1.会議の経過
午前10時00分 開議
◯議長(江守俊光君) ただいまの出席議員は22名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
これより日程に入ります。
日程第1
決算特別委員会の設置について
◯議長(江守俊光君) 日程第1 決算特別委員会の設置についてを議題といたします。
お諮りいたします。平成17年度に属する砺波市各会計の決算を審査するため、11名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置することにいたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(江守俊光君) 御異議なしと認めます。よって、11名の委員をもって構成する決算特別委員会を設置することに決しました。
続いて、委員の選任についてお諮りいたします。
ただいま設置することに決定されました決算特別委員会委員の選任につきましては、委員会条例第7条第1項の規定により、指名いたしたいと思います。
決算特別委員会委員に、
1番 大 楠 匡 子 君
3番 村 岡 修 一 君
5番 瘧 師 富士夫 君
7番 稲 垣 修 君
9番 嶋 村 信 之 君
11番 寺 井 武 彦 君
13番 林 忠 男 君
15番 松 本 昇 君
17番 村 中 昭 二 君
19番 山 森 文 夫 君
21番 前 田 喜代志 君
以上、11名を指名したいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(江守俊光君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました11名の諸君が決算特別委員会委員に選任されました。
日程第2
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)
◯議長(江守俊光君) 日程第2 市政一般に対する質問、並びに議案第58号から議案第68号まで、平成18年度砺波市一般会計補正予算(第2号)外10件について、認定第1号から認定第9号まで、平成17年度砺波市一般会計歳入歳出決算承認について外8件について、及び報告第8号から報告第9号まで、専決処分の承認を求めることについて外1件についてを議題といたします。
これより、市政全般に対する代表質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
18番 堀田信一君。
〔18番 堀田信一君 登壇〕
◯18番(堀田信一君) 私は、平成自民会を代表いたしまして、砺波市政の今日的重要課題についてお尋ねをいたしたいと思います。
安念市長は、新生砺波市の初代市長という栄誉を得られ、4万9,000余の市民の首長として県西部発展のリーダー役を担っておられるところでありますが、その新生砺波市も、合併からはや2年が経過しようとしている中、小泉改革のおかげか、地方自治を取り巻く環境は合併時に比べ一段と厳しさを増しております。こうした状況下にあって、大変多くの課題を抱えながらの市政運営を迫られてきたわけでありますが、安念市長には、何かと人に言い知れぬ御労苦があったと推察いたしておりますとともに、その御努力に敬意を表するものでございます。
今般、9月定例市議会に提案されました砺波市総合計画については、このような状況を踏まえつつも、まちづくり研究会を組織されるなど、市民の声が反映されるよう取り組まれ、未来に希望が持てる砺波市建設に向けて策定されたものと思います。
そこで、以下通告に従い、市長にお尋ねをいたします。
質問の第1点目は、第1次砺波市総合計画についてであります。
総合計画は、特に近年の急激な地域経済社会の変革の中にあって、市が市民の付託にこたえて、地域社会の経営の責任を果たすため、将来を見通した長期にわたる経営を確立するために計画するものであり、市の発展のために立てられた各種の具体的な計画の基本となるべきものであります。そして、それは、厳しい財政環境を踏まえつつ、今後の市民の豊かな生活と地域社会の振興発展の目標でなければなりません。
そこで、市長は、砺波市の10年後の将来の姿、目標をどのように描かれたか、市民にわかりやすく伝える意味で、まず安念市長の将来図についてお答えをいただきたいと存じます。
次に、財政見通しについてであります。
小泉内閣が示した骨太方針2006の中核部分である政府・与党合意で決定された歳入歳出一体改革は、予算項目別に削減目標を掲げ、財政再建の道筋を明確に示した点で画期的なものと言われているのでありますが、毎年の骨太方針が主に翌年度の予算編成に向けた内容であるのに対して、今年の方針は2011年度に基礎的財政収支の黒字化を目指した中期ビジョンになっているところが最大のポイントであり、今後の財政計画を立てる上で注目しなければならない点であると思っております。
この中期ビジョンでは、16.5兆円と見積もられた収支ギャップの7割以上を歳出削減で対応し、残りを歳入改革で対応するものとなっております。そのことを地方財政の視点で見ますと、歳出では人件費と投資的経費の削減を見込んだものとなっており、地方財政計画は今年度の約83兆円から2011年度には70兆円後半に圧縮され、歳入面は地方交付税などの自治体財源の削減が見込まれているわけでありますが、自治体財政はさらに逼迫し、特に財政力の弱い団体の状況は一層深刻なものとなると言わざるを得ません。
そこで、今後の砺波市を考えるとき、財政の持続可能性の確保には、まず徹底的な歳出削減にあり、その上でどの程度新たな事業が取り組めるのか。まず、歳出の見直しにかかっているのではないかと考えるところであります。
先日公表されました砺波市の自治体の財政健全度を示す指標として導入されました実質公債費比率について、新規の地方債発行許可基準の18%を超える18.3%とのことでありましたが、これは過去の積極的な公共投資に際して借り入れた市債の影響があらわれたわけでありますので、今後の公債費負担適正化計画を立てる際にも、市債の発行を伴う公共投資は厳選していく必要があると考えるわけであります。
そこで、砺波市総合計画の基本構想策定に当たって、合併時におけるまちづくり計画の投資的事業を中心にどのように見直されたか、新たな事業計画はどの程度組み込めるのか、また事務事業の厳選の視点に立って、事務事業の見直し後の職員定員管理をどのようにとらえられたかなど、歳出全般にわたってはどのような視点に立って熟慮されてきたのか、特徴点などについてお伺いをいたします。
次に、歳入改革についてお尋ねをいたします。
自治体の財政運営の基本は、入るをはかり出るを制すだと言われておりますが、市町村は、住民の生活を支えるサービスなど、市民生活に直結するサービスを受け持っているわけでありますから、サービスの内容と、そのサービスに必要な経費の関係について、納税者を説得できれば、増税も一つの選択肢ではないかと考えるところであります。
また、税収源の涵養も重要な柱であります。計画上の税収の考え方や地方交付税の見通しをどのようにお考えになったかについてお尋ねをいたします。
私は、今後の財政環境10年を見通すときに、相当厳しい状況を想定する必要があると考える一人でありますので、明快な御答弁をお願いいたすところであります。
次に、合併後2年を経た今の市政運営についてお伺いをいたします。
安念市長は、卓越したリーダーシップのもとに、この平成の大合併を成し遂げられました。その功績はまことに大なるものがあると評価をいたすものでございます。
さて、本市を取り巻く諸環境は一層の深刻度を深めており、我が国の地方経済は依然として予断を許さない状況にあります。
本市の歳入にとっても、特に大もとをなす市税収入は縮減傾向が続き、私は、自然、歴史、文化、産業、社会基盤などあらゆる地域の資源に加え、自立した責任ある市民自治団体に恵まれた砺波市は、砺波地方のリーダーとして発展していかなければならないと考えておりますが、しかし一方では、厳しい財政環境の中で、時代の環境の大きな変化の中で、生き残りをかける地域間競争に勝利していくためには、地域経営の責任を担っている安念市長の熱意と知恵に裏打ちされた強いリーダーシップがますます重要であり、かつ欠かせないものではないかと考えているところでございます。
こうしたことを踏まえて、市長の政治姿勢についてお伺いをいたします。合併2年目を迎え、砺波市の向こう10年の総合計画を策定された現在の市長の所感はいかがなものか。また、合併時に、旧砺波市、旧庄川町のそれぞれの制度について、調整ができずに、新市においてなお調整すべきとした水道料金問題などなど、今後の問題についてお伺いをいたします。
次に、砺波市の人づくり対策として、幼少期の子育て支援についてお尋ねをいたします。
我が国の出生数は、年々、統計史上最低を更新し続けております。それにもかかわらず、幼稚園入園児童数を除いて保育所入所児童は増え続けており、さらに子ども虐待件数も統計史上最高を更新しているとのことでありますが、砺波市もその状況はよく似ている実態があると考えているところであります。
それらの原因といたしまして、女性の社会参画と社会全体のライフスタイル、意識、価値観の変化に伴う晩婚化傾向、夫婦出生力の減少、子育てに対する経済的、そして身体的、精神的、時間的な負担感の高まりなどが考えられるのであります。このことは、意識や価値観レベルの問題を除けば、就労と子育ての両立支援体制の不備、子どもの教育、住宅事情、職場中心主義による家庭軽視や固定的な性別役割分担意識の存在、在宅子育てサービスの不足などの要因が背景となって、子どもを産み育てることに対する負担感や孤独感がこれまでになく増大していることが要因の一端をなしているのではないかと考えるのであります。
もともと子育て支援は、歴史的にも主として血縁・地縁型ネットワークによって担われてきたものでありますが、近年の都市化、核家族化の影響から、こうした旧来の子育て支援ネットワークが弱体化し、それにかわるべき社会的子育て支援ネットワークの必要が求められておるわけであります。そして、女性就労の一般化や親になる準備期間というものがない状態になっていること、育児の孤立化がもたらす育児と就労の両立困難や子育て虐待等の社会的問題の顕在化がその必要性をさらに高めているのではないかと考えるのであります。
これらの動向を踏まえて、子育てを社会的に支援するシステムの整備と総称する子育て支援策が大きな課題として浮かび上がってきているのではないかと考えるところでございます。
政府は、平成15年に次世代育成支援対策推進法を制定し、新たな国家計画を定めたところであり、市町村は、子育て支援策を含む子ども家庭福祉サービス供給体制の構築など、市町村の子育て家庭のための在宅福祉サービスの法定化と責任の明確化が図られ、要保護児童対策についても市町村の役割が強化されたものになっており、それらのことを踏まえて、砺波市は平成17年3月に次世代育成支援地域行動計画の策定をし、実践に努めてこられた現状があるわけであります。
さて、従来からの砺波市行政は、幼児教育は教育委員会の所管とし、幼稚園教育を進めてまいりました。また、保育については福祉行政として取り組んでまいりました。児童虐待などの場合は、児童相談は福祉行政として扱われてきたのであります。
これからの子育て支援行政は、幼少期から児童までのすべての子育て家庭を対象にしたものとして進めていかなければならないものであります。子育ては、家庭において、乳幼児期から児童期まで連続的に行われるものではないかと考えます。子育てを支援する行政の立場は、保育を初めとする子育て支援対策全体について、幼保の一元化などのいわゆる総合施設や、あらゆる子育て支援のあり方について方針を示すべきであり、これらの諸問題を一元的に担当する専門部署を設けて対応すべきであると言いたいのであります。
平成自民会は、「まちづくりは人づくり」を最大のテーマとして取り組んでおります。砺波市の人づくりとして、新しい砺波市を担う児童の育成について、安念市長のお考えをお伺いいたしたいと思います。
次に、中心市街地の活性化に向けた都市計画についてお尋ねをいたしたいと思います。
かつて、中心市街地の商店街とその近くに位置する大型ショッピングセンターとが互いに共存しながら、まちの活性化を図ってまいったわけでありますが、今や郊外の農村部にますます巨大化するショッピングセンターが競うように進出し、その影響を受けて、市の中心商店街の衰退化は一層深刻の度を深めていると言えるのでありますが、これは中心部の疲弊の責めが全面的に郊外農村部のショッピングセンターにあるなどとは言えないのでありまして、住宅地が都市部から郊外の農村部に向かって拡大していったことや、それとほぼ並行するように都市部と郊外の農村部を結ぶ道路の改良が進み、農村部への時間距離はますます縮まっていったという要因や、郊外のショッピングセンターはこうした住宅や交通インフラの郊外化に対応した結果であったと言えることも事実であり、中心商店街が衰退の度を強めていると考えるわけであります。
なぜそうなったのかと考えてみますと、農村部の開発の自由度が最大の原因であったと言わざるを得ないのであります。とはいえ、これにはメリットとデメリットがあったのではないかとも考えるわけであります。都市計画法は、都市計画区域の外には全く及びませんでしたし、農地は、本来農業用地として保全されることを前提に、その開発に関する規制がほとんど定められることはなかったのであり、したがって、一定の手続を踏みさえすれば、比較的簡単に商業用地や住宅地として開発することができてきたと言えるのであります。
農業がその担い手を失い、農地としての継承に困難を感じる農家は、安定的な収入を求めて、農地を宅地に提供してきたということも事実であろうかと考えるわけであります。
要するに、明確な開発規制がない限り開発には最大限の自由が保障されるという考えに立てば、ショッピングセンターはほとんどあらゆるところに立地することができてきたのではないかと考えます。土地が計画的に利用されることという趣旨で、計画なきところに開発なしを原則とすべきところを、土地所有に最大の権利を認めた我が国では、計画なきところに規制なしが原則として通用していると言っても過言ではないのではないかと考えます。
今回の都市計画法、建築基準法の改正を通じて、立地規制をより厳格に定めたところであり、単に大型店だけでなく大規模開発を全体的に中心部に向けて誘導しようとする姿勢が打ち出されたことから、これを機に、商業地域、工業地域、農業地域の土地利用を明確に打ち出すこととして、砺波市の中心市街地の南西部の用途区域拡大を図り、商業地や住宅地の供給地を確保し、市街地を大きく取り囲む都市計画道路の整備とあわせて、現在の中心市街地に、南西部を中心に広がりを持たせて、砺波地方の中心都市としての顔づくりと、周辺都市の消費者を引きつけるマグネット機能を持った砺波市中心市街地商店街のにぎわい創出のための土地利用という視点と、優良農地の保全、散居景観の保全と工場適地の確保の視点に立って、用途区域の見直しを図った上で、砺波市としての土地利用計画を明確にし、明らかにそれとは矛盾する農村部開発についてはしっかりと考えていかなければならない時代に来たのではないかと考えるところでありますが、都市建設の戦略構想、こういう視点にも立っていただきながら、新市の建設にふさわしい土地利用のルールが求められていると思うのでありますが、安念市長の御所見をお伺いしたいと思うわけでございます。
次に、砺波総合病院の健全経営に向けて申し上げたいと思います。
今議会に平成17年度の砺波市公営企業会計決算認定について提案されていますが、そのうち病院事業会計は、収益的収支において8億9,000万円の赤字決算となっております。また、累積では21億9,600万円となっているところであります。
砺波市民の健康を守るという公共性の発揮が求められている反面、企業として収支を保つという病院事業経営の困難性がついて回るものの、決して赤字でよいということはないのではないかと考えるところであります。独立採算であるべき医療部門における経営努力はどうであったのか。
そこで、私は、一昨年の全国の自治体病院と民間病院の経営データを比較してみたのであります。100床当たりの医業収入は、自治体病院と民間病院はほぼ同額なのに対して、医業支出は自治体病院が9%多くなっているとの結果が見られたのであります。さらに、その支出が多いという要因に、給与費が民間病院より5.7%、材料費が4.3%、委託費が1.9%、減価償却費が4%それぞれ高いとの結果でありました。総じて、自治体病院の経営コストが民間病院より高くついているという状況が見てとれるわけであります。砺波総合病院の赤字の要因は、監査委員の審査意見にもありますが、この際、経営について根本的に見直すべきではないかと考えるところであります。
そこで、私は、病院経営の責任明確化と管理者に対する権限を持たせるため、地方公営企業法全部適用を行って、病院管理者に、人事権、予算編成、決算調整、企業資産の取得・管理・処分、料金の徴収、労働協約の締結など広範な権限を持たせることで、自らの問題としてしっかりとした意識改革をし、自立した経営に取り組めるのではないかと考えるのであります。そのことにより、病院長以下そこに働く病院職員一人一人が一丸となって、経営改善の担い手として真剣に取り組んでいただけるのではないかと考えるところでございます。安念市長のお考えをお伺いし、平成自民会としての代表質問を終わります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念鉄夫君) 堀田議員の平成自民会を代表しての質問にお答えをいたします。
冒頭、合併から今日までの市政運営につきまして過分なお言葉をいただきまして、大変恐縮いたしております。これも、議員各位のお力添えを初め、市民の皆さんの御理解、御協力があって、改めて感謝を申し上げる次第でございます。引き続きまして、5万市民の福祉向上について、市政について御支援、御協力を賜りたいと、このように存じておる次第でございます。
それでは、多くの質問と提案をいただきました。御理解を得るために、少し長くなると思いますが、順次お答えを申し上げたいと思います。
まず、第1次総合計画についてであります。
市の10年後をどのように描いたかということでございます。その姿を示せということでございます。
本議会に総合計画の基本構想案を提案いたしておりますが、砺波市の将来像を「庄川と散居に広がる健康フラワー都市」と定めまして、清流庄川あるいは散居景観を大切にしたこの地域資源を位置づけて、自然の中に花と緑を大切にして、未来に継承しながら、砺波市の個性を発揮してまいりたいと、このように存じておる次第でございます。
この将来像を実現するため、砺波市民憲章にうたっております「花や緑を愛し美しいまちをつくります」、それを初めとして、5項目の基本理念を掲げておるところでございます。
まちづくりの最も基本となります人口につきましては、今後微増を続け、平成28年には5万500人と見込んでおります。引き続き元気ある砺波市の持続的発展を願うものでございます。
基本方針といたしましては、「市民一人一人が家庭や地域でともに助け合いながら、健康で安心して暮らせる、笑顔あふれる福祉のまち」、「未来を担う子どもたちが互いに思いやりの心を持ちながら、伸び伸びとたくましく育つ、人と心を育むまち」、また「美しい自然環境の中で、快適で安全安心して暮らせる、庄川と散居に広がる快適なまち」、そして「産業が発展し、まちが地域の魅力と活力に包まれ、まちがにぎわう、魅力ある産業が発展するまち」であります。
先日、となみ産業フェア、パワー博と称しまして開催されましたが、市内の80社の皆さんが出展をされました。その生産品や企画展示が行われたわけでありますが、このような小都市でも中小企業の活力を感じたわけでございます。
なおまた、堀田議員も出席されておりましたが、会議所青年部の10年後の将来に向かって提案もございました。これらの提案を感ずるときに、私は、「産業が発展するまち」、を確信したような気分でございます。これから将来に向かいまして、行政と手を携えながら、この産業のまちづくりを推進してまいりたいと思います。
なおまた、「市民と行政が協働するまち」、そのことも描いておるところでございますので、御理解をいただきたいと思っておるところでございます。
次に、財政の見通しについてでございます。
新市まちづくり計画で基本的な事項については定めたところでございます。財政の見通しについては、堀田議員がおっしゃるとおり、厳しい時代を迎えておるところでございます。そのこともよく踏まえながら、財政の健全化について対応してまいりたいと思います。
これからは少し時代が変わってきたよと、これについてどう思うかという話もございましたので、確かに法律改正等が幾つかございました。急激な改革の中で、諸制度も変わりました。老人医療費を初め、随分厳しい改革がありました。名前は改革でございますし、自立支援法などという名前も、ちょっと聞くと大変すばらしい法律ですが、率直な話、いわゆる年寄りの切り捨て、あるいは身障者の切り捨て、そういう法律ではないかと思います。いずれにしてでも、法体系が少し変わってまいりましたので、これに肉づけするのが地方行政の大事な任務だと思っております。
例えば、子育て支援の面におきましても、新しい制度も示されました。いわゆる保育園と幼稚園の垣根をなくする、そういう総合化が示されました。また、団塊世代を対象とした高齢者の生きがい活動や社会参加への取り組み、その方式も新制度が発表されております。構想でありますけれども、発表されております。今の社会状況から、家庭、地域、学校、行政が連携した青少年の育成、そしてそれぞれの地域で今立ち上げていただきました自主防災組織、そういったものの強化、これも今国も県も認めてきたようであります。それから、新しく東海北陸自動車道、北陸新幹線等が設置されます。
つきましては、そういう拠点的な施設や観光を考える場合に、呉西全体を考える、そういう施策もこれから必要になってくるのではないかと、私はそのように思っております。そういう時代の変化、政治の変化等々を踏まえながら、地方行政として取り組む、補完をする、そのことが今日我々は大切だと、このように理解をいたしておるところであります。
一方、財政構造の弾力化を示す経常収支比率が17年度では89.2%と、財政の硬直化が進んでおります。したがいまして、起債の抑制を初めとして、新しく指定管理者導入などを拡大して施設経費の節減を図ることも、細かい話でありますが、必要だと思っております。今後、財政環境にもよりますけれども、これらにつきましての調整作業も進めていく必要があると、このように思っておるところでございます。
