1.会議の経過
午前10時00分 開議
○議長(川辺一彦君) ただいまの出席議員は17名であります。定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。
本日の日程は、あらかじめ配付してあります議事日程第3号のとおりであります。
日程第1
市政一般に対する質問、並びに提出案件に対する質疑(一般質問)
○議長(川辺一彦君) これより本日の日程に入ります。
日程第1 市政一般に対する質問、並びに議案第85号 令和5年度砺波市一般会計補正予算(第6号)から議案第107号 証明書等の交付等に係る事務の相互委託の廃止についてまで、及び報告第8号 専決処分の報告についてを議題といたします。
昨日に引き続き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を行います。
通告により発言を許します。
6番 開田哲弘君。
〔6番 開田哲弘君 登壇〕
○6番(開田哲弘君) 昨日は、1期生の方々のすばらしいリレーにより、とても楽しい、聞いている方々にとって楽しく感じたような議会になったんじゃないかなと思っています。
本日、私も昨日に負けないよう、市政一般についての質問を行いたいと思います。
私の住んでいる般若地区では、今の時期になると電気柵の撤去という作業が行われます。4月から11月までの間、休むことなく電気を通し続け、イノシシの侵入を防いでいた電気柵ですが、冬場には雪が積もり効果がなくなるため、12月3日に撤去いたしました。来年の春までは倉庫で休眠ということになります。
さて、令和2年度の鳥獣被害防止実績を踏まえて、令和3年度からスタートした砺波市鳥獣被害防止計画では、最終年度である令和5年度の目標値は次のようになっていました。イノシシについては、令和2年度の現状での被害が水稲で27万円、面積にして0.25ヘクタール、令和5年度の目標として、水稲での被害が21万6,000円、面積にして0.19ヘクタール、ツキノワグマについては、令和2年度の現状で人身被害ゼロを、令和5年度でも人身被害が起きない、ゼロということを目標にしています。
山間部を抱える自治振興会では、イノシシ対策の電気柵設置に積極的に取り組み、草が成長し、電気柵に触れることにより起こる漏電を防ぐための草刈り、張り巡らされている電気線のたるみの解消などを毎週確認しています。
このように頑張っている自治振興会の住民としては、令和5年度の目標として掲げられた数値に対する結果が気になるところです。
まず最初の質問は、令和5年度の目標であったイノシシによる被害の目標、水稲で21万6,000円、0.19ヘクタールは達成できたのかどうかが気になるところであります。電気柵の設置を進めてきた砺波市として、その効果と実績についてどのように評価し、今後も続けていくのかを商工農林部長の答弁を求めます。
次に、鳥獣被害防止計画では、先ほど触れたように、令和5年度が最終年度だったわけですが、計画の中で対象となっているツキノワグマが、今年度は山から下りてきて柿の実を食べていることが報道されています。これは、山の木の実などが不作で、餌を求めて人家に生えている柿の実を狙ってきているとよく報道されています。その結果、至るところで柿の木の伐採が実施されました。
環境省が12月1日に公表した熊による被害まとめによりますと、今年4月から11月までに熊に襲われてけがなどの被害に遭った人は、全国で212人に上りました。
年間の被害が過去最悪だったのは2020年度の158人だったのですが、今年は11月の時点で54人多く、統計を取り始めた2006年度以降で初めて200人を超え、過去最悪の被害状況と報道されています。
今年度の月別被害状況では、10月の73人が最多で、9月に38人、11月に30人と続いています。11月としては過去2番目の多さとなりました。
これは、山のドングリとかが不作で食べるものが少ない状況で、人里に出るのが危険なことなのに、冬眠を前にして一生懸命体に栄養を蓄えようとしている必死さが伝わってきます。
悲しいことに、熊に襲われて死亡された方もおられます。
今年の被害状況を都道府県別に見ますと、北海道と岩手でそれぞれ2人、富山と長野でそれぞれ1人、合わせて6人に上っています。
環境省は、12月以降も注意を呼びかけている状況です。12月になり、寒さも大分増してきているので、早く冬眠に入ってほしいと願うばかりです。
熊を人の住むエリアに近づけないための方法で何が有効なのか調べてみますと、電気柵でした。意外にも電気柵が一番有効とする意見が多いとのことでした。熊は大きいので電気柵ぐらいすぐ超えてしまうと思っていましたが、通常は四つ足で移動しているということで、イノシシと同じように、熊の鼻先が最初に電気柵に触れる高さに電線を張っておくと、熊にも効果があるとのことです。
このため、設置の仕方も、電線を地面から20センチメートル、40センチメートル、60センチメートルの3つの高さで張ることで、熊が人のエリア側に侵入することが防げるとのことです。さらに万全を期すなら、この3本の電線で囲ったさらに山側に、もう一つ20センチメートルの高さでの電気柵を設ければよいとの意見もあります。
私が住んでいる般若地区で使っているのは90センチメートルの支柱なので、30センチメートルを地中に埋め、ぎりぎり3本の電気線が張れるのかなと考えます。これは試してみてもよいのではと考えるところです。
この電気柵が熊にもなぜ有効かといいますと、電線に触れたときの電気のぴりっとしたショックは、動物にとって嫌なものです。人間でも間違って触れると飛び上がってしまいます。
イノシシ対策として砺波市内に普及した電気柵ですが、実は熊にも使える優れものなのではと思います。
電気柵を設置している自治振興会は、当然山にも近いことから、今年のような熊が頻繁に活動する状況において、地区内で安心に生活ができるツールとなり得るものと考えます。
電気線を3本にすることで、今の高電圧を生み出している本体部分の能力が落ちるのかは分からないのですが、この部分の入替えも必要になるのかもしれません。
2つ目の質問は、砺波市の熊から住民を守る電気柵となるよう設備を更新することについて、商工農林部長の答弁を求めます。
3点目に、熊の生息状況を把握できるようにすることが一番の熊対策になると考えるところです。
個体数がそれほど多くないツキノワグマ、日本における生息数は約1万2,000頭。かつては本州、四国、九州に生息していましたが、2012年に九州では絶滅宣言が環境省によって出されています。
ちなみに富山県での生息は、令和元年の調査で1,460頭となっています。個体数が少ないので絶滅の危険度は高まっているのですが、保護鳥獣ではないので、駆除もできるという微妙な立ち位置の動物となっています。
砺波市は熊に対し、どのようなスタンスで接することにしているのでしょうか。熊の行動調査と称して、GPSを取り付けて行動を追跡することもできるみたいですが、これが広く広まれば、熊による被害は防げるような気がします。人間から近づくこともしないだろうし、熊が来たら逃げるか山に追いやるかできるようになります。
3点目の質問は、このような熊の行動が分かる仕組みづくりに取り組み、被害を防ぐということに砺波市では取り組めないでしょうか。商工農林部長の答弁を求めます。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) まず、1点目の鳥獣被害の状況と取組の効果についての御質問にお答えします。
イノシシによる農作物被害防止対策につきましては、侵入防止のための恒久柵、電気柵及びテキサスゲートの設置に加えまして、日常の適切な管理により、本年度10月末までの水稲被害は7万8,000円、面積は70平方メートルであり、目標値を大きく下回っており、十分な効果があったものと考えております。
本市といたしましては、今後とも引き続き、国、県の補助事業を活用して電気柵等を設置し、農作物の被害防止に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
続きまして、2点目の熊用電気柵への取組についての御質問にお答えいたします。
イノシシ対策の電気柵を活用した熊対策用の電気線を設置することにつきましては、全国的にも例が少なく、また、県内では実例がございません。その効果につきましては、今後十分検証する必要があると考えております。
また、電気線及び電源強化の経費には国や県の補助はなく、高額な費用負担が伴うとともに、地元関係者にも大きな負担がかかることから、今のところそのような更新は考えていないところでございます。
この点は以上でございます。
3点目の熊にGPSを取り付けて行動を追跡する取組についての御質問にお答えします。
熊の行動範囲は成獣で100平方キロメートル、一晩で数十キロメートルも移動すると言われるほど広いことから、その生態調査は広域で行うことが適当であり、市単独では調査を行う予定はございません。
また、御存じでしょうが、過日成立した国の補正予算では、人の生活圏に出没する個体の生息状況調査などを行うクマ緊急出没対応事業が予算の中に盛り込まれており、富山県では同事業の活用を視野に生息調査を検討されているところでありますので、その結果を対策に生かしたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午前10時14分 休憩
午前10時18分 再開
○議長(川辺一彦君) それでは、再開いたします。
10番 山田順子君。
〔10番 山田順子君 登壇〕
○10番(山田順子君) 議長のお許しをいただきましたので、事前に通告いたしましたとおり、大きく3つの項目について、若干の質問と提案をさせていただきます。
まず大項目の1、空き家対策のさらなる取組推進についてお伺いいたします。
人口減少等による空き家の増加は、景観や防災面で悪影響を与えていたことから、国では、平成27年5月に空家等対策の推進に関する特別措置法を施行し、これを受けて、砺波市においては、平成29年度から令和8年度までの10年間とした砺波市空き家等対策計画が策定され、市民生活課をワンストップ窓口として熱心に取り組んでおられることに心から敬意を表します。
また、平成23年度から、各地区自治振興会等の協力を得て、空き家情報調査が毎年行われており、調査開始時点の空き家は305戸でしたが、令和5年3月末では特定空き家9戸、危険度の高い空き家46戸を含む550戸に増加しておりますが、空き家バンクへの登録数は35件にとどまっています。
今後も人口減少の進行により空き家等が増加することが予想され、まさに全国的な喫緊の課題となっております。
このことを心配して、さきに実施した議会報告会ではほとんどの全地区から空き家問題に関する悩みが多く寄せられたことから、6月定例会での川岸議員の空き家対策の代表質問に続いて、8月議会では私も一般質問をさせていただき、また、民生病院常任委員会でも委員全員が皆様からの意見を届け、そしてまた、今12月定例会でも島崎議員が代表質問される等、各地区ではそれほど大きな問題となっているところであります。
その際にも丁寧に答弁していただき、砺波市の熱心な取組が感じられたところであり、急激には進められないことはもちろん承知してはいるところでございますが、続いてもう二、三の提案と要望をさせていただきたいと思います。
まず1点目、空き家コーディネーターの活性化についてお伺いいたします。
平成28年8月8日に空き家コーディネーター全体会議を開催し、空き家情報連絡員、通称空き家コーディネーターを各地区の住民計21人に委嘱し、利活用できる空き家の掘り起こしや、バンク登録への空き家管理者との橋渡しを担い、市と一体となって散居景観保全と定住を促進することを目的に新設されたことは、県内初の取組であり、高く評価するものであります。
空き家コーディネーターの中には、宅建業者や不動産会社のような専門の方や豊富な知識を持っていらっしゃる方等がおいでるのですが、現在年に1回しか意見交換されていないとのこと。これは実にもったいないと思いますし、コーディネーターの中には、せっかく役を引き受けたにもかかわらずあまり活動がなく、もっと役に立ちたいという積極的な声も聞かれます。
