1.会議の経過
午前10時00分 開議
◯議長(井上五三男君) ただいまの出席議員は21名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
これより本日の日程に入ります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)
◯議長(井上五三男君) 日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第40号から議案第58号まで、平成22年度砺波市一般会計補正予算(第4号)外18件についてを議題といたします。
これより、市政全般に対する代表質問、並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
17番 林 忠男君。
〔17番 林 忠男君 登壇〕
◯17番(林 忠男君) 皆様おはようございます。
今12月定例会に当たり、通告に従い、私は自由民主党砺波市議会議員会を代表し、上田市長並びに市当局に質問をいたします。
国の議会では、言葉の重みが感じられず、やじが飛び交う中で進められ、言論の府のはずが、このところ口論の府となりつつあります。また、代表質問にもその手の言葉が紛れ込み、政権への失言は言うまでもなく大きく、このような状況の中から、当市議会ではしっかりとこの言論の場で、市民の負託を受けた立場で市民の生活の向上につながるようにと考えております。
それでは、まず最初に、平成23年度予算編成の方針、予算の総額抑制、実質公債費比率見込みについてお尋ねをいたします。
日本経済は世界経済の成長鈍化に伴う輸出の減速と、これまでの政策効果の一巡により、踊り場に入っていると思われます。エコカー補助金やエコポイントの打ち切りに伴う生産調整が終了し、世界経済が景気拡大スピードの調整を終え、再加速に向かうとされる来年春以降には、輸出の増加を通じ、日本経済も足踏み状況から回復軌道に戻ってくると見込まれています。
しかしながら、国内での有望な投資先は見出しにくいと考えられており、企業収益の回復が設備投資や雇用の回復となり、景気回復が自立性を高めていく可能性は低いと考えられます。踊り場脱却後の日本経済も何らかのショックがあった場合、景気回復が途切れず、緩やかにとどまるものと思われます。
また、最近、北朝鮮による韓国砲撃など、国際情勢においても不透明感があるように、そこで、来年度予算の編成に際して、市長は、当市の予算規模は、当市の置かれた現状を考えたとき、実質どの程度が適正とお考えになるのでしょうか。私は、実力以上の予算規模となっており、このことが公債費比率の上昇を招いているように思えますので、今後の予算規模の推移予測と実質公債費比率の見込みについてお伺いをいたします。
予算編成の税収見通しや基本方針、重要案件について、現在どのようなお考えでしょうか、次の4つの項目についてお答えください。
行政改革の進展について。砺波地域職業訓練センターについて。事業行政評価の来年度事業反映について。現在考えている、さらなる交流人口増加の具体策について。
次に、総合計画後期基本計画の概要についてお尋ねします。
現在、検討が進められている総合計画後期基本計画について、その期間は平成24年度から平成28年度としており、公募3名を含め45名の市民委員と、庁内各部署から選ばれた総合計画策定委員会専門部会の職員が協働でまちづくり研究会を組織し、素案作成のための調査研究を行っていることは、市民による計画づくりには大切なことと考えます。
そこで、見直しの素案づくりの視点とワークショップ等における進捗状況、並びに意見の中間取りまとめの状況についてお伺いいたします。
次に、ボランティアとなみの進捗と今後の展開についてお伺いします。
今年7月から始まった「レッツ!ボランティアとなみ」は、市長の推奨する市民1人1ボランティアを進めるための手法としては有効的なものであると思います。
そこで、実際にこの制度で活動されている方々の率直な意見はどのようなものがあるのか、お伺いいたします。
一方、対象となる活動に参加された方にポイントシールを配付し、シールがたまると砺波市の施設を利用したり、福祉作業所などの自主製品と交換したりすることという手法は、とかくボランティアをすることではなく、ポイントシールをためることに通じて、ポイント交換がメーンとなることが危惧されております。
そこで、実際そのような意見がないのかどうか、また、この手法について、今後見直し等を検討されているかどうか、聞かせください。
次に、空き家の適正な管理についてお伺いいたします。
散居村の景観を保存するために、今年4月に都市整備課内に景観まちづくり班を設置し、計画策定を進められていると思いますが、その策定の中で、昨年からまちづくり共同事業で調査が進められてきた空き家の問題があると思います。各地区に多く存在し、その存在に地区の皆さん方も苦慮されている空き家について、その適正管理はどのようにしていけばよいのか、お伺いします。
全国的には埼玉県所沢市やふじみ野市において適正な管理がなされず、草木が生い茂り、老朽化も進み、倒壊寸前や建材が飛散するおそれのある空き家等に関して、所有者に適正な管理をするよう助言、指導などを行うことを規定する条例を策定したり、施行を行っているように聞いております。市当局の対応についてお伺いいたします。
次に、放送デジタル化によるケーブルテレビの加入促進についてであります。来年7月から従来のアナログ放送が終了し、すべての放送はデジタル放送のみとなりますが、この機会を利用して現在のケーブルテレビの普及率の向上を目指すべきではないかと思われます。
今後、行政放送を見ている市民と、そうでない市民がいるということは、行政サービスの普遍性から見ても決して好ましくないと考えますが、今後も加入見込みはいつまで、どこまで上げることを目標に考えているのでしょうか。特に行政には計画性が大切であり、その水準まで上げるためには、今までのような加入促進策では困難と考えます。新たにどのような対応策をお考えか、お尋ねいたします。
次に、砺波総合病院のDPCによる経営への影響と、病病連携、病診連携の今後についてお伺いいたします。
砺波総合病院のDPCについて、昨年4月から導入され、平成21年度決算においても経営的に大きな効果が出ているものと考えますが、患者にとって在院日数の減少につながる面もあり、もう少し入院していたいという声が聞こえてきます。実際、患者の意見はどのようなものなのか、お伺いいたします。
また、現在検討されている砺波医療圏地域医療検討会等において、砺波総合病院は今後の病病連携や病診連携の中で中核的な働きをすることが求められると考えますが、現在の検討状況と今後の進むべき方向をどのようにお考えがあるか、お尋ねいたします。
次に、タウンミーティングの成果と今後の市政の反映についてお伺いいたします。
タウンミーティングは、今年11月19日開催の太田地区を最後に全地区において開催されたものであり、直接市民との対話を行うことは大切でありますが、その内容については、市の厳しい財政状況について市民の理解を得たいという意味合いがすごく感じたように思います。
しかし、タウンミーティングとは地域での重要な意見を聞く場であって、ここで得たさまざまな意見は今後の市政の中で重視していかなければならないと思います。各地区の要望については、今後どのように対応されるのか、お聞かせください。
最後に、北陸新幹線開通に伴う城端線の交通対策についてお伺いいたします。
JR西日本の佐々木社長は、平成22年12月1日、東京都内で記者会見をし、赤字路線に対してさほど豊富な輸送量もなく、経営的に苦しい地域交通のあり方を、枝線の城端線・氷見線などを対象にバス転換の可能性を含めて地元と議論したいと発表されました。
それを受けて、富山県議会、平成22年11月定例会で繰り広げられた一般質問の論戦で、3人の県議が平行在来線に言及しましたが、枝線に触れる発言はありませんでした。
砺波、南砺両市に住む市民にとっては、枝線と言われる城端線は会社通勤や中高生の通学に欠かせないものであり、また、日中時には高齢者を含む多くの住民にとっては、なくてはならない大切な交通機関であります。
平成26年には北陸新幹線開通を控え、従来から城端線及び氷見線を含め、JR側と十分な議論がなされているものと、市民の大半が安心していたはずであります。あと残りわずかな期間で今から地元と協議を始めるとは、砺波、南砺の市民にとってとんでもない話だと感じております。
市民の生活に欠くことのできない城端線は、現状のままで継続していくことを条件に、JR側に責任のある対応をしていただけるように働きかけをぜひお願いいたします。
以上で、自由民主党砺波市議会議員会を代表しての質問を終わります。市長並びに市当局の明快な答弁を期待して、終わります。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 林議員の自由民主党砺波市議会議員会を代表しての御質問にお答えをいたします。
まず、平成23年度の予算編成方針、予算の総額抑制、実質公債費比率の見込みの御質問にお答えをいたします。
平成20年11月に市長に就任いたしまして、ちょうど2年が経過いたしました。任期の折り返し点を迎えたところでございます。
この間、市の財政運営を振り返りますと、就任直前の平成20年9月に発生いたしましたリーマン・ショックに端を発した世界的な経済不況の影響を受けまして、地方自治体の取り巻く環境はことのほか厳しい中ではありましたが、国のたび重なる経済対策等に積極的に対応し、鋭意、経済・雇用対策等に取り組んできたところであり、ここまで概ね順調に推移してきたものと総括をいたしております。
そこで、平成23年度予算編成に当たっての基本方針でありますが、私は、これまでの一貫して責任ある市政運営に当たっては計画性と安定性、そして、地域の特色を生かしたまちづくりが大変重要だと考えてまいりました。
特に近年の厳しい経済情勢の中にあっては、限られた財源を効率的に活用するとともに、身の丈に合った計画的な市政運営を推進していくことが何よりも大切だと考えておりまして、多くの市民の皆さんの参画により策定されました新砺波市総合計画の第5年次実施計画を引き続き着実に実行するとともに、砺波市の特長を生かした観光や景観保全事業などにより、にぎわいづくり、特色あるまちづくりを積極的に推進してまいりたい、このように考えております。
平成23年度の予算規模でございますが、第5年次実施計画では、税収見込みを今年度当初より2億円少ない65億円余とする一方、社会福祉関連予算等の伸びに対応するため、基金からの繰入金を増額することで、一般会計予算総額については201億円程度と見込んでおります。
これは、平成19年度以来、4年ぶりに200億円を超える規模となっておりますが、このたびの国の補正予算に伴う事業の前倒しや地域活性化交付金事業への振りかえ実施、さらには子ども手当の給付額の影響など、今後の国の動向等を見据えながらも柔軟に対応していかなければならないと、このように考えております。
そこで、お尋ねの適正な予算規模についてでございますが、当市の総合計画実施計画における財政計画は、歳入については財政調整基金等も考慮した中、長期的な収入見込みに基づき、また、歳出につきましては、人件費などの義務的経費を含む一般会計総枠での計画となっておりまして、基本的には市の実態に合った予算規模になっているものと考えております。
したがいまして、今後とも、総合計画実施計画に基づき予算編成を行ってまいりたいと考えており、現在、総合計画後期5カ年計画を策定中のため、確かなことは申し上げられませんが、当面は200億円程度の状況が続くものと考えております。
ただ、予算執行に当たりまして、引き続き5%を超える経費節減目標を定めるなど、厳しく対応してまいりたい、このように考えております。
次に、実質公債費比率の推移の見込みでございますが、御案内のとおり、実質公債費比率につきましては、当該年度より、その前の2カ年の3カ年平均で算出される指標であり、平成21年度には22.2%と、平成20年度の23.3%に比べ1.1ポイント低くなったものの、以前高い水準にあります。これは、平成19年度市債償還ピークであり、単年度比率が24.4%と、とりわけ高かったことが大きく影響してきたものであり、平成22年度につきましては20.9%程度まで下がるものと考えております。
ただ、現在の実質公債費比率には、総合病院の増改築事業等により、借入金の償還など、総合病院事業に伴う影響が5%程度含まれていることもあり、当面は同程度の水準で推移していくものと考えております。
次に、平成23年度予算について、特に重要案件として取り組んでまいりたい施策につきまして申し上げます。
まず、建設事業等では、小中学校の耐震改修事業への取り組みを強化したいと考えております。
現在進めております砺波北部小学校につきましては、校舎棟の改築工事を今年度中に終える予定であり、新たに今月中にも体育館の耐震改修工事を発注するとともに、地域開放ホール新築工事及び既存の校舎大規模改造工事につきましても、できるだけ早期に着手し、平成23年度内に全工事を完了したい、このように考えております。
また、出町中学校の耐震改修事業につきましては、プロポーザルに基づく基本設計を踏まえ、実施設計業務を実施するとともに、新たに庄川小学校の耐震改修事業について基本設計業務に着手してまいります。
その他といたしましては、特に観光振興戦略プランに基づき、夢の平レクリエーション施設等の観光施設整備に重点的に取り組んでまいります。また、下水道事業も含め、道路、公園、用排水路などの都市基盤の整備等に係る多くの継続的に実施している事業につきましても、鋭意取り組んでまいりたい、このように考えております。
次に、建設事業以外の特に重要なものでありますが、まずは、砺波市の新しい5年間の姿を描きます総合計画後期5カ年計画の策定に全力で取り組んでまいりたいと考えております。依然厳しい社会情勢の中で、夢のある、明るい砺波市を創出できるように、多くの皆さんの御提言をお願いしたいと考えております。
また、第60回となみチューリップフェアを魅力ある形で開催いたしまして、これを大きな契機として散居の景観や増山城跡、庄川温泉郷の市独自の文化・観光資源等を生かしながら、暮らしたい、訪れたいまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
その他といたしまして、新型日本脳炎、子宮頸がんワクチン等の積極的接種や、不妊治療に対する助成の拡大などの子育て支援、健康づくりの事業拡充並びに砺波医療圏地域医療検討会の継続開催や砺波地域消防組合による広域的な救急消防業務の開始などによる安全・安心の確保等に努めるとともに、引き続き特別会計、企業会計の経営の健全化に鋭意取り組んでまいりたい、このように考えております。
なお、今回特に特徴的な事業といたしました総合計画にとらわれない自由な発想による新しい事業を創出するため、総額2,000万円の特別枠を設けたところであり、多くの提案がなされている状況であります。
次に、御質問にありました幾つかの具体的な事案に係る、平成23年度予算での対応方針等につきまして申し上げます。
まず、行財政改革に伴う新年度予算の対応等でございますが、平成23年4月には、定員適正化計画のとおり、職員11名の削減を予定し、人件費の抑制に努めるとともに、新たに給食センターの調理業務の委託による学校給食予算の縮減、さらには市営バス、福祉バス等の総合的な運行の見直しや市観光協会の法人化等に伴う予算措置等を見込んでおります。
また、事務事業の行政評価につきましては、現行事務事業のあり方につきまして、新たに別部局の職員による2次評価を加え、客観的な評価に努めたところであり、今後の行政運営に生かしていくべきものと考えております。
次に、砺波地域職業訓練センターについてでございますが、同センターは、平成23年度から市の施設として管理することになることから、勤労者等の職業訓練や職業能力開発等を中心に現在のあり方を検討しているところであり、必要な予算を確保してまいります。
次に、観光振興戦略プランに掲げられた交流人口の拡大の具体策について申し上げます。
当市の人口につきましては、合併後、微増となっておりましたが、平成18年12月末の住民基本台帳人口4万9,545人をピークに、わずかながら減少に転じました。
おかげさまで、ここ1年は再び微増の傾向にあり、この11月末現在では4万9,476人となっておりますが、この間、社会動態はほぼ横ばいの状況にあります。
このような中にあって、観光振興戦略プランの目指す交流、滞在人口の拡大は、暮らしたい、訪れたいまちづくりを進める大変重要な課題となっております。
そこで、関係団体等の協働により、中京圏や友好都市等の皆さんとの文化・スポーツ交流等の推進や、研究会、合宿など、砺波ならではのコンベンションの誘致などの市民交流を推進する施策への積極的な支援について検討するとともに、市のホームページを全面的に改修し、特に観光分野を大幅に充実させるなど、積極的な情報提供に努めてまいりたい、このように考えております。
次に、砺波市総合計画基本計画の概要の御質問にお答えいたします。
まず、計画策定の取り組みの経過から申し上げます。
計画を策定する主体の組織としては、本年5月に副市長を委員長とする庁内組織である総合計画策定委員会の立ち上げを経て、6月24日に、その調査研究部会である専門部会の会員24名と、地区自治振興会推薦の42名の市民及び公募・一般会員の3名を含め、合計69名のメンバーからなる、まちづくり研究会を発足をいたしました。
まちづくり研究会では、各会員がまちづくりの基本方針に則して4つの分科会に分かれ、現地調査も含めて毎月1回程度の割合で会議を開催し、計画の素案づくりのために調査研究に携わっていただいているものであります。
素案づくりの視点といたしましては、後期計画という意味合いから、現在の新砺波市総合計画の基本的な施策の体系は尊重しつつも、近年の経済不況と新政権が展開する新たな施策に代表される社会的変化への対応や、公共サービスの提供に際し、自治体と住民が担うべき役割の見直しも必要となっていることなどを念頭に進めていただいているものであります。
まちづくり研究会のワークショップにおける意見については、市民の目線から率直な提言をいただいており、医療や健康、福祉分野における健康づくり、疾病予防対策の推進及び砺波総合病院の高度医療体制の確保並びに高齢者福祉サービスの環境の充足などに、また、教育関係分野における教育施設の耐震補強の優先的な取り組みや家庭の教育力の強化などについて、特に高い関心が寄せられている状況であります。
なお、各分科会の調査研究については、年明け早々から研究内容の取りまとめに入り、提言の集約が終了次第、提言書として提出いただくスケジュールになっております。
その後、この提言を踏まえました計画案を、庁内組織である総合計画策定委員会で審議した後、諮問機関である砺波市総合計画審議会に諮って答申を得、その答申を踏まえたものを議会で議決をいただき、計画が決定することになるものであります。
次に、「ボランティアとなみの進捗と今後の展開は」の御質問にお答えをいたします。
ボランティアの関心が高まる中、他市に先駆けて本年7月にスタートしたボランティアポイント制については、先月末までに福祉施設での外出支援やイベント補助や社会福祉事業へのボランティア参加や講座への出席、また、ケアネット活動への参加により、配付ポイントの総数は2,151枚でありました。
また、ボランティア関係の相談件数は、昨年度1カ月から平均60件であったものが、今年度は70件に増え、また、ボランティア講座の受講者数もこれまで205人を数え、昨年度の年間の受講者数の倍になり、さらには個人のボランティアとして新たに15人の方が登録されるなど、少しずつそのすそ野は広がっていることが伺え、大変うれしく思っております。
この制度の試行期間は来年の3月までであり、現在までの状況については調査分析中でありますが、これまでの関係の皆様方からは次のような御意見をちょうだいいたしております。
1つは、福祉関係のうち、一部の活動のみを対象としているが、不公平感のないように、対象範囲をもっと広げてはどうかという御意見。
2つ目には、ボランティアに関心を持ち、講座を受けるきっかけになってよかったという御意見。
3つ目には、無償の善意の行為なのに、ポイントによってサービスが受けられるという考えには違和感があるという御意見。
4つ目には、ポイントを参加者に手渡すことや、その都度活動状況を報告するなどの事務が煩雑であるという御意見。
5つ目には、ボランティアを受け入れたことがなく、不安であるという施設の御意見などさまざまでありました。
現在はポイントの配付の対象が福祉施設等のイベントの補助、外出支援などの一部の活動に限っていますが、今後の制度の運用につきましては、活動の参加者やボランティアを受け入れる福祉施設などの御意見を聞きながら見直しを進め、来年度からはポイントの配付の対象となる活動範囲を拡大し、ボランティアとなみを推進してまいりたい、このように考えております。
このポイント制に賛否両論があることはよく承知しておりますが、不都合なところがあれば、その都度見直していこうという姿勢で前向きに取り組んでいただいているところであり、市民1人1ボランティアのすそ野を広げるために、ぜひ皆さん方の御理解を賜りたいと、このように考えております。
次に、空き家の適正な管理についての御質問にお答えをいたします。
