知いたしておりますが、あえて申し上げます。市長さんが総合計画後期計画で強調されている砺波らしさをアピールする上でも、私は絶好の機会であると確信いたします。
そこで、庁舎内の専門担当課の設置に当たって、また、設備導入時での諸課題、水利権取得の手続の簡素化、あるいは売電収益の充当範囲の拡充などについて、また、具体的な導入水路の調査や時期など、今後の取り組み姿勢について当局の考えをお聞かせください。
次に、指定管理者制度の期間延長についてお尋ねをします。
制度導入については、地方自治法の一部改正と、これまでの管理委託制度にかわり、新しく創設されたことに伴い、平成18年4月に市内69施設を対象に導入されました。制度導入時点では、公募が11施設、公募なしが19施設、外部外郭団体39施設となり、指定期間は、標準期間は4年でありますが、運営面や安全管理上の問題等で危惧されたものの、大きな混乱はなく、今日まで順調に管理運営が図られているものと思います。
しかし、契約期間終了に伴い、新たな更新時への課題として評価状況が表面に出てきていないことが大変残念であります。当市のみならず、県内でも多くの自治体で管理者制度が導入されている現状で、前年同額の予算計上では私は問題があると思います。
たしか費用対効果として対前年度比、平成17年度では年間約4,000万円程度の経費削減効果があったとお聞きいたしました。その後、指定管理が終了し、更新する場合での検証があったのかどうかは定かではありません。本当にこれでいいのか疑問であります。せっかく民間的なノウハウを導入するのですから、更新時ではしっかりとした検証と評価が必要であります。評価内容としては、施設の維持や管理状況が適正に行われているかどうか、また、事業計画など適正に実施をされているか、あるいは管理費の執行が適正かどうかなど、精査しなければならないと思います。
厳しい財政事情と行政、民間事業者が一体となった制度であります。そこで、経費削減効果と検証内容及び評価表の作成について提案をいたします。
2点目として、第三者評価の導入について、3点目として、民間企業やNPO法人の参入について、4点目として、安全確保等損害賠償責任保険の加入状況について、5点目として、特定管理施設への管理者の配置について、具体的には福祉介護施設では市を退職された職員が二、三年勤務で管理者が交代することは、私は本人の勤労意欲も尊重しなければなりませんが、いかがなものかと感ずるものであります。当局の考えをお聞かせください。
次に、一般国道359号砺波東バイパス事業についてお尋ねをいたします。
一般国道359号砺波東バイパスは、現在、主要地方道新湊庄川線頼成北まで完成いたしております。未着工区間は、県道新湊庄川線頼成北から芹谷橋までの約1.7キロであります。その間、和田川共同用水路以東の般若地区並びに栴檀野地区約1.1キロの用地測量などの業務は、本年9月末をめどに完了する予定であります。
当初目標として、平成26年度末の北陸新幹線開通と同時全線開通を目指して精力的に諸課題の解決に向け、取り組んできたところであります。しかし、先の東日本大震災による影響と国からの予算確保が見えない中で、現在のところ、全線開通時期は平成28年度以降になるとのことであります。
その間、問題の安川交差点から富山方面への大型車の通行規制は設けたものの、一般通行車両は地区内の市道や一部農道を使用しての利用となり、交通事故や朝夕での通学児童への安全面が大変心配であります。このような状態が、全線開通まで今後早くて5年以上かかるという事態になれば、住民の我慢も限界に達するものと想定されます。一日も早く、県、国への予算確保に向け、要望と早期全線開通に向けた今後の事業計画について、当局の考えをお聞かせください。
なお、今後とも、市長さんを初め議員の皆さん方、関係各位の御理解と御支援をお願いするものであります。
最後に、市内観光地への案内板表示についてお尋ねをいたします。
砺波市にはチューリップ公園、増山城跡、散居村ミュージアム、出町子供曳山会館など、数多くの史跡や名所が存在しています。市ではこれらの名所旧跡を観光の目玉として観光戦略室を創設し、あわせて中京圏の観光客を集約するために名古屋事務所を開設して、観光のまち砺波をPRしてきました。今年度では観光アクションプランを作成し、さらなる観光客の誘客へ取り組む姿勢を前面に打ち出しています。また、先日、他地区に先駆け開催されたタウンミーティングでも、出席者から御意見があったところであります。
そこで、現在の各観光地への案内看板表示ではインパクトが弱く、訪れた観光客に対し大変申しわけない気持ちになるのは私だけでしょうか。
例えば、インターチェンジ出口の大きな案内看板の内容をいま一度検討していただきたいと思います。確かに現在の表示は四季折々の観光スポットを表示していますが、既にイベントを終了した内容をいつまでも表示しておくことはどうでしょうか。むしろ四季ごとに全体を区別して表示するなど、あるいは、砺波駅をスタートに現地までの所要時間表示など明記することなど、お客様を迎えるという心が私は大切と思います。
あわせて、チューリップ公園内のタワーを今年度はライトアップするという計画をお聞きいたしましたので申し上げますが、先般、我々2期生は行政視察で徳島県阿南市を訪問してきました。御承知のとおり、阿南市はLED事業では日本の最先端企業があり、今年度からリース事業に積極的に取り組んでいきたいとの考えをお聞きいたしました。参考になればと思い紹介させていただきましたので、当局の考えをお聞かせください。
以上で質問を終わります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 村岡議員の今後の学校耐震化事業内容と計画についての御質問にお答えをいたします。
砺波市においては、すべての小中学校の耐震化を平成27年度末までに完了できるよう鋭意進めているところであります。
現在進めております学校耐震化事業につきましては、出町中学校が国庫補助金の前倒しを受けまして、平成23年度から平成26年6月まで、足かけ4カ年で整備を完了する予定であります。
事業内容は、校舎の補強及び大規模改造と改築を組み合わせ、既設校舎を生かしながら、学習環境の整備もあわせて行うものであります。
続いて、同時に並行で進めております庄川小学校につきましては、本年の3月に基本設計を完了いたしまして、平成24年度に実施設計を行い、平成25年と平成26年の2カ年で工事を完了したいと考えております。
事業内容は、出町中学校と同様、補強可能な体育館と校舎部分は補強及び大規模改造とし、危険度の高い校舎部分は改築とするものであります。
その後、残る庄南小学校、庄東小学校につきましては、平成27年度末までに完了すべく取り組むこととしており、事業内容は、耐震診断結果を踏まえまして、補強及び大規模改造で対応可能と考えております。
いずれにいたしましても、限られた期間の中で輻輳して取り組む必要がありますが、児童生徒の安全・安心な教育環境の確保と、ひいては災害時における地域住民の避難場所の確保のために全力を挙げて取り組んでいくものであり、議員各位の一層の御理解と御支援を賜りますよう改めてお願いを申します。
私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては副市長並びに担当部局長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
副市長 柴田敏秋博君。
〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕
◯副市長(柴田敏秋君) 平成24年度予算についての御質問の第1点目、市発注に係る公共工事の入札問題についてお答えいたします。
初めに、御質問にもありましたとおり、出町中学校耐震改修事業の建築主体工事につきましては、共同企業体方式による条件つき一般競争入札において応札者がいなかったことから、念のため、現在、工事の設計内容や積算金額等について所管課で精査、検証を行うとともに、中立的な見地から第三者機関に同様の検証を依頼しているところであり、その結果に基づきまして、設計等に対して措置が必要であれば対応をした上で、再度入札に付したいと考えております。なお、応札者がいないというケースは、予定価格を事前に公表している県内自治体でも見受けられるものであり、それぞれ個別に対応されているところでございます。
そこで、お尋ねの当市の入札制度についての検証でございますが、基本的には国や県に準じております。ただ、建築関連工事における入札公告時の設計積算数量の公表や、請負契約締結後の工事費積算内訳の公表、低入札価格調査基準などにつきましては、自治体によってその取り扱いが異なっているところもありますので、今回のことも考慮した上で、必要であれば見直しを行ってまいりたいと考えております。
なお、予定価格の設定につきましては、先の12月定例会で村岡議員の御質問にお答えいたしましたとおり、適正に設計積算された価格に若干の裁量を加えておりますが、平成25年度での完全廃止に向けまして、年次計画により調整を行っていることを申し添えさせていただきます。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
企画総務部長 戸田 保君。
〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕
◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、指定管理者制度の期間延長についてお答えをいたします。
まず、指定管理者制度に対する当市の考え方でございますが、公の施設に民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図るとともに、経費の節減等を図ることを目的とすることを踏まえつつ、それぞれの条例にうたわれた施設の理念や目的を効果的に果たすことが求められていると考えておりまして、当市では指定管理者制度の導入方針を定め、この制度を運用しているところでございます。
現在、この指定管理者制度を導入している施設は72施設があり、出町子供歌舞伎曳山会館を除く施設では当初の指定期間を終了し、新たな指定期間に入っている現状でございます。
議員が述べられましたとおり、今日まで順調に管理運営が行われており、経費の削減効果に加え、民間や地域団体ならではの運営やサービスが図られるなど、その成果があらわれていると考えております。
そこで、指定管理期間の終了に際し、その間の事業評価等の検証について御意見をいただいたところでございますが、市では、指定管理者の選定時、基本協定及び年度協定の締結時、管理運営業務の報告時のそれぞれの機会に、その施設の所管部署が資料提出を求め、十分に精査しているものと考えております。
次に、経費削減効果と検証内容及び評価表作成への取り組みについてでございますが、経費削減効果といたしましては、平成18年4月に指定管理された69施設の削減効果につきましては、議員も述べられましたとおり、対前年度予算対比で約4,100万円となっております。
つきましては、その後の再指定時の検証結果や派遣職員の臨時職員化等を含む年度ごとの予算査定などにより、平成23年度においては、その削減効果は平成18年度に比べて増加をいたしているものでございます。
しかしながら、経費削減の効果につきましては、施設の管理・安全面の確保の観点から一定の限界があるものと考えておりまして、市民の皆さんの満足度の高いサービス提供が図られるなどといったソフト面を含めて判断することが適切であると思っております。
また、評価表の作成につきましては、指定管理者による管理を行っている施設には、毎年度、管理運営業務報告書の提出を義務づけているところであり、同報告書に添付されております事業報告、利用状況報告、資金収支計算書により、所管部署が運営や経営面等について精査するなど、当面、現在の方法で行ってまいりたいと考えております。
次に、第三者評価の導入についてでございますが、先進事例を見ますと、類似施設を複数の団体に指定管理させている場合や、学術的研究施設等、その評価に専門的な有識者の評価が必要な場合に導入がなされているようであり、今後とも他市の動向を見極めながら研究をしてまいりたいと考えております。
次に、民間企業やNPO法人の参入についてでございますが、施設の設置目的を最も効果的に達成することができると認められる団体として地域団体などを選定している場合が多くなっておりますが、一般公募を行った一つとしては、平成18年度は11施設でございましたが、現在は25施設といたしておりまして、民間企業やNPO法人の積極的な参加を募っているものでございます。
しかしながら、これまでの実態といたしましては、1施設に対し1団体ないし2団体程度で、当該施設の運営管理について専門性を有する団体が応募されている現状となっており、市外または県外からの応募はないところでございます。
次に、安全確保と損害賠償の責任保険についてでございますが、損害賠償の責任保険につきましては、基本的には施設の瑕疵等による損害賠償については、市が加入している保険制度において対応することといたしております。
また、指定管理者の業務遂行上の過失による損害賠償や、指定管理者が主催する行事等に参加した場合の事故等による補償につきましては、指定管理者との基本協定書に基づき、指定管理者が必要に応じてその事業に対応した保険に加入するものとしております。
次に、特定管理施設への管理者配置についてでございますが、介護施設などの管理者が3年程度で交代することの御意見でございますが、指定管理施設における人事につきましては、各指定管理者が経費の節減、市民サービスの効率的な提供の観点等から、指定管理者の判断によりまして、個人の資質に着目し、個別に対処されているものでございまして、御理解をいただきたいと存じます。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、村岡議員御質問のうち、再生自然エネルギー、小水力発電への取り組みについての3項目についてお答えをいたします。
最初に、小水力発電設備への検討状況と専門担当課の設置についてお答えをいたします。
庁舎内に専門担当課を設置することにつきましては、小水力発電の関連分野が多岐にわたり、それぞれを所管する部署との連絡調整を円滑に行うことや、小水力発電の調査研究がエネルギー構想やまちづくりにつながることから、新年度からは企画調整課を担当課として調査研究を進めてまいりたいと考えております。
次に、設備導入時の課題につきましては、調査研究を行う中で今後明らかになってくるものでありますが、発電施設を設置する場所により、河川法に基づく水利使用の許可申請、いわゆる水利権の申請手続が必要となってきます。
この手続は、ここ二、三年の間に簡素化されているものの、煩雑な事務手続が必要であり、一番の課題ではないかと思っております。また、採算性の面でも十分検討する必要があると考えております。
一方、売電収益の充当範囲につきましては、農業用水では発電施設及び共用施設での運営経費の使用に限定されていましたが、昨年10月の改正により、発電事業者である土地改良区が管理する土地改良施設全体の維持管理費にも充当が認められるなど、その拡大が図られてきているところであります。
このように昨年の東日本大震災を機に、特に再生エネルギーの活用が重要視されてきており、今年7月からは再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度が開始されるなど、小水力発電を取り巻く環境は緩和の方向にあり、今後も法改正等について注視してまいりたいと思っております。
次に、具体的な導入水路や導入時期につきましては、現時点では明確にお答えすることはできませんが、新年度において速やかに調査研究に取り組んでまいりたいと考えております。
また、議員御提案のチューリップ公園の五連水車や砺波市発祥のらせん水車を利活用し、また、庄川水記念公園なども利活用することを含め、砺波らしさをアピールした取り組みにしてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
商工農林部長 八田俊伸君。
〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕
◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、観光地への案内表示についての御質問にお答えいたします。
北陸自動車道砺波インターチェンジ出口正面にあります大型看板につきましては、高速道路利用者の目に入りやすい場所にございますので、第一印象でインパクトを与える大きな効果があると思っております。
現在の案内表示につきましては年4回、季節ごとに当市の特徴であります花や自然を取り入れながら、花のイベントを中心に自然豊かな庄川峡やきらびやかな夜高、花火などをベースとしたイベントを紹介しているところであり、夜間でも看板が見えるよう、照明も整備しております。
看板の内容につきましては、村岡議員の提案も含め、皆さんのいろいろな御意見をお聞きしながら、より効果の高いデザインを検討してまいりたいと考えております。また、村岡議員が述べられましたように、お客様をお迎えする心はとても大切なことでございますので、砺波インター出口に歓迎塔を設置できないか、これも検討してまいりたいと考えております。
このほか、LEDにつきましては、チューリップ公園のにぎわいづくりの一つとしてイルミネーションでの活用を考えておりますので、議員が視察されました内容をお伺いさせていただきまして、よりよいものにしてまいりたいと考えております。よろしくお願いしたいと存じます。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
建設水道部長 齊藤和芳君。
〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕
◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、4の一般国道359号砺波東バイパス事業についての早期事業着手の予算確保、今後の事業推進計画及び全線開通時期についての御質問にお答えします。
現在、国道359号砺波東バイパス事業については、主要地方道新湊庄川線以東における般若地内の設計協議が平成22年度で調い、順次、その後、用地測量並びに用地の境界立ち会いが進められてきております。また、栴檀野地区におきましては、今年度、設計協議がまとまり、現地に用地幅ぐいが打たれたところでございます。
今後は般若地区の残り一部の用地を含め、最終地点である芹谷地内までの用地測量業務が今年3月中に発注され、村岡議員が言われましたように秋口ごろに完了することから、富山河川国道事務所では、平成24年度において用地買収に着手するための予算要求をされているところでございます。
本事業につきましては、御存じのとおり、砺波市の重点事業として毎年7月に関係省庁へ要望活動を行っており、また、昨年は国道359号改修期成同盟会でも、県内の構成3市とともに国土交通省や北陸地方整備局へ予算確保の要望を行ったところでございます。このほか、市長が理事として出席する全国道路利用者会議や道路整備促進期成同盟会の会合等が開催されるたびに、その都度、国会議員や関係機関に足を運び要望しているところでございます。
一方、庄東振興協議会におかれましては、昨年8月に富山河川国道事務所へ要望活動を行っていただき、国道359号の早期完成を切望する地元の熱意が伝わったものと思っております。
事業の推進計画につきましては、主要地方道新湊庄川線以東における般若の頼成北交差点より栴檀野芹谷地内までの残り区間については、用地買収を進め、工事着手する運びとなったところでございます。しかしながら、残り区間には埋蔵文化財が点在しており、埋蔵文化財調査の工程がこの事業の進捗に大きく影響するものと考えております。そのため、早く用地取得に努めるとともに、富山県埋蔵文化財担当部局とも調整を図ってまいりたいと考えております。
また、議員御指摘のとおり、本線バイパスから迂回路としては、本来、主要地方道新湊庄川線、安川交差点を通り富山方面へ向かわなければならないところを、近道として市道三合頼成線を利用され、以前にも増して交通量が増加している状況については十分承知しております。
市としましては、一般通行車両の対応策として、富山方面への迂回誘導について公安委員会や砺波土木センター等の関係機関と協議し、地域住民の安心・安全の確保に努めてまいりたいと考えております。
なお、迂回路として利用されている市道三合頼成線につきましては、舗装の損傷が著しいということで、新年度で舗装の補修工事を予定しております。
いずれにしましても、早期の工事着手は先決でございますが、御質問の全線開通につきましては、東日本大震災の復興が最優先されている国の財政事情もあり、平成28年度以降とされており、現段階では明確な供用開始時期は公表されておりません。
市としましては、早い全線開通並びに早期完成に向け、砺波市の最重点要望として関係機関に強く働きかけてまいりますので、今後とも議員各位の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
病院事務局長 永森耕治君。
〔病院事務局長 永森耕治君 登壇〕
◯病院事務局長(永森耕治君) 私からは、村岡議員御質問の項目1、平成24年度予算についてのうち、3点目の砺波総合病院南棟改築事業内容と具体的な日程についての御質問にお答えいたします。
昨年の東日本大震災では、病院の受け入れ可能人数を超える患者が殺到し、適切な医療提供が一時困難になるなどの事例報告もされており、災害拠点病院としての医療機能を強化し、災害時の対応能力を高めておくためにも、南棟の耐震化整備が必要となっております。
南棟は、今年度実施した耐震診断結果では、特に1階部分が災害拠点病院としての耐震基準以下であり、相当大規模な補強または建てかえが必要との診断結果報告を受けているところでございます。
富山県では、地震災害時等の災害拠点病院の機能強化を図るため、平成23年度医療施設耐震化臨時特例交付金事業において、当院を耐震化整備指定医療機関に指定する準備を進めており、この事業の指定は、災害拠点病院で、かつ平成24年度中に工事に着手することが条件とされております。
そのため、現在は現地建てかえに向けて病院耐震化整備事業の基本計画作成を進めているところであり、新年度早々に基本設計、実施設計に取りかかり、遅くとも本年12月までに終了し、その後、工事の入札を行いたいと考えているところでございます。
現時点での基本計画で予定している事業内容につきましては、災害時の一時的な患者受け入れを可能とする可変性施設として整備するほか、地域がん診療連携拠点病院としての化学療法室の移転増床を図ること、また、食堂等のサービス部門を充実するなど、機能の改善を検討しているところでございます。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 再質問を許可いたします。なお、再質問につきましては、答弁漏れについてのみ質問を許可いたします。
〔8番 村岡修一君 登壇〕
◯8番(村岡修一君) 今回、指定管理者の期間延長の項目で、5番目の特別施設への管理者の問題につきまして、私、非常に危惧をしている立場で質問したというふうに思っております。いま一度、職員、OBの処遇を含めて明確にお答えをいただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
企画総務部長 戸田 保君。
〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕
◯企画総務部長(戸田 保君) 先ほど、介護施設などの管理者が3年程度で交代することはいかがかという御意見でございまして、その基本的な考え方について申し上げたわけでございますが、今、職員の再配置といいますか、退職後のことについても触れられたわけでございますが、先ほども申し上げましたとおり、このことにつきましては、各指定管理者がそれぞれの立場から、経費節減の問題、市民サービスを効率的にどう提供するかという観点から、管理者の判断において、個人の資質を見られて個別に対処されているというふうに考えておるものでございます。
なお、このことについて過去の例等を見ますと、有能な方については必ずしも3年ということではなく、長期間雇用されている場合もありますし、また、逆に短期間で、問題があったとかどうかということはちょっと別にいたしまして、短期間で終わっておられる方もございますので、それぞれ指定管理者の判断において実施されているものというふうに考えておるところでございます。よろしくお願いをいたします。
◯議長(稲垣 修君) この際、暫時休憩いたします。
午前11時30分 休憩
午後 1時00分 再開
◯議長(稲垣 修君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
3番 山本善郎君。
〔3番 山本善郎君 登壇〕
◯3番(山本善郎君) それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、市政一般についてお尋ねするものです。
さて、過日3月3日に砺波市教育施設の耐震化事業の一環として、砺波市立北部小学校の落成式が厳粛に挙行され、めでたく完成し、関係者の皆様に心より感謝申し上げるところでございます。今後の教育事業の向上に大いに期待するものです。
また、かねてからの懸案事項でありました国営総合農地防災事業に伴う埋蔵文化財御館山跡地の発掘調査にも新年度に予算化され、本格的に取り組まれることに対し、大いに期待するところです。しかしながら、その一方では課題も多く、質問をするものです。
まず最初に、砺波市地域防災計画について尋ねるものです。
さて、東北大震災が発生して早くも1カ年が過ぎましたが、早急な復興が望まれるところです。それに費やす時間と労力は、想像を超える長期的かつ莫大な金額になることを改めて実感しながら、その教訓を最大限に生かすためにそれらの時間と費用を予期せぬ災害の起こる前に費やし、論議し、検討が必要と考えます。
県では、防災会議も開催され、中でも北陸電力志賀原発の有事に備える協議に関心を持ち、期待するところです。この会議は国の方針に基づき計画され、今までその有事に備える地域を10キロメートル圏内としてきたため、県境までの距離が20キロ余りの富山県は今日まで具体的な取り組みが示されていなかったようですが、このたびの震災を受け、30キロ圏内を緊急防護措置計画範囲(UPZ)とすることと見直し、さらに、50キロ圏内を放射能雲通過時の被爆を回避するための防護措置を行う地域、PPAとなり、当市においても対象地域となるとのことです。そうなれば、備蓄対象として放射線測定器材の配備や安定ヨウ素剤等の保管など、盛り込む計画となるとのことです。
先ごろ小矢部市において、甲状腺がんを避けるため、全市民用の安定ヨウ素剤を備蓄することを打ち出し、約3万2,000人分の購入備蓄を補正予算に盛り込み、その額は40万円としている。また、日医工は県に対し、安定ヨウ素剤を県西部の17万6,000人分を寄贈されています。県は3回服用分を確保するとし、保管場所等を県防災会議の検討結果を待って検討するとしています。当市においても、その計画にあるなしは別として、市民の安心・安全を図るためにも備えを必要としないかと考えるものです。
県の防災会議のスケジュールは、今年の9月まで期間を延ばし、策定の見通しとあり、当市は、恐らくこれを受けて来年3月まで計画を策定するとのことです。
先ごろ、佐渡沖の海底で震度5強の地震が発生したところですが、幸いにも津波等の発生もなく、新潟県柏崎刈羽原発や石川県志賀原発にも異常が見つからないとのことでした。ここ数年発生していない今回の地震は、東北大震災発生以降、頻繁に発生しているとのことであり、今後も注視の必要があるものとされ、いつ起きてもおかしくはないということです。
また、国はこの震災後に残った瓦れきに対し、広域処理を促進するため、地方自治体に支援を要請しているようでありますが、これにこたえる自治体の動きが加速しているようですが、これには多くの課題があるようにも思われるが、当市の考え、対応についてどうなるのか、尋ねるものです。
また、さらに消防庁は、この大震災を踏まえ、消防団員向けの研修会として、災害対応や安全確保の知識を持った災害対応指導者の要請を行うとのことです。
そこで、東北大震災後1カ年を経過し、さらに当市の防災計画に1カ年を要するとなると、時間がかかり過ぎのようにも思われます。少々急ぐ必要があるのではと考えます。
そこで、1、防災計画見直しについて並びに今後の対応について、2、災害有事用の備蓄品確保の必要性について、3、北部地区で計画の総合防災訓練の内容について、4、災害時相互応援協定を締結している県外市町村との具体的な連携計画と実践について、5、災害対応指導者育成について、6、瓦れき処理の受け入れについてをお尋ねいたします。
次に、砺波市観光事業のチューリップフェアについて尋ねるものです。
砺波市といえばチューリップフェアと、毎年市民の皆様や県内外観光客の最大イベントとなり、今年も4月25日より開催を予定され、楽しみにしています。昨年は60周年の節目の年であり、小惑星探査機「はやぶさ」の展示も行われ、その節目にふさわしいものであったと思われます。今年も昨年に劣らず盛大に開催されるものと期待するところです。
さて、今日まで球根生産者を増やすための講座を開設されたり、公園周辺の手づくりマップ、ぐるりマップの製作で、周辺の案内や名勝の紹介をしたり、多種多様の手段を講じて取り組まれている一方、東京銀座のフラワーカーペットが開催の幕引きをされたとのことですが、規模を縮小し、丸の内ビル内の室内での開催と計画変更され、大変に寂しいことと思われます。規模は小さくても中身の濃いものにし、砺波市の魅力を大いにアピールしていただきたいものです。
国は観光計画事業の中で、日本ブランドの回復を図ることを考え、また、県では、富山─台北便の定期航空便就航に向け、誘客活動に力を入れる方針で、特に雪にまつわる立山、雪の大谷や幻想的な庄川峡の冬景色等、県市を挙げて観光資源の活用を大いに期待するものです。
雪になじみのない国の観光客は、その思いは特に深く、冬季間の白黒の幻想的な世界は水墨画に重なることが好評と考えます。その世界から厳しい冬を耐え抜き、春に色とりどりのチューリップが開花することが大きく際立つものと考えます。
砺波市の観光事業については、往々にして通過型観光になりがちですが、滞在型にするときは夜間の観光も考えていくべきではないかと考えます。また、公園内には五連水車が設置されているが、再生可能エネルギーとしての役割を持たせ、役立たせ、見せることも大切ではないかと考えます。
しかしながら、小水力発電には、このたびの制度改正もされたところですが、新たな発電用水利権の取得等、多くの問題点もあると考えられますが、その問題点を提議し、積極的に取り組む必要性があるのではないかと考えます。
そこで、1、チューリップフェアの外国人観光客の誘客方法について、2、チューリップフェア夜間開催の方法について、3、球根生産者のさらなる発掘について、4、今年のフェア開催重点施策について、5、五連水車の小水力発電についてを尋ねるものです。
次に、砺波市空き家対策について尋ねるものです。
さて、住みよさランキングについては、砺波市は前回の3位から16位に大きく後退したわけでありますが、今回1位の愛知県みよし市は、三好町時代に全国一人口の多い町として有名でしたが、その中で特に注目されるのは、30歳から40歳代の人口が多く、また、14歳以下の年少人口比率もかなり高く、現在も増加し続けているとのことです。
一方、砺波市の後退の要因は、出生率が低くなり、項目の一つである安心度の低下により後退したものと教えています。これにはさまざまの要因と見方があると考えますが、若者の減少がその要因に含まれるとすれば、大いに憂いされるところではないでしょうか。この少子高齢化先進県であり、また、先進市の砺波市の実態が年々ひしひしと確実に忍び寄ってきているのは間違いないものと考えます。
また、その影響からか、人の移動とともに、持ち家であったはずの立派な建屋の空き家が方々で散見され、特に農村部に広がっているような傾向があるようにも思われます。これは砺波市にとって重大な社会現象であり、問題と考えます。
さて、先般より空き家利活用調査研究会の皆様の御尽力により、市内の空き家調査結果もまとめられ、また、支援組織への空き家情報バンク設置の提言もまとめられました。その中では、ハード面について、その中身まで立ち入ることはできないため、情報提供や紹介の手助けを担当することで3月をもって解散するとのことですが、情報バンクの設立まで継続されるとのことです。
さて、この散居村景観を保持し、継続していくことは当然の責務と位置づけるが、その手法の一つとして利活用も必要と考えます。また、現在策定中の景観まちづくり計画の中で、良好な景観を保全するため、景観主要建築構造物と景観重要樹木の指定も同時に行い検討するとのことですが、利活用され、建物の物件はよしとしても、そういった条項に耐え切れない築年月が過ぎた老朽化が目立つような建築物の取り扱いをどうするかが大きな課題で、注目されるところです。
そこで、1つ、空き家対策で利活用できない構造物の取り扱いについて、2、空き家の維持管理、治安対策についてを尋ねるものです。
最後に、公共交通対策について尋ねるものです。
過日2月15日に公共交通対策特別委員会を開催し、3月定例会の初日に委員会報告をさせていただいたところですが、今後とも、継続される新たな課題や問題点も多々浮き彫りとなったように思われます。今後とも、さらなる市民のための利便性を確保するため、官民一体となって利活用、活性化に取り組むべきものと考えます。
また、その中でもJR城端線に関しては、特に周辺自治体と活性化具体策について意見統一が必要とも思われます。また、ハード面についても周辺整備が望まれるところです。
そこで、1、公共交通活性化具体策について、2、並行在来線に対する市の財政支援についてを尋ね、質問を終わりたいと思います。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) それでは、山本議員の御質問にお答えをいたします。
まず、防災計画の見直しと今後の対応についてでございますが、昨日の今藤議員の御質問にお答えをいたしましたが、地域防災計画全体に関する分も含め、私の考えを述べさせていただきます。
この防災計画は、防災対策基本法に基づき、市の災害予防、災害応急対策、災害復旧に関する事項を定めたもので、計画の作成に当たっては、県の地域防災計画や指定公共機関の防災業務計画が優先され、その見直し計画の方針を受けて、市町村が取り組むこととなります。
このような中で、私といたしましては、地震想定の見直しに基づく災害に対する理解、備蓄のあり方を初めとする震災予防対策、自助、共助を充実させる震災応急対策など、多岐にわたって見直しが必要であろうと考えております。
また、原子力災害の対応につきましても、先ごろ国から示された地域防災計画、原子力災害対策編の策定ガイドラインによりますと、当市は防災計画に原子力災害対策編を作成する必要のある自治体には該当しませんが、当市の一部は半径50キロメートル圏内であるPPAに含まれる可能性があり、住民の安全確保と不安解消のためにも、対策が望ましいと考えているところであります。
そこで、時間がかかり過ぎでないかとの御指摘でございますが、科学的裏づけや、国や県防災関係機関との連携を重視するとともに、市民の皆さんや議会の皆さん、自主防災組織等から十分に御意見を拝聴しながら計画づくりを行うことが重要と考えておりまして、御理解を賜りたいと思っております。
次に、災害時相互応援協定を締結している県外市町村との連携計画についてお答えいたします。
現在、当市と締結している県外自治体は、愛知県安城市や石川県加賀市など13の自治体となっております。
