1.会議の経過
午前10時00分 開議
(8月定例会付託案件の審査)
○山田委員長 ただいまから、決算特別委員会を再開いたします。
それでは、総括審査として、御審議、御意見を賜りたいと存じます。なお、総括審査でありますので、決算を総括することを踏まえて御意見等をお願いいたします。
川岸委員。
○川岸委員 令和4年度の会計を見て思ったことは、一般会計、それから特別会計、4会計ございますけれども、それが約20億4,000万円ということで黒字決算だなということ。それからまた、起債の残高も非常に下がってきたということで、2017年ですか、平成29年から減少して、今、213億円という起債残高になっているということ。また、一般会計はじめ、財務指標の内容を見ても非常に改善しているなと思います。
一部経常収支比率で、前年度よりも1.4ポイント高くなり、92.1%というような指標も出ておりますけれども、財政力指数、標準財政規模あるいは実質赤字比率、実質公債比率等を見ましても、若干の高めの傾向にはあるけれども、改善しているなと私は高く評価しているところでございます。
そこで、私のほうでちょっと心配になることが2点ありますので、質問をしてみたいなと思っております。
令和4年度の歳入状況を見まして、今後の歳入の確保に向けた支出についてお伺いをしたいなと思っています。
本市の市税収入は70億4,510万円と前年度より固定資産税の増加により、2億105万円、率にして2.9%増加したところでありますけれども、市税の収納率は前年度に比べて0.1ポイント低下しているところでございます。
そこで、問題とするのは不納欠損額、前年度よりも327万円、率では37.5%増の1,198万円となっている状況にあります。それから、収入未済額についても前年度よりも率で177.6%、10億2,663万円増の16億4,474万円となっている。この内容については、国、県の支出金でありますからそれはそれとして、残りは市税であります。市税の過去の収納率からも、その収入未済額を確保すべきじゃないかなと、解消に努めるべきじゃないかと思いますけれども、これは一般会計ばかりじゃなくて特別会計、企業会計においても滞納額が発生しているところであります。
そこで、新型コロナウイルスの感染症の影響があったというものの、今後も円安物価高、原油高の影響により市税の減少が見込まれると思っておりますので、税の公平性の観点から不納欠損額等についてやっぱり解消を図っていく、対策を図っていく必要があるのではないかなと思うわけですけれども、これらのいろんな要因があったと思います。その要因も含めて、この市税の収納に当たっての対応方針等お聞かせいただければ、今後、引き続き収納率の向上に向けて取り組んでいただきたいなと思うわけです。
ということで、市税の収入について今後どのように図られていくのか。そういったことも含めて説明方よろしくお願いしたいと思います。
○山田委員長 島田企画総務部長。
○島田企画総務部長 お答えの前に少し、収納率について補足をさせていただきたいと思います。
収納率94.7%というのは、昨年と比べて確かに0.1ポイント低下をいたしましたけれども、この率は、理由としてコロナ禍であるとか、物価高騰などの厳しい状況の中でこういう数字だということで、収納率の落ち込みを最小限に抑えたものだということで、合併後でこれは4番目の数値でありまして、現年度に限っては県内の市で3番目ということで、担当課において収納率向上に努力していることを御理解いただきたいと思っています。
加えまして、不納欠損の話も出ましたけど、これは、税についてはほとんど昨年と変わらない数字でございますけど、これは、福祉関係の障がい通所施設の破産に伴って、給付金の返還金が不納欠損になったものがあるということでこれだけが増加したということでございます。
その上で、収納率の向上に向けてということでございます。引き続き、法令に基づきまして滞納処分を確実に実施していくことで、これまでの訪問によるお願い型から、差押えなど滞納処分を中心とした調査、処分型に転換し、徴収強化を図ることで対応してまいりたいと考えております。
一方で、低所得者や失業など生活に困窮されている方など、やむを得ず滞納されている方に対しては、無理のない分納を含めた納付相談を行うなど、納税者に寄り添った対応を取りまして、適切に納付が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
○山田委員長 川岸委員。