アズマダチなどの伝統的な家屋を対象とした空き家調査については、現在NPO法人砺波土蔵の会にまちづくり協働事業として取り組んでいただいており、一部においては未精査の区域が残っておりますが、これまでの調査では180棟以上の空き家が確認されていると聞いております。
そこで、倒壊寸前で建材が飛散するおそれのある空き家などが適切に管理されるよう、助言、指導を行う条例を制定してはどうかという御提案でございますが、全国的に適正に管理がなされていない空き家や空き地の美化に関して、いわゆる環境条例に盛り込んで罰則を設け、所有者の義務として適正管理をルール化するという例がないわけではありませんが、しかし、適正管理を行わないからすぐに罰則を適用するというものではなく、所有者や使用者あるいは相続人など、真の管理者を特定した上で是正勧告や報告義務を発したのに、これに応じない場合など、過料を科すというようなことまでしか規定がないために、必ずしも十分な実効性を伴うものではないと聞いております。
空き家が近所に迷惑がかかるような状態となった場合には、その対策として最も期待できるのは、何といっても地域的なつながりを生かした対応ではないかと思われます。幸い当市では、自治会などを中心とした自治組織がしっかりしていることから、つき合いのあった地元の方々からの働きかけのほうが所有者との話も円滑に進み、解決に向かう可能性が高いように思います。
そして、その上で、地元の皆さんがそのような地域の力を発揮するための活動に対し、市として何らかの支援をしていくのがよいのではないかと思われますので、市の支援方法等につきましても研究していきたいと、このように考えております。
また、空き家の売買や賃貸につきましては、宅地建物取引業協会さんと連携して市のホームページを利用して不動産の媒介物件として空き家の建物の写真や平面図、所在地、希望価格などの情報を提供し、活用希望者を募るという空き家情報提供サイトを本年4月から運営をいたしております。このサイトは随時更新が可能ですので、宅地建物取引業者を通じて空き家の所有者がその情報を登録していただければ、財産処分の一つの方策となるものと考えております。
空き家対策につきましては、本来民間経済活動として行うこととされている不動産の賃貸や売買を活発化させて、より適正な管理者を確保するということが基本ですので、今後はこれらの活動をお手伝いいただける自治振興会やNPOなど各種団体と連携して、有効な取り組みができないか、検討していく必要があると考えておりますので、いろいろと御意見をお聞かせ願えればありがたいと、このように考えております。
次に、タウンミーティングの成果と今後の市政の反映についての御質問にお答えをいたします。
私が市長に就任以来、市民と行政の協働のまちづくりを進めるに当たり、各地区の市民の皆さんとひざを交えて意見交換するため、タウンミーティングを設けたものであり、各地区の自治振興会の協力を賜り、去る11月19日の太田地区を最後に、全地区において開催することができました。
タウンミーティングは住民との直接対話により率直な御意見をお聞きし、今後の市政に反映するとともに、地区からの要望の場というだけでなく、市が抱える諸問題につきましても皆さんに説明と提案を行う、いわば行政と市民の相互理解の場として位置づけをしており、大きな成果があったものと考えております。
その折に提案されました御意見には道路整備などのハードに関する御要望が多かったように思いますが、これらのうち、緊急を要するものについては既に取り組みを開始した事業や、これから予定する事業に加えたものはありますが、ますます厳しくなる財政環境の中でございますので、施策の全体のバランス等も考慮して、適切に判断してまいりたいと、このように思っております。
とりわけ新たな施設や幹線道路の整備、教育施設の耐震改修、幼稚園、保育所の一体運営などの要望に対しましては、その緊急度や優先度、市域全体としての均衡や隣接市との関係、そして、国の施策方針などを十分に踏まえることが必要であると、このように考えております。
このタウンミーティングを初めとした各種の広聴手段を通じて、これまでのちょうだいしてきた御要望、御意見を十分に踏まえまして、総合計画の中に組み込めるものはできるだけ組み込んでまいりたいと考えているところでありますが、皆様の御理解を賜りますようお願いを申し上げます。
次に、北陸新幹線開通に伴う城端線の交通対策の御質問にお答えをいたします。
過日の新聞記事で、JR西日本が記者会見において氷見線、城端線、大糸線など北陸方面の赤字路線について公共交通のあり方を地元と議論したい旨の発言があったと報道され、私も大変驚きました。
ことの真相は、赤字路線における公共交通のあり方についての一般論として述べたものであり、城端線や氷見線という固有名詞を出しての発言ではないこと、また、新幹線の開業に伴って、城端線、氷見線を経営分離する考え方は持っていないというのが現在のJRの考え方であるというものでありました。
ただ、報道によれば、JRが一般論として、赤字の枝線の経営について公共交通のあり方を地元と協議したいという意向は持っているようでございます。我々としては、JRに対しまして、これまで安定的に運営されるよう要望しており、今後についても運営されるものと考えております。
今月4日に東北新幹線が青森まで開業しましたが、それに伴うその枝線のJRからの経営分離はなかったと聞いております。しかし、JRが将来赤字ローカル線に関し、公共交通のあり方についてのお話を向こうから持ち出してこないとも限りません。JR城端線は住民の足を守る貴重な交通機関であり、地域の公共交通機関のかなめであります。これを死守しなくては本市の活性化はあり得ないと考え、JR城端線の運営について県や沿線市と日ごろから情報を共有し、連絡を密にして、今後とも、安定的に運営されるよう、JRに強く働きかけていきたいと考えております。
また、利用促進策としては、チューリップフェアなどの各種イベントにおけるJR利用者の利便向上を図るとともに、利用促進に向けた他団体と連携して県や沿線市で構成している城端線、氷見線活性化協議会において利便性の向上と利用者増に関する調査事業や利用啓発事業を実施しており、今後とも、継続的に展開をしてまいりたい、このように考えております。
私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては副市長並びに病院長からお答えをいたします。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
副市長 柴田敏秋君。
〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕
◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、放送デジタル化の機会をとらえたケーブルテレビの加入促進についての御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、来年7月にはアナログ放送が終了し、デジタル放送へと完全に移行することになります。そこで、となみ衛星通信テレビでは、アナログ放送契約の世帯に対し、デジタル放送契約への移行を推進しているところであります。また、ケーブルテレビ加入世帯へのサービスといたしまして、デジタル化後もアナログテレビをそのまま利用できるように、平成27年3月まではデジタル放送をアナログに変換して放送することとされております。
さて、砺波市のケーブルテレビ加入率はこの11月末で54.7%と、昨年同期よりも2ポイント増加しておりますが、となみ衛星通信テレビ管内の市の中では、残念ながら低い加入率でございます。
今年2月にとなみ衛星通信テレビが実施いたしました未加入者世帯へのアンケート調査では、アンテナで受信できる番組で十分であるとし、テレビにお金をかけたくないと思っている世帯が多いという結果が出ておりまして、さらなる加入率の向上には大変厳しいものがあるというふうに考えております。
しかしながら、少しずつではございますが、加入率が増加しておりますので、引き続き粘り強く加入を働きかけてまいりたいと存じております。
加入率の目標についての御質問でありますが、市といたしましては70%を目指したいと考えております。近年の増加率では、この目標の達成には少し時間がかかることになりますが、少しでも早く達成できるよう努力してまいりたいと考えております。
次に、具体的な加入促進策についてのお尋ねでございます。この11月に開催いたしました、砺波市、南砺市、小矢部市、砺波広域圏事務組合で構成いたします砺波地域ケーブルテレビ連絡協議会におきまして、となみ衛星通信テレビ株式会社に対し、加入率向上に向けた料金設定などを要望したところでございます。具体的には、より安価な月額料金コースを新設することや、テレビとインターネットの両方に加入する世帯の料金をさらに引き下げることなどを強く要望したところでございます。
また、現在コミュニティー放送は通常画質で放送しておりますが、来年4月からのハイビジョン放送に向けて、となみ衛星通信テレビ独自のチャンネルと合わせまして、現在3つあるチャンネルを1つのチャンネルに統合を図り調整を行っているところでございます。
コミュニティー放送がハイビジョンでの放送となれば、地区特派員だよりなどが今以上のきれいな画質でごらんいただけるようになるのではないかと考えております。さらには、データ放送を開始する予定でありまして、行政情報がいつでもテレビの文字情報としてごらんになることができれば、ケーブルテレビの優位性が高まるものと思っております。
先に述べましたデジタル放送のアナログ変換での放送もあわせてケーブルテレビの優位性を訴え、市の広報なども活用いたしまして、未加入世帯への加入促進PRを積極的に行ってまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
病院長 杉本立甫君。
〔病院長 杉本立甫君 登壇〕
◯病院長(杉本立甫君) 私からは、林議員の代表質問のうち、砺波総合病院のDPCによる経営の影響と病病連携、病診連携の今後についての御質問にお答えいたします。
まず、DPC(診断群分類別包括評価制度)につきましては、メリットの一つとして、医療の質の向上と効率性を図ることが期待されています。
これまでの出来高払い方式では、実施した検査や処置などの診療行為ごとに医療費を計算するため、医療行為が多ければ多いほど、入院日数が長ければ長いほど診療報酬が増え、効率的な医療をした場合は診療報酬が増えないという矛盾がありました。
これに対し、DPCでは病名と処置や手術などにより決められた診断の分類によって1日当たりの医療費が決められ、また、入院日数が短いほど、1日当たりの入院費が高く設定されているため、回復への効率的な治療を行うほど利益が発生するという点数構造になっています。
当院では、昨年4月からDPCを導入し、入院初日の検査等の外来移行や必要のない検査等の抑制などにより治療の標準化を図るとともに、後発医薬品の導入などにより経費の節減を図り、効率的な医療を推進してきています。その結果、経営的にも大きな効果が出ているものと考えています。
しかし、一方で、在院日数が短縮化したことにより、入院患者数が減少するという結果となっています。
患者さんにとっては、効率的な治療によって早期に家庭や仕事に復帰するとができ、また、医療費も軽減されることから、多くの方には喜んでいただいているものと考えていますが、在宅での受け入れが困難な患者さんにとっては、少しでも長く病院にいたいという希望もあると聞いています。
病院としては、入院治療の必要のない患者さんを長く入院させておくことは本来の趣旨に反するものであり、入院治療が必要ないと判断される場合には退院をお願いしているところであります。
しかしながら、もう少し入院治療を続けることにより在宅復帰が容易になるなど、患者さんの家庭の状況や意向も確認し、必要な場合には入院期間の延長にも配慮しているところであります。今後も患者さんの状態や家庭状況等にも配慮しつつ、対応していきたいと考えています。
次に、砺波医療圏における病病連携、病診連携の今後についての御質問にお答えします。
砺波医療圏の医療問題を行政、医師会、病院関係者などが協議できる場を設け、現状と課題を明確にし、解決策を具体的に示していくことが大切なことから、富山県砺波厚生センター所長、三市副市長、医療圏内公的病院長及び医師会長、砺波広域圏事務組合事務局長、砺波広域消防本部消防長及び小矢部消防本部消防長などによる砺波医療圏地域医療検討会を設置し、平成22年3月には、砺波医療圏における救急医療体制のあり方について中間報告されています。
その中で今後の方向性としては、1、救急医療の積み残し課題のルール策定や住民に対する普及啓発活動の整理を行うこと、2、富山県地域医療再生計画に伴う病診連携、病病連携の事業内容について検討調整を行うこと、3、病診連携、病病連携、医療と福祉の連携の現状について検討し、具体的な解決策を提2言することが示されています。
このような方向性を踏まえ、富山県地域医療再生計画に基づき砺波医療圏の医療機関相互の機能分担、医療情報の共有化に向けて砺波医療圏医療情報連携ネットワーク事業を推進してきましたが、このたび、県、小矢部市、南砺市、砺波広域圏事務組合及び関係医療機関との協議が整ったことから、事業着手する予定であります。この事業が砺波医療圏の病病及び病診連携を強化するとともに、限りある医療資源の有効活用を推進し、砺波医療圏内の地域住民に安全で安心な医療を提供するための基盤となるものと考えています。
また、県は富山県医療計画の見直しとの整合性を図るため、公立病院等の再編・ネットワーク化に関する計画等を策定し、その実現に参画することが求められていることから、県では、富山県型医療ネットワークの構築に向けての公立病院等の機能連携の強化などに関する計画について砺波地域医療推進対策協議会に提案しています。
その内容は、1、機能連携の推進(限られた医療資源の有効活用)、2、緊急性が高い分野の充実・強化(患者ニーズに対応した医療体制の整備)、3、適切なサービス選択の支援(地域医療を守る観点からの県民への啓発)を取り組みの柱としたものであります。
このような方向性を踏まえ、地域医療に対するさまざまな課題について、医療圏の自治体全体で共有し、砺波市、小矢部市、南砺市の枠組みの中で、民間医療機関を含めた各医療機関などの役割分担と連携強化による切れ目のない医療・介護・福祉の提供が重要であると考えています。
いずれにいたしましても、砺波医療圏の今後の地域医療のあり方につきましては、行政と医療関係者、住民が一体となって考え、理解と納得を得た上でなければ前進しないと考えるところです。
今後とも、県の参画もいただきながら、砺波医療圏の地域医療提供体制の安定確保に向けて病病及び病診連携強化などの促進に積極的に協力してまいりたいと考えています。
以上でございます。
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
◯議長(井上五三男君) これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
7番 今藤久之君。
〔7番 今藤久之君 登壇〕
◯7番(今藤久之君) 発言の許可をいただきましたので、質問通告書に従い質問と若干の提案をさせていただきます。
最初に上水道についてお尋ねいたします。
人間の身体は60%以上が水分であるそうです。また、すべての命のあるものは水がないと生きてはいけません。安全でおいしい水の安定した供給は重要なライフラインの一つであると言えます。
さて、産業建設常任委員会では水道事業の視察のため、10月下旬に山形市へ行ってまいりました。視察の主な調査項目は、ペットボトルに水道水を詰めた「やまがたの水」と有収率の向上対策についてでした。
「やまがたの水」は水道水のおいしさや安全性のPRと災害備蓄としての目的が主な製造理由とのことで、災害対策として500ミリリットルのペットボトルを常時3,000本備蓄しており、会議や催事での使用のほかにも、契約店舗での販売も行っているとのことでした。また、全国どこの水道事業でも課題となる有収率の向上対策では、平成24年度に93%達成を目標として努力をされておりました。
有収率を向上させるには、漏水防止対策を徹底させることが非常に大切になるわけですが、漏水防止には2通りの対応があろうと思われます。
1つは、即応的な対応で、既に漏水が起こっている箇所の調査と修理です。いま一つは、予防的な対応で、老朽管の更新やふくそう給水管の統合などがこれに当たります。
漏水箇所の発見について、今回の視察で多点相関式漏水調査器というものを知りました。従来の漏水調査方法としては、水道施設に直接当てて聞く棒状音聴器や路面で聞き取る電子式漏水発見器、あるいは漏水が予想される箇所を挟んでセンサーを設置し漏水箇所を探す相関式漏水発見器などがありました。しかし、これらの方法では交通量が多いとか、都市騒音があるとか、職人的な技や経験がないなどの場合では良好な結果が得られないというものでした。
一方、この新しい多点相関式漏水発見器では、そのような状況下でも漏水調査が可能で、広範囲な調査が一度にできるだけではなく、データや漏水音の記録と後日の解析が可能とのことです。残念なことに、この最新式の方法は機材が数百万円と高価なものでもあります。また、従来の方法と併用することで効率的な漏水調査ができるとのことでもありました。
漏水は貴重な水資源の無駄になるばかりではなく、水道施設で消費されるエネルギーの浪費にもつながるものです。確かに価格は高額で、費用対効果という観点からの精査も必要だと思いますが、砺波市でも、この多点相関式漏水発見器の導入を検討してはいかがでしょうかと提案をさせていただきます。
砺波市における平成21年度の有収率は82.11%となっておりますが、有収率向上の具体的な目標値はあるのでしょうか。また、毎年漏水調査委託をされているとお聞きしていますが、その成果についてもお聞かせいただきたいと思います。
砺波市は清流庄川流域に広がる扇状地であり、散居の地でもあることから、地理的にも社会的にも水道事業には条件的に厳しいものがありますが、有収率、有効率の向上にはより一層の努力を望むものです。
次に、水道料金の統一についてお尋ねいたします。
平成21年度の砺波市水道ビジョンによりますと、砺波地域では、昭和30年ごろの生活用水は主に家庭用井戸に頼っており、昭和40年代に入り、一部地域で家庭用浅井戸の水質汚染や渇水期の井戸枯れ等が生じたため、各市町村で湧水や地下水を水源とした水道事業を創設し、各家庭に水道水を供給し始めたとあります。
その後、昭和48年度に1市5町1村で一部事務組合である砺波広域水道企業団を設立し、水道用水供給事業を開始し、さらには、平成16年度の構成市町村の合併を機会に砺波広域圏事務組合と事業統合し、現在に至っているところです。
さて、その砺波市水道ビジョンによれば、平成24年度以降は料金体系及び水道料金を統一するとあります。合併時の大きな懸案事項であった料金の統一が図られることはまことに結構なことであります。
私自身も平成18年の9月定例会でこのことについて質問をさせていただきました。当時はまだ旧庄川町と旧砺波市の料金体系や水道料金の乖離が大きく、しばらくの時間が必要との答弁であったと思います。
水道料金については、平成16年11月1日に旧庄川町と旧砺波市が合併以来、これまでも段階的に幾度となく水道料金を変更し、1市2制度の解消に向けての調整が進められてきたところです。
そこで、この水道料金の統一についての経緯と実態についてお聞かせいただきたいと思います。
次に、水道料金の未納対策についてお尋ねいたします。
水道事業は基本的には独立採算性の事業で、水道水の確保から供給までにかかる経費は一般的な市の行政とは異なり、税金で賄われているわけではありません。その費用は、水道利用者の水道料金によって支えられているものです。
安心して飲める良質の水を途切れることなく供給するために、日々の営業や管理を行うためにも、将来的な設備更新のためにも、水道料金の未納は大きな問題となります。また、公平性の観点からも未納の水道料金はあってはならないものと言えます。水道料金の未納があると、本来であれば、水道事業の恩恵を受けるすべての人々が負担するはずの費用を、まじめにきちんと支払った人だけの水道料金で満たさなければならなくなり、結果として大きな不公平が生じてしまうこととなるからです。
他市の例を見てみますと、未納対策として、納付期限までに支払いがない場合には督促状を出し、それでも支払ってもらえない場合には催告書を、さらには給水停止通告書と続き、最終的には給水停止という手段をとっているところもあるようです。
そこで、お尋ねいたします。
砺波市では、水道料金の未納はどの程度あるのか、未納金対策としてどのような体制で臨んでおられるのか、また、滞納者にも現在の不況下、離職や自宅待機などで苦しい生活を余儀なくされておられる方もあると想像されますが、一方で、営業を行いながら大口の滞納もあるともお聞きしています。一つ一つの事例に対してきめ細かな対応がなされているのか、公平・公正の観点から、どのような対処をなさっているのかもあわせて御答弁いただきたいと思います。
最初に申し上げたように、水道は重要なライフラインの一つでありますので、簡単に給水停止を行うわけにはいきませんが、未納金対策にはより以上の努力を傾けていただきたいと思います。
次に、上中野配水池の更新時期についてお尋ねいたします。
