平成12年6月定例会(第2号) 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

◯議長(堀田君) これより本日の会議を開き、直ちに日程に入ります。

◯議長(堀田君) 日程第1 議案第54号及び議案第55号 砺波市都市公園条例の一部改正について外1件を一括議題といたします。
 提案理由の説明を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) ただいま追加提案いたしました議案についてご説明申し上げます。
 議案第54号 砺波市都市公園条例の一部改正につきましては、砺波市温水プールと富山県西部体育センターの利用者の利便性を図るため、砺波市温水プールと富山県西部体育センターの第1トレーニング室並びにスポーツサウナについて共通利用券を発行しようとするものであります。
 料金につきましては、現行料金の約8割の金額を設定し、夏休みが始まる7月20日からスタートしたいと考えております。
 次に、議案第55号 工事請負契約の締結につきましては、(仮称)砺波市立北部保育所建設工事に係るものであり、工事請負契約を締結するため、法令の定めるところにより議会の議決を求めるものであります。
 何とぞ慎重にご審議のうえ、可決賜りますようお願い申し上げます。

◯議長(堀田君) この際、暫時休憩いたします。

 午前10時03分 休憩

 午前10時27分 再開

◯議長(堀田君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

◯議長(堀田君) 日程第2 市政一般に対する質問、並びに議案第45号から議案第55号まで、平成12年度富山県砺波市一般会計補正予算(第1号)外10件、及び報告第4号から報告第9号まで、専決処分の承認を求めることについて外5件を議題といたします。
 これより、市政全般に対する代表質問並びにただいま議題となっています案件に対する質疑を行います。
 通告により、発言を許します。
 18番 吉澤邦麿君。
  〔18番 吉澤邦麿君 登壇〕

◯18番(吉澤君) 改選後初めての定例会でありますので、自由民主党砺波市議会議員会を代表いたしまして質問いたします。
 まず初めに、去る4月16日に行われました選挙についてお伺いいたします。
 今回の選挙は、我が自民会が前回の改選後、直ちに行財政改革の一環として定数削減に取り組み、22議席から20議席に削減いたしました初めての選挙であり、少数激戦の大変厳しいものがありました。しかし、それだけ市民の関心も高く、各自政策を訴えて市民の支持をいただき、当選を果たしたところであります。そのうち、20人中上位18名が自民会に入会されたのであります。そのことは、我が自民会が砺波市の市政を動かす誤りのない大政策集団と認められたものと確信いたしております。と同時に、責任の重大さを痛感いたしておるのは私一人ではないと思います。市長はこのことに対して同じ認識かどうかをお伺いいたします。
 私のことを申し上げて恐縮ですが、市民の有識者の方々から電話なり直接伺ったことを申し上げますが、砺波市政始まって以来、6期の当選者が3人も誕生したのは初めてであり、大変な意味を持っているとのことであります。議会と行政は、申すまでもなく、車の両輪であると言いながら、どちらかと言うと必ずしもそうではなく、本来の姿になっていなかった。しかし、今回3人も誕生したことは、しっかりと議会としての力を発揮して、すばらしい砺波市を築いてほしいという市民の願いの意味が込められているとのことでありました。私は、市民のこのような熱い期待の中に投票してくださったことを知らされ、謙虚に受けとめ、身の引き締まる思いでありました。
 先般、同期の梶谷議員、松本議員とこのようなことについて話し合い、同じ思いを確認いたしたところであります。また、自民会としても、数にものを言わせるのではなく、政調会を中心として政策を充分に勉強し、市民のニーズに即したものは行政に先取りし提案し、実行に移していくことを確認いたしたところであります。
 私の好きな言葉に、論語の「和而不同」という言葉があります。これは、ご承知のごとく、仲良くしてくことと何でもかんでも合わせていくこととは違うという意味であります。お互いに権力におごることなく、市民のためになることは大いに論議することだと思います。市長の考え方はいかがかお伺いいたします。
 さて、今回の自民会の各議員の質問は、選挙中に公約として掲げて戦ったものを、政調会において各項目ごとにまとめて質問いたすものでありまして、市長も公約を掲げて市民の信を得られた方でありますので、公約の重みを充分理解しておられることと思います。今日と明日と誠意ある答弁をお願いいたすものであります。
 さて、第7次総合計画策定に当たり、3つの点について私の提案と市長の考え方をお伺いいたします。
 第6次砺波市総合計画が、基本構想、基本計画、実施計画の3部構成によって平成元年12月に策定され、基本構想は平成12年までの11カ年構想、基本計画は前期6カ年、後期5カ年計画、実施計画は3年ローリング方式の毎年度策定として運営されてまいり、今年度は最終年度となりました。
 市長は、第6次総合計画を振り返り、実施できたこと、できなかったこと、また構想自体に無理があったか否か、またこのことを次期にどのように反映しようとしているのか等々、総合的な評価をお伺いいたします。
 また、目下、次期総合計画策定に向かって、市民意識調査、まちづくり研究会の意見、転入者アンケート等と幅広く意見を求めておられるところであり、我が市の21世紀の方向づけを決める重要な計画でありますので、慎重に大胆に取り組まれ、誤りのないよう要望するものであります。
 しかし、窓口を広げ過ぎた感があり、また設問自体が抽象的な感じがいたし、今後これからの意見をどのように取りまとめ、基本構想、基本計画に反映させるのかお伺いいたします。
 第2点は、私は、総合計画策定の基本は、将来人口を何人に設定するかであると思います。市民意識調査によりますと、5万人と4万人の2つに大きく分かれるところであります。高年齢層が5万人、低年齢層が4万人と分かれ、大変興味ある回答だと思います。
 例えば人口4万5,000人と設定した場合、超高齢化社会、少子化社会の現在、既存世帯者の人口増は望めなく、地区外からの流入新世帯者に負うところ大であります。例えば両親、子供2人の標準家庭だと、1,000戸から1,200戸の住宅が必要になり、そのために美田が壊され、散居村の保存は難しくなり、「うるわし散居の中に花と緑の活力に満ちたふるさととなみ」を目指しての基本目標も色があせてしまいます。
 私は、これからは大きいことは良いことだとの発想の時代は終わり、自分の殻に合った、すなわち96.31平方キロメートルの面積に合ったまちづくりをするべきだと思います。
 私は、砺波市の人口を4万2,000人を限度とし、それに合わせて逆シミュレーションをし、教育、保育、福祉、医療、その他をきちんと整備、充実していくべきだと思いますが、市長の考え方をお伺いいたします。
 私が今まで行政視察に行って来ました大阪千里ニュータウン、北九州市のベッドタウンの春日市、多摩ニュータウン等は、皆1世代のみの住宅のため、30年、35年たった今ほとんどが高齢者世帯となり、シルバータウン化し、医療、福祉、保健、ごみ問題等々に行政が頭を抱えている現状であります。今砺波市においてどんどん増えている住宅団地の30年、40年後を想像した時、市長はどんなイメージを抱かれるかお伺いいたします。
 静岡県の掛川市のように、土地は「みんなのもの」とのもとに、行政と業者と市民とが一体となって土地利用計画を策定し成功した例があります。ぜひ参考にされることをお勧めします。
 私は、人口4万2,000人と抑えたのは、現在の人口より約2,000人弱の増であり、住宅にして500戸程度の増になります。これを単純に17地区で割っても1地区当たり30戸ぐらいになります。30戸ぐらいですと、土地を求めるもたやすく、特に村部の土地の安いところでは、家庭菜園や庭木等も植えられる150坪ぐらいの広いものにし、将来2世代、3世代が住めるようにする。そして、それは集団化するのではなく、点在型、すなわち散居を形成するようにしてはいかがかと私なりに思っております。こうすれば、散居の景観を壊すこともなければ、また土地も1カ所に集中しないので求めやすいと思います。
 しかし、集団型に比べて、上下水道、道路舗装等、割高との異論もあるところと承知いたしております。しかし、どこかでだれかが痛みを分かち合う思い切った政策を考えてみる必要があるのではないでしょうか。
 今、高岡市中田で、郊外型住宅として150坪ぐらいの土地を求めて移り住んで来る人が増えているとのことであります。住民のニーズが変わってきた証かとも考えられますが、いかがでしょうか。
 次に、高規格幹線道路網の完成に伴う砺波市の対応についてお伺いいたします。
 我が市の今日の発展の大きな要因は、北陸自動車道の通過に伴うインターチェンジの設置が挙げられます。そしてまた、東海北陸自動車道の全線開通と能越自動車道の開通が近い将来実現するところであります。これが実現しますと、東京、名古屋、大阪の3大都市との交流が深まり、産業、経済、文化等に及ぼす影響は大であり、我が市の発展は前途洋々の感に思われますが、高岡市は高岡市で、能越自動車道高岡インターの開通に伴い、中部、近畿の経済圏と直接につながるとラブコールを送っておりますし、氷見市は氷見市で、海と魚と温泉を売り物に観光客の大幅増につながると期待をいたしております。まさに都市間競争に突入した感があります。
 このことから見ても、北陸自動車道の開通の時と違い、よほどの魅力ある都市づくりをしなければ単なる通過駅になり下がり、地盤沈下の可能性が大きいのであります。そのためにも、企業の誘致、市場圏の拡大、観光地の有機的な連携のもと、周遊性を高め、通年型・滞在型の観光等が考えられますが、市長はどんな構想を持っておられるかお伺いいたします。
 次に、未就学児の通院医療費の助成についてお伺いいたします。
 少子化対策の一環、育児支援策として、我が自民会は、学校へ入るまでの子供の全員の通院医療費の無料化をうたってきたところであります。
 昨年、県は、当初2歳まで無料としていたのを、自民党県議の強い交渉により、3歳児まで無料となったところであります。当市は、それまでの3歳児を4歳児に引き上げたのでありますが、我が自民会は昨年の予算交渉の段階から、学校に入るまでの子供を全員通院に限って無料にしてほしいと言ってきたところであります。しかし、県内の各市町村の状況はそこまで達していない、財源的にも不透明だとの理由で4歳児におさまったところであります。その後、各市町村において修正され、県内町村全部が無料化、9市では新湊市が他市に先駆けて無料化といたしたところであります。
 今我が市は全国の「住みよさ日本一」と折り紙がつけられ、また「住んでみたい市」の一つに入っており、若い世帯者が多く移入し、人口増につながっているのであります。このような中で、近隣町村と比較した時、一歩遅れていると指摘されても仕方がないことであります。このようなことから、ぜひ早急に育児支援の一環として未就学児通院医療費の無料化に踏み切るべきだと思います。
 幸いにも、先般の市長の提案理由の説明の中にもありましたように、11年度の決算は、厳しい経済情勢の中にもかかわらず一般財源の確保に努められ、限られた財源の効率的かつ重点的な配分に配慮された結果、実質的収支で7億5,000万円程度の黒字決算となる見込みだとのことであり、財源的には心配はないと思います。私は、健全財政に努められたことを高く評価いたします。
 このようなことから、あとは市長、あなたの決断一つであります。市民の喜ぶ顔を想像しながら、何月何日から実施するとの力強い明快なるご返事をいただくことを期待いたしまして、私の代表質問を終わります。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 吉澤議員の自民会代表質問にお答えをいたします。
 最初に、去る4月16日に執行されました市会議員選挙におきまして、それぞれ厳しい選挙の中、有権者の多くの支持を得られ、自民会の皆さんがおそろいで当選されましたことにつきまして、ご同慶に存ずるとともにお祝いを申し上げる次第でございます。
 私も厳しい選挙をいたしたことから、吉澤議員の発言の趣旨については良く理解できるところでございます。自民会におかれましては、その活動方針に基づきながら、市勢発展のために、そして市民の幸せを願う政治政策集団として調査研究を進めておられ、政務調査会や適時に課題ごとの研究部会を設置され、機動的な活動を発展されておりますことに対しまして、深く敬意を表する次第であります。
 そして、本日も質問されたように、適時適切なご提言や要望をちょうだいしておりますことに対しましても心から感謝を申し上げます。同じ政治にかかわる者といたしまして、目指すべきは市民の幸せであり市勢の発展だと存じております。ご意見のとおり、議会と行政執行者はよく車の両輪に例えられております。市民を代表されます選良たる議員の皆さん方と良好な関係を保つことは無論のことであり、おっしゃいました「和而不同」の趣旨も理解をしておりますが、一方私は「以和為貴」という言葉も大切にして、より一層の協調に意を配してまいりたいと存じておる次第でございます。
