平成23年12月 本会議 定例会(第3号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

◯議長(稲垣 修君) ただいまの出席議員は19名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。

                  日程第1
     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)

◯議長(稲垣 修君) これより本日の日程に入ります。
 日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第49号から議案第78号まで、平成23年度砺波市一般会計補正予算(第4号)外29件についてを議題といたします。
 昨日に引き続き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 3番 山本善郎君。
  〔3番 山本善郎君 登壇〕

◯3番(山本善郎君) 皆さん、おはようございます。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、市政一般について御質問したいというふうに思います。
 さて、いよいよ心配されていたことが現実味を帯びてきたように思われます。11月11日に、政府はTPP交渉に参加するとは言わないものの、交渉に入る前提で、仮に我が国の主張が通らないときには、その交渉に離脱も視野に入れ臨むとのことです。果たして米国を相手に、そう簡単に受け入れられるものか大変危惧しているところです。
 私は、過去、この件につきまして、平成22年12月定例会の一般質問で熱く訴えたつもりでありますが、TPPとは、トラブル・パニック・ピンチの略ではないと皆さんは覚えておいででしょうか。当時の総理は、平成の開国であると豪語されておりますが、私は、平成の時代で国が壊れる、平成で壊国と言いたいものであります。さらに、その折には、農業問題ばかりでなく、24項目に及ぶ案件がいとも簡単に処理されてしまうことの心配を初めとし、本当に我が国としてのメリットがあるのかどうか、また、農業問題に関しては、FTA交渉もできないので、十分な論議が尽くされているのかどうか大いに疑問を今でも持ち続けています。つまり、国内での農業対策は長期にわたり行われてまいりましたが、一向に改善できず、これ幸いと今回、外圧の力により押しつぶしていこうとしていることが見え見えであります。この件についてはこれ以上多くは申しませんが、この交渉は長期にわたるため、注意深く監視し、風化させないように働きかけたいものと考えます。
 さて、過日、農水省は本年度の各分野にわたる表彰者を発表いたしましたが、その中に、農林水産祭表彰で天皇杯に次ぐ内閣総理大臣賞に、県内では初めて、林中部営農組合が選ばれましたことについて、大変うれしく思う者の一人です。特に、若い後継者を育成し、積極的に地産地消や食育を推進された姿が顕著であることが評価されたことと思います。今後とも、砺波市農業を先導的な立場で推進していただきたいと願うものです。大変おめでとうございました。
 さて、砺波市の健全な財政見通しについて尋ねるものです。
 国内では、先の大震災に対する復興に取り組まなければならず、今後とも多くの財政支援が見込めない不透明さが残る次年度予算に対し、砺波市後期基本計画が遂行できるのかどうか大いに危惧するものです。
 他市においては、税収の伸びが見込めないため、各部局からの要望に対し、前年比シーリング枠を5%と設定し、それより生まれる財源を新世紀創造予算枠として、重点事項に配分するとのことです。新規事業の提案を受け、効果のある事業に振り分けるとしているわけですが、やはり税の減収や震災復興の影響で補助金等がグレーゾーンで実施の難しさを指摘されているものと考えます。
 また、ある市では、市職員の提案する政策コンペティションを行い、実現可能な政策は予算計上するとしているわけです。このコンペは職員の政策能力を高めるために行おうとしているが、どんどん実施すべきと考えます。当市においても、昨年度より、特別枠活力あふれる砺波事業と銘打ち、2,000万円枠の新規提案を募り、実施されたところですが、続けてほしいものと考えます。
 そこで、こういった事情をかんがみ、1、平成24年度の予算の見通し並びに策定概要についてを尋ねるものです。
 次に、震災の影響や円高の影響に対し、市内の大手企業パナソニックが半導体事業の縮小や従業員の早期退職を募るなど、経費の削減策を打ち出すといった状況やニチマ跡地の再開発が見えてこない現状であり、景気の悪化や雇用促進の鈍化を大変心配するところです。
 そこで、1、景気雇用に伴う市内大手企業の動向についてを尋ねるものです。
 次に、市内北部地域の下水道整備について尋ねるものです。
 県は、先の議会において、小矢部川流域下水道整備について、周辺人口の減を理由に方針を転換し、規模を縮小した新たな2ルートの幹線整備を打ち出されましたが、早期に実現していただきたいものです。この件については、昨年8月より、下水道計画委員会からの協議結果や意見書が提出されているところですが、その後の関係市町村の調整や国交省への要望活動が断続的に行われたものと考えます。
 そこで、1、砺波北部地域の下水道の進捗状況や今後の整備計画についてを尋ねるものです。
 次に、公共交通対策について尋ねるものです。
 公共交通対策特別委員会を過去2度にわたり開催し、市民の皆さんより、今年度から新たな方法で開業されました市営バスを初め、JR城端線についての御意見をお聞きしたところです。
 最初に、砺波商工会議所の皆さんに、2回目は、交通弱者とも言われる高齢者や学生さん並びに各自治体において、どのように支援をし、効果が出ているかを各種団体長さんにも御意見を伺いました。
 当然のことながら、皆さんより、市営バス等についてはよりよい御意見が伺えるものと考え臨んだわけですが、一転、不便さ、不都合さを指摘され、大いに問題があるという認識に立ちました。最終的には、開業して間もないことから、もう少し様子を見ればいいのではないかとのことでしたが、中には僅々の課題があったようにも思われます。中でも、特に介護用の器具がないこと、介護者が不在であることなど、大変心配されるところです。そのほか、各公共交通機関とのダイヤが合わない、ダイヤ改正の必要性やコースの見直し、停留所の増設。また、利用者が少ないところは廃止の方向で検討されるということでありますが、たくさんの課題が浮き彫りにされ、ここでは全部述べることはできませんが、当局は承知されているものと思います。
 そこで、こういった問題に対し、どう取り組むのか。そこで、1、市営バスの運行改善についてを尋ねるものです。
 次に、城端線についても多くの指摘があったわけですが、特に印象深い御意見の中には、停車駅のないまちは衰退の道をたどるとのことでした。まさにそのとおりと考えます。ゆえに、市民総上げで活性化に取り組むべきだと考えます。さらには、沿線市町村に温度差があることについては、協議を進めながら、共同歩調を行うようにとの御指摘でございました。
 さて、過日、砺波市において、北陸新幹線に関し、関係都市連絡協議会が開催され、5県43市町村の市長など、100名余が出席され開催されているわけですが、その中で、太平洋側の代替機能を果たすべき北陸新幹線の全線早期整備を含めた7項目にわたる決議案を採択されているようです。また、並行在来線については、新しい財源措置やJRの強力な支援を求め、各自治体の負担を軽減するとした新たな仕組みの構築や運行のあり方を早期に検討することの要望も一緒に提出されているようであります。
 県が設置しようとしている三セク会社は、来年夏ごろを予定されていますが、その出資比率は県が6、市町村は3、経済界が1とした6・3・1の負担割合を計画され、先の市長会では、各市町村の負担割合の試案が了承されているところですが、中身は市町村が一律負担部分と停車駅の有無や利用者を加味するとした案にもなっていると考えます。
 そこで、2、並行在来線における砺波市の予定出資額についてを尋ねるものです。また、10月には、市長におかれましては、砺波市の新年度事業予算に、北陸新幹線開業を見据えたJR城端線の利用促進に係る新たな事業を計上するとのこと。また、市営バスとの乗車連携を検討し、利便性を高めるとの検討に入ると会見されております。もとより、乗車率を上げることが、そして、積極的に取り組まなければならないものと考えるわけでありますが、そこで、1、JR城端線を含めた公共交通の活性化策についてを尋ねるものです。
 次に、農業問題について尋ねるものです。
 長期にわたり、農業政策について論議は重ねてまいりましたが、いまだにはっきりとした施策が構築されず、今日に至り、相変わらずの猫の目農政であります。しかし、根本は、いずれの施策を遂行されても、一向に農業所得の向上には寄与していないことが挙げられるのではないでしょうか。そのため、本市農業においても、米づくり一辺倒から、新たな作物への生産に大きくスイッチし、手探りの状態からまさに脱しようとしているところです。
 そんな中、政府は規模拡大を柱とした農業強化拡大策の基本方針を示しました。その中身は、平均の農地面積を20から30ヘクタールに拡大する目標を設定、そのため農地貸借者に協力金を支給し、集約させること。また、新規就農者を増やすため、給付金制度も導入するとのことです。具体的には、原則45歳未満の新規就農者への年間150万円、最長7カ年、合計1,050万円と定着率を上げることを目標としています。さらに農地集積に関しては、市町村がマスタープランを作成し、利用集積を促すとしています。
 本市農業が今日まで農地の集約や新たな後継者等を育成し、法人化に向け積極的に取り組んできたところであります。そのかいあって、認定農業者126名、うち法人化組織数41組織、さらには、集落営農組織として36組織が現在活動しているところです。ゆえに、こういった施策は砺波市農業にも大いに貢献できるものと考えます。こういった施策が新年度にどう反映されることができるのかを尋ねるものです。
 そこで、1、新規就農者及び後継者育成の新年度よりの支援策についてを尋ねるものです。
 次に、市内の砺波広域圏事務組合の行う事業のうち、建物共済事業についてを尋ねるものです。
 この事業は、農業災害補償法で定められている事業の一環ですが、同法第1章総則、第1条には、「農業者が不慮の事故に因つて受けることのある損失を補填して農業経営の安定を図り、農業生産力の発展に資することを目的とする。」と明記してあります。ゆえに、今日まで農業を営む者は水稲作であれ、果樹栽培であれ、畜産業等、幅広く農業経営に貢献してきたものと考えるものです。
 そこで、問題になることは、農業者とは農業を営む者と規定し、特に水稲に関しては、耕作面積が10アール以上の条件がつくことになっています。また、最近、火災による建物の損失や自然災害の中でも、特に地震に対する関心が増してきているところでありますが、その損害にも補償できるとし、ニーズも大変増加しているものと考えます。しかしながら、このたび、農水省が資格審査実施状況を調査されましたところ、その条件にそぐわない案件も多く、改善命令を求められておるというふうに思われます。
 さらには、先ほど述べましたように、市内の農業者の経営体の育成に尽力され、その構造が大きく変わろうとしているわけですが、その中でも、特に農業法人に委託している農業者を初め、その法人役員以外の一般構成者は農業経営者とは認められず、加入資格が失格しているというところでございます。耕作を委託した農業者は、農地こそ所有しているわけですが、農業を営む農業者とはならないということであります。これは大変なことと考えます。早急に加入資格条件等を見直す改善策を求めるものですが、現状と今後の対策を尋ねるものです。
 そこで、1、農業共済事業のうち、建物共済の加入実態及び加入失格者対策についてを尋ねるものです。
 以上、質問を終えますが、当局の誠意ある回答を期待いたします。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 山本議員の健全な財政運営について、並びに公共交通対策についての御質問のうち、並行在来線の出資負担額について及びJR城端線を含む公共交通の活性化策についてお答えをいたします。
 まず、平成24年度予算見通し並びに策定概要についてでございますが、平成24年度の予算の規模並びに施策の概要につきましては、堀田議員の代表質問等でもお答えいたしましたので詳細は省かせていただきますが、改めて大枠等について御説明を申し上げます。
 平成24年度の予算につきましては、まだ、財政課による要求の取りまとめ段階にありまして、未確定な要素が多いところでございますが、一般会計の予算の総額につきましては、今のところ、総合計画実施計画に掲げられた予算規模201億円程度になるものと考えており、平成23年度当初予算であります201億3,000万円とほぼ同規模になるものと考えております。
 そこで、これまでの答弁の重複ともなりますが、平成24年度に、特に重点的に進めてまいりたいと考えております施策について幾つか申し上げますと、まずは、出町中学校の耐震改修事業に伴う工事の本格実施並びに庄川小学校の耐震改修事業に係る実施設計に着手するなど、安心・安全な教育環境の整備に鋭意努めてまいります。また、子ども手当が減額見直しされることなどもあり、子育て支援を充実させるため、中学3年生までの入院医療費の無料化を検討いたします。
 さらには、北陸新幹線の開業等もにらみ、観光によるにぎわいづくりの一環として、砺波市の魅力の積極的な発信と市民交流の推進に合わせて、城端線各駅の駐輪場の整備や道の駅等のトイレの改修など、観光施設等の整備に計画的に取り組んでまいりたいと考えております。
 その他、景観まちづくりや空き家対策の推進、小水力発電の調査研究、チューリップなどの特産品の生産支援など、砺波市としての特徴的な課題等について積極的に対応し、特色ある砺波市の創出に努めてまいりたいと考えております。
 次に、景気雇用に伴う市内の大手企業の動向についてでございますが、市内大手企業であるパナソニック株式会社におきましては、来年1月からの事業再編に向け、大規模な再編作業に入っていると聞いており、去る11月14日には、稲垣議長とともにセミコンダクター社、本社社長にお会いし、砺波市の企業立地環境や生活環境のよさと新インター開設など、今後、ますます立地環境がよくなることなどを訴え、存続と拡充を働きかけてまいりました。けさの新聞に、京都府の生産技術開発部門を北陸へシフトするとの報道がありましたが、雇用の確保、増加につながるよい方向での再編となることを期待しておるところでございます。
 また、市内に工場立地されておる非鉄金属業のサンエツ金属株式会社につきましては、本年5月末の新プレシジョン工場の操業に伴い、本年度においては21名の新卒者が採用されており、来春卒業の新卒者においても本年度並みの採用予定と聞いております。また、本年度中途採用についても若干名の求人募集を行うことと聞いております。なお、先般発表されました中間連結決算においては、増収増益を確保されており、新たな設備投資と雇用の確保について期待するものであります。
 また、北陸コカ・コーラ砺波工場におきましては、飲料水ペットボトルラインを新設し、本年5月末から稼働されるなど新たな設備投資がなされており、現在も求人募集を行っているほか、来春に向けての新卒者の雇用について見込まれていると聞いております。
 また、ニチマ跡地の再開発につきましては、現在、アルビス株式会社が商業施設の開発手続等を進めており、開発計画では、来年7月ごろには第1期分として、大型電気店と食品スーパーがオープンすることとなっており、来年3月から求人募集がなされると聞いております。なお、この開発における雇用者の見込みは、地元雇用を原則として、70名から80名程度のパート雇用を検討しておられると聞いております。
 ところで、有効求人倍率については、ハローワーク砺波管内の本年10月末では0.85倍であり、依然として厳しい状況が続いているものの、9月よりも0.05ポイント改善され、ここ5カ月間改善の傾向が続いており、昨年の10月と比べますと0.2ポイント上回っております。また、砺波工業高校の本年の就職内定状況については、就職希望者のほぼ100%が就職内定していると聞いております。これらのことから、雇用については若干回復の状況が見えるものと感じております。
 次に、公共交通対策についての御質問のうち、並行在来線の出資負担額についてでございますが、並行在来線の運営を行う第三セクター会社への出資金につきましては、去る11月24日、県が全体の63%、市町村が27%、経済界が10%を負担することで合意したとの発表がなされました。
 その後、11月29日に開催されました富山県市長会におきまして、富山市長から、第三セクター会社への出資金全体が52億円の場合、市町村の負担割合が27%として出資金総額が14億円となることについて、市町村ごとの出資割合及び出資金額に係る試案、試みの案が示されたものであります。それによりますと、試案の作成に当たっては、過去において、県内自治体でPETセンター会社を設立した際に、標準財政規模と人口ベースに市町村の出資額が算定されたことを参考に、今回も標準財政規模と人口、それぞれの2分の1ずつを比重とし、これに並行在来線の駅のありなしや駅の数、新幹線の駅のありなしなど、調整を加えて出資割合を算出されたところであります。試案では、並行在来線の沿線自治体の出資割合を高めるよう、一方、非沿線自治体は出資割合を低めるよう調整されたものとなっております。その結果、当市の出資割合については1.4%となり、第三セクター会社への出資全体が52億円の場合、当市の出資金額については2,000万円と試算されているものであります。
 しかしながら、最終的な出資金額については、第三セクター会社への出資金総額によって増減することから、今後、県から会社設立に関する説明がなされ、その中で明らかになるものと考えております。また、第三セクター会社につきましては、平成24年度に準備会社が設立され、その後、増資を行い、本格会社へ移行する予定であるとのことであります。このことを踏まえまして、当市の出資金につきましても、まず、準備会社設立時の所要額を平成24年度に出資し、その後、増資に合わせて残りの額を出資することになるものと考えております。
 次に、JR城端線を含む公共交通の活性化についてでございますが、城端・氷見線活性化推進協議会では、平成26年度の北陸新幹線開業を見据え、城端線新駅の設置のほか、多岐にわたる城端線の活性化策について、城端線・氷見線地域公共交通総合連携計画として、策定部会を中心に検討を進めております。今月下旬には、この協議会全体の会議において、連携計画の素案について協議することとなっております。
 連携計画の中の一つの活性化策としては、市では、砺波駅において新たに観光情報コーナーを設置することやJR油田駅や東野尻駅の駐輪場の建屋を増設することなど、利用者の利便性を向上したいと考えております。
 なお、6月議会でも申し上げましたが、砺波市の偉大な先人が中越鉄道として開業した城端線を守り続けるという意識が必要であり、市民の皆さんに、城端線を日ごろからできるだけ利用していただくことが最も大切なことであると、このように思っております。
 市といたしましては、小さいころから城端線になれ親しむように、小中学校や幼稚園、保育所に対し、できるだけ城端線を利用するよう依頼しているところであり、市民に対しても、城端線の利用に関する意識啓発と利用促進に努めてまいりたいと思っております。一方、北陸新幹線の開業を契機にいたしまして、観光客の利用増を図ることも大変重要であります。沿線各市が、それぞれの観光資源を魅力ある施設としてさらに磨き上げるとともに、それらを有機的につなぎ合わせることが城端線の利用者の増加につながるものと考えております。つきましては、今後とも県の指導、協力を得ながら、沿線各市が緊密に連携、協議を行い、城端線の活性化に努めてまいりたいと、このように考えております。
 また、市営バスにつきましても、「乗って活かそう市営バス、乗って守ろう市営バス」の標語のとおり、市民の皆さんに利用して支えていただくことが大切でありまして、このことに関しましては一層の意識啓発を図っていくとともに、城端線や福祉センターなどを利用しやすい運行ダイヤに改正することで、城端線を含めた公共交通の活性化を図ってまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては担当部長からお答えをいたします。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 齊藤一夫君。
  〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕

◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、山本議員御質問のうち、公共交通対策についての(1)市営バスの運行改善についてお答えを申し上げます。
 先月行われました公共交通対策特別委員会の会議には、自治振興会協議会や老人クラブ連合会など、各種団体長の皆さんも出席され、それぞれの立場から市営バスの運行について貴重な御意見をいただきました。
 その中の意見としては、議員御指摘のとおり、現在の市営バスには、高齢者を介添えする介添え者が不在であることや福祉センターへの乗りかえなどが不便であること、JR砺波駅でおりる高校生が利用できるバスがないことなどがありました。こうした御意見の背景には、今回の市営バスの見直しが従来から要望の高かった高齢者の皆さんの病院への通院や買い物、生徒の皆さんの通学を優先し、また、重複路線を解消したことが、福祉センターを利用される方の利用時間や利用経路に支障を生じたのではないかと考えております。
 市といたしましては、こうした御意見を受け、先日、各福祉センターを利用されている方から御意見をお聞きしたところであります。今後は、さらに市営バスの運行改善を図るため、運行実績を把握し、各地区、各福祉センター、学校などの利用者の皆さんにアンケートや聞き取り調査等を実施することを考えております。
 今回いただいた御意見の中で、まず、介添えする人がいないことにつきましては、県内の福祉バスのほとんどで介添え者がいないことから、当市においても、介添え者を配置しないものの、高齢者の安全を最優先し、高齢者の優先席を設置するほか、運転手には、高齢者や子どもたちに配慮した安全運転を徹底することとしております。また、福祉センターの行事の際には、福祉センターのバスで送迎することなどにより対応したいと考えております。
 次に、運行ダイヤにつきましては、今後、利用者等の御意見をお聞きし、来年3月のダイヤ改正に伴う城端線との連携も含め、来年4月に、市営バスのダイヤ改正を行いたいと考えております。
 一方、自由乗降区間が制限されていることにつきましては、バス停の増設や砺波警察署とも協議しながら、自由乗降区間を拡張することで対応してまいりたいと考えております。
 また、乗りかえが必要なことにつきましては、乗りかえの接続を密にすることにより、利用者のスムーズな乗りかえを図り、利便性を高めてまいりたいと考えております。また、乗りかえするため、ダイヤがわかりにくいとの御意見につきましては、地域ごとのバスダイヤをわかりやすくした時刻表を作成したいと考えております。
 なお、路線変更につきましては、地域公共交通会議での協議や運輸局の許可が必要となってきますので、直ちに路線を変更することは難しく、少し時間がかかると思っております。
 今後も各地区や利用者等により市営バスに関する御意見をお聞きし、利用者のニーズに対応し、より利用しやすい市営バスの運行に努めてまいりたいと考えておりますので御理解をいただきたいと思います。
 なお、運行に多額の経費を要する市営バスをこれからも継続し運行していくには、多くの皆さんに利用していただき、市営バスを支えていただくことが必要であり、1人でも多くの市民の皆さんの御利用をお願い申し上げ、私からの答弁といたします。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 八田俊伸君。
  〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕

◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、山本議員御質問の農業対策についてのうち、新規就農者並びに後継者育成の支援についてお答えいたします。
 今日の農業・農村を取り巻く環境は大変厳しく、農業従事者の平均年齢が66.1歳と高齢化が進展する中、このままの状態が続くと、将来的には地域農業の維持、発展が極めて困難な状況に陥るおそれがございます。
 このような状況の中、国は食と農林漁業の再生実現会議において、農業の体質強化を図るための戦略の一つとして、先ほど議員が述べられましたように、新規就農の増大と農地集積を推進する行動計画を策定し、本計画に基づいた予算要求の概要を明らかにしたところでございます。
 その内容は、青年の就農意欲の喚起と就農後の定着を図る新規就農者確保事業においては、就農前の研修期間の2年以内と独立・自立就農で経営が不安定な就農直後の5年以内の所得を確保する給付金として、年間150万円が就農者に交付されるものでございます。また、地域の中心となる経営体への農地の連担化を図る農地集積協力金につきましては、農地集積に協力する土地所有者に対し、面積に応じて段階的に協力金が交付されるものでございます。交付要件としては、いずれの事業も、地域で徹底した話し合いにより作成する地域農業マスタープランに位置づけされた自営就農者や経営体であることが条件となっております。このほかにも交付要件は幾つか定められておりますので、詳細な事業内容が定まり次第、農林振興センターや農業団体などと連携を図り、また、地域の皆様と協議を重ねまして、新たな支援制度を積極的に活用し、地域の中心となる経営体の競争力、体質強化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、農業共済事業の加入実態並びに加入失格対策について申し上げます。
 このことにつきましては、農業災害補償法に基づく農業共済事業のうち、建物共済の加入に当たって、国が定めた加入資格基準を厳格に守るよう指導があったもので、契約更新できなくなるなど、大変深刻な問題であると受けとめております。
 砺波広域圏の建物共済加入状況につきましては、平成22年度末で約1万2,000件であり、このうち無資格者と見込まれるものが約8,000件余りでございます。現在、農業共済センターでは、加入資格の適正化に関する地区説明会を順次開催され、制度への理解を求めておられるところでございます。
 今後の対応といたしましては、地域農業の現状と現場の声を国にしっかりと伝えるとともに、制度改正を含め、基準見直しの必要性を県内農業共済関係機関と協議、連携し、対応してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 齊藤和芳君。
  〔建設水道部長 齊藤和芳君 登壇〕

◯建設水道部長(齊藤和芳君) 私からは、2の下水道対策についての北部地域の下水道整備進捗状況並びに整備計画についてお答えいたします。
 議員が述べられましたとおり、北部地域の下水道計画につきましては、庄川左岸の下水道未整備地域は現計画を踏まえて、特定環境保全公共下水道事業として整備することが望ましいとの砺波市下水道検討委員会からの意見書を踏まえ、集合処理に必要となる新たな流域下水道幹線の整備に向けて隣接市との調整並びに富山県に要望を行ってきたところでございます。
 お尋ねの砺波北部地域の下水道事業の進捗状況につきましては、現在、概ね5年程度で整備を行う次期整備区域の範囲について県と鋭意協議を行っているところでございます。また、並行して、小矢部川流域下水道の新たな幹線整備の認可に向け、県と国土交通省との間で協議が進められており、当市としても、速やかに事業認可がなされ、先般、県知事からの発言があったとおり、早期に事業着手されるよう要望を継続してまいりたいと存じます。
 次に、今後の整備計画についてでございますが、流域下水道幹線事業の認可がおり、県においても着手ということになれば、まず、流域下水道の新たな幹線ルートの調査設計業務が行われ、新たな2ルートのうち、高岡市側のルートが先行されるものと推察いたしております。調査設計に続く幹線整備工事については、下流の区間から開始し、順次上流に向けて進められるものと考えております。また、当市が実施する特定環境保全公共下水道の整備計画につきましては、整備された流域下水道幹線の沿線を中心に家屋が密集した地域の枝線管渠を整備することで事業効果が上がるものと考えております。
 市といたしましては、より効果的、経済的な整備が可能となるよう、引き続き隣接市及び県と調整を図りながら、早期の整備に向け取り組みを進めてまいりたいと思います。
 議員各位、とりわけ関係地域の議員の方々には、今後、何かと御相談申し上げることがあるかと存じますが、特段の御支援を賜りますようお願い申し上げまして、答弁といたします。

