平成23年3月 本会議 定例会(第2号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

◯議長(井上五三男君) ただいまの出席議員は21名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
 これより本日の日程に入ります。

                  日程第1
           砺波地域消防組合議会議員の選挙について

◯議長(井上五三男君) 日程第1 砺波地域消防組合議会議員の選挙についてを議題といたします。
 これより、砺波地域消防組合議会議員の選挙を行います。
 お諮りいたします。
 選挙の方法につきましては、地方自治法第118条第2項の規定により、指名推選によりたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(井上五三男君) 御異議なしと認めます。よって、選挙の方法は指名推選によることに決しました。
 お諮りいたします。
 指名の方法につきましては、議長において指名することにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(井上五三男君) 御異議なしと認めます。よって、指名の方法は議長において指名することに決しました。
 砺波地域消防組合議会議員に山森文夫君、堀田信一君、林 忠男君、井上五三男、以上4名を指名いたします。
 お諮りいたします。
 ただいま議長において指名いたしました諸君を砺波地域消防組合議会議員の当選人と定めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(井上五三男君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました諸君を砺波地域消防組合議会議員の当選人とすることに決し、会議規則第32条第2項の規定により、本席から当選の告知をいたします。

                  日程第2
            議案第19号から議案第23号まで

◯議長(井上五三男君) 次に、日程第2 議案第19号から議案第23号まで、平成22年度砺波市一般会計補正予算外4件についてを議題といたします。

                (提案理由の説明)

◯議長(井上五三男君) 提案理由の説明を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 追加して提出いたしました議案について御説明を申し上げます。
 議案第19号から議案第23号まで、平成22年度一般会計ほか、各会計の補正を行うものであります。
 まず、一般会計につきましては、歳入歳出それぞれ11億9,910万5,000円を追加補正し、歳入歳出予算総額はそれぞれ212億3,899万7,000円となるところであります。
 歳出予算の増額補正の主なものとしましては、砺波北部小学校耐震改修事業費2億5,963万5,000円、病院事業会計費1億5,000万円、障害福祉サービス費3,800万円などであり、このほか次の補正予算にあるきめ細かな交付金事業等を精査の上、計上したものであります。これらの財源の主なものとしては、国庫支出金1億4,269万7,000円、県支出金3,966万7,000円、市債7億5,440万円等を充てるものであります。
 また、留保しておりました繰越金及び交付額が確定いたしました普通地方交付税等を全額充当し、基金からの繰入金を6億1,599万4,000円減額するものであります。このほか継続費につきましては、砺波北部小学校耐震改修事業費に係る年割額の変更を行うものであります。
 繰越明許費につきましては、やむを得ず翌年度に繰り越すものであり、地方債につきましては、それぞれの事業の補正等を行い、変更するものであります。
 次に、特別会計につきましては、国民健康保険事業特別会計など3会計について所要の補正を行うものであります。
 まず、国民健康保険事業特別会計につきましては、事業費の確定に伴う後期高齢者支援金の減額補正等を行うものであり、後期高齢者医療事業特別会計につきましては、同じく後期高齢者医療広域連合納付金の減額補正等を行うものであります。
 次に、下水道事業特別会計につきましては、受益者負担金全納報奨金の増額補正等を行うものであります。
 次に、企業会計につきましては、病院事業会計について、市の繰出金の追加等に伴う収入予算の補正を行うものであります。
 以上をもちまして、本日提出いたしました議案の説明といたします。何とぞ慎重御審議の上、可決賜りますようお願いを申し上げます。

◯議長(井上五三男君) この際、暫時休憩いたします。

 午前10時07分 休憩

 午前11時00分 再開

◯議長(井上五三男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

                  日程第3
     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)

◯議長(井上五三男君) 日程第3 市政一般に対する質問、並びに議案第1号から議案第23号まで、平成23年度砺波市一般会計予算外22件について、及び報告第1号 専決処分の承認を求めることについてを議題といたします。
 これより、市政全般に対する代表質問、並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 19番 堀田信一君。
  〔19番 堀田信一君 登壇〕