 また、多年功績のございました、そして長らく議員を務められました吉澤、梶谷、松本議員さんにつきましては、先般表彰も受けられ、改めてお祝いを申し上げる次第でございます。ますますのご活躍に市民も大いに期待をいたしておるものと存じております。
 なお、高い見識のうえに立って、高齢者や弱者あるいは女性の意見にも目を向けるなどしていただくならば、これまで以上に私どもに対するご意見をちょうだいできるのではないかと思っておるわけでございまして、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 なおまた、自民会議員の質問、提案等についてのご意見でございますけれども、時には議論も大切だと存じますが、私どもとしては、充分説明のできないこともあろうかと思いますけれども、議場でございますので、皆さんとは誠意ある議論をさせていただきたいと存じておる次第でございます。
 次に、総合計画についての質問でございます。
 まず、現行の総合計画の評価ということでございますが、私は市長に就任して間もなく、当初の議会の所信表明にも明らかにしておりますが、岡部市政を受け継ぎ、現行の総合計画に沿って事業を推進することを約束し努めてまいったところであります。その一方で、現行の総合計画について、社会経済情勢の変化や行政需要の動向に応じて、実施計画の見直し、時には議会からの要望もあって、事業の必要性、緊急性等を考慮しながら執行してまいったところであります。
 総合計画における平成8年度から平成12年度までの5年間の後期計画の全体事業費は、当初の計画に比して若干膨らんでおりますが、行政需要の複雑・多様化、増大化を反映しているものと考えております。
 年度ごとにそれぞれローリングを示しておりますが、その実績を皆さんにもお示しをいたしておるところでございますが、私はおおむね順調に推移したものと思っております。
 なお、積み残しや継続的に進める事業を含めまして、まだ充分整理をしておりませんし、またアンケート要望あるいはまちづくり研究会等の皆さんのご意見も伺っておるところでございますが、次のようなものがまだあるのではないか、あるいは方向づけをしなければならないのではないかと思っております。若干長くなって申しわけございませんが、述べてみたいと思います。
 まず1つは、高齢化に対応する福祉の拠点施設の整備があると思います。
 それから、現在、建設いたしております総合病院、隣接して健康センターづくり、これも議会と約束をいたしておる問題がございます。
 さらに、アグリTONAMI21の見直し、田園空間整備に関連しての水辺空間整備などがございます。
 また、先般具申がございました中心市街地の活性化事業の推進と周辺の土地区画整理事業の推進があろうかと思います。
 また、工場、企業団地の整備、下水道事業の推進、出町小学校は着手をいたしますが、幼児保育施設を含めた教育施設の改修もございます。
 また、小学校跡地におきます図書館を中心とした生涯学習の拠点施設も考えなければなりません。
 あるいは、観光地という一面からも考えて、増山城跡の整備やへき地、山間地対策もあると存じております。
 また、要望の強い地区体育館の整備や庄川河川敷利用事業、そして地方分権時代にありまして、広域行政の推進もあるのではないかと思っております。
 その他ございますけれども、これらの事業につきましては、いずれも緊急性や必要性が高いものと考えており、財政の健全化を配慮しながら次期計画に位置づけをしてまいりたいと考えておるわけでございます。
 なお、窓口が広過ぎたのではないか、あるいはアンケートの設問、その他について懸念をいただきました。私は、市民にも約束しておりますように、市民参加でつくりたいと思っておりますので、いろいろご意見があろうかと思いますけれども、若干細かいアンケート等になったのではないか、その点ご理解をいただきたいと思います。
 市民意識もいろいろ直接私にも言われるわけですが、複雑・多様化をしております。その点も配慮すべきことだろうと思うわけであります。これらの基礎資料を整理いたしまして、市議会議員や多くの皆さんのご意見も聴取して、総合計画審議会における審議を経まして集約をさせていただきたいと思います。
 なお、お言葉にもありましたように、1つは慎重で、1つは大胆に取り組む。そのことについての趣旨も充分理解をしてまいりたいと思う次第であります。
 次に、総合計画における人口の規模についてであります。基本的なことでございますので、少し細かく申し上げたいと思います。
 人口の推移につきましては、厚生省の国立人口問題研究所によりますと、我が国の総人口は平成19年にピークを迎え、その後は減少に転じると予測をいたしております。21世紀の我が国の絶対人口は、減少するとの予測がされているところであります。
 また、国の予測における富山県分の推計値は、本年平成12年がピークとなり、その後は減少に転じると予測されております。しかし、現実は平成10年にピークを迎えて、現在はもう減少の傾向が続いているところでございます。富山県では、国よりも早く人口減少に転じているわけでございます。
 一方、当市の現状につきましては、ご存じのとおり、昭和48年に最小限の3万4,090人を記録して以来、昭和63年を除きまして、幸いにも毎年微増を続けております。過去10年間では年平均0.9%の伸びを示しており、過去20年間では年0.64%、過去30年間では0.55%の伸びを示しております。
 近年の人口増の要因を見ますと、自然増は昭和63年から100人を割り込み減少いたしておりますが、逆に平成2年から社会増が100人を超え急増いたしております。しかしながら、平成8年をピークに伸び率が鈍化している現状でございます。
 なお、6月10日現在で4万890人となっておりますが、現計画の目標値は4万3,000人でございます。推計値は3万9,594人となっておりましたので、推計値は達成をいたしておりますが、目標値は達成しておりません。21世紀の我が国の人口絶対数が減少することと、県内ではそのスピードが早まりそうなこと等から、今後の大きな人口増は期待できないものと思われます。
 人口減少時代になり、従来のような目標値の設定を行うよりは、推計値を示すことが適当ではないかと考えている次第であります。
 そこで、過去20年間の平均伸び率で今後も推移すると仮定しますと、10年後の当市の人口は4万3,500人程度となりますので、このあたりを中心に推計値を設定すればどうかと今考えているところでございます。
 次に、重要なフレームであります土地利用計画につきましてご提案をちょうだいしておりますが、私も全く同感に存ずるところでございます。
 今後の宅地供給につきましては、現在も進めておりますが、区画整理事業により供給されます宅地の活用を図るべきではないかと存じておりまして、開発業者の皆さんのご協力を得ながら、農地の宅地化を最小限にとどめたいと思っております。
 今、農水省の肝入りで、県が中心となりまして田園空間整備事業が進められておるところでございます。これは、世界にも稀なる砺波平野を構成しております散居を後世に残そうとするものでありまして、従来の開発型から共生型へ大きく転換をすべきだろうと思うわけであります。したがって、その原点にあります自己完結型の農業を大切にすることも重要な一面があると思います。しかしながら、ご存じのとおり、その財産が個人に帰属するものであること、さらには地方自治体の力量には大きな制約があることはご承知のとおりでございます。最終的には、おっしゃいましたように、掛川市の例も示されましたが、社会全体の意識の変革が大切ではないかと感じておる次第でございます。
 いずれにしても、人口増加とそれに伴う住宅政策とは関連性が強いものでありますが、強調されましたように、散居の保全という観点から、今後の宅地開発には充分慎重な対応が必要だろうと存じております。
 なお、宅地に関連いたしまして、シルバータウン化するのではないかという懸念があります。私も同様に不安を感じておるところでございます。
 今から、それぞれ開発業者等の指導をし、地域コミュニティをつくるなど、それぞれの意見も集約しながら、このような土地政策を考えるべきではないかと思います。
 ただし、市ではそれぞれの制約の権限がほとんどございませんが、ご意見を参考にして、総体的に土地を守るという観点のうえに立って対処すべきと思うわけでございます。
 次に、高規格幹線道路網の整備に向けて、砺波市の対応について申し上げます。
 ご存じのとおり、東海北陸自動車道が南に延び、能越自動車道が北に延伸して、高規格幹線道路の整備が着実に進んでおります。このような道路整備は、まず産業振興あるいは観光振興、そして生活サービスの向上などにも大いに効果があると存じておるわけでございます。
 しかし、そのような題目だけ唱えていてもいけませんので、産業振興につきましては、この道路を充分活用するために、まず砺波には豊かな水がある、良質な労働力もある、安価な土地もあるということをPRして、企業などの受け入れ、そのための基盤整備を考える必要があると存じております。
 ご存じのように、インター周辺の区画整理事業に伴う保留地の有効活用がまずあると思いますし、新しく工業団地の調査研究を、散居を守りながらどのような形でどこにどう配置するか、水のこともありますし、団地政策について考えなければならない、このように思っておるわけでございます。
 次に、観光振興につきましては、観光資源の利用など研究をしなければなりませんが、東海からの観光客の増加は期待できると思っておりますし、本年のチューリップフェアなどの調査をいたしますと、多くの方が東海地方からも来ていただいております。
 ただし、おっしゃるとおり通過点になってはいけませんので、どう足をとめていただくか、私は砺波の目玉となる観光施設、ソフトを含めた観光基盤の整備が重要になってくると思っております。これにつきましてはいろいろご意見があると思いますので、充分拝聴しながら対応してまいりたいと思っております。
 また、生活サービスの向上と地域振興について申し上げます。
 現在、砺波総合病院の増改築をいたしておりますが、聞くところによりますと、岐阜県の白川村からも入院されておるということを聞いております。そして、当病院は今、地域のもっと広い意味の広域的な中核病院として機能アップをしているわけです。そして増床もしているわけですが、さらに当市には、他の町に例のない療養型病床群等の開院が目立っているわけでございます。
 このような動きから、今高齢化が進んでおります。従いまして、都市から離れたところの住民は、高度な医療や福祉サービスを受けることを期待いたしております。その意味でのサービス機関、そのような核になる施設を考えていく必要があろうかと思います。砺波では、安心して生活できる、医療や福祉が充分受けられる、そういう基盤にもなれば、この高規格道路も活用できるのではないか、そしてそのことが地域振興策にもつながるのではないかと思うわけであります。
 高規格道路を中心とした道路網の整備は、移動時間の大幅な短縮を実現し、経済面や観光面での交通量の増加は沿道地域の市場性も高まります。従いまして、このことを期待しながら、それぞれの諸課題に対応してまいりたいと思うわけでございます。
 特に、課題をもう1つ整理してまいりますと、企業の進出の基盤整備、ソフト事業を含めた目玉観光の基盤、散居のある田園空間もその施設ではないかと思っております。そして、生活サービスのために医療、福祉施設の拡充も大切であると思っております。なお、開通によります広域防災対策も強化を図らなければならないと思っております。経済情勢あるいは財政状況などいろいろ見極めながら、適時に考えて総合計画などに位置づけをしてまいりたいと思っておる次第でございます。
 終わりになりますが、未就学児通院医療費の助成について質問がございました。
 ご指摘もございましたように、県下市町村、いろいろ一存があって差異があるわけでございますが、本年4月より県費助成が4歳未満児まで拡大されることもありまして、町村においてはすべて未就学児まで拡大されております。
 市のレベルでは、未就学児まで完全に拡大を実施したのは新湊市でございます。変則的な拡大をしましたのは、氷見市、滑川市の2市でありますが、5歳未満児まで拡大をしたのは当市をはじめ7市でありますが、そのうち富山市、高岡市は本年7月実施であると聞いております。
 少子化対策への実施上の効果につきましては、年齢を2歳引き上げることにつきまして、市民及び医療機関からも好評であると聞いております。いずれにしても、今後とも安心して生み育てる環境づくりに努めることが肝要であると思っております。
 お尋ねの件は、3月議会に宮木議員さんにも申し上げたところでございます。当市としては、順次引き上げていくということをお答えを申し上げておりました。したがって、明年度から引き上げの準備をしておりましたが、ご意見のように、近隣の町村、未就学児全員を対象としたこと、及び少子化対策をさらに進めるため、ご要望に沿いたいと存じております。つきましては、9月議会に条例改正及び予算措置をいたし、住民及び関係者への周知徹底もございますので、10月1日実施でご協力をお願い申し上げたいと思います。
 以上、代表質問の答弁といたします。

