1.会議の経過
午前10時00分 開議
◯議長(稲垣 修君) ただいまの出席議員は20名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
◯議長(稲垣 修君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第27号から議案第34号まで、平成23年度砺波市一般会計補正予算(第1号)外7件について、及び報告第4号から報告第11号まで、継続費の逓次繰越しについて外7件についてを議題といたします。
昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
3番 山本善郎君。
〔3番 山本善郎君 登壇〕
◯3番(山本善郎君) 皆さん、おはようございます。
それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、市政一般についてお尋ねするものです。
まず最初に、砺波市内で起きた焼き肉店集団食中毒事件に関し、亡くなられた御家族、御遺族様に対し、衷心よりお悔やみ申し上げ、御冥福をお祈り申し上げるものです。また、現在に至っても回復もままならず、入院を余儀なくされた方々におかれましても、一刻も早く回復されますことを御祈念申し上げ、お見舞い申し上げるところでございます。
食の安心・安全が叫ばれて久しいこの時期に、こういった形で死亡者が発生すること自体、大変遺憾なことと考えます。もとより、市民の皆様の安心・安全を守ることが行政の最大の責務であり、今日まで私たちは、食に対する安心・安全は、農産物など、生産する立場ばかりで考えてまいりましたが、消費者の立場からの考え方が欠如していたようにも考えます。この事件は、砺波市の歴史上、類を見ない大変大きな広域的かつ人的災害と考えます。
そこで、まずもって当局のこの事件に対する認識、対応及び対策について質問するものです。さて、このような集団食中毒事件は、過去に、埼玉県の幼稚園で、井戸水による集団食中毒事件が記憶に新しいところですが、当時、患者数は319名にも及び、うち死亡者も2名出るといった大変むごい事件でありました。また、最近では、同じように、高岡市内の焼き肉店でのO―157によるものと思われる事件や富山市の老健施設での食中毒事件で、幸いにもほとんどの皆様が回復されているようです。さらには、国外のドイツを含む欧州で、腸管出血性大腸菌O―104の感染が拡大し、死者も20名に及ぶとのことです。しかしながら、これらの事件のほとんどはO―157に起因する食中毒事件であり、このたびの市内で起きた腸管出血性大腸菌のO―111による集団食中毒は、過去10年間においてほとんど類を見ない事件とのことです。
では、なぜこの時期に多くの集団食中毒事件が発生するのか、疑問が残るところです。これらの菌は、皆さんも御存じのとおり、ベロ毒素を算出し、特に腎尿細管や脳に強い毒性を示し、また、本菌は牛の大腸に寄生し、感染菌病が十数個から百数個と少なくても発病し、食物と水を介して経口感染し、長くて2週間の潜伏期間があるとのことです。
こういった状況の中で、このたびの集団食中毒事件は、保健衛生を監督する県の厚生センターが市内焼き肉店への監督指導を2009年1月の開店以来、一度も実施されていなかった事実や元県衛生研究所所長では、最も大事な安全確保を営業者に丸投げしていたと批判するような状況であります。また、県知事の記者会見では、店内検査が一度も実施されていないことに関して、大変残念とコメントし、さらに、数回実施しようとしたが、営業時間外でできなかったともあります。
一方、事件を起こした運営会社は、営業自粛している店舗の再開を相談しているという、一体どういうことなのか。事件の解明もままならず、さらには、今なお苦しんでいる方がおいでになるというのに、あまりにも無神経なところに怒りを覚えるものです。県の監督責任の甘さがこの事件を引き起こしたと考えても過言ではないと考えます。
それでは、市は、この事件の一報が入った時点での対応はどうだったのか。
市長においては、真っ先に県に対し抗議し、弁明を求めるべきであり、また、初期の対応として、不特定多数の皆様に対して、あらゆる方法で注意の喚起ができなかったのか。それにより早期に発見し、被害を少しでも増えさせない努力が必要であったと考えます。今月19日には、市内において食の安全大会が開催され、大変いいことと考えますが、遅きに失する感があるようにも思います。さて、一夜にして、とうとい人命が奪われたことや楽しかった家庭の団らんが崩壊し、この無念さをどのように晴らすことができるのか、今こそ行政が手を差し伸べるべきと考えますが、いかがでしょうか。
自然災害に対しては、防災マニュアル等が完備しているが、今回のように、人災に対するマニュアルは整備されているのかどうか。また、県の厚生センターが所管している中に、市として、その業務の内容に職員を派遣し、出向させ、その責務の一端を担うことができないのか、検討することも必要と考えます。
なお、病院長には、砺波市総合病院には、入院患者がおいでになるとすれば、最新の技術と最大の努力を傾注していただき、とうとい命を守っていただきたいと考えます。
そこで、1、市長のこのたびの集団食中毒事件に対する所見について。2、発生時における市の初動危機管理体制について。3、再発防止に向けた対応及び県への要望について。4、児童生徒のメンタルケアについて。5、最先端新医療技術の対応について。以上、5点について尋ねるものです。
最後に、この集団食中毒事件の全面的徹底解明と、今なお多数の方が入院中とお聞きしますが、全員完治されることをお祈り申し上げ、これに関する質問を終わります。
次に、公共交通としての市営バスの運行について質問するものです。
このたびの公共交通の市営バスについて、条例改正が予定されているところですが、市民の交通弱者に対するこの取り組みに大いに期待をし、賛同するものです。
さて、もともと公共とは、社会全体に対し、公のものを共有するということであり、公共交通は社会全体で共有する交通手段と考えます。社会全体で共有するとは、市民だれもが等しく利用でき、また、保障される必要があり、その最大の使命は、地域社会を構成する市民の移動が保障されることや、だれにでも高い安全性が確保された移動を提供することと考えます。
公共交通の必要性として、自家用車が生活の中で一般化し、好んで活用しているが、一方では、高齢者、障害者、児童及び生徒など、自動車を利用できない人もたくさんおいでになります。こうした中、地域の公共交通は、交通弱者たる市民の移動手段を確保するための手段として不可欠なものと考えます。しかしながら、市財政をも圧迫することから、効率的かつ持続性を確保しつつ、人と環境にやさしい公共交通を構築することが肝要と考えます。
しかし、一方では、利用者の減少に伴い、結果として、利用者へのサービス低下を招いたり、それにより、さらに利用者が減少するという悪循環が懸念され、市民モビリティー、市民の足を確保するため、行政による一定の公的補助が不可欠となります。地域においても、活性化を促す努力が必要と考えると同時に、広く、長く存続させることも考えなければなりません。
そこで、道路における危険を防止するため、交通安全の円滑な推進と地方活性化を図るため、公共交通特区設置の必要性はないのか、また、当市においては、交通安全に対する都市宣言はあるが、公共交通そのものの必要性や重要性、かつ地域公共交通の基本的な考え方を定めた社会規範が必要ではないか。それにより市民の皆様の関心と意識高揚を行うべきと考えるが、いかがでしょうか。
そこで、以下、3点について尋ねるものです。
1つ、乗車率向上施策及び利便性、安全性確保対策について。2、公共交通特区の設定について。3、公共交通憲章の制定の必要性について。
次に、公共交通としての城端線の活性化について尋ねるものです。
3月の定例会において、自民会派を代表して堀田議員が、北陸新幹線開業を見据えた交通対策等について代表質問されました。その折の指摘内容は、2014年に開業する北陸新幹線の竣工建設プランと城端線活性化対策について、また、関係市町村団体との協議進捗状況を質問されました。さらに、具体的な利用状況やパブリックコメントの収集状況等、鋭く、詳しく質問されました。さて、その答弁の内容は、今月下旬、当時3月下旬でありますが、地域公共交通連携計画の策定協議や計画実施に係る調整のための協議会を開催する。また、交通弱者の利便性を高めるとともに、活性化に努め、環境の醸成に努めるとのことでした。
そこで、今回、改めて城端線に対する環境整備に対する思いと活性化対策について尋ねるものです。
過日、魚津市を初めとする3市2町村議員が、県に対し、JR西日本から経営分離される並行在来線の運営に関して、21項目からなる要望書を提出されました。その一方では、その枝線・城端線の検討は行われるにしても、情報提供が少なく、市民の皆様には全く見えてこないと考えます。該当する高岡市を初め、3市協調・協同推進が必要と考えますが、過日開催されましたフォーラムでは、各市町村の考え方には大きな温度差があることも感じ取れました。そうなると、当市としては、中心的にかつ積極的なアクションが必要と考えます。
さて、公共交通としての必要性については、市営バスのところで先に述べましたが、さらに、砺波市として、観光戦略の中の利便性を考えたとき、東海北陸道の全線開通に伴い、車での利便性は確保されましたが、一方では、飛越能グローバル化を目指し、観光資源を活用するための移動手段であるはずが、その割には鉄道の存在が軽薄しているものと考えます。
そこで、問題になることの洗い出しの中で、1つは、城端線が南砺市で行きどまりであることも視野に入らないかどうか。この行きどまりの解消法として、飛越地方まで延線するとか、また、高山線に接続を考え、ロータリー性を兼ね備えた飛越能環状線としての性格を持たせることも一考とし、検討余地に入らないか。ローカル線の廃止はよく聞くが、今日まで、延線された話は一度も聞いたことがないように思われます。
採算ベースを考えたとき、廃止も視野に入ることは十分に理解できるが、この城端線が日本海側民営鉄道100周年という節目を迎えるに当たり、夢と希望を視野に入れ、視点を変えた論議があってもいいと思われるが、あまりにもさびしい話ではないでしょうか。今、城端線の歴史を考えたとき、当分の間、経済成長が見込めないとなると、もったいない精神に基づき、他に類を見ない、古くて、新しい宝物として生まれ変えさせることの努力を惜しんではならないと考えます。
そこで、1、城端線活性化に向けた環境整備の進捗状況について。2、協議会の生み出す目標と方向性は何か。3、今後の事業展開について、市民が求められる役割は何かを尋ねるものです。
次に、桜の名所づくりで、小公園整備について尋ねるものです。
過日、近所に住む子連れの家庭に会い、どこへ行くのか尋ねると、子どもを遊ばせるために、市外の某所へ行くとのことでした。なぜ市外へ行く必要があるのかを考えたとき、私どものこの北部地域周辺には、そういったちょっとした家族団らんで憩うところがなく、環境整備が遅れているようにも思います。市内には、チューリップ公園を初めとし、幾つかの施設があるが、地区、または地域ごとの整備が必要と考えます。