◯19番(堀田信一君) 私は、自由民主党砺波市議員会を代表し、上田市長並びに当局に5項目にわたり質問と提案、要望をいたします。
 その先に、前月22日、現地時間午後0時51分ごろにニュージーランド・クライストチャーチ付近でマグニチュード5.3、震源の深さ5キロの大規模な地震が発生し、研修中の富山外国語専門学校の学生21名と引率教諭2名が4階で昼食中に建物の倒壊に巻き込まれるという大惨事が発生してしまいました。懸命の救助活動等も行われましたが、数日前から外務省から死亡の確定等の報道がされております。心から哀悼の意を表したいと思います。また、本朝も三陸沖等での地震等の発生があります。砺波市が進めております自主防災活動の日ごろの大切さというものを再認識したと思っております。
 さて、平成23年度国の予算は衆議院を通過し、参議院での審議が行われていますが、菅政権のばらまき政策、閣僚の政治と金にまつわる不祥事などで外務大臣が辞任するということが、法を守らない国会議員がいるという、国民目線からはかけ離れた事実が報道されるたびに脱力感でいっぱいになるのは私一人ではないと思っております。
 世界に向け技術立国、技術大国をアピールし、経済の再生に努めることや、少子高齢化、医療、教育、農業、環境問題に確固たる方針をつくり描き、国民に誇りと希望と勇気を与える国家リーダーが必要と思われてなりません。
 それでは、砺波市の平成23年度予算についてお伺いをしたいと思います。
 国は92兆4,116億円の一般会計予算を示し、82兆5,054億円の地方財政計画の大枠を示してまいりました。
 砺波市は、砺波市総合計画の第5年次実施計画に基づき一般会計で201億3,000万円、5つの特別会計で69億3,150万円、3つの企業会計で143億3,980万円、総額で414億130万円の平成23年度砺波市予算が議会に上程されたのであります。
 上田市長には、迷走する政府与党の、また国会のいろいろな方針もございますが、砺波市の将来像を見据えての基本理念、コンセプトは何なのかをお伺いし、平成23年度の予算編成の方針をお尋ねいたします。
 また、昨年12月に我々自民会が政策要望いたしました最重点12事項、重要40事項についてはどのように反映されているのか、特に重要視しております学校施設の耐震化対策、市立砺波総合病院の経営改善、地元産業の育成と地産地消の推進、この3件について詳しく御説明をお願いしたいと思います。
 上田市長には、3回目の予算編成でありますが、インパクトある上田カラーの目玉施策についてお伺いいたしますとともに、市債の実質債務残高、実質公債費比率の推移等について、12月定例会でも同僚の林議員が尋ねておりますが、今後どのように推移していくのかをお尋ねいたします。政治経済が不透明な昨今、税収が落ち込む中で、上田市長が想定する今後の財政運営方針をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、行財政改革についてお伺いをしたいと思います。
 特に行財政改革については、ダーウィンが進化論で言っていますが、強い者、知性のある者が生き残るのではない、変化に対応していったものが生き残るんだと、このような言葉もありますが、私は、石井富山県知事は、職員の給与にもメスを入れ、行財政改革を真剣に取り組み、しっかりとめり張りの出た予算編成行政運営をしていらっしゃるのではないかと思っております。
 最初に、砺波市の行政改革推進委員会専門部会における行政改革の検討結果について議会に報告をされましたが、新年度に導入する項目と実施時期について、その他はどのようなスケジュールで取り入れていかれるのかについて詳しくお聞かせいただきたいと思います。
 市職員がモチベーションを上げ、チャレンジする人材育成を図る人事評価の実情と完全実施はどのようにお考えなのかについてお尋ねをいたしたいと思います。と申しますのは、評価関係については平成19年から試行をなさっておられますが、その辺についてもお伺いをしたいのであります。
 このことは2005年度の人事院勧告で、従来の年功序列と異なり、職員の意欲向上につながることを目指し、推奨し、富山県内では入善町が2006年、黒部市が2007年、射水市が2010年に導入済みで、管理職のみ対象に絞っているのが氷見市と朝日町とのことであります。砺波市は目標管理による評価制度を試行中とのことでございますが、今後の具体的スケジュールと内容についてお伺いをしたいと思います。
 私は、かねがね組織とは人と人によって成り立っており、いかに人々のよいところを発見し、伸ばしていく加点方式が組織力と行政サービスの向上につながっていくと思っているのであります。
 岸和田市は人事異動についての自己申告を平成12年3月に制度化、平成15年、平成16年と人事考課制度を試行実施し、平成18年4月に本格実施、人材育成型を目指し、それは高い成果を上げている人の行動を観察し、成果に結びつく具体的な行動を抽出し、それを強化要素として行動を評価するコンピテンシー効果と目標管理の2つの制度を導入し、今日に至っており、大いに参考にすべきと思っておりますが、砺波市からも視察に行っていただいております。市長の導入に関する決意、見解をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、協働のまちづくりを目指すために市民の意見を聞く場が必要と思います。上田市長もいつも言っておられます。市民による市民のためのお役に立つ市役所に変革していくことが重要と考えます。
 先の本会議で川辺議員は、部長室を応接室にと提案いたしましたが、答弁内容は、お役所のために必要とのことでございました。砺波市の外郭団体では、会長の方針で会長室を撤廃し、事務所の中にデスクを移動したと伺っています。このことは職員とのコミュニケーション、報告、連絡、相談、打ち合わせのスピード感と、最も大事な職員との一体感をつくり出すねらいとのことであります。市政のニーズは多様化し、変化のスピードが速い昨今、スリムで効率を高める組織の再編や市民とのミニ会議室について見解をお伺いいたします。この背景には、今現在部長級が9名、次長級が12名いらっしゃるとのことであります。十分に機能しているかもわかりませんが、私は、それ以上に市民との意見の交換、また、職員とのミニ相談、こういうことが一番大事ではないかなと思っているわけであります。
 さて、有能な公務員や民間人の定年退職者が続きますが、NPOで法人化し、技術力、手腕を砺波市政に活用する砺波市の独自システムの構築を提案いたします。このことは雇用と人件費の抑制にもつながるとともに、これまでの一本づりでの市の退職者を外郭団体へ紹介すると、きれいな話では、向こうから紹介してくれと言われたということにはなっていますが、これには市民からも批判が出ているわけであります。この辺についての私は改善につながると思いますが、見解をお伺いしたいと思います。
 次に、北陸新幹線開業を見据えた交通対策についてをお尋ねいたしたいと思います。
 2014年度内に東京・金沢間が開業との方針で、着々と工事が進められております。完成すると、富山・東京間等も2時間10分台で乗りかえなしで東京にと、夢と希望がわいてきますが、一方で、城端線の接続時間、新ホーム建設プラン等について、さらには城端線の活性化対策を今からしっかり進めていくことが重要と考えますが、JRや高岡市等との協議はどのように進捗しているのか、お聞かせ願いたいと思います。
 また、現状の城端線の乗降客は年々減り続けている中で、私は一方で電話もない時代に、砺波地方の将来の物流等も考えて同志を募り、そして、土地、農地を買収し、明治30年、黒田、今の高岡であります。城端間の中越鉄道をつくった上田市長の地元、鷹栖村の大矢四郎兵衛候に感謝をするとともに、全国に私は顕彰すべきと考えますが、上田市長の率直なお考えをお聞かせください。
 当時の北陸線もその後の明治32年に富山まで開通、電話に至っては明治39年、1906年、富山県内初、富山市で開通したのであります。心血と自らの財産を投入したことを散居村ミュージアムが伝えています。私はこれだけの偉大なことを成し遂げた大矢四郎兵衛物語をNHK等に働きかけるべきと考えますが、このことが全国から一度は乗ってみよう、もっと乗ってみようというような関東圏から等も城端線を利用していただける、そういうようなことになるのではないかなと考えております。県、高岡市等も今はフィルムコミッション等ということで予算化をして、いろいろと施策を考えていらっしゃいます。
 さて、砺波市は、砺波広域圏の中核都市ということが具体的に見える事例があります。高速道路網等の要衝として砺波駅南バスターミナルは、関西、関東、名古屋方面に、また、最近では金沢市、富山市への高速経由運行と、さらには主催ツアーの発着にと、大変利便性の高い要衝となりました。
 1日にどれだけの乗降客があるのか、1週間ではどうなのか、1カ月当たりどうなのか、利用客状況はどの程度なのか、市内部で協議機関が設置されているのか、また、バス会社、市民の皆さんもよく御存じですが、阪急、それからJR、西武、地元のバス会社等たくさんのバス会社があるわけですが、利用していただいている皆さんとの要望や意見を聞き、さらに魅力を増していくことが私は望まれていると思いますが、現状と今後についてお伺いいたします。このことは先を見た手を打っていかないと私はいけないのではないかなと思っているのであります。砺波は今マグネットになっております。しっかりとした対策を考えていかなければならないと思っているのであります。
 次に、第60回チューリップフェアについてお伺いをいたします。
 先人の努力、汗と結晶に心から感謝し、4月22日に開幕を準備する関係者に心から御礼を申し上げたいと思います。9月定例会で提案いたしました「はやぶさ」の砺波での展示が、上田市長のしっかりとした運動をしていただいて、当局の皆さんの努力で実現することに心から御礼を申し上げたいと、このように思っております。
 前日の21日に市内小中高校生に見学を先にしてもらうという試み、大変すばらしいことであります。ぜひこの中にも支援学校等の子どもたちにも夢を与えてやりたいと、このように思うわけでございますが、考慮できないものかお伺いをいたします。
 「はやぶさ」については前の議会でもお話をいたしましたが、このプロジェクトは、この際お話をしておきますと、計画を練り始めたのは20年ほど前から、川口淳一郎教授を初め、練ったわけであります。アメリカもしり込みするような大胆な探査をということを計画したのであります。
 特にこのことはなぜイトカワをねらったかと申しますと、これは私もわかりませんが、46億年前あたりに太陽ができたと。しかし、その際、そのころは地球を初め、太陽系の惑星はできていなかった。太陽系には水星のような氷の塊や小さな岩石が無数に浮かんでいて、それらが衝突を繰り返し、だんだん大きくなる。衝突を繰り返すと惑星全体が熱でどろどろに溶け、重い物質は中心付近に沈む、表面近くにある物質も熱の影響を受けた。しかし、イトカワのように衝突せずにいた小惑星は46億年前の姿をそのまま保っていると考えて、この計画が実施されたのであります。
 昨年6月に「はやぶさ」はオーストラリア南部の砂漠に帰還いたしました。地球再突入の温度は1万度であります。中のカプセルは3,000度を保つという日本でもすばらしい技術を開発し、行ったのであります。使命であったイトカワの微粒子約1,500がカプセルから見つかったわけであります。
 宇宙機構はイトカワよりも炭素の豊富な小惑星に行き、表面だけでなく、穴を掘ってクレーターをつくったようにして、地層深くの砂を採取する後継機「はやぶさ2」を2014年に打ち上げる計画であります。
 このようなすごいプロジェクトを成し遂げた日本の超高度技術を一般市民にどのように予備知識を事前に与えて見学してもらうのか、砺波の子ども人づくりの第2の矢として、次世代を担う子どもたちを対象に、自然や天体観測、科学工作や実験を行うとともに社会貢献活動を行っているとなみ宇宙少年団の設立を検討できないか、お尋ねをいたします。
 この本部長は銀河鉄道999の作者で宇宙船艦ヤマトでおなじみの松本零士氏、団長は日本人で初めてのスペースシャトルに搭乗した毛利宇宙飛行士、副団長は世界宇宙ステーションで長期滞在をした山崎直子さんです。現在、全国に130の分団があります。広島県呉市では「はやぶさ」を展示し、同時にこの運動を進めております。ぜひ積極的な答弁をお聞かせください。
 次に、姉妹都市、友好都市など国内外の皆様をお招きし、盛大に記念式典が予定されているとのことでありますが、より詳しい内容をお聞かせいただきたいなと、このように思っています。どういうような大使の方が来られるのか、現地の市長さんが来られるのか、この辺をお聞かせいただければと思っております。
 新年度から小学5年、6年生は英語の時間が必須として設けられますが、国際社会を担う小中学生との交流や異文化を知るセミナー等を企画される予定はあるのか、お伺いいたします。
 また、ゴールデンウイークは全国でイベントがメジロ押しの中、交流人口増と市民交流を目的に次回から、次年度からですが、的を絞って、例えば来年度は北海道ウイーク、知事も富山県出身知事でありますし、たくさんの関係の市町村もあります。また、国内では安城ウイークとした、一味スパイスのきいたチューリップフェアの企画を提案いたしますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 最後に、上田市長が提案されている1人1ボランティアについてお伺いをいたします。
 砺波におけるボランティア活動を広く一人一人に広め、ボランティア活動への参加のきっかけづくりを目的として県内初のボランティアポイント制度、「レッツ!ボランティアとなみ」が昨年7月から施行導入され、今日まで市民の皆さん初め、関係団体からさまざまな意見や関心も高く、我が砺波市議会の中でも質問が行われてきたところでございます。
 先の定例会で取り組み状況とポイント制度の成果の質問に、市民皆さんの声を聞きながら見直しを進めており、新年度からポイント配布対象の拡大など、見直しを図りたいとの答弁でありました。
 そこで、具体的にはどのような内容で見直しがされるのか、推進を図るため、市民、関係団体へのPR、協働体制が大事と思いますが、新年度のさらなる定着に向けての具体策をお伺いし、私の質問を終わります。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 堀田議員の自由民主党砺波市議会議員会を代表しての御質問のうち、行財政改革についてを除く4項目についてお答えをいたします。
 初めに、平成23年度予算についての御質問のうち、砺波市の将来像を見据えた基本コンセプトからの新年度予算の編成方針等について申し上げます。
 御案内のとおり、砺波市は、平成16年11月に旧砺波市と旧庄川町との合併により誕生し、平成18年11月には、合併協議により策定された新市まちづくり計画を受けて、新たなまちづくりの羅針盤となる新砺波市総合計画を策定いたしました。
 新砺波市総合計画におきましては、市の将来像を「庄川と散居に広がる 健康フラワー都市」とし、また、まちづくりの基本理念を市民総意で策定した砺波市民憲章に掲げた5つの目標といたしております。
 私は、かねてより、市政は計画的かつ継続的、安定的に推進されるべきものと考えております。平成23年度予算の編成に当たりましても、この新砺波市総合計画の実現に向け、昨年秋に策定いたしました総合計画第5年次実施計画に基づき掲げられた5つの基本方針に沿って、福祉、教育、そして、雇用を初めとした産業振興など、バランスのとれた編成に努めるとともに、タウンミーティングなどで市民の声や自民会の御要望等を配慮しながら、市の将来像である「庄川と散居に広がる 健康フラワー都市」の実現に努めたところであります。
 中でも、今回の予算編成に当たりましては、特に当面する課題といたしまして、安全・安心、子育て、観光、また、中長期的なまちづくりの課題といたしまして、農業、環境を、そして、私の市政運営の根幹でもあります協働の6つをキーワードに、特に意を配しながら具体的施策を計上したところであります。
 次に、新年度予算における重点施策についてお答えをいたします。
 今ほど申し上げましたとおり、新年度予算につきましては、総合計画と6つのキーワードに沿ってバランスのとれた予算編成に努めたところでありますが、中でも、観光と農業推進並びに学校施設の耐震化の促進に特に意を配したところでございます。
 北陸新幹線の開通や高岡・砺波スマートインターチェンジの供用開始を控え、そして、何よりも高速道路網の整備された恵まれた地理的条件を生かしながら、砺波市の将来を考えたとき、交流人口の拡大による観光のまちづくりはとりわけ重要な課題であると考えておりまして、引き続き観光振興戦略会議を開催し、観光振興戦略プランのアクションプランを策定するとともに、今の砺波市観光協会を法人化し、フラワーランドとなみの事業を継承することで、市の観光振興の中核組織とするため必要な人的、財政的支援を行います。
 また、砺波市は美しい自然に恵まれた田園都市であり、私は、市の基幹産業は農業だと考えております。農業で生計を立てられることが何よりも肝要であり、新年度におきまして、「これからの農業を考える会」を立ち上げ、市内の若手農業者や有識者などにより、これからの砺波型の農業のあり方、進むべき方向についてしっかりと議論していただくとともに、引き続きチューリップ、ゆず、そして、タマネギなどの地場産野菜や園芸作物の特産化と生産拡大、地産地消の推進に向けて積極的に支援をしてまいります。
 学校施設の耐震化の促進に向けては、現在施工中の砺波北部小学校の耐震改修工事を平成23年度で完了するとともに、新たに出町中学校耐震改修工事の実施設計並びに庄川小学校の基本設計に着手するなど、残る2つの小学校の耐震化も見据えながら、この取り組みを強化いたします。
 また、いま一つ大きな特徴といたしまして、市税収入が落ち込む中で、できるだけ積極的な予算となるよう努めたところであり、今ほど申し上げました学校施設の耐震化に加えて鷹栖小学校放課後児童クラブ施設の増築、高道団地の給水方式改善工事、散居村展望スポット整備などを含め、投資的経費で4億8,000万円余、31.8%増となる約20億円を確保したところであります。
 さらには、社会保障関係費の自然増に伴う扶助費等の伸びや子ども手当の増額、予防接種事業の拡充などに対応したほか、新たにこれまで小学校3年生までとしていた通院医療の無料化を6年生まで延長するとともに、不妊治療への助成措置を大幅に拡充するなど、子育て支援等の充実に努めたところであります。
 なお、自民会からの学校耐震化対策、市立砺波総合病院の経営改善、地元産業の育成と地産地消の推進などの御要望につきましてもそれぞれ意を用いたところであり、総合病院につきましては、引き続き前年度同額の一般会計繰出金を確保したところであります。おかげさまで病院改革プランの実践の効果などもあり、平成22年度につきましても、前年度に続き黒字決算になるものと考えております。
 なお、御案内のとおり、新年度予算が活力あふれる砺波づくり特別枠による地域活性化などに資する新規事業を盛り込んでおります。
 次に、3点目の御質問の市債残高及び実質公債費比率の質疑について申し上げます。
 初めに、市債残高とありますが、合併後の平成16年度末からの質疑で申し上げますと、一般会計につきましては、平成18年度末の約264億円をピークに減少しており、平成22年度末には20億円減の約244億円になるものと見込んでおります。
 また、特別会計、企業会計を加えた市債総額では、平成16年度末の612億円をピークに減少しており、これも平成22年度末には46億円減の約566億円となるものと見込んでおります。
 ちなみに、平成22年度末における市民1人当たりの市債残高につきましては、一般会計分では約49万円、総額で114万円となる見込みであります。
 ただ、この減少ペースは一般財源として活用ができ、第2の交付税とも呼ばれております臨時財政対策債の発行額が近年大きくなっていることから、やや小幅になってきており、総合計画後期計画に基づく実施計画の策定などを待つ必要もございますが、当面このような小幅な減少にとどまるものと考えております。
 次に、実質公債費比率の推移でありますが、御案内のとおり、この指標は当年度及びその直前の2カ年度の平均で示されるものであり、平成18年度の21.3%から平成20年度の23.3%と徐々に上昇し、昨年度は22.2%まで下がったところであります。また、単年度では、平成19年度の24.4%をピークに、平成21年度では20.1%まで減少していることから、平成22年度には21%程度まで減少するものと見込んでおります。
 ただ、この指標には総合病院の建設事業などに伴う企業債の償還に係る一般会計の負担分も含まれておりまして、その影響が約5ポイントとかなり大きいこともあり、なお当分の間、同様の水準で推移するものと考えております。
 次に、今後の財政運営方針について申し上げます。
 今後の財政運営につきましては、今後実施する事業とその事業量等により強く影響を受けることから、現在策定中の総合計画の後期5カ年計画によるところが大きく、今の段階で申し上げることはなかなか難しいところであり、御理解を賜りたいと思います。
 この厳しい地方財政の状況にあっては、当面は市税収入の大幅な増は見込めないものと考えておりまして、引き続き限られた財源の効率的な活用に努めていかなければならないものと考えております。
 したがいまして、総合計画の策定に当たっては、もちろん毎年の予算編成におきましても、適正な歳入見込みと事業費の見積もり並びに適切な市債管理に基づき、財政の一層の健全化と安定的な運営に努めるとともに、一方で、公共事業が地域経済に及ぼす影響が大きいことにかんがみ、引き続き適正な事業の確保に意を用いてまいりたいと考えております。
 次に、北陸新幹線を見据えた交通対策についての御質問のうち、まず、開業予定を見据えた城端線活性化対策について御質問にお答えをいたします。
 北陸新幹線の開業に伴います城端線新駅の整備につきましては、現在高岡市において北陸新幹線新高岡駅、仮称でございますが、周辺まちづくり計画に基づき、城端線新駅の利便性とともに経済性にも十分考慮し、JR西日本との協議を進められていると聞いております。
 一方、城端線新駅の設置により、城端線や氷見線の利用促進策に加えて利用しやすい運行ダイヤの検討など、ハード、ソフトの両面にわたり広く検討を進める必要があることから、現在の城端・氷見線活性化推進協議会の構成員である県、JR西日本、沿線自治体も加え、自治振興会などの地域住民やバス事業者などの方々にも御参加をいただき、今月下旬に地域公共交通連携計画の策定の協議や計画実施に係る調整を行うための協議会を開催することといたしております。
 市といたしましては、高校生などの交通弱者の方の通学・通勤への利便性を高めるとともに、利用促進に向けた取り組みを今後とも進めることで、城端線の活性化に努め、みんなで地元の足として守るという環境の醸成に努めてまいりたいと、このように考えております。
 次に、大矢四郎兵衛の全国への顕彰についての御質問にお答えいたします。
 議員が述べられたように、大矢四郎兵衛候は日本海側初の鉄道会社の社長となり、北陸で初めての鉄道を高岡・福野間で走らせるなど、鉄道建設によって砺波地方の近代化に大きく貢献された方であります。
 そのほかの功績としては、県立砺波中学の設立に携わり、教育の振興に尽くし、また、金沢から技術者を呼んで印刷所をつくり、中越新聞、現の北日本新聞でございますが、発行するなど、多方面で活躍された郷土の偉大な方であると、このように思っております。
 その功績を称えるため、生まれ育った鷹栖地区において地元の有志が中心となって銅像を建立し、顕彰いたしておりますし、市では、散居村ミュージアムや郷土資料館などにおいて、郷土の発展に尽くした偉人として広く紹介しているところであります。また、県教育委員会において近く発行する小学5年生と6年生向けの本である「ふるさととやまの人物ものがたり」の中に、富山県の偉人50人のうちの一人として紹介されております。
 この大矢四郎兵衛を全国に紹介するため、物語のドラマ化などNHKに働きかけてはという御提案でありますが、このようなことについては、民間と行政とが一体となり、運動を進めることは効果的であると考えております。その手法などについて調査する必要がありますので、まず、その雰囲気づくりの取り組みについて研究してまいりたいと、このように考えております。
 次に、駅南バスターミナルの現状と今後の課題についての御質問にお答えいたします。
 砺波駅南バスターミナルは、東海北陸自動車道の全線開通に伴いまして民間高速バスの乗り入れが順次開始されてきたところであります。民間のバスの乗り入れに際しては、従来から利用しておりました市営バス庄川線やタクシーに加え、次々に路線が開設されたことにより、乗り入れのふくそうにより、運行の支障や交通事故等が懸念をされました。
 そこで、平成19年度に屋根のついたバスシェルターやバス停の標識の整備に伴い、庁内関係課による運用調整連絡会を開催し、また、当時乗り入れの予定の民間バス3社に同連絡会の参加を求めて意見交換を行ったところであります。
 現在、駅南バスターミナルを利用して発着している便数は、市営バスを含め、平日59便、休日55便の利用があり、東京、名古屋、大阪などに向かう高速バスについては47便が運行されております。一方、利用者数は、競合する高速バス路線もあることから具体的な数は把握できませんが、週末にかけて乗車密度は高い状況と聞いております。
 今後は駅南バスターミナルを利用して高速バス運行会社やツアーバス会社並びに今年法人化されます砺波市観光協会を含めた協議の場を設けまして、安全な運行を確保するとともに、砺波市に訪れられます観光客の方々も含めた利用者の方々の利便性を高めるようにしていき、駅南の活性化を図ってまいりたいと、このように思っております。
 次に、第60回チューリップフェアについての御質問のうち、まずは「はやぶさ」展示前の市民予備知識と子どもたちに夢と希望の宇宙少年団についてお答えをいたします。
 質問にもありましたように、「はやぶさ」の展示が県内で唯一砺波市で開催できますことは、第60回記念のチューリップフェアの開催に花を添えるものであり、議員の皆様を初め、多くの皆さん方と喜びを分かち合いたい、このように思っております。
 御提案のとなみ東特別支援学校の子どもたちにも鑑賞の機会をというものですが、21日に予定している団体鑑賞に合わせて来ていただけるように既に声をかけており、団体鑑賞をいただくとの内諾を得ているところでございます。
 次に、「はやぶさ」などの日本の超高度技術の予備知識をどのように与えて見学してもらうかという質問でございますが、小中高、特別支援学校については事前に「はやぶさ」の紹介DVDを見ていただくように配布するとともに、4月22日から始まる展示についても、待ち時間中に説明パネルを見ていただき、展示物の鑑賞の前に6分程度のDVDを見ていただくことといたしております。
 また、関連事業として4月10日にJAXA、すなわち宇宙航空研究開発機構主催のタウンミーティングで出町子供歌舞伎曳山会館にて開催されることになっており、「はやぶさ」のイオンエンジン開発担当の国中教授ほか、技術参与の長谷川先生がお越しになりまして、日本の宇宙開発の現状を説明いただき、参加した市民との意見交換会が行われることとなっております。参加できる方は、高校生以上の方で200名以内と決まっており、現在3月の広報、ホームページ等で応募方法を掲載しております。日本の超高度技術に関心をお持ちの方にぜひ参加いただき、JAXAのさまざまな質問等をしていただくことが開催の目的でありますので、ふるって御応募いただければありがたい、このように思っておるところでございます。
 次に、となみ宇宙少年団を設立すればとの御提案ですが、御質問にもありましたように、日本宇宙少年団は松本零士先生や日本の宇宙飛行士の方々が役員を務められており、大変夢のある少年団であります。
 となみ宇宙少年団の設立はまことに時宜を得た提案であり、宇宙科学に興味があり、子どもに夢を与えるすばらしい活動ですが、継続して指導をくださるリーダー等の問題もあり、設立の機運が盛り上がれば、市としても支援を考えてまいりたいと、このように思っております。
 次に、オランダ大使、中国、トルコ関係者の来訪者と市内小中学生の交流についてお答えいたします。
 まず、第60回記念チューリップフェアのうち、国内外の姉妹都市、友好都市の皆様をお招きして開催する開会式の内容についてでございますが、第60回記念チューリップフェアにつきましては、国際交流都市のトルコ、オランダ、中国や姉妹都市のむかわ町を初め、フラワー都市交流などの関係都市の皆様や県及び市内外の関係者の皆様をお招きし、開幕前日の4月21日に前夜祭を開催し、関係者の交流を深めたいと考えております。
 また、翌日の4月22日は、市民感謝デーとしてさらに多くの市民の皆様も歓迎し、来賓の皆様とともに記念すべき第60回の開会式を開催し、チューリップフェアの開幕を盛大にお祝いしたいと思っております。
 次に、フェア期間に来訪されるオランダやトルコ、中国からの来訪者と小中学生の交流に関する御質問にお答えをいたします。
 チューリップフェアの招待者につきましては、今回60周年記念という記念すべきフェアであることから、外国の姉妹友好都市や駐日の大使館の関係者を数多く招待しているところであります。まだ参加、不参加の回答が出そろっていないため、市内滞在期間中の日程については決定できる段階にありませんが、せっかくの機会でもありますので、御質問のような学校訪問などにより小中学生との交流の機会を設けることができないか、検討してまいりたいと、このように思っております。
 来訪者の意向を確認するとともに、市内の滞在期間を考慮して、学校関係者と調整を図って、実施に向け検討してまいりたいと考えております。
 次に、次回から的を絞って北海道や安城ウイークを設ける企画の御提案についてお答えいたします。
 ゴールデンウイークは、議員の皆様も御承知のとおり、全国各地でさまざまなイベントが展開され、観光客の誘致合戦が繰り広げられている状況でございます。
 そうした中で、当市のチューリップフェアは、毎年約30万人を超える多くの皆様に御来場いただいておりますのは大変喜ばしいことであると、このように思っております。
 そこで、堀田議員の御提案のように、北海道や安城市など友好都市を関連づけた特徴を打ち出すことは交流の和を広げるきっかけとなる一つのアイデアであると思っております。
 交流人口の拡大につきましては、観光振興戦略プランに基づき、市民交流やコンベンション誘致の活動に力を入れていきたいと思っております。この市民交流事業の取り組みについては、新年度より新しく社団法人となる市観光協会へ委託するとともに、市も活動を支援してまいりたいと、このように考えております。
 また、今回のフェアでは、文化会館の小ホールスペースを活用して、姉妹都市や友好都市の各シンボルフラワーの展示や各都市の特徴をパネルにまとめて紹介するなど、多種多様の華やかな展示コーナーを設けたいと考えております。
 さらに、会期内の4月28日には、交流都市・富山・砺波物産フェアの日に設定し、当市と交流を深める県内外の各都市より参加いただく計画を予定いたしております。
 この日は、野外ステージの前のみんなの広場におきまして、各都市の特産品販売を行うブースを提供するとともに、野外ステージの上でのPRタイムを設けるなど、参加都市との連携を図ってまいりたいと、このように考えております。
 今ほど述べましたように、今回の交流都市・富山・砺波物産フェアの取り組みの結果を踏まえて、さらに特定の地域に的を絞った内容がふさわしいのか、関係の皆さん方の御意見を伺いながら、次年度以降のイベントの内容について検討をしてまいりたいと、このように考えております。
 次に、ボランティアポイント制の本格実施についての御質問にお答えをいたします。
 昨年7月から試行期間を経て、12月には市民の皆さんの声を参考にして方向性を検討し、本年1月から砺波市ボランティア連絡協議会で本格実施に向けて議論し、具体的な内容について確認をいたしました。
 その内容としては、1つ目には、社会福祉協議会にある砺波市ボランティアセンターに登録している個人や団体が実施しているボランティアはすべてポイントの対象とする。2つ目には、ボランティアを求めている施設や市が主催するイベントなどについても、施設や主催者がボランティアセンターに申告した場合は、ポイントの対象にする。3つ目には、地域におけるケアネット活動は、活動内容のいかんにかかわらず、すべてポイントの対象となる。4つ目には、社会福祉協議会が主催する各種講座や事業のボランティア参加は従来どおりポイントの対象とするということにいたしました。
 なお、対象ボランティアやポイント交換メニューの拡大については今後も関係の皆さん方の御意見を聞きながら、引き続き協議を行ってまいりたいと、このように思っております。
 また、これらのことを広く市民の皆さんに周知するため、卓上ミニのぼりやステッカー、チラシなどの啓発グッズを配布するとともに、変更点や砺波市ボランティアセンターの登録の仕方など、具体的な内容について各種団体の皆さんに対して説明を行ってまいります。
 また、このような準備とあわせて6月18日の午後からは文化会館多目的ホールを会場に、「レッツ!ボランティアとなみ」の本格実施に向けた大会を開催するとともに、広報7月号に特集も組みながらPRに努めてまいります。
 今後も市民と行政が協働して活力あるまちづくりを進めるため、市民総参加の事業として取り組んでまいりたいと考えておりますので、市民の皆さん方には積極的にボランティアへ参加いただけるようお願いをいたします。
 私からの答弁は以上とさせていただきまして、行財政改革についての御質問は副市長からお答えをいたします。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、行財政改革についての4つの御質問にお答えいたします。
 まず、行政改革推進委員会の専門部会の提言の実施時期と内容についてでございます。
 行政改革推進委員会の専門部会は、行政改革推進本部内の組織として、庁内の部課長を初めとする職員で構成し、改善事項を詳細に調査研究、審議を行っているものであります。今年度は行政組織と定員適正化、事務事業の整理統合、外郭団体の見直し、事務改善、この4つの専門部会を設置し、検討したところであります。
 この検討結果につきましては、先月22日に開催いたしました行政改革推進本部会議において、市の取り組み方針として決定をしたものでございます。
 各専門部会の検討結果について主な部分を申し上げますと、第1専門部会では、行政組織と定員適正化を担当し、効率的な行政運営を図る提案を行い、教育委員会の課などの再編、庄川支所の課の再編、農業委員会の窓口機能の強化などをこの4月から実施することにつなげております。
 定員適正化計画の進捗状況でございますが、定員適正化計画の後期計画を達成するため、出先機関の嘱託化、事務事業の見直し、民間への業務委託、技能労務職員の退職不補充を行い、今年度は一般会計ベースで8人の削減を実施することといたしております。
 次に、第2専門部会では、事務事業の整理統合を担当し、バスの効率的運行の具体案の検討を行い、市営バス、福祉バス、ふれあいバス及び民間バスについて、それぞれの所管課と調整いたしました見直し案をまとめ、現在、市民の御意見を伺っております。この後、砺波市地域公共交通会議に諮りまして、今年の10月から実施いたしたいと考えているところでございます。
 また、公共施設の使用料や減免規定の検討も行っておりまして、施設の基本的な使用料等についてはばらつきが見られますが、これまでの経緯、設立の趣旨もありますので、引き続き検討を行うこととし、暖冷房加算などのその他の部分において統一を図ることとしております。これについては平成23年度中の条例提案に向けて作業を進めたいと考えております。
 次に、第3専門部会では、外郭団体の見直しを担当し、公益法人制度改革に伴う整理再編を含めた検討を行っております。
 具体的には、砺波市観光協会については、この4月に法人化し、その上でフラワーランドとなみとの統合を図ることといたしております。その他の関係法人につきましても、平成24年度中までには新法人としてスタートできるよう進めていくことといたしております。
 次に、第4専門部会では事務改善を担当し、市民サービスの向上、民間でできることは民間で、費用対効果、取り組みの時期の観点から職員提案の募集を行い、前年度の18件を上回る39件の提案が寄せられ、その内容を検討したところでございます。
 その結果、速やかに実施できるもの、平成23年度に取り組むもの、平成24年度以降に取り組むものなどに分類いたしまして、それぞれの所管部署において実施時期等を具体的に判断し、進めることといたしております。
 なお、これらの検討結果につきましては、市のホームページに掲載し、市民にお知らせするとともに、進捗状況を検討してまいることといたしております。
 次に、人事評価制度に関する御質問についてお答えいたします。
 人事評価制度につきましては、職員一人一人の知識の向上と能力の開発を図り、自ら思考し、実行できる職員を育成し、その力を結集して行政サービスの向上につなげることが今日的課題となっておりますので、議員御提案のとおり、職員の意欲を向上させ、頑張っている職員を評価するシステムとして大変重要なものと考えております。
 当市では、平成19年度から評価票や評価マニュアルについて改善を行いながら、能力評価、業績評価に基づく試行を行ってきたところであります。今年度も所属長が評価や面談の際に活用できるよう日々の職員の対応や、どのように指導したかということを記録する職員指導育成記録票を導入するなど、改善を重ねております。
 そこで、今後のスケジュールなどでございますが、人事評価制度の運用につきましては、職員のモチベーションの向上につながること、公正で公平であることが大変大切である考えておりますので、評価レベルの公平性、均一化などについて、引き続き評価者を対象とする研修に取り組むなど、さらに改善することが必要と考えております。
 いずれにいたしましても、限られた職員で質の高い行政を遂行するには、職員の資質やモチベーションの向上が不可欠と考えておりますので、人事評価制度につきましては、他の自治体の状況も把握しながら、砺波市の場合には優良な成果に基づく加点方式を優先すべきなのか、職員全体の底上げを図ることを優先すべきなのかといったことも含めまして検討を行い、早期の充実に努めてまいりたいと考えております。
 議員からお話のあった岸和田市の人事評価制度でございますが、目標管理制度は既に当市も導入しておりまして、職員が定めた目標に向かって上司との面談、アドバイスを得ながら目標の達成状況を評価しております。目標を達成することで、職員のやる気や自信につながり、能力の向上にもつながっていると考えております。
 このように岸和田市と同様に目標管理、能力評価、業績評価に基づく人事評価制度を導入しておりまして、その評価結果や所属長による職員異動希望などの聴取も踏まえ、昇任・昇格や異動の人事資料といたしているところでございます。
 今後は岸和田市の評価指標の設定の内容など、他団体のすぐれているところなども研究させていただきまして、よりよい人事評価制度の構築を目指して、さらに努力してまいりたいと考えております。
 次に、訪れる市民と職員、職員同士のミニ会議室の増設についてお答えいたします。
 議員が述べられましたとおり、市民と市民との協働を実践するため、市民の意見を聞く場あるいは機会の確保は大切であると認識しております。
 市役所本庁舎の会議室等の状況について申し上げますと、大小あわせて14の会議室、相談室があり、となみ野サロンを含めますと19室となり、会議や職員間の打ち合わせ、市民との相談や打ち合わせなどに利用しております。
 なお、それぞれの部長室や各課の部屋においては、気軽に応接などができる机、いすを設け、市民を初めとする来庁者とコミュニケーションが図れるよう対応をさせているところであります。
 また、今年度には消費生活相談窓口の機能の拡充を図るために、生活環境課内を改装して消費相談等を行うスペースを拡張いたしており、さらに3階大ホール前にある喫煙場所につきましても、庁舎内禁煙化に伴い、会議室として活用することを予定いたしております。
 つきましては、このような会議室などの活用や整理の状況を御理解いただきたいと存じます。また、職員の応接態度、職員のコミュニケーションに対する意識が重要と考えておりますので、より適切な接遇につながるよう職員を指導してまいりたいと考えております。
 次に、有能な公務員や民間の退職者などをNPO法人などに組織化し、その技術力や手腕を活用することについての御質問にお答えいたします。
 近年、公務職場や民間企業で定年を迎えられた方々は、さまざまな分野で技術と経験を積み重ねられ、我が国の成長を支え、社会に貢献していただいた世代であります。また、これらの方々は少子高齢化社会が進む中で、今後とも、いきいきと御活躍いただくことが社会的にも期待されておりまして、心身ともに御健康で、地域活性化、まちづくりなどの社会貢献の視点を持ち合わせた就労意欲の高い多くの方々の活動も報道でも紹介されているところでございます。
 市の立場といたしましても、国の制度を活用し、多様な雇用確保事業やシルバー人材センターの活動支援などを行っているところでございます。
 つきましては、有能な各分野の退職者の方々で、NPO法人を組織し、市の外郭団体などへ紹介、派遣するシステムを構築すればいかがかということでございますが、当市では、多くの分野に指定管理者制度を導入しております。各指定管理者は経費節減あるいは市民サービスの効率的な提供の観点から、自らの雇用判断により、個人の資質に着目して個別に判断し、対処されているものでございます。
 また、御提案の退職者の組織化につきましては、NPO法人の設立に向け、志を同じくする方々での機運の高まりが大事であるというふうに考えておりまして、そのような状況において、必要に応じて検討してまいりたいというふうに考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(井上五三男君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 0時10分 休憩

 午後 1時00分 再開

     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)

◯議長(井上五三男君) これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 7番 今藤久之君。
  〔7番 今藤久之君 登壇〕

