1.会議の経過
午前10時00分 開議
○議長(今藤久之君) ただいまの出席議員は20名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第2号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(代表質問)
○議長(今藤久之君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第56号から議案第70号まで、平成28年度砺波市一般会計補正予算(第3号)外14件についてを議題といたします。
これより、市政全般に対する代表質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
13 村岡修一君。
〔13番 村岡修一君 登壇〕
○13番(村岡修一君) 改めまして、皆さん、おはようございます。
お許しを得ましたので、通告により、私は自由民主党砺波市議会議員会を代表いたしまして、2期目の市政運営を迎えられる夏野市長、教育長、病院長さんに当面する諸課題について若干の提案と質問をさせていただきます。
まずもって、今回代表質問の機会をいただきましたことに対し、会派の仲間、議員各位の御理解と御支援に深く感謝申し上げます。
さて、先に実施されました市長選挙において、夏野市長は、県庁時代に培われた幅広い人脈とすぐれた行政経験、豊富な情報網を遺憾なく発揮され、「もうひとつ上の“となみ”」第2ステージをスローガンに掲げ、小中学校耐震化事業や出町、南部認定こども園の整備、少子化減少施策として取り組まれた3世代同居推進事業など、芽出しから芽吹き事業へと幅広くその卓越した手腕を発揮され、市民の評価も高く、積極的かつ果敢に取り組まれた結果、無投票再選という輝かしい当選の栄誉をおさめられました。会派一同、ここに改めてお祝いを申し上げます。
市長におかれては、昭和52年4月に県庁に入庁され、交通政策課長など要職を歴任され、平成24年11月に合併後、第3代目の砺波市長に就任されました。
そこで、2期目の就任に当たり、今後の市政運営には、人口減少や高齢化社会、公共施設の統廃合など課題が蓄積しており、今こそ「もうひとつ上の“となみ”」第2ステージを着実に推進されますよう期待をすると同時に、市民の幸せと安全・安心、砺波市発展のため、一層の力を発揮されますようお願い申し上げる次第であります。
それでは、本題に入らせていただきます。
まず、夏野市政2期目スタートの「もうひとつ上の“となみ”」第2ステージに立ち、10年先を見据えた第2次砺波市総合計画が策定されました。策定に際し幅広く市民の意見や専門家会議を踏まえるなど、まちづくりの基本理念のもと、砺波市の将来像を実現するため、3つの基本方針及び基本方針を推進するための共通方針に基づき推進していくこととなっております。
言うまでもなく、砺波市の将来像では、「~庄川と散居が織りなす花と緑のまち~ もっと元気 ほっと安心 ずっと幸せ“やっぱり砺波”」を掲げ、基本方針では、ともに輝き支えあう人づくり、なごやかな暮らしを育む安心づくり、みらいに活力をつなげるまちづくり、以上の3項目を掲げ、共通方針として、協働と持続可能な自治体経営を明記するなど、今後5カ年で重点的かつ優先的に実施すべき施策として10WAVEプロジェクトが設定されました。
また、本年6月定例会で、山森自民会会長の代表質問に対する答弁で、市長は、2期目の市長選出馬に際し、自然災害への対応強化、情報発信、子育て支援の充実等を公約として、今回、無投票で再選を果たされました。
そこで、第1点目として、第2次砺波市総合計画を基本として、「もうひとつ上の“となみ”」第2ステージへの決意と重点政策について、夏野市長の御所見をお聞かせください。
次に、第2点目として、公共施設(保育所・幼稚園など)の今後の運営方針と統廃合についてお尋ねをいたします。
おかげさまで、市内の教育施設である小学校8校と中学校4校の耐震改修工事は全て完了しました。先に発生した東日本大震災や熊本地震、島根地震などを想定したとき、砺波っ子たちには安心して学校で勉学に励んでいただける環境の整備は整いました。しかし、近年の少子化の波はとどまることなく逼迫してきております。中心市街地の学校では、比較的児童数の減少傾向は目立ちませんが、郊外の学校では顕著に現実の問題としてあらわれてきております。
また、入学から卒業までの9年間、クラス替えはあるものの、同じ生徒同士で学ぶことになり、学業やクラブ活動などではライバル意識や競争心はあるものの、立派な社会人として不安な面もあるのではないでしょうか。
目線を少し下げて保育所や幼稚園施設では、来春新たに(仮称)出町認定こども園と(仮称)南部地区認定こども園が、また、新たな保育所として(仮称)あぶらでん保育所がオープン予定であり、少子化問題が叫ばれる中で、ようやく幼保連携教育施設が整備されました。
一方、旧庄川地区と庄東地区にある保育所や幼稚園施設では、合併前からの施設をそのまま今日まで持続してきており、庄東地区では、他の施設に比べ入園数が少なく、地域の要望としては課題はあるものの、早期に認定こども園の開設や、あるいは統合へ向けた協議が待たれます。中でも、数少ない若い女性にとって育児に安心できる環境整備をと、住民の一日も早くと切実な声も聞こえてきます。
そこで、人口減少の一環として、安心して地域に定着できる施策、例えば商業施設やよりどころといった施設などを強く願うものであります。
既存施設にはこれまでの生い立ちや、いざ廃止や統合となれば、地域感情もあり、難しい問題、課題が存在していることは十分認識いたしております。移住・定住施策も大事でしょうが、長年住みなれた地域永住こそ大切ではないでしょうか。
そこで、市長さんにお尋ねをします。
公共施設、保育所や幼稚園施設の今後の運営と統合についてどのように検討されているのか、御所見をお聞かせください。
次に、3点目として、昨年発足した県西部6市連携中枢都市圏でのスタンスと今後の事業推進についてお尋ねをいたします。
国の連携中枢都市圏構想とは、地方の中心的都市と周辺自治体が連携し、活性化に取り組み、東京都への大都市圏への人口流出防止を図りながら、圏域の中心都市の人口は20万人以上という基準はあるものの、県西部6市は中心都市を設けない多極ネットワーク型の連携体系で認可される制度の設定となったところであります。
今後、連携都市圏として圏域全体の経済成長と機能集積、生活関連機能サービス向上の3点を取り組み方針として、今後具体的な活動施策を決定していくこととなっております。
そのような中で、連携関係での課題としては、城端線の直通化問題や車両の更新、ICチップの導入化、北陸新幹線新高岡駅でのかがやき号の定期便化問題など、課題は山積しております。
幸い、新年度事業として医療費助成の一環として現物給付する範囲を市内から呉西6市へ拡大されたことは高く評価したいと思います。
そこで、砺波市として豊富な観光地や名所、旧跡めぐりなど、本市ならではの他市にない多くの魅力ある観光資源等をこの機会に積極的にアピールすべきと考えますが、今後の県西部6市連携中枢都市圏会議で我が砺波市としてどのような課題やテーマを提起していかれるのか、市長の御所見をお聞かせください。
次に、4点目の庁舎建設時期と建設場所についてお尋ねをいたします。
現在の市庁舎は、昭和39年10月に建設されたと伺っております。庁舎の耐震化対策と整備計画につきましては、既に建設から50年余が経過してきており、耐震化に向けた議論が急務であり、今年3月と6月定例会での代表質問でしっかりと取り上げさせていただきました。
市長答弁では、老朽化や耐震化への検討は喫緊の課題であると十分認識しているが、いざ改築を含め、改修、新築となれば多額の費用が必要となる。厳しい財政事情の中、新たな建設となると、用地問題も当然のことながら発生してきます。
また、この先、新体育館と新図書館建設による多額の費用も必要となってきますが、市民、市政のシンボルは、何といっても市役所ではないでしょうか。自然災害への緊急避難や指令対応には庁舎の存在は欠かせません。現庁舎では、一部が耐震化されていますが、いざ災害発生を想定したとき、本当に大丈夫でしょうか。
市長は昨年度、庁舎建設に向け1億円の基金積み立てを開始されました。新たに庁舎建設となると、推定でも、規模等によりますが、数十億円の建設費用が必要となってきます。
そこで、市長は、先の定例会で、今後厳しい財政状況の続く中、第2次砺波市総合計画の中で何らかの形で位置づけをしていきたいとの答弁をされました。今回新たに策定された第2次砺波市総合計画で、庁舎問題について、改修や建設時期、場所などについて、市長の御所見をお聞かせください。
次に、市民の安全・安心についてお尋ねをいたします。
おかげさまで、地震や豪雨などの自然災害時での市民に対する緊急避難誘導訓練や医療体制については、先に開催された富山県総合防災訓練などを通じて年々充実されてきました。また、市内全地区に設立された自主防災会組織活動も積極的に訓練などの実績を重ねて、地域住民へ周知が図られ、大変心強くしているところであります。
しかし、災害はいつどこで発生するか、全く予想ができません。いざというときの災害時に万全を期して備えることが大変重要であります。防災体制の充実に終わりはなく、一層の努力が必要となってきます。
市民が地域で防災や減災への啓発活動や、災害現場での被災者への介護活動や誘導活動の強化のためには、さらなる防災士の育成が求められてきます。幸い、市内21地区には105名の防災士が日々活躍されておりますが、富山県では地震は起きない、砺波市でも災害は少ないのでといった、市民には安心感が強く感じられます。さらなる市民への安全・安心を充実するため、地域ごとの避難誘導マニュアルの整備や作成、新たな女性防災士の積極的な登用など必要と考えますが、今後の市民の安全・安心について、市長の御所見をお聞かせください。
次に、大きな項目の2、新年度予算編成方針についてお尋ねをします。
最初に、予算、税収及び交付金等の見通しと基本方針について質問をします。
平成の大合併からはや12年の月日が経過しました。夏野市長は、就任された平成24年10月にスローガンである「もうひとつ上の“となみ”」を掲げ、市政運営では「さらに質の高い“となみ”」、「活力がつながる“となみ”」、「健全で安心な“となみ”」の3つの基本的な指針と住みよさランキングでの高い評価も含めて、今日まで国内、国外の要人や機関に対し、砺波のよさを積極的にアピールして市政運営に全力で取り組んでこられました。
1年目では、安倍政権下のもとで、国の緊急経済対策に伴う約12億円の公共事業の追加を含む補正予算を計上し、13カ月予算として小中学校の耐震化などの事業の前倒しに取り組まれました。
2年目は、市政運営での3つの基本的な指針に基づき、事業の優先度、緊急度、事業効果など、芽出し事業に着実に取り組みを推進されてこられました。
3年目には、国が掲げる人口減少対策と福祉政策を柱とした地方創生に向け、3世代同居推進事業にも積極的に取り組んでこられ、4年目となる最終年度は、スローガンである「もうひとつ上の“となみ”」の総仕上げとして、芽出し事業から芽吹き事業へ力強く前進し、新図書館の新設や新体育センターの建設などへ着手する第2次砺波市総合計画を策定されました。
先ごろ発表されました国の財政制度審議会では、今後の高齢化社会に伴い、収入の多い高齢者を中心に医療、介護で負担増を求め、地方自治体への交付税については、国の財政状況が厳しさを増す中、交付税総額では4年連続して減少してきております。
交付税は、地方税など自治体独自の収入では賄えない財源不足を穴埋めする役割があります。しかしながら、近年交付税の原資となる国税収入の伸びが鈍化してきており、2017年度は自治体への配分額が大きく落ち込む見通しとの見解を示しています。
そこで、2期目の市政運営に当たり、新年度予算編成の見通しや概要について、また、2点目の新規重点事業について、市長の御所見をお聞かせください。
次に、3点目として、地域活性化助成金(交付金)の制度化について質問をいたします。
地域の小さな道路環境や用排水路補修、環境整備など、ミニ工事的な役割を果たし、市民の評価も高かった地域活性化助成金の制度化について、いま一度制度化を強く求めるものであります。
年々高齢化が進む中、今日まで地域で住民参加による伝統的な村おこし事業や環境整備、用排水路の清掃やのり面の草刈り活動など、近隣地域との連携が年々希薄化となり、こうした地域での共同管理、活動への取り組みが、今後大変困難になってくることが想定されます。
地域のことは地域でと言われますが、国が掲げる一極集中ではありませんが、地方や地域においては、同様の現象が現実化してきていると強く思う次第であります。
身近に感じる中山間地域や郊外で生活の基盤を置いていた時代から、日常生活基盤は今日大きく変化してきました。若い世代の人たちは皆一様に便利さと豊かさを求め、中心市街地へと生活の場を移動し、若者が住みなれた地域を離れ、残された高齢者には地域住民挙げての祭りや草刈り、地区民運動会など、事業の継続や継承が困難となってくるのはもはや時間の問題となってきています。何とか住みなれた土地で生活環境の整備を行い、住みよい地域、住んでよかった地域をしっかりと後世に継続していきたいものです。
そこで、いま一度運用面にも配慮をいただき、頑張る地域、元気のある地域、市民協働を柱とした地域活性化助成金の制度化を提案するものですが、市長の御所見をお聞かせください。
次に、項目3の教育方針についてお尋ねをいたします。
最初に、このたび策定されました新砺波市教育大綱における基本方針のポイントについてお尋ねをします。
現行の砺波市総合計画及び砺波市教育大綱では、人と心を育むまちづくりを掲げ、施策のキーワードとして、1、自立と共生の人間形成を目指して学校教育の充実、2点目として、豊かな心を育む教育の充実、3点目、健やかな体づくりと食育の推進を掲げています。
また、学校教育の基本方針として、学校教育においては、生きる力を育む教育の充実のため、確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和のとれた育成を目指して、人づくり、信頼、安全・安心をキーワードにして、重点目標としては、自立と共生の人間形成を目指した教育の充実をはっきりと明示してあります。
近年、子どもたちを取り巻く環境、教育環境は目まぐるしく変化してきています。戦後は子どもと親の関係が強く、忍耐力や勤勉さがモットーでしたが、最近はスマホやコンピューター関連機器による子どもたちへの影響が大きく、いじめや不登校問題など、団塊の世代の私たちには理解できない課題が多く存在しているのではないかと大変心配をいたしております。
こうした中で、来春には新たに市内2カ所の認定こども園と1カ所の認定保育園が開園する運びとなりました。親として子どもたちへの期待は学業の向上や部活でのスポーツ技術の習得、向上などさまざまですが、元気で明るい砺波っ子への夢と希望を託した新砺波市教育大綱のポイントについて、齋藤教育委員会委員長さんの考えをお聞かせください。
2点目に、児童数減少下での今後の学校教育(少人数学級運営)についてお尋ねをいたします。
市内には8つの小学校と4つの中学校が存在します。児童生徒数に関しては、中心市街地にある小中学校では問題視されませんが、市街地以外の学校では、今後子どもたちの減少による学級運営問題が発生することが心配されます。
我が国の現在の義務教育期間は6・3制の9年間となっています。こうした中で、新たな取り組みとして、県内の小学校では、1学級に複数の教員が配置される少人数指導が3年生から6年生で行われております。具体的には、今年度から3年生時に少人数指導と1学級35人以下の少人数学級のいずれかを各学校で選択できる制度が導入されました。
市内の小学校では、本年3月時点で出町小学校と庄南小学校が少人数学級選択制の対象となっておりました。ただし、条件として、1学級当たりの児童数に変動がないことや、途中、転入・転出等が発生した時点で制度対象外となります。現状から判断すれば、近い将来に庄東小学校でもこうした問題が発生する可能性は大きく、対応策が急務となってくるのではないでしょうか。
あくまでも選択制であるというものの、少人数指導を選ぶのか、1学級35人以下の少人数学級を選択していくのか、学校長と教育委員会が連携を十分に行い、地域や父兄、保護者への不安を解消する、しっかりとした方向を決定していただきたいと強く願うものであります。
少子化、少人数学級への具体的な歯どめ策はほど遠く、庄東地区全体では、学校における1学年当たりの児童数が平成23年生まれの44名をピークにその後は急激に落ち込み、平成27年度に生まれた子どもは20名しかいません。このままでいくと、8年後の全校児童数が120名と、現在の216名体制から4割減少となり、全学年が1学年20名前後の児童数での学級運営が現実化となってきます。
そこで、今後児童数が減少していく中で現実化となってくる少人数指導、少人数学級選択制に対する市としての考えや、市内2校についてどのように対応されたのか、教育長さんの考えをお聞かせください。
最後に、項目4の総合病院計画について、伊東病院長さんにお尋ねをいたします。
病院経営については、これまで多くの議員が代表質問や一般質問で課題や問題提起、経営方針などについて質問させていただきました。
そこで、第1点目、収支改善施策と医師確保、入院・外来患者数についてお尋ねをいたします。
地域中核病院、急性期病院である市立砺波総合病院経営については、平成19年に公立病院改革ガイドラインが総務省から発表され、病院経営が悪化している自治体病院に対し、抜本的な改革を求めるため、平成20年度内に経営の効率化、再編、ネットワーク化、経営形態の見直しなどを基本とした公立病院改革プランの策定が義務化されました。
その結果、市立砺波総合病院では、院長を中心に職員一同となって平成21年から5年間、独自の改革プランを策定して経営努力された結果、5年連続で黒字決算を計上することができました。しかし、最近では、国の医療費抑制策や企業償還額の増額、入院・外来患者数の減少による影響から収益が悪化して、2期連続で赤字決算となりました。
これを受け、先般開催されました病院経営改善委員会では、今年度策定する新病院改革プランに盛り込む今後の医療体制として、重篤な患者の治療を担う高度急性期と急性期の機能を柱とすることが了承されたと伺っております。
そこで、新病院改革プランについては、同僚の川辺議員の一般質問で概要について質問をさせていただきますので、私からは、1項目めの収益改善施策と医師確保、減少する入院・外来患者数対策について、病院長の考えをお聞かせください。
次に、2項目めの今後の医療収益見込みと平成28年度事業決算状況についてお尋ねをいたします。
市立砺波総合病院経営状況については、先に述べました総務省の公立病院改革ガイドラインに基づき、経営が悪化している自治体病院では、経営の効率化と再編ネットワーク化、経営形態の見直しなど、3つを柱とした公立病院改革プランを策定して、収益改善に積極的に取り組んでこられました。
その結果、職員や病院スタッフの努力の成果で、平成25年度まで黒字決算を計上することができました。しかしながら、平成26年度決算では新会計制度移行に伴う特別損失の計上や消費税率の引き上げ等の影響から2年連続で赤字決算となり、病院経営は厳しさを増してきており、砺波医療圏の中核病院として、今後一層の経営努力が求められてきております。
そこで、赤字経営から脱却する新たな施策やその効果、今後の課題など、今後の医業収益の見込みと平成28年度決算事業状況について、病院長の考えをお聞かせください。
第3点目は、総合病院と地域病院連携についてお尋ねをします。
市立砺波総合病院中長期計画、後期計画では、総合病院の位置づけは、砺波医療圏での地域中核病院と急性期病院として、患者に対し、安全・安心、良質な医療の提供に加えて、健全経営を目指して安定かつ持続的な経営改革への取り組みを重点項目として掲げ、今日まで運営されてきました。
経営改善に向け、中核病院として紹介率や逆紹介率の向上による病院連携や病診連携を推進し、地域包括ケア病棟と患者総合支援センターを積極的に活用するなど、収益向上が急務となってきます。
高齢化社会に中核病院、急性期病院として患者に向かい合うため、介護や地域医療が重視されてきました。中でも終末期医療への考え方や、認知症やみとり問題など課題は多く、大きな社会問題になってきています。
そこで、地域で身近に診療が受けられる地域診療所の開設や、在宅介護、訪問介護、地域包括支援センターの充実など、今後求められてくると思われます。今後の市立砺波総合病院との地域医療との連携について、どのように検討されているのか、病院長に答弁を求め、今定例会での代表質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) おはようございます。
私からは、自由民主党砺波市議会議員会を代表しての村岡議員の御質問にお答えをいたします。
初めに、1項目めの2期目の市政運営について御質問のうち、まず1点目の「もうひとつ上の“となみ”」第2ステージへの決意と重点政策についてお答えをいたします。
今ほどは、私のこれまでの市政運営に対しまして温かい御評価と、また、2期目の市政スタートに当たり期待を込めての御質問をいただき、感謝を申し上げます。
そこで、まず2期目を迎えての決意でございますが、私は今回、皆様方からお寄せいただきました信頼と期待にお応えするため、これまで先人の方々の御尽力や市民各位のたゆまぬ御努力によって築いてこられました国内トップクラスの暮らしやすい本市の発展を一層加速させるとともに、さらなる市民の皆さんの幸せを目指し、「もうひとつ上の“となみ”」第2ステージとして、職員とともに全身全霊を捧げてまいる所存でございます。
また、提案理由でも申し上げましたとおり、先般公表されました平成27年国勢調査における本市の人口は4万9,000人で、前回調査に比べ0.8%の減少にとどまっており、県内では、富山市に並ぶ低い減少率でございますことから、本市は、比較的ではございますが、元気なまちであると言えるのではないかと思っております。