しかし、私は、国の歳出削減、実は一方的な方針であります。バランスのとれた経済発展につながるとは思っておりません。したがいまして、この批判のある公共投資ではございますけれども、厳選をしながら私は進めるべきだと思います。どれもこれも歳出削減、国の言う形で、我々が同じようなルールでいきましたら、私は疲弊するのではないか。せっかく伸びかかっておるこの時代でございますので、そのことは厳選しながら、確かにおっしゃるように、公債費率も高いよ、そのような御意見があります。ありますが、徹底した歳出削減という、そういう国の方針に私はあまり賛意をできない。そのときにどうするか。いろいろ議論しなければならない問題があります。
いずれにしましても、教育であったり、福祉であったり、基盤であったり、どう批判されようと、私はこの地方でも対応しなければいかんと、このように実は思っておりますので、その際は議会の皆さんにも御協力を賜りたいと思っております。
次に、職員定数管理についてでございます。
おっしゃるとおり、定数管理につきましてはいろいろと議論をしましたし、合併時においてでも話し合いをしてまいりました。砺波市定員適正化計画、これでは平成26年度までに60人を削減することにしております。目標値となっております50人をさらに踏み込んで削減をいたしたいと思っております。
ただし、制度によっては増やさなければならない一面もあります。ずっと高齢化が進むわけです。先ほどおっしゃったように、子育て支援も大事です。そうすると、それの専門分野も考えなきゃいかんと思う。それが私、サービスだと思う。一般行政職員につきましては、これは削減をする方向でいきますけれども、一方、そういう福祉部門と子育て部門、それぞれ福祉部分であります、あるいは医療部分でありますけれども、それは皆さんとともに考えて、市町村の末端行政、市民は国民でありますけれども末端であります。末端の行政を考えるときに、そのような手だてをすることも視野に入れなければならない。堀田議員は首を切れという話でありますが、そうは簡単にはいけない。ただし、基本的には60人切ろうという方針を立てておりますので、そういう方向であることを御理解いただきたいと思っております。
それから、次に、今後の税収や地方交付税の見通しについて御意見もございました。
税収につきましては、今回の税源移譲がございまして、市民税の増収が若干影響いたしております。19年度から、18年度に比べますと1割程度増収を見込んでおるところでございます。しかし、この増収は、それぞれ一般財源化されたところへシフトしますので、喜んではおられません。そのことも理解をしていただきたいと思っております。
なお、おかげさまで、人口の増加、あるいは宅地開発の進展がございます。なお、固定資産税の評価替えは3年に1度ございますけれども、これらを含めましても、おかげさまで砺波市の場合は少し横向き、下降することはなくて、少しずつですが期待できるのではないかと、このように思っておるところでございます。
堀田議員は、増税も考えたらどうかと、そう申されますけれども、そう簡単に皆さんに負担を強要するわけにはいきませんし、それから法体系がございます。市町村長独自でです。みんな許可制、認可制であります。地方分権といいながら、まだそのことのくわの柄は全部県、国が持っていますので、そう簡単に増税できるものではございませんし、私自身は増税したくないと思っております。その点、御理解をいただきたいと思う。
ただ、国民健康保険のようにお互いに支え合う、そのときには財源が不足、国からも来ない。そうすれば、放置するわけにはまいりませんので、これは皆さんの御理解をいただいて、先般税率を上げさせていただいたわけでございます。そういった面での増税は考えますけれども、一般増税というのはいかがなものかと、私はそのように思っております。地方財政のいわゆる一般財源化に対する国の移譲財源、これはやっぱり要望してまいりたいと思いますし、今いろいろ議論をされております消費税、その時代が来ると私は思う。その消費税の配分など、いわゆる法制度の改正を期待いたしておるところでございます。
次に、地方交付税につきましては、おっしゃるとおりでございます。少なくしようという、いわゆる国のプライマリーバランス、それによって削減をする、そのことがもう発表されておるわけでございまして、19年度には、平成18年度の15兆9,000億円から15兆5,000億円、2.5%の減ということになっております。総合計画でも、そのことを視野に入れて、実は財政計画を立てております。随分厳しい時代を迎えておることは言うまでもございません。したがいまして、市長会では、新型交付税の導入等、今要求をしておるところでございます。
なおまた、地方財政の確立のために、地方六団体、手を携えて要望してまいりたいと思います。ぜひそのことも御理解をいただきたいと思います。
いずれにしましても、標準的な市民サービスを提供するような財源確保を強く皆さんとともに要望していきたいと、このように思っております。この点では、明確に答えろということですが、御理解をいただきたいと思っております。
続きまして、合併後2年を経過した現状に対する所感について申し上げます。
おかげさまで、人口はこの8月末で4万9,429人と、合併時から249人の増加を見ております。他の市に見られない状況でございます。その意味では、新市のまちづくりが順調に推進いたしておるものと思って、ありがたく思っておるところでございます。
なおまた、全国の住みよさランキング、全国780、もっと今は大きくなったんですが、その段階で総合第5位にランクされて、安心度、利便度など高い評価をいただいております。これも議会の皆さん方の提案等と市民の御協力による、そういうものだと思っておるところでございます。
この住みよさにつきましては、市民全体も、職員を初めとして、私が提唱しております愛と融和の精神で進めさせていただいて、みんなが住みやすい、よかったなという地域づくりをしていきたいと、このように思っております。いずれにしても、議会の皆さんの御協力のたまものと、このように思っておりますし、2年の間、大型事業も進めさせていただいておりますので、おかげさまで順調にそれぞれ今立ち上がっておるところでございます。
しかし、先般は、東部小学校の請負契約の件につきまして、私の提案について反対された方もございます。信頼されていない一面もあるのではないかと、このように実は思っておりますが、いずれにしましてでも、各事業につきまして最大限努力をしてまいりたいと、このように思っております。私に対するリーダーシップ論もございましたが、承っておきたいと思っておるところでございます。
次に、調整すべきとされた制度等についての今後の対応でございます。
水道料金について申し上げます。合併協議会では、新市において暫時調整するものとされております。このことについては御承知のことと存じます。合併協議会によって定めたものであります。これは基本条項であります。合併して、まだ2年も実は経過していないんですね。そういう段階でございますので、いましばらくは合併時の約束どおり進めさせていただきたいと思っております。先般の行政改革推進委員会でもございましたが、その御趣旨は十分理解をさせていただいております。特に上下水道は大変重要なライフラインでありまして、1つの自治体において料金が異なることは好ましいとは私は思っておりません。いずれ調整を進めさせていただきたいと思います。
ただし、調整するに当たりましては、それぞれ変動要件もいろいろございますので、その変動のときに御理解いただけるのではないかと思っております。そのことを御理解していただきたいと思いますが、1つは、おかげさまで上水は黒字であります。原水についても、今、水道事業所も黒字であります。随分苦しかったんですが、黒字でございます。したがいまして、原水そのものをこれから引き下げる方向にあると思います。そういった変動要件を考えて、その時点でやれば市民の理解もいただけると思います。砺波市側の市民はもちろん理解できますが、庄川の皆さんのためにも考えなきゃいかんわけです。ライフラインですから、長く培ってきた水道施設ですから、それを何の変動要因もないときに調整だ、合理化だという話では、私は理解を得られないと思う。
したがいまして、合併時の基本については、昔からよく言うでしょう、石の上にも三年。まだ2年経過していないんですよ。それはやっぱり堀田さんの財政に対する気持ちからのおっしゃり方だと思いますが、いましばらくは現状のままとして、改定する段階では皆さん方と議論をさせていただきたいと、このように思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
次に、人づくり政策について、幼少期の子育て支援の担当部署一元化であります。
子どもを安心して産み育てることのできる社会をつくるために、次代を担う子どもたち、その家庭への子育て支援は、将来砺波市を見据える上で最も重要であります。今回提案いたしました砺波市総合計画の中でも、重要施策として位置づけておるところでございます。
子育て支援行政につきましては、幼稚園は教育委員会、保育所は福祉でそれぞれ進めております。国も一部法改正をいたしましたが、まだ幼稚園は文部科学省、そして保育園は厚生労働省、これこそ私は小泉改革で改革すべき点ではなかったかと。要らんことばっかり改革して、こういうことが大事なんですよ。だから、厚生労働省と文部科学省で一緒にしてもいいじゃないですか。あるいは、その部署を新しく内閣府に持っていくとかいう改革があってこそ、もう末端行政は大変なんです。
その意味で、堀田議員がおっしゃるとおり、私は先んじて、まだ認可も得ない段階で幼保一体化をやってまいりました。少し文句を言われましたが、今は何も言いません。立派ないい施設だと褒めていただいておりますが、最初はどうですか。県庁においてでも、要らんことをするな、どういう区分けでやる、入り口は別になっておるか、水道料はどうか、電気料はどうか、食費はどうか、もういろんな点で指摘といいますか、ひもをつけられました。ただし、おかげさまで今どうですか。皆さんに喜ばれておりますし、砺波市、先陣を切ったな、こう言って評価をしていただいております。したがいまして、国もやっと今度新しくその制度を認めることになったわけでございます。
さらに、放課後児童学級の問題もございますが、いろいろございますけれども、おっしゃるとおり、私は堀田議員が熱っぽく議論されたとおりでございまして、新年度では一本化しようと腹を決めましたので、御理解をいただきたいと思う。今、それらの諸規定整備等について準備をさせていただいております。ただ、国の動向の変化もございますので、若干諸条例の中に変化があるかもしれませんが、そのような形で一本化体制でしたい、このように思っております。
なおまた、私は、保育というものも大事でありますが、やっぱり小さいときからのしつけなどが重要だと思う。その意味での所管を、教育委員会と話ししますが、教育委員会所管にすべきではないか。私は、教育の一環というものを、今小さいときに、三つ子の魂そのときにやらなきゃいかんと思う。その意味で、教育委員会所管としたらどうかなと。まだ決めていませんよ。これは条例が必要ですから、議会の了解が必要ですから、そのように提案をしていきたいと思いますが、あまり先般のように反対しないでほしいと、このように思っております。よろしくお願いいたします。
次に、土地利用のルールづくりについてお答えをいたします。
土地利用につきましては、人口に次いで地域の将来を左右する大事な要素でございます。これからは人口増がございます。その裏には宅地増もございます。宅地増はいいんですが、やっぱりこのすばらしい景観、それらを守ることも大事な土地利用でございます。
特に堀田議員は、中心市街地の活性化、今そういう方向に進んでおります。おかげさまで、まちづくり計画なども支援をしていただいております。どこの公共事業もばっさりばっさり切られたんですが、まちづくり事業については国も認めていただいておりますので、そういう考え方でいこうと。国も今、中心市街地にいわゆる大型店、ショッピングセンターなどを考えたらどうかという提案もあるわけであります。それを踏まえまして、用途地域などについても考える時期には来ていると思います。
ただ、用途地域を広めるということについては、実は難しい問題があるんですね。これも、実はくわの柄は県や国が握っております。堀田議員からも随分御協力をいただいて区画整理事業をやってきたわけです。ただ、まだ更地がたくさんあるわけですね。いわゆる住宅地と言われるところについては随分更地があるわけです。それらを考えるときに、なかなか認知をしていただけないという状況が一つございますので、その点はひとつ御理解をいただきたいと思っております。
そこで、出町市街地の南西部の用途地域拡大、このことについて触れられました。この南西部につきましては、言い方がちょっと悪いかもしれませんけれども、アメリカの開発は西部にあるということを言われる。だから、私は出町の皆さんに、西部開拓をやりなさいと。その話については、深江の公民館にも実は寄ってもらったことがあるんです。とうとう同意が得られませんでした。したがって、今、白地であります。ただし、あそこには道路計画も入っているんですね。私の提案は、出町六ケまですっきり用途地域にすべきだと、こう申し上げて、ある程度の絵もかいた時代もございます。とうとう地主の皆さん、税金が高なるとかうるさなるとか、いろいろありましたけれども、そういうことで同意を得られない。今から十何年前です。
ただし、堀田議員も御存じのように、区画整理というのは、一遍話し合いしてつぶれても、さらに立ち上がるものなんです。私も堀田議員もその経験をしております。ただし、いまだに立ち上がらない。そして、いわゆる街路事業で実はやったわけですね。そして、けやき公園もやったわけです。実はそれを含めて、いわゆる六ケ用水、グラウンドの隣までやろうというのが私の構想であったわけですが、とうとう同意を得られない今日でございます。しかし、おっしゃるように、実は昔の出町の発祥の地でもございますから、それを原点にして、もう一度考え直す時代が来るのではないか。このことにつきましては次世代にお任せしたいなと、私の気持ちはそういう気持ちだということを堀田議員にも申し上げたいと思います。
なおまた、土地利用計画というのは、それなりに砺波市としては、農業、商業、工業、そういう意味での利用計画は立っております。立っておりますが、農業地域というのは白地であります。開発行為が入ってくるんですね。その面では、なかなか規制できない面もあります。計画を立てろとおっしゃって、立てております、プラン的には。ただし、そうはなかなかいかないというのが現状でございますので、その点も御理解をいただきたいと、このように思っておるところでございます。
なお、農業と今教育委員会で調査をしておりますが、この景観というものを忘れてはならないと。全国唯一というよりも、広さは全国一でありますから、このすばらしい資源を大切にしていくという土地利用も私どもは考えなければいけないと、このように思っておるところでございますので、その点御理解をいただきたいと思います。おっしゃる気持ちはよくわかりますが、今後ともそういう考え方を持ちながら進めさせていただきたいと、このように思っておるところでございますので、御理解をいただきたいと思っております。
終わりになりますが、病院の公営企業法全部適用の考え方について申し上げます。
率直に申し上げますと、今全部適用という時代では私はないと思う。それは、簡単におっしゃいますけれども、今全国的に約25%の病院が全部適用でされております。前院長にもその話をしまして、勉強をしていただいたわけでございます。恐らく堀田議員も勉強されておると思いますが、25%でやったら全部黒字か。そうではないんです。隣にありますけれども、赤字の真っ赤っ赤の病院もございます。全部適用でですよ。そうとは言えないんです。
黒字病院も分析させてもらいました。繰出金、補助金、わんさと入れているんですよ。病院がもうからなかったら、親元である私どももやっぱり出さなきゃいかん。本年度は7億円出すことに予算議決なっています。これは出します。独立採算制といいながら、人に頼るのが独立採算制でしょうか。
それと、病院は赤字、赤字で私心配していますよ。ただし、不採算部門を全部切ったら恐らく黒字でしょう。公立病院、総合病院と名乗る以上は、もうからない診療科を廃止するわけにはいかないんですよ。そのことを理解して、そのことのためにやっぱり市民全体で支える、そういう体制が私はいいのではないかと。もしそれが全部黒字化しておったら、全国100%私は適用すると思う。ただし、それはそれなりに相当の覚悟が要りますし、議論をしなければいけない。
いずれにしてでも、厳しい時代であります。まず、何よりも今、院長さんにはドクターを連れてきてくれと。実は私も、きょう初めて申し上げるかもしれませんが、あの金大のハードルの高い、頭を下げて、5万市民代表でお願いに行った経緯もございます。そのときは、何とかしようというような話も少しはありました。ただし、いまだに実現しておりません。内容を聞くと、なかなかドクターもいないようでありますが、そこは院長にしっかりやってもらいたいと、こう思っております。いい先生は皆出られました。したがいまして、いいドクターに来てもらって、医療新展開をしていただくならば、私は必ずや、大きい黒字にならなくても、何とかペイできる病院になるのではないか、そのことを信頼して杉本院長になっていただいたわけですから、気持ちとしては全部適用という、そういう心構えで、我々はコストダウンをするんだよ、もっと経費を節約するんだよ、患者にサービスするんだよという、そういう心構えであれば、何とか私はいけるのではないか。一生懸命努力をしていただくことがまず肝要だと思います。そのときに、全部適用どうのこうのという議論じゃないんです。もっとそのことを御理解いただきたいと思いますので、率直な話、いましばらくは適用しない方針でいきます。
ただし、このことについては、事務局内にも、中長期的な運営をするために、少し検討部門を設けさせましたので、そこで今議論をさせております。市の方も、そのことについて勉強をさせておりますので、そういった各方面から考えていきたいと、このように思っておるところでございます。
私は甘いかもしれませんが、何とか資金のやりくり、つなぎだけ。今、建設投資に実は13億出しているわけですね。ただし、何とか資金繰りはいけます。資金繰りがショートするようになると、これは議会の皆さんにも相談しないといけませんが、ない中でも出していかなきゃいかんのではないか、そんな気持ちもございます。
それを含めますと、全部適用というのはいかがなものか。全部適用で本当にもうかるようになるなら、ほかの病院は全部やっていますよ。県内で今1カ所、それが黒字でないんですよ。まだトラブルがたくさんあるということを聞いておりますので、内容はわかりませんよ。わかりませんが、その実態などを考えて、あまり全部適用という甘い言葉に誘われない、そういう議論をひとつしていただきたいと思います。もちろん、おっしゃるようにコストダウン等々については、全部適用という精神に基づいてやっていただきたい、こんなことを思っております。院長には、そのことを心得て執行するようにお願いをいたしておるところでございます。
大変長くなって、雑駁な一面もあったと思いますが、私の答弁といたします。終わります。
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
◯議長(江守俊光君) これより、市政一般に対する質問並びにただいま議案となっています案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
9番 嶋村信之君。
〔9番 嶋村信之君 登壇〕
◯9番(嶋村信之君) 通告のとおり、市政一般について提案並びに質問をいたします。
最初に、笑顔あふれる福祉都市、健康について、市長及び病院長にお尋ねいたします。
1点目に、がん治療の取り組みについてであります。
今や、日本人の死亡原因の第1位はがんであります。年間約32万人ががんで死亡しており、その数は年々増加し、富山県内では3,000人、砺波市では118名となっております。急速な高齢社会を迎えており、特に団塊の世代が最もがんにかかりやすいと言われ、2025年にはがん患者が約90万人に増大し、総死者の半分ががんによる死亡と予測されております。
富山県保健統計年報では、年代別がん死亡の割合は、男性は70代で肺がん、女性は40代で乳がんが最も多い結果が出ております。一方、部位別のがん死亡率の推移は、男性が胃がんと肺がんが並び、女性は大腸がんが胃がんを上回っております。いずれにいたしましても、がんはまさに国民病であります。
がんの原因は、一般的に遺伝、食生活、ストレス等が挙げられ、その仕組みは細胞分裂の失敗で、老化の一種と言えるため、急速な高齢化によってがんの発生は急増していると言われております。
先ごろ、厚生労働省はがん対策推進本部を発足させ、地域格差の是正や患者への正しい情報の提供に動き出しております。いよいよ患者本位のがん治療対策に本腰を入れ始めました。また、先の国会でがん対策基本法が採択され、来年4月1日施行を目指しております。
そこで、常に先端医療に挑戦し、私たち市民の生命を預かる砺波総合病院のがん治療に対しての取り組みについて、杉本病院長に次の5点について答弁を求めます。1、欧米のように大腸がん等に効果のある放射線治療の取り組みについて、2、緩和ケアの推進について、3、乳がんが多くなっているが、マンモグラフィーを促進する計画について、4、各専門医の確保と育成について、5、がん登録の導入についてどのようにお考えなのか。
2点目に、後発医薬品、ジェネリック医薬品の導入についてお尋ねいたします。
現在、年間の国民の医療費は約31兆円になっております。そのうちの約2割、6兆円が薬剤費であります。これは、世界の中でも非常に高い比率であります。厚生労働省の試算では、2025年には医療費は約69兆円、このうち薬剤費は約14兆円になると言われております。もしこのとおりであれば、確実に国民皆保険制度は崩壊いたします。国民医療費のうち3分の1は、糖尿病などの生活習慣病です。生活習慣病は、生活態度、習慣を改めれば改善する場合が多くあります。
