令和6年8月 決算特別委員会 定例会 3日目 本文

1.会議の経過
 午前10時00分 開議

(8月定例会付託案件の審査)
○有若委員長 ただいまから、決算特別委員会を再開いたします。
 それでは、総括審査として、審議、御意見を賜りたいと思います。
 それでは、どうぞ。
 川岸委員。
○川岸委員 私からは、財政状況と経常収支比率について、若干質問をしたいと思っております。
 経常収支比率については、皆様御存じのとおり、財政構造の弾力性を示す、判断する指標でありますけれども、地方公共団体の経済的経費、要するに経常的経費、義務的経費とも言われる扶助費、人件費、公債費、あるいは物件費、維持費、補修費、補助費のうちの臨時的なものを除いた経費と言われる経常的一般財源が、どれだけ充当されたかを示す割合でありますけれども、この指標ですけれども、一般的には比率が高いほど経常的に余裕財源が少ないと、それから、財政が硬直化していると言われているわけでございますけれども、私も過去の中で、令和3年だったと思いますけれども、そのときに監査意見書の中に出てきたことは、75%程度に収まることが適当であると、そして、80%を超える場合には、その財政構造は弾力を失いつつあると考えられると書かれていたと記憶しているわけですけれども、過去の本市の経常収支比率ですけれども、令和元年に86.8%、それから、令和2年には88.6%、それから、令和3年には90.6%、令和4年には92%、令和5年には92.7%と、富山県の各自治体の令和4年度のこの比率を見てみますと、大体80%から92.7%と収まっていたわけですけれども、平均を見ますと87.3%となっておりますけれども、このように経常収支比率ですけれども、地方交付税、贈与税、交付税などの経常的な一般的財源が、どの程度経常的な経費に充てられているかを示す指標でもありますし、財政硬直化度を示す物差しともなっておりますので、この決算委員会でも佐野代表監査委員からも指摘があったとおりでございますけれども、やはり黒字の場合においても経常比率が0.7ポイント増加し、92.7%となっているということですが、この経常収支比率改善に向けて、今どのように考えているのか当局の説明を聞きたいと思います。改善に向けてどのようになっているかということです。
○有若委員長 島田企画総務部長。
○島田企画総務部長 経常収支比率は年々上昇傾向にございます。ただ、県内では高いほうかもしれませんけれども、全国の自治体の平均に比べると常に下回っている状況でございます。本市の財政の弾力性が取り立てて失われていると考えておりませんで、上昇傾向にあることは十分留意をしながら、今後の財政運営には当たっていきたいと考えているところでございます。
 そこで、今ほどの質問、指標の改善についてということでございます。
 この指標の持つ分母に当たる歳出面でございますけれども、これについては行財政改革などを推進しまして、特にDX化による働き方改革やペーパーレス化、また、照明のLED化、そして、公共施設の再編などでありまして、住民サービスの向上に配慮しながらも経常経費の削減に努めてまいりたいと考えております。
 また、この分子に当たる歳入の面でございますけれども、第2次砺波市総合計画の「10WAVEプロジェクト」にもありますように、企業誘致を推進していくこと、また、となみ暮らし応援プロジェクトによる移住定住対策によりまして、人口減少を抑制することで税収の確保を図りまして、この指標の改善に努めてまいりたいと考えております。
○有若委員長 川岸委員。
○川岸委員 最近の傾向を見ますと、経常収支比率がやっぱり高めに、各自治体高くなっているんですけれども、これを抑えるように、何か財政の弾力化に向けて進んでいただきたいなというのは私の希望でもございます。
 それで、2点目ですけれども、これから予算編成に当たるわけですけれども、やっぱり義務費と言われる人件費、扶助費などの増加が見込まれるものですから、歳入面での対策といいますか、やはり考えていかなければならないと思うんですけれども、これについて、歳入面での考えといいますか、今、高いんですけれども、どのようにしていくのかということもお示しいただければありがたいなと思っております。
○有若委員長 島田企画総務部長。
○島田企画総務部長 今ほどの質問は、予算編成に当たって歳入面の対策ということでございますか。
 税額を一遍に上げるというのはなかなか難しいわけですけれども、税収の収納率を上げていくということは当然でございますけれども、加えてアンテナを高く情報収集をしまして、事業の実施に当たって、適切な国や県の補助金の充当に努めていくこと、また、交付税などを措置されます有利な起債や、今回の質問でございましたけど、ふるさと納税やクラウドファンディングなどを活用いたしまして、財源確保の取組を進めてまいりたいと考えております。
○有若委員長 川岸委員。
○川岸委員 そういうことを含めて、予算編成に当たって大変厳しいものが出てくると思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思っております。