もっと意見交換会の数を増やす等して活性化を図られたらよいと思うのですが、横山福祉市民部長にお伺いいたします。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) 空き家コーディネーターの活性化につきましては、意見交換会または全体会議にグループワークやワークショップ形式を導入するなど、意見交換の方法を工夫し、コーディネーター間のさらなる意見交換、情報交換を図り、活動の活性化につなげてまいりたいと考えております。
また、複数回の開催につきましては、8月定例会の際の御質問にもお答えしたとおり、現時点では考えておりません。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山田順子君。
〔10番 山田順子君 登壇〕
○10番(山田順子君) せっかくのコーディネーターさん方の前向きな気持ちを酌んでいただきまして、ぜひまた活性化を図っていただきたいと思います。
次に2点目、空き家コーディネーター連絡協議会の設立について、再度提案いたします。
これに関しましては、自治振興会、弁護士、商工会議所、宅建業者等の代表で構成されている、現在ある砺波市空き家再生等推進協議会のメンバーの中に、空き家コーディネーターも数名加えられる等して意見を反映させていただきたいとの答弁でありましたが、現在、柳瀬地区のコーディネーターさんは、御自分の地区で、その地区の空き家の活用を進めるとして、一般社団法人やなぜ空き家ねっとを設立され、空き家を減らし、地区の活性化に取り組んでおられるように聞いております。
このノウハウを生かして、防災士連絡協議会のようなしっかりとした組織を構築されたら、空き家解消のためのより充実する活動ができると考えますが、当局のお考えをお伺いいたします。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) 空き家コーディネーターの意見交換会または全体会議を開催しているところであり、先ほどの御質問にもお答えしましたとおり、意見交換をより効果的なものとすることで充実した活動につながるものと考えておることから、改めて空き家コーディネーター連絡協議会を設立することは考えておりません。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山田順子君。
〔10番 山田順子君 登壇〕
○10番(山田順子君) 防災士連絡協議会のようなきちんとした協議会を設立していただいたら、もっと空き家対策を進めることができると考えます。砺波市が他の自治体の手本となるような、本当によい活動を進めていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
続いて3点目、空き家の企業向けの情報発信についてお伺いいたします。
去る11月17日に空き家見学ツアーが開催されましたが、昨年に引き続き7名のみの参加とのことで、一般の方の参加は年々少なくなってきているようです。
見学先の方からは、散居というロケーションが移住の決め手、緑一面の田畑の中にぽつんとある風景に心が癒やされる、太いはりを組む伝統構法「枠の内」がすばらしいと絶賛する声も聞かれることから、散居の空き家を砺波市の観光資源として、県外のホテルの運営会社等、企業向けにも魅力発信することを提案するものですが、当局のお考えをお伺いいたします。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) 本市が行っております空き家情報バンクは、市内にある空き家の物件を登録、公開し、物件の有効活用を図ることを目的として、散居景観の保全と定住促進につなげ、地域の活性化に寄与する制度であります。
これまでの空き家情報バンクの実績といたしましては、洋菓子のスコーンのお店、ガラス工房、ホームセレモニーや障がい者のデイサービスなど、住宅以外にも多様なアイデアに満ちた有効活用の事例がございます。
今後も、県内外の空き家に興味を持っている方や企業をターゲットに、砺波の伝統家屋のよさや景観のすばらしさなど、砺波の魅力をはじめ、空き家を利活用した事例をホームページやSNS等を通じて積極的に情報発信してまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山田順子君。
〔10番 山田順子君 登壇〕
○10番(山田順子君) 12月1日に井波の瑞泉寺の門前に、インバウンドや富裕層に向けた1日1組限定の宿泊施設を備えたレストランをオーベルジュと言うんですが、オープンされたそうでございます。
砺波市も、散居のアズマダチに本当に魅力を感じる業者もたくさんいらっしゃるんじゃないかと思っておりますので、ぜひ発信をまたよろしくお願いしたいと思います。
次に4点目、民間活力を生かした空き家対策の取組についてお伺いいたします。
議会報告会での意見の中に、宅建協会は砺波、小矢部、南砺があるが、いまいち砺波市の空き家対策が進んでいない印象があるとの意見がありました。
空き家対策については市が主体となって実施されているようですが、宅建業者や不動産会社等と連携して、官民がしっかりと一体となって取り組まれたら、もっと幅が広がる対策、推進ができると考えるのですが、当局にお伺いいたしまして、大項目1の質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 横山福祉市民部長。
〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) 昨日の島崎議員の代表質問にもお答えしましたとおり、現在、富山県空き家対策官民連絡協議会及び富山県宅地建物取引業協会砺波支部と情報交換や流通促進に向けて協議を行っております。
また新年度には、本市において、富山県宅地建物取引業協会砺波支部と連携し、空き家相談セミナーの開催を検討しており、引き続き官民一体の取組を進めてまいります。
私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 山田順子君。
〔10番 山田順子君 登壇〕
○10番(山田順子君) 隣接市のシルバー人材センターでは、空き家管理事業にドローンを活用されています。大勢の皆さんの知恵を結集して対策を進めていただきたく思いますので、よろしくお願いいたします。
次に大項目の2、散居景観を守るためについてお伺いいたします。
砺波市の大きな特徴の一つは豊かな自然であり、水と緑の森づくりを通して資源にさらなる磨きをかけることは、安全・安心な環境づくりの面からも、とても大切なことだと考えます。
最初に1点目、スギ花粉発生源対策推進方針改正による対応についてお伺いいたします。
政府は、今年5月30日に花粉症に関する関係閣僚会議を開き、今後の対策の全体像をまとめられました。
花粉の発生源となる杉人工林について、伐採の加速により10年後に約2割減少させ、約30年後には花粉の発生量を半減させることを目標に掲げられました。
花粉症は、いまだ多くの人を悩ませ続けている社会問題であり、農林水産省は、国民病と言われる花粉症の対策に向けて、無花粉や少花粉など、有効な杉苗木を普及する支援策を進められています。
砺波市の対応について、坪田商工農林部長にお伺いいたします。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 本市ではこれまでも、優良無花粉杉である立山森の輝きへの植え替えを行ってきており、本年度では約2.5ヘクタールを整備する計画であります。
一方で、現在植生している杉の主伐を行わなければ次の無花粉杉への転換が行えないことから、引き続き、地権者を含め、富山県や森林組合など関係者と連携しながら、無花粉杉の拡大に進めてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山田順子君。
〔10番 山田順子君 登壇〕
○10番(山田順子君) 森林の整備は熊対策にもつながりますので、今後も整備の促進をよろしくお願いいたします。
次に2点目、有効な花粉症対策と位置づけられる無花粉杉の今後の植栽計画についてお伺いいたします。
くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみを引き起こす花粉症の主な原因は、杉やヒノキの花粉であるとされています。一方、持続的な森林資源の循環利用のためには、今後の杉、ヒノキは重要な造林樹種であります。
花粉症はなくしたい。でも杉やヒノキは、日本の林業に欠かせないという相反する課題を解決すべく開発されたのが無花粉杉であり、有力かつ将来に向けて持続可能な花粉症対策と位置づけられているところであります。
無花粉杉の今後の植栽計画について、当局にお伺いいたします。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 富山県で作成された富山県森づくりプランでは、無花粉杉の植栽は、来年度から令和8年度までの3年間で、県全体で200ヘクタールと目標設定されておりますが、森林は地権者の財産でありまして、現実的には計画のとおりに伐採と植栽を進めることは容易ではないと感じております。
本市では具体的な数値の目標は示しておりませんが、令和3年度に作成いたしました砺波市森林経営管理基本計画におきまして、今後の森林整備の優先順位を示しているところであります。関係機関と連携して、地権者の了解が得られた上で、無花粉杉の植栽に切り替えていただくよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 山田順子君。
〔10番 山田順子君 登壇〕
○10番(山田順子君) 身近にも花粉症の方がたくさんおられますので、無花粉杉の植栽を進めてくださいますよう、よろしくお願いいたします。
続いて3点目、花粉の少ない樹木による屋敷林の構築についてお伺いいたします。
砺波平野の美しい散居景観の重要な構成要素である屋敷林について、現状の把握や散居景観保全事業の事業効果の検証、今後必要な保全対策について検討するため、令和2年5月中旬から8月末までの期間で、市内全域の238自治会等で調査が実施されました。
それを見てみますと、合計12万3,647本のうちその他が5万5,940本と一番多かったのですが、その次は、何といっても杉が3万9,072本と圧倒的に多く植栽されていました。
また、そのときの意見に、昨今、花粉症の問題や野焼きも禁止されている中、杉の植樹をやめ、落ち葉がほとんど出ず、掃かなくてよいヒノキ――アテですね――の植樹を推奨するとの意見もあったようです。
今後、花粉の少ない樹木による屋敷林の構築について、どのように計画し推進されていくのか当局にお伺いいたしまして、大項目2の質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 屋敷林は個人の財産であることから、計画的に無花粉杉に転換することはできませんが、切替えされる場合には、散居村景観保全事業の植樹支援を活用して無花粉杉の苗木を植えていただくよう、例えば、造園業者さんを通じて広報するなどしてまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山田順子君。
〔10番 山田順子君 登壇〕
○10番(山田順子君) 散居景観を守るためにも、無花粉杉の植栽は大切なことだと考えますので、よろしくお願いいたします。
最後に大項目の3、有害鳥獣の対策についてお伺いいたします。
富山県内では、今秋の熊の出没状況、目撃、痕跡や人身被害が多発しております。
富山県自然保護課によりますと、今年の県内の熊による人身被害は7件で、9人が死傷されたとのことであり、発生場所は全て富山市内であったとのことでした。