◯7番(今藤久之君) 発言の許可をいただきましたので、質問通告書に従い質問と若干の意見を述べさせていただきます。
 まず、大きい項目の1つ目、市立砺波総合病院と地域医療についてお尋ねいたします。
 総務省が公立病院改革ガイドラインを公表し、当該病院の果たすべき役割及び一般会計負担の考え方を明記した上で、経営の効率化、再編・ネットワーク化、経営形態の見直しという3つの視点に立った改革を一体的に推進する必要があるとしたのが平成19年12月でありました。
 これを受け、病院では、平成21年3月に市立砺波総合病院改革プランを策定したのですが、月日の移り変わりは早いもので、ちょうど2年が経過いたしました。ふだん策定に当たっては、経営効率化が3年、再編・ネットワーク化と経営形態の見直しについては5年という期限を設け、実施状況の点検、評価、公表においては、遅くとも2年後の時点で数値目標の達成が困難と認められるときはプランの全面改定を求めるといった厳しいものでありました。
 以上の理由からも、殊経営面に関しては、平成22年度、平成23年度は重要な年度となるわけです。幸いなことに、実施初年度となる平成21年度は、入院、外来収益合計が前年を上回ったことや、病院改革プランに基づき一般会計繰出金を収益的収支へ増額移行したことなどもあり、収益全体では前年度比4億円弱の増収となりました。また、ジェネリック薬品の採用や画像診断装置のフィルムレス化などの経費節減あるいは減価償却や支払利息の減少、人件費の削減などから費用面でも前年度対比4億7,000万円余りの圧縮が図られ、収益的収支では、平成16年度以来、5年ぶりの黒字決算でありました。
 さて、先ほど申し上げましたように、平成22年度、平成23年度は、総合病院の経営面では大変重要な年度となるわけですが、そこで気になるのは、平成22年度の決算状況です。平成22年度も残りわずかとなったこの時期ですので、ある程度、精度の高い決算見込みが出せるのではないかと思われます。そこで、まず、平成22年度病院事業の決算見込みについて御答弁をお願いいたします。
 次に、地域医療の取り組みについてお尋ねいたします。
 砺波医療の中核病院である市立砺波総合病院は、その規模だけではなく、専門的な能力を持つ職員や高度な医療機器が整った地域住民の医療と健康を守る、頼りになる最大のとりでと言えます。
 しかし、住民からの大きな期待にこたえるべく、総合病院も問題が全くないわけではありません。
 他の公営病院同様、臨床研修制度施行に伴う医師不足や、救急医療におけるコンビニ受診といわれる緊急性の低い軽症患者の増加、あるいは医療訴訟等々により、近年では、地域医療の中心的な役割を担うべき公的な医療機関の疲弊がやがて地域医療の崩壊へとつながっていくのではないかと社会問題となってきております。また、病院そのものも、病気の診断と治療に重点を置く病気中心の医療から、健康を守るという人を中心とした医療への転換が必要であるという意見もあるようです。
 保健予防、疾病治療、後療法、更生医療、福祉、介護を総称して地域包括医療・ケアというそうですが、実は、このことこそが現在最も必要とされているのではないかと思われます。医療機関だけが単独でそれを担うのではなく、行政、病院、地域住民が協力をして地域医療を守っていく、そんな時代であるように思われます。
 そこで、病院長に市立砺波総合病院における地域医療の取り組みや考えについて、お聞かせいただきたいと思います。
 次に、関連して地域連携推進室についてお尋ねいたします。
 平成21年10月に設置されました地域連携推進室ですが、今ほどお話しをしたように、医療は病院だけでという考え方ではもはや通用しなくなってきている現在、実に時宜をとらえたものであり、その担う役割は大変重要なものと言えます。
 高齢化が叫ばれ、団塊の世代と呼ばれている方々が、もう何年もしないうちに高齢者の仲間入りをしようとする今のうちに、救急医療を含めた安心のできる地域の医療体制を確立しておく必要があるわけです。医療、介護、保健、福祉の連携を初めとして、病院と診療所のネットワーク、近隣市との調整、市民住民に理解を求めること等々に、私もまた、大いに期待を寄せるものであります。
 過去の本会議でも質問があり、砺波市、小矢部市、南砺市の3市の関係機関に呼びかけ、砺波医療圏地域医療検討会を設立し、地域連携推進室がこの検討会の事務機能を担っていること、平成22年度では、具体的に病院と病院の連携や病院と診療所の連携のあり方について検討を行う予定であること、また、砺波医療圏のあり方について、3市の枠組みで活発な議論が行われるように地域連携推進室を機能させていきたいことなど、答弁があったところですが、この成果や現在の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
 さて、先日、新聞を読んでおりましたら、小さな囲み記事がありました。児童虐待の発見に関する記事でした。その記事によりますと、児童虐待の早期発見につなげるために、県は医療従事者を対象とした対応マニュアルを作成し、説明会を行ったこと、マニュアルでは、身体虐待で起きた外傷の診断ポイントや児童にあらわれる育児放棄の徴候などの紹介、疑われる事例発見時の通告先、あるいは児童虐待防止法においては、診察を通じて児童に接する医療機関に対して虐待の早期発見に努めるよう求めていること、また、県内では医療機関からの通告は全体の二、三%にとどまっている現状であるとのことでした。
 ちなみに、全国の児童相談所における虐待相談の処理件数は、平成11年度で1万1,631件であったものが、年々増加をし、平成20年度では4万2,664件と、10年間で約3.7倍に増えています。
 内訳としては、肉体的虐待が一番多く、次いでネグレクトと呼ばれる育児放棄、さらには心理的虐待、性的虐待へと続いています。
 この数字については氷山の一角だという人もいれば、実態を正しく反映していないという意見もあるところですが、いずれにしましても大変大きな数字であり、非常に悲しい現実であります。
 保育所、幼稚園、学校ほどではないにしろ、診療や健診等を通じて子どもと接する機会の多い病院は、児童虐待の早期発見においても大切な役割を持っております。重症、重篤な例に対応する可能性も高いと思われます。
 しかし、一方で、病院側としては児童虐待に対する判断や通告への迷い、あるいは虐待を受けた児童の家族との関係悪化への不安もあるのではないかと考えられます。
 市立砺波総合病院では、そのような事例があるのでしょうか。対応マニュアルなどは整備されているのでしょうか。児童虐待に対する病院の取り組みについてお聞かせください。
 次に、大きい項目の2点目、(仮称)高岡砺波スマートインターチェンジについてお尋ねいたします。
 本定例会初日、上田市長の施政方針並びに提案理由説明で、大変うれしい報告がありました。それは、本年1月24日、国土交通省へ、(仮称)高岡砺波スマートインターチェンジの連結許可申請を提出してあったが、その設置許可がおりたというものでありました。ようやく実質的な動きが出てきたと感じられ、非常にうれしい思いで聞いておりました。
 さて、このスマートインターチェンジは、平成18年9月に砺波市、高岡市の両市で勉強会を立ち上げ、検討を始めたところからスタートしておりますが、柳瀬地区のタウンミーティングでもありましたように、実は、高岡市の斎場建設に伴う地域振興策の一つでもあり、そのような意味合いにおきましても、早期の完成が待たれるものであります。
 そこで、確認の意味も込めまして、(仮称)高岡砺波スマートインターチェンジの簡単な経緯と進捗状況について、また、現時点での今後のスケジュールについてもお聞かせいただきたいと思います。
 次に、アクセス道路と周辺地域の整備についてお尋ねいたします。
 2月22日の砺波市議会全員協議会で配付されたスマートインターチェンジの資料を見て、まず目につくのは、主要地方道高岡庄川線からETC設置箇所までを結ぶ、(仮称)高岡砺波インター線です。この道路はスマートインターチェンジ設置に伴い新たにつくられるもので、高岡庄川線からスマートインターに向かって入ってきますと、高岡市から砺波市に入り、また高岡市に入り、最後は砺波市に入ることになっております。延長わずか約950メートルの道路でありながら、高岡市と砺波市を何度も行ったり来たりする線形となっております。
 市境であるため、また、滑らかで見通しのよい安全な道路とするためにも、このような設計になっているのだとは思いますが、短い区間で道路管理者が変わるのは不都合ではないかと思われます。例えば降雪時の除雪にしましても、完成後の維持補修にしましても、管理者をどちらかに決めておき、始点から終点までを一元管理すべきだと思いますが、いかがでしょうか。このことに関しての御答弁をお願いいたします。
 次に、周辺地域の整備についてお尋ねいたします。
 スマートインターの連結許可がおりた今、その周辺にも気を配らねばなりません。今後、予想されることは、国道359号線東バイパスと、スマートインター間における交通量の飛躍的な増加です。特にこの2点を最短距離で結ぶ市道久泉東開発線は、現在の交通量からは想像もつかない大きな変化が予想されます。
 そこで、この変化に十分こたえられるよう、この道路の危険箇所の整備や案内看板の充実が必要になってくると考えております。このことに対して、市当局はどのように考えておられるのか、その整備計画をお聞かせいただきたいと思います。
 最後に、将来的な展望についてお尋ねいたします。
 市内で2つ目となる北陸自動車道のインターチェンジ設置は、砺波市にとって大きな出来事であります。このことが本決まりになる中、これを活用した庄川左岸地域の開発と活性化についても大所高所からの展望が必要となります。
 広域交通網充実は、単にアクセスがよくなるといった利便性の向上だけにとどまらず、観光振興を初め、企業誘致や雇用の創出等の経済的効果、また、市民生活にさまざまな影響があると思われます。
 今後予定されている景観まちづくり計画との整合性も含めまして、上田市長の将来的な展望をお尋ねいたしまして、今回の質問を終えさせていただきます。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 今藤議員の(仮称)高岡砺波スマートインターチェンジについての御質問のうち、将来的な展望についての御質問にお答えをいたします。
 今ほど議員が述べられましたとおり、かねてより待ち望んでおりました連結許可がおりたとの連絡が入り、本定例議会の初日において、御報告をさせていただいたところであります。
 全国の約200カ所のスマートインターチェンジの設置予定の中で、今回は8カ所の連結許可であり、その中でも、本県の(仮称)高岡砺波スマートインターチェンジと南砺スマートインターチェンジの2カ所が許可されましたことは、議員各位と同様に大変うれしく思っているところでございます。
 さて、将来的な展望についてでありますが、このインターチェンジの供用開始により、周辺地区の柳瀬、太田、東般若などの各工業団地における工業製品等の流通並びにイメージアップにより、新規の工場誘致の促進が図られるものと考えており、産業振興の活性化につながるものと、このように考えております。
 また、近くにある富山県西部体育センターや砺波総合運動公園、砺波市温水プールなどの運動体育施設へのアクセスが向上して、また、約30万人以上が訪れるチューリップフェアなど、観光施設や庄川温泉郷への利便性の向上など、地域への活性化に大いに期待をいたしております。さらには、道路交通の円滑化と高速道路の利便性向上、緊急医療体制を初め、広域防災活動の基盤強化にもつながるものと確信をいたしております。
 また、現在策定中の散居景観まちづくり計画の素案の中で、このインターチェンジ周辺は、近隣に工場等が立地していることから、これらと連続する景観形成区域を設定し、企業誘致を進めながらも、散居景観と調和する区域として良好な景観が形成されるよう配慮していくことが肝要であると、このように思っております。
 このように、このスマートインターチェンジがもたらすさまざまな効果は、さらなる砺波市の発展と活性化に大きく寄与するものと大きな期待をいたしているところであります。
 大変重要な大型事業でございますので、スムーズに進むように、議員各位を初め、地元関係者の皆様方の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の答弁は以上とさせていただきます。その他の質問につきましては副市長並びに病院長並びに担当部局長からお答えをいたします。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 市立砺波総合病院と地域医療についての御質問のうち、地域連携室についての御質問にお答えいたします。
 初めに、地域連携推進室の業務でございますが、砺波市、南砺市、小矢部市で構成する砺波医療圏の地域医療体制の課題を明確にし、その具体的な解決策を検討する砺波医療圏地域医療検討会の事務局機能が大きな柱となっております。
 この砺波医療圏地域医療検討会のこれまでの成果の一つといたしましては、崩れかけた2次救急医療体制の再構築を図るための協議・調整を行ったことが上げられます。
 具体的には、平成21年4月、南砺中央病院が病院群輪番制から離脱し、2次救急医療体制の崩壊が大きな問題となりましたので、平成21年度は緊急的な措置といたしまして、南砺中央病院の担当となっておりました87回の輪番日を砺波総合病院、南砺市民病院、北陸中央病院の3病院で案分いたしました。平成22年度からは、この3病院で新たな案分基準を設けまして、共通認識のもとに運営を行っているところでございます。
 また、砺波医療圏の消防と4つの公立病院の救急医療の担当医などで構成する砺波地区メディカルコントロール部会では、砺波地区独自の救急搬送ルールを策定いたしまして、砺波医療圏地域医療検討会に答申する予定にいたしております。
 2つ目といたしましては、砺波医療機関の相互連携体制の調整を行ったことが上げられます。
 具体的には、砺波医療圏の病院や診療所などを含めた医療機関が相互に医療情報の共有化を図るため、砺波医療圏医療情報連携ネットワークのシステム構築に向けて電子カルテの更新など総合システムの整備について協議し、交付金の申請を行いました。このことは砺波医療圏の医療機関を相互につなげていくツールの開発に着手するものとして、将来は大きな成果につながるものと考えております。現在、砺波総合病院では電子カルテの整備等を行っております。
 また、今後は砺波医療圏急患センター、診療所、4つの公的病院の医療情報ネットワークの構築についても協議を進めてまいります。
 また、現在、検討会の委員それぞれから、10年後の砺波医療圏のあるべき姿(ビジョン)について提言をいただくことといたしておりまして、これをたたき台として、今後の砺波医療圏の将来像について協議を行うことといたしております。
 私からは、以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 病院長 杉本立甫君。
  〔病院長 杉本立甫君 登壇〕

◯病院長(杉本立甫君) 今藤議員御質問の項目1、砺波総合病院と地域医療についての中の2点についてお答えします。
 最初に、2、地域医療の取り組みについての御質問にお答えします。
 議員御指摘のとおり、2004年度に始まった新医師臨床研修制度導入後、医師の都市部への集中や専門医の偏在に拍車をかけることとなり、大学の医師派遣能力は急速に低下しました。
 大学からの医師派遣の中止に加え、長時間勤務、休日・夜間診療の増加、少ない休日、医療訴訟の増加、さまざまな業務の増加などにより疲弊した勤務医の退職も相まって、地域の特に自治体病院は深刻な医師不足を迎えており、地域基幹・中核病院などの閉鎖に追い込まれた地域では、医療の崩壊が叫ばれています。
 医学・医療の進歩と幅広い医療ニーズに対応し、限られた医療資源の中で住民が満足できる安全で質の高い医療を提供していくことには、一医療機関では既に限界を超えており、地域全体で医療提供体制を考えなければならない時代となっています。
 このような中、砺波医療圏では、救急医療について医師会や病院が協力・分担し、医療圏の1次救急と2次救急の体制確保・充実に努めてきました。また、病院と病院、病院と診療所の医療情報の共有化を図るため、砺波医療圏医療情報連携ネットワーク化構築に向けての事業が平成22年度からスタートしたところであります。
 当院におきましても、患者の紹介・逆紹介の管理はもとより、高額医療機器の共同利用、連携医療機関への診療情報の提供、開放型病床の管理、入院患者の退院支援・調整、医療連携クリニカルパスの促進、出前講座など、機能分担と連携強化の周知に努めてまいりました。
 今藤議員が述べられました行政、病院、地域住民が協力して地域医療を守っていくことの大切さは最も重要なことと認識しております。その一環として、来る4月16日、土曜日に砺波市文化会館において地域医療を考えるシンポジウムを、地域医療再生にかかわっていらっしゃいます城西大学経営学准教授伊関友伸氏の基調講演と、地域医療のあり方について、伊関先生をコーディネーターに、医師会、自治振興会協議会、連合婦人会、母親クラブ連合会の代表を交えたパネルディスカッションを企画しております。地域医療の現状を地域の皆さんと一緒に考え、話し合うことにより、お互いの役割も見えてくるものと考えています。
 今後とも、地域住民の理解と協力を得ながら、地域医療機関の機能分担と役割の明確化、連携強化を推進してまいりたいと思います。
 次に、4番の児童虐待に対する病院の取り組みについての質間にお答えします。
 日々の診療や健診を通して子育てと家庭と接点のある医療機関は、児童虐待の早期発見、対応においても重要な役割を担っています。特に複数の診療科や専門スタッフを有し、小児救急医療の重責を担う病院においては、児童虐待への迅速な判断と行動、関係機関への連携が期待されます。
 個々のスタッフが児童虐待への対応を行うに当たっては、病院が一丸となって組織として判断し、行動し、連携することがかぎとなります。
 当院の状況を見ますと、既に児童関係機関が間に入って虐待患者を受け入れたことはありますが、病院で虐待を発見したり、その疑いで関係機関へ通告したことは近年ありません。
 今後、富山県の児童虐待対応マニュアルを活用し、虐待診断チェックの強化と虐待を受けたと思われる子どもを発見した場合は、市町村児童福祉担当課や児童相談所へ通告、相談、情報提供するとともに、事件性がある場合には、これまでどおり警察署へ連絡するよう、職員に対して周知していきたいと考えています。
 私からは、以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 前野 久君。
  〔建設水道部長 前野 久君 登壇〕

◯建設水道部長(前野 久君) 私からは、大きい項目2の(仮称)高岡砺波スマートインターチェンジに関する御質問のうち、1点目と2点目についてお答えいたします。
 まず、1点目の進捗状況と今後のスケジュールについてでございますが、既に議員の皆様方御承知のとおり、昨年10月29日に第2回地区協議会が開催され、名称を(仮称)高岡砺波スマートインターチェンジにすること及び実施計画書(案)について御了解をいただいたところでございます。
 その後、これを受けまして、本年1月11日付で実施計画書を中日本高速道路株式会社並びに独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構に提出し、同月24日付で承認が得られましたので、次の手続として、同日、国土交通省へ連結許可申請を行ったものでございます。その後、本議会定例会初日に市長が施政方針の中でも申しましたとおり、3月1日付で、待ちに待った連結許可がおりたところでございます。
 この許可を持ちまして、北陸自動車道路連結部からETC料金所までの区間、いわゆるランプ部分は中日本高速道路株式会社が施工することとなり、本年4月より事業着手に入る予定だと伺っております。
 一方、アプローチとなる高岡市道(仮称)高岡砺波インター線につきましては、主要地方道高岡庄川線からETC料金所までの約950メートル区間は、高岡、砺波の両市において施工するものであり、本年1月初旬に高岡市において現地の調査測量並びに詳細設計業務等が発注されたところでございます。
 なお、このインターチェンジ事業における今後の主なスケジュールにつきましては、平成23年度に調査・測量並びに詳細設計業務を行うとともに、地元及び関係機関との協議を進め、地元の合意が得られ次第、用地買収に入る予定であり、遅くとも、平成24年度中には用地取得を完了したいと考えております。
 また、用地取得が完了した箇所より随時工事に入り、計画書では事業期間を平成27年3月31日としておりますが、できる限り、当初目標でありました平成26年3月末までの供用開始を目指すものでございます。
 そのためにも用地取得がスムーズに進みますよう、地権者を初めとする関係皆様の絶大なる御理解と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 なお、ちなみにこの事業概要につきましては、全体事業費は約25億円、全体事業用地面積は約5ヘクタール、20年後の平成42年度の推定時で、1日2,400台の交通量を見込んでいるところでございます。
 次に、2点目のアクセス道路と周辺地域の整備についてお答いたします。
 1点目でも少し述べましたが、(仮称)高岡砺波スマートインターチェンジにおけるアクセス道路として計画しておりますのは、主要地方道高岡庄川線を軸とし、高岡市戸出西部金屋地内の県道交差点から、一級河川庄川へと東側に延びている高岡市道(仮称)高岡砺波インター線であり、車道は片側3メートル幅の2車線、路肩2メートル幅の総幅員10メートルとして、連結道路を計画しております。
 また、このインター線の道路法線の計画につきましては、できる限り交通安全上に配慮するとともに、将来の有効な土地利用を図るために、できるだけ整形地の田んぼを残すようにしたものでございまして、その結果、両市の行政区域をまたぐというような線形としたものでございます。
 また、議員御指摘のとおり、事業の推進や管理につきましては、一元化は必要なことでありますので、今後、事業を進めるに当たりましては、砺波市としては区域外道路の認定の承諾を行うとともに、あわせまして供用開始後の維持管理や除雪などにつきましても、高岡市と十分協議をしながら進めてまいりたいと考えております。
 また、周辺地域の整備としては、高岡市においては、4カ所で市道整備が計画されておりますが、砺波市におきましては、南北にまたがる市道久泉東開発線を改良・整備いたします。この市道はインター線に接続しておりますので、国道359号砺波東バイパスや主要地方道坪野小矢部線からの利用が増大すると考えております。
 このことから、車両等の円滑な交通の流れはもちろんのことでございますが、農耕車や自転車、歩行者の安全確保のため、未整備区間となっております東開発地区のパナソニック砺波工場敷地の北側角より高岡市境までの約600メートルの区間を整備するものでございます。
 本年度は現地調査測量等を行っており、現在、地元関係者と協議を進めているところでございます。
 現在の道路幅員は約6メートルでございますが、改良によりまして両サイドに2.5メートルの路側帯を設けた片側車道幅3メートル、2車線の11メートル道路とするものでございます。
 なお、高速道路ボックスの拡幅はできないことから、できるだけ見通しがよくなるように、両サイドの改良に工夫を凝らすとともに、減速等の注意喚起の標識等を設置する考えでおります。
 また、今後、本格的な道路改良工事を進めるに当たりましては、インターチェンジにおける関連工事とふくそうすることが懸念されますので、地域住民の皆様や工事関係者と連絡を密にしながら十分に調整し、安全にスムーズに進めてまいりたいと考えております。
 このほか、計画では、県道を中心とする主な幹線道路にはスマートインターチェンジの案内標識を広域的に14基設置するとともに、県や関係機関と協議をし、周辺道路の歩道の確保や安全施設等の見直しを含めまして、安心・安全な道路整備に努めてまいりたいと考えております。
 私からは、以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 病院事務局長 五嶋親秀君。
  〔病院事務局長 五嶋親秀君 登壇〕

◯病院事務局長(五嶋親秀君) 私からは、項目1の市立砺波総合病院と地域医療についての平成22年度病院事業の決算見込みについての御質問にお答えさせていただきます。
 まず、病院改革プランのスタートの年であります平成21年度の決算につきましては、先の12月定例会で認定をいただいたとおり、平成16年度以来、5年ぶりの黒字決算となったところですが、議員御指摘のとおり、改革プラン経営効率化計画の期間は、平成21年度から平成23年度までの3年間ということから、殊病院の経営面に関しましては、平成22年度、平成23年度は非常に重要な年になると考えています。
 そこで、平成22年度におきましても、改革プラン経営効率化計画に基づき、各科行動計画等数値目標に対する実績につきまして、四半期ごとに点検・評価を行うなど、本年度計画の達成に向けて病院職員一体となって取り組みを継続実施しているところであります。
 本年度改革プランの1月末現在での進捗状況では、患者数目標と実績につきまして、入院1日平均患者数が、目標447人に対しまして、実績が430人、同じく外来患者数が、目標1,025人に対しまして、実績が1,043人と、特に入院患者数については記録的な猛暑の影響もあってか、夏場までの病床利用率は上昇傾向となり、秋ごろには若干下降したものの、冬場に入ってからは寒さや大雪の影響もあり、再び上昇の傾向を見せており、現在のところ、入院、外来患者数ともにほぼ計画に近い形で推移をしています。
 また、診療単価につきましても、平成22年4月からの診療報酬の10年ぶりのプラス改定という好条件も相まって、平均の入院単価数が目標では4万円に対しまして、実績が4万1,230円、同じく外来単価が目標では1万2,000円に対しまして、実績が1万2,600円と、入院・外来単価ともに順調に推移しています。
 こうした状況におきまして、1月末での収支について申し上げます。
 患者数並びに診療単価の増加に伴いまして、収益的収支では、計画に対しまして9,000万円弱の増、一方、費用につきましては、患者数増加に伴う材料費や経費の上昇割合を極力低く抑えるように努めているほか、給与費では、人事院勧告に伴う期末・勤勉手当の支給額が引き下げられたこともあり、費用の節減は順調に進んでおり、収益的費用では、計画に対しまして約3億5,000万円の減となっていることから、収益から費用を差し引いた経常収支では、計画では5,000万円余りの赤字を見込んでおりましたのに対しまして、現在では実績3億円余りの黒字と、計画を大きく上回る状況となっております。
 このようなことから、平成22年度の決算見込みといたしましては、2月、3月の経営状況につきまして、このまま計画に近い収支で推移していくと仮定いたしますと、3億円を超える黒字決算になるものと見込んでいます。
 私からは、以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 4番 島崎清孝君。
  〔4番 島崎清孝君 登壇〕

