平成21年9月 本会議 定例会(第2号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

◯議長(山田幸夫君) ただいまの出席議員は22名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
 本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
 これより日程に入ります。

                  日程第1
             決算特別委員会の設置について

◯議長(山田幸夫君) 日程第1 決算特別委員会の設置についてを議題といたします。
 お諮りいたします。平成20年度に属する砺波市各会計の決算を審査するため、10名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置することにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(山田幸夫君) 御異議なしと認めます。よって、10名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置することに決しました。
 次に、お諮りいたします。ただいま設置することに決定いたしました決算特別委員会委員の選任につきましては、委員会条例第7条第1項の規定により、議長において指名いたしたいと思います。
 決算特別委員会委員に、
 1番 多 田 裕 計 君
 3番 山 本 善 郎 君
 5番 川 岸   勇 君
 7番 今 藤 久 之 君
 9番 岡 本 晃 一 君
11番 福 島 洋 一 君
13番 井 上 五三男 君
15番 飯 田 修 平 君
19番 堀 田 信 一 君
21番 前 田 喜代志 君
 以上、10名の指名をいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯議長(山田幸夫君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました10名の諸君を、決算特別委員会委員に選任することに決しました。

                  日程第2
     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)

◯議長(山田幸夫君) 日程第2 市政一般に対する質問、並びに議案第47号から議案第60号まで、平成21年度砺波市一般会計補正予算(第4号)外13件について、認定第1号から認定第10号まで、平成20年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定について外9件について、及び報告第10号 専決処分の報告についてを議題といたします。
 これより、市政全般に対する代表質問、並びに議案案件に対する質疑を行います。
 通告より発言を許します。
 18番 江守俊光君。
  〔18番 江守俊光君 登壇〕

◯18番(江守俊光君) 皆さん、おはようございます。
 ただいま、議長のお許しを得ましたので、9月定例会に当たり、新たな政策集団となりました自由民主党砺波市議会議員会を代表して、上田市長並びに関係当局に対し、現下の政治動向を受けた所感並びに市政全般に対する数項目の質問と提案をいたします。
 まず、上田市長には昨年末、市民各層の力強い支援のもと「人が輝く 活力ある砺波」を掲げ、市民協働のまちづくり、安心・安全なまちづくりなどを市政運営の基本として就任いただきました。はや丸10カ月になろうとしております。この秋には、出町子供歌舞伎曳山会館がオープンするなど順調に成果を上げられ、市政の進展を見ておりますことであります。心からお喜びを申し上げます。
 さて、過日、45回の衆議院選挙総選挙におきまして、御存じのように審判が下されました。100年に一度とされる未曾有の経済危機から、自由民主党の経済対策が効果を発揮し始めた折、さらなる景気回復、地方復興、民生安定を争点とすべき今回の選挙において、単なる政権交代を掲げた選挙手法のもと、第3区の健闘は特筆されるものと考えております。当選されました橘先生には今後、我々の願いである、公約でもあった6市の発展をお願いし、御活躍をお祈り申し上げます。
 しかしながら、国政はもとより郷土富山県の発展に限りない御貢献をいただきました綿貫民輔先生が議席をお去りになることは、まことに残念なところであります。当市に対し限りない御支援と慈しみを賜りました先生に感謝を申し上げ、今後とも御活躍と御健勝をお祈り申し上げます。
 これからは、ばらまきとも言えるマニフェスト、財源への不安が残る新政権に対して国民の目線、地方の目線で確かな提言を発信していくことが自治体の首長、あるいは我々地方議員の役割と思います。さらに最近の報道では、先の国の補正予算、概算要求の組み替えなどが伝えられておりますが、まだまだ地方では雇用情勢の悪化が見込まれ、あわせて国営庄川左岸農地防災事業など、国が決定した重要事業をしっかり継続することが望まれます。
 上田市長には、これまで培ってこられた国・県との良好な協働関係を生かしながら、将来に夢と希望が抱けるよう市政のかじ取りを担っていただきたいと存じますが、今後の市政運営に対する所感をお伺いいたします。
 次に、当市の経済危機対策の進捗状況についてお伺いいたします。
 世界金融危機に端を発した経済危機は我が国を巻き込み、とりわけ地方で、砺波市において大変厳しい状況が続いております。先行きにも雇用などの不安が待ち構えていることを危惧しております。
 そこでお伺いしたいのは、国においては、これまで自民党政権のもと、底割れの回避、未来への投資、安心と活力の実現をスローガンに緊急経済対策が次から次へと打ち出されておりますが、地場産業の経営力、雇用力、商業の活性化など、これまでの砺波市における地域活性化対策の実績と成果についてお伺いいたします。
 次に、就任早々打ち出されましたタウンミーティングについて御質問をいたします。
 このことは、まちづくりが市民と行政の協働なくしてはあり得ないとして、自治振興会単位で開催されていますが、油田地区、高波地区を皮切りに、今年度は13カ所で開催し、ここ2年間で全地区で実施されると聞いております。これまでの状況については、市のホームページなどにも記載されておりますが、市民との確かな信頼関係を構築していく重要な機会であり、高波地区では、市長の誠実な答弁に共感を持った住民が多かったと存じます。
 しかしながら、地域の実情を聞くことでは、ややもすると総論では賛成だが、各論になると市と地区の思いに温度差があったり、なかなか実現が難しい要望、意見もあると思います。市長さんには、真摯な意見に対してどのような判断感覚で答弁を行っておられるのか、さらに政策へのフィードバックをどのような手法でお考えかお伺いをいたします。
 次に、総合計画の修正計画策定案の見通しについてお伺いします。
 最近の本市の総人口につきましては、我が国の景気減退もあり減少傾向にあり、国の人口問題のシンクタンクの予想で、中期的に減少すると予想されております。
 そこで、本市の第1次総合計画は、合併特例債事業の進捗など順調に達成しているところでありますが、終了時の平成28年度の人口を5万500人と設定しており、最近の目まぐるしい政治経済動向など、状況は変わりつつあるのではないでしょうか。私は、将来の修正を行い、人口の減少社会への対応を図り、広域行政の展開をさらに打ち出すこと、必要な時点で修正を行うことなど、10年計画の後期5カ年の修正計画を1年間前倒して、来年を策定期間として一定の上田カラーをお出しになることもよろしいのではないかと思います。その点についてお尋ねをいたします。
 次に、地域活性化の視点から、新幹線整備についての関連として、城端線と氷見線の一体運用化について質問をいたします。
 このことは、先の議会で堀田議員が提案されたことでございますが、運行主体で検討されるべきであるとの御答弁でありました。
 最初に、県内では新幹線工事がつち音高く進められており、数十年にわたる県民の悲願が、私たちもようやく目にすることができたことについて喜ばしい限りであります。
 しかしながら、新幹線が整備されるだけでは地域は発展していきません。当市の位置としては、新幹線駅から遠隔な地域における新幹線効果の波及、それと利便性を図るためにどのような対策が重要になってまいります。殊に、新幹線利用者はビジネス客の増加よりも観光客の増加が見込まれるものであり、周辺都市が連携して広域観光エリアを構築することで、地域への経済効果が期待され、県西部全体の魅力を発信することが必要となってまいります。現在、金沢も含めた連携が図られようとしているところでありますことに対して高く評価を申し上げます。
 そこで、その手段として、城端線と氷見線の一体化運営に沿線都市、関係諸団体が積極的な取り組みを図ることが必要と思われます。高岡市が県西部の玄関口にふさわしい新駅の周辺整備をしっかりと行うとともに、在来支線を引き続きJR主体の健全な経営で維持させていただくためにも、このことを関係自治体としても働きかけていく体制づくりが重要ではないでしょうか。この提案に対する姿勢について重ねてお伺いをいたします。
 次に、少子化の視点から、保育機能の均等化についてお伺いをいたします。
 我が国の特殊出生率は1.27で下げどまっていますが、世界の最低水準であり、子育て施策の立ち遅れが否めないと言われております。このことから、当市の総合計画では、子育て世代が安心して子育てできる環境を整備し、未来を担う子どもたちが健やかに育つまちづくりを進めていただくため、総合施設の整備を推進することとなっております。
 しかしながら、市の状況を見ますと、今年8月現在、公立幼稚園の定数850人に対し、入園数509名と大幅な定員割れとなっております。また、先ごろのタウンミーティングでは、幼稚園において地域の子育て機能が失われつつあり、地域に子どもの声が響かなくなることに住民の大きな不安があるという意見が出ておりました。このことでは、市内に保育所が12カ所と幼稚園が10カ所ありますが、公立保育所の入所者数1,170名、幼稚園は509名と極めてアンバランスな状況となっております。この要因としては、保育所が土曜日あるいは夏休みなど、長期休暇中も対応していることなどの保育機能の充実から生じると思われます。保育に恵まれない地域の幼稚園は、長期休暇など保育機能のある施設に通わざるを得ない場合があります。なじみのない先生や子どもと寂しい不安な期間を過ごす、極めて不便な状況にあると言わざるを得ません。
 少子化対策に特効薬はないものの、将来の国家存亡に係る緊急かつ重大な政策ではないでしょうか。今こそ全幼稚園が子育て支援の拠点として、保育所と同じ居場所づくりの役割を担うことが市民本位の施策ではないでしょうか。
 具体的に申し上げますと、当市においては北部こども園、太田こども園、五鹿屋幼稚園、東野尻幼稚園の保育機能に対し、残りの中野、高波、般若、栴檀野の各幼稚園ではその機能が不十分な状態であります。子育ての環境充実は少子化対策だけではなく、雇用対策の向上など広がりがあります。地域間の生活格差を埋めるため、計画的な体制整備を行っていただくよう、この点についてお伺いいたします。
 ところで、タウンミーティングの御答弁には、平成22年度には幼児、保育の施設のあり方などを検討していくとありますが、どのような検討を視野に入れられているのか、重ねて砺波市の隅々まで子どもの声が聞けるよう、保育環境の整備に力を入れていただくことを強く要望します。その点についてお聞かせ願います。
 次に、安心機能の確保の視点から、総合病院の経営についてお伺いいたします。
 高度医療の拠点である自治体病院経営の健全化には、現に巨額の繰出金を支出する自治体経営のためにも不可欠であります。そのため、病院経営改革の必要性は論をまたないところでございます。
 そこで、病院事業は、人件費や減価償却費、光熱水費など固定経費の割合が高く、医業収入の改善を図ることが求められておりますが、平成20年度の決算によりますと、医業収入は対前年度比99.7%となっております。そのうち入院収入99.4%、外来収入97.5%と下がっております。また、病床利用率は83.5%となっています。最近の利用率も芳しくない状態と聞いております。最近の状況をお示しください。また、その要因は医療職員の不足であるか、何なのか、どのように考えておられるのか。病床利用率を1%上げることで、医業収入はどれだけ増加するのでしょうか。ぜひとも改善策についてお伺いをいたします。
 次に、病院内の各種委員会の組織の実態についてをお伺いします。
 病院の資料によりますと、病院内には5群に分かれる47の委員会とその7つの委員会、合計54もの業務外の委員会組織が存在していることになっております。
 それぞれの委員会は固有の目的を持って組織化されているものでしょうが、半数以上は法的には任意設置の組織となっております。その数の多さを見ると、病院職員は大半は不規則な勤務時間をこなしており、うまく機能しているでしょうか。これらに要する開催時間は年間延べ何時間になるのでしょうか。組織の効果的運用と職員のモチベーションをどのように高めるかが大切であります。その設置効果をどう評価していらっしゃるのかお伺いいたします。
 次に、病診連携についてお伺いします。
 病診連携とは、まず、地域のかかりつけ医に受診し、総合病院には専門の検査や治療が必要と判断された場合、紹介されて受診する。そして、通院治療が可能となれば、再び地元のかかりつけ医に戻ることになっております。
 そこで、平成19年度の1日当たりの入院患者数は413.5人です。平成20年では398.5人と15人が減少しております。率直に申し上げますと、市内のかかりつけ医との連携がうまくいっているのでしょうか。市内のかかりつけ医からの紹介割合は全体のどれくらいになっているのでしょうか。そして、その現状をどう評価されているのでしょうか、この点についてお伺いをいたします。
 次に、平成20年度の近隣市を含む入院患者数の構成を見ますと、おおよそ砺波市は43%、南砺市は30.2%、小矢部市は14.9%、そして、高岡市と順は続いています。外来患者の状況ではほぼ同じ数字があらわれております。このことによりまして、砺波総合病院は、砺波市の中核病院であることを実証されております。
 現在の医療環境の中で、砺波地方を単位と考え病診連携を図りつつ、域内各都市間の中核病院のすみ分け、連携強化を図ることが大切であり、この枠組みの中で総合病院の経営健全化、財源確保を図ることが必要ではないでしょうか。このことでは、関係都市間で検討委員会を開催されると聞いておりますが、相手もある問題でありますので、住民開示に図りながら議論されると思いますが、議論の方向性についてお伺いをいたします。
 最後に、自治体機能の強化の視点から、職員改革についてお伺いをいたします。
 組織を運営し経営していく根幹は組織の人材だと思います。今後さらなる職員採用の枠が続く限り、既存の職員の意識を改革し、能力を向上し、職務を遂行させることが重要な課題であります。そこで、職員全体のやる気をいかに引き出させるか。そのための仕組みづくりが大変重要になってまいります。つきましては、人事評価制度の運用についてお伺いをいたします。
 国家公務員の人事評価は平成19年度の国家公務員法の改正により、既に新たな人事評価制度としてスタートしておりますが、残念ながら先の国会に提出された同様の地方公務員法の改正案は審議未了で廃案となっております。国を初め、新たに導入されている人事評価制度は、これまでの能力評価に加え、職員本人が立てた目標を達成するなどを評価する業績評価が含まれております。
 このことでは、これまでの人事考課の上に、上司が一方的に評価し、評価結果を非開示とすることではなく、評価される者の自己評価、評価者との面談を通じ、業務目標の達成状況を図るものとなっております。これまで以上に職員間の連携を密にし、目的への一体感が生まれるものと期待しております。ついては昇給や給与などへの反映をさせる、頑張っている職員が確実に評価される制度として、しっかりと確立していただきたいと思います。この点についてお伺いをいたします。
 最後に、今後、市政は国政の動向に巻き込まれて課題が山積するものと思いますが、上田市長さんには御健康に留意され、市政発展に専心いただきますようお願いを申し上げ、代表質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) それでは、江守議員の自由民主党砺波市議会議員会を代表しての質問にお答えをいたします。
 なお、ただいま大変温かい激励と叱咤をいただきまして、心から感謝を申し上げます。
 まず、現下の政治状況を受けての今後の市政運営についての私の所感のお尋ねでございます。
 先日の衆議院総選挙の結果につきましては、かねてより保守二党論が望ましい政治形態であると考えておりましたが、大いに切磋琢磨され、国民のために政策を展開していただきたいということを願っておるところでございます。
 御指摘のとおり、近く発足の新政権では、マニフェストに掲げる施策実現の財源捻出のため、予算の組み替えによる公共事業の抑制等、俎上に乗せられているようであり、幾つかの大型公共事業に関係する当市といたしましては、大変に心配をいたしておるところございます。
 しかしながら、私は住民の暮らしの安全・安心に直結する利賀ダムの建設や庄川左岸農地防災事業、東海地方と交流する東海北陸自動車道の4車線化、利便と物流を促す北陸自動車道の新インターチェンジの設置などは県西部の発展に欠かすことのできない重要なインフラ整備であると、このように考えております。必ず実現しなければならないと思っておりますし、大変重要なプロジェクトであると、このように思っておるところでございます。
 また、その他といたしましては、後期高齢者制度の改廃や農家への個別所得補償等の幾つかの大きな制度変更が進められようとしているようですが、住民に直結している基礎的自治体を預かるものといたしましては、市民に不安感や混乱をもたらさないように、全国市長会等、地方6団体を通じて地方の実情をしっかり発信し、強く理解を求めてまいりたいと思います。
 いずれにしろ、今後の具体的な政策が政府から提示されてくる中で、個々の案件に応じて、地方自治体としての対応をいたすべきと考えておりますので、市議会の皆さんからもぜひ御支援を賜るようにお願いを申し上げたいと存じます。
 次に、砺波市における地域活性化策の実績と成果についてのお尋ねでございますが、世界的な不況の中、国は雇用対策や金融対策、地域活性化対策等、さまざまな施策を講じており、8月の月例経済報告では、景気の基調判断は厳しい状況にあるものの、このところ持ち直しの動きが見られるとしておりますが、雇用については大変厳しい状況となっております。厚生労働省が発表した7月の有効求人倍率は前月より0.01ポイント低下して、0.42倍と過去最悪の状況となっており、また、ハローワークとなみ管内の有効求人倍率は0.24倍と全国を下回る大変厳しい情勢になっております。
 このような状況の中で、市が行ってまいりました地域活性化策でありますが、まず、雇用対策としては、国の緊急雇用創出事業並びにふるさと雇用再生基金事業を活用し、これまで40人の雇用を図ってまいりました。また、今回の補正と合わせて55人の雇用を創出するものであります。また、休業等に係る助成制度、雇用調整助成金等につきましては、市内の事業者を対象として6月に説明会を開催し、雇用の維持に努めるとともに、国や県に対して、市内で開催していただく職業訓練を増やしていただくよう要望しているところであります。
 次に、地域活性策につきましては、4月に行われたにぎわい商品券事業に対して支援を行ったところであります。本事業は定額給付金の給付時期に合わせて、地域振興策として、市内商工団体が地元の消費拡大と地域活性化を目的として1億1,000万円分を発行されたもので、多くの市民に活用していただいたことから、にぎわいづくりに貢献されたものと存じます。
 次に、商工業の振興策として、9月5日、6日に行われたとなみ産業フェア2009の事業について支援をしてまいりました。本フェアに大変多くの人に御来場いただき、砺波市産業の製品や技術、特産品等、市内外においてPRできたものと存じております。また、参加された86社の中には、中京方面や北海道からの出展があり、民間交流を広げていただいたものと思っております。
 次に、金融対策として、中小企業が融資制度を利用される場合において、富山県信用保証協会へ負託される保証料に対する市の補給率は50%を80%にかさ上げし、事業者負担の軽減を図ったところであります。
 このほか、今回、国の地域活性化経済危機対策臨時交付金事業等を活用した多くの事業を補正予算に計上したところであります。今後も国の経済対策事業を活用した地域振興に結びつく事業を積極的に取り組み、地域活性化に努めてまいりたいと存じます。
 また、活力ある砺波市をつくる方策の一つとして、すぐれた産業技術や製品開発等に取り組んでいる若手を対象とした、砺波市産業奨励賞の新設を検討してまいりたいと存じます。
 次に、タウンミーティングにつきまして、江守議員も述べられたように、私が市長に就任以来、市民と行政の協働のまちづくりを進めるに当たり、各地区の市民の皆さんとひざを交えて意見を交換するため設けたものでありますが、8月までに5地区を開催いたしました。地区での意見交換の内容につきましては、道路を初め、その地区特有の諸問題や学校の耐震改修や幼保一体化に関する提案のように、市全体として考えなければならない課題等について数多くの意見が出されております。その折に提案されました地区や地域に関する意見に対しまして、緊急を要するものについては既に取り組みを開始している事業やこれから予定する事業に含まれるものはありますが、ますます厳しくなる財政環境の中でございますので、全21地区の意見をお聞きした上で、バランス等も考えて適切に判断をしてまいりたいと、このように思っております。
 いずれにいたしましても、各地区でいただいた市民の皆さんの意見は、来年度に予定いたしております砺波市総合計画後期基本計画の策定に活用してまいります。
 次に、総合計画修正計画策定の見通しについてのお尋ねでございますが、御存じのとおり、現在の総合計画の基本構想は平成28年度までの10年間ですが、前期基本計画の平成23年度までとなり、平成24年度から後期基本計画といたしているものであります。つきましては行政の継続の観点もございますので、目指す都市像と基本理念のスキームは踏襲しつつも、政府の動向や社会の変化、人口の展望等を見据えますと、後期基本計画の策定というよりも、こうありたいという願いも含めて、総合計画の修正計画をすることを考えてまいりたいと思っております。
 その中で、今後の基本計画をつくるに当たっては、当然に広く市民の目線を反映する必要があります。総合計画の審議会での審議は言うに及ばず、市民参画の手法として、市民が主体のまちづくり研究会を立ち上げて意見を集約していただきます。その他各種団体との語る会での意見や、先ほど述べましたが、地区タウンミーティングの意見も反映してまいりたいと思います。
 基本計画の開始年次を1年前倒しすればどうかとの意見でございますが、政局の動向や経済の見通しを立てつつ、修正計画とすることも考えなければならないことやタウンミーティングが平成22年度中も実施すること、広く市民の意見をまとめなければならないことも考慮して、計画策定のタイムスケジュールは平成22年度から平成23年度として、後期基本計画の期間をその後の5カ年計画としたいと考えております。
 次に、城端線と氷見線の一体運営についてお答えいたします。
 この件に関しましては、本年3月定例議会において御提案をいただきました。その実現の可能性につきましては、現在列車運行いたしておりますJR西日本や、新幹線開通に伴う並行在来線の運営のありさまを含め、今後検討されるべきものと答弁をさせていただいたところであります。
 一方、富山県並行在来線対策協議会では、北陸新幹線の開業に伴い、JR西日本から経営分離された並行在来線の運営のあり方について幅広く検討を進めてまいります。平成20年度より運行本数や区間等のモデルケース、車両基地等の施設、運行管理システム等の設備、組織体制、新駅設置ガイドラインなどに関する並行在来線経営の基本的なあり方を調査、検討し、平成22年度より運営会社の経営基本方針として、運行計画や施設、車両、要員、その経費等を収支、新駅設置等、経営計画に関する検討を行うことになっております。この並行在来線経営計画の方向性が見えてくる段階になりますれば、並行在来線にアクセスする在来支線新高岡駅設置により利便性を高めることを考えなければならないことから、関係自治体が県と一体となり、JR西日本に対し利用者を確保し、安定的な経営をされるように強く要請してまいりたいと考えております。
 また、過日、高岡市から、広く飛越能地域を視野に入れつつ、新高岡駅周辺整備や利便性の確保、観光モデルルートの設定や産業振興など、新幹線開業を踏まえたまちづくり施策の展開に当たり、連携について申し入れがございました。砺波市といたしましては、城端線の活性化が極めて重要であることから、県初め関係自治体と連携が大事と考えているところであります。
 私からの答弁は以上といたしますが、その他の質問につきましては副市長並びに教育長、病院長及び担当部長からお答えをいたします。
 以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 副市長 柴田敏秋君。
  〔副市長 柴田敏秋君 登壇〕

