1.会議の経過
午前10時02分 開議
◯議長(稲垣 修君) ただいまの出席議員は20名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付しております議事日程第2号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
◯議長(稲垣 修君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第27号から議案第34号まで、平成23年度砺波市一般会計補正予算(第1号)外7件について、及び報告第4号から報告第11号まで、継続費の逓次繰越しについて外7件についてを議題といたします。
これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
7番 今藤久之君。
〔7番 今藤久之君 登壇〕
◯7番(今藤久之君) ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、質問通告書に従いまして、市政一般に対する質問と、若干の意見を述べさせていただきます。
大項目の1点目、平成23年度予算特別枠事業について、幾つかお尋ねいたします。
まず、「地域の魅力と健康再認識 さわやか 健康ウォーク」についてです。
健康の基本は歩くことからと言われるように、多くの人にとってウオーキングは適度な運動となるばかりではなく、心もさわやかになり、心身ともに活性化をさせる有意義なスポーツといえると思います。さらに、このウオーキングは、手軽で特別な器具も必要とせず、おのおのが自分に合ったペースや距離で楽しめるなど多くの利点があり、健康維持や健康増進にはまさにうってつけであると考えています。
砺波市では、平成19年10月から、となみ庄川水辺ウオーク事業を行ってきましたが、今回の事業は、その発展系と認識をしております。歩くことの楽しさに加え、四季折々の地域の魅力を味わうというコンセプトがそこにあるのであろうと想像いたします。
そこで、現在行われているとなみ庄川水辺ウオーク事業拡大の内容について、お聞かせいただきたいと思います。また、地域の魅力を再発見する四季の特色あるコース設定の基本構想についてもあわせてお尋ねいたします。さらには、市民への周知方法についても言及をいただきたいと思います。
次に、空き家利活用調査事業についてお尋ねいたします。
一部の都市を除き、全国各地では人口減少の荒波が押し寄せる時代を迎えています。多くの地方では、少子高齢化の流れの中で、地域の担い手不足や地域そのものを維持していくという問題を抱え、対策を講じる必要に迫られています。好きな言葉ではありませんが、限界集落という活字も目にするようになりました。残念ながら我が砺波市も決して例外ではなく、そう遠くない将来、空き家や耕作放棄地の増加が予想されます。
人口減少は単に地域活力の低下を招くばかりではなく、今ほど申し上げた空き家や耕作放棄地の増加を誘発し、そのことがさらに地域の治安悪化や環境面、衛生面での問題を引き起こすというドミノ倒しが懸念されるのであります。美しい景観、整備された用排水路や圃場、良好な地域コミュニティーなど、何物にもかえがたい砺波の魅力をこれからも保っていくためにも、空き家対策は喫緊の課題の一つであります。
さて、砺波市では、これまでもNPO法人砺波土蔵の会による空き家の情報収集や砺波散居村空き家利活用協議会による民泊モニターやボランティアガイド養成研修会、また、市のホームページにおける空き家情報提供サイトの開設等々、空き家対策を行ってまいりました。
そこで、今回の空き家利活用調査事業の基本的な考え方と調査内容について、また、今後の空き家対策の方向性について、上田市長の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
次に、砺波市エコライフ・花と緑いっぱい事業についてお尋ねいたします。
緑のカーテンという言葉は比較的新しいものでありながら、急速に、かつ、一般的に使われるようになってきております。これは、つる性の植物などを建物の外側に育成させ、太陽光の遮断と断熱や植物の葉からによる蒸散による気化熱で建物の温度上昇制御を図る省エネルギーの一手法であるそうです。また、二次的には、酸性雨や紫外線からの外壁保護や目隠し、植物そのものの観賞、さらには光合成による二酸化炭素の減少を期待するといった効能も期待されるようであります。
一つ一つは小さなものであっても、多くの方々が一斉に行えば、マイバッグ運動のように、やがては大きな効果となってあらわれるかもしれません。砺波市役所本庁舎西側でも既に取り組まれており、そのような意味で、この事業には個人的に大いに期待を寄せ、賛同するものであります。
そこで、このグリーンカーテンへの助成事業の制度設計についてお尋ねいたします。また、取り組みは大変よいものであると考えますし、継続して実施することで、市民の皆さんにエコライフの考えや生活様式が浸透していく契機にもなるのではないかと感じられます。単年度で終わってしまうのは惜しいと考えますが、今後の方針についての御答弁をお願いいたします。
次に、大項目の2点目、砺波市出町子供歌舞伎曳山会館についてお尋ねいたします。
この施設は、平成21年10月10日10時に竣工式が行われました。立派な曳山の展示だけではなく、各種展示スペース、回廊ギャラリー、研修室、さまざまなパンフレットや観光情報の提供を行う観光情報コーナー、事務所、そして、多目的に利用可能な芝居小屋風のゆめっこホールがあることは、皆さんも御存じのとおりであります。
施設の位置づけとしては、県指定無形民俗文化財の出町子供歌舞伎曳山の保護と振興のための展示、保管、活動拠点、砺波市に伝わる文化・芸能の継承拠点施設、中心市街地への回遊拠点施設、さらには住民が参加して行うまちづくり活動拠点施設でありました。
そのうち、昨年4月からは、砺波商工会議所が指定管理者となり、初めてのことでもあるので、3年間の契約で行うとのことでありました。時のたつのは早いもので、それから1年余りが経過いたしました。年間を通じた利用状況や動向が気になるところであります。施設利用や入館者数は想定と開きがなかったのか、場合によっては使用料の変更なども考慮する必要がないのか。
そこで、指定管理者制度を取り入れて1年余を経過した出町子供歌舞伎曳山会館の状況と課題として、その利用者数と管理運営収支状況についてお尋ねいたします。また、各種イベントが行われておりますが、その実施状況と収支についてもあわせてお答えいただきたいと思います。
大項目の3点目、第60回記念2011となみチューリップフェアについてお尋ねいたします。
今年のチューリップフェアは60回という節目の開催でした。残念なことに、会期中、特に前半は天候に恵まれなかったことや、東日本大震災の影響もあったと思われ、入場者数は約27万5,000人でした。しかし、好天に恵まれた5月3日から最終日の5月5日までの3日間では、全会期14日間の入場者数のおよそ47%に当たる、約12万9,000人の入り込みがありました。開花状況のよさと穏やかな天候が開幕時から続いていればと思うと、少し残念な思いはありますが、全体的には一定の成功をおさめたのではないかと思っております。
そこで、まず、今回のチューリップフェアの総括をお願いいたします。
さて、60回記念ということで特別なイベントもありました。リッセ市のキューケンホフ公園をイメージしてつくられたオランダ風花壇や、生産者圃場を見ていただくサテライト会場、小惑星探査機「はやぶさ」の展示等々です。また、特別ゲストとしては、砺波市と御縁のある俳優の沢村一樹さんや、テレビコマーシャルなどで人気のある北海道犬カイ君など、会場が大いに盛り上がったとお聞きしています。
このように例年行われているものに加え、第60回として特別な展示やイベントが多く企画されておりましたが、市の観光予算には特に大きく目立つものがありませんでした。それらの財源についてどのように対応されたのかお聞きいたします。また、本年4月に観光協会が法人化され、組織も充実いたしましたが、今後のチューリップフェアの対応についてもお聞かせいただきたいと思います。
続いて、ツイッターの活用についてお尋ねいたします。
今回のチューリップフェアでは、情報機器の活用という特徴もあったと思います。砺波市のシンボルキャラクターリップちゃんのブログもありましたし、これもまた砺波市のシンボルキャラクターであるチューリ君がツイッターを使ってフェア会場の情報をリアルタイムでつぶやいていました。フォローの数もチューリップフェア会期中から日に日に増え続け、質問通告期限日である6月13日の時点で約600人にまでなっておりました。会場内の情報提供や連携イベント情報の発信などに大活躍で、リツイートも精力に行っておられ、大変好評でした。チューリップフェアが終了した現在も観光情報を発信しています。
私が1年前の6月定例会で、このことを提案させていただいたときには、取り組みについて研究をしなければならないところもありますが、検討してまいりたいとの御答弁でしたが、このような形で実現したことをうれしく感じています。
ソーシャル・ネットワーキング・サービスにはさまざまなものがありますが、ツイッターは、手軽さ、情報伝達の素早さに加え、フェースブックなどとは異なり、情報受信者の匿名性が高いことなどから、行政情報の発信に適していると考えております。
さて、過日、NHKの番組で東日本大震災の津波情報発信にツイッターが多くの人々の命を救ったというコメントがありました。情報を受信した人が、それぞれまた情報発信のハブとなることで、短時間での情報伝達がなされたとのことでした。現在、スマートフォンと呼ばれる携帯電話が急速に広まっており、外出先でも自由にソーシャル・ネットワーキング・サービスが利用できます。隣接市でもホームページの新着情報や緊急のお知らせ、あるいはイベント関連情報の発信をツイッターで行い始めました。
今ほど申し上げましたように、観光情報の発信では既に成果が上がっておりますが、それをさらに一歩進め、ツイッターの利点を生かし、当市でも高度情報機器の普及する時代に即した施策として、行政情報や災害時などの緊急情報を発信してはと考えますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。
最後に、市民交流推進施策についてお尋ねいたします。
先月のことになりますが、5月1日、砺波市役所小ホールにおいて、安城市と砺波市の市民交流協定書が締結されました。神谷安城市長と上田砺波市長が協定書に署名をされ、記念樹、記念品の交換を行いました。このことは昨年の本会議でも質問させていただいたものとして、欣快とするところでありました。
安城市とは、平成18年5月に災害時相互応援協定を締結して以来、議会、商工会議所、観光協会等とさまざまな交流を行ってきた経緯があります。最近では安城高校吹奏楽部がとなみ野バンドクリニックに参加するなど、年々その交流が幅広くなってきていると実感するところであります。
さて、その協定書ですが、第1条に、この協定は市民の相互交流を促進し、地域経済活性化及び文化振興を図ることを目的とするとあります。また、本定例会初日の全員協議会では、砺波市市民交流支援事業補助金交付要綱についての説明も受けたところであります。安城市を初めとした国内の姉妹都市、フラワー交流都市、観光交流都市などとの市民交流推進戦略について、どのように展開をしていかれるのか、市の施設や観光協会の役割についてはどうなのかを含めまして、今後の市民交流推進戦略についてお尋ねをして、今回の質問を終えさせていただきます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 今藤議員の平成23年度予算特別枠事業についての御質問のうち、空き家利活用調査事業について及びチューリップフェアについての4つの御質問のうち3点をお答えいたします。
まず、空き家利活用調査事業についてお答えをいたします。
空き家利活用調査事業の基本的な考え方は、目的でございますが、議員の御指摘のとおり、当市においても、近い将来、空き家や耕作放棄地が急増することが懸念をされ、この地域コミュニティーや散居景観の衰退につながる変化を未然に防ぐためには、地域資産である歴史や文化、そして、空き家の利活用を契機とした農林業や観光振興を含む地域活性化が今求められている、このように思っております。
その方策といたしまして、調査研究するため、砺波地区自治振興会協議会や空き家調査を実施していますNPO法人砺波土蔵の会など、関係の団体や学識経験者の方など17名の方を中心に空き家利活用調査研究委員会を組織し、空き家の利活用について調査研究を行うものでございます。
第1回の委員会を今月7日に開催し、空き家の現状について委員の皆さんに認識をいただき、その上で空き家対策の方向性などについて積極的に御意見をいただいたところでございます。
空き家対策の方向性については、空き家所有者、自治振興会を中心とした地域コミュニティー、NPO法人、地元事業者、行政機関が相互に連携し、地域活性化につながる空き家利活用の持続的な体制を構築するためのシステムづくりが重要であると、このように考えております。
また、今年度計画している主な事業につきましては、まず、まちづくり協働事業で実施しています空き家調査データをベースに、日常的な管理者の有無、築年数、所有者の利活用方針に関する意向調査など、自治振興会の協力のもとに、今後の空き家対策に生かすことができる空き家調査データの整理を必要と考えております。
その上で、利活用可能な家屋を数点選定いたしまして、例えば地域文化財の展示収蔵施設や、移住、定住策につながる宿泊施設など、具体的な活用策のモデルを提案していただきたいと存じております。また、先進地の事例調査や視察、民泊事業に対する支援や空き家利活用の方向性を示すシンポジウムを計画しております。そして、空き家を利用した体験宿泊や短期の入居可能なモデル家屋などの調査研究を行いたいと、このように考えております。
空き家対策は、当市にとりまして、大変重要な課題であり、空き家利活用調査事業を着実に進め、今後の空き家利活用の具体的な方向性やその活用先について、空き家利活用調査研究委員会としての御提言をいただきたいと存じております。
次に、第60回の記念の2011となみチューリップフェアの総括についてお答えをいたします。
第60回の記念2011となみチューリップフェアは、「チューリップでつなぐ未来への架け橋」をテーマに、4月22日から5月5日までの14日間にわたり開催をしたところ、4月の天候不順によりまして開花が遅れたことや、東日本の大震災の影響などもありまして、観光バスの受け入れが例年の約半分になるなど、昨年より約1割少ない27万5,000人の来場者となりました。
チューリップの開花は全体的に遅れたものの、今藤議員さんが述べられましたように、5月3日の満開宣言から最終日までの3日間、大勢のお客様に満開のチューリップを存分に楽しんでいただき、盛況のうちに閉幕をしたところでございます。また、イベントの催事におきましては、小惑星探査機「はやぶさ」の展示や北海道犬カイ君の撮影会などで会場内は盛り上がり、多くの皆さん方に喜んでいただきました。
今回のチューリップフェアでは、3月11日に発生した東日本で多くの方々が被災されたことから、スタッフ全員が頑張ろう日本を合言葉に、応援ワッペンシールの着用や義援金募金を呼びかけるなど、被災地への応援のエールを送り、記憶に残るイベントになったと思っております。
次に、チューリップフェアの財源見込みについてお答えをいたします。
チューリップフェアの予算につきましては、ほぼすべてのイベントについて、財団法人砺波市花と緑の財団の特別会計で対応をいたしております。今回の第60回記念のイベントを開催するに当たりまして、記念イベントとして内容の充実が求められることを想定し、広告宣伝費や「はやぶさ」の展示経費、チューリップ公園の整備費などは市の一般会計で計上し、財源手当を行ってまいりました。
収入につきましては、市民感謝デーによる無料招待券の発行や、入場者数が減ったことなどにより、入場料が見込みより少なくなったため、単年度会計では財源不足となりましたが、これまで確保してきた繰越金を充当することで対応いたしたいと、このように思っております。
次に、次年度の対応についてお答えをいたします。
今後の対応につきましては、花の充実に重点を置きながら経費の節減に努め、さらに全国の花のイベントとして親しまれ、知名度アップにつながるよう、関係者とともに検討してまいりたいと、このように考えています。また、砺波市観光協会につきましては、一般社団法人化されましたので、これまで以上に観光振興などに取り組んでいただけるものと期待をいたしております。
今後のチューリップフェアの対応につきましては、PRキャンペーンや催事イベントにかかわるもの、特産品の全国に向けたPRと販売などに携わっていただくよう協議検討してまいりたいと、このように思っております。
私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては副市長並びに担当部局長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
副市長 柴田敏秋君。
〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕
◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、市民交流推進施策についての2つの御質問にお答えいたします。
まず、安城市と砺波市の市民交流協定締結後の推進戦略についてでございます。
昨年12月に策定いたしました砺波市観光振興戦略プランの中では、重点的に取り組む事項として市民交流の推進を掲げております。市民交流の推進により、交流人口が増大することは、観光に関連する交通や宿泊、飲食、小売業などの経済的な分野ばかりでなく、文化や誇り、地域イメージの向上、定着者の増加といった社会的な分野での波及効果が大きく、市民交流の推進は大変重要な施策だと考えております。
去る5月1日には、愛知県安城市と市民交流協定を締結し、両市の市民同士が顔の見える形で交流を深めていくことといたしました。このことにより、万が一の災害時において、市民同士の助け合いの機運が高まり、災害時相互応援協定も一段と実効性の高いものになるものと考えております。
市民交流協定締結後、初めての訪問団として、安城市民22名の皆さんが砺波市へお越しになり、迫力あるとなみ夜高まつりなど、市内各地をごらんになられました。砺波市をより身近に感じていただいたものと思っております。また、安城市の広報あんじょう6月号では、砺波市の紹介記事が4ページにわたり特集されております。当市の広報となみ7月号においても、安城市の紹介記事を特集として掲載する予定でございます。
今後の市民交流推進戦略といたしましては、まずは双方の市民が互いの市に親近感を持っていただくような施策や、行き来しやすくなるような施策を展開してまいりたいと考えております。
去る5月31日に制定いたしました砺波市市民交流支援事業補助金交付要綱では、国内の姉妹都市、フラワー交流都市、市民交流都市、環境交流都市において、交流を目的として開催される観光や文化、スポーツなどの事業に参加し、宿泊された場合には一定の要件で補助金を交付することといたしております。
生涯学習団体、文化団体、スポーツ団体を初め、市民の皆様にはこの制度を大いに活用していただき、友好都市へどんどん出かけて、先方の市民と交流していただきたいと存じております。そうすれば、先方からも砺波市へ訪問していただけ、市民交流が深まるのではないかと考えております。
次に、市の施設や観光協会の役割でございます。市民交流事業の運営業務につきましては、砺波市観光協会に委託することといたしております。砺波市観光協会は、去る4月1日に一般社団法人化され、観光まちづくりへの体制強化と規模充実が図られたところであり、市民交流の総合窓口の役割を担うものであります。
市内には、美術館、四季彩館、郷土資料館、散居村ミュージアム、水資料館、増山城跡、散居村の民家、県の西部体育館、青少年自然の家や総合運動公園など、魅力的な文化施設やスポーツ施設などが多く、それぞれの施設には応援団としての市民グループや、関係する文化団体、スポーツ団体、生涯学習団体などが数多くあります。これらのグループや団体、そして、施設が市民交流の中心的な役割を担うものと考えておりまして、観光協会には総合窓口としてこれらの団体への働きかけや友好都市の団体とのコーディネートの役割を期待しているところでございます。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
企画総務部長 戸田 保君。
〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕
◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、チューリップフェアに関連するツイッターのさらなる活用についての御質問にお答えをいたします。
議員も述べられましたように、本年4月のホームページのリニューアルに合わせ、試験的にツイッターを開始し、チューリップフェアの観光情報の発信に利用したところでございますが、多くの方から反応があり、観光に来ていただいた皆様を初め、チューリップの砺波のPRに役立ったものと考えております。
そこで、行政情報や災害情報の発信にも利用してはどうかとの御提案でございますが、先般の東日本大震災では、電話などがつながりにくい中、インターネットインフラでございますツイッターが情報収集に役立ったということで、情報伝達の媒体として注目を浴びたことは承知をいたしております。
ツイッターでの情報発信は、閲覧された皆さんも情報を拡散されるため、情報拡散が早い、また、いろいろな情報の共有が図れるなどのメリットがありますが、一方、閲覧者が情報を伝達する際に、時として情報のつけ加え、修正などがあり、間違った情報が拡散するおそれがあることや、発信者のなりすましなどがデメリットとして懸念されているところでございます。今回の試行の結果、ツイッターの閲覧者に対する応答などに相当の労力を要しますことから、今後、どのような組織体制で運営するのかなど、検討を行っているところでございます。
なお、現在もホームページで緊急メールサービスや携帯電話用のホームページも開設いたしており、インターネットシステムが被災しなければ、いろいろな方法で行政情報が取得できるようにいたしております。
そうしたことから、ツイッターは当面、主に観光情報の発信を充実してまいりますが、情報発信手段の多様性を確保する観点から、ツイッターでの行政情報、災害情報などの発信をどのようにすればよいか、研究いたしてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私のほうからは、平成23年度予算特別枠事業の中の砺波市エコライフ・花と緑いっぱい事業についてお答えをいたします。
この事業は、花と緑に囲まれた美しいまちづくりや地球温暖化防止に向けた省エネルギーの推進を目的に、緑のカーテンの設置に要する経費を補助するものであります。
今年度におきましては、200万円の予算を計上しておりますが、省エネに対する意識の高まりや、さらには、このたびの原発事故での省エネ意識から、本事業についての問い合わせが多く、市民の皆さんからは好評を得ております。そのため、市民の皆さんのエコライフに対する意識の高揚を大切にいたしたく、予算が不足する場合には、補正にて対応したいと考えております。
また、平成23年度、特別枠事業として予算計上したものにつきましては、原則として単年度事業としておりますが、議員御指摘のとおり、市民の皆さんにエコライフの普及啓発を行うため、本事業は3年程度の継続期間が必要であると考えております。つきましては、プランターやネットなどの初期経費が経費の大半を占めることから、補助は1世帯1回限りとし、平成25年度までの3年間、本事業を継続し、花と緑で囲まれた、潤いのある環境づくりを進めるとともに、地球温暖化防止に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
商工農林部長 八田俊伸君。
〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕
◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、出町子供歌舞伎曳山会館の状況と課題についてお答えいたします。