◯議長(稲垣 修君) 8番 村岡修一君。
  〔8番 村岡修一君 登壇〕

◯8番(村岡修一君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、市政一般について質問をいたします。
 最初に、砺波市総合計画後期基本計画についてお尋ねをいたします。
 平成16年11月に、旧庄川町と旧砺波市が合併をしてはや7年の歳月が過ぎました。その後、本市の将来を展望し、平成19年度を初年度に、新たな砺波市まちづくりの羅針盤として新砺波市総合計画第1次砺波市総合計画が策定されました。少子高齢化が進行する中での人口減少問題や社会環境の変化があります。身近では、市民の意識や価値観が多様化し、幅広い市民参加による行政運営が強く求められてきています。こうしたことを受け、「庄川と散居に広がる 健康フラワー都市」を将来像に掲げ、それぞれ7つの市民憲章をまちづくりの基本理念として定め、前期の5カ年が過ぎようとしています。
 平成24年度から平成28年度までの総合計画後期基本計画については、既に素案が提起され、本年7月開催の全員協議会や本定例会初日の全員協議会で説明を受けたところであります。
 そこで、計画策定に関連して、私なりに感じている幾つかの課題について、以下、質問をさせていただきたいと思います。基本計画の5つの施策体系は、1、笑顔があふれる福祉のまちづくり、2、「人」と「心」を育むまちづくり、3、庄川と散居に広がる快適なまちづくり、4、魅力ある産業が発展するまちづくり、5、市民と行政が協働するまちづくりを基本理念として定義され、基本計画が策定されています。
 まず、笑顔があふれる福祉のまちづくりについて、ここでの課題として、福祉と子育て育成について重要課題に取り上げさせていただきました。行政としても喫緊の課題であると認識をいたしております。
 まず、福祉問題についてお伺いをいたします。
 おかげさまで、地域連携による福祉活動も各地区での説明会やボランティア活動の推進等、成果を上げてきていると感じておりますが、高齢化社会を迎える今日、要介護者や重度の要介護者を受け入れるための施設の建設は容易でない中で、今後、政策的にこれらの課題についてどのような取り組みを検討されているのか、お尋ねをいたします。
 また、国の動向も不透明で、幼保一体運営や保育所、幼稚園の耐震化計画も急務と思いますが、現時点でどのような考えや計画をお持ちでしょうか、お尋ねをいたします。
 次に、「人」と「心」を育むまちづくりについて。
 まず、将来的に市内小中学校の児童数の動向が大変気になるところであります。先日、説明を受けました出町中学校耐震改修構想の概要では、今後、児童数の増加を見込み設計されているとのことでしたが、大変うらやましい限りでございます。なぜならば、私の地域にある庄東小学校や般若中学校では、年々児童数が減少してきており、集会や会合のたびに市民の方から危惧する意見が大変多く出ます。後々後悔することのないように早急な対策が必要と思われますが、どのような考えをお持ちでしょうか、お尋ねをいたします。
 また、文教ゾーンの整備に伴う図書館機能の充実を目的に、新砺波市図書館の建設について検討されていると思いますが、先の出町中学校耐震改修事業設計概要に対する説明の中でも、新たな視点で図書館建設に対する取り組みが急務と考えられますが、現状についてお聞かせください。
 次に、庄川と散居に広がる快適なまちづくりについて。
 全国的に有名な220平方キロメートルに及ぶ散居村を後世に引き継ぐための景観計画作業については、今年度内策定を目標に、現在、第2回目の地区説明会が順次開催されているところでありますが、地元説明会でも意見があったように、今、なぜ景観計画、保全が必要なのか、市民には説明が不十分ではないでしょうか。市民に理解と協力をいただけるよう、いま一度、説明姿勢が必要と思われます。また、関係する設計業者や建築業者、左官業者などからきめ細かな意見を拝聴していかなければならないと思いますが、どのように集約されているのか、お聞かせください。
 次に、花とまちづくりについてお尋ねします。
 幸いにも、このたび、特産のチューリップ技術の向上を図る目的で、先日、職員の方がオランダへ研修に行くことが報道されていました。県花の花であり、砺波市を代表するチューリップの球根生産と後継者育成は重要な課題であります。昨年から、初めての取り組みとして導入された球根生産者への補助金事業も2年目の今年度は、現時点では申請者はゼロという報道記事を目にしました。現実と受けとめながらも、放置するわけにはいきません。直ちに次なる施策を打ち出すべきと考えます。施設的に恵まれた花総合センター施設を有効活用し、後継者育成に向けた思い切った助成制度などを検討して、専門学生などを募集するなど、安心してチューリップ生産に集中できる、将来的に専念できる環境の整備が必要であると思うものですが、どのように検討されているのか、考えをお聞かせください。
 また、先の東日本大震災を教訓に、今後の自然災害発生時での情報提供は生命を守る上での大変重要な設備と考えるものですが、いざというときの措置として、消防救急無線通信システムのデジタル化も急務と思われますが、考えをお聞かせください。
 次に、魅力ある産業が発展するまちづくりについて。
 長引く景気低迷と急激な円高傾向の中で、主力である自動車産業を中心に国内から海外へ生産シフトを移管する動きが表面化してきています。当市にあるパナソニックセミコンダクター社の半導体事業における人員削減や工場再編問題については、現時点では具体的な内容は明らかになっていませんが、今後の動向を注視していかなければなりません。また、政府のTPP加盟表明による今後の農業政策や医療分野への影響も大変気になるところであります。
 こうした中で、当市発展のキーワードは企業誘致ではないかと思うものです。おかげさまで、当市は他市に比べ交通の要所でもあり、東海北陸自動車道や今後、建設が予定されている(仮称)高岡砺波スマートインターチェンジも誘致条件が恵まれていると思うものです。観光と産業を連動することで、将来的には大きな期待が持てることになるものと確信するものであります。
 そこで、地域産業の発展と活性化を図るために、特別委員会でも指摘をいたしましたが、各種セミナーへの参加も大変重要でありますが、収集した情報をもとに積極的に孫請や下請関連企業へのアタックも必要ではないでしょうか。また、企業誘致に向け、市長として、大胆に新たな交通の利点を重視した企業団地の新設地を検討することも必要と考えるものですが、いかがでしょうか、お聞かせください。
 また、先にも触れましたが、昨年開始した特産のチューリップ球根生産者補助事業内容は、期間を2年間とし、1年目は5ヘクタールの作付に対し補助金35万円を、2年目はさらに33万円を補助する内容となっていますが、今年度は、現在のところ申請者はゼロで、大変残念であります。この際、補助事業金を思い切って100万円にするなど、魅力ある生産者育成に力を注ぐ手法も必要と思われますが、いかがでしょうか、お聞かせください。
 また、観光問題について、これまで、観光戦略室の設置や名古屋事務所の開設など、徐々に成果は出てきていますが、観光地の一つである夢の平展望台建設を中心に、四季を通して散居村を眺望していただく観光客誘致に取り組みを強化されてはいかがでしょうか。市内には観光名所がたくさん存在しています。県外からの観光客を誘致するなど、積極的な施策も必要と思いますが、当局の考えをお聞かせください。
 次に、市民と行政が協働するまちづくりについてお尋ねします。
 広域圏関連事項が今後、大きな課題だと思うものであります。まず、となみクリーンセンターの改修問題や将来的な高齢化社会での医療、福祉、介護の連携体制や施設の有効利用など、今後、真剣な議論が必要と思われます。
 まず、クリーンセンターの改修では、多額の資金と市民の理解が必要であると思います。
 医療、福祉、介護の連携体制や施設の有効利用では、南砺市と小矢部市を含めた3市でそれぞれ病院施設を保有していますが、中核病院である砺波総合病院を軸に、患者に応じた病院医療体制を早急に確立することが市民に安全・安心を提供できる行政としての最大の責務と考えるものですが、いかがでしょうか。行政トップの市長さん同士での協議の場が急がれるのではないでしょうか。上田市長さんの考えをお聞かせください。
 最後に、今後も厳しい行政運営が続くものと思われますが、これまで3年間の実績と経験を踏まえ、将来的な新市構想について考えをお聞かせください。
 次に、教育問題についてお尋ねをいたします。
 先の中学校の学習指導要領の改訂に伴い、平成24年度から武道が必修化となります。改訂に伴い、文部科学省では、これまで保健体育ではソフトボールとダンスが必修科目でしたが、来年度からは、男女とも全員を対象に履修が義務づけられることになりました。これまでは保健体育の標準授業時間数は90時間でしたが、今回の改訂に伴って、授業時間数は15時間多い105時間となりました。
 そこで、市内4中学校における武道教育の必修化に伴う指導者の配置など、どのように検討されているのか、お答えください。
 また、近年、新エネルギーの取り組みとして注目されている太陽光発電設備についてお尋ねをしたいと思います。
 地震や大災害時から、児童生徒の身を守る観点から、学校施設の耐震化改修事業が順次進められているところであり、感謝しております。そこで、議員会でも、新エネルギーへの知識を高めるため、先般、志賀原子力発電所や同施設内の太陽光発電施設を視察してきました。注目の太陽光発電については、気候条件から、北陸地方では年間約40日間程度の受光日とのことでした。
 そこで、お尋ねをいたしますが、このたびの設計概要説明で、出町中学校に20キロワット設備が計画されています。私の記憶では、これまで東部小学校と北部小学校の耐震化改修工事では、それぞれ10キロワットと20キロワットの太陽光設備が既に設置済みでありますが、同規模タイプが適当と素人的に思うものですが、改修当時、国からの補助金との兼ね合いによる理由でそれぞれ違うと伺っていますが、なぜ違うのか。学校ごとで年間使用電力量が違う理由なのか、あるいは学校側からの強い要望で違うのか、お聞かせください。
 最後に、入札制度についてお尋ねをいたします。
 市内の公共工事の入札及び契約、とりわけ学校耐震改修事業での入札に関し、これまで物議を引き起こしています。以前には、砺波東部小学校建設にかかわる入札業者選定やこのたびの砺波北部小学校耐震改修工事での型枠業者不足による工事の遅れなど、市民から厳しい意見も出ていることは存じているところであります。なぜなのか。今回の砺波北部小学校耐震改修工事では、業者の一方的な理由で契約事項が守られず、市民や児童たちに迷惑をかけていることと思います。このような事態は常識的には全く考えられない理由ではないでしょうか。その後、当委員会の所管事項でもあり、心配になって状況を確認いたしたところ、小学校教育の最後となる6年生については、卒業前の数日間、新校舎で授業が受けられるとの報告を聞き、少し安堵しているところであります。業者には、約束事が履行できないということは違反であり、入札停止やペナルティーが科せられても当然のことと思います。
 このような背景には、長引く景気低迷の中で、建設、土建業界の仕事量が以前に比較して極端に減少していることから、発注の際には、できるだけ市内の業者を選定するようにとこれまで提言してきましたが、いざ公共工事の入札となると、工事規模や建築物によって受注する業者もおのずと限定されることから大変難しい問題であるとの認識で今日まで状況を見てきました。
 そこで、現在の入札制度にかかわる課題について幾つかお尋ねをいたします。
 第1点目は、予定価格の算出についてお尋ねします。
 第2点目は、公共工事では、多くがJV(共同企業体)として受注業者が決定していますが、2社のうち1社が資本金など小さな有限会社や事業実績では過去に事例もなく、業者間での話し合いによる共同参画と思うものですが、今回のように契約事項が履行されない場合の責任問題についてどのように対処されていくのか。また、最近の落札率についても、資料では平均で97%以上と高く、いま一度精査、検討するべきではないかと思いますがいかがでしょうか。
 第3点目に、入札決定後、途中辞退での契約金支払いについて、現在、どの程度の契約金を支払いされているのか、お答えください。
 いずれにしても、法的には問題はないものと考えられますが、今後、出町中学校の入札もあり、これを機にクリーンで、明白な入札制度が実施されますよう行政に期待して、私の質問を終わります。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 村岡議員の総合計画後期基本計画についてのうち、新砺波図書館建設構想についてを除く御質問にお答えをいたします。
 まず、1点目の笑顔があふれる福祉のまちづくりでの課題についての福祉施設と今後の幼保一体運営、耐震化計画についてお答えをいたします。
 まず、重度の要介護者に対する取り組みの検討についてでございますが、現在の介護保険制度は平成12年度に始まり、その後、3年ごとに介護サービスのあり方について見直しが行われてきたところであります。現在、砺波地方介護保険組合でも、平成24年度から3年間を計画期間といたします第5期介護保険事業計画の策定作業が行われているところでございます。国の介護保険施策の見直しに関しましては、平成18年度以降、介護療養型病床の廃止や介護報酬の加算措置、介護予防施策の導入などについて、施設介護から在宅介護へ移行しておりまして、議員御指摘のとおり、今後の介護給付や保険料等の負担を考えますと、介護施設の新たな整備は容易ではありません。
 このような状況で多くの方が、将来、介護や医療が必要となった場合、環境が整えば、できるだけ自宅で暮らし続けたいと答えられている調査もあることから、今後の高齢化がさらに進み、要介護者が増える中で、医療、介護、保健、福祉が一体となって在宅サービスを提供できる地域包括ケア体制の構築が大変重要となっております。
 そこで、市では、住みなれた地域で住み続けることのできる体制の整備に向けまして、地域医療・福祉を考える会において、医療、介護、保健、福祉、それぞれの立場から在宅での生活を支える体制について意見をお聞きしているところであり、その意見を参考に具体的に施策を検討し、地域包括ケア体制を進めてまいりたいと考えております。
 次に、幼保一体運営についてでございますが、国のほうでは少しずつ議論が深まり、具体化に向けた検討が進められているものの、保育所や幼稚園は現行のままの所管として、幼保一体化した総合施設については内閣府で所管するので、いまだに揺れ動いております。また、施設整備の財源等についても全く不透明な状況にあります。
 砺波市としては、この国の動向をよく見極めながら、昨年度開催されたあり方懇談会を受けて、教育委員会内部で来年度に向け、保育所の3歳未満児の受け入れを増やすための工夫や幼稚園における土曜日や夏期などの長期休業期間中の拠点保育の場所の増設などについて具現化に努めたいと考えております。
 次に、保育所や幼稚園の耐震化の計画についての御質問ですが、保育所、幼稚園においても後期計画の後半、平成27年度において、耐震調査を必要とする鉄筋コンクリート2階建ての4カ所の出町、鷹栖、油田、東山見保育所について耐震診断を予定したいと考えております。その後、その結果を踏まえまして、学校施設の耐震改修事業の進捗を勘案しながら、保育所、幼稚園の耐震改修事業の実施時期について検討して、合併特例債等の財源確保にも努めたいと考えております。
 次に、2点目の「人」と「心」を育むまちづくりでの課題についての児童数の減少対策についてでございますが、まず、市内の小中学校の児童生徒数の今後の推移につきましては、市内全体では、小学校は本年度3,049人をピークに減少し、中学校では平成26年度の1,589人をピークに減少していくと見込んでおります。その中で庄東小学校では、平成13年度から10年間では約80名減少しましたが、今後の6年間では約5名の減少であり、般若中学校では、平成13年度から10年間で約90名減少いたしましたが、今後6年間では約10名の増加が見込まれ、減少の幅は緩やかになっていくものと考えております。
 議員御心配のとおり、小中学校の児童生徒数の減少は、地域人口構成に隔たりが生じ、地域行事に大きな影響を及ぼすものと考えております。現在、社会経済情勢は大変厳しい環境にありますが、庄東地区では、国道359号砺波東バイパスの事業が進行するにつれて、スマートインターチェンジの設置も踏まえ、民間での事業拡大の意向があることも伺っております。このような社会的環境の変化が人口の社会増及び児童生徒数の増加につながってくれることを期待いたしておるところでございます。
 なお、一人一人に対するきめ細やかな指導、庄東地区の自然や史跡等を生かした活動、教職員間の連携が密になるなど、大規模校にはない小規模校なりのよさ、メリットがあることを考えており、これらを最大限に生かした教育の取り組みは期待できるところでありますので、地区の皆様の温かい御支援、御協力をお願いいたしたいと思います。
 次、3点目の庄川と散居に広がる快適なまちづくりでの課題についてのうち、景観計画策定に対する関係業者の意見集約についてでございますが、市民への説明が不十分ではとの御指摘でございますが、砺波市はこれまで散居景観保全の取り組みとして、昭和58年4月から砺波散村地域研究所が散居村の研究機関として、平成18年6月にはとなみ散居村ミュージアム、散居景観の保全や砺波地方の伝統文化を全国に発信する拠点施設として、それぞれ開設をしてまいりました。また、平成18年度から平成20年度までの3カ年間で、散村文化的景観保護推進事業を実施し、景観の特性、成り立ちなどをまとめ、住民アンケート調査の結果を踏まえ、市民への保全への思いや意見を確認するため各地区で説明し、散居村を守ることの認識をいただいたものと考えております。
 現在、各地区において、景観計画に関する2回目の説明を行っておりますが、本年2月から3月にかけて行った1回目の説明会やパブリックコメントの御意見等を踏まえ、緩やかな形成基準とする概要を説明しているところであります。この間、広報となみ、コミュニティテレビ、FMとなみなど各種広報媒体を活用して、市民へのPRに努めてまいりたいと考えております。
 このほか関係する各事業者との説明につきましては、現在、地区説明会と並行して、商工団体や建設業協会など関係する諸団体への説明を行い、御意見をお聞きしているところであります。今後、各方面への出前講座などにより、市民意識の向上に努め、皆様方の御理解と御協力のもと、計画の実施が図られるよう進めてまいります。
 世界遺産の審査に当たる国際的機関のICOMOSの委員は、五箇山の合掌集落への道すがら、日本最大級と言われる砺波平野の散居村の景観を見て、これこそ世界遺産に匹敵すると感嘆したとも言われております。これだけすばらしい散居景観を初めとする本市の良好な景観の保全意識を市民一人一人が持っていただくことが重要であり、今後、さらに各界、各層の御意見を参考として、計画の最終案を取りまとめてまいりたいと考えております。
 次に、特産物の生産に係る後継者育成問題と消防救急無線システムのデジタル化についてでございますが、関連がありますので、特産物の生産に係る後継者育成問題と次の項目の魅力ある産業が発展するまちづくりでの課題についてのうち、チューリップ球根生産者への補助事業費についてあわせてお答えをいたします。
 砺波市の特産物であるチューリップの球根につきましては、年々、生産者や生産面積が減少しております。このことに歯どめをかけるために、昨年度、関係機関と協議を重ね、市独自の事業として、チューリップ球根新規生産振興モデル事業を設けたところ、1組織、1個人の申請がありました。
 本年度も新規生産者を開拓すべく市内の認定農業者や集落営農組織、大規模受託組織、これまで球根生産していた農家などの皆さんに新規生産への働きかけを積極的に行ってまいりましたが、技術の伝承できる後継者不足や土壌の適性などの理由で、残念ながら、今年は申請がありませんでした。
 一方、取り組み2年目となる申請者は、指導のたくみのもと、それぞれ予定面積を大きく上回る20アールの植えつけが行われ、計40アールの受け付けとなり、一定の成果があったものと思っております。チューリップ球根生産における現在の課題は幾つかありますが、その1つして、連作ができないことから、作付圃場の確保が重要であります。2つ目は、労働力の確保。機械化が進められたとはいえ、一時期に人出が集中することが挙げられます。3つ目には、農外就労の機会に恵まれたことから、ほとんどの生産農家が兼業農家で、若い後継者が引き継ぐことができなかったことなどによる後継者不足であります。
 御提案のとおり、若い後継者育成に学生の募集や思い切った助成制度も必要であると考えますが、新規生産者の育成につきましては、圃場の確保が容易で、人出がある集落営農組織など地域農業に携わる人材を中心に、継続的な取り組みに継続的に支援することで球根生産者として育成に努めていくことは最も重要でないかと思っております。今後とも砺波のチューリップを守り続けていくには、農業経営として成り立ち、魅力を感じるものでなければならないと思っております。
 戸別所得補償制度の産地資金を初め、ウイルス対策や土づくり等の生産振興、品種の更新、機械設備等への支援を県や市が一体となって行うほか、今後は既存の生産農家の規模拡大に対する支援も検討してまいりたいと考えております。円高や集約型農業など、チューリップを取り巻く環境は極めて厳しい状況にありますが、90有余年の歴史と伝統を誇る砺波チューリップの球根を守り、卓越した栽培技術を後世に伝承していくためにも、チューリップのまち砺波市として、生産者を初め、県や県花卉球根組合などの関係機関と協議検討を重ね、引き続き、粘り強く新たな生産者発掘、育成、生産振興に努めてまいりたいと、このように思っております。
 いずれにしろ、本当にチューリップの球根栽培に熱意を持ってもらうことが一番大事で、助成制度で一時的に生産をやってもらっても継続性がない。このことを私どもはよく考えて、実効性ある予算の使い方をしていかなければならないと、このように思っておりまして、そのためには生産農家も球根組合も県も市も一体になって、そういう人の発掘に努めていかなければならないと、このように思っておりますので、なかなか難しい課題でございますが、議員の皆さん方も砺波市の市議会議員として、今後、一層御支援を賜りたいと、このことを私からも切にお願い申し上げたいと思います。
 次に、消防救急無線システムのデジタル化についてでございますが、消防救急無線は大規模災害発生時において、県内を初め、全国各地から出動した緊急消防援助隊との情報伝達を図るためにも必要な通信設備であり、大容量の、大きな容量の情報が伝達できることや通信の秘匿性が保たれることなどのメリットから、平成28年5月31日までにデジタル化に移行しなければならないことになっております。無線システムのデジタル化に当たりましては、共通波に係るものについては、富山県を1ブロックとした協同整備を行うことが国の補助要件であることから、富山県及び県内各消防本部が連携した対応を図るとともに、平成23年5月に富山県消防救急無線デジタル化の協議会を設けまして、協議を進めております。
 そこで、同協議会の運用開始までのスケジュール案といたしましては、平成24年度中に基本設計を、平成25年度に実施設計を、平成26年度から平成28年5月までの間に無線の整備工事等を実施し、同年6月からの運用開始を目指すものといたしております。
 砺波市といたしましては、砺波地域の消防組合の構成市として当該整備に協力するとともに、砺波地域消防組合消防本部と砺波市消防団との情報連携の強化を図るため、当該デジタル化に合わせて消防団の消防無線デジタル化を図りたいと考えております。
 次に、4点目に、魅力ある産業が発展するまちづくりでの課題についての新たな企業誘致に向けた新設地についてでございますが、当市の立地環境は、議員御質問のとおり、基幹的高速網や日常生活網が充実しており、都市圏との距離も東海北陸自動車道全線開通を初め、今後、北陸自動車道の新インターの整備や北陸新幹線の開業により利便性が飛躍的に向上するものであります。こうした中において、企業誘致のPRにつきましては、当面は中京方面を重点に進めてまいりたいと思っております。また、市内企業の関連企業などに対しましては、利便性がよいなど、立地環境と魅力を積極的にPRするため、私自身が関東や関西など都市圏へ出向き、企業訪問をしてまいりたいと考えております。
 新たな企業団地の造成につきましては、歴史的な円高などによる企業利益が減少する中において、団地の造成とそのランニングコストに巨額な費用を伴うリスクがあることや近隣市の立地状況を見ても、財政負担を伴う企業団地の造成につきましては慎重に対応してまいりたいと、このように思っております。
 次に、夢の平展望台のアクセス道路の道路計画についてでございますが、まず、夢の平展望施設につきましては、今年度の事業におきまして、砺波平野を一望できる観光スポットとして、既存の展望台の補修を含む改善、鉢伏山の山頂及び展望広場の休憩機能を備えた施設や双眼鏡、案内看板の設置、大型駐車場の整備など3カ所の整備に取り組み、先月末に完成したところであります。
 今回整備した鉢伏山頂の展望施設は、砺波平野だけでなく、天候によっては、富山湾や能登半島まで見渡すことができる全国に誇れる眺望のよいスポットとして認識をいたしております。この展望施設からの景観場所が観光の名所と言われ、1人でも多くの観光客や市民の皆さんに知っていただき、訪れていただけるような情報発信をしてまいりたいと考えております。
 県内外の観光客の誘致活動に向けまして、この観光スポットを初め、増山城跡や庄川峡、庄川温泉郷、庄川遊覧船など観光資源を結びつけるとともに、誘客につながるようなメディアの関係者や旅行業の関係者などを招聘するなど、幅広くPR活動に努めてまいりたいと考えております。
 また、夢の平展望台のアクセス道路は一般県道山田湯谷線で、当市の観光ルートとしては重要な路線でありますが、幅員が狭く、車同士のすれ違いが難しいところや急カーブが多いことから、毎年、道路管理者である県へ急カーブの改良や道路の拡幅並びに待避所等の整備を要望してまいりました。この結果、今年度は、県では庄川町隠尾地内において、待避所及び路肩拡幅等の整備のための現地測量が行われたところであり、市としても、地元との調整に協力しながら、早期工事の着手を目指しているところでございます。今後とも、砺波市といたしましては、引き続き県に対しまして未整備区間の整備について強く要望してまいりたいと思っております。
 また、県道から鉢伏山頂の展望施設のアクセスにつきましては、山頂での駐車スペースの確保が困難であることやアクセス道路の整備には多額の費用が必要になることから、車を使ったアクセスは難しいと考えております。鉢伏山頂へは車のほか、スキー場のリフトの利用や徒歩を併用してアクセスしていただきたいと考えております。
 次に、5点目のうち、市民と行政が協働するまちづくりでの課題についてのうち、クリーンセンター改修計画と新たな病院医療体制についてでございますが、クリーンセンターとなみは平成3年1月に稼働し、20年が経過しており、今後10年の間に新しい施設を整備することが必要であると思っております。一方、南砺市における南砺リサイクルセンターも築後15年が経過して老朽化が進んでいることや、そこで製造されている固形燃料の引き取り相手が先細りであることなどから、現在、砺波広域圏におきまして経済性、効率性を考え、両市で統合処理を行うこととし、圏域内に新しい施設を1カ所整備するという考え方が示されております。
 次に、今後の医療につきましては、砺波医療圏を構成する3市により、砺波医療圏の地域医療の現状と課題を明確化し、その具体策を提示することを目的に平成21年10月に砺波医療圏地域医療検討会を設置しました。昨年3月には救急医療体制のあり方についての中間報告を行い、現在、各委員から提出された10年後のビジョンについて取りまとめを行っているところであります。
 次に、新市の構想についてでございますが、来年度は砺波市総合計画後期計画がスタートいたします。まさにこれが新たな市政運営の基本構想でありまして、市民が地域に誇りを持ち、住みよさを実感できるまちづくりのために、砺波らしさ、あるいは砺波型といった独自性を打ち出すことが肝要であり、砺波らしさを最大限に生かした施策が最重点課題と掲げ、基本計画や実施計画を策定したものであります。
 議員も述べられました、当面、厳しい行財政運営を強いられることが予測される中、先行きは大変不透明であり、これほど予見性に乏しい時代はかつてなかったと感じております。そのような中で、まちづくりの根幹をなすのは、地域が持つ固有の資源とそこでさまざまな形で暮らす人々の底力の発揮だと常々感じているわけでありまして、先ほど申し上げましたように、砺波らしさを最大限生かした施策を着実に進めることによって、「人が輝く活力あふれる砺波」の実現に努めたいと考えているところでございます。
 私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては副市長並びに教育長並びに担当部局長からお答えをいたします。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋博君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 入札制度に係る諸問題についての4つの御質問にお答えいたします。
 まず、予定価格の算出方法についてでございます。
 当市では、県が定めた土木工事標準積算基準等に基づきまして、適正に設計された工事の設計金額に対しまして、若干の裁量を加えて予定価格を定めております。なお、この裁量部分につきましては、平成25年度での完全廃止に向けまして、段階的な縮小を進めているところでございます。
 次に、共同企業体としての責任問題についてでございます。
 現在、市が発注する建設工事のうち、設計金額が概ね1億円を超える工事につきましては、共同企業体を対象として、条件つき一般競争入札を実施いたしております。
 なお、共同企業体の結成につきましては、国土交通省の共同企業体運用準則に準拠いたしまして、構成企業の出資割合に応じて資金、人員、機械等を拠出する共同施工方式の特定建設工事共同企業体とし、代表構成員は入札参加資格者名簿の対象工種における最上位の等級の企業、その他構成員は同工種の第2等級、または最上級等級以外の等級の企業で構成するとしております。
 この場合の共同企業体としての責任の所在につきましては、共同企業体を結成する際の協定書において連帯責任であることを明記しておりまして、代表構成員を中心として、ともに責任を負うということになってございます。
 次に、最近の落札率件数についてでございます。
 本年11月末までの全工種の平均落札率は約94%でありまして、そのうち建設工事の平均落札率は、御指摘のとおり、約97%となっております。このことは、発注する工事業種ごとに設計積算方法が異なること、あるいは工事の発注時期、また、冒頭に申し上げましたような予定価格の設定方法、さらには落札業者の受注意欲などによって落札率にばらつきが出ているものと考えておりまして、現段階で落札率の観点から入札制度について特に精査、検討をする必要はないのではないかと考えております。
 次に、落札決定後、途中での契約辞退での契約金支払いについてでございます。
 落札決定後から契約締結までの間における辞退につきましては、契約辞退の取り扱いといたしております。この場合はまだ契約を締結しておりませんので、契約金や違約金等については発生いたしません。ただ、契約辞退につきましては、入札事務に混乱を来すような不誠実な行為であると、このような判断から、当該企業に対し指名停止等の措置を行っております。
 一方、契約締結後の辞退につきましては、契約解除の取り扱いといたしておりまして、契約解除時点までの工事等の出来高に合わせまして請負代金を支払うことになります。また、この場合において、請負者の責めによる契約解除の場合には、請負契約約款に基づきまして、請負代金の2割を違約金として市へ払わなければならないこととなっております。
 なお、この際、あわせて申し上げますが、砺波北部小学校既設校舎改修、地域開放ホール新築工事の建築主体工事における工期の延期につきましては、地域開放ホール建設場所の支持基盤の強度不足が判明したことにより、地盤改良工事が必要となったことが主な原因であります。御指摘の理由による工期延期の申し出につきましては認めなかったものであることを申し添えさせていただきます。
 私からは以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 村岡議員御質問の新砺波図書館の建設構想についてお答えをいたします。
 議員も御存じのように、現在の砺波図書館は昭和48年5月に開館したものでございます。建築後38年を経過しております。この間、蔵書及び資料の増加や利用者ニーズの変化に対応するため、厳しい財政状況の中でも、エレベーターの設置や空調設備の更新などの施設の改修や本棚の増設、設置場所の変更を行うなど、利用しやすい環境づくりに努めて、現在に至っていることをまず御理解いただきたいと思っております。
 さて、最近の近県や東日本大震災の発生などによりまして、砺波市としましては、小中学校の耐震改修事業を最優先課題として取り組んでおり、現在工事中の学校も含めますと、5つの小中学校の耐震改修を平成27年度までに終える予定としております。そうした状況の中で、砺波図書館につきましては、出町中学校耐震改修の基本設計に係る推進協議会の皆さんからも、図書館を含めた周辺の施設のあり方についていろいろと御意見をいただいたところでございます。
 新図書館の建設につきましては、現在策定中の総合計画後期計画の中で検討される予定となっております。つきましては、さらに広く市民の皆さんの希望や意見を聞きながら、子どもたちから高齢者や身体に障害のある人たちなどのだれもが入りやすく、集まり、訪れることのできる地域の情報拠点となるような機能を備えました新図書館について、今後、教育委員会で調査研究を進めることとしておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、項目2、教育問題についての1番目、学習指導要領の改訂に伴う武道導入への対応についてお答えをいたします。
 平成24年度から実施されます中学校の新学習指導要領による武道への取り組みにつきましては、市内の4中学校それぞれ、これまでの武道の履修経過や伝統などを考慮し、柔道を選択履修する中学校が2校、剣道を選択履修する中学校が2校の予定となっております。施設等の設備につきましては、各中学校が使用する武道場があり、柔道の畳の入れかえや剣道防具の整備等、充実に努めているところでございます。
 また、指導につきましては、原則保健体育科の教員が指導に当たることになります。中には武道の専門でない教員もおりますけれども、これまで選択授業で武道の指導を行うなど経験が十分あり、指導力は備わっているものと考えておりますが、さらに、指導に支障が出てこないよう人事異動等に配慮するとともに、必要な場合の外部指導者の派遣や研修の充実につきましても県の教育委員会へ要望していきたいと考えております。
 いずれにいたしましても、武道は、保健体育科の他の種目に比べて危険性が高い種目であります。指導に当たりましては、事前に生徒の健康状態の把握、指導中の体調に気を配ることや生徒の発達段階に応じた指導を行うなど、安全確保に十分な配慮がされるよう各学校へ指導していきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 教育委員会事務局長 白江秋広君。
  〔教育委員会事務局長 白江秋広君 登壇〕