◯副市長(柴田敏秋君) 私からは、人事評価制度の取り組み状況についての御質問にお答えいたします。
 人事評価制度につきましては、平成19年12月に策定いたしました人材育成基本方針、これに基づきまして職員一人一人の職務能力などを把握いたしまして、人材の育成や適性配置などを進めるために、平成19年度から試行的に実施いたしております。
 今年度の対象者につきましては、総合病院の医療職員を除きます494人の一般職員を対象としておりまして、評価者につきましては、1次評価が所属長、2次評価が部長となっております。
 評価の内容でございますが、能力評価と業績評価から成っております。能力評価につきましては、職員が実際の仕事の中でとった行動に照らしまして、発揮した能力の程度を評価するものでございまして、7項目、5段階で10月1日を基準に実施するものでございます。また、業績評価につきましては、職員から申告されました設定目標を含む業務全体に対する達成度を評価するものでございます。職員が設定した目標に加えまして、職員の担当業務全体を勘案いたしまして、計画性、達成の可否、それから成果の質、この3項目につきまして10月1日と3月1日を基準に評価するものでございます。
 いずれの評価におきましても、評価者が必要に応じて職員と面談いたしまして、コミュニケーションを図る中から、本人が自覚していなかった問題点を気づかせ、自ら改善していこうとする気づきや、あるいは動機づけを重要視しておりまして、こういったようなことで実施しているところでございます。
 人事評価は平成19年度から試行として実施いたしておりますが、人が人を評価するというものでございますので、公平な評価基準が必要であると考えております。評価者の評価レベルの向上、あるいは公平性、透明性を図るためにはもう少し時間が必要であると考えておりまして、今年度も試行という形で実施いたしております。
 なお、この評価につきましては、将来的には給与への反映も考えられるところではございますが、当面は職員の昇任、昇格や異動について人事の検討資料とすることといたしております。
 今後とも人事評価につきましては、職員の資質の一層の向上を図りますとともに、職員が持っている可能性や能力を最大限に引き出しまして、市民サービスの向上につながるよう実施してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) 江守議員さんの御質問の少子高齢化対策に伴う保育事業の充実についてお答えをしたいと思います。
 保育は養護と教育であり、養護とは生命の安全と情緒の安定を指し、教育は就学前の幼児教育とされております。
 本年4月に施行されました新幼稚園教育要領と新保育所保育指針はその内容がほとんど同じとなり、幼稚園においても延長預かりや子育て支援の事項が指示されているところであります。このように保育所の幼稚園化、そして幼稚園の保育所化の流れの中で国の施策が展開されてまいりました。今後この動きがどのようになるか注視しているところでございます。
 また、市内でも共稼ぎの家庭が大変増えまして、未満児からの保育を希望される保護者が増加し、幼稚園、保育所の一体型施設の要望が多くなってきていると認識しております。幼稚園に保育所機能を備えるには用地の問題もございますけれども、それだけでなく、保育所設置基準で定められております年齢別の保育所や給食調理室、調乳室、沐浴室の整備、便所の改造等、多額の予算を必要といたします。これまで幼稚園では、保護者の皆さんの要望にこたえるため、平成17年度から延長預かりを午後6時まで2時間延長し、夏季休業等の長期休業中の預かりを拠点幼稚園で実施しております。その際、子どもたちが在園する保育者が実施幼稚園に出向いて保育し、子どもたちの情緒の安定に努めているところでございます。
 市では、幼保一体化の推進と施設のあり方のみならず、これからの幼児教育や保育のあり方、そして家庭教育とのつながり、さらに市民の皆さんの御要望なども含めて検討するため、学識経験者、保護者、市民を交えた懇談会を平成22年度に設置することとしております。
 以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 病院長 杉本立甫君。
  〔病院長 杉本立甫君 登壇〕

◯病院長(杉本立甫君) 私からは、江守議員御質問の砺波総合病院の諸問題についてお答えいたします。
 まず、最近の病床利用率の低下についての御質問ですが、今年4月から7月までの病床利用率につきましては77.6%となっており、昨年よりもさらに6%下がっております。
 ただ、この傾向は当院だけではなく、県内の公的病院のほとんどにおいて入院患者数が減っている状況にあります。この要因として考えられることは、一部診療科において常勤医師が不在、あるいは不足していることにより、入院患者の受け入れができないこともございますが、クリニカルパスの導入により、標準的な医療が行われることで平均在院日数が短くなっていることや、外来化学療法の実施など、これまで入院でしか行っていなかったことが外来で行われるようになり、入院の必要がなくなったこともあるのではないかと考えております。また、最近の景気悪化に伴って受診抑制が起こっているのではないかと指摘している医療機関もあり、これらの要因が重なり合っているのでないかと考えております。
 また、病床利用率が1%上がることによる増収見込みの質問ですが、月に550万円程度の収入増になるものと見込んでおります。
 このような病院経営の現状を踏まえ、7月末に各診療科の医師など、各部門の代表者を集めた各科責任者会議を開催し、平成20年度の決算に基づく経営成績や財政状況の厳しい状況、平成21年度の病院経営の現状について説明するとともに、入院患者数が前年に比べて大きく減っていることから、入院患者の確保を基本目標として、各科責任者の共通認識と全職員への周知を図ったところであります。
 次に、病院内の各種委員会については、江守議員が述べられたとおり、現在、院内には54の委員会があります。平成20年度に活動したすべての実績は、総開催数は264回で、およそ240時間となっています。単純に計算しますと1回当たり50分余りとなります。委員会の中には開催の必要が生じたときのみ開催するものもございますので、平成20年度には54のうち12の委員会の活動実績がありません。
 委員構成は管理職委員、また専門資格を有する職員はどうしても複数の委員会に委嘱する必要があり、所属する委員会数が多くなっていますが、職員の6割は委員会に所属しておらず、2割に当たる職員は1つだけ、残りの2割に当たる職員が複数の委員会に所属しております。
 委員会は、毎月特定された週の特定曜日に行うなど計画的に行われているものが多く、医療職員の診療等の業務が少なくなる夕方に行うなど、できるだけ負担がかからないようにしています。
 病院内の業務は異なる職種の職員が連携をとりながら行っており、各委員会で連絡調整を行うことが重要になっています。法的根拠に基づくか否かにかかわらず、医療の安全性の確保、患者の人権擁護、専門分野の共通理解、職員教育、研修、経営改善など病院機能を維持していくために委員会は不可欠な組織となっており、職員の改善意識を高く評価しているところであります。
 なお、変革される医療制度の中で、必要な委員会を取捨選択することは重要であり、職員にできる限り負担をかけないよう配慮しながら、委員会を有効に活用したいと考えているところでございます。
 次に、病診連携に関する御質問ですが、当院の地域医療連携室を通じた紹介患者数は、平成20年度は5,083件であり、そのうち2,684件、52.8%が砺波市内の開業医からの紹介です。砺波市内の開業医からの紹介患者の比率は平成18年度が46.4%、平成19年度が48.4%で、全体の紹介患者数が減っているため、砺波市内の開業医からの紹介の比率は年々増えていますが、件数としてはやはり減っております。
 この原因の一つとして、医療が専門化してきたことにより、開業医が求める総合的な医療が必要な高齢者の受け皿がないといったことに問題があり、その解決のため、本年5月より地域総合診療科を試行的に設置し、そのような患者さんの受け入れを始めたところであります。その結果、前年に比べ紹介患者数が増えてきており、また、開業医からも評価いただいており、設置の効果があらわれているものと考えております。なお、10月からは外来診療部に地域総合診療科を正式に開設し、さらに開業医との連携強化を図っていきたいと考えております。
 次に、砺波医療圏単位での医療のすみ分けや連携体制の強化につきましては、砺波医療圏内の個々の公立病院だけの力では、住民が求める医療を提供することが医療的にも経営的にも困難な状況にあります。
 砺波医療圏として良質な医療を効果的に提供する体制を確保するため、個々の公立病院の役割分担を明確にし、機能の重点化を進めるとともに、診療所との連携強化に努めることが大切なことは議員御指摘のとおり重要なことと考えております。
 病院改革プランでも今後、病院の再編、ネットワーク化について、タウンミーティングなどを通じまして市民の皆様へ説明することにいたしておりますが、他市を含めた砺波医療圏全体にかかわることでございますので、理解を得るのには時間を要するものと考えております。
 最近の国の医療政策は、普通交付税の増額や新たな補助金交付措置など、医療機能の強化、地域医療の確保のための支援策が実施されつつありますが、安心・安全、良質な医療を安定的かつ継続的に供給する体制を維持するためには、経営の健全化は避けて通れない問題であります。実態に即した診療報酬の見直しや医師の確保対策になどに対する国・県への要望、陳情の実施、不足する診療科の常勤医師の大学医局への派遣依頼ほか、院内では、昨年3月に再訂いたしました病院改革プランは収支的には目標どおりに推移しておりますが、事業計画に基づき四半期ごとに実績の検証、各科行動計画の達成状況など、全職員への周知を図り経営改善に努めているところでありますので、議員の皆様の御理解と御協力をお願いするところでございます。
 以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 老松邦雄君。
  〔福祉市民部長 老松邦雄君 登壇〕

◯福祉市民部長(老松邦雄君) 私からは、砺波総合病院の諸課題についての御質問のうち、砺波医療圏内の検討会の状況につきましてお答えいたします。
 今年3月、砺波医療圏内3市の市長懇談会におきまして、医療圏内の救急医療体制や病院間の役割分担など、医療体制の再生に向けた検討会の設置について合意がなされたところでございます。ちょうどこの時期に、医師不足などにより、救急医療の病院群輪番制から離脱する公的病院があらわれました。
 こうしたことから、本年度に入り、3市の担当部課長会議を数回にわたり開催し、医療圏を構成する砺波市、小矢部市、南砺市が共同して砺波医療圏地域医療検討会を設置することとし、委員の選定や設置要綱などにつきまして協議をしたところでございます。その結果、検討会のメンバーは厚生センター所長、3市の副市長、医師会長、公的病院の院長、砺波広域圏事務組合の事務局長、消防本部長で構成し、また、必要に応じワーキンググループを設置し、課題を整理しながら具体的な対応を検討することといたしました。さらに特別委員として、県や県医師会の方からも御意見をいただくこととしております。現在、各委員につきましては既にその就任につきまして依頼済みでございますが、県や県医師会からの特別委員が確定し次第、日程を調整して、第1回目の検討会を開催し、現状や課題の共通理解を図り、その後、ワーキンググループにおいて具体的な対応方策等を検討していく予定でございます。
 この検討会では、直面している救急医療だけでなく、医療体制全般における課題を洗い出し、その具体的な対応策を検討することとしており、今後、地域医療を守り、市民の安心と健康を確保するために医療圏内における医療機関の役割分担や開業医と公的病院の連携などについても課題とし、随時進捗状況を報告しながら進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

     市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)

◯議長(山田幸夫君) これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
 通告により発言を許します。
 5番 川岸 勇君。
  〔5番 川岸 勇君 登壇〕