このようなことから、2期目におきましても、これまでの取り組みの継続性や連続性を大切にするとともに、1期目の延長とするだけではなくて、さらにこれまでの取り組みに磨きをかけまして、将来に向け、住んでよかったと思われる“となみ創生”をさらに力強く推し進めてまいります。
次に、重点政策についてでございます。
議員からも御紹介がございましたが、今回、平成29年度を初年度といたします第2次砺波市総合計画を策定いたしました。そこで、まずは総合計画に掲げられた施策を誠実に実行していくことが本分だと考えておりますが、特に公約ともいたしました重点施策、10WAVEプロジェクト、これは10の重点施策でございますが、これを着実に実行していくことで、本市の新たな将来像「~庄川と散居が織りなす花と緑のまち~ もっと元気 ほっと安心 ずっと幸せ“やっぱり砺波”」の実現を目指してまいります。
とりわけ、3世代同居の推進や切れ目のない子育て支援などによります人口減少対策、また、現庁舎における防災対策や女性防災士の育成などによります防災力の強化に加えまして、本市のさらなるイメージアップを図るための情報発信力の強化を優先的に進め、今の砺波市の勢いを加速すべく、引き続き市民の皆さんとともに前向き現場主義で市政運営に努めてまいります。
何とぞ議員各位を初め、市民の皆様方には、今後とも一層の御理解と力強い御支援を賜りますよう心からお願いを申し上げます。
次に、2点目の公共施設(保育所・幼稚園)の今後の運営と統廃合についての御質問にお答えをいたします。
議員御発言のとおり、砺波市では、小中学校の耐震化が順調に進んできたことから、平成25年11月の砺波市保育所・幼稚園整備計画検討委員会の意見書に基づき、地域の御理解をいただきながら、幼稚園の認定こども園化と保育所の民営化により、保護者のニーズを酌み取るとともに、地域で見守る子育て環境の整備を進めてまいりました。
このような中、園児数の少ない施設の保護者や地域の皆さんの中では、いわゆる両論がございまして、議員が述べられましたように、若者の地域への定着に対する思いなどから、地域の子どもたちの成長を地域でしっかりと見守っていこうといった少人数での子育て環境を引き続き望む声があります一方、保育所、幼稚園での学齢期を迎えた園児には、ある程度の人数規模の中で切磋琢磨する環境が必要なのではないかといった意見もあり、どのような保育環境が子どもたちにとってよりよいのかを判断することは、これまで同様、今後の大きな課題であると認識をいたしております。
市といたしましては、地域の宝であります子どもたちの健やかな成長のための環境を整えることが市の大切な責務であると考えておりまして、砺波市子ども・子育て会議におきまして、まず御意見をいただいた後、必要に応じ専門的な検討組織を立ち上げ、地元関係者の御意見もいただきながら、また一方で、現在進めております認定こども園の整備による効果等の検証を含め、十分に検討していく必要があるものと考えております。
次に、3点目の県西部6市連携中枢都市圏でのスタンスと今後の事業推進についてお答えをいたします。
富山県西部の6市では、去る10月3日にとやま呉西圏域連携中枢都市圏形成に係る連携協約を締結いたしまして、同日付でとやま呉西圏域都市圏ビジョンを策定したところであります。
このビジョンでは、人口減少、少子高齢社会においても活力ある社会経済を維持することを目的に、圏域全体の経済成長、都市機能の強化、住民の生活関連機能サービスの充実を図ることとし、圏域が目指す将来像として環日本海の中核拠点を掲げるとともに、その将来像実現のための基本方針や32の連携事業なども掲げておりますが、特に今回は、連携中枢都市圏としてスタートする最初の5年間となりますので、まずは連携市相互にそれぞれの強みを理解し、ネットワークを強化するなど、都市圏形成当たって、しっかりとした土台づくりをすることが重要であるというふうに考えております。
また、都市圏の形成によって市域の枠を外しまして、実際の住民の皆さんの活動範囲に合わせて行政サービスをシームレス化することで、例えば来年度スタートいたしますこども医療費の現物給付が圏域全体で可能となるほか、電子カルテの共有化により圏域全体で病診連携が図られ、医療提供体制の効率化につながるなど、生活関連サービスの充実に大きな効果があるというふうに考えております。
このほか、本市といたしましては、公共交通関係や6市を1つの観光エリアとして戦略的に観光施策に取り組むこと、また、排水路の管理や洪水対策の一元化、圏域が一体となって移住定住の強化に取り組む関係事業など、既存事業をやはりベースにして、さらなる拡充や財源の確保が図られる取り組みに期待をしているところでございます。
次に、4点目となりますが、庁舎建設時期と設置場所についての御質問にお答えをいたします。
議員御発言のとおり、本庁舎本館及び平屋棟につきましては、建設から50年余りが経過しておりまして、その老朽化や耐震化につきましては、市庁舎が災害等の発生時には災害対応の拠点としての役割を果たすべき重要な建物であることからも、対処すべき重要な課題の一つであると十分認識をしております。
一方で、財源の確保や整備手法の問題など多くの課題がありますことから、改修も含めた庁舎の建設等については、十分に調査研究を行った上で実施を検討していく必要があるものと考えております。
このようなことから、本年策定いたしました第2次砺波市総合計画の前期の計画におきましては、防災拠点となる本庁舎の耐震化を含めた整備について、調査・研究を進めることを明示しておりまして、今後5年間で重点的かつ優先的に実施すべき、先ほど申し上げました10WAVEプロジェクトの一つであります防災強化プロジェクトの中で、主な事業の一つとしてこの本庁舎耐震化等調査研究事業を位置づけております。
議員御質問の改修も含めた庁舎建設時期や建設場所などにつきましては、今ほど申し上げたこの調査・研究の大きな課題となるものと考えており、市民の皆さんの御意見も広くお聞きしながら、十分な時間もかけて調査・研究を進めてまいりたいと考えております。
また、庁舎の一部が耐震化されているが、災害時に本当に大丈夫なのかという議員の御懸念につきましては、もちろんどの程度の災害にもよるところでございますけれども、非常時の電源確保のための整備や電子データのバックアップ体制の強化など、可能な限り業務の継続が図られるよう、現在も一定の対策はされているわけでございますが、さらなる充実を図り、適切に対処してまいりたいと考えております。
次に、5点目でございますが、市民の安全・安心についての御質問にお答えをいたします。
議員が述べられました市民の安全・安心に関する施策につきましては、第2次砺波市総合計画の中で、今後5年間で、先ほども申し上げましたが、特に重点的かつ優先的に実施すべき施策である10WAVEプロジェクトの一つに位置づけておりまして、防災力強化プロジェクトとして積極的に事業を展開してまいりたいと考えております。
砺波市には、本年4月に発生いたしました熊本地震と同等規模の地震災害が予測されるという砺波平野断層帯東部が縦走しているほか、昨年新たに公表されました射水断層も一部縦走していることから、庄川の氾濫や洪水、また、山間部の土砂災害なども含めて、災害はいつ、どこで、どのように発生するか全く予想ができない状況にあります。
このような中、市はもちろんのこと、市民の皆さんにもしっかり危機管理意識を持っていただいて、市全体で防災・減災対策を推進していくことが大変重要であります。
そこで、まずはその具体策として、地区自主防災組織への的確な情報伝達が確実に図られるよう、移動系防災行政無線を全地区に複数台配備したいと考えております。
また、議員御提言の避難誘導マニュアルにつきましても、本年度、新たに太田、柳瀬、中野の庄川左岸3地区におきまして避難マニュアルが作成されたところでございます。今後、他の地区の作成につなげていくためにも、例えばガイドラインの策定などに取り組んでまいりたいと思います。
加えて、災害時におきます女性に配慮した避難所運営や日ごろから女性の視点で防災意識の啓発が図れますよう、全地区におきます女性防災士の育成に向けて支援をしてまいります。
さらに、市役所業務継続計画を早期に策定するとともに、危機管理情報システムを耐震化棟で一元管理するなど、災害対策本部機能の強靱化に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
本市といたしましては、本年の10月に防災担当職員を1名増員したところでありますし、こういった施策も含め、今後とも各地区の自主防災組織を初め、関係機関や団体等と協力・連携を図りながら、さらなる地域防災体制の充実・強化を確実に進めてまいりたいと考えております。
次に、2項目めとなりますが、新年度予算編成についての御質問にお答えをいたします。
まず1点目の予算、税収、交付金などの編成と基本方針についてでありますが、新年度予算編成の見通しにつきましては、歳入では、個人所得や法人所得、そして、新築家屋の増加などによりまして、市税全体では若干の増収を見込んでおりますが、普通交付税や各交付金等につきましては、国の地方財政計画がまだ公表されておりません。まだ不透明でございます。
そういった中で、地方交付税につきましては、合併算定替え終了に伴います段階的縮減の3年次に当たりますことから、一層の減収が見込まれるということは確実でございます。
また、歳出のほうで見ますと、社会保障関係費の自然増が続くことや、また、これまでの耐震改修事業等に係る市債の償還金が増加する一方、砺波市健康福祉施設ゆずの郷 やまぶきや、2つの認定こども園の建設工事が今年度でほぼ完了するということ、また、平成29年度に予定しておりました新砺波体育センターの整備事業費が国の第2次補正予算によりまして、平成28年度、今年度に前倒しで予算計上することとなったことなどから、歳出全体では、今年度よりも相当程度規模が小さくなるのではないかというふうに見込んでおります。
なお、歳入歳出を考慮いたしまして不足する財源につきましては、当然ながらより有利な起債の活用ですとか、場合によっては基金の取り崩しなども行いながら予算編成に当たりたいと考えております。
次に、予算編成方針の概要につきましては、平成29年度は10年先を見据えた第2次砺波市総合計画のスタートの年でありますことから、着実な事業展開と財政の健全化の双方を推進しながら、私の2期目のスローガンであります「もうひとつ上の“となみ”」へ第2ステージの実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
特に、私の公約でもありますし、また、今後5年間で重点的かつ優先的に実施すべき施策であります、何度も申し上げていますが、10WAVEプロジェクトにつきましては、その波及効果も期待しながら事業の着実な進捗に努めてまいります。
また、砺波市行政改革大綱に基づき、地方自治の運営におきます、いわゆる最小の経費で最大の効果を上げるという基本原則に立ちまして、まちづくり、行政サービス、財政運営の視点から、サービスの質、量、手法等を最適な状態にする行政サービスの最適化を引き続き推進してまいります。
加えまして、国におきましては、人口減少や少子高齢化などの構造的課題に対応するため、一億総活躍社会の実現に向けた取り組みを進めるとともに、地域の実情にも応じて、自主性、主体性を最大限発揮して地方創生を推進することとしておりますことから、常にアンテナを高くして情報収集に努めるとともに、国や県、また、全国の地方自治体の動向にも十分注意しながら、適宜適切な対応を職員とともにしっかり努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の新規重点事業についての御質問にお答えをいたします。
御承知のとおり、現在新年度予算の編成中でありますが、今の段階で考えております新年度の主な新規重点事業の一端を申し上げますと、私が1期目の重点施策として取り組んでまいりました芽出し事業が、芽出しから芽吹き、そして、開花に向かって順調に成長してきた事業がいよいよ結実、実が実るという段階となってきております。
まず、砺波市健康福祉施設ゆずの郷 やまぶきが来年4月から営業を開始いたします。子どもから高齢者まで誰もが快適に利用でき、皆さんに愛され、親しまれる施設となるよう期待をしております。
また、仮称でありますが、出町認定こども園と南部認定こども園、そして、となみ中央福祉会が運営いたしますあぶらでん保育園が来年4月に同時開園いたします。この3園のオープンによりまして、これまでよりも一層充実した子育て環境が提供できるということで、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
また、新砺波図書館整備事業につきましては、本年度実施の基本設計業務に続き、新年度においては、実施設計業務に取り組んでまいります。
また、このほか国の第2次補正予算に伴いまして、平成28年度で前倒しで予算計上することになりました新砺波体育センターの工事に着手いたしますとともに、庄南小学校及び庄東小学校のグラウンド改修工事を実施してまいります。
さらに、本年度一部工事に着手予定の砺波駅前広場の整備につきましても、事業の促進に努めてまいります。
これらのほか、新たな重点施策として、公約ともいたしました人口減少対策、防災対策、また、情報発信強化を初めとする10WAVEプロジェクトを柱に、第2次総合計画に掲げられました多くの主要事業にも鋭意取り組んでまいることとしております。
次に、3点目の地域活性化助成金の制度化についての御質問にお答えをいたします。
議員御提案の地域活性化を目的といたしました助成金につきましては、地域の安全・安心、地域環境の向上など地域コミュニティーの活性化に資する事業への支援策として、21地区の自治振興会へ交付しておりましたが、平成27年度からの普通交付税の減額や、認定こども園、新図書館建設事業などを進めていくため、市議会の皆さんや各地区自治振興会に御説明をして、御理解をいただいた上で、平成26年度をもって助成金制度を廃止したものであります。
その後、本市では、人口減少の克服、地域経済の発展や活力ある地域社会の形成を目指しまして、昨年10月に“となみ創生”まちづくり総合戦略を策定したところでありますが、その“となみ創生”の実現に向けた取り組みの一つとして、今年度から新たに“となみ創生”地域交付金を創設したところであります。
なお、この交付金は、地区自治振興会が主体的に実施する地域創生事業を支援することにより、さらなる地域コミュニティーの充実と地域活性化の推進を図ることを目的としておりまして、創設に当たりましては、地区自治振興会の皆さんとは、ほぼ1年とは言いませんが、半年を超える期間、十分時間をかけて協議いたしました。また、合意を受けて交付要綱を取りまとめたものでありますし、また、折々には審議会の皆さんにもお話をしてきたところでございます。
その結果、地区自治振興会の創意と主体性を生かした地域活性化の取り組みをより強力に支援するために、例えばかつてと違いましてソフト・ハード事業を問わないとか、幅広い事業への利用を可能としまして、また、計画期間内における基金として繰り越しですとか、例えば場合によっては事業の前倒しもできるなど、従来の地域活性化助成金制度と比べて極めて弾力的な交付金としております。
といった面からも、先ほど議員が質問の中で述べられました趣旨は十分配慮したものとなっているというふうに思いますし、また、実際に第1回目となります本年度は、各地区がそれぞれ知恵を絞っていただきまして、地域の課題解決のためのさまざまな事業が、場合によっては先ほど紹介いたしました避難マニュアルのように、幾つかの地区が連携して行われたりなどされたり、また、少しじっくり考えたいということで基金として繰り越しをされるという地区もあります。そういった形で幅広く展開をされておりますし、きのうの若林地区の件につきましては、除雪機械はこの交付金をもとにされて、地区の課題解決ということで進められたものであります。あれも交付金の条件に、やることは必ずメディアに言いましょうという他にない条件をつけまして、皆さん方が取り組んでおられることも積極的にほかにも発信しようという、そういう趣旨も含めた交付金となっております。
こういったことから、私といたしましては、議員御提案の地域活性化助成金の再度の制度化ということについては必要がないものと考えておりまして、今回創設いたしました“となみ創生”地域交付金を活用していただくことで、もちろん必要があれば、あくまでもこの制度の範囲の中で改善の検討はあり得ますが、今後とも地域の皆さんとの協働によりますまちづくりによりまして、地域の活性化を支援してまいりたいと存じております。
この補助金、助成金は砺波市の地域力を示す1つのツールともなるんじゃないかというふうに思いますので、今後ともこの制度をしっかりと各地域で活用していただくように期待もしているところでございます。
私からの答弁は以上でございます。その他につきましては、教育委員長、それから教育長、また病院長からお答えをさせていただきます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
教育委員長 齋藤正樹君。
〔教育委員長 齋藤正樹君 登壇〕
○教育委員長(齋藤正樹君) 私から、3項目めの御質問、教育方針についてのうち、1点目、新砺波市教育大綱のポイントについてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、現在、私たち教育委員会は、人と心を育むまちづくり、この基本方針のもと、学校教育、社会教育それぞれの現場で施策を展開してきました。この基本方針は、現行の教育大綱の基本方針であり、また、市の最上位の計画である第1次総合計画の基本方針の一つです。
現行の教育大綱策定に当たって留意したのは、既に進められていた市の最上位の計画である総合計画との整合性でした。船頭多くして船山に登るという言葉がありますが、教育大綱と総合計画が違う方角に向かい、混乱が生じないようにとの思いからでした。
今般、第2次砺波市総合計画の策定に当たり、総合教育会議の場において、市長と教育委員が率直に意見交換を進めることができました。そして、教育委員の間から幾つもの提案がなされました。例えば、教育の目指すところは、まちづくりではなく、人づくりではないかなど。
新教育大綱策定に向けての話し合いの中から総合計画に取り入れられたものも多く、総合計画と整合性のとれた新教育大綱が策定されたと考えます。そして、新教育大綱の基本方針に掲げられたのが、「ともに輝き支えあう人づくり」という方針です。
議員、既にお気づきのことと思いますが、この言葉の中に私たち教育委員会が今まで大切にしてきた思いが含まれています。それは、先ほどの議員の御質問の中にも何度か出てきた言葉です。それは、自立と共生です。
なお、意見を出させていただくに当たって、次の3点を留意しました。
保育所、幼稚園、小学校、中学校、すなわち幼保小中育ちのリレー、このリレーが滑らかなものになるためにも、まず幼児教育、保育を主要施策の第1点目に据えること、2点目には、学校教育においては、学校現場で直面している課題やニーズをしっかりと把握し、施策に反映すること、3点目には、子どもも大人もこの砺波を愛し、誇りを持てる活動を進めること、以上3点です。
議員御発言のとおり、近年、子どもを取り巻く教育環境はめまぐるしく変化しています。社会環境も生活環境も、そして地域の環境も、今まで誰も経験したことのないスピードで移りゆくこの社会において、私たちも変わらなければ生きていけない時代になってきました。
ただ、不易と流行ではありませんが、変えてはならないものもあろうと思います。先人の言葉に、赤子のときは肌離さずに、幼子のときは手を離さずに、長じていけども心離すなという教えがあります。子どもの発達段階に応じて接し方はいろいろあろうかとは思いますが、私たち教育委員会、心離さず一人一人をしっかり見つめ、「ともに輝き支えあう人づくり」、この方針を合い言葉に、子どもたちも、そして、実は私たち大人も、ともに輝き支え合う砺波、そんな砺波を目指していければと願います。
私からは以上です。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
教育長 山本仁史君。
〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) 私からは、3項目めのうち、2点目、児童数減少下での今後の学校教育(少人数学級運営)についての御質問にお答えします。
富山県の少人数教育の方針につきましては、小学校1、2年生においては35人以下学級を、小学校3年生から6年生においては少人数指導を実施し、少人数学級と少人数指導のそれぞれのよさを組み合わせた効果的な少人数指導を推進すると示されております。
そこで、平成28年度から、小学校3年生における少人数学級選択制が導入されました。この趣旨は、小学校3年生の段階において、発達段階に個人差が大きい面があり、学校によっては、基本的な生活習慣や基礎的な学習態度が身についていない児童が多く在籍するなどの課題が見られることから、学校の実情に応じて課題解決を図るため、少人数指導のための加配教員を柔軟に活用し、少人数指導と少人数学級のいずれかを選択できるものとするというものでございます。
議員御発言のとおり、今年度、砺波市では、出町小学校と庄南小学校が少人数学級選択制の対象となっておりましたが、両校とも少人数学級を選択しませんでした。この理由といたしましては、少人数学級を選択すると、3年生担任を1名増やすことにより、少人数指導を担当していた教員が担任に回り、3年生から6年生の少人数指導ができなくなることや、3年生が比較的落ちついた集団であるため、少人数に分ける必要がなかったり、他の学年に少人数指導を行うメリットのほうが大きかったりすることがあり、こうした少人数指導を選択した理由や経緯につきましては、4月のPTA総会において、各学校長より保護者の皆さんへ説明させていただいております。