さて、県では、新年度において、富山さくらの名所づくりに取り組まれるとのことです。その内容は、現在50カ所の名所に新たな追加選定を行う作業のほか、将来の名所づくりや新品種の育成、新幹線開業に向けた新たな環境資源の発掘をもするとの考えです。
桜といえば、開花日数が少なく、それはそれで希少価値があり、国内野生種の9種が自生しているのは富山県を含め、2県だけだそうです。また、桜は春の花と思いきや、秋にも咲く品種があるそうで、1年中楽しむことができるとのことです。
さらに、現在の50カ所の名所を70カ所に増やし、県固有の品種について、移植を希望する地域に配付することもできるとのことです。この50カ所の内訳は、県東部に26カ所、県西部に24カ所。県西部のうち、砺波市内には3カ所、うち旧砺波市内には1カ所、旧庄川地区には2カ所、たくさんあるように思いますが、何ともさびしい話ではないでしょうか。さらに、全国さくらの名所100選では、富山県は2カ所のエントリーしかなく、富山市の松川公園と高岡古城公園のみであります。この桜に対するこだわりの心が薄いように思われます。花があふれる砺波市であるはずが、一昨年、庄川左岸に桜を植樹された以降、聞いていません。
さて、来年は、高岡市が生んだ偉大な科学者、高峰譲吉公が米国ワシントンのポトマック川沿いに桜を植樹して100周年となる記念の年であり、その記念として、その桜の継ぎ木が日本へ里帰りするとのことです。当市も、この記念事業に賛同し、桜の植樹を考えてはどうか。
そこで、この北部地区には、庄川左岸事業として4.2ヘクタールの調整池ができようとしているが、調整池としての本来の目的を失わずして、維持管理を踏まえ、桜の名所づくりの前提として考えることはできないか。近所には御館山城址もあり、北部地区の市民の憩いの場、軽スポーツゾーンとしての位置づけ、市の資源を考えることができないか、要望するものです。
そこで、1つ、地域密着型の小公園づくりと桜の名所造成についてを尋ねるものです。
続いて、市内街路樹の管理運営について尋ねるものです。
今年5月初めに、市道上にある街路樹がとてもすっきりと剪定されていました。これから、新緑の季節にもなるし、病害虫の発生も考えられるので丸坊主に剪定されているのかと思いきや、その対面にある街路樹は平素のそのままであり、一貫性がなく、非常に見苦しい光景でありました。その当時の写真を持ってまいりました。これでございます。きのうはバケツでございましたが。
この街路樹の植栽の意義は、まちの美観向上や騒音の低減、大気の浄化、ヒートアイランド現象の緩和など、道路環境の保全、歩行者への日陰の提供、または風雪害から守ることなどではありますが、一体どこが所管をし、管理監督しているのか、疑問に思えてまいりました。街路樹の体をなしていない全体的な美的バランスの問題であり、持ち場持ち場で管理するものであるならば、景観を考えた一貫性のある指導監督が必要と考えます。このほかにも街路樹は市内にも多く点在するわけでありますが、今後ともこのようなことが起こり得る体制なのか、甚だ疑問が残るところでございます。
砺波市環境まちづくりの研究会がいろいろな御意見を提供され、その中の「今つくる」道路施設・街路樹の項目には、「景観百年の計」とし、よりよい散居景観を構築しなければならないということもあり、そういった意味でも、市として、このような散居景観を維持管理していかなければならない時期にいかがなものでしょうか。
そこで、1、特異な景観が発生する原因は何か、2、今後の街路樹の管理運営の改善策についてを尋ねるものです。
以上、質問を終えますが、当局の誠意ある回答を期待するものです。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 山本議員の御質問のうち、市内焼き肉店での集団食中毒事件について、私の所見を述べさせていただきます。
本年4月下旬から発生した焼き肉チェーン店での腸管出血性大腸菌による食中毒事件につきましては、県内3店舗での患者数は163名にも上り、腸管出血性大腸菌感染症と診断された方は81名、現在も入院中の方は11名と聞いております。また、当市の患者数は、県の発表によりますと、5月末現在では38名、うち入院された方は12名、通院の方は26名であります。入院された方のうち、2名の方がお亡くなりになられ、現在も入院されている方は5名であります。
亡くなられた御家族、御遺族には、衷心よりお悔やみを申し上げます。御冥福をお祈り申し上げるとともに、現在も入院されておられる方には、そしてまた、通院されている方には、一刻も早く回復をお祈りをいたします。
さて、このたびの食中毒発生は、焼き肉業者の食の安全に対する認識の欠如が最も大きな原因ですが、議員御指摘のとおり、業者に対する食品衛生監視等が十分に行われていなかったことも原因の一つとされております。
こうした感染症及び食品衛生行政につきましては、食品衛生法などの法律に基づき、国及び県が蔓延防止や病原体等の管理、食品監視業務など、専門的、技術的業務を担うとされており、県内でこうした監視指導を行えるのは、県と富山市のみとなっております。
先ほど御質問の中に、市として、その業務の内容に職員を派遣、または出向させ、その責務の一翼を担うことはできないかという御質問でございますが、市としては、その監督指導権はないのでございます。この点、御理解をお願い申し上げたいと、このように思っております。そのため、その他の市町村には、業者に対する監視指導は行えず、主に食中毒への予防啓発などの普及業務を担っております。
そのため、私は、国に対しまして、しっかり法律で拘束、そういう食肉を提供できないしっかりした法律をつくっていただいて、監視を徹底していただきたいと、このように申し上げてまいったところでございます。特に今回の場合は、食肉の提供者、横浜ですか、会社があり、それが各県にまたがっておるわけでございます。極めて全国的なチェーン店の展開でございますので、なかなか監視機能が行き渡らないということでございますから、こういう事態が発生するに至ったのは私は国の責任が大変大きいと、このように考えておるわけでございます。この点は十分に厚生労働省に行きまして、そのことを申し上げてまいったわけでございます。10月中には、その法制化をしていただけるというふうに聞いておりますので、二度とこういう事件が発生しないように、しっかり監督指導を行っていただきたいことを申し上げてまいりました。
今回の事件に対しまして、市といたしましては、市民の中に多くの患者さんが発生したこと、最初に発生が確認されたのは市内の店舗であったことなどから、重大な事態として受けとめ、教育委員会や健康センターなどにより、児童生徒や高齢者の方などに、特に抵抗力の弱い方を中心に速やかに感染の予防について周知をしたところでございます。
しかしながら、今回の感染に関する情報につきましては、個人情報保護の立場から、市にも新聞等報道される情報しか伝えられず、事件の概要や感染者の状況など、情報がある程度確定した段階で、去る5月30日に、富山県に対しまして、食品衛生監視体制の充実による食中毒の再発防止と感染情報の速やかな提供についてをお願いしてまいったところでございます。また、6月6日には、国に対しまして、生食用食肉の衛生基準が法的拘束力のない、目標と示されているに過ぎなかったことから、基準や規格の見直しを行うことや食中毒の「再発防止と生食用食肉の安全性の確保について」強く要望したところでございます。
今後は、県並びに厚生センターと連携を密にいたしまして、市民の健康の危険に関する情報の収集、提供など、健康危機管理体制の整備に努めてまいる所存でございます。
私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては教育長並びに病院長、及び担当部長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
教育長 舘 俊博君。
〔教育長 舘 俊博君 登壇〕
◯教育長(舘 俊博君) 私からは、山本議員御質問の市内焼き肉店での集団食中毒事件についての質問のうち、4点目の児童生徒のメンタルケアについてお答えをいたします。
お尋ねの児童生徒への心のケアにつきましては、入院した児童生徒が退院し、学校へ復帰する際には、学校と保護者が相談し、必要に応じて、学校配置のスクールカウンセラーや教育事務所配置のスクールカウンセラーの派遣を要請し、子どもの心のケアを図り、少しでも早く学校になじめるよう配慮していきたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
病院長 杉本立甫君。
〔病院長 杉本立甫君 登壇〕
◯病院長(杉本立甫君) 私からは、最先端新医療技術での対策についての質問にお答えをいたします。
市立砺波総合病院では、今回の集団食中毒事件について、4月25日に、初めての患者さんが来院され、下痢、血便、発熱などの症状を訴えられておりました。その後、多数の患者さんが入院となり、重篤な症例が増加したことから、当院のみでは高度医療を多くの患者さんに同じように供与できないと判断し、金沢大学、富山県立中央病院、富山市民病院などに転院することにより、患者さんの安全を確保したところであります。
また、院内における食中毒病原菌による2次感染を防止するために、早急に病室での感染防御の徹底を図るとともに、院内に手洗いの徹底を促すポスターを掲示し、2次感染の防止に努めたところであります。
今回の事例につきましては、HUS(溶血性尿毒症症候群)及び脳症を併発し、重症化した患者さんの比率が従来、日本で報告されている数に比べて圧倒的に多く、その原因につきましては、いろんな推測がなされていますが、現在、国立感染症研究所等で調査中であります。
次に、治療につきまして、従来から成書(医学的教科書)に書かれている治療法では十分対処できるものではありませんでしたので、最新の情報を含めた幾つかの療法を組み合わせた治療、いわゆる集学的治療を行ったところであります。また、新薬である凝固障害の治療薬の一つも使用しましたが、最終的な効果判定は、今後の検証を待たないとはっきり言えない状況です。
また、今回は、関係する医療機関、医師の間でメーリングリストを利用したことで、一番効果のある治療法の共有ができたことが一番よかったのではないかと思っております。
以上です。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、山本議員御質問のうち、市内焼き肉店での食中毒事件についてのうち、(2)と(3)の2項目について、それと、市営新路線バスの運行について、城端線の存続についてお答えを申し上げます。
最初に、市内焼き肉店での食中毒事件についてのうち、発生時における市の初動危機管理体制についてお答えを申し上げます。
感染症予防の普及啓発業務を担う市といたしましては、4月27日、焼き肉店の利用者から、腸管出血性大腸菌感染症患者発生の公表を受け、教育委員会では、翌28日に、市内小中学校の保護者あてに、また、5月2日には、保育所、幼稚園も含めた保護者あてに再度、食中毒の予防ポイント及び生肉の飲食への注意喚起の啓発を行いました。また、健康センターでは、5月6日に開催された緊急市町村衛生主管部局長会議を受け、同日、市ホームページには、生肉などに関する食中毒予防を掲載し、また、食中毒予防啓発チラシを作成し、乳幼児健診、予防接種等の機会をとらえ配付したほか、高齢者への対策としては、介護サービス事業者への同チラシの配付など、特に抵抗力の弱い年齢層を中心に周知をしたところであります。