◯5番(川岸 勇君) 議長のお許しをいただきましたので、通告書に従い市政一般について質問、提案をさせていただきます。
 先般5日の日に、増山城国史指定登録に伴う祝賀会を、市長並びに市の協力を仰ぎできましたことを厚く御礼を申し上げまして、最初に、増山城国指定後の保存活動と整備促進全般についてお伺いいたします。
 増山城は、南北時代の14世紀後半に書かれた文献に初めて登場いたしまして、江戸時代初期の一国一城令により廃城になったものでございます。戦国時代には、同城をめぐり上杉三代、能景、謙信のおじいちゃん、それから為景、謙信の父親、謙信が一向一揆と数々の戦いを繰り広げ、特に上杉謙信は、祖父三代にわたる宿敵神保の息の根をとめねばならんということで全神経を集中し、増山城を攻撃したことも有名でございます。
 また、増山城は、魚津市の松倉城、高岡の守山城とともに越中三大山城と言われ、増山城を守るものは砺波の東西を制すというふうに言われております。
 このたびの増山城国文化財指定は、県西部の一大事業として、北陸地方の覇権形成に重要な役割を果たし、県内でも屈指の規模を誇る中世の城郭であったこと等が高く評価されたものと思います。この間、砺波市教育委員会が中心となり、富山県、地元増山城跡委員会等の協力を得て、昭和60年からの城跡調査を開始、そして、平成9年から平成15年にかけましては国史跡指定を目指し、増山城跡総合調査が本格的に実施されました。
 国史指定を受けるためには地権者の同意が必要となっております。増山城には538人の地権者がおります。そしてその地籍の筆数も886筆に及びましたが、市、地元関係者の並々ならぬ努力、そして地権者の御理解もあり、地権者538人中482人の同意、同意率では89.6%、筆数886筆中847筆の同意、同意率95.6%を取りつけ、国の指定を受けるに大きな弾みとなりました。このように数年にわたる幾多の努力を経て、国指定を受けた増山城跡を今後どのような推進体制で保存活動を展開されるのか、まず、お尋ねをいたします。
 去る6月定例会における村岡議員の国指定後の増山城跡周辺整備に関する質問に対し、戸田教育委員会事務局長は、文化庁、県の御指導を仰ぎ、平成22年度、平成23年度の2カ年にかけ保存計画を策定します。そのためには史跡の現状と問題点を踏まえて保存管理の基本方針を定め、今後の整備の具体的方策を作成し、周辺整備等を検討していくところでありますと答弁されています。
 保存管理計画を策定することについては異議ありませんが、保存管理計画策定に当たっては市当局だけで進めるのではなく、例えば学識経験者、歴史研究会、地元増山城跡委員会等の協力を仰ぎ、そのメンバーで構成する委員会、研究会を立ち上げるなどし、地元各種団体等の要望、意見を保存管理計画に反映させる場、すなわち保存推進体制の構築も検討いただきたいと思いますが、市当局の考え方をお伺いいたします。
 第2点目は、増山城周辺整備に関する質問、要望であります。
 私は総務文教委員メンバーとして、また地区団体のかかわりから、6月定例会終了後の1カ月の間に、3回増山城を訪れる機会を与えていただきました。
 そのとき、同僚議員にもせっかくの機会であることから、国史指定増山城跡の散策を進めたところでもございます。ところが、どの道から入っていいのかわかりにくいという苦情を受けました。また、地元の方々からは、増山城へ行くのにどうすればいいのかと尋ねられることが以前よりも多くなったと伺っております。
 その点からも、国道359号線、県道新湊庄川線から、そして、梅檀野地内から県営和田川ダムまでの誘導案内看板の設置が望まれるところであります。また、県営和田川ダムを通過し、車で増山城入り口に来ますと、駐車場が狭く十数台が限度であり、また、ダム周辺の県営和田川ダム管理事務所前も駐車するには十分とは言えず、城跡見学者の交通の便確保の観点から、駐車場確保が期待されるところであります。
 そして、増山城入り口から遊歩道を歩き、一の丸、二の丸、三の丸を目指します。その間に明治、昭和初期以降に植えられた増山杉が生い茂り、視界が閉ざされ、どの方向を歩いているのか戸惑うこともしばしばありました。
 昨年12月の定例会において、山岸議員が増山城の国史指定時期はいつごろか、そして、増山城を初めとする歴史的施設や史跡がより文化的価値を高めるべく、地の利を生かせる起爆剤として、景観を配慮した展望台を設置できないかと質問されています。それに対し、上田市長さんからは、展望のよい場所に新たな展望台を設置し、観光資源とすることは必要と考えており、より標高が高く、適切な場所が何カ所かあると伺っていますので、今後、調査研究に入り、具体的な構想を固めたいと考えておりますとの答弁を得ています。
 その構想計画は、今現在どのような状況になっているのか、そして、その場所の一つとして、増山城二の丸から見た高岡、守山城方向が、歴史的に見ても展望にすぐれていると思いますが、増山城展望台設置有無を含め答弁願います。
 あわせて、現在、増山城への入り口は県営和田川ダムから、増山大橋から、七曲を経て一の丸へ入る2コースがありますが、城跡内の遊歩道整備も含め、将来的には県営和田川ダムからダム湖畔、増山城下町遺跡をめぐる遊歩道の設置検討をお願いするところでもあります。
 次に、増山城を案内するガイド配置、養成計画の有無についてお伺いします。
 私は増山城を訪れるとき、文化財室野原主任の流暢な説明と資料のもとで、その史跡の重要性を十分認識することできました。現地にはパンフレットもありません。解説者もいません。初めて訪れた方は何が何だかさっぱりわからないのが現状ではないかと思います。この対策として、今後ボランティアガイドを養成することにより、その方々に城跡案内人になってもらうことも一策ではないかと考えます。
 今定例会一般会計補正予算(第4号)において、第10款教育費、目3文化振興費で、増山城解説員設置事業として70万円が計上されていますが、どのような事業内容なのか、また、先ほど提案いたしましたボランティアガイド養成の是非も含め、市当局の考えをお伺いたしたいと思います。
 平成20年3月砺波市教育委員会発行、増山城跡総合調査報告書を読みますと、城跡、城下町から弥生土器、中世土師器等の等の多くの遺物、遺跡が出土していることが詳しく報告されています。このような歴史的にも貴重な資料を後世に残すため、展示、保存する施設、また、訪れた方々が休憩できる場所等を兼ねた資料館を設置してみてはどうかと提案するところでございます。
 また、先ほどの補正予算案について、増山城指定記念イベント開催事業費240万円が計上されていますが、その事業内容とこのようなイベントを今後も引き続き開催するかお伺いし、増山城跡国史指定に係る質問を終わらせていただきます。
 次に、学校給食と食・農のかかわりについて質問させていただきます。
 去る7月27日、砺波市学校給食センターの民間業務委託に関する砺波市行改革検討委員会の初会合が開催されております。
 学校給食センターは、昭和50年4月に共同事業を開始して以来、現在では市内幼稚園7施設、小学校7校、中学校4校へ毎日4,760食を供給して、児童、園児の体位向上、健康増進に大きく寄与しているところであります。
 第1回行革検討委員会では、学校給食センターをめぐる現状説明に終わり、委員の中には、どんな課題があり、どう取り組めばいいのかわからない。問題を提起してほしいという意見もあったとも伺っております。
 直営方式で経営している市は砺波市、黒部市、滑川市、氷見市の4事業所、民間委託方式を採用しているところは高岡市の2事業所、富山市の2事業所、魚津市、射水市、小矢部市の7事業所でありますが、直営事業から民間事業へ移行したときに栄養士と調理員のコミュニケーションがうまくいかなかったということも耳にします。
 今回の学校給食民間委託は調理、洗剤部門だと伺っていますが、他県、他市の取り組み、事例等を紹介するなどし、各委員の協議に資するべきと考えます。また、学校給食センター事業管理費は平成20年度の場合1億4,100万、うち給与費8,000万、パート賃金と給食センター管理費2,000万、光熱等給食センター管理費4,100万となっていますが、人件費等、事業管理費圧縮のため学校給食改革を進めるのではなく、幅広い観点から議論を深めていただくことを切に要望するところでもあります。
 第2点目は、学校給食センター平成21年度事業執行方針、地産地消推進の取り組みについてお伺いいたします。
 学校給食センターの地産地消率は金額ベースで22.5%と報告を受けていますが、どのような農産物をどのようなルートで生産者から購入されているのか。そして、その地産地消率を今後どれくらいまでに推し進める計画であるのかお伺いをいたします。
 砺波地区の農家は、農業振興の一環としてタマネギ栽培に取り組んでいます。平成23年度までには作付面積を100ヘクタールに拡大し、5,000トンの出荷を見込むものでございます。県内に入荷されるタマネギの8割強が北海道、佐賀県、淡路島産です。砺波でつくられた安全・安心なタマネギ、地産地消を推進する上でも、できるだけ多くの地元農産物が学校食材に利用されることを期待するところでございます。
 第3点目は、学校給食と食育についてお伺いいたします。
 砺波市教育委員会は教育重点施策の一つに、安全・安心の心のこもった給食と望ましい食習慣の形成を目指す学校給食の運営を推し進めることが提言されています。
 その具体策として、学校、家庭、地域と連携して、食育を推進するとうたわれていますが、この食育問題についてどのような取り組みが行われているのか、お伺いいたします。
 例えば、これは香川県の綾川町の滝宮小学校の例であります。当時校長だった竹下和男校長が、子どもたちに給食のありがたさを気づかせ、感謝の念を持たせたいという思いから、弁当の日を提案されました。その実施に当たっては次の3つの条件を設定したそうです。1)に保護者は手伝わず子どもだけでつくる。2)に五、六年生を対象に、学校が弁当づくりの基礎的知識を家庭科で教える。3)として、10月の第3金曜日を皮切りに、年5回行うという条件でありました。それをもとに弁当の日が実施されました。
 ところが、包丁を持たせない、ガスコンロに触れるなと言っている、子どもが朝起きられないなどの声がPTAから上がったそうです。4月に提唱して準備期間を経て、10月に1回目を実施したところ、親子の会話が広まった。親に感謝するようになる。家でも料理を残さなくなった。親が留守のときでも、弟や妹の食事をつくってくれるようになった等々、食を通して家族の絆が強まったという意見が多く寄せられました。竹下校長は、すべての子どもが一人前になろうとしている。やらせればやれる。やらせていないだけだという感想を述べられています。宇都官市内の小学校68校、中学校25校全校においても昨年12月から今年の2月にかけ、家族とつくる弁当の日を提唱し、食育に積極的に取り組んでいる事例もあります。
 このように他県において弁当の日を設定し、成功している事例もあります。当市においても、期間を限定し、月1回でも実施してみてはどうか提案するところでもあります。また、地域の方々の協力を得て、保存食づくりの勉強会や食べられる山菜にどのようなものがあるのか、野外体験学習を実施するなど、子どもたちに食の大切さとありがたさを共有できる場を与えることも大切なことではないかと思います。市当局のこれらに対する考え方をお聞かせ願いたいと思います。
 最後に、森林の保全、整備の取り組み、進捗状況についてお伺いし、私の最後の質問といたします。
 砺波市の森林面積は3,456ヘクタールで、市の面積の27%を占めています。そして、その森は水源の涵養機能、土砂災害防止機能、地球温暖化機能、生物保全機能等を有し、私たちの暮らしに欠くことのできない働きをしています。
 富山県の森の働きを金額で評価しますと年間1兆1,000億円ともなり、県民1人当たり約100万円の恩恵を受けていると言われています。このように、機能を有する森を守り育てるため、水と緑の森づくり税導入等を織り込んだ富山県森づくり条令が平成18年6月に施行され、この条令に基づき、富山県森づくりプランが平成18年10月に策定されたことは周知のところであります。我が砺波市においては、富山県森づくりプランに沿うべく、平成21年4月から平成31年3月を計画期間とした、砺波市森づくりプランが推進されているところでもあります。
 そこで、この水と緑の森づくり税を活用した事業として、みどりと森の再生事業年間総定事業費1億4,000万から1億6,000万と里山整備事業年間総定事業費8,000万から1億等々とありますが、今年度までこの資金を活用、整備した地区、そして、その事業内容等の進捗状況、そして、今後の事業計画等についてお教え願いたいと思います。
 このように森を守るというすばらしい事業も地区住民、地権者の御理解、御協力がなければできないと思っております。そのためにも市当局におかれましては、この事業の持つメリット等を事業対象となる地区振興会等に積極的にPRいただき、推進をいただくことを切にお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

◯議長(山田幸夫君) 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 川岸議員の増山城跡国指定後の保存活動と環境整備の促進に関する御質問にお答えをいたします。
 まずもって、今ほども川岸議員からお話がございましたが、去る9月5日、栴檀野農村振興会館におきまして、国の指定になったことのお祝いの会が関係住民の皆さん、そして、また、土蔵の会という大変熱心にお取り組みいただいた皆さん方、そして、関係者の皆さん方がお集まりいただきまして、心温まるお祝いの会が開かれましたこと、大変私にとっても感慨深いものであると、このように思っておる次第でございます。私もこのことにつきましては、長い間かかわってまいりました一人として、この日が来ることを大変楽しみにしておりました。改めて関係された皆さん方に心から感謝を申し上げたいとともに、関係された皆さん方の力あったからこそ国の史跡の指定を受けたものである、このように思っております。本当にありがとうございました。
 なおまた、これをしっかり受け継いで、この増山城跡が戦国時代のロマンとして、後世に語りつないでいかなければならないと、このように思いを新たにしたわけでございまして、また、地元の川岸議員の温かいお力添えを心からお願いを申し上げたい、このように思っておる次第でございます。
 まず、保存管理計画の策定でありますが、平成22年度、平成23年度の2カ年をかけまして計画を策定することとしております。その委員会の委員として、議員が述べられましたように、地元の関係者やあるいはまた、自然、あるいは森林保全、民俗などの各分野の学識経験者の方々にお願いすることを予定しておりまして、その方々の御意見を反映することといたしております。
 次に、増山城跡の周辺整備に伴う関係施設整備等に関する御質問にお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、増山城跡周辺は、来訪者に対する施設整備が不十分であります。今後、順次計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。
 御質問の増山城跡への誘導案内の看板の整備につきましては、散居村展望台への案内看板整備等々と合わせて、適切な設置場所を選定し、道路整備関連の交付金事業等を活用しながら、具体的に検討を進めてまいりたいと存じております。また、駐車場の拡充や遊歩道整備につきましては、今後策定する保存管理計画の中で、上和田緑地等の周辺施設も含めて一体的な整備計画を検討してまいりたいと考えております。
 次に、増山城展望台の整備につきましては、箱物施設を設けるのではなく、展望のよい場所をビューポイントとして、観光マップ等で積極的にPRしてまいりたいと思っております。また、眺望のよい場所での新たな散居村展望台の整備につきましては、現在の散居村展望台より標高の高い鉢伏山頂付近や観光バスが立ち寄りやすい閑乗寺等で、駐車場やトイレを含めた整備ができないか調査研究を進めているところであります。
 なお、新たな散居村展望台が整備されるまでの間、現在の鉢伏山展望台近くの県道沿いの空き地に、簡易な散居村展望広場を整備する予定といたしております。
 次に、ボランティアガイドの養成などでございますが、今、定例会に補正予算として提出しおります増山城跡解説員設置事業といたして、必要に応じて現地で解説する職員を雇用することを予定いたしております。また、今後は史跡の調査に今まで御協力いただきました地元の皆さんや土蔵の会を初めとする方々の御支援を得ながら、史跡の解説のできるボランティアの養成をしていきたいと考えているところであります。
 次に、資料会館の建設につきましては、先に御答弁をいたしました保存管理計画の中で検討していくべきと考えております。
 また、増山城跡国史跡指定記念イベントは、増山城跡を今後、適正に保存、管理していくため、多くの市民の方々に増山城跡の歴史的価値とその重要性について深く認識をしていただくことを目的とし、11月7日に地元小学生も参加して、案内を受けながら城跡内を歩くウオークラリーを行い、翌8日に城跡研究の方の基調講演やパネルディスカッションなどを行うフォーラムを開催するものであります。
 私からの答弁につきましては以上でございます。
 その他の質問につきましては担当部長からお答えをいたします。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 小幡和日出君。
  〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕

◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、森林の保全整備についてお答えいたします。
 当市で実施しているみどりの森再生事業、里山再生整備事業の取り組み状況についてお答えします。
 御存じのとおり、森林は我々の生活に欠くことができない公益的機能を持っております。しかしながら、生活様式や価値観が大きく変わり、木材価格の低迷などから人工林は放置され、荒廃した森林が目立つようになりました。
 このようなことから、県では、水と緑に恵まれた県土の形成と心豊かな県民生活を実現するため、新たな「とやまの森」を守り育てる事業が平成19年度から実施されているところであり、市におきましては県の基本方針に沿って、砺波市森づくりプランを策定し、森林整備を進めております。
 まず、みどりの森再生事業は県が事業主体となり、人工林の公益的機能の向上を図るため、風雪被害林や過密人工林などを杉と広葉樹の混交林へと誘導するため森林整備を実施しているものであります。当市では、この事業に平成19年度は寺尾、庄川町、加羅谷、隠尾で4.6ヘクタール、平成20年度は栃上地区で1ヘクタールの森林整備が実施されました。この事業を実施したことにより、手入れ不足で過密となっていた人工林の伐採や倒木の整理等が行われ、森林の適切な保全が図られたところであります。
 また、里山再整備事業は市が実施主体となり、地域や生活に密着した里山を再生するため、里山の整備や管理、利用について地域の合意形成を図りながら、里山の再生整備を実施しているものです。この事業を、平成19年度では寺尾、庄川町三谷で5.3ヘクタール、平成20年度では井栗谷、坪野、峰、伏木谷など6地区で7ヘクタールの里山林整備を実施いたしました。この事業実施により、放置されて暗くなっていた里山の広葉樹や竹林の伐採等の整備が行われ、明るい里山へ戻ったところであります。
 なお、平成21年度では般若地区の安川、徳万、栴檀野地区の池原、栴檀山では五谷、中尾ということで、全体で9地区12.2ヘクタールを実施しているところであります。また、事業の取り組み期間は1地区3年間となっており、2年目からは県民参加の森づくり事業として、地域の住民の手によって維持管理することに対し支援をしております。このことから住民同士が森林に関心を持ち、見直され、地域間の結びつきや活性化が図られる要因ともなっており、整備後も適正な、持続的な管理を期待するものであります。
 当市では、平成22年度以降も引き続き対象となる地区へ実施の働きかけやPRを進め、森林の適正な整備と保全を図ることを推進するとともに、県への事業要望を継続していくものであります。
 以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 教育委員会事務局長 戸田 保君。
  〔教育委員会事務局長 戸田 保君 登壇〕