今年1月から10月の熊の出没情報は442件、目撃289件、痕跡153件で、前年同期の約2倍に上り、月別では、10月が257件で約6割を占め、市町村別では、富山市が半数を超える232件だったとのことでありました。
砺波市では、今年は幸い人身被害は出ていませんが、他市では人身被害が多発しています。
山では栗、クルミ等の堅果類が不作で、冬眠前の熊が食べ物を求めて活発に行動します。山際から平野部の集落周辺へと下りてきており、何ともかわいそうな気もしますが、人間に危害を加えるとなると、しっかりとした被害対策が必要であると考えます。
そこでまず1点目、熊対策の備えと対応の2つの取組についてお伺いいたします。
今や熊対策は、農耕地や森林地帯だけの問題ではありません。市街地周辺においても、備えと対応の2つの取組が必要であると考えます。
対策の基本は、人身事故や被害の未然防止、心理的な不安の解消等で、このために日常的な取組が必要であり、1、情報収集、2、普及啓発、3、被害対策、4、体制の整備、5、調査研究等があると思いますが、被害が発生してから考えるのでは遅いのではないでしょうか。
もちろん砺波市では、マニュアル作成等々適正な管理に努めておられることは十分承知しているところでありますが、改めて熊出没への備えと対応の取組について、当局にお伺いいたします。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 熊出没への備えにつきましては、自治振興会や警察署、消防署、市鳥獣被害対策実施隊などの関係機関で構成する砺波市クマ対策会議を開催し、熊出没の傾向や緊急連絡網などを確認し、市民の皆さんに対して、被害防止の啓発を行っております。
また本年、県内で熊による死亡事案が発生したことから、緊急クマ対策会議を開催したところであり、このように必要に応じて綿密な情報共有など対応を図っているところであります。
熊出没時の対応といたしましては、マニュアルに基づきまして、速やかに警察署や鳥獣被害対策実施隊員など関係者と現地確認やパトロールを実施するとともに、市民に対して緊急メールを配信して注意を促すなどしており、引き続き市民の安全確保に努めてまいります。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山田順子君。
〔10番 山田順子君 登壇〕
○10番(山田順子君) 今年、砺波市では、熊らしき、熊のようなという感じで、本当の熊の出没は3件と少なかったようでありますが、熊は100メートルを何と7秒の速さで走るそうです。近隣市では多く出没しておりまして、いつ砺波市にも来るかもしれません。
昨年の6月20日、鷹栖でも熊の人身被害が発生し、その後、苗加地内の空き家に立て籠もったような事例もありますし、とても心配しておりますので、またしっかりとした対策の推進をお願いしたいと思います。
次に2点目、実施隊員の人材確保と支援についてお伺いいたします。
砺波市の鳥獣被害対策実施隊員の現状については、男性43名、女性1名の計44名の方に活動していただいており、皆様の活動に心から敬意を表するところであります。
富山県内の10月の熊出没情報は257件を超え、前年同月の約11倍となり、ほぼ毎日出勤している猟友会もあるとのことで、危険を伴うため、対応できる隊員は一部のベテランに限られ、担い手不足が課題となっているところでございます。
富山県猟友会によると、県内17支部の会員は、今年末時点で780人で、60歳以上が431人であり、熊など有害鳥獣駆除のニーズが近年高まっている中、会員の技術向上と若い世代の人材確保に取り組んでいきたいと話されておりました。
砺波市の年齢構成も、40歳以下7人、41歳から60歳は16人、61歳以上は21人で、80歳代の方もおられるとのことであり、実施隊員の人材確保は必須であると考えます。また、仕事の大変さからも、今まで以上にもっと支援すべきと考えますが、当局にお伺いいたします。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 銃の所持につきましては、猟銃免許と所持の許可が必要であり、その取得には、希望者を含め、家族なども厳しい審査を受けるなど、目に見えない負担があります。
また、熊の捕獲には主にライフル銃を使用しますが、その所持許可を受けるためには、散弾銃の所持許可を受けてから10年以上の経歴が必要となり、短期間に新たな担い手を見つけることは厳しい状況にあります。
この人材確保につきましては、過日、地区自治振興会協議会からも要望を受けたところであり、市といたしましては、免許取得に伴う費用に対し、支援を検討してまいりたいと考えております。また、新たな隊員確保に向け、各地区にも候補者の推薦に御協力をいただきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 山田順子君。
〔10番 山田順子君 登壇〕
○10番(山田順子君) 最後に3点目、餌となる不要な木の伐採についてお伺いいたします。
熊を人里に寄せつける要因の一つとなっている柿の木。砺波市も早期の収穫を呼びかけ、伐採に係る費用を助成しておられるところではございますが、浸透していません。高齢者世帯や空き家の柿の木は手つかずとなっていることが多いようです。
木を1本伐採すると、処分費も含めるとかなり費用がかかる事例もありますので、助成制度があるとはいえ、負担は大きいと思います。
先祖代々からの木は切りたくない、まだ周辺で熊の目撃が少ないからといった声も聞かれ、空き家の庭の木については勝手に切ることができず、対策が進まないのが現状とのことであります。
放任果樹伐採に対する補助については上限5,000円となっているところですが、もう少し補助金を上げて負担額を少しでも軽くしていただきたく要望するものですが、当局にお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 近年の熊の出没は柿の実に誘引されていることから、その果実の摘み取りや樹木の伐採など、適切に処理することが重要であります。
議員からの補助金の増額要望につきましては、樹木の植生の場所やその樹木の太さにより費用の高い、安いはありますが、県内市町村の補助金額と比較いたしましてもおおむね適当な額であると認識しており、今のところ増額は考えておりません。
なお、全国的に熊の出没は中山間地に限らず平野部にも見られ、人的被害も発生しておるところであります。このことから、本市といたしましては、補助対象地区を平野部にも拡大することを検討してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午前10時53分 休憩
午前10時57分 再開
○議長(川辺一彦君) それでは、再開いたします。
4番 神島利明君。
〔4番 神島利明君 登壇〕
○4番(神島利明君) 議長の許可をいただきましたので、通告に基づき、分割方式で質問させていただきます。
まず初めに、1項目めは、不登校対策についてお尋ねいたします。
全国の小中学校で不登校の児童生徒の数が急増し、約30万人となっています。
本市におきましても、小中学校における不登校児童生徒の人数は増加傾向にあり、令和4年度の不登校児童生徒は小学校で42名、中学校で60名が不登校の状態にあるという状況になっています。
そのほかに、学校に来ることはできるが、教室に入れず、相談室や保健室、図書室で過ごす児童生徒もいると伺っています。その中には、登校する場合、人とあまり会わないようにするために時間をずらして登下校する児童生徒や、ある学校では相談室へ直接入れる入り口を設置するなど、人と会わないように配慮されているところもあります。
教育支援センター「ひよどり」では、学習や居場所の提供などを行ったり、各学校においては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、相談支援の取組が強化されてまいりました。
この取組は大変重要だと考えますが、さらに不登校児童生徒の未然防止、早期対応が可能となる環境を整備する必要があると考えます。また、いじめ等様々な理由により学校に行けない児童生徒の人数が増えており、支援の必要性が高まっています。
一方、不登校児童生徒を支援していく上で、その保護者を支援していくことが重要であると考えます。保護者の中には、先生に相談したいが、先生が忙しそうなのでなかなか相談できない人がおられると伺いました。
そこで1点目は、昨日の境 佐余子議員と同じような質問になりますが、不登校児童生徒の御家族を支えるため、学校の相談体制の強化が必要と考えますが、いかがでしょうか。見解を伺います。
次に、今年の3月に、文部科学省は不登校対策「COCOLOプラン」を発表されました。その中には、自分のクラスに入りづらい児童生徒のための学校内の居場所「スペシャルサポートルーム(校内教育支援センター)」の設置促進が盛り込まれています。
本市では、学校内の居場所として相談室等がありますが、そこにはスクールカウンセラーの先生が常住されているところとされていないところがあると伺いました。
そこで2点目は、本市でも不登校対策としてスペシャルサポートルームを設置し、専任の先生を配置することにより、児童生徒がいつでも悩みが相談できる体制にすることで、不登校児童生徒の未然防止や早期対応につながると考えますが、いかがでしょうか。見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
教育長 白江 勉君。
〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) まず、1点目の不登校児童生徒の家族を支えるための相談体制の強化についての御質問にお答えいたします。
昨日の境 佐余子議員の御質問にお答えしたとおり、不登校に関しては、学校、市教育センター、教育支援センター「ひよどり」及び家庭児童相談室が、まず児童生徒、保護者の相談窓口になっております。
特に、不登校児童生徒の御家族の思いに寄り添って、お子さんの自立に向けて話し合い、御家族を孤立させず、支援の方向を共有し、チームでお子さんを支えることが重要であると捉えております。
また、不登校のサインを出す児童生徒への学校の対応が大変重要であると考えており、市教育センターでは、不登校児童生徒及びその御家族を学校全体で支えるための支援会議の開き方や支援の仕方等に関する教員研修を行ってきており、今後も学校で相談しやすい環境づくりに努めるとともに、相談に関する情報を保護者の皆様に分かりやすくするなどの工夫をしてまいりたいと考えております。
次に、2点目の自分のクラスに入りづらい児童生徒のための学校内の居場所「スペシャルサポートルーム(校内教育支援センター)」の設置促進につきましては、島崎議員の代表質問にお答えしたとおり、相談室や保健室に限らず、職員室や図書室など学校全体が学びの場である学校づくりに努めており、学校全体が校内教育支援センターであるとの考えから、別に支援センターを設けることは考えておりません。
スクールカウンセラーやカウンセリング指導員は全ての学校において常駐していないものの、心の教室相談員との相談や、タブレット端末機のアプリ「心の天気」を活用することなどで、児童生徒の悩み相談に対応できるようにしております。
今後も一人一人に居場所のある温かい学級づくりや、子供同士が関わり合って学ぶことができる授業改善を進め、不登校の未然防止や早期対応に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 神島利明君。
〔4番 神島利明君 登壇〕
○4番(神島利明君) 不登校対策は大変重要だと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
次に、2項目めは、児童センター、児童館についてお尋ねいたします。
庄川児童館は、10月から東山見保育所を改修され開館されました。遊戯室の天井は高くボール遊びが十分にでき、子供たちも楽しく利用していると伺いました。しかしながら、せっかくすばらしい施設になったにもかかわらず、空調設備はありません。
