1.会議の経過
午前10時00分 開議
○議長(今藤久之君) ただいまの出席議員は20名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめお手元に配付してあります議事日程第3号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
○議長(今藤久之君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問並びに議案第1号から議案第21号まで、平成29年度砺波市一般会計予算外20件について、及び報告第1号 専決処分の報告についてを議題といたします。
昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
7番 川辺一彦君。
〔7番 川辺一彦君 登壇〕
○7番(川辺一彦君) 皆さん、おはようございます。
議長より発言の許可を得ましたので、早速、質問に入らせていただきます。
初めに、地域ブランド化の取り組み支援についてのうち、まず、チューリップ球根ネット栽培機械の小型、軽量化とネット栽培作業体系の確立についてお伺いいたします。
この件につきましては、先の定例会において山本善郎議員からも質問されていましたが、そのときの御答弁では、平成28年度の事業として、ネット栽培機械の小型、軽量化の調査研究を行い、国内農機具機械メーカーの協力により、小型、軽量化の方策の検討が進められているとのことでした。そして、今年に入り、農林水産省の平成28年度補正予算、革新的技術開発・緊急展開事業、経営体強化プロジェクト事業の採択を受ける準備をされており、早期における試作機械の完成が期待されるところです。
そこで、市長は、よく口にされていたオランダで開発された富山県型ネット栽培機械がベンツとすれば、軽四自動車並みの大きさまでにコンパクト化したいとのことでしたが、現在の研究段階では、どれぐらいの大きさを想定されているのでしょうか。また、小型、軽量化した場合、植え込みと掘り取りの両機能を備えることはできるのでしょうか。そして、試作機の完成はいつごろを見込まれているのでしょうか、夏野市長の御所見をお伺いいたします。
加えて、平成29年度事業において、チューリップ球根ネット栽培体系確立事業956万円が計上されております。これは、オランダで開発されたネット栽培機械により掘り取った球根の事後処理を行うものなのでしょうが、それによる作業軽減効果はどのように捉えているのか、また、ネット栽培していない球根栽培農家も利用可能なのでしょうか、あわせてお聞かせください。
次に、チューリップ球根の輸出販路拡大の展望についてお伺いいたします。
昨年、26年ぶりに日本産のチューリップ球根が輸出されることとなりました。市長を初めとする砺波市、及び花卉球根組合を初めとする関係各位の御努力に敬意を表する次第です。
そして、来年度の事業計画にも、チューリップ球根の海外販路開拓事業として150万円計上されました。突破口を開かれた翌年の間髪入れずの対応は、この先の事業展開にさらなる期待が持てるものとうれしく思います。
そこで、販路の開拓先は、昨年に引き続き台湾だけなのでしょうか。台湾の嘉義市だと、平均気温は日本に比べて高く、開花調整や輸送手段などまだまだ問題も抱えておいでのことと察するのですが、輸出における現状での成果と今後の取り組み方はどのようにお考えなのでしょうか、夏野市長にお伺いいたします。
次に、タマネギ生産施設の拡充、それに伴う作付面積の拡大と栽培技術体系の確立についてお伺いいたします。
先般の新聞報道に、富山県、1億円産地づくり事業における平成28年度の予想販売額が12億2,000万円と、平成22年度から事業スタート以来、初めて10億円を突破する見込みだと報じられました。その中の約40%に当たる4億8,600万円を占めるのがJAとなみ野のタマネギであり、そのうち砺波市は、約66%、3億2,300万円の貢献度があったことになります。
このことは、JAとなみ野が農業者の経営安定化に向けた複合経営の一環として、平成21年度から取り組み、国、県、市からの資金助成や栽培技術、そして、生産者各位の努力により今日の成果につながったものであり、砺波型農業における所得の向上とさらなるタマネギ一大産地化に拍車がかかっていくものと期待しております。
このように平成28年産のタマネギは、JAとなみ野管内の作付面積で104ヘクタール、出荷量5,340トンと、当初の目標の作付面積100ヘクタール、施設処理能力3,500トンを一挙に超えたのですが、一昨年から20ヘクタールも増えた栽培面積に加え、天候の恵みも受けたタマネギは、急激な生産量の増加となり、結果、乾燥、選別の施設能力が追いつかず、腐敗タマネギの発生を招いたり、低販売価格での生出荷を余儀なくされました。
JAとなみ野は、この事態を改善するため、富山県や砺波市の指導を受け、このたび、国の平成28年度補正予算である産地パワーアップ事業によるタマネギ乾燥冷蔵貯蔵施設及びタマネギ選別施設能力増強事業の採択を得るため準備されていると伺いました。そして、この事業の採択要件として、現在の作付面積の約2倍となる200ヘクタールを早期に達成するよう求められているとも伺いました。平成28年産の砺波市の作付面積は69ヘクタールでしたから、約140ヘクタールを目指さなければなりません。タマネギの一大産地として着実に進展していくことは大変うれしく思いますが、急激な生産拡大による弊害も心配されるのです。
そこで、このたびの平成28年度補正予算事業によるタマネギの生産拡大を砺波市としてはどのように捉えておいでなのでしょうか。そして、タマネギ施設の設備などは何がどのように拡充されるのか、現状より2倍となる作付面積の早期達成に向けた方策はどのようにお考えなのか、また、平成29年産タマネギの定植時に種子の発芽不良等による苗不足が発生しましたが、今後の栽培技術体系の確立は確保していけるのでしょうか、お伺いいたします。
次に、中山間地におけるタマネギ栽培の可能性と推進についてお伺いいたします。
今ほど申し上げました面積要件の達成には、圃場面積が大きい平野部での拡大が容易であると思いますが、これを機会に中山間地での栽培圃場を推進されてはいかがでしょうか。
中山間地といいましても、圃場の高低差が少ない裾野のほうからがよいと思われますが、石の少ない土壌におけるタマネギ栽培は良品質な生育が期待できますし、何といってもイノシシに強いと思われますので、中山間地におけるタマネギ栽培の可能性と推進についてのお考えをお聞かせください。
これで、1項目めの質問を終わらせていただきます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 私からは、1項目めの地域ブランド化の取り組み支援についてのうち、1点目のチューリップ球根ネット栽培機械の小型、軽量化とネット栽培作業体系の確立についての御質問にお答えをいたします。
平成27年度に開発いたしましたネット栽培機械につきましては、大型で、車両重量も重く、土壌水分の多い本県の水田転換畑では稼働可能な圃場が限定されることから、全ての圃場で稼働できるよう、ネット栽培機械の小型、軽量化が課題となっております。
最初から小っちゃいのをつくりゃよかったんじゃないかという御意見もあるかと思いますが、ネット栽培のシステム自体がオランダの技術でございますので、もともとそういう小っちゃいという発想がないわけでして、第1号は、あの形でつくらざる得なかったということを御理解いただきたいと思います。
このため、今年度は、富山県花卉球根農業協同組合を中心とした協議会におきまして、国の革新的技術開発・緊急展開事業、個別・FS型を、FSというのはフィジビリティスタディ、実証型ということですが、活用して、ネット栽培機械の小型、軽量化について調査研究を行ってまいりました。
そこで、小型、軽量化で想定する機械の大きさでございますけれども、現行のネット栽培機械は自走式ですが、研究では、トラクターのアタッチメントタイプとして開発を進めておりまして、機械自体の大きさは、現行と比べてかなりコンパクトなものになるというふうに思います。ただ、油圧が必要ですので、そのトラクター自身も小っちゃいトラクターではちょっと厳しいかもしれません。
また、現行のネット栽培機械は大型で、旋回半径が大きいことから、稼働可能な大きさの圃場が限定されますが、開発中のネット栽培機械は、駆動部をトラクターとしておりまして、旋回半径が小さくなることから、比較的小規模な圃場でも作業が可能となりまして、圃場の利用効率が10%から15%程度上がるのではないかということで、作付面積自体も拡大して、収穫量の増加も期待されるというふうに考えています。
次に、汎用機械開発に向けました本格的な研究は、現在申請中なんですが、革新的技術開発・緊急展開事業の経営体強化プロジェクト事業で、去年のとはちょっと名前が違うんですが、実施していく予定としておりますが、植え込みと掘り取りについては、小型、軽量化ということですので、別々な機械になるというふうに考えております。完成は、平成31年度の予定と想定しております。
次に、新年度予算に計上いたしましたチューリップ球根ネット栽培体系確立事業につきましては、ネット栽培機械で大量に収穫されました球根を処理するために水洗い機ですとか、コンベアーを導入して、水洗いシステムを構築するというものであります。このシステムの構築によりまして、水洗い処理の作業時間につきまして、県球根組合の試算でございますけれども、従来の10アール当たり6.5時間に対しまして2.0時間と、2時間ということですね、大幅な短縮が見込まれるということでございます。
なお、この水洗いシステムの利活用につきましては、今後、県球根組合で検討されるということになりますけれども、チューリップ球根を生産するどの農家も利用できるよう調整する方向であるというふうに聞いております。
砺波市といたしましても、チューリップ球根のネット栽培は、作業の省力化、それから、単収の向上、また、生産コストの削減など、チューリップ球根の生産体系を劇的に変化させる栽培技術であるとともに、ネット栽培の普及が新たな担い手の参入ですとか、農家所得の向上など、本市のチューリップ産業の振興にもつながるということから、今後とも関係の機関としっかり連携して、ネット栽培体系の確立に向けて支援をしていきたいというふうに考えております。
次に、2点目のチューリップ球根の輸出販路拡大の展望についての御質問にお答えいたします。
チューリップ球根の輸出につきましては、今年度、県の球根組合とともに、地方創生加速化交付金を活用いたしましたチューリップ球根の海外販路開拓事業という形で取り組んだ結果、台湾の嘉義市政府が8,000球の球根を購入されまして、本当にわずかでありますけれども、26年ぶりに球根の輸出が再開したというところでございます。
なお、台湾につきましては、砺波チューリップフェアに多くの台湾人の観光客の方が来ていただいておりますので、チューリップへの関心ですとか、評価が高いということ、それから、砺波の高い冷蔵処理技術を活用して、冬のない温暖な台湾でも嘉義市は、その嘉義市というのは台湾の中でも熱帯と亜熱帯の境にあるということですから、こういった厳しい条件で開花させることができれば、ほぼ台湾全土で開花が可能になるということで、それがビジネスチャンスになるんだろうということで、平成2年以来途絶えていた球根の輸出再開を目的に販路拡大に取り組んだところであります。
また、今年度の事業では、御紹介の嘉義市の政府を初め、その他チューリップを栽培する台湾の観光農園4カ所に、合わせて2万5,000球余りのチューリップ球根を提供しまして、県産のチューリップ球根の生育調査等を実施いたしました。観光農園の評価につきましては、もう品質については、生育のよさとか開花率の高さが十分評価されまして、特に富山オリジナル品種の中でも黄小町は、花が大きくて、暑さにも強いということから高い評価を受けたところであります。
ただ、価格面では、既に一部輸入されておりますオランダ産の球根が県産球根の3分の1程度の価格で販売されています。ですから、大区画でチューリップを展開するような観光農園での購入はちょっと厳しいんじゃないかということでありましたが、一方、多品種で、少量のチューリップを、いろんなチューリップを見せているような観光農園もあります。そこは、価格が高くても、オランダから来ているものと比べて大変いい、品質のよい、また、いろんな形のある富山オリジナル品種であれば、購入を前向きに検討したいということもありました。ですから、条件によりましては、球根をある程度販売できる可能性があるということがわかったというところでございます。
こういったことですので、新年度の事業では、引き続き台湾を一応ターゲットにしていきたいと思っています。嘉義市政府の継続的な購入はもちろんなんですが、今ほど申し上げましたような可能性のあるような観光農園への積極的な売り込み、また、価格の低減に対しては、球根そのものの値段もありますが、輸送手段などの検討も必要かと思っておりまして、球根輸出の拡大を図っていきたいというふうに思っております。
新たな輸出先にも研究していきたいと思っておりますが、かつての研究では、東南アジアではさすがに難しいというような結論も出ております。そういった中で、また可能性が出るものかどうか、それについても球根組合のほうとまた相談をしていきたいなと思っています。
今年は、球根生産の、砺波の球根生産100年目の節目の年でありますので、今回の輸出の再開は、産地にとって、次の100年を開く、本当に小さな一歩ですけれども、1つになったのかなというふうに思いますし、今後ともしっかりとこの取り組みを続けていきたいというふうに思っております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
商工農林部長 牧野裕亮君。
〔商工農林部長 牧野裕亮君 登壇〕
○商工農林部長(牧野裕亮君) 私からは、まず、3点目のタマネギ生産施設の拡充、それに伴う作付面積の拡大と栽培技術体系の確立についてお答えいたします。
本市を含むとなみ野農業協同組合管内では、タマネギを戦略作物に選定しまして、平成21年産の24経営体、8ヘクタール、出荷量119トンからスタートした生産は、平成28年産では、112経営体、104ヘクタール、5,340トンまでに拡大したところでございます。
そこで、今回の国の平成28年度補正予算を活用した施設の拡充につきましては、平成30年に目標とする200ヘクタール、1万トンに対応できるよう、新たな乾燥貯蔵施設を建設しますとともに、既設の選別施設のラインを2倍にいたしまして、梱包時の重量を均一化する設備や茎、葉の裁断処理機械等を導入することが計画されているところでございます。
また、目標面積の達成に向けましては、となみ野たまねぎ出荷組合では、昨年の収穫関連機械に続きまして、定植関連機械の導入が計画されておりますなど、他産地と比較して機械化一貫体系が進んでおりまして、省力生産が図られますことから早期の目標達成が可能と見込まれております。
本市といたしましては、このタマネギの生産拡大によりまして、市内の農業者がさらに複合経営に取り組むとともに、複合経営による所得向上や稼ぐ農業の実現につながるものと期待しておりまして、事業が補助採択されるよう支援してまいりたいと考えております。
次に、栽培技術の確立につきましては、昨秋発生した苗立ち不良に対して、県農林振興センター、となみ野農業協同組合では、高温期の抑温資材による被覆の徹底や苗が細長くなる徒長苗を抑えるための適切なかん水量の徹底を指導されておりまして、専任の営農指導員の配置をしまして、きめ細やかな指導が行われているところでございます。
また、全国的にも進んだ機械化一貫体系技術やベト病などの防除を含め、基本技術に忠実な栽培管理によって、安定した栽培技術の確立が図られつつありますことから、本市といたしましても、県農林振興センターやとなみ野農業協同組合と連携して、さらなる産地化を支援してまいりたいと考えております。
次に、4点目の中山間地域におけるタマネギ栽培の可能性と推進についてお答えいたします。
本市の中山間地域でのタマネギ栽培の実績といたしましては、栴檀山地区で、1経営体が平成26年産から平成28年産までタマネギ栽培に取り組まれましておりました。平成29年産は、先ほどお話しありましたが、苗立ちが悪かったことや定植時の秋に雨が続き、圃場の状態が悪かったことなどから、現在は作付されていない状況でございます。
タマネギ栽培では排水対策が重要となりますが、中山間地域は粘土質で、湧き水があることに加えまして、日陰が多いことから積雪期間が長く、栽培可能な圃場が限られております。さらに、ベト病等の対策として連作ができず、数年間の間隔を置かなければならないことから、中山間地域で1経営体が経営する面積だけでは好条件の圃場を確保し続けるのは難しいのが現状でございます。
このようなことから、新年度、県単事業として計画されております中山間地域等担い手農地集積支援モデル事業を活用いたしまして、必要な圃場を確保することなどにより栽培の推進に努めてまいりたいと考えております。本市では、タマネギの生産体系と栽培技術の確立が図られつつありますことから、タマネギを本市農業の活性化と発展につなげる作物として、関係機関と連携しまして、市内全域でのさらなる産地化について支援してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 川辺一彦君。
〔7番 川辺一彦君 登壇〕
○7番(川辺一彦君) それでは、大きい項目の2つ目である高齢者福祉の推進についての中で、まず、砺波市における介護保険サービスの市場動向についてお伺いいたします。
平成12年4月よりスタートした介護保険制度は、17年を経過しようとしています。その間における砺波市の要支援・要介護認定者数は、平成12年当初890人だったのが、昨年12月末では2,626人と、3倍近くまで増加しており、65歳以上の被保険者数1万3,902名に占める認定率も18.9%と、全国平均、県内平均をやや上回っている状況となっています。そして、2025年には、団塊世代の皆さんが75歳以上になることや高齢者数がピークを迎える2040年にも刻々と近づいている状況であることから、今後とも持続可能な介護保険制度の構築や地域包括ケアシステムの推進に期待が高まっているのです。
そのような中、砺波市を含む砺波地方介護保険組合の管内では、今年度末までに楽寿荘ホームヘルプステーションの廃止やJAとなみ野が経営するデイサービスセンターそくさい館の廃業が決定されました。この背景には、介護する側の人材不足もあるのでしょうが、近年、着々と整備されている地域密着型サービス施設の増加や国土交通省所管のサービスつき高齢者住宅の建設等により、各施設のサービスメニューが多様化されてきたことで、高齢者や介護を必要とする利用者の流れに変化があらわれてきたのではないでしょうか。介護保険給付費の推移を見ても、平成27年度までは居宅サービス、地域密着型サービスとともに微増傾向でしたが、平成28年度に入ると、居宅サービスから地域密着型サービスへの移行が顕著にあらわれているのです。
そこで、市においても、在宅介護事業の推進や指定管理者を介したデイサービスセンター等の運営をされていますが、現在の砺波市における介護保険サービスの市場動向をどのように捉え、対処していこうとお考えなのでしょうか、齊藤副市長の御所見をお聞かせください。
次に、第6期砺波市高齢者保健福祉計画の検証と第7期計画策定への考え方についてお伺いいたします。