なお、この間の感染者の動向につきましては、2次感染を防ぐため、厚生センターや健康センターにおいて、店を利用した人に検査を広く呼びかけたことや病院での対応が迅速に行われたことにより、2次感染による感染者はありませんでした。
また、報道発表された27日には、店舗は業務停止により閉鎖されたことから、一部の方で潜伏期間後に感染が発見された方もいらっしゃいましたが、4月27日以降、この店での新たな感染者はありませんでした。
次に、去る6月19日に、文化会館におきまして開催した食の安全推進大会が遅きに失したのではないかとの御指摘ですが、今回の事件の発生原因が明らかになるまで時間がかかったこと、当市の被害状況などの情報は速やかに入らなかったこと、また、これから梅雨に入り、食中毒が発生しやすい時期となることから、このたびの開催となったものであります。
この大会では、市民一人一人が食生活や健康に関する正しい知識を身につけるため、食中毒予防の講演会を開催し、また、今回の事件を教訓に、食中毒の予防について、砺波市食品衛生協会砺波支部、庄川支部の方とも連携し、再確認をしてもらうため、食の安全推進宣言を行ったものであります。
次に、再発防止に向けた対応及び県への要望についてお答えをいたします。
先ほど市長が答弁しましたように、食品衛生における監視業務は専門性が高いことから、県知事が任命する食品衛生監視員が行うことと法律で定められております。そのため、市内でも外食産業のチェーン店が増える中、今後は監視指導が十分になされるよう、食品衛生監視員が所属する厚生センターに要望するとともに、厚生センターとの連携を密にし、迅速で正しい情報の収集に努め、市民の皆さんに対し、タイムリーな情報提供を含め、感染症予防や食中毒予防の周知、啓発を行ってまいりたいと考えております。
次に、大項目2の市営新路線バスの運行についてお答えをいたします。
今回の公共交通の見直しにつきましては、重複路線及び交通空白地域の解消並びに通勤・通学・通院等の利便性の向上による乗車率の向上を図ったものでありますが、さらに高齢者等の利便を考慮し、現在、自由乗降制を警察及び富山運輸支局と協議中であり、安全性を確保できる範囲内において実施したいと考えております。
また、安全性の確保につきましては、運行路線に常に注意を払うとともに、運転手の安全教育について徹底してまいりたいと考えております。
次に、公共交通特区の設定につきましては、市街地におけるバス、タクシー等の優先ゾーンのほか、自転車道や歩行者専用道を設置することを目的とするものだと思われますが、市街地のまちづくりと合わせ、今後研究してまいりたいと考えております。
次に、公共交通憲章の制定の必要につきましては、御指摘のとおり、当市におきましては、交通安全都市宣言はございますが、公共交通そのものの重要性や基本的な考えを定めたものはございません。公共交通は、これからの高齢化社会での高齢者の足の確保、地球温暖化防止対策としての交通機関、今までも多く利用されています通学・通勤の足など、これまで以上に重要となってくると考えております。そのためには、利用しやすく、魅力あるものにすること、また、将来的にも継続して運行し、多くの方に利用されることが重要であり、そのための具体策を市民の皆さんの声を聞きながら進めていくことが最も大切なことと考えており、今回の見直しに当たっても各地区のお声をお聞きし、また、パブリックコメントを実施してまいりました。
議員御提案の憲章は、基本的な方針や施策をうたうものであり、この部分については市民の皆さんに広く理解をされているというふうに考えますので、新たに憲章を制定することは現在のところ考えてはおりません。
次に、大項目3の城端線の存続問題についての3項目についてお答えをいたします。
まず、城端線活性化に向けた環境整備の進捗状況につきましては、去る5月17日、城端・氷見線活性化推進協議会の平成23年度総会が開催され、沿線4市の市や商工会議所、観光協会及び自治振興会協議会など、各方面の方々による参加がありました。総会では、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の規定に基づき、地域公共交通総合連携計画の素案が議案として提出され、承認されました。
この素案では、城端線活性化に向けた環境の整備として、北陸新幹線及び北陸本線との接続の強化を目標に、新幹線新駅と城端線新駅の設置を目指した交通ネットワークを強化することが盛り込まれました。これは、城端線活性化の基本方針の一つであり、これ以外にも3つの目標が盛り込まれております。
1つ目は、地域生活利用における利便性の向上であり、定期利用者数の維持・増加や運行サービスの改善・向上等を目指しております。2つ目といたしましては、公益利用による利便性の向上であり、豊富な沿線観光資源を活用し、観光ルートの開発や観光施設とタイアップした企画切符等により、観光客の増加を目指しております。3つ目は、地域との連携による鉄道の活性化、地域の活性化であり、関係者との協働により、イベントとの連携や新たなマップ、時刻表を作成し、駅周辺への集客を目指しております。
本計画は、平成24年度から平成28年度までの5カ年を計画期間としており、今年度は、関係機関と協議を重ね、会員から提出された案を計画案として策定する予定であります。
市といたしましては、これまでもJR西日本と協議し、橋上駅である砺波駅を建設したり、チューリップフェア期間中には臨時列車の運行やJR利用者割引を実施してまいりました。また、パーク・アンド・ライド事業として、砺波駅周辺に駐車場を整備し、城端線の活性化について鋭意取り組んでいるところであります。また、今年10月からの市営バスの見直しにおきましても、城端線との接続に十分考慮し、利便性を向上させ、利用者の増加を図っているところであります。
しかしながら、乗車人数が減少の一途をたどっており、ほとんどが通学利用者であることから、今後の少子化の中で、ますます利用者が減少することが見込まれております。そのため、今後は城端線活性化に向け、地域生活利用から観光、広域利用に至るまで、幅広く各種事業を展開していくことになりますが、市民の皆様には、砺波市の偉大な賢人が開業した旧中越鉄道の城端線を守るという心を持ち続けていただきたいと思っております。そういう意味でも、先日、砺波で開催されました城端線に関するフォーラムに、さまざまな分野の方が参加され、存続に対する意識高揚が図られたことは大変有意義であったと思っております。
城端線は、来年で100周年を迎えます。この歴史の重みとシンボル的存在であることを再認識して、生活面でも観光面でも不可欠な存在であることを念頭に置きながら、市民の足としての城端線を守るため、活性化に努めてまいるとともに、市民の皆さんには、日ごろから少しでも、身近な城端線を利用していただきたいと思っております。
私からは以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
商工農林部長 八田俊伸君。
〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕
◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、山本議員御質問の花と緑の推進についてのうち、地域密着型小公園づくりと桜の名所造成についてお答えいたします。
現在砺波市には、砺波チューリップ公園や舟戸公園などの都市計画公園のほか、土地区画整理事業や民間の開発行為により造成された街区公園や農村公園を含めますと、約160余の多くの公園が整備されております。このような中で、さらに市が管理する地域密着型小公園を新たに配置することは、今日の厳しい財政状況や公園の利用頻度、管理面などから難しいことを御理解いただきたいと存じます。
また、桜の名所造成について御提案いただきましたが、庄川左岸の桜づつみモデル事業が完了したばかりでございます。すぐに規模の大きな計画を持つことは難しいものと考えております。
国営農地防災事業で造成される岸渡調整池は、農業用水利施設ではなく、洪水時の防災施設として整備されるものであり、造成後の防災機能に係る管理費用については、この農地防災事業に関係する砺波市、高岡市、小矢部市、南砺市の4市が負担することになっております。砺波市といたしましては、国営農地防災事業で取り組める整備の範囲が基本と考えており、管理費が過度に増加するような整備は難しいものと思っておりますが、今年度、国営事業所主催で調整池の上部利用に係るワークショップが開催されると聞いております。その中で、地域協議会の皆さん方の思いを、将来の管理形態なども含めて十分協議をしていただき、その結果を踏まえまして今後の市の対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
建設水道部長 齊藤和芳君。
〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕
◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、4の花と緑の推進についてのうち、街路樹の特異な景観が発生する原因と街路樹の管理運営の改善策に関する御質問にお答えいたします。
山本議員の御意見にもありましたとおり、街路樹の植栽効果には、景観の向上や生活環境、自然環境の保全、木陰の形成、交通安全、防災などさまざまなものがあり、道路法では、道路標識等と同じ、道路の付属物として位置づけられております。
街路樹の植栽管理につきましては、道路管理者である国や県、市の所管部門において、それぞれ剪定時期や予算に応じ、計画的に剪定や防除を実施し、維持管理を行っているところでございます。
街路樹の特異な景観が発生する原因は何かという御質問につきましては、まず、街路樹の管理者がそれぞれ違うという問題もございます。先ほど申し上げましたとおり、道路管理者ごとにそれぞれ管理計画を立て、予算を確保し、適切な維持管理を行っていますが、管理者によって予算規模も違うことから、剪定の周期が違う点がございます。次に、街路樹の種類や大きさが違うことが挙げられます。街路樹の種類が違うことや成長度合いによる大きさが違うことにより、剪定時期もおのずと違うわけであり、景観の一貫性をなくす場合もあると考えます。また、これらのことは道路の街路樹ばかりでなく、公園や公共施設の敷地の中の植栽についても同様のことが言えます。
そこで、今後の街路樹の管理運営の改善策についてお答えいたします。
先ほどから維持管理に関するさまざまな問題点を申し上げましたが、これらの問題点を改善し、よりよい景観をつくり上げるには、街路樹の管理者がお互いに管理計画を連携調整し、一体的な維持管理を行うことが必要かと思われます。具体的には、街路樹の管理者が剪定時期を調整し、なるべく同じ周期で同様な植栽を行い、景観に配慮した植栽管理を行うことであります。