◯教育委員会事務局長(戸田 保君) 私からは、学校給食と食・農のかかわりについてお答えをいたします。
 まず、行政改革と学校給食センターについてでございますが、市長の方針でございます行政改革を推進し、民間でできることは民間で行うとの考え方に基づき、学校給食センターの民間委託について検討するため、行政改革検討委員会が設置されました。第1回の委員会では、学校給食センターの施設見学をしていただき、その後に学校給食センターの概要を御説明し、意見交換が行われました。
 検討委員会では、単に管理費用等の視点からだけではなく、さまざまな観点から御意見をいただいたところでございます。次回以降も委託業務の内容、学校給食の衛生管理や安全性、食育、地産地消の対応などについて御意見をいただき、子どもたちが安心して、楽しく食べることができる学校給食となるよう、給食センターの体制づくりについて検討いただきたいと考えております。
 次に、学校教育における地産地消への取り組みについてでございますが、学校給食センターへ納入される主な地場産の農産物は、平成20年度におきましては、野菜類では小松菜、タマネギ、キャベツ、ネギ、大根など、果物類ではカキ、リンゴなど約40品目となっております。納入ルートにつきましては、学校給食センターから地元野菜等を生産するとなみ野農産物生産グループ協議会に発注し、代表の方が各生産者と出荷割り当てを調整し、各生産者が給食センターに直接納入するシステムとなっております。
 地産地消率につきましては、平成20年度において金額ベースで22.5%となり、県内の中でも高い数値となっております。今後は品目数を増やし、従来以上に地場産の農産物を重視していかなければならないと考えており、地産地消を積極的に推進してまいります。なお、砺波地区で特産化を推進されているタマネギにつきましては、となみ野農業協同組合と出荷数量、価格等についての協議を終え、7月から学校給食に使用しているところでございます。
 次に、食育についてお答えをいたします。
 学校、家庭、地域と連携した食育の取り組みにつきましては、学校給食センターでは食育事業の一環として、毎年、夏休み期間に豊富な地元産野菜を使い、親子で料理をつくることで食育の推進を図り、学校給食への理解を深めてもらう親子料理教室を開催しております。今年は簡単につくれる朝ごはん料理を実施いたしました。平成20年度からは学校給食センターと地元の農産物生産者と連携して、親子で生産者の畑を見学し、収穫体験を通して自然の恵みや感謝の心を育てるとなみ野食材探検隊事業を実施しています。
 また、学校、生産者や農林振興センターと連携して、児童が特派員となって、地元の食材や収穫体験の様子をビデオで紹介する学校給食子ども特派員報告事業を毎年実施いたしております。ビデオは市内の幼稚園、小中学校に配付し、子どもたちが地場産食材に理解を深め、感謝の心を持つことにより、苦手な野菜でも食べることができるよう取り組んでいるものでございます。
 御提案の弁当の日の実施につきましては、現在のところ、出町小学校におきましておむすびの日を設け、児童が自分でつくることにいたしております。今後、学校や児童クラブ等に働きかけを行い、このような事業を通して食に感謝する心を育んでまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 4番 島崎清孝君。
  〔4番 島崎清孝君 登壇〕

◯4番(島崎清孝君) 通告に従いまして、市政一般に関する大きく3つのテーマについて質問をいたします。
 初めに、本市の行政評価の取り組みについて伺います。
 行政を取り巻く環境が急激に変化をし、新たな対応が求められている中、行政評価の活用が極めて重要視をされてきております。厳しい財政下のもと、地方分権時代への対応や少子高齢化社会の進展、また、市民ニーズの多様化など、こうした課題にどう対応していくのかが今、問われているからであります。
 現在、市民が行政に期待をするのは、変化への柔軟かつ的確な対応と、市民志向、成果志向に基づく行政経営の推進であります。このためには、限られた予算の中で事業の必要性を慎重に見極め予算を効果的に運用し、十分な成果を上げていくための新しいマネジメントシステムの構築が必要であります。行政評価はそのためのツールとして極めて有効な手段であると存じます。
 さて、今日最も大きな変化点は国や地方の財政事情であります。
 歳入は税収入が大幅に落ち込み、歳出は高齢化の進行に伴う社会保障関係費の大幅な増加によりまして、公債残高は年々増加の一途をたどっているのであります。財務省は補正予算を前提とした2009年度末の長期債務残高を、国及び地方合わせ、全体では816兆円程度にも上ると見込んでおり、GDP(国内総生産)に対する長期債務残高の割合は実に169.5%にも達し、世界の主要先進国の中でも最悪の水準であります。このままでは、私たちの子や孫など、将来世代に大きな借金を課すことにもなりかねない膨大な債務の実態であります。
 特に、昨年後半からの世界同時不況による大幅な景気後退によりまして、短期的なびほう策では財政を立て直すことが困難であることは、だれの目から見ても明らかであります。
 また、本市の平成21年度一般会計当初予算におきましても、税収入が対前年度比で4%減少し、これにより平成21年度の予算総額は前年を下回る結果となったのであります。財政再建と予算の圧縮を目的とした行財政運営の効率化が課題であります。
 一方、地方分権への対応では、地方分権一括法の施行により自己決定、自己責任の原則のもと、自らの責任で、地域の特性を生かしたまちづくりが求められております。
 各市町村では、地方自治法第2条第5項によりまして、総合的かつ計画的な基本構想を定めるとともに、長期総合計画を策定しており、本市においても新砺波市総合計画が策定をされ、平成19年度を初年度にスタートをしております。
 基本構想と基本計画で構成する新砺波市総合計画は、「庄川と散居に広がる 健康フラワー都市」を将来像に、砺波市民憲章を基本理念と定め、笑顔があふれる福祉のまちづくりを初めとした5つの基本方針と、生涯を通した心身の健康づくりを初めとした23の主要施策、そして、健康づくりの推進など53の施策区分、健康づくりの意識啓発から始まる114の施策、さらには平成20年度においては、これを290もの事務事業に落とし込まれております。しかし、この計画には具体的な成果目標や目標達成のためのプロセスが十分盛り込まれていないために、総花的で抽象的な内容との指摘もあります。
 また、市民からは、こんなにたくさんの事業が本当に必要なのか、あるいは時間軸がなく、事業の優先度や達成に向けてのシナリオが見えない。また、この事業こそ優先をすべきといった率直な意見も寄せられているのであります。
 事務事業全体の棚卸しと行政資源の選択と集中こそが課題であります。また、全国的に職員をめぐる不祥事が相次ぐ中、行政に対する信頼度が低下をし、行政全般に対する市民からの監視の風潮や説明責任を求める声も高まってきております。行政運営の透明性と信頼性を高め、市民との協働を推進するためには、当局からの積極的な情報公開をもとに市民と行政とがまちづくりの課題を共有し、あわせてアカウンタビリティー(説明責任)を遂行していくことが課題であります。
 また、行政ニーズが多様化する中、行政サービスに対する満足度を高めていくことや市民生活への貢献度を志向することは、行政経営を行うための最も基本をなすものであります。事業に対する市民目線からの客観的な評価をもとに、より質の高いサービスの提供を目的とした具体的で実行可能な政策の策定が課題であります。
 また、機構、制度、管理手法など行政活動全般の見直しによる最小の投資で最大の効果、このことを実現するためには現状を打破し、改善、改革に果敢にチャレンジする職員の皆さんの意識改革も極めて重要であります。
 以上、いずれもこれからの厳しい行財政運営を推進するための主要課題であります。
 まず、質問の1点目として、行財政を取り巻く急激な変化の中で、庁内の体質強化と市民本位の行政をどのように実施計画に反映、推進をされるのか。上田市長の御所見をお伺いいたします。
 次に、本市における行政評価システムについて伺います。
 行政評価とは、計画、実行、評価、改善、ネクスト計画の管理サイクルを回しながら、継続的に改善を行う手法の一つであります。市が行った事業について、どれだけのお金をかけて何を行ったのか、市民にどのような効果があったのか。こういったことを一定の物差しに基づいて評価をし、その結果を市民に公表するとともに、継続的に改善をしていくために行うものであります。
 三重県から始まりました行政評価システムは、現在ではほぼ全国的に横展開をされ、各自治体で活用されております。本市の行政評価システムにつきましては、既に試行が完了し、この平成21年度から本格運用とのことであります。これまでの経緯と導入の狙い、また、評価の体系と評価の方法、評価の公表と公表に対する民意の反映の仕方など、一連の工程と施行時における課題についてお伺いをいたします。また、行政評価による効果については金額評価ができる仕組みになっているのかどうか、この点についてもお尋ねをいたします。
 次に、大きな項目の2点目として、本市の耐震化の現状と今後の計画について伺います。
 日本では、今月、9月1日が防災の日であります。防災の日は、1923年9月1日に発生した関東大震災にちなんで制定をされた記念日であります。
 1995年の1月、兵庫県淡路島の北側沖を震源に、マグニチュード7.3を記録する阪神・淡路大震災が発生をいたしました。この震災では、兵庫県内を中心に死者6,434人、負傷者約4万人、全半壊25万棟、全半焼約7,000棟の被害が出たのであります。我が国では、この地震を期に直下型大地震の頻発期が始まったとされ、国による巨大地震対策が着手をされる契機となったのであります。
 また、2008年5月に発生した中国・四川大地震では、学校校舎の倒壊が四川省だけでも6,898棟にも上り、校舎倒壊による教師と生徒の被害が犠牲者全体の2割以上を数え、学校建築における耐震基準の甘さが指摘をされたのであります。
 2008年6月の岩手・宮城内陸地震おきましても、宮城県下では80カ所にも及ぶ学校の被害が出たとの報告がなされております。
 学校施設は、子どもたちが1日の大半を過ごす活動の場であるとともに、非常災害時には地域住民の応急避難所としての役割も果たすことから、その安全性の確保は極めて重要であります。
 初めに、公共施設の耐震化についてお伺いをいたします。
 国は地震防災対策特措法を改正し、構造耐震指標0.3未満の公立小中学校等の建物については、地震補強事業の補助率を従来の2分の1から3分の2に引き上げる時限措置を決めました。これにより地方の財政負担が大きく軽減をされ、学校の耐震化が進むとの期待をしているところでございます。
 本市においても、現在、般若中学校の耐震補強改修工事が実施中であります。
 初めに、本市のおける学校、保育所、児童福祉施設の耐震診断、耐震事業の計画と進捗状況をお伺いいたします。
 また、厳しい財政の中、短期間の間にすべてを完了させることは大変難しいことも理解のできるところであります。学校施設の非構造部材の耐震点検や耐震学習、避難訓練など、整備完了までの間どのような対応策を考えていかねばならないのか、このことをお伺いしたいと思います。また、文教施設以外の公共建物の耐震診断、耐震補強、改築の取り組み計画についてもお尋ねをいたします。
 次に、ライフラインの耐震化について伺います。
 先の阪神・淡路大震災では、ライフラインにも相当の被害が発生をいたしました。ピーク時、停電約260万戸、水道断水約130万戸、電話不通30万回線超にも上ったのであります。しかし、いつの震災を見ましても、一番の緊急課題は生きるための水の確保であります。本市における上水道の配水施設、あるいは管路、下水道施設の耐震化の現状と今後の進め方、また、橋梁の耐震性能調査及び補強工事の現状など、ライフラインの耐震化についてもお伺いをいたします。
 次に、緊急地震速報への対応方法と受信装置の配備状況について伺います。
 平成19年度の10月1日から気象庁が発表しております緊急地震速報は、地震を予測するものではなく、あくまでも地震発生後の地震波をとらえてから発表する警報システムであります。したがって、速報後から揺れが始まるまでの時間につきましては、直下型あるいはプレート型といった地震の種類や震源地までの距離によって大きく異なり、場合によっては受信からわずか数秒間で揺れが始まる事態も十分想定をされるのであります。
 本市では、この緊急地震速報に対しまして、速報をキャッチしてからどのような対応を考えておられるのか、速報後の対応マニュアルの整備状況も含め、この緊急地震速報への対応を伺います。また、現在ある受信装置の配備状況につきましてもお尋ねをしたいと思います。
 次に、大きな項目の3点目として、本市の環境対策について伺います。
 地球温暖化による悪影響がさまざまな現象としてあらわれていることは、今日多くの人々が認識をしているところであります。温暖化の問題は今や世界共通の課題であり、地球温暖化の防止は人類の生存基盤にかかわる最も重要な環境問題の一つであります。
 京都議定書では、温室効果ガスの排出量を2008年から2012年までの第1約束期間において、先進国全体で1990年レベルに比べ、少なくとも5%削減することを目的として、我が国においては6%の削減目標が定められたのであります。
 また、昨年の7月に開催されました北海道洞爺湖サミットにおいても地球温暖化対策が主要議題となり、G8は2050年までに、二酸化炭素など温室効果ガスの世界全体の排出量の半減目標を先進国のみだけならず、中国やインドなど新興経済大国を含む世界全体で共有し、国連気象変動枠組条約での採択を求めることで合意をいたしました。低炭素社会への実現に向け、グローバルでその第一歩が踏み出されたのであります。
 そこで、本市の温室効果ガスの排出量削減計画と市民、事業者に対する具体的な要請内容、また、主な事務事業の進捗など、地球温暖化対策に対する本市の現状をお伺いいたします。
 次に、EUは、2020年までに1次エネルギーの20%を自然エネルギーで賄う目標を決定しております。日本においても地域経済対策も含め、太陽光、太陽熱、風力、小水力、地熱、バイオマスなど自然エネルギーの普及が本格的な流れになってこようとしております。
 質問の最後に、自然エネルギーの促進に対する本市の現状を伺います。
 以上で、私の質問を終わります。ありがとうございました。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 私から、島崎議員の行政運営の基本的な考え方に関する御質問にお答えをいたします。
 お尋ねの市民本位の行政をどのように実施計画に反映するかという点でありますが、御承知のとおり、新砺波市総合計画は、市が目指すべき将来像と基本理念を明らかにし、まちづくりの基本方針を示す基本構想と、その基本方針に基づくまちづくりの主要施策の内容を定めた基本計画、そして、まちづくりの主要施策を具体的に実行するための事業計画に当たる実施計画により構成されております。
 基本構想に関しましては、市民参画によるまちづくりの研究会との協働策定作業や各種団体との意見交換会やアンケート実施など、より広く市民の意見を聞くとともに、総合計画審議会に諮問した後、議会の議決を経るという手順を踏んで、市民本位の計画となるように配慮しているものであります。
 実施計画につきましては、新市総合計画における基本計画において、5つの基本方針で体系化された施策や事業の実効性を確保するために策定し、予算編成の指針としているものであり、計画期間を3カ年とし、ローリング方式による毎年見直しを行い、行政の継続性と安定性に配意した進行を管理しつつ運営するというものであります。
 また、実施計画の策定に当たっては成果目標を掲げる行政改革推進計画を初め、各種マスタープランとの整合性を保ちながら、事業の必要性、緊急度、効果を勘案し、財政計画を踏まえているものであり、事業量について具体的に数値化して示しているものであります。
 策定に際しましては、事業所管課の聞き取り調査を行い、政治、経済情勢による財政環境の変化に応じて、計画内容の見直しを柔軟に行うとともに、総合計画審議会に諮るなど、適切な御意見をちょうだいして取りまとめているものであります。
 なお、第4年次の総合計画実施計画(平成22年度から平成23年度)につきましては、現在取りまとめ作業を行っているところであり、市議会にも説明させていただく予定でありますので、島崎議員におかれましても、どうか御意見を賜りますようにお願い申し上げます。
 私からの答弁は以上といたしまして、その他の質問につきましては教育長並びに担当部長からお答えをいたします。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 教育長 舘 俊博君。
  〔教育長 舘 俊博君 登壇〕