◯教育委員会事務局長(白江秋広君) 私からは、教育問題のうち、学校に設置している太陽光発電設備の発電容量についての質問にお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、砺波東部小学校では10キロワット、砺波北部小学校では20キロワットで整備を行い、今後、整備予定の出町中学校では20キロワットの太陽光発電設備を計画いたしております。
 文部科学省のほうでは、環境にやさしい学校づくり、エコスクールの整備を推進しており、当市においても、平成18年度に砺波東部小学校において、文部科学省のエコスクールパイロットモデル事業の指定を受けまして、10キロワットの太陽光発電設備の導入に取り組んだところであります。その当時の学校における太陽光発電の設備容量につきましては10キロワット、または20キロワットが多く見られたわけでございますけれども、砺波市としては、その設置趣旨が環境教育への活用を主眼としたものであり、費用対効果を勘案し、10キロワットとしたものであります。
 その後、平成21年度に、文部科学省が新たに太陽光発電設備導入事業を補助メニューに導入するなど、国際的な環境政策の中で、二酸化炭素の排出量の抑制をするため、新エネルギーの活用をさらに促進することとなった情勢にかんがみ、砺波北部小学校で20キロワットの設備を導入いたしたものであります。また、出町中学校においても、同様な理由から、補助事業を活用しながら同じ20キロワットで整備することといたしたところであります。
 20キロワットの設備であっても、学校で使用する電力の一部しか賄えませんけれども、エコの時代に即応した環境教育の観点からも、今後の耐震改修事業等におきまして、設置可能なスペースや補助金の限度額、市の負担割合を勘案しながら導入を図ってまいりたいと考えております。
 私からは以上であります。

◯議長(稲垣 修君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時43分 休憩

 午後 1時00分 再開

◯議長(稲垣 修君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 5番 川岸 勇君。
  〔5番 川岸 勇君 登壇〕