まず、本曳山会館の平成22年度利用状況につきましては、3基の曳山などを常設展示する展示室の入館者数は4,459人、また、ホール及び研修室の利用は1万1,713人で、合わせた総利用者数は1万6,172人となっております。
この曳山会館は、平成21年10月のオープンから約1年8カ月余りが経過し、オープン時からの下半期を比べますと、展示室の入館者数は、開館当初に多くの市民に見ていただいたことから、今は約半減している状況でございますが、ホール、研修室の施設利用者数は約4割増えており、全体的には大幅な変動がなく、推移しておるものと思っております。
平成22年度から指定管理者となりました砺波商工会議所では、この施設の効率的な管理運営を行うため、出町子供歌舞伎曳山会館運営協議会を立ち上げ、まちの拠点施設として伝統文化の魅力を発信するとともに、地域の活性化につながるよう、適切な管理運営に努めておられます。
会館の管理運営状況につきましては、曳山会館の存在をより多くの市民に浸透させるため、無料招待券を市広報に掲載するなど、積極的なPR活動に取り組まれております。
また、会館の自主事業といたしましては、人形浄瑠璃「ぶんらく」の観賞では、富山県ゆかりの豊竹呂勢大夫さんに出演をいただいたほか、地元出身の仲八郎さんや県内の落語家である三遊亭良楽による寄席演芸を開催しております。このほか、やぐら大祭の特別展示として、市内の獅子頭展なども実施されております。また、施設利用としては、市内の民謡、謡曲活動や琴演奏の発表の場などとしても広く活用されております。
指定管理者の1年目の収支状況につきましては、会館の施設管理に伴う一般管理及び事務的経費は、指定管理料の予算の範囲内でおさまっておりますが、各イベントの収支状況につきましては、ホールのキャパシティが250名であり、入場収入が限られることや一部の協賛金だけでは要した経費を賄うことができない企画が幾つかあったとの報告を受けております。
2年目以降は、指定管理者におきまして、限られた予算の範囲内で、民間のアイデアと活力を生かしたイベントの企画と施設利用者の増大を図り、あわせて伝統文化曳山の魅力をもっと広くPRし、入場者の増加を図るよう適切な管理運営に努めていただき、まちのにぎわいをつくる拠点施設にしてまいりたいと考えております。
市といたしましても、今年度は花園町交差点から曳山会館前までバナー付街路灯を設置するとともに、チューリップ公園からの歩行者誘導サインにより、公園との連携をさらに強化し、まちのにぎわいづくりに努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局長 白江秋広君。
〔教育委員事務局長 白江秋広君 登壇〕
◯教育委員会事務局長(白江秋広君) 今藤議員の大項目、平成23年度予算特別枠事業のうち、私からは、1点目の「地域の魅力と健康再認識 さわやか 健康ウォーク」についてお答えをいたします。
まず、となみ庄川水辺ウオーク事業の拡大についてでありますが、議員も御指摘のとおり、このイベントは、砺波市体育振興会連絡協議会が主催となりまして、平成19年度から実施している事業であります。
第5回目となる今年度は、富山県ウオーキング協会の健やか・さわやか・とやま県民ウオーク認定大会として、10月10日、体育の日に開催する予定といたしております。
従来、4キロコースと6キロコースの2つのコースでございましたが、今回は、従来の4キロコースと6キロのほうを10キロに距離を伸ばした2コースで、現在、関係機関と協議をしているところであります。
今年度は、協会の認定大会となり、市外からも多くの参加者が見込まれることから、秋の散居村や清流庄川、また、ちょうど見ごろとなる夢の平のコスモスなどを見ていただけるよう、砺波の魅力をこの機会にPRいたしたいと考えております。つきましては、スポーツの秋の1日、議員の皆さんを初め、市民の方々にはぜひ御参加いただき、心よい汗を流していただくとともに、参加者同士の交流の場になればと願うものであります。
次に、四季の特色あるコース設定の基本構想についてお答えいたします。
ウオーキングの効果としては、議員も御指摘のとおり、気軽に、どこでも、いつでも取り組める運動であり、健康の維持増進につながるスポーツでございますが、このたびのウオーキングコース設定について、スポーツの効用に加えて、ふだん車などで通り過ぎていては見落としがちなふるさと砺波の再発見につながることを目指しております。
コースにつきましては、各地区でもウオーキング事業が種々行われていることから、その意見もお伺いをして、季節折々の砺波を再発見いただけるよう、また、継続的な運動実施につながるよう、特色あるコースを設定いたしたいと考えております。
具体的には、春には、桜を観賞しながら砺波総合運動公園から小牧ダム周辺を楽しむ健脚コース。2つ目には、初夏には光り輝く水田に映る散居や石仏を回る散居村コース。3つ目に、国指定史跡「増山城跡」を歩く歴史探索コース。そして、4つ目に、秋には、紅葉の中、散居村展望台をめぐる夢の平紅葉狩りコースなどを現在検討いたしております。また、設定したコースのスタート地点には表示板を設置するほか、コース上の魅力ポイントや消費カロリーなども掲載したコースマップの作成を考えております。
市民の皆さんへの周知方法につきましては、市の広報、ホームページなどへも掲載してPRいたしますが、公民館長会議や体育指導員協議会などを通して周知に努めたいと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 7番 今藤久之君。
〔7番 今藤久之君 登壇〕
◯7番(今藤久之君) 今ほどは、それぞれ御答弁ありがとうございました。
企画総務部長さんに再質問をさせていただきたいと思います。
少し消極的ではないかなと気になったものですから、もう少し積極的な答弁をいただけないかと思います。ツイッター利用についてでありますが、2点、問題点を上げられました。1つは、なりすましがあるのではないか、いま一つは、誤情報の拡散があるのではないかという2点であったように思います。
1つ、第1点目につきましては、例えば紙の情報、広報となみ、これは明らかに公のものでありますから、これに砺波市の公式なツイッターであるというところのアドレスを載せておくことで、解決ができると思います。
それから、2点目に関していえば、既にツイッターのユーザーである方々は、リツイートされたものをクリックすれば、本当の元情報のところへたどり着けるということを皆さん存じ上げておるわけであります。ですから、いずれの場合も問題にはならないのではないかなと思います。
それから、もう一つありました。リツイートするのに手間がかかると、これも例えばほかの市で既に採用されているところであれば、実は、リツイートは原則的にはできませんよということを広報にうたってあるような例もあるようでございます。
以上の点から申し上げまして、もう少し積極的な意見をいただけないかと、答弁をいただけないかと、このようにお願い申し上げまして、再質問とさせていただきます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
企画総務部長 戸田 保君。
〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕
◯企画総務部長(戸田 保君) まず、消極的ではないかという御指摘でございますので、大前提として、研究するという言葉で申し上げたので、そのようにお受け取りされたのかもしれませんが、前回の御質問のときも研究するということで、実際には開始させていただいたわけですが、そういうふうに研究というのをとっていただければありがたいというふうに、まず、申し上げたいと思います。
それで、一番やっぱり問題になるのは、リツイートをしないということで、そういう広報をしてやるということになると、ツイッターとしての根本的なよさが失われてしまうのではないかなと。それは保険的な意味でリツイートをしないと言っておきながら、リツイートはされているんだと思います。
ただ、リツイートをするタイミングとか、そういったものはやっぱり適時にやらないと、やっぱり見られた方も、ツイートしていただいた方も不満がたまってくると思いますし、そういったようなところも考え合せながら、積極的にリツイートもしていかないと、ツイッターとしての意味がないのではないかなということも含めて、その辺どういう対応したらよくなるのかということを今研究させていただきたいという意味でございます。
ですので、やっていく、進めていくという前提での研究というふうに御理解をいただきたいと思います。
◯議長(稲垣 修君) 14番 嶋村信之君。
〔14番 嶋村信之君 登壇〕
◯14番(嶋村信之君) 通告に従い、一般市政について質問並びに提案をさせていただきます。
今、我が国は、東日本に発生した大震災は未曾有の被害を受けました。戦後最大の国難というべき大災害であります。大震災は、人間の想定をはるかに超える自然災害が実際に起こり得るという現実をさまざまに見せつけられました。
残念ながら現政府の対応の遅れから、災害発生から3カ月を経過しているにもかかわらず、7万人の方が体育館等で避難生活をしていることを聞くたびに、罹災者の心情を思い、心が痛む国民の一人として、一日も早く罹災した地域の復旧、復興を願うものであります。
そこで、東日本大震災の教訓を踏まえ、災害に強いまちづくりを前進させなければなりません。
1点目、本市の現時点の防災計画がどの程度の災害を想定し、どのような対策を講じているのか、また、想定外の災害にどう備えているのか。
2点目、本市においても、東日本大震災に対し、早速県の要請を受け、消防団員、職員、水道技師、看護師、ケースワーカー等を派遣し、支援活動を展開し、名取市から感謝されたと伺っております。
そこで、1、東日本大震災に関する人的支援状況について。
2、市長も被災地の名取市へ足を運ばれましたと伺っておりますが、災害の状況を踏まえて、本市の災害時の対応について。
3、災害時の地区自主防災組織との連携のあり方について。
4、市民からも支援物資をたくさんいただいておりますが、支援物資の数量及び支援物資の活用状況について。
5、現在、北部小学校が耐震化の大規模改修を行っております。災害の際、住民の避難場所になりますが、避難場所の機能向上及び備蓄等について、今後の学校耐震化を含めて再検討されているか。
3点目、被災者支援システムの導入、運用について。
1995年の阪神・淡路大震災で壊滅的な被害を受けた兵庫県西宮市が独自に開発した被災者支援システムは、災害発生時の住民基本台帳のデータをベースに被災者台帳を作成し、被害状況を入力することで、罹災証明の発行から支援金や義援金の交付、救援物資の管理、仮設住宅の入退去など、一元的に管理できるシステムであります。
同システムは全国の地方公共団体が無償で入手し、災害時に円滑な被災者支援ができるよう、総務省所管、財団法人地方自治情報センターが2005年に被災者支援システムを地方公共団体が作成したプログラムを統一的に登録管理し、他の地方公共団体が有効に活用できるようにする地方公共団体業務用プログラムライブラリーに登録し、2010年1月17日には、総務省が被災者支援システムをおさめたCD-ROMで全国の自治体に無償配布いたしました。
今回の東日本大震災以後、3月18日には民間事業所も利用できるように、システムの設計図でありますソースコードを公開いたしました。しかし、このたびの東日本大震災前までに同システム導入の申請があったのは約220自治体にとどまり、被災した東北地方では、ほとんど導入自治体がありませんでした。
今回の震災以後、被災者の情報を一元的に管理する被災者台帳の必要性の認識が高まり、同システムの導入を申請する自治体が増え、5月26日現在では300に達したと伺っております。
災害の発生時、何よりも人的救助が最優先です。しかし、その後はきめの細かい被災者支援を求められます。中でも、家を失った住民が生活再建に向けて、なければならないのは罹災証明書であります。罹災証明を発行するためには、住民基本台帳と家屋台帳、そして、被災状況を確認して新たに作成した調査結果、この3つのデータベースを突き合わせる必要があります。
本市においても事前に確認したところ、この3つのデータベースは独立して存在しております。仮に、このたびのような大きな災害が起きた場合、本市においても大量の罹災証明の発行が必要になると思われますが、今のままでは確認作業が手間取り、被災者を長時間待たせるなど、負担が強いられることになりかねません。
震災後の同システムを導入した宮城県山元町では、システムの導入により、この3つのデータベースが統合され、ここに住家の被災者状況を追加すると、罹災証明書がすぐに発行でき、罹災証明の申請件数に対する発行件数は既に約9割に上っております。
同町保健福祉課によりますと、一度情報登録をしてしまえば、一元管理により、義援金の支給などについても、再度申請の手続はいらない。行政にとっても、住民にとっても助かると、罹災証明書だけでなく、義援金、支援金の支給、固定資産税の減免等においても、同システムが効果を発揮していると伺っております。
今回の災害で改めて平時から、災害時には住民本位の行政サービスが提供される体制づくりを進める必要が高まっております。そのためには阪神・淡路大震災の教訓と、実践に裏づけされました同システムを平時に導入、運用しておくことは極めて重要だと考えますが、いかがでしょうか。
4点目、自然エネルギーの導入について。
東日本大震災で発生した東電の福島第一原子力発電所の事故で、原子力発電への懸念が高まり、放射能漏れの問題で原発の安全神話は崩れ、世界的な問題として国際的に議論され、原発から自然エネルギーへの転換が図られようとしております。我が国においても、政府は浜岡原子力発電所停止を含め、原発の計画見直しの方向へ動き出したようであります。
ソフトバンクの孫正義社長が自治体と協力して、休耕田や耕作放棄地を活用した大規模太陽光発電所など、自然エネルギー協会を19道県と同社で設立すると発表いたしました。
政府は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電力の全量を電力会社が買い取る制度の実施に向け検討を始め、昨年11月1日には、家庭の太陽光発電でつくった電力の余剰分を電力会社が従来の約2倍の価格で買い取る制度がスタートいたしました。今後、新たに買い取り対象を風力や水力、地熱などに広げる上、発電量のすべてを電力会社が購入する仕組みが予測されます。
こうした中、環境省では、発電に係る二酸化炭素排出量が非常に少ないクリーンなエネルギーであります小水力発電の普及に取り組むことを実施、平成21年度には、地域における小水力発電の普及拡大に向けて、市民出資などの市民の参画を伴う事業の実施可能性の評価、検証等を実施する地方公共団体を募集し、この提案に基づき、設置の実現可能性等を考慮して、山梨県の北杜市や都留市、韮崎市を含む、全国18企業を選定いたしました。
さて、本市は、庄川水源より豊富な水資源を有しており、この有効な資源、市内の農業用水や山間地区の傾斜を利用した小水力発電への開発の計画はいかがでしょうか。小水力発電で再生可能なエネルギー構築のため、早期の開発を求めるとともに、太陽光発電の取り組みについて、市長の御構想をお聞かせください。
5点目、職員のコスト意識改革について。
今、国において、東日本大震災により、30兆円を超える復興費に対し、歳入不足から、平成23年度国家予算の組みかえ、災害復興の補正予算の計上及び国家公務員の給与10%削減が議論され、労働組合と協議し、決着したと報道されております。市民からも「国に準じて市職員も対応すべきではないか」との声も聞かれますが、私は、この考え方は少々短絡的ではないかと思います。
このような声が聞こえる背景には、東日本大震災に対し、市として財政的な支援をすべきではないか、また、職員が市民のサービス向上のために汗を流しているか、問われていると思います。言うまでもなく、給与は労働の対価ですから、市民に感謝されるような仕事をしていれば、このような議論は出てこないと思うのであります。
そこで、職員にこうした意識を持っていただきたいのであります。例えば事務事業及び予算の遂行がより少ない費用で実施できないか、同じ費用では、より大きな成果が得られるのではないか、あるいは費用との対比で最大の成果を上げているのか、事務事業及び予算の執行の結果が所期の目的を達成しているのかといった観点から、予算が適切かつ有効に執行されているかの意識を持っていただきたいのであります。
職員のコスト意識や倫理意識の向上を図るために、1、どのような研修等を実施しているのか。2、市民満足度の向上などを目指した行政評価の実施について。3、市民に対する説明責任の向上について。4、人材育成基本方針について。以上、市長のお考えをお聞かせください。
次に、笑顔があふれるまちづくりについてお尋ねいたします。
1点目、地域福祉計画の策定について。
この計画は、地域福祉法の第107条で、市町村の計画策定を規定されており、計画立案の目標は、地域における福祉サービスや社会福祉事業への住民参加を促進するものであります。
近年、地域では、少子高齢化の波の中で、さまざまな問題点が浮き彫りになっております。例えば引きこもり、ひとり暮らし、DV被害、子どもへの虐待、在宅介護の実態など、これらの問題は比較的表面に浮上しない難題であります。
次に、高齢者の介護が地域とのコミュニケーションと関係があるとわかった例を紹介いたします。高齢者は年齢とともにさまざまな要因で体が不自由になりますが、中にはひとり暮らしになり、話す相手もいないことによって、孤独にかかり、精神的にも身体的にも介護を受ける状態になると言われております。
さて、こうした地域的課題の福祉支援策を次のように提案をいたします。
例えば、ひとり暮らしの高齢者などへの地域支援として、キーワードは、孤立防止、相談、地域参加、生活支援であります。具体的には見守りネットワークを体制として地域包括支援センターを中心に、その地域の社会福祉関係機関との情報共有の強化、生活支援として人感センサーによる安否確認や食料品の配達業務やICT利用による買い物支援、さらに要支援が必要な場合、親権停止ができる民法の改正、住宅困窮者には低賃金で提供をするセーフティーネット住宅の整備充実などがあります。
このように情報の進展や核家族化、加速化を増す高齢化傾向に、こうした潮流に今までの福祉では対応できない、いわゆる新しい福祉施策に適合する視点を持ち、地域福祉の基本であります共助の強化を推進していくことが、結果的には暮らしの安定を連動していくのではないでしょうか。
したがって、相対的には自助、共助、公助、3つの区分の連携強化を前提にした政策構想が今後目指すべき新しい福祉のテーマであると思うのであります。
そこで、こうした時代背景のもとに、地域福祉計画策定には、現状の地域ボランティアを初め、福祉制度として機能している多数の法律の整合性が必要であります。例えば生活保護法や児童福祉法に始まり、介護保険法や障害者自立支援法など、私どもが調査した結果では、少なくとも20以上の法律があり、これらとの多面的、また、各部にわたる横断的な検証をして策定することが肝要であります。
また、本市では、健康プラン21、高齢者福祉、保健福祉、介護保険事業、障害者福祉などが策定され、実行されております。これらの計画とともに、関連して議論、検討していくことがより効果的であると考えます。
本市においては、本年3月、第2次砺波市地域福祉活動計画が策定されましたが、支え合う地域社会の形成づくりのための年次ごとの具体的な取り組みについてお答えを下さい。
2点目、民生児童委員への個人情報提供について。
民生児童委員法、児童福祉法の規定の中に、民生委員、児童委員は厚生労働大臣に委嘱されたボランティアとして地域住民の立場に立って、住民の暮らしと支援をすること、そして、地域住民の生活状況の把握、相談、助言、福祉サービス等に関する情報提供、社会福祉施設や福祉に関する活動を行う人との連携、福祉事務所、その他関係行政機関の業務に協力すること等が主な業務であると定めております。さらに、民生委員法の第10条には、民生委員には給与は支払わないとあり、第15条には、職務の遂行に当たっては、個人の人格を尊重し、その心情に関する秘密を守ることになっております。
このように、ボランティアとして日々活動は多岐にわたり、責任を負わせられているわけであります。まして、特別国家公務員としての守秘義務を課せられたプレッシャーの中で、地域住民、そして、砺波市のために日々奮闘されている。これには本当に頭の下がる思いであります。
そこで、お伺いしたいのは、こうした方々が仕事をよりやりやすく、地域住民の情報を迅速かつ正確に把握するためにも、個人情報の提供ができないかという問題であります。
現在、砺波市においては、委員の方には個人情報の提供をされていないと民生委員の方からお聞きしております。そして、数人の委員からも同じような悩みで相談を受けております。結局、情報提供されなかったことで、転入、転出、死亡、その他、把握が後手後手に回っていって、民生児童委員は福祉活動が連携して行政とのパイプ役になると言われておりますが、対応できないのが現状であります。ちなみに、他の地方自治体はどうか、二、三、調べてみますと、町田市ではかなりの情報が提供されているようであります。個人情報やプライバシーの保護の問題はありますが、民生児童委員が行政とのパイプ役を推進するためにも、利用目的を限定した上で結構でありますが、個人情報の提供をするといった改善余地はあるのか、当局のお考えをお聞かせください。
今、政治に最も問われていることは、スピーディーな政策の実行であります。市長初め、市当局の答弁が市民に届くよう期待し、終わります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 嶋村議員うち、安心安全なまちづくりについての御質問にお答えをいたします。
今回の東日本大震災は、議員の御説明のとおり、我が国でも1000年に一度と言われる大災害であり、かつ人災であるとも言われております。
発生以来、3カ月余りが経過いたしまして、被災地では、ある程度の落ちつきが取り戻され、力強い復旧復興の活動の姿も見られておりますが、なお、7万人余の方々が不自由な避難生活を送っておられることに対しまして、心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い生活基盤の安定をお祈り申し上げるものでございます。当市といたしましては、引き続き被災地の声にお答えし、人的支援、物的支援等を続けていく方針であります。
さて、防災関連の幾つかの質問をいただいておりますが、まず、防災計画についてお答えをいたします。
当市の地域防災計画の災害想定の規模につきましては、地震の場合、地震調査研究推進本部、地震調査委員会から公表された高清水断層帯等を原因とするマグニチュード7.3というエネルギー規模を想定しているものであります。なお、被害想定につきましては、先日発表された呉羽山断層帯の調査結果における当市の被害想定などを考慮しております。
また、風水害における災害の場合は、国土交通省、北陸地方整備局から公表された庄川水系浸水想定区域図など、過去の災害の規模やその他専門調査により、危険度を想定しているものであります。
どのような対策を講じているかにつきましては、平常時の生活インフラの災害対策を初め、災害時における職員等の動員配備計画、情報の収集、伝達の体制、避難、救援救護の体制、さらには防災に配慮をした地域づくりの推進、災害時要援護者対策などを講じているもので、今後とも、着実に進めてまいりたいと思っております。なお、想定外の災害につきましては、今回の大震災を踏まえ、国・県などの防災指針、隣接都市の地域防災計画の動向も踏まえながら、今後、地域防災計画の見直しを検討してまいりたいと考えております。
次に、東日本大震災の教訓についての各項目にお答えをいたします。
まず、大震災に対する人的支援の状況についてでございますが、不幸中の幸いとして、当市と災害時相互応援協定を提携している都市などに大きな被害がなかったことから、富山県や全国市長会を通じて人的支援を行っております。また、当地の緊急消防援助隊が活動した宮城県名取市を私が慰問したことから、名取市にも人的、物的支援を実施いたしたところでございます。
現在までの人的支援の状況について申し上げますと、保健師、応急給水職員など、職員延べ50人を名取市を初めとし、石巻市、気仙沼市などに派遣をいたしております。私も被災地を視察いたしまして、テレビカメラを通じて見た光景以上に、津波による跡形もないすさまじい状況に大変驚きをいたしました。災害の少なかった本県、本市の状況において、災害時の対応を考え、気を締め直したところでございます。