○川岸委員 ただ、前年までの滞納していた分、こういう方は翌年不納欠損となって増えてきているということがこの表からうかがえるんですけれども、特に滞納について、やはり積極的に解消に向けてやっていかなければならないんじゃないかなと思うわけですけれども、そこについてどうでしょうか。
○山田委員長 島田企画総務部長。
○島田企画総務部長 不納欠損については、執行停止3年を基に、収納することができない方に対して法令に基づいて対応しているということであります。
税の考え方といたしましては、基本的には新たな未収金を極力発生させないということが一つ。そして、既存未収金を解消していくという、この2つを大きな柱として、引き続き滞納繰越が発生しないよう努めてまいりたいと考えております。
○山田委員長 川岸委員。
○川岸委員 そういう意味で、不納欠損等解消に向けて取り組んでいただきたいということをお願いしているわけです。年々これがちょっと増えてきている状況にあるものですから、非常に不安に思うところです。よろしくお願いしたいと思います。
それでは、今後の市の財政等についてお伺いしたいと思います。
今後、市の財政というのは人口減少等により、一般財源の大幅な増加は期待できないと思うわけですけれども、そういった中で、社会保障費あるいは公共施設の改修に伴う経費の需要が今後見込まれると思うわけです。そして、こういった状況を踏まえて、これからのさらなる計画的な財政運営に努めていかなければならないと考えるわけですけれども、今後の基金、それから市債の活用をはじめ、各財政手法をにらんでどのような指針の下に持続可能な市の財政運営に努められるのか、市長の見解をお伺いしたいと思います。
財政指標は令和3年度とあまり変わらない状況であります。今後留意していかなければならないんですけれども、今後の指針といいますか、これについて市長の見解をお尋ねしたいと思います。
○山田委員長 夏野市長。
○夏野市長 今のお尋ねの件ですけど、歳入歳出両方含めてお話ししたいと思いますが、歳入は、確かに人口も増えないということですが、一方で所得はどうかというと、必ずしも全般的に見て下がっているわけではないです。
国税も、ここ数年予算オーバーをかなりしていまして、国のほうの財源的なもの、いわゆるメディアが言う景気感と現実の税収を見たときに必ずしも合っていないんです。ですから、そういった意味で、人も減るし、みんな生活が厳しくなるから税も減るんだというのは分かりやすいロジックですけど、それが正しいかということはファクトチェックをしなくちゃいけないと思っています。
それともう一つは、一般財源は御承知のとおり地方税がもちろんメインですけれども、地方交付税というのがあります。これは裏腹の関係でして、基本的には、国もここ数年間は、一般財源は前年を下回らないようにするということを地方財政対策でも、それから、いわゆる骨太の方針等でもはっきり明言をしています。ですから、万が一税が減っても交付税が補塡すると。その交付税の補塡の中で、国が例えば交付税特会から、交付税特会が借金をして出したり、臨時財政対策債などちょっと不健全な形で出してくる可能性はありますが、出口ベースで見たときに、地方自治体の運営にどうかなるかということをもしやれば、昔の2016年ショックでしたか、3割カットするという小泉政権のときにあった、あんなことをやったらどうなるかということは国ももう嫌ほど分かっていますので、そういったようなことはあまり想定できないのではないかなと思っています。ですから一般財源のベースは基本的にあると。
あと、特定財源については、これは事業をやるかやらないかによって全然違うので、よく一般財源比率が下がったから何とかと言う人がいますけど、全く不勉強のそのままでありまして、大きな補助事業をやれば当然特定財源比率は高くなるわけですから、トータルとしてその中でどれだけのお金を確保して、どれだけのお金が特定ひもづけで出ていったかと考えれば、そんなに大きなことはないだろうと思っています。
あと一方で、そうは言いながらも、明るい未来がずっとあるというわけではもちろんないので、財政調整基金など基金も調整をしてつくっていかないといかんということですが、砺波市の場合は、実は起債については、例えば2割程度を超えたらやばいよって書いてあるんですけど、どれぐらい貯金を持っていたらいいのかという基準ははっきりないんです。