この協定では、被災した自治体の要請を受け、応援を行う都市の過剰な負担にならない範囲内において、被災者の救出、医療、防疫、施設の応急復旧などに必要な物資、機材及び車両の提供、職員の派遣などを行うこととし、その手続、費用負担、さらには2次災害に遭った職員の災害補償などについて定めております。
このような中で、当市と安城市及び加賀市との間では、現状の協定内容をさらに強化するため、災害時応援協定の実施要綱の締結に向けて、現在、2市の担当レベルで協議を行っているところであります。
この内容といたしましては、円滑かつ迅速に対応できるように、相互の防災関連情報の伝達手段と提供可能な支援をあらかじめ具体化しておくもので、提供できる物資の量やその輸送体制及び手段なども決めておくものとしております。
なお、当市の総合防災訓練におきまして、安城市などとは通信訓練を行っておりますが、総合防災訓練への相互参加などを検討しているところであり、今年8月には安城市の総合防災訓練に参加し、業務手順について確認することにしております。
次に、第6点目の震災瓦れきの受け入れについてでございますが、東日本大震災での震災瓦れきについては、環境省が2月に公表した資料によると、岩手県の瓦れき推定量は約476万トンで、通常の年の一般廃棄物の約11年分であり、宮城県は約1,569万トンで、通常の年の約19年分にも上り、それぞれの県だけでは処理が極めて困難なことから、被災地で処理し切れない災害廃棄物を全国の廃棄物処理施設で広域処理することで、被災地を支援してほしいと要請されているものであります。
なお、広域処理の対象となっている瓦れきは、放射性セシウムの濃度が不検出または低く、岩手県と宮城県の沿岸部のものであり、安全性が確認されたものに限られております。
次に、瓦れきの受け入れについてですが、当市では砺波広域圏事務組合のクリーンセンターとなみでごみ処理を行っておりますが、砺波広域圏内のもう一つのごみ処理施設であります南砺リサイクルセンターが、諸般の事情により本年9月末で稼働を停止することとなっております。そうなれば、残りのクリーンセンターとなみでごみ処理を行うことになりますが、処理能力に限界があるため、処理し切れないごみについては、本年10月より富山広域圏に委託して処理する予定で準備が進められているところであります。
このような特殊事情によりまして、ごみを新たに受け入れる余裕がないことから、災害廃棄物を受け入れすることはできないものと考えております。
次、2項目めの花と緑のあふれるまちづくりについての第3点目、球根生産者のさらなる発掘についてでございますが、砺波市の特産物であるチューリップ球根の生産者や生産面積が年々減少しております。
このことに歯どめをかけるために、昨年度、新たな生産者の育成を図る市独自の事業としてチューリップ球根新規生産振興モデル事業を設けたところ、1組織、1個人の申請がありました。本年度におきましても、新たな生産者の発掘を目指し、過去に球根生産した農家や経営体の皆さんなどに積極的に働きかけてまいりましたが、技術を伝承できる後継者の不足や圃場の確保、土壌の適性などの理由で新たな生産者を発掘することはかないませんでした。
そこで、新年度では、多くの農業者や経営体の皆さんに花き栽培の経営実態を学習していただくために、市、県の農林振興センター、県球根組合、となみ野農協が一体となって、砺波型花きチャレンジ講座を計画しております。
講座では、指導機関や研究機関が立地する地域の特性を生かした花き栽培、農閑期である冬場の切り花栽培、生産者が語る球根栽培の魅力、球根生産に対する助成金、市農業公社による専用機械の活用などについて、多くの農業者や経営体の皆さんが知ることができ、また、経営として成り立つ球根栽培の魅力を大いにPRすることとしております。
新規の生産者の発掘、担い手としての育成、定着化を図るには、市だけでできるものではありません。何よりも大切なことは、新たな担い手として確固たる体制ができるまで、市を初め、県や県球根組合が連携し、持続的な取り組みに支援することが肝要であろうと、このように思っております。
新たな生産者として学習する者に2年間にわたり市が独自に支援するチューリップ球根新規生産振興モデル事業や、3年目には、担い手として育成・定着化を図る県事業チューリップ球根新規担い手育成支援事業として支援し、チューリップ球根生産を支える担い手として育成しようとするものであります。
今後とも、引き続き関係機関と連携し、新たな生産者の発掘、支援に努めてまいります。
私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては副市長並びに担当部長からお答えいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
副市長 柴田敏秋君。
〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕
◯副市長(柴田敏秋君) まず、快適な居住環境の整備についての御質問のうち、空き家対策で利活用できない構造物の取り扱いについてでございます。
最初に、当市の空き家の増加は、少子高齢化による若者の減少が大きく影響しているとの御指摘でございますが、当市の平成22年の合計特殊出生率は1.56でございまして、富山県平均の1.39を大きく上回っております。また、出生数も10年以前の500人前後に比べれば減少しておりますが、ここ数年は420人から440人程度で推移いたしております。さらに当市は、平成22年の国勢調査においても、14歳までの年少人口比率は県内10市ではトップであり、他市と比べ少子化が速いスピードで進んでいるということはございません。
もちろんこうした状況に楽観しているものではございません。人口構造上は将来的には必ず少子化が進んでいきますので、今議会に提案しております子育て支援医療費の助成拡大や子育て支援センターの拡充など、さまざまな観点から子どもを生み育てやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
そこで、空き家増加の要因でございますが、若者が都会へ流出した後に、地元へ戻ってこなくなって空き家になるケース、あるいは核家族化により、実家の両親が亡くなった後、空き家になるケースなどが多いのではないかと考えております。
そこで、議員御質問の景観保全の中での老朽化した建物の取り扱いでございますが、基本的には空き家情報バンクなどでの利活用が望ましいものですが、老朽化が進み、改修費が膨大となるものについては、構造物そのものの利活用が困難なケースもあると思われます。このような利活用できない構造物は、所有者の責任で所有者自身によって解体されるべきものであると考えております。しかしながら、所有者の方にもさまざまな事情があり、解体が容易に進まないのが実態でもございます。
最近は、古民家再生が盛んにPRされており、場合によっては、建物全体ではなく、枠の内など一部を活用したり、長年の使用で黒光りする古材等を部分活用することもあると聞いております。こうした利活用方法を含め、広く市民の皆様から御意見をいただき、今後検討してまいりたいと思っております。
次に、空き家の維持管理、治安対策についてでございます。
空き家につきましては、今ほど申し上げましたように、所有者が責任を持って管理するのが大原則でございます。しかしながら、実際にはその維持管理が十分になされないことが多く、苦情をお聞きすることがありますので、市では所有者に対し、住民からの苦情内容をお伝えし、改善していただくようお願いいたしております。
地域によっては空き家調査の中で所有者の連絡先などを把握され、所有者が近くの場合には定期的に訪問するとか、近所の方に日常の見回りや管理を依頼してもらうなどの対応をしておられる場合もあるとお聞きしております。このように地域の皆様からも所有者に働きかけをいただき、地域の安全・安心な環境を守っていただくこともお願いしたいと思っております。
最後に、機能的な都市基盤の整備についての御質問のうち、公共交通活性化具体策についてでございます。
沿線4市を初め、県やJR西日本、地域住民代表などが加盟する城端・氷見線活性化推進協議会では、城端線の利用活性化を目的とする地域公共交通連携計画をこれまで3回にわたり協議いたしております。
この連携計画では、周辺自治体との連携を図る事業として、平成24年度から城端線・氷見線使用車両への整備事業を掲げておりまして、観光PR等を含めたラッピングや内装リニューアルなどの実施を考えております。
また、市独自のものとしては、油田駅前の駐輪場建屋の新設、砺波駅での観光案内所の開設、インターネット接続環境の整備、駅舎周辺の花にぎわい事業、まちなかイベントとの連携など、各種の城端線利用活性化事業を計画しておりまして、これらを通じてJRを利用する方々への利便性を高めていきたいと考えております。
また、市営バスにつきましては、市内全地区に対して要望調査を実施し、新たにバス停を設置することとしたほか、3月のJRダイヤ改正に伴い4月からのダイヤを改正し、砺波駅や東野尻駅を利用する高校生の通学時間帯に合わせた運行時刻の編成とすることで、城端線と連携した公共交通の活性化を図ってまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、市民の皆さんに城端線や市営バスを利用していただくことが肝要であります。市民みんなで守り育てるという力強い市民運動を展開していただくことが何よりも大切であると考えておりますので、市といたしましては、市民の皆さんの公共交通に対する意識が高まり、積極的に御利用いただく気運が高まるように努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
企画総務部長 戸田 保君。
〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕
◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、初めに、安心に暮らせるまちづくりについてお答えをいたします。
まず、災害有事用の備蓄品確保についてでございますが、当市における備蓄品の数量を決定する際の被害想定につきましては、県地域防災計画において公表されております罹災者率、つまり建物の全壊及び消失により住む場所を失うと予想される人数を算出し、県及び民間の流通備蓄を勘案し、約1,000人余り分の備蓄をいたしております。
この備蓄品といたしましては、寝具類、非常用食料のほか、防水シート、また、感染症対策として三角巾、マスク、消毒液などでございます。さらに、今年度におきましては、大震災を教訓といたしまして、下水道直結型のトイレ2基、無水式トイレとトイレ用目隠しテントを22セット、避難所用プライバシー間仕切り22セットの追加整備を行ったところでございます。
つきましては、先ほど市長から申し上げましたように、被害想定の見直しが行われました場合には、これに基づき、県と連携して備蓄品の充実に努めてまいりたいと考えております。
なお、現在、本庁舎、庄川支所、東部小学校、庄東小学校で分散備蓄いたしておりますが、新たに耐震化をされた場合、出町中学校等においても市街地域における備蓄品を配置してまいりたいと考えているところでございます。
次に、安定ヨウ素剤の備蓄についてでございますが、国の基準によりますと、安定ヨウ素剤は、予測線量100マイクロシーベルトを超える地域において40歳未満の方に対して服用が推奨されるものとされております。今のところ、志賀原子力発電所の半径30キロメートル圏内として設定が見込まれますUPZの範囲では、その備蓄が求められるとされております。
そこで当市は、半径50キロメートル圏内として設定が検討されているPPAの範囲に市域の一部が含まれる見通しがありますので、この備蓄につきまして、富山県の対応を見極めながら検討する必要があると思っております。
その理由といたしましては、安定ヨウ素剤は、その服用に際して副作用等を十分に考慮した服用基準、安全性を確保した適正な保管方法が求められ、さらには、いつ、だれにどのような方法で服用させるかなどが課題であり、今後このような基準を国が示すこととなっておりますので、これをあわせて検討する必要があると考えているためでございます。
次に、北部地区総合防災訓練の内容についてでございますが、来年度の訓練は、砺波北部小学校を主会場として、林地区、若林地区、高波地区の皆様の御協力を得て、7月29日の日曜日に予定をいたしております。
現在想定をいたしております訓練の内容を申し上げますと、コミュニティー内の共助、地域間の連携を重視したものとし、昨年を例に申しますと、水害発生時の水防訓練や学校を活用した高台への避難訓練などを考えております。また、今回は耐震化されたばかりの新校舎を活用する訓練や、障害者や高齢者などの避難など、近隣の福祉施設との連携を図る訓練を検討いたしているところであります。
さらに、自主防災組織では、情報伝達、安否確認訓練、避難誘導訓練、新たに導入したプライバシー間仕切りやトイレの設置訓練などをお願いしたいと考えております。また、情報収集訓練として各地区に在住の職員を地区連絡員に指定いたしておりますが、これらの職員を参加させ、地区情報の収集、災害対策本部からの情報伝達、避難所運営などの初動対応訓練も組み込みたいと考えております。
なお、詳細につきましては今後、当該地区など関係者と協議し、御意見を伺いながら進めさせていただきたいと考えております。
次に、災害対応指導者育成についてでございますが、東日本大震災では、水門閉鎖や住民の避難誘導に当たられた消防団員が254人も死亡、行方不明となったことから、このような惨事を二度と繰り返さないために、大規模災害時の消防団員の安全確保策について総務省消防庁の検討会で議論されてきたところであります。
つきましては、消防庁では、消防団員が災害時に安全な活動を行えるよう、安全確保や災害対応への知識を持つ団員を育成するため、平成24年度から災害対応指導者育成事業を始めることとしております。
この内容といたしましては、団員の中でも分団長や副分団長など実際の災害現場で中心となるような方々を対象として災害対応の研修を行い、受講者には研修内容を傘下の団員に普及、徹底していただくというものでございます。
市といたしましては、消防団員の皆さんが、火災現場はもちろんのこと、地震、台風及び豪雨等による河川のはんらん、洪水等の自然災害においても自らの身体、生命を守りながら必要な活動ができるよう、この事業に積極的に参加していただくよう働きかけてまいりたいと考えております。
次に、機能的な都市基盤の整備についてのうち、並行在来線に対する市の財政支援策についての御質問にお答えをいたします。
並行在来線の運営を行います第三セクター会社につきましては、平成25年度の前半に本格会社へ移行するとのことであります。
また、開業後の収支見通しにつきましては、去る1月23日に開催されました富山県並行在来線対策協議会において示された計画概要、第1次によりますと、並行在来線は開業後も厳しい収支見通しとなっていることから、大幅な運賃値上げも検討せざるを得ない状況になる。それを避けるためには、JR西日本に対し必要資産について極力低額での譲渡となるよう折衝するとともに、開業後10年間の投資に係る公的支援及び経常収支不足額を補うため、経営安定化のための基金を設置する方向で検討する。なお、基金のあり方については、県及び固定資産税の増収がある沿線自治体のほか、非沿線自治体を含め全自治体が拠出する方向で今後調整するものとするとの基本的な考え方が示されたところであります。
つきましては、並行在来線に対する財政支援策につきましては、この基本的な考え方に基づいて、今後、具体的な議論が進められますが、非沿線市であります当市におきましても、経営安定のための基金に対して応分の拠出が必要になるものと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、山本議員の御質問のうち、花と緑のあふれるまちづくりについての5項目めの五連水車の小規模発電についてお答えをいたします。
先ほど村岡議員からも御提案がありましたが、チューリップ公園内の五連水車につきましては、庄川扇状地にある砺波平野の豊かな水の象徴であり、公園の大きな魅力の一つであると思っております。
この五連水車を使っての発電はマイクロ発電となりますが、自然が豊かな砺波市のアピールとなることに加え、市民の方はもとより、県内外からの多くの観光客の皆さんにも小水力発電への取り組みについて触れてもらうことにより、再生エネルギーに対する理解を深めてもらうなど、貴重な機会になるものと思っております。
そのため、チューリップ公園内にあります五連水車を初め、砺波市発祥のらせん水車等の水車を活用した発電につきましては、新年度において調査研究してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
商工農林部長 八田俊伸君。
〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕
◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、花と緑のあふれるまちづくりについての御質問のうち、初めに、チューリップフェアの海外観光客の誘致方策についてお答えいたします。
現在、政府が目指す観光立国の実現に向けた取り組みが進められている中で、チューリップフェアでも国際的な交流を進めていくことはとても大事なことでございます。今回のチューリップフェアでは、海外からの観光客の受け入れ体制づくりの一つとして、英語及び中国語の会場案内図や通訳を配置したいと考えております。また、早くから富山─台湾便の就航も見込んだPRに努めているところであり、最近は台湾の旅行会社などからの問い合わせも多く、昨年以上の入り込みを期待いたしております。
今後の方策としては、ホームページやツイッター、フェイスブックで海外にも発信することや、県や広域自治体のほか、アルペンルートなどとの連携を深め、より効率的な海外誘客キャンペーンを進めてまいりたいと考えております。