次に、災害時の自主防災組織の連携でございますが、災害発生当初の身近な救援活動、迅速かつ適切な被災情報の行政への提供、避難施設の開設運営について、市と自主防災組織の役割分担が極めて重要であると認識をいたしております。このため、平常時から訓練、研修などに支援を行っているところでございます。
次に、物的支援についてでございますが、災害発生の直後から、市が備蓄しておりました乾パン、毛布、県を通じて宮城県等へ提供したほか、市民の皆さん方が米6.7トン、毛布744枚、バスタオル2,754枚の御提供をいただき、岩手県等へ提供するなど、支援を行ったところでございます。
次に、学校施設の防災機能の強化につきましては、学童の安全確保と同時に災害時の住民の避難場所として重要であり、砺波北部小学校の耐震改修事業においては、雨水貯留槽の設置やトイレの増設を行ったところでございます。また、出町中学校の耐震改修事業につきましても、備蓄倉庫や雨水貯留槽の設置を計画いたしており、引き続き防災機能の強化を図ってまいります。
次に、被災者支援のシステムの導入運用についてお答えをいたします。
このシステムについては、6月現在、全国で398自治体が同システムの導入を申請いたしております。県内では1自治体が申請していると聞いております。
このシステムは、無償で入手できるものの、当市の既存の電算システムに対応ができるのか、個々の住民情報等のデータベースと連携できるのか、専門的かつコスト的な検証を行う必要があろうかと、このように考えております。
つきましては、今年度の電算システムの見直しに当たりまして検討を行ってまいりたいと、このように思っております。
次に、自然エネルギーの導入についてお答えをいたします。
まず、市内の小水力発電の開発計画についてでございますが、現在、庄川沿岸用水土地改良区連合により、庄川合口堰堤において、庄川用水合口ダム発電所を建設中であり、8月中に供用開始する予定であります。また、庄地内の庄川右岸幹線用水を利用して、富山県より、仮称ですが、小水力発電所が建設される計画となっており、平成24年度中に供用開始が予定をされております。
小水力発電につきましては、水資源の豊富な当市におきまして有効なエネルギー利用であると考えておりますが、今後、これらの実績を踏まえて調査研究してまいりたいと思っております。
次に、太陽光発電の構想についてでございますが、平成21年11月に太陽光発電システムを使った余剰電力の買い取り制度が創設され、国及び県において、平成21年1月より、住宅用太陽光発電システムの補助制度が再開されたことに伴い、市といたしましては、平成22年度より、補助制度を再開したところでございます。平成22年度には、110件で550万円の補助を実施しましたが、申請件数を5月末で比べますと、平成22年度は7件でありましたが、今年度は既に23件でありますので、平成23年度全体では、平成22年度の実績を上回ることが予想されます。
太陽光発電は昼間の電力需要ピークを緩和し、温室効果ガス排出量を削減できるなどの特徴を有しており、自然エネルギーを利用した環境にやさしい地球温暖化防止対策として有効なものであると、このように考えております。したがいまして、今年度におきまして、住宅用太陽光発電システムの補助金の予算が不足する場合は補正において対応し、また、来年度以降も補助を継続してまいりたいと、このように考えております。
つきましては、今年3月に市庁舎に設置いたしました太陽光発電システムを常設の環境広告として発電状況を公表するなど、今後も広報となみやケーブルテレビを活用して、太陽光発電の普及啓発に努めてまいりたいと思っております。
私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては副市長並びに担当部長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
副市長 柴田敏秋君。
〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕
◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、安全安心なまちづくりについての御質問のうち、職員のコスト意識改革についてお答えいたします。
東日本大震災の発生により、地方自治体を取り巻く状況は一段と厳しさを増しておりますが、これまでも近年の経済の停滞や少子高齢化の進展に伴う税収等の縮減、新たな行政ニーズの発生などにより、厳しい財政運営が続いておりまして、職員には、コスト、成果、スピード重視の経営感覚を持つよう、指導してきているところでございます。
つきましては、職員のコスト意識や倫理意識の向上を図るため、幾つかの御質問がございました。質問順とは異なりますが、まず、人材育成基本方針について申し上げますと、平成19年に砺波市人材育成基本方針を策定いたしておりまして、そこでは目指すべき職員像として、コスト意識や経営感覚を持った職員、砺波市を愛し、市民から愛される職員、市民の視点に立った公正かつ誠実で信頼される職員、積極的に自己革新し、迅速に行動する職員、市民と協働して地域をつくる職員の5項目を示しております。その上で、市民に対する説明責任能力の向上が極めて大切であると位置づけております。
この方針に基づく具体的な人材育成策といたしまして研修が位置づけられておりまして、係長、主幹、課長など、庁内における独自の階層別研修のほか、富山県市町村職員研修機構などが主催する多様な研修などに積極的に参加させております。
このような中でも、市内の第一線で活躍されておりますさまざまな分野の民間講師を迎えた若手職員の研修会や接遇研修、プレゼンテーション研修、公務員倫理研修、そのほかにも職員目標管理制度、行政改革提案制度なども含めまして、より実践的な研修となるよう、内容の充実を図っているところでございます。また、行政評価の実施につきましては、限られた財源、人材を有効に活用し、効果的、効率的な行政運営を実現するためには、大変有効な手段と考えております。
当市の導入状況でございますが、平成21年度から該当するすべての事業について評価を行った上で、部課長クラスで組織するワーキンググループによる2次評価を実施し、その結果を市のホームページに公表いたしております。
平成22年度では、134事業を評価いたしておりまして、今年度は、より市民感覚の評価制度となるよう、評価結果について、行政改革委員会など第三者の意見聴取を取り入れるなど、評価手法の一層の充実に取り組んでまいる考えでございます。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、2、笑顔があふれるまちづくりについての2項目についてお答えをいたします。
最初に、地域福祉計画につきましては、当市においては第1次砺波市総合計画の地域福祉の分野を推進するための基本計画という位置づけで、平成18年度から平成27年度までの10年計画として、平成17年度に策定をいたしました。
現在、この計画を基本に、具体的な取り組みにつきましては、アクションプランとして位置づけている地域福祉活動計画や障害者福祉計画、高齢者保健福祉計画、健康プラン21など、それぞれの計画の中で事業を進めております。
議員御質問の本年3月に見直しが行われました地域福祉活動計画は、平成18年度から平成22年度までの第1次地域福祉活動計画の終了に伴い、平成23年度から平成27年度までの5カ年計画として砺波市社会福祉協議会が地域の皆さんや地域福祉、社会福祉活動を行う方、福祉サービスを経営する方など、多くの皆さんからの声をお聞きし、これからの地域福祉を市民参加のもとで推進することを目的として策定したものであります。
基本目標といたしましては、住民参加による地域福祉活動の推進、ボランティア活動の推進と福祉教育、地域で生活を支える福祉活動の推進、関係機関、団体との連携協働の推進、社会福祉協議会の活動体制や機能の強化の5つを掲げ、具体的な事業ごとに現状と背景、活動方針、実施計画年度を明記しております。
今回の計画では、いきいきサロンの運営支援の充実やサロンリーダーの養成、全地区へのボランティアサポーターの設置、ボランティアポイント制の充実、福祉バス無料貸し出しの充実、買い物支援ニーズの把握調査と巡回バスの検討、子育て活動を支援する方法の検討など、新規事業や従来の事業の見直し拡充を行い、地域福祉の向上を図っていくこととしております。
一方、今年度中には障害者福祉計画や高齢者保健福祉計画の見直しを予定しており、地域ニーズを明確にし、医療、介護、保健福祉の連携を図りながら、今後、ますます進む高齢化、核家族化等を見据え、平成24年度から平成26年度までの3年間の計画を策定することとしております。
次に、民生児童委員への個人情報の提供についてお答えをいたします。
議員御指摘のとおり、民生児童委員の皆さんは地域の住民の方々への支援・相談を初め、情報提供や行政との連携など、さまざまな方面で活動いただいており、現在市内には103名いらっしゃいます。また、民生児童委員の皆さんは、法により、非常勤の特別公務員と定められており、守秘義務が課せられております。
個人情報の取り扱いについては、個人情報保護法の制定以降、全国的には情報提供に慎重な市町村もあることから、全国の民生児童委員協議会の中でも、個人情報は日ごろの活動の中で不可欠であるのに対し、個人情報保護法は活動に大きな支障になっていると指摘をされております。
このような中、当市においては、高齢者のひとり暮らし登録やケアネット活動への登録など、さまざまな福祉サービスを申請する際に、多くの場合、民生児童委員の方々がかかわり、市が保有する住民記録の情報と民生児童委員の方々が御自身で集められた情報を重ね合せて活動に生かしていくことが最善であると考えております。
そのため、市では、毎年5月に開催されます民生児童委員協議会総会の際に、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯の方々の名簿を各地区ごとに民生児童委員の方へ提供し、情報の共有化を図っております。
また、毎年、民生児童委員の皆さんが中心になり、市内全地区で作成している災害時要援護者マップにつきましては、災害時に速やかに対応できるように、日ごろから民生児童委員の代表の方、各地区の消防分団の方、地区自主防災会の皆さんがそれぞれ同じものを所有され、情報を常に共有できるように努めております。
その際の個人情報につきましては、市の情報公開個人情報保護審査会での承認のもと、地元の皆さんには災害時のみの使用とすることで、個人情報の問題をクリアしております。
私からは以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 4番 島崎清孝君。
〔4番 島崎清孝君 登壇〕
◯4番(島崎清孝君) それでは、通告に従いまして、東日本大震災の課題と本市の耐震及び震災対策の1点に絞り、以下、質問をいたします。
3月11日の東日本大震災の発生からおよそ3カ月半を迎えようとしています。しかし、原子力発電所の事故は、現在もなお進行中であり、地震、津波、原発、そして、風評被害も含めた四重苦の影響が、被災地はもとより、日本全体にも及んでいます。
世界銀行は7日、日本の2011年のGDP(実質国内総生産)の伸び率はわずか0.1%増と、ほぼゼロ成長にとどまるとの見通しを示し、前回1月時点の1.8%増から大幅に下方修正をしています。また、本年4月から6月の第2・四半期の見通しも、年率換算での落ち込み幅は3%程度にも達するとしており、政府の復旧の対策の遅れも相まって、日本の経済は日を追うごとに厳しさを増しております。
初めに、東日本大震災による市内中小企業への影響と市の支援策についてお尋ねいたします。
この4月に富山県内の中小企業経営者でつくる県中小企業家同友会が会員を対象に東日本大震災の影響調査を実施しています。回答を寄せた140社のうち、全体の57.7%が経営に影響があると答え、19.7%が今後影響が予想されると考えており、震災による影響はあわせて77.4%にも上ることが明らかとなりました。本市においても、中小企業への影響を最小限に食いとめることが喫緊の課題と存じます。市内中小企業への影響度や経営の実態並びに緊急事態に対応する具体的な救済支援策について、当局にお尋ねをいたします。
さて、今回の東日本大震災による主な課題として、まず、地震被害では、これまでの耐震化の推進により、地震の規模に比べ、建物の倒壊被害は少なかったものの、天井落下など市の利用施設の被害が大きく、公共建物に対する耐震、安全性の再検討が必要なこと。また巨大地震に伴う液状化現象により、丘陵地区における大規模な宅地被害が発生、建築物に比べ、宅地地盤強度の脆弱性が明らかになったこと。一方、多くの生命、財産が失われ、都市インフラや田園地帯にも甚大な被害を与えた津波への対策。また、原発事故の長期化に伴う原子力政策の見直しや電力不足に対応する省エネ対策など、今後のエネルギー政策のあり方、あるいはライフラインの途絶や道路の分断、避難所施設の指定や運営方法、また、多様な情報通信手段の必要性など、災害対応力強化に向けた課題など、阪神・淡路大震災を教訓とした現在の防災計画では対応できない新たな課題が山積をしています。
県は、6月9日に発表した呉羽山断層帯の調査結果では、予想されるマグニチュードは7.4を想定、富山市、射水市、高岡市の大部分で震度6以上を予測、これによる建物の全壊が約9万400棟、半壊が27万4,000棟、死者数においては約4,300名余りと、10年前の調査結果に比べ、建物の全壊被害がおよそ2.6倍、死者においてはおよそ3倍に引き上がっています。
しかし、専門家は、今回の調査結果には地盤の強度が見えておらず、液状化現象による建物被害も想定する必要があるとしており、さらなる被害の拡大が予想をされます。
そこで、高清水断層地震の被害想定調査についてお尋ねいたします。
これまで本市にとって最も被害が大きいとされる高清水断層の被害想定調査は実施されておらず、現在も当時、消防庁消防研究所が開発した簡易型地震被害想定システムによって地震規模を予測しています。調査技術が年々進化する中、救済対策の最も基本となる本調査を早急に実施し、課題抽出と対策を急ぐべきと考えますが、現状をお尋ねいたします。
次に、今回の震災を機に、全国的にも多くの自治体が地域防災計画の見直しに着手することを表明しています。富山県においても、6月9日、富山県地域防災計画の見直しについてを議題に富山県防災会議が開催されておりますけれども、砺波市地域防災計画の見直しについてはどのようにお考えなのか、方向性あるいはポイント、策定スケジュールもあわせてお尋ねをいたします。
次に、原子力災害対策についてお尋ねします。
今回の福島第一原発の事故に対する文部科学省の放射能モニタリング調査では、半径30キロ圏内は健康に重大な被害を与えるおそれが高いこと、さらに、半径60キロ圏内でも、現在法律で策定されている基準値に対し、10倍以上の数値を示していることが明らかになっています。現在、福島県下では半径20キロを超える地域でも、自治体が丸ごと避難をするという事態も発生しており、依然として被災地は深刻な状況下にあります。
こうした福島原発の事故を受け、京都府では、福井県関西電力高浜原発に対するEPZ、すなわち防災対策の重点実施地域を現在国が定める半径約10キロ圏内から20キロ圏内に拡大、そのためには最悪の場合、人口約9万人の都市、舞鶴市を行政機能ごと全面移転させることも視野に入れた、極めて大胆な暫定計画を策定するなど、これまで国の独占状態にあった原子力防災に対し、独自の判断で対策を進める自治体や、あるいはEPZの範囲拡大に連携を訴える自治体など、今回の事故を機に新たな動きが活発化をしております。
さて、国の原子力安全保安院は、5月20日、北陸電力志賀原発の緊急安全対策について、安全上、支障がないとして、福島原発事故と同程度の津波に対しても必要な安全性は確保されるとする説明を石川県に行い、事実上、原発の運転再開を容認しています。
しかし、今回の事故では、発電所そのものの安全性など、ハード部分もさることながら、むしろ事業者の日ごろからの災害に対する認識の甘さや、災害発生時の情報提供のあり方、危機管理体制の脆弱性など、初動における問題点が数多く指摘をされています。また、風評被害においても、国による影響評価がなされず、グローバルな発信が不十分だったことが一番の問題点であり、今回の原発災害は人災だと指摘する声も数多くあります。
6月7日の志賀町議会で、小泉町長は、福島の事故の状況ははっきりしない現段階では、再稼働についての議論にはならないとして、志賀原発の運転再開は認められないとの考えを改めて示されております。志賀原発から半径60キロ圏内に位置する本市として、原子力災害に対する当局の基本的な考え方、また、再稼働に必要とされる本市も含めた自治体の同意範囲拡大の要請、さらには原子力災害対策を地域防災計画に組み込むことなど、原発に対するより踏み込んだ対応が必要かと存じます。原子力災害に対する当局の見解をお尋ねいたします。
次に、災害に強い都市基盤形成の観点からお尋ねいたします。
今回の震災では、電気、水道、ガスなどのライフラインに大きな被害があり、復旧に時間を要したほか、ガソリンなどの供給ルートが途絶するなど、市民生活にも大きく影響し、復旧作業の遅延を招いたことが課題として上げられております。本市においても、都市インフラの適切な維持管理や耐震化のスピードアップ、また、災害発生時にあってもライフラインが最低限の機能を維持できる供給ラインの多系統化の推進など、対策が必要かと存じます。当局の見解をお尋ねいたします。
次に、災害対応力強化の観点からお尋ねいたします。
東日本大震災では複数の地震が起きる領域が連動したことを踏まえ、政府の地震調査会は、9日、将来起きる地震の規模や確率の予測手法を改めると発表しています。これまでも震災は想定外の場所や規模で突然発生し、甚大な被害の歴史を繰り返してきていることも事実であり、今後は局地災害から広域的大規模災害への対応力の強化が求められてくると存じます。
本市では、平成16年の消防組織法改正以降、県内では初めてとなる消防の広域化に取り組み、この4月1日より、砺波地域消防組合として業務が開始をされています。大いに評価をいたしますとともに、この趣旨をさらに加速させ、国や県とも連携をしながら、災害情報の収集伝達や災害発生時における活動部隊への指揮命令、また、燃料や物資の備蓄、集配等の機能を備えるとともに、平常時には防災教育や訓練施設としての役割を担う砺波地域防災センターとしての施設整備を急ぐ必要があると存じます。当局の見解をお伺いいたします。
関連して、本庁舎の耐震化につきましては、学校施設の耐震化を優先し、現在は未着手の状態にあります。しかし、今回の震災の例を見るにつけ、市民の間には、これまで潜在的にあった万が一への懸念が顕在化をしています。改めて本庁舎の耐震計画について当局の見解をお尋ねいたします。
3つ目に、避難所施設につきましては、指定のあり方や備えるべき設備の整備、また、物資の備蓄などを目指すとともに、あわせて今回課題となっております高齢者や被害者、乳幼児親子へ対応する福祉避難所の指定と拡大など、各地区防災拠点としての一層の整備が必要かと存じます。当局の見解をお尋ねいたします。
次に、地域・市民の防災力向上についてお尋ねいたします。
今回の震災で最も大きな力を発揮したのが地域の支え合い、きずなと協働力など、コミュニティーが中心となる自主防災組織であります。阪神・淡路大震災でも、家屋の倒壊による生き埋めや、建物に閉じ込められた人のうち、消防などの公的機関に救助された人の数はわずか全体の1.7%にとどまったとのデータもあり、自主防災組織の存在は極めて重要であります。
自主防災組織は、災害対策基本法において、市町村がその充実に努めるよう規定をされておりますけれども、災害時、本市の自主防災組織はちゃんと機能をするのでしょうか。
自主防災活動に対する全市統一的な活動マニュアルの整備や地域の協働力を意識した、例えば小学校区単位での定期的な合同訓練の実施、あるいは地区民の防災意識高揚を目的に、避難所とされるすべての公民館に統一化した専用掲示板を常設し、避難所単位の組織表や緊急時連絡先、地区内の地図や行動ポイントシート等の掲示による見える化の推進など、より機能する自主防災組織の構築に向け、一段の工夫や取り組みが必要かと存じます。同時に、児童生徒が生涯にわたって必要となる防災力を習得できるよう、学校における防災教育のさらなる推進も重要であります。自主防災組織の機能強化に対する当局の見解をお伺いいたします。
最後に、省エネルギー、環境対策についてお尋ねいたします。
福島の原発事故により、多くの国民がエネルギーに対する認識を新たにしています。また、今回の災害では、下水処理施設やごみ処理場が稼働停止をするなど、市民生活に影響を及ぼすとともに、改めて私たち一人一人が省エネルギー、環境負荷低減に取り組むことの重要性を実感しています。市民、企業、行政がおのおのの果たすべき役割を再認識し、かつ、相互に連携することで、新次元の省エネルギー、環境先進都市を目指さなければなりません。
県では、電力需要が高まる夏場に向けて、年間電力消費量の10%程度の削減目標を掲げるとともに、広く県民にも節電を呼びかけています。また、知事政策局では、新エネルギー導入促進に向けた施策検討にも着手するとしています。
そこで、北陸電力の夏のピーク時における電力供給量の見通し、並びに節電や省エネに対する市内企業の動向、本市の取り組みや市民への啓蒙等について、現状をお尋ねいたします。
2点目に、リサイクルやごみ減量化など、資源循環の取り組みも重要であります。本市はどのような実態にあるのか、過去5年間のごみ排出量の推移と今後の強化策についてお尋ねいたします。
また、分散型発電を目的とした新エネルギー導入の推進は、総論では賛成するものの、現実にはなかなか前に進まないのが現状です。景観づくりとも連動させたエコモデルタウン構想の推進や誘致、また、さまざまな社会的課題と向き合い、ビジネスを通じて解決を図るコミュニティービジネスの立ち上げを積極的に支援するなど、多様な主体間による連携も必要です。新エネルギー導入をどのように進めようとお考えなのか、当局の見解をお聞きして、私からの質問を終わります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 島崎議員の東日本大震災の課題と本市の耐震対策についての御質問にお答えいたします。
まず、東日本大震災による市内中小企業への影響と市の支援策についてでありますが、未曾有の被害をもたらした大震災の発生以降、市におきましては、地元企業への訪問や電話連絡により、経営状況などについて約50社につきまして情報収集を行ったところであります。
市内中小企業の影響につきましては、業種別では、自動車関連企業においては、部品の供給不足や納品先への受け入れができないことから、ラインの停止による部分操業を行ってきており、最近若干回復はしているものの、全面操業まではいまだ時間がかかるものと聞いております。
また、電子部品や印刷業の関係においても、原料資材の供給ができないことから、他のメーカーや海外からの調達により、操業は続けている状況であり、食料品加工関係においても、生鮮野菜の価格高騰によるコスト高が今後懸念されるものと聞いております。これらのほかにも資材の調達困難や納入先が震災に遭うなど、さまざまな業種において影響が出ていると思われます。
こうした状況のもとにおいて、市においては、中小企業の資金繰り対策と雇用対策に重点化を図ることとし、国の第1次補正予算で創設された直接・間接的に著しい被害を受けている中小企業者を対象とした東日本大震災復興緊急保証制度について、市内の企業者に対しまして、金融機関や市のホームページを通じまして、徹底して周知を図っているところでございます。
また、雇用対策につきましては、市内企業の休業補償などの支援措置である雇用調整助成金の円滑な運用について、ハローワークとなみと協議を行っているほか、国の緊急雇用対策や求人情報等について、被災者への就労支援などを進めているところであります。
やはり私自身、国の復興支援の対応が必ずしもスムーズにいっていないと思っております。とにかく迅速な復興支援を望むとともに、中小企業の皆さんへ資金繰りの対策や雇用対策について、「早目にやるべきことはしっかりやる」と思っております。
市といたしましても、今後、県や関係団体と連携しながら、支援方法について考えてまいりたいと、このように思っております。また、この状況を見ながら市独自の支援策を検討してまいりたいと、このように思っております。