第6期砺波市高齢者保健福祉計画では、高齢化が一層進展する社会における介護保険サービス利用者の増加を見込み、高齢者を社会全体で支え合おうという理念のもと、地域包括ケアシステムの構築に取り組みを開始されました。平成28年度の砺波市の高齢者人口は、団塊世代の皆さんが65歳以上に入られたことで顕著に増加しておりますが、要支援・要介護の認定率は微減傾向となっていますし、介護保険給付費全体の推移でも、平成27年度より微減となっているのが現状です。また、第6期計画において、平成28年度中に整備する予定の介護施設が、経営面や介護人材不足等の影響から参入業者がなく、未整備となっている状況もあるようです。
さらには、独居高齢者世帯や夫婦のみ高齢者世帯の増加、多世代家族世帯であっても、介護のために家族が仕事を犠牲にできず、介護をできる人がいない家庭も多い状況下では、在宅介護支援のあり方にも一部に限界が見えてきているのではないでしょうか。
そこで、これらの状況も考慮され、第6期計画の最終年度となる平成29年度計画の変更はお考えなのか、また、第6期計画の検証と平成30年度からの第7期砺波市高齢者保健福祉計画策定に向けての方向性などはどのようにお考えであるのか、お聞かせください。
これで、2項目めの質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 私からは、川辺議員御質問のうち、2項目めの高齢者福祉の推進についての1点目、砺波市における介護保険サービスの市場動向についてお答えをいたします。
議員が述べられたとおり、介護保険制度は、平成12年、ちょうど2000年にスタートをいたしました。当初は、介護サービスを提供できる事業者が限られていたことや家族が世間体を気にしていたことなどから、利用者はあまり多くありませんでしたが、今日では、家族や利用者の意識の変化やサービス事業者の増加により身近な制度となり、65歳以上の6人に1人が利用されています。
一方、高齢化が進む中で、持続可能な制度とするため、最近では、自己負担の一部増加や要支援者など軽度者の新しい総合事業への移行、また、さまざまな職種が連携する地域包括ケアの取り組みなどが行われております。
そうした中で、議員お尋ねの介護保険サービスの今後の動向ですが、まず、現状を申し上げますと、地域密着型サービスの整備につきましては、認知症高齢者グループホームが市内5つの日常生活圏域にそれぞれ2カ所の整備が終了し、今年度より3カ所目の整備を始めたところであります。また、通い、訪問、泊まりの3つの機能をあわせ持った小規模多機能型居宅介護につきましては、5つの日常生活圏域にそれぞれ1カ所整備をしております。さらには、近年、介護保険以外のサービス施設として、有料老人ホームやサービスつき高齢者向け住宅、いわゆるサ高住と言われるものが次々と整備され、7施設で、定員は175人となっております。
こうした状況から、特別養護老人ホームでは、入所待機者が減少し、以前に比べて短い期間で入所が可能となっております。
一方、こうした住まいの整備は、デイサービスやショートステイを実施している事業所にも少なからず影響を及ぼし、特にデイサービス事業者においては、利用者は減少傾向にあります。
こうした傾向の背景には、若い世代を中心に家族を介護するという家族意識が薄れてきたこと、また、高齢者の中には、家族に迷惑をかけたくないという気持ちをお持ちの方もいらっしゃることから、家族にとって介護負担の少ない認知症高齢者グループホームや有料老人ホーム、サービスつき高齢者住宅への入所が増えてきていると考えております。
一方、こうした施設への入所には一定の費用がかかりますので、誰もが利用できるわけではありません。また、今後、ひとり暮らしの世帯が最も多くなると見込まれており、そうした方に対し、在宅で、1人でいても安心して介護を受けられる医療、介護、看護が連携した地域包括ケア体制の整備が急務であると考えております。
また、議員御指摘のデイサービス事業においては、例えば現在の退所時が午後4時過ぎになっていますが、この時間に自宅に帰っても誰もいなく、高齢者にとって不安が大きいことから、家族が帰宅する6時以降の迎えに対し、退所時間を延長するなどの工夫をしたり、高齢者の皆さんが楽しみややりがいを感じながら介護予防や認知症予防に取り組めるメニューを提供するなど、利用者から選択される特色ある施設運営を行っていく必要があると考えております。
介護保険制度は、日本の高齢化のスピードが世界の中でも類を見ないほど速く進み、世界の中に先例がないことから、走りながら考える制度となっております。今後も、高齢化率や家族の形態、地域でのつながり、負担能力などを考慮に入れながら、安心できる介護サービスを提供するため、バランスのとれたサービス事業者の選定を行ってまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
福祉市民部長 池田仁吾君。
〔福祉市民部長 池田仁吾君 登壇〕
○福祉市民部長(池田仁吾君) 私からは、2点目の第6期砺波市高齢者保健福祉計画の検証と第7期計画策定への考え方についての御質問にお答えをいたします。
平成27年度から平成29年度までの3カ年を計画期間とする第6期砺波市高齢者保健福祉計画は、団塊の世代が75歳以上となる平成37年、2025年に向けて、高齢者が可能な限り住みなれた地域で、その有する能力に応じて自立した日常生活ができるよう、互いに助け合い、支え合う、参加と協働の地域づくりの推進が必要であることから、「いきいき、安心、支えあい、共に暮らせる協働社会の実現」を基本理念として、健康で生き生きと過ごす環境づくり、地域で安心して暮らすための地域包括ケア体制づくり、在宅での暮らしを支える地域づくりの3つの基本目標のもと、その実現に向けて各種施策を実施いたしております。
そのような中で、第6期計画の最終年度となる平成29年度における計画の変更でございますが、介護保険施設等の整備のうち、地域密着型サービスの中の小規模多機能型居宅介護につきましては、現在、稼働率が低く、また、経営面や介護人材不足の影響などにより参入事業者が見込めない状況にありますことから、介護保険組合と協議の上、新たな整備を見合わせることといたしております。また、その他の地域密着型サービスの整備につきましては、市内及び介護保険組合管内の介護保険サービスの需要と供給の状況を分析しながら判断してまいります。
次に、第7期砺波市高齢者保健福祉計画の策定につきましては、国、県、介護保険組合と一体的に平成29年度中に作成する予定としております。
そこで、第6期計画の検証でございますが、地域密着型サービスの整備につきましては、計画どおりの整備が進んでおりませんが、有料老人ホームやサービスつき高齢者向け住宅の整備など介護保険外の施設の整備が進んだことや要介護認定者数の伸びが現在のところ想定より下回っている状況もございますので、サービスの利用状況などもしっかり検証していく必要があると考えております。さらに、今年度から実施しております新しい総合事業の成果や課題などについても検証し、今後に生かしていくことも必要であると考えております。
また、国では、平成30年度の介護保険制度の改正に向けて、高齢者の自立支援や重度化の予防などの考えを基本に、介護保険制度の持続可能性の確保と地域包括ケアシステムの進化、推進を主要テーマとして検討が進められております。
このような状況を踏まえ、第7期計画の策定に当たりましては、第6期計画の検証結果や国の制度改正に向けた検討の状況、また、介護保険組合で実施が予定されております日常生活圏域ニーズ調査なども踏まえまして、高齢者が安心して地域で生活し続けられるよう計画策定してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 川辺一彦君。
〔7番 川辺一彦君 登壇〕
○7番(川辺一彦君) それでは、3項目めの観光振興施策について質問させていただきます。
重要有形民俗文化財、砺波の生活・生産用具を核とした日本遺産認定への取り組みについてお伺いいたします。
先日、砺波市の歴史的資産、民具6,900点が国の重要有形民俗文化財として指定されました。名誉ある国の文化財に決まったことは、故佐伯先生を初めとする砺波郷土資料館のスタッフの皆様の長年にわたる調査研究の賜物であり、心より敬意を表し、感謝を申し上げる次第でございます。
この民具は、砺波平野における稲作技術の発展や農村生活の歴史を物語る貴重な資料であり、地域における先祖の営みや農業、農村の文化的位置づけなどの研究に関心を寄せられる方々も多くおいでのことと思います。しかし、民具だけを観光資源として全国に発信するには心もとないと思います。
そこで、この重要有形民俗文化財を他の伝統文化とも重ね合わせ、これこそ、文化庁が推奨する日本遺産の認定を受け、砺波市の全国発信を目指すべきではないでしょうか。農村の原風景である散居村での営みとともに、大切に残されてきた歴史的資産、民具を核として、ウエブサイト・砺波正倉に掲載されている市の指定文化財をつなぎ合わせ、時代とともに発展してきた砺波市にも今も伝承されている子供歌舞伎や夜高、獅子舞等の伝統文化も織りまぜて、砺波型ストーリーを生み出すことは可能なのではないでしょうか。タイトルには、民具が奏でる散居村の記憶・砺波市とか、散居村が育んだ民具と伝統文化の砺波市などはいかがでしょうか。
文化庁はこの認定の効果について、認定された当該地域の認知度が高まるとともに、今後、日本遺産を通じたさまざまな取り組みを行うことにより、地域住民のアイデンティティーの再確認や地域のブランド化などにも貢献し、ひいては地方創生にも大いに資するものとなるとしており、ここ砺波市の豊富な文化資源を活用した砺波の散居村の魅力を全国に発信するためにも日本遺産の認定は大変価値ある観光戦略だと考えるのです。
また、昨年3月定例会での市長答弁には、この申請に当たっては歴史文化基本構想、もしくは歴史的風致維持向上計画の策定と、とにかく歴史的なものをしっかり守っているというものを見せないといけないとありましたが、現在の市条例にもしっかりとした砺波市文化財保護条例、砺波市ふるさと文化財登録要綱、そして、砺波市景観まちづくり条例があるではありませんか。近隣市の高岡市も南砺市も、遺産をもって観光振興につなげておいでです。観光振興施策としての重要有形民俗文化財、砺波の生活・生産用具を核とした日本遺産認定への取り組みについて、夏野市長の御所見をお聞かせください。
次に、散居村展望台と庄川峡との周遊性向上策についてお伺いいたします。
第2次砺波市観光振興戦略プランの基本テーマには、本物を魅せるとなみとうたわれています。魅せる、魅力の魅の意味合いには、観光客の心を魅了させるとの思いが込められているようですが、実際に目に見えたものが心に映り、そして、情景がわかるからこそ魅了できるのだと思います。
そして、年間を通し、人々に感動を与えることができる砺波市の魅力の一つは、展望台から見おろす散居村と庄川峡だと思います。市街地からそれぞれのスポットへ車で行くには、散居村展望台ですと夢の平スキー場へ向かえばよいですし、庄川峡だと国道156号線を岐阜県へ向かえばよいのですが、どちらも、そこで引き返すのが定番となっているのではないでしょうか。観光客の皆さんは、この2カ所の観光スポットが県道山田湯谷線でつながっていることを御存じではないと思います。市民でさえも、この県道を知る人は知っているといった生活道路でしかないと思います。この県道は、冬期になると地すべりや雪崩の危険性回避の理由で通行どめになりますし、大型バスが全線にわたって通過できるような規格の道路でもありません。
しかし、散居村展望台と庄川峡は意外と近距離に位置していますので、訪れた観光スポットからこの県道を通れば、案外短い時間でもう一方も楽しむことができるということを観光客や市民の皆さんによく知ってもらう必要があると思うのです。
そこで、御提案ですが、この道路の交差点や3差路など、要所要所に道案内用の看板を設置してもらいたいのです。現在の県道山田湯谷線には全くといってよいほど案内看板はありません。そして、両方の観光スポットにも案内看板を設けることで、周遊性が高まり、訪れる観光客の満足度アップにもつながるのではないでしょうか。散居村展望台と庄川峡との周遊性向上策についてのお考えをお伺いいたしまして、私の質問を終えさせていただきます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 御質問の観光振興施策のうち、1点目の重要有形民俗文化財、砺波の生活・生産用具を核とした日本遺産認定への取り組みについての御質問にお答えいたします。
一連の川辺議員の遺産シリーズの質問の一つだと思っておりますが、川辺議員がおっしゃいました高岡市や南砺市が何々遺産をもって観光振興につなげていて、砺波市もという思いですとか、また、御提案の民具が奏でる散居村の記憶とか、散居村が育んだ民具と伝統文化といったようなタイトルもなかなかセンスがあるというふうに思います。
このことにつきましては、昨年の3月に、御紹介もありましたが、定例会でも答弁したところでありまして、日本遺産は地域の歴史的な魅力や特色を通じて、我が国の文化、伝統を語るストーリーを文化庁が認定するという制度です。
そのストーリーには、歴史的な経緯ですとか、地域の風土に根差して世代を超えて受け継がれている伝承、また、風習等があること、また、地域の魅力として発信する明確なテーマを設定した上で、建造物や遺跡、名勝地、祭りなど、地域に根差して継承、保存がなされている文化財にまつわるものが中核に添えられているということが必要となるということでございます。
何となく今の話を聞いていると、なりそうだなという雰囲気はするので御質問があったのかなと思いますが、そこで、今ほどの提案も踏まえまして、このたびの重要有形民俗文化財の指定を受けた砺波の生活・生産用具について、そのストーリーを想定してみます。
この文化財は、砺波地方における生活や農耕等を中心としたなりわいに用いた用具を体系的に整理、収集したものであって、地域固有の歴史的経緯を踏まえた文化財というよりも、ある意味、広く北陸地方の農村特有の文化をあらわす資料であるため、砺波の散居村の独自性とかいう形で、砺波の散居村の独自性と絡めた形で中核に据えるのは難しいものがあるんじゃないかなというふうに思います。
何とかならんものかと思いまして、文化庁に問い合わせをいたしました。日本遺産のストーリーの中核とする文化財は、建造物などの不動産や歴史的な祭りとしておりますという回答でした。ですから、民具の場合は不動産でも祭りでもないので、残念ながら中核とするというのは難しいという認識をいたしました。
また、議員がおっしゃったように散居村をストーリーの主役とするとしますと、建造物が文化財に指定されるということが必要となります。入道家はなっておりますけれども、散居村ですので、散居村全体とは言わないでしょうけれども、少なくとも幾つかのエリアとか、そういう複数のものがないと散居村ではありませんですね、伝統的家屋ではあるかもしれませんが。そうなりますと、一定の指定行為が必要になりますから、当然その保存活用、保存が必要となります。当然ながら、そうなりますと、使用等には一定の制限が生じることになりますので、所有者はもちろんですけれども、幅の広い住民のコンセンサスが必要になるということは御理解いただけると思います。
このほか、夜高まつりとか獅子舞はどうなのかと。これも世代を超えて受け継がれている伝承や風俗でありますので、今日まで多くの市民によって継承されて、また、地域のコミュニティーを高める本市の特徴的な伝統文化であるというふうに思いますが、念頭に必要となりますここにしかないといったようなストーリーの希少性を示すには少々難しいところがあると。獅子舞は砺波にしかないわけではありませんし、夜高もしくは夜高類似案件は県内、北陸地方にもございます。そういった意味で、ここにしかないという部分にちょっと弱さがあるということでございます。
こういったように個々の資産には、地域において相当の価値があり、すばらしいものがあるということでございますが、認定に必要なそれぞれの遺産を結びつける核がないというのが1つのポイントですし、ストーリーを明確に描くだけの遺産が見当たらないと。それは作文すればいいんじゃないかということがあるかもしれませんが、作文するにもネタが必要なわけでして、そういう点ではなかなか日本遺産への道のりは厳しいというふうに思っています。
こういった遺産指定というものももちろん意義のあることだというふうに思いますけれども、また、そのための研究は、先ほどのセンスのあるストーリーのテーマもありますので、引き続き研究はしていきたいというふうに思っていますし、また、文化庁の方にもまたアドバイスを得たいというふうにも思っておりますが、こういった文化財などの遺産は既に個々には一定の観光資源としては成り立っておりますし、また、今後は、特にそのつながりも深めるということも意識して、情報発信に努めていきたいというふうに思っております。こういった特徴的な文化財を何とか利用したような、活用したような観光振興にも努めてまいりたいというふうに考えております。
私からの答弁は以上でございます。もう一件につきましては担当部長のほうからお答えをさせていただきます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
商工農林部長 牧野裕亮君。
〔商工農林部長 牧野裕亮君 登壇〕
○商工農林部長(牧野裕亮君) 私からは、2点目の散居村展望台と庄川峡との周遊性向上策についての御質問にお答えいたします。
県道山田湯谷線につきましては、散居村展望台と庄川峡を結ぶ重要な道路でありますが、道幅が狭隘で、案内看板が少なく、冬期は閉鎖されることなどから、これまで、観光周遊ルートとしては特に積極的なPRを行ってこなかったのが実情でございます。しかし、近年の道路改良によりまして、待避所などの整備が進みましたことから、毎年10月に開催されます砺波夢の平コスモスウォッチングの期間には、交通渋滞の緩和を図るため庄川地区からの道路沿線にのぼり旗を設置して案内誘導を行い、活用を図っているところでございます。
議員御提案の案内看板を設置して周遊性を高めることにつきましては、まずは、観光客や市民にもわかりやすく利用していただけるよう、観光パンフレットや観光サイト、各種イベントのPRチラシ等において周遊ルートとして紹介することで、周遊性の向上等につなげてまいりたいと考えております。
その上で、今後、よりわかりやすく、安心して利用いただけるよう散居村展望台や庄川峡の観光スポットへの案内看板の設置について検討しますとともに、道路管理者である県に対しましては、引き続き道路拡幅の要望を行ってまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 1番 山本篤史君。
〔1番 山本篤史君 登壇〕
○1番(山本篤史君) 議長より発言の許可をいただきましたので、通告に基づき、質問をいたします。
1項目めは、この任期中に何回か質問しましたが、総括的に砺波大橋に関する今後の計画についてお伺いします。
1点目に、砺波大橋の歩道建設についてお伺いします。
一般国道359号砺波東バイパスは、19年度の完成に向けて着々と進んでいます。一方で、砺波大橋歩道の工事については、思ったように進捗していない状況で、現在は、橋梁区間全体のうち右岸側の拡幅工事が14年に施工され、そして、欄干に関しては、そのさらに半分の取りつけ工事が15年に施工されました。しかしながら、全体では拡幅工事が総延長の半分、欄干は4分の3が施工されていない状況にあります。橋を利用する東西の住民からは、なかなか進捗しない状況に対し、いつ完成するのか、たびたび質問を受けることがあります。
そこで、現在の進捗状況と今後の工程についてお伺いします。
2点目に、砺波大橋西詰交差点についてお伺いします。
16年度における当交差点の事故は、人身事故3件、物損事故5件となっています。昨年12月定例会での山本善郎議員の質問に対する答弁では、15メートル西に交差点を移動し、今後は事業の実施に向け、県と連携しながら交付金事業の採択が受け入れられるよう準備を進めていくとのことでした。