◯議長(堀田君) 10番 高田隼水君。
  〔10番 高田隼水君 登壇〕

◯10番(高田君) 私は、4月の選挙で多くの公約を市民に掲げまして、審判を仰いだ結果、皆様にご信任を得た次第でございますが、今回は、先ほどの代表質問でもございましたように、選挙後初めての議会なので、私の出馬に関しての公約と、現在、市行政が当面しております問題とを充分考慮して、市政一般についての3項目ばかりの質問と若干の要望を提案させていただきます。
 第1項目は、田園空間整備事業についてお伺いをいたします。
 そのうち第1点は、事業の進捗と今後の見通しについてお伺いをいたします。
 この事業は、平成11年度から15年度までの5カ年で完了とのことで、去る3月27日、第4回基本計画策定委員会で散居村田園空間計画案が示されましたが、その計画の基本的な考えとして保全地区の指定があります。市街地近郊散居村、平野型散居村、山麓型散居村等でございますが、保全予定地区の住民との関係はいかがなものでしょうか。
 この事業の基本は、散居村を次世代に残すことが基本であるならば、散居、すなわち屋敷林が主体であり、またそのことは、屋敷林の中で生活をし、所有者である住民が主体でないかと思います。
 この事業の推進に当たっては、住民とのかかわり合いを重視して進めていくことこそが事業成功のかぎを握っていると言ってもいいかと思います。机上の計画が先行いたしまして、立派な計画案ができましても、事業実行に当たって、屋敷林の所有者、すなわち住民、市民のコンセンサスが得られなければ、決して成功するとは言えないのではないでしょうか。
 第2点は、第1点で述べたように、散居村の原点である屋敷林の保全についてお伺いいたします。
 散居村の保全は、元をただせば屋敷林の保全になるかと思います。この事業では、まず最初に、屋敷林の保全策を検討して早急に実行すべきであると思います。
 委員会では、工場、家屋、公共施設等を新築する場合には、屋敷林を形成する樹木の植栽も必要だとのことです。無論そのことも必要でしょうが、差し当たって、現在の屋敷林の保全が急務であるかと思います。一般的には、樹木が屋敷林として成育完成するには50年ぐらいは必要だと言われております。
 近年、住民の生活様式及び社会環境の変化により、年々屋敷林が失われていきます。一説によれば、毎年5%から8%ぐらい失われていくとの予測もあります。
 策定委員会では、屋敷林の保全に関して、屋敷林健康チェックパトロール、屋敷林オーナー制度、枝葉のリサイクル事業等を例示いたしておりますが、これらの方策を直ちに実行すべきではないかと思います。
 第3点は、この事業と砺波市の対応についてお伺いいたします。
 策定委員会の基本計画では、エリアの設定、道・水の計画、散居の計画、屋敷林の保全、散居施設の計画等となっておりますが、これらは砺波平野を平面的・学問的に見て、東京のコンサルタントが事業計画を策定しているわけですが、砺波市としては、現状を充分に把握をし、立体的に取り組んでいくことが必要かと思います。
 例えば水との関係では用排水路の問題、コアの設定ではチューリップとの関係、屋敷林の保全では、我が砺波市が平成5年4月に施行した花と緑のまちづくり条例、これは屋敷林の指定、保存樹の指定をいたしております。
 先ほど申し上げましたとおり、田園空間整備事業は屋敷林の保全が主体でありますから、この観点からすれば、我が砺波市は既に田園空間整備事業の先取りをし、この分野では先駆者であると、この条例に諸手を挙げて賛成した者の一人として確信をいたしております。というような観点から、この条例とのかかわり合いをどのようにこの事業の中で活用していかれるのかなど、砺波市としての事業に関しての方針についてお伺いをいたします。
 第2項目は、少子化についてお伺いをいたします。
 少子化問題は高齢化問題と表裏一体なのですが、時間の関係もありますので、少子化に限ってお伺いをいたします。
 20世紀には、食料生産の増産、医療費の発達等によりまして、地球上の人口が急増し、この傾向は今後も続くと思われております。しかし、先進国は出生率の低下、発展途上国では増加が予想されているという変則的な面もございます。
 我が国の将来人口推定につきましては、先ほど代表質問の答弁の中にもございましたように、いろいろな見方もございましょうが、1つの見方として、国立社会保障・人口問題研究所の推計をし、公表した数字によりますと、合計特殊出生率、一人の女性が生涯に生む子供の数は、1995年の1.42人から2000年あたりまで低下をし、その後反転して上昇していき、2030年ぐらいでは1.61人でなかろうか。それ以降、随時横ばいを推移するのではないかと予想しております。
 それによれば、総人口は1995年の1億2,557万人からわずかであるが増加をして、2007年あたりには1億2,091万人、2050年には1億50万人、そして100年後の2100年には1995年の約半分の6,737万人ぐらいまで減少するのではないかと言われております。
 砺波市の出生率は、昭和60年に1.70であったが、平成3年に1.61となり、その後回復をして、平成9年には1.70になりましたが、将来としても、現在と同じ人口水準を保つために必要とされている2.08以上の出生率には無論及んでおりません。
 砺波市の人口動態では、平成元年総人口3万6,977人が、12年で4万787人と3,810人と増加をしております。これを平成元年の年齢別構成比率、年少人口19.1%、生産人口65.4%、高齢人口15.6%で12年度の年齢別人口をシミュレーションしてみると、平成元年と比較して、年少人口がマイナス1,526人、生産人口がマイナス375人、高齢人口がプラス1,901人となります。
 砺波市の場合は、人口増加の割合は自然増がわずかで、社会増のウエイトが多いので、出生率が1.70であっても、実際はそれ以上に少子化が進んでいるのではないかと予測されます。
 少子化の要因といたしまして、第1に、非婚化、晩婚化による未婚率の増大が挙げられます。
 砺波市の男性未婚率の一例として、25歳から29歳までは、昭和50年に37.1%であったのが平成7年に55.3%、同様に女性では9.8%が37.7%となっております。原因としては、社会環境の変化、女性の社会進出などが大きな要因かと思っております。
 未婚率の減少について提案をいたします。結婚問題等に対処するため、専門のセクションをつくって解決に当たってはいかがでしょうか。例えば公立結婚相談所、若者の出会いの場を各界各層に呼びかけて企画をし、継続的に開催をし、砺波市だけでなく、広く広域圏にも輪を広げたらいかがでしょうか。そしてまた、近年増加をしている国際結婚についても、行政としてアドバイスをしていくことができないものでしょうか。
 また、以前は各地に男女の仲を取り持ちお世話をする人、いわゆる仲人さんというような方がたくさんおられましたが、昨今は社会環境の変化、女性の職場への進出等でほとんど見受けられなくなったのが現状ではないでしょうか。
 そこで、各地区、旧町村単位に最低1名の結婚相談員を委嘱し、各地域の結婚適齢期の男女の把握、各地区間の情報交換、例えば月1回委嘱員の全体会議を開催して、結婚を促進するための助言等をしたらいかがでしょうか。無論、個人のプライバシーを守ることは言うまでもありません。
 少子化の要因の第2として、子供の出産数の減少及び出産をしない夫婦の増加も挙げられております。
 子供の出産数減少の主な要因は、子供の教育費が家計を圧迫すると考えられております。経済企画庁「国民生活白書」平成10年度版によると、45歳から54歳で、家計における教育費負担の割合は、米国では2.4%であるのに対し、日本では7.8%としており、これは平均的な教育であり、高等教育になるとさらに負担割合が多くなると報じています。このため最近では、1人の子供に最高の教育をし、兄弟姉妹を多くしないという考えの若いお母さんも多いと聞いております。
 砺波市には学資金貸付制度がありますが、適用範囲の拡大と貸付金額の増額及び利子補給や成績優秀な者の返還免除などを検討したらいかがでしょうか。
 また、大学に進学する場合、自宅からの通学と下宿等から通学する場合とでは、後者のほうが年間150万円前後高額になると言われております。すなわち、親元から通学するほうが非常に経済的負担が少ないということです。こういうことからも、砺波広域圏内に高等教育機関の設立を考えてもいいのではないでしょうか。
 高等教育機関につきましては、近年、生徒数減少に伴う高等学校の統合など話題になってきており、将来、砺波広域圏内の高等学校の総合再編成も視野に入れ、空き校舎等の利用により、専門学校あるいは短期大学等の砺波広域圏内での設立を考えてはいかがでございましょうか。
 また、子供を意識的に出産しない夫婦に対しては、ソフト・ハード両面からの意識の啓発が必要かと思います。ソフト面では、夫婦2人で最低子供を2人出産しないと人類が滅亡すること。また、1970年代あたりでは、団塊の世代が大学を出るころは、若者が多く、社会は活気にあふれていましたが、少子化はこの逆です。経済は縮小し、社会は活気がなくなり、企業の倒産が起き、失業者が町にあふれることを認識してもらうことが必要だと思います。
 人間は、他の哺乳動物と異なって、子育てのノウハウが本能的となっていないとも言われております。家族、その他の環境から、後天的に学習し訓練されない限り、子育ての意思はなかなか身につかないとも言われております。
 出産しない女性の多くは、子育てノウハウの学習、訓練がないことも原因ではないかと思われますが、この解決のために、家族のきずなの強化が必要でないか、このこともPRすることが必要かと思います。
 ハード面では、子供を出産したことに対して、祝い金とか記念樹等を贈り、行政としても喜びをあらわしたらいかがでしょうか。
 一般的に、少子化対策と言えば、子育て支援あるいは施設等の整備などとなりがちであります。無論、そのことも必要であることは言うまでもありませんが、一面では、それは子供を出産した人への社会的・福祉的保障ということでもあり、重要なことは、いかに結婚を促進しまた出産をするかであると思います。家族みんなで子育てをし、汗を流すことで培われる家族のきずな、親子の接する時間の長さで形成される親子のきずなを強化することこそが出生率の増大につながるのではないでしょうか。このことについて、あらゆる機会をとらえ意識の啓発を行うことが必要でないかと思います。
 少子化問題は、一地方都市ですべてが解決できる問題ではないと思います。砺波型少子化対策を策定し、地方から中央へ、すなわち砺波から県、国へと発信をしたらいかがでございましょうか。
 また、北部保育園の建設も始まったようでございますが、子育て支援の方法としての保育所等の見通しについてもお伺いをいたします。
 最後に、主要県道砺波福光線改良工事の促進についてお伺いいたします。
 この道路は、砺波市を基点として、福野町を経て福光町、そして国道304号へと通じる砺波地方の大動脈でありますが、砺波市内の工事は2000年国体までとのことでございましたが、今後の進捗はどういうものでございましょうか。
 特に、広上町から苗加、九本杉までの県単事業分が非常に遅れております。この区間は学生の通学路ともなっておりますので、早急な進捗をお願い申し上げる次第でございます。
 過日、市の土木課、振興会とで高岡土木事務所に陳情いたしました時には、県単区間の総事業費は約10億円ぐらい必要でないか、しかし、県単事業は予算が限られているので、何か他のことも考えたらいいのではないか、例えば街路事業などという話でございましたが、道路改良事業として一部区間が未完成であることは、道路の機能も非常に低下すると思われますので、この県単事業区間についての今後の見通しと市としての方針をお伺いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 高田議員にお答えをいたします。
 まず、田園空間整備事業についての意見とご提案をいただきました。
 県営による田園空間整備事業計画は、検討委員会で多くの提案もございまして、議論をされたところでございます。議論の中心は、高田さんは屋敷林について強調されましたが、地域の歴史、伝統、文化、そしてこのことについて地域住民がどう参加をするかというところにあったような気がいたします。私も委員の一人として、特に水辺空間あるいは縦横無尽に走っております幹線水路等について強調してまいりました。
 なお、出てきた案件につきましては、空間を残す一つのポイントとして、コア施設(中心施設)を考えたらどうかということで、コンサルタントが絵を描いてまいりました。さらに、サテライトとして、砺波の市街地の周辺にも何か考えたらどうかという提案もございました。これらを総合的に集約をされて、今農林省に提出をされたと聞いておるわけでございます。
 いずれにしましても、美しい砺波平野の散居景観を未来に残しておくことは同感でございます。そして、皆さんとともにこの景観をさらにつくっていく、今のこの風景をさらにつくっていくという思想。それから、この風景や文化を長期的・継続的に住民自らが守るという意識をこの中に織り込まなければ私は保存はできないと思っておるところでございますし、そのことについても各委員さんにご理解をいただいているところでございます。
 そこで、住民の内発的な活動を促進する、いわゆる自ら守るということについては、委員会などを設けて、例えば屋敷林部会、伝統家屋の部会、景観の部会、土地改良区等での水辺空間なども考えるセクションを県のほうとも話し合いしながら組織化をしていくべきではないか、このようにも思うわけでございまして、ただ、卓上の議論だけでは現実化しないと思っております。従いまして、充分PRをしていきたいと思いますし、砺波市といたしましても散村研究所がございます。それから、花と緑の銀行や保存樹等の保全委員会もございますので、それぞれ目的がございますけれども、一体になって、おっしゃるような思想を市民に呼びかけることが大切だと思うわけでございます。
 なおまた、市政として、各事業にそのことを織り込んでいかないと県営のこの計画もいいものにはならないだろう。おっしゃるとおり、市町村も先取りして、そういう認識で対応することが大事だろうと思うわけでございます。
 特に強調されました屋敷林の保存につきましては、おっしゃるとおり重要なことでございます。高田議員は、この前にもこのことの熱心な提案もあって、議会でも議論をいたしたところでございます。しかし、今の生活様式から年々屋敷林が失われていることは現実であります。従いまして、住んでいる皆さんの認識を高めていただくことがまず大事でございますので、そのような立場で、花と緑の関係者や、屋敷林を切ったらまた植えるという慣習なども必要だろうと、このように指導してまいりたいと思うわけであります。
 ただ、個々の財産でございますので、市が制約をするわけにはまいりません。提案がありましたが、誕生された時だとか新築された時は、実は今も記念樹を贈っております。これはずっと続けたいと思いますが、もっと皆さんに、地球環境を大事にする場合には屋敷林が大きく機能しているということも理解をしていただくならば、おっしゃるような保存樹が守られるのではないかと思うわけでございます。
 それから、この構想を示されたことと同時に、庄西地区の用水等で今議論をされておりますけれども、そのような構想の中にも、今度新しく、水生公園といいますかビオトープを中心としたものなども視野に入れていただけないかなということを申し上げておるところでございます。
 高田議員には、前からも屋敷林についていろいろとご意見をいただいております。しかし、条例でこれを定めたりすることは、個人の財産、権利でございますので、できにくい面もございますが、市民と一体になって検討をして、皆さんで守るような運動展開をさせていただきたいと思うわけでございます。
 次に、今、国においても議論をされております少子化問題についてですが、充分調査をされて、数字的にもいろいろ述べられ、研究されましたことについて敬意を表したいと思っております。
 いろいろ質問がございましたが、勝手に要約いたしますと、まず結婚相談所などを設けたらどうかということでございます。私の感想を申し上げますが、確かに少子化の大きな原因となっておりますものの中には、未婚の問題があろうかと思います。そこで、結婚相談所などを設けたらどうか、結婚奨励策を広域圏などでやったらどうかということでございます。これにつきましては、愛のキューピッド事業ということで、1年に一度でございますが、進めております。これまで7組のカップルが出ております。これからも広域圏にこの企画をさらに進めるように考えておるところでございます。
 そこで、結婚相談所でございますが、結婚は個人的でかつ本人の人権にかかわる重要な問題でございますので、行政が直接かかわるというのはどういうものか。やや消極的に解しております。
 ご提案のありました結婚相談所等については、自主的にやっていただく。確かに、相談員等については、高岡とか庄川町に嘱託でおられるようでございます。なおまた、JAとなみにも相談員制度があるようでございます。できれば、JAとなみの相談員の活動支援という形はいかがなものかと思っておりますので、おっしゃるように、公的な相談所というのはやや無理ではないかと理解をいたしております。
 それから、少子化について、今お母さんたち、お父さんたちは教育費が高いからというようなご指摘がございました。その点もあろうかと思います。いろいろ申されましたけれども、高等教育機関が身近にあったらというご質問でございます。言われることは良く理解するわけですが、現実的に子供の絶対数が少なくなってきていること。そこで、学校を経営するという立場から考えますと、なかなか踏み切れないのが現状ではないかと思います。今高等学校でも、生涯学習家庭といいますか、そういう学校の対応ということはご承知のとおりだと思いますが、絶対数の子供が少ない、そういう立場から考えますとなかなか難しい問題があろうかと思っております。
 若干歴史をさかのぼって申し上げますと、片岡市長時代からこのことについては研究されてきたわけです。広域圏でもこのことが議論されて、じゃ、教育機関をつくるための基金を募ろうということで、実は基金も持っているわけです。そして、設置をしたいということになれば、基金を出してということを考えておられた。あるいは、民間でございましたが、アメリカの大学の分校を誘致したらどうかというものすごい運動もありました。ただし、これらにつきましての財源の問題、建設あるいは用地だけでございません。先生方の宿舎や給料、そして文部省の認可をとる時には、それ相当の先生方が必要なんです。そんなことなどをずっと研究をされてきましたけれども、なかなか困難だという状況でありますし、民間でやりたいという方もあらわれなかったことをご理解いただきたいと思います。なお今日は、今も申しましたように、絶対数が少ないことを考えますと、経営上なかなか無理だろうと思うわけでございます。その点をご理解をいただきたい。
 なお、今こういう時代を迎えまして、砺波職業訓練センターでは、コンピューター教室がものすごく人気があるんです。これは、子供の世界ではございませんけれども、成人者の皆さんで常に満杯なんです。その意味で、専門教育というような場がこれから広まるのではないか。生涯学習の教育機関として、そのような専門訓練所や専門学校などが広がるのではないか。ただし、これも一時期かもしれません。ただし、現状ではコンピューター処理などにつきまして関心の高いところでございますので、そういった面で少し視野を別の視点に向けたほうがいいのではないか。これは別に質問にあったわけでございませんが、申し添えておきたいと思うわけであります。
 それから、家庭の意識の啓発、男女の適齢者の皆さんの考え方、出産に対する認識、子育てに対する不安など、高田論文と言ってもいいようなご議論をいただいておりますが、私も確かにそういう一面があろうかと思います。先般、エンゼルプランをつくるに当たりまして、いろいろアンケートをとりました。おっしゃるようなご意見もあるわけでございます。子育てに不安を感じる親御さんもおられます。
 昔は、家庭もさることながら、地域でも子育てをやったわけですが、今そういう環境が失われているように思います。従いまして、その心配を解消するために、先般も私の提案理由の中で説明いたしましたように、あいあいルームをつくろうと。健康相談や育児相談をする場を今度の新しい北部保育園に設置してまいりたい。そして、担当者も置いて相談に応じたい、このように思うわけでございます。少子化の対象になるかどうか知りませんが、そのような子育て講座、あいあいルームをつくることを先般提案したところでございます。
 なおまた、家族全員であるいは地域で、子育てについて考える機会を多く持っていただいて、少子化に対する対応をすべきではないかと思っております。回答にはならないと思いますが、私の感想としてご理解をいただきたいと思います。
 なお、出生率の低下の背景といたしましていろいろ述べられましたが、これは一地方自治体だけの問題でございません。1つはやっぱり不況ということ、あるいは雇用不安ということもありましょう。その意味で、社会保障制度について不安があるのではないかと思います。
 根本的な少子化対策といたしましては、まずその意味で、雇用の安定が図られることや、さらには安心できる社会保障制度、例えば従来ありました児童手当が一度切られたわけです。今また復活するという時代を迎えておりますが、それは充分なものではない。欧米各国に比して充分な児童手当でないわけですから、これらが確立されるということが大切ではないかと思います。先般も全国市長会においてこのことを強く厚生省に要望してきたわけでございます。まとまりのないお答えになりましたが、各種ご意見については充分配慮をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
 あと、その他ございました質問につきましては、教育長、産建部長からお答えを申し上げます。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
 教育長 飯田敏雄君。
  〔教育長 飯田敏雄君 登壇〕