本市といたしましては、今後とも少人数学級、少人数指導を固定して考えるのではなく、学校の実情を十分に勘案するとともに、他市の取り組みに関して分析し、子どもたちにとってよりよい選択を総合的に判断してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
病院長 伊東正太郎君。
〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
○病院長(伊東正太郎君) 私からは、4項目めの総合病院経営についての御質問にお答えいたします。
まず、1点目の収益改善施策と医師不足と入院・外来患者数の具体的な対策はの御質問にお答えいたします。
医師不足の問題につきましては、これまでも市として知事に対して自治医科大学卒業医師の派遣を要望するなどして医師の確保に努めてきたところであります。また、院長として、これまでも大学の医局に出向き、医師の派遣を積極的に依頼しており、今後も引き続きお願いしてまいりたいと考えております。
次に、収益改善施策と減少する入院・外来患者数対策についてお答えいたします。
当院は、国が提唱する地域包括ケアシステム構築のため、患者総合支援センターおあしすを設置し、日々の業務で地域の診療所との連携が密になるよう努めており、この11月にも私もおあしすのスタッフと一緒に診療所に出向き、診療所の医師から直接御意見や御要望を拝聴してまいりました。
診療所では概ね感触のいい意見交換となりましたが、医師同士、研修会等を通じて顔が見える地域医療となるような御要望もいただいており、今後さらに連携が進むよう努めてまいりたいと考えております。
こうした積み重ねが地域医療との良好な連携を生み、患者さんに安心感が与えられ、紹介患者が増え、このことが確かな患者の確保につながるのではないかと考えております。
次に、2点目の今後の医業収益見込みと平成28年度事業決算状況の御質問にお答えいたします。
当院では、従来から病院改革プランにのっとり、医業収益の向上と経費の削減等、経営改善に取り組んできたところでありますが、さらなる医業収益の確保を目指して取り組みを推進しているところであり、特に砺波医療圏内での医療機能の分担を図り、地域医療支援病院の承認に向けた取り組みを推進しております。
また、入院基本料等の加算や医学管理等の取得を進め、医療の質向上に取り組んでいるところであります。
今後の取り組みにつきましては、薬剤師の病棟配置による指導を実施し、質の高い医療を行うことなどによって診療報酬の確保を目指してまいります。
また、今後の医業収益の見込みにつきましては、2年ごとに実施される診療報酬改定によって医業収益は大きな影響を受けるものでありますが、砺波医療圏における高度急性期、急性期病院として住民に安心・安全で良質な医療を提供し、収益確保に努めていきたいと考えております。
なお、平成28年度の経営状況につきましては、昨年同期と比べますと、上半期の状況は、延入院患者数が増加したことにより、医業収益は改善しているものの、今後の冬季の患者動向によって大きく変動することから、引き続き経営改善に取り組んでまいります。
次に、3点目の総合病院と地域医療との連携についての御質問にお答えいたします。
団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、国は、2つの施策を推し進めているところであります。
1つは、増加が見込まれる認知症高齢者の地域での生活を支えるための地域包括ケアシステムの構築であり、かかりつけ医が日常的な医療を担うとともに、入院医療については、地域の病院、拠点病院、回復期病院が役割の分担と連携の強化を図ることとしております。
もう一つは、医療・介護需要の最大化に対応するための地域医療構想の策定であり、医療の機能に見合った資源の効果的かつ効率的な配置を促し、急性期から回復期、慢性期まで患者が状態に見合った病床で、状態にふさわしい、より良質な医療サービスを受けられる体制づくりを目指しております。
このような状況の中、当院は昨年度から、かかりつけ医機能を担う診療所や一般病床が200床未満の病院との連携を強化するため、積極的な逆紹介と、かかりつけ医を持っていただくための参考となる連携医療機関紹介リーフレットの作成を進めてまいりました。
また、病床機能につきましては、当院は地域の中核病院として高度急性期、急性期の医療機能を提供することとし、回復期については、地域の病院と連携してまいります。
なお、サブアキュートと呼ばれる、在宅や介護施設等において症状の急性増悪した状態の患者の受け入れについては、当院の地域包括ケア病棟を活用していくこととしております。
一方、当院から退院される方に対して介護支援が必要な場合は、退院前からケアマネージャーや地域包括支援センターとの調整を通じてあらかじめケアプランを作成するなど介護連携を行っており、また、在宅での療養生活となる方については、退院後のかかりつけ医となる診療所や訪問看護ステーションと退院前から連携し、退院から在宅療養への円滑な移行に努めております。
また、今後は褥瘡や人工肛門の管理など専門的な看護が必要なケースについて、当院の認定看護師が訪問看護に同行して指導を行うなど、より質の高い、安心できる看護の提供を行います。
このように、当院は今後ともかかりつけ医との連携と急性期を中心とした医療機能の提供を軸に、地域の中核病院として地域に必要な医療を提供してまいります。
私からは以上でございます。
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
○議長(今藤久之君) これより、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
4番 山田順子君。
〔4番 山田順子君 登壇〕
○4番(山田順子君) 新方式になった一般質問のトップバッターで、少し緊張しています。議長のお許しをいただきましたので、大きく2つの項目について質問と提案をさせていただきます。
まず、項目の1、みらいに活力をつなげるまちづくりについてお願いいたします。
砺波市には、豊かな自然や日本を代表する農村の原風景とも言われている散居村のほか、チューリップや庄川など、国内外に誇れる魅力ある地域観光資源があり、これらの資源を生かしながら、平成27年度までの5年間、第1次砺波市観光振興戦略プランにより観光振興を推進して、観光資源の魅力創出、文化や情報の交流促進、受け入れ態勢の情報発信の充実を基本戦略とするさまざまな施策を実施され、交流人口も年々順調に増加してきています。
また、昨年3月の北陸新幹線の開業や、高岡砺波スマートインターチェンジの開設、砺波市や近隣市町村での大型商業施設の立地など、近年、砺波市の観光を取り巻く環境は大きく変化してきました。
“となみ創生”まちづくり総合戦略では、人口減少の克服や地域経済の発展、活力ある地域社会の形成を目指して具体的な諸施策に取り組むこととされており、観光振興による交流人口の拡大を図ることにより、さまざまな経済的効果や社会的効果が期待されています。
また、砺波市に住んでみたい、帰ってきたいと思わせるさまざまな魅力の発信によって移住・定住が促進されるなどの効果が期待されており、観光振興による交流人口の拡大は、これからの人口減少社会に対応する取り組みとして重要度が高まってきています。
これらの環境の変化や市場の動向、観光振興に期待される役割を踏まえ、平成28年度からの「本物を魅せるとなみ」を基本テーマとした新たな第2次砺波市観光振興戦略プランに期待するものであります。
そこで、3つの中項目について、幾つかの提案をさせていただきます。
まず1点目、散居村の活用と保全策の推進等についてお尋ねいたします。
観光資源の魅力の創出として、歴史、文化資産である散居村を将来に引き継ぐべき大切な資産として保全するとともに、散居村を初め、チューリップなど地域の観光資源の魅力を発掘し、磨き上げていくことはとても大切なことと考えます。
その取り組みとして、空き家情報バンクの設置や空き家の適正管理を初め、砺波市景観まちづくり条例と砺波市景観まちづくり計画を施行し、散居景観を守り育て、次の世代に引き継ぐ事業を推進し、築100年以上の歴史がある佐々木邸を砺波暮らしの宿泊体験交流施設として再整備し、大学とも連携しながら利活用を進めるほか、伝統家屋アズマダチを利用した農家レストラン大門の開業を支援し、食文化での魅力も文化の発信とあわせて行われ、好評を得ております。
また、散居景観の魅力創出として砺波平野の散居景観を一望できる散居村展望広場の整備など、数々の事業も積極的に実施されています。
そこで、小項目のア、近隣市との連携による散居景観の知名度アップ策の推進についてお尋ねいたします。
砺波ならではの魅力を生かした交流・定住人口の拡大について、屋敷林カイニョや伝統的家屋などの散居景観の保全とともに、伝統的家屋の利活用や市民交流を推進することにより、砺波ならではの魅力ある資源を生かし、交流・定住人口の拡大につなげることが求められています。
北陸新幹線や高速道路など発達した高速交通網の強みを生かすとともに、2次交通の充実や利便性の向上などでさらに磨きをかける必要もありますが、近隣観光地との周遊性の強化や連携したPRを実施するなど、交通結束点ハブとしての機能を生かした広域観光の推進についても求められております。
このようなことから、散居村を構成する南砺市との連携により知名度アップを推進する必要があり、観光振興にもつながるものと考えます。
そこで、連携による今後の知名度アップについて、当局の考えをお聞かせください。
次に、小項目のイ、地域資源である散居景観の情報発信強化についてお尋ねいたします。
観光面の情報発信の充実については、アンケートの実施による旅行者ニーズの収集、来訪者による交流と発信の促進のほか、メディア、ICT技術を活用し、地域おこし協力隊の野口さんがシティプロモーションの推進に活躍して、観光情報の発信に努められておりますが、観光面でのターゲットは、人生に少しゆとりのできた60から70歳代の、特に女性だと思うのですが、この年代の一般市民には、やはり日常的で見やすい新聞報道で発信することが必要かと考えます。砺波市に比べて他市の情報が大きく報道されているのが目立ち、砺波市は少し控え目なように思います。もっと散居景観をもテーマにした、市民にわかりやすい情報発信の充実、強化をしていただきたく、提案いたします。
続きまして、小項目のウ、散居景観保全事業の補助対象枠の拡大についてお尋ねいたします。
砺波平野の屋敷林は、先人が自然との共生を図った知恵の結晶です。それが時代の移り変わりとともに生活様式も変化し、屋敷林の存在感、存在意義が薄れ、過度な枝打ちや伐採をする家も目立ってきました。
屋敷林には地球温暖化防止に役立ち、いろいろな生物が生息するビオトープです。この保全策として地域づくり協定を結んだ地区は支援を受けることができますが、1、地区内に屋敷林があること、2、散居景観の保全・育成及び維持管理について定めがあること、3、自治会、常会などまとまりのある地区を単位として3分の2以上の戸数または20戸以上の参加があること、4、評定の有効期間が5年以上であることとの4項目の基準を満たさないと支援が受けられません。このうちの3、参加戸数については、小さな常会もあったりして、ハードルが高いところです。
そこで、3分の2以上の基準を2分の1以上に、20戸以上の基準を10戸以上とし、対象枠の拡大を図られたらいかがでしょうか。
折しも、先月11月24日に南砺市とともに県にこの事業への支援を要請はしたものの、基準が厳しいことで参加が低調に推移することのないように、ぜひ前向きに御検討いただきたく、提案いたします。
続きまして、小項目のエ、官民連携の保全取り組み団体への支援と後継者の育成推進についてお尋ねいたします。
砺波平野の散居村の景観を守るため、屋敷林カイニョの保存、育成等に屋敷林内の掃除や植樹、手入れの仕方の講習会など保全につながる活動のほか、カイニョの価値を再認識し、カイニョに親しみ、楽しむ活動にも取り組んでいる団体砺波カイニョ倶楽部があります。
そして、砺波野が誇る散居景観を後世に伝えようと取り組んできた会員の熱意、長年にわたる地道な景観保全活動が高く評価され、昨年11月25日、はえある富山県うるおい環境とやま賞の光の賞を受賞されました。
この倶楽部は1997年の設立当時から、毎年、高齢や人手不足などで手入れが行き届いていない世帯を助け、保全に努めておられます。
また、最近、市まちづくり協働事業としてカイニョお手入れ支援隊も散居村保全に向け、小矢部市園芸高校の生徒にも呼びかけられ、体力的、経済的に難しい高齢者世帯を手助けしておられます。加えて、砺波散村地域研究所や市屋敷林保全管理検討会など、いろいろな団体が散居景観維持のために熱心に活動しておられるところで、その御苦労は大変なことと頭が下がる思いでいっぱいです。
ぜひ、この諸団体の皆さんに、より一層の支援をすべきと考えます。そして、それを継いでいく後継者の育成についても重要な課題であると考えます。
市屋敷林保全管理検討委員会と市は、夏休みに小学生を対象として砺波平野を学ぶ親子観光ツアーを企画し、子どもたちへの理解を深められたところです。指導者の高齢化が進む中、速やかな後継者の育成、さらにそれに続く子どもたちへの啓蒙は重要な課題と考えますが、今後の方針をお聞かせください。
続きまして、中項目の2、道の駅の施設の整備・拡張についてお伺いいたします。
道の駅となみの周辺整備として伝統家屋アズマダチをイメージした平家づくりの直売所、となみ野の郷をオープンし、特産のタマネギを初め、農産物、切り花、大門素麺や庄川ゆずを使った加工品などを取り扱っているほか、地場産食材を使ったレストラン砺波そだちを併設するなど、道の駅となみの周辺に観光案内拠点としての機能を充実、集約させていることについては一定の評価ができるところです。
しかしながら、近隣市でもそうなのですが、他県視察先の道の駅を見てみると、規模が二、三倍と広く、とても充実したものになっています。砺波市にも多くの特産物や地場産野菜などがありますので、もっと拡張、発展させるとよいと考えますが、お伺いいたします。
また、道の駅庄川についても、立地条件がよいにもかかわらず、食堂や喫茶店もなくなり、いま一つ元気がないように思えます。
道の駅は地域ににぎわいや交流をもたらし、観光や産業などの情報発信、地方創生の面からもとても重要です。
9月の雨池議員の答弁に、庄川開発株式会社が中心になり検討されているとのことでしたが、3カ月経過した中、今後の具体的な整備計画及び管理運営についてなど、市民の関心の的でもあるこの2カ所の道の駅について、当局の考えをお伺いいたします。
続きまして、中項目の3、女性や若者層を含めた地域おこし協力隊の増員についてお伺いいたします。
砺波市の地域資源を市内外に情報発信し、また、新たな地域資源の発掘に積極的に取り組む想像力豊かな人材を地域おこし協力隊として男性2名が採用され、それぞれ空き家利活用・移住定住対策、シティプロモーションの推進として大活躍されています。県内の現状を調べてみますと、その人数も1名から15名とさまざまで、採用している9市町のうちの6市町が女性を採用しています。
そこで、「もうひとつ上の“となみ”」を目指す上で、本市のさらなる活性化を図るために2名程度の増員をされてはいかがでしょうか。例えば1名は女性の細やかな視線で子育て、高齢者支援、第6次産業化への取組支援、もう一名は、20歳から30歳代の若者の視点で観光推進等のために活躍してもらうものです。
11月に視察で訪れた人口1万人規模の和歌山県日高川町も、20歳から30歳代の男女2名ずつ4名を採用し、うち男性1名はもう既に都会から移住されたそうです。また、人口8,000人規模の徳島県美波町も、20歳全般から40歳半ばまで男女2名ずつ4名を採用していました。砺波市も各方面分野のより活性化のために人員強化をすべきではないでしょうか、考えをお伺いいたします。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
商工農林部長 牧野裕亮君。
〔商工農林部長 牧野裕亮君 登壇〕
○商工農林部長(牧野裕亮君) 山田議員の御質問にお答えいたします。
私からは、1項目めのみらいに活力をつなげるまちづくりについての1点目、散居村の活用と保全策の推進等についての御質問のうち、まず、近隣市との連携による散居景観の知名度アップの推進について、地域資源である散居景観の情報発信については関連がございますので、あわせてお答えいたします。
砺波平野の散居景観につきましては、日本農村の美しい原風景と言われ、先人たちが築いてきた貴重な文化的遺産であり、将来に引き継ぐべき大切な資産として保全するとともに、その魅力を広く発信する必要があると考えております。
そこで、南砺市等との連携による知名度向上の取り組みにつきましては、まず、本市と南砺市、県が連携しまして散居景観の保全や活用・情報発信を行う拠点として、砺波平野の田園空間そのものを一つの博物館とする構想のもと、本市のとなみ散居村ミュージアムや南砺市のあずまだち高瀬、いのくち椿館などを整備しておりまして、開館からこれまでに3館合わせまして63万6,000人の入館があるなど、多くの皆様に散居景観の魅力に触れていただいているところでございます。
また、こうした施設を活用してソフト事業を展開するため、本市と南砺市、県が主体となって構成しますとなみ野田園空間博物館推進協議会におきまして、学習講座や写真展の開催、両市の小中学生を対象としたデジカメ写真コンテストなどを行っているほか、散居景観の展望スポットマップを製作しまして、県内の道の駅や本市、南砺市の観光施設において配布をしているところでございます。
これまで学習講座には市民を初め県内外から延べ5,353人の参加があったほか、写真展には県内外から延べ3,929点、デジカメ写真コンテストには、延べ4,120点の応募がありますなど、散居景観の知名度向上に大きな効果があったものと考えております。
さらに、散居景観の特性を生かしたまちづくりや地域課題の解決施策を推進することを目的に、本市や南砺市、高岡市のほか、本年7月に加入しました小矢部市を初めとする全国の散居景観を有する自治体で構成する全国散居村連絡協議会では、加盟する自治体が一堂に集い、情報交換などを行う全国散居村サミットを各地で開催しまして、散居景観の魅力を全国に発信しているところでございます。
このほか、JR観光列車・べるもんたでは、本市と南砺市の観光ガイドが乗車しまして、県内外からのお客様に車窓からの散居景観を眺めていただきながら、散居村などの地域資源の案内をしておりまして、散居景観のさらなる知名度向上を図っているところでございます。
また、本年9月には、となみ野田園空間博物館が創立10周年を迎えましたことから、本市と南砺市、県において記念式典、そして、岩手大学の広田純一教授を招きまして、地域ブランドとしての農村景観についての講演会を開催したほか、本年11月には散居景観をテーマにした公開シンポジウムを開催しておりまして、これらにつきましては多くの市民などに参加いただいたほか、新聞等でも報道されましたことから、散居景観に対する市民、県民への情報発信や認知度の向上にも効果があったものと考えております。
本市といたしましては、今後とも全国に誇る砺波平野の散居景観の魅力がさらに県内外に認知されるよう、南砺市等と連携した知名度向上の取り組みを推進するとともに、わかりやすく、効果的な情報発信の充実・強化に努めてまいりたいと考えております。
次に、散居景観保全事業の補助対象枠の拡大についての御質問にお答えいたします。
砺波平野の散居景観を次の世代へ伝えていくために、本市では、富山県及び南砺市とともに、平成14年度から散居景観保全事業に取り組みまして、協定地区の屋敷林の枝打ち等の維持管理への支援を行っております。
ちなみに、散居景観保全事業につきましては、本年4月と10月の強風による倒木被害などによりまして要望件数や事業費が大幅に増えておりますことから、議員からも御紹介がございましたが、去る11月24日に砺波市及び南砺市の両市長から県知事に対して予算額の増額を要望したところでございます。
なお、この支援対象となる協定締結地区数は現在125地区と、全体の可能協定締結地区数の156地区の80.1%となっておりまして、引き続き未協定地区の締結促進に努めることとしております。
議員から御提言のありました協定の基準につきまして、集落戸数の3分の2以上または20戸以上から、集落戸数の2分の1以上または10戸以上に緩和することにつきましては、散居景観の保全を図るためには、まとまりのある地域が一体となって取り組んでいただく必要があると考えておりまして、この基準につきましては、集落でまとまって取り組んでいただく範囲として適当であると考えておりますので、今のところ緩和することは考えておりません。
なお、参加戸数が少ない場合につきましては、集落同士を合わせて1地区として協定を締結している例もありますことから、具体的な相談があれば、集落の実情に合わせて対応させていただきたいと考えております。
次に、官民連携の保全の取り組み団体への支援と後継者の育成推進についての御質問にお答えいたします。
議員が述べられました散居景観の保全団体といたしましては、うるおい環境とやま賞の光の賞を昨年受賞されました砺波カイニョ倶楽部や、造園の知識や経験が豊富な小矢部園芸高校専攻科の卒業生を中心に構成されておりますカイニョお手入れ支援隊などが取り組みをされているところでございます。
こうした保全団体のボランティアや人材を育成するためには、若い世代や後継者に散居景観の保全について関心を持ってもらうことが重要であると考えております。
このため、本市におきましては、平成24年度から屋敷林保全管理検討委員会を設置しまして、市内各地から選出された委員の方々に屋敷林を次世代へ残すための意識啓発を行う具体的な活動といたしまして屋敷林の維持管理に関する市民の身近な相談役になっていただくとともに、講師として屋敷林の剪定技術を身につけるための剪定講習会を開催いただいております。
また、本年8月には、初めて小学生の親子を対象にして、屋敷林を知り、木に親しみを持ってもらうため、親子バスツアーを開催したところ、親子18名の参加がございまして、散居景観の保全について考えていただく大変よい機会になったものと考えております。