そこで、新年度予算案には、防災・安全交付金ということで、市道桜づつみ線に新規の予算措置がなされています。信号機の設置など交通安全対策の面から検討すべき点が幾つかあると思いますが、砺波大橋西詰交差点改良工事の早期着工に向けて、今後、どのように働きかけていかれるのか、お伺いします。
3点目に、市道桜づつみ線についてお伺いします。
高岡砺波スマートインターチェンジ開通に伴い、桜づつみ線の交通量は非常に増大しており、12時間当たりの交通量は、2010年の780台から2015年には1,774台とおよそ2.3倍に増えています。この路線の課題については13年12月定例会において質問していますが、その際の答弁は、高速道路アンダー部分については水路を暗渠化することで2車線分の道路幅員を確保し、道路線形を含めて、堤防を管理している国土交通省と協議するとのことでした。その後3年間、検討や協議がなされたと思いますが、どのような進捗があったのか、お伺いします。
また、同じ質問における15年3月の答弁では、3年をめどにということでしたが、既にそれから2年が経過している状況にありますので、現在の取り組み状況と今後の工程等についてお伺いします。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
建設水道部長 大浦正治君。
〔建設水道部長 大浦正治君 登壇〕
○建設水道部長(大浦正治君) 山本篤史議員の御質問にお答えいたします。
私からは、1項目めの砺波大橋に関する今後の計画についての御質問のうち、まず、1点目の砺波大橋の歩道建設についてお答えいたします。
現在の進捗状況につきましては、平成26年度に歩道拡幅に必要なトラス橋の補強工事が施行され、平成27年度には全長460メートルの東側半分の歩道拡幅工事が行われ、平成28年度にはさらにその拡幅工事の半分、全体の4分の1に当たる高欄が施工されました。
多額の事業費を要し、近年、交付金事業の配分が大変厳しい中、県では、国の2次補正を活用して、残る必要な予算を確保され、先月、工事が発注されたところでございます。今後は、主桁の架設や床板の新設、高欄の設置などが行われ、工事の完成、供用開始は平成29年度末になると伺っております。
次に、2点目の砺波大橋西詰交差点についてお答えいたします。
砺波大橋西詰の交差点改良工事の早期着工に向け、関係機関との協議が概ね整ったことから、現在、県と連携しながら交付金事業の採択が受けられるよう要望しているところであります。
今後、事業採択されると、道路管理者である富山県や堤防管理者である国土交通省とより詳細な協議調整が必要なことから、市としましては、新年度で測量や設計業務を実施してまいりたいと考えております。
なお、信号機の設置につきましては、重点要望事項としてこれまでも公安委員会へ強く要望をしており、今後とも継続的に、さらに強く要望してまいりたいと考えております。
次に、3点目の市道桜づつみ線についての御質問にお答えいたします。
高速道路アンダー部分につきましては、幅員の確保や道路線形に問題がありましたが、堤防の管理者である国土交通省や自転車道の管理者である富山県、高速道路を管理する中日本道路株式会社と精力的に協議を進めてきた結果、昨年末までに概ね協議が整ったところであります。
これにより砺波大橋西詰交差点や高速道路アンダー部の改良は、市道桜づつみ線道路改良事業として一括して交付金事業の採択が受けられるよう、県と調整し、要望しております。
また、平成27年3月議会では、砺波大橋西詰の交差点改良及び高速道路アンダー部分の改良については、よく調査した上で、3年程度をかけて今後の対応を判断してまいりたいとお答えしておりましたが、交通量の増加や出会い頭の事故が多いことなどから、その判断を1年前倒しし、速やかに事業に着手してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 山本篤史君。
〔1番 山本篤史君 登壇〕
○1番(山本篤史君) 今ほどの答弁で、着々と進んでいることがよくわかりました。道路利用者の安全に関することですので、今後も迅速に進捗するようしっかり取り組んでいただきたいと思います。
2項目めに、市民の意見を広く聞き、情報を共有することについてお伺いします。
人は誰もが自分は正しいと思いがちですが、さまざまな視点から見ると、いろんな意見が出てくるものです。
1点目は、市立砺波総合病院正面入り口の宝石箱についてです。
私が議員になる前から非常に興味を持っていたことなのですが、市立砺波総合病院東正面入り口を入ると、左側壁面に宝石箱御意見という掲示板のコーナーがあります。これは、病院内の利用者の意見に耳を傾け、その意見や病院各部署での見解を幅広く周知してもらうためのものです。これを見て非常にすばらしいなと感じるのは、宝石箱というネーミングセンスもいいのですが、病院に対するいい意見だけを掲示するのではなく、苦情なども掲示している点です。時には利用者の意見の中には事実と異なっていたり、とても要望には応えられないものもあるようですが、それに対しても回答者の名前を記し、責任を持って是々非々で回答しています。このようにお客様の意見を掲示する取り組みは民間の大型ショッピングセンターなどではよく見かけます。
そこで、先月、県西部5市の大病院の現状をそれぞれ調査してきました。利用者から病院に対しての意見を聴取しているところは幾つかあるものの、当市のように、正面玄関のような目立つ場所に大々的にスペースを設け掲示する取り組みを行っている病院はほぼありませんでした。けさの新聞1面にもありましたが、地域医療構想が言われる中で、利用者に選ばれる病院になるためにも、改めて当病院が利用者と向き合う真摯な姿勢に感銘を受けたところです。
そこで、病院として、この取り組みを行うことによって、意見をどのように活用しておられるのか、お伺いします。
2点目に、市長の手紙についてお伺いします。
当市では、市長への手紙として、市民から備えつけのはがきや手紙、メールで意見を徴集し、毎年3月に、その回答の一部を広報に掲載しているところであり、年間50件から60件程度の意見があるとのことです。先日発行された広報3月号にも、大きく2件の意見が掲載されていました。
合併してから10年以上がたち、合併当時より市の職員は20%、議員は30%減っています。少ない人数で多くの方の満足度を上げるためには、より多くの市民から意見をいただき、共有することで、新しいアイデアが出たり、不満を抑制する効果が出たりするなど、結果的に市民と行政の協働につながるのではないかと思います。
そこで、市立砺波総合病院同様に、市役所でも、市民からいただいた意見を市庁舎内に掲示し、広く共有してはどうかと思うのですが、当局の見解をお伺いします。
また、近隣市では、高岡、氷見、小矢部が市のホームページで市民の意見に対する回答を公開していますし、射水市は部局別の質問数を公開しているようです。全国的には、受け付けから政策へ反映、回答までの順序を明確にし、個々の部署で受け付けした市民の声をデータベースによって一元化し、迅速、的確に対応することを可能としている自治体があるようです。
当市においては、ホームページ上ではまだ公開しておりませんので、他市の取り組み状況を参考にし、何らかの形で情報を公開し、共有すべきだと思いますが、この点についてどのように考えておられるか、お伺いします。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
病院長 伊東正太郎君。
〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
○病院長(伊東正太郎君) 私からは、1点目の市立砺波総合病院正面入り口の宝石箱についての御質問にお答えいたします。
今ほどは山本議員から、当院の行っている宝石箱に対しましてお褒めの言葉をいただき、本当にありがとうございます。
当院では、長らく来院者の御意見や苦情の一つ一つを宝石に例えて、一般的に御意見箱と言われるものを宝石箱と呼んで、来院者の声を聞いているところであります。平成27年度実績では、宝石箱に寄せられた総件数は97件であり、このうち苦情に関するものが45件、御要望や御提案に関するものが38件となっており、お褒めの言葉が14件でありました。
寄せられた御意見等は、担当者が毎日午前と午後に回収し、速やかに担当部署の管理者に届くようにしており、担当部署では、関係部署との協議などを行って、1週間程度を目途に回答するように心がけております。
御意見といたしましては、接遇や診療内容に関するものから施設や環境に関するものまで多々ありますが、接遇など、直ちに取り組むことができるものは速やかに対応しております。しかしながら、経年劣化による床の汚れや障害者用の駐車スペースが少ないことなど、費用や物理的な条件を伴う御意見に対しましては速やかに対応できないこともあります。このような費用等を伴う案件に関しましては、検討の上、できることから計画的に予算を確保して対応するようにしております。
今後も、宝石箱のほか、年に1回行っております患者満足度調査や直接窓口等でお聞きする御意見等を真摯に聞かせていただきまして、地域住民に親しまれ、信頼される病院づくりに努めてまいりたいと考えております。
私からは以上です。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
企画総務部長 横山忠司君。
〔企画総務部長 横山忠司君 登壇〕
○企画総務部長(横山忠司君) 私からは、2項目めの市民の意見を広く聞き、情報共有することについてのうち、2点目の市長への手紙についての御質問にお答えいたします。
御存じのとおり、市長への手紙は、市民の皆さんと一緒に住みよいまちづくりを進めるため、市政やまちづくりなどに対する御意見やアイデアをいただき、市政運営に生かしていくことを目的に実施しており、平成26年度は50件、平成27年度は47件、平成28年度はこれまで29件の御提言、御要望等をいただいております。
そこで、庁舎内に掲示し、広く共有してはどうかとの御提言でございます。
要望の内容には個人情報保護の観点や公開されないことを前提に自分の思いを伝えてこらえる方がおられるなど、公開になじまないものも含まれております。慎重に対応する必要があるかと考えております。
また、ホームページでの公開につきましても、同様なことが言えますが、同じように多くの市民の方々が求めていると思われる情報につきましては、これまでも個人情報に留意しながらホームページのよくある質問コーナーに掲載をすることで、同じ疑問や御意見をお持ちの方が共有できるようにしてきております。
本市といたしましては、どなたからでも気軽に御意見をいただけるよう、一例をいただいた手紙の中から抜粋いたしまして、例年、広報3月号に掲載しているところでございますが、今、議員御指摘のとおり、そのあり方について、他市の状況等も参考にしながら研究してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 山本篤史君。
〔1番 山本篤史君 登壇〕
○1番(山本篤史君) 先ほどの市立砺波総合病院の体制なども参考にし、しっかり双方向の情報交換をし、市民との協働のまちづくりを進めていただきたいと思います。
それでは、最後に、砺波市子育て家庭アンケートの調査結果についてお伺いします。
昨年9月に、市内の小学5年生の保護者と中学2年生の保護者を対象にして調査された砺波市子育て家庭アンケート調査結果によると、小中学生を持つ母親の就労状況を見ますと、パートもしくはアルバイトが4割弱になっています。子育てについての支援やサービスをしっかり行うことによって、子どものためにやむを得ずパートで働かざる得ない環境の家庭においても正社員で働くことができるようになり、人材の確保ができるのではないかと思いますし、これらの層が得た収入は子育てが終わる時期までにはいずれかの形で社会へ循環することになり、将来への投資と言えるのではないかと思います。
小中学生の親は、いずれも希望する支援やサービスについて、学校や家庭以外で子どもが無償で勉強を学べる支援、保護者が送迎しなくても子どもの移動や交通手段を支えてくれるサービス、学校や家庭以外で子どもが安心して通える居場所の順に利用割合が非常に高い値を示していました。出生数を増やし、人口減少を抑制するためにはこれらのニーズを満たすことも必要ではないでしょうか。
そこで、当市は、この調査結果を受け、今後、これらの支援についてどのように考えておられるか、お伺いします。
おかげさまで人の御縁に恵まれ、4年間、精励恪勤に勤めることができました。
以上にて、30代最後、そして、人生最後の議場での質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
教育委員会事務局長 三部隆雄君。
〔教育委員会事務局長 三部隆雄君 登壇〕
○教育委員会事務局長(三部隆雄君) 私からは、3項目めの子育て環境についての御質問にお答えをいたします。
砺波市子育て家庭アンケートは、子どもの貧困の背景に存在する子どもと家庭が抱える多様な困難状況を把握し、子どもや子育て環境改善の施策を検討することを目的としまして、昨年9月に、小学5年生及び中学2年生の保護者を対象に実施したものでございまして、このアンケート結果から、現在の暮らし向きについては、生活保護世帯に属する子どもさんはおられませんが、低所得層世帯やひとり親世帯が、他の世帯と比較して厳しい状況にあることがうかがえます。
このことから、暮らし向きが厳しい状況にある保護者が抱えるさまざまな困難が、その子どもの育ちに影響を与え、困窮状況が親から子へ引き継がれる世代間連鎖とならないよう、引き続き学校や市の担当課を初め、ハローワークや児童相談所など関係機関が連携して、切れ目のない支援体制を整えながら、きめ細やかな必要な支援を適宜適切に引き続き行ってまいりたいと考えております。
また、アンケート結果では、全体の中で低所得層世帯やひとり親世帯に、議員御紹介のありました学校や家庭以外で勉強を支援してほしい、子どもの送迎をしてほしい、子どもの安心した居場所をつくってほしい、こういったような支援やサービスを希望する割合が高い、このような結果が出ております。
市では、これまでも各小中学校での学習支援ボランティア事業によって、放課後、希望する子どもたちの学習指導を行っているほか、各小学校区に放課後児童クラブを整備するなど、子どもたちの学習支援や居場所づくりに努めておりまして、今後は、このアンケート結果をもとに、低所得層世帯、中でもひとり親家庭を対象として、各種支援制度の周知徹底を初め、現在の支援をより充実させていく必要があるものと考えております。
ただ、新たなサービスを提供するには多様な人材や財源等がさらに必要となることが考えられまして、保護者が協力し合いながら、あるいは地域が一体となるなどして取り組んでいく必要があると考えておりまして、今後、さまざまな機会を捉えて、子育て支援は自分事、あるいは地域の1つの役割として市民の皆さんに考えていただけるよう、一層の市民意識の醸成の努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 8番 山本善郎君。
〔8番 山本善郎君 登壇〕
○8番(山本善郎君) それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、市政一般について質問したいというふうに思います。
それでは、まず最初に、大きな項目1、魅力ある産業が発展するまちづくりの農業施策に関する3項目のうち1つ目、農業生産圃場の農地整備についての支援策についてお尋ねいたします。
通常国会が開幕し、安倍首相は、経済最優先の継続を表明され、その中で農政新時代を掲げ、農業改革関連8法案を提出し、成立を目指されようとされています。見たところ、いずれも大きな制度改革や見直しを伴う重要法案と考えますが、果たして本当に我々の生活にとって、所得の向上や生活の保障に結びつくのか、注視することが大切かと思います。
そこで、農業改革関連法案に関連した事項のうち、1つ目、農業生産圃場の農地整備についての支援策についてお尋ねしたいと思います。
砺波市内の農地は、水田用に昭和40年代から圃場整備事業やかんがい排水事業に取り組み、先人の努力で、基盤整備率全国1位と評されるくらいに改修整備されてまいりました。その結果、生産基盤が安定したことにより農家負担が大きく軽減され、生産性が大きく飛躍向上したものと考えます。しかしながら、近年は、米価の低迷等により水稲一辺倒の施策から畑作政策への転換を余儀なくされ、今では砺波市のブランドにまで上り詰めた特産タマネギを初め、チューリップ球根等が注目されるまでになりました。
ところが、その生産圃場の区画面積が30アール、40アールで、経年老朽化による漏水対策や大型機械を導入しても、事業ロスが大きく、その効果を最大限に発揮することができないのが現状かと考えます。今こそ、生産圃場の大区画化が必要かと考えます。
そこで、国では、このたび土地改良法の改正に伴い、農地の大区画化や汎用化の推進による高収益作物の導入と支援を行おうとしています。その制度にはしかるべき要件があるにしても、大いに歓迎し、利用しやすい農地を構築し、農業生産性向上に貢献願いたいものであります。このような構想は農業者本人が考えることでありますが、砺波市の農業施策の一翼として、また、砺波型農業の構築のため、圃場の大区画化のための土地改良を推し進める支援をお願いしたいところであります。
そこで、市長に、農業生産圃場の農地整備ついての支援策についてをお伺いいたします。
次に、3項目めのうち2つ目、鳥獣被害対策についてお伺いいたします。
先般、新聞報道で、捕獲イノシシ3,000頭超えと大きな見出しが目に入りました。県内、2016年の捕獲頭数の見込みのようであります。過去最多だった2015年を上回る勢いで繁殖が進み、増加しているとのことで、結びには、農業被害を出さないように市町村と連携強化したいともあり、ぜひともそう願いたいものであります。さらに、イノシシの頭数は県西部に多いことから、あわせて農作物の被害も多いとのことでした。
そこで、砺波市のイノシシの捕獲頭数は現在145頭余りで、昨年の127頭を大幅に上回っています。いよいよ本腰を入れて捕獲対策やジビエ対策に力を入れていくべきではないかというふうに考えます。
平成29年度の当初予算において、有害鳥獣殺等事業費として約896万円が確保されていますが、捕獲後の処理についての事業ではありません。処理施設が必要と考える時期に来ているのではないかと考えます。捕獲後の現状は、自家消費に回る8割程度で、残り2割は埋めることになるそうですが、地元の方の協力なしでは進まないものと考えます。そして、現在、県内2カ所の処理施設についての工事費は400万円から600万円とかなりの高額であり、そのうち県からの補助が100万円の支援があるものの、採算性の面から、やりたい人があっても、できないのが現状かというふうに考えます。
環境省では、今年度、鹿やイノシシの生育数を半減させるため、指定管理鳥獣捕獲等事業に交付金を6割上乗せし、8億円をつぎ込むそうあります。こういった事業を取り組み、大きく支援することができないものかと考えます。その支援策についてお尋ねいたします。
次に、3項目のうち3つ目、砺波市のスマート農業についてお伺いいたします。
時代遅れと言われ、3Kとも言われ続けてきた職業・農業が、気がつけば、情報通信技術や人工知能、さらにはロボット技術の導入により生産性の向上や作業の省力化に貢献するスマート農業が少しずつ身近に迫りつつあることから、砺波の農業、農政に取り入れていけば、明るい農業、生まれ変わった夢のある新産業として注目され、数々の農業問題が解消されるものと考えます。チューリップ球根の植え込み機の導入もその一環ではないかというふうに思います。