◯教育長(舘 俊博君) それでは、島崎議員御質問の文教施設の耐震化についてお答えをいたします。
 まず、学校施設における耐震診断の実施状況につきましては、診断の必要な昭和56年以前の建物において、耐震化優先度調査を含め100%となっております。なお、耐震補強の実施に必要な2次診断につきましては、現在、出町中学校、庄川小学校、庄南小学校、庄東小学校の4校で実施中であり、今年度末にはすべて完了する予定であります。また、幼稚園、保育所、児童福祉施設においては耐震診断が未実施であり、今後、計画的に実施する必要があると考えております。
 次に、耐震化事業の計画につきましては、砺波市耐震改修促進計画と財政状況を見ながら、安全・安心のまちづくりのために、できるだけ早くすべての学校施設の耐震化に努めてまいりたいと考えております。具体的には、本年度中には般若中学校の耐震補強工事を終え、今年度末から砺波北部小学校に着手し、その後、順次残る4校を実施したいと考えております。幼稚園、保育所、児童福祉施設の耐震化につきましては、小中学校の耐震化が完了次第、順次着手したいと考えております。
 次に、耐震化が完了するまでの間の対応策につきましては、議員御指摘のとおり、非構造部材等の耐震点検等の対策を講じておくことが重要であると考えており、外壁の仕上げ材の落下について毎年点検を行っております。そのほか、設備器具や家具等の転倒や落下についても常に点検、確認を行う必要があると考えております。
 また、避難訓練につきましては、地震時に発生する火災も想定して、市内各小学校におきまして毎年実施しております。地震時の対応について学習するよい機会としておりますので、今後も継続していきたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 吉田孝夫君。
  〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕

◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、最初に行政評価システムについてお答えをいたします。
 まず、導入の経緯と狙いにつきましては、平成18年3月に策定いたしました行政改革大綱及び砺波市行政改革推進計画において、限られた財源、人材、これを有効活用し、効率的な行政運営の実現、そして、職員の意識改革、行政の説明責任の徹底、行政の透明性の向上を目的といたしまして、平成20年度に施行、平成21年度に導入と計画しているもので、平成20年度において対象事業の洗い出しを行うとともに、一部の事業について評価表の記入を行い、実施方法等を検討いたしました。
 平成21年度では、評価対象である290の全事業について成果や課題、さらにはその解決方法について評価表の作成を終え、現在、平成22年度の総合計画実施計画に反映させるよう、総合計画のヒアリングにおける資料として活用しているところでございます。
 次に、評価の体系としては、大きな政策という目的の達成に向かって、事務事業を手段としてとらえ、一つ一つの事務事業を評価しながら進めていきます。
 さらに、市民ニーズに伴う行政課題に的確に対応するため、行政活動を計画、これはPLANですが、実施、DO、評価、CHECKをいたしまして、その評価をもとに改善、ACTIONでございますが、これを加えまして精度を高めまして、次の計画へとつなげていく、こういうサイクルを構築いたしております。
 まず、評価の方法といたしましては、総合計画実施計画の見直しに合わせて、担当職員が1次評価を行い、次に、所属長が方向性を含めて2次評価を行いました。評価に当たっては総合計画に沿っているのかどうか、費用対効果は上がっているのかどうかというふうな観点から行っております。なお、評価の公表につきましては、総括とともに評価表を市のホームページで公表いたす予定でございます。
 また、行政評価に対する市民からの御意見につきましては、砺波市行政改革委員会など各種会議での御意見もいただきながら、事業への反映に努めてまいりたいと考えております。
 なお、試行時における課題につきましては、事業の成果をなるべく数値化をして、わかりやすくするように記載方法の統一に努めたところでございますが、担当部署による内部評価にとどまっておることから、今後は評価の方法なども含めまして、有識者で構成する行政改革委員会や行政改革推進委員会の専門部会などによる3次評価について検討してまいりたいと考えております。
 次に、緊急地震速報について申し上げます。
 緊急地震速報は、議員が述べられたとおり、地震の発生により震源に近い複数の地震計で捉えた観測データを解析して、震源や地震の規模を直ちに推定をして、これに基づいて、各地までの大きな揺れであります主要動の到達時間や震度を可能な限り、素早く知らせる仕組みでございます。その速報内容は、アラームの後、地震、震度4、10秒後といったように大きな揺れ、主要動の到達時間及びその震度を推定したものを放送するものであります。
 そこで、この速報内容をキャッチしてからどう対応するのかとのお尋ねでございますが、市としては地域防災計画において、防災行政無線と連動ができないかと考えており、防災行政無線の整備に合わせて検討していきたいと考えております。また、受信装置につきましては、砺波衛星通信テレビからのケーブルテレビ緊急地震速報の専用端末を、本庁では、総務課のある2階事務室と1階生活環境課及び宿直室に、また、庄川支所では管理課の計4カ所に設置して、情報を把握いたしております。
 しかしながら、速報後、地震の発生までには時間的な余裕がないことから、市民の皆さんにはテレビ放送、あるいは携帯電話の無料受信サービスにより発生をお知りになり、各家庭においては、いつ地震が起きても対応できるよう、市の家庭向け防災マニュアルをよくごらんいただき、家具の固定や避難場所の確認など、常日ごろから準備をしておいていただきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 老松邦雄君。
  〔福祉市民部長 老松邦雄君 登壇〕

◯福祉市民部長(老松邦雄君) 私からは、環境保全対策についての御質問にお答えいたします。
 初めに、本市の地球温暖化対策の取り組みについて申し上げます。
 昨年6月の地球温暖化対策の推進に関する法律の改正に伴い、都道府県や特例市以上の地方公共団体は、地球温暖化対策地方公共団体実行計画を策定することが義務づけられました。砺波市など特例市未満の地方公共団体においては、実行計画策定は努力規定となっており、現在、県内他市町村と連絡を取り合いながら、計画策定の予定時期などを検討しているところでございます。この実行計画には、都市計画や農業振興地域整備計画などとの連携が盛り込まれており、実行計画策定に当たっては、それらとの整合性が求められるものでございます。
 具体的な地球温暖化防止の取り組みといたしましては、砺波市は、平成17年3月に環境都市宣言をしており、砺波市連合婦人会では、以前からマイバッグ運動や最近では「環境チャレンジ5」に、また、市内の小学校ではとやま「環境チャレンジ10」に取り組んでいただいております。
 今後とも環境省や県が進める「エコライフ」や「エコアクション21」など、地球温暖化防止対策について幅広くPRに努め、市民及び各事業所に対し温暖化防止対策に参画し、実践していただけるよう啓発してまいりたいと考えております。
 次に、自然エネルギーの導入の現状につきましては、太陽光発電システムの普及のため、電力会社に余剰電力を買い取らせる制度が11月から始まる予定でございます。風力など新エネルギー政策全体に広げられる制度も新たに検討されており、詳細については現在未定でございます。制度が確定すれば、市民の皆様に広く周知し、自然エネルギー活用の推進に資してまいりたいと考えております。
 先ほども申しましたように、当市は環境都市宣言都市であり、現在も学校における太陽光発電設備の設置や公用車の環境対応車への更新、グリーンカーテンなど、エコ対策を推進しているところでございますが、今後も環境都市宣言にふさわしい取り組みをしてまいりたいと存じております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 建設水道部長 前野 久君。
  〔建設水道部長 前野 久君 登壇〕

◯建設水道部長(前野 久君) 私からは、2番目の耐震化の現状と今後の計画についての御質問のうち、まず、文教施設以外の公共建築物の耐震診断、耐震補強、改築の取り組み計画についてお答えいたします。
 市では、平成20年3月に砺波市耐震改修促進計画を作成いたしております。この中で多数の人が利用する建築物、いわゆる特定建築物の耐震化率を8年後の平成27年度末には90%以上にする目標を立てており、公共施設についても同様の目標値としております。
 また、砺波市地域防災計画におきましては、地域の収容避難場所としている施設は耐震性のある施設を選定しておりますが、住民の災害時に最も重要な避難場所となります学校施設及び体育館につきましては、公共施設の中でも特に優先的に耐震化を進める施設として位置づけしており、御承知のとおり、現在鋭意進めているところでございます。なお、学校施設等につきましては、平成27年度末の耐震化目標を100%としているものでございます。その他の公共施設につきましては、総合計画とも調整しながら、目標達成に努力してまいりたいと考えているところでございます。
 次に、ライフラインの耐震化についてお答えします。
 まず、上水道の耐震化の現状と今後の進め方でございますが、上水道施設におきましては、上中野配水場、金屋配水池など配水施設が25カ所ございます。導水管、送水管、配水管などの管路施設につきましては総延長が約404キロメートルとなっており、施設、管路のこれらのすべてがライフラインとして耐震化の必要があると考えておるところでございます。
 まず、そのうち配水施設につきましては、大半が昭和56年以前に設置されておりまして、新耐震基準は満たしておりませんので、災害時を想定いたしますと耐震補強などの改良工事が必要であると考えております。
 しかしながら、施設数が大変多いことから、多額の経費が必要となりますので、昨年度実施いたしました上水道施設の老朽度調査、並びに今年度策定中の水道ビジョンに基づきまして改修計画を立てまして、順次、計画的に進めてまいりたいと考えております。なお、今年度は市で一番古い配水池であります、そして庄東地区のかなめであります安川配水場を更新するため、実施設計業務を発注したところでございまして、平成22年度と平成23年度において更新工事を行う予定でございます。
 また、管路施設につきましては、平成13年度以降、老朽管の布設かえや管路の新設の際には、離脱防止機能を有する継ぎ手を使用した耐震型ダクタイル鋳鉄管を布設しているところでございます。
 続きまして、下水道の状況について申し上げます。
 安全・安心は行政の基本でございます。耐震化はライフラインとして下水道に課せられた使命の一つと存じております。平成7年1月の兵庫県南部地震や平成16年10月の新潟県中越地震では、水平震度や地盤の液状化現象によりまして下水道管のずれや破損、マンホールが浮上するなど、施設被害が数多く発生いたしました。これらの被災実態を踏まえまして、平成9年と平成18年にそれぞれ下水道施設の耐震対策基準指針が見直されまして、現在は気象庁震度で7相当における耐震性を確保することになっております。この指針の考え方は、管路においてはある程度の破損は許容して、流下能力を確保するということになっております。
 砺波市ではこの指針に沿いまして、公共下水道につきましては管路のみでございますので、まず、1つには、平成10年度からは、管と管の継ぎ手に伸縮性のあるものを使っております。2つ目には、平成17年度から下水道管を埋設する際のベースとなる基礎材、これを砂から砕石に変えまして、地盤の液状化を防止する対策をとっております。下水道管につきましても、砕石の基礎に耐え得るよう通常の硬質塩化ビニール管から、ちょっと専門用語になりますけれども、強度のあるPRP管といいまして、パイプの外周に環状のリブを形成したリブつき硬質塩化ビニール管というものに変えまして、耐震化を図っているところでございます。なお、この工法で整備しました管路延長は約70キロとなっておりまして、全体延長の2割ということでございます。
 また、農村下水道事業の処理施設につきましても、建設当時の建築基準法によります指針に基づきまして施設を建設し、設備につきましても指針の改定に沿いまして、自家発電装置の設置、あるいはポンプや汚泥濃縮層などは複数設置するとともに、さらには伸縮の管継ぎ手を使うなど、耐震化対策を施してきたところでございます。なお、管路につきましても、建築基準法に基づき埋設してきたものでございます。
 今後につきましては、いろいろと耐震技術が進歩する中、技術に関する情報を的確に把握いたしまして、施設耐震の向上を図りまして、安全で安心して生活できるまちづくりに努めてまいりたいと存じております。
 次に、橋梁の状況でございますが、災害時の救援物資及び要員等の緊急輸送等に必要となるライフラインの確保のため、砺波市地域防災計画においては、緊急通報確保路線として第1次から第4次まで、北陸自動車道、国道、県道、市道を含め28路線を位置づけいたしております。この中で橋梁を伴う路線は一級河川庄川をまたぎます北陸自動車道を初め7路線ございます。
 議員さん御質問の橋梁耐震性能調査並びに補強工事等につきましては、まず、第1次緊急確保路線であります北陸自動車道及び国道156号の橋梁は既に調査され、補強工事済みと聞いております。
 次に、第2次緊急確保路線であります国道359号の太田橋につきましては、県における震災対策緊急事業50カ所の位置づけにありまして、既に耐震性能等調査済みであり、今年度の11月に橋脚等を含めた補強工事が発注されると聞いておるところでございます。また、国道471号の新藤橋につきましては、耐震機能を考慮して施工されたものでございます。また、第3次緊急確保路線であります新湊庄川線の雄神橋並びに砺波細入線の雄神大橋につきましても50カ所に含まれておりまして、順次整備を進めていくと聞いておるところでございます。ただ、第4次緊急確保線の坪野小矢部線の砺波大橋はこの50カ所に入っておりませんので、今後、県に早期に対応されるよう要望してまいりたいと考えております。
 また、市が管理する長さ15メートル以上の橋梁は15カ所ありますが、これらにつきましては緊急通報確保路線に位置づけられているものはございません。しかしながら、今後、橋梁長寿命化修繕計画の策定において橋梁点検を実施し、その上で財政面も勘案しながら、修繕並びに補強工事等の施工計画を策定してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯議長(山田幸夫君) この際、暫時休憩いたします。

 午後 0時21分 休憩

 午後 1時02分 再開

◯副議長(井上五三男君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
 3番 山本善郎君。
  〔3番 山本善郎君 登壇〕