次に、チューリップフェアの夜間開催につきましては、現在のチューリップ公園の施設や設備では、入場者の安全確保や費用対効果を図る面からナイター営業は難しい問題もありますが、夕暮れの散居村景観や庄川峡、庄川温泉郷など全国に誇れる観光資源を広く紹介し、その魅力を味わっていただく仕組みづくりが必要かと考えます。
そこで今回は、来場者が多く見込まれる土、日、祝日におきまして、開園時間をこれまでよりも1時間延長したところであり、市内での宿泊など滞在型観光の推進につなげてまいりたいと考えております。
次に、今年の開催重点施策についてお答えいたします。
まずは、本年より主催者に砺波市観光協会が新たに加わり、より幅の広いネットワークを生かした観光振興に努めてまいりたいと考えております。
また、開園時間の延長によりまして、観光振興戦略プランに基づく滞在型観光の推進に取り組むことや、より多くの市民参加を図ることのほか、国際観光のグローバル化に対応した会場づくりに心がけてまいります。
花壇につきましては、キューケンホフ公園より直に教えていただいた技術を生かしたオランダ風花壇を設けるほか、東日本大震災の復興を支援するコーナーを設置し、義援金活動に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 再質問を許可いたします。なお、再質問につきましては、答弁漏れにつき許可をいたします。
3番 山本善郎君。
〔3番 山本善郎君 登壇〕
◯3番(山本善郎君) 再質問させていただきたいというふうに思います。
瓦れき広域処理の受け入れについてでございます。これにつきましては、市長から、現在では広域圏の処理場が手いっぱいであるためにできないということで御答弁いただいたわけでございます。これはもちろん私も理解できるところでありますが、私の聞きたかったところは原因ではなくて、通常の場合こういった受け入れ意思があるのか、あったのかどうかを聞いたつもりでございますので、その辺ひとつ答弁いただきたいというふうに思います。
以上です。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 今の再質問にお答えいたしますが、通常の場合というのはどういう場合なのかちょっとわからないんですが、南砺のクリーンセンターですが、あれが起動したらという場合なのか、そこら辺がちょっとあいまいなんですが、どういう意味なんですか。
〔「どっちです」と呼ぶ者あり〕
◯市長(上田信雅君) 答えようにもわからない話は答えられません。
◯議長(稲垣 修君) いま一度質問の要旨をはっきりおっしゃってください。
3番 山本善郎君。
〔3番 山本善郎君 登壇〕
◯3番(山本善郎君) それでは、質問をし直したいというふうに思います。
今回の原因は、たまたま広域圏の2つあるうちの1つが稼働しないということで、その分について砺波側のほうへ持ってくるために、今回は処理できないというようなお話だったかというふうに思うわけであります。
それはそれで私も理解できるわけですが、もし、私の言いたいのは、そうじゃない場合、通常の場合というのは、そういうことが起きていなかった場合のときに、そのときに砺波市としては受けることができるのかどうかを私は聞いたつもりです。よろしいでしょうか。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 再質問にお答えをいたしますが、正直な話、クリーンセンターそのものが大変容量がごくわずかになってまいっております。そういうような状況でございますので、あえてその量を遠方から運ぶというのは極めて難しい課題もあると、もちろんそういうこともございますので非常に難しい状況にあろうと、このように考えておるわけでございまして、リサイクルセンターの問題につきましては、固形燃料としてかねてより問題になっておったということもございますので、ここらあたりとあまり関連づかないんじゃないかなと、このように思っております。
いずれにしろ、適切な答弁になったのかわかりませんが、クリーンセンターそのものは非常に焼却する能力がほぼないと、少ないということは御理解願いたいと、このように思います。
◯議長(稲垣 修君) 1番 多田裕計君。
〔1番 多田裕計君 登壇〕
◯1番(多田裕計君) それでは、質問をさせていただきます。
まず初めに、何よりも世の中全体が大変なときであります。そうした中で、野田政権が最重要課題として消費税の大増税と社会保障の大改悪を進めようとしています。消費税の大増税が、市民の暮らしにとっても、中小商工業者やあるいは農業者等にとっても、深刻な打撃となることは明らかであります。
日本商工会議所などの調査によると、消費税を価格に転嫁することができない事業者は、現状でも売上高1,000万から1,500万円の事業者の64%、消費税が上がったら転嫁できないという事業者は71%にもなってしまいます。市内でも、今度消費税が上がれば店をやめるかと、そういう声も聞かれるなど、大変切実な状況であります。
消費税が導入をされ24年、私たちが納めた消費税は251兆円、その一方で、この間の法人三税などの引き下げによって233兆円もの減税がされています。結果的には、消費税は大企業などの減税の穴埋めに使われ、社会保障は切り捨てられてきたというのが実態であります。
消費税10%への増税と社会保障の改悪によって、新たな国民負担は総額で16兆円にも上ります。これでは、今でも冷え込み続けている家計を直撃、個人消費を落ち込ませ、日本経済をどん底に突き落とすばかりか、税収はますます減って、国の借金を増やすことにもなってしまいます。
社会保障の拡充と財政危機を打開するための財源は、無駄遣いの一掃と、税金は能力に応じて納める、この大原則に立って、大金持ち、大企業への応分の負担を求めること、国民の暮らしと権利を守るルールのある経済社会への改革を進めることで、消費税に頼らなくても財源は確保できると、私ども日本共産党は主張しているところであります。
市長は、市民の暮らし、地域の経済を守るという立場から、社会保障と税の一体改革という名前のもとで進められようとしている消費税の増税と社会保障の切り捨てをやめるように国に申し入れていただくべきだと考えます。市長の所見をお聞かせください。
大項目の2番目で、国民健康保険税の引き上げについてであります。
この議会に国民健康保険税を1人当たり8万9,985円から9万7,420円にと大幅に引き上げる提案がされています。砺波市における国保税の滞納世帯は、6月1日の時点で見れば、平成21年6.5%、381世帯、平成22年は7.9%、473世帯、平成23年度で8.1%、492世帯と増加傾向にあり、今年の2月時点では、短期証が141通、資格証明書は7通が発行されているところです。
さて、所得に占める保険税の割合、事業主負担の2分の1相当額を含めた労使計で見れば、協会けんぽは9.34%、健保組合は7.62%である一方、国保の負担率は8.9%と非常に高いものになっております。負担の公平という観点からも、とりあえず、今現在1億数千万円、砺波市は持っておりますが、基金を活用すること、一般会計からの繰り入れをもっと行うことなどによって国保税を引き上げないことが必要であると考えるところであります。
さて、そもそも国保の財政困難の本当の原因はどこにあるか。それは、1980年代から強行されてきた政府の国保制度の改悪によるものにほかなりません。それは、社会保障制度としての国保を否定し、単なる相互扶助の制度に逆行させるものであり、住民の命と健康を守るという本来の役割が大きく損なわれてきているのです。
厚生労働省の平成22年度国民健康保険の財政状況等について、これを見ると、負担は限界、保険料が高過ぎるという実態を反映してか、一般会計からの繰入金が法定分、法定以外の分とも増えているのが現実です。とりわけ法定以外の部分については10.5%増の3,979億円、加入者1人当たりの平均では1万1,215円となっています。保険料の負担は所得の1割を超えている、こういう現状があります。
高齢者の長寿化や医療技術の進歩などによって給付費が増えるということは、本当は喜ぶべきことなのではないのでしょうか。住民の負担を抑えながら必要な医療を給付するために、国や自治体が国保に公費、公の費用を投ずることは、国保制度の本来の目的にかなった措置であり、問題視をされるような性格のものではありません。
医療の保障や福祉というものは、公の責任によって国民の権利を守るその制度であり、お金で買うサービスとは異なるものであります。窓口負担や自己負担は、本来は無料であるべきものだと考えます。その財源となる税、保険料は、能力に応じた負担、この原則で集められなければならないものであります。
ところが、この応能負担の原則が踏みにじられ、保険財政の帳じりを合わせるために低所得者、社会的な弱者にまで負担を押しつけるというのは全く本末転倒のしわざであります。
一般会計からの繰り入れについて、サラリーマンが負担をした税金を国保に使うのはいかがなものか、そういった論調もあります。御意見はわかりますが、しかしこれは、高齢者が負担をした税金を子育て支援に使うのはいかがなものかとか、健康な人が負担をした税金を障害者の福祉に使うのはいかがなものかなど、社会保障に税金を使うこと自体が否定されるような暴論であります。税金を負担しているのは当然サラリーマンだけではなく、個人の自営業者、年金生活者も、中小の企業も大企業もみんなで負担をした税金を国民の生存権を守るために使うことは当然のことであります。国民の間に感情的な分断を持ち込んで制度改悪を正当化するようなことは到底許されません。一般会計からの繰り入れを行うこと、国庫負担の増加を求めることに広く力を合わせるべきであります。
そこで、1つ、とりあえずは砺波市で現在1億数千万円ある基金を活用し、当面平成24年度の国保税の引き上げをやめるということ、2つ目には、何といっても政府に対し、国庫負担の増額を求めること、そして、3つ目には、一般会計からの法定外の繰り入れをもっと行うことによって、これ以上の国保税の引き上げを行わないということを求めるものであります。答弁を求めます。
大項目の3点目は、子どもの医療費助成についてであります。
昨日の質問でもありましたが、昨年10月から小学校3年生まで無料だった通院無料化が10月から6年生まで拡大をされ、大変市民から歓迎をされております。今年の10月から入院について中学校3年生まで拡大をするということが提案をされており、さらなる拡大については私も歓迎をするものであります。しかし、私どもは、以前から義務教育の期間である中学校3年生までについては、入院も通院も無料にすることを求めてまいりました。
年齢が上がるほど、医者にかかる割合は減少しますし、通院にかかる医療費は入院に比べれば少ないということは事実でありましょう。ただ、当事者にとっては、通院の費用が入院より少ない云々ではなくて、その当事者にとっては極めて大変なそれぞれの問題であります。特に、病院に通いたくて通うという子どもはまずいないと思いますし、とりわけ悩ましいのがてんかんあるいはぜんそくなどなど、どうしても継続的に通院をしなければならない、そういう環境にある子どもたちであります。自分のことは自分で守るとか、ある程度の負担はやむを得ないということをこの間言われておりますが、果たしてそういう見方でいいのでありましょうか。
子育てを支援するという目的からも、あるいは、実際、砺波市でも古くに団地に入られた方は、当時は比べれば砺波市が子育てしやすかったんだと、そこに家を構えたんだけど、さて、今になってみるとちょっと周りより遅れているところがあるんじゃないかと、とはいえ今さら家を引っ越すわけにもいかないという声を現実に聞いておるところでもあります。そうした中では定住を促進するという角度からも、未来を担う子どもたちに対し、義務教育の終了までということについては市が応援をするというのは大変重要な意味を持つと思っております。
この際、通院についても医療費の無料化を中学校3年生まで拡大すべきであると考えます。また、この際、所得制限についても外すべきであり、財源は、先ほどから言っているように、能力に応じてみんなで負担をした税金の中で捻出すべきものであると思います。答弁を求めます。
4点目には、弱者を支援するということについてであります。
笑顔があふれる福祉のまちづくりというのは大変大きないい方向づけだと思っておりますが、若干細かい部分で本当にそうなのと思われる、気になることについてお尋ねをするものであります。
まず1つは、緊急通報装置の貸与について、この4月から新たに月300円の利用者負担を求めるということであります。65歳以上のひとり暮らし高齢者世帯及び高齢者のみの世帯で生活上の見守りが必要な方、身体障害者のみの世帯で生活上の見守りが必要だと、こういう方に対し、地域における見守り体制を補完し、急病や災害等の緊急時に迅速かつ適切な対応を図るために緊急通報装置を貸与しているものでありますが、約130人の利用者に負担金、月額300円であれば総額46万8,000円、これを求めなければいけない必然性は一体どこにあるのでしょうか。とりわけ、地域の民生委員などともこういったことについて相談をされたのでありましょうか。
決まっていることでないのであまり言わないでほしいと言われたなんていう声も耳にするんでありますが、真偽のほどは定かでありませんが、決まってから言ってびっくりされても困るのであります。私は、このような事業については利用者負担を求めることは間違っていると思うものであります。答弁を求めます。
2つ目は、更生訓練費というものについてであります。
身体障害者福祉法の規定に基づいて更生訓練を受けている身体障害者に対して、訓練を効果的に受けることができるように、その訓練のため、文房具、参考書などの購入費用として支給をされている更生訓練費について、砺波市ではこの4月からなくすということであります。
月額3,150円、果たしてそれで本当に文房具を買っている人が何人いるか、いろんな理屈をつけるわけでありますが、障害者自立支援法という自立を支援するどころか阻害する大きな背景がある流れの中で、月額3,000円余りとはいえ当事者にとっては大変貴重な支給額であります。
ほかの支援が強化をされるなどという声も聞かれますが、あえてこれをなくすことは必要がないものであると思います。とりわけ近隣の小矢部市、南砺市等は4月以降も継続をされるという中では、この砺波圏域において同じように訓練をされている人同士にとってみても大変つらい思いをされることであります。答弁を求めます。
3点目は、屋根雪おろしの作業費助成であります。
県内に親戚、子ども等がいればという条件が砺波市はついているのであります。これについては、県内とはいえ、県の東のほうに住んでいるのと、県外だけど県境の金沢とかにいるのと、どっちがどっちやねんというのが素朴に常々言われるところであります。
県の総合雪対策条例第22条では、県は市町村及び県民と連携をして、高齢者、母子、障害者等の世帯で除排雪を行うことが困難な者に対する適切な援護がなされるよう、除排雪のための支援、協力の確保、その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとするとの県の責任が明確にされており、県議会における日本共産党の質問に対しても、県の決め以上の制限は求めておらず、積極的に活用してほしいと答えているところであります。
この県内に子ども等の親戚がいればという条件は明らかに不合理だということでやめるべきだと思います。答弁を求めます。
4つ目は、これも除雪にかかわることであります。
社会福祉課で、国の緊急予算の関係もありまして購入をされた小型の除雪機が数台ございます。ところが、これは地域で高齢者のお宅などを除雪するのに活用してもらえれば、あるいはそういう機会が市であればという声を受けてということだったのですが、残念なことに、具体的な運用がはっきりしないままに、この冬にはあまり活用されなかったというのは極めて残念なところであります。
そういう機械があることを知っていれば、おれが使ってやった、もしくは、ちょっと簡単にスコップを担ぐのとは違って除雪機械ですから、トラックで運ばなきゃいけないとか、機械ですからトラブルがあったときにどうするということも含め、きちんとやはり管理運用について任せるところに任せるなどの対策をとらなければならないと考えるのであります。来年に向けてどのようにされるかをお答えいただきたいと思います。
大項目の5点目は、この間、何度も要望しているところでありますが、住宅リフォームの助成制度創設についてであります。
市民がその住宅をリフォームする際の費用の一部を補助する住宅リフォーム助成制度、全国では幾つもの自治体に広がっておりまして、この制度を導入した自治体では、今の先行き不透明な経済情勢のもとで市民と中小零細業者に光を当て、大変喜ばれているところであります。ところが、砺波市ではこの間、住宅、個人の財産に税金を投入することはなじまないと否定をするような姿勢であります。
耐震改修の助成制度がある、バリアフリーの助成制度がある、そういったものを活用すればいいということでありますが、大事なのは、一番のこの眼目は、全国どこでも厳しい地域の経済状況の中で地域経済に光を当てるという角度から全国で試され済みの施策であり、地元の大工さん等からも仕事が増えることであれば大いにやってほしい。市外でもやっている市のことも御存じの方も何人もおられました。そうした施策にいつまでも背を向けていてよいものでありましょうか。
さて、住宅は個人の財産なのかという問題についてであります。国土交通省は、2006年6月施行の住生活基本計画の中で、住宅は個人の私的生活の場であるだけではなく、豊かな地域社会を形成する上で重要な要素であり、個人が生き生きと躍動し、活力、魅力があふれる社会の礎として位置づけることができるという立場を明らかにしております。現在住んでいる家、昨日の答弁で、空き家は貴重な地域の資源ということもありましたが、空き家もそうであれば、まして住んでいる家は貴重な資源ではないでしょうか。