しかしながら、最先端科学を取り入れることが、一部の法人組織のみが享受する技術ではなく、高齢者や中小規模の農業者でも利用が可能であるものでなければならないものと考えます。例えば圃場の農薬散布は小型のヘリコプターで行っていることや無人のロボットトラクターが田起こしと除草を行い、ドローンが作物を監視している。家にいて、スマートフォン1つでコントロールするような農業を行う未来型スマート農業を構築していかなければならないものと考えます。
そこで、砺波市のスマート農業の取り組み支援策と施策についてをお尋ねしいたし、大きな項目の質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 私からは、1項目めの魅力ある産業が発展するまちづくりのうち、1点目の農業生産圃場の農地整備についての御質問にお答えをいたします。
国では、農業の競争力強化を図るため、農地の大区画化、汎用化、また、農業水利施設等の基盤整備を行い、担い手への農地集積を推進するとともに、米中心の営農体系からタマネギなどの高収益作物を導入した営農体系への転換を進めていくこととしております。
このため、農地整備における支援策につきましても、国の平成29年度予算におきまして、農地の大区画化、汎用化及び水利施設整備等の推進ですとか、農地耕作条件改善事業についての拡充が図られるほか、新たに畑地化、汎用化の推進による高収益作物の導入支援が事業化されますとともに、担い手への農地集積を図りつつ、高収益作物への転換を図る場合に予算の重点配分がなされるというふうに伺っております。
砺波市では、これまで、農地整備事業に県下でも先駆けて取り組み、生産基盤の整備を行うとともに、担い手への農地利用集積やタマネギ等の高収益作物への転換を進めてきたところであります。
今年度においても、経営体育成基盤整備事業や基幹水利施設ストックマネジメント事業を活用して、農地の汎用化や水田の大型化等の基盤整備を行っておりますが、十分な予算配分がないことから進捗がなかなか進まないという状況であります。また、多額の事業費を要するため、地元の負担や市町村の負担も大きいことから、これらを進めるためにはさらなる国の支援が必要であると考えております。
こうした中、本市といたしましては、農業に欠かせない生産基盤の整備や担い手の育成を図るため、意欲ある農業者が行う農地の大区画化、汎用化や高収益作物への転換を進めるための農地整備事業について、財政的な課題のある中ではございますけれども、国や県に対し、引き続き必要な予算の確保ですとか、地元や市町村負担の軽減など制度の充実について働きかけてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。その他につきましては担当部長のほうからお答えをさせていただきます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
商工農林部長 牧野裕亮君。
〔商工農林部長 牧野裕亮君 登壇〕
○商工農林部長(牧野裕亮君) 私からは、2点目の鳥獣被害対策についてお答えいたします。
本市の今年度のイノシシの捕獲頭数につきましては、鳥獣被害対策実施隊や地元関係者の皆様の御尽力によりまして、2月末現在では154頭となっておりまして、御紹介ありましたが、昨年度の127頭を大きく上回っております。また、農作物被害につきましては、被害面積が0.19ヘクタール、被害額は21万6,000円と、昨年度の約5分の1までに減少しているところでございます。
本年度は、幼獣の捕獲が多いこともございまして、埋設処分は49頭となっておりまして、近隣の自治体に比べますとまだ少ない状況ではございますけれども、環境問題や鳥獣被害対策実施隊の負担を考えますと、処分方法を検討する時期にあると考えております。このことから、県西部の獣肉処理加工施設への搬入を試みておりますけれども、なかなか受け入れの条件が整わず、いまだ利用には至っていないところでございます。
議員御提言の獣肉加工処理施設の市内での建設につきましては、多額の費用がかかるほか、運営主体の確保や採算性などの課題がありますことから、現段階では難しいものと考えております。
なお、議員から御紹介がございました環境省の指定管理鳥獣捕獲等事業につきましては、鳥獣の捕獲を対象としておりまして、獣肉の処理、加工の施設は対象とならないものでございますので、御理解願います。
今後の処理方法につきましては、捕獲頭数等の推移を見極めながら、市の鳥獣被害防止対策協議会や鳥獣被害対策実施隊等の関係団体と協議し、今後、検討してまいりたいと考えております。
次に、3点目のスマート農業についての御質問にお答えいたします。
国では、農業の担い手の減少、高齢化の進展等により労働力不足が深刻な状況となっていることから、ロボット技術や情報通信技術を活用して、超省力、高品質生産を実現するスマート農業の推進を進めておりまして、革新的技術開発・緊急展開事業などにより、ロボット技術の開発等を支援しております。
そこで、本市におきましては、この事業を活用しまして、御紹介もございましたが、チューリップ球根ネット栽培機械にGPS機能やコンピューター制御の圃場マッピングシステム、車速連動自動植え込みシステムを搭載するなど、スマート農業の取り組みを進めているところでございます。
また、現在申請中の革新的技術開発・緊急展開事業、経営体強化プロジェクト事業を活用しまして、小型、軽量化に向けて開発を進めてまいります汎用型のネット栽培機械につきましても、GPS機能や車速連動自動植え込みシステム等のロボット技術を搭載する計画としております。
また、担い手農家が情報通信技術やロボット技術を活用した農業用機械を導入する場合には、国の経営体育成支援事業や担い手確保経営強化支援事業などの支援事業がございますので、該当する取り組みがあれば、本市におけるスマート農業を推進する上でも、モデルケースとして支援してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 山本善郎君。
〔8番 山本善郎君 登壇〕
○8番(山本善郎君) 次に、大きな項目2、魅力ある産業が発展するまちづくり、農業共済制度について、2項目のうち1つ目、広域合併によるメリット・デメリットについてお伺いいたします。
さて、共済組合といっていた時代がもはや過去の名称となり、砺波広域圏事務組合といっていたのもつかの間、今は、富山県農業共済組合と名称を新たに、富山県一円の巨大な組織組合に合併され、はや3年間が経過しようとしています。
そこで、この合併によりどのようなメリットが生まれ、そのメリットが農家にどのように反映されているのか、お尋ねいたします。
この合併で、ハード面においては、農家負担となる作物間の賦課金等が安価に統一され、また、イノシシ対策等に係る助成金の運用がスムーズに行えるものと聞いています。しかし、一方、ソフト面では、担当者が広範囲を受け持つため、一生懸命に努力されてはいるものの、事業の処理や把握に時間を費やし、生産農家と接する機会が失われているとも聞きます。
まず、この合併の評価をどのように捉え、組合員にどのようなメリットが生まれたのか、広域合併によるメリット・デメリットについてお尋ねいたします。
次に、2項目めのうち2つ目、収入保険制度についてお伺いいたします。
この制度は、大幅な自由化を迫ったTPP対策の一環として創設された農業強化プログラムに組み込まれた米の収入減少影響緩和対策と構造的にはあまり変わらず、これからも注視したいと考えます。
この制度の概要は、経営全体を対象にしたこと、今までの収量を基準としたところを価格の下落までを対象としたこと、さらに、そもそもなかった野菜や花卉についても対象としたことかと考えます。
制度的には、過去の5年間の平均収入を基準とし、下回った額の9割補填が基本となるようです。そのうち農家負担は、毎年掛け捨ての保険料と補填に回らなかった繰り越された積立金で、保険料の1%と察します。さらに、このはっきりしない収入をどのように把握するのかといえば、青色申告が必須条件となるらしく、担い手や営農組織は既に青色申告を心がけているところでありますが、どこまで普及できるかが大きな課題ではないかと考えます。
そこで、この制度について、生産農家に現在の制度との違いについてどのような影響と環境の変化が生ずるか、また、この制度が砺波の生産農家にどのような恩恵をこうむることができるのか、さらに青色申告の普及方法についても、同時にお伺いし、大きな項目の2の質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
商工農林部長 牧野裕亮君。
〔商工農林部長 牧野裕亮君 登壇〕
○商工農林部長(牧野裕亮君) 私からは、山本善郎議員の2項目めの御質問、魅力ある産業が発展するまちづくり、農業共済制度についてのうち、まず、1点目の広域合併のメリット・デメリットについてお答えいたします。
まず、本県の農業共済組織につきましては、国が示しました基本方針、農業共済団体等における1県1組合化の取り組みの推進を受けまして、県内の4組合が合併いたしまして、平成26年4月より、富山県農業共済組合としての業務がスタートしております。
そこで、1県1組合化のメリットといたしましては、事業規模の拡大により運営基盤の充実強化が図られたことや大災害時でも安定して共済事業が運営できるようになったこと、そして、まだこれは道半ばではございますが、組織のスリム化と業務の効率化によりまして、一定程度運営コストの削減が図られたことなどがございます。こうしたメリットの農家負担への反映といたしましては、作物ごとの10アール当たりの賦課金が水稲で60円から50円に、麦・大豆で60円から20円に減額されたことなどがございます。
一方、デメリットといたしましては、業務の効率化が図られた結果、生産農家と接する機会が減り、農家サービスの水準が下がっているのではないかという御意見があるとお聞きしております。
本市といたしましては、農業共済組合は農家が災害を受けた場合にその損害を補填して、経営を安定させる役割を担っていることから、生産農家にとっては重要な団体でありまして、また、今後、収入保険制度の実施も控えていることから、引き続き本市の農家の経営安定化に向けて、しっかりと機能を果たしていただくことを期待しているところでございます。
次に、2点目の収入保険制度についてお答えいたします。
議員も述べられましたが、収入保険制度につきましては、農業者の所得向上を図るために、農業者の努力では解決できない構造的な問題を解決するため、政府の農業競争力強化プログラムに盛り込まれたものでありまして、平成31年1月からの運用開始に向け、今通常国会に法案の提出が予定されていると伺っております。
そこで、本市の生産農家への影響につきましては、農業共済制度は、対象品目が限定されておりまして、自然災害による収量減少が対象でございます。価格低下などは対象外となっておりますけれども、収入保険制度では、本市の地域特産物のタマネギやチューリップ球根を初め、花卉、そば等も対象となりますなど、品目の枠にとらわれず、価格低下なども含めた農業経営全体の収入減少を補填するものであることから、本市の生産農家の経営の安定に向けて恩恵があるものと考えております。
一方、この収入保険制度は、御紹介もございましたが、青色申告を行っている農業者が対象となりますことから、加入を検討される方には、あらかじめ税務署へ青色申告承認申請書を提出いただく必要があるほか、出納帳などを整備していただく必要がございます。
また、農業共済制度や米・畑作物の収入減少影響緩和のならし対策等に加入する農家は収入保険制度に加入できないため、加入に当たっては、各経営体の実情に即して、どちらかを選択していただく必要がございます。このため、現在、となみ野農業協同組合、県農業共済組合等の関係機関が連携しまして、冬季農事座談会などで制度の周知に取り組んでいるところでございます。
いずれにいたしましても、収入保険制度につきましては、今後の国の動向を注視しまして、必要な情報を農業者に提供できるよう関係機関と連携し、制度の周知を図るとともに、必要に応じまして青色申告の普及に向けた研修等に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 山本善郎君。
〔8番 山本善郎君 登壇〕
○8番(山本善郎君) 次に、大きな項目3、笑顔あふれる福祉のまちづくりのうち、まず、3項目めのうち1つ目、市立砺波総合病院における地域包括ケアシステム対応についてお伺いいたします。
今、日本は、諸外国に類を見ない速度で高齢化が進行し、65歳以上の団塊の世代が約10年後にピークを迎え、砺波市の場合は、2030年ごろにピークが来ると予測され、このための医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれています。
そこで、2025年を目途に、重度な要介護状態になっても住みなれた地域で、自分らしい暮らしを最後まで続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に供給される地域包括ケアシステムの構築が進められているところです。また、今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、地域での生活を支えるためにも地域包括ケアシステムの構築が重要となっています。
しかしながら、高齢化の進展状況は地域によって大きく差があることから、地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じてつくり上げていくことが必要とされています。
そこで、地域包括ケアシステムの対応のうち、市立砺波総合病院における現状と進捗状況についてお尋ねいたします。
次に、3項目めのうち2つ目、市立砺波総合病院の新公立病院改革プランについてお伺いいたします。
当病院におかれましては、地域医療の確保に重要な役割を果たされていますことに感謝申し上げるところであります。
しかしながら、多くの公立病院においては、経営状況の悪化や医師不足から医療供給体制の維持が厳しい状況になっていることから、国は、平成19年に公立病院改革ガイドラインを策定し、病院事業を設置する地方公共団体に対し、公立病院改革プランの策定を要請したところであり、それを踏まえ、当病院におかれても、経営改革に取り組まれているものと考えており、その結果、平成21年から5年間連続の黒字経営となるなど一定の成果を上げているところであります。
しかしながら、今後、人口減少や少子高齢化の急激な進展に伴い、従来の医療体制のままでは医療需要が増大することが見込まれているため、地域ごとの適切な医療供給体制の再構築が必要とされています。そのため、引き続き経営の効率化、再編ネットワーク化及び経営形態の見直しとの視点に立った改革が必要とされており、国からは、県が今年度中に策定する地域医療構想を踏まえ、新公立病院改革プランの策定を市町村に求めています。
そこで、当病院における新病院改革プランの策定内容についてお尋ねいたします。
次に、3項目めのうち3つ目、市立砺波総合病院とドクターヘリとの関連性と伊東病院長の思いについて、2点についてお伺いいたします。
このドクターヘリの導入に関しましては、伊東病院長の思い入れは当初、大変なものと察し、記憶しています。現在の運航状況について、当初描いておられた状況どおりになっているのか、伊東病院長にお尋ねいたします。
次に、私の近くに駐機場があるため、朝早くから夜遅くまで運航されている状況や消防ヘリの受け入れ等をかいま見ることができます。運送受け入れ実績を見てみますと、県下16病院の受け入れの中心はやはり県立中央病院であり、昨年末現在では、全体数490件のうち180件と36.7%を占め、その次が市立砺波総合病院であり、何と72件、14.7%、約6件に1件の割合で受け入れされていることにつきましては、大きな感動と感謝を今後への発展を期待したいと思っております。
しかしながら、ヘリポートの確保について、特に冬期間における受け入れ体制を確保することが非常に大変であると察します。そこで、年間を通じて安定的な受け入れ体制を確保する環境整備とその対策についてをお尋ねいたしまして、全ての質問を終わりたいと思います。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
病院長 伊東正太郎君。
〔病院長 伊東正太郎君 登壇〕
○病院長(伊東正太郎君) 私からは、3項目めのうち、1点目と3点目の御質問にお答えいたします。
まず、1点目の市立砺波総合病院の地域包括ケアシステムについての御質問にお答えいたします。
地域包括ケアシステムを必要とする背景や目的につきましては、議員が述べられたとおり住まい、医療、介護、予防、生活支援にかかわるものが相互に連携し、地域の特性に応じてつくり上げることが求められております。
このうち医療機関に関しては、疾病を抱えた方が自宅等の住みなれた生活の場で療養し、自分らしい生活を続けられるよう包括的かつ継続的な在宅医療、介護の提供を行うことが必要とされております。
急性期医療を担う市立砺波総合病院は、在宅医療を担う診療所や一般病床が200床未満の病院などのいわゆるかかりつけ医と連携し、入院が必要となった方の速やかな受け入れを行っており、そのため、救急の受け入れ体制を堅持するとともに、平成26年8月からは、地域包括ケア病棟を開設いたしました。地域包括ケア病棟では、急性期の治療が終わった後、安心して自宅での療養や生活を継続できるよう早期の退院支援に努めており、そのため看護師、社会福祉士、リハビリスタッフなどが密接に連携し、退院後に必要な療養上の指導を行っております。
また、入院中の治療経過等については、かかりつけ医と情報を共有し、退院後においても継続した医療が提供できるようにするとともに、必要に応じて、かかりつけ医からの指示により訪問看護ステーションの看護師が在宅での看護や療養上の指導を行っております。
さらには、介護サービスが必要な方には、街なか包括である市立砺波総合病院・地域包括支援センターやケアマネジャーと連携し、適切な介護サービスが早期に受けられるようにしております。
なお、新年度から、新たに病院内に居宅介護支援事業所を設置し、ケアマネジャーを1名配置することとしております。これにより、退院される方についてのケアプランの作成や介護サービス事業者との調整がより円滑に行うことができるようになるほか、訪問看護サービスを必要とする場合の訪問看護ステーションとの連携も強化されます。
このほか地域包括ケアシステムの実現に向けて、砺波市が開催する多職種による地域ケア会議では、院長である私のほか、看護師、社会福祉士が参加し、高齢者の個別課題の解決や地域に共通した課題の共有を図っておるところでございます。
次に、3点目の市立砺波総合病院とドクターヘリの関連性についての御質問にお答えいたします。
ドクターヘリは、患者さんの搬送時間が短縮できるだけでなく、医師、看護師が同乗して救急現場等に向かい、重篤な救急患者に対して、より早期に接触して、必要な診断や処置を行うことができます。このことが劇的な救命率の向上や後遺症の軽減につながりますので、重要な役割を果たしているものであります。
現に平成28年度の当院でのドクターヘリ受け入れ件数は、2月末で85件ですが、このうち6割以上が入院を必要とする重症度の高い患者さんとなっております。また、議員が述べられているとおり、当院でのドクターヘリの受け入れ件数は県内で2番目に多く、このことが当院の救急部門の評価に確実につながっているものと考えております。