前述の砺波市水道ビジョンの今後の投資規模の項目を見てみますと、上中野配水池の更新時期は平成25年度から平成26年度となっております。これは、現在更新作業が進められている安川配水池の更新時期が平成22年度から平成23年度あることから、間が1年あくこととなります。
財政状況や投資資金など、さまざまな理由からこのような計画になっているのであろうとは思います。しかし、水道会計は比較的良好な状況でありますし、平成30年度までの水道水需要予測も比較的変動が少ないとされています。また、地震などの災害対策としても、さらには、青島水源に関しては過去に濁度が検出されたこともあり、水質確保の観点からも、できる限り早急に更新すべきだと思われます。
安川配水池が完成の運びとなれば、更新計画を1年前倒して、平成24年度から直ちに上中野配水池に着手してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。上田市長の御所見をいただきたいと思います。
大きい項目の2つ目、砺波市の情報システムについてお尋ねいたします。
現代社会では、民間、公共団体を問わず、その業務には必ずと言っていいほどに、ありとあらゆる場面で情報機器の使用がなされています。砺波市役所も決して例外ではなく、職員一人一人の机の上にはパーソナルコンピューターがある時代となっています。
担当の業務を行うために書類をつくり、記録をとる。その際に情報の検索が必要であれば、ネットで検索を行う。また、内外との連絡をとることや膨大な計算等々、その部署その部署でさまざまな利用をされているわけです。
今後もその流れが変わることはないと思われ、公益性確保のために、ますます多額な投資と人材を整備していく必要に迫られるのであろうと危惧もあるところです。一地方自治体として、しっかりとした情報化計画を立て、時代が必要とする電子自治体への取り組みが必要であろうと、私は感じています。
さて、情報機器の更新や新たな施策への対応、あるいはこれはでの施策の変更に伴うシステム改修などがある限り、その費用がかかることになるのですが、最も気になるのは、その金額です。砺波市においては、その業務に係る電算システムの年間費用はどのくらいになるのでしょうか。その推移についてもお尋ねいたします。機器のリース代、通信費なども含めまして、お聞きいたします。あわせて、今後の情報化への取り組みについても御答弁をいただきたいと思います。
最後に、クラウドコンピューティングについてお尋ねいたします。
クラウドコンピューティングという言葉を最近耳にする機会も増えてきました。これは、ユーザーがコンピューターのハードウェア、ソフトウェア、データなどを自らが保有・管理していた従来型の利用方法とは異なり、インターネットを介してサービスを受け、その利用料金を支払う形式であるそうです。
報道によれば、来年4月には150以上の自治体が主要業務に採用する見通しであるとのことです。また、総務省では、2015年にも約1,800ある全自治体に導入をし、年間の情報システム経費4,000億円を3割程度減らすことを目指すともあります。
このことが実現すれば、今まで庁舎内にサーバーを置いて住民情報などを管理する基幹業務システムを構築していたものが、そのような設備や管理が不要となるわけです。
また、小規模な自治体ほどメリットが大きいとも言われております。このことに対しての見解をお尋ねいたしまして、今回の質問を終えさせていただきます。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 今藤議員の上水道についての御質問のうち、上中野配水池の更新時期についての御質問にお答えをいたします。
上中野配水池につきましては、平成21年度に策定いたしました砺波市水道ビジョンにおいて、平成25年、平成26年度の2カ年で5億4,300万円で築造する計画として中長期計画に位置づけをしているものであります。
現在の上中野配水池は3基で3,600立方メートルの容量があり、昭和41年から昭和43年にかけて設置されたもので、既に40年以上経過をしております。
また、計画給水人口は3万7,800人、計画1日最大給水量は2万3,485立方メートルと多く、市内のメーン配水池であるため、更新に当たっては容量を増やすとともに、耐震性能を有した配水池にする必要があります。
現在、将来にわたり安定供給と安全性を確保するため給水区域のブロック割調査を行っており、適切な施設規模の設定や新たに土地を求める必要があるかなどをも含めて調査検討をしているところであります。
また、財政面においては、現在の経営状況に基づき将来の計画を再検討しており、内部留保資金と起債を有効に活用することにより、1年前倒しした場合でも財政計画には大きな影響がないと判断をしています。
したがいまして、上中野配水池建設事業につきましては、計画より1年前倒しして明年度に実施設計を行い、建設は、平成24年、平成25年度の2カ年の継続事業として計画を進めてまいりたいと考えております。
年々生活水準が向上することによる水需要増加への対応と安定供給、さらには災害時の水を確保するためにも最も重要な施設であり、市民の皆様が安心して生活が送れるよう、一日も早く完成するよう努めてまいる所存であります。
私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
企画総務部長 戸田 保君。
〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕
◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、砺波市の情報システムについての御質問にお答えをいたします。
御承知のとおり、現在、市では多くの業務におきまして電算機器を利用いたしております。各種証明書の発行業務や申請書類の処理、予算の編成、執行など大変多くの事務処理を電算システムによって行っているところでございます。また、議員御指摘のとおり、新たな施策や制度の変更に伴う改修にも経費がかかっており、その削減が問題となっているところでございます。
さて、電算システムの年間費用及びその推移についてお尋ねでございますが、一般会計の中でシステム化されている電算という限定ではございますが、電算費用の大半を占めている総合行政情報システムにつきましては、平成22年度予算では、サーバーなど機器リース料が4,300万円、プログラム保守料が1,500万円、機器保守料が2,100万円、その他機器消耗品など800万円、合計で8,700万円となっております。
また、その推移につきましては、合併翌年の平成17年度は約1億7,000万円であり、平成18年度から平成20年度は1億4,000万円台で推移いたしまして、平成21年度は、機器のリース期間満了しましたことから経費が少なくなり、約1億円の費用となったところであります。
また、今後の情報化への取り組みについて御質問ですが、行政改革大綱におきましても電子自治体を推進することといたしておりまして、現在、市税の電子申告や砺波地域の拠点病院のネットワーク化による電子カルテの共有化などに取り組んでいるところでございます。住民ニーズ、費用対効果などを考慮し、必要なものから取り組んでまいりたいと考えております。
なお、来年度からケーブルテレビのコミュニティー放送の中でデータ放送に取り組むことを計画中でございますが、市のホームページとデータ放送の連携を図り、ホームページの行政情報をケーブルテレビでも文字情報としてごらんいただくことができるようにしてまいりたいと考えております。
次に、クラウドコンピューティングについての見解をお尋ねでございますが、今藤議員さんが説明されましたとおり、現在、電算業務は庁舎内に置いてあります自前の電算サーバーを利用して行っております。
それに対し、クラウドコンピューティングは、インターネット上で電算のハードやソフトウェアをサービスとして提供を受けて業務を行う形式を言います。自前の機器を用意する必要がなくなること、ソフトウェアにつきましても最新のものの提供を受けることができること、セキュリティーが高く、災害などに強い設置場所を選べること、多数の利用により費用面でも安価となる見込みがあることなどから、国の方でも推進しようとしているところでございます。
当市の本年度発注の総合行政情報システムの更新では、検討はいたしましたが、まだ実現に向けての環境が整っておりませんので、採用はいたしませんでしたけれども、将来環境が整えば、検討することになると考えております。
ただ、費用面でメリットを得るためには、多くの自治体が同じシステムを利用することが条件となりますので、それに向けての調整を図っていく必要があると考えており、先般、呉西6市でその研究のための研究会を立ち上げたところでございまして、将来のシステム更新時において採用を検討していくことといたしております。
当市におきましても、安全面、費用面などを研究し、前向きに取り組みたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
建設水道部長 前野 久君。
〔建設水道部長 前野 久君 登壇〕
◯建設水道部長(前野 久君) 私からは、上水道についての御質問のうち、1番目から3番目までにつきましてお答えいたします。
まず、1番目の有収率向上対策についてでございますが、御承知のとおり、有収率とは、年間の総配水量に対する水道料金をいただいている有収水量との割合でございます。
近年の状況を申し上げますと、平成19年度は81.1%、平成20年度は79.6%、平成21年度は82.1%とほぼ横ばいの状態が続いておりますが、残念ながら県下では高いとは言えない状況でございます。
このことにつきましては、議員が述べられましたとおり、散居村であるがゆえに管路延長が長いという本市の地形的な要因もありますが、管やバルブなどが老朽化していることも一因として考えられます。
いずれにいたしましても、漏水防止対策を徹底させることが大切であると考えているところでございます。
なお、今年度の漏水調査における目標防止水量につきましては、市内全域を探索し、時間当たり約30立方メートルで、かつ、15カ所以上の漏水発見に努めているところでございます。
そこで、議員御提案の多点相関式漏水発見器の導入につきましては、電力やNTTケーブルなどの他業種管が付近にふくそうされている箇所などでは適した調査方法であると言われております。
当市におきましては、漏水調査は以前より経験豊富な専門業者に委託しておりますので、国道などの交通量の激しい場所やケーブルの埋設箇所などでは既にその機器を使用しているとのことであり、調査手法は幾つもございますので、場所によって機器を使い分けて調査されているものでございます。
このようなことから、独自で購入して職員が調査を行うよりも、これまで同様の委託方式のほうが確実で、かつ安価であることから、今後につきましても委託方式で調査する方針でございますので、せっかくの御提案でございますが、機器を購入する考えはございませんので、御理解賜りたいと存じます。
次に、有収率向上の目標値のお尋ねでございますが、県下平均値程度の85%をまず目標値といたしております。
また、漏水調査の成果につきましては、昨年度の数値で申し上げますと、時間当たりの防止水量が50立方メートルでありましたので、理論的には年間ベースで換算しますと、約44万立方メートルの漏水を防止したことになります。
したがいまして、単純に計算いたしますと、平成21年度の有収率は、平成20年度より3ポイント程度下がるところを82.1%と逆に2.5ポイント向上したことがその成果のあらわれであると理解しているところでございます。
なお、今後、有収率を上げていく方策といたしましては、計画的な老朽管の更新とともに、道路改良工事や下水道工事にあわせた管の整備を行い、あわせて漏水調査と修繕工事も継続的に実施し、適切な維持管理に努めてまいる所存でございます。
次に、2番目の水道料金の統一についての御質問でございますが、まず初めに、これまでの経緯につきまして簡単に御説明させていただきます。
御承知のとおり、平成16年11月1日に新砺波市が誕生いたしましたが、それまでに至る合併協議では、水道使用料金及び加入金につきましては、両市町の格差があり過ぎることにより統一するができず、それぞれ現行のまま新市に引き継ぎ、新市において段階的に漸次調整するものとするという調整方針が決定されたもので、1市2制度になっていたものでございます。
その後、旧砺波市給水区域の水道料金については、格差を解消するため、受水費の値下げ時や利益の還元策として3回にわたって引き下げを行い、合併前に一般家庭用では月20立方メートル使用した場合に月額651円あった料金格差を、昨年度では546円までに縮小をいたしております。
また、昨年9月議会におきまして、合併後5年目の節目に当たることから、市行政の一体性の確保の観点から統一を図るべきであるとの考え方のもと、砺波市水道事業給水条例の一部改正の議決を賜ったものでございます。
なお、激変緩和措置を設け、3年間で段階的に調整するものとし、旧砺波市の給水区域は利益を還元することによって段階的に引き下げを行い、旧庄川町地域は負担に配慮をしながら段階的に引き上げを行い、3年目の平成24年度に統一することにされたものでございます。
新料金は本年6月検針分から適用しており、そのことによりまして料金格差は、本年は月額420円、平成23年では210円となり、平成24年で格差0円となり、料金が統一されます。
また、旧砺波市給水地域の料金体系が口径別料金、旧庄川町給水区域が用途別料金となっていましたが、本年6月において、口径別料金に統一いたしました。このことによりまして、旧庄川町給水区域では、特に大口契約者において必要以上に大きな口径の水道メーターを設置している事例が見受けられ、大きな負担増となることが予想されたことから、事前に会社等へ説明に出向いたり、市広報や検針のお知らせ及びホームページに掲載し、料金改定の趣旨や制度の周知を図ってまいりました。
これらのことによりまして、旧庄川町の方からは電話の問い合わせや窓口での相談が、7月、8月において15件ありましたが、制度改正の趣旨や適切な口径への変更を説明し、理解を得たものと考えております。
また、料金改定を行うに当たり、3カ年の給水収益の推移をいたしておりますが、改正1年目の今年度平成22年度では約800万円の増額、2年目は400万円の減額、3年目の平成24年度で1,000万円の減額を見込んだ試算といたしております。
なお、今年度の10月までの実績では概ね計画どおり推移しており、最終的には目標額程度になるものと考えております。
次に、3番目の水道料金の未納者対策についてお答えをいたします。
まず、水道料金の滞納額についてでございますが、直近の11月末現在では、現年度分で滞納者数は779名、滞納金額では940万円余、過年度分では245名、1,610万円余となっておりまして、合計では、重複分を相殺いたしました滞納者数は938名、滞納額2,550万円余となっております。昨年の同時期と比較いたしますと、滞納者数はほぼ同数でございますが、金額においては110万円余減っております。
次に、未納対策の体制についての御質問でございますが、下水道使用料金とあわせまして、上・下水道使用料金として上水道課で一括して納入通知書を発行いたしております。また、同様に納期限が過ぎたにもかかわらず入金のない方に対しましては、納期限後、概ね20日をめどに督促状を送付し、早期の納付を促しているところであります。
その後、滞納となる方につきましては電話での催告や催告状の送付などを行い、それでもなお納付されず、納期限後6カ月を経過した方については給水停止予告通知を行っております。さらに、滞納者によっては個々いろいろな事情がありますので、随時臨戸訪問を行うことにより、分割納付や生活実態に応じた納付相談などを行っております。
また、毎週月曜日には窓口を午後7時まで延長し、納付相談などを行っているところでございます。
なお、このような納付や相談体制をとっておりますが、それでも納付意識のない方につきましては、公平・公正の観点から、やむを得ず給水停止を執行いたしております。
以上、申し上げましたが、滞納額がまだまだ多額であることから、引き続き上水道課及び下水道課職員が連携し、一体となって未納対策に取り組むとともに、新たな滞納者及び滞納金額を増やさないよう訪問等による督促を早目に行い、必要な場合には随時納付相談等も行い、徴収体制に万全を期してまいりたいと考えております。
以上で、私からの答弁とさせていただきます。
◯議長(井上五三男君) 9番 岡本晃一君。
〔9番 岡本晃一君 登壇〕
◯9番(岡本晃一君) 私は、市立砺波総合病院のことについてお伺いいたします。
少しは見直されましたが、診療報酬の引き下げ、医師不足、看護師不足、医療機器の高度化に対する対処、経費の削減、救急医療や山間僻地医療など、採算のとれない分野もカバーし、地域医療のセーフティネットを担っているのが砺波総合病院であります。
このように難問山積の砺波総合病院の経営のかじ取りをされている杉本院長に深い敬意を表します。内視鏡を使用した新しい手術の取り組みや、また、ジェネリック薬品への取り組みなど、全国版のテレビで紹介されています。このことは市民にとって誇りであり、将来に明るい希望を持たせるものであります。
私は、国の医療政策において、医師の定員を増やし、医療費抑制策の転換を図り、採算のとれない分野の診療報酬を引き上げることや、地方の病院で働くことを医師の研修プログラムに入れるなどの取り組みを進めることが重要だと思っています。そうしなければ、地方病院や地域医療そのものが崩壊してしまうと思います。
最近、新聞紙上で院内感染についてのニュースを目にしますが、どのようになっているのでしょうか。病気の治療の場である病院は、その一方では、多様な病原体に感染した患者が集まり、また、薬剤耐性菌が多く生息しているという点で、感染症が発生しやすい危険な場所でもあります。
よく耳にする言葉は、多剤耐性菌、NDM―1、アシネトバクター、多剤耐性緑膿菌、ムコール真菌等々があります。専門的なことはわかりませんが、菌によっては、健康な人にはほとんど影響がありませんが、免疫力、抵抗力、体力の衰えた人に感染しやすいという特徴があると聞いています。病気を治すために入院している患者さんが、院内感染によって命を落としたり、重症化することのないように祈りたいと思います。
細菌は目に見えません。このような厄介な院内感染に対して、砺波総合病院ではどのような対策をとっておられるのか、お伺いします。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
病院長 杉本立甫君。
〔病院長 杉本立甫君 登壇〕
◯病院長(杉本立甫君) 私からは、岡本議員御質問の院内感染についてお答えします。
さて、院内感染には大きく分けて2種類あります。1つは、感染力が強く、だれにでも感染の危険があり、院内で多数の患者、職員に感染した場合、病院の機能を維持することが難しくなるものとして、例えばインフルエンザやノロウイルス感染などがそれに当たると思います。そのためには、地域での感染状況の確認、院内での感染状況の確認と、感染が発生した場合の感染拡大防止対策の速やかな実施が必要となります。
もう一つは、議員も述べられましたが、患者治療の過程で不適切な抗生剤の使用などで発生してくる、例えばMRSA、多剤耐性緑膿菌など多くの耐性菌が報告されておりおます。これらの菌は健康な人にはほとんど問題ありませんが、免疫力の落ちた人などに感染すれば致命的になる場合が多く、そのため院内での細菌培養検査での耐性菌の確認、感染が確認された場合、速やかな標準予防策の実施と患者隔離が必要となります。
このように院内感染対策に関する院内全体の問題点を把握し、改善策を講じるなど、院内感染対策活動の中枢的な役割を担うため、平成22年4月から医療安全部に院内感染対策室を設置したところです。
その主な業務内容は、医療器具、処置関連サーベイランス、病院回診、職員の感染症の対策、例えばインフルエンザワクチン接種など、院内感染予防に関する相談、医療従事者への感染予防対策に関する教育、啓蒙、アウトブレイク発生時の対応、疫学的調査、院内感染対策マニュアルの管理、病院感染環境の監視、感染予防に必要な医療器材の選定、標準予防策の普及徹底、内外への広報活動、講習会の実施など、広範囲にわたっています。
このような感染対策を実施するために、感染症対策に経験を有する医師と感染管理の研修を終了した認定看護師を配置しまして、感染制御に関して一定の権限のもとに組織横断的な活動ができるように組織化し、体制強化に努めているところであります。
以上です。
◯議長(井上五三男君) この際、暫時休憩いたします。
午前11時41分 休憩
午後 1時00分 再開
◯議長(井上五三男君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
4番 島崎清孝君。
〔4番 島崎清孝君 登壇〕
◯4番(島崎清孝君) 通告に従いまして、以下質問をいたします。
初めに、前期総合計画の5つの基本方針の一つであります産業が発展するまちづくり、その中の1、商工業への振興支援、2、起業家の育成支援、3、コミュニティービジネスの創出支援、以上、3項目についてお尋ねをいたします。
地元商工業の活性化や新しい事業の創出など、将来に向けての内発的な振興対策は極めて重要であります。本市の商工業は言うまでもなく小規模な事業所が圧倒的多数を占めているのが特徴であります。