欧米では、後発医薬品の市場シェア数量ベースで50%から60%を超えているのに対し、日本では一番多いデータでも、数量ベースでは16%、価格ベースで約5%程度にとどまっております。医療機関等で保険診療に用いられる医療用医薬品は1万種以上ありますが、当病院では現在2,037品目が後発医薬品として登録され、そのうち3.7%の75医薬品しか使用されておりません。
後発医薬品の価格は、高くても新薬の70%、物によっては15%程度で、開発のコストがかからない分だけ安い価格になっております。日本の後発医薬品は、世界でも最も厳しい基準のもとで承認されていると言われ、1年間の薬剤費を後発医薬品に切りかえれば、約1兆1,000億円医療費が安くなると試算をされております。
平成17年度の当病院事業会計決算では、薬品費は材料費の61.5%を占め、17億4,856万円が薬剤費に当てられております。医業費用全体に対する医薬品の割合も15.3%に上っております。
そこで、保険者である本市は、このままでは国民皆保険制度が崩壊するという危機感を持って、市民にさらなる負担を求めることよりも、まず先に、医療機関に対する後発医薬品の評価を通して、有効性が証明されているものに関しての後発医薬品に置きかえることの働きかけをする。また、この4月1日から処方せんが変わり、薬剤師による代替調剤が可能になったのを契機に、保険医薬品に対してインフォームド・コンセントに基づく後発医薬品を処方していただくことの働きかけ、さらに市民に対する後発医薬品に対する啓発と周知徹底に努めることが大切であると思います。さらに、医療の質を下げないで医療費の伸びを抑えるためにも、後発医薬品の増加を図るべきと思いますが、導入についてお考えをお聞かせください。
3点目に、砺波総合病院の管理形態と経営ビジョンについてお尋ねいたします。
砺波総合病院の平成18年6月現在の入院患者数、外来患者数を昨年同期と比較いたしますと、入院患者数ではマイナス1,092名、外来患者数ではマイナス1万948名の大幅な減少であります。その結果、平成17年度病院事業会計決算書では8億9,789万円の当年度損失となり、経営状況はよくありません。
この背景には、優秀な医師が次々と開業、他の病院へ転職したことが伺われます。その結果、後任の医師や看護師を補充できず、今日に至っているわけであります。
現在、病院事業管理者は市長でありますが、病院の自主自立の経営と病院長にリーダーシップを発揮していただくために、病院事業管理者を病院長に移行するお考えがあるのかどうか、お考えをお示しください。
また、砺波総合病院は、砺波広域圏の中核病院としての機能を果たしていると思いますが、南砺市、小矢部市の両市を含めた砺波総合病院の経営ビジョンをお聞かせください。
次に、笑顔あふれる福祉都市(福祉)推進についてお尋ねいたします。
1点目に、保健師の充実で介護保険事業の推進についてであります。
私たちは、毎月発行されている広報となみで、保健師は乳幼児健診、親子教室、予防接種、がん検診、健康相談等々を知ることができます。市民にとっては、まさに赤ちゃんからお年寄りまでの健康を担う大切な太陽のごとき存在であります。
本市には、保健師が18名配属されております。さらに、砺波地方介護保険組合で2名の保健師が活躍されております。日ごろから保健師は、健康診査受診率を上げることに必死であり、市民一人一人が病気にならないよう、予防という仕事に全力を挙げ、現場の第一線で頑張っておられます。その上、超高齢社会の到来で、介護を必要とする高齢者が年々増加し、老老介護という言葉さえ流布するようになってきております。
本市においても、地域のことは地域で守るという社会理念で、40歳以上の者で負担と給付という社会保険方式で砺波地方介護保険組合を設立し、6年経過をいたしました。当初、平成12年度より平成26年度までの15年間を第1期から第5期までの事業計画を立てており、3年ごとに見直しをすることになっております。このたび、特定高齢者等に対する地域支援事業が創設され、高齢者の総合支援窓口として地域包括支援センターが設置されました。
介護給付金は、制度開始以来年々増加を続けており、平成17年度の決算では95億600万円であり、平成12年度のスタート当初は57億4,600万円と比較いたしますと37億6,000万円の増であり、率にいたしましても65.5%の伸びとなっております。したがいまして、介護保険組合も財政が厳しくなり、平成12年度には月額2,800円だった保険料が3,500円になり、本年10月より3,900円に値上げをお願いしたところであります。
つまり、一貫性、連続性のある総合的な介護システムの確立を目指して、少しでも要介護状態の発生を予防するのが地域支援事業であると思います。すなわち、特定高齢者の把握、相談、予防事業、また要介護状態の進行を防ぐ新予防給付事業、そして生きがい事業等々の仕事がますます増大してきたのであります。さらに、デスクワークも随分増えているようであります。
これらの対応はすべて地域包括支援センターで行われているのでありますが、しかし実際には、ケアマネジャー、社会福祉士、保健師の活躍するところが大きいのであります。なかんずく保健師の役割はまことに重要であります。
本市では新年度保健師の採用は予定しておりませんが、長い目で見れば、保健師の増員は必ずや介護保険組合事業の円滑な運営に寄与し、元気な健康長寿社会が実現するものと確信いたします。これについて、砺波地方介護保険組合の理事長であります市長に答弁を求めます。
2点目に、受診サポート手帳の作成と普及についてお尋ねいたします。
一昨年、発達障害者支援法が成立し、本市でも自閉症を初めとする発達障害の方々に対する支援の充実が進んでまいりました。
一方で、医療の現場ではさまざまな課題が存在しております。それは、自閉症の場合、これを受け入れ、適切な対応をできる医療機関が非常に限られているという問題であります。コミュニケーションに大きな困難がある自閉症児の場合、例えば歯科治療だけでパニックを引き起こし、治療もままならないなど、保護者からの相談があるようであります。
他県では、このような問題に対して、障害当事者やその家族、医師会、歯科医師会、教育関係者とともに受診サポート手帳を作成し、活用しております。障害の程度や特性、また医療機関への受診に当たっての配慮していただきたい事項などをまとめてあり、わかりやすく説明できるようになっております。
こうした取り組みは、冒頭に紹介いたしました自閉症の方だけではなく、知的、精神、身体の障害者など、それぞれの障害のある方一人一人の特性を事前に理解し、円滑に診療を行うためのものであり、障害のある方々がスムーズに医療機関で受診できるので、意義あるものと考えます。障害者基本法にも、国及び地方公共団体は、国民が障害者について正しい理解を深めるよう必要な施策を講じなければならないと、その責務がうたわれております。
地域で暮らす障害のある方が身近なところで安心して医療を受けられることは、とても重要なことではないでしょうか。こういった点から、私は、本市でも医師会、歯科医師会などの関係機関と連携され、個人情報には十分配慮しながら、受診サポート手帳の作成と普及に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
次に、人と心を育む都市の教育についてお尋ねいたします。
1点目に、認定こども園の取り組みについてであります。
保育所と幼稚園の両方の機能をあわせ持つ総合施設、認定こども園を整備するための幼保一元化法が今年5月に成立、8月4日には文部科学、厚生労働の両省が認定基準の指針を告示いたしました。認定するのは都道府県で、都道府県は国の指針をもとに具体的な認定基準を条例で定めることになっております。条例化や認定手続が順調に進んだ地域では、早ければ来月にも都道府県による認定がスタートし、新施設が誕生いたします。
認定こども園は、就学前の乳幼児を受け入れて、教育や保育を一体的に提供するとともに、育児相談や親子の集いの場を提供するなど、地域に密着した子育て支援を行う総合施設であります。
児童福祉法に基づく保育所と学校教育法に基づく幼稚園では目的や機能が異なり、現行制度のもとでは、保育所の利用者が子どもに充実した教育を受けさせたい、もしくは幼稚園の利用者が子どもを長時間預けたいと思っても、そうしたニーズに対応することは難しく、さらに共働き世帯の増加に伴い、保育所への入所待ちをしている待機児童が全国で2万3,000名に上る一方で、幼稚園は少子化の影響により定員割れで閉鎖が相次ぐというような需要と供給のミスマッチ問題も生じております。
このような状況から、幼稚園と保育所のよいところを生かしながら両方の役割を果たしてもらいたいとのニーズに対応するため、幼稚園と保育所を一元化した総合施設、認定こども園の制度が創設されました。
本市においても、保育所の定員は1,300名であり、8月1日現在、入所幼児数は1,341名であり、41名オーバーしております。その上、ゼロ歳児、1歳児の保育所の入所希望があり、待機組も相当数あると伺っております。
一方、幼稚園の定員は950名のところ、園児数は608名で、定員の64%しか利用されておらず、大きく定員割れをしております。この実態を踏まえ、本市として市民のニーズに対応するために、認定こども園の導入を含め、今後の取り組みについてお考えをお聞かせください。
2点目に、放課後児童クラブ健全育成事業についてお尋ねいたします。
本市では、放課後児童健全育成事業を平成9年からスタートし、通称放課後児童クラブとして小学校1年から3年生までを対象に実施され、平成18年度は6カ所、児童240名を対象として実施されております。
しかし、児童は本来遊びの達人でありますが、子どものニーズに沿った事業をしているかどうか、課題も聞こえてまいります。
放課後児童クラブを含めた下校時の安全確保について、現今の社会情勢から見ても、当然のことながら不安が伴います。子どもの安全対策については、これで万全ということはなく、可能な限りの対策は積極的に進めるべきであります。
文部科学省の本年度予算の中で、子ども安全プロジェクトの施策の1つに子ども待機スペース交流活動推進事業があります。これは、最近の誘拐殺害事件を踏まえ、学校の終業時間の早い低学年児童が空き教室で地域住民と交流を深めながら待機し、高学年児童と一緒に集団下校できるようにする事業であります。
世田谷区では、この子ども待機スペース交流活動推進事業と非常に似通った事業である放課後の遊び場対策、遊びの基地を基礎として、放課後児童クラブ機能もあわせ持った新たな仕組みである新BOPを導入しております。BOPは、参加を希望するその小学校の児童が対象であります。つまり、BOPは、保護者が就労している児童だけでなく、すべての小学生の放課後の過ごし方をより豊かにしていこうとの発想であります。
子どもは遊びの天才であります。さまざまな遊びの体験の中から自然に創造性、自主性、社会性を養い、成長してまいります。特に、異年齢児交流を促進することは重要であります。
本市においても、放課後児童クラブ事業もありますが、さらに一歩前進させ、世田谷区のような「のびのびとなみボップ」を学校内で運営できるように導入し、子ども待機スペース交流活動推進事業をあわせ持つことができるような事業を提案いたしますが、教育長の答弁をお聞かせください。
最後の質問になりますが、現在、国では、教育基本法の改定や、義務教育期間9カ年を外し、幼稚園教育を含めて義務教育延長論が話題になっております。また、政府は、幼稚園、保育所の民営化を進めております。先を読むことは甚だ難しいわけでありますが、学校設置者であります安念市長に、「となみのみらい子」を育成する観点から、未来に向けてどのような構想をお持ちなのか、御所見をお聞かせください。
実りのある答弁を期待し、以上で一般質問を終わります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念鉄夫君) 嶋村議員にお答えをいたします。
まず、総合病院の管理形態については、先ほど代表質問の堀田議員にお答えしたところでございます。病院経営については、皆さんに御心配をいただいております。細かい点等ございましたら、御指摘の点がございましたら、何とぞ御提案をいただいて御指導を賜りたいと、このように思っております。
病院事業管理者の移行につきましては、私が管理者だからということでいばっておるわけでは全然ございません。病院長には、管理者の立場に立ってやりなさいと。したがいまして、月に1度か2度、打ち合わせ会をいたしております。ほとんどがそういう意味で、人事も予算もあまり口出ししません。ただし、大型施設をつくるときの相談は受けておりますが、一切そういう面では私は申し上げておりませんので、ほとんど院長が実は管理者という立場で動いておられるということをこの際申し上げておきたいと思います。
したがいまして、適用につきましては、メリット、デメリットはあるんです。それなりに病院も知っております。そのことをよく調査研究したいと思います。議会の皆さんも勉強に行かれたようでございますが、病院においてでも視察研修を行っておりまして、どうしても全部適用と、そんな声は上がってきておりませんから、私は先ほど堀田議員にそのことを申し上げたわけでございます。
公立病院の運営について、一番悪いのは厚生労働省ですよ。診療報酬をばっさり切ったんだから。薬価改定と同時に、薬価差益も切ったんですよ。私のところは、20名近い薬剤師を持っているんです。給料を払わなきゃいかんわけです。その差額で実は運営管理をしていたんですが、これをばっさり切られたんです。一番悪いのは院長でないんです。厚生労働省なんですよ。
しかも、地方の総合病院なんです。採算を上げるといったら、先ほど言いましたように、不採算部門を切らなきゃいけません。しかし、そうはいきません。砺波市は、砺波広域圏内の中核病院です。したがいまして、いろんな施設整備もしなきゃいけません。PETの論争も議会でありました。ただし、余りにも高いものですから、これだけは堪忍してくれと。ついては、仲よい病院と提携しながらPETをやろうと。やっと富山でやろうかといったら、不採算部門なんです。よく勉強したんです、私は。それを、おまえら金持ってこいということですから、私は拒否したんでして、いまだにいろんな参考資料を持ってきなさいと。一、二コピーしたものも来ていますけれども、まだ来ていません。
そういうこともございますので、この際必要のない答弁でありますが、私はそのように実は思っておるところでございます。一部適用等については、十分そういう意味で心得て対処するようにお願いをいたしております。
なお、それらにつきましてのビジョン等については、病院長から申し上げたいと思っております。
それから、次に、義務教育の設置施設の将来展望についてということでございまして、初めは学校の施設や幼稚園の施設、そのあり方についてだと思っておりましたが、そうではなくて、もっと中身の問題にあるようであります。
このことにつきましては、堀田議員の代表質問でも申し上げましたが、今、教育のあり方については、私は転換期にあるように思います。幼保一体化であったり、中高一貫制であったり、今さまざまな議論がされております。私立がいいの、公立がいいの、ある人では、みんな私立にしたらというわけのわからん議論をされている方もあるようでありますが、もう一つ、幼保そのものについては民営化論が出ておりました。教育というのは、経済や財政だけで私は議論すべきものでないと思う。市役所もお金がないから、幼稚園も保育園も民営化したらどうかと、今あちこちで始まっていますよ。ただし、それは、財政が、金がないからということで教育を議論すべきものでは私はないと思う。ほかの人はどう思われるか知りませんが、そのように思っております。余りそんなことを先走るから、今日のような悲惨な状態、子が親を、親は子を、あるいは同級生を、そういう形で悲惨な事件が発生しておるわけです。これは、やっぱり財政論で教育環境などを考える必要のないことが現実に起こっているのではないかと、そのように思っておるところでございます。
前に指定管理者制度の中でも質問をいただきましたが、私は現有の幼保教育体制を守っていきたいと。義務教育につきましても、子育て支援などを強化して、今の義務教育体制は堅持していきたい、そのように実は思っております。その意味では、市民の御理解もいただけるのではないかと。絶対、金がないからということで、教育の施設や中身を切り落とすものではないと思っております。確かに、教育委員会の要求する予算全部はつけていません。もっとこれを工夫したらどうか、もっとこうあるべきではないかということで、新しい提案等については対処していきますけれども、そのようなことで守っていきたいと、このように思っておりますので、その点御理解をいただきたいと思います。嶋村議員は別の考え方があるのかもしれませんが、私はこの際そのことを申し上げておきたいと、このように思っておるところでございます。
あとは、教育長、病院長、担当部長からお答えをいたします。以上でございます。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田良男君) 嶋村議員の御質問にお答えいたします。
人と心を育む都市の2点目の放課後児童健全育成事業の推進でございますが、本年度の子ども待機スペース交流活動推進事業は、地域の教育力再生プランの一環としてモデル的に行っているものでございまして、砺波市では庄東小学校と庄川小学校の2校で実施しております。
子どもたちが安全で安心して活動できる居場所づくりに関して、放課後児童クラブと地域教育再生プラン、この2つを一体化して弾力的な運用ができないかということで、先ほど市長の話でも出ております話題の文部科学省と厚生労働省が協議をしまして、仮称でございますが、放課後子どもプランとして、文部科学省の方から平成19年度の国家予算に概算要求をしております。当市におきましても、その概算要求の成り行きを見ながら対処していきたいと思っております。
いずれにしましても、放課後児童健全育成は、議員御指摘のとおり、ボランティアの活動、それと地域の教育力、すなわち地域と子どもが反応し合う、すなわち一体感の醸成ですね。それはすなわち、教育と福祉というものがより一層の連携が必要であると考えております。
以上であります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
病院長 杉本立甫君。
〔病院長 杉本立甫君 登壇〕
◯病院長(杉本立甫君) まず、嶋村議員御質問のがん治療の取り組みについてお答えいたします。
現在のところ、がんの特効薬は残念ながらありません。また、原因もすべて解明されているとは言えません。
さて、当院のがん治療に対する取り組みについてお答えします。
まず、放射線治療の取り組みについて。当院には、県内でも数少ない放射線治療の専門医のもと、種々のがんについて放射線治療を行っています。その中でも、悪性リンパ腫や食道がんなどで効果を上げております。
次に、緩和ケア推進について。現在、県内で緩和ケアを持っている病院は富山県立中央病院と当院しかなく、当院の西7階には緩和ケア病床が8床あります。そこでは、医師2名、薬剤師、看護師、栄養士、リハビリそれぞれ1名から成る緩和ケアチームをつくり、疼痛対策、相談、助言を行っています。また、緩和ケアの認定看護師取得のため、看護職員1名を今現在半年間の研修に行かせております。近い将来には、もう少しベッド数を増し、緩和ケア病棟に格上げしたいと考えております。
マンモグラフィーの計画について。検診センターに2方向マンモグラフィーを導入し、10月より業務を開始できるよう準備をしているところでございます。検査に当たっては、医師、放射線技師、看護師すべてを女性のチームで行い、目標として来年3月までに500名の方の検査を行う予定にしております。
専門医の育成と確保について。専門医につきましては、当院の医師に積極的に学会、研究会などに参加、発表してもらうことにより、専門医の資格取得と技術の向上を図っております。また、専門医の確保につきましては、大学などに働きかけて新たな人材確保を目指しております。
がん登録の導入について。がん治療レベルの向上を図るため、厚生労働省が構想している地域がん診療拠点病院に当院が指定されると、がん登録は必須の項目で、必ず実施しなければならなくなります。そのために、当院では現在、診療情報管理士を配置し、院内がん登録の仕組みを作成中でございます。
次に、ジェネリック医薬品の導入についてお答えします。
医療用の医薬品には、先発医薬品の特許期間、通常20年から25年が切れた後に、厚生労働省の承認を得て製造、販売される同じ成分、同じ効果を持った後発医薬品があります。後発医薬品は、成分の一般名で処方されることから、ジェネリック医薬品と呼ばれています。
ジェネリック医薬品の長所は、価格が安価に設定されており、患者さんの自己負担の軽減や国の医療費の節減に期待されているところであります。その一方で、先発医薬品と同等の効果が得られるか、品質が保証されているのか、安全性は確保されているのか、安定供給がなされるのか、円滑な医薬品情報、特に副作用情報は提供されるのかなど、医薬品の情報が余りに少ないことから、医師として安心して処方できない問題点があります。また、先発医薬品の特許期間が切れた後に発売されることから、すべての医薬品に対してジェネリック医薬品が存在しない状況もあります。
さて、当院で使用するすべての医薬品は、従前より院内の薬事委員会で厳密に審査した上で採用されることになっています。薬事委員会では、根拠に基づく医療の重要性にかんがみ、先発医薬品との同等効果、品質保証、安全性の確保、安定供給とともに、副作用情報の円滑な提供など、慎重に確認した上でジェネリック医薬品の導入に努めております。
そこで、議員お尋ねの患者さんからジェネリック医薬品を希望される場合には、院外処方で対応することは可能でありますが、病院といたしましては、今申し上げましたジェネリック医薬品の問題点もよく患者さんに理解していただき、安心してお薬を服用できるよう、今後も配慮していきたいと考えております。
次に、総合病院の経営ビジョンについてお答えします。
当院の理念は、地域に開かれ、地域住民に親しまれ、信頼される病院であります。このことを基本として、私たちは地域の人々に安心して暮らしていただけるように、砺波医療圏の中核病院として、高度先進医療、急性期医療、救急医療、へき地医療を担っております。
