1.会議の経過
午前10時00分 開議
◯議長(江守俊光君) ただいまの出席議員は22名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
◯議長(江守俊光君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第70号から議案第79号まで、平成18年度砺波市一般会計補正予算(第3号)外9件について、及び報告第10号専決処分の承認を求めることについてを議題といたします。
昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
19番 山森文夫君。
〔19番 山森文夫君 登壇〕
◯19番(山森文夫君) おはようございます。一般質問2日目でございます。私、トップバッターとして元気よくいきたいと思います。
初めに、教育基本法改正に伴うよりよい教育土壌の醸成についてであります。
1947年の制定以来、約60年ぶりに、今、教育基本法改正案が今国会の衆議院を通過して、舞台は参議院の審議の場に移りました。
大方の見方では、今国会において新教育基本法が制定されようといたしております。現教育基本法では、どちらかといえば、個人の価値や個性を強調したものでございます。
一方、改正案では、国と郷土を愛する態度や社会に尽くす公共心や愛国心の育成を意識した内容が読み取れます。余りにも個人を尊重する精神が個人主義や利己主義に偏重した結果、教育現場や社会に与えた影響が少しでも改善されることを期待するものでございます。
新教育基本法では、学校生活での規律や家庭教育、そして、教員の使命、つまり、教員の任務までも強く踏み込んだ改正となっております。
そこで、御提案でありますが、このたびの改正を踏まえ、砺波市教育委員会として、教育現場に則した砺波流の教育指針を打ち立て、教育委員会と学校と家庭が、そして地域が統一された指針に基づき行動ができるようにされてはいかがと考え、教育長の御見解を求めるものでございます。
なお、指針の中には、砺波地方の歴史や文化からも学ぶべきことを取り入れていただくことを希望するものでございます。
次に、全国各地においていじめを起因とする自殺や自殺予告など、いじめに関する深刻なトラブルが相次いで発生をいたしております。
無限の可能性を秘める尊い命がこんなにもたやすく失われていくことに憂いを感じるとともに、根絶することこそが学校教育現場の緊急の課題であります。子どもたちの心は揺れ動いており、容易にはそうした心の動きをつかみ取りにくいとは存じますが、学校現場や教育委員会ではいじめに対する子どもたちからのシグナルの発信や、いじめを行う生徒に対してどのように厳重に対応されているのか、また、いじめそのものについてでも教育長の御所見を求めます。
不登校についてお尋ねをいたします。
病気やけが以外の理由で、長期に年間30日以上学校を休む児童生徒が増えているとの報道がございました。
いわゆる、学校に行けない、行きたくないという不登校の生徒です。9月議会の同僚議員の質問では、砺波市ではここ数年横ばいの状況とのことでありました。横ばいということは、不登校の生徒が存在するということであります。そうした不登校の児童、生徒との連絡やコミュニケーション、そして、その保護者との話し合いの場が持たれているのか、教育委員会として、学校として、どのような手はずで登校できるように対応されているかをお尋ねするものでございます。
そして、不登校の生徒が自宅において、何とかして学校に行きたい、だけど行けないと悩んでいるとしたら、それは大変かわいそうで、本人にとってつらいことであります。その生徒が今こそこのハードルを越えることが、これからの人生にとって役に立つことであると気づかせ越えさせてやることが、教育現場に課せられた大きな使命であると考えます。
不登校生徒のカウンセリングの状況と内容について教育長にお伺いをいたします。
次に、児童、生徒の問題行動についてお伺いをいたします。
昨年、市内の学校で問題行動がエスカレートし、警察の導入や更正施設への生徒の送致ということで、地域社会に大きな波紋が広がりました。
刻々と変化する子どもたちの問題行動に対する学校現場や教育委員会の対応に問題はなかったのか、二度とこのような事態が発生しないためにも、その後教育委員会では、学校現場に対して、また、PTA連絡協議会や教育センターとのどのように連携をとり、どんな対策を講じておられるのか、昨年の教訓を生かしたその施策についてお尋ねをいたします。
なお、現在、類似した問題行動が発生しているか、あわせてもお尋ねをいたします。
次に、平成19年度より砺波市において新設が予定されておりますこども課の設置についてお伺いいたします。
教育基本法改正の目玉の一つとして、幼児期の教育の重要性がうたわれ、幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、国及び地方公共団体は幼児の健やかな成長に資する良好な環境整備や、その振興に努めなければならないといたしております。その意味でもこども課の新設はまことに意義があり、時勢の要求にかなったものでございます。こども課の所属は教育委員会内に設置するとのことであります。幼稚園、保育所、小学校、中学校の卒業まで一貫した方針のもと、教育委員会の管轄となります。一人一人の子どもたちの成人に達するまでの成長の姿を見せることができるものでございます。三つ子の魂百までと言われるように、幼児期の教育が人間形成に重要な役割を果たしているものです。教育のプロとしての教育長に、こども課新設の理念について御所見を求めます。
いろいろと申し上げましたが、私は教育とは学校ばかりの教育ではないと考えております。教育基本法改正案にも生涯学習の理念が加えられたように、生涯生きている間が教育の期間であると考えます。しかるに、教育とは文化であり、創造であり、そしてその文化の継承でございます。教育を広い範囲でとらえるべきであります。それぞれが育んできた文化や品格、身近では家庭で育んだ文化、地域の文化、大きくは国の文化、その文化を、品格を、今こそ学校に、地域に教育全般で享受できる砺波市の土壌づくりが必要と考えます。こうしたことから、家庭教育、社会教育、そして、文化的教育の新たな拠点づくりについて、基本的なお考えをお伺いいたします。
それでは次に、ボートピア建設などにかかわる事柄について、僭越ではありますが、若干の意見と御要望を申し上げます。
中国の故事に孟母三遷の教えがございます。その昔、中国で孟子の母が我が子の教育のために適切な住居を求めて三度引っ越ししたことから言われている故事でございます。
一番初めに、墓地のそばに住んだそうです。そうしたところ、孟子はお葬式や墓堀人夫のまねばかりしたそうです。
そこで、次に、市場の近くに引っ越ししたところ、今度は商人や物売りのまねばかりしたそうです。
そこで、孟子の母は考えた末に、次は学塾のそばへ引っ越ししました。「門前の小僧習わぬ経を読む」のごとく勉学に励み、あの偉大な思想家孟子が誕生したお話でございます。
人間は住環境に大変左右されやすい生き物のようであります。
先日地方議会人という中央文化社発行の冊子を見ておりましたら、ある大学の教授がこんなことを書いておられました。私の住む神奈川県川崎市は、かつては公害、ギャンブル、風俗の町として有名であった。もっともこのようなものは外から見たイメージに過ぎず、実際に住んでいる者にとっては下町情緒のある暮らしやすい町でもあった。しかし、行政当局や議会として、あまりありがたくないこのような悪いイメージを払拭し、公害のない明るい社会の町にしたいと考えるところでございます。そして、悪いイメージが実態と重なっている部分をどのように改善すべきか、明るい社会づくりの課題として、その改善策を市の政策に取り入れなければならなかったということであります。
ボートピアの建設や過激な遊興施設が進出した後に、このすばらしい田園空間や住みよさランキング全国第5位を堅持するために、政策課題として取り組むのか、転ばぬ先のつえとして、事前に判断をいただきまして、最大限の制約を講じていただきたいと存じます。砺波市民の教育や青少年健全育成に対する思いや願いを十二分におくみ取りをいただきまして、よりよい教育土壌の醸成の立場から教育長に現状での適切な御見解を求めるものでございます。
以上で私の質問を終わります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田良男君) 山森議員の教育基本法改正に伴うよりよい教育土壌の醸成についてお答えをいたします。
最初に、教育基本法に絡まる最近の情勢についての教育長としての意見でございますが、教育基本法の改正の趣旨は、御提言にもありましたように、現在及び将来の我が国の教育をめぐる諸情勢の変化にかんがみ、改めて教育の基本を確立し、その振興を図るために、現行の法の普遍的な理念を大切にしながら、今日極めて重要と考えられている理念等を明確にすると、こういう基本的なもので原案がつくられております。
しかし、その極めて重要な法案の成立に向けての手だてに問題があります。それは、昨日安念市長の発言にあったように、理解に苦しむ面があります。
さらに、教育にかかわる事件、事故が多発しておりますが、そのたびに対処療法的な教育委員会や学校現場の批判論、非力論、そういうもののみが前面に出て世論を混乱させております。まことに遺憾であります。理性者は正すべきものを正し、なすべきことをなして、それから事に当たるべきだと、そう感じております。いかがでしょうか。子どもや学校は弱いものです。学校は正すべきことを正し、反省すべきことは反省をして、それを折り込みながら日々教育内容の充実に努めております。どうか御理解をいただきたいと思います。
それでは順次御質問にお答えをいたします。
まず、砺波市の教育指針についての御質問でございますが、砺波市教育委員会としましては、学校教育の指針は新砺波市総合計画の基本構想の目標、人と心を育むまちづくりで示しております。それは、1つには個性を伸ばし、豊かな感性を育む教育の充実。もう一つには、人間力を高める人づくりの推進。この基本構想のこれを具体化する今日的な課題に対しましては、二面から説明をいたします。
1点目は、家庭教育において幼児期からの親育ち。そして、核家族への子育て支援であります。そのことがこども課新設の事業として今姿を見せようとしております。
もう一点は、学校教育における教職員の資質の向上であります。それは、まず、教師が使命感と誠意を持って、情熱のある活動をするということ。それから、教員社会だけでなく一般社会人としての充実を図ること。このためには、異業種の違った職業の皆様方と交流、研修をする必要があります。そして、専門である教育内容の研修であります。もう一度確かめますと、使命感を持つこと。燃える情熱を持つこと。それと、一般社会人としての研修をする。そして、専門性を磨くこと。この4点がまさに重要なものであります。
次に、御質問にある、国と郷土を愛する態度の育成でございます。
砺波市教育センターでは、社会科の副読本として、私たちの砺波、これは小学校の3年、4年で勉強をします。それから、郷土砺波、これは中学校の1年生で勉強をします。これらで砺波の知識を教え、総合的な学習時間などで現地学習で実際に体験をしながら体で覚え、郷土を愛する心の醸成に努めさせております。
また、各地で行われておる公民館活動へ、児童、生徒が自主的に参加することによって、具体的に地域とのかかわりが身についていくものであります。
過日、砺波市の公民館研究大会の発表会がございました。その節でもこのことが活発に議論されておりました。こういうふうにして、地域における子どもの教育活動を推進していただける方に敬意を表するものでございます。
このように、家庭や地域を知り、親しむ、この体験をすることがやがては国を愛する心の醸成の底流になるものと考えております。
心情や感性というのは他人から律しられてつくものではありません。おのずからの体験や環境によって醸し出されてくるものです。そういうふうに考えております。
次、2点目はいじめの問題でございます。
全国各地でいじめを原因とする自殺や自殺予告などがあって、命が失われていくことは学校現場、教育関係者としては緊急の課題であると考えております。
砺波市教育委員会としましては、10月には児童、生徒のいじめや孤立化についての実態把握と指導の対応、これを取りまとめ指示しております。そして、早期発見、早期対応を具体的に指示しました。10月からこれを開始しております。さらに、11月にはいじめ防止の取り組みを各学校から保護者に対してお願いをしております。いじめることは自分で自分をだめにすることである。そのことを子どもたち一人一人の心に丹念に刻み込む教育こそが大事であります。そういう活動はもう既に各学校では開始をしております。
3点目、不登校についてでございます。
不登校につきましては、現在市内には19名を把握しております。その原因はさまざまでありますが、解決方法に学校現場では大変苦慮をしております。各学校では、家庭、本人と連絡の糸口を確保するために、担任が家庭訪問をし、現状報告や学習指導を行う。さらには、保護者の相談にも応じております。このことのために、適応指導教室ひよどり、こういうものも開設されておりまして、そこへ通級している児童、生徒は現在8名であります。ここでは、その指導に当たる生活指導員、生活相談員2名が学校との連絡調整や保護者の相談、学習指導、心のケアを行っております。このような地道な指導を行うことによって、1人でも学校に復帰できるよう、1人でも家庭の閉じこもりから抜け出せるよう努めております。さらに、その実を上げるためにも、指導の場所、現在は勤労青少年ホームを使わせていただいておりますけれども、数が増えるといいますか、あるいは、今まで閉じこもっていたんだけれども、うまくアドバイスをするために家から出てこられたために手狭になってきた。さらに指導員も少し増やさなくてはならない。19名全部が出てきますとこれは1カ所ではどうにもできません。今のところ8名です。少しずつ増える傾向にあります。それは、相談員の方々が丁寧に家庭を回って、出てきなさい、遊びましょうというふうに手当てをする。そのことの効があってたくさん出てくれるようになった。そのためにもう少し場所なり、指導員なりを検討しないといかんと考えております。
次、4点目。児童、生徒の問題行動でございますが、昨年一部中学生が社会規範を逸脱した問題行動を起こして不安を与えたことは、教育に携わる者にとっては痛恨の極みであります。この教訓に学び、児童、生徒の問題行動に適時、適切な対応をするために、本年度からは生徒指導に関する嘱託職員2名を配置しました。1人は生徒指導の通で校長経験者。もう1人は警察官OBの方です。この2名は学校の相談や関係者である警察その他の情報を収集して、毎月、月1回以上学校の教頭会議を開催して、連絡、情報の伝達を行い対策を講じております。この方々の尽力によって、教職員が自信と危機意識、この危機意識が大事なんです。安心はできません。危機意識を持って生徒指導に当たっております。
また、各学校では保護者との連絡を密にとりながら、家庭と担任が気楽に話ができるよう取り組んでおります。
このようにして、透明な学校経営に努め、保護者や地域の皆さんの協力を得て、現在のところ各学校では大きな問題行動は起きておりません。
5点目。こども課の新設でございますが、昨日の答弁で安念市長からこども課の管理運営上の概要説明がありましたように、御指摘の「三つ子の魂百まで」の格言どおり、幼児期の愛情やしつけは後の人生の基盤になるものであり、幼児教育の重要性は自他ともに認めるところでございます。
そこで、こども課の新設によって3歳から15歳まで管理ができます。12年間。ひいては成人を迎えるまでの子育ての教育計画の利点がいつか幾つかあります。それを申し述べてみますと、1つは幼稚園と保育所の保育指導内容を一元化できるということ。今までも似通ったことをやっておりますけれども、それを砺波市のものとして一元的に行うことができるという。
それから2点目には、幼児教育と学校教育というものの連携が密になるということです。今までもやっておりますが、やっぱり垣根があったような気がします。それを教育委員会という制度でもって取り払ってしまうと。これができると思います。
次、子育ての支援が総括的にできる。幼稚園と保育所というそういうスタイルでなくて、子育て支援というものを砺波市教育委員会の形として、福祉関係と協力しながら総括的に行えるということが挙げられます。
そして、これらの幼児教育の理念として、昨年策定しました社会規範の訓育、みんなで育てよう砺波っ子五本ゆびのめあてというのがございます。これを具体的な行動指針としましょう。その五つというのは、もう一度確かめてみますと、極めて単純なことです。元気よくあいさつ。心やさしく思いやり。約束を守る。正しい言葉遣い。我慢して最後までできる。これだけのことが、まだほかにもありますが、差し当たりこのことがだれでもできるように思いますけれども、やはり幼子からこれをしっかり訓育していかなきゃならないと。そのことで、いじめや不登校、問題行動を生まない土壌づくりとなって、家庭や地域の教育力の向上に資すると考えております。