しかし、こうした地元商工業者の皆さんがこれまで地域経済を根底から支え、雇用を吸収し、地域社会を成長に導く、まさに活力の原点としての役割を担ってこられたものと認識をしております。
したがって、地域経済の持続的な発展のためにもさらなる商工業の活性化が不可欠でありますが、ここ数年、商工業を取り巻く環境は劇的に変化をし、大変厳しいものがあります。
そこで、上田市長は、市の商工業の現状をどのように受けとめ、どこに力点を置き、対策を講じるお考えなのか、緊急的な支援策並びに中期的な振興策、この2点についてお尋ねをいたします。
さて、市のこれまでの歴史の中では、サービス、運輸、生産技術、製造業など、誘致企業との共存共栄を図りながら発展してきた事業所も数多くあり、商工業にとっても企業誘致は大変重要な振興策の一つであります。
9月議会では、総論としての企業誘致に対する当局の見解をお聞きいたしましたが、改めて平成23年度、より積極的に企業誘致を推進するための具体的な事業の内容並びに予算規模について、現時点での検討状況をお尋ねいたします。
現在、企業誘致に真剣に取り組む多くの自治体では、向こう何年間で何社を誘致するといった具体的な数値目標を掲げ、短期集中型で取り組んでおります。
企業立地を考える企業にとりましても、その地域でのパートナーシップとしての地元商工業者の存在は大変重要な判断要素であります。時間軸や数値目標を明確にすることで、地元企業はさらなる品質向上対策など、何を優先し、何を準備すべきかといった具体的な経営課題が見えてまいりますし、守りから攻めの経営へと体質改善も進むものと存じます。
企業誘致は行政にしかできない、しかし、最大の効果を生み出す取り組みであります。企業誘致を取り巻く環境の厳しさにつきましては、9月議会でもるる申し上げ、十分承知をしておりますが、ぜひこの課題に正面から向き合い、真剣に取り組んでいただきたいと存じます。当局の見解をお聞きいたします。
次に、起業家の育成支援について伺います。
産業が栄えるまちづくりを具体的に推進するためには、起業家が次々と生まれ、新しい事業展開や新たな産業の創出に結びつく産業風土を醸成することは大変重要でありますし、市としても積極的に支援をしていくことが必要であると存じます。
初めに、この10年間、本市ではどの程度の起業家が生まれ、新規事業が立ち上がっているのでしょうか、実績をお尋ねいたします。
また、砺波市ハイテク・ミニ企業団地につきましては、地場産業の育成、強化ともに、新規分野への進出を目指す起業家の育成・支援を目的に整備されたものと伺っております。このハイテク・ミニ企業団地の利用状況並びにこれまでの成果についてお尋ねをいたします。
3つ目に、企業家の育成方法としては、事業展開の段階に応じた総合的できめの細かい支援策が必要だと存じます。市が行う具体的な育成支援の内容をお尋ねいたします。
また、現在各地で国の補助金を活用した経営体育成基盤整備事業が行われております。これから申請する地区も多いと伺っておりますが、この事業は申請から事業完了まで10年間を要し、さらに、完了年から8年間は農地転用が難しいとも伺っております。オーダーメード方式を採用する本市にとって、企業用地の取得は今後どのようになっていくのか、当局の見解をお尋ねいたします。
次に、コミュニティービジネスについてお伺いをいたします。
コミュニティービジネスとは、地域住民が主体となって、福祉、子育て、環境、まちづくりなど、多様な課題の解決にビジネス的な手法を用いて取り組むものであり、全国的にも期待や関心が急速に高まっております。また、地域における人材活用や雇用創出など新たな地域経済の活性化の手段としても大いに注目をされております。
活動形態につきましては、これまでの市民ボランティアやベンチャー企業とは区別され、活動の機会が地域の主婦や高齢者、地元自営業者など地域住民で構成されており、NPOや協同組合、企業組合、有限会社や株式会社などさまざまであります。また、ボランティア活動とは異なり、最低限赤字を出さないで事業として成立・継続させることが重視をされております。
また、期待される効果としては、1、行政との協働パートナーの育成と行政コストの削減、2、原材料、労働力、技術、ノウハウなど地域の資源を活用して取り組むことから、地域経済の活性化に貢献すること、3、シニア、主婦等による地域の新しい担い手による創業創出が期待できること、4、個人や地域の潜在的な力を生かし、実情に沿った形で、まちづくり、地域おこしが期待できること等々が挙げられると存じます。
そこで、まず、地域振興策として、また、行政との協働パートナーとしてのコミュニティービジネスに対する当局の見解をお伺いいたします。
2つ目に、本市におけるコミュニティービジネスの実態と具体的な支援の内容を伺います。
3つ目に、育成につきましては、本市の前期総合計画の中でも重点施策として位置づけられております。
近年、事業化に向けての勉強会や企業家講座の開催、費用の予算化、さらには今後の支援のあり方等について当局の考えをお尋ねいたします。また、今後、普及拡大を図るためにも、例えば地域再生の視点からコミュニティービジネスと連携した商店街活性化のモデル事業を公募支援するなど、具体的な施策を立ち上げてはどうかと存じます。当局の見解をお尋ねいたします。
次に、大きな項目の2点目として、環境への取り組みについてお尋ねいたします。
昨年9月、日本政府はニューヨークで開催されました国連気候変動首脳会議において、温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比25%の削減を中期目標として掲げ、全世界に発信をいたしました。
よりエネルギー負荷の少ない環境整備に向け、実行部隊としての地方自治体の役割はますます重要となってまいります。LEDなど省エネルギー家電の普及拡大と積極的な導入への誘導、HV車やEV車の普及啓発と、環境に配慮した運輸体制の促進、また、太陽光発電やバイオエネルギーなど再生可能エネルギーの利活用など、今まさに環境負荷ミニマムの都市づくりが国を中心に急ピッチで進められようとしております。
初めに、本市のCO2削減に向けた取り組みの概要並びに成果と課題についてお尋ねをいたします。
2点目に、政府目標の25%削減を進めるためには、自治体レベルの対応についてはどの程度の規模が想定されるのか、あるいはスケジュールはどうなるのか、現在わかる範囲でお聞きをいたします。
次に、エコアクション21の認証取得支援と普及拡大についてお尋ねをいたします。
環境負荷を減らすには、単なるかけ声や、あるいは取り組む側に相応のメリットがなければ、なかなか前には進みません。環境保護意識を組織に根づかせる体系的、継続的な取り組みが必要であります。
近年、大手企業を中心に、EMS、環境マネジメントシステムの導入が積極的に進められており、国際環境規格ISO14001の認証取得率は、従業員500人以上の規模では約6割、上場企業では約8割に達するなど、自主的な環境保全への取り組みが急速に進展をしております。
その一方、中小事業者への普及は取得に要する膨大な事務作業やコストの面から負担が大きく、ISOの取得は中小企業にはハードルが高いとされており、なかなか進んでおりません。
これに対し、環境省がガイドラインを作成し、普及拡大を目指すエコアクション21につきましては、中小事業者等でも積極的に取り組めるよう、ISOをベースにつくられた国内規格であり、費用も極めて安価なのが特徴であります。
また、取り組みの中身につきましては、二酸化炭素排出量と廃棄物排出量、総排水量の3項目の目標を立て、省エネ、廃棄物の削減、節水などに全員活動で実践するという取り組みであります。
取り組む側のメリットとしては、環境を切り口に無理や無駄を省くことでコスト削減につながり、利益が増える仕組みがつくられることから、経営改善のツールとしても十分価値があると言われております。
数年前に認証取得をされたある企業に伺ってみますと、審査及び認証登録のコストが20万円、一方、削減効果としては年間50万円とのことであります。
さて、日本人は1人1日当たり44.4キロの資源を利用し、13.8キロの廃棄物を出すと言われております。この廃棄物のうち、家庭から出るのは約1キロ程度であり、残りの多くは産業関連から、また、国内CO2総排出量のうち、中小企業が占める割合は全体の18%とも言われており、今後の削減効果が大いに期待をされております。
初めに、本市の環境国際規格ISO14001並びに国内規格エコアクション21の認証取得の現状についてお尋ねをいたします。
2点目に、環境に配慮した企業活動を進めるためにも、県が推奨するエコアクション21認証登録の啓発を推進し、制度の一層の普及に取り組むべきと考えます。当局の現状並びに見解をお尋ねいたします。
3点目に、普及が進まない理由の一つには、コストの問題があります。自治体によっては、例えば10万円を上限に取得経費の2分の1を行政が助成するといった補助制度を設けるなどして普及拡大を進めているところもあります。市独自の補助制度に対する当局の御見解をお伺いいたします。
次に、山形県では山形エコアクション21という独自の取り組みがなされ、注目を集めております。これは、エコアクション21の3つの要素に加え、県独自の項目を追加したものであり、具体的には新エネルギー使用量の拡大や地産地消の推進、環境教育の実施など、全部で6項目の中から1項目以上を選び、取り組むというものであります。環境の推進とともに、シティセールスの視点からも、ぜひ本市でも砺波版エコアクションに取り組んではどうでしょうか。御見解をお聞きいたします。
また、環境省では全国の自治体や学校にも取得を呼びかけており、長野県箕輪町では環境にやさしいまちづくりのシンボルとして、また、役場のコスト削減を目的としてエコアクション21に取り組んだ結果、最大の成果は、自治体として取り組んだことによる周辺企業や住民への波及効果だとしております。
本庁では地球温暖化防止策の一環として、庁内における独自の省エネルギー運動に取り組まれております。しかし、果たして市民に対するアピールや波及効果、また、取り組みの成果はどうでしょうか。本庁の環境への取り組みをより効率的、効果的に進めるためにも、また、他市との差別化を図るためにも、本庁並びに関係機関のすべてがエコアクション21の認証を取得し、これを核に市内全体へと環境活動の輪を広げていってはどうでしょうか。当局の御見解をお聞きいたします。
最後に、富山市はライトレールやレンタサイクルで、これからの新しい都市の形を表現し、全国に発信をしております。砺波市が目指す都市像は、庄川と散居に広がる健康フラワー都市であります。そして、庄川、散居、健康フラワー都市、この3つに共通するキーワードはいずれも「環境」という言葉であります。「環境と健康に配慮した住みよいまち・砺波」、この言葉に市民が本当に自信と誇りが持てる取り組みが果たしてなされているのでしょうか。
これまで先人が築き上げ、守り育んできた自然環境を単に維持し、次代に引き継ぐということではなく、より積極的に環境対策に取り組み、一刻も早く環境先進都市・砺波というブランドイメージに磨き上げ、シティプロモーションとして全国に発信すべきではないでしょうか。副市長の御所見をお伺いして、私からの質問を終わります。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 島崎議員の御質問のうち、産業が発展するまちづくりについての御質問にお答えをいたします。
商工業の現状につきましては、地元の商工業者は小規模なものが多く、最近の経済情勢において大変厳しいものがあると認識をいたしております。
こうした中で緊急的な支援措置等につきましては、国の平成22年度補正予算に盛り込まれている緊急雇用対策並びに商店街活性化支援策などに取り組むとともに、中期的な振興策につきまして、大型店との共存共栄や、後ほどの質問の答弁にもありますが、起業家に対する支援などが必要でないかと考えております。
次に、企業誘致に対する御質問でございますが、企業誘致の推進による効果につきましては、議員の御周知のとおり、関連産業の集積などによる地域経済の活性化、雇用機会の確保や拡大、税収の増加などが挙げられると存じております。
現在の企業誘致の取り組みにつきましては、9月の議会の御質問に対しまして、企業立地セミナーの参加による誘致活動や市内企業の展示会への出展助成などについて答弁をさせていただいたところでございます。
平成23年度の事業につきましては、国内企業各社が各地の工場を閉鎖し、生産拠点を移転、集約する動きが加速している中で、具体的な施策に取り組むため、企業誘致PR事業として、都市圏への企業訪問を積極的に実施するなどの予算を検討しているところであります。
また、企業誘致の具体的な数値目標につきましては、市の産業用地が確保されていない中での状況でありますので、当面は、民間未利用地3カ所の企業立地を目標に取り組むとともに、市内企業の関連会社の企業立地並びに市内の空き工場等の把握に努めるなど情報収集に努めてまいりたいと、このように考えております。
次に、起業家の育成についての御質問にお答えをいたします。
本市における過去10年間の起業家及び新規事業の立ち上げにつきましては、合併以前の数字となることから、正確な企業数とは言えませんが、製造、設計、サービス業などを含めると30社程度になると思われます。
また、ハイテク・ミニ企業団地においては、現在8棟が使用されており、1棟を募集しているところであり、これまでの成果につきましては、入居後に独立された企業は現在まで3社あり、そのうちの2社が市内で操業されている状況であります。
こうした起業家の支援につきましては、総合計画まちづくり研究会の委員からも御指摘があり、入居企業が新規操業の際に必要な事業用地や空き工場の確保について積極的に情報収集をしてまいりたいと、このように考えております。
市が行う支援につきましては、市の制度融資である創業者資金を活用いただくとともに、富山県新世紀産業機構の創業・ベンチャー挑戦応援事業や元気とやま中小企業総合支援ファンド事業に取り組んでいただきたいと考えております。
また、市内の若手経営者の育成と地域中小企業の活力を高めるために、本年7月より9カ月にわたって25名の受講生による経営塾を開講したところであり、先日も一橋大学の関満博教授をお招きして企業家講座を開催し、企業家マインドを高めるとともに、次世代のリーダーとしての自覚を意識づけるよい機会であったと思います。私も関先生の御講演をお聞きして、大変いろんな面で勉強になったと、このように思っておるところでございます。
また、企業用地の取得につきましては、厳しい財政状況下の先行投資のリスクをかんがみながら検討してまいりたいと、このように考えております。
次に、コミュニティービジネスについてお答えいたします。
コミュニティービジネスの育成につきましては、市の総合計画の魅力ある産業が発展するまちづくりの中で、少子化対策における子育て支援や高齢化社会に対応するための介護サービスなどに関して地域住民などが主体となり雇用を生み出す新たな事業の創出に努めるものと位置づけており、現在、市内において介護サービスを行うNPO法人が4カ所あるなど、介護分野における動きがあるものと思われます。
起業家講座等の開催につきましては、雇用創出の観点から関係機関と協議を図りながら開催に向けて検討してまいりたいと、このように考えております。
また、議員御提案のコミュニティービジネスと連携した商店街活性化モデル事業の提案につきましては、商店街活性化策として非常に有効な施策であると感じたところであります。
今後、関係者と事業の導入の可能性について検討してまいりたいと、このように考えております。
私からの答弁は以上とさせていただきまして、その他の質問につきましては副市長からお答えをいたします。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
副市長 柴田敏秋君。
〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕
◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、環境への取り組みについての御質問にお答えいたします。
まず、環境対策の成果と課題についてでございます。
二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を削減することは、地球環境を守るためにも必要なことと思っております。温室効果ガスにつきましては、平成9年12月に京都で開催されました気候変動枠組条約第3回締結国会議で、先進国から排出される温室効果ガスの具体的な削減目標やその達成方法などを定めた京都議定書が合意されました。
この京都議定書において、我が国は平成20年から平成24年までの間に温室効果ガスの排出量を平成2年比で6%削減することを国際的に約束いたしております。これを受けて、地球温暖化対策の推進に関する法律が平成11年4月から施行され、国、県、市町村においては、自らの事務事業に関し、二酸化炭素など温室効果ガスでの排出抑制などのための実行計画を策定することが義務づけられました。
本市におきましても、平成18年に地球温暖化防止砺波市実行計画を策定いたしまして、計画の対象範囲として市の事務事業を実施するすべての部局を対象とし、その実施状況の点検・評価を毎年行っているところであります。
具体的な取り組みといたしましては、照明の適正管理などによる電気使用量の削減、空調温度の適正化などによる燃料使用量の削減、アイドリングストップなど公用車の燃料使用量の削減、グリーン購入の促進、コピー使用枚数の削減、ノーマイカーデーへの参加などの個別的配慮項目について取り組みを行っております。
平成21年度の庁内の燃料調査の結果では、温室効果ガスの排出量は平成20年度に比べまして約2.5%の削減、平成17年度比で約19.9%の削減となっておりまして、この取り組みにより一定の成果が上がっているものと思われます。
次に、2点目の政府目標でございます25%削減を進めるための自治体レベルでの取り組みにつきましては、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく、今ほど申し上げましたような温室効果ガス排出削減の取り組みや、エネルギーの使用の合理化に関する法律、いわゆる省エネ法に基づく年間エネルギー使用量の把握、低減の取り組みが各自治体において行われているところでございます。
また、国が行っている太陽光発電の促進、エコカーの購入促進、省エネ法の基準に適合する断熱住宅の促進などの諸政策に対応して、富山県では高効率給湯器など家庭用省エネ設備の設置補助やエコドライブの推進などの施策を行っているなど、各自治体においても、温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減の中期目標を達成すべく努力をしているところであります。
本市におきましても、従来から実施しております取り組みをさらに進めるとともに、今後は市民の方々にJRや市営バスなどの公共交通機関を一層利用していただくことで、地球にやさしく、二酸化炭素の排出削減効果が出るよう努めていきたいと考えております。
次に、エコアクション21の取り組みについての御質問でございます。
まず、砺波市内におけるISO14001取得状況でございます。ISOの認証登録機関は日本国内のみならず、海外にもあるため、正確な把握はできませんが、国内の審査登録機関でありますJAB(日本適合性認定協会)によりますと、砺波市内には27の認証取得事業所がございます。
次に、エコアクション21の取得状況につきましては、富山県内で同制度の取り組み方についての相談や各種手続の案内などを受け付けているエコアクション21地域事務局となっております「とやま環境財団」によりますと、市内における登録事業所は2社であります。
2点目のエコアクション21認証・登録の啓発につきましては、県は昨年度から入札参加資格審査におきまして、エコアクション21の加点制度を創設したところであります。本市におきましても、今後この制度の認証・登録の広がりなどの動向を見据えながら検討を行いたいと考えておりまして、制度の一層の普及につなげたいと考えております。
3点目の市独自の補助制度につきましては、エコアクション21の審査・認証登録費が30万円程度でございまして、また、その維持費用も年間10万円程度であること、また、日本政策金融公庫におきまして認証を取得するための資金や、環境目標を達成するための設備資金及び運転資金に対しまして低利融資を行う制度もあることから、今のところ本市独自の補助制度は考えていない状況でございます。
次に、砺波版エコアクションへの取り組みについてでございます。
全国の市として初めてエコアクション21の認証を取得しました山形県村山市の状況を見ますと、その環境方針において、豊かな自然環境と共生する循環のまちを実現するために、市民、事業者、市の協働による循環型社会の形成を目指すとされており、その中で、市の取り組みが示されております。
当市におきましても、先の環境対策の成果の項目の中でも御答弁申し上げましたように、市の活動が環境に与える影響を十分に認識し、現在、温室効果ガスの削減などの環境配慮に努めているところであります。また、平成17年には、散居景観など貴重な自然を後世に残すことを目的に環境都市宣言をしているところでありまして、これを踏まえまして、今後一層花と緑の環境に重点を置いたまちづくりを進めてまいる所存でありますので、御理解をお願いいたしたいと存じます。
私からは、以上でございます。