出町児童センターの遊戯室には空調設備がありますが、本年のように猛暑になりますと、空調の能力が弱いことから、長い時間遊戯室で遊ぶことはできない環境になっていると伺いました。
そこで1点目は、児童センター、児童館の子供たちの安全・安心な環境を確保するために空調の整備が必要と考えますが、いかがでしょうか。見解を伺います。
次に、出町児童センターは、公共施設再編計画で、建物は老朽化のため廃止で、機能は継続することになっています。
昨年の12月議会で出町児童センターの今後の計画についてただしたところ、児童館運営の諮問機関である児童館運営委員会において児童センターの方向性について協議をいただいたところ、施設の老朽化が進んでいることから移転を含めた対応が必要である。移転の際には、民間施設への移転や複合した機能を持つ施設の設置等も含め検討する。また、出町地区以外の方も利用しやすい場所への移転や環境も考慮願いたいとの御意見をいただいたところであります。引き続き既存施設の安全な利用を図りつつ、有効活用しながら、機能移転等などについて研究してまいりますとの回答をいただきました。
現在の児童センターは、トイレは和式で、玄関には段差があり、階段も狭いなど、改修が必要と思われる箇所が何か所か見られます。
そこで2点目は、出町児童センターの機能移転等についての研究結果はどうなっているのか、また、今後の方向性はどうするのか、見解を伺います。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) 1点目の児童センター、児童館の遊戯室の環境整備についての御質問につきましては、近年の夏の状況を考えると、熱中症予防対策として空調設備の整備は必要と考えており、両施設とも令和6年度の設備更新及び設置に向けた準備を進めているところであります。
次に、2点目の出町児童センターの今後の在り方についての御質問にお答えいたします。
出町児童センターの今後の方向性につきましては、昨年度、児童館運営委員会で協議いただき、様々な御意見をいただいたところであり、議員御発言のとおりであります。
今後、児童センターの在り方を将来的に検討する有識者を含めた専門的な組織を設けることも必要と考えており、運営委員会の意見も踏まえ、様々な角度からさらなる御意見をいただく予定としております。
砺波市公共施設再編計画において、建物は廃止となっていることから、施設の耐用年数を迎える令和7年度までには最終的な方向性を示していければと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 神島利明君。
〔4番 神島利明君 登壇〕
○4番(神島利明君) 出町の児童センター、よろしくお願いいたします。
次に、3項目めは、公共施設の脱炭素化についてお尋ねいたします。
11月3日にスイス・ジュネーブで閉幕しました水銀に関する水俣条約第5回締約国会議の中では、水俣病の原因となった水銀を包括的に規制する水銀に関する水俣条約において、直管蛍光灯の製造と輸出入を2027年度末までに禁止することなどで合意されました。
2025年末までの製造、輸出入の禁止が既に決まっている電球形蛍光灯と合わせて、全ての一般照明用蛍光灯の製造が終わることになります。
本市の公共施設、市庁舎も含め、まだ多く蛍光灯が使用されています。蛍光灯のLED化によって、電気料の節約と蛍光灯の長寿命化、そして地球温暖化、脱炭素にも寄与するものと考えます。
現在、市内の公立保育施設は、認定こども園4園、保育所2園ありますが、そのうち1園がLED化になっていますが、残りはまだ切り替わっていません。
そこで1点目は、市内の公共施設の中で稼働時間が長いと思われる施設から順次LED化に切り替える必要があると考えますが、いつまでに全面切替えを計画されているのか、見解を伺います。
次に、水銀灯についてですが、水銀灯は2021年度以降製造が禁止になっており、本市では在庫分で対応していると伺いました。
市道の道路照明灯の水銀灯については、今期の予算で全てをLED化に切り替える予定になっていますが、市内の公共施設の中には、水銀灯を使っているところがまだ多く残っています。
水銀灯からLED化に切り替えることで、電気使用量や電気代が約7割削減することができます。12月の補正予算で、電気料金等の高騰対策で指定管理施設に約4,000万円計上されています。電気料金の削減効果が高い水銀灯からLED化に切り替えることが急務と考えます。
そこで2点目は、水銀灯を多く使用していると思われる施設、砺波チューリップ公園やチューリップ四季彩館の街灯、学校のナイター照明、地域の体育館の照明等から順次LEDに切り替える必要があると考えます。
昨日の島崎議員の質問に対する市長答弁の中で、来年度予算に地域の体育施設の照明のLED化が計画されると伺いました。それ以外の施設の計画がどうなっているのか、見解を伺います。
以上で私の質問を終わらせていただきます。
○議長(川辺一彦君) 答弁を求めます。
横山福祉市民部長。
〔福祉市民部長 横山昌彦君 登壇〕
○福祉市民部長(横山昌彦君) まず、1点目の公共施設の蛍光灯照明のLED化についての御質問にお答えいたします。
蛍光灯照明につきましては、小規模な施設は、照明器具の故障等、必要なタイミングでの更新としており、保育施設などの大規模な施設につきましては、水銀と照明のLED化をおおむね完了した段階から、順次リース方式による導入を原則といたしまして、LED化を進めてまいります。
次に、2点目の公共施設の水銀灯照明のLED化についての御質問にお答えいたします。
水銀灯照明につきましては、今ほどの御質問にも答弁しましたとおり、蛍光灯照明のLED化に先立ちまして、水銀灯などの消費電力の高い照明器具の設備が多い施設において、削減効果の高い施設や設備から、順次更新することとしております。
既に一部の水銀灯照明につきましてはLED化が進んでいるところであり、昨日の島崎議員の代表質問の中で、脱炭素関連事業の予算編成に関連し、LED化の推進につきましては市長からお答えしたとおりであり、新年度から残りの照明灯につきましても、大規模改修計画等に合わせまして、削減効果の高い施設から、リース方式を原則に改修を進める計画としております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、暫時休憩いたします。
午前11時17分 休憩
午後 1時00分 再開
○議長(川辺一彦君) 休憩前に引き続き会議を開き、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を続けます。
8番 山本篤史君。
〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 議長より発言の許可をいただきましたので、通告に基づき質問をします。
新潟地方気象台が11月21日に発表した北陸地方における向こう3か月の予報によりますと、この期間の平均気温は高い確率が60%、降雪量は少ない確率が50%となっており、数年ぶりに暖冬傾向であるようです。
また、11月10日に発表されたエルニーニョ監視速報でも、今年の春からエルニーニョが続いており、来春にかけて80%の確率で続く可能性が高いと発表されています。
しかしながら、気象庁は昨日、この日曜日から5日間の降雪量が平年よりもかなり多くなる可能性が高いとして、大雪に関する早期天候情報を発表したり、温暖化に伴い、どか雪の発生確率が5倍に上昇しているという研究結果もあり、予断を許さない状況です。
それでは1点目に、除雪に関する機械除雪と消雪の経費についてお伺いします。
除雪の基本は機械除雪であることは言うまでもありませんが、家屋が連檐している場合や堆雪帯の確保が難しい場合、排雪場の確保が難しい場合などは、消雪管を設置する場合があります。
滋賀県では、行政サービス等の内容や経費の情報を分かりやすく表示しており、道路の除雪コストを、除雪・凍結防止剤散布費用と除雪機械の減価償却費の合計を除雪延長で割り、1キロメートル当たり72.2万円と試算しまして、消雪のコストを、電気代や点検などの消雪設備の維持管理に係る費用と消雪設備建設費の減価償却費の合計を消雪延長で割り、1キロメートル当たり375.2万円と試算しています。つまり、機械除雪と消雪では約5倍のコストの差が発生することになります。
当市においては、市内の幾つかの自治振興会から消雪を新規に設置するよう要望が来ていますが、機械除雪と消雪のメリット、デメリットを含めて伝え、細かな除雪が必要な箇所については、地区内除雪が一通りめどがついた時点で、二度、三度丁寧に除雪をし直すなど、工夫が必要ではないかと思います。
そこで、市民にコスト意識を理解してもらう面で、機械除雪と消雪のコスト比較を示してはどうかと思いますが、当局の見解をお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 構建設水道部長。
〔建設水道部長 構 富士雄君 登壇〕
○建設水道部長(構 富士雄君) 本市における機械除雪と消雪施設におけるコストにつきましては、まず、機械除雪では、車両の購入費に加え、オペレーターの人件費や機械の故障などによる修繕費などが挙げられます。
次に、消雪施設では、井戸、ポンプ等の取水施設や、配管などの整備費に加え、取水ポンプの電気料や点検費用などの維持管理費が挙げられます。
これらの費用を比較しますと、降雪状況などシーズンによって異なりますが、議員御紹介のように、消雪施設のほうが機械除雪より5倍から10倍ほど高額となります。
市といたしましては、経済性や機動性の観点などから機械除雪を基本としており、消雪施設の新設要望などにつきましては、道路沿いの家屋が連檐し、また排雪場所の確保が難しい区間であることなど一定の条件が必要と考えております。
また、議員御提言の、これらのコスト比較を市民へ示してはどうかとのことにつきましては、降雪の状況や電気代、人件費の変動など年度によって異なりますが、消雪施設が機械除雪に比べ5倍から10倍ほどコスト高となることを、市のホームページで広報をしてまいります。
以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 消雪をつければ全て解決すると考えている市民も中にはおられるのではないかなと思い、このような質問をさせていただきました。
2点目に、消雪装置の24時間稼働についてお伺いします。
2020年の大雪では、降雪に対し、消雪が間に合わないという事例が多く発生しました。そのため当市では、幹線道路を中心に、計画的に24時間通電型に切り替える方針を示しました。
市内に262か所、総延長143.4キロメートルある消雪装置のうち、59か所、43.4キロメートルを切り替える予定で、昨年度までに39か所、28.7キロメートルが既に切り替わっており、今年度は10か所、7.1キロメートルを切り替えていく計画で、翌年度は10か所、7.6キロメートルを切り替え、計画が完了する予定になっています。
各自治振興会を通じて、地区内のどの路線が該当しているか否か、また、今後切り替わる予定であるかをしっかり周知し、理解してもらうことが必要であるかと思いますが、この取組に対する見解をお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 構建設水道部長。
〔建設水道部長 構 富士雄君 登壇〕
○建設水道部長(構 富士雄君) 本市における消雪施設の24時間通電型への変更につきましては、令和3年の一時的な大雪により、広域的な道路ネットワークを確保するため、幹線道路を中心に計画的な切替えを行ってまいりました。
しかしながら、24時間通電型に切り替えたとしましても、交互散水により一時的に散水されない時間があることや、大雪時には車両の交通量が少なく、消雪水の攪拌効果が期待できないなど、その効果が想定以下であったことに加えまして、24時間通電型への改修費や電気料など費用対効果が低いことから、当初計画を見直しながら進めております。