◯3番(山本善郎君) それでは、お許しをいただきましたので、通告に従い市政一般についてお尋ねいたします。
 まず、最初に、平成21年度より実施されます国営総合農地防災事業について質問いたします。
 この事業は県西部砺波平野において、一級河川庄川より小矢部川に向かって形成された扇状地内で計画され、その受益面積は4市にまたがり、6,200ヘクタールにも及ぶ面積で広域的な総合事業です。総事業費500億円という多額の費用を費やし、国、県、市と3者で負担し、該当地区受益者負担がないという壮大なスケールで行われる事業でもあります。実施期間は国営事業が9カ年、附帯県営事業が14カ年と大変な長期事業でもあります。
 長年にわたり、今日までの地域農業者はこの地において、水稲の作付を主とし、近年は生産調整に参画され、大麦、大豆、飼料作物及び全国的にも有名なチューリップ球根を栽培し、タマネギの大産地化を目指し栽培面積拡大を図っているところです。昭和50年代に入り、今日まで生産調整を続けてきたわけですが、現在ではその率が30%を超えるという調整を余儀なくさせられているところです。本来での水田であれば、全体の面積でその水量の調整機能を果たせるところですが、今はその70%で消化しなければならないという状況にあり、大きな無理が生じている状況です。それは我々農業者自らの政策とはいえ、水田本来のあらゆる機能を果たせない原因でもあります。
 最近の気象の中での局地的な集中豪雨やゲリラ雨による想定外の自然現象等による豪雨災害が発生し、そのたびに多くの犠牲者が出ると聞いています。昨年の7月には、お隣の市においても農地、道路等に被害が発生し、大変残念に思います。また近年、市街化、都市化が進み、地面を覆うコンクリートの舗装に改良され、そういったことに起因する地下浸透が減り、または期待できず、鉄砲水になり、一気に低いところへと流れ込むとか停滞する現象が頻繁に起こります。
 戦国武将甲斐の武田信玄公は、領地を治めるために農業を奨励し、山国であるため河川の整備、治水に重点を置き、信玄堤を築かれ一大穀倉地帯をなし遂げられています。その精神は今も受け継がれ、日本各地には豊かで美しい美田が生まれたものと考えます。こういった面におきましても即時に取り組まれ、早々の完成を期待するものです。
 さて、この事業を実施するに当たり、その効果は大変有意義なものと考えますが、そのためにも、ぜひ地元関係者や受益者及び地権者等の十分な説明と要望事項などを限りなく反映させ、十二分の理解を求められ、付加価値の高い有意義なものを進めていただきたく希望するものです。
 ここで、この事業に係る想定課題を2点質問いたします。
 まず、1点目は、主幹線の水路等は全額国等の負担でありますが、そこへ流れ出す老朽化した支線用排水の改修等はどうするのか、地元負担なしでやっていけるのかどうか、質問するものです。
 2点目ですが、洪水時の排水量の上限を一時的に緩和する、または貯留し、負担をなるべく軽減する機能を持つ洪水調整池の設置に関することであります。
 国営事業では2カ所、附帯県営事業では7カ所、計9カ所の設置を計画されていますが、その面積は容量で28万4,000立方メートルと聞いています。私の近所でも2ヘクタールを超える大きさだと聞いています。
 そこで、まず、もともとは個人の大切な財産を提供するものであり、それによって農地が減少することにもなり、その周辺の自然環境や生活環境にも影響を及ぼすことになります。これはどうしても必要な施設であり、理解をしているところですが、完成した後の施設の管理、運営及びその利用方法等についてお聞きするものです。地元の負担にならないよう自然環境を守り、安心で安全な対策を十分に施し、先ほども申しましたとおり、地元の要望を組み入れていただき、有効な事業にしていただくよう切に要望し、お聞きするものです。
 質問の2番目ですが、国は平成7年の阪神大震災を教訓に、公立小中学校の耐震化工事を推進しています。また、昨年5月に起きた中国・四川大震災を受け、地震防災対策特別措置法を施行し、今年に入って追加経済対策の一環として、さらなる推進を加速しています。
 県内公立小中学校の耐震改修状況は15市町村のうち、入善町の100%改修を初めとし、当砺波市では64.2%と、県下では9番目の進捗率は決して高いほうとは言えません。特に大勢の児童や生徒が通う小中学校は地震があった場合、被害が集中し、相当大きくなるものと予想され、他の公共施設よりも最優先で取り組む必要があると考えます。
 一方、文部科学省は経済危機対策事業の一環として、耐震化を初めとするエコ化推進としてスクール・ニューディール構想を発表し、推し進めているところです。この構想の中身は、耐震化を進める一方、太陽光パネルの設置を初めとし、特別支援教室の設置やICTの環境整備も行うこととしています。そこで、今回、砺波北部小学校の耐震化を進めるに当たり、どのような方法で改修を進めるのか質問するものです。
 新砺波市総合計画の中では安全で安心な教育環境をつくりと題して、子どもたちが健やかに育つために学校の改修、充実をうたっています。
 さて、この校舎は昭和45年8月に竣工し、過去2度にわたる改修工事を経ながら、また、体育館については昭和46年度に竣工し、これも2度にわたる改修工事を経て今日に至っています。今年の10月には40周年を記念する行事も計画されているところです。
 先ほど述べました2度にわたる改修工事を経てきた今の学校にはいろいろと大きな問題も抱えています。まず、1つは、校長室、職員室及び事務室が離れており、危機管理機能が即座に反映できないといった問題です。耐震化はもちろんのこと、他の自然災害などで廊下が狭く、即座の対応の不合理さや不審者の侵入への対応面で大きな障害となっています。
 2つ目は、建物そのものに問題があります。全体にひび割れが進み、応急処置もとられているわけですが、さらに冷暖房設備、機器等が古く、維持管理面においても費用が多くかかり、老朽化がかなり進んでいる状況です。このほか、1年生から6年生までの異年齢間の交流を図りながら給食を行うランチルームがないのは市内の小学校では本校のみであります。また、教室での教育以外の多様な学習や合同事業が行える場、また、児童間や教師を初め、地域の人たちのふれあいの場所として使用するプレイルーム等、多目的スペースがどうしても必要と思われます。
 3つ目には、校舎内の生活管理面において水道カランの不足やトイレの不足及び鉄骨部材を用いた耐震補強は、精神面において毎日学習するものとしては大きな精神負担となり得ないだろうか。学校というのは子どもたちばかりでなく、教育のシンボルであり、地区民においては災害時の緊急避難場所としての位置づけでもあります。
 今回は今後40年、50年の先を見越した環境にもやさしいエコな教育現場を再現するためにも、後世に憂いを残すことのないような思い切った構想がぜひ必要と思われます。これは、児童生徒やその父兄の皆さん並びに地域住民の総意と悲願であります。
 以上、改修工事ではなく、改築工事を進めていただきたいと思っております。これらの対応や整備方法についてどのように計画されているのかお聞きいたします。
 質問の3番目ですが、FTA問題について質問いたします。
 農業情勢は第2次フードショックを迎えようとし、過去には牛肉、オレンジの自由化、さらには米の輸入緩和をさせられてきました。そのたびに農業者は対応に追われ、弱体化をさせられ、苦しい局面にさらされてまいりました。
 しかしながら、そういった問題に対し農業者は自ら知恵を出し合い、技術力を高め、今日に至っています。集落営農を形成しても、生産調整を30%強守っても、一向に生産者米価は上がらず、所得の向上にはほど遠いものと感じます。行政は所得の一元化、法人化を推し進めていますが、今は価格保証、所得保障等の政策を推し進め、何とか続けられているところです。
 しかし、このたび米国とのFTAについて、日本国内では到底解決を見出せない大きな問題と位置づけ、また、せっかく今までの政策に影響を及ぼしかねない日本の農業が大きな損害をこうむることとなります。
 そこで、このFTAが結ばれたとすれば、この砺波市の農業にどれくらいの損害額が想定されるのか、お聞きするものです。
 今後の農業観測として、経済協力開発機構(OECD)や国連食糧農業機構(FAO)は、国際相場は落ち着きを見せているが、今後10年の間で最高30%上昇すると予測しています。また一方では、人口の増加と所得の向上に伴う食糧の需要は2030年までには現在の4割を増やす必要があるとして、農業振興を呼びかけているところであります。
 さらに、食糧価格は原油の価格や燃料費の負担に大きく関与している上、気象変動や水不足問題も絡んでおり、一層不安定なものとなっているということであります。ゆえに、こういった状況の中でFTA締結を断固として行ってはならないと考えております。
 以上をもって、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

◯副議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 山本議員の御質問にお答えいたします。
 まず、国営及び附帯県営農地防災事業庄川左岸地区につきましてお答えをいたしますが、今回の政権交代に伴い、農林水産省の公共事業の予算づけが不透明となり、大変気がかりにしておるものでございます。本事業は安全・安心な地域づくりのために必要な事業であり、政府の動向を注視しながら、適切な対応をしていかなければならないと思っております。
 さて、議員御発言のとおり、本事業は今年度から実施されておりますが、国営事業及び、来年度から事業着手されます附帯県営事業による一体的な整備により、広域的な防災効果が発揮されるものであります。事業内容といたしましては、国営は庄川放水路や岸渡排水路など非常に規模の大きい施設整備を対象とし、附帯県営につきましても既存の幹線用排水路を改修する計画となっております。
 したがいまして、本事業では支線用排水路は対象外となっており、改修に必要な場合は別途事業による対応となります。また、負担割合につきましては、土地改良事業の種別及び施設規模等により決定されており、本事業は広域的な防災の観点からどちらも農家負担はありませんが、市の負担率は国営が3.4%、附帯県営が10%と異なっております。
 御質問の支線用排水路の改修につきましては、農家負担が生じることから、事業化に当たりましても負担割合も考慮し、対応事業を検討する必要があろうかと思っております。
 なお、参考として申し上げますが、附帯事業の上流域の幹線用水路につきましては、現在、県において改修計画案が策定されているところですが、かんがい排水事業のため、利水者である農家負担が生じることとなります。
 いずれにしましても、幹線的な排水路を優先的に整備することが先決であり、本事業の早期効果発現につきましても、引き続き国及び県に対しまして要望してまいりたいと、このように思っております。
 次に、洪水排水池の整備に関してお答えいたします。
 洪水排水池は接続する下流河川の流下能力を超える排水を一時的に貯留することを目的としており、国営及び附帯県営合わせて9カ所の造成が計画をされております。また、調整池の構造は掘り込み式となりますが、通常は空の状態で、計画降雨時には満水状態になります。したがいまして、降雨時以外には多目的に使用することが可能であり、現在、国においては、調整池の有効活用方法についても検討がなされているところでございます。
 なお、調整池の造成に当たりましては、周辺の散居景観との調和などにも配慮する設計に努められており、今週には岸渡調整池の設計内容についての地元説明会が開催され、その際には多目的利用等についての地域住民の意見聴取も予定されております。
 一方、調整池等の公益的な防災施設の維持管理費につきましては、関係市にて負担することとしておりますが、詳細な管理方法等につきましては関係機関にて協議中であり、今後、明らかとなる構造や利用方法等も考慮し、具体的な内容を決定することとしております。地域住民の皆様には、可能な範囲で管理の一部を担っていただきたいと考えておりますので、ぜひ御協力をお願いいたしたいと思います。
 なお、事業実施に当たりましては、地域住民の皆さん方の御理解が得られるよう十分な説明と、また、調整池につきましても利用方法に対する御意見等が設計に十分反映されますよう、改めて事業主体への御配慮をお願いすることとし、市といたしましてもその調整に積極的に努めたいと考えております。
 次に、砺波北部小学校耐震改修事業につきましては、現在、基本設計をほぼ完了したところでありますが、耐震診断結果を踏まえた検討の結果、整備方針として、グラウンド側の昭和45年建築の校舎南棟については耐震性がないだけでなく、教室不足に加えて、多目的スペースもなく、機能的に支障を来していることから改築とし、昭和56年に増築した北側校舎については耐震性が十分あり大規模改造といたします。また、体育館については耐震性はないものの、校舎等とは違い機能的に支障はなく、補強と大規模改造で進めてまいりたいと考えております。
 校舎の設計に当たりましては、議員の御指摘の問題点を解決し、多目的スペースやランチルームの整備に加えて、放課後児童クラブの改築もあわせて行い、充実した学校教育活動を可能とするだけでなく、地域開放もできる学校施設となるよう計画してまいりたいと考えております。
 事業を促進するとともに、有利な補正予算を活用するため、事業を前倒しして実施し、10月から仮設校舎の建設に着手し、校舎の実施設計を早急に取りまとめ、1月末までに実施設計を完了させたいと考えております。
 次に、日米自由貿易協定によるFTA締結に係る砺波市農業の損害について申し上げます。現在、WTO、FTAといった国際交渉が行われていますが、その中で農林水産物の関税の引き下げが大きな問題となっております。
 FTAは御承知のとおり、2国間等で関税を相互に原則撤廃することを取り決める協定であり、貿易額全体の概ね9割以上が関税撤廃されることが締結される際のルールであります。諸国とも関税撤廃が与える影響を考慮し、農林水産品を関税撤廃の対象から除外していることは多いと伺っております。
 国は、農林水産分野について、守るべきものはしっかり守るとの方針のもと、アジアを中心に11の国や地域と協定を締結し、韓国など5つの国や地域と交渉していると言われております。
 米国とは民間において議論がなされている状況であるものの、世界最大の農産物輸出国である米国とのFTAが農産物抜きでは成立するはずがありません。もし関税が撤廃されると、安価な外国農産物が大量に国内に流入し、内外格差の大きい米、麦、畜産物等は生産が大幅に減少し、その影響は農業産出額の42%に相当する3兆6,000億が減少し、食糧自給率は現在の40%から12%という極めて低い水準まで低下すると農林水産省では試算をされております。特に米は農家の自家消費や一部のこだわり米への需要分を除いて、国内生産量の90%は外国産に置きかわると見込まれております。
 議員御質問の砺波市農業の損害額についてですが、直近データの平成18年度では農業産出額の9割近くが米が占める砺波市にあって、農業産出額の65億円のうち、損害額が59億円と試算され、影響は甚大で、はかり知れないものと存じております。
 今後ともFTA交渉に当たりましては、米、小麦、牛肉、乳製品など農林水産物の重要品目を除外するとともに、万が一これが受け入れられない場合は、交渉を中断すること、また、農産物貿易交渉は農業、農村の多面的な機能の発揮と国内自給による食糧安全保障の確保を基本とし、各国に多様な農業が共存できる貿易ルールを確立することを強く国に対して要求してまいりたいと、このように思っております。
 いずれにしろ、今後のFTAの交渉がどのような展開をするのか大変注目をしていかなければならないと思いますし、当然この砺波市、また砺波平野につきましては、米が農産物の主要を占めておるわけでございますから、極めて影響が大きいと、このように思っておるわけでございまして、いろいろな方面に働きかけて、農業が守られるようにしっかり取り組んでまいりたいと、このように思っておりますので、どうか議員の皆さん方の御支援もよろしくお願い申し上げたく、このように思っております。
 以上で終わります。