◯議長(井上五三男君) 2番 川辺一彦君。
〔2番 川辺一彦君 登壇〕
◯2番(川辺一彦君) 議長のお許しを得ましたので、4項目に対しまして質問をさせていただきます。
まず、1点目として、平成22年度施政方針に対する予算の執行状況と事業進捗度についてお伺いいたします。
平成22年度も早、4分の3事業年度が過ぎようとしておりますが、これまで市長提案の施政方針のもと、平成22度予算に基づく各種事業については着実に進捗しているものと推察しております。
当初予算では、国や県の平成22年度予算編成方針及び地方財政計画などを勘案し編成されており、歳入では、経済情勢の悪化を想定しながらも、市税で前年度予算に対し1%の増収を見込み、地方交付税についても地方財政計画で増額措置されたことから8.5%増となっております。
一方、歳出は、新砺波市総合計画に掲げる5つの基本方針を基本として編成し、特に今年度は福祉、教育の充実に加えて、安全・安心、雇用、農業、観光、環境、協働の6項目をキーワードとした特徴を持ったものと思っております。
その一般会計当初予算額は192億3,000万円、その後、現在まで6億8,884万9,000円の補正予算が組まれ、199億1,884万9,000円の予算総額となっております。
今期12月定例会におきましても、新たに6,018万5,000円の一般会計補正予算案を上程されておりますが、4分の3事業年度を経過しようとする現時点において、これら予算の執行状況はいかがなものか、市長にお伺いたします。
次に、当初予算における主要事業と新規事業において、現在まだ十分に予算が執行されておらず、進捗がいま一つと思われる事業についてお尋ねいたします。
上田市長は、年度当初から観光事業の推進に力を注いでおられ、当初予算におけるキーワード、観光の分野には観光推進戦略事業、散居村展望台整備事業、レンタサイクル整備事業の新規事業が並んでおりました。
観光推進戦略事業では、新規部署として観光振興戦略室を設け、また、メーンの事業と位置づけていた砺波市観光推進市民大会を10月に開催し、市民運動の展開を図られましたが、散居村展望台整備事業、レンタサイクル整備事業に対する進捗が十分ではないように思えます。
散居村展望台整備の適地調査では、現地にそれらしい動きは見当たらず、レンタサイクル事業では、ほかの団体からの寄附による電動アシスト自転車が出町子供歌舞伎曳山会館と庄川水記念公園には備えてありましたが、散居村ミュージアムにはありませんでした。
また、キーワード「環境」のもと計画されている庁舎等省エネ推進事業の市庁舎太陽光発電設備工事はどこまで進んでいるのでしょうか。これら事業の進捗状況と今後の予定についてお伺いいたします。
今年もあと残すところ4分の1事業年度となりましたが、依然として経済情勢に好転の見通しはなく、補助金の一括交付金化や突然のTPPへの参加表明など、国政に不透明感が増し、民主党政権の先行きも憂慮される中、先ほど申し上げました現時点における平成22年度の施政方針に対する予算執行状況と、新砺波市総合計画第4年次実施計画の検証結果を来年度の予算編成に対してどのように生かしていこうとお思いであるか、市長の所見をお伺いいたします。
次に、2点目として、砺波市タウンミーティングの成果についてお伺いいたします。
市民と行政が一緒に考え、お互いに連携してまちづくりを進めることが重要であり、市民の皆様と直接対話することで率直な意見をお聞きしたいと、上田市長が就任時に公約されておりました砺波市タウンミーティングは、昨年5月28日の油田地区を初回とし、先月11月19日の太田地区を最終として、21地区全域での開催を終えられました。夜間の会合を重ねられた市長を初め幹部職員の方々には、ほんとうにお疲れさまでございました。
市長を迎える各地域の方々が地域の課題を取り上げ、問題点を洗い出し、意見や質問事項を整理されるなどして臨まれたタウンミーティングは、各地域の現状を再認識する場となり、市へ対するその地域としての意見統一が図られるなど、大変有意義なことであったと考えます。
これまでに公開されている19地区の質問事項と回答内容を私なりに分析してみますと、商工農林部に関する項目が一番多く、約27%、教育委員会関係で約21%、建設水道部関係で約20%、福祉市民部と総合病院を含め約18%、そして、企画総務部関係は15%でありました。そして、各地区とも相応に広い分野にわたり問題意識を持って、意見、質問、要望などを出されていることがわかりました。
また、各タウンミーティング会場では、市当局側より質問ごとにその場で丁寧に回答され、その内容にはすぐに対応できるものとできかねるもの、努力する、検討する、働きかける、要望したいなどとして持ち帰られたものに分けられておりました。
そこで、市長にお伺いいたします。
このたびの砺波市タウンミーティングは、市長の強いお気持ちで実現されたものですが、市全地区を回り終えられた今、その成果についてどのように感じておいででしょうか。また、これまでに幾度となく検討・協議を重ねられたことと思いますが、各地区から挙げられた多くの意見・要望に対する検証結果と今後の対応についてどのようにお考えでしょうか。そして、来年度の予算編成や現在策定されている総合計画後期計画にはどのように反映されるお考えかをお伺いいたします。
3点目は、シルバー人材センターの運営と雇用情勢についてでございます。
皆様も御存じのとおり、シルバー人材センターは高齢者等の雇用の安定等に関する法律に定められた高齢者の臨時的かつ短期的、また、軽易な作業など就業の機会を確保し、その者の能力の積極的な活用を図るとともに、高齢者の福祉の増進に資することを目的とした公益法人であります。
昭和55年に高齢者生きがい事業団として発足し、今年で30年目を迎えた砺波市シルバー人材センターは、高齢者のライフスタイルに合わせた就業を提供するとともに、ボランティア活動などにも積極的にかかわり、現在、会員664名の健康の維持・増進を図り、医療・介護財政の負担軽減にも大きく寄与されているところです。
このように、地域に貢献する砺波市シルバー人材センターの収入状況を見ますと、事業活動収入が9割を占め、国庫助成金を配分する県連合会や砺波市などからの助成金収入は1割弱となっており、このことは大変な経済情勢下でありながらも堅実な経営をされているものと推察しております。
しかし、長引く不況や景気の低迷を受け、事業収入の柱である事業活動収入は、平成21年度で前年より4,175万円減の3億134万円と、4年連続で減少し、加えて、昨年の行政刷新会議、事業仕分けの対象として上げられ、補助金の削減を受け、さらに、今年11月の第3弾再仕分けでも再指摘されたことで、国庫補助金収入のさらなる減額が予想される状況となっています。
このことから、シルバー人材センターに対する砺波市からの平成22年度運営助成金は1,260万円でありますが、このたび砺波市へさらなる支援を要望されていると伺っております。
ところで、先月末に富山労働局より発表された県内の雇用情勢からすると、砺波署管内の有効求人倍率は0.65倍であり、昨年同期から比較すると0.3ポイント上昇しております。ちなみに県全体では0.72倍、全国では0.56倍となっていました。雇用情勢は新規求人数の動向に持ち直しの動きが見られ、有効求人倍率は緩やかに上昇しているものの、いまだ低水準で推移しており、依然として厳しい状況であると分析されておりました。
シルバー人材センターでの仕事の内容は、高齢者の職務能力に応じた職種を対象とされていることから、一般就労者への影響は少ないものとされておりますが、他県では労働者の派遣事業による新規求人数の減少や、職種によっては民間業者の圧迫となっているところもあると伺っております。
また、シルバー人材センターでは、会員同士で仕事を分け合うワークシェアリングを基本とされていることから、会員への配分単価は決して高額ではないのでしょうが、ある程度の単価を維持されているものと思われます。
比較はできませんが、今年10月に改定された富山県の労働者最低賃金を見ますと、以前より時間額で12円高くなり、やっと691円です。まだ700円にも到達していない現状であります。
このように、今なお続く厳しい経済情勢の中で、砺波地区の雇用状況は改善の傾向にあるとはいえ、有効求人倍率はいまだに低水準でありますし、砺波市シルバー人材センターでは、人件費の縮減や経費の見直しなど経営改善にも取り組まれておりますが、賃金単価についても、まだ一工夫検討の余地があるようにも思えます。
何とかこの状況を変えていく方策はないものかと思うところでございまして、市長にお伺いいたします。
まず、砺波市の雇用情勢の現状をどのように分析しておいででしょうか。そして、雇用先の確保に対する支援策はお考えでしょうか、お伺いいたします。また、職種のバッティングや時給賃金による民業圧迫ととらえられているシルバー人材センターと、一般労働市場との共存共栄に対してはどのようにお考えでしょうか。そして、砺波市シルバー人材センターの現状をとらえ、今後、どのように事業展開していくべきとお考えでしょうか。今後のあり方と基本的な方向づけ及び行政としての今後の支援体制などについてお伺いをいたします。
最後の4点目として、職員育成に欠かせない職場風土の醸成についてお伺いいたします。
市政を運営するためには市職員の皆さんが必要であり、その身分は地方公務員とされています。百科事典では地方公務員を、地方公共団体に勤務し、地方公共団体の組織の中で一定の地位を占め、地方公共団体に勤労を提供する反対給付として、報酬、給与、手当などを受けている者をいうとされ、地方公共団体に勤務するすべての者をいうと規定されております。
そして、地方公務員には地方公務員法、「地公法」が適用され、その30条には、職員の服務「義務」として、すべての職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、かつ、職務の遂行に当たっては、全力を挙げてこれに専念しなければならないとされ、31条には服務の宣誓、32条には法令・条例など及び上司の命令に従う義務、33条には信用失墜行為の禁止、34条、守秘義務、そして、35条には職務専念義務などが定められております。
ただし、このような地公法の適用は一般職員とされており、市長、副市長、そして、私たち議員などのほか、嘱託職員やそれに準ずる者は特別職地方公務員とされ、法律に特別の定めがある場合を除き、地公法の適用外とされております。
しかし、市民の皆さんは、市役所やその関連機関に勤務している職員は、皆、公務員であると思われているのが現状だと思います。つまり、市民目線からすると、嘱託職員や臨時職員であっても、その部署で勤務している限り、公務員に準ずる服務を履行しなければならず、市では、嘱託職員や臨時職員の仕様等に関する要綱に基づいて服務指導などされていらっしゃることとは思いますが、職員全員がそのように理解していらっしゃるのでしょうか。
嘱託職員などを含む職員の資質の育成には、県の研修機関に頼ることも必要なことではありますが、日ごろの職場や現場での直属の上司からの内部指導が最も高い効果をもたらすものと思います。そのことは職場を通じて研修することで、職員の皆さんが常に仕事の一つ一つが勉強なんだという意識を持ち続けられる職場風土を醸成することが必要なことと考えるのです。
風土とは土地の状態をあらわすところから来ている言葉ですが、土地は、その土の状態により植物が勢いよく成長し、大輪の花を咲かせたり、まいた種が芽を出しても、育たなかったりするのです。植物を若手、中堅職員に例えるならば、土を耕したり、水、肥料を与えたりするのは管理職員の役割ではないかと思うのです。管理職員のリーダーシップ一つで職場の雰囲気が変わり、職員のモチベーションが上がり、やる気に満ちあふれ、笑顔の絶えない職場になることが、市民の皆さんから信頼される市役所につながるものと確信しております。
そこで、市長にお伺いいたします。
組織の中で管理職員に求められる能力と資質には、対人間関係能力、コミュニケーション能力、業務処理能力、個人的資質がありますが、上田市長の求められている管理職員像はどのように思われているでしょうか、お伺いいたします。
次に、現在の市役所職員は個性的な方も含め、皆さん明るく誠実に働いておいでであると拝見しております。その職員を育てられたのは、これまでの、あるいは現在の管理職員さん方であると思いますし、これからの管理職員を育てられるのも、現在の管理職員さん方であると思います。
そこで、一つの提案ですが、一般職員の中で最も重い職責を担っておられる部長方には個室を出ていただき、市民や職員の顔が見える場所へ執務席を移動されてはどうかと思います。そして、現在の部長室は応接室として活用されればいかがでしょうか。
終わりに、嘱託職員等を含む職員の資質や士気の向上、動機づけ、意識づけに高い効果をもたらす職場風土の醸成への取り組みは実施されているのでしょうか。まだであれば、ぜひとも取り組むべきと思いますので、お聞かせください。
市の運営にとって、職員一人一人の人材は宝であります。この宝をしっかり磨き上げることによって、将来の砺波市が光り輝くものとなるよう御期待を申し上げまして、質問を終えさせていただきます。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 川辺議員の平成22年度施政方針に対する予算執行状況と事業の進捗度について、そして、砺波市タウンミーティングの成果について、シルバー人材センターの運営と雇用情勢について及び職員育成に欠かせない職場風土の醸成についての御質問のうち、市長の求める管理職員像の御質問にお答えをいたします。
初めに、平成22年度の一般会計予算の執行状況についてお答えをいたします。
平成22年度一般会計予算につきましては、御質問にありましたとおり、現在まで第1号から第3号までの補正を行い、総額で199億1,884万9,000円となっております。
また、予算の執行状況につきましては、11月30日現在、歳入が122億15万2,000円で、予算総額に対する収納率は61.3%、歳出につきましては103億63万4,000円で、その執行率は51.7%となっております。ちなみに、昨年同期の状況につきましては、歳入の収納率が58.9%、歳出の執行率が51.7%と、収納率で今年度がやや高くなっておりますが、ほぼ同程度の水準であり、例年のとおり概ね順調な状況にあると考えております。
また、工事の入札状況につきましては、11月30日現在で66.6%となっており、今月入札予定のものも含めますと、概ね80%になるという見込みでございます。これは、当初の上半期目標をやや下回っておりますが、主な要因といたしまして、国庫補助事業が予算に対しまして減額となっていること並びに砺波北部小学校体育館の耐震改修工事や庄川水辺プラザの建設工事等の大型事業で国の補助金等の内定が遅れたことなどによるもので、やむを得ないものと考えております。
次に、当初計画の主要事業の新規事業の進捗状況と今後の予定についてお答えをいたします。
まず、散居村整備事業についてお答えをいたします。
散居村整備事業につきましては、散居村展望台の適地調査業務の委託を11月に完了したところであります。来年度は実施設計及び整備工事に着手してまいりたいと、このように考えております。
展望台の候補地につきましては、今後の適地調査の結果や観光戦略会議の議論を踏まえ、鉢伏山頂上付近及び既存の展望広場の2カ所を選定し、地権者などの協議を進めてまいりたいと、このように考えております。
展望台の整備につきましては、既存の展望台を整備、活用するとともに、新規に開発する施設については、周辺の自然を生かし、あずまやなどを設置した公園風の展望台を整備するなど、自然環境に配慮してまいりたいと、このように考えております。
次に、レンタルサイクルの整備についてお答えいたします。
レンタルサイクの整備におきましては、となみ空き家利活用協議会におきまして、観光施設や散居村のとなみ野を快適に回ってもらおうと、出町子供歌舞伎曳山会館と庄川水記念公園の2カ所に10月より整備されたものであります。現在は、利用者の状況を把握するために試行的に無料で貸し出しされている状況であります。
市のレンタサイクル整備事業につきましては、環境にやさしいエコ活動の一つとして、JR砺波駅の活用を中心に、道の駅砺波、となみ散居村ミュージアムヘ電動式自転車を配置する計画にいたしております。
先に、となみ空き家利活用協議会で整備されたものを合わせますと、最終的に5カ所に自転車が配置される予定となります。また、駐輪場につきましては、出町子供歌舞伎曳山会館、散居村ミュージアム、庄川水記念公園の3カ所に設置する計画といたしております。
先に導入されましたレンタサイクルの利用状況及び利用者の御意見、管理状況を参考といたしまして、来年の春までには利用者が便利に観光施設を巡回してもらうよう、効率的な管理体制を整えてまいりたいと、このように考えております。
次に、市庁舎太陽光発電設備設置工事につきましてお答えをいたします。
太陽の光という無尽蔵のエネルギーを活用する太陽光発電は、年々深刻化するエネルギーの資源問題の有力な解決策の一つであり、また、発電の際には地球温暖化の原因とされている二酸化炭素を発電時に全く排出しないということで、地球環境を守ることができると考えています。
そこで、市では、この太陽光発電設備の設置により普及を図ることを目的として、太陽光パネルを市民の皆さんに効果的にPRできる場所として庁舎平屋入り口付近に設置したいと考えております。
なお、工事の施工は、今年12月に予定している入札を経て発注を行い、明年3月末に完成を予定いたしております。
次に、このような状況を踏まえて、来年度の予算編成にどのように生かしていくかの御質問にお答えいたします。
平成23年度の予算編成に当たりまして、新砺波市総合計画に定められた5つの基本方針に沿いまして、第5年次実施計画に掲げた施策を着実に実行してまいりたいと考えております。
また、総合計画等にとらわれない自由な発想による新しい事業を創出するために、総額2,000万円の特別枠を設けたところであり、枠を大きく超える提案があり、現在、担当課でヒアリングを実施している状況であります。
このような中で、平成22年度事業につきましては、今ほども申し上げましたとおり、基本的に年度内完成を目途に作業を進めているところであり、やむを得ない場合につきましては、事業費を次年度に繰り越すことの対応をいたしたいと考えております。
また、平成23年度に予定しております主要施策等の実施に当たりましては、早期発注を基本に、切れ目のない適時予算執行を図り、効果の早期発現に努めてまいりたいと、このように考えております。
次に、砺波市タウンミーティングの成果の御質問にお答えをいたします。
私が市長に就任以来、市民の皆さん方の生の声を直接お聞きする機会を設けるため実施したわけでありますが、タウンミーティングを通じて感じたことといたしましては、いろいろな広聴手段がある中で、生の声で心に響いてくるのが、このタウンミーティングであるということであります。また、地域的で切実な要望を直接聞くことができるのも、このタウンミーティングの特徴であろうと考えております。
一方、自治振興会におかれましては、このタウンミーティングに臨むに当たって、地元の皆さん方から市政に関する御意見、御要望の取りまとめに大変御苦労なさったことと思いますが、職員自らが地域のことを考えるきっかけになったものと考えております。
そこでいただいた御質問、御意見は、時宜を得た大変重要なものばかりで、私としても、大いに参考になったところであります。
また、タウンミーティングの中で市政全般の状況や財政状況についての説明に加え、市からの情報提供として、散居景観の保全の話や市営バスなどの公共交通の話、ケーブルテレビの普及の話、総合病院の受診の際のお願いについて説明をさせていただき、御理解いただくなど、市としても一定の成果があったものと考えております。
次に、お尋ねの各地区から出された御要望について、どのように対応するかということにつきましては、先の林議員の御質問に対する答弁でもお答えをいたしましたが、タウンミーティングにおけるさまざまな御要望や御意見を十分踏まえて、現在進めている新年度予算編成や総合計画の見直し作業の中に盛り込んでまいりたいと考えております。
次に、シルバー人材センターの運営と雇用情勢についての御質問にお答えをいたします。
まず、市の雇用情勢の現状についてでありますが、求人数、求職数につきましても低迷のピークから若干持ち直したものの、依然厳しい状況が続いております。特に、ハローワーク砺波管内の本年10月現在の有効求人倍率が0.65倍となっているなど、依然として低い数字となっております。
こうした中、市においては昨年度から国の緊急雇用対策で雇用創出基金事業に取り組み、平成21年度において63名の地域求職者を雇用したところであります。また、今年度については、新たに中小企業のうち、製造業における技術習得事業や地場食材を活用するなどの事業について、雇用を前提に研修を実施することを要件とする地域人材育成事業に取り組むなど、全体で約100名の雇用先の確保に対する支援を行うことにいたしております。また、新規立地や大規模な増設投資される企業に対しましては、地元の雇用について直接要請を行うこととしております。
次に、シルバー人材センターと一般労働市場との共存共栄についての御質問にお答えをいたします。
議員が言っておられるとおり、シルバー人材センターの運営は、経済不況を反映いたしまして、仕事量の減少と国の補助金の削減など大変厳しい状況であろうかと思っております。