◯教育長(飯田君) 高田議員から質問のございました学資金のことについてお答えいたします。
 奨学資金については、有能な人材の育成を図るため、成績優秀であるが、学資の支弁困難な者に対して貸与しているところです。
 今年度におきましても、大学、専門学校に進学している8人に対して、奨学生選考委員会で審査のうえ、決定したところであり、今までの継続者11人を合わせて、現在、大学生、専門学校生19名に貸与している状況です。
 貸与額については、大学生、専門学校生については月額3万円、高校生については1万円となっております。
 貸与額をもう少し増額したらというご意見でもございましたが、高校生については、平成10年度に8,000円から1万円に増額いたしました。大学生については、11年度に2万5,000円から3万円へと引き上げたところであり、これは県内市町村の奨学資金制度と比較をしましても少ない額とは思いません。そこで、当面、増額については考えておりません。
 なお、優秀な者については、償還の免除等も考慮してはというご意見もございましたが、均衡を逸するおそれもございますので、いかがかというふうに考えます。
 以上でございます。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
 産業建設部長 野村泰則君。
  〔産業建設部長 野村泰則君 登壇〕

◯産業建設部長(野村君) 高田議員ご質問のうち、主要地方道砺波福光線の工事の進捗と今後の見通しについて、そして県単事業区間についてのご質問がございました。
 主要地方道砺波福光線の北陸自動車道から福野町境まで、九本杉から福野町境まででございますけれども、約1.8キロメートルございます。この区間は、平成3年に都市計画決定がなされ、県において国の補助を受け、公共事業として事業が進められているところでございます。
 事業費ベースでの進捗状況は、平成11年度末で76%であり、平成12年度末には86%になる予定でございます。県では、この事業区間の平成14年度内の完成を目標に事業の進捗を図っておるところでございます。
 それから、同じく九本杉地内から南側の広上町までの約900メートルにつきましては、国道359号バイパスの整備に合わせ、県単事業として拡幅工事が進められており、現在約300メートル完成いたしております。
 現在、事業は休止の状態でありますけれども、一応、福野町境までの公共区間の完成のめどが立ったことでもありますし、現在、県単事業ということでありますが、今後、公共事業に振り替えることの整備を継続して県にお願いをしてまいりたいというふうに存じております。
 以上であります。

◯議長(堀田君) この際、暫時休憩いたします。

 午前11時59分 休憩

 午後 1時03分 再開

◯議長(堀田君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問を続けます。
 1番 林 忠男君。
  〔1番 林 忠男君 登壇〕

◯1番(林君) このたびの選挙におきまして市民から負託を受け、この神聖なる議場に立ち、身の引き締まる思いをしておりますとともに、最初の定例議会におきまして一般質問の機会を与えていただき、厚く感謝申し上げたいと思います。
 通告に従いまして質問をいたしますので、明快な答弁をお願い申し上げます。
 人の集まるまちには、そのまち、その場所にしかない生かされた魅力があります。かつてまちは農村から人々を集め、活気あふれるまち空間として砺波のまちも発展をしてきました。しかし、現在では、家や土地を求めて逆に宅地造成開発に伴う新たなる地区への移動がなされ、空き家が目立ち、まちに住む市民一人一人にとっては、愛着と誇りを持ちにくい、魅力に欠ける生活空間の側面を感じるようになっております。市民の間に温かい人間関係や連帯感が欠けるような状況もあると思います。現在住んでいるまちに今後とも住み続け、子供たちや孫たちの生活空間がより快適なものになっていくためには、経済的な豊かさとともに、精神的、文化的な側面も含めた総合的な生活の豊かさを追求していく具体的な施策がどうしても必要であります。ということは、私たちの生活であるまちを魅力的なものにしていかなければなりません。
 高速道路交通網構想も着実に進歩し、砺波インターチェンジを基点として、砺波市が今大きく発展しようとしています。たくさんの観光を受けた「となみチューリップフェア」への人の流れをどのように市街地へ持ってきて、まちの活性化に育むのかが大きな課題であり、魅力あるまちづくりの施策の根幹でもあります。
 以上の事項から、2001年に第50回の節目を迎える「となみチューリップフェア」について、いまひとつ突っ込んで、市当局に対しましてご質問、提言をしてみたいと思います。
 砺波市最大の観光イベントである「となみチューリップフェア」は、1952年に県試験圃場でスタートしてから約半世紀を重ねてきましたが、その間、本年度までいろいろな企画を取り入れられ、今日では各地区から35万人以上の観光客が訪れる地方色豊かな市の祭典になり、また長期的に継続したチューリップのイベントは、全国では数少ないものであります。今般、時代は大きな節目を迎え、21世紀に向けた新たなフェアのあり方として、改めて砺波市民の市民参加による花のイベントづくりが求められようとしています。
 今までの企画運営については、砺波市とチューリップフェア推進協会との共催でとり行ってきましたが、どちらかというと行政主導型であり、いまひとつ市民の意識の盛り上がりに欠けるイベントだと常に言われております。運営組織については、任意団体のチューリップフェア推進協会が多額な会計を取り扱っているなどと、いろいろな面での改善が迫られていると私は感じております。
 花を愛する文化の推進、日本一と言われている品質を誇る球根の生産地である私たちが住むまち砺波をPRすることにより、地場産業の振興を図りながら地域の絆を深めることによる市民参加のイベントをつくっていかなければならないと思います。
 1999年に、チューリップフェアにご参加いただいた入場者の方々にアンケート調査を実施させていただいた集計結果の一部をご報告させていただき、今後の参考になればと思います。
 アンケートの総数者は、1万3,382名のフェア参加の方々であります。
 1)「チューリップフェアの開催について何でお知りになりましたか」という質問に対しまして、「テレビ」と答えた方が3,697名で全体の22%、「知人」と答えた方が3,151名で18%、「新聞・ポスター」と答えた方が4,133名で24%でありました。
 2)「この会場へはどんな方法でいらっしゃいましたか」という質問に対しまして、「自動車」と答えた方が1万574名で全体の79%、「バス」で来られた方が1,481名で11%でありました。
 3)「チューリップフェアには何回来られましたか」という質問に対しまして、「はじめて」と答えた方が8,879名で67%、「2回~4回」と答えた方が2,027名で15%、「3回~4回」と答えた方が1,354名で10%となっております。
 4)「今回の旅行はチューリップフェアのほかにどこの観光地へ行かれますか」という質問に対しましては、「チューリップフェアのみ」と答えた方が5,825名の36%、「富山県内」と答えた方が5,311名で32%、「石川県」と答えた方が2,370名で15%でありました。
 「今回の旅行は何泊の予定ですか」という質問に対しましては、「日帰り」と答えた方が6,972名で52%、「1泊」と答えた方が3,044名で23%、「2泊」と答えた方が1,515名で11%となっております。
 6)「宿泊地はどこですか」との質問につきましては、「日帰り」と答えた方が6,972名で52%、「富山県内」と答えた方が3,133名で23%、「石川県」と答えた方が1,545名で12%。
 7)「チューリップフェアをごらんになって良かった」という質問に対しては、計1万858名のご参加の方々のご意見は、「他では見られない多種類のチューリップを見ることができた」と答えた方は4,154名、「花がとてもきれいだった」と答えた方は3,991名であり、合わせて75%でした。
 8)「チューリップフェアをごらんになってよくなかったことは何ですか」という質問に対しましては、「期間前半ではチューリップがほとんど開花していなかった」と答えか方が1,049名で26%、「天候が悪かった」が1,026名で26%、「入場料が高い」が294名で7%でありました。
 また、参加された方々の「今後のチューリップフェアに対する要望」をお聞きした事項の上位は、「食べ物の値段が高く余りおいしくない」「食べ物の種類が少ない」という意見が聞かれ、「フェア期間中の開催状況や花の咲きぐあいなどの情報をきめ細かく知らせてほしい」ことや、「公園内の所々に案内人の配慮やチューリップの品種一覧パンフレットなどがあれば良いのではないか」という多様なアンケート調査の結果であります。
 フェア来場者は、市内及び近隣県者などの人々で占められているように思われ、以上の事柄から、この結果を踏まえて、今後のチューリップフェアに対しての私の考察を申し上げたいと思います。
 平成元年ごろにチューリップフェアの見直しを図ることを目的にした若手経営者が中心となり、チューリップフェアを検討する委員会を設置し、その後、数十回の会議を繰り返し、いろいろな意見の中から、第三セクター方式のチューリップフェア運営会社を設立する旨の案を市当局に提出させていただき、その結果、「株式会社フラワーランドとなみ」となった次第であります。
 その時に提案した会社の内容につきましては、チューリップフェアの運営全体を含めて、1年間を通じてフェアを考えることができる人員やスタッフが重要であること、公園周辺の観光開発を含め、総合的に考えた施設の設置などの計画をしてはどうかという事項や、また市内の散居にも空き家があることをも聞き、それをゲストハウスとして借り上げ利用して、他地区からの砺波市内に誘致した企業の宿泊施設や憩いの場として利用できないかという意見を含めて、チューリップフェアグッズの開発・販売などのご提案を申し上げました。
 そして、その当時、市当局のお答えは、「フェアの全面運営については市当局でとり行う」との見解でありました。公園周辺の開発については、市当局で開発計画中であるとのことであり、それが今日の砺波市立美術館、となみ四季彩館で建設整備がなされておりますが、ゲストハウス構想については、市当局ではなかなか仲介が難しく、民間活力による考え方で取り組んでほしいということで、その構想から外れました。フェアグッズなどの物販だけが残り、最終的には株式会社フラワーランドとなみは物販会社となり、現在に至っているのであります。
 設立時に、観光協会との取り決めで、株式会社フラワーランドとなみが、おみやげや生産品販売を取り扱っていくことは確認しています。設立当時は、物販だけでは会社運営が成り立たず、フェアの宣伝や物販全般についても委託費として推進協会より補助がありました。しかしながら、会計のほうが窮屈になったことや花の植え替え費用が増大することなどにより、イベント委託や宣伝について収益を上げることが困難になっており、これ以上、入場料の引き上げは無理だと思いますし、またフェア推進協会の会計収入を当てにした各方面の観光活動にも支障を来しております。
 行政の組織の決裁方式を採用していくと、民間の幅広い意見が行政組織決裁において阻害されていき、さらには行政担当者の人事異動に伴いフェアが経過仕事となり、改革案が反映されず、斬新なアイデアが出ない状態であります。
 チューリップフェアの民活で最も大切なことは、一年中フェアについて考えることと、半恒久的な職員の配置が必要であるがための、第三セクター方式の設立だったわけであります。
 今回のフェアの組織移行は、会計処理を法人化するだけのものであり、現段階ではフェアを前向きに改革をするものではないと感じています。
 もう一つの問題は、イベントの内容の検討であります。従来は推進協会の幹事会にて行っていたものが、今ではほとんどが行政関係の方々となり、斬新な意見を言える者が入っていないために、事務局で決めたことを承認する程度の会となっているわけであり、事務局でイベントを考えることには限界がありますし、今まで中心的な役割をしてきた若手層は、第三セクター設立当時の問題から協力しようとはしません。さらには、外部のイベント会社では、フェア自身の経緯がよくわからないため、恒久的イベントのあり方の論議ができません。そのため、入り込み人数と話題性中心のイベントだけのフェアに変貌にしていく可能性があります。イベントとして大事なことは、時代の流れに沿ったものではなく、今まで50年も開催してきた先人たちのノウハウをいま一度考え直し、球根生産者と観光業者、さらには行政が一体となったイベントづくりが絶対必要であると思います。
 長年懸案となっておりますフェア時の市街地への観光客誘致策でありますが、来られる観光客のニーズにあわせたイベントを開催することだけでは不可能だと思われます。ただし、独自のイベントで全国展開できる規模になるには、多額の予算と時間が必要であり、フェアや市の補助が充分必要条件であり、中途半端なものであってはいけないと感じております。
 最後に、そういう意味では、来年の第50回目のフェア方針は、だれが基本設計するかですべてが決まってしまうので、大変重要な事項でありますので、これについてのご回答をお願いいたします。
 次に、砺波市中心商業活性化についてであります。
 平成9年度に、砺波市商業活性化基本計画策定委員会が発足され、第7次総合計画の中に盛り込まれ、平成11年度に砺波市におきまして、中心市街地活性化法に基づく中心市街地活性基本計画がなされておりますが、砺波商工会議所が中心になって策定した「花と緑のウェルネスマートとなみ」の計画についての今後の見通しと市街地再開発の中で駐車場の確保が非常に困難な状況であります。魅力あるまちづくりをしていくためには、どうしても総合的な駐車場対策の確保が急務であると思います。駐車場の建設、特定道路空間を駐車区域にして、パーキングメーターの設置など、できるものから随時整備していかなければならないと考えますが、市街地の駐車場についてどう考えておられるのか、将来的にどう整備されるのか、併せてお聞きしたいと思います。
 以上2項目について、質問並びに提言をさせていただきました。市当局の前進的な答弁を期待しまして、一般質問を終わります。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 林議員にお答えをいたします。
 まず、前段、まちに対する意見、感想もありました。
 砺波市は、他の町や村に比して、そんなに悲観すべきものではないと思っております。おかげさまで人口も増加をし、他の市町村からすばらしいまちだと褒めていただいておるわけでございます。しかし、おっしゃる一面、心配する面もあるわけです。このことにつきましては、今後、新進の林議員の具体的なご提案などをいただければ幸いだと、このように存じておる次第でございます。
 そこで、チューリップフェアにつきまして質問がございました。いろいろ細部についてのご意見もございました。私共も随分検討をさせていただきました。実は、チューリップ公園あるいは四季彩館、美術館、それぞれ公営施設であります。従いまして、今のやり方につきまして、若干、諸法規に抵触するものもあるわけです。民間という話でございます。気持ちはよくわかりますけれども、そのことを危惧をして、第50回を迎えるに当たりまして、各種専門家のご意見をいただいて、先般、方向を決めまして、先の議会にもご報告を申し上げているわけでございます。これらの経緯につきましては、産業建設部長からお答えをいたしたいと思っております。
 次に、中心市街地活性化についてのご質問でございます。
 まずは、出町市街地について申されたわけでございますけれども、出町は開町350年を迎えることになりました。ご承知のように、古くから街道として栄えた町でございます。しかし、昭和40年代からモータリゼーションという時代を迎えました。従いまして、商業も郊外へ移動するという事態が発生していることは、林議員もご承知だと思います。
 そこで、中心市街地を何とか活性化しなければという意見も、議会でも議論をされてきたわけでございます。質問にもございましたように、砺波商工会議所が中心になりまして、商業活性化計画が実はつくられたわけでございます。この中身は、砺波駅、砺波総合病院、そして新しく計画をしております教育ゾーンを中心にしたルートを考えての「花と緑のウェルネスマート」、いわゆる健康と文化都市を目指されたわけでございます。このことについては、私も提案をいただいておりますので、了解をしております。なお、このことにつきましては、地元の皆さんや、あるいは具体的に若い人たちのワークショップによって検討されてきたところであります。なお、その後、中心市街地活性化計画につきましても、地元の皆さんや会議所のご意見も聞きました。先般、その基本計画を私がいただいたところでございます。従いまして、この意見につきまして、現在策定中の総合計画等に反映をしてまいりたい、このように思っている次第でございます。
 商業活性化計画や中心市街地活性化基本法に述べられているように、砺波駅、総合病院、あるいは今計画をしております教育ゾーン、それらを含めて生活、健康、文化の核として進めさせていただければと思っておるわけでございます。このことにつきましても、今後具体的に進むとすれば、ぜひご意見を賜りたいと思っております。
 なお、出町小学校の児童の皆さんも、中心市街地活性化基本法による提案以上に夢のある。実は、出町小学校の生徒さんが私に提出してくれました。社会学習としてほとんどの家を訪問されてアンケートをとられて、その意思を集約されて、夢のあるまちづくりの提案をちょうだいをしております。私は喜んでこれを受けたわけでございます。子供たちの純真な提案に私は耳を傾けたいと思っている次第でございます。
 なお、駐車場の問題についてご提案がございました。
 今、駅前と駅裏という言葉が適当かどうか知りませんが、駅の東につくりました。皆さんは駐車場をつくれと。「どなたが地面を出されるんですか」と言ったら返事が返ってこない。「では、つくりましょうか。皆さん、協力していただけますか」と言いますと、その返事も返ってこない。そこで考えたのが、皆さんでおつくりになれば補助金を出しましょう。その制度は実はあるわけです。ただし、遅々として進まない。私も担当しておりますから、何度も挑戦をいたしました。なかなか困難なことでございまして、林議員さんがおっしゃるように、そんなにやすやすと中心市街地に駐車場はできない。ただし、大型店等については自らつくっておられるわけです。そのことを考えるならば、自分の商売が大事だったら皆さんで話し合ってつくられる。そのことについては、大型店には補助は出しておりませんが、中小企業振興という意味で補助を出したいという条例もあるわけですから、その点をご理解をいただきたいと思うわけでございます。
 なお、パーキングメーターをつくれと、これも挑戦をいたします。
 今、富山市にしかございません。これは公安がやっているわけです。ご存じのように、パーキングメーターというのは商店街の真ん中ではございません。片方が緑地であったり公園であったりする。しかも、道路幅がずいぶん大きくないとパーキングメーターはつくれないわけですから、公安は出町にはセットしてくれません。
 そんなに簡単にできるものではないということをまずご理解をいただいて、しかし、その趣旨はよくわかりますので、今後ともいろいろ方策をみんなで考える。例えば一日おきに、きょうは右側で駐車、その次は左側で駐車、その辺の話し合いぐらいは町でやってもいいのではないか。そのことでしたら、公安委員会にお願いをするという手もあろうと思う。その話をしたことがあります。しかし、「うちの前にばっかりとめて」というのがやっぱりありまして、それぞれエゴイズムがあるわけです。その点、自分の商売が大事でしたら、みんなでまちづくりを考えていくべきではないか、このように思うわけでございます。具体的な方策があれば教えていただいて、我々も協力することにやぶさかでないことを申し上げて、私の答弁といたします。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
 産業建設部長 野村泰則君。
  〔産業建設部長 野村泰則君 登壇〕