また、取組の市民への周知につきましては、まずもって消雪施設の作動時間について御存じでない方もいらっしゃることから、消雪施設の仕組みやメリット、デメリットなどとともに、市ホームページで広報してまいります。
以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) よかれと思って一度24時間通電型にしたわけですが、費用対効果が少ないことも市民にしっかり周知していただきたいと思います。
3点目に、消雪の更新計画についてお伺いします。
本年度、当市では、車道の機械除雪延長が497.1キロメートル、消雪延長が143.4キロメートルあり、約2割を消雪による除雪としています。
消雪設置区間の一部は、設置から長期間がたち、水質との兼ね合いで消雪管の内径が小さくなり、消雪に十分な水を供給できなくなっている箇所もあるそうです。原因をしっかり調査した上で、修繕できるのであれば早期の修繕が求められるし、修繕が不可能であれば計画的に更新していくべきではないかと思います。
そこで、当市では、消雪の老朽化による更新について、どのように計画を策定し、進めているのかお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 構建設水道部長。
〔建設水道部長 構 富士雄君 登壇〕
○建設水道部長(構 富士雄君) 消雪施設は、冬季間の安全で円滑な道路交通を確保するため重要な施設でありますことから、稼働時期の前に、配管や電気設備の点検、調整を行い、漏水やノズルの損傷、取水ポンプや電動弁、操作盤などの不具合箇所等を把握し、必要に応じて修繕を実施してきております。
しかしながら、議員が述べられましたとおり、市が管理する消雪施設は膨大であり、これまでも配管設備や電気設備のリフレッシュ工事を実施してきておりますが、全ての施設を常に健全な状態で維持することは、他の事業費を勘案すると、費用的に厳しいところがあります。
現在、道路交通において最も重要な安全性を確保するため、橋梁長寿命化修繕計画に基づきまして、平成23年度から順次、橋梁の補修工事を進めてきておりますが、ようやくその工事費のピークを越えたところでございます。
つきましては、新年度からの2か年で消雪施設の老朽度を調査し、更新の優先度の判定を行い、平準化した予算で長寿命化が図られる消雪施設長寿命化修繕計画を策定し、対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 計画を策定するということで、市民もそれで納得していただけるのではないかなと思います。
2項目めに、県道網の整備についてお伺いします。
1点目に、主要地方道砺波小矢部線の道路改良工事の進捗についてお伺いします。
産業建設常任委員会では、毎年夏の期間に開催される国道や県道の各期成同盟会に参加し、整備の進捗状況と住民の要望を確認するとともに、改めて整備の必要性を実感しています。
今年7月に行われた主要地方道砺波小矢部線整備促進期成同盟会の総会では、事業がなかなか進捗しない状況にしびれを切らした住民が発言する場面がありました。
住民の発言によると、平成15年から令和3年度までの20年弱の期間で、僅か1,500メートル程度しか改良工事が進んでいないとのことでした。
しっかり予算を確保することによって、当該路線の整備の進捗率を上げていくよう働きかけていくべきではないかと考えますが、当局の見解をお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 構建設水道部長。
〔建設水道部長 構 富士雄君 登壇〕
○建設水道部長(構 富士雄君) 主要地方道砺波小矢部線の整備につきましては、狐島地内の工事完了地点から若林地区農業集落センター前交差点までの約570メートル区間において、令和3年度の事業認可を経て、現在、路線測量、設計などを終えたところであり、必要な用地の取得や支障となる物件移転補償の調査などを行っているところであります。
今後、小矢部市境の西中地内までの道路改良工事が完了するには、これまでのペースを考えますと、相当な年月を要することとなります。
議員御発言の、本路線における事業が進捗しない理由としましては、歩道を含めた大幅な拡幅を計画していることから、必要となります用地の取得や支障となる物件の移転について、所有者との交渉に市も同行し協力しておりますが、相当な時間を費やしていることが現状としてあります。
また、これらの用地取得や物件移転補償を進めるためには事業費の確保が必要となりますが、そのほかの道路改良事業との均衡が図られているため、極端な事業進捗には至らないところがあります。
しかしながら、本市では、砺波小矢部線が地域発展に寄与する重要な道路でありますことから、一日でも早く整備が行えるよう重点事業として県に要望を行うとともに、本市と小矢部市、沿線自治体等で組織する整備促進期成同盟会におきましても、毎年、積極的な要望活動を行っております。
さらに昨年度は、市街地側からの整備に加えまして、小矢部市側からも整備を進めていただくよう要望を行ったところ、今年度、小矢部市境からの約100メートルの区間におきましても、事業に着手されたところであります。
今後より一層、本路線における進捗率を高めていくためには、地域の協力が必要でありまして、本市といたしましても、地元との調整に精力的に努めるなど、円滑に用地取得を進めていくほか、予算の確保が大変重要となりますので、引き続き、市における重点事業や整備促進期成同盟会において積極的な要望活動を実施してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 当市の計画路線については、小矢部市のように4車線化を希望しているわけでもなく、歩道幅員も小矢部市側3.5メートルを計画しているのに対し、当市管轄路線は今後2.5メートルと身の丈に応じた改良を求めているのに、なぜここまで遅くなっているのか。もっと進めていくべきだと考えています。
2点目に、砺波土木センターが管轄する砺波市と南砺市の予算配分についてお伺いします。
2002年10月に福野土木事務所が砺波土木センターへと改称し、組織再編により、砺波市管轄は、高岡土木事務所から砺波土木センターへ移管となりました。
2022年度の砺波土木センター管轄で行われた入札件数は181件で、金額はおよそ35.1億円ですが、そのうちの砺波市内の入札は31件で、1割7分の6.1億円、南砺市は149件で、8割2分の28.8億円となっており、中山間地を多く抱える南砺市側に予算を多く配分してあります。
この偏った傾向は、昨年だけでなく、多少数値の大小はありますが、近年、同様の状況が続いています。
当市の事業を進捗させるためにも、砺波市内の事業にもう少し予算を確保するよう要望していくべきではないかと考えますが、当局の見解をお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 構建設水道部長。
〔建設水道部長 構 富士雄君 登壇〕
○建設水道部長(構 富士雄君) 富山県砺波土木センターが所管の事業につきましては、県が管理する道路や河川の改修、改良、維持修繕のほか、急傾斜地、地滑りの危険箇所、砂防施設の安全対策などがあります。
そこで、本市と南砺市における県土木事業の予算につきましては、議員御発言のとおり、南砺市の割合がかなり高くなっておりますが、その理由といたしましては、砺波土木センター管内の道路や河川、そのほかの土木施設の安全対策が必要な箇所において、その延長や数に大きな違いがあることが要因としてあります。
具体的には、道路延長では南砺市が本市の2倍であり、河川延長では約8倍、急傾斜地など安全対策が必要な箇所も約4倍となっております。
このほか、道路附属構造物におきましては、地形的な違いにより、落石による事故防止のためのロックシェッドや雪崩防止のスノーシェッド、トンネルなどの施設延長が10倍となっております。
このようなことから、予算の比重が異なることを御理解いただけるものと思っておりますが、本市におきましては、砺波地方の中核的都市、また、交通の要衝地として必要な道路改良や安全対策を講じていかなければならないことから、引き続き、精力的に要望活動を実施してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○8番(山本篤史君) 再質問。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 具体的な数値を示していただいて、差がよく分かったと思うんですが、要望書は毎年出しておりますし、精力的に活動しているのも分かりますが、何か具体的な策を考えないと、いつまでたっても砺波小矢部線さえ、全線供用開始にならないのではないかと危惧しております。
砺波市内で残った区間はおよそ1キロメートル程度ありますが、このペースだとあと15年かかることになります。この議場の誰もがいないことになります。
それまでたっても、将来の人たちに「まだまだ完成せんがか」と言われておっては、やっぱりなかなか残念だなと思うんですが、何とかして早期に開通することができないかなと思うわけです。
また、この路線のほかにも、主要地方道だけで新湊庄川線、高岡庄川線、坪野小矢部線などもまだまだ残っているので、早期に完成させて次の路線に事業着手していただきたいと思うんですが、もっと力強い方針を出していただけないでしょうか。構建設水道部長の答弁をいただきたいと思います。
○議長(川辺一彦君) 構建設水道部長。
〔建設水道部長 構 富士雄君 登壇〕
○建設水道部長(構 富士雄君) 今ほどの、山本議員からは再質問とのことでございますが、具体的に、どういった形で進めるべきかということになろうかと思います。
市といたしましては、やはりこの事業は、あくまでも県事業でございますので、県の予算確保が最も重要な要素となるわけでございます。
その中で、やはり県議会議員の先生方や、市当局はもとより、多くの方々の御協力をいただきながらこの事業を展開してまいりたいと思っておりますので、その辺は御理解をいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 砺波土木センターの名にふさわしい予算配分をするよう、引き続き強く要望していただきたいと思っています。
続きまして、子供たちを取り巻く環境についてお伺いします。
1点目に、市内公立保育施設に子供を預ける親の負担軽減についてお伺いします。
今まで保護者は、おむつやお尻拭きを店舗で購入し、一つ一つのおむつに名前をマジックで記入しておむつ袋に入れて登園時に持参し、帰りに使用済みのおむつを持ち帰ることになっていました。これが持参することがなくなることで、保護者の負担が軽減されることになります。10月、11月の2か月間は無料のお試し期間で、12月から月額使用料2,508円になるとのことです。
10月末での申込み状況は、ゼロから2歳児までの対象園児数309名に対し、申込み園児数は90名で、利用率は29.1%となっています。
まだ初期段階なので、保護者は周りの様子や感想を聞いて、本格実施されてから利用率が変動するのではないかと想定されます。
現在、県内で同様のサービスを導入しているのは、富山市、高岡市、魚津市、小矢部市、入善町となっています。
また、公立保育施設でのPayPay決済も来年から開始されます。今までは保育料と給食費は口座引き落としで、一時預かり利用料や延長保育料などは現金支払いとなっていたものが、キャッシュレス決済が可能になり、支払い方法の選択肢が増えることになります。
今回のサービス導入について、子育て環境をどのように整えていこうという考えがあるのかお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 森田教育委員会事務局長。
〔教育委員会事務局長 森田 功君 登壇〕
○教育委員会事務局長(森田 功君) 議員御発言のとおり、おむつのサブスクリプションサービスやキャッシュレス決済を導入することにより、保護者の登園準備や利用料支払いに関する負担が軽減されると考えております。