本市といたしましては、これらの取り組みのほかに、屋敷林の効用や支援制度を紹介したリーフレットや出前講座、市広報、ホームページを活用して屋敷林の魅力や恩恵を広く周知し、散居景観を守る若い世代の意識啓発や後継者の育成を積極的に図ってまいりたいと考えております。
次に、2点目の道の駅の施設の整備・拡張についての御質問にお答えいたします。
まず、道の駅となみにつきましては、平成5年に道の駅として登録され、平成23年には、市におきまして観光案内所を設置するとともに、となみ野農業協同組合では、各種の特産品や農産物の直売を行いますとなみ野の郷、そして、地元の食にこだわったレストラン砺波そだちを整備されまして、道の駅としての機能や施設の充実が図られたところでございます。
このとなみ野の郷におきましては、年々入り込み客数が増加しておりまして、新鮮な地場産野菜や果物などの農産物を中心に商品の売り上げが伸びてきていると伺っております。
そこで、議員御提言の道の駅となみの特産品や農産物の販売施設拡張につきましては、これまでとなみ野農業協同組合のほうでお客様ニーズに応じた店内改装を行ってまいりましたが、施設を拡張するような大規模な改装につきましては限られた施設での拡張となることなどから、施設利用者の駐車スペースの確保を初め、今後の販売売り上げの状況や仕入れ商品の品数などを見極めながら、となみ野農業協同組合とともに検討してまいりたいと考えております。
次に、道の駅庄川につきましては、現在、庄川開発株式会社などにおいて施設のリニューアルや、地域の食材等を活用した新たな事業の実施に向けた整備計画や観光事業者による管理運営などについて検討されていると伺っております。
本市といたしましては、今後とも道の駅庄川が観光や産業などの情報発信や地域の活性化の拠点となるよう、新たな取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
企画総務部長 横山忠司君。
〔企画総務部長 横山忠司君 登壇〕
○企画総務部長(横山忠司君) 私からは、3点目の女性や若者層を含めた地域おこし協力隊の増員についての御質問にお答えいたします。
本市では、現在、地域おこし協力隊員2名を採用しており、うち1名は、空き家対策事業や移住・定住対策事業の推進、残る1名は、地域資源や各種施策を市内外に情報発信するシティプロモーションの推進を担当し、一層の交流人口拡大や移住・定住の促進を図っております。
御存じのとおり、地域おこし協力隊員は都市圏からの採用を条件としていることから、観光客等と同様に外からの目線で本市の魅力や移住希望者が求める情報の発信が可能であり、また、隊員の活動費に特別交付税措置があることから、有能な人材を有利な条件で受け入れることができる制度でございます。
そのようなことから、本市におきましても、この制度を活用し、男女を問わず幅広く募集してきたところですが、残念ながらこれまで女性や若者の応募がない状況でございました。
そこで、新年度において、観光部門で新たな地域おこし協力隊員の採用を検討しているところでございまして、今後も引き続き本市の住みよさなど多くの魅力を異なる視点からのアピールが期待できる意欲ある女性や若者の募集に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 山田順子君。
〔4番 山田順子君 登壇〕
○4番(山田順子君) それでは、続きまして、大きい項目の2つ目、さらにひとつ上の子育て支援の充実についてお伺いいたします。
「もうひとつ上の“となみ”」へと、2017年から2026年までの10年間の第2次砺波総合計画10WAVEプロジェクトが進められています。そのWAVE1に、子育て支援応援プロジェクトが掲げられています。安心して子どもを産み育てることができるよう、母子保健や子育て支援サービスの充実など、妊娠、出産、子育てに対する切れ目のない支援の充実を図るとともに、保育幼児教育の充実や幼保の一元化を推進するとされています。
少子高齢化、人口減少問題など、さまざまな課題を抱える中で、子育てするなら砺波市でとアピールできる施策が必要です。
現在、砺波市で行われている子育て支援等につきましては、大変ありがたく受けとめられてはいますが、それに加えて屋内遊戯施設の配置について要望するものであります。
ます、小項目のア、雨天、降雪時等に対応の通年利用できる屋内遊戯施設の配置について要望いたします。
子どもたちが元気に生き生きと安心して暮らせる子育て家庭への支援や、児童の健全育成のために北陸地方の気象条件に似合った遊戯施設が必要です。家では、子どもたちはどうしてもテレビやゲームなどをしがちであり、伸び伸びと体を動かし、遊ぶことが大切です。
昨年、視察訪問いたしました山形県東根市には、子育てするなら東根市との施策のもとに、前向きな子育て支援策を実施されており、悪天候時でも子どもたちが自由に遊べる場所として東北最大の屋内遊戯施設けやきホールが置かれ、県内外からの利用も多く、人気の施設となっています。砺波市にも、ぜひこのような遊びを通して、私たち砺波市の、そして、社会の宝物である子どもたちの健やかな成長を育む環境整備としての施設を確保していただきたく要望いたします。
続きまして、小項目のイ、保健医療及び子育て支援の複合施設を併設させることについてお尋ねいたします。
前記の東根市では、平成17年4月に保健医療と子育て支援を一つにまとめたさくらんぼタントクルセンターを建設したところ、1日平均1,000人の来場者があり、うち5割が前述のけやきホールを利用されています。1カ所にまとめたことでわかりやすく、とても利用しやすいという声がたくさんあるそうです。砺波市もぜひ参考にされ、人口減少、移住・定住、出生率の向上などにつなげていただきたく、考えをお聞かせください。
続きまして、小項目のウ、児童センターとしての機能を持たせることについてお尋ねいたします。
砺波市には、今、児童センターが出町に1カ所、庄川には児童館が4カ所あり、子どもたちの安全で自由に遊べる場所として、多くの子どもたちに利用されています。その中の砺波市立出町児童センターは昭和55年に建築されて築36年を経過し、その老朽化度合いは72.34となっています。本館前の駐車スペースも1台ほどしかとめられず、狭く、親子で訪れた人も気軽に利用しがたく、抜本的な対策が必要と考えます。
以上、屋内遊戯施設の配置に関しまして、私が申し上げたア、イ、ウは相関連するものであり、まとめて提案いたします。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局長 三部隆雄君。
〔教育委員会事務局長 三部隆雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(三部隆雄君) 私から、2項目のさらにひとつ上の子育て支援の充実についての御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の屋内遊戯施設の配置についてのうち、雨天、降雪時等対応の通年利用できる屋内遊戯施設の配置についての御質問についてお答えをいたします。
子育て支援には、対象を子ども、そして、その保護者にも目を向けることが重要であると、このように考えております。このことから、本市では、利用時間が保育所と同等である認定こども園などの施設整備を進めるとともに、民間保育所ではございますが、子育て支援センターの砺波東部小学校区での新たに整備と、こういったようなことも含めて子育て環境の充実を図っているところでございます。
ここで、議員御要望の通年利用できる屋内遊戯施設についてでございますが、本年の11月に策定いたしました砺波市公共施設等総合管理計画、これを踏まえますと、施設を新たに整備する際には、単に施設を建設するといったことではなくて、既存施設を統廃合するなどの事前の検討が必要不可欠ということでございます。したがいまして、御要望の機能を代替する施設として、既存の今ほど申し上げました子育て支援センター、児童館、そして地域の公民館、そのほかにも苗加苑、北部苑など福祉センターを活用していくべきではないかというふうに考えております。
とりわけ、苗加苑などの福祉センターでは、未就園児がお母さんと一緒に過ごす場となったり、地域の方々が子育てボランティア活動を行う場となっているほか、お母さん同士で部屋を借りて情報交換するなど、そういった利用や、また、大広間での高齢者のふれあい、こういったものもあるというふうに聞いておりまして、ぜひ既存施設の活用をお願いしたいと考えております。
次に、保健医療及び子育て支援の複合施設を併設させることについての御質問にお答えをいたします。
本市の保健医療体制につきましては、御存じのとおり、健康センターが市立砺波総合病院に併設されておりまして、市民に対する包括的な保健医療福祉事業を担っており、母子保健を含めた総合的な保健サービスの提供の拠点となっております。
この体制のもと、母子保健事業を行う上でのメリットは、乳幼児健診時に小児科、整形外科、歯科等専門医の協力が得られやすく、障害児への対応や医療制度の変更などの相談も行いやすいと、こういった特徴がございます。
一方、子育て支援の体制は、教育委員会所管のこども課を本庁舎に配置することによりまして、市民課への出生届出時に子育て支援医療助成や児童手当の申請が行えること、保護者の困り感への速やかな対応を社会福祉課と連携してできること、こういったことなど、こども課に来訪されれば、課題に応じた子育てに関する情報提供や支援を組織の枠を越えて受けられるメリットがございます。
このような中、1歳6カ月児健診やことばと遊びの仲良しランドなどへこども課から家庭児童相談員が出向きまして情報共有をします。そういったことによって、現行でも母子保健を含めた保健医療、子育て支援、これらの連携はなされているものと考えております。
今後は、子育て世代包括支援センター事業を進める中で、この連携をさらに強め、人口減少、移住・定住、出生率の向上などの課題に取り組んでまいります。
次に、児童センターとしての機能を持たせることについての御質問にお答えをいたします。
児童センターの整備につきましては、議員が述べられましたように、市内には児童センター及び児童館が合わせて5カ所あり、施設の老朽化や利用者の偏在などが課題となっております。
今先ほどの御質問にお答えいたしましたように、屋内遊戯施設の配置に合わせ児童センター機能を持たせることは、既存施設を統廃合するなどの検討が必要不可欠で、困難であり、今後こういったさまざまな課題とともに児童センターや児童館のあり方につきましても、ともに慎重に検討していく必要があるものと考えております。
私からの答弁は以上でございます。
○議長(今藤久之君) この際、暫時休憩いたします。
午前11時58分 休憩
午後 1時00分 再開
○議長(今藤久之君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
通告により発言を許します。
1番 山本篤史君。
〔1番 山本篤史君 登壇〕
○1番(山本篤史君) 許可をいただきましたので、通告に基づき質問いたします。
1項目めに、防災についてお伺いします。
1点目は、避難所施設利用計画についてお伺いします。
10月に総務文教常任委員会の行政視察で神奈川県南足柄市の防災対策について研修を受けてきました。特に印象深かったのは、避難所配備職員の参集から指定避難所の開設、運営及び職員による地域での情報収集、避難所の閉鎖までを全ての避難所配備職員が迅速かつ適正に職務を務められるよう記した避難所配備職員災害対応マニュアルでした。
南足柄市では、災害が発生してから指定避難所をどのように利用していくかを決めていては遅いということで、既に施設ごとに各階平面図とともに記載し、マニュアルで一括管理しています。前もってどの部屋をどのように利用するかを決めておくだけで、いざという際の対応もスムーズにいくのではないかと思います。
防災訓練では、大きく分けて緊急対応の模擬行動としての実技訓練と図上で一定の状況を付与してシミュレートする図上訓練がありますが、防災士講習では、避難所施設の利用計画は防災士が主導となり、施設管理者や地元自治会と協議し決めていくということで、実際に図上訓練として避難所運営ゲームをすることでシミュレートしました。
そこで、市内の各自治振興会に点在する防災士の協力のもと、これらの施設管理者と利用計画を協議し、図化したものを取りまとめておけばいいのではと思うのですが、当局の考えをお伺いします。
2点目に、中学生の防災訓練の参加についてお伺いします。
同じく南足柄市では、中学生も防災訓練に参加しているとのことでした。防災意識を向上させるには、非常に多くの時間と労力がかかると思われます。災害が割と少ない当市においても、いつ大きな地震が発生するとは限りません。小さいうちから危機意識を持たせることが必要ではないでしょうか。
学校行事や部活動などで多忙な中学生だとは思いますが、防災訓練を通じて地域に顔の見える子どもに育つという面もあり、危機意識を高めるためにも参加を促していくべきではないかと考えますが、当局の考えをお伺いします。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
企画総務部長 横山忠司君。
〔企画総務部長 横山忠司君 登壇〕
○企画総務部長(横山忠司君) 山本篤史議員の御質問にお答えいたします。
私からは、1項目めの防災についての御質問のうち、まず1点目の避難所施設利用計画についてお答えいたします。
初めに、本市における災害時の避難所運営に関するマニュアルにつきましては、平成20年3月に避難所運営マニュアルを作成し、現在、市内21地区の主要避難所の専用ボックスに備えつけております。
また、このマニュアルにつきましては、東日本大震災の教訓を受けて内閣府が平成25年8月に策定した避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針や、本年4月に策定した避難所運営ガイドラインに基づき、現状に即したマニュアルに改正していく必要があると考えており、現在、点検作業を進めているところでございます。
そこで、議員御提言の避難所施設の利用計画につきましては、災害時において、地域住民の円滑な誘導や避難所における学校施設等を有効に活用するために大変効果的なものと考えておりますが、これまでのところ作成されておりません。
つきましては、各主要避難所施設の利用計画について、学校などの施設管理者、自治振興会、自主防災組織、防災士や市の関係者等により協議を行い、図化したものを取りまとめるなど、まずは計画の取りまとめ方法について今後検討してまいりたいと考えております。
次に、2点目の中学生の防災訓練の参加についての御質問にお答えします。
近年、全国でさまざまな災害が発生している中で、小さいころから防災教育を受け、いざというときに対応できる能力を身につけておくことは大変重要なことだと考えており、その取り組み事例や推進方法などにつきましては、9月定例会において山田議員の御質問にお答えしたところでございます。
そこで、議員御提言の中学生の防災訓練への参加についてでございますが、近年の被災地では、中学生が避難所での炊き出しや清掃等の運営に携わったり、高齢者や障害をお持ちの方の生活支援を行ったりしている事例がたびたび紹介されております。
本市では、これまで小中学校における防災に関する出前講座のほか、一定の保存期間を経過した防災備蓄食料品を市内全小中学校の児童生徒を対象に配布するなど、学校における防災意識の啓発にも努めてまいりましたが、今年度より、新たに中学校において避難所の間仕切りや仮設トイレの設営訓練などを実施したところであり、防災訓練の拡充に努めているところでございます。
また、これまでも各地区の自主防災組織等が主催される防災訓練には、小中学生の自主的な参加も見受けられたところですが、今後は学校等の教育関係機関や地域の自主防災組織等の御協力もいただきながら、中学生はもとより、小学生や高校生などの児童生徒がより主体的に各地区の防災訓練に参加できるよう検討するとともに、安心して参加できる環境づくりにも取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 山本篤史君。
〔1番 山本篤史君 登壇〕
○1番(山本篤史君) 2項目めに、子どもの教育環境についてお伺いします。
1点目は、小中連携教育についてお伺いします。
総務文教常任委員会の視察で訪れた神奈川県海老名市では、小中連携教育として乗り入れ授業を行うために、モデル校において県費で1名、市費で2名の教員を配置することで負担を軽減していました。
図工の授業では、中学校の美術の先生が専門的な指導をすることで、小学生の絵に著しい成長があったことや、算数や体育や音楽の授業に対しても乗り入れ授業を行っていました。
また、児童生徒の交流として部活動による小学校訪問や、生徒会役員や3年生が小学校へ出向き、中学校説明会を行っているとのことでした。
当市においては、児童と生徒の交流連携では、挨拶運動で中学生が小学校へ出向いたり、6年生児童が中学校へ出向いて授業や部活動を参観したり、中学生の合唱を児童が聞いたりする活動が行われているとのことです。また、教師の交流では、小中学校教師の情報交換会や研修会を定期的に行い、相互理解を深めているようです。
文部科学省によると、乗り入れ授業は、児童生徒の不安感の軽減、それによるいわゆる中1ギャップの解消、教員の他校種に対する理解増進、義務教育段階を担当する教員であるとの意識改革、授業改善、小中学校教員と児童生徒の一体感の醸成等を図る仕組みとして、小中学校教育の質向上の観点から効果が上がっている例もあり、導入を積極的に図ることが望ましいとのことです。
そこで、当市もさらに小中連携教育を進めていくべきだと思いますが、今後どのような取り組みを計画しておられるのか、お伺いします。
2点目に、給食の安定供給についてお伺いします。
農林水産省によると、北海道や長野県などの生産地で天候不順が続いたため、ジャガイモやレタスの卸値が10月には平年比1.6から3.5倍に高騰したそうです。11月第2週における野菜の全国平均小売価格は、平成23年から平成27年度の食品価格動向調査による調査価格の5カ年平均価格よりも、キャベツが245%、レタスが210%、トマトが134%、白菜が245%、大根が185%とおよそ2倍近く高騰しています。
このため、三重県鈴鹿市教育委員会では、1人月額4,100円の給食費で賄っているようですが、9月分の食材調達費が予算を超えてしまったため、給食の提供を2日間、市内の30小学校と13幼稚園で見合わせることにしたとのことです。
当市では1食当たり264円を基本とし、年間を通じて安定して給食を提供するよう努力しているとのことですが、このように野菜の単価が上がると、子どもたちに十分なカロリーや栄養が摂取できるのかという不安があります。
そこで、食材高騰時の当市の対応についてお伺いします。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
教育長 山本仁史君。
〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) 私からは、2項目めの子どもの教育環境についてのうち、まず1点目の小中連携教育についての御質問にお答えします。
文部科学省の定義では、小中連携教育とは、小中学校がお互いに情報交換や交流を行うことを通じて、小学校教育から中学校教育への円滑な接続を目指すさまざまな教育とされております。
このような小中連携教育が推進されてきた背景には、中1ギャップの解消と同時に、小学校6年生から中学校1年生の段階で発生する不登校や暴力行為などの問題行動への対応がありました。
近年の小中連携教育は、これらの課題への対応はもちろんのこと、子どもたちの育ちを9年間で見通すことに主眼を置くようになってきております。
議員御発言のとおり、本市でも、これまで各学校において、小学校6年生の児童が中学校の授業や部活動を参観したり、小中学校の教員が定期的に情報交換会や研修会を行ったりするなど、小中連携教育を進めてきております。
そして、これらの小中連携教育を通して、子どもたちは、小学生が中学生に対して憧れの気持ちを持って将来の夢を描いたり、中学生が温かく思いやりの心を持って小学生に接したりする姿が見られました。また、小中学校の教員の側でも、それぞれの教育について現場を通して相互理解を深めることで、授業の質の向上、子どもへの理解につなげており、一定の効果があったものと考えております。
このような子どもと教員双方に有益な小中連携教育について、今後ともそれぞれの学校が独自に行っている活動と効果を分析いたしまして、より効果的な取り組みを他校へも広げてまいりたいと考えております。
次に、2点目の給食の安定供給についての御質問にお答えします。
議員御発言のとおり、8月から9月にかけての全国的な長雨や日照不足等の天候不順の影響から野菜の高騰が続いておりまして、本市におきましても、野菜の高騰により、9月から10月の食材費は例年に比べ増額となっているところでございます。
そのための対応といたしましては、キャベツやニンジンなど高騰している野菜の量の調整や別の安価な野菜への切りかえ、また、デザートの回数の調整により、現行の給食費の中でおさめるよう努力しております。
そうした中、食材を工夫した栄養バランスのとれた献立を通して児童生徒に必要なカロリーや栄養を摂取できるよう配慮しており、今後とも安全・安心でおいしい学校給食を安定的に供給し、魅力ある学校給食づくりに努めてまいります。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 山本篤史君。
〔1番 山本篤史君 登壇〕
○1番(山本篤史君) それでは、最後に、来る冬に備えての質問をします。
新潟地方気象台が11月25日に発表しました北陸地方の3カ月予報によりますと、この期間の気温、降水量、降雪量は平年並みとのことですが、先月、東京都内では54年ぶりに11月の初冠雪を記録していますし、鉢伏山の白さや寒さとともに油断できない冬が刻々と近づいているのを感じます。