次に、高清水断層地震の被害想定調査の実施についてお答えいたします。
当市では、活断層型の地震を想定しており、大きな被害を及ぼす断層としては、高清水断層帯、呉羽山断層帯、石川県の邑知潟断層帯を挙げております。特に議員御指摘の高清水断層帯については、平成7年度、平成11年度、平成18年度、平成20年度と4回にわたりまして県が長期評価を行っているところでございます。
この平成20年度の報告書によりますと、高清水断層帯は砺波市の頼成新付近から南砺市井波を抜けて、城端、大鋸屋付近まで伸びる、全長21キロメートルとなっております。また、今後30年以内にこの断層で地震が発生する可能性は0.04%から6%と推定され、予想規模はマグニチュード7.0程度とされております。この結果、高清水断層帯は我が国の主な活断層の中で、今後30年の間に地震が発生する可能性が高いグループに位置づけられております。
先日、より被害規模が大きいとされる呉羽山断層帯の被害想定調査結果が県から発表されましたが、同様な災害規模が見込まれることから、砺波平野断層帯においても調査が実施されるよう働きかけてまいりたいと、このように考えております。
次に、砺波市地域防災計画の見直しについてお答えをいたします。
新砺波市の地域防災計画は、平成18年度から施行されており、風水害などの一般災害編、震災編を分冊するなど、阪神・淡路大震災、直前の新潟中越地震などを踏まえ、震災対策を充実させた内容となっております。
しかしながら、今回の想定外の事態を受けまして、私たちは多くの教訓を得ており、当市の地域防災計画を見直しする必要性があると思っております。その基本的な方向性を申し上げますと、想定外の災害もあり得るとの認識であろうかと思います。絶対的な備えはできないまでも、状況に応じた対応が求められると考えております。また、今回言われたような初期体制の遅れに対して、実際の災害時を想定して適切な行動がとれる段階まで引き上げておくことが重要と考えております。
つまり、大災害はいつ起きるかわからないとの前提に立ちながら、被災を最小限にとどめる事前の備え、発生時の沈着な対応の強化が求められると考えております。さらに、見直しのポイントを申し上げますと、市民の安全と安心を預かる立場といたしましては、何が十分でないのか、新たに考えなければならないものは何かを十分に検証し、着実に整備していかなければならないと感じております。
次に、策定スケジュールにつきましては、後ほど原子力災害対策のお答えにおいて述べますが、市町村の地域防災計画は、国の防災指針の見直しに基づく富山県の地域防災計画の修正を踏まえて見直しを推進する必要があります。
そこで、去る6月9日に開催された富山県防災会議において、富山県地域防災計画の見直しに着手することとされ、有識者などで構成する地震対策部会により、具体的な検討が行われることとなっておりますが、国の防災指針の見直しの進捗状況もあり、はっきりした策定スケジュールは示されておりません。当市といたしましては、広域災害の対応が焦点となるところから、国及び県の情報収集に努めるとともに、市民や有識者からの御意見等をちょうだいしながら、砺波市防災会議において見直しを進めてまいりたいと考えております。
次に、原子力災害対策についてお答えをいたします。
まず、今回の東京電力福島第一原子力発電所の被災により、避難されている30万人を超える皆様にお見舞いを申し上げるとともに、被爆の危険性を伴いながら活動されている作業員の皆さんに感謝を申し上げるところでございます。一刻も早い事態の終息を願うところでございます。
まず、原子力災害に対するお尋ねでございますが、これまで国により原発の安全設計審査指針が示されておりますが、この中で長期間の電源喪失を想定しておらず、このことから、その範囲内で安全対策を立てていたことなど、議員のおっしゃるとおり、想定外の事態に対処できなかったすきが生じていたものと考えております。
また、北陸電力志賀原子力発電所の対応でございますが、過日、北陸電力側から説明を受けておりまして、想定被害の見直しを前提に、電源の確保、除熱機能の確保及び津波等に対する発電所敷地内の浸水防止などを柱とする総額150億円規模の緊急措置を今後2カ年程度の間に行うことと聞いております。このような説明を踏まえ、原発の安全に対する周辺住民の不安が払拭されるよう、施設の安全確保の説明責任を果たされるよう要請したものであります。なお、再稼働同意の範囲拡大につきましては、県などの判断も踏まえたいと存じます。
次に、当市の地域防災計画への原子力災害対策の組み込みでございますが、国の防災指針について、原発事故に備えて防災対策を重点的に整備する地域、EPZについて、現在8キロメートルから10キロメートルとしている指針が見直された場合、富山県がその範囲に含まれる可能性もあり、県の地域防災計画の見直しと並行して議論を進めていきたいと、このように考えております。
次に、災害に強い都市基盤形成についてお答えをいたします。
道路、橋梁、上水道、下水道、電気、ガスなど、都市のインフラは住民生活の基盤をなすものであり、その防災機能の強化を進めるとともに、災害時の迅速な普及が重要であります。
具体的に申しますと、道路の橋梁につきましては、災害時の避難経路や緊急物資の輸送などに重要な役割を担うものであることから、日ごろから各道路管理者において適切な維持管理に努めるとともに、今年度において、市道の15メートル以上の橋梁15カ所について、橋梁長寿命化修繕計画を策定することといたしております。
また、上水道施設につきましては、管路総延長の約21%を耐震化しており、引き続き耐震化を進めてまいります。また、下水道施設につきましては、マンホール継ぎ手部分への伸縮性部材の使用や、耐震対策指針に基づく耐震性にすぐれた資材を使用するなど、耐震性の確保に努めているところでございます。いずれにいたしましても、今後とも、総合計画等に基づき着実に推進してまいりたいと、このように考えております。
次に、災害対応力強化に向けてについてお答えをいたします。
議員が述べられましたとおり、常備消防につきましては、この春、砺波地域消防組合を設置し、多様化する災害に対応できる広域的な消防体制を確立したところであります。
そこで、議員の御提案といたしましては、広域的な砺波地域防災センターを設置し、災害の広域的対応、平常時の訓練活動などのため、整備してはどうかとの御意見でありますが、富山県では、来年4月に新たな消防学校を開設し、防災拠点施設を併設する予定となっております。消防団、自主防災組織などの訓練・体験施設としての利用、緊急時の食料、生活必需品の備蓄を行うほか、災害時には支援物資の集積、配給施設の拠点とすることとなっております。当市といたしましては、まず、このような施設の活用を図り、連携を図りたいと考えております。
次に、本庁舎の耐震化についてでございますが、災害時の災害対策本部機能を置く庁舎の耐震化を図ることは重要ではありますが、財政が厳しい中、国の方針に基づき、子どもたちの安全確保を図るために、学校施設の耐震化を最優先に進めてまいりたいと、このように考えております。
このような中で、市役所本庁舎の耐震性が最も劣っていると評価されていることから、この利用を想定せず、耐震化されている庄川支所の庁舎や本庁電算棟及び東別館、さらには、平成9年の調査では、働く婦人の家等が震度6から7の揺れにも耐えるという評価を得ていることから、当分の間はこれらの分庁舎を災害時に適切に運用をする方針で対応してまいりたいと、このように考えております。
次に、避難所の施設の見直しでございますが、地域防災計画に基づき、避難所施設の指定につきましては随意更新を図っているところであり、今後とも、適切に進めてまいりたいと思っております。
なお、避難所施設につきましては、地震、風水害などの災害の種類によって、その利用指定を区分しているところであり、災害時に適切な利用を図ることとしております。
次に、避難所における設備の整備や備蓄についてでありますが、避難所は、まず、差し迫った状況から避難することが目的でありますが、今回の大震災を踏まえて、中長期の避難所運営に必要な設備の整理や物資の備蓄などについて必要な見直しを図ってまいりたいと、このように考えております。また、福祉避難所につきましては、市の老人福祉施設を指定しているところでありますが、議員が御提案されましたとおり、障害者、乳幼児など幅広く弱者に対応できるように、今後、検討してまいりたいと、このように思っております。
次に、地域・市民の防災向上に向けてについてお答えをいたします。
大規模な災害が発生した場合、その規模については、消防、行政などの救助活動、支援が間に合わないことが予想されており、このようなとき、身近な地域住民により、初期の防災活動、いわゆる共助が最も有効的であり、このことから、各自治振興会の御理解をいただいて、全地区に自主防災組織が設立されておりますことに感謝を申し上げます。
つきましては、この自主防災組織が災害時に機敏に対応でき、被害の拡大を防げるよう、育成強化が重要であると考えており、この活動に対する経費や資機材の整備費を補助するなどの支援を行うとともに、行政出前講座などによる防災知識の向上や技術の取得に支援させていただいているところでございます。
市といたしましては、震災を契機に、これまで以上に自主防災組織の役割を重視しており、その育成に期待しておりますので、議員からいただいた多くの御提案を検討させていただきたいと存じております。
また、学校における防災教育の充実においても、防災教材を活用するなど、防災に関する知識を身につけるとともに、避難誘導訓練を通して的確な判断と冷静、安全な行動ができるよう、防災教育の推進をお願いしたいと思っております。
次に、省エネルギー、環境対策についてお答えをいたします。
まず、北陸電力の夏場のピーク時における電力供給量の見通しについてお答えいたします。報道によりますと、志賀原発の再開にめどが立たず、北陸電力が電力を購入している敦賀原発2号機も停止したことで、夏場に電力需給の逼迫する可能性が出ておりますが、北陸電力は火力や水力発電所の点検時期を調整し、供給力を確保する方針であるとのことでございます。また、大規模工場に自助努力を促すことで、ピーク電力を抑えながら、企業や各家庭の節電をお願いし、企業、家庭の計画停電を回避したいとの考えであると聞いております。
点検停止中の原発の再稼働に関しましては、国が7月までに原発立地自治体や住民の理解を得て再稼働を目指す考えを示しており、国の原発再稼働に向けた動きを注視しながら夏場の節電対応をしてまいりたいと、このように考えております。
次に、節電や省エネルギーに対する市内企業の動向や本市の取り組みなどについてお答えをいたします。
富山県はライトダウンにより電力の削減を提唱しておりますが、平成19年度にライトアップ照明の一斉消灯を実施した市内の施設は6施設ありましたが、平成22年度は10施設となり、企業の節電や省エネルギーに対する意識の向上が見られます。今年度は、「夏至の日」の6月22日から8月末までにおいて節電ライトダウンキャンペーンが実施されますので、ホームページなどにより、住民、企業等に周知をしてまいりたいと、このように思っております。
市役所では、地球の温暖化防止砺波市役所実行計画において、平成17年度比で、平成24年度までに市役所の事務事業の実施に伴う温室効果ガスの排出量を6%削減することを目標としておりますが、平成21年度までには19.9%削減しております。平成21年度においては、庁舎内の蛍光灯をLEDタイプの蛍光灯に交換し、電力の削減を実施しましたが、今年度におきましては、照明に個別のスイッチを取りつけ、不要な電力を削減することとしております。さらに、職員の衣服をスーパークールビズとするなど、一層の電力の削減に努めてまいりたいと存じます。
また、自発的な省エネ対策を促すために、エコライフ・花と緑いっぱい事業として緑のカーテンの補助を本年度より開始いたしましたが、今回の原発事故により、節電対策として緑のカーテンへの取り組みが全国的に注目を集めており、市内企業や市民から非常に多くの問い合わせが来ております。また、市では、数年前より職員の有志により、平屋にゴーヤカーテンを設置し、庁舎内の省エネに努めております。
一方、散居村の屋敷林は常設の大規模な緑のカーテンとして、暑さ寒さをやわらげ、断熱効果にすぐれていることから、景観上だけでなく、省エネルギーの観点からも屋敷林の保全を推進してまいりたいと思っております。さらに、住宅用太陽光発電システムの設置に係る費用の補助を昨年度より実施しており、市役所南側入り口にも太陽光発電システムを設置し、その発電量をモニターに映し出し、身近なエネルギーの発電として市民にPRをしております。
今後も、広報となみ、ホームページやケーブルテレビを活用して緑のカーテンや太陽光発電を初めとしたエコライフの普及啓発に努めてまいりたいと存じております。
次に、資源循環の取り組みの本市の実態と今後の強化策についてお答えいたします。
本市のごみの排出量につきましては、年度ごと、多少の増減はありますが、平成18年度と平成22年度の対比では、総排出量で約3%減となっております。ごみの排出量は平成4年度にごみ処理の有料化により激減し、その後、横ばいとなっていますが、昨年度にはてんぷら油や小型家電などの資源ごみとして受け入れ、リサイクルする品目を増やし、最終処分されるごみの減量を図ってきたところでございます。
今後は、出前講座など積極的な広報活動を実施し、ごみの分別を徹底するとともに、有価物集団回収奨励金交付事業の実効性を高めるなど、エコタウン構想として資源循環型社会の形成に努めてまいりたいと思っております。
次に、新エネルギーの導入についてお答えいたします。
分散型発電には中小企業の発電施設から、水力、風力や太陽光、燃料電池などの規模の小さい低出力の発電装置まで、多種多様なものがあります。本市には、1級河川庄川が南北に走り、合口ダムにより砺波平野を潤す用水への豊富な水が流れていますが、その用水を利用した小水力発電が2カ所で計画施工されています。
今後は、先ほど嶋村議員に対する答弁でお答えをいたしましたが、新エネルギーの導入に関しましては、小水力発電について調査研究をしてまいりたいと考えております。
以上、私の答弁といたしますが、いずれにしろ、東日本の大震災に伴いまして、今、最も大事なことは、安全で安心なまちづくりに努めていくことは極めて重要であると、このように思っておりますので、議員各位の格段の御協力を賜りたいと、このように思っておる次第でございます。
以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) この際、暫時休憩いたします。
午後 0時25分 休憩
午後 1時00分 再開
◯議長(稲垣 修君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
2番 川辺一彦君。
〔2番 川辺一彦君 登壇〕
◯2番(川辺一彦君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、市政一般につきまして、大きく3項目の質問をさせていただきます。
まず初めに、子育て環境の充実と施設の運営について、一部提案と質問をいたします。
過去の議会記録を調べてみますと、砺波市では、子育て環境の充実といった視点から、保育所、幼稚園のあり方について、ここ数年、定例会ごとと言ってよいほど取り上げられており、大変関心度が高くなっていることがわかりました。近年も先輩議員、同僚議員より、保育所、幼稚園の運営や施設の整備についての質問が相次いで出ておりまして、これらに対する当局の答弁は、一貫して国の指針、動向が不透明であることに伴って、国・県の財源が不明確である。そして、砺波市保育所・幼稚園のあり方懇談会の提言を参考に検討したいと結んでおられ、少しも前向きに検討がなされているとは思えません。
そもそも保育所と幼稚園では、設立時の思想が違う、根拠となる法律が違う、対象となる子どもの年齢や保護者の思いが違う、いざ一元化を目指してみても、原点を考えると、議論がもとへ戻ってしまうのは無理からぬことだと思います。それでも、そのような中、砺波市では、一部その幼保を一元化させ、教育委員会管轄のこども課において運営されていることはとてもすばらしいことであると思っております。
このようなことから、今、課題となっている幼保一体化施設、こども園の新たな建設や、少子化が進む中での施設統合などは、財源的にも地域感情からしても大変難しい時期ではないかと思われますが、それでも運営面で何かしらよりよい子育て環境をつくり上げていくことができるのではないかと思うのです。
昨年12月の全員協議会でお聞きしました砺波市保育所・幼稚園のあり方懇談会の報告概要には多くの意見が寄せられておりました。その意見の一つに、幼稚園については、保育時間、長期休業実態、保育年齢などで保育所並みの充実を求めるとありました。
このことを私なりに解釈し、考えてみたのですが、幼稚園には保育所並みの保育時間の設定と長期休業時における幼児の保育体制を整えることとし、対象年齢は現行どおりとして、保育所へ入所されていた3歳以上のお子さんは、なるべく幼稚園への就園をしてもらう。そして、保育所では、市民ニーズがとても高くなっている3歳未満児の受け入れ枠を現在の保育所ごとの定員数内において受け入れられるよう調整することはできないものでしょうか。
子どもたちの保育環境が途中で変わるという懸念や、保護者、家族の理解を求めるといった難題もあるのでしょうが、預けやすい保育所や幼稚園の実態づくりを進めていくことは、既存の施設を十分に活用し、保育所と幼稚園における幼児保育環境を近づけるとともに、地域の子育て環境の格差是正にも結びつけることができるものと考えますので、いかがでしょうか。
この構想の実現には保育所の運営体制の見直しや現行保育所における定員内乳幼児枠の調整など、乗り越えなければならない課題も多くありますが、地域の特性をフルに生かした幼保、小中への一貫体制づくりを初め、砺波型のこども課の設置やこども園の設立が既になし遂げられていることを思うとき、不透明さを増している国や県の動向は後から考えることとして、しっかり議論いただいた砺波市保育所・幼稚園のあり方懇談会の意見を尊重し、砺波型保育所、幼稚園の運営方策を見出していただきたいと考えますので、教育長のお考えをお聞かせください。
加えまして、現在の保育所、幼稚園の利用時間や利用料金などの運営に関する情報が、市民の皆さんには十分伝わっていないように思えます。子どもを授かってから預け先を探される保護者や家族の方もいらっしゃるとは思いますが、砺波市であれば、安心して子育てができるんだと思ってもらえるよう、子育て情報をもっとしっかり広報することが望ましいと考えますので、あわせてお伺いをいたします。
次に2項目めといたしまして、砺波市上水道の現状と対応についてお尋ねいたします。
砺波市では、上水道の現状分析による課題を提起、整理され、平成30年度を計画目標年次と定め、平成21年度に砺波市水道ビジョンを策定されました。そして、その将来像の基本理念には、砺波市上水道事業の利用者すべてがいつでも安心して飲める水道を未来にとうたわれてあります。このビジョンでは、水道を地域住民の生活になくてはならないライフラインであると位置づけ、将来にわたり、安心で安定し、持続して水を供給し続けなければならないものとして、老朽化施設の更新や基幹施設、管路の耐震化、それらを賄う財源の確保など、具体的な施策が描かれております。
そこで、私は、このビジョンにはあらわれていない現状についてお伺いしたいと思います。
砺波市の水道普及率は、平成21年度で98.3%となっており、一部の地下水利用者を除いて、市内のほぼ全域にわたって供給されておりますが、その中において、これまたごく一部なのかもしれませんけども、水量、水圧に不便を感じている市民がおいでになることを御存じでしょうか。
その状況は、決して水が出ないということではなく、皆さんが一斉に水道を利用される朝夕の時間帯に供給される水の量が少なくなってしまう現実があるのです。例えば、シャワーがシャワーにならない、低圧に陥り、瞬間湯沸かし器の火がつかない、トイレの水に勢いがないなどの症状が出るのです。このことは昭和30年代から40年代に布設された給水管の口径の細さであったり、口径75ミリ以上の配水管から分岐した給水管の利用件数によるものと思われます。
私は、この現状を確かめるため、ここにあります約4リットルのバケツを持ち歩きまして、このバケツが何秒で満杯になるかを20軒ほどの家ではからせてもらいました。計測した時間帯は朝夕の多使用時を避けた午後2時から4時までとして調査した結果、最も早い家では約6秒、最も時間のかかった家では約17秒となりました。なんと3倍の開きがあるのです。
東日本大震災で被災されている方々のことを思うとき、このようなことも言っておられないのでしょうが、同じ砺波市民として公平な施設利用を思うと、このような格差はなくしていくべきではないでしょうか。そして、ビジョン策定時にこのことについての認識はあったのでしょうか。限られた地域のことなのかもしれませんが、水量水圧不足地域の実態と、それに対する是正策など、当局のお考えをお聞かせください。
関連しまして、砺波市水道事業供給条例施行規程の第9条には、他人の給水管より分岐して給水を受けようとする者は、申込書に当該給水管所有者の同意書を添付しなければならないと定めております。この対象には、新たな利用者が増えるときだけではなく、現在の住居の2階または同敷地内の増改築などによって新たな水利を設けるときの場合も含むとお聞きしております。先ほどの水量水圧不足地域での給水管利用者においては、さらに状況が悪化することに不安を感じながらも、このような場合は、近所づき合いなどを考えて、やむを得ず同意しているというのが現状です。
このような水量水圧不足地域の給水管の分岐については、同意書という書面での処理ではなく、もっと実態を把握された対応をしていただきたいと思いますので、当局のお考えをお聞かせください。
次に、砺波市水道ビジョンに計画されている老朽化施設の更新と管路の耐震化についてお伺いいたします。
今定例会初日に、上田市長からの市長提案理由説明要旨でも報告されましたとおり、平成22年から今年にかけて安川配水池の更新が進められておりますが、続いて平成25年から平成26年にかけて更新するとされていた上中野配水池は、計画より1年前倒しして明年度に実施設計を行い、建築は平成24年、平成25年度の2カ年の継続事業として計画を進めたいと、昨年12月の定例会で今藤議員の質問に対して答弁がありました。砺波市上水道の重要な基幹施設を1年でも早く改修されることは、市民にとって喜ばしい限りです。ここで、もう少し詳しく安川配水池の工事進捗状況と上中野配水池の更新計画の内容についてお聞かせください。
そして、このビジョンには、砺波市上水道が保有する配管約404キロのうち、耐震化になっている配管の延長は約18%と報告されており、配管の耐震化経費として毎年1億円ずつの事業費が計上してあります。この耐震化の内容は具体的にどのようになっているのでしょうか。また、砺波市内には、今もなお水道基準値を超えてはいないものの、鉛を使用した鉛管の布設箇所や強度が弱く耐久年数の短い石綿管の布設箇所も残っていると伺っておりますので、それらの更新計画はどのようになっているのか、あわせてお伺いいたします。
最後に、3項目めといたしまして、在宅介護への取り組み状況と課題についてお伺いいたします。
団塊世代の皆さんが65歳の高齢者へ仲間入りされるのもあと数年となり、横ばいに推移している我が国の総人口からすると、高年齢化は上昇の一途をたどっていることになります。また、2050年には総人口の3分の1が高齢者という超高齢者社会への到達も予測されております。
そういったことから、介護を必要とされる高齢者も必然的に増加していくであろうと想定されるのですが、国や地方の財政を見ましても、高齢者を受け入れる福祉施設の増設を見込むことはできず、現状の福祉行政としては、在宅介護の拡大が求められるところであります。
しかし、在宅介護では、介護するマンパワーを確保しなければならず、核家族化が進展しているこの御時世では、高齢者が高齢者を介護しなければならない現実や、被介護者の状態によっては、介護する方が離職しなければならない状況もしばしば報道されております。
砺波市も決して例外ではなく、介護保険で利用できる施設は常時満床となっており、入所の待機者は100名近くおいでになると伺っており、在宅での介護支援がますます重要になってきているものと思っております。
そこで、待機者も含む在宅介護の現状と課題についてお伺いいたします。