そこで、議員お尋ねの総合病院の経営ビジョンについてでありますが、南砺市、小矢部市を含めた砺波医療圏内には、当院を含めて6つの公的病院があります。当院と他の病院間では、現在、心筋梗塞や脳梗塞など重症患者の紹介や治療後の逆紹介、また公的病院長会議や事務長会議などで情報交換を行っており、今後さらに地域連携担当者間での連絡協議会の開催や医師会を巻き込んだ医療連携のIT化などについて協議をしていきたいと考えております。理想として、各病院と開業医とのネットワーク化を図り、当院が砺波医療圏のリーダー役として他の病院との調整、また医師、看護師などの人的資源の有効利用など、地域の患者さんがいつでも安心して診てもらえる、そのような医療圏になればすばらしいと考えております。
以上です。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 小西竹文君。
〔福祉市民部長 小西竹文君 登壇〕
◯福祉市民部長(小西竹文君) 嶋村議員の保健師の充実による介護保険事業の推進についてお答えいたします。
地域包括支援センターは、今回の介護保険制度の改正の中で、地域住民の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的に新たに設置されました。
センターの主な事業としては、1、介護予防事業のマネジメント、2、介護保険以外のサービスを含む高齢者や家族に対する総合的な相談支援、3、被保険者に対する虐待の防止、早期発見の権利擁護事業、4、支援困難ケースへの対応などケアマネジャーへの支援であります。具体的には、一般高齢者、特定高齢者及び新予防給付の対象である要支援1、要支援2の方への支援を行うものであります。
現在、地域包括支援センターには、保健師5名、社会福祉士1名を配置しております。議員御指摘のように、これからますます高齢化が進む中で、元気な健康長寿社会の実現には、保健師を含めた専門職の確保は不可欠と存じます。しかしながら、今日的な厳しい行財政状況のもとで、さまざまな行政サービスを提供していくためには、与えられた環境の中で少数精鋭主義で対応していかなければならないのが実情でございます。そのため、保健師の確保につきましては、当面は現在の人員で対応し、効率的な配置を行いながら、今後予想されます高齢者の増加や事務の多寡に応じ、必要な人材の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、受診サポート手帳の作成と普及について申し上げます。
自閉症や知的障害や精神障害のある方にとって、地域で生活を続けながら身近なところで安心して医療が受けられることは大きな願いであると存じます。障害者の中には、コミュニケーションがうまくとれない方もおられます。自分自身の症状を上手に伝えられないときは、適切な医療が受けられない状況が起きることも考えられます。
御質問の受診サポート手帳は、千葉県で取り組まれている仕組みであり、あらかじめ受診サポート手帳に障害状況やコミュニケーションのとり方、健康情報、苦手なこと、アレルギーなどを記入しておき、受診のときに医師や看護師に見せることで障害者の持つ特性を理解してもらい、必要かつ適切な診療を受けられるようにするものであります。障害者が安心して医療を受けることができるよう、障害者団体などの意見を聞きながら、県とも協議させていただきまして、検討してまいりたいと存じます。
次に、認定こども園につきましては、本年6月に就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律が成立し、本年10月1日より施行されます。この法律の趣旨は、議員が説明されたとおり、従来目的や役割を異にしていた幼稚園と保育所を、就学前の教育、保育に対するニーズが多様化している中で、子育て支援の総合的な提供を推進するため設置されるものであります。特徴的なところでは、保育にかける子どももかけない子どもも受け入れて、教育、保育を一体的に提供する機能を持っております。富山県では、この法律を受け、9月定例議会で条例案が提出される予定でございます。
当市では、この認定こども園の法律制定に合わせ、庁内に関係課職員で構成する認定こども園検討委員会を設置し、北部、太田こども園の幼保一元化と、幼稚園と保育所の入園児童数のアンバランスの解消に向けて、新しい制度である認定こども園の対応につきまして検討を進めてまいりました。その結果、認定こども園への移行につきましては、新たな制度であり、利用料金や定員の設定などの面で不明確な点も多いことから、性急な移行は行わず、今後の推移を見守りながら、認定こども園のメリット、デメリットを見極めた上で、移行について検討していきたいと考えております。
以上でございます。
◯議長(江守俊光君) この際、暫時休憩いたします。
午前 11時53分 休憩
午後 1時00分 再開
◯議長(江守俊光君) 休憩前に引き続き会議を開きます。市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
12番 山田幸夫君。
〔12番 山田幸夫君 登壇〕
◯12番(山田幸夫君) 議長のお許しを得ましたので、質問をさせていただきます。
まず、北陸新幹線の新高岡駅新設に伴う同駅から砺波市へのアクセスについて質問いたします。
昨年度から、北陸新幹線の富山・金沢間白山総合車両基地の新規工事が進められることになりました。石動・金沢間は、スーパー特急方式からフル規格で、平成26年度までの完成を目指していると聞いております。北陸新幹線がフル規格で整備されますと、東京・富山間は乗りかえなしで約2時間で結ばれることになります。時間的にも心理的にも距離感が縮まることから、首都圏ばかりではなく、新幹線沿線地域との地域間交流が盛んになると予想されます。
これまでに開業した東北新幹線や九州新幹線は、それぞれの地域の観光産業を初めとする地域経済の活性化や社会資本の整備に貢献し、地域活性化を大いに助けていると聞いております。新幹線の開業に伴う地域への効果は非常に大きいものですが、その効果を最大限に利用するためには、開通前からの入念な構想と準備が必要であると思われます。砺波市としても、北陸新幹線開通を見越した地域振興のための対策に本腰を入れる時期に来ているのではないかと思われます。
新幹線による時間短縮や大量輸送といった効果を砺波市の地域活性化に結びつけるためには、まず北陸新幹線の開通を視野に入れ、魅力ある地域づくりを行うことが必要です。幸いにも砺波市は豊かな自然に恵まれ、散居村の景観もすばらしく、他の地域に比べても遜色ない観光資源を持っております。この豊かな観光資源を生かすために、積極的な広報活動を行い、また砺波市へ足を運んでもらうための具体的な方策も考慮すべきだと思います。
砺波市から最寄りの新幹線駅は、新高岡駅となる予定です。新高岡駅の位置は、現在の高岡駅の南約1.5キロメートルに予定されており、この点では砺波市への観光客の誘引には大変有利と思われます。
しかしながら、新高岡駅から砺波市へのアクセスについては、やや心もとない状態ではないでしょうか。砺波市の過半の地域は、新幹線駅からのいわゆる30分圏内に含まれるようですが、新幹線で来県する観光客は徒歩であり、砺波市内の観光拠点への移動には何らかの交通機関を利用しなくてはなりません。
砺波市へ観光客を呼び込むためには、首都圏及び新幹線沿線に対する観光広報だけではなく、新幹線駅から砺波市への利便性の高いアクセスを確保するための方策も必要になると思います。この点につきまして、お考えをお伺いいたします。
また、東海北陸自動車道が来年全線開通の予定であることもあり、砺波市の観光PRを早急に行うべき時期であると思われます。高岡市を初め、南砺市、小矢部市などの近隣自治体とも連携した広域観光についても検討していくべきではないかと思われます。この点についても、あわせてお答えをお伺いいたします。
次に、基礎的ライフラインの耐震化についてお伺いいたします。
我が国は、世界の諸国と比べましても地震や台風といった自然災害が多く、それらに伴った津波や豪雨、洪水といった災害によって多大な損害が生じております。砺波市といたしましても、本年9月3日に総合防災訓練を開催されるなど、災害に対する備えには常日ごろより心を砕いておられることと思います。
総合防災訓練においては、市内の各自治会でも自主防災組織が結成され、多くの方々から積極的な御参加と御協力をいただきつつ、効果的な訓練が行われたと思います。特に、総合防災訓練の際に行われた風水災害関連の訓練は、庄川流域に生活し、庄川の水の恵みを享受しつつも、洪水といった水の災害と常に隣り合わせである私たちにとっては大変有意義であったと思われます。このような訓練を通じ、防災意識の啓蒙、また防災組織の編成については、市民の方々に浸透しているものと思われます。
さて、災害が生じた場合の避難場所、救助活動の拠点となる公共施設など、これは各医療機関、社会福祉施設、小中学校校舎、体育館、ほかコミュニティーセンターなどの公共建築物などになるかと思います。これらの公共建築物については耐震診断及び耐震化は進んでいると思われますが、それに加え、ライフラインの耐震化も考慮すべきだと思います。特に上下水道につきましては、市の管理するところでもあり、公共建築物の耐震化とあわせ、総合的な対策を行うべきであると思います。
そこで、上下水道の耐震化について、市側のお考えをお伺いいたします。
また、これに伴いまして、一般住宅に関する耐震診断及び耐震改修についてお伺いいたします。
平成7年1月に起こりました阪神・淡路大震災ですが、近年に例のない強烈な揺れを伴った都市直下型の地震であり、既成市街地を中心にした木造家屋の倒壊による多数の死傷者の発生、複数箇所で発生した火災による家屋などの消失、都市ライフラインの破壊、そして市街中心の中枢管理機能、商業、業務機能の停滞を招くなど、さまざまな被害をもたらしました。
具体的に申しますと、地震による死者は約6,400名、負傷者は約4万3,800名に上りました。死亡原因は、家屋の倒壊による圧迫、窒息死がおよそ8割を占めております。また、全体の死者を年代別に見ますと、65歳以上の高齢者が全体の約半数を占めております。全壊及び半壊棟数は、およそ25万棟に上ると聞いております。
これらのことからも、建築物、特に一般住宅の耐震化を進めることは、震災による被害を防止する上で極めて効果的であることがわかると思います。
また、負傷者の多くは、転倒した家具により挟まれ、室内の落下物によるものが原因とされていることから、いわゆるたんすなどの転倒防止器具の使用が有効であると思われます。加えて、住宅の耐震化により火災、延焼の危険性を低下させ、震災後の災害廃棄物の発生の抑制や、復旧活動を行う上でも効果的であると思われます。
以上のことからも、住宅の耐震改修を積極的に進めることは、市民の人命、財産を保全する上からも極めて効果的であると思われます。
砺波市でも、平成18年度予算において、木造住宅耐震改修事業として300万円の予算を割き、住宅の耐震化に積極的に取り組んでおられます。そこで、砺波市の木造住宅耐震改修事業の現在までの利用状態、また今年度後半に向けての見込みなどについてお伺いいたします。
また、耐震診断については県の方でやっておられると聞いておりますが、耐震改修に先立つ耐震診断については、より積極的に広報を行い、普及に努めるべきではないかと思います。特に、住宅の構造強度の指針となっている建築基準法が大きく改正された昭和56年以前の住宅については、一般的に耐震強度については脆弱であるおそれもあり、また建築より30年以上経過していることから、老人を含む世帯である可能性も高いこともあり、市側としてもこれらの住宅を把握し、重点的に広報に努めるべきではないかと思います。これらのことについても、お考えをお伺いいたします。
これで私の質問は終わります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念鉄夫君) 山田議員の質問にお答えをいたします。
平成26年開業を目指しております北陸新幹線につきましては、議員が発言のとおり、東京・富山間を2時間で結ぶ大量輸送ができるわけでございます。したがいまして、沿線地域の経済、文化、観光に結びつくものと思っておるところでございます。
砺波市といたしましても、総合計画でもいろいろ議論をしてまいりました。北陸新幹線の開業を目指して、公共交通等の整備を掲げておるところでございます。特に基本となるのは、私は県道だろうと思いますが、なかなか県道の整備が進んでおりません。そのことを心配いたしておるところでございます。
この新駅周辺整備につきましては助役さんにも参画していただいております。随分プッシュをしておりますが、今、高岡は、新駅でなくて今の駅の改修等に力を入れておりまして、まだ念頭にあるんでしょうけれども、進んでいないのが状況であります。しかし、高岡だけの新駅ではございません。呉東、呉西全駅の大切な新駅であろうと思いますので、種々提案をいたしておるところでございます。
特にアクセスの、いわゆる城端線、氷見線だけでなくて、道路を整備することによって、公共交通、民間バス、それらについてのことも配慮しながら整備をすべきだと思います。何か整備の順番が、あるいは準備が遅れておるような気がしておりますので、私も時折そのことを申し上げております。特にスーパー農道、行き詰まりのスーパー農道です。これは前から申し上げているんですが、全然やる気がないというのが現状であります。したがいまして、このことも申し上げていきたいと思っております。
先ほど堀田議員から、用途地域の見直し、都市計画区域の見直しなどの提案がありましたが、何かその辺が、隣の市でありますけれども、心配をいたしておるわけでございます。これから積極的に提案をして、十年一昔といいますけれども、すぐ目の前に来るわけでありますから、そのように対応してまいりたいと、このように思っております。
山田議員からいろいろ御心配な点も申し上げられたわけでございますが、幹線になるのは高岡庄川線だろうと思います。そうしますと、これらの歩道というのはやっぱり大事だと思います。なかなか私どもが要望しておりましてでも、少しは交差点改良が行われましたけれども、進んでおりません。大変残念なことでありますが、富山県もお金がないということでありましょうけれども、私は将来のことを考えて投資をしていただきたいと、こんなことを実は思っておりますので、努力をいたしたいと思っております。
なお、このことについて観光のこともおっしゃいましたが、観光はストロー現象であってはなりません。東海北陸自動車道も完成するわけであります。何とか滞在型の観光ということを目指していかなければならない。その場合には、魅力のある施設づくりをすべきだと思います。
そうかといって、あまりもうかりもしないような計画をしておりましても、夕張みたいになってもいけませんので、その辺は今持っている資源、砺波なら砺波の持っている資源、これをどう活用しPRしていくか。その第一は、やっぱりチューリップだと思う。あるいは、庄川温泉郷だと思う。これらを踏まえて対応していくことが私は大事だと思いますし、そのことを発信してまいりたい。ぜひ議会の皆さんのお力添えもいただきたいと思っております。
おかげさまで、共同観光開発ということで、幾つかの団体もございますが、新しく今年度から金沢市と県西部の6市によります広域観光連盟推進プロジェクト会議というものを立ち上げました。そこでいろいろ計画しております。そのベースになるのは、先般砺波市観光まちづくり計画をつくっていただきました。15~16項目ですか、書いていただきました。全部が全部すぐ対応するわけにまいりませんけれども、幾つかのすばらしい提案もございますので、この提案を大切にして、今申しましたように魅力のある砺波地域施設づくりをして、滞在型という考え方をしていくべきではないかと、こんなことを思っております。いろいろ知恵を貸していただければありがたいと思います。
なお、ライフラインの耐震化等ございましたが、先般庄川町で総合防災訓練をさせていただきました。それこそ多くの皆さんに参画していただいて、子どもたちにも参加していただきました。私はすばらしい成果があったと思います。あれで万全だとは思いませんが、そのような訓練に参加をしてもらって、そして地震や、あるいは水害等に対処する心構えをみんなに持ってもらえたのではないかと。そして、災害のときは、行政だけではございませんので、地域の皆さんのお力を借りなければいけないと、こう思っておるところでございます。主要な質問等につきましては、建設水道部長からお答えいたします。
以上でございます。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
建設水道部長 藪田康男君。
〔建設水道部長 藪田康男君 登壇〕
◯建設水道部長(藪田康男君) 山田議員さんの基礎的ライフラインの耐震化についての上下水道の耐震化について答弁をします。
最初に、上水道施設では、上中野配水場、金屋配水池などの配水施設が25カ所、導水管、送水管、配水管などの管路施設総延長約410キロメートルが耐震化の対象となる施設と考えております。
管路施設につきましては、平成13年度以降、老朽管の布設替えや管路の新設の際に、離脱防止機能を有する継ぎ手を使用した耐震型ダクタイル鋳鉄管を布設しております。この離脱防止機能を有する継ぎ手は、阪神・淡路大震災を初め、その後の大規模地震においても被害は皆無であったものでございます。
配水施設につきましては、大半が昭和56年以前に設置されており、新耐震基準は満たしておりませんので、災害時を想定いたしますと、耐震補強などの改良が必要と考えております。厚生労働省では、平成19年度概算要求におきまして、ライフライン機能強化等事業費補助金の補助対象事業体の要件の拡大、補助事業対象事業に補強事業を加えるなどの見直しを行い、特に災害対策の推進に重点を置いております。当市におきましては、施設数が多いことから、多額の経費が必要となりますので、国の制度を利用するなど耐震強化に要する経費の軽減を図りながら、重要度の高い施設を中心に検討してまいりたいと考えております。
次に、下水道の耐震化につきましては、処理場、機械及び装置、管路施設などが対象となりますが、処理場につきましては、いずれの処理施設も昭和56年6月1日から施行されました新耐震基準により建築しており、中規模地震に対して建物が損傷しない構造として建築されております。
機械設備につきましては、移動、転倒及び破損が生じないよう対応しております。電気設備につきましては、自家発電設備の設置により、停電時には処理場内の汚水の最低限の移送ができるよう対策を講じております。
また、管路施設約325キロメートルにつきましても下水道耐震化を行っており、地震時に影響を受けやすいマンホールと管の接続に可撓性の継ぎ手を採用するなど、耐震対策を行っております。加えて、新潟中越地震を契機に、管路に耐震性の高いリブ管工法を新たに採用しております。リブ管は、今までの下水同様、塩化ビニール管の表面に突起物、リブをつけたもので、道路上からの荷重には今まで以上に強いものがあり、昨年から柳瀬、太田地区の工事に採用しております。
次に、木造住宅耐震改修事業の利用状況について申し上げます。
平成17年度において、社団法人富山県建築士事務所協会が実施する木造住宅耐震診断への申し込み件数は、県下で150件、うち砺波市では4件となっており、また平成17年度の耐震改修の補助申請は、県下で8件のうち、砺波市では1件でございました。
このため、市では、広報、ホームページ、コミュニティー放送などにおいて、木造住宅の耐震性向上について啓発を行ってきたところであります。今年度に入り、窓口に四、五人の方が相談においでになりましたが、現在のところ、耐震診断の申し込みが1件、改修補助申請はまだなく、工事についても何件とは見込めない状況でございます。当市の木造一戸建て住宅の総数約1万520戸のうち、約43%の4,450戸について耐震性が不足すると推計されることから、耐震診断、耐震改修について広く市民に理解していただくため、より一層広報に努めてまいりたいと考えております。
次に、昭和56年以前に建築された住宅で、老人を含む世帯を把握し、重点的に広報に努めよという御指摘でございますが、地震に強いまちづくりとはいえ、個別に、あなたの家は古くて、お年寄りが住まいしていることで、相当の費用がかかります耐震改修を勧めることは、市民の誤解を招くおそれがあり、また補助事業を特定の人に限り個別に案内することになりますので、慎重に検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯議長(江守俊光君) 11番 寺井武彦君。
〔11番 寺井武彦君 登壇〕
◯11番(寺井武彦君) ただいま議長のお許しを得ましたので、先に通告してある事項について質問いたします。
平成自民会では、「まちづくりは人づくり」をスローガンにしており、そこでまず青少年、生徒の健全育成についてお尋ねいたします。
戦後60年たち、日本は大きく変化しました。物資がなく、貧困の時代から、あり余る豊かな物資の中で、人間としての心の豊かさや人と人との心のふれあいなどが失われ、親と子ども、先生と生徒、生徒と生徒、隣人と隣人との心のふれあいが少なくなる一方、家庭内暴力や青少年の非行は増加をしております。
ところで、親たちや先生は、将来を担う子どもたちの心の奥底をしっかりとつかんでいるのでしょうか。反抗心や上辺の言葉に惑わされ、心の扉を開こうとしていないのではないでしょうか。心と心のふれあい、喜び、怒り、感激がわき起こる先生の心と生徒の心が火花を散らす、生徒と生徒の心が火花を散らす、この火花によってお互いの心が解け合い、扉が開くと思います。この火花によって心を練り上げ、心を鍛えることが大切だと思います。生徒の心の扉を少しずつ開かせ、素直な心、優しい心、すべてに感動する若い魂、すばらしい個性を引き出し、これらをよりよい人にしたい、このことが真の教育であると考えます。
そこでお尋ねいたします。現在、砺波市の小中学生で、年間30日以上欠席した不登校生が何名いるのか、その現状と対策をどのように行っているのか、お尋ねいたします。
不登校生の原因はいろいろあります。家庭環境によるもの、学校の学業、成績によるもの、友人やクラブ活動によるものなど、一人一人それぞれの対応が難しく、大変であることは十分承知しておりますが、だからといってほっておくことはできないのであります。県内のある学年では、1割の方が不登校生徒であるとのことであります。1割の方が休む中で、学業やクラブ活動など本来のことが十分できるのでありましょうか。