でも逆に言うと、借金の反対側で考えたら2割ぐらいの貯金は持っておくべきだろうということでやっていきますと、我々のほうはかなり安定した形でやっておりますし、さすがにコロナ禍で財政調整基金は少し崩さないといけないかなと思いましたけれども、基本的には財政調整基金を取り崩さず、ほかの目的基金、それから繰越金とかで措置できたのはよかったなと思っていますし、また、ある意味、国はかなりこの新型コロナウイルス感染症については地方財政を守ってくれたなと思っています。そういった意味では、新型コロナウイルス感染症で駄目になった自治体というのはニュースでも聞いたことがありませんので、例えば一昨年、例の50億円ぐらいありましたね、あの交付金10万円出したやつなんかね。あれも結局自治体はほとんど腹は傷んでいないんです。そういった意味では、今回財政的なものについては、国が地方財政対策は結構してくれたのかなと思うことはあります。
それから、支出のほうでは、これから大きなものというとやっぱりこの庁舎の問題があります。それから砺波市文化会館の大規模改修、それから庄西中学校の大規模改修。二桁億になるものが少なくともこの3つはありますし、そのほかにも幾つか傷んできているものもあります。
一方で、公共施設再編計画などで、やはりいろんな形で、公共施設で目的をある程度統合してできるものはしていったり、維持管理について工夫をしたりということもやっていって、抑えていく必要もあるかなと思っています。そういったことも含めてトータルで対応していくということが必要かなと思います。
最近、ザイム真理教というのがあるそうです。とにかく財政指標をよくしなくちゃいかん、基本的にプライマリーバランスをよくするんだということをまず第一に挙げるという考え方があるそうですけど、私はそれも必要かと思いますが、一方で、どんどん出していっていいというものではないという。ですからそういう考えで、その両方の考え方を、二兎追うというのをよく言っていますが、二兎追うと大体失敗するんですけど、これについてはどの自治体の方もそう思っているのではないかなと思います。
よっぽど地域が疲弊していて、もう市町村の財政出動もしなければいけないというところはそんなわけにはいかないと思いますが、富山県内の15市町村を見ていて、そういうところはないと思っていますので、ある程度節度を持った形で運営すればいいのかなと思っています。
それから質問の関係。
決算委員会の中で質問があって、標準的な財政の、いわゆる標準会計ですね。あれのベースは何かというと、基本的には複式でやろうということなんですね。複式でやるというのは、要するに役所が単式簿記なので、ストックとフローが分からないということでああいうことを考えたんですけど、現実的に根本的に勘違いしてほしくないのは、自治体はもうけるためにやっているわけじゃないです。ですから、例えばストック指標で、例えば庁舎。これ幾らですか。庁舎はまだ売れるかもしれませんが、道路、売れますか。そんなことあるんで、あんまりあんなものに期待されては駄目だと思います。
あれは、私、個人的に言うと公営財団、公益法人ですね。例えば財団法人とか社団法人とか。こういうのは、場合によっては財産を全部なくしてチャラにするということも考えられますが、自治体はあり得ないので、あれにあんまり肯定して、これの指標がどうだこうだという議論するのはちょっとどうかなと思います。
そんなことも含めて、財政指標は地方債の話をよく言われますが、地方債も適正な形で管理できているなと思っていますし、経常収支比率はやっぱり分母の関係がありまして、やっぱり分子、分母の関係なので分母がちょっと落ちちゃうと、同じことをやっていても率が上がってしまうということがあります。ただ、一般的に言うと、若干高めかなと思いますので、多分皆さん方の健康診断の結果と一緒ぐらいかなと思っていますので、入院は必要ないけれどもちょっと米印をつけておくよというぐらいかなと思っていますので、これからも注意してやっていきたいと思っています。
一方で、それを補うためにもいろんな施策を打っておりますが、それについても、大体打ち出したものは成果が上がってきているのかな、もしくは上がりつつあるのかなと思っていますので、これからもそういった方針を忘れずにしっかり取り組んでいきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
○山田委員長 川岸委員。
○川岸委員 今後も砺波市の発展のために、財政の健全化に向けて一生懸命努力していきたいと私のほうも考えておりますので、どうぞよろしく御協力方、お願いをいたします。私からは総括としての質問を終わります。
○山田委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○山田委員長 御意見等が出尽くしたようでありますので、これをもちまして質疑を終結いたします。