◯産業建設部長(野村君) 林議員ご質問のうち、チューリップフェアの中で、今までの企画運営について、50回に向けての基本設計についてご答弁申し上げます。
 「となみチューリップフェア」は今年で第49回を数え、今年は全国から30万人の観光客に訪れていただきました。このように大きく発展してまいりましたのは、ひとえに先人関係者の皆様のご努力と継続の力が今日を築いたものであり、深く感謝申し上げる次第であります。
 さて、順調に発展したイベントでありますが、幾つかの課題も出てきております。
 これまでのチューリップフェアは、砺波市とチューリップフェア推進協会との共催で行ってまいりましたが、行政主導となっていると言われていることや、任意団体が会計を取り扱っていることなど、その改善が迫られております。
 このため、昨年6月に県内のさまざまな分野の方からなる検討委員会を設置し、フラワーランドとなみの設立時のことも含め、運営組織の見直しやイベントの内容について調査研究が行われ、今年の1月に報告をいただいたところであります。報告では、民間活力導入と社会的信頼性のある組織の両面を生かし、かつ柔軟にイベントを展開できる組織として、既存の花と緑の財団か、あるいは社団法人を新規に設立して運営を移管する2つの組織を提案されておりますけれども、チューリップ公園という都市公園を利用したイベントのため、砺波市が運営にかかわる公益事業として公正な運営を図る必要から、内部の監査にとどまる社団法人よりも、事務内容や財政状況を市議会に報告する義務のある花と緑の財団に運営を移管することが適当であるということで、現在、事務を進めているところであります。
 フラワーランドとなみがフェアを主催してはどうかということにつきましては、先ほど市長の答弁にありましたように、公共施設を占用してチューリップフェアを運営することは、営利団体であることから困難な面があるということであります。また、天候等のリスクから、採算がとれない場合には、フラワーランドとなみの運営の撤退にもつながりかねない問題を指摘されていることから、運営主体となることは適当ではないと考えております。
 このため、フラワーランドとなみがチューリップフェアにかかわる事業としては、行政が携わることのできない物販の他、広告宣伝等を担当してもらっている現状であります。
 イベントにつきましては、検討委員会で提案されたものについて、平成13年度に具体化できるものを検討していただくための企画委員会を組織し、現在まで数回の会合を重ねております。この委員会は、四季彩館の名誉館長である国重先生に委員長になっていただき、市内の多くの分野の方々から成る8人の委員の他、事務局として砺波市、花と緑の財団、フラワーランドとなみ等が加わり、またイベントのノウハウに卓越された民間の方にアドバイザーになっていただいております。このように、民間の方々と行政と法人で構成する事務局が一体となって、来年のチューリップフェアの基本設計を行っていきたいと考えております。
 林議員からフェアについてのアンケートの結果やご示唆に富んだご提言をいただいたわけでありますので、これらのことにつきましては、企画委員会の中で充分検討してまいりたいと考えております。
 ご存じのように、チューリップフェアは短期間で行われる大きなイベントであります。また、たくさんのチューリップが植栽された都市公園を使っていること、あるいは天候にも左右されるなど大きなリスクを伴っていること、あるいは大勢のスタッフを駆使しないとできないイベントとなっていることから、チューリップフェアの運営につきましては法人へ移管するとともに、今後とも必要な分野においては砺波市が支援をしていかなければならないと考えているところであります。
 なお、以上述べましたチューリップフェア運営組織改善等につきましては、今年の3月議会にご報告し、ご理解をいただいているものと思っている次第であります。
 以上であります。

◯議長(堀田君) 8番 石田隆紀君。
  〔8番 石田隆紀君 登壇〕

◯8番(石田君) まず初めに、このたびの改選によりまして、再びこうしてこの壇上で質問できることを感謝申し上げるとともに、今後ともひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、お許しをいただきましたので、通告に従い、2、3の質問と対応をお伺いいたします。
 初めに、これからの地区体育館の建設と設置計画についてお伺いいたします。
 6月1日に若林ふれあい健康センター(仮称)の起工式がなされました。このことは大変うれしく思うところであります。このたびの補正予算にも、体育館建築設計費が900万円計上されていますが、どのような経緯で取り組まれておられるのか、設置地区の選定についてはどのような計画のもとでなされてきたのか、また今後の設置地区の計画もできているものと思いますが、お伺いいたします。
 学校の週休2日制の制度化に向けて、さらなる推進を願うところですが、体育館とグラウンドの使用比率の均衡を考え、屋内スポーツの振興に努めていただきたいと思います。冬期間のみの利用にとどめず、利用範囲を広め、子供から大人まで楽しめる使い方をもっと指導すべきと思います。また、そうした指導者の育成も大切と考えますが、その対策がとられているのか、お伺いいたします。
 議案説明会で話が出ましたが、市単独事業での取り組みとのことでしたが、今までのような補助対応の施設を設置できるよう努力していただきたいと思いますが、市長の考えをお伺いいたします。
 次に、出町市街地と市街地下流地域の溢水対策についてお伺いいたします。
 今年は例年より早く梅雨に入りましたが、どのような気象状況になるのでしょうか心配です。平成10年、11年の集中豪雨のようになる可能性もあると思います。出町市街地やその下流地域では、床下浸水や田畑の冠水被害が何度かあり、その対応に苦慮されたと伺っていますが、その後の対応はどのように取り組まれたのかお尋ねいたします。
 都市区画整理も進み、市街化が進んでいる現在、下流地域の用水の改修もままならない状態では、何の解決もできないのではないでしょうか。平成13年度の砺波市重点事業に関する要望事項にもありますが、少しでも早く改修していただくよう願うところです。この他にもまだまだ問題点も多くあると思いますが、早急に対応できる良策の計画はあるのでしょうか。農業用水の早めの水どめに努めることも大切だと思いますので、庄川沿岸用水土地改良区との連携を大切にするのも一案と考えます。
 若林口用水の城端線ガード下の排水ポンプの整備や川の擁護壁のかさ上げも考えておられるものと思いますが、市長並びに産業建設部長の考えをお伺いいたします。
 次に、庄西地区県営農業用水再編対策事業についてお伺いします。
 地域用水機能増進型の取り組みもなされようとしております。このことは、平成13年度の砺波市重点事業に関する要望事項にも、早期着工をと盛り込まれていますが、砺波市には排水路として機能する水路はないように思いますが、今後、排水専用水路の築造も視野に入れてはどうでしょうか。市長の考えをお伺いいたします。
 また、庄西地区県営農業用水再編対策事業については、用排水改良を目的として、24路線、64キロメートルの用排水路工と水管理改良施設工一式という事業概要案がありますし、これに地域用水機能増進事業として、事業主体が庄西用水土地改良区が地域用水機能の維持増進を事業目的として、ソフト事業や補完ハード事業を行う計画もあるようです。これらの一連の事業費は、約321億円余りと伺っています。このうち受益者負担金はどのようになるのか。また、この事業は農業用水だけでなく排水路としても供用されるものですし、また一般家庭用水として、消防水利としても利用されるものです。農業者だけの負担はいかがかと思います。
 食料・農業・農村基本法のもとで、農家経営意欲がだんだんと衰退する中で、この事業が推進されるのか心配です。農業者のみならず地域住民も参加していただけるように進めていただきたいと思いますが、市長の考えをお伺いいたします。
 次に、6月7日朝6時16分ごろ、石川県西沖合で地震がありました。砺波市でもかなりの揺れで、皆さんがびっくりしたと言っておられました。たまたま私は外にいましたので、全く気づかなかったわけですが、皆さんが感じたのは震度3以上ではなかったかと伺っております。7時のテレビニュースを見て初めて知りましたが、画面には砺波市の情報といいますか、震度表示がありませんでした。いつも気象情報では表示されているのに、地震の震度表示がなかったのが不思議でした。我が家にも県外からの電話連絡もあり、心配したようでした。
 市の職員に伺いましたところ、気象に関する機器は消防署に設置されて、観測されたデータが富山気象台へ送られていると聞きます。地震計は市役所に設置してあると伺いましたが、本当に設置されているのでしょうか、お伺いします。
 砺波広域圏の中核都市としての責務がうかがい知れません。もし設置されているのでしたら、なぜデータが公表されなかったのか。また、故障していたのならば、日常の点検や定期点検がなされていなかったと言わざるを得ません。災害は忘れたころにやってくると言いますが、いま一度防災連絡体制を見直していただきたいと思いますが、総務部長に今後の対応と対策についてお伺いしまして、質問を終わります。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 石田議員の質問にお答えをいたします。
 まず、地区体育館建設についてのご質問でございます。
 ご承知のように、生涯スポーツに対する機運の盛り上がりは大きいものがございまして、議会の皆さん方からも強い要望もございまして、地区体育館の建設を進めてまいりたいと思っている次第でございます。
 昨年から、有利な財源がないか尋ねておりましたが、これといった該当するものもございませんので、県の教育委員会の指導もございまして、地域総合整備事業債を使ったらということでございまして、そのような計画をいたしたところでございます。
 場所につきましては、提案理由の説明で行いましたが、栴檀野地区を予定しているわけでございます。これまでは庄下、そして先般竣工いたしました油田、このたび農林省の予算で、ご存じのように若林地区に建設したわけでございます。その地域的なバランスもございまして、今度は庄東地区の体育館のない栴檀野地区ということで考えたわけでございますので、その点、ご理解をいただきたいと思っております。
 今後の計画はどうかということでございます。これも皆さん方にお話し申し上げているように、有利な補助事業を探しながら地域バランスを考えて、第7次の総合計画に基本的には位置づけてまいりたい、このように思っております。
 その他、考え方としては、各種複合施設が実は有利でございますので、そういう複合施設を考えたり、あるいは栴檀山地区等につきましては、辺地債が最も財源的に有利ではないか、そういうことを視野に入れて順次考えなければならないと思っております。
 先般、県の教育委員会の紹介もあって文部省へ行きましたが、ご存じのように文部省の体育館というのは少額の補助でございます。それよりも財源的に地総債が良いという指摘をいただきましたので、今回はそのように、まず皆さんに喜んでもらうということから考えて進めさせていただいたので、ご理解をいただきたいと思っているわけでございます。
 利用、活用等についてのご指摘もございました。体育館を建設した場合に、例えば油田の場合には、地区にお任せをいたしましょう。管理について充分意を払って進めさせていただくということで実はお願いをいたしておりました。先般お聞きしますと、随分多くの皆さんが利用されております。高校生なども来るようでございまして、逆にあふれているような状況も聞いております。幾つかの施設がございますので、これからその辺の連絡、協調を図りながら統一的な指導などをしていくべきか、こんなことを実は思っております。もう少しその辺のところを調整をさせていただきたいと思っております。
 いずれにしましても、ずいぶん喜んでいただいていることについて、私どももうれしく存じているわけでございます。
 次に、用水等のことでございます。
 質問よりも前後するかもしれませんが、まず、庄西用水の改修の現状を申したいと思います。
 ご存じのように、庄西用水は改修があってから40年経過をしております。それぞれ老朽化が進んでいる状況につきましては、石田議員もご承知だと思います。そこで、庄西用水土地改良区が平成9年から3カ年かけまして調査をされ、改修計画の概要がまとまったわけでございます。そのことにつきましては、今、石田議員からも発表になったところであります。そこで、これらの農業用水は、生活用でもございます。農業用だけではございません。防火用水でもあるわけです。あるいは、時には消雪用水にもなるわけでございます。その意味での地域用水としての機能を持っておりますことは、ご存じのとおりです。ただ、今日、混住化社会を迎えますので、その意味ではもっと地域用水になったのではないか、このように思っている次第でございます。
 この地域用水機能を維持増進するということ、それから水利用を皆さんでうまく活用する。近ごろは親水ということ。昔は用水縁に蛍なんかもたくさんおったのですが、これからはそのような風景を考える時期にきているのではないか。その意味で、もっと地域に親しまれる用水という考え方もございます。そのことをみんなで協議しようということで、庄西地区地域用水対策協議会が先般つくられたわけでございます。その協議会の中でいろいろ議論をしながら、今後事業に発展をさせていただきたいと思っております。庄西用水土地改良区では、この後、総代会を開催されて、平成13年度から一部着工されるということを聞いているところでございます。
 この協議会に私も出席をしております。先ほどから、高田議員なり吉澤議員からもあったように、田園空間整備という立場もございますので、そのことの一助になるような用水計画も私は大切だと理解をしておりますので、今後ともご意見をいただければと思っております。
 そこで、市街地における下水等のことにつきまして、これは議会でも何度も議論をされてきたわけでございます。従来は、農業という意味での三方コンクリートの幹線水路であったわけです。そして、制度的にも供給をする。ただし、今は地域用水化しておりますので、そのことが水があふれるという状況ももたらしてきたわけでございます。特に若林口用水と出町市街地周辺がそのような被害を受ける、あるいは市街地も被害を受けるという状況があるわけでございます。これにつきましては、何度も申し上げておりますが、庄川沿岸用水土地改良区連合、それから庄西及び鷹栖口用水土地改良区、出町土木委員会、市、その他関係機関、協力し合いながら、このことについての対応を進めてきたわけでございます。今日まで、まだまだ充分でないという意見もございます。その意味では、用水路、用悪水路の改修や、あるいは水門の改修も少しずつ行っております。
 もう一つは、行政的には、宅地開発等の申請があるとするならば、開発の指導要綱をよく見て調整池をつくるなど指導するように、そういうことが大事ではないかと思います。緊急時には、今申しましたように、水門の操作を各土地改良区の皆さんや地元の皆さんに行っていただいているわけですが、スピーディーに進むようにさらにお願いをしてまいりたいと思っているわけでございます。
 なお、これらのことにつきましては、新聞紙上でもございましたように、富山県が音頭をとってくれまして、新しくこの溢水対策に対する砺波市浸水対策連絡協議会が先般できたわけでございます。このことも含めまして今後充分検討し、いい水路づくりのために邁進をしてまいりたいと存じているわけでございます。
 しかし、お話にもございましたように、これらにつきましての経費負担など膨大になると思います。このことにつきましては産業建設部長から、あるいは地震防災等につきましては総務部長から、お答えをいたしたいと思います。
 以上でございます。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
  〔総務部長 桂 政樹君 登壇〕