また、全国建設労働組合総連合が2009年12月に行った国土交通省との意見交換の中では、個人資産に対する公費の投入に否定的な意見もあるが、国の考えをとただしたところ、国土交通省は、住生活基本計画全国計画にも記載があるように、単に個人の私的財産と考えているのではない、都市や町並みの重要な要素として環境に大きく影響を及ぼし、社会性を有する、従来個人資産に公費を投入しづらいという考えがあったが、今は一般的とは決して思わない、これにこだわらず支援させていただければとの見解を示しています。
さらに2010年、日本経済団体連合会の提言、住生活の向上につながる成長戦略を求めるでは、住宅は、人々が日々の生活を営み、良好な町並みや地域コミュニティーを形成するのに不可欠であり、個人資産にとどまらない社会的資産であるとされているところであります。
魚津市の例を見れば、市内の建築関連業者で20万円以上のリフォームや増築を行った際に、その費用の20%を助成するというものであり、当初4,000万円の予算額に対し、経済波及効果を3億円と見込んでいたところですが、いざ始めてみれば、申し込みが助成額の10倍を超え、経済波及効果も6億円を超えるといいます。助成対象とならなかった工事費や家具等の用品の購入も含めれば、それ以上の効果があり、高い実効性が証明をされているところであります。
このように国交省も認め、経済効果が予算額の10倍から20倍と、地域経済に大きなメリットがある住宅リフォーム助成制度を砺波市でも創設することを求めるものであります。
景観まちづくりの観点からも、あるいは、防災、耐震住宅、木造住宅の耐震改修事業、昨年も申し込みが1件のみ、そうしたときに、せめて防災ベッド、部屋だけをシェルターのようにする、そういったことにも活用されるということが極めて大事ではないでしょうか。
そこで、住宅は地域社会を形成する上で重要な要素であり、社会性を持つこと、2つ目は、地域経済振興の観点から住宅リフォーム助成制度を創設すること、3つ目は、景観まちづくり防災の観点からも利用しやすい制度を求めるものであります。
以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 多田議員の御質問にお答えをいたします。
まず、税と社会保障の一体改革でございますが、社会保障と税の一体改革の議論につきましては、高齢化、少子化の中で歳出額が増え続けていく社会保障制度を、将来にわたって持続可能な制度として構築するために安定した財源を確保すべきと、税制の抜本改革との関係の中で議論がなされているものであり、現政権において最重要課題の一つとして取り組まれているところであります。
その考え方としては、社会保障制度のため安定した財源を確保するためには、日本の基幹税である法人税、所得税、消費税の中で一番景気の動向に左右されない消費税との関連で議論すべきであろうとのことであり、加えて、社会保障制度は国民共通の課題であることから、世代を超えて公平感がある消費税が財源としてふさわしいことで提案されているものと理解をいたしております。この社会保障と税の一体改革につきましては、その前提として、国における無駄な支出の見直しや身を削る努力が必要であることは論を待たないところであります。
つきましては、消費増税と社会保障の切り捨てをやめるよう国に申し入れるべきとの御提案についてはにわかに賛同いたしかねるものでありますが、消費税の議論の行方については、今後の国会での議論を注視するとともに、全国市長会と歩調を合わせて対応したいと考えております。
次に、国民健康保険税の引き上げについてでございますが、3つの御質問にあわせてお答えをいたします。
議員も御存じのとおり、国民健康保険は負担と給付が前提であり、加入者で負担をし合うのが原則であります。しかしながら、国民皆保険制度の中で、社会保障政策という側面から、国、県、市等からの支出金、医療保険制度間の財政調整のための交付金などで一部賄われておりますが、国保会計の健全な財政運営のためには、被保険者の皆さんに能力に応じた負担をお願いしてまいりたいと考えております。
国保会計の財政状況を見ますと、平成23年度の単年度収支では、保険給付費、後期高齢者支援金及び介護納付金の歳出の増大から、約1億円余りの赤字となると予測をしており、近年の雇用情勢の悪化により所得の伸びは見込めず、現行のままの税率水準では、財政調整基金を取り崩して平成24年度予算を計上しても、平成25年度以降は赤字会計となってしまう現状であります。このことから、平成24年度において低所得者層に配慮しながら、国保税の税率を一部改定するものであります。
ただし、景気の低迷などの中で大幅な引き上げは難しいことから、財政調整基金を活用し、平成24年度、平成25年度の2年の財政運営でできる範囲の引き上げ幅にとどめております。
引き上げ額では、1人当たりの平均保険税は8万9,985円から9万7,420円に、金額で7,435円、率で8.26%の引き上げになると試算をしておりますが、改定後も県内他市に比べても低い水準になっております。
議員が求められている国庫負担の増額につきましては現在、国会で議論されており、市町村国保の財政強化を含めた制度改革についても、今国会中に法案提出が予定されていると伺っております。
高齢化に伴い、高齢者の加入割合が多くなる中で、国保が安定かつ持続的に運営できるよう国庫負担割合の引き上げなど、国保財政基盤の拡充、強化については、全国市長会等を通じまして要望してまいりたいと考えております。
一方、一般会計からの法定外繰り入れにつきましては、国保財政は、受益者負担である国民健康保険税収入と国、県の負担金等で賄う制度でありまして、この基本原則を踏まえれば、法定外繰り入れによって安易に財政収支を補うということは慎重に対応しなければならないと考えております。
非常に厳しい財政状況の中で一般会計からの繰り入れについて、国、県の制度等を勘案しながら、今後とも健全な保険財政運営に努力してまいりたいと考えております。
次に、3項目めの子どもの医療費助成についてでございますが、子育て医療費助成の年齢拡大の背景には、インフルエンザが猛威を振るい、小中学校等で学級閉鎖をせざるを得ない状況が見られ、子どもたちを取り巻く健康面での環境は厳しくなっていることがあります。
こうした状況を踏まえまして、子育て支援の一環として、通院費の助成を小学6年生の修了まで拡大したところであり、さらに経済的負担が重い入院費に対する助成を中学3年生の修了までに拡大することが望ましいと判断し、提案をしております。
さらに、通院費においても拡大してはどうかとの御意見ですが、子育て支援に配慮して、この2年間で大幅に助成枠を引き上げ、実施したところであり、今後もこの制度を継続していくには、経常経費を確保する必要があることや、子どもの疾病状況などを見守っていくべきであると考えております。
ところで、所得制限を外すべきでないかという御意見ですが、現在、富山県が運用している乳幼児医療制度においても、児童手当法が支給要件に所得制限を適用しております。所得制限を設けておりますのは、負担の能力のある方には負担していただくことで、経済的公平性や制度の継続性のためにも必要であるという考え方をしているからであります。砺波市においても同様の考え方で臨むものであり、御理解をいただきたいと思います。
次に、5項目めでございますが、まず1点目の住宅は地域社会を形成する上で重要な要素であり、社会性を持つことについてお答えをいたします。
住宅は社会生活や地域コミュニティーの活動を支える拠点であるとともに、都市や町並みの重要な構成要素であり、都市景観の観点からも重要なものであると考えております。また、住生活の安定の確保に関する施策は、社会の持続的発展を図る上で重要な意味を持つことは十分に認識をしております。
そこで、当市におきましては、住生活基本計画におけるそれぞれの分野に重点を置き、耐震化による安全対策、CO2削減等の環境対策、高齢者や身障者のための住宅改善など、住宅改修への助成を行っているところであります。
次に、地域経済振興の観点から住宅リフォーム制度を創設することでございますが、当市の各施策を実施する中で、新たな財政負担を勘案しますと、使途を限定しない住宅リフォーム助成制度の創設は、現在のところ考えていないところでございます。
次に、3点目の景観まちづくりや防災の観点からも利用しやすい制度をつくることについてでございますが、景観まちづくりの視点の取り組みにつきましては、周辺景観との調和が図られる伝統的な家屋や景観の形成に対して何らかの支援策ができないか、財政状況等勘案の上で今後検討してまいりたいと考えております。
また、耐震シェルターなどの部分的な耐震改修に関する支援につきましては、現在の耐震診断は一戸建て全体として総合判断を行う仕組みとなっております。このことは、地震時における部分的に耐震改修した部屋などへ避難する際、被害に遭うことを防ぐ観点からであり、県なども同様に取り組んでいることから、部分的な耐震改修への支援は行っていないことを御理解願いたいと思います。
私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては担当部長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、多田議員御質問のうち、弱者を支援することについての4項目についてお答えをいたします。
最初に、緊急通報装置の一部負担についてお答えをいたします。
緊急通報装置は、近年高齢化、核家族化が進む中で、高齢者のひとり暮らし世帯や高齢者のみの世帯に対し、終日電話回線を利用し、近隣の方や民生委員、児童委員の方々の御協力により高齢者世帯の見守りを行うものであります。
これまでは、この事業に係る設置、運営、管理に要する経費はすべて市の負担で行ってまいりましたが、高齢者のひとり暮らしや高齢者のみの世帯が今後も増加することが確実なことや、他の在宅高齢者サービスにおいては利用負担があり、それらの事業との均衡を図るため、その設置、運営経費等の一部を利用者の方に御負担いただくこととしたものであります。
次に、更生訓練費の支給停止についてですが、この事業は、マーシ園や南天桐などの就労移行支援事業所において、社会復帰の促進を図ることを目的に、就労や自立のための訓練に必要な文房具や参考図書を購入するための訓練のための経費と通所のための経費を支給するものであります。
しかしながら、実際には訓練を受けるために必要な文房具、参考書等を購入するための費用という本来の支給目的に合った使われ方がされておらず、事業効果がなくなってきていると判断したものであります。また、平成18年度に自立支援法が施行されてからは、障害者福祉サービスに係る費用は大幅な増加傾向が続き、市の負担も毎年増加をしております。
こうしたことから、市といたしましては、限られた財源の中で真に必要とされるサービスを今後も継続して提供していくためには、事業効果がなくなっている事業については見直しを行うこととし、更生訓練費の支給を廃止しようとするものであります。
なお、この事業の中の柱の一つであります障害者や家族の方が最も要望されています通所のための経費につきましては、別に市単独事業として障害者通所費の助成に関する要綱があることから、現在マーシ園等へ通所されている方に対しては引き続き通所経費の助成がありますし、さらには作業所へ通所されている方についても同様の助成を行っております。
次に、屋根雪おろしの助成要件の緩和についてお答えをいたします。
お尋ねの助成要件の緩和につきましては、昨年の3月定例会でも多田議員の一般質問にお答えしたところでありますが、雪が多い場合に、土曜、日曜などに親の家に帰り除雪をしている世帯との公平性や、親と別居していて除雪を行政や地域の人にすべて任せっきりにしているのはどうなのかなどの意見もあることから、一定のルールを設けて対象者を限定しているものであります。
なお、県内各市では、大半が県の助成基準額を助成金額としておりますが、当市では、1回当たり県の補助基準の約2倍となる2万円を助成するなど、当市独自の助成内容により実施しているところであります。
最後に、社会福祉課で購入した除雪機の有効利用についてお答えをいたします。
本年度において、地域支え合い体制づくり事業として高齢者世帯等への除雪サービスを実施するために、除雪機6台を購入いたしました。
導入に当たりましては、ひとり暮らし高齢者や障害者等の自宅の除雪を、地域の民生委員、児童委員の方やケアネットチームの皆さんの御協力によって行っていただくこととし、除雪機は、市内6ブロックの民生・児童委員協議会ごとに1台を配置する予定でおりました。しかしながら、今年度は制度の組み立てに時間がかかったことから、まずは市内各小学校に配置し、主に児童の通学路等の除雪に利用をいたしました。
このように、本年度は利用に対する調整、PRができず、高齢者宅での利用実績はわずかでしたが、平成24年度では早い時期から地区社会福祉協議会や民生委員児童委員協議会の皆さんとも連携し、今回課題となりました、除雪機を運転する人が地域で見つからない、除雪機を目的地まで運搬する軽トラックと運搬する人がいないなどのことについて、各地区に除雪機による除雪ボランティアを募集するほか、事前に除雪機操作、運搬研修会などを開催するなど、計画的に実施できるように準備してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 再質問を許可いたします。くれぐれも答弁漏れについてのみ再質問を許可いたします。
1番 多田裕計君。
〔1番 多田裕計君 登壇〕
◯1番(多田裕計君) それでは、1項目だけ。文脈と回答がかみ合ってなかったというふうに思われるところが、大項目の最後の住宅リフォーム助成制度というくくりの流れの中で、例えば使途を限定しないというふうに市長の答弁はありますけれども、例えば景観まちづくりの観点やそういった防災の観点からも、住宅リフォームというふうなすそ野の広い制度の中で実現をしていってはどうかという趣旨で流れとしては聞いておりましたので、木造住宅耐震改修等では部分的なことができないということではなくて、使途を限定しないことはできないんだけども、そういうことで手が回らないことを含めて地域振興策と合わせてのリフォーム制度を考えるとか、そういうことについて提案をしておったところでありますので、ちょっと流れがかみ合わないのかなというふうに思ったんですが、よろしくお願いします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 多田議員の御質問にお答えいたします。
住宅リフォームについて、市の補助は出せないかという本旨の質問でございましたが、御案内のとき、先ほども申し上げましたが、耐震化のこととか、あるいはまたお年寄の家のバリアフリーとか、あるいはまた今考えております景観まちづくりの中で、例えば空き家利用の場合にそこに住みつくには、水回り等の修繕さえすれば住めるというような家もあろうかと思いますので、そういうものは明確に、使途の目的が明確になって、そのことによっていろんな面で支援できるものであれば、きちっと形が残ると、このように思っておりますし、一般住宅のリフォームに金を出すか、そもそも私は個人的な財産に税金を使うのはいかがなものかなと、しかし、目的が明確で、やっぱりそういう人には支援をしてあげて住みよい生活をやっていただくというための明らかな目的が明確なものについては、私はやはり、高齢化社会を迎えていろんな面でお手伝いできることはしていかなきゃならないと、このように思いますが、それにふさわしくない事業には、しつこいようですが、出すのはいかがなものかなと、このように思います。よろしくお願いします。
◯議長(稲垣 修君) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時32分 休憩
午後 2時45分 再開
◯議長(稲垣 修君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
21番 前田喜代志君。
〔21番 前田喜代志君 登壇〕
◯21番(前田喜代志君) 私は、最初に介護保険事業についてお伺いしたいと思います。
砺波市の第5期に当たります介護保険計画の要介護者の介護度別人数の見込みはどうなっているかと、介護予防事業に一生懸命取り組んでいけば多分、要介護状態はあまり進んでいかないはずなんだけども、やっぱり要介護状態、増えていくというようなことになるとしたら、一体その要介護の見込み、そういう見込み数にだんだん、介護状態を予防していくことによって減っていくということならいざ知らず、だんだん増えていくというのは一体どういうことなのかというようなことがまず第1です。
次に、第4期中に介護予防事業に取り組んだけれども、その現況と効果はどうなっているかと。その総括が十分でないと、やっぱり第5期中の介護予防事業についても十分な成果は得られないのではないかというようなことが第2点目です。
第3は、認知症は県下の平均よりずば抜けて高いと、その原因はどこにあるかということなんですが、介護サービスの中でも認知症は家族介護者にも配慮したケアマネジメントの機能強化、あるいはみとりや認知症への対応などの課題への的確な対応が求められておりますけれども、この認知症をめぐってNHKの「ためしてガッテン」、この番組では何回も取り上げられてきております。
本年2月22日の放送では、「笑顔が戻った!認知症治るタイプ大発見」と、あるいは1月18日では、「まさか!!もの忘れに効く薬があったなんて」というようなことで放送されております。それから、昨年の3月9日には、「春の健康!大反響スペシャル ~認知症・お茶~」というような番組もありました。さらに、一昨年の9月15日には、「認知症!介護の新技で症状が劇的に改善する」、さらに2008年の9月3日には、「予防効果8倍!アルツハイマー病制圧3原則」などなど、富山県出身のあの有名人が、大変人気番組ですね。
このような認知症の問題に対して、各医療機関でそのようなことを十分に踏まえながら認知症をもう一度試していくというか、認知症をもう一度再審査をして、そうすればやっぱり簡単に治る、あるいは8倍も効果があるというふうなところへ進んでいくのではないかと、そうすれば、やがて富山県から見たら何倍にもなるような認知症であるけれども、砺波市もかなりの方向へ改善していけるのではないかというようなことを思うわけですね。発症率が県下で高い原因はどこにあるのかということを含めてお願いしたいと思っております。