次は、生涯学習の振興充実の件でございますけれども、御指摘のように文化を享受できる土壌づくりは、砺波市教育施策の原点であります。地域に息づく伝統文化の伝承に寄与されている公民館関係者や、芸術、文化、スポーツ団体の皆様の活動を高く評価して、今後とも支援を続けていくべきものであります。
また、地域に学ぶ生涯学習の場としては、市内には恵まれた施設があります。図書館、散居村ミュージアム、郷土資料館、水資料館、文化会館、美術館、体育館、さらに多くのスポーツ施設がございます。さらに勤労者福祉のための施設もございます。将来は出町文教ゾーン構想もあります。これらの所在教育施設が連携をして、家庭、地域に軸足を置いたソフトが有機的に展開できるよう、文化の町づくりの土壌づくり、文化の町づくりの土壌がより深いものになると思います。これだけのこの優秀な施設を活用することによって。
最後に、ボートピア建設等についての関連の質問にお答えをいたします。
提言されましたように、孟母三遷の教えがあります。人の心のありようは住居に大変な左右をされます。砺波インターチェンジ周辺や国道156号線沿線の商業施設の発展によって、子どもたちを取り巻く生活環境は一変し、非行の温床にもなりかねない状況でございます。大人の娯楽であるギャンブル施設が人間形成期の子どもに与える悪影響は計り知れないものであって、大変心配をしている者の一人でございます。
先ほどこども課の理念で申し上げましたように、家庭、地域の教育力の充実、さらには文化の町の土壌づくり、そして、青少年の健やかな成長を願う多くの市民は、この施設を待ち望んでいるでしょうか。大所高所からよくよく検討すべきであると考えます。造詣の深い皆様方の御高閲に期待するものであります。
以上、所見を申し上げまして答弁といたします。
◯議長(江守俊光君) 5番 瘧師富士夫君。
〔5番 瘧師富士夫君 登壇〕
◯5番(瘧師富士夫君) なぜかいつもより心地よい緊張感に包まれております。元気に質問をさせていただきます。
来年度から導入される品目横断的経営安定対策とともに、車の両輪に位置づけられています農地・水・環境保全向上対策についてお尋ねいたします。
品目横断的経営安定対策は、補助金の交付を意欲と能力のある農家、いわゆる担い手へ集中化し、農業の構造改革を加速化させるための対策であります。
組織化が進められる集落営農も助成の対象となるわけであります。ただ、この施策には昨日福島議員が述べられたように、小規模農家の切り捨ての側面もあり、米づくりに汗をかく多数の兼業農家のやる気を低下させる懸念も指摘されるところでございます。
この施策が産業政策であるのに対し、農地・水・環境保全向上対策は農村地域を面として活性化する地域振興政策と言われております。すなわち、農地・水・環境の良好な保全と質的向上を図るため、地域ぐるみで実施される用水掃除や草刈り、農道や水利施設の補修、景観作物栽培などの効果の高い共同活動と、その取り組みに加え、農業者ぐるみで環境負荷低減に向けた取り組みを行う営農活動に補助金が交付されるものであります。本対策全体の事業規模については、平成19年度概算要求額約300億円と見込まれております。
特に、共同活動の支援については農業者だけでなく、農地にかかる農業者以外の地域住民、関係団体も構成員となる組織づくりが望まれるわけであります。
確かに、用排水路や農地をめぐっては、洪水調整の役割や豊かな自然景観の形成、火事の際の消火や雪害防止をする融雪などの防災の役割、また、生活排水路としての活用など、農業だけでなく多面的な機能を備えています。したがって、農地や農業用水の保全管理を非農家にも一部担っていただくことはある程度必要なことかもしれません。双方が地域の環境を守るという共有の認識に立って歩み寄ることは、地域コミュニティーをより活性化させることにつながるものと思います。
しかし、それはあくまでも農家の強い主体性が前提にあってのことであります。国が言うように農村が高齢化、過疎化し、集落機能が低下したから、非農家の皆さんも協力をお願いしますでは、ますます農村の脆弱化を招き入れるだけではないかと思います。ここで言う集落機能の低下とは担い手以外の零細農家のことを意味しているのでしょうか。だとすれば、担い手に特化される品目横断的経営安定対策と車の両輪と言われる両施策の整合性はどこにあるのか国に問いたいところでございます。
さて、平成18年度は全国568カ所、県内では10カ所でモデル実験事業が実施されており、砺波市では非農家を含んだ混住地域である矢木地区で試行的に事業展開されました。事業を取り組まれる中で、よかったことや苦心され今後の課題となったことなど、さまざまな気づきがあったのではないかと思います。
また、その取り組みと並行して本年4月には砺波市農村環境保全向上地域協議会が設立され、市農業振興課を中心に実施地区の立ち上げに向けた準備が呼びかけられたところでございます。
そこで、矢木地区の具体的な事例報告を含め、来年度本格導入に向け、これまでの取り組みの経過についてお聞きいたします。
また、集落の実施規模の取りまとめは終了されたようですが、集落営農の組織化との相関関係、実施される集落の特徴など、どのような傾向にあるのか、あわせて取りまとめ結果から算定される砺波市の事業規模についてお尋ねしたいと思います。
続いて、手続の簡素化及び実施状況の確認方法についてお聞きいたします。
共同活動の支援の対象としては、現状維持にとどまらず、一層の改善や質の向上を図る活動計画を作成し、その計画の基礎部分や誘導部分について、点検・準備、計画・啓発の各項目、そして実践活動に至るまでであります。
また、営農活動への支援については、化学肥料と化学合成農薬使用の原則5割以上低減、またはエコファーマーの認定を受けること、地域で一定のまとまりを持った取り組みであることなどが要件とされます。説明書を目で追えばまことに美しい世界でありますが、いささか現場感覚に乏しいようにも思います。活動組織の立ち上げに足踏みしてしまう要因として、この申請手続の煩雑さが上げられております。来年度本格実施に向け手続の簡素化はなされるのでしょうか。また、共同活動の実施状況や要件を満たす営農活動の実施状況を、だれがどのように調査確認するのでしょうか。その確認の際、県や市、農協等の役割分担はどうなるのでしょうか。
以上、素朴な疑問についてお聞きしたいと思います。
この施策の説明を初めていただいたとき、違和感を覚えたのは果たして私だけなのでしょうか。この施策の実施期間は平成19年度から23年度までの5年間ということでございます。国の食糧を支え多面的な機能を有する農地の保全については、施策の有無、この事業に取り組む、取り組まないにかかわらず永遠のテーマであります。まして、5年間で終着点に到達するものではないはずであります。これまで地域行事として行ってきた江ざらい、川掃除、また農家個々による草刈りなどの自主的な取り組みは、この施策でいうところの共同活動の基礎部分に当たるわけですが、交付金の使途が作業の労働に対する助成ととらえられて5年間をやり過ごしてしまっては、無償の共同作業で培った地域のきずながかえって希薄になるように思えてなりません。いずれにしても、活動組織を立ち上げ運営される方々の、軸のぶれないリーダーシップに期待するところであります。
そこで、この農地・水・環境保全向上対策の将来の展望について、安念市長に御所見を伺います。
続いて、先ほど山森議員も少し触れられましたが、ただいま世間を騒がせておりますいじめ問題について申し上げます。
いじめによって児童生徒が自らその命を絶つという痛ましい事件が相次いで発生したことは、極めて残念なことであります。また、自殺を予告する手紙が相次いで届けられるという異常事態に至っては、いじめがどこの学校でも、どこの子にも起こり得る身近な問題であるだけに、深刻さが一層増幅させられたところであります。
今回の連鎖的な自殺については、マスコミの過剰な報道によるところも多分にあるのではないかと思います。いじめを原因とする自殺やそれに関連した小さな事件までが過大に伝えられたことによって、いじめられ苦しんでいる子どもたちが絶望感を解決する手段として、また、学校や大人社会へアピールする方法として自殺を選んでしまった可能性もあるのではないでしょうか。報道されるべきですが、問題はどのように報道するかであります。
さて、よくいじめの問題は昔からあったと言われます。その言葉にはどこかしらいじめ宿命論的な響きがあります。その昔に比べ現代のいじめはより陰湿で残酷になってきていると聞きます。断っておきますが、子どもは大人社会を写す鏡であります。
文部科学省はいじめを次のように定義しております。
自分より弱い者に対して一方的に、身体的、心理的な攻撃を加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの。少しわかりづらいかもしれませんが、多分に犯罪性を含んだものと理解すべきであります。
文部科学省は深刻な社会問題となった1985年以降、全国の公立小中高校で毎年いじめの発生件数の調査を実施しております。報告件数はピーク時、1985年度の全国約15万5,000件から2005年には約2万件に減少したということですが、あくまでも報告件数に過ぎず、実数から見れば氷山の一角と見るべきであります。問題なのは発生件数よりもどれだけ解決できたかであります。
そこで、ここ最近の砺波市内の小中学校のいじめの実態について総括的にお知らせいただきたいと思います。
今回の一連の事件では、子どもを守るべき学校、教員の認識や、教育委員会の対応に問題がある例が見られ、報道では批判が集中しました。もちろん、いじめが学校で起こった場合、学校問題でありますから速やかに解決を図ることの第一次責任は、校長を初めとする教員にあると判断されます。ただ、その速やかに解決しにくいところにこの問題の難しさがあるのだと思います。いじめる子の多くは家庭に問題を抱えているわけであります。家庭内で温かい会話がほとんどない。大人のストレスが家庭に持ち込まれ、家庭が子どもの真の心の居場所となっていない。親として自ら子どもに範を示す姿がないなど、このような問題を抱えるいじめる子の心を立ち直らせるには相当の時間がかかるものと推測いたします。
いじめ問題の議論において、いじめは絶対に許されるべきではないという認識でほぼ一致しているようであります。本来、いじめを受けた子はいわば被害者で、いじめた子はれっきとした加害者であると言えます。ところが、いじめの発生原因は加害者であるいじめる側にあるはずなのに、一方でいじめられる側にも問題があるという意見も根強くあるために、問題を複雑にさせています。しかし、いじめられやすいタイプだから、いじめられるのは仕方がないという理屈はないのであります。
私の親戚でいじめを受け不登校になった子がいました。東京の話でございます。家族ともども苦しんだ挙句、転校することになりました。学校が変わり、環境が変わったためにすっかり元気を取り戻し、現在は普通に学校生活を続けています。一件落着でありましたが、同時に大きな疑問も湧き上がってきました。なぜいじめを受けた被害者が転校を余儀なくされ、いじめた加害者がそのまま学校に居座るのか。もし、いじめた子がその後もその学校で別の子をいじめていたとしたら、全く本末転倒な話であります。
私はエスカレートしたいじめをすべて教育的な観点でとらえることに限界があるのではないかと思います。むしろ、教育的指導で努力すればするほど、泥沼にはまってしまう場合もあるように考えます。なぜなら、犯罪性の強い事案に対して教育的指導では即効性が期待できないからであります。これについては、少年非行も同様であります。先ごろ、安倍首相の諮問機関教育再生会議で議論が分かれた出席停止については、子どもの実情にあわせ適用することも考えられるのではと思います。
いじめが起きたときの早期解決について大切なのは、いじめの背景を解き明かすことではなく、現状の中で被害児童生徒を一刻も早く救い出してあげる。まず被害者の立場を最優先させることが大切ではないかと思います。
以上のことについて、堀田教育長の御所見を伺います。
また、いじめ問題の早期解決について、砺波市教育委員会の基本的な考え方についてお聞きいたします。
いじめを減らす、また、根絶させるためにはどのようにすればよいか。社会のあり方が変わるのを気長に待っているわけにもまいりません。月並みな言い方ですが、学校、家庭、地域、そして教育委員会がそれぞれの立場で子どもとしっかり向き合っていくとしか言いようがないのであります。
ただ、いじめは教育問題であると同時に、子ども同士の人間関係の問題でもありますから、いじめ解決にもっと子どもたち自身が乗り出す雰囲気があってもいいのではと思います。見て見ぬふりをする者、はやし立てる者も加害者と見るべきであり、傍観者、観客の感覚を取り払い、解決の当事者意識を植えつける必要があります。
最近の傾向として、みんなと同じでないことに不安や劣等感が生まれ、そのことがいじめに結びついてしまう場合があると聞きます。私の小学校時代には児童会活動というものがありました。児童会長は選挙で選出されました。先生の指導のもと、自分たちで学校生活のルールを決めたり、地域の清掃場所を決めたり、ベルマークを集めたり、そんな活動でありました。自ら治める活動を通して、お互いのよさや考えの違い、要するに違いを認め合う雰囲気がつくられたことを記憶しております。現在は子どもの自立する年齢が遅れてきたのか小学校の児童会は存在しません。では、今でも活動が続いている中学校の生徒会が中心になって、いじめを封じ込める活動ができないものかと考えます。
首都圏の中学校の一部で生徒会が中心になって、いじめをなくす運動に取り組んでいると聞きました。生徒会がいじめに関する相談を受け付けたり、有志を募って校内パトロールを行い、いじめが全くなくなったという話であります。まず活動に参加することがいじめ根絶の第一歩であるということです。
生徒の自主性に期待するのは現実的ではないかもしれませんが、頭ごなしに言葉だけで指導するより、自ら解決に参加させる指導が大切ではないかと思います。砺波市の小中学校では、いじめを許さない学校づくりにどのような工夫がなされているのか、また、今後どのような取り組みをお考えであるのか、先ほど少し述べられましたが、改めてお尋ねいたします。
現在学校現場では、先生方が児童生徒とじっくり向き合う時間が足りないわけであります。砺波市では平成17年度から生徒指導推進協力員が配置され、生徒の問題行動に対処していただいておりますが、今後、さらに学校を支援するアドバイザー的な人材の配置をお考えであるのかあわせてお尋ねいたします。
以上でございます。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念鉄夫君) 瘧師議員の元気な質問にお答えをいたします。
議員が述べられました農地・水・環境保全向上対策というのが新しくぽっと出てきたわけであります。もともと砺波市は地域の皆さんで共同で江ざらいなどをやってまいりました。それを法的に、今、持ち込んできたわけです。おっしゃるとおり違和感もあるように思います。全国的にはこの砺波地方で行われておるような江ざらいというのは3割しかないようです。そんなこともあって、国は広くこのことを推奨したようであります。ただし、この裏にはきのうも質問にございましたように、この品目横断所得政策があるわけで、担い手がないと農家と認めない。法律には農家と認めないとは書いていないんですよ。ただし、対象にしませんから、そうするとどうなるか。営農集落体制、企業農家、4町未満の農家については農家でないと。転作も認めない。となるとどうなるか。皆さんは転作についての上乗せもない、できたものも正規のルールでなかなか売れないというんです、お米。そうすると放棄田が出てくるのは当たり前じゃないですか。そのことを考えて、農家が荒れるぞと。その意味を含めて今回このような農地・水・環境保全向上対策ということで出てきたわけです。私どもは国がそのことを推進しなくても、本当に自らこの我が郷土を守るということで、皆さんが非農家を含めて江ざらいなんかをやってきたわけです。幸い今度補助金をくれるということですから、ありがたい一面がありますが、瘧師さんから説明があったように、いろいろな計画書を出さないかんわけです。補助金ですから、恐らく会計検査院も来て、この帳面では補助金をやらないぞということになるかもしれません。そして、この後、改正整備構想案というのは集落でつくれということなんですよ。随分今の集落で人夫が何人出て、どれだけの経費がかかって、どれだけの面積をどう草をむしると、もう帳面につけて、出面もつけて、そして将来はどんな方法でいくかということまでも、集落でビジョンをつくれとこうなる。集落の取りまとめの皆さん、私は苦労すると思う。そのことも今心配をされておりましたが、そういったものを取っ払って、今もう我々は自主的にやっているんですから、これだけの面積を何人出てきれいにしました。掃除しました。それでいいのではないかと思う。補助金をやるから今後の対策その他をまとめて書いて計画書を出してまた進めなさいと。ただし、しかし、それは5年間ですよ。時限立法ですから。砺波市は今この思想は大切にしなきゃいかんと。農地・水・環境というのは大切にしなきゃいかん。砺波市は御存じのように、すばらしい散居村景観を持っております。みんなで守ってきた。これからも守るということは大事なんですが、何か締めつけの考え方を示されておりますし、要は今申請してないところなんですよ。富山県全体で40%ですからね。砺波は50%を超したようです。ただし、仮に3割、4割がこの趣旨に適合しなかったりしますと、あの人たち、銭もろうて、おらっちゃ銭も当たらんと。なら、こんなものおこまいかという話になりますよ。私はその辺のバランスをどうしようかなと実は考えておりまして、やっぱり均一的に環境問題として、農村の問題として取り組むのが大切ではないかと思っております。