◯総務部長(桂君) 石田議員の6月7日の早朝の地震による震度情報の公表の件につきましてご答弁申し上げます。
 震度情報につきましては、富山県震度情報ネットワークシステムによる計測震度計装置を県におきまして平成8年度に県内一円に設置したその折に、砺波市役所内に設置をし、地震発生時には自動的に県に通報される仕組みになっております。ところが、去る6月7日早朝には、計測震度は2.7を表示いたしておりましたが、県のシステムに一時的に県下全体のデータが集中したため、入力されませんでした。その後、県のほうへ究明を申し入れましたところ、設置者である県におきまして、担当の消防防災課で、現在、他の市町村も含めて原因を調査中とのことでございますが、市といたしましても、万一に備え、日頃の監視等に留意することの確認をいたしたところでございます。
 なお、当日、市におきましては、地震発生後直ちに、総合病院や上水道配水場の内部調査をはじめ学校等公共施設の点検、河川、道路パトロールなどを実施いたしまして、消防署とともに被害状況の把握と二次災害の防止に努め、被害のなかったことを確認をいたしております。
 今後、このような地震が発生した場合は、市の防災計画の基準によりまして、警戒本部の立ち上げ、あるいは災害の発生または発生するおそれがある場合は、直ちに災害対策本部を設置いたしまして、速やかに対処するようにいたしたいと存じます。
 以上であります。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
  〔産業建設部長 野村泰則君 登壇〕

◯産業建設部長(野村君) 石田議員ご質問のうち、出町市街地の溢水対策について、今後の問題点と対応計画はあるのかというご質問、並びに庄西用水改修計画についての経費の負担についてご答弁を申し上げます。
 まず、出町市街地の溢水対策でございますけれども、今後の問題点といたしましては、現在、庄西用水の改修計画がありますけれども、原則として、用水は上流側から、河川は下流側から改修を実施するということ。それから、設計水路断面は、使用する降水確率が用水と河川とでは異なるということで、用水と河川の接合部について調整をする必要があると存じております。このように、関係機関の利害が必ずしも一致しないことがありますので、今後充分に話し合いを行い、調整をする必要があると存じております。
 いずれにいたしましても、出町市街地の雨水が流れ込む庄西用水土地改良区が管理する若林口用水及び一級河川の岸渡川等の改修が必要であり、今後、国、県等関係機関に、一昨年、昨年の被害状況の実情を訴えながら、積極的に改修促進を働きかけてまいりたいと存じております。
 また、出町市街地の雨水を処理するためには、出町市街地の下流地域の用水や河川の改修等にあわせ、専用排水路あるいは調整池の整備が必要と考えておりますので、ご理解をいただきたいと存じております。
 当市では、情報を交換し、協力・連携をとって浸水対策に当たるため、県、市、用水土地改良区、地元土地改良区、地元の関係者機関で構成する砺波市浸水対策協議会を5月に設置いたしました。この協議会の構成委員は29名で、その産業部会の構成幹事は28名で組織をしているわけであります。
 浸水対策計画(アクションプログラム)は、県の補助を受け、砺波市浸水対策連絡協議会に諮って、今年度中に策定をする予定で進めております。
 もう1点、用水と用排水路を使用する場合の経費負担についてご答弁申し上げます。
 砺波市におきましては、専用の排水路がなく、農業用水が雨水排水を受けているところであり、農業用水の改修事業については、農業用水の受益者である農家が事業の一部負担をしているところでございます。
 県営かんがい排水事業におきましては、負担区分は国が50%、県が25%、市町村が10%、農家負担が15%となっております。この他に、県営かんがい排水事業の実施をする地区のうち、基幹的水利施設の更新等について、県単事業としてかさ上げ補助が行われ、農家負担の軽減を図っております。その場合には、県が2.5、市が2.5の上乗せ補助を行って、農家負担は10%になることになっております。
 農家以外の住民からの経費負担につきましては、現行の制度上、経費負担を求めることができるという制度になっておりません。しかしながら、昨今の混住化の進展や農家の高齢化の進行に従い、農業水利資産の維持保全をめぐる社会情勢に鑑み、新たな地域社会における支援体制の確立に向け、国、県等へ要望してきているところであり、今後とも引き続き要望してまいりたいと思っております。
 以上であります。

◯議長(堀田君) 7番 池田昭作君。
  〔7番 池田昭作君 登壇〕

◯7番(池田君) 昨日は第42回の衆議院議員選挙が公示され、今、21世紀の日本の進路を決めるべき重要な闘いが進められておりますが、我が砺波市にとりましても、今年は21世紀の進路を決めるべき総合計画の策定、少子・高齢化対策、教育問題、環境対策など大変重要な年であると言えます。今回新たに洗礼を受けましたものとして、初心に返って、地方の時代となる21世紀の砺波市政はどうあるべきか、どうすべきなのか、充分論議すべきであると思っておりますが、まずは各位の温かいご指導を賜りたいと存じております。
 それでは、通告に基づき、まず教育問題について2、3点お伺いいたします。
 第1点は、小中学校における道徳教育の対応についてであります。
 さて、去る4月7日に行われました森総理大臣の所信表明演説の中で、我が国が目指すべき姿として3つのことを述べられておりますが、その中の1つ、「心の豊かな美しい国家」という課題の中で、思いやりの心や奉仕の精神、日本の文化・伝統の尊重など、日本人として持つべき豊かな心や倫理観、道徳心を育むという観点では、これまで必ずしも充分ではなく、こうしたことが昨今の学級崩壊、校内暴力等の深刻な問題を引き起こしているのではないか。教育の目標は、学力を育てることだけではなく、人間性を育てることであると、心の教育の重要性を述べておられます。
 さて、小中学校での道徳教育は、年間標準時間で35時間とされておりますが、2年前の文部省の調査では、この標準時間を確保しているのは、小学校で67%、中学校で41%にすぎないといいます。少年の規範意識低下が社会問題になっている中、心の教育がまだ軽んじられているのではないでしょうか。課外活動で道徳教育を行うケースもあり、この数字をもって実態を写しているとは即断できないと思いますが、しかし、学習指導要領が定める標準時間に半数以上の中学が達していない結果は、深刻に受けとめるべきであると考えられます。
 道徳教育は、他の課目と違って、教科書は副読本しかなく、数値による評価をしない関係で、教師の力量が授業の内容を大きく左右するものであると言われております。したがって、学習指導要領にある多様な指導方法の工夫が今求められているのではないでしょうか。某新聞の社説で、地域の社会人を教壇に招くゲストティーチャーの試みを道徳教育にも広く活用すべきではないかと述べてありました。つきましては、市内の小中学校での事業実態はどのようになっているのでしょうか、お聞かせを願いたい。
 文部省は、「緊急3カ年全国子どもプラン」の中でも、心の教育を中心に据えた施策の推進を目指しております。今、何とかしなければ、日本の国が芯から崩れていく。悪いことは悪いという社会の基本となる規範を小さいときから教えなくてはならないと強調されております。しかし、これに対しては、戦前の修身の復活につながるのではないかと反対意見もありますが、道徳教育を今後どのように対応していこうとされておりますか、飯田教育長のご所見をお伺いいたします。
 次に、子育てに関する学校、地域、家庭連携対策についてであります。
 今、低年齢児少年の凶悪犯罪が起きていることなどから、学校、地域、家庭と三者一体となった活動が求められているのであります。新年度、文部省では、少子化対策推進基本方針及び新エンゼルプランを踏まえて、さまざまな教育機会を見直し、子育てを支援する施策、家庭教育の支援施策を決めておりますが、その一環として、家庭でのしつけ力低下や地域社会の子育て環境の変化に対応し、併せて失われつつある地域の連帯感や地域の教育力を回復させるねらいから、公民館を家庭教育学習の拠点として位置づけ、緊急対策を行うことを決めたということでありますが、これに対する指導なり指示がなされているかどうか、また、この考え方に対する教育長のご見解をお聞かせください。
 次に、小中学校における学級編制についての考えをお尋ねいたします。
 過日、文部省が、2001年度からの小中学校教職員配置の基本方針を公表しました。それによると、国のこれまで保持してきました学級編制の権限を都道府県に移し、都道府県の判断で少人数教育などについて大幅に弾力運用ができるようになったということであります。すなわち小学校では国語、算数、理科、中学校では英語、数学、理科で20人規模の学習集団を認めるというのでありますが、私は多少の前進ではありますが、まだ不十分であると考えるものであります。
 少人数学級実現の運動は、10年以前から進められているところであり、98年9月の中教審答申は自治体裁量の学級編制を認める方針を提起したことなどを受けて今回の改正になったものと考えられますが、自治体レベルでは既に少人数学級を実現させた先進的事例があらわれており、また地方議会における30人学級を求める意見書採択状況は、昨年6月現在946議会となっており、千葉県議会も全会一致で採択をしているということであります。世界の趨勢では20人から30人学級が普通であり、アメリカでは小学校低学年の平均18人学級を打ち出し、注目されているところであります。
 さて、本年の「子ども白書」によりますと、学級規模を変えることのメリットとして、一つは子供の学習到達度を把握しやすくなる、子供の発言回数が多くなり、学習に積極的に参加するようになる、子供との会話をする機会が増える、子供の人格や個性を把握しやすくなるなど、教師側の約9割、父母側の約8割が、その効果の大きいことを挙げております。
 しかし、文部省は、肝心の学級編制基準に手をつけずに、やりくり算段の手はずが整ったから、あとは都道府県で工夫してほしいという考え方なのであります。しかし、今後、文部省は、これまで常勤教員にしか使えなかった国庫補助金を非常勤講師などにも使えるようにするとのことでありますし、また県教委の学校ボランティア活動支援制度などを利用し、市町村としていろんな対応が考えられるのではないか。これに対する教育長のご見解と市内小中学校の実態についてお聞かせください。
 次に、環境問題に関連して質問いたします。
 我が国におけるごみ問題は、古くは江戸時代に、東京湾の開拓や埋め立て当時からあったと聞いております。近年、大量生産、大量消費という高度成長期から急速にごみ処理に伴う大気や水質等の汚染が懸念されるに至り、地域の環境保全や、大きくは地球環境の問題として、その対応が迫られています。まさにごみ問題は古くて新しい私たちの生活に密接にかかわる大変重要な問題であります。ごみの減量化と資源の有効活用を図る循環型社会の構築を目指すことは、私たちが21世紀に生きる人々に残すことのできる大きな遺産であると思いますし、今こそ、その具体的な取り組みと行動を起こす必要があります。このことを踏まえて、当市における取り組みについて、民生部長にお尋ねをいたします。
 まず、第1点は、本年4月より完全施行されることになった容器包装リサイクル法関連について質問いたします。
 平成8年度の資料ながら、我が国では年間5,110万トンのごみが家庭から排出されるということでありますが、そのうちの容器包装部分の容積比が約60%の割合を占めているということでありますから、容器包装の減量化やリサイクルを進めることが重要となってきたのであります。平成9年4月、容器包装リサイクル法がスタートし、基本的には消費者による分別排出、市町村による分別収集をすることが決められたのであります。
 さて、砺波市はいち早く平成4年7月から飲料用のアルミ缶、スチール缶、瓶においても白色、茶色、青色、黒色等に分別収集しており、さらに平成10年度からペットボトルの収集を始められているところであります。なお、本年4月から、さらにプラスチック製容器包装及び紙製容器包装を分別収集することになったところでありますが、今後の市の対応についてお聞かせください。また、昨年度の容器包装廃棄物の収集実績及び今後の容器包装廃棄物の分別収集計画があればお聞かせをいただきたい。
 次に、ごみ焼却場の排煙に含まれているダイオキシン対策についてお伺いいたします。
 近年、急激に、ダイオキシン類による汚染問題が大きな課題となってきたのであります。がんや奇形児などの原因となるダイオキシンは猛毒有機塩素化合物で、プラスチックや塩素漂白された紙など塩素を含む可燃性のごみを安易に燃やしますと、焼却炉の温度が不安定となり、発生すると言います。ついては、12年度、13年度の2カ年にわたって東部清掃センターの改修工事を実施されますが、その目的と効果並びに工事の概要、工期、資金計画などについてご説明をいただきたい。また、工事中も、これまでどおり焼却業務は続けられると聞いておりますが、工事中の焼却業務はどのように進められるのか、また工事中にダイオキシン類の発生、環境汚染対策等は充分に対応されているかどうか、お聞かせをいただきたい。
 次に、1月に施行されましたダイオキシン類特別措置法では、大気、河川、底質、土壌、廃棄物焼却炉の常時監視が義務づけされました。これを受けて富山県では、大気、河川、土壌、底質、地下水の5つの分野で、それぞれ昨年の5倍程度の地点で調査をするということでありますが、砺波市内での調査地点はどこか、またこれまでの調査結果の数値がわかればお答えをいただきたい。
 次に、広範な農業問題の中から、部分的な問題になりますが、2点について質問をいたします。
 日本農業の最大課題は、米を含めた農産物の総輸入自由化時代において、21世紀に向けての食料供給システムをどう確保するかということでありますが、国内における食料の安定供給を基本に位置づけ、自給率の目標を設定した食料・農業・農村基本法が昨年7月成立いたしました。これを受けて本年度から需要に応じた米の計画的な生産、水田における麦、大豆、飼料作物等の本格的な生産を二本柱として、土地利用型農業活性化対策が進められることになりました。このため、集落営農や中核農家の連携を強化し、土地の有効利用を図ることが大切であります。
 さて、となみ野農協の一村一農場構想もありますが、今後ますます顕著になってきます農家数の減少、従事者の高齢化、農地の利用集積、農作業の受委託等を推進するとともに、若い担い手の育成など、第三セクター方式による(仮称)農業公社の設立を求める声がありますが、これに対する市長のお考えをお聞かせください。
 次に、水田農業振興計画の策定についてであります。
 土地利用型農業活性化対策大綱に基づき、市町村を単位とした水田農業振興計画を策定しなければならないのでありますが、現状はどのようになっているのでありましょうか。計画には、作物別に現状の作付面積と5年後の目標面積、団地化率や水田利用率の目標、推進策、計画を達成するための基盤整備、機械や施設の導入計画、とも補償の内容、奨励作物などを決めることになっているとのことですが、本市における計画の策定状況と計画推進への行政指導がどのように行われているのか、産業建設部長さんの答弁を求めまして、質問を終わります。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 池田議員にお答えをいたします。
 まず、前段のご意見については、ごもっともだと存じておりますので、ますますの活躍をご期待申し上げる次第でございます。
 私から、農業公社構想についてお答えをいたします。
 池田議員ご指摘のように、国においては、食料・農業・農村基本法が新たに施行されまして、農業・農村の多面的な機能を発揮する理念が盛り込まれたことから、特に農村をめぐる情勢や課題、変化に対応してどうすべきかということでございまして、我が郷土も農業を中心として大切にしなければならない、そのように思っている次第でございます。従いまして、21世紀に向けて活力のある農業農村、いわゆる足腰の強い砺波型農業、そのように展望を持って新しい計画づくりをしたい、このように思っているところでございます。
 そこで、市の農業の現状は、他の市町村から見ますと、利用権の設定が大変大きいのでございます。いわゆる流動化率が年々高まってきております。その面での農地の集約化、規模の拡大は進んでいるものと思っております。しかし、ご意見にもございましたように、農家数の減少、担い手(後継者)の減少、中山間地における放棄田等がございます。その意味から、耕地面積も減少傾向にございます。従いまして、これらを個々に求めてもなかなか調和のとれない状況ではないかと思います。この現状から、農業者や農業団体の皆さんが、今抱えている問題、今申し上げました農家数の減少や放棄田や後継者、そういう問題も抱えております。さらに、5年後、10年後になるとどうするのかという心配も聞いておりますし、その問題の洗い直しをいたしているところでございます。
 おかげさまで市内における水田を中心といたします中核農家は、それぞれ堅実に経営されております。小規模で自己完結型農業が実は心配されるわけでございます。昨年、球根生産拡大についていろいろ議論をしていただきました。対策会議を特別開いたわけでございますが、今後の課題を解決するに当たりましては、一つは、中間的に世話をしていただけるような公社的なものが必要ではないかという提案がまずございました。それは、作付耕地をあっせんしてもらう、あるいは農業機械はずいぶん高くつくので、そういうものをリース化するような場、そういう提案などがあったわけであります。
 そこで、毎年、農業委員会から、市民農園などをつくる公社があっても良いのではないかという提案もございます。また、一方では、緑化、野菜なども含めてでございますが、そういう生産団地といいますか、生産者がいてもいいのではないか。そして、そのことをあっせんする、農協あたりがやればいいのかと思いますけれども、緑化についてはそこまでいけるのかどうか、そういう意味で指導助言をするものがあれば、屋敷林の保存などにもいいのではないか。市役所が直接指導監督という立場ではなくて、ワンクッション置いて指導すれば、砺波圏域も緑化できるのではないかという意見もあるわけでございます。
 そこで、私は、そのような必要な幾つかの問題を集約をして、関係団体とも協力をしながら進めさせていただければということで、実は3月定例議会にもこの話を若干申し上げているわけでございまして、そのことの調査を今農林課に命じておりまして、幾つか集約をさせていただきます。
 いずれにしましても、このすばらしい田園空間を放棄田で放置するのはどうか。そのことなども含めまして、具体的に農業公社というものについて検討させていただきたい、このように思っているわけでございます。
 なお、私のほうへは、そのようなものがあれば、ずいぶん農業にノウハウを持った方でございますけれども、ボランティア的に我々が見てやるという人もおられます。そのことをなどを含めて公社をつくることによって、この辺の農業を守ることができるのではないか、こんなことを思って今構想立てをしていることを申し上げて、私のお答えといたします。
 以上でございます。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
 教育長 飯田敏雄君。
  〔教育長 飯田敏雄君 登壇〕