さらに、第4期中に進まなかったショートステイ40床の増床、本当に残念でならないわけですが、ぜひこの40床の増床分を第5期の早いうちに実施設計も組んで、具体的に発注し、そして、利用がかなうようにとにかく急いでいただきたいということでございます。
その5番目は、小規模多機能型の居宅介護についてでございます。小規模多機能型居宅介護は、平成18年の4月に介護保険の地域密着型サービスの一つとして制度化されました。したがって、第4期中にもこの計画をやっていこうというようなことにもなっておったわけですが、最終的にどこのところもなかなか判断できかねるというようなことになっておりました。
しかし、最後の平成23年度で補助金をいただいて、今、はるかぜ庄東さんが3月いっぱいで工期を完了して、4月から立ち上がるというようなことになりました。ここは通いもあれば、宿泊もあれば訪問もあると、こういう25人定員の事業所です。自宅で継続して生活するために必要なサービスを受けさせてもらえるという施設なんですね。
そこで、問題なのは、小規模多機能型居宅介護事業は低所得者への対応ができていない。特別養護老人ホームというのは入所もできる、あるいは片方でショートもやっておられるからショートもできるというようなことになっているわけですが、低所得者が減免制度ができていないために、同じ介護保険事業の中でも同じように宿泊したりするわけですが、低所得者へのサービスがないと。だから、現状はある程度所得がある人しか利用できないという施設になって。この後の介護保険の計画の中で、この介護訪問あるいは宿泊あるいは通いという、そういうサービスについて、特別養護老人ホームなどと同じような低所得者の減免対象になるように、これはぜひ善処いただけないかと、このように思う次第でございます。
また、小規模多機能型の介護については、できるだけ砺波市の中でも高齢化率の高いところから順次整備をいただけないかという増設計画についてお伺いしたいと思います。
次、市営バスなどに係る国の補助制度についてでございます。
通勤、通学あるいは高齢者の日常生活に支障を及ぼすことから、福祉バスも含めた市営バス化により、全市域を網羅したバス事業の大転換は大変よい施策でございました。
昨年4月、地域公共交通に対する国の補助制度も大きく転換されてきております。これまで地域の公共交通活性化、あるいは再生総合整備事業、あるいは地方バス路線維持対策費、あるいは交通施策バリアフリー化設備等整備補助、あるいは公共交通移動円滑化などなど8つの補助支援策が、地域公共交通確保維持改善事業に一本に統合されてまいりました。これが統合後の補助制度を1つにコンパクトにまとめたものですけれども、先ほど申し上げました、これまでは8つの法律あるいは制度によって地域交通に係る、ある意味ですべての面について補助制度がありました。それが今回は一本の法律でやっていこうということになっております。
いずれにしてでも、この地域公共交通活性化再生総合整備事業やバス利用促進総合対策事業などで、本来なら国の補助金があったわけですけれども、バス運行費補助金として県の補助金が今年度1,107万円という、ただそれだけになっております。地域公共交通確保維持改善事業では、工夫次第でいただけるものがあるのではないか、また、国土交通省のまちづくり交付金なども市の提案事業やイベント時のバスの実証実験などとして認定いただけるのではないか、市長の御所見をお伺いいたします。
次に、砺波市全域を原子力災害対策のエリアにしていただきたいという点でございます。
この原子力災害対策について、滋賀県では風向きがどのように変わっていくかなと、そういう実際に福井県の原発で事故があった場合に、滋賀県でどんなふうに風向きが変わるかなという、実際SPEEDIを運行させて、実際体験されました。そうすると、42キロぐらいまでずっと滋賀県のほうへ風が運んできた。したがって、滋賀県では42キロがエリアにしましょうということになりました。
富山県でも氷見市で風向きがどうなるかという実証実験、SPEEDIの実験をして、それによっては放射能汚染がどの程度広がっていくか、そういうことをやった上で距離を決めていくというようなことがやっぱり必要ではないかと、このように思います。
地震で原子炉が壊れ、放射性物資が発散させた場合、今までは想定外やったというようなことを言うておりますが、これからは想定外やったというようなことはできません。もう本当に原発事故は必ず起こるものだという前提に立って対処いただかなければならないと思います。
志賀原子力発電所では、原子力安全委員会、原子力安全保安院は新耐震設計審査基準のマグニチュード6.8を、これをクリアしており、安全だとしています。しかし、東京電力福島第一原子力発電所の事故では、原子炉の安全評価でも、津波の安全評価でも、地震の安全評価でもことごとくこの原子力安全委員会あるいは原子力安全保安院は失敗をしているわけですね。SPEEDIを利用して国民を被爆から守ることにも失敗をしているわけです。ことごとく失敗した原子力安全委員会あるいは原子力安全保安院の責任が本当に大きく問われております。
福島原発から200キロメートル以上の土地でもホットスポットが必ずある。したがって、砺波市の地域防災計画では、砺波市全域を原子力災害対策のエリアにぜひしていただいて、砺波市全体で対応していくというふうに決めていただけないでしょうか。ぜひ市長にお願いしたいと思います。
次に、東日本大震災により生じた災害廃棄物、瓦れきについての質問でございます。
環境省は、昨年の4月8日に東日本大震災に伴い発生した災害廃棄物について各都道府県の受け入れの協力を要請しました。私は間違いだと思います。これは、やっぱりそこの当事者のその県でしっかり、新しいしっかりとした燃焼炉をつくってそこで燃やしていくというようなところに補助金を充てて、そこにたくさんの人を雇っていく、そして、地元の人たちがそこでちゃんと働ける、そこから復興だと私は思います。
確かにきずなとか支え合いとかという言葉は大事でしょうけれども、まず、やっぱり雇用だと思います。瓦れきの処理も雇用になるわけです。ぜひ砺波市としては被災地でより安全度を高めた施設を建設し、集中的に処理すべきであるということをやっぱり該当県に申し上げて、そして、雇用はより身近なところでつくっていかないといけないというようなことを本当に思います。
まして、それくらい余りある廃棄物があるとすれば、もうすべてのクリーンセンターで24時間3交代制で動かしていくと、新しい3つ、4つの市町村をまとめ上げた、そういう新しいクリーンセンターもつくって、そこでも24時間3交代で仕事を一生懸命やっていく、こうやって瓦れき処理だけでも大変な雇用が生まれていきますよ。その間に次々とまた次の新しい事業を考えて、そして地域を、本当に地域から再生していくというふうな方向でこの災害対策全般を取り仕切っていただかないといけないなと、このように思い、ぜひとも砺波市としては現地で処理していこうという、そういう方向にぜひお願いしたいと、このように思います。
2番目の質問につきましては、先ほどの答弁で、いや、砺波市は今考えていないということでございましたので、結構でございます。1番目の質問についてよろしくお願いします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 前田議員の御質問にお答えします。
まず、砺波市全域を原子力災害対策のエリアについてでございますが、東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故につきましては、放射性物質の飛散による土壌・海洋汚染など、広範囲かつ長期間にわたってその影響が残ることにより、将来にわたる原子力行政のあり方について、多方面で議論されている状況であろうかと思っています。
そこで、今議会ではこれまでも御答弁いたしましたとおり、昨年の11月に国の原子力安全委員会において、原子力災害対策の見直しの考え方が公表されたところであります。そこでは、半径30キロメートル以上、50キロメートル圏内である圏域をPPAの範囲として、砺波市の一部も含まれるものとされておりますが、これに基づく政府の方針といたしまして、今のところ半径30キロメートルを超える圏域では、防災対策基本法に基づく地域防災計画に原子力災害対策を盛り込むことは義務化しないとされております。
しかしながら、個人的には、仮にPPAの圏域が半径50キロメートル以内と設定された場合においても、今回の事故の状況を見ますと、災害発生時などの気象状況、地形などにより放射性物質の飛散距離が大きく変動するものであり、現に遠隔地であってもホットスポットが発見されるなど、この線引きは一定のものではないと思っているところでございます。
したがいまして、最終的にはこれまで示されているPPAが正式に設定されるのか、あわせてその圏域内の対策についても、政府として最終的な決定を行うものと考えておりますので、国の方針あるいは県の原子力災害対策の見直しの方向性を踏まえて、砺波市市民全体の安全・安心を守る観点から、議員各位、市民の皆さんの御意見をちょうだいしながら市の防災会議において検討してまいりたいと、このように考えております。
次に、4項目めの東日本大震災により生じた災害廃棄物についてでございますが、現在、国では東日本大震災により大量の災害廃棄物が発生していることから、全国での広域処理を考え、各都道府県へ受け入れの要請を行っております。
こうした中で、被災地復興・復旧には瓦れき処理を行う必要があり、安全基準が明確に確立された上で搬入時の安全体制が確保され、住民の理解が得られるならば、被災を受けなかった地域における受け入れも必要だと考えております。
また、被災地でより安全度を高めた施設を建設し、集中的に処理すべきであるとの御意見でございますが、理想的ではありますが、国は、平成26年度までに震災の瓦れきを処分したいと考えており、新たな施設を建設した場合には、処分の完了が遅れると思われます。
なお、今ほどもお話がございましたが、当市の瓦れきの処分ですが、先に山本議員にお答えしたように受け入れはできないものであります。
私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては担当部長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、前田議員御質問のうち、まず、介護保険事業についての5項目についてお答えをいたします。
最初に、第5期介護保険事業計画期間中における要介護認定者の見込みですが、今計画の中で砺波地方介護保険組合が行った当市の平成26年度の要介護認定者の推計では、軽度では、要支援1が186人、要支援2が226人の計412人、中度では、要介護1が463人、要介護2が453人、要介護3が381人の計1,297人、重度では、要介護4が353人、要介護5が401人の計754人で、要支援・要介護認定者の合計は2,463人となっております。
これは、平成23年9月末の数値と比較しますと、軽度者で95人、30%の増、中度者で61人、5%の増、重度者で102人、16%の増となっており、合計では、258人、12%の増となっております。
この推計は、将来人口の推計結果と要介護認定者の過去の推移から算出した数字に、介護予防事業による要介護認定者の増加抑制効果を加味して積算したものであります。その中での介護予防事業としては、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能の向上などのプログラムを実施することにより、要支援・要介護状態になることを予防するもので、すべての高齢者を対象とした1次予防事業と、生活機能評価によって介護予防が必要とされる方を対象とした2次予防事業をそれぞれ実施するものであります。
この事業での効果を見ると、2次予防事業での各教室の参加者のうち、平成21年度では165名のうち58名、約35%の方が、また、平成22年度では185名のうち93名、約50%の方が翌年度に2次予防事業対象外となっております。また、翌年度に介護認定を受けた方の割合は両年度とも教室参加者の5%余りと、市全体の18%程度と比較しても非常に少なく、介護予防効果が認められる結果となっております。
しかしながら、平成26年度までの第5期計画期間中には、いわゆる団塊の世代が対象となってくるため、2次予防事業対象者の人数が増えることが予想されるため、教室参加のフォローアップ体制も含め、より効果的な予防事業の導入などを検討してまいりたいと考えております。
次に、認知症の発症率が県下でも高い原因は何かとのお尋ねですが、明確な原因はわかりませんが、砺波地域では75歳以上の高齢者人口の比率がほかに比べ高いことから、要介護認定者の75歳以上の高齢者の人数が最も多く、その中に占める認知症高齢者の比率が高くなることなどが要因の一つと考えられております。
次に、ショートステイの整備につきましては、緊急の課題と認識しており、第5期の計画の中に盛り込んだところであり、早急な整備に向け関係機関と協議を進めております。
次に、小規模多機能型居宅介護施設の増設計画につきましては、議員がおっしゃられましたように、来月の1日に庄東地区に市内初めての小規模多機能型居宅介護施設が開設されます。この施設は、通い、泊まり、訪問などのサービスがあることから、これからの在宅での介護を支える施設として大きな期待をされており、当市でも市内5カ所の日常生活圏域ごとに各1カ所の整備を予定しており、第5期計画期間中に3カ所の整備を予定しております。
次に、項目2の市営バスなどに係る国の補助制度についてお答えをいたします。
市営バスに関する各種補助金につきましては、これまでに運行費の欠損を対象とした補助金並びにバリアフリー型の車両購入につきまして、県より補助金を受けておりました。また、庄川線の開設時には、実証運行について国及び県より補助金を受けております。
地域公共交通活性化・再生総合事業につきましては、公共交通計画の策定やバスの実証運行に対する補助であり、法定協議会の設立と計画期間を3年とする地域公共交通総合連携計画の策定が必要となっているものであります。
そのため、当市で行いました昨年10月のバスダイヤの大幅改正に当たりましては、1年余りの非常に短い期間で作業を進めておりましたので、こうした補助要件を満たすことができなかったことを御理解いただきたいと思っております。また、地域公共交通確保維持改善事業の適用につきましては、路線の新規性において補助要件に該当しないものであります。
なお、バリアフリー車両の導入補助につきましては、既に当市の市営バスはすべてバリアフリー車両でありますので、今後バリアフリー車両を導入する際には、この補助制度を活用してまいりたいと考えております。
また、現在は都市再生整備計画事業として名称を変更しておりますまちづくり交付金ですが、この事業ではバスの実証実験も補助対象となっておりますが、補助要件として都市再生整備計画を策定することが必要なことや、基幹事業として大規模な事業を展開することが必要なことから、今回の当市のバスダイヤ改正は該当しませんでした。
今回のバスダイヤ改正に当たりましては、国の補助を受けることはできませんでしたが、今後とも国や県の補助事業を活用するよう努めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁漏れにつきまして再質問を許可いたします。
21番 前田喜代志君。
〔21番 前田喜代志君 登壇〕
◯21番(前田喜代志君) 小規模多機能の居宅介護事業について、特別養護老人ホームと低所得者対策について同じような制度がないと、これは本当に困ったことで、ぜひ特養ホームと同じような小規模多機能ホームの制度を通所介護事業にもしっかり適用できるように、ぜひ介護保険組合のほうで本当に改善してもらいたいと、このように思ってちょっとつけ加えて質問しましたが、ぜひそれについて答弁をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
◯議長(稲垣 修君) 再答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) ただいま前田議員のほうから、小規模多機能居宅介護施設についても、特養と同じような形で低所得の人に補助をしてほしいという御質問ですが、特養の低所得の人への補助につきましては事業所負担を伴うものなどもありますので、この事業所をされる事業所の方や介護保険組合とも協議をさせていただいて、協議が調えば、そういうような対応もできるかなというふうに思っておりますので、その協議についてはもう少し時間をいただきたいと思います。
以上です。
◯議長(稲垣 修君) 5番 川岸 勇君。
〔5番 川岸 勇君 登壇〕
◯5番(川岸 勇君) 通告書に従い、最初に農業問題に関する質問をいたします。
今、政府はTPP(環太平洋経済連携協定)に向けて動きを強めていますが、国民的議論は産業界と農業界の議論の対立のみが目立ち、国民にその内容が一切知られていないまま、対外交渉のみが進んでいる状況にあります。住民の皆さんからは、TPPが導入されると農業はどうなるのか、食料自給率や食の安全・安心の問題はどうなのかなどなど、さまざまな声が私たちに嘆かれているのです。
私の主張は一貫してこうでございます。
日本は貿易立国であり、自由貿易は避けて通れない問題と認識しています。現在、日本の食料自給率は39%と先進国の最低です。TPPにより農産物を自由化すると、食料自給率は13%に落ちます。すなわち食卓の1割が国内の食材、残り9割が海外食材ということです。