 それで、さきの決算特別委員会、9月11日ですか。佐野代表監査委員からも御指摘があったわけですけれども、今後、やっぱり社会保障関係費や庁舎整備をはじめとする公共施設の改修、改善に係る財政需要が見込まれるもんですから、財政の影響ってものをどのように考えておられるか。なるべく影響のないように、ひとつやってほしいということでございます。
 私からはそういうことを含めて、経常収支比率ですけれども、なるべく縮小するようにひとつお願いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○有若委員長 夏野市長。
○夏野市長 今ほどの川岸委員の御質問ですけど、経常収支比率ばかり言っておられるけど、ほんの一部なので。75%というのは、昔、ものの本に書いてあったことは覚えていますが、もうほとんど不可能な話です。千幾つある自治体で75%以下のところなんてのは不交付団体とか特別なところしかないわけで、80%から90%というのは当然です。というのは何でかというと、それだけ財政制度が絞られているから。自由度がもともとないわけですよね。だからそういった中でどこまでやるか。
 それから、さっき島田企画総務部長も言いましたけど、税を増やしたら一般財源が増えるかというと、税を増やしたら交付税、減るんですよね。だから、トータルの一般財源というのは、大体うちぐらいに標準財政規模が二百数十億円のところだったらどれぐらいかってのは、大体ほぼ変わらない。
 一方で、出るほうは、今まで人件費は割かし収まっていたんですけど、会計年度職員の問題ですとか、それから今回の時給改正の問題とかありまして物すごい伸びになりました。これは、世の中として必要なことですから当然やっていくことなんですが、人件費について、今まで割と低めに推移していたものが、これからは上がっていくということ。扶助費は言わずもがなです。これからどんどん増えていきます。
 地方債、公債費のほうは、割かし頑張って減らしてきたんですが、この後、庁舎、その他のものが増えますから一定程度は増えるのは間違いない。そうなると、経常収支比率を改善しろなんて、それ無理です。ものの本に書いてあることを言ったって駄目です。現実的にどうマネジメントするかってことが大事なわけで、何回もよく言いますけど、健康診断で黄色ついていても元気ならいいんですよね。あまり言ったら健康センターに叱られますけど。
 やっぱりそこら辺の問題で、やっぱり「角を矯めて牛を殺す」みたいな財政運営は、私はしたくないと思っていますので、指標はもちろん注意はしていきますけど、指標がどうだからどうこうという話は違うと思います。
 少なくても庁舎については、頑張って庁舎基金、それから、合併のときの基金とか合わせて20億円余り、何とか頑張ってためてきました。しかし、こんなことを言うとあれですけど、70円とか80円のものを買うのに、まだ20円しかたまっていないという状態なわけですから、当然その残りは地方債になるということです。
 新しい庁舎についても、例えば、SDGsだとかDXとか、いろんなものの支援メニューがあるので、普通、庁舎には支援メニューはないんですけど、そういったものを今、担当のほうでいろんな工夫をして、そういった財源も入れようということで少しでも地方債のほうを減らしていこうと思ってます。
 ただ、一般的に、どうしてもこれから中学校再編ですとか、幾つかのものを考えていくと、地方債が増えるのは仕方がないところなので、よく、よく分かっていないマスコミが「このまちの今年の予算を家計に例えると」と言いますけど、あれがまた大間違いだと私は思っています。
 分かりやすいように見えますけど、実は全く違ったところがあります。例えば、私が家を建てるときに、リレーローンってのがありますけど、息子や娘に、孫に住宅ローン、残しませんよね。できるだけ自分たちでやりますよね。でも、こういった公共施設のところはそうじゃないんですよ。世代間で公平に負担していこうということで考えているわけで、そういったことについては家計に例えるのは間違いだと思いますが、いずれにしても何を言いたいかというと、指標にあまりこだわらないで、川岸委員は指標が大好きですけど、トータルとしてどんな施策が進んでいて、それに財政制度で破綻していないかいうところを見ていくことが大事だと思います。
 私も決算統計とかやっていたことがありますが、あれはやっぱり1つの指標にしかなりません。ですから、あまりそこにこだわらないでほしいなと思いますので、経常収支比率、もうほとんど余裕はないです、そういった意味では。でも、マネジメントができているんですよね。ですから、やはり指標は指標だという。もちろん参考にはしなくちゃいけませんけど、それをあまり殊さらに、上げてどうのこうのというそういったレベルではないということを御理解いただきたいと思います。