私は市長就任以来、常に市長会を通じて農水省に言いました。今、散居村連絡協議会を持っておりまして、農林省の農村課長、環境課長にも申し上げました。この水利、排水、それらの面積をカウントしていただいて交付税の算定の中に入れなさいと。随分酢っぱく言ってまいりました。いわゆる旧庄川町とここは随分河川が多いんです。下流のためにも一生懸命やっているわけですから、ひとつその計算をしていただいて交付税をもらって市町村行政でやる。今、土地改良区でやっていますけども、そのことを連携しながらやるというのは正しいので、それを守ることによってこのすばらしい砺波の田園空間を私は守ることになると、随分言ってまいりました。ようやく、今、一歩進んでこのような施策が出てきたわけです。せっかくの施策ですから、今申し入れもございますので、ぜひこれを受けて立っていただきたいと思いますが、今おっしゃるように、たった5年間で打ち切りということになりますと、この平野をだれが守るか。やっぱり自分たちが守らないかん。できれば私は継続してほしい。ただ、残念ながらやりたくない地域もあるわけですよ。これをどうするか。そのことを考えて私はいきたいと思いますし、いずれこれらについては議会とも相談をしながら、このすばらしい田園空間をどう守るか、農地・水・環境だけでなくて、すばらしい田園空間、みんなでどう守るか、そのことが大切ではないかと、私はそのように思っておるところでございます。
いずれにしても、従来の環境、すばらしいこの環境を守り続けていきたい。そんなことを思っておるところでございます。
細かい細部等につきましては、担当部長から申し上げたい。
以上でございます。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田良男君) 瘧師議員のいじめについての御質問にお答えをいたします。
いじめの定義といいますか、文部省も県教委も出しておりますけれども、あれが出ない先に、砺波市教育委員会としましては、こういうふうに定義をしておりました。自分より弱い個人を指し、陰湿で非人道的な愚劣な言動、行為、ここまで話を決めておりました。特に、非人道的これを重点的に見ております。後々文部科学省や県教委が出してこられたんですけれども、やはり根っこはよく似ております。その非人道的というところに私は怖さがあります。からかい、思いつき、せつな的に消えていくもんだったらば、それは子どものことだから日常起きると思いますが、その後ろに人を人として認めない、その下劣な言動、行為があるとすれば、これは瘧師議員がおっしゃる罪悪ですね。許しがたいものがあります。
そこで、砺波市内の小中学校の実態でございますが、数件の報告を今年度は受けております。この改善に向けて動いてはおりますけれども、私も議員さんと同じように、数が減ったからといっておさまったという問題じゃないんです。それよりも1つでもいいから見つけたらどう解決したのかというその手だて、これをどんどん、どんどん表に出していくこと、これが大切だと思いますので、きょうはあえて数字は申しません。数字を申したところで実態があるんだったら、これは全く意味がありません。そういうことでございますので、数字よりもそういう非人道的な行為があってはならないという、そういうことでございます。
そこで、いじめを発見した場合、まず、加害者という言葉があってもいいくらいです。非人道的というところに視点を置いていますから、いじめた側の事情聴取を行い、保護者にこれは大変なことをやっているんですよということをお伝えしなきゃならない。この間の仲介役をし、両方の立場を話し合いながら善処していくのが教職員の仕事かと思います。そういう事例も幾つかありました。そのために捕らえてみたら隣のうちの坊やだったいうことがありました。そうすると両方の家の関係が今までうまくいっておったのが、何が始まったんやということになって、一挙に背中を向け合うことになる。そういう恐ろしい、地域コミュニティー崩壊のところまでいこうとするわけです。そういう事例が幾つかありましたので、そういうときこそ、この場合は校長が自ら動きました。そして、問題を大きくしないように、両家の親交が今まで以上に深まるように努力をした。そういう事例があります。だから、子どものちょっとしたことが、見逃しますとどんどん、どんどん広がっていって、それが大人同士の感情の行き違いになって展開していくということがございました。これは解決をしたといいますか、まだ進行している面もありますけれども、そういう事例がございました。
それから、早期解決につきましては、学校というのはいろんな生育歴のあるお子さんが集まっていますから、がたがたするのは当たり前なんです。特に最近のお子さんは個性が強い。自分以外は認めない。先ほど言いましたいわゆる我慢をしないという面が多分にありますので、確かに衝突が起きます。だからこそ、学校が必要なんです。そういうことで、生育歴の違う子どもたちが集まっているからこそ、1点目にはいじめは遊びやスポーツや学校生活の中でどこでも起こり得ることができるけれども、その中で非人道的なものというめがねで見て、そういう内容があったら早期発見し、深刻化させないように早く手を打たないかんということです。先ほど言いましたその問題は手の打ち方が遅かったんです。1年生のときから始まっているのに気がついて手を打ったのは4年、5年なんですね。それまで気がつかなかった。子どもは我慢をしておったということがあるんでしょうね。
2点目には、学校の中の風通しをよくしておかないといかん。担任が見つけたけれども、感じたけれども、それを相談する生徒指導の方とか、教頭、校長さんと話をすると、おまえ何をやっておるんやというふうにこうくるのが怖い。圧力が怖いといいますか、そういう感じで遠慮をしてしまうということはもってのほかです。やはり、学校の中での一体感、そういうものをきちっとつくっておかないといかん。今、それが学校どころか、学校間同士の一体感というのが出てきております。これはやっぱり昨年、一昨年の生徒指導問題で1校だけ、1学級だけではこれは防ぎ切れるものではないということが皆さん体験をしたということです。
それから、いじめというのは表の玄関で行われておったらすぐわかるんですけども、ほとんど見えないところで行われます。したがってその辺のアクションがどうなっているのかということを、教員はそういうことに対する動物的な臭覚を持たないといかん。それでこそプロなんですよ。ぱっと子どもの顔色を見ておかしいと感じなきゃいかん。やっぱり誠意を持って当たっていると、子どもの観察を精いっぱいいつも丁寧にやっているとそれがわかるはずです。あれ、きょうこの子は寂しそう。きょうのこの子は背を向けている。どうしたのというふうに言ったときに穏やかに引っ張っていくと出てきます。子どもですもの。隠し切れません。そこで、うまく誘ってやるということ。そういうことが教師の動物的臭覚とでも申しますか、そういうものを育成するためには、常に子どもの状況を見ていなきゃいかん。子どもと遊んでいなきゃいかん。そういうことです。
もう一つは、地域の方々のフォローが必要です。そういう例が砺波市内で幾つもあります。おい、おかしいからあこちょっと見てやってくれよということを地域の方々からおっしゃっていただいて、安全も含めてです。そういうことのお力添えをいただいて事なきを得たというのは何回もあります。そういうことで、地域の方々が学校へ目を向けていただく。そのためには学校の風通しがいい開かれた学校でなくてはならないと、こういうことを幹部には口酢っぱく申しております。
それから、このことが、先ほどの山森議員さんのときに御説明申し上げましたように、大きな動きで出始めたのは9月の下旬から10月にかけて学校に対し指導しております。だから、全国的にうるさくなってきたときには、私たちはもう既にその事態を何回もクリアしております。だから、国の方が遅かったのか、私たちは特に早く始めました。それはこういう事例があったからです。昨年の冬でございましたか。ちょうど今から1年ほど前になりますけれども、今からその事例を申し上げます。
それは、もう中学校に入ったから高等学校は砺波地区の富山の高等学校に入らんのということで、単身で都会に行っておられた方、その坊やが都会で生まれたんです。だから、砺波の子だから砺波に戻って、砺波の高等学校に入れということで、ふるさとに戻って来られたんです。ところが生まれたのが都会です。都会の言葉を使います。そして、この辺の言葉で言ったら、こわくさいんですね、生意気なです。そして、部活はバスケット部に入ったんですけども、砺波のバスケット部レベルが高いです。都会でバスケットでやってきたというようなことを口がうまいからばんばんやっておった。と、おまえやってみいまとなって、あんまりうまくできない。おまえ何をしとるがやということになって、だんだん、だんだん部室で始まった。そして体が大きな、口が達者、だけども素直なお子さんです。都会のソースをどんどん持ってきますから、おもしろいこともおっしゃるから、その子には友達もつくんですけれども、バスケットの部で、バスケットはしたいんだけど部になじめなかった。砺波の方とすれば絶対勝たなきゃならないという、また宿命を持った部活をやっているわけですから、厳しいレッスンが始まる。そういうところでちょっと悩みまして、弱いところへがーっとその部の矛先がその子の方へ向かっていった。それを見つけるのがこれまたちょっと遅れた。ちょうど担任のかわり目だったから、そこでその情報をやっぱり入れていただいたのは、おじいちゃん、おばあちゃんです。おじいちゃん、おばあちゃんは、自分の孫が帰ってきてうれしい。砺波で何とかしてやろうと思っているんだがどうも元気がないということで、おばあちゃんがうまく孫の実情を調べてくれた。そして、そっと私に言ってくれた。それは公じゃないんですね。そっと、「おかしいな、私の孫が弱っとるがいちゃ」と言われ、それはあかんということで学校と連絡をしまして、調査をして調べてみたらやっぱりやっておる。そこでこれはバスケット部だけの問題じゃないぞというふうで、その学校は全部の部活に対してそういういじめ防止のおふれを出した。そして教職員は部活が終わって最後さようならと言って校門を出るまで見るんだと。普通は部活が終わって体育館なりグラウンドが終わったら部室へ、さあおまえたちあとちゃんとやっておけよと、そこの10分か5分の間に始まる。だれも見ていないとこ。そこで部員も見ているんですけど、それは先輩が怖いから黙っている。こんなことになって、それを校内を挙げてやったことによって、約1カ月で全部終わった。今もたまたま確認をしているんですけど、いや絶対ない。部全体がそういうことで浄化されたという、そういう事例がありましたので今1つ御報告をしておきます。
次、いじめた側の出席停止の件でございますけれども、砺波市教育委員会では学校教育法に基づく砺波市立学校に対する出席停止の命令の手続に関する規則という、こういう面倒くさい規則を持っております。この規則では出席停止は教育委員会が行う行政処分だと。そして、当該の子どもさん、あるいは保護者に対して説明もしなきゃならないし、出席停止をすることについての意見も聞かないといかん。そういう説明をし意見を聴取しなければならないという規則の決まりがあります。さらに、出席停止の期間は家で出席停止になっている間、勉強を教えなきゃいかんです。ほっておけんがです。そういう教育の確保が条件として定められております。現実的にも出席停止の後で、もし教室にその子どもさんが戻ってきますから、出席停止というのはつけ焼刃的なそういうものであって、あまり効果的なものではないと思います。
過日、どこかの調査票で出席停止を実行したのはあるかというと、全国でほとんど例がないんです。そういうことで、やっぱりこの事情聴取をするということと、出席停止の間子どもに教育の機会をきちんと与えるということがあるからだと思います。
そこで、いじめを許さないための学校づくりについてでございますが、先般市内の4中学校でいじめ防止教室の講演の後、生徒集会を開きました。そして、いじめ防止のための討論を行って、議員さんがおっしゃるように自分たちの問題だということに置きかえながらやっております。いじめの、でもやっぱりどこかでぼろが出ます。やっぱりやっちゃいけないんだと内面から育て上げなきゃならないということが大切だということで、学級活動、生徒会活動でこれはもう既に展開をしております。
そこで、カウンセラー問題がありますけれども、これは先ほども説明しておりました校長経験者が1名学校をぐるぐる回りながら、いじめだけじゃございません。その他生徒の悩み、寂しい子がいないかということについて、巡回をし、生徒指導担当の教員と連絡をとってやっております。いわばもう既に手当てをしておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
瘧師議員の御質問はいつもPTAの砺波地区の会長さんもしておられることもあります。非常に現実味があって体験的で、全部お見通しの上で御質問をいただいております。そういうことを私は対しながら、教育委員会の顧問としてこれから御相談にあずかりたいと思いますので、御提言に対して頑張りたいと思います。
よろしくお願いします。終わります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
商工農林部長 堀 秋博君。
〔商工農林部長 堀 秋博君 登壇〕
◯商工農林部長(堀 秋博君) 農地・水・環境保全向上対策のうち、初めに取り組みの経過及び事業規模の見込みについてお答えをいたします。
取り組みの経過につきましては、平成18年度において矢木地区において実験事業を実施しながら、制度の内容や申請書など関係書類についても調査を実施してきたところであります。
また、矢木地区での活動や他県からの視察も受け入れながら、実験事業実施地区と一緒にこの事業の進め方について研究を行ってきたところでございます。
具体的な活動事例を申し上げますと、毎月第2火曜日に常任委員会を開催し、翌月の行事について各種団体との調整を図っております。
また、毎月15日を環境デーと定め、農地、用排水路のり面等の草刈りを実施しております。
また、6月3日には環境マップを作成するために、ふるさと再発見としてワークショップを開催。
それから10月29日には生活環境に欠かせない水の大切さを知るということで、分水場やダムの機能などについて、水環境の研修視察を実施されてきたところであります。
あわせまして、本事業が平成19年度から本格的に実施をされるということから、制度の内容と取り組みの促進を図るために、6月16日から7月18日の約1カ月間にわたり、市内21地区において第1回目の説明会を実施したところでございます。
さらに、10月10日、13日の2日間にわたり、第2回の説明会を実施するほか、各地区や集落からの出前講座の要望があった地区には再度出向き、制度の内容について周知を図ってきたところでございます。
これらの周知を図った上で11月10日をもって要望地区の取りまとめを行ったところであります。
実施を希望された集落の特徴を見てみますと、地域コミュニティーのつながりの強い農村部の集落が多く希望をされている状況であります。
また、集落営農の組織化との相関関係につきましては、既に組織化された地域や、これから組織化される地域が実施要望をされている状況であります。
これらのことから、この施策は地域のまとまりがなくては実施できないことがうかがえると思います。
次に、事業規模等の見込みについてであります。
農地、農業用水等の保全向上に地域ぐるみで取り組む共同活動への支援につきましては、活動組織の数で46組織、面積規模では2,081ヘクタール、予算規模で約2,289万円で、砺波市農業振興地域面積の45.5%の要望があったところであります。
また、共同活動の実施地域で環境にやさしい減農薬、減化学肥料に取り組む営農活動の支援につきましては、活動組織の数で11組織、面積規模では約350ヘクタール、予算規模で約525万円で、砺波市農業振興地域面積の7.6%の要望があったところであります。
今後の日程といたしましては、要望された地区を対象に12月22日に説明会を開催し、書類の作成、活動計画の策定などについて指導を行う予定であります。
今後は関係機関と連携をとりながら、要望地区への情報提供や活動計画の策定について指導、支援を行うとともに、平成19年度から取り組みやすい体制づくりに努めてまいりたいと考えております。
次に、手続の簡素化及び実施事業の確認方法についてであります。
議員が述べられましたように、現在実験事業を通じ作成されている書類については、非常に複雑で難しいというのが現状であります。このようなことから国を通じ県に対し簡潔になるよう要望をしているところであります。
また、国では実験事業の経過報告に基づき、書類関係について内容を検討することといたしており、年内にはその素案が打ち出され、最終的には来年の3月初旬になるというふうに聞いております。