目先のコストが安いからといって過度の輸入に頼ってはいけない。食料危機は膨大なコストがかかる。東日本の震災は食料のあり方を考え直すよい機会ではなかったのじゃないですかと。国土を守り、食と命を守る第1次産業は公営事業だと位置づける前に、EUのように直接支払いで農業所得の大部分を支えるくらいにしないといけない。農畜産物の安全・安心問題も含め、現政権のような場当たり的な政策ではなく、将来の農業のあるべき姿について、消費者を含め、国民的議論を深め、TPP問題に真摯に取り組むべきだと言い続けております。
また、現政権はTPP参加をにらんで、国民に食と農業再生のための基本方針、いわゆる地域農業マスタープランを提起してきました。経営体1戸当たりの面積を、平地では20から30ヘクタール、中山間地域では10から20ヘクタールに集積化し、大規模で生産性効率を目指した農業づくりを進める政策です。
当市の1戸当たりの耕作面積は、県平均2.35ヘクタールを上回る2.69ヘクタールと集積が進んでいますが、中山間地域においては担い手問題、地形的な条件も加わり、農業の組織化、農地を集積化することは大変困難な状況にあります。今、国が進めようとしているこの方針は、日本農業の再生になるか、大変心配されます。
そこで、お尋ねします。
最近の報道では、米国等からはTPPは全品目例外なき関税の撤廃が条件という報道もなされていますが、現政権が進めるTPPについて、市長はどのような考えであるのか、お聞かせ願います。
あわせて、地域農業マスタープランについてであります。今、プラン作成に向けて、市内各地で説明会が開催されると伺っております。また、来年度予算では、地域農地の集積化や地域農業のあり方等を定めた地域農業作成プランを策定するとしていますが、これを作成するに当たってのスケジュール、取りまとめに当たっての施策、指針、その取りまとめ後の活用策についてお尋ねするものです。
農業問題の第2点目は、農業用排水路改修に伴う課題と市の支援についてお尋ねします。
市内の圃場整備事業は昭和37年に始まり、以降40年余が経過した現在、排水路は経年劣化し、漏水、構造物の破損、倒壊が目立ち、各地では地元負担の少ない整備可能な土地改良整備などに順次取り組むものの、国、県予算の縮小から、その事業の採択に当たっては年々厳しさを増している状況にあります。また、整備箇所の所在地等々によっては有利な土地改良事業に取り組めない場合も多く、結果的には補助率の劣る県単独補助事業あるいは市単独補助事業、最悪の場合は土改単独の事業として取り組まざるを得ません。米価の下落が激しい今日、土地改良事業の受益者である農家側にも大きな変化があります。農地にかかる税や土地改良事業の負担もままならない現状にあります。
このような状況では、近い将来、土地改良事業の再整備を計画しても、土地改良組合員の参加同意が得られないことも危惧されます。また、県内各市町村の土地改良事業への補助率を見ますと、県東部、県西部の庄川下流地域では高く、砺波市を初め県西部、南の市では、当補助率が低い状況にあります。
現在砺波市の排水路改修補助は、要綱では20%、市単独の場合は限度額20万円となっていますが、この支援策は施行後かなり期間を経過しており、そのときとは経済的・社会的背景も大変異なっています。
今、国営農地防災事業が進められていますが、この事業に当たっては、地元負担はありません。市内全域を網羅する形で附帯県営かんがい排水事業が展開されていますが、その事業の地元負担率は10%であります。特に排水路の改修については、農業生産基盤である農地だけの排水でないという観点から、今後の農業排水路の改修については、市の補助率を上げるなど、地元負担率をもっと軽減すべきと考えますが、市当局の見解をお尋ねします。
次に、魅力ある産業の発展するまちづくり、特に商工業活性化についてただすものです。
総合計画後期計画基本方針において、産業は市政発展の糧であり、まちの魅力と活力を生み出します。にぎわいの源である商工業、サービス業などの各種産業の振興を図るとともに、より一層の活性化を目指し、企業誘致に努めますと提唱されています。
それに呼応すべく、当市議会においては、企業誘致・地域振興対策特別委員会を設置し、砺波商工会議所、庄川商工会さんとも何度か話し合いの場を持つなど、その振興等について議論を深めたところであります。そこでの意見、要望の一端を述べさせていただきます。
高速道路網の発達により、企業誘致に対する地域間・都市間競争が激しさを増している中で、他県の経済団体、企業団体との交流をもっと一層深めるべきである、後期計画では、新しい社会構造や経済構造に対する革新的な施策が乏しい、目標とその過程をもっと明白にすべしと、産業振興においては、将来構想、産業ビジョンを描くべきであり、そのためにも行政、経済団体、そして関係団体がその構想と目標を共有する戦略機関を設置すべきではないか等々でございました。
隣の富山市にあっては、市が造成する企業団地が完売したことから、富山市工業振興ビジョン検討委員会の中で、中小規模企業団地の整備、ハイテク・ミニ企業団地の分譲化、そして、企業の研究関連施設の建設に対する助成制度の検討等を織り込んだ富山市工業振興ビジョンの改訂版がこの3月までに策定されると伺っております。
当市にあっては、市産業振興を図るべく、産業振興計画策定が来年の予算に計画されています。その策定に当たっては、先の経済団体の意見、要望や、他市の先進事例なども参考にし、経済の産業に期する色濃き計画になることを希望し、質問をさせていただきます。
まず最初に、来年度砺波市産業振興計画が策定されるに当たり、どのような組織でその計画を構築されるのか、また、現段階での計画策定方針並びに運用方針について尋ねるものであります。
昨年の県政世論調査によりますと、県民が県政に求める施策の一番は景気対策、次に要望が高かったのは雇用の確保と創出でした。この2月、庄東地区で開催したタウンミーティングにおいても、地区民からは働ける場所の確保と雇用の対策にもっと対策を講ずべきと意見が出されたところであります。
市内では6つの工業団地とハイテク・ミニ企業団地がありますが、サンエツ金属工場増設、また、AFJエナジーの砺波市内の企業進出という喜ばしい話題もありますが、工業団地約13ヘクタールが未活用となっている状況や、パナソニックデバイス社の事業再編問題もあり、企業誘致に当たってはまだ多くの課題が山積しています。
経済産業省、商業統計調査によりますと、砺波市の年間商品販売額は1,020億円とも言われており、このほとんどが大型店舗、法人経営による売り上げとなっています。個人経営による販売額は73億円にとどまっています。商業施設は競争強化のため、大型化を進め、郊外へ進出する傾向を一層強めており、駅前などのまちの顔である中心市街地の空洞化現象に歯どめがかからないという状況が続いています。そのため、駅などの交通拠点を中心とした市街地の整備と、ハード面を含めたソフト面からの整備も求められています。
このように見ても、商工業活性化に向けて多くの課題がありますが、次の事項について、現在の状況も踏まえ、その対応策について尋ねるものです。
第1点目は、企業誘致について、第2点目は、商業施設の開発計画について、第3点目は、空き家、店舗を含めた市街地店舗活性化について、第4点目は、既存・新規産業育成と若手起業家育成について、第5点目は、商農工連携事業推進について、第6点目は、産業展示会への支援について、第7点目は、金融支援継続についてであります。
以上のことは、当市商工業活性化に重要なキーポイントともなっています。市当局と経済団体がこれまで以上に連携し、砺波の商工業活性化に向けた施策を積極的に展開されることを申し上げ、商工業に関する質問とします。
次に、教育問題について質問をいたします。
平成20年7月、国は平成20年から10年間を通じて目指すべき教育の姿を明らかにした教育振興基本計画を策定したところであります。また、県は平成23年度、学校教育を初め、家庭、社会、生涯学習、スポーツなども含め、総合・体系的にまとめた富山県教育振興基本計画を作成しました。平成23年9月現在、調査段階にあっては1,715市区町村中63.9%が策定または策定を予定しているとあります。
昨年の3月議会において、当市におけるその計画の有無をただしたところ、平成24年度県教育振興計画策定を受けて、砺波市のよさや特色を生かした教育振興計画を策定したいとのことでありました。そして、このたび計画策定に向け予算措置が講じられたと認識しているところであります。
舘教育長は、砺波市教育会便りに次のような抱負を寄稿された記事を目にしました。教育は百年の計と言われることの重さを肝に銘じ、今年は主体的に第一歩を踏み出したい。新学習指導要領では、平成23年度に小学校、平成24年4月からは中学校も完全実施となる。生きる力の育成や家庭や地域との連携の推進のためには、先生方自らの問題意識と資質向上にかかっていると提起されています。まさしくそのとおりであり、その考えに賛同する一人でもございます。
そこで、舘教育長にお伺いをいたします。
まず、第1点目は、今教育振興計画策定に当たり何を主眼として作成されるのか、第2点目は、どのような組織体制で編成に臨まれるのか、第3点目は、新学習要領を実行するため、教職員定数、学校施設、設備などの教育を支える条件整備をどう検討されるのか、第4点目は、豊かな心と健やかな体の育成をどのように推進されるのか、第5点目は、教育は学校、家庭が一体とならなければなりません。そのためにも地域全体で子どもたちを育む仕組みづくりや、教員が子ども一人一人と向き合う環境づくりが重要となっています。特に家庭教育支援、地域が学校を支援する仕組みづくりを当計画に明示する考えはあるのかどうかについてもお聞かせ願います。
教育に関する第2点目の質問は、庄川小学校給食方式の変更と来年度学校給食センターの事業についてであります。
昨年3月議会において、2名の議員から庄川小学校学校給食について、現在の自校方式を存続すべしとただしたところでありますが、当局からは、幼児、児童生徒数の推移、学校給食センターの調理能力等を踏まえ、皆さんの意見を賜り検討するとのことでありました。
私の記憶が定かではありませんが、その後、昨年9月に開催した総務文教常任委員会では、学校耐震化工事や皆さんの意見等を踏まえると、給食センター方式で対応したいと説明されたのではないかと思っていますが、庄川小学校給食センターの方式に変更した経過について、再度説明を求めるものです。
また、私は、学校給食センター給食処理能力は、既存の施設で全小中学校の児童生徒の給食を賄えると認識していたところですが、来年度予算において、給食センター管理費が今年度予算を3,900万円上回る7,900万の計上となっていますが、その事業内容について、給食方式変更とその事業の関連性も含め、説明を求めるものです。
次に、伝統文化継承事業についてお伺いします。
富山県は歴史的・文化的地域資源を活用した地域づくりを推進するため、モデル地域を選定し、観光振興や地域振興を進めるとした、歴史と文化が薫るまちづくり事業検討委員会を平成21年に設置したところであります。
当市にあっては平成22年度、そのモデル地域として、戦国の遺跡が多く残る栴檀野エリア、文化施設、チューリップ公園を有する市街地エリア、散居村景観が色濃く残る散居村エリアが選定されました。この事業に採択されますと、県から3年間にわたり歴史と文化が薫るまちづくり補助金が交付されます。
そこで、まず最初に、これまでの当市の当事業の取り組みの状況、そして、平成24年度以降のその事業の推進計画等にお尋ねをするものであります。あわせて、来年度予算において、歴史と文化が薫るまちづくり事業として増山城跡駐車場整備事業、デジタルミュージアム構築委託料として計1,825万円が計上されています。その事業内容についても説明を求めるものです。
第2点目は、砺波市総合計画後期計画に記載されています文化財保護活用についてお尋ねします。
それによると、増山城保存計画に基づき保存計画を進めるという施策があります。その増山城保存計画は平成23年度に取りまとめたとお聞きいたします。また、それを踏まえ、平成24年、平成25年度には整備計画が策定されるとも伺っております。その保存計画結果概要と今後予想される整備計画の骨子、指針について説明を求めるものです。
来年度予算において、国等の補助を仰ぎ、増山城跡整備活用事業費として1,248万円が計上され、うち史跡購入事業費として770万円が予算化されています。保存管理計画策定委員会では、史跡指定地の一部については公有化を図っていく方針が打ち出されていますが、あわせて私有地の公有化についても説明を求めるものです。
第3点目は、文化財調査事業についてお尋ねします。
総合計画後期計画文化財保護施策においては、開発行為に伴う埋蔵文化財の調査を着実に行い、遺跡などの保護に努めるとしています。平成23年9月議会において、山本議員は、国営総合農地防災事業に絡んだ御館山城遺跡の保存管理について、ロマンをかき立てる調査になるようにただしたところであります。
来年度予算において、市内遺跡試掘事業として1,500万円が計上されています。その試掘調査は、どのような工法で調査期間をどれくらい見込んでおられるのか、また、保存管理については本発掘調査の結果にゆだねなければならないと思われますが、中世の当市の貴重な文化財を継承するためにも、国営総合農地防災事業の支障にならぬように極力保存に努めていただきたくお願い申し上げまして、私のすべての質問を終わります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 川岸議員の御質問にお答えをいたします。
まず、TPPと地域農業マスタープランについてでございますが、TPPについては、私は、かねてからこの問題につきましては拙速過ぎるのではないかというふうな思いを強く抱いており、これまでも真っ先になすべきことは、足腰の強い農業を確立するために施策を優先することであると、そのためにも施策を早急に講じなければならないと強く国に対しまして要望もしてまいりました。
国は国民に対し十分な情報提供なくして、影響を受ける国内農業に対して基盤強化のための抜本的な方策と財源の確保見通しを示し、国民的議論を重ねていくべきであると、このように思っております。
TPPは我が国の将来を左右する極めて重要な問題でありますし、とりわけ農業産出額の8割を米が占めている当市にあっては、地域農業の維持、発展に打撃を受けることは大変懸念をいたしております。引き続き、参加の理由を明確に示し、メリット、デメリット、関係国との協議の内容など、経過について十分な情報提供を行い、国民的議論を十分に尽くしていただきたいとこのように思っておるところでございますし、また、強く求めてまいりたいと、このように思っております。
次に、地域農業マスタープランについてでございますが、国においては、今後5年間の高齢化などで大量の農業者が急速にリタイアすることが見込まれる中、話し合いを通じた合意形成により自主的な規模拡大を図り、平地では20から30ヘクタール、中山間地では10から20ヘクタールの規模の経営体が大部分を占める構造を目指すとする基本方針・行動計画を示しております。
この中で、集落、地域において十分に話し合いをしていただき、地域の中心となる経営体の選定や、中心となる経営体への農地の集積、当該地域の農業のあり方などを定めた地域農業のマスタープラン、人・農地プランを作成することとされておりまして、当市におきましても、関係機関と連携して、地域の皆さんと十分に協議しながらプランの作成に向けた事前準備を進めております。
今後のスケジュールといたしましては、各地区において事業の内容の周知、情報提供をさせていただき、国が示すアンケート調査を実施いたしまして、その結果をもとに各地区の皆さんとの協議を重ね、エリア設定や集落での合意形成へ活動を進めていただければと思っております。
プラン作成の単位は集落や自治会等の単位が基本でありますが、地域の実情に応じたエリアも可能で、また、作成期限は設けないことや、一たん決めたプランの見直しも可能なことから、マスタープランの作成を要件とする農地集積協力金やスーパーL資金の無利子等の支援が受けられるよう関係機関と連携し取り組んでまいりたいと、このように思っております。
次に、農業用水路改修に伴う市の支援についてでございますが、ごらんのとおり混住化社会の進展や土地持ちでありながら非農家の増加などによりまして、土地改良事業の農家負担が重荷になっている状況や、排水対策の重要性は認識をいたしているところであります。
このような現状打開の一つとして、大規模排水対策として農家負担のない国営総合農地防災事業、庄川左岸地区の実現に向けて、今日まで熱心に取り組んでまいりました。おかげさまで、国営並びに附帯県営ともに今日の事業化に至ったものであります。
砺波市の土地改良事業の取り組み方針としては、県営の経営体育成基盤整備事業や県営中山間地域総合整備事業など、地域ぐるみで整備水準を引き上げる事業などには、ほかの市に劣らず積極的に導入を図っているところでございます。
特に土地改良総合整備型の部門といたしましては、県営の経営体育成基盤整備事業は平成23年度末で、県下で16の地区の中で7地区が当市でございます。また、平成23年度当初予算ベースで約4割が砺波市で施行実績となっております。
このような事業の予定のない地域については、極力高率補助事業の導入などを促すこととし、県単独事業などについては、あくまで高率補助事業が望めない場合の補完的事業ととらえ、より多くの地域の要望にこたえてまいりたいと考えております。
しかしながら、今後の経営体育成基盤整備事業の要望地区が控えていることもございます。附帯県営農地防災事業や農地防災事業の国営分の事業完了後、市の負担金が償還が始まることなど、また、平成25年度採択を目指す基幹水利施設のストックマネジメント事業や庄西地区の負担が始まることなど、各種土地改良事業の補助金や負担金がメジロ押しになっておると、極めて非常に大きな課題の一つであると、このように認識をいたしておりまして、このような状況の中で、今日の財政状況を考えまして、当面、現体系での支援に努めてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