それでは、1点目に、当市の除雪体制についてお伺いします。
本年2月に発行の砺波市行政改革推進計画によると、現状としては、出町地区を除く旧砺波市の16地区においてそれぞれ除雪対策委員会を設置し、地域の除雪機械を使って、地域のオペレーターが地域の特性に応じたきめ細やかな除雪を行っており、課題として、出町及び庄川4地区の除雪は、市が業者に委託し、道路交通の確保に努めてきたが、建設業を取り巻く環境がますます厳しさを増す中、除雪オペレーターの確保や除雪機械の保有が困難になるなど、安定的な除雪体制の維持に支障が生じるおそれがあると記載されています。
全国建設業協会の除雪アンケートによると、会員企業の多くが現行の除雪体制の維持や降雪量の極端な変化への対応が採算性の低さなどを理由に困難と考えているようです。
除雪業務全般の採算性は、利益なしと赤字が占める割合は市町村で59%であり、要因は、7割が出動回数と稼働時間の不足を挙げており、機械の維持管理費不足が5割強、人件費負担と単価、経費不足もそれぞれ2割弱を挙げています。降雪量、稼働時間を問わず求められる除雪機械や人員確保に必要な費用は、各企業に大きな負担となっているようです。
除雪機械は自社の保有と発注機関からの貸与がいずれも台数ベースで5割弱になっており、人員の確保についても、若者の建設業離れ、従事者の高齢化で深刻な問題になっており、全体の3割弱がオペレーターと除雪補助者のそれぞれについて不足と答えています。
全国的にはこのような状況ですが、当市では、地域ぐるみでの除雪体制があり、先月も除雪功労者表彰で28人ものオペレーターが表彰されたところです。
第2次砺波市総合計画では、地区除雪対策委員会の数を現状16地区から平成33年までを目途に18地区に拡大するとの計画を打ち出しており、平成29年度には新たに1地区を増やすこととなっていますが、現在の状況と今後の計画をお伺いします。
2点目に、ヒートショック対策についてお伺いします。
ヒートショックとは、家の中での急激な温度差により、血圧が大きく変動することにより、失神や心筋梗塞、脳梗塞を起こすことです。
東京都健康長寿医療センター研究所の調査によると、2011年の1年間に全国で1万7,000人もの人々がヒートショックに関連した入浴中の急死をしたと推測され、そのうち1万4,000人ぐらいが65歳以上の高齢者の方だと考えられ、年間では1月の発生が最も多いとのことです。それに対し、同年の全国交通事故死亡者数は4,611人であり、およそ4倍もの方がヒートショックでお亡くなりになられることを考えると、深刻な社会問題と言えます。
ヒートショックは医学用語ではないので、死亡診断書にヒートショックという用語が出てこず、溺死や病死と記入されているため、ヒートショックが原因と思われる死亡の正確な統計データはありません。しかし、家庭のお風呂で溺死する人は年間3,000人から4,000人ぐらいいるという厚生労働省の統計と、2012年に東日本全消防本部の81%の調査協力を得て実施した調査結果から推計すると、先ほどの数字になると推計されるようです。
2014年に住環境の専門家による暖差リスク予防委員会が行ったアンケートによると、全体の半数がヒートショックを知っているものの、自宅では意識しないと答えた人が6割もいたそうです。高齢者や生活習慣病を持つ人にとって冬の入浴は危険と隣り合わせだということを忘れてはいけません。
ヒートショックを防ぐには、脱衣所や浴室、トイレの暖房器具設置や断熱改修をする、シャワーでお湯を張り、浴室全体を温める、夕食前、日没前に入浴する、食事直後、飲酒時の入浴を控える、湯温の設定を41度以下にする、湯舟に入る前に末端の手足から体の中心部へと順にかけ湯をする、1人での入浴を控える、入浴の前後には必ずコップ1杯程度の水分を補給するなど、さまざまな工夫が必要であり、有効とのことです。
当市の高齢化人口が今後ますます増えていくことを考えると、この事故によって残念ながら命を落とす方が増えることも予測されます。市民にこの状況をもっと意識してもらうために啓発する必要があると思いますが、当局の考えをお伺いします。
年末年始はお酒を飲む機会が増える時期です。議場におられる皆さんにおいても、決して飲酒後の入浴は避けるよう、気遣いの面から警鐘を鳴らし、以上で質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
建設水道部長 大浦正治君。
〔建設水道部長 大浦正治君 登壇〕
○建設水道部長(大浦正治君) 私からは、3項目めの来る冬に備えての御質問のうち、1点目の除雪体制についての御質問にお答えいたします。
本市では、地域の除雪は地域住民の力でという趣旨に基づき、地域の除雪機械を使って、地域のオペレーターがきめ細かに除雪するという地域ぐるみによる除排雪活動を推進してまいりました。
昭和52年に初めて除雪対策委員会が設立されて以降、昭和63年までの12年間に12地区において、その後、平成15年までの15年間に4地区において順次対策委員会が設立され、中心部に消雪装置が整備されている出町地区を除く16地区で地域ぐるみで除雪事業を行う体制が整いました。
一方、庄川地区では、従来から建設業の方々の協力を得て除雪業務を委託し、冬期間の交通の確保に努めてきました。
こうした中、庄川地区におきましては、昨年度から今年度にかけ除雪業務を委託してきた建設業者が廃業または除雪業務からの撤退が相次ぎ、庄川地区の除雪延長約52キロメートルの約4割に当たる20キロメートル余りの除雪が困難な状況となりました。そのため、2カ年にわたり地元建設業の代表者の方に調整をお願いしたところ、残る地元建設業の皆さんで分担し、除雪していただくこととなりましたが、長くは続けられないだろうとお聞きしております。早急な対策を講じる時期に至っていると考えております。
本市といたしましては、昨年はその廃業した業者が担当しておりました庄川地区の1地区に対し、除雪対策委員会の設立とオペレーターの確保等について働きかけを行いました。また、本年9月には庄川4地区の代表者の皆さん方に建設業と除雪委託を取り巻く環境が大変厳しい状況であることを報告し、意見交換をさせていただいたところでございます。
今後は高齢化の進展に加え、オペレーターの発掘や地区特有の課題などもあることから、それぞれの地区においてどういった除雪体制がふさわしいのか勉強会を開催し、組織運営やオペレーターの確保、育成など、地域ぐるみの除雪体制の確立に向けて御理解と御協力をいただけるよう、十分時間をかけ、丁寧に協議を進めさせていただこうと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 池田仁吾君。
〔福祉市民部長 池田仁吾君 登壇〕
○福祉市民部長(池田仁吾君) 私からは、2点目のヒートショック対策についての御質問にお答えいたします。
寒い時期の入浴は、暖房等で暖かい部屋から寒い脱衣室や浴室への移動、そして、熱いお湯につかることで急激な温度変化が短時間のうちに起こり、血圧に急激な変化を起こしやすく、高齢者や生活習慣病を持つ人には注意が必要でございます。
そのため、本市では、冬期間におけるヒートショックの危険性と予防方法等について、広報への掲載や各地区の健康教育での保健指導や高齢者サロン等の出前講座などの際に話題に盛り込むなど積極的に注意喚起を行ってきたところでございます。
そこで、議員からは、ヒートショックを知っていても、自宅では意識していないと答えた人がとても多いというアンケート結果について御紹介をいただきましたので、飲酒直後や食事直後あるいは深夜に入浴しないこと、また、入浴時には家族が時々声がけすることなど、よりわかりやすい具体的な事例を取り上げることで、今後とも啓発に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 2番 桜野孝也君。
〔2番 桜野孝也君 登壇〕
○2番(桜野孝也君) 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、市政一般に対する質問と提案をさせていただきます。
大きな項目の1つ目は、スポーツの振興についてであります。スポーツの振興といってもいろいろありますが、今回は子どものスポーツと障害者スポーツについてお聞きしたいと思います。
まず、1点目は、スポーツ少年団活動についてお伺いします。
スポーツ少年団は、昭和37年に1人でも多くの青少年にスポーツの喜びを提供する、スポーツを通じて青少年の心と体を育てるということを理念に掲げ創設されました。そして、これまで指導者を初め、関係者の努力によって地域に受け入れられ、大きく発展してきました。今では日本最大の青少年スポーツ団体となっています。
私自身、子どものときに野球スポーツ少年団に入っていましたし、今でもたまにですが、寿野球の試合に出たりしております。スポーツをやっていて本当によかったと思えることが多いので、スポーツによる青少年の健全育成はとても大切なことだと思っております。
子どもたちにとってスポーツをするのに一番身近な活動場所であるスポーツ少年団でありますが、近年、団員の減少が問題になっています。指導者やスポーツクラブ関係の方からも心配する声をよく聞きます。
平成26年12月定例会において、山田議員の質問に対する答弁では、団員減少の原因を4つ挙げられていました。私は、その中でも保護者の送迎等における負担感の増大、これが大きいと思っております。しかし、自分も今スポーツ少年団員の保護者という立場でありまして、送迎に関しては、今のところそれぞれの団の保護者で話し合いながらやっていくしかないと感じているところでありますが、では、送迎以外の負担を減らすことができないかと思うのであります。
例えば練習場所の確保をしやすくするということがあります。場所の取り合いにならないようにすることや、外で行う競技の場合、天候にも左右されますので、急なときにどの施設があいているかなど、確認しやすくなれば助かると思います。
また、施設の利用については、大体が減免の対象になっていると思いますが、ナイターの使用料などは負担しなくてはならないと聞いていますし、そのような金銭的な負担も軽減できないかと思うのであります。
子どもたちにスポーツ少年団に加入してもらうためには、まず、保護者の理解を得ることが大事でありますので、保護者の負担を少しでも軽減して、なおかつスポーツの大切さを理解してもらうことが、団員の減少に歯どめをかけ、加入率アップにつながると思います。
人が少なくなったらクラブチームにすればいいというような考え方もありますが、それは最終手段だと思います。ある団では、競技として取り組む子と、楽しむことを中心に取り組む子を分けて練習するなどして団員確保に努めておられます。
スポーツ少年団は地域の子どもたちにとって一番身近にスポーツができる場でありますので、団を存続させるため、団員の加入率を上げるよう努力することが必要だと思います。今後の取り組みについて、当局のお考えをお聞かせください。
2点目は、子どもの運動遊びの充実についてお伺いします。
今、日本では、2020年東京オリンピック・パラリンピックを前にスポーツ振興の機運が高まっています。平成27年10月にはスポーツ庁も発足しました。こういう時期だからこそ、本市においてもスポーツの振興に力を入れるべきではないでしょうか。
私は特に幼児期の運動遊びに力を入れたらどうかと考えます。砺波市においては、もともと独自の取り組みとして、幼稚園、保育所、小学校低学年を対象にそれぞれの施設で体育指導専門員による運動教室が開催されています。この取り組みは本当によい取り組みだと思いますので、この取り組みをさらに強化したらいいのではないかと考えます。
先日、東京大学大学院教授の深代千之先生の講演を聞く機会があり、運動神経をつくることの大切さについて聞いてきました。運動神経とは、巧みな動きや動作をたくさん脳の引き出しに入れておくことで、その能力のことを深代先生はそう呼んでおられます。
運動神経をつくるためには、体をよく動かすことが大事であるということや、運動神経をつくるのに最適な時期は、ゴールデン・エージと言われる3歳ぐらいから小学校低学年までぐらいが一番神経細胞が成長する時期で、この時期にさまざまな動きや運動を体験することによって運動のセンスを効率よく身につけることができるということ、また、脳が活性化していくこの時期に運動を行うことが学力にもよい影響を与えるということを言っておられました。
このことからも、砺波市ではまさに運動神経をつくる取り組みをしていると言ってもおかしくありません。ですから、今の取り組みをさらに強化して、市内外の子育て世代の人やこれから子育てを迎える人たちにPRしていくべきと考えます。
また、幼児期から体力や運動能力の向上を意識した取り組みを強化することは、その後のスポーツ少年団にもつながる可能性が大いにあると思いますので、ぜひ取り組みを強化していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。子どもの運動遊びの充実について、当局のお考えをお聞かせください。
3点目は、障害者スポーツを通じた障害者への理解についてお伺いします。
今年の夏、リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックが開催され、富山県内から、オリンピックでは柔道の田知本選手とレスリングの登坂選手が金メダル、パラリンピックではボッチャの藤井選手が銀メダルを獲得し、私たちに多くの夢と感動を与えてくれました。
私は今回、特にパラリンピックを見ていて、人の持つ可能性というのははかり知れないものだと強く感じました。4年後には日本でオリンピック・パラリンピックが開催されるわけですから、社会全体で盛り上げて、成功に導かなくてはなりません。
また、それを機会にして変えていかなくてはならないものもあるのではないでしょうか。私は、その一つが障害者への理解の向上であると思っております。障害者スポーツを振興することが障害者への理解の向上につながると思うのです。
平成27年6月に行われた世論調査では、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催で最も期待される効果として、障害者への理解の向上が44.4%と最も高く、以下、障害者スポーツを含むスポーツの振興が39.2%、空港、鉄道、道路などの交通インフラの利便性向上が38.5%、バリアフリー導入など全ての人にやさしいまちづくりの促進が38.4%などの順になっています。
本市では、来年1月14日に開催される教育大会にリオデジャネイロ・パラリンピックに車椅子バスケットボール日本代表として出場された、本市出身の宮島徹也選手の講演が行われることとなっています。2020年を見据え、今後、障害者スポーツを体験する場、機会をつくり、一人でも多くの人に障害や障害者スポーツに対して正しく理解してもらえるよう努めることが重要であると思いますが、いかがでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局長 三部隆雄君。
〔教育委員会事務局長 三部隆雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(三部隆雄君) 桜野議員の御質問にお答えをいたします。
私からは、1項目めのスポーツの振興についてのうち、1点目と2点目の御質問にお答えをいたします。
まず、1点目のスポーツ少年団活動についての御質問につきましては、全国的な団員減少の主な原因として、放課後の習い事への参加の多様化や競技別のスポーツクラブへの参加、そして、競技性を強く求めた指導などが考えられ、また、保護者側からの面からしますと、議員さんが述べられましたように、送迎を初めとした保護者の負担が挙げられております。
一方、子どもたちの側から見ますと、まず、子どもたち自身がその活動に魅力を感じていないのではないかとの分析もございます。本市においても同様の原因が考えられることから、指導者や学校などから意見をお聞きしたところ、学校単位ではやりたい種目がないとか、スポーツがうまくなって勝ちたいと思う子もいれば、勝つことよりも楽しくスポーツをしたいんだといったような子どももいたり、子どもたちにとって、スポーツに対して求める気持ちは一様ではないといったようなことがございます。
また、先日、市のスポーツ少年団本部におきまして、単位団と各小学校教頭による語る会が開かれまして、その場においても加入率の向上に向けた取り組みが議論され、スポーツ少年団活動の推進には、加入率や施設利用の向上に向け、学校との連携がより一層大切であるとの意見があったというふうにお聞きをしております。
こうしたことから、市といたしましては、今の子どもたちが求めるスポーツ少年団活動のあり方について研究を進めるとともに、学校生活において、日ごろのスポーツ少年団活動や成績を紹介したり、単位団と学校との情報交換を充実したりするなどしてスポーツ少年団と学校との連携をさらに深め、魅力の発信や施設利用の向上に努めてまいりたいと考えております。
折しも、2020年には東京オリンピックが開催されます。スポーツをする喜び、感動を多くの子どもたちが体感できるよう取り組みを進め、子どもたちがスポーツ少年団活動に対してより一層希望や興味を持ち、それがひいては加入率の向上につながることを期待したいと存じます。
次に、2点目の子どもの運動遊びの充実についての御質問につきましては、議員が述べられましたとおり、ゴールデン・エージと言われます3歳から14歳までの期間のうち、特に8歳までの間に運動における多種多様な動作を経験し、基本的な運動動作を身につけておくべきとされているところでございます。
こうしたことから、本市では、平成16年度から体力向上計画に基づくホップ・ステップ・ジャンプ事業と称しまして、市内の幼稚園、保育所のほか、小中学校における子どもたちの体力向上に取り組んでいるところでございます。
議員からの幼稚園、保育所の子どもたちへの取り組みを強化してはどうかとの提言につきましては、現状では市内の幼稚園、保育所において、走ったり、跳んだりする運動、ボールやフープなどの用具を使っての運動、マット、跳び箱、器械運動など、楽しく体を動かすことを先生方とともに実施しており、こうした取り組みの成果につきましては、4歳から6歳までの子どもたちの運動能力について、調査項目の25メートル走や立ち幅跳び、テニスボール投げにおいて、全国及び県平均を上回る結果となっているものと考えております。
そこで、本市としましては、幼少期から体を動かす喜びや目標を達成したことによる感動をさらに向上させるため、ホップ・ステップ・ジャンプ事業の拡充を図るとともに、家庭でも継続的に行うことのできる運動遊びを、保護者会などさまざまな機会を通して保育士、幼稚園教諭、そして小中学校の先生、そして、それが保護者への普及につながるというふうに取り組みを進めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 池田仁吾君。
〔福祉市民部長 池田仁吾君 登壇〕
○福祉市民部長(池田仁吾君) 私からは、3点目の障害者スポーツを通じた障害者への理解についての御質問にお答えをいたします。
障害者スポーツは、障害者がスポーツを通じて自らの可能性にチャレンジし、仲間との交流やコミュニケーションを深められるよう、ルール等を工夫して実施されているものであり、障害者の生きがいや生活の質の向上につながっているものでございます。
本市では、スポーツを通じた健康増進と一層の社会参加を図ることを目的に、毎年6月に身体障害者及び知的障害者を対象とした障害者スポーツ大会を開催しております。一方、市内には、各種障害者スポーツ大会に積極的に参加し、水泳競技では、全国大会で活躍されている選手もおられます。
このような中で、来年11月には、宮島選手の活躍された車椅子バスケットボールとは別に、より重度の障害がある方も参加できるように考案された車椅子ツインバスケットボールの中部ブロックの大会が県西部体育センターで開催される予定であり、身近に障害者スポーツを観戦できる機会となります。
このような障害者スポーツに関心を持っていただき、障害者スポーツの観戦を通じて、障害の種類や程度に応じて定められたルール等を知ることが、少しずつでも障害の特性を理解することにつながると考えられますので、多くの皆さんにぜひ観戦や応援していただけるよう、積極的にPRしてまいります。
また、障害のある人とない人が一緒にスポーツをする機会をつくることも、障害者への理解には大切であり、その一例として、福祉作業所油田に通う知的障害者が地域住民と一緒になってペタンクを楽しまれ、地区で開催される大会にも出場するなど、積極的に交流されていることは、お互いを理解する意味でも、とても大切であると考えております。
また、障害者スポーツ体験につきましては、小中学校での障害への理解講座やボランティアフェスティバルにおいても、車椅子体験や聴覚、視覚障害疑似体験などを実施いたしておりますが、今後このような機会に実際の障害者スポーツ体験を取り上げられないか、検討してまいります。
本市といたしましては、今後もより多くの障害者スポーツを体験する機会を設け、さらなる障害者スポーツや障害者への理解につなげてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 桜野孝也君。
〔2番 桜野孝也君 登壇〕
○2番(桜野孝也君) それでは、大きな項目の2つ目といたしまして、地域コミュニティーの活性化についてお聞きいたします。
1点目は、地区自治振興会の現状と今後の役割についてお伺いします。
砺波市には、21の地区自治振興会がありますが、どの地区自治振興会もしっかり組織され、活動しておられます。砺波市に住んでいると当たり前のことと思ってしまうのですが、いろんな方の話を聞きますと、そうでもないようで、改めて砺波市のすごさに気づかされます。