◯5番(川岸 勇君) 市政一般について、通告書に基づき、以下、4項目の質問をさせていただきます。
 まず、1点目の質問は、平成24年度予算等に係る市当局の指針等についてお尋ねするものであります。
 新砺波市が誕生してはや7年、平成18年度に策定したまちづくりの羅針盤ともいえる砺波市総合計画のもと、砺波市は着実な歩みを続けてまいりましたが、この計画も来年度からは後期5カ年計画に入り、仕上げの年を迎えます。
 しかしながら、ここ数年、政治経済をめぐる情勢は中近東の政治不安、EU傘下の国家財政破綻による世界経済の低迷、デフレ、円高、原油高が一段と進行し、地方経済財政にも一段と厳しい影を投げかけています。
 平成22年度決算から見た砺波市の財政に見られるとおり、ここ数年、歳入に占める市税等自主財源の割合が年々低下し43%まで低下するなど、また、歳出面においては、少子高齢化時代を反映し、人件費、扶助費、公債費等の義務的経費が42%まで増加するなど、財政基盤強化に向けた取り組みが一層重要となっています。
 このように市財政が厳しさを増す中にあって、来年度予算に当たって、どのような指針に立ち、具体的にどのような施策を重点に展開されるのか、まずはお伺いするものであります。あわせて、来年度も活力あふれる砺波づくり事業として、今年度同額の2,000万円が計上されると伺っていますが、各部局からのその事業に対する進言状況はどのようになっているのか、お示し願います。
 次に、合併特例債発行延長に伴うその活用策についてお尋ねします。
 去る11月1日、政府は、合併特例債の発行期限を延長する法案を閣議決定しましたが、当市においても、その活用期限が5年延びたことにより、その活用範囲が増え、そして、実質公債費比率等、財政健全化にも寄与するものと考えます。
 3月定例会において、私は、今後の合併特例債活用方法についてただしたところ、小中学校、公共施設の耐震化事業に活用していきたいと回答をいただいたところですが、上田市長の最近のマスコミ発言等では、耐震化事業を行う場合、ほかに有利な財源があることから、場合によっては別の事業に振りかえることも検討したいと、若干ニュアンスに変化が見られます。残された発行限度額と発行済額の差額36億8,000万円をどのような事業に活用されるのか、その考えを再度ただすものであります。
 次に、各企業会計、特別会計の決算並びに来年度予算見通しについてお尋ねいたします。
 平成21年度、平成22年度、両会計とも2年連続黒字となったことは評価するところでありますが、景気変動により、当初予定していた事業収入が見込めないなど、さまざまな要因が生じ、特に来年度事業運営に当たっては大変苦慮されるのではないかと推察するところであります。近年、各会計においては未収金が増加するなど、また、一般会計からの繰入金が増大する傾向にあることからも、この対応を含めた各事業会計決算並びに事業見通しについて説明を求めるものであります。
 第2点目の質問は、観光事業全般についてお尋ねします。
 暮らしたい、訪れたいまちづくりを推進する一環として、平成22年12月に、砺波市観光振興戦略プランが策定されたところであり、その諮問機関である観光戦略会議からは、このたび、そのプランを実行すべく観光振興戦略アクションプランが市当局へ提示されたところであります。
 その内容を見ると、推進項目58項目に分類され、事業主体、行動優先度、目標値等を設定するなど、わかりやすい内容となっており、市の観光の指針に資するものと評価をいたします。しかしながら、これだけの推進計画をこなすとなると大変な作業になることから、計画倒れに終わらないためにも、プロデュース並びに事業の進捗状況をチェックする第三者機関の設置について提案するものであります。
 今アクションプランでは、交流人口の増加のための施策が幾つか述べられておりますが、観光客増加の成果を求めるためには、まず、各種団体の人的交流とそれを通した地域間のつながりやきずなの深まりが重要と考えます。
 その施策の一つとして、スポーツ、文化学習、コンベンションを積極的に誘致するなど、また、民間交流促進制度を策定するなどし、砺波市提携の各都市との交流をもっと進めるべきと考えます。そのため市民交流やコンベンション事業を推進する組織として、砺波市観光協会内に、平成23年度、コンベンション推進委員会、市民交流センターを設置するとしていますが、その組織の体制、運営指針等についてよりわかりやすく説明を求めるものであります。
 また、観光の受け入れ体制の充実を図るべく、北陸新幹線の開業を見据え、JR砺波駅周辺施設の効率的運用に努めるとして、砺波市観光協会による駅南駐車場、コミュニティプラザ等の一括管理や観光案内所の設置を検討するとしていますが、具体的にはどのようなことをイメージされているのか、その考えをお聞かせ願いたいと思います。
 観光に係る最後の質問は丘の夢構想についてであります。
 この構想は、地域性を生かしたまちづくりや砺波市観光戦略を進める上でも必要な事業であることから、ぜひとも実現してほしいという観点から、以下のことを説明するものであります。
 この構想は、昭和63年に、富山県中央部の開発を進めるため、富山県と合併前の関係市町村が集まり、策定されたものであります。同構想は砺波市においては庄東丘陵地帯が計画対象エリアとなっており、夢の平県定公園、増山城跡県定公園、そして、県民公園頼成の森の3つのゾーンに大きく分けられ、さまざまな施策が講じられてきました。しかしながら、構想が策定されてから23年余を経過した現在においては、それぞれのゾーンを関連させ、付加価値を高めるまでの事業展開に至っていないのが現状です。
 このエリアは、庄川峡、小牧ダムなどのダム群、観光宿泊施設、展望台を含む夢の平レクリエーション地帯、千光寺、頼成の森、増山城など観光資源、観光産業、遺産、古刹といったさまざまな資源に恵まれており、点的なハード整備に加えて、これらのネットワークをソフト面から有機的に結びつけることにより、新たな砺波市の観光スポットを生み出すことができると考えますので、新年度においては、点在する観光資源のネットワーク化など、観光面での魅力創出に積極的に取り組んでいただくことを切に要望するものであります。
 第3点目は、少子化、高齢化、人口減社会を迎えるこの砺波市の中でも少子化、高齢化が急速に進んでいると言われている庄東地区に対する地域振興・活性化策をどのような視点で対処されるのかをお尋ねするものであります。
 砺波市総合計画後期計画においては、砺波市は、ここ数年の人口推移は緩やかに減少し、5年後には、生産年齢人口、幼少人口とも減少する一方、老齢者人口の割合が27%に増加するとしています。
 現在、老齢者人口の割合は24%ですが、地帯別に見た場合、中山間地域を抱える庄東地区においては31%強にもなり、人口も合併当時と比較して360名減少するなど、他地区に見られない人口の減少が続いています。その原因として、生活様式、勤務環境の変化によるまちへの転出、病院と公共施設を初め、商店が少なく、生活するのに不便。公共交通を初め、交通が不便等々の要因が考えられますが、一方、地区民からは、今後も住み続けたい、住んでよかったという地域づくりに取り組みたいということで切実となる声や意見が寄せられています。
 その主なものは次のとおりです。その1つとして、宅地開発、企業、商業、観光施設を誘致するなどし、地域を活性化してほしい。その2として、幼児、園児が減少する中、幼保施設を存続し、充実してほしい。その3として、社会福祉庄東センターを改善してほしい。その4として、医療、介護と連携した地域包括ケア体制を構築してほしい、その5として、農業担い手対策、耕作放棄地対策、用排水路改修対策等の農業問題に積極的に取り組んでほしいこと、などなどでございます。
 市当局として、これらの意見や声に対してどのように対処されるのか。このような過疎化する地域に対しては、市当局としてももっと積極的な地域振興策を打ち出すべきと考えますが、いかがでしょうか。市当局の考えをお聞かせ願います。
 第4点目の質問は、砺波の商工業の活性化について尋ねるものでございます。
 これに関する最初の質問は、経済、行政、経済団体が連携し、さらなる商工業活性化に向けた施策を展開すべきということで提案と質問をさせていただきます。
 県が8月から9月に実施した県政世論調査結果によりますと、県民が県政に求めている施策の1番は景気対策、次にニーズの高かった項目は雇用の確保と創出ということで、地域経済に対する期待が高いことが12月県議会において報告されています。このことは、砺波市市政についても同じことが言えるのではないでしょうか。
 本市産業の現状、課題は、砺波市総合計画後期計画にも記されているとおり、小規模事業者が8割近くを占め、経営基盤が弱く、人材育成や資金調達面で苦しい局面にあるとされています。一方、技術開発や新たな分野への進出、独立を目指す企業家の育成・支援、そして、中小企業の振興を図るため、技術革新や高度情報社会への対応をも図らなければなりません。
 これらのニーズにこたえるために、行政、商工会、商工会議所、関係団体が力を合わせ、魅力ある産業が発展するまちづくりをするには、今、何が必要かなどなど互いに話し合う、戦略的かつ専門的機関を設置する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 市内の商工業の実態は、県外、市外に本店を有し、郊外に進出する大型店舗等に顧客を奪われ、廃業に追い込まれるなど大きな打撃を受けています。村部では商店数が少なくなり買い物難民が増えるなど、町部では、中心市街地や商店街の衰退が進み、にぎわいが失われつつあります。
 そのことにより商工会議所、商工会の会員は年々減少し、商工業や商工団体の経済活動や地域貢献活動もおのずと制限せざるを得ない現状にあります。地域社会を活性化し、地域の魅力を増進させるためには、商工業者や商工業団体等による積極的な取り組みだけではなく、本店を県外に有する商工業を初めとするすべての商工業者が商工業団体に加入し、にぎわいとまちづくりを推進する必要があるのではないでしょうか。
 このことから富山県においては、平成22年に、商工業者等によるにぎわいと魅力あるまちづくり推進条例が制定されたところでありますが、砺波市においてもこの取り組みをもっと強力に進めるべく、砺波市商工業者等によるにぎわいと魅力あるまちづくり推進条例を制定してみてはどうかと提案するものであります。
 以上、2点について市当局の所見をお聞かせ願います。
 商工業活性化に関する最後の質問は、設備投資、雇用促進に対する助成制度並びに商工業者への金融支援措置についてであります。
 日本経済は、円高基調が続き、完全失業率、有効求人倍率も依然として改善の傾向が見られず、悪化傾向が続いています。特にものづくり分野では、工場の海外移転、雇用の縮小など産業の空洞化が進み、市内の事業所においても、一層コストダウンを強いられ、また、付加価値の高い製品開発が求められていると言われております。
 県にあっては、中小企業者を取り巻く厳しい状況を踏まえ、円高対策、新技術強化支援事業を創設するなど、中小企業者への積極的な支援、取り組みを行っていますが、いまだ厳しい環境下から脱却できない状況を踏まえると、市としても、新たに設備投資や技術開発に取り組む事業者に対する何らかの助成制度及び融資制度を検討されてはどうか、提案するものであります。
 金融支援措置については、一層厳しさを増す景気、雇用状況を踏まえ、中小企業者への融資に対する緊急措置を行うということで、去る11月22日、市議会全員協議会で報告されたところであります。この対応は大変適切、タイムリーな対策であったと評価するものであります。その内容を見ますと、マル経融資については、最初の2年間の利息の半額を助成する。そして、市の中小企業資金等の保証料補給率を来年の3月31の期限づきで現行の90%から100%にし、特にマル経融資の実施軽減については、企業誘致・地域振興対策特別委員会開催時においても、砺波商工会議所、庄川商工会さんからも強い要望をいただいていたところでありますが、2年間という期限づきではなく、最後の償還までの間、2分の1利子補給されるよう、利子補給制度の創設を再検討されるよう要望します。また、あわせて、中小企業資金等の保証料補給率拡充につきましても特段の配慮を賜りますようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 最後になりますけれども、質問の1点目の1については、きのうの代表質問、一般質問等で重複している面がありますので、簡潔にお答えいただければありがたいと思います。
 以上、質問を終わります。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 川岸議員の御質問のうち、平成24年度予算等について、観光事業について並びに商工業の活性化についてのうち、行政、経済団体等が連携したさらなる商工業振興施策の展開についてお答えをいたします。
 まず、1項目めの平成24年度予算等のうち、来年度予算の重点施策についてでございますが、平成24年度予算の編成方針並びに重点施策については、堀田議員の代表質問でお答えしたとおりでございますが、砺波市総合計画実施計画に定められた各事業費を基準として、現在、財政課において編成作業を進めており、学校耐震改修事業の推進、北陸新幹線の開業を見込んだ観光資源の整備とネットワーク化、中学3年生までの入院医療費の無料化、さらにはチューリップなどの特産品の振興、景観保全対策などに重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、総合計画特別枠活力あふれる砺波づくり事業についてお答えいたします。
 平成23年度に引き続きまして、平成24年度当初予算におきましても、慣例にとらわれない自由な発想による総合計画の特別枠として2,000万円の予算枠を設けまして、各部署から提案を募ったところであります。現在、提案があった17事業について企画調整課及び財政課によるヒアリング等を実施しているところであり、地域の活性化、市民福祉の向上、砺波らしさのアピール等に寄与することができる事業を厳選しまして、実施してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の合併特例債発行延長に伴う活用策についてでございますが、総合計画実施計画におきまして、新年度予算において合併特例債を充当する事業として、継続実施しております市道改良事業示野上中野線、庄川水辺プラザ建設事業、出町中学校の耐震改修事業に加え、新たに庄川小学校耐震改修事業等を予定しておりますが、そのうち、出町中学校の耐震改修事業につきましては、今回の延長方針に呼応し、これまでの合併特例債の一部を学校施設等整備事業債に変更する予定であります。
 そこで、御質問の期間延長に伴う合併特例債の活用方針につきましては、基本的には、平成26年度まで実施する事業で、優位な市債が活用できない事業につきましては優先的に充当することとして、その他につきましては、国の補助金等、他の有利な財源と調整を図りつつ、合併特例債を充当する事業について次年度以降の総合計画実施計画策定の中で検討していきたいと、このように考えております。
 次、3点目の特別会計、企業会計決算見通しと来年度の予算見通しについてでございますが、国民健康保険事業特別会計など、特別会計の平成23年度決算見通しにつきましては、それぞれ予算で見積もった歳入が順調に見込まれること、また、歳出についても計画的に事業執行されていることなどから、歳入歳出決算について、今のところ、いずれも黒字決算を見込んでいるところであります。
 また、企業会計のうち、水道事業会計並びに病院事業会計につきましても、上半期での業務状況が順調に推移をしておりまして、下半期についても今後、順調に推移することが見込まれることなどから、前年度に引き続き黒字決算になるものと見込んでおります。
 また、工業用水事業会計につきましては、給水事業の増が見込めない中で、新たな設備投資に伴う減価償却費の増が見込まれており、当初予算で見込んでいるとおり、約700万円の赤字決算となる見通しでございます。
 また、御質問の未収金への対応につきましては、現在、国保税等の収納率向上のために徴収嘱託員を設置し、一定の成果を得ていることから、引き続き配置するとともに、細やかな相談等に努めてまいります。また、総合病院における医療費の未収金については、日々の徴収業務のほかに、簡易裁判所に対する支払い申し立てや弁護士名による催告等により、鋭意未収金の回収に努めているところであります。
 平成24年度の特別会計及び企業会計の予算についてお答えいたします。
 特別会計、企業会計については、国の制度改正などに対応し算出された当面必要となる経費に対しまして、各会計固有の使用料、診療報酬等の収入、国庫支出金などにより、財源充当を見積もり、真に不足する財源については、やむを得ず一般会計から繰出金等で対応しているところであります。なお、国民健康保険事業特別会計における療養給付費等が大幅に増加をしておりまして、基金等についても大きな減少が見込まれることから今後、十分精査し、その対応を検討してまいりたいと、このように考えております。
 次に、2項目めの観光事業についてのうち、観光アクションプランにおける観光事業諸施策についてでございますが、先月24日に、砺波市に対しまして、観光振興戦略会議から提言を受けました観光振興戦略アクションプランは、議員が述べられたように、昨年策定した砺波市観光振興戦略プランに掲げた目標を実現するために、具体的に取り組む主要施策の内容と主な事業の推進工程等が示されております。アクションプランを取りまとめていただきました観光振興戦略会議の委員、アドバイザーなどの方々に敬意を表するものでございます。
 このアクションプランの概要については、4つの大きなテーマと34項目からなる施策、58項目からなる具体的な施策から構成されており、主要事業ごとに緊急度と重要度が示され、優先される施策が明確で、非常にめり張りのきいた内容となっております。
 この34項目の施策では、施策の目標と施策の目標となる指標が58項目の具体的施策で、事業主体、事業内容、推進工程がそれぞれに示されております。このアクションプランの多くの施策の中で、特に優先度の高い施策のキーワードといたしましては、散居村、チューリップ、市民交流、情報発信などが挙げられるのではないかと考えております。
 今後については、提言されたアクションプランを砺波市の観光振興戦略アクションプランとして策定し、それに基づいて、より一層の観光振興を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 さて、議員御提案のプランを遂行するプロデュースの設置並びに進捗状況のチェックを行う第三者機関の設置についてでございます。次年度以降については、アクションプランの事業の進捗状況や課題、目標の達成状況などの整理、分析を行い、必要に応じ、プランの見直しと検証が当然必要となってくるわけでございます。現在設置しております砺波市観光振興戦略会議は、今年度末をもって委員の任期が満了となることから、プランの検証作業等を担っていただく機関として、仮称ですが、観光振興戦略委員会を新たに設置したいと考えているところでございます。
 また、プロデュースの設置について御提案でございますが、議員が述べられたプロデュースの設置につきましては、その役割として、観光まちづくりを初めとし、観光施策を総合的にコーディネートするプロデューサー的な方を設置すればどうかという御提案と受けとめております。現時点では、行政と市民が協働により観光振興を推進することが必須であり、市民の観光に対する意識高揚と醸成を図ることはまず大切だと考えています。したがいまして、観光プロデューサー的な役割を担う方の設置については、砺波市観光の醸成とアクションプランの実施状況、市民の観光への理解と意識高揚の状況等を総合的に判断しながら、検討してまいりたいと考えております。
 続きまして、市民交流とコンベンションについてお答えをいたします。
 砺波市における市民交流コンベンション誘致につきましては、アクションプランの中でも重点施策に掲げられており、積極的に進めていく方策としまして、現状と課題を把握した上で、砺波らしい取り組みを実行していく必要があると考えております。
 そこで、今年度より、市民交流とコンベンションをより推進するため、砺波市観光協会にその事業の運営を委託したところでございます。これにより、友好都市と市民交流とコンベンション誘致活動等における交流人口の拡大と地域の活性化が図られるものと期待をしているところでございます。
 また、市民交流及びコンベンション誘致を進める役割を担う体制づくりといたしましては、商工会議所、商工会、農協、ホテル・旅館組合、庄川峡観光協同組合、飲食店組合、県タクシー協会や各公共施設などの関係者で構成する砺波市コンベンション推進委員会が砺波市観光協会内に設置されたところであります。このコンベンション推進委員会の運営については、砺波市観光協会が主体となりまして、砺波市も連携を図ることはもちろんのこと、関係団体のネットワーク化を構築いたしまして、連絡調整会議を随時開催するなど情報の一元化を図り、共通の認識を持ってオール砺波での誘致活動を実施するものであり、市民交流センターの機能をあわせ持つ組織として確立してまいります。
 続きまして、JR砺波駅周辺施設の効率的運用に関しましてお答えいたします。
 御承知のように、北陸新幹線が平成27年春に開業することから、JR城端線を利用する県内外からの観光客の利便性の向上と受け入れ体制の充実を図るため、JR砺波駅周辺施設の効率的運用を図っていくことが重要と考えております。
 砺波コミュニティプラザの管理につきましては、今年度より砺波市観光協会が受託しているところでございます。このプラザ内に観光案内機能等の充実を図るため、情報発信と休憩コーナーを兼ねた観光情報案内コーナー等の設置を検討しているところでございます。また、砺波駅駐輪場と駅南駐車場を含めて効率的、一体的な施設管理を砺波市観光協会が実施することについては、その段階的な実施を含めて検討しているところでございます。
 次に、2点目の新たな観光づくりを目指して、丘の夢構想の早期実現をでございますが、当市の庄東丘陵地帯のエリアにおいては、さまざまな多くの観光資源やイベントなどがあり、どれをとっても、それぞれの地域が誇ることのできるものと考えております。
 議員が述べられたように、庄川峡や小牧ダム、千光寺、増山城跡など、歴史文化的観光資源から、散居村展望台や夢の平、頼成の森など、観光スポットなどが庄東丘陵地帯全体にまたがって点在をしております。このような地域に根づいた観光資源のほかに、コスモスウォッチングや花しょうぶ祭りといった花のイベント、庄川ゆずまつりや栴檀山山菜祭り、増山城戦国祭りなど、各種イベントや地域が主体となった祭りなどがそれぞれに盛大に開催をされておるところでございます。観光資源が点在していることやイベントなどの開催時期や開催場所等の関係もあり、まだまだ、それぞれの連携が図られていないと認識をしているところでございます。
 今年度において、新たに散居村展望スポットや観光案内サイン等の整備を実施したところであります。この施設は庄東丘陵地帯の中央に位置しており、観光資源等を結びつけ、連携を図るためにも大きな役割を担うものであります。
 これを1つの契機ととらえ、点在する観光資源のネットワーク化とイベント等との連携を強化して、観光面での結びつきと連帯感を生み出すことを目的に、来年度において、庄東丘陵地帯エリアの観光資源、イベント等に携わっている関係者により構成するネットワーク組織を設立したいと考えているところでございます。この組織を設立することによりまして、庄東丘陵地帯のゾーン全域を丘の夢構想の理念に基づいた魅力を高めた事業展開に発展させるとともに、地域活性化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、4項目めの商工業の活性化についてのうち、1点目の行政、経済団体とが連携したさらなる商工業振興諸施策の展開をでございますが、地域の活性化や魅力あるまちづくりの実現のためには、商工業の活性化は不可欠な要素であります。とりわけ、産業振興の観点からも、地域のニーズに応じた商工業施策を実施することは極めて重要であると、このように考えております。こうしたことから、市におきましては、商工業振興協議会を開催し、関係団体からの商工業施策の御意見や要望について協議を行っているところであります。
 なお、本年10月には、岐阜県各務原市の展示商談会に商工会議所と合同で参加し、本市の立地環境及び市内企業のPRを行ってきたところであります。11月には、市商工会議所及び砺波地域情報センターの連携のもと、東海となみ野会の会員企業との交流事業を実施したところであります。また、来年秋には、となみ産業フェアの開催が予定されており、行政と商工団体、関係団体が協力し、中京圏からの企業の出店を取り込みながら取り組んでまいりたいと考えております。
 また、来年度には、産業振興計画の見直し作業を検討することにしており、中小企業の振興はもとより、技術開発や新事業の創出、創業者支援を初め、産学官連携事業などについて商工団体、関係機関、行政が一体となって、計画策定に向けて協議してまいりたいと考えております。
 次に、砺波市商工業者に対するにぎわいと魅力あるまちづくりの推進条例につきましては、既に制定された県条例においては、地域で事業を営むすべての商工業者が商工団体等へ加入することのほか、商工団体等が商工業者の積極的参加を得て、にぎわいと魅力あるまちづくりに率先して取り組むことになっております。こうしたことから、本年9月には、条例の制定の趣旨に基づき、にぎわいと魅力あるまちづくりの推進に関する協力要請を行ったところでございます。
 にぎわいと魅力あるまちづくりの推進については、商工団体等の皆さんが主体となって積極的に会員加入に向けた取り組みを行っていただくとともに、まちづくり施策を実施される中で、商工団体等に加入するメリットをPRしていただくことが重要でないかと思っているところでございます。市といたしましても、やぐら大祭や冬のふれあい市など、にぎわい創出のためのまちづくりへの取り組みについて支援をいたす考えであります。
 なお、議員の質問にあります市の条例の制定につきましては、商工団体への加入が任意となっておりまして、強制的ではないことから、まずは県条例に基づき、商工業者をまちづくりに取り込むことが重要ではないかと思っております。
 私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては副市長並びに担当部長からお答えをいたします。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 川岸議員の地域振興策についての御質問、少子高齢化、人口減少が進む地域に対し、市として一層地域活性化支援を図るべしについてお答えいたします。
 まず、庄東地域の地域活性化につきましては、増山城跡や夢の平レクリエーション地帯、小牧ダムなどの観光資源を有機的に結び、魅力ある施設として、さらに磨き上げていくことが大事であると考えておりまして、今後、さらに施設の整備等に取り組んでまいる考えであります。
 次に、幼保施設につきましては、御承知のとおり、庄東地区には2つの公立幼稚園に加え、民間保育所が運営されておりまして、保育環境は充実しておりますので、地域の皆様の御支援もいただきながら、質の高い運営をしてまいりたいと考えております。
 また、庄東センターにつきましては、昭和53年の設置以来、市民の健康増進と福祉の向上、介護予防の拠点として、特に庄東地区の方々を中心に親しまれており、地域の重要な福祉施設であると認識しているところでございます。さらにまた、10月からは市営バスの運行見直しに伴い、地区の公共交通のターミナル施設として新たな役割も担っているものでございます。このようなことから、施設の老朽化に伴う今後の改修につきましては、総合計画の実施計画では、教育施設の整備を優先していることもありまして、それらの後に盛り込んでいく方向で進めてまいりたいと考えております。
 次に、地域包括ケア体制等の構築に関してでありますが、当市でも急速に高齢化が進行する中で、より一層の在宅介護の支援を行うため、介護、医療、保健、福祉が一体となって在宅サービスを提供できる地域包括ケア体制の構築が大変重要となってきております。
 そこで、市といたしましては、これを庄東地区のみならず、市全体の重要な課題ととらえまして、今年度、地域医療・福祉を考える会を立ち上げ、医療、介護、保健、福祉、それぞれの立場から在宅での生活を支える体制について御意見をお聞きしているところでありまして、それらを参考に具体的な施策を検討し、地域包括ケア体制の構築を進めてまいりたいと考えております。
 最後に、農業にかかわる種々の問題についてお答えいたします。
 庄東地区に限らず、地域農業の担い手となる農業者を育成していくことは大変重要な課題でありまして、今後とも担い手の育成や農業経営体に対する支援を進めてまいります。
 また、耕作放棄地対策には、地域ぐるみで集落の農地を守る中山間地域等直接支払制度が有効と考えておりますので、今後とも御活用いただきたいと考えております。そのような中で、中山間地域の気候や風土の特性を生かした、ふく福柿や山菜等の地域特産物の振興などの意欲ある取り組みに対しましては、今後とも積極的に支援してまいりたいと考えております。
 また、用排水路改修対策等の農業基盤整備につきましても、平成24年度において、県営中山間地域総合整備事業、となみ・なんと山麓地区の採択を目指しているところでありまして、積極的な支援をしてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 八田俊伸君。
  〔商工農林部長 八田俊伸君 登壇〕