次に、本年4月より砺波市教育事務所がなくなり、富山県下に呉東、呉西に各1カ所、2カ所の教育事務所となりました。呉西では、高岡市の教育事務所であります。距離も遠くなり、相談に行くことも少なくなったり、問題がないのでしょうか。また、先生の異動に関し、砺波に教育事務所があったときは、砺波広域圏を中心に先生方が異動されておられました。今後どのようになっていくのか、心配であります。教育事務所が呉西1カ所になったことによるメリット、デメリットをお聞かせ願います。
次に、各中学校における特徴についてお尋ねいたします。
現在、各中学校では、校訓のもと、それぞれ学校教育目標を立て、本年度の重点目標のもと、学校長の運営方針によりそれぞれ運営されていると思います。昔の中学校のことを言ってどうかと思いますが、昔の学校には、その地域に根差したそれぞれの特徴があったと思われます。例えば、庄川中学校では剣道とブラスバンド、出町中学校ではバスケットボール、般若中学校ではハンドボールなど、そこにはそれを指導する先生、先輩、父兄やPTAなど多くの方々が伝統を重んじ、地域の学校を守ってきたと思います。
富山県では、次世代を担う選手育成のため、経験豊富な指導者を県内の中学校、高校に講師として派遣する中学・高校運動部スポーツエキスパート派遣事業、運動能力にすぐれた児童を早期に見出して育てる未来のアスリート発掘事業、豊かな素質を持つ中高校生選手を長期的に育成する元気とやまスポーツ道場など、新しい振興策があります。
一方、昔の先生は、同じ学校に20年以上も勤務しておられる方も多く、地域の方々と話し合い、伝統を守るための努力や、子どもたちの心に溶け込み、命の大切さや健康の大切さについて子どもたちを指導してきたのではないかと思います。現在では、同じ学校での勤務は長くて7~8年、短い方で2年であります。果たしてその中で地域に根差した学校の特徴を生かすことができるのか疑問であります。
学校の地域における特徴を出していくためには、先生方の資質の向上や生徒に対する思いやり、心のふれあいが大切なことは言うまでもありませんし、先に述べたように、地域の先輩方をうまく利用することが大切と思われます。現在の中学校の生徒が学んでよかった、学びたい学校となっているのでしょうか。
次に、中高一貫校についてお尋ねいたします。
私たち平成自民会は、7月中旬に、神奈川県川崎市にあります学校法人桐光学園に行政視察に行ってまいりました。桐光学園は中高一貫校で、中学校生1,150名、高校生1,765名、合計2,915名の学園であります。中学校は、1学年男子6クラス、女子3クラス、合計9クラスで、1クラスは約40名であります。
この学園では、中学校のカリキュラムとして、中高6年間の土台となる基礎学力をじっくり確実に身につけること、高校生のカリキュラムとしては、大学受験に向け、志望大学に応じたコースで豊かな学力を養う教育を行っております。また、大学入試もありますが、将来社会人となったときも視野に入れ、教育を行っております。
この学園では、週5日制を採用しておりますが、土曜日講習制度を行っており、生徒のほぼ全員が出席をしているとのことであります。また、1クラスに2名の担任の先生がつき、生徒一人一人に目が届くように、また生徒の相談に乗ることに配慮をしております。この学園では、不登校の生徒や、問題を起こしたり、途中で挫折する生徒はいないとのことでありました。
また、クラブ活動でも、全国的に多くの有名人を出しており、その一人がサッカーで有名な中村俊輔であります。夏の甲子園の高校野球では神奈川県の代表になるなど、多くの活躍をしております。
また、先日の新聞報道では、富山県教育委員会で県立高校の再編を論議し、再編に伴う新タイプの高校として、中高一貫校の設置について論点整理されたところであります。将来の設置予定も含め、全国で公立の中高一貫校のない都道府県は、富山、長野、鳥取の3県であります。
中高一貫教育により、中学進学時に生徒の選択幅が広くなる、6年間でゆとりある教育が可能となるなど、大きな特徴があります。また、中高一貫校には3形態があります。1つは中等教育学校、1つは併設型、1つは連携型、それぞれの特徴や課題も多くあります。
砺波市教育委員会では、新市まちづくりの基本方針に基づき、「花香り、水清く、風さわやかなまち砺波」の実現に向け、3つの学校重点目標を掲げ、豊かな心、確かな学力、健やかな体という心技体のバランスのとれた健全育成に努め、とりわけ社会規範の訓育については、「五本ゆびのめあて」という指標を定め、その定着に向けて、学校だけでなく家庭や地域が一体となり、「みんなで育てよう砺波っ子」の運動として取り組んでいきたいとのことであります。
これらの取り組みに際しても、中高一貫校による教育や1クラス複数担任制の導入が必要と考えます。これらの問題に対し、教育長はどのようにお考えなのか、県教育委員会への対応も含めお聞かせ願います。
また、中央教育審議会では、教員免許更新制度を導入し、先生方の資質の向上や教育レベルの向上を目指すとしておりますが、この教育免許更新に関する教育長のお考えをお聞かせ願います。
だんだんと少なくなっていく子どもたちを、学校、家庭、地域がお互いに連携し、生きる力、将来の砺波市を背負っていただく人たちをどのように育てていくのか、大変大切であります。教育長の明快で心温まる答弁を期待し、私の質問を終わります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田良男君) 寺井議員の御質問にお答えいたします。
まずもって、親も教師も子どもの心の奥底を見出せ、そして三者共同して立派な人をつくりましょうというこの基本的な考えにつきましては、全く同感でございます。
ところで、御質問のまず1点目の不登校生徒の現況とその対策でございますが、砺波市内の不登校児童生徒数は、1学期末の現在で19名あります。不登校の原因は、ケースや状況によって違いがあり、はっきりしない面も多くあって、対応には極めてきめの細かい配慮が必要でございます。最近では、不登校の生徒を刺激しないようにという面も直視されておって、本人の不安を少しずつ取り除き、学校へ出る意欲が出るように、継続的な見守りが必要であるということで対処をしているところでございます。
砺波市では、御案内のように、適応指導教室ひよどりが勤労青少年ホームに開設されております。そして、生活指導相談員が2名、学校との情報交換や保護者の相談及び子どもの指導を行っております。現在、9名の児童生徒が登録しておりまして、常時5、6名が通級して、学校へ復帰するという成果も出ております。
次は、2点目の県の教育事務所の統廃合によっての影響でございます。西部教育事務所になったことによって好転したことは、すべての教科の指導主事がそろって、教職員に対する教科指導ができる体制になったということです。2つ寄ったものですから、教員を指導する指導主事の数が増えたということですね。
しかし、砺波教育事務所のように、砺波地区3市における学校の活性化のための人事異動ができるかどうかが課題になっております。この課題を解決するために、砺波地区3市の教育委員会では、人事交流、教職員の研修、教科書採択、主にこの3本を一体的に行うよう確認をしたところでございます。
次に、3点目の砺波市内各中学校の特色を出すようにと、このことでございますが、市内の4中学校には、地域の歴史や文化、自然環境に基づいた校訓、そして校風がそれぞれ60年に及ぶ固有の伝統で脈々と受け継がれております。その伝統を守るためには、許されないこと、そして新しく積み上げなければならないこと、これが伝統を守り育てる大事なことでございます。この意識の涵養を従来にも増して教職員に対して指導しているところでございます。御意見にもありましたように、地域の教育力を生かしながら、特色ある学校づくりに努めていきたいと思っております。
このことにかかわってきますけれども、教職員の勤務年数に関しまして、子どもと地域になじむのにはやっぱり時間や意欲が必要でございます。それらを勘案しながら人事異動を進めていく所存でございます。
次に、4点目、中高一貫校の設置についてでございますが、成長期の子どもを6年間一貫教育すること、これはある面で教育効果があるということは、私立学校等でそれが実証されております。高校入試がなく、ゆとりがあって、ゆったりと部活動や生徒会活動、これが縦の人間関係を育てます。それを実感できるのが、やはりこの多感な時期の6年通した教育かとも思っております。先に報道されましたように、県教育委員会におきましても検討に着手されたようでございますが、不明確な部分もまだ多々あり、現行の法制度では市の教育委員会で検討する範疇を超えております。
そこで、諸外国の例をちょっと申し上げておきますと、義務教育制度の件でございますが、日本と違って学歴偏重があまりないオランダ王国の例は、5歳から16歳までの12年間を義務教育としております。まず、5歳から12歳までを初等教育8年間、13歳から16歳までを中等教育4年間、その後が高等教育で、職業コースと大学進学コースに分かれていくと。個々の生徒の、あるいは学生の能力開発に重点を置いた教育が重視されて、途中における針路変更もよしと、こういうようなことが、先ほどオランダ・リッセ市を訪問しましたことによって得た情報でございます。
いずれにしましても、将来に向かっての教育制度は、今国でも議論がされておりますように、国家の大勢を決める重要なことでございますので、国や県で検討されることを大いに期待するものであります。
5点目、1学級複数担任制の導入についてでございますが、現在の教員配置基準において、1学級複数担任制はできないことになっております。そこで、砺波市の普通学級の平均の児童生徒の数は幾らかといいますと、小学校では29.2、中学校では33.6と、平均30人前後の学級になっております。各学校では、加配教員を活用し、主要教科では少人数指導やチームティーチングを行って、一人一人に見合った指導をするよう努めております。市の単独でもって教員や講師を配置することは、財政的には極めて困難でありますので、今後とも県の教育長会あるいはその他の機会を通じて、教職員の配置増を要望してまいりたいと思っております。
6点目は、教員免許の更新制度の導入でございますが、中央教育審議会の教員免許制度ワーキンググループで議論されたその内容が先刻報道されたものでございまして、現在の現職研修と絡み合わせ、問題点も非常にあります。具体的にどのように進められていくのか、今後の議論を見守りたいと思っております。教職員に対しては、このようなことが議論されていることをよくよく意識して研修に努めていくよう指示をしております。
以上でございます。
◯議長(江守俊光君) 8番 井上五三男君。
〔8番 井上五三男君 登壇〕
◯8番(井上五三男君) お許しをいただきましたので、通告に従い、市政一般について質問させていただきます。
質問の前に、今年の夏は異常続きで、7月は雨ばかりの日照不足、そして8月は24日間連続の真夏日で大変な猛暑であり、その間に嫌な事件が頻繁に起きました。特に、親が子どもを虐待する事件、逆に青少年が親を殺傷する事件が起きたり、放火事件があったり、また京都市役所の職員による不祥事が相次ぎ、市長以下77人を大量処分されたこと、そしてまた福岡市役所職員の飲酒運転による追突事故で車が海へ転落して子どもが3人も死亡したという非常に痛ましい事件がありました。この後も引き続き公務員による事件が後を絶たず、先日の新聞では、「酔って不祥事、懲りぬ公務員」と、新聞の見出しにまでなりました。
何もかも異常な状態で、本当に嫌な世の中、そしてまた時代になってきたわけでございますが、そんな中で、今月の6日には秋篠宮妃紀子様が、皇室では41年ぶりの男子誕生の明るくうれしい出来事があり、本当におめでとうございます。私も、国民の一人として心からお祝いを申し上げます。
また、高校野球では、砺波工業高校が砺波市から初の甲子園への夢が本当に手の届くところまで行ったのですが、惜しくも決勝で敗れましたが、市民には大きな希望と勇気を与えてくれました。
また、甲子園大会では、早稲田実業高校が決勝戦再試合ということで、斉藤投手の全試合完投の大活躍で初優勝いたしました。ファンからはハンカチ王子と呼ばれ、大変さわやかな青年で、まだまだ日本にもすばらしい好青年が多いと本当に安心いたしましたところで、さわやかな回答をお願いいたしまして、質問させていただきます。
今回は、介護保険制度改革と介護型療養病床の廃止と今後の見通しについてお伺いいたします。
初めに、2000年、平成12年4月に導入された介護保険制度は、高齢者介護を社会全体で支えていく仕組みとして確実に定着してきているが、一方では、制度全般について初めて見直し期を迎えた2005年、昨年には、制度の基本理念である高齢者の自立支援、尊厳の保持を基本としつつ、制度の持続可能を高めていくために、給付から予防へと大きく方向転換をした介護保険制度の改革が行われました。
1つ、施設給付の見直し。介護保険と年金給付の重複の是正、そして在宅と施設の利用者負担の公平性の観点から、介護保険3施設の入所者の居住費、食費の自己負担。
2番目には、要介護者の半数以上を占める要支援と要介護1の軽度の高齢者を対象とした介護予防給付サービスの確立。内容は、1つ、予防重視型システムへの転換、2、新たなサービス体系の確立、3、サービスの質の向上、4、負担のあり方、制度運営の見直し。
これらは、いずれも昨年の10月と今年の4月から施行されていますが、担当部署では、新しい試みもあって、いろいろと準備していく上での問題、悩みもあって、相当苦労されたものだと思っております。制度改革にて新たな運営をしていくために、組織構成、サービス体系の確立、特に介護スタッフ(介護職員、ケアマネジャー、ホームヘルパー等)の整備、充実等で大変だったかと思います。
そこで、まず初めに、高齢者が安心して生活できる地域ケア体制を構築して、活動的な85歳の実現のために、新制度になってから現在、運営上で今一番苦慮されている点は何か、またネックになっている点は何か、そしていろいろとあると思いますが、今後の課題は何か、お伺いいたします。
次に、65歳以上の人は、1989年、平成元年には1,431万人、65歳以上の人口が総人口に占める割合を示す老齢人口比率は11.6%であったのが、2000年、平成12年では2,151万人で16.9%になり、ピーク時の2020年、平成32年には3,197万人と25.2%に達すると予想されております。実に総人口の4分の1を高齢者が占めることになります。そして、4人に1人が65歳以上というまだどこの国も経験したことのない本格的な超高齢者社会を迎えるのであります。
全国的に見ると、介護保険制度導入以来利用者が増加しており、介護保険スタート時の2000年、平成12年4月から2004年、平成16年4月までの4年間で、第1号被保険者数が2,165万人から2,453万人へと288万人増加、13%増になるとともに、要介護認定者数は218万人から387万人へ169万人増加、78%増になっています。
一方、サービス利用者数は、2000年4月の149万人から2004年4月の307万人と、4年間で約2倍に増加いたしております。そのうち居宅サービスは、97万人から231万人へと大きく増加、138%増になっております。また、要支援、要介護1といった軽度者が84万人から185万人へ大幅に増加、120%増になり、要介護認定者数全体の約半数の48%を占めております。そして、要介護認定で自立と判定された高齢者には、全国のほとんどの自治体が何らかの支援策を講じており、財政支援を受けたNPOがデイサービスの拠点を運営するケースも見られるなど、これからも高齢者介護は限りなく多様化し、変わっていくものと見られる。
そんな中で、保険料の徴収やサービス提供などの業務を取り仕切る保険者は全国の市町村であります。サービスの提供量も、これまで行ってきた施設や人材などの基盤整備状況によって全く違ってくると思います。高齢者が安心な老後を迎えることができるかどうかは、市町村の政策立案と遂行能力、つまりやる気にかかってくると思います。隣接する市町村との格差も出るし、国の標準を上回る独自のサービス提供をしている市町村も多いと伺っております。みんなが地域で安心していくための必要なサービスの実現のために、どう財源を使い、どのような施策を打ち出すかは、まさに首長の力量次第であると言っても過言でないと思います。そして、地方分権の試金石と言われる介護保険制度は、地域の力比べでもあり、また各地域が頑張ることによって市民の支援の輪が広がり、地域の介護力がもっと大きく膨らむことになります。
そこで、地域ごとの創意を生かしつつ、走りながらよりよい制度を育てていくために、なお一層の努力していかなければならないと思いますが、いかがお考えでしょうか。長年の行政経験に愛と融和の精神で、今日まで元気なまち砺波を引っ張ってこられた安念砺波市長、また砺波地方介護保険組合の理事長としての御見解をあわせてお伺いいたします。
次に、介護保険制度の保険料についてお伺いいたします。
現状の介護保険制度は、多くの人から保険料を集め、その集めた保険料で困った状況に陥った人を応援しようとするものであり、直接、間接に保険料を集め、使い先を決めるのは保険者で、その保険者となるのは、つまり制度を実際に運営する市町村であります。そして、保険料を納める被保険者は40歳以上の国民であります。65歳以上の第1号被保険者と40歳から64歳までの第2号被保険者とに分けられ、サービスの給付と負担の関係が明確な社会保険方式で介護を支える仕組みで、市町村などが運営主体、保険者となり、40歳以上のすべての国民が利用者、被保険者となります。
介護保険制度がスタートした2000年から第1期の3年間は、第1号被保険者が2,200万人で17%、第2号被保険者が4,300万人で33%で、比率は約1対2であった。しかし、これから高齢化が進むに従い割合が変化して、2003年から2005年の第2期の比率は、第1号被保険者が18%、第2号被保険者が32%、今年度からの3年間の第3期予想では、第1号被保険者が19%、第2号被保険者が31%の比率になるとされている。
そこで、今年度の保険料改定に伴い、2006年4月から3年間適用される65歳以上の保険料が全国平均で25%増の月額4,090円と大幅にアップしましたが、今後も高齢化の進展による介護サービス需要の増加で保険料の上昇は避けられない見通しである。厚生労働省は、介護予防の効果などで給付が抑制された場合でも、2012年、平成24年には4,900円から5,200円に達する試算を示しております。2006年度の制度改革で、介護の必要性が比較的低い軽度者への介護予防導入や訪問介護、ホームヘルパーの利用などを制限したが、今後は保険料負担額を下げるため、現在40歳からの保険料の負担開始年齢の引き下げが大きな議論になっております。
そこでお聞きいたしますが、今、介護保険制度の保険料の負担開始年齢で、中央では有識者会議が日本経団連、連合、そして全国市長会など介護保険の運営者である市町村の代表で構成され、現在開催されておりますが、有識者会議で保険料の負担開始年齢についてどのような内容の議論をされているのか。そして、いつまでに見直し案をまとめ、いつの実施時期を検討されているのか。国民、特に若い者にとっては大きな関心事であり、差し支えのない範囲内での中間報告をお伺いいたします。また、この保険料の負担開始年齢について、市長個人の御見解もあわせてお伺いいたします。
次に、今回の医療制度改革において、社会的入院の是正を図り、患者の状態に応じた施設の適切な役割分担の推進を図るため、療養病床の再編成を行うこととしており、本年6月14日には、介護療養型医療施設は6年後の2011年、平成23年度末をもって廃止することを内容とした健康保険法の一部を改正する法律が成立いたしました。それは、慢性病などを抱えた高齢者や急性期の治療を終えた高齢者が長期に入院する療養病床は全国で38万床あります。介護保険を使う介護型が13万床と、医療保険を使う医療型が25万床とに区分されているが、そのうち厚生労働省は、6年後の2011年、平成23年度末には介護型は廃止し、医療型も15万床に削減するとなっており、実に28万床が廃止になるわけです。医療の必要度が低いのに家庭の事情などで入院している患者を減らして、医療費を抑制するのが今回の医療制度改革のねらいであると思います。
ちなみに、平成16年度の国民医療費は32兆1,111億円で、前年度の31兆5,375億円に比べて5,737億円、1.8%の増加となっております。そして、国民1人当たりの医療費は25万1,500円で、前年度の24万7,100円に比べ同じく1.8%増加しております。また、国民医療費の国民総所得に対する割合は8.89%、前年度は8.80%となっております。なお、平成17年度、昨年度の国民医療費の概算は約32兆4,000億円とお聞きしております。
そこで、7月からはこうした入院患者への診療報酬も大幅に引き下げられたため、収益が悪化しての閉院や入院の制限などで退院を迫られる患者さんも出始めたと言われている。また、厚生労働省では、医療の必要度が低い患者は介護保険の老人保健施設や在宅などに移ってもらおうとしているが、全般的に現在の老健施設や在宅医療では受け入れは難しいと言われております。そして、在宅で療養できるかどうかは、患者の重症度ではなく、どんなに軽くても本気で介護する家族がいない患者は、在宅での治療を断らざるを得ないのが現状であります。
そして、療養病床には、もともと家庭の事情で自宅に戻れない社会的入院患者の受け皿として厚生労働省の主導で整備されてきた経緯があり、そこで医療費がかかるからやめるでは説明にならない。そして、削減するなら新たに受け皿を用意すべきだと思います。
また、各地の保険医協会が療養病床を持つ医療機関を対象にした調査では、医療の必要度が低い入院患者でも、独居や老夫婦だけの世帯で介護力がないなどで7、8割は退院させられないとの答えだったと言われております。それぞれの協会では、受け皿がないまま退院させられる患者は療養難民になりかねないと訴えております。