◯教育長(飯田君) 池田議員の質問にお答えします。
 質問は、3点でございます。
 まず、第1点の、小中学校における道徳教育の対応について申し上げます。
 昨今の少年による凶悪犯罪の多発や学級崩壊、校内暴力などの言葉を日常的に耳にされるとき、道徳教育はどうなっているのかと心配されるのは、誠にごもっともなことでございます。砺波市における平成11年度の道徳の授業時数の平均は、小学校では34時間、中学校では32時間という実態でございます。しかし、これは正規に時間割に組まれた道徳の時間の実践時数でありまして、この他に、学級や学校でその時々に起きた問題点や生活上引き起こされたその都度の問題点の解決のための時間、さらには砺波市の研究課題である心の教育の実施時数、国際協力員による国際理解教育の時数、さらに中学2年生が実施しております「14歳の挑戦」事業、これらなどを含めますと、当市の道徳教育にかける授業時数の確保や実践の実際は充分なものであると私は考えております。
 今後は、これらの実績と実践の継続による道徳心の涵養に努めるとともに、平成8年度から続けている砺波市研究指定、心の教育の研究実践をさらに深めてまいりいたと思っております。
 しかしながら、学校における道徳教育をさらに高揚させ、教育基本法でうたわれているより高い人格を形成することを目指すには、家庭教育の充実を抜きにしては考えられません。また、家庭教育力を援助し健全な子供を育成する上で、地域の教育力もなくてはならない重要な意味があります。従って、地域の教育力も回復しなければなりません。これらをどのように育てていくかは、今後の日本の教育の大きな課題であると考えております。
 2番目に、子育てに関する学校、地域、家庭の連携について。
 地域教育力や家庭教育について、公民館への指導指示はどうなっているのかというお尋ねでございますが、地域の教育力を高めるとともに、地域の子供たちは地域で育てるという観点から、本年度から新規事業として青少年育成地域活動事業に取り組んでいるところでございます。これは土曜日や日曜日などの休日を利用し、子供たちに自然体験や農業体験、ボランティア体験などさまざまな体験に参加させようというもので、各地区公民館を委託先としている事業でございます。また、新たに各地区などから推薦していただいた青少年育成地域推進員を23名の方に委嘱いたしました。この人たちの連携とお力添えによりまして、地域における青少年健全育成体制の強化に期しているところでございます。
 3点目ですが、小中学校における学級定員をどのように考えているかというお尋ねでございます。
 今年の5月19日付の文部省報告で、「今後の学級編制及び教職員配置について」という報告がございます。その中で、都道府県が地域や学校の実態等に応じ必要があると判断する場合には、義務標準法で定める学級編制の標準を下回る人数の学級編制基準を定めることができるとありますが、実際には国からの予算措置は全く講じられておりません。2番目に、都道府県全体として一定の教職員定数を確保するための基準であることとして枠をはめてあります。例えば県内の市町村は、単独にしないで、やるのならば県全体でやりなさいという枠をはめてあります。3番目に、現在の状況では、現行どおりの上限40人とすることが妥当であるというふうに文部省は現行を容認しております。
 ちなみに砺波市内の小中学校はどうなっているかということですが、1学級当たりの平均の人数は、小学校では31.2名、中学校では35.6名となっております。ただし、欧米諸国では、学級定員割という考え方をしておりません。教師1人当たりがどれだけの児童生徒を持って授業をしているかという平均でいっています。その欧米の割でまいりますと、砺波市の場合、1人平均、小学校では24.33名になります。これは実際に授業を担当する小学校の教師が100名いるからでございます。中学校の教師の場合には、1人平均17.75名ということになります。担当教諭は73名おります。ところが、欧米の場合には、教頭も校長も授業する教員の中に含めております。日本の場合には、校長は授業を持ってはならないという学校教育法になっておりますので校長は授業を持たないわけですが、教頭は校長を補佐しながら授業を持っても良いということになっております。
 文部省が発表しているそういう「欧米並みの平均に近づけたいと思います」という答弁でみますと、今ほとんどその域に達しているという実態でございます。一部、アメリカ及びイギリスでは、今申し上げた1人平均云々よりもっと生徒数を少なく持っておりますが、フランスの小学校は23名になっておりまして、それに比べてみると、決して多く持ち過ぎているという数にはなっていないと私は考えております。
 ただし、県の教育委員会のほう、いろいろ工夫をしてくださっております。つまり、1学級が35名以上、38名近くになった場合には、多人数学級へということで加配をしてくれている教員が我が市内にもございます。そのようなことでいろいろやりくり算段をしながら、何とか少しでも多くの子供にしっかり目が届くようにという工夫を県もしておりますが、私たちも今後学級人数の推移を見守りながら、今後とも必要に応じて県へ加配を申請してまいりたいと思っております。
 それから、特別非常勤講師を使いなさいということは、県のほうからも指示がきておりますし、大勢の人を使うということはできておりませんが、その都度、少しずつ使わせていただいているというのが現状でございます。
 以上です。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
 民生部長 太田勇二君。
  〔民生部長 太田勇二君 登壇〕

◯民生部長(太田君) 池田議員の環境問題2点についてお答えを申し上げたいと思います。
 議員ご指摘のとおり、ごみ容器包装リサイクル法の施行につきましては、本年4月1日から完全施行され、新たにトレー等のプラスチック製包装あるいは菓子箱、紙袋、新聞箱、ほとんどの紙製の容器包装が分別収集の対象になりました。砺波市におきましても、既にリサイクル等におきましては、平成4年よりアルミ缶、スチール缶、ガラス瓶等、あるいは平成10年にはペットボトル等について、市民の皆さんの協力、さらには自治会、各種団体のご協力をいただいて、それぞれ分別収集を行っているところでございます。
 昨年度の容器包装廃棄物の収集実績状況でありますが、アルミ・スチール缶については126トン、前年より16トン減っております。さらに、ガラス瓶については195トン、前年よりも18トン減でございます。ペットボトルについては、近年、アルミ缶からペットボトルということで、前年よりも6トン増の21トンでありました。
 今後の具体的な廃棄物の分別収集計画については、特にプラスチック製容器包装のうち特に白トレー等は、平成13年度から分別収集する方向で現在検討をしているところでございまして、実際の運用に当たっては、収集した後の保管倉庫等の不足もありますので、昨年10月からそれぞれ県内でモデル地区を指定いたしまして、分別収集をしております他市の状況を調査の上、クリーンセンター管内の市町村と充分協議を図り、無理むだのない分別収集計画を進めていきたいと考えております。
 次に、クリーンセンターとなみのダイオキシン対策工事につきましては、クリーンセンターとなみで実施しております排気ガス高度処理施設及び灰固形化施設整備工事については、総工費13億1,250万円で、砺波広域圏事務組合が平成12年度、13年度の2カ年継続で、ダイオキシン類の発生防止及び削減を行うため実施するものであり、工事内容としては、ろ過式集じん機(バッグフィルター)の設置、有害物質を安定化させる灰固形化施設の新設などであります。
 また、資金計画につきましては、できるだけ国、県の補助を多く得られるよう協議が整っているところでございます。
 なお、工事の進め方でありますが、現在の2炉を1炉ずつ改修していきたいと考えております。このため、工事中、1炉のみが稼働することになり、処理能力が不足しますので、現在実施している焼却業務体制の時間の延長も充分考慮に入れて検討を図りたいと考えております。
 また、工事期間中、1炉のみの稼働であっても、ダイオキシン類及び有害ガスの発生については、適正な燃焼温度管理を充分行い、安全確保に努めてまいりたいと存じます。
 次に、富山県は平成11年度からダイオキシン類の調査を行っておりますが、本年度の調査は平成13年2月までの間に、県全体として、大気は年4回、水質は年1回、地下水は年1回行うものとしております。また、土壌については、砺波市内で1カ所指定をされております。
 なお、11年度に砺波市内で測定されました7カ所の調査結果は、県の「環境白書」で7月以降に公表されることになっております。
 以上です。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
 産業建設部長 野村泰則君。
  〔産業建設部長 野村泰則君 登壇〕

◯産業建設部長(野村君) 池田議員ご質問のうち、水田農業振興計画の中で、現状はどうなっているか、行政指導はどのように行っているかというご質問にお答えをいたします。
 砺波市では、砺波市、関係機関、農業団体、中核農家の代表、各地区水田農業推進協議会長等で構成する砺波市水田農業推進協議会において、5月8日に砺波市の農業振興計画について審議決定していただいたところでございます。
 水田における土地利用型農業の活性化の取り組み方針といたしましては、需要に応じた米の計画的生産と水田の高度利用等を推進するため、水稲、大豆、麦、飼料作物、球根等の土地利用型作物とサトイモ、白ネギ等園芸作物を合理的に組み合わせた土地利用方式及び作付体系を地区単位での農業の中で組み立てるなど、効率的な生産体制の整備を図っていこうとするものであります。
 農協、普及センター等の関係機関と連絡をとりながら、各地域の農業生産体制、あるいは作物栽培実態に応じた適切な取り組みとなるよう指導推進するとともに、計画がスムーズに実施されるよう、農業機械等の整備においても今後支援措置を検討してまいりたいと考えております。
 以上であります。