今後は、本事業に取り組む組織活動に対しては、情報がわかり次第速やかに書類の様式などを提供していきたいと思います。
次に共同活動の実施状況や要件を満たす営農活動の実施状況の調査、確認についてでありますが、詳細な事項につきましてはまだわかっておりませんが、現在説明を受けている状況では、農業用施設の保全向上に取り組む共同活動の実施状況につきましては、実績報告書による活動写真、活動日誌などにより判断することとなり、現地調査が必要な場合においては、現地確認をすることとされています。
環境にやさしい農業に取り組む営農活動の実施につきましては、県普及指導センターとともに書類の確認及び現地確認をすることとされています。
関係機関の役割分担につきましては、これについても詳細な部分については今後調整をしなければなりませんが、県の砺波農地林務事務所、県砺波農業普及指導センター、土地改良区、用水土地改良区、市などで組織されております、砺波市農村環境保全向上地域協議会で書類の確認や指導、現地調査を実施していきたいと考えております。
以上でございます。
◯議長(江守俊光君) 1番 大楠匡子君。
〔1番 大楠匡子君 登壇〕
◯1番(大楠匡子君) 傍聴席が華やかににぎわいとても私もうれしく思っています。私も元気に質問いたしたいと思います。
それではお許しを得ましたので、通告に従い質問と提案をさせていただきます。
昨今、家庭教育の見直しが叫ばれて久しいわけですが、子どもたちが犠牲になる事件は後を絶たず、10月下旬からは中学生のいじめによる自殺が相次ぎました。大変痛ましいことであります。輝ける将来のある子どもたちが自らの命を絶つような事態は何としても阻止しなくてはいけません。
市の中学校長会は教育委員会と連携をとり、いじめに遭いながらも、自分の力で人生を切り開いてこられた体験談を全校生徒と保護者、地域の皆さんが一緒に聞く、いじめ防止教室を市内4中学校ごとに持たれました。中学生は思春期の揺れる年齢でありますので、自殺の連鎖が懸念されていたときに、大変にすばやい対応をしていただき感謝しているものです。
また、保護者向けにインターネットやメール等、携帯電話に関する注意という文書も配布され、いじめの原因の一つにインターネットや携帯電話、メールなどが挙げられることから、携帯電話の持つ危険性を警告されました。今、一日に何十通もメールをやりとりし、携帯電話なしでは生きられない状態になっている子どもたちがいることを、どれだけの親が知っているでしょうか。
日本は発展し、便利で豊かな国になりましたが、それと引きかえに失ってしまったものもたくさんあるようです。来年4月のこども課設置を見据え、今回は乳幼児にも焦点を向け、赤ちゃんから学齢期までの子どもたちが健やかに育つ社会となることを願い3つの点からお尋ねいたします。
まず始めに、心を育てる読書活動という点からお尋ねいたします。
最近の絵本の読み聞かせブームの中、昨年の12月議会でも申し上げましたが、図書館の貸し出し冊数が増え続けています。また、市内の小中学校においては、今年の4月から学校司書も増員され、勤務時間も延ばしていただいたことにより、司書さんも意欲的に活動されています。地元の庄西中学校では、学習発表会の折に図書室で中学生などを対象にした読み聞かせタイムを持たれ好評だったと聞いております。絵本は子どもたちを見知らぬ世界へ連れていってくれます。温かい挿絵とともに子どもたちはゲームでは味わえない心地よい空間に浸ることができるのです。子どもの心が豊かに育っていくためには、言葉の健全な発達が不可欠です。絵本は子どもたちの限りない想像力を育み、物事を深くとらえ、考えることのできる言葉と心を育ててくれるのです。私が言うまでもなく、絵本を子どもたちに読み聞かせすることはとても大事なことなのです。
今、赤ちゃんと保護者を対象にしたブックスタートという活動が広まっています。10月31日現在、全国で588、約3分の1の自治体が実施していることになります。ブックスタートとは1992年に英国で始まった、赤ちゃんと保護者が心をふれあうひとときを持つきっかけをつくる活動のことです。赤ちゃんと保護者に絵本を読み聞かせ、親子で絵本を楽しむ体験をしてもらったあと絵本をプレゼントするのです。地域に生まれたすべての赤ちゃんを対象に市区町村自治体の活動として実施されており、健診時などで親子一組ずつにボランティアが絵本の読み聞かせをし、絵本の選び方や絵本を通したコミュニケーションのとり方などをアドバイスしています。字を読むことも言葉の意味を理解することもできない赤ちゃんでも、絵をじっと見つめたり、指さしたり、読んでくれる人を見つめてその声に耳を澄ませたりと、赤ちゃんなりの絵本の楽しみ方があります。絵本を読むのではなく、大好きな人と一緒にその楽しいひとときを分かち合うことを楽しんでいるのです。親子で過ごすゆったりした時間を日々の生活の中で持つことができるなら、子どもたちは大人といることの心地よさを感じながら豊かな心を育てていくのではないでしょうか。
この活動はただ絵本を手渡すだけではなく、絵本を開く楽しい体験と一緒に、温かなメッセージを伝えることにより赤ちゃんの健やかな成長を応援する活動にもなります。自治体だけでなく、図書館、健康センター、子育て支援センター、ボランティアなどが、それぞれの専門性を生かしながら、赤ちゃんの幸せを願う気持ちを共有し、連携して実施することで、赤ちゃんすくすく育ってね。地域みんなで子育てを応援していますよといった気持ちも伝えることができます。地域に子育てを応援する人がたくさんいることを知り、保護者が安心して子育てができるきっかけとなるなど、子育て支援を側面から行うことにもなるのです。
配る絵本の冊数や絵本の選び方などは、地域の実情に応じた方法が各自治体で模索されています。仮に、8カ月時の赤ちゃん1人に1冊の絵本をプレゼントすると、昨年1年間の出生数は470人なので、予算は約25万円。2冊プレゼントすると約50万円必要ですが、砺波市は砺波市なりのやり方で財源やボランティアを確保する方法があるのではないでしょうか。図書館ボランティアに協力をお願いするなどを検討いただき、ぜひ来年度から砺波市においても赤ちゃんと保護者に絵本の楽しさを体験してもらう活動を実施していただくよう提案するものであります。教育長のお考えをお聞かせください。
次に、家庭教育力の向上を重点的に進めるという点からお尋ねいたします。
日本青少年研究所が平成14年に日本、アメリカ、中国の中学1年生から3年生を対象に実施した、中学生の生活調査に深刻な結果が出ています。規範意識が低い子がアメリカや中国よりも多くなっているのです。例えば、たばこを吸う、先生に暴力を振るう、学校の建物や公共のものを壊すなどの行為を日本の中学生の20%以上が肯定しています。この数字は10%台のアメリカ、7%台の中国から見て高い数字となっています。また、遅刻する、うそをつくについては半数以上がしてはいけないことだと考えていない結果となっています。親に反抗する行為は61.8%がしてもいいと答え、アメリカの25.5%、中国の16.2%を大きく上回っています。また、別の調査では親に悩みを相談する割合も他の国と比べ低くなっています。同じ日本青少年研究所が1992年に行った徳性に関する調査で、親切、責任、友情、正直などについて、だれに教えられたか聞いたところ、アメリカの6割から8割の子どもは母親から日常生活の中で教えられたと答えていますが、残念なことに日本の子どもは子どもの3割から4割はだれからも教えられていないと答えているのです。めまぐるしく変化する社会情勢の中、家庭で行われるべきしつけ、親が子どもに教えなくはいけない人間としての生き方がしっかり教えられていない現状が浮かび上がってきています。私も子育て中の一人の親として深く考えさせられました。家庭の教育力を向上させると一口に言っても簡単なことではありません。まず、基本に立ち返り子どもと真剣に向き合うことが大事だと思うものです。父親も母親も時間に追われ、ゆっくり子どもと向き合う時間がないのかもしれませんが、子どもは親が忙しい中、本気で自分のことを考えてくれているかということを敏感に感じとっています。今の子どもたちはさまざまに汚染され退廃的な考え方を身につけてしまう世の中に生きています。だからこそ、親はこう生きたい、生きてほしいという理想をしっかり持ち、子どもたちに伝えていかなくてはいけません。物わかりのいい親、優しい親を演じるのをやめ、多様な価値観が渦巻く社会で、だめなものはだめとはっきり主張し、子どもたちと真剣に向き合っていかなくてはいけないと思うのです。一昔前まで一家の大黒柱の父親が行っていた問答無用のしつけを見直すときがきているのです。
そこで、お伺いします。市では新砺波市の総合計画の重点施策に家庭教育力の向上を上げ、五本ゆびのめあての普及など施策内容も幾つか挙げておられますが、その中の家庭の日の啓発について、まずお伺いします。
家族が一緒にふれあう時間を持つことは子どもと向き合う点からも大変大事なことだと思いますが、家庭の日を具体的にどのように位置づけ、啓発されるお考えなのかお聞かせください。
次に、家庭教育講座についてお伺いします。
市の生涯学習課では家庭教育アドバイス講座など、積極的に取り組んでおられるのですが、この家庭教育講座の内容を親として、人間としての生き方を見つめ直すようなものにするなど、実施日や講座の内容、対象を再検討され、より適切な講座となるよう望むものですが、教育長のお考えをお聞かせください。
最後に、児童虐待を防ぐという点からお尋ねいたします。
11月は児童虐待防止推進月間でした。官公庁や学校、公民館等にはポスターが掲示され、チラシも配布され、児童虐待問題に対する社会的関心の喚起が図られました。砺波市の児童虐待は昨年度8件が報告されています。全国的に見て虐待相談対応件数は年々増え続けています。虐待問題の取り組みが進んだため報告件数が増えているからのようですが、厚生労働省の発表によりますと、昨年度は3万4,472件となっています。内容別に見ますと、全国的には身体的な虐待が最も多く、1万4,712件、42.7%、次いでネグレクト、保護の怠慢ないし拒否が1万2,911件、37.5%となっていますが、富山県においては平成16年から身体的虐待よりネグレクトの方が多くなっています。また、保護者の子育て不安などによる心理的虐待が、富山県においても、全国的にも増加する傾向にあります。主たる虐待者は実母が2万1,074件、61.1%、実父が7,976件。相談年齢別では小学生が1万3,024件、37.8%と最も多くなっています。これらの数値はあくまでも家庭内の虐待に関するもので、実態としては家庭外でも虐待は起こっています。そして、2000年に児童虐待防止法が施行されてからも、虐待死亡事故は発生し続け、厚生労働省の報告では、全国で7.4日に1人の子どもが虐待で亡くなっていることがわかっています。実際、痛ましい幼児虐待の報道は後を絶たず、つい最近も虐待された乳児が死亡する事件が起きています。児童虐待により大事な幼い子どもたちの命が奪われることのない社会にしていかなくてはいけません。児童虐待は子どもの心身の発達及び人格の形成に重大な影響を与えるとともに、虐待を経験した者が親になったときに、虐待を再現してしまう、世代間連鎖を引き起こす場合もあるなど、子どもの一生涯、さらには世代を越えて深刻な影響をもたらすため、虐待の発生予防、早期発見、早期対応から、虐待を受けた子どもの自立に至るまでの、切れ目のない総合的な支援が必要となっているのです。
そこで、お伺いします。平成17年4月の改正児童福祉法の施行により、県内15市町村に児童相談窓口が設置され、市町村の体制が強化されました。児童虐待への対応は時間との勝負ということころがあり、市では家庭児童相談員の方を定期的に保育所、幼稚園に派遣され、文字通りフットワークを生かして活動されていると聞いています。虐待を早期に発見するための手だてと、発見してからどのような体制で対応されているのかを具体的にお聞かせください。
次に、虐待予防策についてお伺いします。
2004年の児童虐待防止法の改正により、児童福祉施設とともに、学校の予防啓発と研修の責任が強調されました。虐待のない社会をつくるためには、子どものときからの予防教育の徹底が効果的です。子どもは、自分の身を守るために大人の力を借りなければならないので、子どもに予防教育をするためには、同時に子どもの周りの大人たちにも、どう子どもの話を聞くかを教える研修がなされなければなりません。学校で毎年健康診断を行って病気の発生を抑えているのと同じように、学校を場にして子どもの人権感覚を育てながら、虐待や暴力から身を守るための教育プログラムCAPを、子ども、教職員、保護者に提供することが必要になってきています。家庭児童相談員だけではなく、保育所や幼稚園、学校、健康センターの職員も児童虐待の現状を学び、親に啓発していくことが大事であると考えるものです。虐待予防策の一つとして、学校を場としたこのような教育プログラムを提供されることを提案いたしますが、教育長のお考えをお聞かせください。
2つ目として、健康センターでの予防策についてお伺いします。
健康センターでは、妊産婦を対象にいろいろな教室を開かれていますが、最近はほとんど夫婦で参加されておられ、出席率も高いようで、うらやましい限りです。虐待は半数以上が母親によるケースであるため、虐待対策は母子保健による予防策に集中していますが、父子保健も緊急に必要となっています。虐待の特別な形態である乳幼児揺さぶり症候群は、父親に多く見られるものであるからです。新生児の親を対象とした予防教育が、大きな効果をもたらす報告もありますので、乳幼児への虐待予防策として、この乳幼児揺さぶり症候群の予防啓発ビデオを見る教室を、健康センターでぜひ盛り込んでほしいものです。この件については、専門的な立場から、健康センターの藤沢副所長さんに、答弁をお願いしたいと思います。
最後に、先に述べました、育児不安から虐待をしてしまうケースが増えている現状を重視した対応策についてお伺いします。
市内では、子育て支援センターや健康センターで、育児相談を行っておられますが、個人主義化した今の若いお母さんたちは仲間づくりが苦手で、子育てに悩んでいるけれど、どこへ行くのもためらわれ、そのままにしている親御さんたちも多いようです。そんな親御さんたちのための手だてを考えていただきたいと思うものです。
来年4月から教育委員会の学齢未満児の部門と、高齢児童課内の子育て支援部門が統合され、新しくこども課が設置されることになりました。子育て支援部門を一本化することは、子育てを行う市民にとって歓迎するものであり、家庭教育の充実を図る意味でも効果のあるものと思っています。このこども課で虐待予防と家庭教育の支援の両面から、子育ての悩みを気楽に語り合える広場、子育て悩み相談広場、または親のための子育てサロンなるものを、設けていただきたく思うものですが、教育長のお考えをお聞かせください。
以上、子どもたちが健やかに育つ社会となることを願い、私の質問を終わります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
教育長 堀田良男君。
〔教育長 堀田良男君 登壇〕
◯教育長(堀田良男君) 大楠議員の御質問にお答えします。
全体として、女性議員として、乳幼児虐待、きめの細かい御質問だったと思います。多分に、これからという分野がありますので、御了承いただきたいと思います。
まず、心を育てる読書活動、ブックスタート。これは、市民にわかりやすい言葉に置きかえますと、乳幼児に対する読み聞かせ配本事業。乳幼児に対する読み聞かせ配本事業。この後、この言葉を使わせていただきます。この事業は全国的に広がり、県内では高岡市、魚津市などで実施していると伺っております。これを砺波市でも導入したらどうかと、こういう意見であります。
現在砺波市で行われている読書教育活動は、この11月に県功労賞をお受けになりました読み聞かせボランティアグループめばえの会の協力を得て、砺波図書館では過去20年以上にわたって開催をしておるお話の会があります。さらには、庄川図書館でも同じ趣旨の会、お話のポケットという会があって、図書館から学校、幼稚園、保育所へ出かけて、出前のお話をしていただいております。この効果は大なるものがあります。引き続き支援をさせていただきます。
一方、市内小学校では、朝読書の時間が定着し、子どもたちの読書の関心が高まってきているようでございます。
御質問の、乳幼児に対する読み聞かせ配本事業につきましては、図書館、生涯学習館、保健センター、子育てサポートセンター、読み聞かせボランティアの方々と連絡をしながら、読み聞かせの方法、実施場所、関係の皆さんの役割分担などを研究して、具体化に向けて努力をしたいと思っております。情報の多様化、情報機器のあふれこぼれるこの世の中で、本に親しむことは子どもの健やかな成長に欠くことのできない大切なことであります。この健やかな成長を親としてつくり上げることが、とても大きな喜びでありましょう。読書が生きる糧であるとなることを望むものであります。