◯商工農林部長(八田俊伸君) 私からは、川岸議員御質問の1、商工業の活性化について、設備投資、雇用促進に対する助成制度並びに金融支援措置についてお答えいたします。
 現在、市の設備投資に関する支援措置につきましては、商工業振興条例に基づく助成制度を設けており、現在も、市内医薬品関連企業に対して支援しているところでございます。この助成制度につきましては、現下の厳しい経済情勢において、設備投資をされる企業に対する支援がより一層必要とされておりますので、制度の拡充について検討してまいりたいと考えております。
 また、技術開発などに取り組む事業者に対する助成制度の創設でございますが、技術開発支援や新事業創出事業につきましては、既に富山県新世紀産業機構において事業化されておりますが、砺波市内の中小企業での取り組みが少ないことから、関係機関を通じて、さらに周知を図ってまいりたいと考えております。
 次に、中小企業への融資に対する緊急措置につきましては、小規模事業者を対象とした経営改善資金の利子助成を今回初めて実施したところでございます。また、市及び県の融資制度における保証料助成につきましては、保証料補給率を9割から全額助成にかさ上げしたものでございます。
 これらの中小企業融資における緊急措置につきましては、本年12月1日より実施しており、当面は年末の資金繰り対応や商工団体への施策の波及効果による地域経済の活性化が図られることを目的に緊急措置を講じたところでございます。今後につきましては、借入実績等にもよりますが、とりあえず利子補給は2年間とし、本制度については、景気等の改善が見られない場合は継続して実施してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) 1番 多田裕計君。
  〔1番 多田裕計君 登壇〕

◯1番(多田裕計君) 東日本大震災からはや9カ月、厳しい冬を迎え、岩手県の被災地では、いまだ布団や毛布が足りないといった声も聞かれております。引き続き、さまざまな支援が必要であります。そのようなときに、野田首相は、連帯して負担を分かち合うなどと言いながら、庶民には所得税増税など8兆円以上もの大増税を押しつける一方で、大企業には25年間で20兆円もの大減税。これでは、復興財源どころか、庶民の負担が増え、借金が増えるばかりのとんでもないことであります。私たちの砺波市が、そのようなわけのわからないようなことにならないようにと強く思うところであります。
 さて、景観計画の策定に向け、市内各地区で説明会が開かれています。この議会でも取り上げられておるところでありますが、私は、となみ野田園空間整備事業について、平成12年2月、県議会農林水産常任委員会において、日本共産党の犬島前県議が、散居と屋敷林を保存することは壮大な21世紀型の農業振興策であり、全庁挙げて、全国のモデルとなる事業にすべきであると指摘をし、期待を表明してきたことを思い出すものであります。
 犬島前県議は、きっかけは構造改善局が採用した政策予算であるが、これをいただこうというのでは受け身だと思うと指摘をし、具体的には樹木の保全、砺波平野の農業発展に寄与してきた先人たちの生きざまや食文化の全国への発信、祭礼の保存や絹織物など民芸品の復活などにも取り組み、景観条例をつくり、大型店舗など、砺波平野の景観にふさわしくないものを規制することなどを提案していたものであります。残念なことに、田園空間を保全しようという事業であるのに、コア施設である散居村ミュージアムについては田んぼを埋めてつくられてしまいましたが、そのことは自然に対する、それだけの責任がついてまわるということも忘れてはなりません。いずれにせよ、この壮大な事業にさまざまな形で取り組んでこられた皆さんに心から敬意を表するものであります。
 初めに、この事業の到達について、市としてはどのように評価をされているのかをお聞かせいただきたいと思います。
 となみ野における田園空間博物館事業は、日本全国の中でもあまり例のない大きな規模の事業だと思います。それは、砺波地方にこれまで、そして、これからを住む人たちの生き方、住み方、そして、思想を変えるような壮大な事業であります。さらに、植えたとしても何十先にどう育つかという木を相手にしなければならない、そういう事業に手をつけてしまったわけであります。
 (仮称)砺波市景観まちづくり計画は、そうした中に位置づくものであるということを思っているところであります。景観計画といったときに、多くの市民が関心を寄せています。その中身は、純粋に現在のすばらしい環境を守りたいという思いから、あるいは計画ができると、下手に手をつけられなくなるのではないか、そういう思いまで大変振れ幅が大きいものであります。
 現在の散居村は、家の周りに水田、風を防ぐ屋敷林、スンバは燃料に、杉は用材にといった生活スタイルの中で形成をされてきたものであります。今、生活スタイルが大きく変わってしまった中で、散居景観を守ることには極めて厳しい現実があります。散居村ミュージアムの交流館は、建設時、リフォーム棟と呼ばれていました。現在の家をリフォームする参考になるかと見に来られた方が思い描いたリフォームとは異なり、再築、しかも下手な家を建てるよりもお金がかかる、そういうことに失望されていたことを思い出します。
 高齢化が進み、空き家も増えていく実態が報告をされています。景観上、重要な昔ながらの大きな家こそがなくなっていくということも現実であります。また、国のTPP参加の動きも含め、農業そのものが衰退をしていけば、景観の大きな要素である水田がどうなるのか、そしてまた、欠かせない屋敷林も維持していくことが大きな負担になるなど、散居景観は重要な観光資源でもあるというものの、そこに住む人たちが本気にならなければ、また、気持ちがあっても、現実問題として維持していける支えがなければ、どんどん崩れていくことは明らかであります。
 砺波カイニョ倶楽部代表幹事の柏樹さんは、カイニョはたくさんの生物の「すみか」で、人もその中に加わり生活をしている。この姿に外国の注目が集まり、都市住民の関心が高まっている。歴史のある最良の環境として評価されているのに、住民は全く感じていないと指摘をされています。景観計画について、最大のポイントは、散居がカイニョに包まれていること、そのカイニョを元気にすること、住民と地域と市が一体となって取り組まない限り、魂のない計画になる。具体的には家の前に木を植え、カイニョと人が共生をする。そのために日々の投資と努力が必要だとおっしゃっています。スンバや伐採した木について、単に処分するだけでなく、燃料や資材として活用するような循環ができないのか。散居村内を流れる用水でマイクロ水力発電の可能性はないか、らせん水車などを実用としても、あるいは景観のパーツとしても生かせないかなど、現在の散居景観が成立をしてきた必然的な意味が薄れているとすれば、今、新たな必然性を与えてやらなければいけないと思います。
 また、若い世代に、この砺波を選んで住み続けていただくことも欠かせません。子育てしやすいまちということも大きなポイントです。例えば子どもの医療費無料化の対象年齢拡大では、周辺市に比べ砺波市は遅れています。ようやく中学校3年生までの入院については検討すると言い始めましたが、そこまで言うのであれば、本来はどこに住もうが、本当は全国一律に国が無償化すべきことでありますけれど、これは国、県にも要望しつつ、砺波市として、中学校3年まで入院も通院も所得制限なしで無料にすること。あるいは、学童保育の預かり時間の延長などの施策も若い人が家を建てようとするときの大きな評価点の一つであることは間違いありません。
 さらに、地域経済の活性化や緊急経済対策として、全国の自治体の中で用途を制限しない住宅リフォーム助成制度が設けられてきています。本年3月議会で、この制度の創設を求めたところ、個人財産保持のために行政で支援するのはいかがなものかという意見もあるとされましたが、リフォームはさまざまな業種の人がかかわり、地域経済にとって有効であることは、これまで導入をした自治体の実績が示しているところであります。これをベースに、さらに散居景観の保全に寄与するものには上乗せをするといった特別の手当も考えるべきではないでしょうか。あるいは空き家対策も含め、今ある昔ながらの家を市営住宅やグループホームなどの施設として利用することもあり得るでしょう。まち並みの一角の限定したところを守るというのは比較的簡単ではありますが、面的にこの散居景観を守るということは、全国に例を見ない壮大なチャレンジである。散居とチューリップのまちという私たちの砺波、そのことが市民の一人一人の心の中にどれだけ落ち込んでいくかが問われている問題であります。
 景観を生み出すもととなる農業振興を初め、さまざまな角度からいろんな意見をいただき、必要な予算措置、使いやすい制度など、あらゆる手だてを打たなければなりません。何でもかんでも地域でと言ったり、最後は個人の財産だからというふうなことで、個人の負担ばかりがかかるようなことでは、せっかくの壮大な思いが逆の方向にも行きかねないものであります。そのようなことにならないように、担当課というだけではなく、市役所全体、県や国も巻き込んで頑張らなければいけない総合的な課題であると考えております。
 そうしたことを踏まえ、この景観計画に対し、市役所を挙げてどのように取り組んでおられるのか、どのように取り組んでいくお考えなのかをお示しいただきたいと思います。
 次に、行政改革にかかわってお尋ねをします。
 これも今議会でも取り上げられておりますが、この10月からの福祉バスとふれあいバスを市営バス化し、12路線の新たな運行についてであります。
 庄川地区では、ケアポートを中心に運行されていたバスがなくなり、ケアポートや高砂会館などの施設利用者から使えないバスになってしまったという声を聞いております。施設利用の時間と合わないこと。特に庄川では坂の上の施設であるため、自転車では行けないこと。さらに1回100円かかることなどから、利用者はもちろん、ボランティアの人からも、なぜ、わざわざお金を出してボランティアに行かなきゃいけないのか、そういう声も出ています。いずれ、利用者の足が遠のいていることは事実であります。駅や病院の時間に合わせたと言いますが、福祉施設が二の次にされた形で使えないバスになってしまったのであります。これまでとまってくれた福祉バス、介助をしてくれた福祉バス。それが、市営バスが通っているといっても、バス停まで100メーター、数百メーター、これが高齢者にとってはバスがなくなったのと同じことになっている。こんな仕打ちをするのであれば、市長自ら公用車をなくして自分で通ったらどうだという率直な声もあるところであります。
 高齢者の外出機会を奪い、各福祉センターの利用者が大幅に減っていることは極めて重大であります。もともと福祉バス、ふれあいバスと市営バス、そういうもともと性格が違うバスを一本化することが根本的な矛盾を生んでいると言わざるを得ません。午前中、施設の行事のときには送迎するとの答弁もありましたが、早急に福祉バス、ふれあいバスを復活をし、無料運行すること、庄東センターでの乗りかえなしで行き来ができるように路線変更すべきであると考えます。この2カ月間の経過を踏まえて、見解をお聞かせください。
 さて、この議会には、一気に十数本もの条例改正を行い、市有の市の51もの施設の使用料、利用料及び入館料、観覧料などの見直しが図られています。公平・統一を強調され、収入増が第一義ではない。中には現状より安くなるところもあるなどと当局は説明をされていますが、砺波市行政改革報告書では、この項目は、2、行政基盤の強化の第3項、財政構造の健全化に挙げられている項目であり、本音は結局、料金を取ることが目的ではないのかと思われるところであります。
 そもそも公の施設は、市民の税金を使ってつくられ、それぞれに目的や意義を持って、それなりの理由で使用料なども定めてきたはずであります。無料の施設も、それぞれの経緯や意義づけの中で無料とされてきたはずであります。それを統一という言葉で一律に改定するというのは極めて乱暴なしわざではないのでしょうか。
 例えば民具館、平成20年6月定例会の中で、学習の場であるから、教育委員会への移管をと求める意見に対して、市長は、農水省から補助金をもらっての事業ということで移管をしないが、将来、もともと出町小学校の1棟を持ってきて、学習の場にするわけであるから、教育委員会の所管になると思うと答弁しています。教育委員会でも構想を持っていた中、農村と都市を交流する接点を設けようという農水省の農山漁村活性化プロジェクト支援対策事業に提案をし、許可をいただき、農水省が1億円を出したという経過を持っているわけであり、そうした経緯と施設の性格などからして、入館料は無料としてきたはずであります。
 また、数で言えば、体育関係の施設が数多くあります。昨年12月定例会で、地域体育館の利用料を設定することについて、私は、市民を公共施設から遠ざけることになる利用料の設定は認められない。認めれば、今後、他の施設についても同様の考え方で利用料や使用料の設定、値上げなどが相次ぐことになってしまうと指摘をしたところですが、まさにそのとおりになってしまう。市長は、これからの時代、受益者負担は必要と明言されておりますが、公の施設、体育施設の最終的な受益者は一体だれなのでありましょうか。地域体育館の設置目的、市民のスポーツ振興の本来の目的は何だったのでありましょうか。高齢化社会を迎え、健康や生きがいを求めて利用する施設であったはずであります。税外負担の観点からいっても大きな問題があると考えます。各種のサービスに対し、税以外の負担を求めることは行政の貧困のあらわれとも言えることであり、公平性という言葉で済まされる問題とは別次元のことであります。
 また、現場の責任者などに相談もなく、こういう方向にするからと言われたという声も実際に耳にしております。何よりも利用者、市民の声、施設の現場の意見などがどれだけ反映されたのでありましょうか。特に庄川地区では、従来無料だったものが有料化されるものが多く、この間も高砂会館の講座の有料化やバスの変更などに加え、あまりの仕打ちではないのでしょうか。行政改革委員会主導で、改革をすること自体が目的化してしまってはいないのでしょうか。経過をお示しいただきたいと思います。
 例えば体育施設のうち、武道館については効率的な施設運営を図るためとして、学校施設に所管がえをするということですが、まさか、市長が剣道に熱心だからというわけではないんでしょうが、今回言われるような統一云々からして、整合性がつかないようにも見えてしまう、そういう意見もあるのであります。
 これまで健康増進に努め、1人当たりの医療費が低く抑えられてきたこの砺波市であるのに、高齢者が健康や生きがいを求めて利用する施設を遠ざけてしまうようなそういう仕打ちはすべきではありません。たとえ100円であろうが有料化をすれば、お金のあるなしにかかわらず、老若男女、だれもが等しく利用できるという公平性が確保できなくなるではありませんか。
 現状は確かに似たような施設という見方もあるかもしれませんが、そして、料金等の差があるわけですが、それはまた、市民が施設を選択できるという側面もあるわけであります。それを一律にしてしまうということは、市民の選択の自由を奪うと、そういう見方もできるかと思います。
 今回の大幅な見直しは、さらに行政改革で今後予定されている類似施設の統廃合などを含め、市民全体を遠ざけるばかりになるのではないか、そう危惧するものであります。遠ざけておいて、利用が少ないから、そして、最後は廃止という道筋が見えてしまうのではありませんか。そんなまちに明るいあしたは感じられるでしょうか。まちを愛する心までが削られていくのではないでしょうか。
 改めて公平な受益者負担というのはどういうことなのか。少なくとも私は全く理解ができないのです。市民の皆さんが納得できるような丁寧な説明を求めるものであります。
 最後に、これもこの議会でも出ておりましたが、並行在来線の第三セクターの問題についてであります。
 新たにつくる第三セクターについては、県内すべての市町村で出資をするという案が示されており、答弁でもありましたが、出資金総額が52億円の場合、砺波市が2,000万円の出資になるといいます。2,000万円というのはばかにならないお金であります。
 砺波市においては、城端線の存続というのが大変大きな課題であり、並行在来線があっても、城端線がなくなるというようなことでは全くいけないのであります。そうした基本を踏まえ、第三セクターへの出資については、城端線の存続を条件とするといったような条件つきの姿勢で臨むべきであると考えるところでありますが、いかがでありましょうか。
 第三セクターの初期投資額は、JR西日本との鉄道資産の譲渡交渉終了後、確定をするという話であります。もともと本来は国鉄であり、国民みんなの共有財産であったわけであります。本来は無償譲渡されるべきものであると考えるところでありますが、若干県知事が最近、弱腰になっているという話も耳にするところであり、大変心配をしておるところであります。少なくとも必要な改修や整備などをして、限りなく無償に近い、あるいはそれ以上の効果を実現した中で譲渡がされなければいけないのではないか。そのことが県民、そして市民の負担を軽くするものであるというふうに考え、県とも連携をして、最後までこの件に関しては強く、厳しい態度で頑張っていただくことを求めるものであります。
 以上です。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 多田議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、1項目めの景観まちづくり計画についてのうち、田園空間博物館事業の到達についての評価についてでございますが、この事業の趣旨は、豊かな散居村の歴史的、伝統的施設の保全を図るとともに、生活交流空間の基盤整備を実施し、魅力ある田園空間の保全と創出により、都市との共生を図るものでございます。また、となみ野田園空間博物館事業の運営は、富山県、そして砺波市、南砺市及び関係機関で組織するとなみ野田園空間博物館推進協議会を設置し、田園空間博物館の拠点施設であるとなみ散居村ミュージアムが事務局となり、目的達成のため事業を推進してきたところでございます。
 事業目的を達成するための活動として、地域資源を活用した地域再発見学習講座やシンポジウムの開催、各種写真展、郷土の偉人紹介パネル展、散居村紹介リーフレット作成、ホームページの情報発信、あずまだち高瀬や、いのくち椿館との連携事業などを通して、散居景観を保全することの必要性や砺波地方に伝わる伝統文化を全国に発信し、地域のにぎわいを創出する事業等を中心に活動を行ってまいりました。そして、本年9月10日に、となみ野田園空間博物館創立5周年記念事業を開催したところでございます。
 この5年間の活動の成果として、となみ散居村ミュージアム施設の施設利用者を含めた入館者数も平成18年度3万947人から平成22年度4万677人に増加し、郷土料理の試食会や伝統芸術作品展など、地域で活動されている皆様方の協力も得て開催することができ、交流人口の拡大にもつながったものと考えております。また、散居村に住む者はもとより、多くの方の散居の景観の保全に対する意識の醸成を図ることができました。また、地域住民の方にもさまざまな方面で御協力をいただき、地域活性化にも大きく寄与しているものと思っております。
 今後の事業方針といたしまして、市民の皆さんの発意に基づき、より魅力ある交流事業等の展開を図るため、となみ散居村ミュージアムの指定管理への移行を目指し、これまで以上にNPO法人や地域住民の皆さんと連携をした事業に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 次に、市役所挙げてどのように取り組んでいくのかについてでございますが、現在作業を進めている計画策定につきましては、市の行政全体にわたる計画ととらえ、全庁的な組織として庁内検討委員会において、所管部署が抱える課題等を整理しながら取りまとめを行っているところであります。
 また、この計画の施行に当たりましては、その景観を構成する要素として建築物の樹木のほか、面的に広がる道路や水路、公園などさまざまなものが対象となってまいります。このため、市民、事業者が管理する建築物の樹木と同様に、市が管理する施設においても景観に配慮する必要があり、その1つには、これらを維持管理する所管部署が新たに策定する計画に基づき維持管理を行うとともに、整備する場合も同様の基準で実施することとしております。
 次に、市役所内で横断的に取り組む体制づくりについてであります。
 現在作業を進めている計画につきましては、農業振興や環境保全、生涯学習など、さまざまな分野で構成する連絡会議を推進施策の一環として位置づけることとしており、計画の進捗状況やフォローアップ体制を確立したいと考えております。このほか、良好な景観の形成を図るには、その構成要素として国や県が管理するものがあります。また、周辺自治体と連携を図りながら進める必要があります。このように関係機関と密接な調整を図り、次の世代に引き継ぐことができるよう景観形成に努めてまいります。
 計画の推進に当たりましては、農業振興や屋敷林、伝統的な家屋の保全も必要となることから、これから支援制度も検討してまいりますが、すべての方に満足いただけるものとするのは難しい面もあります。今後は財政状況を勘案しながら、国、県等に支援をお願いしたいと考えております。
 散居景観は水田が広がる平野に屋敷林に囲まれた家々が点在して成り立っていますので、議員も述べられておられるように、まち並みなど一部の地域の景観を保全する他市の計画とは異なり、広い範囲の散居景観を守るという全国的にも例を見ない取り組みであり、市民一人一人が全国に誇ることのできる散居景観を次の世代に引き継ぐ心を高めていくには、地域が一体となって、この魅力ある景観を再認識する必要があると思っております。特にコミュニティーの希薄化が叫ばれている今日、個人の尊厳はもちろん大切でありますが、共助の精神のもと、地域力を高める取り組みとして景観保全は意義あるものであります。こうした取り組みを推進しながら、私が目指します、「人が輝く活力あふれる砺波」の実現に努めてまいりますので、御理解をお願いいたしたいと思います。
 次に、2項目めの行政改革についてのうち、福祉バス、ふれあいバスを復活すべきであるについてでございますが、今回の公共交通の見直しは、市営バス、福祉バス、ふれあいバス、民間バスを総合的に見直したものであります。その目的は、市内における路線の重複及び交通空白区域の解消並びに通学、通院、買い物等の利便性の向上を図ることにあります。
 福祉バス、ふれあいバスを市営バス化したことにより、高齢者の外出機会を奪い、各福祉センターの利用者が大幅に減っているとの御指摘でございますが、これまで10月と11月と2カ月間の福祉センターの利用者数については、市営バスに乗車して利用されている人数を昨年の福祉バス、ふれあいバスに乗車して利用された人数と比べてみますと、庄東センターにつきましては増加しております。麦秋苑につきましては変動はなく、その他の福祉センターにつきましては減少している状況であります。減少している原因といたしましては、路線の変更や自由乗降区間の制限により、利用される方の自宅からバス停までの距離が長くなったことが最も大きなことであると思っており、砺波警察署と協議いたしまして、自由乗降区間を拡張することやバス停を増設することにより対応してまいりたいと、このように考えております。また、介護者がいないことにつきましては、高齢者優先席を設置し、運転手に心配りの安全運転や福祉センターのイベントの際には送迎バスを運行することなどにより対応してまいりたいと、このように考えています。
 バス時刻につきましては、今後、利用者等の御意見をお聞きいたしまして、来年3月のJR城端線のダイヤ改正と連携を図り、4月に市営バスのダイヤ改正を行いたいと考えております。
 また、庄東センターで乗りかえなしの路線変更につきましては、加越能鉄道の砺波総合運動公園線との接続を密にすることにより、利用者のスムーズな乗りかえを図り、利便性を高めてまいりたいと考えております。
 一方、市営バス全体の利用状況につきましては、加越能鉄道が運行する砺波総合運動公園区域を除きますと、対前年比10月には3%の増加、11月には約9%の増加となっており、当初の目的を反映した結果となっております。また、福祉センターを利用されている方の中からは、今まで利用できなかった総合病院に通院できるようになったとの声もお聞きしており、これからも交通弱者である高齢者の皆さんの足として、市営バスの役割は大きいことから、できるだけ多くの方に利用していただくために、要望をお聞きしながら運行してまいりたいと考えております。そのためには、多くの方の御理解が必要であり、公平性と受益者負担の観点から、また、運行には多額の経費を要することから、従来は無料であった路線においても1回100円の運賃を徴収することとしたものであります。なお、このことに対して、利用者の方から特段の不満の声をお聞きしてはおりません。
 今後も各地区や福祉センターの利用者などにより、市営バスに関する意見をお聞きして、利用者のニーズに対応し、福祉センター利用者にも利用しやすい市営バスの運行に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
 次に、市施設の使用料等の見直しは、公平な受益者負担なのかについてでございますが、昨日の大楠さんの質問にもお答えいたしましたように、今回の市の市有施設の使用料等の見直しの経過につきましては、平成21年度に、民間有識者などで構成する公共施設の適正配置に関する行政改革検討委員会の報告を受け、平成22年度から庁内の行政改革推進委員会の専門部会におきまして、公平な受益者負担のあり方と利用条件の均一的な取り扱いの方針のもと、各施設の管理者等との協議を行うなど、手順を踏んで結論を得たものであることを申し上げたいと思います。また、条例案を提案させていただくに際しましても、市民の有識者の御意見を拝聴し、それぞれ施設の課題を調査研究し、慎重に進めてきたものと考えております。
 その上で、議員がおっしゃるところの料金を取ることが主目的ではないかとの御指摘には釈然といたしませんが、施設運営を末永く安定化させるとともに、施設を大切に利用していただくためにも、御利用いただいた場合は、その運営費の一部を御負担いただくことは公平な受益者負担として極めて重要な視点であると考えております。
 また、統一といっても一律に改定したのではないか。あるいは特定の地域を対象にしているのではないかとの御指摘もございますが、市民、あるいはその他の利用者が公平なサービスを受けられ、すべからく一定の負担をお願いするものでございまして、民具館や体育施設のあり方も含め、十分検討を行った結論であることを申し上げたいと思います。
 なお、武道館を学校施設に所管がえすることにつきましては、市内の武道場の管理運営の統合を図るために、ほかの中学校と同様に出町中学校の武道場として管理運営するものでありますが、御利用の皆様には、学校施設の開放事業における利用調整において、今までどおり御利用いただけるよう配慮してまいりたいと考えております。
 つきましては、公平な受益者負担と均一的な取り扱いとなる今回の見直しの御理解を賜りたいと存じますが、公の施設は御利用いただくことが最大の目標でございますので、各施設の管理者に対しましては、今回の改正趣旨を十分周知し、高齢者の皆さんを初め、多くの皆さん方に引き続き御利用いただけるよう適切な対応を指導してまいりたいと考えております。
 次に、3項目め、並行在来線第三セクターについてのうち、出資については城端線の存続を条件についてでございますが、並行在来線につきましては、県内を東西に走る幹線鉄道であり、JR城端線や氷見線、高山線、富山地方鉄道等が接続し、県内全域の公共交通ネットワークの中心的な存在となっており、県民の日常生活を支える交通機関として重要な役割を果たしております。
 こうしたことから、将来にわたり県民にとっての重要な生活路線を維持し、県民の足を守るとの観点から、並行在来線を運営する第三セクターの会社については県、市町村、民間、みんなで支えていくことになったものであります。また、市町村としても、県内の全市町村が第三セクターに出資することになったものであり、山本議員の御質問にもお答えしましたが、先般の市町村ごとの出資案が示されたところであります。
 出資に際しましては、城端線の存続を条件にという議員の御意見でありますが、現時点では、今後もJR西日本により引き続き運営されるものであることから、三セク会社への条件をつけることは無理がありますが、県の協力、指導を受けながら、存続を図っていかなければならないと考えております。
 そこで、将来にわたり城端線を生活路線として守っていくために、やはり利用者の確保を図ることは最も重要であります。そのため、現在、城端線・氷見線活性化推進協議会において、平成24年度から平成28年度までの利用者の増加を図るための活性化策を盛り込んだ城端線・氷見線地域公共交通総合連携計画を策定しているところでございます。
 さらに、利用者確保のために、両線と並行在来線との乗り継ぎ利便性の向上が不可欠であることから、従来からもダイヤ改正や車両の増発等による接続性の向上をJR西日本や県に対し要望してきたところであります。なお、市といたしましては、駐輪場など駅周辺の整備を進め、利便性の向上に努めてまいりたいと考えておりますが、いずれにいたしましても、市民一人一人が利用されることが城端線の存続につながるものであります。
 つきましては、市民の皆さんにおかれましては、日ごろから城端線を利用いただき、みんなで城端線を支えようというお力添えをお願い申し上げるところでございます。また、議員各位におかれましても、城端線の利用促進、活性化に対し御提言をいただきますようお願いを申し上げます。
 次に、無償に近いJRからの並行在来線譲渡についてでございますが、第三セクターへの出資金額は先行事例等を参考に、初期投資額の20%を目安とするとのことから、初期投資額に出資金額が増減することになるものであります。初期投資額には、JRからの鉄道資産の買取額、設備投資額及び開業準備費などが含まれていることから、JRから新しい資産をできるだけ安く買い取ることが負担の軽減につながるものであります。
 JRはもともとは国鉄であり、本来は無償譲渡とされるべきとの御意見でありますが、県では全国の先行事例等も参考にしながら、初期投資額をできるだけ低く抑えるべく、JR西日本に対しまして必要な改修や整備を要請するとともに、譲渡額が極力低額になるよう折衝されているところであります。一方、国に対しましても、引き続き新幹線の貸付料の活用など、さらなる支援についても要請されております。
 市といたしましても、並行在来線対策協議会の場を通して、地域の声を伝えるとともに、県と意思疎通を図り、少しでも負担が軽減されるよう求めてまいりたいと思います。
 多田議員の御質問に対しましての答弁は以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) 再質問を許します。なお、再質問につきましては、答弁漏れについてのみ質問を許可いたします。
 1番 多田裕計君。
  〔1番 多田裕計君 登壇〕