◯副議長(井上五三男君) 2番 川辺一彦君。
  〔2番 川辺一彦君 登壇〕

◯2番(川辺一彦君) お許しを得ましたので、通告に従い市政一般について3項目の質問をさせていただきます。
 まずは、今年12月に施行予定である改正農地法への対応についてでございます。
 去る平成21年6月24日に公布されました農地法の一部を改正する法律は、これまでの農地制度の根幹部分を変え、農業のみならず農業団体、地域社会に大きな影響を与えるものと考えられます。
 砺波市での該当はなかったかもしれませんが、これまで企業は、採算の合わない耕作放棄地などを中心に市町村が指定する農地しか借りられなかったのですが、この改正法では、企業に対する農地の賃借規制を緩和することによって、一定の要件のもと優良農地の賃借も可能となり、農業生産ができるようになると同時に、農地の転用規制を強化することによって、農地面積の減少を防ごうとしているものです。
 この改正法によって、国は、農業分野における新たな経営感覚やマンパワー(人的資源)を導入し、耕作放棄地の解消や地元の雇用創出につなげ、地域の農業や経済を活性化させる効果を期待するとともに、高齢化などによる担い手不足や農地の減少などに苦しむ農業を、自立した産業へと改革しようとしているのです。つまり、これまで農地の権利取得者は個別農家、農業生産法人、そして、例外的に特定法人と限定されてきましたが、これに企業などの一般法人、農協が加わることになることから、農地の耕作者である担い手が多様化する状況を容易に想像できるのです。
 このような状況になりますと、現在、市内における集落営農組織や大規模農家の担い手が集積している地域農業の横のつながりに支障が出たり、企業が資本力を盾に高い借地料で参入することなどで、地域農業全体のバランスが崩れるおそれも懸念されるのです。また、仮に一般企業が参入しても、利益が上がらず撤退したり、倒産などすればさらに農地の荒廃を招くおそれもあるのです。そこで同改正法では、このような懸念を払拭させ、改正法の期待する役割と機能を十分に発揮させるためるため、農業委員会に対し、新しい役割を付与しているのです。
 同委員会に対しては、国としてもこの改正法に対する賃借権の認可やその取り消しの判断基準など今後提示するものとは思いますが、その基準などに基づく可否の判断や農地の権利取得に関する許可及び監視を担うこととなる農業委員会の役割は、今にも増して大変重要なものになると思われます。
 以上のことから、今年の12月には施行される見通しとなっている改正農地法を受け、砺波型農業への対応方策や方針、並びに委員会における業務の拡大に的確な対応をするための農業委員会の体制づくりはどのように考えておられるか、お伺いをいたします。
 次に、砺波ブランド米の確立に向けた取り組み状況と新規園芸作物による農家の経営複合化に向けた支援状況についてお伺いいたします。
 現在、私たち日本人の食文化から申し上げまして、日本の食糧自給率を100%にすることは、国土の耕作面積と人口の兼ね合いからして不可能であることが農林水産省の調査によってわかってきています。しかし、米の消費量を現在の2倍はあったころの成人1人当たり年間120キログラムまでに戻し、現状の小麦消費分と置きかえることができれば、60から70%まで食糧自給率の回復は可能であるとされております。
 ここ数年間の富山県産米出荷実績を申し上げますと、県全体では約21万トン(約350万俵)であり、そのうち砺波市では約1万1,000トン(約18万俵)の米が、生産者自らが消費している自家消費米以外に市場へ出荷されております。この出荷量を、現在の成人1人当たりの米消費量である年間約60キログラムに換算しますと、県全体の出荷量では年間約350万人分の消費量となり、例えば大阪府民約881万人に当てはめますと、約40%にしか相当しない量なのであります。
 ましてや砺波市だけの出荷量を考えますと、すぐに完売されてもよいと思うのですが、現実はそうではありません。即完売とならない理由として、消費者はより安く食味のよいものを求め、生産者は高品質なものをより高く販売したいことなどのさまざまな駆け引きとともに、消費地からは米の品質などについて厳しい目が向けられており、次の点について指摘されている事実があるのです。
 その1点目としては、出荷米の中に未熟米や背白、腹白といった規格に合わない粒が混じることによる整粒歩合の不均一や、また、穀類乾燥の仕上げ水分にばらつきがある水分のむらなどがあり、いずれも生産者個々によって行われる乾燥と調製作業が大きな要因となっております。
 2点目として、出荷時における荷姿の改善要望があります。
 これは、消費地の精米業者施設において、紙袋(30キログラム)による個体を取り扱うよりも、1トン分(16.6俵)が入るフレコン袋で取り扱うほうが作業効率が格段に向上するということなのです。
 砺波ブランド米の確立に向けたこれらのことを解決するための方策として、地元農協が平成17年から打ち出しているライスターミナル構想があります。このライスターミナルには、砺波市における米出荷数量の約半分に当たる6,000トン(10万俵)を収容できるラック式低温倉庫が平成19年より稼動しており、ここに併設してライスセンターを設備することで、個人または生産組織などが刈り取った米を一手に乾燥調製し、1トンのフレコン袋でラック式低温倉庫に保管させ、出荷することができるのです。また、生産者側から見ても、高額な穀物乾燥機や穀物調製機類に再投資しなくて済むため、生産コストの低減にもつながること及び消費地から求められている出荷米の品質の均一化にこたえられることから、よりよい価格での米販売に結びつけられるのです。
 米の産地間競争が激化している中、一刻も早く砺波ブランド米を確立させ、より有利な米販売と米消費に結びつけるためにも、現時点でのライスセンター整備に向けた支援の動きと今後の見通しはいかがなものかをお伺いいたします。
 続きまして、富山県は野菜の生産出荷額が全国ワースト1であることは皆様御存じかと思います。
 ここ砺波市も、冬季間の積雪により野菜づくりは困難とされてきた水稲単作地帯であり、生産調整の基幹作物として、主に大麦や大豆を生産してきている地域です。しかし、今後とも主穀作のみに頼っていては農家所得を十分確保していくことが困難と思われることから、農家所得の減少をカバーし、さらには増やすための作物品目選定が緊急の課題となっておりました。
 このような中、昔から多くの一般農家で自家消費用として栽培されてきている底辺の広い作物であるタマネギが、砺波市全域で取り組みできる作物と評価され、担い手を含めた農家全体の所得増を図るべく、経営複合化の新規園芸作物として、地元農協が中心となり普及活動に乗り出しました。
 その導入環境としては、1つ、生食用、加工業務用など使用用途に広い需要があること、2つ、保存性、貯蔵性が高いこと、3つ、県内に大きな産地がないので、市場形成が容易にできること、4つ、最近の健康志向から、栄養価の高い作物として注目されていること、5つ、栽培作業の機械化一貫体系が可能であり、規模拡大が容易であることなどが挙げられ、特に、県内消費の大半は県外産であることや県外からの入荷量が落ち込みがちな七、八月にかけての出荷が可能とされることから、県内における競争は少ないものとされております。
 昨年、砺波市において、試作的に植えつけを行った面積は約4ヘクタールでありました。今年、平成21年の植えつけ予定面積は約40ヘクタールでございます。さらに翌年、平成22年には約70ヘクタールまで拡大する計画として取り組まれると伺っております。
 午前中、川岸議員さんが言われました100ヘクタールは南砺市も含んだ面積でございます。
 このタマネギ振興計画は富山県の支持も取りつけ、また、平成21年砺波市議会6月定例会においても、各種作業機械類についての今年度の市負担分を補正予算で承認され、前向きに動き始めたところであり、今後とも砺波の農業の経営複合化に向けたタマネギの産地化を支援していかなければならないと考えます。
 そこで、このタマネギは、砺波市の重点推進作物として市が策定している地域水田農業ビジョンにおける位置づけはどうなるのか、野菜価格安定対策への加入はどうなるのか、今後の設備や機械化に対する支援策はいかがなものか、タマネギ振興策についてお尋ねいたします。
 最後に、砺波市地域防災計画について意見を含め、お伺いいたします。
 近年、毎年のように自然の猛威による災害犠牲者の報道を耳にいたします。豪雨、台風、地震、突風、雷など、地球温暖化が発している警告としか思えないような自然災害が立て続けに起きているのではないかと感じています。
 その中でも、台風による豪雨や雷については、気象庁が発表する天気予測技術によりかなり詳しく事前に知ることができるようになってきています。また、地震についてはいつ来るかわからない災害であり、震度によってははかり知れない被害を受けることとなります。しかし、地震は今までの実例をもとにある程度想定し、自らが事前の備えをすることで最小限の被害にとどめることも可能かと思われます。
 ここで問題となるのは、砺波市民があまり経験したことのない、最近、国内外で頻繁に発生するようになったゲリラ豪雨と竜巻でございます。昨年7月に南砺市で発生した豪雨災害では、県内全域に大雨洪水警報を発令し、局地的な豪雨が起こる可能性を呼びかけていましたが、発生する場所や時間までは特定できなかったとのことでした。また、竜巻の発生もここ数年間増えていることも事実です。
 つい最近では、7月19日に岡山県美作で、7月27日には群馬県舘林と続けて発生しました。中でも群馬県館林での竜巻は重軽傷者21名、家屋損傷234棟と、その被害の状況が報道されました。
 竜巻の恐ろしいところは、猛烈な突風によりまくれ上がったかわらや割れたガラスなどがその渦によって弾丸のように襲ってくること、また、1トン近い軽自動車が100メートルも飛ばされることなど、すさまじい破壊力を持っていることなのです。このように国内で頻繁に発生するようになってきた竜巻は、私たちの砺波市でも発生しないということは断言できない状況となっているのではないでしょうか。
 砺波市では、市の災害予防、災害応急対策などを砺波市地域防災計画の中で一般災害編と震災編に分けて整理し、さらに一般災害編の中で風水害、火災、雪害とに分類して、砺波市に影響を及ぼすとされる被害想定とその予防及び災害に対して処理すべき業務の大綱などを規定してありますが、まず、ここで、第1章第5節にある被害想定の中に竜巻や雷の項目も設ける必要があるのではないかと思いました。
 また、この防災計画の内容の大半は災害が発生してからを想定したものであり、災害の未然防止や軽減を図るための具体策に不十分さを感じるものでした。第1章第8節にある防災行動力の向上にあるとおり、市民の皆様には、自らの身の安全は自らが守る。自分たちの地域は自分たちで守ることを意識してもらうため、防災広報、防災教育などの防災意識の高揚、市民、事業所などによる自主防災組織の強化、防災関係機関を中心とする防災訓練の実施など、日ごろから防災行動力の向上に努めておられるのですが、いまだに自然災害の少ないところといった油断や、災害が起きれば行政が何とかしてくれるといった安心感を持っていらっしゃる市民の方々が多いのではないでしょうか。
 自らの身の安全は自らが守るの観点からして、竜巻などにより真横から弾丸のように飛んでくる木片、かわら、ガラスなどや、地震によって崩れる家屋、横転する家財、家具類から我が身を守るための対処法がいまだに市民一人一人までには伝わっていないように思えます。
 加えて、市内全地区で設立された自主防災会では、その後の活動内容にばらつきがあるように思われることから、当局が、防災会に対して推進する地域での活動計画や資金計画の内容及び自主防災会同士の横の連絡体制と情報交換などはどのようになっているのかをお聞かせください。
 そして、いま一度、砺波市地域防災計画の検証を行っていただき、特に市民一人一人が我が身の安全確保に行動できるような啓発活動に力を注いでもらいたいと思いますが、当局の御意見をお聞かせください。
 以上をもちまして、私からの質問を終えさせていただきます。

◯副議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 川辺議員の改正農地法の施行による砺波市の対応に関する御質問にお答えをいたします。
 初めに、農業問題でございますが、今日の農業を取り巻く情勢は大変厳しく、米価の低迷や担い手不足が大きな課題でありますことはこれまでも述べてきたとおりでございます。
 また、先般の衆議院選挙により、民主党が政権を担うこととなります。マニフェストでは、農業者個別所得保障の導入予定など、これまでの施策がどうなのか大変不透明であり、困惑をしているところであります。市といたしましては、現段階で農業政策を進めるものとしております。
 さて、農地法改正を受け、砺波型農業の対応方策、方針についてのお尋ねでございます。農地法の改正につきましては6月の市議会でもお答えいたしましたが、農地の利用を促すため、一般企業の農地の賃貸等について一定の要件を設けて許可することになりますが、地域と調和に配慮することとしております。
 そこで、現在、砺波市における農地集積率は集落営農組織を含む認定農業者、法人経営とも含め72%、特定農業法人が3%になっており、営農を主体に取り組む皆さんであります。市として、今後の農業行動の変化に伴い対応すべく、引き続き集落営農組織の育成と地域農業の中核を担う認定農業者の育成に努めてまいりたいと、このように思っております。
 しかしながら、農地法の改正により、一般企業の農業参入については法律の要件に合致する申請がなされれば、農業委員会での許可となることとなります。
 議員の御心配の地域農業のつながりや利潤主義企業の進出について懸念されるところでありますが、日ごろから、各地域の農業への取り組みと砺波市の散居を守る努力をみんなですることが大変大切でないかと考えております。一方、高齢化が進み、担い手がいなくなっていく中山間地域においては、営農継続がこれからも課題であり、今後、検討していく課題であると考えております。
 いずれにいたしましても、今回の法律が施行される日まで、政省令が制定されることとなっておりますので、現状調査をし、関係者の意見をお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。
 次に農業委員会の体制づくりにつきましては、既に御存じのように、農地法改正法案が6月24日に公布され、現在、年内の施行に向けて政令、省令等により客観的かつ具体的な判断基準の整備が進められているところであります。
 議員御指摘のとおり、今回の法改正によりまして、個人はもとより、農業生産法人以外の法人、いわゆる一般企業においても貸借による農業への参入が可能となったところであります。賃貸借を設定する場合の要件の緩和に当たって、農業委員会が地域における家族農業経営を営む担い手の育成等の取り組みとの整合性や農地の適切な利用を課して許可することとなりますが、許可後において、農地の利用状況を定期的に報告させるとともに、耕作を行っていない等の不適切な利用が判明した場合には許可を取り消すなどの厳正、厳格な措置を講ずることとしております。
 このように農業委員会の担う許認可等の業務の役割が質、量ともに増大し、新しい農地制度が農業、農村現場で透明性、公正、公平性をもって運用され、改正法の目的を達成するためには、現場で制度を担う農業委員会の活動に対する体制整備が極めて重要だと考えております。
 したがいまして、今後、他市の取り組み状況を的確に把握し、事業執行が適正に行われますよう最大限努力をしてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、政省令、運用通知などの判断基準が明確になった段階で農業委員への説明会、研修会等の充実を図り、周知徹底に努め、法令に基づく公平、公正な審議に努めていただけるものと確信をいたしているところであります。あわせて市民の皆様に対しましても、法改正の要点について、広報等を通じ普及、啓蒙に努め、周知徹底を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 私からの答弁は以上といたしまして、その他の質問につきましては担当部長からお答えをいたします。

◯副議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 吉田孝夫君。
  〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕

◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、最初に、災害時における自分自身の安全確保に関する市民への啓発活動について申し上げます。
 市民への啓発活動につきましては、市の責務といたしまして、これまでもさまざまな取り組みを行ってまいりました。
 例えば、行政出前講座を初めといたしまして、ケーブルテレビ行政チャンネルでのおもしろ防災講座、FMとなみでの防災ファイル、それから、全戸配布をいたしました防災となみの防災マニュアル冊子、あるいは洪水ハザードマップ、そして、多くの市民に参加をいただいて、毎年行っております砺波市総合防災訓練がございます。市民の皆さんにはこうした取り組みを活用いただくとともに、市といたしましても、地震から身を守る出前講座などの地域の皆さんからの要望には積極的に対応してまいりたいと思っております。
 議員御指摘のように、自らの身の安全は自らが守ると、こういう自助という観点が災害には一番有効であることを広くPRしてまいりたいと考えております。
 なお、地域防災計画に竜巻や雷の項目も設ける必要があるのではないかという点に関しましては、富山県地域防災計画との整合性も勘案しながら研究してまいりたいと考えております。
 次に、自主防災組織関係について申し上げます。
 市内の自主防災組織につきましては、地域の皆様の御理解と御協力のもと、平成20年3月には市内すべての地区で設立されております。設立された自主防災組織は地形や人口などの地域事情に応じた組織となっており、自主防災会としての活動や予算などについてもそれぞれ工夫を凝らしながら取り組んでいらっしゃいます。
 しかしながら、各自主防災会としましても、どのような活動を行えば効果的なのか、あるいは他の自主防災会はどのように活動しているのかという関心があるところでございます。そのため、市といたしましては、自主防災会の会長を自治振興会長が兼ねられているというところもございますので、砺波市地区自治振興会長会議において各自主防災会の活動の一覧を提供するなど、活動の参考にしていただいております。
 いずれにいたしましても、突然私たちの身に降りかかってくる災害に備え、継続的に自主防災活動を行っていくためには、さまざまな工夫をしながら、例えば運動会の機会を利用するなど、肩の凝らない、楽しく参加できるような訓練内容も取り入れながら行っていただきたいというふうに考えており、今後とも行政出前講座の活用をお願いするとともに、各自主防災会の活動の情報提供に努めてまいりたいと考えております。
 さらに情報交換の場として、自治振興会長と自主防災会の隊長さんによる意見交換の場を設けて、共通理解を図ればいかがかというふうな提案もございますので、今後、地区自治振興会協議会と相談させていただき、実現してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

◯副議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 小幡和日出君。
  〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕

◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、2のブランド米の確立に向けたライスセンターの取得と複合化によるタマネギ産地化支援についてお答えをいたします。
 まず、ライスセンターの取得に向けた動きと見通しについて申し上げます。
 となみ野農業協同組合においては、安全・安心を基本としたとなみ野米ブランドの確立のため、ライフターミナル構想、今ほど川辺議員さんが詳しく述べられましたので、それについてはよくわかると思っております。平成19年度にラック式低温倉庫建設に取り組まれました。この施設は生産者ごとの個別管理や栽培履歴が特定できることから、安心・安全を求める消費者ニーズにこたえられ、現在80%を超える稼働率と伺っております。
 そこで、既存のラック式低温倉庫に併設し、ライスセンターを設置することは消費者の需要に応じたとなみ野米を均一な品質に調整し、出荷することができることや農業者の過剰投資の抑制にもつながる取り組みであります。
 当市といたしましても、来年度の重点要望事項として、国及び県に対し強く要望してきたところであり、となみ野農協としても来年度事業化に向け計画されており、早期の事業申請がなされるよう指導、支援してまいりたいと存じます。
 次に、タマネギの産地化に対する砺波市の支援状況と今後の方策について申し上げます。
 平成21年度に見直しました市水田農業ビジョン、園芸特産物としてタマネギを追加し、産地確立交付金対象としたところであります。また、野菜価格安定対策への加入につきましては、となみ野農業協同組合から申し込みがあり、市は県野菜価格安定資金協会からの通知に基づき、資金造成負担額を支出したところあります。
 今後の設備や機械に対する支援策につきましては、となみ野農業協同組合で具体的な計画がなされたことから、砺波市としても支援すべく、来年度の重点要望として乾燥調製施設など、国の補助事業が見込まれるものについては国に、国の要件に満たさない専用機械等については県に要望しております。
 となみの農業協同組合では、乾燥調製施設が明年6月の収穫期に間に合うよう、国直接採択事業に申請したと伺っております。国の採択要件に満たない機械設備等の整備につきましては、県と協議を進めております。
 水稲単作地帯にあって農繁期が水稲と競合せず、複合経営が見込めるタマネギにつきましては、今後とも国・県の事業を活用しながら、積極的に支援をしてまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。