そこでお伺いいたします。本年7月26日の新聞にて、全国自治体首長アンケートの結果では、療養病床削減には約6割、56.9%の自治体が反対であり、理由は、退院後の受け皿が不十分で行き場を失う高齢者懸念となっております。今度の医療制度改革において、診療報酬、療養病床の大幅削減によって、先行きに見切りをつけて病院を閉めたり、療養病床を廃止したり、一般病床へ転換するなどの動きも各地で急速に広がっており、地域医療への深刻な影響が危惧されている現状を見て、この大きな課題に対して今後どのような取り組みをお考えなのか、さらに今後6年の間でどのように介護保険制度が推移予想をされておられるのか、安念市長の考え、御見解をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念鉄夫君) 井上議員にお答えをいたします。
冒頭に、気象条件から、反社会的な行動があちこちで起きているということで、市に対しても警鐘を促されたのではないかと思っておりまして、この点につきましては十分配慮をしてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
介護保険制度の改革について、随分よく調査をされての御質問であります。私に解決しろとおっしゃっても、一つも解決できません。私の意見を少し述べさせていただくということで御理解をいただきたいと思います。
確かに、介護保険制度の改正では予防重視ということでございます。それは大変私はいいことだと思いますし、要支援1、2の皆さん、それ以上に要支援の重度を重ねるというのは、できればやっぱり予防することによって生活機能を維持してもらう、それが何より大切だと思います。したがいまして、この指針につきましては、私も、体力の機能向上であったり、あるいは栄養改善であったり、口腔機能の向上であったり、そのようなサービスについては市役所も介護保険組合と提携をしながら進めることが大切だと思っておるところでございます。
したがいまして、本年4月に地域包括支援センターを組織いたしまして進めておるわけでございます。ここでは、それぞれのプランを作成いたしまして、それらの今申し上げましたサービスを提供してあげるということでございます。今、6名の体制で行っておるわけでございますが、高齢化の上昇によりまして、さらに人員を拡充しなければならない、そんなことなどを今思っておるところでございます。先ほど職員管理の問題で申し上げましたが、一般職等については事務の合理化で少なくしますが、これはもう相対して対話をしながら、よく話を聞いた上でのメニュー設定をしなければいけませんので、どうしても職員が必要になってまいります。したがいまして、課題としては、包括センターの充実を図りたいと、このように思っておるところでございます。
なお、もう一つお願いしたいのは、高齢者の方々は割と遠慮がちであります。一生懸命PRしておりますけれども、地域の皆さんの御協力をいただいて、ぜひ予防の措置につきましてPRしてほしいと。一生懸命広報で活字で書いておりますけれども、お年寄りの皆さんは、難しいのかどうか知りませんけれども、あまりお読みにならないんですね。それよりも、民生委員の皆さんとか、あるいは今あちこちでボランティア活動がございますけれども、そういう意味で啓発、口コミの啓発ですね。おばあちゃん、どうしているのという、そういう訪問活動など、これは市の職員だけでは手が足りませんので、ぜひ皆さんに、民生児童委員を初め、ケアのネットワーク化をして、そして参加をしてもらう。そのことも私は課題だと思いますが、ぜひ市民運動、市民活動としてお願いいたしたいと、このように思っておるところでございます。
幸い、健康センターも充実しておりますので、それらについての対応もいたしました。もちろん、今申し上げました包括支援センターが中心になりますが、そういう意味で進めさせていただきたいと思いますし、なおまた、今ございます庄東センター、あるいは苗加苑、今度新しくできます北部苑も、そのような体制づくり、今指定管理者でお願いしておりますけれども、指定管理者の皆さんも、こちらと連携しながら、今申し上げましたケアネットワーク等々を構築することによって、多くの皆さんに参画していただけるんじゃないかと、このように思っております。根本は、高齢化が抱えております家庭とどううまくタイアップするか、密着するか、そこに私はあるような気がいたしますので、そのような体制づくりで進めさせていただくことが大切ではないかと、このように思っております。運営上の課題はまだまだあろうかと思いますが、そんなことを今私は思っているところでございます。
それから、次に、地域の創意を生かしたよい制度づくりはないかと。今少し申し上げましたが、皆さんに来てもらうための連絡調整、そういったものの必要性なども申し上げたところでありますが、もっと包括支援センターも拡充、強化をする、そういうことなども一つございます。もう一つは、4月に今できました。特別、市長への手紙等で苦情は聞いておりません。かえって連絡を受けましたという話は来ておりますが、ただし、十分に私は定着していないと思います。したがいまして、この制度についてのPRをよくして、そしていろんな御意見も賜って、それで、よい制度というよりも、そういうことがまず先ではないかと、このように思っておるところでございます。広く社会にだけ依存するわけではございませんけれども、各地区で福祉推進員なども今できたようですね。大変ありがたいことだと思います。そこで、今申しましたケアネットを立ち上げて、どんどん申し入れていただきたいと、このように思っております。
なお、これまでもやっておりましたけれども、緊急通報装置、こういったものも少し考えなきゃいけません。あるところでは、コンピューターに向かってボタンを押せばどうのこうのということで、どこかの町村でやられたようですが、年寄りにボタンを押せと言っても、なかなか難しい話であります。せいぜい柱の横にあるベルぐらいが、それをコンピューター化するという議論もあったようですが、聞くところによると難しいようでありますので、そういう意味での緊急通報装置なども考えなきゃいけないと思います。といいますのは、今、老夫婦、ひとり暮らし、それが増えてきているんです。ただし、この人たちは、大変失礼だけれども、少し痴呆性が上がってまいりますから、何度か教えてもなかなか困難。やっぱりこれは、通報装置があっても、人との接触、それしかないのではないかな、こんなことを思っておりますので、皆さんの御協力を賜りたいと思っております。
なおまた、予防することによりまして介護度が上昇しない、そのことによって経費も実は安く上がるわけでありますから、それらを含めまして、また皆さんの知恵もかりまして、市長、何かよい制度をつくれということですが、そのようなことが今思い浮かぶだけでございます。また御指導をいただければありがたいと思っております。4月からのスタートでございます。今、分析をさせておりますので、これらを整理いたしまして、新しい制度があれば、その制度を立ち上げてまいりたいと思っております。
それから、保険料の問題であります。
保険料というのは、精神的にはみんなで助け合う、そういうことが趣旨になっておりますから、今40歳からちょうだいをいたしております。中には20歳、成人になったらちょうだいすればどうかという話もあるわけであります。
ただし、これには幾つか問題が出てまいりました。一番問題の多いのは、国民年金の掛け金が物すごい滞っておると、また問題も起こしておるわけですが、そんな状況で本当にいいのかどうかというのが一つあります。これは、今の若い人たちにもう少し理解をしてもらわないと、なかなか20歳からというのは難しいのではないかという議論が一つあったわけでございます。
それから、もう一つは、若い人たちは、おれはいつ障害者になるかわからん、そんなことの判断を今からする、そんなことでお金は出さないというような状況も、アンケートを見ますとあるんです。
もう一つ、その裏には企業側、これは反対なんですね。経営者協会を初め、日本の財界がみんな会社控除の立場に立って反対するんですよ。今、年寄りその他については年金から差し引きますから、ほとんどといっていいぐらい来ます。ただし、段階の段階では、その差のある人たちについては直接もらいます。これをもらうときには、やっぱり企業で給料をもらうときにもう差し引かれにゃいかんと、その提案なんです。企業側は実は反対なんです。だから、みんなで助け合おうというのは、やっぱり企業側が理解してもらわないと、これはできないわけです。ほとんどの皆さんは企業の代表者ばかりですが、皆さんはもしこうなったら協力してもらわにゃいかん。ただし、その気があるかどうか、これは問題だと私は思う。
したがいまして、砺波市の現状では、今の40代からの引き落とし、保険料からちょうだいする。なぜかといいますと、砺波圏域、南砺市、小矢部市、砺波市、今一番安いんですよ。おかげさまで3,700円、富山県平均だけで4,460円ですから、まだ高いところは5,000円のところもあるんですよ。その点では、砺波の今のやり方で、保険料も安いんですから、何とかいけるのではないかと、私はそう思っております。ただし、みんなで助け合うということになりますと、まだまだ介護料が上がりますから、それはその時点でやっぱり国が考えなきゃいかんと思うが、いずれにしてでも、そういう議論があったことを申し上げておきますが、私は、砺波市の今の段階、理事長としての考えは、現状のままで砺波の場合はいいのではないかと。これは、合併しますと高くなりますよ。福岡町が3,700円だったのが、高岡へ行って5,000円払わなならん。私に文句を言った人がある。介護保険だけ砺波でまぜてほしかったと言う人があるんですよ。その意味では、個人主義的な物の考え方かもしれませんが、砺波の場合、本当に皆さんに協力をしていただいて、これを今有効に使っておるわけでございますので、現状の体制でいいのではないかと、保険料等についてはそのように思うところでございます。
さて、次は大問題であります。医療制度改革についての療養病床の削減であります。これは厳しい。腹立たしいくらいであります。御意見のとおりだと思う。療養病床を6割に削減する、医療型は4割に削減する、介護型は全廃するという法制度なんですよ。厚生労働省の皆さん、頭のいい人が役所を握っておりますけれども、現状を知っているのかどうか。その法案を通した政府・与党、本当にわかっておるのかどうか、腹立たしいくらい。療養型は全廃ですよ。けしからん。この壇上で私は申し上げます。こういう措置が本当にまかり通るのか。井上議員が立腹ですけれども、私は担当者として腹立たしい気持ちでございます。
少し細かくなりますが、砺波市では療養型病床群が4病院あります。医療型病床が188床、介護型病床が207、合わせて395、砺波市の利用者は190人、一方、市外の療養型病床群を含めて、療養病床を利用しておる砺波市の方は276人、現実におられるんです。それを6割なくする、4割なくする、全廃をするということになると、皆さんどうだと思う。こんな条例、法律が通ったわけですから、もう腹立たしいわけであります。だから、単純に計算しますと、6割の165人が退院をしなきゃいけません。追い出されるわけです。好きで退院するんじゃないんです。
そのことを考えるときにどうするか。市町村は直接市民との対話なんです。国や県は、この法律や条例に基づいて、お金がないからという、そういう意味でやるんでしょうけれども、今設置している病院機関、これも大変だと思うが、何よりも人の命を預かる市町村が大変なんですよ。そのことを皆さんも御理解いただきたいと思う。
このような実態については、市長会等を通じて、特に都会の市長さんたちはそんなことを考えないんですね。ぜひそういうことを訴えていきたいと思いますが、ただ、これをカバーするときには黙っておりませんので、24時間体制を、この介護者を何かしなきゃいかん。その意味では、救急医療体制といいますか、介護診療体制というのは何か考えなきゃいかんなと、そう思います。法律で通ったんですから、病床を出なきゃいけません。そうすると、そのような体制を末端市町村でも考えなきゃいかんのかなと、私は今一人でそう思っております。
そして、皆さんに御協力をいただいて、この体制をしなきゃいかんと思う。ただし、今介護型で入っておられる例えば痴呆症の皆さん、あんたは少し軽いから、介護度5と4の皆さんが残って、3、3にしたって痴呆症の皆さんがおられる。家庭へ帰り、ひとり暮らし、老夫婦であったら、また社会的問題が私は出るような気がする。その意味で、24時間体制の在宅療養支援をするような、そういう場を考えなきゃいかんのではないかなと。もう少し時間がありますよ。時間がありますが、できれば現在の設置をされている設置者、あるいは医療機関とも提携をしながら、何か考えなきゃいかんのではないかと。何か県の方も、私どもが文句を言うものですから、療養病床関係の調査をするということを言ってきておりますが、どんな調査をするのかわかりませんが、そのようにしてこの転換に対する取り扱いの調査をしたいと、このように言われております。これは全国一斉ですから、こんなことも膨大な経費がかかるはずですよ。
そのことを思うときに、何でこんな法律が通ったのかな、代議士の先生方は本当に知っておるのかなと私は思っております。小泉改革というのは、その意味で私は悪政だと思う。あなた方は私に対する反発もあるかもしれませんが、これ一つ見ても悪政だと私は思う。皆さん、どうでしょうか。怒りを感じてほしいと思うし、市場経済で、今日で負け組と勝ち組があるんでしょう。ただし、福祉については、慈善的経済理念を持つべきだと。助け合いの精神を持つ、そういう経済でなきゃいかんわけですよ。経済優先だけでこの日本の国は回りません。私はそれは断言しておきたいと思う。そういう意味で、市長会でも私はこれからそのことを要求し、追及していきたいと思います。ぜひ皆さんのお力をかりたいと思っております。
少し雑駁で、あまり整理しておりませんけれども、私のお答えといたします。以上であります。
◯議長(江守俊光君) 7番 稲垣 修君。
〔7番 稲垣 修君 登壇〕
◯7番(稲垣 修君) お許しをいただきましたので、通告に従い、市政一般について質問並びに若干の要望、意見を述べさせていただきます。
質問の前に、全国での後を絶たない飲酒運転事故、先ほど井上議員も触れられました。8月25日には、福岡市職員の飲酒運転による追突事故により一家5人が海に転落し、両親は救助されたものの、1歳、3歳、4歳の幼い3人の兄弟が水死という痛ましく悲惨な事故は、いまだ記憶に新しいところであります。母親は、真っ暗な海中に4度も潜り、幼い我が子を必死に探したとのことであります。加害者には、道路交通法違反の中でも最も重い危険運転致死傷容疑の適用も検討中とのことでありますが、今回の事故事例を決して福岡市のことと黙認されることなく、砺波市においても一層の綱紀粛正の機会になればと願い、本題に入らせていただきます。
さて、今回は、地方分権改革の推進とあわせて、三位一体改革について基本的な視点からお尋ねをいたします。
もとより地方分権改革は、国と地方自治体の関係を上下、主従の関係から対等、協力の関係に改めるのを目的に、2000年4月、地方分権一括法が施行されてはや6年、実際改革はどこまで推進されたのでしょうか。思うに、法制度上では変わったとの認識は感じられるものの、地方にできることは地方に、自分たちの地域のことは自分たちで決めるという地方分権の理念に近づいたとはとても言えない状況であります。
また、三位一体改革では、3兆円の税源移譲は実現したものの、地方交付税の大幅削減、国庫補助負担金の多くは廃止が見送られ、依然として国の強い関与が残っており、自治体の財政運営は一段と厳しい状況が予測されております。
御承知のとおり、本年6月、地方六団体は政府に対し地方分権の推進に関する意見書を提出し、新地方分権推進法の制定、そして国と地方の協議の場を法定化する地方行財政会議の設置、また地方交付税にかわる地方共有税の創設、国庫補助負担金の半減等々の7項目を提言いたしました。経済財政運営の基本方針を定める骨太の方針2006に反映させるねらいでありましたが、閣議決定で分権一括法の見直しは盛り込まれたものの、地方行財政会議、地方共有税、補助金半減などのほとんどが見送られ、地方は財源の分権が容易でないことを改めて思い知らされたのであります。
なお、総務省が打ち出した人口と面積を基準とする新型交付税は、交付税の算定方法の簡素化自体は悪いことではありませんが、広大な面積の北海道や大都市が増額となるような地域間格差と自治体間格差をますます大きくする新型交付税は到底容認できるものではありません。
このように大変厳しい地方財政環境のもと、安念市長には日々市政運営においての御苦労もさぞかしと御推察申し上げますが、地方の自立と責任を確立する真の地方分権改革への市民の期待は大きく、今後とも砺波市の代表者としてさらに地方の声を強く国、県へ提言していただきたく、まず現状認識と今後の方向性について安念市長の御所見をお伺いいたします。
次に、平成の大合併が一区切りした本年の5月から6月にかけて、全国自治体の首長アンケートが実施されたところでございます。内容は全体で18問にわたるものでありますが、私自身関心の高いものについて一部触れさせていただきます。
今後の自治体存続についての設問では、少子高齢化や厳しい財政事情を背景に、全国の市区町村長の91%が今後の自治体存続に不安を感じているとの結果でありますが、その中でも、人口5,000人未満の自治体で97%が不安を感じているとの結果は理解できるものの、人口50万人以上の都市部でも73%の割合で不安感、危機感が強まっているとの結果は意外でありました。
特に、合併先進県となった富山県では、知事と市町村長の16名中15名が将来の存続に不安を感じていると回答し、理由としては、「高齢化が予想以上のスピードで進み財政を圧迫」がトップであり、次いで「少子高齢化や若者流出で人口減少が進む」、「地方交付税の削減で財政運営が厳しくなる」などが挙げられております。なお、不安に感じていないとの回答者1名は、関心の高いところでありますが、残念ながら不明であります。
また、官から民へ、国から地方へを掲げた小泉構造改革の影響に関しては、「どちらかといえば」も含め、「悪い方向」との回答者が9名で、「どちらかといえばよい方向」との回答者6名を上回っております。悪い方向とした理由のトップは「地方分権は国が言うほど進んでいない」に対し、よい方向の理由は「地方分権が前進した」が多く、結果としては分権に対する認識に大きな温度差が見られ、この点も意外に感じられました。
今回のアンケートは、行政と市民との相互認識をさらに深める意味でも大変よい機会ではなかったかと存じますが、安念市長には、全国1,884名の回答者のお一人でもあります。将来の不安感に対する払拭も期待し、アンケート結果についての御所見をお伺いいたします。
さて、今定例会に、砺波市が目指すべき向こう10年間のまちづくりの基本方針となる新砺波市総合計画の基本構想議案が提出されております。特に市民参画、そして市民や地域と協働のまちづくりを目指した計画となっており、5つの基本方針、また施策大綱も、個人的には高い評価をいたしているところでございます。
問題は、向こう5年間の前期基本計画に対する財政計画であります。前期基本計画の目安となる概算事業費は約990億円と伺っております。財政見通しも、現行の税財政制度がベースとなっており、今後の景気動向や三位一体改革等の諸制度の改正により大きく変動する要素を含んでいることは無論承知いたしております。基本計画に対する財政計画につきましては、大変苦慮されていることと存じますが、今後の見通しにつきまして、堀田議員の代表質問と重複をいたしますが、安念市長の御所見をお伺いいたします。
最後、教育長にお尋ねをいたします。先ごろ、公立小中学校教職員の人事権を市区町村に移譲するとした中教審の答申に対し、富山県では、富山市を除く県内14市町村の教育委員会で、「小さな市町村では優秀な教員の確保が難しい」、また「人件費など新たな財政負担への対応が困難である」、また「人事のノウハウがない」などの理由で、当面は移譲について受け入れられないとの姿勢でありますが、現況において、財源の手当ても提示されないことも初め、多くの問題点があることは承知いたしておりますが、より地域の実情に合った教育の推進、教育行政に対する地方分権改革の基本的な方向性は間違ってはいないと私は思います。将来に向けて、広域圏を含め、前向きに検討すべきと考えますが、現状での問題点を含め、今後の方向性について、堀田教育長の率直な御所見をお伺いし、私の質問を終わります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念鉄夫君) 稲垣議員にお答えをいたします。
初めに、議員御発言の交通事故等について、先般の福岡市で発生しました3人の子どもさんの命が一度に失われた大変痛ましい交通事故でございます。市職員の飲酒運転が原因とのことでございます。まことに残念なことでありますが、当市では機会あるごとに職員に対し交通安全の徹底について注意を喚起いたしております。事故を他山の石として、不幸な事故が発生することのないように、先般の会議でも改めて職員に周知徹底をいたしたところでございます。十分御意見は配慮してまいりたいと思っています。
さて、地方分権の推進と三位一体改革に対するお尋ねでございます。私の現状認識とその所見についてでございます。
述べられましたとおり、地方分権改革は、1993年に国会が、ゆとりと豊かさを実感できる社会を築くためには地方に頑張ってもらいたいと、それが第一の目的であったわけです。そして、地方分権の推進に関する決議が始まり、その後、5次、6次という形での協議がなされまして進められてきたところでございます。
これで出てきたのは町村合併、そして財政的には三位一体。地方分権改革と連動しないとは言いませんが、国家財政と結びつけて三位一体。町村合併は、少し力をつけるために合併をすることによって、市民との話し合いもしっかりできるのではないか。もちろん、村や町ではできないことはないと思うけれども、舞台が小さいよりもでかい方がある程度話し合いもできるというような観念もあったように思います。それはそれとして、地方分権の1つのあり方だと思いますが、ゆとりと豊かな地域社会をつくるために地方分権というのはスタートしたんですよ。ところが、三位一体、地方の豊かさを感ずる、そういう制度なのかどうなのか、私はいささか疑問に思います。