しかしながら、国や県を含めた市内全域を一体的に連携管理することは大変難しいと考えられますが、今後は議員の御意見を参考に、交通量の多い市の幹線道路やイベント等で、人がにぎわう市が管理する公共施設や街路樹等を中心に、関係者が連携し、剪定を行い、少しでも景観に配慮したまちづくりに努めてまいりたいと存じます。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 21番 前田喜代志君。
〔21番 前田喜代志君 登壇〕
◯21番(前田喜代志君) 私から、大項目3つ、お伺いしたいと思います。
最初に、介護保険事業の基盤整備についてお伺いいたします。
まず、特別養護老人ホームなどの待機者数の推移がどうなっているかという点でございます。
深刻さを増す特別養護老人ホームの待機者の問題については、市長、本当に大変です。この間、中野、あるいは般若地区で相次いでグループホームも開設されまして、認知症の皆さんのベット数は増えてまいりました。しかし、認知症の傾向のない方にとっては、条件がそう変わっていないわけですから、特別養護老人ホームなど、要介護度4、5の重度の待機者、今、何人になっておられますか。うち在宅の待機者は何人になっているか、昨年対比では、待機者数の推移はどのようになっているか。
何年も待たされているという方が現におられるわけですが、この入所できないで、ずっと待機して待っておられる皆さんのお気持ちを察するとき、本当に高齢者も家族も大変苦しんでおいでになる。家族が介護や看護のために仕事をやめなければならない。あるいは老老介護、認認介護という悲惨な実態もある。こうした中で、もうケアプランを立てようにも立てようがないじゃないかという現場の声もあるんですね。ホームヘルプサービスやデイサービスとショートステイを組み合わせながら、何とかこの在宅の皆さんを支えていかないといけない。でも、組みようがないじゃないかという現場の声なんですね。市長はどのように認識しておられますか。
そこで、在宅を支えるショートステイの増床が必要ではないかという点について伺うわけですが、ショートステイの増床など、介護基盤整備は本当に喫緊の課題であると思っています。特養待機者の在宅を支えるショートステイの増床はどうしても必要ではありませんか。介護保険料が県下でも安いほうだというのは、全く自慢になりません。それどころか、サービス利用が低く、保険料が低くても介護保険組合を運営できているというのは、ニーズにこたえるだけのサービス基盤整備が県下の水準に達していないという、ただ、そのあかしだけではありませんか。まだまだ、整備が遅れ遅れになっていることのあかしなのではありませんか。市長はどのようにお考えでしょうか。
この後、平成24年、平成25年、平成26年と3カ年で第5次の介護保険計画に入っていきます。ショートステイの増床がこの中にしっかり盛り込まれるように今、対応しておられますか。次期の介護保険事業計画では、この待機の解消に向けた方策をどのように考えておられるのか、ショートステイの増床を介護保険計画に盛り込まれるように一体、本当に対応しておられるのかどうか、平成24年はどうなるか、平成25年はどうなるか、現場がパンクしないようにしていただきたい。平成26年まで含めて具体的にどうなるか、お答えをお願いしたいと思います。
次に、森林・林業再生の計画づくりについて伺います。
砺波市版の森林・林業再生プランづくりについてでございます。
2011年は、国連が定めた国際森林年に当たります。世界中の森林の持続可能な森林経営、保全の重要性に対する認識を高めるとともに、森林保全に向けた一層の取り組みが求められております。
しかし、森林・林業は、現状は、荒れた森林、里山があります。利益の出ない林業経営、停滞した木材産業、過疎化が進む散村社会、散村地域の雇用の減少などなどの大変厳しい現状が横たわっております。国土保全や防災、水源の涵養、生物多様性などの多面的機能の発揮とともに、持続可能な森林経営の確立と林業生産活動、林業を担う人材育成、雇用の創出、それらにどうマッチングさせていくか。京都議定書でも約束した森林吸収源3.8%の確保、散村社会の進行、野生生物との共生など、多くの役割がそこに期待されてはおります。
しかし、地域の皆さんのいろいろな思いもあるでしょう。ぜひこれからの計画づくりに、地域の関係者の意向も踏まえて展開していかなければならない。どのような手順でこの計画づくりを進められるのか、お伺いしたいのであります。
小規模零細の林家や事業体が中心であることから、間伐もなかなかままならない。再造林もとてもおぼつかない。こういう森林整備の遅れがございます。今度の森林・林業再生プランには、施業の集約化や団地化、あるいは事業の共同化・協業化、それらを推進し、森林資源、間伐材の利用促進と搬出間伐コストの縮減、林業機械の活用を推進するためには、林道や林業専用道、あるいは作業道など、路網整備を加速化していかなければなりません。
国のプランでは、木材自給率50%を実現させていくと、向う10年で。木材から住宅までの一貫生産をもっと広げようというプランになるようです。ここで、砺波材を利用した新築やリフォーム関連への支援制度を市独自に立てることはできないか。ぜひ計画に盛り込んでいただきたいと思う次第でございます。
この同再生プランと総合計画後期計画の関連はどうなるのか。森林・林業再生プランはこれからということですから、後期計画にどこまで盛り込めるか、大変心配でございます。ぜひこれまでの技術力を活用し、人材を育成し、環境問題になっている低炭素社会を確立していく、あるいは循環型産業を育てていく、持続させていく。この森林・林業には、そういう大きな意義があります。その確実な実施体制と安定した予算の確保は大変重要です。同再生プランの策定に当たっては、砺波市総合計画後期計画ともしっかり整合性がとれるように作業を急いでいただきたいと思うのでございます。市長の見解を求めます。
最後に、防災計画及び耐震対策について伺いたいと思います。
3月11日の東日本大震災と津波被害、さらに福島原発事故による放射性物質の被害は、風評被害も含め、大変甚大な影響を及ぼし続けております。6月1日、2日に、福島県の相馬市と新地町、福島市の被災地を視察してまいりました。もう100日を過ぎて、いまだ終息の見込みも立たない。多くの住民が避難生活を余儀なくされている現実でございます。
警察庁のまとめによれば、きのう20日現在で、東日本大震災の死者は1万5,467人、行方不明の方が7,482人、2万2,949人にも上ります。行方不明のうち、身元不明の収容遺体が約1,500人、約6,000人は消息すらつかめていないのであります。また、6月2日現在の避難転居者は12万4,594人にも上る。本当にかつてない大災害になってしまいました。
視察先で、福島市の瀬戸市長のお話を伺うことができました。大地震後、県からの情報が全く入らなかった。県も他の市町村も直ちに災害対策本部すら立ち上げられなかった。福島市は、免震構造の庁舎だったので、直ちに起動できた。11日の夜は、職員みんな、一睡もできない状態。4基の原子炉が相次いで水素爆発を起こし、放射性物質を放出したため、市で準備していた安定沃素剤、これは正確な情報が入手できなかったために、服用を指示するタイミングをはかれなかったこと、大変残念だったと。
避難所には、次々に避難者が増えてきたけれども、ガソリン切れで南相馬市からの避難者が福島にどんどん入ってこられ、避難者全体の8割は南相馬市民になった。急遽、地方自治法の想定外であったが、南相馬市と協定を結んで、南相馬市の臨時支所機能を福島市内の避難箇所にそれぞれ設置をした。
避難場所に必要な物資の配送には大変手間取ってしまった。救援物資を1カ所に保管していたために、74カ所もある避難所への毛布などの救援物資の配送には大変手間取ったということです。
建物の被害把握を急いでいるけれども、住民から、全壊にしてほしい、半壊にしてほしいという相談が相次いでいる。大変困惑して、困っている。再調査しているものもあるが、住民は、隣同士、近所同士で判定が違ってくると、気持ちがすっきりしない、そういう避難所の様子がうかがえました。放射性物質の汚染があるために、町内の一斉側溝清掃の取り組みも梅雨明けまで延期を指示したなど、市長からお話を伺うことができました。
私は、原子力政策を見直し、自然エネルギーへの転換を本当に急がなければならないと思いました。相馬市では延々と続く、本当に無残な光景が目の当たりに入りました。約1,000ヘクタールもの農地が塩害や地盤沈下による水没被害に遭っていました。海水につかっているトラクターがたくさんあり、丘に打ち上げられた漁船がありで、農業も漁業も本当に壊滅的被害を受けていました。
相馬市及び新地町などでは、津波による甚大な被害のために、相馬中核工業団地の用地が災害復旧支援対策として、瓦れき処理の一時使用に供されておりました。新地町にある相馬共同火力発電所が津波被害で運転停止になり、そのそばにある今後の飛躍が期待されていた相馬中核工業団地東地区では、太陽電池用シリコンウェハーメーカーのエム・セテック社も津波被害で操業のめどは全くないと。雇用問題も大変深刻でした。福島県は、この原子力の災害に直面して、本当に復興の手もつけられない状態で苦悩されていることが本当によく伝わってまいりました。
ここで、原子力災害に対応した砺波市防災計画の見直しについて、市長に伺いたいのであります。
現行の防災指針は、防災対策を重点的に充実すべき範囲として、原子力発電所から半径10キロの範囲としておりますけれども、この福島の事故を踏まえると、気象条件や地理条件で50キロ、60キロ、そして、全国へ。この富山県でも沃素やセシウムが検出されているというこういう状況になってございます。放射能汚染の範囲は全く限定的でない。こういうことを踏まえた対処が必要であり、放射能汚染にどう対処するかを含めた砺波市防災計画の見直しは本当に必要です。市長はいかがお考えですか。
そして、視察先で思ったことの一つは、まず、安全な水道水の確保はどうなるかという点です。福島市では、今回の地震で水道管が200カ所で断水し、41カ所で給水を始めたと。通常なら水道が遮断されたところへ給水車で給水すればよいが、道路も寸断されている。避難民の交通渋滞がある。なかなかマニュアルどおりにいかなかったと、そういう教訓を話されておりました。加えて、東京電力福島第一発電所の爆発事故で、水源域での放射能汚染が広がり、水道水自体の安全確保も問題になりました。水道供給源は、福島県が放射能汚染の線量測定をされたそうでございます。
砺波広域圏事務組合水道事業所が放射能汚染されたときに、直ちに線量測定ができますか。測定器も置いていない状況ではありませんか。万一のために、最小限の備えが必要ではないかと思いました。水源域が汚染された場合に、除染のための薬剤も必要でしょう。汚染汚泥をどこに、どう処理していいか、これもわかりませんね。これらの対策をどうしていくかという平常時からのマニュアルも必要ではないですか、御所見を伺います。
次に、放射線量測定器の備えつけについてであります。
福島市は、農業でも甚大な被害を受けています。ナシや黄桃、梅の大産地です。沃素131、セシウム134、セシウム137などの放射能の土壌汚染も大変深刻に広がっておりました。隣の伊達市の梅からは、食品衛生法の暫定基準値を超える高濃度のセシウムが検出され、出荷できなくなりました。福島市では、ナシ、黄桃、梅の出荷に風評被害がどれだけ広がるか、大変心配されておりました。