砺波市では、地域包括支援センターや在宅介護支援センターでの高齢者を対象とした総合的な相談窓口を開設し、在宅介護に対する支援をしていますが、このセンターでの利用者状況と相談内容、そして、居宅サービスの利用状況と、それに伴う給付費の推移などはどのようになっているのでしょうか、お聞かせください。
また、砺波市でも年々進展している核家族化によって、介護を行う家族がいなかったり、終わりはないと言われる介護では、介護をする方が達成感を得られにくく、身体的にも精神的にも疲労が蓄積するなど、在宅介護では、介護する側が抱える悩みも多くあると聞きます。そのような介護する方々への心のケア活動はどのように対応されているのでしょうか、あわせてお聞かせください。
次に、介護保険を利用するための手続についてお伺いいたします。
申請から介護認定までには定められた期間の経過が必要とされています。そのことは介護を必要とされる方の状態を見極めなければならないためとも解釈できますが、市役所の担当者、認定審査員、施設のケアマネジャーの3名の方に3度にわたり同じことを伝えなければならなかったり、介護認定の見極めにおいて、面談者が毎回入れかわったりして、本当に利用者の目線で審査されているのだろうかと疑問を抱いた利用者家族のお話を聞きますと、見極めのやり方が利用者の心情を十分におもんばかっていないケースもあると感じます。申請手続における事務の簡素化、介護認定の見極めにおける対応方法や方針などについて改善の余地はないものでしょうか、あわせてお伺いいたします。
さて、在宅介護の原点は、自宅が基本となります。その自宅では、バリアフリー化やトイレの改修、ここ北陸では暖房問題など、介護される方と介護する方がともに介護生活をしやすい住居として整えなければなりません。車いすをスムーズに移動させるためのスロープや、手すりの取りつけ費用などへの支援はあるものの、大がかりなリフォームに対する支援対策にはまだ至っていないように思います。
さらに、福祉のまちづくりを推進している砺波市としては、今後、新築される住宅に対して、あらかじめ在宅介護を前提とした構造を取り入れるよう指導することも必要ではないかと思われます。在宅介護の原点となる住宅改装支援策と在宅介護に適した福祉のまちづくり施策についてのお考えをお伺いいたします。
最後に、今後の介護支援体制についてお聞きいたします。
年々認知症の高齢者が増加傾向となっている中で、昨年はグループホームが2施設開設されました。今後においても、グループホームや小規模多機能型居宅介護施設などの増設予定はあるのでしょうか。また、平成22年3月の定例会で大楠議員の質問に答弁された、地域医療、介護サービス、福祉などを連携させた地域包括ケア体制の確立に向けた取り組みの進捗度はいかがなものかをお伺いいたしまして、私からの質問を終えさせていただきます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
教育長 舘 俊博君。
〔教育長 舘 俊博君 登壇〕
◯教育長(舘 俊博君) 私からは、川辺議員御質問の子育て環境の充実と施設の運営についてお答えをいたします。
まず、1点目の幼稚園における保育所並み運営体制の確立についてですけれども、幼稚園の運営が保育所と根本的に異なることは、議員から御指摘がありましたように、その根拠法令が違うため、設立目的が異なっております。
幼稚園は保育所と異なり、学校教育法施行規則で夏休みなどの長期休業日を実施するように規定しております。しかしながら、幼稚園の保護者からも長時間保育の要望があるため、近年、市としましては、早朝保育の実施や通常保育後の預かり保育、長期休業時の預かり保育に取り組んでまいりました。
幼稚園で実施しております長期休業時の預かり保育につきましては、ここ数年の状況は、拠点保育を行っております北部幼稚園、太田幼稚園及び東野尻幼稚園においての利用は、全体の園児数約500人のうち、利用者が90人余りとなっており、約18%の利用率であります。また、各幼稚園で行っております通常保育後の預かり保育は、利用者が170人余りで、約33%の利用率で推移をしております。現在のところ、幼稚園で実施しております預かり保育を今後も実施することで、幼稚園の長時間保育を希望する保護者に対応していきたいと考えております。
国が幼保一体化を目指しました子ども子育て支援システムにおきまして、その運営形態や施設建設に係る財源などを検討しているので、昨年度に開催されましたあり方懇談会の提言も参考にしながら、市全体の幼稚園、保育所の配置や定員規模などの課題についても、本年度、教育委員会内で検討することとしております。
次に、2番目の既存施設の活用による砺波型保育所・幼稚園の運営方策についてですけれども、昨年開催されましたあり方懇談会では、市内に公立保育所と幼稚園が設置されていることから、施設の選択に幅があるということや、子育て支援センターが充実しているというよさを取り上げる意見もございました。このことは、砺波市が地域で子育てができる環境が整っており、地区の子育て支援の協力が得られやすいということでもあり、こうした市の保育環境は大切にしていきたいというふうに考えております。
今後、市では、幼保のあり方を考えていきたいのですけれども、いまだ国の議論が進まず、施設建設のあり方、運営のあり方、財源問題等、具体的な国の方向性が見えてこないことに非常に歯がゆい思いをしているところでございます。
国の方針は、市の幼保一体化のあり方に大きな影響を与えますので、早急に政府において、その見える方向を示していただければ、市においても、それを踏まえた対応の検討を始めることができるものと考えております。市としましても、全国市長会等を通じて地方の実情に適応した基本方針の明確化などについて強く働きかけをお願いしてまいりたいと考えております。
次に、3番目の保育所、幼稚園など、子育て環境情報の発信強化についてですけれども、現在の保育所、幼稚園の利用時間や利用料金等の運営に関する情報が広く市民に知られていないのではないかという御心配をいただきました。これまで保育所や幼稚園への入所、入園の説明会の折に、所長や園長からできるだけわかりやすく説明をしております。また、市の広報やホームページに掲載したり、申し込み案内の中でお知らせしたりするほか、市外から転入される方で、入園を希望される方には、こども課で個別に説明もしております。
今後は、乳幼児の健診やこんにちは赤ちゃん事業において、保育所、幼稚園の利用時間や利用料金等の運営に関する情報を提供できるような協力体制を整えるほか、出前講座なども活用して、さらに幅広く市民に対してPRするよう努めていきたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、3、在宅介護への取り組み状況と課題についての4項目についてお答えをいたします。
まず1点目の、在宅介護の現状と介護する方々への心のケア活動についてお答えをいたします。
最初に、在宅介護支援センターを含めた地域包括支援センターの利用状況ですが、平成18年度の年間相談件数は、延べで約4,200件でしたが、平成22年度には約5,500件となり、4年で700件、30%余りの増加となっております。
相談内容といたしましては、平成22年度では、介護保険制度に関することや、介護予防事業に関することがそれぞれ20%余り、福祉サービスに関すること、疾病など医療に関すること、認知症に関することがそれぞれ10%となっております。また、より地域に密着した活動を行うため、5つの日常生活圏域ごとにサブセンターを設置し、市民の方々が気軽に利用できる相談窓口として活用をいただいております。
次に、居宅サービスの利用状況と給付費の推移についてお答えをいたします。
平成12年度では月平均569件、3,827万4,000円でしたが、平成22年度では1,294件、1億3,433万円となり、利用件数では2.3倍、給付費では3.5倍の伸びとなっており、平成21年度からは、居宅サービスが施設サービスの給付費を上回っております。
今後の見通しといたしましては、現行のサービス水準、費用負担が継続すると仮定しますと、認定者の増加見込みに伴い、居宅サービス利用件数、介護給付費ともに増加していくと見込まれております。
次に、介護する方々への心のケア活動という面では、先ほども述べましたが、地域包括支援センター等で担当職員が相談に応じることにより、日ごろの介護や日常生活におけるさまざまな悩みごとの解決の一助となっているものと考えております。
また、介護家族者が日ごろの介護負担から離れ、心身ともにリフレッシュし、また、同じ介護の悩みなどを抱える家族同士で情報交換を行ったりする場を提供する家族介護継続支援事業を従来から実施しており、今後もケアマネジャー等を通じ、さらなる利用を進めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の介護認定手続の改善についてお答えを申し上げます。
議員御指摘のとおり、利用者側から見れば、同じことを何度も聞かれるという御意見をお聞きしております。各担当者といたしましては、法令等の規定や利用者本位の質の高いサービス提供のため、所定の手続をとっているものでありますが、利用者の利便性を考えますと、手続が煩雑な面も見受けられますので、介護情報の共有化や利用手続の簡素化などについて、国や県へ働きかけてまいりたいと考えております。
なお、砺波地方介護保険組合が行っております介護認定業務では、平成22年10月申請から、これまで要介護4と5の所定の要件を備えた一部の方に適用しておりました認定期間の延長を要介護2と3の方にも拡大し、更新手続の簡素化を進めております。また、厚生労働省令の一部改正による、要支援と要介護との間の認定期間の上限の一部延長も平成23年度から実施し、認定業務の軽減化を図っているところであります。
次に、3点目の在宅介護に適した住宅改装支援についてお答えをいたします。
現在、在宅生活を支援するため、一定の要件のもと、居宅、居住環境の改善に要する経費につきましては、介護保険による住宅改修事業、高齢者が住みよい住宅改善支援事業により、支援を行っております。
議員御提案の大がかりなリフォームへの支援となりますと、支援対象外の改修部分も多く含まれることが想定され、費用も大きくなることから、高齢者等が在宅での生活を続けていくために必要となる部分の改修に限定していることに御理解を願いたいと思います。
また、新築の場合の在宅介護を前提とした構造等の採用につきましては、既にほとんどの建築士や建築会社から提案されており、すべての住宅への指導となりますと、経費の問題があり、施主の意向により整備されるものと考えますが、住宅改修などの制度については、出前講座等の機会に情報の提供に努めてまいりたいと考えております。
また、高齢者が住みやすいまちづくり施策につきましては、市が策定しております諸計画に基づき進めてまいりたいと考えておりますが、国の諸施策等で見直しが行われたものや、新たに制度化されたものなども見受けられますので、適時計画の見直しを行うなど、実状に即した整備を進めてまいりたいと思っております。
最後に、4点目の介護施設の整備と地域包括ケア体制の確立についてお答えをいたします。
現在、グループホームの整備状況につきましては、当面5つの圏域ごとに2カ所を目標に整備を進め、昨年まで6施設、99名定員の整備を行ってまいりました。今年度はさらに1カ所整備を行うことで、7施設、117定員となります。しかしながら、北部圏域では1カ所のみ、また、庄川圏域では未整備の状態でありますので、第5期計画期間の早期に整備を進めてまいりたいと考えております。
また、デイサービスを中心に訪問や泊まりもできる小規模多機能型居宅介護施設につきましては、現在庄東地区において来年度開設に向け、設計等が進められておりますが、他の地区におきましても、第5期計画期間中に圏域ごとに1カ所程度の整備ができないか、事業者との協議を進めてまいります。
次に、地域包括ケア体制の確立への取り組みの進捗状況につきましては、現在、医療、介護、保健、福祉に関する方々で構成します(仮称)地域医療福祉を考える会を設置し、あわせてワーキンググループを立ち上げ、現状分析、今後の連携等につきまして御検討いただくこととしております。
私からは以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
建設水道部長 齊藤和芳君。
〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕
◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、2の砺波市上水道の現状と対応についてお答えいたします。
まず、1の水量水圧不足地域の把握状況とその対策についてでございます。
旧砺波市の上水道は、富山県における最初の水道事業として、大正9年に出町地区において創設され、合併後、現在では市が管理する配水管となる口径75ミリ以上の管路の総延長は411キロメートル余りに達しており、市内全域に布設されております。また、これ以外の50ミリ以下の小口径の水道管、配水管からおのおの分岐し、各家庭や事業所等へ給水を担う給水管として分類されており、その延長は465キロ余りに達しております。
この給水管を布設するための給水装置工事の費用負担は、市の水道事業給水条例において、申込者の負担とする旨を定められております。
平成17年に実施した全市的な水圧調査では、先ほど議員がバケツ実験によるということで、議員の御指摘のとおり、時間帯によって一部地域では水圧の下降は認めますが、その調査時点では、概ね既定の水圧に達しているという結果が出ております。また、水量不足については、埋設管の口径及び布設延長が影響していると思われますし、近年の水道利用形態の変化による利用水量の増加も要因と考えます。
このような現状から、市では、耐震化等のための口径75ミリ以上の配水管を更新する場合には、随時、近所の状況を調査し、適切な口径の管路を選択して、布設しております。
なお、平成21年に策定した水道ビジョンでは、今後10年間の給水人口、給水戸数の推移予測のもと、水道水の需要の予測を行っておりますが、現段階では新たな配水管等の増設については計画しておりませんので、御理解を賜りたいと存じます。
次に、2、新築及び改築時における同意書のあり方についてお答えします。
管口径により同時に使用できる戸数、区画及び部屋の数は限られることから、他の配水管からのバイパスがない給水管から新たな取り出しを希望される場合は、従来から申し込みに際しては、影響を受けている関係者の皆様方から同意書を求めているものでございます。
したがいまして、口径不足で水量が確保できない場合などの新たな申請につきましては、先に申し上げたとおり、申込者の負担で管路の増設あるいは布設替えをお願いしているものであり、今後もこの方法で進めてまいりたいと考えておりますが、市としても必要なアドバイスにつては適宜実施していきたいと存じます。
次に、3、安川配水池の進捗状況と、上中野配水池の更新計画についてお答えします。
安川配水池の進捗状況につきましては、本年3月末に620立米の配水池1基が完成し、既に各施設への送水を始めており、あわせて送水ポンプ8機も更新しております。今年度は、残る配水池1基の整備を進めており、8月末の完成予定であります。これらの施設の完成により、庄東全域の給水戸数で約1,600戸の皆様に対して安定して水道水を供給することができるようになりました。なお、完成後には、ささやかでございますが、完成式典を行いたいと考えております。
また、市の水道事業の基幹施設となります上中野配水池につきましては、本年5月に更新の実施設計業務を発注いたしております。現在の上中野配水池には、昭和41年より順次築造されましたRC製の配水池1,200立米3基と、PC製5,000立米1基が配置されております。
これらの施設は老朽化が進んでいること、さらには貯留時間並びに水量不足の解消ということで、今回はRC1,200立米3基を耐震化された2,400立米3基に更新し、これによりまして、上中野配水池全体の容量は現在の1.3倍になります。施工年度は、先ほど議員が申されましたとおり、平成24年、平成25年の2年間を予定しております。
なお、実施設計に際しては、庄川松川除や散居景観にも配慮した施設の更新を目指し、現在検討しているところでございます。
次に、4、鉛管、石綿管施設の整備と耐震化への対応についてお答えします。
水道ビジョン策定に際しては、水道事業の基本理念に基づき、1、安心、快適な給水確保、2、適正な施設規模、災害対策の充実、3、運営基盤の強化、4、環境問題の対応を目標と定めており、その中でも管路の耐震化につきましては、市単独事業費を計上するとともに、財源に限りがあることから、下水道や道路改良工事、土地区画整理事業との進捗に合わせて効率的に耐震化を進めているものであり、今後は積極的に管路の耐震化率を向上させてまいりたいと考えております。
石綿管の管路更新につきましては、県道拡幅改良事業に関係するもの1件を除いてすべて完了しております。また、水質基準値を超える鉛管の更新は既に終えており、水質基準が超えないまでも、残されている鉛管の給水管につきましては、他事業との進捗に合わせ更新の機会をとらえて、随時ステンレス管等の基準に合致する新設管に更新してまいる所存でございます。
私からは以上となります。
◯議長(稲垣 修君) 5番 川岸 勇君。
〔5番 川岸 勇君 登壇〕
◯5番(川岸 勇君) 通告に従い、一般質問をいたします。
まず最初に、逼迫する国財政や市財政、経済全般にわたる影響についてお尋ねいたします。
内閣府は、3月11日に発生した東日本震災の被害額で建造物等の直接被害額を最大25兆円、生産、売り上げといった経済活動に与える間接被害額を最大18兆円になると試算しております。阪神・淡路大震災では、その被害額はあわせて17兆円でありましたので、その被害の甚大さが伺えます。
また、同府は経済の影響についても、5月の月例経済報告で、今後も弱い動きが続くとし、電力供給の制約、サプライチェーンの建て直しの遅れ、原子力災害、原油高の価格等の上昇により景気が下振れすると、リスクやデフレ、雇用情勢悪化を憂慮しています。
事実、5月31日に公表された4月の有効求人倍率は、1年6カ月ぶりに0.61倍に、完全失業率は6カ月ぶりに4.7%に悪化したことが報じられ、震災等による雇用情勢の悪化が一段と鮮明になりました。
また、ムーディーズ社の日本国債格付に対する評価に見られるとおり、国際社会の目は、日本経済、財政に対して大変厳しい見方をしております。平成23年予算の43%が国債で賄われ、その残高を973兆円、国民一人当たりの借金は674万円に達しています。
この4月、政府は震災に対する第1次補正予算を4兆円としましたが、その財源は歳出予算を見直して、何とか手当したものの、4月編成予定の第2次補正予算にあっては10兆円を超える規模になると言われており、その財源の見通しが立たない状況にあります。
予算、財源確保に当たっては、平成23年当初予算案を見直すか、国債等に頼らざるを得ません。一部には公共事業予算や農林予算において、ままならない状況にあることも耳にします。そのことが市政、経済にも影響を与え、今後のまちづくり事業に支障を来たすことが懸念されております。
そこで、お伺いいたします。
震災被災者の方々の心情を察すると、震災復興予算を優先的に配慮すべきと認識していますが、このことによる、国・県に対する当市の重点要望事項、庄川左岸国営防災事業、国道156号改良事業、359号砺波東バイパス事業、スマートインターチェンジ、学校耐震化事業、経営体育成事業を初めとする土地改良事業等、各種公共事業等々に対する予算措置は十分になされているのかどうか、現在の事業進捗を含め、今後の見通しについてもお聞かせをお願いします。
また、ここへ来て現政権の震災復興、原発事故、放射能、核の対応の遅れに対する不満が与・野党から一挙に吹き出し、国政が一層混乱の度を深めています。現政権が掲げるコンクリートから人へ、そして、財源の裏づけのないままさまざまなマニフェストがどこまで実行されるのか、国民の政治に対する不信感は増すばかりです。特に当市の基幹産業でもある農業に関し、農業者戸別所得補償制度、水田利活用交付事業等が今後も継続されるのか、EPA生産調整問題も絡めて、農家の方々は戦々恐々としています。今年度、当市の予算に計上された子ども手当については、今後の継続は難しい状況にあります。
これからの事業を含め、国・県諸制度に基づき、交付される依存財源に関連する歳出予算等において、制度変更、廃止に伴う対応は十分か、その対応に万全を来されることを強く要望いたします。
日本経済は震災後の最悪期を脱するも、原発問題や新たな地震発生リスクに対する長期マインドの悪化、電力供給減少による生産減、労働時間減により、それらが今後の影響に足かせになると言われています。
隣接地にあっては、震災直後、震災のアンケート調査を実施したと伺っています。回答した7割の企業が震災の影響があるとし、商品の入荷遅延、原材料価格の高騰、消費の減退等により収益が悪化したとしています。飲食、宿泊業界では、団体客の中にキャンセル、宴会の自粛、企業の出張減少が響いているとし、その対応を講じていると聞きます。
本市においても、逼迫する国家財政、震災、原油高、加えて生肉による食中毒事件発生等による市の商工業等にさまざま影響をもたらしていると思われますが、その影響はどうであったか、瞬時、そのような調査を実施するなど、商工業者との連携した対応策を講ずるべきと考えますが、このような状況に対して市はどう対処したのか、今後の指針も含め、お答えを願います。
第2点目は、自主財源確保に向けた取り組みについてお尋ねをいたします。
当市予算に占める自主財源の割合は、市税等の落ち込みにより年々低下し、44.3%に低下しています。3月定例会でのこれらに関する質問において、市当局は、「市税収入が豊かである自治体ほど財政力が強く、予算編成上裁量が増し、その割合が高いほど望ましい。そのため、地域活性化に努め、使用料、手数料の見直し、遊休財産の積極的処分により自主財源の確保に努める」と回答されています。私は、地域が持続的に発展するためには、企業誘致を図り、商農工が一層活性化することが、市経済、財政に大きく寄与すると考えております。
本年度の予算において、魅力ある産業が発展するまちづくり予算として、前年比10%強となる15億円が計上されたところですが、昨年9月、12月の定例会においても、同僚議員からこれらに関する質問、提案がなされ、もっと積極的な対応を講ずべきと主張しています。
市当局としては、自主財源等確立に向けて、どのような試算を持って地域活性化に努められるのか、より具体的な方針をお聞かせ願います。また、隣接地においては、中央省庁と関係機関との連携に努め、事業予算確保等に努力されているとも聞きますので、この面からも市当局の積極的な対応を期待するものです。
第3点目は、歳出面での経費節減についてお尋ねいたします。
本年度一般会計における給与費は、特別職、417名の一般職あわせ、前年よりも4,400万円減の25億4,400万円が計上されています。市当局としては、財政環境の逼迫が続き、財源の不足が改善されないことから、後期の定員適正化計画を策定し、人件費の抑制に努めるとしていますが、後期適正化計画においてはどのような事務事業を見直し、そして、現在の臨職、嘱託を含めた一般職の配置を平成26年度まで、どのような考えをお持ちなのかをお伺いいたします。
質問項目の大きな2点目は、市農業全般についてお伺いいたします。
私たち自民会は、総務、農林、病院、入札、観光、公共交通等の4部会に分け、市の抱える各諸課題に取り組んできました。私は農林部会に所属しておりましたので、そこで議論された課題を踏まえて、農業に関する質問を提案させていただきます。
まず最初に、生産調整問題についてお伺いいたします。
我県初め、砺波市は、昭和44年に始まった減反政策、平成16年に始まった生産調整方針をまじめに取り組み、生産方針目標に協力したところであります。しかしながら、平成23年度産米において、942トン減の1万6,900トン、面積換算で3,000ヘクタール激減されました。その後、県並びに関係機関の動きにより、備蓄米優先入札を確保していただき、前年並みの数量を確保できました。
ここ数年のとなみ野産米直売実績を見ますと、となみ野産米は6,300トンから7,800トンの米が商社等を通じ、関西、名古屋方面消費者へ直売されています。消費者側から、もっと量を多くしてほしいと要望があると聞きます。年々の生産数量の減少は、美しい、おいしいとなみ野米を消費者に届けられないという要因にもなりかねません。また、農家の生産意欲の減退と担い手後継者の不足に拍車をかけるおそれがあることから、市当局として、県、国に対して生産調整減少に歯どめをかける取り組みを一層強化していただくよう強く要望いたします。