また、議論の中に、ずっとバブルで成長を優先してきたわけですね。ところが、そうじゃない、生活重視をして、そのときには国でなくて地方に任せろと、それがまた柱の1つだったんです。私はそのとおりだと思う。そのような政策転換をすべきだと思う。したがいまして、ゆとりが実感されるということでは、生活重視という、そういう視点を持たれたということについては私も理解をするわけですが、さてどうでしょう。都市と地方の格差、労働階層との格差、今お話もございましたように、昨今の青少年の非行、犯罪、裏には自殺の問題が頻繁に起こっておるわけでございます。それを見るときに、この地方分権のスタートしたときのねらいと今は逆になっているような気がしてなりません。
ただ、批判するだけではなくて、市町村もしっかりしなきゃいかんと。その地方分権一括法が出る精神はやっぱり大事に私はしなきゃいかんと、こう思っておるところでございます。特に、市民を直接私どもが対応するときには、生活重視、そして福祉優先をやっぱり考えなきゃいかんと思う。
そこでの三位一体、普通の人はよくわからないと思う。1つは、交付税を切ろうかと。補助金、負担金を切ってもいいんですが、それに見合う財源の移譲、これは十分でないわけですね。そこのところをもう少し皆さん議論をしてやらなきゃいかんと思う。だから、分権のスタートの趣旨は私は理解できますし、稲垣議員も御理解をいただくと思いますが、市民と直接対話をする市町村行政としては移譲しなきゃいけません。
ところが、どうですか。財政で首を絞める、制度で首を絞める、介護保険に至っては病院もなくする、その枠締めが実はあるわけでございます。財源も移譲してくれない、そういう問題もある。その意味で、私の所見としては、少し方向が違っているんじゃないかと。最初のスタートと生活重視の考え方、それをベースに置いたら、こんな制度は私は出てこないと思う。少し違っておるのではないかと、私はそう思っております。
ただし、今申しましたように、そういう論評だけじゃなくて、本当に毎日私ども市民との対応ですから、国に対する批判は批判としてでも、そのことを大事にして今やらなきゃ市民が困るわけですから、そのことに十分意を結んで、一括法が出た提案の原理原則を守って市民と対応していきたいと、私はそんなことを思っておりますので、またお力添えをいただきたいと思っておるところであります。
それから、首長アンケートでありますが、私もアンケートに参画いたしました。専ら、今の制度に対する批判的なお答えをしました。それが現実ですから。うそ隠しいたしません。高齢化でしょう。財政負担の増でしょう。今おっしゃったとおり、少子化時代を迎えているんでしょう。そして、うちは人口増加ですが、富山県を初めとして、みんな人口減少でしょう。そうすると、今の制度にいいか悪いかといったら、全部バツですよ。率直に私申し上げております。名前は書いていなかったようでありますけれども、そのように思っております。そして、やった構造改革は、私に言わせると郵政だけですよ。これも悪法だと思う。そのことを踏まえて、全部批判的な三角を書きました。率直に申し上げておきます。私は、稲垣さんも批判されておりましたが、そのように感じましたので、率直に申し上げたいと思う。
そして、もう一つは、都会の皆さん理解をしていただきたいんです。視点を変えますと、地方は食料をつくっているんですよ。いい空気をつくっているんです。そして、いい水を送っているんですよ、地方は。そのことを都会の皆さん、経済成長かどうか知らんけれども、あの人たちはそのことを忘れているんじゃないか。石原知事を初めとして、都会の皆さんに私は反省をしてほしいと思う。その意味で、地方が安定しなければ、私は食料や空気や水、しっかりと供給できないと思う。そのことを含めて考えなきゃいかんし、その意味で都市と地方との格差、これはやっぱり解消しなきゃいかんと思うし、地方に対する財政支援もしなきゃいかんと思う。そんなことなどを私は思っておりますので、このような考え方で私は積極的に対応してまいりたいと思います。
私は、地方だからとのぼせておるわけじゃない。現実を申し上げている。だから、私は市政にも、環境を大事にしようというのがそこにあるんです。そのことも踏まえてこれから対処してまいりたいと、このように思っております。私の所見を述べよということですから、ちょっと大げさになりましたが、御理解をいただきたいと思います。
その次は、総合計画の財政計画であります。堀田さんの代表質問でお答えをいたしました。新市まちづくり計画を立てるに当たりまして、職員間でいろいろ議論しました。専門家の意見も聞きました。県庁の示唆もいただきました。そして、合併協議会でいろいろ議論をしていただいて、そのことが両議会でも認知をしていただきました。そのことを基本にして財政計画を立てておるわけでございます。
ただし、制度が少し変わってまいりました。そのことも堀田議員への答弁でお答えをしたわけでございます。一般的に税収を考え、あるいは交付税のことも考え、それから公共投資のことも考え、皆さんで考えていただいた大型事業ももう大分進めさせていただいておりますが、平均して一般会計だけで約200億というのは、そういうところから出てまいりましたので、ここ5年間はそれをベースにしていきたいと、このように思っております。
なお、景気動向がございます。景気が今は浮揚しておるところですが、ガソリンの値上げ等々においてどう影響するのか。また、景気の動向によっては、いわゆる法人市民税の値上がりがあったり値下がりがあったりします。そのことによって、給料もベースアップがあったり下がったりしますので、景気動向をどうにらむかということ。それと、もう一つは、これはやむを得ないことでありますが、政府が発表いたします地方財政計画がございます。これは、いろんなデータからシミュレーションをして出すわけであります。その方向性をどうとらえるか、その中身を分析して、投資はどれに力点を置いて、どこにどうして、この借金はこれでいいのかどうか、少ないか多いか、そういうことも判断をしながらいかなければならない。そして、財政運営に寄与していかないと、どこかのような公共的団体が倒産するようなこともなりませんので、そのことをよく考えて対応してまいりたいと、このように思っておるところでございます。
稲垣議員さんからは、地方自治の根幹にかかわることを申されましたので、私の思いを申し述べて、私からの答弁といたします。以上であります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田良男君) 稲垣議員の中教審の教員人事権の移譲、この答申についてのことでございます。
教職員の人事権については、昨年10月、中央教育審議会において、中核都市を初めとする一定の自治体に人事権を移譲すること、また移譲に伴い、都市部と離島、山間部等が採用や異動において協力し、広域で一定水準の人材が確保されるような仕組みを新たに設ける、こう答申されてきたわけであります。現在、文部科学省において、中核市、富山県では富山市ですけれども、富山市へ人事権の移譲ができないか検討されております。
そのことに関して、県下の市町村教育委員会の意見交換会が数回にわたり実施されました。その結果が先刻報道されたものでありますが、富山市を除いて全市町村は移譲について反対でございます。現在の県費負担教職員制度は、広域で人事を行うことで、県下全域を通して適材を配置して、教職員の能力を発揮させるメリットがあります。特に本県では、そのことが確実に現場にあらわれて、教育県富山をつくり上げてきたことは歴史が証明をしております。
ところで、人事権を市町村に移譲した場合、財源問題、議員御指摘のとおり財源もさることながら、まだ問題があります。教職員の採用や異動、研修などの事務というのは、これは大変なことでございます。現在の市町村の教育委員会事務局の能力では、それを処理することにはさまざまな問題があります。
しかしながら、教職員の人事権の市町村への移譲は、稲垣議員御指摘のとおり、地方分権時代の潮流であることは確かなことであります。そこで、砺波地区3市の教育委員会では、段階的に人事権が移譲をなされてくるものと、そういうふうに認識をしまして、3市で一体的で広域的な人事異動についての作業チームをつくりまして、そして現在検討に入っているところでございます。
以上でございます。
◯議長(江守俊光君) この際、15時10分まで休憩といたします。
午後 2時59分 休憩
午後 3時10分 再開
◯議長(江守俊光君) 休憩前に引き続き会議を開きます。市政一般に対する質疑を続行します。
6番 福島洋一君。
〔6番 福島洋一君 登壇〕
◯6番(福島洋一君) 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い質問させていただきます。
まず、提出済みの通告書の質問要旨の1、公共工事等の公正な入札制度の確立についてでありますが、「公正」を「公平」に直してやってほしいというふうに思います。
安念市長の市政運営の基本に掲げております市民の目線での市政運営の行動がなされているか、いささか疑問を持つものであります。三役及びすべての職員の皆さんが、自分の立場でおのおの一生懸命市民サービスに努められておられますことを深く感謝申し上げます。これは、一部の部署だけの問題かもしれません。しかしながら、たとえ1人の行動であってでも、その影響を受けた方はそうは言いません。砺波市役所の対応は、どう思って対応しているのかわからないというふうに言います。先ほどから井上、稲垣議員からも発言がありました、最近世の中を騒がせているいろいろな事件、事故の報道を見ましてでも、一部の人のことでありますが、公務員がまたかというような印象を与えております。このことと同じように皆さんが思うということであります。これらのことから問題点を引き出し、あえて申し上げにくいことを、砺波市民が幸せになってほしい一心で述べたいと存じます。
まず、公共工事の公平な入札ができる制度をであります。
東部小学校、般若幼稚園の件を顧みてであります。
公共工事とはどうあるべきかであります。民間の工事とは根本的に違うものであります。それは、不特定多数の方が公共施設として活用し、市政のコンセプトがあり、市民が夢を持って使用できる施設であり、ゆとりと荘厳さを感じられる施設のはずであります。それに対し、民間工事は、施設運営に対し最低限の設備が取りそろえられ、時には設計変更もされ、機能重視の採算性を図った価格で工事が施工されるものであります。航空機に例えますと、旅客機と軍用輸送機のように、根本的に意味合いが違っております。
しかしながら、公共工事にしても、行革のこのとき、かつ湯水のごとく予算を使うわけにはいきません。平成17年4月1日に施行されました公共工事の品質確保の推進に関する法律では、公共工事の品質は、経済性に配慮しつつ、価格以外の多様な要素も考慮し、価格及び品質が総合的にすぐれた内容の契約がなされることにより確保されなければならないと規定されております。
それと同時に、自由競争のもと、砺波市内の施工業者が平等で公平に入札に参加ができ、業者が持てる力を存分発揮し、しっかり管理された設計図書、施工計画、工程管理、安全管理、品質管理された中で工事を遂行することが公共工事であろうと思われます。市内の業者、その従業員、その家族の生きる希望を与えることも、砺波市として公共工事の地域発展に寄与する大きな意味合いがあるはずであります。また、そのために公共工事が存在するわけであろうと感じておる一人であります。
東部小学校では、プレキャストコンクリートが使用部材として選定されております。般若幼稚園では、集成材が使用部材に指定されました。プレキャストコンクリートは、1、工場生産のために品質のばらつきが少なく、高品質で安定した製品ができる。2、高品質のコンクリートで、かぶりを小さくすることができるため、部材の断面の減少が図れる。3、製造した製品を用いて荷重試験が実施できるので、直接製品の品質を確認できる。4、現場での養生が不要なので、工期の大幅な短縮が可能である。5、現場での建設工事の機械化が容易であり、作業員の減少が図れるなどの長所がありますが、反面、製品重量が大きいために、輸送量及び輸送範囲が限られるという短所もあります。また、集成材におきましても、その利点は、再生産が可能な木材は地球環境にやさしい資源として脚光を浴び、また単位重量当たりの強度、防火性能、断熱保湿性、吸音効果、調湿能力などすぐれた特性を有しており、集成材はその木材を科学の力でよりすぐれた品質に仕上げ、木ならではの長所をパワーアップした画期的な建築材料であるそうです。
この夢のようなすばらしい構造材でありますが、プレキャストは県内に1社も製造工場がありません。集成材は、県内に2社、石川県に1社しか製造工場がありません。したがいまして、製造工場の特異性により、入札業者の力かげんで製品の流通がなさざるを得ない現状であります。ここが問題であります。設計者のすばらしい発想で提案なされた最新の部材でありますが、砺波市内の業者規模では融通のききにくい部材であり、とても公平で平等な競争に参加できないのが現状であると推測されます。
少なくとも般若幼稚園の現状を見ますと、入札辞退のこと、行政サイドでは何事かと怒りの声が上がっておるとお聞きしております。私たちも問題があると存じております。ただ、一方的に業者がなっていないだけで済まされる問題ではないと存じます。2回目の入札でも辞退の業者がいること、理由は人の手配の問題であったそうですが、1業者ならわかります。複数の業者も同じ理由で辞退されていても、まだ業者の積算に問題があると唱えること自体が問題意識の欠落でなかろうかとあえて申し上げます。
公共工事の本質は何か、原点に返り、設計、入札のあり方を考え直すよい機会でなかろうかと思います。少なくとも市内の事業者が、前にも言いましたように、正々堂々、平等に資材が購入できて、すばらしい工事が完成できる環境をつくることが大切で、砺波市の規模に応じた設計、建築材の設定で公共工事が遂行されるべきで、何も背伸びした構想は不要だと思うものであります。業者も生活があります。民間工事と根本的に違う公共工事のあり方を考える時期であると思い、また公共工事はただ安くできればいいだけの工事ではないと思います。
そのほか、砺波市にはたくさんの物品購入があります。砺波市商工業者からの購入に関してでも同じように、ただ最低価格だけで決定してよいものであろうかと疑問に思います。市内業者の入札価格が高かったので、市外の業者から納入させておりますだけで物事が通ること自体が問題であろうと思います。他の市町村においては、市外業者の入り込む余地がない地域があるというふうに聞いております。
例えば、車検一つ取り上げてみましてでも、市役所独自の安い価格で行われていると聞きます。砺波市は車両の数が多いので、特別価格が出るのかもしれませんが、職員の命のかかわる公用車が安いだけの車検でいいのかと疑問に思います。また、検査後長い時間を置かずに再整備に出ていることもあると聞いております。一般の私たちの感覚では、車検から次の法定点検まで、特別のことがない限り整備工場に入れなくてもいいように整備するのが車検であると私は思っております。
砺波市外の業者がただ入り込むためだけに、いろいろな物品の最低価格の表示を行います。商売の新規進出の当たり前のことでありますが、目的を達成しますと、もうその価格では納入できませんと断ることが市外の業者はできます。しかしながら、砺波市内の業者は、砺波で生活、活動しておりますので、後で逃げ出すことができません。長続きできる範囲で物品納入の入札に参加していることの現実を見極める必要が絶対にあります。公共工事、物品納入を問わず、一生懸命市税を納めている砺波市の事業者をもっと盛り上げる施策の必要性を感じます。安念市長も、9日のとなみ産業フェア、パワー博2006をごらんになり、そのように感じられたと存じます。市内の事業者、店は、市民全員で盛り上げることがいかに大切なことで、市の活性化につながるかを、賢明な安念市長の考えをお聞きしたいと存じます。
次に、市役所全般の窓口業務のことであります。市民課のように、特に不特定多数のたくさんの利用サービスを行う場所は、すばらしく教育がされ、さわやかな印象を持って利用者が感謝しておられると思います。問題は技術系の窓口であります。市民あるいはいろんな業者が申請、相談に訪れたとき、仕方がない、話聞いてやるちゃの態度ではどうかと思います。
例えば、宅地の開発のときであります。市長初め幹部の皆さんは、砺波市の人口増加に期待を込めて見ていらっしゃいます。それは、市の活性化と人口増は元気印の源であるからであります。しかしながら、対応する職員の対応が、他市町村の物事に対する対応の変化があることの現実を理解されているのかどうかわかりませんが、宅地の開発をすると余計な業務が増えて迷惑であるかのような対応で、せっかくディベロッパーが話を向けても、いろいろな条件を押しつけられ、前向きな対応になっていない現状を見ますと、二、三十年前の近くのある市での対応状況と変わらないと言います。それだけに、窓口職員の意欲ある対応をする意識として欠けていると思われても仕方がないのではないかと思います。他の市町村では、補助金出してでも整備、誘致したいと躍起になっているのにと思います。
砺波市の宅地開発に伴う人口増と、すばらしい散居村の田園景観のはざまに挟まれております現状を見ますと、新砺波市総合計画の基本計画にも示してありますが、農村部の住宅供給については、優良農地や散居景観が保全されるよう、宅地開発に対して監視、指導していきます。宅地開発については、土地利用や防災、緑化、都市計画などの面から適切な指導、助言を行いますとなっております。全職員、そのように明確かつ前向きな姿勢で推し進めていただきたいと存じます。
また、市役所の正面から入りますと、各課の案内は確かにございます。しかしながら、一般の市民がその案内板を見て、自分の相談する課は、そしてどの担当で聞いてもらえるかわかりません。生活環境課の窓口が総合案内になっておるのかどうかわかりませんが、もっときめ細かな案内が必要と感じます。職員の皆さんの思いと一般市民の感じる見方に、毎日役所にいらっしゃいます職員の皆さんが当たり前のことであってでも、市民に、まして初めての人にはわからず、戸惑うものであります。
また、対応がきつい、相談しづらいとのイメージが感じられる昨今、全職員が意識、そして理解の徹底をしていただき、今の時代背景、日進月歩進化している社会の流れに乗り遅れないことの努力をしてもらう必要があると感じます。市役所の仕事は、たとえ失敗してでも注意で済むかもしれません。しかし、迷惑するのが市民であります。民間事業所では、会社の存続問題にさえ発展する場合があります。
現代社会はすべてが限界への挑戦であって、できない理由を考えるより、いかにおさめるか、乗り越えるかであります。先日の社会福祉大会で、プラス思考の塊のような考え方をされる成田真由美さんの話を聞かせてもらう機会にめぐり会いました。あの話こそ全職員が聞くべきだったと感じます。自分たちの可能性を求め、議員も職員の皆さんも、今出せる力を出し惜しみせず、市民の目線に立ち、今変わらなかったら市民の本当の叫びを受け入れることができず、市民が世の中から取り残されるぐらいの思いで、自分たちの意識の改革に取り組むべきであります。市の職員は偉いのではなく、行政の仕組み上、皆さんをリードする立場にいることを認識してほしいと存じます。
手書きの文章がワープロになり、パソコンの時代になり、いつの間にかメールになり、ペーパーレス時代が当たり前のようになってまいりました。時代は目まぐるしく変貌しております。私も含め、一番変われないのが自分自身であることを自覚することも大切で、人のせいにしないことの現実が今問われております。甚だ無礼な言い方だったと思いますが、この先10年間の総合計画も出されております。砺波市民の目線とはどうか、砺波市の事業者をどう奮い立たせるか、トップとしての安念市長の思い、願いをお聞かせ願い、質問を閉じたいと存じます。ありがとうございました。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念鉄夫君) 福島議員にお答えをいたします。
初めに、公共工事等の公正な発注制度に関する質問でございます。
随分私に対しての疑問があるようでございます。いろいろ御指摘もございましたが、私はこのように思っております。今、質問の冒頭に、公共工事のあり方については民間と違うんだと。私はそうでないと思う。民間だって、いいものをつくって、どのようにしたのか十分議論してやると思う。もちろん、公共工事は、その皆さんの使う立場、利用する立場、それを考えてやっておりますから、おっしゃるように、そう違うものではないと思う。もちろん我々は、民間的な発想、手法を考えていかなければならないと、このように思っておるところでございます。福島議員は専門家でもございますし、事業家としての意見だと思います。今おっしゃったことは、全部批判されましたが当たりません。私はあえて申し上げておきます。たとえば、出町小学校をつくる時にどうしたか一番よく知っておられるのは、ここに堀田さんがおられますけれども、使用者の意見をよく聞きなさいと。したがいまして、生徒の意見も実は聞いたわけです。もちろん先生、PTA、校区の皆さんに専門家の意見も聞かれると。そして、その皆さんがそれぞれの学校を見学されてきたわけです。それをもとにして、それこそ相当設計屋と議論をしてまいりました。そして、つくり上げたんですよ。だから、福島議員のおっしゃるような物の考え方と、今おっしゃったことに対する批判に対しては、そうではない、適正であると、私はそう思っております。ついては、随分御足労をかけて、少し時間はかかりますけれども、そのように使用者の皆さん、そのことを十分理解をしていただいたわけでございます。もちろん、東部小学校も般若幼稚園も、地元の皆さんそれぞれ、中には専門家もおられました。その御意見も十分聞きました。それこそ市民の目線で対処するということでございますので、その批判は当たらないと断言しておきます。
質問のありました東部小学校のプレキャストコンクリート、長所も述べられました。そのとおりなんです。この工法につきましては、いわゆる授業をしながらの建築なんですね。少しでも騒音を少なくしようと。そして早く、卒業式までに間に合うようにというところで、このことの材料を実は示したわけです。これも、議論の末にこうなったんです。それを理解してほしいと思う。
般若幼稚園の集成材の採用につきましては、長所も言われました。これは、やっぱりぬくもりのある、特に子どもに対してはそういう材料がいいのではないかと。これも議論した上でやったわけであります。それが、遠いの少ないの、業者が少ないの、それだけで片づけられない。使用者を中心にして考える、そういうことであることを理解していただきたいと思うわけでございます。