そのような中で、高齢者の卓越した知識や経験、技能、技術をさまざまな方面で活用いただくことは大変重要なことであります。現在さまざまな職種で働いていらっしゃいますが、中でも樹木の剪定、雪つりなど造園業関係の依頼が多く、その職種が一番民間業者の圧迫となるものと思っております。
しかしながら、実際には今まで民間業者に樹木の剪定などの業務を依頼していた場合は、すぐに業務を引き受けることはしないで、二、三年かけて民間業者に理解をしていただいた後に引き受けるようにするなど、民間事業を圧迫しないように、また、共存共栄できるように気を配って行っているところであり、御理解をお願いしたいのでございます。
次に、今後のシルバー人材センターのあり方と方向づけ及び支援体制の御質問にお答えをいたします。
シルバー人材センターは、自主・自立・協働・共助を基本理念として働くことを通じて生きがいの充実や社会参加を希望する高齢者に対して、地域社会の日常生活に密着した業務を組織的に提供するとともに、高齢者の自主的な団体として運営されており、従来の労働関係とは一線を画した新しい修業システムであります。
今後も、高齢者の年金等の収入を補完し、生活の安定を図るとともに、健康の維持・増進に貢献し、医療介護財政の軽減や地域経済に貢献をするとともに、剪定や除草、襖や障子の張りかえなど、特定の分野における唯一の担い手として、また、地域社会のコミュニティーづくりの一翼をなし、市民生活をサポートする役割を担っていくという基本的な考え方で事業展開を行っていきたいと考えております。
市といたしましては、この基本方針を実現するために組織の活性化を図る一方、事務費の見直しや職員の削減など財政の建て直しを継続していただくとともに、事業仕分けによる予算のさらなる削減は法人の存続をも揺るがす重大な問題であることから、県や国へ予算の確保に向けて働きかけていきたいと思っております。
今後につきましては、国の動向を注視しながら財政的な支援等も含め検討していきたい、このように考えております。
次に、職員育成に欠かせない職場風土の醸成についてのうち、市長の求める管理職員像の御質問にお答えをいたします。
川辺議員からは、当市が近年、福祉・教育分野を中心に住民ニーズにこたえるために多くの嘱託、臨時職員を任用しておりますが、市に勤務する職員として、一般職員であると否とかかわらず、すべての職員が高い意識を持って日々業務に取り組む必要があるとして、活気にあふれ、そして、より市民の皆様から信頼される市役所とするための職場環境の配慮が必要であり、そのために管理職員の果たす役割が非常に大きいとの御意見に対しまして、私も全く同感だと、このように考えております。
そこで、私が望む管理職員像についてお尋ねですが、まず、私が市に勤務するすべての職員に対して期待していることは、市長の就任時に申し上げました、すべての職員が市民奉仕の精神に徹して仕事をすることを初めとする5つの訓示のとおりでありまして、あわせて議員も御指摘の4つの能力と資質が必要であると考えております。
さらに具体的に申し上げますと、社会の変化や市民のニーズを的確に把握し、課題に対する的確な施策を具体化する政策形成能力と説明責任を果たす説明責任能力が非常に重要であると考えております。また、組織の目標を正確に把握し、指導力と組織内の意思疎通を図り、調整できるコミュニケーション能力が重要であると、このように考えております。
つきましては、先に申し上げましたように、業務能力の向上、職員育成の場として各職場の果たす役割は重要であり、職場内で部下の職務を直接指導する立場にある管理職員は、自らの行動が職員に影響を与え、職場の雰囲気を変えることを十分に認識しながら、日々適切な指導、育成を行っていくことが重要と考えております。
私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては副市長からお答えをいたします。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
副市長 柴田敏秋君。
〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕
◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、職員育成に欠かせない職場風土の醸成についての御質問のうち、部長室の廃止と職場風土醸成への取り組みについてお答えいたします。
最初に、部長室の廃止についてでございます。部長職は市民や職員が見える場所に移動した方が職員の育成や士気の向上に効果的であり、空いた部長室を応接室として活用すればいかがかとの御提案でございます。
部長職は、所属課長などを通じ、部内の分掌事務の遂行を指揮監督する職でありまして、部内の課長、職員などとの個別の協議あるいは関係団体や市民との応接を行う必要があり、一定の協議スペース、あるいは情報保護のための隔壁されたスペースが必要な場合が多いところでございます。
現状におきましても、部長による有効な指揮監督機能が果たされ、かつ、部長室が会議室機能を果たしているというふうに考えておりますので、議員の御提案も一つの考え方かとは存じますが、御理解を賜りたいと存じます。
次に、職場風土醸成への取り組みについての御質問でございます。市長の答弁にもありましたように、職場環境は、職員の仕事、学習に対する意欲向上や能力開発など人材育成に大変大きな影響を及ぼすものでございます。また、職員の意識をどのように高めるのか、そして、自発性をどのように高めるのかは重要かつ基本的な問題でございまして、職員が育つ職場環境づくりが大変大事であると考えております。
このため、職員研修計画に基づく研修機会に参加させるほか、気軽な雰囲気で話し合える係内の打ち合わせや課内会議の開催、職員の自己啓発への支援制度の整備などに努めているところでございます。
また、現在、試行という形で実施しております人事評価制度などは、個々の職員がそれぞれ目標を定め、上司と目標を共有し、定期的に面談を行うものでございまして、上司と部下の報告、連絡、相談などのコミュニケーションを図る上でも有効な手段と考えております。
このようなことを通じまして、今後とも、職員の育成につながるような風通しのよい職場環境の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
◯議長(井上五三男君) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時17分 休憩
午後 2時30分 再開
◯議長(井上五三男君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
3番 山本善郎君。
〔3番 山本善郎君 登壇〕
◯3番(山本善郎君) それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い市政一般についてお尋ねいたします。
今年の一年を振り返ってみると、さまざまな出来事が数多くあったように思えます。中でも今年は極端に気象変動が激しく、春は順調に農作業が進んだかのように見えましたが、梅雨明けと同時に猛暑、酷暑と大変暑い日が長く続いたことは記憶に新しいところです。その暑さも何とか乗り切ったかと思ったら、秋の長雨にたたられ、平成22年度産米の収穫時期に遭遇し、大変な思いをして収穫いたしました。また、砺波市特産チューリップ球根の植えつけの遅れや、砺波市振興作物タマネギの移植の遅れがでたところですが、何とかこれも終了することができました。
一方、政界では不用意な発言が後を絶たず、大臣辞任に発展し、また、TPP参加が国内世論の合意を待たずに、今、まさに実施されようとしていることに怒りを感じているところです。
さて、国外では、隣国の韓国領内に北朝鮮が一般市街地に砲弾を数十発打ち込むといった暴挙が発生し、民間人が多く犠牲となり、大変残念に思うとともに、隣国で起きた事件は他人事ではなく、特に目が離せない状況となっています。今後とも、注意深く見守ることが大切かと思います。
それでは、まず最初に、平成23年度の予算策定の基本方針並びにその概要についてお尋ねいたします。
先般来、市町村長会議が開催された折、数多くの意見や要望が出されたようでありますが、上田市長におかれましても、ちょうど予算編成の時節柄、数多く要望事項を述べられています。その中でも特に散居村の景観保全支援について要請されたところです。
そこで、そのときの意見、要望等を紹介するならば、県の総合計画見直しに期待することとし、少子・高齢化と人口減少による地域活力の低下が懸念され、明確な展望を描く計画に期待するとのこと。また、グローバル社会の中で富山県が埋没しないように直面する数多くの諸課題解決に対し、地方のあり方や進むべき方向性を先導的に示されることに期待をしているということ。また、各分野に関する提言、意見は、企業の積極的誘致や地域産業を支える支援強化が必要なこと。農林水産業の振興のため、農業生産基盤整備の取り組み強化。その他、活力ある村づくりや子育て支援、健康づくりや医療・福祉の充実。地域別の振興と発展については、近隣の市町村と連携を強化し、広域的な課題についても協働で取り組むことが必要なことなど、市町村が抱える問題も多く出されたものと推測いたします。
さて、こういった意見は、総合的に見ると、砺波市においても取り組むべき該当事項と思われます。そこで、これを懸案事項として予算編成に盛り込んでいただきたく、上田カラーを多いに期待し、平成23年度の活力ある積極的な予算策定の基本方針並びにその概要についてお尋ねするものです。
次に、砺波市における危機管理体制についてお尋ねするものです。
過日、韓国北西部にある延坪島(ヨン・ピヨンド)に北朝鮮が砲弾を発射し、多くの被害を出した報道に、政府の危機管理体制の初動体制が遅れたことについて批判が集中いたしました。中でも内閣危機管理官の官邸1時間以上の遅れや、国家公安委員長の庁内不在を指摘されていますが、このような危機管理体制のていたらくを招いた政府に国家を任せていても大丈夫なのか、大変に不安であります。
今回はたまたま韓国領内で起こった事件ですが、もしその矛先が当市に向いていたらどうなるのだろうと考えるとぞっといたします。まさかこんなことはなり得るはずもなかろうし、さりとて、ないとも断言できないところまで来ていると思います。
そこで、砺波市において初動体制はどのように整っているのか、また、市民は一体どうすればいいのか、日ごろより周知の必要性があるのではないかと思われます。
砺波市には、砺波市地域防災計画や防災となみマニュアル号などが発刊されていますが、その内容は地震や風水害、自主防災等の事項で、このような災害等はいつ発生するか予測も困難なことから、少なくとも被害を最小限に食いとめるために、日ごろからの準備と初動体制整備が非常に大切とうたわれています。いざ有事となると想定しがたいということですが、地域の治安を脅かす事態は避けたいものです。
また、市民保護の立場から「砺波市国民保護協議会条例」や「砺波市国民保護対策本部及び砺波市緊急対処事態対策本部条例」が制定されていますが、この条例は武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律に基づき制定されているものです。いざ有事になることはないと考えますが、そこで、想定内で行政の初動体制内容及び市民にまず何を求められ、安全性を確保されるのかを尋ねるものです。
次に、今年の産米の作柄について尋ねるものです。
10月末現在の北陸農政局の発表によると、今年度産米の米穀検査結果は、1等米比率が41.2%で、全国平均63.1%を下回る結果となったそうです。県別では、富山県が62.1%、石川県が68.1%、福井県が84.4%と、富山県は全国で18番目と大きく後退し、特に主要銘柄のコシヒカリについては、富山県が54.4%と、これまた非常に低い数値となったそうです。最も低い県は香川県で2.9%、群馬県で6.4%と、1けた台の数値となりました。
一方、砺波市では暑さに強い特性を持つ早生種のてんたかくは90.2%、晩生種のてんこもりは88%と、うるち全体で61.1%のうち、コシヒカリについては57.4%と近年にない低い数値となったわけです。
さて、この原因は、猛暑の影響で夜間の夜温が下がらず、生育障害が起きて、米粒が白く濁った白未熟米の発生や粒が小さくなったためとしています。しかし、県内においては、各地域においてもばらつきが見られることから、必ずしも気象変動ばかりの原因にできないのではないか、ほかに大きな要因があるのではないかと思われます。
そこで、今年の検査結果を受け、どこに原因があるのかを早急に調査・解明され、次年産米にどのように生かしていかれるのかを尋ねるものです。
次に、グローバル化した農業施策の観点について尋ねるものです。
米価の下落や品質低下による農業所得の大幅な減少により、昨年の北信越4県の1戸当たりの農業所得は前年の9万5,000円を下回る49万4,000円、また、農家総所得は9%減の460万8,000円となり、近年にない低い数値となったことが北陸農政局より発表されました。
このように毎年減り続ける農業所得を見ながら、政府はTPP参加やFTA問題を成功させようとしています。FTAについては、韓国がペルーと交渉し、妥結を見たとの報道がありましたが、両国は商品市場の開放に関して協定発効後、10年以内にすべての貿易品目の関税を撤廃するとし、サービスや経済協力など幅広い分野で包括的な合意に達したところです。韓国の自動車や家電製品の輸出増大が見込まれ、大型自動車やカラーテレビに対するペルー側の関税は協定発効後、直ちに撤廃される見通しです。しかし、農産物に関しては、米、牛肉、トウガラシ、ニンニクなど107品目において対象から外し、例外を設けています。
さて、ここで問題になるのはTPP問題であります。さて、このTPPとは何か。トラブル・パニック・ピンチの略ではございません。環太平洋戦略的経済連携協定の略称で、もともとは太平洋を取り巻くように存在するシンガポールとニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国が結んだ自由貿易協定FTAのことです。これは、農産物も含め、すべての貿易品目に関し関税を撤廃しているのです。3月からは米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、10月からはマレーシアも加わり9カ国となりますが、さらに参加国を増やす交渉を進めているわけです。
そこで、問題になるところは、日本が新しく仲間入りするには、まず9カ国の同意を取りつけなければならないのですが、重要品目を事前に自由化の例外扱いをした形での交渉入りは認めないというところにあります。つまり、米を初めとした農産物の例外は認めないということになり、米の関税も撤廃されるところにあるわけです。
菅首相は、TPP参加は第3の開国で、反対の声は鎖国とする。また、平成の開国を強調し、TPPをめぐる関係国との協議の開始を柱とする経済連携の基本方針を閣議決定し、来年6月にも参加の是非を判断する意向を示しています。
今しなければならないことは、アメリカやオーストラリアなど、農業国と原則100%の関税を廃止する協定を結んだ場合、地域経済は致命的な打撃を受けるため、農業はもちろんのこと、その影響を見定め、再生につながる万全の振興策が必要なのではないでしょうか。
農水省がまとめた試算によると、国内の農業生産額はほぼ半分の4兆1,000億減額し、さらには、カロリーベースの食糧自給率は現行40%から14%までに激減し、関連産業を含めると、国内総生産の喪失額は約8兆円近くになるとのことです。農業戸別所得補償制度など国内対策を充実すれば済むという簡単な問題ではないはずであります。また、国土保全機能など農業の多面的な機能は数値ではあらわすことが困難であります。そうした場合、これだけの犠牲を払ってまで得られるものは何であるのか、わかりません。
日本の農業総生産額は8兆5,000億とも試算され、農業就業人口は260万人、ただし、食品産業まで手を広げると82兆1,000億、就業人口は807万人に上り、単に農業だけの問題ではないのではないか、そして、そこから340万人の就農機会が失われることになります。特に米の場合、ブランド米の一部は生き残るにしても、それ以外は外国産に変わる見通しであり、小麦や砂糖、牛肉についても例外ではないのであります。
県知事は、TPPの参加は県内の農業算出額が7割落ち込むとして、米などできるだけ多くの重要品目において関税の撤廃から例外扱いにしてほしいと、また、経過措置も10年から15年の十分な期間を設けるべきだともおっしゃっておられます。しかし、商工分野の輸出効果も期待できることもあり、総合的に判断をしなければならないとも強調されています。しかるに、米つくりの富山県には影響が大き過ぎるが、全面的に反対ではないが、前のめりになって参加の必要はないとも発言されています。
いろいろな手だてに先立って行うべきは、開国に立ち向かう志士を育て、日本の将来を若い担い手にゆだねることができるような体制を構築することが生き残る道ではないかと思います。
そこで、当市においても手をこまねいていることなく、何かアクションを起こすべきと考えますが、その対策と農業施策について尋ねるものです。
次に、11月に入り、あるメーカーの米粉からパンをつくることができるホームベーカリーの注文に生産が追いつかないために予約を中止するといったことがありました。今までに5万8,000台の注文があり、受け取るまでに数カ月要するとのことです。
お米220グラムが米粉バン1斤分の基本材料で、米粉がこのように使っていだだけるのは大変にありがたく、消費拡大に多いに役立てるものと期待いたします。また、日本穀物検定協会料理研究所の米粉食品米粉パン指導認定員の資格を持つ主婦が仙台にお住まいになっておられるそうですが、どこの家庭でも米粉が使われるようになってほしいという見地から、普及に邁進されているとのことです。
徳島県では学校給食に県産米粉を使った米粉パンを導入し、県内全域で来年の1月より公立小中学校に導入し、米の需要低迷に歯どめをかけることや、また、子どもたちの食文化の関心を高めることも期待されています。食味がよく、既存の生産設備でつくることができ、米粉配合100%のパンを考案したが、ただ、従来のパンよりも割高になるそうですが、関係者の努力により、負担をかけないようにしているとのことです。
当市においても学校給食のメニューにパン食の趣向は高く、米粉パンの導入は可能かどうか、尋ねるものです。
次に、クマ対策についてお尋ねいたします。
11月に入って、市内においてクマによる柿の圃場が荒らされたといった被害が発生し、高岡ではシカが、また、私の周辺でもイノシシやシカ、野生動物の姿を見るようになりました。市内ではクマの目撃情報が大量出没した4年前に比べ、7割近くも増えているとのことです。
そのクマの生態ですが、落葉広葉樹で生息し、特に秋にはブナ、コナラ、ミズナラなど、木の実、通称ドングリと呼ばれている木の実をえさとし、12月から4月までは冬眠するとのことです。また、聴覚や臭覚、運動能力にも優れ、大型の知的動物であります。しかし、本来は臆病な動物で、人間を避けて生活をしていたわけですが、人間が食べ残したごみをえさとし、その味を覚えてしまったところ、人間に対し、だんだんとなれが生じた結果、クマは記憶力が高く、栄養価たっぷりのごみに心をとられ、人間を恐れなくなったようであります。そのため、目撃する機会が必然的に多くなり、結果、人間に危害を与えることもあり、有害駆除の対象となり、射殺されるようであります。
自然保護団体がえさとなるドングリと栗を山中に運び、えさとしました。その協会の話では、今年の天候不順とカシナガキクイムシの被害で全国的にドングリが凶作ということでございます。
そこで、クマと人間がともに暮らせるようにするために、野生動物が安心して生息できる豊かな里山を再生することが急務と思われます。市民のこれらの危険から守り、安全・安心を確保するため、クマに対してどのような対策をすることができるのか、尋ねるものです。
次に、不要家電の無料回収について尋ねるものです。
無料回収と書かれた広告が新聞に入ってまいりました。そういえば、最近市内において数カ所の不要家電製品等の無償回収所があります。使用済みの家電製品等を持ち込むと処分料金が要らないようで、大変重宝しているとのことです。
家電リサイクル法が施行されて7年経過するわけですが、リサイクルをメーカーに義務づけ、廃家電製品の再資源化を通して環境の保全を目的としているわけです。資源のないこの国では、再利用できるものは極力使用していくことが大切だと考えます。消費者は廃家電製品が確実にリサイクルされるように、小売業者には適切に引き渡し、収集・再商品化に関する料金を直接支払う形で負担するように求められています。それに伴い、市町村の役割はこのシステムを補完する位置づけとなっています。
そこで、この持ち込まれた不要家電製品はどこでどのように再利用に回されているのか、不法投棄されたり、トラブルになっていないのか、また、廃棄物処理法に違反していないのか、市としてもその実態調査とその状況を把握する必要があるのではないかと尋ねるものです。
以上、前向きの答弁を期待し、質問を終わります。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 山本議員の健全な財政運営について御質問のうち、平成23年度予算策定の基本方針並びにその概要について及び特色ある農業についての御質問のうち、グローバル化した農業施策の観点についての御質問にお答えをいたします。