◯4番(島崎清孝君) それでは、通告に従いまして、平成23年度市政運営の施策展開に関連して、以下質問をいたします。
 初めに、平成23年度当初予算(案)と市政運営への影響についてお尋ねいたします。
 昨年度末、閣議決定をされました平成23年度一般会計予算案の総額は、前年度を上回る92兆4,116億円となり、100年に一度と言われる経済危機に対応した平成21年度の予算並びに補正予算額を引き継ぐ形での空前の規模となりました。
 しかし、大型予算にもかかわらず、俗に言うばらまき恩恵にこだわった結果、政策メニューの多様化に対応して財政が大幅に不足し、窮屈な選択を迫られたとの印象は否めません。限りあるパイの中で、改めて民主党マニフェストの正当性が問われる予算の内容であります。
 初めに、現在、予算の成立そのものが大変微妙な段階ではありますが、各自治体の予算案もこれにリンクしていることから、現段階における平成23年度政府予算案に対する上田市長の御見解をお伺いいたします。
 また、この予算案は、昨年6月に策定されました新成長戦略や財政運営戦略による経済と財政の中長期ビジョンを実現するための初年度と位置づけられておりますけれども、本市にとってこれまでの予算とどのような違いが出てくるのか、国の予算案に伴う市政運営の特徴と変化点についてお尋ねいたします。
 2点目に各自治体予算と密接に関係し、行財政運営の指針ともなる地方財政計画についてお尋ねいたします。
 今次地方財政計画では、政府の目玉政策である国庫補助金等の一括交付金化が示され、ひもつき補助金を段階的に廃止するとして、平成23年度は都道府県が、平成24年度からは市町村を対象に導入するとしております。
 この一括交付金化により、市では具体的にどのようなメリットが生まれてくるのか、また、現在、全国市長会等は必ずしもこのことに歓迎を示してはおりません。どこに課題があるのかなど、一括交付金化に対する上田市長の御見解をお尋ねいたします。
 次に、大きな項目の2点目として、平成23年度の市政運営の中の緊急課題に対する取り組みについてお尋ねいたします。
 内閣府が発表した本年2月の月例経済報告では、景気の基調判断を2カ月連続で上方修正する一方、個人消費は、これまでの「持ち直し」との表現から下方修正をしております。
 日本経済全体の需要と供給の差を示す需給ギャップは、年換算で約20兆円もあると言われており、四半期連続の需要不足が継続するなど、デフレ圧力は一向に弱まってはおりません。
 加えて、欧州諸国の財政不安や高どまりの円相場、また、中東の政治的混乱による原油価格の動向など、景気の下ぶれリスクは山積をしており、依然として厳しい状況が続いております。
 初めに、市の雇用対策についてお尋ねいたします。
 国の予算案では、求職者支援制度の創設を初め、若者向けには新卒応援ハローワークの全都道府県への設置、また、企業向けにも非正規労働者の正社員化費用の倍増や、最低賃金を計画的に引き上げる中小企業に対する助成事業など、特別枠での予算も計上されております。
 そこで、こうした新たな国の策も含め、平成23年度、市が実施する雇用対策の概要をお尋ねいたします。
 2点目に、本市の緊急雇用創出事業は、当初平成21年度から向こう3年間で、事業総額1億6,300万円、延べにして150名の新たな雇用創出を目標に進められてきております。現在の進捗状況並びに平成24年度以降の対応についてお尋ねをいたします。
 また、ふるさと雇用再生特別基金事業は継続的な雇用機会を目的に、一方、緊急雇用創出事業は、6カ月未満の短期雇用を目的として支援が進められてきております。対象者の雇用期間や期間満了後の再就職への支援の実態など、現状をお尋ねいたします。
 次に、地域経済の活性化についてお尋ねいたします。
 国の予算案では、公共事業関係費が対前年度で13.8%の削減、また、経済危機対応・地域活性化予備費等においても19%削減するなど、地方にとっては大変厳しい予算案となっております。
 そこで、地域経済の活性化につきましては、どこに力点を置き、どのように進められようとお考えなのか、平成23年度の具体的な施策をお尋ねいたします。
 次に、安全・安心の基盤強化についてお尋ねいたします。
 去る2月22日、ニュージーランド南島で発生した直下型の大地震は、県内専門学校の生徒らをも巻き込む大惨事となりました。改めて地球全体がまさに巨大地震の頻発期にあることを実感すると同時に、今回の地震で被災した語学学校が入居するビル倒壊現場の映像は、見る人に耐震補強の重要性を鮮明に訴えております。
 現在、市では重点施策として、災害時に最も重要な避難場所となる学校施設を最優先に小中学校耐震改修事業が急ピッチで進められております。そこで、現在行われております小中学校の耐震化事業は、基本的には平成27年度末100%完了を目標に進められていると存じます。現段階での見通しをお聞きいたします。
 次に、多数の人が利用する建築物、いわゆる特定建築物や公共施設についても、平成27年度末90%以上との当初目標が立てられております。そこで、平成23年度の取り組みと改修工事の見通しをお尋ねいたします。あわせて、耐震補強が必要とされる主な建物をお示しください。
 また、災害時の救援物資及び要員等の輸送に必要となるライフライン確保のための第3次緊急確保路線である新湊庄川線の雄神橋並びに砺波細入線の雄神大橋、また、第4次緊急確保路線である坪野小矢部線の砺波大橋、この3路線の橋梁補強工事の計画をお尋ねいたします。
 次に、大きな項目の3点目として、行財政改革の道筋についてお尋ねいたします。
 人口構造が変化し、景気・雇用情勢が低迷を続ける中、本市の平成23年度一般会計歳入予算案では、市税収入が対前年度当初予算比で3億1,000万円減少し、歳入全体に占める市税の構成比が前年を3.1ポイント下回る31.8%にまで低下をいたしました。
 本市の財政基盤は一段と深刻の度を深めつつあります。しかし、国に財政的援助を求めても、もはやその余裕はありません。
 自己決定・自己責任の原則のもと、既存の行政システムを抜本的に見直し、限られた行政資源を無駄なく有効に活用し、最小の経費で最大の効果を発揮するための仕組みづくりを急がねばなりません。この3月に改定されました砺波市行政改革大綱の目的は、まさにこの1点にあると存じます。
 そこで、行財政改革による平成22年度の財政効果額並びに平成23年度の目標をお尋ねいたします。
 次に、これら改革の推進エンジンとしての役割を担うのは、現在進められております行政評価制度であります。
 2点目に、平成22年度の事務事業の評価結果と財政効果など、平成23年度予算編成への活用状況をお尋ねいたします。
 3点目に、現在、市のホームベージ上には、平成21年度の事務事業に対する評価の結果が、339あるすべて事業を評価対象に総合計画の5つの基本方針ごとに分類し、掲載されております。大変膨大な資料であり、これをまとめられた職員の皆様には大いに評価をいたしますけれども、内容的にはさらなる改善が必要かと存じます。
 1つには、確かに公表はされておりますけれども、成果指標や活動指標など、数値化された記載がなく、第三者には、各事業の目標や達成度が見えません。上司の評価やワーキンググループによる2次評価など、事業評価の視点についてお尋ねをいたします。
 また、平成21年度の評価結果では、全体で45の事業を対象に拡大や縮小など改善を要するとの判断が下されております。しかし、我々には最終どうなったのか、よくわかりません。市民が注目を寄せ、最も知りたいのはこうした部分のタイムリーな情報発信ではないでしょうか。目的である行政活動の透明性、市民への説明責任、市民と行政との協働の推進といった、こういう視点からも絶対に外してはならない重要なポイントだと存じます。
 事業の廃止・休止も含め、こうした対象事業こそ市民によりわかりやすい形でビフォー・アフターにまとめ上げ、後日、ホームページ上に公表し、結果に対する市民の評価を求める姿勢が必要かと存じます。当局のご見解をお尋ねいたします。
 質問の最後に、行政改革に関係して事業仕分けについてお尋ねいたします。
 一昨年の政権交代後、国において実施された事業仕分けは、白熱した議論の様子がマスコミを通じて大々的に報道されたことなどから、行政の無駄を見直す手法として、行政改革の切り札として広く国民にも認知され、期待を集めると同時に、現在では、全国の自治体にも急速に波及をしております。
 最大の特徴は、専門家や他の自治体職員など外部の第三者委員を選任し、市民も傍聴する公開の場での議論をするという点にあります。期待される効果としては、第三者委員の選任によるしがらみのない評価と、公開による市民世論を受けながらの公明正大な評価が行えること、また、事業に対しては、行政が実施する必要があるのか、あるいは市民や民間にゆだねたほうが適当なのか、こうした議論を重ねることによって、公共サービスの新たな担い手の創出にもつながること、また、市民にとっては公共の場で所管する部署が直接事業内容を説明し、仕分け人とのやりとりを聞く中から、事業の具体的な内容がよく理解できると同時に、税金の使われ方等を知る上でも絶好の機会になること、また、職員や組織にとっても事業の必要性、目的、効果等について繰り返し検証する中から意識改革が生まれ、根づいてくること、等々が上げられます。
 一方で、十分な説明や理解がないままに短絡的に判断が下されやすいという指摘もありますけれども、仕分け作業の結果はあくまでも参考材料であり、拘束力はないとしております。したがって、最終的にはその材料をどう料理するかというのは、首長、議会の責任だとしております。
 以上のことから、この事業仕分け方式は、今回改正された砺波市行政改革大綱の趣旨にも十分マッチし、大きな成果が期待できるものと存じます。ぜひ本市においても事業仕分け方式の導入を提案したいと存じます。事業仕分けの実施について、当局の御見解をお尋ねして、私からの質問を終わります。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 島崎議員の平成23年度政府当初予算案と市政運営への影響について及び緊急課題への取り組みについてのうち、地域経済の活性化についての御質問にお答えをいたします。
 初めに、平成23年度政府当初予算案と市政運営への影響についての御質問にお答えいたします。
 まず、平成23年度政府予算案に対する私の所見についてお尋ねでございます。御案内のとおり、平成23年度政府予算案のうち、歳入予算につきましては、租税収入等で約3兆5,000億円、9.4%の伸びを見込む一方、いわゆる埋蔵金が減少し、予算額はほぼ前年度並みの92兆4,000億円余となっております。また、国の借金に当たる公債費につきましても、44兆2,000億円余と47.9%を占めておりますが、わずかながら前年度を下回っております。
 また、歳出予算におきましては、少子高齢化を背景に、社会保障関係費が1兆4,000億円余、5.3%の増、また、国債費が9,000億円、4.4%の増と、この2つが突出して伸びている中で、その他の経費につきましては、軒並み前年度を下回っております。
 このような状況を考えますと、引き続き社会保障関係費と借金の返済に充てる国債費が大きく伸びる一方で、新たな借り入れによる公債費収入を抑制し、予算総額の拡張を抑えた大変窮屈な予算案になっているものと考えており、今後の国の財政運営について大いに心配をいたしているところであります。
 次に、国の新年度予算案に伴う市政運営の特徴と変化した点について申し上げます。
 国においては、新年度予算編成に当たり、新成長戦略を着実に推進することとし、成長と雇用の拡大等を目標に、子育て支援、雇用対策などの重要な政策に取り組むこととしており、当市の新年度予算編成に当たりましても、国の施策に呼応し、子ども手当や緊急雇用対策等を充実したほか、子ども医療給付事業や不妊治療助成事業、予防接種事業等の拡充を図ったところであります。
 また、財政運営戦略により、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額については、平成23年度以降の3年間は実質的に平成22年度の水準を下回らないように確保するとされたことから、地方財政計画における地方交付税の総額は約4,800億円増とされたところであり、当市におきましても、市税収入が大変厳しい状況の中で、地方交付税の増額を見込んだところであります。
 次の国庫補助金等の一括交付金についての御質問でありますが、議員御発言のとおり、都道府県向けの投資的な補助金の一部については平成23年度から、また、市町村分については平成24年度から実施されることになっております。
 現時点では、制度の詳細は判然としておりませんが、国により使途が限定されている従来の補助金に比べ、地方の自由度を拡大することが一つの前進であると考えております。
 ただ、制度の導入に当たっては、対象となる事業に係る要件等については必要最小限にとどめることや、地方の自由裁量の拡大に寄与しない、義務的な補助金は対象としないこと、また、現行の補助金総額を縮減しないことなど、多くの課題があるものと認識をしておりまして、地方自治体の意見を十分反映して制度設計をされるよう、引き続き市長会等を通じて要請をしてまいりたいと、このように思っております。
 次に、緊急課題への取り組みについてのうち、地域経済の活性化について御質問にお答えをいたします。
 議員の御質問にありましたとおり、国の平成23年度当初予算案における公共事業関係費は7,987億円、13.8%の減となっており、また、経済危機対応・地域活性化予備費につきましても1,900億円と、19%の減となっております。
 確かにこれは地方にとって大変厳しい予算案となっているわけでございまして、御案内のとおり、少子高齢化などに伴い社会保障関係費が1兆4,393億円、5.3%の大幅な増となっていることが一つの大きな要因であると考えております。
 そこで、平成23年度の当市予算編成における地域経済の活性化施策等について申し上げます。
 地域経済の活性化に係る施策につきましては、ソフト事業も含め、いろいろな形の施策があると考えますが、その最も端的な指標といたしまして、投資的経費について申し上げます。
 当市の新年度予算における投資的経費の総額は、対前年度で4億8,000万円余、31.8%増の19億9,500万円余と比較的大きな増となっております。これは、平成23年度には、特に小中学校の耐震化の促進に努めることとし、現在、施工中の砺波北部小学校の耐震改修事業に加えて、出町中学校の耐震改修事業の実施設計並びに新たに庄川小学校の耐震改修事業の基本設計に着手するほか、散居村展望スポット整備や高道団地、鷹栖小学校放課後児童クラブ施設などの増改築事業等を計上するとともに、継続事業であります土地区画整理事業や国営附帯県営農地防災事業、さらには土地改良総合整備事業などの事業費の増に対し、積極的に対応したことによるものであります。
 また、下水道事業の工事費の確保のため、繰出金5,000万円を増額したところでもあり、水道事業におきましても、安川配水場の改修に続き、中野配水場の改修に向けての実施設計に着手することとしております。
 市といたしましては、依然厳しい財政状況の中ではありますが、持続可能な中・長期的な計画に基づき、市民生活の安全・安心の確保のため、真に必要な公共事業につきまして、今後とも、その財源確保も含め積極的に対応していくことで、引き続き地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。
 私の答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては副市長並びに担当部長からお答えをいたします。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、行財政改革の道筋についての5項目の御質問にお答えいたします。
 まず、議員も触れられました新たな砺波市行政改革大綱について、その概要を御説明させていただきます。
 今回の大綱は、現行の大綱が今年度末で終了することから、向こう5年間のものとして策定したものでございます。背景といたしましては、国・地方を取り巻く財政状況の不透明さ、少子高齢化など社会構造の変化に伴う行政ニーズの変容など、地方の状況が大きく変化しておりまして、当市の行財政基盤の強化が求められることから、引き続き行政改革の推進を図っていかなければならないことがございます。
 新たな大綱の指針といたしましては、持続可能な行財政基盤を確立するため、地域住民がまちづくりに参画し、市民の視点に立った質の高い市政を推進することを掲げ、市民との協働を重視した魅力あるまちづくりを進めるものとしております。
 また、基本的な視点といたしましては、市民の視点に立った行政の推進、時代の変化に対応した簡素で効率的な行政の推進、コスト意識や経営感覚を持った行政運営の確立、この3つを掲げております。
 まず、市民の視点に立った行政の推進につきましては、市民が施策の形成に参画する仕組みづくりを進め、これに対応するため、市民への説明責任を推進することといたしておりまして、市民との協働、ボランティアの広がりを打ち出しております。
 次に、時代の変化に対応した簡素で効率的な行政の推進につきましては、財源の確保や住民ニーズの多様化という中で、限られた行財政資源を有効に使うために効率的で簡素な行政を打ち出しております。
 3つ目のコスト意識や経営感覚を持った行政運営の確立につきましては、市民と行政の適切な役割分担に基づく事業の重点化や質的充実を図り、将来に過大な負担をかけることのない行財政の確立を目指すものとしており、このため、コスト、成果主義を求め、また、そのスピード感を打ち出しております。
 つきましては、議員も御指摘いただきましたような行政システムの見直し、行政資源の有効活用、最小の経費で最大の効果を発揮、こういったことに取り組んでまいることとしております。
 そこで、御質問の1点目、行政改革による平成22年度の財政効果と平成23年度の計画についてお答えをいたします。
 行政改革による財政効果につきましては、行政改革は、効率化を図りながら一層の成果を得られるよう事務事業の実施方法を見直すことや、時代に合わない制度を廃止し、適合した精度を構築することなど、財政支出の削減効果だけでははかれない側面もございます。
 その上で、平成22年度における具体的な削減効果について申し上げますと、病院事業を除く人員削減では約6,300万円、管理職手当の削減で約120万円、各種補助金の削減で約120万円、契約方法の見直しなどによる削減として約1,660万円を見込んでおります。
 次に、平成23年度の計画についてでございますが、新たな大綱を指針といたしまして、各部署からの積み上げを踏まえた実施計画を策定いたしまして、進めてまいる予定でございます。
 現状での具体例を挙げますと、市営バスの利便性向上に向けた制度の見直し、国民健康保険被保険者証などのカード化、上水道における地理情報システムの有効活用化、税の滞納管理システムの導入などを考えております。
 次に、御質問の2点目の平成22年度の事務事業評価と平成23年度予算編成への活用についてお答えをいたします。
 まず、当市の事務事業評価につきましては、限られた財源・人材の有効活用、効率的な行政運営の実現、市民の意識改革、行政の説明責任の徹底、行政の透明性の向上、これを目的として平成20年度に試行し、平成21年度には事務事業を所管する所属長による評価を実施したところでございます。また、今年度においては、所管所属長段階での評価について、所管外の部課長で構成するワーキンググループによる2次評価を加え、より客観性を高めたものにしております。
 このような中で、最終的に改善を要する、廃止などと判断された49項目につきましては所管課にフィードバックし、その改善策等について検証を求めたものでございまして、これらの過程すべてについて、ホームページ上で市民に公開しております。
 なお、この事務事業評価の活用につきましては、総合計画の実施計画や予算編成時の資料として活用いたしておりまして、平成23年度に向けてはバス運行の見直し、観光協会の拡充など、事務事業評価の内容を踏まえながら総合的に進めているものであります。
 次に、御質問の3点目、事務事業評価の視点についてと、4点目、事務事業評価結果の公表について、あわせてお答えをいたします。
 まず、事務事業評価の視点につきましては、必要性、優先性、妥当性、成果の4項目と、あわせまして、総合評価の5項目について、それぞれ評点を設けているものでございます。
 そこで、議員の御指摘では、数値、目標の達成度、評価の視点、評価のコメントなどにおいて、数値化が不十分であったり、表現が抽象的であるとのことでございますが、福祉、安全・安心、産業、教育など、市が行う事務事業の多くが目標や達成度などを数値化することになじまない場合がありますが、さらに改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
 また、2次評価のコメントに強い思いが伝わってこないという点につきましては、行政活動の透明性、市民への説明責任の推進の視点からも、評価の結果をいかに公表するかは重要な要素であると認識いたしておりますので、検証内容の表記方法について、今後とも、改善してまいりたいと考えております。
 なお、このような中で、多くの職員が事務事業の客観的な評価に携わることで、新たな創意工夫を行いながら事業に取り組む姿勢など、意識改革が生まれているものと認識しておりますし、より多くの事務事業の評価をよりわかりやすく市民の皆さんに公表することで、市政の透明性を高めたまちづくりが実現できるものと考えておりますので、今後とも、評価手法を充実いたしまして、多くの市民の皆さんから結果についての御意見をちょうだいいたしたいと考えております。
 最後に、5点目の事業仕分け方式の導入についてお答えいたします。
 いわゆる事業仕分けは、特に一昨年の政権交代後において国で実施され、マスコミを通じて報道されたことから、注目を集めているものであります。
 しかしながら、議員の御発言にもございますとおり、事業仕分けは、事業が実施された過去の経緯や将来の必要性などについて十分に議論を尽くす時間もないまま、外部の仕分け人によって、主に財政的な判断から廃止や縮小といった決定が下されるなど、その手法に疑問や多くの異論が上げられていることも御存じのとおりであります。
 確かに事業仕分けは公開の場での議論となり、これまではさまざまなしがらみから変えられなかった事業を見直すことができる手法とはなるかとは思いますが、事業制度や施設設置の経緯、長年積み上げてきた工夫や努力、外部評価者と市民意識のずれ、さらには多額の費用などを考えますと、現時点における実施には十分な検討が必要であると考えております。
 つきましては、事業仕分け以前に、先ほども述べましたような事務事業評価をより効果的なものとしたり、外部知識経験者などで構成する行政改革委員会の機能を利用することなどにより、事業仕分けにかわる効果を生み出すよう努めてまいりたいと存じておりますので、御理解を賜りますようお願いいたします。
 私からは、以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 小幡和日出君。
  〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕

◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、2の緊急課題への取り組みについてのうち、雇用対策について申し上げます。
 平成23年度において当市が実施いたします雇用対策につきましては、国の緊急雇用創出事業の継続実施のほか、地元高校生を対象とした就労体験事業や県の委託訓練を実施する企業に対し、上乗せ助成を行う職業訓練支援事業などに取り組むことといたしております。
 なお、県の委託訓練につきましては、企業の訓練先の確保がなされているものの、ハローワークへの申し込みが少ないことから、求職者ニーズに沿った内容となるよう要望しているところであります。
 次に、緊急雇用創出事業の進捗状況でありますが、平成21年度から平成22年度の実績見込みも含めた2カ年の事業費合計は約1億5,500万円で、雇用人数は延べにして163名となっております。
 なお、国の緊急総合経済対策による事業の拡充に伴い、積極的に事業に取り組むことから、平成21年度から平成23年度までの3カ年の全体事業費につきましては、当初1億6,300万円から1億円増の2億6,300万円で、全体の雇用人数も当初の150名から233名に増加することになるものと思われます。
 また、平成24年度以降につきましては、国及び県が指定した重点分野、重点分野とは、産業振興、健康福祉、地域づくりなどでありますが、平成23年度中に雇用を開始し、雇用期間の終期が平成24年度までとなる事業についてのみ延長が認められているところであり、それ以外につきましては、平成23年度で終了することとなっております。
 今後につきましては、国、県の施策の動向を見ながら検討してまいりたいと考えております。
 雇用期間満了後の実態につきましては、現在まで再度ハローワークに求職される方が大部分と聞いております。本年度から開始した地域人材育成事業につきましては、雇用に結びつける事業として取り組んでおり、平成23年度においても積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 また、再就職における市の支援といたしましては、委託先における継続雇用の依頼のほか、ハローワークとなみの求人開拓員との情報交換や市内企業への訪問を行うなど、求人数の確保に向けた取り組みを積極的に行ってまいりたいと考えております。
 私からは、以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 前野 久君。
  〔建設水道部長 前野 久君 登壇〕

◯建設水道部長(前野 久君) 私からは、2項目めの緊急課題の取り組みについてのうち、3番目の安全・安心の基盤強化についてお答えをいたします。
 議員が述べられましたとおり、小中学校の耐震化事業につきましては、平成20年3月に策定いたしました砺波市耐震改修促進計画に基づき、平成27年度末の完了を目標に進めております。
 現段階の見通しといたしましては、棟数で算出いたしました耐震化率は現在74.6%でありますが、工事中の砺波北部小学校が完了する平成23年度末には77.6%となります。
 また、今後、後期総合計画に位置づけるということになりますけれども、現在、基本設計中の出町中学校の完了時には85.1%、そして、平成23年度基本設計予定の庄川小学校完了時には92.5%、残る庄南小学校、庄東小学校の完了をもって100%となるものでございます。
 財政状況が非常に厳しいところではありますが、将来を担う子どもたちの安全・安心な教育環境の確保と、災害時の緊急避難場所となる学校施設の耐震化をまずは最優先として必要な事業費を確保し、目標どおり平成27年度末の完了を目指すものでございます。
 次に、平成23年度の特定建築物や公共施設の耐震補強の取り組みと改修工事の見通しについてお答えをいたします。
 耐震改修促進計画では、一定規模以上で多数の者が利用する特定建築物は、市の所有と民間を合わせまして146施設となっております。この特定建築物の中で、先ほど申し上げましたように、住民の避難場所として使用される学校施設を重点的に耐震改修事業を進めてきたところであり、平成23年度では、午前中、市長が申し上げましたように、北部小学校、出町中学校、庄川小学校の耐震改修関係事業を実施いたします。
 今後、耐震補強が必要とされる主な建物につきましては、建築基準法が改正されました昭和56年6月以前に建築されました建物が主なものとなりますが、市の所有施設では保育所や幼稚園、市役所庁舎などでございます。これにつきましては財政的な面から小中学校の耐震化のめどがついた段階で順次耐震化を計画していく予定としておりますので、今のところ平成27年度末の目標数値の達成は厳しいものと考えております。
 次に、災害時の緊急確保路線となる県道の橋梁補強等の御質問にお答えをいたします。
 県では、管理する緊急確保路線にある橋梁について実態を調査し、計画的に耐震補強工事が進められてきております。
 御質問の市内の3つの橋梁につきましては、県に確認いたしましたところ、新湊庄川線の雄神橋は平成21年度に、砺波細入線の雄神大橋は平成20年度に、坪野小矢部線の砺波大橋は平成5年度に、それぞれ落橋防止装置の設置工事が実施され、耐震補強工事が完了しているとのことでございました。
 また、通常の維持管理における橋梁補修等につきましては、定期的に施設の点検を行い、必要に応じて補修工事が行われており、今後も管理者として適切な維持管理に努めてもらえるものと思っております。
 私からは、以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 9番 岡本晃一君。
  〔9番 岡本晃一君 登壇〕