 先ほど島田企画総務部長が言いましたように、砺波市が頑張っていろんな補助を取ってきたり、それから起債があるときにも、単純な起債ではなくて交付税措置があるものを選んだりとか、かなりいろんな知恵を出して頑張っています。そういったことを積み上げていくことが少しでも課税につながると思いますが、一方で、一般財源トータルが変わらない中で、こういったものが増えていくということについては、一自治体の努力だけでは済まないということであります。
 千幾つもありますから、砺波市より先に潰れる自治体は600あると思うので、その間に世の中は変わると思っていますので、少しでも長い間、水上に顔を出しておけばお助け船が来るだろうと。そうしないと、日本の国、もたないはずですから。その間、少しでも長く、首を出して息をしていけるように頑張っていきますので、ぜひそういった御理解もいただければと思います。よろしくお願いします。
○有若委員長 ほかに意見はございますか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○有若委員長 ないようでございますので、これをもちまして質疑を終結いたします。
 これより、当委員会に付託されました議案第49号 令和5年度砺波市水道事業会計未処分利益剰余金の処分についてから議案第51号 令和5年度砺波市下水道事業会計未処分利益剰余金の処分について及び認定第1号 令和5年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定についてから認定第9号 令和5年度砺波市病院事業会計決算認定についてまでを一括して採決をいたします。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○有若委員長 御異議なしと認めます。
 お諮りいたします。議案第49号 令和5年度砺波市水道事業会計未処分利益剰余金の処分について、議案第50号 令和5年度砺波市工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分について、議案第51号 令和5年度砺波市下水道事業会計未処分利益剰余金の処分について、認定第1号 令和5年度砺波市一般会計歳入歳出決算認定について、認定第2号 令和5年度砺波市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算認定について、認定第3号 令和5年度砺波市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算認定について、認定第4号 令和5年度砺波市霊苑事業特別会計歳入歳出決算認定について、認定第5号 令和5年度砺波市工業団地造成事業特別会計歳入歳出決算認定について、認定第6号 令和5年度砺波市水道事業会計決算認定について、認定第7号 令和5年度砺波市工業用水道事業会計決算認定について、認定第8号 令和5年度砺波市下水道事業会計決算認定について、認定第9号 令和5年度砺波市病院事業会計決算認定について、以上、議案3件及び認定9件について、原案のとおり可決または認定することに賛成の諸君の挙手を求めます。
 〔賛成者挙手〕
○有若委員長 挙手全員であります。よって、議案3件及び認定9件は、原案のとおり可決または認定することに決しました。
 以上で、付託案件の審査は終了いたしました。
 お諮りいたします。本委員会の審査経過と結果報告の作成については、委員長に一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○有若委員長 御異議がないようですから、そのように決定をさせていただきます。
 最後に、夏野市長から御挨拶があります。
 夏野市長。
○夏野市長 どうもお疲れさまでした。砺波市議会の決算特別委員会の閉会に当たりまして、一言申し上げたいと思います。
 令和6年8月の砺波市議会定例会に提案いたしました令和5年度の砺波市一般会計をはじめ、各会計の決算及び関連議案につきましては、付託を受けられました本決算特別委員会において慎重審査の上、今ほど、それぞれ認定等をいただきまして、誠にありがとうございました。
 今後、本会議での採決の運びとなりますが、委員各位には本会議におきましても、当委員会の議決に沿って、それぞれ認定等いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。なお、審査の過程において委員各位からいただきました御意見や御提案なども参考にしながら、今後とも適正かつ効率的な予算執行に努めてまいります。
 結びになりますが、委員各位及び関係の皆さんにお礼を申し上げまして、閉会に当たりましての御礼と御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○有若委員長 以上をもちまして、決算特別委員会を閉会いたします。
 3日間にわたる審査、大変御苦労さまでございました。

 午前10時19分 閉会

  砺波市議会委員会条例第29条第1項の規定により署名する。

砺波市議会決算特別委員会

   委員長   有 若   隆