まず、健全な財政運営についての御質問のうち、平成23年度予算策定の基本方針並びにその概要についての御質問にお答えをいたします。
初めに、平成23年度の予算策定に当たっての基本方針でありますが、林議員の代表質問にもお答えをしましたので、その基本理念を申し上げますと、昨今の経済状況にあっては、身の丈に合った効果的かつ計画的な市政運営が最も重要だと考えております。新砺波市総合計画第5年次実施計画の着実な実行を基本としてまいりたいと考えております。
次に、新年度予算の概要でありますが、これも林議員の質問において重要案件についてお答えをしておりますので、重複する部分もありますが、お答えをいたします。
まず、新年度一般会計の予算規模につきましては、今のところ実施計画に掲げるとおり、平成22年度当初予算より5%ほど大きい201億円程度を見込んでおりますが、予算編成の中で、今般の国の補正予算に基づく事業の前倒しなど、柔軟に対応していかなければならないと考えております。
そこで、私のカラーを発揮し、積極的な予算をとの御提言でありますので、平成23年度において重点的に取り組んでまいりたいと考えております施策の幾つかを上げさせていただきます。
まず、ハード面では、小・中学校の耐震改修事業の取り組みを強化し、砺波北部小学校の耐震改修事業に加え、出町中学校耐震改修事業の実施設計の策定並びに新たに庄川小学校の耐震改修事業の基本設計業務に着手してまいりたいと、このように思っております。
また、その他のハード事業といたしましては、観光振興戦略プランに基づき、夢の平レクリエーション施設等の観光施設の整備のほか、都市計画道路中央町鷹栖線の建設事業、庄川水辺プラザの整備事業、国営附帯農地防災事業、土地改良総合整備事業、組合施行の土地区画整理事業などの継続的に実施している事業の推進に努めてまいります。
次に、ソフト事業でありますが、まずは砺波市の新しい5年間の姿を描きます総合計画後期5年計画の策定に全力で取り組んでまいります。
また、第60回のとなみチューリップフェアの開催を一つの契機といたしまして、観光によるまちづくりを進めるとともに、新しいホームページによって積極的な観光情報の発信に努めてまいります。
その他、子育て支援、健康づくり、医療福祉の充実の一環として新型日本脳炎や子宮頸がん、ヒブ、肺炎球菌などのワクチン接種の取り組みや不妊治療に対する助成を拡充するほか、市営バス、福祉バス、ふれあいバス事業の総合的な見直しによる利便性の向上や砺波医療圏地域医療検討会の継続開催、砺波地域消防組合による広域的な救急消防業務の開始などにより、一層の安全・安心の確保に努めるとともに、歴史と文化が薫るまちづくり事業の実施や増山城跡保存管理計画、景観計画の策定など、貴重な文化・歴史的財産の保存・活用に努めてまいります。
なお、今回特に特徴的な事業といたしましては、総合計画にとらわれない自由な発想による新しい事業を創出するため、総額2,000万円の特別枠を設けたところであり、多方面にわたる多くの提案がなされているところでございます。
以上、新年度予算の概要等につきまして幾つか申し上げましたが、引き続き厳しい財政状況の中でありますが、総合計画第5年次実施計画に掲げたその他の事業も含め、着実に実行していくことで、庄川と散居に広がる健康フラワー都市の実現に努めてまいりたいと考えております。
次に、特色ある農業についての御質問のうち、グローバル化した農業施策の観点についての御質問にお答えをいたします。
今、国ではTPP参加についていろいろな議論がなされていますが、私は余りにも拙速過ぎるのではないかとの思いを強く抱いております。
真っ先になすべきことは、足腰の強い農業を確立するための施策を優先することであり、そのための施策を早急に講じなければならないことを強く国に対して要望してまいりたいと、このように思っております。
山本議員には、TPPについて大変詳しく調査をされました。おっしゃるとおりであります。日本の国際競争力、国内の雇用、農業への影響など大変憂慮すべき事態であります。
農業産出額の8割を米が占めている砺波市にあっては、地域農業の維持・発展に壊滅的な打撃を受けることは明確であり、影響は甚大であると、このように考えております。
TPPに参加しても経営として成り立つ農業、特に米価の動向が明確にならないと、次代を担う若い担い手が農業をしなくなる。農業をしなくなれば、この美しい砺波平野がどのような姿になるのか、大変心配をいたしております。
このことについて、先月、石井知事が農林水産業への配慮や米などの重要品目を関税撤廃の例外とすることなど、農林水産省へ要望されたと伺っております。
農業への対策として、食の安全、安定供給と食料自給率の向上のため、農家が今後とも経営を継続できるよう農業者の所得を確保するとともに、農業の競争力を高めるための担い手に対する支援を強化すること、農地の保全と農村の振興を図ることなどについて配慮することが真っ先になすべきことであり、私も国に対して強く求めてまいりたいと思っております。
また、足腰の強い砺波市農業の体制・構築に向けては、農業経営の安定化を図る複合経営の取り組みや地域特産物のブランド化、効率的かつ安定的な農業経営するための農地集積の促進、そして、担い手対策として認定農業者の育成や集落営農の組織化など、これからも積極的に施策を展開してまいります。
議員各位も中央に働きかけるなど、一体となって砺波市農業の維持発展に御尽力をお願いいたします。
私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
企画総務部長 戸田 保君。
〔企画総務部長 戸田 保君 登壇〕
◯企画総務部長(戸田 保君) 私からは、有事における危機管理体制についての御質問にお答えいたします。
危機管理体制につきましては、国において、武力攻撃や大規模テロなどによる有事の際に、国民の生命、身体、財産を守るために国民保護法が定められました。これにより、国から市町村国民保護モデル計画が示され、それをもとに、本市におきましては、平成18年度に避難、救援、武力攻撃災害への対処等を定めた砺波市国民保護計画を作成いたしております。
この計画では、建物が破壊される等の具体的な被害や多数の死傷者が発生した場合に、当初その原因が明らかでないことも考えられることから、国による武力攻撃事態や緊急対処事態の認定が行われる前の段階では、市の初動体制として砺波市緊急事態連絡室を設置することにいたしております。
この初動体制につきましては、災害対策本部の例に準じて活動するもので、消防などの関係機関とも通信を確保し、情報収集に努め、国や県等に迅速に情報提供を行うもので、必要に応じて市民の皆さんに避難の指示を行うという任務も担っております。
なお、現在、当市における初動時期の国からの連絡体制につきましては、内閣官房からインターネット回線を通じて送られてくる情報を24時間受信できるように、勤務時間中においては総務課で、閉庁日または夜間においては宿日直室で受信できるよう専用端末を配備いたしております。これにより、必要に応じて緊急事態連絡室を立ち上げるなどの対応をとることといたしております。
つきましては、このような有事の際に備え、昨年は富山県と合同で国民保護総合図上訓練を実施したところでございます。
次に、市民の皆さんがとる行動についてでございますが、有事の際は、国、県の指示に基づき安全な場所へ避難していただくことが第1の行動となります。したがいまして、市におきましては情報伝達が最も重要な任務であると考えており、自主防災組織等を通じての伝達やケーブルテレビ、インターネット等のあらゆる広報媒体を利用して市民の皆さんにお知らせする体制を考えているところでございます。
また、消防庁から有事緊急情報を通信衛星を通じて受信できるように、現在、国の補助を受けまして、全国瞬時警報システム、通称J-ALERTと申しておりますが、この受信システムを整備しており、明年2月に完了いたします。これらにより、内閣官房及び消防庁の双方から緊急情報が得られることになり、有事の際の情報取得体制が充実されるものでございます。
なお、武力攻撃やテロ行為に対する危機管理等に関する認識は、自治体や関係機関、そして、市民の皆さんにもまだまだ薄いというふうに思われますので、有事を想定した訓練や行政出前講座等を積極的に行ってまいりたいと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 齊藤一夫君。
〔福祉市民部長 齊藤一夫君 登壇〕
◯福祉市民部長(齊藤一夫君) 私からは、山本議員御質問のうち、3、生活環境整備についての不要家電の無料回収についてお答えをいたします。
市内では、昨年の夏ごろから道路沿いの空き地などにおいて無料回収ののぼり旗を掲げ、不要家電の無料回収を行う業者が見受けられるようになりました。最近では、市内において2カ所ほどの無料回収所を確認したところであり、回収品の中にテレビ等の家電リサイクル法に基づきリサイクル料金の負担が必要なものもあるため、本年5月に直接回収業者に対して聞き取り調査を行いました。
その内容といたしましては、1、回収しているものは廃棄物ではなく、中古品としての有価物である。2、回収に際して処分費などの金銭は受け取っていない、また、買い取りもしていない、あくまで無料である。3、テレビ等の家電製品は船積みされ国外へ輸出され、修理が必要なものは現地で修理され、中古品として販売される。4、鉄類などの金属は県内のリサイクル会社で買い取ってもらう。5、回収場所は借地であり、地主さんとの契約を行い、撤収に際しては原状復帰する約束をしている。6、回収場所へ中古品とならない物が不法投棄された場合は、自分たちで処分費用を負担して処分している。以上のことから、廃棄物処理法や家電リサイクル法に違反している行為とはいえないものであります。
現在、この無料回収業者につきましては、直接トラブル等の苦情はないものの、今後とも、実態について調査を行い、廃棄物処理法や家電リサイクル法等の法令に違反していないかどうかの判断を行い、もし法令違反などが見受けられた場合には、県や警察とも協力して対応してまいりたいと考えております。
また、市では、本年4月から小型家電の分別回収を資源ごみステーションで行っており、最近レアアース問題が起きたように、資源の少ない我が国で循環型社会の構築を目指して再利用、再生利用できるものは有効利用するなど、環境にやさしいまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
商工農林部長 小幡和日出君。
〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕
◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、特色ある農業についてのうち、まず、今年産米の作柄についてお答えをいたします。
稲作の肥培管理や技術指導につきましては、砺波農林振興センター、となみ野農業協同組合の普及指導員、営農指導員が中心となって指導に当たってまいりました。今年も登熟期の高温を避けるため、5月15日を中心とした田植えを指導・推進してまいりましたが、梅雨明け後が高温で推移し、稲体が消耗、穂揃期の葉色が低く、肥料持ちが悪くなったこと、今年特有の猛暑が続き、高温登熟障害危険温度27度Cを大きく上回り、出穂を遅らせたメリットを十分に生かせなかったことなどが要因で、白未熟粒の発生が多くなり、収量は平年並みだったにもかかわらず、品質を低下させたと、砺波農林振興センターでは分析されております。
対策といたしましては、基肥量の適正化、適切な中干し、生育に応じた穂肥の施用など、基本技術の徹底が大変重要であり、現在、さらに詳しく収量、品質、生育経過の調査・解析がなされております。
今後は、解析結果をもとに、これから開催される冬季座談会等で平成23年産米生産に向け、農林振興センターやとなみ野農業協同組合から詳しく農家の皆さんに指導されるものと思っております。
次に、4のクマ対策について申し上げます。
今年はクマのえさとなるブナ、コナラ等の凶作で、えさを求めて人里にまでクマが出没するなど、近年にない大量出没となりました。
市におきましては、人身被害の防止を図るため、有害鳥獣捕獲隊を初め、各自治振興会の皆さんなど、関係機関の御協力をいただき、クマ対策を進めてまいりました。
特に今年は今までクマの痕跡がなかった平野部まで目撃・痕跡があったことから、消防団の皆さんにも御協力を願い、朝夕に広報活動を行っていただきました。多くの皆様方の御協力により人身被害がなかったことが何よりも幸いであり、深く感謝を申し上げる次第であります。
さて、山本議員さんが述べられたとおり、クマと人間が共生できる環境づくりは大変大切なことであると思っております。これまで里山は地域や生活に密着し、人の手によって広葉樹が広がる、明るく美しい環境でありましたが、しかし、今では放置されたまま竹林等が生い茂る環境となり、クマと住み分けていた里山の機能が希薄になってまいりました。そのことで、本年、奥山で生息しているクマが人里までおりてきている一因ではないかと考えられます。
里山にクマのえさとなる樹木を植栽すればとの御提案でありますが、本の実を求めて、かえってクマを誘引することになりかねないのではないかと思うものであります。
市内の奥山ではクマのえさとなるドングリに影響を及ぼすカシノナガキクイムシの被害は他市に比べて大きくありませんが、野生動物等が安心して生息できる奥山にドングリや栗などの実のなる樹木の植栽こそ必要であると思います。
現在、県では美しく豊かな富山の森を守り育てるために水と緑の森づくり税を活用し、里山再生整備や緑の森再生事業に取り組んでおりますが、このような事業の中で、クマの主食となるブナ、コナラ、ミズナラなどを奥山に植栽するようなことができないか、県に働きかけてまいりたいと思っております。
私からは以上でございます。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局長 白江秋広君。
〔教育委員会事務局長 白江秋広君 登壇〕
◯教育委員会事務局長(白江秋広君) 私からは、山本議員御質問のうち、特色ある農業についてのうち、3つ目の米粉普及についてにお答えいたします。
現在、砺波市の学校給食では月4回のパン食を実施しており、そのうち1回を米粉パンにいたしております。
砺波市は米の生産地でもあることを踏まえ、現在、夏休みを除き、トータル年間11回の米粉パン給食を実施しておりますが、これは他市に比べまして、小矢部市とともに一番多い回数となるものであります。
しかしながら、米粉パンは通常の小麦パンに比べ別に加工賃がかかるため、1人当たり約17円程度の割高となり、例えば月2回に増やしますと、給食費が年間約90万円の増となります。また、米粉パンは小麦パンに比べて焼いてから早く硬くなるため、給食当日に作業をしなければならないことから、製造業者の負担にもなります。
このようなことから、議員お尋ねの米粉パンの導入につきましては、現在もいたしておりますけども、回数につきまして現状のまま実施していきたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと考えます。
以上であります。
◯議長(井上五三男君) 6番 大楠匡子君。
〔6番 大楠匡子君 登壇〕
◯6番(大楠匡子君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い質問と提案をさせていただきます。午後から4人目ということで、皆さんお疲れと思いますので、元気を出して質問したいと思います。
昨年に引き続き2回目の砺波市女性議会が先月16日に開かれました。7人の方がそれぞれの観点からいろいろな御質問をされておりましたが、そのときの女性の皆様のパワーを後ろ盾にしながら質問したいと思います。
1つ目に、元気な砺波市のまちづくりについてお伺いいたします。
昨年度から取り組まれている砺波市まちづくり協働事業に今年度は4件の応募があり、その中から市民提案型事業2件、行政提案事業1件が決まり、それぞれの団体が事業を進めてこられました。市民提案型事業の1つは、栴檀山自治振興会主催の第1回そば祭りで、5月1日から2日にかけて夢の平イベント広場において開催されました。
2つは、10月31日に増山城跡において行われました第2回増山城戦国祭りです。
昨年、増山城跡が国史跡の指定を受けたことを祝い、市が初めて企画されたものですが、2回目の今年度は地元増山自治会が中心となって実行委員会を立ち上げ、武者行列やのろしリレーなどを行い、栴檀野の祭りとして盛り上げようと開催されました。お天気も幸いし、昨年よりも多くの地元住民を初め市民が祭りを楽しんだようでした。どちらの事業も地元の人々が一生懸命地区を盛り上げようと取り組んでおられる姿が大変印象的でした。
このように、地元住民が中心となってまちおこしに取り組まれるのを行政が応援するという形は、これからのまちづくりの見本となるもので、大事な事業であると思うものです。次年度以降も事業の枠を増やすとか助成額を上乗せするなどして積極的に進めていかれることを望むものです。今年度の事業の成果と今後の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
次に、砺波市ならではのおいしい食材を生かした食べ物でのまちおこし、B級グルメでのまちおこしを提案したいと思います。
地方経済の冷え込みが厳しい中、さまざまな地域振興策が国や地方自治体の主導で行われていますが、活性化にはなかなかつながっていかないようです。そんな中、「食」をキーワードにしたまちづくりが注目されています。人を地域に呼び込むために食べ物は不可欠の材料です。
B級グルメとは、A級、高級ではないが、値段は安めで、その割には結構美味な庶民的な食べ物、ローカルフードのことをいいます。B級グルメのフェスティバルは屋内でも屋外でも場所さえ確保すれば簡単に開催できるため、全国各地で行われています。
中でも全国規模を誇るB級御当地グルメの祭典B-1グランプリは今年度5回目を迎え、2日間で約43万人の人が集まり、大にぎわいわいだったようです。グランプリを決める投票はエコロジーの点からはしが使われ、はしの重さを計量して勝敗を決めています。
第1回、2回のB-1グランプリで連続優勝した富士宮焼きそばの静岡県富士宮市には、焼きそばを食べるために県内外から年間60万人の人が訪れ、その経済効果は6年間で217億円という試算がされています。また、テレビや雑誌などでも全国各地のB級グルメが頻繁に取り上げられ、一大ブームとなっています。
B級グルメに挑戦したすべての自治体が成果を上げているわけではありませんが、遊び心を持って食で地域おこし活動を行う中で料理自体の認知度アップが図られ、観光客の誘客や飲食店の活性化を図ることはできるようです。
富山県のB級グルメとしては、富山のブラックラーメンや高岡コロッケがよく知られていて、誘客に貢献しているようです。砺波市にも大門そうめんや栴檀山のそばなど、おいしい食べ物はたくさんあります。今年に入って市内の飲食店では大門そうめんを利用したおいしい料理をいろいろ創作されているようです。つい最近も半生大門そうめんの試食イベントが行われ、長い列ができたようです。
おいしいものに目がないのは男性も女性も、子どもも大人も一緒です。安くておいしいものが食べられるB-1グランプリの砺波地域版をまちおこし事業としてチューリップフェアの時期などに開催されてはどうでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。
まちおこしの最後に、元気の出るよさこい踊りで砺波市を活性化できないか、提案したいと思います。
10月から11月にかけてイベントが多くありましたが、そこで必ずといっていいほどステージを盛り上げていたのは、よさこい踊りだったのではないでしょうか。よさこい踊りは子どもたちから若い人を中心に幅広い世代が取り組めるのが魅力となっています。大きな大漁旗が振られる中、華やかなそろいの衣装に身を包んだ集団の息の合った踊りは圧巻です。何より「はいはいはいはい」という勇ましいかけ声は、見ている人も踊っている人もとても元気にしてくれます。
先日行われた冬のふれあい市でもよさこい踊りがありました。数年前から市内の夢追倶楽部さんがよさこい踊りで冬のふれあい市を盛り上げておられたようですが、今年は市内外から参加者を募り、午前中にはふれあい市会場で、午後からは駅前広場で8団体が元気なよさこい踊りを披露され、あいにくの雨模様の悪天候の中ではありましたが、買い物に来られた市民の皆さん方に喜んで見ていただいたようであります。
来年60周年を迎えるチューリップフェアを盛り上げるためのさまざまな企画が検討されています。大きな目玉となる探査機はやぶさのカプセルなどの展示も決まったようですが、イベントとしてよさこいを企画してもいいのではないでしょうか。市内外のよさこいチームに参加を呼びかけ、踊りを披露していただくことでフェアに活気が出、入場者増につながるものと思います。
他市には市の職員でよさこいチームをつくって各種イベントを盛り上げているという例もあるようです。元気なまちづくりのために、市としての元気な取り組みを期待するものですが、お考えをお聞かせください。
2つ目に、空き家対策についてお伺いいたします。