次に、家庭の日の啓発についてでございますが、家庭の日は昭和41年青少年育成国民会議の発足とともに、毎月第3日曜日を家庭の日と定めて、この運動を国民運動として全国的に取り組み展開されてきたわけでございます。富山県では、昭和40年11月、富山県青少年問題協議会が富山県民家庭の日推進要綱を定めて、毎月第3月曜日を家庭の日と定めたところであります。この運動の推進協力機関団体として各市町村の教育委員会、それから青少年育成市民会議があります。当市におきましても、砺波市家庭教育推進事業や青少年育成砺波市民会議の中で、家庭の日の啓発に努めることとしております。今後さらなる啓発のために、現在の事業の充実を図るとともに、広報媒体を通して家庭の日が浸透するように努力を進めていきたいと思っております。
この機会にありますので、過日、公民館研究大会というのをちょっと御紹介しましたけれども、子どものしつけ、ふれあいを深めるために、私の友人からこんな話を聞きました。
その友人とは、大のスポーツ好きで、ゴルフはシングルを張っております。それから、スキーはもう市代表として県を制覇するぐらいの成績を残した方です。お子さんは小学生が2人、中学生が1人、3人の父親です。それが、この間会いましたら、おれもう日曜日は子どものためにすると、好きなスポーツはやめたと、こう言うのですね。こうおっしゃるものだから、どうしたと聞きましたら、理由は最近の子どもの非行、規範逸脱行為を見たときに、その家庭を観察すると、親は見えるけれど親はいない。見えるけどいない。ここに意味があったんですね。親としての務めは、まとめて一括どーんとはできんと、こつこつ、こつこつと子どもと一緒にいることだと思ったと。後々大ごとになってからでは手が遅い。手抜きの子育ては後々つけが回ってくると。こういう言い方を、平易な言葉で私に語ってくれました。大変な男ですから、私も本当かと、大変な男というのは、すごいスポーツマンなんですね。私も信じられなかったのだけれども、そう思うと、彼は最近あちこちのイベントで子どもを連れてきておられました。きょうもか、きょうも坊やデイや。そう言って私とあいさつした覚えが出てきたわけです。これは、家庭のあり方、子育ての原点だと、そして父親のあるべき姿というのはそこに見えたような気がいたします。これも家庭の日啓発の一助になればと思って紹介をさせていただきました。
次に、家庭教育アドバイス講座のことでございますが、これは国の委託事業として、砺波市家庭教育推進協議会が主体となって平成17年度から取り組んでおります。受講する対象者は、母親を中心した子育て中の保護者であって、開催している場所は幼稚園、保育所、小中学校といった、いずれも教育機関であります。開催の時期等は学校の判断としておりますが、入園時前の就学児童の健康診断のときに集中しているようでございます。したがって1月下旬から2月になると思いますが、その内容は講師さんは地元のお医者さん、それから教育関係者が多くて、子どもの成長に応じ、しつけや食育、生活習慣から親育ちまで、幅広い内容の家庭教育講座となっております。昨年度、平成17年度には27回開催しまして、1,700名の若いお母さん方が受講されて好評を得ております。そろそろその効果があらわれてくるものと思っております。御質問にあるように、年度の早い時期にその講座をすればどうかということでございますが、より一層の効果を目指すために、今後学校等とも連絡をして、3学期、1月、2月に集中しないように検討していきたいと思っております。
次、児童虐待の予防策、CAPについてでございますけども、子どもはみんな安心して自信を持って自由に生きる権利を持っている。当然のことですが、安心して自由に自信を持って生きるということが今侵されているようでございますね。そこで、子どもが自分自身が親や大人からの暴力から身を守るための教育プログラムであります。このプログラムにある、このワークショップは、学校の特別活動の授業の教材として生かすことができないだろうかということで、今、園長、学校長と検討しております。さらに、虐待問題は、やはり家庭の不均等、不安定の中で発生をしております。そのために、学校、教育委員会等だけでは接し切れない面がありますので、福祉関係者、それから先ほど出ておりました児童相談員、民生委員等と情報を交換しながら、最終的にはやはり児童相談所に駆け込まなきゃならない。そういう事件が幾つかありました。しかし、児童相談所は今また目いっぱいで、ちょっと待ってくれというのが多いのです。過日の新聞にも出ておりましたように、児童相談所関係の職員を増やさなきゃ困ると、こういう意見も出ておりましたが、我々としましても、一般の園児や児童生徒の対応に目いっぱいのところで持ってきて、こういう特別な問題のあるお子さんを相手にするときには、やっぱり専門の児童相談所へ駆け込まなきゃならない。そこがまた手いっぱいだと。こういうことになって、今はどん詰まり状態があちこちに見える状態でございます。
次、子育て悩み相談広場、いわゆる子育てサロンです。これにつきましては、家庭教育力の向上に資するために、社会教育では家庭教育アドバイス講座、それから保育所では子育て支援センターの活動、高齢児童課の家庭児童相談員等の乳幼児期にはさまざまな分野で幅広い子育て支援があります。また、学校においても教育相談を各学校で定期的に行っております。そこで、御指摘の子育ての悩み相談広場、いわゆる子育てサロンですね。この子育てサロンにつきましては、来年度から発足するであろうこども課の、まず研究課題、このこども課で取りまとめていかないとその場所に実際にぴったりなものだと思っておりますので、今後の研究課題としたいと思っております。また、御示唆をいただきたいと思います。
終わります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
福祉市民部次長 藤沢まゆみ君。
〔福祉市民部次長 藤沢まゆみ君 登壇〕
◯福祉市民部次長(藤沢まゆみ君) 引き続き、大楠議員御質問の児童虐待の予防策についてお答えいたします。
健康センターでは妊産婦の日常生活指導や、育児についての正しい知識を普及することを目的に母親教室を開催しています。中でも、妊娠後期に開催しているパパママ教室は、母親だけでなく、父親も参加する教室となっており、近年の父親同伴率は8割を超えております。この教室では、小児専門医、保健師などから、健やかに生み育てるためにという講義を通して、健康な子どもを生み、喜びを感じることが子育ての第一歩であることや、新生児の体や心の発達、育児の仕方を理解していただくことで、初めて母親、父親になる方々への心構えを伝えています。
また、妊婦体験や赤ちゃんの沐浴実習などもあわせて行っております。出席した父親たちからは、このような教室に参加することによって、パパになるという心構えと自覚が持て、とてもよい経験でしたとか、体験できてよかった、早く赤ちゃんに会いたいなど、ほほえましい感想が寄せられ、私どもといたしましては、虐待予防教育の一端を担っていると考えております。
また、乳幼児への虐待予防対策として、健康センターで取り組んでいることは、1.まず、母子健康手帳を発行する際に母親はこの妊娠を本当に喜んでいるのかの確認をしております。2.次に生後4週以内に行っている新生児訪問の際、母親が育児不安や体調のことで悩んでいないか相談を受けます。3.また、乳幼児健診や予防接種では、定期的にきちんと受けているかの確認を行っています。4.そして、地区の母子保健推進員の方々との接触を通して、地域社会全体で子育てがしやすい環境づくりに取り組んでいるところでございます。
以上のような、健康センターでの母子保健活動を通じて、問題を抱えている母、子、家族を早期に把握し、ときには高齢児童課の家庭児童相談員や、教育委員会、児童相談所などとも連携を密にし、個々のケース検討会、ネットワークを通じての見守り、さらには家庭訪問を行って、個別援助の継続に努めているところでございます。
以上でございます。
◯議長(江守俊光君) この際、暫時休憩いたします。
午前11時59分 休憩
午後 1時00分 再開
◯議長(江守俊光君) 休憩前に続き会議を開きます。
これより、市政一般に対する質問並びにただいま議題となっております提出案件に対する質疑等を行います。
通告により発言を許します。
3番 村岡修一君。
〔3番 村岡修一君 登壇〕
◯3番(村岡修一君) ただいま、議長さんのお許しをいただきましたので、通告書に従い、市政一般について質問をさせていただきます。
最初にこども課設置について質問させていただきます。
安念市長は、去る10月17日に開催されました砺波市公民館連絡協議会の市長と語る会の席上で、将来的な子育てに関連して、平成19年度にこども課を設置し、幼稚園や保育所や放課後児童教室、子どもかがやき教室を含めた子どもを対象に設置をしたいとの方針を述べられました。こども課に関しては、先の9月定例会において、初めて幼稚園、保育所を担当する部署を一元化するという考えを示され、子育てサポートの養成では、現在市内に130人が活躍されているが、150人程度まで増員したいとのことであります。
そこで、今日子どもたちを取り巻く状況を少し述べさせていただきますと、将来的に厚生省は財政難から施設への助成金を廃止していきたいとの意向もうかがわれます。市立から民営化へ、幼保一体化、早朝から夜遅くまでの時間延長など、昨今の多様なニーズに対応するための絶対条件と言えます。
参考までに、本年10月1日からスタートした認定こども園や放課後子ども教室について触れますと、認定こども園はゼロ歳児から就学時までの子どもを対象に、教育や保育、子育て支援を総合的に行う幼稚園と保育園の機能を一元化した総合施設を、設置者は各都道府県に申請し、都道府県がそれぞれの条件に基づいて設定したものを言う。認定こども園には、1、幼稚園と認可保育所の幼保連携型、2として幼稚園が保育を必要とする在園児のために保育を行うなどの機能を持った幼稚園型、3番目として認可保育所が常時保育を必要としない子どもも保育するという幼稚園的な機能を持った保育所型、4番目として地方自治体が独自の基準で支援している無許可の幼稚園や保育所が幼稚園的な機能や保育所的な機能を持ち、教育や保育の一体的な提供と子育て支援を行う地方裁量型の4つの類型があります。
また、放課後子ども教室については、文部科学省は本年8月にほぼ全公立小学校に相当する2万校で導入予定をし、平日と土曜日に2人の安全管理員とボランティアが待機して、スポーツや住民との交流に取り組むほか、退職教員らを学習アドバイザーとして配置して、勉強やスポーツを無料で教えるものである。
そこで、今定例会において、こども課の設置に対する質問については、昨日の嶋村議員、そして、きょう午前の山森議員もおっしゃいましたが、私は私の観点から改めてもう一度市の考え方をお尋ねいたします。
1つ目として、時期についてはいつごろなのか。2点目として、新たな課の設置なのか。3点目として、所管あるいは設置場所について、市当局の考えをもう一度お尋ねします。
次に、庄川健康プラザへの庄東地区からの市営バス運行について質問させていただきます。
去る10月1日オープンしました庄川健康プラザの利用状況は、健康増進室や機能訓練室での各種介護予防教室やがん検診など、また、プールを使ったどなたでも参加できる教室などの利用者が約1,300名余りと、多くの市民に利用されているとのことであり、大変喜ばしいことと思います。
庄東地区には現在地区住民の交流の場として庄東センターがあります。去る10日には第12回ふれあいフェスティバルが開催され、地区民はもちろん、三谷地区、太田、中野からもたくさんの方が来て、楽しい一日を過ごしておられました。その中で、ある老人の方から私に対して、庄川健康プラザへ行きたいが足がなく、バスでもあれば便利なのに、との相談がありました。そこで、現在運行されている市営バスの庄東方面路線の見直しを行い、庄東地区から三谷、雄神経由で庄川健康プラザ行きなど検討していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
3点目に、このほど作成されました、第一次新砺波市総合計画の中での庄川と散居について質問をいたします。
このたび作成されました第一次新砺波市総合計画の表紙や内容紹介で何度も出てくる砺波市のイメージ用語である庄川の清流と散居に広がるという表現について、私なりの立場で常日ごろ感じていることを述べたいと思います。
確かに庄川や散居村という表現は砺波市民であればだれでもよく御存じの文言であります。
そこで、まず、最近の庄川の水量について触れたいと思います。県内の有名な一級河川である庄川の水量は、春の雪解け時期や6月の鮎の解禁時、台風時以外では水量が大変少なく、このままでは一帯が河原となってもおかしくありません。中でも、現在国道359号砺波東バイパス工事の新長大橋工事の関係で水量が制限され極端に減少しているのかもしれませんが、この時期特有の光景である産卵期のサケの遡上する姿は、砺波大橋付近から太田橋にかかる地点では水量が少なく、魚影は全く見ることはありません。これでは名に恥じるのではないでしょうか。聞くところによると水利権問題は大変複雑、かつ難しい問題であると伺っており、早期に水量復活は期待できないと思われますが、何とか市当局の御尽力をいただき、ぜひとも青々とした清流庄川を実現させていただきたいものであります。
次に、散居村景観について少し触れますと、先ほどの庄川と同様に、これまで多くの冊子や観光パンフレットで、散居村風景の代表作として水田に水を張った夕暮れ風景が数多く紹介されています。私も何度か拝見しました。しかし、このすばらしい散居村眺望風景は平地では目にすることができません。幸い散居村ミュージアム完成により、散居村に対するイメージアップに少しは役立ったものと思われます。そこで、チューリップ観光PRも大切ですが、夢の平展望台から散居村眺望は絶景ポイントであり、観光PRにも積極的に取り組むべきと考えますがいかがでしょうか。砺波インターチェンジ入り口付近での案内板の設置や、夢の平展望台への道路整備、看板の設置など取り組むべきではないでしょうか。先の定例会一般質問において、山田議員からも庄川水系の温泉を中心とした滞在型観光事業の中でも触れられましたが、私の質問と視点は少し違いますが、弁財天から鉢伏山へのロープウエー建設など、観光スポットとして最高のポイントであると確信します。今一度夢の平展望台からの散居村眺望PRに本腰を入れるべきと考えますが、市当局の考えをお聞かせください。
最後に、資源リサイクル環境整備(養豚事業)における地区協定の履行についてお尋ねをいたします。
まず、般若地区での資源リサイクル畜産環境整備事業について現状を申し上げますと、地元では事業推進を円滑に図るため、富山県、農林公社、市当局、事業者、土地改良区や地元自治会、自治振興会との間で、環境や水質問題にかかわる協定書の調印を先ごろ締結いたしました。しかし、設計作業直前で資金調達問題が発生し、現在事業主との最終合意が得られず未着工となっております。このままでは、今年度計上した予算の繰り越しも想定され、一日も早い解決を望むものですが、解決にはまだ少しの時間が必要とのことであります。このまま決着が長引けば長引くほど事態は複雑、混迷化を擁し、大変心配されるところであります。
そこで、最近、その陰によく耳にする話ですが、市内の同業者の事業姿勢ではないかと気がかりになります。なぜかと申しますと、事業優先で行政や住民無視の姿勢にあると思います。そこで、いま一度この件に関して状況確認をさせていただきますが、事業開始当時の地元と事業者間との協定書内容の履行具合は現在どうでしょうか。何度か当局に対し見解を求めてきましたが、立ち入り拒否や地元住民とのさめた姿勢など、事業は今日平然と行われているとのことです。環境や公害問題等は無視し、税の納入問題という大きな問題も既成事実として発生しているとのことであります。
そこで、いま一度当時の地区協定の履行が現在も事業者に対し完全履行されているのかどうかお尋ねします。
以上で、私の質問を終わります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念鉄夫君) 村岡議員にお答えをいたします。
こども課についてでありますが、こども課は随分人気があるようで、大所高所からいろいろ御提案いただいております。大変うれしくも存じておるところであります。
議員からもお話がございましたが、国では本年度から就学前の教育、保育ニーズに対応するための選択肢として、地域すべての家庭の子育て支援を行う場として、認定こども園を設置しようとしておるわけでございます。まだまだ少し問題があるようでありますが、この認定こども園制度をきっかけにして、文部科学省、厚生労働省、新しく幼保連携推進室というのがつくられました。これが窓口になっておるわけでございまして、ここから今後指導をいただけるものと思っております。市といたしましては、保育所あるいは幼稚園、これらに関する子育て支援の窓口として整備したいと思っております。国の要請もございますけれども、他の市町村はあまり動きがないようであります。当市におきましては、議会からも提案がありました。一方先んじて保育所と幼稚園の統合を考えてきたところでございます。つきましては、今重要な子育て支援、このことについて窓口を一本化するためにこども課を設置するものでございますので、御理解をいただきたいと思います。
なお、議員がお尋ねの設置時期、所属等につきましては、昨日嶋村議員の質問の中でもお答えいたしましたが、時期につきましては明年4月からといたします。