また、学校や幼稚園、保育所、公園、通学路などの放射線量測定が必要になり、急遽、簡易線量測定器を購入されたそうです。学校や幼稚園、保育所14地点、支所など定期的な測定20地点、駅、観光地など臨時的測定14地点などを福島市が、そして、先ほど申し上げたように、水道施設は県が測定に当たったとのことでございました。学校等では、2日間連続して基準値を下回ったのは、ようやく4月29日。それまでずっと観測を続け、屋外活動は制限されておりました。
あってはならない事故ですが、万一のために、線量測定器を備えておくべきではないでしょうか。
また、子どもたちの利用施設の耐震化計画の前倒しも必要ではないでしょうか。砺波市には、小中学校のほか、幼稚園、保育所、児童館、あるいは野外児童センターなどがあります。小学校の耐震化、平成27年度までと言わず、これを前倒しし、さらに、それらの児童利用施設の耐震調査も急いで取り組み、万全を尽くさないといけないのではないでしょうか。総合計画後期計画にもかかわる重要課題を考えます。
さらには、福祉施設など、公共施設の耐震化についても急がなければならないと思います。天井落下の被害は多発いたしました。砺波市内の高齢者の利用されている福祉施設など、公共施設の天井は果たして大丈夫なのか。ぜひ総点検が必要だと思います。建物自体の耐震調査についてもしておかなくてはいいんですか。相当の年限を経過した建物について耐震改修が必要と判断されるものは、何よりも優先して総合計画後期計画にも盛り込むべきではないですか。市長のお考えをお伺いし、質問にさせていただきます。
ありがとうございました。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 前田議員の御質問にお答えをいたします。
まず、介護保険事業の基盤整備についてでございますが、現在、市内には2カ所の特別養護老人ホームがあり、その入所定数はおのおの80人で、総数160人となっております。
お尋ねの要介護度4及び要介護度5の入所待機者の数の推移につきましては、今年度の数値は現在集計中ですので、昨年、一昨年の数値となりますが、砺波地方介護保険組合の資料によりますと、平成21年4月現在、要介護度4の方が57人、要介護度5の方が24人で、計81人となっており、そのうち在宅の待機者の方はそれぞれ11人、6人の合わせて17人いらっしゃいます。また、平成22年4月現在では、同様に52人、25人で、計77人、在宅待機者の方はそれぞれ17人、6人の合わせて23人になっております。要介護度4及び要介護度5の待機者総数は変わりありませんが、在宅待機者の方が若干増加をいたしております。
御存じのとおり、介護保険制度は、利用者が自由にサービスを選択でき、また、社会保険方式とすることにより、給付と負担の関係が明白となりました。また、その費用は被保険者の保険料や国、県、市などで賄うものであります。
議員御指摘のとおり、当市では、全国平均よりも速いペースで高齢化が進んでおり、要介護状態にありながら、本人の希望などで、介護者がいないなどの事情があるにもかかわらず、在宅で生活されている方も大勢いらっしゃいます。在宅で介護サービスを利用しながら生活し、状態に応じて施設サービスの利用を考えていくことが理想であると考えますが、現実には高齢者本人や御家族の方々の大変な御苦労により支えられていることは十分承知をいたしておるところでございます。
市では、このような方々の生活を支えるため、グループホームなどの地域密着型サービスの整備や地域包括ケア体制の構築により、日常生活圏域でのサービスの完結を目指した体制の整備を進めており、圏域ごとのサービス事業所の適正配置に努めているところでございます。このような状況の中で、ショートステイは現在、市内に40床ありますが、需要に対し慢性的に不足をしており、近隣市の施設を利用している現状にあります。なお、今年度で終了しますが、第4期介護保険事業計画期間の中で、ショートステイの新設、増設が計画されておりましたが、事業者の施設整備計画の見直しにより、今事業計画期間内での整備を断念したものであり、来年度以降の早期の整備について打診をしているところでございます。
次に、平成24年度から平成26年度までの第5期計画期間での整備につきましては、砺波地方介護保険組合の構成市間の調整作業はこれから本格化をいたします。まだ、保険料の算定方法などに関して不透明な部分もございますが、ショートステイはもとより、小規模多機能施設も含め、できるだけ平成24年度、遅くとも平成25年度までに整備できるように、事業者、構成各市へ強く働きかけてまいりたいと、このように考えております。
次に、森林・林業再生プランについてお答えをいたします。
砺波市の森林・林業の整備については、平成18年度に策定いたしました砺波市森林整備計画に盛り込まれており、今年度に見直しを予定いたしております。見直しは、平成21年12月に国が発表した森林・林業再生プランに基づくもので、まず、国が全国森林計画の変更を行い、次に、県が地域森林計画の変更、これを受けて、市が平成23年度末までに、砺波森林・整備計画の変更を行うものであります。
森林整備計画の変更に当たりまして、地域関係者や関係機関の意見をいただく機会を考えておりますので、この中で、森林施業の集約化、路網整備の加速化、地元産材の利用拡大など、議員が提案されている事柄などを議論していただき、新たに時代に即した森林整備計画を策定してまいりたいと、このように考えております。また、策定された整備計画については、現在進めております砺波市総合計画後期計画に反映し、森林・林業再生に努めてまいりたいと、このように考えております。
次に、防災計画及び耐震対策についてお答えをいたします。
まず、前田議員には、大地震と原発事故の二重被害を受けている福島県に入られ、直接、福島市長さんから被災直後の生々しい緊迫感あるお話を伺えたようで、貴重な教訓を得られたことと思います。
原子力災害に対して、地域防災計画の見直しについてでございますが、申し上げるまでもなく、震災による東京電力福島第一原発の事故による影響は、国の想定を超えた広範囲かつ深刻な状況になっております。現在、原発から半径20キロメートル以内は警戒区域で、住民の立ち入り禁止、その外側で半径30キロメートル以内は、緊急時避難準備区域、さらに、これにとまらず、放射性物質の拡散が多いとされる圏域においては、計画的避難区域が指定され、住民の集団避難が実施をされております。このような状況から、現在国の防災指針では、EPZ(原子力防災対策)の重点地域は、原発の半径10キロメートルとなっておりますが、既に幾つかの地方自治体では、これを拡大し、独自に地域防災計画を見直す動きが出ております。
富山県でも、県境が北陸電力志賀原発から概ね20キロメートルであることから、地域防災計画に原子力災害対策を織り込む方向で富山県防災会議が招集されておりますが、国の防災指針の見直し時期が示されず、県の策定動向も不透明なところがございます。当市といたしましては、志賀原発とは直線距離で約50キロメートル以上離れており、県と同様に、これまで原子力災害に備えた対策を盛り込んでいなかったものでありますが、島崎議員さんの御質問にもお答えした方針に基づき、国及び県の情報収集に努めるとともに、砺波市防災会議において議論を進めていきたいと、このように考えております。
そこで、申し添えますと、過日、北陸電力から志賀原発の説明を受けた折、その中において、志賀原発付近では、詳細な活断層の調査を実施し、その結果、敷地前面の海域にある笹波沖断層帯によるマグニチュード7.6の地震を想定して耐震対策を施しているとのことであります。また、津波に関しては、高さ最大5メートルと想定し、これに対する敷地レベルは11メートルであるとのことであります。
次に、安全な水道水の確保についてお答えをいたします。
今回の大震災では、当市としても、災害発生直後より水道災害相互支援協定に基づきまして、被災地である宮城県の石巻地方広域水道企業団へ上水道職員を派遣し、緊急時対策など、現場において支援をしてまいりました。議員御発言のとおり、現地は大変な状況であり、その中で被災者への応急給水等の支援を行うとともに、被災時の初動体制の確保など、現地で緊急時の対応を実践してきたところであります。
市では、ライフライン施設の安全性の強化の一環として、配水池等の主要施設の耐震化整備を進めております。庄東地区の主要配水池である安川配水池は、平成22年度、平成23年度において施工中であり、現在計画立案中である上中野配水池は、平成24年度、平成25年度において耐震化施工を予定しており、今後も水道施設の耐震化の向上に努めてまいります。また、市の管理する管路の耐震化率は20.7%となっており、今後も市単独事業による耐震化を高めるとともに、他の関連事業の進捗に合わせて耐震化を進めてまいる計画であります。
なお、実際の被災時には独自に対処することが困難な場合も想定されますので、管工事業組合、近隣市や災害時相互応援協定締結市及び日本水道協会など、関係機関との連絡、協力体制の確立にも努めてまいる所存でございます。
また、放射線測定につきましては、機器の取り扱いに専門的な知識も必要であり、現在県内では、大気中の放射線量などの測定を県環境科学センターで一括して行っており、雨水や水道水についても継続して測定をいたしております。したがいまして、測定器の設置や汚染された場合の薬剤の保管や汚染汚泥の処理などは、県の新たな防災計画や他市等の動向を参考にしながら対応してまいりたいと、このように思っております。
次に、放射線量測定器の備えつけについてお答えをいたします。
原子力災害においては、人体に影響を与える放射線物質の拡散が目に見えず、被爆してもすぐに影響があらわれない場合など、住民の不安が増しており、一方で、放射性物質に対する知識不足、風評被害による人権侵害、農産物販売の不振、商工業の活動の停滞など、大きな混乱が生じているところでございます。このことから、広範囲にわたる地域の自治体、法人等において住民の安全確保や混乱を未然に防いだり、観光、産業保護の目的で独自に放射線量の測定を行い、その結果を公表されている事例が最近見受けられるようになっております。
なお、今ほど申し上げましたとおり、射水市にある県環境科学センターでは、空間の放射線を連続的に測定し、24時間監視するための装置であるモニタリングポストを設置し、その結果をインターネットなどで公表いたしております。これによりますと、自然界の環境放射線量は、1時間当たり0.02から0.2マイクロシーベルトであり、この震災が発生した日から、測定結果は通常の自然界の放射線のレベルの範囲内であり、異常が認められないとのことであります。さらに、放射性物質である沃素131、セシウム134、セシウム137の分析においても、これまでの測定結果では、ごく微量が検出された日がありますが、健康に影響を及ぼすものではないとのことであります。
このような中、富山県では、今回の事態を受け、モニタリングポストを西部地区と東部地区にそれぞれ1カ所ずつ増設する計画とされたところであります。当市におきましては、総合病院に放射線測定器を保有しておりますが、富山県の配備状況、近隣都市の配備動向を見極めながら検討してまいりたいと考えております。