これより、当委員会に付託されました議案第79号 令和4年度砺波市水道事業会計未処分利益剰余金の処分についてから議案第81号 令和4年度砺波市下水道事業会計未処分利益剰余金の処分について及び認定第1号 令和4年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定についてから認定第9号 令和4年度砺波市病院事業会計決算認定についてまでを一括して採決いたします。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田委員長 御異議なしと認めます。
お諮りいたします。議案第79号 令和4年度砺波市水道事業会計未処分利益剰余金の処分について、議案第80号 令和4年度砺波市工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分について、議案第81号 令和4年度砺波市下水道事業会計未処分利益剰余金の処分について、認定第1号 令和4年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定について、認定第2号 令和4年度砺波市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算認定について、認定第3号 令和4年度砺波市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算認定について、認定第4号 令和4年度砺波市霊苑事業特別会計歳入歳出決算認定について、認定第5号 令和4年度砺波市工業団地造成事業特別会計歳入歳出決算認定について、認定第6号 令和4年度砺波市水道事業会計決算認定について、認定第7号 令和4年度砺波市工業用水道事業会計決算認定について、認定第8号 令和4年度砺波市下水道事業会計決算認定について、認定第9号 令和4年度砺波市病院事業会計決算認定について、以上、議案3件及び認定9件について、原案のとおり可決または認定することに賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
○山田委員長 挙手全員であります。よって、議案3件及び認定9件は、原案のとおり可決または認定することに決しました。
以上で、付託案件の審査は終了いたしました。
お諮りいたします。本委員会の審査経過と結果報告の作成については、委員長に一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山田委員長 御異議がないようですから、そのように決定させていただきます。
最後に、市長から御挨拶がございます。
夏野市長。
○夏野市長 砺波市議会の決算特別委員会の閉会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
今ほどは、令和5年の8月議会に提案いたしました令和4年度の砺波市一般会計をはじめ、各会計の決算、それから関連する議案につきまして、この委員会のほうで、認定、可決をいただきまして、誠にありがとうございました。
今回は8月議会の会期中に決算特別委員会を開催するということで、若干ふだんとスケジュールが違ったかもしれませんが、このことによりまして、本会議で可決、認定いただければ決算が早く確定するということで、その点についても大変ありがたいと思っております。いずれにしても、こういうような形で令和4年度の決算につきまして、認定、可決いただきますこと、ありがたく存じております。
また、いろいろと審査の過程でいただいた御意見、御質問等も私のほうで把握しておりますので、またそういった中で、今後の政策にも生かしていったり、また、御説明がさらに必要なものについては説明をさせていただきたいと思っております。
いずれにいたしましても、長い期間に当たりまして、決算で全ての市の行政につきまして目を通していただきましてありがとうございました。ぜひ、本会議のほうでも可決をいただきますようお願い申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。
○山田委員長 以上をもちまして、決算特別委員会を閉会いたします。
4日間にわたる審査、御苦労さまでございました。
午前10時24分 閉会
砺波市議会委員会条例第29条第1項の規定により署名する。
砺波市議会決算特別委員会
委員長 山 田 順 子