これは、当院が砺波医療圏の中核病院として高度急性期機能を担うことの重要な責務であると考えており、今後も救急医療の質の向上のため、より一層の受け入れ体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
病院事務局長 竹林秀明君。
〔病院事務局長 竹林秀明君 登壇〕
○病院事務局長(竹林秀明君) 私からは、2点目と4点目の御質問にお答えします。
まず、2点目の市立砺波総合病院の改革プランについての御質問にお答えします。
今回策定を求められています新改革プランにつきましては、議員が述べられたとおり、記載すべき内容として、平成20年度に策定した項目の経営の効率化、再編ネットワーク化及び経営形態の見直しのほかに、新たに地域医療構想を踏まえた役割の明確化を盛り込むこととなっております。
この地域医療構想を踏まえた役割の明確化につきましては、昨年11月8日に開催いたしました市立砺波総合病院経営改善委員会におきまして、当院は、高度急性期機能及び急性期機能を強化して取り組むこととし、回復機能及び療養機能並びに在宅医療につきましては、砺波医療圏内の民間病院を含めました病院や診療所と連携していくことについて、委員の合意が得られたところでございます。
県の地域医療構想につきましては、けさの新聞にも載っておりましたが、去る2月20日に案が公表されたところであり、この中では、2025年の砺波医療圏の必要病床数は、急性期病床が316床、回復期病床が269床となっており、2015年7月現在の病床機能ごとの病床数と比較しまして、急性期病床が404床多く、回復病床が137床不足していることが示されたところでございます。
このような中、当院としましては、砺波医療圏の他の医療機関との機能分化と連携を進め、砺波医療圏の中核病院として、地域医療支援病院の承認を取得し、地域完結型の医療提供体制を整えることによって、医療の質の向上や医療機能の充実を図ってまいりたいと考えており、病床数の変更につきましては、今後の医療需要の動向を踏まえつつ、引き続き検討してまいりたいと考えております。
また、新改革プランにおきましても、プラン策定の重要な視点である経営の効率化について、これまでも市立砺波総合病院中長期計画等で定めておりました患者数や診療単価等の収益につながる指標と後発医薬品の使用割合等の経費の節減につながる指標の目標値を定めるほか、地域に開かれた病院を目指し、患者満足度や信頼性の向上に向けた取り組み等も盛り込む予定としております。
当院といたしましては、引き続きこれらの目標を定期的に検証し、随時改善を図りながら、継続的な健全経営に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、4点目のヘリポートの受け入れ体制確保のための環境整備についての御質問にお答えします。
当院のヘリポートは、航空法に基づく非公共用のヘリポートとして、ドクターヘリを初め、富山県防災ヘリや富山県警ヘリの受け入れも可能な施設基準を満たしております。
また、砺波医療圏唯一の災害拠点病院として、夜間照明を備えたヘリポートであり、24時間態勢での受け入れが可能となっており、本年度は、2月末までにドクターヘリ85件、防災ヘリ6件の受け入れ実績があるところでございます。
その中で、ドクターヘリの運航につきましては、富山県による運航調整により午前8時半から日没までの運航時間となっており、この間については積極的に受け入れ協力を行っているところでございます。
ヘリポート施設環境整備につきましては、運用規定により定期的な施設、航空灯検査が義務づけられているほか、非常事態対応訓練や消火通報訓練を毎年実施しており、航空前後の随時点検、毎日の日常点検を初め、月次、年次点検を実施することにより、施設の安全確保を図っているところであります。
また、冬期間の降雪時には、始業時から除雪を行い、搬送受け入れ可能となるよう努めております。
なお、日中の視界不良時などの悪天候時には、ドクターヘリの運航自体が制限されますが、これまで、降雪等により受け入れできなかった事例は発生しておりません。
今後ともドクターヘリ等の受け入れにつきましては、地域救急救命医療になくてはならないものと考え、万全な受け入れ体制を確保してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) この際、暫時休憩いたします。
午前11時58分 休憩
午後 1時00分 再開
○議長(今藤久之君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
通告により発言を許します。
10番 川岸 勇君。
〔10番 川岸 勇君 登壇〕
○10番(川岸 勇君) 議長のお許しを得ましたので、以下、質問と提案をさせていただきます。
大項目1点目の質問は、農業環境をめぐる現状と課題についてであります。
平成29年度を初年度とする第2次砺波市総合計画の主要施策の一つに、農林業の振興、その主要な取り組みとして、生産基盤の保全、整備、担い手経営体制の強化等を図るとされています。
それに関する1点目の質問は、耕作放棄地と農地集積化についてお尋ねをいたします。
先日、全国の耕作放棄地は、富山県の面積に相当する42万ヘクタールになったことが報じられました。この放棄地発生要因としては、農家戸数の減少や農業者の高齢化、農業後継者や担い手不足、農産物の価格低迷、生産性の効率、鳥獣害被害の増加等々さまざまな要因が考えられますが、本市にあっても、耕作放棄地が年々増加にあると聞きますが、今市の耕作放棄地の現状と過去5カ年の推移状況、また、このような状況は近年、市街地周辺でも生じていると聞きますが、この状況をどのように分析され、どのように対応されるのかを問うものであります。
また、耕作放棄地が多い地域は、現状にあっては耕地形態等が厳しい中山間地域であります。それらの地域に対する施策の一つとして、県、市相まって中山間チャレンジ事業が展開されています。また、国、県にあっては、耕作放棄地再生利用事業、みどりの農地再生事業等が制度化され、その対策が講じられているところでありますが、これらの事業も積極的に活用するなどし、耕作放棄地対策をさらに推し進めるべきと考えますが、当局の考えをお聞かせ願います。
また、耕作放棄地が年々増加している現状にあって、JA、農事組合、農業委員会など各種団体と連携し、諸課題に対処されていると思いますが、その連携の現状並びに今後の取り組み指針についてもお聞かせ願います。
次に、農地の集積化についてお尋ねいたします。
農地の集積化を進める上で、主要な受け皿となっているのは農地中間管理機構、いわゆる農地バンクです。その目的としては、農地を集積化してまとめる、農業規模を拡大する、新たな農業経営者の参入を促進するという3項目が上げられています。
現在における利用状況、現状を踏まえての課題、そして、農地バンクは農地の貸借を行う制度でありますが、それには農業委員会がかかわると考えますが、農地バンク制度運用面で、農業委員会はどのようになっているのかを問うものであります。
また、農地バンクにおいての貸し主は、農業で生計を立てたいと旺盛な意欲を持って申し込む方がおいでになると考えますが、それに向けてのサポートはどのようになっているのか、お伺いし、耕作放棄地と農地集積化対策に対する質問を終わります。
2点目の質問は、当市の農業振興ビジョンと米以外の農産物の振興策についてお伺いいたします。
最初に、当市の農業ビジョンに対して質問をいたします。
半世紀変わらなかった農政改革の時代を今、迎えております。米大統領トランプ氏就任後のTPP離脱問題、生産調整全体の見直し、最近では、農業経営基盤促進法の改正により農業改革が一層本格化する方向にあります。このときこそ、国の動向を注視し、県を初めとし、関係団体と連携していく施策が必要と考えます。
平成29年度には、砺波市水田農業ビジョン等の諸計画が終了します。その意味からも、砺波市として、農業、農政施策に関する基本方針を新たに提起すべきと考えます。
そこで、砺波市の今後の農業振興について、どのような方針を持って取り組んでいこうと考えておられるのか、今後の取り組み指針について尋ねるものであります。
あわせて、第2次総合計画の個別政策、地域ブランドにおける現状においても記されているとおり、出荷量、生産量全国一を誇るチューリップ球根、水稲種子、また、となみブランドに認定されているタマネギにおいては、販売額が4億8,000万円を超えるまでに成長してきました。
しかしながら、生産農家の高齢化や減少により、農作業の省力化や担い手確保、育成対策が喫緊の課題となっているのではないでしょうか。将来的に米価が上がり、水田農業は期待する人は今、一体どれだけいるでしょうか。2025年問題という言葉がありますが、団塊の世代が75歳を迎えるとき、水田農業を中心とした砺波の農業形態等にも大きな変化、影響が出ると懸念しているところであります。そのため、今こそ農業経営の維持、経営安定化、そして、複合経営を推進し、米以外の農産物の振興、生産振興に取り組むべきと考えます。また、農産物直売所を通じての地産地消、販路拡大等にもさらに取り組むべきと考えますが、当局の考えをお聞かせ願います。
農業に関する最後の質問は、農業の生産基盤の保全、整備についてただすものであります。
昭和30年代から昭和50年代にかけ、県営かんがい排水事業や県営並びに団体圃場整備事業により整備された農業水利施設や農業生産基盤施設は40年以上も経過しており、老朽化が著しく、計画的な改修、整備等が急務となっています。特に用排水路の老朽化による漏水対策は、農業環境保全のためにも早急に対処をすべき課題であると思っております。
これらの事業を推進しようとなると、常に受益者負担が課題となってきます。土地持ち・非農家が増え、地域コミュニティーが希薄する中にあって、これらの事業を推進するに当たっては大きな障害となります。受益者に負担がかからない事業を推進するとなると、基盤水利施設ストックマネジメント事業、経営体育成基盤整備事業、中山間地域にあっては、中山間地域総合整備事業等があります。これらの事業は、農業者を初め、これからの農業にとってまことにありがたい制度であります。しかしながら、さまざまな規制があり、この制度を利用できない地域等もあります。このような地域にあっては、県単、団体営土地改良事業等となり、受益者負担は、用水路の改修においては40%、排水路においては30%と重い負担となります。
そこで、このような地域に対しては、近隣市並みの市の補助率をかさ上げするなど、農業水利施設の保全、整備に努めるべきと考えます。過去の定例会で何度も質問したことを踏まえ、前向きな答弁を求めるものであります。
また、中山間地域総合整備事業については、平成33年度までに延長されたと聞きますが、中山間地の農業を守るためにも中山間地域等支払い交付金事業と同様、重要な事業でありますので、県等へ引き続き強く要望していただくことを切にお願いし、大項目の1点目の質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
商工農林部長 牧野裕亮君。
〔商工農林部長 牧野裕亮君 登壇〕
○商工農林部長(牧野裕亮君) 私からは、川岸議員の御質問のうち、1項目めの農業環境をめぐる現状と課題についてのうち、まず、1点目の耕作放棄地と農地集積化についてお答えいたします。
本市の耕作放棄地の現状につきましては、平成28年12月末現在で、中山間地域を中心に、再生利用可能な荒廃農地が約12.1ヘクタール、再生利用が困難と見込まれる荒廃農地が約16.4ヘクタールで、合わせて約28.5ヘクタールとなっております。
また、過去5カ年の推移につきましては、新たに約4.4ヘクタールが耕作されなくなった一方、約1.4ヘクタールの耕作放棄地が農地として再生利用された結果、約3ヘクタールの増加となっております。
そこで、議員も述べられましたとおり、近年は、市街地周辺や平地部でも耕作放棄地が発生しておりまして、耕作放棄地が増加する要因といたしましては、小区画や変形地、水利条件等が不利な農地を中心に、耕作の受け手が見つからず、やむなく耕作放棄地化している事情があると分析しております。
このため、まずは新たな不作付地の発生を未然に防ぐことが重要であると考えておりまして、新年度、県単事業として計画されております中山間地域等担い手農地集積支援モデル事業などを活用しまして、耕作を継続していただける方の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、耕作放棄地対策につきましては、市の中山間地域チャレンジ事業等や国の耕作放棄地再生利用緊急対策交付金事業、県のみどりの農地再生事業を活用しまして、これまで7件、1.3ヘクタールの耕作放棄地を農地へ再生し、野菜等の生産が行われておりまして、今後とも、これらの事業を積極的に活用して、耕作放棄地の減少につなげてまいりたいと考えております。
次に、耕作放棄地対策に係る関係団体の連携につきましては、農業委員会が実施されます農地利用状況調査や農地パトロールに市が同行しているほか、耕作放棄地を活用した農作物の実証栽培に農協と市が協力しますなど、連携を図っているところでございます。今後とも耕作放棄地の減少に向けて、関係団体が情報を共有しまして、対応してまいりたいと考えております。
次に、農地中間管理機構の利用状況についてでございます。
平成26年度の農地中間管理事業の開始以来、市内では、569戸より約410ヘクタールが118経営体に貸し付けられておりまして、市内の耕作面積の約8.5%がこの農地中間管理機構を介した賃貸借となっているところでございます。
この農地中間管理事業の課題といたしましては、中山間地域など条件不利地での取り組みが進まないことがございましたが、先ほど申し上げました県の中山間地域等担い手農地集積支援モデル事業を活用することによりまして、進捗を図ってまいりたいと考えております。
また、農地中間管理事業への農業委員会のかかわりといたしましては、現在、農業委員会には各地区の人・農地プランを検討する協議会等の委員を兼務いただき、貸し手と借り手の間で地区間調整をしていただいておりますけれども、来年度から、新たに農地利用最適化推進委員が配置されることになりまして、農業委員とこの農地利用最適化推進委員が互いに連携しまして、地域における話し合いを推進し、農地中間管理事業を通じまして、これまで以上に集積と集約化を推進していただけるものと期待しているところでございます。
次に、借り主に対するサポートにつきましてです。
農業機械等を補助事業等で導入する際の採択ポイントの加算ですとか、中山間地域等担い手農地集積支援モデル事業によります支援が計画されておりまして、本市といたしましても、農業委員会等と連携して、農地中間管理事業を活用した担い手への農地利用集積を積極的に支援してまいりたいと考えております。
次に、2点目の農業振興ビジョンと米以外の農産物等振興策についてお答えいたします。
本市の今後の農業振興につきましては、これまでの議会でも答弁させていただいておりますけれども、第2次砺波市総合計画や“となみ創生”まちづくり総合戦略におきまして、活気ある稼ぐ農業の実現を目指すこととしておりまして、地域農業の担い手となります認定農業者や集落営農組織の協業化、法人化を進め、意欲ある担い手に農地の集積、集約化を図るとともに、タマネギを初めとした園芸作物の生産による経営の複合化の推進などに取り組みまして、農業の持続的発展と収益性の高い農業の振興を図ってまいりたいと考えております。
次に、複合経営の推進につきましては、これまでも県砺波農林振興センターやとなみ野農業協同組合とともに、園芸作物の生産を推進してきたところでございますけれども、新年度予算におきまして、市単独の特産振興奨励事業を拡充いたしまして、新たな地域特産物といたしましてブロッコリーを初めとした新規5品目を追加し、複合経営の取り組みをさらに後押ししたいと考えております。
また、産地パワーアップ事業を活用して、省力化ための機械導入を支援し、園芸作物の規模拡大による農業経営の安定化につなげてまいりたいと考えております。
次に、農産物直売所等を通じての地産地消、販路拡大等につきましては、もっともっと地産地消推進事業におきまして、今年度は、市内の農産物直売所の視察を通しましてスーパー、飲食店等の実需者に地場産野菜の周知を図ったところでございまして、新年度では、この実需者と生産者との商談会を実施しまして、契約栽培へと結びつけるなど、地場産野菜等の地産地消と販路拡大につなげてまいりたいと考えております。
次に、3点目の農業用排水路対策についての御質問にお答えいたします。
本市におきましては、かんがい排水事業や圃場整備事業を県下でも先駆けて実施されましたことにより農家負担が大きく軽減されたものの、農業用排水路などの水利施設や農業生産基盤施設は築後40年以上が経過しておりまして、老朽化等により改修が必要となっております。
このため、本市では、国営や附帯県営の農地防災事業、県営水利施設ストックマネジメント事業、そして、県営経営体育成基盤整備事業、県営中山間地域総合整備事業、農地耕作条件改善事業など、地元負担が少ない事業を積極的に推進しているところでございます。
具体的に少し申し上げますと、今年度におきましては、庄川沿岸地区の4市で実施されております国営及び県営の農業農村整備事業の事業費のうち、約44%に当たります16億3,000万円余りが本市で取り組まれておりまして、その地元負担率は全体の平均で4.6%に抑えられておりまして、4市の中では最小となっており、他市の地元負担率が約9%前後でございますので、半分程度となっております。
これらの条件、事業要件に該当しない地域につきましては、地元負担が用水路では30%、排水路では20%となる団体かんがい排水事業、あるいは地元負担が25%となる県単独農業農村整備事業に採択されるよう積極的に関係機関に働きかけを行っているところでございます。
議員御提言の市補助率の引き上げにつきましては、その地域の地元負担は軽減いたしますが、限られた予算でありますので、多くの地域の要望に応えることができなくなるという問題がございます。加えて、今後、県営経営体育成基盤整備事業を要望する地区が市内に多いことや国営農地防災事業の負担金の償還が始まることなどから、今日の厳しい財政状況を鑑みますと、当面は、現在の補助率での支援にならざるを得ないことをぜひ御理解いただきたいと存じます。
次に、となみ・なんと山麓の中山間地域総合整備事業につきましては、地元負担がゼロまたは5%と有利な条件のもと、中山間地域の農業に不可欠な生産基盤や生活環境基盤の整備、地域特産物の生産拡大や維持管理の軽減が図られますことから、本市におきましては、重点事業要望等において、事業がさらに促進されるよう国や県に対して強く働きかけを行ってきたところでございます。その結果、議員が述べられましたとおり、事業期間が平成29年度から平成33年度まで延長されまして、事業費につきましても約5億円の増額となったところでございます。
中山間地域総合整備事業につきましては、中山間地域の農業を守る重要な事業でありますことから、本市といたしましては、今後とも国や県に対し、予算確保などについてしっかりと要望してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 川岸 勇君。
〔10番 川岸 勇君 登壇〕
○10番(川岸 勇君) 引き続いて、大項目2点目の質問は、砺波の情報発信事業についてお尋ねをいたします。
それに関する1点目の質問は、シティプロモーションに対する当市の指針についてお尋ねいたします。