次に、学校等、子どもたちの利用施設の耐震化計画の前倒しについてお答えいたします。
未曾有の天災であるこのたびの東日本大震災においても、小中学校は、地域住民の防災拠点施設として活用されていることを見るにつけ、学校施設の耐震化を行政の最優先課題として位置づけ、取り組むべきと考えております。
議員御指摘の県立学校の耐震化については、平成29年度までの予定を2年前倒しして、平成27年度に完了するとのことでありますが、砺波市の小中学校についても、平成27年度末までに完了できるよう鋭意進めているところであります。現在の予定では、出町中学校が平成24年度から2カ年で、続いて、庄川小学校が平成25年度から2カ年間を要し、以降、庄南小学校、庄東小学校と続き、複数校を同時並行で進めることになりますが、何とか予定年度までにこぎつけたいと、このように思っております。
次に、御意見の幼稚園、保育所等の耐震化についても重要な課題であると十分認識をしておりますが、補助金等の財源の確保や起債比率を勘案しながら、総合計画の後期計画において、耐震診断の実施や耐震改修計画についてもよく検討すべきであると、このように考えております。
次に、福祉施設等、公共施設の耐震化についてお答えをいたします。
公共施設の耐震化につきましては、総合計画に基づき、順次整備は図っているところでございますが、島崎議員の御質問にもお答えをいたしたとおり、財政環境が厳しい中でも、子どもたちの安全性の確保を図るため、学校施設の耐震化を優先的に進めているところであります。また、学校施設のほかに耐震化を図る必要がある施設といたしまして、保育所、幼稚園、福祉施設、市営住宅、市役所本庁舎などが挙げられますが、防災、福祉、市民生活など、さまざまな観点から優先順位を検討し、総合計画に位置づけて、耐震化を進めてまいりたいと考えております。
したがいまして、耐震化を図るまでの間、これらの建物につきましては、日常的な建物点検等を実施し、必要に応じて補修するなど適切な維持管理を図るとともに、避難訓練等を実施することで、災害時に的確な避難対応ができるように努めることで、被害を最小限にとどめたいと、このように考えております。
答弁は以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 1番 多田裕計君。
〔1番 多田裕計君 登壇〕
◯1番(多田裕計君) 今回は、質問中に地震が起きないことを祈っております。
さて、3月11日の東日本大震災から、はや3カ月余りが経過をしたわけであります。まだまだ大変な状況が続いていることは、今ほど前田議員もおっしゃったとおりであります。私自身は、4月の中旬から4回にわたって、宮城県仙台から名取、松島、あるいは気仙沼、岩手県は陸前高田、大船渡、釜石、大槌、内陸の奥州市等も視察、あるいは、実際にボランティアでも活動をしてまいりました。
その中で、第1に、いまだに避難所や地域によってさまざまな格差が生じていることに心を痛めるとともに、2番目には、現地の皆さんのさまざまな地域のネットワークや行政なり、さまざまな組織のネットワークの強さを感じ、そして、第3に、そうしたことを人ごとではなく、これからのまちづくりを一緒に考えていかなければいけないという思いを強くしてきたものであります。
さて、阪神・淡路大震災が起きたころから、日本列島は、地震活動期に入ったと地震学者が指摘をされておりました。その後、私たちの近くでも2004年、新潟県中越大震災や2007年、能登半島地震、新潟県中越沖地震などの災害が起きています。東日本大震災の被災地だけでなく、日本列島全体に地震災害への警告が発せられている状況にあると思われます。
そして、もう一つ、原発事故、想定外という言葉が当たり前のように使われますが、事原発事故について言えば、正確には、想定されていたものの、コストがかかるので対策をとらずに来たという意味では、明らかな人災としての原発事故。このことが起こったことも福島だけの問題ではありません。これは原発に依存した現代社会特有の災害であると言えます。警戒区域や計画的避難地域とされた自治体は、その存続自体が危ぶまれています。しかも放射能の影響がどうなるかなど、先の見通しが今でも全く立たないという、ひどい状況であります。
被災地で私が長く滞在をした陸前高田や釜石は、漁業のまちであります。多くの人が原発、とりわけ海に汚染水を流したことへの不安、不信をあらわされていました。船などを何とかするめども立たないのに、海そのものが汚されてしまった。かけがえのない土地が、海が汚され、収穫物は出荷をできず、子どもたちは外で遊ぶこともままならない、取り返しのつかない被害であります。
そもそも原子力発電の基本原理は、原爆と同じものであります。原子力潜水艦という戦争のために開発されたものを、科学技術的に確立しないまま、実用化をされてきました。100万キロワット級の原子炉では、1年間に広島型原爆1,000発分もの死の灰が出てくると言います。こうした放射性廃棄物も今のところ、完全に処理をする技術を人類は手にしておらず、固めて埋めて、数万年管理し続けるしかないという、そもそも未完成で、不完全な技術であるということを踏まえなければいけません。まさに究極の環境破壊行為であります。
私の大学時代からの友人が、福島原発から10キロ余りのところで農業を営んでおりました。息子も一緒に農業をすると張り切っていた矢先にこの出来事であります。彼は、原爆と人間は共存できない。今回のことで、原発と人間も共存できないと、今、全国各所で語り部としても頑張っております。孫子の代どころか、人類の未来に対する究極の無責任であることを指摘し、太陽光など再生可能エネルギーへの転換を訴えるものであります。
原発以外の総発電量は現在、バブル経済だった1990年の原発を含めた総発電量と同じ水準にあり、原発からの撤退は決して不可能な課題ではありません。原発撤退という決断をしてこそ、再生可能エネルギーの開発、普及と低エネルギー社会に向けた本格的な取り組みが進むのではないでしょうか。
さて、私たちの砺波市から、最寄りの原発として、北陸原発志賀原発。先ほどの話にもあったとおり、直線距離で約50キロ、放射性物質が飛来するのに、風速15メートルの風が吹けば、わずか1時間足らずと極めて近くであります。海外では、80キロが1つの目安ということはだれもが知り得るところになりましたが、現実には、数百キロ離れた福島原発の事故を受け、チューリップフェア等への海外からのお客様の足も遠のいたり、実際に被害が出ているではありませんか。
志賀原発に万一のことがあった場合、農作物を初め、さまざまな風評被害も含め、私たち砺波市も直接の当事者とならざるを得ないのであります。福島の実態を見てわかるように、風向きなどによって放射性物質は大変広範囲に飛散をします。今年の1月、アメダスでは、志賀町では北西の風、最大瞬間風速21.6メートルを記録するなど、年間を通して志賀町から砺波市のほうに吹いてくる風が多いことは、感覚としては皆さん御存じのところであります。北西の風に乗って、砺波市どころか、富山県全体への放射性物質の飛散は避けられないところであります。
県内の自治体でも、住民説明会を求める要望が広がるなどと報じられている中、砺波市は、北電の判断で開催を決めるべきなどと記事になっており、市民の不安を取り除き、安全を守る立場からすれば、消極的な対応であるかのように思えてしまいます。国や県の動向を見て云々とおっしゃられますが、市が主体性を持って取り組まなければ、市民の命を守ることはできないのではないでしょうか。
志賀原発は、1993年の運転開始以降、さまざまな事故が相次ぎ、発電能力に対して、1号機では7割、2号機では4割しか動いておりません。とりわけ定期検査中に事故の7割が起こっており、人為的なミスが半分以上を占めております。12年前、1999年6月18日に、制御棒が落下をし、原子炉が臨界に達するという重大事故が起きていながら、8年間も隠していたことはまだ記憶に新しいところであります。
そもそも志賀原発のある能登半島自体が、活断層活動でつくられたものであると専門家は言っております。北電の国に対する過去の報告書の中では、なぜか志賀原発の周りにだけ活断層がないことにされていたり、活断層の距離が短くなれば、地震規模が小さくなるということからなのでしょうか、20キロにわたる断層を3つに分けて示すなど、ごまかしがあることも市民団体から指摘をされているところです。
さらに、志賀原発でもプルサーマルを実施する予定であります。プルトニウムは原爆の材料となり、極めて毒性の強い、そして、半減期も2万4,000年以上ととんでもないものであります。ウラン燃料を燃やす原発では、必ずプルトニウムが出てまいります。プルトニウムがたまると、日本も核兵器を開発するのかと国際的な批判にさらされますから、限りのあるウラン燃料にかわるものとして、プルトニウムを使う高速増殖炉もんじゅが計画をされましたが、それが既に破綻をしたことは皆さん御存じのとおりであります。それならば、従来の原子炉でウラン燃料とプルトニウムを混ぜて、一緒に燃やしてしまおうという極めて乱暴な話がプルサーマル計画であります。ところが、これは、高レベルの放射性廃棄物がさらに大量に出てくるというとんでもない代物であり、こうした危険な計画はやめるべきであります。
北電の安全対策について、国は妥当であるとしているようですが、津波や電源喪失対策が前面に立っておりますが、原子炉というのは、この間、マスコミ等で原子炉の単純化された絵がさんざん目にするわけでありますが、実際には極めて複雑な、パイプの塊のような構造物であります。福島原発においても、それ以前に、津波以前に地震による施設の損壊があったことは明らかになっております。そもそもの立地の問題を初め、地震対策、安全対策など、現状では到底納得できるものとは言いがたいのであります。
私は、北陸電力に対し、原子力発電から撤退するプログラムを作成し、再生可能エネルギーの利用促進を進めるよう強く求めるべきだと思うものでありますが、福島第一原発事故や原発政策に対する市長の見解をお伺いしたいものであります。
原発事故から市民の命と健康を守るための対策を求める立場で、市民が安心できるような答弁を期待するものであります。少なくとも志賀原発の運転再開についての意思決定には、砺波市としてもかかわっていかなければいけないのではないでしょうか。
さて、原発を今やめると言っても、廃炉にするだけでも20年はかかるとも言われます。チェルノブイリが25年たって、なお安定していない現実を見れば、大変なことであります。志賀原発の運転が再開されずとも、事故の危険は想定をしなければならないのであります。
さて、富山県において、先ほどあったように放射能の測定地点を増やすということでありますが、原発事故に伴う放射性物質の飛散について、砺波市としては、それで充分であると考えておられますでしょうか。現実に放射性物質の飛散という事態を想定した検討はどのようになっているでしょうか。沃素剤を確保して、緊急時に対応できるようにすべきなどの声も耳にするところですが、砺波市としてはどのように対応される考えでありましょうか。