◯9番(岡本晃一君) 私は、砺波市の一般競争入札制度について質問と提案をしたいと考えています。
 今から20年くらい前のバブル期に、国を初め、県、市町村の建設工事に談合や天の声とかが横行し、大手建設会社、大手橋梁会社等の担当者、役員がたくさん逮捕されました。
 その当時の小ばなしに、あの世で天国の代表者と地獄の代表者が話し合って、お互いに交流を持とうと、それぞれ半分ずつ受け持って天国から地獄まで橋をかけることになった。しばらくして地獄のほうはほとんど完成したが、天国のほうはほとんどできていない。どうなっているのかと問い詰めると、申しわけありません、最近、天国に建設関係の人が全然来られなくなったのでというものです。
 民主党の「コンクリートから人へ」のスローガンのように、公共事業をあたかも悪者のように言われておりますが、私は決してそうは思っていません。公共の建物、道路、橋、空港などのインフラ整備により、我々は楽しい友好の場を持ったり、過ごしたり、安らぎや憩いの場を持ち、また、一たび災害に見舞われたときは、避難場所にもなります。道路や橋のおかげで快適な生活を送ることができ、経済的な発展に貢献していることは言うまでもありません。
 しかし、砺波市民の一部の人は談合があるのではないかと思っておられます。談合はありませんと口で言ってもなかなか納得してもらえないと考えています。それは、市民がその工事により不都合や被害をこうむることがあるからだと考えます。
 阪神・淡路大地震のとき、高速道路が崩れ、鉄筋が不足していたり、手抜き工事が見つかったりしました。そのようなことのないように、管理監督者にしっかり管理をしてもらわねばなりません。
 昔に比べ、今は公共工事が大変少なくなっています。それに対して業者の数はあまり減っていない現状にあります。零細な業者ばかりだと、工事の納期面、品質面、価格面で不安があります。
 1、工事の実施業者は、ある程度の規模以上を求めたほうがいいと考えています。今後、ある一定規模の業者しか応札できないとするほうがいいのではないかと考えています。規模の小さい業者は幾つかの業者と連携やジョイント・ベンチャーを組んで応札する。将来、合併などにより規模拡大を計ってもらう。いつまでも小さいままだと、仕入れ材料の価格についても販売店の言い値での仕入れになり、仕入れ単価の低下につながらない。規模拡大を図り、価格交渉力のアップを図るべきだと考えています。従業員もある程度の人数があれば、いろいろなサービスが提供でき、企業のイメージもよくなると思います。
 市当局は、いつまでも旧態依然の入札方法でなく、健全な業者の育成という目的を持って入札業務を行い、足腰のしっかりした業者の育成を図るべきだと考えます。
 2、工事の完成結果を重視し、納期遅れ、工事成績、品質の悪いものを出した業者には指名停止処分にし、まじめで優秀な業者を選別する。このことにより、業者は入札工事を真摯に取り組むようになると思います。
 3、管理監督者も同様で、その工事で工事成績が悪い場合は指名停止処分にする。よく市民の方より耳にするのは、あのような悪い工事をしておきながら、また市の別の工事を受注している。管理監督者は膨大な管理監督料をもらっておきながら、一体何を監督していたのか。砺波市と癒着があるのではないかというものです。このような疑いを払拭する意味でも実行してもらいたいと考えています。
 規模においても、実力においても立派な土木建設会社が砺波市内に多く誕生し、市外、県外へと事業拡大していってもらいたい。このようなしっかりした業者こそ、今年の豪雪でも除雪で力を発揮してもらい、市民の期待にこたえてくれるものと思います。
 多くの工事実績やノウハウの蓄積した、しっかりした業著の適正な競争を促し、生産性を高める。競争が生まれれば、その結果、生産性も高まる。そして、コスト低減につながると考えています。
 民間企業では、悪いものを出せば、次に仕事がもらえない、当たり前のことです。民間の常識と役所の常識に乖離があります。いつまでもこのようなことを続けていくのでしょうか。ぜひ私の提案を実行してもらいたい。できないとすれば、何がネックなのか、上田市長にお伺いします。しかし、市民の疑念は永久に晴れないのではないでしょうか。
 以上で質問を終わります。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 岡本議員の入札方式の改善についての御質問にお答えいたします。
 初めに、入札業者はある程度の規模以上の者にすべきではいかとの御提案でございます。砺波市では、砺波市請負工事等指名業者選定基準に基づきまして、国や県が審査いたしました経営事項審査の評点に、過去の工事成績の評点と地域・社会貢献の評点を加算した点数を砺波市の総合評点として定めております。この総合評点に基づきまして、工種ごとに業者を格づけし、公表いたしております。
 そこで、請負工事などの発注に当たりましては、発注の基準となる設計金額と工種に応じ、同一の格づけをされた業者の中から、透明性、公平性、競争性を高めるため、条件つき一般競争入札方式を基本に発注いたしております。
 また、原則として設計金額が500万円未満の小規模な請負工事などにつきましては指名競争入札とし、これも指名業者選定基準に基づきまして、過去の工事成績や技術者数、機械装備の状況、地理的条件などを総合的に判断いたしまして、入札参加者を指名しているところでございます。
 地域経済の担い手でもある建設工事等の事業者の育成は、その規模の大小にかかわらず、市の重要な仕事であり、引き続き工種と規模に応じた公正かつ適正な発注に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。
 次に、工事成績の悪い業者は指名停止にすべきとの御提案でございますが、市では、これまでも工事成績につきましては重視しておりまして、施工中における監督員の指示や完成時の検査員の指導等により、その品質の確保に努めております。
 また、工事成績の評点が基準の点数を満たさないことで、指導を受けたにもかかわらず、連続して基準未満の評点を受けるなど対応が不誠実であった場合などには、これも指名業者選定基準の規定に基づきまして、指名しないこととしていたおります。
 次に、工事成績を現場の監理業者にも反映させるべきとの御提案につきましては、今のところ、建設工事の成績は工事監理者に反映させていない状況にございますが、現在、業務委託についての適正な成績評定について試行的に取り組んでいるところでございます。また、業務委託契約約款の定めるところでは、契約に反し目的を達成できない場合には契約を解除できることとなっております。
 市では、低入札価格調査制度などによりまして、作業品質の低下などが懸念されるような過度のダンピング防止対策の充実を図るなど、良質な公共工事の確保に努めるとともに、市内業者への優先発注など、地元企業の育成を図ることで、引き続き地域経済の活性化に努めてまいりたいと考えているところでございます。御理解を賜りたいと存じます。
 以上でございます。

◯議長(井上五三男君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 2時45分 休憩

 午後 3時00分 再開

◯議長(井上五三男君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 14番 嶋村信之君。
  〔14番 嶋村信之君 登壇〕

◯14番(嶋村信之君) 通告に基づき、市営一般について提案並びに質問します。
 現国会で、衆議院本会議で新年度予算案が歳入面で裏づける特定公債法案、税制改正法案等とを切り離して強行採決され、参議院予算委員会で審議している異常な要素を示し、その上、外国人からの違法献金で外務大臣が辞任、さらに、専業主婦年金問題が急浮上、まさに先行きが不透明さを増し、国民が大変迷惑をしています。しかし、地方自治体は待ったなしの日々市民サービスに努めなければなりません。
 さて、市長の平成23年度における市政運営の基本方針及び諸議案の提案理由説明要旨を拝聴いたしました。
 まず、市役所とは市民のために役に立つところであり、いざというときに市民にサービスを提供し、保障することが使命であり、責務であると理解しております。
 そこで、以下のことについて市長にお尋ねいたします。
 1、総合計画における予算の位置づけ、2、将来にわたる政策等のコスト計算、3、今後の定員管理及び給与の適正化に向けた取り組み及び退職者の推移、4、特例公債法案が成立しない場合の影響、5、事業仕分けの取り組みについて、6、就任以来、市民1人1ボランティアを提唱されておりますが、徐々に市民の中に浸透していることを実感します。逆に、市民から、市職員のボランティア活動がよく見えないと仄聞します。故事に「まず、隗より始めよ」とありますが、職員のボランティア活動の実施及び推進について。
 次に、人と心を育むまちづくりについてお尋ねいたします。
 1点目、本市の目指す教育について。本年4月から、小学校において教育基本法や学校教育法の改正を踏まえ、生きる力を育むという学習指導要領の理念を実現するため、教育内容を大幅に増やす新学習指導要領が全面実施されます。教科書を見ると、時間数が大きく増えるのは算数と理科で、音楽や図工の時間は変わりません。
 2009年、経済協力開発機構は、56カ国地域で参加し実施された第4回国際学力達成状況調査(PISA)結果が昨年12月、公表。日本では、数学的応用力、読解力、科学的応用力については高校1年生を対象に調査しましたが、上位にはアジア諸国が並び、我が国は学力低下に歯どめとのことでした。
 2003年、第2回PISAで順位を大きく後退した我が国でしたが、文科省は、読解力などの先の力を育てようと、国語、数学、理科を強化策に講じてきた結果であると解説しております。
 2007年から実施された全国学力調査は小学校6年生が対象ですが、PISAと類似した問題で、日常生活に求められる、主に思考・判断力をはかろうとするものであります。
 市内の小学校だよりの中で、校長さんは、テスト問題は時間内に解けなくても、算数では、箱を積んだり、壊したりして考えることが好きな子になってほしい。十分に粘り、遊ぶ経験を積んで、いつかはノーベル賞をとってほしいと思います。また、欧米の成熟した社会とアジアの発展社会、我が国が目指している社会がどんなのか、私にわかりませんが、小学校時代とは子どもの基盤づくりですから、思考、判断力と創作力には同じ力を入れて、いきいきとした同じ子に育てていきたいと述べております。
 また、論語の「学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆うし」と引用され、生きていく上での力とするには、学ぶ、思うとは別にもう一つが必要であると考えています。それは、あらわすということであります。今の無縁社会は周りに助けを呼べず、孤立する人も増えているそうです。口外できない事情があるにせよ、助けてと叫べない、生きていけない人もいる昨今であります。大人もそうですから、子どもの社会も似たもの、感情を表しするのあらわすです。学ぶことは大切であるが、思うとあらわすことが今求められている。わからないことはたくさんありますが、けれども子どもたちが仲よく遊び、気張って勉強する環境が本校にあり、そうした小学校の近くにいる私だからこそ聞いたことと思いますと述べております。私は、このような校長さんのもと、子どもたちが学習活動に励むことができることに大変すばらしく共感し、今回、一文を紹介させていただきました。教育長は豊富な教職経験をお持ちなので、ぜひ教育長の目指す社会像、未来像について御高見を賜りたいと思います。
 2点目、先月23日、県市町村教育長会議が開催され、その折、学力向上対策では、県教育委員会独自に学力診断活用問題を作成し、児童生徒の活用に関する力を高めるとともに、全国学力テストの結果を活用する事業を展開すると伺いましたが、教育長の考えをお聞かせください。
 3点目、教育行政のスクール・ニューディールについて伺います。
 昨年4月、政府は、経済危機対策としてスクール・ニューディール構想を提唱いたしました。これは、21世紀の学校にふさわしい教育環境の抜本的な充実を図るために、学校耐震化、電子黒板、太陽光発電の導入、ICT化、中学校武道場の整備、理科教育設備の整備が地域経済への波及効果をもたらし、地域の活性化にも資するというものであります。
 また、学校建物の改修の際には二重サッシや断熱ガラス、断熱材、節水型トイレ、省エネ機器の導入、また、校庭の芝生化、ビオトープの設置などを推奨しております。また、それらに対する予算は、政府としては今後も計上することを予定いたしております。
 また、文科省は、こうした学校のニューディールを推進するために、経済産業省、環境省との連携を図り、財政上の観点からも自治体負担軽減をサポートする体制を整えております。
 そこで、学校施設への太陽光発電導入や学校施設の校庭の芝生化がヒートアイランドを緩和させ、また、子どもたちが安心して遊べる教育環境改善にもつながります。さらに、情操教育にも役立つとの声が芝生化設置を進めている自治体から寄せられております。学校校庭の芝生化の取り組みについて、教育長の方針を伺います。
 4点目、子どもの医療費助成の拡大について。
 本市における子育て支援策は、子どもへの医療費助成の無料化制度の年齢拡大については、通院費は平成20年10月から、就学前から小学校3年生まで、また、入院費は小学校6年生まで拡充されてまいりました。医療・福祉・介護等で財政が厳しい中、本年10月から入・通院とも小学校6年生まで医療費無料化が拡大されることは、子育て支援から前進であります。
 しかし、少子高齢化が加速化を増している今日、子どもたちは我が砺波市の将来を担う大切な宝であります。したがって、最優先課題でもあります。
 他市では、通院・入院とも中学3年生まで対象にしていることをあえて取り上げましたが、本市の未来を担う大切な大切な子どもたちです。本市のさらに子育て支援策の強化、充実のために、今後、年齢を引き上げる必要があります。今後の市長の方針についてお答えをください。
 5点目、放課後児童クラブの開所時間の延長について。
 平日の午後6時までの終了時間の延長を求める保護者の意見が多く寄せられております。保護者が実際に勤務を終えて6時に迎えに行くことは現実的に困難な状況であります。
 全国的に見ても、午後6時までに終了するクラブが減り、午後6時を超えて開設するクラブも年々増加していることから、国も新年度より、ようやく開設時間延長推進のため、国の補助が通常の運営費補助に加え、延長時間に応じて加算。特に小1の壁の解消に向け、開設時間の延長のさらなる促進を図るため、補助単価の引き上げを予定しておりますが、当市の対応についてお答えください。
 6点目、安心こども基金の積み増し・延長について。
 社会全体で子育てを支える社会を実現するとともに、就労しながら子育てしたい家庭を支えるため、待機児童ゼロ等を目指す子ども・子育てビジョンの達成に必要な取り組みを促進し、保育サービスなどの基盤を図るために、安心こども基金について積み増すとともに、実施期限を平成23年度末まで延長。
 なお、保育所の整備事業等につきましては、平成23年度中に工事を着手し、平成24年度に完了等が見込まれる場合は補助対象となります。
 そこで、当市において、幼保の見直しを進めるとなっておりますが、今後の保育所の整備事業についてお答えをください。
 次に、笑顔あふれるまちづくりについてお尋ねいたします。
 1点目、地域支え合い体制づくり事業について。
 厚労省は、自治体、住民組織、NPO、福祉サービス事業者等との協働により、見守り活動チーム等の人材育成、地域資源を活用したネットワークの整備、先進的・パイロット的事業の立ち上げの支援など、日常的な支え合い活動の体制づくりの立ち上げに対するモデル的な助成を行うことになっております。
 また、年々認知高齢者の徘徊に対応するために、警察や交通関係者等を含め、市民が幅広く参加する徘徊高齢者の捜索、発見、通報、保護の見守りのためのネットワークづくりを進める事業を平成22年度補正予算で措置された。地域支え合い体制事業のメニューの一つとしての事業であります。
 当市は、ケアネットの取り組みをしておりますが、さらに安心・安全なまちづくりの推進の観点からも、地域支え合い活動の立ち上げ支援及び徘徊・見守りSOSネットワークづくりについて、今後の対応についてお答えをください。
 2点目、医療・介護と連携した高齢者向け住宅について。
 高齢化が急速に進む中で、高齢の単身者や夫婦のみの世帯が増加をしており、医療介護と住宅が連携し、安心できる住まいの供給を促進するため、有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅について、入居者保護と供給促進の観点から、両者一元的なルールのもとで、厚労省、国交省共管の制度として再構築し、新たなサービスつき高齢者向け住宅制度を創設されることになりました。当市の今後の取り組みについてお答えください。
 3点目、地域公共交通の確保維持改善事業について。
 地域公共交通の確保に対する国の支援策を、これまでの期間限定の立ち上げのみの補助、事後的な欠損の補助等とした問題点を抜本的に見直しをし、地域公共交通に関する予算を統合した上で、公共交通が独立採算では確保できない地域等において、地域特性に応じ、効率的な確保、維持させるために必要な支援を行うとともに、移動に当たってのバリアがより解消されるために必要な支援を行うことになります。
 また、この支援に当たっては、これまでの支援制度を抜本的に見直すことにより、地方分権の趣旨を踏まえ、国は地域の多様な関係者による議論を経た地域の交通に関する計画等に基づき実施される取り組みを支援するとともに、モラルハザードを抑制した効率的、効果的な支援を行うことになります。
 具体的には、生活交通の持続が危機に瀕している生活交通のネットワークについて、地域のニーズを踏まえた最適な交通手段であるバス交通、デマンド交通の確保・維持のため、取り組みを支援することになります。特に市町村を主体とした協議会の取り組みの支援として幹線交通ネットワークと密接な地域内のバス交通、デマンド交通等の確保・維持等に支援することになっております。
 当市では、新年度事業の中で市営バス等の見直しをしますが、公共交通の確保維持改善事業の推進の観点、当市の散居村の特性から、以前にもデマンド交通を提案いたしましたが、他市の取り組みを参考にしていきたいとの答弁でしたが、再度検討されるべきではないでしょうか、お答えをください。
 4点目、24時間対応の定期巡回、随時対応サービス事業について。
 厚生労働省老健局は、医療、介護が必要となっても、住みなれた地域の在宅で暮らし続けたいと願う高齢者のニーズにこたえるため、短期間の定期巡回訪問や24時間365日対応可能な窓口を設置し、随時の対応を行うモデル事業の運営費を補助することになりました。
 既に平成22年度補正予算では、全国30市町村が実施し、利用者のニーズや生活スタイルに合ったサービスの提供、在宅における安心感の提供、介護サービスと看護サービスの連携による一体的提供の成果を上げておりますが、当市の取り組みについてお答えください。
 また、介護福祉士及び一定の研修を受けた介護職員等は、一定の条件のもとに、たんの吸引等の行為を実施できることとする社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正の中間まとめが出ました。実施時期等は平成24年度を目指すとなっておりますが、当市の実態と今後の取り組みについてお答えをください。
 5点目、地上デジタル未対応高齢者世帯等のサービス対応について。
 2011年7月までに地上デジタルに関する情報が行き届きにくい高齢者、障害者等の未対応世帯に対して地上デジタル対応を促進するため、地デジボランティア、地デジ臨時相談コーナー等を開設し、きめ細かくサポート、また、地デジ詐欺等の悪質商法について、一般向けチラシや放送等を通じ、注意喚起を強化しなければなりません。
 そこで、当市の、1、地デジ臨時相談コーナーの開設、2、地デジボランティア活動、3、地デジサポーターによる戸別訪問の対応の3点についてお答えをください。
 今回も市民の目線で質問いたしましたが、市長初め市当局の明快な、そして、また、市民の心に通じるような答弁を期待して、質問を終わります。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 嶋村議員の御質問のうち、本市の新年度施策方針についての御質問にお答えをいたします。
 まず、総合計画における予算の位置づけについてでありますが、総合計画は、基本構想と基本計画及び実施計画から成り立っており、計画期間における財政見通しは、基本計画において示しているものであります。
 5つの基本方針で体系化された施策や事業の実効性を確保するため、また、計画策定後の財政情勢の変化や事務事業の迅速な取り組みを担保するための中期的な財政状況を考慮して立案するのは、実施計画であります。
 実施計画は、基本計画の財政見通しを踏まえ、各事業の執行見通しをローリング方式により毎年見直し、向こう3カ年間の財政計画を立てるとともに、翌年度以降の予算編成の指針とすることとして位置づけているものであり、平成23年度当初予算案につきましては、昨年秋にローリングを行って見直した実施計画を踏まえて編成作業を進めたところであります。
 次に、将来にわたる政策コストにつきましても、実施計画の策定時には、今後5カ年間の財政見通しを立案した上で、毎年行います実施計画のローリングにより、これを基本とした政策コストの再計算を行っているものであり、必要とされる政策コストについて、国、県の施策や住民の行政ニーズ、経済情勢などを総合的に勘案しながら重点配分を行っております。
 次に、今後の定員管理及び給与の適正化等についてでありますが、行政改革を推進する上で、職員定数の適正化は重要な要素であり、当市では、平成の市町村合併を経て、平成17年に策定した定員適正化計画を前倒しして、実施してまいりました。
 そこで、行政職員数の現状を申しますと、国の定員管理調査において保育所の職員数を除く一般会計ベースにより、県内の類似規模の都市間(富山市、高岡市、射水市を除く)、比較しますと、平成22年4月現在で、人口1万人当たりの職員数は43.2人となっており、滑川市に次ぐ2番目に少ない状況になっております。
 しかしながら、依然として厳しい行財政環境を踏まえて定員適正化を引き続き推進していくものと考え、平成21年度において、平成26年度までにさらに40人の削減目標とする定員適正化計画を策定いたしました。
 この後期計画の推進に当たりましては、組織の見直し、出先機関の嘱託化、事務事業の見直し、民間業務委託などの視点を掲げており、議員御指摘のように、市民サービスの提供を保障する体制に十分配慮する一方、若年層の年代構成のアンバランスが生じないように計画的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、職員給与の適正化につきましては、近年の国の給与構造改革による人事院勧告に基づき、県の指導あるいは民間給与水準の動向も考慮しながら取り組みを進めているところでありまして、今後とも、人事院勧告等を基本としながら引き続き取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 なお、退職者数の推移につきましては、定員適正化計画(後期計画)中の実数または見込みを申し上げますと、平成22年3月末で13名、平成23年3月末で30名、平成24年3月末に18名、平成25年3月末に16名、平成26年3月末に20名、平成27年3月末に18名の予定となっているものであります。
 次に、特例公債法案が成立しない場合の影響についてでありますが、国の新年度予算案は、歳入歳出それぞれ92兆4,116億円となっており、御質問のとおり、特例公債法案が成立しない場合は、40兆円を超える財源、予算総額の44%程度が確保できなくなります。
 ただ、国税収入や特別会計の剰余金などの税外収入、建設国債のほか、一時借り入れ(最大20兆円)などで当面必要な財源を賄うことができることから、4月当初から国の予算の執行が停止するわけではなく、今のところ直ちに市政運営に大きな影響が出てくるものとは考えておりません。
 しかしながら、できるだけ早期に必要な財源を確実に確保されなければならないものであり、当面は国の動向を注視していかなければならないものと考えております。
 次に、事業仕分けの取り組みについてでありますが、事業仕分けに対する考え方につきましては、先ほど副市長が島崎議員さんにお答えしたところでありますので、重複するかと思いますが、御了承いただきたいと存じます。
 現在、国において進められております事業仕分けなどにつきましては、確かに議論を公開の場で行ったこと、政策決定機関以外の評価者により、一定の無駄を省くなどの効果もありましたが、その進め方、評価後の行政対応など、国民の意見の分かれるところであります。
 そこで、この事業仕分けを当市で実施することにつきましては、私といたしましては、砺波市のような市民一人一人の顔が見える地方公共団体では、従来から市民を巻き込んだ政策議論がなされており、事業仕分けのように財政状況や利用実態などに限られた判断材料から即断されてしまうことは、ややもすれば、市民の声からからも離れたり、これまでの砺波市らしい政策形成が薄れてしまうなどの懸念があることから、現段階ではなじまないのではないかと思っている次第であります。
 したがいまして、事業仕分けといった手法をとる前に、見識ある市民や専門家からの意見を伺ったり、行政改革委員会などの意見を伺う方法を検討するなど、議会の皆さんとも知恵を出し合って行政改革のスピードを上げてまいりたいと考えているところであります。
 次に、職員のボランティア活動についてでありますが、市職員のボランティア活動の実態につきましては、平成21年8月に行いました意識調査によりますと、94.4%の職員が何らかの活動に参加し、地域社会に貢献しているとの結果が出ております。また、そのうち97.5%の職員が今後とも活動したいと考えているという結果が出ております。
 その活動の内容としては、職員として、毎年チューリップフェアに通常業務のほかに、ボランティアとしてもフェア業務に従事していることや、チューリップ街道実行委員会の活動に協力し、さらには茶道部の職員が観光イベントに参加して協力するなど、盛り上げております。
 また、地元へ帰れば一市民として自治会の活動や、例えば資源ごみの分別収集、ごみゼロ運動、江ざらい、さらには地区自治振興会を初め、公民館、体育振興会、自主防災組織あるいはPTAなど、諸活動にも率先して参加しており、また、スポーツ少年団などの指導者としても数多く職員が活動しているところであり、今後もより積極的にボランティア活動に参加するよう、職員の意識啓発に努めてまいります。
 近年、少子高齢化、価値観の多様化、人間関係の希薄化が進み、地域力が徐々に低下し、地域社会の問題の解決が難しくなってまいっております。そのようなことから、地域力の担い手となるボランティアの活動範囲は拡大する一方であり、その重要性は今後ますます高まるものと考えております。
 また、市民の皆さんに市民1人1ボランティアを提唱していく上においても、職員自らも市民の一人として活動に積極的に参加する姿勢が大事であると考えております。職員が活動に参加することにより、地域の課題を肌で感じとることができ、また、市民ボランティアと交流を図ることは、市職員として意義のある重要なことと考えております。
 このようなことから、職員研修の一環として昨年実施しました新規採用職員を対象としたボランティア体験に今後とも取り組むなど、職員へのボランティア精神の普及啓発に積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
 次に、人と心を育むまちづくりについてのうち、子どもの医療費助成の拡大についてお答えをいたします。
 少子化対策を進める上において、子育て支援対策の充実と保護者の負担の軽減が基本的なことであると考えております。
 最近の砺波市の出生者の動向を見ますと、平成21年は過去最低の391人で、平成22年は437人と、少し持ち直しておりますが、少子化の傾向が進行いたしております。
 また、人口統計表の資料に1人の女性が一生に産む子どもの平均数を示す合計特殊出生率においても、平成21年の市の指数は1.36人となり、初めて国や県を下回ることとなりました。
 また、少子化対策として、市ではこれまで保育所、幼稚園に預けやすい運営形態に努めたり、家庭で子育てをする方法に配慮した子育て支援センターを整備したりするほか、医療費の無料化については対象年齢を徐々に引き上げ、現在は通院については小学3年生まで、また、入院は小学6年生まで拡大して保護者負担の軽減に努めてきました。
 しかし、平成21年度に入り、新型インフルエンザが大流行し、幼稚園や小学校などで学年閉鎖を余儀なくされ、本年度においても年明けからインフルエンザが流行するなど、子どもたちの健康を脅かす環境は悪化している状況にあると考えております。
 そこで、子育てをしている若い世帯の経済的な負担を軽減するため、市では、子どももの医療費無料化の対象年齢を本年10月から通院も入院と同様に小学校6年生までに拡大することにいたしました。
 なお、対象年齢のさらなる拡大につきましては、今後とも、子どもを取り巻く環境や市の財政見通しを踏まえ、この制度の継続性も考慮して考えていかなければならないと思っております。
 私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては教育長、担当部局長からお答えをいたします。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 嶋村議員御質問の人と心を育むまちづくりについてのうち、1番目の本市の目指す教育についてお答えをいたします。
 砺波市が目指す教育の基本は、知・徳・体の調和のとれた教育の実現にあると考えております。このことは教育の不易のところであり、新学習指導要領が目指しております生きる力の育成と深く結びついていると考えております。そして、生きる力の育成を通して、児童生徒の自立と共生の基礎づくりを推進したいと考えております。
 人材立国を目指すこれからの日本の教育にとりまして、基礎的、基本的な知識、技能だけでなく、それらを生かして思考力や判断力、表現力、創造力等を育成することが重要であり、新学習指導要領の中で強調されております。
 これから少子高齢化や国際化が進む中で、砺波市の児童生徒が自然体験や社会体験、そして、人とのかかわりを通して学びを深め、ふるさとを愛し、大切に思う気持ちを育むとともに、それぞれの可能性の花を咲かせ、大きく羽ばたいていってくれることを願っております。
 次に、2番目の児童生徒の活用力を高めることについてお答えをいたします。
 議員御指摘の学力診断活用問題につきましては、県教育委員会が平成23年度とやま型学力向上総合支援事業の一つとして取り組む予定のものです。学力診断活用問題チャレンジ事業として、各学校の教育用ネットワークを通じて国語と算数のB問題、いわゆる活用問題を各学校に配信し、先生方が活用する力を評価するのに生かすことができるものでございます。
 また、学力調査結果分析・活用事業としまして、全国学力学習状況調査の希望実施校において、採点は学校でした上で、県教育委員会が結果の入力と分析について支援する事業が実施される予定であると聞いております。
 新学習指導要領では、確かな学力の育成のために、基礎的、基本的な知識・技能の習得、いわゆる習得型の教育と、思考力、判断力、表現力等の育成、いわゆる探究型の教育のバランスを重視しております。このことは、知識・技能の習得だけでなく、それらを活用しながら思考力や表現力を高め、学習の質的な向上を図るものであり、大変重要であると考えております。
 各学校におきましては、今後とも、全国学力学習状況調査の結果や県教育委員会が作成しました活用問題等を生かし、日々の授業の充実と積み重ねによって、子どもたちが学ぶことの意味に気づいたり、学ぶ目的意識を高めたりしながら主体的に学ぶ児童生徒に育ってほしいと願っております。
 次に、3番目のスクール・ニューディールの推進についてお答えをいたします。
 現在、砺波市で進めております学校の耐震化につきましては、21世紀の学校にふさわしい教育環境となるように、耐震補強だけでなく、大規模改造工事を行うとともに、雨水をトイレ排水に再利用するための貯水槽を初め、太陽光発電の導入、二重サッシ、断熱ガラス、節水型トイレ、省エネ機器の導入、ビオトープの整備等を進めてきております。
 また、平成21年度では、市内の全小中学校に電子黒板を初め、デジタルテレビ、教育用パソコンや校務用パソコンを配備して学校のICT化を図ったところであります。
 議員御指摘の校庭の芝生化につきましては、ヒートアイランドの緩和と教育環境整備につながるとの御提案でございますけれども、運動種目によっては芝生上で行うことが必ずしも適しているとはいえないものがあることや、維持管理のための学校現場の負担の問題と維持管理費用がかかる問題等を考慮しますと、校庭の芝生化の取り組みにつきましては、現在のところ難しいと考えております。
 次に、6番目の安心こども基金の積み増し・延長についてでありますが、安心こども基金を活用する保育所の施設整備については、公立の保育所整備を対象とせず、民間の保育所が施設整備をすることを対象にしているものです。
 なお、市の幼保の見直しについてでございますけれども、国は、現在幼保一体化を目指して子ども・子育て新システムの検討を重ねています。しかし、その運営形態や施設建設に係る財源につきましてはいまだに不透明な状況であり、今後は国の情報を収集しながら、あり方懇談会の提言を参考にし、保育所、幼稚園を所管する教育委員会内部で、市全体の幼稚園、保育所の配置や定員規模などについて検討を始めていきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 齊藤一夫君。
  〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕

◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、嶋村議員御質問のうち、3、笑顔があふれる福祉のまちづくりについての5項目の質問についてお答えをいたします。
 まず、最初に、地域支え合い体制づくり事業につきましては、議員御指摘のとおり、国の平成22年度補正予算の中で、地域の支え合い活動の立ち上げ支援として、徘徊・見守りSOSネットワークの構築などの事業に対しまして、県を通じて交付金が交付されるものであります。
 現在当市での対応につきましては、平成19年度より市内全地区において設置されたケアネット事業の中で、認知症を含め、高齢者単身世帯や高齢者のみの世帯などの見守りを行っております。
 しかしながら、高齢者人口に占める認知症高齢者の割合は1割を超え、高齢化とともにさらにその数は増加すると見込んでおります。実際、地域包括支援センター内のケアマネジャー会議等においても、以前にも増して徘徊情報が取り上げられるようになってきております。
 こうしたことから、今後は現在進めていますケアネット事業での見守りをさらに広げるとともに、平成18年度から取り組んでおります認知症サポーター養成講座の開催により、より多くの人に認知症への理解を深めていただき、徘徊・見守りSOSネットワークづくり事業での見守り活動チームヘつなげていきたいと考えております。また、一方では、警察などの公的機関や生活に身近な事業者の方々などとも連携を図りながら、きめ細かな見守り体制を進めてまいりたいと考えております。
 次に、医療・介護と連携した高齢者向け住宅についての御質問にお答えいたします。
 高齢化、核家族化がますます進む中で、高齢者が安心して入居できる、医療と介護が連携した高齢者住宅の需要は今後さらに増えるものと考えております。
 現在、市内には昨年から入居が開始された砺波駅南の「ちゅーりっぷの郷」が地域優良型賃貸住宅(高齢者型)として国土交通省の助成を受け、高齢者住宅として建設されました。
 この住宅は、議員も御存じのように、全国に先駆けた形で施設内に医療、看護、介護施設を配置しており、このたびの厚生労働省、国土交通省共管の制度として再構築し、創設したサービスつき高齢者向け住宅制度を先取りした施設となっております。そのため、入居者にとっては施設内に開設された医療、看護、介護サービスが必要なときに受けられる安心感から、60室すべてに入居されていると聞いております。
 今後、市としても、身近に医療、看護、介護サービスが受けられる高齢者住宅は必要と考えており、地域住宅計画と照らし合わせながら、事業を計画されます民間事業者等から協議がありましたら、関係部課や県とも密接な連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。
 次に、地域公共交通の確保維持改善事業についての御質問にお答えいたします。
 本年10月に予定しております市営バス等の公共交通事業の見直しにつきましては、まず、市内を重複運行している路線を整理し、路線の競合を避けることで、運行に係る経費を削減する。また、全市的に効率的な運行経路を検討し、市内の公共交通の空白地域を解消することを目的に行うもので、これにより、高齢者の通院、買い物などの利便性を確保し、公共交通の利用者の増を図ることができると考えております。
 そこで、議員御提案のデマンドバスにつきましては、不定時に一定のエリア内で、利用者宅から目的地まで運行することで利用者の便を図るという点ではすぐれていると思っております。しかしながら、複数の利用者が常に違った場所で利用することにならないと、既存のタクシー事業と完全な競合状態となり、民業を圧迫することになることが懸念されます。また、利用するには事前予約が必要となることや、利用料金が一般的に高額となることなどの問題も考えられます。
 こうしたことから、デマンド交通のような新たな交通体系を策定するより、既存の運行路線や利用料金の見直しなどにより、交通弱者といわれる高齢者や学生の足を確保するとともに、交通空白地域の解消や自由乗降、一律料金、JR等への乗り継ぎ時問などを考慮し、通勤、通学、通院、買い物等に便利な交通体系を整備していくことが必要と考えております。
 今後も公共交通としてのバスを維持していくためには、何よりも利用していただくことが大切ですので、利用者の皆さんの声に耳を傾けながら、利用しやすいバス運行に努めてまいりたいと考えております。
 次に、24時間対応の定期巡回・随時対応サービス事業についてお答えをいたします。
 この事業は、平成24年度からの介護保険制度の見直しの中で、平成22年度に引き続き、平成23年度では全国60市区町村でモデル事業を実施し、平成24年度4月からの施行に向けて検証が現在進められております。
 しかしながら、この事業では、相当数の利用者がいないと経営が難しい、訪問・巡回に要する時間の考えがこれまでと大きく異なることから、その介護報酬体系によっては、中小の事業者は参入できないなどの問題が既に指摘をされており、モデル事業の検証結果に現在市としても注目をしているところであります。
 また、当市の訪問介護事業所につきましては、困難事例に特化した事業所への再編について、組織の検討、見直しを進めており、新しいサービスへの対応は民間の事業所での対応となるものと考えておりますので、新サービスの提供につきましては、民間事業者の意向等の調査、事業進出の要請など、国の検討状況等も見極めながら進めてまいりたいと考えております。
 また、たんの吸引等の医療行為につきましては、24時間サービスの実施に向け、介護、看護サービスの一体的提供の必要性の検討の中で、これまでは特別養護老人ホーム等で当面のやむを得ず必要な措置として運用で認められていましたが、今後は介護福祉士等が一定の条件のもとで行えるよう、所要の改正が行われるものであります。
 なお、当市の訪問看護ステーションでの介護保険対象の利用者は、一月当たり100件前後で推移しており、そのうち、吸たん実施者は平均で6.7人となっております。
 今後、たんの吸引等の必要な利用者の増加が予想されますので、介護職員等が対応できるよう、県での研修会等へ積極的に参加し、技術の習得に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、地デジ未対応高齢者世帯等へのサポート対応についてお答えをいたします。
 本年7月24日のアナログ放送終了まで、あと4カ月余りとなりました。市では、テレビを見られなくなる方が生じないよう、また、アナログ放送終了直前に混乱が生じないよう、総務省や県と協力して周知と広報や各種支援に取り組んでおります。
 そこで、議員御質問の3点について、当市の対応をお答えいたします。
 まず、地デジ臨時相談コーナーの開設につきましては、市民の皆さんからの駆け込み的な相談に対応するため、5月から市役所社会福祉課及び庄川支所市民福祉課にのぼりやチラシを設置した簡易型の臨時相談窓口を設置する予定にしております。
 次に、地デジボランティア活動につきましては、民生児童委員の皆さんには、ひとり暮らし高齢者宅を訪問して、チラシを配布してもらうとともに、テレビの表示を確認していただき、必要な方にはデジサポヘのつなぎなどの対応をしていただいております。また、老人クラブの理事の皆さんにもチラシを配布して、声えかけ運動に御協力をいただく予定にしております。
 次に、地デジサポーターによる戸別訪問につきましては、個別の課題に対して解決を依頼すれば、デジサポ富山から自宅へ戸別訪問をして、適切な対応方法を具体的に助言していただけるサポート体制となっております。
 その他、広報となみやケーブルテレビなどでもPRしており、正確な情報を届け、放送終了時を混乱なく迎えられるように、高齢者にとって大切な情報源であるテレビ放送の確保に対応してまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 教育委員会事務局長 白江秋広君。
  〔教育委員会事務局長 白江秋広君 登壇〕

◯教育委員会事務局長(白江秋広君) 私からは、嶋村議員御質問の2項目めの人と心を育むまちづくりについての5番目の放課後児童クラブの開所時間の延長についてお答えいたします。
 まず、時間延長については、放課後児童クラブの御意見をお伺いしますと、勤務先が遠くなったので、迎えの時間が午後6時を過ぎることがあったり、突然急な用事ができて、迎えが遅れたりすることがあるということで、相談がたまにあるということを聞いております。しかしながら、それぞれ対応を現状はしていただいております。
 なお、迎えを心待ちにしている子どものことを考えますと、できるだけ早く子どもたちを家に帰し、一家団らんの時間をとることが望ましいと思っております。
 また、受け入れをしていただいている各放課後児童クラブでは、午後6時までの預かりが限度であるとお聞きもいたしておりますし、夜間の預かりを受け入れる指導員の確保も難しいという現状を踏まえると、市では、今のところ放課後児童クラブの時間延長については予定をいたしておりませんので、御理解をいただきたいと思います。
 次に、補助制度についてのお尋ねですが、時間延長に係る補助制度はございますけども、その補助要件を満たすためには、例えば学校が終わる午後3時から連続して6時間を超えてという条件を当てはめますと、午後9時まで開設しなければ、時間延長の加算には合致しないことになります。
 また、加算による補助金額が少し増額されたとしても、受け入れる放課後児童クラブでは、それに対応できる指導員がいないということなどから、現状では難しいと考えております。
 いずれにいたしましても、今後とも、各放課後児童クラブと緊密に連絡をとり、保護者からの意向を把握しながら、放課後児童クラブの運営が充実するように努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。