◯1番(多田裕計君) 景観計画にかかわって、新しい制度も検討するが、すべての人が満足するのは困難という微妙な話でありましたが、こういった本会議の場ですので、あまりあけすけに言うのもあれだと思ってあれなんですが、率直に言うと、多くの皆さん、保全をしたいという気持ちがありながら、それに伴っての負担が、とりわけ厳しい御時勢の中でなかなかできないという現実を抱える中で、地域の集落での助け合い、あるいは個人の財産であるからというところを一歩踏み込んだ、そういう使いやすい制度をと期待する強い思いがあるということでありますので、そのあたりの部分をもう少しお考えがあれば、お示しをいただきたいということであります。
 あと、公共施設関係の公平性の問題は、これもまた、見解の相違であると言われれば、それまでになってしまうような話でありますが、施設の利用が減少していることについて、路線の変更、自由乗降区間の少なさなどというふうな理由でありましたが、いいですか、そもそも今回のバス改正で全部市営バス路線になって、福祉バス、ふれあいバスという、これまでの施設を中心に回っていたものがない状態での話ですので、ちょっと先ほどの答弁では、そこのところを抜きにして聞こえてくる声というふうにしか聞こえないのであります。特段の不満の声は聞いていないと言われますが、それは市長が聞いていないだけであり、現場では大変その声は強く聞こえてくるところであります。
 そういったことを含めて、本当に受益者負担というのであれば、本来はこういった公共交通も含め、公共のものというのは最終的に、そのまちに住んでみんながよかったと思える、このまちすべての、あるいは行政にとっての受益であるという立場で私は思っているわけなので、そこのところが見解の違いの一言で済まされるとどうにもならないのでありますが、強く求め、そこについて、本当に利用者、現場の声を聞いておられるのかどうか。民間有識者の会議で事態が起こっているんじゃなくて、現場で起きているのでありますから、そこのところをもう少し補足をいただきたいと思います。
 以上です。

◯議長(稲垣 修君) ただいまの2点の再質問につきまして答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 多田議員の再質問にお答えをいたします。
 まずは、景観計画についてでございますが、アンケートをとりますと、70%の皆さんは、砺波の景観を保存すべきであるというようなアンケートに答えていただいております。多くの皆さん方が砺波の散居村の景観を残したいという気持ちは、100%とは申しませんが、多くの方がそういう思いでいらっしゃるという気持ちは私も同感でありまして、大変ありがたいことであると、このように思っております。
 この砺波の伝統文化をどうすれば残せるのかなというのは、言われたとおり、残したいけれども、残すのには大変だというのがここが非常に難しいところであると、このように私も認識をいたしております。そういう面で、どういうふうな形をしてあげれば気持ちが伝わるのかと。そしてまた、実行してもらえるのかということになるんだろうと、このように考えておるわけでございまして、いろいろと具体的に地域の皆さん方と話をしながら、それらのことをまとめておるという段階であろうかと思います。そして、もちろんそのことにつきまして国や県にも御相談を申し上げながら、いろんなことを考えていきたいと、このように思っております。
 ただ、先ほどの答弁でも申し上げましたが、全体になかなか行き渡るということは到底、現実的には難しい問題じゃなかろうかなと、このように思っておりますし、ゾーンをつくって、そういうことも厚いところと薄いところが出るかもしれませんが、景観保存の熱い、残そうという熱い思いのところには厚くなるかもしれませんし、薄いところには薄くなるかもしれない。全体というのはなかなかできるような状況ではないということも御理解をいただきながら、ここら辺あたりのことについて今後、詰めてまいりたいと、このように思っておるわけでございまして、そのためには市民の皆様に、多くの方の御理解を得るための最大限の努力を今一生懸命やっている最中でございますので、どうか御理解をお願い申し上げたいと思います。
 次に、市営バスの問題でございますが、そもそも同じバスが動いておりながら、いろんなバスの利用の仕方が違うというのはいかがなものかなというようなことをかねて疑問に思っておりました。福祉センターへ行くのはこんなバスで、病院へ行くのはこんなバスだというのはいかがなものかと。同じ利用されるなら、なるべく統一的な形で利用して、利便性を高めることは大変大事だと思いますし、行っていない地域、空白地域もあるし、重複して入っておる路線もあるわけでございますから、市民の公平性から言えば、そういうものはなるべく恩恵がこうむられるようにダイヤ改正をし、利用しやすい環境をつくることが大切じゃなかろうかなと。福祉センターへ行く人と病院へ行く人は違うのかと言えば、特に交通弱者と言われる年寄りの方々には、同じような環境じゃなかろうかなと。片一方はただで、片一方はお金を出す。人によっては、バスが通らないところは、タクシーで行ったり帰ったりする。これは莫大な金になっちゃうなと。
 しかし、全部の皆さんを拾うわけにはいかんから、なるべく満遍なく乗っていただける方法はないだろうかなと、こういうのが意図するところでございまして、それは、ただのところが金を取れば、不満・不平は出るかもしれない。しかし、バスが通らなかったところに、バスに乗って病院へ100円で行ければ、それほどありがたいことはない。そういうことであろうかと思いますので、ここらあたりは公平と統一的なことをいろいろと英知を絞りながら、皆さんの意見を聞きながら決断したところでございまして、ここらあたりは御理解願いたいと思いますし、概ね皆さん方、大変喜んでいらっしゃいます。ただ、一部の中には、そういう声がないわけじゃないと思います。しかし、それをなるべくお話を聞いて、直すべきは直してまいりたいと、このように思っておりますので、どうか御理解をお願いしたいと思います。
 以上でございます。

◯議長(稲垣 修君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 2時33分 休憩

 午後 2時45分 再開

◯議長(稲垣 修君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 13番 井上五三男君。
  〔13番 井上五三男君 登壇〕