空き家問題が全国各地で深刻化しています。空き家は農村部だけの問題でなく、都市部も含めた大きな問題です。市内各地区で開かれたタウンミーティングでも空き家対策についての質問が多く出ていたようです。一口に空き家と言っていますが、空き家の定義ははっきり決まっていません。住んではいないが、頻繁に掃除や手入れをされている家を空き家と分類していいのか、難しいところです。
また、散居村の保全に力を入れている砺波市においては、空き家の所在地によって講じる対策が違ってくるという問題も含まれています。つまり、集落や市街地にある空き家と散村にある空き家とでは取り組み方が違ってくるのです。
砺波市まちづくり協働事業の一つとして、昨年からNPO法人砺波土蔵の会で実施されているまちづくり市民交流事業は、1、観光ボランティアの養成、2、空き家調査の実施、3、民泊調査及び施行となっていますが、歴史的文化財である散居村景観の保全のために空き家を利活用する方策を検討することが中心となっています。散村ではない集落や市街地にある空き家も、防犯・防災上の面や生活環境を守るために早急に維持管理対策を講じなければならないのに、対策は検討されていません。
そこで、お伺いします。
まず、2年にわたり、この事業の一環として調査された空き家の実態について、市内には何軒の空き家があり、所有者は今後の管理についてどのように考えておられるのか、外見から3段階にランクづけされた家屋の状況について、差し支えなければ、その現状をお聞かせください。
空き家問題は差し迫った問題ですが、地区によって考え方に大きな温度差があります。太田地区の自治振興会では、地区の空き家32戸の所有者にアンケート調査を行われ、建物や土地を売却・賃貸したいや、草刈りや管理を自治振興会に任せたいという意向を把握されていますが、このような取り組みは始まったばかりです。空き家は想像以上に多くあるようです。そして、核家族化の流れの中、今後、ますます増えていくのは間違いありません。
喫緊の課題である空き家対策としては、タウンミーティングで提案のあったように、地域の環境は地域住民の手で守るという基本姿勢で、まずは近所でできる管理をする、近所の人でできない場合は町内会で対応する、町内会でもできない場合は地区で対応する、地区でもできない場合は市にお願いするという形が理想ではないかと思いますが、地区の体制づくりがまだできていません。
また、空き家の所有者との連絡のために、空き家になったときに放置しないことも大事です。まちづくり市民事業を委託しているNPO法人の活動にも限界があります。任せきりにしないで、市としての対応策を検討いただきたいと思います。
空き家の管理体制などの対策について、地区自治振興会との役割分担を明確にし、積極的ではない地区でも取り組みやすい対策を市として早急に講じていただきたいと思います。空き家の維持管理、売買、賃貸などの対応策についての市の見解をお聞かせください。
最後に、空き家の滞在型施設や障害者福祉施設などへの活用についてお伺いします。
今年度3回にわたり実施された民泊ですが、大変好評で、定員の20人がすぐいっぱいになったというように聞いています。補助事業ということもあり、安く体験できるのが魅力だったようですが、アズマダチの広い民家で寝泊まりすることは、都会暮らしの人にとってはやはり大満足だったようです。
今年度で補助事業は終わるようですが、今後、民泊の滞在施設として空き家をどのように活用されていくのか、また、障害者や高齢者の福祉施設として活用することの可能性について、当局の見解をお聞かせください。
3つ目に、行政改革についてお伺いいたします。
平成17年度から砺波市行政改革推進計画にのっとり進められてきた行政改革ですが、これまで定員の適正化や指定管理者制度の導入など、一定の成果を上げておられます。昨年からは推進体制を一新され、さらなる行革を進めてこられましたが、今年は計画最終年の5年目となりますので、これまで行政改革として取り組んでこられた概要と今年度の取り組み、その成果についてお聞かせいただきたいと思います。
推進体制の一新により、行政改革推進委員会の中に設けられた検討委員会ですが、法律を優先に検討する行革委員会の課題としてなじまない、子育てに直接関係してくる給食センターや保育所、幼稚園などの問題を取り上げられたことに疑問を持っています。
5年という一区切りを迎え、今年度中にこれからの新しい行政改革大綱及び推進計画を策定されることと思いますが、内容の方向性や、どのような手続を踏んで計画を策定されるのかをお聞かせください。また、続けて検討委員会を設けられるのであれば、重点課題を慎重に決めていただきたいと思うものですが、どのように決定されていくのか、お聞かせいただきたいと思います。
最後に、砺波市保育所・幼稚園のあり方懇談会についてお伺いいたします。
内閣府は、11月1日、幼稚園と保育所を統一する幼保一体化構想として、10年程度の経過期間後に幼稚園と保育所を廃止して、こども園(仮称)に統合する方針を示しています。
ちまたでは統合に対して慎重な意見が出ていますが、当市では、全国に先立ち、平成16年から幼稚園・保育所の機能を兼ね備えたこども園をオープンし、さまざまな課題を克服して、現在、効果的な運営を進めておられます。まさに乳幼児の保育・教育については、国の動きを一歩も二歩も先行する先駆的な取り組みが行われており、時代を先読みした対応に高い評価をしているものです。
また、懇談会でも意見が出ておりましたように、砺波市には公立の幼稚園が9カ所、保育所が11カ所と充実しており、若い方々の間でも安心して子育てできる市という評価が高いと思っております。
来年度、全国幼稚園教育研究大会での発表が富山県に回ってきたようですが、富山県代表としての発表は砺波市にと名指しでお願いされたようにも聞いております。県内でも砺波市の幼児教育は高く評価されているからだろうと思うものです。
さて、懇談会では保護者のニーズや子どもの立場からの望ましい施設のあり方について多様な角度から意見が出されました。最初に、民営化ありきではない懇談会が持たれたことは意義があったと思っています。
保育施設、保育の内容などには適正な規模がある、保育所及び幼稚園の機能が統合された施設が望ましい、保育所・幼稚園の偏在地域におけるあり方を見直す必要がある、公立の保育所・幼稚園を選択できてよいなどの懇談会で出た意見をどのように受けとめ、将来の保育・幼児教育を進めていかれるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
保育所・幼稚園を民営化することなく、幼稚園教育の優れている点、保育所での保育の優れている点を有効に生かした施設のあり方について知恵を絞っていただき、国の取り組みの見本となる施策を進めていただきたいと思います。今後の保育所・幼稚園のあり方について、教育長の御見解をお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
市長 上田信雅君。
〔市長 上田信雅君 登壇〕
◯市長(上田信雅君) 大楠議員の元気な砺波市のまちづくりについての御質問のうち、砺波市まちづくり協働事業の成果と今後の取り組みについて並びに行政改革についての御質問のうち、今年度の取り組みとその成果について及び今後の行政改革の取り組み方針についての御質問にお答えをいたします。
まず、元気な砺波市のまちづくりについての御質問のうち、砺波市まちづくり協働事業の成果と今後の取り組みについて、御質問にお答えいたします。
今年度の砺波市まちづくり協働事業につきましては、大楠議員が述べられましたとおり、市民提案型事業の2件、行政提案型事業の1件が実施されたところであります。
市民提案型事業として実施された栴檀山そば祭りと増山城活性化イベント事業は、両イベントとも好天に恵まれまして、大成功のうちに終わったことを大変うれしく思っております。
このまちづくり協働事業は、市民の行政需要が年々多様化して高度化しており、限られた財源で公平・公正に、かつ効率的に効果的に行政運営を進めていかなければならないことから、市が自らの創意工夫によるまちづくりを進めるため、市民と行政がそれぞれの責任と役割を明らかにした上で、一致協力して地域の課題の解決に当たる手法として始めた事業であります。
さて、御質問の今年度事業の成果についてでありますが、まず、栴檀山そば祭りについては、そばを活用したイベントを新たに開催するとともに、そばのオーナー農園制度を実施することとし、中山間地域における大きな課題である遊休農地の活用を図るとともに、地域のにぎわいと活性化につながったものと思っております。
また、増山城活性化イベント事業につきましても、地域住民が中心になって実行委員会を組織し、国指定史跡となった増山城跡関連イベントに地区民が積極的にかかわることで地域に対する関心が高まり、愛着心を醸成し、史跡保護の協力の輪を広げるとともに、地域の活性化を図ることができたものと考えております。そういう意味では、両事業とも一定の成果があったものと考えております。
次に、今後の取り組みについてですが、新年度事業については、今月10日から来月20日までの期間を募集期間と定め、広報やホームページでPRして、その後の応募のあった事業について審査会を行って採否を決定する予定であります。
このまちづくり協働事業の支援制度は補助金の交付期間を3年以内と定め、初年度に初期投資の必要性に配慮し、30万円、2年から3年度目には15万円を限度に助成する制度となっております。
この制度は地域活動やイベント等を通して地域を活性化させ、地域を盛り上げることが主目的であると考えていることから、今後も安定的に事業が行えるよう支援してまいりたい、このように考えております。
これらのことから、限られた財源の中で公平・公正に、かつ効率的で効果的な事業を進めるためには、助成額を上乗せすることよりも、できるだけ多くの事業への取り組みを促進することに力を注いでまいりたい、このように考えています。そうした意味合いで、現在の3団体の事業枠を1団体分増やす方向で検討しているところであります。
また、今後、事業が一定程度継続され、市の活力の創造に資すると判断されたときには、別の側面から支援策というものを検討してまいりたいと考えております。
次に、行政改革について御質問のうち、これまで及び今年度の取り組み、その成果について及び今後の行政改革の取り組み方針について御質問にお答えをいたします。
最初に、これまで及び今後の取り組み、その成果についてお答えをいたします。
当市では、合併を最大の行政改革推進の機会ととらえ、簡素で効率的な市政運営を図るため、平成17年より行政改革大綱に基づき行財政制度及びその運営について見直しを図ってきたところであります。
ことに昨年度より、行政改革の実効性を高めるため、有識者やさまざまな分野の市民の代表から構成する行政改革委員会を設置し、今年度におきましても、多くの意見をちょうだいしながら市民協働による改革を推進しているものであります。
まず、これまでの行政改革の成果につきまして、お伺いですが、定員の適正化や行財政改革の効率的な運営のみならず、新しい市民サービスの創設や市民との協働事業を立ち上げるなど、数多くのものを挙げられ、今年度の行政改革委員会の会議資料として公表しているところでございます。
また、行政改革検討委員会において検討いただいた給食センターの調理業務の民間委託、公共施設の適正配置についても、提言に基づいて事業展開を図っているところでございます。
次に、今年度の取り組みでございますが、専門的な分野における有識者や市民代表で構成する行政改革検討委員会としては、砺波市保育所・幼稚園のあり方懇談会を設置し、熱心な議論のもと、報告書の提出をいただいたものであり、今後の保育所・幼稚園のあり方の提言とさせていただくものであります。また、市が直面する課題に対応するために職員で構成する行政改革推進委員会に4つの専門部会を設け、具体的な調査研究を行っているものであります。
なお、具体的な改革事項といたしましては、昨年度からの事項を継続させながら、新たに自主防災組織の活動に必要な資機材整備への支援、廃食用油の回収、住宅用太陽光発電システム設置に関する助成などの市民の生活に密着した事項を追加したところでございます。
次に、今後の行政改革の取り組み方針についてお答えをいたします。
現在の行政改革大綱の計画期間は本年度で終了しましたが、100年に一度と言われる厳しい経済環境や国の地方財政運営の不透明さが増す中、市民との協働による質の高い市政を実現するためには、どうしても引き続き行政改革を進めていかなければならないと考えております。このため、現在の行政改革大綱について検証を行いながら、新たな施策に対応できるよう、来年度から向こう5年間の行政改革大綱の改定をしたいと考えております。
新たな行政改革大綱につきましては、これまで2回の行政改革委員会に案をお示しするなど、御意見をいただきながら計画を策定してまいりますが、新たな視点としては、社会経済情勢に対応した市民協働のまちづくりの姿勢を明示するもので、横断的な組織機構の活用、職員の目標管理による人事管理の導入等を織り込むものとしており、大綱に基づく実施プランである行政改革推進計画の作成にも取りかかっているところでございます。
また、行政改革の重点課題に取り組む行政改革検討委員会の設置につきましては、行政改革委員会等の御意見を賜りながら、必要に応じて設置したいと考えておりますので、議員各位からも御意見をちょうだいできれば大変ありがたいと、そのように思っております。
私からの答弁は以上とさせていただき、その他の質問につきましては副市長並びに教育長からお答えをいたします。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
副市長 柴田敏秋君。
〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕
◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、元気な砺波市のまちづくりについての御質問のうち、B級グルメでのまちおこし推進について及びよさこい踊りの熱気を砺波市でもの御質問並びに空き家対策についての御質問にお答えいたします。
まず、B級グルメでのまちおこしの推進についてでございます。砺波市においても、議員御指摘のとおり、地域ならではの食として大門そうめんや栴檀山のそば、庄川鮎やユズのほか、最近ではタマネギの特産地化が進んでいるところでございます。
こうした地域独自の食文化を継承し、活用していくことは大変有意義なことであり、観光客の誘致や飲食店など、地域の活性化を図る観点からも非常に重要なことであり、取り組みを進めなければならないと考えております。
大門そうめんにつきましては、JAとなみ野大門そうめん事業部と砺波飲食店組合が連携し、御当地グルメとして市内の飲食店において創作料理のPRを行っておられますが、関係者からは、各地へ出向いて宣伝PRを行うのではなく、市民の皆さん全員に地元特産の大門そうめんを食べてもらい、認識していただくことを目的に取り組んでいると聞いております。
議員御提案のチューリップフェアにおけるB-1グランプリの開催は大変すばらしい企画でありますが、まずは地元で、こうした食による地域おこしを実施する若い人のアイデアや人材の育成が必要であり、前提となるのではないかと考えておりまして、このことに取り組んでまいりたいと存じます。
来年の60回チューリップフェアでは、市内を初めとする県内の御当地グルメが集まった飲食コーナーを設ける企画について、関係者と調整しているところでございます。
次に、よさこい踊りの熱気を砺波市でもについてお答えいたします。
よさこい踊りは、高知県のよさこい祭りから始まり、今では全国各地において活動組織が多くあり、毎年、よさこい全国大会が開催されるなど、よさこいの演技を通した交流活動が活発になっていると聞いております。
当市では、活動グループが少ない状況の中で、先日の冬のふれあい市を初め、コスモスウオッチングにおいても出演いただき、市のイベントを盛り上げていただいております。このような活動グループがもっと増えてくれば、子どもから大人までの幅広い世代の交流の輪が広まってくるのではないかと思っております。
そこで、まちおこしの一つとしてよさこい踊りを取り上げたらどうかとの御提案でございますが、今ほど申し上げましたように、活動組織の輪が広がってくれば、イベント会場など活動できる場所の提供など、市としても応援してまいりたいと考えております。
チューリップフェアでのよさこい踊りにつきましては、活動グループからの参加の御希望があれば、ステージや広場を使って踊りを披露していただく企画を考えたいというふうに思っております。
次に、空き家対策についての御質問にお答えいたします。
まず、空き家の実態について申し上げます。
先の林議員の代表質問での市長答弁にありましたように、アズマダチなど伝統的な家屋を対象とした空き家調査においては、一部の未精査の区域を除くと、これまでの調査で180棟以上の空き家が確認されていると聞いております。
また、お尋ねの所有者の意向やその建物の廃屋や居住可能など、建物の区分ごとの戸数につきましては精査が終わっていないことから、まだ公表できる段階にまでは至っていないとのことであります。
次に、空き家対策といたしまして最も期待できますのは、先の太田地区のタウンミーティングにおいて述べましたとおり、何と言っても御近所の底力ではないかと思われます。昔からつき合いのあった地元の方々からの働きかけのほうが所有者との話も円滑に進み、解決に向かう可能性が高いように思います。
市といたしましては、その上で地元の皆様がそのような地域の力を発揮するための活動に対し、何らかの支援をしていくのがよいのではと思われますので、市の支援方法などにつきまして研究していきたいというふうに考えております。
また、空き家の売買や賃貸につきましては、先にも申しましたが、宅地建物取引業者さんの協力により、市のホームページを利用して不動産媒介物件の情報を提供し、活用希望者を募るという空き家情報提供サイトを今年4月から運営しております。
空き家対策といたしましては、民間の経済活動であります不動産の賃貸や売買により適正な管理者を確保できるのが望ましく、自治会や自治振興会、NPOなど各種の団体と連携して有効な取り組みができないか、検討していく必要があると考えておりますが、現段階では、市として行える有効策が見つかっていないのも実情でございまして、いろいろと御意見をお聞かせ願えばありがたいと考えております。
次に、滞在型施設や福祉施設としての利用を拡大してはとの御意見ですが、研究を深めるべきアイデアであると考えております。
空き家ではございませんが、昨年、アズマダチの民家を利用して散居村の民泊ツアーが開催され、数十人の参加者からは大変好評を博したと聞いております。また、民泊を受け入れた方々から、来年度以降も継続的に実施してはどうかとの積極的な御意見もいただいておりますので、市といたしましても、砺波のよさをアピールするため、この民泊ツアーの企画を支援してまいりたいと考えております。
御提案の滞在型施設や福祉施設としての活用につきましては、市が実施主体となってこのような施設を設置する計画は今のところございませんが、民間団体による有効利用も十分考えられると思いますので、この点を含めて、今後の研究課題としてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
教育長 舘 俊博君。
〔教育長 舘 俊博君 登壇〕
◯教育長(舘 俊博君) 私からは、大楠議員御質問の第3点目、行政改革についてのうち、今後の保育所・幼稚園のあり方についてお答えをいたします。
議員御質問にありましたように、これまで市では、5月20日から10月27日までの5回にわたりまして砺波市保育所・幼稚園のあり方懇談会を開催して、幼児を取り巻く環境の変化を踏まえて、将来の砺波市の保育所・幼稚園のあり方についていろいろな角度から議論され、御苦労されて報告書としてまとめられたものであり、貴重な御意見をいただいたものというふうにとらえております。
そこで、将来の砺波市の保育・幼児教育をどう進めていくかということについてでございますけれども、議員が御指摘されました現在の砺波市の水準、保育の水準を落とすことなく、幼稚園教育の優れている点や保育所での保育の優れている点を踏まえまして、この懇談会での貴重な御意見も十分に理解し、今後の保育や子どもの成長段階に応じた就学前の児童の教育の充実を図り、小学校へとつなげていくことができる施設の運営に努めていきたいというふうに考えております。
また、砺波市におきましても3歳未満の保育の要望が大変強いので、これからの市の方向を見出したいというふうに考えておりますけれども、国の動向がなかなか定まらず、県議会におきましても、政府に対して早急に一本化することで現場が混乱しないようにということで、丁寧な議論をするように求めているところでございます。
幼保の一元化には早い段階から取り組んでいる当市におきましても、適正な保育所・幼稚園の配置やバランスのとれた定員の適正化などについては、今後こうした国の動向を見極めながら市民の要望にこたえられるよう検討していきたいと考えております。
私からは以上でございます。
◯議長(井上五三男君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
次回は、明12月15日午前10時から開会いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
どうも御苦労さまでした。
午後 3時30分 閉議