しかし、最近少し気になることがあります。それは、地区自治振興会があまりにもいろんなことを任されて疲弊しているのではないかということであります。これは、合併前まで自治振興会という組織がなかった庄川地域だけの話かもしれませんが、何かを地域でやろうとしたときに、どうしても自治振興会さんの力が必要になり、お願いする場合があります。
そんなときに、自治振興会長さんなどから、軽い感じではありますが、これ以上、仕事を増やさないでほしいと言われることがあります。また、ふだんの会話の中でも、行政からの要請が多いというような話を聞くこともあります。
そこで、心配なのは、自治振興会が行政の下請機関のような存在になっているのではないかということであります。本来、自治振興会というのは、行政との協働、補完し合いながら、地域の課題や特徴に沿ったまちづくりに主体的に取り組む団体であります。砺波市内には、中心市街地や中山間地域、新興住宅地など、地区によってさまざまな特徴がありますので、自治振興会による地域での主体的なまちづくりはとても重要なことであります。
そこで、以前に比べて仕事量など、地区自治振興会の活動の現状をどう捉えておられるのか、また、今後の自治振興会の果たす役割についてどうお考えなのか、お聞かせください。
2点目は、コミュニティー農園についてお伺いします。
一般的には市民農園といって、サラリーマン家庭や都市の住民の方々がレクリエーションとしての自家用野菜、花の栽培、高齢者の生きがいづくり、子どもたちの体験学習などの多様の目的で小面積の農地を利用して野菜や花を育てるための農園のことであります。
私は、この市民農園を地域の人が集える場、コミュニティー農園として活用すればいいのではないかと考えます。田んぼや畑を持っていない非農家の家庭でも、気軽に農業を楽しんでみたいという人はいます。また、お子さんやお孫さんに農作業を体験させてあげたいと思う人もいると思います。そして、そのような農園に人が集うようになれば、自然と交流も生まれます。私は、それが高齢者の生きがいづくりや世代間の交流、そして、子どもの食育などにもつながると思うのです。
市がバックアップすることによって、趣味で野菜づくりを楽しみたい人や花を育ててみたいという人も安心して申し込みや契約がしやすくなると思います。遊休農地などを活用し、農作業を通じて地域コミュニティーの活性化を図るため、集いの場となるコミュニティー農園を開設すればいかがでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
企画総務部長 横山忠司君。
〔企画総務部長 横山忠司君 登壇〕
○企画総務部長(横山忠司君) 私からは、2項目めの地域コミュニティーの活性化についての御質問のうち、1点目の地区自治振興会の現状と今後の役割についてお答えいたします。
これまでもお答えしてきておりますとおり、地区自治振興会は旧町村単位の地縁をもとに構成されている地域コミュニティーであり、住民と行政が協働して質の高い魅力あるまちづくりを推進するための大切なパートナーであると考えております。
また、市の事業を進める際には、住民の皆さんの声をできるだけ反映させることが必要であり、自治振興会にはさまざまな御意見をお伺いするなど、市政の運営において、地域との連携に欠かせない存在となっております。
議員からは、市からの要請が多く、自治振興会の負担となっており、自治振興会が行政の下請け機関のような存在になっているのではないかとの御指摘でございますが、これまでも自治振興会へ依頼などを行う場合には、地区自治振興会協議会の会議の場で御説明し、御了解をいただきながら進めてきたところでございまして、今後とも同様なことで進めてまいりたいと考えております。
また、市と自治振興会の関係につきましても、協働というお互いが対等な形でまちづくりを進めているものと考えております。
そこで、自治振興会の活動の現状をどのように捉えているのかとのお尋ねでございますが、各自治振興会には市の各種事業を円滑に、かつ適切に執行するため、市民との重要なパイプ役になっていただいているものと感謝いたしております。
また、地区住民の福祉向上等のため、日ごろから各地域において、地域福祉や自主防災、ボランティア活動など多くの事業に取り組んでおられるとともに、今年度創設いたしました“となみ創生”地域交付金を活用し、単なる地域コミュニティーの充実や地域活性化を目的とした地域独自の取り組みにも積極的に取り組んでおられるところでございまして、深く敬意を表するとともに、重ねて感謝申し上げるところでございます。
次に、今後の自治振興会の果たす役割についてでございますが、本格的な少子高齢化、人口減少社会を迎える中で、今後、価値観の多様化などにより地域の連帯感が薄れていく傾向が指摘されていることから、自治振興会の役割はますます重要になっていくものと考えており、本市のまちづくりの基盤であります誇るべき地域力やきずなをさらに育み、生かした活動を一層推進していただきたいと期待しておるところでございます。
本市といたしましても、地域の課題に主体的に取り組む各自治振興会の皆さんとの意見交換やさらなる情報共有に努め、活動を側面からサポートするとともに、地域アンテナ隊派遣事業などを通じて信頼関係を一層深めることで,各地域の特徴を生かした協働のまちづくりに向けた連帯の強化に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解と御協力をいただきますようお願い申し上げます。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
商工農林部長 牧野裕亮君。
〔商工農林部長 牧野裕亮君 登壇〕
○商工農林部長(牧野裕亮君) 私からは、2点目のコミュニティー農園の開設についての御質問にお答えいたします。
近年、余暇の増大や価値観の多様化に伴い,都市住民を中心に野菜や花等を栽培し、自然に触れ合いたいというニーズが高まる傾向にございます。
こうした中で、市民農園整備促進法などに基づく市民農園の開設につきましては、平成26年度末現在で、全国では4,178農園、面積は1,402ヘクタールで、その約8割が都市的地域に設置されております。
また、県内では、25農園、8.5ヘクタールが開設され、そのうち市町村が設置しているものが13件、農業協同組合等が設置しているものが12件となっておりますけれども、本市での開設はございません。
議員御提言のコミュニティー農園の開設につきましては、農作業を通じて地域コミュニティーの活性化を図ることは、農業、農村に対する理解を深める上でも有意義なことと考えておりますが、本市では、砺波市農業公社による農業体験ツアーや、帰農塾等のさまざまな農業体験の事業を実施していることもあり、これまで市民農園についての市民からの相談や要望はございませんでした。
また、市民農園を開設する場合には、多くの利用者のために利便性の高い場所での必要な農地の確保や周辺の営農条件、地域住民の生活環境への十分な配慮、管理運営者の確保などが必要になってまいります。
このため、今のところ、本市において市民農園を開設することは考えておりませんが、今後、市民からの要望が増え、市民農園開設の気運が高まってくるような場合には、となみ野農業協同組合等の関係機関とともに、その対応について検討してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) この際、暫時休憩いたします。
午後 2時02分 休憩
午後 2時10分 再開
○議長(今藤久之君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
16番 嶋村信之君。
〔16番 嶋村信之君 登壇〕
○16番(嶋村信之君) それでは、通告に基づき、市政一般について提案並びに質問をします。
先の砺波市長選においては、夏野市長は無投票で再選を果たされたことに対し、会派、創生砺波を代表して、心よりお祝いを申し上げます。
さて、翌日の新聞では、1期目の取り組みについては一定の評価を得たと考えている。市民からは信頼されたことに対し、重みを感じる。次の4年間は、1期目の選挙で掲げた「もうひとつ上の“となみ”」の第2ステージと考えている。市がさらに発展できるよう努める。子育て支援、防災力強化、地域の魅力発信等、重点を置いて施策を進めると抱負を述べていらっしゃいます。
市長就任の際、職員に対し、常に先を見て職務に遂行するよう訓示しておられます。
また、先に作成されました第2次砺波市総合計画では、砺波市の将来像として、「~庄川と散居が織りなす花と緑のまち~ もっと元気 ほっと安心 ずっと幸せ“やっぱり砺波”」を掲げ、基本方針として、1、ともに輝き支えあう人づくり、2、なごやかな暮らしを育む安心づくり、3、みらいに活力をつなげるまちづくりを目指しておられます。
そこで、夏野市長の2期目に臨む意気込みについてお伺いいたします。
午前中の村岡議員の代表質問と重なるところがありますが、以下のことについてお伺いいたします。
1点目、人口減少対策の子育て支援の施策を加速させる具体策について。
2点目、本市は防災対策に重点を置き、2017年度から地区の自主防災組織と協力して防災力強化プロジェクトを進めることについて。
3点目、持続可能なサービスを維持するための公共施設等総合管理計画(財政の現状と課題)について。
そこで、ア、歳入及び歳出について、イ、公共施設の将来の更新費用について、ウ、インフラ資産の将来の更新について、エ、公共施設等の将来の更新費用について、オ、歳入歳出全体ベースでの財政推計について、カ、縮減率の検討について。
以上、1項目めを終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) それでは、私からは、1項目めの2期目に臨む施策等についての御質問にお答えいたします。
まずは、2期目のスタートにつきまして応援をいただきまして、まことにありがとうございます。
それでは、1点目の人口減少対策の子育て支援の施策を加速させる具体策につきまして申し上げます。
これにつきましては、これまでも「もうひとつ上の“となみ”」を目指す子育て支援策として、中学生までの通院費の無料化や第3子保育料無料化はそれまでなっておりましたが、保育所への民間活力導入や2つの認定こども園の整備、それから、全ての小中学校や、まずは東山見保育所の耐震化など、経済面での支援ですとか保育ニーズへの対応、安全・安心な子育て環境の整備を初め、本市の特長であります3世代同居を生かした先駆的な取り組みを進めてきたところであります。
そうした中、議員も御承知のとおり、先に発表されました国政調査では、人口が4万9,000人と、県内他市に比べて人口減少率が低かったのは、これまでのさまざまな子育て支援の施策の成果とも考えられるところではなかろうかと思います。
これらを踏まえまして、新年度から新たな第2次砺波市総合計画に基づき、さらなるステップアップを目指した子育て支援に取り組み、人口減少対策に努めていくこととし、今後5カ年で特に重点的かつ優先的に実施すべき10WAVEプロジェクトで、安心して子どもを産み育てる体制づくりを子育て応援プロジェクトとして位置づけておりまして、妊娠、出産、子育てへとつながる切れ目のない支援のための母子保健や子育て支援サービスの充実を図りますとともに、保育、幼児教育の充実を進めてまいります。
具体的に申し上げますと、出産後の母子に対するケアですとか、保育所、幼稚園の一元化を進めるための認定こども園化の推進のほか、砺波圏唯一の療育施設として障害児などの福祉基盤の中心的な役割を担ってまいりましたわらび学園の整備、さらには、近年特に注目されております子どもの貧困に対する取り組みなど、さまざまな喫緊な課題に対しまして、適時適切な施策を柔軟な発想のもと、市民の皆さんや議員各位の御意見もいただきながら進めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の地区の防災組織と協力して防災力強化プロジェクトを進めることについての御質問につきましては、村岡議員の代表質問にお答えしたとおりでございます。
このたび策定いたしました第2次総合計画の10WAVEプロジェクトに基づきまして、特に防災対策につきましては、自助、共助による取り組みが大変重要であると考えております。
その周知、啓発を図る目的で、新たに広報となみ12月号から42回にわたりまして、「防災士の目」というコーナーを設けまして、シリーズとして取り組んで、防災士の目線で市民によります防災対策の推進や各地区の自主防災組織の活動を紹介して情報を共有していく場を設けたところであります。
今後も地区自主防災組織ですとか防災士連絡協議会の皆さん、それから、関係団体との協力、連携を図りながら、市民の皆さんとともに地域防災体制の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、3点目となりますが、持続可能なサービスを維持するための公共施設等総合管理計画(財政の現状と課題)についての御質問にお答えをいたします。
初めに、このたび策定いたしました砺波市公共施設等総合管理計画につきましては、厳しい財政状況が続く中で、今後、公共施設の老朽化や人口減少等による利用需要の変化が見込まれることなどを踏まえまして、公共施設等の全体の状況を把握し、中期的な視点を持って更新、統廃合、長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担の軽減及び平準化を図り、将来にわたって持続可能な公共サービスを提供するため、国の指針に基づき策定したものでございます。
この計画には、公共施設等を取り巻く財政の現状や将来にわたる見通し、それから、課題を財政の現状と課題としてまとめておりますので、御質問の視点、幾つかございましたが、総括的にお答えすることといたします。
まず、歳入及び歳出についてでございますが、歳入では、地方交付税が合併算定替えの特例の段階的縮減によりまして、今後、減少していくことが見込まれます一方、歳出では、社会保障関係費の自然増のほか、これまでの耐震改修等に係ります市債の償還金が増えてまいりますことから、これまで以上に計画的かつ健全な財政運営が求められることになります。
次に、市が所有いたします公共施設及び道路、橋梁、上下水道などのインフラ資産、それと、これらを合わせました公共施設等の将来の更新費用について、それぞれ試算をいたしました結果、耐用年数経過時点に、例えば同じ規模で更新した場合の今後30年間の年平均の更新費用は、いずれも近年の財政、予算の投資的経費の実績を大きく上回る試算結果となってしまいました。
また、歳入歳出全体ベースでの財政推計についても、現在の公共施設等を全て同じ規模で更新した場合、公共施設投資の必要額に対しまして使用可能な財源の額が、これも大幅に不足するという試算結果になりました。
そこで、これらのことから、全ての公共施設等を現状のまま維持することは不可能でございます。施設の量を縮減するということがどうしても必要になってきますが、施設の維持更新経費が軽減されますことを見込みまして、充当可能な財源と拮抗する縮減率の検討を行います。出せるお金と減らすものと、バランスがどこでとれるかということなんですが、その結果ですと、今回施設の保有量の縮減目標を大体20%とすると、ほぼ財政的にはバランスがとれるということになります。
ただ、これは単純に減らすということではなくて、いろいろなものを、例えば1つの機能しかなかったものを多機能化するとか、そういったいろんな工夫もしながらやるということで、一遍に20%どんと減らすということではないことは誤解のないようにお願いしたいというふうに思います。
いずれにしても、砺波市としましては、今後、このように極めて厳しい財政状況となるということが予想されます。先ほど申し上げました担い手、要するにこれから高齢化が進みますと、財源負担をする人も減ってくるわけですし、また、人口がそんなに増えないということであれば、また利用する人も減ると、そういうものを全て考えた上で、できるだけ将来を考えながら、早期に公共施設保有量縮減の取り組みを少しずつでも進めることで、将来の負担を少しでも軽減していくことが求められているんだということで、そういうことを踏まえながらこれから進めていこうというふうに考えておりますので、また、議員各位もいろんな御事情がございますが、ともに協力していくということで御理解をいただければ幸いでございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
○議長(今藤久之君) 嶋村信之君。
〔16番 嶋村信之君 登壇〕
○16番(嶋村信之君) 持続可能なサービスを維持するための公共施設等の総合計画について、概要を伺いました。
そこで、以後、公共施設の将来の更新費用についてお答えいただいたわけでありますが、どういうような費用になるのか、あるいはまた、公共施設等の将来の更新費用について、わかる範囲内で答弁をお願いしたいと思います。
以上です。
○議長(今藤久之君) 市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 総括的にお答えをしたということで、金額は手元に今、持っておりませんが、後で資料をお届けすることになりますが、基本的には先ほど申しましたトレンドを御理解いただきたいということでございますので、よろしくお願いいたします。
○議長(今藤久之君) 嶋村信之君。
〔16番 嶋村信之君 登壇〕
○16番(嶋村信之君) 次に、人と心を育むまちづくりについてお伺いいたします。
1点目、学力向上と教員支援の施策についてのア、平成28年度の全国学力・学習状況調査の結果について。
現代社会ではグローバル化、情報化が進み、価値観が多様化し、社会経済状況が変化し続けております。これからの子どもたちは、このような社会現状の中で生きていくために必要な情報を選択、分析し、考え、判断し、自分の考えや思いを表現しながら、他者と共同していくことが、仕事面でも生活面でも重要となってまいります。そのための力を養うことがこれからの教育には重要と捉えられており、世界的な学力テストにおいても、全国学力・学習状況調査も、思考力、判断力、表現力等の応用力を身につけていくことが求められております。
本年4月に実施されました全国学力・学習状況調査の結果が10月に発表され、小学校では全教科、国語はA、B、算数A、Bでは全国の平均を上回りましたが、富山県平均に対し、国語Aが1ポイント下回りました。中学校では、全教科、国語A、B、数学A、Bが全国平均を上回りましたが、富山県平均より1ポイントから3ポイント下回りました。
一方、学習状況調査では、小中学校とも概ね全国、県平均よりも砺波市の平均は上回っており、砺波っ子らしいよさが出ております。
この結果は、教育現場の教職員の努力や地域力のたまものであり、一定の成果が出たものと理解をいたしております。
そこで、本市で小中学校における平成28年度の学力・学習状況調査の結果をどのように分析し、どのように捉えているのか、また、各学校でもこの結果を分析すると思いますが、具体的にはどんな取り組みがされていくのか、今後の対策はどのように考えているか、お尋ねをいたします。
イ、地域の教育力を活用することについて伺います。
前述したとおり、学力は今、思考力、判断力、表現力等の応用力が求められておりますが、応用力を育成するための土台となる基礎的知識の徹底が図られていなければなりません。教育現場では支援を必要とする児童生徒が増加しているなど、課題もたくさん抱えております。
そこで、質問します。
砺波市では発達障害など、支援の必要な児童生徒を支援するため、特別教育支援員スタディメイトを配置し、授業などを行っております。現在、小中学校に特別教育指導員は何人配置されているのか、また、全国的に発達障害となる児童生徒が増加しているとともに、障害の多様化も進んでおりますが、現在、特別教育指導員の対応で課題がないのか、また、支援を必要とする児童生徒が増加している状況の中で、特別教育支援員を増員すべきと考えますが、教育委員会のお考えを伺います。
また、普通教室では支援の必要な生徒は別に1人の教員が指導し、児童生徒全員に学習の理解をするための限界がありますが、加配教員を入れると予算がかかり過ぎます。
そこで、地域に住む教員OBや教員を目指す学生などの有償ボランティアで教員を支援する仕組みをつくっている自治体もあります。
他市の一例ですが、児童生徒一人一人に基礎基本の定着と学力の向上を目指し、担当教師の指導のもと、学習を支援する学習アシスタント、つまり教員の学習補助をしていただく方を配置しております。具体的には一緒に授業をしている指導教員のサポートとして学習アシスタントが机の間を行ったり来たりしながらドリルなどの定着確認をしたり、学習の習熟度別グループをつくり、その1つを学習アシスタントが受け持つなど、多様な学習方法を行っております。また、放課後や長期休業中の学習アシスタントを活用し、基礎学力の補充、充実を図っております。
学習アシスタントの要件は、原則教員免許を有する地域の方、保護者、教員OB、教員を目指す大学生等で、学習アシスタントに対する謝礼は60分当たり1,000円を1カ月単位に払っており、学習アシスタントを利用する時間や方法は各学校の自主性に任されております。
成果として、平成26年度学習アシスタント活用支援事業実施アンケートの集計によると、学習がわかりやすくなったと思う生徒は87%に、8割の生徒が学習が楽しくなり、やる気が増したと答えております。
そこで、他市での取り組みを踏まえ、教育委員会の考えについてお伺いいたします。
ウ、校務の一元化の校務支援システムの導入についてお伺いいたします。
社会環境が急激に変化する中で、学校が対応する課題は多様化、複雑化し、増加しております。いじめや不登校、ひきこもりへの対応、また、増加している普通学級における教育的支援の必要な児童生徒の対応、情報教育、グローバル教育推進への対応など、それらの課題を解決していくためには、教員が子どもと向き合う時間や教材研究などの事務時間を確保することが重要と考えられます。
熊本県山鹿市立山鹿中学校の堀田校長、現教育長でありますが、挑戦を新聞、ネットで目にしました。2008年度、校長として赴任当時、40人以上いた不登校生徒が4年間で1人に減少し、卒業生全員が第一希望進学を実現した記事であります。