なお、こども課につきましては、サービスの点から福祉との関係もございます。教育委員会事務局は庄川支所にございますけれども、福祉との関係もございますので、一般住民のサービスを考えて、それと連携しやすい場所を考えておるわけでありまして、今せっかくの市民サロンで皆さんに休んでもらったりしておりますけれども、あそこをこども課にして、市民サロンを少しずらせばどうかなと、こんなことも思っています。検討させておりますので、御理解をいただきたいと思います。
ついでに申し上げますと、実は高齢化も随分進んでおるわけであります。このことの事務も随分多くなってまいりました。介護保険組合がございますけれども、その事務は市町村でやらなくてはいけません。そんなこともございますので、仮称でありますけれども、介護高齢課にするか、高齢課だけでいいのか、もう少し時間を貸していただきたいと思いますが、そのような新しい課をスタートさせたいと、このように思っておるところでございますので、御了解をいただきたいと思います。
教育長からも申し上げましたが、こども課につきましては、幼保小の連携を密にする。大変大きい事務になります。そんなこともございまして、教育委員会に御迷惑をかけるわけでございますが、そのような教育委員会の教育というものも十分考えて対処したいと思っております。その他に幾つかの提案もあったし、考え方も申されましたので、また参考にさせていただきたいと思っております。
次に、庄川健康プラザへの庄東地区からの市営バスの運行であります。
議員からいろいろ説明もございました。公共交通路につきましては、確かに公共交通の不在地区も実はあるわけであります。が、そうしますと、交通弱者と言われる皆さんが随分不便を感じておられると、こう思っておるところでございます。したがいまして、あちこちでコミュニティバスとか、あるいは小型乗り合いバスなどが望まれておりまして、幾つかスタートしたようであります。いずれにしても、そのスタートをしましても全市内を網羅するようなことは到底できないのではないかと、こう思っておるところでございます。御質問の三谷、雄神を含む庄東地区からの健康プラザへの市営バスの運行でありますが、三谷、雄神地区には健康プラザへ行くためのふれあいバスが実は今運行しております。これをまず利用していただきたいと思っております。庄東地区には東般若線、栴檀山線などありますが、でき得ればこれを利用していただきたいと思います。問題は乗り継ぎであります。この乗り継ぎで不便をかけておりますが、その意味で60歳以上の皆さんには、あるいは身障者の皆さんには優待パスの乗車券を利用していただけないかなということで、優待パスで低額で安いものを少しは乗り継ぎも運動のつもりだと思って、その優待パスを使っていただいてできないかなと。公共交通を全部網羅するのは到底至難でありまして、仮に、頼成から安川、安川から三谷、雄神と、こういうことをおっしゃいましてでも、ほかの地域でもまたそんなことをおっしゃっております。今も私は言われておるのですが、到底じゃないが、今バスを購入せねばいけませんし、運転手も配置しなきゃいけません。そんなことを考えるときに、今到底じゃないがちょっと至難ではないかなと。おっしゃる気持ちはわかります。わかりますけれども、村岡議員はその点を御理解いただきたいと、こう思っております。
そこで、健康プラザでは新しく専用バスを買いました。きのう皆さんに見ていただいたと思いますが、バスを買いました。それで、庄川の健康プラザを使いたいということで、10人以上で若干前後するかもしれませんが、そういう形でゆっくりプールに入って、あそこでトレーニングをして、そしてうどんでも食べて、また帰るんだということでしたら送迎バスを出します。そして利用度を高めたいと思います。これは健康の立場から考えて、こんなことを思っております。新しくバスも入りました。なお、また、北部施設にはおかげさまできょうの新聞にも出ておりましたように、4WDの立派な車も実は配置をして、寄付していただきました。もともとこちらでも買いますけれども、そういう意味で利用をしていただきたいと、こう思っております。これらのバスについては、私は勝手でありますけれども、介護予防バスとでも命名しましょうか。そういうことで、このことを今PRして、皆さん方がお使いになりたい、施設へ行きたい、それが1人、2人だとちょっと困りますけれども、ある程度グループで行くんだと。あるいはグループが幾つかあるとすれば、一緒に連携していただいて、それを一緒に運ぶという形態をとったらどうかな。高齢者の皆さんにそのようなサービスをすることによって元気になってほしいと、こんなことでございます。これも相当経費がかかりますけれども、その点は御理解をいただきたいと、このように思っている次第でございます。
それから、その他の問題については、担当部長からお答えいたしますが、庄川の水量の増について述べられました。このことについては毎年議会の皆さんにも陳情、要望の事項の中に入っておりまして、御理解いただいておると思いますが、それこそ毎年、毎年、県庁、新潟、お願いしているんです。到底難しい問題でございますが、お願いし続けております。私は反省しますと、悪いのは和田川へ流失しているからですよ。あれだけの水が和田川へどんと行っていますからね。どなたが決めて、どなたがやったとは申し上げませんけれども、そのときの妥協の産物としてなったんでしょうけれども、あそこへ毎日のようにどんどん行っていますので、それを今からもとへ戻せといってもなかなか難しい問題がある。そこで、私は今お願いいたしておりますのが、和田川ダムができますとある程度の水量が確保できます。それに希望を持って今おります。おっしゃるように、やっぱり水の量がないと魚も遡上しません。そんなことも考えますときに、このすばらしい河川を守る意味でも、あるいは地下水の涵養のためにも、私は流してほしいと、したがいまして、希望的観測でありますけれども、利賀川の建設、その時点において水を流してほしい、そんなことをお願いしてまいりたいと、こんなことを思っておりますので、細部につきましては担当部長からお答えしますので、よろしくお願いします。
以上であります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
商工農林部長 堀 秋博君。
〔商工農林部長 堀 秋博君 登壇〕
◯商工農林部長(堀 秋博君) 私からは、散居村の観光強化、PRについてお答えをいたします。
まず、チューリップフェアのPRも大切ですが、散居村が一望できる夢の平展望台への道路整備、それからアクセスのための案内板の設置を進めるべきとの御質問であります。
チューリップフェアは明年が第56回を迎え、長い歴史と先人の知恵により充実した内容を持った全国に自慢のできる大きな花のイベントで、砺波市の顔となっております。
また、世界からも認められ10月には世界チューリップサミットに市長が招待を受けるほどの高い評価をいただいております。砺波市の全国並びに世界に発信する大きな原動力となっているところでございます。今後とも力を入れてチューリップフェアをPRし、全国の多くの方々に美しい花の町砺波のチューリップを堪能していただけるよう、努めてまいりたいと考えております。
夢の平展望台の道路整備でございますが、砺波インターチェンジからは国道359号線、国道156号線、県道砺波細入線と県道川内五郎丸線、県道山田湯谷線を通るすべての道路が二車線確保された、舗装された道路でございます。コスモスウオッチングのピーク以外には通行に支障がないというような道路で整備がされておるところでございます。
次に、案内誘導看板につきましては、多少不足している箇所があると思いますので、点検を実施し改善を進めるとともに、砺波インターチェンジ出口の大型案内看板を活用することを考えていきたいと思っております。
次に、弁財天から夢の平へのロープウエーを設置したらどうかということでございますが、庄川地区の庄川嵐山と言われる江戸彼岸桜の山を切り開き、音を立ててロープウエーが登ることは、環境保全上あるいは財政的にも大変困難であると考えております。御意見として承っておきたいと思います。
今、散居村を保存する重要文化的景観の選定に向けて調査が進められております。砺波地方にしかない田園空間の環境保全を進め、それを観光資源として、砺波市のさらなる魅力づくりを行っていくことが重要だと認識をいたしております。そのことによって、展望台からの美しい散居村景観が今後とも守り続けられていくものと考えております。
御提案の庄川、散居村、夢の平展望台などのPRについては、観光案内パンフレットや観光マップなどで、今後も積極的に県内外に紹介をしてまいりたいと存じております。
次に、資源リサイクル畜産環境整備事業の地区協定の履行についてお答えをいたします。
議員御質問の同業の養豚業者につきましては、平成7年に地元集落と協定書を締結し、施設の建設に着手し、平成10年3月に施設が完成し、新たな施設で使用管理が始まったところであります。その後施設からの悪臭、浄化槽からの排水の悪化により、地元協定書に基づき施設の改善勧告を行うとともに、施設の立ち入り調査について養豚業者に申し入れを行ったものであります。しかしながら、豚舎への病気の侵入を理由に豚舎への立ち入りについては強く抵抗し、市としては富山地方裁判所高岡支部に仮処分の申請を行ったところであります。5回の調停を行いましたが、双方の意見がかみ合わず、調停は不成立となったものであります。市といたしましては、今後根本的な解決方法としては、住民訴訟しか方法がないという判断から、地域住民の協力をいただき、臭気捕捉機を設置し、悪臭が発生した場合臭気を捕捉する体制をとり、今日に至っております。
今回予定をいたしております資源リサイクル畜産環境整備事業、西部地区砺波団地の地区協定につきましては、地元頼成委員会、砺波市土地改良区般若地区委員会、砺波市との三者の協定を結び、環境の改善に取り組むこととしており、同業者のようなことのないように万全を期していきたいと思っているところでございます。
しかしながら、どのような立派な施設をつくりましても、その施設を管理する事業主の意識が薄いと地域住民に御迷惑をかけることになりますから、関係機関とともに指導をしていきたいと存じております。
以上であります。
◯議長(江守俊光君) 2番 今藤久之君。
〔2番 今藤久之君 登壇〕
◯2番(今藤久之君) お許しをいただきましたので、質問通告書に基づき質問と意見を述べさせていただきます。
まず、高岡市総合斎場問題についてお尋ねいたします。
私は昨年9月の定例会におきまして、この問題について質問をさせていただきました。その際には、市長から力強い御答弁をいただき感謝いたしております。
その後の経過について、今回の質問に際して必要と思われるものだけを要約してみますと、昨年9月の定例会での質問中にありました、平成17年2月25日付の下開発自治会長からの質問に対する回答書が、約8カ月後の10月20日付で届きましたが、回答書の内容は地元として、決して納得できるものではありませんでした。
平成17年11月27日には、柳瀬地区住民説明会が開催されました。
柳瀬住民側から現在の予定地より300メートル北側へ移動することや、周辺地のイメージダウン緩和のため、ハード面、ソフト面を含めた提案をするようにとの発言がありました。そして、西部金屋地区との話し合いの経過を適宜報告するようにとも申し入れをいたしました。
高岡市側から総合斎場施設そのものの説明は、強い反対意見で中断されました。
同日付で柳瀬自治振興会長名で論点整理を中心とした、総合斎場問題及び要求事項を提出いたしました。
平成17年11月29日付で、その総合斎場問題及び要求事項の対する中間報告書を受領いたしましたが、再度確認のために別紙にて申し入れを振興会として行いました。
平成18年3月7日には、西部金屋地区の融和会議が2月18日に立ち上げられ、斎場予定地の北側3,651平方メートルの用地、田一枚の買収に努力しているとの報告を受けました。平成18年9月8日には、その3,651平方メートルの北側用地を8月30日に物件引き渡しを受けたこと、西部金屋慎重派が斎場を認めたわけではないこと、北側に幅員6.5メートルの道路をつくること、北側へ30メートル基本設計の配置がえを行うこと、周辺地区の開発を検討中であることなどの報告を受けました。
そして、11月16日には、高岡市側からの再三の要望を受けて、柳瀬地区住民地区説明会が行われました。柳瀬地区自治振興会長からの経過説明に始まり、橘高岡市長から平成17年12月29日付の中間報告書に対する説明と、庄川左岸地域構想図による説明があり、前回の説明会で中断された斎場基本設計の説明、柳瀬地区民からの建設反対の厳しい発言の質疑という流れでありました。
その際に、前下開発自治会長から橘高岡市長に対して、地域振興策としてのソフト面、ハード面の提案と時間軸の入った工程表を書面をもって回答するようにと申し入れがあり、橘高岡市長もこれを了承されました。11月24日には、高岡市側が工程表(案)を柳瀬地区自治振興会へ持参されました。
ところが、事態は急変いたしました。11月30日に、高岡市側から生活環境部長、生活環境部理事、総合斎場対策室長補佐が報告に来られ、高岡市は10月末に高岡をよくする会西部金屋慎重派の事務所において、平成18年度の予算執行もあり、本体工事の業者選定手続に入りたい旨を申し入れしたこと。慎重派は11月4日に住民集会を開催し、その申し入れを検討したこと。慎重派は総合斎場予定地を含めた企業誘致を進めているので、平成19年3月末日までに誘致決定の場合には、高岡市はこの場所での総合斎場建設は断念してほしい。したがって、来年3月までは本体工事に着手しない旨を高岡市に申し入れをしたこと。慎重派は斎場建設の本体工事の業者選定を了承したこと。高岡市は慎重派が企業誘致をできなければ、総合斎場本体建設に着手することとの報告を受けました。それを受けて柳瀬地区自治振興会長は、総合斎場建設を強行することとなり、7項目にも反しており絶対に承服できない旨を橘高岡市長に伝えるようにと言下に退けられました。ほかの出席者からも異口同音に同様の発言がありました。
当初より柳瀬地区は強い反対の姿勢をとり続けているのであります。この問題に関して市長はどのように考えておられるのか、御答弁をお願いいたします。
そしてまた、より一層のお力添えをお願いするものであります。
次に、現在計画されております新たな変電所の建設計画についてお尋ねいたします。
これは、砺波市の電力需要が大きく伸びてきていることに伴い、今後さらに電力需要が増加していくことが予想され、現在既設の山王町にある砺波変電所1カ所では、平成21年度夏ころには安定して送電できなくなくなることを電力会社が想定をしており、東開発地内に新たな変電所を建設し、電力需要にこたえることを目的としている事業であります。
現地調査、設計を平成18年度中に行い、工事着工が平成19年4月以降、完成は平成21年4月ころの予定であることや、電磁波などの安全面においての説明も柳瀬地区自治振興会、土地改良区柳瀬地区委員会として、既にお受けしたものであります。
その上で、私なりに幾つか気になる事柄についてお尋ねいたします。
送電線の地下埋設工事についてですが、これは工程表によりますと、平成19年度から平成20年度にかけて予定されております。その際に、通学路、通勤路の安全が確保できるのか。少しでも通行止めなどの交通生涯を短時間に抑えられないのか。用水等の底打ち工事などが発生して農作業等に影響を及ぼさないものか。たとえわずかな区間であっても下水道工事との調整を計り、効率のよい工事ができないものか。
そして、変電所本体の工事に関してですが、先日12月3日に東開発地区での説明会が行われました。その折に、景観環境対策として、合掌形式の屋根ぶきと植栽が変電所進入路となる農道の改修に伴う事柄として、予定される暗渠部分の改善策、市道認定、ガードレールの設置などが地元要望として出されたとお聞きいたしております。事業主体が砺波市でないのは承知いたしておりますが、砺波市全体のため協力的にこの事業を受け入れた地元の要望がかなうように、所管の部署に助力をお願いするものであります。
また、変電所予定地がチューリップスタジアムの直近であることから、人の出入りもあろうかと思います。この機会をとらえて、変電所敷地内余白地に小規模であっても太陽光発電など、電気の子ども館的な施設を設ける働きかけをしてはいかがでしょうかと、御提案いたします。
続いて、本定例会において、条例の一部改正、並びに指定管理者の指定について議案として上程されております庄川水記念公園についてお尋ねいたします。
庄川町史続巻によりますと、この水記念公園は昭和55年2月から昭和56年3月にかけて基本構想を協議検討し、昭和58年9月に水記念公園建設事業の第一歩として木工新製品開発センターと特産品開発センターの2つの施設建設を着工したのが始まりでありました。その後、郷土文化保存伝習センター、庄川水資料館、松村外次郎記念美術館、庄川ウッドプラザ、庄川ふれあいプラザ等々ができ上がり今の姿となったものであります。
水記念公園は現在、庄川水記念公園管理運営協議会が指定管理者となっております。
昨年、砺波市はコンサルタントに依頼して、庄川水記念公園の管理運営の調査を行いました。その際に、特産品は木工という地場産業を前面に押し出すことや、庄川ウッドプラザは販売専門施設にすべきとの提案を受け、現在新たな指定管理者のもと再出発のための改装工事中であります。