◯議長(井上五三男君) この際、本日の会議時間は、議事の都合により、会議終了まで延長いたします。
 8番 村岡修一君。
  〔8番 村岡修一君 登壇〕

◯8番(村岡修一君) 議長のお許しをいただきましたので、通告により市政一般について質問をいたします。
 最初に、平成23年度一般会計予算を踏まえ、次年度以降の扶助費予算についてお尋ねをいたします。
 平成23年度一般会計予算では、5年ぶりに200億円台を回復することができました。これは、平成18年度予算の208億9,000万円に次ぐ大型予算となりましたが、その間、歳入面では、大幅な財源確保は大変難しく、また、歳出面では、高齢化が進む中で、医療費への助成など扶助費の構成比が高まる傾向の中で年々厳しい財政運営が求められ、190億円台で推移をしてきました。
 今年度の予算の特長では、市税では、退職者の増加から個人市民税や固定資産税の減収で、昨年度比マイナス4.6%、3億1,000万円減の64億円となりました。特別会計では、平成23年3月で老人保健医療会計が廃止となりますが、高齢化に伴う国民健康保険会計が2.3%、8,900万円増の39億8,000万円余となりました。
 今後は、医療、介護、福祉にかかわる扶助費関係予算が年々増加してくるものと予想されます。このことから、今後の予算編成においては、景気回復も遅く、財源不足等による苦しいやりくりから、予算編成構図にも変化が求められてくるのではないでしようか。
 そこで、今後の予算編成の中で、次年度以降の扶助費予算について、どのような考え方で対応されるのか、当局の考えをお聞かせください。
 次に、これからの地域医療についてお尋ねをいたします。
 少子高齢化社会が叫ばれる中、市内の年齢別人口割合の高い年齢層は、60歳から64歳代が約4,300人で一番高く、次に、35歳から39歳代で約3,900人となっています。高齢化率の高い庄東地区では、東般若が29%、栴檀野が32.4%、栴檀山が41.5%、般若地区が30.1%で、4地区平均23.7%となっております。
 このような現状を踏まえ、私たちは、昨年暮れから各自治振興会単位でこれからの地域医療問題について協議を開始し、同時に全戸対象にアンケートを実施してきました。その結果、82%の回収率と72%の賛成をいただきました。
 背景には、今から十数年前、東般若地区に診療所が開設され、当時、総合病院から医師の方が週2日来て診察されていましたが、その後、休業となりました。一方、他の開業医では後継者不足や年齢の高齢化等の理由で相次いで休業され、深刻な事態となりました。
 そこで、このままでは今後の地域医療の健康管理を維持できないとの思いから、(仮称)庄東診療所の開業に向け、精力的に協議を行ってきました。しかし、当地区には老人医療療養型病院が開業されていることから、住民の間では、今回開業予定の地域診療所についての必要性や運営に対する疑問や問題点を指摘する声もありました。しかし、今回の診療所開業は、訪問医療と在宅医療を目的としており、地域住民にとっては選択肢が広くなり、他に例のない事例ではないかと思います。
 ただ、医療施設を運営する場合の費用と支援体制が今後必要不可欠となってきますので、地域住民が中心となり、行政と連携し、情報を共有する中で取り組んでいかなければなりません。
 このほど地域医療・福祉を考える会議が提起されたことに大きな期待を寄せるものですが、どのような趣旨と目的を持って発足されるのか、当局の考えをお聞かせください。
 次に、散居景観計画素案の骨子についてお尋ねをいたします。
 市内全域を対象とした景観計画素案の骨子は、生活と生業により形成された、全国一を誇る古くから一面に広がる散居景観の保全と生活様式の変化に合わせ、後世に継承することを目的に、現在検討されています。
 先日、私たちは行政視察で福井県坂井市の景観計画の取り組みについて視察を行ってきました。ポイントは、景観計画に取り組んだ背景と目的について、市民との協働及び地域住民の意識について、今後の課題についてを中心に視察をしてきました。
 当局の説明によると、背景では、視覚によって得る情報や視覚的環境像はすべて景観と呼ぶことができ、よい景観を実現するためには、広がりや奥行き、場所性、関係性、身近な生活空間、生活様式の3点を意識すること、また、目的として、坂井市では、目を閉じて思い浮かぶ美しいふるさと坂井を目指して、平成16年の景観法に基づき、具体的な行為の制限や景観形成の基準、地域の景観特性に配慮しながら、平成20年9月に景観づくり基本計画が策定されました。
 その内容は、市全体を7つの計画区域に指定し、変更の際は届け出制を義務づけしているとのこと。まずは市内でも数少ない歴史的な区域指定として、北前船で有名な三国港と城下町風の丸岡城周辺地の2カ所を中心に素案を提起し、平成16から5年かけて住民との協議を重ね、平成20年9月、行政と市民が一体となって住民の92%の賛成を得て、これらを特定景観計画区域に指定されました。
 また、支援対策として、三国港については、港町37地区を対象に生活環境整備や町並み整備、道路美装化工事、附帯事務費など、国庫補助金10億円を平成17年度から10年間、年平均3,400万円を道路の舗装整備等に活用している。また、市独自の助成金制度として、町並み景観を保存するために、個人住宅改修費補助として1件当たり250万円を上限とする。ただし、年間申請は2件から3件までとし、今日まで取り組んできたとのことでありました。
 砺波市では、これまで都市整備課を中心に計画区域区分を決定し、景観まちづくり研究会からの意見や庁内の関係課からの助言を踏まえ作業を進めてきた結果、このほど素案の骨子が作成されました。
 今後の予定では、全地区対象に地区説明会を開催して、平成23年度中に景観計画を策定したいとのことでありますが、計画策定にはまだまだ幾多の課題もあり、総論賛成、各論反対が想定される中、わずか1年間の協議期間での策定には大変無理ではないかと心配をするものであります。
 その理由として、素案では市内全域を対象に指定区域ごと網かけによるメリットやデメリット問題、2点目に、将来的な問題として地価の下落、開発行為や誘致活動での制限、多くの届け出対象行為などが想定されることから、地区説明会では、当局から明確な考え方、説明が不可欠であります。
 そこで、今後、策定に向けたスケジュールと課題計画策定後の保存や改修に伴う具体的な支援策などが必要と思われます。当局の考えをお聞かせください。
 次に、教育問題についてお尋ねをいたします。
 まず、保育所、幼稚園運営について、市内には、現在、公立保育所が11カ所、公立幼稚園が9カ所あります。政府は、昨年1月に子ども・子育て新システム検討会議を設置し、幼保一体化を含む新たな次世代育成支援のための包括的、一体的なシステムの構築について検討を開始し、6月をめどに基本的な方向を示すとされていましたが、まだ方向が示されておりません。
 こうした中で、市では、今後の保育所、幼稚園のあり方を検討するため、昨年5月、保育所・幼稚園のあり方懇談会を設置し、現状と今後の課題等をまとめ、昨年10月27日、報告書が提出されました。その内容は、まず、現状について、そして、将来への課題について集約されておりますが、具体的な方向が明記されていないことが心残りです。
 今定例会の議案説明会で報告されましたが、保育所や幼稚園の施設ごとの園児数では定員にばらつきがあり、施設ごとの定員問題には当面影響が少ないと思われますが、今後、出生率や人口動向でも減少傾向にあり、大変心配をいたしております。
 背景には、核家族化、女性の社会進出や若い夫婦の就業形態等、多様化の中で、保育所や幼稚園では、入園児童数が集中する施設や、また、施設の配置についても、同僚議員や報告書でも指摘があるように、一度検討してみてはどうでしょうか。
 公立施設の多い中、現在の施設状況から利用者ニーズは十分とは言えません。そこで、園児数と職員数やパート、嘱託職員数についても、将来を見据えた場合にどうでしょうか。先の報告書の課題と提言を今こそ真摯に受けとめ、保育所への財政状況と職員の適正配置について考えをお聞かせください。また、最近新たな施設運営として着目されてきている幼保一体化や民営化運営への動きについて、当局の考えをお聞かせください。
 次に、小中学校の児童数の実態についてお伺いをいたします。
 市内には、小学校8校、中学校4校ありますが、通学する児童数では、過去と比較をしてどうでしようか。一般的に少子化が言われている今日、学校間や学年ごとの実態では、かなりの児童数の格差が生じてきているのではないでしょうか。
 この先、市内の施設間でも児童数の減少が予想される中、全国的に小中学校の大胆な統廃合問題や学年閉鎖など、深刻な社会問題が発生してきます。
 私が中学生のときは、現在の庄川三谷地区や雄神地区から当時般若中学校へ生徒が通学をしていました。
 前回、私は質問で、児童数減少による学校間格差に歯どめをかけるべく、通学区域の一部見直しを検討するよう求めました。そこで、今後、学校運営における児童数の過年度及び将来の見通し状況はどのように推移していくのか、また、今後の学校運営と通学区域の一部見直しについて、当局の考えをお聞かせください。
 次に、地域の拠点、庄東センターの増改築についてお尋ねをします。
 地域の拠点である庄東センターの増改築について再度要望したいと思います。前回も質問をさせていただきましたが、前向きな回答を得ることができませんでしたので、いま一度、地域住民の熱い思いを込めて、強く要望をしたいと思います。
 庄東センターは、昭和53年3月27日にオープンして以来、今日まで築33年の月日が経過をしております。施設全体にも老朽化が目立ち、今日まで部分的な修理等で耐えてきましたが、市内同様の施設と対比すれば、残念ですが、一番古い施設となり、大変心配であります。財政事情が逼迫する中で、直ちに施設の増改築を行うことは大変難しく、厳しい状況とは十分認識をいたしております。
 そこで、まちづくり羅針盤である第2次新砺波市総合計画の中に組み入れていただき、一日も早く地域住民が待ち望む施設を強く要望するもので、上田市長の御決断に期待をするものであります。
 最後に、今後の農業問題についてお尋ねをいたします。
 日本の農業を取り巻く環境は、先の政権交代以降、混沌としております。今日では、水田の大規模集約化やTPPへの参加問題等について議論がされております。
 上田市長は、今年度の展望の中で、今後の砺波市の農業政策を発展、継承するため、基幹産業である稲作農業についての不振と、請負耕作者中心ではなく、自ら耕作してももうからないのでは、近い将来、耕作放棄田が急増するのではないかと大変心配をされており、農業戦略会議の設置構想を表明されました。そこで、設置時期や組織機構など、具体的な内容についてお聞かせをください。
 以上で私の質問を終わります。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 村岡議員の御質問のうち、新年度予算編成について及び農業戦略会議の構想についての御質問にお答えをいたします。
 初めに、今後の予算編成における次年度以降の社会保障制度の関連事業に係る具体的な予算措置の考え方についての御質問にお答えをいたします。
 御案内のとおり、国の平成23年度予算案につきましては、少子高齢化に伴う社会保障費の自然増が原則容認されたことから、結果としては、公共事業関係費など多くの主要経費が前年度に比べ減額されている中で、社会保障関係費は5.3%、1兆4,393億円の大きな伸びを計上しております。
 一方、平成23年度地方財政計画におきましては、地方の社会保障関係費の大幅な自然増に対応し、一般行政費及び国民健康保険、後期高齢者医療制度関係事業費などで8,400億円程度の地方負担の増額を見込み、これらに対応できる財源を確保する計画になっており、総枠では、現行社会保障の水準は確保できることになっております。
 ただ、社会保障関係費は、自然増だけでも国の予算で毎年1兆円規模で増え続けていることから、既にその財源確保は限界にきております。
 政府・与党では、消費税を含む税制の抜本的改革を急ぐこととしておりますが、消費税の社会保障目的税化やその税率、さらには地方消費税の拡充などの課題を含め、早期に対応が求められております。
 このような中にあって、地方自治体は、国民健康保険や介護保険などの国の制度に基づく社会保障関係事業のほか、社会福祉施設の運営や救急医療体制の確保を初めとする独自の住民サービスの提供も行っており、安定的な財源の確保が必要となっております。
 したがいまして、市といたしましては、今後とも、総合計画に掲げる笑顔があふれる福祉のまちづくり推進を基本に、市民が健康で、かつ、安心して生活できるよう、まずは現行制度の継続を基本に、今後増え続ける社会保障関係費の財源確保を最優先に予算編成に当たるとともに、後期高齢者医療制度を初めとする国の制度改革や安定的財源の確保のための税制の抜本的改革など、今後の国の動向を十分に見極めながら、全国市長会等を通じ積極的に提案をしてまいりたい、このように考えております。
 次に、「これからの農業を考える会」の構想について申し上げます。
 農業者戸別所得補償制度の本格実施、米価格の低迷、TPPの参加問題など、農業を取り巻く環境が大きく変化する中で、農業産出額の8割を米が占める砺波市にあっては、時代を担う若い後継者や担い手の育成、経営の複合化、新たなチューリップ球根生産者の育成、新たな特産物タマネギの生産振興など、課題が山積をいたしております。
 このような状況の中で、若い農業者や農業経営者、大規模受託組織や集落営農組織で活躍する方、県や市、JAなどの関係機関の職員らに、学識経験者も交えて、夢や希望、悩み、これからの砺波型農業のあり方、進むべき方向について語り合い、議論し合い、地域農業の維持発展に関する認識を共有することは、今まさに求められていることであり、これからの砺波市農業にとっては、美しい砺波平野を後世に引き継ぐためにも極めて重要で大切なことであると、このように考えております。
 若い農業者や農業経営者などが頑張る意欲ある先進的な経営体の取り組み状況を視察することや、専門的な知識と経験を有するアドバイザーから、これからの農業経営のあり方、経営の複合化、加工や販売まで視野に入れた6次産業化などについてしっかりと学び、議論を深めることで、これからの地域農業の活性化につながる人材を輩出するとともに、今まさに求められているのではないかと思っております。
 また、これからの農業について議論を深める中で必要な施策については、国や県市の役割を明確にするとともに、国や県がなすべきことは、国や県へ提言し、市がやるべきことはしっかりと施策に生かしてまいりたいと、このように考えております。
 議員各位にも、これからの砺波市農業に何が必要なのか、具体的に御提案をいただければ幸いであります。
 私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては教育長並びに担当部局長からお答えをいたします。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 村岡議員の教育問題についての1番目の保育所への財政状況と職員の適正配置について、お答えをいたします。
 まず、市内の保育施設には、幼稚園と保育所のいずれにおいても定員を満たしている施設と満たしていない施設があることや、地域によってそれぞれが遍在していること、また、3歳未満児の保育を希望される方が増えている現状があります。
 そこで、市ではこうした市民のニーズにこたえるため、入所時には第3希望までの入所希望をお聞きし、できるだけ第1希望にかなった保育所に入所できるように配慮しているところでございます。
 また、太田と北部の幼稚園には3歳未満児も預かることができるようにと、保育所の機能を備えましたこども園として整備してきたほか、子育て支援センターの併設や民間保育所の建設等にも支援してまいりました。
 そこで、そうした施設運営における園児数の推移と正規職員数、パートや嘱託職員数の状況についてですけれども、園児数につきましては減少傾向にあります。職員数につきましては、平成22年度の正規職員の割合は、保育所では56.3%、幼稚園では63.6%となっております。
 職員の配置につきましては、原則各クラスには正規職員を配置することとし、それを補完するために嘱託や臨時職員を配置しているものでございます。
 今後も少子化が進む中、将来の園児数を見込んだとき、職員の配置を弾力的に運用していく必要があると考えております。
 なお、雇用を希望される方には、長時間拘束されるよりも、働きに出やすい時間だけの勤務を希望される方もおられますので、給食など一時的な時間帯に集中して人員を要する業務などでは、その時間のみをパートで対応しているところでございます。このように職員の配置につきましては柔軟に対応することで、幼稚園や保育所の運営費が増大しないように努めているところでございます。
 次に、2番目の幼保一体化と民営化に対する考えについてお答えをいたします。
 御存じのように、政府では、子ども・子育て新システム検討会議の作業グループで、幼保一体化に向けて、その目的や具体的な仕組み、質の高い幼児教育と保育の一体的な提供に向けた検討をしているところでございます。これにつきましては、今後、その基本方針や市町村の新システム事業計画が示されるようですが、その財政措置も含めて、いまだ明確ではございません。
 なお、幼保一体化につきましては、先ほど嶋村議員の御質問にお答えしましたとおり、教育委員会内部で市全体の保育所、幼稚園の配置や適正規模などについて検討を始めていきたいと考えております。
 また、保育所、幼稚園運営の民営化につきましては、今後の課題になるものというふうに考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 齊藤一夫君。
  〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕

◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、村岡議員御質問のうち、2、これからの地域医療について、5番目の地域の拠点、庄東センターの増改築についての2項目についてお答えをいたします。
 最初に、これからの地域医療についての御質問ですが、このたび、庄東地区の皆さんの熱意により、東般若地区内に診療所が新たに開設されることは、これからますます進む高齢化、核家族化の中で、市内で最も高齢化が進んでいる庄東地区の皆さんにとって、身近で安心できる医療が確保できることは大変喜ばしいと考えております。
 その中で、一部地元の方が懸念されています、現在ある介護療養型医療施設との関係につきましては、この介護療養型医療施設は、病院へ直接患者の方が診療にいらっしゃる外来診療を行う病院であり、一方、新しく開設する診療所は、週に2回は診療所において外来を行いますが、主として在宅で寝たきりの方など、訪問診療や往診など在宅診療が中心であり、必ずしも競合するものではないと考えております。
 むしろ、議員御指摘のとおり、地域の皆さんにとっては、症状や家庭状況に応じて外来診療と在宅診療の選択が行えるなど、選択肢があり、いつでも安心して医療が受けられるものと考えております。
 次に、新年度で予定しております地域医療・福祉を考える会議の趣旨と目的についてお答えをいたします。
 まず、今回こうした会議を設ける一番の趣旨は、今まではどうしても個々の連携にとどまっていた医療、介護、保健、福祉の関係者を一堂に会し、同じテーブル上で連携を図りながら、今後の砺波市の医療、介護等について協議する場を設けようとするものであります。
 具体的には、身近な診療所など、かかりつけ医と専門的な外来診療や入院医療などを提供する砺波総合病院との連携、介護など福祉サービスと医療の連携、予防など保健事業と医療の連携について関係機関の皆さんと協議し、顔の見える継ぎ目のない医療、介護等の体制づくりを進めてまいりたいと考えております。
 また、一方では、市民啓発事業として、これからの高齢社会に対応するため、地域のまとめ役としての医療、福祉のリーダーを養成するための各種講座を開設するとともに、老人クラブやいきいきサロン、婦人会などの皆さんに地域医療、福祉の現状や今後の展開について話をさせていただき、今後の地域医療について市民の皆さんと一緒に考えていきたいと考えております。
 次に、庄東センターの増改築についてお答えをいたします。
 庄東センターは、昭和53年の設置以来、市民の健康増進と福社の向上、また、近年は介護予防の拠点として、特に庄東地区の方々を中心に親しまれており、地域の重要な福祉施設であると認識しているところであります。
 施設の改修につきましては、新年度において、市営バスの運行見直しに伴い、庄東センターの敷地内にバスの乗りかえのための待合室や風除室設置のための予算を計上したところであり、福祉施設のみならず、地区の公共交通のターミナル施設として新たな役割を担っていただくものと考えているところであります。
 こうしたことからも、増改築を含めた施設の老朽化に伴う今後の改修につきましては、所有者である市社会福祉協議会とも協議を行いながら、市の総合計画後期計画に盛り込んでいく方向で進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 前野 久君。
  〔建設水道部長 前野 久君 登壇〕

◯建設水道部長(前野 久君) 私からは、項目3、景観計画素案の骨子についての御質問にお答えいたします。
 まず、景観計画策定への日程と課題についてでございますが、議員御指摘のとおり、景観計画の策定につきましては、市民生活に直結することもあり、いろいろな難しい課題がありますので、市民の方々との十分な話し合いの期間を設け、御理解を得る必要があると考えております。
 そこで、まず、砺波市がこれまでに行ってまいりました散居景観保全の取り組みを若干申し上げたいと思います。
 昭和58年4月に砺波散村地域研究所を、平成18年6月にはとなみ散居村ミュージアムをそれぞれ開設し、散居村の調査研究や砺波地方の伝統文化を全国に発信する拠点として運営してきたところであり、また、全国散居村サミットを開催するなど、散居村の情報発信に努めてきたところでございます。
 市民へ広く周知する取り組みといたしましては、平成18年度から3カ年間で散村景観保全活用調査事業を行い、住民の2,000世帯へのアンケート調査によりまして意識調査を行い、回答者の約7割の方が何らかの形で散居景観を後世に引き継ぐべきとの結果をいただいております。
 その後、平成19年度には地区説明会を実施し、散居景観の文化的価値を理解していただく取り組みを行ってまいりました。
 平成22年3月には、砺波市散村景観を考える市民懇話会より、散居景観を守るためには規制も必要であるという提言書が市長に提出されたところでございます。
 このような過去からの地道な取り組みの中から、一定程度市民の皆様に散居景観の保全について理解をいただいていると存じておりますが、これからは散居景観保全に向けての具体的手法の検討となりますので、市民の皆様の理解は不可欠であり、今後、合意形成に向けての取り組みが重要であると存じております。
 そこで、現在、今月いっぱいをかけまして、市内全21地区での説明会を実施し、景観計画の素案の骨子について御意見を伺っているところでございます。また、今後につきましても、幅広く市民の方々の御意見をお伺いするため、市のホームページや広報、TSTのケーブルテレビなどによりまして景観計画の概要をお知らせするとともに、あわせまして、想定されます諸問題や課題などについても検討してまいりたいと考えております。
 新年度につきましては、散村景観を考える市民懇話会からの御提言書を参考とし、また、景観まちづくり研究会や、2回目の全地区での説明会を開催し、そこでの意見、さらにはパブリックコメントなどを行い、できるだけ数多く御意見をお聞きし、加筆修正を加えた上で、平成23年度末を目標として計画書の策定作業を進めてまいりたいと考えております。
 次に、具体的な支援対策についてお答えをいたします。
 景観計画の区域は、散居村や豊富な自然地域のみならず、町並みも含め、良好な景観を形成するために砺波市全域としております。
 その中でも、市民共通の認識であり、市の代表的な景観であります散居景観は、その特徴である屋敷林とアズマダチなどの伝統的家屋、そして、それらを取り囲む農地の保全が重要なものと考えております。
 ただ、残念ながら農業経営や生活様式の変化に伴いまして、これらはすべて年々減少の傾向にあり、散居景観は失われつつあるのが現実でございます。
 そこで、議員が述べられましたとおり、保全のためには支援対策も必要であると考えておりまして、新年度においては、地区説明会での御意見、景観まちづくり研究会などにおいてさらに研究を重ねまして、庁内の関係課を横断した総合的な支援策を具体的に検討してまいる考えでございます。できれば自治会や常会といった集落を最小範囲といたしまして、その地区でのまとまりによる屋敷林の保全や住宅等の改修、維持管理の取り組みに対して有効な支援策ができないか、多方面から検討したいと考えております。
 私からは、以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 教育委員会事務局長 白江秋広君。
  〔教育委員会事務局長 白江秋広君 登壇〕

◯教育委員会事務局長(白江秋広君) 私からは、村岡議員御質問の4、教育問題についてのうち、3番目の小中学校の児童生徒数の状況、並びに4番目の学校運営と通学区域の見直しについてお答えいたします。
 まず、市内の小中学校の児童生徒数の将来的な傾向についてでありますが、平成23年度から27年度までの5年間の推計では、小学校では平成23年度3,037人をピークに、中学校では平成26年度1,574人をピークに、それ以降、それぞれ減少していくものと見込んでおります。
 小中学校合わせた市全体では、平成12年度から10年間で250人の増加があったものの、今後、平成23年度からの5年間では164人の減少が見込まれております。
 その中で、庄東地区の小中学校について申し上げますと、平成12年度からの10年間で190人の減少がありましたが、今後、平成23年度からの5年間では23人の減少を見込んでおり、これまでの10年間の減少幅に比べると小さくなっていくものと推計いたしております。
 児童生徒数は、今後5年間で、市全体として減少傾向にあるのは現実でございますけども、現在の学校運営に支障を来すような状況ではないと、現在、判断いたしております。
 村岡議員が御懸念されておりますように、各小中学校の児童生徒数の減少は、地域の人口構成に影響し、地区のさまざまな行事や自治にも大きな影響を及ぼすものであると考えておりますが、今後、経済、社会の情勢変化に伴う人口の社会増を含めて、児童生徒数の増加を期待いたしているところであります。
 ところで、庄東小学校や般若中学校におかれては、小規模校なりのよさがございます。地域の皆さんの温かい御支援や御協力のもと、地域の伝統文化に親しめる環境にあり、例えば増山城跡戦国祭りへの参加、砺波青少年の家での宿泊学習や通学学習、夢の平スキー場でのコスモスウオッチングやスキー学習、清流庄川の河原での写生などと、他の学校では体験することが難しい自然・地域に根づいた学習環境にあると思います。
 次に、通学区域についてでございますけども、現在の通学区域につきましては、学校の規模や通学路、地域コミュニティーなど、さまざまな要件、そして、歴史的な経緯の中で決定されてきたものであり、児童生徒数が減少するという現状にあるとはいえ、また、どこかの時点では見直しの判断を迫られるかもしれませんけれども、少なくとも現時点では通学区域の変更は難しいと考えております。
 以上であります。