生徒数は700名弱の規模の中学校ですが、本市の規模とほぼ変わらないと考えられます。堀田校長が力を入れたのは、教職員に時間を生み出すことであります。毎日行っていた職員朝会を週1回にし、職員会議を極力なくし、あらゆる校務にメスを入れ、教員の時間を確保しました。そして、生み出された時間をどう使うかが大切であると、どの子も自分の子どもだと思って接するよう指導したといいます。
教職員が児童生徒と向き合う時間を確保するという考えに基づき、児童生徒の情報や教材の共有化を進め、校務の軽減と効率化を図るためにネットワーク上でのサーバーで情報管理を行う校務支援システムの導入が各地で進んでおります。
導入するシステムは、1、児童生徒ごとに成績情報、保健情報または特別支援教育の情報などのデータを9年間蓄積でき、転校や進級の際にスムーズに引き継ぐことができる成績管理システム。
2、各学校から保護者に対して連絡可能な緊急連絡システム。
3、教職員の出退勤、服務管理システム。
4、児童生徒の健康管理観察や出欠、インフルエンザの発生状況などがわかる保健管理システム。
5、書類の回覧状況や備品の使用状況がわかる文書管理、備品等管理システムなど、学校事務全般に行き渡っております。
具体的には、例えば職員朝会でお知らせしていた校長、教頭などからの通達や情報書類は自動的に両面に表示されますので、各自で確認、職員会議を減らすことができます。ちなみに、見逃した、見ていないという表示は出ますし、情報や書類は見たかどうかが発信者にも報告が行くようになっております。担任が児童生徒の出欠状況を入力すれば、全教諭に状況が一目でわかり、さらには自動的に管理職や教育委員会に報告することもできます。その上、児童生徒の個人の記録が残っておりますので、自動的に計算され、成績表作成時にも反映され、転記する必要もありません。また、児童生徒の情報をデータベースに書き込むことにより、他の先生も情報を共有することができ、いじめなどを未然に防ぐことにつながります。
また、小学校では教科担任制になっておりますが、成績をそれぞれの教科の教師が打ち込むと、自動的に集約することもできます。
そこで、本市では、現在校務用の情報機器の活用をどのようになされているのか、また、砺波市教員のニーズに合った校務の一元化を図る校務支援システムを導入し、校務の軽減、効率化を図り、情報を厳格に管理すべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
以上、2項目を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
教育長 山本仁史君。
〔教育長 山本仁史君 登壇〕
○教育長(山本仁史君) 私からは、2項目め、人と心を育むまちづくりの1点目、学力向上と教員支援の施策についての御質問にお答えいたします。
まず、平成28年度の全国学力・学習状況調査の結果につきましては、議員の御発言のとおりでございました。
今回の学力調査の特徴として、今年度の中学校の結果につきましては、同じ子どもたちが小学校のときの調査結果と比べまして大きく伸びていることが上げられます。また、学習状況調査につきましては、生活習慣や学習習慣など85項目の質問がございまして、概ね全国、県平均を上回りました。
特に、地域のボランティア活動に参加する割合が高く、小学校は56.8%で全国平均を20ポイント、中学校は79.1%で全国平均を30ポイントそれぞれ大きく上回りました。これは、家庭や学校だけでなく、地域も一体となって子どもたちを育てていただいているということでございまして、この場をかりて感謝申し上げます。
次に、これらの結果の分析をもとにしたそれぞれの学校の取り組みについて申し上げます。
幾つか例を申し上げますと、日ごろの授業の中で、グラフの読み取り方について、平均や散らばり、最大値、最小値、変化の様子などの観点に沿って指導していく。とやま科学オリンピックや思考大会などの難問題に挑戦し、応用力をつける。授業の初めに漢字練習や計算練習を行う。新聞記事を要約し、自分の意見を書く。家庭学習時間を増やすために、ノーテレビデー、ノーメディア運動を行うといった実践例がございまして、今後とも引き続き基礎的、基本的な教科指導や家庭学習の充実など、全校体制で取り組んでまいります。
全国学力・学習状況調査の目的は、児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善に役立てることにあります。したがいまして、調査結果の点数もさることながら、子どもたちの健全な成長を第一に考え、教育活動に邁進していきたいと考えております。
次に、地域の教育力を活用することについての御質問にお答えいたします。
小中学校の通常学級に在籍している、発達障害があり、支援の必要な子どもたちが学校の中で友達と仲よく遊んだり、勉強したり、楽しい学校生活を送ることができるよう、全ての小中学校に合わせて14名のスタディメイトを配置しております。
また、本市では、障害の多様化や児童生徒個々の学力に応じて、個別にきめ細やかな指導、支援ができるよう、低学年支援員及び学習支援員の配置を行うなど、さまざまな教育支援策を実施しております。
これらの支援策につきましては、支援員の配置時間等の課題はございますが、一定の支援の効果が出ており、引き続き充実を図っているところでございます。
さらに、教員を支援する仕組みといたしましては、平成27年度より、教育免許をお持ちの方や教員OBなど地域の方々の御協力を得まして、学習支援ボランティア活用事業を市内全小中学校において実施しております。
このように、地域の教育力を活用して教員を支援する体制づくりと、子どもたちの確かな学力の育成に向けた環境づくりを通して今後さらなる成果が期待できるものと感じております。
本市といたしましては、今後とも地域の教育力を活用した学習支援ボランティア活用事業を充実させ、教員の支援を行っていくとともに、引き続き発達障害のある児童生徒に対してスタディメイトや学習支援員等を配置して、きめ細やかな対応を行うなどの支援体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、校務一元化の校務支援システムの導入についての御質問にお答えいたします。
まず、現在、各学校における校務事務につきましては、教員が作成した表計算ソフトで指導要録や通知表などの事務処理を行っておりますが、同じ情報を何度も記入する転記の手間がかかること、その中で生じるミスを防ぐためのチェックが多くなり、必ずしも効率的な事務とは言えない現状でございます。
そこで、これから予定しております全ての小中学校の校務用コンピューターの更新に合わせて、現在、校務支援システムの導入を検討しているところでございます。このシステムは、学習指導情報の基幹となる名簿データを一元化し、年間の校務の流れに沿った校務処理に対応するとともに、このシステムの運用によりセキュリティーの強化を図るものでございます。
去る12月7日に、このシステムを導入しております石川県中能登町教育委員会を市教育委員会職員及び学校長の代表が視察してきたところ、教員が必要な情報を共有し、教員全体で見守るきめ細やかな指導の充実等が図られていたとの報告を受けております。
市といたしましては、校務支援システムを導入することにより校務の負担を軽減した分、子どもたちと向き合う時間に用い、教育の質の向上を図りたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 嶋村信之君。
〔16番 嶋村信之君 登壇〕
○16番(嶋村信之君) 次に、安心・安全なまちづくりについてお尋ねをいたします。
今年夏の台風大雨災害は、全国各地に大規模な災害をもたらしました。災害発生時には災害対策基本法に基づき、予防、応急、復旧、復興というあらゆる局面に応じ,国と地方公共団体の権限と責任が明確化されました。
地域防災計画では、防災体制の確立、防災事業の促進、災害復旧の迅速、適切化等を定めており、さらには多様な災害発生に備え、地域防災マニュアルや避難所運営マニュアル等を整備することになっております。
熊本地震、鳥取地震や今夏の台風災害では、一部自治体の避難所運営に自衛隊職員がかかわったことにより、災害対応に支障を来すケースも見られました。国や県との連携や窓口支援の受け入れなど、自治体職員は特に初動期において多忙を極めております。この間に職員がさまざまな事情から避難所運営に当たってしまうと、被災者救助を初め、災害救助に重大な影響を及ぼし兼ねません。
そこで、1点目、砺波市の避難所運営についてお尋ねいたします。
そこで、ア、内閣府が公表している避難所の良好な生活環境の確保に向けた取り組み方針には、市町村の避難所関係職員以外の者でも避難所を立ち上げることができるよう、わかりやすい手引き、マニュアルの整備が必要であるとなっております。砺波市においては、平成20年3月に作成済みですが、近年の災害多発の状況に、早急に避難所運営マニュアルの見直しが必要と思われますが、その対応についてお尋ねいたします。
イ、内閣府公表の避難所運営ガイドラインには、避難所生活は住民が主体となって行うべきものとなっておりますが、災害発生時の避難所運営の流れはどうなっているのか、とりわけ初動期の避難所にあっては、地元住民の避難者が大半であることから、初期避難者の中から代表者を選び、避難所の運営組織をつくることになっておりますが、どうなっているのでしょうか。
ウ、内閣府の避難所の良好な生活環境の確保に向けた取り組み方針には、地域住民も参加する訓練をすることとなっておりますが、避難所運営マニュアルに基づく避難所設営の訓練の状況について。
エ、熊本地震では、最大1日1,400も超える他の自治体職員の派遣を受け入れました。内閣府の避難所運営等の基本方針によると、避難者のニーズの把握や他の地方公共団体等からの応援及びボランティア等の応援団体の派遣調整等とする避難所支援班を組織しとありますが、砺波市では避難所支援班はどのように組織され、災害時にはどのような動きをされるのか。
オ、台風10号で被災した岩泉町では、避難所運営マニュアルが整備されていたにもかかわらず、役場職員が初動期の避難所運営に携わった。このことは円滑な災害対応に影響を及ぼし兼ねないことであり、砺波市においても、マニュアルにある災害発生時の職員の動きを再度点検し、住民の安心・安全確保を期すべきと思うが、どうでしょうか。
結びに、市政をつかさどる立場として、常に公正公平な市政、市民奉仕の市政を実現し、砺波市の限りない発展と五万市民の幸せを実現するために誠心誠意努力してまいりますことを願うものであります。
以上、終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
企画総務部長 横山忠司君。
〔企画総務部長 横山忠司君 登壇〕
○企画総務部長(横山忠司君) 私からは、3項目めの笑顔があふれるまちづくりについての1点目の災害発生時における避難所運営についてお答えいたします。
まず、避難所運営マニュアルの作成についての御質問につきましては、先ほどの山本篤史議員の御質問にお答えしたとおりでございまして、自主防災組織や防災士等の関係の方々等の御意見も伺いながら、必要な改正に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、災害発生時の避難所運営の流れについての御質問にお答えいたします。
本市における避難所運営の流れにつきましては、砺波市地域防災計画並びに砺波市避難所運営マニュアルに基づき、自主防災組織が中心となり、地域の実情に応じて、地域の共助力によって運営していただくことになっております。
本年8月に実施いたしました富山県並びに砺波市総合防災訓練の中でも、庄東4地区それぞれにおいて、住民避難訓練と合わせて地区主要避難所開設訓練が実施されており、特に初動期の対応については、自主防災組織の代表者が中心になって避難所の開設や運営が行われたところでございます。
また、市職員につきましても、地区連絡員として2名を各地区主要避難所へ派遣し、自主防災組織と連携を図りながら、市災害対策本部へ避難所の状況等を報告する訓練も合わせて実施したところでございます。
なお、避難所運営マニュアルで規定しております施設管理者を含む避難関係者による避難所運営委員会等の組織については、これまでのところ設置されている地区はないことから、今後、避難所運営委員会の設置や避難所施設利用計画の作成について、自主防災組織等とも取り組んでまいりたいと考えております。
次に、避難所運営マニュアルに基づく避難所運営の訓練の実施状況についての御質問にお答えいたします。
避難所の運営訓練につきましては、各地区自主防災組織が中心となり、毎年、各地区の防災訓練の被害想定に基づいて実施されているところですが、地区によっては自治会単位の避難所までの訓練で終えている地区もあり、必ずしも全地区が各地区1カ所を指定されている主要避難所への避難訓練及び避難所運営訓練を行っている状況にはないと承知しております。
そこで、新年度において、全地区に移動系防災行政無線を配備したいと考えておりまして、これに合わせ、無線対応訓練とともに、市内全地区において主要避難所の開設や運営訓練を行っていただくことで、実効性のある訓練となるよう働きかけてまいりたいと考えております。
次に、避難所支援班はどのように組織され、災害時にはどのような動きとなるのかの御質問にお答えいたします。
本市における避難所の支援につきましては、砺波市地域防災計画に基づき、砺波市社会福祉協議会が災害救助・ボランティア支援班として、災害救援ボランティア本部運営マニュアルに基づいて実施することとしており、毎年、市と連携し、市総合防災訓練の会場内でボランティア受付班、ニーズ受付班などの受付窓口を設置することで、被災者の要望と派遣者をマッチングさせる調整等の訓練を行っております。
ただ、一方で、議員が述べられましたように、市町村の災害対策本部のもとに避難所運営支援班を組織し、避難所運営を的確に実施することが望ましいとされていることから、今後、地域防災訓練や受援計画の中で設置について検討してまいりたいと考えております。
次に、マニュアルにある災害発生時の職員の動きを再点検し、住民の安心確保を期すべきと思うがの御質問にお答えいたします。
本市の大規模な災害時おける職員の対応につきましては、毎年実施しております市総合防災訓練において、砺波市地域防災計画及び砺波市震災対応マニュアルに基づき訓練を実施し、災害時の対応に備えているところでございます。
また、本年の4月と5月に発生いたしました暴風時、9月から10月に多発いたしました台風時におきましては、市災害警戒本部を設置し、砺波市防災行動計画タイムラインに基づき市民への安全対策を事前に講じるとともに、被害状況の確認、被害のあった市民への支援及び対策等について早期に対応し、市民の安全で安心な生活を確保するよう努めてきたところでございます。
なお、議員御提言のとおり、市並びに市職員における災害時の初動対応は大変重要であると認識しておりますので、災害時における各種マニュアルを再点検するとともに、近年のさまざまな災害にも迅速に対応できるよう、日ごろからの訓練を重ね、引き続き市民の安全で安心な生活の確保に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 5番 雨池弘之君。
〔5番 雨池弘之君 登壇〕
○5番(雨池弘之君) それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、質問と若干の要望並びに提案をさせていただきます。
まず、第1項目め、移住・定住の促進対策についてお伺いします。
富山県が発表した国勢調査によりますと、2015年10月1日現在の県人口は106万6,328人と、前回調査を2万6,919人下回り、4回連続で減少し、減少率は2.46%とあり、県内で人口が増えたのは舟橋村だけで、残る14市町は全て減少したと、砺波市では4万9,000人で、410人の減で、減少率は富山市と同じ0.8%でありましたが、人口は氷見市を上回り、県内5番目の市となったのであります。
さて、このたび夏野市長は、「もうひとつ上の“となみ”」第2ステージとして3つの施策、人口増対策、子育て支援、防災対策、情報発信を掲げ、当選されました。1期目では、人口減少の抑制対策の一つとして家族に視点を当て、家庭内での子育てや介護など、世代間で支え合うことが重要であるとされ、平成27年度より、3世代同居推進事業に全庁的に取り組み、散居で3世代グッとなみ充実予算と題し、3世代子育て応援給付金給付事業ほか、8事業に取り組まれたのであります。
ところで、3世代同居とは、3世代以上が同一敷地内または隣接する地域に居住していることとあります。
そこで、この平成27年度の実績を見てみますと、私も利用させていただきましたが、孫とお出かけ支援事業の人気が高く、ほぼ予算額どおり執行されていますが、残念ながら定住促進・空き家利活用補助金は、利用実績がゼロであります。そのほか、高齢者ちょっとねぎらい事業や介護者もちょっと一息事業等においても、利用実績が低いようであります。
家庭内での子育てや高齢者介護など、世帯間で支え合う3世代同居推進事業は大変意義ある事業と思います。
そこで、これら利用実績が低い事業等について、現在、庁内でも検討会を立ち上げ協議中と聞いていますが、同一敷地、隣接にとらわれることなく、砺波市内であれば交付対象とする等、対象条件の緩和を図るべきと思います。それが定住と人口増対策につながるものと考えますが、いかがでしょうか。市当局の考えをお伺いします。
次に、先の9月議会での山本善郎議員の定住・移住対策の現状と支援対策の質問に対し、“となみ創生”まちづくり総合戦略に基づき、移住や定住を推進する事業を積極的に実施している。今年度から新たに本市出身の若者たちをターゲットに、市内で開催される同窓会等を支援するふるさと回帰同窓会支援事業を創設するとともに、Uターンした大学生に対し、その奨学金の返還を減免する未来応援型奨学金制度を県内他市に先駆け新設したところである。
また、住みよさランキングにおいて全国3位と高い評価をいただいた。この全国トップクラスの住みよさをさらに広くPRするとともに、これら各種施策を積極的に推進することで、移住・定住につなげていくと答弁されていますが、私は、住みよさも大切であるが、砺波市では産み育てやすい環境が整っており、住んでみたい市となるよう、今以上に各施策に取り組むべきではないでしょうか。
こんな例があります。結婚した若者が、市内に勤務地があるにもかかわらず、住居を隣の市に転居されるとあります。理由を聞くと、夫婦で移住したら100万円の奨励金が交付されるからとありました。このように現代の若者たちはドライであります。
平成26年9月議会において、人口増対策として、合併前の庄川町の例を挙げ、各種定住促進奨励金交付事業に取り組むべきと質問をしたところ、人口増対策にはさまざまな施策と連携していくことが大切である。本市の豊かさや暮らしやすさを高めることが、まず重要であると考えている。個々に対する補助制度は、補助制度自体を排除するものではないが、当面は移住・定住者、個々に対する補助制度は現段階では考えていないと答弁されていましたが、人口減少が著しい他市町においては、UIJターンに対する助成や、結婚新生活支援と人口増対策に向け、各種施策に取り組んでおられます。
そこで、改めて人口増対策の一環として、個々に対する各種補助制度を検討されてはいかがでしょうか。市当局の考えをお伺いします。
次に、過日、総務文教常任委員会で、NPO法人ふるさと回帰支援センターを視察してきました。支援センターには、東京、大阪、愛知県を除く44道府県が、また、350の自治体が加入しており、富山県内ではブース出展として高岡市や朝日町が、団体会員として魚津市や上市町が加入されております。加入すれば、セミナーの開催やホームページに月1回のイベント情報の掲載のほか、移住体験談等の特典があるそうです。
近年、移住相談に訪れる方が年々増えているとあり、2015年では2万1,584人とあります。市では大都市圏における移住・定住フェアなどに積極的に参加し、本市の暮らしの魅力や市内企業の就職情報を提供していくとして移住・定住対策に取り組んでおられますが、あまり効果があらわれていないのではないでしょうか。
そこで、ふるさと回帰支援センターに未加入とありますが、ぜひ加入され、移住希望者向け相談会やフェアに参加し、情報を発信し、移住・定住の促進を図るべきと思いますが、市当局のお考えをお伺いします。
なお、過日、ふるさと回帰フェアに出展されるとありますが、その成果や反響はどうだったかあわせてお伺いし、第1点目の質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
企画総務部長 横山忠司君。
〔企画総務部長 横山忠司君 登壇〕
○企画総務部長(横山忠司君) 雨池議員の御質問にお答えいたします。
私からは、1項目めの移住・定住の促進対策についての御質問にお答えいたします。
まず、1点目の3世代同居推進事業の対象要件の緩和についてでございますが、本市では、3世代同居することで家庭内での子育てや介護、家事などに世代間の協力を得られることや、高齢者の生きがい創造、共働きによる収入向上、出生率の上昇など、人口減少を克服し、地方創生を推進する上で多くの効果をもたらすものと考え、3世代同居推進事業として、現在9つの事業を総合的に実施しているところであり、平成27年度から平成31年度までの5年間は継続する予定としております。
そこで、来年度がちょうど中間年に当たることや、制度の改善について一部要望があったことから、現在、庁内横断的な3世代同居推進事業検討委員会を設置し、事業実績等の検証、事業対象や補助額の見直し、事務手続の簡素化などについて協議しているところであり、あわせて同居要件の拡大についても検討しているところでございます。
議員からは、市内に住んでいれば全て同居とみなせばとの御提言でございます。世代間での支え合いが行き届く範囲はどの程度なのかなど、適切な近居の範囲を見極めたいということで、今検討しておるところでございます。