今回、これらのサービスを導入することにより、保護者や保育者が子供や家族と向き合う時間が増え、負担が軽減されることにより、ゆとりのある子育て環境と、子供を産み育てやすい環境につながるものと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 子育て環境をさらに充実させていただきたいと思います。
2点目に、タブレット端末機を用いた児童生徒の心理状況の把握の取組についてお伺いします。
2022年からこの事業が行われており、今年度、2学期より本格的に市内全小中学校で導入が開始されました。
代表質問の答弁でも一部触れられましたが、心の天気という名のこのプログラムは、児童生徒が登校時または下校時に、晴れ、曇り、雨、雷の4種類のイラストつきで表示されたものをタブレット端末機で押すことになっており、雨や雷の状態が続く子供については、各教員が注視し、校内教員全体で子供を見守ることができる指標となるとのことです。
一方で、個々人によっては、担任に話したくない、知られたくないなどの理由で、正直に自分の状況を報告できない場合もあり、日々の様子をしっかり観察していくことも引き続き求められます。
現在までの当事業の手応えと課題について、どのように考えておられるのかお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 教育長 白江 勉君。
〔教育長 白江 勉君 登壇〕
○教育長(白江 勉君) まず、心の天気を活用した児童生徒の心理状況の把握の取組につきましては、これまで表情や行動を観察することで推察していた心の状態を、心の天気によって可視化することにより、より確かに捉えられるようになりました。
担任だけでなく管理職や養護教諭など、全ての教員が全校児童生徒の心の天気を画面上で把握することができ、雷マーク、雨マークなどが続いたりする児童生徒の心のサインを捉え、タイムリーに声かけを行うなど、一人一人に寄り添った取組が可能となっております。
一方、課題といたしましては、議員御指摘のとおり、児童生徒によっては、うまく心の状態を表現できないケースもあることから、児童生徒が発する心のサインを見過ごすことがないよう、今後も児童生徒の日頃の様子なども継続して観察していく必要があると考えております。子供の見取りが一番大事だということであります。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) 山本篤史君。
〔8番 山本篤史君 登壇〕
○8番(山本篤史君) 可視化することは確かに大事ですが、最後はやっぱり人と人で見守るのが最善の策ではないかと思います。
最後に、農地・農業用施設小規模災害復旧支援金についてお伺いします。
7月12日、13日に発生した豪雨により、市内中山間地を中心に多大なる被害が出ました。
当市では、砺波市農地・農業用施設小規模災害復旧支援金制度を速やかに設置し、復旧事業費が7万円以上15万円未満の被災箇所については1か所につき5万円、復旧事業費が15万円以上40万円未満の被災箇所については1か所につき10万円の支援金を給付することにし、これまでに5万円の申請が32か所、10万円の申請が76か所の計108か所となっています。
私の地元でも土砂災害がありましたが、災害が発生した週末には有志を15名ほど募り、建設機械を所有する地元業者と連携し、復旧を行いました。急な災害にもかかわらず、多くの方に集まってもらい、自治会の金銭的な負担も軽減しながら、迅速に復旧できたことがよかったなとつくづく思います。
そこで、今回の当事業について、どのような手応えを感じておられるのか、また、今回の災害復旧における課題についてお伺いします。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 当該制度につきましては、国の災害復旧事業に採択されない小規模な被災箇所の迅速な復旧を行うため、各自治振興会の御理解をいただき創設したものであり、被災者の皆さんからは高い評価を得ていただいているものと感じております。
定率補助の制度につきましても検討したところでありますが、補助を受けるための事業費の算出や設計、申請者の事務的な負担が大きいと考えまして、災害復旧としては県内初の定額方式としたものであります。
また、砺波ならではの地域力の高さを背景に、自治会などの共助による復旧も対象としたことから、さらなる地域力の醸成にもつながったものと考えております。
今回の災害復旧における課題といたしましては、国の災害復旧事業の採択には専門的かつ緻密な計算が求められるとともに、多発的な災害においては、測量設計業者の手がいっぱいとなり、ほかの事業に影響が出ていることが挙げられるというところであります。
このような事情につきましては、国や県と情報共有を図ってまいりたいと考えております。
私からは以上であります。
○議長(川辺一彦君) この際、換気のため暫時休憩いたします。
午後 1時33分 休憩
午後 1時38分 再開
○議長(川辺一彦君) それでは、再開いたします。
7番 境 欣吾君。
〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 議長の許可がありましたので、通告に基づき質問を行います。
最初に、農業政策について質問いたします。
今、農業の現場では、都会に出た子供が戻ってこない、農業に未来はない、担い手も手いっぱいで集落営農も崩壊寸前だなどの声が聞かれ、明るい展望が見えにくくなっています。
今、全国的に、今後の農業の見通しをつくるために地域計画をつくる作業が進められています。農家にアンケートを取り、耕作をやめようとされる農家の耕作地を事前に把握し、近隣の担い手、営農組織に引き受けてもらう道筋をつくり、放棄地の新たな発生を防ごうとするものです。
農地の耕作を止めないための取組であり、努力が実ることを願うものですが、問題はそういう手だてを取らないと耕作の維持が困難と思われる農業をめぐる現況です。
国自身が、営農の持続が困難に直面していることを認識しているのだろうと思います。
砺波市ではどういう状況でしょうか。
農業振興課にお願いして、資料を作っていただきました。
1995年以降、5年刻みで、2020年までの様々な指標の推移を調べていただきました。大きな変化があります。
まず、農業従事者は、1995年には4,473人おられたのが、2020年では794人となっています。販売農家も3,344戸だったものが、805戸に減少しています。
農地の集約化が進められた結果が劇的に現れており、1経営体当たりの耕作面積が、1.5ヘクタールから4倍の6ヘクタールに増えています。2020年の農地の集積率は75.8%で、全国平均の58.0%と比べても高く、国の進める農地の集約化、大規模化、組織の法人化などの施策を率先して進めてきた結果と言えると思います。
問題は、それで農業の展望が開けてきたのかということです。
砺波市全体の耕作面積は、1995年には5,160ヘクタールだったものが、2020年には4,790ヘクタールと、370ヘクタール減少しています。25年の間に、東野尻の田畑が全てなくなったという計算になります。
農産物の販売額も、84億9,000万円あったものが52億4,000万円と、4割も減少しています。
ちなみに、農業従事者に占める65歳以上の方の割合は、1995年当時でも55.8%と低くはなかったのですが、2022年度では84.6%と大半の方が該当し、10年後、20年後はどうなっていくのかと心配される方が多いのも当然と思われます。
こういった状況は全国的で、さらに困難な状況に直面している地域も少なくありません。
そこで最初にお聞きしたいのは、現在の農業の状況をどのように捉えておられるかということです。
意欲を持って農業に臨もうとする者が次々に現れ、振興していく展望が開かれていると捉えておられるのか、後継者の育成にも苦労し、持続していくことに不安を抱えている営農が圧倒的と捉えておられるのか、見解をお聞かせください。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 農業を取り巻く現状につきましては、農業従事者が減少している一方で、農地の集積を進め、経営体の大規模化や効率化が図られたことによって、農業基盤の安定化に寄与してきたことも事実であります。
小西議員の御質問にお答えしましたとおり、地域計画の策定に当たりまして意向調査を行いましたところ、担い手などの課題から縮小傾向にある経営体は、小規模農家を中心といたしまして約4割の結果となっております。
その一方で、担い手を確保し、経営規模の維持や拡大を図ろうとする経営体も約6割あることから、地域計画の策定を一つの契機として、地域ぐるみで将来の農業の在り方を話し合うことが重要であると考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 全国的な日本の農業をめぐる困難さは、異常な食糧自給率の低さに象徴されています。国民の命を支える産業を基幹産業と位置づけてこなかった農政の結果です。
1961年に定められた農業基本法では、アメリカで余っている小麦や大豆、飼料用穀物は日本では作らないという穀物安楽死政策とも呼ばれるものが施行され、以降1961年には78%だった食料自給率は、2021年には38%と急激に落ち込んできたのです。
1973年、アメリカのアール・L・バッツ元農務長官は、「食糧は強力な武器。日本に脅威を与えたいなら、食料の輸出を止めればよい。日本は自国の農業だけでは国民を養うことができないのだから」と述べていますが、アメリカの食糧戦略に屈服してきた農政と言えます。
国内で米が余り、米価が暴落している下でも、ミニマム・アクセス米としてアメリカから日本の米の3倍の価格の米を輸入し、売れないので安価な飼料用米として売却してできた損益を、400億円を超える税金で穴埋めをする、このようなことが繰り返されてきましたが、保護政策を次々に取り払い、輸入を促進してきた結果が、今日の低自給率を招きました。
カロリーベースで37%とされていますが、東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏は、「37%も砂上の楼閣。肥料の原料や野菜の種子、卵を産む鶏のひなさえも9割以上を輸入に頼っており、実質は10%台」と述べ、世界で最初に飢えるのは日本と警告を発しておられます。
FAO(国連食糧農業機関)が、2019年から2021年の世界飢餓マップで、日本を飢餓国と初認定する事態になっています。
ロシアによるウクライナ侵攻が契機で、世界の食糧事情に不安が走りましたが、改めて日本の食糧自給率が考え直されるようになりました。お金を出せばいつでも買えるという時代ではなくなってきたからです。
ところが、来年の通常国会で検討される食料・農業・農村基本法の見直しでは、自給率の向上が、単にいろいろある目標の一つに格下げされようとしています。自給率を殊さらに強調するなとする財界の圧力があり、また、アメリカ、カナダ、オーストラリアといった同志国からの輸入で8割が賄えるとする前野村農林水産相の発言に示されるように、輸出国、とりわけアメリカに忖度する政治が改まらないからです。
亡国とも言える農政が一層深刻な形で進められるのかどうかが大きな焦点になっています。
そこで、次にお聞きしたいのは、食糧自給率の向上をどう考えておられるのかということです。
地域ごとに自給率を意識し、向上させていくことは、国全体の自給率の向上につながることはもちろん、多様な農業生産を促し、地域循環の流れをつくる上でも大切なことだと考えます。考えをお聞かせください。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 食糧自給率の向上につきましては、食の安全保障の観点からも非常に重要な指標であると認識しております。
国レベルの食糧自給率の向上はもとより重要でありますが、本市では、地域の自給率の向上も重要であると捉え、地産地消に注力をしておるところであります。