このシティプロモーションという言葉は、移住・定住、観光振興、企業誘致、地域の活性化など、さまざまな事業として関連してよく使われています。私は、シティプロモーションとは、我が市や我がまちを売り込むという、民間企業でいう営業活動そのものであり、究極は、選ばれるまちを目指すことを目的に活動することと私なりに解釈しています。今日、多くの自治体にあっては、この事業に先端部署を設けるなど、積極的に活用を展開している事例も報告されています。
当市の第2次総合計画の移住・定住促進の施策の中にあっても、シティプロモーションという言葉が出てきます。そこでは、地域おこし協力隊と協力し、本市の特産品や地域資源の魅力を国内外に広く情報発信し、交流人口の拡大と市のイメージ向上を図るとともに、砺波らしいライフスタイルや市の充実した制度を市内外にPRをするシティプロモーションを推進することで、定住人口の増大と郷土愛への醸成を図るとされています。シティプロモーションを展開する上で重要なことは、誰に、何を、どのようにして等々の政策の動きを定めることだと言われています。
そこで、当市のシティプロモーションの取り組みに当たっては、どのような体制で、どのような指針を持って今後、展開されるのか、お尋ねするものであります。
それに関する2点目は、観光情報発信についてただすものです。
第2次総合計画において、観光推進に当たっては、観光情報発信に充実に努めると提起されています。具体的施策としては、首都圏でのメディア、広告を利用したPR活動の推進、テレビ、ホームページでの情報発信、映画等のロケーションを通じての情報発信、インターネット、SNS等、さまざまなメディアニーズに対応した情報発信に努めるとされています。
あわせて、観光協会の機能を強化し、とやま観光推進機構と連携協力し、実効性の高い市場調査や分析を行い、観光資源の質の向上と観光商品の開発やプロモーション活動、旅行者の誘客、リピート確保に努めるとされています。
私も、これらの観光推進にあっては、人を呼び込む、人を呼び戻すための質の高いプロモーション活動を展開し、観光客にさらなる情報発信に努めねばならないと考えている一人でありますが、具体的には、どのような取り組みを持って砺波の観光振興に努められるのかを問うものであります。
それに関する3点目は、市民と一体となった情報発信に努めるべきという立場から質問をいたします。
昨年、産業建設常任委員会で訪問した群馬県足利市の取り組みの事例を御紹介いたします。
足利市は、さまざまな観光拠点施設などを活用し、観光をメーンとしたシティセールスとまちづくりを進めておいでになる先進地であります。昨年、市政9月号を読む機会がありました。その中で、足利市長は次のような発言がされていました。市民アンケート調査では、市民満足の上位では市外からの誘客、福祉、医療、防災、教育面における取り組みが高く評価されている。これも他市に誇れる地域資源であると言える。多くの地域資源が存在するまちの特性と個性を総合的に活用したシティプロモーションに取り組むことで、市民一人一人が自慢できるまちづくりができたと述べられています。
本市においては、チューリップフェア、花しょうぶ祭り、コスモスウォッチング、出町子供歌舞伎、庄川観光祭、となみ夜高まつりなど、伝統的祭りなど観光資源に恵まれています。また、伝統的家屋、散居景観や庄川峡、庄川温泉郷、大門素麺、庄川ゆずなど、豊かな地域資源や特産品にも恵まれています。
最近の市民アンケートでは、砺波市のよいところは、自然災害が少ない、買い物など日常生活が便利、自然が豊かな散居景観が美しい、医療・福祉の充実、子育てや教育環境が整っていることが挙げられています。足利市同様、市民一人一人が自慢できるまちづくりを行政一体となり進めるべきと考えます。砺波へ来ても、何もないっちゃではなく、砺波にはこんなおいしいものが、こんなところもあるよと市民が自慢を持って情報発信できる体制を構築すべきと考えます。
市民、行政一体となった情報発信について、市当局はどのような考えを持っておられるのかお聞かせ願い、大項目2点目の質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
企画総務部長 横山忠司君。
〔企画総務部長 横山忠司君 登壇〕
○企画総務部長(横山忠司君) 私からは、2項目めの砺波の情報発信についてお答えいたします。
まず、1点目の当市のシティプロモーションに対する考えについてでございますが、本市では、今年度から、シティプロモーションなどを担当する新たな地域おこし協力隊員を採用し、専任として、本市の住みよさや地域資源の魅力を広く市内外に発信しているところでございます。
具体的にはフェイスブック等のソーシャル・ネットワーキング・サービスを利用した情報発信や砺波らしさをイメージしたとなみんポロシャツの販売、普及などの取り組みを通して、郷土愛の醸成やふるさとの魅力創出を行っております。
また、今年度、結婚、子育て世代に照準を合わせて、新たに移住定住ガイドブック『やっぱり砺波で暮らそう。』やUターン者向けのリーフレットを作成するとともに、これに合わせて移住・定住応援サイトをリニューアルしたところであり、首都圏等で行われた移住・定住イベントなどでも多くの移住希望者から好評を得ているところでございます。
加えて、市内で開催される同窓会等を支援するふるさと回帰同窓会支援事業や奨学金の返還額を減免する未来応援型奨学金制度を創設するなど、本市出身の若者たちをターゲットとした事業にも積極的に取り組んでおります。
今後とも企画や広報、商工観光などの各部門や地域おこし協力隊などが連携して、それぞれが持つ情報の共有化を図り、本市の魅力をわかりやすく、広く積極的に発信することで、観光客や移住希望者、企業などから選ばれるまちになるための取り組みを推進してまいります。
次に、3点目の市民、行政一体となり情報発信できる体制づくりの構築についてお答えいたします。
本市では、市民とともにシティプロモーションに取り組んでいくため、広報紙やホームページなどを通じて、本市の魅力発信と移住・定住を応援する団体、Team1073(チームとなみ)のメンバーを広く募集しております。
おかげさまで本市に愛着を持ち、地域の魅力を自らPRしようという意欲に満ちた若者たちからの応募があり、地域おこし協力隊2名を含めた、現在12名のメンバーが集まったところでございます。
今後は、フェイスブックなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスを活用して、メンバー自身が日々の暮らしや自然環境、観光イベントなど、さまざまな視点から本市の魅力を発信し、市のさらなるイメージアップに努めてまいります。
また、毎年、広報となみにつけているチューリップフェアの入場券ははがきとして利用できるようになっていることから、市民の皆さんから県内外の知人、友人の皆さんにPRをしていただいておるところでございます。
さらに、先にお答えいたしましたふるさと回帰同窓会支援事業につきましては、条件として、同窓会の参加者にUターン者向けのリーフレットを配付してもらうとともに、参加者に本市の魅力を積極的にPRしていただいておるところでございます。
今後とも、市民の皆さんに対しまして本市の魅力をしっかりアピールすることで、市民一人一人が、自分の住んでいるまちに愛着や誇りを持っていただき、自発的にシティプロモーションに取り組んでいただけるよう、その機運の醸成に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
商工農林部長 牧野裕亮君。
〔商工農林部長 牧野裕亮君 登壇〕
○商工農林部長(牧野裕亮君) 私からは、2点目の観光情報発信についての御質問にお答えいたします。
本市の観光情報発信につきましては、今年度策定いたしました第2次砺波市総合計画や第2次砺波市観光振興戦略プランに基づきまして、本市に人を呼び込む、リピーターとして呼び戻すための質の高いプロモーション活動といたしまして、チューリップなど、花のまちとなみの魅力を生かしました観光客への情報発信の強化と充実を図ることによりまして、本市の知名度の向上と誘客につなげてまいりたいと考えております。
具体的には、まず、首都圏プロモーション強化事業といたしまして、今月6日から4週間にわたりまして、東京駅丸の内大型LEDビジョン、JR東日本山手線を含む首都圏10路線の車内ビジョンや首都圏19駅の構内広告ビジョンを活用いたしまして、花のまちとなみやとなみチューリップフェアをPRする映像の放映や車内ポスターの掲示を順次実施しているほか、JR大宮駅での切り花配布などのPRキャラバンを実施することとしております。
また、今月15日からは、北陸新幹線沿線県のテレビやラジオを活用しまして、チューリップを初めといたしました本市の魅力満載のPR番組を順次放送することとしておりまして、北陸新幹線開業効果の持続とさらなる首都圏での認知度の向上につなげてまいりたいと考えております。
さらに、御紹介もございましたが、来年度は、砺波市観光協会の機能強化と観光情報の充実を図るために地域おこし協力隊を新たに配置する予定でありまして、本市のさまざまな花のイベントなどにつきまして、都会出身者の観点からホームページやSNS等で積極的に情報発信することとしております。
このほか本年1月からは、チューリップ球根生産者や切り花生産者、市民、観光事業者等の皆さんが出演するPR動画を作成して、新たに訪日外国人向け観光Webサイト「アイ・ラブ・チューリップ」を開設したところでありまして、近年増加しております外国人観光客への情報発信にも努めてまいりたいと考えております。
本市といたしましては、今後とも質の高いプロモーション活動など観光情報発信の充実を図るとともに、広域観光、国際観光の推進や受け入れ体制の充実を図りまして、本市の観光振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 川岸 勇君。
〔10番 川岸 勇君 登壇〕
○10番(川岸 勇君) 続いて、最後の質問は、市財政についてお伺いいたします。
昨年の12月定例会において、本市にあっては、砺波市行政改革大綱のもと、徹底した歳出抑制を行い、市税収入など財源確保や歳入規模に見合った歳出への転換を図りながら、将来に大きな負担を残さない財政健全化確保に取り組みます。そして、今後とも財政健全化判断指数等を配慮しながら、財政規律を保持していると答弁されています。今後も、この指針に沿い、健全財政に努めていただくことを切に要望するものであります。
さて、第2次総合計画の中にあっては、人口減少とそれに伴う地域経済の縮小により、市民税など税収入が減少する一方で、高齢化の進行により社会保障費の増加が見込まれ、1人当たりの行政負担が増大するなど、行財政運営は一層厳しくなると、さまざまな問題が提起されています。また、同計画期間にあっては、合併算定替えや合併特例債活用事業が終了するなど、予算編成は大変厳しい局面を迎えるのではないかと思うところであります。
当市の税収状況は近年よい方向にあるものの、大幅に税収が見込めるとは言いがたく、予算編成に当たっては、これからも国、県の優良債や県の補助事業などを導入、活用するなどし予算編成を図っていくことがこれからの大きなポイントとなると思われます。
そこで、以下、お尋ねをいたします。
1点目は、第2次総合計画に記されている財政の見通しと概算事業費をどのような前提のもとで試算されたのか、まず最初にお伺いいたします。
本市の例年予算における自主財源比率は45%前後であると認識しています。残りは、国からの交付金や、交付税や補助事業に頼らざるを得ません。そのため、これからもいかに自主財源を確保するかが問題となります。
そこで、2点目の質問は、自主財源確保に向けた施策等をどのように図られるのかをお聞かせ願います。
3点目は、地方自治体は年度間の財政調整や特定目的のため財源確保の一端とし、年度の財政運営の中で一定額を積み立て、これを基金として管理することができます。基金としては財政調整基金、減債基金、特定目的基金等がありますが、とりわけ財政調整基金については、標準財政規模の20%程度を目安に積み立てたほうがよいとされています。
そこで、当局として、各基金の積み立てに当たっては、今後、どのような考えに立ち各基金を積み立てていかれるのか、お聞かせ願います。
また、当市では、庁舎建設等に当たっては基金が積み立てられました。今後の積立目標額、期間等の基本的指針についてもお聞かせ願います。
4点目は、来年の予算において、一般会計から国保会計、後期高齢者医療事業会計、病院事業会計等に14億円余が繰り出されています。例年よりその額は減少したものの、今後の繰出金の見通しについてお聞かせ願います。
5点目は、一般会計のほか4つの特別会計、3つの企業会計を有しております。とりわけ累損を抱える病院事業、工業用水水道事業会計、公営企業会計に移行する下水道事業会計並びに高齢化社会に対応すべく国民健康保険事業、後期高齢者医療事業会計について、その見通し等も踏まえ、第2次総合計画期間、どのように対応されていくのか、その指針をお伺いし、今定例会での質問を終わります。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
企画総務部長 横山忠司君。
〔企画総務部長 横山忠司君 登壇〕
○企画総務部長(横山忠司君) 私からは、3項目めの市財政に対する指針についての御質問にお答えいたします。
まず、1点目の第2次総合計画に示されている財政見通しと概算事業費についてでございますが、第2次砺波市総合計画における財政見通しと概算事業費は、平成29年度から平成33年度までの5カ年の前期基本計画期間を見積もったものであり、その概算額を5カ年の総額で1,050億円としておるところでございます。
そのうち、まず、歳入につきましては、基本的にこの間の計画事業費を積算した上で、現行の税財政制度を基本として個別に見積もったものであり、市税を321億円、地方交付税を265億円、国、県支出金を154億円、市債を79億円、その他を231億円としております。
一方、歳出につきましては、過去10年間の実績の上に、本市の将来像の実現に向けて、特に重点的かつ優先的に実施すべき施策であります10WAVEプロジェクトを含めた5カ年分の事業費を個別に見込むとともに、経常経費等については財政健全化に留意して取りまとめたものであり、性質別に義務的経費を453億円、投資的経費を130億円、その他の経費を467億円としております。
また、この歳出の概算額を第2次砺波市総合計画の3つの基本方針と共通方針の4つに区分すると、基本方針1のともに輝き支えあう人づくりで156億円、基本方針2のなごやかな暮らしを育む安心づくりで372億円、基本方針3のみらいに活力をつなげるまちづくりは180億円、最後に、共通方針の協働で持続可能な自治体経営は342億円となっております。
なお、この財政の見通しにつきましては、あくまでも現時点での推計でございまして、今後の景気動向や税財政などの諸制度の改正により、また、概算事業費につきましても、行政需要の変化や国の施策動向、市の財政状況等により大きく変動する可能性があることを御理解賜りたいと存じます。
次に、2点目の自主財源の確保対策についての御質問にお答えいたします。
まず、平成29年度一般会計予算案における自主財源の総額は101億3,000万円余、構成比は47.3%でございます。前年度予算と比較して6億5,000万円余、6.4ポイントの増となっております。自主財源の増額要因といたしましては、市税の伸び1億7,000万円余や、これは基金からの繰り入れを2億7,000万円余増額したことなどによるものでございます。
そこで、自主財源の柱でございます市税につきましては、議員御指摘のとおり、人口減少、特に生産年齢人口の減少が避けられないことから、それに伴う地域経済の縮小により、将来的には減少することが予想されると考えております。
このような中で、市税収入の確保のためには、人口の自然増のほか、移住・定住人口の増加などによる人口の社会増を図ることが何よりも重要でございます。これらの達成に向けまして、昨年、“となみ創生”まちづくり総合戦略を策定し、また、今年度において、その戦略を包含いたしました第2次砺波市総合計画を策定したところでございます。
このほか自主財源の確保に向けた施策といたしましては、砺波市行政改革大綱等に基づく、受益者負担の適正化や各種未収金対策の強化、広告収入拡大などに努めてまいります。
加えて、市有財産のうち未利用地や遊休財産の民間事業者への売却、譲渡、一時貸し付けなどによる有効活用のほか、企業誘致の推進及び起業・創業支援、交流人口の拡大等による新たな財源の創出に向けた取り組みを推進してまいります。
なお、公共施設等総合管理計画に基づく類似、老朽施設の統廃合などにより施設の維持管理経費を削減することで、新たな財源を生み出す効果があるということも申し添えさせていただきます。
次に、3点目の財政調整基金等についての御質問にお答えします。
まず、御存じのとおり基金につきましては、地方自治法第241条第1項において、財産の維持及び必要資金の積み立てのために設置される積立基金と定額の資金運用のために設置される運用基金に分類されます。また、積立基金には、年度間の財源の不均衡を調整するための財政調整基金や市債の計画的な償還を行うための減債基金、特定の目的のために設置する特定目的基金がございます。
そこで、本市の平成27年度末の一般会計積立基金の残高を申し上げますと、財政調整基金は27億円余、減債基金は17億円余、特定目的基金は21億円余で、合計65億円余であり、この財政調整基金につきましては、本市の標準財政規模の19.8%となっており、概ね適正な規模であると考えおります。
次に、今後の各基金の積み立ての考え方でございますが、普通交付税は合併算定替えの段階的縮減期間が終了し一本算定になることや少子高齢化社会の進行により扶助費の一層の増加が予想されるほか、公共施設等のインフラについても維持管理に加え、今後は老朽化などに伴う大規模改修などが必要になることから、より一層の行財政運営の逼迫が懸念されます。
さらに、小中学校の耐震化事業を初め、これまでの大型建設事業の実施に伴う償還金が増加することなどから、今後、財政調整基金や減債基金の取り崩しを予定しなければならず、当面は、両基金の新たな積み立てはなかなか難しいものと考えております。
次に、特定目的基金のうち庁舎整備基金につきましては、昨年度1億円積み立てし、今年度の補正予算で2億円、さらには、新年度当初予算で2億円の積み立てを計画しておりまして、平成29年度末には5億円になる見込みでございます。
そこで、庁舎整備基金の積み立ての目標額、そして、期間等の基本的指針につきましては、現在、庁舎の整備方針等が決まっていないこと、また、今後厳しい財政状況が見込まれることなどから、今の段階で申し上げることはできませんが、本庁舎の整備方針の協議等を見極めながら、可能な限り積極的な積み立てを行ってまいりたいと考えております。
次に、4点目の繰出金についての御質問にお答えいたします。
議員が述べられましたとおり、新年度予算案の衛生費の繰出金につきましては、国民健康保険事業会計への保険基盤安定や財政安定化支援事業、事務費などとして2億5,000万円余、後期高齢者医療事業会計へ、保険基盤安定や事務費などとして1億4,000万円余、病院事業会計へ、救急、精神、小児医療など不採算医療の増嵩経費などに対して10億1,000万円余と、合計14億円余を繰り出す予定としております。
なお、病院事業会計につきましては、新年度において退職手当負担金の特別減額措置がございまして、経費の軽減が見込まれることから、今回、繰出金を減額したところでございます。
そこで、これらの繰出金の今後の見通しでございますが、国民健康保険事業会計につきましては、被保険者数が減少傾向にあることから、今後、繰出金も減額していくのではと考えております。
後期高齢者医療事業会計につきましては、被保険者数と医療費の増加に伴い、公費負担分として繰出金は増加するものと考えております。