いずれにいたしましても、事業の検証をしっかり行い、事業効果の促進を図るため、来年度からの実施に向け、同居要件の拡大や補助額の見直しなど、制度の拡充改善の方向で検討をしてまいります。
次に、2点目の個々に対する各種補助制度についてでございます。
平成26年9月定例会でもお答えいたしましたとおり、旧庄川町で実施されておりました定住促進のための各種奨励金交付制度は、当時一定の成果があったと承知しておりますが、抜本的な人口増対策にはなっておらず、持続性のあるさまざまな施策を連携して、本市の豊かさや暮らしやすさを高めることが重要であると考えております。
そのような中で、個人等に対する補助制度といたしましては、市内の空き家を利活用される方に対し、改修等経費及び家賃の一部を助成しているほか、本市出身の若者たちをターゲットに市内で開催される同窓会等を支援するふるさと回帰同窓会支援事業や、県内他市に先駆けて新設いたしました、現にUターンした大学生に対し、その奨学金の返還の一部を減免する未来応援型奨学金制度を実施しているところでございます。
また、本市の平成27年度の社会動態が約170人の転入超過であることを考えますと、当面はこれらの制度を運用していくとともに、移住・定住したことに対する直接的な補助制度を新設するのではなく、議員が先ほど述べられたとおり、本市らしい支援策である3世代同居推進事業や都市基盤整備、雇用対策、子育て支援など、市域全体の住みよさのレベルを上げることで、移住・定住をより促進してまいりたいと考えているところでございます。
次に、3点目のふるさと回帰支援センターへの加入及び回帰フェアでの成果や反響についてお答えいたします。
本市では、都市圏からの移住・定住を推進するため、富山県やふるさと回帰支援センターが開催するふるさと回帰フェアやふるさと暮らしセミナーに積極的に参加し、移住を希望する方々の相談に応じるほか、地域おこし協力隊が主体となり、定住に向けたさまざまな支援策などを掲載した定住促進ガイドブックの作成を進めるなど、鋭意UIJターンの促進に取り組んでおります。
また、本市のホームページの活用に加え、一般社団法人移住・交流機構が運営する田舎暮らしを応援するサイト、ニッポン移住・交流ナビJOINや、富山県が運営する移住・定住促進サイト「くらしたい国、富山」などでも、積極的に情報を発信しているところでございます。
このように、ふるさと回帰センターの会員にならずとも、各種団体と連携を図りながら積極的に移住・定住対策を進めているところですが、なかなか首都圏からの移住が進まないのが現状でございます。
議員御提言のとおり、ふるさと回帰支援センターの会員となることで、会場使用料の無料化や同センターホームページへの情報掲載、ふるさと回帰フェア出展料の割引などの特典が用意されるなど幾つかのメリットもございますので、今後、加入することによる移住促進効果などを検証し、加入の可否について判断してまいりたいと考えております。
なお、お尋ねの各種相談会への参加状況でございますが、本年度はふるさと回帰フェア等の相談会に2回、ふるさと暮らしセミナーに1回参加しており、これまで21人の移住・定住に関する相談に直接お答えしております。
移住希望者の方々からお話をお伺いしますと、地方の市街地への移住を希望される方が多く、また、移住後の仕事に不安を抱える方も多いことがわかりました。
このようなことから、今後はこれまでの相談会で得た情報を参考に、本市の豊かな自然に加え、商業地が整備された市街地を形成していること、有効求人倍率が高い水準で推移していること、さらには近隣都市に多様な企業が集積しており、個々の適正に応じた業種の選択が可能なことなど、それらのことを力強く発信してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 雨池弘之君。
〔5番 雨池弘之君 登壇〕
○5番(雨池弘之君) 個々の補助金のことについて再質問させていただきたいと思っております。
先ほども申し上げましたけど、昨年の国調での減少率は0.8%ということと、410人の減少ということで、他市から見れば、減少率は少ないということで、どうも危機意識が少ないのではないでしょうか。
富山県の他市では、積極的に人口増対策に取り組んでおられます。それで、砺波市においてでも人口増対策として各種補助金制度、いわゆる個々に対する補助金制度について前向きに取り組むべきと思いますが、改めてお伺いします。
○議長(今藤久之君) 企画総務部長 横山忠司君。
〔企画総務部長 横山忠司君 登壇〕
○企画総務部長(横山忠司君) 雨池議員の再質問にお答えいたします。
今ほども答弁させていただきましたとおり、本市の現状を考慮いたしますと、まずは一時的な財政支援でなく、砺波市総体としての魅力を高め、本市に住んでみたいと考える方を増やすことに取り組み、移住後もやっぱり本市に住んでよかったと思っていただけるような施策の推進に努めることが現時点では重要であると考えております。御理解をいただきますよう、よろしくお願いします。
○議長(今藤久之君) 雨池弘之君。
〔5番 雨池弘之君 登壇〕
○5番(雨池弘之君) それでは、第2項目めのとなみブランド、ユズについてお伺いします。
今年のゆずまつりは2日間とも天気に恵まれ、また、ユズも豊作の年であり、近年にない人手で大変にぎわったとあります。
ところで、ユズは、古くから金屋地区、中でも岩黒地内で金屋ゆずとして親しまれ、当初はほとんど農家の庭先や畑地で栽培され、露地販売されていました。この金屋産のユズは他産のものと比較して表面が粗く、でこぼこが目立ち、外見上は美しくないが、かえってユズ特有の香りを放ち、また、果肉も厚く、酸味も強いと言われ、重宝されています。
しかし、苗木を植えてから実がなるまで、実生では15から18年の長期を要することが特性で、一般的には桃クリ3年、柿8年、ユズのあほ18年と言われ、実がなる樹齢に達するのに長期を要し、栽培技術も明確でなく、長年放任樹が多かったとあります。また、実は隔年ごとに実をつけることが甚だしく、生産が不安定であり、栽培上の大きな問題でありました。
これらの諸問題を解決するため、庄川ゆず研究会が中心となり、県の指導を受けながら研究を重ねた結果、接ぎ木苗による結実樹齢の短縮がわかり、他県から接ぎ木苗を導入し、栽培したところ、7年目に初めて実がなり、その後、順調に実をつけ、接ぎ木苗による結実樹齢の短縮が実証され、その苗木の導入に当たっては、県外産のものより寒さに強い従来の金屋地内の在来品種系統を増殖することが大切であるとされ、接ぎ木の母樹を指定し、カラタチの木150本を親木として、県の指導を受けながら接ぎ木苗の育成を始められたが、なかなかうまくいかず、平成28年度は50本に接ぎ木を実施したが、結果はゼロに近かったと聞きました。
また、ユズは樹齢を増すごとに結実数は多くなりますが、70年以上となると、増えても実が小さく、品質も悪くなり、木の限界であると言われています。
そこで、木の更新が必要となってきますが、なかなか接ぎ木の生産がうまくいかず、苦慮されています。となみブランドのユズが安定的に生産され、今後も特産品として販売できるよう、まず、接ぎ木苗等、樹木の確保に向け支援していくべきと考えますが、市当局の考えをお伺いします。
次に、このユズの隔年結実に対応するため、接ぎ木不足でもありますが、生産地の拡大を図るべきと思います。
ところで、中山間地域チャレンジ事業により、平成28年度に栴檀山地区において耕作放棄地を活用し、40本の高知産の接ぎ木苗を定植するとあります。
そこで、庄川ゆずの原産地である庄川町金屋地内の現ゆず団地の高台の耕作放棄地に新たなゆず団地を拡大し、ユズの量産を図るべきと思いますが、市当局の考えをお伺いします。
また、生産者の高齢化が進んでおり、特に大木の手入れが大変であり、後継者の不足も心配されており、今後低木化に取り組むべきと思います。
次に、過去に害虫の大発生でユズの収穫が皆無となったが、一般防除を実施した結果、生産量は一時落ちたものの、それ以降、防除意識が高まり、ユズの栽培に本格的に取り組むようになったとあります。
その後、昭和46年に米の生産調整の永年転作物としてユズが着目され、まち全体で約1,500本が植えられ、それが今日、贈答用として販売されているのであります。
ところで、今年もゆずまつりが開催され、多数の方々が水記念公園に来場され、大変にぎわったところであります。しかし、ユズの販売は、祭前後のみ売れる傾向にあり、この販売体制も検討すべきであると思いますが、市当局のお考えをお伺いします。
次に、庄川峡観光協同組合では、庄川ゆずを使ったユズの加工品ゆずまるを庄川地域のみで限定販売したところ、大変好評であるとあります。このほかゆずサイダーと飲料水も販売されていますが、もっとユズの加工品を使ったスイーツ等の新規開発に取り組み、となみブランド、ユズの情報発信に努めるべきと思いますが、市当局の考えをお伺いします。
その加工品をつくる庄川町柚子加工センターは、昭和60年に建設されたもので、施設の老朽化が著しく、建屋、機械装置等は更新時期に来ているのではないでしょうか。
以上で第2点目の質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
商工農林部長 牧野裕亮君。
〔商工農林部長 牧野裕亮君 登壇〕
○商工農林部長(牧野裕亮君) 私からは、2項目めのとなみブランドゆずについてのうち、まず、1点目のゆずの安定生産に対する支援についての御質問にお答えいたします。
庄川ゆずの安定生産に向けた支援といたしましては、ユズの樹木が老齢化し、年々実のつきが悪くなっていることから、ユズの安定的な生産には、まずは若木を定植することにより樹木の若返りを図ることが重要であり、市単独の苗木育成事業を実施しているところでございます。
この事業では、議員からも御紹介もありましたが、耕作放棄地を活用して、平成24年春に台木となるカラタチを定植し、平成26年春より毎年100本程度の接ぎ木を実施しております。
今春には、生育が良好であった苗木20本を初めてゆず団地内の農地に定植したところ、秋には8本に実がついたところであり、非常に短期間で実がついたことから、今後の生育等を大いに期待しているところでございます。
一方、議員が述べられましたとおり、3年目の本年の接ぎ木につきましては、本年が暖冬であったことから、穂木を採取する2月の段階で生長が既に始まっていたことや、4月の接ぎ木時までの冷蔵貯蔵がうまくいかなかったことから、接ぎ木の活着、成功率が極めて低くなったところであり、接ぎ木技術の確立が喫緊の課題となっております。
このため、今冬、金屋ゆず生産組合では、かんきつ類の接ぎ木技術を有する県外の機関で研修を受け、来春の作業や活着率の向上を図っていくこととされております。
次に、2点目の新たなゆず団地の拡大及び低木化についての御質問につきましては、ユズの特徴である表作、裏作が生じる隔年結果に対応するため、ユズの樹木を増やす取組みが必要となっておりますが、金屋ゆず生産組合では、新たな生産者の参入がない中で、作業性、管理面等から新たな土地での面積拡大は難しい状況となっております。
このため、組合では、現ゆず団地内の老木の更新を行うことにより安定生産を図ることとされておりますので、本市といたしましても、苗木育成事業などによりこの取り組みを支援してまいりたいと考えております。
次に、低木化につきましては、金屋ゆず生産組合では生産者の高齢化が進む中、収穫時及び雪つり時等の安全な作業が求められることから、近年、芯木の先を剪定し、樹高を抑え、低木化を進められているところであります。
また、新たに定植される際には、収穫時にはしごをかけることを考慮し、あぜから一定の距離を離し樹木を植えられるなど、作業時の安全性確保のための取り組みが行われており、県農林振興センターでは、今後とも生産者の高齢化に対応した技術指導を行っていくこととされております。
次に、3点目のゆずの販売体制について及び4点目のスイーツ等の新規開発についての御質問は関連がございますので、あわせてお答えいたします。
庄川ゆずの販売につきましては、金屋ゆず生産組合ととなみ野農業協同組合を中心に行われており、議員も述べられましたが、これまでゆずまつりでの販売が主となっております。
本年は、新たな販路開拓の取り組みとして、東京の県アンテナショップ、日本橋とやま館のレストランでの食材活用や有楽町のいきいき富山館での生ゆずの販売などを試行されたところでありまして、来年も販売等を継続されると伺っております。
また、市農商工連携推進協議会が市内大型商業施設において今年初めて開催しましたとなみめぐみフェアへの出品や、もっともっと地産地消推進事業による実需者との情報交換会をきっかけにして新たな商品開発に向けた商談や店頭販売にもつながったことから、本市といたしましては、今後ともこうした販路拡大の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
次に、今年度のように豊作であった場合には、生ユズでの販売だけではなく、ユズの加工品を活用した商品の販売が需要の拡大に結びつくことから、ユズの加工品を活用して商品開発に取り組んでいただくことが必要であると考えております。
そこで、庄川ゆずの加工品を活用したスイーツ等の新商品開発につきましては、庄川ゆずの特徴である香りと酸味を生かして、議員御紹介のゆずまるのほか、これまで農商工連携推進協議会の会員が砺波市地域資源活用事業、農商工連携事業補助金を活用し開発しましたゆずケーキの「ゆずりあい」や、砺波市観光協会が砺波市オリジナルスイーツ開発事業補助金を活用して開発した「庄川YUZUマドレーヌ」、「柚子のガナッシュエゴマワッフル」などがございます。
これら開発商品につきましては、砺波市観光パンフレット、新たにつくりました「Tonavi」やPRチラシ、観光協会のホームページ等で積極的にPRするとともに、道の駅やJR砺波駅の観光案内所、各イベント会場などでも販売しているところでございます。
議員御提案の庄川ゆずの加工品を使った新規のスイーツ等の開発の取り組みにつきましては、市といたしましても、庄川ゆずの関連商品が増えることで、となみブランドである庄川ゆずの認知度の向上も図られるものと考えておりまして、今後ともユズ加工品の生産や新たな商品開発の取り組みに対して、関係機関と連携しながら積極的に支援してまいりたいと考えております。
また、となみブランドである庄川ゆずの情報発信につきましては、PRチラシやポスター、広報、ホームページでの周知に加えまして、観光キャンペーンや各種イベント等でのさらなるPRにも努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 雨池弘之君。
〔5番 雨池弘之君 登壇〕
○5番(雨池弘之君) それでは、最後の質問、地域遺産である金屋石についてお伺いします。
過日、縁があって石川県内の金澤神社に参拝してきました。そこには辰巳用水建設の偉業をたたえ、土木開発の神として板屋兵四郎が祭られている板屋神社の遥拝所があり、その遥拝所の前に辰巳用水で使用されたとして金屋石の石管が展示されていました。
伝えによりますと、加賀藩は金沢城の再建に金屋石を使ったと言われています。再建に当たり、町人の板屋兵四郎に命じ、城から10キロメートル隔てた犀川の上流の上辰巳からサイフォンを利用して城内に飲料水を送る工事をさせたとあり、そのときの送水管に金屋石2,000本を使ったとの伝承があります。運搬は千保川を川船で下って、伏木から外海船によって能登半島を回って金沢に近い金石港に運ばれたと、その海上輸送に銭屋五兵衛が当たったとあります。その関係もあり、その金屋石の石管の一部が銭屋五兵衛記念館に展示されていました。
ところが、この展示に当たっては、辰巳用水が金沢市の記念物史跡に選定されており、その送水管に金屋石が用いられているということで、簡単に貸し出しがされず、今回特例で展示しているとありました。このように金沢市では大切に取り扱っておられます。
そこで、砺波市においては、金屋石採掘跡はふるさと文化財として登録されていますが、金屋石の石管についても検討すべきと思いますが、市当局の考えをお伺いします。
次に、砺波地方一帯には、幕末、明治期にかけて石仏が約5,000体設置され、そのうち約8割に金屋石が使用されており、砺波地方は石仏の博物館と言われています。
その他県内では十二貫野用水の竜ノ口用水に、また、庄川地区内では建物の基礎石や石碑等に幅広く利用されており、まさに市民の宝であると思います。
ところで、金屋石マップやリーフレット及び採石の道具や石管等がふれあいプラザに展示されていますが、散居村ミュージアム等他の施設でも広く展示し、金屋石の魅力を情報発信すべきと思いますが、市当局の考えをお伺いします。
次に、日本鉱物科学会では、一般社団法人化したことを受け、記念事業の一環として、日本の石にひすいを選定したとあります。また、日本地質学会では、5月10日の地質の日に県の石が発表されましたが、富山県の石として、岩石ではオニックスマーブル、鉱物には十字石が、どちらも主要産地は宇奈月町であります。また、化石には八尾層群の中新性貝化石群が選定されていますが、残念ながら金屋石は選ばれませんでした。
なお、認定に当たっては、選定以外にも各地区には選び切れないほどすばらしい岩石、鉱物、化石が多々あり、選考は苦渋の選択であったとあります。
ところで、この金屋石については、金屋石を語る会が中心となって歴史遺産として継承しようと取り組んでおられますが、市においても、この市民の宝である金屋石を砺波の石として登録し、情報発信されてはいかがでしょうか。市当局の考えをお伺いし、私も一般質問を終えさせていただきます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局長 三部隆雄君。
〔教育委員会事務局長 三部隆雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(三部隆雄君) 私からは、3項目めの地域遺産である金屋石についてのうち、まず1点目の金屋石の石管を「ふるさと文化財」に登録してはとの御質問にお答えをいたします。
文化財につきましては、文化財保護法において、幾つかの種類に分類されており、まず、建造物、絵画、彫刻、工芸品、古文書などのほか、有形の文化的所産で、我が国にとって歴史上または芸術上価値の高いものや、考古資料、その他の学術上価値の高い歴史資料が有形文化財とされております。
また、演劇、音楽などが無形文化財、衣食住、なりわい、年中行事に関する民俗芸能、民俗技術等に用いられる衣服や器具などの民俗文化財、このほか、記念物や文化的景観、そして伝統的建造物群と、全部で6つの種類がございます。
教育委員会では、これらの6つの種別のうち、有形文化財、無形文化財、そして民俗文化財、記念物に準じる文化的財産であって、国、県、市の指定を受けていないものについては、ふるさと文化財に登録することができることとしており、現在、54件を登録しているところでございます。
そこで、金屋石の石管をふるさと文化財にしてはとの御提言でございますが、金屋石は、やわらかい緑色凝灰岩であるため加工がしやすく、弾力性に富んでおり、御紹介にありましたように、金沢城や金沢の辰巳用水で使用されていたとの言い伝えもあり、歴史的に価値があるものと考えております。
しかしながら、市内に現存する10本の石管は、それらの製造時期や使用されていた場所が不明であることなど、文化財として登録するのに必要な情報を備えていないことから、残念ながら石管そのものをふるさと文化財として登録することは困難であるというふうに考えております。
このようなことから、金屋石につきましては、歴史上価値のある金屋石採掘跡を史跡としてふるさと文化財に登録いたしておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
次に、2点目の他の施設でも展示し、金屋石の魅力を情報発信すべきではとの御質問にお答えをいたします。
金屋石の情報発信につきましては、庄川水記念公園や庄川ふれあいプラザにおける展示に加え、リーフレット「金屋石」を発行したほか、デジタルミュージアム「砺波正倉」において情報発信に努めるとともに、この10月22日から12月4日までの間、庄川水資料館において「金屋石のひみつ」と称した展示を行うなど、金屋石の魅力を関係団体とともにPRしてきております。
しかしながら、金屋石も含め、殊、市の魅力に関する情報発信ということにつきましては、これで十分ということはございません。今後とも庄川ふれあいプラザ以外の公共施設での企画展においてその内容を検討し、金屋石の魅力発信に努めてまいりたいと考えております。
次に、3点目の砺波の石として登録してはとの御質問にお答えをいたします。
本市では、現在、砺波市の花や木、花木、鳥を制定しておりますが、石について定めてはおりません。また、県内他市におきましても、市の石を制定されているところはございませんが、近いところでは新潟県の糸魚川市がひすいを市の石とされておりまして、宝石として親しまれているほか、産出地が国の天然記念物に指定されておりまして、現在、そこでの採掘はできませんけれども、海岸などで採取することができ、周辺地域のみならず、広く全国に浸透しているところでございます。
そこで、金屋石を砺波市の石として登録することにつきましては、今、糸魚川市の例にもございましたように、その知名度や活用度がポイントになります。現在、金屋石のそのもの名前の浸透度合いが不明なこと、あるいは、金屋石が現在採掘されていないことによる新規の活用がなかなか見込めないのではないかといったようなことなどから、新たに砺波市の石として制定することは難しいものと現在のところは考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 以上をもって、本日の日程を終了いたします。
次回は、明12月13日午前10時から再開いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
どうも御苦労さまでした。
午後 3時39分 閉議