伝統工芸である庄川挽物木地やユズを初めとする地場産業は水記念公園の看板であります。
そこで、この新たな指定管理者への移行に伴い、水記念公園設立のもともとの趣旨を大切にしていただき、新たな指定管理者と地場産業が順調に歩んでいけるよう、市当局は調整役として御尽力いただきたいとお願いいたします。
水まつり、木工まつり、ゆずまつりなど、水記念公園を会場として催される催事は多くあります。新しい指定管理者への移行と改修により、さらに多くの人々が訪れ、地場産業が元気になり、水記念公園全体が活性化するよう、重ねてお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念鉄夫君) 今藤議員にお答えをいたします。
高岡市総合斎場についてであります。
その現状と市の見解について申し上げたいと思います。
少し細かくなるかもしれませんが、実態を知っていただきたいために、私の意見も含めて申し上げたいと思います。
経過につきましては、今、今藤議員が述べられたとおりでございます。直接的には下中条が一番斎場と近いんです。したがいまして、柳瀬地区全体の問題だということで、振興会も取り上げて今日努力をされてきておるところであります。
この問題につきましては、砺波市は一貫して平成13年9月14日付、前の市長さんでありますけれども、7項目の確認書を高岡市からいただいております。そのことにつきましては、柳瀬地区の皆さんにも御連絡をしておりますので、その両市との確約等については地元の皆さんも御承知だろうと思います。そのような中にあって、つい先日の平成18年12月7日付で、新聞によりますと総合斎場については7日から施行業者を選定する入札手続を始めると、記者会見で報道されたようであります。このことは、即着工すると、事実上入札行為をするということは着工するということにつながると私は思っておりますので、この確約書を理解されないまま実施されるとするならば、まことに遺憾であると思っておるところであります。この記者発表の前日、高岡市長が訪問されました。そのときに、着工はしません。入札行為はいたしたいという申し入れでございました。私は確約書がある以上、お互いの信頼関係にありますから、そのことは到底受け入れすることはできない。そのことを申し上げました。いろいろ議論の結果、一度は立ち入りながら再考いたしたいと。大きい声ではなかったんですが、そのようにおっしゃって退席をされたわけであります。その退席が先ほど申し上げました新聞発表になったんです。そこで、私は前日の話ですから、新聞を見て、確約書のまず第1項に書いてあるじゃないか。それを守らないというのは遺憾であると。ぜひ、第1項を守っていただきたい。正式に公文書で出しました。そういう経緯があるということを御理解いただきたいと思います。そのことにつきましては、柳瀬地区の皆さんも心配しておられますので、私も公文書につきましてはコピーをしてお渡ししてございます。砺波市といたしましては、この確認書に基づきまして、これからも対応いたしたいと思います。私は公的団体でございますので約束を守らない高岡市ではないと思う。信じております。橘さんも信じております。両者で確認書に基づいて公文書で来ておるものを、私は破ることはないとこのように信じておるんですけれども、新聞発表を見ますと事実上の着工のようであります。まことに遺憾であります。したがいまして、柳瀬地区の御心配もございますので、これからも柳瀬地区の皆さんと連携をしながら、このことについては対処してまいりたいと思います。
どこでもそうですが、私どもも斎場をつくりました。皆さんも御承知だと思いますが、迷惑施設なんですよ。必要な都市施設ですけれども、迷惑施設なんです。そのために1軒1軒訪問し般若の皆さんの了解を得て、そこで砺波斎場をつくったんです。時間もかかりました。おかげさまで地域の皆さんの同意をちゃんともらって着工した経緯があるんです。その経緯も私は橘市長に孫に諭すようなつもりで申し上げておりました。都市施設はそんなもんだよ。だって、南砺市でも今度つくるんでしょう。4つの集落がこぞって同意書を市長に提出して着工されるんです。都市施設といえども迷惑施設については同意をとるのが原則なんです。あの高岡市の皆さんにそんなことがわからない人はいないと思う。私は信じたいと思う。その意味での話し合いを続けていただきたいと思っておるところでございます。
いずれにしても、柳瀬地区の同意をとってもらう。同意といったってなかなかそれは難しい問題ですよ。すぐ近くにできるんですから。もし、同意が得られなかったら変わってもらいたい。率直な話。そんなもんですよ。随分砺波市をなめた形で新聞発表されたことについては、本当に遺憾に思います。
議会の皆さんもひとつ応援してやっていただきたいと思う。対岸の火事ではないんです。市民が苦しんでおりますから、市議会も全体になって、私も一生懸命やりますが、ひとつ御協力をしていただきたい。このことを申し上げておきたいと思います。
その他の質問等については、担当課長から説明を申し上げます。
以上でございます。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
商工農林部次長 貝淵文夫君。
〔商工農林部次長 貝淵文夫君 登壇〕
◯商工農林部次長(貝淵文夫君) まず、新たな変電所の建設計画について、1つ目は施工上の地元要望でございます。もう一つは、学習機能がある附帯施設の要望の御質問についてお答えをいたします。
現在、北陸電力株式会社において計画をされております新たな変電所の建設につきましては、本年の5月に相談を受けまして、市は全面的に協力する立場から、予定地区となります柳瀬地区やその関係自治会、土地所有者など、順次説明やらお願いに行ってまいりました。
また、新たな変電所への送電につきましては、送電線を散居村の景観に配慮した道路敷地内に埋設することから、関係する油田中村、庄下、南般若の各自治会へも説明を進めているところであります。説明では、工事概要概ね御了解をいただいたことから、事業主体の北陸電力において、現地測量と土質調査が行われております。
議員が御心配しておられます約4キロの区間になりますけども、送電線の地下埋設工事期間中の安全対策や、交通規制期間の短縮化につきましては、安全に配慮しながらも効率的な施工となるよう要望してまいります。また、農業用水路と農作業への影響につきましても、工事の工法を含め、関係土地改良区とも協議を進めることといたしております。
さらに、ふくそうする行為としては、下水道工事が考えられます。支障を来さないように工事日程等を調整してまいります。
また、柳瀬地内での変電所建設に当たり、周辺の景観や環境に配慮することなどの要望事項につきましては、できること、できないことがあろうかと思いますが、北陸電力に働きかけてまいります。
市道認定の要望に関しましては、見直し時期の平成22年度に認定基準等を考慮の上検討をいたしたいと、このように考えております。
そのほか、太陽光発電を紹介する子ども館的施設をつくったらとの御提案に対しましては、北陸電力に対してお伝えをしたいと、このように思っております。
今回の変電所建設は、平成21年ごろに砺波変電所の送電能力が限界にくると、そういう予想から進めておられるものでありまして、市民に安定した電力を供給することにあるわけであります。このことを十分御理解いただきまして、円滑な事業の促進ができるよう、関係各位の御協力をお願い申し上げているところであります。
次に、庄川水記念公園施設の新たな指定管理者への移行についてお答えをいたします。
現在、今定例会に提案をいたしております明年4月からの指定管理者制度への導入に向けて、庄川特産館と庄川ウッドプラザにおいて施設の改修工事を行っております。この改修工事は今後の施設の有効利用と利用者の利便性を図り、適正な管理運営を行うため、庄川水記念公園管理運営協議会を初め、庄川木工共同組合、伝統工芸士会、クラフト会、商工会などの木工4団体とも十分協議をいたしたものとなっております。明年4月からの施設管理は、庄川観光共同組合が指定管理者となる予定であります。この組合は地元庄川地区の旅館や飲食店を経営されている方々で組織されている法人団体で、庄川地区のいろいろなことを一番よく理解されている皆さんでございます。そして、指定管理者として民間のノウハウを十分発揮され、施設の有効利用が図られるものと期待をいたしております。このことから、新たな指定管理者による管理運営は、庄川地区の伝統工芸であります歴史ある庄川挽物木地を初めとする地場産業がうまく融合し合い、相乗効果が得られるものと考えております。市といたしましても、新たな指定管理者と十分協議を行い、スムーズな管理移行を進めるとともに、伝統ある庄川木工や庄川ユズを初めとする地域特産品を活用し、庄川水記念公園施設全体の活性化に向けて支援及び調整役を図ってまいりたいと、このように考えております。
以上、お答えといたします。
◯議長(江守俊光君) 21番 前田喜代志君。
〔21番 前田喜代志君 登壇〕
◯21番(前田喜代志君) 私は大きく2つの点について質問いたしますが、最初に平成19年度の予算編成について幾つか申し上げたいと思います。
まず、実質公債費比率の今後の改善見通しについてお伺いしたいと思います。
国は今年度から地方分権の一環として、起債許可の方式に協議制を導入いたします。財政状態が健全であれば、これまでのように国や県との許可制度というものをなくして協議でいいと、こういう対等関係ゆえの新たな制度でございます。そこで、この新たな指標として導入されたのが実質公債費比率なわけです。17年度の決算ではこの比率が18%以上になった団体は、全国777都市のうち18.9%に当たる155の都市が該当しております。地方債の発行に際して国と県の許可が必要であると。さらに、25%以上の団体は7つの市があって、これは地域活性化事業などの単独事業に係る地方債が制限をされる。35%以上の団体は1市ございまして、これらに加えて一部の一般公共事業債についても制限を受けるという、こういうものでございますが、砺波市のそれは18.3%でありました。これまで、地方債の許可制限に係る指標として用いられてきた起債制限比率と大きく変わりましたが、その変わった点はどこなのかといいますと、分子のところに元利償還金を加えるものとして、元利償還金に準ずる準元利償還金、つまり、上水道や病院など公営企業の支払う元利償還金への一般会計からの繰り出し金など公債費類似経費、これも算入するという連結会計決算の考え方を導入したことでございます。したがって、当市のように、当市のエリアだけではなくて、大きな医療圏全体のその中核病院を擁するような都市と、全くそれらを擁しないで、あるいは県立でそのような病院を擁しているような自治体とでは大きく市の指数が変わってまいります。そういうものを単純一律に比較するようなことにこれはなっているわけであります。さらに加えますと、債務償還のための積立金である減債基金の積み立て状況も指標の数値に反映させるものになっております。3カ年の平均値ということですから、単年度でこの数値を下方修正することは相当に困難と思われますが、少なくても国や県の許可がなくてでも市の判断で起債をしていけると、こういうふうにするためには、この比率を18%未満に引き下げるようなことが必要になりますが、そのための財政方針をどう立てていくのか、今後の改善見通しはどうか、この点について伺いたいと思います。
2つ目は、県産材の活用計画ということで、森づくり、新たに条例ができたと、こういうお話でございます。なんで森が荒れていくか。人が入らなくなった。なぜ人が入らないか。森に入っても業として成り立たないからということがあるわけです。今度新たに税を取って、人が森に入るように本当になるかなというのがとても心配されるわけであります。業として少しでも成り立つようにしていくには、生産される生産物がちゃんと生かされるような仕組みがなかったら、業として成り立つことはありません。米をつくっても買ってくれないから生産調整が必要になるというようなことと同じです。
民生文教の常任委員会の視察で東京都内に視察に行きました。その折に立ち寄りました上野公園。ここに歩道には木材が使われておりました。東京都内産の木材でつくったという看板を立ててありました。インターロッキングにして舗装されているわけです。県産材の活用という点では当市でも地区体育館などの建設に、この間用いられてまいりました。そういう建物としてだけではなくて、子どもたちの机とかいすとか、いろいろな建築用材、あるいは事務備品などいろいろあると思います。売れ筋の見込みが立てば量産も可能になって、ビニール製や大量生産されている現在のそのような品物との価格差もうんと縮めることもできるはずです。量産できるかどうかというようなことがポイントになってまいると思います。それぞれの自治体で本当に県産材を活用していこうという決意があれば、これも可能なのではないかと思われます。
岩手県の浄法寺町では、鉄筋コンクリートで市の庁舎を建てようという計画がございました。見積もりを立てますと19億円。そこで、町には木材が豊富であると。地元の材木でやらないかと、こういうことが持ち上がりまして、木で骨組みをつくろうと。5億9,000万円で建ち上がるじゃないかということになって、木骨造の新しい庁舎ができた。冷暖房などのランニングコストもうんと安く上がったと、健康にもいいと、こういう趣旨で新しい庁舎が木骨造で建てられたとのことでございます。
子どもたちが環境学習にも今取り組んでおります。その中で何を学んでいるか。なるべく地球環境にやさしいものを使っていく。水や電気のむだ遣いをできるだけしない。森や川の資源や生き物を大切にしよう。ごみの分別や資源のリサイクルをやって、ものは大事に長く使うようにしようと。こんなことを学校で学んでおりますが、私たち大人はどのように日々過ごしているか。そして、これから過ごしていこうとしているかというようなことも問われていると思います。
実は、1951年に公共建築物に関する特別立法。田中角栄さんがおられたときにできました。公共の建物は耐火堅牢でなければならない。このような趣旨でそれ以降公の建てるものの大半は鉄筋コンクリート建てになって、全く木材は使われなくなってまいりました。豊かな森の中にあっても、木造の建築物を建てさせないという法律であったわけです。これを見直して、県産材をもっと使おうと、こういう雰囲気に転換されてきたのは、ようやくこの10年ではないかなと、このように思っております。
日本で一番木材を輸入しているのはこの富山県なんです。木材を輸入するということは、その国の水も一緒に輸入していることにも考えておく必要があります。木が育つために必要な水を一緒に運んでいる。フィリピンで今大水害が起きていますけれども、上流域でどんどん伐採をして、全く水を涵養できない状態になっていると。木材をどんどん輸入している日本、特に富山県、こういう私たちの消費生活が現実にあるわけですが、そこまで考えて、お互いに家を建てたりすることに国産材を使うようにしていくにはどうしたらよいか、そんなことも本当に大事な課題に今なっているのではないか。
そしてまた、そういった生活の仕方をしていくことが、自分たちの健康や子どもや孫のために必ずなる。そんな確信を持って生きていく必要があると思います。
それから、二酸化炭素の排出削減にいたしましても、2トンの木材、その半分の1トンは二酸化炭素のかたまりと言われています。温暖化を木が防いでおりますけれども、大きく育ってしまった大木は、この二酸化炭素の取り込みがほぼとまっている状態でございます。ですから、成長した大木の杉は伐採をして木材にし若木に置きかえてやらなければ、緑が多くても二酸化炭素の吸収量は少ないのです。
毎年成長し、伐採されずに蓄積し続けている樹木の量は25万戸分とも言われております。結局台風が来たりすると倒木や、近年海岸を汚している流木で困ったことになっております。山全体を杉などの針葉樹にしてしまうから、土砂崩れも後を絶ちません。広葉樹は根が深く張るし、落葉した葉が腐葉土になって保水力のある土をつくってくれます。私たちは我が家がビニールクロス、こういう石油文明に頼ってまいりました。そして、家を建てるときにも多用しております。もう一度木造文明にこだわるような価値観を持って、県産材活用計画を砺波市として立てていくような、こういう方向が必要ではないか。
それに関連いたしまして、保育所、幼稚園に大人用の男子トイレを設けてもらいたいというようなことを質問いたします。これはもう、人間を人間として扱う初歩的なことだと思うわけです。保育所とか幼稚園には子どものトイレのほかに職員用のトイレがございます。施設によっては地域開放のために、屋外から入れる男子用のトイレ、女子用のトイレというものもあったりします。でも、そういうものは全くない施設もあるわけです。そうすると、保護者の皆さんが行かれたときに、最近は男性の方もたくさん行かれますので、職員用のトイレを使わせていただくか、子ども用のトイレを使わせていただくというふうなことになっております。まして、今、職員の中にも男子の保育士さんがおいでます。こういう中で、男女兼用でトイレを使っているというふうなことが現状でございます。今、保育所、幼稚園は地域の子育て拠点として本当に頼りにされておるわけですが、こういうところに男女兼用の職員用トイレのみでは大変不都合ではないか。ここで、今の県産材を活用して、もう一つ男子用の大人トイレ、こういうものを施設ごとに考えていく。こういう手だてもあるのではないかなと思っております。ぜひ、県産材活用計画の中にこうしたプランも練り込んでいただけないかと。