また、病院事業会計につきましては、総務省の定める繰り出し基準と交付税算入分を基本としつつ、救急などの不採算部門を担当する公的病院として、消費税率改定並びに2年に1度の診療報酬改定の動向等を踏まえた上で、病院の安定的な経営を確保することを基本に繰出額を決めていくことになると考えております。
次に、5点目の各特別会計、企業会計の課題と財政見通しについての御質問にお答えします。
まず、病院事業会計につきましては、病院経営は診療報酬改定や消費税率の改定によって大きく影響を受けることから、診療報酬で有利になる要件の適用を進め、収益構造を改善していく必要があると考えております。
また、今年度に新病院改革プランを策定することとしており、プランに基づき健全な経営を図り、累積欠損の減少に努めてまいります。
次に、工業用水道事業会計につきましては、平成16年4月からパナソニックセミコンダクターソリューションズ株式会社・砺波地区に日量2,000立方メートルの工業用水を供給しております。一時期、給水量の減少はあったものの、現在は給水開始当初の水準まで回復しております。
今後、繰越欠損金は徐々に減少し、平成33年度の決算では、当年度未処理利益剰余金を計上できると見込んでおります。今後とも安定した日量供給の確保及び給水量の増加に向け、同社との協議を継続してまいります。
次に、企業会計へ移行する下水道事業会計につきましては、新年度には企業債の償還がピークを迎えることから、長期的な観点では負債額は徐々に減少するものと考えておりますが、今後も北部地域の建設事業がしばらく続くことから、平成32年度からの企業会計への移行も踏まえまして、中期経営計画に基づき、計画的な整備や水洗化の向上、経費の節減に努めることで、健全で安定的な事業経営を目指してまいります。
次に、国民健康保険事業会計につきましては、持続的かつ安定的な運営を推進するため、平成30年度から県が財政運営の責任主体として、この事業の運営の中心的な役割を担うことになります。
こうした中で、引き続き特定健康診査やジェネリック医薬品の利用促進など保健事業を推進し、医療費の適正化に取り組むとともに、保険税などの財源の確保に努め、県と共同で制度の健全な運営に努めてまいります。
最後に、後期高齢者医療事業会計につきましては、今後、医療費の増加が見込まれることから、保険者である富山県後期高齢者医療広域連合とさらなる連携を図り、制度の安定的な運営に努めてまいりたいと考えているところでございます。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 6番 堺 武夫君。
〔6番 堺 武夫君 登壇〕
○6番(堺 武夫君) 任期最後の定例会です。今回も、郷土の未来を切り拓く基盤づくりのためにはどのようにすべきかという観点で、大項目で3つ取り上げます。
第1は、砺波市の財政状況です。
1つめは、下水道事業の検討です。
下水道事業会計の地方公営企業法の適用は平成32年4月ですが、12月定例会では、現公共下水道基本計画の基礎資料の検証は、新年度から基礎資料等の調査に着手し、計画策定を前倒しして平成31年度を目途に取り組む旨、答弁がありました。
一方、昨年12月公表の平成27年度砺波市全体の財政状況は、下水道事業は法非適用ですが、公営企業会計として処理されており、同年11月公表の公共施設等総合管理計画では、下水道は、市民生活に直結する重要なインフラ資産であるため、管路や施設の状況を健全に保つために定期的な点検、診断を実施します。また、予防、保全型の長寿命化計画を策定し、計画的に適切な維持管理及び更新等を実施するとともに、未普及エリアの解消整備も考慮しながら、建設費及び維持管理費の縮減に努めますと、管理に関する基本方針では述べられています。
そこで、平成28年3月31日現在の下水道事業会計の貸借対照表作成に必要な数値をもらって、世代間の負担率を試算しました。その結果は、純資産合計を有形固定資産合計で割ってパーセント表示したこれまでの世代の負担は47.58%、負債合計を有形固定資産合計で割ってパーセント表示したこれからの世代の負担は61.67%です。
ちなみに下水道は、これまでの世代の負担50.02%、これからの世代の負担69.95%で、普通会計は、これまでの世代の負担84.82%、これからの世代の負担34.06%でした。
長期的な視野で将来世代と現役世代の受益者等負担は公平かなどを判断するものとしては、純資産をもとにしたこれまでの世代負担率やこれからの世代負担率、償却資産の取得価格等に対する減価償却累計額を算出し、耐用年数に対してどの程度たっているかを把握する資産老朽化比率、受益者負担比率等を総合的に見て判断すべきとされています。
水道工業用水道及び病院、下水道とは趣が異なります。それは、これら現在、法適用企業では、基本的に一応の整備が完了しています。しかし、下水道は、なお整備すべき地域が残っています。また、公共施設等白書によれば、水道のインフラは2015年に耐用年数を迎え始めておりますが、下水道のインフラは2037年から耐用年数を迎えるなど、企業の成熟度が異なります。人口減少が大きくのしかかり、これからの世代の負担がさらに高くなり、将来世代に過大な負担をかけるのではないかと危惧されます。
なお、用語等はできる限り市の公表資料によりました。また、これらの資料等は一定の前提条件のもとに試算されています。
そこで、第1の1つ目は、これまでの世代の負担とこれからの世代の負担などから、下水道事業の経営見通しをどのように認識しておられるのか、お尋ねします。
次に、2つ目は、下水道事業の経営の現状や課題把握です。
公共施設等総合管理計画では、下水道の管理に関する基本的な考え方の基本方針に続き、中期目標で、公営企業の経営戦略の策定を進め、経営の現状や課題把握に努めますとあります。この管理計画では、計画の位置づけは整理してありますが、この経営戦略は、平成28年3月策定の下水道中期経営計画とはどのような位置づけで、どのような考え方のもとに策定されるのでしょうか。経営戦略策定ガイドラインでは、収支均衡、投資及び財源の将来予測と収支ギャップ解消、住民・議会への説明が可能なものであること、独立採算制の基本原則等からの留意事項、経営戦略の公開などの指標が示されています。
そこで、第1の2つ目は、公共施設等の総合管理計画の下水道の管理に関する基本的な考え方の中期目標で、下水道事業の経営戦略の策定を進め、現状や課題把握に努めますとうたってあるが、具体的にどのような考え方のもとに策定されるのか、お尋ねします。
3つ目は、統一基準による財務書類等です。
昨年4月に公共施設等白書が作成され、これをもとに、公共施設保有量の財政均衡縮減率20%を柱とする総合管理計画が同年11月に公表されました。さらに、総務省方式改訂モデルによる平成27年度財務書類4表が昨年12月に公表されております。
統一基準による財務処理等は平成28年度決算からですが、財務書類の作成は企業会計の慣行を参考とした貸借対照表、その他の財務書類の整理を行うもので、限られた財源を賢く使うことにつながるものと言われ、行政内部、外部での活用が期待されています。国の要請に基づくものであるとはいえ、現金主義会計の補完として整備するもので、市の将来の姿を検討するにはとても有意義な資料です。
なお、普通会計の財務書類は広報となみ2月号に掲載されているところです。
現状は改定モデルによるものでの作成ですが、平成29年度からの統一基準による財務書類等の作成が要請されています。
まず、統一基準による財務書類等の外部での活用について取り上げてみますと、情報開示によって、住民や議会での活用があり、アカウンタビリティーを適切に果たすために、財務書類をわかりやすく公表することが期待され、議会審議の活性化につなげるものです。また、市場関係者に対する説明資料としての活用も考えられると言われています。さらに、財務指標の都市比較に当たっては、地理的条件、人口規模等が近い団体との比較を行い、住民一人一人、資産額や歳入額対資産比率に活用できます。
それで、もうひとつ上の“となみ”実現のため、例えば小さなことから計画的、段階的に実施すべきとも考えますが、まず、統一基準による財務書類からきちんと実施してもらいたい。
そこで、第1の3つ目は、平成29年3月末作成分から統一基準によることとし、財務書類の信頼性を確保するため、第三者による監査によって検証して、決算審査の附属資料として議会へ提出することを提言します。
答弁は簡潔にいただきたいと思います。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
建設水道部長 大浦正治君。
〔建設水道部長 大浦正治君 登壇〕
○建設水道部長(大浦正治君) 堺議員の御質問にお答えします。
私からは、1項目の砺波市の財政状況についてのうち、まず、1点目のこれまでの世代の負担とこれからの世代の負担などから、下水道事業の経営見通しをどのように認識しているのかについての御質問にお答えいたします。
議員が示されましたこれまでの世代とこれからの世代のそれぞれの負担の算出方法につきましては、これまでの世代の負担は純資産の合計を、これからの世代の負担は負債の合計を、それぞれ有形固定資産で割ることで算出される割合で、1つの指標であります。
具体的に説明いたしますと、資産に対する負債の割合が増加するとこれからの世代の負担が増え、その割合が減少するとこれからの世代の負担が減ることになります。
このため、今後のこれからの世代の負担を考える上で最も大きな影響を与えるのは、負債の大半を占める企業債残高が今後どのように変化していくかということになります。
そこで、下水道事業中期経営計画の基礎資料をもとに今後10年間の企業債残高を試算いたしますと、平成27年度末の企業債残高158億5,300万円に対して、10年後の平成37年度末の企業債残高は約136億1,900万円となり、約22億円の減少が見込まれています。
これは、1980年代から1990年代にかけて集中して行いました下水道事業の初期投資に係る企業債の償還のピークが終了することによるものであり、これからの世代の負担については、長期的に見ると徐々に減少するものと考えております。
しかしながら、今後も北部地域において、県流域下水道幹線の整備に合わせて市の建設事業がしばらく続くことから、これからの世代への過度な負担とならないように、常に資産に対する企業債残高の割合に十分注意を払うとともに、下水道事業中期経営計画に基づき、計画的な整備や水洗化率の向上、経費の節減などに努め、健全で安定した事業経営を進めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の公共施設等総合管理計画の下水道の管理に関する基本的な考え方の中期目標で、下水道事業の経営戦略の策定を進め、現状や課題の把握に努めますとうたってあるが、具体的にどのような考えのもとで策定するのかについての御質問にお答えいたします。
下水道事業の経営戦略につきましては、先ほど述べました下水道事業中期経営計画が平成27年度に策定しており、企業会計移行前の平成31年度までの期間として経営見通しを定めております。
この計画は、総務省が策定した経営戦略策定ガイドラインに沿ったものとなっており、砺波市下水道事業の経営戦略として位置づけて公表しております。
しかしながら、本来は10年以上を基本とした中長期的な経営戦略の策定が求められることから、平成31年度までに、新たな経営戦略として、今後10年間を見据えた次期中期経営計画を策定する必要があると考えております。
新たな次期中期経営計画につきましては、先の12月定例会で堺議員の御質問にお答えしましたとおり、平成32年度からの企業会計移行を踏まえ、公共下水道基本計画の見直しと合わせて検討してまいりたいと考えております。
なお、その際には、国の経営戦略策定ガイドラインを参考にしながら、計画の収支均衡は保たれているのか、あるいは赤字が発生する収支ギャップの解消はどうかなどについて注視しながら、建設事業費のほか減価償却費や施設更新の時期など、さまざまなパターンのシミュレーションの検討を行い、計画策定に取り組むとともに、ホームページ等で公表してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
企画総務部長 横山忠司君。
〔企画総務部長 横山忠司君 登壇〕
○企画総務部長(横山忠司君) 私からは、3点目の平成29年3月末から統一基準によることとし、財務書類の信頼性を確保するため、第三者による監査によって検証し、決算審査の附属資料として議会へ提出することとの御提言についてお答えいたします。
議員が述べられたとおり、本市は、平成29年度において、平成28年度決算から統一基準による財務書類を作成することとしており、現在、そのために必要な固定資産台帳や財務書類作成のためのシステムの整備について準備を進めておるところでございます。
そこで、平成29年3月末作成分から統一基準によることの御提言につきましては、平成28年度決算は、平成29年3月末を基準といたしますが、5月31日までの出納整理期間中の現金の受け払いを反映して財務書類を作成することになっているところでございます。
なお、財務書類作成に当たっては、期末一括仕訳の方法によることとしておりまして、また、一部事務組合等との連結も行うことが求められていることから、その調整も含め、ある程度の事務処理期間を要するものと考えておりますが、できるだけ速やかな財務書類の作成に努めてまいります。
また、現在、監査委員の審査に付して議会へ提出している決算附属書類は、法令の規定に基づき、歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書及び財産に関する調書、並びに主要な施策の成果を説明する書類としております。
加えて、財政健全化判断比率である実質公債費比率、将来負担比率、実質赤字比率、連結実質赤字比率の4つの指標につきましても、法令の規定に基づき、監査委員の審査に付した上で、毎年、議会に報告しているところでございます。
そこで、統一基準による財務書類について、第三者による監査によって検証し、決算審査の附属資料として議会へ提出することとの御提言につきましては、今のところ行わない予定でございますが、厳しい財政状況の中で、財政の透明性を高め、住民に対する説明責任をより適切に果たしていくためにも、統一基準による財務書類を議会や市民の皆さんに広くお知らせすることは極めて重要だと考えておりまして、平成29年度中に、できるだけ速やかに、また、わかりやすい形で公表してまいりたいと考えておりますので、御理解いただきたいと存じます。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 堺 武夫君。
〔6番 堺 武夫君 登壇〕
○6番(堺 武夫君) 財務書類等は極めて技術的なものですが、とても奥深いところがあるものであるというふうに思います。砺波市の将来を考えるに当たっては、ぜひとも御教示、御指導を賜りたい。統一基準は1つの尺度ではありますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
第2は、地域の実態に即した公共交通の実現です。
1つ目は、新しい市営バス全体の10月実施に向けての具体的な取り組みです。
これまで、10月実施の市営バスの運行の内容は、費用対効果も十分踏まえて固められました。これまでの見直しに比べて、今回はかなり努力されたと思います。この後の利用対象者への説明いかんによっては、利用動向が大きく左右されます。仏つくって魂入れずとならないよう御尽力いただきたいと思います。
私は、公共交通対策特別委員会報告で述べた、1つは、研究会の利用する機会が少ないから乗らないのであって、機会を増やすと利用者は増えるは、学者の意見を安易に書いたもので、この実現は難しい。当局の論理だと私は思います。
2つ目、いまだに目標値を示していないことには不可思議に思います。
そこで、1つ目は、デマンドタクシーも含めた新しい市営バス全体の10月実施に向けての具体的な取り組み、特に新しい実施内容を利用対象者にいかにして効果的で、十分な説明をして、目標を達成されるのか、お尋ねします。
2つ目は、ダイヤ改正等の大きな変更、見直しです。
12月定例会では、ダイヤ改正等の大きな変更については、地域公共交通会議の開催等の手続や住民に対する周知などに時間を要し、短い時間で改正を行うと利用者が混乱することなども予測されるので、見直し時期についてはその都度適切に判断したい旨の答弁でした。これについては、対象者に的確な説明、できれば対話をして、利用者が納得をすれば混乱する恐れはないと私は考え、信じます。
これまでの3年間の見直しでは、職員の人事異動サイクルの関係からなかなか思い切った改変はできなかったと思います。決定した方針について結果責任を負う仕事の仕方を職員、課長に課せば、担当者は真剣に必死で働きます。できるできないではなく、市民の立場で発想して、適時、的確に地域の実態に即した市営バスの運行を実現するためにはどうすべきかを考えてもらいたい。
そこで、2つ目は、新しい市営バス、運行して1年たって利用目的に達しないなど、運行状況が想定どおりでない場合は、課題、問題点を速やかに把握し、改めて利用者ニーズを調査するなどして、ちゅうちょせずダイヤ改正等をすることを提言します。
3つ目は、自動運転等、将来の砺波市の公共交通のあり方です。
人工知能は何をするかという枠組みを与えなければ何もできない。人間を超えられないと言われますが、進歩するAIとその周辺技術がこれまで人間が行ってきたことの相当部分を肩がわりし、社会を大きく変えることも確実です。公共交通機関が少なく、マイカーが欠かせない山間地域などの高齢者に将来の手段として利用してもらうことを目的とした実験も行われており、3年後の2020年には国産メーカーから自動運転の車が発売されることが発表されるなど、近い将来に自動運転車が普及していくことが見通されています。自動運転はすばらしい技術革新で、高齢者や身体障害者などが自動車を利用するのに大きく貢献すると考えられます。高齢者による交通事故はほぼなくなると思います。
しかし、地方の公共交通の将来を考えると、この技術革新は大きな問題です。今後20、30年で、市営バスを含めた地方の公共交通の需要は激減するのではないでしょうか。これは、砺波市の公共交通のあり方のみではなく、砺波市のまちづくり全体にも直結する大きな変化だと私は考えます。このことが市営バスの経営に直ちに影響することはありませんが、将来、必ず起こり得る変化として捉える必要があります。
そこで、3つ目は、自動運転の普及による砺波市の将来の公共交通のあり方やまちづくりについての見通しをお尋ねします。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
副市長 齊藤一夫君。
〔副市長 齊藤一夫君 登壇〕
○副市長(齊藤一夫君) 私からは、堺議員御質問のうち、2項目めの地域の実態に即した公共交通の実現についてのうち、まず、1点目のデマンドタクシーも含めた新しい市営バス全体の10月実施に向けての具体的な取り組み、特に新しい実施内容を利用対象者にいかにして効果的で十分な説明をして目標を達成されるのか、尋ねるについてお答えをいたします。
新しい市営バスダイヤの改正につきましては、先日の議会全員協議会でも御説明いたしましたとおり、改正案の素案がまとまったところであり、今後、各地区に出向き、説明を行い、御意見をいただいた上で最終案を取りまとめていきたいと考えております。
その後、本年5月には地域公共交通会議を開催し、ダイヤ改正について御意見を伺い、6月定例会に市営バス条例の改正案を提出したいと考えております。また、7月中には運行事業者との契約を締結し、詳細な運行についての打ち合わせを進めるとともに、8月には富山運輸支局への申請手続を行い、10月から新ダイヤでの運行を開始する予定であります。