第2点目は、園芸作物についてお尋ねいたします。
砺波市の園芸作物は、古くからサトイモ、白菜、メロン、シロネギなど多くの品目を栽培し、最盛期には市場から買いにくるほどでした。平成になり、生産面積の減少、生産者の高齢化と後継者不足により、砺波の園芸作といえば、サトイモ、センゴク豆、ふくふく柿、今はJAが中心となり栽培しているタマネギぐらいとなりました。
特にタマネギの栽培は、今年は3年を迎えます。今年度、78戸の農家が43.8ヘクタールで栽培し、反当たり4トン、7,700トンの収穫を目指しています。反当たりの収入は、現在の市場価格からすれば28万円前後となり、複合経営には適した作物といえますが、昨年の収穫量から見られるとおり、景気変動等に左右されることからも、行政当局の栽培手法にさらなる指導、支援をお願いするものです。
タマネギの定植に当たっては、生産者の作業の効率化、省力化を一層図る必要から、JAにおいて、今後、4台のタマネギ機械を購入するという計画があると聞きます。現在購入した定植機については、県産地づくりの交付事業として補助対象となっていますが、今後予定する定植機についても特段の支援を図るべきと考えます。あわせて、これらの機械は全国一律の汎用機であるため、砺波野型定植機に改良するとなると費用がかかります。それらを含めて補助対象の拡大が望まれます。また、タマネギ生産価格安定を図ることから、保管、冷蔵貯蔵施設の整備、検討がなされていますが、これらに対して引き続き積極的に支援すべきと考えます。
第3点目は、農産物直売所と園芸作物についてお尋ねいたします。
市の各地には多くの農産直売所が開設され、生産者と消費者との農業振興の大きな要素となっています。この4月16日に農産直売所となみ野の郷がオープンし、チューリップ公園の入り口の新名所として多くのお客様が訪れています。この直売所には130経営体余りが参加していただいておりますが、時期的には野菜の品薄状態が続くとも言われます。市内のどの直売所でも同じことですが、コンスタントな野菜供給、品ぞろえが求められています。
当市においても、その問題に対処すべく、平成23年予算において、そして、園芸生産チャレンジ事業として、ハウス園芸の拡大または新規に取り組みの団体、組織に100万円の助成が図られたことでありますが、JAにおいては、園芸作物を生産しようとする農家に対して200万円の助成措置を図っているところであります。助成枠の拡大を含めた、生産者が生産しやすい環境整備に努めるべきと考えますが、市当局の考え方をお聞かせ願います。
第4点目は、集落営農組織、担い手農業者の育成、確保について要望いたします。
平成22年度末、市内においては、認定農業者が129経営体、集落営農組織53組織があり、うち、42の組織が法人化されました。
昨年の暮れ、北部地区の認定農業者が大型農業機械の老朽化、米価等の下落等により、農業の将来の展望が見えないこと等の判断から、農業経営をやめるという極めて残念な事態が起こりました。現在の農業戸別所得補償制度のもとでは、米価の下落を招くばかりでなく、生産性が低くとも、補償を受けていれば水田作を続けていけるという消極的な風潮が生じかねなく、スケールメリットを生かした生産性の高い農業を目指そうとする議論に至らぬことが懸念されることから、農地の集積化、効率化に向け、国初め行政一体となった指導強化が一層望まれます。
また、積極的に農業組織を維持し、規模拡大、装備更新を図ろうとする農業者等については、市が定める農業経営短期融資制度のような市独自の長期貸付制度を新設するなど、制度資金、いわゆる近代化資金、スーパーL資金を除く資金を市中金融機関から借り受けた場合は、利子または保証料について助成措置を講ずるなど、認定農業者等への経営安定に資することも検討されてはどうか、提案するものです。
第5点目は、土づくり事業に対する助成措置についてお伺いいたします。
土づくりは農業生産の源であり、健全な土づくりをすることは、農業生産の安定を図り、安全・安心な農産物を供給する上で重要となっています。
昨年のコシヒカリの品質低下は地力の低下によると言われています。そのため、堆肥初め、鶏ふん、珪酸石灰を初めとする珪酸資材を積極的に散布し、地力のある圃場づくりが今求められています。
JAとなみ野では、昨年2トンダンプで1,750台の堆肥を扱い、今後もその需要が増すものとし、「となみ野土づくり運動」に期待を寄せています。
南砺市においては、地力が向上する効率的な農産物生産を図る目的で堆肥を散布した場合、市単独で反当たり500円を補助しています。県においては、水田利活用対策土づくり支援事業として、珪酸資材を散布した場合、反当たり200円の補助を行っております。砺波市においては、高品質でおいしい、安全・安心な、売れる農産物をつくる土づくり事業に対し、何らかの措置を考えるべきと考えますが、市当局の考えをお聞かせ願います。
最後になりますが、住み続けたい、住んでよかったまちづくりの原点は、我が砺波市の農業、商工業、企業、観光が発展し、地域が活性化することにあります。市当局におかれましては、地域の振興、地域活性化にこれまで以上に積極的に取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 川岸議員の市予算、事業、市の経済について、並びに農業全般についての御質問のうち、生産調整についての御質問にお答えをいたします。
まず、市の重点事業に対する国の予算措置の状況と今後の見通しについてお答えをいたします。
農林水産省の予算のうち、国営農地防災事業、庄川左岸地区及び附帯県営事業につきましては、概ね要求額どおりの配分となっておりますが、このうち国営事業分につきましては、東日本大震災の影響を受け、5%相当分の執行を留保することとされており、今後の留保分の取り扱いにつきましては未定と、このように伺っております。
また、県営事業の経営体育成基盤整備事業では、東野尻東部、高波西部の新規採択2地区を初め、全7地区において要求額が確保されており、これらのことから、農地防災事業及び経営体育成基盤整備事業とも、現在までは概ね計画に沿った形で進捗していると考えております。
次に、国土交通省所管の予算のうち、中日本高速道路株式会社が施工機関となって進めております北陸自動車道(仮称)高岡砺波スマートインターチェンジ事業につきましては、予定事業費は確保されており、当初の計画に従って事業は進められていると聞いております。
また、国道156号改良事業、359号砺波東バイパス事業につきましては、所要の事業費の割り当てはあったものの、国営農地防災事業と同様、そのうち約5%相当額の執行留保措置がとられ、その枠の中で鋭意事業進捗が図られているとのことであります。
次に、学校の耐震化事業におきましては、当初平成23年度予算での実施を予定しておりました砺波北部小学校耐震改修事業が、幸いにも平成22年度補正予算による前倒し採択となったことから、震災による影響はないものであります。引き続き、なるべく早期に出町中学校の耐震改修工事に着手したいと考えておりますが、今回の東日本の大震災を契機に耐震化事業要望が増加すると推測されることから、積極的に事業費の確保に努めてまいります。
総じて、国庫負担事業の今後の見通しに関しましては、現政権による施策の運営方針がいかなる方向へ進むのかが不透明であり、また、東日本大震災の復旧に向けた国の第2次補正予算の財源が明示されていないことなどを考慮すると、極めて見通しは立ちにくいと言わざるを得ない状況であろうかと思っております。
したがいまして、今後は県とも連携して情報収集に努め、場合によりましては、全国市長会を通じて申し入れを行うなどの措置も必要になってくるのではないかと考えております。
また、そのような中で、今月27日から来月19日にかけまして、平成24年度における重点事業について、県や関係省庁に所要額の確保とその円滑な執行を要望してまいりたい、このように思っております。
特に今回は、先ほど申し上げました事業など東日本大震災を踏まえた重点事業と位置づけ、災害時の緊急車両の通行や物流の確保、災害に起因するリスクを分散するため、国土全体としての補完的な道路網の整備、学校施設の耐震化の促進による住民避難所の確保などを主眼に別個の項目を設けまして、強く要望していきたいと思います。真に必要な社会資本の整備については、これを推進するよう求めてまいりたいと、このように考えております。
次に、逼迫する国家財政の中で、現在国で検討されております政策変更等に係る市の予算対応に万全を期せよとの御要望についてお答えいたします。
御存じのとおり、国におきましては、財源不足や震災復興などの対応の一環として、農業政策や子ども手当などのマニフェストに掲げられた諸政策についての制度変更や廃止等が検討されております。したがいまして、それらの改正等が実施されることになった場合には、極力市民サービスの低下をさせないよう配慮しながら、その対応に万全を期するため、引き続き国や県の動向を注視しながら機敏に対応してまいりたいと、このように思っております。
次に、市経済に対する対応指針の御質問にお答えいたしたいと思います。
先に島崎議員への答弁の中で述べましたが、東日本の大震災の発生後、市においては、3月末までで市内事業所の状況を把握するために、企業訪問や電話連絡などで情報収集を行ってきたところでございます。また、商工団体においても、同時期に会員事業所を対象とした緊急アンケートを実施しており、その結果について、市と商工団体において情報を共有し、対応等について協議をしてきたところであります。
特に多くの市内事業所では、復興支援の迅速化や義援金の早期配分について要望が多くあったところであり、市といたしましても、復興支援の迅速な対応や義援金がいち早く被災者に届くことを望んでいるところでございます。
また、食中毒事件につきましては、市の担当課、商工団体、市飲食店組合の3者において、今後の対応について協議を行ったところであり、市内飲食店に対しましては、富山県砺波厚生センターや富山県食品衛生協会を通じまして指導がなされていることから、行政に対しまして施策等の要望があれば、お聞きすることにしております。
いずれにしましても、商工団体の連携は極めて必要でありますし、今後とも、情報交換を進めるとともに、連携した対応策の検討を進めていくとともに、今後の状況次第では、市独自の支援方策も検討してまいりたいと、このように考えております。
次に、自主財源等の確保に向けた取り組みについての御質問にお答えいたします。
財政運営における自主財源の確保は、地方行政を担う者にとっては最も重要な行政課題といっても過言でないと考えており、中でも自主財源の根幹となる市税収入の確保を図ることが大変重要であると、このように思っております。
そのためには、企業誘致の推進が必要という川岸議員の御意見には全くそのとおりであると、このように思っておるところでございますが、そのために、今年度から商工観光課内に企業立地推進担当者を配置いたしまして、企業誘致対策の強化を図っており、従来からの事業に加えて、企業誘致PR事業を実施しております。具体的には、中京圏を中心に企業誘致活動を展開するため、去る5月に名古屋市の中部経済産業局などを訪問し、誘致方策や誘致可能な業種及び現地の経済情勢などに関する情報収集を行ったところでございます。
今後は、引き続き市内企業を訪問し、市況の調査を初めとする情報の収集を行うとともに、中京方面の企業や市内企業に対してアンケート調査を実施し、情報収集を努めてまいりたいと考えております。
なお、以前から申し上げておりますが、企業誘致活動は日ごろからの努力が大変大事であると、このように考えております。私自身が先頭に立ってトップセールスを行ってまいりますが、議員各位におかれましても、今後いろいろな面で御支援を賜りますようにお願いを申し上げたいと思います。
なお、自主財源の確保のためには市外からの誘導だけでなく、当市の特色を生かした地場の産業の活性化も非常に重要なことと考えております。後ほど詳しく申し上げますが、重要な地域産業である農業の生産振興や商工業の振興にも意を用いているところでございます。その他、自主財源といたしましては、分担金、負担金使用料、手数料などありますが、これらにつきましても受益者負担の公平性を担保する観点から、引き続き適切な見直しを行ってまいりたいと、このように考えております。
そこで、議員御質問の自主財源確保のための試算といったことは特に行っておりませんが、毎年向こう3年間の具体的な収支見込みを立て、総合計画実施計画を策定いたしております。
なおまた、各種会議等で上京した機会などをとらえて、可能な限り関係省庁並びに県選出国会議員を訪問し、情報収集を行うとともに、重点事業に対する要望活動を行い、地方の実情を訴えるなど、事業予算の確保に努めているところでございます。
次に、経費削減策についてのお伺いでございますが、人件費の抑制内容についてお答えをいたします。定員適正化計画につきましては、平成21年度に策定し、平成21年度から平成26年度までの間に40人削減の目標を設定いたしております。この後期計画の推進につきましては、基本的には技能労務職等の退職不補充により、砺波市の将来を担う新規人材の採用を計画的に行うもので、そのために組織の簡素化、出先機関の嘱託職員化、事務事業の見直し、民間業務委託等による業務の縮減などにより対応するものといたしております。
一方、庁内の行政改革委員会、専門部会の検討結果なども踏まえながら、市民サービスの向上に十分配慮しながら、新規人材の採用に当たっては、若年層の年代構成にアンバランスが生じないように取り組んでまいります。
また、今日的なニーズである少子高齢化に対応するための職員の増員については、将来的な不透明さが払拭されない限り、引き続き嘱託職員など多様な雇用形態を維持したいと考えております。
なお、定員適正計画においては、前期計画で達成いたしました58人分に後期計画の40人分を加えて、10年間に100人程度減員するものであり、普通交付税が合併後、11年目から漸減し、15年後の完全一本算定時における年間交付税額の減額を約5億円と試算をしておりまして、これを補う人件費の節減効果を期待しているところでございます。
次に、農業全般についての御質問のうち、生産調整についてお答えいたします。
米政策については、議員の御承知のとおり、国が策定する米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針によりまして、全国の需要実績のもとで需要見通しを算出し、全国の生産数量目標といたしております。
需要実績の算定に当たっては、6月末の民間在庫量、都道府県産ごとに調査し、需要実績を算出するとともに、都道府県ごとにシェアを算出し、全国の生産数量目標で案分することとなっております。一方、少子高齢化、ライフスタイルの変化など、食をめぐる環境が大きく変化し、米の消費量が年々減少し、需要見通しも年々減少いたしております。
このような中で、これまで生産調整にまじめに取り組んできた富山県などにはメリット措置がありましたが、平成23年産以降はすべて廃止され、全国一律の算定方法になったことから、議員が述べられたとおり、水稲作付面積が激減し、大変厳しい配分となったのであります。
県では、直ちに農林水産省に対しまして生産数量目標の見直しを強く要請した結果、今年度限りでありますが、政府備蓄米の優先入札枠の設定や産地資金の増額について配慮されたものであります。
今後とも、生産調整に真摯に取り組んできた農家が、これからもやる気と意欲を持って米づくりに取り組めるよう、県と一体となって国に対して言うべきことをしっかりと申し上げてまいりたいと思っております。
なお、富山県産の事業実績が上がることは、生産数量目標と密接な関係がありますので、今後とも、引き続き米の消費拡大に積極的に努めてまいりたいと思っております。
私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては副市長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
副市長 柴田敏秋君。
〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕
◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、川岸議員の農業全般についての御質問のうち、市長が答弁いたしました生産調整について以外の4つの御質問にお答えいたします。
まず、園芸作物支援についてお答えいたします。
米価格の低迷、農業従事者の減少など、農業を取り巻く状況がますます厳しさを増す中、地域農業の維持発展を図るためには、地域特産物の生産振興やブランド化を図っていくことが極めて重要であります。
現在、となみ野農協が新たな特産振興作物として取り組んでおりますタマネギにつきましては、確固たる産地形成を目指し、平成21年度から、国や県の補助事業などを活用し、集出荷貯蔵施設を初め、定植機、播種機などに至るまで機械や施設の整備を農協として順次進めてこられ、市としても支援してまいりました。
本年度は、タマネギ風乾燥施設の整備を県事業を活用して支援することとしておりまして、これにより、さらなる品質向上と計画出荷が図られるものと期待いたしております。
市といたしましては、栽培技術の向上が最大の課題だと考えておりまして、タマネギの収量確保の決め手となる育苗技術や肥培管理について、徹底したきめ細やかな技術指導体制を一層強化していただくことや、積雪地である北陸地方に適合した砺波型の栽培技術を早急に確立することなどを、普及指導機関である県に対し、引き続き強く働きかけてまいりたいと考えております。
なお、タマネギ定植機の購入や冷蔵貯蔵施設等の整備につきましては、今のところとなみ野農協から伺っておりませんが、砺波のタマネギは主産地である北海道や佐賀、淡路島などの端境期に出荷することをねらっておりますので、お話がありました場合には、気候変動や価格変動に対応するための保管施設としての必要性などについて、県や南砺市とも十分協議するなど、検討してまいりたいと考えております。
次に、農産物直売所と園芸作物振興についてでございます。
多くの消費者にニーズがある地場産野菜などの園芸作物を生産し、直売所やインショップで販売消費する地産地消の取り組みは、地域農業を活性化させる上で大変重要であります。
市が支援し、4月にオープンしたとなみ野農協の農産物直売所は、その中心的な役割を果たす施設として大いに期待を寄せているところであります。現在、市内130を超える多くの皆さんが直売所の生産者として会員登録をなされておりますが、1年を通した安定した農産物の生産が最重要課題となっております。
このようなことから、本年度頑張る、意欲ある、新たな園芸生産者の発掘育成を目指すため、年間を通して安定生産ができるビニールハウスの整備や水稲育苗ハウスの有効活用に必要となる小型管理機械や種苗資材などを支援いたします園芸生産チャレンジ事業を新設したところでございます。この事業は動機づけが目的でありまして、将来、複合経営を目指し、さらなるレベルアップに取り組む場合には、県の支援事業にステップアップできるようにするため、県事業の要件と同じ生産出荷組織や営農組織等を対象とするように仕組んでございます。
一方、となみ野農協におかれましても、管内の戸別農家も対象とする小型管理機械等への支援事業を新設されております。市ととなみ野農協の事業は、補助対象、補助要件、補助金額がそれぞれ異なり、事業のすみ分けができておりますので、取り組み農家の選択肢も広く、大いに御活用いただければと考えております。
なお、助成額の拡大につきましては、新たに園芸生産にチャレンジした組織等の取り組み成果を見た上で、今後、検討してまいりたいと考えております。
次に、集落営農組織や担い手の育成についてお答えいたします。
米価格が低迷する中、これからの農業には効率的で安定的な農業経営が求められております。特に経営規模拡大と農地の効率的な利用は大変重要な課題であります。
議員が詳しく述べられましたとおり、昨年大きな規模の認定農業者が農業をやめられたことは私もショックでありました。その後、地域の皆さん、地区の皆さんが話し合われ、土地所有者と耕作者の利用調整が行われ、集落の方向を決められたと伺っております。関係の皆様方の御苦労に敬意を表するものでございます。
この経験から、農地の集積、効率的な土地利用につきましては、行政は事業の仕組みの情報提供はできても、地域の実情に即した具体的な指導は難しく、地域の皆さんが地域農業の担い手はだれなのか、地域農業をだれに任せるのか、みんなでやるのかなど、真剣に話し合うことが一番大切なことであると受けとめております。
一方、当市の利用権設定率は44%で、県下でもトップの設定率となっておりますが、既に利用権設定をしている農地については、これまでの経緯もあり、なかなか面的に集積することが難しいのが現状でございます。地域によって状況が変わりますが、地区水田農業推進協議会などを中心とした地域での調整が最も肝要ではないかと思っております。今後とも、関係機関が連携いたしまして、地域の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
次に、農業経営の規模拡大を図るための制度資金への利子補給等の支援につきましては、認定農業者を対象とした低利のものや、場合によっては利子助成があり、実質無利子の国の制度資金も準備されているところでございます。利子助成は国が補てんする割合が高く、残りを県や市が補てんしており、借入者にとっても、市にとっても有利な資金であり、多くの方々に御利用いただいております。
したがいまして、市独自の長期貸付制度の新設や制度資金の保証料などへの助成についての御提案ではありますが、市の厳しい財政状況を考えますと、市は、国の対象とならない短期運転資金の融資に限定させていただくのが最善であると考えておりますので、御理解いただきたいと存じます。
次に、土づくり事業についてお答えいたします。
議員が述べられましたとおり、農業生産において土づくりは大変重要なものでございます。平成13年度に実施いたしました土壌診断調査結果や、営農指導機関による調査結果から、土壌有機物の不足等が原因となって、水稲を初めとした作物が気象変動に左右されやすく、品質、収量の低下を招いていることが判明いたしました。そのことから、砺波市やとなみ野農協では、平成14年度から土づくり運動を展開するとともに、堆肥、珪酸石灰等の資材散布の指導を行い、これら土壌改良資材等の購入経費の一部を助成してきたところでございます。
その結果、土づくりへの意識が向上し、散布面積も大幅に増えたこと、平成20年度からは、県が同様の土づくり支援事業を設けたことから、市の事業は初期の目的が達成されたものと考え、平成19年度を最後に、助成事業を終了いたしております。
今後は、県の水田農業活性化対策事業の土づくり支援を活用することとし、市の支援につきましては、関係機関と協議の上、その必要性も含めて今後検討してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時30分 休憩
午後 2時42分 再開
◯議長(稲垣 修君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
6番 大楠匡子君。
〔6番 大楠匡子君 登壇〕
◯6番(大楠匡子君) さわやかな風が入ってまいりました。気持ちよく質問したいと思います。
議長のお許しを得ましたので、通告に従い、質問と提案をさせていただきます。
3月11日に起こりました東日本大震災の被害はすさまじく、自然災害の前で、人間は無力であることを改めて思い知らされました。そして、そんな中でも未来に希望を持てる地域社会をつくるためには、安心して子どもを産み育てられる環境づくりが大事であることを再認識させられました。
そこで、1つ目に、安心して子どもを育てられる地域社会づくりについてお伺いいたします。
富山経済同友会では、平成10年度より、家庭教育を見直すを重点テーマの一つとして活動され、先般、これまでの活動を総括し、生きる力を育む教育に向けて、日本の国力の源泉、公徳心の復活を目指してと題する提言を取りまとめ、発表されました。その中で、教育は我が国の経済社会の永続的な維持発展にとって最も重要な課題であり、地域社会のつながりが希薄化し、規範意識が弱まり、子どもたちの公徳心が失われている中で、かつて育まれていた公徳心を取り戻す必要があると提言されました。