◯議長(井上五三男君) 6番 大楠匡子君。
  〔6番 大楠匡子君 登壇〕

◯6番(大楠匡子君) 皆さんお疲れのことと思いますが、本日最後となりますので、頑張って質問したいと思います。
 議長のお許しを得ましたので、通告に従い質問と提案をさせていただきます。
 平成23年度の予算案が今定例会に提出されていますが、一般会計では前年度比9億円増の201億3,000万円と積極的な予算案となっています。2,000万円の特別枠も設けられ、庁内から提案を募って新しい事業枠を決められたようで、元気砺波市の創造の大きな一歩になるのでないかと期待しております。
 今回の予算は、新砺波市総合計画の5つの基本方針に基づき編成されていますが、特に6項目をキーワードに施策を展開されるようですので、今回はその中から子育て、観光、農業、この3のキーワードについてお伺いしたいと思います。
 1つ目のキーワード、子育てですが、安心して子育てできる環境づくりの推進として、子どもの入通院医療費の助成枠が小学6年生まで拡大されます。また、不妊治療費の助成金も増額され、不妊に悩む方々にとっては大変ありがたいことだと思っています。
 そこで、まず、子どもたちの健全育成についてお伺いいたします。
 市内には、子育て支援に関係するボランティアが数多く活動しています。市が要請されました砺波市子育てボランティアグループのほか、各地区で未就園児や子育て中の親を対象に活動しているサークルや地元の保育所や幼稚園などで絵本の読み聞かせを行っているサークル、3カ月児健診の折に絵本の読み聞かせをしているグループなど、さまざまな子育て支援をしているボランティア団体が10団体ほどありますが、それらのグループは個々に活動を進めているだけで、横のつながりが全くありません。
 砺波市では、ボランティア活動に力を入れておられますが、ボランティアを育て、育むためには、ボランティアが一堂に会して意見交換し、交流する場が必要に思うものです。
 市のボランティア連絡協議会では、ボランティアフェスティバルを開催されるなど、ボランティア連絡協議会に加入されているグループが集う場を定期的に設けてはおられますが、目的が同じボランティアグループだけが集まって交流する場も必要になってきていると思います。
 子育てボランティアグループの人々が横のつながりを持つことで、支援する親子により多くの情報を与えることができますし、何よりお互いの悩みを共有する中から解決策やヒントが見出されると思うのです。また、子育てボランティア養成講座を受講されていても、ボランティア活動をされていない皆さんにも集まっていただくことで、ボランティアの輪が広がることも期待できます。
 少子化社会において大きな役割を担っている子育てボランティアの育成のために、子育てボランティアグループが交流、研修する場を設けていただくことを提案するものですが、お考えをお聞かせください。
 また、子育てボランティアの横のつながりができてくることによって活動の幅がいろいろ広がり、砺波っ子を一同に集めたイベント、砺波っ子子どもフェスタなどの開催にもつなげることができるように思います。子育てするなら砺波市という環境をつくるためにも、子育てボランティアの育成と支援をお願いするものです。
 次に、教育問題についてお伺いいたします。
 今年の4月から小学校の学習指導要領が改訂されます。外国語活動の導入や言語活動の充実が新しく位置づけられています。小学校5、6年生で外国語(英語)活動が必修となることから、準備が進められていますが、学校現場では不安が広がっています。
 市では、これに合わせ小学校専属の外国語指導助手を1人配置されますが、指導は5、6年生の担任が中心となることから、指導に自信がないという声も聞かれます。
 ベネッセ教育研究開発センターが行った調査では、学級担任の68%が指導に自信がなく、62%が負担を感じているとの結果が出ています。先月開かれた市町村教育長会議でも、学校間での到達度の差や、中学へのスムーズな移行に不安の声が上がっていたようです。小中学校の指導が円滑につながる体制づくりが重要になってくるものと考えますが、英語活動がどのように進められるのか、お聞かせください。また、新しい学習指導要領によって指導内容がどのように変わるのか、具体的にお聞かせください。
 次に、庄川小学校の耐震改修事業についてお伺いします。
 市内の小中学校の耐震化工事が着々と進み、今年度から新たに庄川小学校の耐震改修の基本設計に着手されます。庄川小学校は市内で唯一自校給食を残し、実施しているところであり、効率化を優先させるなら、この契機に自校給食から学校給食センターヘの移行が検討されるのかもしれませんが、私は、自校給食を残してほしいと強く望むものです。
 その理由として、1つに、自校でつくるので、より温かい給食を食べることができるとともに、教室に流れ込むおいしい給食をつくるにおいが食欲を刺激し、給食に対する関心が高まり、食育を行いやすい。2つに、つくる量が多くないので、地元の食材を利用しやすく、地産地消を進めやすい。また、調理の手間をかけやすく、献立の幅を広げやすい、3つに、調理している様子をいつも見ることができ、食育指導を進めやすいが上げられます。
 食育が重要視され、砺波市食育推進計画も策定されています。つくる人が見え、つくるところが見える給食のほうが、より食を大切にする意識を育てることができると考えるものです。市内で唯一残っている自校給食を続けていただきますよう要望するものですが、教育長のお考えをお聞かせください。
 2つ目に、観光振興についてお伺いします。
 昨年12月に砺波市観光振興戦略プランが策定されました。具体的な施策はいろいろありますが、観光資源のさらなる魅力の創出や受け入れ態勢の充実などは大事な課題であると思います。今年はこのプランを推進するために、実施計画アクションプランを作成されるようですので、より観光振興が進むものと期待します。
 さて、今年60回目を迎えるチューリップフェアの準備が着々と進んでいますが、観光案内の充実として、チューリップ公園内には外国語併記の案内看板が準備されました。また、市民の意識を高めようという意図もあり、開幕初日が市民感謝デーになるようです。たくさんの市民の方に訪れていただき、チューリップフェアを市民サイドからも盛り上げていただきたいものです。
 おもてなしの環境を整えるために、観光ガイド養成講座も行われ、35人の皆さんが4回の講習を受けられていますが、残念ながら講習を受けられた砺波市民は10名にも満たないと聞いています。観光ボランティアバンクの設立も予定されていますが、何か起爆剤がないと、ボランティアの輪は広がらないようです。
 そこで、お伺いします。
 今年度新しく活力あふれる砺波づくり特別枠で採用された市職員の提案事業として、観光カリスマ等による講座が開催されます。知識や手法の取得、やる気の醸成を図り、次世代の観光リーダーを養成されるようですが、その計画の内容と、養成された観光リーダーをどのように今後の観光振興に生かしていかれるのか、お聞かせください。
 次に、昨年初めて開催された観光推進市民大会についてお伺いします。
 市が観光をもっと推進しようというねらいで企画されましたが、市民協働の観点からも、市民が中心となって、もっと市民をメーンにした形で進めていかれると、意識の啓発につながるものと思います。今年は実行委員会を立ち上げて企画されるようですので、市民が主役となる観光推進大会となることを期待するものですが、お考えをお聞かせください。
 次に、観光協会の法人化についてお伺いします。
 平成19年に設立された砺波市観光協会ですが、自主財源が会費と事業収入しかない厳しい運営状況の中、きれいな布でチューリップの花束やショウブの花をつくり、販売されるなど、工夫を凝らし、アイデア勝負で、これまで砺波市の観光のPRや物販に取り組んでこられました。
 平成21年度の運営状況を見ますと、会費収入は法人会員、個人会員合わせて158万円、事業収入は348万円の合計約500万円に、市からの運営補助金400万円を合わせた約900万円で協会の人件費2人分や活動費をやりくりしなくてはならず、十分な活動ができない中、観光PRには手出しで出張されることもあったと聞いています。
 観光事業は、何と言ってもある程度の財源がないと何もできないのではないでしょうか。観光振興戦略プランにも観光協会の体制強化がうたわれ、観光事業を充実させる財源の確保が明記されています。今年度の財源確保として、フラワーランドから返還される出資金の一部を貸し付けることが予算計上されています。財団化することで、市から職員も派遣されるようです。観光協会のきちんとした基盤をつくるためには、市からの強力な育成支援が必要と考えるものです。
 そこで、お伺いします。貸付金2,000万円の一部でも基金として観光協会で活用できないのか、お考えをお聞かせください。また、春を呼ぶチューリップ展で好評だったスイーツの販売を観光協会が引き継がれる物販の中に取り入れられるとよいと思うのですが、新しく整備される物販コーナーの概要についてお聞かせください。
 3つ目に、農業振興についてお伺いいたします。
 観光振興戦略プランでは、チューリップの球根栽培農家を増やすことを施策に掲げています。となみチューリップフェアは全国有数の規模を誇る花のイベントとなっていますが、肝心の球根生産は減少に歯どめがかからず、1998年度には281人だった生産者数は、2011年度には106人、栽培面積も234.3ヘクタールが100ヘクタールとなっています。
 チューリップは砺波市の重要な観光資源ですので、フェアの充実とチューリップ産業の振興を表裏一体のものとして取り組む必要があります。
 市は、昨年からチューリップを新規に栽培される団体に助成され、今年度はチューリップ球根購入費等も補助されるようです。チューリップ球根生産は連作ができない上、栽培に手間がかかり、収入はそれほど多くないというデメリットはありますが、工夫する方法はあるはずです。チューリップの砺波市が名前に恥じないチューリップの産地となるよう、球根生産に取り組もうという人の発掘も行っていただきたいと思います。
 そこで、お伺いします。今年度新たに「これからの農業を考える会」の開催費が予算計上されています。具体的な内容について決まっているようであれば、お聞かせください。また、この会の中で球根生産農家の栽培経営などについても研究していただき、新規に球根生産に取り組む人々が出てくるよう精いっぱい応援していただきたいものです。当局のお考えをお聞かせください。
 次に、新規の農業従事者の発掘についてお伺いします。
 最近は個性を大事にする風潮があり、いろんなことにこだわりを持って取り組む傾向が見られます。また、食の安全にも大きな関心が払われるようになっています。
 伝統産業のように、職人になる意気込みで、新しい農業に取り組む人もいるようです。おいしくて、安全なお米をつくりたいという強いこだわりを持って農業に取り組んでみたいと考えている人が気軽に体験することができる弟子入りシステムはどうでしょう。熱い思いで農業をやってみようと考えている人の支援策として、弟子を受け入れ、指導する農家には助成するようなシステムをつくり、新規に新しい農業に取り組んでみようという人を支援されると、人材の発掘につながるのではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
 最後に、男女共同参画推進計画についてお伺いします。
 男女共同参画という言葉は耳新しくなくなり、男女の人権の尊重や性別による固定的な役割分担などを反映した制度や慣行の見直し、政策や方針の立案、決定への男女の共同参画などの理念は受けとめられてきていますが、実社会ではなかなか進んでいないのが現実で、計画を策定しなければいけない理由はそこにあります。
 砺波市が、平成18年に策定した男女共同参画推進計画で上げられていた具体的な数値目標は、審議会等における女性委員の割合、現況20.6%を2010年には30%に、女性の認定農業者数を現況4から12へ、家族経営協定の締結数を11から19へとなっていましたが、いずれも数値は若干伸びていますが、残念ながら達成できていません。
 昨年12月に国の男女共同参画基本計画が改定されました。社会情勢などの変化に対応し、女性の活躍による経済社会の活性化、男性、子どもにとっての男女共同参画、女性に対するあらゆる暴力の根絶などが改めて強調されています。
 砺波市で先ごろ策定されました第2次計画においても、国の動きに対応したものになっていますが、県内や地域の現状と課題も十分考慮したものになっていなくてはいけません。
 今回の第2次計画の策定に当たり、市では市民アンケートを実施され、市民の意識や考え方を調査しています。この結果をもとに、公募委員を含む男女共同参画市民委員会の提言を受けて策定された第2次計画はできる限りの具体的な数値目標を定めてあり、毎年その目標の達成状況について検証するとしています。また、計画を推進するために事業の担当部署を明記し、連携して取り組む体制をつくっています。とかく縦割り行政の弊害が指摘される中で、このような横の連携が明確になっている計画は画期的なものであると期待しています。すばらしい計画が計画倒れにならないで、数値目標に少しでも近づくように、私も女性議員の一人として頑張りたいと思うものです。
 さて、今年の7月に改選時期を迎える農業委員会委員ですが、27名中、女性が1人しかいません。農政の推進のためには女性委員の選出も必要かと思います。市議会の推薦枠4人の枠内で、もう一人女性委員を増やしていただきたいと思っています。
 市においては、各種審議委員等の選出条件の見直しを進めたり、女性が管理職として働きやすい環境づくりをさらに進めたりしていただき、数値目標達成に努めていただきますよう要望するものです。当局の御見解をお聞かせください。
 以上で私の質問を終わります。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 大楠議員の観光振興について及び農業振興についての御質問にお答えをさせていただきます。
 まず、観光振興についての御質問うち、観光リーダーの育成事業についてでございますが、昨年策定いたしました砺波市観光振興戦略プランでは、観光資源の魅力の創出を図るとともに、市民の皆様が地域に愛着や誇りを持って観光客をお迎えするまちづくりを推進し、暮らしたい、訪れたいまちづくりを進めることを基本方針といたしております。
 観光リーダーの養成につきましては、活力あふれる砺波づくり特別枠として取り組むものであり、散居村の保存活用を初め、当市の景観や文化、イベント、特産品など、地域の観光資源を磨き上げるリーダーを育成し、地域の活性化を図ることを目的に開催するものであります。
 この養成講座には、全国から観光カリスマなど、町おこしの仕掛け人を招いて、その知識や技能を修得するほか、最も大切なやる気、元気、本気をリーダーとなる人に学んでいただきたいと考えております。リーダーには、この講座で学んでいただいたことをそれぞれの活動の場で発揮していだければ、イベントの活性化や特産品の開発、ボランティア活動の充実等が図られ、地域活性化につながるものだと考えております。
 次に、観光推進市民大会についてでございますが、市民の観光に対する意識の高揚を図ることを目的に開催するもので、昨年は、観光資源を磨く、市民交流の推進、この2つをキーワードとして記念講演や実践発表を行ったところでございます。
 平成23年度につきましては、実行委員会を立ち上げ、より市民の観光に対する関心を高め、参考となる先進地事例やボランティア、市民交流活動など、砺波市民の身近な優良事例の選考を初め、市民の皆様によりわかりやすい企画を検討していただきたいと考えております。
 次に、観光協会につきましては、当市の観光推進体制の確立を図ることから、本年4月1日に一般社団法人砺波市観光協会を設立し、市民交流や物販も含めた総合的な観光の推進を目指すものであります。
 また、本年10月からは、株式会社フラワーランドとなみが行っていた物販や道の駅の管理運営業務を観光協会に移行し、特産品の開発や販路拡大、観光案内を充実させてまいりたいと考えております。
 市から観光協会への貸付金2,000万円については、砺波市観光協会で基金制度を設け、活用してまいりたいと考えております。
 一般社団法人の基金制度につきましては、剰余金の分配を目的としないという一般社団法人の基本的性格を維持しつつ、その活動の原資となる資金を調達し、その財産的基礎の維持を図るための制度であり、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律では、基金の使途に法令上の制限はなく、一般社団法人の活動の原資として自由に活用することが認められています。つきましては、道の駅砺波の観光案内所の整備費や特産品販売、受託事業などの運転資金等に活用してまいりたいと考えております。
 次に、JAとなみ野が計画されている農産物直売所、物販コーナーの概要につきましては、安心・安全な地場産農産物コーナーに、これまで株式会社フラワーランドが取り扱っていた特産品コーナーを加えた総合的な直売所として本年4月にオープンするものであります。
 このことにより、新鮮な野菜を買い求める市民の皆さんを初め、道の駅を訪れる観光客の皆様に砺波市の観光、特産品のPRなどが図られ、にぎわいの創出につながる新たな施設となるものと思っております。
 この直売所を魅力あるものにするためには、特産品等の品数をいかに多くそろえることができるかがポイントになりますので、スイーツを初め、数多くの特産品の開発を各種団体と連携しながら進めてまいりたいと考えております。
 次に、農業振興についての御質問のうち、「これからの農業を考える会」についてでありますが、構想の概要につきましては、先ほど村岡議員にお答えいたしましたとおりでございます。答弁漏れのみをお答えしますので、お許しをいただきたいと存じます。
 チューリップ球根の生産について申し上げます。
 議員が今ほど述べられたとおり、チューリップは砺波市の代名詞であり、チューリップフェアを初めとするチューリップの産業を支え続けてきました。しかし、球根の輸入の自由化、安価な輸入球に押され、チューリップの球根の生産者、栽培面積ともに、ここ10年で半減をしております。
 今からでも遅くない、チューリップを何としても維持・発展させなければなりません。さらには、砺波ならではの品種が多くあり、特異性を強調し、売れる球根づくりに取り組む必要があると存じます。
 これまで球根生産に対する支援を長年続けてきましたが、新たな生産者を輩出することはなかなかかないませんでした。このことは農業を取り巻く環境が大きく変化したこと、水稲に比べ機械化が容易でなく、人手がかかること、病株の抜きとりなど、高度な栽培技術の習得が難しいことなどではないかと思っております。
 これからのチューリップ球根栽培には、人手がある組織を発掘することや、あるいは球根生産農家の後継者にしっかりと引き継いでもらうことが極めて重要であります。
 昨年、モデル事業として、初めて取り組む者に必要な種球を全額補助し、栽培技術の習得に熟練した生産者が先生になる指導の匠の制度を設けました。現在、1組織1個人で取り組んでいただいておりますが、関係機関が一体となって一人前の生産者として育成し、今年も新たな組織、新たな生産者の発掘に努めてまいります。
 昨年、県の農村文化賞を受賞された権正寺営農組合さんのように、球根栽培にさらに付加価値をつけ、切り花として販売する事例もあり、今後とも、チューリップが光り輝くよう、必要な施策を県農林振興センターや県広域普及指導センター、県花卉球根農業協同組合と連携し、積極的に支援をしてまいります。
 次に、新規農業従事者の発掘についてでございますが、今ほど御提案のありましたシステムは、県の農林水産公社において、新規就農者の確保、定着、育成事業として既に行われております。
 具体的には、高校生向けの10日間程度の就農啓発研修や、大学生や社会人向けの5日から30日間に及ぶ実地体験研修、知事の認定を受けた認定就農者向けの長期実践研修などのメニューがあります。また、昨年度から、就農希望者を対象に農業の生産現場を体感する就農体験ツアーも開催されております。
 ただ、残念なことに、PRが行き届いていないのか、あるいは市内に就農を希望する若者が極めて少ないのか、砺波市からの利用が非常に少ないのがまことに残念であります。
 今後とも、市内の農業を志す農業高校生に、県の研修支援制度を活用いただくように働きかけるなど、広く周知に努めてまいります。議員各位にも人材の発掘に御協力をお願いしたいと存じます。
 私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては副市長、教育長並びに担当部局長からお答えをいたします。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、男女共同参画推進計画についての御質問にお答えいたします。
 昨年12月に閣議決定されました、国の第3次男女共同参画基本計画では、計画を実効性のあるアクションプランとするため、具体的な数値目標やスケジュールを明確に設定しております。
 このたび当市が策定いたしました第2次の計画におきましても、できるだけ具体的な数値目標を設定し、計画の進捗状況を把握しやすいように配慮したところであります。
 この計画を着実に推進するため、また、進みぐあいが市民にもよくわかるように、毎年、市民15人からなる砺波市男女共同参画市民委員会を開催し、男女平等共同参画に関する事業の進捗状況を報告するとともに、進行管理をしっかり行い、計画倒れとならないよう努めてまいりたいと考えております。
 次に、農業委員の推薦に関する御質問でございます。
 当市の計画においては、農林業、商工業における男女共同参画の推進を重要な課題の一つとして捉えております。地産地消や食育、消費のニーズや食の安全に関心が高く、農産物の加工、販売等の活動などで活躍の場を広げている女性の参画を進めることは、農村地域社会にとって必要不可欠であります。そのためには、農業経営を男性だけでなく、配偶者など家族みんなが主体的に経営に参画でき、意欲と能力を存分に発揮できる環境を整備することも重要でありまして、家族経営協定の締結などを増やしていくことも必要であると考えております。
 また、今年の夏に執行が予定されております農業委員会委員選挙におきましては、女性を初め、多様な人材が選任されるように配意いただけるよう、働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、市の女性職員の登用につきましては、研修などを通じて知識や能力の開発に努め、管理職への登用を進めるとともに、女性管理職が働きやすい職場環境の整備に努めてまいります。また、審議会における女性の登用につきましても、あて職の見直しなどを行い、委員の改選時には女性の登用率が30%に少しでも近づくよう、人選に配慮してまいります。
 私からは以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 大楠議員御質問の子どもたちの健全育成についてのうち、2番目の小学校の新学習指導要領の改訂に伴う外国語活動についてお答えをいたします。
 小学校の外国語活動の目標は、外国語を通じて言語や文化について体験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、外国語の音声や基本的な表現になれ親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養うこととされております。
 小学校の外国語活動の内容は、小学校5、6年生が週1単位時間、年間で35単位時間の授業時数となり、話したり、聞いたりすることを重点に置くことから、中学校のように、読んだり、書いたりすることには重点を置いていないわけでございます。
 また、必修化されるといいましても、国語や算数のような点数により評価する教科ではなく、小学校における外国語活動の目標や内容を踏まえれば、一定のまとまりを持った活動であるとされております。
 このように小中学校において外国語教育に対する取り組みが異なることから、小中学校の連携を図るために、砺波市では昨年の夏休みに同じ中学校区内の小中学校の教員が幾つかの分科会に分かれまして、当面する諸問題について協議し、目標や内容について共通理解することから始めております。
 また、各小中学校でも校内研修や市教育センターが実施いたします外国語活動研修会を通じて意見交換を行い、理解を深め、中学校へのスムーズな移行に向けて努力しているところでございます。
 小学校で英語嫌いになることのないように留意して指導していただくとともに、小中学校の連携はもちろんですけれども、小学校5、6年生の外国語活動につながるように、小学校1年生から4年生では、市の国際交流員から外国語になれ親しむための活動を行っております。
 また、現在、受け持ち授業時数の関係で、中学校に配置しているALT4名のうち、2名は小学校の兼務とし、さらに、小学校専門のALT1名の計3名のALTで市内の小学校8校の外国語活動を支援しておりますけれども、教育現場からは、外国人のALTが小学校5、6年生の全時間について外国語活動を支援していることについて大変喜ばれているところでございます。
 今後、砺波市教育委員会としましては、外国語活動の目標を達成するため、小中学校の連携を初め、教材、教具、ALT、地域の人材の効果的な活用などを含む実践的な取り組みや指導者養成研修の実施など、学習環境の整備に対しての支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
 次に、新しい小学校学習指導要領によって指導内容はどのように変わるのかについての御質問にお答えをいたします。
 新しい学習指導要領では、教育基本法の改正等で明確となりました基本理念を踏まえまして、教育内容の見直しがされました。その主な内容としましては、ゆとりか、それとも詰め込みかではなく、基礎的、基本的な知識・技能の習得と思考力、判断力、表現力等の育成との両方が必要であることから、それぞれの力をバランスよく伸ばしていくために教科等の授業時数を増加し、教育内容を改善しようとするものであります。
 このため、小学校では、国語、社会、算数、理科、体育の標準授業時数が6年間で約1割増加いたします。週当たりの標準授業時数は、1、2年生で週2時間、3年生から6年生で週1時間増加いたします。教科別に見ますと、国語は1、2年生で週9時間に、算数は2年生から6年生で週5時間に、理科は4年生から6年生で週3時間に、体育は1年生から4年生で週3時間にそれぞれ増加いたします。また、外国語活動は5、6年生で週1時間新設されることとなるわけでございます。
 新学習指導要領で多くの学習内容が増加したことを受けまして、新しい小学校の教科書では、従来と比べまして平均で25%のページ数の増加となっているわけでございます。
 新しい小学校の教科書で充実した内容の例を挙げてみますと、国語では説明、報告、紹介、討論等の言語活動や、ことわざや慣用句、社会では、縄文時代の文化、裁判員制度、算数では、算数的活動を重視した課題、理科では実生活、実社会と関連づけた課題、題材等が新たに挙げられております。
 砺波市教育委員会としましては、4月からの小学校新学習指導要領の全面実施に当たりまして、常に小学校の教育現場との連携をとりながら、教師用指導書や教材の準備を初め、よりよい学習環境の整備や学校の教育活動を支援してまいりたいと考えております。
 次に、庄川小学校の耐震改修事業についてお答えをいたします。
 昭和41年から43年にかけて建築されました庄川小学校は、40年以上を経過して、平成21年度に実施しました耐震診断では、どの校舎棟も耐震性が不足しているという結果となっており、できるだけ早期に耐震改修にとりかかっていきたいと考えているところでございます。
 庄川小学校の学校給食につきましては、この耐震改修事業に合わせて検討すべき課題と考えており、現在、市内小中学校で唯一自校方式による学校給食を行っておりますけれども、幼児児童生徒数の推移を初め、立地条件や道路との周辺環境、学校給食センターの調理能力等、児童や保護者、地域の皆さんの御意見を伺いながら、耐震改修事業の全体計画の中で検討してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 教育委員会事務局長 白江秋広君。
  〔教育委員会事務局長 白江秋広君 登壇〕

◯教育委員会事務局長(白江秋広君) 私からは、大楠議員御質問の1点目、子どもたちの健全育成について、子育て支援ボランティアの研修・交流の場づくりについてにお答えいたします。
 まず、子育てボランティアグループは、市が実施している子育てサポーターリーダー養成講座を受講された方を中心に、市内の21地区で組織されております。その役員の皆さんが、砺波市子育てボランティアグループを組織されまして、毎年、活動計画を作成し、交流活動や先進地視察、研修会や情報交換などの活動をしておられます。
 また、各地区では子どもたちを対象とした公民館活動に協力するほか、自主的なグループ活動として、絵本の読み聞かせやおやつづくりの機会を地区公民館を利用して実施され、その中では、県や市のパンフレットを使って子育てに関する行政の支援制度や施設の紹介などもしていただいております。
 議員が提案された子育てを応援する目的のボランティアグループとの交流や研修の場をつくることについては、各グループの皆さんの意向もお聞きしながら、実施を検討してまいりたいと考えております。
 次に、市内の子どもたちを一堂に集めた砺波っ子・子どもフェスタの開催の御提案ですが、規模も大がかりになることや予算措置等もあり、今の段階では難しいと考えております。
 ただ、こうしたイベントには何よりも関係者の機運の盛り上がっていくことが最も大切であり、例えば幼稚園、保育所で実施されている交流活動や、小学校のほうでは幼保と小の三者連携活動などが行われておりますが、そういった機会に子育てボランティアの皆さんがかかわっていかれる機会があるのではないかと思います。そうした活動が積み重なることで、子育てにかかわるボランティアグループのネットワークが広がり、活動される皆さんから自発的に御提案のイベントも開催する体制が整ってくるのでないかと期待いたしております。
 以上でございます。

◯議長(井上五三男君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
 次回は、明3月11日、午前10時から開会いたします。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 どうも御苦労さまでした。

 午後 5時26分 閉議