そこで、市民の皆さんへの具体的な周知方法につきましては、各自治振興会や福祉センターなどでの説明のほか、ホームページや広報への掲載、時刻表の全戸配付など、さまざまな方法により重層的な周知を図ってまいりたいと考えております。
また、今回の市営バスダイヤ改正は、新たな公共交通として、庄東地区及び雄神地区でデマンドタクシー実証運行を実施することや自由乗降区間を拡大すること、各循環線や庄川地区の3路線を再編することなど大幅な改正であることから、早目に周知していくことが大切であると考えております。
特にデマンドタクシーの利用方法につきましては、事前登録や事前予約、帰り時間の変更などの手続が必要となることから、主な利用者となる高齢者の方にしっかりと理解をいただく必要があり、福祉センターなどの利用者を初め、民生児童委員の皆さんなど地域の高齢者を支える方々、目的地となる医療機関や商業施設関係者等への周知にも努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の新しい市営バス運行をして1年たって利用目的に達しないなど、運行状況が想定どおりでない場合は、課題、問題点を速やかに把握し、改めて利用者ニーズを調査するなどして、ちゅうちょせずダイヤ改正等することを提言するについての御質問にお答えをいたします。
本年10月からの運行を1年経過した後の見直しにつきましては、バス停の変更や運行ダイヤ時刻の変更などは、軽微なものとして簡易な届け出で変更が認められますが、運行ルートの追加や便数の増加などにつきましては、地域公共交通会議を経て国への申請が必要であり、変更項目により対応が違ってまいります。
そのようなことから、運行ダイヤ時刻の変更などの軽微なものにつきましては、できるだけ早く速やかに対応し、しっかりと周知してまいりたいと考えております。一方、地域公共交通会議の開催が必要な大きな変更につきましては、短い期間で改正を行うことは、利用者の中には高齢者が多いことから混乱を招くことも予想されますので、今後の利用見込みや費用対効果などを十分精査した上で、見直し内容についてその都度適宜に判断することとしているものであります。
次に、3点目の自動運転の普及による砺波市の将来の公共交通のあり方やまちづくりについての見通しを尋ねるについての御質問にお答えをいたします。
現在、世界各国で自動運転が研究されており、日本でも、世界一安全な道路交通社会の構築を目標に研究開発が行われております。
自動運転車が普及すると、人為的なミスによる交通事故を防げることやドライバーがいなくても車を利用することができるなど、超高齢社会となった今日、買い物や通院での移動手段の少ない人々の外出を容易にすることへの解決策として期待がされております。
また、自動運転によって、タクシーやバスのドライバー不足を補うことができることや長時間の運転でも疲労が少ないなどの効果が期待されるほか、市営バス運行に関しては、ドライバーの負担軽減や市営バス運行経費の大半を占める人件費を抑えることが期待される一方、安価に普及することになれば、市営バスなどの公共交通の需要が減少することも予想されます。
このように、自動運転が普及することでさまざまな効果や課題が想定されますが、国においても、平成28年度末、ようやく国土交通省自動車運転戦略本部が設置されたところでございますので、そこでの検討内容や技術の進歩、開発状況を見ながら、本市のまちづくりにどのように生かしていくべきかを見極めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(今藤久之君) 堺 武夫君。
〔6番 堺 武夫君 登壇〕
○6番(堺 武夫君) 公共交通については、民生病院常任委員会で、細目について取り上げたいと思います。
次に、第3は、もうひとつ上の“となみ”実現のための市民との対話です。
日本海沿岸の自治体と地域の視点でニュースを発信している新聞社が地域交流事業・日本海スタイルの一環として、昨年12月23日、日本プレスセンタービルでシンポジウムを開きました。地方創生担当大臣を務めた石破茂衆議院議員は、その基調講演の中で、やりっぱなしの行政、頼りっぱなしの民間、無関心の市民、そのような地域に発展はない。それぞれに合った政策を展開しないと、存在力を発揮できない。課題や解決方法は、それぞれの地域でないとわからない。自治体にエコノミストを置いて経済分析している例は聞いたことがない。それでは生産性を上げることはできない。今さえよければいいのではない。自由で、豊かなこの国を、どうやって次の時代に残すことができるかを真剣に考え、実行に移していくことが今を生きる者の果たすべき責任であり、なし遂げなければならない課題だと報道されています。
平成27年には、人口ビジョン、まちづくり総合戦略が策定されました。本年4月から、総合計画の期間が始まります。その中で、今後5カ年、特に重点的、優先的に実施すべき施策として10WAVEプロジェクトが設定されました。また、公共施設等総合管理計画、平成27年度の財政状況の公表もありました。昨年公表されたこの3つの資料があれば、砺波市の将来は語れます。
総合計画基本計画の共通方針では、協働と持続可能な自治体経営として、まちづくりに当たっては、市民、地域コミュニティー、ボランティア、NPOなどとの連携を図るとともに、政策形成の段階から市民の積極的な参画を促進するなど、市民と行政との協働を推進します。新たな行政需要や多様化する市民ニーズに対応し、よりよい市民生活を実現するため、公共施設や社会インフラの更新、長寿命化、統廃合等を初め、各種施策の積極的な情報発信と見直しを行うほか、職員の育成、広域行政及び事業連携の推進を図るなど、さらに効率的で、効果的な行政運営に努め、持続可能な自治体経営を進めますとうたっています。
今の人口オーナス時代には、基礎的自治体では、もっと住民、市民との対話の場があってもよいと思います。今生きている人々の多くは、かつてのよき時代の発想しか知りません。公共交通特別委員会での当局との意見公開でつくづく感じました。もっと住民、利用者と直接対話ができないか。それは、いかにして住民意思を把握するか、どのようにすれば住民意思を的確に把握することができるか、そして、こちらの思いが伝わり、理解されるか。一方通行の発信では、外部へ向かっては大変意味のあることですが、内、市民に対しては双方向の対話でないと意味がありません。無関心な市民には、対話の中で理解してもらい、共鳴してもらい、行動してもらうにはこれなしないと思います。
もうひとつ上という言葉は、わかりやすく、誰でもわかる言葉です。しかし、何がどうであれば、もうひとつ上なのかとなると、よくわかりません。それで、もうひとつ上の“となみ”実現のための基礎として、市民との対話を位置づけてもよいと思います。対話は、双方向で情報をやりとりして、お互いに相手方を理解し、信頼し、協力して、何かをなし遂げるものであると思います。
そこで、第3は、第2次総合計画の計画期間が4月から始まります。公共施設等総合管理計画、平成27年度財政状況の公表もありました。さらに、平成29年度予算編成を加えた資料(要約版)をもとにして、市民との対話を開くことを提言します。
なお、部局長の数の班編成で対話集会を実施することも、職員の育成を図る面からは大変有意義であると考えます。
○議長(今藤久之君) 答弁を求めます。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 今ほど、3項目めの総合計画等に係ります市民との対話集会等についての御質問にお答えいたします。
簡潔にということでございましたが、懇ろな御質問でしたので、懇ろにお答えしたいと思います。
御存じのとおり、第2次の砺波市総合計画の共通方針でもお示ししたとおり、市民参画・市民協働は、まちづくりを進める上で市政推進の柱としており、市民の皆さんに、市政の方針等について十分御理解いただき、また、それらに対する御意見をいただくことは大変重要であるというふうに思っております。
そのようなことから、例えば第2次の砺波市総合計画につきましては、市民の皆さんに御理解をいただけますよう広報となみの9月号と11月号で、お知らせを2回いたしました。加えまして、今月末に発行する予定であります4月号に合わせて、新総合計画を簡潔にまとめました概要版を市内の全戸に広報と一緒に配付させていただく予定としておりますほか、市のホームページでも詳しくその内容をお知らせしているところであります。
これらは、議員のお言葉を借りれば、一方通行の発信でありますが、一方で、総合計画を初め各種の計画等につきましては、住民の皆さんが主体的に開催されます行政出前講座などにおきまして、そこに赴いた上で直接御説明するような、また、御意見も伺うというような機会も設けているところでございます。
また、限定的だという御意見もあるかもしれませんが、これまでも、市内のいろんな方々から意見を聞くような機会として、商工の関係ですとか、工場協会の皆さん、老人クラブや婦人会、さらには若手の農業経営者ですとか、若手の経済人の人なんか、いろんなグループの、割と小さな会合も含ましてですが、市内のさまざまな組織や団体の方々と折々に、ある程度テーマを絞った形で意見交換会、これは私だけではなくて、部局長も、また課長レベルも行っているというふうに思っております。
加えまして、本市では、地域アンテナ隊を活用し、行政情報をお伝えするとともに、地域の皆様の声をお聞きしているほか、各種の計画づくりにおきましても、関係の団体やまた公募委員なども入れて、市民の代表の方々にも参画いただきながら取り組んでいることも十分御承知だというふうに思います。
そこで、議員御提案の対話集会についてでございますが、そのイメージですとか、規模は定かではありませんけれども、私は、総合計画や公共施設等総合管理計画など、いわば総括的な計画については、テーマが広範囲にわたりますことから、例えば私の持っているイメージですが、対話集会を設けたとしても、議論が深まりにくいことや場合によっては、他の自治体などでも指摘されているような動員の要請ですとか、発言者の調整などをやらざるを得ないようなケースのものもあります。そういったものであれば、地域にも御負担をおかけしますし、果たして議員の期待されているような効果のあるものとなるものかと、効果のあるものとなるのかということについてはいかがなものかなという点も思います。
その一方で、これまでも一部の事業で実施してまいりました、例えばごみの対策、福祉の対策、御紹介もありました交通の対策など、市民生活に直結する個別、具体のテーマに関しましては直接住民の皆さんとの対話が行えます地区の説明会ですとか、事業説明会などを設けることで、具体的な生の声も伺うことができる中で、事業への理解ももちろんお願いしたい、また、浸透もお願いしたいわけですが、市民と市の双方向からの情報交換、間違いなくそういうお話をしますと、具体な御提言ですとか、御意見をいただくわけですから、ある意味では実のある協働のまちづくりにつながっていくのでないかなというふうに思います。また、そういった折にも、例えばそのそれぞれの事業の背景にある考え方をですね、総合計画ですとか、公共施設等総合管理計画なんかにも言及することによって、説明もできるのではないかというふうにも思います。
ですから、イメージがひょっとしたら違っているのかもしれませんが、おっしゃっているような何とかミーティングみたいなものをやるということについては若干、私は疑問に思う点もございます。
こういったことから、今後とも市政推進上の課題に応じまして、どのような手法で市民にお伝えして、御意見を伺うことがより適当であるのかを十分に考えて、その事業によりましてかもしれませんし、また、逆にそうは言うけど、幅広いその基本的な方針も聞きたいんだというようなケースもあると思います。最もそれぞれに対して実質的に効果を期待できる手段によって、例えば今、御提言の対話集会的なものがいいのか、行政出前講座がいいのか、また、既存のいろんなお集まりのところに行くのがいいのか、また、市のこうこう具体の会議の中で話をするのがいいのか、また、個別の事業説明会ですとか、先ほど申し上げましたような事業の対象となるような、例えば福祉の関係で、直接その対象となるような方々には直接的な、今はやりの言葉で言うとプッシュ形の広報、また働きかけなど、そういった手段も用いて、市民の皆さんとの双方向の対話といいますか、情報交換をする機会を設けていきたいというふうに考えております。
また、その際ですが、市側の参加者につきましては、部長等での班編成での対話集会という御提言もございましたが、状況に応じまして、また、もちろんお求めがあればですが、もちろん特別職ですとか、部局長に限らず、第一線の担当者も含め、関係職員が協力し、丁寧な説明や意見聴取にも努めてまいりたいと考えております。
あわせて、これはお願いですが、議員の皆さんにおかれましても、機会があれば、議会活動の一環として、市のいろんな施策についても御紹介いただいて、また、皆さんの御意見もあわせて御紹介いただいて、その際の市民の皆さんからの御意見も担当部局等にフィードバックしていただくといいますか、お知らせいただければというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
私からは以上でございます。
○議長(今藤久之君) 堺 武夫君。
〔6番 堺 武夫君 登壇〕
○6番(堺 武夫君) 一言で言うと、夏野市長は、大変一生懸命に砺波になじみ、市政発展のために尽力をいただいております。
そこで、私がお願いしたいのは、市長の熱意がある場合には、幹部職員に十分伝わっていないのではないかという思いです。部局長さんは、少なくともあっちこっちの部署を回っておられると思いますから、市政全般について、おおよそのことは地域で語れるようにお願いできんかというのが私の本心であります。そうしないと、なかなか市長が唱えておられるもうひとつ上、これをなかなか実現できません。
市長がよくおっしゃっておられる言い方ではないんですけど、砺波の市民、住民は、富山県の中心、富山から見ると、極めておとなしく、県としては治めやすい地域です。非常にいいことです。ですけど、市長は、もうちょっと元気出して、何かやらまいかと。これのためには、そこらあたりの人々がもっと行動し、活躍してもらいたいと、そう思います。
それで、僕は、課題、問題点が大きければ大きいほど、挑戦、意欲が……。
○議長(今藤久之君) 堺議員、再質問に関しては簡潔にお願いいたします。
○6番(堺 武夫君) 簡潔にやります。
挑戦、意欲を持っていただきたいと思います。
これについては、部局長さんというか、職員を監督する立場にある副市長さんに決意を語っていただいたらありがたいと思っております。
○議長(今藤久之君) 趣旨が違うんじゃないんですかね。
市長、答弁できますか。
○市長(夏野 修君) はい。
○議長(今藤久之君) 市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 若干ほめてもらったような部分もあるので、出していただきますが、おっしゃることは、趣旨はある程度わかります。例えば県の職員が、例えば厚生部にいる職員が土木の話をしろといったって、まず難しいと思いますが、砺波市ぐらいのサイズの市であれば、ずっと住んでいた人にすれば、大体市がどこへ向かっているかということは、部局長にもなった人ならわかっているんじゃないかと思います。
もう一つ、1つエピソードを申し上げますと、砺波市に来まして、庁議というのがあります。部局長会議ですが、どことはいいませんが、かつて勤めていた会社ですが、庁議でも議論にはなったことはないです。ところが、砺波市の庁議というのは議論百出でありまして、ある部の部長さんが言ったことをほかの部の部長さんが、いや、それは違うんじゃないかとかですね、いや、俺、かつてやっておったときと違わんかとかという話が普通に出るような雰囲気になっています。それは、市長の指導力がないのかもしれませんが、ただ、やっぱりそういう意味では、少なくとも部局長の範囲で情報の共有化というのはかなり図られているんじゃないかなと。
もし今の御指摘の中で、部局長が直接いろんな地域へ出て、また、地域でいろんな所管外のことを聞かれても、そんな、俺、わからんちゃと言っておるようなケースがあるのかもしれませんが、それは、よく言えば100%きちっと答えられないから、わからんから、また聞いてみっちゃというふうに答えられたのかもしれません。
いずれにしても、どう言いますか、それぞれの部局長にもなられた方々は、それなりの見識もあると思いますので、今御指摘になったような点も含めて、いろんなことに、いろんな機会にできるだけ出ていただいて、その対話集会という形じゃなくても、いろんな地区のいろんな活動等の中でもそういうことをやっていただくようなことを改めてお願いしたいといいますか、考えていただければというふうに思いますし、多分そういうふうにしていただいているんじゃないかなと思いますので、よろしく御理解いただきたいと思います。
再質問の答えだったかよくわかりませんが、そういった思いで、終わらせていただきます。
○議長(今藤久之君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(今藤久之君) 質疑なしと認めます。これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。
議案の常任委員会付託
○議長(今藤久之君) ただいま議題となっております議案第1号から議案第21号まで、平成29年度砺波市一般会計予算外20件については、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の各常任委員会に付託いたします。
この際、暫時休憩いたします。
午後 2時44分 休憩
午後 2時46分 再開
○議長(今藤久之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
昨日、一般質問された嶋村議員の発言の内容について、議会運営委員会で協議した結果、一部に不適切な発言があるとの結論に至りました。
嶋村議員から発言の申し出がありますので、発言を許可いたします。
16番、嶋村信之君。
〔16番 嶋村信之君 登壇〕
○16番(嶋村信之君) 昨日、私の一般質問の中で、一部不適切な発言がありましたので、お手元文書、なお以下5行の取り消しをお願いし、おわびを申し上げます。
以上でございます。
○議長(今藤久之君) お諮りいたします。
ただいまの嶋村議員の発言の一部取り消しについて、許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(今藤久之君) 御異議なしと認めます。よって、嶋村議員からの発言の取り消しについて、許可することに決しました。
なお、かかる部分については、議長において、しかるべく処置をいたします。
○議長(今藤久之君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。
お諮りいたします。明3月10日から3月15日までの6日間は、議案審査等のため休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(今藤久之君) 御異議なしと認めます。よって、3月10日から3月15日までの6日間は、議案審査等のため休会することに決しました。
なお、次回の本会議は、3月16日午後2時から再開いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
どうも御苦労さまでした。
午後 2時48分 閉議