3月の大震災で被害に遭われた方々の秩序ある行動は、日本人にこの公徳心がしっかり根づいていることを実証してくれてはいますが、文科省の方針転換で、ゆとり教育の見直しが進み、今年の4月から小中学校では授業時数が増えている中、砺波市としてどのような教育方針で子どもたちを育てていかれるのか、河西教育委員長の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
教員の若返りが早いスピードで進んでいます。団塊の世代の退職の後、数年後には大量採用時代の退職が始まることを見据え、新規採用教員数は年々増えており、今年の4月、市内の小中学校にも13人の新規採用教員が配属されました。小学校では7つの学校で、大規模小学校には2名が配属され、若返りが進んでいます。新採教員の中には何年か教師経験を積んだ方もおられますし、サポート教員も配属されてはいるようですが、今後のこの流れに対し、教育委員会として特色ある砺波地区の教育力をどのように維持していかれるのか、教育委員長の御見解をお聞かせください。
さて、富山経済同友会では、経済人の立場から家庭教育に積極的に取り組んでこられています。従業員への我が家の決まりづくりの呼びかけ、子どもの誕生日の残業禁止などの配慮、子どもが生まれる従業員等への絵本贈呈などなどです。
砺波市教育委員会でも家庭での教育力を大事に育てようと、昨年、家族のきずなを深めるために、ふれあい、語り合いのチラシを作成され、市内の幼保、小中学校に配布されていますが、このチラシをどのように活用されたのか、状況がわかれば、お聞かせいただきたいと思います。
また、チラシはPTAで作成されているようなカレンダー形式にまとめられると、年間の行事予定などと関連させながら取り組めるのではないでしょうか。工夫を凝らしていただき、利用しやすいものを作成し、家庭の日を位置づけていただきたいと思うものです。
また、とやま県民家庭の日のアニメ『マイの魔法と家庭の日』が作成され、県内の保育所、幼稚園、小中学校、児童館などに配布されているようですが、これも積極的に活用され、家庭の日の定着を図られるとよいと思うものです。教育長のお考えをお聞かせください。
次に、とやまっ子子育て応援券の利用状況についてお伺いします。
平成20年から配布されている子育て応援券ですが、利用できるサービスが限られていたこともあり、なかなか利用が広がらない現状を打破しようと、県では有効期限を3年間に延ばすとか、利用できるサービスを広げるなど、その利用拡大に四苦八苦しています。昨年の10月からは、ヒブや肺炎球菌の予防接種にも利用できるようになり、4月からは新たに絵本購入や弗素塗布にも利用できるようになっています。
砺波市の昨年の応援券配布者数は、第1子、2子が390人、第3子以降が70人で、合計600万円分が配布されています。利用金額の合計は403万9,000円で、単純計算で約67%の利用率となりますが、過年度に配布された未利用応援券も多数あります。まだ利用されていない方が多いようですので、今回の利用サービスの拡大をもっとPRされ、利用拡大に努めていただきたいと思います。お考えをお聞かせください。
次に、児童虐待についてお伺いします。
平成21年度に全国の市区町村が受け付けた児童家庭に関する新規相談受付件数は28万4,654件で、このうち児童虐待に関する相談受付件数は5万6,219件、前年度比4,599件増と、増加傾向に歯どめがかかりません。しかし、富山県においては、市町村の児童家庭相談体制の整備により、警察や学校などの関係機関と連携した取り組みの効果が出ているようで、平成19年の336件をピークに減少し、平成21年度は257件となっています。
砺波市においては20件前後で推移していましたが、平成22年度は30件となっています。虐待の内容としては、身体的虐待と養育放棄、ネグレクトがそれぞれ13件で多く、幅広い年齢層で見られる状況となっています。抵抗することのできない弱者である子どもたちが痛ましい状況に置かれないように、今後とも、早期発見、早期対策に努めていただきたいと強く願うものです。24時間の連絡体制など、砺波市における対応現状についてお聞かせください。
次に、食の安心・安全についてお伺いします。
4月下旬に市内の焼肉店で起きた集団食中毒事件では、大切な命が失われるという事態を引き起こしてしまいました。県内の被害者総数は163人となり、現在も9人の方が入院中で、予断を許さない状況です。
このような緊急事態に対し、上田市長は、厚生労働省に生肉用食肉の衛生基準を食品衛生法に基づく強制力のある基準とするよう要望されています。また、昨日19日には、食の安全大会を開催されたり、学校や婦人会などを通して食中毒予防のチラシを配布されたりしています。
安心で安全な食材に関心が高まってきている今、この機を逃さず、消費者自らが食品の安全性を判断できるように食品表示についてわかりやすく解説したパンフレットやDVDを活用して啓発に努めることが大切であると考えるものです。市としての対応をお聞かせください。
また、食の信頼確保を図るために、農産物や加工食品などの食品がどこから来て、どこへ行ったか、移動を把握する食品トレーサビリティも大事であると考えます。学校給食センターにおきましても、食品のトレーサビリティを進めていただくとともに、食中毒が起きることのない給食の提供に全力を注いでいただきたいと強く思うものです。お考えをお聞かせください。
2つ目に、第60回記念となみチューリップフェアについてお伺いします。
「チューリップでつなぐ未来への懸け橋」をテーマに、4月22日から5月5日までの14日間にわたり開催されたチューリップフェアですが、60回記念ということで、小惑星探査機「はやぶさ」の展示や市内のチューリップ生産圃場をサテライト会場とし、周遊するバスを運行されるなど、多彩な催し物を企画されました。残念ながら天候不順や東日本大震災の影響などもあり、入場者数は昨年より3万人少ない27万5,000人となりましたが、来場された皆様には楽しんでいただけたのではないかと思っています。今年度のチューリップフェアの総括をお聞かせいただきたいと思います。
次に、開期についてお伺いいたします。
これまでチューリップフェアの開期は概ね5月5日の子どもの日まで行われていますが、今年のように5日が木曜日であれば、日曜日の8日まで開期を延ばすことも考えられたのではないでしょうか。チューリップフェアは、チューリップの花の開花に左右されるという自然相手のイベントなので、なかなかこちらの思うようにはならないのかもしれませんが、4月に入ってからの開期決定などが可能なのであれば、天候に応じて開期延長されるなど、開期の見直しについて検討されてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
次に、市民感謝デーの効果についてお伺いします。
開幕初日の22日は市民感謝デーということで、市民が無料で入場できる日となりました。天候もまあまあよい日でしたので、たくさんの市民が入場されたのではないかと思っています。利用率はどの程度であったのか、お聞かせください。
砺波市民が一度も訪れないチューリップフェアにはしてはいけないと思います。市民参加型のフェアとするためにも、来年度以降もこの市民感謝デーを続けていただきたいと思うものですが、お考えをお聞かせください。
次に、市民ボランティアについてお伺いします。
今年も3,000人を超すボランティアが開期前及び開期中に協力されたと聞いています。今年は新しく観光ボランティアを募集されたり、一般公募による会場内花壇への球根植え込みなどを行われたりしましたが、今年度のボランティアの概要についてお聞かせください。
さて、今年初めて英語と中国語の通訳を毎日配置し、外国人に対応したサービスを行われ好評だったようですが、障害者への対応として、手話通訳ボランティアを配置されることも考えてみられてはいかがでしょうか。
市では、ここ数年、毎年手話通訳養成講座を開催されています。通訳の資格を持っておられなくても、簡単な手話ができる方は市内にも大勢おられると思いますので、ボランティアで手話通訳をしていただける方を募ってみられるとよいと思うものです。このほか中嶋家の湯茶接待ボランティアなど、まだまだボランティアに任せられる活動があると思いますので、もっとボランティアを活用されてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
3つ目に、福祉の充実についてお伺いいたします。
住みなれた地域で、安心して暮らせる福祉のまちを目指して、県は地域総合福祉推進事業ふれあいコミュニティーケアネット21を進めており、砺波市でも21地区全地区で実施されています。ケアネット活動にはふれあい型とケアネット型の2つがあり、それぞれ県社協から15万円、市社協から22万5,000円の助成金をいただき、活動されています。
ふれあい型は、全地区民を対象に、福祉の意識を高めることを目的として実施されており、福祉講演会や敬老会の開催、いきいきサロンの支援などを行っておられます。
もう一つのケアネット型は、要支援者に対して地域住民でケアネットチームをつくり、声かけや見守り、話し相手などの活動をしています。要支援の対象者はひとり暮らし等の高齢者や心身に障害を持つ方、子育て中の父親、母親など広範囲なのですが、やはり高齢者が一番多くなっています。ケアネットチームの活動は地域住民のボランティアで行われているので、助成金の活用に苦慮されている地区もあるようです。また、対象は子育てに不安を持っている世帯なども入っているのですが、支援を必要としている世帯の把握が不十分な面もあるようです。
この地域の力で地域住民を支援するという大切な取り組みがさらに花も実もある活動となるよう、助成金の利用できる範囲などに一層の工夫と配慮が必要であると考えます。
社会福祉協議会に設置されているケアネットセンター機能を充実させるとともに、地域包括支援センターや子育て支援センター、障害者就業生活支援センターなどとの連携をさらに強化され、普及を進めていただきたく思います。お考えをお聞かせください。
次に、緊急通報体制整備事業についてお伺いします。
急病や災害等の緊急時に迅速かつ適切な対応を図るために緊急通報装置が65歳以上のひとり暮らしの高齢者宅に設置されていますが、この通報システムは一方通行で、高齢者が異変を起こしたときなどの把握はできるようですが、行政側から緊急時の通報をすることはできないようになっています。先般のような大地震などが発生した折の緊急通報体制はどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
4つ目に、東日本大震災のボランティア派遣についてお伺いいたします。
今回の震災に対する一般ボランティアの派遣はまだ行われていません。ボランティアの砺波市なのに、対応が遅いのではないでしょうか。当初、現地ではボランティアを組織的に受け入れる体制を整備できず、派遣できる状況ではありませんでしたが、5月以降、被災地では災害ボランティアセンターの設置が進み、少しずつボランティア派遣が実施される段階になっています。全国社会福祉協議会のホームページ上では、被災された岩手県、宮城県、福島県の沿岸部の災害ボランティアセンターの募集状況が公表されています。
黒部市社会福祉協議会では、青年会議所と連携し、黒部ボランティアバスを被災地に向けて運行するという記事が出ていました。ボランティアに行きたいけれど、個人ではなかなか動けないという現状があります。被災地には長期的な支援が必要となっていますので、砺波市としても広く一般の災害支援ボランティアを募集され、現地のボランティアセンターとのマッチングを積極的に進めていただきたいと思います。市長のお考えをお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 大楠議員の御質問のうち、東日本大震災のボランティア派遣についてお答えをいたします。
災害ボランティアの派遣につきましては、震災直後に富山県社会福祉協議会が中心となりまして派遣窓口を設置していましたので、砺波市から希望される方、9名の方がそこへ登録をされています。
なお、現在県内では300人程度の方が登録をされておりまして、順次派遣の準備を行っているところでございます。
現在被災地の市町村のボランティアセンターからは、ボランティアコーディネーターや社会福祉士、介護福祉士を初めとした介護職員など、専門職種の派遣要請が多く寄せられております。当市でも、5月8日から21日まで、3班に分けて保健師や看護師やケースワーカーなど、専門職を宮城県名取市へ派遣をしてまいりました。
議員が御指摘されるように、被災直後は多くのボランティアの希望がありましたが、時間の経過とともにボランティアが少なくなっているのが現状であり、そうした中で、被災地に必要なのはこれからの長期的な支援であると考えております。
しかしながら、災害ボランティアにおける現地と派遣ボランティアには、ボランティアの人員、活動期間、活動内容など、個別的かつ事前に調整することが必要であります。また、現地までの交通手段や宿泊先の確保、費用負担などの問題もあり、県内では災害ボランティアを募集したところ、目標人数が集まらず、近隣市町村の方に参加を呼びかけたという事例もあると聞いております。
こうしたことから、市独自のボランティアの派遣につきましては、市民の皆さんから派遣の希望や当市のボランティアセンター運営委員会の方の意見を参考にしながら、引き続き被災地の状況や災害ボランティア活動の募集内容など、情報収集を行ってまいりたいと思っております。
なおまた、災害ボランティア派遣の意向がある団体があると聞いております。活動について支援してまいりたいと、このように思っておりますので、また、こぞって皆さん方も御参加いただけるような団体を募ってお申し込みいただければ、手配をさせていただきたいと、このように思っておるところでございます。
私からの答弁は以上とさせていただきます。その他の質問につきましては副市長並びに教育委員長、教育長並びに担当部長からお答えをいたします。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
副市長 柴田敏秋君。
〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕
◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、安心して子どもを育てられる地域社会づくりについての御質問のうち、食の安心・安全を守るためについてお答えいたします。
今回の集団食中毒事件は、市民の生命、健康の安全を脅かす重大な事態として受けとめ、食中毒予防の3原則であります、食中毒菌をつけない、増やさない、殺菌するの啓発に努めているところであります。
議員御指摘のとおり、食中毒予防を推進するためには、食品表示についてのわかりやすい資料や教材の準備が必要と考えております。食品表示とは、国が定める法律によって名称や原産地、原材料、内容量、賞味期限や消費期限などのほか、遺伝子組みかえ食品などの品質表示等が義務づけられており、消費者がその食品の品質を判断し、選択する上で、なくてはならないものであります。さまざまな食品が流通している現在、消費者が安心・安全な食材を手に入れるため、正しい知識を持ち、活用していくことは大変重要であると考えております。
今回の食の安全推進大会においても、多くの市民の皆様が参加されました。食中毒に関する関心が高まっているこの機会をとらえ、婦人会や高齢者など、さまざまな集会や教室、ホームページ等を使って積極的に啓発していきたいと考えております。
次に、トレーサビリティについて言及されておりますが、現在日本では、牛肉と米だけが法律で義務化されております。
子どもたちの食の安全を守るため、学校給食センターでは、従来から国が定める学校給食衛生基準に従い、食材は鮮度のよい衛生的なものを選定しており、有害なもの、またはその疑いのあるものは使用いたしておりません。具体的には、すべての食材について産地等の確認を行うことはもとより、加工食品についても製造年月日等の確認と記録に努め、遺伝子組みかえ食品は使わないこと、内容分析表の提出を義務づけることなどを行い、食の安全を守る対策を行っております。
なお、学校給食センターでは、以前から新鮮で安全な食材として野菜や果物の一部を地元の生産者から仕入れておりまして、今後とも、地産地消を増やしていきたいと考えております。また、米はすべて砺波産のコシヒカリを使用いたしております。
今後とも、食材の納品に関しては選定とチェックを厳重に行い、安全性を十分確認して使用するとともに、調理に当たっても衛生管理基準を順守いたしまして、安心・安全な給食を提供してまいります。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
教育委員長 河西 求君。
〔教育委員長 河西 求君 登壇〕
◯教育委員長(河西 求君) 私のほうから、安心して子どもを育てられる地域社会づくりについて、まず、砺波市としての教育方針についてお答えいたします。
砺波市の教育のねらいとするところは、今年から本格実施されました新学習指導要領にも明示してありますように、引き続き確かな学力、豊かな心、すこやかな体の育成にあり、知・徳・体のバランスのとれたいわゆる生きる力のある子どもと、もう一つは、ふるさとを愛し、誇りに思う子ども、その育成というふうに考えております。
さらに、砺波市では、幼保の幼稚園の幼児あるいは小学生、中学生、人格形成の基礎をつくる時期にぜひ身につけさせたい資質を子どもたちの子ども像にしました「五本ゆびのめあて」、これは数年前に、まさに砺波市の特有のものでございますが、日ごろの子どもたちの姿をよく観察し、学校の先生あるいは保護者、一般社会の方々、そういう方々からいろいろ子どもたちの姿を見、何が必要かという、そういうものでございます。
元気なあいさつのできる子ども、心やさしく、思いやりのある子ども、約束や決まりを守る子、正しい言葉遣いができる子、我慢し、終わりまでやり遂げる子どもにまとめたものであります。
このあいさつ、思いやり、遵法精神、そして、言葉遣い、忍耐、これを確実に身につけることによって、自分を律し、いろいろな社会で円滑な人間関係づくりができる、まさに自律、自分で自分を律し、ひとり立ちのできる、そういう自律、それと共生、どの社会でも仲よくできる、協調できる、こういった資質が育まれるものと思っております。
これらの目標は、今まで同様、学校はもとより、家庭、幼稚園、保育所、小学校のPTA、地域社会の関係団体に周知徹底し、師弟同行の推進でいきたいと思っております。子どもには言えても、必ずしも後姿を見たときに親はどうか、そして、保護者は自分でどうかというようなこともいろいろな機会を通して一緒に考えていきたいと、こういうような思いであります。
心の教育としての道徳教育でございますが、どの小中学校でも道徳の時間を初め、学校生活全体で行いますが、さらに砺波市としましては、心の教育ということで、研究指定校を指定しております。その場では、より深い心の教育をすることと、あわせて教職員の研修の場、各学校からまた参加し、いろんな形にその実践を見ながら研究を深めていくというものでありますが、これを努めて、毎年やっております。
なお、情操教育としての芸術鑑賞や連合音楽会等の活動を通して、その情操教育ばかりでなく、それに伴うルールやマナーの遵守、それをチャンス教育として進めていくよう、お願いしているところであります。
今後とも、幼保小中の連携、学校、家庭、地域社会と相互連携を密にし、教育力を高め、ふるさとを愛し、たくましく生きる力のある子どもの育成に努めていきたいと考えております。
2番目でございますが、教員の若返りと今後の教育力の維持についてでございますが、教員の若返りは、今後どのようにやっていくかということでございますが、議員も御指摘のとおり、本年度、砺波市には小学校7校へ9名、それから、中学校2校へ4名の合計13名の新規採用教員が配置されました。この中には県外で教員経験をした者もおりますし、あるいは講師経験もいますが、教職員の平均年齢は少しずつ若返っております。
そうした傾向は当分続くものと思います。56年度ぐらいからか、非常にたくさんの方々が入られた分、これが順次退職になり、新しい方々を入れていくことになろうかと思います。
平均年齢の若返りは、学校の活性化の反面、教科指導や学級運営の指導力が心配になる面もございます。加えて、初任者研修会が、いわゆる学校外で行う研修会のほうでございますが、この研修日数の削減があり、どの学校でも校内における研修体制、初任者研修をどのように受け入れ、どのように育てるかというものをそろそろ各校長先生方は一生懸命考えておられますが、これについてもしっかり指導していただくよう、お願いしているところでございます。
それに加えて、気になりますことは、うつ病を初めとするメンタルの方も出てきております。何でも気軽に尋ねたり、愚痴も聞けるような、そういう体制を校内に組織的に行うことが必要なんじゃないかなと。忙しいから、何を聞いておるんだというようなことは言わないように、ぜひそういった愚痴も聞けるような、そういう体制で、若手はもう何もわかりませんので、そういうようなことも含めながら研修体制を組んでいきたいと、このように思っております。
研修内容については御存じのとおりでございますが、教師としての使命感を初め、教科指導、学級経営、校内の雑務とか、雑務じゃないですけど、校務文書、そういう基礎基本はもとよりでございますが、社会人としての常識としてのいわゆるあいさつ、服装、言葉遣い、笑顔、特に笑顔、言葉遣い、あいさつ、こういったものは子どもも大人も同じじゃないかと、このように思っておりますので、こういったことの徹底指導をしていきたいなと、そういうふうに思っております。
また、ふるさとを愛し、誇りに思う子どもの育成は、教師のふるさと理解なしには育むことはできません。ふるさとの理解なしには、ふるさとへの愛着も誇りも出ないのではないか。ふるさとの愛着や誇りなくしては、よし、砺波市をよくしてやろうという、そういうふるさと貢献は出ないんでないかと、このように思っております。基本的にはふるさとを理解すること、愛着心を持つこと、こういったことがふるさと教育の根本でないか、もとになるんじゃないかなというふうに思っております。
さわやかなあいさつと明るい笑顔が心身健康のバロメーターというふうに思っております。さわやかなあいさつができ、明るい笑顔であふれる職場づくりをお願いしているところでございます。皆様方もまた指導、ひとつ御指導のほどをよろしくお願いし、答弁とさせていただきます。ありがとうございました。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
教育長 舘 俊博君。
〔教育長 舘 俊博君 登壇〕
◯教育長(舘 俊博君) 私からは、大楠議員御質問の安心して子どもを育てられる地域社会づくりについてのうち、3点目の家庭の日の普及についてお答えをいたします。
議員御指摘のとおり、富山経済同友会では、家庭教育を重視されまして、具体的な提言として、親や家族に関して我が家の決まりの勧め、親子の共同作業や家族団らんなどで家庭のきずなを深め、家庭教育の読書の力に注目し、家庭の中で読書を習慣化する読書の勧め等の取り組みを上げておられます。
砺波市教育委員会としましても、家庭教育は教育の原点であり、家庭の教育力の向上や親と家族のきずなが子どもの成長にとって大変重要であると考えており、昨年度から、ふれあい、語り合い、家庭の日のチラシを配布し、各家庭で実践してもらえるよう努めております。本年度も6月13日に各保育所、幼稚園、小中学校で配布してもらったところでございます。
お尋ねのこの活用状況につきましては、1、PTA総会、役員会での配布と啓発、2、学級懇談会の中でチラシを活用した家庭の日の取り組みについての話し合い、3、PTA広報紙での家庭の日の特集、4、ノーテレビ、ノーゲームの日とあわせた家庭の日の計画等に活用されております。
また、ある学校では、6年生のほとんどの子どもたちがチラシをもとに家族の団らんの大切さについて家族と会話したことや、3年生の中では、チラシを家庭に持ち帰り、家の中の壁やカレンダーに掲示し、月ごとの計画を立てた児童も見られたなどの例がございます。
議員御提案にもありますように、すべてのPTAで学校行事を記入しましたカレンダーを作成しているわけではございませんけれども、さらに使いやすいものとなるよう、チラシの工夫については検討したいと思います。
また、今後とも、関係団体と連携し、家庭の日が定着していくよう、各学校に配布されました富山県民家庭の日のアニメをPTAの研修会や学習参観日などに保護者の皆さんに見ていただく機会をつくり、活用していきたいと考えております。