◯13番(井上五三男君) 通告にしたがいまして、市政一般について質問させていただきます。何分2年半ぶりの登壇でございまして、ちょっと緊張いたしておりますので、ひとつよろしくお願いします。
 質問の前に、この2年間で砺波市議会の副議長、議長という要職を体験することができ、この間、全国、北信越、そして、県の議長会を初め、各種委員会、協議会等に出席をし、そこで各県の議長、議員にお会いしていろいろと意見交換をし、そして、議論をする機会を得ることができました。その貴重な経験の中で、最近、特に感じたことは、我々議員と地方議会は、市民に対して、この厳しい財政状況下の中で役割を含め、今、果たすべきことは何なのかと熟慮するようになりました。そこで、少し私の所感を述べたいと思います。
 振り返りますと、2000年4月に行われました第一次分権改革により、中央集権体制を象徴とする機関委任事務制度は全廃され、自治体が行う事務すべてが自治体の事務になり、自治事務と法定受託事務とに分かれますが、それまでの機関委任事務制度のもとでは、地方議会は、その機関委任事務については審議権、条例制定権、予算の減額修正権等も持たなかったのであります。そして、地方議会は、市行政の執行状況を監視するチェック機関であったのであります。それからは機関委任事務制度の全廃により、地方議会の役割は飛躍的に拡大し、自治体の自治事務、法定受託事務のすべての審議権、議決権、調査権、条例調査権等も認められ、すべてが予算審議の対象になったのです。
 そして、国会では、議院内閣制、いわゆる一元代表制であって、首班指名によって与党、野党が形成されますが、地方議会は二元代表制であり、市長と議員を直接公選し、双方が異なった役割を持ちながら、2つの政治機関は対等な機関とし、抑制均衡関係を保ち、そこで、議会は議事機関、つまり討議、議論する機関ということになります。
 それでは、国会のように市長の指名権を持たない地方議会は、一体どんな仕事をすればいいのか。
 地方議会には、市長が住民代表として統括する行政に対する批判機能と自治体の意思を決済する機能があり、それは予算、条例、主要な契約等の決定がこれに当たると思います。つまり、国会では主として野党が担う政権批判の機能を、自治体の場合には、地方議会が機関全体の仕事として担っていると思われます。それは、広い意味での野党機能を期待されていると言っても過言ではないと思います。そこで、地方議会は、自治体の政治機関とし、決定、監視、提案、集約の役割をしっかり果たすべきであって、それは以下の4点であると思います。1、自治体の予算、条例、重要な契約を決定する。2、決定後の執行について、しっかりと監視、統制する。3、市長の提案で足りない分は、議員立法で提案し、修正もする。4、議会の決定内容を市民に逐次報告し、意見を求め、さらに要望を集約する。この4つの役割を果たすことが地方議会の大きな役割であり、市民に果たすべき責任だと思います。
 さらに砺波市議会では、昨年の4月からは毎月、全員協議会を開催し、また、2005年の法改正で、年4回の定例会の回数の制限がなくなり、通年議会も可能となりました。今後は一議員として、市民の幸せのため、そして、市民の安全と安心を守るために議会活動の質と密度を高めて、4つの役割を果たすために頑張っていきたいと思います。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 上田市長は、2008年11月16日に執行されました市長選挙において、市民の皆さんの絶大な御支援により当選され、平成20年12月8日の定例会において、就任のあいさつをされてから、早いもので3年の月日がたちました。あいさつの中で、市政に対する期待の大きさと職責の重さに身の引き締まる思いをいたしており、この上は、市民の皆様の信頼と期待にこたえるため、新たな決意と情熱を持って、砺波市政の発展と市民生活の向上に全身全霊を挙げて取り組んでまいりたいと抱負を述べられました。
 そして、上田市長は、「人が輝く活力あふれる砺波」を構築するため、市政運営の基本姿勢として、1、市民が参画し、市民と協働の市政、2、市民奉仕の精神に立った信頼される市政、3、新しいニーズにこたえられる筋肉質の市政、この主要施策を執行するに当たって、以下、6つの柱を基本に進めるとあります。1つ、活力ある産業と働く場の確保、2、子どもたちは地域の宝、3、笑顔があふれる健康福祉のまちづくり、4、暮らしを支える基盤づくり、5、伝統と文化が栄える美しいまち砺波、6、安全・安心なまちづくり。そこで、上田市長は、この6つの柱のもと、市民一人一人が生き生きとした心豊かな生活文化都市の創造に向け、日々の努力を重ね、さらに元気な砺波市として発展していくよう努めてまいりたいと決意を述べられて、スタートしたわけであります。
 その間、外部では、平成20年9月に発生したリーマンショックに端を発した世界的な経済不況の影響が大きく出てきており、地方を取り巻く環境はますます厳しくなってきております。また、新政権も誕生いたしましたが、国民の期待を見事に裏切り、政治、経済、特に外交等は全く停滞したままであります。その上、本年3月には、東日本大震災が発生いたし、東北地方には大きな災害と被害を与え、そして、犠牲者を出し、原子力発電では放射能による大きな災害も出ております。また、経済面では、デフレ、ユーロ不安、株安、円高により、為替の影響で日本の地場産業、輸出企業が大打撃を受け、企業存続が危ぶまれ、職場では生産調整等で雇用情勢の悪化が懸念されております。
 一方、役所では、団塊の世代で、ここ数年、毎年8名前後の役職者が定年退職されて、組織機能が低下して、行政業務の遂行、また、市民サービスに影響が出てきている状況の中で、今日まで3年間、一生懸命市政運営をこなしてこられました。
 そこで、お伺いをいたします。
 主要施策を達成するために、6つの柱がどのように展開されて、成果を上げられたのか、また、どのように評価をされているのか、市長の見解をお答えください。また、残された課題については、今後どのように仕上げをされていかれるのか、今後の展望もお聞かせください。
 次に、介護保険について質問いたします。
 市長は、砺波地方介護保険組合の理事長でもありますので、よろしくお願いたします。
 ちょうど富山国体の年、平成12年(2000年)の4月に施行されました介護保険法は、少子高齢化の進展に伴って、寝たきりや認知症などの要介護者の増加や介護が必要な期間が長期化するなど、介護ニーズはますます増大してきておるのでございます。一方、核家族化の進行や介護する家族の高齢化などで、高齢者を支えてきた家族をめぐる状況も変化してきて、家族による介護では十分な対応が困難になってきました。こうした中、介護問題は、国民の老後生活最大の不安要因となってまいりました。高齢者の介護を国民全体で支え合う目的で介護保険制度ができたわけでございます。
 それまでは、老人福祉法は、昭和38年(1963年)で当時、高齢化率は5.9%のときにでき、また、老人保健法は昭和57年(1982年)当時、高齢化率は9.4%のときに制定され、高齢者の介護に関する制度で運営をしてまいりました。その間、昭和48年(1973年)当時、高齢化率は7.3%のときには、老人福祉法改正に伴い、70歳以上の高齢者は医療費自己負担額がゼロ、無料で行われていた時代もあって、高齢化が進むとともに、無意味な診療や複数の病院でのはしご受診等の増加やけがや病気による長期にわたる入院に伴い、そのうち身寄りがなくなると、1人での生活が困難なため、治療自体が終了していても退院後の受け入れ先がなく、入院し続けるといった社会的入院といった問題が出てきて、高齢者の医療費が増加してまいりました。昭和48年から10年間で、高齢者の医療費は約10倍に膨れ上がったのであります。その後、昭和57年(1982年)に老人医療費の一定額負担を、平成元年(1989年)当時、高齢化率は11.9%のときには、ゴールドプランにより、施設緊急整備と在宅福祉の推進がうたわれ、平成6年(1994年)当時、高齢化率14.4%のときには、新ゴールドプランの推進で、在宅介護の充実がうたわれてきました。
 しかし、高齢者とともに医療費も増加し、財源不足に伴う制度持続の難しさや地域の施設によるサービスの格差、そして、絶対的な施設不足等を解消するために、新たな法律、それが平成12年(2000年)当時、高齢化率17.3%のときに、第1期の介護保険制度が施行されたのであります。
 そして、介護保険の給付に必要な費用は、保険料で半分、公費で半分を負担し、国民皆で支え合う仕組みになっております。それは、国25%、県12.5%、市12.5%の交付と現役世代、40歳から64歳の第2号被保険者の保険料で30%、高齢者、65歳以上の第1号被保険者の保険料で賄われるのは費用全体の20%となっております。また、介護保険は3年を1サイクルとし、介護保険事業計画を策定して、見直しを行い、保険料も事業計画に定めるサービス費用等に基づき、3年ごとに財政の均衡を保つように設定されています。
 そして、砺波地方介護保険組合の要支援、要介護認定者数は、スタートの平成12年3月には2,767人であったのが、平成23年、今年の10月では6,684人で、実に2.5倍に増加し、被保険者は3万8,190人で、そのうちの認定率が17.5%となっております。また、現在の砺波地方介護保険組合3市の高齢化率は27.8%であります。
 そこで、保険料の現在までの推移を見ますと、第1期、平成12年のときには、砺波地方介護保険組合では月2,800円、全国平均では2,911円、第2期、平成15年では、砺波地方介護保険組合では月3,500円、全国平均が3,293円、第3期、平成18年のときに、砺波地方介護保険組合では月3,700円、全国平均が4,090円、現在の第4期、平成21年のときに4,200円でございます。全国平均が4,160円。このように3年ごとに保険料の改定を行い、来年には第5期が、平成24年(2012年)から平成26年(2014年)の見直しが予定されております。
 これからは砺波地方介護保険組合の今後の予測は、高齢化がまだまだ進行していき、寝たきりや認知症の要介護者が増加していく事態が予想される中、組合総人口は減少していきます。そして、65歳以上の第1号被保険者は当分、増加基調にあります。大事な40歳から64歳の第2号被保険者が年々減少していくことが見込まれ、大変に憂慮をいたしております。
 そこでお伺いいたします。
 当組合の介護保険料月額4,200円が大幅なアップになりますと、被保険者は大変に重い負担増になります。そこで、当砺波地方介護保険組合では、どのような基本的な考え方をされて、保険料を改定されるのか。抑制策も含めお聞かせいただきたいと思います。
 また、現在、施設待機者は何人おられるのか詳細に、あわせて、今後の施設整備計画はあるのかお聞きいたしまして、私の質問は終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。

◯議長(稲垣 修君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 井上議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、1項目めの市長の主要施策についての在任3カ年の成果、評価についてでございますが、主要施策を達成するための6つの柱がどのように展開されて、成果を上げたのか、また、どのように評価しているかの御質問でありますが、それぞれの柱ごとに説明をいたします。
 まず、1つ目は、活力ある産業と働く場の確保についてであります。
 まず、農業振興策として、チューリップ球根の新規生産者に対する支援制度を創設するとともに、タマネギを新たな特産品とする集出荷貯蔵施設の整備に対しまして助成を行い、生産体制の充実に努めたところであります。また、地産地消の推進と地元野菜をPRするため、道の駅砺波に、JAが行う「となみ野の郷」整備に対し補助金を交付し、地元産の新鮮な野菜の直売所を開設されました。
 また、庁内には観光振興戦略室を設置し、全庁的な取り組みとして観光振興戦略プランを策定し、観光産業振興による交流滞在人口の拡大により、地域の活性化を図ってまいりたいと考えております。なお、現在、アクションプランの策定を行っているところであります。また、名古屋市に砺波地域情報センターを設置し、職員を常駐させ、中京圏、東海地方との交流促進による観光客誘致を図るとともに、企業誘致に関する情報収集に努め、あわせて東海となみ野会を設立したところでございます。
 さらには、直接市内企業や商工団体を訪問し、若者の雇用の確保について要請したほか、大都市圏での企業立地セミナーにも積極的に参加するとともに、企業等にも出向き、誘致セールスに努めてきたところであります。大変厳しい経済環境でありますが、おかげさまで、新たにIT関連企業及び物流企業に市内に進出をいただいたところであります。
 次に、2つ目に、子どもたちは地域の宝について申し上げます。
 子どもの安全を地域全体で確保するため、各校下において見守り隊に取り組んでいただくとともに、ふるさと「となみ」探訪事業を実施するなど、ふるさと学習の充実に努めているところであります。
 また、子育て世代の負担を軽減するために、子どもの医療費助成について、入院・通院ともに小学校6年生までを拡充したところであります。
 次に、3つ目の笑顔があふれる健康福祉のまちづくりについて申し上げます。
 まず、砺波医療圏地内に医療検討会を設置し、砺波医療圏における地域医療に関する問題解決に取り組んでいるところであります。また、地域医療・福祉を考える会も設置したところであり、地域医療と福祉を連携するための担い手養成にも取り組んでおります。
 さらには、砺波総合病院においては病院改革プランを策定し経営健全化に取り組むとともに、砺波地域の中核病院としての先進医療技術の導入にも積極的に取り組んでいるところでございます。
 次に、4つ目に、暮らしを支える基盤づくりについて申し上げます。
 まず、北陸自動車道に新しいスマートインターチェンジを設置すべく鋭意取り組んでいるところであり、また、国道156号交通安全施設整備事業及び国道359号砺波東バイパス事業についても、早期完成に向けて努力をいたしております。また、県道や市道の整備、土地区画整理事業につきましても、関係皆さんの御協力により進捗をしております。
 また、本年10月には、市営バスダイヤの改正を行い、重複路線や交通空白区域の解消や通学、通院、買い物等への利便性向上と公共交通の充実を図ったところであります。さらには、砺波市下水道計画を見直し、今後の下水道整備についての道筋をつけたところであります。
 次に、5つ目といたしまして、伝統と文化が栄える美しいまち砺波について申し上げます。
 まず、越中三大山城である増山城跡については、平成21年に国の指定史跡となったことを挙げ、現在、保存管理計画を策定しているところであり、当市の貴重な歴史遺産として後世に引き継いでまいりたいと考えております。また、県の指定無形民俗文化財である子供歌舞伎曳山の保存展示施設として、出町子供歌舞伎曳山会館が完成し、さらには、日本の農村の原風景と言われる散居景観を初めとする良好な景観の保全、形成を推進するため、景観まちづくり計画を策定しているところであります。
 また、市長就任以来、市民一人一ボランティア及び市民との協働を提唱しており、庁内に担当の係を設置するなど、その推進に努めているところであります。
 最後に、6つ目に、安全・安心なまちづくりについて申し上げます。
 まず、災害時には住民の避難所としての役割を担う小中学校の施設の耐震化を積極的に取り組んでいるところであり、また、消防救急体制の充実を図るため、市域を越えた消防組織の広域再編を行ったところでございます。さらには、長年懸案でありました国営の総合農地防災事業庄川左岸地区の推進にも取り組んでいるところであります。
 以上、6つの柱ごとにそれぞれの事業の概要を申し上げましたが、これらの事業の中には、諸先輩方がそれぞれの時代を粘り強く取り組まれてきたことが今につながっているものであることから、決して私一人がなし得たものではないことを申し添えておきたいと思います。
 また、残された課題に対する今後の展望についての御質問でありますが、来年度からは、今年度策定した総合計画後期計画がスタートすることから、後期計画に盛り込んだ各種事業を着実に推進することにより、「人が輝く活力あふれる砺波」の実現を目指してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、2項目めの介護保険制度についてでございますが、第5期介護保険事業計画につきましては、現在、砺波地方介護保険組合において、3市の副市長で構成いたします計画策定委員会を中心として策定作業が進められております。
 議員がおっしゃられるとおり、介護保険計画は3年ごとに介護認定者の見込み、サービスの供給体制の増減、介護報酬の改定などを見直し、向こう3カ年間の介護給付費や地域支援事業費などを推計し、これをもとに保険料が算定されているものであります。
 今回の改定につきましては、介護給付費の算定に大きく影響する要因としては、国がこれまで行ってきた施策として、平成21年度から実施されました介護基盤緊急整備臨時特例交付金による、グループホームなど第5期以降の予定分の前倒し整備によりまして介護給付費の増加、同じく平成21年度から介護事業所へ交付されております介護職員の処遇改善等臨時特例交付金、平成24年度以降取り扱いの介護保険法改正による平成24年度から新たに設定されるサービスによる影響など、保険料負担の増加につながるものと考えられます。
 一方で、組合としては、介護サービス事業所の増減、第1号被保険者の人口推計、要介護認定者の増加に伴うサービス利用者の推計などが介護給付費算定の根拠となります。また、施設整備の前倒しにより、介護給付費は平成22年度から計画値よりも増加傾向にあり、構成各市で実施している介護予防事業による介護給付費の伸びの抑制だけでは増額改定は避けられないと考えております。
 また、3年ごとに行われます介護報酬の改定につきましても、現在のところ明確な方針が示されておらず、苦慮しているところであります。このような状況の中で、負担軽減策として各保険者の拠出金を含めて県で積み立てております財政調整基金の取り崩しができるよう法改正が行われたところでございます。また、介護保険組合で積み立てております介護給付費準備基金の取り崩しにより、保険料負担軽減を図ることにしております。
 また、今回の改定では、9段階の負担区分を10段階とし、低所得者層に配慮した区分設定を予定いたしております。
 次に、介護施設の待機者につきましては、毎年、県内の保険者と県が実施しております、4月1日現在の特別養護老人ホームの待機者調査では、平成23年は組合管内で688人となっており、内訳は砺波市が186人、小矢部市が183人、南砺市が319人となっております。
 また、国の介護保険施策の見直しにより、施設介護から在宅介護へ移行しており、一部を除いて、施設に対する助成措置がなくなったことから、現在のところ、新たな特別養護老人ホームや介護老人保健施設の整備計画はないと聞いております。
 以上、井上議員の御質問の答弁とさせていただきます。

◯議長(稲垣 修君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
 ほかに質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(稲垣 修君) 質疑なしと認めます。これをもって、市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。

               議案の常任委員会付託

◯議長(稲垣 修君) ただいま議題となっております議案第49号から議案第78号まで、平成23年度砺波市一般会計補正予算(第4号)外29件については、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の各常任委員会に付託をいたします。

                  日程第2
   「受診時定額負担」を導入しないよう国への意見書採択を求める請願外2件

               請願の常任委員会付託

◯議長(稲垣 修君) 次に、日程第2 「受診時定額負担」を導入しないよう国への意見書採択を求める請願外2件は、お手元に配付してあります請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託をいたします。

◯議長(稲垣 修君) 以上をもって、本日の日程はすべて終了いたしました。
 お諮りいたします。明12月15日から12月20日までの6日間は、議案審査等のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(稲垣 修君) 御異議なしと認めます。よって、明12月15日から12月20日までの6日間は、議案審査等のため休会することに決しました。
 なお、次回の本会議は12月21日、午後2時から開会をいたします。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 どうも御苦労さまでございました。

 午後 3時15分 閉議