地産地消は、単に地域の農産物を地域で消費することにとどまらず、生産者の所得向上や経済効果、消費者の安全・安心につながるものであり、さらには脱炭素化にも寄与するなど、重要な施策と位置づけているところであります。
そうした意味からも、地域で地域農業を支えていくという意識が、ひいては国の自給率を高め、さらには食の安全につながるものと考えております。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 認識を共有できて大変うれしい思いです。
食糧自給率向上、農業再生のために何が必要か。次のような点が重要だと考えています。
農産物の総輸入自由化政策を改めて、不要な米や乳製品の輸入をやめること、生産コストを賄う価格補償直接支払制度を設け、学校給食などの公共調達を広げていくこと、青年の就農支援を抜本的に拡充すること、持続可能な農業を発展させるアグロエコロジーを普及すること、そして、それらに必要な思い切った予算の増額です。
地方自治体にも、独自に取り組めることがいろいろあります。学校給食に地場産のものを使うという努力は現在も行っておられますけれども、それをさらに広げていくことや、それと保護者の皆さんの要望がある化学肥料や農薬の使用を抑えた栽培による食材を組み合わせること、そのための栽培技術指導、農業を志す青年を、従来の枠にとらわれずに支援をすること、そして、今年のように高温障害で稲の収量や品質の低下で苦しんでいる農家を励ますことなどです。
砺波市が独自に農業を活性化し、自給率を高めるための取組を行っていただきたいと思いますけれども、考えをお聞かせください。
○議長(川辺一彦君) 坪田商工農林部長。
〔商工農林部長 坪田俊明君 登壇〕
○商工農林部長(坪田俊明君) 自給率の向上についての本市の考えは、先ほども述べたとおりであり、農業農村基本計画において、地産地消の拡大と食料自給率の向上を掲げて推進しております。
市独自の具体的な取組といたしましては、学校給食では、生産者で構成するとなみ野学校給食食材出荷組織連絡会が、給食センターと出荷計画を調整し、地場産野菜の使用拡大に取り組んでおり、昨年度の本市の地場産使用率は約5割と、県内で最も高くなりました。
また、直売所やインショップにおきましても、新鮮で安全・安心な食材の提供に努めており、販売額についても伸びており、市といたしましては、引き続き、農家の所得向上と食の安全、自給率の向上に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 次の質問に移ります。
JR城端線・氷見線の経営移管に関して、提案と要望を行いたいと思います。
この問題については、既に第4回城端線・氷見線再構築検討会の概要が新聞でも報道され、先日の全員協議会でも説明を受けたところです。
そこで、最初にお聞きしたいのは、なぜ事業化を急ぐのかということです。
両線については、JR西日本からのLRT化などの提案を受けて検討会が継続して開かれ、この3月の第6回検討会で新型車両の導入を決定したとの報告を受けていましたが、この7月に再構築検討会が立ち上げられ、経営をJR西日本からあいの風とやま鉄道に移管する話合いが進められているとの報道が続き、この移管が決定と報道されるに至りました。
再構築検討会の立ち上がりから3か月足らずのことであり、事業関係者はもとより、利用者や住民の意向を聞きながら進める手順が十分に踏まえられたのか懸念されます。
改正された地域公共交通活性化法が10月から施行され、国の支援を受けながら再構築事業を進められる条件が準備されたことは承知していますが、利用者、住民に説明し、理解を得ながら進めることが必要なのではないでしょうか。
今年中に計画を申請し、来年早々から事業を始めたいと急がれる理由についてお聞かせください。
○議長(川辺一彦君) 市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 通勤通学の足としてはもとより、また観光面なども含めまして、バスなど他の交通機関では代替の利かない地域の重要な鉄道路線でありますJR城端線・氷見線両線の機能向上や活性化につきましては、これまでも、国や県、沿線市などの行政機関、それから地域の自治会や経済、観光などの諸団体から成ります城端・氷見線活性化推進協議会のほか、JR西日本からのLRT化提案を受けまして設置いたしました城端線・氷見線LRT化検討会においても、利用促進や活性化策、再構築の方向性等について十分に議論が行われてきたところであります。
さらに、これに加えまして、議員が懸念されている利用者や住民への説明についても、これまで、両線のLRT化検討に当たって、需要予測調査や、それに合わせた住民アンケートも行い、住民の利用ニーズの把握に努めてきました。
特に、城端・氷見線活性化推進協議会においては、国や県などの関係機関や沿線市に加えまして、沿線地域から選出されました経済団体をはじめ、観光関係団体や自治振興会など各方面から参画された委員の皆さんから、両線の利用活性化策について様々な御意見を継続的にいただいており、そういった考え方の流れも本計画に反映されています。
ただ、ここで申し上げたいのは、実際にこれまで、これらの各協議会等で提案されました様々な活性化策、例えば、県と沿線市負担による増便ですとかラッピング列車、駅の駐車場整備によりますパーク・アンド・ライドなどについては、沿線4市が中心となって、財政的負担もしながら実行して、具体的に展開ができた一方で、沿線市などからのJR西日本に対するさらなる増便ですとか増結、車両の改善、ICカード導入などサービス改善に係る要望事項については、その経営方針等から、ほとんどが実現されていません。両線のサービスレベルの向上がなされないまま、利用者数の減少とも相まって、両線の将来について希望を持ちにくい状況となっているのが現実であります。
このような中、国において、地方鉄道に関する支援の方針を大転換する地方鉄道活性化のための地域公共交通の活性化及び再生に関する法律が改正されまして、道路や公園の整備にも活用されている社会資本整備交付金を活用した国の有利な交付金制度が創設されるなど、支援制度が新たに設けられたところであります。これは、議員からも紹介がありました。
この画期的な制度の活用のためには、関係者である沿線自治体や鉄道事業者の責任ある参画による再構築計画の策定が必須条件であります。
事業構造の変更、つまり、経営主体を変更することですとか、どのようなサービスレベルを実施するのかを定めることが条件となっていることから、従前からの活性化に関する議論も踏まえて協議を進めてきたものであり、議論もそこそこに結論を急いだという認識は誤りだと思います。
なお、両線については、1キロメートル当たりの1日平均乗客数を表す輸送密度が2,000人を超えております。国が、今回の法改正に基づいて、再構築協議会の設置に積極的に関与する1,000人未満の基準までには至っておりませんが、昨今の人口減少を見据え、JR西日本による赤字ローカル線への新たな設備投資も見込めない中で、将来、追い詰められ、取り返しがつかなくなる前に、県や沿線4市、そしてJR西日本が連携して、少しでも国の有利な支援制度を活用して再構築に取り組むというのは、極めて真摯で建設的かつ今こそ求められる姿勢であると考えておりまして、国土交通省側からも、自治体が積極的に地方鉄道の活性化に取り組むモデルケースとして支援したいとの評価もいただいているところであります。
今後も漫然と、JR西日本に対して実現の可能性の薄い要望を継続していても何も変わらないという、成果のあまりない状況のままでいいのでしょうか。100年合戦を待つのでしょうか。状況は好転せず、徐々に悪くなっていくことは想像に難くありません。
今回の法改正のときに、日本共産党は国会で反対されて、修正案も出されました。その趣旨の一つには、要するに廃線等を前提とする、こういった協議会は駄目だよと。鉄道の活性化とか、機能向上に関するところに限定した活性化ならいいよというような改正案でした。まさにその趣旨と合っているわけです。
ですから、こういった今回の再構築計画に対する県や沿線4市の未来志向で、スピード感のある――大体役所の仕事は遅いと言われるんですが、今回はスピード感がある前向きな決意に対して、JR西日本も過去に例のない対応に踏み切りました。
こういった動きに対し、行政の将来を直視せずに、拙速だとかという批判や、JR西日本の経営責任を問うのは簡単かもしれません。ただ、そういった発言は大変残念でありますし、ある意味無責任ではないでしょうか。
ちょっとこれは余談ですが、もしJR城端線開業の祖であります大矢四郎兵衛さんが耳にされたら、さぞ心を痛められるんじゃないかなと思います。
今後とも、県、沿線4市、JR西日本、あいの風とやま鉄道と共に、今回のある意味、JR城端線・氷見線両線の再生のラストチャンスだという思いも共有しながら、令和4年度での再構築計画の認定と、事業採択に向けてよりよいものとなるよう取り組んでまいりたいと思います。
なぜ急ぐのかというのは、今急ぐべき理由があるからです。そういった意味で申し上げたいと思います。
以上であります。
ただいまの質問につきまして、反問の許可を願います。
○議長(川辺一彦君) ただいまの反問につきましては、これを許可します。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) なぜ急ぐのかに関連して、境議員は、では、JR城端線・氷見線両線の現状と将来をどのように考えておられるのか、今回の再構築計画を今やる以外の方策があれば、教えていただきたいと思います。
また、もしJR西日本が今後とも継続して運営していくことが可能であるとお考えであれば、先方が納得でき、また実現可能で、JR城端線・氷見線両線がよくなると考えられる理由もお示しいただければと思います。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 今、市長から反問いただきましたけれども、私がこれから質問をしていく中身と絡んでくると思うんですね。ちょっとタイミングが、何かぎくしゃくするなと思っていますが。
○議長(川辺一彦君) 市長、今の話はもう一度行うということでいいですか。それとも、境議員がもう2問伝えてからということなんですが、よろしいでしょうか。
○市長(夏野 修君) まとめてやります。
○議長(川辺一彦君) まず、今答弁を先にではないんですか。先に質問をしたいんですね。
○7番(境 欣吾君) 今、1問目の答弁をいただきましたので、これから2問目を質問させもらって。
○市長(夏野 修君) 一緒に合わせて反問します。
○議長(川辺一彦君) では、今の市長の反問は一時預かりにします。
境 欣吾君。
○7番(境 欣吾君) では、次の質問に入ります。
計画案の概要について説明を受けました。JR西日本が150億円を拠出し、その一部を経営安定基金にも拠出するということです。
これまでの経過やほかの事例を考えるなら、新車両が増便されて走ることや、ICカードの利用が可能になること、両線の直通化も計画に織り込まれていることなど、利用者にとって利便性の向上に向けた動きが始まるということは歓迎をすべきことだと思います。
しかしながら、将来にわたって、JR城端線・氷見線が利便性を向上させながら存続していくことを願う立場から、幾つかの点が気になるので、質問をし、見解を伺いたいと思います。
計画では、経営移管をして利便性の向上を図ったとしても、路線収支は7億円の赤字とされています。経営安定基金を設けて支援をしていくとしていますが、県と沿線4市の拠出です。
JR西日本からの46億円も基金に繰り入れる計画ですが、単純計算すれば、12年余りで使い切ることになります。それ以降は、県と沿線4市の負担増ということになりかねません。
現在のあいの風とやま鉄道に対しても、既に沿線4市は経営支援の基金に拠出しており、二重に負担をしていくわけですから、さらに負担が大きくなると、支え切れるのかと危惧されます。JR西日本に継続して基金に拠出することを求めるべきではないでしょうか。