次に、4点目、とやまっ子子育て応援券の利用拡大についてですが、この制度は、平成20年10月から始まり、県と市町村が共同で実施してまいりました。県は利用者の要望にこたえて、昨年10月からヒブワクチンと肺炎球菌の予防接種を追加し、さらに、本年4月から読み聞かせ絵本及び弗素塗布を利用項目に追加いたしました。
また、すべての利用者の有効期限を3年に改正しまして、制度が始まった当初の対象者であります平成20年4月1日から10月1日までに生まれた子どもの有効期限も同様の扱いとし、本年9月30日まで延長といたしました。
この制度のPRにつきましては、こども課や地域振興課の窓口で、出生届や県外からの転入手続の折に、そのサービスについて県のパンフレットなどを利用して説明していますが、特に使い忘れを防止するため、市の広報やホームページなどでさらに呼びかけていきたいと考えております。
なお、砺波市の状況ですけれども、毎年県内各市町村の中でも利用率が高く、平成22年度は、県平均の56%を上回る67%の利用状況となっております。
今後も制度のPRをこれまで同様に取り組むとともに、子育てボランティアの活動や乳幼児の健診時などでも、その機会をとらえて情報提供ができるよう、協力をお願いしたいと考えております。
次に、5点目の児童虐待についてですが、市内の児童関係団体、高岡児童相談所などの専門機関、学校の関係者などで、要保護児童対策地域協議会を組織し、代表者会議や個別ケース会議を開催するほか、本年度から社会福祉課や高齢介護課、教育総務課、健康センターと連携をとり、関係する情報の共有を図りながら、家族関係を視野に入れた児童虐待の防止に取り組めるようにしております。
また、本年度におきまして、こども課に設置する家庭児童相談室で相談業務をしている家庭児童相談員を3人から5人に増員しまして、保育所、幼稚園への定例訪問や小中学校との連携をとるほか、ときには休日や夜間において家庭訪問をするなどして、児童虐待の早期発見と速やかな対応に努めているところでございます。
児童虐待の原因を解決するには、その調査に時間がかかるほか、長期化するケースが多いため、今後も高岡児童相談所等の専門機関の指導を受けながら、その解決に努力していきたいと思っております。
なお、児童福祉司につきましては、家庭児童相談員の中に資格を取得した相談員がいますので、児童虐待の相談業務にその専門的な知識を生かせるものと考えております。
また、今後、職員の資格取得に向けて、県の講習会を受講する機会をつくるよう、努めていきたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、3、福祉の充実についての2項目についてお答えをいたします。
最初に、ケアネット事業につきましては、高齢化や核家族化が進む中で、ひとり暮らし高齢者や障害者、子育て世帯などの皆さんに対し、住みなれた地域で、安心して暮らせるために、富山県が独自に平成15年度から県内一斉に実施している事業であります。
当市においても、平成19年度には、21全地区においてケアネット事業が立ち上げられ、チームは、民生児童委員の方を初め、地区福祉推進委員や近所の方などがメンバーとなり、現在では全地区あわせて202チーム、703人の方が高齢者等の見守りを行っていらっしゃいます。
しかしながら、ケアネット活動の中のふれあい型は各種事業補助の性格が強く、地区ごとに事業が積極的に行われており、成果が上がっておりますが、ケアネット型は事業を実施するのではなく、ひとり暮らしの話し相手や見守り、ごみ出しや除雪などの活動が主であり、経費的にも多くかからないことは議員御指摘のとおりであります。
また、ケアネット型は、現在はほとんどひとり暮らし高齢者を対象に活動されており、障害をお持ちの方や子育てに不安を持っているお母さん方への支援が少ないのが実情であります。
こうしたことから、議員が提案されていますように、ケアネットセンターの機能充実を図り、専門職であるコーディネーターと地域との連携強化を図るため、社会福祉協議会では、本年9月から10月をめどに各地区を訪問し、取り組み体制や課題、悩みなどについて地区懇談会を開催することといたしております。
なお、ここには市からも関係課職員が出席し、地域の皆さんのお声をお聞きしたいと思っております。
また、障害をお持ちの方や子育てに不安を持っているお母さん方との連携を図るため、地域包括支援センターや子育て支援センター、障害者生活支援センターとの連携につきましても、関係者の皆さんから御意見をいただくとともに、地区懇談会の中でも御意見をお伺いし、相互の連携を深めてまいりたいと考えております。
次に、緊急通報体制についての御質問にお答えをいたします。
緊急通報装置は、本年5月末現在で、市内のひとり暮らし高齢者世帯など128世帯に設置され、日ごろの生活の見守りを行っております。この通報体制では、各世帯の中で一番活用されている部屋に安否センサーや煙感知器などの機能を持つ機器を設置し、高齢者の方の日常生活に異変が確認された場合や火災等を感知した場合などに、電話回線により、設置世帯からコールセンターへ連絡をしたり、コールセンターから設置世帯へ呼びかけを行っております。
さらに、事例に応じて現地での対応が必要と判断される場合は、協力員の方による安否確認や、緊急の場合は消防や警察へ連絡することにより重大事故を未然に防ぐなど、高齢者の在宅生活を支援しております。
今回の大地震のような広域的な災害に電話などの通信機能に障害が発生した場合には、通報装置自体が機能しなくなることが、議員御指摘のとおり懸念をされます。この場合には、毎年、民生児童委員の方や自主防災組織の皆さんにより、各地区で作成されております災害時要援護者マップにより、災害発生時の要援護者の安否確認が迅速に行われるものと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
商工農林部長 八田俊伸君。
〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕
◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、第60回記念となみチューリップフェアについてお答えいたします。
まず、チューリップフェアの総括につきましては、先の今藤議員の質問で市長が答弁された以外のことについてお答えいたします。
第60回の開催を記念して新設しましたリッセ市のキューケンホフ公園をイメージしたオランダ風花壇は、樹木と芝生に生えるチューリップとムスカリのコラボレーションが多くのお客様の注目を集め、大変好評でございました。
また、球根生産地のチューリップ畑を紹介するサテライト会場では、大規模で、色鮮やかなチューリップ畑を全国からお越しいただいたお客様に十分楽しんでいただいたものと思っております。
会場内では北門前の大型歓迎ディスプレイや大花壇の歓迎アーチのほか、各入場門には市民の皆様に育てていただいた花プランターを設置するなど、ホスピタリティーあふれるおもてなしに努めたところでございます。
また、富山県花総合センターへはフラワーロードを無料シャトルカーで結んだことから、夢のチューリップガーデンなどに多くのお客様が訪れ、チューリップ公園との一体感を持たせることができました。
このように、今回は花をより充実させ、より多くの市民の皆様とともに全国の皆様をお迎えできたこと、さらには、大きな事故もなく閉幕できましたことを関係者の皆様に深く感謝申し上げたいと存じます。
次に、チューリップフェアの開期につきましては、旅行代理店の商品企画時期などに合わせ、前の年の9月には開期を決定し、旅行業者やマスコミなどへの宣伝活動のほか、ポスターやパンフレット、ホームページなどの媒体を通じまして、幅広く全国へPRを展開しております。
大楠議員さんが提案されますように、4月に入ってから開期の決定や変更、延長を行うことについては、全国に向けての情報発信を行う時間が限られることから、的確に情報が伝わらず、トラブルの原因につながることが予想されるため、難しいものがあるかと存じます。
また、開期日程につきましては、チューリップの花持ちや費用対効果などを考慮し、14日間に設定しているところでございます。
開期の延長につきましては、これまでも検討を繰り返してまいりましたが、近年の地球温暖化の影響などを考慮しますと、開花を持続させるには、今の栽培技術や経費的な面からも限界があり、現在の2週間ほどが適当であると考えております。
次に、市民感謝デーにつきましては、第60回記念として、より多くの市民の皆様とともに開幕を盛り上げるために感謝デーを企画しましたところ、小惑星探査機「はやぶさ」の効果もあり、5,200人の招待券利用者がありました。
来年度以降の市民感謝デーの取り組みにつきましては、本年度のフェア全体の反省点や課題などを踏まえまして、実施本部や関係団体の皆様とともに検討してまいりたいと考えております。
次に、市民ボランティアにつきましては、市内の小学生から高齢者まで、幅広く各種団体、市内企業など、延べ3,200人の多くの皆様に会場の清掃や花の手入れのほか、観光案内や体験コーナー、催事などのボランティア活動に御協力をいただきました。また、今回は一般公募により、会場内の花壇に参加者の皆様とともに球根を植え込み、市民と協働でお客様を歓迎する取り組みを行ったところでございます。
大楠議員さんが述べられましたように、今回新たに総合案内所に英語と中国語の通訳担当を配置したことは、今後も増加が予想される外国人対応として必要なものと考えております。
このほか手話通訳ボランティアや他の活動にもボランティアとして御協力をいただけないか働きかけ、より多くの市民参加でチューリップフェアを盛り上げていただき、市民よるチューリップフェアになるよう努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 8番 村岡修一君。
〔8番 村岡修一君 登壇〕
◯8番(村岡修一君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、市政一般について、以下、質問をいたします。
最初に、下水道事業についてお尋ねをいたします。
砺波市では、昭和59年から下水道事業に取り組んで以来、約28年の歳月が経過しようとしています。事業では、日常生活の中で出る家庭や商店街、工場、事業所等で排出される汚水を処理し、常に安全・安心できれいな生活環境を守ってくれています。
昨年、下水道整備基本計画策定の骨子として、未許可区域については、特定環境公共下水道事業で整備をする。また、隣接する高岡市や小矢部市との関係については、富山県と協議をして整備を行う。また、下水道事業整備には多額の費用と長い年月を要することから、場合によっては、合併処理浄化槽の設置に配慮するなどの計画作成方針が示されました。
砺波市では、未許可地域について、中でも散居村という地理的な特徴を抱えていることから、特定環境保全公共下水道事業での整備が適正と考えられます。
こうした中、市内の下水道整備事業の進捗状況については、既に国の交付決定額の約3分の2を工事発注し、特定環境保全公共下水道事業については、中野、五鹿屋地区内の工事において順調に着手されてきています。
市内では中山間地を抱えている栴檀山地区では、市設置型の合併処理浄化槽、庄東地区では、農村集落下水道排水事業などで着々と整備が進み、環境保全の立場からも多くの市民に評価されてきています。
以上、述べたように、下水道事業については、これまで多くの先輩や同僚の議員がその都度質問をしてきており、関心度が高く、今後も注視していかなければならない課題であると思います。
そこで、この下水道事業着工には、これまでに多額の資金を投入して、設置されていることも事実であります。また、せっかく本管工事が完成しても、その後に本管への接続を行わず、今日まで放置されている問題も深刻であります。
近年、向上していない理由として、地域内において温度差があることも伺っているところであります。また、以前には、接続率の向上を図るために、一時水洗化率を目標設定して、達成地区には1戸当たりで1万5,000円の還付金を支給するといった制度も過去に導入され、本管への一日も早い接続を目指して、相談や指導を強化するなど、取り組んでまいりました。
そこで、次の点にお尋ねをいたします。
第1点目として、最近5カ年間での本管への接続状況についてお聞かせください。
2点目として、接続率の向上への問題と課題についてお答えください。
3点目として、未接続者への指導と対応について、当局の考えをお聞かせください。
次に、観光案内物の外国語表示についてお尋ねをいたします。
今年のチューリップフェアは、節目の60回を迎え、去る4月22日から5月5日までの14日間、開催されました。期間の前半はあいにくの天候と低温が響き、5月連休では久しぶりの好天に恵まれ、県内外から多くの観光客がチューリップ公園へ足を運び、入場者数は昨年に比べ3万人少ない27万5,000人となりました。
入場者数の減少の要因として、去る3月11日に発生した我が国にとって未曾有の東日本大震災の影響が大変心配されました。地震と津波と、さらには原子力発電所の事故による、過去に経験したことのないような大惨事で、外国人の入場者はもちろん、国内からの観光客の足にも影響があったものと思われます。
幸い、「はやぶさ」の展示や、多くのボランティアの方々の協力をいただき、成功裏に終了できたことは大変よかったと思います。中でも60回目のチューリップフェアで作成された案内パンフレットも外国語表示で作成され、公園を訪れた外国の観光客にとっては好評であったと思われますが、ただ一つ、大変残念であったことは、今回作成されたチューリップ公園の中国語表示のパンフと、同公園内のトイレ内の表示について、市民の方から苦言をいただきました。具体的には、パンフレットの中国語が適正な表示に作成されていないということでありました。
少し話はずれますが、私は、先般開催されました砺波市日中友好協会の総会で、事務局長に就任をさせていただきました。前任者は大先輩の稲垣先生であります。その関係で、協会を組織する会員や役員の方で、中国語が通の人も多くいらっしゃいます。
先日、役員会を開催した折に、今回作成されたパンフの中国語表示は間違っているので、直ちに訂正されたほうがいいですよと担当者の方に指示をされたところ、構成、作成については業者に任せてあるので、間違いないですよとの返事が返ってきましたとのことでありました。
また、公園内の北側の女子用トイレの表示にも間違いがあると指摘をいただきました。早速公園に出向き、公園内で清掃をされている方の協力をいただいて、立ち会いのもと、女子用のトイレの表示を確認させていただいたところ、協会役員から指摘された文言と比較したところ、確かに表示物と違っておりました。
私は、中国語は全くだめですが、せっかく砺波市を訪れる多くの観光客のPRに役立たせようと思って作成されたパンフや表示ミスは、指摘を受けた時点で直ちに修正するなり、表示がえをするなどして速やかに改正していただきたいものであります。
御承知のとおり、当市には多くの中国人の方が居住されており、当協会にも中国語の専門家の方もいらっしゃいますので、一言アドバイスや助言をいただくのも私は得策だと思うのですが、いかがでしょうか。
そこで、次の点についてお尋ねをいたします。
第1点目として、現在、市内の外国語表示箇所についてお答えください。
2点目として、今回指摘のありましたチューリップフェアパンフと公園内トイレ表示について、現状をお答いただきたいと思います。
最後に、庄川右岸堤の景観づくりについて質問と提案を申し上げたいと思います。
新砺波市総合計画後期計画の策定に向け、まちづくり研究会の各分科会から提言を受け、現在、策定に向け計画の素案づくりが進められています。中でも市特有である散居景観を保存するため、景観まちづくり計画が平成23年度中の計画策定に向け、作業が順調に進められ、今後、市内全地区での説明会やパブリックコメントが開催される予定となっております。
作成に当たり、せっかくの機会ですので、一言提案をさせていただきたいと思います。
おかげさまで、昨年3月、国道359号砺波東バイパス道路が庄川を越え、庄東地区まで開通をいたしました。このことにより、地区内では、1級河川庄川を挟んで左岸側と右岸側との景観度、そして、眼前に広がる雄大な立山連峰を眺望できるとなみ野大橋付近一帯が大変人気となっています。
しかしながら、左岸堤防道路は新湊港入り口から、南は庄川合口ダム付近まで堤防整備が施され、堤防には江戸彼岸桜など多くの植栽が植えられて、すばらしい景観が保たれています。
反面、右岸側では、大変残念ですが、堤防道路は南郷付近から上流にかけて一部区間、舗装整備されているものの、無整備区間が多くあり、四季を象徴する植栽などの景観ポイントは、残念ながら1カ所もございません。一日も早い整備が必要と思われます。
そこで、この際、提案ですが、今後、堤防道路の整備と合わせ、市管内関係の庄川右岸側堤防道路に桜やイチョウなどの植栽を切に希望するものであります。このことを今後、県や国へ強く要望するものであります。今後の景観まちづくり計画策定に向け、十分考慮していただき、重ねて要望するものであります。当局の考えをお聞かせください。
以上で質問を終わります。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
商工農林部長 八田俊伸君。
〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕
◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、市内観光案内物の外国語表示についてお答えいたします。
市内の外国語表示箇所につきましては、JR砺波駅、道の駅となみ、文化会館、チューリップ四季彩館、チューリップ公園など、市内の所要施設には英語を併記した市の総合案内板を設置しております。また、道路などに設けてございます施設案内標識や歩行者の誘導サインにおきましても、英語やローマ字を併記した標識を順次整備しているところでございます。
このほか、施設案内パンフレットでは、散居村ミュージアムやチューリップ四季彩館におきましては、英語、中国語、韓国語の3カ国のパンフレットを作成し、活用しているところであります。
次に、村岡議員さんが御指摘のチューリップフェアにおけるトイレ表示につきましては、チューリップ公園の施設案内標識には「お手洗い」の表示を、また、会場案内パンフレットには「便所」の表示をそれぞれ中国語であらわしたことにより、2つの表記が異なったものでございます。「お手洗い」、「便所」、いずれの表記も「トイレ」を意味するものでありますが、現在、外国では「お手洗い」を中国語であらわしたものが通常使用されているようでありますので、今後は「お手洗い」のほうに表現を統一することとし、中国語の詳しい方にまた見ていただくなど、構成には万全を期してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
建設水道部長 齊藤和芳君。
〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕
◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、1の下水道事業についてと、3の庄川右岸堤の景観づくりについてのうち、まず、下水道事業についてお答えいたします。
まず初めに、最近5カ年間での本管への接続状況についてお答えいたします。
下水道の接続状況をあらわす指標に水洗化率がございます。本来は人口ベースの数値ですが、ここでは下水道処理区域内における総世帯数に対する接続世帯数を率であらわした世帯ベースのもので申し上げます。
ここ5年間の当市の集合処理区域における水洗化率は、平成18年度末が80.9%でありましたが、平成22年度末では84.9%となっており、この5年間で4ポイント伸びております。接続世帯数では、平成22年度末で9,400世帯余りとなったところでございます。
なお、これは富山県内の自治体の水洗化率では中位に位置しております。
次に、2点目の接続率向上への問題と課題についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、多額の資金を投入している下水道の経営基盤の強化には、接続率の向上が欠かすことができない要素の一つであると考えております。平成21年度、平成22年度には、長期にわたって接続されない世帯を対象にアンケート調査を実施し、文書、戸別訪問により接続依頼を行うとともに、整備中や整備後の間もない地域においては、協議会や自治会の役員の方々とともに接続促進の取り組みを進めているところでございます。また、庄東地域においては、庄東下水維持管理組合の役員の方々の協力を得ながら接続促進に努めております。
そうした中で、なかなか接続に至らない理由としては、高齢者のひとり暮らしや跡継ぎがいないといった家族事情、または空き家や長期間不在の住宅あるいは排水設備工事費用や下水道使用料の経済的負担に対する不安などが上げられます。
このようなことから、まず、1つ目には、家族事情などに対する相談業務の一層の充実、2つ目には、経済負担の面からの支援、3つ目には、地域の協力を得た取り組みの接続が接続向上への課題ととらえており、今後の対応に反映してまいりたいと考えております。
次に、3点目の未接続者への指導と対応についてお答えいたします。
下水道法では、第10条において、公共下水道の供用が開始された場合においては、当該公共下水道の排水区域内の土地の所有者、使用者または占有者は遅滞なく、その土地の下水を公共下水に流入させるために必要な排水施設を設置しなければならないと規定し、下水道への接続を義務づけております。
しかし、議員お尋ねの未接続者への指摘につきましては、下水道法では、くみ取り便所から水洗便所への改善命令を行う権限は、公共下水道管理者に与えられているものの、これ以外の権限は規定しておらず、全国的にも行政側の強力な指導をもって接続に結びつけることは困難な状況となっております。
したがいまして、対応といたしましては、今後も継続的に調査を行い、逐次、未接続の方の状況を把握しながら、これまで以上に戸別訪問を重ねるなど、地道に努力していくことが肝要ではないかと考えております。
あわせて、広報などを利用した排水設備工事に係る利子補給制度の積極的なPRや、地元自治会の協力を得ながら進める取り組みの検討、環境面から水質保全の重要性の啓発など、引き続き接続率向上に向け、進めてまいりたいと存じます。
議員の皆様方には、今後とも、御指導、御助言を賜りますようお願い申し上げまして、下水道事業に関する答弁といたします。
次に、3の庄川右岸堤の景観づくりについての庄川右岸堤の整備と植栽に関する御質問にお答えいたします。
御存じのとおり、庄川左岸堤につきましては、平成21年11月に桜の植栽が完了し、延長3,870メーター、桜の数では380本余りの庄川桜堤が市民の憩いの場として親しまれているところでございます。
しかし、今ほど村岡議員の御質問にありましたとおり、庄川右岸堤につきましては、太田橋上流の一部を除き、未舗装であり、植栽も施されていない状況でございます。昨年、国道359号砺波東バイパスが頼成交差点まで開通し、となみ野大橋が完成したことにより、車両の交通の流れが変わるとともに、周辺の景観も一変した様子で、砺波市の景観まちづくりを進める上でも、庄川右岸堤の周辺整備については、大変貴重な御意見であると重々承知しております。
しかしながら、今回御提案ありました堤防への植栽につきましては、堤防の強度や維持管理の面から、堤防施設へ植栽をすることは認められておらず、庄川左岸の桜堤事業と同様に、堤防に盛り土を行う新たな用地を確保する必要があり、多額の事業費が必要となることから、財政的にも厳しいものと思われます。
さらには、東日本大震災の影響により、国の事業においても復旧支援を考慮した約5%の予算執行の留保や防災事業への強化など、不透明な状況下にあるとお聞きしており、このことからも、市としては、現段階では後期総合計画に入れることは大変難しいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
私からは以上でございます。
◯議長(稲垣 修君) 以上をもって、本日の日程はすべて終了いたします。
次回は、明6月21日、午前10時から開会いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
大変御苦労さまでございました。
午後 3時58分 閉議