放射性沃素は、人の甲状腺にたまって内部被爆を起こし、がんになる危険を避けるために、あらかじめ沃素剤を飲んで、甲状腺を沃素で満たしておくことによって、放射性沃素を体外に放出をするという性格のものですから、放射性沃素が飛来する前に服用しないと意味がありません。1時間程度で放射性沃素が飛来してしまうとすれば、仮に沃素剤を各家庭に配付していたとしても、どれだけ実行力を持つかも甚だ疑問であるところではありますが。
さて、関連して、市の重点要望でも毎年取り上げられている利賀ダムの件であります。
これまでに昨年11月、そして、今年3月と2回、地方公共団体による再検討の場が開かれております。日本には、ダムの建設に適した地はないと指摘をする専門家もいますし、利賀ダム建設予定地のすべての集落が地すべり地帯であるということであります。富山県も多額の予算をつぎ込み、地すべり対策を行ってきたところでありますが、ダムの湛水による地すべりの懸念は払拭をされておりません。この地すべり問題に対する検討が本当に十分にされているのか、このことが大きな問題だと感じるのであります。
市長は、住民の安全のために、スピード感を持ってと検討の場でも発言をされていますが、もちろん住民の安全を担保するために、速やかに進めることは大事なのですが、危険な地すべり地帯にダムを建設することで、逆に住民の安全が損なわれるようなことがあってはならないのであります。
この6月6日、利賀ダム本体建設の再検討を求める会が、県知事に対して要望、質問を行ったところでありますが、いわゆる原発で言うところの安全神話にとらわれることにならないよう、さまざまな立場の有識者や住民を含めた第三者機関による検討がされるよう、砺波市としても取り組んでいただきたいと考えるものですが、いかがでありましょうか。市民団体が過去に入手をした図面では、先ほどの志賀原発の断層隠しと同じように、地すべりについての誤った図面が資料として添付をされていることなども指摘をされているところであります。
さて、原発以外の大規模自然災害への対応という点から、この議会においても、複数の議員の皆さんがさまざまな指摘をされておりました。本当に有効な備蓄物資は何か、保管場所はどのように分散をすべきか、あるいは地域の自主防災組織のあり方について、各地域の自主性による部分と砺波市として統一的に進めることは何か、その認識を1つにすることや実践的な防災訓練のあり方など、さらには、出町中学校耐震改修事業推進協議会のワーキングでも指摘をされておったことですが、市街地における防災空間のあり方など、東日本大震災を経て見直すべきことが多々あると考えます。
また、市の情報発信や自主防災組織のあり方等についても問われるところであります。デジタル化対応に大きな費用がかかるため、今後の整備とされている防災無線のあり方について、今後どのようにされていくのかをお伺いしたいと思います。
砺波市としてのメールやツイッターの活用などの新たな手法についても、この議会でも言われておりましたが、とりわけ情報弱者に対する情報の伝達対応については検討されるべきだと考えます。
また、被災地において、公共下水道が復旧をせず困っている実態も目の当たりにしてまいりました。住宅地で、数軒に一個仮設トイレが立っており、紙は流しちゃいけないんですよね、などの実態を目にし、これから暑くなる中、衛生環境には大変心配をしてきたところでありますが、以前から主張しているとおり、散居村という地域特性において、この砺波市の下水道未整備地域の整備手法について、公共下水道が本当によいかどうかについても、再度見直されるべきであると考えるものであります。
災害に強い砺波市にしていくために、防災計画の見直しなどを含め、今後どのように取り組んでいくか。今回の答弁と重複する部分もありますが、お尋ねをするものであります。
大きな項目の2番目、国保税の課税限度額の引き上げについてであります。
この議会に、国民健康保険税の基礎課税額、後期高齢者支援金等課税限度額及び介護納付金課税額に係る課税限度額の引き上げが提案をされております。地方税法施行令の一部改正により、砺波市でも同様の措置をとるということでありますが、そもそも国保の問題について言えば、国が出すべきお金を出さないで、社会保障とはほど遠い相互扶助の名のもとに、国保加入者への痛みの押しつけ、一定の所得層に対しての負担の押しつけとなっているものではないでしょうか。
限度額の引き上げによって、国保加入世帯の約2%、市内230世帯に約250万円の保険料増の見込みとの話であります。このことによる中低所得者層の負担軽減が一体どれだけあるというのでありましょうか。
国保の問題について言えば、去る6日の富山県議会の環境厚生委員会においても、最大の問題は、国の負担が減っていることであると県当局も認めているところであり、市町村に適切な繰り入れをしていただきたいと考えているとのことでありました。
深刻な景気の低迷、追い打ちをかける東日本大震災、所得も可処分所得も減少し、市民は厳しい生活状況にさらされている中で、2年連続、昨年も4万円の引き上げ、2年前に比べれば8万円も課税限度額が増えるということは許されるものではないのではないでしょうか。
来年度の制度改定に向けた介護保険法の改定案を見ても、国にとって安上がりな医療・介護体制をつくるものであり、市町村の格差をさらに広げるおそれがあるものとなっています。こうした流れに乗らず、市民の医療、介護を守る立場を貫く砺波市であってほしいと願うものであります。3月の定例会でも訴えたところでありますが、国保税の負担が軽減をされるように強く要望するところであります。
大きな3点目、福祉バス、ふれあいバスについてであります。
この議会に、福祉バス、ふれあいバス路線を新たに市営バス化する条例改正が提案をされています。
市営バスについて言えば、市内における路線の重複及び交通空白地域の解消、通学・通勤・通院等に係る利便性の向上を図るという点での改善については大変歓迎をするものであります。
しかし、従来は無料であった福祉バス、ふれあいバスが有料化をされることで、当然利用も減ると当局の利用見込みでも示されておるところであります。新しい利用者が増えることと合わせて前年並み、有料になれば、足が遠のくことは当然であります。高齢者が表に出る機会を奪って、一体どうするというのでしょうか。私には到底納得できないのであります。市営バスと福祉バス、ふれあいバスはそもそもの性格が異なるものであるはずです。高齢者福祉の観点からの検討、関係者とのすり合わせは十分になされたのでありましょうか。
市営バスについて、回数券や乗り継ぎ回数券、定期券などで便宜を図ることが可能であるならば、施設利用者に対して、バス利用券やパスなどの形で従来と同様、無料で利用し続けられるような方策をとることは可能であるはずだと考えますが、いかがでありましょうか。
市営バスは、今回の路線見直しで従来より改善される部分もありますが、バス路線から外れた散居村においては、恩恵にあずかれないという実態もあります。高齢化やそれに伴う免許証返納者が増えていく中、民間と提携をしたデマンド方式の公共交通など、さまざまな手法を考えざるを得ないと思います。
公共交通というのは、単に効率だけで考えてはいけません。市議会にも特別委員会が設置されたところでありますが、市当局においても、本当に住みよい砺波市となるよう、城端線の存続等も含め、さまざまな形の公共交通について先進事例等もよく研究されるように望むのであります。
以上です。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 多田議員の御質問のうち、東日本大震災にかかわって及び福祉バス、ふれあいバスについてにお答えをいたします。
初めに、多田議員には、宮城県、岩手県の被災地において、ボランティアに当たられましたことに対しまして敬意を表したいと思います。
まず、福島第一原発事故や原発政策について、市長としての見解をお尋ねでございます。
震災当日、多くの国民がテレビ画面に映し出された大津波に圧倒されましたが、この震災が東北地方の原発、とりわけ東京電力福島第一原発に深刻な影響を与え、原子炉本体の炉心溶融に始まり、今なお周辺地域は放射性物質等の拡散にさらされており、重ねて、一刻も早い事故の終息を要望するものであります。
このことでは、国が原子力安全指針により、所在自治体、あるいは国民の安全性を保障していたにもかかわらず、事故当初の対応の不備もあり、結果的に信頼が損なわれたもので、遺憾の意を表するものであります。
そこで、北陸電力志賀原発でありますが、御承知のように、現在2基とも定期点検などで運転停止中でありまして、このような中、北陸電力においては、国の原子力安全保安院の指導を受けながら、当面必要となる安全対策等を発表し、取り組んでいるものとして、私も状況説明を受けております。このような中で、運転再開に当たりましては、原子力事業者の北陸電力側に徹底した安全性に対する住民への説明責任が求められることは当然でありまして、そのような中で、近隣自治体と同様に積極的に対応すると申し上げたものでございます。
また、原発政策に対する見解につきましては、原子力政策の決定権は国にありまして、具体的には原子力発電の信頼性が取り戻されるのか、我が国のエネルギー安全保障及び地球温暖化への取り組みと絡み合い、世論の動向とともに難しい判断が必要になってくるものと考えております。この一方で、私は、原子力発電は現在、国内に54機が建設され、国内の電力供給の約30%を占める約5,000万キロワットの発電能力があり、我が国経済の大きな牽引役であり、豊かな市民生活を支える役割を担っている現実も見据える必要があると、このように思っております。
次に、原発事故に伴う放射性物質の飛散についてお答えをいたします。
今回、目に見えない放射性物質の拡散により広く住民を不安に陥れていることから、適切な情報提供、情報公開による安全性の確保の重要性が叫ばれております。
当市といたしましては、県の原子力災害対策が打ち出されたモニタリングポストの増設など、志賀原発により隣接した地域に設置が検討されることを期待いたしたいと、このように思っております。
次に、沃素剤の備蓄についてでございますが、沃素剤の服用によって、人体の甲状腺への放射性沃素の取り込みを防止するものですが、副作用の危険性もあるとされております。その備蓄に関しては、現在富山県も保有していないことから、まずその対応を見極めてまいりたいと考えております。
次に、利賀ダム建設予定地の地すべりについての再検討にお答えをいたします。
多田議員も御存じのとおり、現在、国土交通省では、全国で建設中のダム事業の検証を進められており、利賀ダム建設事業につきましても、利賀ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場が既に2回開催され、事業の検証が行われているところでございます。また、利賀ダム建設工事に関しましては、ダム事業の検証を終えるまでに新たな段階に入らないこととしており、現在は生活再建工事段階として、工事用道路となる利賀トンネルや利賀湖面橋などの建設工事が進められており、全体の30%程度が完成をしたところでございます。