JR西日本には十分な体力があります。ローカル線の利便性向上を事業者のみで行うのは困難などと言いながら、2021年度の内部留保は7,400億円。コロナ禍で経営が逼迫していると言われていたときにも株主還元を行い、その総額は、輸送密度2,000人未満のローカル線区の赤字総額を上回っています。
1987年に国鉄を分割民営化する際、公益を預かる企業として、黒字部分の内部補助を活用してローカル線を存続させると約束していたわけですから、JRが赤字部門の経営責任から逃れ、黒字部分だけを預かる会社にしてしまうことは許されないと考えます。本来、ローカル線の設備保全や利便性の向上に回されるべき黒字部分の利益を、JRの株主に還元してしまうことになってしまいます。
また、実施されようとする再構築計画の変更や延長があっても、JR西日本の拠出する150億円には変更がないというのはいかがかと思います。体力もあるのですから、国民の財産である国鉄を譲り受けた者としての責任を果たしてもらうことが必要です。資材の高騰や人件費の増額など、計画の実施に伴い生じ得る事業費の変動に、JR西日本も当事者として関わるべきです。経営安定基金に継続的に拠出することと併せ、計画の見直しや延長があれば、それによって生じる経費の変動にもJR西日本が対応することを求めるべきだと考えます。
また、JR西日本の施設や路線といった資産は無償譲渡となるのか、有償譲渡となるのかという議論があります。
しかし、資産の生み出す利益に着目して不動産の価格を評価する収益還元法に基づけば、赤字が予想されるJR城端線・氷見線の資産評価は、200億円の拠出を受けて譲り受けてもまだ少ないとの指摘もあります。適切な譲渡となる交渉を望むものです。
資産譲渡に関してどのように考えておられるのかお聞かせください。
○議長(川辺一彦君) 市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) JR西日本によります150億円の拠出金については、再構築実施計画の実現に必要な資金としてその使途を問わないもので、仮に計画の変更があってもこの拠出額は増減しないこととされており、これを受けて、計画ではこの拠出金を、まずは車両整備、施設整備とICカード導入の初期投資事業に充てまして、残りを移管後の経営安定基金にも活用することとしております。
今回は施設整備のみならず、経営安定基金にもJR西日本からの資金を充当するということで、移管後の経営安定にも、それから計画終了後にも一定期間の支援を得るということになったことは画期的なものであります。
議員が述べられたようなJR西日本からの継続的な経営安定基金の支援ですとか計画変更に伴う追加拠出などの提案は、ある意味、経営移管した後の会社に果てしなく資金援助を続けるような条件を受け入れることがJR西日本にとって現実的か、それは冷静にお考えいただきたいと思います。
一方で、経営移管するということは、両線を地域の公共財として受け入れて地域で守り育てていくという選択をしたということでありますので、今後の利用促進や安定経営を含めて地域が両線の未来を自分事として捉え、運行にも責任を持つことが必要であると考えます。
このようなことから、JR西日本にはスムーズにあいの風とやま鉄道への経営を引き継ぐために、レールや枕木など安全に運行するために必要な施設整備は前倒しで実施することはもちろんのこと、これまで両線を運行してきた専門的なノウハウを生かして、経営移管後においても人的、技術的な面で支援いただく必要があると考えております。また、そのような発言も私もしてまいりました。
また、資産譲渡につきましては、両線は赤字路線でありますので、利益を生まない資産という原理でいえば無償譲渡というのが望ましいと考えますが、これについては県が中心となって、今後、JR西日本と協議していくこととなっておりますので、その推移を見守りたいと思っています。
富山ライトレールも並行在来線も、経営安定について、JRは金を出していません。そういった意味で、じゃ、未来永劫、おまえ、出すのかということが通るかというと、それは通らないんじゃないですかね。ということを今申し上げたつもりでございます。
私からは以上です。
ただいま及び前の質問について、反問の許可を願います。
○議長(川辺一彦君) 反問を許します。
市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) さっき言ってしまいましたので、同じことを言うかもしれませんが、よろしくお願いします。
今ほど、それから前問につきましても、境議員からはいろんな御提案もありましたが、境議員におかれましては、JR城端線・氷見線両線の現状と将来をどのように考えておられますか。今回の再構築案以外の方策があれば教えていただきたいと思います。
もし、JR西日本が今後とも継続して運営していくことが可能であると考えておられるのであれば、先方が納得でき、また実現が可能で、JR城端線・氷見線がよりよくなると考えられる理由も併せてお示しいただければと思います。
以上です。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 市長の反問にお答えしたいと思います。
基本的には一般質問で述べたとおりだと思いますが、繰り返しになりますけれども、示された計画案に全面反対ということでは決してありません。むしろ、今までなかなか要望しても通ってこなかったことが、法律の改正を機にして、市長から話があったとおり、前に動き出すということをつくったこと、あるいはJR西日本から150億円を拠出する、しかも、経営安定資金のほうに回してもいいよという話を引き出したというのは、やはり交渉の努力だろうと考えています。
ただ、懸念するのは、10年、20年ではなくて、ずっと地域の基幹交通機関、公共交通機関としてJR城端線・氷見線が機能していくための財政基盤、またその責任を誰が持っていくのかということをしっかりとしておかなければいけないと思います。
この公共交通機関を地域が支えていくというのは、趣旨は分かります。私ごととして、この公共交通機関を考えていくということに反対ではありません。財政支出はけしからんという思いはありませんが、もともと36年前の国鉄分割、そして民営化ということに端を発して、地域ローカル線の問題が生まれてきているのだと思います。公益性ということと、利益の追求ということの矛盾が、こういうふうな形で現れてきているのだと考えます。
JR西日本は、その発足をするときから、枝線は赤字部門でありますけれども、黒字部門の利益を内部補助として使って継続をさせていくという約束をして出発をしているわけですから、JR城端線・氷見線が、今後ともどういう形で存続をしていくのかということに無関係であるという立場は、やはり適切ではないと思います。
先日、高岡で開かれました学習会に、国会にも参考人招致をされた日本大学名誉教授の桜井 徹さんが話をされましたけれども、このJR城端線・氷見線が経営移管をする場合はJR西日本の資本参加を求めることが必要と述べておられますが、まさにそのとおりだと思います。
そして、より根本的には、全国的な鉄道のネットワークに責任を負うべき国が、やはりこのJR城端線・氷見線の運行についても支援をすることが必要になってくると思います。
今回の交付金は、確かに今までよりも拡大されまして、こういった経営移管にも利用されるようになったというのは前進ではありますけれども、運行経費の支援は一切行わないという立場ですから、これも改めさせていくように、粘り強く迫っていくことが必要ではないかと考えています。
以上で答弁を終わります。
○市長(夏野 修君) ちょっと趣旨が分からなくなったので、再質問になるかどうかは、確認した上で発言させていただきたいと思います。
○議長(川辺一彦君) 市長 夏野 修君。
これのみとさせていただきますので、お願いします。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 今ほど境議員からは、評価する点もたくさんあったので、十分御理解いただいているなと思いましたが、1点だけ、私が言いました、じゃ、ずっとJRに関与させていけよという趣旨だと思います。その部分について、どうやったらできるんでしょうか。
その点についての質問があったはずですが、それについての答弁漏れだと思いますので、その点について再質問したいと思います。よろしくお願いします。これで終わります。
○議長(川辺一彦君) 境 欣吾君。
〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 答えになるのかどうか分かりません。この間の計画を策定する際に、JR西日本に対して、そのような要望をするという余地がないような形で話が進行していて、一応話が終わったという形になっているのであれば、再度話合いを申し入れることが必要なのかもしれません。
いずれにしろ、JR西日本が直ちに「分かりました」とはなかなかならないと思いますけれども、そもそものJR西日本の企業的な役割ということから考えてどうなのかということをきちんと迫るべきだと思います。
以上です。
○議長(川辺一彦君) 境議員、次の質問へ移ってください。
境 欣吾君。
〔7番 境 欣吾君 登壇〕
○7番(境 欣吾君) 最後の質問を行います。
計画では、運賃についての言及がないように見受けられます。経営移管して利便性は向上したけれども、利用料金は高くなってしまったということにしないでいただきたいと思います。
乗車料金についてはどのような話合いがなされているのかお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。
○議長(川辺一彦君) 市長 夏野 修君。
〔市長 夏野 修君 登壇〕
○市長(夏野 修君) 今ほどありました利用料金につきましては、今般、素案をお示しいたしました鉄道事業再構築実施計画の中では、現行の金額に据え置いた想定で収支計画を立てています。ですから、値上げを前提とした計画ではやっていないので、議論もしていないということであります。
ただ一方で、あいの風とやま鉄道が設定する営業キロメートル当たりの運賃の考え方というのがあります。ですから、経営移管後の両線の利用実態や収支損益の状況などを踏まえて、改めて利用料金改定が必要かどうかは同社において判断されるべきものと考えておりますので、現段階ではそういうふうに御理解いただきたいと思います。
以上であります。
○議長(川辺一彦君) 以上で、通告による質問並びに質疑は終わりました。
これをもって、市政一般に対する質問並びに提出案件に対する質疑を終結いたします。
議案の常任委員会付託
○議長(川辺一彦君) ただいま議題となっております議案第85号 令和5年度砺波市一般会計補正予算(第6号)から議案第107号 証明書等の交付等に係る事務の相互委託の廃止についてまでは、会議規則第37条第1項の規定により、配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の各常任委員会に付託いたします。
○議長(川辺一彦君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。
次に、議会の日程を申し上げます。
明12月13日は産業建設常任委員会を、14日は民生病院常任委員会を、15日は総務文教常任委員会をそれぞれ開催し、付託案件等の審査を行います。
お諮りいたします。明12月13日から12月18日までの間、各常任委員会における議案審査等のため本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(川辺一彦君) 御異議なしと認めます。よって、明12月13日から12月18日までの間、各常任委員会における議案審査等のため本会議を休会することに決しました。
なお、次回の本会議は12月19日午後2時から再開いたします。
本日はこれをもちまして散会いたします。
どうも御苦労さまでした。
午後 2時24分 閉議