◯副議長(井上五三男君) 7番 今藤久之君。
  〔7番 今藤久之君 登壇〕

◯7番(今藤久之君) 質問通告書に従い、質問をさせていただきます。
 最初は、新型インフルエンザについてです。
 8月10日から8月16日の本年第33週に、感染発生動向調査で、インフルエンザの報告数が7,750人、定数が約4,600カ所で、1施設あたり1.69人となり、流行の目安となる1.00を上回ったと8月21日に厚生労働省の発表がありました。
 これは、新型インフルエンザが正式に流行期に入ったということを意味します。国立感染症研究所によりますと、夏場のインフルエンザの流行は、調査を開始した1987年以来、前例がないとのことです。また、8月15日には新型インフルエンザ感染者として、国内最初の死者が沖縄県で確認されたとの報道もありました。その後も残念ながら集団感染や死亡者の報道が絶えないところであります。県内においても集団感染の事例が幾つか報告されています。
 砺波厚生センター管内でも8月22日に、小矢部市の放課後児童クラブで、確定患者2名、疑似症患者3名、合計5名の集団感染事例の報告がありました。もはや、決して対岸の火事ではない状況だと言えると思われます。スペイン風邪の事例からも、新型のインフルエンザでは免疫を持つ人がいないために、感染者も多くなることが十分に予想されるものです。
 さて、新型インフルエンザの集団発生があれば、県の厚生部からその状況報告がなされるのですが、単独の発生についてはその限りではありません。そこで、まず、現在までの市内における新型インフルエンザの発生状況についてお尋ねいたします。
 次に、災害的な規模での感染が起こった場合の各所での対応についてお尋ねいたします。
 9月に入り夏休みも終わり2学期が始まりました。子ども同士の接触の機会が増え、急激に感染拡大することが懸念されるわけであります。先の小矢部市の小学校では、感染の拡大を恐れ、放送室と教室をテレビ回線で結ぶという方法で始業式を行ったそうです。県では、これまでインフルエンザなどによる学級閉鎖の基準を、欠席者が2割を超えたときとしてきましたが、新型インフルエンザ対策として、その基準を1割に引き下げたとお聞きしています。
 保育所、幼稚園ではどうでしょうか。感染した園児を持つ保護者ももちろん大変ですが、集団感染による保育施設の休所、休園が起これば、たとえ我が子が感染していなくても、その家庭に与える影響は大きなものがあると思われます。私は、集団感染による大きな被害がないことを願ってはいるのですが、一方で、そのようなことがあるとすれば、それに対してできる限りの備えをしておき、少しでも被害の規模を小さくしたいものだとも考えています。
 気になることは数多くあります。福祉施設の運営や訪問看護はどうなるのか、健康センターで行われている乳幼児健診や予防接種、あるいは各種検診や健康相談の対応はどうするのか、大規模な集団感染があった場合の対応についてお尋ねいたします。
 さて、新型インフルエンザについては、これまでにも2回議会質問をさせていただきました。3月定例会では、発生そのものがまだ予想段階でした。6月定例会では、国内でもそれが現実のものとなり、答弁でも第2波の到来に備え、市の業務として上下水道、ごみの収集など、ライフラインに関連した業務継続計画や窓口業務が停滞しないための各種行動マニュアルの作成を急ぐ必要性が述べられました。そのとおりだと思います。
 基本的には限られた職員数で優先順位の高い仕事をいかにこなしていくのかということに尽きると思います。この業務継続計画や各種行動マニュアルの作成の想定と進捗状況についてお聞かせいただきたいと思います。あわせて、今定例会補正予算として計上されている防災対策費、新型インフルエンザ対策用物品購入費の詳しい説明もお願いいたします。
 次に、総合病院についてお尋ねいたします。
 恐らく流行のピーク時には、多数の新型インフルエンザ患者が押し寄せる事態になろうかと思われます。そこで最も大切なことは病院機能の維持だと思われます。一刻を争う救急はもちろんのこと、一般外来や入院患者にも悪影響が及ぶことはない対応が望まれます。医師、看護師を初めとするスタッフの確保はなされるのでしょうか。また、重篤な新型インフルエンザ患者のための病床や人口呼吸器などの備えはどのようになるのか、これもまた今定例会で新型インフルエンザ対策事業費として補正予算が計上されていますが、具体的にどのような発熱外来の整備を予定されているのかも、あわせて御答弁をお願いいたします。
 次に、緊急雇用対策についてお尋ねいたします。
 8月末の北陸財務局の会見によれば、生産面については、在庫調整の進展などを背景に持ち直しの動きが見られるとしながらも、雇用判断では、大幅に悪化していると6カ月連続で判断を据え置く発表がありました。雇用は大変厳しい状況が続いていると言えるものです。
 さて、本年5月の補正以来、国の緊急雇用対策関連の施策が砺波市においても行われております。緊急雇用創出事業とふるさと雇用再生基金事業を合わせますと、本年度中だけでも55名の新規雇用が創出、提供されることになっております。事業の趣旨として、緊急雇用創出事業では、厳しい雇用情勢の中、離職を余儀なくされた非正規労働者や中高年齢者等に対し、緊急的、短期的なつなぎ就業の機会を提供することとなっており、一方、ふるさと雇用再生基金事業では、雇用失業情勢が厳しい中、地域でニーズがあり、かつ今後の地域の発展に資すると見込まれる事業のうち、雇用継続が見込まれる事業において、地域求職者等を雇い入れて行う雇用機会を創出する取り組みを支援するとなっております。
 市当局としても、事業の範囲や要件を満たしながら、なおかつ10分の10の交付金を生かすべく、苦労されて事業計画を立てられたものと思います。しかし、元来、雇用というものは継続して行われるものであろうと思います。いくら緊急雇用対策とはいえ、雇用期間が緊急雇用創出事業では6カ月未満で、福祉、介護、教育等の分野を除けば、原則的には更新が不可であり、ふるさと雇用再生基金事業では更新は可能ですが、原則1年となっています。
 これでは、雇用するほうとしても責任のある重要な仕事は任せづらく、雇用される側も仕事に対しての向上心が沸きにくくなり、両者にとって得るものが少ないのではないでしょうか。継続的で長期にわたる雇用の創出こそが大切ではないかと考えますが、いかがでしょうか。また、そのような事情から、腰かけ的な仕事をするくらいなら、この事業には応募せずに、別の長期採用をしてもらえる仕事先を探すと考える人も多いのではないかと思います。現状はどうなのでしょうか、御答弁をお願いいたします。
 このことに対しては、全国の地方自治体も苦労をしているようです。ところによっては、NPO法人の支援という方法で取り組んでいるところもあるようです。まだ、始まったばかりで、事業期間は平成23年度末までとなっているこの施策ですが、市として独自でできることはないのかということも含めまして、今後の運用についてお聞かせいただきたいと思います。
 最後に、砺波市まちづくり協働事業についてお尋ねいたします。これは、本定例会初日の市長提案理由説明の中でも述べられたところです。活力あるまちづくりの推進を図るために、市民と行政が協働して行うテーマや事業を公募し協働事業を行う。本年度においては、市から提案するテーマに基づき、実施団体を公募することになるが、今後は市民と行政が協力して地域の課題を解決する協働活動を構築していく考えとのことでありました。
 今回の補正予算は、金額としては決して大きいものではありませんが、市民と行政が対等の立場で連携をし、地域の課題解決を行うことは大賛成ですし、大いに評価をさせていただきたいと思います。
 そこで、まず、今年度の取り組みについてお尋ねします。今年度に関しては、年度の途中でもあり、公募、選定の時間的な余裕もあまりないことから、市からの提案するテーマに沿っての公募となるようですが、具体的なテーマはどのようなものを考えておられるのでしょうか。
 また、せっかくの事業ですので、多くの方々に知っていただき参加もしていただきたいと思うのですが、その告知についてはどのような方法を考えておられるのでしょうか。御答弁をお願いいたします。
 さて、次年度からは、市民提案型の事業と行政提案型の事業の2本立ての事業となるのであろうと考えております。その際に市民提案の対象となる事業はどのような事業になるのでしょうか。また、応募をすることができる団体はどんな団体になるのでしょうか。経費負担についてや多くの応募があった場合に選考、決定という作業もあると想像しますが、これらを含めた概要について、できるだけ詳しい御答弁をお願いいたしまして今回の質問を終えさせていただきます。

◯副議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 市長 上田信雅君。
  〔市長 上田信雅君 登壇〕

◯市長(上田信雅君) 今藤議員のまちづくり協働事業に関する御質問にお答えいたします。
 このことにつきましては、私が市長に就任して以来「人が輝く 活力ある砺波」をつくりたいとの願いから提唱いたしたものでございます。活力あるまちづくりの一環として、取り組みを始めるものであります。市民と協働してまちづくりをすることは、これからの時代を思うときにますます重要になるものと考えております。
 今回は年度途中でございますので、行政側から提案させていただきますが、そのテーマとしては、まちづくり市民交流事業に関することといたしまして、具体的には観光ボランティアの育成、2つ目にグリーンツーリズムを展開、そして、3番目に空き家の活用対策をテーマとして調査検討し、実施計画を提案していただける団体を公募するものであります。
 このテーマを取り上げた趣旨は、東海北陸自動車道の開通による交流人口の増加等に対応して、砺波市の散居村の景観を初めとする歴史、文化等の地域資源を生かしたグリーンツーリズムを市民団体と協働で実施できないかと考えたのでございます。また、近年増加している空き家を活用して民泊やグループホーム、Iターンなどにも取り組めれば、地域の不安が解消になるわけであります。
 今後、こうしたまちづくり協働事業がいろいろな形で展開できれば、大変すばらしいことであり、こうした市民、行政が一緒になって考え、行動できる事業を広めることによって、活力あるまちづくりにつながるものと考えております。
 なお、詳しい事業の進め方及びその他の質問につきましては、担当部長からお答えをいたします。

◯議長(山田幸夫君) 答弁を求めます。
 企画総務部長 吉田孝夫君。
  〔企画総務部長 吉田孝夫君 登壇〕

◯企画総務部長(吉田孝夫君) 私からは、新型インフルエンザの感染の広がりにおける業務継続計画の想定と進捗状況についてお答えいたします。
 行政における業務継続計画は、高病原性鳥インフルエンザが関与する新型インフルエンザを想定いたしまして、去る6月22日に策定をした新型インフルエンザ対策行動計画、これに基づき8月27日に策定いたしております。
 業務継続計画では、4割の職員が罹患し業務につけない場合を想定し、残り6割の職員でどのような業務を優先して、いかに市民生活に影響を及ぼさないように市の業務を遂行していくのかを定めているものでございます。
 次に、新型インフルエンザに関する今定例会の補正予算の内容につきまして、一般会計ではマスク、消毒液、手袋などの感染予防に関する消耗品費といたしまして500万円を、また、病院事業会計では、院内に新型インフルエンザ専用の診察室及び車いす用トイレを設置するための施設改修費に2,000万円、及び医療機器の購入費1,000万円、合わせて3,000万円を計上したものであり、これから、秋冬にかけて流行が拡大するおそれにしっかり対処いたすものでございます。
 次に、まちづくり協働事業の今後の取り組みということで、私から事業の進め方について申し上げます。事業の実施に当たって、平成22年度より、市民からテーマを提案していただく市民提案型事業と、市から提案をする行政提案型事業の両方の形態を併用して実施したいと考えております。
 事業の概要について、まず、応募することができる団体でございますが、いずれも市内で社会貢献的活動を行うボランティア団体、NPO法人、自治会、町内会、地域産業組織、企業など要件を満たす5人以上の団体とさせていただきます。
 対象となる事業は、地域の課題や社会的課題の解決を目的に、具体的な効果や成果が期待できるものを、熱意や専門性、あるいは先駆的団体という特性を生かしていただいて、提案をしていただきたいのでございます。助成の規模は、当該年度30万円を目安といたしますが、同一団体に同一事業で翌年度も助成の必要がある場合は、半額程度を考えております。事業の選択に当たっては、公平性並びに透明性に配慮して審査、選考を行うこととし、有識者、団体推薦者、公募市民、市職員の7名で構成する審査委員会に諮ることといたします。
 なお、平成22年度におきましては、年度当初から事業の展開が開始できるように、なるべく早く必要な要件をお示しして、公募の手続に入れるようにいたしたいと考えております。
 また、事業募集の周知につきましては、広報、あるいはコミュニティテレビ、チラシのほか、ボランティアグループ、あるいは地域振興団体に声をかけさせていただくなど、幅広くPRをしてまいります。
 私からは以上でございます。

◯副議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 福祉市民部長 老松邦雄君。
  〔福祉市民部長 老松邦雄君 登壇〕

◯福祉市民部長(老松邦雄君) 私からは、今藤議員の新型インフルエンザの御質問のうち、市内の現在の状況についてお答えいたします。
 新型インフルエンザ発生の報告につきましては、学校や福祉施設、医療機関などにおいて集団的な発生が疑われてくる場合、厚生センターに連絡することになっております。さらに、砺波厚生センター管内では、開業医が重症などで心配なケースや、学校では1名でも発生した場合は、厚生センターに連絡することになっております。
 したがいまして、砺波市内での発生状況は砺波厚生センターが把握しておりますが、集団発生の場合のみ公表され、市町村への報告も集団発表のみとなっております。現在のところ、市内での集団発生は報告されておりませんが、教育委員会へは単独発生が相当数報告されており、市内でもかなりの方が罹患しているものと考えております。
 次に、保育所、幼稚園の休園や学級閉鎖の基準でございますが、基本的には小中学校の基準を参考にして、発生状況や接触状況などを勘案し決定することとしております。なお、保育所で臨時休業などを行った場合でも、発症していない子どもで、保護者が勤務などのため休めない場合は、感染のおそれもある旨の理解を得て、希望登園として保育を継続することとしております。
 次に、大規模な集団感染があった場合の対応についてでありますが、福祉施設ではそれぞれの利用者ごとで、業務継続計画を策定するなどして対応の準備をしておりますが、デイサービスなどの通所系のサービスは一時休止も予想されております。訪問看護ステーションでは、訪問予定の変更の検討や優先順位リストを作成し、最小限の訪問に変更して継続することとしております。また、すべての利用者に対して、電話で病状や看護の状況などを確認する予定で準備を進めております。健康センターでも電話による健康相談や子育て相談は継続して実施しますが、各種乳幼児健診、歯科保健事業、予防接種、がん検診などの集団検診、各種教室、来所による健康相談は中断、または中止を考えており、現在、具体的な周知方法について検討しているところでございます。
 以上、大規模な集団発生があった場合の対応について申し上げましたが、市では、広報やホームページ、チラシの配布など、機会をとらえて予防についてPRしておりますが、市民の皆様には今後とも手洗い、うがい、せきエチケット、外出自粛、早期受診、早期治療を守っていただくとともに、十分な栄養と休養をとり体力、抵抗力をつけておくなど、感染予防に努めていただくようお願いするものでございます。
 私からは以上でございます。

◯副議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 商工農林部長 小幡和日出君。
  〔商工農林部長 小幡和日出君 登壇〕

◯商工農林部長(小幡和日出君) 私からは、緊急雇用対策についてお答えをいたします。
 国が補正予算で実施する主な緊急雇用対策につきましては、1つ、雇用調整助成金の拡充等を行う雇用維持対策、2つ目、職業訓練の実施とともに、生活試験を行う再就職支援及び能力開発対策、3つ目に、基金積み立てにより県、市町村が実施する雇用創出対策などがあります。中でも、雇用創出対策のうち、市が実施する緊急雇用創出事業とふるさと雇用再生基金事業につきましては、県が基金造成を行い、平成21年度から3年間の事業期間となっております。
 いずれの事業につきましても、雇用情勢が厳しい地域における支援措置であり、緊急雇用創出事業については原則雇用期間が6カ月未満となっており、あくまでも次の仕事が見つかるまでの一時的なつなぎの雇用、就業機会の創出であります。
 議員が述べられたとおり、継続的で長期にわたる雇用創出を図ることは望ましいことでありますが、限られた財源の中でより多くの失業者を対象としていることを御理解願いたいと思います。
 また、ふるさと雇用再生基金事業では、事業実施後も継続的な雇用機会の創出を図ることとしており、雇用期間が1年以上でありますが、更新が可能であることから最長3年間の就業機会が図られるものであります。
 議員御質問の求人に対する応募状況につきましては、業種によって異なりますが、ハローワークの手続後、早い段階で申し込みがあり、特に一般事務については多くの方が応募されております。市では、平成21年度事業として、緊急雇用創出事業が27事業、ふるさと雇用再生基金事業が4事業、計31事業を実施することとしており、今回計上いたしております補正分も含めて、55名の新規採用を創出するものでございます。
 また、今年度は企業立地助成金制度を活用して、30人近くの新規雇用が図られた企業に対して助成金を交付しておりますので、この制度も御活用していただければと存じております。いずれにせよ、市の雇用対策は急務であります。今後とも国の緊急雇用対策事業を最大限に活用し、NPO法人への支援等も含めた有効な雇用対策を検討してまいりたいと存じております。
 私からは以上でございます。

◯副議長(井上五三男君) 答弁を求めます。
 病院事務局長 五嶋親秀君。
  〔病院事務局長 五嶋親秀君 登壇〕

◯病院事務局長(五嶋親秀君) 私からは、新型インフルエンザの社会的影響と対応についての御質問の中から、インフルエンザの流行期を迎え、多くの患者が受診した場合の病院機能の維持や患者対応についてお答えいたします。
 新型インフルエンザを疑わせる症状の患者は、先月の8月24日月曜日に突然、16人の患者が一度に受診し、数人が陽性患者と判定されたことから、流行期に入ったのかと思われましたが、その後、受診者はあるものの、ほとんどが陰性患者で、もとの平静を保っております。
 新型インフルエンザ患者数が急速に増加する場合には、医療提供体制に対応する病院職員を確保することが大切になります。新型インフルエンザワクチンを接種する際の優先順位につきましては、厚生労働省が医療従事者などを優先的に対象とする方針案を今月中に正式決定すると報道されていますが、医療スタッフの確保の点からも速やかな対応を望むものであります。
 なお、院内感染を未然に防ぐためにも、職員の健康状態を確認することや発熱等が認められた場合は速やかに診察を受け、罹患した場合は休暇を取得させることとしたところであります。また、手洗い、手や指の消毒など、標準予防策の徹底や抗インフルエンザウイルス薬の予防投与、マスクの着用などの感染予防を徹底して、医療スタッフの確保に努めていきたいと考えております。
 次に、入院を有する重症な患者対策につきましては、患者が少数の場合は感染病床などの特殊病床を使用することは従前と変わりませんが、多数の患者が発生した場合は、院内感染の拡大を防止するため、発熱患者とその他の患者の病床エリアを区別する必要があることから、インフルエンザ患者を1病棟に集めることと予定しております。
 また、御質問の人工呼吸器は、今年3月の補正予算でインフルエンザ用5台を購入したところであります。
 次に、今回のインフルエンザ対策の補正予算について申し上げます。新型インフルエンザを疑わせる症状のある患者の外来診療は、原則として市内すべての医療機関で診療を行うこととされましたが、一方では、一般患者と動線にて交わらないよう、入り口などで患者の振り分けや診療領域の区分など、特に基礎疾患を有する患者への感染が及ばないよう、院内感染防止対策を講じることが依然として求められております。このようなことから、院内施設と遮断した場所に、感染症対策診察室や関連医療機器を整備して、新型インフルエンザの感染予防に努めるものであります。
 今回の補正予算の内容につきましては、病院の北側にある更衣室棟の1階部分を発熱外来として改修をし、新型インフルエンザ専用の診察室を2部屋設置すること。それに隣接して、新たに車いす対応のトイレ1棟を設置しようとするものであります。
 また、医療機器につきましては、ウイルスなどが飛散しないようにビニールカバーで覆った患者搬送用の車いすを1台、それから、移動可能なエックス線撮影装置1台並びにウイルスなどが外部に漏れない陰圧式のエアーテント一式を購入しようとするものであります。
 以上でございます。

◯副議長(井上五三男君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
 次回は、明9月10日午前10時から開会いたします。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 どうも御苦労さまでした。

 午後 2時38分 閉議