また、今後、地域農業マスタープランの策定等により農地の集積化が進み、さらに、土地持ち非農家が増加したとき、各種土地改良事業の導入の困難性が増すことは十分想定されることであり、しかし、これは砺波市に限った問題でないと思われますので、まず現行制度の有利な活用を検討しつつ、状況を見ながら、国、県に対しまして制度の改善につきまして要望してまいりたいと、このように考えておるところでございます。
次に、産業振興計画の指針等についてでございますが、産業振興計画の策定につきましては、総合計画後期計画における基本方針に基づきまして、商工業の振興及び企業誘致に関する計画を策定することにいたしております。
計画を構築するに当たりましては、策定委員会等の設置を行うことにしておりますが、議員の御指摘の経済団体や関係団体のほかに、県や大学、また、グローバル的な視点で発想される方や物づくりの今後の進展に造詣のある方など、委員として御協力をいただくことにしております。
計画に関する策定方針並びに運用指針につきましては現在検討中でありますが、計画策定に当たっては、交通の利便性がよいなどの本市が持つさまざまな優位性を生かしながら、内外の環境の変化に積極的に対応し、具体的な商工業の活性化に向けた支援方策について、構成委員から、意見や他市の事例などを参考に取り組んでまいりたいと、このように思っておるわけでございます。
いずれにしろ、昨今の経済情勢は非常に不透明な時代を迎えておると、このように思っておりますし、御案内のとおり、海外に進出する企業も大変最近は多いとも聞いております。そういう中にありまして、砺波市の産業振興をどう図っていくかというのは極めて難しい課題も山積をいたしておる、このように思っておりますが、当市の発展のために新産業振興計画を立てて、着実に発展するように努めて努力をしてまいりたいと、このように思っておるところであります。
私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては教育長並びに担当部局長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
教育長 舘 俊博君。
〔教育長 舘 俊博君 登壇〕
◯教育長(舘 俊博君) 私からは、川岸議員御質問の項目3、教育事業についてのうち、(1)教育振興基本計画策定に当たっての指針等についてお答えをいたします。
まず、1点目の策定に当たっての主眼につきましては、国の教育振興基本計画や、平成23年度に策定されます県の教育振興基本計画を参考にするとともに、砺波市総合計画後期計画の理念を踏まえ、砺波市の教育の現状と課題を整理し、また、これまで取り組んでまいりました幼保から小中への育ちのリレーやふるさと学習など、砺波市の教育のよさを生かして、これから目指す砺波市の教育、目指す子ども像を明確にしたいと考えております。なお、施策の基本的方向としましては、生きる力を育む教育の充実が主眼になるものというふうに考えております。
2点目の組織体制につきましては、現在のところ、小中学校長代表者を含む学校教育関係者、社会教育・社会体育・スポーツ関係団体の代表者、学識経験者等から成る策定委員会を組織し、審議いただきたいと考えております。
3点目の教職員定数につきましては、県の学級編成基準や教職員配置基準によるものであり、市の教育委員会だけでは決定できない事項でありますけれども、35人学級を含めた教職員の定数改善については御意見を伺い、要望等に生かしていけるものというふうに考えております。また、学校施設整備など教育を支える条件整備につきましても議論いただきたいと考えております。
4点目の豊かな心と健やかな体の育成につきましては、各学校では、授業における学び合いを大切にしたり、ふるさと学習を中心としまして地域を理解し、地域の人々とかかわる活動を取り入れたりするとともに、ボランティア活動にも意欲的に取り組んでおり、児童生徒が感動や感激を味わうことにより、一層豊かな心をこれからも育んでいけるようにしたいというふうに考えております。
健やかな体につきましては、幼稚園、保育所で実施しております体力向上支援事業のホップ・ステップ・ジャンプや、小学校の器械運動への体育実技指導を継続しながら、新学習指導要領において、小中学校ともに体つくり運動が盛り込まれております。体力向上を目指しているということで、食育の充実とあわせまして、これからの課題として取り組みたいというふうに考えております。
5点目の家庭教育支援、地域が学校を支援する仕組みづくりにつきましては、家庭教育は教育の原点であり、家庭の教育力の向上は今後の重要な課題であると考えております。これまで実施してきました家庭教育の支援を踏まえ、さらに家庭の教育力の向上に向けて議論していただきたいと考えております。
また、学校等と保護者、そして、地域とは、私は教育のパートナーであることが大切であり、地域全体で子どもたちを見守り育てる体制が必要と考えております。現在活動し、取り組んでいただいております多くの関係団体や組織の皆さんの取り組みを生かした仕組みづくりにつきまして議論をいただき、計画の中に盛り込むことができたらというふうに考えております。
次に、4項目めの伝統文化継承事業についてのうち、(1)歴史と文化が薫るまちづくり事業の進捗状況についての御質問にお答えをいたします。
議員御指摘のとおり、砺波市では平成22年度に歴史と文化が薫るまちづくり計画を作成し、モデル地域に指定されたところです。計画につきましては、議員が述べられたとおりの内容であります。
現在までの取り組み状況につきましては、平成22年度は計画書を作成し、具体的事業は平成23年度から開始をいたしました。
まずはソフト事業としまして、歴史・文化的資源を広く市民に周知して、先人の苦労やすばらしさを知っていただき、これからの私たちの生活に生かしていくということを目指しまして、200万円の予算で栴檀野エリアのイベントとして、千光寺において朝市、芹の市を実施いたしました。ほかに、出町子供歌舞伎曳山会館におきまして、春風亭昇太氏の山城歩きのススメを開催いたしまして、最近ではチューリップ四季彩館において、よごしグランプリを開催し、郷土料理のレシピの冊子を作成する予定にしております。また、ハード事業としまして、1,000万円の予算で旧中嶋家のカヤぶき屋根のふきかえ工事を実施したところでございます。
平成24年度以降の事業計画でございますけれども、議員御指摘の事業期間の3年間が、要綱改正によりましてハード事業の実施が4年間に変更されたことによりまして、平成25年度までの実施となったところでございます。
平成24年度は、ソフト事業としまして、200万円の予算で市のホームページに、市の指定文化財を初め、散居村、遺跡、古文書、獅子舞や夜高まつりといった年中行事等の歴史・文化資源に関する情報はもとより、砺波市史等の書籍等をデジタル化いたしまして、インターネットのウェブ上での展示を行うデジタルミュージアムのシステムを構築するものであります。また、ハード事業としまして、1,625万円の予算で増山城跡周辺に駐車場整備をするとともに、増山城跡内に説明看板を設置する予定にしております。
最終年度の平成25年度には、ハード事業としまして、1,675万円の予算で、増山城跡周辺整備としまして、休憩、観光案内、トイレを備えた拠点施設、ガイダンス施設を整備する予定としております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
商工農林部長 八田俊伸君。
〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕
◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、商工業事業についてのうち、商工業活性化に向けての御質問にお答えいたします。
まず、1点目の産業誘致についてでありますが、本市は、交通の利便性がよく、災害が少ないなど立地環境にすぐれていることから、製造業を主体とした企業立地による雇用の確保や新たな物流施設などを中心とした立地に向けた取り組みを推進してまいりたいと思っております。
また、2点目の商業施設の開発計画についてでありますが、今後は、市街地においても新たな大型商業施設が建設されることになっており、地元雇用が非常に期待されるものでありますが、開発事業者に対しましては、地域に愛され、地元に貢献する店舗として、まちづくりの取り組みについても理解し、協力されるよう、商工団体とともに要請しているところでございます。
次に、3点目の空き家店舗を含めた市街地店舗活性化策についてでありますが、活性化に向けた取り組みについては、商工団体や地元商店街などから御意見をお聞きするとともに、県とも連携、協議を行いながら具体的な方策を検討してまいりたいと考えております。
次に、4点目の既存・新規産業育成と若手起業育成につきましては、伝統産業の育成支援を継続して進めるとともに、市の創業者支援融資制度や、国、県の助成制度のPRを行うほか、ハイテク・ミニ企業団地に入居されている方が新たに独立して創業できるよう、各種支援策を検討してまいりたいと考えております。
また、若手起業家の育成につきましては、来年度においても人材育成事業に取り組み、次世代を担う若手経営者の育成を図ることにしております。
5点目の農商工連携事業の推進につきましては、新しい試作品の開発や商品PRを行う中小事業者について要望をお聞きするとともに、さまざまな支援を行っている富山県新世紀産業機構との連携をより強めてまいりたいと考えております。
6点目の産業展示会への支援につきましては、来年度も引き続き展示会に出展される市内企業に対して小間料などの助成を行うとともに、本年9月に、3年に1度開催されるとなみ産業フェアについても、産業振興とまちづくりを推進するため、協力支援を行ってまいりたいと考えております。
7点目の金融支援継続の件につきましては、昨年12月から実施しております緊急金融支援措置につきましては、歴史的な円高が続いていることや、原油等の値上げなど、厳しい経済状況が想定されますことから、来年度も引き続き実施してまいりたいと考えております。
なお、これらの商工業活性化に向けての取り組みにつきましては、先ほど市長が御答弁申し上げましたとおり、産業振興計画を策定する中で、関係機関の皆さんの御意見をしっかりとお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局長 白江秋広君。
〔教育委員会事務局長 白江秋広君 登壇〕
◯教育委員会事務局長(白江秋広君) 私からは、川岸議員御質問のうち、3項目めの教育事業についての1点と、4項目めの伝統文化継承事業についての2点の合わせて3点についてお答えいたします。
まず、3番目の教育事業についてのうち、(2)の庄川小学校給食方式変更の経過と学校給食センター事業についてにお答えをいたします。
庄川小学校給食の給食方式の変更につきましては、市内小中学校11校が既にセンター方式であることを踏まえ、庄川小学校の耐震改修事業に際し、昨日の大楠議員の質問に対する教育長答弁にもありましたように、単独方式を維持するための経費の問題や、さらに狭隘な敷地でより広い学習環境の確保のためにも、これを機に学校給食センター方式に移行することとしたものであります。
なお、庄川小学校関係者への趣旨説明につきましては、PTA役員に説明の上、2度の保護者全体会で説明会を行いました。その中では、単独校方式を残してほしいとの声も聞かれましたが、PTAとしては、より広い学習環境の場の確保等を総合的に判断され、センター方式へ移行することを総意として保護者全員に周知されたところであります。
その後、地元の自治振興会長さんなど地域の代表の方で組織いただいた庄川小学校耐震改修事業推進委員会で御了承を得まして、9月の全員協議会でのプロポーザルの仕様要件の中での説明や、先ほども議員御指摘のとおり、総務文教常任委員会での質問に答える形で学校給食センター方式への移行を報告させていただいたところであります。
次に、平成15年にオープンをした学校給食センターの処理能力は1日5,000食となっておりますが、建設当時は間近に迫っておりました市町村合併を視野に入れて協議されたわけでありますが、庄川小学校の調理施設が平成9年にリニューアルされてまだ日が浅かったため、庄川中学校だけを含めたものとしての5,000食として現在に至っておるわけであります。
現行の配食数は、幼稚園や教師の分も含めまして4,730食余りであり、調理能力の範囲内でありましたが、今回、庄川小学校が給食センターに入ることになり、約400食近く増えることにより、まず、コンテナ庫の購入と、それを消毒するための施設の改修と設備の増設が必要となります。
昨日の教育長答弁にもありましたように、将来において児童数が徐々に減少していくことが予想されますが、ランチルームのない中学校では、35人学級の対応も含めて、今後五、六年間はクラス数が増えるため、今回の改修で対応できるように増強いたすものであります。また、食数が増えることにより、汁物や煮物は従来の設備で対応できますが、揚げ物や焼き物、蒸し物などの調理時間が長くなります。決められた時間に配送するためには、能力の大きな機器の更新や増設が必要となってまいりました。
学校給食センターの設備は特殊なものであり、国の衛生管理基準を遵守して給食を行っていくためにも、予算について御理解を賜りますようよろしくお願いをいたします。
次に、4項目めの伝統文化継承事業についてのうち、まず、史跡整備事業についての御質問にお答えをいたします。
国指定史跡であります増山城跡の保存管理計画の概要を一言で申し上げますと、増山城跡の城郭を構成する諸要素を保存し、それらを持続可能な方法で次世代へ確実に継承するためのガイドラインを示すことにあります。具体的には史跡の本質的価値と構成要素を明確にし、史跡の中枢であります一の丸、二の丸、三の丸、城下町の土塁跡を第一種地区とすることを初め、史跡指定地を3つの種別に分け、現状変更の規制や土地の公有化、史跡整備等の保存管理基準を設定する予定であります。
そして、その後、策定いたします史跡整備基本計画につきましては、平成24年度、25年度で計画策定委員会を設置いたしまして、保存管理計画にある整備と活用の基本方針ガイドラインに基づきまして、地域の歴史資産の中心的存在として整備するとともに、市民と行政の協働による史跡保存の体制や、まちづくりの核であります観光拠点としての整備活用について協議するものであります。
なお、これら一連の計画策定につきましては、文化庁が定めたフローチャートに従って順次進めるものでありまして、整備計画策定後は、国指定の区域内の整備については国の方針に従い、補助を受けて総合計画後期計画の実施計画の中で具体的内容について調整しながら進めていくこととなります。
次に、御質問にありました平成24年度予算の史跡購入予算770万円につきましては、保存管理計画の公有地化の方針に基づき、史跡の中枢であります一の丸周辺約8,700平米と立木を含め購入しようとするものであります。その後も、国の予算状況も踏まえなければいけませんが、史跡の中枢部分の公有地化を図っていくことになります。
その際には、地元との調整を図りながら進めたいと考えておりますので、議員の皆様方にはまた御支援、御協力をぜひお願いいたしたいと思っております。
最後に、4項目めの伝統文化継承事業の3番目でございますけども、文化財調査事業についての御質問にお答えいたします。
お尋ねの庄川左岸国営農地防災事業実施に伴う御館山館跡の発掘調査の方法と調査期間につきましては、調整池造成工事エリアの該当部分460平米につきまして、記録保存を目的とした本発掘調査を来年度、平成24年中に実施するものであります。
実際の発掘調査については、夏ごろから2カ月間余りをかけて実施いたし、その後、遺物の整理、空中写真、測量等を行う予定でございます。
地元に残る史料によれば、御館山館は、戦国時代に存在した福岡の木舟城の出城と伝えられる史跡であり、天正9年に木舟城が織田信長方に攻められて落城した直後に焼き払われたと伝わっております。御館山館跡の歴史的価値につきましては、平野部における数少ない中世城館跡の発掘事例として貴重であると認識いたしております。
なお、調査後の措置につきましては、発掘調査面積が当初予定より小さくなったこともあり、埋蔵文化財として記録保存をすることを前提に、農林水産省側と協議を重ねているところでございます。
その後、発掘調査で得られた情報は整理いたしまして、史跡の歴史的価値について積極的に発信していきたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(稲垣 修君) 質疑なしと認めます。これをもって、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。
議案の常任委員会付託
◯議長(稲垣 修君) ただいま議題となっております議案第1号から議案第30号まで、平成24年度砺波市一般会計予算外29件について及び報告第1号 専決処分の承認を求めることについては、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の各常任委員会に付託をいたします。
日程第2
公的年金の改悪に反対する意見書提出を求める請願外1件
請願の常任委員会付託
◯議長(稲垣 修君) 次に、日程第2 公的年金の改悪に反対する意見書提出を求める請願外1件は、お手元に配付してあります請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託をいたします。
◯議長(稲垣 修君) 以上をもって、本日の日程はすべて終了をいたしました。
お諮りいたします。明3月14日から3月22日までの9日間は、議案審査等のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(稲垣 修君) 御異議なしと認めます。よって、明3月14日から3月22日までの9日間は、議案審査等のため休会することに決しました。
なお、次回の本会議は3月23日、午後2時から開会をいたします。
本日はこれをもちまして散会といたします。
大変御苦労さまでございました。
午後 4時13分 閉議