この集成材については、今少し批判がありましたが、出町小学校も集成材を使っているんですよ。それから、北部幼稚園も使っているんです。それから、皆さん御存じないかもしれませんが、木材を使用する体育館、これは集成材なんですよ。これはスムーズに入ってきているんですよ。それが、業者が少ないから、高いから安いから、運賃がどうたらと、そんな問題ではない。使用者を中心にして議論した上でのものをつくり上げたということで、それはあんた専門家ならわかると思う。こんなことでいちゃもんをつけてもらったら困る。もっと考えてください。ちょっと失礼でないかと、私はそう思います。ぜひそのことを、私の今の目線というのはそういう使用者側に立ったということで御理解をいただきたいし、早くつくり上げてやりたいと、そういうことでそれぞれ採用したということを御理解いただきたい、このように思うところでございます。
なおまた、地方の業者云々と。地方の業者にお願いしたいということで、逆に業者さんからお願いがあったんですよ。これは市民ですよ。市内の業者です。何で辞退するんですか。私にはわかりません。辞退した人の味方をするような発言は困ります。絶対困ります。私はそのように感じておりますので、まだ議論があるとすれば、堂々と別の場で議論をしたいと、このように思っておるところでございます。
したがいまして、物品等々の問題、自動車の問題も出ました。ただし、私どもは特殊なものを要求しておりません。ある程度のスタンダードの問題を言っているんです。業者は、自動車に至っては今十何社ある。全部通知を出すんです。中にはやっぱり辞退もあります。それで競争です。そこで皆さんに入札をしていただいて、発注をしておるわけでございます。市内の商工業者を中心にしてやっております。ただし、特殊車、これも市内に代理店がございますが、どうかすると、市内でない方が特殊車、例えば除雪車とかクレーンだとかありますが、それらにつきましてはやむを得ないものと私は思っておりますので、その点理解をしていただきたいと思います。もちろん、このことについては、会議所、商店街からも要望がございますので、その要望にこたえておるということを御理解いただきたいと思っております。
もう一度業者の問題を言いますと、幼稚園、集成材を使ってずっと来たんですから、私どもは当たり前だと思っておりますが、いいですか、2週間前に通知して、図面も出ているんですよ。議員さんも御承知だと思う。指名委員会でいろいろ議論して、2週間前に図面を出しているんです。2日前に予定価格を発表しているんですよ。何ら一つも、私が聞いたところでは、質問もなければ何もない。異議申し立てもない。それで辞退ということで、その味方になって福島議員が申されるとすれば、これはちょっとおかしいと思う。間違いだと思う。絶対そんなことがあってはならない。しかも、わかった後、皆さんおわびに来ているんですよ。おわびに来た人を、あんた、味方にして申し上げるというのは、全然おかしいと思う。いいですか。そういう辞退なんです。絶対これからしません、悪かったと謝ってきているんですよ。もちろんそうだと思う。本当にこれは制裁をしようかと思ったけれども、そこまで私は考えない。考えないけれども、謝ってこられましたので、それなりに私は黙っておりますけれども、市内の業者の皆さん、ぜひ私どもの意を取り込んで、正々堂々と勝負をしてほしいと、このように申し上げておくところであります。
次に、目線について、窓口業務であります。確かに1人、2人あるでしょう。先般、病院においてでもありました。今、逆に随分評判がいいんですよ。そのように、それぞれ研さん、研修をしていただいて、私の言う目線でひとつ対応してくれということを口酸っぱく申し上げております。この話の中にも私に対する批判があるようでございますが、あえて努力をしておるということを申し上げておきたいと思います。確かに、職員意識の向上というのはまだまだかもしれません。私の努力も不足しておるかもしれません。接遇の態度というのは一番大事なことでございますので、これからも心がけていきたいと思う。
さて、開発行為の問題、これも福島議員と私は反対なんです。堀田議員にも申し上げました。用途地域内、今白地が結構開発されました。白地が開発されるということになると、いわゆる開発制度については審議会を持っています。それは、後々トラブルを起こさないことなんです。今聞いたら、押しつけられた、言いつけられた、ほかのところへ行けばお金も上げておる、こういう話です。私は、開発業者にそんな甘く言ってはだめだと思う。幾つか開発行為をされる。もちろん、水道、下水、公園、そして問題は排水なんですよ。そのまま放置されたら、下流はどうなりますか。今でもやっぱり問題があるんですよ。そのことについてきちっとした基準を持っておりますので、私はこの話は聞いてからなお一層厳しくやる。
そこで、今おっしゃったのは具体的にどこの業者なのか教えてください。襟を正して説明をいたします。どこの業者なのか、そういうことを言って福島議員に告げ口をして、福島議員がそのようにおっしゃるんだったら、堂々と言ってください。私どもの大事な先祖から預かってきた大地を踏み荒らされても困ります。きちっとした開発行為をして、それでも問題が発生するんですから、ぜひそのことを御理解いただきたいと思います。
おかげさまで、今事前調査をさせていただいて、地元の土地改良区、その承諾もいただいております。同意もいただいておる。そんな関係から、今私はトラブルが解消されておると思います。そんなことを思うときに、今、どこの業者か知らんけれども、そのような態度で、うちの方の態度が悪い、それは確かに言っているんですよ。道路4mのものを6mにしなさいと。開発公社にすれば、売れないですから、厳しいとおっしゃるでしょう。ただし、そういう環境をつくらなければ、いい住宅ができないんです。それをしっかりと市民全体の目線に立って申し上げるということでして、私の目線はそこから来ているので、業者の目線ではないんですよ。それをよく理解していただきたいと、このように思っております。
私は、あえて申し上げますけれども、先般当選させていただいてから、愛と融和を申し上げております。1つは、市民を中心にして、市民参画であること、その精神を持ってくださいと。そして、融和につきましては、旧庄川町と砺波、そういう端境をなくして融和をする、一体感を持とうじゃないかと、そういう考え方。そして、職員は全体の奉仕者であると。これは法律にもあるんです。そのことをわきまえるということが大原則だろうと、このように思っております。
いずれにしましてでも、御指摘の点は私はのみませんし、批判はいくらでも受けますけれども、私のやった行為については正しいと確信を持って、これからも堂々と進めさせていただきたいと、このように思っておりますので、御了解をいただきたい。
以上であります。
◯議長(江守俊光君) 10番 飯田修平君。
〔10番 飯田修平君 登壇〕
◯10番(飯田修平君) お許しをいただきましたので、通告に従い、本市総合計画の策定について質問をいたします。
最初に、総合計画を市民総参加型のまちづくり計画として推進する姿勢について質問いたします。
基本構想の中で、総合計画は、本市の将来を展望しつつ、理想のまちの姿を将来像、将来像を目指す上でのあるべき考え方を基本理念として定め、市民にとって住んでよかったと感じられるまちづくりを推進していくための基本的な方針を示す砺波市のまちづくりにおける羅針盤となる最上位計画と位置づけております。まさにそのとおりでありまして、総合計画はまちづくりの最高理念であり、将来像及びこれを達成するための施策であります。
これから本格的な高齢化社会が到来し、情報化・国際化社会、さらに都市計画にかかわる事業の着手、行政需要の高度化、多様化、そして価値観が変化しています。これら社会経済情勢の著しい変化に対応し、新しい時代にふさわしいハード、ソフト両面から調和のとれた地域性豊かなまちづくりを推進しなければなりません。
新市総合計画の基本構想は、平成19年度より28年度を目標年次としておりますが、構想実現のためには、この計画期間10年間、市民総参加型のまちづくり計画として、市民と協働で一体となって推進していくことが最も重要であると思います。まちづくりは、単に1つの部分ではなく、総合的に考え、ありとあらゆる部分から1つの目標に向かって市民も行政も力を合わせていく、そこからわき出る大きなエネルギーの結晶でなければなりません。
まちづくりをどうするのか。例えば、まち全体を1軒の家、我が家と考え、増改築することと同じだと思うと、次々とアイデアが浮かんでくるのではないでしょうか。我が家の玄関は駅前周辺に当たり、お客を気持ちよく迎えるにはまだまだ整備が足りない。応接間は商店街に相当し、玄関からあまり遠くない庭の見える場所につくり、できるだけ広くゆったりとして、装飾品も欲しい。廊下は道路に相当し、できるだけ行き来しやすいように広くしたい。庭は本市に相当し、植木も四季の変化を考え、家族みんな、つまり市民の憩いの場とし、自給の菜園、つまり田畑では良質な食料品をつくり、居間、つまり公民館、体育館を広くし、子どもたちが遊ぶスペースが欲しい。子どもの勉強部屋、書斎、つまり図書館もぜひ必要だと考えると、まちづくりは我が家の増改築のように身近なものになり、家族全員、つまり市民が理解し協力し合えば、楽しみとアイデアで立派な我が家、つまり地域社会が完成することになるのではないでしょうか。
このように、市民がまちづくりを我が家の増改築と同じだと思うためには、しっかりと総合計画を周知していただき、行政と市民や地域の相互関係、扶助協力関係をしっかりと結びつけなければなりません。特に、この家づくりを内面的に支えるためには、行政のプロである職員の皆さんの責任と任務が必要であります。市民と一体となって我が家の設計を、つまりまちづくり構想をいかにやる気を起こして士気を高めるかにかかっていると思いますが、いかがでしょうか。
また、市民や地域と協働のまちづくりを目指した計画であることが総合計画の大きな特徴の1つであるわけですから、計画を実施していくに当たって、行政側の責任と任務がこれまで以上に求められると思いますし、地域ごとに担当職員を配置するなどの方策をとることにより、市民や地域との接点をしっかり保っていくことが重要と思いますが、いかがでしょうか。安念市長の所見をお伺いいたします。
次に、基本構想の実現に向けた基本計画の評価と実施計画策定の姿勢について質問をいたします。
先ほども少し触れましたが、総合計画の特徴として、1つには市民参画によってつくり上げた計画であり、2つには市民と協働のまちづくりを目指した計画、3つ目に新市まちづくり計画のまちづくり基本方針を尊重した計画であり、そして4つ目として産業、人口に元気のあるまちを創造する計画であるとしております。
安念市長は、市民の目線に立ったわかりやすい行政を進めること、そして市民参画の市政を目指すことを第一に掲げられております。このことは、計画策定の中で十分に生かされ、それがそのまま特徴となったということは言うまでもありません。市民との協働の手法により、市民との手づくりでつくり上げたこの計画を今後どう実現していくのか、注目をしなければなりません。
基本計画は、基本構想に定められた基本方針により、まちづくりの主要施策の内容を定めたものであり、実施計画は、基本計画で定めたまちづくりの主要施策を実行するための事業計画であります。基本構想は、10年間の長期にわたるまちづくりの理想、ビジョン、政策の大綱であります。さらに、これを具体的に前期5年間の期限を定めた基本計画を策定し、実施計画は3年にわたって実施する具体的政策を明示し、毎年度の実施状況や予算等を勘案して、時に計画内容の前後を変更あるいは見直すローリング方式を採用するとしています。この方式は、計画の実効性を確保する上で必要不可欠な計画管理手法であります。
そこで、本市において、特に基本計画の策定に当たっては、市民代表者によるまちづくり委員会や審議会等を設置し、基本構想実現のためのたくさんの意見、提案を集約したものであり、それはまさに市民との協働による手づくりの計画であります。ぜひ、実施計画策定に当たっても、基本構想、基本計画と同様に、市民の協働の市民参画の実施計画と言える特徴を出していただけるよう、安念市長の手腕に期待したいのであります。
もちろん、基本計画の実施計画は執行権の範囲内であり、そのことは十分承知をしております。基本構想、基本計画を市民との公約、契約と受けとめて、市民の目線で評価できるような仕組み、制度を立ち上げ、これを駆使することによって、予算との整合性を図りながら、計画と実施実績の相違をチェックし、計画の見直し等について対処していくことが求められているのではないでしょうか。総合計画の進捗を市民の目線で段階的にしっかり評価する制度づくりが可能なのかどうか、難しい面もあると思いますが、この点も含め、実施計画策定に向けた市政について、安念市長の所見をお伺いしたいと思います。
最後に、総合計画の中での財政運営の見通しについて質問をいたします。
砺波市の理想の姿とする砺波市の将来像の実現のために、そして基本構想に示すまちづくり基本方針に沿った施策を推進するためには、中長期的な視野に立った健全な財政運営が求められることは言うまでもありません。
しかしながら、国の三位一体の改革による地方交付税の見直しや補助金の削減などによって、財政環境の厳しさは増してきております。今後、総合計画を推進するに当たって、定員適正化や事務事業の効率化、合理化等を図りながら、なすべき仕事をし、成果を上げなければなりません。そのためには、限られた財源の中で、基本方針に沿った施策についてしっかりと事業展開していくために、ポイントをしっかり示し、めり張りのきいた計画の推進が求められると思います。
そこで、総合計画では、地域における福祉の支え合い、市民がみんなで実践する環境や景観の保全、安全・安心につながる見守り、防災、防犯、除雪活動などに地域コミュニティーが活動して進めるまちづくりなど、市民や地域と協働のまちづくりを目指しております。これらは総合計画の大きな特徴であるわけですが、このことを計画の中でしっかりと実践していくことは、ひいては目に見えない効果として財政運営に大いに反映されることになると思います。つまり、この市民と協働のまちづくりの中で、市民と一体となった行政を推進していくことで、主にソフト面の取り組みになると思いますが、厳しい財政運営の活路を切り開くことになるのではないかと考えます。前期基本計画の財政の見通しの中で、市民と行政の協働するまちづくりの効果をどのように分析し、財政運営に反映されるのか、お考えをお聞きしたいと思います。
また、人口減少時代の地方都市の中にあって、本市においては、継続的に人口定着や人口誘導の施策を展開するものとして、目標年次となる平成28年に人口を概ね5万500人と人口増加を推計しています。この人口の増加及び産業振興により元気のあるまちづくりを創造しようという計画とする中で、その効果を財政運営の見通しにどう生かされたのか、この点についてもお聞きしたいと思います。
以上、質問をいたします。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念鉄夫君) 飯田議員にお答えをいたします。
総合計画についてのお尋ねでございますが、私は何度も申し上げますが、市民総参加のまちづくりとして推進をさせていただいたわけでございます。どこかの市町村では、コンサルタントに丸投げしている計画があるようでございますが、少し時間と費用がかかりますけれども、総参加でつくり上げたことを御理解いただきたいと思います。
アンケートもとりました。あるいは、子どもたちの意見も聞きました。中学生とも意見の交換をいたしました。それこそ多くの意見が出まして、なおまたまちづくり委員会も、分科会でそれぞれ六十何回かの会議も開いたようでございます。そのことで総合計画をつくり上げて、今その構想案等につきまして議会に出しておるところでございますが、ただし、その裏打ちとして基本計画もつくり上げてあるわけであります。
したがいまして、飯田議員から、この後、基本計画も実施計画も市民と手をつないでやれということでありますが、それはさておきまして、基本計画をつくって、構想をつくって、基本計画をつくるということよりも、全体の意見を聞くことによって基本計画ができるんですよ。それで、今またさらにつくるということでなくて、一緒に連動してつくりましたので、改めてまちづくり委員会等々お呼びをしてやるというのはどうかと、こう思っております。
ついては、家づくり計画から始まって、いろいろな意見を集約してやったということで、評価をいただいたのか批判をいただいたのか知りませんけれども、なおこの構想、基本計画については職員に徹底してまいりたいと思う。職員は、十分そのことを理解した上で、自分の立場のことを専門的に仕事をする。ただし、専門ばかになっては困りますから、今できております基本計画については広く勉強していただきたいと思う。市民に対しては、広報やホームページでもPRいたしますし、振興協議会や各種会議の機会を利用して申し上げてまいりたいと、このように思います。
ついては、職員が大事だということでございまして、地域ごとに職員を配置したらということですが、到底じゃないが、そんな職員は実はおりません。ただし、今、各地区における体育振興会、あるいは自主防災会、防犯、あるいは農地・水・農村環境であったり、あるいは消防のお手伝いであったり、それぞれ職員が出向いて協力をしておるわけであります。その際に、何かと逆に職員が勉強しておると思いますので、そういう手だてをこれからもしていきたいと。そのことが市民との共同参画になるのではないかと、私はそのように思っております。そのほか、専門的には出前講座もどんどん進めておりますので、ぜひ利用、活用をしていただきたいと思います。
それから、この基本構想、基本計画に対する評価、それから策定の姿勢ということですが、策定につきましては、聞きましたら、もう内々にでき上がっている。お手元に行っていると思いますが、でき上がっておりますので、改めておっしゃるようなまちづくり委員会を立ち上げてということではないと思っております。もちろん、このことにつきましては、総合計画審議会等々で御議論をいただくことになると思います。なおまた、議会等々でも評価をしていただけるのではないか。いろんな批判をしていただくことが評価をいただくことに私はなると、このように思っております。なおまた、それぞれの分野でチェック機能もございますので、チェックをしておくことが大事だと思います。
言われたことにつきましては御理解できます。そのように進めさせていただきたいと思いますが、何か私に対する手腕を期待するということですが、私は皆さんの手腕を期待しておりまして、私はその手段をつくり上げていく。執行屋でございますので、その手段をつくり上げていくことではないかと、このように思っております。ぜひ皆さん方の手腕に期待をしておるところでございます。
次は、財政運営、いろいろ書いてはあるけれども、財政を伴わなければいけない、そのとおりであります。そのことについては十分理解をいたしております。
ただ、細かい点まで書いてはございませんが、取り上げられた福祉の問題ですね。それらにつきましては、例えば実施計画を立てるについては、福祉ではこうしますよ、ああしますよと、そういう文言は出てこないと思う。ただし、そういうような福祉の関係、例えば老人の安否をどうするとかこうするとかというのは、これはやっぱり職員の考え方で対応しなければいけませんので、そのようなことについては十分に周知をしてまいりたいと、こう思っておりますし、なおまた、頼るわけではございませんが、先ほど申し上げておりますデイサービス等々、そういった面での声かけなど、そういう意味でのボランティア活動などもお願いをしていきたいと、こんなことなどがございます。
なおまた、公共施設等々の話も出てまいりましたが、おかげさまで、地元の皆さんに指定管理者としてお願いをしておるわけです。従来、市役所が管理、設備をしていました。もちろん下請もありましたけれども、地元の皆さんに指定管理をしたわけです。この後、幾つかまだ指定管理をしていきたいと思いますが、このことは、皆さんにお任せするということは、その人間関係が随分よくなるということです。中には、けんかしながらでも、いい人間関係が生まれるのではないか。そして、地域コミュニティーというのは、私は発達すると思う。今、地域コミュニティーが大切なんです。その意味でも、指定管理者制度の中に、いい面、いわゆる精神的な面ですね、そういうものも私は生まれてくるような気がいたしますので、ぜひそういう意味で、経済的なプラスアルファよりも人間的なプラスアルファが大きいと思っておりますので、そのことも考えながらいきたいと思います。財政、財政ということですが、しっかりやってまいりますけれども、今、実施計画等については、細かい福祉なんかの問題については数字に出ないと思いますが、そのことも理解をしていただいて、何とか進めさせていただいております。
なお、税収等々につきましては、いろいろ堀田議員ほかに申し上げましたので、この際割愛をいたしますが、今批判のあります公共事業ですね。福島さんからしかられましたけれども、私はやらなきゃいかんと思う。そして、使用者の立場に立った形でやらなきゃいかんと思います。今、予算でも説明申し上げた、一般会計だけで約41億円ですよね、投資的経費。どこの市町村にも私はないと思う。そのほかに、上下水道で約14億、全体で55億発注しているんですよ。それを要らんたら辞退たら言う人もおられますけれども、ぜひ市内で頑張ってやってほしい。あまり理屈をつけないで。だって、皆さんの目線に立って、どうしても欲しい、やりたい、こういうことですから、これは苦しいときもやらなきゃいかん。その意味で、私どもが発注することによって中小業者が頑張っていただく、そのことが税金にはね返るという、そういう気持ちでやることが財政力指数の上昇にもなるのではないか、そんなことを私は今思っております。
いろいろ欠陥だらけの市長でございますが、また御意見などをいただいて、正常な砺波市、発展する砺波市のために頑張りたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げまして、答弁といたします。
◯議長(江守俊光君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
次回は、明9月12日午前10時から開会いたします。
本日はこれをもって散会します。
どうも御苦労さまでございました。
午後 4時09分 閉議