◯議長(堀田君) 4番 寺島良三君。
  〔4番 寺島良三君 登壇〕

◯4番(寺島君) お許しをいただきましたので、通告に従い、2項目について質問させていただきます。
 まず、高齢者福祉施策、ゴールドプラン21についてお尋ねいたします。
 21世紀を目の前に控え、総人口の減少と急速な超高齢化社会が同時に進行するという時代を迎え、経済成長の停滞、さらには少子化に伴う労働力人口の減少、一方では、年金、医療、福祉などの負担が増大し、経済活力が失われている中で、増大かつ多様化する高齢者ニーズに適切に対応していくために、20世紀最後の年に当たり、本格的な長寿社会にふさわしい社会経済システムを整備すべき時期と思います。
 21世紀の社会では、経済面だけではなく、家族や地域社会にも大きな変化が生じ、子供のいない家庭やひとり暮らしの高齢者が増加するなど、生活様式、意識の変化などを踏まえ、高齢者福祉は行政の重要な課題となっています。すべての方々が健康で生きがいを持ち、安心して生涯を過ごせる社会、長生きして良かったと言える長寿社会を構築する必要があると考えます。
 このような現状の中、21世紀に向けて市の取り組みについて考え方をお聞かせください。
 次に、1989年(平成元年)12月に、10年間(平成2年から平成11年度まで)に緊急に取り組むべき施策について目標を掲げた「高齢者保健福祉推進十カ年戦略(ゴールドプラン)」が策定されました。しかし、平成5年度に全国の地方公共団体で施策された地方老人保健福祉計画において、ゴールドプランを大幅に上回る高齢者保健福祉サービスの整備の必要が明らかになり、1994年(平成6年)12月に厚生・大蔵・自治大臣の合意のもとにゴールドプランを全面的に見直し策定されたのが「新ゴールドプラン」です。これは、高齢者介護対策の緊急性を考慮し、各種高齢者介護サービスの基盤の整備目標の引き上げなどを行うとともに、「利用者本位、自立支援、普遍主義、総合的サービスの提供、地域主義を基本理念とする今後取り組むべき高齢者介護サービス基盤の整備に関する施策の基本的枠組みを新たに定め、平成11年度末までの間において、新ゴールドプランの実現に向けて事業が進められてきました。砺波市におきましても、ホームヘルパーや特別養護老人ホームの整備をはじめとし、本年4月より介護保険制度もスタートし、介護サービス基盤がほぼ順調に進んでいると思いますが、これまでの市の見解をお聞きします。
 新ゴールドプランは、平成11年度でその期間を終了することになるため、平成12年度からの高齢者保健福祉施策の一層の充実を図るため、介護サービス基盤の整備を含む総合的なプランとして、今後5カ年間の高齢者保健福祉施策の方向、ゴールドプラン21が策定されました。このゴールドプラン21の基本方針、基本方向、基本的な目標、具体的施策についてお尋ねいたします。
 また、ゴールドプラン21における今後5カ年間の砺波市の介護保険事業計画による介護サービスの見込み量はどのように試算されておられますでしょうか。今後、それに伴うサービス増大の対応策はどのように計画されておりますか、お聞かせください。
 次に、PFI導入についてお尋ねいたします。
 PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)とは、公共施設などの建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法で、この導入によって、国や地方公共団体が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供でき、事業コストの削減ができると期待されております。
 PFI方式の先駆けとなったイギリスでは、1992年度から導入し、有料橋、鉄道、病院、学校などの公共施設等の整備、再開発等のPFI事業を行い、現在では公共投資の約20%を占めており、事業コストの削減や民間事業、経済の活性化を促し、その成果が上がっていると聞きます。ようやく我が国でも幾つかの導入事業が開始されたようですが、まだまだその成果は未知数です。
 国は、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)が平成11年7月に成立、同年9月施行を受け、平成12年3月に内閣総理大臣が基本方針を定めたところです。基本方針には、国(特殊法人その他公共法人を含む)が公共施設等の管理者として行うPFI事業を進めるに当たっての基本的考え方や、その具体的な実施に当たっての留意事項が示されているようですが、今後、各地方公共団体においても、PFI法や基本方針にのっとってPFI事業を進めていくことになると思いますが、PFI法と基本方針の概要についてお聞かせください。
 21世紀を目前に、本格的な少子・高齢社会が到来する中で、市民が真に豊かさを実感できる社会を実現するためには、効率的かつ効果的に社会資本を整備し、質の高い公共サービスを提供することが重要な課題です。
 近年、国及び地方公共団体の財政は極めて厳しい状況下にあり、着実に財政構造改革を進める必要がある中で、今までのような役所的な発想や管理運営方法でなく、PFI方式による民間資金、コスト意識と経営能力、技術的能力を活用させることは社会資本整備にもつながり、新たな民間事業機会の増大を図ることによって、低迷している経済の活性化効果も大いに期待できると考えます。
 福島県白河市では、JR白河駅前再開発構想にPFI方式での計画を立てました。この計画では、市所有地を民間事業者が借り受け、そこに公共施設や商業施設を備えたビルを建設し、その公共施設部分は市が借り受けるというものです。
 今後は、全国的にPFI方式の積極的な取り組みが進んでいくものと考えますが、砺波市での導入には、公共施設のみならず、チューリップ公園に大観覧車や、あるいはまた砺波を一望できるチューリップタワーの建設などはいかがでしょうか。また、第三セクターや広域圏事業などについても検討できないでしょうか。具体的事業の選定につきましては、多方面から柔軟かつ慎重な研究、検討を重ねていただきますようお願いいたします。
 先に述べましたように、PFI事業を導入することにより、市民に低廉で質の高い公共サービスを提供することが最も重要なことです。このことが実現できなければ何の意味もありません。PFI導入についてどのような見解をお持ちでしょうか。また、具体的にはどのような事業を取り入れるか、またそれによる公・民役割分担、責任分担などの問題が生じてくることが懸念されます。導入についての問題、課題があるとすればどのような点が考えられるでしょうか、お考えをお聞かせください。
 以上で私の質問を終わります。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
 市長 安念鉄夫君。
  〔市長 安念鉄夫君 登壇〕

◯市長(安念君) 寺島議員にお答えをいたします。
 まず、ゴールドプラン見直し計画あるいは介護計画等につきましては、今取りまとめております助役から直接お答えをいたします。
 私からは、新しく制定されましたPFIの推進等につきましてお答えを申し上げたいと思います。
 まず、PFIにつきましては、寺島議員から説明があったところでございます。何度かPR、あるいは雑誌等で紹介をされておりますが、なかなか砺波市ではなじまないという感じで、率直な話、余り勉強をしておりません。そのことを含めてお答えをいたしたいと思います。
 今、寺島議員からも説明がございましたように、民間資金の活用による公共施設の整備、運用、促進、そういう法律が出たわけであります。国や地方自治団体は、ご存じのように財源がございません。従いまして、民間の資金を投入する。そして、民間の能力、民間の技術、それらを公共施設の維持管理へ回すわけですから、理論としては大変すばらしいと思っておりますし、このような時代が将来来るのではないか、そのように思っております。そのことを考えますときに、ぜひ皆さんで検討していく課題だと、このように思っている次第でございます。
 ただ、読んでみますと、民間資金を投入してその会社も充分利益を上げなさい、収益を確保して、片一方、市民には低廉なサービスをしなさいという両極端があるわけです。もちろん公共投資をその場でしてもらうわけですから、幾ばくかの資本提携や資金的な援助、あるいは起債等、まだ細かい話は研究しておりませんが、その一面があろうかと思います。従いまして、市町村がそれらを投入することによって、それを返してもらわなければいかんわけです。したがって、片一方、会社が管理されるときには収益性を上げてもらう、また会社が管理するときに安く低廉に使いなさいとなっているものですから、なかなか難しい一面がございます。ただし、その思想については理解できるところでございますし、今後このような考え方が伸びると思います。
 例えば中心市街地活性化で出町の四つ角に大きいビルを建てて、駐車場も置いて、ホールも置いて、上3階、4階を活用する。そのときの公共的なものについては、会社が建てて私どもが資金を出す。もしそれが充分活用されるとすれば、それは一つの方向かなと思うんです。ただし、4万人の市でいかがなものか。あるいは現実的には郊外型の産業がずいぶんありますし、新しく施設なんかもできるわけですから、収益性、しかも低廉なサービスということになりますと、なかなか踏ん切りがつかないのではないか、このように私は思っているわけです。県はこのことについて研究中と聞いております。従いまして、今後とも、おっしゃることにつきまして、職員ともども充分勉強させていただきたいと思うわけでございます。
 ただ、新しい法律でございますので、それぞれの都市でもまだ充分調査研究がされていないと思います。そこで、類似都市等で先進的に、もしおやりのところがあるとすれば、我々も議員さんも見ていただいて、勉強していただいて、活用することも必要ではないかと思っております。確かに都市計画では、今の中心市街地活性化法が出たときに、このような会社を投入しなさいという意見も実はありました。ただ、今の中心市街地の中にそういうメニューが余り見当たらないような気がします。先ほども説明しましたように、出町小学校の跡地と総合病院と駅というような核をうまく使いたいという思想でございますので、ど真ん中に大きいものをどんというようなメニューは見当たりません。確かにそういうメニューがあるとすれば、そういう会社を使ったらという話は聞いたことがございますが、なかなかこの点では国民にはなじまないのではないかという気が私はしております。
 いずれにしましても、ご提案があったように、タワーをつくってお金を取ってということになりますが、隣の市でやっておられますけれども、全然ペイできないというようなことも聞きますし、観覧車にいたしましても、子供が少なくなって、あちこちの遊園地がそれを撤退するなども聞いておりますので、そのような意味で難しい一面もあるのではないか。演壇に出てきてこのようなことを申し上げて大変恐縮でございますけれども、今後ともどもに勉強させていただきたいということで、お答えにいたします。
 以上でございます。

◯議長(堀田君) 答弁を求めます。
 助役 今井 烈君。
  〔助役 今井 烈君 登壇〕

◯助役(今井君) 寺島議員のご質問のうち、老人福祉の充実を図ることについて、お答えをいたします。
 まず、ゴールドプラン21に移行した市の対応についてのご質問にお答えをいたします。
 市といたしましては、国のゴールドプラン21に呼応して、平成5年に策定をいたしました砺波市老人保健福祉計画の実施状況等を踏まえまして、平成12年度から16年度の5カ年間を目途とした高齢者保健福祉計画を策定すべく、本年の3月に市長の命を受けまして、助役を委員長とする市の関係課長からなる高齢者保健福祉計画策定委員会を設置したところでございます。策定に当たりましては、広く市民及び専門家からご意見を聞く方法といたしまして、市長への提言をいただくため、12人から成る高齢者保健福祉計画策定懇話会を設けまして、既に2回の懇話会を開催をしていただきまして、多くの提言をいただいているところでございまして、その提言を計画の中に反映をさせて、ただいま策定作業を進めているところでございます。
 また、総合計画策定のための市民アンケート調査結果や民生委員のアンケート調査結果など、市民の声をお聞きしながら計画をつくっているところでございます。現在、策定作業中でございますけれども、この計画を中間的にご報告申し上げますと、まず計画の策定に当たりましては、1つには、国のゴールドプラン21の趣旨を尊重すること、1つには、平成5年に策定をいたしました砺波市老人保健福祉計画の実施状況の分析を充分に行いまして、その反省の上に立って計画をつくること。もう1つは、高齢者を取り巻く現況を充分把握して計画をつくるということに留意をしながら、3つの基本目標を立てたところでございます。健康で生き生きした暮らしの実現、安らぎのある暮らしの実現、福祉のまちづくりの推進という基本目標を立てまして、その実施のための重要な施策課題をそれぞれに設定をいたしまして、できるだけ5年間の数値目標を掲げまして進行管理をしていくということを今考えているところでございます。介護保険事業がご案内のとおりこの4月から始まったわけでございますが、事業計画が昨年の3月に策定をされるということで、その策定を待ちまして、この計画に取りかかったため、少し作業が遅れているわけでございますけれども、できるだけ早い機会に取りまとめたいと考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、長寿社会を迎えました今日、高齢者の方々にいつまでも元気で安心をして暮らしていただける砺波型の計画となるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、介護保険導入の諸問題についてお答えをいたします。
 5カ年の計画の中での介護保険サービスの需要見込みはどのようにあるかということでございますが、介護保険事業は、高齢者の保健福祉計画をつくる中では、大変重要なウエートを占めているものと認識をしているわけでございます。その利用見込みにつきましては、砺波地方介護保険組合が策定をいたしました介護保険事業計画に計上されております最終年度の平成16年度末の圏域全体、12市町村全体での事業ごとの数字を少し申し上げます。
 まず、居宅サービスでございますけれども、ホームヘルプサービスにつきましては、1カ月当たり3,830回ということでございまして、5年間で1,470回の増を見込んでおります。訪問看護につきましては、1カ月当たり826回で、5年間で335回の増を見込んでおります。デイサービスにつきましては、1カ月当たり1,846回、5年間で130回の増。ショートステイにつきましては、年間1,805週で5年間で99週の増というものを見込んでおるわけでございます。この居宅サービスにつきましては、原則的には供給のほうはそれぞれの市町村で対応すべきものというふうに考えているわけでございまして、今言いました中で、特にマンパワーのホームヘルプ、訪問看護という数字につきましては、60%から70%の増というようなことで、それでは砺波市はどうなるのかなということで、皆さん方、大変ご心配かもしれませんが、これは圏域全体でございまして、砺波市は既にこのワンパワー等についても充分対応してきておりますので、砺波市個々の数字は実は計上しておりませんけれども、私どもは、マンパワーのほうも、5年間、少し増えても対応していけるものと見込んでおります。また、デイサービス、ショートステイについても充分対応はできるというふうに考えておるわけでございます。それから、民間事業者からの参入もございますので、圏域全体といたしましても、充分民間事業者等の活用を図ることによって対応ができるものというふうに認識をしております。
 次に、施設サービスについてでございますが、療養型病床群の必要者数は352人ということで、5年間変わらないというふうに見込んでおります。次に、老人保健施設の必要者数は509人ということで、5年間で60人の増を見ております。特別養護老人ホームの必要者数は625人で、5年間で90人の増を見込んでおるわけでございます。これらの施設サービスにつきましては、ご案内のとおり、圏域12市町村で施設整備を図っていくということで、充分対応ができるものと考えておるわけでございます。
 なお、この介護保険事業計画及び高齢者保健福祉計画につきましては、環境の変化が大変激しいものというふうに見込んでおるわけでございまして、3年後には、そのときの状況を見てまた見直すということにしておりますし、また適時適切な対応を図っていくということにしているわけでございます。その折には、3月議会で市長が答弁いたしましたように、砺波市内に建設する特別養護老人ホームにつきましては、民間活力を図るということも視野に入れながら対応をして取り組んでまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 以上でございます。

◯議長(堀田君) 以上をもちまして本日の日程を終了いたします。
 次回は明6月15日午前10時から開会いたします。
 本日はこれをもちまして散会いたします。
 ご苦労さまでした。

 午後 3時16分 閉議