さて、地すべりについての御質問でございますが、この件につきましては、3月の第2回検討の場におきましても、出席者から、必要な調査を十分行い、万全な対策を講じていただくよう強い意見がや要望が出されているところでございます。国土交通省では、ダム事業の検討の場を公開し、情報公開を行うとともに、広く住民の意見を聞くために主要な段階でパブリックコメントを行い、透明性の確保を図られているところでございます。また、ダム事業の検証に当たっては、地すべり対策も含めて、学識経験者や関係住民、関係地方公共団体の長、関係利水者などから意見を聞くとともに、最終的には、専門的な学識経験を有する方々を中心に構成する事業評価監視委員会の意見を聞き、ダム事業の対応方針案が決定されるものであります。
いずれにいたしましても、利賀ダムの貯水池における地すべり対策については、専門家の意見を聞きながら、詳細な調査検討を行い、国土交通省や県などが十分協議しながら対応されるものと考えております。
次に、災害に強いまちづくりのためについてお答えをいたします。
いろいろ御提言をいただいておりますが、基本的には、そのとおりでございまして、備蓄物資に関しましては、これまで備蓄しておりました食料や毛布のほかに、必要な見直しも図ってまいりたいと考えております。その保管場所においても、学校施設や耐震化改修事業などに合わせて確保してまいりたいと、このように考えております。
次に、自主防災組織のあり方についてでございますが、それぞれの自主防災組織において、地域の実情を踏まえた活動や訓練が行われており、さらに市の総合防災訓練などにおいて、主会場となる地元の自主防災組織のほか、隣接する自主防災組織に御参加をいただき、広域的かつ実践的な訓練を展開してまいりたいと、このように考えております。
次に、市の情報発信手段についてでございますが、当市では、防災行政無線は移動系及び一部地域の同報系となっており、アナログ方式の無線を使用しております。一方、このたびの震災に際しては、携帯電話によるメールやインターネットインフラのツイッターなどが被災当初でも通信が確保でき、情報拡散の速さというメリットが実証されたところであります。
当市でも、今藤議員の御質問にお答えしたとおり、緊急メールサービスや携帯電話用のホームページを開設しております。いずれにしましても、新たな方式による防災行政無線、メール、ツイッターなど、そのメリットとデメリットを十分に把握いたしまして、多様な情報伝達の手段を構築していくことが望ましいと考えております。
次に、下水道未整備地域の整備手法についてでございますが、御質問にお答えする前に、この震災において、公共下水道の復旧に時間を要している理由について若干述べさせていただきたいと思います。
この震災では、津波により沿岸部の処理場において大きな被害が生じたほか、管路では、地下水の高い地域において、液状化現象により地中のマンホールが吹き上がる被害が発生したことが、復旧の時間を要している大きな理由であると考えております。
このことを踏まえて、当市の公共下水道の場合、処理場につきましては、小矢部川流域下水道の二上浄化センターが海抜約5メートルの地点にあることから、今後示される国の指針に基づき、国において、必要に応じた対応策が講じられるものと考えております。また、管路につきましては、島崎議員にお答えをいたしましたとおり、耐震化に努めていることや当市の地下水が全般的に低く、液状化現象の発生しにくい地形にあることなどを考えると、現時点では、整備計画を見直すまでには至らないものと考えております。
次に、福祉バス、ふれあいバスの市営バス等についてお答えをいたします。
今回の公共交通の見直しは、現行の市営バス、福祉バス、ふれあいバス、民間バスを総合的に見直したものでございます。その目的が、議員が申されたとおり、市内における路線の重複及び交通空白区域の解消並びに通勤・通学・通院等に係る利便性の向上を図ることにあります。
福祉バス、ふれあいバスは、有料化されることで利用者数への影響があると思いますが、100円という低額の料金としていることや受益者負担の面や自家用車等による利用者との公平性などの視点から御理解をいただきたいと、このように思っております。
また、高齢者の外出支援につきましては、入浴券の配付や施設料の割引などのほか、介護予防事業を実施しており、今後も継続して実施してまいりたいと、このように考えております。
私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては担当部長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、多田議員御質問のうち、国保税の課税限度額引き上げについてお答えをいたします。
3月定例会でも市長が答弁申し上げましたが、国民健康保険は、相互扶助の保険制度であり、その経費を被保険者も一部負担するのが原則であります。また、国民健康保険は、社会保障政策という側面から、国、県、市等からの支出金、医療保険制度間の財政調整のための交付金などで賄われております。国保会計の健全な財政運営のためには、被保険者に能力に応じた応分の負担をお願いしているところであります。
今回の条例の一部改正により、前年度の実績から推計しますと、基礎課税限度額世帯ではおよそ100世帯が、後期高齢者支援金等課税世帯ではおよそ110世帯が、介護納付金課税世帯ではおよそ20世帯が該当するものと見込んでおります。これらの世帯は、国保全体世帯数の約2%程度にあたり、金額にいたしまして約250万円の増額を見込んでいるところであります。
しかしながら、平成22年度の国民健康保険事業会計の財政状況は、前年に比して、国保税の収入が5,280万円、5.4%余り落ち込み、歳出の保険給付費は1億4,420万円、5.7%余り増加し、平成22年度単年度収支は3,590万円余りの赤字となる見込みであります。
平成23年度におきましても、引き続き国保税の税収回復は見込めないことから、保険給付費、後期高齢者支援金、介護納付金の歳出増加を財政調整基金の取り崩しで対応することといたしております。
今回の地方税法施行令の一部改正による課税限度額の引き上げは、今後も増大する医療費に伴い、国保税の税収総額を増やす必要があるため、限度額に達している高所得者の方に負担を求めるものであります。
今後も国保会計の健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁漏れについてのみ発言を許します。
1番、多田裕計君。
〔1番 多田裕計君 登壇〕
◯1番(多田裕計君) 原発政策について市長のお考えをお尋ねしたところですが、市民の安心を守るという立場からの答弁を期待したところでありますが、電力の30%を原発が担っているという現実も見なければいけないというふうなお話でありましたので、これは、原発を認めているというふうに受け取ってよろしいのでしょうか。
それと、もう一点、福祉バス、ふれあいバスについて、100円という低額であるというふうなお話でしたが、そのことは極めて重大な問題であるというふうなことでこの間こだわっているところであります。この間、年金も目減りをするという中で、100円という低額だからというふうな言い方は、高齢者を大変ばかにしたような言い方に聞こえてしまいましたので、その理解でよいかどうかをお尋ねしたいと思います。
以上、2点です。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 1問目の原発政策についてでございますが、御案内のとおり、志賀原発の再開に向けて、北陸電力は懸命に今、安全を第一として、検討に入っているわけでございます。当然それに基づきまして、国の保安委員会などがいろいろと議論され、それを検討を出され、進めておる段階であると、このように思っておるわけでございまして、それに基づきまして、こういうようなことを考えておるという説明もあったわけでございます。当然、また地域住民に対しましては、理解を得られるように最大限努力をしていただいているということを申し上げたところでございます。
一方では、日本の経済は、景気・雇用の問題は大変重要な難しい状況に立ち至っておるわけでございます。さらに、この電力制約を受けることによって、日本の経済が大変心配をいたしておるわけでございます。
そういうことを考えるならば、もちろん原子力発電の安全性ということは大優先に考えなければならない反面、日本の経済の発展ということを両様相まって、日本の将来の発展のために、どうつなげていくかというのは今、最も大事なときであると、重要なことであると、このように認識をした上での発言であろうかと、このように思っておりますので、御理解をお願い申し上げたいと、このように思っております。
また、市営バスの問題で、100円がどうかという話でございますが、ただ、私は、福祉施設を利用される方についても大変、私は利用いただきたいと思います。
一方、じゃ、お年寄りの方が病院へ行くのに、やはりバスを利用したいという方も大変多くいらっしゃるわけです。やはりそういう方が相ともに病院へ行くのも、福祉施設へ行くのもお互いにお年寄りの足の、交通弱者と言われるお年寄りの皆さん方の便宜を図ることが、どちらが優先すべきかと言えば、両方とも私は優先すべき課題であるということを考えるならば、公平性の見地からすれば、私はやむを得ないことであると、このように思っておりますので、ひとつその点は御理解いただくとともに、先ほど申しました施設の利用、あるいはまた入浴券、ああいうものは継続してお出しするということでございますので、やはり私は市民の公平性というか、公平性というものをやっぱり重要視しなきゃならないと、このように考えておりますので、その点、御理解をお願いいたしたいと思います。
以上です。
◯議長(稲垣 修君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(稲垣 修君) 質疑なしと認めます。これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。
議案の常任委員会付託
◯議長(稲垣 修君) ただいま議題となっております議案第27号から議案第34号まで、平成23年度砺波市一般会計補正予算(第1号)外7件については、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の各常任委員会に付託いたします。
日程第2
高齢者医療制度についての厚生労働省案に反対し、
後期高齢者医療制度の即時廃止を求める請願
請願の常任委員会付託
◯議長(稲垣 修君) 次に、日程第2 高齢者医療制度についての厚生労働省案に反対し、後期高齢者医療制度の即時廃止を求める請願については、お手元に配付してあります請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
◯議長(稲垣 修君) 以上をもって、本日の日程はすべて終了いたしました。
お諮りいたします。明6月22日から6月27日までの6日間は、議案審査等のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(稲垣 修君) 御異議なしと認めます。よって、明6月22日から6月27日までの6日間は、議案審査等のため休会することに決しました。
なお、次回の本会議は6月28日、午後2時から開会いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
大変御苦労さまでございました。
午後 0時10分 閉議