2点目は、いじめゼロではなくて、いじめに向き合う砺波市教育ということについて質問いたします。
この社会でしっかりと良風を育てるということが一番の課題だなと思っております。
学校現場で深刻になってまいりましたこのいじめ問題、きのう、きょうと、議論もございました。国の緊急提言には私は本当に驚きました。教育改革を目玉にして、それを官邸の主導で進めようと、こう意気込んで、安倍内閣が内閣直属の教育再生会議を置かれました。この中で緊急提言がまとめられたわけです。いじめをしたり、見て見ぬふりをした子どもは厳罰に処す。いじめを放置したり助長した教師は懲戒処分だと。こういうことが盛り込まれたわけです。このような厳罰化の方向がどんな解決になるんですか。これは解決にならないと僕は思っております。子ども同士がけんかをしてもいじめということになります。けんかの度合いにもよります。嫌がらせとかいろいろ子どもたちの間であるでしょう。けんかもあるでしょう。でも、けんかしたりいじめられたりしたときに、そのことに教師が指導的にかかわっていくことが一番大切ではないか。子どもはもう群れだって育つ。集団の中でもまれながら育つ。そういうもんだと私は思ってまいりました。いじめをゼロにのそういう目標を立てて、問題を起こす子はもう授業から外してしまう。奉仕活動に行ってもらう。別室指導だと。こんな方法で本当にいいんでしょうか。罰としての奉仕活動自体、そんなものは奉仕でも何でもなくて、あくまでもそれは罰でしかありません。いじめた方もいじめられた方も本当は学級活動全体の中で、みんなでそのことをしっかり考え合う。そして、お互いに相手の身になって考えてみることからしか始まらないんじゃないですか。それを奉仕活動に出す。別室指導だと。こうやって分けていく。こういうのは本当に教育として成り立つんですか。言い過ぎかもしれませんが、授業外しというのは形を変えたいじめに過ぎないとさえ思います。昔からよく学び、よく遊び、そして友情を育んでいこうと。私たちはそう言われて育ってまいりましたけれども、このような難しい時代だからこそ、目の前の一人一人の子どもたちと本当に向き合って、全体が向上していくようなそういう学級づくりに取り組むことが何よりも大切ではないか。いじめの張本人をつるし上げるような、そういうやり方ではもぐらたたきにしかならない。決していじめは減っていかない。私は本当にそう思います。これまで学校現場で取り組まれてきた今までの奉仕活動があります。感動や喜びを本当に一人一人体験して、たくさんのことを学んできているじゃないですか。もっとこれを進めていけばいい学級づくりができるはずです。そういう奉仕活動に汗する中から、一人一人がしっかりと学びとって成長していく。これからもぜひ、そのようにして、砺波市教育を伸ばす、よい心を伸ばしていく、そういう学校を、そういうような学級をしっかりとつくり上げていただきたいなと。いじめがあれば、けんかがあれば、それをチャンスにして学級全体が成長していく、そんな学校にしていただきたいな。このように願い質問いたします。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
市長 安念鉄夫君。
〔市長 安念鉄夫君 登壇〕
◯市長(安念鉄夫君) 前田議員の質問にお答えをいたします。
私からは県産材の活用についてを述べたいと思っております。
議員もおっしゃいましたとおり、森林の保全は生産材の活用が必要なんだと。林業経営が成り立つことが何よりも大切だと。そのことによって、山も守られるんだということでございます。私もそのとおりだと思いますが、しかしながら、農業もそうですが、林業も実は担い手不足であります。担い手が今本当に数少ない、そういう状況でございますし、担い手が少なくなったという理由もあるんです。あるんですが、そして、その製材なんかをする工場というのは小規模です。そんなことから生産性が低いということになるんでしょう。
日本人は木材が大好きなんですよ。この気象条件からいって。しかし、材木、県内の、特に材木を使うと高いぞという風潮があるんです、嫌なことに。また、少し高いんでしょう。というような人も少ないし、製材所も小さいし、そんなことがありますと、目の前のいい木があっても高くつくんでしょう。また、そういう業者もおる。この間、材木を使用してくださいと、県内の材木屋さんが来ました。そのとおりだ。ただし、この中に物すごく高く売っておる者があるぞと。何のこっちゃと。この間議会でもしかられた。そんなことをするな。市長室でどなりつけてやった。おまえら使え使えといって陳情があるけれども、何か仕事も遅くなった笑とったわ、失礼じゃないかと、おまえら。もっとやっぱり上手に物流を考えて、安く提供する。そうすると日本人は材木をちゃんと使うんだと。そして売れると。陳情する暇があったら安くするように考えてくれと、私はそう言ったんですよ。どこかの大きいやつが買い占めていたからというもんだから、砺波市議会まで影響を及ぼして、私はそのことを申し上げましたら笑っておりましたけれども、そういう意味で物流もおかしいと私は思う。ぜひ、そんなことなどこれから私ども考えて、いろいろやっぱり注文をつけなきゃいかんと、こう思っておるわけです。
砺波市は補助金をもらいましたが、栴檀野とか、若林であるとか、材木をふんだんに使う。材木だけでつくってくださいという、そういう代物があるんですよね。やっぱり農水省、林野庁はそういう指導をすべきだと思う。これはまた長持ちするんですよ。その意味でもっと頑張ってもらわないかん。ただし、きのうから言っているように、市場至上主義、そして、使用者側は安くしたいということで、外材の輸入を大幅に規制緩和したでしょう。だから、前田さんおっしゃるように、富山県の皆さんは材木が好きなんですから、どーんと入ってくるんです。いい港を持っていますから。これはもういわゆる市場主義原理で、裏にはちょっぴり使用者側の保護のために安いものという、どんどんと入ってくるんです、これは。皆さんも御承知だと思いますが、それが実は里山開発に、里山を守るためにも私は影響を及ぼしていると。そういうやっぱり裏には規制緩和と言いながら、裏には使用者側が安いものを使うんだと。生産者のことをひとつも考えないんですよ。第1次産業、そういうことで常にたたかれております。今後ちょっとしっかりせねばいかんです。
私は先般おやめになりましたが、前田林野庁長官にもそのことを申し上げました。あんたも在所は山で立派な木がある。まあ立派な木は売れんかもしれませんけれども、やっぱり売らせるときには、そういう政策をしなくてはいかん。何のこっちゃ、この外材という話をしてきました。ただし、日本は材木を使用国でありますから、いいとしてでも、この間むかわ町に行ってまいりました。北海道一の実は森林組合です。物すごい持っておられました。ただおっしゃられました。外材にたたかれてなと。もうそんなことをおっしゃりました。苫小牧がすぐ近くですから、どこへでも持って行くんです。ただし、山のように積んでありました。ただし、買いたたかれますと生活できんみたいなことをおっしゃっておりました。いや、気の毒だなと思う。それも小さい森林組合が食べていけないもんですから、順番に全体を大きくして、北海道一の森林組合。組合がでかくなっても本当はいいかどうかわかりませんけれども、そういう意味で苦慮しました。もともとむかわは材木の集積地でございます。そういう意味であそこに大集散地があるんです。あるんですけれども、外材にたたかれてなあという話をしておられました。そのことを聞くにつけて、国内の森林行政は間違っておる。私はそうしか言いようがないと思う。前田さんは随分熱っぽくおっしゃいましたが、そのことまで触れられませんでしたが、私はこのような市場原理だけでいくということになると、農業政策、森林、第1次産業全部やられますよ。こんなことを心配しております。ぜひ、このことも皆さんに御理解をいただきたいと思っておるところであります。
さて、そこで県の総合計画の中には、緑税といいますか、格好のいい税金を取ることになりました。そうすると、その中に県産材を使おうというスローガンも出てまいりました。やれるか、やれんかわかりませんよ。わかりませんけれども、やっぱり税金を取るいったら山を守らな。山を守るときには県産材を使ってもらわないかん、ということでのタイトルだと思いますが、私はこれを信じたいと思う。と言いますのは、特に北陸もそうでありますけれども、やっぱり材木というのは本当にこの気象、風土に合っていると、私は思っていますので、これを使ってもらう。そういうPRをすべきではないかと。そして、県産材活用のためのアドバイザー、そういうものを今設置されるように聞いておりますし、小型の製材所その他については、いわゆる設備改良をして、そのための運転資金や、あるいは低利融資等々県も考えるようでございますので、ぜひ、そういうものを活用して、いわゆる材木店が頑張っていただきたいと、このように実は思っておるところでございます。
御提案の県産材活用につきましては、その趣旨をよく理解をしておりますし、森林組合ともよく話をし、きのうも説明したと思いますが、砺波市森づくりプランをつくっておりますので、その趣旨も入れまして、また、ただしその中に外材がだめだと、そんなことは書きませんけれども、地元の材料で家を建てようというようなスローガンなどをしていただいてやろうと。ただし、材木屋はいいものだけとっておいて、買い占めをして高くするようなそういう製材屋がおったら、これはみんなで拒否しようじゃありませんか。そして、流通がうまくいって、そして、ぬくもりのある家にみんな住んでもらう。そのことによって心も休まるし、いじめやらねたみやらというのもなくなると思う。ぜひ、そういう意味でみんなで材木を使う、そういう体制づくりをしてまいりたいと、このように思っております。
あとは、担当から御説明申し上げます。
以上であります。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
教育委員長 瀬尾並木君。
〔教育委員長 瀬尾並木君 登壇〕
◯教育委員長(瀬尾並木君) ただいまの前田議員のいじめに向き合う教育についてという御質問にお答えいたします。
御存じのように今の社会は少子化の影響から、親も教師も大変に優しくなりまして、子どもが傷つくことを大変恐れているように見えます。しかし、学校に参りますと、その中にはいろいろな個性や価値観を持った子どもが混在しているわけでございます。その個性と個性がぶつかるところでいじめが起こるのかなと考えております。
一昔前までは、大家族の家庭が大半を占めておりまして、社会の縮図であり、そこには親や大勢の兄弟がおりましたから、その葛藤の中から自分の位置を見出すということが、自然と身につき、他者との対応の仕方を学んだものでございますが、現代では価値観が多様化し、さらに核家族化が進んだ関係もありまして、今日では意図的にボランティア活動や地域活動などの体験学習を通して、社会とのかかわりを学ばせる機会を設けております。
私も東部小学校の総合学習の時間にかかわりを持つ機会がありましたが、世間にはいろいろなところにボランティアとして、一人一人の持っているそれぞれの力が必要とされていること。その活動の中に出会いと喜びと、そして発見があることを子どもたちに伝えてまいりました。
1つ例を申し上げます。核家族の中に育ったある男子生徒が、老人ホームの夏休みのボランティアに参加いたしました。お年寄りとのふれあいを楽しみにして行ったのですけれども、初めての年寄りとのふれあいの体験の中で、なかなか声をかけることができませんでした。それでも意を決してやっとの思いで声をかけましたが答えが返ってきません。彼はどうしてかなと思ったわけですけれども、ようやく気がつきました。どうもお年寄りは耳が遠いのではないか。それで、彼は腰をかがめてお年寄りの耳元に声をかけました。そしてしゃがみますときに目の位置が変わったことによって、彼が今まで立って見ていたものと、しゃがんだときに見ているものが全く違うことに気がつきました。このようにして、子どもだけではなく、大人もまた体験して初めて相手のことがわかる。あるいは理解できるということがたくさんあるように思われます。
また、学校現場の先生方にも、地域社会との接触を持ってほしい。ボランティア活動、地域活動を通じて職場以外の異業種交流に心がけてほしいと伝えてまいりました。いろいろな局面での体験を重ねることが、価値観の多様さに気づく大変よい機会、より多く出会う機会だということが言えると思うからです。異業種、つまり、職場が違ったり、職種が違ったり、つまり自分と異なる立場にいる人との交流は、自分だけの固定観念にこだわることなく、他者の価値観を受け入れ、いわば人としての厚み、人間力をつけることに役に立つと思っております。
直球のいじめをなくする方法というものはなかなか見つからないだろうと思います。大変迂遠なようですけれども、いじめの根絶は他者の価値観を認め、受け入れることがその第一歩だと考えております。
大変僭越なことを申し上げましたが、お許しを願って答弁とさせていただきたいと思います。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
企画総務部長 吉田俊和君。
〔企画総務部長 吉田俊和君 登壇〕
◯企画総務部長(吉田俊和君) 私からは、実質公債費比率の今後の見通しについて申し上げます。
まず、国が実質公債費比率を導入した背景や意味合いにつきましては、前田議員が述べられたとおりというふうに認識をいたしております。
今後の推移を念頭に財政運営に当たらなければならないというふうに考えおります。
なお、御発言の中でこの新しい指標の不具合についても御指摘がございましたが、全く同感に感じております。
そこで、当面の見通しについてでございますが、ここ数年はお認めをいただきまして、計画に基づきながら合併特例事業を重点的に実施しておりますことから、20%程度まで上昇するものというふうに見込んでおります。その他、高くなる要素といたしましては、標準財政規模に比べまして下水道事業に積極的に取り組んでいること。あるいは、病院事業で大規模な投資を行ったことなどが影響をいたしているというふうに考えております。このような特殊要因がございますので、御指摘のとおりにわかに18%以下に引き下げることはなかなか難しいというふうに認識をいたしております。しかし、今申し上げましたこれらの要因が終息することによりまして、この指数も漸減をするというふうに予想をいたしております。いずれにいたしましても、将来の負担が過大とならないように意を配してまいりたいというふうに考えています。
以上でございます。
◯議長(江守俊光君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 小西竹文君。
〔福祉市民部長 小西竹文君 登壇〕
◯福祉市民部長(小西竹文君) 前田議員の保育所、幼稚園に大人用男子トイレの設置についてということでお答えいたします。
議員御指摘のように、現在市内の幼稚園、保育所の大人用トイレの中で、屋内に男女別々のトイレを設置しているのは、北部子ども園と太田子ども園の2つだけでございます。その他の幼稚園、保育所につきましては、男女兼用となっております。そのため、各種行事の際には、不都合が生じていることは理解しております。トイレの改修につきましては、近年施設改修を行ったところもありますが、すべての要望を満たすのは難しいと存じますが、来年度からこども課の新設にあわせまして、幼稚園、保育所の整備について、県産材の使用も含めて総合的に検討してまいりたいと存じております。
以上でございます。
◯議長(江守俊光君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(江守俊光君) 質疑なしと認めます。
これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。
議案の常任委員会付託
◯議長(江守俊光君) ただいま議題となっております議案第70号から議案第79号まで、平成18年度砺波市一般会計補正予算(第3号)外9件について、及び報告第10号 専決処分の承認を求めることについてにつきましては、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
◯議長(江守俊光君) 以上をもって、本日の日程はすべて終了いたしました。
お諮りいたします。明12月14日から12月19日までの6日間は、議案審査等のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
◯議長(江守俊光君) 御異議なしと認めます。よって、明12月14日から12月19日までの6日間は議案審査等のため休会することに決しました。
なお、次回の本会議は12月20日午後2時から開会いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
どうも御苦労さまでございました。
午後 2時43分 閉議